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健康(その30)(1日3食とっているのに栄養失調?うつ病リスク高める「危険な食生活」とは、認知症や急激な老化を呼ぶ免疫暴走が起こる真因 免疫が処理できないほど体内にゴミが溜まる恐怖) [生活]

健康については、本年8月15日に取上げた。今日は、(その30)(1日3食とっているのに栄養失調?うつ病リスク高める「危険な食生活」とは、認知症や急激な老化を呼ぶ免疫暴走が起こる真因 免疫が処理できないほど体内にゴミが溜まる恐怖)である。

先ずは、8月9日付けダイヤモンド・オンラインが掲載した清談社の真島加代氏による「1日3食とっているのに栄養失調?うつ病リスク高める「危険な食生活」とは」を紹介しよう。
https://diamond.jp/articles/-/347402
・『忙しい毎日を送るなかで“食事は作業”と考えているビジネスパーソンもいるかもしれない。手早く腹を満たすことのみが目的になってしまい、口に入れた食品にどんな栄養があるのか、心身にどんな影響があるのか、までは意識していない人もいるだろう。しかし、乱れた食生活は体の健康を害するだけでなく、仕事のパフォーマンスやメンタルヘルスにも悪影響が及ぶ可能性があるという』、興味ありそうだ。
・『ビタミン・ミネラルが不足しがちな現代のビジネスパーソン  高脂質・高糖質な食べ物を好きなだけ食べる。そんな食生活を送っていると、いずれ健康状態が悪化してしまうが、加えて仕事のパフォーマンスの低下やメンタル面にも悪影響を及ぼすリスクがあるという。 「食事は“ただ三食食べればいい”というものではありません。夜は寝ているはずなのにスッキリ起きられず、日中も頭の中がモヤモヤする……という人は、現代人特有の“栄養失調”に陥っている可能性があります。自分の口に入れるものは、すべて将来の健康という資産を作り上げるための『投資』になるので、ぜひ食材に含まれる栄養素にも目を向けてほしいです」 そう話すのは、満尾クリニック院長の満尾正氏。満尾氏はハーバード大学外科代謝栄養研究室で研究に取り組み、同クリニックでも栄養学に基づいた治療を行っている。 「先日、ある企業に勤務する社員全員の健康診断を行ったところ、若手社員の健康状態がもっとも悪いという結果が出ました。ある人は20代で骨がボロボロだったので、どんな食生活を送っているのか尋ねてみると、忙しい昼はコンビニで買ったおにぎり1つだけで済まし、夕飯はファストフード。自宅でもカップ麺を食べる日が多いと話していました。インスタント食品やファストフードは添加物が多く、ミネラルやビタミン、食物繊維が足りません。外食で糖質を多く摂り、ビタミン・ミネラルが不足すると精神を安定させる神経伝達物質が不足し、うつ状態に陥りやすくなってしまいます」 また、中高年以降も若い頃と同じように不摂生を続けていると、心身の疲れやすさや、便秘、下痢など胃腸の不調に見舞われやすくなるという。 「食生活の乱れから眠りが浅くなったり、落ち込みやすくなったり、といった悩みを抱える中高年も多いです。じつは、当院の患者さんのなかにはコロナ禍の自粛期間に会食が減って暴飲暴食をしなくなり、健康診断の結果が良好になった人もいました。しかし、コロナ禍が落ち着くと夜遅くまで会食をするようになり、せっかく減った内臓脂肪が再び増えてしまったんです。40代になったら、30代とは違う体。暴飲暴食の影響はダイレクトに体調に現れると考えましょう」 そして、自身の食生活に興味がない人には「自らの体調の変化にも無頓着」という共通点がある、と満尾氏。 「人の体調やメンタルは、日々の食生活と密接に関わっています。朝起きたときに疲れを感じているならば、直近数日間の食事が影響を及ぼしている可能性が高いです。今、自分が何を食べているのか、それにより心身にどのような変化が起きているのか、自分自身をセンサーにかけてみてください」 仕事やプライベートで高いパフォーマンスを実現するためにも、まずは自らの心身と向き合うのが先決だ』、「今、自分が何を食べているのか、それにより心身にどのような変化が起きているのか、自分自身をセンサーにかけてみてください」 仕事やプライベートで高いパフォーマンスを実現するためにも、まずは自らの心身と向き合うのが先決だ」、なるほど。
・『プロテインブームでも“摂りすぎ”はNG!  そのほか、筋トレと同じようにブームが到来している“タンパク質”の摂り方にも注意が必要、と満尾氏は話す。 「タンパク質は、適量を摂れば体づくりに役立つ重要な栄養素ですが、昨今は“摂りすぎ”に陥っている人もいます。とくに、通常の食事に加えてプロテインを飲んでいる人は、1日の推奨量を大幅に超えているケースが少なくありません。粗食の時代は低タンパク質食だったので、肉類からタンパク質の摂取が勧められていました。しかし、現代は普通に食事を摂っていれば極端にタンパク質が不足するリスクはほとんどないんです」 「日本人の食事摂取基準(2020年版)」によると、日本人のタンパク質摂取の推奨量は18~64歳の男性で1日あたり65g、18歳以上の女性で50gとある。この量を超えてタンパク質を摂っている人々が抱えるリスクとは? 「タンパク質には“窒素”が含まれており、それらは腸の中で発がん性物質のアンモニアに変わってしまうんです。体内に入った窒素は肝臓で尿素窒素という成分に変えられ、腎臓を通って体外に排出する“窒素代謝”が行われます。タンパク質を摂りすぎると窒素代謝の頻度が増えて、肝臓と腎臓に大きな負担がかかってしまうのです」 ちなみに、空気に含まれる窒素は無機窒素であるため体内に取り込まれないので問題はないとのこと。何事も“過ぎたるは及ばざるがごとし”だ』、「「タンパク質には“窒素”が含まれており、それらは腸の中で発がん性物質のアンモニアに変わってしまうんです。体内に入った窒素は肝臓で尿素窒素という成分に変えられ、腎臓を通って体外に排出する“窒素代謝”が行われます。タンパク質を摂りすぎると窒素代謝の頻度が増えて、肝臓と腎臓に大きな負担がかかってしまうのです」、なるほど。
・『納豆はスーパーフード 1日1パック摂るのがベスト  乱れた食生活が、体の健康だけでなく心の健康にも害をなす。それらの問題を根本的に解決するには「やはり食生活の改善が必要」と、満尾氏は語る 「食事でストレスケアを行うなら、ビタミンDの摂取が欠かせません。ビタミンDは日光に当たることで皮膚に生成されたり、サケや青魚に豊富に含まれている栄養素です。また、ビタミンDには、うつ病をはじめとした精神疾患の予防・改善に有効という研究結果が多数あります。そのほか、魚に含まれる『オメガ3脂肪酸』にも、メンタルヘルスを適正化する作用が認められているので、ストレス過多なビジネスパーソンにはもっともおすすめの食材です。加えて、近年では小魚などに含まれる『リチウム』という栄養素に関して、眼房水中のリチウム濃度と自殺の関連性を示す研究(*)が話題になっていますね」・・・眼房水とは、眼球内の角膜と水晶体のあいだを循環し、眼圧を一定に保つ液体。自殺で亡くなった人の眼房水は、自殺以外の要因で亡くなった人に比べて“リチウム濃度が低い”との解析結果が出ているという。 「リチウムは、攻撃性や衝動性を抑えて自殺を防ぐ“ハッピーミネラル”として、今後さらに注目を集める可能性が高い。そんなリチウムを補う代表的な食材が、煮干しやアンチョビなどに使われる“カタクチイワシ”です。子どもの頃はおやつとして煮干しを食べていた人も今は縁遠くなっていると思うので、この機会に煮干しを食べる習慣を身に着けましょう。何より、魚介類は優秀なたんぱく源なので、肉類中心の食生活をしている人は、魚を食べる頻度を増やすのがベストです』、「「リチウムは、攻撃性や衝動性を抑えて自殺を防ぐ“ハッピーミネラル”として、今後さらに注目を集める可能性が高い。そんなリチウムを補う代表的な食材が、煮干しやアンチョビなどに使われる“カタクチイワシ”です。子どもの頃はおやつとして煮干しを食べていた人も今は縁遠くなっていると思うので、この機会に煮干しを食べる習慣を身に着けましょう。何より、魚介類は優秀なたんぱく源なので、肉類中心の食生活をしている人は、魚を食べる頻度を増やすのがベストです」、「“ハッピーミネラル”」とは面白い言い方だ。
・『一週間のうち、半分は魚(小魚、カツオ、サバ、イワシ、サバ)を食べ、残りの半分では鶏肉、卵、豆を食べるのが理想的なタンパク質の摂取方法とのこと。バランスよく幅広い食材から摂るのが基本だ。 もしも、忙しさから食事がおろそかになってしまう場合は「1日1パックの納豆」と「ローヤルゼリー」を取り入れてほしい、と満尾氏。 納豆にはビタミンKが豊富に含まれています。ビタミンKには、動脈壁からカルシウムを抜き取って骨に移動させる働きがあり、骨を丈夫にしたり、動脈内でのカルシウム沈着を起こりづらくして動脈硬化・心筋梗塞・脳梗塞を予防したりと、疾患のリスクを下げる効果が期待できるのです。もう一つのローヤルゼリーは、タンパク質、ビタミン、ミネラルなど40種類以上の栄養素をバランスよく含むほか、近年の研究で、身体中の細胞のもとになる「幹細胞」を活性化させることが分かってきており (※1) 、血液、肌、筋肉など全身の老化予防が期待できます。さらに、腸管免疫を活性化させる (※2) ことで、免疫力を維持するのに役立つ作用もあります。サプリメントのローヤルゼリーならば、手軽に入手できますね」・・・サプリメントや健康食品は、あくまで日々の栄養不足を補うアイテム。食品からの栄養摂取と併せて飲むのがコツだ。 「今日の不摂生が翌日に跳ね返ってくるわけではなく、毎日の食事が10年後、20年後の自分を作ります。逆に言えば、1日暴飲暴食をしたからと言って、すぐに健康を害するわけではありません。金曜は会食で飲み過ぎたから、土曜は体にやさしい和食にしよう、など1週間スパンで食事と体調のコンディションを整えるのが継続のコツ。毎日の食事を厳しく管理しすぎると挫折してしまうので、自分で調整しながら健康資産を積み上げていきましょう」 体と心を健康に保つ“食”によるストレスケア。さっそく今日からはじめてみよう』、「サプリメントや健康食品は、あくまで日々の栄養不足を補うアイテム。食品からの栄養摂取と併せて飲むのがコツだ・・・1週間スパンで食事と体調のコンディションを整えるのが継続のコツ。毎日の食事を厳しく管理しすぎると挫折してしまうので、自分で調整しながら健康資産を積み上げていきましょう」』、なるほど。

次に、9月20日付け東洋経済オンラインが掲載した医学博士・純真学園大学客員教授・日本機能性免疫力研究所代表の飯沼 一茂氏による「認知症や急激な老化を呼ぶ免疫暴走が起こる真因 免疫が処理できないほど体内にゴミが溜まる恐怖」を紹介しよう。
https://toyokeizai.net/articles/-/827345
・『疲労や衰えを急に強く感じるようになったり、病気や不調、痛みが突然悪化したり種類が増えたりした――。こうした方の体には、一般的な老化とは一線を画した老化現象が起きているおそれがあります。 じつは、このような急速な老化は、免疫の暴走から起きる現象です。輸血による C型肝炎感染撲滅に大きく貢献し、世界的な評価を得た医学博士・飯沼一茂さんは「倍速老化」と名づけました。
倍速老化の原因である免疫の暴走を生み出す要因の一つが、腸内環境の悪化によって体内にたまる老廃物(ゴミ)です。飯沼さんが今後、医学の主役と目される免疫の最新知見をまとめた新著『倍速老化』より一部抜粋、再構成してお届けします』、「倍速老化」とは聞くだけで恐ろしそうだ。
・『腸内環境が悪いと免疫暴走の原因「体内のゴミ」が急増  最大の免疫器官とも呼ばれる腸には、なんと人体の7割もの免疫細胞が集まっています。わずか数キログラムしかない腸に、なぜこれほどの量が集中したのでしょうか。それは食べ物という「体外にある正体不明の異物」を体内に取り込めるのが、腸だけだからです。 腸の内側を「体外」と認識する方は少ないかもしれません。しかし体外にある食べ物が入るのが口で、そこから肛門までが一本の管だと考えれば、その管の内側は「体外」とイメージしやすいのではないでしょうか。 食べ物は口、食道、胃を通過しますが、消化・吸収のほとんどが腸で行われます。生きるために不可欠な食べ物とはいえ「体外のものを取り込む」以上は外敵、つまり病原菌などまで取り込んでしまうリスクもゼロではない。腸は消化・吸収したものを血液に取り込み全身へと送り出す臓器ですから、いわば関所のようなもの。だから外敵をいち早く察知し攻撃する免疫細胞たちが集結しているのです。 これが健康な状態における腸で、いわゆる悪玉菌が優勢になるなどして腸内環境が悪くなると話は変わってきます。腸の表面にある粘膜が傷つき、細胞と細胞のあいだに「すき間」ができてしまうからです。これは体外と体内を分ける関所が破られたということにほかならない、じつにおそろしい状態です。いわゆる腸漏れ(リーキーガット症候群)で、病原菌などの外敵がどんどん体内に入り込むため、体内で悪さをするゴミが急増していきます。) では、どんな食生活が腸内環境を悪くするのでしょうか。真っ先に挙がるのが肉や脂っこい食材を多く摂る、食物繊維を摂らない、アルコールの摂取が多い、などです。耳が痛いという方も多いかもしれませんが、これらが常態化していると体内にゴミが増えて免疫細胞たちの仕事も増え、ますます免疫暴走を加速させることになります。 もちろん、こうした食生活を完全に避けるのは難しいと思いますし、我慢のしすぎでストレスを溜めてしまうと体の機能低下も招きかねません。倍速老化することとストレスを溜めることとを天秤にかけて、適宜選択すべきでしょう』、「最大の免疫器官とも呼ばれる腸には、なんと人体の7割もの免疫細胞が集まっています。わずか数キログラムしかない腸に、なぜこれほどの量が集中したのでしょうか。それは食べ物という「体外にある正体不明の異物」を体内に取り込めるのが、腸だけだからです・・・食べ物は口、食道、胃を通過しますが、消化・吸収のほとんどが腸で行われます。生きるために不可欠な食べ物とはいえ「体外のものを取り込む」以上は外敵、つまり病原菌などまで取り込んでしまうリスクもゼロではない。腸は消化・吸収したものを血液に取り込み全身へと送り出す臓器ですから、いわば関所のようなもの。だから外敵をいち早く察知し攻撃する免疫細胞たちが集結しているのです・・・どんな食生活が腸内環境を悪くするのでしょうか。真っ先に挙がるのが肉や脂っこい食材を多く摂る、食物繊維を摂らない、アルコールの摂取が多い、などです」、なるほど。
・『体内のゴミがさらなるゴミを生み免疫は暴走  体に不要なものがあふれ、ゴミ屋敷と化してしまった体内では二次災害、三次災害とも言えるような、さらにひどいことが起きています。 ①エネルギーをつくる重要器官、ミトコンドリアが破裂(体内のゴミは免疫細胞に負担をかけますが、それ以外の一般の細胞や細胞内器官にももちろん負担をかけています。その最たるものが、ミトコンドリアです。 細胞内のミトコンドリアは、糖や脂質を使って細胞の活動エネルギーとなるATP(アデノシン三リン酸)をつくり、できたエネルギーは免疫細胞の活動にも使われています。ミトコンドリアは活性酸素も生み出しますが、これは体内のゴミ駆除に使われることも。 つまりミトコンドリアは、免疫細胞の手助けをしながら細胞全体の活動も支えている、健気な発電所のような存在ということです。ところが、周囲に活性酸素などのゴミがあまりにも増えると、そのストレスに耐えかねてミトコンドリアは破裂してしまう。破裂する数が多ければ、それだけ糖や脂質を消費してくれる存在が減るため、肥満につながります。) ②エネルギー源を失った細胞は疲れ、仕事を放棄(ミトコンドリアは一つの細胞内に数十個から数千個ありますが、エネルギーを供給してくれていたミトコンドリアが破裂し始めれば、細胞も疲れやすくなります。すると当然、細胞がこなしている、さまざまな仕事の質にも影響が。) たとえば、ある細胞が担っている仕事が、まっすぐな形のタンパク質をつくることだったとしましょう。このタンパク質は、わりと複雑な工程を経ないとまっすぐに伸びてくれないとします。それでも通常であれば、たとえ面倒でも彼らは一つひとつまっすぐに伸ばして一生懸命出荷します。 ところが、ミトコンドリアが減ってエネルギー不足に陥り、細胞自身がすっかり疲れ果ててしまうと「ああ、めんどくさい!もういいや、このままで」と言わんばかりに、手抜き仕事を始めます。つまり曲がったままのタンパク質を出荷してしまう。こうして、タンパク質の不良品工場が出来上がるわけです。 こうなると、その後の工程が詰まります。通常、それぞれのタンパク質にはそれぞれに合った酵素があり、それらによって分解されるのですが、曲がったものが来ると「あれ、これって、どの酵素が扱うんだっけ」と混乱に陥ってしまうのです』、「体に不要なものがあふれ、ゴミ屋敷と化してしまった体内では二次災害、三次災害とも言えるような、さらにひどいことが起きています。 ①エネルギーをつくる重要器官、ミトコンドリアが破裂・・・ミトコンドリアが減ってエネルギー不足に陥り、細胞自身がすっかり疲れ果ててしまうと「ああ、めんどくさい!もういいや、このままで」と言わんばかりに、手抜き仕事を始めます。つまり曲がったままのタンパク質を出荷してしまう。こうして、タンパク質の不良品工場が出来上がるわけです。 こうなると、その後の工程が詰まります・・・②エネルギー源を失った細胞は疲れ、仕事を放棄(ミトコンドリアは一つの細胞内に数十個から数千個ありますが、エネルギーを供給してくれていたミトコンドリアが破裂し始めれば、細胞も疲れやすくなります。すると当然、細胞がこなしている、さまざまな仕事の質にも影響が」、恐ろしいことになってしまうようだ。
・『人体で壊せずどんどん蓄積される状態に  ③不良品もまたゴミに。それが集まってさらには… この不良品は、まさに体内のゴミに。分解できないから使い道もなく、ただただ溜まっていき、大きな塊をつくってしまう。こうなると攻撃免疫にも壊せません。しかも老化が進んだ攻撃免疫では、なおのこと歯が立たない。 タンパク質にはもともと水に溶ける性質があり、変に熱がかかるとグチャグチャのまま固まってしまいます。生卵は水に溶けても、熱して炒り卵にすると溶けませんよね。あのイメージです。この状態になると、もう体内では壊すことができず、どんどん蓄積されるようになっていきます。 その典型的な例が、アルツハイマー型認知症の原因となるアミロイドβというタンパク質です。アミロイドβは健常な人の脳内にも存在しますが、アルツハイマー患者の脳の血管には、アミロイドβ同士がさらにたくさんくっついて塊になった「アミロイド斑(老人斑)」が溜まっています。脳内に、炒り卵をガチガチに固めて巨大化したようなものがたくさん溜まった状態が、アルツハイマー型認知症なのだとお考えください。) ④疲れた細胞自身もゴミに(疲れた細胞は不良品のタンパク質というゴミをつくるだけでなく、自身も働けなくなりゴミと化してしまいます。真面目に働いていた細胞も環境が悪いと、残念ながらこのような事態に陥るのです。もともと細胞は、加齢によって分裂速度が落ちるなどして老化していきますが、こうした周辺環境が重なると老化が加速してしまう。 老化した細胞からは炎症性サイトカインや「増殖因子」などが分泌されます。増殖因子とは老化細胞を生存させたり、炎症を促進したりするものです。たとえて言うなら腐臭のようなもので、これらは医学的には「細胞老化関連分泌形質(Senescence-Associated Secretory Phenotype =SASP)」と呼ばれています。
SASPが周辺の細胞までどんどん老化させていくのは、腐ったミカンが1つあると、まわりのミカンもどんどん腐っていくのと近いイメージです』、「不良品もまたゴミに。それが集まってさらには… この不良品は、まさに体内のゴミに。分解できないから使い道もなく、ただただ溜まっていき、大きな塊をつくってしまう。こうなると攻撃免疫にも壊せません。しかも老化が進んだ攻撃免疫では、なおのこと歯が立たない・・・この状態になると、もう体内では壊すことができず、どんどん蓄積されるようになっていきます。 その典型的な例が、アルツハイマー型認知症の原因となるアミロイドβというタンパク質です・・・疲れた細胞は不良品のタンパク質というゴミをつくるだけでなく、自身も働けなくなりゴミと化してしまいます。真面目に働いていた細胞も環境が悪いと、残念ながらこのような事態に陥るのです。もともと細胞は、加齢によって分裂速度が落ちるなどして老化していきますが、こうした周辺環境が重なると老化が加速してしまう。 老化した細胞からは炎症性サイトカインや「増殖因子」などが分泌されます」、なるほど。
・『免疫暴走が脳にまで影響する  ⑤暴走した免疫は全身を駆け巡る(こうして体内のゴミや、ゴミが生み出した新たなゴミによって、体内ではつねに炎症性サイトカインがバンバン出続けている状態になります。もう体中至るところで免疫暴走という地獄絵図が展開されていると思ってください。 さらにこれが怖いのは、暴走した免疫が全身を駆け巡ってしまう点です。血管という全身ネットワークで働く彼らは、行きたいところに行きたい放題。行く先々で新たな免疫暴走を生み出します。おそろしいことに、それは脳も例外ではないのです。 脳という中枢部の手前には「血液脳関門」があり、これまで、いろいろな物質が簡単には入り込めないと考えられてきました。ところが免疫暴走状態になると、その関門が機能しなくなることが近年わかってきたのです。「脳関門」などと言うと脳につながる血管に関所があるようにイメージしがちですが、じつは違います。 神経と血管とは絡み合うように存在するものの、これまでは酸素など生命維持に必要な栄養分だけが血管から神経へ届けられ、それ以外のあらゆるものはブロックされると考えられていました。血液脳関門とはつまり、この血液から神経への、余分なものへのブロック機能を指す言葉なのです。ということは脳に入る部分だけでなく、全身に張り巡らされた神経と血管の接触面すべてが該当箇所ということになります。 神経は大事な部分なので、必要最低限のもの以外はブロックされるようになっていると考えられていたわけですが、免疫暴走状態だとそのブロックが甘くなり、炎症性サイトカインなどが入り込んでしまうというわけです。これは、つまり体で起こった免疫暴走が脳にまで影響するということで、じつにおそろしい話です』、「こうして体内のゴミや、ゴミが生み出した新たなゴミによって、体内ではつねに炎症性サイトカインがバンバン出続けている状態になります。もう体中至るところで免疫暴走という地獄絵図が展開されていると思ってください。 さらにこれが怖いのは、暴走した免疫が全身を駆け巡ってしまう点です。血管という全身ネットワークで働く彼らは、行きたいところに行きたい放題。行く先々で新たな免疫暴走を生み出します。おそろしいことに、それは脳も例外ではないのです。 脳という中枢部の手前には「血液脳関門」があり、これまで、いろいろな物質が簡単には入り込めないと考えられてきました。ところが免疫暴走状態になると、その関門が機能しなくなることが近年わかってきたのです・・・体で起こった免疫暴走が脳にまで影響するということで、じつにおそろしい話です」、その通りだ。
タグ:健康 (その30)(1日3食とっているのに栄養失調?うつ病リスク高める「危険な食生活」とは、認知症や急激な老化を呼ぶ免疫暴走が起こる真因 免疫が処理できないほど体内にゴミが溜まる恐怖) ダイヤモンド・オンライン 真島加代氏による「1日3食とっているのに栄養失調?うつ病リスク高める「危険な食生活」とは」 「今、自分が何を食べているのか、それにより心身にどのような変化が起きているのか、自分自身をセンサーにかけてみてください」 仕事やプライベートで高いパフォーマンスを実現するためにも、まずは自らの心身と向き合うのが先決だ」、なるほど。 「「タンパク質には“窒素”が含まれており、それらは腸の中で発がん性物質のアンモニアに変わってしまうんです。体内に入った窒素は肝臓で尿素窒素という成分に変えられ、腎臓を通って体外に排出する“窒素代謝”が行われます。タンパク質を摂りすぎると窒素代謝の頻度が増えて、肝臓と腎臓に大きな負担がかかってしまうのです」、なるほど。 「「リチウムは、攻撃性や衝動性を抑えて自殺を防ぐ“ハッピーミネラル”として、今後さらに注目を集める可能性が高い。そんなリチウムを補う代表的な食材が、煮干しやアンチョビなどに使われる“カタクチイワシ”です。子どもの頃はおやつとして煮干しを食べていた人も今は縁遠くなっていると思うので、この機会に煮干しを食べる習慣を身に着けましょう。 何より、魚介類は優秀なたんぱく源なので、肉類中心の食生活をしている人は、魚を食べる頻度を増やすのがベストです」、「“ハッピーミネラル”」とは面白い言い方だ。 「サプリメントや健康食品は、あくまで日々の栄養不足を補うアイテム。食品からの栄養摂取と併せて飲むのがコツだ・・・1週間スパンで食事と体調のコンディションを整えるのが継続のコツ。毎日の食事を厳しく管理しすぎると挫折してしまうので、自分で調整しながら健康資産を積み上げていきましょう」』、なるほど。 東洋経済オンライン 飯沼 一茂氏による「認知症や急激な老化を呼ぶ免疫暴走が起こる真因 免疫が処理できないほど体内にゴミが溜まる恐怖」 「倍速老化」とは聞くだけで恐ろしそうだ。 「最大の免疫器官とも呼ばれる腸には、なんと人体の7割もの免疫細胞が集まっています。わずか数キログラムしかない腸に、なぜこれほどの量が集中したのでしょうか。それは食べ物という「体外にある正体不明の異物」を体内に取り込めるのが、腸だけだからです・・・食べ物は口、食道、胃を通過しますが、消化・吸収のほとんどが腸で行われます。生きるために不可欠な食べ物とはいえ「体外のものを取り込む」以上は外敵、つまり病原菌などまで取り込んでしまうリスクもゼロではない。 腸は消化・吸収したものを血液に取り込み全身へと送り出す臓器ですから、いわば関所のようなもの。だから外敵をいち早く察知し攻撃する免疫細胞たちが集結しているのです・・・どんな食生活が腸内環境を悪くするのでしょうか。真っ先に挙がるのが肉や脂っこい食材を多く摂る、食物繊維を摂らない、アルコールの摂取が多い、などです」、なるほど。 「体に不要なものがあふれ、ゴミ屋敷と化してしまった体内では二次災害、三次災害とも言えるような、さらにひどいことが起きています。 ①エネルギーをつくる重要器官、ミトコンドリアが破裂・・・ミトコンドリアが減ってエネルギー不足に陥り、細胞自身がすっかり疲れ果ててしまうと「ああ、めんどくさい!もういいや、このままで」と言わんばかりに、手抜き仕事を始めます。つまり曲がったままのタンパク質を出荷してしまう。こうして、タンパク質の不良品工場が出来上がるわけです。 こうなると、その後の工程が詰まります・・・ ②エネルギー源を失った細胞は疲れ、仕事を放棄(ミトコンドリアは一つの細胞内に数十個から数千個ありますが、エネルギーを供給してくれていたミトコンドリアが破裂し始めれば、細胞も疲れやすくなります。すると当然、細胞がこなしている、さまざまな仕事の質にも影響が」、恐ろしいことになってしまうようだ。 不良品もまたゴミに。それが集まってさらには… この不良品は、まさに体内のゴミに。分解できないから使い道もなく、ただただ溜まっていき、大きな塊をつくってしまう。こうなると攻撃免疫にも壊せません。しかも老化が進んだ攻撃免疫では、なおのこと歯が立たない・・・この状態になると、もう体内では壊すことができず、どんどん蓄積されるようになっていきます。 その典型的な例が、アルツハイマー型認知症の原因となるアミロイドβというタンパク質です・・・疲れた細胞は不良品のタンパク質というゴミをつくるだけでなく、自身も働けなくなりゴミと化してしまいます。真面目に働いていた細胞も環境が悪いと、残念ながらこのような事態に陥るのです。もともと細胞は、加齢によって分裂速度が落ちるなどして老化していきますが、こうした周辺環境が重なると老化が加速してしまう。 老化した細胞からは炎症性サイトカインや「増殖因子」などが分泌されます」、なるほど。 「こうして体内のゴミや、ゴミが生み出した新たなゴミによって、体内ではつねに炎症性サイトカインがバンバン出続けている状態になります。もう体中至るところで免疫暴走という地獄絵図が展開されていると思ってください。 さらにこれが怖いのは、暴走した免疫が全身を駆け巡ってしまう点です。血管という全身ネットワークで働く彼らは、行きたいところに行きたい放題。行く先々で新たな免疫暴走を生み出します。おそろしいことに、それは脳も例外ではないのです。 脳という中枢部の手前には「血液脳関門」があり、これまで、いろいろな物質が簡単には入り込めないと考えられてきました。ところが免疫暴走状態になると、その関門が機能しなくなることが近年わかってきたのです・・・体で起こった免疫暴走が脳にまで影響するということで、じつにおそろしい話です」、その通りだ。
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建築(その1)(隈研吾の建築が「青カビと腐食でボロボロ」「建築家の仕事とは思えない」…!地元住民も首をかしげる名建築家の「致命的なトラブル」、木の匠?アホらしい「隈研吾さんは業界でクマちゃんとバカにされていますよ」…専門家が明かす 世界的建築家・隈研吾の「虚像」、ゼネコン界に舞い降りた天使「奥村くみ」誕生秘話 奥村組社長は「建設バカ」シリーズを推していた) [生活]

今日は、建築(その1)(隈研吾の建築が「青カビと腐食でボロボロ」「建築家の仕事とは思えない」…!地元住民も首をかしげる名建築家の「致命的なトラブル」、木の匠?アホらしい「隈研吾さんは業界でクマちゃんとバカにされていますよ」…専門家が明かす 世界的建築家・隈研吾の「虚像」、ゼネコン界に舞い降りた天使「奥村くみ」誕生秘話 奥村組社長は「建設バカ」シリーズを推していた)を取上げよう。

先ずは、本年9月30日付け現代ビジネス「隈研吾の建築が「青カビと腐食でボロボロ」「建築家の仕事とは思えない」…!地元住民も首をかしげる名建築家の「致命的なトラブル」」を紹介しよう。
https://gendai.media/articles/-/137881?imp=0
・『建築家・隈研吾は数々の名声を轟かせる一方で、その仕事に実害を受けた人や眉をひそめる専門家は多い。那須の美術館で起きたトラブルを機に、全国各地で問題が火を噴きそうな事態となっている』、初めて知ったが、大変そうだ。
・『青カビが生えてボロボロ  その建物は、年季の入った牛舎かと見間違うほどだった。屋根の一部は朽ち果て、青カビも生えている。とても、世界的建築家が手がけた建物とは思えない――。 栃木県那須郡にある那珂川町馬頭広重美術館は、主に江戸時代の浮世絵師・歌川広重の作品などを展示した美術館である。'00年にオープンした当時は、細い角材が簾のごとく大量に使われた建物の庇が好評を博し、公共建築賞特別賞や日本建築学会作品選奨など数々の名誉ある賞に輝いている。 この馬頭広重美術館を設計したのは隈研吾氏(70歳)。高いデザイン性と木材などの自然素材を使う「環境に溶け込む建築」を得意とし、新国立競技場や角川武蔵野ミュージアム、高輪ゲートウェイ駅などが代表作として知られている。いまでは世界中からオファーが殺到する建築家だ。 そんな大御所の手がけた美術館が、開館から24年が経過してボロボロになっていると大きな話題を呼んでいる。特に、美術館をすっぽりと覆う庇だ。細い木材には地元産の八溝杉が使われたこともあり名物となっていたが、経年劣化が著しい。 近づいて観察すると、腐食が進んで、木材が折れて崩れているものもある。屋根の装飾に使われた部分は、青カビが生えて、表面が黒ずんでいる』、「術館をすっぽりと覆う庇だ。細い木材には地元産の八溝杉が使われたこともあり名物となっていたが、経年劣化が著しい。 近づいて観察すると、腐食が進んで、木材が折れて崩れているものもある。屋根の装飾に使われた部分は、青カビが生えて、表面が黒ずんでいる」、見るも無残な姿だ。
・『「海の家」のような代物  この惨状をどうにかするべく、町は来年の開館25周年に合わせて大規模改修を行うことを決定する。ところが—その費用になんと3億円もかかることが判明した。地元住民はこう憤る。 「5年前から見るに堪えないほどボロボロになり、いまや地元の人は寄りつきません。ここまでの状態にならないように綿密に設計し、自治体にメンテナンスを周知徹底させるのも建築家の仕事ではないのですか。こんな田舎町が3億円なんてカネを出すのは難しいと思います。そもそも私たちの税金のムダ遣いですよ!」 なぜ、開館から25年近く経って、このような事態に陥ってしまったのか。建築エコノミストの森山高至氏は、隈氏の設計についてこう断罪する。 「直接雨風にさらされるところにスギを使っている点が問題です。本来であれば油分の多く雨に強い木材を使うべきですが、おそらくコストが高いので安い木材を並べたのでしょう。 小規模な商業施設であれば、こうしたデザインはまだ理解できますが、美術館という大型の公共案件ではありえません。『海の家』をつくるような感覚で仕事をしているのではないでしょうか」 後編記事『木の匠?アホらしい…「隈研吾さんは業界でクマちゃんとバカにされていますよ」専門家が明かす、世界的建築家・隈研吾の「虚像」』へ続く』、「「直接雨風にさらされるところにスギを使っている点が問題です。本来であれば油分の多く雨に強い木材を使うべきですが、おそらくコストが高いので安い木材を並べたのでしょう。 小規模な商業施設であれば、こうしたデザインはまだ理解できますが、美術館という大型の公共案件ではありえません」』、「隈研吾ともあろう建築家がどうしたのだろう。

次に、9月30日付け現代ビジネス「木の匠?アホらしい「隈研吾さんは業界でクマちゃんとバカにされていますよ」…専門家が明かす、世界的建築家・隈研吾の「虚像」」を紹介しよう。
https://gendai.media/articles/-/137883?imp=0
・『建築家・隈研吾は数々の名声を轟かせる一方で、その仕事に実害を受けた人や眉をひそめる専門家は多い。那須の美術館で起きたトラブルを機に、全国各地で問題が火を噴きそうな事態となっている。それに対し、隈氏本人はどう弁明するのか。 前編記事『隈研吾の建築が「青カビと腐食でボロボロ」「建築家の仕事とは思えない」…!地元住民も首をかしげる名建築家の「致命的なトラブル」』より続く』、興味深そうだ。
・『隈研吾氏の回答は……  こうした専門家の指摘や馬頭広重美術館で起きている問題に、隈氏本人はどう考えているのか。本誌が質問すると、書面でこう回答した。 「欧米においても、木材の利用でメンテナンスの費用はアップするが、木材にはそれ以上の環境的、経済的効果があるとして、さらに木材振興が進んでいます。(編集部注‥開館から)20年経過した時点から、劣化にどう対応できるかを町と議論していましたが、取り換えの方針を確定するのに時間がかかり、木材の一部で劣化が進んでしまいみなさんに御心配をかけてしまいました。(スギを外部に使用したことについて)地元の林業の振興という点を考えても杉材が最も適切だと考えました」 実は馬頭広重美術館は、隈氏にとっての出世作だ。隈建築の特徴である木製ルーバー(格子)が初めて高い評価を受けたのが、この美術館だった。 '64年、横浜の“ボロい家”に育った隈氏は、10歳で建築家・丹下健三の設計した建物に目を剥き建築家を志したという。'90年代は建築家の間でも評価が低かった隈氏だが、広重の描く雨の線が細く美しいことに着想を得て、屋根まですべて細い木材で美術館をつくったところ評判を呼んだ。この成功を機に「木の匠」として持て囃されていく。その後はほとんどの代表作に、馬頭広重美術館に見られるような木製ルーバーを施している』、「'90年代は建築家の間でも評価が低かった隈氏だが、広重の描く雨の線が細く美しいことに着想を得て、屋根まですべて細い木材で美術館をつくったところ評判を呼んだ。この成功を機に「木の匠」として持て囃されていく。その後はほとんどの代表作に、馬頭広重美術館に見られるような木製ルーバーを施している」、なるほど。
・『他の建物でもトラブルが……   ただ、建築関係者の間では、今回の騒動が起きる前から隈氏に対する疑念の声が出ていた。批判の的となったのが、その「木を使うデザイン」だ。実際、建築家で現代の棟梁の宇野友明氏は、こう疑問を投げかける。 「彼のやっていることは木造建築というよりも、木を表面に貼る『木のデコレーション』のような印象です。そのなかには木ですらなく、アルミに木目をプリントしたものもあります。『木の匠』と評されていることには疑問を抱いています。 また、木造建築は『手入れ』といって、維持管理を計画的に行う文化があります。クライアントに十分説明がなされていないのではないでしょうか。馬頭広重美術館の木の使い方は特に深刻な事態かと思いますが、今後も同じような問題は起きるでしょう。彼の影響力を考えると、今回の件で木造建築にネガティブな印象が広まったことは残念です」 すでに同様のトラブルは他でも噴出している。隈氏は、馬頭広重美術館の開館と同時期の'00年に那須歴史探訪館という建物も手がけている。こちらも大量の木材が施されたデザインだ。実際に本誌記者が訪れてみると、屋根に並べ敷かれた丸太にはカビが生え、部分的に朽ちていた。事務員はこう嘆く。 「落ちてくると危ないので、入り口の頭上にある丸太だけは昨年に取り替えました。ただ、他の丸太は残っていて、大雨が降ると雨漏りしてしまう。その影響で、石材の床にシミができています」』、「木造建築は『手入れ』といって、維持管理を計画的に行う文化があります。クライアントに十分説明がなされていないのではないでしょうか。馬頭広重美術館の木の使い方は特に深刻な事態かと思いますが、今後も同じような問題は起きるでしょう。彼の影響力を考えると、今回の件で木造建築にネガティブな印象が広まったことは残念です」、なるほど。
・『「クマちゃんシール」とは  隈氏が手がけた建築物は、国内だけでも200を超す。これほど彼に仕事が舞い込むようになった背景には、「デザイン性の高さ」とは別の要素があるという。自然素材を使った住宅を扱う工務店「オーガニックスタジオ新潟」の代表取締役社長・相模稔氏はこう語る。 「国が国産材料の使用を推進していて、公共施設には『地場産建材』の使用が求められています。こうした需要に応えたのが大きいでしょう。 それに、隈さんは仕事を決して断らないスタンスです。どんなに安い予算だろうが仕事を受ける。通常、建築家が個性を演出するには相当な時間や熱量が必要なので、大量の依頼は捌けません。そんな状況を打破するため、彼の編み出した策が木製ルーバー。これを建物に施すことで『隈建築』とわかるように目論んだものですが、一部では『クマちゃんシール』と揶揄されています。 隈さんの事務所は年間400件超の案件を約300人のスタッフでこなしていますが、基本的にクマちゃんシールを貼って目立つデザインにしているだけです」 さらに、隈氏が東大の内田祥哉研究室出身であるということも、彼の仕事に大きく作用していると相模氏は推測する。 「内田研は建築界の頂点と呼ばれるほど権威のある研究室。多くのゼネコンのトップが内田研の出身なので、コネや人脈がもともとあるわけです」 コネも駆使しつつ量産される作品で、将来的に人々に負担を強いるのは、世界的建築家のすることなのだろうか』、「「国が国産材料の使用を推進していて、公共施設には『地場産建材』の使用が求められています。こうした需要に応えたのが大きいでしょう。 それに、隈さんは仕事を決して断らないスタンスです。どんなに安い予算だろうが仕事を受ける。通常、建築家が個性を演出するには相当な時間や熱量が必要なので、大量の依頼は捌けません。そんな状況を打破するため、彼の編み出した策が木製ルーバー。これを建物に施すことで『隈建築』とわかるように目論んだものですが、一部では『クマちゃんシール』と揶揄されています」、『クマちゃんシール』とは言い得て妙だ。「隈氏が東大の内田祥哉研究室出身であるということも、彼の仕事に大きく作用していると相模氏は推測する。 「内田研は建築界の頂点と呼ばれるほど権威のある研究室。多くのゼネコンのトップが内田研の出身なので、コネや人脈がもともとあるわけです」 コネも駆使しつつ量産される作品で、将来的に人々に負担を強いるのは、世界的建築家のすることなのだろうか」、すっかり「隈」氏の化けの皮が剥がれたようだ。

