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認知症(その4)(「アルツハイマーは4割が誤診だった?」...認知症薬が利かなくてもこれまで原因や対策が分からなかった「ヤバすぎる理由」、「甲状腺機能低下症」「てんかん」...認知症と誤診されやすい病気の「特徴的な症状」と「正確な検査方法」、日本人に「認知症がぶっちぎりで多い」のはナゼなのか? 最新脳科学でわかった 黒幕とされる「ある脳内物質」の名前、日本で認知症が「ぶっちぎりで多い」のは「遺伝のせい」なのか…?日本人が「ストレス中毒でボケる」悲しすぎる理由) [生活]

認知症については、本年6月10日に取上げた。今日は、(その4)(「アルツハイマーは4割が誤診だった?」...認知症薬が利かなくてもこれまで原因や対策が分からなかった「ヤバすぎる理由」、「甲状腺機能低下症」「てんかん」...認知症と誤診されやすい病気の「特徴的な症状」と「正確な検査方法」、日本人に「認知症がぶっちぎりで多い」のはナゼなのか? 最新脳科学でわかった 黒幕とされる「ある脳内物質」の名前、日本で認知症が「ぶっちぎりで多い」のは「遺伝のせい」なのか…?日本人が「ストレス中毒でボケる」悲しすぎる理由)である。

先ずは、本年7月25日付け現代ビジネス「「アルツハイマーは4割が誤診だった?」...認知症薬が利かなくてもこれまで原因や対策が分からなかった「ヤバすぎる理由」を紹介しよう。
https://gendai.media/articles/-/134222
・『人が認知症になるかどうかは、体質や遺伝といった「運命」で決まると思われてきた。だが最新医学の知見によれば、決してそれだけではない。日々の積み重ねが健やかな脳を作るのだ。 1章記事『日本人に「認知症がぶっちぎりで多い」のはナゼなのか? 最新脳科学でわかった、黒幕とされる「ある脳内物質」の名前』、2章記事『「AB型で右利き」の人は認知症になりやすい! 最新研究でわかった「驚きの理由」』、3章記事『87歳の医師が「認知症にならないために実践する」毎日の生活ルーチンがヤバすぎる…!』より続く』、いずれも興味深そうだ。
・『最新の治療薬が効かない  ここまで認知症の原因やその予防法について見てきた。しかし、いざ認知症になってしまったら、その先はもう医師による治療や薬に頼るほかない。 認知症治療は日々、進歩を遂げている。その象徴と言えるのが、アルツハイマー病の治療薬であるレカネマブの登場だ。 もちろん、これまでもアリセプトやメマンチンなどアルツハイマー病の薬はあった。とはいえ、これらは病気によって減少する脳の神経細胞の働きを助ける薬で、症状を緩和させる対症療法的なものだった。 一方でレカネマブはアルツハイマー病の原因物質の1つと考えられている「アミロイドβ」に直接働きかける。 ところが、このレカネマブをはじめとした抗アミロイドβ抗体薬の治験をめぐって重大な事実が判明した。新潟大学脳研究所助教の春日健作氏が説明する。 「治療効果を示さない患者が多数出ました。なんとその原因の一つは、アルツハイマー病と診断されて集められた治験者の2割程度が、実際にはアルツハイマー病ではなかったからなんです」 誤診のせいで、正確な薬効を測ることができなかったというのだ』、「アルツハイマー病と診断されて集められた治験者の2割程度が、実際にはアルツハイマー病ではなかったから」、「アルツハイマー病との診断」がそんなに頼りないものとは驚きだ。
・『4割が誤診?  こうした事態から、研究者たちの間では認知症をより正確に診断する方法が模索され始めた。そこで昨年春、春日氏らの研究グループは、認知症患者から検査目的で採取した脳脊髄液を解析した。 その結果、日常診療でアルツハイマー病と診断された患者のなんと4割が誤診、つまりアルツハイマー病ではない可能性が明らかになったのだ。衝撃的な数字だが、なぜこのような結果となったのか。春日氏が語る。 「アルツハイマー病は『脳の病気』なので、本当は脳を解剖しなければ、正確にアルツハイマー病なのかそうでないかは診断できません。しかし、生前に脳を解剖することはできない。これまでの診断は医師の力量に頼るところが大きかったゆえに誤診もたくさんあったということなんです」 そもそも「認知症」は病名ではない。認知機能が失われ、かつ日常生活に支障が生じている「状態」の総称である。 そして、その原因となる疾患は70以上に及び、専門医でも見極めは容易ではないのだ。メモリークリニックお茶の水院長の朝田隆氏が説明する。 「認知症は、実は非常に歴史の浅い疾患です。私が医師になった当時の健康寿命は60代後半くらいで、『ボケる』前に亡くなる人が多かったので、医師としてあまり認知症について勉強・研究する必要がなかった。高齢化が進み、該当する症状を持つ人が増えたことで、医師たちも認知症を認識するようになりました。そのため、本当の意味での専門医が少ないのです」』、「日常診療でアルツハイマー病と診断された患者のなんと4割が誤診、つまりアルツハイマー病ではない可能性が明らかになった・・・そもそも「認知症」は病名ではない。認知機能が失われ、かつ日常生活に支障が生じている「状態」の総称である。 そして、その原因となる疾患は70以上に及び、専門医でも見極めは容易ではないのだ」、なるほど。
・『薬が効いているのか確かめない  認知症を最初に診るのが大抵、町医者であることも誤診が多発する原因の1つだ。くどうちあき脳神経外科クリニック院長の工藤千秋氏が語る。 「認知症の原因の約3分の2がアルツハイマー病だと言われています。そのため大半の医師は、物忘れやうつ状態など認知症のような症状が見られる患者が診察に来た場合、アルツハイマー病を疑い、とりあえずアリセプトなどの認知症治療薬を処方します。 そこまでならまだいい。問題なのは3、4ヵ月経過を見て、処方した薬が効いているかどうかを確かめないことです。効果がなければ、他の疾患かもしれないと見方を変えなければいけない。 ところが、なかには認識を改めず、薬を出し続けている医師もいます。当院にも5年も効かない薬を処方され続けた患者さんが来院されたことがあります。認知症は3年スパンで進行していきますから、もう初期の状態をとっくに通り過ぎてしまっていました」 同じ認知症でも原因疾患が異なれば、治療法も異なる。誤診によって効きもしない薬をずっと処方され続け、無駄な医療費を払い続けた挙げ句、改善するどころか悪化させてしまうこともありうるのだ。 「週刊現代」2024年7月20・27日合併号より 後編記事『「甲状腺機能低下症」「てんかん」...認知症と誤診されやすい病気の「特徴的な症状」と「正確な検査方法」』へつづく』、「「認知症の原因の約3分の2がアルツハイマー病だと言われています。そのため大半の医師は、物忘れやうつ状態など認知症のような症状が見られる患者が診察に来た場合、アルツハイマー病を疑い、とりあえずアリセプトなどの認知症治療薬を処方します・・・問題なのは3、4ヵ月経過を見て、処方した薬が効いているかどうかを確かめないことです。効果がなければ、他の疾患かもしれないと見方を変えなければいけない。 ところが、なかには認識を改めず、薬を出し続けている医師もいます・・・同じ認知症でも原因疾患が異なれば、治療法も異なる。誤診によって効きもしない薬をずっと処方され続け、無駄な医療費を払い続けた挙げ句、改善するどころか悪化させてしまうこともありうるのだ」、いい加減な「医師」にかかると悲劇だ。

次に、7月25日付け現代ビジネス「「甲状腺機能低下症」「てんかん」...認知症と誤診されやすい病気の「特徴的な症状」と「正確な検査方法」」を紹介しよう。
https://gendai.media/articles/-/134223
・『人が認知症になるかどうかは、体質や遺伝といった「運命」で決まると思われてきた。だが最新医学の知見によれば、決してそれだけではない。日々の積み重ねが健やかな脳を作るのだ。 前編記事『「アルツハイマーは4割が誤診だった?」...認知症薬が利かなくてもこれまで原因や対策が分からなかった「ヤバすぎる理由」』より続く。 ▽実は甲状腺の病気だった(前出の春日氏は、認知症の原因疾患は大きく3つに分類されるという。①脳の神経細胞がゆっくりと死んでゆく「神経変性疾患」。アルツハイマー型やレビー小体型、前頭側頭型がこれにあたる。②脳の血管の病気が原因である「脳血管性認知症」。脳梗塞や脳出血によって起こる。③「その他の原因」。甲状腺機能の低下やビタミンB不足などによって起こる。 認知症は一般的に「治らない病気」だと思われている。しかし、それは脳自体が変性してしまう①の場合のこと。②、③については治る可能性もあるのだ。ゆえに診断を誤ると、治療のチャンスを逃してしまう場合もある。 埼玉森林病院院長の磯野浩氏が実際にあったケースを紹介する。 『認知症が進んでいるようなので診てほしい』と、ある母娘が受診に来ました。母親は長年ひとり暮らしをしていて、数年前から徐々に進行する物忘れに加え、誰もいないはずの2階に人が住んでいると訴えてきたため、近隣のメンタルクリニックを受診したところ、『認知症』と診断された。それで投薬治療を続けたのですが、症状は悪化する一方。そこで私のところに来たということでした。 私は一目見て、『これはアルツハイマー病などではなさそうだ』と気づきました。66歳と聞いていたのに、私の目には90代に映ったからです。毛髪は広範囲に抜け落ち、全身がむくんでいます。これは老化ではなく、病気によるものと判断し、血液検査をしました。すると、『甲状腺機能低下症』であることが判明したのです。これは適切な治療で改善が見込める病気です。この母親も、治療で目覚ましい回復を遂げました。とはいえ、もっと早く気づいていれば、早期に回復したはずです」) ▽てんかんやADHDを認知症と誤診(前出の工藤氏は、てんかんが誤診に繋がりがちだと言う。てんかんは子供の病気と勘違いしている人も多いが、60歳以降にも増える病気だ。 「高齢者のてんかんは、子供が起こすような『痙攣発作』と症状が異なり分かりづらい。突然ぼーっとして、呼びかけても反応がなく、口をもごもごさせている。数秒経ってから意識が戻る。実はこれはてんかんの発作なのです。医学的には『複雑部分発作』と言います。 しかし、こうした所見を知らない医師が物忘れだけに気づき、認知症の診断をくだし、薬を処方してしまうのです」 またADHD(発達障害の一種)も認知症と間違われやすい病気だ。前出の朝田氏が語る。 「ADHDの方でも、学校生活や社会人生活を通じて症状が落ち着きます。ところが50歳を超え、脳の機能が衰えてくると、再び症状が出てきてしまう。周囲は『いよいよボケたか……』と勘違いし、病院へ連れて行かれ、誤診に繋がるのです」 心配な症状が出たので向かった、あるいは家族に連れて行かれた病院で「認知症」と誤診されてはたまったものでない。) ▽正確な検査をしなければ断定できない(逆に認知症がまったく別の病気と誤診される場合もある。典型的なのがうつ病だ。朝田氏が続けて説明する。 「レビー小体型認知症では、初期にうつ症状が出やすいので、老人性うつと誤診されることが多いのです」 とある認知症専門医は匿名を条件に、メンタルクリニックの対応に苦言を呈する。 「一部のメンタルクリニックには、なんでもうつ病にしたがる医師がいます。本来、認知症が疑われる患者が来たら、MRIを撮ったり、脳血流検査をしたり、正確な検査をしなければ断定できないはずなのに、『うつ病だから』と間違った治療を施してしまう。 高齢者に処方されることの多い抗うつ剤に、パキシル、ルボックスなどのSSRI(選択的セロトニン再取り込み阻害薬)がありますが、これらを飲み続けることで認知症が悪化したり、複雑化したりすることもあります」』、「「一部のメンタルクリニックには、なんでもうつ病にしたがる医師がいます。本来、認知症が疑われる患者が来たら、MRIを撮ったり、脳血流検査をしたり、正確な検査をしなければ断定できないはずなのに、『うつ病だから』と間違った治療を施してしまう。 高齢者に処方されることの多い抗うつ剤に、パキシル、ルボックスなどのSSRI(選択的セロトニン再取り込み阻害薬)がありますが、これらを飲み続けることで認知症が悪化したり、複雑化したりすることもあります」、恐ろしいことだ。
・『最新の検査方法  こうした誤診を避けるためにはどうしたらよいか。朝田氏は認知症専門医へ早期の受診を勧める。 「たとえば日本老年精神医学会と日本認知症学会、この2つの学会が『認知症専門医の集まり』です。ホームページに医師の名前と医療機関名が掲載されていますから、調べてみてください」 認知症の中でもっとも多いアルツハイマー病では、さまざまな検査法の開発が進んでいる。前出の春日氏が説明する。 「最近ではアルツハイマー病の原因物質を可視化する『PET検査』が使われています。原因物質といわれる『アミロイドβ』や『タウ』といったたんぱく質が、脳にどれだけたまっているかを確認できます。 また脳脊髄液や血液でアルツハイマー病を診断できる『バイオマーカー検査』も研究されています。これらの検査により、高精度で脳内の変化を捉えられるようになりました。 これらの検査は現状、一部のみが保険適用で、受けられる医療機関も限られていますが、できる限り設備や診察環境が整った病院を探すのが良いでしょう」 認知症にならないための暮らし方を日頃から心掛け、いざなってしまったら、適切な病院で診断を受ける。真の意味で「認知症にならない」ためにはこの2つが重要なのだ。 「週刊現代」2024年7月20・27日合併号より 1章のはじめから読む『日本人に「認知症がぶっちぎりで多い」のはナゼなのか? 最新脳科学でわかった、黒幕とされる「ある脳内物質」の名前』へつづく』、「「最近ではアルツハイマー病の原因物質を可視化する『PET検査』が使われています。原因物質といわれる『アミロイドβ』や『タウ』といったたんぱく質が、脳にどれだけたまっているかを確認できます。 また脳脊髄液や血液でアルツハイマー病を診断できる『バイオマーカー検査』も研究されています。これらの検査により、高精度で脳内の変化を捉えられるようになりました。 これらの検査は現状、一部のみが保険適用で、受けられる医療機関も限られていますが、できる限り設備や診察環境が整った病院を探すのが良いでしょう」」なるほど。

第三に、7月25日付け現代ビジネス「日本人に「認知症がぶっちぎりで多い」のはナゼなのか? 最新脳科学でわかった、黒幕とされる「ある脳内物質」の名前」を紹介しよう。
https://gendai.media/articles/-/134102
・『人が認知症になるかどうかは、体質や遺伝といった「運命」で決まると思われてきた。だが最新医学の知見によれば、決してそれだけではない。日々の積み重ねが健やかな脳を作るのだ』、興味深そうだ。
・『認知症は「不機嫌」から始まる  なんだかイライラすることが多くなった。スーパーやコンビニのレジで、少し焦ってしまうことがある。睡眠時間が短くなり、眠りが浅くなった—。最近そんなふうに感じているなら、あなたの脳で、認知症のリスクが急速に高まっているサインかもしれない。 「日本人はほかの国の人と比べて、悲観的になりやすくストレスを溜めやすい傾向があります。じつは近年、ストレスを感じやすい人ほど、認知症を引き起こす脳内の老廃物『アミロイドβ』が増えやすいことがわかってきているのです」 こう語るのは、オーストラリア・シドニー大学の脳・精神センターで認知症を研究しているファン・ユンテ氏だ。 日本人のうち認知症患者が占める割合は、1000人あたり23・3人と、じつは世界で最も多い。先進国(OECD加盟国)の平均は1000人あたり14・8人。いくら日本が高齢化大国とはいえ、あまりに多すぎると思わないだろうか。 その隠れた理由として、研究者たちが注目しているのが「ストレスと認知症の関係」なのだ。なかでも、ストレスと密接なかかわりをもつ「ある脳内物質」が、黒幕と目されている。 「脳のほぼ中心にある、視床下部というところから分泌されるオレキシンです。オレキシンは別名『ストレスホルモン』とも呼ばれ、ストレスを感じたり、夜にしっかり眠れなかったりすると増えることが知られています。 このオレキシンは不眠症の患者などで特に多いことが分かっていましたが、私たちの研究によると、アルツハイマー型認知症の患者の脳内でも増えていると判明したのです」(ファン氏)』、「日本人のうち認知症患者が占める割合は、1000人あたり23・3人と、じつは世界で最も多い。先進国(OECD加盟国)の平均は1000人あたり14・8人・・・オレキシンは別名『ストレスホルモン』とも呼ばれ、ストレスを感じたり、夜にしっかり眠れなかったりすると増えることが知られています。 このオレキシンは不眠症の患者などで特に多いことが分かっていましたが、私たちの研究によると、アルツハイマー型認知症の患者の脳内でも増えていると判明したのです」、なるほど。
・『全ての原因は「脳内物質」にあり  日本人は韓国人と並んで、世界でも最も「ストレスを感じている」という人が多いとの調査がある。加えて、睡眠時間を見ると、OECD平均が8時間25分なのに対し、日本人は7時間22分で加盟国最短となっている。 つまりは、こういうことだ。日本人は世界一ストレスを感じやすく、世界一寝不足で、そして世界一ボケやすい国民である——そして、これらの原因はすべて、オレキシンのせいかもしれない。 オレキシンは当初、脳内の「食欲中枢」で見つかったため、食欲を制御する物質と考えられていた。ところが、のちに食欲だけでなく、ストレスや睡眠をコントロールする働きも持ちあわせていることが分かった。おくむらメモリークリニック理事長の奥村歩氏が言う。 「オレキシンは、ひとことで言うと『脳を覚醒させる物質』です。かつて私たち人間は、クマやヘビといった外敵と遭遇したとき、脳を目覚めさせ、筋肉や内臓を活性化させて戦闘モードに入っていました。そのスイッチこそオレキシンなのです。 この働きは今も生きていて、仕事や作業をして集中力を働かせると、脳内でオレキシンが分泌される。そのときに、副産物としてアミロイドβも増えてしまうのです」 「週刊現代」2024年7月20・27日合併号より さらに、日本人にはこのメカニズムが働きやすくなる「やむにやまれぬ事情」もある。その詳細を後編【日本で認知症が「ぶっちぎりで多い」のは「遺伝のせい」なのか…?日本人が「ストレス中毒でボケる」悲しすぎる理由】で解説しよう。) ▽「ストレス認知症」にならないための10カ条(リンク先参照)』、「「オレキシンは、ひとことで言うと『脳を覚醒させる物質』です。かつて私たち人間は、クマやヘビといった外敵と遭遇したとき、脳を目覚めさせ、筋肉や内臓を活性化させて戦闘モードに入っていました。そのスイッチこそオレキシンなのです。 この働きは今も生きていて、仕事や作業をして集中力を働かせると、脳内でオレキシンが分泌される。そのときに、副産物としてアミロイドβも増えてしまうのです」、なるほど。

第四に、7月25日付け現代ビジネス「日本で認知症が「ぶっちぎりで多い」のは「遺伝のせい」なのか…?日本人が「ストレス中毒でボケる」悲しすぎる理由」を紹介しよう。
https://gendai.media/articles/-/134104
・『人が認知症になるかどうかは、体質や遺伝といった「運命」で決まると思われてきた。だが最新医学の知見によれば、決してそれだけではない。日々の積み重ねが健やかな脳を作るのだ』、興味深そうだ。
・『認知症は「不機嫌」から始まる  なんだかイライラすることが多くなった。スーパーやコンビニのレジで、少し焦ってしまうことがある。睡眠時間が短くなり、眠りが浅くなった—。最近そんなふうに感じているなら、あなたの脳で、認知症のリスクが急速に高まっているサインかもしれない。 「日本人はほかの国の人と比べて、悲観的になりやすくストレスを溜めやすい傾向があります。じつは近年、ストレスを感じやすい人ほど、認知症を引き起こす脳内の老廃物『アミロイドβ』が増えやすいことがわかってきているのです」 こう語るのは、オーストラリア・シドニー大学の脳・精神センターで認知症を研究しているファン・ユンテ氏だ。 日本人のうち認知症患者が占める割合は、1000人あたり23・3人と、じつは世界で最も多い。先進国(OECD加盟国)の平均は1000人あたり14・8人。いくら日本が高齢化大国とはいえ、あまりに多すぎると思わないだろうか。 その隠れた理由として、研究者たちが注目しているのが「ストレスと認知症の関係」なのだ。なかでも、ストレスと密接なかかわりをもつ「ある脳内物質」が、黒幕と目されている。 「脳のほぼ中心にある、視床下部というところから分泌されるオレキシンです。オレキシンは別名『ストレスホルモン』とも呼ばれ、ストレスを感じたり、夜にしっかり眠れなかったりすると増えることが知られています。 このオレキシンは不眠症の患者などで特に多いことが分かっていましたが、私たちの研究によると、アルツハイマー型認知症の患者の脳内でも増えていると判明したのです」(ファン氏)』、「日本人のうち認知症患者が占める割合は、1000人あたり23・3人と、じつは世界で最も多い・・・その隠れた理由として、研究者たちが注目しているのが「ストレスと認知症の関係」なのだ。なかでも、ストレスと密接なかかわりをもつ「ある脳内物質」が、黒幕と目されている。 「脳のほぼ中心にある、視床下部というところから分泌されるオレキシンです。オレキシンは別名『ストレスホルモン』とも呼ばれ、ストレスを感じたり、夜にしっかり眠れなかったりすると増えることが知られています。 このオレキシンは不眠症の患者などで特に多いことが分かっていましたが、私たちの研究によると、アルツハイマー型認知症の患者の脳内でも増えていると判明したのです」、なるほど。
・『全ての原因は「脳内物質」にあり  日本人は韓国人と並んで、世界でも最も「ストレスを感じている」という人が多いとの調査がある。加えて、睡眠時間を見ると、OECD平均が8時間25分なのに対し、日本人は7時間22分で加盟国最短となっている。 つまりは、こういうことだ。日本人は世界一ストレスを感じやすく、世界一寝不足で、そして世界一ボケやすい国民である——そして、これらの原因はすべて、オレキシンのせいかもしれない。 オレキシンは当初、脳内の「食欲中枢」で見つかったため、食欲を制御する物質と考えられていた。ところが、のちに食欲だけでなく、ストレスや睡眠をコントロールする働きも持ちあわせていることが分かった。おくむらメモリークリニック理事長の奥村歩氏が言う。 「オレキシンは、ひとことで言うと『脳を覚醒させる物質』です。かつて私たち人間は、クマやヘビといった外敵と遭遇したとき、脳を目覚めさせ、筋肉や内臓を活性化させて戦闘モードに入っていました。そのスイッチこそオレキシンなのです。 この働きは今も生きていて、仕事や作業をして集中力を働かせると、脳内でオレキシンが分泌される。そのときに、副産物としてアミロイドβも増えてしまうのです」 「週刊現代」2024年7月20・27日合併号より さらに、日本人にはこのメカニズムが働きやすくなる「やむにやまれぬ事情」もある。その詳細を後編【日本で認知症が「ぶっちぎりで多い」のは「遺伝のせい」なのか…?日本人が「ストレス中毒でボケる」悲しすぎる理由】で解説しよう。 『「ストレス認知症」にならないための10カ条(リンク先参照)』、「「オレキシンは、ひとことで言うと『脳を覚醒させる物質』です。かつて私たち人間は、クマやヘビといった外敵と遭遇したとき、脳を目覚めさせ、筋肉や内臓を活性化させて戦闘モードに入っていました。そのスイッチこそオレキシンなのです。 この働きは今も生きていて、仕事や作業をして集中力を働かせると、脳内でオレキシンが分泌される。そのときに、副産物としてアミロイドβも増えてしまうのです』、「副産物」を増やさない程度で、「オレキシン」を「分泌させる」ような裏ワザを身につけたいものだが、製薬会社や医学会が目を皿のようにして探し回っているのだろう。回答は専門家に任せるのが賢明なようだ。
タグ:認知症 (その4)(「アルツハイマーは4割が誤診だった?」...認知症薬が利かなくてもこれまで原因や対策が分からなかった「ヤバすぎる理由」、「甲状腺機能低下症」「てんかん」...認知症と誤診されやすい病気の「特徴的な症状」と「正確な検査方法」、日本人に「認知症がぶっちぎりで多い」のはナゼなのか? 最新脳科学でわかった 黒幕とされる「ある脳内物質」の名前、日本で認知症が「ぶっちぎりで多い」のは「遺伝のせい」なのか…?日本人が「ストレス中毒でボケる」悲しすぎる理由) 現代ビジネス「「アルツハイマーは4割が誤診だった?」...認知症薬が利かなくてもこれまで原因や対策が分からなかった「ヤバすぎる理由」 いずれも興味深そうだ。 「アルツハイマー病と診断されて集められた治験者の2割程度が、実際にはアルツハイマー病ではなかったから」、「アルツハイマー病との診断」がそんなに頼りないものとは驚きだ。 「日常診療でアルツハイマー病と診断された患者のなんと4割が誤診、つまりアルツハイマー病ではない可能性が明らかになった・・・そもそも「認知症」は病名ではない。認知機能が失われ、かつ日常生活に支障が生じている「状態」の総称である。 そして、その原因となる疾患は70以上に及び、専門医でも見極めは容易ではないのだ」、なるほど。 「「認知症の原因の約3分の2がアルツハイマー病だと言われています。そのため大半の医師は、物忘れやうつ状態など認知症のような症状が見られる患者が診察に来た場合、アルツハイマー病を疑い、とりあえずアリセプトなどの認知症治療薬を処方します・・・問題なのは3、4ヵ月経過を見て、処方した薬が効いているかどうかを確かめないことです。効果がなければ、他の疾患かもしれないと見方を変えなければいけない。 ところが、なかには認識を改めず、薬を出し続けている医師もいます・・・ 同じ認知症でも原因疾患が異なれば、治療法も異なる。誤診によって効きもしない薬をずっと処方され続け、無駄な医療費を払い続けた挙げ句、改善するどころか悪化させてしまうこともありうるのだ」、いい加減な「医師」にかかると悲劇だ。 現代ビジネス「「甲状腺機能低下症」「てんかん」...認知症と誤診されやすい病気の「特徴的な症状」と「正確な検査方法」」 「「一部のメンタルクリニックには、なんでもうつ病にしたがる医師がいます。本来、認知症が疑われる患者が来たら、MRIを撮ったり、脳血流検査をしたり、正確な検査をしなければ断定できないはずなのに、『うつ病だから』と間違った治療を施してしまう。 高齢者に処方されることの多い抗うつ剤に、パキシル、ルボックスなどのSSRI(選択的セロトニン再取り込み阻害薬)がありますが、これらを飲み続けることで認知症が悪化したり、複雑化したりすることもあります」、恐ろしいことだ。 「「最近ではアルツハイマー病の原因物質を可視化する『PET検査』が使われています。原因物質といわれる『アミロイドβ』や『タウ』といったたんぱく質が、脳にどれだけたまっているかを確認できます。 また脳脊髄液や血液でアルツハイマー病を診断できる『バイオマーカー検査』も研究されています。これらの検査により、高精度で脳内の変化を捉えられるようになりました。 これらの検査は現状、一部のみが保険適用で、受けられる医療機関も限られていますが、できる限り設備や診察環境が整った病院を探すのが良いでしょう」」なるほど。 現代ビジネス「日本人に「認知症がぶっちぎりで多い」のはナゼなのか? 最新脳科学でわかった、黒幕とされる「ある脳内物質」の名前」 「日本人のうち認知症患者が占める割合は、1000人あたり23・3人と、じつは世界で最も多い。先進国(OECD加盟国)の平均は1000人あたり14・8人・・・オレキシンは別名『ストレスホルモン』とも呼ばれ、ストレスを感じたり、夜にしっかり眠れなかったりすると増えることが知られています。 このオレキシンは不眠症の患者などで特に多いことが分かっていましたが、私たちの研究によると、アルツハイマー型認知症の患者の脳内でも増えていると判明したのです」、なるほど。 「「オレキシンは、ひとことで言うと『脳を覚醒させる物質』です。かつて私たち人間は、クマやヘビといった外敵と遭遇したとき、脳を目覚めさせ、筋肉や内臓を活性化させて戦闘モードに入っていました。そのスイッチこそオレキシンなのです。 この働きは今も生きていて、仕事や作業をして集中力を働かせると、脳内でオレキシンが分泌される。そのときに、副産物としてアミロイドβも増えてしまうのです」、なるほど。 現代ビジネス「日本で認知症が「ぶっちぎりで多い」のは「遺伝のせい」なのか…?日本人が「ストレス中毒でボケる」悲しすぎる理由」 「日本人のうち認知症患者が占める割合は、1000人あたり23・3人と、じつは世界で最も多い・・・その隠れた理由として、研究者たちが注目しているのが「ストレスと認知症の関係」なのだ。なかでも、ストレスと密接なかかわりをもつ「ある脳内物質」が、黒幕と目されている。 「脳のほぼ中心にある、視床下部というところから分泌されるオレキシンです。オレキシンは別名『ストレスホルモン』とも呼ばれ、ストレスを感じたり、夜にしっかり眠れなかったりすると増えることが知られています。 このオレキシンは不眠症の患者などで特に多いことが分かっていましたが、私たちの研究によると、アルツハイマー型認知症の患者の脳内でも増えていると判明したのです」、なるほど。 「「オレキシンは、ひとことで言うと『脳を覚醒させる物質』です。かつて私たち人間は、クマやヘビといった外敵と遭遇したとき、脳を目覚めさせ、筋肉や内臓を活性化させて戦闘モードに入っていました。そのスイッチこそオレキシンなのです。 この働きは今も生きていて、仕事や作業をして集中力を働かせると、脳内でオレキシンが分泌される。そのときに、副産物としてアミロイドβも増えてしまうのです』、 「副産物」を増やさない程度で、「オレキシン」を「分泌させる」ような裏ワザを身につけたいものだが、製薬会社や医学会が目を皿のようにして探し回っているのだろう。回答は専門家に任せるのが賢明なようだ。
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健康(その29)(「食物繊維は体に良い」とは限らない?最新研究で分かった腸内細菌との意外なカンケイ、医師・和田秀樹が教える 若くて元気な中高年がよく食べる「意外なもの」とは?、人体の「ツボ」って何?「高血圧のネズミ」実験でわかってきた「ツボの正体」) [生活]

健康については、本園7月22日に取上げた。今日は、(その29)(「食物繊維は体に良い」とは限らない?最新研究で分かった腸内細菌との意外なカンケイ、医師・和田秀樹が教える 若くて元気な中高年がよく食べる「意外なもの」とは?、人体の「ツボ」って何?「高血圧のネズミ」実験でわかってきた「ツボの正体」)である。

先ずは、本年7月21日付けダイヤモンド・オンラインが転載したヘルスデーニュース「「食物繊維は体に良い」とは限らない?最新研究で分かった腸内細菌との意外なカンケイ」を紹介しよう。
https://diamond.jp/articles/-/347185
・『最適な食物繊維は人それぞれ  これまで長い間、食物繊維の摂取量を増やすべきとするアドバイスがなされてきているが、食物繊維摂取による健康上のメリットは人それぞれ異なることが報告された。単に多く摂取しても、あまり恩恵を受けられない人もいるという。米コーネル大学のAngela Poole氏らの研究によるもので、詳細は「Gut Microbes」に6月24日掲載された。 食物繊維は消化・吸収されないため、かつては食品中の不要な成分と位置付けられていた。しかし、整腸作用があること、および腸内細菌による発酵・利用の過程で、健康の維持・増進につながる有用菌(善玉菌)や短鎖脂肪酸の増加につながることなどが明らかになり、現在では「第六の栄養素」と呼ばれることもある。 また糖尿病との関連では、食物繊維が糖質の吸収速度を抑え、食後の急激な血糖上昇を抑制するように働くと考えられている。そのほかにも、満腹感の維持に役立つことや、血圧・血清脂質に対する有益な作用があることも知られている。) 本研究では、食物繊維の一種である難消化性でんぷんresistantstarch;RS)を摂取した場合に、腸内細菌叢の組成や糞便中の短鎖脂肪酸の量などに、どのような変化が現れるかを検討した。 59人の被験者に対するクロスオーバーデザインで行われ、試行条件として、バナナなどに含まれている難消化性でんぷん(RS2と呼ばれるタイプ)と化学的に合成された難消化性でんぷん(RS4と呼ばれるタイプ)、および易消化性でんぷんという3条件を設定。5日間のウォッシュアウト期間を挟んで、それぞれ10日間摂取してもらった』、「本研究では、食物繊維の一種である難消化性でんぷんresistantstarch;RS)を摂取した場合に、腸内細菌叢の組成や糞便中の短鎖脂肪酸の量などに、どのような変化が現れるかを検討した。 59人の被験者に対するクロスオーバーデザインで行われ、試行条件として、バナナなどに含まれている難消化性でんぷん(RS2と呼ばれるタイプ)と化学的に合成された難消化性でんぷん(RS4と呼ばれるタイプ)、および易消化性でんぷんという3条件を設定。5日間のウォッシュアウト期間を挟んで、それぞれ10日間摂取してもらった」、なるほど。
・『腸内細菌叢の組成や多様性と関連  解析の結果、難消化性でんぷんの摂取によって腸内細菌叢や短鎖脂肪酸などに大きな変化が生じた人もいれば、あまり変化がない人、または全く変化がない人もいた。それらの違いは、腸内細菌叢の組成や多様性と関連があることが示唆された。 研究者らは、「結局のところ、ある人の健康状態を腸内細菌叢へのアプローチを介して改善しようとする場合、どのような種類の食物繊維の摂取を推奨すべきか個別にアドバイスしなければならない」と述べている。 論文の上席著者であるPoole氏は、「過去何十年もの間、全ての人々に対して一律に食物繊維の摂取を推奨するというメッセージが送られてきた。しかし今日では、個人個人にどのような食物繊維の摂取を推奨すべきかを決定する上で役立つであろう、精密栄養学という新しい学問領域が発展してきている」と述べている。 今回の研究でも、食物繊維の摂取によって短鎖脂肪酸の産生が増えるか否かは、その人の腸内細菌叢によって左右される可能性が浮かび上がった。また意外なことに、難消化性でんぷんではなく易消化性でんぷんの摂取によって、短鎖脂肪酸が最も増加していた。短鎖脂肪酸は、血糖値やコレステロールの改善に寄与することが明らかになりつつある。 研究者らは、個人の腸内細菌叢の組成を把握することで、その人がどのようなタイプの食物繊維に反応するのかを事前に予測でき、その結果を栄養指導に生かせるようになるのではないかと考えている。「食物繊維や炭水化物にはさまざまなタイプがある。一人一人のデータに基づき最適なアドバイスを伝えられるようになればよい」とPoole氏は語っている。(HealthDayNews 2024年6月27日)』、「研究者らは、個人の腸内細菌叢の組成を把握することで、その人がどのようなタイプの食物繊維に反応するのかを事前に予測でき、その結果を栄養指導に生かせるようになるのではないかと考えている」、なるほど。

次に、8月6日付けダイヤモンド・オンラインが掲載した精神科医:医師の和田秀樹氏による「和田秀樹が教える、若くて元気な中高年がよく食べる「意外なもの」とは?」を紹介しよう。
https://diamond.jp/articles/-/347910
・『50代からは積極的に肉を食べよう──うつ症状を引き起こす要因は、神経伝達物質であるセロトニンの不足。これを補うにはタンパク質が必要なのだという。「うつ」も「がん」も遠ざける、肉食生活のすすめとは。本稿は、和田秀樹『50代うつよけレッスン』(朝日新書)の一部を抜粋・編集したものです』、興味深そうだ。
・『若さと健康を保つ秘訣は栄養+運動+ときめき  更年期障害と診断されたときは、不足している性ホルモンを補うホルモン補充治療を行います。更年期症状から解放され、若さと健康の両方を保つことができます。 しかし、医療機関でホルモン補充療法を受けない人でも、普段からホルモンバランスを整える生活を心がけることで心身を若々しく保つことができます。 意識してプラスしていきたいのが、栄養、運動、ときめき(性的活動)です。 年をとってくると食事の量が減って栄養が不足してきたり、男性ホルモンの分泌が減少したり、運動量も少なくなりがちですから、日常生活で補うことが重要です。 なかでも一番改善しやすいのが、食生活です。 脳内の神経伝達物質のセロトニンの不足がうつ症状を引き起こす要因と言われていますが、セロトニンは年齢を重ねるにつれて減少していくため、補う必要があります。 このセロトニンの材料となるのは「トリプトファン」と呼ばれる必須アミノ酸の一種です。「必須」というのは、体にとってなくてはならない大切な成分ということ。この必須アミノ酸は人間の体内でつくり出せないので、食べ物から補給するしかありませんが、トリプトファンの材料はタンパク質です。 ですから、タンパク質が豊富な食べ物を摂る必要があります。 大豆やナッツもいいのですが、セロトニンを脳に運ぶ役割をしているのがコレステロールなので、タンパク質とコレステロールの両方が豊富な肉が最適なのです』、「年をとってくると食事の量が減って栄養が不足してきたり、男性ホルモンの分泌が減少したり、運動量も少なくなりがちですから、日常生活で補うことが重要です。 なかでも一番改善しやすいのが、食生活です。 脳内の神経伝達物質のセロトニンの不足がうつ症状を引き起こす要因と言われていますが、セロトニンは年齢を重ねるにつれて減少していくため、補う必要があります」、なるほど。
・『五十路になったら積極的に肉を食うべし  数あるタンパク質のなかでも、動物性タンパク質の宝庫である肉は男性ホルモンを活性化させ、人を行動的にする働きがあるため、50代以降は特に肉を積極的に食べることをお勧めします。 セロトニンは精神を安定させるため、肉食はストレスの緩和にも役立ちます。 また、年を重ねるごとに筋肉はどんどん落ちていき、いくら筋トレで鍛えても、一度落ちた筋肉は簡単にはもとに戻りません。タンパク質は筋肉や臓器、骨格などをつくる材料にもなりますから、特に50代以降は意識的に摂取したほうがいいのです。) その他にもタンパク質は免疫機能を維持する物質の材料にもなっており、不足すると免疫機能がどんどん衰えていきます。風邪をこじらせて肺炎で亡くなる高齢者が多いのは、タンパク質が不足しているために免疫機能が弱っている可能性があるからです。 健康な老後を送るためには、アミノ酸を多く含むタンパク質を摂取することが何より大事ですが、そのための理想的な食べ物が、肉なのです。 そういえば、100歳以上の高齢者を「百寿者」と呼びますが、百寿者には肉を好んで食べる人が多い傾向があります。 たとえば、105歳までご存命で100歳以降も医師として医療現場の最前線に立ち続けた日野原重明さんは肉が好きで、100歳以降も肉を食べ続けていたそうです。冒険家でプロスキーヤーの三浦雄一郎さんも大の肉好きです。90代の現在も、よくステーキを食べていると言います。 その他にも、99歳までご存命だった作家の瀬戸内寂聴さんも肉好きだったことが知られています。 私の知る長生きでパワフルな高齢者にも肉好きな人が多い傾向がありますが、若々しい体を維持するためにも、肉を食べてタンパク質の摂取を心がけることが大事です』、「冒険家でプロスキーヤーの三浦雄一郎さんも大の肉好きです。90代の現在も、よくステーキを食べていると言います。 その他にも、99歳までご存命だった作家の瀬戸内寂聴さんも肉好きだったことが知られています。 私の知る長生きでパワフルな高齢者にも肉好きな人が多い傾向がありますが、若々しい体を維持するためにも、肉を食べてタンパク質の摂取を心がけることが大事です」、なるほど。
・『食べる順番も大事 タンパク質から食べよう  ただし、うつ症状が出ている人は食欲が落ちるだけでなく、肉類をあまり受け付けなくなることがあります。うつ病の患者さんのなかには、「肉なんてムリ、あっさりしたものしか食べられない」という人も多いです。 しかし、そのために余計うつ症状が進んでしまうこともあるのです。 ですから、うつ症状が出る前からしっかり肉類を摂っておいたほうがいいでしょう。 それでも、やはり肉が苦手という人や、もうすでにうつ症状が出ていて肉を食べられないという人は、動物性タンパク質の豊富な牛乳や卵でも構いません。 他にも、ホルモンを活性化させる食品はたくさんあります。 以下に少し列記しますので、なるべく積極的に食べることをお勧めします。 牡蠣:男性ホルモンを合成するために必要な亜鉛を豊富に含んでおり、ホルモンバランスを整えます。) ナッツ類:強い抗酸化作用があり、老化防止に効果があります。またホルモン分泌の指令を出す脳の視床下部の働きを良くするビタミンEを豊富に含むため、ホルモンバランスを整える働きもあります。うなぎの蒲焼きやオイルサーディンなどもビタミンEが豊富です。 ニンニク:男性ホルモンの分泌を増やす働きが認められていますが、この作用はタンパク質と一緒に摂ることでさらに促進されて分泌量が増加するため、肉類と一緒に食べると効果倍増です。 アボカド:ビタミンE、マグネシウム、カリウム、葉酸などを含み、男性ホルモンと女性ホルモンを両方とも活性化して、ホルモンバランスを維持する効果が期待されています。 玉ねぎ:男性ホルモンを増やす作用があります。 大豆:良質の植物性タンパク質を摂取できるだけでなく、脳内の神経伝達物質の原料となるレシチンを豊富に含むため、脳の働きを活性化する効果があります。大豆にはポリフェノールの一種である大豆イソフラボンが多く含まれていますが、これは女性ホルモンとよく似た働きをするとされ、高齢女性には特にお勧めです。 ザクロ:女性の更年期障害の改善や動脈硬化、骨粗しょう症の予防にも一定の効果が見られます。 食事の際には、食べる順番も大事です。 ポイントは、「タンパク質から食べる」ことです。  始めに炭水化物を摂ると、血糖値が大きく上がってインスリンが大量分泌されます。血糖値が乱高下するため、内臓に負担を与えて細胞の炎症を起こして老化を促進してしまうのです。 ですから、まずは肉や魚、大豆製品などのタンパク質から先に食べて、その後に野菜、そしてご飯やパン、最後にデザートという流れにすると、血糖値の上昇が穏やかになり、内臓への負担が少なくなります』、「やはり肉が苦手という人や、もうすでにうつ症状が出ていて肉を食べられないという人は、動物性タンパク質の豊富な牛乳や卵でも構いません。 他にも、ホルモンを活性化させる食品はたくさんあります・・・うなぎの蒲焼きやオイルサーディンなどもビタミンEが豊富です。 ニンニク:男性ホルモンの分泌を増やす働きが認められていますが、この作用はタンパク質と一緒に摂ることでさらに促進されて分泌量が増加するため、肉類と一緒に食べると効果倍増です・・・アボカド:ビタミンE、マグネシウム、カリウム、葉酸などを含み、男性ホルモンと女性ホルモンを両方とも活性化して、ホルモンバランスを維持する効果が期待されています。 玉ねぎ:男性ホルモンを増やす作用があります。 大豆:良質の植物性タンパク質を摂取できるだけでなく、脳内の神経伝達物質の原料となるレシチンを豊富に含むため、脳の働きを活性化する効果があります・・・ザクロ:女性の更年期障害の改善や動脈硬化、骨粗しょう症の予防にも一定の効果が見られます。 食事の際には、食べる順番も大事です。 ポイントは、「タンパク質から食べる」ことです」、なるほど。
・『コレステロール値は高いほうががんやうつ病になりにくい  先ほどタンパク質とコレステロールの両方が豊富な肉食の良さに触れましたが、このコレステロールについてはかなり誤解されているようです。 コレステロールは人の体の脂質の一つで、ホルモンや細胞膜、胆汁酸などをつくる原料にもなっていますが、コレステロールの多い食品を食べるとメタボリックシンドローム(内臓脂肪症候群)になるとか、コレステロールが高いと心筋梗塞になりやすくなると思っている人も少なくありません。) 確かに、コレステロール値の高い人のほうが心筋梗塞のような虚血性心疾患による死亡率は高くなりますが、日本では急性心筋梗塞で亡くなる人はがんで亡くなる人の12分の1程度しかいません。がんで亡くなる人のほうが圧倒的に多いのです。自殺で亡くなる人も、心筋梗塞で亡くなる人と大して変わりません。 そして、コレステロール値の高い人のほうが、がんやうつ病になりにくいことがわかっています。 コレステロール値を減らすと、体の免疫機能が低下して、がんを発症しやすくなります。またコレステロールは男性ホルモンの材料になるため、コレステロールを減らしてしまうと、男性ホルモンが不足してうつ病になりやすくなります。 ですから、中高年以降はむしろコレステロール値を下げないほうがいいのです。 アメリカではがんで亡くなる人と同じくらい心筋梗塞で亡くなる人がいるので、コレステロール値を減らしたほうがいいと言われるのもわかりますが、がんや自殺で亡くなる人が多い日本では、その説は通用しないということです』、「コレステロール値の高い人のほうが心筋梗塞のような虚血性心疾患による死亡率は高くなりますが、日本では急性心筋梗塞で亡くなる人はがんで亡くなる人の12分の1程度しかいません。がんで亡くなる人のほうが圧倒的に多いのです。自殺で亡くなる人も、心筋梗塞で亡くなる人と大して変わりません・・・アメリカではがんで亡くなる人と同じくらい心筋梗塞で亡くなる人がいるので、コレステロール値を減らしたほうがいいと言われるのもわかりますが、がんや自殺で亡くなる人が多い日本では、その説は通用しないということです」、私は「コレステロール値」が高目と注意を長いこと受けてきたが、今後は余り心配しないようにしたい。
・『食べる肉の量の目安は1日120~150グラム  食生活でも日米には大きな違いがあります。アメリカでは肉を大量に食べる人が多く、心筋梗塞で亡くなる人が多かったため、1980年代に「肉を食べすぎると体に良くない」というキャンペーンが展開され、1日当たり平均約300グラム食べていた肉を200グラムに減らそうという動きがありました。 しかし、その当時(1980年当時)の日本人の肉の平均摂取量は約68グラムでした。そもそも肉を食べる量が日米ではまったく違うのです。 結果的に虚血性心疾患が少ない日本では、わざわざコレステロール値を減らす意味はありません。むしろコレステロール値を減らせば、がんやうつ病の患者さんを増やしてしまうリスクがあるのです。 現在の日本人が1日に摂る肉の量は平均100グラム程度ですが、これ以上、その量を減らすことはありませんし、私はがん予防やうつ病予防のためには1日120~150グラムくらいまでは増やしたほうがいいと考えています』、「現在の日本人が1日に摂る肉の量は平均100グラム程度ですが、これ以上、その量を減らすことはありませんし、私はがん予防やうつ病予防のためには1日120~150グラムくらいまでは増やしたほうがいいと考えています」、その通りだ。

