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スガノミクス(アベノミクス)(その10)(「君はアベノミクスを批判するのか?」と怒りの電話 “反論する安倍さん”が沈黙した「不都合な出来事」とは、「アベノミクス」で安倍元首相が残した負の遺産 目標未達が逆説的に安倍政権の長期化に作用した、私たちがアベノミクスで豊かにならなかったわけ 超金融緩和の固定化にはこんなにも弊害がある) [国内政治]

スガノミクス(アベノミクス)については、昨年8月7日に取上げた。いまさらスガノミクスでもないが、今日は、アベノミクスを総括する意味で、(その10)(「君はアベノミクスを批判するのか?」と怒りの電話 “反論する安倍さん”が沈黙した「不都合な出来事」とは、「アベノミクス」で安倍元首相が残した負の遺産 目標未達が逆説的に安倍政権の長期化に作用した、私たちがアベノミクスで豊かにならなかったわけ 超金融緩和の固定化にはこんなにも弊害がある)である。

先ずは、6月14日付け文春オンライン「「君はアベノミクスを批判するのか?」と怒りの電話 “反論する安倍さん”が沈黙した「不都合な出来事」とは」を紹介しよう』、
https://bunshun.jp/articles/-/55130
・『「安倍・菅・岸田、3人の総理を一言で表すと?」  5月31日の大分合同新聞に興味深い記事があった。後藤謙次氏(共同通信社・客員論説委員)が話していた。 で、3人の総理を一言で表すと、 「反論する安倍さん、沈黙する菅さん、大きくうなずく岸田さん」 たしかに。ちなみに岸田さんのうなずきはイエスかノーかわからないから“くせ者”という意味だった』、「反論する安倍さん、沈黙する菅さん、大きくうなずく岸田さん」とはよく練られたフレーズだ。
・『安倍元首相が許せなかった言葉  この「反論する安倍さん」の数日後に出た朝日新聞と読売新聞の記事が面白かったのだ。まず朝日。 『「アベノミクス批判するのか」安倍氏怒りの電話 許せなかった言葉』(朝日新聞デジタル6月2日) 《5月19日、自民の財政再建派を中心とする財政健全化推進本部の会合後、安倍氏(67)は、自らの派閥に属する越智隆雄・元内閣府副大臣(58)の電話を鳴らした。「君はアベノミクスを批判するのか?」。声は怒気をはらんでいた。》 越智氏は「批判はしていません」と言ったが、安倍氏は「周りはアベノミクスの批判だと言っているぞ」と迫ったという。 さらに読売ではこんな記事が。 『政権占う「安倍・麻生・菅」…政策・人事 影響力健在』(6月5日) 《「私と麻生さんがやってきたことを否定するんですか」 5月23日、元首相の安倍晋三(67)は議員会館の自室に呼んだ元財務相の額賀福志郎(78)に険しい表情でこう迫った。》 今度は額賀氏に対してだ。自民党の財政健全化推進本部は「アベノミクス」の正当性を打ち消す動きだと安倍氏は受け止めたという。 まさに反論する安倍さん。「君はアベノミクスを批判するのか?」って真骨頂ではないか』、「元財務相の額賀福志郎」氏にまでかみついているようだが、これでは自民党内では、「アベノミクス」はタブーになってしまう。
・『「いっそのこと、自民党が二つに分かれた方が…」  毎日新聞のコラムで与良正男氏は、 《安倍氏はアベノミクスを少しでも否定されるのが許せないのだろう。内政も外交も、自分が進めた政策は全く間違っていなかった――と信じて疑わないのだと思う。》(毎日新聞6月8日) だから岸田首相の政策に安倍元首相が次々と注文をつけて、岸田氏があっさりと妥協する。そんな政治が繰り返されていると。 「いっそのこと、自民党が二つに分かれた方が夏の参院選は投票しやすくなるのに……。そう考えるのは私だけだろうか。」(同前) あ、この感じ思い出した。昨年の岸田政権発足当初に感じたタブロイド紙の変化と同じだ。今まで政権を擁護していた夕刊フジに岸田批判が多くなったのだ。政権批判の日刊ゲンダイは引き続き岸田批判。 こうなると岸田氏はピンチのようにも思えるが実はそうではない。なぜなら「野党」が埋没しているからである。まるで政党が自民党しかないようなマジックになっていたのだが、今回の「岸田VS安倍」もその続きに思える。 先ほどのコラムでも後半に、 《自民党に注目が集まれば、野党の存在はかすんでいく。結果として参院選で自民党が勝利すれば岸田氏にもプラスなのだ。実に巧妙だとさえ言える。》(同前)  と書かれている。もっと言えば「岸田VS安倍」は自民党がすでに参院選後に夢中のようにも思わせる』、「「野党」が埋没している」のは誠に腹立たしい限りだ。
・『安倍元首相の「ちょっと面白い反論」  しかし安倍元首相の反論が目立つのは影響力の誇示だけだろうか。安倍さんには「ちょっと面白い反論」もあるのだ。たとえばこれ。 『安倍晋三氏「プーチン氏は信長みたいなもの、力の信奉者だ」指摘』(毎日新聞WEB4月22日) 『トランプ氏とゴルフ「抑止力のためだった」安倍元首相、郡山で講演』(河北新報4月18日) どちらも共通しているのはロシアのウクライナ侵攻に触れて発言していること。 前者では「言ってみればプーチン氏は戦国時代の武将みたいなもの。たとえば織田信長に人権を守れと言っても全然通用しないのと同じ」とし、後者では政権当時にトランプ前米大統領と親交を深めた「ゴルフ外交」は「抑止力のためだった」と振り返った。 どちらも4月の発言であり、対プーチン外交とは何だったのか? と言われだした時期なので、慌てて反論したと思えば時系列に合う。安倍氏が今も目立つのはアベノミクスとか外交とか「過去の実績」があらためて注目されるから反論に忙しいという事情も浮かぶ。反撃能力を地で行く安倍氏』、「対プーチン外交」については、叩けばもっとホコリが出てくる筈だ。
・『「反論する安倍さん」が沈黙したこと  しかし気になることもある。反撃しないこともあるのだ。桜を見る会夕食会での「サントリーから酒無償提供」の報道には、沈黙したのである。 『スクープ 桜を見る会前夜祭 新たな利益供与 安倍氏側持ち込み ふるまい酒』(しんぶん赤旗日曜版5月29日号)) 赤旗編集部が注目したのは前夜祭の会場となったホテル職員が作成した「宴会ファイル」だった。19年の宴会ファイルには、酒の本数とともに「●●様より前日持ち込み」として電話番号が付記されていた。酒の提供者は黒塗りになっていたが、電話番号はあったのだ。ここに気づいた赤旗が電話すると、 「サントリー秘書部です」 なんとサントリーにつながったのである。この電話、お互いびっくりしただろうなぁ』、「反撃しないこともあるのだ。桜を見る会夕食会での「サントリーから酒無償提供」の報道には、沈黙したのである」、反論する余地もないからだろう。
・『安倍事務所の回答は…  サントリーは無償提供の理由を「弊社製品を知っていただく良い機会と考え、この会に協賛させていただいた」と回答。しかし赤旗は、サントリーの新浪剛史社長は安倍政権下で経済財政諮問会議の民間議員を務めていたこと、安倍氏と面会・会食をよくしていたことから「無償提供」の意味を問うていた。専門家は「違法献金の可能性も」と指摘している。ちなみに「安倍事務所は回答しませんでした」とのこと。 後日、市民団体が「政治資金規正法に違反する企業献金」だとしてサントリー社員らを刑事告発すると、安倍事務所は「収支報告書は訂正すべき点は適正に修正している」とようやくコメントした。 この「サントリーのオールフリー」問題。「反論する安倍さん」なら赤旗の報道にも、きちんと反論したほうがよいのではないでしょうか。反撃能力が気になります。 その他の写真はこちらよりご覧ください』、「安倍事務所は「収支報告書は訂正すべき点は適正に修正している」、とすることで、「サントリー社員ら」への「「政治資金規正法に違反する企業献金」の疑いを晴らす狙いがあるのだろう。

次に、7月15日付け東洋経済オンライン「「アベノミクス」で安倍元首相が残した負の遺産 目標未達が逆説的に安倍政権の長期化に作用した」を紹介しよう。
https://toyokeizai.net/articles/-/604143
・『安倍晋三元首相が凶弾に倒れたのは、アメリカが40年ぶりのインフレ経済へ突入し、市場でアベノミクスの見直し議論が始まっているさなかのことだった。 ここでは安倍政権とアベノミクスの関係を振り返り、今後を展望してみたい。 アベノミクスは、大胆な金融政策、機動的な財政政策、民間投資を喚起する成長戦略という「3本の矢」で構成された。とくに黒田東彦総裁下の日本銀行で実行された異次元の量的・質的金融緩和が柱となった。 国債の大規模購入がその中心で、足元では新発10年国債の日銀保有シェアは約9割に及ぶ。それにより短期金利のみならず、長期金利もゼロ%程度へ人為的に抑制し続けている』、興味深そうだ。
・『アベノミクスで想定された3つのシナリオ  アベノミクスが始まった2013年当時、想定されたシナリオは大きく分けて次の3つだった。 ①日銀の主張どおり、デフレ脱却を実現し、「2年で物価上昇率2%」の目標を達成。日本経済は名目経済成長率3%という高成長や賃金上昇を実現する。 ②デフレは脱却するが、人口減少や製造業の海外生産シフトを背景に停滞気味の経済成長が続く。そのため、超低金利政策は長期化し国債増発による財政政策を支える一方、政治家の財政規律は弛緩。日本は官民ともに将来の金利上昇に脆弱な体質に陥っていく。 ③日本売りを伴う悪い円安やインフレを招いて金利上昇に追い込まれる。結果、経済や財政が苦境に立つ。 現実は、①や③ではなく、②となったのは周知のとおりだ。 だが、アベノミクスは最良の結果を得られなくても、歴代最長の7年8カ月に及んだ第2次安倍政権の継続にプラスに作用した。なぜなら、目標未達のたびに安倍政権は「うまくいかないのは金融緩和や財政政策が足りないからだ」として、株高などにつながる追加策を打ち出し、それが選挙勝利の原動力になったからだ。 具体的に見てみよう。第2次安倍政権発足後、最初の国政選挙となった13年7月の参院選。このときは、アベノミクスが順調なスタートを切ったさなかで、選挙に圧勝して衆参両院で多数派が異なるねじれ国会を解消した。 だがその後、円安にもかかわらず輸出数量や生産が伸びず、消費増税や欧州債務危機の影響などもあって景気の伸び悩みがはっきりしてきた。「2年で物価上昇率2%」の目標達成が難しいことは誰の目にも明らかになり、株価上昇も完全に止まった。 そこで14年10月に繰り出したのが、日銀の国債購入拡大(追加金融緩和)とGPIF(年金積立金管理運用独立行政法人)による株式購入の拡大(運用ポートフォリオ変更)だ。 これで株価は一気に反騰。さらに安倍首相(当時)は15年10月の予定だった8%から10%への消費税率引き上げを17年4月へ延期すると表明し、14年12月に解散総選挙に打って出て大勝した』、長期政権を支えたのが、「目標未達のたびに安倍政権は「うまくいかないのは金融緩和や財政政策が足りないからだ」として、株高などにつながる追加策を打ち出し、それが選挙勝利の原動力になった」とは、皮肉なものだ。
・『増税延期という手段  16年7月の参院選でも消費増税の延期について国民の信を問うという構造をつくり、アベノミクスの目標未達をむしろ味方につけた。 その際の紆余曲折は興味深い。1回目の延期を決めた14年、安倍首相は「リーマンショック並みの危機がない限り、消費増税は再延期しない」と公約していた。 再延期を念頭に置き16年5月、安倍首相は折からの中国経済変調と世界の商品・金融相場の下落に対し、「現在はリーマンショック前夜だ」とG7伊勢志摩サミットで各国首脳に訴えかけた。だが、メルケル独首相(当時)が「世界経済は堅調だ」と反論するなど共通認識は得られなかった。 しかしそれでもめげない。記者会見で「現時点ではリーマン級のショックは発生していないが、これは従来の約束とは異なる新しい判断だ」として19年10月への消費増税再延期を表明。信を問うという形で参院選になだれ込んだ。野党も増税延期や凍結を主張する中、自民党は議席数を伸ばした。 政権後期は、「金融政策だけでは賃金上昇や高成長は望めない」と悟り、安倍首相は積極財政へ軸足を移す。森友・加計学園問題で政権支持率が低迷する中、17年10月に「消費増税の増収分の使途を国の借金返済から幼児教育無償化に変える」と表明、またもや解散総選挙に打って出た。 増税分の使途変更は事実上国債増発による財政拡大に等しい。この頃は与野党とも財政規律の緩みが蔓延しており、安倍政権は3度、消費増税を選挙材料に活用した。 もちろんアベノミクスは、高齢者や女性の就業拡大、失業率低下、インバウンド(訪日外国人観光客)増大などを実現し、成果を得た。 振り返ると、アベノミクスは当初約束した賃金上昇や経済高成長を実現し支持を得たわけではない。反対に、経済成長が不十分だとしてアクセルを踏み続けることを選挙に利用した面が強い。それが長期政権化を可能にし、外交や安全保障で足跡を残す基礎をつくったといえるだろう』、「アベノミクスは当初約束した賃金上昇や経済高成長を実現し支持を得たわけではない。反対に、経済成長が不十分だとしてアクセルを踏み続けることを選挙に利用した面が強い。それが長期政権化を可能にし、外交や安全保障で足跡を残す基礎をつくったといえる」、政治的には、結果オーライの典型だ。
・『日銀に対する風当たりが強まる可能性  問題は、アベノミクスのこれからだ。安倍政権以降、菅義偉政権、岸田文雄政権ではアベノミクスが継承されている。だが、コロナ禍、ウクライナ危機による供給制約や好調な需要を背景に、冒頭で触れたようにアメリカは40年ぶりのインフレとなり、金利上昇(金融引き締め)が急速に進んでいる。 依然としてゼロ%程度に金利を抑制する日本との金利差が拡大し、足元では日本が金融危機下にあった1998年以来の1ドル=137円台前半まで円安が進んだ。これに対し、黒田総裁は「日本では賃金上昇への波及が見られず、インフレは一時的」として金融緩和を堅持する姿勢だ。 だが、日銀や政府が待ち望むようにアメリカのインフレや金利上昇が急速な金融引き締めでいずれは峠を越えるとしても、その後も構造的に以前より高いインフレ率や金利水準が維持される可能性はある。また、国内の家計もアベノミクス当初と違い、インフレに直結する円安を歓迎しなくなっている。日銀への風当たりは強くなりそうだ。 大局的に見れば、現在は前述したシナリオ②から③、つまり、悪い円安の進行やインフレによる金利上昇に追い込まれかねない状況に移行しつつあるといえるだろう。 金利上昇に対する日本経済の脆弱性は今では巨大だ。日銀のバランスシートは世界でも突出した膨張を見せ、その結果、仮に短期金利(当座預金への付利率)を1%引き上げただけで日銀は短期間で債務超過に陥る。 また、金利上昇は国債利払い費の増加で政府の予算を圧迫し、住宅ローン金利の上昇などを通じて景気も冷やす。割引率(金利)の上昇により、株式や不動産など資産の価格下落も招くだろう。 安倍首相が指名した黒田総裁の任期は23年4月まで。岸田政権下で日銀が金融政策の修正に動くかは不明だが、正の遺産と同様、安倍政権が残した負の遺産もまた大きいと言わざるをえない』、「現在は前述したシナリオ②から③、つまり、悪い円安の進行やインフレによる金利上昇に追い込まれかねない状況に移行しつつあるといえる」、「正の遺産と同様、安倍政権が残した負の遺産もまた大きいと言わざるをえない」、私自身は「負の遺産」の方がはるかに大きいと思う。

第三に、8月6日付け東洋経済オンラインが掲載したBNPパリバ証券経済調査本部長の河野 龍太郎氏による「私たちがアベノミクスで豊かにならなかったわけ 超金融緩和の固定化にはこんなにも弊害がある」を紹介しよう。
https://toyokeizai.net/articles/-/609272
・『日本が貧しくなった原因を「デフレ」としたのは、そもそも誤診だった。 過去30年、グローバリゼーションやICT革命で、日本ではメンバーシップ型雇用が減り、非正規雇用との二極化が進んだ。働き方や家族形態の変容に社会保障制度が対応できず、消費が低迷し、少子化にもつながった。 10年前、多くの人は「2000年代に貧しくなった元凶はデフレ」と判断し、アベノミクスが採用された。そうした政策で私たちは豊かになったのか。 時間当たり実質賃金を見ると、1980年代は年率1.8%、1990年代は1.1%上昇したが、2000年代は0.2%下落し、確かに貧しくなった。そして2010年代は0.3%とわずかに上昇した(上図)』、なるほど。
・『生産性上昇率は低下した  時間当たり実質賃金の変化率は、①時間当たり労働生産性上昇率、②労働分配率の変化率、③交易条件の変化率、の3つに分解できる。このうち、実質賃金の引き上げに不可欠な生産性上昇率は、1980年代は年率2.8%だったが、1990年代は1.8%、2000年代は0.8%、10年代は0.3%と低迷した。 アベノミクスには「3本の矢」があったが、1本目と2本目の金融政策・財政政策頼みで、3本目の成長戦略は進まなかったと考える人が多い。ただ、反成長戦略が取られたわけでもない。なぜ生産性上昇率は低迷を続けたのか。 筆者は、追加財政や金融緩和を完全雇用の下でも続けたことが、生産性上昇率を低下させたと考える。資源配分を歪め、成長戦略の効果を相殺したとみている。 では、生産性上昇率の低下にもかかわらず、2010年代の時間当たり実質賃金が悪化しなかったのはなぜか。労働分配率、続いて、交易条件を見ていこう。 1990年代以降、欧米では労働分配率が大きく低下した。イノベーションで生産性上昇率が上がって経済全体のパイが拡大しても、アイデアや資本の出し手に所得増加が集中し、平均的な労働者の所得はなかなか上昇しないからだ。 日本の労働分配率はどうだったか。1980年代に年率0.5%下落、1990年代は0.3%上昇し、2000年代は0.2%下落した。2000年代は、金融グローバリゼーションで、資本市場のプレッシャーから経営者は賃金を引き上げづらかった。 一方、2010年代の労働分配率は年率0.2%とわずかだが上昇した。アベノミクスの賃上げ策が奏功したのか。イノベーションが進まず、生産性上昇率が低迷する代わりに、欧米のように一部の人に所得が集中することもなかったためだと考えると、痛しかゆしだ』、「なぜ生産性上昇率は低迷を続けたのか。 筆者は、追加財政や金融緩和を完全雇用の下でも続けたことが、生産性上昇率を低下させたと考える。資源配分を歪め、成長戦略の効果を相殺したとみている」、「では、生産性上昇率の低下にもかかわらず、2010年代の時間当たり実質賃金が悪化しなかったのはなぜか。労働分配率、続いて、交易条件を見ていこう」、なるほど。
・『2000年代に貧しくなった真因  交易条件はどうか。1980年代は年率0.5%悪化し、1990年代は0.9%悪化。2000年代にも0.9%悪化して、1970年代の1.1%の悪化に迫った。だが2010年代は0.2%の悪化と大きく緩和した。 2000年代の悪化は、中国の旺盛な需要によって原油などコモディティー価格の水準が切り上がったためだ(下図)。資源価格が上昇すると、資源国に所得が移転してしまい、輸出価格に転嫁できなければ、交易条件が悪化して実質所得は抑制される。2000年代初頭に1バレル=30ドルだった原油価格は、ピークの2008年には140ドル台をつけ、2010年代に入っても100ドル前後で推移していたが、2014年秋に急落し、交易損失は改善された。 ここで筆者が強調したいのは2000年代に貧しくなった真因である。これまで見たように、①労働生産性上昇率の低下と、②労働分配率の比較的大きな低下、③交易条件の大幅悪化が、実質賃金の減少をもたらしていた。 しかし、経済学者の齊藤誠も指摘するように、原油高でGDPデフレーターが低下したため、デフレで貧しくなったと多くの人が誤解した。交易条件の悪化は、原油高によるインフレ現象であり、デフレ現象ではない。しかし、輸入物価の上昇はほかの物価統計と異なりGDPデフレーターを低下させる。GDP統計上、輸入は控除項目であるためだ。 診断を誤り、リフレ政策という誤った処方箋を出してしまったことの帰結が、生産性上昇率の低下であり、それが、2010年代に交易条件の悪化が和らいだことや労働分配率の低下が止まったことによるプラスの効果を相殺したのである。 ちなみに、日本銀行は2014年10月の原油価格急落時に、追加緩和で円安を促し、せっかくの原油安の家計への恩恵を相殺してしまった。2014年といえば、消費増税が家計の実質所得を抑制した年だ。 現在のコモディティー価格上昇は、コロナ禍で供給の回復が遅れる一方、経済再開で需要回復が先行したことが背景にある。「カーボンニュートラル2050」を意識した化石燃料関連の更新投資の滞りやウクライナ危機もエネルギー高に拍車をかける。その結果、交易損失は2022年1~3月期の段階で、2008年7~9月期を超えて悪化した』、「診断を誤り、リフレ政策という誤った処方箋を出してしまったことの帰結が、生産性上昇率の低下であり、それが、2010年代に交易条件の悪化が和らいだことや労働分配率の低下が止まったことによるプラスの効果を相殺した」、経済政策では、「診断を誤り・・・誤った処方箋を出してしまった」、ごくまれに起きることだ。
・『円安は家計を圧迫している  ただ今回は、コモディティー高による輸入物価上昇を円安が増幅し、インフレ的現象であることが一目瞭然だ。人々の関心が再び日銀に向かうとしても、求めるのはリフレ政策ではないだろう。 円安は、日本の財・サービスを割安にし、輸出拡大を促すため、確かに景気刺激効果を持つ。家計が損失を被っても、景気刺激という点からはプラス効果が大きい。 日銀のイールドカーブ・コントロール(YCC)政策には、海外金利が上昇しても、日銀が金利上昇を抑え込み、内外金利差を拡大させることで円安を促し、インフレを醸成するメカニズムがある。2%のインフレ目標の達成を目指す日銀としては、チャンス到来ということかもしれない。 しかし、インフレが安定的な2%の目標に達しないという理由だけで、景気循環を超えて超金融緩和を固定化することは適切だろうか。景気刺激効果だけで政策を決めるのは、視野狭窄ではないか。 名目賃金の上昇が限られる中、円安が輸入物価上昇を増幅すれば、家計の実質購買力は抑制され、消費回復の足かせとなる。輸出企業に恩恵が及ぶとはいえ、企業は儲かってもため込むだけで、賃金を増やさず、人的資本や無形資産、有形資産への投資も活発化させない。何のために経済が存在するのか。 また、超低金利政策の長期化・固定化は、ゼロ金利や超円安なしでは存続できない生産性の低い企業を生き残らせるため、潜在成長率の回復も阻害する。だから実質賃金が上昇しない。 2012年末に日銀の金融政策に社会の関心が集まることで、「政策の窓」が開きリフレ政策が発動された。2000年代の交易条件の悪化がデフレ問題と誤認されたことも背景にあった。今回は、資源高による輸入物価上昇を円安が増幅し、家計の実質所得を抑制していることが、正しく認識されるだろう。 円安に関心が集まる今こそ、景気刺激という短期の視点を超えて、超金融緩和を固定化することの長期のメリット、デメリットを再検討する必要がある』、「円安に関心が集まる今こそ、景気刺激という短期の視点を超えて、超金融緩和を固定化することの長期のメリット、デメリットを再検討する必要がある」、私は、「超金融緩和を固定化することの長期のデメリット」の方が「メリット」より大きいと思うので、出口論議を始めるべきと考える。
タグ:「反論する安倍さん、沈黙する菅さん、大きくうなずく岸田さん」とはよく練られたフレーズだ。 「アベノミクスは当初約束した賃金上昇や経済高成長を実現し支持を得たわけではない。反対に、経済成長が不十分だとしてアクセルを踏み続けることを選挙に利用した面が強い。それが長期政権化を可能にし、外交や安全保障で足跡を残す基礎をつくったといえる」、政治的には、結果オーライの典型だ。 ①日銀の主張どおり、デフレ脱却を実現し、「2年で物価上昇率2%」の目標を達成。日本経済は名目経済成長率3%という高成長や賃金上昇を実現する アベノミクスで想定された3つのシナリオ 東洋経済オンライン「「アベノミクス」で安倍元首相が残した負の遺産 目標未達が逆説的に安倍政権の長期化に作用した」 「診断を誤り、リフレ政策という誤った処方箋を出してしまったことの帰結が、生産性上昇率の低下であり、それが、2010年代に交易条件の悪化が和らいだことや労働分配率の低下が止まったことによるプラスの効果を相殺した」、経済政策では、「診断を誤り・・・誤った処方箋を出してしまった」、ごくまれに起きることだ。 文春オンライン「「君はアベノミクスを批判するのか?」と怒りの電話 “反論する安倍さん”が沈黙した「不都合な出来事」とは」 「なぜ生産性上昇率は低迷を続けたのか。 筆者は、追加財政や金融緩和を完全雇用の下でも続けたことが、生産性上昇率を低下させたと考える。資源配分を歪め、成長戦略の効果を相殺したとみている」、「では、生産性上昇率の低下にもかかわらず、2010年代の時間当たり実質賃金が悪化しなかったのはなぜか。労働分配率、続いて、交易条件を見ていこう」、なるほど。 長期政権を支えたのが、「目標未達のたびに安倍政権は「うまくいかないのは金融緩和や財政政策が足りないからだ」として、株高などにつながる追加策を打ち出し、それが選挙勝利の原動力になった」とは、皮肉なものだ。 「安倍事務所は「収支報告書は訂正すべき点は適正に修正している」、とすることで、「サントリー社員ら」への「「政治資金規正法に違反する企業献金」の疑いを晴らす狙いがあるのだろう。 河野 龍太郎氏による「私たちがアベノミクスで豊かにならなかったわけ 超金融緩和の固定化にはこんなにも弊害がある」 「反撃しないこともあるのだ。桜を見る会夕食会での「サントリーから酒無償提供」の報道には、沈黙したのである」、反論する余地もないからだろう。 「対プーチン外交」については、叩けばもっとホコリが出てくる筈だ。 ③日本売りを伴う悪い円安やインフレを招いて金利上昇に追い込まれる。結果、経済や財政が苦境に立つ 東洋経済オンライン 「現在は前述したシナリオ②から③、つまり、悪い円安の進行やインフレによる金利上昇に追い込まれかねない状況に移行しつつあるといえる」、「正の遺産と同様、安倍政権が残した負の遺産もまた大きいと言わざるをえない」、私自身は「負の遺産」の方がはるかに大きいと思う。 「「野党」が埋没している」のは誠に腹立たしい限りだ。 (その10)(「君はアベノミクスを批判するのか?」と怒りの電話 “反論する安倍さん”が沈黙した「不都合な出来事」とは、「アベノミクス」で安倍元首相が残した負の遺産 目標未達が逆説的に安倍政権の長期化に作用した、私たちがアベノミクスで豊かにならなかったわけ 超金融緩和の固定化にはこんなにも弊害がある) 「元財務相の額賀福志郎」氏にまでかみついているようだが、これでは自民党内では、「アベノミクス」はタブーになってしまう。 「円安に関心が集まる今こそ、景気刺激という短期の視点を超えて、超金融緩和を固定化することの長期のメリット、デメリットを再検討する必要がある」、私は、「超金融緩和を固定化することの長期のデメリット」の方が「メリット」より大きいと思うので、出口論議を始めるべきと考える。 ②デフレは脱却するが、人口減少や製造業の海外生産シフトを背景に停滞気味の経済成長が続く。そのため、超低金利政策は長期化し国債増発による財政政策を支える一方、政治家の財政規律は弛緩。日本は官民ともに将来の金利上昇に脆弱な体質に陥っていく スガノミクス(アベノミクス)
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日本の政治情勢(その62)(杉並区長選で野党共闘まさか勝利 岸田自民が恐れる“ノブテルの呪い”と参院選敗北の予兆、日本政治にとって「大転換点」となった参議院選挙 安倍政治が終わり 平和志向の戦後政治も転機を迎えた、立憲民主党はなぜ参院選で大敗した?「提案型野党」が支持されない理由) [国内政治]

日本の政治情勢については、6月5日に取上げた。今日は、(その62)(杉並区長選で野党共闘まさか勝利 岸田自民が恐れる“ノブテルの呪い”と参院選敗北の予兆、日本政治にとって「大転換点」となった参議院選挙 安倍政治が終わり 平和志向の戦後政治も転機を迎えた、立憲民主党はなぜ参院選で大敗した?「提案型野党」が支持されない理由)である。

先ずは、6月21日付け日刊ゲンダイ「杉並区長選で野党共闘まさか勝利 岸田自民が恐れる“ノブテルの呪い”と参院選敗北の予兆」を紹介しよう。
https://www.nikkan-gendai.com/articles/view/life/307069
・『まさかの結果だ。20日開票された東京都杉並区の区長選挙。自公がバックアップした現職の田中良氏(61=当選3回)が、野党統一候補の岸本聡子氏(47)に約190票差で敗れたのだ。 杉並区といえば、有権者に嫌われ、昨年の衆院選で落選した石原伸晃・自民党元幹事長の地盤。田中区長と伸晃氏は蜜月関係だけに、「敗因はノブテルの呪いか」なんて声も上がっている。想定外の結果に、岸田首相の周辺は、国民の怒りのマグマがたまっているのではないか、と疑念を強めている。 今回、立憲民主党、共産党、れいわ新選組、社民党が推薦し、初当選した岸本氏は、オランダの政策研究NGOの研究員。田中区政が進めた駅前再開発などについて「いったん立ち止まって、住民とともに考える」と訴えてきた。 フリーランスライターの畠山理仁氏は、「岸本氏は有権者の声に耳を傾け、選挙中に政策をバージョンアップさせるなど、従来の野党の戦い方とは全く別物だった」とみる。 「昨年、衆院選で伸晃氏を破った立憲の吉田晴美衆院議員が連日、応援に入ると、徐々に追い上げムードが高まっていった。最終的に蓮舫参院議員や枝野前代表ら大物が応援に入るなど、国政選挙並みの力の入れようでした。れいわ新選組の山本太郎代表も駆けつけ、勢いは十分だった」(野党関係者) 一方、田中陣営は、自民党の国会議員が応援に入ったが、杉並区議会の自民会派が「親田中派」と「反田中派」に分裂し、足並みが揃わなかったという。 自民党は、現職区長が無名の野党候補に負けただけでなく、区長選と一緒に行われた区議補選で票を減らしたことも不安材料とみているという。自民新人が当選したものの、前回2018年の区議補選の時に獲得した4万3000票から、1万6000票も減らしている』、「現職の田中良氏(61=当選3回)が、野党統一候補の岸本聡子氏(47)に約190票差で敗れた」、「杉並区議会の自民会派が「親田中派」と「反田中派」に分裂し、足並みが揃わなかった」、その割には「約190票差」とはいささか寂しい。
・『国民の怒りは“沸点”間近  実際、区長選と補選は、物価高や生活苦を一向に解消できない政権与党に対する世論が反映された可能性がある。 立正大名誉教授の金子勝氏(憲法)はこう言う。 「物価高で国民の生活は苦しくなっているのに、『検討する』としか言わない岸田首相への怒りが募るのは当然です。世論調査でも内閣支持率は下がり、政府の物価高対策を『評価しない』という声が大きくなっています。今回の区長選の結果は、これまで声を上げなかった国民の怒りがジワジワと高まっていることを示している可能性があります。参院選に向けて、自民党はこの流れが続くのを恐れているに違いありません」 昨年の衆院選では、自民党の“象徴”的存在だった伸晃氏がまさかの落選を喫し、自民党に衝撃が走った。この参院選では予想外の事態が起きるかもしれない』、「参院選」の結果を見る限り、「区長選の結果」は自民党の内部分裂の結果に過ぎず、「国民の怒りは“沸点”間近」ではなかったことになるのは残念だ。

次に、7月12日付け東洋経済オンラインが掲載した法政大学教授の山口 二郎氏による「日本政治にとって「大転換点」となった参議院選挙 安倍政治が終わり、平和志向の戦後政治も転機を迎えた」を紹介しよう。
・『安倍晋三元首相が遊説中に暗殺されるという衝撃の中で投票日を迎えた今回の参議院選挙は、さまざまな意味で政治の転換の契機となるだろう。 第1は、1989年7月の参院選から始まった政治再編の模索が終わるという点である。 33年前の選挙では、リクルート事件、消費税導入の衝撃の中で、自民党による一党優位体制がほころびを来した。以後30年間、日本政治では選挙制度改革をテコとした政党再編成の試みが繰り返された。自民党が1990年代の危機をしのいで生き残ったために、政党再編のテーマは自民党に対抗する2大政党の一角をつくり出すことに絞られた』、「さまざまな意味で政治の転換の契機となる」とは興味深そうだ。
・『自民党による1党優位体制が続く  民主党政権崩壊後、2大政党の夢はついえたかに見えたが、2015年の安保法制反対運動を起点に選挙協力による野党ブロックの形成という方法で、立憲民主党を軸とした野党結集が進んだ。しかし、昨年秋の衆議院選挙で野党協力は失敗という烙印を押され、2大ブロックの対決という構図はこの参院選では成立しなかった。 衆院選では日本維新の会が躍進し、参院選の比例区でも野党最多の得票を挙げた。また、日本共産党との協力を嫌う国民民主党は予算に賛成し、与党に近づいている。両党は自民党政権を前提として、政権に提案を聞いてもらうことに自らの役割を求めている。政権交代を起こせる大きな野党は幻影となった。 立憲民主党は泉健太代表の下で体制立て直しを図ったが、低迷から抜け出せる展望は開けなかった。今後当分の間、自民党による一党優位体制が続くことになる。) 30年間追求してきた政権交代可能な政党システムというテーマに取り組むためには、立憲民主党を軸に野党を再構築するしかない。その際に重要なのは、連合の役割である。民主党の時代には、連合が支えて政権交代を目指していた。 しかし、芳野友子会長の下では、共産党と協力しないことが強調され、立憲民主党の指導部もそれに同調した。それゆえ、参院選の1人区での戦いも、共産党や市民を巻き込んだものとはならず、前回、前々回のようなエネルギーを生み出せなかった。 すぐに政権交代の道筋を描くことは困難だが、当面、翼賛体制に反対する強い野党の結集に向けて、立憲民主党と連合が方向性を共有することが必要である。選挙協力はその後の話である。 ▽狭い選択の幅の中で議論することになる(第2は、戦後政治に流れてきた平和志向の終わりという点である。 憲法擁護の旗頭だった社会民主党はかろうじて1議席を獲得したが、衰弱は止まっていない。2020年夏に立憲民主党からの合流呼びかけをめぐって分裂したことが響いている。ウクライナ侵攻を受けて安全保障が重要な争点となった選挙で、伝統的な憲法9条擁護の訴えが広い支持を集めることはなかった。今後は、自衛隊と日米安保の運用について狭い選択の幅の中で議論することになるのだろう。 社民党の未来はない。ただ、社民党には地方議員、地方組織があるので、これを有効に生かすべきである。憲法擁護、平等志向で主張が近い立憲民主党に合流し、この党の左側の派閥をつくることが、日本社会党の遺産を日本政治に生かす唯一の方法である。それは野党の軸を再建するためにも必要だ。 第3は、安倍政治の終わりという点である。暗殺によって有力政治家の時代が終わることは、民主主義においてあってはならない。この点は何度も強調しなければならない。それにしても、安倍氏が首相退任後も持論を展開し、自民党内に大きな影響力を振るってきた状況は一変する。) 岸田文雄政権発足後の自民党における政策論議では安倍氏が改憲・防衛力増強や積極財政・金融緩和などのテーマで持論を唱え、党内世論を引っ張った。これに対して岸田首相は慎重に考えるという姿勢を示し、明確な言質を与えずに党内調整を促すという構図であった。 岸田首相が意図的にあいまい戦術を取ってきたことは、次の記事からも明らかである。 <改憲に前向きなのか、そうでもないのか。側近議員の間でも見解は分かれる。「憲法改正は本気。だれもなしえなかったレガシーだ」という見方もあれば、「改憲を押し出す考えはさらさらない。保守層向けの分かりやすいメッセージだ」との声もある。>(朝日新聞・7月5日) 岸田首相は安倍氏の推す防衛事務次官を退任させたことから、防衛力増強という路線を取りながらも安倍流の政策転換と一線を画すサインを出している。安倍氏がいなくなれば、保守派を束ねる次のリーダーは不在となり、岸田首相は自由に行動できるようになる』、「安倍氏」葬儀の国葬化をみると、必ずしも「岸田首相は自由に行動できるようになる」とはいかないようだ。
・『冷静な政策議論を主導できるかどうか  岸田政権にとっての最大の脅威は、世界的インフレが日本を本格的に襲い、国民の不満が高まる中、従来の金融政策が破綻するシナリオである。国民は憲法改正よりも、経済や物価を重視している。国民の意思を理解し、安倍氏の遺志などという感情論を排して現実的な課題に取り組み、冷静な政策論議を主導できるかどうか、岸田首相の力量が問われる。 ただし、自民党の穏健路線に対する攪乱要因がこの参院選で明らかになった。それは、参政党、NHK党という右派ポピュリスト政党が議席を獲得した点である。自民党に飽き足らない急進保守層が析出したことは、日本政治におけるオピニオンの布置状況が右に寄ったことを意味する。 他方、暗殺事件の容疑者は、安倍氏も交流のあった宗教団体に対する怨恨から犯行に及んだと供述している。この団体は、悪徳商法で法外な利益を得たり、若者を洗脳したりと、反社会的活動をしてきた。同時に自民党内にもシンパの政治家を持って、同性婚や選択的夫婦別姓について強硬な反対論の発信源となっていた。 事件の真相解明が日本政治の暗部を暴くことになると、予想外の混乱が起こるかもしれない。ジャーナリズムの力量が問われることになる』、「参政党、NHK党という右派ポピュリスト政党が議席を獲得した点である。自民党に飽き足らない急進保守層が析出したことは、日本政治におけるオピニオンの布置状況が右に寄ったことを意味する」、「暗殺事件の容疑者は、安倍氏も交流のあった宗教団体に対する怨恨から犯行に及んだ」、「この団体は、悪徳商法で法外な利益を得たり、若者を洗脳したりと、反社会的活動をしてきた。同時に自民党内にもシンパの政治家を持って、同性婚や選択的夫婦別姓について強硬な反対論の発信源となっていた。 事件の真相解明が日本政治の暗部を暴くことになると、予想外の混乱が起こるかもしれない。ジャーナリズムの力量が問われることになる」、本件については、昨日のこのブログでも取上げたが、「事件の真相解明」が楽しみだ。