第三に、10月5日付け東洋経済オンライン「ゼネコン界に舞い降りた天使「奥村くみ」誕生秘話 奥村組社長は「建設バカ」シリーズを推していた」を紹介しよう。
https://toyokeizai.net/articles/-/830409
・『「7年前の最終プレゼンテーションで私が推す別のCM案が採用されていたら、今多くの方からご支持をいただいている『奥村くみ』は生まれていなかった」。中堅ゼネコン、奥村組(大阪市)の奥村太加典(たかのり)社長はそう振り返る。 奥村社長の言う奥村くみとは、2018年から放映しているテレビCM「建設LOVE!奥村くみ」シリーズのことだ。 人気俳優の森川葵さんが建築系の新入社員役を演じ、ドジを踏みながら成長していくストーリー。「本当に建設現場にいそう」――。複数のゼネコン関係者は、森川さんの熱演に親近感を抱いた。一般的にも好感され、本シリーズは若い人から年配者まで幅広い層の支持を得ている』、私は残念ながら「建設LOVE!奥村くみ」シリーズを観たことはないが、ネット検索したところ、https://www.youtube.com/watch?v=MV8jNfGKDQkで観ることができる。
・『「新3K+K」の採用は社長発  シリーズ7年目となる今年5月からは、「新3K+K」篇の放映を開始した。 大学のキャンパスを歩く1組の若い男女。「私、建設業界に入ろうかな」と話す女性の言葉に、新校舎の現場監督としてその近くにいた奥村くみは微笑む。 ところが、男性は「建設業って3K(きつい、汚い、危険)じゃん」とNGを出す。これを聞いた奥村くみは、ワープするかのような勢いで2人の間に割って入り、「適正な給与、十分な休暇、未来への希望。そしてカッコいい」と建設業界の「新3K+K」を力説し、ひとり満足げにうなずく。 この新シリーズで強調されている「新3K+K」は、ゼネコンの業界団体である日本建設業連合会が業界のイメージ向上を狙って2022年ごろから提唱している標語だ。そもそも新3Kは国土交通省が2015年に発表した「新3Kを実現するための直轄工事における取組」で用いられていた。 「建設業界をあげて標榜している新3K+Kを当社のCMに使わない手はない」と奥村社長。テレビCMを管轄する秘書広報部の井戸田高明氏は、「当初は違うテーマで企画を進めていたのだが、社長から突然メールが来て、今の内容(新3K+K)に変更した」と明かす。) 建設業界におけるマーケティング戦略において、奥村くみシリーズはエポックとなった。かつて、清水建設など幾多のゼネコンがCMを展開してきたが、俳優を用いたものはほとんど例がなかった。 最近では大成建設のようにアニメーションを採用した柔らかいイメージを意識したCMがあるが、基本的にはインフラ構築の大切さや会社の経営方針を打ち出した「実直」「重厚」な内容が多い。 これに対して、奥村くみシリーズは俳優を使ったストーリー仕立てで、しかも思わずクスッとしてしまう笑いの要素も含まれている。これまでの建設業界にはなかった「軽快」な内容に、「あのCMはいいね」と多くのゼネコン関係者が賞賛する』、「思わずクスッとしてしまう笑いの要素も含まれている」、さすが大阪企業だ。
・『奥村組の奥村太加典社長  建設業界は長い間、構造的な問題に悩まされてきた。とくに最近は、2~3年前に激しい競争をして獲得した工事が進捗し、資材高も加わって低採算に苦慮している会社が多い。技術者の高齢化の進行に加えて若手の流入が少なく、慢性的な人手不足問題も横たわる。施工不良を受け、組み上がっていた鉄骨を解体して建て直す事件が発生するなど品質問題も後を絶たない。 このように暗い雲に覆われていた業界に、さわやかな新風を呼び込んだ人物こそ、人気キャラクターとして定着した奥村くみだ。奥村組のCMの成功を見たほかの大手ゼネコンが続々と追随。西松建設や戸田建設、熊谷組といった大手ゼネコンも俳優を起用したテレビCMを開始した。 こういったCMの連打は、業界のイメージ改善に一役買っている。実際、足元では建設業に就職する新卒学生の数が増えており、とくに「建設女子」と言われる女性の技術者が増加している』、「こういったCMの連打は、業界のイメージ改善に一役買っている。実際、足元では建設業に就職する新卒学生の数が増えており、とくに「建設女子」と言われる女性の技術者が増加している」、なかなかいいことだ。
・『お蔵入りした案の「建設バカ」  建設業界全体に活気をもたらしたわけだが、奥村社長によると「まったく違う別のシリーズが展開されていた可能性があった」という。 奥村組は、2017年の初めごろに大阪国際女子マラソンに協賛することを決めた。マラソンのテレビ中継番組には協賛社CM枠が設けられていた。そのため「当社として初となるCMをつくらないといけない」(奥村社長)。 2017年の半ば、制作サイドとの複数回のディスカッションを経て、広告代理店が最終プレゼンの場で提案した企画案は2つあった。1つが森川さんを起用する奥村くみシリーズ。もう1つは、奥村組の社員を主人公とする「建設バカ」シリーズというものだった。) 同僚と居酒屋にいても彼女とデートしていても、建物のことが頭から離れない。周囲が「建設バカ」だと呆れられるほど建設が大好きなゼネコン社員。ときに周りが戸惑う行動をとってしまうことがある――。 これは結局お蔵入りすることになったが、経営陣にはむしろこちらが本命だった。奥村社長は吐露する。「私はむしろ、こちらの『建設バカ』シリーズを推していた。当社の社員に建設バカがいたら嬉しいと思った」。 10名ほどの社員が集まった最終プレゼンの場では、奥村社長はあえて先に自分の意見を言わずに、みんなの意見を募った。すると、若手や女性を中心に出席者の8割ほどが「奥村くみシリーズがいい」と推したのだった。 内心がっかりした奥村社長だが、若い人の意見・感性は重要と考え、「わかった、奥村くみシリーズでいこう」と決断した』、「10名ほどの社員が集まった最終プレゼンの場では、奥村社長はあえて先に自分の意見を言わずに、みんなの意見を募った。すると、若手や女性を中心に出席者の8割ほどが「奥村くみシリーズがいい」と推したのだった。 内心がっかりした奥村社長だが、若い人の意見・感性は重要と考え、「わかった、奥村くみシリーズでいこう」と決断した」、なるほど。
・『建設業の魅力をうまく発信  知られざるエピソードはこれだけではない。 広報担当の井戸田氏によると「最初の企画段階では森川さんとは別の俳優も候補に挙がっていた」という。ただ「森川さんはヘルメットやユニフォームの着用がOKだった。彼女が名古屋市立工芸高校のインテリア科卒業であることも親和性があると思った」(井戸田氏)そうだ。 奥村組の経営陣に具体的なCM案が提示されたのは、森川さんに候補が絞られた後であり、別の俳優候補が存在していたことは、奥村社長も東洋経済の取材当日(インタビューは2024年9月25日に実施)まで知らなかった。 メジャーリーガーの吉田正尚選手をアンバサダーに起用。吉田選手が登場する新CM「想(おも)いが宿るユニフォーム」篇も放映した(撮影:今井康一) 奥村社長がテレビCM制作の際にこだわったのが、「大阪を本社とする会社のCMらしく、少し笑いの要素も加える」ことと、「建設業の魅力を発信する内容であること」だった。 大成建設で社長と副会長を歴任後、大和ハウス工業の副社長を現在務める村田誉之氏は、東洋経済のインタビューで次のように建設業の魅力を語ったことがある。 「私は建設業の魅力は大きく5つあると言っている。チームで多くの人と協力して仕事ができること。自分たちが作ったものが形として残ること。物作りのプロセスが楽しめること。お客さんの喜ぶ顔を見られること。そして仕事を通じて社会貢献できることだ」) 制作サイドが村田氏の言葉を意識したわけではないが、奥村くみシリーズをくまなくみていると、村田氏が強調する建設業の5つの魅力が、ほぼ盛り込まれていることがわかる。だからこそ、ライバル会社の動きには批判的な姿勢でいることが多いゼネコンのベテラン社員も、奥村くみに親近感を持ち、抵抗感なく受け入れるのだ。 「来たー、現場」。憧れの仕事への就職を果たした奥村くみ。先輩社員に連れられて、初めて巨大な物流センターの建設現場にやってきた。むきだしの鉄骨。そびえるクレーン。思わず胸がときめく。そして絶叫してしまう。「好きだー」(奥村くみ篇第1話)。 子どものころから何かをつくるのが好きだった奥村くみ。建設中の物流センターに立ち、夕陽を見つめ、子どものころに砂の城壁や鉄骨の模型をつくったことを思い出す。現場を去る際に、鉄骨や床を見つめながらささやく。「また明日ね。また明日」(奥村くみ篇第2話)。 奥村くみは胸の内でつぶやく。「ひとりひとりの力がひとつになったとき、ヒトの力は想像をはるかに超える。どんな壁も打ち破ることができる」。そして力を込めて発する。「私たちは、チームの力を信じる」(私たちはチームだ篇)』、「制作サイドが村田氏の言葉を意識したわけではないが、奥村くみシリーズをくまなくみていると、村田氏が強調する建設業の5つの魅力が、ほぼ盛り込まれていることがわかる。だからこそ、ライバル会社の動きには批判的な姿勢でいることが多いゼネコンのベテラン社員も、奥村くみに親近感を持ち、抵抗感なく受け入れるのだ」、なるほど。
・『知名度が向上、採用面でも効果  経営面でも、奥村くみシリーズの効果は大きかった。奥村組は本社を構える関西では高い知名度だが、関東では「奥村組の名前を知らない取引先も多く、なかなか受注につながらないこともあった」(奥村社長)。 調査会社を使った同社の独自調査によると、CM開始前は関西での知名度(会社名の浸透度)は約50%だったが、現在は70%弱まで上昇している。一方、関東では2017年時点でおよそ30%でしかなかった。だが、現在では「倍ぐらいまで上昇した」(同)という。 採用面でも効果はてきめんだ。人手不足を背景に新卒の採用競争は激化する一方だが、奥村組はここ数年、年約140名の新卒採用の枠を順当に埋めている。「奥村組のブースはいつもにぎわっている」と準大手ゼネコンの採用担当者がうらやむほど、学生向けの就活ブースもつねに活気がある。 ただし、若手社員の定着率となると課題が残る。新卒社員の3年後定着率は直近で「85%程度」(井戸田氏)。60%台のゼネコンもあることと比較すると健闘しているものの、離職率が1桁台のスーパーゼネコンには見劣りする。 若手の定着率向上は、建設業界全体の課題でもある。ゼネコン各社は華やかなCMの残像が刻まれているうちに、待遇のさらなる改善や働き方改革を急ぐ必要がある』、「調査会社を使った同社の独自調査によると、CM開始前は関西での知名度(会社名の浸透度)は約50%だったが、現在は70%弱まで上昇している。一方、関東では2017年時点でおよそ30%でしかなかった。だが、現在では「倍ぐらいまで上昇した」(同)という。 採用面でも効果はてきめんだ。人手不足を背景に新卒の採用競争は激化する一方だが、奥村組はここ数年、年約140名の新卒採用の枠を順当に埋めている。「奥村組のブースはいつもにぎわっている」と準大手ゼネコンの採用担当者がうらやむほど、学生向けの就活ブースもつねに活気がある・・・若手社員の定着率となると課題が残る。新卒社員の3年後定着率は直近で「85%程度」(井戸田氏)。60%台のゼネコンもあることと比較すると健闘しているものの、離職率が1桁台のスーパーゼネコンには見劣りする。 若手の定着率向上は、建設業界全体の課題でもある。ゼネコン各社は華やかなCMの残像が刻まれているうちに、待遇のさらなる改善や働き方改革を急ぐ必要がある」、確かにその通りだ。
タグ:建築 (その1)(隈研吾の建築が「青カビと腐食でボロボロ」「建築家の仕事とは思えない」…!地元住民も首をかしげる名建築家の「致命的なトラブル」、木の匠?アホらしい「隈研吾さんは業界でクマちゃんとバカにされていますよ」…専門家が明かす 世界的建築家・隈研吾の「虚像」、ゼネコン界に舞い降りた天使「奥村くみ」誕生秘話 奥村組社長は「建設バカ」シリーズを推していた) 現代ビジネス「隈研吾の建築が「青カビと腐食でボロボロ」「建築家の仕事とは思えない」…!地元住民も首をかしげる名建築家の「致命的なトラブル」」 「術館をすっぽりと覆う庇だ。細い木材には地元産の八溝杉が使われたこともあり名物となっていたが、経年劣化が著しい。 近づいて観察すると、腐食が進んで、木材が折れて崩れているものもある。屋根の装飾に使われた部分は、青カビが生えて、表面が黒ずんでいる」、見るも無残な姿だ。 「「直接雨風にさらされるところにスギを使っている点が問題です。本来であれば油分の多く雨に強い木材を使うべきですが、おそらくコストが高いので安い木材を並べたのでしょう。 小規模な商業施設であれば、こうしたデザインはまだ理解できますが、美術館という大型の公共案件ではありえません」』、「隈研吾ともあろう建築家がどうしたのだろう。 現代ビジネス「木の匠?アホらしい「隈研吾さんは業界でクマちゃんとバカにされていますよ」…専門家が明かす、世界的建築家・隈研吾の「虚像」」 「'90年代は建築家の間でも評価が低かった隈氏だが、広重の描く雨の線が細く美しいことに着想を得て、屋根まですべて細い木材で美術館をつくったところ評判を呼んだ。この成功を機に「木の匠」として持て囃されていく。その後はほとんどの代表作に、馬頭広重美術館に見られるような木製ルーバーを施している」、なるほど。 「木造建築は『手入れ』といって、維持管理を計画的に行う文化があります。クライアントに十分説明がなされていないのではないでしょうか。馬頭広重美術館の木の使い方は特に深刻な事態かと思いますが、今後も同じような問題は起きるでしょう。彼の影響力を考えると、今回の件で木造建築にネガティブな印象が広まったことは残念です」、なるほど。 「「国が国産材料の使用を推進していて、公共施設には『地場産建材』の使用が求められています。こうした需要に応えたのが大きいでしょう。 それに、隈さんは仕事を決して断らないスタンスです。どんなに安い予算だろうが仕事を受ける。通常、建築家が個性を演出するには相当な時間や熱量が必要なので、大量の依頼は捌けません。そんな状況を打破するため、彼の編み出した策が木製ルーバー。これを建物に施すことで『隈建築』とわかるように目論んだものですが、一部では『クマちゃんシール』と揶揄されています」、 『クマちゃんシール』とは言い得て妙だ。「隈氏が東大の内田祥哉研究室出身であるということも、彼の仕事に大きく作用していると相模氏は推測する。 「内田研は建築界の頂点と呼ばれるほど権威のある研究室。多くのゼネコンのトップが内田研の出身なので、コネや人脈がもともとあるわけです」 コネも駆使しつつ量産される作品で、将来的に人々に負担を強いるのは、世界的建築家のすることなのだろうか」、すっかり「隈」氏の化けの皮が剥がれたようだ。 東洋経済オンライン「ゼネコン界に舞い降りた天使「奥村くみ」誕生秘話 奥村組社長は「建設バカ」シリーズを推していた」 私は残念ながら「建設LOVE!奥村くみ」シリーズを観たことはないが、ネット検索したところ、https://www.youtube.com/watch?v=MV8jNfGKDQkで観ることができる。 「思わずクスッとしてしまう笑いの要素も含まれている」、さすが大阪企業だ。 「こういったCMの連打は、業界のイメージ改善に一役買っている。実際、足元では建設業に就職する新卒学生の数が増えており、とくに「建設女子」と言われる女性の技術者が増加している」、なかなかいいことだ。 「10名ほどの社員が集まった最終プレゼンの場では、奥村社長はあえて先に自分の意見を言わずに、みんなの意見を募った。すると、若手や女性を中心に出席者の8割ほどが「奥村くみシリーズがいい」と推したのだった。 内心がっかりした奥村社長だが、若い人の意見・感性は重要と考え、「わかった、奥村くみシリーズでいこう」と決断した」、なるほど。 「制作サイドが村田氏の言葉を意識したわけではないが、奥村くみシリーズをくまなくみていると、村田氏が強調する建設業の5つの魅力が、ほぼ盛り込まれていることがわかる。だからこそ、ライバル会社の動きには批判的な姿勢でいることが多いゼネコンのベテラン社員も、奥村くみに親近感を持ち、抵抗感なく受け入れるのだ」、なるほど。 「調査会社を使った同社の独自調査によると、CM開始前は関西での知名度(会社名の浸透度)は約50%だったが、現在は70%弱まで上昇している。一方、関東では2017年時点でおよそ30%でしかなかった。だが、現在では「倍ぐらいまで上昇した」(同)という。 採用面でも効果はてきめんだ。人手不足を背景に新卒の採用競争は激化する一方だが、奥村組はここ数年、年約140名の新卒採用の枠を順当に埋めている。 「奥村組のブースはいつもにぎわっている」と準大手ゼネコンの採用担当者がうらやむほど、学生向けの就活ブースもつねに活気がある・・・若手社員の定着率となると課題が残る。新卒社員の3年後定着率は直近で「85%程度」(井戸田氏)。60%台のゼネコンもあることと比較すると健闘しているものの、離職率が1桁台のスーパーゼネコンには見劣りする。 若手の定着率向上は、建設業界全体の課題でもある。ゼネコン各社は華やかなCMの残像が刻まれているうちに、待遇のさらなる改善や働き方改革を急ぐ必要がある」、確かにその通りだ。
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認知症(その5)(認知症患者が一番多い日本 改善すべき2つの悪習慣、アメリカではアルツハイマー型認知症が半減!日本では減らない驚きの理由、糖尿病で「脳が老化」するリスク…認知症の早期警告サインか【3万人の脳MRIデータで判明】) [生活]

認知症については、本年8月26日に取上げた。今日は、(その5)(認知症患者が一番多い日本 改善すべき2つの悪習慣、アメリカではアルツハイマー型認知症が半減!日本では減らない驚きの理由、糖尿病で「脳が老化」するリスク…認知症の早期警告サインか【3万人の脳MRIデータで判明】)である。

先ずは、本年8月31日付けダイヤモンド・オンラインが掲載した山中恵美子氏による「認知症患者が一番多い日本。改善すべき2つの悪習慣」を紹介しよう。
https://diamond.jp/articles/-/349703#:~:text=%E3%80%8C%E9%A0%AD%E3%81%AE%E5%9B%9E%E8%BB%A2%E3%81%8C%E9%80%9F%E3%81%8F,%E9%A3%9B%E8%BA%8D%E7%9A%84%E3%81%AB%E4%BC%B8%E3%81%B3%E3%81%BE%E3%81%99%E3%80%82
・『「頭の回転が速くなる」「誰でも脳の機能が向上しそう」「脳の老化防止に使える」「ゲーム感覚で小学生でも楽しめる」「たとえるなら、脳のストレッチ」「集中力や記憶力が伸びた」などの声が届いた、くり返し楽しんで使える『1分間瞬読ドリル』は、何歳からでも6つの力が飛躍的に伸びます。間違ってもOK。1分間で与えられた課題を見ていくだけで、「記憶力」「思考力」「判断力」「読解力」「集中力」「発想力」が抜群にあがります。 子どもには、これから必要とされる「考える力」や勉強脳が磨かれ、覚えに不安があるシニアはボケ防止に使える、そして、大人は脳機能を高めていくことができるのです。10歳から100歳まで、誰でも簡単に続けられる『1分間瞬読ドリル』で、脳をよくしていきましょう!』、興味深そうだ。
・『日本人特有の認知症になりやすい悪習慣  高齢化で一番気になるのが「認知症」。認知症患者の割合も、日本は海外と比べて、多いことはご存じでしょうか。OECD加盟国で、人口1000人あたりの認知症患者数が最も多いのは、日本なのです。先進国の平均は1000人あたり14.8人ですが、日本の平均は23.3人と、1.5倍以上。世界一、認知症になりやすい国と言えるかもしれません。 今回は、日本人特有の認知症になりやすい悪習慣について、お伝えします』、「OECD加盟国で、人口1000人あたりの認知症患者数が最も多いのは、日本なのです。先進国の平均は1000人あたり14.8人ですが、日本の平均は23.3人と、1.5倍以上。世界一、認知症になりやすい国と言えるかもしれません」、初めて知った。
・『悪習慣1:自己成長のために何も取り組んでいない  読書や、セミナー・勉強会の参加、もしくは独学など、どんなことでも構いませんが、仕事以外の時間で自己成長のために、何か取り組んでいますか?世界18カ国で行なわれた調査(パーソル総合研究所「グローバル就業実態・成長意識調査(2022年)」)では、日本は、「とくに何も行っていない」という回答が50%超。その他の国々で、「とくに何も行っていない」という回答の平均は18%。日本人は、大人になってから一番学ばない国民なのです。 何かを学ぶことは、自分で考える機会が増えるので、一番の認知症予防です。認知症になる原因は、様々ありますが、自分で物事を考える機会が減少し、脳の働きが低下すると、認知症が進行しやすくなります。30代、40代の頃から、学習習慣をつけていると、60代、70代になってからも自然と学び続け、脳の健康を保つことができます』、「日本人は、大人になってから一番学ばない国民なのです。 何かを学ぶことは、自分で考える機会が増えるので、一番の認知症予防です」、これでは「日本人が認知症になり易い」のもやむを得ない。
・『悪習慣2:定期的に運動していない  日本人の生活習慣の中で、運動不足も認知症リスクを高める要因の一つです。高齢者の多くが、体を動かす機会が少ないことから、運動不足に陥りがちです。適度な運動は、血流を改善し、脳への酸素供給を促進するため、認知機能の維持に重要です。また、運動はストレスを軽減し、精神的な健康を保つ効果もあります。しかし、日本の高齢者は他国と比較して運動に対する意識が低い傾向にあり、これが認知症リスクを高める一因となっています。 まずは、数分間ラジオ体操を真剣に取り組んでみる、階段があるときは階段を使う、少し遠回りをして帰るようにするなど、今の生活において、無理なくできるところから、「運動」を意識してみましょう。 認知症予防に重要な学習と運動。重要なことは分かっても、忙しくてなかなか取り組めないという人にオススメしたいのが、『1分間瞬読ドリル』。時間をかけたら、誰でも解ける問題を、1問1秒という時間制限付きで行なうことで、脳がフル回転、活性化します。1分間から取り組めるので、スキマ時間で行なうにはぴったりの認知症予防です。 *本記事は、『1分間瞬読ドリル』の著者による書き下ろしです。) (山中恵美子氏の略歴はリンク先参照)』、「日本人の生活習慣の中で、運動不足も認知症リスクを高める要因の一つです。高齢者の多くが、体を動かす機会が少ないことから、運動不足に陥りがちです。適度な運動は、血流を改善し、脳への酸素供給を促進するため、認知機能の維持に重要です。また、運動はストレスを軽減し、精神的な健康を保つ効果もあります。しかし、日本の高齢者は他国と比較して運動に対する意識が低い傾向にあり、これが認知症リスクを高める一因となっています・・・まずは、数分間ラジオ体操を真剣に取り組んでみる、階段があるときは階段を使う、少し遠回りをして帰るようにするなど、今の生活において、無理なくできるところから、「運動」を意識してみましょう。 認知症予防に重要な学習と運動。重要なことは分かっても、忙しくてなかなか取り組めないという人にオススメしたいのが、『1分間瞬読ドリル』。時間をかけたら、誰でも解ける問題を、1問1秒という時間制限付きで行なうことで、脳がフル回転、活性化します。1分間から取り組めるので、スキマ時間で行なうにはぴったりの認知症予防です」、なるほど。

次に、9月16日付けダイヤモンド・オンラインが掲載した脳神経外科医の中冨浩文氏による「アメリカではアルツハイマー型認知症が半減!日本では減らない驚きの理由」を紹介しよう。
https://diamond.jp/articles/-/348454
・『2025年には日本の65歳以上の認知症患者数は約700万人にものぼると言われ、およそ5人に1人が認知症になると予測されている。一方で、米国やヨーロッパでは、近年認知症の発症率は減少傾向にあるようだ。日本で認知症が減らない背景と若い脳を維持するための方法を、脳外科医の中冨浩文氏が解説する。本稿は、中冨浩文『脳は何歳からでもよみがえる』(アチーブメント出版)の一部を抜粋・編集したものです』、興味深そうだ。
https://diamond.jp/articles/-/348454
・『アルツハイマー型認知症が日本で減少しないのはなぜか  私たちはよく「脳が若い」「脳が老ける」という表現をします。脳は組織としては新陳代謝がなされているのに、これは一体どういうことなのでしょうか? 情報を分解して出力する脳の働きを認知機能と言います。これをある側面で切り取ったときに、言葉による言語性のIQや視覚性IQなどに分かれます。これら言語課題や視覚課題を理解し、アウトプットする能力を総称してIQと呼んでいます。 認知機能は遺伝的要素の関与が大きいと言われます。つまり、生まれつき頭のよい人がいるのです。スコットランドの研究では、11歳のときにIQを測定し、75歳のときに再度調べた結果、元々IQが高い人は75歳でも高いことがわかりました。 ただし、元々のIQの高さが単純に比例したわけではなく、人生・経験・環境によって75歳時のIQには大きなばらつきがありました。 純粋な遺伝的要因だけでなく、その人がどのように生きてきたのか、環境因子が認知機能に与える影響のほうが大きいのです。 若いころの教育、経験、環境によって鍛えられた認知機能は、年齢を経ても衰えにくいことは間違いありません。 30年以上前まで、脳は大人になると新生しないと言われていました。しかし、記憶を司る海馬と大脳辺縁系に関連する嗅神経の嗅球は、持続的に神経新生が起きていると、1990年代にわかりました。 アルツハイマー型認知症とは神経細胞が死滅して増えないことだと考えられがちですが、アルツハイマー型認知症の人も神経細胞だけがなくなっているのではなく、神経細胞の周りに張り巡らされているシナプスというネットワークの力が落ちているのです。 脳は神経活動によって構造が変化します。とくにシナプスの結びつきは頻繁に変わっていて、これを脳の可塑性と言います。小中高で脳の可塑性がもっとも高くなりますが、成人期や老年期でも起こることが知られています。 2005年に米国でアルツハイマー型認知症発生率が減少に向かっていることが発表され、世界を驚かせました。1982年から1999年までの重症のアルツハイマー型認知症発生率と比較すると、ほぼ半減していたというのです。その後、同様の報告がヨーロッパからも続きました。 しかし、日本ではいまだに減少に転じたという報告はありません。日本では重症のアルツハイマー型認知症の好発年齢となっているのが、成長期に敗戦後の苦境をまともに受けた世代のため、裕福な教育環境や経済的な状況が欧米と比較して劣っていたためだと言われています』、「米国でアルツハイマー型認知症発生率が減少に向かっていることが発表され、世界を驚かせました。1982年から1999年までの重症のアルツハイマー型認知症発生率と比較すると、ほぼ半減していたというのです。その後、同様の報告がヨーロッパからも続きました。 しかし、日本ではいまだに減少に転じたという報告はありません。日本では重症のアルツハイマー型認知症の好発年齢となっているのが、成長期に敗戦後の苦境をまともに受けた世代のため、裕福な教育環境や経済的な状況が欧米と比較して劣っていたためだと言われています』、「成長期に敗戦後の苦境をまともに受けた世代」、敗戦の影響が「認知症発生率」にまで影響しているとは驚きだ。
・『老いがすすむ物質「フリーラジカル」  認知機能に負の影響を与える第一因子は加齢です。年齢とともに人は遺伝子の転写精度が落ちて、遺伝子発現が不正確となり、有害なたんぱくが増加します。遺伝子レベルでの分子障害が起こるというメカニズムです。 もっともよく知られているのは、加齢により体内で酸化反応が起こり、フリーラジカルという攻撃物質ができてくると、脂質、たんぱく、DNAを障害します。これらは結果的に慢性炎症症候群を引き起こすので、老いが進むと言われています。フリーラジカルが増える原因としては、大気汚染、アルコール、電磁波、タバコ、ストレスなどの有害因子が言われています。 老いは、これらの有害因子に一生にわたってどれほど毒されてきたのかの現れであり、その程度は個人の状態、生きてきた環境により異なるので、高齢者ほど認知機能を含めた身体機能の個人差が大きくなります。これは生活環境と習慣を注意深く改善すれば、加齢の影響を相当軽減できることを意味します。 人が年齢とともに認知機能が落ちるのは神経細胞が減るからではありません。神経細胞が加齢だけでは減らないことは定説となっていて、20歳と90歳を比較すると、神経細胞の数そのものの差は10パーセント以内だったという研究があります。 とくに脳の加齢により減少が目立ったのは、神経の脇に出ている神経線維です。若い人のニューロンはよく葉の茂った樹木のようで、老化が高度に進んだニューロンは晩秋の幹しかない落葉樹のような状態です。 老けないためには生活上、環境上の有害因子を避けながら、シナプスが育つ生活を送ることがよいのです。たとえば、ファイトケミカルと言われる物質が知られていて、細胞の修復、免疫力アップ、活性酸素の排除に役立つと言われています。 さらに活性酸素を減らす生活習慣として、身体を冷やさない、運動、よく咀嚼することも言われています。 認知機能については、若くから衰えやすいところと意外に衰えないところがあります。最近の調査では、年齢による衰えがもっとも早く表れる検査はDigit Symbol Codingという図形に1、2、3と番号をつけ、数字を見せただけで図形をできるだけ早く答えさせる脳機能の検査だと言われています。 脳機能を測る検査は多数あります。そのなかでもこの検査はワーキングメモリーと処理スピードの要素が混ざったもので、関連性を瞬時に思い出す作業です。いちばん成績がよいのは小学校低学年くらいの子どもです。早くも20歳台後半からこの検査で測れる脳機能は落ちていくことがわかっています』、「加齢により体内で酸化反応が起こり、フリーラジカルという攻撃物質ができてくると、脂質、たんぱく、DNAを障害します。これらは結果的に慢性炎症症候群を引き起こすので、老いが進むと言われています。フリーラジカルが増える原因としては、大気汚染、アルコール、電磁波、タバコ、ストレスなどの有害因子が言われています」、なるほど。
・『アルツハイマー型認知症 その特徴とは  記憶には大きく分けて、短期記憶(数日)、言葉で表現できる長期記憶、言葉で表現できない長期記憶(手続き記憶)があります。 さらにはそれよりも短い情報を保持・処理する能力ワーキングメモリーがあります。ワーキングメモリーの容量には限界があり、さまざまな出来事から命にとって脳が大事だと判断した記憶を優先的に残していると言われます。 数字や視覚に関するワーキングメモリーは40歳から下降していきます。トランプによる神経衰弱などが苦手になってきます。一方で言葉、語彙、知識などの固定化した記憶は60~70歳まで衰えないと言われています。司会者や解説者、コメンテーターが高齢でも活躍できているのは、この脳機能が比較的長く維持できるからです。 アルツハイマー型認知症の特徴は、手続き記憶を忘れることです。料理をする、トイレへ行くといった手続きが連続して必要なタスクそのものをすべて忘れてしまうのです。トイレの前で立ち止まって何をするかわからなくなるので、一般の人が物忘れと言っている程度であればほとんど問題はありません。 今ではMRIを使った検査で脳の中の線維(白質)だけを画像化することができます。これをディフュージョン・テンソール・イメージ:(DTI)と言います。DTIを見れば、脳内の白質線維量、すなわち神経線維の結合がどのくらいあるかがわかります。 神経線維である白質の変化は年齢に相関します。ただ、脳血流の落ちている人のほうが白質も変化しやすいことがわかってきています。脳血管の老化がミクロなレベルで始まっている人は、脳血流が先に落ちます。次的に脳内のシナプスの結びつきである白質の量が減ってくると、脳内のネットワークがダウンしてしまうので、認知機能が落ちてくるという概念が提唱され始めています。 つまり、若い脳を維持するとは、脳のネットワークが円滑になるように、血管を含めて病気を予防したらよいというのが結論です』、「脳血管の老化がミクロなレベルで始まっている人は、脳血流が先に落ちます。次的に脳内のシナプスの結びつきである白質の量が減ってくると、脳内のネットワークがダウンしてしまうので、認知機能が落ちてくるという概念が提唱され始めています。 つまり、若い脳を維持するとは、脳のネットワークが円滑になるように、血管を含めて病気を予防したらよいというのが結論」、なるほど。

第三に、9月21日付けダイヤモンド・オンラインが転載したヘルスデーニュース「糖尿病で「脳が老化」するリスク…認知症の早期警告サインか【3万人の脳MRIデータで判明】」を紹介しよう。
https://diamond.jp/articles/-/350804
・『糖尿病は脳を老化させるが 生活習慣次第で抑制も可能  脳MRIに基づく新たな研究により、糖尿病が脳を老化させる可能性のあることが分かった。特に、血糖コントロールが良くない場合には、実際の年齢に比べて平均4歳、脳の老化が進んでいた。一方、健康的なライフスタイルにより、脳の若さを保つことができることも示唆された。カロリンスカ研究所(スウェーデン)のAbigail Dove氏らの研究によるもので、詳細は「Diabetes Care」に8月28日掲載された。 論文の筆頭著者であるDove氏は、「画像所見上、糖尿病患者の脳が実年齢に比べて高齢に見えるということは、通常の加齢プロセスからの逸脱を意味しており、認知症の早期警告サインと見なせる可能性がある」と述べている。 同氏の指摘どおり、以前から2型糖尿病は認知症のリスク因子の一つとして認識されてきた。しかし、認知症発症前の人の脳に、糖尿病や前糖尿病がどのような影響を与えているのかという詳細については、不明点が少なくない。 この研究では、英国の一般住民対象大規模疫学研究「UKバイオバンク」の参加者のうち、認知症でなく脳MRIデータのある40~70歳の成人3万1229人が解析対象とされた。参加者は11年間の追跡調査中に最大2回の脳MRIスキャンを受けており、そのデータを基にAI技術によって1079パターンの表現型を特定して、「脳年齢」が推定された。) その結果、前糖尿病の診断の記録がある人(43.3%)の脳年齢は、実際の年齢よりも平均0.5歳高齢と判定された。また、糖尿病患者(3.7%)の脳は、平均2.3歳高齢であった。 さらに、HbA1c(※)で層別化すると、HbA1c8%以上でコントロール不良の患者では平均4.2歳高齢と判定された。その一方、HbA1c7%未満でコントロール良好な患者の脳年齢は、1.7歳の差にとどまっていた。HbA1c7%以上8%未満の人の脳年齢の差は2.5歳だった。なお、糖尿病患者のうち男性や心血管代謝リスク因子を二つ以上持っている人は、脳年齢と実年齢との差がより顕著だった。 喫煙・飲酒習慣のない人の脳年齢は?(他方、この研究では、身体的に活発で喫煙・飲酒習慣のない人は、脳年齢が若いことも明らかになった。その差は、糖尿病や前糖尿病でない群(P<0.001)と、糖尿病患者群(P=0.003)で有意であった。前糖尿病群については、生活習慣による脳年齢の差が有意ではなかった(P=0.110)。 Dove氏はカロリンスカ研究所発のリリースの中で、「2型糖尿病の有病率は高く、さらに増加傾向にある。われわれの研究結果が、糖尿病や前糖尿病の人々の認知機能障害や認知症の予防に役立つことを願っている」と述べている。(HealthDay News 2024年8月28日) ※赤血球の中にある色素・ヘモグロビンのうち、どのくらいの割合が糖と結合しているかを示す値
https://www.healthday.com/health-news/diabetes/diabetes-can-age-your-brain-but-lifestyle-change-can-reverse-that
Copyright [コピーライト] 2024 HealthDay. All rights reserved.)』、「血糖コントロールが良くない場合には、実際の年齢に比べて平均4歳、脳の老化が進んでいた」、「糖尿病」が「脳の老化」にも影響するとは恐ろしい病気だ。「英国の一般住民対象大規模疫学研究」でも、「前糖尿病の診断の記録がある人(43.3%)の脳年齢は、実際の年齢よりも平均0.5歳高齢と判定された。また、糖尿病患者(3.7%)の脳は、平均2.3歳高齢であった」、この 「英国の一般住民対象大規模疫学研究」はサンプル数が多いだけに、信頼性が高そうだ。
タグ:(その5)(認知症患者が一番多い日本 改善すべき2つの悪習慣、アメリカではアルツハイマー型認知症が半減!日本では減らない驚きの理由、糖尿病で「脳が老化」するリスク…認知症の早期警告サインか【3万人の脳MRIデータで判明】) ど。 「血糖コントロールが良くない場合には、実際の年齢に比べて平均4歳、脳の老化が進んでいた」、「糖尿病」が「脳の老化」にも影響するとは恐ろしい病気だ。「英国の一般住民対象大規模疫学研究」でも、「前糖尿病の診断の記録がある人(43.3%)の脳年齢は、実際の年齢よりも平均0.5歳高齢と判定された。また、糖尿病患者(3.7%)の脳は、平均2.3歳高齢であった。 まずは、数分間ラジオ体操を真剣に取り組んでみる、階段があるときは階段を使う、少し遠回りをして帰るようにするなど、今の生活において、無理なくできるところから、「運動」を意識してみましょう。 認知症予防に重要な学習と運動。重要なことは分かっても、忙しくてなかなか取り組めないという人にオススメしたいのが、『1分間瞬読ドリル』。時間をかけたら、誰でも解ける問題を、1問1秒という時間制限付きで行なうことで、脳がフル回転、活性化します。1分間から取り組めるので、スキマ時間で行なうにはぴったりの認知症予防です」、なるほ 「日本人の生活習慣の中で、運動不足も認知症リスクを高める要因の一つです。高齢者の多くが、体を動かす機会が少ないことから、運動不足に陥りがちです。適度な運動は、血流を改善し、脳への酸素供給を促進するため、認知機能の維持に重要です。また、運動はストレスを軽減し、精神的な健康を保つ効果もあります。しかし、日本の高齢者は他国と比較して運動に対する意識が低い傾向にあり、これが認知症リスクを高める一因となっています・・・ 認知症 中冨浩文『脳は何歳からでもよみがえる』(アチーブメント出版) 「脳血管の老化がミクロなレベルで始まっている人は、脳血流が先に落ちます。次的に脳内のシナプスの結びつきである白質の量が減ってくると、脳内のネットワークがダウンしてしまうので、認知機能が落ちてくるという概念が提唱され始めています。 つまり、若い脳を維持するとは、脳のネットワークが円滑になるように、血管を含めて病気を予防したらよいというのが結論」、なるほど。 悪習慣1:自己成長のために何も取り組んでいない 悪習慣2:定期的に運動していない 「成長期に敗戦後の苦境をまともに受けた世代」、敗戦の影響が「認知症発生率」にまで影響しているとは驚きだ。 ダイヤモンド・オンライン 「日本人は、大人になってから一番学ばない国民なのです。 何かを学ぶことは、自分で考える機会が増えるので、一番の認知症予防です」、これでは「日本人が認知症になり易い」のもやむを得ない。 「血糖コントロールが良くない場合には、実際の年齢に比べて平均4歳、脳の老化が進んでいた」、「糖尿病」が「脳の老化」にも影響するとは恐ろしい病気だ。「英国の一般住民対象大規模疫学研究」でも、「前糖尿病の診断の記録がある人(43.3%)の脳年齢は、実際の年齢よりも平均0.5歳高齢と判定された。また、糖尿病患者(3.7%)の脳は、平均2.3歳高齢であった」、この 「英国の一般住民対象大規模疫学研究」はサンプル数が多いだけに、信頼性が高そうだ。 「加齢により体内で酸化反応が起こり、フリーラジカルという攻撃物質ができてくると、脂質、たんぱく、DNAを障害します。これらは結果的に慢性炎症症候群を引き起こすので、老いが進むと言われています。フリーラジカルが増える原因としては、大気汚染、アルコール、電磁波、タバコ、ストレスなどの有害因子が言われています」、なるほど。 中冨浩文氏による「アメリカではアルツハイマー型認知症が半減!日本では減らない驚きの理由」 ヘルスデーニュース「糖尿病で「脳が老化」するリスク…認知症の早期警告サインか【3万人の脳MRIデータで判明】」 山中恵美子氏による「認知症患者が一番多い日本。改善すべき2つの悪習慣」 「OECD加盟国で、人口1000人あたりの認知症患者数が最も多いのは、日本なのです。先進国の平均は1000人あたり14.8人ですが、日本の平均は23.3人と、1.5倍以上。世界一、認知症になりやすい国と言えるかもしれません」、初めて知った。
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認知症(その4)(「アルツハイマーは4割が誤診だった?」...認知症薬が利かなくてもこれまで原因や対策が分からなかった「ヤバすぎる理由」、「甲状腺機能低下症」「てんかん」...認知症と誤診されやすい病気の「特徴的な症状」と「正確な検査方法」、日本人に「認知症がぶっちぎりで多い」のはナゼなのか? 最新脳科学でわかった 黒幕とされる「ある脳内物質」の名前、日本で認知症が「ぶっちぎりで多い」のは「遺伝のせい」なのか…?日本人が「ストレス中毒でボケる」悲しすぎる理由) [生活]

