マスコミ(その4)(米メディアはなぜヒトラーを止められなかったか、BBCはなぜスロージャーナリズムに挑むのか、知られざる巨大権力・警察とマスコミの危険な関係) [メディア]
マスコミについては、昨年10月29日に取上げたが、今日は、(その4)(米メディアはなぜヒトラーを止められなかったか、BBCはなぜスロージャーナリズムに挑むのか、知られざる巨大権力・警察とマスコミの危険な関係) である。
先ずは、米ケース・ウェスタン・リザーブ大学准教授のジョン・ブロイヒ氏が1月19日付けNEWSWEEK日本版に寄稿した「米メディアはなぜヒトラーを止められなかったか」を紹介しよう(▽は小見出し)。
・<独裁者は、独裁という政策綱領を掲げて立候補するわけではない。民主的な選挙を勝ち抜いたからといって「正常」とは限らない。米メディアは、第二次大戦時の過ちを繰り返してはならない>
▽メディアは独裁者をどう報道すればいいのか。
・立憲主義に反対で人種差別主義、おまけに暴力を煽る政治指導者が台頭したら、メディアはどう伝えるべきだろう。社会常識から逸脱しているとして糾弾すべきか。公正な選挙で選ばれたのだからそれは民意、即ち「正常」だと判断するのか。 イタリアとドイツでファシストが指導者にのし上がった1920~30年代に、大きな過ちを犯した米メディアが学んだ教訓だ。
▽独裁者の誕生
・イタリアのべニート・ムッソリーニが3万人の武装した黒シャツ隊を引き連れてローマを進軍し、政権を奪取したのは1922年。1925年には独裁を宣言した。その動きはアメリカの価値観とまるで相容れなかったが、ムッソリーニは米メディアの人気者だった。事実、1925~32年の間に少なくとも150本の記事が掲載され、その大半が中立的な意見で、他も肯定的な論調がほとんどだった。
・米誌サタデー・イブニング・ポストは1928年の5~10月にかけて、ムッソリーニの回顧録を連載した。高級紙ニューヨーク・トリビューンから地方紙のクリーブランド・プレイン・ディーラーに至るまで多くの新聞が、新しいファシスト運動は若干「手荒い」とはいえ、イタリアを極左の脅威から救い経済を立て直したと称賛した。米メディアにしてみれば、第一次大戦後のヨーロッパで急伸しつつあった反資本主義の方が、ファシズムよりはるかにたちが悪かったのだ。ニューヨーク・タイムズは、ファシズムを荒れ狂うイタリアを正常化する運動と評価した。
・だが、少数ながらこれに反対するジャーナリストやメディアもあった。作家のアーネスト・ヘミングウェイやニューヨーカー誌は、反民主主義を標榜するムッソリーニによる正常化、という論調を拒絶。ハーパー誌ののジョン・ガンサーは、ムッソリーニがどれほど巧妙に米メディアを操作したかについて、鋭いルポルタージュを書いた。
▽ヒトラーは「ドイツのムッソリーニ」
・イタリアでムッソリーニが成功すると、米メディアはアドルフ・ヒトラーのことも正常と認識した。事実1920年後半~30年代前半までは、ヒトラーのことを「ドイツのムッソリーニ」と呼んでいた。ムッソリーニが先に米メディアの認知を受けていたおかげで、ヒトラーは有利なスタートを切れたとわけだ。1920年代初めには少数政党に過ぎなかったナチスは、1932年の国会議員選挙で第一党になる大躍進を遂げた。
・メディアがヒトラーをジョークのネタにしたおかげで、人々の目に彼は人畜無害と映ることになった。「とんでもない金切り声」で「狂気の演説」を行うヒトラーについて、当時のニューズウィークは「チャーリー・チャップリンのよう」「顔つきはまるで漫画」と紹介。米誌コスモポリタンは「自信のなさを隠すためにしゃべりまくる男」と評した。
