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スガノミクス(その8)(菅総理の「誇大妄想」が悲しい途上国日本 古賀茂明 連載「政官財の罪と罰」、作家・佐藤優が読み解く 菅首相がじんわりと怖いのはなぜか 緊急事態宣言とオリンピック開催が両立する菅首相の頭の中の論理、菅政権は末期に 酒取引停止問題で露呈した限界 首相の指導力が急低下 募る衆院選への不安) [国内政治]

スガノミクスについては4月16日に取上げた。今日は、(その8)(菅総理の「誇大妄想」が悲しい途上国日本 古賀茂明 連載「政官財の罪と罰」、作家・佐藤優が読み解く 菅首相がじんわりと怖いのはなぜか 緊急事態宣言とオリンピック開催が両立する菅首相の頭の中の論理、菅政権は末期に 酒取引停止問題で露呈した限界 首相の指導力が急低下 募る衆院選への不安)である。

先ずは、7月6日付けAERAdot「菅総理の「誇大妄想」が悲しい途上国日本 古賀茂明 連載「政官財の罪と罰」」を紹介しよう。
https://dot.asahi.com/wa/2021070300016.html?page=1
・『6月18日、政府は、「経済財政運営と改革の基本方針2021」(骨太方針)と「成長戦略実行計画」を決定した。 しかし、その中身にはほとんど意味はない。これらの文書に書かれた項目のほとんどが、各省庁の予算要求の根拠にするための作文に過ぎず、何年か経って振り返ると、大きな目標のほとんどが未達成のままだからだ。 今回の発表劇を見て、私は、2013年6月14日を思い出した。「日本再興戦略」が発表された日だ。12年12月に総理の座に就いた安倍晋三氏は、海外に出かけると、「ジャパン・イズ・バック」、「バイ・マイ・アベノミクス」と胸を張り、大改革を断行するとPRしていた。ところが、当日示された日本再興戦略の中に描かれた「改革」は小粒なものばかり。市場の期待は大きく裏切られ、安倍総理の会見途中で株が暴落。それ以来、安倍総理がいくら大騒ぎをしても、成長戦略に期待する向きはなくなった。 今回は、菅義偉政権最初の成長プランだから、注目度は上がるはずだったが、はっきり言って誰も期待していなかった。ただそれは、菅政権にとってむしろ幸運だったようだ。期待が低かった分、落胆も小さく、市場への影響もなかったからだ。 90年代には携帯電話、液晶パネル、太陽光発電、風力発電などで日本企業が常に世界の上位を占めていたが、それは遠い過去の栄光だ。IT化では、先進国の最後尾に取り残され、先週は、半導体不足で自動車生産が停滞し、鉱工業生産が大幅減少と報じられた。昔は、世界の半導体市場で多くの日本企業がランキング上位を占めていたのが夢のようだ。この間、成長戦略が毎年出されたが、何の意味もなかった。 しかし、だからと言って成長戦略が不要という訳ではない。特に、経済の停滞が著しい日本にとっては、過去の失敗と決別するためにも、新規事業がどんどん生まれ育って行く「ビジネス環境」の整備は喫緊の課題だ。 実は、上述の13年の「戦略」は、そうした認識に基づき、「20 年までに、世界銀行のビジネス環境ランキングで日本が現在の先進国15 位から3位以内に入る」という目標を記していた。先進国とは、OECD(経済協力開発機構)加盟国である』、「13年の「戦略」」は「世界銀行のビジネス環境ランキング」を目標に掲げていただけ、まだ良心的だった。
・『しかし、最近、この話は全く聞かなくなった。それもそのはず、実は、日本の順位は20年版世銀ランキングで、OECD諸国中18位と下がっている。世界全体では、28位のロシアにも及ばず29位。31位の中国に抜かれる寸前だ。もはや先進国とも呼べない状況なのである。失態続きの経済産業省と菅政権は、こうした実態を隠すために、今回の実行計画にこの目標は掲げなかった。 ちなみに、OECD3位は遥か彼方でほぼ実現不可能なのだが、その3位の座にいるのは、何と菅政権が大嫌いな韓国だ。「目標は韓国です」とは、恥ずかしくて言えるはずもない。選挙前に最大の支持層である岩盤右翼の人々がそれを聞いたら、気絶するかもしれない。菅総理は、こうした事実を隠すため、「日本が世界の成長を牽引して行く」と述べている。本気で言っているとしたら「誇大妄想」というしかないだろう。 不都合な真実から目をそらしても状況は改善しない。日本の産業を立て直すには菅政権に退場してもらうしかなさそうだ』、「日本の順位は20年版世銀ランキングで、OECD諸国中18位と下がっている。世界全体では、28位のロシアにも及ばず29位。31位の中国に抜かれる寸前」、「OECD3位・・・の座にいるのは、何と菅政権が大嫌いな韓国だ」、惨憺たる状況だ。格好をつけずに、実態に即した施策が強く求められている。

次に、7月9日付けJBPress「作家・佐藤優が読み解く、菅首相がじんわりと怖いのはなぜか 緊急事態宣言とオリンピック開催が両立する菅首相の頭の中の論理」を紹介しよう。
https://jbpress.ismedia.jp/articles/-/66006
・『「民主主義の消費期限はもう切れているのかもしれない」と話すのは作家で元外務省主任分析官の佐藤優(さとう・まさる)氏だ。コロナの封じ込めに成功した中国を見て、非常事態への対応には非民主な体制の方が強いのではないかと多くの人が不安を抱いた。民主主義が崩壊し、独裁のような形に変わっていくほど、私たちの社会や経済は追い詰められた状況にあるのだろうか。 ウラジーミル・プーチン、習近平、ドナルド・トランプ、金正恩など11人の独裁者を解説する『悪の処世術』(宝島社新書)を上梓した佐藤氏に話を聞いた。(聞き手:長野光 シード・プランニング研究員、Qは聞き手の質問)(※記事の最後に佐藤優氏の動画インタビューが掲載されているので是非ご覧ください)』、興味深そうだ。
・『恐怖政治の仕組みを上手く作ったプーチン大統領  Q:数々の政敵や反体制派をむごたらしく葬ってきたロシアのプーチン大統領こそ、現代の危険な独裁者というイメージにぴったりといった印象を受けます。プーチン大統領の人間性について教えてください。 佐藤優氏(以下、佐藤):反体制派に毒を飲ませたり、記者を殺したりしてもプーチンに得はありません。ロシアは直接選挙ですし、ロシア国民は知的水準も高い。そんな乱暴なことをしたら大統領に当選できません。「プーチンはバカだ」というプーチン観がありますが、そこまでバカな奴が20年以上も権力を握れるはずもない。 一度、「ロシアは怖い」という価値判断を外してロシアを見てみたら面白いですよ。国会議事堂に乱入して銃乱射するような国が民主主義国だと本当に言えますか。ロシアだってロシアなりの基準で民主主義国なんです。 『ウラジーミル・プーチンの大戦略』(2021年7月発売予定、東京堂出版)の著者、アレクサンドル・カザコフは僕のモスクワ大学の同級生で、プーチンの側近グループの一人です。 この本では、デモクラシー(民主主義)が機能しなくなって、今の世界のトレンドはフォビアクラシー(phobiacracy、恐怖政治)だと言っている。プーチンは恐怖政治の仕組みを上手に作っています。忖度の構造を作るのが上手い。そして、日本にもフォビアクラシーがあります。 Q:日本の今の政権に恐怖政治の要素が見られるということですか。 佐藤:菅さん(菅義偉首相)はかなり怖い。彼がやっているのは、完全にフォビアクラシー(恐怖政治)です。少しでも反発する者が出てきたらバサッと切りますから。あれだけ頼りにしている尾身さん(新型コロナウイルス感染症対策分科会・尾身茂会長)だって、近々切られる可能性が十分あると思う』、「日本にもフォビアクラシーがあります・・・菅義偉首相がやっているのは、完全にフォビアクラシー(恐怖政治)です。少しでも反発する者が出てきたらバサッと切りますから」、「菅政治」は「フォビアクラシー」とは言い得て妙だ。
・『菅首相がオリンピックに固執する論理  佐藤:「オリンピックをやめたら、自分の政権が潰れる。だから権力に固執している」と考えると、菅さんという人を読み違える。オリンピックをやれば感染者が増え、世界の変異株がたくさん入って来るなんてことは、彼も百も承知でしょう。 菅さんは、このコロナの中、権力に空白が生じることで政治や経済に混乱が生じないように、自分がやり続けることが唯一の選択肢だと信じている。そして、安定か混乱か、どちらを取るかと考えた場合に、混乱を避けるためにはオリンピックに突入せざるを得ないから苦渋の選択をする、と。 政治は究極の人知を超えた世界にあります。ヒトラーだって、最初から独裁者になると思っていなかった。最初は国民に選ばれた、と思う。その次に神様に選ばれた、と思うようになる。菅さんも神がかり的なところがあると思う。本人でさえ総理大臣になると思っていなかったんだから。今、このコロナ禍の日本で首相をやっているのは自分の天命だと思っていると思う。 彼は究極の現実主義者ですよ。河井克行(元法相)や河井案里(元参院議員)は、ガネーシャの会で菅さんの応援団だった人です。菅原一秀(前経済産業相)や吉川貴盛(元農相)、自分に近かった総務官僚、自分の息子も誰も守らない。単に冷たいというレベルではなく、「混乱を避けるために、申し訳ないけど事実だったらしょうがない、責任を取ってもらうしかない」という思想で切り捨てる。これは官僚や政治家としては怖いですよ。 Q:「ルールを破ったら仲間であろうと容赦しない」という姿勢は、国民の側からすると公正なもので悪くないようにも思えますが。 佐藤:そう思います。コロナの予防接種も思うように進んでいないし、オリンピック開催の不安もあるにも関わらず、菅政権の支持率は30%ある。これはかなり高い。 混乱への恐れ、そういう感覚は国民の中でかなり強いと思います。今の政権が素晴らしいとは思わなくても、安定か混乱かだったら国民は安定を選択する。ただ、この安定か混乱かという選択は、ともすれば独裁を是認する方向に行きかねません』、「この安定か混乱かという選択は、ともすれば独裁を是認する方向に行きかねません」、確かにそのリスクに要注意だ。
・『もう一人の“独裁者”、習近平はどう見る?  Q:長い一人っ子政策の末、人口動態がいびつになった中国。成長が難しくなり、社会や経済の問題に政治が対処できなくなる時、次に民衆の心の拠り所になる可能性として宗教を想定している習近平は、先回りしてキリスト教をはじめ、外国の宗教を体制内部に取り込もうと目論んでいる、と書かれています。習近平政権は自分たちの作り上げたカルチャーが、宗教によって変容される可能性を恐れないのでしょうか。 佐藤:そもそも共産党体制自体に、理想的な社会を作っていこうという宗教的な要素があります。今までのようなマルクス・レーニン主義や毛沢東思想によって体制を維持できなくなったら、帝国を維持するために民心を安定させる宗教を取り込もうとするのは必然です。 でも、中国国内の地下教会や法輪功、「イスラム国」(IS)等は、極端に政治化して共産党体制とぶつかるから困る。矛盾せずに並存できる宗教といえば、カトリック教会です。 カトリック教会は、旧東欧の共産圏とも中南米の独裁政権とも上手くやってきました。今はまだ司教の任命権の問題があり、バチカンと手を握れていませんが、共産党体制に反発せずに社会問題を処理するという点ではカトリックが魅力的です。 それから、創価学会(創価学会インターナショナル)の活動も同時に公認することになるでしょう。創価学会は、日本では戦時中、軍部と対立していましたが、今は自公政権の中で与党化しています。中国共産党政権の中で与党化することも可能ですよ。 Q:日本では創価学会は公明党を持っています。創価学会を大々的に取り入れる場合、中国政府は政治に関与してくる可能性を懸念するのではないでしょうか。 佐藤:そうは思いません。一国二制度の下で、香港とマカオでは創価学会インターナショナルの活動は認められています。それから、中国の各大学には池田思想研究所があります。創価学会が政治活動をしているのは日本だけで、世界百数十カ国の創価学会インターナショナルは政治活動をしていません。政治との関係においては折り合いをつけやすい教団なんです』、「共産党体制に反発せずに社会問題を処理するという点ではカトリックが魅力的です。 それから、創価学会・・・の活動も同時に公認することになるでしょう」、なるほど。
・『トランプが勝ちを想定した民主主義のゲーム  Q:「私は低学歴の人たちが好きだ」と言い放ったトランプ大統領は、下品さを見せびらかすことで、大衆にこいつは気取っていないと思わせて引きつけた。トランプの強さは支持者がカルト化したところにある、と記されています。なぜ米国人は理想主義者のサンダース氏より、ヒールレスラーのトランプ氏をより熱狂的に求めたのでしょうか。 佐藤:政治は論理だけではなく感情で動きます。トランプは安定した支持者さえ掴んでいればこのゲームに勝てると計算していた。最後まで選挙結果を認めなかったことも、次の大統領選挙を考えれば正しいやり方です。 民主党はトランプの逆打ちばかりしています。イランで対話を再開し、イエメンのフーシ派のテロ組織指定を撤回し、アフガニスタンからの米軍撤退に関しては政策がぶれました。 もっとも、アフガニスタンから米軍が撤退しても、米国の民間戦争会社が国際機関や米国企業を防衛しています。軍服からガードマンの服に変えているだけで、本質的な違いはありません。 Q:トランプには政治家になって実現したい具体的な事柄が存在しない。「アメリカファースト」はそのような国づくりを理想としているのではなく、自己表現の一つに過ぎない、と書かれています。政治をエンターテイメントにできるのが不真面目な政治家の強みだと思いますが、これは危険なことでしょうか。 佐藤:危険だけど止められない。ウクライナのゼレンスキー大統領は元コメディアンです。「大統領」というテレビドラマに出たら大ヒットして、その勢いで大統領になっちゃった。プロレスみたいになってるんですよ、民主主義って。 そうなると民主主義以外の選択肢、恐怖政治の方が国民は幸せなんじゃないか。そういう発想も出てくる。 Q:民主主義が崩壊して独裁のような形に変わっていくほど、現在は追い詰められた状況だということでしょうか』、「アフガニスタンから米軍が撤退しても、米国の民間戦争会社が国際機関や米国企業を防衛しています。軍服からガードマンの服に変えているだけで、本質的な違いはありません」、確かにその通りなのだろう。
・『今後生まれてくる社会主義でも共産主義でもない体制  佐藤:中国はコロナを封じ込めることに成功している。この意味は相当に大きい。民主主義の消費期限が切れているのかもしれない。でも社会主義は、ソビエト型の社会主義の負の遺産のせいで無理です。そうすると、恐らく出てくるのは一種のファシズムでしょう。国家の暴力を背景にして、雇用を確保して、経済的な再分配をしていくという思想です。 Q:コミュニズムを装ったような形で、ということですか。 佐藤:利潤を追求する起業家精神は尊重するという点では、コミュニズムとは違います。経済は統制しないで競争はやらせる。でも、競争の成果物は取り上げて、貧しい人々に再分配する、というやり方です。中国は比較的近いと思いますが、共産主義という看板を掲げなくなると思います。 日本で言うとまず、年収3000万円くらいまでの人はいてもいい。でも、年間10億円、20億円稼ぐ奴からは全部召し上げて資産に課税する。消費税はがーんと上げる。それを原資として再分配し、最低700~800万円の世帯収入は皆に保証する、というイメージです。 Q:米国のような超富裕層の少ない日本では、資産家に大きく課税するという考え方は都合がいいと考える人は少なくないかもしれないですね。 佐藤:今のところは事実上、MMT(現代貨幣理論)で世の中が動いてしまっているわけでしょう。いくら国債売っても大丈夫なんだ、と。あれは絨毯にガソリンを撒いているようなものです。すぐに火はつかないけど、朝鮮半島や台湾海峡の有事等、国際情勢によって一気に火がついて極端なハイパーインフレになります。 その時、MMTだと、増税で対応するということになっているけど、そんなことが短期間でできるのか。そうなると、リバタリアン(自由主義)的な発想じゃなくて国家が乗り出してくると僕は思う。 Q:金正恩には求愛を恫喝で示すという独特な表現様式がある、と書かれています。当たり屋のようにトラブルを持ち込み、恫喝し困った相手を交渉の場に引きずり出して、注文をつけて相手が少しでも譲歩したら儲けもの、というあの質の悪いやり口を金正恩総書記はどこから学んだのでしょうか』、「今のところは事実上、MMT・・・で世の中が動いてしまっているわけでしょう・・・あれは絨毯にガソリンを撒いているようなものです。すぐに火はつかないけど、朝鮮半島や台湾海峡の有事等、国際情勢によって一気に火がついて極端なハイパーインフレになります」、同感である。
・『「北朝鮮の人々は今の北朝鮮にそこそこ満足している」  佐藤: 金日成や金正日の時には北朝鮮から輸出するものもあったし、第三世界の支援もしていた。金日成の主体思想に惹かれる人もそれなりにいました。金正日の時はリビアにトンネルを掘っていたし、土木工事なんかで儲けていたんです。 ところが、国連の制裁が加わって、だんだんそういうことができなくなって、ハッキングして仮想通貨を盗むとか犯罪国家的になっていった。ある意味、北朝鮮に対する制裁が効いてるんですよね。 ただし、核兵器を持っているから、迂闊なことはできない。北朝鮮は自分の身を守るために、核兵器が米国に到達するような形にしておかないといけない、と思い込んでいます。特に、大陸間弾道ミサイル(ICBM)の多弾頭化に成功すれば、北朝鮮の安全は保障されるということになります。 北朝鮮は貧乏ですが、朝鮮戦争直後に比べて人口が増えているし、1990年代後半に多くの餓死者を出した「苦難の行軍」の時期と比べても豊かになっています。 北朝鮮のキャリアパスでは平壌に住むのが頂点だし、農村から地方の中核都市に移ることによって人の移動がある。それを目指して頑張るから、あの体制内でも、みんなそれなりに幸せにやっています。閉ざされた環境の中で、たとえ低い生活水準でも人々はそれを甘受して、そこそこの幸せを感じる、ということは十分あるんです。 Q:「私が20世紀の独裁者の中で最も興味を持っているのが、アルバニアに君臨したエンベル・ホッジャである」と本書で書かれています。日本で一般的に語られる国際政治の主要な人物の中では比較的マイナーな存在ですが、なぜこの独裁者に格別の興味を示されるのでしょうか。 佐藤:政治家にとって一番重要なことは、国民を飢えさせず食べさせることです。アルバニアは荒れた土地の小国なのに、エンベル・ホッジャは自力でちゃんと生き残って国民を食わせることができた。大したものです。しかも、ソ連や中国と喧嘩しながら衛星国にならず、バランスを取っていた。本来だったらユーゴスラビアに吸収されてしまうような小さい国ですからね。 Q:エンベル・ホッジャが尊敬していたのは、鉄の規律で民衆を徹底的に押さえつけ、平等な世界を実現しようとしたソ連の独裁者ヨシフ・スターリンでした。アルバニアもロシアもその後、破滅的な辛い時代に突入しますが、それは過度な理想主義者に無理に矯正された反動でバランスを崩して転倒した結果のように見受けます。完璧な世界の実現を目指す真面目すぎる政治家もまた、ならず者以上に危険な存在なのでしょうか』、「過度な理想主義者」の失敗例は、カンボジアのポルポト政権も記憶に新しいところだ。
・『究極の自己責任社会だった旧ソ連  佐藤:理想で世の中を動かそうとしても短期間しか動かない。最後は恐怖で動かすしかないし、理想的な社会を作るには恐怖政治になる。ただ、恐怖政治だとしても、その仕組みが機能している限りにおいては長期間続くんです。 ソ連はある意味で、非常にいい社会でした。共産主義の理想である「労働時間の短縮」が実現されていました。1日3時間くらいしか働かない。土日は2回休むし、夏休みは2カ月ある。クーポン券が労働組合から配られるから、夏の間はリゾートホテルでみんな遊んでいたんです。 Q:生活が安定して様々なものが享受できたとしても、人々は精神的に幸せにはなれないのでしょうか。 佐藤:旧ソ連はそれなりに幸せだったんです。住宅はタダで分けてくれる仕組みがあって、普通の労働者は別荘を持っていた。郊外のログハウスに10人くらいで集まって、手作りの料理を持ち寄って飲んで・・・。全然悪くない、楽しい生活ですよ。 別荘に集まってタイプライターで詩や作品を作ることもありました。どんな反体制文書でも、製本して20部作って配るくらいは全然問題ない。日本の学術論文の読者だって、実際は3人くらいでしょう。知的な活動をしている人は、20部程度発行できれば満足ですよ。 一人の人が一生の間に知り合える人は150人で、人事評価をきちんとできる人数は8人だと言われています。人というのは10人、15人の人がいればわりと満足なんです。今の日本の場合、10人、15人の友達に会いたいと言っても難しいでしょう。仕事で都合つかないとか、収入に余裕がなくてカツカツだとか。 Q:競争志向型の人は、ソ連時代はどうしていたのでしょうか。 佐藤:ソ連のエリートはハイリスク・ローリターンだったんです。腐っていない卵を買えるくらいの特権しかなかったんです。国家の指導的な立場になっても、政争に巻き込まれてシベリア送りや刑務所送りになるリスクがあった。でも、そこそこの生活でよければ政争に巻き込まれることはない。 しかし、人々はミネラルウォーターやビールを飲む時は、光にかざしてチェックする必要がありました。品質管理がないから、ネズミのうんこが入っている可能性がある。それを飲んで腹を壊しても自己責任、だからみんな一生懸命に目を凝らしていた。究極の自己責任社会だったんです』、「理想的な社会を作るには恐怖政治になる。ただ、恐怖政治だとしても、その仕組みが機能している限りにおいては長期間続くんです。 ソ連はある意味で、非常にいい社会でした。共産主義の理想である「労働時間の短縮」が実現されていました。1日3時間くらいしか働かない。土日は2回休むし、夏休みは2カ月ある。クーポン券が労働組合から配られるから、夏の間はリゾートホテルでみんな遊んでいたんです」、「ソ連」にもそんないい面があったとは初めて知った。
・『今の自由民主主義を守るには  Q:不安が多い社会では、強くて賢くて大いなる何かに導かれたいという願望が人々の間で高まりやすくなる。民主主義による意思決定のシステムが面倒に思えてくる。民主主義のシステムの綻びが大きくなり始めた今、20世紀の妖怪たちが息を吹き返そうとしている、と本書の冒頭で書かれています。この底流にある問題意識を教えてください。 佐藤:私は自由民主主義を守りたいと思う。 自由になると格差がつきすぎるけど、平等にすると競争がなくなって息苦しくなる。自由民主主義というのは、異なるベクトルの間で折り合いをつけていきます。その折り合いをつける基準は、フランス革命の自由、平等、友愛というスローガンの友愛ではないか。 では、その友愛はどう作られるのか。率直に意見を交わして、信頼が積み重なっていくと、その信頼関係がある人たちの間では、折り合いがつけられる。そういうネットワークを、自分の手が触れられるチャンスがある時に作る努力を怠らないこと、それが大事だと思う。(構成:添田愛沙)』、「信頼関係」はテーマ毎に成立する集団が変わってくる筈で、「佐藤氏」が言うほど簡単ではなさそうだ。

第三に、7月16日付け東洋経済オンラインが掲載した政治ジャーナリストの泉 宏氏による「菅政権は末期に、酒取引停止問題で露呈した限界 首相の指導力が急低下、募る衆院選への不安」を紹介しよう。
https://toyokeizai.net/articles/-/441218
・『コロナ感染抑止策の一環として政府が画策した酒取引停止要請が全面撤回を余儀なくされた。関係する金融機関や酒事業者団体の反発に加え、与党内からも不満が噴出したからだ。 東京でのコロナ感染再拡大による東京五輪・パラリンピックの無観客開催などで苦境が続く菅義偉首相の指導力は一段と低下。頼みのワクチン接種の混乱による内閣支持率の低迷もあって、与党内には次期衆院選への不安も拡大している』、「今のドタバタ劇」はいまだに収まってないようだ。
・『「西村発言」に与野党から批判の声  今のドタバタ劇の主役を演じたのは、コロナ担当の西村康稔経済再生相だ。東京への4度目の緊急事態宣言発令を決めた7月8日の政府対策本部後の記者会見で、酒類提供停止の要請を拒む飲食店の情報を取引金融機関に流し、順守を働き掛けてもらう方針を表明した。 西村氏の発言は、政府がコロナ感染拡大の主犯と位置付ける飲酒を制限するための窮余の一策ともみえた。しかし、取引関係で強い立場にある金融機関を政府が動かすことは、金融機関にとって優越的地位の乱用との批判を招きかねない。野党からは「憲法違反」との声があがる一方、酒事業団体を有力な支持母体とする自民党からも不満が噴出した。 西村氏は9日に金融機関への要請は撤回したが、酒類販売事業者に求めた酒の提供を続ける飲食店との取引停止要請については続ける意向を表明。しかし、自民党が政府に強い不満を伝えたことから、こちらも13日に撤回した。 さらに政府は、酒類販売事業者への支援金をめぐり、給付要件として「酒類提供停止に応じない飲食店との取引停止」を求めていた6月11日付の都道府県向け文書も14日夜に廃止すると発表。まさに、「西村発言で始まった朝令暮改の連鎖で、菅内閣の統治能力や判断力の欠如を露呈」(立憲民主幹部)する結果となった。 問題は、不当な圧力ともみられる取引停止要請が西村氏のスタンドプレーだったのかという疑問だ。主要野党による調査の結果、内閣官房コロナ対策室と国税庁が連名で、酒造メーカーや販売団体に飲食店への酒類取引停止を求める文書を8日付で送付していたことが判明した。) 文書の題名の末尾には「依頼」と記載されており、コロナ対策室が菅首相に事前説明していたことも明らかになった。「まさに政府ぐるみの要請」(自民幹部)だったわけで、菅首相は9日の段階で西村氏発言について「承知していない」としらを切ったが、主要野党は「すべては最高指揮官の菅首相の責任」と勢いづいた。 深刻化する事態に焦った菅首相は14日午前、「先週の事務方の説明の中で言及しているということだが、要請の具体的内容について議論したことはない」と釈明。そのうえで「すでに要請は撤回されているが、多くの皆様に大変ご迷惑をおかけしたことをお詫びしたい」と陳謝した。 集中砲火を浴びた西村氏も、「できるだけ多くの方に協力いただきたいという強い思いからの発言だったが、趣旨を十分に伝えきれず反省している」と釈明。野党からの辞任要求には「私の責任は何としても感染拡大を収めることだ」と繰り返した』、「菅首相」は「責任」を回避し切れなくなると、やむなく「陳謝した」ようだ。
・『与党の重鎮からも苦言が相次ぐ  その一方、麻生太郎副総理兼財務相は13日の記者会見で、「海外出張中に途中段階の報告を受けたが、違うんじゃないかと思って『放っておけ』と言っ た」と苦々し気に発言。梶山弘志経済産業相も「強い違和感を覚えた。了承した事実はない」と明言した。 自民党の二階俊博幹事長は13日午前の総務会で「誤解を受けることがないよう、今後は事前に党に相談してもらい、発言には慎重を尽くしてもらいたい」と苦言を呈した。 緊急事態宣言の発令と同時進行となったのが、今回の一連の迷走劇だ。その経過や結果は、「内閣全体が感染急拡大への焦りで正常な判断ができず、世論の反発で慌てふためいて、西村氏に責任をかぶせて逃げ切りを図った」(閣僚経験者)とみられても仕方がない。 14日午前の菅首相の陳謝も、14、15両日に開催された衆参両院内閣委員会の閉会中審査で、野党の追及をかわす意図があったのは間違いない。閉会中審査で野党の厳しい追及を受けた西村氏は、これまでの「ああいえばこういう」式のしたたかな答弁ぶりが影を潜めた。「私の判断ミス」と殊勝な表情で謝罪し続け、菅首相をかばう姿勢も際立った。 西村氏の説明によると、酒類取引停止に関する金融機関と酒類販売業者への要請を策定したのは、西村氏が所管する内閣官房コロナ対策室。西村氏は「関係者との意見交換の中で最終的に出てきたのが今回の対策」と繰り返したが、発案者については言葉を濁した。) 西村氏は、その対策を菅首相らに示したのは7日のコロナ対策関係閣僚会議だったことも認めた。ただ、菅首相や出席閣僚は関心を示さず、議論の対象にもならなかったと説明。菅首相の「具体的に議論していない」との釈明を裏付けてみせた。 しかし、「金融機関を利用しての関係業者への圧力という異様な提案に何も反応しなかったとすれば、菅首相らの認識不足はひどすぎる」(経済閣僚経験者)との指摘も多い。菅首相サイドは「西村氏が余計なことを言ったからだ」と不満たらたらだが、「内閣全体の責任であることは明らか」(自民長老)にみえる』、「「金融機関を利用しての関係業者への圧力という異様な提案に何も反応しなかったとすれば、菅首相らの認識不足はひどすぎる」、その通りだ。
・『「自公以外」がネット上でトレンド入り  酒類販売事業団体はそもそも自民党の有力な支援組織で、酒類の小売業者は全国小売酒販政治連盟を結成している。今回の要請に対して同連盟会長らが自民党本部を訪れ、「得意先からの注文を拒否することは、長年培ってきた信頼関係を毀損する。取引停止に対する財政的支援が何ら担保されないまま、一方的に協力を求めることは承服できない」とする要望書を突き付けた。 こうした動きと連動する形でネット上では「自民党と公明党以外に投票します」との書き込みがあふれ、ツイッターでは「自公以外」というワードがトレンド入りする事態となった。 これについて自民党内には「所詮はネットの声」(ベテラン議員)と軽視する見方もあったが、若手議員の間では「都議選の自民敗北は、ネットでの都民の反発を見誤った結果」と指摘する声が相次いだ。東京が地盤の有力閣僚も「『自公以外』という言葉がネットを通じて無党派層に広がれば、自民は壊滅的打撃を受けかねない」と危機感を露わにした。 騒動の最中である14日、菅首相は来日中の国際オリンピック委員会(IOC)のバッハ会長と会談。「今回の東京大会はオリンピックの歴史を書き換える」(バッハ氏)などと大会成功への連携と協力を確認してみせた。 その五輪は1週間後に開幕となる。ところが、主催都市・東京の新規感染者数は増える一方で、感染症専門家の多くは「五輪開幕時には7日間平均で1000人を大きく超える」と予測している。 菅首相は西村氏の対応について「感染防止のために朝から夜まで頭がいっぱいで」と擁護してみせた。しかし、現状をみる限り、「西村氏以上に、五輪、コロナ、ワクチンで頭がいっぱいなのが菅首相」(自民長老)というのが実態かもしれない』、確かに「菅首相」は私が見ても余裕を失って政権末期を感じさせる。
タグ:東洋経済オンライン JBPRESS AERAdot 泉 宏 スガノミクス (その8)(菅総理の「誇大妄想」が悲しい途上国日本 古賀茂明 連載「政官財の罪と罰」、作家・佐藤優が読み解く 菅首相がじんわりと怖いのはなぜか 緊急事態宣言とオリンピック開催が両立する菅首相の頭の中の論理、菅政権は末期に 酒取引停止問題で露呈した限界 首相の指導力が急低下 募る衆院選への不安) 「菅総理の「誇大妄想」が悲しい途上国日本 古賀茂明 連載「政官財の罪と罰」」 「13年の「戦略」」は「世界銀行のビジネス環境ランキング」を目標に掲げていただけ、まだ良心的だった。 「日本の順位は20年版世銀ランキングで、OECD諸国中18位と下がっている。世界全体では、28位のロシアにも及ばず29位。31位の中国に抜かれる寸前」、「OECD3位・・・の座にいるのは、何と菅政権が大嫌いな韓国だ」、惨憺たる状況だ。格好をつけずに、実態に即した施策が強く求められている。 「作家・佐藤優が読み解く、菅首相がじんわりと怖いのはなぜか 緊急事態宣言とオリンピック開催が両立する菅首相の頭の中の論理」 『悪の処世術』 「日本にもフォビアクラシーがあります・・・菅義偉首相がやっているのは、完全にフォビアクラシー(恐怖政治)です。少しでも反発する者が出てきたらバサッと切りますから」、「菅政治」は「フォビアクラシー」とは言い得て妙だ。 「この安定か混乱かという選択は、ともすれば独裁を是認する方向に行きかねません」、確かにそのリスクに要注意だ。 「共産党体制に反発せずに社会問題を処理するという点ではカトリックが魅力的です。 それから、創価学会・・・の活動も同時に公認することになるでしょう」、なるほど。 「アフガニスタンから米軍が撤退しても、米国の民間戦争会社が国際機関や米国企業を防衛しています。軍服からガードマンの服に変えているだけで、本質的な違いはありません」、確かにその通りなのだろう 「今のところは事実上、MMT・・・で世の中が動いてしまっているわけでしょう・・・あれは絨毯にガソリンを撒いているようなものです。すぐに火はつかないけど、朝鮮半島や台湾海峡の有事等、国際情勢によって一気に火がついて極端なハイパーインフレになります」、同感である。 「過度な理想主義者」の失敗例は、カンボジアのポルポト政権も記憶に新しいところだ。 「理想的な社会を作るには恐怖政治になる。ただ、恐怖政治だとしても、その仕組みが機能している限りにおいては長期間続くんです。 ソ連はある意味で、非常にいい社会でした。共産主義の理想である「労働時間の短縮」が実現されていました。1日3時間くらいしか働かない。土日は2回休むし、夏休みは2カ月ある。クーポン券が労働組合から配られるから、夏の間はリゾートホテルでみんな遊んでいたんです」、「ソ連」にもそんないい面があったとは初めて知った。 「信頼関係」はテーマ毎に成立する集団が変わってくる筈で、「佐藤氏」が言うほど簡単ではなさそうだ。 「菅政権は末期に、酒取引停止問題で露呈した限界 首相の指導力が急低下、募る衆院選への不安」 「今のドタバタ劇」はいまだに収まってないようだ。 「菅首相」は「責任」を回避し切れなくなると、やむなく「陳謝した」ようだ。 「「金融機関を利用しての関係業者への圧力という異様な提案に何も反応しなかったとすれば、菅首相らの認識不足はひどすぎる」、その通りだ。 確かに「菅首相」は私が見ても余裕を失って政権末期を感じさせる。
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東京オリンピック(五輪)(その19)(「国民の命が"賭け"の対象に」もし五輪中に感染爆発が起きれば日本は壊滅する 政府の「身勝手な決定」の巨大リスク、「天皇陛下 五輪で感染拡大懸念」 歴史的なメッセージはなぜ出されたのか?、《仏メディア痛烈批判》「日本人の気持ちを想像すべき」各国が東京オリンピック開催に反対する本当の理由 ヨーロッパのオリンピック報道、日本を自滅させる「東京五輪が無観客では示しがつかない」という自意識過剰) [国内政治]

東京オリンピック(五輪)については、6月18日に取上げた。開会が迫った今日は、(その19)(「国民の命が"賭け"の対象に」もし五輪中に感染爆発が起きれば日本は壊滅する 政府の「身勝手な決定」の巨大リスク、「天皇陛下 五輪で感染拡大懸念」 歴史的なメッセージはなぜ出されたのか?、《仏メディア痛烈批判》「日本人の気持ちを想像すべき」各国が東京オリンピック開催に反対する本当の理由 ヨーロッパのオリンピック報道、日本を自滅させる「東京五輪が無観客では示しがつかない」という自意識過剰)である。