認知症については、本年6月10日に取上げた。今日は、(その4)(「アルツハイマーは4割が誤診だった?」...認知症薬が利かなくてもこれまで原因や対策が分からなかった「ヤバすぎる理由」、「甲状腺機能低下症」「てんかん」...認知症と誤診されやすい病気の「特徴的な症状」と「正確な検査方法」、日本人に「認知症がぶっちぎりで多い」のはナゼなのか? 最新脳科学でわかった 黒幕とされる「ある脳内物質」の名前、日本で認知症が「ぶっちぎりで多い」のは「遺伝のせい」なのか…?日本人が「ストレス中毒でボケる」悲しすぎる理由)である。

先ずは、本年7月25日付け現代ビジネス「「アルツハイマーは4割が誤診だった?」...認知症薬が利かなくてもこれまで原因や対策が分からなかった「ヤバすぎる理由」を紹介しよう。
https://gendai.media/articles/-/134222
・『人が認知症になるかどうかは、体質や遺伝といった「運命」で決まると思われてきた。だが最新医学の知見によれば、決してそれだけではない。日々の積み重ねが健やかな脳を作るのだ。 1章記事『日本人に「認知症がぶっちぎりで多い」のはナゼなのか? 最新脳科学でわかった、黒幕とされる「ある脳内物質」の名前』、2章記事『「AB型で右利き」の人は認知症になりやすい! 最新研究でわかった「驚きの理由」』、3章記事『87歳の医師が「認知症にならないために実践する」毎日の生活ルーチンがヤバすぎる…!』より続く』、いずれも興味深そうだ。
・『最新の治療薬が効かない  ここまで認知症の原因やその予防法について見てきた。しかし、いざ認知症になってしまったら、その先はもう医師による治療や薬に頼るほかない。 認知症治療は日々、進歩を遂げている。その象徴と言えるのが、アルツハイマー病の治療薬であるレカネマブの登場だ。 もちろん、これまでもアリセプトやメマンチンなどアルツハイマー病の薬はあった。とはいえ、これらは病気によって減少する脳の神経細胞の働きを助ける薬で、症状を緩和させる対症療法的なものだった。 一方でレカネマブはアルツハイマー病の原因物質の1つと考えられている「アミロイドβ」に直接働きかける。 ところが、このレカネマブをはじめとした抗アミロイドβ抗体薬の治験をめぐって重大な事実が判明した。新潟大学脳研究所助教の春日健作氏が説明する。 「治療効果を示さない患者が多数出ました。なんとその原因の一つは、アルツハイマー病と診断されて集められた治験者の2割程度が、実際にはアルツハイマー病ではなかったからなんです」 誤診のせいで、正確な薬効を測ることができなかったというのだ』、「アルツハイマー病と診断されて集められた治験者の2割程度が、実際にはアルツハイマー病ではなかったから」、「アルツハイマー病との診断」がそんなに頼りないものとは驚きだ。
・『4割が誤診?  こうした事態から、研究者たちの間では認知症をより正確に診断する方法が模索され始めた。そこで昨年春、春日氏らの研究グループは、認知症患者から検査目的で採取した脳脊髄液を解析した。 その結果、日常診療でアルツハイマー病と診断された患者のなんと4割が誤診、つまりアルツハイマー病ではない可能性が明らかになったのだ。衝撃的な数字だが、なぜこのような結果となったのか。春日氏が語る。 「アルツハイマー病は『脳の病気』なので、本当は脳を解剖しなければ、正確にアルツハイマー病なのかそうでないかは診断できません。しかし、生前に脳を解剖することはできない。これまでの診断は医師の力量に頼るところが大きかったゆえに誤診もたくさんあったということなんです」 そもそも「認知症」は病名ではない。認知機能が失われ、かつ日常生活に支障が生じている「状態」の総称である。 そして、その原因となる疾患は70以上に及び、専門医でも見極めは容易ではないのだ。メモリークリニックお茶の水院長の朝田隆氏が説明する。 「認知症は、実は非常に歴史の浅い疾患です。私が医師になった当時の健康寿命は60代後半くらいで、『ボケる』前に亡くなる人が多かったので、医師としてあまり認知症について勉強・研究する必要がなかった。高齢化が進み、該当する症状を持つ人が増えたことで、医師たちも認知症を認識するようになりました。そのため、本当の意味での専門医が少ないのです」』、「日常診療でアルツハイマー病と診断された患者のなんと4割が誤診、つまりアルツハイマー病ではない可能性が明らかになった・・・そもそも「認知症」は病名ではない。認知機能が失われ、かつ日常生活に支障が生じている「状態」の総称である。 そして、その原因となる疾患は70以上に及び、専門医でも見極めは容易ではないのだ」、なるほど。
・『薬が効いているのか確かめない  認知症を最初に診るのが大抵、町医者であることも誤診が多発する原因の1つだ。くどうちあき脳神経外科クリニック院長の工藤千秋氏が語る。 「認知症の原因の約3分の2がアルツハイマー病だと言われています。そのため大半の医師は、物忘れやうつ状態など認知症のような症状が見られる患者が診察に来た場合、アルツハイマー病を疑い、とりあえずアリセプトなどの認知症治療薬を処方します。 そこまでならまだいい。問題なのは3、4ヵ月経過を見て、処方した薬が効いているかどうかを確かめないことです。効果がなければ、他の疾患かもしれないと見方を変えなければいけない。 ところが、なかには認識を改めず、薬を出し続けている医師もいます。当院にも5年も効かない薬を処方され続けた患者さんが来院されたことがあります。認知症は3年スパンで進行していきますから、もう初期の状態をとっくに通り過ぎてしまっていました」 同じ認知症でも原因疾患が異なれば、治療法も異なる。誤診によって効きもしない薬をずっと処方され続け、無駄な医療費を払い続けた挙げ句、改善するどころか悪化させてしまうこともありうるのだ。 「週刊現代」2024年7月20・27日合併号より 後編記事『「甲状腺機能低下症」「てんかん」...認知症と誤診されやすい病気の「特徴的な症状」と「正確な検査方法」』へつづく』、「「認知症の原因の約3分の2がアルツハイマー病だと言われています。そのため大半の医師は、物忘れやうつ状態など認知症のような症状が見られる患者が診察に来た場合、アルツハイマー病を疑い、とりあえずアリセプトなどの認知症治療薬を処方します・・・問題なのは3、4ヵ月経過を見て、処方した薬が効いているかどうかを確かめないことです。効果がなければ、他の疾患かもしれないと見方を変えなければいけない。 ところが、なかには認識を改めず、薬を出し続けている医師もいます・・・同じ認知症でも原因疾患が異なれば、治療法も異なる。誤診によって効きもしない薬をずっと処方され続け、無駄な医療費を払い続けた挙げ句、改善するどころか悪化させてしまうこともありうるのだ」、いい加減な「医師」にかかると悲劇だ。

次に、7月25日付け現代ビジネス「「甲状腺機能低下症」「てんかん」...認知症と誤診されやすい病気の「特徴的な症状」と「正確な検査方法」」を紹介しよう。
https://gendai.media/articles/-/134223
・『人が認知症になるかどうかは、体質や遺伝といった「運命」で決まると思われてきた。だが最新医学の知見によれば、決してそれだけではない。日々の積み重ねが健やかな脳を作るのだ。 前編記事『「アルツハイマーは4割が誤診だった?」...認知症薬が利かなくてもこれまで原因や対策が分からなかった「ヤバすぎる理由」』より続く。 ▽実は甲状腺の病気だった(前出の春日氏は、認知症の原因疾患は大きく3つに分類されるという。①脳の神経細胞がゆっくりと死んでゆく「神経変性疾患」。アルツハイマー型やレビー小体型、前頭側頭型がこれにあたる。②脳の血管の病気が原因である「脳血管性認知症」。脳梗塞や脳出血によって起こる。③「その他の原因」。甲状腺機能の低下やビタミンB不足などによって起こる。 認知症は一般的に「治らない病気」だと思われている。しかし、それは脳自体が変性してしまう①の場合のこと。②、③については治る可能性もあるのだ。ゆえに診断を誤ると、治療のチャンスを逃してしまう場合もある。 埼玉森林病院院長の磯野浩氏が実際にあったケースを紹介する。 『認知症が進んでいるようなので診てほしい』と、ある母娘が受診に来ました。母親は長年ひとり暮らしをしていて、数年前から徐々に進行する物忘れに加え、誰もいないはずの2階に人が住んでいると訴えてきたため、近隣のメンタルクリニックを受診したところ、『認知症』と診断された。それで投薬治療を続けたのですが、症状は悪化する一方。そこで私のところに来たということでした。 私は一目見て、『これはアルツハイマー病などではなさそうだ』と気づきました。66歳と聞いていたのに、私の目には90代に映ったからです。毛髪は広範囲に抜け落ち、全身がむくんでいます。これは老化ではなく、病気によるものと判断し、血液検査をしました。すると、『甲状腺機能低下症』であることが判明したのです。これは適切な治療で改善が見込める病気です。この母親も、治療で目覚ましい回復を遂げました。とはいえ、もっと早く気づいていれば、早期に回復したはずです」) ▽てんかんやADHDを認知症と誤診(前出の工藤氏は、てんかんが誤診に繋がりがちだと言う。てんかんは子供の病気と勘違いしている人も多いが、60歳以降にも増える病気だ。 「高齢者のてんかんは、子供が起こすような『痙攣発作』と症状が異なり分かりづらい。突然ぼーっとして、呼びかけても反応がなく、口をもごもごさせている。数秒経ってから意識が戻る。実はこれはてんかんの発作なのです。医学的には『複雑部分発作』と言います。 しかし、こうした所見を知らない医師が物忘れだけに気づき、認知症の診断をくだし、薬を処方してしまうのです」 またADHD(発達障害の一種)も認知症と間違われやすい病気だ。前出の朝田氏が語る。 「ADHDの方でも、学校生活や社会人生活を通じて症状が落ち着きます。ところが50歳を超え、脳の機能が衰えてくると、再び症状が出てきてしまう。周囲は『いよいよボケたか……』と勘違いし、病院へ連れて行かれ、誤診に繋がるのです」 心配な症状が出たので向かった、あるいは家族に連れて行かれた病院で「認知症」と誤診されてはたまったものでない。) ▽正確な検査をしなければ断定できない(逆に認知症がまったく別の病気と誤診される場合もある。典型的なのがうつ病だ。朝田氏が続けて説明する。 「レビー小体型認知症では、初期にうつ症状が出やすいので、老人性うつと誤診されることが多いのです」 とある認知症専門医は匿名を条件に、メンタルクリニックの対応に苦言を呈する。 「一部のメンタルクリニックには、なんでもうつ病にしたがる医師がいます。本来、認知症が疑われる患者が来たら、MRIを撮ったり、脳血流検査をしたり、正確な検査をしなければ断定できないはずなのに、『うつ病だから』と間違った治療を施してしまう。 高齢者に処方されることの多い抗うつ剤に、パキシル、ルボックスなどのSSRI(選択的セロトニン再取り込み阻害薬)がありますが、これらを飲み続けることで認知症が悪化したり、複雑化したりすることもあります」』、「「一部のメンタルクリニックには、なんでもうつ病にしたがる医師がいます。本来、認知症が疑われる患者が来たら、MRIを撮ったり、脳血流検査をしたり、正確な検査をしなければ断定できないはずなのに、『うつ病だから』と間違った治療を施してしまう。 高齢者に処方されることの多い抗うつ剤に、パキシル、ルボックスなどのSSRI(選択的セロトニン再取り込み阻害薬)がありますが、これらを飲み続けることで認知症が悪化したり、複雑化したりすることもあります」、恐ろしいことだ。
・『最新の検査方法  こうした誤診を避けるためにはどうしたらよいか。朝田氏は認知症専門医へ早期の受診を勧める。 「たとえば日本老年精神医学会と日本認知症学会、この2つの学会が『認知症専門医の集まり』です。ホームページに医師の名前と医療機関名が掲載されていますから、調べてみてください」 認知症の中でもっとも多いアルツハイマー病では、さまざまな検査法の開発が進んでいる。前出の春日氏が説明する。 「最近ではアルツハイマー病の原因物質を可視化する『PET検査』が使われています。原因物質といわれる『アミロイドβ』や『タウ』といったたんぱく質が、脳にどれだけたまっているかを確認できます。 また脳脊髄液や血液でアルツハイマー病を診断できる『バイオマーカー検査』も研究されています。これらの検査により、高精度で脳内の変化を捉えられるようになりました。 これらの検査は現状、一部のみが保険適用で、受けられる医療機関も限られていますが、できる限り設備や診察環境が整った病院を探すのが良いでしょう」 認知症にならないための暮らし方を日頃から心掛け、いざなってしまったら、適切な病院で診断を受ける。真の意味で「認知症にならない」ためにはこの2つが重要なのだ。 「週刊現代」2024年7月20・27日合併号より 1章のはじめから読む『日本人に「認知症がぶっちぎりで多い」のはナゼなのか? 最新脳科学でわかった、黒幕とされる「ある脳内物質」の名前』へつづく』、「「最近ではアルツハイマー病の原因物質を可視化する『PET検査』が使われています。原因物質といわれる『アミロイドβ』や『タウ』といったたんぱく質が、脳にどれだけたまっているかを確認できます。 また脳脊髄液や血液でアルツハイマー病を診断できる『バイオマーカー検査』も研究されています。これらの検査により、高精度で脳内の変化を捉えられるようになりました。 これらの検査は現状、一部のみが保険適用で、受けられる医療機関も限られていますが、できる限り設備や診察環境が整った病院を探すのが良いでしょう」」なるほど。

第三に、7月25日付け現代ビジネス「日本人に「認知症がぶっちぎりで多い」のはナゼなのか? 最新脳科学でわかった、黒幕とされる「ある脳内物質」の名前」を紹介しよう。
https://gendai.media/articles/-/134102
・『人が認知症になるかどうかは、体質や遺伝といった「運命」で決まると思われてきた。だが最新医学の知見によれば、決してそれだけではない。日々の積み重ねが健やかな脳を作るのだ』、興味深そうだ。
・『認知症は「不機嫌」から始まる  なんだかイライラすることが多くなった。スーパーやコンビニのレジで、少し焦ってしまうことがある。睡眠時間が短くなり、眠りが浅くなった—。最近そんなふうに感じているなら、あなたの脳で、認知症のリスクが急速に高まっているサインかもしれない。 「日本人はほかの国の人と比べて、悲観的になりやすくストレスを溜めやすい傾向があります。じつは近年、ストレスを感じやすい人ほど、認知症を引き起こす脳内の老廃物『アミロイドβ』が増えやすいことがわかってきているのです」 こう語るのは、オーストラリア・シドニー大学の脳・精神センターで認知症を研究しているファン・ユンテ氏だ。 日本人のうち認知症患者が占める割合は、1000人あたり23・3人と、じつは世界で最も多い。先進国(OECD加盟国)の平均は1000人あたり14・8人。いくら日本が高齢化大国とはいえ、あまりに多すぎると思わないだろうか。 その隠れた理由として、研究者たちが注目しているのが「ストレスと認知症の関係」なのだ。なかでも、ストレスと密接なかかわりをもつ「ある脳内物質」が、黒幕と目されている。 「脳のほぼ中心にある、視床下部というところから分泌されるオレキシンです。オレキシンは別名『ストレスホルモン』とも呼ばれ、ストレスを感じたり、夜にしっかり眠れなかったりすると増えることが知られています。 このオレキシンは不眠症の患者などで特に多いことが分かっていましたが、私たちの研究によると、アルツハイマー型認知症の患者の脳内でも増えていると判明したのです」(ファン氏)』、「日本人のうち認知症患者が占める割合は、1000人あたり23・3人と、じつは世界で最も多い。先進国(OECD加盟国)の平均は1000人あたり14・8人・・・オレキシンは別名『ストレスホルモン』とも呼ばれ、ストレスを感じたり、夜にしっかり眠れなかったりすると増えることが知られています。 このオレキシンは不眠症の患者などで特に多いことが分かっていましたが、私たちの研究によると、アルツハイマー型認知症の患者の脳内でも増えていると判明したのです」、なるほど。
・『全ての原因は「脳内物質」にあり  日本人は韓国人と並んで、世界でも最も「ストレスを感じている」という人が多いとの調査がある。加えて、睡眠時間を見ると、OECD平均が8時間25分なのに対し、日本人は7時間22分で加盟国最短となっている。 つまりは、こういうことだ。日本人は世界一ストレスを感じやすく、世界一寝不足で、そして世界一ボケやすい国民である——そして、これらの原因はすべて、オレキシンのせいかもしれない。 オレキシンは当初、脳内の「食欲中枢」で見つかったため、食欲を制御する物質と考えられていた。ところが、のちに食欲だけでなく、ストレスや睡眠をコントロールする働きも持ちあわせていることが分かった。おくむらメモリークリニック理事長の奥村歩氏が言う。 「オレキシンは、ひとことで言うと『脳を覚醒させる物質』です。かつて私たち人間は、クマやヘビといった外敵と遭遇したとき、脳を目覚めさせ、筋肉や内臓を活性化させて戦闘モードに入っていました。そのスイッチこそオレキシンなのです。 この働きは今も生きていて、仕事や作業をして集中力を働かせると、脳内でオレキシンが分泌される。そのときに、副産物としてアミロイドβも増えてしまうのです」 「週刊現代」2024年7月20・27日合併号より さらに、日本人にはこのメカニズムが働きやすくなる「やむにやまれぬ事情」もある。その詳細を後編【日本で認知症が「ぶっちぎりで多い」のは「遺伝のせい」なのか…?日本人が「ストレス中毒でボケる」悲しすぎる理由】で解説しよう。) ▽「ストレス認知症」にならないための10カ条(リンク先参照)』、「「オレキシンは、ひとことで言うと『脳を覚醒させる物質』です。かつて私たち人間は、クマやヘビといった外敵と遭遇したとき、脳を目覚めさせ、筋肉や内臓を活性化させて戦闘モードに入っていました。そのスイッチこそオレキシンなのです。 この働きは今も生きていて、仕事や作業をして集中力を働かせると、脳内でオレキシンが分泌される。そのときに、副産物としてアミロイドβも増えてしまうのです」、なるほど。

第四に、7月25日付け現代ビジネス「日本で認知症が「ぶっちぎりで多い」のは「遺伝のせい」なのか…?日本人が「ストレス中毒でボケる」悲しすぎる理由」を紹介しよう。
https://gendai.media/articles/-/134104
・『人が認知症になるかどうかは、体質や遺伝といった「運命」で決まると思われてきた。だが最新医学の知見によれば、決してそれだけではない。日々の積み重ねが健やかな脳を作るのだ』、興味深そうだ。
・『認知症は「不機嫌」から始まる  なんだかイライラすることが多くなった。スーパーやコンビニのレジで、少し焦ってしまうことがある。睡眠時間が短くなり、眠りが浅くなった—。最近そんなふうに感じているなら、あなたの脳で、認知症のリスクが急速に高まっているサインかもしれない。 「日本人はほかの国の人と比べて、悲観的になりやすくストレスを溜めやすい傾向があります。じつは近年、ストレスを感じやすい人ほど、認知症を引き起こす脳内の老廃物『アミロイドβ』が増えやすいことがわかってきているのです」 こう語るのは、オーストラリア・シドニー大学の脳・精神センターで認知症を研究しているファン・ユンテ氏だ。 日本人のうち認知症患者が占める割合は、1000人あたり23・3人と、じつは世界で最も多い。先進国(OECD加盟国)の平均は1000人あたり14・8人。いくら日本が高齢化大国とはいえ、あまりに多すぎると思わないだろうか。 その隠れた理由として、研究者たちが注目しているのが「ストレスと認知症の関係」なのだ。なかでも、ストレスと密接なかかわりをもつ「ある脳内物質」が、黒幕と目されている。 「脳のほぼ中心にある、視床下部というところから分泌されるオレキシンです。オレキシンは別名『ストレスホルモン』とも呼ばれ、ストレスを感じたり、夜にしっかり眠れなかったりすると増えることが知られています。 このオレキシンは不眠症の患者などで特に多いことが分かっていましたが、私たちの研究によると、アルツハイマー型認知症の患者の脳内でも増えていると判明したのです」(ファン氏)』、「日本人のうち認知症患者が占める割合は、1000人あたり23・3人と、じつは世界で最も多い・・・その隠れた理由として、研究者たちが注目しているのが「ストレスと認知症の関係」なのだ。なかでも、ストレスと密接なかかわりをもつ「ある脳内物質」が、黒幕と目されている。 「脳のほぼ中心にある、視床下部というところから分泌されるオレキシンです。オレキシンは別名『ストレスホルモン』とも呼ばれ、ストレスを感じたり、夜にしっかり眠れなかったりすると増えることが知られています。 このオレキシンは不眠症の患者などで特に多いことが分かっていましたが、私たちの研究によると、アルツハイマー型認知症の患者の脳内でも増えていると判明したのです」、なるほど。
・『全ての原因は「脳内物質」にあり  日本人は韓国人と並んで、世界でも最も「ストレスを感じている」という人が多いとの調査がある。加えて、睡眠時間を見ると、OECD平均が8時間25分なのに対し、日本人は7時間22分で加盟国最短となっている。 つまりは、こういうことだ。日本人は世界一ストレスを感じやすく、世界一寝不足で、そして世界一ボケやすい国民である——そして、これらの原因はすべて、オレキシンのせいかもしれない。 オレキシンは当初、脳内の「食欲中枢」で見つかったため、食欲を制御する物質と考えられていた。ところが、のちに食欲だけでなく、ストレスや睡眠をコントロールする働きも持ちあわせていることが分かった。おくむらメモリークリニック理事長の奥村歩氏が言う。 「オレキシンは、ひとことで言うと『脳を覚醒させる物質』です。かつて私たち人間は、クマやヘビといった外敵と遭遇したとき、脳を目覚めさせ、筋肉や内臓を活性化させて戦闘モードに入っていました。そのスイッチこそオレキシンなのです。 この働きは今も生きていて、仕事や作業をして集中力を働かせると、脳内でオレキシンが分泌される。そのときに、副産物としてアミロイドβも増えてしまうのです」 「週刊現代」2024年7月20・27日合併号より さらに、日本人にはこのメカニズムが働きやすくなる「やむにやまれぬ事情」もある。その詳細を後編【日本で認知症が「ぶっちぎりで多い」のは「遺伝のせい」なのか…?日本人が「ストレス中毒でボケる」悲しすぎる理由】で解説しよう。 『「ストレス認知症」にならないための10カ条(リンク先参照)』、「「オレキシンは、ひとことで言うと『脳を覚醒させる物質』です。かつて私たち人間は、クマやヘビといった外敵と遭遇したとき、脳を目覚めさせ、筋肉や内臓を活性化させて戦闘モードに入っていました。そのスイッチこそオレキシンなのです。 この働きは今も生きていて、仕事や作業をして集中力を働かせると、脳内でオレキシンが分泌される。そのときに、副産物としてアミロイドβも増えてしまうのです』、「副産物」を増やさない程度で、「オレキシン」を「分泌させる」ような裏ワザを身につけたいものだが、製薬会社や医学会が目を皿のようにして探し回っているのだろう。回答は専門家に任せるのが賢明なようだ。
タグ:認知症 (その4)(「アルツハイマーは4割が誤診だった?」...認知症薬が利かなくてもこれまで原因や対策が分からなかった「ヤバすぎる理由」、「甲状腺機能低下症」「てんかん」...認知症と誤診されやすい病気の「特徴的な症状」と「正確な検査方法」、日本人に「認知症がぶっちぎりで多い」のはナゼなのか? 最新脳科学でわかった 黒幕とされる「ある脳内物質」の名前、日本で認知症が「ぶっちぎりで多い」のは「遺伝のせい」なのか…?日本人が「ストレス中毒でボケる」悲しすぎる理由) 現代ビジネス「「アルツハイマーは4割が誤診だった?」...認知症薬が利かなくてもこれまで原因や対策が分からなかった「ヤバすぎる理由」 いずれも興味深そうだ。 「アルツハイマー病と診断されて集められた治験者の2割程度が、実際にはアルツハイマー病ではなかったから」、「アルツハイマー病との診断」がそんなに頼りないものとは驚きだ。 「日常診療でアルツハイマー病と診断された患者のなんと4割が誤診、つまりアルツハイマー病ではない可能性が明らかになった・・・そもそも「認知症」は病名ではない。認知機能が失われ、かつ日常生活に支障が生じている「状態」の総称である。 そして、その原因となる疾患は70以上に及び、専門医でも見極めは容易ではないのだ」、なるほど。 「「認知症の原因の約3分の2がアルツハイマー病だと言われています。そのため大半の医師は、物忘れやうつ状態など認知症のような症状が見られる患者が診察に来た場合、アルツハイマー病を疑い、とりあえずアリセプトなどの認知症治療薬を処方します・・・問題なのは3、4ヵ月経過を見て、処方した薬が効いているかどうかを確かめないことです。効果がなければ、他の疾患かもしれないと見方を変えなければいけない。 ところが、なかには認識を改めず、薬を出し続けている医師もいます・・・ 同じ認知症でも原因疾患が異なれば、治療法も異なる。誤診によって効きもしない薬をずっと処方され続け、無駄な医療費を払い続けた挙げ句、改善するどころか悪化させてしまうこともありうるのだ」、いい加減な「医師」にかかると悲劇だ。 現代ビジネス「「甲状腺機能低下症」「てんかん」...認知症と誤診されやすい病気の「特徴的な症状」と「正確な検査方法」」 「「一部のメンタルクリニックには、なんでもうつ病にしたがる医師がいます。本来、認知症が疑われる患者が来たら、MRIを撮ったり、脳血流検査をしたり、正確な検査をしなければ断定できないはずなのに、『うつ病だから』と間違った治療を施してしまう。 高齢者に処方されることの多い抗うつ剤に、パキシル、ルボックスなどのSSRI(選択的セロトニン再取り込み阻害薬)がありますが、これらを飲み続けることで認知症が悪化したり、複雑化したりすることもあります」、恐ろしいことだ。 「「最近ではアルツハイマー病の原因物質を可視化する『PET検査』が使われています。原因物質といわれる『アミロイドβ』や『タウ』といったたんぱく質が、脳にどれだけたまっているかを確認できます。 また脳脊髄液や血液でアルツハイマー病を診断できる『バイオマーカー検査』も研究されています。これらの検査により、高精度で脳内の変化を捉えられるようになりました。 これらの検査は現状、一部のみが保険適用で、受けられる医療機関も限られていますが、できる限り設備や診察環境が整った病院を探すのが良いでしょう」」なるほど。 現代ビジネス「日本人に「認知症がぶっちぎりで多い」のはナゼなのか? 最新脳科学でわかった、黒幕とされる「ある脳内物質」の名前」 「日本人のうち認知症患者が占める割合は、1000人あたり23・3人と、じつは世界で最も多い。先進国(OECD加盟国)の平均は1000人あたり14・8人・・・オレキシンは別名『ストレスホルモン』とも呼ばれ、ストレスを感じたり、夜にしっかり眠れなかったりすると増えることが知られています。 このオレキシンは不眠症の患者などで特に多いことが分かっていましたが、私たちの研究によると、アルツハイマー型認知症の患者の脳内でも増えていると判明したのです」、なるほど。 「「オレキシンは、ひとことで言うと『脳を覚醒させる物質』です。かつて私たち人間は、クマやヘビといった外敵と遭遇したとき、脳を目覚めさせ、筋肉や内臓を活性化させて戦闘モードに入っていました。そのスイッチこそオレキシンなのです。 この働きは今も生きていて、仕事や作業をして集中力を働かせると、脳内でオレキシンが分泌される。そのときに、副産物としてアミロイドβも増えてしまうのです」、なるほど。 現代ビジネス「日本で認知症が「ぶっちぎりで多い」のは「遺伝のせい」なのか…?日本人が「ストレス中毒でボケる」悲しすぎる理由」 「日本人のうち認知症患者が占める割合は、1000人あたり23・3人と、じつは世界で最も多い・・・その隠れた理由として、研究者たちが注目しているのが「ストレスと認知症の関係」なのだ。なかでも、ストレスと密接なかかわりをもつ「ある脳内物質」が、黒幕と目されている。 「脳のほぼ中心にある、視床下部というところから分泌されるオレキシンです。オレキシンは別名『ストレスホルモン』とも呼ばれ、ストレスを感じたり、夜にしっかり眠れなかったりすると増えることが知られています。 このオレキシンは不眠症の患者などで特に多いことが分かっていましたが、私たちの研究によると、アルツハイマー型認知症の患者の脳内でも増えていると判明したのです」、なるほど。 「「オレキシンは、ひとことで言うと『脳を覚醒させる物質』です。かつて私たち人間は、クマやヘビといった外敵と遭遇したとき、脳を目覚めさせ、筋肉や内臓を活性化させて戦闘モードに入っていました。そのスイッチこそオレキシンなのです。 この働きは今も生きていて、仕事や作業をして集中力を働かせると、脳内でオレキシンが分泌される。そのときに、副産物としてアミロイドβも増えてしまうのです』、 「副産物」を増やさない程度で、「オレキシン」を「分泌させる」ような裏ワザを身につけたいものだが、製薬会社や医学会が目を皿のようにして探し回っているのだろう。回答は専門家に任せるのが賢明なようだ。
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健康(その29)(「食物繊維は体に良い」とは限らない?最新研究で分かった腸内細菌との意外なカンケイ、医師・和田秀樹が教える 若くて元気な中高年がよく食べる「意外なもの」とは?、人体の「ツボ」って何?「高血圧のネズミ」実験でわかってきた「ツボの正体」) [生活]

健康については、本園7月22日に取上げた。今日は、(その29)(「食物繊維は体に良い」とは限らない?最新研究で分かった腸内細菌との意外なカンケイ、医師・和田秀樹が教える 若くて元気な中高年がよく食べる「意外なもの」とは?、人体の「ツボ」って何?「高血圧のネズミ」実験でわかってきた「ツボの正体」)である。

先ずは、本年7月21日付けダイヤモンド・オンラインが転載したヘルスデーニュース「「食物繊維は体に良い」とは限らない?最新研究で分かった腸内細菌との意外なカンケイ」を紹介しよう。
https://diamond.jp/articles/-/347185
・『最適な食物繊維は人それぞれ  これまで長い間、食物繊維の摂取量を増やすべきとするアドバイスがなされてきているが、食物繊維摂取による健康上のメリットは人それぞれ異なることが報告された。単に多く摂取しても、あまり恩恵を受けられない人もいるという。米コーネル大学のAngela Poole氏らの研究によるもので、詳細は「Gut Microbes」に6月24日掲載された。 食物繊維は消化・吸収されないため、かつては食品中の不要な成分と位置付けられていた。しかし、整腸作用があること、および腸内細菌による発酵・利用の過程で、健康の維持・増進につながる有用菌(善玉菌)や短鎖脂肪酸の増加につながることなどが明らかになり、現在では「第六の栄養素」と呼ばれることもある。 また糖尿病との関連では、食物繊維が糖質の吸収速度を抑え、食後の急激な血糖上昇を抑制するように働くと考えられている。そのほかにも、満腹感の維持に役立つことや、血圧・血清脂質に対する有益な作用があることも知られている。) 本研究では、食物繊維の一種である難消化性でんぷんresistantstarch;RS)を摂取した場合に、腸内細菌叢の組成や糞便中の短鎖脂肪酸の量などに、どのような変化が現れるかを検討した。 59人の被験者に対するクロスオーバーデザインで行われ、試行条件として、バナナなどに含まれている難消化性でんぷん(RS2と呼ばれるタイプ)と化学的に合成された難消化性でんぷん(RS4と呼ばれるタイプ)、および易消化性でんぷんという3条件を設定。5日間のウォッシュアウト期間を挟んで、それぞれ10日間摂取してもらった』、「本研究では、食物繊維の一種である難消化性でんぷんresistantstarch;RS)を摂取した場合に、腸内細菌叢の組成や糞便中の短鎖脂肪酸の量などに、どのような変化が現れるかを検討した。 59人の被験者に対するクロスオーバーデザインで行われ、試行条件として、バナナなどに含まれている難消化性でんぷん(RS2と呼ばれるタイプ)と化学的に合成された難消化性でんぷん(RS4と呼ばれるタイプ)、および易消化性でんぷんという3条件を設定。5日間のウォッシュアウト期間を挟んで、それぞれ10日間摂取してもらった」、なるほど。
・『腸内細菌叢の組成や多様性と関連  解析の結果、難消化性でんぷんの摂取によって腸内細菌叢や短鎖脂肪酸などに大きな変化が生じた人もいれば、あまり変化がない人、または全く変化がない人もいた。それらの違いは、腸内細菌叢の組成や多様性と関連があることが示唆された。 研究者らは、「結局のところ、ある人の健康状態を腸内細菌叢へのアプローチを介して改善しようとする場合、どのような種類の食物繊維の摂取を推奨すべきか個別にアドバイスしなければならない」と述べている。 論文の上席著者であるPoole氏は、「過去何十年もの間、全ての人々に対して一律に食物繊維の摂取を推奨するというメッセージが送られてきた。しかし今日では、個人個人にどのような食物繊維の摂取を推奨すべきかを決定する上で役立つであろう、精密栄養学という新しい学問領域が発展してきている」と述べている。 今回の研究でも、食物繊維の摂取によって短鎖脂肪酸の産生が増えるか否かは、その人の腸内細菌叢によって左右される可能性が浮かび上がった。また意外なことに、難消化性でんぷんではなく易消化性でんぷんの摂取によって、短鎖脂肪酸が最も増加していた。短鎖脂肪酸は、血糖値やコレステロールの改善に寄与することが明らかになりつつある。 研究者らは、個人の腸内細菌叢の組成を把握することで、その人がどのようなタイプの食物繊維に反応するのかを事前に予測でき、その結果を栄養指導に生かせるようになるのではないかと考えている。「食物繊維や炭水化物にはさまざまなタイプがある。一人一人のデータに基づき最適なアドバイスを伝えられるようになればよい」とPoole氏は語っている。(HealthDayNews 2024年6月27日)』、「研究者らは、個人の腸内細菌叢の組成を把握することで、その人がどのようなタイプの食物繊維に反応するのかを事前に予測でき、その結果を栄養指導に生かせるようになるのではないかと考えている」、なるほど。