第三に、7月22日付けダイヤモンド・オンラインが掲載した室伏政策研究室代表・政策コンサルタントの室伏謙一氏による「立憲民主党はなぜ参院選で大敗した?「提案型野党」が支持されない理由」を紹介しよう。
https://diamond.jp/articles/-/306708
・『7月10日に投開票が行われた参院選は、自民党の大勝に終わった。一方、これに抗するはずの立憲民主党は、現職が何人も落選する惨敗だった。立憲民主党は、なぜここまでの「大敗」を喫してしまったのか、これから何をすればいいのか、徹底検証する』、興味深そうだ。
・『参院選は自民大勝 一方の立民は「大敗」  去る7月10日に投開票が行われた参議院選挙は、自民党の大勝に終わった。これまでの選挙では、「大勝」とはいっても実は自民党の得票数は減っているということがあったが、今回の選挙では、前回の3年前の参院選と比べて、選挙区、比例区ともそれぞれ50万票以上得票数が増えている(もちろん、候補者数の多寡は得票数に関係しているので、厳密に言えば単純比較は難しいともいえるが)。 名実ともに自民党が勝利した今回の参院選、これに抗するはずの立憲民主党はといえば、現職が何人も落選する惨敗であった。得票数については、前回の参院選の時の立憲民主党と、今回の参院選の立憲民主党は形式的には別ものであるが実質的には同じなので、得票数を比較してみると、比例区では110万票以上減らしている。端的に言って大敗である。比例区の結果からすれば、立憲民主党という政党に対する支持も期待も、急落したと言ってしまっていいだろう。 一方で選挙区ではどうかと言えば、前回の参院選に比べて20万票近く増えている。これも候補者数との関係性もあるが、当落を無視して少なくとも候補者個人ベースで考えれば、まだまだ立憲民主党に対する期待や支持は根強くあり、候補者選定や候補者の立て方次第では、これを伸ばすことが可能であるといえよう。 ただ、比例票は大幅に減ったのであるし、躍進したといえるほど議席数を増やすことができなかったどころか、改選議席の維持すらできなかった。このため、立憲民主党は今回の選挙では存在感を示すことができなかったと言っていいだろう。 しかし、その「存在感を示すことができなかった」というのは今回の選挙に始まった話ではないだろう。提案型野党を標榜して登場した泉健太代表体制は、国会での論戦において、批判や追及を極力減らして提案型の質問を行うことを打ち出していった。 これまでの国会であれば、与党の不祥事やスキャンダル追及で予算委員会が空転するといったことが、恒例行事のように見られ、その姿が連日のように大手メディアで取り上げられた。そのことに味をしめた野党議員たちは、スキャンダル追及に血道を上げるようになり、国会の質疑の空洞化が懸念されるようになった。 さらに、反論できない役人を何時間も拘束してつるし上げる「野党ヒアリング」は、格好の「見せ場」として使われた(筆者の先輩や同期も、詳細に答えられる立場にないにもかかわらず「悪役」に仕立て上げられ、理由なくどう喝されていた。その場面を、動画を通して見たときは心が痛んだ)。提案型への転換を図ろうとしたのは、そんなことでは支持は頭打ち、政権交代なんて夢のまた夢とでも思ったからなのだろう。 確かに、故なきどう喝やつるし上げ、過剰なスキャンダル追及はもってのほかであり、国会活動として妥当な範囲を逸脱していることもあるだろうが、本来野党の役割は、政府・与党を追及すること、政府・与党が示した法案や予算案についてその問題点を明らかにして、それを正すよう求めること、何が問題で、わが国の社会経済にどのような影響を与え得るのかを明らかにすること、そして、問題点を解決するには何をすればいいのかを示すこと、である(最後の問題点の解決には、いわゆる対案だけではなく、法案そのものの廃案も含まれる)』、「本来野党の役割は、政府・与党を追及すること、政府・与党が示した法案や予算案についてその問題点を明らかにして、それを正すよう求めること、何が問題で、わが国の社会経済にどのような影響を与え得るのかを明らかにすること、そして、問題点を解決するには何をすればいいのかを示すこと、である」、その通りだ。
・『立憲民主党「泉健太体制」は野党の役割を果たせているのか  こうした役割を泉健太体制の立憲民主党は果たせていただろうか。筆者の見るところ、全くではないものの、果たせていたとは言い難い状況だったように思われる。岸田政権は参院選を控えて徹底した「安全運転」を行い、凪(なぎ)の状態を保つことを心掛けていた。ならば野党側が批判・追及という風を起こして波を立てればよかったのだが、それをほとんどしなかった。したがって、先の通常国会では、特定の法案や争点に関して国会の審議の状況が連日伝えられるようなことはなかった。 これで参院選へ突入であるから、今回の選挙結果はさもありなんであろう。 そもそも「提案型」とは、聞こえはいいが、ややもすると単なる与党への迎合になりかねない。筆者はその姿をかつて「第三極」において間近に見てきた。当時、みんなの党はまさにこの「提案型」を標榜し、国会の質疑においては「提案型」の質問が心掛けられたが、首相所信や施政方針に対する代表質問のような、まさしく「見せ場」を除いて、穏やかに追及するか、与党にすり寄るかのような、「提案型」と称した質問が多く見られた。 その「提案」が採用されたとすることをもって、ある種の「成果」とするがごとき風潮も見られた。そもそもその「提案」も与党側が採用可能な範囲のものであり、筆者の目には迎合としか映らなかった(一方で、参院経由で国会に提出された議員立法は、ほとんどが与党が採用困難な「高めの球」ばかりであった)。 先の通常国会における泉健太体制下の立憲民主党は、まるで迎合を「提案」と言い換えていたかつてのみんなの党のようであった。それでもみんなの党は政策の柱が分かりやすく立っていたので支持を集めたが、現在の立憲民主党は、それすらも分かりにくい。それでは、今後もひたすら埋没への道を歩むだけであろう』、「当時、みんなの党はまさにこの「提案型」を標榜し、国会の質疑においては「提案型」の質問が心掛けられたが、首相所信や施政方針に対する代表質問のような、まさしく「見せ場」を除いて、穏やかに追及するか、与党にすり寄るかのような、「提案型」と称した質問が多く見られた。 その「提案」が採用されたとすることをもって、ある種の「成果」とするがごとき風潮も見られた。そもそもその「提案」も与党側が採用可能な範囲のものであり、筆者の目には迎合としか映らなかった」、「先の通常国会における泉健太体制下の立憲民主党は、まるで迎合を「提案」と言い換えていたかつてのみんなの党のようであった」、「今後もひたすら埋没への道を歩むだけであろう」、「みんなの党」の「提案型」を見てきただけに説得力がある。
・『中途半端な「提案型」は放棄して徹底した対立野党を目指すべき  今回の参院選の結果を受けて、立憲民主党内で、泉降ろしや党内政局の動きが出ているとは聞いていない。もっとも、当選期数の多い、いわゆるベテラン議員たちはいきり立っているようである。党勢の立て直しは必要であるとしても、お家騒動をやっているようでは、国民の支持はさらに離れていくことになり、「とりあえず与党」という消極的な岸田政権への支持を増やすことに貢献するだけだろう。加えて、風見鶏議員の離党によって、野党第一党の地位を失うことにもなりかねない。 もし、立憲民主党が多くの国民から期待を寄せられる野党になりたいのであれば、中途半端な「提案型」姿勢は放棄して、徹底した対立野党、政権批判・追及野党に生まれ変わるべきであろう。 ただしそのためには、スキャンダル追及に価値を置くのではなく、委員会にかかわらず、つまり目立つ・目立たないにかかわらず、与党の提示する法案や予算案についてしっかり分析した上で、具体的かつ詳細な委員会質疑をすることに価値を置き、これを行う姿勢を明確に打ち出すことが必要だ。そしてそれが可能なように、当選期数に関係なく政策に明るい議員が泉健太代表を支える体制を創出することが求められる。 これまでも立憲民主党では、スキャンダル追及や目立つ質問が上手い議員を、予算委員会の質疑、特にテレビ入りの質疑においては優先して質疑に立てる傾向があったが、これも改める必要があろう(端的に言って、これは民主党系のあしき風習であるが)。 野党が批判姿勢を明確にし、かつ質の高い質問をぶつけてくるようになれば、与党も活性化し、党内議論もさらに活発化することにつながり、日本の政治の質の向上に資することになろう。 まさにこの手の「提案」を立憲民主党が受け入れるか否かに、同党の将来がかかっている、と筆者は勝手に考えている』、「立憲民主党が多くの国民から期待を寄せられる野党になりたいのであれば、中途半端な「提案型」姿勢は放棄して、徹底した対立野党、政権批判・追及野党に生まれ変わるべきであろう。 ただしそのためには、スキャンダル追及に価値を置くのではなく、委員会にかかわらず、つまり目立つ・目立たないにかかわらず、与党の提示する法案や予算案についてしっかり分析した上で、具体的かつ詳細な委員会質疑をすることに価値を置き、これを行う姿勢を明確に打ち出すことが必要だ。そしてそれが可能なように、当選期数に関係なく政策に明るい議員が泉健太代表を支える体制を創出することが求められる」、私も「立憲民主党」の「提案型」への取り組みには違和感を感じてきたが、この室伏氏の提案には全く同感である。「立憲民主党」の議員もこの記事を読んでいる筈なので、「中途半端な「提案型」姿勢は放棄して、徹底した対立野党、政権批判・追及野党に生まれ変わるべきであろう」、「与党の提示する法案や予算案についてしっかり分析した上で、具体的かつ詳細な委員会質疑をすることに価値を置き、これを行う姿勢を明確に打ち出すことが必要だ」、一刻も早く方向転換してほしいものだ。
タグ:日本の政治情勢 (その62)(杉並区長選で野党共闘まさか勝利 岸田自民が恐れる“ノブテルの呪い”と参院選敗北の予兆、日本政治にとって「大転換点」となった参議院選挙 安倍政治が終わり 平和志向の戦後政治も転機を迎えた、立憲民主党はなぜ参院選で大敗した?「提案型野党」が支持されない理由) 日刊ゲンダイ「杉並区長選で野党共闘まさか勝利 岸田自民が恐れる“ノブテルの呪い”と参院選敗北の予兆」 「現職の田中良氏(61=当選3回)が、野党統一候補の岸本聡子氏(47)に約190票差で敗れた」、「杉並区議会の自民会派が「親田中派」と「反田中派」に分裂し、足並みが揃わなかった」、その割には「約190票差」とはいささか寂しい。 「参院選」の結果を見る限り、「区長選の結果」は自民党の内部分裂の結果に過ぎず、「国民の怒りは“沸点”間近」ではなかったことになるのは残念だ。 東洋経済オンライン 山口 二郎氏による「日本政治にとって「大転換点」となった参議院選挙 安倍政治が終わり、平和志向の戦後政治も転機を迎えた」 「さまざまな意味で政治の転換の契機となる」とは興味深そうだ。 「安倍氏」葬儀の国葬化をみると、必ずしも「岸田首相は自由に行動できるようになる」とはいかないようだ。 「参政党、NHK党という右派ポピュリスト政党が議席を獲得した点である。自民党に飽き足らない急進保守層が析出したことは、日本政治におけるオピニオンの布置状況が右に寄ったことを意味する」、「暗殺事件の容疑者は、安倍氏も交流のあった宗教団体に対する怨恨から犯行に及んだ」、「この団体は、悪徳商法で法外な利益を得たり、若者を洗脳したりと、反社会的活動をしてきた。同時に自民党内にもシンパの政治家を持って、同性婚や選択的夫婦別姓について強硬な反対論の発信源となっていた。 事件の真相解明が日本政治の暗部を暴くことになると ダイヤモンド・オンライン 室伏謙一氏による「立憲民主党はなぜ参院選で大敗した?「提案型野党」が支持されない理由」 「本来野党の役割は、政府・与党を追及すること、政府・与党が示した法案や予算案についてその問題点を明らかにして、それを正すよう求めること、何が問題で、わが国の社会経済にどのような影響を与え得るのかを明らかにすること、そして、問題点を解決するには何をすればいいのかを示すこと、である」、その通りだ。 「当時、みんなの党はまさにこの「提案型」を標榜し、国会の質疑においては「提案型」の質問が心掛けられたが、首相所信や施政方針に対する代表質問のような、まさしく「見せ場」を除いて、穏やかに追及するか、与党にすり寄るかのような、「提案型」と称した質問が多く見られた。 その「提案」が採用されたとすることをもって、ある種の「成果」とするがごとき風潮も見られた。そもそもその「提案」も与党側が採用可能な範囲のものであり、筆者の目には迎合としか映らなかった」、「先の通常国会における泉健太体制下の立憲民主党は、まるで迎合を 「立憲民主党が多くの国民から期待を寄せられる野党になりたいのであれば、中途半端な「提案型」姿勢は放棄して、徹底した対立野党、政権批判・追及野党に生まれ変わるべきであろう。 ただしそのためには、スキャンダル追及に価値を置くのではなく、委員会にかかわらず、つまり目立つ・目立たないにかかわらず、与党の提示する法案や予算案についてしっかり分析した上で、具体的かつ詳細な委員会質疑をすることに価値を置き、これを行う姿勢を明確に打ち出すことが必要だ。そしてそれが可能なように、当選期数に関係なく政策に明るい議員が泉健太代 泉健太代表を支える体制を創出することが求められる」、私も「立憲民主党」の「提案型」への取り組みには違和感を感じてきたが、この室伏氏の提案には全く同感である。「立憲民主党」の議員もこの記事を読んでいる筈なので、「中途半端な「提案型」姿勢は放棄して、徹底した対立野党、政権批判・追及野党に生まれ変わるべきであろう」、「与党の提示する法案や予算案についてしっかり分析した上で、具体的かつ詳細な委員会質疑をすることに価値を置き、これを行う姿勢を明確に打ち出すことが必要だ」、一刻も早く方向転換してほしいものだ。
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安倍元首相暗殺事件(その1)(「安倍氏は三代にわたって付き合いがあった」マスコミが書かない山上容疑者・統一教会・自民党をつなぐ点と線 安倍氏と統一教会の間には「裏取引疑惑」も、安倍氏銃撃事件で露呈した「固定観念の罠」 動機・銃撃能力・警備体制…、【独自】安倍家と統一教会との“深い関係”を示す機密文書を発見 米大統領に「文鮮明の釈放」を嘆願していた岸信介、警察はなぜ旧統一教会を放置し続けた? 1995年の摘発を退けた「政治圧力」) [国内政治]

今日は、安倍元首相暗殺事件(その1)(「安倍氏は三代にわたって付き合いがあった」マスコミが書かない山上容疑者・統一教会・自民党をつなぐ点と線 安倍氏と統一教会の間には「裏取引疑惑」も、安倍氏銃撃事件で露呈した「固定観念の罠」 動機・銃撃能力・警備体制…、【独自】安倍家と統一教会との“深い関係”を示す機密文書を発見 米大統領に「文鮮明の釈放」を嘆願していた岸信介、警察はなぜ旧統一教会を放置し続けた? 1995年の摘発を退けた「政治圧力」)を取上げよう。

先ずは、7月13日付けPRESIDENT Onlineが掲載したやや日刊カルト新聞主筆の鈴木 エイト氏による「「安倍氏は三代にわたって付き合いがあった」マスコミが書かない山上容疑者・統一教会・自民党をつなぐ点と線 安倍氏と統一教会の間には「裏取引疑惑」も」を紹介しよう。
https://president.jp/articles/-/59539
・『安倍晋三元首相の銃撃事件で、逮捕された山上徹也容疑者は「『統一教会』に恨みがあり、安倍元首相が近しい関係にあると思ってねらった」と供述していると報じられている。フリージャーナリストの鈴木エイトさんは、「統一教会は、その関連組織である勝共連合を通じて、長年にわたり日本の政界に幅広く浸透しており、特に第2次安倍政権以降、政界工作を活発化させていた」という――』、興味深そうだ。
・『山上容疑者が口にした「統一教会」とは  「統一教会」(現在の正式名称は「世界平和統一家庭連合」、かつての「世界基督教統一神霊協会」)は、1954年に韓国で教祖・文鮮明(ムン・ソンミョン)が創設した団体である。 58年に日本へ進出、翌59年には日本統一教会が設立され、64年には宗教法人の認証を受けている。 その後、教団は、反共産主義を掲げる関連政治組織・国際勝共連合(1968~)を通じて、自民党を中心とした保守系政治家に接近し、秘書や運動員を派遣するなど、活発な政界工作を行った。 その一方で、日本社会との軋轢も表面化する。 65年には教団系列の学生組織・原理研究会(CARP)への批判報道(「親泣かせの原理運動」朝日新聞)がなされる。80年代以降は、高額な壺や、印鑑などを購入させる「霊感商法」、正体と目的を隠した「偽装勧誘」、教祖が選んだ相手とマッチングされた日本人女性信者が、韓国へ嫁がされた「合同結婚式」などの問題が報じられた』、「霊感商法」、「合同結婚式」などは記憶にある。
・『原罪を解消する儀式「合同結婚式」  統一教会は、文教祖と妻の韓鶴子総裁を絶対的な「真の父母様」として崇める教団である。 その統一教会が最も重要視するのが、「合同結婚式」(国際合同祝福式・祝福)だ。 教団の教えでは、人類の始祖であるアダムとエバが、蛇の姿をしたサタンと性交したことにより、全人類に原罪が生まれたとしている。 その「原罪」を、神の下での祝福によって解消するための、教団の最高儀式が、「合同結婚式」である。 1960年に第1回目の合同結婚式が韓国で行われる。 それ以降、四十数回にわたり、韓国を中心に、世界各国で開催される。 日本からも信者が多額の献金を持参し、韓国で「祝福」を受けてきた。 1990年代には、芸能人や有名スポーツ選手の参加が報じられ、大きな騒動となった。 現在は2世信者同士がお見合い形式でマッチングされるケースも増えたが、90年代までは教祖が信者の写真を見てマッチングしていた時期が長く、会場で初めて顔を合わせるカップルがほとんどだったという。 教団内では「エバ国家である日本はアダム国家である韓国に尽くす義務がある」とされており、「従順な日本人女性と結婚できる」として、「にわか信者」となった韓国人男性とマッチングされた、というケースも多数報告されている。また、合同結婚式によって生まれた「祝福家庭」の2世信者には、自由な恋愛感情を抱くことすら禁じられるという』、「「エバ国家である日本はアダム国家である韓国に尽くす義務がある」とされており」、「韓国」らしい一方的な教義だ。「合同結婚式によって生まれた「祝福家庭」の2世信者には、自由な恋愛感情を抱くことすら禁じられる」、ずいぶん窮屈な教義だ。
・『「勝共連合」を通じて日本の政界に接近  その「統一教会」のいわば「別動隊」として、さまざまな政治活動を行っているのが、「国際勝共連合」である。 国際勝共連合は、徹底した反共産主義を掲げる、右派・保守系の組織だ。 その主張としては、中国共産党政権と日本共産党への批判が主で、韓国への批判は皆無という特徴がある。 日本の保守層においては、近年、反韓・嫌韓感情が渦巻いているが、そうした空気感とは異なり、1990年代以前の日韓両国は「反共の同志」として良好な関係にあった。 米CIAの後ろ盾の下、「北朝鮮の共産主義に打ち勝って統一/勝共統一」をスローガンに、反共活動組織を必要としていた韓国の朴正煕(パク・チョンヒ)政権(1961~79)の庇護を受けるため、統一教会の文教祖は、反共産主義を掲げて朴大統領に取り入った。 67年に文教祖は、山梨県の本栖湖畔で、戦後右翼の大物らと日韓反共首脳会談を開催。 それを契機として、翌68年1月、韓国で国際勝共連合を創設。 日本でも同年4月、安倍氏の祖父・岸信介元総理大臣の後ろ盾によって、国際勝共連合が創設されることになる。 教団が政治に接近する狙いは、政権からの体制保護を得ることと、与党国会議員の教団イベント参加といった便宜供与にある。 一方、政治家のほうでは、選挙における組織票や、事務所スタッフの人手を欲している。 教団の「秘書養成所」で訓練された信者が、議員の元に送り込まれ、秘書や事務所スタッフ、選挙運動員となる。 当時の日本は安保闘争の真っただ中にあり、献身的に反共運動に邁進する青年を抱える勝共連合は、日本の政財界へ浸透していく。 70年9月には、勝共連合の主導により、日本武道館において「WCAL(世界反共連盟)世界大会」が開催される。74年5月、文鮮明教祖が帝国ホテルで開いた「希望の日」晩餐会には、岸氏の他、福田赳夫氏、安倍晋太郎氏ら、40人もの自民党国会議員と財界の要人が出席した』、「献身的に反共運動に邁進する青年を抱える勝共連合は、日本の政財界へ浸透していく」、政界にとっては便利な存在だったようだ。
・『自民党と統一教会の蜜月関係  1979年にも、勝共連合は、「スパイ防止法」の立法を目指す自民党を後押しする。 教団は、フロント組織として、91年に世界平和連合、92年に世界平和女性連合を創設。 また、地方議員の後援会を結成するなど、政治の裏側で暗躍し続けている。 1990年代初頭には、衆参両院に、約200人もの「勝共推進議員」がいたとされる。 しかし、教団が引き起こしたさまざまな社会問題の影響や、東西冷戦の終結により、共産主義との戦いの必要性が薄れたことなどの影響で、教団と近しい関係の政治家たちは、90年代以降、次第に統一教会・勝共連合と距離を置くようになった。 2000年代後半には、日本全国の複数都市で、「霊感商法」を行う販社が摘発を受ける。  日本本部への家宅捜索や、宗教法人の認可剝奪を危惧した教団本部は、政治家対策を強化する。 近年では、自民党が法制化を進める「家庭教育支援法」や「青少年健全育成基本法」など、さまざまな法整備の背後で教団が協力していると言われている。 また、自民党の悲願である憲法改正への動きについても、さまざまな工作で下支えするほか、憲法24条の「家庭条項」を改正するため策動しているとされる。 教団の日本法人は、2015年、「世界基督教統一神霊協会」から「世界平和統一家庭連合」へ、法人名の変更を認可されている。その際、安倍元首相の側近閣僚からの「圧力」があったのではと、永田町では噂になった』、「「世界平和統一家庭連合」へ、法人名の変更を認可されている。その際、安倍元首相の側近閣僚からの「圧力」があったのではと、永田町では噂になった」、「日本本部への家宅捜索や、宗教法人の認可剝奪を危惧した教団本部は、政治家対策を強化する。 近年では、自民党が法制化を進める「家庭教育支援法」や「青少年健全育成基本法」など、さまざまな法整備の背後で教団が協力していると言われている。 また、自民党の悲願である憲法改正への動きについても、さまざまな工作で下支えするほか、憲法24条の「家庭条項」を改正するため策動しているとされる」、「さまざまな法整備の背後で教団が協力」、「憲法改正への動きについても、さまざまな工作で下支えするほか、憲法24条の「家庭条項」を改正するため策動」、「法整備」のみならず、「憲法改正」でまで「さまざまな工作で下支えする」とは、もはや自民党の別動隊ともいえる存在だ。
・『安倍晋三氏と統一教会の「三代にわたる関係」  こうした教団の政治進出が特に強まったのが、第2次安倍政権以降である。 憲法改正を掲げ、左翼批判を強めていた安倍晋三氏は、選挙支援などで、統一教会への依存を強め、統一教会との共存共栄関係が築かれていった。 政治家対策を担うUPFジャパンの梶栗正義会長は国際勝共連合会長就任前の17年8月、韓国での幹部集会で、韓鶴子総裁にこう報告している。 「最近、日本は雰囲気が変わってきました。以前、勝共連合の活動が活性化していた時と同じような、その当時は200名を超える議員たちがご父母様に侍はべっていたのですが、その時と同じような雰囲気が近づいています」 安倍晋三氏の祖父である岸信介元首相は、首相公邸として使っていた建物を教団本部として使用させたほど、文教祖や教団と友好関係にあった。 また、父親の安倍晋太郎元外相は、統一教会員を自民党国会議員に対して秘書としてあっせんし、各議員を教団のセミナーに勧誘していたという。 しかし、安倍晋三氏は2006年の時点では、統一教会と一定の距離を置いていた形跡がある。 安倍氏と統一教会との関係が最初に取り沙汰されたのは2006年5月。 UPFが福岡で開催したイベント「祖国郷土還元日本大会」に、当時官房長官だった安倍氏が祝電を送ったことが報じられた。 在野時代、保守系団体の会合や野外イベントで、安倍晋三氏は、妻の昭恵氏とともに、ある統一教会関連団体幹部と親しくなったという。 その後の安倍氏は、急激に教団との距離を縮めていく。12年12月に、安倍氏が政権を奪取すると、自民党議員の一部には、選挙の際には「組織票」となり、また選挙支援スタッフを派遣してくれる教団に依存する動きもみられた』、「岸信介元首相は、首相公邸として使っていた建物を教団本部として使用させたほど、文教祖や教団と友好関係にあった」、そこまで親密だったとは初めて知った。「教団の政治進出が特に強まったのが、第2次安倍政権以降である。 憲法改正を掲げ、左翼批判を強めていた安倍晋三氏は、選挙支援などで、統一教会への依存を強め、統一教会との共存共栄関係が築かれていった」、「安倍氏が政権を奪取すると、自民党議員の一部には、選挙の際には「組織票」となり、また選挙支援スタッフを派遣してくれる教団に依存する動きもみられた」、なるほど。
・『13年参院選の「裏取引」疑惑  安倍氏と統一教会の間には「裏取引」疑惑もあった。 2013年7月の参院選において、統一教会が全国の信者へ出した「通達」の中には、祖父・岸信介氏の恩人の孫で、安倍晋三氏肝いりの候補者への「後援」を「首相からじきじき」に「依頼」された旨の記述がある。 実際、当該候補は、教団の支援を受け、13年の参院選において当選している。 以降、教団やフロント団体のイベントに、安倍氏の側近を含む、多数の自民党国会議員の来賓が確認されている。 2016年に、UPFが創設した「世界平和国会議員連合」の日本創設式典には、当時の閣僚5人を含む、100名以上の国会議員(代理出席の秘書含む)が出席している。 また、統一教会と関係の深い議員が多数、閣僚や副大臣などに登用されている。 また、教団2世信者組織による安倍政権支持を訴える街宣活動が全国で行われたほか、複数の教団幹部が秘密裏に首相官邸へ招待されていたことも明らかとなっている。 全国弁連は2018年と翌19年に、全国会議員事務所に、統一教会と関係を持たないよう求める要望書を届けたが、以降も関係を続ける議員が続出した。 2021年9月12日、韓国の教団施設で開催された大規模オンライン集会に、安倍氏がリモート登壇し、韓総裁を礼賛する映像が配信された。その翌月、梶栗正義・国際勝共連合兼UPFジャパン会長は、安倍氏との関係について、「温めてきた信頼関係がある」とし、文教祖や教団会長を歴任した父親(梶栗源太郎氏)時代から、岸信介氏、安倍晋太郎氏、安倍晋三氏との三代にわたる「付き合い」を誇った』、「複数の教団幹部が秘密裏に首相官邸へ招待されていた」、とは初めて知った。「岸信介氏、安倍晋太郎氏、安倍晋三氏との三代にわたる「付き合い」を誇った」、なるほど。
・『統一教会の分派「サンクチュアリ教会」とは何か  12年9月に文教祖が死去し、韓鶴子総裁が名実ともに最高権力者となる。 その韓鶴子総裁は、教祖から後継者に指名されていた息子たちを追放し、自身の独裁体制を構築。日本の教団組織をその指揮系統下に置き、政界工作に従事させる。 当初、文教祖の後継者と目されていたのは、三男・文顯進(ムン・ヒョンジン)である。 その三男は、教祖存命中の10年に追放されている。 教団の経済部門である「統一教財団」を受け継いだ四男・文國進(ムン・クッチン/統一教維持財団理事長)と、宗教部門「世界宣教本部」を統括していた七男・文亨進(ムン・ヒョンジン/統一教会世界会長)も、文教祖の死後、相次いで要職を解かれた。 三男・文顯進は、10年に、教団の資産管理団体UCIを手中に収め、17年にはFPA(世界家庭教会)を創設。 文亨進は15年に米国で「サンクチュアリ教会」を設立。 そのサンクチュアリ教会に対しては、文教祖より銃砲会社を受け継いだ四男・文國進が、経済的支援を行っている。 韓鶴子派とこれら息子たちの分派の間では、資金送付先や不動産利権、教団ロゴマークの著作権などを巡って訴訟沙汰となった。 山上容疑者自身は、同教団と対立するこれらの分派に所属しているという情報もある。 特に銃弾で作られた王冠を巻き、銃を持って礼拝を行う「サンクチュアリ教会」との親和性が指摘されている。 ただし、同教会の日本支部「日本サンクチュアリ協会」は否定しており、事実関係については慎重に検証していく必要がある』、これだけ「安倍氏」と「統一教会」の関係が深いのであれば、今回の事件も「安倍氏」の身から出たサビといえそうだ。

次に、7月14日付けダイヤモンド・オンラインが掲載した軍事ジャーナリストの田岡俊次氏による「安倍氏銃撃事件で露呈した「固定観念の罠」、動機・銃撃能力・警備体制…」を紹介しよう。
https://diamond.jp/articles/-/306370
・『「民主主義への挑戦」なのか 銃撃事件が浮き彫りにしたもの  安倍晋三元首相銃撃事件が発生した直後、与野党の政治家や報道機関は、「政治的テロ」かのように捉えての言動や報道が相次いだ。 「言論を銃撃、暴力で封殺する行いは断じて許すことはできない」などと犯人を激しく非難し、「民主主義が決してテロに屈してはならない」と訴えた。 だが山上徹也容疑者(41)を奈良県警が取り調べたところ、独善的な政治理念といった“高尚”な動機ではなく、個人的な不遇の鬱憤を晴らす行動だったことが分かってきた。 これに似た事件が起きたのが、2008年6月、東京・秋葉原で起きた25歳の青年による殺傷事件だ。買い物客で雑踏する歩行者天国にトラックで突入、大型ナイフで人々を刺してまわり、7人が死亡、10人を負傷させた。 青年は、青森県の進学高校を卒業したが大学に入らず、職場を転々、自殺をほのめかしていたという。メディアは青年が派遣社員として働いていたことから不遇で「社会に不満を抱いた派遣社員の犯罪」と伝えた。 その後の裁判では教育に熱心だった母親への鬱積した感情が主な動機だったことが明らかになる。 ある種の固定観念が問題の本質を捉え間違えたり、本当の課題を見えにくくしたりする「罠」といってもいいだろう』、「安倍晋三元首相銃撃事件が発生した直後、与野党の政治家や報道機関は、「政治的テロ」かのように捉えての言動や報道が相次いだ。 ・・・「民主主義が決してテロに屈してはならない」と訴えた」、確かに的外れもいいところだ。
・『元自衛官だったことを銃撃能力と結び付ける無理  山上容疑者も奈良県随一とされた高校の優等生で応援団長を務めて人望もあったようだが、卒業後は家庭の都合からか大学には進学せず、専門学校に入った。 2年間専門学校で学んだ後、2003年から2005年まで3年間は任期制自衛官として海上自衛隊に勤めた。 任期制自衛官というのは、3カ月の基礎訓練後、階級が最下位の2等海士(2等水兵)となり、3年後本人が希望し、選考に通ればさらに2年間継続任用される。 これに対して、防衛大学校や一般大学出身者は入隊すると菅長(下士官の最上位)に任じられ、1年後には3尉(少尉)の士官となる。 中学、高校で優等生だった山上容疑者にとっては、鬱屈した思いを抱くことがあったのではないか。継続任用されずに除隊したのは嫌気が差したか、協調性に欠けると見られたのかもしれない。 今回の事件では、山上容疑者が短期ながら海上自衛隊にいたことで、射撃や拳銃製作の知識、経験を得たかのように報じられている。 だが2等水兵は、小銃射撃については、基礎教育で一応習う程度だ。彼は護衛艦「まつゆき」の砲雷科に属したが、扱うのは口径76ミリの艦砲や対空、対艦、対潜水艦ミサイルで、拳銃とはほとんど無縁だ。 約17年も前に海上自衛隊にいたことを今回の銃撃事件に結び付けるのは無理がある。これも固定観念からの見方だ』、「約17年も前に海上自衛隊にいたことを今回の銃撃事件に結び付けるのは無理がある。これも固定観念からの見方だ」、その通りだ。
・『あまりに短絡的な動機 旧統一教会幹部と同一視  山上容疑者は取り調べに対し、建設業者だった父が亡くなった後、母が韓国に本部があるキリスト教の亜流の統一教会(現在は「世界平和統一家庭連合」)に入信し、多額の寄付をし、家も売却するなど家庭が崩壊したことを恨んで、その宗教団体の幹部を成敗しようとして爆弾や拳銃を作った、と語っているという。 だが宗教団体の幹部を殺害するのは難しいと判断し、昨年9月、世界平和統一家庭連合の集会で約5分間のリモート演説をして、その幹部を称賛した安倍元首相を狙ったと動機を語っているという。) かつて警察庁が「最も悪質な商法」と断言して取り締まりを指示した「霊感商法」や大学のキャンパスで正体を隠した勧誘、「合同結婚式」などで非難された宗教団体を、自民党の最大派閥を率いる安倍氏が称賛する演説をしたのは、いかがなものかと思われる。 だが、安倍氏が韓国系の宗教団体の信者ではなかったことは明白で、山上容疑者の母親が多額の寄付をしたことに安倍氏は何の責任もない。 その宗教団体幹部と同一視する発想はあまりに短絡的で、山上容疑者の殺意は八つ当たりのようなものだ。 今にして思えば安倍氏は見境がないといってもいいほど、外国人に対し好感を与える“天才的八方美人”で、韓国の宗教団体への祝辞もその一端にすぎなかったのだろうと思われる。 なるべく敵を作らず、友好国を増やすのに努めるのは外交の定石だが、安倍氏の対外的言動は他国の好感を得ることはできても首尾一貫しないことが少なくなかった。 実際、安倍外交自体、外交の定石とはいえ、方向性がはっきりしなかったことは否めない。 対中外交では、第1次安倍内閣の成立当初から安倍氏は中国との「戦略的互恵関係」を唱え、尖閣諸島問題では2014年11月に習近平国家主席と会談し「双方が異なる見解をを有する」ことを認めて互恵関係の原点に立ち戻り関係を改善することで握手した。中国が進める「一帯一路」計画に対しては2017年6月に協力を表明、安倍氏が習氏を国賓として招いたが、コロナ禍で実現しなかった。日中関係改善に尽力したことは事実だ。 だがその一方で、2016年8月に「自由で開かれたインド太平洋」を目指す米国の中国包囲網結成に賛同し、米中戦争を念頭に同盟と防衛力強化を進め、米、印、豪などとの共同演習を行った。 安倍元首相の死去に際して、北朝鮮を例外にウクライナ問題で対立が激化するロシアのプーチン大統領や台湾など多くの国々からも続々と急逝を悼む弔電が送られ、安倍氏が友好に貢献したことに感謝した。 だがそれぞれ利害が異なる国々がこぞって安倍氏の友好的政策を評価したのは、安倍氏が相手国に気に入られるような矛盾した言動を続けた証左とも思われる。 弔意と感謝を示すのは礼儀と同時に、日本が約束したことを再確認する手法でもあるだろう。 成果のほどは確定しないが、よくもこれだけ八方美人を演じられたものと感服せざるを得ない。こうした中でも、韓国の旧統一教会への祝辞はやり過ぎの感があり、それが安倍氏の命取りとなってしまった』、「韓国の旧統一教会への祝辞はやり過ぎの感があり、それが安倍氏の命取りとなってしまった」、その通りだ。
・『杓子定規だった警護体制 テロの対象者や実行者も変化  固定観念の「罠」ということでいえば、テロ防止でも、今回の事件は教訓を残した。 今回、安倍元首相の警備では、東京の警察庁から派遣されていた要人警護を専門とするSPは1人で、しかも役割はおそらく本省との連絡官にすぎず、警護の中心は奈良県警の警察官が当たっていた。 現職の閣僚などには、通常は数人のSPが付くのだが、安倍元首相は退任後は一衆議院議員ということで、SPを1人しか付けなかったようだ。 だが安倍氏は自民党内の最大派閥を率いる実質的には最大の権力者の一人で、それだけに憎まれることも多かったはすだ。SPは要人の前後左右に4人は付けるのが現実的だったろう。官僚の杓子定規の判断が災いしたといえる。 要人警護では対象の人物の官職の上下よりは、襲われる可能性の大小をもっぱら考える戦術的判断が重要なはずだ。 さらにいえば、テロの対象者や実行者に対する観念も変える必要があるかもしれない。 従来の極右、極左のテロリストは何らかの組織に属した者が一般的だったから、公安当局が兆候を知り、事前防止がある程度できた。 だが、今回の安倍元首相銃撃や秋葉原の無差別殺傷のように将来への絶望感や個人的な動機から要人殺害や多数の人々を殺傷しようとする個人的なテロは予防が難しい。 日本は銃器の取り締まりが厳しいとはいえ、鉄パイプや火薬の材料となる薬物、陸上競技のスタートピストル用の雷管などを使い、先込み銃を作ることはそう難しくない。爆弾も自爆テロ用なら簡単に作れるから、今回の事件の模倣犯が出る危険が案じられる。 2019年7月に京都市伏見区で起きた京都アニメーション制作会社の放火(死者36人、負傷者33人)や2021年12月に大阪市曽根崎で起きた精神科医院の放火(死者26人、負傷者1人)もそうした一匹狼のテロ事件だった。 こうしたテロを考えれば、放火による大量殺人を防ぐため、火の手が上がると自動的に天井から水あるいは消火液を散布するスプリンクラーの設置に関係省庁と自治体が取り組むことも、「テロとの戦い」に有効な対策になると考えられる』、「今回の安倍元首相銃撃や秋葉原の無差別殺傷のように将来への絶望感や個人的な動機から要人殺害や多数の人々を殺傷しようとする個人的なテロは予防が難しい」、その通りだ。「京都アニメーション制作会社の放火」事件は、ビルの設計事態に重大な問題があったと思うが、これに言及した記事は見当たらず、お涙頂戴記事ばかりだったのは、誠に残念だ。

第三に、7月20日付けデイリー新潮「【独自】安倍家と統一教会との“深い関係”を示す機密文書を発見 米大統領に「文鮮明の釈放」を嘆願していた岸信介」を紹介しよう。
https://www.dailyshincho.jp/article/2022/07201200/?all=1
・『文鮮明の釈放を嘆願する文書  山上徹也容疑者(41)の凶行の背景には、安倍晋三元総理と統一教会の関係があることはすでに広く知られている。今回ご紹介する機密資料は、安倍元総理の祖父・岸信介元総理が1984年に当時の米大統領、ロナルド・レーガンに宛てた親書である。一族と統一教会の深い関係を物語る文書の内容とは――。 「文尊師は誠実な男」 岸信介氏がレーガン大統領に宛てた驚きの文書(リンク先参照) この書簡は、関連資料を保管する米カリフォルニア州のロナルド・レーガン大統領図書館のファイルに収められているもの。ジャーナリストの徳本栄一郎氏が5年前、本誌(「週刊新潮」)の依頼で同所を訪れた際に発掘した、この貴重な文書に登場するのは、統一教会の開祖・文鮮明の名前だ。 〈文尊師は、現在、不当にも拘禁されています。貴殿のご協力を得て、私は是が非でも、できる限り早く、彼が不当な拘禁から解放されるよう、お願いしたいと思います〉 出された日付は84年11月26日。差出人は岸信介。文鮮明はその前に、アメリカで脱税容疑にて起訴され、84年4月には懲役1年6カ月の実刑判決を受けて連邦刑務所に収監されていた。つまりこの書簡は、日本の元総理がアメリカの現職大統領に宛てて、韓国人「脱税犯」の逮捕が不当だとして釈放を依頼するという、極めて異例の内容なのだ』、「「脱税犯」の逮捕が不当だとして釈放を依頼」、とは信じ難い依頼だ。いくら「文鮮明」との関係が深かったとしても、「脱税犯」では「不当逮捕」の可能性は極めて小さくなる筈だ。
・『文鮮明は「誠実な男」「希少かつ貴重」  手紙の後半に進むと、岸氏の懇願調は増す。〈文尊師は、誠実な男であり、自由の理念の促進と共産主義の誤りを正すことに生涯をかけて取り組んでいると私は理解しております〉 〈彼の存在は、現在、そして将来にわたって、希少かつ貴重なものであり、自由と民主主義の維持にとって不可欠なものであります〉 この時点で日本では、既に教会による若者への強引な勧誘などが社会問題化していたが、その教団の首領を、「誠実で貴重」と評価しているというわけだ。 「この手紙を受け、アメリカ政府は対応を協議します。元総理で、その当時もなお自民党の実力者であった岸氏の依頼だけにむげにはできなかったのでしょう。返事も書いたようですが、それは今も機密解除されていません。国家安全保障上の理由とのことでした」(徳本氏) 結局、釈放は難しいと判断され、文鮮明が出所できたのは翌85年の夏だった。 嘆願書の3年後、岸氏は90歳で没するが、その後も岸・安倍一族と教会との関係は維持されていた――。 教会への恨みを安倍元総理に向けるというのは破綻した論理であるし、命を奪った行為は決して許されない。一方で岸・安倍一族と統一教会の間にあった深い関係は無視されるべきではないだろう。7月21日発売の「週刊新潮」では、安倍元総理、そして現役自民党議員と統一教会との関係性について詳しく報じている』、「岸・安倍一族と統一教会の間にあった深い関係は無視されるべきではないだろう」、その通りで、このブログでもそれにチャレンジしている。