先ずは、6月23日付けPRESIDENT Onlineが掲載した経済ジャーナリストの磯山 友幸氏による「「国民の命が"賭け"の対象に」もし五輪中に感染爆発が起きれば日本は壊滅する 政府の「身勝手な決定」の巨大リスク」を紹介しよう。
https://president.jp/articles/-/47221
・『83%が「感染が拡大する不安を感じる」  案の定、東京オリンピックの「有観客開催」が決まった。6月21日に開いた組織委員会と政府、東京都、IOC(国際オリンピック委員会)、IPC(国際パラリンピック委員会)の「5者会談」で、会場の収容定員の50%以内で、1万人を上限とすることを原則に観客を入れて開催することを決めた。 新型コロナウイルス感染者の再拡大が懸念される中で、前日の6月20日をもって沖縄を除く9都道府県の緊急事態宣言を解除。さらにそれに先立つ16日には、緊急事態宣言やまん延防止等重点措置を解除した場合に、大型スポーツイベントの収容上限を1万人とすることを決めていた。その段階では「オリンピックとは関係ない」としていたが、結局、すべては「オリンピックありき」で落とし所が準備されていたことが明らかになった。 政府分科会の尾身茂会長らが出した「無観客が望ましい」とする提言や、世論調査などの声も無視された。6月19~20日に実施された朝日新聞の世論調査では、オリンピックを開催する場合、「観客なしで行うべきだ」が53%と、「観客数を制限して行うべきだ」の42%を上回っていた。開催することで、新型コロナの「感染が拡大する不安を感じますか」という問いには83%が「感じる」(「感じない」は14%)と答えていた。 菅義偉首相は「安全・安心な大会を実現する」と繰り返してきたが、毎日新聞の調査(6月19日実施)での「安全、安心な形で開催できると思うか」という問いには、64%が「できるとは思わない」と答え、「できると思う」の20%を大きく上回った』、政府はかたくなに開催の姿勢を堅持している。
・『エビデンスを示さずに有観客開催を決めた これほどまでに国民の間に不安が広がり、中止を求める声も一定数いる中で、なぜ「有観客開催」に踏み切ったのか。結局、最後まで菅首相はその「根拠」いわば「エビデンス」を示すことなく、ムードで押し切った。なぜ、中止にできないのか、無観客ではいけないのか、結局、国民に率直に語りかけることはしなかった。 「世論は気まぐれなので、オリンピックが始まれば、皆開催して良かったという意見に変わりますよ」と自民党のベテラン議員はつぶやく。「そこに菅さんは賭けたのでしょう」 「賭け」とはどういうことか。6月に入って新型コロナワクチンの接種が一気に加速した。遅々として進まなかった自治体任せをやめ、自衛隊を使った大規模接種だけでなく職域接種にも乗り出した』、「世論は気まぐれなので、オリンピックが始まれば、皆開催して良かったという意見に変わりますよ」との壮大な「賭け」が行われているようだ。政治が「賭け」に走るようでは世も末だ。
・『「ゲームチェンジャー」としてのワクチン  6月18日現在、医療従事者で2回目の接種を終えた人は432万人。1回目を終えた人は549万人に達した。当初医療従事者は480万人とみられていたから、ほぼ接種は完了しつつあるということだろう。医療従事者を除く高齢者などの接種も、1回目を終えた人は6月20日時点で1694万人に達した。人口に占める1回目の接種割合は両者を合わせると17.6%に達している。オリンピック開催までには接種率は大幅に上昇することが期待できる。 ワクチン接種が進めば、感染者数はもとより、重症化する人の数が大幅に減少するとみられている。仮に多少、新規感染者が増えたとしても、重症患者が減れば医療機関の病床占有率は上がらず、医療の逼迫は避けられる。再び緊急事態宣言を出す事態に陥ることを回避できるわけだ。菅首相が口にするようにワクチンが「ゲームチェンジャー」になるとみているのだ。 実際、ワクチン接種が進んだことで、悪化していた菅内閣への支持率も底打ちの気配が出ている。前述の朝日新聞の調査では、「ワクチン接種に関する政府の取り組み」の評価について、「大いに評価する」とした人は6%と1カ月前の5%とほぼ変わらなかったが、「ある程度評価する」とした人は42%から54%に増加。「あまり評価しない」とした人は39%から30%に、「まったく評価しない」とした人は13%から8%に減少した。この傾向は他の世論調査にも共通しており、まさに負け試合を挽回させる「ゲームチェンジャー」の役割を果たしている』、しかし、「ワクチン接種」については、早くも供給量の天井にぶつかり、混乱を招いている。
・『新規感染者数に増加の兆しが出てきた  しかし、「無観客」に比べて「有観客」で開催した場合の感染リスクが高くなることは自明だ。組織員会は観客に会場に来て観戦だけして帰路飲食などをしないように求める「直行直帰」を求めるガイドラインをまとめているが、スポンサーとの関係で会場での飲酒を解禁するという話が早速流れた。会場の1万人という上限も、大会関係者やスポンサーの招待者は含まれず別枠だという話のようだ。これでは専門家が懸念するように1日数万人から数十万人の人流増加が起きるのはほぼ確実な情勢だ。 東京では6月に入ると、緊急事態宣言が発出されているにもかかわらず人流の増加が顕著になった。その「結果」が感染者数にも表れ始めている。6月12日の土曜日、都内で確認された新規感染者は467人と前の週の土曜日に比べて31人増加した。新規感染者数が前週の同じ曜日を上回ったのは30日ぶりのことだった。その後、前週の同じ曜日の感染者数を上回る日が出始め、16日からは3日連続、20日からも連続で上回る日が続いた。明らかに新規感染者数の減少傾向にストップがかかり、増加の兆しが出てきた、そんな時に緊急事態宣言の解除と、オリンピックの有観客開催を決めたのである』、「東京」の「緊急事態宣言」は8月22日まで延長された。
・『なし崩しで有観客開催に突き進むとみられる  多くの専門家が感染の再爆発を懸念する。この傾向が続くと、7月23日のオリンピック開会式の頃には1日あたりの新規感染者が1000人を再度突破するという専門家の試算も出ている。5者協議では、7月11日までの予定であるまん延防止等重点措置が12日以降も適用されたり、再度、緊急事態宣言が出された場合には、「無観客も含めた対応を基本とする」との方針も確認された。 逆に言えば、11日で重点措置さえ外してしまえば、有観客開催は止まらないということだ。措置を継続するか宣言を再発出するかどうかは、「新規感染者が1000人を超えた場合」といった明確な数値ではなく、政治的な判断の余地が残る。 つまり、なし崩しで有観客での開催に突き進むとみていて間違いないだろう。11日で重点措置が解除されれば、飲食店などの営業時間も一気に延びる。オリンピックは開催していて時短要請や酒類提供の規制を求めるのは無理がある。飲食店の我慢も限界に達している』、現在行われている5者協議では、「東京」の「緊急事態宣言」「延長」により、1都3県開催分では「無観客」となった。
・『最悪のシナリオは開会式直前の感染爆発  最悪のシナリオは、開会式の直前である7月20日あたりから感染爆発が深刻になるケースだ。政府も組織委員会もブレーキを踏むのに躊躇し、そのまま突き進まざるを得ないだろう。大会期間中にまん延防止等重点措置を再度出したとしても、飲食店への規制は難しく、要請したとしても受け入れる店がどれだけ出るか分からない。政府の「身勝手な決定の結果」だという認識が広がれば、誰も政府の言うことを聞かなくなる。 ここで、ワクチンがどの程度きくかがポイントになる。菅首相の「賭け」通り、重傷者が増えなければ、人流が増加しても感染者が増えても、医療は逼迫しない。だが、今後感染拡大が懸念される変異型インド株(デルタ株)にワクチンがどの程度有効かは未知数だ。 イギリスではワクチン接種が進んでいるにもかかわらず、6月に入ってデルタ株が急拡大、ロックダウンの延長を決めた。人口の6割が1回目のワクチン接種を終えているにもかかわらず、感染拡大しているのだ。最悪の場合、オリンピック関連の人流増加によってデルタ株が日本でも広がり、感染拡大に歯止めがかからなくなる可能性がある。さらにオリンピック期間中ということで緊急事態宣言の発出が遅れれば、経済活動のブレーキを踏むのも遅れることになりかねない』、なるほど。
・『ロックダウンになれば、日本経済は壊滅的なマイナス成長に直面  その代償はこれまでの緊急事態宣言時よりも大きくなるだろう。感染拡大を止めるために、日本でもロックダウンすることになりかねない。そうなれば、経済への影響は深刻だ。日本のGDP成長率は2021年1~3月期に再びマイナスに転落した。米国などがプラス成長を続けているのと対照的で、ワクチン接種の遅れが影を落とした。3回目の緊急事態宣言の影響で、4~6月期もマイナスが続く可能性がある。 オリンピックでプラス成長が期待されたものの、海外からの観客がゼロになったうえ、国内も1万人上限となったことで、経済効果は予想を大きく下回り、限定的になる。むしろその後にロックダウンがやってきたとしたら、日本経済は壊滅的なマイナス成長に直面することになるだろう。そうなれば、非正規雇用を中心に人員整理が本格化するだけではなく、航空業界や旅行業界、百貨店、外食産業といった企業で、経営に行き詰まるところが出てくることになりかねない。 菅首相の「賭け」が当たれば、オリンピックもパラリンピックも無事終了。ワクチンの効果から感染者が減少。水際対策の徹底もありデルタ株は日本では流行せずに済む。菅内閣の支持率も好転し、秋に行われる総選挙でも自民党が勝利、菅内閣が継続する。首相はそんなシナリオを描いているのだろう。果たして、これから3カ月、日本はどうなっていくのか。日本の将来を大きく左右する分岐点になりそうだ』、「菅首相の「賭け」」はどうも外れに終わる可能性が高くなったようだ。

次に、6月25日付けAERAdot「「天皇陛下、五輪で感染拡大懸念」 歴史的なメッセージはなぜ出されたのか?」を紹介しよう。
https://dot.asahi.com/dot/2021062500013.html?page=1
・『東京オリンピック・パラリンピック開催まで1カ月を切った。このタイミングで宮内庁長官は、なぜメッセージを出したのか。 「オリンピックをめぐる情勢につきまして、天皇陛下は現下の新型コロナウイルス感染症の感染状況を、大変ご心配されておられます」 6月24日、宮内庁の西村泰彦長官は定例会見で、約1カ月後に迫った東京五輪について、天皇陛下が新型コロナの感染拡大を心配していることを明らかにした。さらに、こうも続けた。 「国民の間に不安の声がある中で、ご自身が名誉総裁をお務めになるオリンピック・パラリンピックの開催が感染拡大につながらないか、ご懸念されているご心配であると拝察しています」 その場にいた記者は、長官に対して慎重に、こう念押しをしている。 「これは陛下のお気持ちと受け止めて間違いないのか」 長官は、「陛下から直接そういうお言葉を聞いたことない。そこは誤解ないように」、と釘を刺しつつも、「陛下はそうお考えではないかと、私は思っています」とはっきりと言い切っているのだ。拝察という言葉を使いながらも、お気持ちを代弁していると明言したに等しい発言だった。 「実質的な、令和の天皇のメッセージであると私は感じました」 そう話すのは、皇室制度に詳しい小田部雄次・静岡福祉大学名誉教授だ。 「令和皇室で、政治的判断に関わる主体的な言葉が国民に伝わったのは、初めてといっていい。陛下は国民にメッセージを発するタイミングを慎重に見極めていたのだと思います」 宮内庁は、内閣総理大臣の所轄の機関で、内閣府の外局組織という位置づけにある。組織として、五輪開催のかじ取りをする政府と対立する姿勢は示しづらいのが実情だ。 しかし、開催を1カ月後にひかえたいま、コロナ禍での五輪に対する国民の心は揺れ、「五輪分断」ともいえる状況になりつつある。 五輪開催反対を唱えるデモは、日本オリンピック委員会(JOC)のビルの前や都庁前などで、連日続いている。かといえば、すぐそばで賛成派のデモがおこなれわれていたという報道も。弁護士の宇都宮健児氏を発起人とする五輪開催中止の署名は42万人を超え、ツイッター上でも五輪に反対するツイートは、10万を越えたと報じられた』、加藤官房長官は「宮内庁長官自身の考え方」と切り捨てたが、天皇が自分の考えを述べられないことをいいことに、言いたい放題だ。
・『東京都医師会の尾崎治夫会長は有観客開催に突き進む状況に、「理解不可能」とコメントを出しているし、医療従事者からも疑問の声が噴出している。仏国のルモンド紙は、東京のデモなどを紹介して、「日本人の3分の2が延期か中止を求めている」「五輪は日本列島を分断している」と書き立てる始末だ。 そんな中、各競技の代表選考会は着々と進み、準備をしてきたアスリートを応援したいという気持ちが国民の中にあるのも事実だ。 皇室を長く見てきた人物は、現状をこう分析する。 「政府と民意が衝突し、国論は割れたままだ。中立であるべき天皇が、東京五輪の名誉総裁として、開催宣言に立たされることになる」 さらに皇族方は、競技会場で観戦することになる。天皇が開催を宣言し、皇族が集まった五輪で、多数の国民やアスリートらに感染が広がったとなれば、関わった皇室も無傷ではすまないだろう。 「ましてや両陛下は、政府の分科会の尾身茂会長から新型コロナの感染状況などについて2度にわたり、じっくりと説明を受けています。学者としての顔を持つ陛下は、医学者たちの見解は重視なさると思います。また諸外国との交流もあるので、海外が五輪に寄せる懸念も耳に入ってきているでしょう。天皇陛下は、どれほど危機的な状況であるかを、よくご存じのはずです。ご自身の懸念を表明しておく責任も感じたと思います」(前出の小田部さん) このような背景があっての、宮内庁長官の会見での発言。表向きは長官が天皇陛下のお考えを「拝察」という形をとってはいるが、陛下への事前の報告と許可を得ないまま宮内庁長官が、勝手に発言することはない。前出の人物は、皇室は五輪に対するスタンスを明確にしたかったのでは、と話す。 「長官と陛下の間では、どのようにメッセージを発するかについて、やり取りはあったはずです。宮内庁としては五輪がはじまる前に、『皇室は、五輪と距離をおいている』というメッセージを、明確に発信したのでしょう」) 小田部さんも、天皇陛下は自分の本意を歴史に残しておきたかったのだろう、と感じた。 「政治への影響を及ぼさなよう言葉を選びながらも、安心して開催される確信もないというギリギリの言葉を選んだのだろうと思います。ある意味、責任逃れとも受け取られかねないメッセージでしたが、中止へのメッセージは政治への介入となる。一方で、五輪で感染が爆発的な感染が生じるかもしれない、という懸念もある。天皇としての考えを記録に、歴史に残したかったのだろうと思います」 コロナ禍で、令和の皇室はリモート公務が主体になった。国民にとって皇室は、どこか遠い存在になりつつあった。しかし、この長官を通じたメッセージは、令和の皇室の輪郭を浮かび上がらせたようにも思える』、政府側は「長官」の言葉に秘められた「天皇」の気持ちを忖度する気はさらさらないようだ。

第三に、7月3日付けPresident Onlineが転載した文春オンライン「《仏メディア痛烈批判》「日本人の気持ちを想像すべき」各国が東京オリンピック開催に反対する本当の理由 ヨーロッパのオリンピック報道」を紹介しよう。
https://president.jp/articles/-/47221
・『2021年6月17日、菅義偉首相は東京オリンピック・パラリンピックの開催を公式に表明した。しかしウガンダの代表団から新型コロナウイルスの陽性者が出たこともあり、大会開催によって爆発的にウイルスが感染拡大するのではないかと不安視する声もある。6月18日には、尾身会長ら日本の感染症の専門家が「無観客での開催が望ましい」と提言してもいる。 “開催宣言”の直前、同月13日にはイギリスで開催された主要7カ国首脳会議(G7サミット)で、菅首相は「全首脳から大変力強い支持をいただいた。改めて主催国の総理大臣として心強く思う」などと記者団に語っている。各国からの支持を追い風にして、開催を断行する形となったわけだ。 しかし、果たして各国の一般市民もオリンピック開催を支持しているのだろうか。アメリカのメディア「The Washington Post」が、IOCのバッハ会長を「ぼったくり男爵」と呼び話題を呼んだことは記憶に新しいが、各国の“本音”はどこにあるにのだろうか。今回はヨーロッパ諸国のメディアが報じた記事を中心に探ってみた』、興味深そうだ。
・『「開催は本当に正当化されるか?」と問う、英メディア  たとえば、イギリスのメディア「The Guardian」は、4月12日に公開された社説で、東京オリンピックを中止することによるアスリートと経済への影響の甚大さに理解を示した一方、《(人々の)生命を危機に晒す今大会の開催は本当に正当化されるかを日本政府とI O Cは問わねばならない》と批判を展開している。 《オリンピック開催まで100日を切る中、大会を「人類が新型コロナウイルスに打ち勝った証として実現する」という(菅首相の)約束は、楽観的どころかまったく間違っているようにも見える》 《オリンピック大会直前に、施設の建設が間に合わない、チケットの売れ行きが不調であるなどの問題が発生するのはお決まりだが、感染症が蔓延する中で開催を予定している今回の大会はレベルが違う》 《大会を開催するのであれば、感染拡大を食い止めるためのルールを確実に施行する必要がある》』、「大会を開催するのであれば、感染拡大を食い止めるためのルールを確実に施行する必要がある」、正論だ。
・『英メディア「日本政府は日本人の声に耳を傾けない」  同紙は5月24日に「オリンピック開催の中止を求めている数多くの日本人の声に、日本政府は耳を傾けないだろう」と題したオピニオン記事も掲載した。《他のG7諸国に比べると日本の新型コロナウイルス感染状況は悲惨ではない》にも関わらず、《日本国民がこの「成果」を政治家の手腕の結果と結びつけていない》と指摘。その原因として、日本政府の国民に対する不透明なコミュニケーションと、大きな危機に直面した時に責任を負う気概があるリーダーの不在を挙げている。 そしてこの2つの問題点が、オリパラ開催を強行しようとする政府と、感染拡大を懸念する日本国民の溝を生んでいると分析しているのだ』、「日本政府の国民に対する不透明なコミュニケーションと、大きな危機に直面した時に責任を負う気概があるリーダーの不在を挙げている」、極めて的確な分析だ。
・『ドイツ語圏への声明「日本に来ないでください」  ドイツの大衆メディア「Frankfurter Rundschau」は4月19日、日本国内で開催に反対する人々がいると紹介。4月2日に社会哲学者の三島憲一氏や政治学者の三浦まり氏などの日本の知識人20名が、ドイツ語圏の人々に対し、関係する各メディアに「日本に来ないでください」という声明を送付したことを取り上げている。 この声明には《スポーツで実績を積んできた国の1つが東京オリンピックへの参加を辞退すれば、各国に連鎖反応を引き起こすことができ、結果的に今回のオリンピックは中止せざるを得なくなるだろう》と記載されているという。 日本国外に大会へのボイコットを呼びかけることでオリンピックの開催を中止させようとする動きは、IOCや日本政府にとってはプレッシャーになるのではないかと分析されてもいた』、「日本の知識人20名が・・・「日本に来ないでください」という声明を送付」、初めて知った。
・『「中止は絶対にない」スペインメディアが断言  一方で、スペインのメディア「El Mundo」は、4月14日の記事で、《オリンピックが中止されることは絶対にないだろう》と断言。その理由については《聖火リレーは既に始まり、大会期間中に使用される建物は建設済みだ。東京オリンピックの210億ユーロ分の予算は既に確定され、テレビ局やスポンサーはすでにキャンペーンを開始している》からだと述べている。 しかしながら、こんな予測も付け加えている。 《大会が中止になるのは、日本政府が感染症の新たな「波」に直面してパニックを起こした場合のみだろう》 また、G7諸国と比較すると日本の新型コロナウイルス感染状況は酷くないものの、ワクチン接種速度が非常に遅い日本の現状を踏まえ、東京オリンピックの開催能力を疑問視したものもある』、なるほど。 
・『「ワクチン普及に大きな遅れを取った理由」とは  フランスのメディア「Le Figaro」は、世界第3位の経済大国であるにも関わらず、日本が他のG7およびOECD諸国と比較してワクチン普及に大きな遅れを取った理由を《(日本国内で根強い)ワクチンへの疑念や(承認に至るまでの)官僚的なシステムが絡んでいる》のではないかという専門家の声を紹介している。 このようにヨーロッパメディアには、オリパラ開催に否定的な内容が多かった。しかしあくまでもワクチン接種が進まない日本の現状や、「オリンピックを断行しようとする日本政府やIOC」と「それに反対する日本国民や公衆衛生の専門家」の“バトル”を客観的に報じるところで留まっていた。 しかしいよいよオリパラ開催が迫ってきた6月23日、大会開催に強烈な“否”を突き付ける記事が報じられた』、どういうことなのだろう。
・『「オリンピックは道徳的なスキャンダル」と痛烈批判  報じたのはフランスのメディア「Libération」。《私たちの声明は、IOCの暴走を止めることを目的としている》と、痛烈な批判を展開しているのだ。 一部を要約して、本記事をご紹介する。 〈《手遅れになる前に、この大会の中止を求めている東京や日本の人々の声に耳を傾けなければならない。日本国民の6割から8割が大会の開催に反対し、大会の安全確保のために動員される医療関係者からも反対の声が上がっている。東京オリンピックは、日本の医療システムを弱体化させることになるからだ。 IOCは、恥ずかしげもなく、若くて健康的な世界中のオリンピック選手への優先的なワクチン接種を検討している。これは日本やフランスをはじめとした、大会参加国の道徳的なスキャンダルなのではないのだろうか。強い者を守ること、そして一般人の観客をスタジアムに入れることなく、広告収入を守るためにテレビ放映を行うことがオリンピック精神なのだろうか。公衆衛生や人命の価値は、コカ・コーラ社の広告の価値よりも低いのだろうか。東京オリンピックは、オリンピック精神とオリンピックの構造の「真実」を明らかにした。 東京大会の開催中止を求め、専門家やスポーツ選手らが世界各地で声を上げ始めている。80%の日本人が反対しても大会が中止にならないのであれば、世界中の連帯が必要だ。特に、フランスは次の夏季オリンピックの開催国として重要な役割を担っている。パリ大会が感染症の中で開催されたとしたら? 感染症が蔓延する中でオリンピックを迎える日本人の気持ちを想像すべきなのではないのだろうか。私たちは、IOCにオリンピックの開催に関して自由な権限を与えることを拒否する。 惨事を避けるためにも、世界的な感染症の流行の中で予定される東京オリンピック開催を再考すべきだろう》〉未決定事項が多い今大会に対する世界中のメディアの目は厳しい。2021年7月、コロナ禍のなかでの東京オリンピック・パラリンピック開催は、どのような結末を迎えるのだろうか』、次期開催国の「Libération」が「IOCの暴走」に対する「痛烈な批判」をしているのは、興味深い。

第四に、7月8日付けダイヤモンド・オンラインが掲載したノンフィクションライターの窪田順生氏による「日本を自滅させる「東京五輪が無観客では示しがつかない」という自意識過剰」を紹介しよう。
https://diamond.jp/articles/-/276137
・『東京五輪だけが「聖域」扱いされる違和感  「オリパラってやっぱりサイコー!」「パンケーキ首相、反対派の声に屈することなく開催してくれてありがとう!」 そんな「オリンピック大成功」からの解散総選挙で勝利、そして自民党総裁選も無投票再選…という菅義偉首相が描いていた「続投シナリオ」がここにきて狂ってしまった。 まず、東京都に「リバウンド」の兆しが見えてきた。報道によれば、4回目の緊急事態宣言が発出する方針だという。ただ、それ以上に菅政権にとって大打撃なのは、先週末の東京都議会議選で、自民党が事実上の「惨敗」をしてしまったことだろう。 負けた理由はさまざまあるが、東京五輪に結びつける声も少なくない。慌てふためいた政府は、これまで頑なに「有観客」にこだわってきたのに、急に国民に媚びるように「無観客」を匂わせ始めた。 この「平和の祭典」とやらは、中国共産党の記念式典や、北朝鮮の軍事パレードと同じ性格の、「政権の支持率アップを目指す政治イベント」に過ぎなかった、という事実をあらためて浮き彫りにした形だ。 という話をすると、「開催に向けて一致団結をしなくてはいけない大事の時に、おかしな言いがかりをつけるな!この反日左翼め」と激昂される方もいるかもしれない。 というのも、安倍晋三前首相の月刊誌『Hanada』での発言があったからだ。安倍氏は、東京五輪に反対しているのは、野党や朝日新聞など、「一部から反日的ではないかと批判されている人たち」であって、「極めて政治的な意図」だと指摘した。これに対して「よく言ってくれた!」と拍手喝采している方もかなりいらっしゃるのだ。 断っておくが、筆者には特に政治的なイデオロギーはない。しかし、「ROCK IN JAPAN FESTIVAL」など各地で大規模イベントが中止に追い込まれている中で、東京五輪だけが「聖域」扱いされることには違和感しかない。 「アスリートは4年に一度に人生のすべてを懸けている」というが、アーティストも役者も人生のすべてを懸けてステージに臨んでいる。もっと言えば、五輪のために我慢を強いられている飲食業の人たちも、一世一代の夢を懸けて自分の店を経営しているのだ。 「五輪優遇」というと、それはIOCガー、経済的損失ガー、ともっともらしい言い訳を並べる人もいる。しかし、政府の成長戦略会議のメンバーでもあるデービッド・アトキンソン氏は、「朝日新聞」(6月22日)のインタビューで「五輪の経済効果や、中止した場合の損失が、1兆円だろうが5兆円だろうが、大した影響はありません」と述べている。たかだか1カ月弱のスポーツイベントで得られる経済効果など、日本のGDP全体の中で微々たるものだ。「五輪ができないと日本はおしまいだ」みたいな終末論が叫ばれる理由がわからない。 そのような「違和感」の中で特に筆者がモヤモヤしてしまうのは、「無観客だと世界に示しがつかない」というものだ』、「安倍晋三前首相」の「東京五輪に反対しているのは、野党や朝日新聞など、「一部から反日的ではないかと批判されている人たち」であって、「極めて政治的な意図」」、には根からの右派的主張に改めて驚かされた。
・『世界はそこまで五輪に興味がない  「示しがつかない」とはどういうことか。 世界ではワクチン接種が進んで、スポーツイベントなどは観客を入れてノーマスクで大盛り上がりをしている。にもかかわらず、オリパラで観客席がガランとしていたら、全世界に日本のコロナ対策が進んでいないということが発信されてしまう。これは「恥」なので、観客を入れろというのだ。 ただ、これはちょっと自意識過剰ではないか。日本人はやたらと「世界」という言葉を使って、外国人からどう見られるのかと気にするが、実はそこまで世界は五輪に関心がないからだ。自国開催の日本や周辺の韓国、中国くらいが大騒ぎをする「ローカルイベント」と言ってもいい。 一般社団法人中央調査社が2019年11~12月に、アメリカ・イギリス・フランス・中国・韓国・タイの各国で約1000名を対象にした調査を見てみよう。「東京2020」について知っていたのは、韓国(91.6%)、中国(80.6%)がダントツに多い。欧米ではフランスで69.2%、イギリスで64.6%とまずまずだが、テレビ中継のために灼熱の五輪になっている…はずのアメリカでもなんと55.6%程度、親日国タイにいたっては41.9%と半数にも満たない。 19年末といえば、まだコロナ禍も始まっていないので、日本のマスコミは「いよいよ今年はオリンピックイヤー!」などと盛り上がっていた。が、そういう報道を自国で目にした国は、やはり韓国(77.1%)、中国(66.4%)くらいで、フランス・イギリス・タイ・アメリカでは30~40%台にとどまっている。 なぜ報道されないのか、というとそこまで人々の興味がないからだ』、「観客席がガランとしていたら、全世界に日本のコロナ対策が進んでいないということが発信されてしまう。これは「恥」なので、観客を入れろというのだ」、あり得る話だ。
・『若者の五輪離れが欧米で進行、欧米主導のイベントなのになぜ?  前回のリオデジャネイロ五輪の際からアメリカでは、Z世代と呼ばわる若者を中心に「五輪離れ」が進行している。 「2016年の世論調査では、51%が五輪中継を熱心に見るつもりはないと答え、開催国を知っている回答者も半分以下だった」(ニューズウィーク5月30日) こういった傾向は開催国であれ変わらない。2012年のロンドン五輪の際、グローバル調査を行うイプソスが世界24カ国で「五輪に興味があるか」と調査をしたところ、開催国のイギリスでは50%以下だった。ちなみに、ここでも中国(82%)、韓国(78%)は関心が高かった。 IOCなどを見てもわかるように、欧米主導で進めているはずのオリンピック運動で、なぜこんな矛盾した動きが起きてしまうのか。その謎を考える上で、ひとつの参考になるのが、劇作家・演出家の鴻上尚史氏の著書『不安を楽しめ!~ドン・キホーテのピアス16~』(扶桑社、2013年)だ。 本の中では、鴻上氏が司会をしているNHK BS1の『cool japan』という番組で、アメリカ、ヨーロッパ、オセアニア、南米、アジアなどさまざまな地域からきた8人の外国人に「あなたの国で五輪はどれくらい話題になっている?」と質問をした際の反応が紹介されていた。注目すべきはそこでほぼ全員が、「たいして話題にならない」「ニュースで見るくらいで、メダルを取ってもそんなに大騒ぎにならない」と回答した点だ。 メダルの数が気になると回答したのはアジアから来た人だけで、ほぼ全員が口を揃えてこのように述べたという。 「だって、知らない選手を見て面白い?サッカーだったら、応援している選手がいて、よく知っていて、だから興奮するじゃないか。でも、オリンピックって、どんなに高く跳んだり、遠くに投げても、知らない人だからさ。あんまり盛り上がらないんだよね」(同書) 日本だったら、「人生のすべてを懸けているアスリートに失礼だ!謝罪しろ!」などと集中砲火を浴びそうな発言だが、海外では極めてノーマルな考え方のようだ。世界では、スポーツとはあくまで「個人」が織りなすエンターテインメントという位置付けなのだ。 「個人」のパフォーマンスに熱狂して、「個人」の努力に感動して、「個人」の成功が尊敬される。もちろん、団体のスポーツの場合はチームワークが称賛されることもあるが、それ以前にアスリート個人にフォーカスが当たる。 だから、サッカーやアメフトのように自国で人気の高いスター選手が出場しないオリンピックは、「へえ、やってたんだ」くらいのシラけた反応になってしまう』、「世界では、スポーツとはあくまで「個人」が織りなすエンターテインメントという位置付けなのだ」、なるほど。
・『スポーツに「国家・民族」を重ねてしまうアジア人 菅総理の発言にもその傾向が色濃く…  しかし、日本をはじめ、中国、韓国などの一部アジア諸国や、ロシア、北朝鮮などはちょっと違って、スポーツに「国家・民族」を重ねるカルチャーが強い。五輪前には名前を知らないアスリートでも、観戦したことのないマイナーな競技でも、メダルを取ればまるで戦争に勝ったかのように、国をあげて大騒ぎをしたり、ロシアのように、メダルを取るために国家ぐるみでアスリートにドーピングをさせる。「五輪は選手間の競争であり、国家間の競争ではない」と定めた五輪憲章をガン無視して、「ガンバレ、日本!」などとメダルの数で勝った負けたと大騒ぎをするのだ。 こういう国では、アスリート個人の手柄を、国家や民族の手柄にすり替えて、国家の文化水準や団結力、民族的優劣へと強引に飛躍して結びつける傾向が強い。 「日本人はそんなことはしてないぞ!」というお叱りが飛んできそうだ。 確かに、若い世代でそういう人は少数派かもしれないが、ある世代、特に前回、東京五輪を経験した世代の多くはスポーツに「国家・民族」を重ねてしまう。その代表が、僕らのリーダー・ガースーだ。) 6日夜、日本代表の壮行会にビデオメッセージを寄せた菅首相は「がんばれ、ニッポン!」とガッツポーズを見せて、前回1964年の東京五輪で、「東洋の魔女」と呼ばれた日本の女子バレーボールチームが金メダルを獲得したことに言及して、このように述べた。 「日本人がメダルを取るたびに、日本は世界と戦えるんだということを強く感じた」 先ほど紹介したように、世界の多くの国は、自国の選手がメダルを取っても「へえ、知らない選手だけど、頑張っているんだな」というリアクションのようだ。頑張って、良いパフォーマンスをしたのは、あくまでアスリートなので、個人へ尊敬の念が生まれる。 しかし、16歳だった菅少年はそう思わなかった。女子バレー選手個人の手柄を、「日本」と「日本人」の手柄にすり替えて、「日本も世界と戦える」とナショナリズムへ結びつけてしまっているのだ。 というと、何やら菅首相を批判しているように感じるかもしれないが、そういうつもりは毛頭ない。菅首相だけではなく、当時の日本のほとんどの子どもたちがそう思ったはずだ。なぜかというと、彼らの親も政治やマスコミによって、「スポーツ=日本人の優秀さを示すもの」という洗脳を受けてきたからだ』、「「スポーツ=日本人の優秀さを示すもの」という洗脳」、嫌悪感を持つが、そうした人が相当いることも事実だ。
・『「わが国民の心臓が世界中で一番強い」から金メダルが獲れた!?  例えば、菅首相の父、和三郎氏が18歳くらいの頃、「読売新聞」にはこんな見出しが大きく掲載されている。 「諸君喜べ 日本人の心臓は強い強い、世界一 オリムピツクに勝つも道理 統計が語る新事実」(読売新聞、1936年10月30日) 記事では、当時の「国民体力考査委員会」が日本人の死亡原因を調査したところ、心臓と癌が原因で亡くなった人が1万人につき7人以下で、フランスの15.3人、アメリカ、イギリス、イタリアの8人などと比べても少ないことを紹介している。それをこの年にあったベルリンオリンピックでアジアの国として初めてマラソンで金メダルを獲得したことや、競泳の前畑秀子などが4つの金メダルを獲得したことに結びつけて、こう大喜びしているのだ。 「わかり易い話が過ぐるベルリンオリンピツク大会で欧米の選手に比べてはるかに体格弱小のわが選手が堂々水上およびマラソンの覇権を握つて全世界を驚嘆させたが、これは実にわが国民の心臓が世界中で一番強いためであることがこの調査によつて立証されたのである」(同上) メダルを獲得したのはアスリート個人の能力・努力によるものなのに、それをなぜか「日本人の優位性」へと結びつけてしまっているのだ。ちなみに、この時、マラソンで金メダルを取ったのは、孫基禎。日本オリンピックミュージアムでは「日本人メダリスト」として紹介されているが、韓国人だ。 現代の日本人からすれば、ドン引きするような話だが、ここまで調子に乗ってしまったのは外国人からヨイショされたことも大きい。もっともベタ褒めしてくれたのがナチスドイツだ。 ベルリン五輪後、日本人選手の活躍に感激したナチスの法学博士が、わざわざ来日して日本の強さの秘密を研究するとして、こんなリップサービスをした。 「オリムピツクにおける日本選手の態度の紳士的なのにはただ感激している。大和魂とナチス魂とは何処か共通している所がある」(読売新聞、1936年9月17日) こういう「洗脳」を80年以上前から繰り返し受けてきた日本人にとって、五輪とはもはやスポーツイベントというより、国家の威信を世界に示すイベント、つまりは「戦争」に近いものとなっている。 「戦争」は基本、国民は全員参加で、最前線で戦う兵士のため、銃後の人間は「贅沢は敵」「欲しがりません勝つまでは」にならなくてはいけない。メダルという「戦果」を得るために命を懸けるアスリートのためなら、飲食店が潰れようが、バイトやパートの方たちが「経済死」しようがお構いなしというのも、五輪が国家の命運をかけた「戦争」だからなのだ。 戦争だから、一度始めてしまったら、もう誰にも止められない。大平洋戦争のように、いきつくところまでいくしかない。つまり、五輪はやめる・やめないという段階はとっくに過ぎて、一億総玉砕という段階なのだ。 ここまできたら、我々も腹をくくって、ナチスも認めた大和魂で、世界に日本人のすごさを見せつけるしかない。狂っていると思う方もいるだろう。筆者もそう思うが、これが「日本」なのだと割り切っていくしかないのではないか』、「こういう「洗脳」を80年以上前から繰り返し受けてきた日本人にとって、五輪とはもはやスポーツイベントというより、国家の威信を世界に示すイベント、つまりは「戦争」に近いものとなっている」、「これが「日本」なのだと割り切っていくしかないのではないか」、私はやはり「割り切」れず、腹を立て続けることだろう。
タグ:東京オリンピック ダイヤモンド・オンライン 窪田順生 PRESIDENT ONLINE (五輪) AERAdot 磯山 友幸 文春オンライン (その19)(「国民の命が"賭け"の対象に」もし五輪中に感染爆発が起きれば日本は壊滅する 政府の「身勝手な決定」の巨大リスク、「天皇陛下 五輪で感染拡大懸念」 歴史的なメッセージはなぜ出されたのか?、《仏メディア痛烈批判》「日本人の気持ちを想像すべき」各国が東京オリンピック開催に反対する本当の理由 ヨーロッパのオリンピック報道、日本を自滅させる「東京五輪が無観客では示しがつかない」という自意識過剰) 「「国民の命が"賭け"の対象に」もし五輪中に感染爆発が起きれば日本は壊滅する 政府の「身勝手な決定」の巨大リスク」 政府はかたくなに開催の姿勢を堅持している。 「世論は気まぐれなので、オリンピックが始まれば、皆開催して良かったという意見に変わりますよ」との壮大な「賭け」が行われているようだ。政治が「賭け」に走るようでは世も末だ。 しかし、「ワクチン接種」については、早くも供給量の天井にぶつかり、混乱を招いている。 「東京」の「緊急事態宣言」は8月22日まで延長された。 現在行われている5者協議では、「東京」の「緊急事態宣言」「延長」により、東京都開催分では「無観客」となった 「菅首相の「賭け」」はどうも外れに終わる可能性が高くなったようだ。 「天皇陛下、五輪で感染拡大懸念」 歴史的なメッセージはなぜ出されたのか?」 加藤官房長官は「宮内庁長官自身の考え方」と切り捨てたが、天皇が自分の考えを述べられないことをいいことに、言いたい放題だ。 政府側は「長官」の言葉に秘められた「天皇」の気持ちを忖度する気はさらさらないようだ。 「《仏メディア痛烈批判》「日本人の気持ちを想像すべき」各国が東京オリンピック開催に反対する本当の理由 ヨーロッパのオリンピック報道」 「大会を開催するのであれば、感染拡大を食い止めるためのルールを確実に施行する必要がある」、正論だ。 「日本政府の国民に対する不透明なコミュニケーションと、大きな危機に直面した時に責任を負う気概があるリーダーの不在を挙げている」、極めて的確な分析だ。 「日本の知識人20名が・・・「日本に来ないでください」という声明を送付」、初めて知った。 「オリンピックは道徳的なスキャンダル」と痛烈批判 次期開催国の「Libération」が「IOCの暴走」に対する「痛烈な批判」をしているのは、興味深い。 「日本を自滅させる「東京五輪が無観客では示しがつかない」という自意識過剰」 「安倍晋三前首相」の「東京五輪に反対しているのは、野党や朝日新聞など、「一部から反日的ではないかと批判されている人たち」であって、「極めて政治的な意図」」、には根からの右派的主張に改めて驚かされた。 「観客席がガランとしていたら、全世界に日本のコロナ対策が進んでいないということが発信されてしまう。これは「恥」なので、観客を入れろというのだ」、あり得る話だ。 「世界では、スポーツとはあくまで「個人」が織りなすエンターテインメントという位置付けなのだ」、なるほど 「「スポーツ=日本人の優秀さを示すもの」という洗脳」、嫌悪感を持つが、そうした人が相当いることも事実だ。 「こういう「洗脳」を80年以上前から繰り返し受けてきた日本人にとって、五輪とはもはやスポーツイベントというより、国家の威信を世界に示すイベント、つまりは「戦争」に近いものとなっている」、「これが「日本」なのだと割り切っていくしかないのではないか」、私はやはり「割り切」れず、腹を立て続けることだろう。
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公務員制度(その5)(優秀な官僚が消えていく…今すぐ国会議員の意識改革が必要だ! 国民に犠牲を強いる前に自分を改めよ、なぜ日本の官僚は政治家に「忖度」するのか?世界でも特異な制度の問題、逮捕相次ぐ霞が関にマスコミが大甘な理由 「諸悪の根源は菅首相」という欺瞞) [国内政治]

公務員制度については、昨年9月5日に取上げた。今日は、(その5)(優秀な官僚が消えていく…今すぐ国会議員の意識改革が必要だ! 国民に犠牲を強いる前に自分を改めよ、なぜ日本の官僚は政治家に「忖度」するのか?世界でも特異な制度の問題、逮捕相次ぐ霞が関にマスコミが大甘な理由 「諸悪の根源は菅首相」という欺瞞)である。