第三に、8月9日付けダイヤモンド・オンラインが掲載したNHKメディア総局 第2制作センター チーフ・ディレクターの山本高穂氏と島根大学医学部附属病院 臨床研究センター長・教授の大野 智氏による「人体の「ツボ」って何?「高血圧のネズミ」実験でわかってきた「ツボの正体」」を紹介しよう。
https://diamond.jp/articles/-/347502
・『謎の多い人体の「ツボ」。内臓の疾患がもたらす肩や腕などの「関連痛」にまつわる体のメカニズムがツボの正体に関係しているとも言われる。実際、ある実験によってツボの「解剖学的な証拠」も示され、世界中で反響を呼んだ。本稿は、山本高穂、大野 智『東洋医学はなぜ効くのか ツボ・鍼灸・漢方薬、西洋医学で見る驚きのメカニズム』(講談社)の一部を抜粋・編集したものです』、興味深そうだ。
・『内臓の不調から起きる「関連痛」と「ツボ」の関係  体の内部(内臓)と末梢(手足など)のふしぎな関係から見えるツボの正体に迫っていきます。 皆さんは、関連痛という症状をご存知でしょうか。西洋医学の診断では、「原因となる場所だけでなく、隣接する場所や離れた場所にも生じる痛み」とされています。 具体的には、心臓への血流障害が原因である狭心症の際に、胸だけでなく左肩周辺に痛みを感じるケースや、肝炎などの影響で右肩が痛くなったりするケースなどが知られています。 でも、どうしてこのような現象が起こるのでしょうか。その秘密は、脊髄にあると考えられています。通常、狭心症が起こると、心臓で発生した痛み信号は、感覚神経を通って脊髄に到達し、脳へと伝わって「(胸が)痛い!」と感じます。 この心臓からの感覚神経がつながる脊髄後角には、左腕(左肩)、胃などからの感覚神経もつながっています。そのため、痛みの信号が別の部位からの感覚神経(狭心症の場合は、左腕からの感覚神経)に伝播してしまうことがあり、関連痛が生じると考えられています。つまり、脊髄が持つ構造的な“エラー”によって、心臓の痛みが肩や腕の痛みとなってしまうのです。 さらに、このような内臓からの痛み信号が脊髄で別の感覚神経に伝播した結果、痛み信号がその感覚神経を逆行して末端に到達し、周辺(皮膚下)で神経性の炎症が起こるという現象も確認されています。 少しアプローチが長くなりましたが、この関連痛にまつわる体のメカニズムがツボの正体に関係しているのではないか、という実験が韓国の研究チームによって2017年に発表されています』、「関連痛という症状をご存知でしょうか。西洋医学の診断では、「原因となる場所だけでなく、隣接する場所や離れた場所にも生じる痛み」とされています。 具体的には、心臓への血流障害が原因である狭心症の際に、胸だけでなく左肩周辺に痛みを感じるケースや、肝炎などの影響で右肩が痛くなったりするケースなどが知られています・・・内臓からの痛み信号が脊髄で別の感覚神経に伝播した結果、痛み信号がその感覚神経を逆行して末端に到達し、周辺(皮膚下)で神経性の炎症が起こるという現象も確認されています・・・この関連痛にまつわる体のメカニズムがツボの正体に関係しているのではないか、という実験が韓国の研究チームによって2017年に発表されています」、なるほど。
・『神経性の炎症スポットか? ツボの正体が見えてきた  実験では、高血圧の症状と大腸炎の症状があるラットが、それぞれ準備されました。研究チームでは、これらのラットの静脈から特殊な色素を注入しました。 すると、体表のいくつかの場所で血管から色素が漏れ出て、直径数ミリメートルのスポット(小さな点)が出現したのです。これは、先ほど紹介した内臓の痛み信号(ここでは、高血圧と大腸炎による炎症信号)が脊髄を介して別の感覚神経を逆行し、末端周辺(皮膚下)で神経性の炎症が発生したためと考えられています。 より詳しく説明すると、その炎症の影響で神経末端から分泌されたCGRP(生理活性物質)などのはたらきによって血管の透過性が高まり、色素が漏れ出てしまったからだと考えられるのです。 実験データを平均すると、1匹あたり高血圧ラットでは7つ、大腸炎ラットでは4つのスポットが見られました。また、すべてのラット(高血圧18匹、大腸炎13匹)のスポットの位置を詳しく調べたところ、高血圧ラットでは、67%が内関、大陵(編集部注/どちらも手首付近に位置する)などのツボと一致し、大腸炎ラットでは75%が衝陽、内庭(編集部注/どちらも足の甲に位置する)などのツボと一致したというのです。 さらに、研究チームが高血圧ラットに出現したスポットの一部に鍼治療を行ったところ、血圧の上昇が抑えられることが確認できました。同じように大腸炎ラットのスポットへの鍼治療でも、体重減少の改善などが認められました。 この研究では、東洋医学で古くから考えられてきた、ツボは心身の不調を示す反応点であり、心身の不調を改善する治療点でもある、という特徴を実験的に検証しており、ある一定のツボの正体が、内臓の病態を原因とした神経性の炎症スポットであることを示唆しています』、「東洋医学で古くから考えられてきた、ツボは心身の不調を示す反応点であり、心身の不調を改善する治療点でもある、という特徴を実験的に検証しており、ある一定のツボの正体が、内臓の病態を原因とした神経性の炎症スポットであることを示唆しています」、なるほど。
・『世界で初めて示されたツボの「解剖学的な証拠」  最後に紹介するのは、2021年にNature誌で発表された、世界で初めてツボに特徴的な神経構造があることを精緻に確認した画期的な研究です。) 足三里(編集部注/膝のお皿から外側に少し下がった場所に位置する)のツボは、足三里──迷走神経──副腎髄質を介して抗炎症作用をもたらす、ツボの中でも特異的な存在でした。そこで、アメリカのハーバード大学と中国の復旦大学の共同研究チームが、足三里のツボにどのような解剖学的な秘密があるのかを詳しく調べました。 実験は一部の神経細胞の遺伝子を改変したマウスを用いて、オプトジェネティクス(光遺伝学)や、逆行性トレーサーなど、分子生物学の研究で用いられる最新解析技術を駆使して行われました。 まず研究チームは、脊髄後角と足三里を結ぶ感覚神経を調べ、たくさんの神経線維の中から迷走神経を介した抗炎症作用をもたらす特定の感覚神経を発見しました。その神経は、足三里のツボの深部で多く分岐し、シグナルを受け取りやすい分布構造になっていました。 人体の「ツボ」って何?「高血圧のネズミ」実験でわかってきた「ツボの正体」 さらに、同様の抗炎症作用に関わる感覚神経は、お腹にある天枢というツボにも確認されましたが、その分布密度を比べると10倍も低かったのです。また、この感覚神経を切断したマウスの足三里や、この感覚神経が分布していない部分に鍼通電を行っても、炎症を抑制する効果は見られませんでした。 つまり、足三里には抗炎症作用をもたらす独特の神経構造があり、ツボの周辺や他のツボ(天枢)とも異なることが示されたのです。この発見は、世界で初めて精緻に示されたツボの「解剖学的な証拠」として、中国をはじめ世界中で大きな反響を呼びました。 ツボにはまだ多くの謎が残されていますが、こうした最先端の科学的手法によって、他のツボの構造がどうなっているのか、ツボにはどのようなタイプがあるのかなど、その正体が次々と明らかになってくるのではと筆者(編集部注/山本高穂)は期待しています』、「足三里には抗炎症作用をもたらす独特の神経構造があり、ツボの周辺や他のツボ(天枢)とも異なることが示されたのです。この発見は、世界で初めて精緻に示されたツボの「解剖学的な証拠」として、中国をはじめ世界中で大きな反響を呼びました」、確かに画期的な発見だ。今後も研究がより広く、深く発展することを期待したい。 
タグ:健康 (その29)(「食物繊維は体に良い」とは限らない?最新研究で分かった腸内細菌との意外なカンケイ、医師・和田秀樹が教える 若くて元気な中高年がよく食べる「意外なもの」とは?、人体の「ツボ」って何?「高血圧のネズミ」実験でわかってきた「ツボの正体」) ダイヤモンド・オンライン ヘルスデーニュース「「食物繊維は体に良い」とは限らない?最新研究で分かった腸内細菌との意外なカンケイ」 「本研究では、食物繊維の一種である難消化性でんぷんresistantstarch;RS)を摂取した場合に、腸内細菌叢の組成や糞便中の短鎖脂肪酸の量などに、どのような変化が現れるかを検討した。 59人の被験者に対するクロスオーバーデザインで行われ、試行条件として、バナナなどに含まれている難消化性でんぷん(RS2と呼ばれるタイプ)と化学的に合成された難消化性でんぷん(RS4と呼ばれるタイプ)、および易消化性でんぷんという3条件を設定。5日間のウォッシュアウト期間を挟んで、それぞれ10日間摂取してもらった」、な るほど。 「研究者らは、個人の腸内細菌叢の組成を把握することで、その人がどのようなタイプの食物繊維に反応するのかを事前に予測でき、その結果を栄養指導に生かせるようになるのではないかと考えている」、なるほど。 和田秀樹氏による「和田秀樹が教える、若くて元気な中高年がよく食べる「意外なもの」とは?」 和田秀樹『50代うつよけレッスン』(朝日新書) 「年をとってくると食事の量が減って栄養が不足してきたり、男性ホルモンの分泌が減少したり、運動量も少なくなりがちですから、日常生活で補うことが重要です。 なかでも一番改善しやすいのが、食生活です。 脳内の神経伝達物質のセロトニンの不足がうつ症状を引き起こす要因と言われていますが、セロトニンは年齢を重ねるにつれて減少していくため、補う必要があります」、なるほど。 「冒険家でプロスキーヤーの三浦雄一郎さんも大の肉好きです。90代の現在も、よくステーキを食べていると言います。 その他にも、99歳までご存命だった作家の瀬戸内寂聴さんも肉好きだったことが知られています。 私の知る長生きでパワフルな高齢者にも肉好きな人が多い傾向がありますが、若々しい体を維持するためにも、肉を食べてタンパク質の摂取を心がけることが大事です」、なるほど。 「やはり肉が苦手という人や、もうすでにうつ症状が出ていて肉を食べられないという人は、動物性タンパク質の豊富な牛乳や卵でも構いません。 他にも、ホルモンを活性化させる食品はたくさんあります・・・うなぎの蒲焼きやオイルサーディンなどもビタミンEが豊富です。 ニンニク:男性ホルモンの分泌を増やす働きが認められていますが、この作用はタンパク質と一緒に摂ることでさらに促進されて分泌量が増加するため、肉類と一緒に食べると効果倍増です・・・ アボカド:ビタミンE、マグネシウム、カリウム、葉酸などを含み、男性ホルモンと女性ホルモンを両方とも活性化して、ホルモンバランスを維持する効果が期待されています。 玉ねぎ:男性ホルモンを増やす作用があります。 大豆:良質の植物性タンパク質を摂取できるだけでなく、脳内の神経伝達物質の原料となるレシチンを豊富に含むため、脳の働きを活性化する効果があります・・・ ザクロ:女性の更年期障害の改善や動脈硬化、骨粗しょう症の予防にも一定の効果が見られます。 食事の際には、食べる順番も大事です。 ポイントは、「タンパク質から食べる」ことです」、なるほど。 「コレステロール値の高い人のほうが心筋梗塞のような虚血性心疾患による死亡率は高くなりますが、日本では急性心筋梗塞で亡くなる人はがんで亡くなる人の12分の1程度しかいません。がんで亡くなる人のほうが圧倒的に多いのです。自殺で亡くなる人も、心筋梗塞で亡くなる人と大して変わりません・・・アメリカではがんで亡くなる人と同じくらい心筋梗塞で亡くなる人がいるので、コレステロール値を減らしたほうがいいと言われるのもわかりますが、がんや自殺で亡くなる人が多い日本では、その説は通用しないということです」、私は「コレステロー ル値」が高目と注意を長いこと受けてきたが、今後は余り心配しないようにしたい。 「現在の日本人が1日に摂る肉の量は平均100グラム程度ですが、これ以上、その量を減らすことはありませんし、私はがん予防やうつ病予防のためには1日120~150グラムくらいまでは増やしたほうがいいと考えています」、その通りだ。 山本高穂氏 大野 智氏 「人体の「ツボ」って何?「高血圧のネズミ」実験でわかってきた「ツボの正体」」 山本高穂、大野 智『東洋医学はなぜ効くのか ツボ・鍼灸・漢方薬、西洋医学で見る驚きのメカニズム』(講談社) 「関連痛という症状をご存知でしょうか。西洋医学の診断では、「原因となる場所だけでなく、隣接する場所や離れた場所にも生じる痛み」とされています。 具体的には、心臓への血流障害が原因である狭心症の際に、胸だけでなく左肩周辺に痛みを感じるケースや、肝炎などの影響で右肩が痛くなったりするケースなどが知られています・・・ 内臓からの痛み信号が脊髄で別の感覚神経に伝播した結果、痛み信号がその感覚神経を逆行して末端に到達し、周辺(皮膚下)で神経性の炎症が起こるという現象も確認されています・・・この関連痛にまつわる体のメカニズムがツボの正体に関係しているのではないか、という実験が韓国の研究チームによって2017年に発表されています」、なるほど。 「東洋医学で古くから考えられてきた、ツボは心身の不調を示す反応点であり、心身の不調を改善する治療点でもある、という特徴を実験的に検証しており、ある一定のツボの正体が、内臓の病態を原因とした神経性の炎症スポットであることを示唆しています」、なるほど。 「足三里には抗炎症作用をもたらす独特の神経構造があり、ツボの周辺や他のツボ(天枢)とも異なることが示されたのです。この発見は、世界で初めて精緻に示されたツボの「解剖学的な証拠」として、中国をはじめ世界中で大きな反響を呼びました」、確かに画期的な発見だ。今後も研究がより広く、深く発展することを期待したい。
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医療問題(その42)(アルツハイマー病に日常を侵された元脳外科医の東大教授の3題:家では短気な腫物扱い、大学ではすべて秘書任せ…水面下で進行するアルツハイマー病に日常を侵された男の苦悩、「運転 どうするんだっけ?」夫が放った衝撃の一言…東大教授の「定年直前退官」に家族が満場一致で賛成した納得の理由、「数分前の約束」も「学生時代の思い出」も忘れてしまう…元脳外科医の東大教授に忍び寄った「認知症」の影) [生活]

医療問題については、本年7月31日に取上げた。今日は、(その42)(若年性アルツハイマー病に日常を侵された元脳外科医の東大教授の3題:家では短気な腫物扱い、大学ではすべて秘書任せ…水面下で進行するアルツハイマー病に日常を侵された男の苦悩、「運転 どうするんだっけ?」夫が放った衝撃の一言…東大教授の「定年直前退官」に家族が満場一致で賛成した納得の理由、「数分前の約束」も「学生時代の思い出」も忘れてしまう…元脳外科医の東大教授に忍び寄った「認知症」の影)である。

先ずは、本年7月31日付け現代ビジネスが掲載した若井 克子氏による「家では短気な腫物扱い、大学ではすべて秘書任せ…水面下で進行するアルツハイマー病に日常を侵された男の苦悩:「漢字が書けなくなる」を紹介しよう。
https://gendai.media/articles/-/133075
・「数分前の約束も学生時代の思い出も忘れる」...徐々に忍び寄ってくる若年性アルツハイマーの恐怖は今や誰にでも起こりうることであり、決して他人事と断じることはできない。 それでも、まさか「脳外科医が脳の病に侵される」などという皮肉が許されるのだろうか。そんな「運命」に襲われながらも、悩み、向き合い、望みを見つけた東大教授と伴侶がいた。 その旅の記録をありのままに記した『東大教授、若年性アルツハイマーになる』(若井克子著)より、二人の旅路を抜粋してお届けしよう。 『東大教授、若年性アルツハイマーになる』連載第8回 『「数分前の約束」も「学生時代の思い出」も忘れてしまう…元脳外科医の東大教授に忍び寄った「認知症」の影』より続く』、「数分前の約束」も「学生時代の思い出」も忘れてしまう、のであれば、「脳外科医」としては仕事にならないだろう。
・『長男との漢字練習  このころ私たちは、社会人の長女、就活中の長男と、都内の公舎で同居中でした。私たち家族は、晋がアルツハイマー病だとは疑いもしませんでした。同じ時期に晋が苦しんでいた慢性の下痢のほうが、むしろ気がかりだったのです。腑に落ちない躓きは、激務と体調不良のせいだろう――そう考えるほうが自然でした。 健康といえば、栃木にひとりで住んでいた高齢の晋の母のことばかりが話題になりました。とはいえ、晋のことに無関心だったわけではありません。 漢字が出てこない、と父親(つまり晋)が言うのを長男が耳にして、 「一緒に漢字を練習しようよ」 と練習帳を持ってきたことがあります。晋は長男の提案を喜んで受け入れましたが、顔を合わせる時間はなかなかありません。 そこで、アルバイトに出かける前に息子が「宿題」を出しておき、仕事から帰った晋がそれをこなして、息子の部屋に練習帳を置いておく、というふうにしていました。 最初は順調でした。ところが一度サボったのを、息子が「ダメだよ」と軽くたしなめたところ、晋が大声で怒り出したのです。これがきっかけで、漢字練習は終わってしまいました』、せっかく上手くいっていた「漢字練習」が、「晋」の自尊心を傷付けてしまったためか、「終わってしまった」のは残念なことだ。
・『「アルツハイマー病」の可能性  仕事に余裕がないこともあってか、晋には若干、短気なところがあります。でもその当時は、些細なことでしょっちゅう腹を立てるようになっていました。家のなかには何となく気まずい空気が流れ、みな「当たらず障らず」で動くようになっていきます。 晋は仕事を続けていましたし、トラブルだって毎日起こっていたわけではありません。家族にもそれぞれ「自分の生活」があります。生活時間が異なるため、すれ違いになることも多々ありました。そのようなわけで、晋の体調が大きな問題になることはなかったのです。 しかし、その間にも職場でいろいろな出来事が起こっていたことを、私は後年になって知りました。 たとえば大学で教授会に出席する際、ネクタイが結べない日があったそうです。秘書の方が結んでくださったおかげで助かった、という話を聞きました。 大学の構内で道に迷い、秘書の方が迎えに行ってくれたこともありました。手帳にうまく予定を記入できず、これも秘書の方に書いてもらっていたと聞きました。 またあるときは、国立の研究機関が、晋の教室に資金提供を申し出てくれたことがあったそうです。もちろん正式な研究費としてでした。しかし、晋はなぜかこの話を断ってしまい、同僚から不思議がられたそうです。どう使っていいかわからなくなって、そんなことをしたのかもしれません。 以上は、晋が東大を辞めた後、当時の研究室の関係者や親しかった方から直接・間接に聞いた話です。晋の日常は、あちこちで綻びを見せていました。そのなかで晋だけがひとり、「アルツハイマー病」の可能性を真剣に疑っていたのです。 『「あと1年半で辞めるよ」…定年目前の東大教授を”自主退官”にまで追い込んだ「大事件」とは』へ続く』、「教授会に出席する際、ネクタイが結べない日があったそうです。秘書の方が結んでくださったおかげで助かった・・・大学の構内で道に迷い、秘書の方が迎えに行ってくれたこともありました。手帳にうまく予定を記入できず、これも秘書の方に書いてもらっていたと聞きました・・・国立の研究機関が、晋の教室に資金提供を申し出てくれたことがあったそうです。もちろん正式な研究費としてでした。しかし、晋はなぜかこの話を断ってしまい、同僚から不思議がられたそうです。どう使っていいかわからなくなって、そんなことをしたのかもしれません・・・晋の日常は、あちこちで綻びを見せていました。そのなかで晋だけがひとり、「アルツハイマー病」の可能性を真剣に疑っていたのです」、なるほど。

次に、この続きを7月31日付け現代ビジネスが掲載した若井 克子氏による「「運転、どうするんだっけ?」夫が放った衝撃の一言…東大教授の「定年直前退官」に家族が満場一致で賛成した納得の理由」を紹介しよう。
https://gendai.media/articles/-/133079
・『「漢字が書けなくなる」、「数分前の約束も学生時代の思い出も忘れる」...徐々に忍び寄ってくる若年性アルツハイマーの恐怖は今や誰にでも起こりうることであり、決して他人事と断じることはできない。 それでも、まさか「脳外科医が脳の病に侵される」などという皮肉が許されるのだろうか。そんな「運命」に襲われながらも、悩み、向き合い、望みを見つけた東大教授と伴侶がいた。 その旅の記録をありのままに記した『東大教授、若年性アルツハイマーになる』(若井克子著)より、二人の旅路を抜粋してお届けしよう。 『東大教授、若年性アルツハイマーになる』連載第10回 『「あと1年半で辞めるよ」…定年目前の東大教授を”自主退官”にまで追い込んだ「大事件」とは』より続く』、「「脳外科医が脳の病に侵される」などという皮肉が許されるのだろうか。そんな「運命」に襲われながらも、悩み、向き合い、望みを見つけた東大教授と伴侶がいた。 その旅の記録をありのままに記した『東大教授、若年性アルツハイマーになる』(若井克子著)より、二人の旅路を抜粋してお届けしよう」、なるほど。
・『「あと1年半で辞めるよ」  「あと1年半で辞めるよ」 あらたまった口調で、晋からこう告げられたのは、2004年10月です。あと1年半勤めて、担当している学生への責任を果たしてから辞めたい、という意味でした。 正式な定年までは2年半残っていましたが、私は即、賛成しました。我が家には4人、子どもがいますが、みな20歳を過ぎていました。自立を後押しする、いいきっかけになるとも思ったのです。 ですがそれ以外に、私自身がこんな経験をしていた、という事情もありました。 2004年。栃木で暮らしていた義母(つまり、晋の実母)が病に倒れ、入院することになりました。一命はとりとめたものの、後遺症で認知症状が残り、自宅でのひとり暮らしが難しくなったのです。近くのグループホーム(介護施設)に移り住むことになりました。』、「「あと1年半で辞めるよ」 あらたまった口調で、晋からこう告げられたのは、2004年10月です。あと1年半勤めて、担当している学生への責任を果たしてから辞めたい、という意味でした。 正式な定年までは2年半残っていましたが、私は即、賛成しました」、なるほど。
・『「……運転、どうするんだっけ?」  引っ越しの当日。私と晋は義母の荷物を車にのせ、義母は後部座席に、私は助手席に座りました。 「行くよ」 ハンドルを握った晋がそう合図しましたが、車が動きません。不思議に思って声をかけようとすると、彼が驚くようなことを口にしたのです。 「……運転、どうするんだっけ?」 「替わろうか?」「うん」 あわてて席を移り、ホームまで運転しました。義母は何が起こったのかよくわかっていない様子で、夕闇に沈みゆく風景を、車窓からぼんやりと眺めていました。 後にも先にも、晋が運転そのものを忘れてしまったのはこのときだけでした。でも、晋は運転が得意だったのです。それだけになおさら、この出来事は私の記憶に強く刻み込まれたのでした。 ふたりで早期退職を決めた翌日、晋は、何か吹っ切れたような、すっきりした顔で出勤していきました。そして夜、同居の子どもたちに「1年早いリタイア宣言」が告げられます。誰からも「考え直したら」という意見は出ませんでした。 時間的にすれ違うことが多くても、不調が深刻化していることには、みな、薄々気づいていたのでしょう』、「同居の子どもたちに「1年早いリタイア宣言」が告げられます。誰からも「考え直したら」という意見は出ませんでした。 時間的にすれ違うことが多くても、不調が深刻化していることには、みな、薄々気づいていたのでしょう」、「子どもたち」であれば、人一倍敏感に感じていたのだろう。

第三に、7月31日付け現代ビジネスが掲載した若井 克子氏による「「数分前の約束」も「学生時代の思い出」も忘れてしまう…元脳外科医の東大教授に忍び寄った「認知症」の影」を紹介しよう。
・『「漢字が書けなくなる」、「数分前の約束も学生時代の思い出も忘れる」...徐々に忍び寄ってくる若年性アルツハイマーの恐怖は今や誰にでも起こりうることであり、決して他人事と断じることはできない。 それでも、まさか「脳外科医が脳の病に侵される」などという皮肉が許されるのだろうか。そんな「運命」に襲われながらも、悩み、向き合い、望みを見つけた東大教授と伴侶がいた。 その旅の記録をありのままに記した『東大教授、若年性アルツハイマーになる』(若井克子著)より、二人の旅路を抜粋してお届けしよう。 『東大教授、若年性アルツハイマーになる』連載第7回 『東大教授なのに「汚染地」や「内戦国」が職場発展途上国を飛び回り格差の解消に奔走する「国際地域保健学」とは』より続く』、「「脳外科医が脳の病に侵される」などという皮肉が許されるのだろうか。そんな「運命」に襲われながらも、悩み、向き合い、望みを見つけた東大教授と伴侶がいた。 その旅の記録をありのままに記した『東大教授、若年性アルツハイマーになる』(若井克子著)より、二人の旅路を抜粋してお届けしよう」、「「脳外科医が脳の病に侵される」などという皮肉が許されるのだろうか。そんな「運命」に襲われながらも、悩み、向き合い、望みを見つけた東大教授と伴侶がいた。 その旅の記録をありのままに記した『東大教授、若年性アルツハイマーになる』(若井克子著)より、二人の旅路を抜粋してお届けしよう」、なるほど。 
・『理不尽な怒り  晋らしからぬ躓きは、日を追うごとに目立つようになっていきました。 2002年末、次男が耳の大手術を受けることになりました。次男は当時、弘前市(青森県)で大学の医学部に通っていましたが、手術の付き添いのため、私と晋はふたりで青森まで行くことにしました。 自宅がある栃木県から東京駅まで移動し、そこから新幹線に乗ります。乗り換え前に手洗いに立ち寄りました。男性用はすいていましたが、あいにく女性用は大混雑。 「終わったら、ここで待っていてね」 晋にそう言い置いて別れたのですが、出てくると姿がありません。こんなときに探し回ると、かえって行き違いになりやすい。私は雑踏のなかで彼を待つことにしました。 ところがしばらくすると、こんなアナウンスが聞こえてくるではありませんか。 「若井克子さん、若井克子さん、若井晋さんがお待ちです。至急、東北新幹線の改札口までお越しください」 顔から火が出るような思いで改札に向かうと、晋が立っていました。 「どうしてトイレのところで待っていてくれなかったのよ!私はずっと待ってたのよ。東京駅じゅうに私の名前がアナウンスされて、恥ずかしかった」 思わず強い抗議が口をついて出ます。私の怒りは決して理不尽ではないはずです。ところが、迷ったのは自分なのに、 「なんで君が怒るんだ。僕が悪いのか」 晋はそう腹を立てるのでした』、「ところがしばらくすると、こんなアナウンスが聞こえてくるではありませんか。 「若井克子さん、若井克子さん、若井晋さんがお待ちです。至急、東北新幹線の改札口までお越しください」 顔から火が出るような思いで改札に向かうと、晋が立っていました。 「どうしてトイレのところで待っていてくれなかったのよ!私はずっと待ってたのよ。東京駅じゅうに私の名前がアナウンスされて、恥ずかしかった」 思わず強い抗議が口をついて出ます。私の怒りは決して理不尽ではないはずです。ところが、迷ったのは自分なのに、 「なんで君が怒るんだ。僕が悪いのか」 晋はそう腹を立てるのでした」、なるほど。
・『昔なじみの場所にたどりつけなくなる  2003年3月のこと。晋は、学生時代に住んでいた学生寮の送別会に出席するため、出かけることになりました。 東京大学の学生だった晋は、学生時代、「同志会」というキリスト教系の学生寮に入っていました。 私たちは夫婦そろってクリスチャンです。晋が信仰に目覚めたのは、この同志会入寮がきっかけでした。ともかく同志会といえば、晋にとっては昔なじみの場所だったのです。 だから意気揚々と出かけたのですが、 「探したけど、見つからないんだよ」 どうしたことか、夜遅く公舎に帰宅し、疲れた様子でそうこぼすのです。ずいぶんと歩き回ったようでした。見かねた私は、 「リニューアルしたとか言ってたよね。結婚した直後に連れて行ってくれたところでしょ?あれから30年も過ぎたんだもの、仕方ないよ。しかも夜だし」 そう慰めてはみたものの、若いときに何年も住んだところだし、そう簡単に忘れてしまうものだろうか、という疑念が拭えません。晋は人一倍、方向感覚がよかったのです。東京駅でのこと、同志会のこと、何かひっかかりました。 『家では短気な腫物扱い、大学ではすべて秘書任せ…水面下で進行するアルツハイマー病に日常を侵された男の苦悩』へ続く』、これは第一の記事で紹介した。現在であれば、スマホで連絡し合えるのだろうが、なかった当時は確かに大変だったろう。

タグ:医療問題 (その42)(アルツハイマー病に日常を侵された元脳外科医の東大教授の3題:家では短気な腫物扱い、大学ではすべて秘書任せ…水面下で進行するアルツハイマー病に日常を侵された男の苦悩、「運転 どうするんだっけ?」夫が放った衝撃の一言…東大教授の「定年直前退官」に家族が満場一致で賛成した納得の理由、「数分前の約束」も「学生時代の思い出」も忘れてしまう…元脳外科医の東大教授に忍び寄った「認知症」の影) 「数分前の約束」も「学生時代の思い出」も忘れてしまう、のであれば、「脳外科医」としては仕事にならないだろう。 せっかく上手くいっていた「漢字練習」が、「晋」の自尊心を傷付けてしまったためか、「終わってしまった」のは残念なことだ。 「教授会に出席する際、ネクタイが結べない日があったそうです。秘書の方が結んでくださったおかげで助かった・・・大学の構内で道に迷い、秘書の方が迎えに行ってくれたこともありました。手帳にうまく予定を記入できず、これも秘書の方に書いてもらっていたと聞きました・・・国立の研究機関が、晋の教室に資金提供を申し出てくれたことがあったそうです。もちろん正式な研究費としてでした。しかし、晋はなぜかこの話を断ってしまい、同僚から不思議がられたそうです。どう使っていいかわからなくなって、そんなことをしたのかもしれません・・・ 晋の日常は、あちこちで綻びを見せていました。そのなかで晋だけがひとり、「アルツハイマー病」の可能性を真剣に疑っていたのです」、なるほど。 現代ビジネス 若井 克子氏による「「運転、どうするんだっけ?」夫が放った衝撃の一言…東大教授の「定年直前退官」に家族が満場一致で賛成した納得の理由」 『東大教授、若年性アルツハイマーになる』(若井克子著) 「「脳外科医が脳の病に侵される」などという皮肉が許されるのだろうか。そんな「運命」に襲われながらも、悩み、向き合い、望みを見つけた東大教授と伴侶がいた。 その旅の記録をありのままに記した『東大教授、若年性アルツハイマーになる』(若井克子著)より、二人の旅路を抜粋してお届けしよう」、なるほど。 「「あと1年半で辞めるよ」 あらたまった口調で、晋からこう告げられたのは、2004年10月です。あと1年半勤めて、担当している学生への責任を果たしてから辞めたい、という意味でした。 正式な定年までは2年半残っていましたが、私は即、賛成しました」、なるほど。 「同居の子どもたちに「1年早いリタイア宣言」が告げられます。誰からも「考え直したら」という意見は出ませんでした。 時間的にすれ違うことが多くても、不調が深刻化していることには、みな、薄々気づいていたのでしょう」、「子どもたち」であれば、人一倍敏感に感じていたのだろう。 若井 克子氏による「「数分前の約束」も「学生時代の思い出」も忘れてしまう…元脳外科医の東大教授に忍び寄った「認知症」の影」 「「脳外科医が脳の病に侵される」などという皮肉が許されるのだろうか。そんな「運命」に襲われながらも、悩み、向き合い、望みを見つけた東大教授と伴侶がいた。 その旅の記録をありのままに記した『東大教授、若年性アルツハイマーになる』(若井克子著)より、二人の旅路を抜粋してお届けしよう」、 「ところがしばらくすると、こんなアナウンスが聞こえてくるではありませんか。 「若井克子さん、若井克子さん、若井晋さんがお待ちです。至急、東北新幹線の改札口までお越しください」 顔から火が出るような思いで改札に向かうと、晋が立っていました。 「どうしてトイレのところで待っていてくれなかったのよ!私はずっと待ってたのよ。東京駅じゅうに私の名前がアナウンスされて、恥ずかしかった」 思わず強い抗議が口をついて出ます。私の怒りは決して理不尽ではないはずです。ところが、迷ったのは自分なのに、 「なんで君が怒るんだ。僕 僕が悪いのか」 晋はそう腹を立てるのでした」、なるほど。 これは第一の記事で紹介した。現在であれば、スマホで連絡し合えるのだろうが、なかった当時は確かに大変だったろう。
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医療問題(その41)(「大多数の精神科医は投薬の専門家に過ぎず 精神療法は独学」...和田秀樹氏も驚愕した「日本の心療内科」の「ヤバすぎる実態」、「海外の新しい科学的発見をも無視する日本の医学界」...改革を阻み続ける 多すぎる「日本の病理」、「このままでは殺される…どうか助けてください」相次ぐ患者の“死亡退院”はNHKがスクープした後も続いていた#1、「暴力や虐待が日常茶飯事」八王子・滝山病院の“おぞましい実態”が明るみに…高級スポーツカーを乗り回す院長の“反応”とは#2) [生活]

医療問題については、本年4月3日に取上げた。今日は、(その41)(「大多数の精神科医は投薬の専門家に過ぎず 精神療法は独学」...和田秀樹氏も驚愕した「日本の心療内科」の「ヤバすぎる実態」、「海外の新しい科学的発見をも無視する日本の医学界」...改革を阻み続ける 多すぎる「日本の病理」、「このままでは殺される…どうか助けてください」相次ぐ患者の“死亡退院”はNHKがスクープした後も続いていた#1、「暴力や虐待が日常茶飯事」八王子・滝山病院の“おぞましい実態”が明るみに…高級スポーツカーを乗り回す院長の“反応”とは#2)である。