第四に、7月22日付け日刊ゲンダイ「警察はなぜ旧統一教会を放置し続けた? 1995年の摘発を退けた「政治圧力」」を紹介しよう。
https://www.nikkan-gendai.com/articles/view/life/308594
・『「統一教会の被害者にとっては、政治家とのつながりがあるから警察がきちんと捜査してくれないという思いがずっとあると思います。私どもにもあります」 12日に開かれた「全国霊感商法対策弁護士連絡会」の会見で、渡辺博弁護士はこう断言した。 2009年、霊感商法の会社「新世」が通行人に声を掛け、印鑑などを売りつけたとして、社長と従業員らに懲役刑が下された。霊感商法が初めて犯罪認定され、世間の耳目を集めた。 これでようやく捜査の手が統一教会そのものに及ぶかと思われたが、それ以降も警察がメスを入れることはなかった。 渡辺弁護士はその背景をこう明かした。 「後に統一教会の機関誌で、新世事件の責任者が<政治家との絆が弱かったから、警察の摘発を受けた。今後は政治家と一生懸命つながっていかないといけない>と語ったことが、彼らの反省点でした。我々が国会議員に『統一教会の応援をするのはやめてください』と呼び掛けている理由もそこにある」) 昨年までの35年間で消費生活センターなどが受けた統一教会に関する相談は3万4537件、被害総額は約1237億円に上る。弁護団によるとそれも「氷山の一角」だという。これほど被害が膨らんでいるのに、なぜ警察は一向に捜査に動かないのか』、「新世事件の責任者が<政治家との絆が弱かったから、警察の摘発を受けた。今後は政治家と一生懸命つながっていかないといけない>と語ったことが、彼らの反省点」、「統一教会に関する相談は3万4537件、被害総額は約1237億円に上る。弁護団によるとそれも「氷山の一角」だという」、なるほど。
・『「信教の自由」を御旗に放置  そこで興味深いのが、統一教会問題を30年以上、追い掛け続けている参院議員の有田芳生氏の証言だ。 安倍元首相を銃撃した山上徹也容疑者(41)の母親が統一教会に入信したのは、1991年ごろ。有田氏は95年、警視庁公安部の幹部から「統一教会の摘発を視野に入れている。相当な情報源ができた。金の関係から入る」と打ち明けられている。しかし、摘発はなかった。 有田氏がこう続ける。 「10年後、元幹部に『今だから言えることを教えて欲しい。なんでダメだったのか』と聞いたら、答えは『政治の力だった』の一言でした。警察は個人名を含めた全国の捜査リスト『統一教会重点対象名簿』を作り、実際に動いていたのですが」) 「全国連絡会」の紀藤正樹弁護士も、会見でこう指摘していた。 「統一教会のような伝道、経済活動、合同結婚式の3点セットがすべて違法となる集団は世界中どこにもありません。我々はすべて民事事件で解決してきました。普通はどこの国でも、これだけ問題を起こせば途中で刑事事件になります。日本だけが放置され、信教の自由の御旗の下に許されてきたから現実に今、統一教会がある」 山上容疑者は犯行動機について、「新型コロナウイルスで(教祖の)韓鶴子が来日しないので安倍元首相に狙いを変えた。自分が安倍を襲えば、統一教会に非難が集まると思った」と供述している。 90年代、そして2000年代以降も摘発のチャンスはあった。警察が統一教会を徹底的に洗い出していれば、悲劇も、これほど多くの被害者も生まれなかったかもしれない』、「警察は個人名を含めた全国の捜査リスト『統一教会重点対象名簿』を作り、実際に動いていたのですが」、「政治の力」でダメだった。「「統一教会のような伝道、経済活動、合同結婚式の3点セットがすべて違法となる集団は世界中どこにもありません・・・普通はどこの国でも、これだけ問題を起こせば途中で刑事事件になります。日本だけが放置され、信教の自由の御旗の下に許されてきたから現実に今、統一教会がある」、「「新型コロナウイルスで(教祖の)韓鶴子が来日しないので安倍元首相に狙いを変えた」、やはり安倍元首相の身から出たサビのようだ。
タグ:安倍元首相暗殺事件 (その1)(「安倍氏は三代にわたって付き合いがあった」マスコミが書かない山上容疑者・統一教会・自民党をつなぐ点と線 安倍氏と統一教会の間には「裏取引疑惑」も、安倍氏銃撃事件で露呈した「固定観念の罠」 動機・銃撃能力・警備体制…、【独自】安倍家と統一教会との“深い関係”を示す機密文書を発見 米大統領に「文鮮明の釈放」を嘆願していた岸信介、警察はなぜ旧統一教会を放置し続けた? 1995年の摘発を退けた「政治圧力」) PRESIDENT ONLINE 鈴木 エイト氏による「「安倍氏は三代にわたって付き合いがあった」マスコミが書かない山上容疑者・統一教会・自民党をつなぐ点と線 安倍氏と統一教会の間には「裏取引疑惑」も」 「霊感商法」、「合同結婚式」などは記憶にある。 「「エバ国家である日本はアダム国家である韓国に尽くす義務がある」とされており」、「韓国」らしい一方的な教義だ。「合同結婚式によって生まれた「祝福家庭」の2世信者には、自由な恋愛感情を抱くことすら禁じられる」、ずいぶん窮屈な教義だ。 「献身的に反共運動に邁進する青年を抱える勝共連合は、日本の政財界へ浸透していく」、政界にとっては便利な存在だったようだ。 「「世界平和統一家庭連合」へ、法人名の変更を認可されている。その際、安倍元首相の側近閣僚からの「圧力」があったのではと、永田町では噂になった」、「日本本部への家宅捜索や、宗教法人の認可剝奪を危惧した教団本部は、政治家対策を強化する。 近年では、自民党が法制化を進める「家庭教育支援法」や「青少年健全育成基本法」など、さまざまな法整備の背後で教団が協力していると言われている。 また、自民党の悲願である憲法改正への動きについても、さまざまな工作で下支えするほか、憲法24条の「家庭条項」を改正するため策動しているとされる」、「さまざまな法整備の背後で教団が協力」、「憲法改正への動きについても、さまざまな工作で下支えするほか、憲法24条の「家庭条項」を改正するため策動」、「法整備」のみならず、「憲法改正」でまで「さまざまな工作で下支えする」とは 「岸信介元首相は、首相公邸として使っていた建物を教団本部として使用させたほど、文教祖や教団と友好関係にあった」、そこまで親密だったとは初めて知った。「教団の政治進出が特に強まったのが、第2次安倍政権以降である。 憲法改正を掲げ、左翼批判を強めていた安倍晋三氏は、選挙支援などで、統一教会への依存を強め、統一教会との共存共栄関係が築かれていった」、「安倍氏が政権を奪取すると、自民党議員の一部には、選挙の際には「組織票」となり、また選挙支援スタッフを派遣してくれる教団に依存する動きもみられた」、なるほど。 「複数の教団幹部が秘密裏に首相官邸へ招待されていた」、とは初めて知った。「岸信介氏、安倍晋太郎氏、安倍晋三氏との三代にわたる「付き合い」を誇った」、なるほど。 これだけ「安倍氏」と「統一教会」の関係が深いのであれば、今回の事件も「安倍氏」の身から出たサビといえそうだ。 ダイヤモンド・オンライン 田岡俊次氏による「安倍氏銃撃事件で露呈した「固定観念の罠」、動機・銃撃能力・警備体制…」 「安倍晋三元首相銃撃事件が発生した直後、与野党の政治家や報道機関は、「政治的テロ」かのように捉えての言動や報道が相次いだ。 ・・・「民主主義が決してテロに屈してはならない」と訴えた」、確かに的外れもいいところだ。 「約17年も前に海上自衛隊にいたことを今回の銃撃事件に結び付けるのは無理がある。これも固定観念からの見方だ」、その通りだ。 「韓国の旧統一教会への祝辞はやり過ぎの感があり、それが安倍氏の命取りとなってしまった」、その通りだ。 「今回の安倍元首相銃撃や秋葉原の無差別殺傷のように将来への絶望感や個人的な動機から要人殺害や多数の人々を殺傷しようとする個人的なテロは予防が難しい」、その通りだ。「京都アニメーション制作会社の放火」事件は、ビルの設計事態に重大な問題があったと思うが、これに言及した記事は見当たらず、お涙頂戴記事ばかりだったのは、誠に残念だ。 デイリー新潮「【独自】安倍家と統一教会との“深い関係”を示す機密文書を発見 米大統領に「文鮮明の釈放」を嘆願していた岸信介」 「「脱税犯」の逮捕が不当だとして釈放を依頼」、とは信じ難い依頼だ。いくら「文鮮明」との関係が深かったとしても、「脱税犯」では「不当逮捕」の可能性は極めて小さくなる筈だ。 「岸・安倍一族と統一教会の間にあった深い関係は無視されるべきではないだろう」、その通りで、このブログでもそれにチャレンジしている。 日刊ゲンダイ「警察はなぜ旧統一教会を放置し続けた? 1995年の摘発を退けた「政治圧力」」 「新世事件の責任者が<政治家との絆が弱かったから、警察の摘発を受けた。今後は政治家と一生懸命つながっていかないといけない>と語ったことが、彼らの反省点」、「統一教会に関する相談は3万4537件、被害総額は約1237億円に上る。弁護団によるとそれも「氷山の一角」だという」、なるほど。 「警察は個人名を含めた全国の捜査リスト『統一教会重点対象名簿』を作り、実際に動いていたのですが」、「政治の力」でダメだった。「「統一教会のような伝道、経済活動、合同結婚式の3点セットがすべて違法となる集団は世界中どこにもありません・・・普通はどこの国でも、これだけ問題を起こせば途中で刑事事件になります。日本だけが放置され、信教の自由の御旗の下に許されてきたから現実に今、統一教会がある」、「「新型コロナウイルスで(教祖の)韓鶴子が来日しないので安倍元首相に狙いを変えた」、やはり安倍元首相の身から出たサビのよ
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キシダノミクス(その6)(アベノミクス以上にアベノミクスな内容…「骨太の方針2022」でわかった新しい資本主義の古臭さ これが"本気"なら大規模な政策転換だが…、岸田首相は賃上げと株主還元のどちらが先なのか 「新しい資本主義」と「資産所得倍増」は相性が悪い、岸田政権「黄金の3年」で今すぐ着手すべき経済政策とは?) [国内政治]

キシダノミクスについては、6月26日に取上げた。今日は、(その6)(アベノミクス以上にアベノミクスな内容…「骨太の方針2022」でわかった新しい資本主義の古臭さ これが"本気"なら大規模な政策転換だが…、岸田首相は賃上げと株主還元のどちらが先なのか 「新しい資本主義」と「資産所得倍増」は相性が悪い、岸田政権「黄金の3年」で今すぐ着手すべき経済政策とは?)である。

先ずは、6月16日付けPRESIDENT Onlineが掲載した経済ジャーナリストの磯山 友幸氏による「アベノミクス以上にアベノミクスな内容…「骨太の方針2022」でわかった新しい資本主義の古臭さ これが"本気"なら大規模な政策転換だが…」を紹介しよう。
https://president.jp/articles/-/58679?page=1
・『アベノミクス以上にアベノミクスな内容になった  今後1年の政府の経済財政運営の方針である「経済財政運営と改革の基本方針2022」、いわゆる「骨太の方針」が閣議決定された。就任前から岸田文雄首相が強力に打ち出していた「分配重視」の政策がどう具体的な政策として盛り込まれるのかが注目されたが、「分配」はすっかり影をひそめ、「成長」一辺倒といっていい内容となった。 見出しや注記も加えた報告書全体に出てくる「分配」という語句は16カ所。これに対して「成長」という語句が登場するのは68カ所にのぼる。安倍晋三首相が言い続けた「経済好循環」を「成長と分配の好循環」と言い換え、分配には成長が必要だと、当初の主張から大きく舵を切ったように見える。 アベノミクスによる成長重視戦略で格差が拡大したとして、「いわゆる新自由主義的政策は取らない」と大見えを切っていた就任当初の岸田首相の「新しさ」は姿を消した。結局は、アベノミクス以上にアベノミクスな内容になった』、「「いわゆる新自由主義的政策は取らない」と大見えを切っていた就任当初の岸田首相の「新しさ」は姿を消した。結局は、アベノミクス以上にアベノミクスな内容になった」、残念な結果だ。
・『金融所得課税の強化は「完全に引っ込めた」  岸田氏が当初、「格差」対策の分配策として打ち出した金融所得に対する課税強化は、今回の骨太の方針にはまったく盛り込まれなかった。税制改革については、「適正・公平な課税の実現の観点から制度及び執行体制の両面からの取組を強化する」という一文が書かれているが、これは菅義偉内閣が閣議決定した「骨太の方針2021」を引き継いだもので、ここから金融所得課税の強化をやると読むのは難しい。 「7月の参議院選挙を控えて完全に引っ込めたということです」と岸田首相の側近は解説する。何せ、金融所得課税強化を打ち出したことで、市場関係者が一斉に反発。国会で課税強化に触れるたびに「岸田ショック」と呼ばれる株価下落が市場で起きた。「分配」を優先するとした岸田首相には市場関係者や改革派の経営者が一斉に反発。日経CNBCが2月8日に報じたアンケート結果では、「個人投資家の95%が岸田政権『不支持』」という衝撃の結果が出た。 自民党支持者には、株式投資を行っている個人投資家層が少なくない。「株価が下落すると、支持者からお叱りの電話がかかってくる」という自民党議員の声も聞かれる。安倍内閣は過剰なほど株価の動向に敏感で、株価上昇につながる政策を打ち出すことに必死だった。そうした姿勢が「金持ちだけがより豊かになった」というアベノミクス批判につながった』、「金融所得に対する課税強化は、今回の骨太の方針にはまったく盛り込まれなかった」、「7月の参議院選挙を控えて完全に引っ込めたということです」、残念だ。
・『市場に擦り寄る「資産所得倍増プラン」  今回の骨太の方針で「分配」を封印したのは、そうした「市場の反発」に配慮したためだろう。しかも、反発される政策を盛り込まなかっただけでなく、「市場に擦り寄る」政策を盛り込んだ。「『貯蓄から投資』のための『資産所得倍増プラン』」である。 「政策を総動員し、貯蓄から投資へのシフトを大胆・抜本的に進める」とし、「本年末に総合的な『資産所得倍増プラン』を策定する」としている。 もちろん、岸田首相の「分配重視へ」という当初の政策転換姿勢に喝采を送っていた人たちも少なからずいた。野党幹部からも「分配政策は我々の十八番。それを岸田自民党に奪われる」と危機感を露わにする声も聞かれた。それが、5月5日にロンドンで市場関係者を前に「Invest in Kishida(岸田に投資を)」と呼びかけ、露骨に市場に擦り寄ったことで、こうした支持層からも疑念の目が向けられている。「岸田首相の周りは新自由主義者だらけだ」と批判する声も上がる。 かといって、「市場」が岸田支持に回ったか、というとどうもそうではない。ロンドン演説への海外投資家の反応も冷ややかだった。「選挙前だから言っているだけで、岸田首相の本心ではないのではないか」といった見方が市場関係者の間には根強くある』、「ロンドン演説への海外投資家の反応も冷ややかだった。「選挙前だから言っているだけで、岸田首相の本心ではないのではないか」といった見方が市場関係者の間には根強くある」、なるほど。
・『人材投資を促進する政策を「分配」と称している  今回の骨太の方針で「分配」を「成長」に切り替えるにあたって使われた「レトリック」は、人への投資は「分配」だというものだ。 岸田首相の「看板」である「新しい資本主義」について書いた「第2章 新しい資本主義に向けた改革」の冒頭で、「人への投資と分配」を掲げている。個人に直接分配する政策というよりも、人材投資を促進する政策を「分配」と称している。賃上げや最低賃金の引き上げと言った直接の「分配」にも触れているが、これは安倍内閣、菅内閣を通じて行ってきた政策だ。 DX(デジタルトランスフォーメーション)分野やスタートアップ企業の人材など、骨太の方針の各所に「人材確保」「人材育成」という語句があふれている。もちろん、人材を育成することが、競争力を高め、経済の付加価値を高め、分配の原資を膨らませていく。だが、これが「新しい資本主義」だと言われても困惑する。新しい資本主義は市場原理に従った競争を批判する立場だったはずだが、いつの間にかアベノミクスと同じ土俵に上がっている』、「個人に直接分配する政策というよりも、人材投資を促進する政策を「分配」と称している」、「いつの間にかアベノミクスと同じ土俵に上がっている」、失望した。
・『もう一つの文書で掲げた「労働移動の円滑化」  これを端的に示しているのが、骨太の方針と同時に閣議決定された「新しい資本主義のグランドデザイン及び実行計画~人・技術・スタートアップへの投資の実現~」という文書だ。 岸田首相が昨年末に設置した「新しい資本主義実現会議」がまとめたものだ。「実現会議」と言いながら計画を作るのに半年以上もかけていること自体が噴飯物。閣議決定も通常国会の会期末ギリギリだった。実現するためには法案を作って、国会審議を通す必要があり、議論は早くて秋の臨時国会から。どんなに早くても何かが実現するのは2023年4月からの施行、通常ならば2024年4月からの施行ということになる。 話を戻そう。その実行計画の冒頭に驚くべき記載がある。 「新自由主義は、成長の原動力の役割を果たしたと言える」と新自由主義を評価しているのだ。その上で、「資本主義を超える制度は資本主義でしかあり得ない。新しい資本主義は、もちろん資本主義である」と宣言している。 問題は中味だ。ここでも、「人への投資と分配」が新しい資本主義の柱として書かれているが、骨太には明確には触れられていないことがある。賃金の引き上げと並んで掲げられているのが「スキルアップを通じた労働移動の円滑化」である。「学びなおし」や「兼業推進」「再就職支援」などを行い、「教育訓練投資を強化して、企業の枠を超えた国全体としての人的資本の蓄積を推進することで、労働移動によるステップアップを積極的に支援していく」としている』、「「新自由主義は、成長の原動力の役割を果たしたと言える」と新自由主義を評価」、「スキルアップを通じた労働移動の円滑化」、これも「新自由主義」的だ。
・『安倍内閣が実現できなかった政策  つまり、生産性の低い産業分野から生産性の高い分野への労働移動を促すことで、ステップアップ、つまり賃金を上げていくような社会を作るべきだとしているのだ。 実は、これはアベノミクスが当初からやりたくてできなかった政策である。労働移動を促進するためには、本来は滅ぶべき企業、いわゆる「ゾンビ企業」を救済するのではなく、それを潰して、強い企業へ集約していくことが重要だという議論が当初からあった。その際、がんじがらめになっている解雇規制を緩和することが必要だとしたことで、左派野党から猛烈な反発を食らう。「安倍内閣は解雇促進法を作ろうとしている」といった攻撃に負け、安倍内閣は労働法制の改革を断念している。 その後も「働き方改革」の流れの中で、労働移動を促進する制度整備を取ろうとしたが、なかなか本格的に手をつけられずに終わった経緯がある』、「スキルアップを通じた労働移動の円滑化」は私としてはかっては反対だったが、現在のように失業率が低く、「雇用調整助成金を大規模に給付」しているなかでは賛成に切り替える。
・『「本気」ならば、大規模な政策転換だ  そんな時に、新型コロナウイルスの蔓延が起き、雇用調整助成金を大規模に給付せざるを得なくなった。余剰人員の人件費を政府が肩代わりする制度だから、これによって企業に人を抱えさせることとなった。新型コロナにもかかわらず日本は失業率がまったくと言って良いほど上がらなかった。失業率が一時14%まで上がったが、その後の好景気で新型コロナ前の失業率に戻った米国とは対照的だった。米国はこの間、大きく労働移動が起き、ポストコロナ型産業へのシフトが進んだが、日本は労働移動を阻害する政策をとったために産業構造の転換はまったく進んでいない状況になった。 岸田内閣は2022年3月末までだった雇用調整助成金の特例措置を6月末まで延長。さらに選挙後の9月末まで延ばした。労働移動を促進するというのが「本気」ならば、これも大規模な政策転換である。新しい資本主義は、アベノミクスができなかったことに挑む、アベノミクスよりもアベノミクスな資本主義ということになるのだろうか』、「新型コロナウイルスの蔓延が起き、雇用調整助成金を大規模に給付せざるを得なくなった。余剰人員の人件費を政府が肩代わりする制度だから、これによって企業に人を抱えさせることとなった。新型コロナにもかかわらず日本は失業率がまったくと言って良いほど上がらなかった」、「労働移動を促進するというのが「本気」ならば、これも大規模な政策転換である」、「アベノミクスよりもアベノミクスな資本主義ということになるのだろうか」、その通りだ。

次に、6月17日付け東洋経済オンラインが掲載した大和証券 シニアエコノミストの末廣 徹氏による「岸田首相は賃上げと株主還元のどちらが先なのか 「新しい資本主義」と「資産所得倍増」は相性が悪い」を紹介しよう。
https://toyokeizai.net/articles/-/595662
・『政府は6月7日、「新しい資本主義」の実行計画である「新しい資本主義のグランドデザイン及び実行計画・フォローアップ」を閣議決定した。内容はすでに報じられているように、「成長戦略重視」という印象が強い。 2021年10月26日に行われた政府主導の「新しい資本主義実現会議」の第1回では、事務方から「新しい資本主義(ステークホルダー論)をめぐる識者の議論の整理」という資料が提出され、既存の資本主義の問題点などについて議論されていた。 例えば、下記のような著名人の主張が並べられ、新自由主義や株主至上主義の問題点が指摘された。 ・ティロル(Jean Tirole、2014年ノーベル経済学賞受賞)は、ステークホルダー全体を考慮した企業統治を考える必要性を提唱し、そのための経営者に対するインセンティブと制御の構造を研究すべきとの論⽂を2001年にEconometricaに発表。 ・ラジャンとジンガルス(Raghuram Rajan & Luigi Zingales)は、現代の企業において価値を⽣み出す源泉が何であるかという別の視点から「株主価値最⼤化」の企業統治の仕組みに疑問を提起。 ・ヘンダーソン(Rebecca Henderson、ハーバード・ビジネススクール教授)は、気候変動や格差といった問題に対しては、「株主価値の最⼤化」という考え⽅を離れ、資本主義の再構築を⾏うことが必要と主張。 ・投資家サイドの代表的論客のラリー・フィンク(Larry Fink、世界最⼤の資産運⽤会社ブラックロックのCEO)。彼は2018年1⽉、投資対象企業すべてのCEOに宛てた書簡において、⻑期的な利益を達成するために広い範囲のステークホルダーの利益を追求すべき旨を明記』、「「新しい資本主義実現会議」の第1回」、はまともな内容だったようだ。
・『「新しい資本主義」は着地前に流れが変わった  ところが、これらのスタート時にみられたコンセプトと比べると、今回、出来上がった実行計画は、前政権までの「成長戦略」にかなり近い着地となった印象である。 そうした結果を受けて、実現会議のメンバーでもあり、「新しい資本主義」によって「株主至上主義の是正」を訴えてきた原丈人氏は、朝日新聞のインタビュー(5月30日朝刊掲載)において、実行計画に対して「資産所得倍増の前に分配政策を」と「不満」を訴えた。 2月にBloombergが行ったインタビューでは、原氏は「(岸田首相と)よく会っている。いろいろな助言はしている」とし、「新しい資本主義実現会議」と原氏の財団を「車の両輪」に例えていたことを考慮すると、実行計画策定の段階で、流れが大きく変わったのだろう。岸田政権の「新しい資本主義」の着地点が明確でないことは、原氏のような識者のクレームからも明らかだ。 突如として政策の中心となった「貯蓄から投資へ」というスローガンについては、過去にも改善すべき問題(日本人の高い現預金保有比率)という認識は広がっていたものの、かねて政策対応については、批判的な意見も少なくなかった。 元官庁エコノミストの小峰隆夫・大正大学教授は2020年11月に、ブログ「経済学の基礎で考える日本経済」というシリーズで、「『貯蓄から投資へ』の論理を問う」という論評をアップし、下記のように問題点を指摘している。理想的な状況を目指すうえでは、このような指摘は正しいように思われる。 第1に、(「貯蓄から投資へ」は)やや上から目線的な姿勢が気になる。(中略)家計も馬鹿ではないから、自らの判断で、住宅投資を行い、貯蓄を現預金、証券投資、保険などに振り向けているはずだ。直接金融にしたいというのであれば、家計にスローガンで呼びかけるのではなく、家計が自らの自由な判断で直接金融を選択するような金融環境を整備するのが王道であろう。 第2に、注文を付ける相手が違うのではないかという気もする。家計がリスク性の低いポートフォリオを選択するのは、老後や不時に備える意識が強いからだ。(中略)また、投資を呼びかけるのであれば、家計ではなく企業であろう。日本では90年代末頃から、一貫して企業部門が貯蓄超過という異常な事態が続いている。是正するとすればこちらではないか』、「今回、出来上がった実行計画は、前政権までの「成長戦略」にかなり近い着地となった印象」、「「株主至上主義の是正」を訴えてきた原丈人氏は、朝日新聞のインタビュー・・・において、実行計画に対して「資産所得倍増の前に分配政策を」と「不満」を訴えた」、「突如として政策の中心となった「貯蓄から投資へ」というスローガン」、については、「元官庁エコノミストの小峰隆夫氏」の批判は正鵠を突いている。
・『政府がばらまくたびに貯蓄が増えていく  特に、第2の論点について、企業の積極的な分配を促すことが先であるという点は、原丈人氏の指摘と近いように思われる。企業の貯蓄超過という問題もある。 また、日本の貯蓄・投資バランスをみると、赤字を拡大させている主体は政府部門であり、家計や企業の貯蓄は増え続けている。政府が家計への支援を行うたびに家計の貯蓄(消費以外を指す、株式なども含む)が増え続け、特にコロナ禍の下では消費機会がなかったので貯蓄が強制的に増えてしまっている状況である。 そもそも「資産所得倍増計画」においては「貯蓄」とは何なのか、「投資」とは何なのか、という定義も釈然としない状況だが、おそらく「預貯金」から「株式などリスク資産」という意味で「貯蓄から投資へ」を使っているのだろうとすると、急に「貯蓄」が増えてしまえば、「株式などリスク資産」の比率はなかなか増やせない。 実際に、家計の株式等の保有額は減っているわけではない。したがって、家計は株式等を減らしていたり、投資に対して後ろ向きになっているという感覚はないだろう。むしろ強制貯蓄は今後の物価高で取り崩されるバッファーと考えているかもしれない。「貯蓄から投資へ」と言われてもピンとこない面もあるだろう』、「家計は株式等を減らしていたり、投資に対して後ろ向きになっているという感覚はないだろう。むしろ強制貯蓄は今後の物価高で取り崩されるバッファーと考えているかもしれない。「貯蓄から投資へ」と言われてもピンとこない面もあるだろう」、その通りだ。
・『「資産所得倍増」と「賃上げ」の相性は悪い  今回の「貯蓄から投資へ」は「資産所得倍増プラン」と同時に進められることから、事態は一段と複雑である。例えば、「資産所得倍増」には株式投資における配当収益が含まれると予想されるため、企業の株主還元の姿勢が重要となる。 しかし、一方で企業は「分配」の観点で政府から「賃上げ要請」を受けている。企業は「賃上げ」と「株主還元」のどちらを優先すべきか悩んでしまう状況だ。政府は早急にこれらの優先順位をつけなければ、中途半端になってしまう。 この点については、原氏は「資産所得倍増の前に分配政策を」という主張で一貫している。今後、岸田政権がどちらを重視していくかが注目される。本年末までに総合的な「資産所得倍増プラン」の詳細を策定するという。 もっとも、上記策定に際し、いわゆる骨太方針(「経済財政運営と改革の基本方針2022」では、「家計の安定的な資産形成に向けて、金融リテラシーの向上に取り組むとともに、家計がより適切に金融商品の選択を行えるよう、将来受給可能な年金額等の見える化、デジタルツールも活用した情報提供の充実や金融商品取引業者等による適切な助言や勧誘・説明を促すための制度整備を図る」とされるにとどまっている。見える化、デジタル化は重要だが、それ自体で資産形成に大きな変化は期待できない。 これまでの政権運営を考慮すると、賃上げと株主還元にトレードオフの関係がある中で、企業にどちらを優先的に求めるのかについて、あまり明確なメッセージが出てこない可能性が高いと、筆者は予想している』、「賃上げと株主還元にトレードオフの関係がある中で、企業にどちらを優先的に求めるのかについて、あまり明確なメッセージが出てこない可能性が高いと、筆者は予想」、なるほど。
・『潜在成長率の底上げとデフレ脱却を同時に  「貯蓄から投資へ」に関して、小峰教授は「家計がリスク性の低いポートフォリオを選択するのは、老後や不時に備える意識が強いからだ」とも指摘している。日本の将来や成長への不安を取り除くこと、つまり、潜在成長率の底上げが重要だという点に疑いの余地はないだろう。 また、筆者は2016年に行った分析(下記参考文献)では、「インフレ期待」も株式投資比率にとっては重要なことがわかっている。 これは、個人投資家に行ったアンケート調査の結果を用いて、株式保有比率(金融資産に対する株式等の比率)を被説明変数とし、インフレ予想(1年、3年、5年)を説明変数とした回帰分析を行ったものだ。 株式保有比率に対して「1年先のインフレ予想」は影響を与えていないと考えられる一方、「3年先までのインフレ予想」や「5年先までのインフレ予想」の回帰係数は統計的に有意にプラスとなった。つまり、「デフレ脱却」によって個人のインフレ予想が高くなれば、自然と株式保有比率は上がってくる可能性が高い。株式は預金や債券よりも「インフレに強い資産」と言われるため、自然な結論である。 むろん、政策によって非合理的な「安全志向(現金・預金志向)」は取り除いていく必要はあり、そのためには成長期待が重要なのである。 最終的には「潜在成長率の底上げ」と「デフレ脱却」の両方が「貯蓄から投資へ」の正しい処方箋といえよう。なお、これらは同時に進んでいくことが望ましいことは言うまでもない。 「デフレ脱却」を優先した現在の金融政策は実質所得の目減りという問題を引き起こし、家計や企業のマインドが低下して潜在成長率に対してネガティブに働いているように見える。 むろん、潜在成長率だけが上がっていくと、供給過剰によってデフレ圧力を強めてしまうという問題もあるのだが、どちらかと言えば潜在成長率の上昇を優先すべきだと筆者は考えている。日本は潜在成長率が高い経済だと人々が考えれば、自ずと「貯蓄から投資へ」も進んでいくだろう』、「「潜在成長率の底上げ」と「デフレ脱却」の両方が「貯蓄から投資へ」の正しい処方箋といえよう」、「「デフレ脱却」を優先した現在の金融政策は実質所得の目減りという問題を引き起こし、家計や企業のマインドが低下して潜在成長率に対してネガティブに働いているように見える」、「どちらかと言えば潜在成長率の上昇を優先すべきだと筆者は考えている」、なるほど。 

第三に、7月13日付けダイモンド・オンラインが掲載した経済評論家・楽天証券経済研究所客員研究員の山崎 元氏による「岸田政権「黄金の3年」で今すぐ着手すべき経済政策とは?」を紹介しよう。
https://diamond.jp/articles/-/306327
・『参議院選挙で圧勝して、国政選挙がない「黄金の3年」を手にしたとされる岸田政権。しかし、大きな政策を実行に移すつもりだったら、今すぐ動き出さなくては間に合わない。政権にとって「3年」は決して長くないのだ』、「政権にとって「3年」は決して長くないのだ」、との指摘は新鮮だ。
・『参院選を大勝でクリアした岸田首相 「黄金の3年」をどう使う?  さる7月10日に行われた参議院選挙は、単独で改選過半数を超える63議席を獲得する自由民主党の大勝となった。野党側に勝てそうな要素が全く見えない選挙だったから、与党側の勝利に不思議の感はないが、岸田政権としては政権運営における大きな関門をくぐり抜けたと言っていいだろう。 今後、岸田文雄首相自身が衆議院を解散しないかぎり、向こう3年にわたって大きな国政選挙がない。政権が、選挙への影響を気にせずに意図する政策を実現しやすい環境だという意味で、この期間を「黄金の3年(間)」と呼ぶ向きもある。 本稿では、対象を経済政策と経済・資本市場に絞るが、この3年間に何が実現するだろうか。また、何をするべきなのだろうか。 確かにスケジュール的にも選挙結果という重い事実の上でも、岸田首相は大きな政策的フリーハンドを得た。この「政治的資本」をどう使うかは、ご本人にとってだけでなく、国民にとっても大きな問題だ』、「岸田首相は大きな政策的フリーハンドを得た。この「政治的資本」をどう使うかは、ご本人にとってだけでなく、国民にとっても大きな問題だ」、その通りである。
・『アベノミクスの見直し 中でも金融緩和政策はどうなる?  岸田氏の「黄金の3年」における経済政策にあって、大きなテーマが二つあると筆者は考えている。そのうちの一つは「アベノミクス」、特にその中でも金融緩和政策をどう扱うかだ。 この問題にあっては、安倍晋三元首相が殺害され不在となったことの影響が大きいと言わざるを得ない。事件の背景を含む詳細は解明されていないし、まだ日がたっていないので、事件の意味や安倍氏の政治・政策全体に対するコメントは控えて、「心よりご冥福をお祈り申し上げる」としか言えない。ただ、向こう1〜2年の経済政策にあって、彼の「不在」の影響は大きい。 元々岸田氏は、昨年の自民党総裁選挙の直前辺りまでの発言を見ると、(1)アベノミクスの金融緩和政策の修正と、(2)財政再建の二つを指向していたように思われる。 他方、安倍氏は、インフレ目標の達成およびそのための金融緩和の重要性を強調し、加えて、積極的な財政政策を主張していた。彼は、デフレ脱却のためには金融政策だけでは不十分な場合があり、こうした場合に積極的な財政政策の後押しが必要なことを理解していたと思われる。 この点の理解が不足していて、金融緩和だけで十分だと思っていたり、いわゆる「財政再建」と当面の金融政策の目標が矛盾することを理解していなかったりする議員・官僚・有識者は少なくなかった。そのため、党の有力者である安倍氏の存在は今後の政策にとって重要だった』、その通りだ。
・『金融政策の転換に動くのは党人事・内閣改造の後か  一方、岸田氏は総裁選で安部氏のグループからも協力を得るために、表面的には安倍元首相・菅前首相の経済政策を継承する方向転換を見せた。ところが、時に生じる株価に対してネガティブな発言や、今年既に行われた日本銀行の政策委員の人事などを見ると、アベノミクスから距離を取ろうとしているように見える。 この状況にあって、首相OBにして党内の有力者である安倍氏は、岸田氏の政策転換を阻止しようとする、いわば「重し」の役割を果たしていた。 岸田氏にとっては、参院選の勝利と同時に生じた安倍氏の不在は、経済政策に対するより大きな自由を得たことを意味するのではないか。 ただし、安倍氏の死去はあまりにも劇的なものだったので、当面すぐには「アベノミクスの修正」と受け取られるような政策を打ち出しにくいと予想される。 動き出すのは、今後に予想される党人事および内閣改造の後だろう。内閣改造では、財務大臣、経済産業大臣、あとはもう一つの問題との関連で厚生労働大臣に誰を充てるのかに注目したい』、「動き出すのは、今後に予想される党人事および内閣改造の後だろう」、妥当な判断だ。
・『当面は「物価高」への対処が重要 日銀・黒田総裁の方針を支持  当面の経済問題としては、資源価格上昇や円安から来る輸入物価上昇が波及したと見られる「物価高」への対処だろう。消費者物価指数で上昇率が2%を超え、電気代や食品など普通の国民の生活に近い物価はさらに上昇している状況は国民の不満につながりやすい。 今回の物価上昇は、元々海外から輸入される資源の価格上昇に起因する。例えば原油・LNG(液化天然ガス)などの価格上昇だ。これらには、(1)日本人の所得を海外に流出させる効果があることと(この効果自体はデフレ的だ)、(2)エネルギー価格の上昇が止まると1年程度で「対前年比」の物価上昇率に対する影響が消えること、の二側面がある。 そして現在の物価高は、需要が旺盛で起こっている物価高ではないし、物価上昇に見合うほどの賃金上昇を伴うものでもない。 さて、当面の景気は、非製造業はコロナ自粛の解消を背景にやや好調だが、製造業は中国のロックダウンの影響などもあり好調とはいえない。 円安は、企業の収益にはプラスで、これが国内の設備や人への投資につながる状況になれば、やがては賃金上昇にもつながるはずだ。ただ、しばらくは時間が掛かる(たぶん、1〜2年くらい)。 当面の経済状況にあっては、金融引き締めによる需要の抑制は適切ではない。また、利上げによる円高で物価上昇を緩和しようとする政策も、経済が好循環に向かう可能性に水を差す要因になり得る。 将来いずれかの時点では金融政策の引き締め方向への転換があるとしても、当面はアベノミクスの根幹である金融緩和政策を維持するべきだろう。筆者は、日銀の黒田東彦総裁の現在の方針を支持している』、私は「黒田東彦総裁の現在の方針」にはかねてから反対してきた。
・『日銀総裁人事に注目 筆者が推す「次期総裁候補」は?  岸田政権の経済政策にあって影響が最大となりそうなものは、来春に交代する予定の日銀の正副総裁3人の人事だ。任期は5年なので、向こう5年間にわたる金融政策の方向性を大きく左右する。この人事にあって岸田首相が従来の金融緩和路線の修正にかじを切る可能性は小さくないと筆者は考えている。 この人事においては、安倍元首相の存在感と影響力が大きいはずだったのだが、同氏の死去によって岸田首相は自分の意思を通しやすくなった。 世間の注目を集めている人事であり、うわさベースでは既に後任の総裁候補の名前が幾つか挙がっている。次は日銀プロパーの総裁の順番ではないかとの連想から、中曽宏前副総裁、雨宮佳彦現副総裁などだ。 デフレ脱却を確実なものとするためには、「インフレ目標が未達の段階で金融引き締めに政策転換しない(と目される)総裁、副総裁」の任命が適切だ。だが、そうならない可能性が否定できない。日本の経済および資本市場における「岸田リスク」としては、最大のものだろう。 なお、筆者が推す次期日銀総裁候補は、前出の2人と同じ副総裁経験者である若田部昌澄現副総裁だ。「若田部総裁」であれば、アベノミクスの根幹部分であるマイルドなインフレの定着を目指した金融政策の継承を強いメッセージとして発することができる。副総裁の経験を積んでいるし、学識も57歳という年齢も申し分ない。 他の副総裁経験者が総裁になる場合と比較すると、株価的には日経平均株価換算で数千円単位の株高材料だろう。もっとも、人事的慣例から見て「若田部総裁」の実現確率は残念ながら大きくはなさそうだ。 しかし、アベノミクスを継承する場合の人事として、岸田首相にはぜひ頭に入れておいてほしい選択肢だ。株式市場が恐れている最大の「岸田リスク」をポジティブなサブプライズに変えることができる』、「若田部現副総裁」はリフレ派で「山崎氏」とは肌が合うのかも知れないが、私はもともと異次元緩和に反対で、「出口」戦略に転換すべきとの立場なので、「中曽宏前副総裁、雨宮佳彦現副総裁」はいずれも異次元緩和を進める立場だったので、反対だ。
・『資産所得倍増に沿う政策は年末が焦点 「ゼロ回答はあり得ない」と期待  経済政策としては大きなものではないが、先般岸田首相が口にした「資産所得倍増」についても簡単に触れておこう。 この路線に沿った政策は、今年の年末にかけて出てくることが確実視される。NISA(少額投資非課税制度)、つみたてNISAなどの非課税運用枠の増額と、iDeCo(個人型確定拠出年金)の加入年齢延長は、年末の税制関係の検討プロセスで議題に上ることが確実視できる。「富裕層も含めた資産からの所得の倍増」よりも先に「資産形成層の資産所得倍増」を目指すことが、経済格差拡大に対する対策の点で望ましいだろう。また、政策の実現性の点でもちょうど良いのではないか。 首相が口にした方針なので「ゼロ回答はあり得ない」と期待したい。 併せて、金融教育の一層の充実や、金融的なアドバイスに関わる制度的な整備など、国民の投資と資産形成のための環境整備をセットで実現してほしい』、これに関しては、特に異論はない。
・『「黄金の3年」二つ目の重要課題 分配政策と年金  さて、岸田内閣の「黄金の3年」にとって二つ目の重要課題は、年金を含む社会保障と全般的な再分配政策だろう。もともと自民党総裁選の初期には分配政策重視を公言していた岸田首相のことなので、問題意識はあるはずだ。 かつて言い出して、市場に1回目の「岸田ショック」を与えた「金融所得課税の見直し(=強化)」のようなトンチンカンな政策を再び持ち出さないことが肝心だ。そんなことをすれば「資産所得倍増」に逆行してしまう。 また、スケジュールとしては、2023年の人口推計を基に24年には、公的年金の財政検証が行われる。 財政検証では、例によって、「モデル世帯」(既に世の中の平均からズレているが)の「所得代替率」(現役世代の所得に対する年金受給額の比率)の議論が取り沙汰される。将来も所得代替率50%を維持可能であるのか否か、その計算の前提数字は現実的か――。そういった幾らか複雑で、しかも国民感情を刺激しやすい議論に政治の世界も巻き込まれることが予想される。政治家の失言が出やすいし、世間も大騒ぎしやすいテーマなので、年金は時の政権にとって「鬼門」とも言えるテーマだ。 大まかには、23年に出る人口推計の出生率は、これまでに想定されていたよりも早くかつ大きく低下している公算が大きい。その前提で将来の財政検証の計算を行うと、将来の所得代替率は50%を維持できない結果が出る可能性がある。しかし、これに対しては無理な前提を置いて(例えば実質賃上昇率の非現実的な伸びを仮定するなど)「50%維持」を取り繕うべきではない。 マクロ経済スライド方式を使った現在の年金財政のあり方自体は、大まかにはこのままで良いだろう。公的年金は、財政が逼迫していきなり破綻するような仕組みにはなっていない。 もちろん、総合的な富の再分配効果について年金を含めて総合的に検討する必要はある。ただ「分配問題」にあっては、年金制度を操作することによる高齢者向けの再分配ではなく、若者を含む現役世代の経済弱者に対する再分配を重視したい。社会保障制度を支える世代への応援であると同時に、「人への投資」でもある』、「若者を含む現役世代の経済弱者に対する再分配を重視」、これにも異論はない。
・『政権にとって「3年」は消して長くない 大きな政策には今すぐ着手すべき  本連載では、特に低所得な若者中心の現役世代に対する「再分配」かつ「サポート」として最も簡単で効果的な政策を過去に何度か提案している。それは、目下2分の1負担の国民年金・基礎年金の保険料を全額一般会計負担にすることだ。給与所得者なら厚生年金保険料と共に差し引かれている社会保険料が、1カ月当たり1万数千円減ることになり、直ちに手取り所得が増える。しかも、一時の給付金収入ではなく、継続的な手取りの増加だ。 この財源は特定の税目と結び付ける必要はない。ただ、例えば所得税を中心に増税すると、「差し引きでは」高所得な人から低所得な現役世代に「再分配」がなされることになる。 実現のためには、年金を所管する厚労大臣と財源に関わる財務大臣に強力な実行力を持った人物を充てる必要があるので、次の組閣には大いに注目したい。 付け加えると「黄金の3年」と言っても、3年目の24年には次の自民党総裁選があり、翌年には衆議院の任期満了に伴う解散総選挙が迫ってくる。こうした再分配政策に限らず「大きな政策」は、今すぐに方針を決めて、23年の通常国会では法案を通すくらいスピード感を持たないと実現できないはずだ。 「有識者による検討会議」のような時間の無駄を官僚に作られてしまうと、重要な政策は実現しないことを付言しておく。政権にとって「3年」は決して長くない』、「大きな政策」は、今すぐに方針を決めて、23年の通常国会では法案を通すくらいスピード感を持たないと実現できないはずだ」、同感である。
タグ:PRESIDENT ONLINE 末廣 徹氏による「岸田首相は賃上げと株主還元のどちらが先なのか 「新しい資本主義」と「資産所得倍増」は相性が悪い」 「賃上げと株主還元にトレードオフの関係がある中で、企業にどちらを優先的に求めるのかについて、あまり明確なメッセージが出てこない可能性が高いと、筆者は予想」、なるほど。 東洋経済オンライン 「家計は株式等を減らしていたり、投資に対して後ろ向きになっているという感覚はないだろう。むしろ強制貯蓄は今後の物価高で取り崩されるバッファーと考えているかもしれない。「貯蓄から投資へ」と言われてもピンとこない面もあるだろう」、その通りだ。 「スキルアップを通じた労働移動の円滑化」は私としてはかっては反対だったが、現在のように失業率が低く、「雇用調整助成金を大規模に給付」しているなかでは賛成に切り替える。 「若田部現副総裁」はリフレ派で「山崎氏」とは肌が合うのかも知れないが、私はもともと異次元緩和に反対で、「出口」戦略に転換すべきとの立場なので、「中曽宏前副総裁、雨宮佳彦現副総裁」はいずれも異次元緩和を進める立場だったので、反対だ。 「岸田首相は大きな政策的フリーハンドを得た。この「政治的資本」をどう使うかは、ご本人にとってだけでなく、国民にとっても大きな問題だ」、その通りである。 「「新自由主義は、成長の原動力の役割を果たしたと言える」と新自由主義を評価」、「スキルアップを通じた労働移動の円滑化」、これも「新自由主義」的だ。 「金融所得に対する課税強化は、今回の骨太の方針にはまったく盛り込まれなかった」、「7月の参議院選挙を控えて完全に引っ込めたということです」、残念だ。 「「いわゆる新自由主義的政策は取らない」と大見えを切っていた就任当初の岸田首相の「新しさ」は姿を消した。結局は、アベノミクス以上にアベノミクスな内容になった」、残念な結果だ。 その通りだ。 「個人に直接分配する政策というよりも、人材投資を促進する政策を「分配」と称している」、「いつの間にかアベノミクスと同じ土俵に上がっている」、失望した。 「今回、出来上がった実行計画は、前政権までの「成長戦略」にかなり近い着地となった印象」、「「株主至上主義の是正」を訴えてきた原丈人氏は、朝日新聞のインタビュー・・・において、実行計画に対して「資産所得倍増の前に分配政策を」と「不満」を訴えた」、「突如として政策の中心となった「貯蓄から投資へ」というスローガン」、については、「元官庁エコノミストの小峰隆夫氏」の批判は正鵠を突いている。 磯山 友幸氏による「アベノミクス以上にアベノミクスな内容…「骨太の方針2022」でわかった新しい資本主義の古臭さ これが"本気"なら大規模な政策転換だが…」 「「潜在成長率の底上げ」と「デフレ脱却」の両方が「貯蓄から投資へ」の正しい処方箋といえよう」、「「デフレ脱却」を優先した現在の金融政策は実質所得の目減りという問題を引き起こし、家計や企業のマインドが低下して潜在成長率に対してネガティブに働いているように見える」、「どちらかと言えば潜在成長率の上昇を優先すべきだと筆者は考えている」、なるほど。 これに関しては、特に異論はない。 「ロンドン演説への海外投資家の反応も冷ややかだった。「選挙前だから言っているだけで、岸田首相の本心ではないのではないか」といった見方が市場関係者の間には根強くある」、なるほど。 「新型コロナウイルスの蔓延が起き、雇用調整助成金を大規模に給付せざるを得なくなった。余剰人員の人件費を政府が肩代わりする制度だから、これによって企業に人を抱えさせることとなった。新型コロナにもかかわらず日本は失業率がまったくと言って良いほど上がらなかった」、「労働移動を促進するというのが「本気」ならば、これも大規模な政策転換である」、「アベノミクスよりもアベノミクスな資本主義ということになるのだろうか」、その通りだ。 「動き出すのは、今後に予想される党人事および内閣改造の後だろう」、妥当な判断だ。 私は「黒田東彦総裁の現在の方針」にはかねてから反対してきた。 ダイモンド・オンライン 「「新しい資本主義実現会議」の第1回」、はまともな内容だったようだ。 「政権にとって「3年」は決して長くないのだ」、との指摘は新鮮だ。 「大きな政策」は、今すぐに方針を決めて、23年の通常国会では法案を通すくらいスピード感を持たないと実現できないはずだ」、同感である。 山崎 元氏による「岸田政権「黄金の3年」で今すぐ着手すべき経済政策とは?」 「若者を含む現役世代の経済弱者に対する再分配を重視」、これにも異論はない。 (その6)(アベノミクス以上にアベノミクスな内容…「骨太の方針2022」でわかった新しい資本主義の古臭さ これが"本気"なら大規模な政策転換だが…、岸田首相は賃上げと株主還元のどちらが先なのか 「新しい資本主義」と「資産所得倍増」は相性が悪い、岸田政権「黄金の3年」で今すぐ着手すべき経済政策とは?) キシダノミクス
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日本郵政(その18)(現金着服・自爆営業…日本郵政が「社員性悪説」コンプラ指導の非常識【内部マニュアル入手】、「国民のカネを投入してまで維持する意味があるのか」組織に根付いた"郵便局体質"の害悪 民間企業で十分カバーできるのに、「日本郵政」がゆうちょ銀 かんぽ生命の株を手放せないワケ) [国内政治]

