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健康(その27)(命を縮める睡眠時無呼吸症候群 「たかがいびき」と侮れない理由と最新治療法、炭水化物を減らしてタンパク質モリモリ…こんなダイエットが体に良いとは言い切れない理由、生島ヒロシさん73歳「筋トレがピンチを救った」 ラジオ番組を25年続ける「健康の達人」) [生活]

健康については、本年9月20日に取上げた。今日は、(その27)(命を縮める睡眠時無呼吸症候群 「たかがいびき」と侮れない理由と最新治療法、炭水化物を減らしてタンパク質モリモリ…こんなダイエットが体に良いとは言い切れない理由、生島ヒロシさん73歳「筋トレがピンチを救った」 ラジオ番組を25年続ける「健康の達人」)である。

先ずは、10月14日付けダイヤモンド・オンラインが掲載した医療ライターの福島安紀氏による順天堂大学医学部附属順天堂医院睡眠・呼吸障害センター長の葛西隆敏氏へのインタビュー「命を縮める睡眠時無呼吸症候群、「たかがいびき」と侮れない理由と最新治療法」を紹介しよう。
https://diamond.jp/articles/-/330249
・『「いびきがひどい」「睡眠中に息が止まっている!と言われたことがある」「日中に耐え難い眠気がある」……。そんな症状に心当たりがある人は、睡眠時無呼吸症候群かもしれない。放置している人は少なくないが、仕事のパフォーマンスを低下させるばかりか、突然死の原因にもなる病気であることをご存知だろうか。職場や家庭での信頼と命を守るためにも知っておきたい睡眠時無呼吸症候群のリスクと最新治療について、専門医に話を聞いた。これを読めば、高いびきをかいて眠るのが怖くなるはずだ。(取材・文/医療ライター 福島安紀)』、「仕事のパフォーマンスを低下させるばかりか、突然死の原因にもなる病」、とは恐ろしい話だ。
・『なぜ太っている人はいびきをかきやすいのか?  睡眠時無呼吸症候群は、睡眠中に無呼吸、あるいは低酸素状態になって、日中に強い眠気を感じたり集中力が低下したりするなど、仕事にも影響が出る病気だ。そもそも、睡眠時の無呼吸はなぜ起こるのだろうか。 「太っていて首や喉の周囲に脂肪がついている人、あるいは、もともと下あごが小さかったり扁桃腺が大きかったりする人は気道が狭く、仰向けになって眠ると、息を吸った時の圧力で舌の付け根の部分が喉の奥に落ち込み、気道が塞がれたり狭くなったりします。この狭い気道を無理に高速の気流が流れるときに生じるのが、いびきです。さらに喉が塞がって気道が確保できなくなると、無呼吸になります」 そう説明するのは、順天堂大学医学部附属順天堂医院睡眠・呼吸障害センター長の葛西隆敏氏。一緒に寝ている人にとって騒音でしかない「いびき」は、この病気の重要なサインというわけだ。 睡眠時無呼吸症候群になると、大事な商談や会議のときに眠ってしまったり、夜中に何度もトイレに行ったり、怒りっぽくなったり性欲が低下する人もいる。このような影響が出るのは、どうしてなのだろうか。 「睡眠中に無呼吸か低呼吸になって酸欠状態になると、その度に脳が覚醒して起きているのに近い状態になって酸素を取り入れようとするので眠りが浅くなります。毎晩その状態を繰り返していると本人は眠っているつもりなのに寝不足になりますし、眠りが浅くなった時に目が覚めてしまったりトイレに行きたくなったりするのです」 睡眠時無呼吸症候群かどうかの診断するためには、専門的な検査で、睡眠中に10秒以上無呼吸か低呼吸になる回数が1時間に何回起こるかを計測する必要がある』、「「太っていて首や喉の周囲に脂肪がついている人、あるいは、もともと下あごが小さかったり扁桃腺が大きかったりする人は気道が狭く、仰向けになって眠ると、息を吸った時の圧力で舌の付け根の部分が喉の奥に落ち込み、気道が塞がれたり狭くなったりします。この狭い気道を無理に高速の気流が流れるときに生じるのが、いびきです」、私は太ってはいないが、「いびき」は時たまかく。
・『睡眠時無呼吸症候群かどうか どうやったらわかる?  「睡眠中に1時間当たり平均5回以上無呼吸か低呼吸になっていることが確認され、日中の眠気や疲労感、睡眠中の息苦しさ、途中で何度も目が覚める、起床時の爽快感がない、集中力の低下などの症状がある場合に、睡眠時無呼吸症候群と診断します。1時間に平均15回以上無呼吸・低呼吸になっている人は中等症、30回以上なら重症の睡眠時無呼吸症候群で治療が必要な状態です」 1時間に15回なら4分ごと、30回なら2分ごとに呼吸が止まったり低酸素状態になったりしているということだ。そんなに頻繁に息が止まっていると考えると恐ろしいが、これを読んでいるあなたにとっても他人事ではないかもしれない。 何しろ日本では、34歳以上の男性の4人に1人、閉経後の女性の10人に1人が、中等症以上の睡眠時無呼吸症候群で治療が必要な状態と推計されている。しかし、適切な治療を受けている人はその10分の1程度で、約9割の人は自分の病気に気づいてないのが実態なのだ。 睡っているときに頻繁に無呼吸になっているかどうかを自分で客観的に判断することは不可能だ。睡眠中に低酸素状態になっているのに気づかず放置していると、なぜ危険なのだろうか』、「34歳以上の男性の4人に1人、閉経後の女性の10人に1人が、中等症以上の睡眠時無呼吸症候群で治療が必要な状態と推計されている。しかし、適切な治療を受けている人はその10分の1程度で、約9割の人は自分の病気に気づいてないのが実態なのだ」、なるほど。
・『自分だけの問題ではない 恐ろしい事故の危険性  「睡眠時無呼吸症候群を放置すると、仕事のパフォーマンスが下がるだけではなく、高血圧や糖尿病などの生活習慣病になり、動脈硬化が進んで、心筋梗塞、不整脈、心不全や脳卒中を発症したり突然死を起こしたりするリスクが高まるからです」 さらに恐ろしいのは、睡眠時無呼吸症候群になると運転中に睡魔に襲われ、交通事故を起こして人の命を奪う危険性もあることだ。日本でこの病気が注目されたのは、2003年にJR山陽新幹線が岡山駅でホームからはみ出して停車し、車掌が見に行くと運転手が眠っていたケースがきっかけだった。 2013年には、関越自動車道でツアーバスの運転手が居眠りして防音壁に追突し、乗客7人が死亡する事故も起こっている。どちらの運転手も事故後に睡眠時無呼吸症候群と診断された。米国の研究では、睡眠時無呼吸症候群の患者が交通事故を起こすリスクはそうではない人に比べて約7倍高く、そのために700億ドルもの経済損失が生じていると試算している。 「適切な治療を受けることで、事故を起こすリスクは減らせますし、高血圧や動脈硬化などが改善し、心臓病や脳卒中で入院したり死亡したりするリスクを軽減することが期待されます」 では、中等症以上の睡眠時無呼吸症候群と診断された場合には、どのような治療が行われるのだろうか』、「睡眠時無呼吸症候群を放置すると、仕事のパフォーマンスが下がるだけではなく、高血圧や糖尿病などの生活習慣病になり、動脈硬化が進んで、心筋梗塞、不整脈、心不全や脳卒中を発症したり突然死を起こしたりするリスクが高まる」、「2013年には、関越自動車道でツアーバスの運転手が居眠りして防音壁に追突し、乗客7人が死亡する事故も起こっている」、「米国の研究では、睡眠時無呼吸症候群の患者が交通事故を起こすリスクはそうではない人に比べて約7倍高」いようだ。
・『肥満なら減量、仰向けは横向き、そしてまず試す治療法は?  「肥満の人には減量を勧めます。横向きに寝ることや、舌の付け根が喉の奥に落ちないように下あごを固定するマウスピースの着用によって、睡眠時に無呼吸になる回数が減る患者さんもいます」 また、中等度から重度の睡眠時無呼吸症候群の患者にとって第一選択となるゴールドスタンダードの治療は、CPAP(シーパップ)療法。 「CPAPは、専用の鼻マスクから空気を持続的に送り込んで気道を広げ、睡眠中の無呼吸を防ぐ装置です。装置自体はコンパクトなので、出張や旅行にも持参できます」 CPAP療法によって、無呼吸・低呼吸やいびきが消失し、日中の眠気や夜間頻尿が軽減する人は多く、高血圧、動脈硬化が改善し心臓病や脳卒中の予防にもつながることがわかっている。睡眠時無呼吸症候群の人にとっては恩恵の大きい治療法だ。 ただ、CPAP療法では鼻マスクが気になって寝付けなかったり、無意識のうちに途中で外してしまったりする人がいるのが難点といわれる。他に選択肢はないのだろうか』、「CPAP療法によって、無呼吸・低呼吸やいびきが消失し、日中の眠気や夜間頻尿が軽減する人は多く、高血圧、動脈硬化が改善し心臓病や脳卒中の予防にもつながることがわかっている。睡眠時無呼吸症候群の人にとっては恩恵の大きい治療法だ」、「ただ、CPAP療法では鼻マスクが気になって寝付けなかったり、無意識のうちに途中で外してしまったりする人がいるのが難点といわれる」、なるほど。
・世界で5万人が受けた満足度95%の治療法  「CPAP療法が継続できない人のために開発されたのが、2021年6月に新たに保険適用になった舌下神経電気刺激療法です。手術で鎖骨の下にパルスジェネレーターと呼ばれる小さな機器を植え込み、本人の呼吸サイクルに合わせて舌下神経に電気刺激を与えて舌の付け根を持ち上げ、気道が塞がらないようにする治療法です」 既に世界15カ国で4万6000人がこの治療を受け、8割の人が無呼吸や日中の眠気が改善し、患者満足度は95%と報告されている。 今のところ舌下神経電気刺激療法の対象となるのは、18歳以上で高度の肥満ではなく(BMI[体重(㎏)÷身長(m)÷身長(m)]が30未満)、CPAP療法の継続が困難などの条件を満たした患者だ。 この治療を受けるには1週間程度の入院が必要になる。それでも、これまでは他に選択肢がなかっただけに、この新治療の登場はCPAPの継続が困難、あるいはCPAPでは効果が得られなかった患者にとっては朗報といえる。 舌下神経電気刺激療法を実施している病院は、この手術に用いる機器を開発したインスパイア・メディカル・システムズ・ジャパンのホームページで調べられる。 心臓病が専門の葛西氏が、睡眠時無呼吸症候群の治療に力を入れるようになったのは、研修医時代に、不整脈を起こして心臓が止まる発作を夜中に頻繁に起こす重度の心不全の入院患者に出会ったのがきっかけという。 「その患者さんは睡眠時無呼吸症候群だったのでその治療をしたところ不整脈の発作が起こらなくなり、心不全が劇的に改善して自宅で日常生活が送れるほど回復されました。睡眠時無呼吸症候群かもしれないと思っている人は、仕事のパフォーマンスの低下を防ぎ、命を縮めないためにも、ぜひ、かかりつけ医や睡眠時無呼吸症候群の治療をしている医療機関を受診し、適切な診断と治療を受けてほしいと思います」 (監修/葛西隆敏 順天堂大学医学部附属順天堂医院睡眠・呼吸障害センター長)』、「舌下神経電気刺激療法の対象となるのは、18歳以上で高度の肥満ではなく(BMI[体重(㎏)÷身長(m)÷身長(m)]が30未満)、CPAP療法の継続が困難などの条件を満たした患者だ。 この治療を受けるには1週間程度の入院が必要になる。それでも、これまでは他に選択肢がなかっただけに、この新治療の登場はCPAPの継続が困難、あるいはCPAPでは効果が得られなかった患者にとっては朗報といえる」、「世界で5万人が受けた満足度95%の治療法」、なるほど。

次に、10月14日付けダイヤモンド・オンラインが掲載したシドニー大学生命環境科学部栄養生態学教授のデイヴィッド・ローベンハイマー氏とシドニー大学生命環境科学部教授のスティーヴン・J・シンプソン氏による「炭水化物を減らしてタンパク質モリモリ…こんなダイエットが体に良いとは言い切れない理由」を紹介しよう。
https://diamond.jp/articles/-/328756
・『タンパク質の摂りすぎは早死にを招く?肥満は実は健康に悪いわけではない?シドニー大学の世界的栄養学者2人が、マウス数百匹を使った5年におよぶ実験で明らかにした、食事が寿命と健康に与える直接的影響とは――!?本稿は、デイヴィッド・ローベンハイマー、スティーヴン・J・シンプソン『食欲人』(サンマーク出版)の一部を抜粋・編集したものです』、興味深そうだ。
・『生物の老化は食事で調整可能!  読者の中には、すでに「テロメア」をご存じの人もいるだろう。寿命を延ばし老化を遅らせる役割を担うことから、テロメアはしばらく前から人気と名声を博している。 テロメアとは染色体の末端にあるキャップ状の構造で、細胞複製に欠かせない重要な要素が細胞分裂時にほつれてしまうのを防いでいる。 加齢とともに、傷ついて古くなった細胞の入れ替えが何度もくり返されるうちに、テロメアはどんどん短くなり、ついには染色体の末端部分が露出し、細胞分裂の際に複製エラーを犯すようになる。 やがてエラーが蓄積して、様々な組織や器官の老化を引き起こすのだ。 寿命をマッピングしたグラフをもとに、次の予測を立てることができた。 もし私たちが発見した餌に対する反応のパターンが、その根底にある老化の生物学的機構の違いから生じているのなら、マウスのテロメアの長さのマップの基本的な形状は、寿命のマップと同じになるはずだ。 ではどうだったのか? 低タンパク質/高炭水化物食のマウスは、テロメアがより長く、より長生きした。高タンパク質/低炭水化物食のマウスは、テロメアと寿命がより短かった。 思ったとおりだ――この結果は、テロメアに関する一般常識(長いほどよい)を裏づけるとともに、低タンパク質と高炭水化物の組み合わせが長寿をもたらすという私たちの予想とも一致していた。 続いて、主要栄養素の摂取バランスと、ほかの老化を計るマーカー(指標)、たとえば免疫機能、主要な栄養シグナル経路の活性度、ミトコンドリア機能などとの関係を測定した。 これらのパターンはすべて一致した。つまり、食餌を利用して、老化の基本的な生物学的プロセスを強めたり弱めたりできる可能性があるということだ。 もし本当ならすごいことになる。 ヒト(やマウス、ハエ、それにイースト細胞)の生理的機構の中心には、2つの対立する生化学的経路がある。これらの経路は、すべての動物のまったく異なる2つの生命の「成果」を導いている。 1つ目を「長寿経路」――わかりやすくいうと「状況が好転するまで身を潜めてじっと待て」経路――もう1つを「成長・繁殖経路」――「チャンスを逃すな、あとは野となれ山となれ」経路――と呼ぼう。 重要な点として、これら2つのシステムは互いに抑制し合う関係にある。 一方が機能しているときは、もう一方は機能しない。食料と栄養が不足すると、長寿経路が作動し、成長・繁殖経路は停止する。細胞とDNAの修復・維持システムが活性化し、いつか世界が変化して食料が豊富になり、繁殖という進化上の目的を果たせるようになるまでの間、動物の健康を維持する。) いつまで続くかわからない期間を、この状態で待機する。世界が変化せず、成長・繁殖経路への切り替えに必要な栄養が不足した状態が続けば、動物は子孫をもたないまま長い一生を送ることになる』、「テロメアとは染色体の末端にあるキャップ状の構造で、細胞複製に欠かせない重要な要素が細胞分裂時にほつれてしまうのを防いでいる。 加齢とともに、傷ついて古くなった細胞の入れ替えが何度もくり返されるうちに、テロメアはどんどん短くなり、ついには染色体の末端部分が露出し、細胞分裂の際に複製エラーを犯すようになる。 やがてエラーが蓄積して、様々な組織や器官の老化を引き起こすのだ・・・低タンパク質/高炭水化物食のマウスは、テロメアがより長く、より長生きした。高タンパク質/低炭水化物食のマウスは、テロメアと寿命がより短かった。 思ったとおりだ――この結果は、テロメアに関する一般常識(長いほどよい)を裏づけるとともに、低タンパク質と高炭水化物の組み合わせが長寿をもたらすという私たちの予想とも一致していた」、なるほど。「ヒト・・・の生理的機構の中心には、2つの対立する生化学的経路がある。これらの経路は、すべての動物のまったく異なる2つの生命の「成果」を導いている。 1つ目を「長寿経路」――わかりやすくいうと「状況が好転するまで身を潜めてじっと待て」経路――もう1つを「成長・繁殖経路」――「チャンスを逃すな、あとは野となれ山となれ」経路――と呼ぼう。 重要な点として、これら2つのシステムは互いに抑制し合う関係にある。 一方が機能しているときは、もう一方は機能しない。食料と栄養が不足すると、長寿経路が作動し、成長・繁殖経路は停止する。細胞とDNAの修復・維持システムが活性化し、いつか世界が変化して食料が豊富になり、繁殖という進化上の目的を果たせるようになるまでの間、動物の健康を維持する」、よく出来た仕組みだ。
・『長生きに効く「断食」という手法  だが食料が豊富で十分なタンパク質が得られるときには、長寿経路は停止し、成長・繁殖経路が作動する。 体は新しい細胞をつくり始めるが、それとともにDNAや細胞、組織を損傷や摩耗から保護し修復するシステムの「ダイヤル」を弱める。細胞は必要なタンパク質を生成する際にエラーを起こすようになり、異常な折りたたみ構造のタンパク質やそのほかの細胞のゴミが蓄積され、細胞分裂時のエラーの頻度が高まる。 こうした問題は、動物が生存し、成長していくうえで避けられない。呼吸をしないと生きていけないのと同じで、これらを避けることはできない。その結果、がんやそのほかの疾患リスクが高まり、寿命が縮まる可能性がある。 だが進化という観点からすれば、動物が成長し繁殖できる限り、それは容認できる代償ということになる。 低タンパク質/高炭水化物食が長寿経路を作動させ得ることを、このマウス研究は初めて明らかにしたのだ。 ここでカロリー制限の話に戻ろう。 私たちのマウスの実験は、40%のカロリー制限が寿命を延ばすのは、カロリーの摂取量が減るからではないことを示した。より重要なのは主要栄養素のバランスであり、またカロリー摂取を制限しなくても長寿効果が得られることがわかった。 しかし、これらの実験では、マウスに食料への無制限のアクセスを与えた。 つまり割り当てられた特定の餌だけを、いつでも好きなだけ食べることができた。 これは、マウスを使った従来型のカロリー制限研究で用いられてきた実験方法とは異なる。従来型の研究では、動物はカロリー制限食を一度にまとめて与えられ、それを1、2時間で食べ尽くしてしまえば、翌日まで何も食べるものがない。 そしていまや世界中の研究グループによって示されているとおり、そうした状況下で長寿経路を作動させるのは、カロリーを摂取しない時間、すなわち「断食」である。 つまりマウスの長寿経路は、(必ずしも摂取カロリーを減らさずに)炭水化物に対するタンパク質の比率を下げることによって、または断食によって、あるいはこれらの組み合わせによって、作動させることができる。) その後もマウスのデータ解析を続け、食餌のバランスと、老化の生物学だけでなく、私たちの測定した健康のさまざまな「成果」、たとえば耐糖能とインスリン値(これらはヒトの2型糖尿病の指標である)、血圧、コレステロール、炎症マーカーとの関係も調べられることがわかった。これらはどれも、健康診断で調べられるおなじみのマーカーだ。 そしてここでも明らかな関連性が認められた。 低タンパク質/高炭水化物食のマウスは、グルコースが血液から除去されるまでの時間が最も短く(健康的だということ)、LDL(悪玉)コレステロールが最も低かった。 低タンパク質/高炭水化物食で生涯にわたり飼育されたマウスは、最も寿命が長いだけでなく、老化と老後の健康を測るマーカーが最も良好だった。 これは健康で長生きしたい人にとってすばらしい手がかりになりそうな発見である。 だが1つ難点があった。低タンパク質/高炭水化物食のマウスは太っていたのだ』、「低タンパク質/高炭水化物食で生涯にわたり飼育されたマウスは、最も寿命が長いだけでなく、老化と老後の健康を測るマーカーが最も良好だった。 これは健康で長生きしたい人にとってすばらしい手がかりになりそうな発見である。 だが1つ難点があった。低タンパク質/高炭水化物食のマウスは太っていたのだ」、なるほど。
・『肥満は本当に健康に悪いのか?  その理由は、低タンパク質/高炭水化物食のマウスは高タンパク質食のマウスよりも多くのカロリーを摂取したからだ。 脂肪または炭水化物の比率の高い餌だけを食べていると、十分なタンパク質を摂取しようとして食べすぎてしまう。その結果どうなるかはおわかりだろう。 実はこの反応は、ヒトよりマウスのほうが弱いのだが、それでも肥満を起こすには十分だった。 そして重要な点として、エネルギー密度の高い脂肪や炭水化物の代わりに、難消化性の(したがってカロリーゼロの)食物繊維を混ぜてタンパク質を薄めたところ、マウスはそれでも十分なタンパク質を得るためにより多くの餌を摂食し、長生きした。 そして、太らなかったのだ。 しかし、なぜ私たちの体は太るような方法でものを食べさせようとするのだろう?肥満は健康に悪いはずだろう? そうでもあるが、そうでもない。 低タンパク質/高炭水化物食の長寿で健康だが太ったマウスと、低タンパク質/高脂肪食の同じくらい太ったマウスを比較したところ、重要な違いがあった。 後者の集団は寿命が短いうえにかなり不健康だった。つまり、ただ脂肪に対する炭水化物の比率を変えるだけで、比較的良性の肥満か、不健康な肥満をつくり出せる、ということになる。 どちらのケースでも、マウスはより多くのタンパク質を得ようとして食べすぎたが、脂肪の摂取を増やすほうが、炭水化物の摂取を増やすより不健康になった。) そんなわけで、新しい疑問が生まれた。良性の肥満と不健康な肥満の違いはどこから来るのだろう? チャールズ・パーキンス・センターの研究仲間アンドリュー・ホームズとの共同研究で、その手がかりをマウスの結腸に見つけた。低タンパク質/高炭水化物食のマウスは、低タンパク質/高脂肪食のマウスに比べ、腸内により健康的な微生物叢をもっていた。 ほかにも違いがあった――肝臓から放出される「FGF」(繊維芽細胞成長因子)と呼ばれるホルモンの濃度が、低タンパク質/高炭水化物食のマウスは驚くほど高かったのだ。 FGFは、タンパク質欲の制御における重要なシグナルであることがわかっている。FGFはインスリン感受性を改善させ、代謝の健康を促進する効果がある。つまり、血液中のブドウ糖を細胞に取り込むためにインスリンをそれほど生成する必要がなくなる。 またFGFは、過食の状態でエネルギー消費を促す。 これらの要因は、マウスだけでなくヒトにおいても重要な役割を果たしている。ルイジアナ州立大学ペニントン研究所のクリス・モリソンと行った別の実験で、私たちはFGFの濃度が上昇すると、マウスはタンパク質豊富な餌を明確に選択することを明らかにした。 科学の歩みは速いもので、これを執筆している今も、FGFがこれまで見逃されていたタンパク質欲ホルモンであること、またFGFが炭水化物欲のスイッチオフに関与していることを裏づける、いくつかの重要な論文が発表されつつある。このように、肥満は予想以上に複雑だということをマウスは教えてくれた。 単にやせているからといって、健康で長生きできるわけではない。それどころか、 高タンパク質/低炭水化物食のセクシーなやせたマウスは、すべてのマウスの中で最も寿命が短く、見栄えのいい中年の死体になった。なぜなら、高いタンパク質対炭水化物比は、急速な老化に関連する経路を激しく活性化させ、細胞とDNAの修復・維持メカニズムを弱め、老化やがん、そのほか慢性病を促進する比率でもあるからだ。これは望ましい状態とはいえない。 そしてこれはおそらく、マウスに限った話ではない。なにしろ老化と代謝に関する限り、人間はマウスと生物学的に同じなのだ』、「高タンパク質/低炭水化物食のセクシーなやせたマウスは、すべてのマウスの中で最も寿命が短く、見栄えのいい中年の死体になった。なぜなら、高いタンパク質対炭水化物比は、急速な老化に関連する経路を激しく活性化させ、細胞とDNAの修復・維持メカニズムを弱め、老化やがん、そのほか慢性病を促進する比率でもあるからだ。これは望ましい状態とはいえない。 そしてこれはおそらく、マウスに限った話ではない」、なるほど。
・『100歳以上の人口割合が飛び抜けている沖縄の食事  マウスの実験を通して、餌を簡単に操作するだけで、様々な結果を引き起こせることがわかった。 まるでダイヤルをひねるように、これを少し増やしあれを少し減らすだけで、肥満を起こすことも止めることも、筋肉を増やし体脂肪を減らすことも、がんを予防することも促進することも、老化を遅らせることも速めることも、繁殖を促進することも抑制することも、腸内微生物叢を変化させることも、免疫系を起動させることもできるのだ。 私たちはただタンパク質と脂肪、炭水化物のダイヤルをひねるだけで、このすべてを実際にマウスで行った。またその結果をグラフで明確に視覚化して、マウスを健康にするための非常に正確な食餌を提案することができた。 そして原理上は、人間を健康にするための食事も提案できるはずだ。「低タンパク質/高炭水化物食」が、ヒトの長寿と健康をもたらすことを示唆する証拠はあるだろうか? それがあったのだ。「ブルーゾーン」と呼ばれる世界の超長寿地域に暮らすすべての人が、まさにそうした食事を摂っている。ブルーゾーンとは、ダン・ビュイトナーが2008年の著書『ブルーゾーン 世界の100歳人(センテナリアン)に学ぶ健康と長寿のルール』で流行らせた用語だ。 ブルーゾーンの住民の中でおそらく最も有名なのは、日本の沖縄の人々だろう。沖縄は100歳以上の人口割合がほかの先進国平均の5倍である。 サツマイモと葉物野菜を主体に、少量の魚と赤身肉を組み合わせた伝統的な沖縄食は、タンパク質比率がわずか9%(食糧難の地域を除けば世界最低水準)、炭水化物が85%、そして脂肪がわずか6%だ。これは実験の最長寿命のマウスが摂取していた比率にほぼ相当する。 伝統的な沖縄の食事を摂っている人は、肥満とほぼ無縁だった。その理由の1つは、食事の食物繊維含有率が高いからである。 食事に十分な食物繊維が含まれると、カロリーの過剰摂取を駆り立てるタンパク質レバレッジの効果が弱められる。食物繊維は胃で膨潤し、消化速度を遅らせ、腸内微生物の餌になる――これらすべてが組み合わさって、空腹感を抑える効果がある。 この食物繊維の多くが、沖縄の人の主な炭水化物源であるサツマイモや、そのほかの野菜や果物に含まれているのだ。 残念ながら現代の沖縄の人々の食事内容は、伝統食から欧米型に近づきつつあり、それとともに肥満や糖尿病が増えている』、「ブルーゾーンの住民の中でおそらく最も有名なのは、日本の沖縄の人々だろう。沖縄は100歳以上の人口割合がほかの先進国平均の5倍である。 サツマイモと葉物野菜を主体に、少量の魚と赤身肉を組み合わせた伝統的な沖縄食は、タンパク質比率がわずか9%(食糧難の地域を除けば世界最低水準)、炭水化物が85%、そして脂肪がわずか6%だ。これは実験の最長寿命のマウスが摂取していた比率にほぼ相当する。 伝統的な沖縄の食事を摂っている人は、肥満とほぼ無縁だった。その理由の1つは、食事の食物繊維含有率が高いからである・・・残念ながら現代の沖縄の人々の食事内容は、伝統食から欧米型に近づきつつあり、それとともに肥満や糖尿病が増えている」、やはり「沖縄」でも「伝統食から欧米型に近づきつつあり、それとともに肥満や糖尿病が増えている」、のは実に残念なことだ。

第三に、10月24日付け東洋経済オンラインが掲載したライターの堀尾 大悟氏による「生島ヒロシさん73歳「筋トレがピンチを救った」 ラジオ番組を25年続ける「健康の達人」」を紹介しよう。
https://toyokeizai.net/articles/-/709645
・『フリーアナウンサーの生島ヒロシ氏。今年で73歳となる今もアナウンサーとして第一線で活躍し、パーソナリティーを務めるラジオ番組「生島ヒロシのおはよう定食/一直線」(TBSラジオ)は25年を迎えた長寿番組だ。 諏訪中央病院名誉院長・鎌田實氏との共著書である『70歳からの「貯筋」習慣』では、高齢者が長く健康を保つために、体の筋肉を蓄える「貯筋」の大切さを提唱している。ラジオ番組、イベント司会、講演と精力的な活動を続ける健康の達人・生島氏に、その「貯筋」をはじめ、健康を保つ食事や運動などのポイントを聞いた(Qは聞き手の質問、Aは生島氏の回答)』、「体の筋肉を蓄える「貯筋」」とは興味深い考え方だ。
・『朝のラジオ番組が健康のモチベーション  Q:今年で73歳とのことですが、とても70代には見えません!健康を保つ秘訣はなんですか? A:月曜から金曜まで、毎朝5時からラジオ番組の生放送があります。この生放送を全国のリスナーが楽しみにしてくれているので、僕が健康を害して放送を止めてしまってはいけません。それが、健康を維持するモチベーションになっています。 もう1つの秘訣として、このラジオ番組では、さまざまな分野の「名医」といわれる先生方をゲストにお招きしています。そこから知り合いになる先生もたくさんいて、『70歳からの「貯筋」習慣』の共著者の鎌田實先生もその1人。 何か気になることがあると、鎌田先生をはじめその分野の先生に相談しながら、自分に合った健康法を取り入れるようにしています。僕にとっては頭のてっぺんから足のつま先まで“主治医”がいるようなものですね(笑)。) Q:毎朝、生放送があるとのことですが、1日のスケジュールは? A:1日のスケジュールも、この毎日のラジオ番組を軸に組み立てています。朝は3時半~4時に起床してスタジオに行き、放送が終わってから少し仮眠をとって、昼食を食べる。 翌朝が早いので夕食は17時半くらいには済ませ、20時過ぎくらいからお風呂にゆっくり浸かり、ストレッチなど軽い運動をしてから1、2時間後には寝るようにしています。 ただ、その日に大きなニュースがあると、明日の放送のためにテレビのニュース番組などで情報収集しています。やっぱりアナウンサーですから、そこは常に「情報ファースト」ですね』、「朝は3時半~4時に起床してスタジオに行き、放送が終わってから少し仮眠をとって、昼食を食べる。 翌朝が早いので夕食は17時半くらいには済ませ、20時過ぎくらいからお風呂にゆっくり浸かり、ストレッチなど軽い運動をしてから1、2時間後には寝るようにしています」、確かに健康的な毎日だ。
・『肉と魚を1品ずつ「ダブルたん活」  Q:食事面で気をつけていることを教えてください。 A:朝食はほとんどとらず、葛湯や紅茶を飲む程度にしています。朝食をしっかり食べることを提唱する先生もいますが、僕の場合は早朝にラジオの生放送があるのと、もともと胃腸が弱いこともあって、朝を控えめにしたほうが体に合っていますね。 食べることは大好きなのですが、夕食を食べ過ぎてしまうと翌朝に響くので、なるべく控えめにして、金曜日以外は会食もできるだけ入れないようにしています。その代わり、昼食では好きなものを食べています。 また、鎌田先生も言っていますが、なるべく食事の間隔を空けることを意識しています。飢餓状態が16時間続くと「オートファジー」という細胞が若返る効果があるといわれていますが、現実的には仕事をしていると難しいので、僕は12時間を目安にしています。 A:『70歳からの「貯筋」習慣』では、たんぱく質を多くとる「たん活」を提唱しています。 A:妻は僕の健康を気遣ってくれて、夕食の食卓には魚料理と肉料理が1品ずつ並びます。ただ、70代になると若い頃のようにたくさんは食べられないので、プロテインでたんぱく質を補っています。) 「たん活」のほかには、以前に番組のゲストで来た北里大学の糖尿病センター長の山田悟先生から「ゆるやかな糖質制限」を教えていただき、炭水化物の量を減らすことを意識しています。おやつも、血糖値が上がりにくいチョコレートや、オメガ3系脂肪酸が豊富に含まれるナッツ類を選ぶようにしています』、「70歳からの「貯筋」習慣』では、たんぱく質を多くとる「たん活」を提唱しています・・・夕食の食卓には魚料理と肉料理が1品ずつ並びます。ただ、70代になると若い頃のようにたくさんは食べられないので、プロテインでたんぱく質を補っています」、「プロテインでたんぱく質を補っています」とはいささか幻滅だ。
・『3カ月で12キロ痩せたその後  Q:運動についてもお聞きしたいのですが、2015年には「ライザップ」のCMでダイエットに成功したことも話題になりました。 A:2カ月のトレーニングの予定が、撮影が1カ月延びたので3カ月になり、結果としてマイナス12キログラム減を達成しました。いやぁ、こんなに変われるものか!と自分でもビックリしましたね(笑)。 ただ、その後はコロナもあって外出機会が減ってしまい、体重が少し増えてしまいました。その反省もあって、今はラジオ番組が終わった後、週3~4日はジムに行ってプールで泳いだり、水中筋トレをしています。 あと、自宅の近くに「chocoZAP(チョコザップ)」ができたので、妻を誘って散歩がてら立ち寄って、一緒に筋トレをしています。 Q:鎌田先生は「夫婦間でほめ合うことが運動を続けるコツ」と言っていました。 A:いやいや、僕の妻は厳しくて、「あなたに厳しいことを言う人は周りにいないから、私が代表して言ってあげているのよ」と言うような人(笑)。ほめ合うというより、妻に「チョコザップに行こうよ」と背中を押されています。 ただ、最近ではご近所でもご主人が急に倒れたという話や、介護にまつわる話を聞くことが増えました。そのこともあって「お互い、介護保険料は払っても介護されないで済むようにしようね」と励まし合いながら運動を続けています。特に、70歳を過ぎるといちばん怖いのが転倒。つまずいても転ばないよう、自宅でもスクワットやプランク(注)をしています』、「今はラジオ番組が終わった後、週3~4日はジムに行ってプールで泳いだり、水中筋トレをしています。 あと、自宅の近くに「chocoZAP(チョコザップ)」ができたので、妻を誘って散歩がてら立ち寄って、一緒に筋トレをしています」、実に理想的に健康的な生活だ。
(注)プランク:うつ伏せになった状態で前腕・肘・つま先を地面につき、その姿勢をキープする体幹トレーニング(melos media)
タグ:(その27)(命を縮める睡眠時無呼吸症候群 「たかがいびき」と侮れない理由と最新治療法、炭水化物を減らしてタンパク質モリモリ…こんなダイエットが体に良いとは言い切れない理由、生島ヒロシさん73歳「筋トレがピンチを救った」 ラジオ番組を25年続ける「健康の達人」) 健康 (注)プランク:うつ伏せになった状態で前腕・肘・つま先を地面につき、その姿勢をキープする体幹トレーニング(melos media) 「今はラジオ番組が終わった後、週3~4日はジムに行ってプールで泳いだり、水中筋トレをしています。 あと、自宅の近くに「chocoZAP(チョコザップ)」ができたので、妻を誘って散歩がてら立ち寄って、一緒に筋トレをしています」、実に理想的に健康的な生活だ。 「70歳からの「貯筋」習慣』では、たんぱく質を多くとる「たん活」を提唱しています・・・夕食の食卓には魚料理と肉料理が1品ずつ並びます。ただ、70代になると若い頃のようにたくさんは食べられないので、プロテインでたんぱく質を補っています」、「プロテインでたんぱく質を補っています」とはいささか幻滅だ。 「朝は3時半~4時に起床してスタジオに行き、放送が終わってから少し仮眠をとって、昼食を食べる。 翌朝が早いので夕食は17時半くらいには済ませ、20時過ぎくらいからお風呂にゆっくり浸かり、ストレッチなど軽い運動をしてから1、2時間後には寝るようにしています」、確かに健康的な毎日だ。 「体の筋肉を蓄える「貯筋」」とは興味深い考え方だ。 堀尾 大悟氏による「生島ヒロシさん73歳「筋トレがピンチを救った」 ラジオ番組を25年続ける「健康の達人」」 東洋経済オンライン ・・・残念ながら現代の沖縄の人々の食事内容は、伝統食から欧米型に近づきつつあり、それとともに肥満や糖尿病が増えている」、やはり「沖縄」でも「伝統食から欧米型に近づきつつあり、それとともに肥満や糖尿病が増えている」、のは実に残念なことだ。 「ブルーゾーンの住民の中でおそらく最も有名なのは、日本の沖縄の人々だろう。沖縄は100歳以上の人口割合がほかの先進国平均の5倍である。 サツマイモと葉物野菜を主体に、少量の魚と赤身肉を組み合わせた伝統的な沖縄食は、タンパク質比率がわずか9%(食糧難の地域を除けば世界最低水準)、炭水化物が85%、そして脂肪がわずか6%だ。これは実験の最長寿命のマウスが摂取していた比率にほぼ相当する。 伝統的な沖縄の食事を摂っている人は、肥満とほぼ無縁だった。その理由の1つは、食事の食物繊維含有率が高いからである 「高タンパク質/低炭水化物食のセクシーなやせたマウスは、すべてのマウスの中で最も寿命が短く、見栄えのいい中年の死体になった。なぜなら、高いタンパク質対炭水化物比は、急速な老化に関連する経路を激しく活性化させ、細胞とDNAの修復・維持メカニズムを弱め、老化やがん、そのほか慢性病を促進する比率でもあるからだ。これは望ましい状態とはいえない。 そしてこれはおそらく、マウスに限った話ではない」、なるほど。 「低タンパク質/高炭水化物食で生涯にわたり飼育されたマウスは、最も寿命が長いだけでなく、老化と老後の健康を測るマーカーが最も良好だった。 これは健康で長生きしたい人にとってすばらしい手がかりになりそうな発見である。 だが1つ難点があった。低タンパク質/高炭水化物食のマウスは太っていたのだ」、なるほど。 一方が機能しているときは、もう一方は機能しない。食料と栄養が不足すると、長寿経路が作動し、成長・繁殖経路は停止する。細胞とDNAの修復・維持システムが活性化し、いつか世界が変化して食料が豊富になり、繁殖という進化上の目的を果たせるようになるまでの間、動物の健康を維持する」、よく出来た仕組みだ。 「ヒト・・・の生理的機構の中心には、2つの対立する生化学的経路がある。これらの経路は、すべての動物のまったく異なる2つの生命の「成果」を導いている。 1つ目を「長寿経路」――わかりやすくいうと「状況が好転するまで身を潜めてじっと待て」経路――もう1つを「成長・繁殖経路」――「チャンスを逃すな、あとは野となれ山となれ」経路――と呼ぼう。 重要な点として、これら2つのシステムは互いに抑制し合う関係にある。 やがてエラーが蓄積して、様々な組織や器官の老化を引き起こすのだ・・・低タンパク質/高炭水化物食のマウスは、テロメアがより長く、より長生きした。高タンパク質/低炭水化物食のマウスは、テロメアと寿命がより短かった。 思ったとおりだ――この結果は、テロメアに関する一般常識(長いほどよい)を裏づけるとともに、低タンパク質と高炭水化物の組み合わせが長寿をもたらすという私たちの予想とも一致していた」、なるほど。 「テロメアとは染色体の末端にあるキャップ状の構造で、細胞複製に欠かせない重要な要素が細胞分裂時にほつれてしまうのを防いでいる。 加齢とともに、傷ついて古くなった細胞の入れ替えが何度もくり返されるうちに、テロメアはどんどん短くなり、ついには染色体の末端部分が露出し、細胞分裂の際に複製エラーを犯すようになる。 デイヴィッド・ローベンハイマー、スティーヴン・J・シンプソン『食欲人』(サンマーク出版) スティーヴン・J・シンプソン氏による「炭水化物を減らしてタンパク質モリモリ…こんなダイエットが体に良いとは言い切れない理由」 デイヴィッド・ローベンハイマー氏 「舌下神経電気刺激療法の対象となるのは、18歳以上で高度の肥満ではなく(BMI[体重(㎏)÷身長(m)÷身長(m)]が30未満)、CPAP療法の継続が困難などの条件を満たした患者だ。 この治療を受けるには1週間程度の入院が必要になる。それでも、これまでは他に選択肢がなかっただけに、この新治療の登場はCPAPの継続が困難、あるいはCPAPでは効果が得られなかった患者にとっては朗報といえる」、「世界で5万人が受けた満足度95%の治療法」、なるほど。 「CPAP療法によって、無呼吸・低呼吸やいびきが消失し、日中の眠気や夜間頻尿が軽減する人は多く、高血圧、動脈硬化が改善し心臓病や脳卒中の予防にもつながることがわかっている。睡眠時無呼吸症候群の人にとっては恩恵の大きい治療法だ」、「ただ、CPAP療法では鼻マスクが気になって寝付けなかったり、無意識のうちに途中で外してしまったりする人がいるのが難点といわれる」、なるほど。 「2013年には、関越自動車道でツアーバスの運転手が居眠りして防音壁に追突し、乗客7人が死亡する事故も起こっている」、「米国の研究では、睡眠時無呼吸症候群の患者が交通事故を起こすリスクはそうではない人に比べて約7倍高」いようだ。 「睡眠時無呼吸症候群を放置すると、仕事のパフォーマンスが下がるだけではなく、高血圧や糖尿病などの生活習慣病になり、動脈硬化が進んで、心筋梗塞、不整脈、心不全や脳卒中を発症したり突然死を起こしたりするリスクが高まる」 「34歳以上の男性の4人に1人、閉経後の女性の10人に1人が、中等症以上の睡眠時無呼吸症候群で治療が必要な状態と推計されている。しかし、適切な治療を受けている人はその10分の1程度で、約9割の人は自分の病気に気づいてないのが実態なのだ」、なるほど。 「「太っていて首や喉の周囲に脂肪がついている人、あるいは、もともと下あごが小さかったり扁桃腺が大きかったりする人は気道が狭く、仰向けになって眠ると、息を吸った時の圧力で舌の付け根の部分が喉の奥に落ち込み、気道が塞がれたり狭くなったりします。この狭い気道を無理に高速の気流が流れるときに生じるのが、いびきです」、私は太ってはいないが、「いびき」は時たまかく。 「仕事のパフォーマンスを低下させるばかりか、突然死の原因にもなる病」、とは恐ろしい話だ。 葛西隆敏氏へのインタビュー「命を縮める睡眠時無呼吸症候群、「たかがいびき」と侮れない理由と最新治療法」 福島安紀氏 ダイヤモンド・オンライン
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認知症(その2)(中高年に多い「前頭側頭型認知症」 発症が疑われる“10の行動”とは、「1人を楽しめる人」は認知症が進まない深い理由 65歳以降の夫婦関係は「つかず離れず」が理想、「脳のゴミ」を洗い流す睡眠が認知症予防する訳 睡眠障害と認知症の関係とは?医師が徹底解説) [生活]