先ずは、本年4月16日付け現代ビジネス「「大多数の精神科医は投薬の専門家に過ぎず、精神療法は独学」...和田秀樹氏も驚愕した「日本の心療内科」の「ヤバすぎる実態」」を紹介しよう。
https://gendai.media/articles/-/127582
・『2020年の国内の精神科患者は、入院と通院を合わせて614.8万人。日本人の20人に1人が精神科で治療を受けている計算だ。 一般的な精神疾患である「うつ病」に加え、近年は「発達障害」と診断される人も急増している。このような異常事態に警鐘を鳴らしているのが、『精神医療ビジネスの闇』(北新宿出版)の著者であり、20年以上にわたり精神医療現場での人権侵害問題に取り組む米田倫康氏だ。 米田氏は「患者が増えていることに伴い、診療の質が低い精神科クリニックも急増している」と指摘する。 一方の精神科医・和田秀樹氏は「発達障害者を異端扱いし、社会から除け者にしている現状では、過剰診断は危険だ」と語る。 日本の精神医療の問題点をめぐり、米田氏と和田氏との対談を全3回にわたり、お届けする』、興味深そうだ。
・『精神科クリニックに流れ込む悪徳精神科医  和田 米田さんの本を読んでまず驚いたのは、精神科の悪徳病院がいまだにこんなに存在することですよ。 私が東大医学部を卒業したのが1985年で、研修医として入ったのは新左翼ばかりでいわくつきの、「赤レンガ病棟」(東大病院精神神経科病棟)というところ。その頃、一般的な精神科医は「収容所の番人」でしたが、左翼の人たちは理想主義で、「精神科の患者は社会の抑圧の犠牲者。解放されねばならない」と考えていました。そのために悪徳精神病院を糾弾するなど、まともに変えていこうという運動をやっていたんです。 米田 ちょうど宇都宮病院事件があった頃ですよね。栃木県宇都宮市の精神科病院で、患者への虐待が日常化していて、入院患者2名が看護職員らに金属パイプで乱打されて亡くなりました。 和田 あれが明るみに出たのは、1984年3月で、私はまだ学生の身として糾弾に関わっていました。宇都宮病院の入院患者の平均年齢はそう高くないのに、事件発覚前の3年間で222人も亡くなっていたんですから、異常ですよ。ただ、そういう悪徳病院の大きなトレンドとしては、社会的非難を浴びやすい精神科をやめて、老人向けにシフトする動きが起こりました。だからいま残っている精神科病院は、さすがにもうまともになっているだろうと思い込んでいた。 米田 たしかに、宇都宮病院事件後も悪徳精神科病院の摘発が相次ぎ、精神病床も減少へと転じました。ですが、患者の人権などなんとも思っていないような精神科病院はまだ健在です。最近では、東京都八王子市の滝山病院において、2023年2月以降、看護師ら5人が入院患者への暴行容疑で逮捕・書類送検されました』、「宇都宮病院の入院患者の平均年齢はそう高くないのに、事件発覚前の3年間で222人も亡くなっていたんですから、異常ですよ」、確かに死亡者が異常に多い。
・『『厚生労働省「医療施設調査」より作成  そしてそれ以上に私が指摘したいのは、精神科・心療内科を標榜するクリニック(病床数が0あるいは19床以下)の急増です。1984年は精神科を標榜するクリニックが1425ですが、2020年は精神科標榜が7223、心療内科標榜が5063です(図参照、米田氏の著書より転載)。 同じ施設で精神科・心療内科を両方標榜するケースもありますが、それにしても多い。こうしたクリニックは、医師の資格さえあれば大きな設備投資を必要とせずに開業できますし、誰も診療の質をチェックしません。だから、悪徳精神科病院を経営するような層が、そのままここへ流れ込んでいます。 1950~60年代に起きた精神科病院乱立ブームと同様、畑違いの診療科の医師が突然参入して開業するケースも目立ちます』、「こうしたクリニックは、医師の資格さえあれば大きな設備投資を必要とせずに開業できますし、誰も診療の質をチェックしません。だから、悪徳精神科病院を経営するような層が、そのままここへ流れ込んでいます。 1950~60年代に起きた精神科病院乱立ブームと同様、畑違いの診療科の医師が突然参入して開業するケースも目立ちます」、なるほど。
・『口コミの高評価は当てにならない  和田 精神科医の養成システムにも問題があると思いますよ。医学部を持つ大学は全国に82ありますが、その精神科の医局の主任教授の9割が、要は投薬の専門家です。体系だったカウンセリングを重視する精神療法のトレーニングをする場は、慶應大の認知行動療法研究室や慈恵医大の森田療法(精神科医・森田正馬によって創始された神経症に対する独自の精神療法)くらい。 つまり日本の精神科医の大多数は、精神療法を自学自習でやっているし、中には、精神療法なんて意味がないと考える者もいます。そういう精神科医が開業したら、患者の話をろくに聞かず、ただ薬を出すだけのクリニックになるのは当然でしょう。 米田 うつ病などになる前の段階として、学校での人間関係だとか会社での労働環境だとか、いろいろなものが積もり積もって発症しているわけですから、そうしたところにカウンセリングで向き合っていくのが精神療法です。が、薬しか治療手段を持っていない精神科医は、たくさんいます。 しかも、現在の診療報酬体系では、患者に丁寧に向き合う長時間の診療や精神療法は収入の足かせにしかならず、5分という短時間で患者を回転させるのが経営上の正解となっています。これでは、短時間診察でひたすら薬だけ出して対症療法のサイクルを延々と繰り返すことしかできないですよね。 和田 私は精神科医として高齢者ばかりを診ていますが、彼らのうつ病には、SSRI(選択的セロトニン再取り込み阻害薬)という、脳内でセロトニンの再取り込みを阻害し、セロトニンの働きを増強することで抗うつ作用などをあらわす薬を出しています。 高齢者はそもそものセロトニンのベースラインが、40代のような若い人と比べると低いので、SSRIはよく効く。これは私にとっては風邪薬のようなイメージで、症状を緩和して患者を元気にして、あとは患者自身の自然回復力で治るのを待つんです。実際、それでかなりの数の人が治っていきます。ただ、根本原因は変わってないので、また大きなストレスがかかると再発しますが。 米田 そういう一時的に症状をしのがないといけないという必要性があって、そのゴールも分かっている先生が使うのと、漫然とずっと症状を抑え続けるのとでは、やっぱり違うと思うんですね。 和田 いい先生かダメな先生かは、治療の結果で評価するしかないでしょう。だから、精神科医をみんなが評価する『食べログ』みたいなのがあったらいいんじゃないか。「あの先生と話したらすごい楽になった」とか「いい先生だ」とかって、みんなで書き込みをするんです。 米田 それはおっしゃるとおりなんですけど、一筋縄ではいかないのです。私は診療報酬の不正請求をはじめ、いろいろと問題のある精神科クリニックを幅広く調査しているのですが、そういったところのいくつかをGoogleで検索すると、クチコミがたくさんついており、評価が高い。不思議に思ってそこの患者さんに詳しく聞いてみたら、高評価をつけると、クリニックから特典がもらえるそうです。 和田 そうですか……。そういうステマはありえるでしょうね。 米田 だから患者は、高評価に値しないクリニックに通ってしまっている可能性があります』、「私は診療報酬の不正請求をはじめ、いろいろと問題のある精神科クリニックを幅広く調査しているのですが、そういったところのいくつかをGoogleで検索すると、クチコミがたくさんついており、評価が高い。不思議に思ってそこの患者さんに詳しく聞いてみたら、高評価をつけると、クリニックから特典がもらえるそうです」、悪質な「ステマ」だ。「精神科の医局の主任教授の9割が、要は投薬の専門家です。体系だったカウンセリングを重視する精神療法のトレーニングをする場は、慶應大の認知行動療法研究室や慈恵医大の森田療法(精神科医・森田正馬によって創始された神経症に対する独自の精神療法)くらい。 つまり日本の精神科医の大多数は、精神療法を自学自習でやっているし、中には、精神療法なんて意味がないと考える者もいます」』、「高評価をつけると、クリニックから特典がもらえるそうです」、悪質な「ステマ」だ・・・「体系だったカウンセリングを重視する精神療法のトレーニングをする場は極めて少ないとは問題だ。
・『自殺リスクが高まるだけで効果のない抗うつ薬を処方  和田 精神科がややこしいのは、「ずっと通い続けて治さない医者が面倒見がいい」と思っている患者もいるところ。そういう先生は、障害年金とか生活保護とかの申請に使える書類のひな型を持っていて、すぐに書いてくれるんですよ。「これ書いてもらったから働かなくていい。ずっとクリニックに通い続けよう」となるわけです。そして、親切でいい先生ってことになってしまうから、精神科医の評価は難しいよね。 米田 監督官庁は、医療の中身までは踏み込めません。看護師の人数の配置はこうしろとか施設基準はこうなっているなどの形式的なところには口出しできたとしても、投薬の内容や診断がおかしいというところまで踏み込んだ指導はできないんです。 和田 精神科クリニックは、開業したての頃は全然流行ってなくても、患者が治らないからどんどん雪だるま式にたまっていくんですよ。たとえば、循環器の疾患は、急に増えたりしませんよね。小児科で言えば、急に子どもの患者が増えたりしませんよね。でも、精神科は違う。患者さんを治す技術がないほど、通い続けてくれることになります。 私のような老人精神科だと、ある年齢になったら亡くなっていくからそうそう増えないけど、一般の精神科で、40〜50代でかかってる人というのは、ずっとかかり続けます。 米田 若い頃から通う人も増えているし、それどころか子供時代からずっと通い続ける人もいますから、何十年単位ですね。そうなると若い頃からの長期にわたる投薬が、大きな問題になります。 つい最近相談を受けた件なんですが、17歳の子がSSRIを出されていました。SSRIは、若い人には要注意の薬です。厚労省は2007年に「24歳以下に自殺のリスクが高まる」とし、 2013年には「18歳未満のうつ病に効果は認められない」としています。 つまり若い人にとっては、「自殺のリスクがあるけど、うつ病には効果がない薬」ということです。だけどそのことは、本人も親も知らされていなかった。小児精神科の先生からもらってるから安心だと思っていたそうです。 和田 医者は説明しないし、親も患者も薬の危険性を知らない状態で服薬しているケースは多々あると思います。日本が薬に対してとにかくチェックの甘い国であることは確かだし、 薬の副作用による民事訴訟もすごく少ないから、みんないい加減に薬を出す。 でもこれって、他人事みたいに思われるかもしれないけど、医者が無駄な薬をたくさん出せば出すほど、健康保険料って上がるんですよ。だからそれによるステルス増税みたいになってるわけ。とても犯罪的なことだと思う』、「SSRIは、若い人には要注意の薬です。厚労省は2007年に「24歳以下に自殺のリスクが高まる」とし、 2013年には「18歳未満のうつ病に効果は認められない」としています。 つまり若い人にとっては、「自殺のリスクがあるけど、うつ病には効果がない薬」ということです。だけどそのことは、本人も親も知らされていなかった。小児精神科の先生からもらってるから安心だと思っていたそうです」、恐ろしいことだ。「日本が薬に対してとにかくチェックの甘い国であることは確かだし、 薬の副作用による民事訴訟もすごく少ないから、みんないい加減に薬を出す。 でもこれって、他人事みたいに思われるかもしれないけど、医者が無駄な薬をたくさん出せば出すほど、健康保険料って上がるんですよ。だからそれによるステルス増税みたいになってるわけ。とても犯罪的なことだと思う」、その通りだ。

次に、4月16日付け現代ビジネス「「海外の新しい科学的発見をも無視する日本の医学界」...改革を阻み続ける、多すぎる「日本の病理」」を紹介しよう。
https://gendai.media/articles/-/127619?imp=0
・『2020年の国内の精神科患者は、入院と通院を合わせて614.8万人。日本人の20人に1人が精神科で治療を受けている計算だ。 一般的な精神疾患である「うつ病」に加え、近年は「発達障害」と診断される人も急増している。このような異常事態に警鐘を鳴らしているのが、『精神医療ビジネスの闇』(北新宿出版)の著者であり、20年以上にわたり精神医療現場での人権侵害問題に取り組む米田倫康氏だ。 米田氏は「患者が増えていることに伴い、診療の質が低い精神科クリニックも急増している」と指摘する。2020年の国内の精神科患者は、入院と通院を合わせて614.8万人。日本人の20人に1人が精神科で治療を受けている計算だ。 一方の精神科医・和田秀樹氏は「発達障害者を異端扱いし、社会から除け者にしている現状では、過剰診断は危険だ」と語る。 日本の精神医療の問題点をめぐり、米田氏と和田氏との対談を全3回にわたり、お届けする。 中編『「子どもから大人まで異様に増え続ける発達障害」と「日本社会のヤバすぎる特性」...正常な人が「異常」扱いされるのは日本だけ』に引き続き、今回は日本社会で「発達障害=正常」にならない背景について対談する』、「日本人の20人に1人が精神科で治療を受けている計算」、意外に多いことに驚かされた。
・『科学的データより教授の意見が優先される日本  和田 堀江貴文さんをはじめ、多くの有名人が、自分を発達障害だと認めてますよね。彼らのような人が世に出てきて、「正常」のヤツらのほうがバカだとガンガン言っている。いまの露骨な弱肉強食型資本主義の世界の中では、発達障害の人間が「正常」な人間に勝ちますから。 そりゃそうですよ。みんなに合わせてないといけない、上の言うことを聞かなきゃいけない、なんて思うやつが勝てるわけがない。そうなってくると、「発達障害、いいじゃん!」って流れになるかもしれない。 米田 私は、そうした変化は、そんな先の話ではないと考えています。メンタルヘルスの世界的な常識は、いま大きくパラダイムシフトのときを迎えています。 2023年10月、WHO(世界保健機関)と国連人権高等弁務官事務所は、メンタルヘルスについてのガイダンスを共同で作成しました。要旨としては、 「メンタルヘルスと幸福は、貧困、暴力、差別と同様に、社会的、経済的、物理的環境と強く関連しています。しかし、ほとんどのメンタルヘルスシステムは、診断、投薬、症状の軽減に焦点を当てており、人々のメンタルヘルスに影響を与える社会的決定要因を無視しています。メンタルヘルスケアやサポートを求める際に、あまりにも多くの人が差別や人権侵害を経験しています。非自発的な入院と治療、隔離または独房、拘束の使用も、ほとんどのメンタルヘルスシステムで蔓延しています。メンタルヘルスに関する法律は、新たな方向を向かなければなりません」 とあります。投薬を中心とした従来の治療モデルから脱却した、新たな法整備を求めている点で画期的ですよ。 和田 しかし、そうした社会の側からの要請だけで状況が大きく変わるかと言うと、私は悲観的ですね。医学界の内部からの変革が最も必要なことですが、医学界にはそれを妨げる構造的な問題があるからです。 海外で新しい科学的発見があって新しい常識が生まれても、日本の医学界はそれを受け入れません。例えば海外では、血糖値はやや高めの人のほうが死亡率が低いことなど、いままでの日本の常識に反することがわかってきているのに、日本の医者たちは態度を変えようとしません。 日本の医療全般に言えますが、守旧派、つまりいまの教授たちが偉すぎて誰も逆らえず、科学的データより教授のほうが正しいことにされてしまうという構造があります。 米田 実際、先のWHOのガイダンスを、厚生労働省をはじめ精神医療の関係各所にぶつけてみたんです。「メンタルヘルスのパラダイムシフトですよ!」と。しかし、まったく箸にも棒にもかかりませんでした。 一般的な精神疾患である「うつ病」に加え、近年は「発達障害」と診断される人も急増している。このような異常事態に警鐘を鳴らしているのが、『精神医療ビジネスの闇』(北新宿出版)の著者であり、20年以上にわたり精神医療現場での人権侵害問題に取り組む米田倫康氏だ。 米田氏は「患者が増えていることに伴い、診療の質が低い精神科クリニックも急増している」と指摘する。 一方の精神科医・和田秀樹氏は「発達障害者を異端扱いし、社会から除け者にしている現状では、過剰診断は危険だ」と語る。 日本の精神医療の問題点をめぐり、米田氏と和田氏との対談を全3回にわたり、お届けする。 中編『「子どもから大人まで異様に増え続ける発達障害」と「日本社会のヤバすぎる特性」...正常な人が「異常」扱いされるのは日本だけ』に引き続き、今回は日本社会で「発達障害=正常」にならない背景について対談する』、「海外で新しい科学的発見があって新しい常識が生まれても、日本の医学界はそれを受け入れません。例えば海外では、血糖値はやや高めの人のほうが死亡率が低いことなど、いままでの日本の常識に反することがわかってきているのに、日本の医者たちは態度を変えようとしません。 日本の医療全般に言えますが、守旧派、つまりいまの教授たちが偉すぎて誰も逆らえず、科学的データより教授のほうが正しいことにされてしまうという構造があります』、「日本の医療全般に言えますが、守旧派、つまりいまの教授たちが偉すぎて誰も逆らえず、科学的データより教授のほうが正しいことにされてしまう」、困ったことだ。
・『科学的データより教授の意見が優先される日本  和田 堀江貴文さんをはじめ、多くの有名人が、自分を発達障害だと認めてますよね。彼らのような人が世に出てきて、「正常」のヤツらのほうがバカだとガンガン言っている。いまの露骨な弱肉強食型資本主義の世界の中では、発達障害の人間が「正常」な人間に勝ちますから。 そりゃそうですよ。みんなに合わせてないといけない、上の言うことを聞かなきゃいけない、なんて思うやつが勝てるわけがない。そうなってくると、「発達障害、いいじゃん!」って流れになるかもしれない。 米田 私は、そうした変化は、そんな先の話ではないと考えています。メンタルヘルスの世界的な常識は、いま大きくパラダイムシフトのときを迎えています。 2023年10月、WHO(世界保健機関)と国連人権高等弁務官事務所は、メンタルヘルスについてのガイダンスを共同で作成しました。要旨としては、 「メンタルヘルスと幸福は、貧困、暴力、差別と同様に、社会的、経済的、物理的環境と強く関連しています。しかし、ほとんどのメンタルヘルスシステムは、診断、投薬、症状の軽減に焦点を当てており、人々のメンタルヘルスに影響を与える社会的決定要因を無視しています。メンタルヘルスケアやサポートを求める際に、あまりにも多くの人が差別や人権侵害を経験しています。非自発的な入院と治療、隔離または独房、拘束の使用も、ほとんどのメンタルヘルスシステムで蔓延しています。メンタルヘルスに関する法律は、新たな方向を向かなければなりません」 とあります。投薬を中心とした従来の治療モデルから脱却した、新たな法整備を求めている点で画期的ですよ。 和田 しかし、そうした社会の側からの要請だけで状況が大きく変わるかと言うと、私は悲観的ですね。医学界の内部からの変革が最も必要なことですが、医学界にはそれを妨げる構造的な問題があるからです。 海外で新しい科学的発見があって新しい常識が生まれても、日本の医学界はそれを受け入れません。例えば海外では、血糖値はやや高めの人のほうが死亡率が低いことなど、いままでの日本の常識に反することがわかってきているのに、日本の医者たちは態度を変えようとしません。 日本の医療全般に言えますが、守旧派、つまりいまの教授たちが偉すぎて誰も逆らえず、科学的データより教授のほうが正しいことにされてしまうという構造があります』、「海外では、血糖値はやや高めの人のほうが死亡率が低いことなど、いままでの日本の常識に反することがわかってきているのに、日本の医者たちは態度を変えようとしません。 日本の医療全般に言えますが、守旧派、つまりいまの教授たちが偉すぎて誰も逆らえず、科学的データより教授のほうが正しいことにされてしまうという構造があります」、こうした保守的体質は困ったものだ。
・『医学部の入試面接が良い人材をはじく  和田 いちばん悪いのは、東大の理Ⅲだよ。東大の医学部は、1999年〜2007年にかけて入試に面接を課すようになり、一旦中止したのですが2018年からまた始めています。 いまは全国すべて82の大学医学部の入試で、面接が課されています。それは、医者に向かない人間をはじこう、勉強だけできるけど性格が悪い人間を落とそう、という建前で実施されているんですけど、面接官は教授なんですよ。ということは、教授に忖度する人間が入ってきてしまう。 教授に逆らいそうな人間は、医学部に入れなくなる。つまり私がいま受験したら、合格できないってことです。たしかに、ハーバードやイェールなど、海外の医学部でも入試面接はありますが、教授には面接させていません。既存の教授に喧嘩を売れそうな人間を入れないと、学問は進歩しないという考え方がベースにあるからです。精神科の領域に限ったって、たった30分の面接で人間を見抜けると考えているような精神科医は、治療なんてできませんよ。 和田 2018年に発覚した東京医大での得点調整では、その後、結局、半分ぐらいの大学がやっていたことがわかりました。あのタイミングは、発達障害の人や身体障害者が面接で落とされている現状を是正する絶好機だったんだけど、そうならなかった。 入試を変えようという話の中で、面接もやめようという話にならなかった。医学部のキャンパスを見学に行ったらわかるけど、車椅子に乗っている人なんてほとんどいないよ。入試面接で落としてるからですよ。 車椅子に乗ってる人はバカで試験に通らないのか? そんなことないでしょ。日本の医学部は、勉強だけできるんじゃダメだ、人間への共感力があるヤツしか医者にはなっちゃダメだとかと言っているくせに、受験生をはじいてる教授たちのほうが、じつは共感力がない人ばかりですよ。 関連記事 「大多数の精神科医は投薬の専門家に過ぎず、精神療法は独学」… 米田 実際、先のWHOのガイダンスを、厚生労働省をはじめ精神医療の関係各所にぶつけてみたんです。「メンタルヘルスのパラダイムシフトですよ!」と。しかし、まったく箸にも棒にもかかりませんでした。米田倫康氏だ。 米田氏は「患者が増えていることに伴い、診療の質が低い精神科クリニックも急増している」と指摘する。 一方の精神科医・和田秀樹氏は「発達障害者を異端扱いし、社会から除け者にしている現状では、過剰診断は危険だ」と語る。 日本の精神医療の問題点をめぐり、米田氏と和田氏との対談を全3回にわたり、お届けする。 中編『「子どもから大人まで異様に増え続ける発達障害」と「日本社会のヤバすぎる特性」...正常な人が「異常」扱いされるのは日本だけ』に引き続き、今回は日本社会で「発達障害=正常」にならない背景について対談する』、「大学医学部の入試で、面接が課されています。それは、医者に向かない人間をはじこう、勉強だけできるけど性格が悪い人間を落とそう、という建前で実施されているんですけど、面接官は教授なんですよ。ということは、教授に忖度する人間が入ってきてしまう・・・ハーバードやイェールなど、海外の医学部でも入試面接はありますが、教授には面接させていません。既存の教授に喧嘩を売れそうな人間を入れないと、学問は進歩しないという考え方がベースにあるからです」、日本も今からでも見直すべきだ。
・『科学的データより教授の意見が優先される日本  和田 堀江貴文さんをはじめ、多くの有名人が、自分を発達障害だと認めてますよね。彼らのような人が世に出てきて、「正常」のヤツらのほうがバカだとガンガン言っている。いまの露骨な弱肉強食型資本主義の世界の中では、発達障害の人間が「正常」な人間に勝ちますから。 そりゃそうですよ。みんなに合わせてないといけない、上の言うことを聞かなきゃいけない、なんて思うやつが勝てるわけがない。そうなってくると、「発達障害、いいじゃん!」って流れになるかもしれない。 米田 私は、そうした変化は、そんな先の話ではないと考えています。メンタルヘルスの世界的な常識は、いま大きくパラダイムシフトのときを迎えています。 2023年10月、WHO(世界保健機関)と国連人権高等弁務官事務所は、メンタルヘルスについてのガイダンスを共同で作成しました。要旨としては、 「メンタルヘルスと幸福は、貧困、暴力、差別と同様に、社会的、経済的、物理的環境と強く関連しています。しかし、ほとんどのメンタルヘルスシステムは、診断、投薬、症状の軽減に焦点を当てており、人々のメンタルヘルスに影響を与える社会的決定要因を無視しています。メンタルヘルスケアやサポートを求める際に、あまりにも多くの人が差別や人権侵害を経験しています。非自発的な入院と治療、隔離または独房、拘束の使用も、ほとんどのメンタルヘルスシステムで蔓延しています。メンタルヘルスに関する法律は、新たな方向を向かなければなりません」 とあります。投薬を中心とした従来の治療モデルから脱却した、新たな法整備を求めている点で画期的ですよ。 和田 しかし、そうした社会の側からの要請だけで状況が大きく変わるかと言うと、私は悲観的ですね。医学界の内部からの変革が最も必要なことですが、医学界にはそれを妨げる構造的な問題があるからです。 海外で新しい科学的発見があって新しい常識が生まれても、日本の医学界はそれを受け入れません。例えば海外では、血糖値はやや高めの人のほうが死亡率が低いことなど、いままでの日本の常識に反することがわかってきているのに、日本の医者たちは態度を変えようとしません。 日本の医療全般に言えますが、守旧派、つまりいまの教授たちが偉すぎて誰も逆らえず、科学的データより教授のほうが正しいことにされてしまうという構造があります。 米田 実際、先のWHOのガイダンスを、厚生労働省をはじめ精神医療の関係各所にぶつけてみたんです。「メンタルヘルスのパラダイムシフトですよ!」と。しかし、まったく箸にも棒にもかかりませんでした』、「海外で新しい科学的発見があって新しい常識が生まれても、日本の医学界はそれを受け入れません。例えば海外では、血糖値はやや高めの人のほうが死亡率が低いことなど、いままでの日本の常識に反することがわかってきているのに、日本の医者たちは態度を変えようとしません。 日本の医療全般に言えますが、守旧派、つまりいまの教授たちが偉すぎて誰も逆らえず、科学的データより教授のほうが正しいことにされてしまうという構造があります」、困ったことだ。
・『医者が医学部を批判できない構造  米田 医学界の内部からは異論の声を上げられないシステムになってるんですね。いまの時代だと、教授が一番上にいて、その下の部下がたとえなにか言ったとしても何も変わらない。そうなると、「いまの精神医療はおかしいぞ」と言えるのは、医者ではない私のポジションだからこそなんでしょう。現場をわかってない人間が偉そうだと医療関係者からご批判もあるかと思いますが、だからこそ、風穴を開けていく私の活動にも意味があるのかなと考えています。 和田 私も風穴を開けようとしていますが、私以外に今の医学部を批判してる医者は本当に少ない。それは子供を人質に取られてるからです。つまり、親が目立った形で医学部を批判して主流派に嫌われたら、子供が入試面接のときに落とされかねない。その可能性を少しでも考えたら、批判できません。 だいたい、医学部というのは医師ではなくて医学研究者への道だってあるんですから、どうしても医師の候補者に面接をしたいのなら、大学入試ではなく医師国家試験でやるべきでしょう。そもそも入試面接のある大学と、ない大学の両方があるべきですよ。でなければ、どちらのシステムのほうがいい医者を生み育てられるかの比較調査すらできない。 米田 82も大学があるのに、医学部の入試から面接をはずそうという動きは、ひとつもないんでしょうか?  和田 それについては、実際に提言したことがあります。私は日大が相次ぐ不祥事で揺れていた頃に常務理事を務めていて、とっておきのブランド回復の案を出したんです。 「日大だけ医学部の入試面接を廃止したら、入試の偏差値は10ぐらい跳ね上がりますよ」と。ですが、大学側はまったく聞く耳を持たない。 それでは、手術はめちゃくちゃうまいけど、患者に説明するのがヘタだったり患者さんとのコミュニケーションが取れない医者Aがいます。一方、手術はヘボだけど失敗したときの説明の仕方がめちゃくちゃうまくて共感的な医者Bがいます。さあ、どちらを選びますか、という話です。 私だったら前者を選びたいから、面接など廃止すべきだと思っているわけです。結果で勝負して、腕がいい医者が勝ちという、『ドクターX』みたいな世界になれば、発達障害の人間にも活躍の場所があるけど、それを入り口で止めているということです。 米田 患者が医者を選ぶ自由を、医学部の入試が阻んでいることになりますね。 和田 そうですよ。自閉症スペクトラムの人というのは、すごい研究者になったり、とても手術がうまかったりする。でも変わり者。そういう人をはじくシステムになっているのが現状です。しかし、大学側だけの問題ではありません。 「コミュ力がない人間や変な人間は医者になってはいけない」という思い込みや刷り込みが国民全体に浸透してしまっている。そのあたりの病理はあまりに深くて、変な人間を入試面接ではじきましょうという意見に、国民の9割ぐらいは賛成する。 「子供はノーマルであってほしい」「大学の医学部入試で面接をするのは当たり前だ」と、みんなが思うぐらいに、日本人は、みんなと同じ「まともな人間」でありたいと願っている。これは日本にとってある種の不幸ですけど、そういう空気が蔓延していることが、精神医療の改革にあたっての一番の難しさだと思います。 構成・文/野中ツトム(清談社)』、「「コミュ力がない人間や変な人間は医者になってはいけない」という思い込みや刷り込みが国民全体に浸透してしまっている。そのあたりの病理はあまりに深くて、変な人間を入試面接ではじきましょうという意見に、国民の9割ぐらいは賛成する。 「子供はノーマルであってほしい」「大学の医学部入試で面接をするのは当たり前だ」と、みんなが思うぐらいに、日本人は、みんなと同じ「まともな人間」でありたいと願っている。これは日本にとってある種の不幸ですけど、そういう空気が蔓延していることが、精神医療の改革にあたっての一番の難しさだと思います」、もっと尖った人材が入ってくるようにしたいものだ。

第三に、7月29日付け文春オンライン「「このままでは殺される…どうか助けてください」相次ぐ患者の“死亡退院”はNHKがスクープした後も続いていた#1」を紹介しよう。
https://bunshun.jp/articles/-/72244
・『昨年2月25日にNHK-Eテレで放送された「ETV特集 ルポ死亡退院 ~精神医療・闇の実態~」。2023年のテレビで最も優れたスクープ報道として高く評価された。日本新聞協会賞、放送人の会グランプリ、石橋湛山早稲田ジャーナリズム大賞、貧困ジャーナリズム大賞など主だった賞の最高賞を受賞した。 東京・八王子市にある民間の精神科病院・滝山病院。精神科のほかに内科も併設し、人工透析治療などができるため、精神疾患に加えて腎疾患などを抱える合併症の患者が他の病院からも送り込まれてくる。そこではベッドに寝たきりの高齢患者を看護師らが問答無用で殴る、叩く、つねる、蹴る。暴力や虐待が日常茶飯事。ベッドに縛り付ける身体拘禁も日常化。入手した資料で入院患者の約8割が死亡して退院。いったん入院すると死亡しない限りは退院できないというおぞましい実態、“死亡退院”の現実があった。 「このままでは殺される……。どうか助けてください」 悲痛な声で弁護士に助けを求めた高齢の男性患者はその後、亡くなった。 あれから1年4か月。滝山病院の「その後」を追跡した第2弾が6月29日放送の「ETV特集 死亡退院 さらなる闇」だ。このドキュメンタリーは、ふだん週刊誌などが得意としている「院長とカネ」の問題に切り込んでいたのが印象的だった。(全2回の1回目/後編に続く)』、「そこではベッドに寝たきりの高齢患者を看護師らが問答無用で殴る、叩く、つねる、蹴る。暴力や虐待が日常茶飯事。ベッドに縛り付ける身体拘禁も日常化。入手した資料で入院患者の約8割が死亡して退院。いったん入院すると死亡しない限りは退院できないというおぞましい実態、“死亡退院”の現実があった」、ここまで酷いとは監督官庁の怠慢だ。
・『「死亡退院」はその後も続いた  暴力や虐待が横行していた恐怖の病院はどうなったのか。一般的にスクープの「その後」の報道はなかなか難しい。最初のスクープだけなら、「暴行」の証拠となる衝撃的な映像で十分にドキュメンタリーになる。だが、「その後」を取材して第2弾を出すとなると、病院経営や体質、さらには精神医療全体をめぐる「大きな構図・背景」を浮き彫りにしない限り、単なる焼き直しと言われてしまう。取材班は大きな背景にも斬り込んで本格勝負を挑んだ。) 第1弾の報道を受け、警察は病院を捜査して看護師ら5人を逮捕、略式起訴した。監督官庁の東京都も病院に対して改善を命令。厚生労働省も全国の自治体に虐待防止を通知した。しかし入院患者を支援して問題を告発した弁護士は「死亡退院の状況から何も変わっていない」と語る。 都の改善命令を受けて滝山病院は「虐待防止委員会」を設置。弁護士が中心の「第三者委員会」を作って虐待の真相究明に乗り出した。 東京都も患者の聞き取り調査を実施。転退院の支援に乗り出した。 ところが行政の縦割りや公立病院の受け入れへの消極姿勢、さらに主な受け入れ先として想定された民間病院が費用面や合併症患者の扱いなどで及び腰になるなどで遅遅として進まない。 転院を希望した高齢の男性患者も引き受ける病院が見つからないまま体調を崩して死亡。転退院支援の遅れで「死亡退院」はその後も続いたのだ』、「都の改善命令を受けて滝山病院は「虐待防止委員会」を設置。弁護士が中心の「第三者委員会」を作って虐待の真相究明に乗り出した。 東京都も患者の聞き取り調査を実施。転退院の支援に乗り出した。 ところが行政の縦割りや公立病院の受け入れへの消極姿勢、さらに主な受け入れ先として想定された民間病院が費用面や合併症患者の扱いなどで及び腰になるなどで遅遅として進まない。 転院を希望した高齢の男性患者も引き受ける病院が見つからないまま体調を崩して死亡。転退院支援の遅れで「死亡退院」はその後も続いたのだ」、酷いものだ。
・『薬剤を大量に投与されて…  この患者の記録を調べると病院側が鎮静のための薬剤を大量に投与した不適切な医療行為で死にいたった可能性があることを複数の医師が指摘した。投薬を指示した朝倉重延院長は外部の医師の指摘に「おっしゃるとおり歩み寄りは必要だったと思う」としながらも医療判断の誤りは認めなかったという。 第三者委員会が行った職員アンケートでも多くの職員が「過剰医療」を指摘し、医療の内容に問題ありと考えていたこともわかる。 不衛生な病室。経験が浅いアルバイトの職員に体位交換させて患者に重症の褥瘡(床ずれ)ができ、それが原因で敗血症によって死にいたったケースも多数見つかったと番組では伝えられた。 ところが第三者委員会は「医療行為の適切性」については「判断に医学的知見を要する」からと是非を判断しない姿勢だ。 カルテを分析すると医学的に必須とされる所見がないのに「心筋梗塞」と診断名をつけられ、血液がさらさらになる薬剤などを大量に投与されたケースも見つかる。やはり朝倉院長が診断していた。 医師が院長に電話で問い合わせて「心筋梗塞」の診断名をつけていた音声記録も。蘇生の難しい患者に繰り返し高い薬剤を投与していたという証言もあった。 ◆ 院長が率先する患者への過剰な医療行為をスタッフは「濃厚治療」と隠語で呼んでいたという。後編で詳しく取り上げる』、「第三者委員会は「医療行為の適切性」については「判断に医学的知見を要する」からと是非を判断しない姿勢だ」、こんな責任放棄を認めるべきではない…。)

第四に、7月29日付け文春オンライン「「暴力や虐待が日常茶飯事」八王子・滝山病院の“おぞましい実態”が明るみに…高級スポーツカーを乗り回す院長の“反応”とは#2」を紹介しよう。
https://bunshun.jp/articles/-/72245
・『東京・八王子市にある民間の精神科病院・滝山病院。精神科のほかに内科も併設し、人工透析治療などができるため、精神疾患に加えて腎疾患などを抱える合併症の患者が他の病院からも送り込まれてくる。そこではベッドに寝たきりの高齢患者を看護師らが問答無用で殴る、叩く、つねる、蹴る。暴力や虐待が日常茶飯事。ベッドに縛り付ける身体拘禁も日常化。入手した資料で入院患者の約8割が死亡して退院。いったん入院すると死亡しない限りは退院できないというおぞましい実態、“死亡退院”の現実について、NHK-Eテレ・6月29日放送の「ETV特集 死亡退院 さらなる闇」が続報した。(全2回の2回目/前編を読む)』、「入院患者の約8割が死亡して退院。いったん入院すると死亡しない限りは退院できないというおぞましい実態」、病院とは名ばかりのおそろしい施設だ。
・『「お金にもなる。お金取れるでしょ」  院長が率先する患者への過剰な医療行為をスタッフは「濃厚治療」という隠語で呼んでいた。「1B」と呼ばれる「濃厚治療」用の病室の映像も出てきた。 「院長が『1B運べ』といって、ICUみたいに人工呼吸器をつけたり、濃厚な治療するんですよ。そうやればお金にもなる。お金取れるでしょ。いっぱい濃厚治療するんだから」とスタッフは証言した。 過剰医療、濃厚治療……。すべて「カネ」がらみだ。第2弾は「朝倉院長とカネ」について第1弾以上に踏み込んで報じている点が注目される。) 医療機関は診療報酬というかたちで収入を得ている。一般的に精神科の医療行為の評価は診療報酬上で内科や外科などに比べてかなり低いとされている。そうした面を取り戻そうと意識して稼ごうとしたのか。滝山病院で「濃厚治療」していた実態がスタッフの口から語られた。 たくさんの薬剤などが投与されて「濃厚な治療」が行われれば行われるほど、その分、収入が増える仕組みだ。だが、医療行為として適切な治療でなければ当初は話ができた患者が会話できなくなり、意識が混濁した状態になってしまう。 そうした医療行為を院長が率先して行っていた疑惑。番組では関係者の証言を元に踏み込んで伝えている。 朝倉重延院長には今回と似た事件で報道された過去があった。2001年にはおよそ40人が不審死をとげた埼玉県の朝倉病院の院長だった。患者の身体を違法に拘束。過剰な栄養点滴など不必要な治療を行い、診療報酬を不正請求したことが発覚。朝倉病院は事実上廃院に。院長は保険医の資格を取り消された。その後、保険医の資格を再取得。5年前に父親の死後に滝山病院の院長を引き継いでいた』、「朝倉重延院長には今回と似た事件で報道された過去があった。2001年にはおよそ40人が不審死をとげた埼玉県の朝倉病院の院長だった。患者の身体を違法に拘束。過剰な栄養点滴など不必要な治療を行い、診療報酬を不正請求したことが発覚。朝倉病院は事実上廃院に。院長は保険医の資格を取り消された。その後、保険医の資格を再取得。5年前に父親の死後に滝山病院の院長を引き継いでいた」、「保険医の資格を再取得」のハードルを高くするべきだ。
・『高級スポーツカーを乗り回す院長の“収入”  圧巻は取材班が入手した「厳秘」と記された病院経営の内部文書だ。 朝倉重延院長の役員報酬は2017年度から2020年度までは毎年5820万円。2021年度は6320万円。2022年度は6420万円と増加傾向にある。病院の経常利益に対する院長の役員報酬の割合が2019年度48%。2020年度59%と経常利益の半分を超え、2021年度は337%に跳ね上がる。実に経常利益の3倍以上の金額だ。病院全体の利益が減少する中で院長の報酬だけが突出して増加していた。 院長が車で出かけようとするところをディレクターが直撃する場面がある。 車高が低い流線型の高級スポーツカー。左ハンドルで明らかに外国産だ。呼びかけに応じずに無言で車は走り去った。外観から調べてみると英国製の豪華スポーツカーで新車ならば約4000万円の値段だという。 ドキュメンタリーはインタビューやナレーションなどの「言葉」以上に「映像」が雄弁に語るジャンルである。) 役員報酬だけで毎年5000万円、6000万円という内部資料の証拠映像に加え、高級スポーツカーの映像。この2つの映像が雄弁に語っている。 事件発覚後に「精神障害者の家族会」の関係者が初めて病院内に入ると廊下にエアコンがなく、シャワールームも狭いなど他では考えられない劣悪さに衝撃を受けたという場面があるが、患者の環境改善のための病院設備には費用をかけなかった。 患者の死因についても院長が心筋梗塞や悪性リンパ腫などの病名をいとも軽い口調で語る音声も出てくる。何を重視して病院運営をしている人なのか伝わってくる構成だ』、「役員報酬は2017年度から2020年度までは毎年5820万円。2021年度は6320万円。2022年度は6420万円と増加傾向」。「英国製の豪華スポーツカーで新車ならば約4000万円」、結構なご身分だ。 
・『医療現場の「さらなる闇」  病院スタッフの一人は朝倉院長について「(滝山病院では)不正請求はしていない。前の朝倉病院のときみたいに『やったことにしてお金を取っている』わけじゃないので……。(保険医の)取り消しはないので大丈夫と思ったみたい」とその胸の内を想像する。 診療報酬の不正請求がないとしても、不必要な投薬などを意図的に繰り返して患者の命を危険にさらした疑惑があることは浮かび上がった。そのことで患者が次々に死亡した可能性があると専門医たちが指摘する。医師としてやってはならない行為ではないか。本来、監督官庁や捜査機関などが動くべき事案ではないのか。 番組ではこうした「医療の内容」にまで行政が踏み込んで規制することは今の制度では極めて困難だと関係者のインタビューで示している。利益を得る目的で意図して「過剰医療」をやっていたとしても現状では取り締まることが難しい。「医療の判断」とされれば踏み込みにくい。これこそ番組のサブタイトルにある「さらなる闇」である。 精神科の入院患者の9割以上が民間の病院にいる現状を考えると、民間病院がこうしてカネを得ていくことも私たちは容認しなければならないのだろうか。こうして患者たちの命や人権が犠牲になっていく。暴力や虐待の背景にあった患者をカネと見るような人権軽視の姿勢。こうした病院の実態を許していいものか。番組が突きつけている問いかけは重い』、まずは「監督官庁」が「過剰医療」を判定し、「捜査機関などが動く」形にもっていくべきだろう。こんな違法状態を放置すべきではない。
タグ:現代ビジネス「「大多数の精神科医は投薬の専門家に過ぎず、精神療法は独学」...和田秀樹氏も驚愕した「日本の心療内科」の「ヤバすぎる実態」」 精神科クリニックに流れ込む悪徳精神科医 「宇都宮病院の入院患者の平均年齢はそう高くないのに、事件発覚前の3年間で222人も亡くなっていたんですから、異常ですよ」、確かに死亡者が異常に多い。 「こうしたクリニックは、医師の資格さえあれば大きな設備投資を必要とせずに開業できますし、誰も診療の質をチェックしません。だから、悪徳精神科病院を経営するような層が、そのままここへ流れ込んでいます。 1950~60年代に起きた精神科病院乱立ブームと同様、畑違いの診療科の医師が突然参入して開業するケースも目立ちます」、なるほど。 「高評価をつけると、クリニックから特典がもらえるそうです」、悪質な「ステマ」だ・・・「体系だったカウンセリングを重視する精神療法のトレーニングをする場は極めて少ないとは問題だ。 「SSRIは、若い人には要注意の薬です。厚労省は2007年に「24歳以下に自殺のリスクが高まる」とし、 2013年には「18歳未満のうつ病に効果は認められない」としています。 つまり若い人にとっては、「自殺のリスクがあるけど、うつ病には効果がない薬」ということです。だけどそのことは、本人も親も知らされていなかった。小児精神科の先生からもらってるから安心だと思っていたそうです」、恐ろしいことだ。 「日本が薬に対してとにかくチェックの甘い国であることは確かだし、 薬の副作用による民事訴訟もすごく少ないから、みんないい加減に薬を出す。 でもこれって、他人事みたいに思われるかもしれないけど、医者が無駄な薬をたくさん出せば出すほど、健康保険料って上がるんですよ。だからそれによるステルス増税みたいになってるわけ。とても犯罪的なことだと思う」、その通りだ。 現代ビジネス「「海外の新しい科学的発見をも無視する日本の医学界」...改革を阻み続ける、多すぎる「日本の病理」」 「日本人の20人に1人が精神科で治療を受けている計算」、意外に多いことに驚かされた。 「海外で新しい科学的発見があって新しい常識が生まれても、日本の医学界はそれを受け入れません。例えば海外では、血糖値はやや高めの人のほうが死亡率が低いことなど、いままでの日本の常識に反することがわかってきているのに、日本の医者たちは態度を変えようとしません。 日本の医療全般に言えますが、守旧派、つまりいまの教授たちが偉すぎて誰も逆らえず、科学的データより教授のほうが正しいことにされてしまうという構造があります』、 「日本の医療全般に言えますが、守旧派、つまりいまの教授たちが偉すぎて誰も逆らえず、科学的データより教授のほうが正しいことにされてしまう」、困ったことだ。 「海外では、血糖値はやや高めの人のほうが死亡率が低いことなど、いままでの日本の常識に反することがわかってきているのに、日本の医者たちは態度を変えようとしません。 日本の医療全般に言えますが、守旧派、つまりいまの教授たちが偉すぎて誰も逆らえず、科学的データより教授のほうが正しいことにされてしまうという構造があります」、こうした保守的体質は困ったものだ。 「大学医学部の入試で、面接が課されています。それは、医者に向かない人間をはじこう、勉強だけできるけど性格が悪い人間を落とそう、という建前で実施されているんですけど、面接官は教授なんですよ。ということは、教授に忖度する人間が入ってきてしまう・・・ハーバードやイェールなど、海外の医学部でも入試面接はありますが、教授には面接させていません。既存の教授に喧嘩を売れそうな人間を入れないと、学問は進歩しないという考え方がベースにあるからです」、日本も今からでも見直すべきだ。 「海外で新しい科学的発見があって新しい常識が生まれても、日本の医学界はそれを受け入れません。例えば海外では、血糖値はやや高めの人のほうが死亡率が低いことなど、いままでの日本の常識に反することがわかってきているのに、日本の医者たちは態度を変えようとしません。 日本の医療全般に言えますが、守旧派、つまりいまの教授たちが偉すぎて誰も逆らえず、科学的データより教授のほうが正しいことにされてしまうという構造があります」、困ったことだ。 「「コミュ力がない人間や変な人間は医者になってはいけない」という思い込みや刷り込みが国民全体に浸透してしまっている。そのあたりの病理はあまりに深くて、変な人間を入試面接ではじきましょうという意見に、国民の9割ぐらいは賛成する。 「子供はノーマルであってほしい」「大学の医学部入試で面接をするのは当たり前だ」と、みんなが思うぐらいに、日本人は、みんなと同じ「まともな人間」でありたいと願っている。 これは日本にとってある種の不幸ですけど、そういう空気が蔓延していることが、精神医療の改革にあたっての一番の難しさだと思います」、もっと尖った人材が入ってくるようにしたいものだ。 文春オンライン「「このままでは殺される…どうか助けてください」相次ぐ患者の“死亡退院”はNHKがスクープした後も続いていた#1」 「そこではベッドに寝たきりの高齢患者を看護師らが問答無用で殴る、叩く、つねる、蹴る。暴力や虐待が日常茶飯事。ベッドに縛り付ける身体拘禁も日常化。入手した資料で入院患者の約8割が死亡して退院。いったん入院すると死亡しない限りは退院できないというおぞましい実態、“死亡退院”の現実があった」、ここまで酷いとは監督官庁の怠慢だ。 「都の改善命令を受けて滝山病院は「虐待防止委員会」を設置。弁護士が中心の「第三者委員会」を作って虐待の真相究明に乗り出した。 東京都も患者の聞き取り調査を実施。転退院の支援に乗り出した。 ところが行政の縦割りや公立病院の受け入れへの消極姿勢、さらに主な受け入れ先として想定された民間病院が費用面や合併症患者の扱いなどで及び腰になるなどで遅遅として進まない。 転院を希望した高齢の男性患者も引き受ける病院が見つからないまま体調を崩して死亡。転退院支援の遅れで「死亡退院」はその後も続いたのだ」、酷いものだ。 「第三者委員会は「医療行為の適切性」については「判断に医学的知見を要する」からと是非を判断しない姿勢だ」、こんな責任放棄を認めるべきではない。)… 「入院患者の約8割が死亡して退院。いったん入院すると死亡しない限りは退院できないというおぞましい実態」、病院とは名ばかりのおそろしい施設だ。 「保険医の資格を再取得」のハードルを高くするべきだ。 「役員報酬は2017年度から2020年度までは毎年5820万円。2021年度は6320万円。2022年度は6420万円と増加傾向」。「英国製の豪華スポーツカーで新車ならば約4000万円」、結構なご身分だ。 まずは「監督官庁」が「過剰医療」を判定し、「捜査機関などが動く」形にもっていくべきだろう。こんな違法状態を放置すべきではない。
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健康(その28)(「数日前に食べたリンゴがノドに…」高齢者を襲う“虚弱”現象、どうすれば防げるのか?、「筋トレを頑張っても体脂肪は減らない」ほとんどの人がカン違いしている残酷な事実) [生活]