次に、8月6日付けダイヤモンド・オンラインが掲載した精神科医:医師の和田秀樹氏による「和田秀樹が教える、若くて元気な中高年がよく食べる「意外なもの」とは?」を紹介しよう。
https://diamond.jp/articles/-/347910
・『50代からは積極的に肉を食べよう──うつ症状を引き起こす要因は、神経伝達物質であるセロトニンの不足。これを補うにはタンパク質が必要なのだという。「うつ」も「がん」も遠ざける、肉食生活のすすめとは。本稿は、和田秀樹『50代うつよけレッスン』(朝日新書)の一部を抜粋・編集したものです』、興味深そうだ。
・『若さと健康を保つ秘訣は栄養+運動+ときめき  更年期障害と診断されたときは、不足している性ホルモンを補うホルモン補充治療を行います。更年期症状から解放され、若さと健康の両方を保つことができます。 しかし、医療機関でホルモン補充療法を受けない人でも、普段からホルモンバランスを整える生活を心がけることで心身を若々しく保つことができます。 意識してプラスしていきたいのが、栄養、運動、ときめき(性的活動)です。 年をとってくると食事の量が減って栄養が不足してきたり、男性ホルモンの分泌が減少したり、運動量も少なくなりがちですから、日常生活で補うことが重要です。 なかでも一番改善しやすいのが、食生活です。 脳内の神経伝達物質のセロトニンの不足がうつ症状を引き起こす要因と言われていますが、セロトニンは年齢を重ねるにつれて減少していくため、補う必要があります。 このセロトニンの材料となるのは「トリプトファン」と呼ばれる必須アミノ酸の一種です。「必須」というのは、体にとってなくてはならない大切な成分ということ。この必須アミノ酸は人間の体内でつくり出せないので、食べ物から補給するしかありませんが、トリプトファンの材料はタンパク質です。 ですから、タンパク質が豊富な食べ物を摂る必要があります。 大豆やナッツもいいのですが、セロトニンを脳に運ぶ役割をしているのがコレステロールなので、タンパク質とコレステロールの両方が豊富な肉が最適なのです』、「年をとってくると食事の量が減って栄養が不足してきたり、男性ホルモンの分泌が減少したり、運動量も少なくなりがちですから、日常生活で補うことが重要です。 なかでも一番改善しやすいのが、食生活です。 脳内の神経伝達物質のセロトニンの不足がうつ症状を引き起こす要因と言われていますが、セロトニンは年齢を重ねるにつれて減少していくため、補う必要があります」、なるほど。
・『五十路になったら積極的に肉を食うべし  数あるタンパク質のなかでも、動物性タンパク質の宝庫である肉は男性ホルモンを活性化させ、人を行動的にする働きがあるため、50代以降は特に肉を積極的に食べることをお勧めします。 セロトニンは精神を安定させるため、肉食はストレスの緩和にも役立ちます。 また、年を重ねるごとに筋肉はどんどん落ちていき、いくら筋トレで鍛えても、一度落ちた筋肉は簡単にはもとに戻りません。タンパク質は筋肉や臓器、骨格などをつくる材料にもなりますから、特に50代以降は意識的に摂取したほうがいいのです。) その他にもタンパク質は免疫機能を維持する物質の材料にもなっており、不足すると免疫機能がどんどん衰えていきます。風邪をこじらせて肺炎で亡くなる高齢者が多いのは、タンパク質が不足しているために免疫機能が弱っている可能性があるからです。 健康な老後を送るためには、アミノ酸を多く含むタンパク質を摂取することが何より大事ですが、そのための理想的な食べ物が、肉なのです。 そういえば、100歳以上の高齢者を「百寿者」と呼びますが、百寿者には肉を好んで食べる人が多い傾向があります。 たとえば、105歳までご存命で100歳以降も医師として医療現場の最前線に立ち続けた日野原重明さんは肉が好きで、100歳以降も肉を食べ続けていたそうです。冒険家でプロスキーヤーの三浦雄一郎さんも大の肉好きです。90代の現在も、よくステーキを食べていると言います。 その他にも、99歳までご存命だった作家の瀬戸内寂聴さんも肉好きだったことが知られています。 私の知る長生きでパワフルな高齢者にも肉好きな人が多い傾向がありますが、若々しい体を維持するためにも、肉を食べてタンパク質の摂取を心がけることが大事です』、「冒険家でプロスキーヤーの三浦雄一郎さんも大の肉好きです。90代の現在も、よくステーキを食べていると言います。 その他にも、99歳までご存命だった作家の瀬戸内寂聴さんも肉好きだったことが知られています。 私の知る長生きでパワフルな高齢者にも肉好きな人が多い傾向がありますが、若々しい体を維持するためにも、肉を食べてタンパク質の摂取を心がけることが大事です」、なるほど。
・『食べる順番も大事 タンパク質から食べよう  ただし、うつ症状が出ている人は食欲が落ちるだけでなく、肉類をあまり受け付けなくなることがあります。うつ病の患者さんのなかには、「肉なんてムリ、あっさりしたものしか食べられない」という人も多いです。 しかし、そのために余計うつ症状が進んでしまうこともあるのです。 ですから、うつ症状が出る前からしっかり肉類を摂っておいたほうがいいでしょう。 それでも、やはり肉が苦手という人や、もうすでにうつ症状が出ていて肉を食べられないという人は、動物性タンパク質の豊富な牛乳や卵でも構いません。 他にも、ホルモンを活性化させる食品はたくさんあります。 以下に少し列記しますので、なるべく積極的に食べることをお勧めします。 牡蠣:男性ホルモンを合成するために必要な亜鉛を豊富に含んでおり、ホルモンバランスを整えます。) ナッツ類:強い抗酸化作用があり、老化防止に効果があります。またホルモン分泌の指令を出す脳の視床下部の働きを良くするビタミンEを豊富に含むため、ホルモンバランスを整える働きもあります。うなぎの蒲焼きやオイルサーディンなどもビタミンEが豊富です。 ニンニク:男性ホルモンの分泌を増やす働きが認められていますが、この作用はタンパク質と一緒に摂ることでさらに促進されて分泌量が増加するため、肉類と一緒に食べると効果倍増です。 アボカド:ビタミンE、マグネシウム、カリウム、葉酸などを含み、男性ホルモンと女性ホルモンを両方とも活性化して、ホルモンバランスを維持する効果が期待されています。 玉ねぎ:男性ホルモンを増やす作用があります。 大豆:良質の植物性タンパク質を摂取できるだけでなく、脳内の神経伝達物質の原料となるレシチンを豊富に含むため、脳の働きを活性化する効果があります。大豆にはポリフェノールの一種である大豆イソフラボンが多く含まれていますが、これは女性ホルモンとよく似た働きをするとされ、高齢女性には特にお勧めです。 ザクロ:女性の更年期障害の改善や動脈硬化、骨粗しょう症の予防にも一定の効果が見られます。 食事の際には、食べる順番も大事です。 ポイントは、「タンパク質から食べる」ことです。  始めに炭水化物を摂ると、血糖値が大きく上がってインスリンが大量分泌されます。血糖値が乱高下するため、内臓に負担を与えて細胞の炎症を起こして老化を促進してしまうのです。 ですから、まずは肉や魚、大豆製品などのタンパク質から先に食べて、その後に野菜、そしてご飯やパン、最後にデザートという流れにすると、血糖値の上昇が穏やかになり、内臓への負担が少なくなります』、「やはり肉が苦手という人や、もうすでにうつ症状が出ていて肉を食べられないという人は、動物性タンパク質の豊富な牛乳や卵でも構いません。 他にも、ホルモンを活性化させる食品はたくさんあります・・・うなぎの蒲焼きやオイルサーディンなどもビタミンEが豊富です。 ニンニク:男性ホルモンの分泌を増やす働きが認められていますが、この作用はタンパク質と一緒に摂ることでさらに促進されて分泌量が増加するため、肉類と一緒に食べると効果倍増です・・・アボカド:ビタミンE、マグネシウム、カリウム、葉酸などを含み、男性ホルモンと女性ホルモンを両方とも活性化して、ホルモンバランスを維持する効果が期待されています。 玉ねぎ:男性ホルモンを増やす作用があります。 大豆:良質の植物性タンパク質を摂取できるだけでなく、脳内の神経伝達物質の原料となるレシチンを豊富に含むため、脳の働きを活性化する効果があります・・・ザクロ:女性の更年期障害の改善や動脈硬化、骨粗しょう症の予防にも一定の効果が見られます。 食事の際には、食べる順番も大事です。 ポイントは、「タンパク質から食べる」ことです」、なるほど。
・『コレステロール値は高いほうががんやうつ病になりにくい  先ほどタンパク質とコレステロールの両方が豊富な肉食の良さに触れましたが、このコレステロールについてはかなり誤解されているようです。 コレステロールは人の体の脂質の一つで、ホルモンや細胞膜、胆汁酸などをつくる原料にもなっていますが、コレステロールの多い食品を食べるとメタボリックシンドローム(内臓脂肪症候群)になるとか、コレステロールが高いと心筋梗塞になりやすくなると思っている人も少なくありません。) 確かに、コレステロール値の高い人のほうが心筋梗塞のような虚血性心疾患による死亡率は高くなりますが、日本では急性心筋梗塞で亡くなる人はがんで亡くなる人の12分の1程度しかいません。がんで亡くなる人のほうが圧倒的に多いのです。自殺で亡くなる人も、心筋梗塞で亡くなる人と大して変わりません。 そして、コレステロール値の高い人のほうが、がんやうつ病になりにくいことがわかっています。 コレステロール値を減らすと、体の免疫機能が低下して、がんを発症しやすくなります。またコレステロールは男性ホルモンの材料になるため、コレステロールを減らしてしまうと、男性ホルモンが不足してうつ病になりやすくなります。 ですから、中高年以降はむしろコレステロール値を下げないほうがいいのです。 アメリカではがんで亡くなる人と同じくらい心筋梗塞で亡くなる人がいるので、コレステロール値を減らしたほうがいいと言われるのもわかりますが、がんや自殺で亡くなる人が多い日本では、その説は通用しないということです』、「コレステロール値の高い人のほうが心筋梗塞のような虚血性心疾患による死亡率は高くなりますが、日本では急性心筋梗塞で亡くなる人はがんで亡くなる人の12分の1程度しかいません。がんで亡くなる人のほうが圧倒的に多いのです。自殺で亡くなる人も、心筋梗塞で亡くなる人と大して変わりません・・・アメリカではがんで亡くなる人と同じくらい心筋梗塞で亡くなる人がいるので、コレステロール値を減らしたほうがいいと言われるのもわかりますが、がんや自殺で亡くなる人が多い日本では、その説は通用しないということです」、私は「コレステロール値」が高目と注意を長いこと受けてきたが、今後は余り心配しないようにしたい。
・『食べる肉の量の目安は1日120~150グラム  食生活でも日米には大きな違いがあります。アメリカでは肉を大量に食べる人が多く、心筋梗塞で亡くなる人が多かったため、1980年代に「肉を食べすぎると体に良くない」というキャンペーンが展開され、1日当たり平均約300グラム食べていた肉を200グラムに減らそうという動きがありました。 しかし、その当時(1980年当時)の日本人の肉の平均摂取量は約68グラムでした。そもそも肉を食べる量が日米ではまったく違うのです。 結果的に虚血性心疾患が少ない日本では、わざわざコレステロール値を減らす意味はありません。むしろコレステロール値を減らせば、がんやうつ病の患者さんを増やしてしまうリスクがあるのです。 現在の日本人が1日に摂る肉の量は平均100グラム程度ですが、これ以上、その量を減らすことはありませんし、私はがん予防やうつ病予防のためには1日120~150グラムくらいまでは増やしたほうがいいと考えています』、「現在の日本人が1日に摂る肉の量は平均100グラム程度ですが、これ以上、その量を減らすことはありませんし、私はがん予防やうつ病予防のためには1日120~150グラムくらいまでは増やしたほうがいいと考えています」、その通りだ。

第三に、8月9日付けダイヤモンド・オンラインが掲載したNHKメディア総局 第2制作センター チーフ・ディレクターの山本高穂氏と島根大学医学部附属病院 臨床研究センター長・教授の大野 智氏による「人体の「ツボ」って何?「高血圧のネズミ」実験でわかってきた「ツボの正体」」を紹介しよう。
https://diamond.jp/articles/-/347502
・『謎の多い人体の「ツボ」。内臓の疾患がもたらす肩や腕などの「関連痛」にまつわる体のメカニズムがツボの正体に関係しているとも言われる。実際、ある実験によってツボの「解剖学的な証拠」も示され、世界中で反響を呼んだ。本稿は、山本高穂、大野 智『東洋医学はなぜ効くのか ツボ・鍼灸・漢方薬、西洋医学で見る驚きのメカニズム』(講談社)の一部を抜粋・編集したものです』、興味深そうだ。
・『内臓の不調から起きる「関連痛」と「ツボ」の関係  体の内部(内臓)と末梢(手足など)のふしぎな関係から見えるツボの正体に迫っていきます。 皆さんは、関連痛という症状をご存知でしょうか。西洋医学の診断では、「原因となる場所だけでなく、隣接する場所や離れた場所にも生じる痛み」とされています。 具体的には、心臓への血流障害が原因である狭心症の際に、胸だけでなく左肩周辺に痛みを感じるケースや、肝炎などの影響で右肩が痛くなったりするケースなどが知られています。 でも、どうしてこのような現象が起こるのでしょうか。その秘密は、脊髄にあると考えられています。通常、狭心症が起こると、心臓で発生した痛み信号は、感覚神経を通って脊髄に到達し、脳へと伝わって「(胸が)痛い!」と感じます。 この心臓からの感覚神経がつながる脊髄後角には、左腕(左肩)、胃などからの感覚神経もつながっています。そのため、痛みの信号が別の部位からの感覚神経(狭心症の場合は、左腕からの感覚神経)に伝播してしまうことがあり、関連痛が生じると考えられています。つまり、脊髄が持つ構造的な“エラー”によって、心臓の痛みが肩や腕の痛みとなってしまうのです。 さらに、このような内臓からの痛み信号が脊髄で別の感覚神経に伝播した結果、痛み信号がその感覚神経を逆行して末端に到達し、周辺(皮膚下)で神経性の炎症が起こるという現象も確認されています。 少しアプローチが長くなりましたが、この関連痛にまつわる体のメカニズムがツボの正体に関係しているのではないか、という実験が韓国の研究チームによって2017年に発表されています』、「関連痛という症状をご存知でしょうか。西洋医学の診断では、「原因となる場所だけでなく、隣接する場所や離れた場所にも生じる痛み」とされています。 具体的には、心臓への血流障害が原因である狭心症の際に、胸だけでなく左肩周辺に痛みを感じるケースや、肝炎などの影響で右肩が痛くなったりするケースなどが知られています・・・内臓からの痛み信号が脊髄で別の感覚神経に伝播した結果、痛み信号がその感覚神経を逆行して末端に到達し、周辺(皮膚下)で神経性の炎症が起こるという現象も確認されています・・・この関連痛にまつわる体のメカニズムがツボの正体に関係しているのではないか、という実験が韓国の研究チームによって2017年に発表されています」、なるほど。
・『神経性の炎症スポットか? ツボの正体が見えてきた  実験では、高血圧の症状と大腸炎の症状があるラットが、それぞれ準備されました。研究チームでは、これらのラットの静脈から特殊な色素を注入しました。 すると、体表のいくつかの場所で血管から色素が漏れ出て、直径数ミリメートルのスポット(小さな点)が出現したのです。これは、先ほど紹介した内臓の痛み信号(ここでは、高血圧と大腸炎による炎症信号)が脊髄を介して別の感覚神経を逆行し、末端周辺(皮膚下)で神経性の炎症が発生したためと考えられています。 より詳しく説明すると、その炎症の影響で神経末端から分泌されたCGRP(生理活性物質)などのはたらきによって血管の透過性が高まり、色素が漏れ出てしまったからだと考えられるのです。 実験データを平均すると、1匹あたり高血圧ラットでは7つ、大腸炎ラットでは4つのスポットが見られました。また、すべてのラット(高血圧18匹、大腸炎13匹)のスポットの位置を詳しく調べたところ、高血圧ラットでは、67%が内関、大陵(編集部注/どちらも手首付近に位置する)などのツボと一致し、大腸炎ラットでは75%が衝陽、内庭(編集部注/どちらも足の甲に位置する)などのツボと一致したというのです。 さらに、研究チームが高血圧ラットに出現したスポットの一部に鍼治療を行ったところ、血圧の上昇が抑えられることが確認できました。同じように大腸炎ラットのスポットへの鍼治療でも、体重減少の改善などが認められました。 この研究では、東洋医学で古くから考えられてきた、ツボは心身の不調を示す反応点であり、心身の不調を改善する治療点でもある、という特徴を実験的に検証しており、ある一定のツボの正体が、内臓の病態を原因とした神経性の炎症スポットであることを示唆しています』、「東洋医学で古くから考えられてきた、ツボは心身の不調を示す反応点であり、心身の不調を改善する治療点でもある、という特徴を実験的に検証しており、ある一定のツボの正体が、内臓の病態を原因とした神経性の炎症スポットであることを示唆しています」、なるほど。
・『世界で初めて示されたツボの「解剖学的な証拠」  最後に紹介するのは、2021年にNature誌で発表された、世界で初めてツボに特徴的な神経構造があることを精緻に確認した画期的な研究です。) 足三里(編集部注/膝のお皿から外側に少し下がった場所に位置する)のツボは、足三里──迷走神経──副腎髄質を介して抗炎症作用をもたらす、ツボの中でも特異的な存在でした。そこで、アメリカのハーバード大学と中国の復旦大学の共同研究チームが、足三里のツボにどのような解剖学的な秘密があるのかを詳しく調べました。 実験は一部の神経細胞の遺伝子を改変したマウスを用いて、オプトジェネティクス(光遺伝学)や、逆行性トレーサーなど、分子生物学の研究で用いられる最新解析技術を駆使して行われました。 まず研究チームは、脊髄後角と足三里を結ぶ感覚神経を調べ、たくさんの神経線維の中から迷走神経を介した抗炎症作用をもたらす特定の感覚神経を発見しました。その神経は、足三里のツボの深部で多く分岐し、シグナルを受け取りやすい分布構造になっていました。 人体の「ツボ」って何?「高血圧のネズミ」実験でわかってきた「ツボの正体」 さらに、同様の抗炎症作用に関わる感覚神経は、お腹にある天枢というツボにも確認されましたが、その分布密度を比べると10倍も低かったのです。また、この感覚神経を切断したマウスの足三里や、この感覚神経が分布していない部分に鍼通電を行っても、炎症を抑制する効果は見られませんでした。 つまり、足三里には抗炎症作用をもたらす独特の神経構造があり、ツボの周辺や他のツボ(天枢)とも異なることが示されたのです。この発見は、世界で初めて精緻に示されたツボの「解剖学的な証拠」として、中国をはじめ世界中で大きな反響を呼びました。 ツボにはまだ多くの謎が残されていますが、こうした最先端の科学的手法によって、他のツボの構造がどうなっているのか、ツボにはどのようなタイプがあるのかなど、その正体が次々と明らかになってくるのではと筆者(編集部注/山本高穂)は期待しています』、「足三里には抗炎症作用をもたらす独特の神経構造があり、ツボの周辺や他のツボ(天枢)とも異なることが示されたのです。この発見は、世界で初めて精緻に示されたツボの「解剖学的な証拠」として、中国をはじめ世界中で大きな反響を呼びました」、確かに画期的な発見だ。今後も研究がより広く、深く発展することを期待したい。 
タグ:健康 (その29)(「食物繊維は体に良い」とは限らない?最新研究で分かった腸内細菌との意外なカンケイ、医師・和田秀樹が教える 若くて元気な中高年がよく食べる「意外なもの」とは?、人体の「ツボ」って何?「高血圧のネズミ」実験でわかってきた「ツボの正体」) ダイヤモンド・オンライン ヘルスデーニュース「「食物繊維は体に良い」とは限らない?最新研究で分かった腸内細菌との意外なカンケイ」 「本研究では、食物繊維の一種である難消化性でんぷんresistantstarch;RS)を摂取した場合に、腸内細菌叢の組成や糞便中の短鎖脂肪酸の量などに、どのような変化が現れるかを検討した。 59人の被験者に対するクロスオーバーデザインで行われ、試行条件として、バナナなどに含まれている難消化性でんぷん(RS2と呼ばれるタイプ)と化学的に合成された難消化性でんぷん(RS4と呼ばれるタイプ)、および易消化性でんぷんという3条件を設定。5日間のウォッシュアウト期間を挟んで、それぞれ10日間摂取してもらった」、な るほど。 「研究者らは、個人の腸内細菌叢の組成を把握することで、その人がどのようなタイプの食物繊維に反応するのかを事前に予測でき、その結果を栄養指導に生かせるようになるのではないかと考えている」、なるほど。 和田秀樹氏による「和田秀樹が教える、若くて元気な中高年がよく食べる「意外なもの」とは?」 和田秀樹『50代うつよけレッスン』(朝日新書) 「年をとってくると食事の量が減って栄養が不足してきたり、男性ホルモンの分泌が減少したり、運動量も少なくなりがちですから、日常生活で補うことが重要です。 なかでも一番改善しやすいのが、食生活です。 脳内の神経伝達物質のセロトニンの不足がうつ症状を引き起こす要因と言われていますが、セロトニンは年齢を重ねるにつれて減少していくため、補う必要があります」、なるほど。 「冒険家でプロスキーヤーの三浦雄一郎さんも大の肉好きです。90代の現在も、よくステーキを食べていると言います。 その他にも、99歳までご存命だった作家の瀬戸内寂聴さんも肉好きだったことが知られています。 私の知る長生きでパワフルな高齢者にも肉好きな人が多い傾向がありますが、若々しい体を維持するためにも、肉を食べてタンパク質の摂取を心がけることが大事です」、なるほど。 「やはり肉が苦手という人や、もうすでにうつ症状が出ていて肉を食べられないという人は、動物性タンパク質の豊富な牛乳や卵でも構いません。 他にも、ホルモンを活性化させる食品はたくさんあります・・・うなぎの蒲焼きやオイルサーディンなどもビタミンEが豊富です。 ニンニク:男性ホルモンの分泌を増やす働きが認められていますが、この作用はタンパク質と一緒に摂ることでさらに促進されて分泌量が増加するため、肉類と一緒に食べると効果倍増です・・・ アボカド:ビタミンE、マグネシウム、カリウム、葉酸などを含み、男性ホルモンと女性ホルモンを両方とも活性化して、ホルモンバランスを維持する効果が期待されています。 玉ねぎ:男性ホルモンを増やす作用があります。 大豆:良質の植物性タンパク質を摂取できるだけでなく、脳内の神経伝達物質の原料となるレシチンを豊富に含むため、脳の働きを活性化する効果があります・・・ ザクロ:女性の更年期障害の改善や動脈硬化、骨粗しょう症の予防にも一定の効果が見られます。 食事の際には、食べる順番も大事です。 ポイントは、「タンパク質から食べる」ことです」、なるほど。 「コレステロール値の高い人のほうが心筋梗塞のような虚血性心疾患による死亡率は高くなりますが、日本では急性心筋梗塞で亡くなる人はがんで亡くなる人の12分の1程度しかいません。がんで亡くなる人のほうが圧倒的に多いのです。自殺で亡くなる人も、心筋梗塞で亡くなる人と大して変わりません・・・アメリカではがんで亡くなる人と同じくらい心筋梗塞で亡くなる人がいるので、コレステロール値を減らしたほうがいいと言われるのもわかりますが、がんや自殺で亡くなる人が多い日本では、その説は通用しないということです」、私は「コレステロー ル値」が高目と注意を長いこと受けてきたが、今後は余り心配しないようにしたい。 「現在の日本人が1日に摂る肉の量は平均100グラム程度ですが、これ以上、その量を減らすことはありませんし、私はがん予防やうつ病予防のためには1日120~150グラムくらいまでは増やしたほうがいいと考えています」、その通りだ。 山本高穂氏 大野 智氏 「人体の「ツボ」って何?「高血圧のネズミ」実験でわかってきた「ツボの正体」」 山本高穂、大野 智『東洋医学はなぜ効くのか ツボ・鍼灸・漢方薬、西洋医学で見る驚きのメカニズム』(講談社) 「関連痛という症状をご存知でしょうか。西洋医学の診断では、「原因となる場所だけでなく、隣接する場所や離れた場所にも生じる痛み」とされています。 具体的には、心臓への血流障害が原因である狭心症の際に、胸だけでなく左肩周辺に痛みを感じるケースや、肝炎などの影響で右肩が痛くなったりするケースなどが知られています・・・ 内臓からの痛み信号が脊髄で別の感覚神経に伝播した結果、痛み信号がその感覚神経を逆行して末端に到達し、周辺(皮膚下)で神経性の炎症が起こるという現象も確認されています・・・この関連痛にまつわる体のメカニズムがツボの正体に関係しているのではないか、という実験が韓国の研究チームによって2017年に発表されています」、なるほど。 「東洋医学で古くから考えられてきた、ツボは心身の不調を示す反応点であり、心身の不調を改善する治療点でもある、という特徴を実験的に検証しており、ある一定のツボの正体が、内臓の病態を原因とした神経性の炎症スポットであることを示唆しています」、なるほど。 「足三里には抗炎症作用をもたらす独特の神経構造があり、ツボの周辺や他のツボ(天枢)とも異なることが示されたのです。この発見は、世界で初めて精緻に示されたツボの「解剖学的な証拠」として、中国をはじめ世界中で大きな反響を呼びました」、確かに画期的な発見だ。今後も研究がより広く、深く発展することを期待したい。
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医療問題(その42)(アルツハイマー病に日常を侵された元脳外科医の東大教授の3題:家では短気な腫物扱い、大学ではすべて秘書任せ…水面下で進行するアルツハイマー病に日常を侵された男の苦悩、「運転 どうするんだっけ?」夫が放った衝撃の一言…東大教授の「定年直前退官」に家族が満場一致で賛成した納得の理由、「数分前の約束」も「学生時代の思い出」も忘れてしまう…元脳外科医の東大教授に忍び寄った「認知症」の影) [生活]

医療問題については、本年7月31日に取上げた。今日は、(その42)(若年性アルツハイマー病に日常を侵された元脳外科医の東大教授の3題:家では短気な腫物扱い、大学ではすべて秘書任せ…水面下で進行するアルツハイマー病に日常を侵された男の苦悩、「運転 どうするんだっけ?」夫が放った衝撃の一言…東大教授の「定年直前退官」に家族が満場一致で賛成した納得の理由、「数分前の約束」も「学生時代の思い出」も忘れてしまう…元脳外科医の東大教授に忍び寄った「認知症」の影)である。

先ずは、本年7月31日付け現代ビジネスが掲載した若井 克子氏による「家では短気な腫物扱い、大学ではすべて秘書任せ…水面下で進行するアルツハイマー病に日常を侵された男の苦悩:「漢字が書けなくなる」を紹介しよう。
https://gendai.media/articles/-/133075
・「数分前の約束も学生時代の思い出も忘れる」...徐々に忍び寄ってくる若年性アルツハイマーの恐怖は今や誰にでも起こりうることであり、決して他人事と断じることはできない。 それでも、まさか「脳外科医が脳の病に侵される」などという皮肉が許されるのだろうか。そんな「運命」に襲われながらも、悩み、向き合い、望みを見つけた東大教授と伴侶がいた。 その旅の記録をありのままに記した『東大教授、若年性アルツハイマーになる』(若井克子著)より、二人の旅路を抜粋してお届けしよう。 『東大教授、若年性アルツハイマーになる』連載第8回 『「数分前の約束」も「学生時代の思い出」も忘れてしまう…元脳外科医の東大教授に忍び寄った「認知症」の影』より続く』、「数分前の約束」も「学生時代の思い出」も忘れてしまう、のであれば、「脳外科医」としては仕事にならないだろう。
・『長男との漢字練習  このころ私たちは、社会人の長女、就活中の長男と、都内の公舎で同居中でした。私たち家族は、晋がアルツハイマー病だとは疑いもしませんでした。同じ時期に晋が苦しんでいた慢性の下痢のほうが、むしろ気がかりだったのです。腑に落ちない躓きは、激務と体調不良のせいだろう――そう考えるほうが自然でした。 健康といえば、栃木にひとりで住んでいた高齢の晋の母のことばかりが話題になりました。とはいえ、晋のことに無関心だったわけではありません。 漢字が出てこない、と父親(つまり晋)が言うのを長男が耳にして、 「一緒に漢字を練習しようよ」 と練習帳を持ってきたことがあります。晋は長男の提案を喜んで受け入れましたが、顔を合わせる時間はなかなかありません。 そこで、アルバイトに出かける前に息子が「宿題」を出しておき、仕事から帰った晋がそれをこなして、息子の部屋に練習帳を置いておく、というふうにしていました。 最初は順調でした。ところが一度サボったのを、息子が「ダメだよ」と軽くたしなめたところ、晋が大声で怒り出したのです。これがきっかけで、漢字練習は終わってしまいました』、せっかく上手くいっていた「漢字練習」が、「晋」の自尊心を傷付けてしまったためか、「終わってしまった」のは残念なことだ。
・『「アルツハイマー病」の可能性  仕事に余裕がないこともあってか、晋には若干、短気なところがあります。でもその当時は、些細なことでしょっちゅう腹を立てるようになっていました。家のなかには何となく気まずい空気が流れ、みな「当たらず障らず」で動くようになっていきます。 晋は仕事を続けていましたし、トラブルだって毎日起こっていたわけではありません。家族にもそれぞれ「自分の生活」があります。生活時間が異なるため、すれ違いになることも多々ありました。そのようなわけで、晋の体調が大きな問題になることはなかったのです。 しかし、その間にも職場でいろいろな出来事が起こっていたことを、私は後年になって知りました。 たとえば大学で教授会に出席する際、ネクタイが結べない日があったそうです。秘書の方が結んでくださったおかげで助かった、という話を聞きました。 大学の構内で道に迷い、秘書の方が迎えに行ってくれたこともありました。手帳にうまく予定を記入できず、これも秘書の方に書いてもらっていたと聞きました。 またあるときは、国立の研究機関が、晋の教室に資金提供を申し出てくれたことがあったそうです。もちろん正式な研究費としてでした。しかし、晋はなぜかこの話を断ってしまい、同僚から不思議がられたそうです。どう使っていいかわからなくなって、そんなことをしたのかもしれません。 以上は、晋が東大を辞めた後、当時の研究室の関係者や親しかった方から直接・間接に聞いた話です。晋の日常は、あちこちで綻びを見せていました。そのなかで晋だけがひとり、「アルツハイマー病」の可能性を真剣に疑っていたのです。 『「あと1年半で辞めるよ」…定年目前の東大教授を”自主退官”にまで追い込んだ「大事件」とは』へ続く』、「教授会に出席する際、ネクタイが結べない日があったそうです。秘書の方が結んでくださったおかげで助かった・・・大学の構内で道に迷い、秘書の方が迎えに行ってくれたこともありました。手帳にうまく予定を記入できず、これも秘書の方に書いてもらっていたと聞きました・・・国立の研究機関が、晋の教室に資金提供を申し出てくれたことがあったそうです。もちろん正式な研究費としてでした。しかし、晋はなぜかこの話を断ってしまい、同僚から不思議がられたそうです。どう使っていいかわからなくなって、そんなことをしたのかもしれません・・・晋の日常は、あちこちで綻びを見せていました。そのなかで晋だけがひとり、「アルツハイマー病」の可能性を真剣に疑っていたのです」、なるほど。

次に、この続きを7月31日付け現代ビジネスが掲載した若井 克子氏による「「運転、どうするんだっけ?」夫が放った衝撃の一言…東大教授の「定年直前退官」に家族が満場一致で賛成した納得の理由」を紹介しよう。
https://gendai.media/articles/-/133079
・『「漢字が書けなくなる」、「数分前の約束も学生時代の思い出も忘れる」...徐々に忍び寄ってくる若年性アルツハイマーの恐怖は今や誰にでも起こりうることであり、決して他人事と断じることはできない。 それでも、まさか「脳外科医が脳の病に侵される」などという皮肉が許されるのだろうか。そんな「運命」に襲われながらも、悩み、向き合い、望みを見つけた東大教授と伴侶がいた。 その旅の記録をありのままに記した『東大教授、若年性アルツハイマーになる』(若井克子著)より、二人の旅路を抜粋してお届けしよう。 『東大教授、若年性アルツハイマーになる』連載第10回 『「あと1年半で辞めるよ」…定年目前の東大教授を”自主退官”にまで追い込んだ「大事件」とは』より続く』、「「脳外科医が脳の病に侵される」などという皮肉が許されるのだろうか。そんな「運命」に襲われながらも、悩み、向き合い、望みを見つけた東大教授と伴侶がいた。 その旅の記録をありのままに記した『東大教授、若年性アルツハイマーになる』(若井克子著)より、二人の旅路を抜粋してお届けしよう」、なるほど。
・『「あと1年半で辞めるよ」  「あと1年半で辞めるよ」 あらたまった口調で、晋からこう告げられたのは、2004年10月です。あと1年半勤めて、担当している学生への責任を果たしてから辞めたい、という意味でした。 正式な定年までは2年半残っていましたが、私は即、賛成しました。我が家には4人、子どもがいますが、みな20歳を過ぎていました。自立を後押しする、いいきっかけになるとも思ったのです。 ですがそれ以外に、私自身がこんな経験をしていた、という事情もありました。 2004年。栃木で暮らしていた義母(つまり、晋の実母)が病に倒れ、入院することになりました。一命はとりとめたものの、後遺症で認知症状が残り、自宅でのひとり暮らしが難しくなったのです。近くのグループホーム(介護施設)に移り住むことになりました。』、「「あと1年半で辞めるよ」 あらたまった口調で、晋からこう告げられたのは、2004年10月です。あと1年半勤めて、担当している学生への責任を果たしてから辞めたい、という意味でした。 正式な定年までは2年半残っていましたが、私は即、賛成しました」、なるほど。
・『「……運転、どうするんだっけ?」  引っ越しの当日。私と晋は義母の荷物を車にのせ、義母は後部座席に、私は助手席に座りました。 「行くよ」 ハンドルを握った晋がそう合図しましたが、車が動きません。不思議に思って声をかけようとすると、彼が驚くようなことを口にしたのです。 「……運転、どうするんだっけ?」 「替わろうか?」「うん」 あわてて席を移り、ホームまで運転しました。義母は何が起こったのかよくわかっていない様子で、夕闇に沈みゆく風景を、車窓からぼんやりと眺めていました。 後にも先にも、晋が運転そのものを忘れてしまったのはこのときだけでした。でも、晋は運転が得意だったのです。それだけになおさら、この出来事は私の記憶に強く刻み込まれたのでした。 ふたりで早期退職を決めた翌日、晋は、何か吹っ切れたような、すっきりした顔で出勤していきました。そして夜、同居の子どもたちに「1年早いリタイア宣言」が告げられます。誰からも「考え直したら」という意見は出ませんでした。 時間的にすれ違うことが多くても、不調が深刻化していることには、みな、薄々気づいていたのでしょう』、「同居の子どもたちに「1年早いリタイア宣言」が告げられます。誰からも「考え直したら」という意見は出ませんでした。 時間的にすれ違うことが多くても、不調が深刻化していることには、みな、薄々気づいていたのでしょう」、「子どもたち」であれば、人一倍敏感に感じていたのだろう。

第三に、7月31日付け現代ビジネスが掲載した若井 克子氏による「「数分前の約束」も「学生時代の思い出」も忘れてしまう…元脳外科医の東大教授に忍び寄った「認知症」の影」を紹介しよう。
・『「漢字が書けなくなる」、「数分前の約束も学生時代の思い出も忘れる」...徐々に忍び寄ってくる若年性アルツハイマーの恐怖は今や誰にでも起こりうることであり、決して他人事と断じることはできない。 それでも、まさか「脳外科医が脳の病に侵される」などという皮肉が許されるのだろうか。そんな「運命」に襲われながらも、悩み、向き合い、望みを見つけた東大教授と伴侶がいた。 その旅の記録をありのままに記した『東大教授、若年性アルツハイマーになる』(若井克子著)より、二人の旅路を抜粋してお届けしよう。 『東大教授、若年性アルツハイマーになる』連載第7回 『東大教授なのに「汚染地」や「内戦国」が職場発展途上国を飛び回り格差の解消に奔走する「国際地域保健学」とは』より続く』、「「脳外科医が脳の病に侵される」などという皮肉が許されるのだろうか。そんな「運命」に襲われながらも、悩み、向き合い、望みを見つけた東大教授と伴侶がいた。 その旅の記録をありのままに記した『東大教授、若年性アルツハイマーになる』(若井克子著)より、二人の旅路を抜粋してお届けしよう」、「「脳外科医が脳の病に侵される」などという皮肉が許されるのだろうか。そんな「運命」に襲われながらも、悩み、向き合い、望みを見つけた東大教授と伴侶がいた。 その旅の記録をありのままに記した『東大教授、若年性アルツハイマーになる』(若井克子著)より、二人の旅路を抜粋してお届けしよう」、なるほど。 
・『理不尽な怒り  晋らしからぬ躓きは、日を追うごとに目立つようになっていきました。 2002年末、次男が耳の大手術を受けることになりました。次男は当時、弘前市(青森県)で大学の医学部に通っていましたが、手術の付き添いのため、私と晋はふたりで青森まで行くことにしました。 自宅がある栃木県から東京駅まで移動し、そこから新幹線に乗ります。乗り換え前に手洗いに立ち寄りました。男性用はすいていましたが、あいにく女性用は大混雑。 「終わったら、ここで待っていてね」 晋にそう言い置いて別れたのですが、出てくると姿がありません。こんなときに探し回ると、かえって行き違いになりやすい。私は雑踏のなかで彼を待つことにしました。 ところがしばらくすると、こんなアナウンスが聞こえてくるではありませんか。 「若井克子さん、若井克子さん、若井晋さんがお待ちです。至急、東北新幹線の改札口までお越しください」 顔から火が出るような思いで改札に向かうと、晋が立っていました。 「どうしてトイレのところで待っていてくれなかったのよ!私はずっと待ってたのよ。東京駅じゅうに私の名前がアナウンスされて、恥ずかしかった」 思わず強い抗議が口をついて出ます。私の怒りは決して理不尽ではないはずです。ところが、迷ったのは自分なのに、 「なんで君が怒るんだ。僕が悪いのか」 晋はそう腹を立てるのでした』、「ところがしばらくすると、こんなアナウンスが聞こえてくるではありませんか。 「若井克子さん、若井克子さん、若井晋さんがお待ちです。至急、東北新幹線の改札口までお越しください」 顔から火が出るような思いで改札に向かうと、晋が立っていました。 「どうしてトイレのところで待っていてくれなかったのよ!私はずっと待ってたのよ。東京駅じゅうに私の名前がアナウンスされて、恥ずかしかった」 思わず強い抗議が口をついて出ます。私の怒りは決して理不尽ではないはずです。ところが、迷ったのは自分なのに、 「なんで君が怒るんだ。僕が悪いのか」 晋はそう腹を立てるのでした」、なるほど。
・『昔なじみの場所にたどりつけなくなる  2003年3月のこと。晋は、学生時代に住んでいた学生寮の送別会に出席するため、出かけることになりました。 東京大学の学生だった晋は、学生時代、「同志会」というキリスト教系の学生寮に入っていました。 私たちは夫婦そろってクリスチャンです。晋が信仰に目覚めたのは、この同志会入寮がきっかけでした。ともかく同志会といえば、晋にとっては昔なじみの場所だったのです。 だから意気揚々と出かけたのですが、 「探したけど、見つからないんだよ」 どうしたことか、夜遅く公舎に帰宅し、疲れた様子でそうこぼすのです。ずいぶんと歩き回ったようでした。見かねた私は、 「リニューアルしたとか言ってたよね。結婚した直後に連れて行ってくれたところでしょ?あれから30年も過ぎたんだもの、仕方ないよ。しかも夜だし」 そう慰めてはみたものの、若いときに何年も住んだところだし、そう簡単に忘れてしまうものだろうか、という疑念が拭えません。晋は人一倍、方向感覚がよかったのです。東京駅でのこと、同志会のこと、何かひっかかりました。 『家では短気な腫物扱い、大学ではすべて秘書任せ…水面下で進行するアルツハイマー病に日常を侵された男の苦悩』へ続く』、これは第一の記事で紹介した。現在であれば、スマホで連絡し合えるのだろうが、なかった当時は確かに大変だったろう。