・ナチスが国会の第一党になった翌年にヒトラーが独裁体制を敷いても、米メディアは、いずれ失脚して伝統的な政治家にとって代わられるか、もっと穏健な路線に軌道修正せざるをえなくなると高をくくっていた。米紙ワシントン・ポストは、ヒトラーの支持者について「過激な教義とインチキ療法」にだまされた「感化されやすい有権者」だと批評。ニューヨーク・タイムズとクリスチャン・サイエンス・モニターは、政治家たちもいずれ目が覚めてナチスを懲らしめるだろうと指摘した。「鋭くドラマチックな直観力」だけでは政権運営には不十分で、「慎重さ」や「深い思考」が必要だということが露呈するはずだ、と。
・事実、ヒトラーの首相就任を受けてニューヨーク・タイムズは「彼自身の無能さをドイツ国民にさらけ出すだけ」と論評した。記者たちは、ヒトラーが候補者の立場から一転、首相として責任を負うことになったのを今さらながら後悔しているのではないか、と邪推した。
・1930年代初め頃の米メディアは確かに、反ユダヤ主義を掲げたヒトラーの過去の言動を非難することもあった。だがそれには例外も多かった。一部の新聞社は、ドイツがプロパガンダとしてユダヤ系市民に加えていた暴力を控えめにしか報じなかった。暴力を非難した記者でさえ、一回ごとに「(暴力は)これで終わりだ」と繰り返すなど、正常に戻りたいという願望と現実を取り違える傾向が顕著になった。
・ヒトラー政権を批判するにしても、取材を拒否されない程度に抑える必要があった。米放送局CBSのキャスターの息子は、ヒトラーに敬礼しなかったとしてナチスの突撃隊から暴行を受けても報道しなかった。1933年に米紙シカゴ・デイリー・ニュースの記者だったエドガー・マウラーが「ドイツは狂気の精神病院になりつつある」と書くと、ドイツ政府は米国務省にアメリカ人記者の報道を取り締まるよう圧力をかけた。マウラーの身の危険を案じた新聞社は、彼をドイツから転出させた。
・1930年代後半までには、アメリカ人記者のほとんどが自分たちの過ちを思い知った。ヒトラーの脅威を見くびった結果、想像を絶する惨劇が起こったヒトラーと対談したこともある著名ジャーナリストのドロシー・トンプソンは、1928年に一度はヒトラーを「取るに足らない男」と断じた自分の過ちに気付き、1930年代半ばから批判記事を書き始めた(ダグラス・チャンドラーのような不名誉な例外も存在した。彼は1937年に米誌ナショナル・ジオグラフィックに寄稿した『Changing Berlin』などの記事で、ナチス・ドイツのプロパガンダの役割を担った)。
・「未来の独裁者を見破れる人などいない」と彼女は1935年に語っている。「ヒトラーのような男は決して政策綱領に独裁と書いて立候補はしない。常に、自分は国民の総意に基づく代表者なのだと訴える」。ヒトラーを見くびった教訓をアメリカに当てはめて、彼女はこんな言葉も残した。「独裁者が現れるとしたら、きっとどこにでもいたような少年たちで、伝統的なアメリカ的価値観を象徴するような人物だろう」
http://www.newsweekjapan.jp/stories/world/2017/01/post-6767.php
次に、4月26日付け東洋経済オンライン「「ニュースの作り方」が根本的に変わったワケ BBCはなぜスロージャーナリズムに挑むのか」を紹介しよう(▽は小見出し、Qは聞き手の質問、Aはアンガス氏の回答、+はそのなかでの段落)。
・ここ数年、ニュースとの接し方が変わっていないだろうか? かつては、新聞を読んだり、テレビを見たりして「消費」していたのが、今ではSNSでシェアされているニュースを読んだり、自らシェアしたりすることが増えているはずだ。
・消費者が積極的にニュースにかかわるようになったことでニュースがより身近になった一方で、情報の信頼性や信憑性をめぐる問題も発生している。そして、こうした消費行動や環境変化は、メディア側にも大きな変化をもたらしている。激動の時代をメディアはどう生き抜くべきか。BBCワールドニュースの編集責任者、ジェイミー・アンガス氏に聞いた。