健康については、本年3月20日に取上げた。今日は、(その28)(「数日前に食べたリンゴがノドに…」高齢者を襲う“虚弱”現象、どうすれば防げるのか?、「筋トレを頑張っても体脂肪は減らない」ほとんどの人がカン違いしている残酷な事実)である。

先ずは、本年4月11日付けダイヤモンド・オンラインが掲載した清談社の真島加代氏による「「数日前に食べたリンゴがノドに…」高齢者を襲う“虚弱”現象、どうすれば防げるのか?」を紹介しよう。
https://diamond.jp/articles/-/340252
・『日本の総人口に占める65歳以上の割合が29%に達し、超高齢社会に突入する中、高齢者の運動機能や認知機能が衰える「フレイル」という言葉を耳にする機会が増えた。なかでも、口腔機能の衰えを指す「オーラルフレイル」は、さまざまな機能の低下と深く関わっているという。オーラルフレイルの具体的な症状、リスク、対策などについて歯科医師に聞いた』、「口腔機能の衰えを指す「オーラルフレイル」は、さまざまな機能の低下と深く関わっている」、なるほど。
・『要介護リスクを上げるオーラルフレイルとは  加齢とともに、運動機能や認知機能が低下した状態を示す「フレイル」。英語の「Fraility(虚弱)」を語源とし、「身体的フレイル」は体重減少、筋力低下、疲労感を招き、「精神・心理的フレイル」はうつ状態に陥る原因になるといわれる。それらに加えて、口腔機能が低下する「オーラルフレイル」も、重要な老化のサインのひとつとして注目されている。 「オーラルフレイルの高齢者は、舌がうまく回らない滑舌の衰えや、食事中の食べこぼし、食べ物が噛めない、飲み込めないといった嚥下力の低下、突然むせるなどの症状が現れます」 そう話すのは、宝田歯科医院で院長を務める宝田恭子氏。同院には高齢の患者も通っているため、オーラルフレイルに悩む人も多く訪れるという。 「当院で総義歯を作り、しっかり噛めることも確認して帰宅した患者さんの親族の方から、後日『入れ歯を入れたのに、15分近く食べ物を噛み続けていて、なかなか飲み込まない』という相談を受けました。そのほか、虫歯が1本もない50代の患者さんは、喉に違和感を覚えて耳鼻咽喉科を受診したところ、数日前に食べた薄切りのリンゴが咽頭の中間で止まっていた、という話も耳にしました。これらはまさに、飲み込む力が衰えたオーラルフレイルの状態といえます」 入れ歯を入れていたり、虫歯がなく歯がすべて残っていたりしても、加齢によって口腔機能が低下すれば飲み込む力が弱まってしまうのだ。 宝田氏は、患者から受けた相談をきっかけに「歯でモノが噛めれば飲み込める、という考えを改めた」と話す。 「老後も自分の歯で食事ができるのは、とても素晴らしいことです。しかし、健康な歯が残っていても、オーラルフレイルによって嚥下力が落ちると、生きるために必要な栄養が得られず、体力が落ちて身体的フレイルを招きます。また、入れ歯を使用している場合には、『入れ歯安定剤』を使って顎の変化によるゆるみをなくし、しっかり噛める状態にしましょう。オーラルフレイルは誤嚥性肺炎のリスクを高めるといわれていますが、それ以外にも筋肉量が低下する『サルコペニア』などにより、要介護リスクを高める可能性もあるのです」』、「オーラルフレイルは誤嚥性肺炎のリスクを高めるといわれていますが、それ以外にも筋肉量が低下する『サルコペニア』などにより、要介護リスクを高める可能性もある」、なるほど。
・『オーラルフレイルに悩む人の「2つの特徴」  宝田氏によると、オーラルフレイルに悩む人々には“食べ物を噛む歯”と“姿勢”に特徴があるという。 人間の頭蓋骨は、奥歯で食べ物をすりつぶしてから飲み込むように作られています。しかし、嚥下力が低い高齢者の中には、猫背気味の姿勢で、奥歯で噛むのが難しくなって前歯を使うのが癖になってしまう場合があります。そうなると、柔らかいものばかり食べるようになってしまうのです」 偏食は栄養の偏りにつながるので、注意が必要だ。また、猫背はオーラルフレイルのみならず、運動機能のフレイルとも深く関わっている。 「年齢とともに減少する筋肉のなかでも、首や肩甲骨、背中に位置する“僧帽筋”は、何もしなければ45歳から80歳までのあいだに約40%減少します。僧帽筋が減った高齢者は、背筋を伸ばすのが難しくなり、猫背になってしまうのです。その結果、咀嚼力と嚥下力も下がるという悪循環に陥ります」 口腔機能と運動機能のフレイルは、相関関係にあるのだ。それでも「年齢には抗えない」と諦めないでほしい、と宝田氏は強調する。 「フレイルは、要介護になる前に適切な対策を行えば、健康な機能を取り戻せる状態でもあります。フレイル対策として広く知られているのは『3プラス1』という予防法。1つ目はさまざまな食材を食べて栄養状態を良好に保つこと。2つ目は、体力低下を防ぐための適度な運動です。スクワットや、座りながらかかとを上下させる『かかと落とし』も骨を丈夫にして筋肉量もアップするので、運動機能のキープに役立ちます」 そして3つ目は、積極的な社会参加だ。「他者との交流は脳の刺激になり、認知機能の低下を防ぐ」という』、「猫背はオーラルフレイルのみならず、運動機能のフレイルとも深く関わっている。 「年齢とともに減少する筋肉のなかでも、首や肩甲骨、背中に位置する“僧帽筋”は、何もしなければ45歳から80歳までのあいだに約40%減少します。僧帽筋が減った高齢者は、背筋を伸ばすのが難しくなり、猫背になってしまうのです。その結果、咀嚼力と嚥下力も下がるという悪循環に陥ります・・・フレイルは、要介護になる前に適切な対策を行えば、健康な機能を取り戻せる状態でもあります。フレイル対策として広く知られているのは『3プラス1』という予防法。1つ目はさまざまな食材を食べて栄養状態を良好に保つこと。2つ目は、体力低下を防ぐための適度な運動です・・・3つ目は、積極的な社会参加だ。「他者との交流は脳の刺激になり、認知機能の低下を防ぐ」という」、なるほど。
・『口や舌を鍛える「パタカラ体操」  これら3つに加えた“プラス1”に位置づけられているのが、口や舌を鍛えるオーラルフレイル対策だ。 「代表的なオーラルフレイル予防のひとつが『パタカラ体操』。これは『パ』『タ』『カ』『ラ』という4文字を発音する、口の体操です。パは唇、タは舌の先を鍛え、カは喉の奥にチカラを入れて嚥下力を高めます。ラは食べ物をまとめる舌の筋肉を使う発音です。パタカラ体操には、口腔機能を維持するために必要な要素がすべて入っているのです」 「パタカラ」と、それぞれの文字をはっきり発音したり、パパパパ、タタタタ、カカカカ……と連続で発音したりするのが、主なトレーニング方法。宝田氏自身も日頃からパタカラ体操を行っているという。 「私は、マスクをしたまま小声で発音しています。帰宅時の仕事場から駅までを『パの時間』、電車の中では『タの時間』とトレーニング時間を決めているので、忘れずに継続できています。口腔機能が向上すれば、さまざまな食材を食べて体に栄養を送り、強い足腰で社会参加もできるはず。毎日続けましょう」 また、加齢によって衰えがちな、前述の僧帽筋を鍛えると嚥下力アップにつながる、とのこと。 「おすすめは、肩甲骨を動かして僧帽筋に負荷をかけて普段あまり動かしていない筋肉を鍛えるトレーニングです。まず、左右どちらかの腕をまっすぐ前に伸ばし、もう一方の手の親指を脇の下に入れて、残りの指で背中の肩甲骨を抑えます。伸ばした手の中指の先から目を離さず上に上げ、後ろに回す。すると、肩甲骨がしっかり動いているのが確認できます。これを両腕で行います」 そのほか、イスに座る際は骨盤を立てて首と頭を後ろに引き、骨盤を立てる。その際、両足は膝よりもイスの座席側に引いて座ると猫背防止になる。どれも、簡単だからこそ継続しやすい対策だ。 そして宝田氏は、働き盛りの50代からオーラルフレイル対策を含めたフレイル対策に取り組んでほしい、とアドバイスする。 「50代は体力や気力の衰えを感じはじめる時期です。中高年代から肩甲骨回しやパタカラ体操を取り入れると、習慣化しやすくなります。また、虫歯や歯周病のリスクを下げるために、丁寧な歯磨きや定期的な歯科検診も忘れずに。入れ歯を使用しており、取れやすさに不安がある方は、入れ歯安定剤を使う方法もあります。安定剤にはクリームタイプなどさまざまなタイプがあります。歯科医師に相談して決めてもらうのが良いでしょう」 高齢者ではなくても、フレイル対策のスタートに早すぎるということはないようだ。 <識者プロフィール> (宝田恭子氏の略歴はリンク先参照)』、「「代表的なオーラルフレイル予防のひとつが『パタカラ体操』。これは『パ』『タ』『カ』『ラ』という4文字を発音する、口の体操です。パは唇、タは舌の先を鍛え、カは喉の奥にチカラを入れて嚥下力を高めます。ラは食べ物をまとめる舌の筋肉を使う発音です。パタカラ体操には、口腔機能を維持するために必要な要素がすべて入っているのです」 「パタカラ」と、それぞれの文字をはっきり発音したり、パパパパ、タタタタ、カカカカ……と連続で発音したりするのが、主なトレーニング方法。宝田氏自身も日頃からパタカラ体操を行っているという・・・働き盛りの50代からオーラルフレイル対策を含めたフレイル対策に取り組んでほしい、とアドバイスする。 「50代は体力や気力の衰えを感じはじめる時期です。中高年代から肩甲骨回しやパタカラ体操を取り入れると、習慣化しやすくなります。また、虫歯や歯周病のリスクを下げるために、丁寧な歯磨きや定期的な歯科検診も忘れずに。入れ歯を使用しており、取れやすさに不安がある方は、入れ歯安定剤を使う方法もあります。安定剤にはクリームタイプなどさまざまなタイプがあります。歯科医師に相談して決めてもらうのが良いでしょう」、「パタカラ体操」とは面白そうだ。一度、やってみよう。

次に、7月14日付けAERAが転載したダイヤモンド・オンライン「清水 忍:トレーニングジムIPFヘッドトレーナー・アメリカスポーツ医学会認定運動生理学士(ACSM/EP)・健康運動指導士による「「筋トレを頑張っても体脂肪は減らない」ほとんどの人がカン違いしている残酷な事実」を紹介しよう。
https://dot.asahi.com/articles/-/228410?page=1
・『健康的な体づくりには適度な運動をすることが望ましいが、いくら筋トレや有酸素運動をしたとしても、体脂肪を減らす効果はあまり期待できないという。アメリカスポーツ医学会認定運動生理学士が、合理的にダイエットを進めるための基礎知識を伝授する。※本稿は、清水 忍『ロジカルダイエット 3か月で「勝手に痩せる体」になる』(幻冬舎新書)の一部を抜粋・編集したものです』、興味深そうだ。
・『人体の余剰エネルギーは脂肪としてストックされていく  合理的に効率よくダイエットを進めていくには、体脂肪というターゲットがどんな相手なのかを知っておかなくてはなりません。「なぜ」を追求するロジカルダイエットでは、ターゲットである体脂肪の特徴を知り、「なぜ、体に脂肪がついたり落ちたりするのか」を分かっていることがとても重要なのです。そこで、「脂肪がたまるメカニズム/脂肪が減るメカニズム」をここで簡単に整理しておくことにしましょう。 そもそも、人間には、万が一食べられなくなったときのための備蓄エネルギーが必要です。体内に蓄えられるエネルギーは「糖質」か「脂肪」のどちらかなのですが、もともと糖質はほんのちょっとしか蓄えられません。糖質はグリコーゲンというかたちで肝臓や筋肉にストックされるものの、わずか400gほどしか蓄えられず、ちょっと運動でもすればすぐになくなってしまいます。 一方、脂肪は貯蔵に向いたエネルギーです。糖質1gが4kcalなのに対し脂肪は1gで9kcalもあり、大容量のエネルギーを出すことができるうえ、コンパクトに収納できていくらでも蓄えることができます。そのため、人の体はちょっとでも余剰エネルギーがあれば、どんどん脂肪に変換して体内にストックしようとします。すなわち、体内にグリコーゲンとしてためられる容量を超えた糖質が入ってくると、それらをどんどん脂肪に変換して貯蔵しようというメカニズムが働くわけです』、「糖質はグリコーゲンというかたちで肝臓や筋肉にストックされるものの、わずか400gほどしか蓄えられず、ちょっと運動でもすればすぐになくなってしまいます。 一方、脂肪は貯蔵に向いたエネルギーです。糖質1gが4kcalなのに対し脂肪は1gで9kcalもあり、大容量のエネルギーを出すことができるうえ、コンパクトに収納できていくらでも蓄えることができます。そのため、人の体はちょっとでも余剰エネルギーがあれば、どんどん脂肪に変換して体内にストックしようとします。すなわち、体内にグリコーゲンとしてためられる容量を超えた糖質が入ってくると、それらをどんどん脂肪に変換して貯蔵しようというメカニズムが働くわけです」、なるほど。
・『飢えや寒さをしのぐための生存システムが裏目に出た  つまり、ごはん、パン、麺類、お菓子、果物、ジュースなどの糖質を普段からたくさん摂っていると、それらがどんどん脂肪に変換されてエネルギー貯蔵庫へ回されていくことになるのです。 このエネルギー貯蔵庫は体中いたるところにあり、肝臓の細胞にたまれば脂肪肝が進み、内臓の周りにたまれば内臓脂肪が増加し、おなかや太もも、お尻などの皮下にたまれば皮下脂肪となっていきます。 そして、こうした脂肪が増えてくると、脂肪をためこむ細胞のひとつひとつが、まるで水風船がふくらむように膨張していくのです。こうした脂肪細胞の膨張こそが肥満の正体だと言っていいでしょう。 ですから、「なぜ、脂肪がたまるのか」をひと言で言ってしまえば「エネルギーの摂りすぎ」ということになります。 私たち人間が太古の昔から飢えや寒さをしのいで過酷な環境を生き延びてこられたのは、この脂肪を蓄積するエネルギー貯蔵システムがあったおかげだと言っても過言ではありません。しかし、飽食の現代においては、この優れたエネルギー貯蔵システムがあったことが裏目に出て、健康面や美容面でさまざまな問題を引き起こしているということになります』、「このエネルギー貯蔵庫は体中いたるところにあり、肝臓の細胞にたまれば脂肪肝が進み、内臓の周りにたまれば内臓脂肪が増加し、おなかや太もも、お尻などの皮下にたまれば皮下脂肪となっていきます。 そして、こうした脂肪が増えてくると、脂肪をためこむ細胞のひとつひとつが、まるで水風船がふくらむように膨張していくのです。こうした脂肪細胞の膨張こそが肥満の正体だと言っていいでしょう・・・私たち人間が太古の昔から飢えや寒さをしのいで過酷な環境を生き延びてこられたのは、この脂肪を蓄積するエネルギー貯蔵システムがあったおかげだと言っても過言ではありません。しかし、飽食の現代においては、この優れたエネルギー貯蔵システムがあったことが裏目に出て、健康面や美容面でさまざまな問題を引き起こしているということになります」、皮肉なものだ。
・『筋トレや有酸素運動よりも食事のコントロールが第一  次に、脂肪が減るメカニズムのほうを説明しましょう。体脂肪を減らすには、体内のエネルギー貯蔵庫からどんどん脂肪を追い出さなくてはなりません。その追い出し作業を効率よく進めるにはどうしたらいいのかという話です。 倉庫にストックされた脂肪を減らしていくには、まず、食事をコントロールしなくてはなりません。これ以上倉庫にエネルギーがたまらないようにするのはもちろんですが、摂取カロリーを少なくして、倉庫内のエネルギーが次々に使用されて出ていく状況をつくっていかなくてはならないわけです。 摂取カロリーを少なくするだけでなく、消費カロリーを多くすることも大切です。おそらく、消費カロリーを増やすと聞いて、みなさんがまっ先に思い浮かべるのは、筋トレやウォーキング、ジョギングなどの運動でしょう。 ただ、同じ運動でも、筋トレとウォーキングでは「使用されるエネルギー源」がまったく違うのです。 筋トレを行なった際、エネルギー源として消費されるのは実質的にはほぼ糖質です。筋肉や肝臓にストックされたグリコーゲンや血液中のブドウ糖などが消費され、脂肪はほとんど使われません。つまり、筋トレをいくらがんばっても体脂肪は減らないということ。誤解している人がたいへん多いのですが、筋トレは「体脂肪を減らすこと=やせること」にはつながらないわけです。 一方、ウォーキングやジョギング、エアロビクスなどの有酸素運動を行なった場合は、最初糖質と脂肪の混合物が使われ、その後、20分ほど時間が経つと脂肪が優先的に使われるようになります。そのため、「やせたいなら有酸素運動をするほうがいい」と思っている方も数多くいらっしゃいます。 ところが、有酸素運動で消費されるカロリーエネルギーは、期待している量と比べて実際にはごくごくわずかなのです。要するに、筋トレをがんばっていても体脂肪は減らせないし、有酸素運動をがんばっていても期待するような効果は得られない。はっきり言ってしまえば、運動をがんばっていても、それだけではやせられないのです』、「要するに、筋トレをがんばっていても体脂肪は減らせないし、有酸素運動をがんばっていても期待するような効果は得られない。はっきり言ってしまえば、運動をがんばっていても、それだけではやせられないのです」、これが厳しい現実のようだ。
・『いくら筋トレをしたところで脂肪が減らない限り、痩せない  「筋トレではやせない」ということについて、おそらく、みなさんの中には「これまでずっと、せり出したおなかを引っ込ませようと思って腹筋トレをがんばってきたのに……」と、納得のいかない顔をされている方もいらっしゃることでしょう。 でも、どんなに腹筋をやってもやせないのは事実なのです。 それは、大相撲の力士を見れば分かります。お相撲さんたちは、みんなでっぷりとしたおなかを抱えていますよね。言わずもがな、あの立派なおなかのふくらみは分厚い体脂肪によるものです。 しかし、その分厚い体脂肪の下には、鋼のように鍛えられた腹筋が備わっているのです。当たり前ですが、お相撲さんたちはみんな毎日これでもかというくらいのすさまじい稽古をして筋肉を鍛えています。もちろん、腹筋も常人には想像もつかないレベルで鍛え上げています。ところが、それだけ腹筋を鍛えていても、おなかの分厚い脂肪は一向に減っていませんよね。 これが「筋トレで腹筋を鍛えたところでおなかの脂肪は減らない」といういちばんの証拠なのではないでしょうか。 もっとも、みなさんご存じのように、筋トレをしっかり行なえば、筋肉は太く盛り上がってきます。すると、体のたるんでいた部分やだぶついていた部分が引っ張られて、全体に引き締まった感じに見えてくるようになります。これを「シェイプアップ」と呼んでもいいでしょう。 つまり、筋トレには脂肪を減らす効果はないものの、脂肪のたるみを目立たなくさせる効果はあるのです。だから、腹筋トレを毎日一生懸命やっていれば、脂肪は減らなくともおなかが引き締まって見えてくる場合もあります。もともとそんなにたくさんの脂肪をおなかに蓄えていない人であれば、他人から「あれ?やせた?」と錯覚されるかもしれません。 ただ、こういった「シェイプアップ効果」「引き締まったように見える効果」は、正確には「やせた」とは言えません。「やせた」と言えるのは、あくまで体脂肪が減った状態です。「脂肪が落ちてやせた」と「筋肉が発達した」は、生理学的にもまったく違う別々の現象であり、両者を混同することはできないのです。 すなわち、筋トレでどんなにすっきりシェイプアップされたとしても、脂肪が減っていない限り、「やせた」の仲間には入れられないということになります。 (清水 忍:トレーニングジムIPFヘッドトレーナー。アメリカスポーツ医学会認定運動生理学士(ACSM/EP)、健康運動指導士) ロジカルダイエット 3か月で「勝手に痩せる体」になる (幻冬舎新書) 』、「「シェイプアップ効果」「引き締まったように見える効果」は、正確には「やせた」とは言えません。「やせた」と言えるのは、あくまで体脂肪が減った状態です。「脂肪が落ちてやせた」と「筋肉が発達した」は、生理学的にもまったく違う別々の現象であり、両者を混同することはできないのです。 すなわち、筋トレでどんなにすっきりシェイプアップされたとしても、脂肪が減っていない限り、「やせた」の仲間には入れられないということになります」、「シェイプアップ効果」は「「やせた」の仲間には入れられない」ようだ。
タグ:「オーラルフレイルは誤嚥性肺炎のリスクを高めるといわれていますが、それ以外にも筋肉量が低下する『サルコペニア』などにより、要介護リスクを高める可能性もある」、なるほど。 摂取カロリーを少なくするだけでなく、消費カロリーを多くすることも大切です。おそらく、消費カロリーを増やすと聞いて、みなさんがまっ先に思い浮かべるのは、筋トレやウォーキング、ジョギングなどの運動でしょう。 ただ、同じ運動でも、筋トレとウォーキングでは「使用されるエネルギー源」がまったく違うのです。 筋トレを行なった際、エネルギー源として消費されるのは実質的にはほぼ糖質です。筋肉や肝臓にストックされたグリコーゲンや血液中のブドウ糖などが消費され、脂肪はほとんど使われません。 次に、脂肪が減るメカニズムのほうを説明しましょう。体脂肪を減らすには、体内のエネルギー貯蔵庫からどんどん脂肪を追い出さなくてはなりません。その追い出し作業を効率よく進めるにはどうしたらいいのかという話です。 倉庫にストックされた脂肪を減らしていくには、まず、食事をコントロールしなくてはなりません。これ以上倉庫にエネルギーがたまらないようにするのはもちろんですが、摂取カロリーを少なくして、倉庫内のエネルギーが次々に使用されて出ていく状況をつくっていかなくてはならないわけです。 私たち人間が太古の昔から飢えや寒さをしのいで過酷な環境を生き延びてこられたのは、この脂肪を蓄積するエネルギー貯蔵システムがあったおかげだと言っても過言ではありません。しかし、飽食の現代においては、この優れたエネルギー貯蔵システムがあったことが裏目に出て、健康面や美容面でさまざまな問題を引き起こしているということになります」、皮肉なものだ。 ・『筋トレや有酸素運動よりも食事のコントロールが第一 「このエネルギー貯蔵庫は体中いたるところにあり、肝臓の細胞にたまれば脂肪肝が進み、内臓の周りにたまれば内臓脂肪が増加し、おなかや太もも、お尻などの皮下にたまれば皮下脂肪となっていきます。 そして、こうした脂肪が増えてくると、脂肪をためこむ細胞のひとつひとつが、まるで水風船がふくらむように膨張していくのです。こうした脂肪細胞の膨張こそが肥満の正体だと言っていいでしょう・・・ 「糖質はグリコーゲンというかたちで肝臓や筋肉にストックされるものの、わずか400gほどしか蓄えられず、ちょっと運動でもすればすぐになくなってしまいます。 一方、脂肪は貯蔵に向いたエネルギーです。糖質1gが4kcalなのに対し脂肪は1gで9kcalもあり、大容量のエネルギーを出すことができるうえ、コンパクトに収納できていくらでも蓄えることができます。そのため、人の体はちょっとでも余剰エネルギーがあれば、どんどん脂肪に変換して体内にストックしようとします。 すなわち、体内にグリコーゲンとしてためられる容量を超えた糖質が入ってくると、それらをどんどん脂肪に変換して貯蔵しようというメカニズムが働くわけです」、なるほど。 清水 忍『ロジカルダイエット 3か月で「勝手に痩せる体」になる』(幻冬舎新書) ラ体操」とは面白そうだ。一度、やってみよう。 フレイル対策として広く知られているのは『3プラス1』という予防法。1つ目はさまざまな食材を食べて栄養状態を良好に保つこと。2つ目は、体力低下を防ぐための適度な運動です・・・3つ目は、積極的な社会参加だ。「他者との交流は脳の刺激になり、認知機能の低下を防ぐ」という」、なるほど。 イヤモンド・オンライン「清水 忍:トレーニングジムIPFヘッドトレーナー・アメリカスポーツ医学会認定運動生理学士(ACSM/EP)・健康運動指導士による「「筋トレを頑張っても体脂肪は減らない」ほとんどの人がカン違いしている残酷な事実」 ・働き盛りの50代からオーラルフレイル対策を含めたフレイル対策に取り組んでほしい、とアドバイスする。 「50代は体力や気力の衰えを感じはじめる時期です。中高年代から肩甲骨回しやパタカラ体操を取り入れると、習慣化しやすくなります。また、虫歯や歯周病のリスクを下げるために、丁寧な歯磨きや定期的な歯科検診も忘れずに。入れ歯を使用しており、取れやすさに不安がある方は、入れ歯安定剤を使う方法もあります。安定剤にはクリームタイプなどさまざまなタイプがあります。歯科医師に相談して決めてもらうのが良いでしょう」、「パタカ 「猫背はオーラルフレイルのみならず、運動機能のフレイルとも深く関わっている。 「年齢とともに減少する筋肉のなかでも、首や肩甲骨、背中に位置する“僧帽筋”は、何もしなければ45歳から80歳までのあいだに約40%減少します。僧帽筋が減った高齢者は、背筋を伸ばすのが難しくなり、猫背になってしまうのです。その結果、咀嚼力と嚥下力も下がるという悪循環に陥ります・・・フレイルは、要介護になる前に適切な対策を行えば、健康な機能を取り戻せる状態でもあります。 「「代表的なオーラルフレイル予防のひとつが『パタカラ体操』。これは『パ』『タ』『カ』『ラ』という4文字を発音する、口の体操です。パは唇、タは舌の先を鍛え、カは喉の奥にチカラを入れて嚥下力を高めます。ラは食べ物をまとめる舌の筋肉を使う発音です。パタカラ体操には、口腔機能を維持するために必要な要素がすべて入っているのです」 「パタカラ」と、それぞれの文字をはっきり発音したり、パパパパ、タタタタ、カカカカ……と連続で発音したりするのが、主なトレーニング方法。宝田氏自身も日頃からパタカラ体操を行っているという・・ 「「シェイプアップ効果」「引き締まったように見える効果」は、正確には「やせた」とは言えません。「やせた」と言えるのは、あくまで体脂肪が減った状態です。「脂肪が落ちてやせた」と「筋肉が発達した」は、生理学的にもまったく違う別々の現象であり、両者を混同することはできないのです。 すなわち、筋トレでどんなにすっきりシェイプアップされたとしても、脂肪が減っていない限り、「やせた」の仲間には入れられないということになります」、「シェイプアップ効果」は「「やせた」の仲間には入れられない」ようだ。 と比べて実際にはごくごくわずかなのです。要するに、筋トレをがんばっていても体脂肪は減らせないし、有酸素運動をがんばっていても期待するような効果は得られない。はっきり言ってしまえば、運動をがんばっていても、それだけではやせられないのです』、「要するに、筋トレをがんばっていても体脂肪は減らせないし、有酸素運動をがんばっていても期待するような効果は得られない。はっきり言ってしまえば、運動をがんばっていても、それだけではやせられないのです」、これが厳しい現実のようだ。 つまり、筋トレをいくらがんばっても体脂肪は減らないということ。誤解している人がたいへん多いのですが、筋トレは「体脂肪を減らすこと=やせること」にはつながらないわけです。 一方、ウォーキングやジョギング、エアロビクスなどの有酸素運動を行なった場合は、最初糖質と脂肪の混合物が使われ、その後、20分ほど時間が経つと脂肪が優先的に使われるようになります。そのため、「やせたいなら有酸素運動をするほうがいい」と思っている方も数多くいらっしゃいます。 ところが、有酸素運動で消費されるカロリーエネルギーは、期待している量 「口腔機能の衰えを指す「オーラルフレイル」は、さまざまな機能の低下と深く関わっている」、なるほど。 (その28)(「数日前に食べたリンゴがノドに…」高齢者を襲う“虚弱”現象、どうすれば防げるのか?、「筋トレを頑張っても体脂肪は減らない」ほとんどの人がカン違いしている残酷な事実) 健康
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子育て(その7)(「待てたらお菓子をもう1個」で我慢できずに食べてしまった保育園児の末路、養老孟司×ヤマップ春山対談「こどもを野に放て」 思い通りにならない自然と折り合いをつける力、「はじめてのおつかい」"虐待"批判が吹き飛ぶ凄み 令和になっても"国民的番組"であり続ける背景) [生活]

子育てについては、本年2月12日に取上げた。今日は、(その7)(「待てたらお菓子をもう1個」で我慢できずに食べてしまった保育園児の末路、養老孟司×ヤマップ春山対談「こどもを野に放て」 思い通りにならない自然と折り合いをつける力、「はじめてのおつかい」"虐待"批判が吹き飛ぶ凄み 令和になっても"国民的番組"であり続ける背景)である。

先ずは、昨年12月7日付けダイヤモンド・オンラインが掲載した心理学博士・MP人間科学研究所代表の榎本博明氏による「「待てたらお菓子をもう1個」で我慢できずに食べてしまった保育園児の末路」を紹介しよう。
https://diamond.jp/articles/-/332986
・『「勉強ができるようになりたい」と願う人は多いだろう。持って生まれた知能が素晴らしくても、それだけでは勉強ができるようにはならない。知能の発達に加え、非認知能力を高めることが必要になる。非認知能力の中核である「自己コントロール力」とは、具体的にはどのような能力なのだろうか。 ※本記事は『勉強ができる子は何が違うのか』から抜粋・再編集したものです』、興味深そうだ。
・『自己コントロール力~目の前の欲求を我慢できるか?  知的能力が同じ子どもであっても、成績に差が付くのはなぜか。いくら知的能力が高くても、やる気や忍耐力がなければ学力は向上せず、その成果としての成績も良くならないだろう。自己コントロール力についての実験の原点と言えるのが、心理学者ミシェルたちが行った「マシュマロ・テスト」だ。 子どもにマシュマロを見せて、今すぐ食べるなら一個あげるが、研究者がいったん席を外して戻るまで待てたら二個あげると告げ、待つことができるか、それとも待てずに食べてしまうかを試すものである(詳しくは前回記事を参照)。 ミシェルはこの実験について、「先延ばしされたものの、より価値のある報酬のために、未就学児が自らに課した、即時の欲求充足の先延ばしパラダイム」であるとしている。先延ばしされたものの、より価値のある報酬のために、即時の欲求充足を先延ばしする、というのがちょっとわかりにくいかもしれないので、この本のテーマである勉強ができるということと絡めて、より具体的に説明してみよう。 たとえば、宿題をしないといけないのに、近所の友だちから遊びに誘われたとする。ここでの即時の欲求充足とは、友だちの誘いに応じて今すぐ遊びに行ってしまうことを指す。でも、それをしてしまうと、明日学校で先生から叱られるし、学期末の成績に悪影響がある。 この場合、先延ばしされたものの、より価値のある報酬というのは、今すぐの欲求充足を我慢して、友だちの誘いを断り宿題をすれば、明日先生からほめられる、あるいは叱られずにすむし、その日に習った内容の理解が進み学期末の成績に好影響が期待できることを指す。 このような状況で、友だちの誘いに乗って遊びに行くという目の前の欲求充足を我慢できるかどうかということである。 あるいは、もうすぐ定期試験があり、これまでに習ったことを復習するという準備勉強をしないといけないのに、好きなサッカーの国際試合がテレビで連日放映されるとする。 ここでの即時の欲求充足とは、好きなサッカーの国際試合を見たいという誘惑に負けてテレビを見てしまうことを指す。でも、それをしてしまうと、定期試験の準備勉強が疎かになり、良い成績を取ることができなくなってしまう。先延ばしされたものの、より価値のある報酬というのは、今すぐの欲求充足を我慢して、テレビでサッカーの国際試合を見るのを諦め定期試験の準備勉強をすれば、定期試験で良い点数を取ることができ、学期末の成績が良くなると期待できることを指す。) このように、明日にしろ学期末にしろ、より大きな将来の欲求充足のために、今すぐの欲求充足を我慢できるかどうかで、勉強ができるようになるかどうかが決まってくるというわけである。 学力を高め、試験で良い成績を取るためには、宿題をやったり、試験の準備勉強をしっかりやったりすることが必要である。それなのに、宿題をしなければいけないことはわかっているのに友だちから誘われると宿題を投げ出して遊びに行ってしまったり、試験の準備勉強をしないといけないことはわかっているのにテレビばかり見てしまったりするようでは、学力を身につけ良い成績を取るのは難しい。 そこで問われるのが抑制能力、つまり長期的な欲求充足のために即時の欲求充足行動を抑制する能力である。これまでは、学業成績の基盤となるものとして知能が注目されることはあっても、抑制能力のような非認知能力が注目されることはなかった。ただし、教育現場に身を置く人たちは、日常の生活場面における抑制能力の重要性を痛感しているはずである』、「教育現場に身を置く人たちは、日常の生活場面における抑制能力の重要性を痛感しているはずである」、なるほど。
・『欲求充足の先延ばしができる子どもの将来は?  前回の記事で紹介したように、ミシェルの追跡調査によれば、マシュマロ・テストで欲求充足を先延ばしできた子は、およそ10年後に、欲求不満を覚えるような状況において、他の人たちより強い自制心を示す青年になっていた。つまり、子どもの頃に、より大きな欲求充足のために目の前の欲求充足を先延ばしすることができた者は、10年経っても相変わらず誘惑に負けにくく、ストレスにさらされてもあまり取り乱すことがなく、また目標に向かって計画的に行動できることが確認されたのである。 さらには、そのような欲求充足の先延ばしができる者は、成人後の20代後半になっても、長期的目標の追求やその達成が得意で、そのため高い学歴を獲得し、衝動的に危険薬物に手を出すこともなく、食生活でも抑制できるため肥満指数が低いことが確認されている。 その後も、多くの調査研究により、欲求充足を必要に応じてコントロールできる能力の重要性が確認されている。 たとえば、心理学者モフィットは、1000人の子どもたちを対象に、生まれたときから32年間にわたって追跡調査を行うことで、子ども時代の自己コントロール力が将来の健康や富や犯罪を予測することを確認している。 具体的には、我慢する力、衝動をコントロールする力、必要に応じて感情表現を抑制する力など、自己コントロール力が高いほど、大人になってから健康度が高く、収入が高く、犯罪を犯すことが少ないことがわかったのである。これは直接学力への影響に焦点づけたものではないが、アメリカは能力によって収入に大きな格差がつく社会なので、収入の高さなどは学力の高さを示唆するものとも考えられる』、「心理学者モフィットは、1000人の子どもたちを対象に、生まれたときから32年間にわたって追跡調査を行うことで、子ども時代の自己コントロール力が将来の健康や富や犯罪を予測することを確認している。 具体的には、我慢する力、衝動をコントロールする力、必要に応じて感情表現を抑制する力など、自己コントロール力が高いほど、大人になってから健康度が高く、収入が高く、犯罪を犯すことが少ないことがわかったのである」、「子ども時代の自己コントロール力」の高さが、「大人になってから健康度が高く、収入が高く、犯罪を犯すことが少ないことがわかった」、なるほど。
・『自己コントロール力の向上が学業成績につながっていく  非認知能力の中核をなすのは自己コントロール力である。必要に応じて自分の心の状態を適切にコントロールすることは、勉強や仕事に取り組む際にも、人間関係上でも、必要不可欠と言ってよい。 子ども時代の自己コントロール力に関する多くの先行研究の結果を検討したロブソンたちは、子どもの頃の自己コントロール力によって、その後の学業成績や人間関係の良好さ、問題行動や抑うつなどの病的傾向、失業などを予測できることを確認している。中学生を対象とした追跡調査でも、自己コントロール力の向上がその後の学業成績につながっていくことが確認されている。 このように学業も含めて将来社会的にうまくやっていけるかどうかと関係しているとみなされる自己コントロール力だが、これを測定する心理尺度がタングニイたちによって開発されており、その短縮版の日本語訳も心理学者の野崎優樹たちによって作成されている。以下にその自己コントロール尺度短縮版の日本語訳を示すので、自己コントロール力とは具体的にどんな能力なのかをイメージしてほしい。 わかりやすいように、まず前半に自己コントロール力の高い人があてはまる項目を並べ、後半に自己コントロール力の低い人があてはまる項目を並べてみる。 自己コントロール力の高い人があてはまる項目 ・自分にとってよくない誘いは、断る ・誘惑に負けない ・自分に厳しい人だと言われる ・先のことを考えて、計画的に行動する  自己コントロール力の低い人があてはまる項目 ・悪いクセをやめられない ・だらけてしまう ・場にそぐわないことを言ってしまう ・自分にとってよくないことでも、楽しければやってしまう ・もっと自制心があればよいのにと思う ・集中力がない ・よくないことと知りつつ、やめられない時がある ・他にどういう方法があるか、よく考えずに行動してしまう ・趣味や娯楽のせいで、やるべきことがそっちのけになることがある  前半の項目の多くが自分にあてはまり、後半の項目の多くが自分にあてはまらないという人は、自己コントロール力の高い人ということになる。反対に、前半の項目の多くが自分にあてはまらず、後半の項目の多くが自分にあてはまるという人は、自己コントロール力の低い人ということになる。  自分に厳しく、だらけることがなく、自制心があり、誘惑に負けず、集中力があり、やるべきことをさぼることなく、先のことを考えて計画的に行動することができれば、必要な勉強はしっかりこなし、ここぞというときに頑張ることができるため、学力を高め、その結果として良い成績を取れるのは目に見えている。 反対に、自分に甘く、すぐにだらけてしまい、自制心が乏しく、つい誘惑に負けてしまい、集中力がなく、やるべきこともついさぼってしまい、計画してもなかなかその通りにできない場合は、必要な勉強も疎かになりがちで、学力を高めることができず、良い成績を取ることは期待できない。 こうしてみると、勉強ができるようになるには、自己コントロール力を高めることがいかに大切かがわかるだろう』、「前半の項目の多くが自分にあてはまり、後半の項目の多くが自分にあてはまらないという人は、自己コントロール力の高い人ということになる。反対に、前半の項目の多くが自分にあてはまらず、後半の項目の多くが自分にあてはまるという人は、自己コントロール力の低い人ということになる・・・自分に厳しく、だらけることがなく、自制心があり、誘惑に負けず、集中力があり、やるべきことをさぼることなく、先のことを考えて計画的に行動することができれば、必要な勉強はしっかりこなし、ここぞというときに頑張ることができるため、学力を高め、その結果として良い成績を取れるのは目に見えている。 反対に、自分に甘く、すぐにだらけてしまい、自制心が乏しく、つい誘惑に負けてしまい、集中力がなく、やるべきこともついさぼってしまい、計画してもなかなかその通りにできない場合は、必要な勉強も疎かになりがちで、学力を高めることができず、良い成績を取ることは期待できない。 こうしてみると、勉強ができるようになるには、自己コントロール力を高めることがいかに大切かがわかるだろう」、なるほど。
・『自己コントロール力の発達には幼児期が重要  自己コントロール力が高くないと社会適応に困難をきたすことは容易に想像できる。たとえば、自分の感情をうまくコントロールできなければ、人間関係が安定せず、信頼関係も築きにくいし、トラブルが絶えないといったことにもなりがちだ。また、自分の気持ちをうまくコントロールできなければ、勉強に限らずスポーツでも芸術でも、目標に向けて忍耐強く努力を続けることができず、すぐに誘惑に負けてさぼったり、思い通りにならないとすぐに落ち込んでやる気をなくしたりといったことにもなりがちである。 ここから言えるのは、子どもの頃、とくに幼児期において、自己コントロール力の発達を促進するような働きかけをすることが非常に大切だということである。親など周囲の人たちからそのような働きかけをしてもらえないと、自己コントロール力が未熟なままということもあり得る。目の前の子どもが喜ぶ笑顔を見たいなどといって将来のことを考えずに甘やかす親だと、そのようなことが起こりがちだ。その場合は、自分自身で自己コントロール力を意識して鍛える必要があるだろう。 主に成人を対象とした調査研究により、自己コントロール力は年齢の上昇に伴って高くなっていくことが示されている。これは自己コントロール力が成人後も発達していくことを示唆するものであり、幼児期・児童期にうまく発達していなくても、中高生や大学生になってからでも十分鍛えることができることを意味する』、「子どもの頃、とくに幼児期において、自己コントロール力の発達を促進するような働きかけをすることが非常に大切だということである。親など周囲の人たちからそのような働きかけをしてもらえないと、自己コントロール力が未熟なままということもあり得る。目の前の子どもが喜ぶ笑顔を見たいなどといって将来のことを考えずに甘やかす親だと、そのようなことが起こりがちだ・・・自己コントロール力が成人後も発達していくことを示唆するものであり、幼児期・児童期にうまく発達していなくても、中高生や大学生になってからでも十分鍛えることができることを意味する」、なるほど。
・『モチベーションを高く維持できるかどうかで成果が変わる  学校での学習活動にやる気をもって取り組めるかどうかには、非認知能力が大いに関係しているが、とくに重要となるのが、モチベーションを高める能力である。勉強に限らずスポーツや音楽などの趣味的な活動でも、モチベーションを高めて取り組むことが大切であることは、だれもが頭ではわかっているはずだ。 それはわかっていても、なかなかモチベーションが高まらないこともあるだろう。結局のところ、モチベーションというのは気持ちの問題である。いくら頭でわかっていても気持ちがついていかなければモチベーションは高まらない。このようにモチベーションには理屈よりも気持ちの面が大きいことを考えると、気持ちのコントロールがいかに重要かがわかるだろう。 もちろん日頃からモチベーションを高く維持しながら勉強に取り組むことができるかどうかによっても、学力は大きく左右される。だらだらするよりもやる気をもって取り組む方が有効な学習になるのは当然である。 でも、非認知能力の一つである自分の気持ちをコントロールする力が、いきなり身につくわけではない。そこで問われるのがメタ認知能力である。ここの文脈で言えば、モチベーションを高める方法を知っているかどうかである。自分の心の中にやる気を燃やすコツを心得ているかどうかということである。メタ認知能力については次回で詳しくみていく』、「モチベーションには理屈よりも気持ちの面が大きいことを考えると、気持ちのコントロールがいかに重要かがわかるだろう。 もちろん日頃からモチベーションを高く維持しながら勉強に取り組むことができるかどうかによっても、学力は大きく左右される。だらだらするよりもやる気をもって取り組む方が有効な学習になるのは当然である・・・自分の心の中にやる気を燃やすコツを心得ているかどうかということである」、なるほど。