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医療問題(その41)(「大多数の精神科医は投薬の専門家に過ぎず 精神療法は独学」...和田秀樹氏も驚愕した「日本の心療内科」の「ヤバすぎる実態」、「海外の新しい科学的発見をも無視する日本の医学界」...改革を阻み続ける 多すぎる「日本の病理」、「このままでは殺される…どうか助けてください」相次ぐ患者の“死亡退院”はNHKがスクープした後も続いていた#1、「暴力や虐待が日常茶飯事」八王子・滝山病院の“おぞましい実態”が明るみに…高級スポーツカーを乗り回す院長の“反応”とは#2) [生活]

医療問題については、本年4月3日に取上げた。今日は、(その41)(「大多数の精神科医は投薬の専門家に過ぎず 精神療法は独学」...和田秀樹氏も驚愕した「日本の心療内科」の「ヤバすぎる実態」、「海外の新しい科学的発見をも無視する日本の医学界」...改革を阻み続ける 多すぎる「日本の病理」、「このままでは殺される…どうか助けてください」相次ぐ患者の“死亡退院”はNHKがスクープした後も続いていた#1、「暴力や虐待が日常茶飯事」八王子・滝山病院の“おぞましい実態”が明るみに…高級スポーツカーを乗り回す院長の“反応”とは#2)である。

先ずは、本年4月16日付け現代ビジネス「「大多数の精神科医は投薬の専門家に過ぎず、精神療法は独学」...和田秀樹氏も驚愕した「日本の心療内科」の「ヤバすぎる実態」」を紹介しよう。
https://gendai.media/articles/-/127582
・『2020年の国内の精神科患者は、入院と通院を合わせて614.8万人。日本人の20人に1人が精神科で治療を受けている計算だ。 一般的な精神疾患である「うつ病」に加え、近年は「発達障害」と診断される人も急増している。このような異常事態に警鐘を鳴らしているのが、『精神医療ビジネスの闇』(北新宿出版)の著者であり、20年以上にわたり精神医療現場での人権侵害問題に取り組む米田倫康氏だ。 米田氏は「患者が増えていることに伴い、診療の質が低い精神科クリニックも急増している」と指摘する。 一方の精神科医・和田秀樹氏は「発達障害者を異端扱いし、社会から除け者にしている現状では、過剰診断は危険だ」と語る。 日本の精神医療の問題点をめぐり、米田氏と和田氏との対談を全3回にわたり、お届けする』、興味深そうだ。
・『精神科クリニックに流れ込む悪徳精神科医  和田 米田さんの本を読んでまず驚いたのは、精神科の悪徳病院がいまだにこんなに存在することですよ。 私が東大医学部を卒業したのが1985年で、研修医として入ったのは新左翼ばかりでいわくつきの、「赤レンガ病棟」(東大病院精神神経科病棟)というところ。その頃、一般的な精神科医は「収容所の番人」でしたが、左翼の人たちは理想主義で、「精神科の患者は社会の抑圧の犠牲者。解放されねばならない」と考えていました。そのために悪徳精神病院を糾弾するなど、まともに変えていこうという運動をやっていたんです。 米田 ちょうど宇都宮病院事件があった頃ですよね。栃木県宇都宮市の精神科病院で、患者への虐待が日常化していて、入院患者2名が看護職員らに金属パイプで乱打されて亡くなりました。 和田 あれが明るみに出たのは、1984年3月で、私はまだ学生の身として糾弾に関わっていました。宇都宮病院の入院患者の平均年齢はそう高くないのに、事件発覚前の3年間で222人も亡くなっていたんですから、異常ですよ。ただ、そういう悪徳病院の大きなトレンドとしては、社会的非難を浴びやすい精神科をやめて、老人向けにシフトする動きが起こりました。だからいま残っている精神科病院は、さすがにもうまともになっているだろうと思い込んでいた。 米田 たしかに、宇都宮病院事件後も悪徳精神科病院の摘発が相次ぎ、精神病床も減少へと転じました。ですが、患者の人権などなんとも思っていないような精神科病院はまだ健在です。最近では、東京都八王子市の滝山病院において、2023年2月以降、看護師ら5人が入院患者への暴行容疑で逮捕・書類送検されました』、「宇都宮病院の入院患者の平均年齢はそう高くないのに、事件発覚前の3年間で222人も亡くなっていたんですから、異常ですよ」、確かに死亡者が異常に多い。
・『『厚生労働省「医療施設調査」より作成  そしてそれ以上に私が指摘したいのは、精神科・心療内科を標榜するクリニック(病床数が0あるいは19床以下)の急増です。1984年は精神科を標榜するクリニックが1425ですが、2020年は精神科標榜が7223、心療内科標榜が5063です(図参照、米田氏の著書より転載)。 同じ施設で精神科・心療内科を両方標榜するケースもありますが、それにしても多い。こうしたクリニックは、医師の資格さえあれば大きな設備投資を必要とせずに開業できますし、誰も診療の質をチェックしません。だから、悪徳精神科病院を経営するような層が、そのままここへ流れ込んでいます。 1950~60年代に起きた精神科病院乱立ブームと同様、畑違いの診療科の医師が突然参入して開業するケースも目立ちます』、「こうしたクリニックは、医師の資格さえあれば大きな設備投資を必要とせずに開業できますし、誰も診療の質をチェックしません。だから、悪徳精神科病院を経営するような層が、そのままここへ流れ込んでいます。 1950~60年代に起きた精神科病院乱立ブームと同様、畑違いの診療科の医師が突然参入して開業するケースも目立ちます」、なるほど。
・『口コミの高評価は当てにならない  和田 精神科医の養成システムにも問題があると思いますよ。医学部を持つ大学は全国に82ありますが、その精神科の医局の主任教授の9割が、要は投薬の専門家です。体系だったカウンセリングを重視する精神療法のトレーニングをする場は、慶應大の認知行動療法研究室や慈恵医大の森田療法(精神科医・森田正馬によって創始された神経症に対する独自の精神療法)くらい。 つまり日本の精神科医の大多数は、精神療法を自学自習でやっているし、中には、精神療法なんて意味がないと考える者もいます。そういう精神科医が開業したら、患者の話をろくに聞かず、ただ薬を出すだけのクリニックになるのは当然でしょう。 米田 うつ病などになる前の段階として、学校での人間関係だとか会社での労働環境だとか、いろいろなものが積もり積もって発症しているわけですから、そうしたところにカウンセリングで向き合っていくのが精神療法です。が、薬しか治療手段を持っていない精神科医は、たくさんいます。 しかも、現在の診療報酬体系では、患者に丁寧に向き合う長時間の診療や精神療法は収入の足かせにしかならず、5分という短時間で患者を回転させるのが経営上の正解となっています。これでは、短時間診察でひたすら薬だけ出して対症療法のサイクルを延々と繰り返すことしかできないですよね。 和田 私は精神科医として高齢者ばかりを診ていますが、彼らのうつ病には、SSRI(選択的セロトニン再取り込み阻害薬)という、脳内でセロトニンの再取り込みを阻害し、セロトニンの働きを増強することで抗うつ作用などをあらわす薬を出しています。 高齢者はそもそものセロトニンのベースラインが、40代のような若い人と比べると低いので、SSRIはよく効く。これは私にとっては風邪薬のようなイメージで、症状を緩和して患者を元気にして、あとは患者自身の自然回復力で治るのを待つんです。実際、それでかなりの数の人が治っていきます。ただ、根本原因は変わってないので、また大きなストレスがかかると再発しますが。 米田 そういう一時的に症状をしのがないといけないという必要性があって、そのゴールも分かっている先生が使うのと、漫然とずっと症状を抑え続けるのとでは、やっぱり違うと思うんですね。 和田 いい先生かダメな先生かは、治療の結果で評価するしかないでしょう。だから、精神科医をみんなが評価する『食べログ』みたいなのがあったらいいんじゃないか。「あの先生と話したらすごい楽になった」とか「いい先生だ」とかって、みんなで書き込みをするんです。 米田 それはおっしゃるとおりなんですけど、一筋縄ではいかないのです。私は診療報酬の不正請求をはじめ、いろいろと問題のある精神科クリニックを幅広く調査しているのですが、そういったところのいくつかをGoogleで検索すると、クチコミがたくさんついており、評価が高い。不思議に思ってそこの患者さんに詳しく聞いてみたら、高評価をつけると、クリニックから特典がもらえるそうです。 和田 そうですか……。そういうステマはありえるでしょうね。 米田 だから患者は、高評価に値しないクリニックに通ってしまっている可能性があります』、「私は診療報酬の不正請求をはじめ、いろいろと問題のある精神科クリニックを幅広く調査しているのですが、そういったところのいくつかをGoogleで検索すると、クチコミがたくさんついており、評価が高い。不思議に思ってそこの患者さんに詳しく聞いてみたら、高評価をつけると、クリニックから特典がもらえるそうです」、悪質な「ステマ」だ。「精神科の医局の主任教授の9割が、要は投薬の専門家です。体系だったカウンセリングを重視する精神療法のトレーニングをする場は、慶應大の認知行動療法研究室や慈恵医大の森田療法(精神科医・森田正馬によって創始された神経症に対する独自の精神療法)くらい。 つまり日本の精神科医の大多数は、精神療法を自学自習でやっているし、中には、精神療法なんて意味がないと考える者もいます」』、「高評価をつけると、クリニックから特典がもらえるそうです」、悪質な「ステマ」だ・・・「体系だったカウンセリングを重視する精神療法のトレーニングをする場は極めて少ないとは問題だ。
・『自殺リスクが高まるだけで効果のない抗うつ薬を処方  和田 精神科がややこしいのは、「ずっと通い続けて治さない医者が面倒見がいい」と思っている患者もいるところ。そういう先生は、障害年金とか生活保護とかの申請に使える書類のひな型を持っていて、すぐに書いてくれるんですよ。「これ書いてもらったから働かなくていい。ずっとクリニックに通い続けよう」となるわけです。そして、親切でいい先生ってことになってしまうから、精神科医の評価は難しいよね。 米田 監督官庁は、医療の中身までは踏み込めません。看護師の人数の配置はこうしろとか施設基準はこうなっているなどの形式的なところには口出しできたとしても、投薬の内容や診断がおかしいというところまで踏み込んだ指導はできないんです。 和田 精神科クリニックは、開業したての頃は全然流行ってなくても、患者が治らないからどんどん雪だるま式にたまっていくんですよ。たとえば、循環器の疾患は、急に増えたりしませんよね。小児科で言えば、急に子どもの患者が増えたりしませんよね。でも、精神科は違う。患者さんを治す技術がないほど、通い続けてくれることになります。 私のような老人精神科だと、ある年齢になったら亡くなっていくからそうそう増えないけど、一般の精神科で、40〜50代でかかってる人というのは、ずっとかかり続けます。 米田 若い頃から通う人も増えているし、それどころか子供時代からずっと通い続ける人もいますから、何十年単位ですね。そうなると若い頃からの長期にわたる投薬が、大きな問題になります。 つい最近相談を受けた件なんですが、17歳の子がSSRIを出されていました。SSRIは、若い人には要注意の薬です。厚労省は2007年に「24歳以下に自殺のリスクが高まる」とし、 2013年には「18歳未満のうつ病に効果は認められない」としています。 つまり若い人にとっては、「自殺のリスクがあるけど、うつ病には効果がない薬」ということです。だけどそのことは、本人も親も知らされていなかった。小児精神科の先生からもらってるから安心だと思っていたそうです。 和田 医者は説明しないし、親も患者も薬の危険性を知らない状態で服薬しているケースは多々あると思います。日本が薬に対してとにかくチェックの甘い国であることは確かだし、 薬の副作用による民事訴訟もすごく少ないから、みんないい加減に薬を出す。 でもこれって、他人事みたいに思われるかもしれないけど、医者が無駄な薬をたくさん出せば出すほど、健康保険料って上がるんですよ。だからそれによるステルス増税みたいになってるわけ。とても犯罪的なことだと思う』、「SSRIは、若い人には要注意の薬です。厚労省は2007年に「24歳以下に自殺のリスクが高まる」とし、 2013年には「18歳未満のうつ病に効果は認められない」としています。 つまり若い人にとっては、「自殺のリスクがあるけど、うつ病には効果がない薬」ということです。だけどそのことは、本人も親も知らされていなかった。小児精神科の先生からもらってるから安心だと思っていたそうです」、恐ろしいことだ。「日本が薬に対してとにかくチェックの甘い国であることは確かだし、 薬の副作用による民事訴訟もすごく少ないから、みんないい加減に薬を出す。 でもこれって、他人事みたいに思われるかもしれないけど、医者が無駄な薬をたくさん出せば出すほど、健康保険料って上がるんですよ。だからそれによるステルス増税みたいになってるわけ。とても犯罪的なことだと思う」、その通りだ。

次に、4月16日付け現代ビジネス「「海外の新しい科学的発見をも無視する日本の医学界」...改革を阻み続ける、多すぎる「日本の病理」」を紹介しよう。
https://gendai.media/articles/-/127619?imp=0
・『2020年の国内の精神科患者は、入院と通院を合わせて614.8万人。日本人の20人に1人が精神科で治療を受けている計算だ。 一般的な精神疾患である「うつ病」に加え、近年は「発達障害」と診断される人も急増している。このような異常事態に警鐘を鳴らしているのが、『精神医療ビジネスの闇』(北新宿出版)の著者であり、20年以上にわたり精神医療現場での人権侵害問題に取り組む米田倫康氏だ。 米田氏は「患者が増えていることに伴い、診療の質が低い精神科クリニックも急増している」と指摘する。2020年の国内の精神科患者は、入院と通院を合わせて614.8万人。日本人の20人に1人が精神科で治療を受けている計算だ。 一方の精神科医・和田秀樹氏は「発達障害者を異端扱いし、社会から除け者にしている現状では、過剰診断は危険だ」と語る。 日本の精神医療の問題点をめぐり、米田氏と和田氏との対談を全3回にわたり、お届けする。 中編『「子どもから大人まで異様に増え続ける発達障害」と「日本社会のヤバすぎる特性」...正常な人が「異常」扱いされるのは日本だけ』に引き続き、今回は日本社会で「発達障害=正常」にならない背景について対談する』、「日本人の20人に1人が精神科で治療を受けている計算」、意外に多いことに驚かされた。
・『科学的データより教授の意見が優先される日本  和田 堀江貴文さんをはじめ、多くの有名人が、自分を発達障害だと認めてますよね。彼らのような人が世に出てきて、「正常」のヤツらのほうがバカだとガンガン言っている。いまの露骨な弱肉強食型資本主義の世界の中では、発達障害の人間が「正常」な人間に勝ちますから。 そりゃそうですよ。みんなに合わせてないといけない、上の言うことを聞かなきゃいけない、なんて思うやつが勝てるわけがない。そうなってくると、「発達障害、いいじゃん!」って流れになるかもしれない。 米田 私は、そうした変化は、そんな先の話ではないと考えています。メンタルヘルスの世界的な常識は、いま大きくパラダイムシフトのときを迎えています。 2023年10月、WHO(世界保健機関)と国連人権高等弁務官事務所は、メンタルヘルスについてのガイダンスを共同で作成しました。要旨としては、 「メンタルヘルスと幸福は、貧困、暴力、差別と同様に、社会的、経済的、物理的環境と強く関連しています。しかし、ほとんどのメンタルヘルスシステムは、診断、投薬、症状の軽減に焦点を当てており、人々のメンタルヘルスに影響を与える社会的決定要因を無視しています。メンタルヘルスケアやサポートを求める際に、あまりにも多くの人が差別や人権侵害を経験しています。非自発的な入院と治療、隔離または独房、拘束の使用も、ほとんどのメンタルヘルスシステムで蔓延しています。メンタルヘルスに関する法律は、新たな方向を向かなければなりません」 とあります。投薬を中心とした従来の治療モデルから脱却した、新たな法整備を求めている点で画期的ですよ。 和田 しかし、そうした社会の側からの要請だけで状況が大きく変わるかと言うと、私は悲観的ですね。医学界の内部からの変革が最も必要なことですが、医学界にはそれを妨げる構造的な問題があるからです。 海外で新しい科学的発見があって新しい常識が生まれても、日本の医学界はそれを受け入れません。例えば海外では、血糖値はやや高めの人のほうが死亡率が低いことなど、いままでの日本の常識に反することがわかってきているのに、日本の医者たちは態度を変えようとしません。 日本の医療全般に言えますが、守旧派、つまりいまの教授たちが偉すぎて誰も逆らえず、科学的データより教授のほうが正しいことにされてしまうという構造があります。 米田 実際、先のWHOのガイダンスを、厚生労働省をはじめ精神医療の関係各所にぶつけてみたんです。「メンタルヘルスのパラダイムシフトですよ!」と。しかし、まったく箸にも棒にもかかりませんでした。 一般的な精神疾患である「うつ病」に加え、近年は「発達障害」と診断される人も急増している。このような異常事態に警鐘を鳴らしているのが、『精神医療ビジネスの闇』(北新宿出版)の著者であり、20年以上にわたり精神医療現場での人権侵害問題に取り組む米田倫康氏だ。 米田氏は「患者が増えていることに伴い、診療の質が低い精神科クリニックも急増している」と指摘する。 一方の精神科医・和田秀樹氏は「発達障害者を異端扱いし、社会から除け者にしている現状では、過剰診断は危険だ」と語る。 日本の精神医療の問題点をめぐり、米田氏と和田氏との対談を全3回にわたり、お届けする。 中編『「子どもから大人まで異様に増え続ける発達障害」と「日本社会のヤバすぎる特性」...正常な人が「異常」扱いされるのは日本だけ』に引き続き、今回は日本社会で「発達障害=正常」にならない背景について対談する』、「海外で新しい科学的発見があって新しい常識が生まれても、日本の医学界はそれを受け入れません。例えば海外では、血糖値はやや高めの人のほうが死亡率が低いことなど、いままでの日本の常識に反することがわかってきているのに、日本の医者たちは態度を変えようとしません。 日本の医療全般に言えますが、守旧派、つまりいまの教授たちが偉すぎて誰も逆らえず、科学的データより教授のほうが正しいことにされてしまうという構造があります』、「日本の医療全般に言えますが、守旧派、つまりいまの教授たちが偉すぎて誰も逆らえず、科学的データより教授のほうが正しいことにされてしまう」、困ったことだ。
・『科学的データより教授の意見が優先される日本  和田 堀江貴文さんをはじめ、多くの有名人が、自分を発達障害だと認めてますよね。彼らのような人が世に出てきて、「正常」のヤツらのほうがバカだとガンガン言っている。いまの露骨な弱肉強食型資本主義の世界の中では、発達障害の人間が「正常」な人間に勝ちますから。 そりゃそうですよ。みんなに合わせてないといけない、上の言うことを聞かなきゃいけない、なんて思うやつが勝てるわけがない。そうなってくると、「発達障害、いいじゃん!」って流れになるかもしれない。 米田 私は、そうした変化は、そんな先の話ではないと考えています。メンタルヘルスの世界的な常識は、いま大きくパラダイムシフトのときを迎えています。 2023年10月、WHO(世界保健機関)と国連人権高等弁務官事務所は、メンタルヘルスについてのガイダンスを共同で作成しました。要旨としては、 「メンタルヘルスと幸福は、貧困、暴力、差別と同様に、社会的、経済的、物理的環境と強く関連しています。しかし、ほとんどのメンタルヘルスシステムは、診断、投薬、症状の軽減に焦点を当てており、人々のメンタルヘルスに影響を与える社会的決定要因を無視しています。メンタルヘルスケアやサポートを求める際に、あまりにも多くの人が差別や人権侵害を経験しています。非自発的な入院と治療、隔離または独房、拘束の使用も、ほとんどのメンタルヘルスシステムで蔓延しています。メンタルヘルスに関する法律は、新たな方向を向かなければなりません」 とあります。投薬を中心とした従来の治療モデルから脱却した、新たな法整備を求めている点で画期的ですよ。 和田 しかし、そうした社会の側からの要請だけで状況が大きく変わるかと言うと、私は悲観的ですね。医学界の内部からの変革が最も必要なことですが、医学界にはそれを妨げる構造的な問題があるからです。 海外で新しい科学的発見があって新しい常識が生まれても、日本の医学界はそれを受け入れません。例えば海外では、血糖値はやや高めの人のほうが死亡率が低いことなど、いままでの日本の常識に反することがわかってきているのに、日本の医者たちは態度を変えようとしません。 日本の医療全般に言えますが、守旧派、つまりいまの教授たちが偉すぎて誰も逆らえず、科学的データより教授のほうが正しいことにされてしまうという構造があります』、「海外では、血糖値はやや高めの人のほうが死亡率が低いことなど、いままでの日本の常識に反することがわかってきているのに、日本の医者たちは態度を変えようとしません。 日本の医療全般に言えますが、守旧派、つまりいまの教授たちが偉すぎて誰も逆らえず、科学的データより教授のほうが正しいことにされてしまうという構造があります」、こうした保守的体質は困ったものだ。
・『医学部の入試面接が良い人材をはじく  和田 いちばん悪いのは、東大の理Ⅲだよ。東大の医学部は、1999年〜2007年にかけて入試に面接を課すようになり、一旦中止したのですが2018年からまた始めています。 いまは全国すべて82の大学医学部の入試で、面接が課されています。それは、医者に向かない人間をはじこう、勉強だけできるけど性格が悪い人間を落とそう、という建前で実施されているんですけど、面接官は教授なんですよ。ということは、教授に忖度する人間が入ってきてしまう。 教授に逆らいそうな人間は、医学部に入れなくなる。つまり私がいま受験したら、合格できないってことです。たしかに、ハーバードやイェールなど、海外の医学部でも入試面接はありますが、教授には面接させていません。既存の教授に喧嘩を売れそうな人間を入れないと、学問は進歩しないという考え方がベースにあるからです。精神科の領域に限ったって、たった30分の面接で人間を見抜けると考えているような精神科医は、治療なんてできませんよ。 和田 2018年に発覚した東京医大での得点調整では、その後、結局、半分ぐらいの大学がやっていたことがわかりました。あのタイミングは、発達障害の人や身体障害者が面接で落とされている現状を是正する絶好機だったんだけど、そうならなかった。 入試を変えようという話の中で、面接もやめようという話にならなかった。医学部のキャンパスを見学に行ったらわかるけど、車椅子に乗っている人なんてほとんどいないよ。入試面接で落としてるからですよ。 車椅子に乗ってる人はバカで試験に通らないのか? そんなことないでしょ。日本の医学部は、勉強だけできるんじゃダメだ、人間への共感力があるヤツしか医者にはなっちゃダメだとかと言っているくせに、受験生をはじいてる教授たちのほうが、じつは共感力がない人ばかりですよ。 関連記事 「大多数の精神科医は投薬の専門家に過ぎず、精神療法は独学」… 米田 実際、先のWHOのガイダンスを、厚生労働省をはじめ精神医療の関係各所にぶつけてみたんです。「メンタルヘルスのパラダイムシフトですよ!」と。しかし、まったく箸にも棒にもかかりませんでした。米田倫康氏だ。 米田氏は「患者が増えていることに伴い、診療の質が低い精神科クリニックも急増している」と指摘する。 一方の精神科医・和田秀樹氏は「発達障害者を異端扱いし、社会から除け者にしている現状では、過剰診断は危険だ」と語る。 日本の精神医療の問題点をめぐり、米田氏と和田氏との対談を全3回にわたり、お届けする。 中編『「子どもから大人まで異様に増え続ける発達障害」と「日本社会のヤバすぎる特性」...正常な人が「異常」扱いされるのは日本だけ』に引き続き、今回は日本社会で「発達障害=正常」にならない背景について対談する』、「大学医学部の入試で、面接が課されています。それは、医者に向かない人間をはじこう、勉強だけできるけど性格が悪い人間を落とそう、という建前で実施されているんですけど、面接官は教授なんですよ。ということは、教授に忖度する人間が入ってきてしまう・・・ハーバードやイェールなど、海外の医学部でも入試面接はありますが、教授には面接させていません。既存の教授に喧嘩を売れそうな人間を入れないと、学問は進歩しないという考え方がベースにあるからです」、日本も今からでも見直すべきだ。
・『科学的データより教授の意見が優先される日本  和田 堀江貴文さんをはじめ、多くの有名人が、自分を発達障害だと認めてますよね。彼らのような人が世に出てきて、「正常」のヤツらのほうがバカだとガンガン言っている。いまの露骨な弱肉強食型資本主義の世界の中では、発達障害の人間が「正常」な人間に勝ちますから。 そりゃそうですよ。みんなに合わせてないといけない、上の言うことを聞かなきゃいけない、なんて思うやつが勝てるわけがない。そうなってくると、「発達障害、いいじゃん!」って流れになるかもしれない。 米田 私は、そうした変化は、そんな先の話ではないと考えています。メンタルヘルスの世界的な常識は、いま大きくパラダイムシフトのときを迎えています。 2023年10月、WHO(世界保健機関)と国連人権高等弁務官事務所は、メンタルヘルスについてのガイダンスを共同で作成しました。要旨としては、 「メンタルヘルスと幸福は、貧困、暴力、差別と同様に、社会的、経済的、物理的環境と強く関連しています。しかし、ほとんどのメンタルヘルスシステムは、診断、投薬、症状の軽減に焦点を当てており、人々のメンタルヘルスに影響を与える社会的決定要因を無視しています。メンタルヘルスケアやサポートを求める際に、あまりにも多くの人が差別や人権侵害を経験しています。非自発的な入院と治療、隔離または独房、拘束の使用も、ほとんどのメンタルヘルスシステムで蔓延しています。メンタルヘルスに関する法律は、新たな方向を向かなければなりません」 とあります。投薬を中心とした従来の治療モデルから脱却した、新たな法整備を求めている点で画期的ですよ。 和田 しかし、そうした社会の側からの要請だけで状況が大きく変わるかと言うと、私は悲観的ですね。医学界の内部からの変革が最も必要なことですが、医学界にはそれを妨げる構造的な問題があるからです。 海外で新しい科学的発見があって新しい常識が生まれても、日本の医学界はそれを受け入れません。例えば海外では、血糖値はやや高めの人のほうが死亡率が低いことなど、いままでの日本の常識に反することがわかってきているのに、日本の医者たちは態度を変えようとしません。 日本の医療全般に言えますが、守旧派、つまりいまの教授たちが偉すぎて誰も逆らえず、科学的データより教授のほうが正しいことにされてしまうという構造があります。 米田 実際、先のWHOのガイダンスを、厚生労働省をはじめ精神医療の関係各所にぶつけてみたんです。「メンタルヘルスのパラダイムシフトですよ!」と。しかし、まったく箸にも棒にもかかりませんでした』、「海外で新しい科学的発見があって新しい常識が生まれても、日本の医学界はそれを受け入れません。例えば海外では、血糖値はやや高めの人のほうが死亡率が低いことなど、いままでの日本の常識に反することがわかってきているのに、日本の医者たちは態度を変えようとしません。 日本の医療全般に言えますが、守旧派、つまりいまの教授たちが偉すぎて誰も逆らえず、科学的データより教授のほうが正しいことにされてしまうという構造があります」、困ったことだ。
・『医者が医学部を批判できない構造  米田 医学界の内部からは異論の声を上げられないシステムになってるんですね。いまの時代だと、教授が一番上にいて、その下の部下がたとえなにか言ったとしても何も変わらない。そうなると、「いまの精神医療はおかしいぞ」と言えるのは、医者ではない私のポジションだからこそなんでしょう。現場をわかってない人間が偉そうだと医療関係者からご批判もあるかと思いますが、だからこそ、風穴を開けていく私の活動にも意味があるのかなと考えています。 和田 私も風穴を開けようとしていますが、私以外に今の医学部を批判してる医者は本当に少ない。それは子供を人質に取られてるからです。つまり、親が目立った形で医学部を批判して主流派に嫌われたら、子供が入試面接のときに落とされかねない。その可能性を少しでも考えたら、批判できません。 だいたい、医学部というのは医師ではなくて医学研究者への道だってあるんですから、どうしても医師の候補者に面接をしたいのなら、大学入試ではなく医師国家試験でやるべきでしょう。そもそも入試面接のある大学と、ない大学の両方があるべきですよ。でなければ、どちらのシステムのほうがいい医者を生み育てられるかの比較調査すらできない。 米田 82も大学があるのに、医学部の入試から面接をはずそうという動きは、ひとつもないんでしょうか?  和田 それについては、実際に提言したことがあります。私は日大が相次ぐ不祥事で揺れていた頃に常務理事を務めていて、とっておきのブランド回復の案を出したんです。 「日大だけ医学部の入試面接を廃止したら、入試の偏差値は10ぐらい跳ね上がりますよ」と。ですが、大学側はまったく聞く耳を持たない。 それでは、手術はめちゃくちゃうまいけど、患者に説明するのがヘタだったり患者さんとのコミュニケーションが取れない医者Aがいます。一方、手術はヘボだけど失敗したときの説明の仕方がめちゃくちゃうまくて共感的な医者Bがいます。さあ、どちらを選びますか、という話です。 私だったら前者を選びたいから、面接など廃止すべきだと思っているわけです。結果で勝負して、腕がいい医者が勝ちという、『ドクターX』みたいな世界になれば、発達障害の人間にも活躍の場所があるけど、それを入り口で止めているということです。 米田 患者が医者を選ぶ自由を、医学部の入試が阻んでいることになりますね。 和田 そうですよ。自閉症スペクトラムの人というのは、すごい研究者になったり、とても手術がうまかったりする。でも変わり者。そういう人をはじくシステムになっているのが現状です。しかし、大学側だけの問題ではありません。 「コミュ力がない人間や変な人間は医者になってはいけない」という思い込みや刷り込みが国民全体に浸透してしまっている。そのあたりの病理はあまりに深くて、変な人間を入試面接ではじきましょうという意見に、国民の9割ぐらいは賛成する。 「子供はノーマルであってほしい」「大学の医学部入試で面接をするのは当たり前だ」と、みんなが思うぐらいに、日本人は、みんなと同じ「まともな人間」でありたいと願っている。これは日本にとってある種の不幸ですけど、そういう空気が蔓延していることが、精神医療の改革にあたっての一番の難しさだと思います。 構成・文/野中ツトム(清談社)』、「「コミュ力がない人間や変な人間は医者になってはいけない」という思い込みや刷り込みが国民全体に浸透してしまっている。そのあたりの病理はあまりに深くて、変な人間を入試面接ではじきましょうという意見に、国民の9割ぐらいは賛成する。 「子供はノーマルであってほしい」「大学の医学部入試で面接をするのは当たり前だ」と、みんなが思うぐらいに、日本人は、みんなと同じ「まともな人間」でありたいと願っている。これは日本にとってある種の不幸ですけど、そういう空気が蔓延していることが、精神医療の改革にあたっての一番の難しさだと思います」、もっと尖った人材が入ってくるようにしたいものだ。

第三に、7月29日付け文春オンライン「「このままでは殺される…どうか助けてください」相次ぐ患者の“死亡退院”はNHKがスクープした後も続いていた#1」を紹介しよう。
https://bunshun.jp/articles/-/72244
・『昨年2月25日にNHK-Eテレで放送された「ETV特集 ルポ死亡退院 ~精神医療・闇の実態~」。2023年のテレビで最も優れたスクープ報道として高く評価された。日本新聞協会賞、放送人の会グランプリ、石橋湛山早稲田ジャーナリズム大賞、貧困ジャーナリズム大賞など主だった賞の最高賞を受賞した。 東京・八王子市にある民間の精神科病院・滝山病院。精神科のほかに内科も併設し、人工透析治療などができるため、精神疾患に加えて腎疾患などを抱える合併症の患者が他の病院からも送り込まれてくる。そこではベッドに寝たきりの高齢患者を看護師らが問答無用で殴る、叩く、つねる、蹴る。暴力や虐待が日常茶飯事。ベッドに縛り付ける身体拘禁も日常化。入手した資料で入院患者の約8割が死亡して退院。いったん入院すると死亡しない限りは退院できないというおぞましい実態、“死亡退院”の現実があった。 「このままでは殺される……。どうか助けてください」 悲痛な声で弁護士に助けを求めた高齢の男性患者はその後、亡くなった。 あれから1年4か月。滝山病院の「その後」を追跡した第2弾が6月29日放送の「ETV特集 死亡退院 さらなる闇」だ。このドキュメンタリーは、ふだん週刊誌などが得意としている「院長とカネ」の問題に切り込んでいたのが印象的だった。(全2回の1回目/後編に続く)』、「そこではベッドに寝たきりの高齢患者を看護師らが問答無用で殴る、叩く、つねる、蹴る。暴力や虐待が日常茶飯事。ベッドに縛り付ける身体拘禁も日常化。入手した資料で入院患者の約8割が死亡して退院。いったん入院すると死亡しない限りは退院できないというおぞましい実態、“死亡退院”の現実があった」、ここまで酷いとは監督官庁の怠慢だ。
・『「死亡退院」はその後も続いた  暴力や虐待が横行していた恐怖の病院はどうなったのか。一般的にスクープの「その後」の報道はなかなか難しい。最初のスクープだけなら、「暴行」の証拠となる衝撃的な映像で十分にドキュメンタリーになる。だが、「その後」を取材して第2弾を出すとなると、病院経営や体質、さらには精神医療全体をめぐる「大きな構図・背景」を浮き彫りにしない限り、単なる焼き直しと言われてしまう。取材班は大きな背景にも斬り込んで本格勝負を挑んだ。) 第1弾の報道を受け、警察は病院を捜査して看護師ら5人を逮捕、略式起訴した。監督官庁の東京都も病院に対して改善を命令。厚生労働省も全国の自治体に虐待防止を通知した。しかし入院患者を支援して問題を告発した弁護士は「死亡退院の状況から何も変わっていない」と語る。 都の改善命令を受けて滝山病院は「虐待防止委員会」を設置。弁護士が中心の「第三者委員会」を作って虐待の真相究明に乗り出した。 東京都も患者の聞き取り調査を実施。転退院の支援に乗り出した。 ところが行政の縦割りや公立病院の受け入れへの消極姿勢、さらに主な受け入れ先として想定された民間病院が費用面や合併症患者の扱いなどで及び腰になるなどで遅遅として進まない。 転院を希望した高齢の男性患者も引き受ける病院が見つからないまま体調を崩して死亡。転退院支援の遅れで「死亡退院」はその後も続いたのだ』、「都の改善命令を受けて滝山病院は「虐待防止委員会」を設置。弁護士が中心の「第三者委員会」を作って虐待の真相究明に乗り出した。 東京都も患者の聞き取り調査を実施。転退院の支援に乗り出した。 ところが行政の縦割りや公立病院の受け入れへの消極姿勢、さらに主な受け入れ先として想定された民間病院が費用面や合併症患者の扱いなどで及び腰になるなどで遅遅として進まない。 転院を希望した高齢の男性患者も引き受ける病院が見つからないまま体調を崩して死亡。転退院支援の遅れで「死亡退院」はその後も続いたのだ」、酷いものだ。
・『薬剤を大量に投与されて…  この患者の記録を調べると病院側が鎮静のための薬剤を大量に投与した不適切な医療行為で死にいたった可能性があることを複数の医師が指摘した。投薬を指示した朝倉重延院長は外部の医師の指摘に「おっしゃるとおり歩み寄りは必要だったと思う」としながらも医療判断の誤りは認めなかったという。 第三者委員会が行った職員アンケートでも多くの職員が「過剰医療」を指摘し、医療の内容に問題ありと考えていたこともわかる。 不衛生な病室。経験が浅いアルバイトの職員に体位交換させて患者に重症の褥瘡(床ずれ)ができ、それが原因で敗血症によって死にいたったケースも多数見つかったと番組では伝えられた。 ところが第三者委員会は「医療行為の適切性」については「判断に医学的知見を要する」からと是非を判断しない姿勢だ。 カルテを分析すると医学的に必須とされる所見がないのに「心筋梗塞」と診断名をつけられ、血液がさらさらになる薬剤などを大量に投与されたケースも見つかる。やはり朝倉院長が診断していた。 医師が院長に電話で問い合わせて「心筋梗塞」の診断名をつけていた音声記録も。蘇生の難しい患者に繰り返し高い薬剤を投与していたという証言もあった。 ◆ 院長が率先する患者への過剰な医療行為をスタッフは「濃厚治療」と隠語で呼んでいたという。後編で詳しく取り上げる』、「第三者委員会は「医療行為の適切性」については「判断に医学的知見を要する」からと是非を判断しない姿勢だ」、こんな責任放棄を認めるべきではない…。)