認知症については、本年5月5日に取上げた。今日は、(その2)(中高年に多い「前頭側頭型認知症」 発症が疑われる“10の行動”とは、「1人を楽しめる人」は認知症が進まない深い理由 65歳以降の夫婦関係は「つかず離れず」が理想、「脳のゴミ」を洗い流す睡眠が認知症予防する訳 睡眠障害と認知症の関係とは?医師が徹底解説)である。

先ずは、5月9日付けダイヤモンド・オンライン「中高年に多い「前頭側頭型認知症」、発症が疑われる“10の行動”とは」を紹介しよう。
https://diamond.jp/articles/-/321449
・『「ダイ・ハード」「アルマゲドン」などの作品で知られる米俳優、ブルース・ウィリスが「前頭側頭型認知症」を公表した。40代、50代の働き盛りの中年が発症することも多いという「前頭側頭型認知症」。一体どのような病なのか。認知症専門医の長谷川嘉哉医師に話を聞いた』、「40代、50代の働き盛りの中年が発症することも多い」のであれば、深刻だ。
・『異常行動があっても認知症診断が難しい理由  先日68歳の誕生日を迎えたばかりのブルース・ウィリス。2022年に失語症のため俳優引退を発表し、惜しまれつつ表舞台を去ったハリウッドの名俳優だ。そして約1年後、ブルースの家族によって公表されたのが、「前頭側頭型認知症」の発症だった。聞き慣れない病名だが、どのような認知症なのか。 「前頭側頭型認知症は、非常に診断が難しい認知症です。異常行動により家族や周囲の方を困らせている人に対して、専門医としてあらゆる検査を駆使しても、はっきりしないこともあります」 そう話すのは、認知症専門医の長谷川嘉哉医師だ。前頭側頭型認知症の発症年齢の平均は50代。65歳未満で発症することが多い若年性認知症の一種だ。言語・感情をコントロールする脳の前頭葉や側頭葉が萎縮することで、理性的な振る舞いや言動ができなくなってしまうのだという。) 「前頭側頭型認知症の特徴は人格変化です。急に怒りっぽくなる、他人を思いやる気持ちがなくなり善悪の判断が曖昧になる、といった症状が顕著に出ます。ただ初期の段階では記憶障害や認知機能の異常などはあまり見られず、本人も病気の自覚がなかなか持てないため、認知症と診断するには時間がかかることも多いのです」 以下は長谷川医師による、前頭側頭型認知症のチェックリストだ。 ・状況に合わない行動…場所や状況に不適切な悪ふざけ、身勝手な行動をする ・意欲減退…引きこもり、何もしないなどの状態が続く ・無関心…周囲の出来事に無関心、身だしなみに気を使わない ・逸脱行為…万引などの軽犯罪に当たる行為をしても、それについて説明や反省ができない ・繰り返し行動…散歩や食事、入浴などを決まった時間に行う、やめさせると怒る ・食べ物へのこだわり…毎日同じものしか食べない。際限なく食べる場合も ・言葉の繰り返し…同じ言葉の繰り返しや、他人の言葉をオウム返ししたりする ・好みの変化…食などの好みが大きく変わる。酒やたばこを大量にとるなど ・発語の障害…無口、語彙(ごい)が少なくなる。品物の名前や使い方がわからない ・短期記憶の維持…最近の出来事など短期記憶は保たれる。日時も間違わない 上記に三つ以上あてはまる場合、前頭側頭型認知症の疑いがあるという。 「たとえば食事などに異常なこだわりを持ち始めます。同じメニューを毎日食べたり、味付けが極端になったり、それを周囲の人に注意されても聞く耳を持ちません。機嫌もコロコロ変わります。ニコニコしていたと思ったら怒ったり、声を荒らげたり、また理屈に合わないことを口走り、行動するようになります。このような症状が続くので、前頭側頭型認知症は家族や周囲との人間関係の崩壊を招くことも少なくありません」 ブルース・ウィリスの家族はSNSで「残念ながら、コミュニケーションの難しさは、ブルースが直面している病気の症状の一つに過ぎません」とつづっている。とはいえ、いくら行動面での異常があっても、認知機能に大きな変化がみられなければ、認知症と診断することは難しいのだ。) 「兆候があっても経過観察をしないことには、なかなか判断できないのが、前頭側頭型認知症の厄介な点。また人格変化が進行すると、周囲に迷惑をかけるだけでなく、医療機関への受診のハードルも上がっていく。若年で発症した患者は体力がありあまっているため、施設への入所も難しい。家族もどう対応すればいいのかわからず、悲観しているケースも多いのです」』、「「前頭側頭型認知症は、非常に診断が難しい認知症です。異常行動により家族や周囲の方を困らせている人に対して、専門医としてあらゆる検査を駆使しても、はっきりしないこともあります」・・・前頭側頭型認知症の発症年齢の平均は50代。65歳未満で発症することが多い若年性認知症の一種だ。言語・感情をコントロールする脳の前頭葉や側頭葉が萎縮することで、理性的な振る舞いや言動ができなくなってしまうのだという」、恐ろしい病気だ。
・『反社会的な逸脱行為の有無が前頭側頭型認知症の見極めポイント  そんな「前頭側頭型認知症」の大きなポイントは「反社会的な逸脱行為」だ。 「反社会的な逸脱行為というのは、たとえば万引をする、痴漢行為、信号無視、部屋を片付けられず家がゴミ屋敷化する……といった行動です。前頭側頭型認知症は、理性や感情のコントロールができなくなるので、暴力や反社会的行動をちゅうちょなく行えるようになってしまうのです」 こうした症状は、実は医師の間でもいまだに認知が広まっておらず、この病気が理解されにくい一つの要因となっているという。 「前頭側頭型認知症患者は、周囲を無視したりばかにしたりと、自己中心的な行動をとることが多く見られます。そのため病院でも診察拒否や不真面目な態度で、医師とけんかになるケースもあります。また治療法については特徴的な症状に対して、抗精神病薬を処方する対症療法のみで、進行を遅らせる薬はありません。ハッキリとした予防策もなく、原因も解明されていないのです」 日本の認知症患者は600万人以上と推計され、2025年には高齢者の5人に1人が認知症になると予測されている。もし身近に万引や窃盗、ゴミ屋敷化や信号無視など問題行動が表れるようになった人がいたら、「認知症」の可能性も考えたほうがいいだろう』、「「前頭側頭型認知症患者は、周囲を無視したりばかにしたりと、自己中心的な行動をとることが多く見られます。そのため病院でも診察拒否や不真面目な態度で、医師とけんかになるケースもあります。また治療法については特徴的な症状に対して、抗精神病薬を処方する対症療法のみで、進行を遅らせる薬はありません。ハッキリとした予防策もなく、原因も解明されていないのです・・・2025年には高齢者の5人に1人が認知症になると予測されている」、「周囲を無視したりばかにしたりと、自己中心的な行動をとることが多く見られます。そのため病院でも診察拒否や不真面目な態度で、医師とけんかになるケースもあります」、本当に深刻だが、これという打開策もないようだ。

次に、5月29日付け東洋経済オンラインが掲載した精神科医の和田 秀樹氏による「「1人を楽しめる人」は認知症が進まない深い理由 65歳以降の夫婦関係は「つかず離れず」が理想」を紹介しよう。
https://toyokeizai.net/articles/-/700681
・『65歳以下の人がうつ病になる割合はおよそ3%。それが定年を迎える65歳以降になると5%に急増するといわれています。老後への不安やストレス、加齢とともに幸せホルモン・セロトニンが分泌されにくくなること、感情をコントロールする前頭葉が萎縮することなどがその原因です。 しかし人生100年時代では、65歳はまだ後半が始まったばかり。いわば人生の黄金期です。 ベストセラー『80歳の壁』の和田秀樹さんが、不安やストレスのもとを消し去り、心を若く機嫌よく保つことで、うつや認知症を寄せつけないための《50の「気づき」》を提言する新刊『65歳から始める 和田式 心の若がえり』より、一部を紹介します』、「65歳以下の人がうつ病になる割合はおよそ3%。それが定年を迎える65歳以降になると5%に急増するといわれています。老後への不安やストレス、加齢とともに幸せホルモン・セロトニンが分泌されにくくなること、感情をコントロールする前頭葉が萎縮することなどがその原因です」、なるほど。
・『夫婦の関係を一度リセットする  ◎ストレスを抱えながら付き合い続けるのは人生のムダ うつ病など心の病の原因は、およそ4割が対人関係にあるとされています。老人性うつを防ぐ、あるいは改善していくには、対人関係を見直していく必要があります。そういう意味で、現役をリタイアしたあとは、わずらわしい人間関係を解消するのに、最適な時期です。 ところが、定年退職したのちも、現役時代の人間関係を変えられない人がいます。 上司と部下の関係は、会社を離れればもう終わりです。それなのに、元上司に気を遣うようなことを今も続けていませんか。こちらが元部下という態度を続けていると、相手は永遠に「元上司」という態度でやってきます。これは相当なストレスです。 ですから、ストレスを感じる人とは、ダラダラと付き合い続けないようにしましょう。「この人とはもう十分」と思ったら縁を切れるのも、自由に生きられる65歳以上の特権。一緒にいると居心地よく、楽しい人との付き合いを大事にしたほうがよいです。 もう1つ、65歳以降になったら見直したほうがよいのが、「夫婦関係」です。) 理解する必要があるのは、男女の体の仕組みです。男性は加齢とともに男性ホルモンの分泌が減り、活動意欲も停滞します。一方、女性は閉経後から男性ホルモンの分泌が増えて、活動意欲も社交性も高まっていきます。 ところが、現在の高年世代の男性は、家事をあまりせず、妻任せにしている人が目立ちます。妻は社交性が増していてどんどん外に出て行きたいのに、「家のこともせずに、出かけてばかりいる」と夫に恨みごとをいわれ続ければ、「いい加減、別の人生を歩みたい」と思うようになって当然です。 人生100年時代といわれる現代です。「残りの人生も、この人の面倒を見ながら生きていくのか」と思えば、「離婚」の2文字が頭に浮かびます。しかし、リタイア後は妻とゆっくり過ごそうと思っていた夫は、「裏切られた」との思いに陥るでしょう。 ▽ガマンの毎日は人生の無駄遣い(お互いを理解し合えていない状態で夫婦関係を続けても、幸せな晩年が過ごせるでしょうか。家という場所が、ストレスの原因になったときの精神的負担は計り知れません。何より、我慢しながら毎日を過ごすのは、人生のムダ遣いです。 ◎「つかず離れず婚」が心を健康にする(熟年離婚や卒婚は、よく考えてみると、起こるべくして起こる現象といえます。 そもそも一夫一妻制は、人間の自然な本能に沿った制度ではなく、人類が社会化するにつれて、さまざまなルールとともに生まれた制度です。子孫を残し、子育てをしていくという本能を、高度化した人間社会に定着させるために、一夫一妻制が合理的であっただけのことです。 それも人生50年の時代であれば、問題は起こりませんでした。しかし、寿命が大幅に延びたうえに、価値観が多様化した現在、人生100年を添い遂げるべきとする従来の婚姻制度には、明らかに無理があります。 それならば、子育てが終わってからの夫婦関係は、もっと自由でよいのではないでしょうか。 現役をリタイアする65歳からは、夫婦関係を一度リセットするよい機会です。お互いに精神的に自立し、第二の人生を歩んでいく関係性を新たに築いていくチャンスです。どちらかが介護の必要な体になってからでは、リセットは難しくなります。 離婚の道を選ぶにしても、憎み合って別れるのでないのならば、ときどき会って食事をするといった、よき友人のような関係を築き直すこともできます。 夫婦関係を続ける場合には家事の分担はもちろんのこと、お互いに相手を束縛することなく自由に生きていくことが、心の健康にとって大切です。 それぞれ好きなものを食べ、好きなところへ出かけ、好きな仲間と交際し、ときには一緒に外食を楽しむ――。そんな「つかず離れず婚」こそが、65歳以降のよき夫婦のあり方ではないでしょうか。 ◎一人暮らしは認知症を予防する最高の方法(人生を楽しむうえで、高年者の思考を邪魔するのが、「孤独」への恐れです。高年になると、「一人ぼっちにはなりたくない」「孤独死したらどうしよう」という発想が強くなります。これも予期不安が起こす恐れです。 現在、一人暮らしの65歳以上の高年者は、日本では670万人を超えています(少年、青年、中年を経て緩やかに移行していった先にあるという意味で、ここでは65歳以上の人々を高齢者ではなく「高年者」と呼びます)。単身の高年者が大きな事件・事故などを起こすと、高年者の孤立や孤独の問題がメディアで大きく取り上げられます。しかし、実際には、独居の高年者全員が孤独感に苛まれているわけではありません。) 一人暮らしで誰にも看取られず、何日も経ってから発見される、という「孤独死」を恐れる人も多いでしょう。しかし、よくよく考えてみれば、数日経ってから発見されるということは、死ぬ直前まで元気だった可能性が高いわけです。 今は、要介護認定を受けた高年者であれば、ほぼ例外なく、なんらかの福祉サービスとつながっています。日常的な支援が行われているので、体調が悪ければすぐに病院に連れて行かれて、孤独死はなかなかできないのです。 孤独死したということは、自殺などのケースを除き、理想の生き方とされる「ピンピンコロリ」が実現できたということ。直前まで寝たきりにもならず、元気に生き、眠るように最期を迎えるという、なかなかできない死に方ができたわけです』、「上司と部下の関係は、会社を離れればもう終わりです。それなのに、元上司に気を遣うようなことを今も続けていませんか。こちらが元部下という態度を続けていると、相手は永遠に「元上司」という態度でやってきます。これは相当なストレスです。 ですから、ストレスを感じる人とは、ダラダラと付き合い続けないようにしましょう。「この人とはもう十分」と思ったら縁を切れるのも、自由に生きられる65歳以上の特権。一緒にいると居心地よく、楽しい人との付き合いを大事にしたほうがよいです」、「「つかず離れず婚」が心を健康にする・・・子育てが終わってからの夫婦関係は、もっと自由でよいのではないでしょうか。 現役をリタイアする65歳からは、夫婦関係を一度リセットするよい機会です。お互いに精神的に自立し、第二の人生を歩んでいく関係性を新たに築いていくチャンスです。どちらかが介護の必要な体になってからでは、リセットは難しくなります」、なるほど。
・『一人暮らしの人ほど認知症は進まない  皆さんは「認知症になりたくない」とおっしゃいますが、一人暮らしは認知症予防の最高の方法です。私は、一人暮らしを続けている認知症の患者さんもおおぜい診ていますが、独居の人ほど、認知症の症状は進みにくいと思っています。 一人暮らしをしていれば、日々の生活で頭をフル回転させながら過ごすことになります。必要に迫られて買い物に行って、毎日、料理を作り、食事をして、皿を洗う。ゴミを出しに行き、洗濯をし、掃除をする。このように、家の中にはやることがたくさんあります。そのすべてが、心身、そして脳によい刺激を与えてくれます』、「「一人暮らしの人ほど認知症は進まない・・・一人暮らしをしていれば、日々の生活で頭をフル回転させながら過ごすことになります。必要に迫られて買い物に行って、毎日、料理を作り、食事をして、皿を洗う。ゴミを出しに行き、洗濯をし、掃除をする。このように、家の中にはやることがたくさんあります。そのすべてが、心身、そして脳によい刺激を与えてくれます」、なるほど。
・『孤独の楽しみ方を少しずつ覚えよう  「認知症になると1人で生活できなくなるのでは」と思う人も多いのですが、不思議なことに、認知症になると、生きるための防御反応が高まります。そのため、「自分で買い物に行って、食事を作らなければ死ぬ」と脳がよく認識しているのか、意欲がなくても買い物には行くし、おなかが空いたら料理を作ります。 「計算ができなくなるから、買い物もできなくなるだろう」と不安になる人もいますが、これもいらぬ心配です。認知症になると、自分の身を守るために、より安全に振る舞おうとする傾向が強くなるからです。 計算が間違っていたら恥ずかしいし、店員からとがめられるのも怖いため、お店ではとりあえず、お札を出すようになります。なんでもお札で買い物するようになるので、財布が小銭だらけになります。それでも、上手に買い物をしている証です。 私は、一人暮らしを無理にお勧めしているわけではありません。家族と一緒にいることが幸せな人もいれば、1人が好きな人もいます。配偶者と死別して1人になる人もいます。「みんな違って、みんないい」のです。 ただし、老人ホームなどへの入居を決めない限り、高年になれば子どもは巣立ち、親や配偶者と死別し、独居になる可能性は高まります。 孤独への不安感が強い人は、孤独の楽しみ方を少しずつ覚えておくとよいのではないでしょうか。予期不安にかられてビクビクするくらいなら、予行演習しておきましょう。 一人旅をする、ウィークリーマンションで1週間暮らしてみるなど、不安に思っていることが、実際にどの程度のものかを体験してみると、「1人でもけっこう楽しめるし、大したことはないな」とわかるはずです。 実践こそが予期不安を解消し、心の余裕を増やす最良の方法といえます』、「認知症になると、生きるための防御反応が高まります。そのため、「自分で買い物に行って、食事を作らなければ死ぬ」と脳がよく認識しているのか、意欲がなくても買い物には行くし、おなかが空いたら料理を作ります」、なるほど。「孤独への不安感が強い人は、孤独の楽しみ方を少しずつ覚えておくとよいのではないでしょうか。予期不安にかられてビクビクするくらいなら、予行演習しておきましょう。 一人旅をする、ウィークリーマンションで1週間暮らしてみるなど、不安に思っていることが、実際にどの程度のものかを体験してみると、「1人でもけっこう楽しめるし、大したことはないな」とわかるはずです」、「予行演習」とはいいアイデアだ。

第三に、10月7日付け東洋経済オンラインが掲載した 日本認知症学会専門医・指導医 おくむらメモリークリニック理事長の奥村 歩氏による「「脳のゴミ」を洗い流す睡眠が認知症予防する訳 睡眠障害と認知症の関係とは?医師が徹底解説」を紹介しよう。
・『日本では認知症患者が増える中で、認知症は睡眠障害と密接な関係がある、と指摘されています。日本認知症学会専門医・指導医 おくむらメモリークリニック理事長の、奥村歩氏の新著『スマホ脳・脳過労からあなたを救う 脳のゴミを洗い流す「熟睡習慣」』を一部抜粋・再構成し、認知症の原因と、予防につながる質の高い睡眠について解説します』、興味ふかそうだ。
・『認知症と睡眠障害の関係 「日本人は世界ワーストレベルで睡眠時間が短い」  日本人の平均睡眠時間は7時間22分。加盟国など平均と比べると1時間3分も、短いのです(OECD2・2018データより)。 さらに認知症と睡眠障害の密接な関係は、以前から指摘されています。 人口1000人当たりの認知症患者数について、OECD諸国とその他主要国計44カ国の2021年の実績と2050年の予測値を示したデータによると、その数はOECD平均で15.7人。それに比べて日本は最多ダントツの26.7人です。さらに2050年の予測値では、OECD平均29.4人に対して日本は44.7人と、ますます認知症患者が増えると考えられています。 これまでにも認知症患者増加に対する警告はありました。 エビデンスに基づいた第1報は、2012年、朝田隆先生の研究チームによる調査報告を厚生労働省が発表したデータです。) 日本の認知症患者数が約462万人。認知症予備軍のMCIもほぼ同数の約400万人。そして、2025年の認知症患者数は約700万人を超えると予測されています。高齢者65歳以上で5人に1人というものすごい数です。 認知症になるかどうかの運命の分かれ道は、「この65歳の壁をいかにうまく乗り越えることができるかにある」とも言えるでしょう。 これらのデータからもわかるように、日本は世界ワーストレベルの睡眠負債国であり、その結果、認知症大国になっているのです。 また、最近のデータでは認知症患者の睡眠障害の有病率は50~80%と報告されている一方で、不眠症やうつ病が、認知症の大きな危険因子になっていることも指摘されています。まさに、睡眠障害と認知症との関係は、「鶏が先か?卵が先か?」。日本人は睡眠時間が極端に短いのですが、実はそれ以上に、熟睡できていない人が多いことのほうが問題なのです』、「日本は世界ワーストレベルの睡眠負債国であり、その結果、認知症大国になっているのです。 また、最近のデータでは認知症患者の睡眠障害の有病率は50~80%と報告されている一方で、不眠症やうつ病が、認知症の大きな危険因子になっていることも指摘されています」、「睡眠負債国」の是正が急務だ。
・『アルツハイマー病の元凶は赤ちゃんでも発生する!  認知症とは、脳に問題が生じて、生活に支障が出る状態のこと。一つの病名ではありません。その原因となる病気は100種類以上(!)あります。 最も多いのは、脳にアミロイドβと呼ばれるゴミ(老廃物)がたまるアルツハイマー型認知症(アルツハイマー病)。統計ではすべての認知症の70%も占めると言われています。このアルツハイマー型認知症は、睡眠負債との因果関係がとても深いのです!この脳のゴミ(老人斑)は、高齢者だけに発生するものではありません。最近の研究で、赤ちゃんでも子どもでもアミロイドβは発生することがわかっています。しかし、赤ちゃんや子どもの脳にゴミはたまりません。なぜなら、若いうちは脳のゴミを掃除する機能がしっかりしているからです。 一方、高齢になってゴミ掃除が思うようにできなくなるとアミロイドβは脳のいたるところで凝集化(フィブリル)し、次第に“認知症予備軍”と言われるMCIの状態になっていきます。) 現在では、アミロイドPETという検査で生体脳のアミロイドβを可視化することができます。このような技術の進歩で、私たちの脳には、何歳くらいからアミロイドβがたまり始めるのかが正確にわかるようになりました。 研究では、アミロイドβは40歳からたまり始めることがわかっています。この時期は、睡眠負債を自覚する時期と重なっていて、また心身ともに疲れが蓄積してくる時期なのです。 つまり、この世代になると発生するゴミの量にゴミ掃除が追いつけなくなって、じわじわとアミロイドβがたまり始めるのです』、「認知症とは、脳に問題が生じて、生活に支障が出る状態のこと。一つの病名ではありません。その原因となる病気は100種類以上(!)あります。 最も多いのは、脳にアミロイドβと呼ばれるゴミ(老廃物)がたまるアルツハイマー型認知症(アルツハイマー病)」、なるほど。
・『脳のゴミ掃除の仕組み  「脳は神秘のベールに包まれている」と言われます。 一般的には、「脳が人体の臓器の中でも特に仕組みが複雑で、いまだ十分に解明されていない」という感覚的なイメージ表現として使われますが、医療の実際では「神秘のベール」はイメージではなく、現実的に物理的に、まさに脳は神秘のベールに包まれているのです。 そのベールとは、「脳脊髄液」と呼ばれる透明の液体です。 私は脳神経外科手術をする際、患者さんやご家族に、以下のような例え話をします。 「脳は頭蓋骨の中で、脳脊髄液と呼ばれる無色透明な液体に包み込まれています。その状態は、例えばスーパーで売っている“水の入った密閉パックの中の豆腐”を思い浮かべていただくといいでしょう。密閉パックが頭蓋骨で、豆腐が脳です。脳は頭蓋骨の中でパック内の豆腐と同じように、水に満たされているのです」 この例え話は、実はかなり的確に脳の構造を表しています。 もし誤って豆腐のパックを落としても豆腐がつぶれないように、パックの中の水がクッションの役割を果たしています。同様に私たちの脳は、堅く分厚い頭蓋骨とともに、しなやかな脳脊髄液によって、頭部の衝撃から脳を護っています。 ただし、脳脊髄液と豆腐パックの水には、大きな違いがあります。豆腐パックの水は一度パッキングされたらそのままなのに対して、脳脊髄液は、周期的に、たえず入れ替わっているのです。) 脳脊髄液は、脳室(脳の深部にある部屋)と呼ばれる場所で1日に約500?作り出され、深部から脳表に循環して脳脊髄全体を覆い尽くし、そして古くなった脳脊髄液は、脳表の静脈へと排出されます。 日々、排出される脳脊髄液の量は、作り出される500?と同じ。つまりつねに同じ量が脳内に存在するものの、脳脊髄液自体は1日に約4回程度(500÷120≒4)入れ替わっていることになります。 このように、ダイナミックに活動する脳脊髄液は、以前から栄養物質の輸送や老廃物の排出など、脳の新陳代謝に重要な役割を果たしていると考えられてきました。そして近年、認知症に関連するアミロイドβの排出にも、この脳脊髄液が大きな働きをしていることが発見されました。 脳のゴミは、この脳脊髄液によって「水洗い」されていたのです。 人の体内の老廃物は血液やリンパ液によって体外へ排出されますが、脳にはリンパ管が存在しないため、従来は、脳に老廃物を排出するリンパ系はないと考えられてきました。 ところが、最近になって、脳にも身体のリンパ系と同じような働きをして、老廃物を排出させるユニークな仕組みがあることが発見されたのです。 それが、2012年にロチェスター大学のネーデルガード氏らが発見したグリンファティックシステム(Glymphatic System)です』、「ダイナミックに活動する脳脊髄液は、以前から栄養物質の輸送や老廃物の排出など、脳の新陳代謝に重要な役割を果たしていると考えられてきました。そして近年、認知症に関連するアミロイドβの排出にも、この脳脊髄液が大きな働きをしていることが発見されました。 脳のゴミは、この脳脊髄液によって「水洗い」されていたのです」、なるほど。
・『脳脊髄液がアミロイドβを水洗いする仕組み  グリンファティックシステムは以下にあるように、睡眠と認知症が密接につながっていることを証明することになりました。 脳表を循環する脳脊髄液は、動脈の血管周囲腔に沿って脳内に流入します。そして脳脊髄液は、血管周囲に密着している神経膠細胞(グリア)の水門(アクアポリン4)から脳内に流入して、脳脊髄液=グリンファティック液となります。この液は、図の「[→]」のように、静脈側の血管周囲腔の方向に流れます。(※外部配信先では図表などの画像を全部閲覧できない場合があります。その際は東洋経済オンライン内でお読みください) 「グリンファティックシステムで睡眠中にアミロイドβを水洗いする」というのは、質の良い睡眠が十分にとれていることが条件です』、「「グリンファティックシステムで睡眠中にアミロイドβを水洗いする」というのは、質の良い睡眠が十分にとれていることが条件です」、やはり「質の良い睡眠」がカギのようだ。
・『脳のゴミ掃除には、「上質な睡眠」が絶対条件  このことを証明する2019年10月に『サイエンス』誌で発表されたボストン大学の研究を見てみましょう。 研究対象は人間。実験は生理的な睡眠を再現するため、夜中の0時から行われ、被検者に脳波計をつけてMRIの中で眠ってもらったのです。つまり、睡眠の状態を脳波でチェックしつつ、同時に脳血流量や脳脊髄液の動態も測定したわけです。 その結果は「人が熟睡(ノンレム睡眠)するときに、ノルアドレナリンに連動する神経細胞の活動が減少し、脳の血流は停滞する。逆に脳脊髄液の流れが活発になる」というものでした。 つまり、「熟睡中にはグリアがアクアポリン4から脳脊髄液を積極的に取り込み、脳内組織は空間を拡大させ、組織抵抗を減少させ、アミロイドβの解毒の場を拡大する」ことが示唆されたのです。 スマホ脳・脳過労からあなたを救う 脳のゴミを洗い流す「熟睡習慣」 そして、老廃物を含んだグリンファティック液は、静脈側の神経膠細胞の足突起のアクアポリン4から、髄液腔に脱出します。この脳内の流れの過程で、アミロイドβは水洗いされて脳外に排出されます』、「スマホ脳・脳過労からあなたを救う 脳のゴミを洗い流す「熟睡習慣」 そして、老廃物を含んだグリンファティック液は、静脈側の神経膠細胞の足突起のアクアポリン4から、髄液腔に脱出します。この脳内の流れの過程で、アミロイドβは水洗いされて脳外に排出されます」、「アミロイドβは水洗いされて脳外に排出されます」、そうなってほしいものだ。
タグ:「日本は世界ワーストレベルの睡眠負債国であり、その結果、認知症大国になっているのです。 また、最近のデータでは認知症患者の睡眠障害の有病率は50~80%と報告されている一方で、不眠症やうつ病が、認知症の大きな危険因子になっていることも指摘されています」、「睡眠負債国」の是正が急務だ。 奥村 歩氏による「「脳のゴミ」を洗い流す睡眠が認知症予防する訳 睡眠障害と認知症の関係とは?医師が徹底解説」 一人旅をする、ウィークリーマンションで1週間暮らしてみるなど、不安に思っていることが、実際にどの程度のものかを体験してみると、「1人でもけっこう楽しめるし、大したことはないな」とわかるはずです」、「予行演習」とはいいアイデアだ。 「認知症になると、生きるための防御反応が高まります。そのため、「自分で買い物に行って、食事を作らなければ死ぬ」と脳がよく認識しているのか、意欲がなくても買い物には行くし、おなかが空いたら料理を作ります」、なるほど。「孤独への不安感が強い人は、孤独の楽しみ方を少しずつ覚えておくとよいのではないでしょうか。予期不安にかられてビクビクするくらいなら、予行演習しておきましょう。 「「一人暮らしの人ほど認知症は進まない・・・一人暮らしをしていれば、日々の生活で頭をフル回転させながら過ごすことになります。必要に迫られて買い物に行って、毎日、料理を作り、食事をして、皿を洗う。ゴミを出しに行き、洗濯をし、掃除をする。このように、家の中にはやることがたくさんあります。そのすべてが、心身、そして脳によい刺激を与えてくれます」、なるほど。 「「つかず離れず婚」が心を健康にする・・・子育てが終わってからの夫婦関係は、もっと自由でよいのではないでしょうか。 現役をリタイアする65歳からは、夫婦関係を一度リセットするよい機会です。お互いに精神的に自立し、第二の人生を歩んでいく関係性を新たに築いていくチャンスです。どちらかが介護の必要な体になってからでは、リセットは難しくなります」、なるほど。 「上司と部下の関係は、会社を離れればもう終わりです。それなのに、元上司に気を遣うようなことを今も続けていませんか。こちらが元部下という態度を続けていると、相手は永遠に「元上司」という態度でやってきます。これは相当なストレスです。 ですから、ストレスを感じる人とは、ダラダラと付き合い続けないようにしましょう。「この人とはもう十分」と思ったら縁を切れるのも、自由に生きられる65歳以上の特権。一緒にいると居心地よく、楽しい人との付き合いを大事にしたほうがよいです」、 「65歳以下の人がうつ病になる割合はおよそ3%。それが定年を迎える65歳以降になると5%に急増するといわれています。老後への不安やストレス、加齢とともに幸せホルモン・セロトニンが分泌されにくくなること、感情をコントロールする前頭葉が萎縮することなどがその原因です」、なるほど。 『80歳の壁』の和田秀樹 和田 秀樹氏による「「1人を楽しめる人」は認知症が進まない深い理由 65歳以降の夫婦関係は「つかず離れず」が理想」 東洋経済オンライン 「周囲を無視したりばかにしたりと、自己中心的な行動をとることが多く見られます。そのため病院でも診察拒否や不真面目な態度で、医師とけんかになるケースもあります」、本当に深刻だが、これという打開策もないようだ。 「「前頭側頭型認知症患者は、周囲を無視したりばかにしたりと、自己中心的な行動をとることが多く見られます。そのため病院でも診察拒否や不真面目な態度で、医師とけんかになるケースもあります。また治療法については特徴的な症状に対して、抗精神病薬を処方する対症療法のみで、進行を遅らせる薬はありません。ハッキリとした予防策もなく、原因も解明されていないのです・・・2025年には高齢者の5人に1人が認知症になると予測されている」、 「「前頭側頭型認知症は、非常に診断が難しい認知症です。異常行動により家族や周囲の方を困らせている人に対して、専門医としてあらゆる検査を駆使しても、はっきりしないこともあります」・・・前頭側頭型認知症の発症年齢の平均は50代。65歳未満で発症することが多い若年性認知症の一種だ。言語・感情をコントロールする脳の前頭葉や側頭葉が萎縮することで、理性的な振る舞いや言動ができなくなってしまうのだという」、恐ろしい病気だ。 「40代、50代の働き盛りの中年が発症することも多い」のであれば、深刻だ。 ダイヤモンド・オンライン「中高年に多い「前頭側頭型認知症」、発症が疑われる“10の行動”とは」 「認知症とは、脳に問題が生じて、生活に支障が出る状態のこと。一つの病名ではありません。その原因となる病気は100種類以上(!)あります。 最も多いのは、脳にアミロイドβと呼ばれるゴミ(老廃物)がたまるアルツハイマー型認知症(アルツハイマー病)」、なるほど。 「スマホ脳・脳過労からあなたを救う 脳のゴミを洗い流す「熟睡習慣」 そして、老廃物を含んだグリンファティック液は、静脈側の神経膠細胞の足突起のアクアポリン4から、髄液腔に脱出します。この脳内の流れの過程で、アミロイドβは水洗いされて脳外に排出されます」、「アミロイドβは水洗いされて脳外に排出されます」、そうなってほしいものだ。 「「グリンファティックシステムで睡眠中にアミロイドβを水洗いする」というのは、質の良い睡眠が十分にとれていることが条件です」、やはり「質の良い睡眠」がカギのようだ。 「ダイナミックに活動する脳脊髄液は、以前から栄養物質の輸送や老廃物の排出など、脳の新陳代謝に重要な役割を果たしていると考えられてきました。そして近年、認知症に関連するアミロイドβの排出にも、この脳脊髄液が大きな働きをしていることが発見されました。 脳のゴミは、この脳脊髄液によって「水洗い」されていたのです」、なるほど。
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健康(その26)(ロコモの名医が提唱する最強「スクワット」の方法 あなたの歩き方は将来「寝たきり」危険大かも、「睡眠負債」を返済しよう!秋の夜長によく眠るコツ) [生活]

健康については、本年6月14日に取上げた。今日は、(その26)(ロコモの名医が提唱する最強「スクワット」の方法 あなたの歩き方は将来「寝たきり」危険大かも、「睡眠負債」を返済しよう!秋の夜長によく眠るコツ)である。