日本郵政については、昨年4月24日に取上げた。今日は、(その18)(現金着服・自爆営業…日本郵政が「社員性悪説」コンプラ指導の非常識【内部マニュアル入手】、「国民のカネを投入してまで維持する意味があるのか」組織に根付いた"郵便局体質"の害悪 民間企業で十分カバーできるのに、「日本郵政」がゆうちょ銀 かんぽ生命の株を手放せないワケ)である。

先ずは、昨年7月26日付けダイヤモンド・オンライン「現金着服・自爆営業…日本郵政が「社員性悪説」コンプラ指導の非常識【内部マニュアル入手】」を紹介しよう。
https://diamond.jp/articles/-/277458
・『『週刊ダイヤモンド編集部』7月31日号の第1特集は「郵政消滅 郵便局国有化 ゆうちょ・かんぽ解散!」です。郵便局長・局員による詐欺・横領やかんぽ生命の不正販売など不祥事が多発しており、経営は信頼の回復に躍起になっています。ダイヤモンド編集部では、日本郵政の社員40万人に向けられた「内部マニュアル」を独占入手しました。それによれば、世間の常識とかけ離れた「コンプライアンス指導」がなされている実態が明らかになりました』、興味深そうだ。
・『100ページ超に及ぶ「コンプラ・ハンドブック」 会社本位の姿勢が鮮明に  ここに一冊の内部資料がある。 「コンプライアンス・ハンドブック」。その名の通り、「コンプライアンスを実現するための具体的な手引書」として郵便局の社員などに配布される、研修用のマニュアルだ。 日本郵政グループでは社員による不祥事が乱発している。地に堕ちた信頼を回復するため、コンプライアンス意識の徹底は最重要課題だ。しかし、経営が社員を全く信用していない“社員性悪説”に立ってマニュアルが作成されているため、その中身が世間の常識とは完全にずれている。 まず、のっけから強調されるのが「部内犯罪」の防止についてだ。 確かに現金の着服や私的流用、郵便物の廃棄などは犯罪行為だ。ハンドブックでは、そうした不正は「1億円の減収になる」とご丁寧に図版付きで、経営にもたらすダメージを解説。「あなた(社員)にその1億円を補填できるわけもないから不正はやめましょう」と半ば脅しているようなものだ。 さらにページをめくると、犯罪を行った者は懲戒解雇で退職手当を失うことになると、やはり“脅して”いる。勤続38年の郵便局課長のモデルケースでは、2300万円もの退職金を失うという“悲劇の末路”が示されている。 会社の損害になることを強く訴え、自身にも金銭的な不利益が生じることを説く――。禁止行為の単純な説明にとどまらず、こうしたデメリットを強調して威圧的に取り締まろうとする姿勢は、まるで社員を「性悪」と決め付けているかのようだ。 また、長らく郵便局で問題視されてきた「自爆営業」にも自虐的に触れている』、あれだけ「不祥事」が相次いだので、「“社員性悪説”に立ってマニュアルが作成」もやむを得ないだろう。
・『「自爆営業」阻止にも会社本位の姿勢がくっきり  年賀はがきを自腹で購入した後、金券ショップで換金するといった典型的な自爆営業の醜聞はもはや周知の事実だ。 しかしここでは、社員への負担だけではなく、経営判断を誤らせるリスクや、金券ショップに商品が大量にあふれることによる「営業へのリスク」についてもしっかりと強調されている。どこまでも会社本位の姿勢が貫かれている。 ハラスメントの禁止については、4ページにわたる重点的な説明がなされている。 これは当然順守すべきものであり、ハンドブックでもセクハラなど実際にあった事例を取り上げて問題点を解説している。 だが、郵便局の関係者は「ハラスメントを指摘すると左遷されるなど、内部力学が優先された事例もあった」と言い、ハラスメントの禁止の形骸化だけでなく、組織風土というそれ以前の次元で問題を抱えている懸念さえあるのだ。 ハンドブックには、このほか金融商品に関する順守事項や顧客情報保護に関する注意事項、内部通報制度など、多岐に及ぶ内容が100ページ超にわたって示されている。その文章量こそ、日本郵政の課題の深刻さを物語っているともいえるだろう。 実は、このハンドブックの冒頭には、こんな文言が記されている。 これまでも関係規程類において、コンプライアンスとは、『法令等を遵守すること』であり、(中略)その結果、会社や一部の社員が『法令や社内のルールで禁止されていなければ問題ない』という考えから、お客さまの利益を損ない、社会からの期待よりも会社や自身の利益を優先してきたという反省があります」 この問題点は、識者の指摘にも通じる。コンプライアンス問題に詳しい郷原信郎弁護士は、かんぽ生命保険の不適正募集問題に触れて、「法律違反ではなくても、広い意味で顧客のためになっているかという視点が欠如していたのがそもそもの要因だ。必要なのは、顧客の利益のための『コード・オブ・コンダクト』(行動規範)であり、ある種の誠実さだ」と指摘する。 確かに、社員40万人の巨大組織の末端に至るまで、コンプライアンス意識を丁寧に浸透させるのは難しい。だからといって、会社本位のコンプライアンスを社員に一方的に求めたところで、健全な風土改革など望めるはずもない。 まずはガバナンスの健全化も含め、経営陣や幹部陣がその範を垂れるべきだろう』、「ハラスメントの禁止については」、「郵便局の関係者は「ハラスメントを指摘すると左遷されるなど、内部力学が優先された事例もあった」と言い、ハラスメントの禁止の形骸化だけでなく、組織風土というそれ以前の次元で問題を抱えている懸念さえある」、これは深刻だ。「「法律違反ではなくても、広い意味で顧客のためになっているかという視点が欠如していたのがそもそもの要因だ。必要なのは、顧客の利益のための『コード・オブ・コンダクト』(行動規範)であり、ある種の誠実さだ」との郷原氏の指摘はその通りだ。
・『消える郵便局はどこだ 「過剰」自治体ランキングを発表!  『週刊ダイヤモンド編集部』7月31日号の第1特集は「郵政消滅 郵便局国有化 ゆうちょ・かんぽ解散!」です。 創業150年の節目を迎えた日本郵政が、未曽有の危機に瀕しています。 業績はジリ貧です。郵便、銀行、保険の郵政3事業は、どれも郵便物数の減少と低金利政策により長期低落傾向に歯止めがかかりません。 とりわけ、傘下の日本郵便の苦境は際立っています。年賀はがきと信書などドル箱収入の激減に加えて、不祥事による営業自粛で窓口手数料収入も減少。2022年3月期の日本郵便の当期純利益は200億円まで落ち込む見通しです。 頼みの綱である「第四の事業」の創出にも高い壁が立ちはだかっています。 海外物流参入の足がかりにしようと巨費を投じた豪物流トール・ホールディングスの買収で大失敗。今年3月の楽天グループとの提携も、内実は日本郵政による“官制”救済です。協業分野が物流や携帯電話、金融など多岐にわたる割には、1500億円を拠出した日本郵政にビジネス上の旨みが見当たりません。 日本郵政には「5つ病根」が宿しています。(1)まっとうな経営者の不在、(2)郵政3事業のジリ貧、(3)既得権益の温床、(4)余剰人員あふれる40万人組織、(5)株主監視の不徹底がそうです。 とりわけ、(1)に関連する経営人材の枯渇は深刻です。経営の混乱は40万人組織の「現場」へ波及し、社員のモラルが著しく低下。全国の郵便局社員による不祥事が多発する事態に陥っています。特集では、大きな図解で日本郵政が統治不全に陥ったメカニズムについて解説しました。 経営の混乱に乗じて、“守旧派”である全国特定郵便局長会(全特。旧全国特定郵便局長会)のパワーが増してきています。「全特の告発座談会」企画では、現役の郵便局長が経営陣や政治に向けた本音をぶちまけています。 また、ダイヤモンド編集部の独自企画として、農協と郵便局2万4000局を「5つの指標」で徹底比較しました。“消える郵便局”候補を炙り出す「郵便局が過剰な自治体ランキング50」も掲載しました。 かつて地域住民に「郵便さん」と愛された郵便局員の姿は、風前の灯です。郵便局といえば、どの公的機関の出張所よりも地域の信頼を集めていたはず。その姿は見る影もありません。 中途半端な郵政民営化や経営の怠慢は、郵便局のサービス劣化や地方切り捨てという「大きなツケ」となって国民に跳ね返ってきているのです。 郵便局を存続させるのか、消滅させるのか。日本郵政の存在意義を問い直すべき時がやってきました』、「中途半端な郵政民営化や経営の怠慢は、郵便局のサービス劣化や地方切り捨てという「大きなツケ」となって国民に跳ね返ってきている」、個人的には「消滅させる」方向に切り替えるべきと思う。

次に、本年2月23日付けPRESIDENT Onlineが掲載した経済ジャーナリストの磯山 友幸氏による「「国民のカネを投入してまで維持する意味があるのか」組織に根付いた"郵便局体質"の害悪 民間企業で十分カバーできるのに」を紹介しよう』、興味深そうだ。
・『総務省の監督強化は「官業復帰」への布石  続発する郵便局の不正事件に対応して、総務省が「監督体制を強化」するという。相次いで発覚した切手の不正換金事件や顧客の個人情報の政治活動への流用などは、郵便局長や局員の個人的犯罪の域を越え、組織に長く根付いた「郵便局体質」が背景にある。 その体質との決別を目指した郵政民営化を逆戻りさせた総務省にこそ、その責任はあるのだが、問題を逆に総務省の権限強化の口実にしようという。そんな総務省の「監督強化」は、政官一体で画策する「官業復帰」への布石ともいえる。国民のカネを投入してまで郵便局を維持する意味があるのかが問われている。 「郵政事業に対する国民からの信頼を回復させていくことが急務だ。コンプライアンスやガバナンスの一層の強化、再発防止策の確実な実施を促すため、総務省の監督体制を強化する」 2月1日の閣議後の記者会見に臨んだ金子恭之総務相は、こう語った。信頼回復には総務省が乗り出さなければダメだ、というわけだ。弁護士らで作る「有識者会議」を総務省に設けて、日本郵政グループに対する監督機能の強化に向けた具体的な取り組みについて検討し、夏をメドに報告書をまとめるという』、「相次いで発覚した切手の不正換金事件や顧客の個人情報の政治活動への流用などは、郵便局長や局員の個人的犯罪の域を越え、組織に長く根付いた「郵便局体質」が背景にある。 その体質との決別を目指した郵政民営化を逆戻りさせた総務省にこそ、その責任はあるのだが、問題を逆に総務省の権限強化の口実にしようという。そんな総務省の「監督強化」は、政官一体で画策する「官業復帰」への布石ともいえる。国民のカネを投入してまで郵便局を維持する意味があるのかが問われている」、「弁護士らで作る「有識者会議」を総務省に設けて、日本郵政グループに対する監督機能の強化に向けた具体的な取り組みについて検討し、夏をメドに報告書をまとめる」、どんな「報告書」になるにしても、「総務省」に都合のいい内容になるのだろう。
・『郵便局の不正が次々に発覚している  きっかけはとどまることを知らない郵便局の不正発覚だ。 2021年6月に逮捕された長崎住吉郵便局の元局長は、高金利の貯金に預け入れするなどと嘘を言って、現金をだまし取る手口で、62人から12億4000万円を詐取したと報じられた。また、熊本県の元局長は、かんぽ生命の顧客の個人情報を流した見返りに現金を受け取っていたとして、同じく2021年6月に逮捕された。 さらに昨夏には、ホテルで会合を開いたとする虚偽の名目で経費を不正に受け取った統括郵便局長2人を、日本郵便が戒告の懲戒処分とし、解任していたことが明らかになっている。 問題は、こうした不正が、その局長個人が「たまたま起こした」犯罪では済まされないことだ。 例えば、個人情報の扱いについては、郵便局全体でタガが外れている。2021年末には、郵便局で投資信託などの取引を行った顧客の個人情報が記載された書類が全国6565の郵便局で延べ29万人分紛失していたことを日本郵政が認めて発表した。誤って廃棄したとみられるので「外部への情報漏えいの可能性は極めて低い」と説明し、責任追及すらまともにしていない』、「実際の被害はなかったとはいっても、やはり「書類」「紛失」の責任で処分はすべきだ。
・『「まさか郵便局員が不正を働くわけがない」信頼を悪用している  企業などが郵便料金を別納した際に、相当額の郵便切手に消印を押す仕組みがあるが、それを悪用し、切手に消印を押さずに転売する手口が全国の郵便局で次々と見つかった。これも長年続く「郵便局員の小遣い稼ぎ」だったのではないかとの見方が強い。あまりにも巨額なものは事件化したが、少額のケースは闇に葬られてきたとも言われている。 郵便局は国の事業だから潰れない――。民営化された後もそう考えている利用者は少なくない。特に高齢者は長年付き合いのある郵便局長や局員に全幅の信頼を寄せている。郵便局で相次ぐ不正も、そうした無条件の信頼をベースに起きている。まさか郵便局員が不正を働くわけがない、という人々の思いを半ば、悪用しているわけだ。そうした過度の信頼が、内部のチェックを緩ませ、悪しき風習として脈々と続いている。 郵便局はちょっとやそっとでは潰れない、という思い込みは局長や局員にもあるのだろう。だから、多少経費を水増ししたり、ネコババしても会社は安泰だと思うのか。郵便局を舞台にした数々の不祥事の根は深い。まさに「郵便局体質」が脈々と引き継がれているのだ』、「高齢者は長年付き合いのある郵便局長や局員に全幅の信頼を寄せている」、「郵便局で相次ぐ不正も、そうした無条件の信頼をベースに起きている」、「過度の信頼が、内部のチェックを緩ませ、悪しき風習として脈々と続いている。 郵便局はちょっとやそっとでは潰れない、という思い込みは局長や局員にもあるのだろう。だから、多少経費を水増ししたり、ネコババしても会社は安泰だと思うのか。郵便局を舞台にした数々の不祥事の根は深い」、「まさに「郵便局体質」が脈々と引き継がれているのだ」、その通りだ。
・『民営化は名ばかり、日本郵政株の3分の1は政府が保有  もとは国鉄(JRの前身)にも似たような体質があった。精算窓口でのネコババやカラ出張が新聞を賑わせたものだ。だが、民営化によって誕生したJRは、その体質を一変させた。日本郵政も民営化によってその体質は変わるはずだった。だが、郵政民営化の歩みは鈍い。2007年に日本郵政グループが発足、当初は完全民営化が前提だったが、その後の揺り戻しで、政府は日本郵政株の3分の1超を持ち続けることになった。 民営化した民間会社にもかかわらず、総務省が「監督強化」できるのも、この政府の持ち株と法律で日本郵政を縛っているからだ。持株会社である日本郵政は、今も日本郵便の株式の100%を保有。本来は保有株すべてを売却することになっている「ゆうちょ銀行」の発行済み株式の88.99%、「かんぽ生命」の49.90%をいまだに持ち続けている。つまり、民営化は名ばかりで、事実上、日本郵政グループは国が実質支配しているのだ。 郵政民営化では、銀行業も保険業も民間の企業で十分で、「官業」として国が事業を行えば民業圧迫になると考えられた。だから政府保有株をすべて売らせて、民間金融機関として自立させる道を考えた』、「日本郵政は、今も日本郵便の株式の100%を保有。本来は保有株すべてを売却することになっている「ゆうちょ銀行」の発行済み株式の88.99%、「かんぽ生命」の49.90%をいまだに持ち続けている。つまり、民営化は名ばかりで、事実上、日本郵政グループは国が実質支配しているのだ」、「総務省が「監督強化」できる」のも当然だ。
・『政府は郵便局網の維持に必死  今も、日本郵政を通じて間接支配しているのは理由がある。政府は必死になって郵便局網を維持する道を模索している。郵便局を保有する日本郵便には全国一律のサービスを提供する「ユニバーサルサービス」が義務付けられているが、2021年末時点で2万3774に及ぶ郵便局の多くは赤字だとされる。それを補い郵便局網を維持するために、ゆうちょ銀行とかんぽ生命に「業務手数料」や「拠出金」の形で毎年1兆円もの資金負担を求めてきた。 その支援資金が細ってくると、総務省は2019年から新たな方法に切り替えた。それまでは金融2社が自社商品を郵便局で販売してもらう「業務手数料」として支払われていたものを、独立行政法人の「郵便貯金簡易生命保険管理・郵便局ネットワーク支援機構」にいったん拠出させた後、日本郵便に交付金として支払うように変えたのだ。資金をふんだんに持つ独法を絡めることで、郵便局網維持のための資金確保を狙うと共に、税金を投入する道筋を開いたとみられている』、「資金をふんだんに持つ独法を絡めることで、郵便局網維持のための資金確保を狙うと共に、税金を投入する道筋を開いたとみられている」、さすが悪知恵にたけているようだ。
・『自民党の集票マシーンと呼ばれた「旧特定郵便局長」  そこまでしてなぜ、政府は「郵便局網」を維持したいのか。その理由をうかがわせる不祥事が昨年発覚した。 2021年10月に西日本新聞の報道で発覚したのだが、全国の郵便局長(旧特定郵便局長ら)でつくる任意団体「全国郵便局長会」(全特)が日本郵政に要望、2018~20年度に約8億円分のカレンダー購入経費を負担させた上で、全国の局長に全特が擁立する自民党参院議員の後援会員らに配布するよう指示したというもの。郵便局の持つ顧客の個人情報を政治活動に流用したとして大問題になった。日本郵政は郵便局長ら112人を社内処分したと発表している。どうやら組織的に、郵便局の持つ情報と日本郵政の資金を使って、特定候補の応援をしていたという疑いが濃厚になった。 旧特定郵便局長は明治時代に地方の名士などが設置したものが多く、代々局長を世襲している例もある。地域の中核的存在だったことから政治的にも大きな影響を持ち、自民党の「集票マシーン」と呼ばれることもある。 こうした郵便局長は日本郵政の職員でありながら、転勤もなく、同じ業務を担い続けている。これが顧客との馴れ合いを生み、不正が頻発している根本原因だとも指摘されている。郵政民営化では、この特定郵便局の解体が決まったが、結局、今もひとつの「既得権」として郵便局長ポストが守られているとされる。 では、総務省が権限を強化することで、こうした長年の問題は解消されるのだろうか。残念ながらむしろ逆だろう』、「自民党」としても「集票マシーン」を手放す筈もない。
・日本郵政の事業に国民のカネをつぎ込む必要があるのか  自民党の大物議員の間には、「郵政再国営化」論がくすぶっている。宅配便が全国をカバーし、町々にコンビニができる中で、郵便局に対するニーズはどんどん低下している。宅配会社や地域金融機関との競争で収益性も低下、もはや日本郵政のやりくりだけでは既存の郵便局網を維持することは難しくなっている。そうなると集票マシーンを失うことになる自民党にとっては死活問題になる。郵便局を国営化して国で支えようというわけだ。 総務省の官僚たちが、大臣や与党政治家の意向に従わざるを得ないのは言うまでもない。それだけでなく、総務省自身も郵政事業に利権を持つ。 2019年末、かんぽ生命の不正販売問題の責任を取って、日本郵政、かんぽ生命、日本郵便の3社長が交代した。いずれも民間金融機関出身者だったが、後任は揃って官僚出身者となった。民間出身者が過酷なノルマを課したことが不正販売につながったかのような情報が流されたが、実のところ、民間経営者による改革を嫌う局長や総務官僚らの反発が背景にあった。不祥事を機に総務省はまんまと社長ポストを手に入れたのである。 果たして、今回の「監督強化」で総務省は何を奪還しようとしているのか。再国営化か、税金投入か。日本郵政が手掛ける事業はどれも、民間企業で十分のものばかりで、もはや国が手掛ける歴史的意味を失っている。そこにこれからも巨額の国民のカネをつぎ込む必要があるのかどうか、今こそ真剣に考えるべき時だろう』、「今回の「監督強化」で総務省は何を奪還しようとしているのか。再国営化か、税金投入か。日本郵政が手掛ける事業はどれも、民間企業で十分のものばかりで、もはや国が手掛ける歴史的意味を失っている。そこにこれからも巨額の国民のカネをつぎ込む必要があるのかどうか、今こそ真剣に考えるべき時だろう」、「国民のカネをつぎ込む必要」は「自民党」のためになりこそすれ、「国民」のためにはならない。

第三に、5月14日付け日刊ゲンダイが掲載した金融ジャーナリストの小林佳樹氏による「「日本郵政」がゆうちょ銀、かんぽ生命の株を手放せないワケ」を紹介しよう。
https://www.nikkan-gendai.com/articles/view/money/305136
・『「郵政民営化法が改正されるかもしれない」 地方銀行の幹部はこう警戒する。 2012年改正の郵政民営化法では、国が日本郵政株の3分の1を持ち続ける一方、日本郵政が持つゆうちょ銀行、かんぽ生命保険の金融2社の株はできる限り早期に完全処分を目指すとされている。このため日本郵政はゆうちょ銀行、かんぽ生命が上場後、順次、市場で保有株式を売却してきた。 しかし、「日本郵政グループを支えているのは金融2社の収益であり、この2社が完全に独立した瞬間に、日本郵政グループの価値は暴落しかねない。収益性の低い日本郵便のみが残り、ユニバーサルサービスの維持も困難になろう」(市場関係者)とみられている。金融2社株の完全売却は現実的な選択肢ではないのだ』、「収益」源の「金融2社株の完全売却は現実的な選択肢ではない」、のは確かだ。
・『一体経営を担保する仕組み  その一端が垣間見れたのが、朝日新聞が報じた全国郵便局長会の評議員会の議事録(3月26日)だ。この中で、局長会の末武晃会長は「日本郵政または日本郵便による一定数のゆうちょ銀行、かんぽ生命の株式の保有等、一体経営を担保する仕組みについての検討を求めていきたい」と発言したとされる。 評議員会は全国郵便局長会総会に次ぐ議決機関で、これまでに日本郵政グループの「一体経営の確保」を訴えたことはあるが、トップが金融2社の株式保有にまで踏み込んだ発言を行ったのは初めてだ。政治的な影響力を持つ、全国郵便局長会トップの発言は重い。地方銀行幹部が指摘するように郵政民営化法そのものが改正され、金融2社の株売却にブレーキがかかるのか。 だが、金融2社の株式売却にストップをかけるのはもろ刃の剣でもある。民営化法では、郵政の出資比率が5割を下回るまで金融2社の新規業務に国の認可が必要と定めている。かんぽ生命については21年6月に出資比率が5割を切り、届け出制に移行したが、ゆうちょ銀行はこれから。このまま株式売却を停止すればゆうちょ銀行は新規業務に足かせが残ることになる。 このため株式を完全売却後、日本郵政が株を買い戻すことで、グループ経営を維持する秘策も囁かれ始めた』、「株式を完全売却後、日本郵政が株を買い戻すことで、グループ経営を維持する秘策も囁かれ始めた」、こんな「秘策」許してはならない。仮に、実行した場合には、「新規業務に国の認可が必要」なる条項を復活させるべきだ。
タグ:日本郵政 (その18)(現金着服・自爆営業…日本郵政が「社員性悪説」コンプラ指導の非常識【内部マニュアル入手】、「国民のカネを投入してまで維持する意味があるのか」組織に根付いた"郵便局体質"の害悪 民間企業で十分カバーできるのに、「日本郵政」がゆうちょ銀 かんぽ生命の株を手放せないワケ) ダイヤモンド・オンライン「現金着服・自爆営業…日本郵政が「社員性悪説」コンプラ指導の非常識【内部マニュアル入手】」 あれだけ「不祥事」が相次いだので、「“社員性悪説”に立ってマニュアルが作成」もやむを得ないだろう。 「ハラスメントの禁止については」、「郵便局の関係者は「ハラスメントを指摘すると左遷されるなど、内部力学が優先された事例もあった」と言い、ハラスメントの禁止の形骸化だけでなく、組織風土というそれ以前の次元で問題を抱えている懸念さえある」、これは深刻だ。「「法律違反ではなくても、広い意味で顧客のためになっているかという視点が欠如していたのがそもそもの要因だ。必要なのは、顧客の利益のための『コード・オブ・コンダクト』(行動規範)であり、ある種の誠実さだ」との郷原氏の指摘はその通りだ。 「中途半端な郵政民営化や経営の怠慢は、郵便局のサービス劣化や地方切り捨てという「大きなツケ」となって国民に跳ね返ってきている」、個人的には「消滅させる」方向に切り替えるべきと思う。 PRESIDENT ONLINE 磯山 友幸氏による「「国民のカネを投入してまで維持する意味があるのか」組織に根付いた"郵便局体質"の害悪 民間企業で十分カバーできるのに」を紹介しよう』 「相次いで発覚した切手の不正換金事件や顧客の個人情報の政治活動への流用などは、郵便局長や局員の個人的犯罪の域を越え、組織に長く根付いた「郵便局体質」が背景にある。 その体質との決別を目指した郵政民営化を逆戻りさせた総務省にこそ、その責任はあるのだが、問題を逆に総務省の権限強化の口実にしようという。そんな総務省の「監督強化」は、政官一体で画策する「官業復帰」への布石ともいえる。国民のカネを投入してまで郵便局を維持する意味があるのかが問われている」、「弁護士らで作る「有識者会議」を総務省に設けて、日本郵政グル 「実際の被害はなかったとはいっても、やはり「書類」「紛失」の責任で処分はすべきだ。 「高齢者は長年付き合いのある郵便局長や局員に全幅の信頼を寄せている」、「郵便局で相次ぐ不正も、そうした無条件の信頼をベースに起きている」、「過度の信頼が、内部のチェックを緩ませ、悪しき風習として脈々と続いている。 郵便局はちょっとやそっとでは潰れない、という思い込みは局長や局員にもあるのだろう。だから、多少経費を水増ししたり、ネコババしても会社は安泰だと思うのか。郵便局を舞台にした数々の不祥事の根は深い」、「まさに「郵便局体質」が脈々と引き継がれているのだ」、その通りだ。 「日本郵政は、今も日本郵便の株式の100%を保有。本来は保有株すべてを売却することになっている「ゆうちょ銀行」の発行済み株式の88.99%、「かんぽ生命」の49.90%をいまだに持ち続けている。つまり、民営化は名ばかりで、事実上、日本郵政グループは国が実質支配しているのだ」、「総務省が「監督強化」できる」のも当然だ。 「資金をふんだんに持つ独法を絡めることで、郵便局網維持のための資金確保を狙うと共に、税金を投入する道筋を開いたとみられている」、さすが悪知恵にたけているようだ。 「自民党」としても「集票マシーン」を手放す筈もない。 「今回の「監督強化」で総務省は何を奪還しようとしているのか。再国営化か、税金投入か。日本郵政が手掛ける事業はどれも、民間企業で十分のものばかりで、もはや国が手掛ける歴史的意味を失っている。そこにこれからも巨額の国民のカネをつぎ込む必要があるのかどうか、今こそ真剣に考えるべき時だろう」、「国民のカネをつぎ込む必要」は「自民党」のためになりこそすれ、「国民」のためにはならない。 日刊ゲンダイ 小林佳樹氏による「「日本郵政」がゆうちょ銀、かんぽ生命の株を手放せないワケ」 「収益」源の「金融2社株の完全売却は現実的な選択肢ではない」、のは確かだ。 「株式を完全売却後、日本郵政が株を買い戻すことで、グループ経営を維持する秘策も囁かれ始めた」、こんな「秘策」許してはならない。仮に、実行した場合には、「新規業務に国の認可が必要」なる条項を復活させるべきだ。
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キシダノミクス(その5)(羊頭狗肉の岸田政権 「骨太の方針」と「新しい資本主義」の空虚さ このままでは「失われた4年」が来る、資産所得倍増を妨げる「助言したくてもできない問題」の解決法) [国内政治]

キシダノミクスについては、5月23日に取上げた。今日は、(その5)(羊頭狗肉の岸田政権 「骨太の方針」と「新しい資本主義」の空虚さ このままでは「失われた4年」が来る、資産所得倍増を妨げる「助言したくてもできない問題」の解決法)である。