先ずは、本年1月31日付け現代ビジネスが掲載した大蔵省出身で早稲田大学ビジネス・ファイナンス研究センター顧問 一橋大学名誉教授の野口 悠紀雄氏による「優秀な官僚が消えていく…今すぐ国会議員の意識改革が必要だ! 国民に犠牲を強いる前に自分を改めよ」を紹介しよう。
https://gendai.ismedia.jp/articles/-/79725?imp=0
・『国会の質問取りが、いまだに旧態依然たる対面・口頭でなされている。これが官僚の深夜勤務の温床になっているとかねてから指摘されていたが、コロナ下では、在宅勤務の妨げになっている。3密回避ができないので、感染拡大の点からも問題だ。 技術的には簡単に実行できることが導入されないのは、国会議員の意識が古いままだからだ。民間企業に在宅勤務や時短を要請するなら、まず国会議員の意識改革が必要だ』、その通りだ。
・『対面質問取りがあるため在宅勤務ができない  霞ヶ関の若手官僚が国会答弁の作業で疲弊していると報道されている。 質問取りを電話かメール、あるいはビデオ会議で済ませればよいのに、議員会館まで出向いて、対面で聞いてこなければならない。これがあるために、中央官庁は在宅勤務への切り替えができない。 政府が「在宅勤務で出勤者7割減」と民間企業に要請しているのに、中央官庁と政治家の間では、旧態依然たる世界が続いているのだ。 批判を受けて、1月21日の衆院議院運営委員会理事会で、官僚による国会議員への「質問取り」について、対面形式をできる限り自粛するとの合意がなされた。 しかし、「できる限り」であり、「当面の期間」となっている。これで抜本的な改革になるのだろうか? 内閣府が20年12月に実施した調査では、公務員のテレワーク実施率は14.5%で、他の業種も含めた全体平均の21.5%を大幅に下回った。 コンサルティング会社のワーク・ライフバランス社が、国家公務員480人を対象に行なった調査では、「議員への説明はオンラインに移行せず対面のままだった」との回答が83%を占めた。(「コロナ禍における政府・省庁の働き方に関する実態調査)。 長時間にわたり、対面で、3密に該当する環境での説明が求められた。マスクを外させられたケースもあったという』、「「議員への説明はオンラインに移行せず対面のままだった」との回答が83%を占めた」、「議員」にしてみれば、これまで通りの、対面での説明の方が分かり易いので、当然なのだろう。
・『「国会の質問取り」とは?  「国会の質問取り」といっても、多くの人はあまりよく知らないことだと思うので、説明しておこう。 国会の委員会における質疑は、その場でのやり取りで丁々発止の議論が行われていると考えている人が多いと思う。しかし、実際にはそうではない。質問も、それに対する答弁も、あらかじめ準備されたものなのだ。それをただ読み上げているに過ぎない。 質問は、前日の昼頃までに担当官庁に通告する必要がある。それを見て、官僚が答弁書を作成し、答弁者である大臣に渡す。 実際には、若手官僚が議員会館までいって質問を聞いてくる。そして、それに対する答弁を準備をする。まず担当の省庁が答弁を作成する。予算措置と絡んでいる場合には、財務省がチェックする。 こうしたプロセスの是非も問題なのだが、ここではやり方を問題としよう』、「質問」の「事前通告」により、答弁案を作成する側や答弁する側は大いに楽になった筈だ。
・『私も経験した「質問待機で深夜勤務」  「質問取り」は、深夜勤務の元凶であるとして、数年前から問題視されるようになった。 質問通告は前日の昼頃までとなっているのだが、実際には、夜遅くになってしまうことが多い。官庁では、その間、待機している。そして、深夜からの作業が必要になってしまうのだ。 これがいかに辛いことか、私にはよく分かる。なぜなら50年前、私は大蔵省(現在の財務省)主計局調査課で課長補佐をしており、その仕事をさせられていたからだ。 質問が来るのが10時過ぎだ。他省庁宛の質問の場合、各省庁がまず答弁を用意し、それができた後で、主計局の各係にチェックしてもらう。調整が終わるのは、深夜の2時、3時になってしまう。 超勤時間が月に300時間を超えてしまうこともあった。ピーク時には、家に帰れなくなる。時々家に戻ると、翌朝出勤する時に、子供たちから「お父さんまた来てね」と言われた。これは、創作ではない。実際にあったことだ。 その頃に比べて、役人の相対的地位は低下している。だから、若手官僚にとって事態が悪化していることは、容易に想像できる』、「時々家に戻ると、翌朝出勤する時に、子供たちから「お父さんまた来てね」と言われた」、まるで笑い話だ。
・『ビデオ会議など別世界の日本の政治家  深夜勤務の問題は、「通告は前日昼まで」というルールが無視されていることから生じるものだ。この問題は、いまでも残っている。 コロナ下では、それに加えて、「対面」という問題が生じた。これが、冒頭で述べたことだ。「対面・口頭」という方式は昔から続いているものだが、コロナ下では、これが「感染拡大」という問題を引き起こすことになった。 しかし半面で、昔は利用できなかった情報技術が利用できるようになっている。メールは随分前から使えるようになっているし、いまでは、ビデオ会議によって対面に近いことができる。そうした手段を使えば、対面回避は簡単にできる。情報漏洩が問題というなら、そうした問題が生じない回線を用意すればよい。 それにもかかわらず、一向にそれを使おうとしないのだ。前回の緊急事態宣言下でも、議員への対応をオンラインで済ませたことは、一度もないといわれる。当然予想されることではあるが、メールでのやりとりを嫌う議員も多いそうだ。 こうして、議員との面会待ちのため、事務所の廊下に若手官僚が列を成す風景が続く。これでは、3密回避もできない』、「メールでのやりとりを嫌う議員も多い」、「対面・口頭」という「昔から続いている」方式にこだわる議員が多いようだ。
・『民間に犠牲を強いる前に自分たちの意識改革を  前回の緊急事態宣言で、営業自粛が要請された。今回の緊急事態宣言下では、飲食店に時短要請をする。人と人との接触を少しでも少なくするためにそうせざるをえないのだが、民間事業者の生活の基本である営業に制約を加えようというのだ。 そうした犠牲を強いようというのだから、政治家は、自らの行動も見直すべきだ。 上で述べたように、問題は、技術的な点にあるのではない。実際、民間企業では、ビデオ会議は、ごく普通の日常事になった。企業活動だけではない。幼稚園児でさえ、設定さえなされてあれば、ビデオ会議など 軽々とこなしている。しかも、オンライン化は、営業時間短縮のように犠牲を強いることではない。 本来は、関係者すべてにとって望ましいことだ。 必要なのは、意識を変えるだけのことである。コロナ下で、多くの人々が対面からリモートへと意識を切り替えた。本来であれば人々に模範を示すべき国会議員が、もっとも遅れている。信じられないほど遅れているといわざるをえない。 それができないで、民間企業に「在宅勤務で出勤者数7割削減」といっても、全く説得力がない。 菅内閣は、「デジタル化」を標榜するのであれば、まず国会質問とりのデジタル化を実現すべきではないか? それだけではない。本来は、議会活動そのもののデジタル化が考えられるべきだ。イギリス議会や欧州議会では、オンライン議会が採用された。そして、オンライン審議や遠隔投票が行なわれている。 それは、万一議員の間に感染が広がった場合においても、なおかつ議会活動を止めないための安全策であり、最悪の事態に備えるという意味で必要な措置だ。 日本でも、地方議会が委員会や本会議をオンライン化できるよう、国に対して法改正を求めている。 デジタル化は、行政手続きの印鑑廃止で終わりになってしまってはならない』、「コロナ下で、多くの人々が対面からリモートへと意識を切り替えた。本来であれば人々に模範を示すべき国会議員が、もっとも遅れている。信じられないほど遅れているといわざるをえない。 それができないで、民間企業に「在宅勤務で出勤者数7割削減」といっても、全く説得力がない」、その通りだ。
・『優秀な人材が集まらなくなる  内閣人事局の調査によると、20年10~11月に、国家公務員の正規勤務時間外の在庁時間は、20代総合職で3割、30代で15%程度が、月80時間を超えた。 こうした状況下で、若手官僚の退職が増えている。19年度には、自己都合を理由とした20代の国家公務員総合職の退職者が87人いた。6年前に比べると4倍の増加だ。危機的な状況だといわれる。 官僚の問題は、なかなか世の中の人々の共感を得にくい。しかし、有能な人間が集まらなくなるのは、由々しき問題だ。 彼らの勤務環境の改善は、日本の社会を少しでもよくするために、不可欠なことだ』、同感である。

次に、4月6日付けダイヤモンド・オンラインが掲載した立命館大学政策科学部教授の上久保誠人氏による「なぜ日本の官僚は政治家に「忖度」するのか?世界でも特異な制度の問題」を紹介しよう。
https://diamond.jp/articles/-/267573
・『このところ、さまざまな不祥事が取りざたされている霞が関だが、官僚が自民党政権に「忖度」しているせいだといわれている。忖度の理由は、首相官邸が官僚組織の人事権を掌握しているからだ…という声もあるが、人事権の掌握自体は、世界的に見ても珍しいことではない。日本の問題はもっと根深い。日本だけが「忖度」する官僚になったのはなぜなのか』、興味深そうだ。
・『日本の政治と官僚の「忖度」関係は、世界的にも特殊  霞が関の官僚の不祥事が続いている。首相官邸が、官僚組織の人事権を強力に掌握したことで、官僚が政治に「忖度」するようになりモラルが低下したという。若手官僚の大量離職や、官僚志望の学生の激減など、霞が関では人材難もささやかれるようになった。 だが、世界的に見て、首相官邸や大統領府が官僚組織の人事権を掌握すること自体は、珍しいことではない(第183回)。 しかし、それらの国で官僚の政治への「忖度」が問題になることはない。 ということは、つまり、首相官邸が強力な人事権を持つこと自体が問題なのではない。それが、官僚の「忖度」を生むのは、何か別の要因があるのだと考えられる。 日本の政治と官僚の関係が、世界的に見て「特殊」である理由の一つは、「自民党長期政権」にある。1955年に自民党が政権の座に就いてから66年のうち、政権から離れたのは、細川護熙・羽田孜の非自民政権と民主党政権の合計4年2カ月だけである。 この長期政権が、世界と比較してみても、特異な政治的関係を作り上げた』、「自民党長期政権」が「世界と比較してみても、特異な政治的関係を作り上げた」、なるほど。
・『自民党と霞が関が一体化 中学高校のつながり、年功序列の出世…  政権交代がほとんどないことで、自民党と霞が関の間は、制度的に一体化した。 省庁は、法案を作成すると、まず自民党政調会部会にそれを持ち込む。部会はそれを審査し、自民党を訪れるさまざまな業界と族議員が「利害の調整」をする「与党事前審査」が行われる。法案は、部会で修正された後に、内閣で「閣議決定」されて、国会に提出される。この流れは、世界の議会制民主主義国で、日本だけの独特な制度である。 さらに、人事制度でも二者はつながっている。例えば、官僚は、省庁別に採用されて、年功序列・終身雇用の「日本型雇用制度」でキャリアを形成していく。 一方、自民党も長期政権の間に、当選2、3回目で政務官、5回目程度で副大臣、7、8回で初入閣、その後主要閣僚・党役員を歴任していくといった、当選回数を基準とした「年功序列」の人事制度を確立させている。この制度の下で、自民党の族議員と官僚はともに出世していく「同士」の関係性を持つのだ。 また、自民党に世襲議員が多いことが、官僚との個人的な関係性をより濃密なものにする。世襲議員は、選挙区が地方でも東京の中学・高校を卒業している人が多い。例えば、橋本龍太郎氏、福田康夫氏、谷垣禎一氏、与謝野馨氏らは麻布高校出身、岸田文雄氏は開成高校出身だ。一方、霞が関の側も、麻布高校、開成高校、筑波大附属駒場高校など、東京の中高一貫校の出身者が多い。 彼らには、中学・高校の先輩後輩というより深い関係がある。例えば、開成高校出身者は、国会議員と官僚の総勢約600人で「永霞会(永田町・霞が関開成会)」を結成している。このような、自民党と霞が関の業務を超えて一体化した関係性が、官僚の不祥事の背景にある』、「政権交代がほとんどないことで、自民党と霞が関の間は、制度的に一体化した」、「当選回数を基準とした「年功序列」の人事制度を確立させている。この制度の下で、自民党の族議員と官僚はともに出世していく「同士」の関係性を持つのだ。 また、自民党に世襲議員が多いことが、官僚との個人的な関係性をより濃密なものにする」、「自民党と霞が関の業務を超えて一体化した関係性が、官僚の不祥事の背景にある」、なるほど。
・『同じ議院内閣制の英国では「同窓会」禁止 官僚はどの政党とも一定の距離を保つ  しかし、同じ議院内閣制を採用している英国では、このような関係性が生じない制度的仕掛けがある。英国政治は「交代可能な独裁」と呼ばれ、(第72回・p5)、首相に強力な権限が付与されているが、政権運営・政策を失敗したら、国民によって選挙で交代させられる。 政権交代が頻繁に起こるので、官僚は特定の政党と業務を超えた深い関係を結ぼうとしない。政権交代の時に、前政権との関係性を責められて、左遷させられてしまうからだ。リスク回避のために、英国の官僚は特定の政党・政治家と深い関係を結ぼうとしないのだ。 そもそも、官僚が同じ役所の大臣、副大臣、政務官以外の政治家と接触することを禁止する法律がある。政治家、官僚ともにオックスフォード大、ケンブリッジ大などの出身者が多いのだが、「同窓会」自体が禁止されている。 さらに、「ダグラス・ヒューム・ルール」と呼ばれる、総選挙の前に省庁が野党に政権構想をヒアリングして、政権交代が起きた後に、スムーズに政策転換できるように準備をする慣行がある(第37回・p3)。このように、英国では官僚組織がどの政党からも一定の距離を保ち、中立の立場であるよう制度的な工夫があるのだ』、「官僚が同じ役所の大臣、副大臣、政務官以外の政治家と接触することを禁止する法律がある」、「「同窓会」自体が禁止」、「政権交代が起きた後に、スムーズに政策転換できるように準備をする慣行」、なかなかいい慣行だ。
・『「日本型雇用制度」が問題の根源? 他国では起き得ない忖度  次に、新卒一括採用、年功序列・終身雇用の「日本型雇用制度」が、官僚の「忖度」を生んでいるという問題がある(第183回)。 要するに、官僚の「忖度」は、「日本型雇用制度」で、首相の機嫌を害して左遷されてしまうと、二度と出世コースに戻れないために起こるということだ。日本の場合、それが退官後の第二の人生である「天下り」にまで影響するので、深刻である。 一方、これは米国、英国など欧米のみならず、アジア諸国などの官僚組織でも起き得ないのだ。官僚組織が年功序列・終身雇用を採用していないからだ。 中国や東南アジアなどの官僚組織から、私の勤務校に派遣されている留学生に聞くと、日本の「国家公務員総合職」に相当する資格はあるが、官僚はさまざまな省庁を移籍しながら、キャリアアップしていくのだという。日本の年功序列・終身雇用は世界的に極めて特殊な制度なのである。 年功序列・終身雇用がなければ、キャリアアップのために、政治家や官僚組織の上司に「忖度」する必要はない。官僚は業績のみで判断されるので、移籍すれば、キャリアとしては問題ない。 また、英国などでは、人事は「公募」で行われるのが一般的だ。組織内で内部昇格をさせたい場合でも、外部に「公募」し、外部と内部の人材を公平に評価する。内部昇格させる場合、能力、業績的に妥当だと結果を「公開」するのだ。上司と部下の「特別な関係」で昇格することを防ぐ制度的な仕掛けがある』、「上司と部下の「特別な関係」で昇格することを防ぐ制度的な仕掛け」、これも学ぶべきいい仕組みだ。
・『国家公務員総合職試験合格の有効期限をなくして、官僚の流動化を!  従って、日本で官僚の「忖度」をなくす一つの方策として、「日本型雇用」の慣行の改革が考えられる。 もちろん、日本社会に定着し、国民の支持もいまだに高いこの制度をいきなり廃止するのは現実的ではない。中途採用のポジションを増やし、民間企業などとの人材交流を活発化させることだろう。 そこで、私は国家公務員総合職試験合格の有効期限を、現行の3年から「無期限」に変える改革を提案したい。 例えば、国家公務員総合職に合格しながら、省庁訪問で採用されなかった人材が毎年相当数いる。彼らは民間企業などに就職し、3年後には資格が消滅する。 実は、私のゼミでは3年連続4人の学生が国家公務員総合職に合格したが、1人も省庁訪問で採用されなかった。知人である官僚に聞くと、一般論として答えてくれたのが、「東大、京大、早慶などでないと、採用するには上司に対して書類で3倍、口頭で10倍の説明が必要だ」ということだった。 霞が関に採用される東大生は減少しているが、いまだに他大学から採用されるのは狭き門だ。しかし、一方で若手官僚の離職者が増えているという。国家公務員総合職の資格を一度は得ながら、3年後に資格が消滅している人材が民間に多数いるのは、もったいないではないか。 そもそも国家公務員総合職の資格に有効期限があるのは、新卒一括採用、年功序列、終身雇用を前提としているからだ。中途採用を増やして優秀な人材を確保するには、多くの有資格者がいるほうがいい。 逆にいえば、資格に有効期限があって有資格者が少ないために、中途のキャリア官僚が採用できず、柔軟な官僚組織の編成ができないという悪循環になっている。中途採用を目指す人にとっても、キャリアで採用されないなら魅力がない。 過去に国家公務員総合職試験に合格した人の資格を復活させて、新規の合格者とともに終身の資格とする。そして、政策課題に合わせて省庁の編成を柔軟に行い、彼らを採用する。官僚は、政策立案の「業績」を引っ提げて、さまざまな省庁や民間企業を渡り歩き、キャリアアップを目指す。これが、官僚の政治への「忖度」をなくすために、必要な改革ではないだろうか』、「国家公務員総合職試験合格の有効期限をなくして」、にはデメリットも多そうで、違和感を感じる。

第三に、7月1日付けダイヤモンド・オンラインが掲載したノンフィクションライターの窪田順生氏による「逮捕相次ぐ霞が関にマスコミが大甘な理由、「諸悪の根源は菅首相」という欺瞞」を紹介しよう。
https://diamond.jp/articles/-/275460
・『官僚たちの悪事続々! 「これも政治のせいだ」というマスコミのイメージ戦略  五輪だ、ワクチンだ、と大騒ぎのドサクサに紛れて、官僚たちのダイナミックな悪事が次々と明らかになっている。 4月に発覚した国会内の女子トイレ盗撮事件で、経済産業省の職員が犯行を認めたという報道があった。この報道と同じタイミングで、やはり経産省のキャリア官僚2人が逮捕。こちらはペーパーカンパニーを設立して、コロナ禍で苦しむ中小企業を支援するためにつくられた家賃支援給付金を悪用して、約550万円をだまし取ったという。 実は同じようなことが昨年12月、国立印刷局でも起きている。職員4人がやはり給付金詐欺で逮捕・書類送検されたのだ。 詐欺の世界では、こういうパクリの手口はゴキブリと同じだと言われる。つまり、1件摘発されたらそれは「氷山の一角」に過ぎず、既に世の中では同様の手口の詐欺が無数に行われているというわけだ。まだ発覚していないだけで、給付金詐欺という「おいしい副業」に手を染める役人はまだウジャウジャいる可能性が高い。 また、「氷山の一角」といえば思い浮かぶのが、総務幹部官僚らによる高額接待問題や、鶏卵大手企業の会長による農林水産事務次官や幹部への接待などの「違法行為」も記憶に新しい。 今のところどちらも便宜を図った事実はなかったという調査結果になっているが、「学習能力」の高さでここまでのし上がってきた高級官僚が、目に見えてわかるような「ベタな便宜」を図っているわけがない。 実際、総務省の高額接待では、幹部職員は文春が音声データを出してくるまで、「衛星放送事業について話をした記憶がない」などすっとぼけていたし、東北新社からの接待が発覚した際には「ほかに規程違反の接待などはない」などと説明したが、後にNTTからもちゃっかり接待を受けていたことがバレている。息を吐くように嘘をつく、とはまさにこのことだ。 しかし、マスコミはなぜかこのような官僚の「違法行為」に対して大甘で、真相を追及しようというポーズさえ見せない。なぜかというと、マスコミで働く人々の頭の中には、「官僚=国のために働く善良な人」「政治家=官僚をアゴで使って悪事を働く人」というイメージが半ば常識のように刷り込まれているからだ。 つまり、官僚の違法行為や不祥事が続発しても、それは官僚が悪いのではなく、真面目な人々に道を踏み外させてしまう政治が悪いというのだ』、「マスコミ」が「官僚の「違法行為」に対して大甘」なのは、確かに不思議だ。
・『「官僚=ガースー恐怖政治に虐げられた被害者」は真実か?  それを象徴するのが先日、某報道番組にコメンテーターとして出演されていた著名ジャーナリストの方のコメントだ。司会から経産省職員の給付金詐欺についてコメントを求められて、こんな感じのことをおっしゃっていた。 「最近の官僚の質が落ちてきていますね。これはやはり政治、特に官邸との距離という問題があってですね」 ご存じのように、日本では長く霞が関官僚が政治を動かしていた。落選や政変でコロコロとキーマンが変わっていく政治家を「軽い神輿」として担ぎながら、政省令を根拠に許認可や予算配分に絶大な影響力を行使し、さながらフィクサーのよう政界を裏から支配してきたのが、高級官僚だった。 そんな官僚たちのユートピアをぶっ壊したのが、ガースーこと菅義偉首相だ。 官房長官時代、霞が関の力の根源である「人事権」を掌握した菅氏は、逆らう者をサクサクと更迭するという恐怖政治で、官僚の影響力を徹底的に排除したのだ。この官邸主導への政治改革は、これまで省益のためにガチガチに守られた岩盤規制に、政治主導で穴が空けられていくという効果があった反面、官僚が官邸の顔色をうかがってヘコヘコするようになったという副作用もあった。 そういう官僚のサラリーマン化は、国をより良くしようと志をもって官僚になった若手などのモチベーションを著しく低下させ「長い物には巻かれろ」「バレなきゃ甘い汁を吸えばいい」などのモラルハザードにつながり、それが官僚の「質」の低下を招いた。……というのが、この近年、官僚の不正・不祥事が起きるたびにマスコミが繰り返してふれまわってきた「ストーリー」であり、このジャーナリスト氏もそれを踏襲しているというわけだ。 ただ、個人的にはこの「ストーリー」はかなり盛った話だと感じてしまう。「官僚=政治に虐げられた被害者」という方向へ導きたくてしょうがないというプロパガンダの臭いがぷんぷんと漂ってくるのだ』、「ストーリー」には私は無批判に受け入れてしまったが、どういう部分が「盛った話」なのだろう。
・『官僚たちの「虚偽答弁」は常習!? 90年代の大蔵省時代もモラルに欠けていた  歴史を振り返れば、戦前から官僚の違法行為など定期的に発生している。贈収賄はもちろん、文書偽造、詐欺、痴漢などあらゆる犯罪をやってきた「前科」がある。厳しい言い方をさせていただくと、「質」が落ちたも何も、「質」が高かった時代などないのだ。 しかも、安倍・菅政権の恐怖政治のせいでモラルが壊れたみたいにやたらと被害者ヅラをするが、官邸主導への政治改革以前のはるか昔からモラルを欠いたことをやってきている。 わかりやすいのが、森友学園問題の国有地売却をめぐる財務省の文書改ざん問題の時に注目を集めた「虚偽答弁」だろう。 マスコミが匂わしていた「ストーリー」はこうだ。佐川宣寿元理財局長(当時)などが国会で虚偽答弁をしたり、文書の改ざんを近畿財務局に命じたりしたのは、安倍首相からそのような命令があったからであって、このような前代未聞の事態が起きたのは、「強すぎる官邸」への恐怖心から、財務省幹部たちのモラルがことごとくぶっ壊れてしまったからだ――というのだ。 ただ、これはかなり無理筋な話である。財務省ではかねて誰に命じられるわけでもなく、ただただ自分たちの保身のためだけに、「虚偽答弁」をしていたからだ。 1991年6月、証券会社が大口顧客に対して総額約2164億円の損失補填を行っていたことが明らかになり、国会では大蔵省がどういう指導を行っていたのだと厳しい質問が浴びせられた。そこで大蔵省の担当者は、準大手の証券会社の補てんについて、このように答弁をした。  「90年3月末までに自主的に報告をしていたのは6社」 顔色一つ変えない典型的な「官僚答弁」だったが、実はこれはデタラメだった。本当のところこの6社のうちの1社が報告したのは4月11日、もう1社も4月に入ってから数回に分けて報告をしていたのだ。なぜこんなしょうもない嘘をついたのかというと、大蔵省が定めた報告の期限が3月末だったからだ。4月にずれ込んでいると公文書に残せば、大蔵省の証券会社行政はぬるいとナメられてしまう。要するに、メンツのためだ(本連載バックナンバー『大蔵省時代にも前科あり、「忖度と改ざん」は財務省伝統の悪癖だ』参照)。 バカバカしいと思うだろうが、もっとバカバカしいのはこの「虚偽答弁」がデタラメだとバレないように、事実の方をねじ曲げて、「虚偽答弁」を「正しい答弁」にしてしまおう、という稚拙な隠蔽工作に走ったことだ。 「大蔵省はことし七月上旬に、この報告日時を同じ昨年の三月三十日付だったこととし、記者会見をする場合も三月中だったと説明するように指導していた」(日本経済新聞1991年10月2日)この指導に従うということは、証券会社は大蔵省に報告をしたという文書などの日付もすべて書き直さないといけない。つまりは、大蔵省という組織は、自分たちの虚偽答弁を誤魔化すため、監督企業に「改ざん」まで命じていたのだ。 繰り返しになるが、これは別に首相や有力政治家から命じられたり、忖度をしたりしてやったわけではない。あくまで大蔵省という組織のメンツ、ガバナンスを守るために自分たちで進んで手を染めた「違法行為」だ』、「自分たちの虚偽答弁を誤魔化すため、監督企業に「改ざん」まで命じていた」、初めて知ったが、確かに「監督企業」まで巻き込むとは、悪質この上ない。
・『組織の不正カルチャー、モラルの低さは上司から部下へ引き継がれる  そこで想像していただきたい。このような虚偽答弁・改ざんを当たり前のようにやっていた組織が、国会で虚偽答弁をしたり、近畿財務局の職員に文書改ざんを命じていたのだ。安倍首相への忖度があったのは間違いないだろうが、なんでもかんでも「政治が悪い」で片付けることに違和感はないか。少なくとも、1年以上もマスコミをあげて大騒ぎをするのなら、政権批判を繰り返すだけではなく、大蔵省時代から続く不正カルチャーにもメスを入れるべきではないか。 「そんな30年も前の不正が関係しているわけないだろ」と怒る人もいらっしゃるかもしれないが、三菱電機の検査不正が35年続いていたことがわかったという先日の報道や、神戸製鋼のデータ不正が40年以上前から続いていたという事実からもわかるように、組織の不正カルチャーは30年くらい平気で継承されるものなのだ。 上司から部下へ、その部下がさらに新入社員へという感じで、組織のカルチャーや独自のノウハウが継承されていくように、「表向きはダメってことになっているけど、実際はこれくらいのことはうちの会社じゃみんなやっているよ」なんて感じで、モラルの低さも後世へと引き継がれていく。中央省庁のようにプロパーが圧倒的に多く、人材の新陳代謝がほとんどない閉鎖的な組織であればなおさらだ』、「組織の不正カルチャーは30年くらい平気で継承されるものなのだ」、その通りだ。
・『マスコミにとって政治家よりも官僚の方が大事な情報源  さて、このような話を聞くとおそらく皆さんは、「そのような官僚組織の問題があるのなら、マスコミが問題視しているはずだ」と思うだろうが、実はマスコミにはそれができない構造的な問題がある。 霞が関の役人というのは、マスコミにとって継続的に情報をいただく「取引先」だからだ。 「週刊文春」などを見ていただければわかりやすいが、基本的にスクープとは「リーク」である。内部の人間からの情報提供を受けて取材で裏をとってそれを報道するというのが一般的な流れで、これは文春の後追いばかりしているマスコミも変わらない。 では、マスコミにとって「リーク」とは何かというと基本的には官僚からのリークだ。よくマスコミの社長たちが首相などと会食をしているので政治とベタベタだと言われるが、政治家は落選したらただの人。一方、官僚は身分保証されたまま霞が関で30年以上も暗躍できる。マスコミをメーカーとすると、官僚ほど信頼のおけるサプライヤーはいないのだ。 そのような意味では、実はこの国の報道というのは、マスコミと一部の高級官僚が手を携えてつくってきた「官製ジャーナリズム」ともいえるのだ。 これにはもちろん、いいこともあった。政治リーダーが暴走をすると、官僚からマスコミにリークがバンバン流れて、スムーズに政権を潰すなんてこともできた。「官製ジャーナリズム」がうまく機能していた時代も確かにあったのだ。 しかし、今はどちらかというと、その癒着が悪い方向へ流れてしまっている。なぜかというと、マスコミも官僚も「既得権益」でメシを食っているからだ。そんな両者が手を結んでもロクなことにならないのは言うまでもない。口ではイノベーションだ、改革だ、と調子のいいことを叫ぶが、今の日本社会が変わってしまったら、これまでのような「上級国民」の座から引きずり下ろされてしまうツートップが、実はマスコミと官僚だ。 それは彼らの「働き方」を見れば明らかだ。企業には偉そうにああだこうだとご高説を垂れるが、役所ではいまだにファックスやハンコを使っているように、自分たちはほとんどデジタル化は進んでない。 マスコミも同様だ。河野太郎行革大臣に揶揄されたように、この時代に、深夜の記者会見を催して、囲み取材だ、夜討ち朝駆けだと昭和と変わらぬことを続けている。さまざまな企業がオープンイノベーションだと技術や知識を共有する中で、「記者クラブ以外は出ていけ」などとフリー記者を追い出しているのも、いつの時代だよとあきれてしまう。 われわれ庶民はどうしても何か問題が起きると「政治が悪い」と叫んでしまいがちだが、実は政治を盾にして、自分たちへの批判をかわし続けている「知能犯」がいる。その醜悪な現実にそろそろ国民は気づくべきだ』、「政治家は落選したらただの人。一方、官僚は身分保証されたまま霞が関で30年以上も暗躍できる。マスコミをメーカーとすると、官僚ほど信頼のおけるサプライヤーはいないのだ」、「実はこの国の報道というのは、マスコミと一部の高級官僚が手を携えてつくってきた「官製ジャーナリズム」ともいえるのだ」、「「官製ジャーナリズム」がうまく機能していた時代も確かにあったのだ。 しかし、今はどちらかというと、その癒着が悪い方向へ流れてしまっている。なぜかというと、マスコミも官僚も「既得権益」でメシを食っているからだ」、「今の日本社会が変わってしまったら、これまでのような「上級国民」の座から引きずり下ろされてしまうツートップが、実はマスコミと官僚だ」、「さまざまな企業がオープンイノベーションだと技術や知識を共有する中で、「記者クラブ以外は出ていけ」などとフリー記者を追い出しているのも、いつの時代だよとあきれてしまう。 われわれ庶民はどうしても何か問題が起きると「政治が悪い」と叫んでしまいがちだが、実は政治を盾にして、自分たちへの批判をかわし続けている「知能犯」がいる」、説得力溢れた強烈な「マスコミ」批判で、同感である。
タグ:野口 悠紀雄 公務員制度 ダイヤモンド・オンライン 窪田順生 現代ビジネス 上久保誠人 (その5)(優秀な官僚が消えていく…今すぐ国会議員の意識改革が必要だ! 国民に犠牲を強いる前に自分を改めよ、なぜ日本の官僚は政治家に「忖度」するのか?世界でも特異な制度の問題、逮捕相次ぐ霞が関にマスコミが大甘な理由 「諸悪の根源は菅首相」という欺瞞) 「優秀な官僚が消えていく…今すぐ国会議員の意識改革が必要だ! 国民に犠牲を強いる前に自分を改めよ」 「「議員への説明はオンラインに移行せず対面のままだった」との回答が83%を占めた」、「議員」にしてみれば、これまで通りの、対面での説明の方が分かり易いので、当然なのだろう。 「質問」の「事前通告」により、答弁案を作成する側や答弁する側は大いに楽になった筈だ。 「時々家に戻ると、翌朝出勤する時に、子供たちから「お父さんまた来てね」と言われた」、まるで笑い話だ。 「メールでのやりとりを嫌う議員も多い」、「対面・口頭」という「昔から続いている」方式にこだわる議員が多いようだ。 「コロナ下で、多くの人々が対面からリモートへと意識を切り替えた。本来であれば人々に模範を示すべき国会議員が、もっとも遅れている。信じられないほど遅れているといわざるをえない。 それができないで、民間企業に「在宅勤務で出勤者数7割削減」といっても、全く説得力がない」、その通りだ。 官僚の問題は、なかなか世の中の人々の共感を得にくい。しかし、有能な人間が集まらなくなるのは、由々しき問題だ。 彼らの勤務環境の改善は、日本の社会を少しでもよくするために、不可欠なことだ 「なぜ日本の官僚は政治家に「忖度」するのか?世界でも特異な制度の問題」 「自民党長期政権」が「世界と比較してみても、特異な政治的関係を作り上げた」、なるほど。 「政権交代がほとんどないことで、自民党と霞が関の間は、制度的に一体化した」、「当選回数を基準とした「年功序列」の人事制度を確立させている。この制度の下で、自民党の族議員と官僚はともに出世していく「同士」の関係性を持つのだ。 また、自民党に世襲議員が多いことが、官僚との個人的な関係性をより濃密なものにする」、「自民党と霞が関の業務を超えて一体化した関係性が、官僚の不祥事の背景にある」、なるほど。 「官僚が同じ役所の大臣、副大臣、政務官以外の政治家と接触することを禁止する法律がある」、「「同窓会」自体が禁止」、「政権交代が起きた後に、スムーズに政策転換できるように準備をする慣行」、なかなかいい慣行だ。 「上司と部下の「特別な関係」で昇格することを防ぐ制度的な仕掛け」、これも学ぶべきいい仕組みだ。 「国家公務員総合職試験合格の有効期限をなくして」、にはデメリットも多そうで、違和感を感じる。 「逮捕相次ぐ霞が関にマスコミが大甘な理由、「諸悪の根源は菅首相」という欺瞞」 「マスコミ」が「官僚の「違法行為」に対して大甘」なのは、確かに不思議だ。 「ストーリー」には私は無批判に受け入れてしまったが、どういう部分が「盛った話」なのだろう。 「自分たちの虚偽答弁を誤魔化すため、監督企業に「改ざん」まで命じていた」、初めて知ったが、確かに「監督企業」まで巻き込むとは、悪質この上ない。 「組織の不正カルチャーは30年くらい平気で継承されるものなのだ」、その通りだ。 「政治家は落選したらただの人。一方、官僚は身分保証されたまま霞が関で30年以上も暗躍できる。マスコミをメーカーとすると、官僚ほど信頼のおけるサプライヤーはいないのだ」、「実はこの国の報道というのは、マスコミと一部の高級官僚が手を携えてつくってきた「官製ジャーナリズム」ともいえるのだ」、「「官製ジャーナリズム」がうまく機能していた時代も確かにあったのだ。 しかし、今はどちらかというと、その癒着が悪い方向へ流れてしまっている。なぜかというと、マスコミも官僚も「既得権益」でメシを食っているからだ」、「今の日本社
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小池都知事問題(その6)(グローバルダイニングの東京都提訴が 「小池劇場」の幕を開けかねないワケ、女帝・小池百合子知事の都民ファが都議選で大惨敗の危機 自民 立憲が躍進【世論調査入手】、小池都知事が不在の「東京都議選」…公明党が大後悔し 共産党が高笑いしている理由 応援演説恒例の「第一声」がなかった、小池都知事「二股檄文」自民への配慮アリアリ 都ファ候補は事実上の“絶縁状”に落胆) [国内政治]

小池都知事問題については、3月17日に取上げた。東京都議会議員投票日を2日後に控えた今日は、(その6)(グローバルダイニングの東京都提訴が 「小池劇場」の幕を開けかねないワケ、女帝・小池百合子知事の都民ファが都議選で大惨敗の危機 自民 立憲が躍進【世論調査入手】、小池都知事が不在の「東京都議選」…公明党が大後悔し 共産党が高笑いしている理由 応援演説恒例の「第一声」がなかった、小池都知事「二股檄文」自民への配慮アリアリ 都ファ候補は事実上の“絶縁状”に落胆)である。