先ずは、7月14日付け東洋経済オンラインが掲載したスポーツ整形外科医の渡會 公治氏による「ロコモの名医が提唱する最強「スクワット」の方法 あなたの歩き方は将来「寝たきり」危険大かも」を紹介しよう。
https://toyokeizai.net/articles/-/683976
・『歳を取ると、骨、関節、筋肉などの「運動器」の能力が低下し、それが原因で寝たきりになったりする危険性がある状態を「ロコモティブシンドローム」(略称「ロコモ」)といいます。ロコモアドバイスドクターの渡會公治先生が提唱する「長生きストレッチ」は、支えがないと歩けなかった女性がひとりでトイレに行けるようになったなどと評判の、ロコモ対策トレーニングです。渡會先生の近著『長生き足腰のつくり方』から一部引用・再編集して紹介します』、興味深そうだ。
・『バッグは左右均等に持つ  愛用しているバッグの持ち方を、ふだん意識したことはありますか。通勤時、ビジネスバッグを左右で持ち替えたりせず、つねに同じ側の手で持っていませんか。トートバッグをどちらか片方の肩にずっとかけ続けたりしていませんか。せっかくリュックサックなどの背負うタイプのカバンを持っているのに、両肩で背負わず片方の肩にひっかけたまま歩いていませんか。 「体に悪い歩き方」にならないように気をつけるポイントは3つ。もっとも大切なポイントは体の左右のバランスをとることです。どちらかに偏ると体全体が歪んで、ひざや腰に負担をかけることになります。バッグを持って歩くときは、左右均等に持ちましょう。ショルダーバッグやトートバッグは、意識して交互の肩にかけ替えるようにしましょう。 私の専門はスポーツ医学です。よく街なかで、スポーツ医学的に間違った歩き方、つまり、「体に悪い歩き方」をしている人を見かけて内心はらはらしてしまいます。というのも、バッグの持ち方を変えるだけでも、体の負担を減らして将来ロコモになるリスクを減らすことができるからです。) 「体に悪い歩き方」にならないように気をつける2つ目のポイントは、股関節を意識して歩くことです。 「脚はどこからですか?」という質問をすると、ほとんどの人が股関節の付け根のあたりを指します。しかし、股関節は骨盤と筋肉で結ばれています。そして股関節を曲げる大腰筋は胸椎12番、みぞおちの奥から始まります。人間が歩くとき、このような骨や筋肉が関わってくるのです。 だから、正しい脚の出し方は、胸のあたりから背骨と骨盤を意識して、太もも・つま先までまっすぐに出すこと。そうすると、背骨と足の真ん中で股関節が動きます。股関節を意識して歩くというのは、こんなイメージの歩き方です。 「体に悪い歩き方」にならないようにする3つ目のポイントは、ひざとつま先の方向が同じになるようにすることです。ひざが内を向いていても、外を向いていても、つま先が同じ方向なら、ひざに負担はかかりません。逆に、ひざは内を向いているのに、つま先は外を向いているとひざに負担がかかる歩き方になります。 ひざに負担のかかる歩き方をしていても、ある程度までは人間の体は適応してしまいます。しかし、そのまま長い年月が経過すると、限界を超えて痛みを感じるようになります』、「もっとも大切なポイントは体の左右のバランスをとることです。どちらかに偏ると体全体が歪んで、ひざや腰に負担をかけることになります。バッグを持って歩くときは、左右均等に持ちましょう」、「2つ目のポイントは、股関節を意識して歩くことです。 「脚はどこからですか?」という質問をすると、ほとんどの人が股関節の付け根のあたりを指します・・・だから、正しい脚の出し方は、胸のあたりから背骨と骨盤を意識して、太もも・つま先までまっすぐに出すこと。そうすると、背骨と足の真ん中で股関節が動きます」、「3つ目のポイントは、ひざとつま先の方向が同じになるようにすることです。ひざが内を向いていても、外を向いていても、つま先が同じ方向なら、ひざに負担はかかりません。逆に、ひざは内を向いているのに、つま先は外を向いているとひざに負担がかかる歩き方になります」、なるほど。
・『立つこと、歩くことは、人間の動作の基本  授業の中で学生に協力してもらって、軽くスクワットをしたときに曲げたひざが足に対してどこを向いているかというデータを取ったことがあります。その結果、およそ6割の学生のひざがよくない方向に向いていることがわかりました。具体的には、母趾(親指)より内側が14%、母趾が45%、足の中央とされる第2趾(足の人差し指)が34%、第2趾より外側が7%でした。 つまり、約6割の人は「体に悪い歩き方」をしている可能性があるということです。立つこと、歩くことは、人間の動作の基本中の基本。日常生活の動作のかなりの部分を占めています。街中で歩いている人を見ると、股関節を使わずに歩いている人がいます。高齢者によく見られますが、背中が動かずにひざ下だけを使って、ちょこちょこと歩いている人もいます。 歩き方を改善すると、それだけでも腰やひざに余計な負担がかからなくなり、腰やひざの痛みも軽減します。) 私はスポーツ医学を専門としていますが、一方で、スポーツ選手でもない高齢の患者さんにロコモ対策を指導しています。なぜなら、スポーツ選手を悩ますスポーツ障害と、一般の方々を悩ます運動器障害は、基本的には同じ理由で起きるものだからです。 スポーツ選手が障害を抱えてしまうのは、トレーニングの原則に反する練習をしたり、体の構造に合わない動きをしたりすることが原因です。これは、一般の方が間違った体の使い方を続けたことで運動器に障害が起きるのと同じように考えられます』、「約6割の人は「体に悪い歩き方」をしている可能性があるということです。立つこと、歩くことは、人間の動作の基本中の基本。日常生活の動作のかなりの部分を占めています。街中で歩いている人を見ると、股関節を使わずに歩いている人がいます。高齢者によく見られますが、背中が動かずにひざ下だけを使って、ちょこちょこと歩いている人もいます。 歩き方を改善すると、それだけでも腰やひざに余計な負担がかからなくなり、腰やひざの痛みも軽減します」、なるほど。
・痛みの原因は、かならずしも老化ではない?  私のもとに来院してくるのは若くて元気なスポーツ選手、そして高齢者の皆さんです。どちらも「腰が痛い」「ひざが痛い」といって相談に来ます。高齢の方の痛みの原因は、かならずしも老化ではありません。若いスポーツ選手と同じように、「痛くなることをしたから痛い」のです。 つまり、多くの場合、スポーツ選手も高齢者も「上手に体を使えていない」から痛くなっているのです。ということは、対処法もやはり同じになります。まずは、体を上手に使えるようにすること。このシンプルな考え方にもとづいて考案したのが「長生きストレッチ」です。 人間の体は、若者だろうと高齢者だろうと痛む場所は共通しています。人間の体の構造は同じですから当たり前です。私がおすすめする「長生きストレッチ」は、スポーツ選手で実践してきたスポーツ障害対策がベースになっています。 「長生きストレッチ」の主な運動メニューとして、「長生きスクワット」があります。今回は「長生きスクワット」の具体的なやり方を紹介しましょう。 「長生きスクワット」には、体の感度を高める効果があります。どの筋肉を使っているか、どれくらい続けると気持ちいいか、どれくらい続けると筋肉が張ってくるかなどを意識しながら続けていると、体のわずかな変化を感じ取ることができるようになります。 体の声が聞こえるようになると、その日の体調に合わせてマイペースでトレーニングができるようになります。無理をしないわけですから、続けることが容易になります。 では、さっそく「長生きスクワット」をやってみましょう。) 直角になっている部屋のコーナーに立って「長生きスクワット」を行います。コーナーを使うことで、内側に入りがちなひざの向きを確認しながら、正しいフォームでスクワットが行えます。最初は1セット5回、1日10セットを目標にしてください』、「私のもとに来院してくるのは若くて元気なスポーツ選手、そして高齢者の皆さんです。どちらも「腰が痛い」「ひざが痛い」といって相談に来ます。高齢の方の痛みの原因は、かならずしも老化ではありません。若いスポーツ選手と同じように、「痛くなることをしたから痛い」のです。 つまり、多くの場合、スポーツ選手も高齢者も「上手に体を使えていない」から痛くなっているのです。ということは、対処法もやはり同じになります。まずは、体を上手に使えるようにすること。このシンプルな考え方にもとづいて考案したのが「長生きストレッチ」です」、なるほど。
・『「長生きスクワット」をやってみよう  ①コーナーを背にして立ち、両脚をかべに沿って広げていきます。このとき、おしりとひざはかべにつけたままで行います。 (画像:『長生き足腰のつくり方』より) ②背すじを伸ばし、上体をやや前傾させ、両手は太ももに置きます。 ③太ももに置いた両手をひざに移動し、おしりとひざをかべにつけたまま、太ももとふくらはぎの角度が90度になるまで腰をおろします。 このとき、イスに座るようにお尻からおろしてください。太ももの裏側の筋肉に力が入っていればOK。また、ひざがかべから離れてしまうときは、手でひざをかべに押しつけるようにしながら腰をおろしましょう。 ④腰をおろしたら、ゆっくり②の状態に戻します。 (画像:『長生き足腰のつくり方』より) 確認しよう①肩が脚全体の上にくる (画像:『長生き足腰のつくり方』より) ひざがつま先を越えないように腰をおろすと、横から見ると、肩が脚全体の上にきます。これが正しいスクワット。ひざがつま先を越えると、ひざだけを使ったスクワットになって、ひざに負担をかけることになります。 確認しよう②ひざがかべから離れない (画像:『長生き足腰のつくり方』より) 間違ったスクワットで多いのが、ひざが内側に入ってしまうパターン。足を広げることに抵抗がある女性はとくにその傾向があります。ひざがかべから離れないように、手で押さえながらスクワットを行いましょう。ひざや足にねじる力が加わると、ひざを痛める原因になってしまいます。 確認しよう③ひざと足を同じ方向に曲げる (画像:『長生き足腰のつくり方』より) スクワットに限らず、ひざを曲げるという動作のときは、ひざとつま先を同じ方向に曲げるのがよいフォームです。よい体の使い方を身につけるためにも、意識しながら丁寧にスクワットを行いましょう』、「「長生きスクワット」をやってみよう」は説明に沿ってやってみて下さい。

次に、9月14日付けダイヤモンド・オンラインが掲載した医学ライターの井手ゆきえ氏による「「睡眠負債」を返済しよう!秋の夜長によく眠るコツ」を紹介しよう。
https://diamond.jp/articles/-/329043
・『毎年9月3日は、睡眠健康推進機構と日本睡眠学会が制定した「秋の睡眠の日」だ。3月の世界睡眠デーと一対になる。 眠りは、疲労が蓄積されることで次第に増大する「睡眠欲求」と、体内の「覚醒システム」との綱引きのなかで生じる。 覚醒は交感神経系の活性化や深部体温(脳の温度)の上昇によって保たれており、就寝時刻の1~2時間前に分泌される睡眠ホルモンの「メラトニン」の作用で、心身がリラックスモードに切り替わると、眠りが訪れる。 その際、昼間の活動で熱のこもった脳を冷却するために、体表から熱を放散する必要がある。寝る直前ではなく、就寝の90~120分前に入浴して体温を上げ、その反動で熱を放散させるとよいとされるのはこのためだ。 寝る直前の入浴になる場合は、身体を温め過ぎないシャワー浴がお勧め。さっぱり、リラックスしてから寝室へ向かおう。 布団に入ったら、枕元の灯りはできるだけ絞ること。強い光は天然の睡眠導入剤ともいえるメラトニンの分泌を止めてしまう。 9月とはいえ、まだ残暑がきつい夜は、躊躇わずにエアコンを利用しよう。一般に夏~秋にかけての快適な寝室の温度は28~26℃、湿度は50%前後といわれている。寝具との兼ね合いもあるので快適な温度と湿度を探してみるといい。 余裕がある方は、この際、寝具を見直してみよう。 枕は好みもあるが、首の角度が仰向けで寝たときに敷布団から10~15度の範囲で保たれる高さが理想的。肩口までしっかり枕を引き寄せて、後頭部から首まで枕に支えてもらおう。特にいびきがひどく、睡眠時無呼吸症候群が疑われる人は、頭と敷布団の間に余計な隙間がない姿勢が望ましい。 敷布団は寝返りを打ちやすい適度な硬さがあり、掛け布団も身動きを妨げない軽くて放湿性のある素材がお薦め。寝返りには、血液循環の滞りを防ぎ、寝床のなかに熱や湿度がこもらないように調節する役割があるからだ。 それなりの環境を整えて酷暑の間に積もりに積もった「睡眠負債」を返済していこう』、「眠りは、疲労が蓄積されることで次第に増大する「睡眠欲求」と、体内の「覚醒システム」との綱引きのなかで生じる。 覚醒は交感神経系の活性化や深部体温(脳の温度)の上昇によって保たれており、就寝時刻の1~2時間前に分泌される睡眠ホルモンの「メラトニン」の作用で、心身がリラックスモードに切り替わると、眠りが訪れる。その際、昼間の活動で熱のこもった脳を冷却するために、体表から熱を放散する必要がある。寝る直前ではなく、就寝の90~120分前に入浴して体温を上げ、その反動で熱を放散させるとよいとされるのはこのためだ。 寝る直前の入浴になる場合は、身体を温め過ぎないシャワー浴がお勧め。さっぱり、リラックスしてから寝室へ向かおう。 布団に入ったら、枕元の灯りはできるだけ絞ること。強い光は天然の睡眠導入剤ともいえるメラトニンの分泌を止めてしまう。 9月とはいえ、まだ残暑がきつい夜は、躊躇わずにエアコンを利用しよう』、私は練る際には、「エアコン」は使わず、2階なので、窓を開け、扇風機をかけている。
タグ:健康 (その26)(ロコモの名医が提唱する最強「スクワット」の方法 あなたの歩き方は将来「寝たきり」危険大かも、「睡眠負債」を返済しよう!秋の夜長によく眠るコツ) 東洋経済オンライン 渡會 公治氏による「ロコモの名医が提唱する最強「スクワット」の方法 あなたの歩き方は将来「寝たきり」危険大かも」 渡會先生の近著『長生き足腰のつくり方』 「もっとも大切なポイントは体の左右のバランスをとることです。どちらかに偏ると体全体が歪んで、ひざや腰に負担をかけることになります。バッグを持って歩くときは、左右均等に持ちましょう」、「2つ目のポイントは、股関節を意識して歩くことです。 「脚はどこからですか?」という質問をすると、ほとんどの人が股関節の付け根のあたりを指します・・・だから、正しい脚の出し方は、胸のあたりから背骨と骨盤を意識して、太もも・つま先までまっすぐに出すこと。そうすると、背骨と足の真ん中で股関節が動きます」、 「3つ目のポイントは、ひざとつま先の方向が同じになるようにすることです。ひざが内を向いていても、外を向いていても、つま先が同じ方向なら、ひざに負担はかかりません。逆に、ひざは内を向いているのに、つま先は外を向いているとひざに負担がかかる歩き方になります」、なるほど。 「約6割の人は「体に悪い歩き方」をしている可能性があるということです。立つこと、歩くことは、人間の動作の基本中の基本。日常生活の動作のかなりの部分を占めています。街中で歩いている人を見ると、股関節を使わずに歩いている人がいます。高齢者によく見られますが、背中が動かずにひざ下だけを使って、ちょこちょこと歩いている人もいます。 歩き方を改善すると、それだけでも腰やひざに余計な負担がかからなくなり、腰やひざの痛みも軽減します」、なるほど。 「私のもとに来院してくるのは若くて元気なスポーツ選手、そして高齢者の皆さんです。どちらも「腰が痛い」「ひざが痛い」といって相談に来ます。高齢の方の痛みの原因は、かならずしも老化ではありません。若いスポーツ選手と同じように、「痛くなることをしたから痛い」のです。 つまり、多くの場合、スポーツ選手も高齢者も「上手に体を使えていない」から痛くなっているのです。 ということは、対処法もやはり同じになります。まずは、体を上手に使えるようにすること。このシンプルな考え方にもとづいて考案したのが「長生きストレッチ」です」、なるほど。 「「長生きスクワット」をやってみよう」は説明に沿ってやってみて下さい。 ダイヤモンド・オンライン 井手ゆきえ 「「睡眠負債」を返済しよう!秋の夜長によく眠るコツ」
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医療問題(その39)(【胃カメラ】バリウムとの違い、楽な受け方は? 基本は50代以降、20~30代で検査が必要な人も、白衣を見るだけで血圧上昇?病院恐怖症の人が医者に上手にかかる法) [生活]

医療問題については、本年5月31日に取上げた。今日は、(その39)(【胃カメラ】バリウムとの違い、楽な受け方は? 基本は50代以降、20~30代で検査が必要な人も、白衣を見るだけで血圧上昇?病院恐怖症の人が医者に上手にかかる法)である。

先ずは、本年6月4日付け東洋経済オンラインが掲載した東洋経済オンライン医療取材チームによる「【胃カメラ】バリウムとの違い、楽な受け方は? 基本は50代以降、20~30代で検査が必要な人も」を紹介しよう。
https://toyokeizai.net/articles/-/673073
・『胃の不調が気になるが、できれば胃カメラはやりたくない。でも、病気は初期のうちに見つけたい……。「痛い」「苦しい」といったイメージから、胃カメラを受けるタイミングを逃している人は少なくないだろう。 しかし近年、胃カメラは、苦痛が少なく、精度の高い検査へと機器や技術が進化している。検査の受け方やメリットなどについて、内視鏡検査・治療のエキスパートである内視鏡専門医の平澤欣吾医師(横浜市立大学附属市民総合医療センター消化器病センター内視鏡部准教授)に話を聞いた。 俗に「胃カメラ」と呼ばれている検査の正式名称は、「上部消化管内視鏡検査」だ。スコープの先に付いた小さなカメラによって、胃だけではなく、カメラが通過する喉や食道、十二指腸を含めた上部消化器官内のポリープやがん、炎症などを調べることができる』、興味深そうだ。
・『胃カメラでわかる病気はいろいろ  胃カメラで見つかる疾患は胃がんなど胃の病気に限らず、咽頭がんや喉頭がん、食道がん、逆流性食道炎、十二指腸がん、急性胃炎、萎縮性胃炎、胃潰瘍、十二指腸潰瘍など、数多い。 実は、胃がんの原因とされるピロリ菌(H.pylori)感染の有無も胃カメラ検査でわかる(ピロリ菌関連記事:胃がん原因の9割、感染ある人の特徴はこちら)。 「ピロリ菌に感染していると特徴的な胃炎の所見が見られるため、内視鏡の専門医であれば、胃粘膜の状態だけでも感染を疑うことができます」(平澤医師) 胃カメラで胃内にポリープが見つかるケースも多い。ポリープと聞くと、がん化を心配してしまうがどうなのだろうか。 「大腸のポリープと違い、胃にできる多くは『胃底腺ポリープ』という良性のもので、ピロリ菌に感染していない健康な胃粘膜にできることが多いとされています。複数できることも多いですが、胃カメラで見つかっても基本的に切除する必要はありません」(平澤医師) ただし、約1%程度、ポリープと見分けのつきにくいがんが紛れ込んでいることがある。そのため、専門医による正確な診断は欠かせないという。 ちなみに、胃カメラはスコープを挿入する場所が鼻か口によって呼称が変わる。口からの挿入するものは経口内視鏡、鼻から挿入するものは経鼻内視鏡と呼ばれている。 「痛い」「苦しい」といったイメージがある胃カメラだが、つらい思いをせずに受ける方法はないのか。 経口内視鏡を受ける流れは、検査前に、胃の中の観察をしやすくするため、胃の中の泡を消す消泡剤と胃の粘液を溶かす薬を飲む。のどにも局所麻酔薬のスプレーを吹きかける。 検査室では義歯やコルセット、時計・メガネなどをはずし、普段着のまま(検査着を着用することも)、ベルトを緩めて検査台に横になる。眠るための鎮静薬の注射を受け、リラックスした状態で検査を受ける。 「経口内視鏡は『オエッとなって苦しい』というイメージが強いと思いますが、今はほとんどの医療機関で鎮静薬を使っています。鎮静薬によって意識がぼんやりした状態になり、検査の不安やストレスも和らぎ、うとうと眠っている間に終わります。検査時間も3~5分ですし、痛みや苦しさを感じることはほぼありません。むしろ経口内視鏡が一番、楽に受けられる胃カメラだと思います」(平澤医師)』、私は「経口内視鏡」を「鎮静薬」つきで「検査」しているが、医者が悪いのか「苦しさ」をいつも感じる。
・『高機能化で超早期がんがわかる  経口内視鏡は近年、高機能化が進んでいるという。画像は最新機器だとフルズームで約100倍まで拡大観察できるようになり、NBI(狭帯域光観察:きょうたいいきこうかんさつ)と呼ばれる特殊な波長の光を使った観察も可能になっている。 「NBIでは、通常の光ではわかりにくいがん特有の血管構造などを強調させて観察できます。このおかげで、普通なら見つけられない2ミリ程度の“超早期がん”も発見できるようになりました」(平澤医師) 注意点としては、検査後、鎮静薬から覚めて意識がはっきりするまで、30~60分ほど横になって休む必要がある点だ。検査後に車の運転はできないなどの行動制限もある。 一方、経鼻内視鏡では、鼻血を予防する薬を鼻の穴にスプレーした後、ゼリー状の局所麻酔薬を注入する。これでスコープ挿入時の痛みが抑えられるため、前処置として鎮静薬を使用しないケースが多い。 経鼻内視鏡で使用するスコープの直径は約5~6ミリ。経口内視鏡の約半分の細さであることや、スコープが舌の根元に触れないため、嘔吐感が少なく、比較的楽に検査ができる。 「経鼻なら検査を受けている間、医師や看護師と一緒にモニターを見て、会話もできます。検査後の休憩も必要なく、行動制限がない点はメリットですね」(平澤医師) ただし、鼻腔内が狭いと、スコープが鼻の中を通過する際に痛みが出ることもあるという。また、鼻中隔(鼻の左右を分けている壁)の曲がっている人や、副鼻腔炎や鼻アレルギー、花粉症などで鼻づまりがあると検査できないケースも。鼻腔内の状態によっては、経鼻内視鏡を予定していても、経口内視鏡に変更となるケースもあるという。 何より、経鼻内視鏡は経口内視鏡よりもカメラの性能や画質の点でやや劣り、拡大観察もできないと平澤医師。 「『痛い検査は嫌だが、多少の休憩時間はとれる』という人は経口、『多少痛くてもいいが、休憩時間がとれない』という人は経鼻と、それぞれのメリットとデメリットをよく考慮して決めていただければと思います」) 胃がんは現在、日本人のがん死亡者数では1位の肺がん、2位の大腸がんに次いで3位(国立がん研究センター「がん統計2022」より)だ。 50歳前後から、とくに男性で急に罹患率が高まる。自治体の胃がん検診も50歳以上を対象としているが、「胃カメラは50代のうちに一度は受けること」を平澤医師は強く勧める。 「がんの多くがそうであるように、胃がんでも早期には症状が出ません。これといって気になる症状がないという人でも、50歳を過ぎたら一度は胃カメラを受けておくといいと思います」(平澤医師)』、「経鼻内視鏡」は楽そうだが、「経口内視鏡よりもカメラの性能や画質の点でやや劣り、拡大観察もできない」のであれば、やはり「経口内視鏡」を続けよう。
・『バリウムとの違い、検診について  ところで、胃がんの検査といえばバリウム検査(胃X線検査)を思い浮かべる人もいるだろう。2016年には検査の選択肢に胃カメラも加わったものの、いまも多くの自治体の胃がん検査で行われている。 現在は、バリウム検査であれば40歳以上を対象に年1回、胃カメラの場合で50歳以上を対象に2年に1回の受診が推奨されている。50歳以上であれば、バリウム検査か胃カメラかの検査方法を住民自身で選べることが多い。 ちなみにバリウム検査とは、バリウム(造影剤)を飲んで発泡剤(炭酸)で胃を膨らませ、X線(レントゲン)を連続的に照射しながら撮影する検査だ。体位を変えながらレントゲン撮影することで、バリウムが粘膜の表面を滑り落ちていく様子を観察する。それによって、食道、胃、十二指腸のポリープ、隆起、陥凹などの有無を捉えることができ、潰瘍やがんの存在もわかる。 平澤医師は胃がん検査ではバリウム検査ではなく、胃カメラを推奨する。バリウム検査では、バリウムを胃粘膜表面に付着させて凹凸を見分けるため、早期がんの小さな凸凹は見つけにくい。さらに、胃内に胃液などの液体が多い場合には、バリウムが薄まり、検査の精度が低くなってしまうという。 「バリウム検査でもある程度、早期がんは見つかりますが、2センチ以上の大きさでないと検出しにくい。2センチぐらいだと早期がんの場合もありますが、進行がんで見つかるケースもあります」(平澤医師) これに対し、胃カメラであればわずか数ミリという“超早期の胃がん”も見つけることができ、治療も内視鏡ですむ。早期の胃がんの生存率は高く、5年生存率は96.7% とされている。 さらに胃カメラは近年、機能にAI(人工知能)技術が加わり、進化を続けている。 「画像にがんやポリープなどが確認されるとアラートが出る機能や、ポリープとがんを見分けることのできる機能の付いたAIシステムも出てきています。こうした機能により、超早期のがんが発見しやすくなりつつあります」(平澤医師) ただ、AIはあくまでも医師のサポートであり、最終的な診断は医師が行うものだ。胃カメラでいかに早期のうちにがんを発見できるかは医師の腕にかかっている。) 「正直、胃カメラを操作する技術のクオリティは医師によって異なります」と平澤医師。こう続ける。 「つまり、“同じがんでもそれを見つけられる医師と見つけられない医師がいるということ”です。せっかく検査を受けるのであれば、消化器内科や消化器外科で、日本消化器内視鏡学会専門医の資格を持つ医師を選びましょう。ネットの口コミよりも、身近な人たちが実際に検査を受けて、勧める病院や医師のほうが信頼できると思います」(平澤医師)』、「胃カメラは近年、機能にAI・・・技術が加わり、進化を続けている。 「画像にがんやポリープなどが確認されるとアラートが出る機能や、ポリープとがんを見分けることのできる機能の付いたAIシステムも出てきています。こうした機能により、超早期のがんが発見しやすくなりつつあります」、もはや「バリウム検査」は古臭い。
・『若くても受けたほうがいい人とは?  がん検診とは別に、20代、30代の若い人でも胃カメラを受けたほうがいい場合があると、平澤医師は言う。それは、“ピロリ菌感染歴のある人や胃がんになった人が家族にいるケース”だ。 「ピロリ菌感染が胃がんの主な原因だとわかっています。ピロリ菌感染の有無をできるだけ早い段階で調べて、感染があれば速やかに除菌する。ピロリ菌による感染期間が短く、ピロリ菌感染による胃粘膜の萎縮がまだ見られない段階で除菌ができれば、胃がんリスクはぐっと低くなります」(平澤医師)』、私は幸い「ピロリ菌感染」はしてないようだ。 

次に、7月28日付けダイヤモンド・オンラインが掲載した作家&教育・介護アドバイザーの鳥居りんこ氏による「白衣を見るだけで血圧上昇?病院恐怖症の人が医者に上手にかかる法」を紹介しよう。
https://diamond.jp/articles/-/326716
・『病院に行くのが怖くて緊張するという人は多い。「もし大変な病気だったら……」「病院に行っても改善しなかったら……」「怖い医者だったらどうしよう……」「自分の症状を本当にわかってもらえるか……」などなど、次から次へと心配事が浮かび、余計に緊張してしまうということもなきにしもあらず。ただでさえ、「病院に出向く」のは面倒なのに、これでは、より一層、気が重くなりそうだ。 しかし、医者にかかる上手なコツがわかっていれば、緊張や不安も少しは減るのではないだろうか。 しんどい「お腹の悩み」を、消化器内科の名医にスッキリ解決してもらう当シリーズ、4回目の今回は「医者への上手なかかり方」をお伝えしよう』、興味深そうだ。
・『患者は緊張するのが当たり前 医療ウェアを見るだけで血圧が上がる人も  先頃『消化器内科の名医が本音で診断 「お腹のトラブル」撲滅宣言』(双葉社)を上梓した、湘南いしぐろクリニック院長の石黒智也氏は「病院で緊張するのは当然」と言い切る。 「病院は患者さんにとっては、非日常空間。待合室では誰もが、大なり小なりは不安でしょう。自分以外の人が落ち着き払って、余裕の表情をされているように見えても、内心は皆さん、ドキドキかもしれません。特に初対面の医者にかかる際は、ちゃんと伝わるかな……、冷たい対応をされたら……と不安になり緊張しますよね。 ただでさえ具合が悪いのに、誰だかよくわからない人につらい症状を訴えなければならないんですから、緊張したり、ブルーな気持ちになるのは当然です。まずは、緊張するご自分を『病院に来たんだから、無理もないよ。それが、普通だよ』と落ち着かせてください」 実際、病院で医療ウェアを着た人を見るだけで血圧が上がってしまう患者は多いという。原因は医者や看護師を前にして、緊張してしまうから。心身が「興奮モード」の時に活発化する交感神経が優位になった結果、一時的な血圧上昇に見舞われるのだそう。 「患者さんには、今、困っていることを診察室で自由に話してもらいたいです。話をしているうちに緊張もほどけてきますし、こちらも患者さんの言葉や動作から、今置かれている環境や状態を推察できるので、総合的な判断がつきやすくなるんですね。 特に、お腹の病はとてもデリケートな疾病。治療には医者が患者さんの様子をじっくりと観察し、お話をうかがうことが必要です。そのためにも、基本的には、医者に何でもざっくばらんに打ち明けてほしいです」と石黒医師。 ただし、病院の多くは沢山の患者を抱えているため、ひとりひとりに長い時間をかけることが事実上、難しいという問題もある。事実、治療とは関係ない世間話を始める患者もいると聞く。それをやられると、医者側も対処に困ることだろう。 やはり、病に打ち勝つには、患者と医者がより的確な症状の情報交換をしなければならないのだ。そのために石黒医師は、患者に教えてもらいたいという6項目を挙げている』、「患者に教えてもらいたいという6項目」とは便利だ。
・『医者が患者から教えてもらうと助かる情報  1 いつから 2 どこの、どんな症状が気になっているか? 3 今までも、こういうことがあったか? 4 痛みに波はあるか?(ずっと痛いか、それとも時々、痛むのか?) 5 熱はあるか? 6 便通はどうか?(下痢なら1日何回、便秘なら何日に1回) 「医者にご自身の症状をうまく伝える自信のない方は、1~6の情報を記載したメモを最初に見せてください。ご質問があれば、併せて箇条書きにしてくれると助かります。『結局、言いたいことも言えず、聞きたいことも聞けなかった』という状態では、治るものも治りません。快癒のためには、患者さんと医者の共闘が必要ですから、この6項目をはじめに教えてくださいね」) さらに、消化器内科では、医者と患者の的確な情報交換には「ウンコー日誌」も大切な資料になる。 「連載第1回の『下痢編』でも詳しくお伝えしましたが、お腹やうんちのことで悩みがある方は、拙書の付録にあるような『ウンコー日誌』をぜひ、ご持参ください。ウンコー日誌は排便の記録です。手帳のメモ書きでも構いませんが、少なくとも1週間分は見せていただきたいです。 意外と、排便の回数や便の状態をきちんと把握されていない患者さんは多いです。受診の際は、医者にできるだけ具体的に症状の重さや排便回数を伝えることも快復への重要なポイントになります」 消化器内科医が欲しい腹痛&排便情報は次の5つ。 (1) 便の回数(その日、何回出たか) (2) 便の状態(便秘・コロコロ便・普通便・下痢) (3) 便の量(多・中・少) (4) 痛みのレベル(10段階の自己評価) (5) 思い当たる原因のメモ(夕飯に焼肉・大事なプレゼン前など)』、「消化器内科医が欲しい腹痛&排便情報」、もさもありなんだ。
・『医者に「うんち」の状況を的確に伝えるスマホの利用法  さらに、現代ならではの「見せてほしいもの」があると石黒医師は言う。 「それはスマホで撮った便の様子です。前回の記事で『血便をスルーしない!』ということを申し上げましたが、便の色も診断の重要な資料になります。例えば、『うんちが黒い』ということを心配した患者さんが受診された場合。医者サイドが想像する黒はコールタールのような黒なんですが、実際には『いつもより黒っぽいだけ』というのも、よくあるケース。) このように、口で微妙な色を表現するのは難しいです。しかし、今の時代には“写メ”があります。うんちが何か変だなと思ったら、パシャリと撮って、医者に見せる。これで、双方の誤解は回避されます。うんちを恥ずかしく思う必要はありません。何故ならば、消化器内科医はうんちの専門家。うんちを見るのも仕事です。しかし、患者さんでたまにおられますが、現物は衛生上、持ってこないでくださいね(笑)」 ちなみに、血便は赤も気になるが、黒も血が混じっている可能性あり。白が連日、続いているならば、胆汁が止まっているかもしれず、胆石や胆管炎、酷いケースだと胆管がん、すい臓がんの恐れもあるそうなので、自分の便が硬いのか、軟らかいのかを把握するのと同時に、色も気にかけておいたほうが良さそうだ』、「今の時代には“写メ”があります。うんちが何か変だなと思ったら、パシャリと撮って、医者に見せる。これで、双方の誤解は回避されます」、これは便利だ。
・『医者の喜びは患者の笑顔 有意義な「作戦会議」を  石黒医師は力を込めて、こう語る。 「医者の喜びは、患者さんが治って、笑顔になること。これがすべてです」 そのためには、我々患者側の協力は欠かせない。まずは、自身の症状を具体的に把握し、医師に伝えることが大事だ。 残念ながら、お腹のトラブルは1回や2回の診察で完治とするほど簡単な病気ではないことが多いらしい。基本的には、状況に応じて、いろいろ薬を試しながら、長期戦で治療していくことがむしろ普通。ゆえに診察室は、病に打ち勝つための、患者と医者との“作戦会議”の場とも言えるだろう。 限られた診療時間の中で、医者が最大限のパフォーマンスを発揮するためにも、そして患者自身が「病を治す!」という方向に舵を切るためにも、意味のある“作戦会議”にするべく これまで述べたことを参考にしてほしい。 次回は、共に病と戦うことになる医者を患者はどのように選べばいいのかをお伝えしよう。 (【監修】石黒智也氏の略歴はリンク先参照)』、「残念ながら、お腹のトラブルは1回や2回の診察で完治とするほど簡単な病気ではないことが多いらしい。基本的には、状況に応じて、いろいろ薬を試しながら、長期戦で治療していくことがむしろ普通。ゆえに診察室は、病に打ち勝つための、患者と医者との“作戦会議”の場とも言えるだろう」、私は短期なので、「長期戦」はできれば避けたいところだが、そうせざるを得ない場合にはやむを得ないだろう。
タグ:東洋経済オンライン (その39)(【胃カメラ】バリウムとの違い、楽な受け方は? 基本は50代以降、20~30代で検査が必要な人も、白衣を見るだけで血圧上昇?病院恐怖症の人が医者に上手にかかる法) 東洋経済オンライン医療取材チームによる「【胃カメラ】バリウムとの違い、楽な受け方は? 基本は50代以降、20~30代で検査が必要な人も」 医療問題 「上部消化管内視鏡検査」だ。スコープの先に付いた小さなカメラによって、胃だけではなく、カメラが通過する喉や食道、十二指腸を含めた上部消化器官内のポリープやがん、炎症などを調べることができる 「経鼻内視鏡」は楽そうだが、「経口内視鏡よりもカメラの性能や画質の点でやや劣り、拡大観察もできない」のであれば、やはり「経口内視鏡」を続けよう。 私は「経口内視鏡」を「鎮静薬」つきで「検査」しているが、医者が悪いのか「苦しさ」をいつも感じる。 「胃カメラは近年、機能にAI・・・技術が加わり、進化を続けている。 「画像にがんやポリープなどが確認されるとアラートが出る機能や、ポリープとがんを見分けることのできる機能の付いたAIシステムも出てきています。こうした機能により、超早期のがんが発見しやすくなりつつあります」、もはや「バリウム検査」は古臭い。 私は幸い「ピロリ菌感染」はしてないようだ。 ダイヤモンド・オンライン 鳥居りんこ氏による「白衣を見るだけで血圧上昇?病院恐怖症の人が医者に上手にかかる法」 「医者への上手なかかり方」をお伝えしよう 「患者に教えてもらいたいという6項目」とは便利だ。 1 いつから 2 どこの、どんな症状が気になっているか? 3 今までも、こういうことがあったか? 4 痛みに波はあるか?(ずっと痛いか、それとも時々、痛むのか?) 5 熱はあるか? 6 便通はどうか? この6項目をはじめに教えてくださいね」 『ウンコー日誌』をぜひ、ご持参ください。ウンコー日誌は排便の記録です 消化器内科医が欲しい腹痛&排便情報は次の5つ。 1) 便の回数(その日、何回出たか) (2) 便の状態(便秘・コロコロ便・普通便・下痢) (3) 便の量(多・中・少) (4) 痛みのレベル(10段階の自己評価) (5) 思い当たる原因のメモ(夕飯に焼肉・大事なプレゼン前など) 「今の時代には“写メ”があります。うんちが何か変だなと思ったら、パシャリと撮って、医者に見せる。これで、双方の誤解は回避されます」、これは便利だ。 「残念ながら、お腹のトラブルは1回や2回の診察で完治とするほど簡単な病気ではないことが多いらしい。基本的には、状況に応じて、いろいろ薬を試しながら、長期戦で治療していくことがむしろ普通。ゆえに診察室は、病に打ち勝つための、患者と医者との“作戦会議”の場とも言えるだろう」、私は短期なので、「長期戦」はできれば避けたいところだが、そうせざるを得ない場合にはやむを得ないだろう。
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英語(その4)(グーグル翻訳が惨敗!無料翻訳ソフト「DeepL」驚異の実力と意外な落とし穴、小学校での英語必修化から3年 英語嫌いが増えて成績が二極化した理由、実は勉強が嫌い「福沢諭吉」なるほどな英語習得術 漢文学習で身につけた「素読」を英語でも応用) [生活]

英語については、昨年1月20日に取上げた。今日は、(その4)(グーグル翻訳が惨敗!無料翻訳ソフト「DeepL」驚異の実力と意外な落とし穴、小学校での英語必修化から3年 英語嫌いが増えて成績が二極化した理由、実は勉強が嫌い「福沢諭吉」なるほどな英語習得術 漢文学習で身につけた「素読」を英語でも応用)である。