先ずは、本年6月14日付け現代ビジネスが掲載した経済ジャーナリストの町田 徹氏による「羊頭狗肉の岸田政権 「骨太の方針」と「新しい資本主義」の空虚さ このままでは「失われた4年」が来る」を紹介しよう。
https://gendai.ismedia.jp/articles/-/96238?imp=0
・『「骨太の方針」とは何か  「岸田総理の『新しい資本主義』は日本経済を改革しないだろう」 今年の世界の10大リスクの第1位に『中国のゼロコロナ政策』をあげて上海のロックダウン(都市封鎖)などを予見したことで知られる、米コンサルティング会社ユーラシア・グループは、クライアントに送付したダイレクトメールのタイトルにこう掲げて、岸田政権の「新しい資本主義のグランドデザイン及び実行計画」を酷評した。 「新しい資本主義のグランドデザイン及び実行計画」だけでなく、岸田政権が同じ6月7日に閣議決定した今年の「経済財政運営と改革の基本方針」(骨太の方針2022)の評判も芳しくない。 なぜ、それほどまでに「骨太の方針」と「新しい資本主義」の評判が芳しくないのか考えてみたい。 まずは、「骨太の方針」だ。毎年1回策定される「骨太の方針」は、小泉純一郎政権下の2001年度の第1回以来、各省庁の利害や与党の反対意見を押さえて、やらなければならい改革を官邸主導で進めるための指針と位置づけられてきた。 総理が議長を務める「経済財政諮問会議」が議論の場で、かつての財務大臣、宮沢喜一氏がその場での議論を「骨太」と称したことから、略称として「骨太の方針」が定着したこともよく知られている。 つまり、「骨太の方針」は、時の政権が重点的に取り組もうとする政策課題やその方向性、実現の手法などを毎年6月ごろに明確にしておき、これに沿う形で、その年の年末の予算編成を進めさせる役割を担っているからこそ、その内容が毎回、大きな関心を集めてきたわけだ。 そうした目線で捉えれば、総花的になったと言われる昨今の「骨太の方針」の中でも、「骨太の方針2022」は群を抜いて総花的なものにとどまった。 菅前政権が取りまとめた昨年版も、生温さがなかったわけではないが、それでも脱・炭素社会の実現に向けては、「2050年カーボンニュートラル、2030年度のGHG削減目標の実現に向け、(1)脱炭素を軸として成長に資する政策を推進、(2)再生可能エネルギーの主力電源化を徹底、(3)公的部門の先導により必要な財源を確保しながら脱炭素実現を徹底」といった基本方針を明記して、「再生可能エネルギーの主力電源化を徹底し、再生可能エネルギーに最優先の原則で取り組み、国民負担の抑制と地域との共生を図りながら最大限の導入を促す」と毅然とした方針を具体的に示していた。 ところが、今年版「骨太の方針2022」は、岸田総理が主張してきたはずのものとはやや趣の違う政策がふんだんに盛り込まれて、これが従来の主張とは異なるため、国策の優先順位が見えづらくなった。それゆえ、全体としての関心が薄れてしまい、評価が低下した格好なのである。このことは、総理が自民党総裁選以来拘ってきた金看板の「新しい資本主義」も同じ傾向にある』、「ユーラシア・グループは、クライアントに送付したダイレクトメールのタイトルにこう掲げて、岸田政権の「新しい資本主義のグランドデザイン及び実行計画」を酷評」、「「ユーラシア・グループ」からまで「酷評」されるも当然だ。
・『「焦点ボケ」の政策  では、具体的に、焦点ボケになった政策を見ていこう。 第1は、当初、総理の出身派閥である宏池会の伝統的な姿勢としても相応の拘りが貫かれるとみられていた「財政の健全化」だ。 5章建ての第1章で、まず、「新型コロナウイルス感染症、ロシアのウクライナ侵略、気候変動などによって、日本を取り巻く環境が大きく変化」する一方で、国内的にも「輸入資源価格の高騰、人口減少・少子高齢化、潜在成長率の停滞、災害の頻発化・激甚化など難局が同時かつ複合的に押し寄せている」と記述。 その文脈に沿って、第1段階として、「総合緊急対策を講じ、国民生活や経済への更なる打撃を抑制」したうえで、第2段階で「骨太方針2022や新しい資本主義に向けたグランドデザイン及び実行計画をジャンプスタートさせるための総合的な方策を早急に具体化し、実行する」と述べたことで、すでに政権発足から9カ月が経っているにもかかわらず、対応をいきなり目先のことに絞り込み、本質的なことはこれから考えると先送りしてしまった。 「危機に対する必要な財政支出は躊躇なく行い、万全を期す。経済あっての財政であり、順番を間違えてはならない。経済をしっかり立て直す。そして、財政健全化に向けて取り組む」と強調し、財政健全化よりも、安倍元総理のアベノミクスの3本の矢のひとつだった積極財政を当面、優先する姿勢も露わになっている。 「骨太の方針2022」は、1章と4章で「財政健全化の旗を降ろさず、これまでの目標に取り組む」と盛り込んで見せたものの、政府が定めた基礎的財政収支(プライマリーバランス)の黒字化達成の「2025年度」という目標が消し去られてしまった問題もある。 総裁選で岸田氏を支援した自民党内の他の派閥への配慮は明らかで、岸田総理の遠慮もしくは“指導力”不足から、自身の派閥の論理を通せなかったことが伺える』、「財政健全化よりも、安倍元総理のアベノミクスの3本の矢のひとつだった積極財政を当面、優先する姿勢も露わになっている」、「財政健全化よりも、安倍元総理のアベノミクスの3本の矢のひとつだった積極財政を当面、優先する姿勢も露わになっている」、なるほど。
・『格差是正に切り込んでいない  次に、第2章をみてみよう。「新しい資本主義に向けた改革」というタイトルを冠し、「人への投資と分配」という項目もあり、総理の公約の中で最も多くの国民が期待を寄せていた「分配」について、詳述しているはずの章である。が、実際に並んでいるのは、人材の再教育・転職支援や、企業統治の改革、最低賃金の引き上げといった施策だ。直接的に、企業が稼いだ収益と貯め込んできた内部留保の従業員への分配という形の見直しや、所得・資産の格差是正に切り込む政策は見当たらない。 もちろん、人材の再教育に関して、「2024 年度までの3年間に4000 億円規模の予算を投入する施策パッケージを講じて、働く人が自らの意思でスキルアップし、デジタルなど成長分野へ移動できるよう強力に支援する」「対象となるのは、およそ100万人と試算」などとしており、将来、今よりも高い所得を得られる人が増えるかもしれない政策は存在している。 少額投資非課税制度(NISA)や個人型確定拠出年金(iDeCo)の改革も盛り込まれた。これらは「貯蓄よりも投資」で企業に資金を融通して成長を促し、結果として、投資家が自力で資産形成することを後押ししようという政策だ。 当初掲げていた金融資産や取引の見直しのように高額所得者や資産家などへの課税措置を基本とする再分配策に比べれば、目標の実現までの道のりがかなり迂遠な政策と言わざるを得ない。そもそも十分な原資があるのか、個別の投資が成功する保証はないといった突っ込みどころもある』、「少額投資非課税制度・・・や個人型確定拠出年金・・・の改革も盛り込まれた。これらは「貯蓄よりも投資」で企業に資金を融通して成長を促し、結果として、投資家が自力で資産形成することを後押ししようという政策だ。 当初掲げていた金融資産や取引の見直しのように高額所得者や資産家などへの課税措置を基本とする再分配策に比べれば、目標の実現までの道のりがかなり迂遠な政策と言わざるを得ない」、「迂遠」だが「再分配案」よりは無難だ。
・『世界の潮流に逆行  企業統治改革では、「人的投資が企業の持続的な価値創造の基盤である点について株主との共通の理解を作り、今年中に非財務情報の開示ルールを策定するとともに、四半期開示の見直しを行う」ほか、「男女の賃金格差の是正に向けて企業の開示ルールの見直しにも取り組む」とした。 人的投資の共通理解や男女格差の開示は間違った方向ではないが、これらも制度改革がいつ実を結ぶのか展望を示していない。 この中で四半期開示の見直しはやや異質だ。ディスクロージャーの後退となる懸念が大きく、明らかに世界や時代の潮流に逆行するものとして、外国人投資家の日本市場離れリスクが大きい。 決意のほどが疑わしいのが、最低賃金の引き上げだ。「地域間格差にも配慮しながら、できる限り早期に最低賃金の全国加重平均が1000円以上となることを目指し、引き上げに取り組む」と、実現時期の目標を記載しなかった。 現在、最低賃金が1000円を超えているのは、東京都の1041円と神奈川県の1040円だけ。全国平均は930円だ。800円台にとどまる37道県をいつまでにどうするか明記してほしかったところである。今年版「骨太の方針2022」の特色だが、肝心の実現目標を記しておらず、踏み込み不足の感が拭えない。 第3章は、「外交、安全保障、経済安全保障」などに言及した。ここでも優柔不断ぶりが浮き彫りになっている。 最大のポイントは、ロシア軍のウクライナ侵攻、東、南シナ海での中国軍の増強、北朝鮮の相次ぐ弾道ミサイル発射で喫近の課題となっている防衛力の強化について、「防衛力を5年以内に抜本的に強化する」という文言しか記さなかったことだろう。 これまでの発言ぶりからも、総理の念頭には「GDP(国内総生産)比で2%以上への拡大」という防衛費の増額目標があるとみられるが、具体的に言及せず、EUなどがGDP比2%を目指していることを紹介するにとどまった。今までとどう違う戦略で、どんな装備を整備するのかも不明だ。これでは『骨太』らしい決意のほどが感じられない』、「最低賃金の全国加重平均が1000円以上となることを目指し、引き上げに取り組む」と、実現時期の目標を記載しなかった」、「総理の念頭には「GDP(国内総生産)比で2%以上への拡大」という防衛費の増額目標があるとみられるが、具体的に言及せず、EUなどがGDP比2%を目指していることを紹介するにとどまった」、政策のフリーハンドを残したいのだろうが、これでは『骨太』の意味がなくなってしまう。
・『踏み込めない岸田総理  紙幅も尽きてきたので、「新しい資本主義のグランドデザイン及び実行計画」についても、手短にコメントしておきたい。 この計画は、経済成長とからめて分配を目指すとして、「人」「科学技術・イノベーション」「スタートアップ」「グリーン、デジタル」の4つについて官民あげて重点的な投資を行うとした。「骨太の方針2022」と同様に、直接的な再分配の手法をとらずに、所得資産の倍増を目指すというわけだ。激変を避ける現実的な政策哲学と言うことはできる。 しかし、この計画では、例えば、日本の最大の課題のひとつである「人口減少」の打開策が抜け落ちている。地方の振興で都市部からの移住を目指すとした部分があるぐらいで、出生率の向上策や子育て・教育支援、そして大胆な移民受け入れ策など、外部性の大きい社会的課題に切り込んでいないのだ。 同様に、踏み込み不足は、財政再建についてもみられる。 冒頭で紹介したユーラシア・グループのリポートは、新しい資本主義を「大胆な名前にもかかわらず、実現しないだろう」と、「羊頭狗肉」と言わんばかりに皮肉っている。実際の内容は、こうした酷評に反論はしづらいものと言わざるを得ないのだ。 新型コロナウイルスの急激な感染再拡大でもない限り、その可能性は高いとみられているが、この夏の参議院選挙に勝つことができれば、岸田内閣は安泰だという見方が根強い。その後3年前後は、解散でもない限り、国政選挙がないからだ。こうしたことが、岸田政権にとっては、野党に付け込む隙を与えたくないとの思惑に繋がっているのだろう。 加えて、政権発足時の自民党各派閥の応援への配慮や、決断が苦手な総理の人柄が相まって、「骨太の方針2022」と「新しい資本主義グランドデザイン及び実行計画」の両方が踏み込み不足なものにとどまった感が拭えない。が、これで、岸田政権が通算4年前後も続くことになれば、その間が「失われた4年前後」になりかねない。こう考えれば、国民としては、強い危機感を覚えずにいられない』、「夏の参議院選挙に勝つことができれば、岸田内閣は安泰だという見方が根強い。その後3年前後は、解散でもない限り、国政選挙がないからだ。こうしたことが、岸田政権にとっては、野党に付け込む隙を与えたくないとの思惑に繋がっているのだろう」、「野党に付け込む隙を与えたくないとの思惑」、なんとみみっちいことをするのだろう。もっと正々堂々と真向勝負をすべきだろう。

次に、6月15日付けダイモンド・オンラインが掲載した経済評論家・楽天証券経済研究所客員研究員の山崎 元氏による「資産所得倍増を妨げる「助言したくてもできない問題」の解決法」を紹介しよう。
https://diamond.jp/articles/-/304793
・『岸田政権が掲げる「資産所得倍増」を実現するには、NISAやiDeCoの拡充だけでは不十分だ。お金の話に詳しくない人々のための「マネーのアシスタント」が必要になるからだ。しかし、それを妨げる「助言したくてもできない」という問題が横たわっている。その解決法を提案したい』、「政策提案」とは「山崎氏」にしては珍しい。
・『NISAやiDeCoの拡充だけでは資産所得倍増には不十分な理由  岸田文雄首相が「資産所得倍増」と発言し、そのための具体的なプランが年末までに策定される。一般NISA(少額投資非課税制度)ないし、つみたてNISAの利用枠の拡大が目玉になるのではないかと目されているが、NISAやiDeCo(個人型確定拠出年金)の利用枠の拡充だけでは不十分だ。 制度がよく分からない、手続きが面倒だ、何に投資したらいいのかが分からない、という個人が少なくないからだ。彼らのための「マネーのアシスタント」が必要だ。 例えば、仮に先週の本連載『資産所得倍増を実現する「誰にもフェア」ないい方法があった』で書いたように、つみたてNISAの利用枠が大幅に拡大されたとしよう。そこで以下のようなプロフィールの架空の人物Aさんを考えてみたい。 Aさんは今年65歳で退職するが、まだまだ元気で知り合いの会社の顧問として働く予定だ。現役時代よりも金額は減るがしばらく定期的な収入がある。利用枠が拡大されるというつみたてNISAに興味を持った。しかし、具体的にどうしたらいいのかが分からない』、「制度がよく分からない、手続きが面倒だ、何に投資したらいいのかが分からない、という個人が少なくないからだ。彼らのための「マネーのアシスタント」が必要」、その通りだ。
・『シナリオ(1)金融機関の窓口に行った場合  仮にAさんが、取引のある銀行や証券会社の窓口に行って、「つみたてNISAのやり方を教えてほしい」と言ったらどうなるだろうか。 控え目な予想は、やや手数料が高めの投資信託に誘導されるのではないかというあたりだ。つみたてNISA自体は金融庁が不適切な商品を多数除外しているので「かなり安心」だ。それでも顧客側から見て無駄に(相対的に)手数料の高い商品が存在する。 もう少し悲観的だが現実的な予想は、つみたてNISAで積み立てようと思っていた金額の一部を生命保険に誘導されるような事態だ。さらに、もっとありそうな話は、退職金を投資信託や外貨建ての生命保険などの高手数料商品で運用するように勧められることだ。特に相談相手が銀行の場合、相手はAさんの預金口座に退職金が振り込まれたことを知っている。 Aさんは、つみたてNISAの手続きが億劫だというくらいのマネーリテラシーの持ち主だ。そのため、「こちらの商品の方がもっといい」と金融機関の専門家に言われたら、十分な反論ができずに取り込まれてしまう可能性が小さくない』、確かに「Aさん」程度の「マネーリテラシーの持ち主」であれば、「金融機関の専門家に言われたら、十分な反論ができずに取り込まれてしまう可能性が小さくない」、その通りだ。
・『シナリオ(2)悪徳FPに相談した場合  特定の金融機関に相談に行くと、ベストな条件を持っている金融機関を選べないかもしれない――。そう思ってAさんは、書籍を出していてメディア出演もあるようなファイナンシャルプランナー(FP)に相談に行くとしよう。アドバイザーに相談しようと思いついたことは悪くない。Aさんは、よく気が付いた。 しかし、相談する相手選びを間違える。相談のついでに生命保険を売って、保険会社から報酬をもらう「悪徳FP」に相談してしまった(行為自体は違法ではないが、相談と商品販売を併営することは利益相反を伴うので、筆者はこの種のFPを「悪徳FP」だと考えている)。) Aさんは、ライフプラン分析にかこつけた世間話で情報収集されて、「つみたてNISAの投資商品よりも貯蓄性の生命保険などの方がライフスタイルに合っている」などと丸め込まれて、保険営業の餌食になる可能性がある。 Aさんが、つみたてNISAまで無事にたどり着く可能性は小さいのではないか』、「Aさんは、」「保険営業の餌食になる可能性がある。 Aさんが、つみたてNISAまで無事にたどり着く可能性は小さい」、その通りだ。
・『シナリオ(3)クリーンで親切なアドバイザーに相談した場合  Aさんは、賢くも金融機関や生命保険を取り扱う悪徳FPを避けて、独立したアドバイザーに相談料を払って、つみたてNISAの相談をしたとしよう。アドバイザーは、後述のように必ずしもFPでなくて構わない。ともかく、相談の相手としては、知識と心根がいい人にたどり着いたとしよう。 アドバイザーは、もちろんつみたてNISAの仕組みや金融機関の選び方について丁寧に教えてくれるだろう。 そして、インターネット上の金融機関を利用するのがいいという結論を2人で得たとしよう。その場合、証券口座やつみたてNISAの口座の開設手続きについても、相談者の問いに逐一答えて手伝ってくれるだろう。 また、Aさんがどうしても対面の金融機関でつみたてNISAの口座開設をしたいと言っている場合、Aさんに付き添って金融機関の窓口まで同行してくれるかもしれない。 投資家の裾野を広げるためには、こうした善意のお手伝いが必要だ。このアドバイザーの仕事ぶりとしては丁寧で好ましい。しかし、ここで困った問題が生じる』、「クリーンで親切なアドバイザーに相談した場合」でも「困った問題が生じる」とはどういうことだろう。
・『アドバイザーが抱える矛盾 一番知りたいことを教えてはいけない  Aさんは、当然「では、私はどの商品を幾ら買い付けることにしたらいいのでしょうか?」とアドバイザーに聞くだろう。当然の疑問だ。 ところが、ここでアドバイザーは、個別の投資銘柄とその売買の具体的な数量を顧客にアドバイスしていけない。そのアドバイスは投資顧問業になり、法に抵触するからだ。少なくとも報酬をもらって業務として行ってはいけない。 加えてAさんは、退職金についても運用のアドバイスを求めるかもしれない。「金融機関が勧める投資信託、生命保険、外貨預金はダメだ」といったことを理由を含めて教えてあげたり、Aさんの人生計画と資金計画を分析してアドバイスしてあげたりすることは違法ではない。 ただ、Aさんに「では、私はどの投資信託(またはETF〈上場投資信託〉)を買ったらいいのかなあ。教えてくださいよ」と聞かれたときに、ルール上は「スミマセン、自分で考えてください」と言うしかない。 例えば、「世界株のインデックスファンドで手数料が最も安いものを調べて、いいと思う金額だけ買うといい」というくらいに答えたら違法にはならないだろう。しかし、ほんの少し前まで親切だったアドバイザーが急によそよそしくなる。 法的に問題が起こらないようにAさんに具体的な商品への投資をアドバイスしようとすると、アドバイザーは最低限、助言業務の投資顧問業登録を行っているのでなければならない。 登録は会社で行うのが普通だが、供託金が必要だし、法律に対応した帳簿の整備等が必要だ。コンプライアンスの担当者を置かなければならない場合もあるし、監督当局の検査が入るケースもある。コストと手間は大変だ。 親切心から運用商品まで含めてアドバイスしてもいいと思うアドバイザーにとって、投資顧問業に関するルールが制約になっている』、「投資顧問業に関するルールが制約になっている」、なるほど。
・『親切なアドバイザーを悩ませる無意味な参入障壁  資産の運用を手伝うサービスには、質(内容)・量(金額)両面でかなりのバリエーションがある。 法人や富裕層個人の大きな金額の資産を預かって(通常は信託銀行に資産を預ける)、その運用行為(通常は信託銀行に「運用指図」をする)をアドバイザー自身が実行するような運用行為は、投資一任業務の免許を持った投資顧問業者が行う。これは妥当だろう。 次に、投資の内容をアドバイスする業務は、投資助言業の免許を持った投資顧問業者が行うことになっている。アドバイスとされるものの内容は、現実の判定において微妙だが、具体的な投資銘柄と数量を伴う売買のアドバイスは「投資助言業」とされる可能性がある。 こうしたルールが現実にどの程度フェアに適用されているのかという別の問題もあるが、お金のアドバイスを仕事にしようとする人は、この問題を自分にとって大きなリスクの問題として意識しなければならないのが現実だ。 例えば、古くからある株式の銘柄の売り買いをアドバイスするレポートを売るようなビジネスをしている人も、念のため助言の投資顧問業登録をする場合がある。また、顧客に詳しい運用アドバイスをしようとするFPは、自分の会社で投資顧問業の登録をするか、投資顧問登録を行っている会社に所属するか等のリスク対策が必要になる。先の設例の「クリーンで親切なアドバイザー」が善意のサービスの最後でつまずく原因でもある。 助言の投資顧問業登録のコストと手間が、アドバイスや情報・サービスの提供に対して無益な参入障壁になっている。 身近すぎる例えで恐縮だが、読者は筆者に資産運用の相談をしたいと思うだろうか。 筆者は、他人の資産運用についてアドバイスする親切心を持つことがある。時間があれば相談に乗ってもいい。しかし、投資顧問業の登録はやりたくない。だから謝礼は受け取れないし、受け取らない。 すると、筆者の運用アドバイスはビジネス化されることがなく、筆者はそこに多くの時間を使うことができないから、広がりを持たない。似たような事情を持つ人は少なくないはずだ。 なお、筆者自身は個人向けのアドバイスを自分のビジネスにすることに向いていないだろうと自己評価している。当面はアドバイスの元ネタを考えることの方に注力したい』、「助言の投資顧問業登録のコストと手間が、アドバイスや情報・サービスの提供に対して無益な参入障壁になっている」、「筆者は、他人の資産運用についてアドバイスする親切心を持つことがある。時間があれば相談に乗ってもいい。しかし、投資顧問業の登録はやりたくない。だから謝礼は受け取れないし、受け取らない。 すると、筆者の運用アドバイスはビジネス化されることがなく、筆者はそこに多くの時間を使うことができないから、広がりを持たない。似たような事情を持つ人は少なくないはずだ」、なるほど。
・『お金の助言をビジネスにできる「運転免許並み」のアドバイス資格を提案  前述のような「助言したくてもできない」という状況を踏まえて、投資顧問業よりも範囲が限定されたアドバイザーの資格を作ることを提案したい。多くの国民が金融資産を有効活用するための「お手伝い」について、報酬をもらって行うことができるようにするためだ。 資格の略称を「マネー・アシスタント」(MA)としておこう。以下のような内容でどうだろうか。 (1)MAは顧客に、金融全般や関係する制度に対する知識や相談の提供、手続きの手伝い、「限定された範囲」(詳細は後述)での資産運用のアドバイスを業として行うことができる。例えば、顧客にNISAやiDeCoについて説明したり、投資口座の開設の手伝いをしたり、金融機関に同行したり、限定された運用アドバイスを提供したりして、報酬をもらうことができる。 (2)MA資格の取得のためには、既定のコマ数の講習を受けて簡単なテストに合格すればいい。イメージは自動車の普通運転免許の学科試験を簡単にした程度のものだ。取得が難しい資格にはしない方がいい。「お金について分かっている」と自認する人が気楽に取得できる資格にしたい。理屈上、証券外務員資格よりもずっと易しい内容でいいはずだ。 (3)MA資格は2年ごとに更新を要する。更新には2コマ程度の講習の受講が必要となる。資格の更新には講座の受講だけでいい。例えば、金融に関する新しい状況と知識の確認と、法令の確認や顧客とのトラブル事例の説明、などがあるといいだろう。ここでも、筆者にとっては自動車の運転免許がモデルだ(例えば、調理師など他の資格がよりモデルにふさわしい可能性はあるが)。 (4)MA資格の保有者は、金融庁にMA登録を行うことによって、MAを業として行うことができるようになる。ただしMA業は、金融商品・保険などの取り扱いと兼業できない。金融機関の職員はMA資格を取ることができるが、MA業を行うことができるのは退職後だ。また、MAが商品紹介の謝礼・手数料のキックバックなどを金融機関から受け取ることは禁止行為とする。 (5)MA業の登録者は、金融庁のホームページで公表される。MAと取引した顧客は、違反事例(もしあれば)の報告やMAの業務に対する満足度の評価を金融庁に送ることができる。報告者の本人確認はマイナンバーで行う。違反や評価の情報は金融庁が適切に管理し、必要と認める場合は資格の停止、警告、評価の発表(優良業者も要注意業者も)などを行う。ビジネスを行うMAは顧客に評価され、金融庁に管理・監督される。 われわれの多くは、自動車の運転免許をきっかけに交通法規や自動車の仕組みを知っている。しかし、残念ながら多くの大人が正しい金融知識を持っていない。大人に金融知識を広めるには、運転免許的な仕組みの提供が効果的だろう。 また、資産形成そのものの普及のためには、おびただしい数のアドバイザーやアシスタントが必要になる。そして、正しい金融知識の普及のためには大人同士が教え合う仕組みが有効だ。「正しい内容」を定義し教育することとともにそこにビジネス上のインセンティブを与えるといい。 なおMAの資格は、FPの資格とは切り離して距離を置いたものとして運営するべきだ。FPの資格の運営者は、金融機関や保険会社とのビジネス関係が深く、あるべきMA業とは深刻な利益相反を抱えているからだ。MA資格に必要な知識は、金融庁が責任を持って定義し提供すべきだろう。金融業界関係者やビジネスを知らない学者などによる「有識者会議」は必要ない。 一方、もちろん独立したFPがMAを取ってMA業を営むことには何の問題もない』、「MA資格」の提案は説得力がある。
・『「限定された資産運用アドバイス」の範囲をどこに定めるべきか  MA制度ができたとして、MAが業として行っていい金融資産運用アドバイスの範囲をどのように定めるべきだろうか。 いずれにしても、アドバイスの対象にしていい運用商品は金融庁がリストアップして指定することになるだろう。 例えば、リスク資産として対象にできる商品範囲の可能性を挙げてみよう。 (1)アドバイスできるリスク資産は実質一つ。例えば、公的年金と同等の資産配分(今なら国内外の株・債券に投資する「4資産均等」)を持つバランスファンド、または全世界株式のインデックスファンドなどが考えられる。筆者は全世界株式のインデックスファンドを推したいが、日本株に投資させたい向きが多い政治的な力によって、前者に決まる方がありそうな展開だ。 (2)「4資産均等」「全世界株式」「外国株式」「国内株式」、など大きく異ならない選択肢が実質数個あって、それぞれに該当する個別商品を金融庁がリストアップする。低廉な手数料のインデックスファンドが中心で、つみたてNISAの適格商品よりも範囲の狭いものとなる。なお、対面営業の証券会社では低廉な手数料の商品を窓口で扱っていない可能性があるので、適格とされる商品のリストにはETFも入れておきたい。 (3)つみたてNISAの適格商品はアドバイスしていいとする。これに、上記の理由で適当なETFを加える程度の商品範囲はどうか。このくらいまで範囲を広げるとアドバイスにかなりの自由度が生まれるが、MA資格の当面の限界だろう。なお、つみたてNISAの適格商品の基準は適宜見直して入れ替えていい。また、利用者には5年に一度程度の投資対象商品のスイッチングを認めて、商品間の競争を促すといいのではないだろうか。 筆者の個人的な意見としては、MA自体は知識として、例えば手数料の重要性等を教育されているので、最も選択肢が多い(3)でいいのではないかと思うが、現実的には(1)に近いものが無難なのかもしれない。初級資格と上級資格に分けてアドバイス可能な範囲に差を設けるのも一案だろう』、資産運用業務の第一人者らしい現実味溢れる提案で、私には異論を差し挟む余地は、当然のことながら全くない。
タグ:キシダノミクス (その5)(羊頭狗肉の岸田政権 「骨太の方針」と「新しい資本主義」の空虚さ このままでは「失われた4年」が来る、資産所得倍増を妨げる「助言したくてもできない問題」の解決法) 現代ビジネス 町田 徹氏による「羊頭狗肉の岸田政権 「骨太の方針」と「新しい資本主義」の空虚さ このままでは「失われた4年」が来る」 「ユーラシア・グループは、クライアントに送付したダイレクトメールのタイトルにこう掲げて、岸田政権の「新しい資本主義のグランドデザイン及び実行計画」を酷評」、「「ユーラシア・グループ」からまで「酷評」されるも当然だ。 「財政健全化よりも、安倍元総理のアベノミクスの3本の矢のひとつだった積極財政を当面、優先する姿勢も露わになっている」、「財政健全化よりも、安倍元総理のアベノミクスの3本の矢のひとつだった積極財政を当面、優先する姿勢も露わになっている」、なるほど。 「少額投資非課税制度・・・や個人型確定拠出年金・・・の改革も盛り込まれた。これらは「貯蓄よりも投資」で企業に資金を融通して成長を促し、結果として、投資家が自力で資産形成することを後押ししようという政策だ。 当初掲げていた金融資産や取引の見直しのように高額所得者や資産家などへの課税措置を基本とする再分配策に比べれば、目標の実現までの道のりがかなり迂遠な政策と言わざるを得ない」、「迂遠」だが「再分配案」よりは無難だ。 「最低賃金の全国加重平均が1000円以上となることを目指し、引き上げに取り組む」と、実現時期の目標を記載しなかった」、「総理の念頭には「GDP(国内総生産)比で2%以上への拡大」という防衛費の増額目標があるとみられるが、具体的に言及せず、EUなどがGDP比2%を目指していることを紹介するにとどまった」、政策のフリーハンドを残したいのだろうが、これでは『骨太』の意味がなくなってしまう。 「夏の参議院選挙に勝つことができれば、岸田内閣は安泰だという見方が根強い。その後3年前後は、解散でもない限り、国政選挙がないからだ。こうしたことが、岸田政権にとっては、野党に付け込む隙を与えたくないとの思惑に繋がっているのだろう」、「野党に付け込む隙を与えたくないとの思惑」、なんとみみっちいことをするのだろう。もっと正々堂々と真向勝負をすべきだろう。 ダイモンド・オンライン 山崎 元氏による「資産所得倍増を妨げる「助言したくてもできない問題」の解決法」 「政策提案」とは「山崎氏」にしては珍しい。 「制度がよく分からない、手続きが面倒だ、何に投資したらいいのかが分からない、という個人が少なくないからだ。彼らのための「マネーのアシスタント」が必要」、その通りだ。 シナリオ(1)金融機関の窓口に行った場合 確かに「Aさん」程度の「マネーリテラシーの持ち主」であれば、「金融機関の専門家に言われたら、十分な反論ができずに取り込まれてしまう可能性が小さくない」、その通りだ。 シナリオ(2)悪徳FPに相談した場合 「Aさんは、」「保険営業の餌食になる可能性がある。 Aさんが、つみたてNISAまで無事にたどり着く可能性は小さい」、その通りだ。 シナリオ(3)クリーンで親切なアドバイザーに相談した場合 「クリーンで親切なアドバイザーに相談した場合」でも「困った問題が生じる」とはどういうことだろう。 「投資顧問業に関するルールが制約になっている」、なるほど。 「助言の投資顧問業登録のコストと手間が、アドバイスや情報・サービスの提供に対して無益な参入障壁になっている」、「筆者は、他人の資産運用についてアドバイスする親切心を持つことがある。時間があれば相談に乗ってもいい。しかし、投資顧問業の登録はやりたくない。だから謝礼は受け取れないし、受け取らない。 すると、筆者の運用アドバイスはビジネス化されることがなく、筆者はそこに多くの時間を使うことができないから、広がりを持たない。似たような事情を持つ人は少なくないはずだ」、なるほど。 「MA資格」の提案は説得力がある。 資産運用業務の第一人者らしい現実味溢れる提案で、私には異論を差し挟む余地は、当然のことながら全くない。
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原発問題(その19)(福島第一原発「デブリ取り出しは不可能」と専門家 廃炉できないなら「『石棺』で封じ込めるしかない」、日本型エリート思考”の限界を3.11の原発事故に見た 新失敗学 正解をつくる技術(3)、「正解を作る技術」を詳細公開! ビジネス、生活…すべてに活用できるその技術とは? 新失敗学 正解をつくる技術(4)) [国内政治]

原発問題については、昨年11月3日に取上げた。今日は、(その19)(福島第一原発「デブリ取り出しは不可能」と専門家 廃炉できないなら「『石棺』で封じ込めるしかない」、日本型エリート思考”の限界を3.11の原発事故に見た 新失敗学 正解をつくる技術(3)、「正解を作る技術」を詳細公開! ビジネス、生活…すべてに活用できるその技術とは? 新失敗学 正解をつくる技術(4))である。

先ずは、3月7日付けAERAdot「福島第一原発「デブリ取り出しは不可能」と専門家 廃炉できないなら「『石棺』で封じ込めるしかない」」を紹介しよう。
https://dot.asahi.com/aera/2022030400025.html?page=1
・『東京電力福島第一原発事故からまもなく11年。国と東電は30~40年後の廃炉完了を目指すロードマップに基づき、作業を進めている。だが、相次ぐトラブルから廃炉作業の計画は大幅に遅れている。廃炉は本当に可能なのか。AERA 2022年3月7日号は、小出裕章・元京大原子炉実験所助教に聞いた。  国と東電が策定したロードマップは「幻想」です。 国と東電がいう「廃炉」とは、燃料デブリを格納容器から取り出し、専用の容器に封入し、福島県外に搬出するということです。 当初、国と東電は、デブリは圧力容器直下の「ペデスタル」と呼ばれるコンクリート製の台座に、饅頭(まんじゅう)のような塊になって堆積(たいせき)していると期待していました。そうすれば、格納容器と圧力容器のふたを開け、上方向からつかみ出すことができます。 しかし、デブリはペデスタルの外部に流れ出て飛び散っていることが分かりました。デブリを上部から取り出すことができないことが分かったのです。 そこで国と東電はロードマップを書き換え、格納容器の土手っぱらに穴を開け横方向に取り出すと言い出しました。しかしそんなことをすれば遮蔽(しゃへい)のための水も使えず、作業員の被曝(ひばく)が膨大になってしまいます。それどころか、穴を開けた方向にあるデブリは取り出せたとしても、格納容器の反対側にあるデブリはペデスタルの壁が邪魔になり、見ることも取り出すこともできません。 つまり、デブリの取り出しは100年たっても不可能です。 東電は「国内外の技術や英知を活用すれば廃炉はロードマップ通りに達成できる」などと繰り返し言っているようです。本気で考えているとすれば、相当なバカだと思います。ロードマップは彼らの願望の上に書かれたもので、その願望はすでに崩れています。 廃炉できなければどうすればいいか。できうることは、1986年のチェルノブイリ原発事故の時に実施したように、原子炉建屋全体をコンクリート製の構造物「石棺」で封じ込めるしかありません。) 人間に対して脅威となる放射性物質のセシウム137とストロンチウム90の半減期は、それぞれ30年と28年です。100年待てば放射能は10分の1に、200年待てば100分の1に減ってくれます。 100年か200年か経てば、その間に、ロボット技術や放射線の遮蔽技術の開発も進むはずです。そして、いつかの時点でデブリを取り出すこと以外ないと思います。 国と東電は、それくらい長期にわたる闘いをしているんだと覚悟しなければいけません。 そのためにも、一刻も早く福島県に「廃炉は不可能」と説明し、謝罪するべきです。悲しいことですが、事実を直視しなければ前に進めません』、「デブリはペデスタルの外部に流れ出て飛び散っていることが分かりました。デブリを上部から取り出すことができないことが分かったのです。 そこで国と東電はロードマップを書き換え、格納容器の土手っぱらに穴を開け横方向に取り出すと言い出しました。しかしそんなことをすれば遮蔽(しゃへい)のための水も使えず、作業員の被曝・・・が膨大になってしまいます・・・デブリの取り出しは100年たっても不可能です」、「できうることは、1986年のチェルノブイリ原発事故の時に実施したように、原子炉建屋全体をコンクリート製の構造物「石棺」で封じ込めるしかありません」、「「石棺」で封じ込めるしかありません」、「100年か200年か経てば、その間に、ロボット技術や放射線の遮蔽技術の開発も進むはずです。そして、いつかの時点でデブリを取り出すこと以外ないと思います」、国や東電は、そろそろ現実を直視すべきだろう。

次に、6月6日付け現代ビジネスが掲載した東大名誉教授で原発の政府事故調委員長の畑村 洋太郎氏による「日本型エリート思考”の限界を3.11の原発事故に見た 新失敗学 正解をつくる技術(3)」を紹介しよう。
https://gendai.ismedia.jp/articles/-/95914?imp=0
・『「決められた正解を素早く出す」ことが優秀な人とされた時代から「自ら正解をつくる」ことができる人の時代へ。「正解がいくつもある時代」になった今、自分たちで正解をつくっていく必要がある。そして自分たちで正解をつくるとは、仮説ー実行ー検証を回していくことにほかならない。そのためのポイントを丁寧に解説、これから私たちが身につけるべき思考法を明らかにした書籍『新失敗学 正解をつくる技術』から注目の章をピックアップしてお届け』、興味深そうだ。
・『東大工学部で感じた違和感  私が東京大学に入学したのは1960年のことです。その後、機械工学科修士課程を出てから日立製作所に就職しましたが、2年後に助手として大学に戻り、2001年に定年で退官するまで30年余、工学部で教員生活を送りました。 私が所属していた東大工学部は、優等生がゴロゴロいました。もちろん百人いれば数人は、「こいつは本当に頭がいい」と感じる、ものごとの本質を突き詰めようとするタイプもいましたが、大部分がいわゆる優等生タイプでした。たしかに頭の回転は速く優秀ではあるのですが、ものごとの本質を突き詰めて考えるというより、自分がいかに早く正解を出せるか、そして知識量の多さを競うような学生が多かったのです。 そして優等生が大部分だった当時の東大工学部を覆っていた雰囲気もまた、とにかく正解が外にあるのだから、それを持ってきてうまく使おうという、いわば「便宜主義」でした。 その典型的な例が原子力発電です。東大原子力工学科は、私が入学した1960年に設立されました。日本初の原子力発電所による試験発電が63年、初の商用発電が66年ですから、ちょうど私の学生時代は日本の原発の黎明期に当たります。 私は当時、原発はすごいものだなと思っていました。原発の試験発電と同じ1963年、関西電力の社運をかけて建設された黒四ダムが、7年の歳月と171人の殉職者を出しながら完成します。このときできた水力発電所の出力が33万5000キロワットでした。一方で日本初の商用軽水炉として66年に着工し、70年に発電を開始した日本原子力発電の敦賀発電所一号機が、一基で35万7000キロワット、その後は一基70万キロワットを超える原発がどんどん建設されていくわけですからエネルギー量がケタ違いです。 日本にとってエネルギーをどのように確保するかは、明治以来ずっと続く大きな課題です。唯一の原爆被爆国である日本でも、原子力を「平和利用」すればエネルギー問題が解決できる、原発こそ夢のエネルギー源だと考えたのは、とてもよく理解できます。 しかしその反面、原子力畑の人が言っているロジックには、なにか危うさも感じていました。原発が本当に安全なのかという議論は当初から頻繁にされていました。それに対し原子力畑の人たちは、原爆と原発とは構造も違うし、何重にも制御できる仕組みがあるから絶対大丈夫ということを言い続けてきました。 しかし、ものごとの本質を考えれば、ウランという原子量が非常に多いものを使っていることは、原爆も原発も変わりありません。物質の構造で見ると、原子量が多いということは、たくさんの素粒子同士のつながりがあって、そこにエネルギーがたくさん蓄積されているということです。だから、その蓄積されたエネルギーを取り出して使えば、少ない材料から大きなエネルギーを得ることができるという考えです。 先進国の米国がやり始めたことだし、とても便利なものだし、安全も確保される(はずだ)し、放射性廃棄物などの難しい問題は後から考えよう――、こうした考え方は便宜主義そのものです。そうした考え方には当時から違和感を感じてきました』、「優等生が大部分だった当時の東大工学部を覆っていた雰囲気もまた、とにかく正解が外にあるのだから、それを持ってきてうまく使おうという、いわば「便宜主義」でした」、「原発」は「先進国の米国がやり始めたことだし、とても便利なものだし、安全も確保される(はずだ)し、放射性廃棄物などの難しい問題は後から考えよう――、こうした考え方は便宜主義そのものです」、なるほど。
・『原発事故に見る日本型エリート思考の限界  2011年3月の東日本大震災における福島第一原発事故は、このような便宜主義の限界を示した大事故でした。私は当時の政府から事故調査委員会(いわゆる政府事故調)の委員長を依頼されて、約1年3ヵ月の間、この事故の調査を行いました。 福島第一原発には6つの原子炉がありました。大事故に至ったのはこのうちの3つで、それぞれ状況は違いましたが、原子力発電において最も重要な「原子炉を冷やす」という機能を失ったことで問題が発生した点は同じでした。ここでは細かな説明は省きますが、冷却できなくなった核燃料は、自身が発し続けた熱で溶けて圧力容器の底に落ち(メルトダウン)、やがて外側の格納容器にまで漏れ出した(メルトスルー)のです。その際、大量に水素が発生して建物内に充満し、これが爆発を起こして建屋を含む周囲を激しく破損しながら大量の放射性物質を外部に放出しました。 周辺ではこの放射性物質による汚染はいまなお続き、事故現場では建物全体を封じ込めることで大気への放出は抑えられているものの、冷却用に使われている水の処理がいまでも大きな問題になっています。国際原子力事象評価尺度(INES)において最悪のレベル7(深刻な事故)に分類されていますが、これは史上最悪の原発事故とされている1986年のチョルノービリ原発事故(旧ソビエトで現在はウクライナ)と同じ評価です。 福島第一原発の事故では当初、地震による大きな揺れを感知して自動停止した原子炉の冷却機能は維持されていました。地震の影響で外部からの電源供給が途絶えたものの、非常用の発電機が正常に働いていたからです。ところが、その後押し寄せた津波による浸水によって非常用の発電機が使えなくなり、「原子炉を冷やす」という重要な機能が失われました。これが致命傷となって、史上最悪の重大事故が引き起こされてしまったのです。 非常用の発電機が津波による深刻な被害を受けたのは、敷地内で最も低い、地下に設置されていたからでした。当初の想定では、その場所でも津波による被害は及ばないと考えられていましたが、実際に到達した津波の高さは想定をはるかに超えていました。もちろん非常用の発電機をあらかじめどんなに高い津波がやってきても影響を受けない場所に設置していたら、あのような重大事故が発生することはなかったでしょう。関係者は事故発生後、悔やんでも悔やみきれない思いでいたことでしょう。 ではなぜ、非常用の発電機を津波の影響を受けやすい地下などに設置していたのでしょうか? 津波の高さこそ想定外だったとはいえ、あらかじめ津波による被害を想定していた場所です。備えとしては念のため想定外の高さの津波がやってきても被害を受けない場所に設置しておくべきと考えるほうが自然です。むしろそうしていなかったことが不思議でした。 結論から言うと、米国から技術を日本に持ち込む際、知識が中途半端に伝わったことによる悲劇でした。私は政府事故調の活動を通じて、福島第一原発だけでなく日本中の原発が非常用の発電機を地下に置いていたことを知りました。その理由は政府事故調の期間ではわからなかったのですが、その後、さらに調べている中で、米国から原発の技術が持ち込まれたときに、本質的な議論もなしに、形だけの知識が伝わったものであることをある人から教わりました』、「福島第一原発だけでなく日本中の原発が非常用の発電機を地下に置いていた」、「その理由は・・・米国から原発の技術が持ち込まれたときに、本質的な議論もなしに、形だけの知識が伝わったものであることをある人から教わりました」、なるほど。
・『米国と日本の決定的な違い  米国ではなぜ、地下に非常用発電機を設置していたのか。それは、米国ではいちばんの脅威が、「津波」ではなく「竜巻」だったからです。 米国はもともと竜巻被害の多い国です。2021年12月にも中西部や南部を襲った竜巻で90人以上の死者が出たことが大きく報道されました。竜巻がやってきて仮に風速100メートルの暴風に襲われたとすると、竜巻の通り道にある木々や建物は鋭利な刃物で切られたように吹き飛ばされてしまいます。それらを巻き込んだ強風は、大きな破壊力を持っているので、たまたま通り道になっていたりすると、原発の建物やその中にある各種の重要な設備が破壊されてしまうかもしれません。原発本体は頑丈なつくりになっているので耐えられたとしても、冷却に必要な電力を供給するシステムや非常用発電機が破壊されると重大な事故につながりかねないので、これらを最も安全な地下に置くことで安全を確保していたわけです。 ところが日本に原発の技術が伝えられたとき、安全確保に関するこの重要な知識の中身は正確に伝わりませんでした。あるいは途中で消えてしまったということかもしれませんが、いずれにしても結果として残ったのは「重要な設備は地下に置く」という中途半端な知識だけでした。この知識は竜巻から守るためなら有効なものの、日本の原発が想定し、備えていなければいけなかった津波への対策としては、明らかに不適切なものでした。 このように、「ある地域・ある時代の人たちにとっては自明であるがゆえに明文化されず伝えられることもない重要な知識がある」ということも、失敗学では重要な知見の一つです。いちばん大事なことは、常識としてみんなの頭の中に入っているので、文章化されないことがあるのです。 福島第一原発では、もともとの海岸段丘を掘削して立地のレベルを下げ、その地下に非常用電源を設置しています。平地の確保、海水を冷却水として利用しやすくするためといった理由はあるのでしょうが、津波が予測される日本の海岸に設置される原発にとって、いちばん必要なことは何か、という観点からは、ナンセンスとしか言いようがありません。 事故調では、なぜそのようなことをしたのか調べましたが、当時の経緯について触れた資料はまったく残されていませんでした。資料が残されていない以上、当時技術を導入した人たちが、どこまで考えていたかは詳細にはわかりません。しかし、「先進国の米国で行われていることだから間違いないだろう」という意識が働き、思考停止していたのではなかったかと推測しています。 私はここにも正解を持ってくればいい、正解を持ってきてそのままあてはめればいいという優等生型の思考の限界を感じます。 「正解」がはっきりしている場合は、そのまま正解を頭にインプットすれば問題はありませんし、非常に効率的です。しかし「正解」がわからない場合、「正解」自体が間違っている場合も、実際の世界には数多くあるのです。 こうしたときには、本質的には何が重要なのか、根本を突き詰めて考える必要があります。非常用電源を地中に入れておけば「正解」という思考には、本質的に何が重要なのかについて考えた形跡はまったくないのです』、「米国ではいちばんの脅威が、「津波」ではなく「竜巻」」、「冷却に必要な電力を供給するシステムや非常用発電機が破壊されると重大な事故につながりかねないので、これらを最も安全な地下に置くことで安全を確保」、「当時の経緯について触れた資料はまったく残されていませんでした。資料が残されていない以上、当時技術を導入した人たちが、どこまで考えていたかは詳細にはわかりません。しかし、「先進国の米国で行われていることだから間違いないだろう」という意識が働き、思考停止していたのではなかったかと推測しています。 私はここにも正解を持ってくればいい、正解を持ってきてそのままあてはめればいいという優等生型の思考の限界を感じます」、その通りだろう。