次に、4月2日付け東洋経済オンラインが掲載した解剖学者の養老 孟司氏と ヤマップCEOの 春山 慶彦氏の対談「養老孟司×ヤマップ春山対談「こどもを野に放て」 思い通りにならない自然と折り合いをつける力」を紹介しよう。
・『都市化が進み、生活空間が人工物で囲まれ、自然と直に接することが極端に少なくなっている昨今、その弊害も多く語られています。 そこで、「知性を育むには、まず自然の中で感覚を磨くことが重要」と主張する解剖学者の養老孟司さんと、登山人口の半数以上が使用すると言われる登山地図アプリを起点に、アウトドアビジネスを急拡大させているベンチャー企業・ヤマップCEO、春山慶彦さんが対談。 ChatGPTに代表される生成AIの時代に、今こどもたちにとって本当に必要なことは何かお話しいただきました(本記事は『こどもを野に放て!AI時代に活きる知性の育て方』から一部抜粋・再構成したものです)』、興味深そうだ。
・『自然の中に身を置くだけで、こどもたちは十分学んでいる  春山現代の日本の教育において、自然体験はそれほど重要視されていない、どちらかというと脇に置かれてしまっているような気がしています。 特に最近では、英語やプログラミングなど、早い段階から知識を詰め込む傾向がより強くなっているのではないでしょうか。 養老明治時代に日本が学校教育をはじめたときは、野育ちのこどもたちを集めて、「おとなしく、じっと座っていなさい」という教育でした。 ところが今の子は、テレビやパソコンのモニターを見て、おとなしくじっと座っている方が多いわけでしょう。そうすると、学校で先生の話を聞いているだけで受け身になりがちです。 そういう明治以来のおとなしく座らせる教育で、どこまで学習というものが成り立つのか、疑問です。 結局、こどもを集めて静かにさせておくのが楽だからということだと思いますが、元来、こどもはじっと静かにしていられない。だから、それを無理やりやらせているという意味では、ほとんど「虐待」ではないかと思います。 極端なことを言うようですが、学校はいわゆる「遊ぶ」ところにしてしまって、学業は家でやるということにしてしまった方がいいくらいではないですか』、「明治以来のおとなしく座らせる教育で、どこまで学習というものが成り立つのか、疑問です。 結局、こどもを集めて静かにさせておくのが楽だからということだと思いますが、元来、こどもはじっと静かにしていられない。だから、それを無理やりやらせているという意味では、ほとんど「虐待」ではないかと思います」、なるほど。
・『春山そうですね。そろそろ、学校や教育の役割を時代に合わせて変えていく時期に来ているのではないかと思います。 たとえば、学校をもっと自然の中に開いていく。 こどもたちを学校という人工的な箱の中にずっと閉じ込めておくのではなく、教室を出て、自然の中に連れて行くようになればいいですね。 養老学ぶというと、意識的に何かを取り入れるというふうに思ってしまいますが、そうではなくて、自然の中で身体を動かすことで無意識に教育を受けているわけです。 以前、岡山県の新見というところにある小学校に行って、こどもたちと遊んできたことがあります。一応口実がないといけないので、虫捕りを教えるみたいなふりをしてね。 雨が降ってしまったので、結局、虫は捕りませんでしたが、実際は単に遊びに行くだけなんです。こどもたちは、ほっとけば遊んでますから。 春山先生は、小学校に出向いてこどもたちに虫の話をするということを、よくやっていらっしゃるんですか。 養老機会があればね。それは別に虫の話をするのではなくて、できるだけ外で遊ばせてやろうと。言ってみれば、学校の邪魔をしているんです(笑)。 「遊び」と言うけれども、やはり人間も他の動物と同じ生きもので、本来はそういう自然環境の中で生きてきたわけですから、そこへ戻る、そこで必要なものをまず学んでくるということですね。 僕なんかへそ曲がりみたいにこどものときからずっと虫をやっていますから、虫の目で世界を見て、おかげさまでいろんなことが考えられるわけです。 春山そういう自然体験を通して、自分のいのちが地球とつながっているということを身体で理解できれば、風土への思いや自然環境への感性が自ずと育っていくと思います』、「やはり人間も他の動物と同じ生きもので、本来はそういう自然環境の中で生きてきたわけですから、そこへ戻る、そこで必要なものをまず学んでくるということですね。 僕なんかへそ曲がりみたいにこどものときからずっと虫をやっていますから、虫の目で世界を見て、おかげさまでいろんなことが考えられるわけです」、なるほど。
・『まず身体性を磨くことが大事  養老僕の知り合いに﨑野隆一郎さんという人がいて、夏休みになるとこどもたちを何もない森の中に連れて行って30泊31日過ごさせるというプログラムを、もう30年くらいやっています。 僕も時々、このキャンプに顔を出して、一緒に虫捕りをしていますが、参加する子たちは、まずはスマホを没収されて、山のサバイバル生活に放り込まれます。) 朝は日の出とともに起きて、100段の階段を登ったところにある水場で水を汲くみ、一から火を起こして食事をつくります。うまく火を起こせなければ、自分たちが食べるものはありません。 とにかく自分で身体を動かさないと生きていけないというスパルタなキャンプで、大人が手取り足取り教えるようなこともしない。 一食ぐらい食べられなくても、大したことはないのですが、こどもたちはそうなったら大変だと、目の色を変えて、本気で取り組みます。﨑野さんは「一日やったら、こどもたちは慣れますよ」と言ってましたけどね。 このキャンプで彼らが何を学ぶかというと、一番は身体性ですね。 自然に親しむも何も、人間にとって、自分の身体は最も身近な自然です。自然というものは思うようにはならないということを、こうしたキャンプを通してあたりまえのように親しんでしまうわけですね。 春山そのキャンプで過ごす前と後とで、こどもたちはどう変わっていくのでしょうか。 養老﨑野さんは、このプログラムを全国展開したいということで、説得材料としてキャンプに参加しているこどもたちの血液検査をしたりホルモンを測定したりしています。 今はそういうふうにデータを出さないとなかなか理解してもらえないのかもしれませんが、そもそもこどもをそうやって野山の中で自由に遊ばせていれば元気になるに決まっています。 それなのにエビデンスが必要だと言う人を説得するなんて、僕自身はやりたくないですね。「自分でやってみればわかりますよ」と。それで終わりです。 春山確かにそうですね。データがなくても、自分で実際にやってみれば身体を使う気持ちよさや、自然の中で過ごす意義も実感としてわかるはずです』、「養老僕の知り合いに﨑野隆一郎さんという人がいて、夏休みになるとこどもたちを何もない森の中に連れて行って30泊31日過ごさせるというプログラムを、もう30年くらいやっています。 僕も時々、このキャンプに顔を出して、一緒に虫捕りをしていますが、参加する子たちは、まずはスマホを没収されて、山のサバイバル生活に放り込まれます。) 朝は日の出とともに起きて、100段の階段を登ったところにある水場で水を汲くみ、一から火を起こして食事をつくります。うまく火を起こせなければ、自分たちが食べるものはありません。 とにかく自分で身体を動かさないと生きていけないというスパルタなキャンプで、大人が手取り足取り教えるようなこともしない・・・今はそういうふうにデータを出さないとなかなか理解してもらえないのかもしれませんが、そもそもこどもをそうやって野山の中で自由に遊ばせていれば元気になるに決まっています。 それなのにエビデンスが必要だと言う人を説得するなんて、僕自身はやりたくないですね。「自分でやってみればわかりますよ」と。それで終わりです」、なるほど。
・『わからないままにしておく力を身につける  養老身体や脳のいろいろなデータを測って、それを基に教育政策を考えるのは、ちょっと危険な気がしますね。 現代の医療もそのような傾向が強くなっています。医者は目の前にいる患者の身体より、検査で出てきた数字だけを見て、その数値を正常値に戻すことが仕事になってしまっている。 でも、そんなことをしなくても、当人が元気で動いていればいいんですよ。) 春山つまり、部分部分でしか物事を見なくなっているということでしょうか。 養老そうです。検査の数値結果から、薬を飲む、手術をする、あるいは生活習慣を改善する、などと決められていく。これから医療分野でAIの活用が進めば、ますますその傾向は進むでしょうね。データをすべて否定するということではありませんが、それだけを判断材料にするのはどうかと思います。 そう言えば、おもしろい統計があって、しょっちゅう医者にかかるグループとかからないグループで分けると、医者にかかっているグループの方が死亡率が高いのです。 もちろん、必要に応じて病院を受診することは大切です。でも、心配だからと言って何でもかんでも医者に診てもらうのは、やり過ぎです。僕はできるだけ、そういう余計なことをしないようにしています。 これは医療の話だけではなくて、教育でも、成績をデジタル管理して、個人の能力を数値化しようとしていますね。でも、自然体験で身につく力は、数値で測ることなどできません。 春山同感です』、「しょっちゅう医者にかかるグループとかからないグループで分けると、医者にかかっているグループの方が死亡率が高いのです・・・必要に応じて病院を受診することは大切です。でも、心配だからと言って何でもかんでも医者に診てもらうのは、やり過ぎです。僕はできるだけ、そういう余計なことをしないようにしています」、なるほど。
・『偏差値教育はやめた方がいい  養老やはり、偏差値教育をやめないといけないと思いますね。また虫捕りの話になりますが、虫捕りをやれば、努力、根性、辛抱は、必ず身につきますよ。 一匹も捕れなくても、「今日はダメでも明日こそは」と、待つのがあたりまえですから。そうやってようやく捕まえたときのよろこびを、今のこどもたちにも味わってほしいですね。 虫捕りは遊びですが、農作業などで日常的に自然とつきあう必要があった昔の人は、辛抱や努力する性質を持っていたはずで、身体を使って暮らしを営むというのが、本来の姿だったろうと思います。 天気一つとっても、人間はコントロールすることができません。 思い通りにならない自然となんとか折り合いをつけるためには、地道な努力や、予測できないことを受け入れ、わからないことは「まあ、こんなものだろう」と空白のままにしておかなければならないのです。 春山そうですね。自然と触れ合うことで、こどもたちに自分の身体で実感してほしいですね。 (養老孟司氏の略歴はリンク先参照)、(春山慶彦氏の略歴はリンク先参照)』、「虫捕りをやれば、努力、根性、辛抱は、必ず身につきますよ・・・天気一つとっても、人間はコントロールすることができません。 思い通りにならない自然となんとか折り合いをつけるためには、地道な努力や、予測できないことを受け入れ、わからないことは「まあ、こんなものだろう」と空白のままにしておかなければならないのです」、その通りだ。

第三に、7月15日付け東洋経済オンラインが掲載したコラムニスト・人間関係コンサルタント・テレビ解説者の木村 隆志氏による「「はじめてのおつかい」"虐待"批判が吹き飛ぶ凄み 令和になっても"国民的番組"であり続ける背景」を紹介しよう。
・『7月15日の19時から、3時間特番「はじめてのおつかい 笑って泣いて夏の大冒険SP 2024」(日本テレビ系)が放送されます。 同番組は初めて1人だけのおつかい挑む子どもたちに密着した、ほっこり系のドキュメントバラエティ。スタートした1991年から今年で33年目を数え、ほぼ年2回ペースで放送。2年前にはNetflixでの世界配信がはじまり、反響の大きさが報じられたほか、この企画をビジネスにした会社もあるなど、誰もが知るコンテンツとして定着した感があります。 「はじめてのおつかい」は、子どもが1人おつかいをするだけの極めてシンプルな内容ながら、なぜ長年にわたって支持を得られているのでしょうか。主に制作サイドの事情と社会の背景から、強みとリスクを分析。さらに、日本人の変化や令和の現実、視聴者への意外な影響などを掘り下げていきます』、「スタートした1991年から今年で33年目」、そんな長寿番組だとは初めて知った。
・『親子ともに「はじめて」の緊張感  まず子どもが1人でおつかいをするだけの極めてシンプルな内容ながら、なぜ長年にわたって支持を得られているのか。 はじめてのおつかいに挑む子どもたちの年齢は2~6歳程度。「まだ文字が読めない」「会話での意思疎通も十分ではない」という子どもがほとんどであり、メモが使えないなどのルールも含めてハードルが高く、本人たちにとっては「はじめて」であるとともに「人生最大のチャレンジ」になることがハラハラドキドキのベースになっています。) 一方、それを見守る親にとっても、子どもを1人で送り出すのは「はじめて」であり、「子育てにおける最大のチャレンジ」と言っていいでしょう。実際、番組では子どもを送り出したあとに心配でそわそわし、帰ってきたら涙をこぼして抱きしめる親の姿がはっきりと映されています。 また、そんな不安や安堵がにじむ親の姿を見て感動し、自分の子どもと重ね合わせる視聴者が少なくありません。もともと同番組には「子どもの成長や自立を見守る」「親子や育児のあり方を考える」という社会的な大義名分もあるため、視聴者とスポンサーの評判が極めていいという状態が続いています。 支持を得ている背景として見逃せないのは、制作サイドの配慮と努力。シンプルな内容だからこそ構成・演出でのごまかしが利かず、さまざまな配慮と努力を重ねることで番組が成立しているのです。 最初の配慮と努力は、「一定のあやうさを感じさせながらもおつかいが成立しそうな子どもを見つける」こと。あまり「やりたくない」という子どもにやらせてはいけないし、それは多くの子に会ってみないとわからないでしょう。親は「ウチの子をぜひ」とやらせたがるだけにスタッフサイドの見極めが求められますし、だから同番組は出演家族を大々的に募集していません。 次の配慮と努力は、「大人がメインの番組以上に安全面で最大限の注意を徹底しなければいけない」こと。事故は万が一にもあってはいけないため、ルートの選定から、地元住民への説明と理解、当日の警備などで万全を期し、予測不可能な子どもの動きに対応できる体制を整えています』、特に「事故」防止の苦労は並大抵ではないだろう。
・『長寿番組につながった制作スタンス  安全面に気をつけたうえで重要なのは、「絶対にバレないように撮影しなければいけない」こと。子どもたちはいつ出発するかすらわからず、泣き出して中断することも多いだけに、制作サイドには集中力と忍耐が求められますし、変装、撮り方、トラブル時の声かけなど、1つひとつの行動に細心の注意が払われています。 さらに制作サイドの努力を裏付けるのは、「それだけ苦労して撮っても、番組内で放送できるのは10~20%程度にとどまる」こと。おつかいが成立したケースでも、ゴールデンタイムのバラエティとして見てもらえるドラマ性や感動がなければ放送は見送らざるを得ません。 また、放送できなかった家族へのアフターフォローを欠かさないところも出演者に寄り添った配慮の1つでしょう。 それ以外でも制作サイドは、安全に配慮したロケであることを感じさせるために「スタッフの姿をあえて映り込ませる」などのさまざまな工夫を施していますが、それでも「あぶない」「かわいそう」などの批判があがってしまうのがキッズドキュメントの難しいところ。) シンプルな内容のため簡単にマネできそうに見えて、実はどんな番組よりもそれが難しく、続けていくのはさらに難しい。他局のスタッフがマネしようと思ってもできないのです。 特筆すべきは、「これだけ配慮と努力が求められる番組を長年放送し続けている」こと。もし制作サイドが視聴率獲得を優先していたら、短期的にはより好結果が得られたかもしれない一方で、33年もの長期にわたって継続できなかったのではないでしょうか。 これまで制作サイドは「ある時期の一度しか見られない家族の物語を記録する」という謙虚かつ誠実な撮影・編集のスタンスを変えていません。 テレビ番組のスタッフは「より収益を得る(視聴率を上げる)ために、より長く続けていくために、ここを変えよう」としがちですが、当番組からはいい意味でそんなスタンスを感じないのです。 営業的な色気を出さず、純国産のキッズドキュメントを撮り続けるプロフェッショナルな仕事が長寿番組につながっているのでしょう』、「番組のスタッフは「より収益を得る(視聴率を上げる)ために、より長く続けていくために、ここを変えよう」としがちですが、当番組からはいい意味でそんなスタンスを感じないのです。 営業的な色気を出さず、純国産のキッズドキュメントを撮り続けるプロフェッショナルな仕事が長寿番組につながっているのでしょう」、その通りだ。
・『おつかいの減少と防犯意識の高まり  ただ、「はじめてのおつかい」は、制作サイドの配慮と努力によってすべてが順風満帆かといえば、そうとは言いづらいところがあります。 かつて日本人にとっておつかいは日常の一つであり、子どもに頼む親が少なくありませんでした。しかし、厚生労働省の調査で「子どものお手伝いは、部屋や風呂などの掃除、洗濯物を干す・たたむなどが多く、おつかいは減っている」という結果が発表されたことがあるように(「21世紀出生児縦断調査」2022年)、親子の行動や意識が大きく変わっています。 真っ先にあげられるのは、買い物に対する行動や意識の変化。キャッシュレス化、ネットショッピングでの自宅配送、大型スーパーでのまとめ買いなどが浸透し、以前よりも近所での買い物自体が減りました。 たとえば、何か足りなくなったものがあってもネットで買えば翌日には届くなど、「子どもにおつかいを頼む」という必然性が薄れています。また、地元住民を対象にした人情豊かな商店街が減っていることも、おつかいが減った一因でしょう。) もう1つ、おつかいが減った理由としてあげられるのは、防犯意識の高まり。子どもに防犯ベルを持たせることが普通になったように、もはや親に「かわいい子には旅をさせよ」という意識ではなく、事故や犯罪に巻き込まれない安全第一の姿勢が浸透しています。 不審者の存在に加えて、子どもを見守る大人の目が減ったこと。歩きスマホやヘッドホン着用、電動キックボードやモペットなどの危険も加わり、「幼い子どもを1人で出かけさせることに抵抗がある」という親が多くを占めるようになりました。 とりわけ都会になるほど防犯意識が高く、「はじめてのおつかい」の撮影も難しくなります。たとえば商店街で撮影しようとしても、「許可が下りない」「苦情が入る」「盗撮されやすい」などの困難があり、理解と協力を得るのは簡単ではありません。 実際、今回の放送で予定されているエピソードは、茨城県結城市、兵庫県宍粟市、宮城県仙台市、山梨県富士吉田市、沖縄県石垣島、愛媛県伊予市、静岡県袋井市、愛媛県愛南町と地方ばかりで、そのほとんどがのどかな田舎町。都心で生きる人々にとって「はじめてのおつかい」は、「遠い世界の話」「一昔前の家族」と別世界のように醒めた目線で見ている人もいるようです』、「不審者の存在に加えて、子どもを見守る大人の目が減ったこと。歩きスマホやヘッドホン着用、電動キックボードやモペットなどの危険も加わり、「幼い子どもを1人で出かけさせることに抵抗がある」という親が多くを占めるようになりました。 とりわけ都会になるほど防犯意識が高く、「はじめてのおつかい」の撮影も難しくなります。たとえば商店街で撮影しようとしても、「許可が下りない」「苦情が入る」「盗撮されやすい」などの困難があり、理解と協力を得るのは簡単ではありません・・・そのほとんどがのどかな田舎町。都心で生きる人々にとって「はじめてのおつかい」は、「遠い世界の話」「一昔前の家族」と別世界のように醒めた目線で見ている人もいるようです」、時代の変遷ばかりはどうしようもない。
・『Netflixでの海外配信の反応と本音  しかし、地方でのロケだからこそ「はじめてのおつかい」の牧歌的な世界観が保たれるとともに、ノスタルジーや旅情を感じさせ、さらに地域のプロモーションにも貢献できるなどのメリットも少なくありません。Netflixで海外配信されれば外国人に向けたPRにもなるため、子どもがおつかいで買うものも地元の名産品が選ばれるケースが目立っています。 では、その海外配信による反応はどうなのか。 当初は感動や畏敬と同時に、懸念や批判の声も多く、まさに賛否両論というムードがありました。子どもを1人きりにさせるだけで児童虐待にあたる国や地域の人びとにとっては、「信じられない」「絶対にダメ」なこととして認められないのも無理はないでしょう。 ただ、それが国際的に問題視されているという深刻な状態ではありませんでした。当初から日本人の価値観や習慣を理解しようとしない一部の声を切り抜くような記事で騒がれていただけ。 「日本ではおつかいが子どもの成長の証しという価値観」を理解はできないけど否定はせず、治安のいい日本への軽い嫉妬に近いニュアンスが感じられました。) 海外配信スタートから現在までの2年あまり、「虐待だ」などの強烈な批判や問題提起は見られないことから、日本の価値観や習慣が世界の人びとにジワジワと伝わっているのかもしれません。 昨年10月、自民党埼玉県議団が県議会定例会に「小学3年生以下の子どもだけでの留守番や外出を“置き去り”として禁じる」などの埼玉県虐待禁止条例改正案を提出したことが物議を醸しました。 これは子どもの死亡事故が続いたことを受けた提案でしたが、おつかいに行かせることも、子どもだけで公園で遊ばせることも「置き去り」に該当するという内容に、全国から批判の声が殺到。特に共働きや1人親の家庭には難しい内容であり、条例案は撤回されました。 これは「防犯意識は高まっているが、海外の国々と同じレベルまで警戒する必要性はなく、日々の生活を優先させるべき」という考え方の人がまだまだ多いということでしょう』、「海外配信スタートから現在までの2年あまり、「虐待だ」などの強烈な批判や問題提起は見られないことから、日本の価値観や習慣が世界の人びとにジワジワと伝わっているのかもしれません」、なるほど。
・『「親子視聴が難しい」意外な理由  最後に「はじめてのおつかい」を見る視聴者へのちょっと意外な影響をいくつかあげておきましょう。 同番組は子育て中の父母がメインターゲットとなる内容であり、孫に重ね合わせて見られる祖父母世代からも人気を得ています。 しかしその一方で、小学生以上の子どもたちにとっては興味関心を持ちにくいコンテンツ。彼らはまだ親の気持ちは理解できないだけに、「自分が簡単にできることをしているだけの番組」という位置付けで見られがちです。 そのため民放各局が最も目指す親子での視聴が望めるのは、おつかい当事者と同世代の子どもがいる家庭。ただ、親にとっては一緒に見ることで「もし子どもから『僕もやりたい』『私も出たい』と言われて困ってしまう」という事態も想定されます。 実際、筆者の子どもと同じ保育園に通う6人の3~5歳児が今年1月放送の番組を見て、「やってみたい」と言っていました。親たちは「みんなが出られるわけじゃないから」「もうちょっと大きくなってから」などとかわすようになだめていましたが、今回の放送を見たらその気持ちが再燃するかもしれません。 その意味で実は「子どもと一緒に見るのは避けたい」という親も少なくないのでしょう。 また、前述したように地方でのロケが行われ、都会ではあまり見られない静かな街並みや地元住民の温もりが強調されていることもあって、地方での子育てに憧れを抱くような親の声もちらほら見かけます。) ちなみに筆者の周囲には「小学校に入学する前に郊外への転居を決めた」という園児の親が何人かいました。本当に移住するかはさておき、その感覚は外国人が治安のいい日本をうらやましがることと似ているようにも見えます』、「筆者の周囲には「小学校に入学する前に郊外への転居を決めた」という園児の親が何人かいました。本当に移住するかはさておき、その感覚は外国人が治安のいい日本をうらやましがることと似ているようにも見えます」、なるほど。
・『おつかいのメリットは今なお健在  もともとドキュメントバラエティは出演者による制作サイドへの批判や告発などのリスクがつきものですが、「はじめてのおつかい」にはそれがほぼありません。それは子どもたちのかわいらしい奮闘に加えて、制作サイドの配慮と努力が出演者と視聴者の両方に伝わっているからではないでしょうか。 また、ドキュメントバラエティには付き物の「出演者に対する誹謗中傷が少ない」ことも制作サイドの手柄と言っていいかもしれません。 前述したように「以前よりも減った」とはいえ、おつかいそのものの価値が下がったわけではないでしょう。「はじめてのおつかい」で得られるメリットは今なおさまざまなものがあります。 主なものをあげていくと、「物の値段や価値を知る」「手持ちのお金で買えるものを選ぶ」などの買い物体験ができること。「勇気を出して挑戦する感覚、誰かのために頑張る責任感、充実感や成功体験」などを得られること。さらに面識のない人々とのコミュニケーションを取る貴重な経験にもなります。 「子どものおつかい」という日本人ならではの習慣を見られる貴重な機会だけに、今後はますます同番組の希少価値が高まっていくのではないでしょうか。日本テレビにとっても、「新たに子どもが生まれたほとんどの親が自動的にメインターゲットとなっていく」という貴重なコンテンツだけに放送を続けていきたいところでしょう。 ここまであげてきたように長年支持を得てきた「はじめてのおつかい」には、時代や日本人の感覚が変わっても批判の声があがりづらいさまざまな背景がありました。 もし子どもが主役の新たなドキュメントバラエティが企画され、同レベルの配慮と努力をしても、「はじめてのおつかい」のように称賛を得られるかはわかりません。特に子どもの安全にかかわる配慮や努力が感じられなければ、疑いの目が向けられ、苦戦を余儀なくされるでしょう。 つまり、それだけ「はじめてのおつかい」のノウハウや経験値は特別なものがあるのです』、「「はじめてのおつかい」のノウハウや経験値は特別なものがあるのです」、同感である。 
タグ:子育て (その7)(「待てたらお菓子をもう1個」で我慢できずに食べてしまった保育園児の末路、養老孟司×ヤマップ春山対談「こどもを野に放て」 思い通りにならない自然と折り合いをつける力、「はじめてのおつかい」"虐待"批判が吹き飛ぶ凄み 令和になっても"国民的番組"であり続ける背景) ダイヤモンド・オンライン 榎本博明氏による「「待てたらお菓子をもう1個」で我慢できずに食べてしまった保育園児の末路」 「教育現場に身を置く人たちは、日常の生活場面における抑制能力の重要性を痛感しているはずである」、なるほど。 「子ども時代の自己コントロール力」の高さが、「大人になってから健康度が高く、収入が高く、犯罪を犯すことが少ないことがわかった」、なるほど。 「前半の項目の多くが自分にあてはまり、後半の項目の多くが自分にあてはまらないという人は、自己コントロール力の高い人ということになる。反対に、前半の項目の多くが自分にあてはまらず、後半の項目の多くが自分にあてはまるという人は、自己コントロール力の低い人ということになる・・・ 自分に厳しく、だらけることがなく、自制心があり、誘惑に負けず、集中力があり、やるべきことをさぼることなく、先のことを考えて計画的に行動することができれば、必要な勉強はしっかりこなし、ここぞというときに頑張ることができるため、学力を高め、その結果として良い成績を取れるのは目に見えている。 反対に、自分に甘く、すぐにだらけてしまい、自制心が乏しく、つい誘惑に負けてしまい、集中力がなく、やるべきこともついさぼってしまい、計画してもなかなかその通りにできない場合は、必要な勉強も疎かになりがちで、学力を高めることが できず、良い成績を取ることは期待できない。 こうしてみると、勉強ができるようになるには、自己コントロール力を高めることがいかに大切かがわかるだろう」、なるほど。 「子どもの頃、とくに幼児期において、自己コントロール力の発達を促進するような働きかけをすることが非常に大切だということである。親など周囲の人たちからそのような働きかけをしてもらえないと、自己コントロール力が未熟なままということもあり得る。目の前の子どもが喜ぶ笑顔を見たいなどといって将来のことを考えずに甘やかす親だと、そのようなことが起こりがちだ・・・ 自己コントロール力が成人後も発達していくことを示唆するものであり、幼児期・児童期にうまく発達していなくても、中高生や大学生になってからでも十分鍛えることができることを意味する」、なるほど。 「モチベーションには理屈よりも気持ちの面が大きいことを考えると、気持ちのコントロールがいかに重要かがわかるだろう。 もちろん日頃からモチベーションを高く維持しながら勉強に取り組むことができるかどうかによっても、学力は大きく左右される。だらだらするよりもやる気をもって取り組む方が有効な学習になるのは当然である・・・自分の心の中にやる気を燃やすコツを心得ているかどうかということである」、なるほど。 東洋経済オンライン 養老 孟司氏 春山 慶彦氏の対談「養老孟司×ヤマップ春山対談「こどもを野に放て」 思い通りにならない自然と折り合いをつける力」 「明治以来のおとなしく座らせる教育で、どこまで学習というものが成り立つのか、疑問です。 結局、こどもを集めて静かにさせておくのが楽だからということだと思いますが、元来、こどもはじっと静かにしていられない。だから、それを無理やりやらせているという意味では、ほとんど「虐待」ではないかと思います」、なるほど。 「やはり人間も他の動物と同じ生きもので、本来はそういう自然環境の中で生きてきたわけですから、そこへ戻る、そこで必要なものをまず学んでくるということですね。 僕なんかへそ曲がりみたいにこどものときからずっと虫をやっていますから、虫の目で世界を見て、おかげさまでいろんなことが考えられるわけです」、なるほど。 「養老僕の知り合いに﨑野隆一郎さんという人がいて、夏休みになるとこどもたちを何もない森の中に連れて行って30泊31日過ごさせるというプログラムを、もう30年くらいやっています。 僕も時々、このキャンプに顔を出して、一緒に虫捕りをしていますが、参加する子たちは、まずはスマホを没収されて、山のサバイバル生活に放り込まれます。) 朝は日の出とともに起きて、100段の階段を登ったところにある水場で水を汲くみ、一から火を起こして食事をつくります。うまく火を起こせなければ、自分たちが食べるものはありません。 とにかく自分で身体を動かさないと生きていけないというスパルタなキャンプで、大人が手取り足取り教えるようなこともしない・・・今はそういうふうにデータを出さないとなかなか理解してもらえないのかもしれませんが、そもそもこどもをそうやって野山の中で自由に遊ばせていれば元気になるに決まっています。 それなのにエビデンスが必要だと言う人を説得するなんて、僕自身はやりたくないですね。「自分でやってみればわかりますよ」と。それで終わりです」、なるほど。 「しょっちゅう医者にかかるグループとかからないグループで分けると、医者にかかっているグループの方が死亡率が高いのです・・・必要に応じて病院を受診することは大切です。でも、心配だからと言って何でもかんでも医者に診てもらうのは、やり過ぎです。僕はできるだけ、そういう余計なことをしないようにしています」、なるほど。 、「虫捕りをやれば、努力、根性、辛抱は、必ず身につきますよ・・・天気一つとっても、人間はコントロールすることができません。 思い通りにならない自然となんとか折り合いをつけるためには、地道な努力や、予測できないことを受け入れ、わからないことは「まあ、こんなものだろう」と空白のままにしておかなければならないのです」、その通りだ。 木村 隆志氏による「「はじめてのおつかい」"虐待"批判が吹き飛ぶ凄み 令和になっても"国民的番組"であり続ける背景」 「スタートした1991年から今年で33年目」、そんな長寿番組だとは初めて知った。 特に「事故」防止の苦労は並大抵ではないだろう。 「番組のスタッフは「より収益を得る(視聴率を上げる)ために、より長く続けていくために、ここを変えよう」としがちですが、当番組からはいい意味でそんなスタンスを感じないのです。 営業的な色気を出さず、純国産のキッズドキュメントを撮り続けるプロフェッショナルな仕事が長寿番組につながっているのでしょう」、その通りだ。 「不審者の存在に加えて、子どもを見守る大人の目が減ったこと。歩きスマホやヘッドホン着用、電動キックボードやモペットなどの危険も加わり、「幼い子どもを1人で出かけさせることに抵抗がある」という親が多くを占めるようになりました。 とりわけ都会になるほど防犯意識が高く、「はじめてのおつかい」の撮影も難しくなります。たとえば商店街で撮影しようとしても、「許可が下りない」「苦情が入る」「盗撮されやすい」などの困難があり、理解と協力を得るのは簡単ではありません・・・ そのほとんどがのどかな田舎町。都心で生きる人々にとって「はじめてのおつかい」は、「遠い世界の話」「一昔前の家族」と別世界のように醒めた目線で見ている人もいるようです」、時代の変遷ばかりはどうしようもない。 「海外配信スタートから現在までの2年あまり、「虐待だ」などの強烈な批判や問題提起は見られないことから、日本の価値観や習慣が世界の人びとにジワジワと伝わっているのかもしれません」、なるほど。 「「はじめてのおつかい」のノウハウや経験値は特別なものがあるのです」、同感である。
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住宅(その1)(冬が寒い先進国で「アルミサッシ」を使う国は日本だけ…国際基準以下の「寒い家」を許してきた住宅政策の大問題 寒い地域に住む外国人も「東京のほうが寒い」とつぶやく、さらば蛍光灯 照明の「2027年問題」 製造終了で迫られるLED化) [生活]

今日は、住宅(その1)(冬が寒い先進国で「アルミサッシ」を使う国は日本だけ…国際基準以下の「寒い家」を許してきた住宅政策の大問題 寒い地域に住む外国人も「東京のほうが寒い」とつぶやく、さらば蛍光灯 照明の「2027年問題」 製造終了で迫られるLED化)を取上げよう。