先ずは、昨年6月19日付けダイヤモンド・オンラインが掲載したイトモス研究所所長の小倉健一氏による「グーグル翻訳が惨敗!無料翻訳ソフト「DeepL」驚異の実力と意外な落とし穴」を紹介しよう。
https://diamond.jp/articles/-/304895
・『無料翻訳ソフト「DeepL」の実力がすさまじい。海外メディアの英語やロシア語の記事を自然な日本語として読めるようになり、もはやDeepLなしの生活は考えられないほどだ。Google翻訳と比べてみてもその実力差は歴然としている。意外な落とし穴もあるのはご愛嬌。そこだけ気をつければ、これを利用しない手はない』、興味深そうだ。
・『DeepL翻訳なしの生活が考えられないくらいの実力  雑誌を読むのが日課になっていて、ジャンルを問わず(電子版ビューワータイプで)大量に読み漁っている。そんな中で先日読んだ「日経パソコン」(3月28日号)で紹介されていた「DeepL」という翻訳ソフトの実力がすさまじい。 最初は、Google翻訳より少しだけ精度が高い翻訳ソフトぐらいにしか考えてなかった。ところが、インストールして使っているうちに、今や「DeepL」なしでの生活は考えられなくなっている。 例えば、英公共放送BBCの英字ニュースサイトで6月4日に公開された「War in Ukraine: We are holding on, say Mykolaiv residents」という記事で検証してみよう。この記事は、ロシア軍による砲撃が毎日のように行われているウクライナの都市の現状をBBCの記者が現地からルポしているものだ。元の英文、Google翻訳、そしてDeepL翻訳をそれぞれ比べてみる。) 【元の英文】There is shelling every day in Mykolaiv. The Russians are on the outskirts to the east and south, pummelling surrounding villages and forcing thousands to flee. 【Google翻訳】ムィコラーイウでは毎日砲撃があります。ロシア人は東と南の郊外にいて、周囲の村を襲い、何千人もの人々を逃亡させています。 【DeepL翻訳】ミコライフでは毎日のように砲撃が行われている。ロシア軍は東と南の郊外におり、周辺の村々を打ちのめし、数千人を避難させた。 事実を分かりやすく伝えていくのが目的であるニュース原稿の大部分については、Google翻訳でもDeepL翻訳でも文章を読み取るのにあまり苦労はしない。また、クオリティーも保たれているケースが多い』、「ニュース原稿の大部分については、Google翻訳でもDeepL翻訳でも文章を読み取るのにあまり苦労はしない。また、クオリティーも保たれているケースが多い」、なるほど。
・『すさまじい実力を持つDeepLに意外な落とし穴が…  この例でのポイントは全体の翻訳の出来よりも、ウクライナの都市名「Mykolaiv」の和訳だ。Google翻訳は「ムィコラーイウ」と訳し、DeepL翻訳は「ミコライフ」と訳していることは大きな留意点といえる。 「ムィコラーイウ」はウクライナ語、「ミコライフ」はロシア語の発音だ。最近、日本でウクライナの地名を従来のロシア語ではなく、ウクライナ語の発音に近い形で表現することになっている。その新しいトレンドを踏まえているのは、Google翻訳である。ウクライナの首都「Kyiv」も、Google翻訳ではウクライナ語表記の「キーウ」、DeepL翻訳ではロシア語表記の「キエフ」となっている。 もし、あなたがDeepL翻訳を使うケースがあったなら、地名などの固有名詞はきちんと調べ直した方がいいことになる。 なお、日本メディアでは「キーウ」表記は浸透しているものの、「ムィコラーイウ」と「ミコライフ」はまだ混在しているようだ』、「最近、日本でウクライナの地名を従来のロシア語ではなく、ウクライナ語の発音に近い形で表現することになっている。その新しいトレンドを踏まえているのは、Google翻訳である」、なるほど。
・『文学的な文章や口語的な表現になるとDeepL翻訳の圧勝  しかし、前述のデメリットが気にならないほどDeepL翻訳のすごさを実感するのは、物語のような文章や口語的な表現も加わっている描写のケースだ。一般的なニュース記事であっても、そういった表現は原稿内に多分に含まれているものだ。 では、先ほどと同様に比べてみよう。先ほどと同じくBBCで6月17日に公開された「Is remote work worse for wellbeing than people think?」という記事で検証してみたい。この記事は、Katie Bishop氏が「リモートワークのメリットとデメリット」について取材・検証しているものだ。 【元の英文】When Cat, 30, was offered a fully remote role last year, she didn’t think twice about accepting. By then, Cat, who lives in London and works in environmental services, had already been working mostly remotely for some time as a result of the pandemic. She thought that being based from home wouldn’t be much of a problem. ut during the past few months, Cat has started to have second thoughts. 【Google翻訳】昨年、30歳の猫が完全に遠隔の役割を提供されたとき、彼女は受け入れることについて2度考えませんでした。その時までに、ロンドンに住んでいて環境サービスで働いている猫は、パンデミックの結果として、すでにしばらくの間、ほとんど遠隔地で働いていました。彼女は、家に拠点を置くことはそれほど問題ではないと考えました。 しかし、過去数か月の間に、猫は考え直し始めました。 【DeepL翻訳】30歳のCatは昨年、完全なリモートワークの仕事のオファーを受けたとき、迷わず受け入れました。ロンドンに住み、環境サービス業に従事するキャットは、パンデミックの影響ですでにリモートワークが中心になっていました。自宅を拠点にすることは、さほど問題にはならないだろうと思っていた。 しかし、この数カ月間、キャットは考え直すようになった。 ニュース記事ではGoogle翻訳の文章のアラは、それほど気にならないのだが、ほんの少しだけでも「ビジネス文章的な定型文」を離れると、Google翻訳は何を言っているのかよく分からなくなってしまった。対するDeepL翻訳は「猫」「(人名の)キャット」をきちんと分けて認識できている。 Google翻訳では、原文を見ながら翻訳を読めば理解することができるのだが、ご覧の通り、DeepLの方は原文に戻らなくても極めて流暢な日本語に訳すことができているケースがほとんどだ』、「DeepL翻訳は「猫」「(人名の)キャット」をきちんと分けて認識できている」、というのは大したものだ。
・『DeepL翻訳があれば世界中の情報を日本語で読める  ここまでの文章に翻訳してくるとなると、日本語のニュースを読むように海外のニュースサイトを読めるようになった。しかも、DeepL翻訳はロシア語にも対応している。 私は、DeepL翻訳のおかげで、BBC、米紙の「ニューヨーク・タイムズ」「ワシントン・ポスト」、ロシア紙の「モスコフスキー・コムソモーレツ」「ニェザヴィーシマヤ・ガゼータ」などを日本語ニュースを読むように、読むことができている。非常に有用だ。 さて、気になるお値段だが(通販番組のようだ!)、なんと無料だ。無料版ではいくつかの制限があるのだが、大した制限ではなく、ほとんどの人が不自由なく使うことができるだろう。 有料版「DeepL Pro」を申し込むとウェブブラウザ「Google Chrome」の拡張機能として活用ができるので、ニュースサイトを開けると勝手に翻訳を始めてくれる。この機能があまりに便利なので、私は有料版を申し込んでいる。 ウクライナだけでなく、世界中の知りたい情報が何の苦労もせずに手に入る時代が到来したのだ。経済ニュースや投資情報も、日本語のニュースサイトを利用するように理解できる。これを利用しない手はないだろう。 訂正 記事初出時より以下の通り訂正します。 20段落目:DeepL翻訳は、ロシア語にもウクライナ語にも対応している→DeepL翻訳はロシア語にも対応している (2022年6月20日15:31 ダイヤモンド編集部)』、「気になるお値段だが(通販番組のようだ!)、なんと無料だ。無料版ではいくつかの制限があるのだが、大した制限ではなく、ほとんどの人が不自由なく使うことができるだろう」、「世界中の知りたい情報が何の苦労もせずに手に入る時代が到来したのだ。経済ニュースや投資情報も、日本語のニュースサイトを利用するように理解できる。これを利用しない手はないだろう」、便利な時代になったものだ。

次に、本年5月20日付けダイヤモンド・オンラインがAERAdot.を転載した「小学校での英語必修化から3年、英語嫌いが増えて成績が二極化した理由」を紹介しよう。
https://diamond.jp/articles/-/323167
・『小学校で英語が必修化されて3年。中学卒業までの学習内容は、劇的に増加した。しかし英語の力がつくどころか、英語嫌いが増えているという。AERA 2023年5月15日号より紹介する。 現在の小学校英語は、ざるで水を受けるような状態だ。この影響を受けるのは、中学1年生の英語教員だ。 小学校で英語力の定着を図ることができないなか、中学の教科書は「小学校で習った」ことを前提として執筆されている。単語も本文の量も激増しているのに加え、これまで高校で習っていた文法事項が中学に降りてきている。しかし授業時間は週に4コマと変更はない』、「英語の力がつくどころか、英語嫌いが増えている」、本末転倒の事態になっているようだ。
・『すべて英語で授業する  東京都の区立中学で、1年生を担当する50代の英語教員は言う。 「be動詞と一般動詞を同じユニットで扱ったり、違う形の疑問文が同時に出てきたりするので、生徒は混乱していると思います」 東京書籍の英語教科書「NEW HORIZON」の「Unit 1」の内容を見ると「be動詞(am、are)とその疑問文、一般動詞とその疑問文、canとその疑問文・否定文」、「Unit 2」は「isの疑問文・否定文、what・who・howの疑問文」となっている。かなりのハイペースだ。しかも、これらをすべて英語で教えなければいけないという。新「中学校学習指導要領」には、「授業は英語で行うことを基本とする」と明記されたからだ。 「オールイングリッシュで文法を教えるのは本当に難しい。一度、日本語でまとめて文法の授業をしたら『先生わかったよ!』と生徒が喜んでくれました」(区立中学校英語教員) 3年前に退職し、現在、公立中学校で英語の時間講師として教壇に立つ吉岡潤子さんは語る。 「小学校での英語教育が始まり、大きく変わったのは中1の最初の授業です。『Do you like English?』と聞くと、『No!!』という大きな声が上がるようになりました。小学校で英語嫌いになって、中学に上がってきているのです」) また、小中の連携がとれていないことも問題の一つだ。文科省にこの問題への対策を問い合わせたところ「小学校から中学校への円滑な接続を図ることとしているところです」という回答。解決への具体策は示されていなかった。現場の状況は深刻で、中学校教員が小学校の授業見学を求めても断られることもあるという。小学校での英語授業の内容は学校ごとにばらつきがあるため、本来であれば入念な引き継ぎが必須のはずだ。 小学校英語必修化や新学習指導要領によるマイナスの影響は、中学生の成績に出てきている。単語数や文法項目が増えただけでなく、教科書のページ数もゆとり教育時代の1.6~2倍に。それを「40人学級でオールイングリッシュ」で教えるのだから、取り残される子が出ないほうが不思議だ。しかも学習内容が増えたため、復習する時間もとれず、ただただ授業をこなすことに追われてしまうという』、「小中の連携がとれていないことも問題の一つだ」、「これらをすべて英語で教えなければいけないという。新「中学校学習指導要領」には、「授業は英語で行うことを基本とする」と明記されたからだ」、何故こんな馬鹿な恰好づけをするのだろう。現実を踏まえないで、理想論だけに走った結果だろう。
・『平均点は下がり気味  中学1年の最後の授業で、ある教員の元に生徒からこんな感想が届いたという。 「一生懸命勉強したのに、テストの点がひどくて涙が出てきました。読めないし、書けない。意味が全然わからない。理解できている子を見ると、どうして自分だけ、と考えてしまいます」 先の区立中英語教員によると、「テストの平均点は下がり気味で、しかも真ん中がいない『ふたこぶラクダ』のような成績分布に変化した」という声が教員の間で多数上がっているという。 現場の先生に委ねられたコミュニケーション重視の小学校の授業。高度化した内容をオールイングリッシュで教えるようプレッシャーがかけられる中学校の授業。全ては現場の教員と子どもたちの努力に委ねられた今、うまく教えられなかったら……、授業についていけなかったら……。「自己責任」だと切り捨てられてしまうのだろうか。(ライター・黒坂真由子)※AERA 2023年5月15日号より抜粋 ※AERA dot.より転載)』、「「テストの平均点は下がり気味で、しかも真ん中がいない『ふたこぶラクダ』のような成績分布に変化した」という声が教員の間で多数上がっている」、「「平均点は下がり気味で、しかも真ん中がいない『ふたこぶラクダ』のような成績分布に変化した」」、のであれば、明らかに大失敗だ。失敗の要因を総括した上で、早急に対策に乗り出すべきだろう。

第三に、7月16日付け東洋経済オンラインが掲載したライター・翻訳者の大澤 法子氏による「実は勉強が嫌い「福沢諭吉」なるほどな英語習得術 漢文学習で身につけた「素読」を英語でも応用」を紹介しよう。
https://toyokeizai.net/articles/-/685785
・『『学問のすゝめ』で知られる福沢諭吉ですが、実は勉強が好きではなかった?/出所:『吾輩は英語がペラペラである』 新渡戸稲造、夏目漱石、野口英世……彼らに共通する点がわかりますか。それは、成人する前に海外への留学を経験することなく、日本にいながらにして、ネイティブ顔負けの英語力を身につけたことです。 現代よりも英語学習法が確立されていない時期に、偉人たちはどのようにして英語をマスターしたのでしょうか?そして、現代の私たちが彼らの「英語学習法」から学べることとは? 『吾輩は英語がペラペラである ニッポンの偉人に学ぶ英語学習法』より抜粋、再構成してお届けします』、「偉人たちはどのようにして英語をマスターしたのでしょうか?そして、現代の私たちが彼らの「英語学習法」から学べることとは?」、興味深そうだ。
・『勉強嫌いを克服し学問の啓蒙書を出版!(福沢諭吉(1835~1901年) 啓蒙思想家・教育家。幕末に『西洋事情』を発表し、明治維新に貢献。『学問のすゝめ』は教科書にも採用され幅広く読まれた。「自由」「平等」「権利」の尊さを説き、慶應義塾(現在の慶應義塾大学)を創設した。 諭吉の有名な言葉に「天は人の上に人を造らず、人の下に人を造らず」があります。『学問のすゝめ』の冒頭に記された言葉であり、「人間は生まれながらに平等であって、貴賤や上下関係によって差別されてはならない」ということを意味します。これは父親である福沢百助の影響を受けて生まれたものでした。 諭吉は1835年、大坂で5人きょうだいの末っ子として生まれました。父親の百助は足軽より格上の身分ではありましたが、下級武士に過ぎず、貧しい生活を強いられていました。 当時の日本は「家老の家に生まれた者は家老になり、足軽の家に生まれた者は足軽にならなければならない」という封建的な制度に縛られていました。その制度に異を唱えていた百助は、諭吉が生まれたときに「十か十一になれば寺にやって坊主にする」と言っていたのだとか。百助は諭吉が生まれて間もなく亡くなりましたが、生前諭吉の母親にそのことを話しており、諭吉は母親を介してその言葉を知ったそうです。) 父親の期待に応えるには、当然学問に励まなければなりません。ところが、兄や姉は7、8歳のころから習い事を始めたのに、諭吉は根っからの勉強嫌いで、全く勉強する気が起きなかったのだとか。 14歳のころ、近所の子が本を読んで勉強しているのを知り、「このままではまずい」と思ったのでしょう。ようやく地元の漢学の塾に通い、当時教養として身につけるべきとされていた中国語を勉強する気になったそうです。 語学はなるべく早い時期に始めるのがよいといわれています。ではなぜ、出遅れとも言える諭吉が中国語を身につけることができたのでしょうか。 その答えは日本の歴史にあります。古代に伝来した儒学と、諭吉をはじめ江戸の知識人のあいだで好まれた儒学は性質が異なります。江戸幕府が推奨した儒学は日本化されたものであり、江戸時代に出回った儒学書に書かれている言葉も、「唐話」と呼ばれる、唐通事(中国語の通訳者)が話す言葉をベースに、日本人向けにつくられた中国語でした。当時は基本的に日本語訛りの中国語が使われていたのです。 現代の語学ではとにかくネイティブ並みに話したり書いたりすることが求められます。その結果、語学のハードルが高くなり、上達が妨げられてしまいます。 当時の中国語は日本人向けに最適化されていたからこそ、諭吉をはじめとする江戸の知識人たちは中国語を嗜み、武器とすることができたのです』、「諭吉は根っからの勉強嫌いで、全く勉強する気が起きなかったのだとか。 14歳のころ、近所の子が本を読んで勉強しているのを知り、「このままではまずい」と思ったのでしょう。ようやく地元の漢学の塾に通い、当時教養として身につけるべきとされていた中国語を勉強する気になったそうです」、「江戸幕府が推奨した儒学は日本化されたものであり、江戸時代に出回った儒学書に書かれている言葉も、「唐話」と呼ばれる、唐通事(中国語の通訳者)が話す言葉をベースに、日本人向けにつくられた中国語」、「当時の中国語は日本人向けに最適化されていたからこそ、諭吉をはじめとする江戸の知識人たちは中国語を嗜み、武器とすることができたのです」、「日本人向けに最適化されていたからこそ、諭吉をはじめとする江戸の知識人たちは中国語を嗜み、武器とすることができたのです」、とは初めて知った。
・『お気に入りの漢書は何度もリピート  『学問のすゝめ』や『西洋事情』などの本を著した諭吉も、昔から本を好んで読んでいたわけではありませんでした。むしろ本が大嫌いで、これは14歳になるまで学問に励まなかった理由とも関係しています。 諭吉が通っていた漢学者の白石照山 の塾では、『詩経』や『書経』を中心に、『孟子』、『論語』、『老子』、『荘子』、『蒙求 』、『戦国策』などの古代中国の書物を読むためのレッスンが行われていました。古代中国史に興味を持った諭吉は、自ら進んで『前漢書』や『後漢書』、『晋書』などの歴史書を読み漁ったといわれています。) 中でも諭吉にとってのイチオシは『春秋左氏伝』。左丘明 によって書かれた、春秋時代の政治や外交などにまつわる説話集です。その漢書は全部で15巻ありましたが、たいていの生徒が3、4巻ほどでギブアップしたのに対し、諭吉はすべて一通り読んだそうです。それどころか、11回読み返しては、面白いと思った部分を暗記したのだとか。 こうして、諭吉は夢中になれるものに出会えたことがきっかけで、本嫌いを克服し、中国語のスキルを見る見るうちに上達させていきました。 これは英語学習においても同じです。いろいろな教材を試すことも大事ですが、諭吉のように、一つの教材を徹底的にやり込むことで、本に出てくる語彙や表現をモノにすることができるのです』、「諭吉にとってのイチオシは『春秋左氏伝』・・・その漢書は全部で15巻ありましたが、たいていの生徒が3、4巻ほどでギブアップしたのに対し、諭吉はすべて一通り読んだそうです。それどころか、11回読み返しては、面白いと思った部分を暗記したのだとか。 こうして、諭吉は夢中になれるものに出会えたことがきっかけで、本嫌いを克服し、中国語のスキルを見る見るうちに上達させていきました」、「夢中になれるものに出会えたことがきっかけで、本嫌いを克服」、大したものだ。
・『師匠に負けてたまるか!  諭吉の脳裏には常に「天は人の上に人を造らず、人の下に人を造らず」の言葉がありました。勉学に励めば、人間の身分の違いを埋められるということを信じていた諭吉は、漢学塾でも先生に負けまいと必死に勉強していました。 当時、藩校などでは漢文を学ぶのに「素読」という方法がとられていました。「素読」とは、意味の解釈を加えず、ただ声に出して暗唱する学習法。これを逆手にとって、「意味を理解すればどんなに偉い先生にも勝てるだろう」と考えた諭吉が、独自に編み出したのが「意味を理解しながら読む」という方法でした。) 幼くして父親を亡くし、母親によって女手一つで育てられた諭吉は、貧乏な生活を強いられていました。そんなある日、諭吉は兄から以下の言葉を告げられます。 原書というはオランダ出版の横文字の書だ。いま日本に翻訳書というものがあって、西洋のことを書いてあるけれども、真実に事を調べるにはその大本の蘭文を読まなければならぬ。 引用:福沢諭吉・著/富田正文・校訂『新訂 福翁自伝』(岩波文庫)岩波書店 1937)  漢書を学んでいるときは、クラスメートの中では出来がよかったこともあり、オランダ語への興味が自ずと芽生えた諭吉。長崎へ行けば、原書が手に入ります。オランダ語を本格的に学ぶために、長崎に行くことを決心するも、諭吉にはそんなお金はありません。そんなとき、手を差しのべてくれたのが、漢学塾でお世話になった前述の白石照山でした。漢学者でもあった父が遺した蔵書を照山に15両で買い取ってもらった諭吉は、そのお金を手にし、長崎へと出向きました』、「漢学塾でお世話になった前述の白石照山でした。漢学者でもあった父が遺した蔵書を照山に15両で買い取ってもらった諭吉は、そのお金を手にし、長崎へと出向きました」、なるほど。
・『五感を刺激しながら学習する  ただし、手持ちのお金には限りがあります。諭吉は原書がたやすく手に入る長崎のオランダ砲術家の自宅に居候をしたり、知り合いから本を借りたりしながらオランダ語を学んだようです。例えば200ページ余りあるオランダ新版の築城書を知り合いから借りてきたときには、まず数日間ほぼ徹夜で必死に書き写し、 それからオランダ語を知っている蘭学医の先生とできあがったものの読み合わせをしながら、オランダ語を上達させていきました。 語学では、五感を刺激しながら学習することで、知識が記憶により定着しやすくなるといわれています。諭吉が実践したオランダ語学習法は、文字を見て、紙に書き、そしてそれを声に出して読むという方法でした。それにより、視覚や触覚、聴覚が刺激されるので、知識を記憶に定着させるにはうってつけの方法と言えます。実はこれ、歴史的にも効果が証明された方法だったのです。 諭吉にとってオランダ語は異質な言語でしたが、古代の人たちにとってのそれは大陸から入ってくる漢字。そして、古代の人たちが漢字を覚えるために実践したのが、木簡や土器に歌を書き、それを読むという方法でした。 そもそも日本の漢字は発音と意味の両方の情報を持っており、こうしたタイプのものは全体の8割を占めています。ここで、「固」「故」「姑」「胡」という漢字を例に考えてみましょう。いずれも「古(コ)」という発音に関する情報に加え、「乾いて固い」という意味に関する情報を持っています。古代の人たちは、漢字を木簡や土器に記しながら、発音と意味を同時に習得していったとされています。 ところで、英語はどうでしょうか。例えば同じ「li」でも、「little」ではその発音は「リ」であるのに対し、「light」は「ライ」と発音されます。また、これらは意味の異なる単語です。たとえ英語の綴りを理解できても、発音や意味の理解には及びません。漢字とは違って、英語の綴りを書いて、同時に発音や意味をマスターするのは難しいのかもしれません。) 長崎や大坂でオランダ語を学んだ諭吉は、開港したばかりの横浜へ見物に訪れます。ところが、諭吉のオランダ語は全く使い物になりませんでした。というのも、横浜に居留する外国人の多くは英語を話していたのです。「落胆している場合ではない。これからは英語の時代だ!」と奮起した諭吉は、早速英語を学び始めました。 慶應義塾を創設した諭吉も、私たちと同じ人間です。最初からパーフェクトに英語を理解できたわけではありません。特に発音が苦手だったので、外国人に英語を習った子どもが長崎から来たと聞くと、その子どもをつかまえて発音を学んだそうです。  ただ、諭吉の質問には少し意地悪なところもありました。人が読み間違えそうな場所をわざとピックアップし、わからないふりをしてその読み方を尋ねては、学者と称する先生が読み間違える様子を笑っていた、という逸話もあります。 英語上達の秘訣は、とにかく苦手な箇所をつくらないことです。諭吉がとった方法をそっくりそのまま真似する必要はありませんが、わからないことがあったら、積極的に人に聞いて疑問をなくしておくことは見習うべきかもしれませんね』、「横浜に居留する外国人の多くは英語を話していたのです・・・これからは英語の時代だ!」と奮起した諭吉は、早速英語を学び始めました・・・特に発音が苦手だったので、外国人に英語を習った子どもが長崎から来たと聞くと、その子どもをつかまえて発音を学んだそうです」、子どもから「発音」を学んだとは大したものだ。
・『原書で授業をしたら日本語が読めなくなる生徒も  オランダ語と英語は語彙や文法の面で似ており、系統的にはどちらも西ゲルマン語群の低地ゲルマン語派に属します。横浜で購入した蘭英の会話書や辞書とにらめっこする中でそのことを知った諭吉は、英語で書かれた部分をオランダ語に翻訳しながら英語を身につけていきました。 そもそも1858年、諭吉が江戸築地鉄砲洲の中津藩中屋敷内(現在の東京都中央区明石町)に設立した慶應義塾は、蘭学塾として開校したのが始まりでした。それから2年後、諭吉は勝海舟やジョン万次郎らとともに咸臨丸に乗り込み渡米。帰国後は英語と中国語の対訳の単語集『増訂華英通語』の刊行をきっかけに、慶應義塾を英学塾へと切り替えました。 諭吉が展開した英学の授業は「原書を読み、その意味を理解する」という、まさに自身が経験した方法に則ったもの。その方法で生徒の英語のスキルは確実に上達したようですが、なにぶん英語ばかり読んでいたことが仇となり、日本語の手紙が読めなくなる生徒もいたのだとか。  ノンネイティブが外国語を学ぶときには、あらかじめ土台となる母語の文法をしっかり身につけるべきだといわれています。諭吉の場合、日本語の文法を軽視したことが英学の授業の失敗につながってしまったのかもしれません。) 結果的に諭吉のその策略は思いどおりに運んだようで、午前に素読を教わった先生と、午後に漢文の読みで対決をしては、そのたびに先生を負かしていたのだとか。  語学においては、自然に湧き出る心理的な欲求に基づき行動することが重要で、それによってモチベーションが持続し、成功率が高くなるといわれています。諭吉の場合、負けず嫌いな性格が語学を続ける動機となり、結果として師匠を上回るほどの語学力の獲得につながったのです。 諭吉はのちにオランダ語や英語を学ぶ際にも全く同じ学習法を適用しました。もちろん、原書でつまずくこともありました。そんなとき、とりあえず30分間は辛抱強く無言で考えるようにすると、意味が自ずと見えてきたのだとか。こうして、諭吉はオランダ語と英語を上達させていきました』、「オランダ語や英語を学ぶ際にも全く同じ学習法を適用しました。もちろん、原書でつまずくこともありました。そんなとき、とりあえず30分間は辛抱強く無言で考えるようにすると、意味が自ずと見えてきたのだとか。こうして、諭吉はオランダ語と英語を上達させていきました」。「原書でつまずくこともありました。そんなとき、とりあえず30分間は辛抱強く無言で考えるようにすると、意味が自ずと見えてきたのだ」、「原書」を読む時には、私も辞書をすぐに使わずに、先ずは前後関係から推定、段落や頁単位で辞書で確認するという読み方をしている。  
タグ:英語 (その4)(グーグル翻訳が惨敗!無料翻訳ソフト「DeepL」驚異の実力と意外な落とし穴、小学校での英語必修化から3年 英語嫌いが増えて成績が二極化した理由、実は勉強が嫌い「福沢諭吉」なるほどな英語習得術 漢文学習で身につけた「素読」を英語でも応用) ダイヤモンド・オンライン 小倉健一氏による「グーグル翻訳が惨敗!無料翻訳ソフト「DeepL」驚異の実力と意外な落とし穴」 「ニュース原稿の大部分については、Google翻訳でもDeepL翻訳でも文章を読み取るのにあまり苦労はしない。また、クオリティーも保たれているケースが多い」、なるほど。 「最近、日本でウクライナの地名を従来のロシア語ではなく、ウクライナ語の発音に近い形で表現することになっている。その新しいトレンドを踏まえているのは、Google翻訳である」、なるほど。 「DeepL翻訳は「猫」「(人名の)キャット」をきちんと分けて認識できている」、というのは大したものだ。 「気になるお値段だが(通販番組のようだ!)、なんと無料だ。無料版ではいくつかの制限があるのだが、大した制限ではなく、ほとんどの人が不自由なく使うことができるだろう」、「世界中の知りたい情報が何の苦労もせずに手に入る時代が到来したのだ。経済ニュースや投資情報も、日本語のニュースサイトを利用するように理解できる。これを利用しない手はないだろう」、便利な時代になったものだ。 AERAdot.を転載した「小学校での英語必修化から3年、英語嫌いが増えて成績が二極化した理由」 「英語の力がつくどころか、英語嫌いが増えている」、本末転倒の事態になっているようだ。 「小中の連携がとれていないことも問題の一つだ」、「これらをすべて英語で教えなければいけないという。新「中学校学習指導要領」には、「授業は英語で行うことを基本とする」と明記されたからだ」、何故こんな馬鹿な恰好づけをするのだろう。現実を踏まえないで、理想論だけに走った結果だろう。 「「テストの平均点は下がり気味で、しかも真ん中がいない『ふたこぶラクダ』のような成績分布に変化した」という声が教員の間で多数上がっている」、「「平均点は下がり気味で、しかも真ん中がいない『ふたこぶラクダ』のような成績分布に変化した」」、のであれば、明らかに大失敗だ。失敗の要因を総括した上で、早急に対策に乗り出すべきだろう。 東洋経済オンライン 大澤 法子氏による「実は勉強が嫌い「福沢諭吉」なるほどな英語習得術 漢文学習で身につけた「素読」を英語でも応用」 「偉人たちはどのようにして英語をマスターしたのでしょうか?そして、現代の私たちが彼らの「英語学習法」から学べることとは?」、興味深そうだ。 「諭吉は根っからの勉強嫌いで、全く勉強する気が起きなかったのだとか。 14歳のころ、近所の子が本を読んで勉強しているのを知り、「このままではまずい」と思ったのでしょう。ようやく地元の漢学の塾に通い、当時教養として身につけるべきとされていた中国語を勉強する気になったそうです」、「江戸幕府が推奨した儒学は日本化されたものであり、江戸時代に出回った儒学書に書かれている言葉も、「唐話」と呼ばれる、唐通事(中国語の通訳者)が話す言葉をベースに、日本人向けにつくられた中国語」、 「当時の中国語は日本人向けに最適化されていたからこそ、諭吉をはじめとする江戸の知識人たちは中国語を嗜み、武器とすることができたのです」、「日本人向けに最適化されていたからこそ、諭吉をはじめとする江戸の知識人たちは中国語を嗜み、武器とすることができたのです」、とは初めて知った。 「諭吉にとってのイチオシは『春秋左氏伝』・・・その漢書は全部で15巻ありましたが、たいていの生徒が3、4巻ほどでギブアップしたのに対し、諭吉はすべて一通り読んだそうです。それどころか、11回読み返しては、面白いと思った部分を暗記したのだとか。 こうして、諭吉は夢中になれるものに出会えたことがきっかけで、本嫌いを克服し、中国語のスキルを見る見るうちに上達させていきました」、「夢中になれるものに出会えたことがきっかけで、本嫌いを克服」、大したものだ。 「漢学塾でお世話になった前述の白石照山でした。漢学者でもあった父が遺した蔵書を照山に15両で買い取ってもらった諭吉は、そのお金を手にし、長崎へと出向きました」、なるほど。 「横浜に居留する外国人の多くは英語を話していたのです・・・これからは英語の時代だ!」と奮起した諭吉は、早速英語を学び始めました・・・特に発音が苦手だったので、外国人に英語を習った子どもが長崎から来たと聞くと、その子どもをつかまえて発音を学んだそうです」、子どもから「発音」を学んだとは大したものだ。 「オランダ語や英語を学ぶ際にも全く同じ学習法を適用しました。もちろん、原書でつまずくこともありました。そんなとき、とりあえず30分間は辛抱強く無言で考えるようにすると、意味が自ずと見えてきたのだとか。こうして、諭吉はオランダ語と英語を上達させていきました」。「原書でつまずくこともありました。そんなとき、とりあえず30分間は辛抱強く無言で考えるようにすると、意味が自ずと見えてきたのだ」、 「原書」を読む時には、私も辞書をすぐに使わずに、先ずは前後関係から推定、段落や頁単位で辞書で確認するという読み方をしている。
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健康(その26)(どんな兵士でも120秒以内に96%が寝落ちする…あまりの効果に米軍も採用したコストゼロのリラックス法 「漸進的筋弛緩法」のすごい効果、「7時間睡眠」以上でも以下でも死亡リスク上昇 脳寿命をのばす睡眠と覚醒のバランスは?) [生活]

健康については、本年6月14日に取上げた。今日は、(その26)(どんな兵士でも120秒以内に96%が寝落ちする…あまりの効果に米軍も採用したコストゼロのリラックス法 「漸進的筋弛緩法」のすごい効果、「7時間睡眠」以上でも以下でも死亡リスク上昇 脳寿命をのばす睡眠と覚醒のバランスは?)である。

先ずは、本年6月27日付けPRESIDENT Onlineが掲載した公認心理師の柳川 由美子氏による「どんな兵士でも120秒以内に96%が寝落ちする…あまりの効果に米軍も採用したコストゼロのリラックス法 「漸進的筋弛緩法」のすごい効果」を紹介しよう。
https://president.jp/articles/-/70881
・『なかなか眠れないときはどうすればいいのか。公認心理師の柳川由美子さんは「あえて手足の力を入れてから抜く『漸進的筋弛緩法』が効果的だ。さらに、身体がゆるんで気持ちがほぐれてきたら、『気持ちが落ち着いてきた』『のんびり~』などと声に出して言うと、より効果が高くなる」という――。 ※本稿は、柳川由美子『不安な自分を救う方法』(かんき出版)の一部を再編集したものです』、興味深そうだ。
・『米軍が採用した効果抜群のリラックス法  Q.眠りたいのに、なかなか眠れないときは①…… 不安や緊張状態にある方は、「リラックスしましょう」と言ってもなかなか上手にできない場合があります。 そんなときは、あえて力を入れてから抜く「漸進的筋弛緩しかん法」を行うことで、力の抜けたリラックス状態をつくりやすくなります。 漸進的筋弛緩法は、アメリカの医師であるエドモンド・ジェイコブソンによって開発されたリラクゼーションの技法です。米軍が採用したところ、厳しいストレス状況下にある兵士の96%が120秒以内に眠りに落ちたとか。それくらい効果抜群の方法です。 私のクリニックではこれを、椅子に座った状態で、次のように行います。 【漸進的筋弛緩法のやり方】 ① 鼻から息を吸って止める。 ② 息を止めている間(3~5秒)に、両腕をガッツポーズにして腕の力を入れる。 ③ 口から息を吐きながら、腕の力を抜いてダラーンと落とす。このときどんな感じがするのか、力が抜けた腕の感覚に意識を向ける。 ④ ①~③を3回繰り返す。 これが基本です』、「米軍が採用したところ、厳しいストレス状況下にある兵士の96%が120秒以内に眠りに落ちたとか。それくらい効果抜群の方法」、確かに凄い「方法」だ。
・『実際に声に出して言うと、さらに効果的  この後、両脚→顔→肩→首の順に、同じように呼吸を合わせながら、力を入れて抜くことを繰り返します(各3回)。 ・両脚……椅子に座った状態で膝を伸ばし、床と平行になるまで両脚を上げる。踵を直角にしてつま先をピンと伸ばしてから→ダラーンと両足を床に落とす。 ・顔………目をつぶって歯を噛み締めてから→力を抜いてポカーンと口を開く。 ・肩………グッと上げてから→ストーンと落とす。 ・首………首の重さを感じながらゆっくり回す。 ここまでやっていただくと、相談者さんたちは「眠くなった」「とても落ち着いた」と口々におっしゃいます。実際にあくびをなさる方もとっても多いです。 これだけでも十分にリラックスして心地よいだるさを感じられるようになりますが、私の場合は、夜寝る前に漸進的筋弛緩法を行った後、布団に入って、さらにリラクゼーションの呼吸法を行っています。 【リラクゼーションの呼吸法】
① 鼻から息を吸い込みます。空気の流れを意識して、その冷たさを感じます。 ② 口から息を吐きます。吐く息のあたたかさを意識しながら、吐く息とともに全身の力が抜けていくのを意識します。のどを通る空気の感覚なども意識します。 ③ ①~②を3回繰り返します。呼吸の最中は「何か思考が浮かんでも、それを追わない」と決めて、何か浮かびそうになったら常に呼吸に意識を戻します。 このままスーッと眠れるので、ぜひ試してみてください。 身体がゆるむと、心もゆるみます。 ですから、気持ちが張り詰めて眠れないときは、先に身体をゆるめてあげましょう。 身体がゆるんで、気持ちがほぐれてきたら、「気持ちが落ち着いてきた」「のんびり~」などと実際に声に出して言うと、さらに効果的です。 A.漸進的弛緩法で、手足の力を入れたり抜いたり』、「夜寝る前に漸進的筋弛緩法を行った後、布団に入って、さらにリラクゼーションの呼吸法を行っています」、ダメ押しなので、効果絶大だろう。
・『重い毛布の不眠症への効果は、軽いものの10倍  Q.眠りたいのに、なかなか眠れないときは②…… もうひとつ、眠れないときにとっても効果的なのが、掛布団を重くすることです。 「え? フワフワで軽い掛布団のほうが、ストレスなく眠れていいんじゃないの?」 なんとなくそう思いますよね? ところが、近年の研究で、不眠症の患者さんが重い毛布を使うことで、症状が改善することがわかりました。 スウェーデンのカロリンスカ研究所の研究チームが、鬱や不安障害で不眠症と診断された120名の成人に対して、次のような実験を行いました。 研究チームは、まず、被験者をランダムに2つに分けました。 ①重い毛布(8kg※)を使ってもらうグループ ②軽い毛布(1.5kg)を使ってもらうグループ ※重さ8kgの毛布が重すぎると感じる人には、6kgのものを支給 そして、ともに4週間過ごしてもらったのです。 その結果、②軽い毛布のグループで、不眠に改善が見られたのは3.6%。 一方、①重い毛布のグループでは、42.2%に改善が見られました。なんと、軽い毛布を使用していた人の10倍もよい結果を得られたのです』、「重い毛布のグループでは・・・軽い毛布を使用していた人の10倍もよい結果を得られた」、素人だと「軽い毛布」の方がよさそうに思うが、逆のようだ。
・『1年使い続けると78%もの不眠症が改善  また、実験終了後、希望者には好きな毛布を選んでもらい(ほとんどの患者さんが重い毛布を選びました)、さらに12カ月間過ごしてもらいました。すると、最初の実験で軽い毛布を使い、その後、重い毛布に変えた人も、同じように睡眠が改善。12カ月後には、重い毛布を使った人の78%もの不眠症が改善したのです。 研究チームによると、毛布の重みによって、体中にある筋肉や関節に刺激が与えられ、指圧やマッサージと同じような効果が得られたのではないか、とのこと。 ですから、眠れないときは、掛布団の枚数を増やすなどして、調整してみてください。 ちなみに、人はずっと起き続けてはいられないため、2~3日不眠が続いても、その後は電池が切れたようにスーッと眠れます。ですから、眠気がやってこないときは、無理して眠ろうとしなくても大丈夫。眠れなくても、あまり気にしないことです。 A.掛布団を重くする』、「1年使い続けると78%もの不眠症が改善」、「研究チームによると、毛布の重みによって、体中にある筋肉や関節に刺激が与えられ、指圧やマッサージと同じような効果が得られたのではないか、とのこと」、なるほど。
・『「ジャーナリング」は幸福感、免疫力、就職率に効果  Q.いろいろ気になって、寝付けないときは…… A:布団に入ったはいいけれど、気になることが次々と浮かんできて、なんだか眠れない。 そんなときは、布団から抜け出して「ジャーナリング」をやってみましょう。 「書く瞑想めいそう」とも呼ばれるジャーナリングでは、頭の中に浮かんだことを一気に紙に書き出していきます。気になっていることや、わけのわからないモヤモヤを、紙の上に書き出すことで、頭や心がスッキリして、気持ちが軽くなるんです。 その効果は驚くべきもので、幸福感がアップしたり、免疫力が上がったりする他に、なんと就職率が上がったというデータまであります。 テキサス大学の社会心理学者、ジェームズ・ペネベイカー教授は、次のような調査を行いました。 ひとつめは、失業者を対象にした調査です。 失業中の被験者に、毎日20分間のジャーナリングを5日間連続でやってもらいました。その後の追跡調査で8カ月後の就職率を調べたところ、同じような失業者でジャーナリングをしなかった人たちに比べて、被験者の就職率は40%も高かったのです。どうやらジャーナリングを行った失業者は、頭の中のモヤモヤを書き出してそのつどスッキリすることで、ストレスフルな就職活動を乗り切れたようです。 さらに教授は別の調査を行い、被験者を、①感情的に大きな影響を受けたできごとを書いてもらうグループと、②感情とは関係のない日常的なできごとを書いてもらうグループに分けました。 各グループに20分ずつ3日間、書くことを続けてもらった結果、①の感情的に大きな影響を受けたできごとを書いてもらったグループは、心身の健康が大幅に向上したのです。 しかも、数カ月経っても、血圧の低下、免疫機能アップ、通院回数の減少、幸福感の高まりが続いたと言います』、「なんだか眠れない。 そんなときは、布団から抜け出して「ジャーナリング」をやってみましょう。 「書く瞑想めいそう」とも呼ばれるジャーナリングでは、頭の中に浮かんだことを一気に紙に書き出していきます。気になっていることや、わけのわからないモヤモヤを、紙の上に書き出すことで、頭や心がスッキリして、気持ちが軽くなるんです。 その効果は驚くべきもので、幸福感がアップしたり、免疫力が上がったりする他に、なんと就職率が上がったというデータまであります」、「ジャーナリングを行った失業者は、頭の中のモヤモヤを書き出してそのつどスッキリすることで、ストレスフルな就職活動を乗り切れたようです」、「被験者を、①感情的に大きな影響を受けたできごとを書いてもらうグループと、②感情とは関係のない日常的なできごとを書いてもらうグループに分けました。 各グループに20分ずつ3日間、書くことを続けてもらった結果、①の感情的に大きな影響を受けたできごとを書いてもらったグループは、心身の健康が大幅に向上したのです。 しかも、数カ月経っても、血圧の低下、免疫機能アップ、通院回数の減少、幸福感の高まりが続いたと言います」、効果は絶大なようだ。
・『最初は3分程度から始めるとストレスにならない  さて、そんなすばらしい効果を持つジャーナリング。 どうやるかというと、ノートとペンを用意して、3~15分間、頭に浮かんだことを、手を止めずにひたすら書き続けるだけです。 書くときのポイントは、ペンを動かす手をとにかく止めないこと。 書くことが思い浮かばないときも、「書くことがない、書くことがない、何も思い浮かばない、何かないかな……」と頭の中の思考をそのまま書き出します。 しばらくすると、「……なんだか、お腹が減ってきたかも」「自分と向き合ってる私、えらくない?」など、再び思考が始まるので、それらもすべて書き出していきます。 最初は3分程度から始めて、書けるようになったら、少しずつ時間を延ばしていくと、ストレスになりません。 続けて15分、書き続けられるようになるまで、ぜひ続けてみてください。 そのころには、胸にモヤモヤが溜まりにくいあなたになっているはずです。 パートナーとの関係で悩んでいたある女性の相談者さんは、長い間、不眠で苦しんでいましたが、ジャーナリングで頭の中のモヤモヤを書き出し始めて3日目には、自然に眠れるようになりました』、「ノートとペンを用意して、3~15分間、頭に浮かんだことを、手を止めずにひたすら書き続けるだけです。 書くときのポイントは、ペンを動かす手をとにかく止めないこと。 書くことが思い浮かばないときも、「書くことがない、書くことがない、何も思い浮かばない、何かないかな……」と頭の中の思考をそのまま書き出します。 しばらくすると、「……なんだか、お腹が減ってきたかも」「自分と向き合ってる私、えらくない?」など、再び思考が始まるので、それらもすべて書き出していきます。 最初は3分程度から始めて、書けるようになったら、少しずつ時間を延ばしていくと、ストレスになりません。 続けて15分、書き続けられるようになるまで、ぜひ続けてみてください。 そのころには胸にモヤモヤが溜まりにくいあなたになっているはずです」、ただ「ジャーナリング」でかえって興奮して眠れなくなる副作用がありそうだ。