第三に、この続きを、6月7日付け現代ビジネスが掲載した畑村 洋太郎氏による「「正解を作る技術」を詳細公開! ビジネス、生活…すべてに活用できるその技術とは? 新失敗学 正解をつくる技術(4)」を紹介しよう。原発問題とは離れるが、「畑村」氏の考え方をより深く知る意味があるとして取上げた次第である。
https://gendai.ismedia.jp/articles/-/95945?imp=0
・『「決められた正解を素早く出す」ことが優秀な人とされた時代から「自ら正解をつくる」ことができる人の時代へ。「正解がいくつもある時代」になった今、自分たちで正解をつくっていく必要がある。そして自分たちで正解をつくるとは、仮説ー実行ー検証を回していくことにほかならない。そのためのポイントを丁寧に解説、これから私たちが身につけるべき思考法を明らかにした書籍『新失敗学 正解をつくる技術』から注目の章をピックアップしてお届け』、「正解をつくる技術」とは興味深そうだ。
・『「正解がない時代」とは「正解がいくつもある時代」のこと  現代は、いままでの思考法――問題を分析し、その問題の正解を外から持ってくるという思考法――だけでは、多くの場面で通用しません。 私はいまの時代を「正解がない時代」というより、唯一解のない「正解がいくつもある時代」と捉えています。 そんな時代に必要なのは、やはり自分なりの正解を出していく思考法です。これはビジネスに限りません。直面している問題の解決など、すべての活動に求められている考え方です。 それは言い換えれば、「自分で考えて実行し、その結果を検証する」サイクルを続けることにほかなりません。 そこでまず、そのサイクルの基本的なプロセスについて説明していきましょう』、「自分なりの正解を出していく思考法」、「それは」「「自分で考えて実行し、その結果を検証する」サイクルを続けること」、なるほど。
・『「自分で考えて実行する」とは  「自分で考えて実行する」ことは、じつは多くの人が、日常行っていることです。たとえば、「今日は午後から雨が降りそうだから折りたたみの傘を持って出よう」「今日は金曜日、ということは、いつも通る道は渋滞しそうだから、別の道を選ぼう」「昨晩は焼肉屋に行っていっぱい肉とごはんを食べたから、今日の夕食はさっぱりと野菜中心にしよう」といったことは、すべて自分で考えて実行することに含まれます。こうした日常的な出来事から、さまざまな計画を立てる、企画を考える、設計をするなどのことがすべて、「自分で考えて実行する」ことになります。 ですから、日ごろから意識的に、自分で考えて実行する機会を増やせるかどうかで、人生は大きく変わってくるのです。 一方、「親に言われたから実行した」「教師に言われたから~」「上司に言われたから~」「夫に(妻に)言われたから~」「マニュアルにそう書いてあるから~」「それが決まりだから~」というのはどうでしょうか? そこでは「自分で考えて」の部分が抜けています。 さらに、「自分で考えたけれど、実行しない」のはどうでしょうか? じつは私は、「自分で考えて実行する」ことのうち、「実行する」ほうがより重要だと考えています。 というのも、自力で考えるときよりも、考えたことを実行しようとするときのほうが、さまざまな制約が次から次へと出てきて、はるかに難易度が上がるからです。 たとえば、自分の仕事で新たな企画を考えたり、プライベートで旅行の計画をする。しかしそれをいざ実行しようとすると、「時間がない」「人がいない」「お金がない」「場所がない」「実現する手段がわからない」というように、いろいろな制約が出てきてなかなか実行できないということはよくあります。「考える」と「実行する」の間にある壁は、じつは非常に大きい』、「自力で考えるときよりも、考えたことを実行しようとするときのほうが、さまざまな制約が次から次へと出てきて、はるかに難易度が上がるからです」、確かにその通りだろう。
・『実行することこそが大切  だからこそ、実行することが大切です。まずはどんどんやってみることをおすすめします。そもそも「考える」と「実行する」との間にどんな壁があるかは、実際にやってみないと、なかなか見えてきません。もう一歩進んで実際にやってみると、まったく予期していなかった新しい制約条件が出てきたり、思いもかけない結果が引き起こされたりするなど、もっと別のものが次々と見えてきたりします。そうして明らかになった新たな制約条件を乗り越えたり、別の方法を見つけることが正解への道になるので、実行することそのものが、成功へ至る具体的な道筋を知る方法でもあります。 だいたい多くのことは、頭で考えた通りには動きません。本当のところはどうなのかは、実際にやってみないとわからないものなのです。 極端なことを言えば、最初は「誰かに言われたから実行する」でも良いのです。自分で考えたものでなくても「実行する」ことで、自分の頭が動き出すことだってあります。 たとえば、学校で行う理科の実験のように、誰かがすでにさんざん行って「正解」のあるものでさえ、自分で実際にやってみると、なかなかうまくいかないことが多く、さまざまな発見があります。もちろんうまくいかないということは、材料を間違えたり、手順を間違えたり、温度を間違えたりと、理由が必ずあります。しかしなぜダメだったかを自分で知ることが、本人にとって大きなプラスになることもあるので、できることは可能な限りどんどん実行してみることをおすすめします』、「だいたい多くのことは、頭で考えた通りには動きません。本当のところはどうなのかは、実際にやってみないとわからないものなのです。 極端なことを言えば、最初は「誰かに言われたから実行する」でも良いのです。自分で考えたものでなくても「実行する」ことで、自分の頭が動き出すことだってあります」、なるほど。
・『第一歩は直感から始まる  「自分で考えて実行する」ことの最初の一歩、それは「直感」です。 じつは私はふだん、同じ読みでも「直観」のほうをよく使っています(『直観でわかる数学』〈岩波書店〉という本も2004年に出しました)。この「直感」と「直観」、読みは同じでも意味は大きく異なります。 「直観」は、ものごとの本質をひとつかみに把握するものです。一般的には「論理を用いずに」と説明される言葉ですが、実際には、「なぜそのような判断をしたのか」と理由を問われると、後からきちんと論理的に説明できるものです。「直観」は、実際にはさんざん考え抜いた人だからこそ身につけられるものだと私は考えています。 一方、「直感」は、もう少しほわっとしたものです。違和感だったり、好みだったり、勘だったり……。「感」という文字の通り、感覚的なものだったり、こみあげてくる感情だったりします。論理的にはうまく説明できないことも多いものです。 論理的に説明できない「直感」は、「直観」に比べて、一段劣るものと考える人もいるかもしれません。 しかし、この直感こそが、新たなことを考えるとっかかりとなります。 日常の活動でも仕事をしていても感じる「なんか変だな」といったちょっとした違和感、ちょっとした数字の変化、見慣れた景色だけれどいつもと違うという空気……。意識しないとそのまま通り過ぎてしまうような小さなことが、意外と大きな意味を持つことが、じつは結構あるのです。 私は大学院を修了後、日立製作所で2年間働き、それから大学に戻りました。日立製作所では、いろいろな経験をさせてもらいました。とりわけ後から考えると貴重だったのは、設計の仕事の前にさまざまな現場を経験できたことです。とくに重機の試作機の耐久試験をやる仕事では、自分の五感を使ったいろいろな発見ができました。 あるとき、重機の試作機からふだんと違う音が聞こえてきたことがあります。注意していなければわからないような音の違いでしたが、上司に報告して調べたところ、冷却水が漏れて空焚きの状態になっていることがわかりました。 また別の機会には、熱の変化から試作機の異常に気づいたことがありました。正確に言うと、熱の変化というのは後からわかったことで、最初は試作機の横を通ったときに「昨日とは違う」「なにかおかしい」くらいにしか感じませんでした。そのことを一緒に試作機を動かしている先輩に話したところ、「それなら調べてみよう」と動いてくれました。そしていろいろと調べているうちに、試作機の冷却用の水が抜かれていたのを発見することができたのでした。 熱は温度の高い物体から低い物体へ電磁波によって伝わります。この熱のことを輻射熱といいます。どんな物体も常に輻射熱を放っていますが、感じ方は対象同士の差によって異なります。ふつうは体温より高いものからの輻射熱は「温かい」と感じるし、体温より低いものからの輻射熱は「涼しい」とか「冷たい」と感じます。 しかし、私が試作機から感じたのは、こうした明確なものではありませんでした。「昨日とは違う」とか「なにかおかしい」といったかすかな変化の幅くらいのものでした。それでも違いを感じることができたのは、それまでの現場経験で、五感を使うことの大切さを学んでいたからでしょう。 また、直感はそうした五感からのものだけではありません』、「畑村氏」が、何回となく異常を発見してきた「直感」の鋭さには感服せざるを得ない。
・『「おせっかい」から始まったプロジェクト  2004年3月に、東京・六本木の高層ビルの回転ドアで六歳の男児が挟まれて亡くなるという痛ましい事故がありました。この事故の後、私は仲間たちと原因究明を目的として「ドアプロジェクト」を始めました。じつはこのプロジェクトは、誰かに仕事として依頼されたわけでもなく、完全な手弁当で始めたものです。おせっかいと言えばおせっかいかもしれません。ただそのときは、「これはやろう、やるべきだ」というある種の直感に突き動かされたものでした。そして趣旨に賛同してくれる個人・企業が集まり、プロジェクトとしての活動が始まりました。 「ドアプロジェクト」はその後、対象分野を広げ、13年間続く、常時数百人が参加する「危険学プロジェクト」「ポスト危険学プロジェクト」へとつながっていきました。こうした活動も、「この活動をすることは自分にとって得か損か」などと事前に計算していたら、とうてい、やり始めることさえできなかったでしょう。 どんな人の人生にも、おそらくこうした分岐点のようなものがあると思います。私はそのときにどちらの道を進むのか、最後に決めるのは「計算」より「直感」なのではないかと思っています』、「六本木の高層ビルの回転ドアで六歳の男児が挟まれて亡くなるという痛ましい事故」の後、「私は仲間たちと原因究明を目的として「ドアプロジェクト」を始めました。じつはこのプロジェクトは、誰かに仕事として依頼されたわけでもなく、完全な手弁当で始めたものです」、「その後、対象分野を広げ、13年間続く、常時数百人が参加する「危険学プロジェクト」「ポスト危険学プロジェクト」へとつながっていきました」、大したものだ。
・『仮説を立てる  「なんだろう」「変だな」と直感で思った次は、「自分で考える」ことですが、「自分で考える」とは、言い換えると「仮説を立てる」ことです。 新商品・新サービスの企画にせよ、ビジネス上の戦略にせよ、国の政策にせよ、まず「○○という目的のために、△△をすればいいのではないか」という仮説を立て、実行するための手順に落とし込んでいきます。 たとえば政府の行ってきた新型コロナ対策なども、まず仮説を立て、実行に移されます。感染拡大を防ぐためには人の流れを減らせばいいはずだ、重症者を増やさないためには、リスクの高い人から優先的にワクチンを接種すればいいはずだ、重症者が増えた場合はベッドの確保のために広域で対応すればいいはずだ……。いずれも仮説に基づく対策を行っているのです(いるはずです)。 企業の戦略も同じです。いまはこういうものが消費者に求められているという仮説をもとに製品やサービスを提供したり、近未来の状況を予測し、自社がどこに向かうべきか仮説を立てて中長期計画を立てています。 私も強く意識しているわけではありませんが、大学教員時代、退職後もずっと仮説づくりを行ってきました。 たとえば何かの実験を行う場合、必ず実験計画を作成します。その際、どのような結果が期待されるか、自分なりの仮説を立てます。仮説がないと、どのようなパラメータでどのようなデータを記録するのかを決めることすらできません。とりわけ、誰かの後追いではない新しい試みをする場合は、ゼロから自分なりの仮説をつくらなければなりません。ですからずっと、仮説に基づいて実験し検証する、そのサイクルを続けてきました。 失敗学を提唱してからは、事故調査の依頼が増えました。大きな事故が起こったとき、現場に出向き、関係者に話を聞くなどしながら、原因を探っていきます。事故の瞬間に何が起こっていたかは映像などでこと細かに記録されていることはほとんどないので、現場に残された痕跡や事故に遭遇した人たちの証言などから真相は想像するしかありません。そこで集めたピースから、頭の中で事故時の状況を再現しながら事故原因を探るのですが、これもまた仮説を立てる作業です。状況が許されるのなら、自分が立てた仮説をもとに再現実験を行うこともあります。 もちろんこうした仮説を立てる際は、なんでもいいから仮説を立てればいいというわけではありません。再現実験を行ったり、ちゃんとした事故原因を究明するためには、精度の高い仮説が求められます。当てずっぽうの仮説に基づいてこれらのことを行ってしまうと、得られるものはほとんどないどころか、ミスリードによって同じような誤りを繰り返させることになりかねません。これはどんな類いの仮説づくりであろうと同じです。 たとえばある企業で消費行動に関する仮説を立て、精度が低いまま、それに基づいて製品やサービスを企画して世に出したとします。仮説の精度が低いというのは、実際のニーズと大きくかけ離れているということですから、こういう場合は当然、期待していた成果は得られません。 それでも自分たちで考えた仮説を実際に試したことで、考えが及んでいなかった別の支配法則のようなものが見つかって、それが新たな成果につながることもありますから、実行したこと自体にはそれなりの意味はあります。とは言え、仮説の精度を高めたほうが成功する確率ははるかに上がります。 それではどうすれば仮説の精度を高めることができるのでしょうか? 私の経験では、結局のところ、自分でしつこくやり続けるのがいちばんです。 私は研究仲間や教え子から「先生ははじめて見る事象に対しても、その事象を支配する法則や、パラメータを見つけるのが上手だ」と褒められることがあります。これは興味を持ったり、仕事上必要なものであるとか、ある事象を理解するとき、たんなる一般的な知識として取り込むのではなく、その対象について徹底的に見て考えて自分なりのモデル、つまり仮説をつくることを続けてきた結果だと思います。 と言っても、私も最初から精度の高い仮説を立てられていたわけではありません。何回もしつこく続けていたから、自分がつくる仮説の精度が結果として上がってきたのだと、自分自身では考えています』、「私も最初から精度の高い仮説を立てられていたわけではありません。何回もしつこく続けていたから、自分がつくる仮説の精度が結果として上がってきたのだと、自分自身では考えています」、なるほど。
・『仮説と実行の繰り返し  実行することのほうがより大事だということを前述しましたが、漠然と考えているだけのものを実行しても得られるものは少なく次に活かすことができません。「頑張ってやってみたけどうまくいかなかった」だけでは、次につながりません。 一方で、自分でちゃんと仮説を立てて実行して、それでもうまくいかなかったとき、それは次へのチャンスにつながります。 何かの現象が起こったとき、その現象を支配しているのはどんなパラメータなのか、パラメータ同士の関係はどうなっているのかなど、自分の過去の経験や学んで獲得して持っている知識を総動員して頭の中に仮説をつくるのです。 そうした場合、実行してうまくいかなかったとしても、失敗した原因について、「ここに考え落としがあった」「想定外の反応があった」「こういう制約条件があることに気づいていなかったのがまずかった」などと、いろいろと検討しながら推測しやすくなります。そのうえで、新たな仮説を立てて再び実行することを繰り返し行えば、そのたびにうまくいく可能性はより高まっていきます。 仮説と実行を繰り返す――つまり試行錯誤する――ことは、クリエイティブな作業を行うときには欠かせない作業です。実際にやってみると、だいたい自分の仮説通りにいかないですし、一度で満足のいくものができることもほとんどありません。しかしその原因を考える中で、足りないもの、思い違いをしていたものなどいろいろなことが見えてきます。そうして得たものをもとに、新たな仮説を立てて実行することができるし、場合によっては別の創造のタネにすることだってできます。 iPS細胞の研究でノーベル生理学・医学賞を受賞した山中伸弥さんは、他の人と違う創造的なことをやろうとすると、以下の三つの場合しかないと言っています。それは、「誰も思いつかないことを思いついたとき」「みんなが望んでいるけれど無理だとあきらめているとき」「仮説を立てて実験した結果が最初の予想と違うとき」の三つです。 誰も思いつかないことを思いつくのは、よほどの天才か、奇跡的なひらめきがあったときだけですから、現実にはほとんどありません。二番目は、未踏のまま残されたところを自分の考えで切り開いていくやり方ですが、やり甲斐はあるものの多くの時間と労力を要するので、よほどの覚悟を持って取り組まないといい結果は得られないかもしれません。 これらに比べると三つ目は比較的誰にでもできるのではないでしょうか。仮説を立てて実行するのは、どんなことでも日常的にできますが、チャンスなのは自分の仮説とは違う結果が出たときです。そこに注目して、それを新たな創造の糧にしたり、タネにするのです。 自分で考えて実行するというのは、この三つ目の考え方と基本的には同じです。なんでもそうですが、仮説を立ててやってみたけれどうまくいかない。じつはそこにこそ、目的としていることを成功に導いたり、新たなものを創造するための大事なポイントや情報があるのです。そしてそのことに気づくことができるのは、自分でちゃんと考えたうえで実行している人だけなのです。 私が大学で学生を指導していたときも、ペーパーテストで優秀な成績を取っていても演習ではなかなか手を動かさない学生より、ペーパーテストではそこまでではなくても、演習でどんどん手を動かして試行錯誤を繰り返していくタイプの学生のほうが、最終的に伸びていきました』、「ペーパーテストで優秀な成績を取っていても演習ではなかなか手を動かさない学生より、ペーパーテストではそこまでではなくても、演習でどんどん手を動かして試行錯誤を繰り返していくタイプの学生のほうが、最終的に伸びていきました」、やはり「実行」が肝心なようだ。
タグ:原発問題 (その19)(福島第一原発「デブリ取り出しは不可能」と専門家 廃炉できないなら「『石棺』で封じ込めるしかない」、日本型エリート思考”の限界を3.11の原発事故に見た 新失敗学 正解をつくる技術(3)、「正解を作る技術」を詳細公開! ビジネス、生活…すべてに活用できるその技術とは? 新失敗学 正解をつくる技術(4)) AERAdot「福島第一原発「デブリ取り出しは不可能」と専門家 廃炉できないなら「『石棺』で封じ込めるしかない」」 「デブリはペデスタルの外部に流れ出て飛び散っていることが分かりました。デブリを上部から取り出すことができないことが分かったのです。 そこで国と東電はロードマップを書き換え、格納容器の土手っぱらに穴を開け横方向に取り出すと言い出しました。しかしそんなことをすれば遮蔽(しゃへい)のための水も使えず、作業員の被曝・・・が膨大になってしまいます・・・デブリの取り出しは100年たっても不可能です」、「できうることは、1986年のチェルノブイリ原発事故の時に実施したように、原子炉建屋全体をコンクリート製の構造物「石棺 現代ビジネス 畑村 洋太郎氏による「日本型エリート思考”の限界を3.11の原発事故に見た 新失敗学 正解をつくる技術(3)」 「優等生が大部分だった当時の東大工学部を覆っていた雰囲気もまた、とにかく正解が外にあるのだから、それを持ってきてうまく使おうという、いわば「便宜主義」でした」、「原発」は「先進国の米国がやり始めたことだし、とても便利なものだし、安全も確保される(はずだ)し、放射性廃棄物などの難しい問題は後から考えよう――、こうした考え方は便宜主義そのものです」、なるほど。 「福島第一原発だけでなく日本中の原発が非常用の発電機を地下に置いていた」、「その理由は・・・米国から原発の技術が持ち込まれたときに、本質的な議論もなしに、形だけの知識が伝わったものであることをある人から教わりました」、なるほど。 「米国ではいちばんの脅威が、「津波」ではなく「竜巻」」、「冷却に必要な電力を供給するシステムや非常用発電機が破壊されると重大な事故につながりかねないので、これらを最も安全な地下に置くことで安全を確保」、「当時の経緯について触れた資料はまったく残されていませんでした。資料が残されていない以上、当時技術を導入した人たちが、どこまで考えていたかは詳細にはわかりません。しかし、「先進国の米国で行われていることだから間違いないだろう」という意識が働き、思考停止していたのではなかったかと推測しています。 私はここにも 畑村 洋太郎氏による「「正解を作る技術」を詳細公開! ビジネス、生活…すべてに活用できるその技術とは? 新失敗学 正解をつくる技術(4)」 原発問題とは離れるが、「畑村」氏の考え方をより深く知る意味があるとして取上げた次第である。 「正解をつくる技術」とは興味深そうだ。 「自分なりの正解を出していく思考法」、「それは」「「自分で考えて実行し、その結果を検証する」サイクルを続けること」、なるほど。 「自力で考えるときよりも、考えたことを実行しようとするときのほうが、さまざまな制約が次から次へと出てきて、はるかに難易度が上がるからです」、なるほど。 「だいたい多くのことは、頭で考えた通りには動きません。本当のところはどうなのかは、実際にやってみないとわからないものなのです。 極端なことを言えば、最初は「誰かに言われたから実行する」でも良いのです。自分で考えたものでなくても「実行する」ことで、自分の頭が動き出すことだってあります」、なるほど。 「畑村氏」が、何回となく異常を発見してきた「直感」の鋭さには感服せざるを得ない。 「六本木の高層ビルの回転ドアで六歳の男児が挟まれて亡くなるという痛ましい事故」の後、「私は仲間たちと原因究明を目的として「ドアプロジェクト」を始めました。じつはこのプロジェクトは、誰かに仕事として依頼されたわけでもなく、完全な手弁当で始めたものです」、「その後、対象分野を広げ、13年間続く、常時数百人が参加する「危険学プロジェクト」「ポスト危険学プロジェクト」へとつながっていきました」、大したものだ。 「私も最初から精度の高い仮説を立てられていたわけではありません。何回もしつこく続けていたから、自分がつくる仮説の精度が結果として上がってきたのだと、自分自身では考えています」、なるほど。 「ペーパーテストで優秀な成績を取っていても演習ではなかなか手を動かさない学生より、ペーパーテストではそこまでではなくても、演習でどんどん手を動かして試行錯誤を繰り返していくタイプの学生のほうが、最終的に伸びていきました」、やはり「実行」が肝心なようだ。 「自力で考えるときよりも、考えたことを実行しようとするときのほうが、さまざまな制約が次から次へと出てきて、はるかに難易度が上がるからです」、確かにその通りだろう。
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日本の政治情勢(その61)(やがて自民党に吸収されるだけ…国民民主党がまんまとハマった「提案型野党」という毒饅頭 「批判ばかりのほかの野党とは違う」と言うけれど…、問題言動連発「細田議長」に自民党が頭抱える理由 10増10減に異議、議員報酬への発言 セクハラ疑惑も、問題言動連発「細田議長」に自民党が頭抱える理由 10増10減に異議 議員報酬への発言 セクハラ疑惑も) [国内政治]

日本の政治情勢については、5月6日に取上げた。今日は、(その61)(やがて自民党に吸収されるだけ…国民民主党がまんまとハマった「提案型野党」という毒饅頭 「批判ばかりのほかの野党とは違う」と言うけれど…、問題言動連発「細田議長」に自民党が頭抱える理由 10増10減に異議、議員報酬への発言 セクハラ疑惑も、問題言動連発「細田議長」に自民党が頭抱える理由 10増10減に異議 議員報酬への発言 セクハラ疑惑も)である。

先ずは、4月15日付けPRESIDENT Onlineが掲載した元毎日新聞政治部副部長でジャーナリストの尾中 香尚里氏による「やがて自民党に吸収されるだけ…国民民主党がまんまとハマった「提案型野党」という毒饅頭 「批判ばかりのほかの野党とは違う」と言うけれど…」を紹介しよう。
https://president.jp/articles/-/56630
・『国民民主党が、2022年度の政府の予算案に賛成したことが、政界で波紋を広げている。ジャーナリストの尾中香尚里さんは「野党への『批判ばかりで提案がない』という批判を受けて、国民民主党は『提案型野党』と自称している。だが、この手法で成功した野党はない。野党性を失った国民民主党が今後このままの形で存続するのは難しいだろう」という――』、「『提案型野党』と自称している。だが、この手法で成功した野党はない」、同感である。
・『トリガー条項を条件に予算案に賛成した国民民主党  2月22日に野党・国民民主党が政府の2022年度予算案に賛成した。高騰する原油価格を引き下げる「トリガー条項の凍結解除」を検討するよう岸田文雄首相に取り付けたことが、同党が賛成に回った表向きの理由だ。 もっともトリガー条項の凍結解除は、自民党内では早々に見送りの公算が強まっており、現状では国民民主党が何のために予算案に賛成したのか、よく分からない状況になっている。玉木氏は17日になって「『トリガー』を全くしないという話になったら(与党との)協議から離脱する」と発言したが、後の祭りである。 政界にはそこそこの波紋が広がっているが、筆者には率直に言って「いずれこうなるだろうと思っていた」という印象しかない。 玉木雄一郎代表は2018年の結党以来、自らこそが「野党の盟主」であるかのように振る舞おうとしてきた。かつて政権を担った民主党の後継は自分たちだ、との意識が強かったのだろう。だから、同じ民主党出身者が多くを占める立憲民主党が野党第1党となり、国民民主党との勢力に差がついていくことを認められなかった。 そのため国民民主党は、日本維新の会など「立憲以外の野党との連携」をあれもこれもと模索し「立憲より上の立場」を目指そうとしたが、何一つ奏功しなかった。それどころか、国民民主党の所属議員の多くが今や立憲民主党に移り、かつて国民民主党で政調会長として自分を支えた泉健太氏が、いま立憲の代表になっている』、「国民民主党は、日本維新の会など「立憲以外の野党との連携」をあれもこれもと模索し「立憲より上の立場」を目指そうとしたが、何一つ奏功しなかった。それどころか、国民民主党の所属議員の多くが今や立憲民主党に移り、かつて国民民主党で政調会長として自分を支えた泉健太氏が、いま立憲の代表になっている」、「国民民主党」は実に難しい立場だ。
・『野党の「与党化」という禁断の果実に手を出した  こんな状況に玉木氏が耐えられるわけがない。だが、野党の枠組みのなかでは、もうどうやっても「立憲民主党の兄貴分」にはなれない。八方ふさがりとなった玉木氏は、禁断の「与党化」に手を出すほかはなくなった。ただそれだけのことだろう。 この問題は自民党による「野党引き込み戦略」の一環として語られがちだが、筆者はそこにはあまり興味はない。自民党の戦略がどうであろうと、上記の理由から国民民主党がいずれ「与党化」することは容易に想像できたからだ。しかし、そう言ってしまっては身も蓋もないので、ここでは玉木氏を含め、旧民主党出身の議員たちの「世代による野党観の違い」という点から、この問題を振り返ってみたい』、こともあろうに「野党の「与党化」という禁断の果実に手を出した」とは、嘆かわしい。
・『旧民主党系議員の「第一・第二・第三世代」  何かにつけ「バラバラ」と揶揄やゆされてきた旧民主党系の議員たち。そこには「保守かリベラルか」といった政策的な対立とは別に「当選時期の違いによる対立」があった。政策の違い以上に、政治そのもの、つまり「求める政策をどう実現するか」についての考え方が、当選時期によってかなり違っていたように思えるのだ。 旧民主党系で最年長クラスのいわゆる「第一世代」は、菅直人氏や小沢一郎氏ら、55年体制時代から国政で活動していた世代だ。1990年代の政界再編、つまり非自民の細川連立政権の誕生前後の激しい政治の動きの先頭に立ち、新進党や旧民主党など、新たな小選挙区制度に対応して政権を担うべく誕生した新党の創業者やその側近だ。 これに続く「第二世代」は、細川政権誕生前夜から小選挙区制の導入の前後に国政入りした世代。立憲民主党の枝野幸男前代表、同党の野田佳彦元首相、国民民主党の前原誠司代表代行兼選対委員長らが該当する。3人はいずれも、細川氏が率いた日本新党の出身。新人議員として90年代の政界再編の空気を肌で感じながら、前述した新進党や民主党に結党メンバーとして参加した。 政治スタンスに差はあっても、この第一、第二世代までは「新しい政権を自らの手でつくる」という、ある種の「創業者マインド」を強く保持していた。小選挙区制導入の意義は「政権交代で政治を変える」こと。こうした意識が当然のように身についていた。 第一、第二世代にとって、政権とは「自民党に選挙で勝って奪い取るもの」であり、彼らは総じて「非自民」志向だった』、「第一、第二世代にとって、政権とは「自民党に選挙で勝って奪い取るもの」であり、彼らは総じて「非自民」志向だった」、なるほど。
・『政権を選挙で勝ち取る意識の低い「第三世代」  ところが、この下の「第三世代」となると、様相は少し変わってくる。 第三世代とは、1998年に新「民主党」が結党(旧民主党と、前年に解党した新進党の出身議員の多くが合流し結党)した以降に政界入りした世代だ。別々の出身政党から集まって新「民主党」の結党メンバーとなった先輩世代と異なり、初めから民主党の議員として初当選した、という意味で、メディアは彼らを「ネイティブ民主党」などと呼んだ。 第三世代のリーダー格が、民主党政権で閣僚を務めた細野豪志氏や松本剛明氏(ともに2000年初当選)だった。玉木氏は彼らにやや遅れて、民主党が政権を奪取した2009年に初当選した。 父親が自民党政権で閣僚を務めていた松本氏のように、この世代にはその経歴からも、従来なら自民党から立候補した可能性が高い政治家が多くいた。小選挙区制は同一選挙区から同じ政党の人間が1人しか出馬できないため、自民党から出馬できずに民主党を選んだ人もいたし、近い将来の政権交代を見越して民主党を選んだ人もいた。 そんなわけで第三世代には、政治スタンスも上の世代に比べ保守的な議員が多いのだが、それ以上に上の世代と大きく異なっていたのは、政権を「戦って勝ち取る」感覚の薄さだったように思う。 第一、第二世代が当たり前に持っていた「野党として自民党と戦って政権を勝ち取り、目指す政策を実現する」という価値観に、第三世代はあまり重きを置くふうがない。むしろ、政府案への「対案」を策定して与党側に採用されることを良しとしていた。野党でありながら、はなから「与党っぽく」振る舞おうとしていたのだ。) つまり民主党には「自民党政権と対決して選挙で政権を勝ち取ることを目指すベテラン」対「自民党政権と協調してでも政策の実現そのものを目指す中堅・若手」という「野党のあり方」に関する対立軸が、世代対立と重なる形で長く存在していた。 そしてメディアはなぜか、野党ばかりに「世代交代」をせかし続けてきた。第一、第二世代を早々に退かせ、第三世代を野党のリーダーに据えることで「与党にとって都合の良い野党」に作り替えることを、暗に狙っていたのだろう。 そして同党の下野後も、この対立軸は尾を引いている』、「民主党には「自民党政権と対決して選挙で政権を勝ち取ることを目指すベテラン」対「自民党政権と協調してでも政策の実現そのものを目指す中堅・若手」という「野党のあり方」に関する対立軸が、世代対立と重なる形で長く存在していた」、極めて明快な分類軸だ。「そしてメディアはなぜか、野党ばかりに「世代交代」をせかし続けてきた。第一、第二世代を早々に退かせ、第三世代を野党のリーダーに据えることで「与党にとって都合の良い野党」に作り替えることを、暗に狙っていたのだろう」、確かに「野党ばかりに「世代交代」をせかし続けてきた」、こうした「メディア」に踊ろされて「世代交代」をしてきた「民主党」も情けない。
・『「わが党の政策」のアピールに躍起な国民民主党  さて、冒頭の国民民主党の予算案賛成の話に戻る。筆者が関心を持ったのは、国民民主党の前原氏が、玉木氏の方針に反対の意思を示し、採決で体調不良を理由に欠席したことだ。 前述した世代の分類に従えば、前原氏は第二世代。第二世代の中核として「選挙で自民党に勝ち、非自民政権の首相になる」ことを明確に意識していた政治家の一人だ。 前原氏はしばしば「自民寄り」という見方がなされるが、筆者はやや違うと考えている。前原氏は外交・安全保障のプロとして「外交・安保は政権交代があっても大きく変更すべきでない」という考えに立っているだけで、その大前提である「自民党と政権を争う」スタンスそのものは堅持されている。 前原氏が「希望の党騒動」(2017年)を起こしたのも、日本維新の会との連携を模索しているのも、その是非はさておき、目指したのは「非自民勢力の結集」であり「自民党政権を終わらせ、政権交代を実現する」ことだ。政策が近くとも、自民党と連立を組んだり、自らが自民党入りしたりすることを模索する発想はみられない。「非自民」という最低限の枠を壊す予算案賛成は、前原氏の頭の中には全くなかったと言っていい。 一方の玉木氏は第三世代。「非自民」という志向はもともと薄く、そもそも「野党的な批判的振る舞い」を好まない。「自民党の政策よりわが党の政策が優れている」ことをアピールできれば良いのであり、自民党と戦って勝負をつける発想は薄かった。 玉木氏は、この「第二世代」と自分たちの間に「対決型野党か提案型野党か」という、陳腐なキャッチフレーズで線を引いた。立憲民主党を「対決型野党」、国民民主党を「提案型野党」と位置づけ、立憲を「古い抵抗政党」と批判し始めた』、「前原氏は外交・安全保障のプロとして「外交・安保は政権交代があっても大きく変更すべきでない」という考えに立っているだけで、その大前提である「自民党と政権を争う」スタンスそのものは堅持されている」、「「非自民」という最低限の枠を壊す予算案賛成は、前原氏の頭の中には全くなかったと言っていい。 一方の玉木氏は第三世代。「非自民」という志向はもともと薄く、そもそも「野党的な批判的振る舞い」を好まない。「自民党の政策よりわが党の政策が優れている」ことをアピールできれば良いのであり、自民党と戦って勝負をつける発想は薄かった」、「前原氏」と「玉木氏」の違いを明解に解説してくれた。
・『「提案型野党」は多くの政党が失敗してきた道  だが、玉木氏は気付いていない。「提案型野党」こそが、過去に失敗を重ねた「古い野党」であることを。 小選挙区制の導入以降、自民党と政権を争う野党第1党に対し「是々非々」路線を掲げたいくつもの「第三極」政党が生まれては消えていった。「与党寄りか野党寄りか」で党内対立を起こして分裂し、政党として長く存続できなかったのだ。 玉木氏は「提案型」を標榜する国民民主党について「新しい野党の姿を問いたい」と語っているが、それは過去に失敗してきた「第三極」野党の焼き直しにすぎない。 小選挙区制の下、与野党が政権をかけて戦うことが制度上求められているなか、自民党から「戦って政権を奪う」という発想を持ち得ない政治家は、野党のリーダーにはなれない。「政府の予算案に賛成する」姿勢と「野党の盟主である」ことは、決して両立しないのだ』、「玉木氏は「提案型」を標榜する国民民主党について「新しい野党の姿を問いたい」と語っているが、それは過去に失敗してきた「第三極」野党の焼き直しにすぎない」、「「政府の予算案に賛成する」姿勢と「野党の盟主である」ことは、決して両立しないのだ」、その通りだ。
・『「政権を選挙で奪取する」という野党の役割を見失ってはならない  第三世代と言えば、立憲の泉代表もそうである。2003年初当選で、玉木氏より少し先輩だが、同じ世代に属する政治家と言っていい。その泉氏は3月4日の記者会見で「国民民主は行き場がなくなっている苦しい状況だ。野党からは野党とみられず、与党からも与党とみられていない」と、かつて自らが所属した政党の苦境を嘆いてみせた。 泉氏も代表就任直後、メディアの「対決型野党か提案型野党か」という愚かしい喧伝に惑わされたか、若干「提案型」に触れそうな雰囲気があり、筆者もやや懸念した。実際、枝野執行部の時代に比べ、国会での「戦闘力」がややおとなしくなった印象はなくもない。 しかし、国民民主党の行動に対する泉執行部の強い怒りを見るにつけ、やはり野党の盟主の役割はしっかり自覚していたかと安堵している。 筆者の長年の懸案は、いつか第三世代が野党の中核となった時に「政策実現」を重視するあまり「政権は選挙で奪い取るもの」という野党本来の役割を捨ててしまわないか、ということだった。玉木氏は捨ててしまったが、泉氏は捨ててはいない、とみる。財務官僚出身の玉木氏と、第二世代である立憲民主党の福山哲郎前幹事長の秘書を務めた泉氏の「在野感」の違いなのだろうか。 かつての旧民主党第三世代の中で、細野氏らリーダーの多くが自民党に流れ、玉木氏が「与党化」の兆候を示す中で、野党第1党のリーダーに躍り出たのが泉氏だったというのは、ある意味必然だったのではないか。泉氏には、菅直人氏や枝野、福山氏ら第一、第二世代がどのように「政権を担える野党」をつくるために苦心してきたかを十分に引き継いだ上で、自分なりのリーダー像を構築してほしいと願う』、「泉氏には、菅直人氏や枝野、福山氏ら第一、第二世代がどのように「政権を担える野党」をつくるために苦心してきたかを十分に引き継いだ上で、自分なりのリーダー像を構築してほしいと願う」、同感である。
・『政権を担い得る野党勢力の構築のために必要なこと  そして筆者がもう一つ関心を示しているのは、第二世代たる前原氏の今後の動向だ。 前原氏は「希望の党騒動」を起こした張本人だ。現在の野党多弱の状況を作った責任もある。多くの野党政治家やその支持者に、言うに言えないわだかまりをもたらしてもいるだろう。 しかし、前原氏が今回の予算案をめぐる国民民主党の行動を機に、自らの「非自民性」を改めて強く自覚したのなら、もう一度「政権を担い得る野党勢力」をしっかりと構築するために、自分のなすべきことが見えてくるのではないか。少なくとも、現在の所属政党が前原氏自身の想いを体現できる政党だとは、筆者にはとても思えない。 旧民主党系議員の「第二世代」「第三世代」の違いは、ある意味「保守かリベラルか」といった政治路線以上に大きな溝となっているように、筆者には思える。玉木氏と前原氏の間に可視化された溝が、今後の国民民主党、そして野党全体にどんな影響を及ぼすことになるのか、見守りたい』、「旧民主党系議員の「第二世代」「第三世代」の違いは、ある意味「保守かリベラルか」といった政治路線以上に大きな溝となっているように、筆者には思える。玉木氏と前原氏の間に可視化された溝が、今後の国民民主党、そして野党全体にどんな影響を及ぼすことになるのか、見守りたい」、全く見事な分析で感心した。今後の注目点だ。