先ずは、3月25日付けダイヤモンド・オンラインが掲載したノンフィクションライターの窪田順生氏による「グローバルダイニングの東京都提訴が、「小池劇場」の幕を開けかねないワケ」を紹介しよう。
https://diamond.jp/articles/-/266452
・『グローバルダイニングが都を提訴 反旗を翻す飲食店が続出か  「欲しがりません、勝つまでは」と言わんばかりに、お国のためにただひたすら自己犠牲と我慢を強いられてきた飲食店から、怒りと不満の声が上がっている。 《「いじめとしか」「脅迫だ」店名公表に罰則…飲食店悲鳴》(朝日新聞1月7日) この1年、飲食店は新規感染者が増えるたびに「容疑者」扱いされてきたが、ここにきていよいよ「罪人」扱いされるようになってきたからだ。 罪人が増えれば当然、「見せしめ」にされる者も現れる。日本の行政内部には伝統的に、「罪人は犯罪抑止のために晒し者にしてOK」という暗黙のルールがある。 たとえば、今は警察に逮捕・勾留された容疑者が取調べで検察へ送られる際、ブルーシートなどでその姿が隠されているが、昭和の時代はマスコミの前でも普通に手錠・腰縄姿で歩かせ、護送車に乗せていた。記者たちはこのストロークをつかって容疑者の姿を撮ってもいいという、紳士協定があったのだ。 これは、当時は人権意識が低かったというだけの話ではない。江戸時代の「市中引き回しの上打首獄門」の流れを汲むカルチャーで、警察組織としても、罪人をマスコミを使って「晒し者」にすることで、犯罪抑止につなげたいという狙いがあった。 事実、筆者も20年以上前、ある大きな事件で、どこのメディアにも顔がまったく出ていない犯罪者の「ガン首」(顔写真)を、警察幹部からこっそり頂戴して世間に公表したことがある。なぜこの人がそんな情報漏洩をしたのかというと、「こんな事件が二度と起きないよう、犯人の姿をしっかり公表すべきだ」という義憤からだ。 そんな江戸時代から脈々と続く日本の行政の「見せしめカルチャー」が、令和の時代もまったく健在だということを示しているのが、東京都によるグローバルダイニングへの時短命令である。 時短要請の呼びかけをしているものの、それに従わないということで、27店舗が時短命令を下されたわけだが、なんとそのうちの26店舗がグローバルダイニング系列だったのだ。 都内で要請に従わない飲食店は2000軒以上あると言われているにもかかわらず、ここまで露骨に同社が狙われたのは、「カフェ ラ ボエム」「モンスーンカフェ」「権八」など若者にも人気の店舗を多く運営していることもあるだろうが、「抑止」という狙いがあることは明白だ』、「江戸時代から脈々と続く日本の行政の「見せしめカルチャー」が、令和の時代もまったく健在だということを示しているのが、東京都によるグローバルダイニングへの時短命令」、とは言い得て妙だ。
・『長谷川社長の過去の言動に見る「狙い撃ち」された伏線とは  この処分に対して「狙い撃ちにされた」と主張した同社の長谷川耕造社長は、東京都と小池百合子都知事を提訴したことで一躍「時の人」となったが、実はその前から一部ではその言動が注目されていた。 政府の緊急事態宣言が発出された1月7日、「時短営業せず平常通り」とする公式見解をホームページに出し、政府・自治体のコロナ対策を痛烈に批判していたからだ。 「医療崩壊、本当なのか疑問に思っています。冬にウイルス感染症は増えるのは自然の摂理。これに対して(パニックを起こして)、医療崩壊とおっしゃっている国や自治体の関係者、感染症専門家の方々は何の準備もしていなかった?死者数は米国などの約40分の1しかいないのに、なぜ医療崩壊?」 実はこれは、日本医師会から億を超える献金と選挙協力をもらっている自民党と、同じく東京都医師会と良好な関係を築いている小池氏にとって、最も触れてほしくない話なのだ。 このような「医師会ファースト」のコロナ対策への批判を公然と行い、時短営業にも従わないグローバルダイニングをこのまま野放しにしたらどうなるかというと、他の飲食店に示しがつかない。「なんだ、政府も東京都も大したことないな」と公権力がナメられると、長谷川氏と同じような動きをする飲食店経営者が増えてしまう恐れがある。 これを防ぐには「罪人」として吊るし上げて黙らせるしかないというのは、容易に想像できよう。 実際、グローバルダイニングに東京都から届けられた命令書には、「緊急事態措置に応じない旨を強く発信するなど、他の飲食店の20時以降の営業継続を誘発するおそれがある」という一文があったという。 戦時中、街中で「竹槍なんかで勝てるわけねーだろ」とか「戦地からの噂じゃどこも日本軍はボロ負けだってよ」なんて演説をしようものなら、たちまち特高警察に連行され、凄まじい拷問を受け、家族や友人も非国民として石を投げられたものだが、それの「マイルド版」が令和日本でも絶賛継続中ということなのだ』、「「医師会ファースト」のコロナ対策への批判を公然と行い、時短営業にも従わないグローバルダイニングをこのまま野放しにしたらどうなるかというと、他の飲食店に示しがつかない」、「これを防ぐには「罪人」として吊るし上げて黙らせるしかない」、なるほど。
・『小池都知事にとってダメージはどれほど大きいか  という話をすると、「こんな公平性に欠けた罰則の運用をしていたら、小池氏の政治生命に関わるのではないか」という印象を抱く方も多いだろう。実際、この件に関する報道で登場する有識者の中にも、裁判での判決はさておき、政治家・小池百合子にとってはダメージになるという見通しを持っている人が多い。 ただ、筆者の考えはまったく逆だ。グローバルダイニングと長谷川社長には大変気の毒な話なのだが、今回の「見せしめ」批判が、現行のコロナ対策の方針転換につながることは難しい。むしろ、6月25日に告示される都議選前に仕掛けられる「小池劇場」に利用され、小池氏のリーダーシップを示す材料にされてしまうのではないかとみている。 具体的に言うと、都民の命と健康を守るため、世論の反対を恐れずにコロナ対策を断行する小池氏を引きずり降ろそうとする「抵抗勢力」にされてしまい、結果として「コロナ対策で政府よりもリーダーシップを発揮する東京都知事」を輝かせる引き立て役にされてしまうのだ。 なぜそのように思うのかというと、過去の実績による。これまで小池百合子という政治家は、「健康」「命」を守るという大義名分のもとで「飲食店イジメ」を正当化することにより、その政治力を拡大してきたという、動かし難い事実があるのだ。 支持者の方から「小池氏を批判したいからって、ワケのわからない誹謗中傷をするな」と怒られそうだが、実は小池氏が都内の飲食店と敵対したことは、これが初めてではない』、「都民の命と健康を守るため、世論の反対を恐れずにコロナ対策を断行する小池氏を引きずり降ろそうとする「抵抗勢力」にされてしまい、結果として「コロナ対策で政府よりもリーダーシップを発揮する東京都知事」を輝かせる引き立て役にされてしまうのだ」、鋭い指摘でその通りだろう。
・『受動喫煙防止条例で小池氏を支えた勢力の正体  勘のいい方はお気づきだろう。そう、小池氏がマニフェストの1つとして掲げ、2018年6月に制定された「東京都受動喫煙防止条例」だ。 「老人福祉施設、運動施設、ホテル、事務所、船舶、鉄道、従業員がいる飲食店など、多数の者が利用する施設等は原則屋内禁煙とします」(広報東京都平成30年8月号)とうたうこの条例が、愛煙家の天国だった居酒屋などから大不評だったことは、今さら説明の必要はないだろう。 条例制定前には、東京都生活衛生同業組合連合会など、飲食関連団体の会員約200名が、都庁のある新宿区に集結して、「小池知事はわれわれを見捨てるな!」とシュプレヒコールを挙げ、制定前も施行前も以下のような批判が叫ばれていた。 《飲食業界が東京都の受動喫煙防止条例に悲鳴「禁煙か従業員解雇かの選択を迫るなんてあり得ない!」》(デイリーニュースオンライン2018年6月19日) 《20年4月の「受動喫煙防止条例」施行に飲食店経営者が悲鳴》(日刊ゲンダイ2019年5月15日) しかし、小池氏はこの飲食店からの悲鳴をスルーした。「殺す気か」「いじめだ」とどれだけ罵られてもこの条例を進めた。「そんなもん、飲食店の全面禁煙は世界でも常識なんだから当然だろ」という、嫌煙家の皆さんからの声が聞こえてきそうだ。もちろん、小池氏がそのような政治的信念のもとで、受動喫煙対策を進めたという考えを否定するつもりは毛頭ない。 ただ、一方で「選挙戦略」という側面もあったのではないか。つまり、「飲食店を敵に回しても、それと引き換えに非喫煙者やファミリー層など有権者や医療関係者から強い支持を得られる」という確信があったからこそ、ここまで露骨に飲食店を冷遇できたのではないかということだ。 実際、受動喫煙防止条例制定をマニュフェストに掲げた2017年7月の都議選で、小池氏が率いた都民ファーストの会は、追加公認も含めて55議席を獲得、公明党とともに過半数を占め、自民党は議席を半分に減らすなど歴史的な大惨敗を喫した。 このオセロのような鮮やかな権力交代劇を後ろで支えたのが、実は東京都医師会だったということは、あまり知られていない。 日本医師会は、かねてから受動喫煙防止を強く訴えていたが、自民党東京都連は後ろ向きだった。支持者の中には飲食店も多くいるし、何よりも自民党内には、タバコ農家や販売業者などタバコ関連業界を支持基盤とする、いわゆる「タバコ族」も多く存在していたからだ。では、その弱点を突いて、野党が受動喫煙防止を掲げられるかというとそうでもない。旧民主党勢力はJT労組の影響を色濃く受けるからだ。 つまり、これまで既存政党は、大人の事情で受動喫煙対策を声に大にして主張できなかったのだ。その「空いた席」に颯爽と現れたのが、小池氏率いる都民ファーストの会である。日本医師会にとって、小池氏は長く待ちわびた「医師会ファースト」の政治家だったのだ。 このあたりは、2017年5月にダイヤモンド・オンラインに掲載した『小池都知事が仕掛ける「たばこ戦争」の裏にあるしたたかな戦略』という記事で詳細を述べているので、興味のある方はぜひ読んでいただきたい』、「「選挙戦略」という側面・・・「飲食店を敵に回しても、それと引き換えに非喫煙者やファミリー層など有権者や医療関係者から強い支持を得られる」という確信があったからこそ、ここまで露骨に飲食店を冷遇できたのではないか」、「既存政党は、大人の事情で受動喫煙対策を声に大にして主張できなかったのだ。その「空いた席」に颯爽と現れたのが、小池氏率いる都民ファーストの会である。日本医師会にとって、小池氏は長く待ちびた「医師会ファースト」の政治家だったのだ」、見事な解説である。
・『「飲食店イジメ」で勢力を拡大 今回の都議選で勝利の再現を狙うか  さて、ここまでお話をすれば、小池氏が「健康」「命」を守るため、「飲食店イジメ」を推進することでその政治力を拡大してきたと述べたのが、事実無根の誹謗中傷などではないことが、ご理解いただけたのではないか。 前回の都議選で、小池氏は飲食業界やタバコ業界を敵に回したが、「タバコの害から健康や命を守りたい有権者」と東京都医師会からの力強い支持を得て、見事に大勝した。 今回の都議選でも、この勝利の法則は使えるはずだ。つまり、飲食業界や外食を楽しみたい人たちを敵に回しても、「コロナから健康や命を守りたい有権者」と東京都医師会からの力強い支持を得れば、4年前の圧勝を「再現」することができるのだ』、こういった「小池氏」の皮算用は果たして実現するのだろうか。
・『みんなが踊らされながら「小池劇場」の幕が上がる  そのような「小池劇場」の理想的なシナリオを考えていくと、実は今回のグローバルダイニングへの「露骨な狙い撃ち」にも、何か意味があるような気がしてしまう。 森喜朗氏の差別発言後、小池氏が絶妙なタイミングで4者会談を欠席すると表明したことを受け、橋下徹氏が、「あの振る舞いは政治家としては本当にピカイチ」と称賛したように、小池氏が本当に恐ろしいのは、世論の動向を瞬時に察知して、政治家としての自身の評価につながるポジショニングができることなのだ。 そこで奇妙なのは、そんな抜群の政治センスを誇る小池氏が、大事な都議選の直前にグローバルダイニングをここまで露骨に狙い撃ちするのか、ということだ。嫌がらせや批判を封じ込めるにしても、「27店舗中26店舗」は明らかにやりすぎだ。世間に対して、「私はグローバルダイニングにケンカを売っています」と高らかさに宣言しているようなものである。 だからこそ、長谷川社長は売られた喧嘩を買ったわけだが、そのアクションは結局、「小池百合子」というリーダーに人々の注目を集めている。 「コロナ対策でリーダーシップを発揮していない」と叩かれる菅首相よりはるかにスポットライトが当たっている。飲食店に時短を徹底させるその姿は、コロナが怖くてたまらないという人たちの目に、「小池氏はかなり頼もしいリーダーだ」と映るはずだ。 つまり、グローバルダイニングへの「露骨な狙い撃ち」によって、確かに小池氏は「敵」を増やしたが、一方で「コロナから健康や命を守りたい有権者」のハートをがっちりと掴むことに成功した側面もあるのだ。 支持率急落の菅政権の解散戦略にも影響を与えるほど、恐れられている「小池劇場」。我々観客が気づかないだけで、実はすでにその幕は上がっているのかもしれない』、今回の「小池劇場」は体調悪化など、必ずしも思い通りにはならないのかも知れない。

次に、6月20日付けAERAdot「女帝・小池百合子知事の都民ファが都議選で大惨敗の危機 自民、立憲が躍進【世論調査入手】」を紹介しよう。
https://dot.asahi.com/dot/photoarticle/2021061900019.html?page=1
・『これから政局の焦点は6月25日告示、7月4日に投開票される東京都議会議員選挙、23日に開幕する東京五輪・パラリンピックに移る。都議選は秋にも行われる衆院解散・総選挙の前哨戦とされるだけに「関ケ原の合戦」と各党の鼻息は荒い。自民党が先週末、東京都内の全選挙区で行った世論調査データをAERAdot.編集部は独自入手した。 (【世論調査データ】東京都議会選挙で各党が獲得する議席予測はリンク先参照) その結果によると、前回は55議席を獲得して圧勝した小池百合子・東京都知事が率いる都民ファーストの会(以下は都民ファ)が、今回は6~19議席と厳しい予測となっていた。前回は23議席とかつてない惨敗となった自民党は今回、48~55議席という予測で勢いを盛り返している。前回は都民ファ、今回は自民党と組む公明党は14~23議席と横ばい。野党の立憲民主党は前回の8議席から今回は20~26議席まで躍進しそうだ。共産党も18議席から今回は17~23議席と伸びるという予測となっている。 「ここまで減るとは。絶望的な数字ですね…」こう真っ青な顔で話すのは、都民ファの現職都議だ。前回は小池旋風で自民党候補を次々に破った都民ファの候補たちだが、今回は与党として逆風を受けることになった。 前回の選挙後、都知事という立場から小池氏は都民ファの「特別顧問」と一歩、引いたような肩書きになった。また、都議選では対立しても、小池氏は都政運営では政権与党の自民党との関係修復を図った。 小池氏のダブルスタンダードなどに反発し、都民ファで“内紛“が勃発。「ファーストペンギン」といわれた上田令子都議、音喜多駿前都議ら数人が相次いで離党した。 「都民ファといえば、小池氏の党というイメージ。しかし、肝心の小池氏が今回は全面にでないということで、候補者たちは自分の名前で戦わねばならない。前回のように小池氏が応援に入ってくれると勝負になるが、今回は応援はないと聞いている。非常に厳しい選挙になる」(前出・都議)』、「世論調査」結果では、「都民ファ」は見る影もないほどの惨敗のようだ
・『都知事の任期がまだ3年ある小池氏。かねてから国政復帰も噂される中で、自民党の二階俊博幹事長とも最近、頻繁に連絡を取り合っているという。その一方で東京都は新型コロナウイルス対策、7月23日から開催する東京五輪・パラリンピックという大きな問題に直面している。 「小池氏にしてみれば、コロナ禍の五輪開催で大変な中、『都議選まで構ってられない』とぼやいている。都議選の話をすると、機嫌が悪くなりますね。一期は経験したんだから、しっかり自分でやりなさいと所属の都議らに言っているそうです。しかし、小池氏の風だけで当選した都議ばかりですから、半分以上は淘汰されるでしょう」(小池氏と近い自民党幹部) 国政復帰が囁かれる小池氏。都議選惨敗となれば、政治生命の危機に直面する可能性が大だという。前出の自民党幹部が言う。 「小池氏が二階幹事長とコンタクトを頻繁にとっている理由の一つは、都議会対策でもある。都民ファが負けても、自民党と組めるように根回しをしているようだ。五輪後に解散総選挙が行われれば、小池氏は都知事を辞めて、国政復帰すると読んでいます。自民党に再入党するのか、都民ファをベースに戦うのか、維新などと組むのか、まだわかりません。しかし、都議選で都民ファが惨敗すると、国政復帰の道が絶たれるだろう。都知事の任期満了が政治の花道になる。しかし、彼女は自民党総裁、首相の座をまだ、諦めていないはず。カメレオンのように突然、豹変する小池氏ですから、油断なりません」 政界の一寸先は闇のようだ』、「「小池氏にしてみれば、・・・『都議選まで構ってられない』とぼやいている。都議選の話をすると、機嫌が悪くなりますね」、ずいぶん無責任な話だ。「都議選で都民ファが惨敗すると、国政復帰の道が絶たれるだろう。都知事の任期満了が政治の花道になる。しかし、彼女は自民党総裁、首相の座をまだ、諦めていないはず」、どんな「豹変」を示すのだろうか。

第三に、6月27日付け現代ビジネスが掲載した政治ジャーナリストの安積 明子氏による「小池都知事が不在の「東京都議選」…公明党が大後悔し、共産党が高笑いしている理由 応援演説恒例の「第一声」がなかった」を紹介しよう。
https://gendai.ismedia.jp/articles/-/84556?imp=0
・『いよいよ東京都議選が6月25日に始まった。42選挙区127議席を巡って271名が立候補し、9日間の戦いの火ぶたが切られた。 今回の都議選は10月21日に任期満了を迎える衆議院選挙を占う前哨戦と位置づけられるが、注目すべきはそれだけではない。都知事選直前に入院した小池百合子都知事の影響力はどうなるか。下馬評では「自民党躍進」、「都民ファーストの会の凋落」などが話題になっているが、本当にそうなるのかが興味深い。 また躍進すると言われる共産党や、「1963年に都政に進出して以来、最大の危機にある」と言われている公明党にも注視したい』、なるほど。
・『お決まりの“つかみ”がなかった…  さて初日の6月25日は、10時から西新宿で行われた日本共産党の街宣、12時から目黒区・自由が丘で行われた公明党の街宣を取材した。国政であれ地方選挙であれ、共産党はいつも第一声を新宿で上げるため、定点観測にはもってこいだ。 公明党の場合、苦戦区については公明新聞がひときわ強調して報じるが、今回の都議選では北多摩3区、目黒区、中野区、豊島区が該当。実際に選挙戦初日、山口那津男代表はこれら4つの選挙区に応援に入った。) 「今日からいよいよ都議会議員選挙がこの自由が丘駅頭で、斉藤泰宏、目黒区は斉藤泰宏、公明党の大事な大事な実力派であります。斉藤泰宏をはじめ、23名の候補を擁立いたしました。なにとぞ皆さまのお力で目黒、斉藤泰宏を勝たせていただけますよう、宜しくお願い申し上げます」 80名ほど集まった駅前ロータリーに、山口代表の声が響く。山口代表といえば、「なっちゃんです!」の“つかみ”で演説し、集まった支持者たちを熱狂させることで有名だ。 前回の都議選では、国領駅前で“最後の訴え”を行った。山口代表は「国領駅頭のみなさん、こんばんは!」と応援で陽に焼けた顔をほころばせ、左手を挙げて「なっちゃんです!」と大きくアピールした。昨年の「大阪都構想」の是非を問う住民投票でも大阪維新の会の応援に駆け付け、「大阪のみなさん、こんにちは!なっちゃんです」と有権者に笑顔を向けていた。 しかし今回はそれがない。うっかりと忘れてたのなら、余裕がないということだ。あるいはそれを封印しなくてはならないほど、厳しい選挙だということかもしれない』、「それを封印しなくてはならないほど、厳しい選挙だ」、の可能性の方が高いのではなかろうか。
・『都民ファーストとの決裂  そもそも公明党にとって、前回の都議選が楽勝すぎたのだ。2016年7月の都知事選では自民党が擁立した増田寛也氏を応援した公明党だったが、小池知事が当選した後は都議会で与党に転じている。当時の小池知事は人気絶頂で、2017年2月には千代田区長選では多選と高齢を批判された石川雅己区長(当時)を圧勝させ、5回目の当選に導いた。 都議会公明党はそのような小池知事と連携すべく、同年年3月に都民ファーストの会と選挙協力を約束し、政策協定をも締結。これにより同年年7月の都議選では小池知事の積極的な応援を得て、都議会公明党は擁立した23名全員が当選を果たした。この公明党完勝に対する小池知事の寄与は非常に大きい。 しかし同年10月に小池知事が希望の党を結党し、国政との「二足のわらじ」を履こうとした頃から、公明党は小池知事に疑念を抱き始め、連携を解消するに至っている。都議会公明党それ以降、小池都政とは「是々非々」というスタンスをとるが、11月14日に都内ホテルで都民ファーストの会が最初に開いたパーティーには公明党の議員はひとりも姿を見せなかった。 もっともこれを「都議会公明党の突然の変心」あるいは「裏切り」と解すべきではない。そもそも両者は最初から、長く付き合えるはずがなかったのだ。 都議会公明党の東村邦浩幹事長は3月28日の公明新聞で、議会運営などについて両党の幹事長同志で合意しても、都民ファーストの会の内部でなし崩しにされてきたこと、さらに都民ファーストの会は8人もの離党者を出し、会派としてまとまりがないことなどを述べ立てているが、要するに「都民ファーストの会は政党としての体をなしていない」と断言しているに等しい。) そもそも“小池百合子”自身が劇薬なのだ。服用した当初は抜群の効果を感じても、じわじわと後遺症に悩まされることになる。そういう意味で公明党は、前回の都議選で手を出してはならないものを使ってしまったということになる』、「そもそも“小池百合子”自身が劇薬なのだ。服用した当初は抜群の効果を感じても、じわじわと後遺症に悩まされることになる」、言い得て妙だ。
・『共産党が躍進する可能性  3月に政策協定を結んだ自民党にしても、選挙区で競合するために全面的に頼ることができない。たとえば定数3の目黒区は、もともと旧民主系の勢力が強い地盤である上に、自民党は2名の元職を擁立している。 にもかかわらず自民党と選挙協力している関係上、思い切った自民党批判はできない。賛否が分かれる東京オリンピックパラリンピック開催の是非も重要な争点であるが、国政では与党でいる以上、それを封印せざるを得ない。 一方で今回の都議選をまたとないチャンスと受け止めているのが共産党だ。前回の都議選で都民ファーストの会が獲得した票の多くがもし小池知事に愛想を尽かし、菅義偉首相にうんざりするなら、共産党の議席増は夢ではない。しかも共産党は2013年の都議選で8議席から17議席に倍増させ、2017年には19議席を獲得した。国政においても、共産党の協力なくして野党が躍進できないという自負がある。 コロナ禍にうんざりしている有権者にとっては、安定性を求めて自民党に入れるか、思い切った変化を求めるかという選択になるだろうが、それを上手く乗り切れる者こそ、都議選の勝利者に違いない』、「都議選の勝利者」は誰になるのだろう。

第四に、7月1日付け日刊ゲンダイ「小池都知事「二股檄文」自民への配慮アリアリ、都ファ候補は事実上の“絶縁状”に落胆」を紹介しよう。
https://www.nikkan-gendai.com/articles/view/news/291331
・『やっぱり見捨てる気か。過労で22日から入院していた小池都知事が30日、ようやく退院。当面テレワークで公務をこなす予定で、都議選中の“女帝不在”は続きそうだ。応援を求める「都民ファーストの会」を本気で助ける意思も見えず、自民に配慮した「二股檄文」に、“子分”たちは落胆している。 〈肝心な時にご心配かけて申し訳ありません 都民が見ています! 都民がついています! ゴールめざしてがんばりましょう〉 30日、こんなメッセージが達筆な文字で記された文書が都ファの候補らに送られてきた。文頭には候補者名が記載され、文末に〈小池百合子〉と署名がある。 尾島紘平候補(練馬区)は、文書の写真と共に〈小池知事から直筆の檄文が届きました〉〈『小池知事は都民ファーストの会を見捨てて逃げた』というデマが流されていますが、それは敵陣営の戦略であり願望です〉と自身のツイッターに投稿した。 確かに、小池都知事の文書は一見、応援メッセージに見えなくもない。だが、いくら読んでも「必勝」や「当選」「勝利」といった選挙ではお決まりのパワーワードが見当たらない。日刊ゲンダイは、別の都ファ候補に送られた文書を入手したが、文頭の候補者名以外は、一言一句、尾島氏宛てと変わりナシ。文字の形までピタリと一致しているから、小池都知事は直筆文のコピーを各候補に送ったようだ。 「いかにもアリバイ的に送られてきた感じがします。この檄文送付をもって『応援は終了』かもしれません……。だとしたら、われわれの多くは討ち死に必至です」(前出の都ファ候補)』、「応援を求める「都民ファーストの会」を本気で助ける意思も見えず、自民に配慮した「二股檄文」に、“子分”たちは落胆している」、.「『小池知事は都民ファーストの会を見捨てて逃げた』というデマが流されています」、デマではなかったようだ。
・『にじむ自民への配慮  さらに都ファ内部をザワつかせているのが、小池都知事が退院した際に公表したコメントだ。前半で〈心よりお詫び申し上げます〉と、公務から離れたことを謝罪し、後半で都議選に言及。〈都政の諸課題が山積する中、改革を続け、伝統を守る皆様に、エールを送ります〉と特定の政党名を挙げず、中途半端な言い回しに終始した。ある都ファ関係者がため息交じりに言う。 「コメントを読む限り、知事がエールを送る対象は『改革を続ける人』と『伝統を守る人』の2つに分けたと受け取れる。『改革を続ける人』は、私たちのことでしょうが、『伝統を守る人』は、保守政党の自民を指すのは明らか。4年前の都議選で“ブラックボックス”とこき下ろした自民に今回は配慮しているわけです。コメントも檄文も言い回しがスゴく微妙ですね……」 要するに、小池都知事は都ファと自民双方にいい顔をしたいだけ。“二股交際”も同然だ。理由もハッキリしている。 「小池知事は都議選前に、自民の二階幹事長と〈都ファを応援しない〉〈応援するなら自公も平等に〉という“密約”を交わしたとされる。そのウワサ通り、都ファだけに肩入れするわけにはいかず、“密約”を破るわけにもいかないように映ります。二階幹事長を怒らせれば、国政進出の可能性は消え、自民が敵に回り、都政運営も困難になる。配慮が必要な立場なのでしょう」(官邸事情通) 半端な檄文をもって応援は「打ち止め」。都ファに対する事実上の「離縁状」だとしたら、生みの親の女帝はあまりにも無慈悲だ』、「小池都知事は都ファと自民双方にいい顔をしたいだけ。“二股交際”も同然」、「半端な檄文をもって応援は「打ち止め」。都ファに対する事実上の「離縁状」だとしたら、生みの親の女帝はあまりにも無慈悲だ」、同感である。4日の選挙結果はどう出るのだろうか。
タグ:日刊ゲンダイ ダイヤモンド・オンライン 窪田順生 現代ビジネス AERAdot 安積 明子 小池都知事問題 (その6)(グローバルダイニングの東京都提訴が 「小池劇場」の幕を開けかねないワケ、女帝・小池百合子知事の都民ファが都議選で大惨敗の危機 自民 立憲が躍進【世論調査入手】、小池都知事が不在の「東京都議選」…公明党が大後悔し 共産党が高笑いしている理由 応援演説恒例の「第一声」がなかった、小池都知事「二股檄文」自民への配慮アリアリ 都ファ候補は事実上の“絶縁状”に落胆) 「グローバルダイニングの東京都提訴が、「小池劇場」の幕を開けかねないワケ」 「江戸時代から脈々と続く日本の行政の「見せしめカルチャー」が、令和の時代もまったく健在だということを示しているのが、東京都によるグローバルダイニングへの時短命令」、とは言い得て妙だ。 「「医師会ファースト」のコロナ対策への批判を公然と行い、時短営業にも従わないグローバルダイニングをこのまま野放しにしたらどうなるかというと、他の飲食店に示しがつかない」、「これを防ぐには「罪人」として吊るし上げて黙らせるしかない」、なるほど。 「都民の命と健康を守るため、世論の反対を恐れずにコロナ対策を断行する小池氏を引きずり降ろそうとする「抵抗勢力」にされてしまい、結果として「コロナ対策で政府よりもリーダーシップを発揮する東京都知事」を輝かせる引き立て役にされてしまうのだ」、鋭い指摘でその通りだろう。 「「選挙戦略」という側面・・・「飲食店を敵に回しても、それと引き換えに非喫煙者やファミリー層など有権者や医療関係者から強い支持を得られる」という確信があったからこそ、ここまで露骨に飲食店を冷遇できたのではないか」、「既存政党は、大人の事情で受動喫煙対策を声に大にして主張できなかったのだ。その「空いた席」に颯爽と現れたのが、小池氏率いる都民ファーストの会である。日本医師会にとって、小池氏は長く待ちびた「医師会ファースト」の政治家だったのだ」、見事な解説である。 こういった「小池氏」の皮算用は果たして実現するのだろうか。 今回の「小池劇場」は体調悪化など、必ずしも思い通りにはならないのかも知れない。 「女帝・小池百合子知事の都民ファが都議選で大惨敗の危機 自民、立憲が躍進【世論調査入手】」 「世論調査」結果では、「都民ファ」は見る影もないほどの惨敗のようだ 「「小池氏にしてみれば、・・・『都議選まで構ってられない』とぼやいている。都議選の話をすると、機嫌が悪くなりますね」、ずいぶん無責任な話だ。「都議選で都民ファが惨敗すると、国政復帰の道が絶たれるだろう。都知事の任期満了が政治の花道になる。しかし、彼女は自民党総裁、首相の座をまだ、諦めていないはず」、どんな「豹変」を示すのだろうか 「小池都知事が不在の「東京都議選」…公明党が大後悔し、共産党が高笑いしている理由 応援演説恒例の「第一声」がなかった」 「それを封印しなくてはならないほど、厳しい選挙だ」、の可能性の方が高いのではなかろうか。 「そもそも“小池百合子”自身が劇薬なのだ。服用した当初は抜群の効果を感じても、じわじわと後遺症に悩まされることになる」、言い得て妙だ。 「都議選の勝利者」は誰になるのだろう。 「二股檄文」自民への配慮アリアリ、都ファ候補は事実上の“絶縁状”に落胆」 「応援を求める「都民ファーストの会」を本気で助ける意思も見えず、自民に配慮した「二股檄文」に、“子分”たちは落胆している」、.「『小池知事は都民ファーストの会を見捨てて逃げた』というデマが流されています」、デマではなかったようだ。 「小池都知事は都ファと自民双方にいい顔をしたいだけ。“二股交際”も同然」、「半端な檄文をもって応援は「打ち止め」。都ファに対する事実上の「離縁状」だとしたら、生みの親の女帝はあまりにも無慈悲だ」、同感である。4日の選挙結果はどう出るのだろうか。
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”右傾化”(その13)(「日本会議」は衰退するのか?~神社本庁全面敗訴の衝撃~、卑劣 無責任 盗っ人猛々しい“三浦瑠璃”というデマゴーグ、小田嶋氏:出羽守に叱られろ!) [国内政治]

”右傾化”については、昨年4月14日に取上げた。今日は、(その13)(「日本会議」は衰退するのか?~神社本庁全面敗訴の衝撃~、卑劣 無責任 盗っ人猛々しい“三浦瑠璃”というデマゴーグ、小田嶋氏:出羽守に叱られろ!)である。

先ずは、4月1日付けYahooニュースが掲載した作家/文筆家/評論家の古谷経衡氏による「「日本会議」は衰退するのか?~神社本庁全面敗訴の衝撃~」を紹介しよう。
https://news.yahoo.co.jp/byline/furuyatsunehira/20210401-00230370/
・『「日本会議」と神社本庁  著述家の菅野完氏の著書『日本会議の研究』(扶桑社)のベストセラーにより、一躍全国区となった草の根保守団体「日本会議」。同会は、日本各地に支部を持つ「日本最大規模」の保守団体で、関連組織に神道政治連盟国会議員懇談会(神政連)を持ち、自民党(安倍前首相や菅義偉現総理ら)を筆頭に保守系政治家や保守業界に多大な影響力を持つ、と「されて」きた。 その日本会議の主要構成メンバーである神社本庁(以下、本庁などと略)をめぐって、司法の裁きが下った。本庁の元職員をめぐる解雇問題で、元職員側が本庁による解雇は不当だとして本庁側を提訴。2021年3月18日、東京地裁は原告である元職員の訴えを全面的に認め、本庁側が完全敗訴したのだ。 報道によれば、本庁側は自身が被告となったこの裁判を、「今回の裁判は絶対に負けられない戦い」「(敗訴すれば)包括宗教団体としての組織維持ができなくなる。被告(*神社本庁のこと)は、伊勢神宮や皇室と密接な関係があって、いわば『日本の国体』の根幹を護っている最後の砦である。(中略)決して裁判所が日本の国体破壊につながることに手を貸す事態があってはならないと信じる次第である」(週刊文春2021年4月1日号、*括弧内筆者)と息巻いたが、結果は前述のとおり全面敗訴。 果たしてこの本庁による敗訴は、保守界隈に隠然たる影響力を持つと「されて」きた日本会議の勢力弱体化にもつながる分水嶺となるのだろうか』、「日本会議」は、森友学園の籠池氏がメンバーで、そのつながりで松井大阪府知事からも便宜を受けたようだったので、相当、大きな組織だと思っていた。
・『神社本庁の「国体の破壊につながる」はよくある抗弁  そもそも、日本会議の主要メンバーとはいえ、神社本庁が今回の裁判を「絶対に負けられない戦い」とか「(敗訴は)日本の国体破壊につながる」などと些か極端とも思える抗戦姿勢を宣言したのはなぜなのか。 筆者はこの問題に詳しい、雑誌『宗教問題』編集長の小川寛大(おがわ かんだい)氏に話を聞くことにした。 小川)神社本庁に関わらず、この手の伝統宗教勢力が「国体の破壊」などと言って大仰な抗戦姿勢を宣言することはよくあることです。原告である元職員と被告である本庁に対して、裁判所は当初、和解勧告を出していましたが、本庁側がその提案を蹴って徹底抗戦の姿勢に変更したようです。今回、本庁は完全敗訴したものの、結局は控訴するのではないか。 なぜなら控訴することによって控訴審に行き、そこでまた負けても上告審の可能性がある訳です。本庁が上告審まで争うとなれば、それこそ数年、下手をしたら十年近くの歳月が流れる場合もある。すると、本庁側の現幹部が「名実ともに完全敗北した」事実を次の幹部の代に先送りすることができるわけで、いわば敗北の希釈化・遅延戦術を狙った格好でしょう。「国体の破壊」というフレーズは、いわば”格好を付けている”様なものではないでしょうか。 なるほど、敗訴=国体の破壊とまで述べた本庁の抗戦姿勢は、特段珍しい抗戦姿勢では無いようである。本庁側が控訴するかどうかは定かではないが、今後の被告側(本庁)の動きには注目すべき点がありそうである』、「裁判所は当初、和解勧告を出していましたが、本庁側がその提案を蹴って徹底抗戦の姿勢に変更」、「本庁が上告審まで争うとなれば、それこそ数年、下手をしたら十年近くの歳月が流れる場合もある・・・本庁側の現幹部が「名実ともに完全敗北した」事実を次の幹部の代に先送りすることができるわけで、いわば敗北の希釈化・遅延戦術を狙った格好」、勇ましいポーズをとってはいるが、実情は驚くべき無責任体制だ。
・『「日本会議」の政治的影響力は思う程、強力ではない~ネット全盛時代に封書・FAXの古典姿勢~    
では一方で、今回の本庁側の完全敗訴は日本会議の影響力にどのような変化をもたらすのであろうか。結論から言って、そもそも日本会議自体には、保守業界に対し、巷間言われているような強大な影響力というモノ自体が最初から存在していない―、と筆者は思料するのである。 冒頭で述べた菅野氏の『日本会議の研究』によって日本会議が第二次安倍内閣や自民党の保守系議員の黒幕になっている―、という説は実しやかに唱えられてきたのは事実である。しかし、筆者は永年保守業界にその居を構え、いまや保守業界と合体した所謂ネット右翼の動静をつぶさに観察してきたが、日本会議の影響力はまったく大きくない、というのが正直な実感である。よって『日本会議の研究』で描かれた日本会議像は、よく調べられているとはいえ、かなり日本会議の存在を極大化して捉えているきらいがある、と思うのである。 2009年に政権党が自民党(麻生内閣)から民主党(鳩山内閣)に交代し、菅直人内閣、野田佳彦内閣を経て2012年末に第二次安倍内閣率いる自公連立政権が再び政権党に返り咲く約4年弱、保守業界(論壇)はネット右翼勢力と一体となり、共通の敵―、つまり「アンチ民主党政権」のスローガンのもとで、あらゆる中小の団体や言論人やネット右翼勢力が横断的に連携して共同戦線を張った。巨視的にみればこの時こそ、保守業界や右派、ネット右翼にとって正しく「黄金時代」が訪れたのである。 この間、自民党はネット戦略に力を入れ、J-NSC(自民党ネットサポーターズクラブ)が本格的に始動し、野党となった自民党を支えた機軸のひとつは間違いなくネット空間であった。この動きをけん引したのが、独自の政治団体をも保有するCS放送局『日本文化チャンネル桜』や、保守論壇誌である月刊『正論』(産経新聞社)、『WiLL』(WAC,その後、月刊”HANADA=飛鳥新社”に分裂)、『Voice』(PHP)などの保守系論壇媒体である。 特に日本文化チャンネル桜は2010年代中盤に『DHCチャンネル(株式会社DHCが運営するCS放送局)』にその権勢を譲るまで、この時期にあって保守論壇やネット右翼にインターネット動画という「新媒体」を通じて圧倒的な影響力を持った。 この時、日本会議の位置づけはどうであったのかというと、多くの保守論壇関係者やネット右翼は神社本庁を主軸メンバーとする日本会議を「近代化の遅れた旧い組織」と見做していた。時代は光ファイバーが各家庭に普及し、高速インターネットの爆発的普及によりテキストから「動画の時代」へと完全に移り変わっていった。数々の刑事事件を起こすことになる『在日特権を許さない市民の会(略称:在特会)』がネット動画や配信といった”新技術”を駆使して、加速度的に会員数を増やしていったのもこの時期である。 一方日本会議はというと、神社本庁を筆頭とする中小の所謂「宗教右派」の集合体であるとみなされ、草の根的全国組織を有するものの、その会員間の通信手段は21世紀が10年を過ぎた当時でも相変わらず、機関誌や封書、或いはFAXといった旧態依然としたツールしか持ちえず、保守界隈の多くやネット右翼からは「時代(インターネットという新ツール)に対応できない近代化の遅れた旧い組織」としてあまり見向きもされなかったのが、率直な観察であった。 当時、こういった保守業界の中枢に近いところに居た筆者は、「インターネットすら活用できない日本会議なぞ、所詮は高齢者の互助会であり、同業ではあるものの、ライバルになることなどあり得ない」とやや嘲笑気味に評価する保守業界の重鎮の言葉を恒常的に耳にしていた。 ただし、例えば前述『日本文化チャンネル桜』の中に、日本会議の影響がゼロだったのかと言えばそうではない。 冒頭に記した菅野氏の『日本会議の研究』に詳述されているが、宗教法人『生長の家』の事実上の始祖である谷口雅春(たにぐち まさはる)氏を熱心に信奉する一派(これを、”旧生長の家系統”とか、”谷口派”などと呼ぶ)が、同局のコーナー番組に出演していたりと、わずかながらに影響力を行使していた。 しかし2010年の段階で以て、かれらの量数は全国を俯瞰しても数千人という規模で、その中でもとりわけ目立った存在でも小都市の地方自治体議員(*地方議員が国会議員より下位である、と言っている訳ではない)クラスが関の山で、保守業界やネット右翼に多大な影響力を持っていたとは判決できない』、なるほど。
・『「日本会議」の影響力は10万~15万の小所帯~思うほどその影響力は小さい~  2013年に筆者が独自に調査したところ、保守業界と融合したネット右翼人口は日本全国で200万人を有するという結論に達した。この数字は、2020年の「愛知県知事リコール問題」の分析に際してのヤフーニュース個人の拙稿『リコール不正署名問題―立証された「ネット右翼2%説」』でも数次にわたって裏打ちされた数字であるが、日本会議の勢力のそれは一体どのくらいあるのか。 大前提的に、日本会議の構成メンバーは「約4万人程度」とされ、しかもこの「ネット右翼200万人」と部分的に重複する場合はあるが、完全に内包されている訳ではない。繰り返し述べているように、日本会議は神社本庁を筆頭とする「宗教右派」の集積体の性格を持つが、そのほとんどが著しく高齢化しており、比較的若い(と言っても、40代から60代)が主軸のネット右翼よりさらに年齢層的には上を行くと思われるので、200万人のネット右翼と日本会議の勢力は、完全に一致している訳ではない。 例えば、日本会議は2013年参議院全国比例で有村治子候補(自民)を推薦候補とし、2016年参議院全国比例では山谷えり子候補(自民)を推薦候補とした。この両者の得票をみてみる。 まず日本会議が推薦候補とした有村候補の2013年参院全国比例の諸候補の得票は次の通り。 全国比例の得票に於いて、有村候補(自民)は約191,000票を獲得して当選しているが、保守業界やネット右翼業界では著名な赤池候補(自民)、佐藤候補(自民)、中山候補(維新)はそれを遥かに上回る得票を得て当選している。端的に言えば、会員数約4万人に過ぎない日本会議の全ての会員が知人や友人を「勧誘」して投票行為を喚起しても、日本会議推薦候補と保守系日本会議非推薦候補の彼我格差は、191,000対841,000で、その対比は1:4.4程度となる。 次に、2016年参院選挙全国比例の状況を見てみる。 この年の参議院選挙で日本会議は山谷えり子候補に推薦を出したが、山谷候補は約250,000票を獲得して当選するも、やはり保守業界やネット右翼業界では著名な青山候補(自民)、片山候補(自民)、宇都候補(自民)、山田候補(自民)に対比させれば、日本会議推薦候補と保守系日本会議非推薦候補の彼我格差は、250,000対1,163,000で、その対比は2013年と同じように1:4.7程度となる。 要するに、日本会議は会員数4万人の小所帯ながら、頑張ってはいるものの非日本会議推薦候補に1/5程度劣後するのである。 当然、2013年の有村、2016年の山谷候補の得票は100%日本会議会員が投票したものでは無いので、このデータに含んでいない当時の「次世代の党=日本のこころ」を加味すると、この彼我格差は実質的にはさらに拡大しよう。そうすると、日本会議の「チカラ」というのは、おおよそ好意的に評価しても約10万~15万とみてよい。そもそも「4万人」しか居ない日本会議の国政選挙における影響力とは、この程度のものなのである。 よって筆者は、そもそも日本会議のチカラというのは、小なりと言え存在するが、保守界隈やネット右翼にそこまで強烈に訴求する量的勢力を確保していない、と判断する。 ではなぜ、第二次安倍政権や菅政権の閣僚の多くが日本会議の関連団体である「神政連」に参画しているかというと、衆院小選挙区・衆院比例ブロックや参院比例で、1000票、2000票の僅差で当落の明暗が分かれる状況も珍しくない中、1000票単位での政治力を持つ日本会議の「神政連」に参加しているのは小なりともメリットしかないからである。 それを言えば、「日韓議員連盟」には与野党問わず膨大な国会議員が参画しているが、そのメンバーに於いて必ずしも韓国に対し融和的な思想を持ちえない議員までも含まれているのが証左である。 日韓議員連盟には安倍前首相や麻生太郎氏も所属している事実がある。小選挙区や比例代表にあっては、たとえそれが1,000票足らずの加算であっても、とりあえず所属しておく価値を見出すのが当然である。日本会議の関連団体である「神政連」に自民党の保守系政治家がこぞって参画しているのは、彼らが「日本会議に操られている」のではなく、純然に1,000票単位の票が欲しいからであり、日本会議の影響力を斟酌した結果ではない。そもそも、日本会議には政治に影響を与えるだけの強大な力などはなから存在していないのだ』、「日本会議の関連団体である「神政連」に自民党の保守系政治家がこぞって参画しているのは、彼らが「日本会議に操られている」のではなく、純然に1,000票単位の票が欲しいからであり、日本会議の影響力を斟酌した結果ではない」、票のためには「神政連」に「こぞって参画している」、とはいかにも「政治家」らしい。
・『苦悩する全国各地の神社経営者たち  前出の小川氏は、今次神社本庁における全面敗訴判決と日本会議の影響の衰微如何について、次のように語った。 小川)今次の一審における神社本庁の全面敗訴について、日本会議全体にダメージ、衰微があるのかないのかと問われれば、正直なところ元来あまり関係が無いというところです。そもそも日本会議の枢機たる神社本庁が一審で敗訴したからと言って、神社本庁に所属する日本各地の神社の神主さんが、「日本の国体が損壊された」といって立ち上がって行動するという事はまずありえないでしょう。 現在、日本各地にある本庁に所属する神社は、そんな世俗の民事裁判の行方など正直言ってどうでもよく、自身の神社の経営で精いっぱいで、本庁の動向にかまっている余裕はないのです。お祭りをどうするか。檀家へのケア・サービスをどうするか。 各地の神主はいま、自分の神社の経営維持に精いっぱいで、政治的な動向に関与する暇はない。特に昨年(2020年)から発生したコロナ禍で、神社への参拝客が減って、それに伴い当然のことお賽銭も激減する中、もっぱら自己防衛に終始しており、本庁が民事裁判で負けただの、或いは勝っただのという事案に関しては正直無関心で、構っている余裕すらないのでははないでしょうか。 小川氏の言う通り、日本会議の構成メンバーの筆頭に挙げられる神社本庁の政治力とは、辛辣に言えば所詮この程度にしか過ぎない。『日本会議の研究』により、日本会議や神社本庁が「政権を牛耳る秘密結社」のように吹聴されたが、はてさてその実態とは、経済不況で苦心する等身大の神主の声に他ならないのであった。 よって日本会議は今次の判決如何に関わらず、緩やかに衰微していく時代の趨勢に飲み込まれていくのであろう。神社本庁を筆頭とする日本会議は、時の政権に関係なく、時代の必然的流れの中で、緩やかに枯死していく旧世界の互助団体なのかもしれない。(了)』、「各地の神主はいま、自分の神社の経営維持に精いっぱいで、政治的な動向に関与する暇はない」、「神社本庁を筆頭とする日本会議は、時の政権に関係なく、時代の必然的流れの中で、緩やかに枯死していく旧世界の互助団体なのかもしれない」、その通りなのだろう。