次に、6月30日付けダイヤモンド・オンラインが掲載した千葉大学脳神経外科学教授の岩立康男氏による「「7時間睡眠」以上でも以下でも死亡リスク上昇、脳寿命をのばす睡眠と覚醒のバランスは?」を紹介しよう。
https://diamond.jp/articles/-/325346
・『認知症予防に脳トレは本当に役に立つのでしょうか。認知症のリスクを下げるためには、脳の性質を知った上で脳に負担の少ない生活をすることが大事だと千葉大学脳神経外科学教授の岩立康男氏は言います。そこで今回は『脳の寿命を決めるグリア細胞』(青春出版社刊)から脳にとって最も負担が軽くなる睡眠時間について抜粋して紹介します』、「認知症のリスクを下げるためには、脳の性質を知った上で脳に負担の少ない生活をすることが大事だ」、詳しく知りたいものだ。
・『じつは「睡眠=脳を休めること」ではない  これまでの研究において「眠る」ことが確認されているのは、哺乳類や魚類、昆虫など脳のある生物に限られており、睡眠は脳の維持に必須であると考えられています。脳にとっての睡眠とはどのような意味があるのでしょうか。 睡眠は脳と体の休息となることは実感できるところです。しかし、一方で睡眠時は覚醒度が低下し動物にとって危険な時間です。捕食者に捕らえられる可能性も高まります。それでもなお、動物は睡眠という営みを排除する方向には進化してきませんでした。 それはなぜなのでしょうか? 実は、睡眠には脳を維持していくために非常に重要な意味合いがあるのです。単なる「脳の休息」ではありません。) ここで脳の構造について簡単に見ていきたいのですが、多くの方は「脳は神経細胞の塊である」と思っているのではないでしょうか。脳は神経系の中枢であり、神経細胞(ニューロン)が整然と並んでいて、高速の情報処理をしているというイメージをいだいていると思います。 しかし、違うのです。実は、脳の8割は“グリア”と呼ばれる神経ではない細胞でできているのです。しかも、「アストロサイト、オリゴデンドロサイト、マイクログリア」という3種類ものグリア細胞が存在していて、それぞれ全く違う働きをしています。ですから「脳はグリア細胞の塊である」と言った方がはるかに正確かもしれません。 以前には、グリア細胞は中枢神経系の中でニューロン以外の場所を埋めているだけの単なる支持細胞であると考えられていました。しかし近年の研究で、このグリア細胞がニューロンと豊富なネットワークを作り、神経活動の維持に重要な働きをしているということがわかってきたのです。 3種類のグリア細胞はそのネットワークの中で、それぞれ別々の働き方によってニューロンを支え、複雑な脳機能を生み出すとともに、その命運を握っています。日々入ってくる膨大な情報の中から重要な情報を「選択」し、そこに「集中」するために、そして激務をこなすニューロンをメンテナンスするために、自らそれ以上の激務をこなしているのです。しかし、どんなにしっかりとメンテナンスをしても激務による疲れは蓄積し、脳の細胞は徐々に死んでいってしまいます。これが「老化」という現象です』、「脳の8割は“グリア”と呼ばれる神経ではない細胞でできているのです。しかも、「アストロサイト、オリゴデンドロサイト、マイクログリア」という3種類ものグリア細胞が存在していて、それぞれ全く違う働きをしています」、「3種類のグリア細胞はそのネットワークの中で、それぞれ別々の働き方によってニューロンを支え、複雑な脳機能を生み出すとともに、その命運を握っています。日々入ってくる膨大な情報の中から重要な情報を「選択」し、そこに「集中」するために、そして激務をこなすニューロンをメンテナンスするために、自らそれ以上の激務をこなしているのです」、なるほど。
・『脳の老化を防ぐために意識すべき「脳の二相性」とは  この老化を抑えて、「脳を守る」ためにはニューロンと3種類のグリア細胞が織りなす複雑なネットワークの崩壊を防いでいくことが重要です。 そしてその第一歩は、グリア細胞を護ることです。3つのグリア細胞のなかでも最も繊細かつ死にやすい細胞であるオリゴデンドロサイトを護る、という発想が脳を守るための効率の良い方法です。それは認知症になるリスクを減らし、年をとってからもみずみずしい脳機能を維持することにつながります。 オリゴデンドロサイトが死ねばほかのグリア細胞やニューロンも引きずられて死んでいってしまいます。その結果が脳の萎縮であり、認知症の症状が出現して、普通の日常生活を送ることが困難になってしまうのです。 脳は構造的に老化しやすい臓器ですから、なんとかそのダメージを最小にして細胞の減少を最低限にしていくしかありません。認知症は症状が出始めてから治療を考えるのではなくて、その予防が重要であり、年を取ってから意識するのではなく、できるだけ若いときからリスクを減らすための努力・生活習慣を心がけていくべきなのです。 そしてその具体的な目標は何でしょうか。ニューロンを守る、グリアを護る、といってもあまりに漠然としていてイメージがわかないかもしれません。 特に悪い影響をもたらしていたのは脳の使い方の偏りです。 脳には二相性があります。睡眠時と覚醒時の脳の働き方。この脳の二相性のバランスを取ることが重要なポイントになります(覚醒時にも二相性がありますが紙面の都合上割愛いたします)』、「脳には二相性があります。睡眠時と覚醒時の脳の働き方。この脳の二相性のバランスを取ることが重要なポイントになります」、「第一歩は、グリア細胞を護ることです。3つのグリア細胞のなかでも最も繊細かつ死にやすい細胞であるオリゴデンドロサイトを護る、という発想が脳を守るための効率の良い方法です。それは認知症になるリスクを減らし、年をとってからもみずみずしい脳機能を維持することにつながります」、なるほど。
・『睡眠中にも脳は働いていた  睡眠は、記憶の定着、脳の老廃物除去を行なうグリンパティック・システムの活性化、ニューロンの軸索を包むミエリンの形成などに重要な働きをしています。さらに哺乳類にとっての睡眠は、経験した記憶を定着させることによって他の個体との競争を有利にする利点があるのです。 また、タンパク質は全て細胞内の小胞体という場所で適切に折りたたまれることによって働くことができるのですが、睡眠不足だとこのタンパク質の折りたたみがうまくいかないこともわかってきました。 睡眠が不足すればグリンパティック・システムも十分に働きませんので、脳内には、古くなり異常な折りたたみになったタンパクが凝集・蓄積します。特にアミロイドβやタウタンパクの蓄積は、直接アルツハイマー病の危険因子となります。 また、オリゴデンドロサイトによる軸索を保護するミエリンの合成も、夜間ニューロンの働きが低くなったところで活性化します。ミエリンが十分に合成されなければ、軸索は傷つき、それに伴ってまずオリゴデンドロサイトが死に、炎症反応が加速して、ニューロンも徐々に脱落していってしまうのです。 脳という臓器の特徴、酸素も栄養分も大量に消費するための活性酸素や大量のタンパク合成の負荷、そして情報を長年にわたって保持するためにネットワークの変更を許容せず細胞の新陳代謝を最低限にしている点、これらは細胞の生存という視点で見れば弱点ということになります。 睡眠は、脳という臓器が宿命的に抱え込んだこれらの弱点を補強し、その劣化・老化を最低限にするように働いているのです。全ての哺乳類が捕食者に捕らえられる大きなリスクを冒してまで睡眠にこだわるのは納得の理由があったわけです』、「睡眠不足だとこのタンパク質の折りたたみがうまくいかないこともわかってきました。 睡眠が不足すればグリンパティック・システムも十分に働きませんので、脳内には、古くなり異常な折りたたみになったタンパクが凝集・蓄積します。特にアミロイドβやタウタンパクの蓄積は、直接アルツハイマー病の危険因子となります」、「睡眠は、脳という臓器が宿命的に抱え込んだこれらの弱点を補強し、その劣化・老化を最低限にするように働いているのです。全ての哺乳類が捕食者に捕らえられる大きなリスクを冒してまで睡眠にこだわるのは納得の理由があったわけです」、やはり「睡眠」は重要なようだ。
・『脳の寿命を長くなる理想的な睡眠時間とは  それでは睡眠時間はどれくらい確保すればグリアの保護、疲労からの回復につながるのでしょうか? これは現実問題として非常に重要で、「とにかく睡眠時間を多く確保せよ」では生活習慣の改善に向けた動機付けが十分にできません。 睡眠時間と死亡リスクの関連に関しては数百万人規模の多くの被験者を対象とした追跡調査があります。 概ね、男女ともに7時間睡眠が最も死亡リスクが低い、という結果でした。それ以下でも、またそれ以上でも死亡リスクが上がるという驚きの結果です。 睡眠時間が少なくなればグリア細胞によるニューロンのメンテナンスが不十分となり、ニューロンの死から認知機能低下へとつながっていきます。認知機能の低下は全ての原因の死亡リスクを上昇させると考えられているのです。 睡眠時間の取りすぎで生存期間が短くなる点に関しては、原因なのか結果なのかはっきりしません。もともと体調が悪く睡眠時間が長く必要となる人もいるからです。ただし、ニューロンの活動が少なくなればオリゴデンドロサイトへの刺激が減って不活化し、脱落しやすくなることとは関連があるかもしれません。 「脳は適度に使い、正しく休ませる」という姿勢が脳の健康寿命を長くするのに重要です。 とにかく、睡眠時間を削って頑張る、という姿勢はやめた方がいいでしょう。 グリア細胞はニューロンを守るために夜間睡眠時に働いていたのです』、「概ね、男女ともに7時間睡眠が最も死亡リスクが低い、という結果でした。それ以下でも、またそれ以上でも死亡リスクが上がるという驚きの結果です。 睡眠時間が少なくなればグリア細胞によるニューロンのメンテナンスが不十分となり、ニューロンの死から認知機能低下へとつながっていきます。認知機能の低下は全ての原因の死亡リスクを上昇させると考えられているのです」、「男女ともに7時間睡眠が最も死亡リスクが低い」、これを守るような生活を続けたいものだ。
タグ:最初は3分程度から始めて、書けるようになったら、少しずつ時間を延ばしていくと、ストレスになりません。 続けて15分、書き続けられるようになるまで、ぜひ続けてみてください。 そのころには胸にモヤモヤが溜まりにくいあなたになっているはずです」、ただ「ジャーナリング」でかえって興奮して眠れなくなる副作用がありそうだ。 日々入ってくる膨大な情報の中から重要な情報を「選択」し、そこに「集中」するために、そして激務をこなすニューロンをメンテナンスするために、自らそれ以上の激務をこなしているのです」、なるほど。 認知機能の低下は全ての原因の死亡リスクを上昇させると考えられているのです」、「男女ともに7時間睡眠が最も死亡リスクが低い」、これを守るような生活を続けたいものだ。 「概ね、男女ともに7時間睡眠が最も死亡リスクが低い、という結果でした。それ以下でも、またそれ以上でも死亡リスクが上がるという驚きの結果です。 睡眠時間が少なくなればグリア細胞によるニューロンのメンテナンスが不十分となり、ニューロンの死から認知機能低下へとつながっていきます。 「脳の8割は“グリア”と呼ばれる神経ではない細胞でできているのです。しかも、「アストロサイト、オリゴデンドロサイト、マイクログリア」という3種類ものグリア細胞が存在していて、それぞれ全く違う働きをしています」、「3種類のグリア細胞はそのネットワークの中で、それぞれ別々の働き方によってニューロンを支え、複雑な脳機能を生み出すとともに、その命運を握っています。 「認知症のリスクを下げるためには、脳の性質を知った上で脳に負担の少ない生活をすることが大事だ」、詳しく知りたいものだ。 「睡眠は、脳という臓器が宿命的に抱え込んだこれらの弱点を補強し、その劣化・老化を最低限にするように働いているのです。全ての哺乳類が捕食者に捕らえられる大きなリスクを冒してまで睡眠にこだわるのは納得の理由があったわけです」、やはり「睡眠」は重要なようだ。 「睡眠不足だとこのタンパク質の折りたたみがうまくいかないこともわかってきました。 睡眠が不足すればグリンパティック・システムも十分に働きませんので、脳内には、古くなり異常な折りたたみになったタンパクが凝集・蓄積します。特にアミロイドβやタウタンパクの蓄積は、直接アルツハイマー病の危険因子となります」、 「脳には二相性があります。睡眠時と覚醒時の脳の働き方。この脳の二相性のバランスを取ることが重要なポイントになります」、「第一歩は、グリア細胞を護ることです。3つのグリア細胞のなかでも最も繊細かつ死にやすい細胞であるオリゴデンドロサイトを護る、という発想が脳を守るための効率の良い方法です。それは認知症になるリスクを減らし、年をとってからもみずみずしい脳機能を維持することにつながります」、なるほど。 『脳の寿命を決めるグリア細胞』(青春出版社刊) 岩立康男氏による「「7時間睡眠」以上でも以下でも死亡リスク上昇、脳寿命をのばす睡眠と覚醒のバランスは?」 ダイヤモンド・オンライン 「夜寝る前に漸進的筋弛緩法を行った後、布団に入って、さらにリラクゼーションの呼吸法を行っています」、ダメ押しなので、効果絶大だろう。 「ノートとペンを用意して、3~15分間、頭に浮かんだことを、手を止めずにひたすら書き続けるだけです。 書くときのポイントは、ペンを動かす手をとにかく止めないこと。 書くことが思い浮かばないときも、「書くことがない、書くことがない、何も思い浮かばない、何かないかな……」と頭の中の思考をそのまま書き出します。 各グループに20分ずつ3日間、書くことを続けてもらった結果、①の感情的に大きな影響を受けたできごとを書いてもらったグループは、心身の健康が大幅に向上したのです。 しかも、数カ月経っても、血圧の低下、免疫機能アップ、通院回数の減少、幸福感の高まりが続いたと言います」、効果は絶大なようだ。 その効果は驚くべきもので、幸福感がアップしたり、免疫力が上がったりする他に、なんと就職率が上がったというデータまであります」、「ジャーナリングを行った失業者は、頭の中のモヤモヤを書き出してそのつどスッキリすることで、ストレスフルな就職活動を乗り切れたようです」、「被験者を、①感情的に大きな影響を受けたできごとを書いてもらうグループと、②感情とは関係のない日常的なできごとを書いてもらうグループに分けました。 「なんだか眠れない。 そんなときは、布団から抜け出して「ジャーナリング」をやってみましょう。 「書く瞑想めいそう」とも呼ばれるジャーナリングでは、頭の中に浮かんだことを一気に紙に書き出していきます。気になっていることや、わけのわからないモヤモヤを、紙の上に書き出すことで、頭や心がスッキリして、気持ちが軽くなるんです。 「重い毛布のグループでは・・・軽い毛布を使用していた人の10倍もよい結果を得られた」、素人だと「軽い毛布」の方がよさそうに思うが、逆のようだ。 「米軍が採用したところ、厳しいストレス状況下にある兵士の96%が120秒以内に眠りに落ちたとか。それくらい効果抜群の方法」、確かに凄い「方法」だ。 柳川由美子『不安な自分を救う方法』(かんき出版) 柳川 由美子氏による「どんな兵士でも120秒以内に96%が寝落ちする…あまりの効果に米軍も採用したコストゼロのリラックス法 「漸進的筋弛緩法」のすごい効果」 (その26)(どんな兵士でも120秒以内に96%が寝落ちする…あまりの効果に米軍も採用したコストゼロのリラックス法 「漸進的筋弛緩法」のすごい効果、「7時間睡眠」以上でも以下でも死亡リスク上昇 脳寿命をのばす睡眠と覚醒のバランスは?) 健康 PRESIDENT ONLINE
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タウン情報・街並み(その1)(池袋、「たまたま開設」の駅が生んだ街の大発展 当初は貨物の拠点、にぎわいは大塚が上だった、「オタクに優しい秋葉原」はもうない…ぼったくりで稼ぐ“心の荒んだメイド”が増加したワケ) [生活]

今日は、タウン情報・街並み(その1)(池袋、「たまたま開設」の駅が生んだ街の大発展 当初は貨物の拠点、にぎわいは大塚が上だった、「オタクに優しい秋葉原」はもうない…ぼったくりで稼ぐ“心の荒んだメイド”が増加したワケ)を取上げよう。

先ずは、昨年3月4日付け東洋経済オンラインが掲載したフリーランスライターの小川 裕夫氏による「池袋、「たまたま開設」の駅が生んだ街の大発展 当初は貨物の拠点、にぎわいは大塚が上だった」を紹介しよう。
https://toyokeizai.net/articles/-/535493
・『今年2月、西武グループの持ち株会社である西武ホールディングスは、プリンスホテルなど国内31の保有施設を売却すると発表した。同時期、セブン&アイホールディングスは西武池袋本店などを含む傘下の百貨店「そごう・西武」の売却に向けて調整に入ったと報じられた。 昭和初期から平成にかけて、西武は池袋駅を牙城にして発展してきた。1964年に西武の総帥・堤康次郎が没した後、鉄道事業などは堤義明へ、百貨店事業などは堤清二が率いる西武流通(後のセゾン)グループへと引き継がれた。歳月とともに両者は独立性を強めていくが、池袋駅東口には旗艦店となる西武百貨店と西武鉄道の駅が並び、“西武”を冠する両者は端から見れば同じグループであるように映った。 池袋駅や街の発展は、西武鉄道と西武百貨店の存在を抜きに語ることはできないが、そもそも池袋は都心から外れた農村でしかなく、鉄道・行政当局から期待されていた駅・街ではなかった。たまたま駅が開設されたに過ぎなかったが、それが街を発展させてきた』、「そもそも池袋は都心から外れた農村でしかなく、鉄道・行政当局から期待されていた駅・街ではなかった。たまたま駅が開設されたに過ぎなかった」、驚かされた。
・『板橋や目白よりも遅かった開業  池袋駅を開設したのは、現在のJR東北本線や高崎線・常磐線などを建設した私鉄の日本鉄道だった。上野駅をターミナルに北関東や東北へと路線を広げる日本鉄道は、群馬県の富岡製糸場で生産される生糸を横浜港まで迅速に運搬することを主目的にしていた。 当時、上野駅と新橋(後の汐留)駅は一本の線路でつながっていない。そのため、上野駅で荷下ろしし、新橋駅で再び積み直すという手間が生じた。輸送効率を上げるべく、日本鉄道は赤羽駅から線路を分岐させて品川駅までを結ぶ短絡線を建設。これは品川線と呼ばれる路線だが、現在の埼京線に相当する。 品川線には、中間駅として板橋駅・新宿駅・渋谷駅が開設されたが、この時点で池袋駅は開設どころか計画すら浮上していない。品川線の開業と同年には目白駅や目黒駅が、1901年には大崎駅が開設されたが、この時点でも池袋駅は開設されなかった。) その後も日本鉄道は路線網を広げていき、現在の常磐線にあたる区間を1898年に開業。常磐地方の石炭を輸送するという貨物輸送の役割が強かった同線は、繁華街にある上野ではなく田端駅をターミナルにした。田端駅には、太平洋沿岸で採掘される石炭などが多く運び込まれるようになる。 当時の日本は、工業化の進展とともに東京湾臨海部に工場が続々と誕生。田端駅から東京の南部や神奈川方面へ直通する列車の需要が生まれた。こうして同駅と品川線の目白駅とを結ぶ豊島線の構想が本格的に検討される。 豊島線は、田端駅と目白駅の間に駒込・巣鴨・大塚などの駅を開設し、大塚駅からは南西へと線路を建設して一直線に目白駅を目指す構想だった。しかし、目白駅の拡張は地形的な理由から難しく、さらに一直線で線路を建設すると、巣鴨監獄に線路を通すことになる。 巣鴨監獄は戦後にGHQが接収し、A級戦犯が収監された「巣鴨プリズン」の名で知られる。明治新政府は国家の人権意識が高いことを諸外国に示すため、巣鴨監獄の前身である警視庁監獄巣鴨支署を1895年に開設した』、「工業化の進展とともに東京湾臨海部に工場が続々と誕生。田端駅から東京の南部や神奈川方面へ直通する列車の需要が生まれた。こうして同駅と品川線の目白駅とを結ぶ豊島線の構想が本格的に検討される」、なるほど。
・『「監獄」を避けた線路  なぜ、政府が諸外国に対して人権意識の高さを示さなければならなかったのか。それは、諸外国が不平等条約を改正する条件に「日本が一等国である」ことを盛り込んでいたからだ。当時、西洋諸国は一等国のバロメーターを「文化」と「人権意識」の2つで測っていた。政府はこれまでの囚人の扱いを改め、人権意識の高い国であることを示そうとした。 こうした取り組みや日清戦争の勝利により、西洋諸国は日本を一等国として遇するようになるが、巣鴨監獄を取り壊せば再び野蛮な国と見られてしまうかもしれない。そんな不安もあり、豊島線は巣鴨監獄を避けなければならなかった。 山手線の田端駅から大塚駅までは線路が南西へと向かっているのに、大塚駅付近では線路がいったん北へとカーブしているのは、これらの理由が重なったことによる。こうして豊島線と品川線の合流地点は変更され、1903年、新たな合流地点に池袋駅が開設された。 工業化が進展していた日本では、鉄道の貨物輸送量が年を経るごとに増加していた。日本鉄道は列車の運行本数を増やすべく、翌1904年に新宿駅―池袋駅間を複線化。日露戦争に勝利すると、政府はさらなる強国へと成長するべく軍事輸送の強化に乗り出す。1906年には「鉄道国有法」を施行し、品川線・豊島線などを含む多くの幹線を国有化。これにより、貨物輸送は政府の思惑が強く反映されることになる。 その後、現在の山手線にあたる区間の複線化が進められると同時に、1909年には電化にも着手。こうして現在の山手線の骨格が少しずつ組み上がっていく。) 池袋駅は貨物駅として存在感を強めていたものの、旅客駅としての利用者は決して多くなかった。むしろ1駅隣にある大塚駅のほうが乗降客数は多く、その数は1917年に年間100万人に達していた。それは池袋にターミナルを据える東武東上線、西武池袋線の前身が会社を立ち上げたときの計画からも読み取れる。 東武東上線の前身である東上鉄道は1911年に創立。当初は巣鴨駅付近にターミナルを開設する予定だったが、後に大塚辻町(現・東京メトロ丸ノ内線の新大塚駅付近)へと変更している。1912年に創立した西武の前身である武蔵野鉄道も、当初は巣鴨付近にターミナル駅を開設する予定にしていた。 だが、この2社が池袋駅へとターミナルを変更したことで、鉄道路線が集積。こうした影響もあり、同駅の年間乗降客数は1921年度に大塚駅を抜き、600万人を突破した。 しかし、それでも街のにぎわいは大塚駅のほうが一枚上だった。この時期、東京大宮電気鉄道や東京日光電気鉄道といった、東京進出を狙って計画された私鉄の多くは、大塚もしくは巣鴨をターミナルにすることを計画していた』、「西洋諸国は一等国のバロメーターを「文化」と「人権意識」の2つで測っていた。政府はこれまでの囚人の扱いを改め、人権意識の高い国であることを示そうとした。 こうした取り組みや日清戦争の勝利により、西洋諸国は日本を一等国として遇するようになるが、巣鴨監獄を取り壊せば再び野蛮な国と見られてしまうかもしれない。そんな不安もあり、豊島線は巣鴨監獄を避けなければならなかった。 山手線の田端駅から大塚駅までは線路が南西へと向かっているのに、大塚駅付近では線路がいったん北へとカーブしているのは、これらの理由が重なったことによる。こうして豊島線と品川線の合流地点は変更され、1903年、新たな合流地点に池袋駅が開設された」、「東上鉄道は1911年に創立。当初は巣鴨駅付近にターミナルを開設する予定だったが、後に大塚辻町・・・へと変更している。1912年に創立した西武の前身である武蔵野鉄道も、当初は巣鴨付近にターミナル駅を開設する予定にしていた。 だが、この2社が池袋駅へとターミナルを変更したことで、鉄道路線が集積。こうした影響もあり、同駅の年間乗降客数は1921年度に大塚駅を抜き、600万人を突破した。 しかし、それでも街のにぎわいは大塚駅のほうが一枚上だった」、「東京進出を狙って計画された私鉄の多くは、大塚もしくは巣鴨をターミナルにすることを計画していた」、「池袋」の地位はまだまだ低かったようだ。
・『豊島区発足、東口がにぎわいの中心に  時代が昭和に移ると、東京市は市域の拡張を検討。1932年、北豊島郡に属する巣鴨町・西巣鴨町・高田町・長崎町が合併して豊島区が発足する。新区名は古くから栄える目白を採用して目白区とする案が有力で、将来性を考慮して池袋区とする案も出されたが、折衷案として郡名から豊島区に決まった。 新たな区役所は交通の便が考慮され、池袋駅付近に開庁することが異論なく決まった。区名になることは逃したものの、区役所が設けられたことで池袋は豊島区の中心的な街へと姿を変えていく。 それまでの池袋は、武蔵野鉄道や東武東上線など郊外へと通じる鉄道路線は開設されていたものの、都心部へと直結する鉄道網がなかった。 しかし、都心へとつながる路線がまったく計画されていなかったわけではない。武蔵野鉄道は1925年に池袋―護国寺間の路線免許を取得。昭和初期に立て続けに恐慌が発生していたこともあり未着工のままになっていた。同免許は東京市へ譲渡され、それが転用される形で1939年に市電の池袋線が開通。市電が都心部と直結したことで、池袋駅は東口ににぎわいが生まれていった。 東口には、百貨店の老舗・白木屋と京浜電鉄(現・京浜急行電鉄)系列の京浜百貨店の合弁で1935年に菊屋デパートがオープン。同店は1940年に武蔵野鉄道が買収し、店名は武蔵野デパートとなる。 池袋駅東口は1944年の建物疎開により多くの家屋が移転・撤去させられたが、戦火が激しかったこともあり、戦後は焼け野原と化した。それは武蔵野デパートも例外ではなく、荒廃した池袋駅や百貨店の場所には闇市が立ち並んだ。) 武蔵野鉄道や東武東上線の沿線は農地が多く、終戦直後は多くの農家が池袋の闇市に食料を持ち込み、それを生活資金に換えていた。農家が持ち込む米や野菜を目当てに買い物へ来る客は多く、闇市が池袋に活況を与えた。 終戦直後の混乱期、闇市は黙認されていた。しかし、戦後のほとぼりが冷める頃から行政・警察当局による取り締まりが厳格化していく。とはいえ、やみくもに取り締まれば食料流通は停滞し、それは人々の日常生活に混乱を与える。 そこで、東京都は池袋駅東口から南東へと延びる大型道路(現・グリーン大通り)の南側一帯に着目。戦前期、同エリアは東武の総帥・根津嘉一郎の所有地で、根津山と呼ばれていた。根津山は戦後、百貨店の拡張を視野に入れていた西武の総帥・堤が買収。東京都は闇市の代替地として西武からこの一帯を買い取り、闇市の露店を移転させていった。こうして東口に商店が立ち並んでいく。 池袋駅東口が少しずつ復興を遂げていく中、東口のシンボルでもある武蔵野デパートは西武百貨店と改称し、店舗も増改築を繰り返しながら着々と存在感を大きくしていった』、「東口には、百貨店の老舗・白木屋と京浜電鉄(現・京浜急行電鉄)系列の京浜百貨店の合弁で1935年に菊屋デパートがオープン。同店は1940年に武蔵野鉄道が買収し、店名は武蔵野デパートとなる」、「池袋駅東口が少しずつ復興を遂げていく中、東口のシンボルでもある武蔵野デパートは西武百貨店と改称し、店舗も増改築を繰り返しながら着々と存在感を大きくしていった」、だいぶ現在に近づいたようだ。
・『地下鉄開通でさらに発展  これらの動きと連動するように、1949年には池袋駅―神田駅間の地下鉄建設計画が決定。後に神田駅から御茶ノ水駅へとルート変更し、1954年に開業する。これが丸ノ内線の始まりだ。その後も同線は延伸された。 丸ノ内線の輸送能力が限界に達すると、それを補完する有楽町線の池袋駅―銀座一丁目駅間が1974年に開業。地下鉄も集積したことで、池袋は新宿・渋谷と比肩する繁華街へと変貌した。 実のところ、池袋駅の伸長は1960年代から兆しが現れていた。それを端的に表すのが、1964年に新宿・渋谷と池袋の商店街・行政・私鉄などによって結成された三副都心連絡協議会だ。同協議会は、明治通りの下に渋谷・新宿・池袋を結ぶ地下鉄を建設するように東京都へ働きかけている。 しかし、東京都は工費が莫大になることを理由に拒否。代替案として工費を10分の1に抑えられるモノレール構想が打診されたものの、こちらも実現することはなかった。東京都と帝都高速度交通営団(現・東京メトロ)という事業主体は異なるものの、1960年代から副都心線の萌芽ともいえる計画が持ち上がっていたことは注目に値する。 駅西口に目を移すと、運輸(現・国土交通)省が戦災復興で民衆駅を提案したことから戦後の駅前整備が始まっている。民衆駅とは民間資本によって駅舎を整備する資金調達スキームで、池袋駅西口はそのトップバッターに選ばれた。 民衆駅計画は1947年に策定されたが、西口は権利関係が複雑で、なおかつ東口の根津山のような代替地がなかった。 国鉄や行政の意思だけでは整備ができず、西口に民衆駅を整備するには東武との調整が不可欠だった。闇市を移転する代替地もなかったことから民衆駅の計画は遅々として進まず、竣工に漕ぎ着けたのは1950年になってからだった。それらの影響もあり、民衆駅第1号の名誉はタッチの差で愛知県の豊橋駅となる。 ちなみに、ビックカメラのCMソングに歌われる、東口に西武、西口に東武の構図はこの時点で固まっていない。それどころか、1950年には東横百貨店(現・東急百貨店)が西口に出店。つまり、「東は西武で、西、東急」の時代があった。 東横が開店した同年、東武も西口に百貨店を計画。しかし、地元商店街の反対により、アミューズメントビルの東武会館として計画を縮小して進めざるを得なかった。こうした経緯もあり、東武百貨店は一時的に東武会館のテナントとして入居している。その後、東武は地元商店街からも理解を得て、百貨店事業を拡大。隣接する東横百貨店を買収して南館とした。 東武会館が着工された頃から、それまで停滞していた西口の戦災復興は進み始めた。そして、西口の開発は現在に至るまで繰り返し実施されて街の移り変わりは激しい』、「1950年には東横百貨店(現・東急百貨店)が西口に出店。つまり、「東は西武で、西、東急」の時代があった」、とは初めて知った。「東武も西口に百貨店を計画。しかし、地元商店街の反対により、アミューズメントビルの東武会館として計画を縮小して進めざるを得なかった。こうした経緯もあり、東武百貨店は一時的に東武会館のテナントとして入居している。その後、東武は地元商店街からも理解を得て、百貨店事業を拡大。隣接する東横百貨店を買収して南館とした」、「「東武も西口に百貨店を計画。しかし、地元商店街の反対により、アミューズメントビルの東武会館として計画を縮小して進めざるを得なかった」、「その後、東武は地元商店街からも理解を得て、百貨店事業を拡大。隣接する東横百貨店を買収して南館とした」、当時も「地元商店街」からの「反対」があったとは初めて知った。
・『2023年に開業120周年  池袋駅は、その後も鉄道によって多くの人を引きつけていく。1985年には池袋駅―赤羽駅間を往復していた赤羽線が発展的に埼京線へと姿を変え、埼玉都民と呼ばれる通勤者の流入を促した。 東上線沿線ではニュータウン開発が盛んになり、沿線人口は増加。住民の多くが東京へと通勤するサラリーマンだったことから東上線の混雑は年を追うごとに激化した。 混雑緩和を目的に、1987年には東上線の和光市駅―志木駅間を複々線化。有楽町線にも乗り入れを開始し、有楽町線と東上線が直通運転することで混雑の分散を図った。それでも池袋駅から山手線へと乗り継ぐ利用者が多く、山手線の混雑率が高止まりしていることから、山手線のバイパス機能を担う副都心線が2008年に開業することになった。 来年2023年、池袋駅は開業120年を迎える。地元の豊島区は2014年から池袋駅周辺の整備に着手し、歩行者主体のまちづくりへと舵を切った。これは2032年の豊島区誕生100年を意識した長期的な取り組みだ。 コロナ禍で鉄道を取り巻く環境や存在意義も改めて問われている。飛躍の原点ともいえる西武が揺れる中、池袋駅と街はどのような変化を遂げるのか』、「来年2023年、池袋駅は開業120年を迎える」、「飛躍の原点ともいえる西武が揺れる中、池袋駅と街はどのような変化を遂げるのか」、大いに注目される。

次に、本年5月12日付け日刊SPA!「「オタクに優しい秋葉原」はもうない…ぼったくりで稼ぐ“心の荒んだメイド”が増加したワケ」を紹介しよう。
https://nikkan-spa.jp/1908335
・『「日本がヤバい!」と言われ始めてしばらくたつが、本当にヤバくなってきた。国が貧乏になると悪いことしか起きないのだ。繁華街では、各地で目を覆いたくなるような犯罪が頻発している。日本に住んでいる身として、知っておいて損はない』、興味深そうだ。
・『メイドカフェ5店舗が摘発、客引きの数も減ったようだが…  秋葉原では客引きは1店舗一人までというルールがある。通りでは行政から委託を受けた業者が注意喚起のアナウンスを行っていた 秋葉原がオタクの街から繁華街へと様子を変え始めたのは、’10年代後半のことだ。「メイド通り」と呼ばれるエリアにはコスプレ姿の若い女性たちがズラリと並び、通行人に対して常に声をかけていた。 しかし繁華街の宿命か、ぼったくりや風営法に違反する営業が横行し、’21年5月には過剰な接待を行っていたメイドカフェ5店舗が摘発。現在、秋葉原の路上に立つ客引きの数は減っているようにも思う』、「秋葉原がオタクの街から繁華街へと様子を変え始めたのは、’10年代後半のことだ。「メイド通り」と呼ばれるエリアにはコスプレ姿の若い女性たちがズラリと並び、通行人に対して常に声をかけていた」、この頃はまだ初々しい「メイド」もいた。「しかし繁華街の宿命か、ぼったくりや風営法に違反する営業が横行し、’21年5月には過剰な接待を行っていたメイドカフェ5店舗が摘発。現在、秋葉原の路上に立つ客引きの数は減っているようにも思う」、イヤな時代になったものだ。
・『昼の客引きはむしろ増えている?  だが、ぼったくりはまだまだ健在だ。秋葉原でコンカフェを営む男性が実情を話す。 「夜の客引きの数は確かに減りましたが、昼はむしろ増えています。ターゲットをサラリーマンから外国人観光客と地方から来る客に替えたみたいですね。ぼったくりで稼ぐ店は依然として存在し、8000円ほどのシャンパンを頼まないとキャストと話せなかったり、無断でキャストがドリンクを飲みまくったりして、最後に4万~5万円を請求されます」』、「ターゲットをサラリーマンから外国人観光客と地方から来る客に替えたみたい」、なるほど。
・『ホス狂いのメイドたちがオタクをカモに  かつて「オタクに優しい街」だった秋葉原は、「オタクに厳しい街」となった。その理由は街で働く女性たちの質が変わったことにある。 ひと昔前までのメイドカフェといえば、オタクの女のコが勇気を出して面接に来るような場所でした。しかし、今メイドカフェやコンカフェで働いている女のコたちの中には歌舞伎町のホストクラブで夜な夜な遊んでいるコもたくさんいます。そのうち遊ぶカネがなくなり風俗嬢に転身するコもいるくらいです」(同) 男性いわく、ぼったくりで稼ぐ店のオーナーは「オタク出身の半グレにもなりきれないような不良」だという。当然、彼らの指示でぼったくりが行われているわけだが、キャストの女性たちも遊ぶカネ欲しさからぼったくりをしているのだ。 秋葉原では心の荒んだメイドに注意が必要だ』、「秋葉原では心の荒んだメイドに注意が必要だ」、全くイヤな時代になったものだ。
タグ:山手線の田端駅から大塚駅までは線路が南西へと向かっているのに、大塚駅付近では線路がいったん北へとカーブしているのは、これらの理由が重なったことによる。こうして豊島線と品川線の合流地点は変更され、1903年、新たな合流地点に池袋駅が開設された」、「東上鉄道は1911年に創立。当初は巣鴨駅付近にターミナルを開設する予定だったが、後に大塚辻町・・・へと変更している。1912年に創立した西武の前身である武蔵野鉄道も、当初は巣鴨付近にターミナル駅を開設する予定にしていた。 「西洋諸国は一等国のバロメーターを「文化」と「人権意識」の2つで測っていた。政府はこれまでの囚人の扱いを改め、人権意識の高い国であることを示そうとした。 こうした取り組みや日清戦争の勝利により、西洋諸国は日本を一等国として遇するようになるが、巣鴨監獄を取り壊せば再び野蛮な国と見られてしまうかもしれない。そんな不安もあり、豊島線は巣鴨監獄を避けなければならなかった。 「工業化の進展とともに東京湾臨海部に工場が続々と誕生。田端駅から東京の南部や神奈川方面へ直通する列車の需要が生まれた。こうして同駅と品川線の目白駅とを結ぶ豊島線の構想が本格的に検討される」、なるほど。 「そもそも池袋は都心から外れた農村でしかなく、鉄道・行政当局から期待されていた駅・街ではなかった。たまたま駅が開設されたに過ぎなかった」、驚かされた。 小川 裕夫氏による「池袋、「たまたま開設」の駅が生んだ街の大発展 当初は貨物の拠点、にぎわいは大塚が上だった」 東洋経済オンライン (その1)(池袋、「たまたま開設」の駅が生んだ街の大発展 当初は貨物の拠点、にぎわいは大塚が上だった、「オタクに優しい秋葉原」はもうない…ぼったくりで稼ぐ“心の荒んだメイド”が増加したワケ) タウン情報・街並み だが、この2社が池袋駅へとターミナルを変更したことで、鉄道路線が集積。こうした影響もあり、同駅の年間乗降客数は1921年度に大塚駅を抜き、600万人を突破した。 しかし、それでも街のにぎわいは大塚駅のほうが一枚上だった」、「東京進出を狙って計画された私鉄の多くは、大塚もしくは巣鴨をターミナルにすることを計画していた」、「池袋」の地位はまだまだ低かったようだ。 「東口には、百貨店の老舗・白木屋と京浜電鉄(現・京浜急行電鉄)系列の京浜百貨店の合弁で1935年に菊屋デパートがオープン。同店は1940年に武蔵野鉄道が買収し、店名は武蔵野デパートとなる」、「池袋駅東口が少しずつ復興を遂げていく中、東口のシンボルでもある武蔵野デパートは西武百貨店と改称し、店舗も増改築を繰り返しながら着々と存在感を大きくしていった」、だいぶ現在に近づいたようだ。 「1950年には東横百貨店(現・東急百貨店)が西口に出店。つまり、「東は西武で、西、東急」の時代があった」、とは初めて知った。「東武も西口に百貨店を計画。しかし、地元商店街の反対により、アミューズメントビルの東武会館として計画を縮小して進めざるを得なかった。こうした経緯もあり、東武百貨店は一時的に東武会館のテナントとして入居している。その後、東武は地元商店街からも理解を得て、百貨店事業を拡大。隣接する東横百貨店を買収して南館とした」、 「「東武も西口に百貨店を計画。しかし、地元商店街の反対により、アミューズメントビルの東武会館として計画を縮小して進めざるを得なかった」、「その後、東武は地元商店街からも理解を得て、百貨店事業を拡大。隣接する東横百貨店を買収して南館とした」、当時も「地元商店街」からの「反対」があったとは初めて知った。 「来年2023年、池袋駅は開業120年を迎える」、「飛躍の原点ともいえる西武が揺れる中、池袋駅と街はどのような変化を遂げるのか」、大いに注目される。 日刊SPA!「「オタクに優しい秋葉原」はもうない…ぼったくりで稼ぐ“心の荒んだメイド”が増加したワケ」 「秋葉原がオタクの街から繁華街へと様子を変え始めたのは、’10年代後半のことだ。「メイド通り」と呼ばれるエリアにはコスプレ姿の若い女性たちがズラリと並び、通行人に対して常に声をかけていた」、この頃はまだ初々しい「メイド」もいた。「しかし繁華街の宿命か、ぼったくりや風営法に違反する営業が横行し、’21年5月には過剰な接待を行っていたメイドカフェ5店舗が摘発。現在、秋葉原の路上に立つ客引きの数は減っているようにも思う」、イヤな時代になったものだ。 「ターゲットをサラリーマンから外国人観光客と地方から来る客に替えたみたい」、なるほど。 「秋葉原では心の荒んだメイドに注意が必要だ」、全くイヤな時代になったものだ。
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健康(その25)(「7年間のうつ」を脱した医師のシンプルな食事法 気合いだけで「自分」を変えるのは簡単ではない、屈強な自衛官でも 心は壊れる。うつで地獄を見た元自衛官2人が話す、本当に役に立つメンタルスキル【前編】、五月病 六月病にも効く「心の予防注射」とは? うつで地獄を見た元自衛官2人が話す 本当に役に立つメンタルスキル【後編】、日本人が知っているようで知らない 健康診断の「本当の話」…実は「意味がない数値」がほとんど) [生活]