次に、5月25日付け東洋経済オンラインが掲載した政治ジャーナリストの泉 宏氏による「問題言動連発「細田議長」に自民党が頭抱える理由 10増10減に異議、議員報酬への発言、セクハラ疑惑も」を紹介しよう。
https://toyokeizai.net/articles/-/591872
・『細田博之衆院議長が「軽率で立場をわきまえない言動」  立憲民主幹部)の連発で、国権最高機関の長としての「資質」を厳しく問われている。議長就任前は最大派閥を率いる自民党実力者だっただけに、今後の対応次第では参院選の思わぬ火種にもなりかねない。 細田氏は、中立公正が求められる議長なのに、衆院での1票の格差是正のための「10増10減」案に公然と異議を唱える一方、国会議員の歳費を「手取りは月額100万円未満」とその少なさに不満をあらわにしたからだ。 さらに、週刊文春に“セクハラ疑惑”まで報じられ、満身創痍の状況に。議員歳費については 「すべて『国民の血税』という認識ゼロ」とネット上でも大炎上。世論の厳しさに細田氏は、「立場を考え、今後は発言を慎む」と頭を下げたが発言自体は撤回せず、与党内からも批判が噴出している』、なんでこんな人物を「議長」にしたのだろう。自民党の劣化を表しているのだろう。
・『「議員を多少増やしても罰は当たらない」  細田氏の問題発言は、大型連休明けの5月10日、都内で開かれた自民党議員のパーティーで飛び出した。持論の国会議員の定数減に絡めて「議員を減らせばよいかどうか考えたほうがいい。1人当たり月額100万円未満であるような手取りだ。多少増やしても罰は当たらない」と力説、「上場会社の社長は必ず1億円はもらう」とまで付け加えた。 細田氏は人口が2番目に少ない島根県選出。もともと、「選挙博士」と呼ばれる選挙制度の専門家でもあり、かねてから人口少数県の議席を減らす衆院小選挙区定数の「10増10減」について、「地方イジメ」との主張を展開してきた。 ただ、今回の10増10減案は、人口比を議席数に反映させる「アダムズ方式」に基づくもの。しかも同方式の適用は自民党主導で与野党が合意をした経緯がある。このため、日本維新の会の馬場伸幸共同代表は「(議員定数を増やせば)絶対に罰が当たる」、立憲民主党の馬淵澄夫国対委員長も「議長の資質を含め、大きな問題がある」などと猛反発した。 さらに、19日発売の週刊文春が報じた担当女性記者へのセクハラ疑惑についても、野党側は「事実ならとんでもないこと」(立憲民主)と20日の議院運営委員会理事会で議長自身の明確な説明を要求。しかし、細田氏は「まったくの事実無根」と文春側に厳重抗議し、文書での釈明などで逃げ切りを図る構えだ。 そもそも、細田氏の言う「手取りで月額100万円未満」という議員歳費は、各国の国会議員に比べても決して低額ではない。しかも、日本の国会議員には①月額100万円の調査研究広報滞在費(旧文書通信交通滞在費)、②非常に格安な議員宿舎、③無料で選挙区と往復できるJRパスや航空券、など数々の特権もある。 だからこそ細田氏の発言に対し、ネット上では「守銭奴!」「さっさと辞めろ!」など怒りの書き込みがあふれた。有識者も「まさに『永田町の常識は国民の非常識』を象徴する発言」と怒りをあらわにする。 この騒ぎに焦った細田氏は、12日夜の議長公邸での各党代表者との懇談で「あちこちから怒られて反省している。今後は発言を控える」と陳謝し、事態収拾を図ったが、発言内容自体は撤回しなかった』、「発言内容自体は撤回しなかった」と何故か強気のようだ。
・『先輩議長も「国会の権威丸つぶれ」と批判  一連の細田発言については、与党内でも批判が巻き起こった。13日に公明党の石井啓一幹事長が「ぜひ慎重な対応をお願いしたい」と苦言。大島理森前衆院議長も同日、「アダムズ方式」は与野党での結論だとして、「深く考え、ぜひ尊重してほしい」と訴えた。 さらに、14日には伊吹文明・元衆院議長が二階派会合で、「(議長が)議会が決めた法案を公然と批判したら、国会の権威は丸つぶれだ。ポジションにいる者は言ってはいけないことがある」と、先輩議長の立場から厳しく批判した。 細田氏は2代目の世襲議員で11回連続当選、党幹事長や党内最大派閥清和会会長も務めた実力者。父親の吉蔵氏(故人)も党総務会長や運輸相などを務めた有力議員だったため、いわゆる「地盤、看板、カバン」をそのまま受け継ぎ、「圧倒的保守地盤の島根で楽々当選を重ねてきた」人物だ。 それだけに、父・吉蔵氏と親密だっ政界関係者は「苦労知らずのお坊ちゃん政治家だから、ああいうおごった発言が出る」と苦々しげに語る。ただ、細田氏が政界入りする前の通産省(現・経済産業省)時代の同僚は「2世政治家らしくない、とても常識的で謙虚な人物だった。あんな発言をするとは信じられない」とその変貌ぶりに首をかしげる。) 議長就任前の細田氏は、最大派閥領袖として当時の安倍首相を支えて長期政権に貢献し、その論功で議長に就任したとの見方も多い。騒動の渦中の17日に開催された安倍派政治資金パーティーでの来賓あいさつでも、トップバッターの岸田文雄首相に続いて演壇に上がり、「7年間派閥の会長を務め、議長就任で安倍さんにバトンタッチした」と自らの存在を誇示した。 ただ、挨拶は1分あまりにとどめ、一連の問題発言には一切触れなかった。これに対し、居並ぶ安倍派議員の間では「わが派の参院選候補者への逆風になりかねない」との不安の声が広がった。 苦境の細田氏を追い打ちした「文春砲」は、細田氏が過去に担当女性記者らへのセクハラ発言を繰り返していたと指摘。細田氏が深夜に自宅から女性記者に電話して、「今から来ないか」と誘ったというセクハラを、複数の女性記者の証言を根拠として掲載している。 細田氏は「そのような発言をした事実はなく、深夜に来た事実もない」と完全に否定。そのうえで「当該のマンションは書類の山で他人を招き入れるような場所でもない」と釈明したが、真相はまさに藪の中だ』、「通産省」では課長で退職したようだ。「「圧倒的保守地盤の島根で楽々当選を重ねてきた」人物だ。 それだけに、父・吉蔵氏と親密だっ政界関係者は「苦労知らずのお坊ちゃん政治家だから、ああいうおごった発言が出る」と苦々しげに語る」、「(議長が)議会が決めた法案を公然と批判したら、国会の権威は丸つぶれだ。ポジションにいる者は言ってはいけないことがある」、極めて当然の批判だ。
・『「参院選に響く」と頭を抱える与党  野党は会期末まで約3週間となった国会で、細田攻撃を強める構え。泉健太立憲民主党代表は20日、衆院議院運営委員会理事会で細田氏がきちんと説明しない場合、議長不信任決議案の提出も検討する考えを示した。 2022年度補正予算案審議は25日から始まるが、野党側はその中で細田氏の言動を取り上げ、政府与党に揺さぶりをかける構え。与党内にも補正予算審議への影響を懸念する声が多く、「議長の疑惑が長引けば参院選に響く。議長不信任決議案が出たら、与党を取り巻く状況は厳しくなる」(自民国対幹部)と頭を抱えているのが実態だ』、内閣支持率は引き続き高水準だが、「細田議長」問題を抱えたままでは、「予算審議」だけでなく、「参院選」へも影響必至なだけに、自民党の手綱さばきが要注目だ。

第三に、6月3日付け東洋経済オンラインが掲載した政治ジャーナリストの泉 宏氏による「蓮舫氏ら3人は当選圏?「参院選」東京大乱戦の行方 生稲晃子氏、乙武洋匡氏など著名人も続々参戦」を紹介しよう。
https://toyokeizai.net/articles/-/594160
・『与野党の最高幹部・実力者たちが裏舞台でうごめく  国会閉幕を前に、7・10参院選(予定)は「すでに終盤戦」(自民選対)だが、自民圧勝予測の中で、全国的にも注目されているのが東京選挙区だ。9つの国政政党がすべて公認・推薦候補を擁立したことに加え、土壇場での知名度抜群の無所属候補の殴り込みなどで、大乱戦となったからだ。 浮気な無党派層が多く、予想外の展開となることが多かったのがこれまでの首都決戦。とくに今回は、結果が各党の消長につながるだけでなく、与野党の最高幹部・実力者たちが、それぞれの面子を懸けて裏舞台でうごめくという、複雑怪奇な戦いとなっている。 まず、これまでどおりの2議席維持を狙う自民は、安倍晋三元首相と菅義偉前首相が新人と現職のそれぞれの後見人として、自民票を奪い合う構図。続いて、昨秋の衆院選に続いての大躍進を狙う日本維新の会は、今回の首都決戦で議席を得られなければ、「野党第1党の座も遠のく」(幹部)ことは確実だ。 一方、立憲民主は現職のトップ当選が確実視されるが、「2議席目はほぼ絶望的」との見方が多い。現職を擁立し、強固な組織票で議席維持を狙う公明、共産両党も、得票次第で党首の責任が問われかねない。 さらに、国民民主は小池百合子都知事の秘蔵っ子を推薦して議席獲得に虎視眈々。土壇場の殴り込みで台風の目となった山本太郎れいわ新選組代表は、掟破りの挑戦で自らと同党の未来を懸ける。残る社民、NHK両党も国政政党としての生き残りをかける。 6年前の選挙結果をみると、現立憲の蓮舫氏が112万あまりの得票で断然トップ。2位が自民・中川雅治氏(約88万票)、3位公明・竹谷とし子氏(約77万票)、4位共産・山添拓氏(約66万票)、5位自民・朝日健太郎氏(約64万票)、6位現立憲・小川敏夫氏(約50万票)だった。 このメンバーのうち、今回改選となる蓮舫(54)、竹谷(52)、山添(37)、朝日(46)の4氏が立候補する一方、中川(75)、小川(74)両氏が高齢などを理由に引退する。 このため、自民党が2人目の公認候補として、元「おニャン子クラブ」メンバーの生稲晃子氏(54)を、立憲は元衆院議員の松尾明弘氏(47)を、それぞれ2人目の公認候補として擁立した。 これに対し、維新は大阪市議の海老沢由紀氏(48)を公認、国民民主は地域政党・都民ファーストを母体とする「ファースト」と組み、小池百合子東京都知事の最側近で都民ファ代表の荒木千陽都議(40)を推薦。れいわは山本代表(47)自らが立候補した。 国政政党としての生き残りを目指す社民は服部良一氏(72)、N党は猪野恵司氏(38)ら5人をそれぞれ擁立。そこに、山本氏の立候補選宣言とほぼ同時に、「五体不満足」のベストセラーで知られる作家でタレントの乙武洋匡氏(46)が完全無所属で出馬を表明、大乱戦に拍車がかかった』、確かに「大乱戦」そのものだ。
・『自民1人と蓮舫氏、竹谷氏は当選圏  そこで注目されるのが現状での選挙情勢。関係者は「当選圏内は自民1人と蓮舫、竹谷両氏の3人。残り3議席を自民のもう1人、山添、山本、乙武、荒木、海老沢、松尾の7氏が激しく争う構図」(選挙アナリスト)と分析する。 前回、前々回の参院選や昨秋の衆院選結果を踏まえた「基礎票」は、自民150万~180万票、立憲130万票前後、公明70万~80万票、共産65万前後、維新50万~80万票、れいわ50万票前後とみられている。 このため、数字上は自民2、立憲、公明、維新、共産各1という割り振りが常識的。ただ、自民は「どちらかに票が偏る可能性大」(同)とされ、初参戦の荒木氏は小池知事が全面支援すれば「当選圏に急浮上する可能性」(同)があるとみられている。 表舞台で注目度が高いのは、蓮舫、竹谷、生稲、海老沢、荒木5氏による「女性の戦い」。生稲氏は1980年代の人気女性アイドルグループの元メンバーで俳優、海老沢氏は元プロスノーボーダーで「国民的美魔女コンテスト」のファイナリストだったことが売りだ。 これまで同様、首都決戦は「いかに無党派層の支持を得られるかが勝敗のカギ」(都選管)となる。このため、「誰が当選するかは投票箱のふたを開けるまでわからない大激戦になる」(同)とみられている』、確かに「大混戦」の予兆十分だ。
・『安倍氏と菅氏が後見人として激突  一方、政界関係者の耳目を集めるのは、裏舞台での各党実力者らのうごめきだ。自民新人の生稲氏は、世耕弘成・自民参院幹事長や自民都連会長の萩生田光一経済産業相が担ぎ出し、最大派閥安倍派が全面支援している。 これに対し、現職の朝日氏は、党内反主流とみられる菅グループの一員で、菅氏が先頭に立って再選を後押ししている。首相経験者の安倍、菅両氏は、ここにきて夫人も交えて懇談するなど、「親密な関係」を維持しているが、首都決戦では自らの面子も懸けて火花を散らす。 野党第1党の座の維持に命運を懸ける立憲は、蓮舫氏のトップ当選に力点を置く。ただ、参院選全体で同党の獲得議席が想定以上に落ち込めば、泉健太代表の辞任は必至で、その場合、後継は比例代表当選での国政復帰が確実視される辻元清美・元党副代表と蓮舫氏による「ツートップ体制」への移行がささやかれている。 対する維新は、東京での議席獲得で、本格的な全国政党への脱皮を目指している。ただ、3年前の東京の戦いで議席を得たのは、都民ファーストから維新に転じた東京都議出身の音喜多駿氏だ。 今回の海老沢氏は「音喜多氏と違い、大阪市議という経歴が有権者の反発を買っている」(自民選対)とされる。このため、当選圏に遠く届かない得票での落選ともなれば、維新代表の松井一郎大阪市長や、大阪維新代表の吉村洋文大阪府知事の責任問題ともなりかねない。 公認候補の竹谷氏を強固な組織票で当選圏に押し上げているとされる公明党も党内は複雑だ。基礎票を減らせば9月に退任する山口那津男代表の指導力が問われ、後継代表とされる石井啓一幹事長の求心力にも影響が及ぶ。 現状では「かろうじて当選圏」とみられている山添氏を、まなじりを決して支援しているのが志位和夫共産委員長。仮に、長らく維持してきた東京での議席を落とすようなことになれば、長期安定を誇ってきた志位1強体制が崩壊しかねない。 さらに、選挙関係者が注目するのは荒木氏の得票だ。1年前の東京都議選で自民に迫る議席を得て存在をアピールした都民ファーストの代表選手。希望の党時代から小池知事と親密な関係を保つ玉木雄一郎国民代表が、「国民・ファーストの相互推薦」という形で勝負を懸けたもので、その結果は、今後の小池、玉木両氏の政治家としての命運も左右する』、「立憲」は「参院選全体で同党の獲得議席が想定以上に落ち込めば、泉健太代表の辞任は必至で、その場合、後継は比例代表当選での国政復帰が確実視される辻元清美・元党副代表と蓮舫氏による「ツートップ体制」への移行がささやかれている」、泉代表の「辞任は必至」、「辻元」、「蓮舫」の「ツートップ体制」とは面白そうだ。
・『社民、NHK両党は国政政党脱落のピンチ(もちろん、社民の福島瑞穂、NHK党の立花孝志両党首も、公認候補の得票減少なら国政政党党首の地位喪失という絶体絶命のピンチに立たされている。 こうしてみると、今回の首都決戦の結果は、選挙後の自民党内の権力闘争の構図や、野党の再編などの政界の重大な変化のきっかけとなる可能性も秘める。だからこそ、永田町だけでなく国民的にも注目される訳で、「各党首や実力者の投開票後の言動が見もの」(自民長老)との声が広がる。 今回の首都決戦には、他に幸福実現党新人の及川幸久氏(61)、諸派新人で元衆院議員の安藤裕氏(57)らが立候補を予定している』、「今回の首都決戦の結果は、選挙後の自民党内の権力闘争の構図や、野党の再編などの政界の重大な変化のきっかけとなる可能性も秘める」、どんな結果になるのか、大いに注目される。
タグ:尾中 香尚里氏による「やがて自民党に吸収されるだけ…国民民主党がまんまとハマった「提案型野党」という毒饅頭 「批判ばかりのほかの野党とは違う」と言うけれど…」 PRESIDENT ONLINE 日本の政治情勢 (その61)(やがて自民党に吸収されるだけ…国民民主党がまんまとハマった「提案型野党」という毒饅頭 「批判ばかりのほかの野党とは違う」と言うけれど…、問題言動連発「細田議長」に自民党が頭抱える理由 10増10減に異議、議員報酬への発言 セクハラ疑惑も、問題言動連発「細田議長」に自民党が頭抱える理由 10増10減に異議 議員報酬への発言 セクハラ疑惑も) 「『提案型野党』と自称している。だが、この手法で成功した野党はない」、同感である。 「国民民主党は、日本維新の会など「立憲以外の野党との連携」をあれもこれもと模索し「立憲より上の立場」を目指そうとしたが、何一つ奏功しなかった。それどころか、国民民主党の所属議員の多くが今や立憲民主党に移り、かつて国民民主党で政調会長として自分を支えた泉健太氏が、いま立憲の代表になっている」、「国民民主党」は実に難しい立場だ。 こともあろうに「野党の「与党化」という禁断の果実に手を出した」とは、嘆かわしい。 「第一、第二世代にとって、政権とは「自民党に選挙で勝って奪い取るもの」であり、彼らは総じて「非自民」志向だった」、なるほど。 「民主党には「自民党政権と対決して選挙で政権を勝ち取ることを目指すベテラン」対「自民党政権と協調してでも政策の実現そのものを目指す中堅・若手」という「野党のあり方」に関する対立軸が、世代対立と重なる形で長く存在していた」、極めて明快な分類軸だ。「そしてメディアはなぜか、野党ばかりに「世代交代」をせかし続けてきた。第一、第二世代を早々に退かせ、第三世代を野党のリーダーに据えることで「与党にとって都合の良い野党」に作り替えることを、暗に狙っていたのだろう」、確かに「野党ばかりに「世代交代」をせかし続けてきた」 「前原氏は外交・安全保障のプロとして「外交・安保は政権交代があっても大きく変更すべきでない」という考えに立っているだけで、その大前提である「自民党と政権を争う」スタンスそのものは堅持されている」、「「非自民」という最低限の枠を壊す予算案賛成は、前原氏の頭の中には全くなかったと言っていい。 一方の玉木氏は第三世代。「非自民」という志向はもともと薄く、そもそも「野党的な批判的振る舞い」を好まない。「自民党の政策よりわが党の政策が優れている」ことをアピールできれば良いのであり、自民党と戦って勝負をつける発想は薄 「玉木氏は「提案型」を標榜する国民民主党について「新しい野党の姿を問いたい」と語っているが、それは過去に失敗してきた「第三極」野党の焼き直しにすぎない」、「「政府の予算案に賛成する」姿勢と「野党の盟主である」ことは、決して両立しないのだ」、その通りだ。 「泉氏には、菅直人氏や枝野、福山氏ら第一、第二世代がどのように「政権を担える野党」をつくるために苦心してきたかを十分に引き継いだ上で、自分なりのリーダー像を構築してほしいと願う」、同感である。 「旧民主党系議員の「第二世代」「第三世代」の違いは、ある意味「保守かリベラルか」といった政治路線以上に大きな溝となっているように、筆者には思える。玉木氏と前原氏の間に可視化された溝が、今後の国民民主党、そして野党全体にどんな影響を及ぼすことになるのか、見守りたい」、全く見事な分析で感心した。今後の注目点だ。 東洋経済オンライン 泉 宏氏による「問題言動連発「細田議長」に自民党が頭抱える理由 10増10減に異議、議員報酬への発言、セクハラ疑惑も」 なんでこんな人物を「議長」にしたのだろう。 自民党の劣化を表しているのだろう。 「発言内容自体は撤回しなかった」と何故か強気のようだ。 「通産省」では課長で退職したようだ。「「圧倒的保守地盤の島根で楽々当選を重ねてきた」人物だ。 それだけに、父・吉蔵氏と親密だっ政界関係者は「苦労知らずのお坊ちゃん政治家だから、ああいうおごった発言が出る」と苦々しげに語る」、「(議長が)議会が決めた法案を公然と批判したら、国会の権威は丸つぶれだ。ポジションにいる者は言ってはいけないことがある」、極めて当然の批判だ。 内閣支持率は引き続き高水準だが、「細田議長」問題を抱えたままでは、「予算審議」だけでなく、「参院選」へも影響必至なだけに、自民党の手綱さばきが要注目だ。 泉 宏氏による「蓮舫氏ら3人は当選圏?「参院選」東京大乱戦の行方 生稲晃子氏、乙武洋匡氏など著名人も続々参戦」 確かに「大乱戦」そのものだ。 確かに「大混戦」の予兆十分だ。 「立憲」は「参院選全体で同党の獲得議席が想定以上に落ち込めば、泉健太代表の辞任は必至で、その場合、後継は比例代表当選での国政復帰が確実視される辻元清美・元党副代表と蓮舫氏による「ツートップ体制」への移行がささやかれている」、泉代表の「辞任は必至」、「辻元」、「蓮舫」の「ツートップ体制」とは面白そうだ。 どんな結果になるのか、大いに注目される。
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キシダノミクス(その4)(ウクライナより深刻?「岸田リスク」を総点検する 岸田内閣は短命のほうが日本のためになる?、与党の大醜態「年金受給者5000円給付」撤回の裏側 バラマキ批判におびえて 責任のなすり合い、同じ日本人として恥ずかしい…岸田首相の「岸田に投資を!」が海外メディアにスルーされた納得の理由 いま「自国の利益」をアピールする国は欧米にはない) [国内政治]

キシダノミクスについては、本年2月12日に取上げた。今日は、(その4)(ウクライナより深刻?「岸田リスク」を総点検する 岸田内閣は短命のほうが日本のためになる?、与党の大醜態「年金受給者5000円給付」撤回の裏側 バラマキ批判におびえて 責任のなすり合い、同じ日本人として恥ずかしい…岸田首相の「岸田に投資を!」が海外メディアにスルーされた納得の理由 いま「自国の利益」をアピールする国は欧米にはない)である。

先ずは、2月27日付け東洋経済オンラインが掲載した経済評論家の山崎 元氏による「ウクライナより深刻?「岸田リスク」を総点検する 岸田内閣は短命のほうが日本のためになる?」を紹介しよう。
https://toyokeizai.net/articles/-/514793
・『前回の「株式市場を脅かす『4つのリスク』は解消するのか」(2月5日配信)で、筆者は、「ご本人が心底株式を嫌っているのかどうかは定かでないが、株式市場のほうはすでに岸田文雄首相を嫌っているように見える」と書いた。この推測を強力に裏付ける調査を見つけた』、どんな「調査」なのだろう。
・『「投資家」の岸田政権支持率はたったの3%  日経CNBCが同チャンネルの視聴者を対象に行った調査で、「あなたは、岸田政権を支持しますか?」という質問に対して、「はい」という回答がたったの3%しかなかった(調査期間は2022年1月27日~1月31日)。 日経CNBCは、主にマーケットや経済を題材とする番組を流す有料チャンネルで、実際に投資にかかわっている視聴者が多い。国民一般を対象にした岸田内閣の支持率は、多くの調査でここのところ下落傾向にあるが、それでも40%台半ばくらいの数字が多い。ところが、「投資家の支持率」と見ることができるこの調査では3%なのだ。よほど嫌われていると言っていい。 目下、新型コロナ・オミクロン株の流行が「マンボウ」(まん延防止等重点措置)を通じて経済を減速させ、ウクライナ・ロシア間の地政学的問題が発生し、何よりもFRB(アメリカ連邦準備制度理事会)がインフレ対策に重点を移して今後利上げと量的緩和の回収に進む「パウエルリスク」の顕在化で、内外の株価が下げている。 これらに加えて、株式市場が警戒する「岸田リスク」まで実現したら、投資家としてはたまったものではない。 株式市場が「岸田リスク」と感じている、「岸田首相の懸念材料」は複数あるが、大きく3つのカテゴリーに分けることができる。第1に「税制リスク」、第2に「新しい資本主義リスク」、第3に「金融政策転換リスク」だ』、「日経CNBC」調査で、「投資家」の岸田政権支持率はたったの3%」、とは確かに衝撃的な数字だ。
・『首相が再び税制言及なら日経平均1000円下落も  まず、税制に関するリスクとして心配なのは、岸田氏が昨年の自民党総裁選の時点で口にしていた金融所得課税の見直し(要は税率引き上げ)が、再登場する可能性だ。 この構想は、金融所得に対する課税が分離課税であるために、株式の配当等による収入が大きい年収1億円を超えるような富裕層の所得に対する税率が、1億円未満の層よりも低下する通称「1億円の壁」問題への対策として登場した。増税に熱心な官僚やそのサポーター的な学者などの間では前々から話題に上っていた構想だが、どうやら「分配」が大事らしいとぼんやり思っていた岸田氏の耳に入ったのだろう。 金融所得への課税強化は、投資家が株式投資や投資信託への投資などでリスクを取って儲けることに対して、現在よりもより処罰的に働く、投資家から見ると「とんでもない税制改悪」だ。この可能性は、岸田氏が首相に就任した当初にマーケットで懸念されて株価が下がり、一部では「岸田ショック」などとも呼ばれた岸田リスクの第1号案件だ。 市場では不評で、株価を下げかねないことから、参議院選挙の前に持ち出されることはなさそうだが、参議院選挙が終わって、来年の税制が検討される今年の秋以降に、再び話題に上る可能性がある。話題に上るということは、岸田首相の耳に入るということであり、彼にとっては「耳、即ち脳!」なので、反射的に「検討を廃除するものではない」などと口走るかも知れない。 この場合、株価はいったん急落し(日経平均株価で1000円見当か)、その後に様子を見ながら、検討が撤回させるまでじくじく悪影響を与える材料になりそうだ。筆者は、こうした市場の反応を見て、金融所得課税の見直しは実現しないことになるだろうと「予想」するが、予想というものは当てにならない。 仮に参議院選挙に与党が勝利していた場合(今の野党に対して、さてどのくらい負ける要素があるのか?)、しばらく国政選挙のスケジュールがないので、増税マニアの誰かが、岸田氏に「総理の掲げる政策を実現するチャンスは今しかありません」とささやくかも知れない。この場合、ささやきの角度とタイミングが気持ちよくて実現してしまう可能性がゼロではない。) 岸田氏は、「新しい資本主義」という内容空疎な言葉の使用を止める気配がない。おそらく、口にしてみると、耳障りが良くて、自分が何かを考えたかのような誇らしい気分になるのだろう。できるなら人前で口にするのは我慢してほしいものだが、かつての首相たちも、「改革」とか「美しい国」のような、中身が伴わないけれども気持ちのいい言葉を発することをつねとしていた。これは首相官邸の風土病なのかもしれない』、「中身が伴わないけれども気持ちのいい言葉を発することをつねとしていた。これは首相官邸の風土病なのかもしれない」、困ったことだ。
・『日本の資本主義の本質とは何か?  しかし、「美しい国」くらいなら国民は陰で嗤っていればよかったが、「新しい資本主義」は、しばしば株価や経済にとってのリスク要因になるので厄介だ。 先の金融所得課税の見直しもその1つだが、岸田首相は、どうやら株主レベルでの利益追求を抑制することが、資本主義の見直しになると思い込んでいるらしい。小さなレベルでは、「自己株買いの規制の検討」、「業績の四半期開示の見直し」、といった株式投資家に不利益ないし迷惑な施策の可能性を口走るし、おおもとで「新自由主義の見直し」が必要だと思っているらしいことが厄介だ。 そもそも日本の経済が新自由主義的だと考えることは事実誤認だ。政・官、および大企業正社員階層から上の企業人たちは(日本の「上層部」と呼ぶことにしよう)、メンバーシップが固定的な「資本主義の仮面を被った縁故主義」とでも呼ぶのがふさわしい形で社会および経済を運営している。 日本の資本主義は独裁国家・権威主義国家と呼ばれる国々が民主主義を名乗るために行っている選挙のごとき一種の仮面にすぎない(ウラジーミル・プーチン氏も選挙で選ばれた大統領だ)。2世、3世議員がうようよいる自民党政権は(野党にもいるが)、経団連ばかりか、連合にも守られて(野党を分断してくれる自民党の最大の応援勢力だ)、固定的な支配構造が当面安泰だ。社会・経済が長年停滞するのも無理はない。 もっとも、正社員メンバーシップから外れた非正規労働者に対しては、企業をはじめとする上層部の行動は、極めてドライに古典的資本主義を適用している。労働力は、極めて安価かつ競争的に商品化されている。ここだけを見ると、今時になってマルクスを持ち出す人達の気持ちがわからなくはないが、日本全体が資本主義的に運営されていると見るのは間違いだ。 こうした状況に「新しい資本主義」が絡むのでややこしい。日本経済の発展のためには、「普通の資本主義」を社会の上層部に対して徹底すべきだし、株式の投資家がおおむね願っている「成長戦略」はその方向にある。しかし、岸田氏にはこれが「行きすぎた新自由主義」に見えるらしい。 また、本来、福祉やセーフティーネットの役割を企業に割り当てることが不適切で、これは岸田氏一人に責任があるわけではなく、日本の社会設計上の誤りだが、企業に賃上げを求めることを「分配政策」だと勘違いしたり、「70歳まで社員を雇用せよ」と要請したりする、「資本主義の修正」のつもりの政策は、企業の活力を奪い、社会を停滞させる。この調子では、「企業の内部留保への課税を検討する」などとも言い出しかねない。 いずれも、株式投資家が嫌う社会の姿だし、経済の一層の停滞を招く。筆者が考える正しい方向性は「強力なセーフティーネット付きの普通の資本主義の徹底」だ。例えば、正社員に対する解雇の金銭解決ルールを整備して人材の流動化・再配置を促すことが必要だが、その前提条件として、解雇されても生活ができるようなセーフティーネット(理想はベーシックインカム)と職業訓練の仕組み、さらには公的な教育・研究の充実などが必要だ。 付け加えると、「普通の資本主義」と「セーフティーネット」の両方が必要だが、順番はセーフティーネットの整備が先だ(柔道で、投げ技よりも受け身を先に練習するように)。 この点で、岸田氏の「分配重視」は役に立つかも知れないのだが、先の「子供1人当たり10万円」の給付金が所得制限付きでボロボロになった様子を見ると、セーフティーネットの構築はおろか、正しいバラマキ政策の作法もご存じない様子だ。 岸田首相の「新しい資本主義」構想は、「予想としては」、おそらく迷走して、その都度株式市場に嫌われながら方針を撤回して、日本にとって時間の空費に終わるだろう。停滞感満載の時間が延びるのは国民にとって災難だが、そのくらいで済めばいい、とも言える』、「「新しい資本主義」構想は、「予想としては」、おそらく迷走して、その都度株式市場に嫌われながら方針を撤回して、日本にとって時間の空費に終わるだろう。停滞感満載の時間が延びるのは国民にとって災難だが、そのくらいで済めばいい、とも言える」、手厳しい見方だ。
・『「金融政策転換リスク」はインフレで発火するか?  本格的に心配なのは、3つ目に挙げた、岸田政権が金融緩和政策を転換しようとするリスクだ。 岸田氏は、かつて「政権禅譲」の期待を裏切った安倍晋三氏を快く思っていまい。また、彼の脳そのものである「耳」には、周囲の官僚達から緊縮財政への誘惑とともに、アベノミクスの金融緩和政策を見直そうとする声が侵入しているにちがいない。) しかも、届くことはないと思われていた消費者物価の「2%」の上昇率が、エネルギー価格をはじめとする輸入物価の上昇につれられて、昨春の携帯料金引き下げの影響が剥落する今春以降に、一時的に達成される可能性が出て来た。 仮にそうなるとして、このインフレは、需要が昂じて景気が過熱して起こったものではなく、需要の弾力性が小さい(価格が上昇しても節約しにくい)エネルギーなどの輸入価格上昇に伴って起こる国民の窮乏化を伴う物価上昇であり、金利を引き上げることが適切な種類のインフレではない』、なるほど。
・『7月の日銀政策委員会の審議委員人事に注目  例えば、政策金利を引き上げると、おそらく大幅な円高が起こり、輸入物価の下落要因にはなる。だが企業の価格競争条件が悪化し(よく話題になる輸出競争力だけではなく、国内製品も競争条件が悪化する)、加えて実質金利の引き上げになるのだから、ここに至っても「コロナ前」に戻ることすらできていない日本経済に良いはずがない。 「円高のほうが、企業は高付加価値製品へのシフトに努力するだろう」という声を聞くことがあるのだが、根拠のない根性論だ。利益が出ていて、実質金利が低いほうが、企業は前向きな投資を行いやすいと考えるのが当然ではなかろうか。日本企業が高付加価値製品分野で競争力を持たないことの原因は、円安ではない。 これまでに何度も指摘してきたことだが、金融政策転換リスクの恐ろしいところは、岸田氏が次の日本銀行の正副総裁の実質的な任命者になることだ。「新しい資本主義」その他に関連する迷走は、少々後から岸田氏の「耳」に悪評が入ることによってその都度修正が可能だが、日銀総裁の任期は5年あるので、影響が固定化される公算が大きい。 このリスクの行方を占ううえでは、7月に任期を迎える日銀の政策委員会の審議委員である、鈴木人司氏および片岡剛士氏の後任に注目したい。鈴木氏は「銀行業界枠」と目される方なので、一人は銀行業界から選ばれるものと予想されるが、「リフレ派」エコノミストである片岡氏の実質的な後任にリフレ派と覚しき人物が選任されないようだと、来年の正副総裁人事に赤に近い黄色信号が点滅する。場合によっては、参議院選挙以上の7月の注目材料だ。) 以上、3つのカテゴリーの「岸田リスク」は、いずれも岸田内閣が向こう1年半以上継続することを前提としている。では、岸田内閣が短命に終わる可能性はないか。 1つには、夏の参議院選挙で自民党が予想外の敗北を喫することはないか。現在の野党の状況を見るとその可能性はなさそうに見えるのだが、1つの要素として注目できるのは、現在参院選の選挙協力で自民党との全面的な合意ができていない公明党との関係だ。 公明党およびその支持母体である創価学会の協力なしに当選できない自民党候補は一定数いるにちがいない』、私は、異次元緩和には反対の立場なので、「リフレ派」の「片岡」氏の後任は、オーソドックスなエコノミストの選任が望ましいと思う。
・『「小泉コミュニケーション担当」首相なら魅力的  仮に選挙協力が不調に終わって、自民党候補が戦前の予想以上に落選した場合に何が起こるか。さすがに、衆参の「ねじれ」が起こるほどに負けないだろうが、岸田政権は弱体化する。ほどほどの負けは、安倍晋三氏、麻生太郎氏、菅義偉氏、二階俊博氏といった、「岸田政権の主流ではない政治的実力者たち」にとって好都合だろう。 加えて、注目できるのは、公明党にとっても、同党の協力がなければ自民党が選挙で苦労することを示すことは、自分たちの価値をつり上げて、政治的影響力を増す効果があることだ。 仮に、参院選の敗北などで岸田政権が弱体化したときに、自民党内で「政局」は起こるだろうか?政治の世界のことなので予測はできないが、例えば、菅前首相は「いま、おれに対する世論の反応は悪くない」と周囲に語っているらしい(『朝日新聞』2月22日)。 さすがに、菅氏のすぐの再登板は考えにくいが、小泉進次郎首相、菅副総理兼官房長官、河野太郎厚労大臣、林芳正外務大臣、といったラインナップなら、なかなか魅力的に思える。派閥力学的には、安倍晋三氏を副総理で遇するといいのかもしれない。 河野氏と菅氏は、いずれもビジネスの世界で言うマイクロ・マネジメントのタイプなので、2人で首相、副首相を分け合うのは不向きに思える。首相だがコミュニケーション担当の扱いで小泉進次郎氏を担ぐのがいいのではないかと提案しておく。「ポエム」を封印して頑張って欲しい。河野太郎氏には、課題満載の官庁である厚労省の根本的な改革を是非期待したい(本編はここで終了です。次ページは競馬好きの筆者が週末のレースを予想するコーナーです。あらかじめご了承ください)』、「小泉進次郎首相、菅副総理兼官房長官、河野太郎厚労大臣、林芳正外務大臣、といったラインナップ」、馬鹿馬鹿しくてコメントする気にもならないが、「小泉」には「首相」はどう考えても無理だろう。

次に、3月31日付け東洋経済オンラインが掲載した政治ジャーナリストの泉 宏氏による「与党の大醜態「年金受給者5000円給付」撤回の裏側 バラマキ批判におびえて、責任のなすり合い」を紹介しよう。
https://toyokeizai.net/articles/-/578238
・『2022年度予算成立の直前に、政府・与党内で突然浮上した年金受給者への一律「5000円給付」案が、事実上“撤回”の方向となった。「参院選に向けたバラマキで、極め付きの愚策」(立憲民社幹部)などの激しい批判に、岸田文雄首相も28日の参院決算委員会で「本当に必要なのかどうか」と再検討の意向を示した。 同案を政府に提起した自民、公明両党幹部も態度を一変。野党だけでなく大多数の国民からの批判に怯えた結果、自民党の高市早苗政調会長は29日夕、「もうこの話はなくなった」と明言した。 その一方で、方針転換に伴う自公両党の「裏舞台での責任のなすり合い」(自民幹部)も表面化。同案提起を主導したとされる茂木敏充自民幹事長に対し、公明党は「こちらが考えたわけではない。いい迷惑だ」(幹部)と不満を漏らすなど、与党内のあつれきも隠せない。 そもそも、同案の「提起」も「撤回」も唐突で、政府与党内での根回し不足は明らか。しかも、「今回の与党の混乱で、岸田首相の指導力も問われる」(自民長老)ことは確実で、「どう落とし前をつけるか」(同)が岸田政権の浮沈にもかかわる事態となっている』、「そもそも、同案の「提起」も「撤回」も唐突」、その通りだ。
・『物価高騰の緊急対策として案が浮上  ロシアのウクライナ侵攻を受けた物価高騰を憂慮する岸田首相は、3月29日午前の閣僚懇談会で「原油や穀物の価格上昇が社会経済活動の順調な回復の妨げ」になると指摘。自らをトップとする関係閣僚会議を設置し、与党との連携による4月中の緊急対策策定を表明した。 この対策は①原油高対策、②資源・食料安定供給、③中小企業支援、④生活困窮者支援の4本柱。政府は2022年度予算に計上した総額5兆5000億円の予備費を財源とする方針で、自公両党も政策担当による議論を急ぐ。 そこで注目されたのは、予算に賛成した玉木雄一郎・国民民主代表が強く求めているガソリン税減税のためのトリガー条項の凍結解除案と、年金受給者への一律5000円給付案の取り扱い。 前者については自民、公明、国民民主の3党協議で4月中に結論を出すことを確認。政府も「凍結解除も含めて検討する」としており、与党内には「(凍結解除は)すぐ効果が表れる」(公明幹部)との声もあり、実現の可能性が見込まれる。) その一方で、後者については自民の政策担当責任者の高市氏が「もう事務的にも間に合わなくなったので、この話はなくなった」と言明。生活に困窮する高齢者への支援は「今後、ゼロベースで議論する」と白紙で再検討する意向を明らかにした。 与党内では高市氏を筆頭に「5000円一律給付」案を今後の議題対象から除外すべきだとの声が多く、「白紙イコール中止」との見方が支配的だ。 今回、与党が同案を提起したのは、公的年金の支給額が4月から減額になることを踏まえた年金生活者への救済が狙い。具体的には、生活を支える年金支給額1人当たり約5000円となることから、その分を「補填」するためで、住民税非課税で臨時特別給付金の受給対象世帯を除く年金受給世帯への一律支給というスキームだった。 そもそも年金額は、物価や現役世代の賃金の変動などに伴い、毎年度改定され、2022年度は賃金の減少に合わせて0.4%減とすることが今年1月に決まっている。ただ、原油価格の高騰などで2月以降消費者物価指数は前年同月比で0.6%と急上昇し、ウクライナ情勢でさらなる上昇が確実視されるため、同案が年金生活者への救済措置として急浮上した』、確かに、前述の「同案の「提起」も「撤回」も唐突」」は言い得て妙だ。
・『給付事務費700億円に批判殺到  3月15日に自公両党の幹事長らが同案の実現を政府側に申し入れた際は、岸田首相も「しっかり対応したい」と応じて、いったんは実現の可能性が強まった。 しかし、約2600万人とされる年金受給者への一律給付ともなれば、収入の有無を無視した対策となり、5000円という給付額自体が「救済の効果が少ない」のも事実。しかも、給付事務費に約700億円が必要とされたことが「税金の無駄遣い」との批判を拡大させた。 同案について与党側は、当初から年度内の3月中に2021年度予算の予備費からの支給を決め、参院選前の給付実現を目指していたとされる。しかし、自公両党の提案が公表されると同時に、メディアも含めたバラマキ批判が急拡大したことが、高市氏の「撤回」発言につながった。 2年以上前にコロナパンデミックが始まって以来、この種の「一律給付」を主導してきたのは公明党だ。安倍晋三政権下の2年前には、当時の自民党政調会長だった首相が主導して閣議決定までした収入減少世帯限定での現金30万円給付が、公明党と当時の二階俊博自民幹事長の巻き返しで、全国民一律10万円給付に変更された。 さらに、昨年秋の岸田政権発足後も、その前の衆院選で公明党が「公約」として掲げた「ゼロ歳から高校3年生までを抱える世帯への一律10万円給付」を巡っても、政府与党内のあつれきが表面化し、すったもんだの末、地方自治体に判断を委ねる形で、公明の主張が事実上通った経緯がある。) このため、今回も「一律給付」は公明の発想と受け取る向きが多かった。自公幹事長の茂木、石井啓一両氏が政府に申し入れた段階では、「茂木氏が公明党の立場に忖度した」(自民幹部)との見方が広がった。 ただ、財務省は「寝耳に水」(幹部)で、「国民からも参院選目当てのバラマキと受け止められる」(同)と反発。与党内でも「かえって票が減る」(自民選対)との声が相次ぎ、わずか2週間で事実上の撤回を余儀なくされたのが実態だ。 “主犯”視された公明党は「茂木氏が持ちかけた」(政策担当幹部)と不満を表明。「都合が悪くなると公明のせいにするが今回は違う」(同)と不満たらたら。これに対し茂木氏も「何かに限って対策を打つのではないと何度も言ってきた」と釈明に追われた。 そもそも、公明党にとって夏の参院選は「党勢維持を懸けた正念場」(幹部)。しかも、3月29日にはコロナ対策を巡って貸金業法違反に問われた元同党衆院議員の遠山清彦・元財務副大臣に対し、東京地裁が懲役2年、執行猶予3年の有罪判決を言い渡した。 この判決について山口那津男公明代表は同日の記者会見で、「このような事態に至ったことを深く心から反省し、国民の皆さまにおわびを申し上げたい」と沈痛な表情で謝罪。同代表周辺も「参院選への悪影響は避けられない」と肩を落とす』、どうも「茂木幹事長」の政治力は大したことなさそうだ。
・『改めて自公“すきま風”が浮き彫りに  こうした同党の窮状が、今回の「5000円給付」案の与党内の責任のなすり合いにつながっているのは否定できない。自民党も、「参院選勝利のための自公両党の『相互推薦』を公明党に頼み込んだ負い目」(自民選対)があり、「どちらが“主犯”かの真相はまさに藪の中のまま」(同)で終わることになるのは確実だ。 ただ、「今後は岸田首相と山口代表という与党のツートップの指導力が厳しく問われる」(自民長老)ことは間違いない。それだけに今回の「5000円給付」騒動は、岸田政権での“自公すきま風”の深刻さを浮き彫りにしたともいえそうだ』、「今回の「5000円給付」案の与党内の責任のなすり合い」は、「“自公すきま風”の深刻さを浮き彫りにした」、参院選までに修復できるのだろうか。