第四に、7月29日付け文春オンライン「「暴力や虐待が日常茶飯事」八王子・滝山病院の“おぞましい実態”が明るみに…高級スポーツカーを乗り回す院長の“反応”とは#2」を紹介しよう。
https://bunshun.jp/articles/-/72245
・『東京・八王子市にある民間の精神科病院・滝山病院。精神科のほかに内科も併設し、人工透析治療などができるため、精神疾患に加えて腎疾患などを抱える合併症の患者が他の病院からも送り込まれてくる。そこではベッドに寝たきりの高齢患者を看護師らが問答無用で殴る、叩く、つねる、蹴る。暴力や虐待が日常茶飯事。ベッドに縛り付ける身体拘禁も日常化。入手した資料で入院患者の約8割が死亡して退院。いったん入院すると死亡しない限りは退院できないというおぞましい実態、“死亡退院”の現実について、NHK-Eテレ・6月29日放送の「ETV特集 死亡退院 さらなる闇」が続報した。(全2回の2回目/前編を読む)』、「入院患者の約8割が死亡して退院。いったん入院すると死亡しない限りは退院できないというおぞましい実態」、病院とは名ばかりのおそろしい施設だ。
・『「お金にもなる。お金取れるでしょ」  院長が率先する患者への過剰な医療行為をスタッフは「濃厚治療」という隠語で呼んでいた。「1B」と呼ばれる「濃厚治療」用の病室の映像も出てきた。 「院長が『1B運べ』といって、ICUみたいに人工呼吸器をつけたり、濃厚な治療するんですよ。そうやればお金にもなる。お金取れるでしょ。いっぱい濃厚治療するんだから」とスタッフは証言した。 過剰医療、濃厚治療……。すべて「カネ」がらみだ。第2弾は「朝倉院長とカネ」について第1弾以上に踏み込んで報じている点が注目される。) 医療機関は診療報酬というかたちで収入を得ている。一般的に精神科の医療行為の評価は診療報酬上で内科や外科などに比べてかなり低いとされている。そうした面を取り戻そうと意識して稼ごうとしたのか。滝山病院で「濃厚治療」していた実態がスタッフの口から語られた。 たくさんの薬剤などが投与されて「濃厚な治療」が行われれば行われるほど、その分、収入が増える仕組みだ。だが、医療行為として適切な治療でなければ当初は話ができた患者が会話できなくなり、意識が混濁した状態になってしまう。 そうした医療行為を院長が率先して行っていた疑惑。番組では関係者の証言を元に踏み込んで伝えている。 朝倉重延院長には今回と似た事件で報道された過去があった。2001年にはおよそ40人が不審死をとげた埼玉県の朝倉病院の院長だった。患者の身体を違法に拘束。過剰な栄養点滴など不必要な治療を行い、診療報酬を不正請求したことが発覚。朝倉病院は事実上廃院に。院長は保険医の資格を取り消された。その後、保険医の資格を再取得。5年前に父親の死後に滝山病院の院長を引き継いでいた』、「朝倉重延院長には今回と似た事件で報道された過去があった。2001年にはおよそ40人が不審死をとげた埼玉県の朝倉病院の院長だった。患者の身体を違法に拘束。過剰な栄養点滴など不必要な治療を行い、診療報酬を不正請求したことが発覚。朝倉病院は事実上廃院に。院長は保険医の資格を取り消された。その後、保険医の資格を再取得。5年前に父親の死後に滝山病院の院長を引き継いでいた」、「保険医の資格を再取得」のハードルを高くするべきだ。
・『高級スポーツカーを乗り回す院長の“収入”  圧巻は取材班が入手した「厳秘」と記された病院経営の内部文書だ。 朝倉重延院長の役員報酬は2017年度から2020年度までは毎年5820万円。2021年度は6320万円。2022年度は6420万円と増加傾向にある。病院の経常利益に対する院長の役員報酬の割合が2019年度48%。2020年度59%と経常利益の半分を超え、2021年度は337%に跳ね上がる。実に経常利益の3倍以上の金額だ。病院全体の利益が減少する中で院長の報酬だけが突出して増加していた。 院長が車で出かけようとするところをディレクターが直撃する場面がある。 車高が低い流線型の高級スポーツカー。左ハンドルで明らかに外国産だ。呼びかけに応じずに無言で車は走り去った。外観から調べてみると英国製の豪華スポーツカーで新車ならば約4000万円の値段だという。 ドキュメンタリーはインタビューやナレーションなどの「言葉」以上に「映像」が雄弁に語るジャンルである。) 役員報酬だけで毎年5000万円、6000万円という内部資料の証拠映像に加え、高級スポーツカーの映像。この2つの映像が雄弁に語っている。 事件発覚後に「精神障害者の家族会」の関係者が初めて病院内に入ると廊下にエアコンがなく、シャワールームも狭いなど他では考えられない劣悪さに衝撃を受けたという場面があるが、患者の環境改善のための病院設備には費用をかけなかった。 患者の死因についても院長が心筋梗塞や悪性リンパ腫などの病名をいとも軽い口調で語る音声も出てくる。何を重視して病院運営をしている人なのか伝わってくる構成だ』、「役員報酬は2017年度から2020年度までは毎年5820万円。2021年度は6320万円。2022年度は6420万円と増加傾向」。「英国製の豪華スポーツカーで新車ならば約4000万円」、結構なご身分だ。 
・『医療現場の「さらなる闇」  病院スタッフの一人は朝倉院長について「(滝山病院では)不正請求はしていない。前の朝倉病院のときみたいに『やったことにしてお金を取っている』わけじゃないので……。(保険医の)取り消しはないので大丈夫と思ったみたい」とその胸の内を想像する。 診療報酬の不正請求がないとしても、不必要な投薬などを意図的に繰り返して患者の命を危険にさらした疑惑があることは浮かび上がった。そのことで患者が次々に死亡した可能性があると専門医たちが指摘する。医師としてやってはならない行為ではないか。本来、監督官庁や捜査機関などが動くべき事案ではないのか。 番組ではこうした「医療の内容」にまで行政が踏み込んで規制することは今の制度では極めて困難だと関係者のインタビューで示している。利益を得る目的で意図して「過剰医療」をやっていたとしても現状では取り締まることが難しい。「医療の判断」とされれば踏み込みにくい。これこそ番組のサブタイトルにある「さらなる闇」である。 精神科の入院患者の9割以上が民間の病院にいる現状を考えると、民間病院がこうしてカネを得ていくことも私たちは容認しなければならないのだろうか。こうして患者たちの命や人権が犠牲になっていく。暴力や虐待の背景にあった患者をカネと見るような人権軽視の姿勢。こうした病院の実態を許していいものか。番組が突きつけている問いかけは重い』、まずは「監督官庁」が「過剰医療」を判定し、「捜査機関などが動く」形にもっていくべきだろう。こんな違法状態を放置すべきではない。
タグ:現代ビジネス「「大多数の精神科医は投薬の専門家に過ぎず、精神療法は独学」...和田秀樹氏も驚愕した「日本の心療内科」の「ヤバすぎる実態」」 精神科クリニックに流れ込む悪徳精神科医 「宇都宮病院の入院患者の平均年齢はそう高くないのに、事件発覚前の3年間で222人も亡くなっていたんですから、異常ですよ」、確かに死亡者が異常に多い。 「こうしたクリニックは、医師の資格さえあれば大きな設備投資を必要とせずに開業できますし、誰も診療の質をチェックしません。だから、悪徳精神科病院を経営するような層が、そのままここへ流れ込んでいます。 1950~60年代に起きた精神科病院乱立ブームと同様、畑違いの診療科の医師が突然参入して開業するケースも目立ちます」、なるほど。 「高評価をつけると、クリニックから特典がもらえるそうです」、悪質な「ステマ」だ・・・「体系だったカウンセリングを重視する精神療法のトレーニングをする場は極めて少ないとは問題だ。 「SSRIは、若い人には要注意の薬です。厚労省は2007年に「24歳以下に自殺のリスクが高まる」とし、 2013年には「18歳未満のうつ病に効果は認められない」としています。 つまり若い人にとっては、「自殺のリスクがあるけど、うつ病には効果がない薬」ということです。だけどそのことは、本人も親も知らされていなかった。小児精神科の先生からもらってるから安心だと思っていたそうです」、恐ろしいことだ。 「日本が薬に対してとにかくチェックの甘い国であることは確かだし、 薬の副作用による民事訴訟もすごく少ないから、みんないい加減に薬を出す。 でもこれって、他人事みたいに思われるかもしれないけど、医者が無駄な薬をたくさん出せば出すほど、健康保険料って上がるんですよ。だからそれによるステルス増税みたいになってるわけ。とても犯罪的なことだと思う」、その通りだ。 現代ビジネス「「海外の新しい科学的発見をも無視する日本の医学界」...改革を阻み続ける、多すぎる「日本の病理」」 「日本人の20人に1人が精神科で治療を受けている計算」、意外に多いことに驚かされた。 「海外で新しい科学的発見があって新しい常識が生まれても、日本の医学界はそれを受け入れません。例えば海外では、血糖値はやや高めの人のほうが死亡率が低いことなど、いままでの日本の常識に反することがわかってきているのに、日本の医者たちは態度を変えようとしません。 日本の医療全般に言えますが、守旧派、つまりいまの教授たちが偉すぎて誰も逆らえず、科学的データより教授のほうが正しいことにされてしまうという構造があります』、 「日本の医療全般に言えますが、守旧派、つまりいまの教授たちが偉すぎて誰も逆らえず、科学的データより教授のほうが正しいことにされてしまう」、困ったことだ。 「海外では、血糖値はやや高めの人のほうが死亡率が低いことなど、いままでの日本の常識に反することがわかってきているのに、日本の医者たちは態度を変えようとしません。 日本の医療全般に言えますが、守旧派、つまりいまの教授たちが偉すぎて誰も逆らえず、科学的データより教授のほうが正しいことにされてしまうという構造があります」、こうした保守的体質は困ったものだ。 「大学医学部の入試で、面接が課されています。それは、医者に向かない人間をはじこう、勉強だけできるけど性格が悪い人間を落とそう、という建前で実施されているんですけど、面接官は教授なんですよ。ということは、教授に忖度する人間が入ってきてしまう・・・ハーバードやイェールなど、海外の医学部でも入試面接はありますが、教授には面接させていません。既存の教授に喧嘩を売れそうな人間を入れないと、学問は進歩しないという考え方がベースにあるからです」、日本も今からでも見直すべきだ。 「海外で新しい科学的発見があって新しい常識が生まれても、日本の医学界はそれを受け入れません。例えば海外では、血糖値はやや高めの人のほうが死亡率が低いことなど、いままでの日本の常識に反することがわかってきているのに、日本の医者たちは態度を変えようとしません。 日本の医療全般に言えますが、守旧派、つまりいまの教授たちが偉すぎて誰も逆らえず、科学的データより教授のほうが正しいことにされてしまうという構造があります」、困ったことだ。 「「コミュ力がない人間や変な人間は医者になってはいけない」という思い込みや刷り込みが国民全体に浸透してしまっている。そのあたりの病理はあまりに深くて、変な人間を入試面接ではじきましょうという意見に、国民の9割ぐらいは賛成する。 「子供はノーマルであってほしい」「大学の医学部入試で面接をするのは当たり前だ」と、みんなが思うぐらいに、日本人は、みんなと同じ「まともな人間」でありたいと願っている。 これは日本にとってある種の不幸ですけど、そういう空気が蔓延していることが、精神医療の改革にあたっての一番の難しさだと思います」、もっと尖った人材が入ってくるようにしたいものだ。 文春オンライン「「このままでは殺される…どうか助けてください」相次ぐ患者の“死亡退院”はNHKがスクープした後も続いていた#1」 「そこではベッドに寝たきりの高齢患者を看護師らが問答無用で殴る、叩く、つねる、蹴る。暴力や虐待が日常茶飯事。ベッドに縛り付ける身体拘禁も日常化。入手した資料で入院患者の約8割が死亡して退院。いったん入院すると死亡しない限りは退院できないというおぞましい実態、“死亡退院”の現実があった」、ここまで酷いとは監督官庁の怠慢だ。 「都の改善命令を受けて滝山病院は「虐待防止委員会」を設置。弁護士が中心の「第三者委員会」を作って虐待の真相究明に乗り出した。 東京都も患者の聞き取り調査を実施。転退院の支援に乗り出した。 ところが行政の縦割りや公立病院の受け入れへの消極姿勢、さらに主な受け入れ先として想定された民間病院が費用面や合併症患者の扱いなどで及び腰になるなどで遅遅として進まない。 転院を希望した高齢の男性患者も引き受ける病院が見つからないまま体調を崩して死亡。転退院支援の遅れで「死亡退院」はその後も続いたのだ」、酷いものだ。 「第三者委員会は「医療行為の適切性」については「判断に医学的知見を要する」からと是非を判断しない姿勢だ」、こんな責任放棄を認めるべきではない。)… 「入院患者の約8割が死亡して退院。いったん入院すると死亡しない限りは退院できないというおぞましい実態」、病院とは名ばかりのおそろしい施設だ。 「保険医の資格を再取得」のハードルを高くするべきだ。 「役員報酬は2017年度から2020年度までは毎年5820万円。2021年度は6320万円。2022年度は6420万円と増加傾向」。「英国製の豪華スポーツカーで新車ならば約4000万円」、結構なご身分だ。 まずは「監督官庁」が「過剰医療」を判定し、「捜査機関などが動く」形にもっていくべきだろう。こんな違法状態を放置すべきではない。
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健康(その28)(「数日前に食べたリンゴがノドに…」高齢者を襲う“虚弱”現象、どうすれば防げるのか?、「筋トレを頑張っても体脂肪は減らない」ほとんどの人がカン違いしている残酷な事実) [生活]

健康については、本年3月20日に取上げた。今日は、(その28)(「数日前に食べたリンゴがノドに…」高齢者を襲う“虚弱”現象、どうすれば防げるのか?、「筋トレを頑張っても体脂肪は減らない」ほとんどの人がカン違いしている残酷な事実)である。

先ずは、本年4月11日付けダイヤモンド・オンラインが掲載した清談社の真島加代氏による「「数日前に食べたリンゴがノドに…」高齢者を襲う“虚弱”現象、どうすれば防げるのか?」を紹介しよう。
https://diamond.jp/articles/-/340252
・『日本の総人口に占める65歳以上の割合が29%に達し、超高齢社会に突入する中、高齢者の運動機能や認知機能が衰える「フレイル」という言葉を耳にする機会が増えた。なかでも、口腔機能の衰えを指す「オーラルフレイル」は、さまざまな機能の低下と深く関わっているという。オーラルフレイルの具体的な症状、リスク、対策などについて歯科医師に聞いた』、「口腔機能の衰えを指す「オーラルフレイル」は、さまざまな機能の低下と深く関わっている」、なるほど。
・『要介護リスクを上げるオーラルフレイルとは  加齢とともに、運動機能や認知機能が低下した状態を示す「フレイル」。英語の「Fraility(虚弱)」を語源とし、「身体的フレイル」は体重減少、筋力低下、疲労感を招き、「精神・心理的フレイル」はうつ状態に陥る原因になるといわれる。それらに加えて、口腔機能が低下する「オーラルフレイル」も、重要な老化のサインのひとつとして注目されている。 「オーラルフレイルの高齢者は、舌がうまく回らない滑舌の衰えや、食事中の食べこぼし、食べ物が噛めない、飲み込めないといった嚥下力の低下、突然むせるなどの症状が現れます」 そう話すのは、宝田歯科医院で院長を務める宝田恭子氏。同院には高齢の患者も通っているため、オーラルフレイルに悩む人も多く訪れるという。 「当院で総義歯を作り、しっかり噛めることも確認して帰宅した患者さんの親族の方から、後日『入れ歯を入れたのに、15分近く食べ物を噛み続けていて、なかなか飲み込まない』という相談を受けました。そのほか、虫歯が1本もない50代の患者さんは、喉に違和感を覚えて耳鼻咽喉科を受診したところ、数日前に食べた薄切りのリンゴが咽頭の中間で止まっていた、という話も耳にしました。これらはまさに、飲み込む力が衰えたオーラルフレイルの状態といえます」 入れ歯を入れていたり、虫歯がなく歯がすべて残っていたりしても、加齢によって口腔機能が低下すれば飲み込む力が弱まってしまうのだ。 宝田氏は、患者から受けた相談をきっかけに「歯でモノが噛めれば飲み込める、という考えを改めた」と話す。 「老後も自分の歯で食事ができるのは、とても素晴らしいことです。しかし、健康な歯が残っていても、オーラルフレイルによって嚥下力が落ちると、生きるために必要な栄養が得られず、体力が落ちて身体的フレイルを招きます。また、入れ歯を使用している場合には、『入れ歯安定剤』を使って顎の変化によるゆるみをなくし、しっかり噛める状態にしましょう。オーラルフレイルは誤嚥性肺炎のリスクを高めるといわれていますが、それ以外にも筋肉量が低下する『サルコペニア』などにより、要介護リスクを高める可能性もあるのです」』、「オーラルフレイルは誤嚥性肺炎のリスクを高めるといわれていますが、それ以外にも筋肉量が低下する『サルコペニア』などにより、要介護リスクを高める可能性もある」、なるほど。
・『オーラルフレイルに悩む人の「2つの特徴」  宝田氏によると、オーラルフレイルに悩む人々には“食べ物を噛む歯”と“姿勢”に特徴があるという。 人間の頭蓋骨は、奥歯で食べ物をすりつぶしてから飲み込むように作られています。しかし、嚥下力が低い高齢者の中には、猫背気味の姿勢で、奥歯で噛むのが難しくなって前歯を使うのが癖になってしまう場合があります。そうなると、柔らかいものばかり食べるようになってしまうのです」 偏食は栄養の偏りにつながるので、注意が必要だ。また、猫背はオーラルフレイルのみならず、運動機能のフレイルとも深く関わっている。 「年齢とともに減少する筋肉のなかでも、首や肩甲骨、背中に位置する“僧帽筋”は、何もしなければ45歳から80歳までのあいだに約40%減少します。僧帽筋が減った高齢者は、背筋を伸ばすのが難しくなり、猫背になってしまうのです。その結果、咀嚼力と嚥下力も下がるという悪循環に陥ります」 口腔機能と運動機能のフレイルは、相関関係にあるのだ。それでも「年齢には抗えない」と諦めないでほしい、と宝田氏は強調する。 「フレイルは、要介護になる前に適切な対策を行えば、健康な機能を取り戻せる状態でもあります。フレイル対策として広く知られているのは『3プラス1』という予防法。1つ目はさまざまな食材を食べて栄養状態を良好に保つこと。2つ目は、体力低下を防ぐための適度な運動です。スクワットや、座りながらかかとを上下させる『かかと落とし』も骨を丈夫にして筋肉量もアップするので、運動機能のキープに役立ちます」 そして3つ目は、積極的な社会参加だ。「他者との交流は脳の刺激になり、認知機能の低下を防ぐ」という』、「猫背はオーラルフレイルのみならず、運動機能のフレイルとも深く関わっている。 「年齢とともに減少する筋肉のなかでも、首や肩甲骨、背中に位置する“僧帽筋”は、何もしなければ45歳から80歳までのあいだに約40%減少します。僧帽筋が減った高齢者は、背筋を伸ばすのが難しくなり、猫背になってしまうのです。その結果、咀嚼力と嚥下力も下がるという悪循環に陥ります・・・フレイルは、要介護になる前に適切な対策を行えば、健康な機能を取り戻せる状態でもあります。フレイル対策として広く知られているのは『3プラス1』という予防法。1つ目はさまざまな食材を食べて栄養状態を良好に保つこと。2つ目は、体力低下を防ぐための適度な運動です・・・3つ目は、積極的な社会参加だ。「他者との交流は脳の刺激になり、認知機能の低下を防ぐ」という」、なるほど。
・『口や舌を鍛える「パタカラ体操」  これら3つに加えた“プラス1”に位置づけられているのが、口や舌を鍛えるオーラルフレイル対策だ。 「代表的なオーラルフレイル予防のひとつが『パタカラ体操』。これは『パ』『タ』『カ』『ラ』という4文字を発音する、口の体操です。パは唇、タは舌の先を鍛え、カは喉の奥にチカラを入れて嚥下力を高めます。ラは食べ物をまとめる舌の筋肉を使う発音です。パタカラ体操には、口腔機能を維持するために必要な要素がすべて入っているのです」 「パタカラ」と、それぞれの文字をはっきり発音したり、パパパパ、タタタタ、カカカカ……と連続で発音したりするのが、主なトレーニング方法。宝田氏自身も日頃からパタカラ体操を行っているという。 「私は、マスクをしたまま小声で発音しています。帰宅時の仕事場から駅までを『パの時間』、電車の中では『タの時間』とトレーニング時間を決めているので、忘れずに継続できています。口腔機能が向上すれば、さまざまな食材を食べて体に栄養を送り、強い足腰で社会参加もできるはず。毎日続けましょう」 また、加齢によって衰えがちな、前述の僧帽筋を鍛えると嚥下力アップにつながる、とのこと。 「おすすめは、肩甲骨を動かして僧帽筋に負荷をかけて普段あまり動かしていない筋肉を鍛えるトレーニングです。まず、左右どちらかの腕をまっすぐ前に伸ばし、もう一方の手の親指を脇の下に入れて、残りの指で背中の肩甲骨を抑えます。伸ばした手の中指の先から目を離さず上に上げ、後ろに回す。すると、肩甲骨がしっかり動いているのが確認できます。これを両腕で行います」 そのほか、イスに座る際は骨盤を立てて首と頭を後ろに引き、骨盤を立てる。その際、両足は膝よりもイスの座席側に引いて座ると猫背防止になる。どれも、簡単だからこそ継続しやすい対策だ。 そして宝田氏は、働き盛りの50代からオーラルフレイル対策を含めたフレイル対策に取り組んでほしい、とアドバイスする。 「50代は体力や気力の衰えを感じはじめる時期です。中高年代から肩甲骨回しやパタカラ体操を取り入れると、習慣化しやすくなります。また、虫歯や歯周病のリスクを下げるために、丁寧な歯磨きや定期的な歯科検診も忘れずに。入れ歯を使用しており、取れやすさに不安がある方は、入れ歯安定剤を使う方法もあります。安定剤にはクリームタイプなどさまざまなタイプがあります。歯科医師に相談して決めてもらうのが良いでしょう」 高齢者ではなくても、フレイル対策のスタートに早すぎるということはないようだ。 <識者プロフィール> (宝田恭子氏の略歴はリンク先参照)』、「「代表的なオーラルフレイル予防のひとつが『パタカラ体操』。これは『パ』『タ』『カ』『ラ』という4文字を発音する、口の体操です。パは唇、タは舌の先を鍛え、カは喉の奥にチカラを入れて嚥下力を高めます。ラは食べ物をまとめる舌の筋肉を使う発音です。パタカラ体操には、口腔機能を維持するために必要な要素がすべて入っているのです」 「パタカラ」と、それぞれの文字をはっきり発音したり、パパパパ、タタタタ、カカカカ……と連続で発音したりするのが、主なトレーニング方法。宝田氏自身も日頃からパタカラ体操を行っているという・・・働き盛りの50代からオーラルフレイル対策を含めたフレイル対策に取り組んでほしい、とアドバイスする。 「50代は体力や気力の衰えを感じはじめる時期です。中高年代から肩甲骨回しやパタカラ体操を取り入れると、習慣化しやすくなります。また、虫歯や歯周病のリスクを下げるために、丁寧な歯磨きや定期的な歯科検診も忘れずに。入れ歯を使用しており、取れやすさに不安がある方は、入れ歯安定剤を使う方法もあります。安定剤にはクリームタイプなどさまざまなタイプがあります。歯科医師に相談して決めてもらうのが良いでしょう」、「パタカラ体操」とは面白そうだ。一度、やってみよう。

次に、7月14日付けAERAが転載したダイヤモンド・オンライン「清水 忍:トレーニングジムIPFヘッドトレーナー・アメリカスポーツ医学会認定運動生理学士(ACSM/EP)・健康運動指導士による「「筋トレを頑張っても体脂肪は減らない」ほとんどの人がカン違いしている残酷な事実」を紹介しよう。
https://dot.asahi.com/articles/-/228410?page=1
・『健康的な体づくりには適度な運動をすることが望ましいが、いくら筋トレや有酸素運動をしたとしても、体脂肪を減らす効果はあまり期待できないという。アメリカスポーツ医学会認定運動生理学士が、合理的にダイエットを進めるための基礎知識を伝授する。※本稿は、清水 忍『ロジカルダイエット 3か月で「勝手に痩せる体」になる』(幻冬舎新書)の一部を抜粋・編集したものです』、興味深そうだ。
・『人体の余剰エネルギーは脂肪としてストックされていく  合理的に効率よくダイエットを進めていくには、体脂肪というターゲットがどんな相手なのかを知っておかなくてはなりません。「なぜ」を追求するロジカルダイエットでは、ターゲットである体脂肪の特徴を知り、「なぜ、体に脂肪がついたり落ちたりするのか」を分かっていることがとても重要なのです。そこで、「脂肪がたまるメカニズム/脂肪が減るメカニズム」をここで簡単に整理しておくことにしましょう。 そもそも、人間には、万が一食べられなくなったときのための備蓄エネルギーが必要です。体内に蓄えられるエネルギーは「糖質」か「脂肪」のどちらかなのですが、もともと糖質はほんのちょっとしか蓄えられません。糖質はグリコーゲンというかたちで肝臓や筋肉にストックされるものの、わずか400gほどしか蓄えられず、ちょっと運動でもすればすぐになくなってしまいます。 一方、脂肪は貯蔵に向いたエネルギーです。糖質1gが4kcalなのに対し脂肪は1gで9kcalもあり、大容量のエネルギーを出すことができるうえ、コンパクトに収納できていくらでも蓄えることができます。そのため、人の体はちょっとでも余剰エネルギーがあれば、どんどん脂肪に変換して体内にストックしようとします。すなわち、体内にグリコーゲンとしてためられる容量を超えた糖質が入ってくると、それらをどんどん脂肪に変換して貯蔵しようというメカニズムが働くわけです』、「糖質はグリコーゲンというかたちで肝臓や筋肉にストックされるものの、わずか400gほどしか蓄えられず、ちょっと運動でもすればすぐになくなってしまいます。 一方、脂肪は貯蔵に向いたエネルギーです。糖質1gが4kcalなのに対し脂肪は1gで9kcalもあり、大容量のエネルギーを出すことができるうえ、コンパクトに収納できていくらでも蓄えることができます。そのため、人の体はちょっとでも余剰エネルギーがあれば、どんどん脂肪に変換して体内にストックしようとします。すなわち、体内にグリコーゲンとしてためられる容量を超えた糖質が入ってくると、それらをどんどん脂肪に変換して貯蔵しようというメカニズムが働くわけです」、なるほど。
・『飢えや寒さをしのぐための生存システムが裏目に出た  つまり、ごはん、パン、麺類、お菓子、果物、ジュースなどの糖質を普段からたくさん摂っていると、それらがどんどん脂肪に変換されてエネルギー貯蔵庫へ回されていくことになるのです。 このエネルギー貯蔵庫は体中いたるところにあり、肝臓の細胞にたまれば脂肪肝が進み、内臓の周りにたまれば内臓脂肪が増加し、おなかや太もも、お尻などの皮下にたまれば皮下脂肪となっていきます。 そして、こうした脂肪が増えてくると、脂肪をためこむ細胞のひとつひとつが、まるで水風船がふくらむように膨張していくのです。こうした脂肪細胞の膨張こそが肥満の正体だと言っていいでしょう。 ですから、「なぜ、脂肪がたまるのか」をひと言で言ってしまえば「エネルギーの摂りすぎ」ということになります。 私たち人間が太古の昔から飢えや寒さをしのいで過酷な環境を生き延びてこられたのは、この脂肪を蓄積するエネルギー貯蔵システムがあったおかげだと言っても過言ではありません。しかし、飽食の現代においては、この優れたエネルギー貯蔵システムがあったことが裏目に出て、健康面や美容面でさまざまな問題を引き起こしているということになります』、「このエネルギー貯蔵庫は体中いたるところにあり、肝臓の細胞にたまれば脂肪肝が進み、内臓の周りにたまれば内臓脂肪が増加し、おなかや太もも、お尻などの皮下にたまれば皮下脂肪となっていきます。 そして、こうした脂肪が増えてくると、脂肪をためこむ細胞のひとつひとつが、まるで水風船がふくらむように膨張していくのです。こうした脂肪細胞の膨張こそが肥満の正体だと言っていいでしょう・・・私たち人間が太古の昔から飢えや寒さをしのいで過酷な環境を生き延びてこられたのは、この脂肪を蓄積するエネルギー貯蔵システムがあったおかげだと言っても過言ではありません。しかし、飽食の現代においては、この優れたエネルギー貯蔵システムがあったことが裏目に出て、健康面や美容面でさまざまな問題を引き起こしているということになります」、皮肉なものだ。
・『筋トレや有酸素運動よりも食事のコントロールが第一  次に、脂肪が減るメカニズムのほうを説明しましょう。体脂肪を減らすには、体内のエネルギー貯蔵庫からどんどん脂肪を追い出さなくてはなりません。その追い出し作業を効率よく進めるにはどうしたらいいのかという話です。 倉庫にストックされた脂肪を減らしていくには、まず、食事をコントロールしなくてはなりません。これ以上倉庫にエネルギーがたまらないようにするのはもちろんですが、摂取カロリーを少なくして、倉庫内のエネルギーが次々に使用されて出ていく状況をつくっていかなくてはならないわけです。 摂取カロリーを少なくするだけでなく、消費カロリーを多くすることも大切です。おそらく、消費カロリーを増やすと聞いて、みなさんがまっ先に思い浮かべるのは、筋トレやウォーキング、ジョギングなどの運動でしょう。 ただ、同じ運動でも、筋トレとウォーキングでは「使用されるエネルギー源」がまったく違うのです。 筋トレを行なった際、エネルギー源として消費されるのは実質的にはほぼ糖質です。筋肉や肝臓にストックされたグリコーゲンや血液中のブドウ糖などが消費され、脂肪はほとんど使われません。つまり、筋トレをいくらがんばっても体脂肪は減らないということ。誤解している人がたいへん多いのですが、筋トレは「体脂肪を減らすこと=やせること」にはつながらないわけです。 一方、ウォーキングやジョギング、エアロビクスなどの有酸素運動を行なった場合は、最初糖質と脂肪の混合物が使われ、その後、20分ほど時間が経つと脂肪が優先的に使われるようになります。そのため、「やせたいなら有酸素運動をするほうがいい」と思っている方も数多くいらっしゃいます。 ところが、有酸素運動で消費されるカロリーエネルギーは、期待している量と比べて実際にはごくごくわずかなのです。要するに、筋トレをがんばっていても体脂肪は減らせないし、有酸素運動をがんばっていても期待するような効果は得られない。はっきり言ってしまえば、運動をがんばっていても、それだけではやせられないのです』、「要するに、筋トレをがんばっていても体脂肪は減らせないし、有酸素運動をがんばっていても期待するような効果は得られない。はっきり言ってしまえば、運動をがんばっていても、それだけではやせられないのです」、これが厳しい現実のようだ。
・『いくら筋トレをしたところで脂肪が減らない限り、痩せない  「筋トレではやせない」ということについて、おそらく、みなさんの中には「これまでずっと、せり出したおなかを引っ込ませようと思って腹筋トレをがんばってきたのに……」と、納得のいかない顔をされている方もいらっしゃることでしょう。 でも、どんなに腹筋をやってもやせないのは事実なのです。 それは、大相撲の力士を見れば分かります。お相撲さんたちは、みんなでっぷりとしたおなかを抱えていますよね。言わずもがな、あの立派なおなかのふくらみは分厚い体脂肪によるものです。 しかし、その分厚い体脂肪の下には、鋼のように鍛えられた腹筋が備わっているのです。当たり前ですが、お相撲さんたちはみんな毎日これでもかというくらいのすさまじい稽古をして筋肉を鍛えています。もちろん、腹筋も常人には想像もつかないレベルで鍛え上げています。ところが、それだけ腹筋を鍛えていても、おなかの分厚い脂肪は一向に減っていませんよね。 これが「筋トレで腹筋を鍛えたところでおなかの脂肪は減らない」といういちばんの証拠なのではないでしょうか。 もっとも、みなさんご存じのように、筋トレをしっかり行なえば、筋肉は太く盛り上がってきます。すると、体のたるんでいた部分やだぶついていた部分が引っ張られて、全体に引き締まった感じに見えてくるようになります。これを「シェイプアップ」と呼んでもいいでしょう。 つまり、筋トレには脂肪を減らす効果はないものの、脂肪のたるみを目立たなくさせる効果はあるのです。だから、腹筋トレを毎日一生懸命やっていれば、脂肪は減らなくともおなかが引き締まって見えてくる場合もあります。もともとそんなにたくさんの脂肪をおなかに蓄えていない人であれば、他人から「あれ?やせた?」と錯覚されるかもしれません。 ただ、こういった「シェイプアップ効果」「引き締まったように見える効果」は、正確には「やせた」とは言えません。「やせた」と言えるのは、あくまで体脂肪が減った状態です。「脂肪が落ちてやせた」と「筋肉が発達した」は、生理学的にもまったく違う別々の現象であり、両者を混同することはできないのです。 すなわち、筋トレでどんなにすっきりシェイプアップされたとしても、脂肪が減っていない限り、「やせた」の仲間には入れられないということになります。 (清水 忍:トレーニングジムIPFヘッドトレーナー。アメリカスポーツ医学会認定運動生理学士(ACSM/EP)、健康運動指導士) ロジカルダイエット 3か月で「勝手に痩せる体」になる (幻冬舎新書) 』、「「シェイプアップ効果」「引き締まったように見える効果」は、正確には「やせた」とは言えません。「やせた」と言えるのは、あくまで体脂肪が減った状態です。「脂肪が落ちてやせた」と「筋肉が発達した」は、生理学的にもまったく違う別々の現象であり、両者を混同することはできないのです。 すなわち、筋トレでどんなにすっきりシェイプアップされたとしても、脂肪が減っていない限り、「やせた」の仲間には入れられないということになります」、「シェイプアップ効果」は「「やせた」の仲間には入れられない」ようだ。
タグ:「オーラルフレイルは誤嚥性肺炎のリスクを高めるといわれていますが、それ以外にも筋肉量が低下する『サルコペニア』などにより、要介護リスクを高める可能性もある」、なるほど。 摂取カロリーを少なくするだけでなく、消費カロリーを多くすることも大切です。おそらく、消費カロリーを増やすと聞いて、みなさんがまっ先に思い浮かべるのは、筋トレやウォーキング、ジョギングなどの運動でしょう。 ただ、同じ運動でも、筋トレとウォーキングでは「使用されるエネルギー源」がまったく違うのです。 筋トレを行なった際、エネルギー源として消費されるのは実質的にはほぼ糖質です。筋肉や肝臓にストックされたグリコーゲンや血液中のブドウ糖などが消費され、脂肪はほとんど使われません。 次に、脂肪が減るメカニズムのほうを説明しましょう。体脂肪を減らすには、体内のエネルギー貯蔵庫からどんどん脂肪を追い出さなくてはなりません。その追い出し作業を効率よく進めるにはどうしたらいいのかという話です。 倉庫にストックされた脂肪を減らしていくには、まず、食事をコントロールしなくてはなりません。これ以上倉庫にエネルギーがたまらないようにするのはもちろんですが、摂取カロリーを少なくして、倉庫内のエネルギーが次々に使用されて出ていく状況をつくっていかなくてはならないわけです。 私たち人間が太古の昔から飢えや寒さをしのいで過酷な環境を生き延びてこられたのは、この脂肪を蓄積するエネルギー貯蔵システムがあったおかげだと言っても過言ではありません。しかし、飽食の現代においては、この優れたエネルギー貯蔵システムがあったことが裏目に出て、健康面や美容面でさまざまな問題を引き起こしているということになります」、皮肉なものだ。 ・『筋トレや有酸素運動よりも食事のコントロールが第一 「このエネルギー貯蔵庫は体中いたるところにあり、肝臓の細胞にたまれば脂肪肝が進み、内臓の周りにたまれば内臓脂肪が増加し、おなかや太もも、お尻などの皮下にたまれば皮下脂肪となっていきます。 そして、こうした脂肪が増えてくると、脂肪をためこむ細胞のひとつひとつが、まるで水風船がふくらむように膨張していくのです。こうした脂肪細胞の膨張こそが肥満の正体だと言っていいでしょう・・・ 「糖質はグリコーゲンというかたちで肝臓や筋肉にストックされるものの、わずか400gほどしか蓄えられず、ちょっと運動でもすればすぐになくなってしまいます。 一方、脂肪は貯蔵に向いたエネルギーです。糖質1gが4kcalなのに対し脂肪は1gで9kcalもあり、大容量のエネルギーを出すことができるうえ、コンパクトに収納できていくらでも蓄えることができます。そのため、人の体はちょっとでも余剰エネルギーがあれば、どんどん脂肪に変換して体内にストックしようとします。 すなわち、体内にグリコーゲンとしてためられる容量を超えた糖質が入ってくると、それらをどんどん脂肪に変換して貯蔵しようというメカニズムが働くわけです」、なるほど。 清水 忍『ロジカルダイエット 3か月で「勝手に痩せる体」になる』(幻冬舎新書) ラ体操」とは面白そうだ。一度、やってみよう。 フレイル対策として広く知られているのは『3プラス1』という予防法。1つ目はさまざまな食材を食べて栄養状態を良好に保つこと。2つ目は、体力低下を防ぐための適度な運動です・・・3つ目は、積極的な社会参加だ。「他者との交流は脳の刺激になり、認知機能の低下を防ぐ」という」、なるほど。 イヤモンド・オンライン「清水 忍:トレーニングジムIPFヘッドトレーナー・アメリカスポーツ医学会認定運動生理学士(ACSM/EP)・健康運動指導士による「「筋トレを頑張っても体脂肪は減らない」ほとんどの人がカン違いしている残酷な事実」 ・働き盛りの50代からオーラルフレイル対策を含めたフレイル対策に取り組んでほしい、とアドバイスする。 「50代は体力や気力の衰えを感じはじめる時期です。中高年代から肩甲骨回しやパタカラ体操を取り入れると、習慣化しやすくなります。また、虫歯や歯周病のリスクを下げるために、丁寧な歯磨きや定期的な歯科検診も忘れずに。入れ歯を使用しており、取れやすさに不安がある方は、入れ歯安定剤を使う方法もあります。安定剤にはクリームタイプなどさまざまなタイプがあります。歯科医師に相談して決めてもらうのが良いでしょう」、「パタカ 「猫背はオーラルフレイルのみならず、運動機能のフレイルとも深く関わっている。 「年齢とともに減少する筋肉のなかでも、首や肩甲骨、背中に位置する“僧帽筋”は、何もしなければ45歳から80歳までのあいだに約40%減少します。僧帽筋が減った高齢者は、背筋を伸ばすのが難しくなり、猫背になってしまうのです。その結果、咀嚼力と嚥下力も下がるという悪循環に陥ります・・・フレイルは、要介護になる前に適切な対策を行えば、健康な機能を取り戻せる状態でもあります。 「「代表的なオーラルフレイル予防のひとつが『パタカラ体操』。これは『パ』『タ』『カ』『ラ』という4文字を発音する、口の体操です。パは唇、タは舌の先を鍛え、カは喉の奥にチカラを入れて嚥下力を高めます。ラは食べ物をまとめる舌の筋肉を使う発音です。パタカラ体操には、口腔機能を維持するために必要な要素がすべて入っているのです」 「パタカラ」と、それぞれの文字をはっきり発音したり、パパパパ、タタタタ、カカカカ……と連続で発音したりするのが、主なトレーニング方法。宝田氏自身も日頃からパタカラ体操を行っているという・・ 「「シェイプアップ効果」「引き締まったように見える効果」は、正確には「やせた」とは言えません。「やせた」と言えるのは、あくまで体脂肪が減った状態です。「脂肪が落ちてやせた」と「筋肉が発達した」は、生理学的にもまったく違う別々の現象であり、両者を混同することはできないのです。 すなわち、筋トレでどんなにすっきりシェイプアップされたとしても、脂肪が減っていない限り、「やせた」の仲間には入れられないということになります」、「シェイプアップ効果」は「「やせた」の仲間には入れられない」ようだ。 と比べて実際にはごくごくわずかなのです。要するに、筋トレをがんばっていても体脂肪は減らせないし、有酸素運動をがんばっていても期待するような効果は得られない。はっきり言ってしまえば、運動をがんばっていても、それだけではやせられないのです』、「要するに、筋トレをがんばっていても体脂肪は減らせないし、有酸素運動をがんばっていても期待するような効果は得られない。はっきり言ってしまえば、運動をがんばっていても、それだけではやせられないのです」、これが厳しい現実のようだ。 つまり、筋トレをいくらがんばっても体脂肪は減らないということ。誤解している人がたいへん多いのですが、筋トレは「体脂肪を減らすこと=やせること」にはつながらないわけです。 一方、ウォーキングやジョギング、エアロビクスなどの有酸素運動を行なった場合は、最初糖質と脂肪の混合物が使われ、その後、20分ほど時間が経つと脂肪が優先的に使われるようになります。そのため、「やせたいなら有酸素運動をするほうがいい」と思っている方も数多くいらっしゃいます。 ところが、有酸素運動で消費されるカロリーエネルギーは、期待している量 「口腔機能の衰えを指す「オーラルフレイル」は、さまざまな機能の低下と深く関わっている」、なるほど。 (その28)(「数日前に食べたリンゴがノドに…」高齢者を襲う“虚弱”現象、どうすれば防げるのか?、「筋トレを頑張っても体脂肪は減らない」ほとんどの人がカン違いしている残酷な事実) 健康
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子育て(その7)(「待てたらお菓子をもう1個」で我慢できずに食べてしまった保育園児の末路、養老孟司×ヤマップ春山対談「こどもを野に放て」 思い通りにならない自然と折り合いをつける力、「はじめてのおつかい」"虐待"批判が吹き飛ぶ凄み 令和になっても"国民的番組"であり続ける背景) [生活]