健康については、本年5月22日に取上げた。今日は、(その25)(「7年間のうつ」を脱した医師のシンプルな食事法 気合いだけで「自分」を変えるのは簡単ではない、屈強な自衛官でも 心は壊れる。うつで地獄を見た元自衛官2人が話す、本当に役に立つメンタルスキル【前編】、五月病 六月病にも効く「心の予防注射」とは? うつで地獄を見た元自衛官2人が話す 本当に役に立つメンタルスキル【後編】、日本人が知っているようで知らない 健康診断の「本当の話」…実は「意味がない数値」がほとんど))である。

先ずは、本年6月4日付け東洋経済オンラインが掲載した精神科医・産業医の宮島 賢也氏による「「7年間のうつ」を脱した医師のシンプルな食事法 気合いだけで「自分」を変えるのは簡単ではない」を紹介しよう。
https://toyokeizai.net/articles/-/675914
・『ストレスのせいで常に気が重かったり、よく眠れなかったり、やる気が出なかったり、食欲がなかったり――特にこの時期は、梅雨のジメジメした天気が弱った心に追い打ちをかけます。「そんなときは無理して自分を変えようとするより、普段の食事を変えることがメンタル向上のきっかけになります」。そう言うのは、自らも7年間のうつに苦しみ、それを食事で克服した精神科医の宮島賢也さん。なぜ、食事が心の不調改善のカギとなったのか。宮島さんの著書『メンタルは食事が9割』より、本文を一部引用・再編集してご紹介します』、「精神科医の宮島賢也」氏が「自らも7年間のうつに苦しみ、それを食事で克服した」とは興味深そうだ。
・『気合いでメンタルは強くならない 私は産業医という立場で、企業の皆さんの健康増進のお手伝いをさせてもらっています。そこで日々感じるのは、誰もが多かれ少なかれ心の不調を感じているということ。なんとなく落ち込みがちだったり、やる気が出なかったり、疲れがなかなか取れなかったり、よく眠れなかったり、外出して人と会う気になれなかったり、とにかく皆さん、心に元気がないのです。 心の不調の原因になるのがストレスです。ストレスになるものは、どこにでもあります。なかでも人間関係から生まれるストレスや、リストラや転勤、身近な人の死など環境の変化から生まれるストレスは、メンタルに大きく影響します。 ところが、世の中には、同じストレスがかかっても、メンタルに不調をきたす人と、そうでない人がいます。 たとえば、長年勤めていた会社でリストラにあい、職を失ったとします。それを契機に、うつに足を踏み入れてしまう人と、そうならない人がいます。 この違いは、いったい何なのでしょうか? この場合は、リストラにあったことで、次に希望が持てるか持てないか、次の目標が持てるか否かで道が分かれます。 つまり、物事をどうとらえるか、自分をどう見つめるか、そうした心のあり方によって、うつになるかどうかが決まるというわけです。リストラにあったことで、「もう自分はダメだ、未来がない」と思えば、心身の状態はうつへ向かいます。 逆に、リストラにあったことを「転職のチャンスが来た」「新たな自分にチャレンジしてみよう」と思えれば、うつに陥ることはありません。 私の場合は、前者。医師としての自分に自信が持てず、診察するときはいつもびくびく、将来に向けては不安だらけ。そんな心の状態が、7年間に及ぶうつへの引き金になりました。) それなら、物事をネガティブにとらえがちな心を変えればいいじゃないか、ということになりますが、それがとても難しいのです。心の不調に悩む人は、完璧主義だとか、断れない性格だとか、まじめなタイプだとか、人の目が気になるタイプだとかいわれますが、何年もかけてつくってきた「自分」を、気合いだけで変えるのは簡単ではありません。 といって、ストレスそのものを排除できるかというと、それも難しいものです。人間関係のストレスには相手がいるので自分だけでは解決できませんし、リストラや身近に起きる不幸などは、自分ではどうすることもできません。 私の場合、その場の気持ちを抑えてくれる薬に頼りましたが、原因を解決できていないので、うつは一向に治りません。 そんな私でしたが、うつからすっかり抜け出すことができました。 性格は変わりませんし、仕事も、生活環境も、人間関係も、まったく同じでしたが、変えたものが1つだけありました。 それは「食事」です』、「物事をどうとらえるか、自分をどう見つめるか、そうした心のあり方によって、うつになるかどうかが決まるというわけです。リストラにあったことで、「もう自分はダメだ、未来がない」と思えば、心身の状態はうつへ向かいます。 逆に、リストラにあったことを「転職のチャンスが来た」「新たな自分にチャレンジしてみよう」と思えれば、うつに陥ることはありません。 私の場合は、前者。医師としての自分に自信が持てず、診察するときはいつもびくびく、将来に向けては不安だらけ。そんな心の状態が、7年間に及ぶうつへの引き金になりました」、「7年間に及ぶうつ」とはずいぶん長く大変だったろう。
・『心と体は食べたものでできている  心の不調と食事。一見、関連があるように思えないかもしれません。でも、私たちの体は食べたものでつくられていて、食べることで生命活動を維持しています。心の動きや脳の活動も、もちろん食べることによって支えられています。考えてみると、メンタルと食事に関連がないわけがないのです。 そのきっかけを与えてくれたのが、アメリカの経営コンサルタントであるジェームス・スキナー氏の『成功の9ステップ』という成功哲学の本の中で紹介されていた「ナチュラルハイジーン」という食事法と、もう一つ、医師の甲田光雄先生が考案した「西式甲田療法」という健康法です。 これらの理論を参考に生まれたのが、私が提案する「宮島式食事法」です。ポイントはいくつかあるのですが、まず私が取り組んだのは「体に負担をかけない食事を心がける」ことでした。 食べることは、意外に体を疲れさせる行為です。こう言うと、逆では?と思われるかもしれません。疲れを取って元気になるために食べるのでは、ということです。確かに、私たちの体は食べ物からの栄養を活動のエネルギーに換えています。 しかし、栄養を体に行き渡らせるには消化吸収が必要です。その前段階として食べ物の分解も必要です。つまり、食べることは、胃腸や肝臓など消化器官に負担をかける行為でもあるのです。 体は、胃腸や肝臓に頑張って働いてもらうために、大量の血液を送らなければなりません。それと同時に、消化酵素など大量の体内酵素も動員されます。酵素は栄養の消化吸収、そして分解と、すべてにわたって必要な体内物質だからです。消化吸収の担い手は、この酵素といってもいいと思います。 食べることは、消化器官からすれば一大イベントで、かなりの活動エネルギーを必要とします。だから、食べているときより食べた後のほうが疲れます。一説によれば、三度の食事はフルマラソンに匹敵するカロリーを消費するともいわれます。毎日フルマラソンを走れば、それは疲れると思いませんか?) そこで、胃腸に負担をかけない食事として私が実践したのは、「果物と生野菜中心の食生活」です。 ご存じの人も多いかもしれませんが、生の食べ物には酵素が含まれています。そのため、生の食べ物を食べると酵素を補うことになり、胃腸は援軍を得て重労働から解放されます。ですから、体があまり疲れなくなります。 疲れなくなると身軽な感じになって、動くのが億劫でなくなります。イライラすることも少なくなり、食後もスムーズに仕事に移れます。イライラが少なくなれば、人との衝突も減るでしょうし、人間関係にもよい影響が出てきます。 それが、心の不調の原因となるストレスを減らすことにつながるのです』、「食べることは、消化器官からすれば一大イベントで、かなりの活動エネルギーを必要とします。だから、食べているときより食べた後のほうが疲れます。一説によれば、三度の食事はフルマラソンに匹敵するカロリーを消費するともいわれます」、「胃腸に負担をかけない食事として私が実践したのは、「果物と生野菜中心の食生活」です・・・生の食べ物には酵素が含まれています。そのため、生の食べ物を食べると酵素を補うことになり、胃腸は援軍を得て重労働から解放されます。ですから、体があまり疲れなくなります。 疲れなくなると身軽な感じになって、動くのが億劫でなくなります。イライラすることも少なくなり、食後もスムーズに仕事に移れます。イライラが少なくなれば、人との衝突も減るでしょうし、人間関係にもよい影響が出てきます。 それが、心の不調の原因となるストレスを減らすことにつながるのです」、「「果物と生野菜中心の食生活」は大きな効果があったようだ。
・『食事の見直しは心が回復するきっかけ  私は、とにかく野菜を生で食べました。というより、野菜は「生でかじる」感覚です。普通は加熱して調理するごぼうでも、生でガリガリ食べました。 リンゴ、バナナ、オレンジ、キウイなど、果物もお腹がすいたら食べるようにしていました。宮島式食事法では、生野菜と果物ならいくら食べてもOKなのです。 食生活を改めると、日ごとに体が軽くなってくるのを感じるはずです。私の場合は、2週間ほどで明らかな体調の変化がありました。 まず、やせてきました。当時20代だったというのに、無駄なぜい肉が全身を覆って、動くのが億劫でした。それがスッキリし始めて、なんと2カ月で20㎏も減量。ダイエットが目的だったわけではありませんが、自分でも驚きました。 そのほかにも、便通がよくなったり、朝スッキリ起きられるようになったり、肌がツヤツヤしてきたり。体の変化にともない、心までらくになってきて、心配や不安を感じることが減り、全身にエネルギーが満ちてくるのを実感しました。そして、最終的にはうつから抜け出すことができました。 実は、「変わったかも」という感覚が、メンタルが上向くためにはとても重要なのです。私自身の経験からも言えますが、変わったという気づきが得られることで心の不調は一気に快方に向かうケースが多いからです。 私は、うつに苦しんだ7年間、ずっと抗うつ薬を飲み続けましたが、自分のうつも患者さんのうつも治せませんでした。それが、食事を変えることでうつを克服できたのです。 食事の内容を変えると、体が変化していきます。同時に、それまでの食事が変わることで、食べ物に対する見方、食事に対する考え方も変わっていきます。 こうした「見方の変更」「考え方の変更」が、メンタルを上向かせる手助けをしてくれます。それまで自分を苦しめていた考え方から解放されると、心がらくになっていきます。たかが食事ですが、大きな自信になります。 生き方や働き方はすぐには変えられなくても、食事なら今日から変えられます。まずは、できる範囲で2週間から。いや、1週間でもかまいません。ほんの少し食事を変えるだけで、体が変わります。そして、少しずつ心も変わっていくことを実感できるはずですよ』、「私は、うつに苦しんだ7年間、ずっと抗うつ薬を飲み続けましたが、自分のうつも患者さんのうつも治せませんでした。それが、食事を変えることでうつを克服できたのです」、「なんと2カ月で20㎏も減量・・・便通がよくなったり、朝スッキリ起きられるようになったり、肌がツヤツヤしてきたり。体の変化にともない、心までらくになってきて、心配や不安を感じることが減り、全身にエネルギーが満ちてくるのを実感しました。そして、最終的にはうつから抜け出すことができました」、「うつ」を何故克服できたのかについて「精神科医」としての医学的見方も知りたいところだ。

次に、6月6日付けAERAdot.「屈強な自衛官でも、心は壊れる。うつで地獄を見た元自衛官2人が話す、本当に役に立つメンタルスキル【前編】」を紹介しよう。
https://dot.asahi.com/dot/2023053100015.html?page=1
・『4月から新しい環境で生活をスタートさせた人も多いでしょう。新生活に慣れた頃にやってくるのが、五月病。最近では六月病という言葉も使われます。 元陸上自衛隊のメンタル教官で、定年退官後はNPO法人メンタルレスキュー協会理事長を務め、数多くのカウンセリング経験を持ち、新書『自衛隊メンタル教官が教える 心の疲れをとる技術』の著者の下園壮太さん。陸上自衛隊の幹部自衛官だったときに、上司のパワハラでうつとなり地獄を見て、その後、退官して現在は航空業界で働くわびさん。その際の経験を記した著書『メンタルダウンで地獄を見た元エリート幹部自衛官が語る この世を生き抜く最強の技術』は、各方面で反響を呼びました。 自衛官の先輩、後輩でもある二人が、自身の自衛官時代のうつ体験、そしてそこからの回復の道のりについて、語りあいました』、「うつで地獄を見た元自衛官2人」による対談とは興味深そうだ。
・『自衛隊でまず、叩きこまれること  わび:下園先生は防衛大学を何期に卒業されたのですか。 下園:26期です。 わび:私は一般の大学を卒業してから陸上自衛隊に入隊したのですが、下園先生の25年ほど後輩になります。 下園:わびさんも、入隊後に「陸上自衛隊幹部候補生学校」で学んだんですよね。鍛えられる場所だったでしょう。 わび:のんびりとした大学生活を送っていたので、幹部候補生学校の規律の厳しさには面食らいました。起床ラッパで目を覚ましたら3分以内に着替えて外で整列しないといけないわけですから。印象的だったのが半長靴(はんちょうか)という隊員用のブーツを毎日ピカピカに磨かなければならず、できなければ何度でもやり直しになることでした。 下園:大学時代から全寮制の生活を送ってきた防大卒でも厳しいと感じるので、一般大卒の方にはなおさらだったでしょう。そうしたしきたりを通じて、それまでの価値観をいったん壊し、自衛隊の流儀をたたき込みながら、メンタルの強さを育んでいくのが自衛隊の流儀ですね。戦場にいることを想定した組織ですから、普通の日常生活とは違う感覚、意識を植え付けます。) 戦場にいるときに、上官の命令にいちいち、「これをやる意味はあるのですか?」などと反論していたら、その間に敵にやられてしまうかもしれないので、まずは上官の命令に即座に動けるような訓練をするわけです。 わび:自衛隊で教わったことで今も役に立っていることはたくさんありますが、「簡明を基調とせよ」というのも心に刻まれています。上官に報告するときに、モタモタと話していると、「結論から言え。グダグダ話して、結論を言わないうちにお前が敵にやられたら、他に報告する人間はいないんだぞ」と叱られました。 極端に聞こえるかもしれませんが、言われてみれば、これが戦場の現実です。それ以来、口頭の報告でも文章でも、簡明を基調とし、結論から伝えることを習慣にしています。 下園:その考え方は、自衛隊以外の会社でも当てはまるものですね。自衛隊というのは、シビアな戦場を生き抜くことを基本とした行動や考え方が蓄積されていますので、その他の世界でも有用なことがたくさんあります』、「幹部候補生学校の規律の厳しさには面食らいました」、「防大卒でも厳しいと感じるので、一般大卒の方にはなおさらだったでしょう。そうしたしきたりを通じて、それまでの価値観をいったん壊し、自衛隊の流儀をたたき込みながら、メンタルの強さを育んでいくのが自衛隊の流儀ですね。戦場にいることを想定した組織ですから、普通の日常生活とは違う感覚、意識を植え付けます。 戦場にいるときに、上官の命令にいちいち、「これをやる意味はあるのですか?」などと反論していたら、その間に敵にやられてしまうかもしれないので、まずは上官の命令に即座に動けるような訓練をするわけです」、確かにその通りだ。
・『屈強な自衛官だからといって、メンタルが強いわけではない  わび:本当にそう思います。ただ、だからといって、自衛官がみんな絶対に壊れない強靱なメンタルを持っているのかというと、そういう訳ではありません。 下園:そうですね。自衛官は、自分の身体に自信を持っている人が多いです。だからこそ、ちょっとした病気をしたり、ケガで思うように動けなくなったりしたときに、ズンと落ち込んでしまうことがあります。 有名な人でいえば、東京オリンピックのマラソンで銅メダルを獲得した円谷幸吉さん。陸上自衛隊の幹部候補生学校の登山走大会では、彼が残した記録が今でも破られていないはずです。 そんな円谷さんも、持病の腰痛が悪化し、理想となる走りができなくなり、メキシコ五輪に向けての訓練中に自死してしまったわけです。 そこから読み取れるのは、1つのことに全集中してしまうよりも、複数のより所を持つべきであるということ。それも、「静」と「動」、身体を動かすことと、静かにできることの両方を持つことをオススメしています。) わび:私自身もメンタルを壊したことがあるので、よくわかります。「剛健」であれという幹部候補生学校の理念に染まった私は、学級委員的なポジションである「自律実践係」に立候補します。幹部のあるべき姿を追いかけ、「意識高い系」の幹部自衛官としてキャリアをスタートしました。 その後、師団司令部から幹部上級課程(AOC)を経て、方面総監部へと異動したのですが、そこでうつになったんです。 下園:師団司令部と方面総監部、それに陸上幕僚監部を加えた3つの部署は業務内容の高度さや多忙さ、緊張感などで過酷な部署なんですよ。私も師団司令部で任務に当たっていたときは辞めたくなりました(笑)。 わび:師団司令部の仕事は非常に高度で緊張感もありましたが、人間関係に恵まれ、明るく前向きに取り組むことができました。私生活も順調で、AOCを修了したころに双子に恵まれました。転落のきっかけとなったのは、方面総監部への転属です。そこで、パワハラにあったんです』、「転落のきっかけとなったのは、方面総監部への転属です。そこで、パワハラにあったんです」、どんなことがあったのだろう。
・『パワハラで身も心もぼろぼろに  下園:どんなパワハラでしたか。 わび:嫌がらせと理不尽な叱責です。報告や連絡を後回しにされるのは当り前。仕事のことばかりでなく、弁当の中身や子どもの名前などのプライベートについても言いがかりをつけられました。 常に「怒られる」ことが頭から離れず、缶コーヒーの種類も選べないほどになってしまいました。どの缶コーヒーなら怒鳴られずに済むのかなって考えてしまって……。 覚えていないのですが、ある日、職場で叫びながら自分のデスクの中に潜っていたようで、そのまま病院に運ばれました。「過労状態」「うつ病」「不安神経症」と診断を受け休職することになりました。 下園:アメリカの学者であるホームズとレイがまとめた、ライフイベントのストレス表があります。様々なライフイベントが心に与えるストレスを数値化して評価するものです(表参照 ※外部配信先では図版などの画像が全部閲覧できない場合があります。図版をご覧になりたい方は、AERA dot.でご覧ください)。) お子さんが生まれたとわびさんはおっしゃっていましたが、家族が増えるという幸せな出来事も、実は心に重圧を与えるものなんです。さらに異動による新しい仕事と労働環境の変化があった。そんな状態の時に、たまたま強烈なパワハラのストレスが加わって、心が悲鳴を上げてしまったのでしょうね。 わび:追い込まれすぎてしまっていて、別の上司に助けを求めたり、担当窓口に相談したりする気力もありませんでした』、「パワハラ・・・嫌がらせと理不尽な叱責です。報告や連絡を後回しにされるのは当り前。仕事のことばかりでなく、弁当の中身や子どもの名前などのプライベートについても言いがかりをつけられました。 常に「怒られる」ことが頭から離れず、缶コーヒーの種類も選べないほどになってしまいました。どの缶コーヒーなら怒鳴られずに済むのかなって考えてしまって……。 覚えていないのですが、ある日、職場で叫びながら自分のデスクの中に潜っていたようで、そのまま病院に運ばれました。「過労状態」「うつ病」「不安神経症」と診断を受け休職することになりました」、「職場で叫びながら自分のデスクの中に潜っていた」とは凄い症状だ。「家族が増えるという幸せな出来事も、実は心に重圧を与えるものなんです。さらに異動による新しい仕事と労働環境の変化があった。そんな状態の時に、たまたま強烈なパワハラのストレスが加わって、心が悲鳴を上げてしまったのでしょうね」、なるほど。
・『メンタルを指導する教官自身がうつになる  下園:私も在職中にうつになったことがあります。でも、言葉は変ですが、わびさんに比べると“恵まれた”うつでした。 1996年に自衛隊初の心理幹部に就任してから、色々な場所に派遣されてカウンセリングをしたり、講演をしたり、最初の著書を執筆したり、家を建てたり、新しい車買ったりと、私も、多数のライフイベントが重なっていたんです。 そんな折、アメリカで「9.11」テロが発生し、よりメンタルヘルスの重要性が認知されるようになりました。張り切った私はより精力的に仕事をしていたのですが、ある講演のときに急に吐き気がして話せなくなって講演を中止して、そのまま倒れてしまったんです。 わび:それは大変ですね。 下園:講演では「誰でもうつになる」と言いながら、自分は絶対にならないという変な自信がありました。でも、まんまとそうなったわけです。 翌日には師団等の幹部約500名を集めた重要な講演があったのですが、それもドタキャンさせてもらいました。私がラッキーだったのは、それを許容できる職場だったことですね。講師役を変わってくれる勇気ある同僚もいたし、メンタルヘルスを担当する部署だったので、休める雰囲気もあったのです。信頼できる精神科のドクターと一緒に活動していたので、すぐに受診し、うつの診断をもらいました。 休養のため1カ月は完全に休みを取り、休み後も業務量を絞って勤務をするうちに、1年ほどで元の状態に戻ることができました。「また壇上で喋れなくなったらどうしよう」という恐怖のあった講演の仕事も、復帰から1年経った頃には再びできるようになりました』、「張り切った私はより精力的に仕事をしていたのですが、ある講演のときに急に吐き気がして話せなくなって講演を中止して、そのまま倒れてしまったんです・・・講演では「誰でもうつになる」と言いながら、自分は絶対にならないという変な自信がありました。でも、まんまとそうなったわけです。 翌日には師団等の幹部約500名を集めた重要な講演があったのですが、それもドタキャンさせてもらいました」、「信頼できる精神科のドクターと一緒に活動していたので、すぐに受診し、うつの診断をもらいました。 休養のため1カ月は完全に休みを取り、休み後も業務量を絞って勤務をするうちに、1年ほどで元の状態に戻ることができました」、環境的にも恵まれていたようだ。
・『うつからの回復には「自信」がポイントになる  わび:復活するきっかけはあったのですか? 下園:やはり「自信」を回復したことでしょう。自信とは、成功を重ねて、「もう失敗しないだろう」という予測ができるようになることだと思うんです。 私の場合は、先ほども言ったように周りの理解のもとに少しずつ仕事をできたことにあると思います。カウンセラーとしてクライアントと面談をする際にも、回復を焦らないように抑えつつ、ある段階からは1歩ずつ挑戦して、「できた」という達成感を積み重ねて自信にするように伝えています。 わび:私の場合も、小さな達成感の積み重ねでメンタルダウンから回復しました。医師の指示に従いながらトレーニングをしたり、神社の御朱印巡りをしたりすることで、職場復帰への自信をはぐくむことができたんです。 下園:それはよかった。 わび:復帰後には、陸上自衛隊のある学校へと異動になるのですが、そこでの自衛官との出会いが私を大きく変えました。「自衛官はかくあるべき」と凝り固まっていた思考から、人生という物事を戦略的、大局的に見る術を獲得できたのです。 その方は高度な知識を持っていましたが、いわゆる出世コースからは外れた人でした。以前の自分でしたら、自分の目標とする自衛官ではないとたいして気にもしなかったかもしれませんが、その生き方は爽快で、組織にとって本当に必要だと思うことは、上司に忖度することなく意見していました。 この方の「人生戦略」とも言える生き方、考え方は、私のメンタルを回復する土台となりました。 下園:わびさんのキャリアを拝見していると、今の言葉は非常に納得できます。AOC(幹部上級課程)では戦術・戦略についても学びます。ただ、一般的な自衛隊幹部は、AOCで学んだことをきちんと理解できる人はそれほど多くないと思っています。なぜなら、現場での経験が少ないから。また、戦場では当たり前の「人の極限の心理状態」を知らないから。) でも、わびさんはAOC入校前から師団司令部に所属し、宮崎県の口蹄疫問題や東日本大震災などの災害派遣の実績もある。さらに幸か不幸かメンタルダウンを経験した。だからこそ、その戦術的・戦略的な考え方を自分のものにできたのだと思います。その知識を生かし、退官後も異なる職場で活躍できている。しっかりとレジリエンス(しなやかな回復力)を身に付けられたのとだと思います。 わび:ありがとうございます』、「うつからの回復には「自信」がポイントになる」、「AOC入校前から師団司令部に所属し、宮崎県の口蹄疫問題や東日本大震災などの災害派遣の実績もある。さらに幸か不幸かメンタルダウンを経験した。だからこそ、その戦術的・戦略的な考え方を自分のものにできたのだと思います。その知識を生かし、退官後も異なる職場で活躍できている。しっかりとレジリエンス(しなやかな回復力)を身に付けられたのとだと思います」、なるほど。
・『うつからの回復は慎重に、でもどこかで勇気も必要になる  下園:もうひとつ、わびさんのキャリアで良いチョイスだと思ったのが、メンタルヘルス回復期の熊本地震の災害派遣です。 わび:私も運命的な出来事だったと考えています。職場復帰から3年ほどの時間が経っていましたが、薬は手放せず、メンタルダウン以前の自信を取り戻せてはいませんでした。その頃に熊本地震が発生しました。 災害派遣に参加することに周囲の人は反対しましたが、熊本は幹部候補生学校を出た後に最初に配属されたところであり、東日本大震災での活動経験もある私にとっては、なかば使命感のような思いから志願したんです。 災害派遣先の南阿蘇司令部は、師団長自らが指揮をとる緊張感のある現場でした。まったく知り合いもおらず、手探りの任務でしたが最終的に「来てもらってよかった」との言葉をいただけたのです。それがすごく自信になりました。 下園:うつからのリカバリーは、とても難しいことです。沈んでしまった心をなんとか引き上げて現実に向き合えるまで持ってこなければならないのですが、どのステージで挑戦するのかのチョイスが大事です。私もカウンセリングで、「焦らないで復帰しよう」と伝えながら、どこかのタイミングで、「勇気を出してやってみよう」と背中を押すようにしています。周囲が反対したにもかかわらず、飛び込んでいったわびさんの勇気は素晴らしいと思います。 ※後編「五月病、六月病にも効く「心の予防注射」とは? うつで地獄を見た元自衛官2人が話す、本当に役に立つメンタルスキル」へつづく』、「災害派遣先の南阿蘇司令部は、師団長自らが指揮をとる緊張感のある現場でした。まったく知り合いもおらず、手探りの任務でしたが最終的に「来てもらってよかった」との言葉をいただけたのです。それがすごく自信になりました」、「どこかのタイミングで、「勇気を出してやってみよう」と背中を押すようにしています」、ちょうど「背中を押す」タイミングだったようだ。

第三に、この続きを、6月6日付けAERAdot.「五月病、六月病にも効く「心の予防注射」とは? うつで地獄を見た元自衛官2人が話す、本当に役に立つメンタルスキル【後編】」を紹介しよう。
https://dot.asahi.com/dot/2023053100017.html?page=1
・『4月から新しい環境で生活をスタートさせた人も多いでしょう。新生活に慣れた頃にやってくるのが、五月病。最近では六月病という言葉も使われます。 元陸上自衛隊のメンタル教官で、定年退官後はNPO法人メンタルレスキュー協会理事長を務め、数多くのカウンセリング経験を持ち、新書『自衛隊メンタル教官が教える 心の疲れをとる技術』の著者の下園壮太さん。陸上自衛隊の幹部自衛官だったときに、上司のパワハラでうつとなり地獄を見て、その後、退官して現在は航空業界で働くわびさん。その際の経験を記した著書『メンタルダウンで地獄を見た元エリート幹部自衛官が語る この世を生き抜く最強の技術』は、各方面で反響を呼びました。 自衛官の先輩、後輩でもある二人が、本当に役に立つメンタルスキル、バーンアウトしてしまう前に知っておいて欲しい「心の予防注射」について、語りあいました。 ※前編「屈強な自衛官でも、心は壊れる。うつで地獄を見た元自衛官2人が話す、本当に役に立つメンタルスキル」よりつづく』、興味深そうだ。
・『「我の健在」──まずは自分が生き残ることが大事  下園:自衛隊の幹部候補生は、戦場で自分たちが生き残ることが大事であることを基礎の基礎として必ず学びます。わびさんの著書でも「我の健在」という表現を紹介してますよね。 わび:おっしゃるとおりです。 下園:戦争というと、敵を倒すことだけが目標であるとイメージする人も多いでしょう。しかし、実際は違います。敵を倒すことだけでなく、その戦いで自分たちが消耗しつくさないようにすることも重視するのです。仮に戦闘で負けても、自分たちが生き残っているかぎり、リベンジのチャンスがあるわけです。 わびさんもそれを習ったはずだと思うのですが、「意識高い系」の志がそれを忘れさせてしまったのでしょうね。 わび:仕事をとにかく全力でと思っていて、その後のこと考慮せずに行動をしていました。だからこそ、精神を激しく消耗してしまったのだと思います。 その後、カウンセリングやメンタルヘルス関連の書籍を読むことなどからも「我の健在」の大切さを再確認し、今でも考え方の礎においています。) 下園:人生は長期戦です。なおさら「我の健在」を重視する戦略が必要となるわけです。自分が犠牲になってもいいから、与えられた課題をとにかく完遂する(したくなる)のが日本人のメンタリティですが、それは短期決戦の考え方です。長期戦の場合、過重なミッションを果たした後は、しっかりとリカバリー期間を設けていかなければいけません。 わび:同感です。戦争でも、相手を倒す「決戦」と、一挙に決着をつけずに戦況を維持する「持久戦」を明確に分けています。現在の私はこの考え方を応用し、スケジュールの全体を把握して、「全力を出すべきポイント」と、「手を抜いて心身を休めるポイント」を見極めて仕事をしています』、「自分が犠牲になってもいいから、与えられた課題をとにかく完遂する(したくなる)のが日本人のメンタリティですが、それは短期決戦の考え方です。長期戦の場合、過重なミッションを果たした後は、しっかりとリカバリー期間を設けていかなければいけません」、その通りなのだろう。
・『「二正面作戦の否定」と「7~3バランス」  下園:自衛隊で学んだことが役に立っているわけですね。 わび:そうですね。だから、同じ自衛隊出身である下園先生と自分の考え方に共通点が多いように感じています。 例えば、私はベクトルの異なる目標を立てる「二正面作戦」を否定しています。かけ離れた目標は、両者が足を引っ張り合ってしまうからです。また、自分の人生の中で主となるものをしっかりと決めておけば、さらなる選択肢が現われた時にも迷子にならず、重要度が低いほうを切り捨てやすくもなります。 下園先生が提唱する「7~3バランス」がこれに近いなと思ったんです。 下園:そうですね。「7~3バランス」とは、無意識が望む「今の自分」を“0”、意識が望む「新しい自分」を“10”としたときに、“3~7”になるように目標を設定することです。多くの人は、「今の自分」と「なりたい自分」のギャップにイライラしてしまいがちです。分かりやすい例で言うと、ダイエットですね。「なりたい自分」に向けて完璧を目指して10頑張ってしまうと、どこかで無理が来て、リバウンドして「今の自分」に戻る0の状態になってしまいます。 0か10かの極端な方向を目指すのではなく、「3~7」の間に入るバランスの良い目標や、「3~7」の間の行動をしていたらOKと自分を評価する考え方で、わびさんの「二正面作戦の否定」と通じるものがあります』、「分かりやすい例で言うと、ダイエットですね。「なりたい自分」に向けて完璧を目指して10頑張ってしまうと、どこかで無理が来て、リバウンドして「今の自分」に戻る0の状態になってしまいます。 0か10かの極端な方向を目指すのではなく、「3~7」の間に入るバランスの良い目標や、「3~7」の間の行動をしていたらOKと自分を評価する考え方」、なるほど。
・『先を読み過ぎず「今」に集中  わび:私は“今”に集中することも大事にしています。私の悪い癖のひとつとして、先のことを心配したり、過去のことを振り返ってくよくよ後悔したりすることがあります。そうするとメンタルがどんどん疲れていくんですね。 対策として、思考を“今”に戻すようにしています。心配や後悔を断ち切って心に平穏を取り戻せるからです。私の場合は、筋トレや神社やお寺のお参り、ハーゲンダッツを食べることが思考を“今”に戻すスイッチです。 下園:自衛隊でも、そういう考え方はありますよね。戦場では、いつ何が起こるかわかりません。だから、不安に駆られて先の先まで読んでいくと、戦いの前に疲れ切ってしまいます。そこで“読まない”訓練をします。大きな計画ほど、当初だけを詰め、後はざっくりとした案にとどめておくのです。後半部分は、その時になって考えればいい、“今”に集中するというわびさんの考え方に近いですね。 わび:そのとおりですね。 下園:強大な敵が目の前にいるとき、正面から挑むことを自衛隊では「突破」と言います。一方で、正面の敵と戦わず、その後方に回り込み、戦わないで勝利する方法を「迂回」と言います。戦術セオリーとしては後者が圧倒的に有効とされているんです。 わびさんも、自衛隊生活では「突破」を繰り返して消耗してうつになってしまいましたが、その過程で得られた考え方も多いと思います。その結果、目の前の自衛隊という課題から離れることになったのですが、これは迂回しているものと考えることができます。戦術のセオリー通り、最も有効なルートを進み始めているのです。今、わびさんは重要な目標に向かって邁進しているなとお見受けしました。 わび:ありがとうございます。おかげさまで、現在携わっている仕事は大変なのですが、消耗せずに取り組むことができています。もし、これを読んでいる方のなかで心が弱っている方がいたら、「我の健在」を意識して、仕事への向き合い方を見直してみてはどうでしょうか。 そして疲れたときは、下園先生が仰る「おうち入院」も実践しています。病院に入院したつもりで、例えば週末の2日間、とにかくごろごろと寝るようにする。家族の理解が欠かせませんが、これでもかなり回復します。) (ライフイベントのストレスの図はリンク先参照)』、「疲れたときは、下園先生が仰る「おうち入院」も実践しています。病院に入院したつもりで、例えば週末の2日間、とにかくごろごろと寝るようにする。家族の理解が欠かせませんが、これでもかなり回復します」、「おうち入院」とは面白いネーミングだ。
・『「心の予防注射」──知っていることは力になる  下園:わびさんがやっているような、戦略的に仕事を見て、いつ「休める」かを先に考えておくのも大事ですし、疲れたときは「おうち入院」も有効です。ライフイベントのストレス表を見て、仕事だけでなく、家族関係で色々あったときは、自分がいつもより疲れていると知っておくことも大事です。 わび:人は仕事をしているだけでなく、家庭生活も含めて、トータルで生きているわけですから、全体を見て、自分の疲れ具合を確認しておくことも大事なんですね(ライフイベントのストレス表参照 ※外部配信先では図版などの画像が全部閲覧できない場合があります。図版をご覧になりたい方は、AERA dot.でご覧ください)。 下園:うつの一番わかりやすい兆候は、眠れなくなる、食べられなくなることです。この二つが出てきたら、迷うことなく精神科医やカウンセラーなどの専門家に速やかに相談してください。 わび:私もうつになったときは、まさしくその状況でした。 下園:自衛隊の災害派遣のときに、私が隊員に教えているのもそのことなんです。災害派遣では多くのご遺体に接したり、非常につらい現実を目の当たりにします。そうしますと、誰でもご飯が食べられなくなったり、眠れなくなったりします。それは当然の反応ですし、やがて時が経てば、それも収まってきます。 ところが、そのことを知らない隊員は、「こんなことで食べられくなったり、眠れなくなったりするなんて、自分はなんて弱い人間なんだ」「とても、こんなことは人には言えない」と思い、挙げ句には「こんな自分では自衛隊は務まらない」とまで思い詰めてしまう。 だから事前に、その反応は当たり前で、誰もがなることなんだよ、と伝えておきます。私はそれを「心の予防注射」と言っていますが、知っていることで救われることはたくさんあるんです。 わび:「心の予防注射」に私も深く共感いたします。私もうつというつらい経験をして、それを乗り超えた今だからこそ、もっと早く知っておいたほうが良かった、と思うことがたくさんあります。 つらいときは、逃げてもいいし、うつでつらい思いをする人がもっと減って欲しいと思い、『メンタルダウンで地獄を見た元エリート幹部自衛官が語る この世を生き抜く最強の技術』(ダイヤモンド社)という本も出版しました。 下園先生の『自衛隊メンタル教官が教える 心の疲れをとる技術』(朝日新書)も「心の予防注射」として多くの人に読んで欲しいと思います。 下園:知っていることは力になりますからね。人間は誰でも疲労するし、疲れ切るとまともな判断もできなくなる。そのことを多くの人が知って、適切に休みを取りながら、それぞれの人生を楽しんで欲しいと心から願います』、「うつの一番わかりやすい兆候は、眠れなくなる、食べられなくなることです。この二つが出てきたら、迷うことなく精神科医やカウンセラーなどの専門家に速やかに相談してください」、リタイアした私にはもう無縁だが、心しておきたい。