次に、4月24日付け日刊ゲンダイが掲載した作家の適菜収氏による「卑劣、無責任、盗っ人猛々しい“三浦瑠璃”というデマゴーグ」を紹介しよう。
https://www.nikkan-gendai.com/articles/view/life/288356
・『自称国際政治学者の三浦瑠麗が、大阪で3度目の緊急事態宣言が出されることについて「政治家としては、責任を逃れるためにやれるだけのことは全部やりましたよといったアリバイづくりが必要になってくるわけです」などと放言していた(4月20日)。 新型コロナウイルスについてこれまで散々デタラメな発言を垂れ流してきたのだから、人のことより自分の「アリバイづくり」に精を出したらどうか? 2020年5月14日には〈一刻も早く「通常運転」に復帰すべきであるにも関わらず、ダラダラと緊急事態宣言解除の判断を先延ばしにし、自粛の雰囲気を持続させて経済・社会を窒息させている〉〈本当は、コロナ自体は当初思ったよりも大きな脅威ではありませんでしたと宣言すべき〉などとツイート。意味不明。新型コロナは当初思っていたより大きな脅威だったから、対応が後手後手に回り、医療崩壊を招いたのである』、確かに「新型コロナウイルスについて」のこれまでの発言は、「デタラメ」だ。
・『全世帯に布マスク配布という安倍晋三と周辺一味による世紀の愚策を三浦は〈ありがたい〉と全力で礼賛。問題になっていた布マスク配布をめぐる不透明なカネの動きには一切触れず論点をずらすわけだ。 三浦は竹中平蔵らによる安倍の諮問機関「未来投資会議」入りし、その方針によるGoToキャンペーン強行を支持。 残念なことだが、世の中には悪党としか呼べない人間が存在する。三浦はとりかえしがつかない状況になった後にまったく逆のことを言い出した。 2021年1月5日には「第1波、第2波が収まってから、(国は)ほとんど医療体制の拡充を頑張ってきていない」「(療養するための)ホテルを借り上げていたものを元に戻してしまったりしている」「高をくくっていたんじゃないか」と発言。高をくくっていたのはどこのどいつなのか? 卑劣、無責任、盗っ人猛々しいとしか言いようがない。 TBSキャスターの金平茂紀は、シリアで誘拐されたジャーナリストの安田純平についてデマを流した三浦に対し、「三浦瑠麗氏が政治学者として食っていけるのが問題」「三浦瑠麗って人、テレビがよく使うらしいのですけども、政治学者のくせに、(発言が)全然事実に基づいていない」と批判していた。事実に基づかない話を垂れ流す人間のことを、一般にデマゴーグと言う』、「アベノマスク」を「〈ありがたい〉と全力で礼賛」、「未来投資会議」では、「GoToキャンペーン強行を支持」、こんないい加減な人物をもてはやすマスコミも問題だ。

第三に、昨年9/月25日付け日経ビジネスオンラインが掲載したコラムニストの小田嶋 隆氏による「出羽守に叱られろ!」を紹介しよう。
https://business.nikkei.com/atcl/seminar/19/00116/00087/
・『最初にネタをひとつ。 《TLがデワノカミ批判だらけなので、ライバルの神仏を告知しておきます。 1.出羽守(デワノカミ):「欧米では」を連発する外国かぶれ 2.奈良の大仏(ナラノダイブツ):「日本人なら」を連発する国粋主義者 3.救世観音(クセカンノン):「◯◯人のくせに」を連発する差別主義者》 これは、2018年の8月にツイッター上に投下した書き込みなのだが、こんな未消化なネタをわざわざ公開したのは、私自身が、この数年、いわゆる「出羽守」を嫌う日本人が増えたことをとみに実感しているからだ。 念のために「出羽守」についてざっと解説しておく。 「出羽守」は「でわのかみ」と読む。意味は、weblio辞書では 《-略- 海外(特に欧米)の習慣や事柄を引き合いにして、日本のことを貶すような言動を取りがちな人のこと。 -略-》 と説明されている。 「欧米では」「アメリカでは」「フィンランドでは」という、外国かぶれの面々が多用する「◯◯では」の部分の音を「デワの神」の言葉としてとらえた語呂合わせの造語である。 ちなみに「ウィキペディア(Wikipedia)」による「出羽守」の解説は、伝統的な解釈(←単なる「外国かぶれ」)から一歩踏み込んで、近年のネット保守用語としての「出羽守」のニュアンスを踏まえた内容になっている。 冒頭に「出羽守」の解説を持ってきたのは、この2日ほどの間に、またぞろネット民の出羽守攻撃欲求を喚起するニュースがいくつか届けられたからだ。 ひとつは、米TIME誌が選出する毎年恒例の「世界で最も影響力のある100人」に、日本から女子テニスの大坂なおみ選手と、実名を公表して性暴力被害と闘っているジャーナリストの伊藤詩織さんが選ばれたニュースだ。 暗い話題ばかりが続く中で、若い日本人女性の活躍が、海外の有力メディアによって評価されたことを伝えるこの記事は、率直に祝福して良いできごとだと思う。 ところが、わが国でのこの報道へのリアクションは、祝福一色ではない。 というよりも、ネット内で明らかにされている声を観察する限りでは、世間の反応は「賛否両論」に分断されている。あるいは、より実態に即した言い方をするなら「炎上」という言葉を使った方がふさわしいのかもしれない。それほど彼女たちの選出を喜ばない声が大量に投稿されている。 最もわかりやすい例は、選出を伝えるYahoo!ニュースの記事に付属しているコメント欄の書き込み群だろう。 ご覧のとおり、冒頭に並んでいるオーサー(Yahoo!ニュースの個人コーナーに寄稿している著者)によるいくつかの祝福のコメントに続く書き込みを読み進めると、非難や失望のコメントが何千という単位で流れていく』、「大坂なおみ選手」と「伊藤詩織さんが選ばれたニュース」を「喜ばない声が大量に投稿されている」、ネット右翼からみたら「非難や失望」は当然だろう。
・『無論、このYahoo!ニュースのコメント欄が、現時点でのわが国におけるニュートラルな世論を代表しているのかというと、そんなことはない。それどころか、「ヤフコメ」(Yahoo!ニュースのコメント欄の略称)は、「ネトウヨの巣窟」「排外主義的なネット保守論客の牙城」と見なされることの多いコンテンツだったりする。この半年ほど、Yahoo!ニュースの編集部が、ある程度の対策をとったことで少しずつ正常化しつつあるとはいえ、現状でも、多かれ少なかれ偏向していることは否定しがたい。 とはいえ、偏向した言論スペース内での限定的なリアクションではあっても、現実に否定的なコメントが何千件も寄せられている現状は、軽く見て良いことではない。 われわれは、この種のコメントが吹き溜まるニュースサイトが日本一のページビューを記録する社会で暮らしている。ヤフコメに寄せられる跳ね上がりの声は、現時点での平均的な世論ではないにせよ、うっかりすると近未来における最大の世論になるのかもしれない。私はわりと本気で心配している。 コメント群をざっと眺めてみて印象的なのは、否定的なコメントを発している人々のほとんどが、そもそもTIME誌の権威(あるいはTIME誌編集部の見識)自体に信頼を置いていない点だ。 このことに関連して、海外メディアからの評価に一喜一憂する日本人の態度を嘲笑するコメントも散見される。 個人的に、21世紀に入ってからこっち、いわゆる「出羽守」を忌避する空気がネット世論を席巻しつつある空気を感じていたのだが、ここへきていよいよ「出羽守フォビア」は、はっきりとネット民のど真ん中の共通認識に成長している。 振り返ってみるに、安倍政権下のこの8年ほどは、日本に関するほとんどすべての国際指標が一方的に右肩下がりのカーブを描く中で推移してきた期間だった。 低下の一途をたどっているのは、国内総生産(GDP)や実質賃金をはじめとする主要な経済指標だけではない。 スイスのビジネススクールIMDが公表している「2020年版世界競争力ランキング」では、過去最低の34位になっている。 このほか「報道の自由度ランキング」(180カ国・地域で66位)、「男女平等指数」(過去最低の121位)、「教育への公的支出ランキング」(38カ国中37位) などでも明らかな低迷を記録している』、「21世紀に入ってからこっち、いわゆる「出羽守」を忌避する空気がネット世論を席巻しつつある空気を感じていたのだが、ここへきていよいよ「出羽守フォビア」は、はっきりとネット民のど真ん中の共通認識に成長している」、「安倍政権下のこの8年ほどは、日本に関するほとんどすべての国際指標が一方的に右肩下がりのカーブを描く中で推移してきた期間」、ますます内向きになってきたようだ。
・『つまり、われわれは、連敗街道を歩んでいる。そういう次第なのである。 不思議なのは、バブル崩壊以降のいわゆる「失われた30年」を通じて、日本の国際社会におけるプレゼンス(存在感)が、ほぼ一本調子で低下しているにもかかわらず、この間、わたくしども日本人の自尊感情は、むしろ強化されているように見えることだ。 これは、たしかなエビデンスがあって言っていることではない。私個人の「所感」ないしは「印象」を語っているにすぎない。 もちろん、違う感慨を持っている人もあることだろう。そこのところは認めても良い。 とはいえ、実際のところ、私の目に、令和の時代を生きているわれら21世紀の日本人が、1980年代~90年頃までの黄金期(「ジャパン・アズ・NO.1」なんて言われていたりしましたね)の日本人に比べて、より誇り高く自信にあふれているように見えているのだから仕方がない。 これ(つまり、われら令和の日本人が自国と自国民を高く評価し、前世紀に比べてより強い愛国心を持っているように見えること)は、良いことなのだろうか。 答えは簡単には出ないだろう。 「状況はどうあれ祖国に誇りを持つ方が良いに決まっている」と考える人もいるだろうし、逆に「いや、闇雲に自信を抱くより、自国の危機的な状況を正確に認識することの方が大切だ」という方向で考える人もあるはずだ。 ここでは、どちらが正しい解答であるのかについて、結論は出さずにおく。 その上で、私個人の印象を述べるなら、21世紀の日本人が、出羽守を一方的に嫌う方向に変化しつつあるのは、良くない傾向だと思っている。 高度成長とバブル景気で一時的にせよ世界経済の頂点に立った時代の日本人は、むしろ謙虚だった。 「ジャパン・アズ・NO.1」という海外からの声を、当時の日本人はあまり本気にしていなかった。 まだまだ諸外国に学ぶべきことがたくさんある、と、われわれはそういうふうに思い込んでいた。 あるいは「諸外国に学べ」というのは、昭和の日本人に特有な強迫観念の類で、その昭和の思い込みが、出羽守の跳梁跋扈を許していたということなのかもしれない。 しかし、とにもかくにも、その日本中に出羽守があふれていて、多くの日本人が出羽守のご託宣に唯々諾々と従っていたあの時代、うちの国は、前代未聞の成長を続けていたのである。 もっとも、コトの因果は、実のところ、はっきりしていない。 バブルに浮かれた日本人が過信に陥った結果、成長が止まってしまったということなのか、逆に、国運の衰退を実態通りに受け止められない低迷国家の国民の気分が、夜郎自大な愛国心の高進に結びついているものなのか、いずれが真相であるのかは誰にもわからない。 TIME誌の「100人」のニュースが配信された同じ日、「新しい歴史教科書をつくる会」の流れをくむ育鵬社の教科書を採択する学校の減少傾向を伝える記事が、いくつかの新聞に掲載された。 このニュースを受けて、産経新聞は 《教科書採択 自虐史観の復活が心配だ》というオピニオン記事を配信している。 「自虐史観」の対義語は、「自尊史観」だろうか。 国民一人ひとりが自尊感情を抱くことの是非はともかくとして、歴史的事実から目をそむけることがあってはならない。 出羽守の言葉は、時に耳に痛いものだし、こちらの自尊心を毀損することもある。 しかし、出羽守は、戦後の日本の復興を背後から支えた功労者でもあると私は思っている。 私たちはもう一度出羽守に叱られるべきなのではあるまいか』、「「失われた30年」を通じて、日本の国際社会におけるプレゼンス(存在感)が、ほぼ一本調子で低下しているにもかかわらず、この間、わたくしども日本人の自尊感情は、むしろ強化されているように見える」、なるほど。「国運の衰退を実態通りに受け止められない低迷国家の国民の気分が、夜郎自大な愛国心の高進に結びついている」、私にはこの解釈の方がピッタリくる。
タグ:yahooニュース 日刊ゲンダイ 日経ビジネスオンライン 適菜収 古谷経衡 ”右傾化” 小田嶋 隆 (その13)(「日本会議」は衰退するのか?~神社本庁全面敗訴の衝撃~、卑劣 無責任 盗っ人猛々しい“三浦瑠璃”というデマゴーグ、小田嶋氏:出羽守に叱られろ!) 「「日本会議」は衰退するのか?~神社本庁全面敗訴の衝撃~」 「日本会議」は、森友学園の籠池氏がメンバーで、そのつながりで松井大阪府知事からも便宜を受けたようだったので、相当、大きな組織だと思っていた。 「裁判所は当初、和解勧告を出していましたが、本庁側がその提案を蹴って徹底抗戦の姿勢に変更」、「本庁が上告審まで争うとなれば、それこそ数年、下手をしたら十年近くの歳月が流れる場合もある・・・本庁側の現幹部が「名実ともに完全敗北した」事実を次の幹部の代に先送りすることができるわけで、いわば敗北の希釈化・遅延戦術を狙った格好」、勇ましいポーズをとってはいるが、実情は驚くべき無責任体制だ。 「日本会議」の影響力は10万~15万の小所帯~思うほどその影響力は小さい 「日本会議の関連団体である「神政連」に自民党の保守系政治家がこぞって参画しているのは、彼らが「日本会議に操られている」のではなく、純然に1,000票単位の票が欲しいからであり、日本会議の影響力を斟酌した結果ではない」、票のためには「神政連」に「こぞって参画している」、とはいかにも「政治家」らしい 「各地の神主はいま、自分の神社の経営維持に精いっぱいで、政治的な動向に関与する暇はない」、「神社本庁を筆頭とする日本会議は、時の政権に関係なく、時代の必然的流れの中で、緩やかに枯死していく旧世界の互助団体なのかもしれない」、その通りなのだろう。 「卑劣、無責任、盗っ人猛々しい“三浦瑠璃”というデマゴーグ」 確かに「新型コロナウイルスについて」のこれまでの発言は、「デタラメ」だ。 「アベノマスク」を「〈ありがたい〉と全力で礼賛」、「未来投資会議」では、「GoToキャンペーン強行を支持」、こんないい加減な人物をもてはやすマスコミも問題だ。 「出羽守に叱られろ!」 「大坂なおみ選手」と「伊藤詩織さんが選ばれたニュース」を「喜ばない声が大量に投稿されている」、ネット右翼からみたら「非難や失望」は当然だろう。 「21世紀に入ってからこっち、いわゆる「出羽守」を忌避する空気がネット世論を席巻しつつある空気を感じていたのだが、ここへきていよいよ「出羽守フォビア」は、はっきりとネット民のど真ん中の共通認識に成長している」、「安倍政権下のこの8年ほどは、日本に関するほとんどすべての国際指標が一方的に右肩下がりのカーブを描く中で推移してきた期間」、ますます内向きになってきたようだ。 「「失われた30年」を通じて、日本の国際社会におけるプレゼンス(存在感)が、ほぼ一本調子で低下しているにもかかわらず、この間、わたくしども日本人の自尊感情は、むしろ強化されているように見える」、なるほど 「国運の衰退を実態通りに受け止められない低迷国家の国民の気分が、夜郎自大な愛国心の高進に結びついている」、私にはこの解釈の方がピッタリくる。
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東京オリンピック(五輪)(その18)(「五輪の力」は世論を変える?菅首相が仕掛けた社会実験、「東京五輪やっぱり最高!」というマスコミの手のひら返しを警戒すべき歴史的理由、JOCはショック! 経理部長自殺で囁かれる「五輪とカネ」、“尾身の反乱”腰砕けの完全降伏 五輪1万人案が招く感染爆発) [国内政治]

東京オリンピック(五輪)については、6月1日に取上げた。開会も近づいた今日は、(その18)(「五輪の力」は世論を変える?菅首相が仕掛けた社会実験、「東京五輪やっぱり最高!」というマスコミの手のひら返しを警戒すべき歴史的理由、JOCはショック! 経理部長自殺で囁かれる「五輪とカネ」、“尾身の反乱”腰砕けの完全降伏 五輪1万人案が招く感染爆発)である。

先ずは、6月16日付けダイヤモンド・オンラインが掲載したジャーナリストの山田厚史氏による「「五輪の力」は世論を変える?菅首相が仕掛けた社会実験」を紹介しよう。
https://diamond.jp/articles/-/274080
・『東京五輪の開催まであと1カ月に迫るが、菅義偉首相は「開催する意義」を問われても、答えないままだ。 本当のことを言えないからだろう。「私の政治生命がかかっている。東京五輪で一発逆転を狙っています」と答えれば、世間は「なるほど」と思うだろう。 そうは言えないから、念仏のように「国民の命と健康を守り、安全安心な大会が実現できるように全力を……」と繰り返す。 首相周辺から聞こえてくるのは「五輪が始まれば、世の中の気分は変わる」という淡い願望。熱狂し「感動をありがとう」と支持率がV字回復することだってある、と期待を寄せているらしい。 「ニッポン、チャチャチャで世論は変わるか?」』、「念仏のように「国民の命と健康を守り、安全安心な大会が実現できるように全力を……」と繰り返す」、およそ説得力がない戯言だ。
・『「開催の意義」、語らず答えず 成功した「時間切れ作戦」  東京五輪は菅首相による社会実験だ。試されているのはわれわれ日本人の成熟度かもしれない。 閣僚経験のある自民党議員はこう語る。 「広島、長野、北海道の国政選挙3連敗で明らかなように、このまま総選挙に突入すれば大敗する恐れがある。五輪を中止すれば、コロナ対策の失敗を認めたことになる。開催すれば、ナショナリズムが燃えて世論が変わるかもしれない。勝機はそこだけ。さまざまな不安には目をつむり、楽観的願望を頼りに突進する。第2次大戦末期にも似た展開です」 コロナ禍が長引き生活不安などが鬱積する気分を、お祭りで発散させる。国民も気分が変わる刺激を求めている。開催してしまえば、ムードは一変する。日本人選手の活躍をメディアは汗と涙の物語で取り上げる。「ガンバレ、ニッポン」の渦が巻き起こる――そう思ってのことのようだ。 政府のコロナ対策分科会や医療関係者らからも五輪開催への疑問が出されているにもかかわらず、首相は語らない、訴えない、答えないダンマリ戦術で押し通した。 医療関係者が悲鳴を上げようと、新聞が「反対社説」を掲げようと、無視。国会で何を聞かれようと、決まり文句を繰り返し、論議をはぐらかした。耳と口を閉ざし、時間切れに持ち込む。その作戦は成功したようにみえる』、「開催すれば、ナショナリズムが燃えて世論が変わるかもしれない。勝機はそこだけ。さまざまな不安には目をつむり、楽観的願望を頼りに突進する。第2次大戦末期にも似た展開です」、そうした「菅首相」を追求しない主要マスコミも罪が深い。
・『G7で「世界への約束」に IOCとタッグ組む首相  英国・コーンウォールで開かれたG7サミットで首相は「難局を乗り越え日本から世界に発信したい」と東京五輪への決意を語った。開催は世界への約束となった。ここまで来れば、もう誰も止められない、と思っているに違いない。 次の段取りは、東京・大阪などの緊急事態宣言を解除し、開催を前提に観客などの規模を決めることだ。 分科会の尾身茂会長らによる「提言書」に待ったをかけていたのは、開催が動かない時点まで抑えるためだった。 提言は「参考にします」といんぎん無礼に処理し、来日するIOCのコーツ副会長らとの5者会談で、最終的な段取りを決める。あとはIOCと開催地・東京都に任せるということだろう。 首相とバッハIOC会長は「何がなんでも開催」で、ピタリと息を合わせてきた。バッハ会長は、4年に一度のお祭りが中止になったらIOCの収入が吹っ飛ぶ。全米に独占中継するNBC放送から放映権料が入らなくなったらIOCの屋台骨は揺らぐ。日本の事情などお構いなしだ。 IOCは「大会関係者が観戦できるように」と要求している。「五輪貴族」と呼ばれるIOC役員や王族、スポンサーなどの豪華接遇を大会の度に開催地に求めてきた。一般の外国人観客を受け入れない東京五輪の観戦は、特別扱いのサービスとなる。「五輪貴族用」の席を求めているという』、「G7で「世界への約束」」になったというのは、戯言だ。世界は「約束」ではなく、日本の一方的な表明と捉えるだけだ。「「五輪貴族用」の席を求めている」、厚かましいにもほどがある。
・『「観客を入れて」の開催は首相の指示だった?  菅首相も「観客を入れろ」と言っているようだ。 「無観客の覚悟を固めていたのに、いつの間にか有観客の方向で話が進み始めた。理由を組織委幹部に聞くと『総理が観客にこだわっている』。がっくりきた」という五輪組織委員会幹部の嘆きを、朝日新聞の五輪特集(6月4日「五輪 記者は考える」)は報じている。 首相は国会で「黙秘」しながら、裏で「観客を入れて開催」という方針を鮮明にしていたということのようだ。本当なら国民への背信である。 観客を入れる理由を「子どもたちに感動の機会を与えたい」「声援があったほうがアスリートは力を発揮できる」などと政府は言うが、子どもや選手をだしにしている。 首相が「観客」にこだわる理由は、別のところにあるようだ。 五輪開催で「世論の風向きを変える」。ならばお祭り騒ぎがいい。熱狂を誘うには、観客は必要だ。パブリックビューイングにこだわるのも「人が集まる」場面がほしい。日本選手が勝ったとき、喜ぶ観客の表情や集団観戦する人たちの熱狂ぶりをTVが伝えることが、望ましい――。 こうした官邸の意向の下で組織委員会などの事務方は疲労困憊(こんぱい)のようだ』、「首相は国会で「黙秘」しながら、裏で「観客を入れて開催」という方針を鮮明にしていたということのようだ。本当なら国民への背信である」、その通りだ。
・『支持率回復狙う「政治の都合」 「相棒」とも“仲たがい”  政府の姿勢に専門家たちも気が付いた。 首相の記者会見の度に横に立たされ、助け舟を求められる分科会の尾身会長は、コロナ対策で首相の「相棒」だったが、五輪が近づくにつれ“亀裂”が深まった。 お祭りを盛り上げれば、人は外に出て、はしゃぎ、大声を上げる。人の流れは膨れ、感染防止と真逆の動きが始まる。感染症の専門家は、人流を抑えることが大事だと主張し、接触機会を減らし、大声を出さないようにと言ってきた。官邸のやり方に黙っていられなくなった。 五輪が終われば後はお構いなしのIOC。政治の都合でお祭りにしたい官邸。相棒のままでいたら、いいように使われるだけ、という危機感が専門家たちにも広がったようだ。 東京五輪を「普通なら(開催は)ない」と尾身会長は語った。感染を抑え、医療体制を守る専門家の立場なら「五輪開催はコロナ対策の障害になる」と中止を主張してもおかしくない。そこまで踏み込まないのが「相棒」の限界かもしれない。 しかし、専門家が「注文」をつけたことは、大きな意味を持つ。) 菅政権は専門家のアドバイスもろくに聞かず五輪を強行した、という事実を天下に知らしめることになる。身内の意見でも、首相の意に沿うものでなければ聞く耳を持たないという政治姿勢も改めて印象づけた。 だが、菅首相には“成功体験”がある。官房長官として安倍前首相を支えた7年だ。 安倍首相夫人のなじみである学校法人森友学園に国有地を格安で売却し、公文書改ざんを局長が指示し、担当職員が自殺に追い込まれた。責任者の処分や真相解明も不十分なままだ。 首相のじっこんの理事長が経営する学校法人に官邸官僚が「首相のご意向」をかざし文科省に獣医学部の新設を認めさせた加計学園問題。「桜を見る会」の前夜祭の費用を首相の後援会が負担した問題で、首相が国会でうその証言を100回以上繰り返し、第1秘書が政治資金規正法違反に問われた事件もあった。 だがどれも安倍首相は責任を問われることなく、逃げ切った。 事件が取り沙汰されているとき世論は沸騰するが、終われば潮が引くように下火になる。独善だろうとうそだろうと力で押し通す。世間はすぐ忘れる。選挙に勝ちさえすれば政権は安泰だ』、「尾身会長」はうしろの第四の記事にあるように、最終的に腰砕けになったようだ。確かに「森友学園」や「加計学園問題」、「桜を見る会」の問題などで、「安倍首相は責任を問われることなく、逃げ切った」成功を、官房長官として仕切った体験からすれば、「五輪」の乗り切りなど容易だとたかを括っているのだろう。
・『「池江選手がメダルを取ったら日本中が熱狂して選挙に勝てる」?  東京五輪は、首相に冷ややかな世論を「上書き」する願ってもないチャンスだ。 月刊誌でコラム子が、官邸筋の話として「池江璃花子がメダルを取れば日本中が熱狂し、コロナなど忘れて総選挙で勝てる」と首相が漏らしたと書いている(「文藝春秋」7月号)。 本当に首相がそう言ったのかは、分からない。 だが、ゴルフのマスターズで勝った松山英樹、全米オープンで「日本人同士」のプレーオフを制した笹生優花、大リーグでは大谷翔平の活躍など「日本人の活躍」はメディアが大好きな話題だ。 「五輪で池江璃花子がメダルでも取れば」というのは分かりやすい話だが、こんな願望に寄りかかっているとしたら政権は危うい。 日本選手のメダルに期待するのは分かるが、東京五輪は「スポーツの祭典」として欠陥大会ではないだろうか。 感染まん延で練習もままならない選手が世界にたくさんいる。予選に出られず出場資格を失った選手もいる。規制だらけのプレイブックで外国から来た選手は収容所のような環境に置かれる。観客は日本人ばかり、日本選手が声援を受け活躍する。とても公平な大会とは言い難い』、「規制だらけのプレイブックで外国から来た選手は収容所のような環境に置かれる」、やはり「東京五輪は「スポーツの祭典」として欠陥大会」になりそうだ。
・『最悪の事態を考え準備するのが政治リーダーの責任だ  日本のメダルラッシュが起こる。ニッポン、チャチャチャ!開催してくれてありがとう。菅人気が盛り上がる――そんな展開はないとはいえないが、楽観シナリオにすがるのはまともな政治ではない。 現状は第4波が収束に向かう局面だが、西浦博京大教授は「高齢者へのワクチン接種が7月中に完了しても、8月には東京で緊急事態宣言を出さざるを得ない恐れがある」と警鐘を鳴らしている。 五輪開催中に第5波が襲来したら人々は五輪を楽しめるだろうか。大会によって生じた人流の増加で秋には感染爆発が起こるかもしれない。 遅くとも10月には総選挙もあるが、「五輪開催」が菅政権に都合よく働くとも限らない。それでも首相は「五輪の熱狂が政治状況を変える」に政治生命をかけた。 最悪の事態を考え、さまざまな処方箋を用意して国民に示すのが政治リーダーの責任だが、残念なことに、わが国の首相は自分に都合のいいシナリオを描き、当たるかどうかを実験しようとしている。 首相が期待するように、愛国気分が盛り上がり「五輪の力」が政府への不満を吹き飛ばすか。それとも感染を広げ、政権批判に油を注ぐか。 「コロナ禍の五輪」は世の中の空気をどれほど変えるのか。 やってみなければ分からない壮大な社会実験、この大博打には国民の命と暮らしが賭けられていることを忘れるわけにはいかない』、「この大博打には国民の命と暮らしが賭けられていることを忘れるわけにはいかない」、同感である。

次に、6月17日付けダイヤモンド・オンラインが掲載したノンフィクションライターの窪田順生氏による「「東京五輪やっぱり最高!」というマスコミの手のひら返しを警戒すべき歴史的理由」を紹介しよう。
https://diamond.jp/articles/-/274194
・『40年後の日本の子どもたちは「東京五輪は日本を元気にした」と教えられる?  2060年の日本――。 ある小学校で、日本の近代史を学ぶ授業が開かれている。子どもたちに向けて、教師が誇らし気な顔でこんな説明をした。 「えー、前回勉強したように、2021年の日本は前年から続くコロナ禍よって経済が止められ、多くの国民は大変苦しい思いをしていました。しかし、そんな日本を元気にしたのは…そう、オリンピックですね。その理由はなんでかわかる?」 教師が子どもたちを見渡すと、1人の少女が手を挙げて、ハキハキとした口調でよどみなく答えた。 「はい!日本のアスリートたちによるメダルラッシュで、過去最多の金メダルを獲得するなど、スポーツの力によって国民を勇気づけたからです。また、大会前には感染拡大の恐れがあると言われていましたが、菅義偉総理がリーダーシップを発揮して『安心安全な五輪』を見事成功させるというレガシーをつくって、日本のすごさを世界中に見せつけたからです」 教師は満足そうにうなずくと、「そう、ここは日本人なら知っておかないといけない常識だからな。テストにも出るからしっかり覚えておくように」とつけ加えた。 未来の日本で、こんな北朝鮮みたいな「ナショナリズム丸出しの思想教育」をしているわけがないだろ…とあきれる方もいらっしゃるだろうが、最近の社会ムードに鑑みれば、そこまで荒唐無稽な話ではない』、幸い私は「40年後」までが生きていないので、そんな酷いシーンを見ずに済みそうだ。
・『手のひら返しでお祭り騒ぎするマスコミ… そうして「サクセスストーリー」だけが刷り込まれる。 TVプロデューサーのデーブ・スペクター氏が自身のツイッターで、皮肉たっぷりにつぶやいて話題になった。 「東京五輪が始まるまでにタレントやコメンテーターがコメント予習 イ)なんだかんだ言ってオリンピックっていいな! ロ)割り切ってスポーツとして見ましょう! ハ)やっぱり開催してよかった!」 *https://twitter.com/dave_spector/status/1404731084428898306より 実はこれはかなり鋭い指摘だ。 スポンサーなどで五輪に関わるマスコミには、「どうせやるなら盛り上がってくれないと困る」という大人の事情がある。開催すれば「安心安全」などどうでもよくて、手のひら返しでお祭り騒ぎを始めるだろう。テレビは朝から晩まで「日本のアスリートはスゴイ!」「感動をありがとう!」と世論を盛り上げていくのだ。 このような形になると、開催に至るまでの組織委員会のゴタゴタや、国民に犠牲を強いていたことなどネガティブな話は徐々に忘れられていく。そうして10年、20年と時が経過すれば、「五輪はコロナ禍の日本人を勇気づけた」という日本人好みの「サクセスストーリー」だけが語り継がれていく。そして気がつけば、それが「正史」として国民の頭に刷り込まれて、ゆくゆくは冒頭のように子どもたちにまで「ナショナリズム丸出しの思想教育」を施してしまうおそれがある。 そういう意味では、未来の日本人のためにも、現代を生きるわれわれは、これから起きるであろうマスコミの「いろいろあったけど、やっぱり五輪って最高ですね」という手のひら返しにかなり警戒しなければいけないのだ』、同感である。「デーブ・スペクター氏」の鋭い指摘はさすがだ。
・『小学校低学年向けの指導案から見える東京五輪の「真実」  五輪を盛り上げるだけで、そんなことにはならないでしょ、と思う人もいるかもしれない。しかし、現実問題として、すでにわれわれはオリンピックで、子どもたちに「ナショナリズム」を押し付けている。 東京オリンピック・パラリンピック競技大会組織委員会が、全国の小中学校・高等学校向けに作成した「オリンピック教育」のための教材がある。その中で、小学校低学年向けの教師用指導案「東京1964大会のレガシー」という資料を見てみよう。 「東京1964大会が日本に残したものについて理解する」ことを狙いとしたこの授業では最後に10分間の「まとめ」が行われる。そこで、教師は「東京1964大会は日本の社会を元気にしたことを理解する」という方向性で持っていく。さらに、「指導上の留意点」には「東京2020大会も日本の社会を変えていくことを考えさせる」とある。 世界では子どもたちに何かを教える時には、多面的に物事を考えていく力を育むことを意識するのが一般的だ。だから、はじめに結論ありきではなく、各自が自分の頭で考えるように導き、ディスカッションなども活発だ。しかし、この教育はそうではない。 「五輪は日本を元気にするものであって、これからの日本には絶対に必要なものだ」という結論へと子どもたちを導いていく。たかがスポーツ大会が、国家に必要不可欠なものだと、幼い頭にたたき込ませるのだ。 これは「教育」ではなく「洗脳」である』、「「教育」ではなく「洗脳」である」、言い得て妙だ。
・『全ての元凶は1964年 世論誘導で「成功体験」に激変  世界には五輪にそこまで興味のない国もたくさんある。放映されていても見ない人もたくさんいる。にもかかわらず、なぜ日本だけに「オリンピック教」とでもいうべき薄気味悪い思想が育まれたのかというと、1964年の東京五輪が「元凶」だ。 ご存じの方も多いだろうが、この時の五輪も開催する前は批判的な声や反対する声もかなり多かった。当時、日本はまだ貧しくて、海外に見栄を張るようなことに金を費やすなら困っている人間に回すべきだという意見もあった。また、政府は「清潔なオリンピック」を掲げたが、五輪直前まで集団赤痢が相次いで発生しており、無理に背伸びして国際イベントなどを開いても、国民に得はないというムードもあったのだ。 だが、そんな「逆風」が開催した途端にガラリと変わった。テレビ、新聞、ラジオが朝から晩まで日本人選手の活躍を流して「やっぱオリンピックっていいな!」と繰り返し連呼しているうちに、本当にそのようなムードになったのだ。 それがうかがえる調査がある。1967年に日本放送協会放送世論調査所から刊行された「東京オリンピック」によれば、閉幕直後の64年11月に行った世論調査で、東京五輪が成功したか否かを質問したところ、東京ではなんと84.6%が「立派に行われた」と回答し、「大体は立派にいった」を合わせると、驚異の100%に達したのである。 つまり、開催前はかなりシラけていた国民も、マスコミの「いろいろあったけど、やっぱり開催した方がよかったね」という世論誘導にまんまと乗っかってしまったというわけだ。 このあまりにも極端すぎるサクセスストーリーによって、日本人の間に「オリンピックは常に正しい」という宗教のような思想が、「日本人の常識」としてピタッと定着してしまった。だから、開催前に指摘されていたネガティブな話はもちろん、開催後に噴出したさまざまな問題も、時が経てば歴史の闇に葬り去られた』、私は当時、高校生だったので、そんな「サクセスストーリーによって、日本人の間に「オリンピックは常に正しい」という宗教のような思想が、「日本人の常識」としてピタッと定着してしまった」、というのは初めて知った。
・『「過度な選手強化」と「五輪のナショナリズム」という指摘、日本はスルー  闇に葬られている問題として代表的なものが、「過度な選手強化」と「五輪のナショナリズム」への指摘だ。 1964年の東京五輪の後、世界ではじめて「国際スポーツ科学会議」が開催された。そこでは、世界中の研究者から「成功、成功、大成功」と日本人が浮かれていた東京五輪に対して次のような批判が相次いだ。  「“すべての人のスポーツ”というオリンピック憲章の精神が忘れられた選手強化」、「大衆から離れてゆく日本のアマ・スポーツ」、「スポーツのナショナリズム化」(読売新聞1964年10月6日) しかし、日本社会的には「東京五輪は大成功」なので、臭いものには蓋をするということでこのようなネガティブな側面が真剣に議論されることなく、スルーされていった。 68年に東京五輪で銅メダルを取ったマラソンの円谷幸吉が、メキシコ五輪の前にメダル獲得のプレッシャーに押し潰されて自ら命を絶ったことからもわかるように、日本のアマチュアスポーツの世界では「過度な選手強化」「スポーツのナショナリズム化」は現在まで放置され続けている。 メダル獲得がすべてでアスリートは「国を背負う」ので、メダルを有力視されている人がそこに届かないと、なぜか涙ながらに「すみません」と国民に謝罪をしなくてはいけない、という北朝鮮のような気持ちの悪いムードもある。 このような「五輪ファシズム」を加速させないためにも、マスコミの「五輪ってやっぱりサイコーですね」という世論誘導に乗せられないことが重要なのだ』、「「五輪ファシズム」を加速させないためにも、マスコミの「五輪ってやっぱりサイコーですね」という世論誘導に乗せられないことが重要」、同感である。
・『戦後日本の発展は五輪開催によるものではなかった マスコミに勘違いさせられているだけ  「さっきから東京五輪を悪者にしているが、日本が東京五輪によって大きな発展を遂げたのは事実だろ、それを無視するのか」と食い下がる人もいるかもしれないが、残念ながらそれはまったく事実ではない。 「アジア初だった64年東京大会 高度成長の礎築く」(日本経済新聞2013年9月8日)のような報道をマスコミがいまだにするので勘違いをしている人も多いが、日本の戦後の高度成長は基本的に「人口増」が大きな要因である。 今、中国のGDPが成長をしていることからもわかるように、ある程度の経済規模になった国のGDPは人口の大きさに比例する。 実際、主要先進国のGDPランキングの並びは、人口3億2000万人のアメリカ、人口1億2000万人の日本、そして8300万人のドイツという具合に、きれいに人口と比例している。戦後、日本の人口は右肩上りで増え続けて1967年には1億人を突破し、同じタイミングでGDPもドイツを抜いて世界2位になった。この人口増の勢いの時に東京五輪はたまたま重なっただけだ。 五輪が公共事業やインフラ整備の背中を押したのは事実だが、日本経済成長のエンジンだったわけではない。 むしろ、多くの五輪開催国が「五輪不況」に陥ったように、日本でも五輪を境に成長にブレーキがかかる。五輪開催の翌年度、戦後初の赤字国債が発行され、ここを起点にして日本の債務残高は先進国の中で最も高い水準となっていくのだ。 「五輪で日本が元気になった」というのが幻想以外の何物でもないことは、当時の日本人の多くも感じていた。先ほどの「東京オリンピック」によれば、閉幕から2カ月後に行った調査で、「五輪は景気を維持するのに大変役立ったと思いますか」という質問に対して、「そうだ」と回答したのが31.7%なのに対して、「そうではない」は59.2%だった。 「日本が元気になる」などと大それたものではないということは、庶民はよくわかっていたのだ。 このような歴史を振り返れば、マスコミの「東京五輪やっぱり最高!」という手のひら返しにかなり警戒すべきだということがわかっていただけだろう。冒頭のデーブ・スペクター氏は既に「五輪」が日本のイメージダウンになっていると指摘している。 <今も、海外メディアが五輪関連で報じるとしたらワクチンの遅れなどトラブルばかり。海外の人はみんなあきれている。1年延期になったために、しかも強引に開催することになったために、日本のイメージダウンになっている。あれ?日本はあんなに経済大国になって何でも一生懸命賢くやってきたのに、なんでワクチン接種が進まなくて病床が逼迫するのって。みんな驚いている。>(ニューズウィーク 6月9日) こんな調子で世界がシラけている中で、日本人が「見たか、これが日本の底力だ!」とか「日本人を勇気づけてくれました」と五輪でお祭り騒ぎになったらどうか。イメージダウンというより、もはや完全に「恥」ではないか。 果たして、日本人はマスコミによる「東京五輪やっぱり最高!」という世論誘導にのっかって、1964年の時と同じく、ここまで噴出した様々な問題を闇に葬ってしまうのか。それとも今回は、マスコミに踊らされることなく、「正気」を保つことができるのか。注目したい』、「日本の戦後の高度成長は基本的に「人口増」が大きな要因である・・・人口増の勢いの時に東京五輪はたまたま重なっただけだ」、その通りだ。「今回は、マスコミに踊らされることなく、「正気」を保」ってもらいたいものだが、それは楽観的に過ぎるのかも知れない。