子育てについては、本年2月12日に取上げた。今日は、(その7)(「待てたらお菓子をもう1個」で我慢できずに食べてしまった保育園児の末路、養老孟司×ヤマップ春山対談「こどもを野に放て」 思い通りにならない自然と折り合いをつける力、「はじめてのおつかい」"虐待"批判が吹き飛ぶ凄み 令和になっても"国民的番組"であり続ける背景)である。

先ずは、昨年12月7日付けダイヤモンド・オンラインが掲載した心理学博士・MP人間科学研究所代表の榎本博明氏による「「待てたらお菓子をもう1個」で我慢できずに食べてしまった保育園児の末路」を紹介しよう。
https://diamond.jp/articles/-/332986
・『「勉強ができるようになりたい」と願う人は多いだろう。持って生まれた知能が素晴らしくても、それだけでは勉強ができるようにはならない。知能の発達に加え、非認知能力を高めることが必要になる。非認知能力の中核である「自己コントロール力」とは、具体的にはどのような能力なのだろうか。 ※本記事は『勉強ができる子は何が違うのか』から抜粋・再編集したものです』、興味深そうだ。
・『自己コントロール力~目の前の欲求を我慢できるか?  知的能力が同じ子どもであっても、成績に差が付くのはなぜか。いくら知的能力が高くても、やる気や忍耐力がなければ学力は向上せず、その成果としての成績も良くならないだろう。自己コントロール力についての実験の原点と言えるのが、心理学者ミシェルたちが行った「マシュマロ・テスト」だ。 子どもにマシュマロを見せて、今すぐ食べるなら一個あげるが、研究者がいったん席を外して戻るまで待てたら二個あげると告げ、待つことができるか、それとも待てずに食べてしまうかを試すものである(詳しくは前回記事を参照)。 ミシェルはこの実験について、「先延ばしされたものの、より価値のある報酬のために、未就学児が自らに課した、即時の欲求充足の先延ばしパラダイム」であるとしている。先延ばしされたものの、より価値のある報酬のために、即時の欲求充足を先延ばしする、というのがちょっとわかりにくいかもしれないので、この本のテーマである勉強ができるということと絡めて、より具体的に説明してみよう。 たとえば、宿題をしないといけないのに、近所の友だちから遊びに誘われたとする。ここでの即時の欲求充足とは、友だちの誘いに応じて今すぐ遊びに行ってしまうことを指す。でも、それをしてしまうと、明日学校で先生から叱られるし、学期末の成績に悪影響がある。 この場合、先延ばしされたものの、より価値のある報酬というのは、今すぐの欲求充足を我慢して、友だちの誘いを断り宿題をすれば、明日先生からほめられる、あるいは叱られずにすむし、その日に習った内容の理解が進み学期末の成績に好影響が期待できることを指す。 このような状況で、友だちの誘いに乗って遊びに行くという目の前の欲求充足を我慢できるかどうかということである。 あるいは、もうすぐ定期試験があり、これまでに習ったことを復習するという準備勉強をしないといけないのに、好きなサッカーの国際試合がテレビで連日放映されるとする。 ここでの即時の欲求充足とは、好きなサッカーの国際試合を見たいという誘惑に負けてテレビを見てしまうことを指す。でも、それをしてしまうと、定期試験の準備勉強が疎かになり、良い成績を取ることができなくなってしまう。先延ばしされたものの、より価値のある報酬というのは、今すぐの欲求充足を我慢して、テレビでサッカーの国際試合を見るのを諦め定期試験の準備勉強をすれば、定期試験で良い点数を取ることができ、学期末の成績が良くなると期待できることを指す。) このように、明日にしろ学期末にしろ、より大きな将来の欲求充足のために、今すぐの欲求充足を我慢できるかどうかで、勉強ができるようになるかどうかが決まってくるというわけである。 学力を高め、試験で良い成績を取るためには、宿題をやったり、試験の準備勉強をしっかりやったりすることが必要である。それなのに、宿題をしなければいけないことはわかっているのに友だちから誘われると宿題を投げ出して遊びに行ってしまったり、試験の準備勉強をしないといけないことはわかっているのにテレビばかり見てしまったりするようでは、学力を身につけ良い成績を取るのは難しい。 そこで問われるのが抑制能力、つまり長期的な欲求充足のために即時の欲求充足行動を抑制する能力である。これまでは、学業成績の基盤となるものとして知能が注目されることはあっても、抑制能力のような非認知能力が注目されることはなかった。ただし、教育現場に身を置く人たちは、日常の生活場面における抑制能力の重要性を痛感しているはずである』、「教育現場に身を置く人たちは、日常の生活場面における抑制能力の重要性を痛感しているはずである」、なるほど。
・『欲求充足の先延ばしができる子どもの将来は?  前回の記事で紹介したように、ミシェルの追跡調査によれば、マシュマロ・テストで欲求充足を先延ばしできた子は、およそ10年後に、欲求不満を覚えるような状況において、他の人たちより強い自制心を示す青年になっていた。つまり、子どもの頃に、より大きな欲求充足のために目の前の欲求充足を先延ばしすることができた者は、10年経っても相変わらず誘惑に負けにくく、ストレスにさらされてもあまり取り乱すことがなく、また目標に向かって計画的に行動できることが確認されたのである。 さらには、そのような欲求充足の先延ばしができる者は、成人後の20代後半になっても、長期的目標の追求やその達成が得意で、そのため高い学歴を獲得し、衝動的に危険薬物に手を出すこともなく、食生活でも抑制できるため肥満指数が低いことが確認されている。 その後も、多くの調査研究により、欲求充足を必要に応じてコントロールできる能力の重要性が確認されている。 たとえば、心理学者モフィットは、1000人の子どもたちを対象に、生まれたときから32年間にわたって追跡調査を行うことで、子ども時代の自己コントロール力が将来の健康や富や犯罪を予測することを確認している。 具体的には、我慢する力、衝動をコントロールする力、必要に応じて感情表現を抑制する力など、自己コントロール力が高いほど、大人になってから健康度が高く、収入が高く、犯罪を犯すことが少ないことがわかったのである。これは直接学力への影響に焦点づけたものではないが、アメリカは能力によって収入に大きな格差がつく社会なので、収入の高さなどは学力の高さを示唆するものとも考えられる』、「心理学者モフィットは、1000人の子どもたちを対象に、生まれたときから32年間にわたって追跡調査を行うことで、子ども時代の自己コントロール力が将来の健康や富や犯罪を予測することを確認している。 具体的には、我慢する力、衝動をコントロールする力、必要に応じて感情表現を抑制する力など、自己コントロール力が高いほど、大人になってから健康度が高く、収入が高く、犯罪を犯すことが少ないことがわかったのである」、「子ども時代の自己コントロール力」の高さが、「大人になってから健康度が高く、収入が高く、犯罪を犯すことが少ないことがわかった」、なるほど。
・『自己コントロール力の向上が学業成績につながっていく  非認知能力の中核をなすのは自己コントロール力である。必要に応じて自分の心の状態を適切にコントロールすることは、勉強や仕事に取り組む際にも、人間関係上でも、必要不可欠と言ってよい。 子ども時代の自己コントロール力に関する多くの先行研究の結果を検討したロブソンたちは、子どもの頃の自己コントロール力によって、その後の学業成績や人間関係の良好さ、問題行動や抑うつなどの病的傾向、失業などを予測できることを確認している。中学生を対象とした追跡調査でも、自己コントロール力の向上がその後の学業成績につながっていくことが確認されている。 このように学業も含めて将来社会的にうまくやっていけるかどうかと関係しているとみなされる自己コントロール力だが、これを測定する心理尺度がタングニイたちによって開発されており、その短縮版の日本語訳も心理学者の野崎優樹たちによって作成されている。以下にその自己コントロール尺度短縮版の日本語訳を示すので、自己コントロール力とは具体的にどんな能力なのかをイメージしてほしい。 わかりやすいように、まず前半に自己コントロール力の高い人があてはまる項目を並べ、後半に自己コントロール力の低い人があてはまる項目を並べてみる。 自己コントロール力の高い人があてはまる項目 ・自分にとってよくない誘いは、断る ・誘惑に負けない ・自分に厳しい人だと言われる ・先のことを考えて、計画的に行動する  自己コントロール力の低い人があてはまる項目 ・悪いクセをやめられない ・だらけてしまう ・場にそぐわないことを言ってしまう ・自分にとってよくないことでも、楽しければやってしまう ・もっと自制心があればよいのにと思う ・集中力がない ・よくないことと知りつつ、やめられない時がある ・他にどういう方法があるか、よく考えずに行動してしまう ・趣味や娯楽のせいで、やるべきことがそっちのけになることがある  前半の項目の多くが自分にあてはまり、後半の項目の多くが自分にあてはまらないという人は、自己コントロール力の高い人ということになる。反対に、前半の項目の多くが自分にあてはまらず、後半の項目の多くが自分にあてはまるという人は、自己コントロール力の低い人ということになる。  自分に厳しく、だらけることがなく、自制心があり、誘惑に負けず、集中力があり、やるべきことをさぼることなく、先のことを考えて計画的に行動することができれば、必要な勉強はしっかりこなし、ここぞというときに頑張ることができるため、学力を高め、その結果として良い成績を取れるのは目に見えている。 反対に、自分に甘く、すぐにだらけてしまい、自制心が乏しく、つい誘惑に負けてしまい、集中力がなく、やるべきこともついさぼってしまい、計画してもなかなかその通りにできない場合は、必要な勉強も疎かになりがちで、学力を高めることができず、良い成績を取ることは期待できない。 こうしてみると、勉強ができるようになるには、自己コントロール力を高めることがいかに大切かがわかるだろう』、「前半の項目の多くが自分にあてはまり、後半の項目の多くが自分にあてはまらないという人は、自己コントロール力の高い人ということになる。反対に、前半の項目の多くが自分にあてはまらず、後半の項目の多くが自分にあてはまるという人は、自己コントロール力の低い人ということになる・・・自分に厳しく、だらけることがなく、自制心があり、誘惑に負けず、集中力があり、やるべきことをさぼることなく、先のことを考えて計画的に行動することができれば、必要な勉強はしっかりこなし、ここぞというときに頑張ることができるため、学力を高め、その結果として良い成績を取れるのは目に見えている。 反対に、自分に甘く、すぐにだらけてしまい、自制心が乏しく、つい誘惑に負けてしまい、集中力がなく、やるべきこともついさぼってしまい、計画してもなかなかその通りにできない場合は、必要な勉強も疎かになりがちで、学力を高めることができず、良い成績を取ることは期待できない。 こうしてみると、勉強ができるようになるには、自己コントロール力を高めることがいかに大切かがわかるだろう」、なるほど。
・『自己コントロール力の発達には幼児期が重要  自己コントロール力が高くないと社会適応に困難をきたすことは容易に想像できる。たとえば、自分の感情をうまくコントロールできなければ、人間関係が安定せず、信頼関係も築きにくいし、トラブルが絶えないといったことにもなりがちだ。また、自分の気持ちをうまくコントロールできなければ、勉強に限らずスポーツでも芸術でも、目標に向けて忍耐強く努力を続けることができず、すぐに誘惑に負けてさぼったり、思い通りにならないとすぐに落ち込んでやる気をなくしたりといったことにもなりがちである。 ここから言えるのは、子どもの頃、とくに幼児期において、自己コントロール力の発達を促進するような働きかけをすることが非常に大切だということである。親など周囲の人たちからそのような働きかけをしてもらえないと、自己コントロール力が未熟なままということもあり得る。目の前の子どもが喜ぶ笑顔を見たいなどといって将来のことを考えずに甘やかす親だと、そのようなことが起こりがちだ。その場合は、自分自身で自己コントロール力を意識して鍛える必要があるだろう。 主に成人を対象とした調査研究により、自己コントロール力は年齢の上昇に伴って高くなっていくことが示されている。これは自己コントロール力が成人後も発達していくことを示唆するものであり、幼児期・児童期にうまく発達していなくても、中高生や大学生になってからでも十分鍛えることができることを意味する』、「子どもの頃、とくに幼児期において、自己コントロール力の発達を促進するような働きかけをすることが非常に大切だということである。親など周囲の人たちからそのような働きかけをしてもらえないと、自己コントロール力が未熟なままということもあり得る。目の前の子どもが喜ぶ笑顔を見たいなどといって将来のことを考えずに甘やかす親だと、そのようなことが起こりがちだ・・・自己コントロール力が成人後も発達していくことを示唆するものであり、幼児期・児童期にうまく発達していなくても、中高生や大学生になってからでも十分鍛えることができることを意味する」、なるほど。
・『モチベーションを高く維持できるかどうかで成果が変わる  学校での学習活動にやる気をもって取り組めるかどうかには、非認知能力が大いに関係しているが、とくに重要となるのが、モチベーションを高める能力である。勉強に限らずスポーツや音楽などの趣味的な活動でも、モチベーションを高めて取り組むことが大切であることは、だれもが頭ではわかっているはずだ。 それはわかっていても、なかなかモチベーションが高まらないこともあるだろう。結局のところ、モチベーションというのは気持ちの問題である。いくら頭でわかっていても気持ちがついていかなければモチベーションは高まらない。このようにモチベーションには理屈よりも気持ちの面が大きいことを考えると、気持ちのコントロールがいかに重要かがわかるだろう。 もちろん日頃からモチベーションを高く維持しながら勉強に取り組むことができるかどうかによっても、学力は大きく左右される。だらだらするよりもやる気をもって取り組む方が有効な学習になるのは当然である。 でも、非認知能力の一つである自分の気持ちをコントロールする力が、いきなり身につくわけではない。そこで問われるのがメタ認知能力である。ここの文脈で言えば、モチベーションを高める方法を知っているかどうかである。自分の心の中にやる気を燃やすコツを心得ているかどうかということである。メタ認知能力については次回で詳しくみていく』、「モチベーションには理屈よりも気持ちの面が大きいことを考えると、気持ちのコントロールがいかに重要かがわかるだろう。 もちろん日頃からモチベーションを高く維持しながら勉強に取り組むことができるかどうかによっても、学力は大きく左右される。だらだらするよりもやる気をもって取り組む方が有効な学習になるのは当然である・・・自分の心の中にやる気を燃やすコツを心得ているかどうかということである」、なるほど。

次に、4月2日付け東洋経済オンラインが掲載した解剖学者の養老 孟司氏と ヤマップCEOの 春山 慶彦氏の対談「養老孟司×ヤマップ春山対談「こどもを野に放て」 思い通りにならない自然と折り合いをつける力」を紹介しよう。
・『都市化が進み、生活空間が人工物で囲まれ、自然と直に接することが極端に少なくなっている昨今、その弊害も多く語られています。 そこで、「知性を育むには、まず自然の中で感覚を磨くことが重要」と主張する解剖学者の養老孟司さんと、登山人口の半数以上が使用すると言われる登山地図アプリを起点に、アウトドアビジネスを急拡大させているベンチャー企業・ヤマップCEO、春山慶彦さんが対談。 ChatGPTに代表される生成AIの時代に、今こどもたちにとって本当に必要なことは何かお話しいただきました(本記事は『こどもを野に放て!AI時代に活きる知性の育て方』から一部抜粋・再構成したものです)』、興味深そうだ。
・『自然の中に身を置くだけで、こどもたちは十分学んでいる  春山現代の日本の教育において、自然体験はそれほど重要視されていない、どちらかというと脇に置かれてしまっているような気がしています。 特に最近では、英語やプログラミングなど、早い段階から知識を詰め込む傾向がより強くなっているのではないでしょうか。 養老明治時代に日本が学校教育をはじめたときは、野育ちのこどもたちを集めて、「おとなしく、じっと座っていなさい」という教育でした。 ところが今の子は、テレビやパソコンのモニターを見て、おとなしくじっと座っている方が多いわけでしょう。そうすると、学校で先生の話を聞いているだけで受け身になりがちです。 そういう明治以来のおとなしく座らせる教育で、どこまで学習というものが成り立つのか、疑問です。 結局、こどもを集めて静かにさせておくのが楽だからということだと思いますが、元来、こどもはじっと静かにしていられない。だから、それを無理やりやらせているという意味では、ほとんど「虐待」ではないかと思います。 極端なことを言うようですが、学校はいわゆる「遊ぶ」ところにしてしまって、学業は家でやるということにしてしまった方がいいくらいではないですか』、「明治以来のおとなしく座らせる教育で、どこまで学習というものが成り立つのか、疑問です。 結局、こどもを集めて静かにさせておくのが楽だからということだと思いますが、元来、こどもはじっと静かにしていられない。だから、それを無理やりやらせているという意味では、ほとんど「虐待」ではないかと思います」、なるほど。
・『春山そうですね。そろそろ、学校や教育の役割を時代に合わせて変えていく時期に来ているのではないかと思います。 たとえば、学校をもっと自然の中に開いていく。 こどもたちを学校という人工的な箱の中にずっと閉じ込めておくのではなく、教室を出て、自然の中に連れて行くようになればいいですね。 養老学ぶというと、意識的に何かを取り入れるというふうに思ってしまいますが、そうではなくて、自然の中で身体を動かすことで無意識に教育を受けているわけです。 以前、岡山県の新見というところにある小学校に行って、こどもたちと遊んできたことがあります。一応口実がないといけないので、虫捕りを教えるみたいなふりをしてね。 雨が降ってしまったので、結局、虫は捕りませんでしたが、実際は単に遊びに行くだけなんです。こどもたちは、ほっとけば遊んでますから。 春山先生は、小学校に出向いてこどもたちに虫の話をするということを、よくやっていらっしゃるんですか。 養老機会があればね。それは別に虫の話をするのではなくて、できるだけ外で遊ばせてやろうと。言ってみれば、学校の邪魔をしているんです(笑)。 「遊び」と言うけれども、やはり人間も他の動物と同じ生きもので、本来はそういう自然環境の中で生きてきたわけですから、そこへ戻る、そこで必要なものをまず学んでくるということですね。 僕なんかへそ曲がりみたいにこどものときからずっと虫をやっていますから、虫の目で世界を見て、おかげさまでいろんなことが考えられるわけです。 春山そういう自然体験を通して、自分のいのちが地球とつながっているということを身体で理解できれば、風土への思いや自然環境への感性が自ずと育っていくと思います』、「やはり人間も他の動物と同じ生きもので、本来はそういう自然環境の中で生きてきたわけですから、そこへ戻る、そこで必要なものをまず学んでくるということですね。 僕なんかへそ曲がりみたいにこどものときからずっと虫をやっていますから、虫の目で世界を見て、おかげさまでいろんなことが考えられるわけです」、なるほど。
・『まず身体性を磨くことが大事  養老僕の知り合いに﨑野隆一郎さんという人がいて、夏休みになるとこどもたちを何もない森の中に連れて行って30泊31日過ごさせるというプログラムを、もう30年くらいやっています。 僕も時々、このキャンプに顔を出して、一緒に虫捕りをしていますが、参加する子たちは、まずはスマホを没収されて、山のサバイバル生活に放り込まれます。) 朝は日の出とともに起きて、100段の階段を登ったところにある水場で水を汲くみ、一から火を起こして食事をつくります。うまく火を起こせなければ、自分たちが食べるものはありません。 とにかく自分で身体を動かさないと生きていけないというスパルタなキャンプで、大人が手取り足取り教えるようなこともしない。 一食ぐらい食べられなくても、大したことはないのですが、こどもたちはそうなったら大変だと、目の色を変えて、本気で取り組みます。﨑野さんは「一日やったら、こどもたちは慣れますよ」と言ってましたけどね。 このキャンプで彼らが何を学ぶかというと、一番は身体性ですね。 自然に親しむも何も、人間にとって、自分の身体は最も身近な自然です。自然というものは思うようにはならないということを、こうしたキャンプを通してあたりまえのように親しんでしまうわけですね。 春山そのキャンプで過ごす前と後とで、こどもたちはどう変わっていくのでしょうか。 養老﨑野さんは、このプログラムを全国展開したいということで、説得材料としてキャンプに参加しているこどもたちの血液検査をしたりホルモンを測定したりしています。 今はそういうふうにデータを出さないとなかなか理解してもらえないのかもしれませんが、そもそもこどもをそうやって野山の中で自由に遊ばせていれば元気になるに決まっています。 それなのにエビデンスが必要だと言う人を説得するなんて、僕自身はやりたくないですね。「自分でやってみればわかりますよ」と。それで終わりです。 春山確かにそうですね。データがなくても、自分で実際にやってみれば身体を使う気持ちよさや、自然の中で過ごす意義も実感としてわかるはずです』、「養老僕の知り合いに﨑野隆一郎さんという人がいて、夏休みになるとこどもたちを何もない森の中に連れて行って30泊31日過ごさせるというプログラムを、もう30年くらいやっています。 僕も時々、このキャンプに顔を出して、一緒に虫捕りをしていますが、参加する子たちは、まずはスマホを没収されて、山のサバイバル生活に放り込まれます。) 朝は日の出とともに起きて、100段の階段を登ったところにある水場で水を汲くみ、一から火を起こして食事をつくります。うまく火を起こせなければ、自分たちが食べるものはありません。 とにかく自分で身体を動かさないと生きていけないというスパルタなキャンプで、大人が手取り足取り教えるようなこともしない・・・今はそういうふうにデータを出さないとなかなか理解してもらえないのかもしれませんが、そもそもこどもをそうやって野山の中で自由に遊ばせていれば元気になるに決まっています。 それなのにエビデンスが必要だと言う人を説得するなんて、僕自身はやりたくないですね。「自分でやってみればわかりますよ」と。それで終わりです」、なるほど。
・『わからないままにしておく力を身につける  養老身体や脳のいろいろなデータを測って、それを基に教育政策を考えるのは、ちょっと危険な気がしますね。 現代の医療もそのような傾向が強くなっています。医者は目の前にいる患者の身体より、検査で出てきた数字だけを見て、その数値を正常値に戻すことが仕事になってしまっている。 でも、そんなことをしなくても、当人が元気で動いていればいいんですよ。) 春山つまり、部分部分でしか物事を見なくなっているということでしょうか。 養老そうです。検査の数値結果から、薬を飲む、手術をする、あるいは生活習慣を改善する、などと決められていく。これから医療分野でAIの活用が進めば、ますますその傾向は進むでしょうね。データをすべて否定するということではありませんが、それだけを判断材料にするのはどうかと思います。 そう言えば、おもしろい統計があって、しょっちゅう医者にかかるグループとかからないグループで分けると、医者にかかっているグループの方が死亡率が高いのです。 もちろん、必要に応じて病院を受診することは大切です。でも、心配だからと言って何でもかんでも医者に診てもらうのは、やり過ぎです。僕はできるだけ、そういう余計なことをしないようにしています。 これは医療の話だけではなくて、教育でも、成績をデジタル管理して、個人の能力を数値化しようとしていますね。でも、自然体験で身につく力は、数値で測ることなどできません。 春山同感です』、「しょっちゅう医者にかかるグループとかからないグループで分けると、医者にかかっているグループの方が死亡率が高いのです・・・必要に応じて病院を受診することは大切です。でも、心配だからと言って何でもかんでも医者に診てもらうのは、やり過ぎです。僕はできるだけ、そういう余計なことをしないようにしています」、なるほど。
・『偏差値教育はやめた方がいい  養老やはり、偏差値教育をやめないといけないと思いますね。また虫捕りの話になりますが、虫捕りをやれば、努力、根性、辛抱は、必ず身につきますよ。 一匹も捕れなくても、「今日はダメでも明日こそは」と、待つのがあたりまえですから。そうやってようやく捕まえたときのよろこびを、今のこどもたちにも味わってほしいですね。 虫捕りは遊びですが、農作業などで日常的に自然とつきあう必要があった昔の人は、辛抱や努力する性質を持っていたはずで、身体を使って暮らしを営むというのが、本来の姿だったろうと思います。 天気一つとっても、人間はコントロールすることができません。 思い通りにならない自然となんとか折り合いをつけるためには、地道な努力や、予測できないことを受け入れ、わからないことは「まあ、こんなものだろう」と空白のままにしておかなければならないのです。 春山そうですね。自然と触れ合うことで、こどもたちに自分の身体で実感してほしいですね。 (養老孟司氏の略歴はリンク先参照)、(春山慶彦氏の略歴はリンク先参照)』、「虫捕りをやれば、努力、根性、辛抱は、必ず身につきますよ・・・天気一つとっても、人間はコントロールすることができません。 思い通りにならない自然となんとか折り合いをつけるためには、地道な努力や、予測できないことを受け入れ、わからないことは「まあ、こんなものだろう」と空白のままにしておかなければならないのです」、その通りだ。

第三に、7月15日付け東洋経済オンラインが掲載したコラムニスト・人間関係コンサルタント・テレビ解説者の木村 隆志氏による「「はじめてのおつかい」"虐待"批判が吹き飛ぶ凄み 令和になっても"国民的番組"であり続ける背景」を紹介しよう。
・『7月15日の19時から、3時間特番「はじめてのおつかい 笑って泣いて夏の大冒険SP 2024」(日本テレビ系)が放送されます。 同番組は初めて1人だけのおつかい挑む子どもたちに密着した、ほっこり系のドキュメントバラエティ。スタートした1991年から今年で33年目を数え、ほぼ年2回ペースで放送。2年前にはNetflixでの世界配信がはじまり、反響の大きさが報じられたほか、この企画をビジネスにした会社もあるなど、誰もが知るコンテンツとして定着した感があります。 「はじめてのおつかい」は、子どもが1人おつかいをするだけの極めてシンプルな内容ながら、なぜ長年にわたって支持を得られているのでしょうか。主に制作サイドの事情と社会の背景から、強みとリスクを分析。さらに、日本人の変化や令和の現実、視聴者への意外な影響などを掘り下げていきます』、「スタートした1991年から今年で33年目」、そんな長寿番組だとは初めて知った。
・『親子ともに「はじめて」の緊張感  まず子どもが1人でおつかいをするだけの極めてシンプルな内容ながら、なぜ長年にわたって支持を得られているのか。 はじめてのおつかいに挑む子どもたちの年齢は2~6歳程度。「まだ文字が読めない」「会話での意思疎通も十分ではない」という子どもがほとんどであり、メモが使えないなどのルールも含めてハードルが高く、本人たちにとっては「はじめて」であるとともに「人生最大のチャレンジ」になることがハラハラドキドキのベースになっています。) 一方、それを見守る親にとっても、子どもを1人で送り出すのは「はじめて」であり、「子育てにおける最大のチャレンジ」と言っていいでしょう。実際、番組では子どもを送り出したあとに心配でそわそわし、帰ってきたら涙をこぼして抱きしめる親の姿がはっきりと映されています。 また、そんな不安や安堵がにじむ親の姿を見て感動し、自分の子どもと重ね合わせる視聴者が少なくありません。もともと同番組には「子どもの成長や自立を見守る」「親子や育児のあり方を考える」という社会的な大義名分もあるため、視聴者とスポンサーの評判が極めていいという状態が続いています。 支持を得ている背景として見逃せないのは、制作サイドの配慮と努力。シンプルな内容だからこそ構成・演出でのごまかしが利かず、さまざまな配慮と努力を重ねることで番組が成立しているのです。 最初の配慮と努力は、「一定のあやうさを感じさせながらもおつかいが成立しそうな子どもを見つける」こと。あまり「やりたくない」という子どもにやらせてはいけないし、それは多くの子に会ってみないとわからないでしょう。親は「ウチの子をぜひ」とやらせたがるだけにスタッフサイドの見極めが求められますし、だから同番組は出演家族を大々的に募集していません。 次の配慮と努力は、「大人がメインの番組以上に安全面で最大限の注意を徹底しなければいけない」こと。事故は万が一にもあってはいけないため、ルートの選定から、地元住民への説明と理解、当日の警備などで万全を期し、予測不可能な子どもの動きに対応できる体制を整えています』、特に「事故」防止の苦労は並大抵ではないだろう。
・『長寿番組につながった制作スタンス  安全面に気をつけたうえで重要なのは、「絶対にバレないように撮影しなければいけない」こと。子どもたちはいつ出発するかすらわからず、泣き出して中断することも多いだけに、制作サイドには集中力と忍耐が求められますし、変装、撮り方、トラブル時の声かけなど、1つひとつの行動に細心の注意が払われています。 さらに制作サイドの努力を裏付けるのは、「それだけ苦労して撮っても、番組内で放送できるのは10~20%程度にとどまる」こと。おつかいが成立したケースでも、ゴールデンタイムのバラエティとして見てもらえるドラマ性や感動がなければ放送は見送らざるを得ません。 また、放送できなかった家族へのアフターフォローを欠かさないところも出演者に寄り添った配慮の1つでしょう。 それ以外でも制作サイドは、安全に配慮したロケであることを感じさせるために「スタッフの姿をあえて映り込ませる」などのさまざまな工夫を施していますが、それでも「あぶない」「かわいそう」などの批判があがってしまうのがキッズドキュメントの難しいところ。) シンプルな内容のため簡単にマネできそうに見えて、実はどんな番組よりもそれが難しく、続けていくのはさらに難しい。他局のスタッフがマネしようと思ってもできないのです。 特筆すべきは、「これだけ配慮と努力が求められる番組を長年放送し続けている」こと。もし制作サイドが視聴率獲得を優先していたら、短期的にはより好結果が得られたかもしれない一方で、33年もの長期にわたって継続できなかったのではないでしょうか。 これまで制作サイドは「ある時期の一度しか見られない家族の物語を記録する」という謙虚かつ誠実な撮影・編集のスタンスを変えていません。 テレビ番組のスタッフは「より収益を得る(視聴率を上げる)ために、より長く続けていくために、ここを変えよう」としがちですが、当番組からはいい意味でそんなスタンスを感じないのです。 営業的な色気を出さず、純国産のキッズドキュメントを撮り続けるプロフェッショナルな仕事が長寿番組につながっているのでしょう』、「番組のスタッフは「より収益を得る(視聴率を上げる)ために、より長く続けていくために、ここを変えよう」としがちですが、当番組からはいい意味でそんなスタンスを感じないのです。 営業的な色気を出さず、純国産のキッズドキュメントを撮り続けるプロフェッショナルな仕事が長寿番組につながっているのでしょう」、その通りだ。
・『おつかいの減少と防犯意識の高まり  ただ、「はじめてのおつかい」は、制作サイドの配慮と努力によってすべてが順風満帆かといえば、そうとは言いづらいところがあります。 かつて日本人にとっておつかいは日常の一つであり、子どもに頼む親が少なくありませんでした。しかし、厚生労働省の調査で「子どものお手伝いは、部屋や風呂などの掃除、洗濯物を干す・たたむなどが多く、おつかいは減っている」という結果が発表されたことがあるように(「21世紀出生児縦断調査」2022年)、親子の行動や意識が大きく変わっています。 真っ先にあげられるのは、買い物に対する行動や意識の変化。キャッシュレス化、ネットショッピングでの自宅配送、大型スーパーでのまとめ買いなどが浸透し、以前よりも近所での買い物自体が減りました。 たとえば、何か足りなくなったものがあってもネットで買えば翌日には届くなど、「子どもにおつかいを頼む」という必然性が薄れています。また、地元住民を対象にした人情豊かな商店街が減っていることも、おつかいが減った一因でしょう。) もう1つ、おつかいが減った理由としてあげられるのは、防犯意識の高まり。子どもに防犯ベルを持たせることが普通になったように、もはや親に「かわいい子には旅をさせよ」という意識ではなく、事故や犯罪に巻き込まれない安全第一の姿勢が浸透しています。 不審者の存在に加えて、子どもを見守る大人の目が減ったこと。歩きスマホやヘッドホン着用、電動キックボードやモペットなどの危険も加わり、「幼い子どもを1人で出かけさせることに抵抗がある」という親が多くを占めるようになりました。 とりわけ都会になるほど防犯意識が高く、「はじめてのおつかい」の撮影も難しくなります。たとえば商店街で撮影しようとしても、「許可が下りない」「苦情が入る」「盗撮されやすい」などの困難があり、理解と協力を得るのは簡単ではありません。 実際、今回の放送で予定されているエピソードは、茨城県結城市、兵庫県宍粟市、宮城県仙台市、山梨県富士吉田市、沖縄県石垣島、愛媛県伊予市、静岡県袋井市、愛媛県愛南町と地方ばかりで、そのほとんどがのどかな田舎町。都心で生きる人々にとって「はじめてのおつかい」は、「遠い世界の話」「一昔前の家族」と別世界のように醒めた目線で見ている人もいるようです』、「不審者の存在に加えて、子どもを見守る大人の目が減ったこと。歩きスマホやヘッドホン着用、電動キックボードやモペットなどの危険も加わり、「幼い子どもを1人で出かけさせることに抵抗がある」という親が多くを占めるようになりました。 とりわけ都会になるほど防犯意識が高く、「はじめてのおつかい」の撮影も難しくなります。たとえば商店街で撮影しようとしても、「許可が下りない」「苦情が入る」「盗撮されやすい」などの困難があり、理解と協力を得るのは簡単ではありません・・・そのほとんどがのどかな田舎町。都心で生きる人々にとって「はじめてのおつかい」は、「遠い世界の話」「一昔前の家族」と別世界のように醒めた目線で見ている人もいるようです」、時代の変遷ばかりはどうしようもない。
・『Netflixでの海外配信の反応と本音  しかし、地方でのロケだからこそ「はじめてのおつかい」の牧歌的な世界観が保たれるとともに、ノスタルジーや旅情を感じさせ、さらに地域のプロモーションにも貢献できるなどのメリットも少なくありません。Netflixで海外配信されれば外国人に向けたPRにもなるため、子どもがおつかいで買うものも地元の名産品が選ばれるケースが目立っています。 では、その海外配信による反応はどうなのか。 当初は感動や畏敬と同時に、懸念や批判の声も多く、まさに賛否両論というムードがありました。子どもを1人きりにさせるだけで児童虐待にあたる国や地域の人びとにとっては、「信じられない」「絶対にダメ」なこととして認められないのも無理はないでしょう。 ただ、それが国際的に問題視されているという深刻な状態ではありませんでした。当初から日本人の価値観や習慣を理解しようとしない一部の声を切り抜くような記事で騒がれていただけ。 「日本ではおつかいが子どもの成長の証しという価値観」を理解はできないけど否定はせず、治安のいい日本への軽い嫉妬に近いニュアンスが感じられました。) 海外配信スタートから現在までの2年あまり、「虐待だ」などの強烈な批判や問題提起は見られないことから、日本の価値観や習慣が世界の人びとにジワジワと伝わっているのかもしれません。 昨年10月、自民党埼玉県議団が県議会定例会に「小学3年生以下の子どもだけでの留守番や外出を“置き去り”として禁じる」などの埼玉県虐待禁止条例改正案を提出したことが物議を醸しました。 これは子どもの死亡事故が続いたことを受けた提案でしたが、おつかいに行かせることも、子どもだけで公園で遊ばせることも「置き去り」に該当するという内容に、全国から批判の声が殺到。特に共働きや1人親の家庭には難しい内容であり、条例案は撤回されました。 これは「防犯意識は高まっているが、海外の国々と同じレベルまで警戒する必要性はなく、日々の生活を優先させるべき」という考え方の人がまだまだ多いということでしょう』、「海外配信スタートから現在までの2年あまり、「虐待だ」などの強烈な批判や問題提起は見られないことから、日本の価値観や習慣が世界の人びとにジワジワと伝わっているのかもしれません」、なるほど。
・『「親子視聴が難しい」意外な理由  最後に「はじめてのおつかい」を見る視聴者へのちょっと意外な影響をいくつかあげておきましょう。 同番組は子育て中の父母がメインターゲットとなる内容であり、孫に重ね合わせて見られる祖父母世代からも人気を得ています。 しかしその一方で、小学生以上の子どもたちにとっては興味関心を持ちにくいコンテンツ。彼らはまだ親の気持ちは理解できないだけに、「自分が簡単にできることをしているだけの番組」という位置付けで見られがちです。 そのため民放各局が最も目指す親子での視聴が望めるのは、おつかい当事者と同世代の子どもがいる家庭。ただ、親にとっては一緒に見ることで「もし子どもから『僕もやりたい』『私も出たい』と言われて困ってしまう」という事態も想定されます。 実際、筆者の子どもと同じ保育園に通う6人の3~5歳児が今年1月放送の番組を見て、「やってみたい」と言っていました。親たちは「みんなが出られるわけじゃないから」「もうちょっと大きくなってから」などとかわすようになだめていましたが、今回の放送を見たらその気持ちが再燃するかもしれません。 その意味で実は「子どもと一緒に見るのは避けたい」という親も少なくないのでしょう。 また、前述したように地方でのロケが行われ、都会ではあまり見られない静かな街並みや地元住民の温もりが強調されていることもあって、地方での子育てに憧れを抱くような親の声もちらほら見かけます。) ちなみに筆者の周囲には「小学校に入学する前に郊外への転居を決めた」という園児の親が何人かいました。本当に移住するかはさておき、その感覚は外国人が治安のいい日本をうらやましがることと似ているようにも見えます』、「筆者の周囲には「小学校に入学する前に郊外への転居を決めた」という園児の親が何人かいました。本当に移住するかはさておき、その感覚は外国人が治安のいい日本をうらやましがることと似ているようにも見えます」、なるほど。
・『おつかいのメリットは今なお健在  もともとドキュメントバラエティは出演者による制作サイドへの批判や告発などのリスクがつきものですが、「はじめてのおつかい」にはそれがほぼありません。それは子どもたちのかわいらしい奮闘に加えて、制作サイドの配慮と努力が出演者と視聴者の両方に伝わっているからではないでしょうか。 また、ドキュメントバラエティには付き物の「出演者に対する誹謗中傷が少ない」ことも制作サイドの手柄と言っていいかもしれません。 前述したように「以前よりも減った」とはいえ、おつかいそのものの価値が下がったわけではないでしょう。「はじめてのおつかい」で得られるメリットは今なおさまざまなものがあります。 主なものをあげていくと、「物の値段や価値を知る」「手持ちのお金で買えるものを選ぶ」などの買い物体験ができること。「勇気を出して挑戦する感覚、誰かのために頑張る責任感、充実感や成功体験」などを得られること。さらに面識のない人々とのコミュニケーションを取る貴重な経験にもなります。 「子どものおつかい」という日本人ならではの習慣を見られる貴重な機会だけに、今後はますます同番組の希少価値が高まっていくのではないでしょうか。日本テレビにとっても、「新たに子どもが生まれたほとんどの親が自動的にメインターゲットとなっていく」という貴重なコンテンツだけに放送を続けていきたいところでしょう。 ここまであげてきたように長年支持を得てきた「はじめてのおつかい」には、時代や日本人の感覚が変わっても批判の声があがりづらいさまざまな背景がありました。 もし子どもが主役の新たなドキュメントバラエティが企画され、同レベルの配慮と努力をしても、「はじめてのおつかい」のように称賛を得られるかはわかりません。特に子どもの安全にかかわる配慮や努力が感じられなければ、疑いの目が向けられ、苦戦を余儀なくされるでしょう。 つまり、それだけ「はじめてのおつかい」のノウハウや経験値は特別なものがあるのです』、「「はじめてのおつかい」のノウハウや経験値は特別なものがあるのです」、同感である。 
タグ:子育て (その7)(「待てたらお菓子をもう1個」で我慢できずに食べてしまった保育園児の末路、養老孟司×ヤマップ春山対談「こどもを野に放て」 思い通りにならない自然と折り合いをつける力、「はじめてのおつかい」"虐待"批判が吹き飛ぶ凄み 令和になっても"国民的番組"であり続ける背景) ダイヤモンド・オンライン 榎本博明氏による「「待てたらお菓子をもう1個」で我慢できずに食べてしまった保育園児の末路」 「教育現場に身を置く人たちは、日常の生活場面における抑制能力の重要性を痛感しているはずである」、なるほど。 「子ども時代の自己コントロール力」の高さが、「大人になってから健康度が高く、収入が高く、犯罪を犯すことが少ないことがわかった」、なるほど。 「前半の項目の多くが自分にあてはまり、後半の項目の多くが自分にあてはまらないという人は、自己コントロール力の高い人ということになる。反対に、前半の項目の多くが自分にあてはまらず、後半の項目の多くが自分にあてはまるという人は、自己コントロール力の低い人ということになる・・・ 自分に厳しく、だらけることがなく、自制心があり、誘惑に負けず、集中力があり、やるべきことをさぼることなく、先のことを考えて計画的に行動することができれば、必要な勉強はしっかりこなし、ここぞというときに頑張ることができるため、学力を高め、その結果として良い成績を取れるのは目に見えている。 反対に、自分に甘く、すぐにだらけてしまい、自制心が乏しく、つい誘惑に負けてしまい、集中力がなく、やるべきこともついさぼってしまい、計画してもなかなかその通りにできない場合は、必要な勉強も疎かになりがちで、学力を高めることが できず、良い成績を取ることは期待できない。 こうしてみると、勉強ができるようになるには、自己コントロール力を高めることがいかに大切かがわかるだろう」、なるほど。 「子どもの頃、とくに幼児期において、自己コントロール力の発達を促進するような働きかけをすることが非常に大切だということである。親など周囲の人たちからそのような働きかけをしてもらえないと、自己コントロール力が未熟なままということもあり得る。目の前の子どもが喜ぶ笑顔を見たいなどといって将来のことを考えずに甘やかす親だと、そのようなことが起こりがちだ・・・ 自己コントロール力が成人後も発達していくことを示唆するものであり、幼児期・児童期にうまく発達していなくても、中高生や大学生になってからでも十分鍛えることができることを意味する」、なるほど。 「モチベーションには理屈よりも気持ちの面が大きいことを考えると、気持ちのコントロールがいかに重要かがわかるだろう。 もちろん日頃からモチベーションを高く維持しながら勉強に取り組むことができるかどうかによっても、学力は大きく左右される。だらだらするよりもやる気をもって取り組む方が有効な学習になるのは当然である・・・自分の心の中にやる気を燃やすコツを心得ているかどうかということである」、なるほど。 東洋経済オンライン 養老 孟司氏 春山 慶彦氏の対談「養老孟司×ヤマップ春山対談「こどもを野に放て」 思い通りにならない自然と折り合いをつける力」 「明治以来のおとなしく座らせる教育で、どこまで学習というものが成り立つのか、疑問です。 結局、こどもを集めて静かにさせておくのが楽だからということだと思いますが、元来、こどもはじっと静かにしていられない。だから、それを無理やりやらせているという意味では、ほとんど「虐待」ではないかと思います」、なるほど。 「やはり人間も他の動物と同じ生きもので、本来はそういう自然環境の中で生きてきたわけですから、そこへ戻る、そこで必要なものをまず学んでくるということですね。 僕なんかへそ曲がりみたいにこどものときからずっと虫をやっていますから、虫の目で世界を見て、おかげさまでいろんなことが考えられるわけです」、なるほど。 「養老僕の知り合いに﨑野隆一郎さんという人がいて、夏休みになるとこどもたちを何もない森の中に連れて行って30泊31日過ごさせるというプログラムを、もう30年くらいやっています。 僕も時々、このキャンプに顔を出して、一緒に虫捕りをしていますが、参加する子たちは、まずはスマホを没収されて、山のサバイバル生活に放り込まれます。) 朝は日の出とともに起きて、100段の階段を登ったところにある水場で水を汲くみ、一から火を起こして食事をつくります。うまく火を起こせなければ、自分たちが食べるものはありません。 とにかく自分で身体を動かさないと生きていけないというスパルタなキャンプで、大人が手取り足取り教えるようなこともしない・・・今はそういうふうにデータを出さないとなかなか理解してもらえないのかもしれませんが、そもそもこどもをそうやって野山の中で自由に遊ばせていれば元気になるに決まっています。 それなのにエビデンスが必要だと言う人を説得するなんて、僕自身はやりたくないですね。「自分でやってみればわかりますよ」と。それで終わりです」、なるほど。 「しょっちゅう医者にかかるグループとかからないグループで分けると、医者にかかっているグループの方が死亡率が高いのです・・・必要に応じて病院を受診することは大切です。でも、心配だからと言って何でもかんでも医者に診てもらうのは、やり過ぎです。僕はできるだけ、そういう余計なことをしないようにしています」、なるほど。 、「虫捕りをやれば、努力、根性、辛抱は、必ず身につきますよ・・・天気一つとっても、人間はコントロールすることができません。 思い通りにならない自然となんとか折り合いをつけるためには、地道な努力や、予測できないことを受け入れ、わからないことは「まあ、こんなものだろう」と空白のままにしておかなければならないのです」、その通りだ。 木村 隆志氏による「「はじめてのおつかい」"虐待"批判が吹き飛ぶ凄み 令和になっても"国民的番組"であり続ける背景」 「スタートした1991年から今年で33年目」、そんな長寿番組だとは初めて知った。 特に「事故」防止の苦労は並大抵ではないだろう。 「番組のスタッフは「より収益を得る(視聴率を上げる)ために、より長く続けていくために、ここを変えよう」としがちですが、当番組からはいい意味でそんなスタンスを感じないのです。 営業的な色気を出さず、純国産のキッズドキュメントを撮り続けるプロフェッショナルな仕事が長寿番組につながっているのでしょう」、その通りだ。 「不審者の存在に加えて、子どもを見守る大人の目が減ったこと。歩きスマホやヘッドホン着用、電動キックボードやモペットなどの危険も加わり、「幼い子どもを1人で出かけさせることに抵抗がある」という親が多くを占めるようになりました。 とりわけ都会になるほど防犯意識が高く、「はじめてのおつかい」の撮影も難しくなります。たとえば商店街で撮影しようとしても、「許可が下りない」「苦情が入る」「盗撮されやすい」などの困難があり、理解と協力を得るのは簡単ではありません・・・ そのほとんどがのどかな田舎町。都心で生きる人々にとって「はじめてのおつかい」は、「遠い世界の話」「一昔前の家族」と別世界のように醒めた目線で見ている人もいるようです」、時代の変遷ばかりはどうしようもない。 「海外配信スタートから現在までの2年あまり、「虐待だ」などの強烈な批判や問題提起は見られないことから、日本の価値観や習慣が世界の人びとにジワジワと伝わっているのかもしれません」、なるほど。 「「はじめてのおつかい」のノウハウや経験値は特別なものがあるのです」、同感である。
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住宅(その1)(冬が寒い先進国で「アルミサッシ」を使う国は日本だけ…国際基準以下の「寒い家」を許してきた住宅政策の大問題 寒い地域に住む外国人も「東京のほうが寒い」とつぶやく、さらば蛍光灯 照明の「2027年問題」 製造終了で迫られるLED化) [生活]