第四に、6月12日付け現代ビジネスが掲載した精神科医の和田 秀樹氏による「日本人が知っているようで知らない、健康診断の「本当の話」…実は「意味がない数値」がほとんど」を紹介しよう。
https://gendai.media/articles/-/111387?imp=0
・『「老いと闘う」のか「老いを受け入れる」のか——。 どれほど医学が進歩しても、人間は不老不死を得ることだけはおそらくできません。そうである以上、しかるべきタイミングがやってきたらそのときは自分自身の老いと向き合う必要が当然あります。 本記事では、精神科医の和田秀樹氏が特に40代以降で気を付けるべき点について、くわしく解説していきます。 ※本記事は和田秀樹『年代別 医学的に正しい生き方 人生の未来予測図』から抜粋・編集したものです』、興味深そうだ。
・『知っているようで知らない健康診断の話  40代で特に気をつけるべき身体の衰えとしては、前頭葉の萎縮やセロトニン、性ホルモンの分泌量減少がありますが、人によってはこれ以外の点でも医師から肉体的な衰えを指摘され、焦ることは当然あるでしょう。 特に日本の場合、使用者が労働者に健康診断を受けさせなければいけないという世界的には珍しい労働安全衛生法の規定があり、事実上健康診断を受けなければいけなくなっています。40代以降はこの健診に「ひっかかる」、つまり検査データに異常な数値が出ることが増えてきます。 ただこの健康診断に関しては取り扱いをまちがえないようにしたいものです。というのも日本の健康診断の検査データは多くの場合、健康と考えられる人の平均をはさんで95%の範囲におさまる人を「正常」、高いほうでも低いほうでもそれをはみ出した5%を「異常」と判定されるように作られており、GOT(グルタミン酸オキサロ酢酸トランスアミナーゼ=肝機能障害の兆候を知る手がかりとされる数値。現在はASTと呼ぶことが多い)が高かろうが、コレステロール値が高かろうが、それはあくまで平均プラスマイナスの標準偏差で決めているだけのものであるからです。 数値が異常だからといって、それが明らかに病気につながるかといえば、そのようなしっかりしたエビデンスのある検査はじつはあまりありません。そもそも「健康と考えられる人」なのに、その95%をはみだした値の人が「異常値」だとされているのですから。 現在、日本の健康診断では50~60項目に関する検査をおこなうのが一般的かと思いますが、これらのうち、エビデンスがあるものは血圧や血糖値などせいぜい5項目ぐらいです。つまり、血圧や血糖値がものすごく高い場合などは、その時点や将来にその人の健康状態に明らかによくないことが起こる(これも確率論なのですが)と認められるものの、それ以外の項目に関しては数値がよかろうと悪かろうとほぼ当てになりません。 特に典型的なのがコレステロール値の検査でしょう。健康診断でコレステロールの値が高かったせいで食生活の改善を求められた人は多いでしょうが、じつはコレステロール値の上昇と健康の悪化を関係づけるはっきりしたエビデンスというものは、少なくとも日本では存在しないのです。 正直なことを言えば、私は健康診断については受ける価値などほとんどないと思っています。 健康診断を受けた人がコレステロールや血圧の数値になぜ一喜一憂するかといえば、それらが原因となって起こると言われている動脈硬化や脳梗塞、心筋梗塞などの重篤な病気になることを恐れ、それらを予防したいと思っているからでしょう。 しかしその割に、健康診断で悪い数値が出てその後もほったらかしにしていたのに心臓の血管が一向に狭くならない人もいれば、逆にまったくの正常値だったのに心筋梗塞で倒れる人もいるなど、健康診断の結果と実際の健康状態があまりリンクしていないのが日本の健康診断の実際なのです。 それ以上に問題なのは、そのリンクを長期の大規模調査で追跡した研究が日本ではほとんどないことです。疾病構造も(世界中の多くの国で死因のトップは心疾患なのですが、日本はガンで死ぬ人が急性心筋梗塞で死ぬ人の10倍以上いて、心筋梗塞で死ぬ人は世界で最低レベルです)食生活も違う海外のデータを無理に信じ込まされているという実情があります』、「健康診断の検査データは多くの場合、健康と考えられる人の平均をはさんで95%の範囲におさまる人を「正常」、高いほうでも低いほうでもそれをはみ出した5%を「異常」と判定されるように作られており、GOT(グルタミン酸オキサロ酢酸トランスアミナーゼ=肝機能障害の兆候を知る手がかりとされる数値。現在はASTと呼ぶことが多い)が高かろうが、コレステロール値が高かろうが、それはあくまで平均プラスマイナスの標準偏差で決めているだけのものであるからです。 数値が異常だからといって、それが明らかに病気につながるかといえば、そのようなしっかりしたエビデンスのある検査はじつはあまりありません。そもそも「健康と考えられる人」なのに、その95%をはみだした値の人が「異常値」だとされているのですから。 現在、日本の健康診断では50~60項目に関する検査をおこなうのが一般的かと思いますが、これらのうち、エビデンスがあるものは血圧や血糖値などせいぜい5項目ぐらいです。つまり、血圧や血糖値がものすごく高い場合などは、その時点や将来にその人の健康状態に明らかによくないことが起こる(これも確率論なのですが)と認められるものの、それ以外の項目に関しては数値がよかろうと悪かろうとほぼ当てになりません」、「コレステロール値の上昇と健康の悪化を関係づけるはっきりしたエビデンスというものは、少なくとも日本では存在しないのです」、私は「コレステロール値」が高過ぎると警告されているが、一安心だ。
・『意味があるのは脳ドックと心臓ドックだけ  ただ私は、心臓ドックと脳ドックにかぎっては受ける価値があると思っています。その理由は心臓ドックに関して言えば、日本の心臓外科医は海外とくらべて圧倒的に医師一人当たりの手術件数が少ない(要するに手術に慣れていない)ため一般的にバイパス手術の技術が低いかわりに、内科的な血管内治療の技術がきわめて高いからです。 内科的な血管治療というのは、カテーテルを通してバルーンを膨らませて、血管が狭く詰まりそうになっているところを広げたり、あるいはステントという器具を血管内に入れることでそこを詰まらなくする治療です。要するに心臓ドックで、冠動脈と言われる心臓を取り巻く血管に狭窄が見られたら、そこを広げる技術が充実しているということです。あるいは、このドックで解離性大動脈瘤などがみつかれば、それに対する処置もある程度可能です。 また脳ドックに関しても、多くの人は認知症予防のために受けているという認識でしょうが、残念ながら脳ドックは認知症の予防にはなりません。しかしそのかわりMRIで脳の血管がかなりきれいに撮影できるので、脳ドックを受けることである程度以上の大きさの動脈瘤を見つけることができます。動脈瘤を早期発見できれば、カテーテルを用いてその部分を固めるなど動脈瘤を破裂させないようにする予防手技が受けられます。 2018年には西城秀樹さん、大杉漣さんなどまだ60代の著名人があいついで急性心不全で亡くなっていますが、私は新聞でこの2人の死亡記事を読んで、少しばかりやりきれない気持ちになりました。 解剖結果などがわかりませんが、大杉さんの場合は腹痛を訴えた約4時間後に亡くなっており、直接の死因は心筋梗塞か大動脈解離、いずれにしても心臓のどこかの血管に問題があったことが原因と考えられます。じつはこれらはいずれも、心臓ドックを受けてさえいれば発見される可能性の高い病気です。 また西城秀樹さんのケースでは、48歳と56歳のときに2度の脳梗塞を起こしています。2度も脳梗塞を起こすのは相当に血管が詰まりやすい体質ということでしょうから、2度目の脳梗塞を起こした時点では脳だけでなく心臓の動脈硬化が起こっている可能性も当然疑ってみるべきでした。 こうしたことの背景には、日本の医師特有の縦割り意識があったのではないかと私は疑っています。一般に、診療が「臓器別」でおこなわれる日本の医療現場では、脳梗塞を複数回起こしたからといって、「じゃあ、心臓も調べておきましょう」と言ってくれる親切な脳外科医はなかなかいないものなのです』、「診療が「臓器別」でおこなわれる日本の医療現場では、脳梗塞を複数回起こしたからといって、「じゃあ、心臓も調べておきましょう」と言ってくれる親切な脳外科医はなかなかいないものなのです」、なんとか改善してほしいものだ。
・『「20年理論」  私は、健康診断を受ける意味が仮にあるとすれば、それをもとに自分自身の「20年後」の健康状態を予測することだろうと考えています。つまり、検査でコレステロール値や血圧、血糖値が高いと診断されたのならそれは動脈硬化のリスクファクター(危険因子)ということになりますが、ほんとうにそれによって脳梗塞や心筋梗塞になるのはだいたいの場合20年などかなり先である、ということです。 したがって、仮に40代で血圧や血糖値などの異常値が出はじめたのならばその検査データを過剰に恐れるのではなく、脳梗塞や心筋梗塞が「20年以内に」起こりかねないという自覚をもち、そうなる前に脳ドックや心臓ドックを受けるという心構えが大事だということです。 こうした考え方は「20年理論」と呼ばれることがあります。要するに喫煙であれ飲酒であれ、40代のうちはそのリスクが20年後にやってくるという意味で気にしましょうということです(したがって病気予防のために運動などを始めるなら、40代のうちがベストでしょう)。 もっとも、20年といえば医学の研究が大幅な進歩を遂げるにはじゅうぶんな時間ですので、ひょっとしたら20年後にはiPS細胞(人工多能性幹細胞)をフル活用した再生医療が実用化されていて、多少の動脈硬化であればiPS細胞をぱらぱらと動脈にまくことで血管が若返って治ってしまうことだってあるかもしれません。 もちろん、ほんとうにそうなるかどうかは誰にもわかりません。しかし、未来における医学の進歩を信じられるのであれば、検査結果を闇雲に恐れるよりは、とりあえず先ほど述べたように心臓ドックなり脳ドックなりを受けて突然死のリスクだけは避けておき、それ以上のことに頭を悩ませるのはやめておくのが精神衛生上もベターであろうと思います。 本記事の抜粋元『年代別 医学的に正しい生き方 人生の未来予測図』ではさらに、会社で出世レースから脱落したら、子どもの就職がうまくいかなかったら、親や配偶者の介護に直面したら、ガンになったら——、という不安について、どの年代で何が起きるのか解説し、 後悔しない人生を過ごすための年代別傾向と対策が書かれています』、「検査結果を闇雲に恐れるよりは、とりあえず先ほど述べたように心臓ドックなり脳ドックなりを受けて突然死のリスクだけは避けておき、それ以上のことに頭を悩ませるのはやめておくのが精神衛生上もベターであろうと思います」、同感である。
タグ:「精神科医の宮島賢也」氏が「自らも7年間のうつに苦しみ、それを食事で克服した」とは興味深そうだ。 宮島 賢也氏による「「7年間のうつ」を脱した医師のシンプルな食事法 気合いだけで「自分」を変えるのは簡単ではない」 東洋経済オンライン (その25)(「7年間のうつ」を脱した医師のシンプルな食事法 気合いだけで「自分」を変えるのは簡単ではない、屈強な自衛官でも 心は壊れる。うつで地獄を見た元自衛官2人が話す、本当に役に立つメンタルスキル【前編】、五月病 六月病にも効く「心の予防注射」とは? うつで地獄を見た元自衛官2人が話す 本当に役に立つメンタルスキル【後編】、日本人が知っているようで知らない 健康診断の「本当の話」…実は「意味がない数値」がほとんど) 健康 「物事をどうとらえるか、自分をどう見つめるか、そうした心のあり方によって、うつになるかどうかが決まるというわけです。リストラにあったことで、「もう自分はダメだ、未来がない」と思えば、心身の状態はうつへ向かいます。 逆に、リストラにあったことを「転職のチャンスが来た」「新たな自分にチャレンジしてみよう」と思えれば、うつに陥ることはありません。 私の場合は、前者。医師としての自分に自信が持てず、診察するときはいつもびくびく、将来に向けては不安だらけ。そんな心の状態が、7年間に及ぶうつへの引き金になりました」、「7年間に及ぶうつ」とはずいぶん長く大変だったろう。 「食べることは、消化器官からすれば一大イベントで、かなりの活動エネルギーを必要とします。だから、食べているときより食べた後のほうが疲れます。一説によれば、三度の食事はフルマラソンに匹敵するカロリーを消費するともいわれます」、「胃腸に負担をかけない食事として私が実践したのは、「果物と生野菜中心の食生活」です・・・生の食べ物には酵素が含まれています。そのため、生の食べ物を食べると酵素を補うことになり、胃腸は援軍を得て重労働から解放されます。ですから、体があまり疲れなくなります。 疲れなくなると身軽な感じになって、動くのが億劫でなくなります。イライラすることも少なくなり、食後もスムーズに仕事に移れます。イライラが少なくなれば、人との衝突も減るでしょうし、人間関係にもよい影響が出てきます。 それが、心の不調の原因となるストレスを減らすことにつながるのです」、「「果物と生野菜中心の食生活」は大きな効果があったようだ。 「私は、うつに苦しんだ7年間、ずっと抗うつ薬を飲み続けましたが、自分のうつも患者さんのうつも治せませんでした。それが、食事を変えることでうつを克服できたのです」、「なんと2カ月で20㎏も減量・・・便通がよくなったり、朝スッキリ起きられるようになったり、肌がツヤツヤしてきたり。体の変化にともない、心までらくになってきて、心配や不安を感じることが減り、全身にエネルギーが満ちてくるのを実感しました。 そして、最終的にはうつから抜け出すことができました」、「うつ」を何故克服できたのかについて「精神科医」としての医学的見方も知りたいところだ。 AERAdot.「屈強な自衛官でも、心は壊れる。うつで地獄を見た元自衛官2人が話す、本当に役に立つメンタルスキル【前編】」 「うつで地獄を見た元自衛官2人」による対談とは興味深そうだ。 「幹部候補生学校の規律の厳しさには面食らいました」、「防大卒でも厳しいと感じるので、一般大卒の方にはなおさらだったでしょう。そうしたしきたりを通じて、それまでの価値観をいったん壊し、自衛隊の流儀をたたき込みながら、メンタルの強さを育んでいくのが自衛隊の流儀ですね。戦場にいることを想定した組織ですから、普通の日常生活とは違う感覚、意識を植え付けます。 戦場にいるときに、上官の命令にいちいち、「これをやる意味はあるのですか?」などと反論していたら、その間に敵にやられてしまうかもしれないので、まずは上官の命令に 即座に動けるような訓練をするわけです」、確かにその通りだ。 「転落のきっかけとなったのは、方面総監部への転属です。そこで、パワハラにあったんです」、どんなことがあったのだろう。 「パワハラ・・・嫌がらせと理不尽な叱責です。報告や連絡を後回しにされるのは当り前。仕事のことばかりでなく、弁当の中身や子どもの名前などのプライベートについても言いがかりをつけられました。 常に「怒られる」ことが頭から離れず、缶コーヒーの種類も選べないほどになってしまいました。どの缶コーヒーなら怒鳴られずに済むのかなって考えてしまって……。 覚えていないのですが、ある日、職場で叫びながら自分のデスクの中に潜っていたようで、そのまま病院に運ばれました。「過労状態」「うつ病」「不安神経症」と診断を受け休職するこ とになりました」、「職場で叫びながら自分のデスクの中に潜っていた」とは凄い症状だ。「家族が増えるという幸せな出来事も、実は心に重圧を与えるものなんです。さらに異動による新しい仕事と労働環境の変化があった。そんな状態の時に、たまたま強烈なパワハラのストレスが加わって、心が悲鳴を上げてしまったのでしょうね」、なるほど。 「張り切った私はより精力的に仕事をしていたのですが、ある講演のときに急に吐き気がして話せなくなって講演を中止して、そのまま倒れてしまったんです・・・講演では「誰でもうつになる」と言いながら、自分は絶対にならないという変な自信がありました。でも、まんまとそうなったわけです。 翌日には師団等の幹部約500名を集めた重要な講演があったのですが、それもドタキャンさせてもらいました」、 「信頼できる精神科のドクターと一緒に活動していたので、すぐに受診し、うつの診断をもらいました。 休養のため1カ月は完全に休みを取り、休み後も業務量を絞って勤務をするうちに、1年ほどで元の状態に戻ることができました」、環境的にも恵まれていたようだ。 「うつからの回復には「自信」がポイントになる」、「AOC入校前から師団司令部に所属し、宮崎県の口蹄疫問題や東日本大震災などの災害派遣の実績もある。さらに幸か不幸かメンタルダウンを経験した。だからこそ、その戦術的・戦略的な考え方を自分のものにできたのだと思います。その知識を生かし、退官後も異なる職場で活躍できている。しっかりとレジリエンス(しなやかな回復力)を身に付けられたのとだと思います」、なるほど。 「災害派遣先の南阿蘇司令部は、師団長自らが指揮をとる緊張感のある現場でした。まったく知り合いもおらず、手探りの任務でしたが最終的に「来てもらってよかった」との言葉をいただけたのです。それがすごく自信になりました」、「どこかのタイミングで、「勇気を出してやってみよう」と背中を押すようにしています」、ちょうど「背中を押す」タイミングだったようだ。 AERAdot.「五月病、六月病にも効く「心の予防注射」とは? うつで地獄を見た元自衛官2人が話す、本当に役に立つメンタルスキル【後編】」 「自分が犠牲になってもいいから、与えられた課題をとにかく完遂する(したくなる)のが日本人のメンタリティですが、それは短期決戦の考え方です。長期戦の場合、過重なミッションを果たした後は、しっかりとリカバリー期間を設けていかなければいけません」、その通りなのだろう。 「分かりやすい例で言うと、ダイエットですね。「なりたい自分」に向けて完璧を目指して10頑張ってしまうと、どこかで無理が来て、リバウンドして「今の自分」に戻る0の状態になってしまいます。 0か10かの極端な方向を目指すのではなく、「3~7」の間に入るバランスの良い目標や、「3~7」の間の行動をしていたらOKと自分を評価する考え方」、なるほど。 「疲れたときは、下園先生が仰る「おうち入院」も実践しています。病院に入院したつもりで、例えば週末の2日間、とにかくごろごろと寝るようにする。家族の理解が欠かせませんが、これでもかなり回復します」、「おうち入院」とは面白いネーミングだ。 「うつの一番わかりやすい兆候は、眠れなくなる、食べられなくなることです。この二つが出てきたら、迷うことなく精神科医やカウンセラーなどの専門家に速やかに相談してください」、リタイアした私にはもう無縁だが、心しておきたい。 現代ビジネス 和田 秀樹氏による「日本人が知っているようで知らない、健康診断の「本当の話」…実は「意味がない数値」がほとんど」 和田秀樹『年代別 医学的に正しい生き方 人生の未来予測図』 「コレステロール値の上昇と健康の悪化を関係づけるはっきりしたエビデンスというものは、少なくとも日本では存在しないのです」、私は「コレステロール値」が高過ぎると警告されているが、一安心だ。 「診療が「臓器別」でおこなわれる日本の医療現場では、脳梗塞を複数回起こしたからといって、「じゃあ、心臓も調べておきましょう」と言ってくれる親切な脳外科医はなかなかいないものなのです」、なんとか改善してほしいものだ。 「検査結果を闇雲に恐れるよりは、とりあえず先ほど述べたように心臓ドックなり脳ドックなりを受けて突然死のリスクだけは避けておき、それ以上のことに頭を悩ませるのはやめておくのが精神衛生上もベターであろうと思います」、同感である。
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医療問題(その38)(【男性注意】前立腺がんが急増している「意外すぎる理由」、「ギフテッド」ゆえに無視され 孤立した小中時代 40歳フォトグラファー女性が経験した“高い知能”こその苦難、知能が高すぎる「ギフテッド」で精神を病んだ40歳女性が見つけた希望 自ら望んで「閉鎖病棟」へ入った理由) [生活]

医療問題については、本年3月17日に取上げた。今日は、(その38)(【男性注意】前立腺がんが急増している「意外すぎる理由」、「ギフテッド」ゆえに無視され 孤立した小中時代 40歳フォトグラファー女性が経験した“高い知能”こその苦難、知能が高すぎる「ギフテッド」で精神を病んだ40歳女性が見つけた希望 自ら望んで「閉鎖病棟」へ入った理由)である。

先ずは、5月7日付けダイヤモンド・オンラインが掲載した産業医・内科医の森勇磨氏による「【男性注意】前立腺がんが急増している「意外すぎる理由」」を紹介しよう。
https://diamond.jp/articles/-/322217
・『人生100年時代は、健康こそ最大の資産です。 しかし40歳を越えると、がん、糖尿病、腎臓病といった病気を避けては通れません。国立がん研究センターによれば、40~49歳のがん患者数は、30~39歳と比べると3倍以上です(2018年)。もちろん50代、60代と年齢を重ねるにつれ、がん患者数はどんどん増えていきます。 本連載は、毎日の食事から、大病を患ったあとのリハビリまで、病気の「予防」「早期発見」「再発予防」を学ぶものです。著者は、産業医×内科医の森勇磨氏。「予防医学ch/医師監修」の管理人でもあり、動画は「わかりやすい説明で参考になる」「怖いけど面白い」と評判で、チャンネル登録者は27万人を超えています。初の単著『40歳からの予防医学 医者が教える「病気にならない知識と習慣74」』を出版し、感染症医・神戸大学教授の岩田健太郎氏が「安心して読める健康の教科書」と推薦文を寄せています』、興味深そうだ。
・『前立腺がんの意外な話  前立腺がんは日本で急増しており、男性のがんの罹患者数1位です。今後も増えていくことが予想されています。前立腺がんの主な症状は次のとおりです。 ・前立腺がんが膀胱(ぼうこう)や尿道を刺激してしまい「頻尿」になる ・おしっこの通り道である「尿道」をふさいでしまい、おしっこが出なくなる ・背骨の「腰椎(ようつい)」という場所に転移しやすく、転移が起こると強烈な腰の痛みを感じる 高齢の男性にとても多い病気である「前立腺肥大」と「前立腺がん」は症状だけでは区別できません。症状があっても「年のせい?」と様子を見てしまう人も多いです。 前立腺がんが急増している原因としては、食生活の欧米化もありますが、最も関連があるのが「PSA検査の普及」です』、「前立腺がんが急増している原因としては・・・最も関連があるのが「PSA検査の普及」です」、「PSA検査の普及」で「前立腺がんが急増」、とはどういうことだろう。
・『PSA検査とは?  PSAとは前立腺で分泌されるタンパク質のことです。前立腺にがんができると、このPSAの数値が上昇するため、早期発見のスクリーニングとして測定されます。 このPSA検査が1990年代に急速に普及し、前立腺がんの診断数が急激に増加しました。つまり前立腺がんに「なる」数が増えたというより、「発見される」数が増えたというわけです。 一見よいことのように思えますが、そう単純ではありません。まず大前提として、アメリカ予防医学専門委員会は「PSA検査はメリット・デメリットを知ったうえで、個人の選択に委ねる」というはっきりしない姿勢をとっています(※1) 日本の厚生労働省は「推奨しない」という指針を出しています(※2)。しかし一方で、日本泌尿器科学会は「PSA検査は絶対に行ったほうがいい」と主張しており、意見が真っ二つに分かれてしまっているのです。PSA検査についてのエビデンスは、まだ決着がついていません。 41万人の男性を対象に行われたイギリスの研究(※3)や「PLCO試験」(※4)という研究ではPSA検査の有効性は証明できませんでした。 一方、「ERSPC試験」(※5)という18万人を対象としたヨーロッパの研究データでは、死亡率を下げたという結果も出ています。PSAの問題は日本だけでなく世界的に大激論が行われています。 しかし、なぜ発見数が増えているにもかかわらず、死亡率が下がらないデータが存在するのでしょうか?』、「日本の厚生労働省は「推奨しない」という指針を出しています・・・しかし一方で、日本泌尿器科学会は「PSA検査は絶対に行ったほうがいい」と主張しており、意見が真っ二つに分かれてしまっている」、「PSAの問題は日本だけでなく世界的に大激論が行われています。 しかし、なぜ発見数が増えているにもかかわらず、死亡率が下がらないデータが存在するのでしょうか?」、なるほど。
・『がんを見つけないほうがよかった?  1つには、前立腺がんの「進行の遅さ」が関係しているといわれています。前立腺がんは早期の段階だと、手術などの治療をせず、PSAの数値を観察し続け、定期的に組織を採取するという選択肢があります(PSA監視療法)。 進行が遅いので「監視する」という選択肢もある珍しいがんです。進行が遅いがゆえに、死ぬまで悪さをせずだらだら体で過ごすパターンもあります。 こうした「死因とは関係ないが解剖してみたらたまたま見つかったがん」のことを「ラテントがん」と呼びます。遺体の解剖をしたら80歳以上の遺体のなんと約60%にラテントがんが存在したという報告もあります(※6)。 となると「知らなくてもよかったがんの存在を知ってしまう」ケースもあるため、「PSA検査」を行うことで幸福度を下げてしまうおそれもあります。 しかしこの話は「結果論」でしか語れないのが難しいところで、前立腺がんが転移して命を落とす場合もあります。楽観視できるわけでもありません』、「進行が遅いので「監視する」という選択肢もある珍しいがんです」、「「知らなくてもよかったがんの存在を知ってしまう」ケースもあるため、「PSA検査」を行うことで幸福度を下げてしまうおそれもあります。 しかしこの話は「結果論」でしか語れないのが難しいところで、前立腺がんが転移して命を落とす場合もあります。楽観視できるわけでもありません」、なかなか難しいところだ。
・『PSA値はがん以外でも上がる  またPSA値はがんだけでなく、「前立腺肥大」や「炎症」でも上がることがあります。精密検査をしても前立腺がんではなかった、という「空振り=偽陽性」のケースが比較的多いことも問題視されています。 現段階では明確に「PSA検査が有益だ」という決着がついていません。ただし、比較的最近導入された検査なので、今を後長期的な研究で効果が証明される可能性はあります。 またアメリカ予防医学専門委員会からは「PSA検査が少なくなってから、がんが転移してから見つかるケースが増えた」というネガティブな報告もあります。こういった事情からも日本泌尿器科学会は「PSA検査」を推奨しているのです。 現段階でのPSA検査の結論としては、次のようになります。 ①前立腺がんを「発見」するには確実に役に立つ検査 ②ただし寿命を延ばす影響があるかどうかは確定的な根拠はない ③比較的新しい検査なので、今後の研究で判断が変わるかも』、私も「PSA検査」で高目の数字が出て、「前立腺」に針を刺して組織を取り、これを培養して検査する生検を2回も受けたが、がん細胞は発見できなかった。なお、私の家系では「前立腺がん」で死亡した人はいない筈だ。
・『PSA検査を受けるべき人は?  PSA検査は「過渡期」の段階にあり、議論にはっきり決着がつくのはもう少し先になりそうです。現時点では、「メリットとデメリットを並べて比較して、自分で決める」しかありません。 例えば、「前立腺がんの家系なのでリスクが高いから、定期的に確認しておきたい!」という人はPSA検査を受けるほうがいいでしょう。一方で、「がんが見つかったら絶対に心を病んでしまう。有効性が証明されていないのも不安」という人は検査を受けないほうがいいかもしれません。 個人的には、家系に前立腺がんの人がいる場合は、がんのリスクが上がるのでPSAで確認したほうがいいと考えます。 今後もし「PSA検査が死亡率を下げる」と有効性がはっきり証明されれば状況は変わってきます。いつの日か、すっきり皆さんにPSA検査を勧められる日が来るのを心より願っています。(本原稿は、森勇磨著『40歳からの予防医学 医者が教える「病気にならない知識と習慣74」』を編集・抜粋したものです)』、「「PSA検査が死亡率を下げる」と有効性がはっきり証明されれば状況は変わってきます。いつの日か、すっきり皆さんにPSA検査を勧められる日が来るのを心より願っています」、私も検査を信頼して受けられる日が来てほしいと思う。

次に、5月27日付けAERAdot「「ギフテッド」ゆえに無視され、孤立した小中時代 40歳フォトグラファー女性が経験した“高い知能”こその苦難」を紹介しよう。なお、これは医療で取上げたが、教育の方が適切だったかも知れない。
https://dot.asahi.com/dot/2023052600027.html?page=1
・『さまざまな領域で特別な才能を有する「ギフテッド」と呼ばれる若者たち。だがその能力の高さゆえに、周囲からねたまれたり、いじめにあったり、無視されたりするなど、生きづらい人生を送ることも多い。フォトグラファーの立花奈央子さん(40)もそんなギフテッドのひとりで、かつてつらい体験をしたという。彼女はどのような学生時代を過ごし、フォトグラファーとして活躍できるようになったのか。その軌跡を紹介する。<阿部朋美・伊藤和行著『ギフテッドの光と影 知能が高すぎて生きづらい人たち』(朝日新聞出版)より一部抜粋・再編集>』、「ギフテッド」とは興味深そうだ。
・『「やっと光をあててくれた」  金髪の女性が歩いてきた。青い蛍光色のスタジャンを羽織り、スーツケースを引いている。「こんにちは」。明るい声で呼びかけられた。待ち合わせた人だと気づくのが遅れた私に、立花奈央子さん(40)は陽気に笑いかけてきた。 東京・新宿で写真スタジオを営むフォトグラファー。20代後半から、女装する男性を美しく撮ることをライフワークとし、これまで数々の写真展を開いたり、タレントのマネジメントをしたりしてきたという。他にもアイドルプロデュース、SNSブランディングなど、多彩な仕事を手がけている。 私が立花さんを知ったのは2022年春。立花さんが投稿サイト「nоte」に、「ADD(注意欠陥障害)を疑って調べたら、高IQ(ギフテッド)だった話」という文章を載せていたのを読んだ。「ギフテッド」とオープンにしている人は珍しい。インタビューを申し込んだ。 立花さんは「やっと光をあててくれて嬉しい」と言ってくれた。インタビューは2時間を超えた。生い立ちから、家族のこと、社会人になり心を病んだことなど、立花さんは質問の意図を的確に理解し、少々早い口調で、ざっくばらんに話してくれた』、「高IQ」とは凡人には羨ましいが、「社会人になり心を病んだこと」まで悩むことまであるとは再認識した。
・『一度読めばわかる教科書  立花さんは1982年、千葉市で生まれた。千葉市といっても沿岸の都市部ではなく、内陸部の田畑や牧場に囲まれた農村地帯。父は工務店を営み、母が店を手伝った。4人きょうだいの長女で、自宅には父の見習いの青年も住み込みで働いていた。幼児のころから読書とお絵かきが大好きな子どもだったという。) ただ、親や周りの評価は「変わった子」。目に入るものすべてに興味を示すからだ。例えば、活字を読んでいないと落ち着かず、ごはんを食べながら、食品のパッケージに書かれた栄養成分表示や、新聞を隅から隅まで読んでいたという。「全部目に入れてましたね。情報を吸収していないと気が済まない子でした」と立花さん。 小学校は、当時はまだ1クラス40人の大人数学級。立花さんは、授業は毎日、とても退屈に感じていたという。教科書をひととおり読めばだいたい理解できるのに、先生は、同じことを黒板に何度も書いたり説明したりする。「答えがすぐわかる問題をわざわざ出すのはなぜだろうと常々思っていました」。 授業中は、プリントの裏に落書きをして時間をつぶしていたという。鉛筆回しもよくやった。先生からは「態度が悪い」「もっと授業をちゃんと聞きなさい」と叱られたことを覚えている。学年が上がるごとに、退屈な授業や学校生活を、苦痛に感じるようになっていった。 勉強はしなくても、テストはいつも満点をとった。通知表は、体育以外はすべて「◎」。その代わり、同級生とは話が合わなかった。勉強していないのにできるからだろうか、いつの間にか嫌われていたという。 「無視されたり、工作でつくった作品を隠されたりしましたね。遠足の班分けは、いつも自分だけ最後まで残っていました。だんだん、自分が悪いことをしているからいじめられるのだと思うようになっていきました」 ただ、両親は学校に行くのは当たり前だという考えだったため、理由がなければ学校は休めない。「おなかが痛い」「頭が痛い」と言って学校を休むようになった。 中学ではさらに孤立した。同級生が話すアイドルや恋愛話にはまったく興味が湧かなかった。友達がいないと学校生活はつらいことばかりで、無理に話を合わせることもあった。だが、一人で「石に意識はあるのか」というテーマで漫画を描いたり、宇宙や時間についての専門書を読みふけったりすることのほうが楽しかったという。学校に行くよりも、母が買ってくれたパソコンで自身のサイトを立ち上げたり、当時はまっていた漫画「封神演義」のファンの集まりに行ったりするほうがよっぽど楽しかった。 小中学校ではどんな子どもでしたか。私が聞くと、立花さんはしばらく考えた。「みんなの『わからないこと』がわからず、浮いた存在でしたね。自分を否定されたくないからなんとか話を合わせようとはしていました。でも、心の中ではずっと生きづらさを抱えていました」) そんな息苦しさから解放されたいと、高校は「中学の同級生が誰も行かない」という理由で、千葉県内の進学校を選んだ。電車やバスを乗り継ぎ、通学に1時間以上かかる女子校。小中学時代を知る人はおらず、新しい友達はできた。見える世界も広がった。だが、勉強をすることが嫌いになっており、成績は良くなかった。 「ギフテッドといっても、勉強しなければ当然わかりません。周りは受験勉強を一生懸命しているので、どんどん差がつきました」 そもそも、立花さんには大学へ行く選択肢はなかった。父から「大学に行かせる金はない」と言われていたためだ』、「教科書をひととおり読めばだいたい理解できるのに、先生は、同じことを黒板に何度も書いたり説明したりする。「答えがすぐわかる問題をわざわざ出すのはなぜだろうと常々思っていました」、「高校は「中学の同級生が誰も行かない」という理由で、千葉県内の進学校を選んだ。電車やバスを乗り継ぎ、通学に1時間以上かかる女子校。小中学時代を知る人はおらず、新しい友達はできた。見える世界も広がった。だが、勉強をすることが嫌いになっており、成績は良くなかった。 「ギフテッドといっても、勉強しなければ当然わかりません。周りは受験勉強を一生懸命しているので、どんどん差がつきました」 そもそも、立花さんには大学へ行く選択肢はなかった。父から「大学に行かせる金はない」と言われていたためだ」、高校の先生がもっと丁寧に進路指導をしていたら、よかったのだろうが、先生にも「ギフテッド」への理解がないなかでは、まともな指導は出来なかったのかも知れない。
・『心を削り続けた職場  最終学歴が中学の父は根っからの職人気質。また、4人きょうだいで、家計の苦しさから、父は娘を大学へ行かせようとは思っていなかったそうだ。「公務員になれ。自衛隊でもいい」。そんなことを父から言われていた立花さんは、言われるがまま高校3年で就職活動をし、東京都内の区役所に採用された。「自分のやりたいことよりも、相手が求めているものに合わせるような人間になっていました。自分が何をしたいのかは考えなくなっていた」という。 当時を、「泥の中にいるような感覚だった」と表現する立花さん。「他人とうまくいかないのは自分が悪いからだと思っていたんですよね。だから、いつのまにか自分のことを過小評価する人間になっていた」とも言った。 就職して一人暮らしを始めても、自分の居場所は見つけられなかった。 若手職員として、区のスポーツのイベント企画や高齢者福祉などを担当した。「公務員にあるべき服装を無理して考え、地味なスーツやブラウスを嫌々着ていましたよ」と笑う。 選挙の事務の仕事をして臨時の収入が入った時は、どう使おうか考えた末に、胸にタトゥーを彫った。だが、職場でそれが見えて上司や同僚に知られると、白い目で見られた。自分の好きなことをしても否定され、周りの視線や雰囲気に合わせ仕事をする日々が繰り返された。 1年ほど働いた19歳のある時、立花さんは心を病んで休職した。「公務員としてこうあるべきという枠にきちっと入らなければと思えば思うほど、自分の心を削っていっていたのだと思います」。(年齢は2023年3月時点のものです)』、「選挙の事務の仕事をして臨時の収入が入った時は、どう使おうか考えた末に、胸にタトゥーを彫った。だが、職場でそれが見えて上司や同僚に知られると、白い目で見られた」、「1年ほど働いた19歳のある時、立花さんは心を病んで休職した」、やはり「職場」でも孤立していたのだろう。