先ずは、本年1月29日付けPRESIDENT Onlineが掲載したノンフィクションライター・放送大学非常勤講師の高橋 真樹氏による「冬が寒い先進国で「アルミサッシ」を使う国は日本だけ…国際基準以下の「寒い家」を許してきた住宅政策の大問題 寒い地域に住む外国人も「東京のほうが寒い」とつぶやく」を紹介しよう。
https://president.jp/articles/-/78087
・『日本の住宅は先進各国と比べて断熱性能が極めて低い。ノンフィクションライターの高橋真樹さんは「たとえば冬が寒い先進国でアルミサッシが主流なのは日本だけ。日本の建築基準は断熱性能が低く、国際基準を大きく下回っている。こうした寒い家は、光熱費を高め、健康被害ももたらしている」という――。(第1回) ※本稿は、高橋真樹『「断熱」が日本を救う 健康、経済、省エネの切り札』(集英社新書)の一部を再編集したものです』、興味深そうだ。
・『住宅の断熱性能が悪いとなにが起きるのか  日本の住宅の断熱性能は、何が問題なのでしょうか。それによって、どのような損失が生まれているのでしょうか。本稿では、主に健康と経済を中心に考えます。まず、バケツに上から水が注がれている図をイメージしてください。バケツには穴がたくさん空いていて、下から水が漏れ出しています。バケツを水でいっぱいにするためには、A「もっと水を注ぐ」、B「穴をふさぐ」のどちらを選ぶのが良いでしょうか? 正解はもちろん、B「穴をふさぐ」です。子どもにもわかる問題ですが、残念ながら日本社会は、この問いに対してずっとA「もっと水を注ぐ」という解答を選び続けてきました。 このクイズは、住宅とエネルギーとの関係を示しています。日本の一般的な住宅は、穴だらけのバケツのようにダダ漏れの状態です。どんなにエネルギー(=水)を注ぎ込んでも、穴から漏れて快適にはなりません。合理的に考えれば、住宅の性能を上げる(=穴をふさぐ)必要があるのですが、エネルギーのほうにばかり関心が向けられてきました。 日本のエアコンのエネルギー効率(注ぐ水をつくるための技術)は、世界でもトップレベルです。しかし、建物の断熱性能(バケツの穴)はそのままなので、光熱費ばかりかかって快適にはなりません。日本の住宅では、必要な部屋だけを冷暖房することが一般的です。空調している部屋としていない部屋との温度差が大きく、健康被害が起きています。 さらに経済面でも、バケツの穴から大金が捨てられています。海外から数十兆円かけて輸入した化石燃料を燃やし、そこでつくられた貴重なエネルギーが、住宅の隙間から抜け出しているのです。住宅の断熱性能が悪いことで、私たちは健康、経済、エネルギーなどの各分野で、大きな損失を被ってきたことになります』、「住宅の断熱性能が悪いことで、私たちは健康、経済、エネルギーなどの各分野で、大きな損失を被ってきたことになります」、なるほど。
・『日本は「がまんの省エネ」の国  一般の住まい手も、バケツの穴(=低い断熱性能)をふさぐより、注ぐ水(=エネルギー)を減らすことを意識しがちです。省エネや節電のための行動について、数々のアンケートが行われています。 ほとんどの調査では、「こまめに家電のスイッチを切る」「薄着、厚着でしのぐ」「冷暖房の設定温度を控えめにする」といった回答が上位に挙がります。しかし、このような努力を伴う「がまんの省エネ」を続けるのは、簡単ではありません。しかも、努力の割に効果は限定的です。 一般の人たちの意識が「がまんの省エネ」に向かうのは、仕方のない面もあります。長年にわたって、行政が推奨してきたからです。全国の自治体では、省エネや脱炭素の取り組みとして、夏はノーネクタイやエアコン28℃設定が、冬はタートルネックやエアコン20℃設定が推奨されています。 環境省が冬の省エネ対策として推奨する「ウォームシェア」では、イメージキャラクターが「(家の暖房を止めて)旅行や温泉、銭湯に行くのだって、ウォームシェア」と呼びかけます。また、「みんなで鍋を食べて暖まろう」と、全国の鍋レシピが紹介されています。鍋料理で暖まるのは、一時的なものです。旅行に行けば、家庭で省エネした分など比較にならないほどお金とエネルギーがかかります。いずれも、毎日実践する省エネの方法としては、適切とは言えません。 こうした例は、日本が「がまんの省エネ」の国であることを示しています』、「努力を伴う「がまんの省エネ」を続けるのは、簡単ではありません。しかも、努力の割に効果は限定的です。 一般の人たちの意識が「がまんの省エネ」に向かうのは、仕方のない面もあります。長年にわたって、行政が推奨してきたからです。全国の自治体では、省エネや脱炭素の取り組みとして、夏はノーネクタイやエアコン28℃設定が、冬はタートルネックやエアコン20℃設定が推奨されています」、「がまんの省エネ」とは言い得て妙だ。
・『無断熱の住宅が3割を占めている  私たちは、省エネについての常識を、根本から変える必要がありそうです。 過度な「がまんの省エネ」は、健康に悪影響をもたらしています。現在、光熱費の高騰などを受けて、暑さ寒さをがまんして冷暖房を控える人(控えざるをえない人)が増えています。それにより体調を崩したり救急搬送されたりする高齢者の方も増えています。 国際的な基準では、暑さ寒さをがまんして消費エネルギーを減らすことを「省エネ」とは呼びません。そんな苦労をせずとも、より効果的に省エネをする方法があります。それが、バケツに空いた穴をふさぐこと。つまり、住宅の断熱気密性能を高めることです。 日本の住宅の断熱性能は、どのようなものなのでしょうか。図表1は、2019年度時点の既存住宅の断熱性能を表したグラフです。 【図表1】既存住宅(5000万戸)の断熱性能の割合(2019年度)既存住宅(5000万戸)の断熱性能の割合(2019年度)(出所=『「断熱」が日本を救う 健康、経済、省エネの切り札』) まず、まったく断熱されていない無断熱の住宅が30%ほどあります。雨風をしのげる程度で、温湿度は外気とあまり変わらないような住宅です。次に、断熱材が少しだけ使われた30年〜40年以上前の基準の「昭和55年基準」「平成4年基準」という住宅が、合わせて60%近くあります。無断熱の住宅と合わせると、日本の約9割の既存住宅がまともに断熱されていないことがわかります』、「まったく断熱されていない無断熱の住宅が30%ほどあります。雨風をしのげる程度で、温湿度は外気とあまり変わらないような住宅です。次に、断熱材が少しだけ使われた30年〜40年以上前の基準の「昭和55年基準」「平成4年基準」という住宅が、合わせて60%近くあります。無断熱の住宅と合わせると、日本の約9割の既存住宅がまともに断熱されていないことがわかります」、「日本の約9割の既存住宅がまともに断熱されていない」とは衝撃的な数字だ。
・『日本の「最高等級」は世界的には低レベル  最後に、日本の23年現在の省エネ基準に適合している住宅が13%です。 この省エネ基準は「断熱等級4」と呼ばれるグレードで、グラフの中ではもっともよく断熱されています。22年4月までの時点では、断熱等級は低い順から1から4まであり、4が最高等級に位置づけられていました。そのため、断熱等級4の住宅を販売していた工務店やハウスメーカーの中には、「国が定めた最高等級の性能です」と営業する会社もありました。「最高等級」というとすごそうですが、国際的な基準で見ると、そのレベルはまったくすごくありません。 図表2では、日本と他の先進各国との断熱基準の差が示されています。横軸は外気温の寒さの度合い、縦軸は断熱のレベルの度合いです。断熱性能を表す数値をUA値(外皮平均熱貫流率)と言います。UA値は、小さいほど住宅の断熱性能が高くなります。 【図表2】住宅の断熱基準(UA値)の国際比較 住宅の断熱基準(UA値)の国際比較(出所=『「断熱」が日本を救う 健康、経済、省エネの切り札』) なお日本の各地域は、国(国土交通省)により8つの気候区分に分けられています。例えば、寒い札幌(2地域)と、東京(6地域)とでは、同じ室温を保つために必要な断熱材の量は違います。そのため同じ基準(断熱等級4)であっても、暖かい地域と寒い地域とでは、求められる断熱のレベルが異なっているのです。重要なことは、北海道を除く日本のほとんどの地域の断熱基準は、他国と比較すると極めて性能が低いということです』、「北海道を除く日本のほとんどの地域の断熱基準は、他国と比較すると極めて性能が低い」、工業国にあるまじき残念なことだ。
・『外国人が「東京はとても寒い」と語るワケ  さらに、他国との決定的な違いがあります。それは、国が断熱レベルを義務化しているかどうかです。 日本の省エネ基準(断熱等級4)は努力目標にすぎないので、ほぼ無断熱の住宅であっても、自由に建てることが可能でした。一方、欧米や韓国などでは、住宅の断熱性能の最低基準を法律で定め、義務化しています。図表2で示された基準より断熱性能の低い住宅は、建てられません。つまり、この図に載っている国々では、日本でトップレベルの住宅(断熱等級4)は、違法建築となってしまいます。 日本の住宅の性能が、国際社会とこれほど差があるという事実はショッキングかもしれません。しかし、この「断熱等級4」の基準がつくられたのは、いまから25年前の1999年のことです。それが四半世紀も据え置かれたことで、他国との差が開いてしまったのです。個人的な経験ですが、かつてドイツや北欧など、東京より寒い地域から来た友人たちが、東京のアパートで暮らして「東京はとても寒い」と言うのを聞き、不思議に思っていました。しかしこの事実を知り、納得できました』、「日本の省エネ基準(断熱等級4)は努力目標にすぎないので、ほぼ無断熱の住宅であっても、自由に建てることが可能でした。一方、欧米や韓国などでは、住宅の断熱性能の最低基準を法律で定め、義務化しています」、「日本」では何故、このように野放図な状態が放置されたのだろう。
・『アルミサッシが主流なのは日本だけ  2022年になって、この日本の断熱に関する制度がようやく見直されることになりました。 まず、これまで「最高等級」だった断熱等級4の上に、断熱等級5から7までが新設されました(22年4月及び10月)。また断熱等級4が、25年からは新築住宅の最低基準として義務づけられることになりました。この2つの制度改正は、これまで大幅に遅れていた日本の住宅政策を前進させるものになります。 日本の住宅の低い断熱性能を象徴しているのが、窓です。住宅の中でもっとも熱が出入りする窓やドアなどの開口部からは、夏は74%の熱が家に侵入し、冬は50%の熱が家から出て行きます(図表3。断熱等級4で、窓がアルミサッシ&ペアガラスの場合)。 【図表3】窓から出入りする熱の割合窓から出入りする熱の割合(出所=『「断熱」が日本を救う 健康、経済、省エネの切り札』) 特に数が多く面積も広い窓は、最重要ポイントです。「うちの窓はペアガラス(複層ガラス)だから大丈夫」と考えている人は要注意です。窓は、ガラスと窓枠(サッシ)の組み合わせでできています。日本ではおなじみのアルミサッシですが、実はこのアルミサッシが主に使われてきた国は、先進国で冬に寒くなる地域では日本だけなのです(図表4)。 【図表4】新築住宅におけるサッシの素材の国際比較新築住宅におけるサッシの素材の国際比較(出所=『「断熱」が日本を救う 健康、経済、省エネの切り札』) なお、この図表4の日本のデータは2022年の新築に関してのものなので、既存住宅を含めた樹脂サッシ普及率は全国でこれより大幅に低いと推測されています』、「このアルミサッシが主に使われてきた国は、先進国で冬に寒くなる地域では日本だけなのです」、なるほど。
・『地震が発生した際の倒壊リスクも高まる  他国では何が使われているのでしょうか。 一般的には熱伝導率の低い樹脂製や木製のサッシが主流です。アルミは、樹脂製や木製に比べて1200倍もの熱伝導率があります。そのため、冬の寒さや夏の暑さを、直接、室内に通してしまいます。また、冬にはサッシが冷えやすいことで高確率で結露が起こり、カビが発生します。カビを餌とするダニも増殖します。それが、さまざまなアレルギー症状を引き起こすと考えられています。 断熱性能の高い住宅に転居した人に、転居前後の体調変化を聞くアンケートでは、ほぼすべての人が、アレルギー性鼻炎やアトピー性皮膚炎、気管支喘息などが改善したと答えています(図表5/近畿大学・岩前篤教授の研究より)。しかも、断熱性能が高ければ高いほど、改善率が高まります。理由のひとつには、このカビやダニの問題があります。 【図表5】断熱グレードと健康改善率断熱グレードと健康改善率(出所=『「断熱」が日本を救う 健康、経済、省エネの切り札』) 結露が起きるのは、窓ガラスやサッシだけではありません。窓枠の端は、壁の中に取り付けられています。窓やサッシの表面の結露は拭き取ることができますが、壁の中にある窓枠が結露すると「内部結露」となり、拭き取ることができません。 その状態が続くと、柱などが腐ったり、シロアリが増えたりといったことが起こります。そうなると、地震の際に住宅が倒壊するリスクも高まります。窓の性能の低さが、住宅の耐久性にダメージを与えるのです』、「壁の中にある窓枠が結露すると「内部結露」となり、拭き取ることができません。 その状態が続くと、柱などが腐ったり、シロアリが増えたりといったことが起こります。そうなると、地震の際に住宅が倒壊するリスクも高まります。窓の性能の低さが、住宅の耐久性にダメージを与えるのです」、恐ろしいことだ。
・『先進各国では樹脂サッシがメイン  日本では、窓が結露するのは当たり前と考えられ、ホームセンターなどでは結露対策グッズが大量に販売されています。しかし、住環境のルールが厳しいドイツでは、「人の健康を害する結露が起こるのは誤った設計」という共通認識があり、結露しないのが当たり前です。 もし普通に使っていて結露したりカビが生えたりする窓を取り付けた住宅を販売したり貸し出したら、売ったり貸したりしている側が、裁判に訴えられて負ける可能性があります。それほど、住宅の結露やカビが重大な問題だと捉えられています。 日本でも新築住宅に関しては、この数年で急速に樹脂サッシが普及してきました。2011年の時点では普及率が7%でしたが、22年には26%に増加しています(図表4)。それでもイギリス(76%)やドイツ(64%。ともに16年時点)はもちろん、韓国(80%。11年時点)にも後れを取っています。 中国は30%(2000年時点)ですが、寒冷地ではほぼ普及していると考えられています。また、日本では樹脂サッシを除いた74%にアルミが使われていますが、他の国々(中国を除く)では樹脂以外では木製サッシが多くなっています。 こうした国々では、住宅全体と同様、窓についても性能に関する最低基準が義務づけられています。窓の断熱性能は、熱の伝えやすさを表す「熱貫流率=U値(W/m2・K)」という数値で示され、値が小さいほど高性能になります。ドイツはU値1.3、イギリスは1.8、中国や韓国では、地域にもよりますが、2.5前後を最低基準としています』、「日本でも新築住宅に関しては、この数年で急速に樹脂サッシが普及してきました。2011年の時点では普及率が7%でしたが、22年には26%に増加しています(図表4)。それでもイギリス(76%)やドイツ(64%。ともに16年時点)はもちろん、韓国(80%。11年時点)にも後れを取っています」、大幅な遅れだ。
・『日本の断熱基準はドイツの3分の1以下  しかし日本では、窓についても最低基準がありませんでした。 先ほど紹介した8つの気候区分にもとづけば、東京、大阪、福岡など、日本の人口の半数以上が暮らす大都市圏を含むエリアは「6地域」となっています。その6地域で、最高等級だった省エネ基準(断熱等級4)をクリアするために必要な数値は、U値4.65です。これは、ペアガラスとアルミサッシの組み合わせで実現できる数値です。4.65となると、各国の最低基準を大きく上回り、ドイツやデンマークと比べると3倍以上も熱を通しやすく、この図にある国々では販売すらできません(図表6)。 【図表6】世界各国の窓、断熱性能の最低基準(U値)世界各国の窓、断熱性能の最低基準(U値)(出所=『「断熱」が日本を救う 健康、経済、省エネの切り札』) なお、いまも既存住宅の多くで使われているガラス1枚とアルミサッシの組み合わせではさらに数字が大きくなり、U値6.5です。これより低いレベルの窓は、世界に存在しません。窓の性能の国際比較では、野球にたとえると、現状ではメジャーリーグとリトルリーグくらいレベルが違うことがわかります』、「ガラス1枚とアルミサッシの組み合わせではさらに数字が大きくなり、U値6.5です。これより低いレベルの窓は、世界に存在しません」、日本にもサッシメカーがあるが、何故ここまで立ち遅れたのだろう。
・『家の断熱性能は窓が握っている ただし、住宅全体のレベルを上げるのと比べて、窓の性能を上げることはそれほど難しいことではありません。サッシをアルミから樹脂に変更すれば、性能は大幅に改善します。ペアガラス(Low-Eガラス)と樹脂サッシの組み合わせでは、U値は1.6から1.9(メーカーにより違いあり)となり、アルミサッシの2倍以上の性能にアップします。これなら、多くの国の最低基準にも適合もしくは近くなります。 また、既存住宅を断熱改修する際も、窓の改修はもっとも簡単にできて、費用対効果に優れた方法です。日本の家を暖かくする第一のポイントは、まず窓にあると言えるのです。 樹脂と聞くと、耐久性を心配する人もいます。プラスチックのバケツや洗濯バサミが、紫外線でボロボロになる様子を思い出す方もいるのではないでしょうか。しかし、樹脂にはさまざまな種類があります。洗濯バサミやバケツなどは、破損しやすい「ポリプロピレン」です。 一方、樹脂窓に使われるのは「PVC(ポリ塩化ビニル)」で、自動車の部品や地中の下水管などに幅広く利用されています。欧州はもちろん、アジアの暑い地域などでも長年住宅に使用されてきたので、耐久性は証明済みです』、「日本の家を暖かくする第一のポイントは、まず窓にあると言えるのです・・・樹脂窓に使われるのは「PVC(ポリ塩化ビニル)」で、自動車の部品や地中の下水管などに幅広く利用されています。欧州はもちろん、アジアの暑い地域などでも長年住宅に使用されてきたので、耐久性は証明済みです」、なるほど。
・『国際基準に適合しない窓を選んではいけない  ただ日本では、樹脂の耐久性のなさを根拠に、外側がアルミ、内側が樹脂でできた「アルミ樹脂複合サッシ」を推奨してきた窓メーカーもあります。実は現在の新築住宅で、アルミサッシに代わり、もっとも普及しているのはこの窓です。 断熱性能は、オールアルミサッシとオール樹脂サッシの中間くらいで、あまり良いとは言えません。ところがそのメーカーの説明では、「樹脂とアルミの良いとこ取りをしたハイブリッド」と、優れた窓であるかのような表現をされてきました。 しかし複合サッシは、アルミと樹脂の結合部分で結露が起こりやすいなど、断熱性能の数値以外にも課題が指摘されています。窓のサッシを選ぶ際には、国際基準に適合しないそのような製品を選ばないようにするのが得策です』、「「アルミ樹脂複合サッシ」を推奨してきた窓メーカーもある」が、「そのメーカーの説明では、「樹脂とアルミの良いとこ取りをしたハイブリッド」と、優れた窓であるかのような表現をされてきました。 しかし複合サッシは、アルミと樹脂の結合部分で結露が起こりやすいなど、断熱性能の数値以外にも課題が指摘されています」、住宅部材でこうした虚偽広告がまかり通ることは、由々しいことだ。

次に、6月26日付け日経ビジネスオンライン「さらば蛍光灯 照明の「2027年問題」、製造終了で迫られるLED化」を紹介しよう。
https://business.nikkei.com/atcl/seminar/19/00030/062500548/
・『この記事の3つのポイント 1.2027年末に全ての一般照明用蛍光灯の製造が終了 2.国内のLED照明の普及率は目標から遅れている 3.照明メーカーはLED化促進へ高付加価値化にかじ 照明業界が「2027年問題」に揺れている。国際会議で2027年末までに全ての一般照明用蛍光灯の製造を終了することが決まった。今後は発光ダイオード(LED)照明への移行が急がれるが、日本では業界が定める目標に対してLED照明の普及率が遅れている。メーカー各社も器具交換の手間が少なくて済む技術や、高付加価値のLED照明を開発するなど、LED化を促すために知恵を絞る。 「2027年問題」が顕在化したのは、23年10月末~11月初めにスイス西部のジュネーブで開かれた「水銀に関する水俣条約」の第5回締約国会議。同条約は水俣病の原因となった水銀を包括的に規制するもので、直管蛍光灯の製造と輸出入を27年末までに禁止することが合意された。電球形蛍光灯も25年末での製造、輸出入禁止が既に決まっている。28年以降は蛍光灯の使用や在庫品販売は継続できるものの、流通量は大幅に減る見込みだ』、「直管蛍光灯の製造と輸出入を27年末までに禁止することが合意」、私には初耳だ。
・『国内のLED普及率、6割止まり  蛍光灯の製造終了によりLED照明への需要は一層高まる見通しだが、現時点で国内のLED照明の普及は伸び悩んでいる。 日本照明工業会によると、24年4月時点の国内のLED照明普及率は59.8%。工業会では元々、30年までにLED照明普及率100%を目指しており、25年までには70%程度の普及率を目標に掲げていた。ただ担当者は「足元の普及状況を見ると25年の目標には届かない見込み」と話す。 普及が遅れている原因として、まず照明器具の交換にかかる手間やコストが挙げられる。基本的にLED照明器具に移行する際は、既設の照明器具の交換が推奨されている。LED照明に対するソケットの絶縁性能が不足していたり、電圧を調整する安定器が劣化していたりすると、発煙や発火する恐れがあるためだ。器具の交換には技師による工事が必要となるため、費用がネックとなる場合が多い。 電球タイプの場合、白熱球からそのままLED電球に置き換えているケースも少なくないが、安全面を考慮すれば工事は不可欠だ。また蛍光灯の場合にも代替として同じ形状の直管LEDランプが売られているが、安定器がある場合にはLEDに適した配線にするための工事などが欠かせない。 蛍光灯は企業や病院のほか、学校や役所などの公共施設で多く使われている。工事のために業務を一時止めることが難しい施設も多く、特にLED照明への移行が難航する原因となっているもようだ』、「器具の交換には技師による工事が必要となるため、費用がネックとなる場合が多い。 電球タイプの場合、白熱球からそのままLED電球に置き換えているケースも少なくないが、安全面を考慮すれば工事は不可欠だ。また蛍光灯の場合にも代替として同じ形状の直管LEDランプが売られているが、安定器がある場合にはLEDに適した配線にするための工事などが欠かせない」、我が家にも「蛍光灯」は多数あるので、対応は大変そうだが、世の中はまだ騒いでないようだ。
・『照明器具本体の交換不要に  LED照明への移行を早めるべく、各メーカーは工夫をこらす。 三菱電機照明(神奈川県鎌倉市)は既設の照明器具本体を残したまま施工することが可能なサービスを展開している。電線の接続・分岐に使う端子台や照明を支えるための部品を、既存の照明器具に適合できるものに変えることで、器具本体の交換は不要となる。 LED照明に対応するための電気系統などの工事は必要となるが、照明器具自体をそのまま残すことで、付帯する空調設備や火災報知機などの防災関連器具を設置したまま更新できる。従来の器具を全て交換する方式より、コストを抑えられ、廃材も約64%削減できるという。 また同社はLED照明への移行を促すため、照明に新たな価値を付加する取り組みも進めている。代表例が青空を照明で再現した「misola(みそら)」だ。青空の原理であるレイリー散乱の特徴(太陽光線の波長の短い青い光が波長の長い他の色の光よりも強く散乱されること)を応用し、光散乱体を用いたパネルにLED光を照射することで、実際の空の色に近い光を表現した。色の異なる複数のLED光源の発光量を変化させ、青空だけでなく、時間帯によって朝・昼・夜の空色にも変化できる。 越迫博商品企画課長は「窓が少ないような空間を開放的にしたいという用途で、オフィスの会議室や病院の待合室、エレベーターの天井などにも設置するお客様が増えている」と話す』、「既設の照明器具本体を残したまま施工することが可能なサービスを展開している。電線の接続・分岐に使う端子台や照明を支えるための部品を、既存の照明器具に適合できるものに変えることで、器具本体の交換は不要となる。 LED照明に対応するための電気系統などの工事は必要となるが、照明器具自体をそのまま残すことで、付帯する空調設備や火災報知機などの防災関連器具を設置したまま更新できる。従来の器具を全て交換する方式より、コストを抑えられ、廃材も約64%削減できるという」、何やら便利そうだ。
・『照明手法の活用で省エネ  メーカーが手掛けるのはLED照明の製造だけではない。パナソニックホールディングス傘下パナソニックの社内カンパニー、エレクトリックワークス社はオフィスに応じてLED照明を活用した空間づくりや省エネを支援する「メリハリ照明」を提案している。いわば、照明に関するコンサルティングだ。オフィスでの活動内容に合わせ、必要な部分を必要な分だけ照らし、明るさの強弱をつけた設定を提案することで、節電や電気代削減を促す。また作業場の手元をピンポイントで照らすなど、従業員が集中しやすい環境もつくることができる。ライティング事業部の山中正喜・東日本営業推進課長は「明るさや光の色味を自在にコントロールすることができるLED照明ならではの提案だ」と話す。 27年末に全ての蛍光灯の製造が終了することが決まったが、その認知度はまだ高いとは言えない。環境配慮の観点からも、今ある蛍光灯が切れてからではなく、もっと早い段階で対応していくことが必要だろう』、多少時間的ゆとりがありそうなので、もう少し様子を見てから検討しよう。
タグ:PRESIDENT ONLINE (その1)(冬が寒い先進国で「アルミサッシ」を使う国は日本だけ…国際基準以下の「寒い家」を許してきた住宅政策の大問題 寒い地域に住む外国人も「東京のほうが寒い」とつぶやく、さらば蛍光灯 照明の「2027年問題」 製造終了で迫られるLED化) 住宅 高橋 真樹氏による「冬が寒い先進国で「アルミサッシ」を使う国は日本だけ…国際基準以下の「寒い家」を許してきた住宅政策の大問題 寒い地域に住む外国人も「東京のほうが寒い」とつぶやく」 高橋真樹『「断熱」が日本を救う 健康、経済、省エネの切り札』(集英社新書) 「住宅の断熱性能が悪いことで、私たちは健康、経済、エネルギーなどの各分野で、大きな損失を被ってきたことになります」、なるほど。 「努力を伴う「がまんの省エネ」を続けるのは、簡単ではありません。しかも、努力の割に効果は限定的です。 一般の人たちの意識が「がまんの省エネ」に向かうのは、仕方のない面もあります。長年にわたって、行政が推奨してきたからです。全国の自治体では、省エネや脱炭素の取り組みとして、夏はノーネクタイやエアコン28℃設定が、冬はタートルネックやエアコン20℃設定が推奨されています」、「がまんの省エネ」とは言い得て妙だ。 「まったく断熱されていない無断熱の住宅が30%ほどあります。雨風をしのげる程度で、温湿度は外気とあまり変わらないような住宅です。次に、断熱材が少しだけ使われた30年〜40年以上前の基準の「昭和55年基準」「平成4年基準」という住宅が、合わせて60%近くあります。無断熱の住宅と合わせると、日本の約9割の既存住宅がまともに断熱されていないことがわかります」、「日本の約9割の既存住宅がまともに断熱されていない」とは衝撃的な数字だ。 「北海道を除く日本のほとんどの地域の断熱基準は、他国と比較すると極めて性能が低い」、工業国にあるまじき残念なことだ。 「日本の省エネ基準(断熱等級4)は努力目標にすぎないので、ほぼ無断熱の住宅であっても、自由に建てることが可能でした。一方、欧米や韓国などでは、住宅の断熱性能の最低基準を法律で定め、義務化しています」、「日本」では何故、このように野放図な状態が放置されたのだろう。 「このアルミサッシが主に使われてきた国は、先進国で冬に寒くなる地域では日本だけなのです」、なるほど。 「壁の中にある窓枠が結露すると「内部結露」となり、拭き取ることができません。 その状態が続くと、柱などが腐ったり、シロアリが増えたりといったことが起こります。そうなると、地震の際に住宅が倒壊するリスクも高まります。窓の性能の低さが、住宅の耐久性にダメージを与えるのです」、恐ろしいことだ。 「日本でも新築住宅に関しては、この数年で急速に樹脂サッシが普及してきました。2011年の時点では普及率が7%でしたが、22年には26%に増加しています(図表4)。それでもイギリス(76%)やドイツ(64%。ともに16年時点)はもちろん、韓国(80%。11年時点)にも後れを取っています」、大幅な遅れだ。 「ガラス1枚とアルミサッシの組み合わせではさらに数字が大きくなり、U値6.5です。これより低いレベルの窓は、世界に存在しません」、日本にもサッシメカーがあるが、何故ここまで立ち遅れたのだろう。 「日本の家を暖かくする第一のポイントは、まず窓にあると言えるのです・・・樹脂窓に使われるのは「PVC(ポリ塩化ビニル)」で、自動車の部品や地中の下水管などに幅広く利用されています。欧州はもちろん、アジアの暑い地域などでも長年住宅に使用されてきたので、耐久性は証明済みです」、なるほど。 「「アルミ樹脂複合サッシ」を推奨してきた窓メーカーもある」が、「そのメーカーの説明では、「樹脂とアルミの良いとこ取りをしたハイブリッド」と、優れた窓であるかのような表現をされてきました。 しかし複合サッシは、アルミと樹脂の結合部分で結露が起こりやすいなど、断熱性能の数値以外にも課題が指摘されています」、住宅部材でこうした虚偽広告がまかり通ることは、由々しいことだ。 日経ビジネスオンライン「さらば蛍光灯 照明の「2027年問題」、製造終了で迫られるLED化」 「直管蛍光灯の製造と輸出入を27年末までに禁止することが合意」、私には初耳だ。 「器具の交換には技師による工事が必要となるため、費用がネックとなる場合が多い。 電球タイプの場合、白熱球からそのままLED電球に置き換えているケースも少なくないが、安全面を考慮すれば工事は不可欠だ。また蛍光灯の場合にも代替として同じ形状の直管LEDランプが売られているが、安定器がある場合にはLEDに適した配線にするための工事などが欠かせない」、我が家にも「蛍光灯」は多数あるので、対応は大変そうだが、世の中はまだ騒いでないようだ。 「既設の照明器具本体を残したまま施工することが可能なサービスを展開している。電線の接続・分岐に使う端子台や照明を支えるための部品を、既存の照明器具に適合できるものに変えることで、器具本体の交換は不要となる。 LED照明に対応するための電気系統などの工事は必要となるが、照明器具自体をそのまま残すことで、付帯する空調設備や火災報知機などの防災関連器具を設置したまま更新できる。従来の器具を全て交換する方式より、コストを抑えられ、廃材も約64%削減できるという」、何やら便利そうだ。 多少時間的ゆとりがありそうなので、もう少し様子を見てから検討しよう。
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認知症(その3)(認知症の親を追い詰める「記憶の確認クイズ」 大切なのはいち早く「答え」を明かすこと、認知症「一歩手前」の特徴と予防のためにできる事 そのもの忘れは「病的な健忘」か「加齢現象」か) [生活]

認知症については、本年4月12日に取上げた。今日は、(その3)(認知症の親を追い詰める「記憶の確認クイズ」 大切なのはいち早く「答え」を明かすこと、認知症「一歩手前」の特徴と予防のためにできる事 そのもの忘れは「病的な健忘」か「加齢現象」か)である。

先ずは、本年3月8日付け東洋経済オンラインが掲載した理学療法士の川畑 智氏による「認知症の親を追い詰める「記憶の確認クイズ」 大切なのはいち早く「答え」を明かすこと」を紹介しよう。
https://toyokeizai.net/articles/-/736202
・『認知症の家族に対して、ついやってしまいがちなのが「これわかる?」という質問。でも、これは本人の自尊心を傷つける行為なのだと、理学療法士の川畑智さんは言います。不要なクイズで試したり、頭から否定したり、思考停止してしまうような「スピーチロック」を投げかけたり……。認知症の人についやってしまいがちなNG行為とその対策法を、川畑さんの著作『ボケ、のち晴れ認知症の人とうまいこと生きるコツ』より、一部抜粋・再編集してお届けいたします』、興味深そうだ。
・『その「クイズ」が自尊心を失わせる  認知症の方のご家族に、「絶対にやめてください」とお願いしていることがあります。 それは、「記憶の確認クイズ」を出してしまうこと。 「今日は何月何日か言える?」 「今どこにいるのか、わかる?」 「孫も連れてきたよ。名前なんだったっけ?前も来たでしょう?」 施設に面会に来られるご家族でも、このように質問を畳みかけるケースが少なくありません。) 認知症がどれだけ進んでいるのか確かめたくて、つい聞いてしまう気持ちはよくわかりますが、認知症になっても、人格やプライドは当然残っています。 試されるようなクイズは、苦痛でしかありません。 ましてや、答えられなかったら自信を失いますし、ご家族も「前より悪くなった」とショックを受けます。 お互いが、曇りを通り越して「大雨」になってしまうような質問を、あえてする必要はありませんよね』、「試されるようなクイズは、苦痛でしかありません。 ましてや、答えられなかったら自信を失いますし、ご家族も「前より悪くなった」とショックを受けます。 お互いが、曇りを通り越して「大雨」になってしまうような質問を、あえてする必要はありませんよね」、その通りだ。
・『クイズの答えを先に出すことで、安心につながる  大切なのはクイズではなく、いち早く自分から名乗って答えを明かすこと。 「○○よ」と名乗ることで、脳の記憶の部分と顔が一致し、「おお、○○か」とわかってもらえます。 場所のことが苦手ならば、「ここは〇〇だよ」と教えてあげましょう。 私たちだって、電車に乗って寝過ごすと、今どこの駅付近なのかわからなくなるときがありますよね。 そして、次の駅のアナウンスが流れると、ホッとするわけです。 これと同じで、先に情報を与えてあげることで、本人は安心します。) 認知症の方に対しては、不要なクイズを出すよりも、むしろ先に答えを教えてあげるような形でコミュニケーションを進めてください』、「先に情報を与えてあげることで、本人は安心します」、なるほど。
・『アドバイスの失敗と、そこから見えた光  78歳の高田さんは中等度の認知症で、「いつ」がわからなくなっています。 今日の予定も忘れてしまうので、近所に暮らす息子さんのお嫁さんが、毎朝電話でその日の予定を確認してくれていました。 しかし、やっぱり「記憶の確認クイズ」を出してしまいます。 「お義母さん、今日の予定わかる?」「ほら忘れてる。昨日も言ったでしょ?」 そして「今朝も義母に電話で予定を聞いたけど、まったく覚えていないのよ」と私に、なんの悪気もなく言ってくるのです。 私は、お嫁さんの頑張りを認めたうえで、「もし毎日お義母さんの家に立ち寄れるなら、明日の予定を書いて置き手紙をしませんか」と提案しました。 しかし、この提案は失敗でした。 せっかく置き手紙をしても、高田さんはその手紙をなくしてしまうといいます。 箱の中に入れたり、バッグやズボンのポケットに入れてわからなくなったり。 お嫁さんは、「もうこんなに苦労して書いても意味がない!私だけ頑張っていて、バカみたい。家に行くのもいやになる」と言い出す雨模様。) 結果的に的外れな提案となったことをお嫁さんに謝罪しながらも、このとき、解決に向けた一筋の光が差していました。 「なるほど。大切な置き手紙だから、なくさないようにしまっておかなきゃという心理か。高田さんは、本当にまじめな人なんだな」』、「「もし毎日お義母さんの家に立ち寄れるなら、明日の予定を書いて置き手紙をしませんか」と提案しました。 しかし、この提案は失敗でした。 せっかく置き手紙をしても、高田さんはその手紙をなくしてしまうといいます」、なるほど。
・『ホワイトボード1枚で「晴れ」はつくれる  その反省から、次に、しまうことのできないホワイトボードを買って渡したら、これが大当たり! 高田さんの家の電話の横に置いてもらい、お嫁さんが毎朝、電話で伝える予定を、自分で書いてもらいます。 毎朝、昨日の予定を消して新たに書き記すわけですから、そこに書いてあることは、すなわち「今日の予定」だと高田さんにもわかります。 また、「○○さんと会う約束だったよね」「みんな待っているから行ってね」という具合に心を揺さぶるメッセージを添えてもらったのも、効果的でした。 こうして高田さんの問題は、ホワイトボード1枚で解決することができました。 高田さんは、お嫁さんの手紙をなくしたのではなく、大切にしまっていたのです。 どこにしまったか、そのこと自体は忘れてしまったのですが、お嫁さんの気持ちだけは、しっかり届いていました。) 「失敗は成功の母」と言いますが、曇りのち晴れ、雨ときどき晴れのつもりでいてください。 失敗を繰り返しながらも、少しずつ解決に向かっていきます。 考えること、試してみることをやめないことですね。 (画像:『ボケ、のち晴れ認知症の人とうまいこと生きるコツ』より/マンガ・中川いさみ)』、「しまうことのできないホワイトボードを買って渡したら、これが大当たり!、確かにそうだろう。
・『 認知症の人を思考停止させる「スピーチロック」  「ダメだって」 「違うって」 「無理だって」 「だからそうじゃないって!」 ) 認知症の介護のときに、つい言ってしまうこんな言葉。 こうした否定言葉は、「否定された」「拒絶された」という負の感情が生まれて、本人の動きにロックをかけてしまうため、介護の現場では「スピーチロック」、もしくは「言葉の拘束」と呼ばれています。 喜怒哀楽のバランスは「4:1:2:3」 あるお坊さんの説法で「喜怒哀楽の4:1:2:3のバランス」という話を聞きました。 喜びが4つ、怒りが1つ、哀しみが2つ、楽しみが3つ。これが人生のバランス。 もっと言えば、今日一日が、このバランスで成り立っていれば十分だよ、という意味です。 私は仏教徒ではありませんが、なるほどと思います。 認知症の人は、記憶は苦手になっていますが、感情は豊かに残っています。 否定ばかりされてしまうと、怒りと哀しみが1や2では済まないわけです。 その結果、「この人はいやな人だ」「すぐに怒る」という意識が刷り込まれ、心の「ブラックリスト」に載ってしまうと、なにを提案してもうまくいきません。) お茶をお出ししても、ひと口も飲みません。 リハビリにも行きませんし、トイレにも行きません。つまり、「あなたとするのはいや」ということですね。 つい私たちは、それを「介護拒否」と言ってしまいますが、そうさせたのは認知症なのか、関係性のせいなのかと考えると、後者であることが多いのです』、「「ダメだって」 「違うって」 「無理だって」 「だからそうじゃないって!」 ) 認知症の介護のときに、つい言ってしまうこんな言葉。 こうした否定言葉は、「否定された」「拒絶された」という負の感情が生まれて、本人の動きにロックをかけてしまうため、介護の現場では「スピーチロック」、もしくは「言葉の拘束」と呼ばれています・・・「喜怒哀楽の4:1:2:3のバランス」という話を聞きました。 喜びが4つ、怒りが1つ、哀しみが2つ、楽しみが3つ。これが人生のバランス。 もっと言えば、今日一日が、このバランスで成り立っていれば十分だよ、という意味です」、なるほど。
・『「あえて失敗させる」ことでフリーズ回避  スピーチロックを防ぐためには、頭ごなしに否定しないことです。 また、危険のない小さな失敗だったら、「あえて失敗させる」というのも手です。 たとえば、認知症の方の中には、フォーク1本と箸1本でご飯を食べようとする人もいます。 当然、うまく食べられません。 そんなときには、「うまく食べられない」という経験をあえてさせてあげてから、箸2本で食べる姿を目の前で見せてあげると、「そうすればいいのか」となります。 中には、靴とサンダルを片方ずつ履いてしまう人もいます。 でも、その場では言いません。 玄関から出たときに指摘するのですが、そのときの言葉は、「間違ってますよ」ではなく「あれ?○○さん、足が痛いんですか?」です。 「いや痛くないよ」「なんだぁ、足が痛いのかと思いました。片方、サンダルですよ」というやりとりで「あ、本当だ(笑)」という「晴れ」に流れが変わります。 ただ……毎回これをやっていると、家族は大変。 先回りして、履いてほしい靴だけを出して失敗を防いだほうが楽ですし、そこに罪悪感は持たないでください。) 失敗させたり、先回りしたり。 その両方を使い分ければよいと思います』、「スピーチロックを防ぐためには、頭ごなしに否定しないことです。 また、危険のない小さな失敗だったら、「あえて失敗させる」というのも手です」、なるほど。
・『スピーチロックの「置きかえリスト」  スピーチロックは、「否定的な言葉」以外にもたくさんあります。 たとえば、つい言ってしまいがちな「ちょっと待ってて」。 言われたほうにすれば、「どれくらい待っていればいいの?」となって、動きがとれなくなってしまうことがあります。 また、「待ってて」には、命令のような強さがあります。 結果として、自分から行動しようという意欲を失わせたり、被害妄想につながったりして、症状が悪化してしまうことも。 スピーチロックになりかねない言葉は、できるだけ置き換えていきましょう。 「ちょっと待ってて」ではなく、「〇〇を済ませちゃうから、あと5分くらい待っててもらっていい?」。 5分という数字を手で表しながら、視覚的に覚えやすく伝えます。 こうして、待つ理由と時間を説明し、視覚的な記憶を強化した状態でお願いする形をとることで、安心感と信頼感が生まれます。 「スピーチロック」の言い換え表 (画像:『ボケ、のち晴れ認知症の人とうまいこと生きるコツ』より)』、「スピーチロックは・・・結果として、自分から行動しようという意欲を失わせたり、被害妄想につながったりして、症状が悪化してしまうことも。 スピーチロックになりかねない言葉は、できるだけ置き換えていきましょう」確か医その通りだ。