▽スロージャーナリズムに投資をする
Q:SNSの普及などによって、ニュースへの接し方が変わってきています。
A:大きなテレビ局だけでなく、小さなメディア機関でもニュースの「届け方」が大きく変わった。デジタル時代になって、まずメディア業界の参入障壁が下がったほか、コンテンツ制作や配信コストが大きく下がったことで「ニュースサイトっぽい」サイトを作ることができるようになった。これは、視聴者や読者にとっても紛らわしい。世界的にメディアリテラシーが問題になっているが、ニュースの受け手が正しい情報を選ぶのは難しい。だからこそ、フェイクニュースがこれだけ話題になるわけだ。
+視聴者には、ニュースの裏にある取材などのジャーナリズム的まで知る必要はないが、ネット上だと取材に基づいた記事と、そうではない記事の違いなどを見極めるのは容易ではない。BBCのような大きなテレビ局だからといって、こうした問題に無縁ということではない。そこで、BBCは今年、大規模な投資を行い、「スロージャーナリズム」に力を入れたいと思っている。
Q:具体的にはどういうことをやるのですか。
A:たとえば「Reality Check(リアリティチェック)」と銘打ったシリーズでは、事実関係をめぐって議論が噴出している話や、裏が取れていない話の事実確認を行う。たとえば、北朝鮮が保有しているミサイルの能力は実際のところどうなのか、とか、トランプ大統領が望んでいるメキシコ国境との壁を建てるにはいくらかかるのかといった話から、英国で救急車を呼ぶと平均何分で来るのか、といったデータを使って調べられる話まで、いろいろアイデアはある。
+今の視聴者は、それぞれのニュースの背景にあることを知りたがっている。「なぜ」そうしたニュースが起きているかということに興味があるんだ。もちろん、速報や続報への関心も依然高いが、そのニュースをより深く知りたいというニーズの方が高い。
+このほかにも、データジャーナリズムを本格的にやりたい。しっかりやるには、データを分析したり、オンラインで見せられるようにするツールのほかに、この分野に精通したジャーナリストも必要になるが、そこはしっかり投資をしたい。
▽第三者のプラットフォーム経由の配信が増えている
Q:具体的にはどの程度の投資になるのでしょう。これまでにない規模?
A:詳細は明かせないが、数百万ポンドを投資する計画だ。BBCニュースの予算の中で、最も優先的に投資するが、これは単なるうわべを飾り立てる努力ではない。この取り組みは、われわれが日々どうやってニュースを制作するかを根本から変える。
+実際、リアリティチェックのチームは、日々、テレビでどういうニュースを放送するか決める会議にも参加している。同時に会議では、どのニュースが今いちばん「議論の的」となっているか話し合って、その日のリアリティチェックの題材も決める。 リアリティチェックやデータジャーナリズムなど新しい機能は、うわべでやるものではなく、われわれのニュースに組み込まれていくものになる。
Q:視聴者のBBCに対する接し方も変わっているようですね。
A:より多くの視聴者が、BBC以外のプラットフォームでBBCのニュースに触れるようになっている。BBCのサイトに直接来てほしいと思っているが、たとえばフェイスブックのタイムラインに流れてきたり、ヤフーで読んだりという人が増えている。どんな規模のメディアでさえ、こうした環境には慣れないといけない。第三者のプラットフォームで読まれると、クリックは期待できないが、そのニュースがより多くの人の目に触れることにはなる。
+ニュースをデジタル配信できるようになって配信コストは大幅に下がったが、その一方で、サイトに来てもらうようにしなければならない。ここ5年はどうやったら来てもらえるサイトになるか格闘している。
Q:フェイスブックのような第三者は脅威?