第三に、5月21日付けPRESIDENT Onlineが掲載したジャーナリストのさかい もとみ氏による「同じ日本人として恥ずかしい…岸田首相の「岸田に投資を!」が海外メディアにスルーされた納得の理由 いま「自国の利益」をアピールする国は欧米にはない」を紹介しよう。
https://president.jp/articles/-/57806
・『岸田首相を知らない市民が「ハイジャックか」と大騒ぎ  5月5日のロンドンは、真昼間のちょっとしたハプニングで騒然としていた。戦闘機2機を従えた大きな旅客機が市街地中心の上空を低空飛行で横切ったのだ。「旅客機がハイジャックか?」「ついにテロが起きたか?」と市民たちは一斉に飛行の様子をSNSに書き込んだ。 日本ではブルーインパルスによる展示飛行があると、仕事の手を休めて上空を見上げる人々でちょっとした騒ぎになる。ジェット機と戦闘機が並んで飛ぶさまはブルーインパルスほどには激しくないが、それでも市民の注目を浴びるには十分だった。いったいこれは何だったのか? 実はこのパフォーマンス、日本からやってきた岸田文雄首相を歓迎するために英空軍(ロイヤル・エアフォース、RAF)が行った儀礼飛行(フライパースト)だった。旅客機エアバスA330を改装した軍用輸送機「RAFボイジャー・ヴェスピナ」が、超音速戦闘機「タイフーン」2機を両側に従えて首相官邸やトラファルガー広場などの上空を通過した。 しかし、岸田首相の訪英を知らなかった大半の市民は、この儀礼飛行を見て大騒ぎになった。その様子はまるで、ハイジャックされた民間機が戦闘機の護衛を受けながら、ロンドン・ヒースロー空港に向かって緊急着陸する、という情景だったからだ。 そんなこともあってか、SNSを見る限りでは“人騒がせな飛行”のおかげで日本のPM(首相、プライムミニスター)がロンドンに来ていたことを初めて知った市民が多かったようだ。実際にメディアの取り上げ方も、会談の内容よりも儀礼飛行の騒ぎを伝えた記事のほうが多い、という皮肉な結果となった』、「RAFが行った儀礼飛行」、従来の「日本の首相」訪問時にもあったのだろうか。
・『「岸田に投資を!」と訴えるも現地メディアは無反応  岸田首相はゴールデンウィークにアジアと欧州を歴訪し、最後の訪問先に英国を選んだ。5日には、ロンドンの金融街「シティー」のギルドホールと呼ばれる市庁舎で講演を行い、「私からのメッセージは1つだ。日本経済はこれからも力強く成長を続ける。安心して日本に投資をしてほしい。インベスト・イン・キシダだ」とアピールした。 その後、6カ国歴訪の成果について、「平和を守る、との目的で訪問し確かな成果を得たと手応えを感じている」と評価。「いずれの首脳とも本音で大変有意義な議論ができた」「力による一方的な現状変更はいかなる場所でも許されないという共通認識を得られた」と自画自賛している。 しかし、現地主要メディアがこの発言を取り上げることはほとんどなかった。日本のように予定調和の記事は出さないという英国メディア特有の慣習もあるが、「関心事はもっと別のことにあったからだ』、「現地主要メディアが」、「インベスト・イン・キシダ」発言を取り上げることはほとんどなかった」、官邸ももっと海外メディア戦略を真剣に検討すべきだ。
・『英メディアの大多数は安全保障の「協定」に注目  岸田首相の訪英を取り上げる記事で目立ったのは、日英の安全保障に関するトピックだった。ロシアによるウクライナ侵攻で欧州全体が“第3次世界大戦”に神経をとがらせる中、英政府のもっぱらの志向は、防衛に絡む国際関係をどう取りまとめていくかに傾いている。 今回の日英会談では、自衛隊と英軍が互いの国に滞在した際の法的地位を定める「円滑化協定」(RAA)について大枠合意した。日本が欧州の国、英国がアジアの国とこうした「円滑化協定」を結ぶのは初めてだ。 英国がこれほどまでに日本に期待を寄せる理由とは何か。実は日英の防衛当局はともに、「最新鋭戦闘機の導入」という重要イシューを抱えており、これを財政難の中、効率的に作り出さなければいけないという難度の高い課題がある。 コロナ禍でさんざんな目に遭った英国も日本同様、財政面で相当厳しい状況にある。カネがない英政府は今や、自国一国で戦闘機開発は成就しない。コストを抑えるため、日本に対し「ギブアンドテイクで良いので、一緒にやろうと持ちかけた」というわけだ。 新たな戦闘機開発という「共通目標」を持つ日英両国は、実証実験の段階から手を結ぶことを決断した。「日英円滑化協定(RAA)」の締結は、戦闘機開発に当たって情報のやりとりを文字通り円滑にすることを目的としたものだ』、「カネがない英政府は今や、自国一国で戦闘機開発は成就しない。コストを抑えるため、日本に対し「ギブアンドテイクで良いので、一緒にやろうと持ちかけた」、「新たな戦闘機開発という「共通目標」を持つ日英両国は、実証実験の段階から手を結ぶこを決断」、「「日英円滑化協定(RAA)」の締結」、両国にとってウィン・ウィンなようだ。
・『ウクライナ侵攻で中国、北朝鮮への警戒感も増している  5月16日には、複数の関係者の話として「航空自衛隊F2戦闘機の後継となる次期戦闘機について、英国と共同開発する方向で調整に入った」と伝えられた。一方の英国も、現在使っている戦闘機「ユーロファイター・タイフーン」の後継機開発を進めており、2035年ごろの就役を目指す。英国が日本に求める「重要な役目」は、技術や部品の共通化でコストダウンが見込める「共同開発」に応じてほしい、といったものだろう。 遠いアジアの出来事とはいえ、北朝鮮がミサイルの発射実験を繰り返していることは、G7にとって喜ばしいことではない。岸田首相訪英の日の朝にも発射実験があった。英政府による日英首脳会談終了後の声明を読むと、北朝鮮への批判もしっかり行っていることが分かる。 英国としては「アジアで唯一のG7の国」である日本に、中国や北朝鮮に対する目を光らせておいてほしい、という思いも強い。こうした背景もあって、英国の現地メディアの報道は「新たな防衛パートナーシップを結んだ英日関係」に注目する論調が目立った』、「英国の現地メディアの報道は「新たな防衛パートナーシップを結んだ英日関係」に注目する論調が目立った」、「岸田」「発言」よりもはるかに意味がある報道だ。
・『どの国も「ロシアへの対応」が最優先事項のはずだが…  今回の岸田首相訪問が、英国世論でことのほか関心を呼ばなかったのはすでに述べた通りだが、それはボリス・ジョンソン首相にとっても同じだっただろう。 というのも、両首脳が会談した5月5日は折しも、英国の統一地方選挙の投票日に当たっていた。筆者が<キーウ電撃訪問はウクライナのためではない……英ジョンソン首相の英雄的行動のウラにある残念な事情>でも紹介したように、ジョンソン首相はコロナの行動規制のさなか、首相官邸で開かれたパーティーに参加したという、いわゆる「パーティーゲート事件」により、強い辞任要求に揉まれながらの日々を送ってきた。おそらく、岸田首相と会っている間も、選挙の情勢が気になって仕方がなかったのではないだろうか。 選挙結果を見ると、首相の人気低下、国政与党・保守党からの支持離れは明確なものとなった。伝統的に保守党が強いと言われてきたロンドンの複数行政区で票を次々と落とし、野党・労働党、自由民主党の躍進を許す格好となっている。 そうでなくても、英国やEU諸国にとって、ウクライナ危機への対応は今や国の最優先事項だ。ロシアによる侵攻後まもなく、ジョンソン首相はバイデン米大統領、マクロン仏大統領、ショルツ独首相の3人とオンライン形式で会談し、ロシアへの経済制裁について協議した。4月9日にはショルツ首相がロンドンを訪れて首脳会談を行い、その3日後にはキーウを電撃訪問し、ゼレンスキー大統領と直接対話している』、「岸田首相と会っている間も、選挙の情勢が気になって仕方がなかったのではないだろうか」、その通りだ。
・『「平和ボケしすぎ」とみられてしまっている  岸田首相が英国を離れた直後も、フィンランドとスウェーデンの北太平洋条約機構(NATO)加盟を後押しすると発言。ロシアへの脅威から2カ国を守るため、NATO正式加盟までの間、英国が防衛支援を行うことで合意した。 このように、米英首脳がいま各国に求めていることは、ひとえに「ロシアをどう叩くか」に尽きる。そんな局面で、岸田首相はG7としての自国の役割は脇に置き、「岸田に投資を!」と訴えたわけだ。ウクライナに攻め込むロシアに対し、日本は地政学的に一定のリスクを抱えている国のはずだが、自国経済のアピールに終始する様子は「近隣国なのに日本は平和ボケしすぎ」とみられてしまっている。英国主要メディアが「岸田に投資を!」という言葉を軒並み無視したことからしても、その温度差は大きい。 筆者は英国に住んで15年になるが、今ほど戦争の脅威を身近に感じる日々はない。日本の国際的なプレゼンスが弱まっていることが指摘される状況で、最もアピールしなければならなかったのは自国の利益ではなく、ロシアとどう対峙するかの姿勢ではなかったか。同じ日本人として恥ずかしくなってしまう』、「最もアピールしなければならなかったのは自国の利益ではなく、ロシアとどう対峙するかの姿勢ではなかったか。同じ日本人として恥ずかしくなってしまう」、強く同意する。
タグ:(その4)(ウクライナより深刻?「岸田リスク」を総点検する 岸田内閣は短命のほうが日本のためになる?、与党の大醜態「年金受給者5000円給付」撤回の裏側 バラマキ批判におびえて 責任のなすり合い、同じ日本人として恥ずかしい…岸田首相の「岸田に投資を!」が海外メディアにスルーされた納得の理由 いま「自国の利益」をアピールする国は欧米にはない) キシダノミクス 東洋経済オンライン 山崎 元氏による「ウクライナより深刻?「岸田リスク」を総点検する 岸田内閣は短命のほうが日本のためになる?」 どんな「調査」なのだろう。 「日経CNBC」調査で、「投資家」の岸田政権支持率はたったの3%」、とは確かに衝撃的な数字だ。 「「新しい資本主義」構想は、「予想としては」、おそらく迷走して、その都度株式市場に嫌われながら方針を撤回して、日本にとって時間の空費に終わるだろう。停滞感満載の時間が延びるのは国民にとって災難だが、そのくらいで済めばいい、とも言える」、手厳しい見方だ。 私は、異次元緩和には反対の立場なので、「リフレ派」の「片岡」氏の後任は、オーソドックスなエコノミストの選任が望ましいと思う。 「小泉進次郎首相、菅副総理兼官房長官、河野太郎厚労大臣、林芳正外務大臣、といったラインナップ」、馬鹿馬鹿しくてコメントする気にもならないが、「小泉」には「首相」はどう考えても無理だろう。 泉 宏氏による「与党の大醜態「年金受給者5000円給付」撤回の裏側 バラマキ批判におびえて、責任のなすり合い」 「そもそも、同案の「提起」も「撤回」も唐突」、その通りだ。 確かに、前述の「同案の「提起」も「撤回」も唐突」」は言い得て妙だ。 どうも「茂木幹事長」の政治力は大したことなさそうだ。 「今回の「5000円給付」案の与党内の責任のなすり合い」は、「“自公すきま風”の深刻さを浮き彫りにした」、参院選までに修復できるのだろうか。 PRESIDENT ONLINE さかい もとみ氏による「同じ日本人として恥ずかしい…岸田首相の「岸田に投資を!」が海外メディアにスルーされた納得の理由 いま「自国の利益」をアピールする国は欧米にはない」 「RAFが行った儀礼飛行」、従来の「日本の首相」訪問時にもあったのだろうか。 「現地主要メディアが」、「インベスト・イン・キシダ」発言を取り上げることはほとんどなかった」、官邸ももっと海外メディア戦略を真剣に検討すべきだ。 「カネがない英政府は今や、自国一国で戦闘機開発は成就しない。コストを抑えるため、日本に対し「ギブアンドテイクで良いので、一緒にやろうと持ちかけた」、「新たな戦闘機開発という「共通目標」を持つ日英両国は、実証実験の段階から手を結ぶこを決断」、「「日英円滑化協定(RAA)」の締結」、両国にとってウィン・ウィンなようだ。 「英国の現地メディアの報道は「新たな防衛パートナーシップを結んだ英日関係」に注目する論調が目立った」、「岸田」「発言」よりもはるかに意味がある報道だ。 「岸田首相と会っている間も、選挙の情勢が気になって仕方がなかったのではないだろうか」、その通りだ。 「最もアピールしなければならなかったのは自国の利益ではなく、ロシアとどう対峙するかの姿勢ではなかったか。同じ日本人として恥ずかしくなってしまう」、強く同意する。
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維新の会(その6)(日本維新の会幹部「おともだち」医師の個人病院が異例のワクチン集団接種 1億円荒稼ぎの裏側、独占手記 私が見た「維新」と「橋下徹」 結党後の理念とカネへの執着について 連載「維新戦記」第1回【前編】、約束を反故にした「維新」と「橋下徹」 選挙戦で彼らが私にした仕打ちについて 連載「維新戦記」第1回【後編】) [国内政治]

維新の会については、3月24日に取上げた。今日は、(その6)(日本維新の会幹部「おともだち」医師の個人病院が異例のワクチン集団接種 1億円荒稼ぎの裏側、独占手記 私が見た「維新」と「橋下徹」 結党後の理念とカネへの執着について 連載「維新戦記」第1回【前編】、約束を反故にした「維新」と「橋下徹」 選挙戦で彼らが私にした仕打ちについて 連載「維新戦記」第1回【後編】)である。

先ずは、3月16日付けデイリー新潮「日本維新の会幹部「おともだち」医師の個人病院が異例のワクチン集団接種 1億円荒稼ぎの裏側」を紹介しよう。
https://www.dailyshincho.jp/article/2022/03161132/
・『「極めて異例」またも、日本維新の会による「おともだち優遇」疑惑が噴出した。維新の最高幹部の一人、東徹参院議員を支援する医師が、過剰な量のワクチンを確保し、独自に大型接種会場を設置する異例の事態。約2万回の接種で1億円を荒稼ぎしているとみられるのだ。 昨年6月20日と7月11日、大阪市住之江区にある複合施設「オスカードリーム」では、同区にある「ただクリニック」という一般的な個人経営規模のクリニックによる、新型コロナワクチンの集団接種が行われていた。 「大阪市内には、これ以外にクリニックが独自に大型接種会場を設置した例はありません。東京都内においても、クリニックが大型接種会場を開設した事例はなく、『ただクリニック』の件は極めて異例です」(政府関係者) 何より疑問なのは、規模が決して大きくない「ただクリニック」が、なぜ大型接種会場を開設するほどの大量のワクチンの供給を受けられたのか、という点だ。「ただクリニック」には、市内の他のクリニックの約2~3倍ものワクチンが配分されたのだ』、「維新の最高幹部の一人、東徹参院議員を支援する医師が、過剰な量のワクチンを確保し、独自に大型接種会場を設置する異例の事態。約2万回の接種で1億円を荒稼ぎ」、「「ただクリニック」という一般的な個人経営規模のクリニックによる、新型コロナワクチンの集団接種」、「極めて異例」、「市内の他のクリニックの約2~3倍ものワクチンが配分」、すごい優遇だ。
・『東議員に聞くと……  公益財団法人「政治資金センター」がネット上で公開している東議員の政治資金収支報告書を見ると、「ただクリニック」の多田均院長名義で毎年、寄付がなされており、2020年までの6年間で計33万円。さらに、接種会場となった「オスカードリーム」を運営する不動産会社の代表取締役も19年、20年に合計15万円を東議員に寄付しているのだ。ある地方自治体職員によると、小規模クリニックが約2万回分の供給を受けたことは「ウラがあるとしか思え」ず、ワクチン分配の過程は「ブラックボックス的に決まっているので、政治的介入の余地はある」という。 そこで東議員に「ただクリニック」へのワクチン大量供給について聞くと、 「まっっっっっったく関係ありません。私に介入の余地はありませんよね」 と答える一方、支援者が運営する施設が接種会場となったことについては、「私は『こういう所がありますよ』と多田さんにアドバイスしたくらいです」と関与を認めた。 医療機関がワクチンを接種すると、接種費用に補助金などを加え、1回につき5070円が支払われるため、「ただクリニック」は約2万回の接種によって約1億円を得た計算になる。 3月17日発売の「週刊新潮」では、食い物にされる「ワクチン行政」の実態について詳報する』、「小規模クリニックが約2万回分の供給を受けたことは「ウラがあるとしか思え」ず、ワクチン分配の過程は「ブラックボックス的に決まっているので、政治的介入の余地はある」という」、こんな恣意的な行政が公然と行われているとは、世も末だ。維新の会に丸め込まれた大阪のマスコミにも責任がある。

次に、4月23日付け現代ビジネスが掲載した衆議院議員・前新潟県知事の米山 隆一氏による「独占手記 私が見た「維新」と「橋下徹」 結党後の理念とカネへの執着について 連載「維新戦記」第1回【前編】」を紹介しよう。
https://gendai.ismedia.jp/articles/-/94623?imp=0
・『今だから明かすべきだと私が考えた理由  2012年~2015年の2年間、私・米山隆一は衆議院議員・参議院議員の候補者として日本維新の会(維新の党)に所属していました。 この連載で、私が維新で経験し、感じたことを、可能な限り客観的に書いていきたいと思います。 日本維新の会は、伸長と停滞を繰り返しながら、2021年の選挙で41議席を獲得し、ブームを起こした2012年の結党時の議席に迫りつつあります。 その中で、維新はことあるごとに「身を切る改革」と叫んで自らはお金に対してクリーンであることを喧伝していますが、私は第1回目の衆議院選挙では使いもしないのに100万円の経費を徴収されましたし、2015年の分裂騒動では橋下氏らの大阪組は「政党交付金の国庫返納!」を叫びながら、ひたすらお金に執着し、刑事事件すれすれの事さえして資金を収奪していました。 彼らが見せている姿とその実像は、余りに食い違っています。 今、できるだけ多くの日本の未来に関心を持つ方々に、「維新の実態とはどのようなものか」を事実に基づいて理解してもらうことは、日本の岐路を選択する上で、極めて重要な事だと考え、筆を執ることとしました』、信頼に足る内部告発で興味深そうだ。
・『候補者面接と「内定」  「なかなかな経歴だけど、自民党で2回選挙に落ちているんだね。何が足りなかったと思う?」 2012年10月、大阪市中之島の日本維新の会本部ビルの12階で、関西弁の強い、顔色が悪く皴の多い男性の面接官から尋ねられました。 私は、「選挙自体は私は、いずれも惜敗だったと思います。ただ地域のキーマンへの配慮や対策が足りない部分があったと思います」 と答えました。自民党時代旧知の間柄であった、松浪健太衆議院議員(当時・現大阪府議)からの立候補の勧誘を受けてものだったこともあって面接は和やかな雰囲気のまま進みました。 「分かりました。私からは以上ですが、米山さんから質問はありますか?」 この男性からそう問われ、私は答えました。 「はい、一つだけ質問があります。比例重複立候補の順位は、小選挙区の候補者全員同列の一位という事で宜しいでしょうか? 候補者にとっては極めて重要なことですから」 「もちろんだよ」 面接官はそう答え、私はそれを聞いて安心して部屋を後にしました。その面接官は、後に当時大阪維新の会府議団長であった、弁護士の坂井良和氏であることが分かりました。その数日後に新潟5区からの立候補者として内定する旨の通知を得て、私は日本維新の会に入党しました』、「自民党で2回選挙に落ちている」、なるほど。
・『国政進出前の熱気  この日を遡ること半年、2012年の5月、私は自民党時代に同じ二階派で親しかった松浪氏に声をかけられ、麻布のバーに向かっていました。 瀟洒なビルの3階のドアを開けると、そこには手にグラスを持った多くの男性がおり、ある人は立ち、ある人はソファーに腰かけて、話していました。この中には、衆議院議員で官房副長官まで務めた松野頼久氏、桜内文城氏、小熊慎司氏などがいました。 会では、3年前に政権交代を成し遂げた民主党政権が震災復興と消費増税で迷走するなかで、近く予想される総選挙に向けて橋下徹大阪市長(当時)が率いる地域政党・大阪維新の会の国政進出が話し合われていました。 その会話の中では、第1次安倍内閣崩壊後、谷垣禎一氏が総裁を務める自民党で失意の身だった安倍晋三元首相が自民党の総裁選挙で勝てなかった場合、側近の菅義偉議員と共に「維新」に参加する可能性があることも取りざたされていました。 声をかけられて赴いたとはいえ、並みいる議員たちの中で、浪々の身である私は小さくなっていました。それでも、閉塞する日本の政治を変えようという熱気をひしひしと感じました』、「安倍晋三元首相が自民党の総裁選挙で勝てなかった場合、側近の菅義偉議員と共に「維新」に参加する可能性があることも取りざたされていました」、「安倍」が「維新」に参加する可能性」があったとは初めて知った。
・『一期生が持っていた星雲の志  同年9月12日、大阪維新の会の代表である橋下氏が「維新八策」を発表し、世の中を覆う閉塞感を打開する新政党への期待が高まり、同年9月28日、日本維新の会が設立されました。 11月には大阪のコンベンションセンターで開かれていた「維新政治塾」の最終講義に呼ばれ、「塾生」達と初めて顔を合わせました。麻布のバーでたむろしていたスーツの男性たちとは違い塾生たちの多くは若くフレッシュで、女性の姿も目立ちました。 この時同席していた仲間に、後に参議院議員となる塩村彩夏氏(立憲民主党)、2017年に衆議院比例近畿ブロックで当選した森夏枝氏、昨年10月の衆議院選挙で初当選した青柳仁士氏(日本維新の会)などがいます。 その後立候補する大阪の市議・府議を含め参加者は一様に講師たちの講義を熱心に聞き、様々な質疑を行いました。休憩時間には連絡先をお互いに交換し、政治にかける思いを語る光景がここかしこで繰り広げられました。 この時集まった一期生の間には確かに、日本の政治を刷新していこうという純粋な、そして燃えるような青雲の志が確かにあったと思います。私はこの時の同期の何人かとは、今でも友人付き合いを続けています』、「一期生が持っていた星雲の志」、は確かなようだ。
・『石原新党との合流  11月16日に衆議院が解散された翌17日、観測が流れていたとはいえ、私を含む多くの人にとっては「突如」、日本維新の会と、石原慎太郎氏率いる太陽の党の合流が発表されました。塾で会った候補者の考え方は多種多様でしたし、そこまで深く意見を聞いたわけでもないのですが、恐らく6~7割方はリベラル寄りであったと思います。 自民党時代、私は党内では最もリベラルな立ち位置でしたから、とても驚きました。私は困惑を感じながらも、維新の主流派はリベラルのままであり、太陽の党の出身議員の発言権はそれほどにはならないだろうと考えて、自らを納得させたことを昨日の事のように覚えています』、「太陽の党」は『吸収」され、「出身議員の発言権はそれほどにはならな」かったようだ。
・『「100万円徴収」で感じた懸念  その後、候補内定者は直ちに大阪中之島の日本維新の会本部のビルに呼ばれ、記者会見と、選挙手続きの説明、橋下氏との写真撮影などが行われました。 ここで驚いたのは、小選挙区と比例区の供託金600万円と合わせて、ポスター作製などの発注業者が指定され、製作費として100万円を振り込むこととされていたことでした。 私は自民党で政治活動をしていた時からなじみの深い業者さんがおり、ポスター作りのコンセプトやコンテンツを共有していました。選挙まで1か月しかない中で、勝手を知らない業者さんと一から話をする時間が惜しいと感じた私は、軽い気持ちで事務局に 「ポスター等は自分で発注して自分で作るので100万円はいいですよね?」と聞いたところ、その答えは 「いえ、自分で作るのは自由ですが、100万円は振り込んでください」というものでした。私はその回答に非常に驚きましたが、党本部と喧嘩するのも得策でないと考え、 「分かりました」と答え本部を後にしました。 後に、同様の申し出をした候補が複数いたことを聞きましたが、いずれも、「ポスター作製代100万円は必須」でした。 そもそもポスター作製は、選挙対策的意味も込めて地元の業者を使うのが通常なのに、全国の候補に大阪の一業者を指定すること自体が異例な上、発注しなくても100万円を徴収するというのは、ポスター作製に名を借りて、候補者から政治資金を徴収していたと疑われても仕方ありません。 作ったばかりの政党ですから資金不足で候補者にカンパを募ることはありうるとして、それならそうと明示すべきで、このような形で資金を徴収すべきではありません。私は早くもこの時、後に痛いほど知ることになる、彼らのお金への執着と、掲げる看板と実態に大きな懸隔の一端を、垣間見たのです』、「ポスター作製は、選挙対策的意味も込めて地元の業者を使うのが通常なのに、全国の候補に大阪の一業者を指定すること自体が異例な上、発注しなくても100万円を徴収するというのは、ポスター作製に名を借りて、候補者から政治資金を徴収していたと疑われても仕方ありません」、その通りだ。
・『他の候補者から漏れ聞こえてきた実情  新潟に帰り、100万円と供託金300万円(当初は比例の300万円も自腹との事でしたが、流石に軌道修正され、比例の供託金は党が負担する事になりました。)を支払い、私は大急ぎで選挙準備を進めました。 私はすでに自民党で2回選挙を戦っていた経験から、選挙運動の勝手がわかっていました。全ての人員をボランティアでそろえるのには苦労しましたが、日々何とか体制が整ってきました。 その中で私は、塾で連絡先を交換した候補者たちと、準備状況をお互いに相談するMLを作りました。私自身選挙準備に追われていたので、他の選挙区での様子を具体的に把握できたわけではないのですが、どの選挙区でも、党本部からのケアはほぼ皆無という状況でした。 今まで一度も選挙活動をしたことがない若者から、最低で供託金300万円とポスター代100万円併せて400万円、そのほか事務所代を含めれば1000万円近くのお金を自腹で払い込ませ、その後はほったらかし。 少なからぬ人が小選挙区では勝負にもならず落選し、供託金も没収となるのは、目に見えていました。政治家は使い捨てとはいえ、随分なものだと、私は思っていました』、「最低で供託金300万円とポスター代100万円併せて400万円、そのほか事務所代を含めれば1000万円近くのお金を自腹で払い込ませ」、費用は結構かかるようだ。
・『「中田宏=比例1位」の困惑  私自身の選挙の勝算は、候補者が多くいる関西、関東と異なり、新潟5区の属する北信越ブロックでは、解散の時点では富山に1人、長野に2人、新潟に私を含めて2人の合計5人の候補者がいるだけ。しかし、世論調査などの維新への支持率から、2~3人の当選が予想され、十分勝機が見込めるというものでした。 ところが私のこの計算は、同年11月30日、前横浜市長中田宏氏を、北信越ブロックの維新比例単独1位で擁立する事を発表したことで早くも崩れました。 「小選挙区の候補者全員を比例同列1位で処遇する」という坂井氏の言が、何の説明もなく反故にされたことを知った私は、声をかけてくれた松浪氏を始め、知遇のあった複数の維新の国会議員に「あまりにひどいではないか。中田宏氏をどうしても比例1位で処遇するなら、せめて中田氏も富山1区など小選挙区で立候補すべきだ」と抗議しましたが、聞き入れられることはありませんでした。 12月4日の公示をまであと3日と迫った12月1日土曜日、長岡駅前に橋下代表代行を迎えての演説会が決まりました。それ自体は大変嬉しく感謝の至りでしたがしかし、本部から示された演説会の条件は、私は信じられないものでした』、「小選挙区の候補者全員を比例同列1位で処遇する」との約束が簡単に反故にされるのでは、候補者は確かにかなわないだろう。

第三に、この続きを、4月23日付け現代ビジネス:議院議員・前新潟県知事の米山 隆一氏による「約束を反故にした「維新」と「橋下徹」 選挙戦で彼らが私にした仕打ちについて 連載「維新戦記」第1回【後編】」を紹介しよう。
https://gendai.ismedia.jp/articles/-/94625?imp=0
・『かつて維新に籍をおいていた元新潟県知事の米山隆一代議士が見た「維新」の実像とは何か? それは改革を掲げる政党のそれとはとても思えないものだった。前編に引き続き、ありのままの実態を明かす。(この記事は前後編記事の後編です/前編はこちらから)』、興味深そうだ。
・『私の名前をひと言も言わなかった橋下氏  12月4日の公示をまであと3日と迫った12月1日土曜日、長岡駅前に橋下代表代行を迎えての演説会が決まりました。それ自体は大変嬉しく感謝の至りでしたがしかし、本部から示された演説会の条件は、私は信じられないものでした。 演説会は11時00分開始で、橋下代表代行の演説は11時45分からだというのです。応援弁士が、自分の演説開始時間を指定するのは当然ですが、演説会自体は候補者の陣営が開催するもので、応援弁士側が演説会全体の開始時間を指定するは、自民党時代からも一度もなかったからです。 これが自民党であれば地元の県議・市議に応援演説をしてもらえばその場を持たせることは容易だろうと思いますが、当時の日本維新の会は、当然のことながら新潟には一人も地方議員はいませんでした。 私の後援会組織も十分ではなく、ボランティアの応援団はいましたが、橋下氏見たさで多人数の参集が見込まれる中で「前座」で演説ができる度胸のある、経験豊富な政治家はいません。やむを得ず私は、45分間を一人の長演説で繋ぎ、橋下代表代行を迎える事にしました。 心配された私の演説も何とか終わり、橋下氏が現れて演説をしたとき、私はさらに驚きました。橋下氏は私の名前をただの一言も言うことなく、維新の宣伝だけに徹底して演説を終えたのです』、「橋下氏は私の名前をただの一言も言うことなく、維新の宣伝だけに徹底して演説を終えた」、「米山」氏はさぞがっかりしたことだろう。
・『納得して寄付?  それだけではありません。橋下氏は演説の中で、誇らしげに 「相手は350億円もかけて選挙をやっているのに、僕ら日本維新の会はお金をかけずにやっているんです。しかもね、立候補者、皆自費で選挙をやっているんです。これが本当の政治家ですよ。 見て下さい、民主党のあの最後のドタバタ劇。民主党は候補者に300万円渡しているんです。これ全部皆さんの税金。300万円だけもらって、逃げちゃった候補者もいたらしいけれども。後で返したらしいですが。日本維新の会は、金を渡すどころか、立候補者から100万円頂いているんです!」 とドヤ顔で話したのです。候補者から100万円を徴収していることが週刊誌で報道されて問題視された故に、「候補者も納得して最初から寄付して貰った」という事にしたのでしょうが、その余りの実態との乖離に、私は眩暈を覚えました(ただしこの部分は動画の記録が残っていなかったので、記憶と千葉における演説を参考に再現しました)』、「米山」氏には腹立たしいだろうが、さすが「橋下氏」らしい収め方だ。
・『私を門前払いにした橋下氏  自民党で応援弁士が応援している立候補者について一言も触れないなどということは一度もありませんでしたし、このような明らさまな欺瞞もありませんでした。もちろん私は一候補者に過ぎませんから、演説の内容に口を出す立場にはありません。私は無事演説会を終えた安堵を感じながらも、失望を禁じえませんでした。 そのあと党本部から「地元の名店を予約するように」と言われていたので、私は名物である枌そばの名店「小嶋屋」を予約しました。 特段会食は設定されていませんでしたが、自民党の応援弁士の方は、大臣クラスでも、時間があれば候補者・後援会スタッフと食事をするなり少なくとも挨拶ぐらいはかわすなりするのが常だったので、私は落選中を含めもう7年間も支えてくれている、地元の名士でもある後援会長と共に、小嶋屋に向かいました。 小嶋屋に入ると橋下氏はすでに個室で食事をしているとの事で、その部屋に後援会長とともに挨拶に行くと、入り口は文字通り黒服のSPが控え、 「現在休憩中だから誰とも会えない」とのことで私と後援会長は、話をするどころか顔を見る事すらない門前払いといっていい対応を受けました』、事前に打ち合わせしておくのが普通だが、「米山」氏が遠慮したのが、結果的にまずくなったようだ。
・『候補者もスタッフもただの「駒」  勿論全国の候補者を応援して回っていた橋下氏が多忙を極めていたのは分かります。又当時の日本維新の会は、橋下氏の人気と知名度に大きく依存しており、氏からは全ての候補者が、自分と党を利用している存在にしか見えなかったのだろうとも思います。 しかし、いかに橋下氏でも、一人で選挙はできません。政党として国政選挙を戦うには多くの候補者やスタッフが必要で、だからこそ当時の維新は、碌に選挙をしたこともない若者達に自腹で1000万円近くを負担させて、172名もの候補者を擁立していたのです。その候補者やスタッフをまるでごみのように扱うという事は、結局のところその地域もごみのように扱うという事でしょう。 私は、その場で後援会長と共に席を取り、全く味のしないそばを、胸に湧き上がる苦い思いとともに飲み下しました』、「橋下氏」にすれば「候補者もスタッフもただの「駒」、「全ての候補者が、自分と党を利用している存在にしか見えなかったのだろう」、やむを得ない。
・『次点で落選  公示前からそんな事があったとはいえ、その後私の選挙戦は、自民党時代からの支持者・ボランティアと、数は少ないながら新たに得たスタッフに支えられて、それ相応に順調に進みました。12月16日の投開票日昼頃には、私の陣営のもとには「恐らく比例復活で当選」との報がマスコミから伝えられました。 私は特段、飾りもない選挙事務所で吉報を待とうと考えていましたが、マスコミから「万歳をするのに必要」と言われて即席のひな壇を作り、万歳撮影の際の位置まで、マスコミ各社と打ち合わせました。当然、マスコミ予想の通り当選できるものだと考えていました。 午後8時を迎え、私と支持者は期待を持ち開票速報を見ていました。しかし、北信越ブロックの維新の獲得議席は3議席。私は惜敗率44.38%で維新4位、次点で落選という残念な物でした』、「マスコミ予想の通り当選できるものだと考えていました」、甘いようだ。
・『「え? そんなこと言ったの?」  選挙から1ヵ月ほどたった12月末、「選挙の総括」という事で、落選した候補者が大阪の維新本部に呼ばれました。実質的な代表でありながら、太陽の党との合流で代表代行となっていた橋下氏が総括を述べた後、質疑となり、落選した候補者の多くが、手を挙げて質問し、意見を述べました。維新の選挙サポートのなさを指摘するものも多かったのですが、そういった意見でも全体としてのトーンは今後に生かし、さらに前向きに努力するというものでした。 そんな中、私はどうしても釈然としない思いで、手を上げ、発言の機会を得ました。 私は目の前の橋下氏を見据えて尋ねました。 「このような機会を与えて頂き、大変ありがとうございます。今ほど、多くの皆様らか非常に有益な指摘や、前向きな決意が表明されました。私も今回は落選してしまいましたが、挫けることなく頑張りたいと思います。ただそれに当たって、一つ申し上げたいことがあります。 私は面接のとき、『小選挙区候補者は同列一位ですか』と面接官に聞き、『同列一位だ』と明言されました。私だけではありません。何人かに聞いたところ、複数の候補者が、同じように確認し、同じ回答を得ています。ところが、蓋を開けたら、全てのブロックで、単独比例1位、2位の候補が擁立されました。 私は、維新は、閉塞した自民党政治を打破し、『合理的な正しい政治』を実現する政党だと思っています。その政党が、内部のことであってもこういう不合理な事をしてはいけないと思います。なぜこのようなことになったのかその理由を伺うとともに、次回以降は、比例順位についての党の方針も、きちんと説明していただきたいと思います」 橋下氏は、私の質問が終わるか終わらないかのうちに、いつもの大きな早口で答えました。 「え? そんな事を言ったの? それ誰? 分からない? ああ、でもそういったなら、それは僕のミスです。すみません。しかし候補者の擁立は、高度な政治判断で党執行部が行います。皆さんは自分の力で選挙をするんじゃない、党の力で選挙をするんだから、それは当然です。ただ、今回の事は説明が悪かった。次回からそれは改めます」 私は、太陽の党との合流を聞いた時から、心の中に澱のように積み重なっていた橋下氏と日本維新の党への失望と違和感が、はっきりと目に見える形を成していくのを感じながら、 「分かりました。ご回答ありがとうございます」と答えて質問を終えました』、「橋下氏」は「今回の事は説明が悪かった。次回からそれは改めます」、と一応、謝るところは男らしい。しかし、「心の中に澱のように積み重なっていた橋下氏と日本維新の党への失望と違和感が、はっきりと目に見える形を成していくのを感じながら・・・」、決別したのだろう。
タグ:現代ビジネス 「小規模クリニックが約2万回分の供給を受けたことは「ウラがあるとしか思え」ず、ワクチン分配の過程は「ブラックボックス的に決まっているので、政治的介入の余地はある」という」、こんな恣意的な行政が公然と行われているとは、世も末だ。維新の会に丸め込まれた大阪のマスコミにも責任がある。 「橋下氏」にすれば「候補者もスタッフもただの「駒」、「全ての候補者が、自分と党を利用している存在にしか見えなかったのだろう」、やむを得ない。 事前に打ち合わせしておくのが普通だが、「米山」氏が遠慮したのが、結果的にまずくなったようだ。 「米山」氏には腹立たしいだろうが、さすが「橋下氏」らしい収め方だ。 「橋下氏は私の名前をただの一言も言うことなく、維新の宣伝だけに徹底して演説を終えた」、「米山」氏はさぞがっかりしたことだろう。 米山 隆一氏による「約束を反故にした「維新」と「橋下徹」 選挙戦で彼らが私にした仕打ちについて 連載「維新戦記」第1回【後編】」 「小選挙区の候補者全員を比例同列1位で処遇する」との約束が簡単に反故にされるのでは、候補者は確かにかなわないだろう。 「最低で供託金300万円とポスター代100万円併せて400万円、そのほか事務所代を含めれば1000万円近くのお金を自腹で払い込ませ」、費用は結構かかるようだ。 「ポスター作製は、選挙対策的意味も込めて地元の業者を使うのが通常なのに、全国の候補に大阪の一業者を指定すること自体が異例な上、発注しなくても100万円を徴収するというのは、ポスター作製に名を借りて、候補者から政治資金を徴収していたと疑われても仕方ありません」、その通りだ。 「太陽の党」は『吸収」され、「出身議員の発言権はそれほどにはならな」かったようだ。 「一期生が持っていた星雲の志」、は確かなようだ。 「安倍晋三元首相が自民党の総裁選挙で勝てなかった場合、側近の菅義偉議員と共に「維新」に参加する可能性があることも取りざたされていました」、「安倍」が「維新」に参加する可能性」があったとは初めて知った。 「自民党で2回選挙に落ちている」、なるほど。 信頼に足る内部告発で興味深そうだ。 米山 隆一氏による「独占手記 私が見た「維新」と「橋下徹」 結党後の理念とカネへの執着について 連載「維新戦記」第1回【前編】」 「維新の最高幹部の一人、東徹参院議員を支援する医師が、過剰な量のワクチンを確保し、独自に大型接種会場を設置する異例の事態。約2万回の接種で1億円を荒稼ぎ」、「「ただクリニック」という一般的な個人経営規模のクリニックによる、新型コロナワクチンの集団接種」、「極めて異例」、「市内の他のクリニックの約2~3倍ものワクチンが配分」、すごい優遇だ。 デイリー新潮「日本維新の会幹部「おともだち」医師の個人病院が異例のワクチン集団接種 1億円荒稼ぎの裏側」 「橋下氏」は「今回の事は説明が悪かった。次回からそれは改めます」、と一応、謝るところは男らしい。しかし、「心の中に澱のように積み重なっていた橋下氏と日本維新の党への失望と違和感が、はっきりと目に見える形を成していくのを感じながら・・・」、決別したのだろう。 「マスコミ予想の通り当選できるものだと考えていました」、甘いようだ。 (その6)(日本維新の会幹部「おともだち」医師の個人病院が異例のワクチン集団接種 1億円荒稼ぎの裏側、独占手記 私が見た「維新」と「橋下徹」 結党後の理念とカネへの執着について 連載「維新戦記」第1回【前編】、約束を反故にした「維新」と「橋下徹」 選挙戦で彼らが私にした仕打ちについて 連載「維新戦記」第1回【後編】) 維新の会
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