次に、6月2日付け東洋経済オンラインが掲載した東洋経済オンライン医療取材チーム : 記者・ライターによる「認知症「一歩手前」の特徴と予防のためにできる事 そのもの忘れは「病的な健忘」か「加齢現象」か」を紹介しよう。
https://toyokeizai.net/articles/-/754032
・『30~40代を過ぎると、とっさに人や物の名前が出てこなくなって「あの人」とか「あれあれ」などという指示語が増えたり、忘れ物が多くなったり、自身の両親が認知症になったりして、もしかして自分も……などと不安に思うことがあるかもしれない。 では、どうしたら認知症を予防したり、発症の時期を遅らせたりできるのか。東京都健康長寿医療センターの副院長で、脳神経内科部長の岩田淳さんに話を聞いた』、興味深そうだ。
・『認知症もさまざまなタイプがある  日本における認知症高齢者数は、2012年には約460万人(高齢者人口の約15%)であり、2025年には約700万人(高齢者人口の約20%)になると推定されている。つまり、高齢者の5人に1人が認知症ということになる。 認知症とひとくちにいっても、タイプはさまざまだ。 中枢神経変性疾患のアルツハイマー病やレビー小体型認知症のほか、脳炎や甲状腺機能低下症などの病気、脳挫傷などのけがによる認知症、脳炎などの感染による認知症もある。) このうち最も多いのはアルツハイマー病で、認知症全体の半数以上を占める。次いで多いのが血管性認知症、レビー小体型認知症だ。 現在、アルツハイマー病などの中枢神経変性疾患では、認知症になる一歩手前を「軽度認知障害」と呼んでいる。軽度認知障害は、MCI(Mild Cognitive Impairment)ともいい、認知症と健常な状態の中間のグレーゾーンを指す。 認知症ではないが、記憶力が低下し、順序立てて物事を考えたり、新しいことを覚えたり、テキパキと行動するのが苦手になるといった状態」だと岩田さんは説明する』、「日本における認知症高齢者数は、2012年には約460万人(高齢者人口の約15%)であり、2025年には約700万人(高齢者人口の約20%)になると推定・・・中枢神経変性疾患のアルツハイマー病やレビー小体型認知症のほか、脳炎や甲状腺機能低下症などの病気、脳挫傷などのけがによる認知症、脳炎などの感染による認知症もある。 このうち最も多いのはアルツハイマー病で、認知症全体の半数以上を占める。次いで多いのが血管性認知症、レビー小体型認知症だ・・・アルツハイマー病などの中枢神経変性疾患では、認知症になる一歩手前を「軽度認知障害」と呼んでいる。軽度認知障害は、MCI(Mild Cognitive Impairment)ともいい、認知症と健常な状態の中間のグレーゾーンを指す。 認知症ではないが、記憶力が低下し、順序立てて物事を考えたり、新しいことを覚えたり、テキパキと行動するのが苦手になるといった状態」」、なるほど。
・『つい見逃す「もの忘れ」に注意  MCIの状態にある高齢者は、推定約400万人。認知症と違って、記憶力や注意力の低下は見られるものの、日常生活に支障をきたすほどではないため、本人も家族もつい見逃してしまうこともあるから、注意が必要だ。 下記にMCIが心配になる例を挙げた(※外部配信先では表を閲覧できない場合があります。その際は東洋経済オンライン内でお読みください)。) 「患者さんご自身やご家族から特によくお聞きするのは、同じ話を何度もしているのに話したこと自体を忘れてしまう、新しく買ったテレビなどの機器の操作がなかなか覚えられない、といった話です」(岩田さん) MCIは、記憶障害の有無で大きく2つに分けられる。 記憶障害がある場合は「健忘型」といい、アルツハイマー病や血管性認知症になる確率が高いとされている。そして記憶障害のない場合を「非健忘型」といい、レビー小体型認知症、前頭側頭型認知症になりやすいそうだ。 MCIになった場合、早めに治療や対策を行ったほうがいい。なぜなら認知症へと進んでしまうリスクが高いからだ。 「認知症は、脳の神経細胞が減少して萎縮した状態です。萎縮した脳を元に戻すことはできませんから、早期の段階で見つけて、適切な治療や対策を行うことが大切になります」と岩田さん。 一方で、MCIになったからといって、必ずしもすぐに認知症へと進むとは限らず、「適切に対処すれば元に戻ることさえある」と、岩田さんは言う。実際、MCIになると1年で約5〜15%が認知症になるものの、約16〜41%は年相応のレベルに回復し、残りはMCIのレベルにとどまるとされている』、「MCIは、記憶障害の有無で大きく2つに分けられる。 記憶障害がある場合は「健忘型」といい、アルツハイマー病や血管性認知症になる確率が高いとされている。そして記憶障害のない場合を「非健忘型」といい、レビー小体型認知症、前頭側頭型認知症になりやすいそうだ。 MCIになった場合、早めに治療や対策を行ったほうがいい。なぜなら認知症へと進んでしまうリスクが高いからだ」、なるほど。
・『糖尿病は認知症リスクが高い  では、認知症へと進行しないために、自分自身でできることはあるのだろうか。岩田さんは「まずは、認知症に深く関わっているとされる生活習慣病を予防・治療・改善することです」と答える。 「高血圧、糖尿病、肥満、脂質異常症などの生活習慣病は、MCIおよび認知症になるリスクを高めます。普段から生活に注意して、こうした生活習慣病にならないことがMCIや認知症の予防につながります」」(岩田さん) すでに生活習慣病になっている場合も、きちんと治療して病気をコントロールすることが大切だ。 特に糖尿病は、認知症になるリスクを大きく上げることがわかっている。九州大学の研究によると、糖尿病の人はそうでない人に比べ、認知症にかかるリスクが2〜4倍になるという。) これは糖尿病によって動脈硬化が進み、血管性認知症にかかりやすくなるだけでなく、アルツハイマー病の原因とされるアミロイドβの排出も阻害されることで、アルツハイマー病にもかかりやすくなるためだ。 また、いったん認知症になってからも高血糖状態が続くと、認知症が早く進行するおそれがある。治療の副作用により重度の低血糖になっても認知症のリスクが高まるため、適度な血糖コントロールが肝要だ。 「よく言われていることですが、普段からバランスのよい食事を心がける、しっかり睡眠をとる、規則正しい生活を送る、毎日30分程度の運動を続ける、などが大切です。つまり“健康にいいとされている生活を送る”ということにつきます」(岩田さん) 生活習慣病との関連ほど強くはないものの、趣味を持つ、多くの人に会って話をする、脳トレで頭を使うといったことも、認知症のリスクを下げることにつながるそうだ。 一方、テレビやウェブなどで宣伝している、イチョウ葉エキス、オメガ3脂肪酸、ビタミンEやセレンなどの「記憶力をよくする」という触れ込みのサプリメント類は、「認知症を防ぐという効果は証明されていないので、摂る必要はありません」と岩田さん』、「「高血圧、糖尿病、肥満、脂質異常症などの生活習慣病は、MCIおよび認知症になるリスクを高めます・・・糖尿病の人はそうでない人に比べ、認知症にかかるリスクが2〜4倍になるという。) これは糖尿病によって動脈硬化が進み、血管性認知症にかかりやすくなるだけでなく、アルツハイマー病の原因とされるアミロイドβの排出も阻害されることで、アルツハイマー病にもかかりやすくなるためだ」、「糖尿病」が「認知症」のリスクを大きく高めるとは恐ろしいことだ。
・『「病的なもの忘れ」の特徴  そもそも、病的なもの忘れと、そうではないもの忘れはどう違うのか。岩田さんは次のように解説する。 例えば、たまにしか見ないタレントの名前などの固有名詞が出てこないのは、問題となるようなもの忘れではない。一方、バナナなどの一般名詞や、親しい人の名前が出てこない場合は少し問題とのこと。 また、お酒を飲んでいて同じ話を何度もするのはよくあるが、そうではないときに同じ話を繰り返すとなると心配したほうがいいようだ。 ほかにも、予定や約束をど忘れてしまうことは誰にでもある。しかし、予定や約束があったこと自体を忘れていたり、指摘されても思い出せないなら問題だ。 さらに、その年に起きた大きな事件や事故についてうろ覚えなのは普通だが、今年でいえば、能登半島の地震のことをまったく知らないとしたらおかしいということになる。 では、自身や家族がMCIかもしれないと思ったらどうしたらいいか』、私は幸いまだそれほど問題はないようだ。
・『もしかしたら?と思ったときの受診先  「まずは脳神経内科、もの忘れ外来、精神科などを受診してください。可能なら、最初は同居人やご家族と一緒に受診を。本人以外の視点が加わることで普段の様子が正確にわかり、診断や治療に役立ちます」(岩田さん) 診療では、問診で認知機能の低下があるかどうかを確認する。受診した本人は記憶力が著しく低下していると思っていても、ご家族の話を聞くとそうでもないという場合もある。 こうした問診のほか、認知機能検査や心理テスト、血液検査、頭部CTなどの画像検査などでMCIと診断されたら、治療へと進むことになる。 「まず、生活習慣病が未治療であればその治療をしますし、病気のコントロールができていない場合は、投薬治療などでしっかりコントロールしてもらいます。さらに生活の改善、運動、認知トレーニングなどを行っていきます。またアルツハイマー病では、新しい薬物療法も選択肢の1つです」(岩田さん) (関連記事:薬代は年間300万、アルツハイマー「新薬」の値打ち)』、「可能なら、最初は同居人やご家族と一緒に受診を。本人以外の視点が加わることで普段の様子が正確にわかり、診断や治療に役立ちます」、家族と一緒に受診するのは、ものものし過ぎると思ったが、「本人以外の視点が加わることで普段の様子が正確にわかり、診断や治療に役立ちます」、というメリットもあるようだ。
タグ:東洋経済オンライン 認知症 (その3)(認知症の親を追い詰める「記憶の確認クイズ」 大切なのはいち早く「答え」を明かすこと、認知症「一歩手前」の特徴と予防のためにできる事 そのもの忘れは「病的な健忘」か「加齢現象」か) 川畑 智氏による「認知症の親を追い詰める「記憶の確認クイズ」 大切なのはいち早く「答え」を明かすこと」 川畑さんの著作『ボケ、のち晴れ認知症の人とうまいこと生きるコツ』 「試されるようなクイズは、苦痛でしかありません。 ましてや、答えられなかったら自信を失いますし、ご家族も「前より悪くなった」とショックを受けます。 お互いが、曇りを通り越して「大雨」になってしまうような質問を、あえてする必要はありませんよね」、その通りだ。 「先に情報を与えてあげることで、本人は安心します」、なるほど。 「「もし毎日お義母さんの家に立ち寄れるなら、明日の予定を書いて置き手紙をしませんか」と提案しました。 しかし、この提案は失敗でした。 せっかく置き手紙をしても、高田さんはその手紙をなくしてしまうといいます」、なるほど。 「しまうことのできないホワイトボードを買って渡したら、これが大当たり!、確かにそうだろう。 「「ダメだって」 「違うって」 「無理だって」 「だからそうじゃないって!」 ) 認知症の介護のときに、つい言ってしまうこんな言葉。 こうした否定言葉は、「否定された」「拒絶された」という負の感情が生まれて、本人の動きにロックをかけてしまうため、介護の現場では「スピーチロック」、もしくは「言葉の拘束」と呼ばれています・・・ 「喜怒哀楽の4:1:2:3のバランス」という話を聞きました。 喜びが4つ、怒りが1つ、哀しみが2つ、楽しみが3つ。これが人生のバランス。 もっと言えば、今日一日が、このバランスで成り立っていれば十分だよ、という意味です」、なるほど。 「スピーチロックを防ぐためには、頭ごなしに否定しないことです。 また、危険のない小さな失敗だったら、「あえて失敗させる」というのも手です」、なるほど。 「スピーチロックは・・・結果として、自分から行動しようという意欲を失わせたり、被害妄想につながったりして、症状が悪化してしまうことも。 スピーチロックになりかねない言葉は、できるだけ置き換えていきましょう」確か医その通りだ。 東洋経済オンライン医療取材チーム : 記者・ライターによる「認知症「一歩手前」の特徴と予防のためにできる事 そのもの忘れは「病的な健忘」か「加齢現象」か」 「日本における認知症高齢者数は、2012年には約460万人(高齢者人口の約15%)であり、2025年には約700万人(高齢者人口の約20%)になると推定・・・中枢神経変性疾患のアルツハイマー病やレビー小体型認知症のほか、脳炎や甲状腺機能低下症などの病気、脳挫傷などのけがによる認知症、脳炎などの感染による認知症もある。 このうち最も多いのはアルツハイマー病で、認知症全体の半数以上を占める。次いで多いのが血管性認知症、レビー小体型認知症だ・・・アルツハイマー病などの中枢神経変性疾患では、認知症になる一歩手前を「軽度認知障害」と呼んでいる。軽度認知障害は、MCI(Mild Cognitive Impairment)ともいい、認知症と健常な状態の中間のグレーゾーンを指す。 認知症ではないが、記憶力が低下し、順序立てて物事を考えたり、新しいことを覚えたり、テキパキと行動するのが苦手になるといった状態」」、なるほど。 「MCIは、記憶障害の有無で大きく2つに分けられる。 記憶障害がある場合は「健忘型」といい、アルツハイマー病や血管性認知症になる確率が高いとされている。そして記憶障害のない場合を「非健忘型」といい、レビー小体型認知症、前頭側頭型認知症になりやすいそうだ。 MCIになった場合、早めに治療や対策を行ったほうがいい。なぜなら認知症へと進んでしまうリスクが高いからだ」、なるほど。 「「高血圧、糖尿病、肥満、脂質異常症などの生活習慣病は、MCIおよび認知症になるリスクを高めます・・・糖尿病の人はそうでない人に比べ、認知症にかかるリスクが2〜4倍になるという。) これは糖尿病によって動脈硬化が進み、血管性認知症にかかりやすくなるだけでなく、アルツハイマー病の原因とされるアミロイドβの排出も阻害されることで、アルツハイマー病にもかかりやすくなるためだ」、 「糖尿病」が「認知症」のリスクを大きく高めるとは恐ろしいことだ。 私は幸いまだそれほど問題はないようだ。 「可能なら、最初は同居人やご家族と一緒に受診を。本人以外の視点が加わることで普段の様子が正確にわかり、診断や治療に役立ちます」、家族と一緒に受診するのは、ものものし過ぎると思ったが、「本人以外の視点が加わることで普段の様子が正確にわかり、診断や治療に役立ちます」、というメリットもあるようだ。
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ペット(その3)(晩婚子なし夫婦が「不人気の老猫」を迎えた理由 中高年でもペットと暮らすことを諦めない方法、愛犬を夢中にさせる動画コンテンツ、“動物もの”の中で特に人気は……、「犬の飼育頭数」が日本で2040年に半減するワケ 猫はどうなる?) [生活]

ペットについては、2021年2月16日に取上げた。今日は、(その3)(晩婚子なし夫婦が「不人気の老猫」を迎えた理由 中高年でもペットと暮らすことを諦めない方法、愛犬を夢中にさせる動画コンテンツ、“動物もの”の中で特に人気は……、「犬の飼育頭数」が日本で2040年に半減するワケ 猫はどうなる?)である。

先ずは、昨年12月10日付け東洋経済オンラインが掲載したブロガー・ライター の大木奈 ハル子氏による「晩婚子なし夫婦が「不人気の老猫」を迎えた理由 中高年でもペットと暮らすことを諦めない方法」を紹介しよう。
https://toyokeizai.net/articles/-/717244
・『ロスジェネ世代で職歴ほぼなし。29歳で交通事故にあい、晩婚した夫はスキルス性胃がん(ステージ4)で闘病中。でも、私の人生はこんなにも楽しい。なぜなら、小さく暮らすコツを知っているから。 先が見えない時代でも、毎日を機嫌よく、好きなものにだけ囲まれたコンパクトライフを送る筆者の徒然日記。大好評の連載第4回です。 大木奈ハル子47歳。都心の古くて狭いワンルームマンションで、61歳の夫と猫と預かり犬の、2人と2匹暮らし中です。居室は12畳ほどしかありませんが、無駄な荷物を削ぎ落とした、好きなものだけに囲まれた空間は、意外なほどに居心地は上々です』、興味深そうだ。
・『小さく暮らす  「チェーン店最強のモーニングを探して」の大木奈ハル子さんの短期集中連載です。連載一覧はこちら 「小さく暮らす」と題した本連載。これまで「家」や「身の回りのモノ」について、「小さな家での暮らしは、家賃も水道光熱費も安上がりでお財布に優しいよ」とか「少ないモノで暮らすと、本当に必要なモノが何かとか、自分が好きなモノが何かがわかってくるよ」というようなことを書かせていただきました。 今回のテーマはちょっと趣を変えまして、「ペットとの暮らし」について。子ナシ近所に親戚ナシの、ミドルシニア世代である私たち夫婦のペットとの向き合い方や、狭い空間でペットを飼うということについてつれづれ書いてまいります』、「子ナシ近所に親戚ナシの、ミドルシニア世代である私たち夫婦のペットとの向き合い方や、狭い空間でペットを飼うということについてつれづれ書いてまいります」、面白そうだ。
・『猫の里親になるときに、子猫を選ばなかった理由とは  この記事を書いている2023年12月現在、わが家にはモンモンモコモコ(通称モコ)という名前のおばあさん猫が暮らしています。モコは2021年の夏に、里親募集サイト経由でわが家にやってきた時点ですでに推定10歳以上でした。) 2021年の春に先代の愛猫を病気で失い、新しい子のお迎えを決めたときに、私たちはあえて子猫を選びませんでした。 その理由は私たちの年齢に起因するものでした。そのときの、私たち夫婦の会話はこんな感じ。 私「今度お迎えする猫は、大人の猫にしようと思うねん」 夫「それはなんで?」 私「猫の寿命が20年としたら、子猫をお迎えしたら20年後は私ら65歳と80歳やん? 」 夫「80歳かぁ……たしかに、最期まで面倒みられるかわからんねぇ」 私「飼うからには命に責任持たないとやん?」 夫「僕たちは子どももいないし、親戚付き合いとかもあんまないし、もしものことがあっても、引き取り手を探すのは難しそうだしねぇ……」 私「現時点ですら預かってもらえる先が浮かばんのに、10年後とか20年後に見つかるわけないもんな」 夫「猫さんに、いまわのきわに『幸せだった』って思ってもらえるようにがんばろう!」 という訳で、一緒に暮らしはじめる前に、一緒の暮らしが終わるときのイメージまで描いてから、お迎えを決めたのでした』、「一緒に暮らしはじめる前に、一緒の暮らしが終わるときのイメージまで描いてから、お迎えを決めたのでした」、責任感溢れた姿勢だ。
・『引くて数多の子猫なら、うちじゃなくても幸せになれる  また、わが家は狭いうえに、犬の預かりボランティアもしているため、飼える猫の数は1匹だけというのも、モコを選んだ理由の1つ。 子猫は人気があるので、うちの子にならなくても誰かの家で幸せになれそうな気がするし、1匹しか選べないなら、あえて子猫である必要もないかなと思ったのです。 都営住宅の自転車置き場にキャリーに詰め込まれて放置されていたモコは、保護された時点で老猫だったため、引き取り手がなかなか見つからず、長らくサイトに掲載され続けていたとのこと。 「行くとこないなら、うちくる?」っていう感じでわが家にやってきたのでした。) どうやらネグレクト(飼育放棄)されていたらしき、モコさんの爪はカタツムリのように渦巻いていました。偏食だし食も細いなと思っていたら、一緒に暮らし始めて程なくして、口内の皮膚が腐ってほっぺたに穴が開いて手術を受けることに。迎え入れた時点で、歯槽膿漏がなかなか悪くなっていたようです。 もう少し早くお迎えしてあげていれば……という気持ちもありますが、モコさんはどうにか死線をくぐり抜け、今も窓のそばで日向ぼっこしながら、ゴロゴロ平和を満喫しています』、「偏食だし食も細いなと思っていたら、一緒に暮らし始めて程なくして、口内の皮膚が腐ってほっぺたに穴が開いて手術を受けることに。迎え入れた時点で、歯槽膿漏がなかなか悪くなっていたようです」、信じ難いようなことが起きたようだ。
・『ワンルームでも聴導犬の預かりボランティアができる理由  この記事を読んでおられる方のなかにもきっと、わが家のモコのような大人猫の里親になった方はいらっしゃると思いますし、今はペットを飼っていないけれどいつか飼いたいという人なら、里親という選択肢はもちろんご存じでしょう。 でも、聴導犬のソーシャライザー(子犬預かりボランティア)という活動を知っている人は少ないのではないでしょうか? 先代の猫が存命の2020年から、日本聴導犬協会の子犬を預かるボランティア、ソーシャライザーという活動をはじめました。聴導犬は耳の不自由な人を助ける介助犬で、日本聴導犬協会で活躍している犬たちは、ほとんどの犬が保護犬出身で、小型犬・大型犬・MIX犬とさまざまな犬種が活躍しています。) ソーシャライザーは、聴導犬候補の子犬を2カ月から3カ月程度の短期間預かり、社会化訓練をするボランティアです。訓練というと難しく感じますが、とくに難しいことはありません。一緒にカフェやショッピングモールなどいろんなところにお出かけするだけでも社会化訓練になるんです。一番大切なのは子犬に「人間って信頼できる。大好き」と人を信じてもらうこと。 「人間の食べ物をあげない」「イタズラをしても叱らない」など、日本聴導犬協会の決めたルールを守って育てるだけで、特別なスキルは必要ありません。ただし責任は重大です。「わが家での暮らしの積み重ねで、この子の未来が変わるんだ」と思うと、気持ちが引き締まります。 晩婚のため子どもも持てず、(ロスジェネ世代で、不況の影響を大きく受けたとは言え)人生のほぼ大半をフリーターでろくに税金も払わず、とくに世のため人のためになるようなことをしないまま40代後半になった私にとって、子犬を通して社会貢献するということが、社会へのささやかな恩返しでもあります。 このボランティアを知ったとき、「猫がいるから無理」「わが家は狭いから無理」「マンションだから無理」と思って諦めそうになったのですが、子犬の間にさまざまな環境で暮らし、どんな場所でも順応できるようにするためのボランティアなので、「猫がいる狭いマンションで暮らす」ということが大切な社会化訓練になるそうです。 まずはスタッフと協会犬による家庭訪問があり、わが家の生活スタイル、室内や近隣の環境、わが家の猫が子犬にフレンドリーに接してくれるかなどのチェックに見事通過して、晴れてソーシャライザーとしての活動がはじまったのでした』、「まずはスタッフと協会犬による家庭訪問があり、わが家の生活スタイル、室内や近隣の環境、わが家の猫が子犬にフレンドリーに接してくれるかなどのチェックに見事通過して、晴れてソーシャライザーとしての活動がはじまったのでした」、これなら安心だ。
・『犬ごとに違う性格、それぞれが持つかわいさ  今まで10匹の犬がわが家にやってきました。短い子は1カ月、長い子は8カ月、だいたい1匹あたり3カ月ぐらいわが家で一緒に暮らしました(1匹だけ猫との相性が悪くて数日で帰った子がいます)。) 最初は子犬を中心に預かっていましたが、夫の闘病がはじまってからは、家庭犬にキャリアチェンジが決まった里親募集中の子や、元聴導犬の引退犬など、成犬を預かるようになりました。 わが家は狭いため、ほとんどの場合シーズーがやってくるのですが、どの子も性格が違い、それぞれにその子だけのかわいさがあります。べったり甘えん坊の子がかわいいのはもちろんのこと、ツンデレの子に振り回されるのも楽しいものです。 わんぱくな子犬とボール遊びや紐での引っ張りっこをするふれあいもいいものですが、おっとり静かな老犬は手がかからずそれはそれで最高なのです』、「わんぱくな子犬とボール遊びや紐での引っ張りっこをするふれあいもいいものですが、おっとり静かな老犬は手がかからずそれはそれで最高なのです」、その通りだろう。
・『預かりボランティアならではの楽しさややりがい  本音を言ってしまえば、やはり相性というものはあるので、特別にお気に入りの子というのはいますが、気に入らなかった子というのはいません。どの子も愛しく、また一緒に暮らせたらうれしいです(なかには実際に2回預かった子もいます)。 ペットとして家庭に迎え入れ、同じ子と長く暮らすのと比べると、やはり絆ではかなうべくもありませんが、たくさんの犬と暮らしたからこそ、その子の個性に気づけるということもあり、預かりボランティアならではの楽しさややりがいもあります。 よく「犬とお別れするのが悲しくないの?」という質問を受けますが、だいたいの場合が預かっていた犬と交代で新しい犬が来るので、バタバタしていて悲しんでいる暇はありません。 しかも、月に1回ソーシャライザーや聴導犬ユーザーが集まるイベントが開催され、キャリアチェンジした犬も里親さんと一緒に顔を出したりするので、永遠の別れとかではなく、はやければ翌月にはまた会うため、感慨深さなどはなく、けっこうドライにバイバイします。) ただし、預かりボランティアを休んだ月は「家が静かで仕事がはかどるぅ!」「早起きして散歩しなくていいの超ラクチン!」「夫婦でゆっくりお出かけできるの最高!」と最初は夫婦の会話に感嘆符が飛び交うほどに、犬のいない生活を満喫するものの、10日もするとすっかり寂しくなって「来月はどの子が来るんだろう」「聴導犬協会からの連絡まだかな……」と、首を長くして再び犬がやってくるのを待つのです』、「預かりボランティアを休んだ月は「家が静かで仕事がはかどるぅ!」「早起きして散歩しなくていいの超ラクチン!」「夫婦でゆっくりお出かけできるの最高!」と最初は夫婦の会話に感嘆符が飛び交うほどに、犬のいない生活を満喫するものの、10日もするとすっかり寂しくなって「来月はどの子が来るんだろう」「聴導犬協会からの連絡まだかな……」と、首を長くして再び犬がやってくるのを待つのです」、なるほど。
・『ペットとの暮らしを諦めない、年齢とライフスタイルに合った方法を探す  高齢者とペットというのは、最近社会問題にもなっていますし、私がいつも観ている、東京のローカルテレビ局の保護犬・保護猫情報コーナーは、飼い主が高齢(死去、入院、施設への入居など)のためという理由で家を無くす犬や猫が圧倒的に多いのが現状です。 「保護犬・保護猫は60歳以上には譲渡しません」という保護団体も多く、SNSでは「高齢者はペットを飼うな」という意見も多くみられます。たしかに、ペットの立場に立つと、そのとおりです。 でも、一方で、 「年齢を重ねて時間ができた今こそ、ペットと暮らしたいのに、年齢を理由に諦めなくてはならないのも、残念すぎるのではないか」 ……いざ自分が中高年の仲間入りするようになって、私はそう感じるようになりました、年齢を重ねたからこそ、命の大切さに向き合える自信もありました(中高年世代の皆様はどう思いますか?)。 今から子猫や子犬を飼うには遅すぎると判断したわが家は、ライフステージや暮らしのサイズを考慮して、老猫の里親と、聴導犬のソーシャライザーという、ペットとの関わり方を選びました。 頭ごなしに否定するのではなく、さまざまなことを考慮したうえで、ペットの命に責任を持つこと、自分たちがもし飼えなくなったときのペットのその後まで考えることで、みんなが幸せになる答えが見つかるかもしれない……。それも、「小さく暮らす」ことをモットーにしているわが家がたどり着いた、結論の1つなのでした。 (編集部より)本連載は隔週連載です。下のボタンから読者登録をすると、更新時に通知が来るのでご利用ください。大木奈さんのもうひとつの連載「チェーン店最強のモーニングを探して」も好評更新中です(こちらは毎週)』、「今から子猫や子犬を飼うには遅すぎると判断したわが家は、ライフステージや暮らしのサイズを考慮して、老猫の里親と、聴導犬のソーシャライザーという、ペットとの関わり方を選びました。 頭ごなしに否定するのではなく、さまざまなことを考慮したうえで、ペットの命に責任を持つこと、自分たちがもし飼えなくなったときのペットのその後まで考えることで、みんなが幸せになる答えが見つかるかもしれない……。それも、「小さく暮らす」ことをモットーにしているわが家がたどり着いた、結論の1つなのでした」、すごく責任感のある「ペット」の飼い方だ。

次に、2月10日付けダイヤモンド・オンラインが転載したヘルスデーニュース「愛犬を夢中にさせる動画コンテンツ、“動物もの”の中で特に人気は……」を紹介しよう。
https://diamond.jp/articles/-/338410
・『犬が興味を示す動画や映像はどんなもの?  愛犬がテレビで何を見るのが一番好きか考えてみてほしい。自然のドキュメンタリー番組だろうか、動物の映像だろうか。米ウィスコンシン大学マディソン校獣医学部教授のFreya Mowat氏らが「Applied Animal Behavior Science」1月号に発表した研究によると、犬が最も興味を示す動画や映像は、他の動物、特に犬が登場するものであるという。 この研究は、犬の視覚をチェックするためのより良い方法の開発を目的にした研究の一部として実施された。Mowat氏は、「現在、われわれが犬の視力を評価する際に使っている方法は、人間で例えるなら、対象物が見えているかいないかを単にイエスかノーで答えさせるような、非常に低レベルのものしかない。 犬の視力を評価するには、犬用の視力表(アイチャート)に相当するような、より高感度な方法が必要だ」と主張する。そして、「われわれは、動画を利用することで視覚機能の評価に必要な時間だけ犬の注意を引きつけることができると考えている。しかし、どのようなタイプのコンテンツが犬にとって最も魅力的なのかが不明だった」と研究背景を説明している。 この点を調べるためにMowat氏らは、飼い犬のテレビとの関わりに関するウェブベースの調査票を作成し、世界中の犬の飼い主に回答してもらった。調査は、家庭内のスクリーンの種類(テレビ、タブレット、パソコンのスクリーンなど)、犬の年齢や犬種などの基本情報に加え、動画や映像に対する反応や興味を示すコンテンツなどを問う41項目の質問で構成されていた。 調査では、犬、交通、パートナー(飼い主)、鳥の4本のショート動画を犬に見せることもできた。得られた回答の中から、動画や映像に対する犬の興味について不明と答えたものなどを除外し、最終的に1246件の回答を解析対象とした。 回答のほとんど(89%)は米国から寄せられたものだった。対象とされた犬の年齢中央値は4歳で、雌犬が51%、純血種の犬が54%を占めていた。全回答のうちの1077件で飼い犬が動画や映像に興味を示すこと、残りの75件は興味を示さないことが報告されていた。動画や映像に興味を示す犬は、スクリーンに近付く(78%)、首を傾げる/耳を立てる(78%)、鳴き声を出す(76%)、鼻先でスクリーンに触れる(29%)などの反応を示すことが報告されていた。) 調査結果からは、そのほかに以下のような結果が判明した。 ・動画や映像に興味を示す犬の間で最も人気があるコンテンツは、動物が登場するものだった(95%の犬が反応)。 ・動物が出てくる動画や映像の中でも、犬が出てくるものは、とりわけ犬の興味を引き付けた(93%の犬が反応)。 ・人間の出てくる動画や映像に対する犬の関心はあまり高くなく、17カテゴリー中9位だった(37%の犬が反応)。 ・年齢と視力は、犬が動画や映像に興味を示す頻度に関係するのに対し、年齢と犬種は犬が興味を示す動画や映像の内容に関係する。 ・スポーティングドッグ(鳥猟犬;ラブラドールレトリバー、ゴールデンレトリバーなど)と牧羊犬・牧畜犬(オーストラリアンシェパード、ボーダーコリーなど)は他の犬種の犬に比べて、あらゆるタイプの動画や映像に興味を示す傾向が強かった。 ・スクリーン上の動きは犬の注意を強く引いた』、「調査は、家庭内のスクリーンの種類(テレビ、タブレット、パソコンのスクリーンなど)、犬の年齢や犬種などの基本情報に加え、動画や映像に対する反応や興味を示すコンテンツなどを問う41項目の質問で構成されていた。 調査では、犬、交通、パートナー(飼い主)、鳥の4本のショート動画を犬に見せることもできた。得られた回答の中から、動画や映像に対する犬の興味について不明と答えたものなどを除外し、最終的に1246件の回答を解析対象とした・・・回答のほとんど(89%)は米国から寄せられたものだった。対象とされた犬の年齢中央値は4歳で、雌犬が51%、純血種の犬が54%を占めていた。全回答のうちの1077件で飼い犬が動画や映像に興味を示すこと、残りの75件は興味を示さないことが報告されていた。動画や映像に興味を示す犬は、スクリーンに近付く(78%)、首を傾げる/耳を立てる(78%)、鳴き声を出す(76%)、鼻先でスクリーンに触れる(29%)などの反応を示すことが報告されていた」、「興味を示したのが「1077件」とは予想以上に多いようだ。
・『犬の視界に有害な生活環境がわかれば飼い主への影響も解明できるか  Mowat氏は、「これらの結果は、動画をベースに犬の加齢に伴う視覚的注意の変化を追跡する方法の開発に役立てることができるだろう」と話す。 そして、「犬の視力がどのように老化していくのかを理解することは、犬とともに暮らす人間にも役立つ。例えば、視覚に有害な環境要因や生活習慣の影響は、それが人間に現れる何十年も前に、人間よりもはるかに寿命の短い犬に現れる可能性がある。その意味で、犬は人間の『センチネル種』と言えるのかもしれない」と付け加えている。(HealthDay News 2024年1月23日)』、「「犬の視力がどのように老化していくのかを理解することは、犬とともに暮らす人間にも役立つ。例えば、視覚に有害な環境要因や生活習慣の影響は、それが人間に現れる何十年も前に、人間よりもはるかに寿命の短い犬に現れる可能性がある。その意味で、犬は人間の『センチネル種』と言えるのかもしれない」、とは興味深い試みだ。

第三に、4月18日付けダイヤモンド・オンラインが掲載した農学博士の林 良博氏による「「犬の飼育頭数」が日本で2040年に半減するワケ、猫はどうなる?」を紹介しよう。
https://diamond.jp/articles/-/341140
・『大切なパートナーとして、さまざまな形で人間との絆を築いてきた犬たち。そんな大事な存在がそう遠くない未来に私たちのそばから姿を消そうとしているという。なぜ国内の犬の飼育頭数が減少しているのか?「ヒトと動物の関係学」の研究者が警鐘を鳴らす。本稿は、林 良博『日本から犬がいなくなる日』(時事通信社)の一部を抜粋・編集したものです』、興味深そうだ。
・『ファミリーブリーダーが消えるとなぜまずいのか  日本では犬の飼育頭数が減ってきており、このままだと今後も減っていき、2040年には半分ほどの数に減ってしまいます。そして、犬の数が減る遠因としては、人口減少や共働き世帯の増加が考えられます。 しかしながら、犬の飼育頭数が減る、より核心的な要因は、別にあると私は見ています。それは、「日本から、犬の交配や繁殖を担うブリーダーの人たちが姿を消していくから」にほかなりません。 ブリーダーには大きく2種類があります。よび方はさまざまありますが、この本では「商業ブリーダー」と「ファミリーブリーダー」とよぶことにします。 商業ブリーダーとは、ブリーディングによって生まれた仔犬を販売するなどして、生計を立てているブリーダーたちのことを指します。商業ブリーダーには、企業を設けたり企業に属したりして、組織的な活動をしている人が多くいます。 一方、ファミリーブリーダーとは、ブリーディングによって生計を立てることを意図せずに、犬の繁殖をおこなっているブリーダーたちのことを指します。 冒頭で、日本から、犬の交配や繁殖を担うブリーダーの人たちが姿を消していくと述べましたが、とりわけ姿を消しつつあるのが、ファミリーブリーダーの方々です。ブリーディングをやめてしまう方が多くなっているのです。 ジャパンケネルクラブは、同クラブ会員のブリーダーたちの年間飼育頭数や登録者数の状況を把握しています。2004年には、年間繁殖頭数が1頭だったブリーダーは、約2300人、2頭では約3700人、3頭では約4700人、4頭では約4600人、5頭で3500人でした。6頭以降は頭数が増えるにつれて登録ブリーダーの数は減っていきます。 では10年後の2014年はどうかというと、年間繁殖頭数が1頭だった登録ブリーダーは約600人、2頭では約800人、3頭では約900人、4頭で約700人、5頭で約500人となっています。全体的に激減してしまいました。これより多い頭数も含め、すべての年間飼育頭数においてブリーダー登録数が10年前を下回り、なかでも1頭から5頭くらいの小規模といえるブリーダーの登録数が減っているのです。年間で1頭から5頭くらいの少ない仔犬を繁殖させるのはもっぱらファミリーブリーダーですので、ファミリーブリーダーの減り方が深刻であるということができます。) なぜファミリーブリーダーの方々が、ブリーディングをやめてしまったのか。その大きな要因と考えられるのが「法律の改正」です。動物愛護管理法という法律が改正され、2006(平成18)年6月に施行されたことをきっかけに、ファミリーブリーダーたちがブリーディングをするための手続きが大変になり、ブリーディング自体をやめてしまったと考えられるのです。 具体的には、多くのファミリーブリーダーがおこなってきた犬の繁殖活動が、「業」を営む行為であるとみなされるようになり、業としておこなうために必要な登録をしなければならず、「そこまでするのは大変だから、もうブリーディングはやらない」となってしまったようです』、「なぜファミリーブリーダーの方々が、ブリーディングをやめてしまったのか。その大きな要因と考えられるのが「法律の改正」です。動物愛護管理法という法律が改正され、2006(平成18)年6月に施行されたことをきっかけに、ファミリーブリーダーたちがブリーディングをするための手続きが大変になり、ブリーディング自体をやめてしまったと考えられるのです。 具体的には、多くのファミリーブリーダーがおこなってきた犬の繁殖活動が、「業」を営む行為であるとみなされるようになり、業としておこなうために必要な登録をしなければならず、「そこまでするのは大変だから、もうブリーディングはやらない」となってしまったようです」、なるほど。
・『「丁寧な繁殖の担い手」たちが去ったあとに待ち受ける未来  動物愛護管理法の改正が、本当にファミリーブリーダーがブリーディングをしなくなった原因となっているのか、より詳しく見て見ましょう。犬猫適正飼養推進協議会は、ブリーディングのさかんな地域である愛知県三河地区で聞き込み調査をしています。石山恒会長の話によると、ペットショップや商業ブリーダーの下(もと)には、数多くのファミリーブリーダーがいたものの、法改正によりいなくなってしまったということです。 50年間にわたり商業ブリーダーとして活動を続けている方への聞き取りによると、その方は「店子」とよばれるファミリーブリーダー500人とつながっていて、ファミリーブリーダーの協力の下(もと)年間2000頭ほどの繁殖をしていたそうです。しかし、ほとんどの「店子」のみなさんがブリーディングをやめてしまい、組織が崩壊したといいます。 やめた理由の大きな一つは、2006(平成18)年の法改正により登録が義務化されたためとのことです。「年間1回のブリーディングで2、3頭しか仔犬を繁殖させないのに、書類づくりを要求されるのは億劫だ」と嘆いていたファミリーブリーダーもいたといいます。さらに、ファミリーブリーダーにはベテランの方が多く高齢化も進んでおり、2012(平成26)年の同協議会の調査では後継者の有無について聞いたところ、後継者がいると答えた方は32パーセントにとどまったとのことです。) 高齢になってからルールが変わり、登録または届出のための書類づくりをするのが大変になったため、いっそのことブリーディングをやめてしまおうという方が多くいたことが推察できます。 犬猫適正飼養推進協議会は、三河地区のブリーダーへの2018(平成30)年の調査で、犬の繁殖をやめたブリーダーに、繁殖をやめたのはいつごろかを尋ねたところ、「2013年」と答えた方が最多だったといいます。2013(平成25)年といえば、法改正で第一種と第二種ができた年です。 繁殖をやめた理由を尋ねたところ、もっとも多かったのが「登録制になり、書類等の管理が面倒だから」で、「自分が歳をとり、体力的にきつくなったから」がこれに続きました。この二つの理由が突出しています。 また、1歳未満の犬の比率が7%以上を保っていることが、飼育頭数の維持増加には必要ですが、7%を下回ったのは2007(平成19)年でした。2007年といえば、改正動物愛護管理法が施行され、動物取扱業は書類の届出が必要となった翌年です。 長年にわたり小規模ながら丁寧に犬の繁殖をおこなってきた専門家たちが、法改正にともなう書類づくりなどの煩雑さを感じ、ブリーディングをやめてしまいました。後継者も少ないため、なにかしらの対策を打たなければ、日本におけるブリーディングは尻すぼみとなり、衰退の一途をたどります』、「犬の繁殖をやめたブリーダーに、繁殖をやめたのはいつごろかを尋ねたところ、「2013年」と答えた方が最多だったといいます。2013(平成25)年といえば、法改正で第一種と第二種ができた年です。 繁殖をやめた理由を尋ねたところ、もっとも多かったのが「登録制になり、書類等の管理が面倒だから」で、「自分が歳をとり、体力的にきつくなったから」がこれに続きました。この二つの理由が突出しています・・・1歳未満の犬の比率が7%以上を保っていることが、飼育頭数の維持増加には必要ですが、7%を下回ったのは2007(平成19)年でした。2007年といえば、改正動物愛護管理法が施行され、動物取扱業は書類の届出が必要となった翌年です。 長年にわたり小規模ながら丁寧に犬の繁殖をおこなってきた専門家たちが、法改正にともなう書類づくりなどの煩雑さを感じ、ブリーディングをやめてしまいました。後継者も少ないため、なにかしらの対策を打たなければ、日本におけるブリーディングは尻すぼみとなり、衰退の一途をたどります」、なるほど。
・『猫は8割が雑種 犬は9割近くが純粋種  なお、ここまでの現状に対して、「猫のブリーダーもおなじ状況になっているのか」と考える方もおられるでしょう。動物愛護管理法の改正は、犬だけを対象としたものではありません。中型の哺乳類という点では、猫も犬とおなじ条件ではあります。しかしながら、犬と猫で大きくちがうのは、大勢を占めるのが純粋種であるか雑種であるかです。 飼育犬の9割近くが純粋種であり、純粋種であることを証明するには血統証明書が必要です。血統証明書を得るには、日本ではジャパンケネルクラブ(JKC)という団体へのブリーダーとしての登録が必要です。つまり、犬の繁殖に特徴的である純粋種を維持するには、ブリーダーの存在が重要なのです。) 一方の猫はというと逆に8割以上が雑種であり、ブリーダーを介さず、もらった、拾った、迷い込んできたといった入手経路も多くあります。そのため法改正が猫のブリーダーにあたえる影響は小さいと考えられます。 「だったら、犬も猫とおなじようにブリーダーの手をあまりかけないで済む雑種に切りかえたらよいのでは」と考える方もおられるかもしれません。これについては犬と人間の関わり合いの歴史にも関係してくるのですが、犬の血統が守られつづけ、純粋犬がいまなお多く存在していることには意味があります。犬は、人間と暮らしていくうえで、人間の手によってさまざまな犬種が編みだされ、犬種ごとにさまざまな役割を果たしてきました。 たとえば、ビーグルという犬種は嗅覚を生かしてにおいで獲物を追う役割が担わされた嗅覚ハウンドとよばれる猟犬です。またラブラドール・レトリバーはカナダのラブラドール半島で網からこぼれた魚を回収していた回収犬でしたが、現在は盲導犬としての役割のほか、介護犬としても活躍しています。役割を果たすためには、ビーグルならビーグル、ラブラドール・レトリバーならラブラドール・レトリバーといったように血統が保たれていることが基本的に大切となります。 国際畜犬連盟という世界的な団体は、355犬種を犬種として登録しています。このうち約9割は使役犬、つまり人間のためにはたらいてくれる犬種です。なんらかの目的のために育種され、特殊な機能を先鋭化させた犬種たちです。雑種犬が主流になると、そもそも犬としての能力が薄まり、犬という動物の存在意義や価値が大きく変わってしまうことになります』、「飼育犬の9割近くが純粋種であり、純粋種であることを証明するには血統証明書が必要です。血統証明書を得るには、日本ではジャパンケネルクラブ(JKC)という団体へのブリーダーとしての登録が必要です。つまり、犬の繁殖に特徴的である純粋種を維持するには、ブリーダーの存在が重要なのです。 一方の猫はというと逆に8割以上が雑種であり、ブリーダーを介さず、もらった、拾った、迷い込んできたといった入手経路も多くあります。そのため法改正が猫のブリーダーにあたえる影響は小さいと考えられます・・・犬と人間の関わり合いの歴史にも関係してくるのですが、犬の血統が守られつづけ、純粋犬がいまなお多く存在していることには意味があります。犬は、人間と暮らしていくうえで、人間の手によってさまざまな犬種が編みだされ、犬種ごとにさまざまな役割を果たしてきました。 たとえば、ビーグルという犬種は嗅覚を生かしてにおいで獲物を追う役割が担わされた嗅覚ハウンドとよばれる猟犬です。またラブラドール・レトリバーはカナダのラブラドール半島で網からこぼれた魚を回収していた回収犬でしたが、現在は盲導犬としての役割のほか、介護犬としても活躍しています。役割を果たすためには、ビーグルならビーグル、ラブラドール・レトリバーならラブラドール・レトリバーといったように血統が保たれていることが基本的に大切となります。 国際畜犬連盟という世界的な団体は、355犬種を犬種として登録しています。このうち約9割は使役犬、つまり人間のためにはたらいてくれる犬種です。なんらかの目的のために育種され、特殊な機能を先鋭化させた犬種たちです。雑種犬が主流になると、そもそも犬としての能力が薄まり、犬という動物の存在意義や価値が大きく変わってしまうことになります」、確かに「355犬種」ある「犬」の「のうち約9割は使役犬、つまり人間のためにはたらいてくれる犬種です。なんらかの目的のために育種され、特殊な機能を先鋭化させた犬種たちです。雑種犬が主流になると、そもそも犬としての能力が薄まり、犬という動物の存在意義や価値が大きく変わってしまうことになります」、確かに純粋種が少ない「猫」にくらべ、「飼育犬の9割近くが純粋種」という「犬」は「血統」の維持が「大切」だ、「ブリーダー」にも登録手続きの面倒くささなどはあるとしても、是非頑張ってもらいたいところだ。
タグ:ペット 犬と人間の関わり合いの歴史にも関係してくるのですが、犬の血統が守られつづけ、純粋犬がいまなお多く存在していることには意味があります。犬は、人間と暮らしていくうえで、人間の手によってさまざまな犬種が編みだされ、犬種ごとにさまざまな役割を果たしてきました。 たとえば、ビーグルという犬種は嗅覚を生かしてにおいで獲物を追う役割が担わされた嗅覚ハウンドとよばれる猟犬です。またラブラドール・レトリバーはカナダのラブラドール半島で網からこぼれた魚を回収していた回収犬でしたが、現在は盲導犬としての役割のほか、介護犬として 「飼育犬の9割近くが純粋種であり、純粋種であることを証明するには血統証明書が必要です。血統証明書を得るには、日本ではジャパンケネルクラブ(JKC)という団体へのブリーダーとしての登録が必要です。つまり、犬の繁殖に特徴的である純粋種を維持するには、ブリーダーの存在が重要なのです。 一方の猫はというと逆に8割以上が雑種であり、ブリーダーを介さず、もらった、拾った、迷い込んできたといった入手経路も多くあります。そのため法改正が猫のブリーダーにあたえる影響は小さいと考えられます・・・ 1歳未満の犬の比率が7%以上を保っていることが、飼育頭数の維持増加には必要ですが、7%を下回ったのは2007(平成19)年でした。2007年といえば、改正動物愛護管理法が施行され、動物取扱業は書類の届出が必要となった翌年です。 長年にわたり小規模ながら丁寧に犬の繁殖をおこなってきた専門家たちが、法改正にともなう書類づくりなどの煩雑さを感じ、ブリーディングをやめてしまいました。後継者も少ないため、なにかしらの対策を打たなければ、日本におけるブリーディングは尻すぼみとなり、衰退の一途をたどります」、なるほど。 「犬の繁殖をやめたブリーダーに、繁殖をやめたのはいつごろかを尋ねたところ、「2013年」と答えた方が最多だったといいます。2013(平成25)年といえば、法改正で第一種と第二種ができた年です。 繁殖をやめた理由を尋ねたところ、もっとも多かったのが「登録制になり、書類等の管理が面倒だから」で、「自分が歳をとり、体力的にきつくなったから」がこれに続きました。この二つの理由が突出しています・・・ 「そこまでするのは大変だから、もうブリーディングはやらない」となってしまったようです」、なるほど。 「なぜファミリーブリーダーの方々が、ブリーディングをやめてしまったのか。その大きな要因と考えられるのが「法律の改正」です。動物愛護管理法という法律が改正され、2006(平成18)年6月に施行されたことをきっかけに、ファミリーブリーダーたちがブリーディングをするための手続きが大変になり、ブリーディング自体をやめてしまったと考えられるのです。 具体的には、多くのファミリーブリーダーがおこなってきた犬の繁殖活動が、「業」を営む行為であるとみなされるようになり、業としておこなうために必要な登録をしなければならず、 (その3)(晩婚子なし夫婦が「不人気の老猫」を迎えた理由 中高年でもペットと暮らすことを諦めない方法、愛犬を夢中にさせる動画コンテンツ、“動物もの”の中で特に人気は……、「犬の飼育頭数」が日本で2040年に半減するワケ 猫はどうなる?) 東洋経済オンライン 大木奈 ハル子氏による「晩婚子なし夫婦が「不人気の老猫」を迎えた理由 中高年でもペットと暮らすことを諦めない方法」 「子ナシ近所に親戚ナシの、ミドルシニア世代である私たち夫婦のペットとの向き合い方や、狭い空間でペットを飼うということについてつれづれ書いてまいります」、面白そうだ。 「一緒に暮らしはじめる前に、一緒の暮らしが終わるときのイメージまで描いてから、お迎えを決めたのでした」、責任感溢れた姿勢だ。 「偏食だし食も細いなと思っていたら、一緒に暮らし始めて程なくして、口内の皮膚が腐ってほっぺたに穴が開いて手術を受けることに。迎え入れた時点で、歯槽膿漏がなかなか悪くなっていたようです」、信じ難いようなことが起きたようだ。 「まずはスタッフと協会犬による家庭訪問があり、わが家の生活スタイル、室内や近隣の環境、わが家の猫が子犬にフレンドリーに接してくれるかなどのチェックに見事通過して、晴れてソーシャライザーとしての活動がはじまったのでした」、これなら安心だ。 「わんぱくな子犬とボール遊びや紐での引っ張りっこをするふれあいもいいものですが、おっとり静かな老犬は手がかからずそれはそれで最高なのです」、その通りだろう。 「預かりボランティアを休んだ月は「家が静かで仕事がはかどるぅ!」「早起きして散歩しなくていいの超ラクチン!」「夫婦でゆっくりお出かけできるの最高!」と最初は夫婦の会話に感嘆符が飛び交うほどに、犬のいない生活を満喫するものの、10日もするとすっかり寂しくなって「来月はどの子が来るんだろう」「聴導犬協会からの連絡まだかな……」と、首を長くして再び犬がやってくるのを待つのです」、なるほど。 「今から子猫や子犬を飼うには遅すぎると判断したわが家は、ライフステージや暮らしのサイズを考慮して、老猫の里親と、聴導犬のソーシャライザーという、ペットとの関わり方を選びました。 頭ごなしに否定するのではなく、さまざまなことを考慮したうえで、ペットの命に責任を持つこと、自分たちがもし飼えなくなったときのペットのその後まで考えることで、みんなが幸せになる答えが見つかるかもしれない……。それも、「小さく暮らす」ことをモットーにしているわが家がたどり着いた、結論の1つなのでした」、すごく責任感のある「ペット」の飼 い方だ。 ダイヤモンド・オンライン ヘルスデーニュース「愛犬を夢中にさせる動画コンテンツ、“動物もの”の中で特に人気は……」 「調査は、家庭内のスクリーンの種類(テレビ、タブレット、パソコンのスクリーンなど)、犬の年齢や犬種などの基本情報に加え、動画や映像に対する反応や興味を示すコンテンツなどを問う41項目の質問で構成されていた。 調査では、犬、交通、パートナー(飼い主)、鳥の4本のショート動画を犬に見せることもできた。得られた回答の中から、動画や映像に対する犬の興味について不明と答えたものなどを除外し、最終的に1246件の回答を解析対象とした・・・ 回答のほとんど(89%)は米国から寄せられたものだった。対象とされた犬の年齢中央値は4歳で、雌犬が51%、純血種の犬が54%を占めていた。全回答のうちの1077件で飼い犬が動画や映像に興味を示すこと、残りの75件は興味を示さないことが報告されていた。動画や映像に興味を示す犬は、スクリーンに近付く(78%)、首を傾げる/耳を立てる(78%)、鳴き声を出す(76%)、鼻先でスクリーンに触れる(29%)などの反応を示すことが報告されていた」、「興味を示したのが「1077件」とは予想以上に多いようだ。 「「犬の視力がどのように老化していくのかを理解することは、犬とともに暮らす人間にも役立つ。例えば、視覚に有害な環境要因や生活習慣の影響は、それが人間に現れる何十年も前に、人間よりもはるかに寿命の短い犬に現れる可能性がある。その意味で、犬は人間の『センチネル種』と言えるのかもしれない」、とは興味深い試みだ。 林 良博氏による「「犬の飼育頭数」が日本で2040年に半減するワケ、猫はどうなる?」 も活躍しています。役割を果たすためには、ビーグルならビーグル、ラブラドール・レトリバーならラブラドール・レトリバーといったように血統が保たれていることが基本的に大切となります。 国際畜犬連盟という世界的な団体は、355犬種を犬種として登録しています。このうち約9割は使役犬、つまり人間のためにはたらいてくれる犬種です。なんらかの目的のために育種され、特殊な機能を先鋭化させた犬種たちです。雑種犬が主流になると、そもそも犬としての能力が薄まり、犬という動物の存在意義や価値が大きく変わってしまうことになります」、 確かに「355犬種」ある「犬」の「のうち約9割は使役犬、つまり人間のためにはたらいてくれる犬種です。なんらかの目的のために育種され、特殊な機能を先鋭化させた犬種たちです。雑種犬が主流になると、そもそも犬としての能力が薄まり、犬という動物の存在意義や価値が大きく変わってしまうことになります」、確かに純粋種が少ない「猫」にくらべ、「飼育犬の9割近くが純粋種」という「犬」は「血統」の維持が「大切」だ、「ブリーダー」にも登録手続きの面倒くささなどはあるとしても、是非頑張ってもらいたいところだ。
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心理学(その4)(「悪夢をよくみる人」に知ってもらいたい"夢"の話 なぜ夢を白黒でみる人とカラーの人がいるのか、【悪夢】頻繁に見る人に潜む病と「脳のカラクリ」 怖い夢には「抗ストレス作用」があるという説も、【寝ぼけ】「睡眠時の奇声」男性に多い病気の正体 自覚少なく、家族が気づいて病気がわかる例も) [生活]