第三に、この続きを、5月27日付けAERAdot「知能が高すぎる「ギフテッド」で精神を病んだ40歳女性が見つけた希望 自ら望んで「閉鎖病棟」へ入った理由」を紹介しよう。
https://dot.asahi.com/dot/2023052600028.html?page=1
・『知能が高さゆえに周りから浮いてしまうことも多い「ギフテッド」。【前編】では、何事もできすぎるあまり小中学校ではいじめられ、勉強が嫌いになっていった立花奈央子さん(40)が社会人になるまでを紹介した。高卒で公務員になった立花さんは、いつしか精神を病み「うつ病」になっていた。そこで彼女が取った選択は、自らの意思で精神科病院の閉鎖病棟に入ることだった。<阿部朋美・伊藤和行著『ギフテッドの光と影 知能が高すぎて生きづらい人たち』(朝日新聞出版)より一部抜粋・再編集> 【前編】<「ギフテッド」ゆえに無視され、孤立した小中時代 40歳フォトグラファー女性が経験した“高い知能”こその苦難>より続く』、「自らの意思で精神科病院の閉鎖病棟に入る」、何故そう考えたのだろう。
・『自ら望んで閉鎖病棟に3カ月間  躁状態の時は、ストレス解消や現実逃避のため、デパートで好きな服を大量に買った。しかし、家に帰ると、いつのまにか買い物をした記憶がなくなっている。 一方、気持ちが沈んでいる時は、「死にたい。トラックが突っ込んできてほしい」と願う。精神科に行った。「うつ病」「解離性遁走」と診断された。突然どこか遠くへ行ってしまい、気がつくと自分がなぜそこにいるのかわからないことが続いた。しまいには知らない場所で警察に保護されていた。 「このままではだめになる。徹底的に治さなければ」と、精神科病院の閉鎖病棟に自ら望んで入った。約3カ月間すごし、外で生きられない患者たちの姿を目の当たりにした。外部から遮断され、あらゆる自分の時間が、他人によって管理されている中には、これ以上いたくないと思った。 今変わらなければこのまま人生が終わると思った。この閉鎖病棟での3カ月間で、自分の気持ちに向き合おうと決めた。 自分が本当に好きなことは何か、自分にとって大事な人は誰か、本来の自分とは何者か。突き詰めて考えた。 哲学や宇宙など、自分が興味のある話を、とことん人と語り合える時間が最も楽しい。そんな気の合う人たちとの時間を大切にしたい。自分の気持ちを抑えつけるのはやめようと決めた。) まず、区役所をやめた。自分を偽り、親が望む人間になろうという思いも捨て、退院後に身を寄せていた実家も出た。渋谷駅のハチ公前で、ストリートアートをしていた人たちに話しかけた。自分も一緒に描いたり、路上ミュージシャンと友達になったり。どんどん周りに自分の好きな人たちが増えていった。すると、ライターや撮影、ヘアメイクなどの仕事がフリーでできるようになっていった』、「約3カ月間すごし、外で生きられない患者たちの姿を目の当たりにした。外部から遮断され、あらゆる自分の時間が、他人によって管理されている中には、これ以上いたくないと思った。 今変わらなければこのまま人生が終わると思った。この閉鎖病棟での3カ月間で、自分の気持ちに向き合おうと決めた。 自分が本当に好きなことは何か、自分にとって大事な人は誰か、本来の自分とは何者か。突き詰めて考えた。 哲学や宇宙など、自分が興味のある話を、とことん人と語り合える時間が最も楽しい。そんな気の合う人たちとの時間を大切にしたい。自分の気持ちを抑えつけるのはやめようと決めた」、「入院期間」は、これまでの偽りの自分を見直す、いいきっかけになったようだ。
・『ようやく解けた「本当の私」  実家の父から久しぶりに電話がかかってきたのは、2019年。36歳になっていた。1歳下の弟が、知能検査を受け、発達障害だと診断されたとのことだった。立花さん自身も、自分が発達障害やADD(注意欠陥障害)かもしれないと思っていたため、一度検査を受けてみることにした。 「WAIS-IV」という知能検査を受けた。その結果、全般的なIQ(知能指数)が平均を大きく超える137だった。また、同検査の四つの指標のうち、ことばの理解力や推理力、思考力を示す「言語理解」はIQ130、目で見た情報から形を把握し推理する「知覚推理」はIQ128、情報を一時的に記憶する力の「ワーキングメモリー」がIQ131、作業の速度を測る「処理速度」がIQ130と、指標のすべてが平均を超える高い数値となっていた。 驚いた。臨床心理士からは「発達障害の可能性はほぼない。単に、知能が世の中の人より高いだけの健常者ですね」と言われた。立花さんはそれまで、自分の生きづらさは発達障害のせいだ、となんとなく思っていたが、それは間違っていたことがはっきりした。この時、初めて自分の特性が何なのかを知りたい、と思った。 結果を知人に言うと、「ギフテッドじゃん」と言われた。初めて聞く言葉だった。「ギフテッド」に関する専門書を片っ端から読んでみた。 特徴として書かれていた「情報を素早く理解」「いつも何かにのめり込み徹底的に調べる」という良さだけでなく、「注意散漫に見える」「同級生との関係づくりが下手」といった弱点までが、いちいち自分に当てはまった。「これ私のことだ」と思うと、胸がすっとした。 普通と違う私。他人に合わせ、ずっと生きづらさを抱えてきた私。子どものころから、本当の自分は何なのかと思ってきた疑問が、ようやく解けた気がした。「パズルのピースがはまるような感覚だった」という。 立花さんは言う。「私は、自分のことを『天才』とは思いません。ただIQが高いという個性があるのだということがわかりました。そのせいで、これまで息苦しさや孤独を抱えていたのだと理解できて本当に良かったです」。 そしてこう思った。きっと、同じような仲間がいるのではないか。自分の特性を理解してくれたり共感してくれたりする仲間ともっと話がしたい、と。もし、子どもの時から知っていたら? 「MENSA」という国際組織を知人が教えてくれた。IQの上位2%の人だけが入会でき、日本支部があるという。さっそく入会した。 MENSAは、1946年にイギリスで創設された国際組織だ。世界100カ国以上に13万人以上の会員がいるとされる。日本支部には約4700人の会員がおり、定期的に開かれるミーティングで話し合ったり、趣味や考えが合う会員同士がオフ会などで交流したりしているという。入会するには、独自の入会テストを受けて一定のスコアを出すか、知能検査の結果を示さなければならない。 立花さんは、MENSAで出会った人たちと、「性とは何か」「既成の価値観に縛られていないか」といった深い話をすることが楽しい。人のつながりが増え、好奇心があふれ、知的欲求が満たされるという。 ようやく好きなことを仕事にし、仲間にも巡り会えたという立花さん。ただそれはたくさんの回り道をして得たものだった。「もっと早くに知能検査を受けておけばよかったという後悔はないか」と聞くと、立花さんは「後悔はない」とはっきり言った。過去のつらい時期があったからこそ、充実した今があると思っているから、と。 ただ、どうしても考えてしまうことは、あるという。「もし、子どものころに自分の特性を知り、それを理解した教育や子育てをしてもらっていたら、あんなつらい経験をせず、もっと様々なことを学べたのではないか」と。いま後悔していないと言えるのは、浮きこぼれていてもはい上がることができたからではないか。自分と同じように生きづらさを抱えたまま悩んでいる人が、今もきっといるはずだ』、「2019年。36歳になっていた・・・「WAIS-IV」という知能検査を受けた。その結果、全般的なIQ(知能指数)が平均を大きく超える137だった」、「結果を知人に言うと、「ギフテッドじゃん」と言われた。初めて聞く言葉だった。「ギフテッド」に関する専門書を片っ端から読んでみた。 特徴として書かれていた「情報を素早く理解」「いつも何かにのめり込み徹底的に調べる」という良さだけでなく、「注意散漫に見える」「同級生との関係づくりが下手」といった弱点までが、いちいち自分に当てはまった。「これ私のことだ」と思うと、胸がすっとした」、「「MENSA」という国際組織・・・IQの上位2%の人だけが入会でき、日本支部があるという。さっそく入会した・・・日本支部には約4700人の会員がおり、定期的に開かれるミーティングで話し合ったり、趣味や考えが合う会員同士がオフ会などで交流したりしているという。入会するには、独自の入会テストを受けて一定のスコアを出すか、知能検査の結果を示さなければならない。 立花さんは、MENSAで出会った人たちと、「性とは何か」「既成の価値観に縛られていないか」といった深い話をすることが楽しい。人のつながりが増え、好奇心があふれ、知的欲求が満たされるという。 ようやく好きなことを仕事にし、仲間にも巡り会えたという立花さん。ただそれはたくさんの回り道をして得たものだった」、ずいぶん「たくさんの回り道」をしたものだ。
・『ゴールデン街の会員制バーで  そんな思いを強くした立花さんが始めたのが、「サロン・ド・ギフテッド」だ。19年ごろから週1回、フォトグラファーの仕事のかたわら、東京・歌舞伎町の新宿ゴールデン街にあるバーで開いている。 22年12月中旬、私はそのバーを訪れた。毎週火曜日、オーナーから店を間借りした立花さんが、カウンターに立っている。 重い木製のドアを開けると、立花さんの「いらっしゃーい」という明るい声が聞こえてきた。カウンター席が6席だけのこぢんまりとした店。すでに5人の先客が、立花さんが出すビールやハイボールを飲みながら、会話を楽しんでいた。 サロンは、IQ130以上の条件がある会員制。特別に参加させてもらった私の隣に座っていたのは、この日初めて来たという東京大学に通う女性だった。理路整然とした話しっぷり。ただ子どものころは学校になじめず「つらかった」と吐露した。「だって、先生は私のこと全然理解してくれなかったから」と女性。今はギフテッドの子どもやその保護者を支援する団体に入って活動をしているという。 IQが150ありながら、会社の上司とコミュニケーションがうまくとれず退職したという男性もいた。話すスピードが速すぎて変人と思われないかという不安があり、自分のことを知らない人とは話をするのが怖くなったという。他にも、地下アイドルを「推す」中年男性や、マクドナルドで働く母親など、個性豊かな人たちが胸の内を語り合っていた。 立花さん自身にとっても、他人は他人、自分は自分と実感できる場所だという』、「サロンは、IQ130以上の条件がある会員制」、前述の「MENSA」という国際組織・・・日本支部には約4700人の会員」、高度な「IQ」を持ちながら、生きづらさを抱えた人がかなり多いようだ。「サロン」や「MENSA」に属してないで、苦しんでいる人々も多いのだろうが、これは有為な人材を埋もれさせた状態で、もったいない限りだ。もっと小中学校の先生でも「ギフテッド」について知り、親にアドバイスできるようにした方がいいのではなかろうか。
・『「ほっといてほしい」  さて、立花さんのトークを収録した朝日新聞ポッドキャストは、22年12月上旬に配信された。「同級生と話が合わない」「なじめたことは一度もない」「授業はクソつまらない」。そんな立花さんの率直な語りぶりが、多くのリスナーの好評を得た。 収録の終盤、司会者が立花さんに「自分の経験を踏まえ、どんな世の中になればいいと思うか」と聞いた。 「ほっといてほしいですね」 即答だった。立花さんが生きやすさを感じたタイミングは、高校生になって行動範囲が広がったり、社会人になって使えるお金が増えたりするなど、自分で選択できることが増えた時だったという。 「子どものころは大人の見守りは当然必要だと思いますけど、普通と違うからと枠にはめようとしたり、周りの子どもと比較したりするのは、やめてほしいですね。ましてや、ギフテッドだから才能をのばさないといけないとか、才能を見過ごしてはもったいない、といった考えは大きなお世話です。その人が、その人らしく生きられるような社会になることが大事なのだと思います」 立花さんのそんな言葉が、多くの人に届くといいと思った。(年齢は2023年3月時点のものです)』、「ギフテッドだから才能をのばさないといけないとか、才能を見過ごしてはもったいない、といった考えは大きなお世話です。その人が、その人らしく生きられるような社会になることが大事なのだと思います」、私の「もっと小中学校の先生でも「ギフテッド」について知り、親にアドバイスできるようにした方がいいのではなかろうか」、は「大きなお世話」かも知れないが、現状よりはましなのではないだろうか。
タグ:「高校は「中学の同級生が誰も行かない」という理由で、千葉県内の進学校を選んだ。電車やバスを乗り継ぎ、通学に1時間以上かかる女子校。小中学時代を知る人はおらず、新しい友達はできた。見える世界も広がった。だが、勉強をすることが嫌いになっており、成績は良くなかった。 「ギフテッドといっても、勉強しなければ当然わかりません。周りは受験勉強を一生懸命しているので、どんどん差がつきました」 そもそも、立花さんには大学へ行く選択肢はなかった。父から「大学に行かせる金はない」と言われていたためだ」、高校の先生がもっと丁寧 「教科書をひととおり読めばだいたい理解できるのに、先生は、同じことを黒板に何度も書いたり説明したりする。「答えがすぐわかる問題をわざわざ出すのはなぜだろうと常々思っていました」、 「高IQ」とは凡人には羨ましいが、「社会人になり心を病んだこと」まで悩むことまであるとは再認識した。 (その38)(【男性注意】前立腺がんが急増している「意外すぎる理由」、「ギフテッド」ゆえに無視され 孤立した小中時代 40歳フォトグラファー女性が経験した“高い知能”こその苦難、知能が高すぎる「ギフテッド」で精神を病んだ40歳女性が見つけた希望 自ら望んで「閉鎖病棟」へ入った理由) 医療問題 「ギフテッド」とは興味深そうだ。 阿部朋美・伊藤和行著『ギフテッドの光と影 知能が高すぎて生きづらい人たち』(朝日新聞出版) AERAdot「「ギフテッド」ゆえに無視され、孤立した小中時代 40歳フォトグラファー女性が経験した“高い知能”こその苦難」 「「PSA検査が死亡率を下げる」と有効性がはっきり証明されれば状況は変わってきます。いつの日か、すっきり皆さんにPSA検査を勧められる日が来るのを心より願っています」、私も検査を信頼して受けられる日が来てほしいと思う。 私も「PSA検査」で高目の数字が出て、「前立腺」に針を刺して組織を取り、これを培養して検査する生検を2回も受けたが、がん細胞は発見できなかった。なお、私の家系では「前立腺がん」で死亡した人はいない筈だ。 「進行が遅いので「監視する」という選択肢もある珍しいがんです」、「「知らなくてもよかったがんの存在を知ってしまう」ケースもあるため、「PSA検査」を行うことで幸福度を下げてしまうおそれもあります。 しかしこの話は「結果論」でしか語れないのが難しいところで、前立腺がんが転移して命を落とす場合もあります。楽観視できるわけでもありません」、なかなか難しいところだ。 「日本の厚生労働省は「推奨しない」という指針を出しています・・・しかし一方で、日本泌尿器科学会は「PSA検査は絶対に行ったほうがいい」と主張しており、意見が真っ二つに分かれてしまっている」、「PSAの問題は日本だけでなく世界的に大激論が行われています。 しかし、なぜ発見数が増えているにもかかわらず、死亡率が下がらないデータが存在するのでしょうか?」、なるほど。 「前立腺がんが急増している原因としては・・・最も関連があるのが「PSA検査の普及」です」、「PSA検査の普及」で「前立腺がんが急増」、とはどういうことだろう。 『40歳からの予防医学 医者が教える「病気にならない知識と習慣74」』 森勇磨氏による「【男性注意】前立腺がんが急増している「意外すぎる理由」」 ダイヤモンド・オンライン 「選挙の事務の仕事をして臨時の収入が入った時は、どう使おうか考えた末に、胸にタトゥーを彫った。だが、職場でそれが見えて上司や同僚に知られると、白い目で見られた」、「1年ほど働いた19歳のある時、立花さんは心を病んで休職した」、やはり「職場」でも孤立していたのだろう。 AERAdot「知能が高すぎる「ギフテッド」で精神を病んだ40歳女性が見つけた希望 自ら望んで「閉鎖病棟」へ入った理由」 「自らの意思で精神科病院の閉鎖病棟に入る」、何故そう考えたのだろう。 「入院期間」は、これまでの偽りの自分を見直す、いいきっかけになったようだ。 「約3カ月間すごし、外で生きられない患者たちの姿を目の当たりにした。外部から遮断され、あらゆる自分の時間が、他人によって管理されている中には、これ以上いたくないと思った。 今変わらなければこのまま人生が終わると思った。この閉鎖病棟での3カ月間で、自分の気持ちに向き合おうと決めた。 自分が本当に好きなことは何か、自分にとって大事な人は誰か、本来の自分とは何者か。突き詰めて考えた。 哲学や宇宙など、自分が興味のある話を、とことん人と語り合える時間が最も楽しい。そんな気の合う人たちとの時間を大切にしたい。自分の 気持ちを抑えつけるのはやめようと決めた」、 「2019年。36歳になっていた・・・「WAIS-IV」という知能検査を受けた。その結果、全般的なIQ(知能指数)が平均を大きく超える137だった」、「結果を知人に言うと、「ギフテッドじゃん」と言われた。初めて聞く言葉だった。「ギフテッド」に関する専門書を片っ端から読んでみた。 特徴として書かれていた「情報を素早く理解」「いつも何かにのめり込み徹底的に調べる」という良さだけでなく、「注意散漫に見える」「同級生との関係づくりが下手」といった弱点までが、いちいち自分に当てはまった。 「これ私のことだ」と思うと、胸がすっとした」、「「MENSA」という国際組織・・・IQの上位2%の人だけが入会でき、日本支部があるという。さっそく入会した・・・日本支部には約4700人の会員がおり、定期的に開かれるミーティングで話し合ったり、趣味や考えが合う会員同士がオフ会などで交流したりしているという。入会するには、独自の入会テストを受けて一定のスコアを出すか、知能検査の結果を示さなければならない。 立花さんは、MENSAで出会った人たちと、「性とは何か」「既成の価値観に縛られていないか」といった深い話をすることが楽しい。人のつながりが増え、好奇心があふれ、知的欲求が満たされるという。 ようやく好きなことを仕事にし、仲間にも巡り会えたという立花さん。ただそれはたくさんの回り道をして得たものだった」、ずいぶん「たくさんの回り道」をしたものだ。 「サロンは、IQ130以上の条件がある会員制」、前述の「MENSA」という国際組織・・・日本支部には約4700人の会員」、高度な「IQ」を持ちながら、生きづらさを抱えた人がかなり多いようだ。「サロン」や「MENSA」に属してないで、苦しんでいる人々も多いのだろうが、これは有為な人材を埋もれさせた状態で、もったいない限りだ。もっと小中学校の先生でも「ギフテッド」について知り、親にアドバイスできるようにした方がいいのではなかろうか。 「ギフテッドだから才能をのばさないといけないとか、才能を見過ごしてはもったいない、といった考えは大きなお世話です。その人が、その人らしく生きられるような社会になることが大事なのだと思います」、私の「もっと小中学校の先生でも「ギフテッド」について知り、親にアドバイスできるようにした方がいいのではなかろうか」、は「大きなお世話」かも知れないが、現状よりはましなのではないだろうか。
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健康(その24)(人間が病気になる原因は"2つ"だけ…名医が「自律神経・血管・腸」を重視する理由【2022編集部セレクション】 免疫力を高める日々のリカバリー術、若々しさを保つ「テロメア」は延命効果よりがんリスクの方が高い?) [生活]

健康については、本年3月28日に取上げた。今日は、(その24)(人間が病気になる原因は"2つ"だけ…名医が「自律神経・血管・腸」を重視する理由【2022編集部セレクション】 免疫力を高める日々のリカバリー術、若々しさを保つ「テロメア」は延命効果よりがんリスクの方が高い?)である。

先ずは、5月12日付けPRESIDENT BOOKSが掲載した順天堂大学医学部教授の小林 弘幸氏による「人間が病気になる原因は"2つ"だけ…名医が「自律神経・血管・腸」を重視する理由【2022編集部セレクション】 免疫力を高める日々のリカバリー術」を紹介しよう。
https://president.jp/articles/-/69396
・『2022年下半期(7月~12月)にプレジデントオンラインで配信した人気記事から、いま読み直したい「編集部セレクション」をお届けします――。(初公開日:2022年7月28日) 自律神経研究の第一人者である小林弘幸・順天堂大学医学部教授は「免疫力を高めるためには、『自律神経』『血管・血液』『腸』のトライアングルが重要です」という。人体が「健康」という状態を作り出すために24時間365日途切れることなく果たしている、その驚くべき機能について、セブン‐イレブン限定書籍『自律神経を整える』から紹介する──。 ※本稿は、小林弘幸『自律神経を整える』(プレジデント社)の一部を再編集したものです』、興味深そうだ。
・『細胞に必要な“栄養”と“酸素”を運ぶ「血液」  私たちが心身ともに健康でいるためには、いったい何が必要なのでしょうか。これについて少し考えてみましょう。 私たち人間の体は、約37兆~60兆個もの細胞が集まってできています。この細胞1つひとつが、それぞれの役割を果たして機能してこそ、健康を維持し元気な日々を送ることができます。 細胞1つひとつが機能するためには、十分な栄養と酸素が必要です。そして、全身の細胞に栄養と酸素を行き渡らせるために機能しているのが血液であり、血管です』、「人間の体は、約37兆~60兆個もの細胞が集まってできています。この細胞1つひとつが、それぞれの役割を果たして機能してこそ、健康を維持し元気な日々を送ることができます。 細胞1つひとつが機能するためには、十分な栄養と酸素が必要です。そして、全身の細胞に栄養と酸素を行き渡らせるために機能しているのが血液であり、血管です」、その通りだ。
・『血液は免疫細胞も運んでいる  私たちは栄養と酸素を、食事と呼吸によって体内に取り込み、さらに栄養は腸で、酸素は肺で吸収し、それらを血液にのせて各細胞に運んでいます。新型コロナウイルスなどの病原体やがん細胞を退治する「免疫細胞」を運んでくれるのも血液です。 細胞の隅々まで質のよいきれいな血液が流れれば、十分な栄養と酸素が届けられ、すべての臓器が適切かつ十分に働き、免疫力も高まります。 また、体内に溜まった不要な老廃物を体外に送り出すのも血液の働きです。細胞を常にきれいな状態に整え、栄養や酸素を取り入れやすくするためになくてはならない重要な役割を担っています。 それにより、肌や髪の毛、爪なども美しく、見た目の若々しさも維持できます』、確かに驚くほどよく出来た仕組みだ。
・『自律神経の乱れは血液の状態の悪化を招く  私たち人間は、血液がなければ生きていくことができません。そして、健康維持のためには、きれいな質のよい血液とスムーズな血流がとても重要です。 その重要な「血流」をコントロールしているのが自律神経です。 交感神経は血管を収縮させ、副交感神経は血管を拡張させます。両者がバランスよく交互に働くと、血管の収縮と拡張がリズミカルに繰り返され、血液はスムーズに流れて全身に行き渡ります。 ところが、両者のバランスが崩れてどちらか一方が過剰になると、血流の状態が悪くなります。 とくに交感神経が過剰に優位になると、呼吸が浅くなって心拍数が上がり、血管が収縮して血流が滞ります。その結果、血液がドロドロになって血管がダメージを受け、脳梗塞や心筋梗塞を引き起こす血栓が生じやすくなっていきます』、「交感神経は血管を収縮させ、副交感神経は血管を拡張させます。両者がバランスよく交互に働くと、血管の収縮と拡張がリズミカルに繰り返され、血液はスムーズに流れて全身に行き渡ります。 ところが、両者のバランスが崩れてどちらか一方が過剰になると、血流の状態が悪くなります」、「交感神経」と「副交感神経」の「バランス」は 生きていく上で、極めて重要なようだ。
・『体内にもさまざまな悪影響が  体にも、さまざまな不調が起こります。全身に栄養と酸素が行き届かないだけでなく、体内に不要な老廃物が溜まってしまうからです。 たとえば、臓器がダメージを受けてしまえば、免疫力や体力、脳の働きも低下して、頭痛などの不調が現れやすくなります。また、いざというときに体調が崩れる、ここぞというときにやる気が出ないなどといった心(=メンタル)の不調にもつながります。 加えて、代謝が落ちて太りやすくなったり、生活習慣病の発症リスクが高まったりします。 それだけではありません。がんやうつ病、年齢を重ねることで発症リスクが高まる認知症や骨粗鬆症こつそしょうしょう、フレイル(健康な状態と要介護状態との中間)やサルコペニア(筋肉量が減少し、筋力や身体機能が低下している状態)なども、自律神経の乱れから生じていることが少なくないと私は考えています』、「自律神経の乱れ」がこんなにも広範な悪影響を及ぼすとは、初めて知った。
・『自律神経と血管・血液、腸は互いに影響し合う  さらにもう1つ、自律神経がコントロールしている重要なものがあります。それは「腸」です。 自律神経と血管・血液、そして腸は、互いに影響し合う関係にあります。 自律神経は血流と腸の働きをコントロールし、腸は自律神経のバランスをコントロールすると同時に血液の質(十分な栄養と酸素をのせ、老廃物を回収できているか)を左右しています。血管・血液は自律神経からは血流、腸からは質の影響を受けていることになります。 交感神経は日中、アクセル役として体を活発な状態に導いてくれますが、胃腸の働きについては、夜の間に副交感神経がアクセルの働きをして蠕動ぜんどう運動を活発にします』、「自律神経と血管・血液、そして腸は、互いに影響し合う関係にあります。 自律神経は血流と腸の働きをコントロールし、腸は自律神経のバランスをコントロールすると同時に血液の質・・・を左右しています」、なるほど。「胃腸の働きについては、夜の間に副交感神経がアクセルの働きをして蠕動ぜんどう運動を活発にします」、「翌朝の排便の準備をしてくれている」重要な役割だ。
・『免疫機能を左右する「トライアングル」  朝の排便が理想的なのは、夜中のうちに副交感神経の影響で腸が活発に働いて、翌朝の排便の準備をしてくれているからです。朝、自然とトイレに行きたくなるのは、夜の間に副交感神経がしっかりと働いてくれた証拠です。 つまり、自律神経のバランスが崩れて副交感神経の働きが衰えると、血流が悪くなると同時に、腸の機能も低下して便秘になったり、腸内環境が悪化したりして(腸内に有害な細菌が増えます)、さまざまな不調や病気の原因になるということです。 また、自律神経と血管・血液、腸のトライアングルは、体の「免疫機能」にも深く関わっています』、「自律神経と血管・血液、腸のトライアングルは、体の「免疫機能」にも深く関わっています」、なるほど。
・『自律神経が整うと免疫細胞のバランスも整う  人が病気になるのには、大きく分けて2つの原因があります。「血管系」のトラブルと、「免疫系」のトラブルです。この2つのトラブルは、どちらも自律神経の働きと大きく関わっています。 「血管系」のトラブル、自律神経の乱れから起こる血管・血液のダメージによる心身への影響については前述しました。ここでは「免疫系」のトラブルと自律神経の関係について説明しましょう。 私たちの体には、「免疫」という病気から体を守るシステムが備わっています。 新型コロナウイルスのようなウイルスや病原菌に感染することによって発症してしまう「感染症」から体を守ってくれるのが「免疫機能」で、コロナ禍でもっとも耳にした用語のひとつかもしれません。 同じ環境で同じように仕事をしていても、よく風邪を引く人と引きにくい人がいます。こうした相違こそ、「免疫力」の違いがもたらすものにほかなりません』、「免疫機能」の重要性については、コロナワクチンで十二分に知らされた。
・『自律神経が整うと免疫力が高まる  免疫力が高ければ、体内に侵入したウイルスや病原菌をしっかり排除できるため発症しませんが、免疫力が低いと、体内に入ったウイルスや病原菌を排除しきることができずに発症してしまうのです。  免疫機能は、外部から侵入してくる異物に対して働くだけでなく、体の中で生じる異物に対しても働きます。 体内の異物の代表ががんです。がんは、私たちの体をつくっている細胞が、遺伝子の突然変異によってがん化、増殖してしまう病気です。 がんというと特別な病気と思われがちですが、実は健康な人でも体の中では毎日何千個ものがん細胞が生まれています。そして、がんが発症するかしないかを決めているのは免疫力です。免疫力が高ければ体内にがん細胞が生まれても、それらをしっかりと排除することができます。 免疫力の低い人は風邪を引きやすいだけでなく、がんにもなりやすいということです。免疫力の高さこそ、病気に対する抵抗力の強さです。 そして、自律神経が整うと免疫力が高まって、風邪を引きにくくなると同時に、がんにもなりにくくなる。まずは、このことを覚えておいてください』、「免疫力の高さこそ、病気に対する抵抗力の強さです。 そして、自律神経が整うと免疫力が高まって、風邪を引きにくくなると同時に、がんにもなりにくくなる」、その通りだ。
・『免疫機能の中心を担う白血球  少々専門的になりますが、もう少し詳しく説明しましょう。 免疫機能の中心を担っているのは、血液中の「白血球」です。白血球はいくつかの「免疫細胞」で構成されますが、それは次の3つに大別されます。 1つが病原菌など比較的大きめの異物を処理する「顆粒かりゅう球」、もうひとつがウイルスなどの小さな異物を処理する「リンパ球」、そして感染に対する防御の開始に重要な役割を果たす「単球」です。 近年の研究で、交感神経が優位になると顆粒球が増え、副交感神経が優位になるとリンパ球が増えることがわかってきました。 交感神経が働くと顆粒球が増えて病原菌に対する免疫力は高まりますが、過剰に優位な状態が続くと、体内に異物(病原菌)がいないときでも顆粒球が過剰反応して、健康維持に必要な「常在菌」を殺してしまうことがあります。 顆粒球は、自らが持つ「分解酵素」と「活性酸素」によって異物を処理します。ところが、増えすぎた顆粒球が体内に余ってしまうと、細胞としての寿命を終えたときに、持っている活性酸素を体内にばらまいて、健康な細胞を傷つけてしまうのです』、「増えすぎた顆粒球が体内に余ってしまうと、細胞としての寿命を終えたときに、持っている活性酸素を体内にばらまいて、健康な細胞を傷つけてしまう」、恐ろしい副作用だ。
・『日々のリカバリーが大切  一方、副交感神経が働くと、リンパ球が増えてウイルスに対する免疫力が高まります。しかし、過剰に優位になってリンパ球が増えすぎれば、異物(抗原)に敏感になりすぎて、アレルギーを起こしやすくなります。 つまり、免疫力は高ければ高いほどいいというわけではなく、高すぎることにも弊害があるのです。 交感神経と副交感神経のバランスが整うことによって、顆粒球とリンパ球がともに増え、免疫細胞のバランスがよくなることで、免疫機能が適度に効果的に働くというわけです。 もちろん、自律神経の乱れがすぐに免疫力の低下に反映されるわけではありません。一時的に交感神経優位の状態になったとしても、顆粒球がすぐに増えるわけではないのです。交感神経優位の状態が続くことを放置せずに、日々リカバリーをすることが大切です』、「交感神経優位の状態が続くことを放置せずに、日々リカバリーをすることが大切です」、ただ、「リカバリー」はどうすれば出来るのだろう。

次に、5月16日付けNewsweek日本版が掲載した作家・科学ジャーナリストの茜 灯里氏による「若々しさを保つ「テロメア」は延命効果よりがんリスクの方が高い?」を紹介しよう。
https://www.newsweekjapan.jp/akane/2023/05/post-57_3.php
・『<米ジョンズ・ホプキンス大医学部の研究者たちが長いテロメアを持つ人たちの健康状態を調査したところ、毛髪などの若々しさが保たれていた反面、一般の高齢者に比べてがんになりやすいことが分かった。その理由をテロメアの発見史とともに解説する> 細胞核を持たない一部の生物(細菌や古細菌などの原核生物)以外の動物や植物は、真核生物と呼ばれます。染色体の両端に「老化のカウント装置」と考えられている「テロメア」と呼ばれる部分を持っています。 テロメアは、特徴的な繰り返し配列を持つDNAとタンパク質でできています。細胞が分裂するときは染色体の遺伝情報がコピーされますが、テロメアは重要な遺伝情報を確実にコピーできるようにする保護キャップの役割をしています。 また、細胞には分裂回数の限界があり、それを超えると細胞の増殖は止まります。これが、「細胞の老化」です。1回の分裂ごとにテロメアが少しずつ短くなることから、細胞の分裂回数はテロメアの長さが制限していると考えられています。 細胞が老化すると、細胞が作り上げている組織や臓器も老化して機能が衰えます。なのでかつては、細胞のテロメアを長く保つことができれば皮膚や内臓は若く保たれ、個体の寿命も長くなると考えられていました。 けれど今回、米ジョンズ・ホプキンス大医学部の研究者たちは、実際に長いテロメアを持つ家系の人たちの病歴を調べて、「長いテロメアを持つ人は、白髪が少ないなどの若々しい特徴が見られた反面、がんになりやすかった」という研究成果を世界四大医学誌に数えられる「ニューイングランド・ジャーナル・オブ・メディシン」(5月4日号)に発表しました。 長いテロメアは、私たちの健康にどのように影響するのでしょうか。テロメアの発見史とともに概観してみましょう』、「1回の分裂ごとにテロメアが少しずつ短くなることから、細胞の分裂回数はテロメアの長さが制限していると考えられています。 細胞が老化すると、細胞が作り上げている組織や臓器も老化して機能が衰えます。なのでかつては、細胞のテロメアを長く保つことができれば皮膚や内臓は若く保たれ、個体の寿命も長くなると考えられていました」、しかし、「米ジョンズ・ホプキンス大医学部の研究者たちは・・・「長いテロメアを持つ人は、白髪が少ないなどの若々しい特徴が見られた反面、がんになりやすかった」という研究成果を」、「発表しました」、なるほど。
・『テロメアの長さとヒトの寿命  テロメアの染色体の末端保護機能は、1930年代に後のノーベル生理学・医学賞受賞者であるハーマン・J・マラー氏とバーバラ・マクリントック氏によって、提唱されました。 1970年代になって分子生物学が発展すると、細胞分裂の際にDNAをコピーするときはプライマーと呼ばれる核酸の断片が必要で、この部分はコピー後に除去されるため、コピーされたDNAはオリジナルよりも短くなることが分かりました。そのままでは染色体上の遺伝情報が段々と削られてしまいますが、それを保護する役割をしているのが重要な遺伝情報は持たずに切り離しても影響がない部分であるテロメアです。 さらに、ヒトの体細胞の分裂に回数制限があることは、1960年代にレイナード・ヘイフリック氏らによって発見されていたので、テロメアの長さが分裂回数を制限している可能性も示唆されました。) その後の研究で、テロメアの長さはヒトの老化や寿命にも関係している可能性があることが報告されています。 たとえば、東京都健康長寿医療センター研究所の研究チームは2011年に、思春期に白髪や骨粗鬆症など加齢症状を示す早老症(ウェルナー症候群)の患者の骨格筋組織や皮膚組織では、テロメアが短縮していたことを報告しています。慶応義塾大と英ニューカッスル大の国際研究チームは15年に、100歳以上の長寿者とその家族ら約1500人を分析し、長寿者はテロメアが長く、老化を促進させる炎症マーカーの値が低かったと発表しました。 もっとも、テロメアが長いことは良いことばかりではありません。 09年にノーベル生理学・医学賞を受賞したエリザベス・H・ブラックバーン氏は、テロメアの配列を同定し、テロメアを伸長する酵素「テロメラーゼ」を発見した業績で知られています。 ブラックバーン氏は、ノーベル賞を同時受賞した教え子のキャロル・Wグライダー氏とともに「通常、体細胞はテロメラーゼ活性がないため、テロメアが限界まで短縮すると細胞は増殖できなくなる。対して、がん化した細胞ではテロメラーゼでテロメアの長さが修復されるため、細胞が無限に増殖できる」ことも発見しています。つまり、長いテロメアは異常細胞の排除を防ぐ役割を果たしているということです』、「がん化した細胞ではテロメラーゼでテロメアの長さが修復されるため、細胞が無限に増殖できる」、なるほど。
・『速やかに排除すべき変異細胞の耐久性も向上  では、実際に長いテロメアを持つ人の健康状態はどのような特徴があるのでしょうか。その疑問を解決しようとしたのが、今回のジョンズ・ホプキンス大の研究です。 研究チームは、テロメアの長さを制御する遺伝子「POT1」が変異したため生まれつき長いテロメアを持つ人を探し、7歳から83歳までの5家族17人を見つけました。17人のうち13人のテロメアの長さを測定したところ、全員が一般の人よりも90%長いテロメアを持っていました。また、70代の6人は全員が白髪になるのが遅かったと話し、若々しさが長く保たれていることが確認されました。 けれど、彼らの健康状態を2年間、追跡調査したところ、17人中12人が甲状腺腫(甲状腺肥大)、子宮筋腫、黒色腫、リンパ腫、様々ながんなどの良性あるいは悪性腫瘍を経験し、これらの中で複数の病歴を持つ人もいました。また、そのうち4人は研究期間中に死亡し、リンパ腫、結腸がん、白血病、脳腫瘍を患っていました。 さらに参加者のうち12人の血液を調べたところ、8人(67%)で異常な造血幹細胞が増殖する「クローン性造血」の兆候がみられました。 クローン性造血は、血液のがんだけでなく、心血管疾患や脳血管疾患のリスクとなることが知られています。加齢によって頻度が高くなり、通常は70歳以上の10~20%で起こります。長いテロメアを持つ参加者たちで見られた割合は、一般の高齢者と比べてはるかに高い値でした。) また、研究チームは、長いテロメアを持つ参加者たちは、一般的なテロメア長を持つ人々よりもテロメアの短縮速度が遅いことも発見しました。 研究を主導したジョンズ・ホプキンス大医学部教授のメアリー・アルマニオス氏は「私たちの発見は、長いテロメアが老化から守るという考えに疑問を投げかけます。参加者たちは長いテロメアによって、加齢に伴って生じる突然変異を持つ細胞の耐久性も向上したようです」と説明します。 長いテロメアの効果で正常細胞の分裂回数の制限が増えれば、皮膚や毛髪は若々しさを長く保てます。しかし、本来ならば速やかに排除すべき変異細胞の耐久性も上げてしまうことで、変異は蓄積され、がんのリスクが高まった可能性があります。 試験管で細胞そのものを取り扱う実験では、テロメアの短縮が起きなければ細胞の寿命は尽きないことが示されています。1951年に今回の研究と同じジョンズ・ホプキンス大で女性患者のガン細胞から分離された「ヒーラ細胞」は、不老不死の細胞として現在でも世界各地で研究に使われています。テロメラーゼ活性化により、テロメアが細胞の分裂を止める引き金となる長さまでは短縮されないことが原因です。 対して、個体の寿命に関しては、長いテロメアによって細胞分裂の回数は引きのばせても、がんが現れやすくなり死亡リスクが高まると一筋縄ではいかないようです。今後は、細胞に突然変異を蓄積させない方法が開発されるかもしれませんが、今のところテロメアの長さを維持したり伸ばしたりするだけでは不老不死には至らないでしょう。これらに見られるある種の「バランス」には、生命の神秘を感じずにはいられませんね』、「個体の寿命に関しては、長いテロメアによって細胞分裂の回数は引きのばせても、がんが現れやすくなり死亡リスクが高まると一筋縄ではいかないようです。今後は、細胞に突然変異を蓄積させない方法が開発されるかもしれませんが、今のところテロメアの長さを維持したり伸ばしたりするだけでは不老不死には至らないでしょう。これらに見られるある種の「バランス」には、生命の神秘を感じずにはいられませんね」、「科学ジャーナリスト」の筆者が「生命の神秘を感じずにはいられませんね」、と締めたのには、若干の違和感を感じた。ひょっとして、筆者はクリスチャンなのだろうか。
タグ:「交感神経は血管を収縮させ、副交感神経は血管を拡張させます。両者がバランスよく交互に働くと、血管の収縮と拡張がリズミカルに繰り返され、血液はスムーズに流れて全身に行き渡ります。 ところが、両者のバランスが崩れてどちらか一方が過剰になると、血流の状態が悪くなります」、「交感神経」と「副交感神経」の「バランス」は 生きていく上で、極めて重要なようだ。 確かに驚くほどよく出来た仕組みだ。 「人間の体は、約37兆~60兆個もの細胞が集まってできています。この細胞1つひとつが、それぞれの役割を果たして機能してこそ、健康を維持し元気な日々を送ることができます。 細胞1つひとつが機能するためには、十分な栄養と酸素が必要です。そして、全身の細胞に栄養と酸素を行き渡らせるために機能しているのが血液であり、血管です」、その通りだ。 小林弘幸『自律神経を整える』(プレジデント社) 小林 弘幸氏による「人間が病気になる原因は"2つ"だけ…名医が「自律神経・血管・腸」を重視する理由【2022編集部セレクション】 免疫力を高める日々のリカバリー術」 PRESIDENT BOOKS 「自律神経と血管・血液、そして腸は、互いに影響し合う関係にあります。 自律神経は血流と腸の働きをコントロールし、腸は自律神経のバランスをコントロールすると同時に血液の質・・・を左右しています」、なるほど。 「自律神経の乱れ」がこんなにも広範な悪影響を及ぼすとは、初めて知った。 健康 (その24)(人間が病気になる原因は"2つ"だけ…名医が「自律神経・血管・腸」を重視する理由【2022編集部セレクション】 免疫力を高める日々のリカバリー術、若々しさを保つ「テロメア」は延命効果よりがんリスクの方が高い?) 「胃腸の働きについては、夜の間に副交感神経がアクセルの働きをして蠕動ぜんどう運動を活発にします」、「翌朝の排便の準備をしてくれている」重要な役割だ。 「自律神経と血管・血液、腸のトライアングルは、体の「免疫機能」にも深く関わっています」、なるほど。 「免疫機能」の重要性については、コロナワクチンで十二分に知らされた。 「免疫力の高さこそ、病気に対する抵抗力の強さです。 そして、自律神経が整うと免疫力が高まって、風邪を引きにくくなると同時に、がんにもなりにくくなる」、その通りだ。 「増えすぎた顆粒球が体内に余ってしまうと、細胞としての寿命を終えたときに、持っている活性酸素を体内にばらまいて、健康な細胞を傷つけてしまう」、恐ろしい副作用だ。 「交感神経優位の状態が続くことを放置せずに、日々リカバリーをすることが大切です」、ただ、「リカバリー」はどうすれば出来るのだろう。 Newsweek日本版 茜 灯里氏による「若々しさを保つ「テロメア」は延命効果よりがんリスクの方が高い?」 「1回の分裂ごとにテロメアが少しずつ短くなることから、細胞の分裂回数はテロメアの長さが制限していると考えられています。 細胞が老化すると、細胞が作り上げている組織や臓器も老化して機能が衰えます。なのでかつては、細胞のテロメアを長く保つことができれば皮膚や内臓は若く保たれ、個体の寿命も長くなると考えられていました」、しかし、「米ジョンズ・ホプキンス大医学部の研究者たちは・・・「長いテロメアを持つ人は、白髪が少ないなどの若々しい特徴が見られた反面、がんになりやすかった」という研究成果を」、「発表しました」、 、なるほど。 「がん化した細胞ではテロメラーゼでテロメアの長さが修復されるため、細胞が無限に増殖できる」、なるほど。 「個体の寿命に関しては、長いテロメアによって細胞分裂の回数は引きのばせても、がんが現れやすくなり死亡リスクが高まると一筋縄ではいかないようです。今後は、細胞に突然変異を蓄積させない方法が開発されるかもしれませんが、今のところテロメアの長さを維持したり伸ばしたりするだけでは不老不死には至らないでしょう。これらに見られるある種の「バランス」には、生命の神秘を感じずにはいられませんね」、 「科学ジャーナリスト」の筆者が「生命の神秘を感じずにはいられませんね」、と締めたのには、若干の違和感を感じた。ひょっとして、筆者はクリスチャンなのだろうか。
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