第三に、6月8日付け日刊ゲンダイ「JOCはショック! 経理部長自殺で囁かれる「五輪とカネ」」を鍾愛しよう。
https://www.nikkan-gendai.com/articles/view/sports/290237
・『東京五輪開催を46日後に控えた7日、JOC(日本オリンピック委員会)の幹部が飛び込み自殺――というショッキングなニュースに衝撃が広がった。 7日午前9時20分ごろ、東京都品川区の都営地下鉄浅草線中延駅で、JOCの経理部長、森谷靖さん(52)が2番線ホームから線路に飛び込み、普通列車にはねられた。森谷さんは病院に搬送されたが、2時間後に死亡が確認された。森谷さんはスーツ姿で、遺書は見つかっていない』、悲惨な事件だが、何があったのだろう。
・『ネット上ではさまざまな憶測が  世論の多くが東京五輪の中止を求める一方、政府は強行開催に突き進んでいることから、ネット上ではさまざまな臆測が入り乱れている。 〈「経理部長」職ということは、既に帳簿が「紛失」したりとか、表に出せない事情や事態が山盛りあるのでは……?〉〈公にはできない秘密を隠し続けることが耐えられなかったのか〉 先月26日に行われた衆院文科委員会では、東京五輪組織委員会が広告代理店に委託している会場運営のディレクターの1日当たりの人件費が35万円と、あまりにも高額だという指摘が野党議員からあった。さらに今月5日には、会場準備を担当する組織委員会の現役職員がJNNの「報道特集」に出演。会場運営の業務委託を受けた広告代理店に、10~15%の「管理費」を支払うという不透明な金の流れを証言した。 そのため〈国会でも追及が始まった「不審なカネの流れ」と自殺との間に何らかの関連性があるのではと推察せざるを得ない〉〈先週末の報道特集で匿名で洗いざらい証言してたJOC職員ってひょっとすると……〉といった書き込みがあったが、組織委員会とJOCは全く別の組織で、自殺した経理部長とテレビで証言した現役職員は、職種も違えば立場も異なる』、なるほど。
・『とにかくマジメで優秀と評判だった  亡くなった森谷さんは、どのような人だったのか。 埼玉の名門進学校・県立浦和高を出て、法政大に進学した。卒業後は堤義明氏が実質オーナーを務めていた国土計画に就職しました。とにかくマジメで優秀と評判でしたから、こんな五輪のゴタゴタなどで、自ら命を落とすなんて考えられません」(五輪担当記者) 森谷さんは90年代前半、国土計画からJOCに出向。国土計画を辞職後、そのまま再雇用され、以来、経理を担当していた。 2007年以降、JOCの加盟団体である日本スケート連盟や全日本柔道連盟、日本ホッケー協会、日本体操協会、日本フェンシング協会など競技団体の不正受給が相次ぎ、その際、会計監査から呼び出されることもあったようだ。これを受け、JOCは、文科省から東京五輪に向け、さらなるガバナンス強化策を求められていた。 JOCの職員たちは森谷さんの自殺の原因について思い当たるようなフシはなく、ショックを受けているそうだ。遺書が出てくれば動機が判明する』、「自殺」するからには、何かよほど切迫した事情があった可能性があるが、現段階では何とも言えない。

第四に、6月17日付け日刊ゲンダイ「“尾身の反乱”腰砕けの完全降伏 五輪1万人案が招く感染爆発」を紹介しよう。
https://www.nikkan-gendai.com/articles/view/sports/290672
・『「今の状況でやるというのは普通はない」――と、五輪開催に突っ走る菅政権を牽制していた、政府のコロナ対策分科会の尾身茂会長の“反乱”は結局、鎮圧されてしまったようだ。16日の分科会後に会見が行われ、どんな言葉が出てくるのか注目が集まったが、見せどころはゼロ。「やってる感」と「今さら感」が漂う会見に終わった。 「ウィーシュ」 会見開始の直前、こう小さく気合を入れた尾身会長。分科会が政府に提言した「科学とICTを用いた対策」の説明から始めたが、肝心の中身は、感染状況を把握するための下水調査など、どれも聞いたことのある対策ばかり。1年以上もコロナ対策の最前線にいるはずなのに、今さら「科学技術をフルに活用する時代になってきた」と熱弁を振るっていた。 変異株の登場を踏まえ、行動変容を改めて訴えたものの、「鼻にフィットしたマスクの着用」「大声を避ける」など、こちらも目新しさは皆無だった。 中身スカスカの「提言」をよそに、記者の質問はイベントの人数制限に集中。7、8月のイベントを「最大1万人」とする政府案を分科会が認めたからだ。 現行の基準では、緊急事態宣言や重点措置の対象地域には「5000人または定員の50%以内の小さい方」、解除後は「5000人または50%の大きい方」を適用することになっている。ところが尾身会長は、人数を増やす「1万人案」をアッサリ了承。あれほど「(五輪を)やるなら強い覚悟でやってもらう必要がある」と菅政権にクギを刺していたのに、観客を入れて五輪を開催したい政府に“敗北”した格好だ。 誰がどう見ても、政府案は五輪開催をにらんだ人数制限の緩和だが、尾身会長は会見で「五輪とは関係ないとの前提で了承した」の一点張り。五輪の観客数にも「1万人」を当てはめるかどうか聞かれても、「(五輪を開催した場合のリスクや対策をまとめた提言を)近日中に発表する」と繰り返すだけだった』、「尾身茂会長の“反乱”」には期待していたが、「腰砕けの完全降伏」、とは残念だ。何故こうなったのだろう。
・『大会期間中の再宣言もあり得る  しかし、このまま政権の思惑通りに観客を入れて五輪を開催したら、感染拡大は避けられない。16日に開かれた厚労省のアドバイザリーボードで、国立感染症研究所や京大などの専門家チームが示した試算は衝撃的だ。 チームは今月20日の宣言解除、その後の人流増を想定し、9月までの都内の新規感染者数を推定。7月末から8月初旬に再発令に至るとハジき出した。インド株が猛威を振るった場合、再発令は7月初旬とも試算した。 厄介なのは、インド株の症状が分かりづらいことだ。英国の研究によると、その症状は従来株で見られた「咳・発熱」「味覚・嗅覚の喪失」とは違い、「頭痛」「のどの痛み」「鼻水」がメインだという。季節の変わり目によくある、軽い風邪や体調不良とほとんど同じだ。 五輪に「1万人」もの観客を入れて感染爆発なんてことになったら、尾身会長はどう責任を取るのか』、「専門家チームが示した試算は衝撃的だ。 チームは今月20日の宣言解除、その後の人流増を想定し、9月までの都内の新規感染者数を推定。7月末から8月初旬に再発令に至るとハジき出した。インド株が猛威を振るった場合、再発令は7月初旬とも試算」、オリンピックは8月8日で終了するが、それまでの間で仮に「再発令」となれば、菅内閣にが大打撃となるだろう。
タグ:東京オリンピック 日刊ゲンダイ ダイヤモンド・オンライン 窪田順生 山田厚史 (五輪) (その18)(「五輪の力」は世論を変える?菅首相が仕掛けた社会実験、「東京五輪やっぱり最高!」というマスコミの手のひら返しを警戒すべき歴史的理由、JOCはショック! 経理部長自殺で囁かれる「五輪とカネ」、“尾身の反乱”腰砕けの完全降伏 五輪1万人案が招く感染爆発) 「「五輪の力」は世論を変える?菅首相が仕掛けた社会実験」 「念仏のように「国民の命と健康を守り、安全安心な大会が実現できるように全力を……」と繰り返す」、およそ説得力がない戯言だ 「開催すれば、ナショナリズムが燃えて世論が変わるかもしれない。勝機はそこだけ。さまざまな不安には目をつむり、楽観的願望を頼りに突進する。第2次大戦末期にも似た展開です」、そうした「菅首相」を追求しない主要マスコミも罪が深い 「G7で「世界への約束」」になったというのは、戯言だ。世界は「約束」ではなく、日本の一方的な表明と捉えるだけだ。「「五輪貴族用」の席を求めている」、厚かましいにもほどがある。 「首相は国会で「黙秘」しながら、裏で「観客を入れて開催」という方針を鮮明にしていたということのようだ。本当なら国民への背信である」、その通りだ。 「尾身会長」はうしろの第四の記事にあるように、最終的に腰砕けになったようだ 確かに「森友学園」や「加計学園問題」、「桜を見る会」の問題などで、「安倍首相は責任を問われることなく、逃げ切った」成功を、官房長官として仕切った体験からすれば、「五輪」の乗り切りなど容易だとたかを括っているのだろう 「規制だらけのプレイブックで外国から来た選手は収容所のような環境に置かれる」、やはり「東京五輪は「スポーツの祭典」として欠陥大会」になりそうだ。 「この大博打には国民の命と暮らしが賭けられていることを忘れるわけにはいかない」、同感である。 「「東京五輪やっぱり最高!」というマスコミの手のひら返しを警戒すべき歴史的理由」 幸い私は「40年後」までが生きていないので、そんな酷いシーンを見ずに済みそうだ。 未来の日本人のためにも、現代を生きるわれわれは、これから起きるであろうマスコミの「いろいろあったけど、やっぱり五輪って最高ですね」という手のひら返しにかなり警戒しなければいけないのだ』、同感である 「デーブ・スペクター氏」の鋭い指摘はさすがだ。 「「教育」ではなく「洗脳」である」、言い得て妙だ。 私は当時、高校生だったので、そんな「サクセスストーリーによって、日本人の間に「オリンピックは常に正しい」という宗教のような思想が、「日本人の常識」としてピタッと定着してしまった」、というのは初めて知った。 「「五輪ファシズム」を加速させないためにも、マスコミの「五輪ってやっぱりサイコーですね」という世論誘導に乗せられないことが重要」、同感である。 「日本の戦後の高度成長は基本的に「人口増」が大きな要因である・・・人口増の勢いの時に東京五輪はたまたま重なっただけだ」、その通りだ。「今回は、マスコミに踊らされることなく、「正気」を保」ってもらいたいものだが、それは楽観的に過ぎるのかも知れない。 「JOCはショック! 経理部長自殺で囁かれる「五輪とカネ」」 悲惨な事件だが、何があったのだろう 「自殺」するからには、何かよほど切迫した事情があった可能性があるが、現段階では何とも言えない。 「“尾身の反乱”腰砕けの完全降伏 五輪1万人案が招く感染爆発」 「尾身茂会長の“反乱”」には期待していたが、「腰砕けの完全降伏」、とは残念だ。何故こうなったのだろう。 「専門家チームが示した試算は衝撃的だ。 チームは今月20日の宣言解除、その後の人流増を想定し、9月までの都内の新規感染者数を推定。7月末から8月初旬に再発令に至るとハジき出した。インド株が猛威を振るった場合、再発令は7月初旬とも試算」、オリンピックは8月8日で終了するが、それまでの間で仮に「再発令」となれば、菅内閣にが大打撃となるだろう。
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防衛問題(その17)(自衛隊とは大違い 米海兵隊が取り組む新たな水陸両用戦の中身 伝統的水陸両用戦ではもはや対中戦に適合できない、コロナ危機のウラで、日本政府が「9000億円」をムダにすることが判明…! 防衛省が安倍案件にこだわった結果…) [国内政治]

防衛問題については5月11日に取上げた。今日は、(その17)(自衛隊とは大違い 米海兵隊が取り組む新たな水陸両用戦の中身 伝統的水陸両用戦ではもはや対中戦に適合できない、コロナ危機のウラで、日本政府が「9000億円」をムダにすることが判明…! 防衛省が安倍案件にこだわった結果…)である。

先ずは、5月6日付けJBPressが掲載した軍事社会学者の北村 淳氏による「自衛隊とは大違い、米海兵隊が取り組む新たな水陸両用戦の中身 伝統的水陸両用戦ではもはや対中戦に適合できない」を紹介しよう。
https://jbpress.ismedia.jp/articles/-/65176
・『トランプ政権時代にアメリカの国防戦略が大転換され、中国とロシアを筆頭とする軍事強国がアメリカ軍にとっての主たる仮想敵として位置づけられた。 それを受けてアメリカ海兵隊も、基本戦略の徹底的な見直しを基に昨年(2020年)3月末に公表された「フォースデザイン2030」というガイドラインに準拠して、組織全体にわたる抜本的大改革を開始した』、「国防戦略が大転換」に伴って、「海兵隊も、基本戦略の徹底的な見直し」をしたのは、さすがだ。日本のように古びた戦略にしがみつくのはいただけない。
・『順調に進展し始めた大改革  このほどこの組織改革努力が1年経過したため、その進捗具合と修正検討事項などが公表された(『フォースデザイン2030 年次更新』)。) それによると、戦車部隊(M1戦車を400両ほど保有していた)の全廃、重砲(M777 155mm牽引式榴弾砲)部隊の大削減、憲兵隊の全廃、といった大削減計画は順調に進展しており、すでに米海兵隊から戦車は姿を消してしまった。 自ら身を切る大削減の一方で、全く新しい部隊の編成と育成も急ピッチで進んでいる。 それは「海兵沿岸連隊」と呼ばれる戦闘部隊で、地上から沖合の艦艇を攻撃する長射程ロケット砲システムや地対艦ミサイルシステムを保有し、自らを敵のミサイル攻撃や航空機攻撃から守るための防空ミサイルシステムも備えた、海兵隊にとっては全く新機軸の部隊である。今なおハワイで実験的育成中であるが、順調に建設が進んでおり、間もなく本格的に部隊を追加していき、沖縄を中心に実戦配備が開始されることになる。 米海兵隊でこのような大改革が進められているのは、海兵隊の主たる仮想敵がこれまで四半世紀にわたって戦闘を続けてきたテロリスト集団から「中国人民解放軍の海洋戦力」という先進兵器で武装した正規軍へと転換され、想定される戦域が南シナ海や東シナ海の島嶼や第一列島線上の沿岸地帯ということになったためである。つまりこれまでの海兵隊では戦闘にならなくなってしまったということだ』、「主たる仮想敵が」、「テロリスト集団から「中国人民解放軍の海洋戦力」という先進兵器で武装した正規軍へと転換」、確かに大きな「転換」だ。
・『海兵隊の伝統的イメージと現実  これまで長きにわたってアメリカ海兵隊といえば、最も危険な軍事作戦の1つである強襲上陸作戦に代表される水陸両用戦を“表看板”に掲げる軍隊と一般的にはみなされてきた。また自らもそのように宣伝してきた。強襲上陸作戦とは、敵が待ち構えている海岸線に殺到して沿岸域の敵を撃破し、橋頭堡を確保する作戦である。 しかしながら米海兵隊が戦闘を交えながらの強襲上陸作戦を最後に実施したのは朝鮮戦争における仁川上陸(クロマイト作戦、ただし米海兵隊だけではなく米陸軍、韓国陸軍、韓国海兵隊も参加)である。もしくはかろうじて強襲上陸作戦とみなしうる戦闘を経験したのは、グレナダ侵攻(1983年10月)が最後である。1995年にソマリアで上陸作戦が実施されたが、これは戦闘が生起しない地点への単なる上陸であった。 そして、湾岸戦争(1991年1月)以後これまで30年にわたって海兵隊が戦闘を繰り広げてきたのは、イラクやアフガニスタンでのサダムフセイン軍閥やテロリスト集団相手の戦闘であった。 要するに、アメリカ海兵隊は一般に流布している“表看板”とは違って、実際に実戦経験を積み重ねてきたのは、米陸軍と同じく砂漠地帯や山岳荒地での地上戦や市街地での近接戦が中心となっている。強襲作戦や襲撃作戦といった水陸両用戦闘の実戦経験は持ち合わせていないのだ』、「海兵隊」といっても、「強襲作戦や襲撃作戦といった水陸両用戦闘の実戦経験は持ち合わせていない」、というのは意外だが、言われてみればその通りなのだろう。
・『対中戦に適合できない伝統的水陸両用戦  これまで80年以上にわたって海兵隊が“表看板”に掲げてきた水陸両用戦は、強襲上陸作戦を主軸に据えた軍事作戦である。その基本的コンセプトは、1920年代から1930年代にかけて「来たるべき日本との太平洋の島嶼をめぐっての攻防戦に備えるために」海兵隊の鬼才と言われたアール・ハンコック・エリス中佐が策定した作戦計画(『マイクロネシアにおける前進基地作戦』)に起源を持つ“時代物”の作戦概念ということができる。 もちろん、ヘリコプター、強襲揚陸艦、VTOL攻撃機、ホバークラフトやオスプレイなど新兵器の誕生によって作戦概念に修正が加えられてはいるものの、水陸両用戦の基本的アイデアそのものは極めて伝統的なコンセプトに立脚しているのである。 ところが、中国海洋戦力を相手に実際に水陸両用戦を準備することになるや、伝統的な水陸両用戦のアイデア自体を抜本的に見直さなければならなくなってしまった。というのは、中国軍の接近阻止戦力が予想をはるかに上回るスピードで充実してしまったため、そもそも海兵隊上陸侵攻部隊を積載した艦隊が、作戦目的地沖合に接近することすら不可能に近い状況になってしまったからである』、「海兵隊上陸侵攻部隊を積載した艦隊が、作戦目的地沖合に接近することすら不可能に近い状況になってしまった」ほど、「中国軍の接近阻止戦力」が「充実」したとは驚かされた。
・『接近阻止戦闘が新たな水陸両用戦  そこで海兵隊首脳陣が打ち出した新機軸の水陸両用戦は、 +中国軍の手に落ちていない島嶼や第1列島線上の沿岸地域に海兵沿岸連隊を展開させて、中国艦隊や航空戦力が接近するのを迎撃する態勢を固める、+そして中国側の隙を突いて、さらに前方の島嶼などに海兵沿岸連隊を急展開させて対中国軍接近阻止エリアを拡大する、 +こうして中国軍が南シナ海や東シナ海を自由自在に動き回れる範囲を狭めることにより、中国による海洋侵出政策を封じ込める一助となる、 というものである。 一言で言うと、太平洋側から中国大陸に向けて侵攻してくるアメリカ軍を、強力な接近阻止戦力によって南シナ海や東シナ海で釘付けにしてしまう中国軍の対米接近阻止戦略と真逆の態勢をとることにより、中国軍が南シナ海や東シナ海の中国より海域から第一列島線に向けて接近することを阻止する戦略を実施しようというわけである。 そのため大改革を進めている米海兵隊は、少なくとも南シナ海の島嶼環礁や第1列島線周辺における中国海洋戦力相手の戦闘においては、中国軍が防御を固めている島嶼や海岸線に上陸作戦を敢行するなどという伝統的水陸両用戦のようなアイデアは捨て去ってしまったのである(そのアイデアの典型例が陸上自衛隊が固執している島嶼奪還作戦である)』、「アメリカ」が「伝統的水陸両用戦のようなアイデアは捨て去ってしまった」のであれば、「陸上自衛隊が固執している島嶼奪還作戦」も早急に組み直す必要がある。

次に、5月22日付け現代ビジネスが掲載した防衛ジャーナリストの半田 滋氏による「コロナ危機のウラで、日本政府が「9000億円」をムダにすることが判明…! 防衛省が安倍案件にこだわった結果…」を紹介しよう。
https://gendai.ismedia.jp/articles/-/83353
・『新型コロナウイルス対策に5兆円の予備費を計上した日本政府。医療資源の不足から無駄なカネは1円も使いたくないはずである。 その政府がイージス・システム搭載艦の建造に巨額の国費を投入する。1隻あたりの建造費は2500億円以上と既存のイージス護衛艦よりはるかに高いばかりでなく、30年間使い続けた場合の総費用が4500億円に上ることが新たに判明した。 建造を予定する2隻で合計9000億円。総費用は地上配備型のイージス・アショアの2倍となり、巨大なカネ食い虫となることが確定した。 イージス・システム搭載艦は、秋田市と山口県萩市に配備する予定だったイージス・アショアの代替策。政府は昨年6月、イージス・アショアの推進装置「ブースター」を安全に落下させるには2400億円の追加費用が必要になるとして導入断念を決め、昨年12月、菅義偉首相がイージス・システム搭載艦2隻の新規建造を閣議決定した。 防衛省は2隻の建造費について「2400億円~2500億円以上」と発表し、最新のイージス護衛艦「はぐろ」の建造費より最大で766億円以上、つまり汎用護衛艦1隻分の建造費と同じくらい高いことがわかっていた。 総費用については「お示しすることは困難」(2月9日衆院予算委員会、岸信夫防衛相)と非公表としてきたが、30年間の維持、整備にかかる総費用は「3792億~3842億円+α」と21日、朝日新聞が報じて明らかになった。 イージス・システム搭載艦が高額になるのは、地上に置くべきイージス・アショアの大型レーダーをイージス護衛艦に搭載することから船体が大型化し、推進性能、船体構造、重量重心などの見直しが必要になり、建造費が跳ね上がるからだ。 いわば天守閣を船に載せるがごとき、珍妙なアイデアをひねり出した末の無駄遣いといえる』、「イージス・アショア」導入時も大きな問題があったが、代替策はそれ以上に問題が大きいようだ。
・『米国製兵器の「爆買い」  昨年6月、国家安全保障会議で正式にイージス・アショアの導入断念を決めたにもかかわらず、防衛省は米政府との契約を解除せず、「地上イージス」を海に移して「洋上イージス」に変える検討を始めた。 そもそもイージス・アショアは、安倍晋三前首相がトランプ前米大統領に迫られて購入を約束した米国製兵器の「爆買い」のひとつだ。 政府が導入を決めるまでの経緯について、防衛省の事務方ナンバー2だった真部朗元防衛審議官が今年3月、元文官らが運営するサイトに記事を投稿したが、すぐに削除されるドタバタ騒ぎが起きた。 寄稿の中で真部氏は2018年度防衛費の概算要求に「事項要求」として金額未定のまま「イージス・アショアを中心に検討」と書き込まれたことを疑問視し、「主要な防衛装備品を導入するにしては行政実務的にあまりに性急で、当初から政治主導案件であった」と批判した。 つまりイージス・アショアは、安全保障上の必要性からではなく、政治案件として予算化されたことを指摘し、これに異を唱えたのである。 皮肉にも真部氏の投稿を削除し、「洋上イージス」として蘇らせて製造元の米国にカネを払い続ける仕組みを維持して、安倍前首相の顔が立つよう尽力したのは真部氏の同僚たちである』、「イージス・アショアは、安全保障上の必要性からではなく、政治案件として予算化された」、まさに「安倍前首相」のための案件だったようだ。
・『安倍路線を継承する官僚人事  政府が「地上イージス」の導入断念を決めた当時の防衛事務次官は、第2次安倍政権で内閣府審議官を務めた高橋憲一氏。ナンバー2の官房長は島田和久氏だ。 島田氏は安倍首相の秘書官を7年近くも務め、安倍氏の「大のお気に入り」とされた。2019年7月、島田氏が首相官邸から防衛省へ戻るのに合わせて、官房長になって1年も経たない武田博史氏が防衛装備庁長官に異動し、同長官だった深山延暁氏は定年まで1年を残し、就任1年未満で退職した。 島田氏のためにポストを空ける玉突き人事が行われたのである。これらは内閣承認人事にあたり内閣の意に沿わなければ差し戻される。防衛省が安倍氏の意向を忖度して人事案を提出したのは間違いない。 そして高橋事務次官、島田官房長のナンバー1、2コンビのもとで防衛省は「地上イージス」を「洋上イージス」に置き換える荒技を進めた。 その途中の昨年8月には島田氏が事務次官に昇格し、高橋氏は内閣副官房長官補に栄転した。事務次官経験者がこのポストに就くのは初めてであり、防衛省同期の前田哲内閣副官房長官補を退任させての内閣官房入りである。 省内では「イージス・アショアをつなぎ止めた論功行賞」と見られた。これにより、安倍路線を継承する防衛省関連の官僚人事が完成した』、「イージス・アショアをつなぎ止め」るために、膨大な費用が必要になったことは本来、財務省が指摘すべきだが、財務省もいち早く忖度官庁になっているので、期待できない。野党は防衛予算には余り詳しくないので、期待薄だ。
・『兄の期待に応え続ける岸防衛相  支えるのは官僚だけではない。菅内閣のもとで安倍氏実弟の岸信夫氏が初入閣し、防衛相の職に就いた。 岸氏は就任してすぐに電話やオンラインで各国との協議や大使との対面会談を繰り返した。その中で安倍氏が打ち出した「自由で開かれたインド太平洋」を強調し、兄の期待通りの活動を続けている。 昨年9月25日、防衛省であった記者会見で「洋上イージスとする場合、(イージス・アショアのレーダーの)SPY7を活用するのか」と問われた岸氏は「契約済みのレーダーを活用することが合理的ではないか。契約を維持していく」と述べ、安倍路線の忠実な継承者を印象づけている。 安倍氏は首相辞任するタイミングで実弟を防衛相として送り込み、気心の知れた官僚に防衛政策を任せた。米国と約束した「爆買い」路線を破綻させない政官の枠組みがつくられたことになる。 防衛省が従順なのは人事を通じて権力の恐さを見せつけられたことだけではない。安倍氏を守れば、自らの「失策」を隠すことにもつながるからだ』、「安倍氏は首相辞任するタイミングで実弟を防衛相として送り込み、気心の知れた官僚に防衛政策を任せた。米国と約束した「爆買い」路線を破綻させない政官の枠組みがつくられたことになる」、トランプからバイデンに変わったことで、「爆買い」の「約束」を守る必要は薄れたにも拘わらず、これだけ大掛かりな「政官の枠組み」をつくった背景には何があるのだろうか。
・『レーダー選定のナゾ  イージス・アショアのレーダーは当初、米国のレイセオン社で開発中の「SPY6」が有力視されたが、突然、ロッキード・マーチン社が米本土防衛用にアラスカで建造中の長距離識別レーダー「LRDR」をイージス・アショア向けに転用する「LMSSR(後のSPY7)」を提案し、2社の競合となった。 防衛省で比較検討した結果、基本性能、整備性などの後方支援、経費の3点で「LMSSR」に軍配が上がったとされる。 防衛省の選定時点で、米イージス艦への採用が決まり、開発が先行した「SPY6」に対し、「LMSSR」は構想段階に過ぎなかった。現物がないのだから性能を確かめようがない。本来なら比較できない2つのレーダーをカタログ性能だけで1つに絞ったことになる。 最大の選定理由は、米国防総省の「いち推し」が「LMSSR」だったからである。そのナゾは後になって判明する。 2019年になって米国防総省は「LMSSR」を「SPY7」と命名して制式化した。これに伴い「SPY7」の派生型レーダーをカナダとスペインに売却し、両国の新型戦闘艦に搭載することが決まった。 一方、防衛省が「SPY7」を選定した理由のひとつに富士通のレーダー素子を採用する国内企業参画を挙げていたが、米側から納期遅れと価格高騰を指摘され、参画を断念した。 実はロッキード・マーチン社はスペインのインドラ社のレーダー素子を採用しており、「SPY7」を売買する米国とスペイン間のオフセット取引によって富士通は排除された疑いが濃厚になっている。 防衛省が「LMSSR」を選定した後になって米国防総省は、当初の日米協議にはなかった模擬ミサイルを発射してレーダーの性能を確認する実射試験の費用負担を求めた。防衛省は応じることを決め、約6億ドル(約660億円)の支払いが見込まれている。 つまり、米国は日本のカネで「SPY7」を開発しながらも日本の企業は排除し、日本のカネで実射試験まで行って性能を確かめ、その結果、完成したレーダーを海外に売ってもうけようというのだ。日本はまんまと米国の罠にはまったのである。) 米国で開発中のイージス艦専用レーダー「SPY6」ならそのまま「まや」型に搭載できるため、船体の大型化は不要となるうえ、米政府の保証も受けられる。 それでも「SPY7」の採用にこだわるのは、2019年度の防衛費でイージス・アショア2基の取得費などに1757億円を計上し、米政府との間で支払い契約を済ませていることが大きい。 契約破棄となれば、巨額の違約金を求められる。その結果、責任問題に発展して、イージス・アショアの導入が安倍氏主導の政治案件であることや防衛省によるレーダー選定の異様が一気に表面化する。 元を正せば、安倍氏がトランプ氏の求めるままに購入を約束したことが間違いだった。そこに防衛官僚によるレーダー選定の「誤り」が重なった。誤解を恐れずにいえば、安倍氏と防衛省は「共犯関係」に等しく、防衛省と岸氏は今、「臭いものに蓋」をしているのではないだろうか』、「安倍氏と防衛省は「共犯関係」に等しく、防衛省と岸氏は今、「臭いものに蓋」をしているのではないだろうか」、恥ずべき行為だ。
・『海上自衛隊OBも痛烈批判!  当然ながら海上自衛隊は反対し、OBからも計画の撤回を求める声が上がっている。 元自衛艦隊司令官の香田洋二氏は「現在の防衛省は、善意に解釈しても、わが国防衛と予算取得上の根本的な疑問や問題を残したまま、見切り発車的に代替案の実現に驀進しているように映る。厳しい言い方になるが、この姿勢はわが国の防衛力整備の体をなしていないといわざるを得ない」(『正論』1月号)と痛烈に批判している。 地上配備を前提に設計したレーダーを艦艇に載せる愚は犯すべきではない。真に国益を考えるならば、しがらみを振り払い、米政府に違約金を支払ってでも、イージス・システム搭載艦の建造を見送るべきだろう』、「海上自衛隊OBも痛烈批判」、「真に国益を考えるならば、しがらみを振り払い、米政府に違約金を支払ってでも、イージス・システム搭載艦の建造を見送るべき」、同感である。
タグ:防衛問題 JBPRESS 現代ビジネス 北村 淳 半田 滋 (その17)(自衛隊とは大違い 米海兵隊が取り組む新たな水陸両用戦の中身 伝統的水陸両用戦ではもはや対中戦に適合できない、コロナ危機のウラで、日本政府が「9000億円」をムダにすることが判明…! 防衛省が安倍案件にこだわった結果…) 「自衛隊とは大違い、米海兵隊が取り組む新たな水陸両用戦の中身 伝統的水陸両用戦ではもはや対中戦に適合できない」 「国防戦略が大転換」に伴って、「海兵隊も、基本戦略の徹底的な見直し」をしたのは、さすがだ。日本のように古びた戦略にしがみつくのはいただけない。 「主たる仮想敵が」、「テロリスト集団から「中国人民解放軍の海洋戦力」という先進兵器で武装した正規軍へと転換」、確かに大きな「転換」だ。 「海兵隊」といっても、「強襲作戦や襲撃作戦といった水陸両用戦闘の実戦経験は持ち合わせていない」、というのは意外だが、言われてみればその通りなのだろう。 「海兵隊上陸侵攻部隊を積載した艦隊が、作戦目的地沖合に接近することすら不可能に近い状況になってしまった」ほど、「中国軍の接近阻止戦力」が「充実」したとは驚かされた。 「アメリカ」が「伝統的水陸両用戦のようなアイデアは捨て去ってしまった」のであれば、「陸上自衛隊が固執している島嶼奪還作戦」も早急に組み直す必要がある。 「コロナ危機のウラで、日本政府が「9000億円」をムダにすることが判明…! 防衛省が安倍案件にこだわった結果…」 「イージス・アショア」導入時も大きな問題があったが、代替策はそれ以上に問題が大きいようだ。 「イージス・アショアは、安全保障上の必要性からではなく、政治案件として予算化された」、まさに「安倍前首相」のための案件だったようだ。 「イージス・アショアをつなぎ止め」るために、膨大な費用が必要になったことは本来、財務省が指摘すべきだが、財務省もいち早く忖度官庁になっているので、期待できない。野党は防衛予算には余り詳しくないので、期待薄だ。 「安倍氏は首相辞任するタイミングで実弟を防衛相として送り込み、気心の知れた官僚に防衛政策を任せた。米国と約束した「爆買い」路線を破綻させない政官の枠組みがつくられたことになる」、トランプからバイデンに変わったことで、「爆買い」の「約束」を守る必要は薄れたにも拘わらず、これだけ大掛かりな「政官の枠組み」をつくった背景には何があるのだろうか。 「安倍氏と防衛省は「共犯関係」に等しく、防衛省と岸氏は今、「臭いものに蓋」をしているのではないだろうか」、恥ずべき行為だ。 「海上自衛隊OBも痛烈批判」、「真に国益を考えるならば、しがらみを振り払い、米政府に違約金を支払ってでも、イージス・システム搭載艦の建造を見送るべき」、同感である。
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東京オリンピック(五輪)(その17)(IOCはなぜ日本政府を無視して暴言を繰り返すのか 腐敗した「五輪貴族」が資金を分配する悪循環を断つべき、東京五輪の「要人接遇費43億円」は外務省内でも禁句!?予算内訳について直撃取材、「東京五輪の日当は35万円」 国会で暴露された東急エージェンシー パソナへの“厚遇”、五輪無観客はスポンサー許さず…批判の矛先は安倍前首相に) [国内政治]

東京オリンピック(五輪)については、5月4日に取上げた。今日は、(その17)(IOCはなぜ日本政府を無視して暴言を繰り返すのか 腐敗した「五輪貴族」が資金を分配する悪循環を断つべき、東京五輪の「要人接遇費43億円」は外務省内でも禁句!?予算内訳について直撃取材、「東京五輪の日当は35万円」 国会で暴露された東急エージェンシー パソナへの“厚遇”、五輪無観客はスポンサー許さず…批判の矛先は安倍前首相に)である。

先ずは、5月28日付けJBPressが掲載した元NHK職員で経済学者、アゴラ研究所代表取締役所長の池田 信夫氏による「IOCはなぜ日本政府を無視して暴言を繰り返すのか 腐敗した「五輪貴族」が資金を分配する悪循環を断つべき」を紹介しよう。
https://jbpress.ismedia.jp/articles/-/65470
・『昨年(2020年)の延期から新型コロナに翻弄されてきた東京オリンピックが、いよいよ瀬戸際に追い詰められている。野党がそろって「オリンピック反対」を打ち出し、公式スポンサーの朝日新聞も中止を求める社説を出し、世論調査でも「中止か延期」を求める意見が8割を超えた。 そんな中でIOC(国際オリンピック委員会)の委員が、無神経な発言を繰り返している。「緊急事態宣言が出ても大会は決行する」とか「首相が中止するといっても開催する」という発言は、日本の国家主権を侵害するものだ。今のところ日本政府は沈黙しているが、この状況でオリンピックは開催できるのか』、「公式スポンサーの朝日新聞も中止を求める社説を出し」、「世論調査」結果も踏まえたのだろうが、「公式スポンサー」としてはずいぶん思い切った主張をしたものだ。IOC委員の相次ぐ「無神経な発言」には腹が立つ。
・『「首相が中止を求めても開催する」  今年も東京オリンピック・パラリンピックは、開催が危ぶまれていた。新型コロナの感染が収まらず、緊急事態宣言が出される状況で、今年7月23日に開催できる条件がそろうとは思えないからだ。普通ならそれに対して、日本国民の健康に配慮して協力を求めるのが(外交辞令としても)常識だが、IOCのコメントは常識外れだった。 5月21日の記者会見で、IOCのジョン・コーツ副会長は「緊急事態宣言が出ていてもオリンピックは開催できるのか」という質問に「絶対できる」(absolutely yes)と答えた。 24日には、IOCのトーマス・バッハ会長が、ビデオメッセージで「東京大会を実現するために、われわれはいくつかの犠牲(sacrifice)を払わなければならない」と述べたが、この「われわれ」は「日本国民のことではない」と後に説明した。 そして27日発売の文春オンラインでは、ディック・パウンド元副会長が「菅首相が中止を求めたとしても、それは個人的な意見に過ぎない。大会は開催される」と答えた。 この一連のIOC幹部の発言で特徴的なのは「開催に日本政府の協力をお願いする」というのではなく、「われわれが開催する」とIOCを主語にして語っていることだ。IOCはなぜこのように強気になれるのだろうか?』、知りたいところだ。
・『不平等な「開催都市契約」  この背景には、開催都市契約という特殊な契約がある。ここでは大会の開催はIOCが各都市に「委任」するもので、主催者はIOCだけである。したがってその中止を決定する権限をもつのもIOCだけだ。 契約には「IOCによる本大会の中止またはIOCによる本契約の解除が生じた場合、開催都市、NOC(各国オリンピック委員会)およびOCOG(オリンピック組織委員会)は、いかなる形態の補償、損害賠償の権利も放棄」すると書かれている。 だから日本政府も東京都も中止を決定できる当事者ではない、という人がいるが、それは誤りである。これは国家間の条約ではないので、日本政府はそれを履行する国際法上の義務を負わない。IOCは国際機関ではなく、放映権料やスポンサー料などの収入で運営される民間団体なので、この契約を執行する権限は日本政府にあるのだ。 たとえば国立競技場をオリンピックに使わせるかどうかは、文部科学省が決定できる。そのためには法改正は必要なく、「新型コロナの感染拡大を防ぐため国立競技場の利用を禁止する」という閣議決定で十分である。 それに対してIOCが異議を申し立てて行政訴訟を起こすことができるが、7月末までには間に合わない。IOCが日本政府に違約金の支払いを求めて訴訟を起こすこともできるが、それも日本の裁判所に起こすしかない。内閣の正式決定に対して裁判所が賠償を認めることは考えられない。 この場合に大事なのは契約上だれが決めるかではなく、中止の決定が妥当かどうかである。もし開会式の段階で緊急事態宣言が発令されており、デパートや映画館に休業要請しているとすれば、国立競技場だけをIOCに使わせることは不当である。IOCが「選手には特別に安全対策を講じたので例外にしてほしい」と東京都に要求しても都は拒否できる。 最終決定権はIOCではなく、日本政府と東京都にあるのだ。それなのにIOCが無神経な発言を続ける背景には、もっと複雑な事情がある』、「開催都市契約」は「国家間の条約ではないので、日本政府はそれを履行する国際法上の義務を負わない」、言われてみればその通りなのかも知れないが、「日本政府」もそれに署名しているので、契約順守義務がありそうな気もする。ここは「池田」氏の説を信じることにしよう。
・『日本政府はIOCの「腐敗のサイクル」を断て  その理由は、IOCが日本政府に報復する手段をもっているからだ。東京都がIOCから委任されたオリンピックを中止したら、日本は二度とオリンピックを開催できないだろう。IOCは今後の大会で日本の選手団を拒否するかもしれない。 さらにIOCはオリンピックの放映権料を各競技団体に配分する権限をもっている。これはサッカーやバスケットボールなどのプロスポーツでは問題ではないが、大部分のアマチュアスポーツはIOCの分配する放送権料が最大の資金源である。 IOCの資料によれば、2013年から2016年までのIOCの収入は約57億ドル(約6200億円)で、その73%が放映権料である。収入の90%が世界各国に、アマチュアスポーツの強化費用として分配されている。JOC(日本オリンピック委員会)も年間112億円を受け取っている。 オリンピック開催地を決めるとき、賄賂でIOC委員を買収しないと当選できないことは、周知の事実である。JOCの竹田恒和前会長は、IOCの委員を280万シンガポールドル(約2億2000万円)で買収した容疑でフランス司法当局の追及を受け、竹田会長もJOCも金を払った事実は認めた。 要するにIOCが企業から集めた放映権料が各国に分配され、それが賄賂としてIOCの「五輪貴族」に環流する腐敗のサイクルができているのだ。しかもJOCがIOC委員に金を贈っても、日本の刑法では贈賄罪に問われない。IOCは国際機関ではなく、その委員は「外国公務員」ではないからだ。竹田前会長の容疑も、曖昧なまま終わった。 IOCが異常に強気の発言を続けるのは、このような歪んだガバナンスを利用して、日本政府や東京都が中止したら、今後オリンピック利権は分配しないと脅しているのだ。 こんな脅しでIOCのいうことを聞いたら、菅政権は世界から「IOCのようなヤクザに屈服したのか」と笑い物になる。緊急事態宣言の中でオリンピックだけを特別扱いしたら、国民は自粛要請にも従わないだろう。 IOCは「再延期は認めない」としているので、日本政府の選択肢は開催か中止かの二択である。開催するなら政府は緊急事態宣言を解除し、国民生活を正常に戻すべきだ。 それと同時にIOCと交渉して暴言を撤回させ、ガバナンス改革を要求すべきだ。法的正統性のない五輪貴族に私物化されている組織を、法にもとづく国際機関に変える必要がある』、説得力溢れた主張で、全面的に同意する。ただ、今夕、オーストラリアの選手が外国人として初めて来日、このままだとどんどん来日してしまい、「中止」は出来なくなるので、「中止」するのであれば、早目に決断する必要がある。