心理学については、2022年6月20日に取上げた。今日は、(その4)(「悪夢をよくみる人」に知ってもらいたい"夢"の話 なぜ夢を白黒でみる人とカラーの人がいるのか、【悪夢】頻繁に見る人に潜む病と「脳のカラクリ」 怖い夢には「抗ストレス作用」があるという説も、【寝ぼけ】「睡眠時の奇声」男性に多い病気の正体 自覚少なく、家族が気づいて病気がわかる例も)である。

先ずは、本年2月24日付け東洋経済オンラインが掲載した東洋大学社会学部社会心理学科教授の松田 英子氏による「「悪夢をよくみる人」に知ってもらいたい"夢"の話 なぜ夢を白黒でみる人とカラーの人がいるのか」を紹介しよう。
https://toyokeizai.net/articles/-/654338
・『人は一生のうちに6年から7年半もの時間、夢をみているといいます。そして、「みる夢の内容によって、または夢をよくみるかどうかによって、その人の性格や年代がわかる」というのは、夢と睡眠の専門家・松田英子氏です。松田氏の新著『1万人の夢を分析した研究者が教える今すぐ眠りたくなる夢の話』より、その不思議なメカニズムについてお届けします。 私たちは通常、起きたあとには夢と現実を区別できますが、夢の中では夢を現実だと思っています。これは、夢をみている間は(脳の中で認知機能を担っている)前頭前野が不活発で、現実との違いを認識できないためです。みなさんにも「夢でよかった~」、あるいは「夢で残念……」という体験があるかもしれませんね。 夢は私たちの記憶の連続性も示しています。 目覚めているときに入力され、処理した情報を記憶し、整理したのが夢なので、覚醒中と睡眠時の思考には連続性があります。記憶が連続していることが、私が「私」であることを信じられる前提であり、私たちが生まれてから現在までの歴史を示しています。 つまり、年代による差や成長にともなう変化など、夢は生涯発達やパーソナリティ(性格)の差をはじめとした個人差を反映するからおもしろいのです。その一部を少しご紹介しましょう』、「人は一生のうちに6年から7年半もの時間、夢をみている」、「夢をみている」「時間」がそんなに長いとは初めて知った。
・『「夢が記憶に残りやすいか」で性格がわかる  その日の睡眠時間にもよりますが、人は毎晩3つから5つくらいの夢をみています。「年に1回夢をみるかどうか」という人も、実は寝ている間に何回も夢をみているのですが、朝起きたときに記憶に残っていないだけです。 ただ、夢を覚えているかどうかには、大きな個人差があります。夢をみる頻度が少ない人、つまり夢が記憶に残りにくい人を、専門的には「低想起者(ていそうきしゃ)」といいます。低想起者の性格的特性としては、情緒が安定していて、のんびり、穏やか、現実的で、ストレスにも柔軟に対処できる傾向があります。 反対に夢が記憶に残りやすい人は、ひと晩にみた夢を2つも3つも覚えていることがあります。夢をよく覚えている人は「高想起者(こうそうきしゃ)」といい、平均的には心配性で不安傾向の高い人です。これは、さまざまなことが気になり、夢の中でもなんとか準備しようとしているのではないかと推測します。夢の中でも準備が終わっていない、時間が間に合わない、何度も何度も繰り返して焦る、などがよく報告される内容です。 このように夢が記憶に残りやすいかどうかをパーソナリティと結びつけたのは、私が学部から大学院時代にかけて実施した、心理検査を用いた調査と睡眠実験によります。 正確に言えば、普段から夢をよく覚えている5人(高想起群)と、普段の生活でほとんど夢を覚えていない5人(低想起群)を抽出して、「毎晩夢をみているのは間違いないし、実験室でレム睡眠のときに起こせばどちらも夢の内容を報告できるのに、何が違うのだろう?」という発想から比較をおこないました。 なお、被検者のもともとの性格については、心理検査で確認しています。実際どちらのグループも、レム睡眠の時間には統計的に有意な差はなく、いずれのグループも夢を報告できたのですが、違いは「レム密度」でした。 つまり高想起者は低想起者よりレム睡眠の時間当たりにおける眼球運動の数が多かったのです。そして夢の内容の不安度が高かったのです。これは脳の活動レベル(覚醒水準)を反映していると考えています。 その当時は、高想起者は不安を引き起こしやすい性格特性があることがわかり、夢に現れた不安度に着目していましたが、いまは夢の鮮明さなども関係していると思われます。鮮明だから覚えているのか、情動的であるから覚えているのかは不明ですが、おそらくそのどちらでもあると考えます』、「普段から夢をよく覚えている5人(高想起群)と、普段の生活でほとんど夢を覚えていない5人(低想起群)・・・高想起者は低想起者よりレム睡眠の時間当たりにおける眼球運動の数が多かったのです。そして夢の内容の不安度が高かった」、なるほど。
・『夢が白黒かカラーか、年代によって違う  みなさんの夢には色がついていますか?それとも白黒でしょうか? 個人差は大きいのですが、白黒の夢をみるのは年配者に多く、若者にそのことを伝えるとみなさん驚きます。大学生では「夢は白黒です」という人はかなり少数派に入ります。) かつては「色つきの夢をみる人は脳に障害がある」「色のついた夢をみる人は知能が高い」などの俗説があったようですが、それは調べた時代によるものと考えられます。 日本でいつもカラーの夢をみる人は、1993年には約20%でした。2009年には20代ではカラーの夢は50%以上、60代以上では10%以上という調査報告があります。 夢が色つきか白黒かを決めるのは、加齢という発達的要因と、白黒テレビからカラーテレビへの変化という社会文化的要因が関連しているのではないかと考え、日本とドイツの研究者が実証研究を進めています。 一般的には、年齢を重ねると夢は鮮明度が淡くなり、画像処理でいえば少し画質を落とした感じになるようです』、「日本でいつもカラーの夢をみる人は、1993年には約20%でした。2009年には20代ではカラーの夢は50%以上、60代以上では10%以上という調査報告があります・・・夢が色つきか白黒かを決めるのは、加齢という発達的要因と、白黒テレビからカラーテレビへの変化という社会文化的要因が関連しているのではないか」、なるほど。
・『悪夢をポジティブに変容できる「明晰夢」  夢は睡眠中、自動的に起こる情報処理過程なので、基本的に自分の意識でコントロールできるようになっていません。もし、ある程度自分の意志で夢の内容をコントロールできるとしたら、眠りの時間はとても楽しくなるはずです。夢はもともと覚えるようにはできていないし、いやな夢ほど覚えていることが多いです。 この状況で思いどおりの夢をみるというのは困難なことですが、それでも「夢はどこまでコントロールできるか」をテーマに、生理心理学的視点からその存在証明に取り組んだ成果が「明晰夢」です。 明晰夢とは、「自分がいま夢をみていると自覚する夢」のことです。夢と現実の違いに気づくことをきっかけに、「夢をみている最中」だと自覚して、そのまま夢をみ続けることができる人もいれば、静かに、映画のように第三者的視点でみている人もいます。 さらに、夢の中に登場する自分の動きをコントロールすることができる人もいます。あたかも映画のディレクターのように、「夢なのだから……」とものを自由に取り出して事態の解決に役立てたり、自分が満足を得るような夢の結末になるように、途中から、あるいは最初から何度もやり直したりすることができる人もいます。 さらに夢の中でのひらめきを夢の中で記録することができるという人もいます。かつてスティーブン・ラバージらが著した『明晰夢の世界を探る』では、「人生は夢である。(夢は)生きるためのリハーサルである」というようなことが述べられていて納得します。 また、現代において明晰夢は、悪夢をみる患者の夢をポジティブに変容させるための支援法としても使用されているのです。) かつては「色つきの夢をみる人は脳に障害がある」「色のついた夢をみる人は知能が高い」などの俗説があったようですが、それは調べた時代によるものと考えられます。 日本でいつもカラーの夢をみる人は、1993年には約20%でした。2009年には20代ではカラーの夢は50%以上、60代以上では10%以上という調査報告があります。 夢が色つきか白黒かを決めるのは、加齢という発達的要因と、白黒テレビからカラーテレビへの変化という社会文化的要因が関連しているのではないかと考え、日本とドイツの研究者が実証研究を進めています。 一般的には、年齢を重ねると夢は鮮明度が淡くなり、画像処理でいえば少し画質を落とした感じになるようです』、「明晰夢とは、「自分がいま夢をみていると自覚する夢」のことです。夢と現実の違いに気づくことをきっかけに、「夢をみている最中」だと自覚して、そのまま夢をみ続けることができる人もいれば、静かに、映画のように第三者的視点でみている人もいます。 さらに、夢の中に登場する自分の動きをコントロールすることができる人もいます。あたかも映画のディレクターのように、「夢なのだから……」とものを自由に取り出して事態の解決に役立てたり、自分が満足を得るような夢の結末になるように、途中から、あるいは最初から何度もやり直したりすることができる人もいます。 さらに夢の中でのひらめきを夢の中で記録することができるという人もいます・・・日本でいつもカラーの夢をみる人は、1993年には約20%でした。2009年には20代ではカラーの夢は50%以上、60代以上では10%以上という調査報告があります。 夢が色つきか白黒かを決めるのは、加齢という発達的要因と、白黒テレビからカラーテレビへの変化という社会文化的要因が関連しているのではないか」、なるほど。
・『悪夢をポジティブに変容できる「明晰夢」  夢は睡眠中、自動的に起こる情報処理過程なので、基本的に自分の意識でコントロールできるようになっていません。もし、ある程度自分の意志で夢の内容をコントロールできるとしたら、眠りの時間はとても楽しくなるはずです。夢はもともと覚えるようにはできていないし、いやな夢ほど覚えていることが多いです。 この状況で思いどおりの夢をみるというのは困難なことですが、それでも「夢はどこまでコントロールできるか」をテーマに、生理心理学的視点からその存在証明に取り組んだ成果が「明晰夢」です。 明晰夢とは、「自分がいま夢をみていると自覚する夢」のことです。夢と現実の違いに気づくことをきっかけに、「夢をみている最中」だと自覚して、そのまま夢をみ続けることができる人もいれば、静かに、映画のように第三者的視点でみている人もいます。 さらに、夢の中に登場する自分の動きをコントロールすることができる人もいます。あたかも映画のディレクターのように、「夢なのだから……」とものを自由に取り出して事態の解決に役立てたり、自分が満足を得るような夢の結末になるように、途中から、あるいは最初から何度もやり直したりすることができる人もいます。 さらに夢の中でのひらめきを夢の中で記録することができるという人もいます。かつてスティーブン・ラバージらが著した『明晰夢の世界を探る』では、「人生は夢である。(夢は)生きるためのリハーサルである」というようなことが述べられていて納得します。 また、現代において明晰夢は、悪夢をみる患者の夢をポジティブに変容させるための支援法としても使用されているのです』、鮮明な夢をみているとされるレム睡眠の時間帯は、実は胎児からも観察されています。胎児のレム睡眠はたいへん長く、たっぷりある睡眠時間のうちレム睡眠とノンレム睡眠が半々で、生まれる直前が最長の時間です。 とはいえ、その夢はいわゆるわれわれがみる夢とは異なるのではないかと推測する研究者もいます。生まれたばかりの新生児は、まさに生きるために眠るといってよいと思いますが、一日に占める睡眠時間も16時間から20時間と長く、睡眠のサイクルは同じくレム睡眠が50%、ノンレム睡眠が50%です。 成長とともに睡眠時間は短縮し、レム睡眠とノンレム睡眠の割合も変化します。その後、成年期以降から老年期まで、レム睡眠が約20%、ノンレム睡眠が約80%で維持されていきます。 乳児から幼児までの間に脳の神経基盤(ニューロン間の回路[シナプス])を整えることは生存のために重要で、この時期に比較的量が多いレム睡眠は、これらシナプスの形成に重要な役割を果たすと考えられています。 この時期にみる夢を、夢と認識して語りはじめるまでに、少なくとも生後2~3年はかかるようです』、「現代において明晰夢は、悪夢をみる患者の夢をポジティブに変容させるための支援法としても使用されているのです・・・成長とともに睡眠時間は短縮し、レム睡眠とノンレム睡眠の割合も変化します。その後、成年期以降から老年期まで、レム睡眠が約20%、ノンレム睡眠が約80%で維持されていきます」、なるほど。
・『人生のうち6年から7年半も夢をみている  夢と認知発達研究の先駆者である心理学者デイヴィッド・フォルケスは、幼児と児童を中心に夢の認識について調査しました。 その結果、幼児期中盤の3~4歳で夢の報告があるのは約15%で、日常生活のワンシーンや何かを観察する受け身的な夢だそうです。まるでテレビか何かを視聴しているような感じで、きっとこの頃の夢は自分の外からやってくるものなのでしょうね。 幼児期後半の4~5歳では約30%で、友だちと遊ぶなど社会性が夢に現れてきます。生活空間の広がりが関連してくる時期であり、小学校に上がる7~8歳では、夢の主人公が自分で、夢は自分の内部から発生するものとわかりはじめるようです。これは自分の記憶を客観的に判断するメタ記憶が小学校の低学年から育ちはじめ、自分の記憶と夢の内容をセルフモニタリング(自己監視)できるように成長したということを意味しています。 ところが成年期をピークとして、加齢とともにゆるやかに夢の想起頻度は低下していきます。 また、小さい頃は悪夢を覚えていることが多いこともわかっています。これは自分を取り巻く世界のさまざまなことに自分の力で対処することが難しいためと考えます。 年齢によっても異なりますが、レム睡眠の時間は平均で全睡眠時間の20~25%です。日本人の平均年齢から試算して人生の時間を90年とすると、睡眠の時間は30年、そして夢みる時間は6年から7年半となります。 普段夢を覚えていない方はとくにビックリされることでしょう』、「レム睡眠の時間は平均で全睡眠時間の20~25%です。日本人の平均年齢から試算して人生の時間を90年とすると、睡眠の時間は30年、そして夢みる時間は6年から7年半となります」、意外に長いことに驚かされた。

次に、3月25日付け東洋経済オンラインが掲載した東洋経済オンライン医療取材チームによる「【悪夢】頻繁に見る人に潜む病と「脳のカラクリ」 怖い夢には「抗ストレス作用」があるという説も」を紹介しよう。
https://toyokeizai.net/articles/-/654338
・『「受験で失敗する夢を見る」「何かに追いかけられる夢を見る」――。このような悪夢にうなされて、ハッと目が覚めた。そんな経験をしたことがある人も多いのではないのだろうか。運動などで睡眠の改善を図っても、悪夢を繰り返し見る場合は、もしかしたら重大な病気が潜んでいるかもしれない。 精神科医で、早稲田大学睡眠研究所所長の西多昌規さんに、悪夢を見るメカニズム、悪夢を見ることで考えられる疾患について話を聞いた。 人はなぜ悪夢を見るのか。それを知るためには、まずは睡眠の仕組みを理解する必要がある』、興味深そうだ。
・『睡眠の仕組みについて  私たちが眠りについて目が覚めるまでの間には、レム睡眠と、ノンレム睡眠という2種類の睡眠状態が繰り返されている。 レム睡眠は、眼球がキョロキョロと動く急速眼球運動(Rapid Eye Movement)の頭文字から名づけられている。この間、体は休んでいるものの、脳は活動している。 一方、ノンレム睡眠はレム睡眠の逆で、体だけでなく脳も休息している。ノンレムはさらに「まどろみ期(ごく浅い睡眠)」「軽睡眠期(寝ていても、何かの音に気づいて起きることがある)」「深睡眠期(ちょっとやそっとでは寝覚めない)」の3つに分類される。 つまり、〈ノンレム睡眠(まどろみ期→軽睡眠期→深睡眠期)→レム睡眠〉が、1晩で4~5回繰り返され、夜明けになるにしたがってレム睡眠の持続時間が長くなる』、「レム睡眠は、眼球がキョロキョロと動く急速眼球運動(Rapid Eye Movement)の頭文字から名づけられている。この間、体は休んでいるものの、脳は活動している。 一方、ノンレム睡眠はレム睡眠の逆で、体だけでなく脳も休息している・・・ノンレム睡眠(まどろみ期→軽睡眠期→深睡眠期)→レム睡眠〉が、1晩で4~5回繰り返され、夜明けになるにしたがってレム睡眠の持続時間が長くなる』、なるほど。
・『睡眠の経過とノンレム睡眠・レム睡眠  睡眠の経過とノンレム睡眠・レム睡眠(西多さんの提供資料を編集部で改編) はリンク先参照) 悪夢をあまり見ない人もいれば、子どもの頃から悪夢を見る人もあり、個人差がある。 では、なぜ悪夢を見るのか。それは、扁桃体と呼ばれる、恐怖心や不快感といった感情に深く関わっている脳の部位が、レム睡眠中に過活動になっているためだとされる。 これは過去のトラウマ経験を持つ人や、ストレスに晒されている人に見られる傾向だ。) 悪夢は過去の経験を反映している。上司や学校の先生に怒られたなど、ショックな出来事があれば、その日に怒られる夢を見る場合もあるし、受験に落ちたなど、若いころに経験したことが悪夢として現れる場合もある。 「日本は受験に対するプレッシャーが強く、 受験に間に合わなかったとか、不合格だったなど、大人になってからも試験に関係する悪夢が多いですね」(西多さん) ちなみに、4~5歳まではまだ人生経験が少ないため、夢の中身はシンプルで、悪夢もあまり見ることはない。悪夢を含めさまざまな夢を見るようになるのは、思春期で多感な年ごろになってからだそうだ。 また、睡眠時間が長いロングスリーパー気味の人や、昼間に寝て夜に活動する夜型の人のほうが、悪夢の発生率が高くなっている可能性もあるという。 「精神的に不調になると、睡眠時間が長くなる人もいます。この傾向は、一部の抑うつ状態の人にも見られます。睡眠時間が長くなると、睡眠の後半に出現しやすいレム睡眠の時間も長くなりがちです。昼まで寝ていると、レム睡眠が出現しやすくなります。起きがけに見る悪夢のため、その内容を覚えていることが多いです 」(西多さん)』、「なぜ悪夢を見るのか。それは、扁桃体と呼ばれる、恐怖心や不快感といった感情に深く関わっている脳の部位が、レム睡眠中に過活動になっているためだとされる・・・睡眠時間が長くなると、睡眠の後半に出現しやすいレム睡眠の時間も長くなりがちです。昼まで寝ていると、レム睡眠が出現しやすくなります。起きがけに見る悪夢のため、その内容を覚えていることが多いです」、「昼まで寝ていると・・・起きがけに見る悪夢のため、その内容を覚えていることが多いです」、とは面白い指摘だ。
・『悪夢=悪、とは限らない  悪夢は良くないものというイメージがあるが、一説には悪夢にはストレスを軽減させる抗ストレス作用があると言われる。したがって必ずしも“悪夢=悪”ではない。 だが、毎朝悪夢にうなされて起きるのは、大変つらい。悪夢を見ないようにすることはできるのだろうか。 たとえば適度な運動や、人との交流といった日中のストレス対策は、睡眠の質を改善し、悪夢の減少につながることがある。 西多さんによると、「悪夢を見ることが多いから」という理由で受診をする人はほぼいないという。ただし、悪夢を見ることで日中の仕事のパフォーマンスに影響が出たり、悪夢を見た本人が精神的なストレスを抱えていたりする場合は要注意だ。 「悪夢によって睡眠がとれなくなる、質が悪くなり、日中の生活に支障が生じているようであれば、脳の病気の可能性もあります。医療機関を受診してもいいでしょう」と西多さんは話す。 実は、PTSD(心的外傷後ストレス障害)の人は、悪夢を頻繁に見る傾向にある。 PTSDとはなにかしらのトラウマ体験があり、時間が経ってもフラッシュバックする精神疾患だ。震災で被災した経験や、交通事故を目撃してショックを受けたことで症状が出現する。またパワハラやいじめによって生じる複雑性PTSDもある。 患者の中には、トラウマ体験から外に出るのが怖くなって外出を避けるようになったり、否定的な感情が強くなって人付き合いができなくなったり、といった症状が見られる。さらには、うつ病を併発する患者もいる。 西多さんは外来を受診する患者の中で、繰り返し見る悪夢に加えて日中のフラッシュバックなどを伴っている場合は、PTSDを疑うという』、「悪夢にはストレスを軽減させる抗ストレス作用があると言われる。したがって必ずしも“悪夢=悪”ではない・・・適度な運動や、人との交流といった日中のストレス対策は、睡眠の質を改善し、悪夢の減少につながることがある・・・PTSD(心的外傷後ストレス障害)の人は、悪夢を頻繁に見る傾向にある」、なるほど。

第三に、3月27日付け東洋経済オンラインが掲載した東洋経済オンライン医療取材チーム による「【寝ぼけ】「睡眠時の奇声」男性に多い病気の正体 自覚少なく、家族が気づいて病気がわかる例も」を紹介しよう。
https://toyokeizai.net/articles/-/659466
・『睡眠中に大声を発する、隣で寝ている家族に暴力を振るう。70代以上の高齢男性で問題となっているのが「レム睡眠行動障害」だ。睡眠中の身体的な行動には、寝ぼけたまま歩き回る「夢遊病」もあるが、レム睡眠行動障害とは別物だという。 なぜ寝ているにもかかわらずこうした行動をとってしまうのか。精神科医で、早稲田大学睡眠研究所所長の西多昌規さんに話を聞いた。 睡眠時の病気と聞くと、睡眠中に何度も呼吸が止まる「睡眠時無呼吸症候群」が思い浮かぶかもしれない。睡眠時無呼吸症候群と同じく、男性の患者が多い病気で、とくに70代の高齢者で問題となっているのが、レム睡眠行動障害だ』、「男性の患者が多い病気で、とくに70代の高齢者で問題となっているのが、レム睡眠行動障害だ」、興味深そうだ。
・『「レム睡眠行動障害」とは?  奇声をあげるほか、隣に寝ている人を殴る、蹴るといった暴力的な行動が見られるケースもある。一緒に寝ている妻が被害に遭うため、本人だけでなく家族も身の危険を感じる病気だ。 なぜそのような行動を起こしてしまうのか。それは名前の通り、レム睡眠が関係している。 人は寝ている間に、レム睡眠(脳が活動している状態)と、ノンレム睡眠(脳が休息している状態)の2種類の睡眠状態が繰り返されている。 本来、レム睡眠中の体は休息していて、眼筋や胸部の筋肉といった最低限の筋肉しか動いていない。ところがレム睡眠行動障害の患者の場合は、レム睡眠中も体が動いてしまう。 脳と筋肉をつなぐ神経が異常をきたしていることで、体が動いてしまうのだ。 70代の高齢男性は、人生の大半を仕事に費やしている人が多い。そのため「夢の内容は、部下を怒っているなど、仕事がらみのケースが多い」(西多さん) という。) レム睡眠行動障害の患者は、奇声をあげるなどの寝ているときの行動を覚えていない場合もあるが、「そういったこともあったかもしれない」といったあやふやながら記憶が残っている場合がほとんどだという。 だが、それが病気であるという危機感はほとんどない。むしろレム睡眠行動障害が発覚するのは、一緒に暮らす家族が夜中の異常行動に気づくパターンが多い。 さらには、単身で住む高齢者では、下の階の住人から苦情がきたことで病気が発覚することもあり、高齢者施設に入居しているのであれば、職員が気づく場合も少なくない』、「レム睡眠行動障害の患者の場合は、レム睡眠中も体が動いてしまう。 脳と筋肉をつなぐ神経が異常をきたしていることで、体が動いてしまうのだ。 70代の高齢男性は、人生の大半を仕事に費やしている人が多い。そのため「夢の内容は、部下を怒っているなど、仕事がらみのケースが多い」(西多さん) という」、タチが悪い症状だ。
・『「夢遊病」との違いは?  レム睡眠行動障害による異常行動は、レム睡眠が出現しやすい睡眠後半(夜中から明け方)によく見られるが、高齢者は早寝早起きのため、夜中の早い時間帯に表れることもある。睡眠不足など睡眠の質が関係する場合もあるが、昼間に見られることはほぼないそうだ。 またレム睡眠行動障害の症状は、毎日出るというわけでもない。日によって出ない日もある。 なぜ出る日・出ない日があるかは、原因は解明されておらず、その出現頻度も個人差がある。 “寝ている間に体が動く”と聞くと、「夢遊病」を思い浮かべる人もいるかもしれない。だが、夢遊病とレム睡眠行動障害は別物だ。 夢遊病は子どもに多い睡眠時の行動障害だ。脳の一部分が未熟なため、夜に大声で泣く、ベッド付近をうろうろするといった行動をとり、成長するとたいていの場合は症状が消える。 「夢遊病は、夢で遊んでいるようなイメージですが、レム睡眠行動障害は夢の中でどなりつけているような状態で、ほとんどの患者さんは楽しそうではありません」(西多さん) 実はレム睡眠行動障害は、手足が震えたり、筋肉がこわばる「パーキンソン病」や、幻視が繰り返されたり、会話が理解できなくなる「レビー小体型認知症」といった神経系の病気の初期の症状の可能性がある。 パーキンソン病やレビー小体型認知症は、ノンレム睡眠とレム睡眠の切り替えをつかさどる脳部位に異常が生じることで発症する。その初期症状としてレム睡眠行動障害が表れていると考えられているのだ。 パーキンソン病は日本では約1000人に1~1.5人いるとされ(難病情報センター)、レビー小体型認知症は推定90万人以上の患者がいる(小阪憲司監修『レビー小体型認知症がよくわかる本』)。 「患者さんがレム睡眠行動障害を疑って病院を受診する場合は、最初に精神科や心療内科を訪れるケースが多いのですが、原因となる神経の病気がある場合もあるので、まずはMRI(磁気共鳴断層撮影)などがある大きな病院で脳の検査を受けてほしい。その後に脳神経内科や精神科のクリニックなどで診てもらったほうがよいでしょう 」(西多さん)) 現代の医療では、パーキンソン病やレビー小体型認知症は、進行を抑えることしかできない。 ただ、レム睡眠行動障害は、薬物治療で症状を改善することができる。抗てんかん薬のクロナゼパム(リボトリール、ランドセン)という昔から処方されている薬が使われており、最近では漢方薬などの選択肢も増えている。 日中の運動で睡眠の質を改善することで、寝ている間の異常行動を抑えられるのでは、という考えを持つ人もいるかもしれないが、「レム睡眠行動障害そのものは、生活習慣で改善できる次元をすでに超えており、治療の必要があります」と西多さんは警鐘を鳴らす』、「夢遊病とレム睡眠行動障害は別物だ。 夢遊病は子どもに多い睡眠時の行動障害だ。脳の一部分が未熟なため、夜に大声で泣く、ベッド付近をうろうろするといった行動をとり、成長するとたいていの場合は症状が消える。 「夢遊病は、夢で遊んでいるようなイメージですが、レム睡眠行動障害は夢の中でどなりつけているような状態で、ほとんどの患者さんは楽しそうではありません」(西多さん) 実はレム睡眠行動障害は、手足が震えたり、筋肉がこわばる「パーキンソン病」や、幻視が繰り返されたり、会話が理解できなくなる「レビー小体型認知症」といった神経系の病気の初期の症状の可能性がある・・・レム睡眠行動障害は、薬物治療で症状を改善することができる。抗てんかん薬のクロナゼパム(リボトリール、ランドセン)という昔から処方されている薬が使われており、最近では漢方薬などの選択肢も増えている」、なるほど。
・『寝室に危険なものを置かない  では、家での対策はどうしたらいいか。 家族が患者本人と一緒に寝ている場合は、家族が危険な目に遭う恐れもある。極端な話かもしれないが、例えば野球選手ならバットなど、普段使い慣れている仕事道具を寝室に置いてあれば、振り回してしまう可能性もまったくないわけではない。 西多さんも「寝室に危険なものを置かないことはもちろんですが、寝ている間に動く場合は治療の必要があるため、すぐに病院にいきましょう」と話す。 もしも家族や周りで、睡眠中に奇声をあげる、暴力的な行動をとる、といった症状が見られる人がいたら、すぐに医療機関を受診したほうがよいだろう』、「寝室に危険なものを置かないことはもちろんですが、寝ている間に動く場合は治療の必要があるため、すぐに病院にいきましょう」、暴力的といのは困ったことだ。放置せず、医療機関の診断を受けるべきだろう。
タグ:「普段から夢をよく覚えている5人(高想起群)と、普段の生活でほとんど夢を覚えていない5人(低想起群)・・・高想起者は低想起者よりレム睡眠の時間当たりにおける眼球運動の数が多かったのです。そして夢の内容の不安度が高かった」、なるほど。 「男性の患者が多い病気で、とくに70代の高齢者で問題となっているのが、レム睡眠行動障害だ」、興味深そうだ。 東洋経済オンライン医療取材チーム による「【寝ぼけ】「睡眠時の奇声」男性に多い病気の正体 自覚少なく、家族が気づいて病気がわかる例も」 実はレム睡眠行動障害は、手足が震えたり、筋肉がこわばる「パーキンソン病」や、幻視が繰り返されたり、会話が理解できなくなる「レビー小体型認知症」といった神経系の病気の初期の症状の可能性がある・・・レム睡眠行動障害は、薬物治療で症状を改善することができる。抗てんかん薬のクロナゼパム(リボトリール、ランドセン)という昔から処方されている薬が使われており、最近では漢方薬などの選択肢も増えている」、なるほど。 「寝室に危険なものを置かないことはもちろんですが、寝ている間に動く場合は治療の必要があるため、すぐに病院にいきましょう」、暴力的といのは困ったことだ。放置せず、医療機関の診断を受けるべきだろう。 「夢遊病とレム睡眠行動障害は別物だ。 夢遊病は子どもに多い睡眠時の行動障害だ。脳の一部分が未熟なため、夜に大声で泣く、ベッド付近をうろうろするといった行動をとり、成長するとたいていの場合は症状が消える。 「夢遊病は、夢で遊んでいるようなイメージですが、レム睡眠行動障害は夢の中でどなりつけているような状態で、ほとんどの患者さんは楽しそうではありません」(西多さん) 「レム睡眠行動障害の患者の場合は、レム睡眠中も体が動いてしまう。 脳と筋肉をつなぐ神経が異常をきたしていることで、体が動いてしまうのだ。 70代の高齢男性は、人生の大半を仕事に費やしている人が多い。そのため「夢の内容は、部下を怒っているなど、仕事がらみのケースが多い」(西多さん) という」、タチが悪い症状だ。 「悪夢にはストレスを軽減させる抗ストレス作用があると言われる。したがって必ずしも“悪夢=悪”ではない・・・適度な運動や、人との交流といった日中のストレス対策は、睡眠の質を改善し、悪夢の減少につながることがある・・・PTSD(心的外傷後ストレス障害)の人は、悪夢を頻繁に見る傾向にある」、なるほど。 「なぜ悪夢を見るのか。それは、扁桃体と呼ばれる、恐怖心や不快感といった感情に深く関わっている脳の部位が、レム睡眠中に過活動になっているためだとされる・・・睡眠時間が長くなると、睡眠の後半に出現しやすいレム睡眠の時間も長くなりがちです。昼まで寝ていると、レム睡眠が出現しやすくなります。起きがけに見る悪夢のため、その内容を覚えていることが多いです」、「昼まで寝ていると・・・起きがけに見る悪夢のため、その内容を覚えていることが多いです」、とは面白い指摘だ。 「レム睡眠は、眼球がキョロキョロと動く急速眼球運動(Rapid Eye Movement)の頭文字から名づけられている。この間、体は休んでいるものの、脳は活動している。 一方、ノンレム睡眠はレム睡眠の逆で、体だけでなく脳も休息している・・・ノンレム睡眠(まどろみ期→軽睡眠期→深睡眠期)→レム睡眠〉が、1晩で4~5回繰り返され、夜明けになるにしたがってレム睡眠の持続時間が長くなる』、なるほど。 「レム睡眠の時間は平均で全睡眠時間の20~25%です。日本人の平均年齢から試算して人生の時間を90年とすると、睡眠の時間は30年、そして夢みる時間は6年から7年半となります」、意外に長いことに驚かされた。 東洋経済オンライン医療取材チームによる「【悪夢】頻繁に見る人に潜む病と「脳のカラクリ」 怖い夢には「抗ストレス作用」があるという説も」 「現代において明晰夢は、悪夢をみる患者の夢をポジティブに変容させるための支援法としても使用されているのです・・・成長とともに睡眠時間は短縮し、レム睡眠とノンレム睡眠の割合も変化します。その後、成年期以降から老年期まで、レム睡眠が約20%、ノンレム睡眠が約80%で維持されていきます」、なるほど。 という調査報告があります。 夢が色つきか白黒かを決めるのは、加齢という発達的要因と、白黒テレビからカラーテレビへの変化という社会文化的要因が関連しているのではないか」、なるほど。 さらに、夢の中に登場する自分の動きをコントロールすることができる人もいます。あたかも映画のディレクターのように、「夢なのだから……」とものを自由に取り出して事態の解決に役立てたり、自分が満足を得るような夢の結末になるように、途中から、あるいは最初から何度もやり直したりすることができる人もいます。 さらに夢の中でのひらめきを夢の中で記録することができるという人もいます・・・日本でいつもカラーの夢をみる人は、1993年には約20%でした。2009年には20代ではカラーの夢は50%以上、60代以上では10%以上 「明晰夢とは、「自分がいま夢をみていると自覚する夢」のことです。夢と現実の違いに気づくことをきっかけに、「夢をみている最中」だと自覚して、そのまま夢をみ続けることができる人もいれば、静かに、映画のように第三者的視点でみている人もいます。 「日本でいつもカラーの夢をみる人は、1993年には約20%でした。2009年には20代ではカラーの夢は50%以上、60代以上では10%以上という調査報告があります・・・夢が色つきか白黒かを決めるのは、加齢という発達的要因と、白黒テレビからカラーテレビへの変化という社会文化的要因が関連しているのではないか」、なるほど。 「人は一生のうちに6年から7年半もの時間、夢をみている」、「夢をみている」「時間」がそんなに長いとは初めて知った。 松田 英子氏による「「悪夢をよくみる人」に知ってもらいたい"夢"の話 なぜ夢を白黒でみる人とカラーの人がいるのか」 東洋経済オンライン (その4)(「悪夢をよくみる人」に知ってもらいたい"夢"の話 なぜ夢を白黒でみる人とカラーの人がいるのか、【悪夢】頻繁に見る人に潜む病と「脳のカラクリ」 怖い夢には「抗ストレス作用」があるという説も、【寝ぼけ】「睡眠時の奇声」男性に多い病気の正体 自覚少なく、家族が気づいて病気がわかる例も) 心理学
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