A:今でもほとんどの読者がサイトへ直接やって来るが、第三者経由でサイトを訪れる人の割合も急速に伸びている。ひょっとしたらすべてのニュースは第三者のプラットフォームで消費されるようになるのではないか、という問題に直面しているのはBBCだけではないだろう。
+たとえば、5年前にはフェイスブックにニュースはほとんど流れていなかったが、いまやフェイスブックはBBCにとって最も大きな配信先のひとつだ。これはいいことか、それとも悪いことか?正直言ってわからない。 これは、天気みたいなもので、今の状態を受け入れなければならないということだ。しかし、第三者に配信するようになって、それぞれのプラットフォームでエコシステムが形成され、読者が増えていることは確かだ。われわれより大きな業界の一部になるのは悪いことではない。
Q:第三者のサイトで読んでいる人は、読んでいるのがBBCのニュースだと気がつくものなのでしょうか。 A:それは非常に大事なポイントで、第三者のサイトで配信するうえで最も難しいのは、それぞれのニュースの「出所」がわかりにくいことだ。なので、どうやったらこれがBBCによるニュースなのか読者にわかるように、記事中にBBCの赤いロゴを入れるなど、ブランディングには気を使っている。ロゴを入れることは重要で、これによって読者はBBCによる信頼性の高いニュースだと認知できる。
▽国際ニュースを読んでいる人は比較的若い
Q:フェイクニュースなどの話が出てきてから、BBCに対する信頼感は相対的に増したと感じますか。
A:BBCに対する信頼感はつねに高いと感じているが、フェイクニュース騒ぎのおかげで「信頼性」にファッション的な価値が加わった感すらある(笑)。もっとも、ニュースの正確性や独立性にこだわることは、「古い価値観」だと考えたことはない。
+フェイクニュース的なものが長く続くことはないし、視聴者が今後もそういったものに惑わされ続けるという心配もしていない。一方で、われわれの国際ニュースが信頼されるのには、きちんとした理由があることもわかってもらいたい。われわれは国際報道にいろいろな意味での投資をしているし、今後もそういう姿勢で報道を続ける。
Q:どういう人が国際ニュースを視聴したり、読んだりしているのですか。
A:典型的な読者層を割り出すのは難しいが、英国外の視聴者は英国内の視聴者より若く、平均30代くらいだ。これは、英国外の人口が若いこともあると思うが、たとえば1年前から始めた「BBCミニッツ」と呼ぶ1分間の音声ニュースサービスや、フェイスブック、スナップチャットといったプラットフォームを通じてニュースを配信していることもあるだろう。実際、いつまでも同じような形でニュースを配信し続けていたら、新しい視聴者を開拓することはできない。
Q:若い人こそ国際ニュースに関心を持っている?
A:中には「メディア業界は破綻していて、質の高いニュースといえど生き残るのは難しい」という人もいる。が、それは事実ではない。実際、視聴者は増えているし、ニュースに対する関心も増している。特に若い視聴者は、自分が気にかけているニュースを深く知りたいという欲求が強く、テレビ局なり、出版社なり、そうしたニュースを配信しているところと、より強くかかわりたいと考えている。
Q:SNSの普及によって、人々はより身近なニュースにしか関心を持たなくなっているとも言われますが……。
A:確かに4、5年前のフェイスブックには、個人の話とかバイラル的な動画ばかりが流れていたが、今ではフェイスブックに本当に多くのニュースが流れるようになっている。今では多くの人がニュースをシェアし、シェアするニュースによって自分の考えや信条を示すようになっている。これがニュース企業にとって悪い話であるわけがない。
+ニュースはいまや、人々が主体的に日々かかわるものになっている。昔のように朝、新聞を読んだり、テレビを見たりするだけで終わるのとは違う。環境自体は悪くない。あとは、それぞれのメディアがその環境をどう生かすかだ。
▽BBCは誰をターゲットに放送しているのか
Q:国際ニュースがより読まれたり、見られたりするための工夫は。
A:どういうニュースが関心を持たれるかについてはチャレンジし続けている。たとえば、最近では「解決型ジャーナリズム」周りで何かできないかを模索している。視聴者から「気が滅入るようなニュースばっかりやらないで、たまには何か前向きな動きも伝えてほしい」という声もあり、それぞれの国やコミュニティの取り組みでうまくいっていることを、掘り下げて伝えるようなこともしている。