次に、5月24日付けAERAdot.「東京五輪の「要人接遇費43億円」は外務省内でも禁句!?予算内訳について直撃取材」を紹介しよう。
https://dot.asahi.com/dot/2021052300007.html?page=1
・『3度目の緊急事態宣言の解除の目途が立たない中、東京五輪・パラリンピック開催ありきで突っ走る菅政権。 全世界でパンデミックの収束がみえない状況下、訪日する首脳たちをおもてなしするため、外務省は「要人接遇関係経費」として43億6100万円を確保している。開催まで2カ月を切った時点で、訪日が公表されているのは、2024年にパリ五輪を控えるフランスのマクロン大統領くらいだ。アメリカのバイデン大統領は招待されているものの、明確な回答は出していない。国際ジャーナリストの高橋浩祐さんはこう指摘する。 「外務省関係者によると、要人接遇関係費をなくせば予算が大幅に削減できるのに、そうしたことは省内で禁句とされているようです。外務省に関わらず、オリンピックを錦の御旗に掲げて予算をぶんどった所がたくさんあるのです。オリンピックを口実に予算を取って、組織存続のために勢力争いをしているようなものです」 要人接遇関係経費43.6億円には、菅義偉首相主催の「晩さん会」が含まれているとされる。 「関係者からは、赤坂迎賓館に各国の賓客を呼んで歓迎パーティーをする費用が入っていると聞きました。先日も医師会がパーティーをしていたことが問題になったように、世論的には難しいでしょう。そもそも、外からみても日本のワクチン接種率は低い。こうしたホスト国に首脳たちは来ようと思うのでしょうか」(高橋さん) 外交の名目で東京五輪の「晩さん会」が通用したのはコロナ前のことであろう。海外から首脳を招き、「人類がコロナに打ち勝った証し」として杯を交わすなど、世論を逆なでするようなもので、「晩さん会」開催は現実的ではない。半ば宙に浮いた43.6億円を何に使うつもりでいるのだろうか。 AERA dot.では、外務省の要人接遇事務局に43.6億円の使途を問い合わせた。 「大統領、国王、首相といった首脳級の人たちの接遇に必要なものとして予算を計上しています。例えば、外務省から賓客に車両の提供や、空港での接遇など。細かいことを言うと、赤じゅうたんを敷くとか、空港に要人が来た時のVIPルームといったらいいのか、出発前にちょっと待っていただく部屋も確保する必要がありますので、そのあたりでかかってくる経費が主に含まれています」(要人接遇事務局)』、「外務省に関わらず、オリンピックを錦の御旗に掲げて予算をぶんどった所がたくさんあるのです」、「要人接遇関係費をなくせば予算が大幅に削減できるのに、そうしたことは省内で禁句とされているようです」、こんな例は他の省庁にもあるのだろう。
・『東京五輪に何カ国、何人の要人が訪日するかについても質問したが、明確な回答はなかった。 「各国のオリンピック委員会が、その国の要人として誰を呼ぶかを決めて、IOC(国際オリンピック委員会)が承認すれば、要人として開会式に出席したり、競技を観戦したりすることができる仕組みになっておりまます。日本政府が招待するわけではないため、日本側から何人とは言いにくいです。コロナ禍での開催となるので、普段よりは要人の数は少なくなるかと思います」(要人接遇事務局) 接遇費の試算は、過去の五輪開会式に出席した要人の数と、2年前に開催したG20や即位の礼を参考にしたという。 「リオに約40名、ロンドンと北京には約80名の首脳級の要人が開会式に出席したと把握しております。1カ国当たりの予算は2年前に開催したG20や即位の礼を踏まえながら考えております。その時にかかった車両の経費などを参考にしています。同じ接遇をするわけではないのですが、細かい予算の積み上げがあり、国の数と掛け合わせて予算を要求しています」(要人接遇事務局) 1カ国当たりの予算を繰り返し尋ねたが、回答を濁した。 「そこはちょっと……。予算には、事務局の運営費も含まれているので、単純に1カ国当たりいくらという話にはならないのです」(要人接遇事務局) ちなみに要人接遇事務局の運営費とは、臨時組織として借りた机や、大会期間中に空港に設ける連絡室の経費だと言い、「全体の単位から見ればそれほど大きくはないが、無視できない金額」と説明していた。 要人の宿泊費は、外務省の予算43.6億円には含まれていないという。 「費用は各国側でみてもらうことになっております。大会組織委員会が宿泊先を斡旋しますが、必ず指定のホテルに泊まるわけではないかと思います。ただ、別途部屋をとる場合にもちゃんとホテル側に動線を分けるなどの相談してもらうよう、各国にお願いをしているところです」(要人接遇事務局)』、なるほど。
・『その他にも、要人の隔離期間やPCR検査を選手たちと同じように扱うかは「検討中」だという。ワクチン接種については、「義務化されていないので、考慮する要素にはならない」と回答した。 長野冬季五輪(1998年)の時、要人接待費を巡って使途不明金が発生し、招致委員会の会計名簿が廃棄されたことが問題となった。前出の高橋さんは言う。 「この時は何人ものIOC委員が京都に行って芸者接待を受けていました。英BBCの調査報道記者らが執筆した『黒い輪』に<成金の日本円が行き来し、芸者がIOC委員に密着するものであった>と記しています」 IOC調整委員会と大会組織委員会などによる合同会議の終了後の21日、記者会見したコーツ副委員長は「五輪パラの開催期間中に緊急事態宣言が発令された場合、大会を開催するのか」との質問に、「答えはイエスだ」と断言。日本中でひんしゅくを買った。IOCの強硬姿勢は「ぼったくり男爵」などと海外でも批判を浴びている。 使途が不透明になっている外務省の要人接待費をこの際、きちんと見直したらどうか』、同感である。

第三に、5月30日付け日刊ゲンダイ「五輪無観客はスポンサー許さず…批判の矛先は安倍前首相に」を紹介しよう。
https://www.nikkan-gendai.com/articles/view/sports/289867
・『「対応できると思っている」――。観客入りの五輪開催について問われた菅首相は、28日の会見でこう意気込みを語った。プロ野球など国内のスポーツイベントが観客を入れて開催していることを念頭にしたのだろうが、野球やサッカーと五輪は規模が全然違う。開催する場合、最低でも「無観客」は必須だが、「有観客」に執着するのには理由があった。 「無観客だと組織委が見込む900億円の入場料収入が消え、国の負担になる恐れがある。政府は負担を避けたいのでしょうが、それ以上に大きいのが大会スポンサー企業の意向です。無観客開催になると、スポンサーは競技観戦の“優待チケット”を失うことになる。通常、スポンサーは取引先の幹部などに“チケット”を提供し、『家族の方とご一緒にどうぞ』などと誘って、後々のビジネスにつなげるのです。スポンサーにとってこの機会を失うのは、なにより痛い」(大会関係者)) 「無観客」に対するスポンサーの怒りについて、報道サイト「Tansa」が、組織委によるスポンサー全81社への説明会の議事録を入手し、28日付の記事「『開催中の中止』にまで言及した迷走の五輪組織委 パートナー企業は驚愕」で詳細に報じている。IOC(国際オリンピック委員会)らによる「5者協議」後に開催された説明会で組織委が「無観客」の可能性に触れると、スポンサーからはこんな批判が出たという。 〈なぜ今、無観客といい始めるのか。驚愕している。釈然としない〉〈昨年3月の時点で専門家はコロナの収束には2、3年はかかるといっていたのに、なぜ今頃最悪のシナリオが出てくるのか〉』、「スポンサーは取引先の幹部などに“チケット”を提供し、『家族の方とご一緒にどうぞ』などと誘って、後々のビジネスにつなげるのです。スポンサーにとってこの機会を失うのは、なにより痛い」、確かに「スポンサー」にとっては、「無観客」は大打撃のようだ。
・『「1年延期」を強行したのは安倍前首相  「有観客」へのこだわりがいかに強いかが分かるが、今、スポンサーや組織委の批判の矛先は「有観客」の機会を潰した安倍前首相に向かいつつあるという。) 「延期決定前、専門家からは『1年延期では短い』という声が上がっていました。組織委の森前会長も安倍氏に『2年延期』を進言。IOCも、2年延期を容認する構えだった。なのに、総理として五輪の旗を振ることを切望した安倍氏が『1年延期』を強行。初めからコロナ収束を想定し、2年延期にしていれば、完全な形での開催も可能だったかもしれない。組織委もコロナ対策にここまで頭を悩ます必要はなかったでしょう」(前出の大会関係者) スポンサーの意向で「有観客」を強行していいのか』、「組織委の森前会長も安倍氏に『2年延期』を進言。IOCも、2年延期を容認する構えだった。なのに、総理として五輪の旗を振ることを切望した安倍氏が『1年延期』を強行」、こんな内幕があったとは初めて知った。「安倍氏」の罪は本当に深いようだ。

第四に、5月30日付けAERAdot「「東京五輪の日当は35万円」 国会で暴露された東急エージェンシー、パソナへの“厚遇”」を紹介しよう。
https://dot.asahi.com/dot/photoarticle/2021053000010.html?page=1
・『東京五輪・パラリンピックの大会運営に当たるディレクターなどの日当がなんと35万円―-。 驚くような金額が明かされたのは5月26日に開かれた国会の衆議院文部科学委員会だ。立憲民主党の斉木武志衆院議員が委員会に示した東京五輪・パラリンピック組織委員会と大手広告代理店「東急エージェンシー」が交わした業務委託契約書にそう明記されていたのだ。 大会期間中、武蔵野の森総合スポーツプラザでの準備・運営にかかわるディレクター、サブディレクター、アシスタントディレクター、サービススタッフらのマネジメントなどの業務を委託するという内容で、契約が締結されたのは2019年12月17日。 当初の予定だった2020年7月の五輪開催からみれば、半年ほど前になる。業務委託契約書に添付された<内訳書>によれば、<本大会に向けての準備業務>のディレクターが最高額で1人日当、35万円。40日間で2人とされ、計上された予算が2800万円。 続いて<大会準備期間における会場運営計画策定業務>のディレクターが一人、日当25万円。40日間で1人、1000万円。 <大会期間中における会場運営業務>の運営統括、ディレクター、スーパーバイザーが日当、20万円。サブディレクターが13万5千円、アシスタントディレクター10万円、マネージャー5万円。日当の最低金額はサービススタッフ2万7千円となっている。人数は約800人で契約金額の合計は約6億2300万円(消費税込み)だ。 だが、記された金額を単純計算すると、5億1千万円ほどだ。 <仕様書>では<営業管理費11%>が計上され、そこに消費税を加えると契約金額相当となる。 斉木議員は委員会で日給35万円のディレクターを例にしてこう訴えた。 「2020年に開催されていれば、営業管理費、つまり東急エージェンシーの儲けが11%でした。それが1年延期されたところ、9%もアップして営業管理費が20%となった。東急エージェンシーはその分を上乗せして、42万円で組織委員会に請求している。週休二日制にしてみれば(月給)924万円、1000万円近い、高すぎませんか」』、「1年延期」だけで、「9%もアップして営業管理費が20%となった」、ただ単にふっかけているとしか思えない。
・『答弁に立った組織委の布村幸彦副事務総長は業務委託契約書と内訳書が「五輪組織委員会と民間事業者の契約書の一部。当事者が適切に保管すべきもので外部流出は遺憾です」と組織委と東急エージェンシーで締結された書面のコピーだと認めた。 そして、なぜ業務委託契約費が高騰しているのか。斉木議員はその理由を問いただした。 そこで登場したのが、人材派遣サービス大手「パソナグループ」だ。同社のホームページによれば、<東京オリンピック・パラリンピックでは「人材サービス」カテゴリーにおける『東京2020オフィシャルサポーター』契約を締結>と記されている。 斉木議員がさらに委員会で内部資料<TOKYO2020 パートナーカテゴリー>に基づいてスポンサー保護の項目が定められている、と暴露。次のように質問した。 「例えばソフトドリンクはオフィシャルスポンサーのコカ・コーラ。アルコールはアサヒビールと縛りがあります。人材サービス分野はパソナグループとリクルートホールディングス。人材派遣はパソナにだけというパートナー契約ではないか」 組織委の布村氏は「一般論としてはその通りです」とアッサリ認め、こう答えた。 「組織委の約4000人の3分の2の職員は、国や東京都、スポンサー企業などからの出向であります。残りの3分の1はパソナから優先的に派遣されています。しかし、大会運営業務委託は専門性もあり、パソナ以外のところからも派遣してもらっている」 パソナグループは五輪スポンサーで、人材派遣サービスとして優先されているという。大会運営業務委託は43会場で契約されており、契約者として東急エージェンシー以外にも、電通や博報堂など大手広告代理店が名を連ねる。 組織委がパソナグループ以外から人材派遣サービスを受ける場合、「パソナグループでないところから派遣を受ける旨、組織委に書面で承諾を受けないといけない」と斉木議員が明かした。 委託費が高騰する理由もこう語った。) 「大会運営業務委託が入札ではなく、随意契約、1社独占になっているからではないか」 パソナグループの<パソナから東京2020で働く>という、人材募集のホームページを見ると、選手村運営、メディカル、トランスポートなどと並んで、競技会場運営という分野が記されている。時給は1650円、1日あたり実働7時間45分とあり、日給約12700円となる。斉木議員はこう語った。 「そういう業務をパソナが時給1650円でスタッフ募集しているものを東急エージェンシーはディレクター一人、日給20万円で請求。管理費、諸経費を入れると24万6千円。中抜き率は95%。こんなに抜いている。まさに五輪ビジネス、随意契約の弊害だ」 それに対して組織委の布村氏は「人件費単価で契約しているのではない。記載の単価は業務やバックヤードなど関係部門の経費も含む」と反論したが、民間事業者との契約だと詳細な説明は拒んだ。 パソナグループの会長は、小泉政権時代に総務相などを歴任した竹中平蔵氏だ。菅義偉首相は竹中氏が総務相時代に副大臣を務めており、竹中氏は現在、菅首相の有力ブレーンの一人だ。組織委員会の幹部はこう語る』、「パソナが時給1650円でスタッフ募集しているものを東急エージェンシーはディレクター一人、日給20万円で請求。管理費、諸経費を入れると24万6千円。中抜き率は95%。こんなに抜いている。まさに五輪ビジネス、随意契約の弊害だ」、「随意契約」とはいえ、信じられないような「中抜き」だ。
・『また竹中さんのパソナグループ、政府御用達の電通かと叩かれるとやりにくいね。限られた準備期間で、しかも1年延期となっている。そこをつつがなく運営をやってくれとお願いするには、手慣れた電通やパソナグループなどに頼るしかない。手数料やマージンがアップして、契約金額が高くなっても、成功することが最優先なので仕方ない。このような契約書が表に出て金額が露出してしまうと頭が痛い」 竹中氏は防衛省が5月24日から運営しているワクチン大規模接種センター(東京)の予約システムを手掛けたマーソ社の経営顧問も務めている。斉木議員はこう疑問を投げかける。 「コロナ禍における持続化給付金の事務手続き業務の時も、実質的には電通が主導して、最終的な現場仕事はパソナグループがやっていた。東京五輪も同じような構図で、民間ボランティアや国民を馬鹿にしている』、「政府」がらみの仕事を骨までしゃぶり尽くす「竹中」はまさに現代の政商だ。
タグ:東京オリンピック 日刊ゲンダイ JBPRESS 池田 信夫 (五輪) AERAdot (その17)(IOCはなぜ日本政府を無視して暴言を繰り返すのか 腐敗した「五輪貴族」が資金を分配する悪循環を断つべき、東京五輪の「要人接遇費43億円」は外務省内でも禁句!?予算内訳について直撃取材、「東京五輪の日当は35万円」 国会で暴露された東急エージェンシー パソナへの“厚遇”、五輪無観客はスポンサー許さず…批判の矛先は安倍前首相に) 「IOCはなぜ日本政府を無視して暴言を繰り返すのか 腐敗した「五輪貴族」が資金を分配する悪循環を断つべき」 「世論調査」結果も踏まえたのだろうが、「公式スポンサー」としてはずいぶん思い切った主張をしたものだ。IOC委員の相次ぐ「無神経な発言」には腹が立つ。 IOCはなぜこのように強気になれるのだろうか?』、知りたいところだ 「開催都市契約」は「国家間の条約ではないので、日本政府はそれを履行する国際法上の義務を負わない」、言われてみればその通りなのかも知れないが、「日本政府」もそれに署名しているので、契約順守義務がありそうな気もする。ここは「池田」氏の説を信じることにしよう。 説得力溢れた主張で、全面的に同意する。 ただ、今夕、オーストラリアの選手が外国人として初めて来日、このままだとどんどん来日してしまい、「中止」は出来なくなるので、「中止」するのであれば、早目に決断する必要がある。 「東京五輪の「要人接遇費43億円」は外務省内でも禁句!?予算内訳について直撃取材」 「外務省に関わらず、オリンピックを錦の御旗に掲げて予算をぶんどった所がたくさんあるのです」、「要人接遇関係費をなくせば予算が大幅に削減できるのに、そうしたことは省内で禁句とされているようです」、こんな例は他の省庁にもあるのだろう。 「五輪無観客はスポンサー許さず…批判の矛先は安倍前首相に」 「スポンサーは取引先の幹部などに“チケット”を提供し、『家族の方とご一緒にどうぞ』などと誘って、後々のビジネスにつなげるのです。スポンサーにとってこの機会を失うのは、なにより痛い」、確かに「スポンサー」にとっては、「無観客」は大打撃のようだ。 「組織委の森前会長も安倍氏に『2年延期』を進言。IOCも、2年延期を容認する構えだった。なのに、総理として五輪の旗を振ることを切望した安倍氏が『1年延期』を強行」、こんな内幕があったとは初めて知った。「安倍氏」の罪は本当に深いようだ。 「「東京五輪の日当は35万円」 国会で暴露された東急エージェンシー、パソナへの“厚遇”」 「1年延期」だけで、「9%もアップして営業管理費が20%となった」、ただ単にふっかけているとしか思えない。 「パソナが時給1650円でスタッフ募集しているものを東急エージェンシーはディレクター一人、日給20万円で請求。管理費、諸経費を入れると24万6千円。中抜き率は95%。こんなに抜いている。まさに五輪ビジネス、随意契約の弊害だ」、「随意契約」とはいえ、信じられないような「中抜き」だ。 「政府」がらみの仕事を骨までしゃぶり尽くす「竹中」はまさに現代の政商だ。
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リーダーシップ(その1)(信頼されるリーダーと「変異株」を言い訳にする人々、もう心底「日本のコロナ対策」にウンザリな理由 「決定的に欠如している」根本原因は、これだ!) [国内政治]

今日は、リーダーシップ(その1)(信頼されるリーダーと「変異株」を言い訳にする人々、もう心底「日本のコロナ対策」にウンザリな理由 「決定的に欠如している」根本原因は、これだ!)を取上げよう。

先ずは、4月27日付け日経ビジネスオンラインが掲載した健康社会学者(Ph.D.)の河合 薫氏による「信頼されるリーダーと「変異株」を言い訳にする人々」を紹介しよう。
https://business.nikkei.com/atcl/seminar/19/00118/00127/
・『今回は「リーダーシップ」についてあれこれ考えてみる。 先日、「ついに!」というか、「あらら~」というべきか、新型コロナウイルス感染疑惑が私事となる“事件”が起きた。 私自身は、かなり徹底した感染防止策を1年以上続けているのだが、たまたま先週会った友人から、「昨夜から体がだるく、熱が38度もあるので、コロナに感染しているかもしれない」と連絡が来たのである』、顔の広い「河合氏」ならありそうな話だ。
・『初のPCR検査、だが結果が来ない…  友人と会ったときには二人ともマスクはしていたのだが、その後、私のクルマに乗せたりしたので、感染の可能性はゼロではない。私は、自宅から徒歩2分のところにあるマンションに住む母と頻繁に接しているので、万が一感染していたら母の命が危なくなると、一気に青ざめた。 その後、友人はかかりつけ医のところに行き、熱以外に疑わしき症状はないし、レントゲン検査も受けたところ「大丈夫でしょう」との診断だったそうだ。ところが、夕方からさらに熱が上がり、「自費でPCR検査を受けに行くことにした」と連絡がきた。 一応、私も研究者の端くれなので、「コロナ感染リスク」の知識は国内外の論文でチェックして蓄積しているけど、改めて、信頼できる医師たちに確認したところ、「発症2日前から感染させるリスクあり」「症状なしでも陽性になり、2~3日以内に症状が出る」ということで、「やはりそうなのか」と不安が増した。 そこで、とりあえず発熱外来に電話して状況を伝えたところ、近所のコロナ対応ができる病院を紹介され、相談するようにと指示を受けた。で、電話を切るや否や即行で電話をかけたが、18時半をギリギリ過ぎてしまっていたので、どこもかしこも「明日、ご連絡ください」の音声が流れるばかりだった。 翌日まで待とうかとも思ったが、仕事もあるし、関係する人に迷惑をかけることもできない。そこであれこれ調べたところ、近所に22時までPCR検査をやってくれる病院を発見! “猛ダッシュ”で電話し、人生初のPCR検査を受け、「結果は明日の午前中にメールで送ります。万が一、陽性の場合は、電話で連絡します」と言われた。 で、翌朝。友人からは「陰性! 熱も下がった」と連絡がきたのに、私には待てど暮らせどメールがこない。「友人が陰性」と聞いても、SNSを見ると「陰性になった2日後に発熱し、陽性が確認された」との書き込みも見つかるので全く安心できない。 結局、昼を過ぎてもメールがこないので、病院に電話したところ、なんと送信ミス! 「陰性」だったことが無事確認され、やっと、本当にやっとフツーに息をすることができ、平常心を取り戻せた。 しかしながら、PCR検査にかかった費用は、3万3000円だ! べらぼうに高い! おまけに「送信ミス」って……、トホホ。) コロナ前なら熱が出ても「知恵熱!」と笑えたのに、今は発熱した途端に「コロナの疑い」になる。「周りに感染させていたら……」と心配になるので、とにもかくにも検査をしたい。なのに、医師に「コロナの可能性がある」と診断された場合にしかPCR検査はしてもらえないのだ。 なぜ、こんなにPCR検査のハードルが高いんだ? 「無症状の人から感染が拡大している」「発症2日前から人に感染させる」ことが、1年以上にわたるコロナ禍により蓄積されたデータ分析でわかっているのに、なぜ、検査を拡充しない? 米国や欧州に住む知人たちは、「PCR検査は簡単に受けられる」と口をそろえるのに、いったい日本はなぜ、こうなのか? “謎”としか言いようがない』、私は検査入院する際に、病院の手配と費用負担で「PCR検査」を受けたが、唾液で検査する方式で、唾液がなかなか出てこないので苦労した記憶がある。
・『データに基づく対策を実行する米国  先月、米保健福祉省が、全米の学校で新型コロナウイルスのサーベイランス検査の実施を支援するため、各州向けに100億ドル(約1兆788億円)の予算を確保したと発表した(資料)。バイデン大統領は就任100日以内に大半の学校で対面授業を再開させるとの目標を掲げており、幼稚園年長から高校3年生までを対象にサーベイランス検査を実施することで、目標を実現させたいと考えているのだという。 日本では米国の“感染対策のゆるさ”ばかりが伝えられるが、実は昨年のかなり早い段階から、大学で週1~2回の頻度でPCR検査を徹底し、無症状の感染者を早期に隔離して感染を防ぐサーベイランス検査を実施している。その詳細は朝日新聞の記者が3月29日付の夕刊で報じているが、米ボストン大学の研究者グループが、昨年2月に大型クルーズ船で起きた感染者のデータを解析し、その結果に基づく施策だという。 研究者らは分析結果から、「無症状の人が後から感染したことが判明し、感染を拡大させた」としてサーベイランス検査の重要性を訴えた。そこで同大学は「感染予測モデル」を構築するとともに、短時間で検査結果がわかる体制を整備。「エビデンスに基づく政策実行」が根付いているだけに、多くの大学がサーベイランス検査を実施し、それぞれの大学がその都度「対策の検証」を行い、論文でその結果を発表するなど、「成果」の蓄積を行っている。 日本ではPCR検査で偽陽性や偽陰性が出ることから、「検査をやたらめったら実施するのは良策ではない」といった指摘があるが、サーベイランス検査の結果から、その確率は極めて低いことがわかっている。 つまり、「データ分析→仮説→モデル構築→実証研究→データ分析→モデル改善→実証研究」という流れの対策を講じることで、「何が必要で、何が必要じゃないか」の情報共有を行い、国も予算をつけ、米疾病対策センター(CDC)がサーベイランス検査の適切な運用の指針や技術的支援を提供するなど、協働作業が行われているのである。 かたや日本はどうだろうか? 研究者たちが検証作業やシミュレーションを行うなど、科学的にわかったことをその都度発信しているのに、“リーダー”が会見で語るのは、「1年やってきたから、感染対策はわかっている」だの「マスク会食を」だの「不要不急の外出を控える」だのといった、科学的根拠に基づくものかどうかもわからない対策ばかりだ。 「無症状の感染者を早期に発見し、隔離する」という科学的根拠に基づく「感染対策」に予算を投じ、実効性のある政策を進める気配が、“リーダー”から全く伝わってこない。 ワクチンについても、“リーダー”は「確保できた!」と胸を張るけど、ワクチンさえ打てば感染がゼロになるわけじゃない。そのことは、感染症の専門家や医師たちが口を酸っぱくして言っている。ましてや、米ジョンソン・エンド・ジョンソン(J&J)のワクチンで血栓が生じる事例が報告されたことで、欧米では集団免疫が獲得されるスケジュールの修正が行われ、欧州連合(EU)では当初の9月30日から12月8日に、米国では7月22日から9月17日にずれ込むと予想されている(資料)』、「昨年のかなり早い段階から、大学で週1~2回の頻度でPCR検査を徹底し、無症状の感染者を早期に隔離して感染を防ぐサーベイランス検査を実施・・・米ボストン大学の研究者グループが、昨年2月に大型クルーズ船で起きた感染者のデータを解析し、その結果に基づく施策」、なんとアメリカは「クルーズ船」「感染」から正しく学んだのに、日本は「“リーダー”が会見で語るのは、「1年やってきたから、感染対策はわかっている」だの「マスク会食を」だの「不要不急の外出を控える」だのといった、科学的根拠に基づくものかどうかもわからない対策ばかりだ」、やれやれだ。
・『今も見えない「リーダーの仕事」  昨年末、英医療調査会社エアフィニティーが公表した、各国の「集団免疫獲得時期の予測」で、日本は先進国の中でビリ。主要先進国がいずれも21年内だったのに対し、日本は22年4月。来年の春だ。先のJ&Jの事例や、今の日本の状況を鑑みれば、22年4月より遅れると考えたほうがいいであろう。 問題はそれだけではない。 ドイツに赴任中の知人が、昨年末に日本に帰国した際に、「冗談でしょ?」という事態に遭遇したと教えてくれた。なんと14日間にわたる隔離中の連絡先を登録するときに、ドイツの携帯電話番号は桁数が多すぎて登録できなかったというのだ。 まあ、4カ月前の話なので、今は改善されているかもしれない。だが、他にも「冗談?」のような案件があるかもしれないとの疑念は払えず、これってオリンピックやるやらない以前の問題では? と思ったりする。 いずれにせよ、新型コロナウイルスの感染拡大という、災害レベルの事態で、首相や都道府県の知事など、“リーダー”の役割は極めて重大なのに、“リーダーのお仕事”が全く見えてこない。 リーダーが明確なメッセージを迅速、かつ具体的に発信するから「私たち」は安心する。「ああ、このリーダーが言うなら」とリーダーを信頼し、「お願い」に精いっぱい協力しようという気持ちになる。にもかかわらず、科学的根拠に基づいた先手の対策もせず、検証もせず、ひたすら1年前と同じ「出るな、動くな、接するな!」のお願いばかりだ。 そもそも“リーダーのお仕事”は、「宣言を出すかどうか」の決断だけではない。 優れた決断には、準備、判断、実行という3つのフェーズからなる意思決定のプロセスが存在する。 第1フェーズの「準備」とは、解決しなければならない問題を見極め、「その問題を解決するための判断が、なぜ必要なのか?」をチームのメンバー全員に理解させる段階である。当然ながら、意味ある準備を行うには、「目指すべきゴール」を明確にし、メンバーと共有しなくてはならない。 もし、メンバーに理解を求める過程で反対意見が相次いだら、「問題の本質」をリーダーが見落としている可能性がある。なので、ここでは繰り返し、「今、何をすべきか? 何が求められているのか?」を周りの意見や置かれている状況、取り巻く環境から包括的、かつ具体的に再考する必要がある』、菅首相は頻繁にコロナ対応の記者会見を開いているが、およそ政策決定の理由などを殆ど説明せず、結論だけなので、およそ説得力がない。まるで大本営発表だ。
・『危機のときこそ、適切な軌道修正  ここで手を抜くと、完全に判断を誤る。3つのフェーズの中で、最も大切で、手間暇がかかるフェーズが「準備」なのだ。 そして、メンバーへの理解が徹底され、メンバーが「よし、やってみよう!」と熱意をかき立てられたところで、次のフェーズの「判断」を下す。判断は明快で、具体性のある中身を伴っていなくてはならない。 最後のフェーズ、「実行」では、自らが積極的に関わり、絶えずフィードバックと検証とができる環境を整え、問題があれば軌道修正を行う。 「一度決めたことを軌道修正するなんて……」とかたくなに拒むリーダーもいるが、優れたリーダーほど結果を最優先に考え、迅速かつ柔軟に対応する。特に緊急時においては、最優先事項が時間とともに変わる可能性もあり、適切な軌道修正が要求される。 こういった一連のプロセスが、「腑(ふ)に落ちる流れ」で行われたとき、初めてリーダーシップを発揮したと評価されるのだ。 ドイツではコロナ感染拡大が始まった当初から、メルケル首相の手腕が評価されていたが、実際に「準備が徹底されていた」のだという。 「10万人当たりの新規感染者数によって、発動する対策メニューがすでに決まっているので、日本のように、その都度、政府がうんうんうなりながら、緊急事態宣言出そうかな、どうしようかな? なんて考えなくて済むシステムになっている。我々も3日移動平均の新規感染者数を見て、来週からこのメニューかな、と予想がつくので、私なんかは、お天気チェックみたいな感覚になってきました」 ドイツ在住の知人はこう教えてくれた。 現在は、「第3波を抑制するための措置」として、「過去7日間で、新規感染者が3日連続で人口10万人当たり100人を超えた場合」という基準値が、テレビや新聞、企業や地域のメルマガなどを通じて4月21日付で通達されたため、基準値ごとに決められた対策メニューに沿って、市民は行動するそうだ。 メニューの項目は、「私的な集まり」「店舗・サービス業等」「レストラン、ホテル、娯楽・文化」「外出制限」「学校・保育施設」「ホームオフィス」に分かれていて、実に具体的に記されている。 例えば、基準値である10万人当たり100人を超えた場合、「レストラン、ホテル、娯楽、文化施設は閉鎖、スポーツは自身のみ、または2人、あるいは自身の家族のみと行うことができる」「午後10時から午前5時までの間は、仕事や医療など、正当な理由がある者だけが外出できる。午前0時までは、1人でのジョギングや散歩は認められる」といった具合に、「できないこと」だけではなく、「できること」もきちんと具体的に示されている。 以前、メルケル首相の感染拡大防止に協力してほしいと国民に訴える「熱弁」が注目を集めたけれど、これだけちゃんと「準備」し、その準備した基準に基づき「判断」したからこそ、熱く、ときに怒りをにじませながらも国民に訴えることができた。徹底的に準備したからこそ、リーダーというポジションについた人だけが手に入れることができる、「言葉の力」という最高の武器を行使できたのだ』、菅首相の場合、「準備」もしておらず、「言葉の力」は全く感じられない。
・『精神論は不要、してほしいのは「仕事」  ドイツではワクチン入手に手間取ったこともあり、接種の遅れが指摘されているが、4月22日現在、ワクチン接種率は21%。2回目終了が6.8%。一方、日本は4月21日時点で、少なくとも1回接種した人は1.2%で、先進国では驚くほど極端に低い水準だ。 3回目の緊急事態宣言が発令され、“リーダー”は「変異ウイルスが~」という文言を繰り返している。 だが、前回の緊急事態宣言が解除されるとき、すでに「変異ウイルスのリスク」は伝えられていた。誰もがそのことを案じていた。なのに、菅義偉首相は「新規感染者数が8割以上減少し、病床使用率も改善されている」と解除の根拠を説明するばかりで、「問題の本質をリーダーが見落としている可能性」を1ミリも考えなかった。 つまるところ、無策のまま1年以上が過ぎ、経済が疲弊し、多くの人たちが生活に困窮し、医療現場が逼迫し、“現場”の人たちが涙する事態が続いている。「人の命か経済か」と散々いわれてきたけど、命でもなければ経済でもない。「選挙のことしか考えてないのでは?」などと、思ったりする。 リーダーがリーダーシップを発揮するには、メンバーたちからの「信頼」が必要不可欠なのに、リーダーが信頼できない。自分たちの無策を「変異ウイルス」のせいにしないでほしい。 だいたい「医療崩壊」という4文字が、どれだけ重いものなのか? “リーダー”たちは本当にわかっているのだろうか。現場にいるのは「人」、「人」なのだ。 目の前の人を救うことができない、電話の向こうで命の危険にさらされている人に病院を案内することもできない人たち……。 この国のリーダーには、そんな「人」たちのことが見えていない。精神論はいらない。リーダーの仕事をしてほしい。ただ、それだけだ』、「菅義偉首相は・・・解除の根拠を説明するばかりで、「問題の本質をリーダーが見落としている可能性」を1ミリも考えなかった。 つまるところ、無策のまま1年以上が過ぎ、経済が疲弊し、多くの人たちが生活に困窮し、医療現場が逼迫し、“現場”の人たちが涙する事態が続いている」、「目の前の人を救うことができない、電話の向こうで命の危険にさらされている人に病院を案内することもできない人たち……。 この国のリーダーには、そんな「人」たちのことが見えていない。精神論はいらない。リーダーの仕事をしてほしい。ただ、それだけだ」、同感である。