今日は、住宅(その1)(冬が寒い先進国で「アルミサッシ」を使う国は日本だけ…国際基準以下の「寒い家」を許してきた住宅政策の大問題 寒い地域に住む外国人も「東京のほうが寒い」とつぶやく、さらば蛍光灯 照明の「2027年問題」 製造終了で迫られるLED化)を取上げよう。

先ずは、本年1月29日付けPRESIDENT Onlineが掲載したノンフィクションライター・放送大学非常勤講師の高橋 真樹氏による「冬が寒い先進国で「アルミサッシ」を使う国は日本だけ…国際基準以下の「寒い家」を許してきた住宅政策の大問題 寒い地域に住む外国人も「東京のほうが寒い」とつぶやく」を紹介しよう。
https://president.jp/articles/-/78087
・『日本の住宅は先進各国と比べて断熱性能が極めて低い。ノンフィクションライターの高橋真樹さんは「たとえば冬が寒い先進国でアルミサッシが主流なのは日本だけ。日本の建築基準は断熱性能が低く、国際基準を大きく下回っている。こうした寒い家は、光熱費を高め、健康被害ももたらしている」という――。(第1回) ※本稿は、高橋真樹『「断熱」が日本を救う 健康、経済、省エネの切り札』(集英社新書)の一部を再編集したものです』、興味深そうだ。
・『住宅の断熱性能が悪いとなにが起きるのか  日本の住宅の断熱性能は、何が問題なのでしょうか。それによって、どのような損失が生まれているのでしょうか。本稿では、主に健康と経済を中心に考えます。まず、バケツに上から水が注がれている図をイメージしてください。バケツには穴がたくさん空いていて、下から水が漏れ出しています。バケツを水でいっぱいにするためには、A「もっと水を注ぐ」、B「穴をふさぐ」のどちらを選ぶのが良いでしょうか? 正解はもちろん、B「穴をふさぐ」です。子どもにもわかる問題ですが、残念ながら日本社会は、この問いに対してずっとA「もっと水を注ぐ」という解答を選び続けてきました。 このクイズは、住宅とエネルギーとの関係を示しています。日本の一般的な住宅は、穴だらけのバケツのようにダダ漏れの状態です。どんなにエネルギー(=水)を注ぎ込んでも、穴から漏れて快適にはなりません。合理的に考えれば、住宅の性能を上げる(=穴をふさぐ)必要があるのですが、エネルギーのほうにばかり関心が向けられてきました。 日本のエアコンのエネルギー効率(注ぐ水をつくるための技術)は、世界でもトップレベルです。しかし、建物の断熱性能(バケツの穴)はそのままなので、光熱費ばかりかかって快適にはなりません。日本の住宅では、必要な部屋だけを冷暖房することが一般的です。空調している部屋としていない部屋との温度差が大きく、健康被害が起きています。 さらに経済面でも、バケツの穴から大金が捨てられています。海外から数十兆円かけて輸入した化石燃料を燃やし、そこでつくられた貴重なエネルギーが、住宅の隙間から抜け出しているのです。住宅の断熱性能が悪いことで、私たちは健康、経済、エネルギーなどの各分野で、大きな損失を被ってきたことになります』、「住宅の断熱性能が悪いことで、私たちは健康、経済、エネルギーなどの各分野で、大きな損失を被ってきたことになります」、なるほど。
・『日本は「がまんの省エネ」の国  一般の住まい手も、バケツの穴(=低い断熱性能)をふさぐより、注ぐ水(=エネルギー)を減らすことを意識しがちです。省エネや節電のための行動について、数々のアンケートが行われています。 ほとんどの調査では、「こまめに家電のスイッチを切る」「薄着、厚着でしのぐ」「冷暖房の設定温度を控えめにする」といった回答が上位に挙がります。しかし、このような努力を伴う「がまんの省エネ」を続けるのは、簡単ではありません。しかも、努力の割に効果は限定的です。 一般の人たちの意識が「がまんの省エネ」に向かうのは、仕方のない面もあります。長年にわたって、行政が推奨してきたからです。全国の自治体では、省エネや脱炭素の取り組みとして、夏はノーネクタイやエアコン28℃設定が、冬はタートルネックやエアコン20℃設定が推奨されています。 環境省が冬の省エネ対策として推奨する「ウォームシェア」では、イメージキャラクターが「(家の暖房を止めて)旅行や温泉、銭湯に行くのだって、ウォームシェア」と呼びかけます。また、「みんなで鍋を食べて暖まろう」と、全国の鍋レシピが紹介されています。鍋料理で暖まるのは、一時的なものです。旅行に行けば、家庭で省エネした分など比較にならないほどお金とエネルギーがかかります。いずれも、毎日実践する省エネの方法としては、適切とは言えません。 こうした例は、日本が「がまんの省エネ」の国であることを示しています』、「努力を伴う「がまんの省エネ」を続けるのは、簡単ではありません。しかも、努力の割に効果は限定的です。 一般の人たちの意識が「がまんの省エネ」に向かうのは、仕方のない面もあります。長年にわたって、行政が推奨してきたからです。全国の自治体では、省エネや脱炭素の取り組みとして、夏はノーネクタイやエアコン28℃設定が、冬はタートルネックやエアコン20℃設定が推奨されています」、「がまんの省エネ」とは言い得て妙だ。
・『無断熱の住宅が3割を占めている  私たちは、省エネについての常識を、根本から変える必要がありそうです。 過度な「がまんの省エネ」は、健康に悪影響をもたらしています。現在、光熱費の高騰などを受けて、暑さ寒さをがまんして冷暖房を控える人(控えざるをえない人)が増えています。それにより体調を崩したり救急搬送されたりする高齢者の方も増えています。 国際的な基準では、暑さ寒さをがまんして消費エネルギーを減らすことを「省エネ」とは呼びません。そんな苦労をせずとも、より効果的に省エネをする方法があります。それが、バケツに空いた穴をふさぐこと。つまり、住宅の断熱気密性能を高めることです。 日本の住宅の断熱性能は、どのようなものなのでしょうか。図表1は、2019年度時点の既存住宅の断熱性能を表したグラフです。 【図表1】既存住宅(5000万戸)の断熱性能の割合(2019年度)既存住宅(5000万戸)の断熱性能の割合(2019年度)(出所=『「断熱」が日本を救う 健康、経済、省エネの切り札』) まず、まったく断熱されていない無断熱の住宅が30%ほどあります。雨風をしのげる程度で、温湿度は外気とあまり変わらないような住宅です。次に、断熱材が少しだけ使われた30年〜40年以上前の基準の「昭和55年基準」「平成4年基準」という住宅が、合わせて60%近くあります。無断熱の住宅と合わせると、日本の約9割の既存住宅がまともに断熱されていないことがわかります』、「まったく断熱されていない無断熱の住宅が30%ほどあります。雨風をしのげる程度で、温湿度は外気とあまり変わらないような住宅です。次に、断熱材が少しだけ使われた30年〜40年以上前の基準の「昭和55年基準」「平成4年基準」という住宅が、合わせて60%近くあります。無断熱の住宅と合わせると、日本の約9割の既存住宅がまともに断熱されていないことがわかります」、「日本の約9割の既存住宅がまともに断熱されていない」とは衝撃的な数字だ。
・『日本の「最高等級」は世界的には低レベル  最後に、日本の23年現在の省エネ基準に適合している住宅が13%です。 この省エネ基準は「断熱等級4」と呼ばれるグレードで、グラフの中ではもっともよく断熱されています。22年4月までの時点では、断熱等級は低い順から1から4まであり、4が最高等級に位置づけられていました。そのため、断熱等級4の住宅を販売していた工務店やハウスメーカーの中には、「国が定めた最高等級の性能です」と営業する会社もありました。「最高等級」というとすごそうですが、国際的な基準で見ると、そのレベルはまったくすごくありません。 図表2では、日本と他の先進各国との断熱基準の差が示されています。横軸は外気温の寒さの度合い、縦軸は断熱のレベルの度合いです。断熱性能を表す数値をUA値(外皮平均熱貫流率)と言います。UA値は、小さいほど住宅の断熱性能が高くなります。 【図表2】住宅の断熱基準(UA値)の国際比較 住宅の断熱基準(UA値)の国際比較(出所=『「断熱」が日本を救う 健康、経済、省エネの切り札』) なお日本の各地域は、国(国土交通省)により8つの気候区分に分けられています。例えば、寒い札幌(2地域)と、東京(6地域)とでは、同じ室温を保つために必要な断熱材の量は違います。そのため同じ基準(断熱等級4)であっても、暖かい地域と寒い地域とでは、求められる断熱のレベルが異なっているのです。重要なことは、北海道を除く日本のほとんどの地域の断熱基準は、他国と比較すると極めて性能が低いということです』、「北海道を除く日本のほとんどの地域の断熱基準は、他国と比較すると極めて性能が低い」、工業国にあるまじき残念なことだ。
・『外国人が「東京はとても寒い」と語るワケ  さらに、他国との決定的な違いがあります。それは、国が断熱レベルを義務化しているかどうかです。 日本の省エネ基準(断熱等級4)は努力目標にすぎないので、ほぼ無断熱の住宅であっても、自由に建てることが可能でした。一方、欧米や韓国などでは、住宅の断熱性能の最低基準を法律で定め、義務化しています。図表2で示された基準より断熱性能の低い住宅は、建てられません。つまり、この図に載っている国々では、日本でトップレベルの住宅(断熱等級4)は、違法建築となってしまいます。 日本の住宅の性能が、国際社会とこれほど差があるという事実はショッキングかもしれません。しかし、この「断熱等級4」の基準がつくられたのは、いまから25年前の1999年のことです。それが四半世紀も据え置かれたことで、他国との差が開いてしまったのです。個人的な経験ですが、かつてドイツや北欧など、東京より寒い地域から来た友人たちが、東京のアパートで暮らして「東京はとても寒い」と言うのを聞き、不思議に思っていました。しかしこの事実を知り、納得できました』、「日本の省エネ基準(断熱等級4)は努力目標にすぎないので、ほぼ無断熱の住宅であっても、自由に建てることが可能でした。一方、欧米や韓国などでは、住宅の断熱性能の最低基準を法律で定め、義務化しています」、「日本」では何故、このように野放図な状態が放置されたのだろう。
・『アルミサッシが主流なのは日本だけ  2022年になって、この日本の断熱に関する制度がようやく見直されることになりました。 まず、これまで「最高等級」だった断熱等級4の上に、断熱等級5から7までが新設されました(22年4月及び10月)。また断熱等級4が、25年からは新築住宅の最低基準として義務づけられることになりました。この2つの制度改正は、これまで大幅に遅れていた日本の住宅政策を前進させるものになります。 日本の住宅の低い断熱性能を象徴しているのが、窓です。住宅の中でもっとも熱が出入りする窓やドアなどの開口部からは、夏は74%の熱が家に侵入し、冬は50%の熱が家から出て行きます(図表3。断熱等級4で、窓がアルミサッシ&ペアガラスの場合)。 【図表3】窓から出入りする熱の割合窓から出入りする熱の割合(出所=『「断熱」が日本を救う 健康、経済、省エネの切り札』) 特に数が多く面積も広い窓は、最重要ポイントです。「うちの窓はペアガラス(複層ガラス)だから大丈夫」と考えている人は要注意です。窓は、ガラスと窓枠(サッシ)の組み合わせでできています。日本ではおなじみのアルミサッシですが、実はこのアルミサッシが主に使われてきた国は、先進国で冬に寒くなる地域では日本だけなのです(図表4)。 【図表4】新築住宅におけるサッシの素材の国際比較新築住宅におけるサッシの素材の国際比較(出所=『「断熱」が日本を救う 健康、経済、省エネの切り札』) なお、この図表4の日本のデータは2022年の新築に関してのものなので、既存住宅を含めた樹脂サッシ普及率は全国でこれより大幅に低いと推測されています』、「このアルミサッシが主に使われてきた国は、先進国で冬に寒くなる地域では日本だけなのです」、なるほど。
・『地震が発生した際の倒壊リスクも高まる  他国では何が使われているのでしょうか。 一般的には熱伝導率の低い樹脂製や木製のサッシが主流です。アルミは、樹脂製や木製に比べて1200倍もの熱伝導率があります。そのため、冬の寒さや夏の暑さを、直接、室内に通してしまいます。また、冬にはサッシが冷えやすいことで高確率で結露が起こり、カビが発生します。カビを餌とするダニも増殖します。それが、さまざまなアレルギー症状を引き起こすと考えられています。 断熱性能の高い住宅に転居した人に、転居前後の体調変化を聞くアンケートでは、ほぼすべての人が、アレルギー性鼻炎やアトピー性皮膚炎、気管支喘息などが改善したと答えています(図表5/近畿大学・岩前篤教授の研究より)。しかも、断熱性能が高ければ高いほど、改善率が高まります。理由のひとつには、このカビやダニの問題があります。 【図表5】断熱グレードと健康改善率断熱グレードと健康改善率(出所=『「断熱」が日本を救う 健康、経済、省エネの切り札』) 結露が起きるのは、窓ガラスやサッシだけではありません。窓枠の端は、壁の中に取り付けられています。窓やサッシの表面の結露は拭き取ることができますが、壁の中にある窓枠が結露すると「内部結露」となり、拭き取ることができません。 その状態が続くと、柱などが腐ったり、シロアリが増えたりといったことが起こります。そうなると、地震の際に住宅が倒壊するリスクも高まります。窓の性能の低さが、住宅の耐久性にダメージを与えるのです』、「壁の中にある窓枠が結露すると「内部結露」となり、拭き取ることができません。 その状態が続くと、柱などが腐ったり、シロアリが増えたりといったことが起こります。そうなると、地震の際に住宅が倒壊するリスクも高まります。窓の性能の低さが、住宅の耐久性にダメージを与えるのです」、恐ろしいことだ。
・『先進各国では樹脂サッシがメイン  日本では、窓が結露するのは当たり前と考えられ、ホームセンターなどでは結露対策グッズが大量に販売されています。しかし、住環境のルールが厳しいドイツでは、「人の健康を害する結露が起こるのは誤った設計」という共通認識があり、結露しないのが当たり前です。 もし普通に使っていて結露したりカビが生えたりする窓を取り付けた住宅を販売したり貸し出したら、売ったり貸したりしている側が、裁判に訴えられて負ける可能性があります。それほど、住宅の結露やカビが重大な問題だと捉えられています。 日本でも新築住宅に関しては、この数年で急速に樹脂サッシが普及してきました。2011年の時点では普及率が7%でしたが、22年には26%に増加しています(図表4)。それでもイギリス(76%)やドイツ(64%。ともに16年時点)はもちろん、韓国(80%。11年時点)にも後れを取っています。 中国は30%(2000年時点)ですが、寒冷地ではほぼ普及していると考えられています。また、日本では樹脂サッシを除いた74%にアルミが使われていますが、他の国々(中国を除く)では樹脂以外では木製サッシが多くなっています。 こうした国々では、住宅全体と同様、窓についても性能に関する最低基準が義務づけられています。窓の断熱性能は、熱の伝えやすさを表す「熱貫流率=U値(W/m2・K)」という数値で示され、値が小さいほど高性能になります。ドイツはU値1.3、イギリスは1.8、中国や韓国では、地域にもよりますが、2.5前後を最低基準としています』、「日本でも新築住宅に関しては、この数年で急速に樹脂サッシが普及してきました。2011年の時点では普及率が7%でしたが、22年には26%に増加しています(図表4)。それでもイギリス(76%)やドイツ(64%。ともに16年時点)はもちろん、韓国(80%。11年時点)にも後れを取っています」、大幅な遅れだ。
・『日本の断熱基準はドイツの3分の1以下  しかし日本では、窓についても最低基準がありませんでした。 先ほど紹介した8つの気候区分にもとづけば、東京、大阪、福岡など、日本の人口の半数以上が暮らす大都市圏を含むエリアは「6地域」となっています。その6地域で、最高等級だった省エネ基準(断熱等級4)をクリアするために必要な数値は、U値4.65です。これは、ペアガラスとアルミサッシの組み合わせで実現できる数値です。4.65となると、各国の最低基準を大きく上回り、ドイツやデンマークと比べると3倍以上も熱を通しやすく、この図にある国々では販売すらできません(図表6)。 【図表6】世界各国の窓、断熱性能の最低基準(U値)世界各国の窓、断熱性能の最低基準(U値)(出所=『「断熱」が日本を救う 健康、経済、省エネの切り札』) なお、いまも既存住宅の多くで使われているガラス1枚とアルミサッシの組み合わせではさらに数字が大きくなり、U値6.5です。これより低いレベルの窓は、世界に存在しません。窓の性能の国際比較では、野球にたとえると、現状ではメジャーリーグとリトルリーグくらいレベルが違うことがわかります』、「ガラス1枚とアルミサッシの組み合わせではさらに数字が大きくなり、U値6.5です。これより低いレベルの窓は、世界に存在しません」、日本にもサッシメカーがあるが、何故ここまで立ち遅れたのだろう。
・『家の断熱性能は窓が握っている ただし、住宅全体のレベルを上げるのと比べて、窓の性能を上げることはそれほど難しいことではありません。サッシをアルミから樹脂に変更すれば、性能は大幅に改善します。ペアガラス(Low-Eガラス)と樹脂サッシの組み合わせでは、U値は1.6から1.9(メーカーにより違いあり)となり、アルミサッシの2倍以上の性能にアップします。これなら、多くの国の最低基準にも適合もしくは近くなります。 また、既存住宅を断熱改修する際も、窓の改修はもっとも簡単にできて、費用対効果に優れた方法です。日本の家を暖かくする第一のポイントは、まず窓にあると言えるのです。 樹脂と聞くと、耐久性を心配する人もいます。プラスチックのバケツや洗濯バサミが、紫外線でボロボロになる様子を思い出す方もいるのではないでしょうか。しかし、樹脂にはさまざまな種類があります。洗濯バサミやバケツなどは、破損しやすい「ポリプロピレン」です。 一方、樹脂窓に使われるのは「PVC(ポリ塩化ビニル)」で、自動車の部品や地中の下水管などに幅広く利用されています。欧州はもちろん、アジアの暑い地域などでも長年住宅に使用されてきたので、耐久性は証明済みです』、「日本の家を暖かくする第一のポイントは、まず窓にあると言えるのです・・・樹脂窓に使われるのは「PVC(ポリ塩化ビニル)」で、自動車の部品や地中の下水管などに幅広く利用されています。欧州はもちろん、アジアの暑い地域などでも長年住宅に使用されてきたので、耐久性は証明済みです」、なるほど。
・『国際基準に適合しない窓を選んではいけない  ただ日本では、樹脂の耐久性のなさを根拠に、外側がアルミ、内側が樹脂でできた「アルミ樹脂複合サッシ」を推奨してきた窓メーカーもあります。実は現在の新築住宅で、アルミサッシに代わり、もっとも普及しているのはこの窓です。 断熱性能は、オールアルミサッシとオール樹脂サッシの中間くらいで、あまり良いとは言えません。ところがそのメーカーの説明では、「樹脂とアルミの良いとこ取りをしたハイブリッド」と、優れた窓であるかのような表現をされてきました。 しかし複合サッシは、アルミと樹脂の結合部分で結露が起こりやすいなど、断熱性能の数値以外にも課題が指摘されています。窓のサッシを選ぶ際には、国際基準に適合しないそのような製品を選ばないようにするのが得策です』、「「アルミ樹脂複合サッシ」を推奨してきた窓メーカーもある」が、「そのメーカーの説明では、「樹脂とアルミの良いとこ取りをしたハイブリッド」と、優れた窓であるかのような表現をされてきました。 しかし複合サッシは、アルミと樹脂の結合部分で結露が起こりやすいなど、断熱性能の数値以外にも課題が指摘されています」、住宅部材でこうした虚偽広告がまかり通ることは、由々しいことだ。

次に、6月26日付け日経ビジネスオンライン「さらば蛍光灯 照明の「2027年問題」、製造終了で迫られるLED化」を紹介しよう。
https://business.nikkei.com/atcl/seminar/19/00030/062500548/
・『この記事の3つのポイント 1.2027年末に全ての一般照明用蛍光灯の製造が終了 2.国内のLED照明の普及率は目標から遅れている 3.照明メーカーはLED化促進へ高付加価値化にかじ 照明業界が「2027年問題」に揺れている。国際会議で2027年末までに全ての一般照明用蛍光灯の製造を終了することが決まった。今後は発光ダイオード(LED)照明への移行が急がれるが、日本では業界が定める目標に対してLED照明の普及率が遅れている。メーカー各社も器具交換の手間が少なくて済む技術や、高付加価値のLED照明を開発するなど、LED化を促すために知恵を絞る。 「2027年問題」が顕在化したのは、23年10月末~11月初めにスイス西部のジュネーブで開かれた「水銀に関する水俣条約」の第5回締約国会議。同条約は水俣病の原因となった水銀を包括的に規制するもので、直管蛍光灯の製造と輸出入を27年末までに禁止することが合意された。電球形蛍光灯も25年末での製造、輸出入禁止が既に決まっている。28年以降は蛍光灯の使用や在庫品販売は継続できるものの、流通量は大幅に減る見込みだ』、「直管蛍光灯の製造と輸出入を27年末までに禁止することが合意」、私には初耳だ。
・『国内のLED普及率、6割止まり  蛍光灯の製造終了によりLED照明への需要は一層高まる見通しだが、現時点で国内のLED照明の普及は伸び悩んでいる。 日本照明工業会によると、24年4月時点の国内のLED照明普及率は59.8%。工業会では元々、30年までにLED照明普及率100%を目指しており、25年までには70%程度の普及率を目標に掲げていた。ただ担当者は「足元の普及状況を見ると25年の目標には届かない見込み」と話す。 普及が遅れている原因として、まず照明器具の交換にかかる手間やコストが挙げられる。基本的にLED照明器具に移行する際は、既設の照明器具の交換が推奨されている。LED照明に対するソケットの絶縁性能が不足していたり、電圧を調整する安定器が劣化していたりすると、発煙や発火する恐れがあるためだ。器具の交換には技師による工事が必要となるため、費用がネックとなる場合が多い。 電球タイプの場合、白熱球からそのままLED電球に置き換えているケースも少なくないが、安全面を考慮すれば工事は不可欠だ。また蛍光灯の場合にも代替として同じ形状の直管LEDランプが売られているが、安定器がある場合にはLEDに適した配線にするための工事などが欠かせない。 蛍光灯は企業や病院のほか、学校や役所などの公共施設で多く使われている。工事のために業務を一時止めることが難しい施設も多く、特にLED照明への移行が難航する原因となっているもようだ』、「器具の交換には技師による工事が必要となるため、費用がネックとなる場合が多い。 電球タイプの場合、白熱球からそのままLED電球に置き換えているケースも少なくないが、安全面を考慮すれば工事は不可欠だ。また蛍光灯の場合にも代替として同じ形状の直管LEDランプが売られているが、安定器がある場合にはLEDに適した配線にするための工事などが欠かせない」、我が家にも「蛍光灯」は多数あるので、対応は大変そうだが、世の中はまだ騒いでないようだ。
・『照明器具本体の交換不要に  LED照明への移行を早めるべく、各メーカーは工夫をこらす。 三菱電機照明(神奈川県鎌倉市)は既設の照明器具本体を残したまま施工することが可能なサービスを展開している。電線の接続・分岐に使う端子台や照明を支えるための部品を、既存の照明器具に適合できるものに変えることで、器具本体の交換は不要となる。 LED照明に対応するための電気系統などの工事は必要となるが、照明器具自体をそのまま残すことで、付帯する空調設備や火災報知機などの防災関連器具を設置したまま更新できる。従来の器具を全て交換する方式より、コストを抑えられ、廃材も約64%削減できるという。 また同社はLED照明への移行を促すため、照明に新たな価値を付加する取り組みも進めている。代表例が青空を照明で再現した「misola(みそら)」だ。青空の原理であるレイリー散乱の特徴(太陽光線の波長の短い青い光が波長の長い他の色の光よりも強く散乱されること)を応用し、光散乱体を用いたパネルにLED光を照射することで、実際の空の色に近い光を表現した。色の異なる複数のLED光源の発光量を変化させ、青空だけでなく、時間帯によって朝・昼・夜の空色にも変化できる。 越迫博商品企画課長は「窓が少ないような空間を開放的にしたいという用途で、オフィスの会議室や病院の待合室、エレベーターの天井などにも設置するお客様が増えている」と話す』、「既設の照明器具本体を残したまま施工することが可能なサービスを展開している。電線の接続・分岐に使う端子台や照明を支えるための部品を、既存の照明器具に適合できるものに変えることで、器具本体の交換は不要となる。 LED照明に対応するための電気系統などの工事は必要となるが、照明器具自体をそのまま残すことで、付帯する空調設備や火災報知機などの防災関連器具を設置したまま更新できる。従来の器具を全て交換する方式より、コストを抑えられ、廃材も約64%削減できるという」、何やら便利そうだ。
・『照明手法の活用で省エネ  メーカーが手掛けるのはLED照明の製造だけではない。パナソニックホールディングス傘下パナソニックの社内カンパニー、エレクトリックワークス社はオフィスに応じてLED照明を活用した空間づくりや省エネを支援する「メリハリ照明」を提案している。いわば、照明に関するコンサルティングだ。オフィスでの活動内容に合わせ、必要な部分を必要な分だけ照らし、明るさの強弱をつけた設定を提案することで、節電や電気代削減を促す。また作業場の手元をピンポイントで照らすなど、従業員が集中しやすい環境もつくることができる。ライティング事業部の山中正喜・東日本営業推進課長は「明るさや光の色味を自在にコントロールすることができるLED照明ならではの提案だ」と話す。 27年末に全ての蛍光灯の製造が終了することが決まったが、その認知度はまだ高いとは言えない。環境配慮の観点からも、今ある蛍光灯が切れてからではなく、もっと早い段階で対応していくことが必要だろう』、多少時間的ゆとりがありそうなので、もう少し様子を見てから検討しよう。
タグ:PRESIDENT ONLINE (その1)(冬が寒い先進国で「アルミサッシ」を使う国は日本だけ…国際基準以下の「寒い家」を許してきた住宅政策の大問題 寒い地域に住む外国人も「東京のほうが寒い」とつぶやく、さらば蛍光灯 照明の「2027年問題」 製造終了で迫られるLED化) 住宅 高橋 真樹氏による「冬が寒い先進国で「アルミサッシ」を使う国は日本だけ…国際基準以下の「寒い家」を許してきた住宅政策の大問題 寒い地域に住む外国人も「東京のほうが寒い」とつぶやく」 高橋真樹『「断熱」が日本を救う 健康、経済、省エネの切り札』(集英社新書) 「住宅の断熱性能が悪いことで、私たちは健康、経済、エネルギーなどの各分野で、大きな損失を被ってきたことになります」、なるほど。 「努力を伴う「がまんの省エネ」を続けるのは、簡単ではありません。しかも、努力の割に効果は限定的です。 一般の人たちの意識が「がまんの省エネ」に向かうのは、仕方のない面もあります。長年にわたって、行政が推奨してきたからです。全国の自治体では、省エネや脱炭素の取り組みとして、夏はノーネクタイやエアコン28℃設定が、冬はタートルネックやエアコン20℃設定が推奨されています」、「がまんの省エネ」とは言い得て妙だ。 「まったく断熱されていない無断熱の住宅が30%ほどあります。雨風をしのげる程度で、温湿度は外気とあまり変わらないような住宅です。次に、断熱材が少しだけ使われた30年〜40年以上前の基準の「昭和55年基準」「平成4年基準」という住宅が、合わせて60%近くあります。無断熱の住宅と合わせると、日本の約9割の既存住宅がまともに断熱されていないことがわかります」、「日本の約9割の既存住宅がまともに断熱されていない」とは衝撃的な数字だ。 「北海道を除く日本のほとんどの地域の断熱基準は、他国と比較すると極めて性能が低い」、工業国にあるまじき残念なことだ。 「日本の省エネ基準(断熱等級4)は努力目標にすぎないので、ほぼ無断熱の住宅であっても、自由に建てることが可能でした。一方、欧米や韓国などでは、住宅の断熱性能の最低基準を法律で定め、義務化しています」、「日本」では何故、このように野放図な状態が放置されたのだろう。 「このアルミサッシが主に使われてきた国は、先進国で冬に寒くなる地域では日本だけなのです」、なるほど。 「壁の中にある窓枠が結露すると「内部結露」となり、拭き取ることができません。 その状態が続くと、柱などが腐ったり、シロアリが増えたりといったことが起こります。そうなると、地震の際に住宅が倒壊するリスクも高まります。窓の性能の低さが、住宅の耐久性にダメージを与えるのです」、恐ろしいことだ。 「日本でも新築住宅に関しては、この数年で急速に樹脂サッシが普及してきました。2011年の時点では普及率が7%でしたが、22年には26%に増加しています(図表4)。それでもイギリス(76%)やドイツ(64%。ともに16年時点)はもちろん、韓国(80%。11年時点)にも後れを取っています」、大幅な遅れだ。 「ガラス1枚とアルミサッシの組み合わせではさらに数字が大きくなり、U値6.5です。これより低いレベルの窓は、世界に存在しません」、日本にもサッシメカーがあるが、何故ここまで立ち遅れたのだろう。 「日本の家を暖かくする第一のポイントは、まず窓にあると言えるのです・・・樹脂窓に使われるのは「PVC(ポリ塩化ビニル)」で、自動車の部品や地中の下水管などに幅広く利用されています。欧州はもちろん、アジアの暑い地域などでも長年住宅に使用されてきたので、耐久性は証明済みです」、なるほど。 「「アルミ樹脂複合サッシ」を推奨してきた窓メーカーもある」が、「そのメーカーの説明では、「樹脂とアルミの良いとこ取りをしたハイブリッド」と、優れた窓であるかのような表現をされてきました。 しかし複合サッシは、アルミと樹脂の結合部分で結露が起こりやすいなど、断熱性能の数値以外にも課題が指摘されています」、住宅部材でこうした虚偽広告がまかり通ることは、由々しいことだ。 日経ビジネスオンライン「さらば蛍光灯 照明の「2027年問題」、製造終了で迫られるLED化」 「直管蛍光灯の製造と輸出入を27年末までに禁止することが合意」、私には初耳だ。 「器具の交換には技師による工事が必要となるため、費用がネックとなる場合が多い。 電球タイプの場合、白熱球からそのままLED電球に置き換えているケースも少なくないが、安全面を考慮すれば工事は不可欠だ。また蛍光灯の場合にも代替として同じ形状の直管LEDランプが売られているが、安定器がある場合にはLEDに適した配線にするための工事などが欠かせない」、我が家にも「蛍光灯」は多数あるので、対応は大変そうだが、世の中はまだ騒いでないようだ。 「既設の照明器具本体を残したまま施工することが可能なサービスを展開している。電線の接続・分岐に使う端子台や照明を支えるための部品を、既存の照明器具に適合できるものに変えることで、器具本体の交換は不要となる。 LED照明に対応するための電気系統などの工事は必要となるが、照明器具自体をそのまま残すことで、付帯する空調設備や火災報知機などの防災関連器具を設置したまま更新できる。従来の器具を全て交換する方式より、コストを抑えられ、廃材も約64%削減できるという」、何やら便利そうだ。 多少時間的ゆとりがありそうなので、もう少し様子を見てから検討しよう。
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