次に、5月3日付け東洋経済オンラインが掲載したコミュニケーション・ストラテジストの岡本 純子氏による「もう心底「日本のコロナ対策」にウンザリな理由 「決定的に欠如している」根本原因は、これだ!」を紹介しよう。
https://toyokeizai.net/articles/-/426143
・『日本を代表する一部上場企業の社長や企業幹部、政治家など、「トップエリートを対象としたプレゼン・スピーチなどのプライベートコーチング」に携わり、これまでに1000人の話し方を変えてきた岡本純子氏。 たった2時間のコーチングで、「棒読み・棒立ち」のエグゼクティブを、会場を「総立ち」にさせるほどの堂々とした話し手に変える「劇的な話し方の改善ぶり」と実績から「伝説の家庭教師」と呼ばれ、好評を博している。 その岡本氏が、全メソッドを初公開した『世界最高の話し方1000人以上の社長・企業幹部の話し方を変えた!「伝説の家庭教師」が教える門外不出の50のルール』は発売後、たちまち12万部を突破するベストセラーになっている。 コミュニケーション戦略研究家でもある岡本氏が「日本人がもう心底『日本政府のコロナ対策』にウンザリしている根本理由」について解説する』、「コミュニケーション戦略研究家」の見方とは興味深そうだ。
・『「モヤモヤ」が拭えない3回目の「緊急事態宣言」  3回目の「緊急事態宣言」が発令されました。しかし、緊張感のあった2020年の1回目とは大分、様相が違うようです。 多くの国民が、「もんもん」とし、「モヤモヤ」し、「イライラ」しています。街の人出はそれほど減っている印象もないし、都内でも酒を提供している店や夜遅くまで開いている飲食店もあります。 「マンボウ?」「宣言?」いったい何が違って、何をしてはいけないのかももはや、わかりません。 「防疫体制」「医療体制の構築」「ワクチン接種の体制整備」……。日本の新型コロナ対策は何をとっても、泥縄的な印象が拭えません。 4月28日の時点で、あれだけ、感染者が激増しているインドが流行国に指定されておらず、水際対策は「ザルどころか、底が割れた鍋だ」と自民党内から声が出ました。 後手後手で、つぎはぎだらけの対策。国民はもはやサジを投げたというか、諦めムードさえ漂っています。 この「モヤモヤ感の根源」にあるものは何でしょうか。今回は今、この国に絶望的に欠如している「リーダーシップ」と「信頼」について考えてみましょう。 ロイター通信によれば、日本のワクチン接種は、主に「ロジスティックの問題」で進んでおらず、日本の接種率はまだわずか1.6%で先進国随一の低さ。日本より遅く接種が始まった韓国でさえ、人口の4.7%の接種が済んでいるのだそうです。 巨大な会場での大規模接種の話が出ていますが、報道によれば、先週ぐらいに浮上したアイディアだとか。他国は1年も前から接種体制について入念に準備を進めてきたというのに、いったいどういうことなのでしょう。もう開いた口がふさがりません。 次から次へと明らかになるポンコツぶり。いやいや、大変なのは、日本だけではないかもしれない。そう思って、私は海外に住む友人たちに現在の各国のコロナ対策について尋ねてみました』、「日本の新型コロナ対策は何をとっても、泥縄的な印象が拭えません」、「水際対策は「ザルどころか、底が割れた鍋だ」」、「日本のワクチン接種は、主に「ロジスティックの問題」で進んでおらず」、「開いた口がふさがりません」もその通りだ。
・『「海外在住」の日本人に「コロナ対策」を聞く
【アメリカ】(カリフォルニア州在住) +住民の37%がワクチン接種を完了し、20.3%は1回目の接種を済ませている。 +レストランはすでにインドア、アウトドアとも条件付きで再開。学校の再開も進む。このまま順調に行けば6月15日に経済活動の全面再開の予定。ただしマスク着用義務は残る。 【ドイツ】(ベルリン市在住) +2回接種済みは7.4%、1回接種済みは24.7%。 +スーパーかドラッグストア等生活必需品を取り扱うお店ぐらいしかオープンしていない。小学校は分散登校、中学校以上は原則オンライン授業、公共空間および屋内はN95相当のマスク着用義務(布マスクや医療用マスクは不可)、夜間外出禁止。
【イギリス】(ロンドン在住) +収束しつつある +国民の約半数が1回目の接種を終わった。 
【オーストラリア】(シドニー在住) +ずっと感染者ゼロが続いている。 +ワクチン接種は全人口の7%ぐらい。しかし感染者もいないので、特に急ぐ必要がない。 +レストランもジムも普通に営業。日常生活に制約はほぼなし 
【シンガポール】 +3月後半より45-59歳、6月1日からは16‐45歳もワクチン接種の対象に。
【ロシア】(モスクワ在住) +人口の7%(1回接種が8.3%)と聞いている
 いずれも「ワクチン接種」は日本よりは進んでいるようです。 一方で、ドイツの状況はずいぶん厳しく、「半年以上ロックダウン」という状態が続いていますし、他の多くのヨーロッパの国々も状況は厳しいままです。 アメリカもイギリスも大変な数の犠牲者を出し、長らく厳しい規制下に置かれていたことを考えると、日本の状況は「比べ物にならないぐらいいい」(ベルリン市在住の冨永真実子さん)とも言えるわけですが、そういった評価にもかかわらず、日本人の怒りは沸点に達しています。 今回、10人の海外在住の日本人に話を聞きましたが、8人が「感染は収束している」と回答。驚いたのは、9人が「その国の政権やリーダーを信頼している」と答えたことでした。ひどい状況の続くドイツでさえ、メルケル首相への支持率はそれほど下がっていないというのです。 その理由を冨永さんは「少なくとも『説明責任を果たしている』と認識されている」と分析しています。 「トップのメッセージがクリアで、市民にはリーダーシップがあると映る」「メディアとの関係が良好で、政権の方針に対して、国民も社会もメディアも協力的。結果、滞っていたいろいろなことがスムーズに流れている」(アメリカ)、「首相が定期的に状況のアップデートを3カ国語で会見。国民目線に立って語りかけ、一体感を感じさせてくれた」(シンガポール)と手放しの評価です』、「日本の状況は「比べ物にならないぐらいいい」・・・そういった評価にもかかわらず、日本人の怒りは沸点に達しています」、その通りだ。
・『「国と国民との信頼関係」が欠如している日本  日本人のモヤモヤポイントはたくさんあるわけですが、根本にあるのは「国」と「国民」との間の「コミュニケーション」、そしてそこから生まれるはずの「信頼関係」が「決定的に欠如している」ということではないでしょうか。 「信頼(Trust)の欠如」。これは今の日本の多くの問題の根幹にあるのかもしれません。 「組織の運営や企業の経営において特に重要なもの。それが信頼である」。アメリカの神経経済学者で、クレアモント大学院大学のポール・ザック教授は、こうした学説を唱え、「信頼」についての多くの学術的研究を発表しています。 「リーダーや社員間の信頼関係が高い企業」は低い企業に比べて、ストレスが74%減り、生産性は50%、人生への満足度が29%上がったそうです。 そこには「幸せホルモン」と言われる「オキシトシン」が深く関係していると彼は指摘します。 「信頼」は「幸せホルモン」「オキシトシン」の分泌を促進し、「人生の幸福感」「満足度」を高め、オキシトシンは「共感力」を高め、他人を信頼することへの「恐怖心を削ぐ」という相乗効果があるそうです。 他方、日本ではこの「信頼」の度合いが世界的に見ても圧倒的に低いという現実があります。PR会社エデルマンが毎年行っている「信頼」に関する世界調査によると、日本人で「政府を信頼する」という人の割合は37%で、サウジアラビアの82%、シンガポールの76%などの半分以下で、28カ国中22番目。「ビジネスへの信頼度」は28カ国中27番目、「メディアへの信頼度」も28カ国中27番目と惨憺たる結果でした。 「日本の安倍政権だけが『コロナ危機で支持率低下』という残念さ」(「プレジデントオンライン」2020年4月17日)でも指摘したように、危機下では政権の支持率は一般的に上昇しやすいのですが、日本とブラジルだけは支持率を下げました(2020年4月時点)』、「「信頼」に関する世界調査によると、日本人で「政府を信頼する」という人の割合は37%で、サウジアラビアの82%、シンガポールの76%などの半分以下で、28カ国中22番目。「ビジネスへの信頼度」は28カ国中27番目、「メディアへの信頼度」も28カ国中27番目と惨憺たる結果」、「危機下では政権の支持率は一般的に上昇しやすいのですが、日本とブラジルだけは支持率を下げました」、日本は酷いものだ。「メディアへの信頼度」が低いのも政府広報的になったことも影響しているのかも知れない。
・『日本はあらゆる組織で「リーダーシップ不在」  こうした不信感の源泉のひとつに「リーダーの資質」や「コミュニケーション不全」といった要素があるように感じます。 「納得のいく説明が何ひとつない」。これは我々がとみに感じるところでしょう。 「なぜ、医療体制が整備されてこなかったのか」 「なぜ、水際対策がこれほどまでに遅く、ゆるゆるなのか」「ワクチン接種体制の構築がなぜこれほど遅いのか」「オリンピックは安全に開くことができるのか」などなど、国民は尽きぬ不安と疑問に溺れかけています。 菅義偉首相ひとりを責めて片付く問題ではないでしょう。大臣、政治家、官僚、医師会、あらゆる組織において「リーダーシップ不在」であり、何も動かない。国民はただただ、「自制」し、「自己防衛」をしていくしかないということです。 ザック教授は、「信頼」を醸成し、「オキシトシン」を高める方法として、以下の8つを推奨しています。 ①(人々の)働きや努力を認める ②難しいけれど、達成可能なチャレンジを与え、適度なストレスを誘発する ③仕事のやり方について自主裁量権を与える ④自分でやりたいと思う仕事ができるようにする ⑤広く情報を共有する ⑥意識的に関係性を強化する ⑦人格的な成長を促す ⑧(リーダーが)弱さを認め、人々に助けを乞う これらの方策はすべて、「国のコミュニケーション」に応用ができそうですよね。結局のところ、医療体制も接種体制も防疫体制も、意思疎通や指示伝達などが機能しなければ、変わりようはないわけで、コロナ対策のすべての場面において、「戦略的なコミュニケーション」が絶対的に必要ということです』、同感である。
・『日本人にはもっと「きっちり言語化し伝える力」が必要だ  一つひとつのパーツはいいのに、全体となるとなぜかぐだぐだ。これが日本の「あるある」です。それはそうしたパーツをつなぐ役割を果たす「コミュニケーション」が機能していないからかもしれません。 「以心伝心」「忖度」「阿吽の呼吸」といったお家芸に頼っているから、物事は進まない。この視界不良の社会においては、「きっちりと言語化し伝える」という、血のにじむ「コミュニケーションの努力」「話し方の技術」が、どのリーダーや組織にも求められている――いまのコロナ禍は、この真実を私たち日本人につきつけているのです』、菅首相や官邸には「コミュニケーション」の専門家もついている筈だが、一体、何をやっているのだろう。「きっちり言語化し伝える力」は確かに求められているようだ。
タグ:リーダーシップ 東洋経済オンライン 日経ビジネスオンライン 河合 薫 岡本 純子 (その1)(信頼されるリーダーと「変異株」を言い訳にする人々、もう心底「日本のコロナ対策」にウンザリな理由 「決定的に欠如している」根本原因は、これだ!) 「信頼されるリーダーと「変異株」を言い訳にする人々」 顔の広い「河合氏」ならありそうな話だ 私は検査入院する際に、病院の手配と費用負担で「PCR検査」を受けたが、唾液で検査する方式で、唾液がなかなか出てこないので苦労した記憶がある。 「昨年のかなり早い段階から、大学で週1~2回の頻度でPCR検査を徹底し、無症状の感染者を早期に隔離して感染を防ぐサーベイランス検査を実施・・・米ボストン大学の研究者グループが、昨年2月に大型クルーズ船で起きた感染者のデータを解析し、その結果に基づく施策」、なんとアメリカは「クルーズ船」「感染」から正しく学んだのに、日本は「“リーダー”が会見で語るのは、「1年やってきたから、感染対策はわかっている」だの「マスク会食を」だの「不要不急の外出を控える」だのといった、科学的根拠に基づくものかどうかもわからない対策 菅首相は頻繁にコロナ対応の記者会見を開いているが、およそ政策決定の理由などを殆ど説明せず、結論だけなので、およそ説得力がない。まるで大本営発表だ。 菅首相の場合、「準備」もしておらず、「言葉の力」は全く感じられない。 「菅義偉首相は・・・解除の根拠を説明するばかりで、「問題の本質をリーダーが見落としている可能性」を1ミリも考えなかった。 つまるところ、無策のまま1年以上が過ぎ、経済が疲弊し、多くの人たちが生活に困窮し、医療現場が逼迫し、“現場”の人たちが涙する事態が続いている」、「目の前の人を救うことができない、電話の向こうで命の危険にさらされている人に病院を案内することもできない人たち……。 この国のリーダーには、そんな「人」たちのことが見えていない。精神論はいらない。リーダーの仕事をしてほしい。ただ、それだけだ」、 「もう心底「日本のコロナ対策」にウンザリな理由 「決定的に欠如している」根本原因は、これだ!」 「コミュニケーション戦略研究家」の見方とは興味深そうだ。 「日本の新型コロナ対策は何をとっても、泥縄的な印象が拭えません」、「水際対策は「ザルどころか、底が割れた鍋だ」」、「日本のワクチン接種は、主に「ロジスティックの問題」で進んでおらず」、「開いた口がふさがりません」もその通りだ。 「海外在住」の日本人に「コロナ対策」を聞く 「日本の状況は「比べ物にならないぐらいいい」・・・そういった評価にもかかわらず、日本人の怒りは沸点に達しています」、その通りだ。 「「信頼」に関する世界調査によると、日本人で「政府を信頼する」という人の割合は37%で、サウジアラビアの82%、シンガポールの76%などの半分以下で、28カ国中22番目。「ビジネスへの信頼度」は28カ国中27番目、「メディアへの信頼度」も28カ国中27番目と惨憺たる結果」、「危機下では政権の支持率は一般的に上昇しやすいのですが、日本とブラジルだけは支持率を下げました」、日本は酷いものだ。「メディアへの信頼度」が低いのも政府広報的になったことも影響しているのかも知れない。 コロナ対策のすべての場面において、「戦略的なコミュニケーション」が絶対的に必要ということです』、同感である。 菅首相や官邸には「コミュニケーション」の専門家もついている筈だが、一体、何をやっているのだろう。「きっちり言語化し伝える力」は確かに求められているようだ。
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日本の政治情勢(その55)(【独自】渦中の高須克弥氏と河村名古屋市長を直撃 リコール署名偽造事件の真相は?、河井事件の1.5億円 うごめく「二階降ろし」の策動 二階幹事長の「不関与発言」が党内外で大炎上、日本の政治家があまりにひどすぎる「3つの理由」 ワクチン接種で考えざるをえない「深刻な問題」) [国内政治]

日本の政治情勢については、4月2日に取上げた。今日は、(その55)(【独自】渦中の高須克弥氏と河村名古屋市長を直撃 リコール署名偽造事件の真相は?、河井事件の1.5億円 うごめく「二階降ろし」の策動 二階幹事長の「不関与発言」が党内外で大炎上、日本の政治家があまりにひどすぎる「3つの理由」 ワクチン接種で考えざるをえない「深刻な問題」)である。

先ずは、5月6日付けAERAdot「【独自】渦中の高須克弥氏と河村名古屋市長を直撃 リコール署名偽造事件の真相は?〈dot.〉」を紹介しよう。
https://dot.asahi.com/dot/2021050500012.html
・『愛知県の大村秀章知事のリコール運動をめぐる偽造署名事件で、大きな進展があった。 これまで関与を否定してきた活動団体の事務局長だった田中孝博氏が一転し、名古屋市内の広告関連会社へ「署名集め」を依頼したことを認めたのだ。だが、田中氏は合法的な「署名集め」の業務を依頼したと主張。「偽造署名の作成」は否定している。 その理由について田中氏は、リコール活動の代表だった高須クリニックの高須克弥院長が、SNSなどで「目標数に達する見込み」と発信していたことを上げ、「高須氏に恥をかかせるわけにいかなかった」などと説明しているという。 これまで業者への発注自体を否定し、佐賀市での書き写しも知らないと関与を否認してきた田中氏。なぜ、前言を翻したのか。活動団体の代表だった高須氏が記者の取材に応じた。 「田中さんが私に恥をかかせられないという発言をしていると、報じられたことは知っています。ああ、そうかねというくらいしか、(感想は)ありませんね。偽造署名に私が関与することなどありません。田中さんは、私が任命した司令官です。信頼を置いている」 4月25日に名古屋市選挙で勝利し、4選目を果たした河村たかし市長に対し、高須氏は自身のSNSで「河村市長は友達から外します」と発信。マスコミには「絶交します」とコメントした。これまで「盟友」とみられていた2人に何があったのか? 高須氏に真意を尋ねた。 「リコールの話は河村さんから電話があって『リコールをしようと思う。手伝ってくれんかね』ということでした。私は『全力でお手伝いをします』とお答えした。しかし、リコールの記者発表をするので、会見場に行くと河村さんがいない。まわりに愛知県の人間がおらず、私が代表になりました。そして市長選がはじまると、わしゃ知らんがねという内容を河村さんがおっしゃった。逃げちゃった。そういう人とは、友達付き合いに値しないので、絶交です」』、「高須氏」が「河村市長」と「絶交」したとはさもありなんだ。「田中氏」の取り調べは順調に進んでいるようだ。
・『高須氏にリコール活動の偽造署名の問題への関与をついても質問した。 「偽造署名のことはすでに私も記者会見で話した通り、まったく知りません。しかし、私は会長ですから、責任はとります、逃げたりしません」 そして名古屋市長選挙に絡む、驚きの話も披露してくれた。 「私がなぜ今のタイミングで(河村氏への決別を)公表したのかと言えば、河村さんに対抗して名古屋市長選に出た横井利明さん。実は、以前から麻雀友達です。選挙でも応援をと言われたこともありますが、応じませんでした。河村さんと横井さんの票差は4万票ちょっとでしょう。私は義理があるから選挙中は河村さん、横井さんのどちらにもつきませんでした。選挙も終わったので河村さんとの義理はもう果たしました。もし、河村さんが市長選で負けていたら、このような話はできません」 一方、河村たかし名古屋市長は記者に対し、こう語った。 「田中氏はこれまで署名集めを依頼した業者など知らんと記者会見で言っとったがね。思い当たるのは、田中氏から署名がなかなか集まらないと相談されたことはあった。署名活動は選挙とは違うので、業者に有料で依頼する方法もあるという話になったことがあった。だが、田中氏から実際に業者に依頼すると連絡、報告もなかった。偽造署名なんて知らないし、ワシが頼むことも絶対ない。田中氏は何が本当なのか、きちんと話さないといけない」 高須氏の説明とは食い違う経緯を河村市長は主張した。 「最初、田中氏が『高須先生がリコールをやりたがっている』と言ってきたので、ワシから高須先生に電話をしてぜひと言いました。田中氏が記者会見の案内のチラシを持参してきた時に高須先生が代表予定者とあり、そうなったのかと思っていた。もともと、高須先生は田中氏の支援者とも親しいと聞いておりました。高須先生のご指摘の記者会見ですが、最初から出席できないと言ってありました」』、「偽造署名」の責任をめぐる泥仕合はみっともない。
・『高須氏の絶交宣言を報道で知ったと明かした河村氏。 「その後、何度か電話をしていますが、つながっていません」(同前) リコール活動でツートップだった高須氏と河村氏の食い違いで、ますます混迷する偽造署名の問題。愛知県警はすでに地方自治法違反容疑で捜査を進めている。 愛知県に提出されたリコール署名の8割が偽造の疑いとされる43万5千人分の名簿は、現在、愛知県警に押収されている。本誌が入手した署名簿のコピーにも明らかに同一の筆跡と思われるものが多くあった。 「偽造署名と報じられているが、それは住所、名前を書き写しという意味でしょう。署名は本人のものだが、拇印は別人というものもある。これまでの捜査から拇印の偽造には10人くらいの人物が組織的に関与しているとみられる。実際に拇印を押すように頼まれ、押したという証言もある。偽造されたものが、書き写しだけでなく、拇印も含まれていることから捜査に時間がかかっている」(捜査関係者) 名古屋市長選挙の争点ともなったリコール署名偽造事件。ゴールデンウイーク明けにも「Xデー」が囁かれている。真相が明らかになるのだろうか?(今西憲之)』、「ゴールデンウイーク明けにも「Xデー」」とは5月18日の事務局長ら4名の逮捕だった。「真相」解明には時間がかかりそうだ。

次に、5月22日付け東洋経済オンラインが掲載した政治ジャーナリストの泉 宏氏による「河井事件の1.5億円、うごめく「二階降ろし」の策動 二階幹事長の「不関与発言」が党内外で大炎上」を紹介しよう。
・『河井案里元参院議員の巨額買収事件の買収原資とも指摘されている自民党本部からの1億5000万円について、二階俊博幹事長の「関与していない」発言が大炎上している。 「相場の10倍」(自民選対)とされる巨額の選挙資金が幹事長の決裁もなく支出されたとすれば、そのずさんさは国民の税金から政党助成金を受け取る公党としての資格も問われかねない。 しかも、選挙資金支出の決裁に関わる立場だった当時の安倍晋三総裁(前首相)や甘利明選対委員長(党税調会長)も、そろって関与を否定している。このため、自民党内でも「党本部はまるで伏魔殿」(若手)との声が噴出し、コロナ対応で求心力低下が際立つ菅義偉首相にとっても「政権を揺さぶる悪材料となる」(閣僚経験者)ことは不可避の状況だ』、「1億5000万円」もの巨額資金の支出経緯が不明とは、あり得ない話だ。
・『甘利氏は選挙資金問題を強く否定  二階氏の発言は5月17日の定例記者会見で飛び出した。1億5000万円問題を質された二階氏は「その支出について、私は関与していない」と記者団をにらみつけるように言い切った。同席した二階氏最側近の林幹雄幹事長代理も、甘利氏が当時、選対委員長として広島選挙区を担当していたと補足説明した。 二階氏らはこれまで、元法相の河井克行被告(公判中)と妻の案里氏への巨額の選挙資金支出の経緯について踏み込んだ言及を避けてきた。しかし、17日の会見で林氏は「当時の選対委員長が広島を担当していた。細かいことについて幹事長はよくわからない」と述べ、甘利氏が決裁した可能性をあえて示唆した。 これに対して甘利氏は18日、国会内で「(選対委員長として)1ミリも、正確にいえば1ミクロンも関わっていない。関与していない以前に、党から給付された事実を知らなかった」と強い口調で自らの関与を否定した。 この1億5000万円問題では、広島県連会長の岸田文雄前政調会長が12日、早急な使途解明と国民への説明を党執行部に申し入れた。その際、林氏は「検察から書類が戻れば報告書を作成し、総務省に届ける」と従来の説明を繰り返した。 そもそも、買収事件発覚後には、甘利氏から選対委員長を引き継いだ下村博文政調会長が「党本部(からの振り込み)ということであれば、幹事長、あるいは総裁の判断ということになる」と指摘していた。) ただ、安倍政権下で1億5000万円支出が確認された際には、党内で「甘利氏が安倍首相や菅義偉官房長官の意向を受けて支出を決めた」とうわさも流れた。林氏の説明はそれを踏まえたものともみえる。 買収事件を引き起こした河井夫妻は、克行被告が安倍、菅両氏と極めて近く、案里氏は当選後、二階派に入会していた。案里氏の選挙応援に駆け付けたのは当時の菅官房長官で、選挙期間中の案里氏との「ツーショット写真」が話題となるほど肩入れしていた』、なんとも無責任な責任のなすり合いだ。
・『二階発言で「疑惑」が表舞台に  案里氏とともに自民公認で広島選挙区に立候補して落選した岸田派重鎮の溝手顕正・元参院議員会長に対する党本部からの選挙資金は案里氏の10分の1の1500万円だった。この党本部の露骨な対応に、党内には「安倍さんに批判的だった溝手氏の追い落としを狙った策謀」(岸田派幹部)との声も出ていた。 だからこそ、1億5000万円支出の経緯と使途が、一連の河井夫妻の公判とも絡んで注目の的となった。今回の二階氏の不関与発言は、これまでくすぶってきた疑惑を表舞台に上げる結果となり、「政局絡みの権力闘争の材料」(同)と深読みする向きもある。 二階氏の発言については、自民党広島県連会長代理の中本隆志県会議長が18日、「無責任で情けない。これほど県民を侮辱した言葉はない。(4月の)再選挙で(自民候補が)敗北したのはやはりこの1億5000万円が一番大きな原因だ」と怒りを爆発させた。 県連会長の岸田氏も同夜のBS情報番組で「送金に誰が関与したかではなく、金が何に使われたかだ。論点をごちゃまぜにするとおかしなことになる」と二階氏や林氏の対応に苦言を呈し、きちんとした使途の説明を求めた。 一方、国会会期末の政権攻撃を狙う立憲民主党の安住淳国対委員長は18日、「圧倒的な金銭をなぜ河井さんにだけ渡したのか。原資が政党交付金など国民の金である以上、説明する必要がある」と国会で徹底追及する考えを強調。共産党の志位和夫委員長も「二階氏は執行部だ。こんな無責任な発言はない」と厳しく批判した。 国政選挙における自民党幹事長の持つ権限は絶大とされる。行政府の長である首相となる党総裁に代わって、選挙での公認権や党資金の配分などを自在に決めることができるからだ。特に、在任期間歴代最長を更新し続けている二階氏は「これまで以上に、党運営のすべてを支配している」(閣僚経験者)とみられている。) それだけに党内でも「二階氏が1億5000万円もの支出を知らないことなどありえない」(幹事長経験者)との声が支配的で、「二階氏があえて関与を否定した裏には、何かしたたかな計算があるはず」(自民長老)と受け止める向きが多い。 「決裁は総裁か幹事長」と指摘した下村氏は安倍前首相の最側近で、岸田氏も安倍氏と親しいことで知られる。このため、二階氏サイドは党内の動きについて「安倍氏の周辺が幹事長に責任を押し付けようとする、『二階降ろし』の画策だ」と身構える』、「二階氏があえて関与を否定した裏には、何かしたたかな計算があるはず」、「二階氏」の「計算」とはどんなものなのだろうか。
・『沈静化に追い込まれた二階陣営  18日に林氏が「根掘り葉掘り、党の内部のことまで踏み込まないでもらいたい」と記者団を牽制したのも、そうした党内の不穏な空気を意識したものとみられている。ただ、「その対応自体が火に油を注ぎ、国民の疑惑も拡大させるだけ」との批判も広がる。 こうした状況に二階氏サイドも沈静化に乗り出さざるをえず、林氏は18日に甘利氏に電話で「他意はなかった」と陳謝した。二階氏も事態の展開を見極めたうえで、週明けの24日の会見の際に、改めて党本部の対応を説明する構えだ。 そうした中、克行被告の東京地裁での公判は18日に結審した。検察側の求刑は懲役4年、追徴金150万円。弁護側は執行猶予付きの判決を求め、克行被告は意見陳述で声を震わせながら「十字架を背負って歩く」などと悔悟と反省の弁を述べた。ただ、1億5000万円については「買収には1円も使わなかった」と繰り返した。 判決言い渡しは6月18日で、2020年の河井夫妻の逮捕の日と同じだ。現状では実刑は免れないとみられているが、「起訴内容の大半を認め、自らの行動を謝罪し、衆院議員も辞職したことで、執行猶予の可能性も出てきた」(司法関係者)との見方もある。 もし、判決で執行猶予となれば、意見陳述で「どうか一刻も早く、ふるさとの土を踏ませていただき、有権者の皆様に謝罪をさせていただきたい」と涙まじりに訴えた克行被告は控訴しない可能性が大きい。その場合、捜査当局が自民党本部から押収した資金支出に関する書類も早期に返還されることになる。 二階氏らはこれまで、「書類が戻れば公認会計士などのチェックを受けて、1億5000万円の使途についてもきちんと説明する」と繰り返してきた。しかし、党内には「結局、誰が決裁したかはあいまいにしたまま幕引きを図る魂胆では」(閣僚経験者)と勘繰る向きが多い。 「政局絡みでの責任のなすりつけあい」にみえる今回の騒動は、「安倍・菅政権特有のおごりと隠蔽体質」(首相経験者)を浮き彫りにしたことは間違いない。「次期衆院選勝利による疑惑帳消しを狙っても、かえって有権者から厳しいしっぺ返しにつながる」(自民長老)と、自民党内の不安は広がるばかりだ』、「誰が決裁したかはあいまいにしたまま幕引きを図る魂胆」、こんなことを許すべきではない。政治記者も腕の見せ所と、奮闘してもらいたい。

第三に、5月23日付け東洋経済オンラインが掲載した財務省出身で慶応義塾大学准教授の小幡 績氏による「 日本の政治家があまりにひどすぎる「3つの理由」 ワクチン接種で考えざるをえない「深刻な問題」」を紹介しよう。
https://toyokeizai.net/articles/-/430023
・『新型コロナウイルス対策の迷走、ワクチン接種をめぐる混乱で、政治家への不信がより一層高まっている。 しかし、私が危惧しているのは、それが不信から軽蔑へ、「ただの馬鹿なのか?」という疑問に変わっていることである』、「小幡 績氏」らしい鋭い指摘だ。
・『短期間の宣言を「主張」、権力自体も失いかねない菅首相  新型コロナ対策では明らかに矛盾したことを言っている。それが背後にある利害関係からならば、それは不信にすぎない。 もし「旅行業界とつながっているんじゃないか」「医師会との癒着ではないか」といった類のものなら、戦後、いや人類が誕生してから政治というものが生まれたときから存在しているものであり、問題はあるが、既知のことである。それよりも深刻なのは、利害関係がないにもかかわらず、子供でもわかるようなおかしなことをしていることである。 今回の緊急事態宣言の延長(5月31日まで)も、4月25日の開始時から5月11日までの17日間で終了することなど無理だとわかっていたことだった。延長しても、その効果はまったくといっていいほどなく、「最初から長くやっておいたほうが良かった」と言われることは100%確実だったはずだ。 なのに、菅義偉首相はむきになって短期間を主張したようだ。しかも菅首相は自分の言葉を「バナナのたたき売り」のように安売りし続け、自分の言葉の力どころか、大好きな権力自体も失うことは明白だったにもかかわらずだ。 ワクチン接種の予約も、混乱するのはわかり切っていたのに、事実上、市町村に丸投げし、しかも案の定、またもやひどい予約システムと来ている。間抜けなことに、このタイミングでデジタル庁設置法案が可決、成立。「あのさー、デジタル庁を作る前に、まともな予約システムか何かを国で作っておけよ」と多くの人が思っている。 振り返れば、マスクを国民に配るという発想もほとんど効果がなさそうだということはうすうすわかっていたし、病床がひっ迫するのもわかっていたはずだ。だが、ワクチンの準備では、英米を中心とした各国では、あれだけ死者が激増して政府もパニック状態になっていたにもかかわらず、ワクチン接種の段階になったときの準備を着々と進めていた。 なのに、日本は「Go To」などをやって、ワクチン接種の準備は遅れに遅れ、役に立たないような準備ばかりをしていたことになる』、これだけ菅政権の無策ぶりを列挙するとは、さぞかしスッキリすることだろう。
・『政治家が愚かである「3つの仮説」  政治家はやっぱり馬鹿なのか? という疑問が出てくるのは当然だろう。恐ろしいのは、私ですら疑問にとどめているのに、国民の多く、特に若年層にとっては、それは疑問ではなく、結論である。いや結論どころか、常識、空気になっている。大前提となっているのである。 しかし、ここで改めて考えてみよう。本当に政治家は馬鹿なのか? 事実から行こう。一連の政治家の振る舞いは愚か(おろか)である。これは動かしがたい。では、次に「なぜ愚か」なのか? 3つの仮説がある。 (仮説1)愚かな人が政治家になっているから (仮説2)政治家になると愚かになってしまうから (仮説3)政治家になると愚かに行動することになるから  仮説1については、さらに2つの仮説に分けられる。 仮説1-1愚かな人が政治家になりたがる 仮説1-2愚かな人が政治家に選ばれている まず、仮説1は、政治家の能力、生まれつきの問題であるが、解決策は「愚かでない人」を政治家に選ぶことである。では、どうすれば愚かでない人を政治家に選ぶことができるだろうか?一般的には、それは民主主義であり、民主主義の徹底を追求することで実現することになっている。 しかし、現実はどうであろうか? 「民主主義とは何か」という問題は置いておき、普通選挙を徹底し、それを公正に行うということを追求することで、現実の世界はこれを実現しようとしてきたし、有識者の多くもそれを当然の大前提としている。 アメリカのドナルド・トランプ前大統領が愚かかどうか、ブレグジット(英国のEU離脱)が誤った決定かどうかなどはさておき、こうした考え方に対して疑問を持つ人々は、この5年で増大した。 一方、中国の習近平国家主席が優れたリーダーかどうか、目標が正しいかどうかの議論はさておき、実力者であることは間違いがない。民主的な選挙と言われるものでは実力者が出てこず、独裁制の下で生まれてきているという考え方もありうる。もちろん、共産党内の激しい競争がこれを実現しており、競争こそが重要だという考え方もありうる』、「民主的な選挙と言われるものでは実力者が出てこず」、には違和感がある。ドイツのメルケル首相、アメリカのケネディ大統領など、「実力者」も少なからずいる。
・『愚かな政治家が選ばれる「2つの理由」  世界的に見て、優秀な国家元首が民主的な選挙で選ばれる確率は低下しているように見える。ここでは独裁制との優劣比較は論点ではなく、なぜ民主的な選挙で愚かな政治家が選ばれるか、という問題であるから、その理由を考えよう。 形式的には2つ考えられるだろう。 1つは、愚かな人しか立候補しないので、愚かでない人を選べない、という可能性である。もう1つは、愚かな人が「より得票力がある」という説である。 前者は、政治家という仕事(職業? しかし、職業政治家と一時的に政治家になる人とがいるし、兼業も許されているから、仕事と言ったほうがいいだろう)が馬鹿馬鹿しくて、まともな人は立候補する気にならない、ということである。後者は、有権者がなぜか愚かな人に投票してしまう、という現象である。 なぜ政治家になるのは馬鹿馬鹿しいのか?これは仮説2「政治家になると愚かになってしまうから」の問題ともつながる。 政治家になると、もともと愚かでない人でも、愚かに行動するようになってしまう、というストーリーである。この現象が生じる可能性は、2つある。まず、漫画的にありそうなのは、政治家になると先生になり、傲慢になり、人の言うことを聞かなくなるから、ということである。経営者ならガバナンスが効かない状態であり、先生と呼ばれる職業には必ず起こることらしい。私も先生と呼ばれることに慣れてしまった。 しかし、もっと可能性が高いのは、愚かに行動することを強いられるという現象である。ガバナンス(統治のシステム)が効きすぎて、愚かになる、という行動である。これはヘッジファンドやいわゆるモノ言う株主と称するアクティビストファンドに振り回される経営者と同じである。つまり、「プリンシパル=エージェント関係の議論」でいえば、主人が馬鹿なら、家来も馬鹿にふるまわないと生き残れない、ということである』、有権者が「馬鹿なら」、「政治家」も「馬鹿にふるまわないと生き残れない」、ありそうだ。
・『「主人」のために馬鹿になる?  これも、仮説3の「政治家になると愚かに行動することになるから」につながる。先に言っておくと、仮説2は、主人が馬鹿なために生き残るためには、心から馬鹿にならないとダメ、あるいはそうでないとつらいので、馬鹿になりきっているうちに本当に馬鹿になってしまう、ということである。「政治家は鈍感でないと、やってられない」とよく言うから、この可能性は高いかもしれない。 一方、仮説3のほうは、馬鹿になり切れない、つまり鈍感ではなく感度は高いままだが、だからこそ「主人の意向を敏感にかぎ取り、主人の望むように“気の利いた”行動をし続ける」ということである。 これは、サラリーマンで出世するには必須条件だ。日本でもアメリカでも実は変わらない。「気が利く」「かゆいところに手が届く」「間合いの良いお世辞がうまい行動をとる」「部下などに圧力をかけブラックな行動をとり上司にだけいい顔をする」「とにかく利益を上げ、株価にプラスになることをする」……。こうしたことはすべて主人の好みによる。その主人にしても何らかの意味での出世、あるいは所得、資産を増やしたいだけだから、「主人にとっての主人」が株式市場か、世間体か、勲章をもらうことか、という違いがあるだけである。 むしろ興味深いのは、主人が1人の場合と、いろいろな人がいろいろな意見を言う集合体と、どちらがやりやすいか、という話である。もちろん、それは前者が一般的には楽でわかりやすく割り切りやすいが、後者は極めてしんどい、ということである。 ここまで明示して来なかったが、民主主義の民主的な選挙で選ばれた、そして次の選挙でも選ばれたい政治家にとっての主人は有権者であり、それは群集であり、いろいろなことを言う。これは難しい。 さらに、アメリカのように、イエスかノーか、あるいは弱肉強食主義者と弱肉救済主義者といったように、主義主張が両極端に明示的に分かれていれば、極端に言えば半分だけでもいいが、日本のようなコンセンサス社会、格差といいつつも、価値観はわりと一体となっているところでは、全方位外交をしなくてはならず、八方美人になってしまう。2012年の途中まで続いた民主党政権の最大の問題は、政権をとったら、事業仕分けをすると同時にバラまきもして、業界団体にも労組にも、すべて支援をもらおうとした全方位外交、八方美人になってしまったことである。 そして、自民党も「民主党よりましだ」ということで圧倒的な支持率を獲得してきた。どんなに安倍晋三前首相への批判、今の菅首相への批判が出ても、意外なほど支持率が一定水準を保っているのは、民主党の「悲惨な末路」のおかげである。だが、逆にその結果、自民党は民主党の八方美人を受け継ぐことになった。業界にも消費者にもいい顔をするから、結局うまくいくはずがない』、「民主党政権の最大の問題は・・・業界団体にも労組にも、すべて支援をもらおうとした全方位外交、八方美人になってしまったことである」、「自民党は民主党の八方美人を受け継ぐことになった」、なるほど。
・『公平の厳密性に縛られる日本  さらに日本の問題は、いわゆるサイレントマジョリティの傾向が強すぎる結果、声を上げる一部のクレーマーが世論的なものを形成してしまうことである。 総会屋というものが生まれたのもしかり。陰湿ないじめの問題がなくならず、悪意のない多数のサイレントな追随者が一部のいじめの重さを増大させているのも、日本的な現象だ。だから、ワクチンの一部の問題でも攻撃され、それを防止するために、誰からも不満が出ないように万全な行動をとろうとする。公平にワクチンを配ろうとして、かえって公平性の厳密性に縛られ、迅速に配るということが誰に対してもできない、という愚かな結果に終わる。これが日本である。 蛇足かもしれないが、先日東洋経済オンラインに、ワクチンに関するあまりに愚かな政府およびそのほかの人々の行動に業を煮やしたのか、著名な経済学者たちが連名で、緊急提言を行った(「進まないワクチン予約の劇的改善求める緊急提言」)。 このメンバーには知り合いが多く、親しい人もいる。提言の内容は極めてまっとうである。だが今までにも経済学者の意見を聞く機会はごまんとあったはずで、政治や官邸が今耳を傾ける姿勢があるくらいなら、もっと早い段階、つまり、ワクチン実施案を練っていたときに盛り込まれているはずだからだ。実際、政権の公式なアドバイザーの学者も提言メンバーに入っている。 しかし、簡単なことすらできておらず、かつさまざまな提言を聞こうとしなかった政治家たちが、いまさら聞くわけがないのである。まあ、だから、政治家よりも各自治体の担当職員へ向けて発表しているのかもしれない。それは賢明だ。 しかし、繰り返しになるが、政治家たちがワクチン接種プロジェクトに対してこんなに出遅れて愚かに行動しているのは(担当大臣まで設置し、デジタル庁という組織の法律まで作り上げたのに)、それ以外のことを彼らの主人たちが求め続けてきたからだと私は見る。だから、いまさら提言しても、どうかと思うのである。 さて、日本の政治家が愚かに見える理由をいろいろ考えてきたが、上記に掲げた仮説1から3のどれがもっとも当てはまるだろうか。それは各読者の判断に委ねたいと思う。競馬の予想と一緒で、見方はそれぞれだ(本編はここで終了です。次ページは競馬好きの筆者が週末のレースを予想するコーナーです。あらかじめご了承ください)』、「公平の厳密性に縛られる日本」とは愚かなことだ、もっと柔軟に対応すべきだろう。「仮説」のうち、私が最も「当てはまる」と思ったのは、3の「政治家になると愚かに行動することになるから」であるが、2の「政治家になると愚かになってしまうから」も捨て難い。
タグ:東洋経済オンライン 小幡 績 AERAdot 日本の政治情勢 泉 宏 (その55)(【独自】渦中の高須克弥氏と河村名古屋市長を直撃 リコール署名偽造事件の真相は?、河井事件の1.5億円 うごめく「二階降ろし」の策動 二階幹事長の「不関与発言」が党内外で大炎上、日本の政治家があまりにひどすぎる「3つの理由」 ワクチン接種で考えざるをえない「深刻な問題」) 「【独自】渦中の高須克弥氏と河村名古屋市長を直撃 リコール署名偽造事件の真相は?〈dot.〉」 「高須氏」が「河村市長」と「絶交」したとはさもありなんだ。「田中氏」の取り調べは順調に進んでいるようだ。 「偽造署名」の責任をめぐる泥仕合はみっともない。 「ゴールデンウイーク明けにも「Xデー」」とは5月18日の事務局長ら4名の逮捕だった。「真相」解明には時間がかかりそうだ。 「河井事件の1.5億円、うごめく「二階降ろし」の策動 二階幹事長の「不関与発言」が党内外で大炎上」 「1億5000万円」もの巨額資金の支出経緯が不明とは、あり得ない話だ。 なんとも無責任な責任のなすり合いだ。 「二階氏があえて関与を否定した裏には、何かしたたかな計算があるはず」、「二階氏」の「計算」とはどんなものなのだろうか。 「誰が決裁したかはあいまいにしたまま幕引きを図る魂胆」、こんなことを許すべきではない。政治記者も腕の見せ所と、奮闘してもらいたい。 「 日本の政治家があまりにひどすぎる「3つの理由」 ワクチン接種で考えざるをえない「深刻な問題」」 「小幡 績氏」らしい鋭い指摘だ これだけ菅政権の無策ぶりを列挙するとは、さぞかしスッキリすることだろう。 政治家が愚かである「3つの仮説」 (仮説1)愚かな人が政治家になっているから (仮説2)政治家になると愚かになってしまうから (仮説3)政治家になると愚かに行動することになるから 「民主的な選挙と言われるものでは実力者が出てこず」、には違和感がある。ドイツのメルケル首相、アメリカのケネディ大統領など、「実力者」も少なからずいる。 有権者が「馬鹿なら」、「政治家」も「馬鹿にふるまわないと生き残れない」、ありそうだ。 「民主党政権の最大の問題は・・・業界団体にも労組にも、すべて支援をもらおうとした全方位外交、八方美人になってしまったことである」、「自民党は民主党の八方美人を受け継ぐことになった」、なるほど。 「仮説」のうち、私が最も「当てはまる」と思ったのは、3の「政治家になると愚かに行動することになるから」であるが、2の「政治家になると愚かになってしまうから」も捨て難い。 「公平の厳密性に縛られる日本」とは愚かなことだ、もっと柔軟に対応すべきだろう。
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