+たとえば、「So I Can Breath」というシリーズでは、いろいろな国やコミュニティがどうやって大気汚染と戦い、克服しているのかを配信している。視聴者は、自分の身近なニュースや硬派なニュース、速報……いろいろなタイプのニュースに関心を持っているが、それが自分とどのようなかかわりがあって、どういう解決策があるかを知りたいと考えている。
Q:国際報道で難しいのは、誰の視点でニュースを伝えるか、という点です。場合によっては、非常に偏った見方になることもあります。
A:多くの人は、BBCは英国の公共放送で、政府からは独立しており、英国人の受信料によって成り立っていて、英国民のためにニュースを提供していることをわかっているはずだ。一方で、われわれは、インドのニューデリーやシンガポール、東京など世界46カ国に拠点を持つ報道機関で、それぞれの国でその国の母国語でニュースを提供している。われわれは30カ国語で放送しており、それぞれの国に記者がいることを考えると、各国に根差した報道を行っているメディアといえる。
http://www.newsweekjapan.jp/stories/world/2017/01/post-6767.php
第三に、NHK出身のジャーナリストの池田信夫氏が6月2日付けJBPressに寄稿した「知られざる巨大権力・警察とマスコミの危険な関係 警察は記者クラブとの「貸し借り」で情報を統制する」を紹介しよう(▽は小見出し)。
・このところ安倍政権をめぐる情報戦が激しくなっている。加計学園の獣医学部新設に「総理のご意向」が働いたという話を文部科学省の前川喜平・前事務次官が明かしたところ、彼が「出会い系バー」に通っていたという話が出てきた。さらに準強姦事件で「安倍側近」の元TBS記者の逮捕状を警察が押さえたという話が出てきた。
・どっちも事件そのものは小さな話だが、警察がからんでいるという共通点がある。出会い系バーの話は読売新聞が報じて話題になり、元TBS記者の問題は、警視庁の刑事部長が逮捕状の執行を止めたという。ここには巨大権力・警察の一端が見える。
▽読売新聞の書いた前次官の「下ネタ」
・加計学園の怪文書は、朝日新聞が5月17日の朝刊1面トップで取り上げた。その情報源が取り沙汰されている22日に、読売新聞が朝刊社会面で「前川前次官出会い系バー通い」と書いた。この記事には加計学園のことは書いてないが、前川氏が怪文書のネタ元だと分かる書き方だった。
・そのあと25日に前川氏が記者会見して文書の存在を確認し、出会い系バー通いで昨年秋に杉田和博官房副長官から注意処分を受けたことも認めた。これについて彼は「女性の貧困問題を調査していた」と語ったが、菅官房長官は「強い違和感を覚えた」と記者会見でコメントした。
・杉田氏は警察庁出身で、一般には知られていないが、霞が関では恐れられている人物だ。それは彼が政治家や官僚の不祥事をすべて把握しているからだ。前川氏の名前も店から通報されるとは思えないので、歌舞伎町を巡回している警察官から上がってきた情報だろう。前川氏はスーツで店に出入りしていたらしいので目立ったと思われるが、出会い系バーに通うこと自体は犯罪でも違法行為でもない。
・しかし読売の記事は「前川氏が管理売春の常連だった」とにおわせるものだ(そうでなければニュース価値はない)。注意処分は公表されないので、これは読売の「スクープ」だが、なぜ昨年秋の処分が今ごろ出てきたのだろうか。 これを「官邸の陰謀」という人がいるが、そこまで大した話ではない。読売のサツ回りが、夜回りでつかんだネタだろうが、読売が取材源を守るというルールを破って内部告発者の下ネタを書くのは、御用新聞といわれてもしょうがない。
▽警察から「問い合わせ」を受けたTBS
・それとは一見まったく無関係だが、TBSの元ワシントン支局長、山口敬之氏に「レイプされた」として、5月29日にジャーナリストの詩織さんが検察審査会に審査を申し立てた。 これは2015年4月の事件だが、高輪署が山口氏の逮捕状を取り、彼が帰国するとき成田空港で逮捕する予定だったが、逮捕の直前に警視庁が逮捕状の執行を停止したという。これについては、当時、警視庁の刑事部長だった中村格氏が事実関係を認めた。 その後、警視庁が8月に山口氏を準強姦の疑いで東京地検に書類送検したが、2016年7月、嫌疑不十分で不起訴となった。捜査に1年4カ月かかったが、結果的には山口氏は逮捕も起訴もされなかった。
・その理由について中村氏は「事件の中身として(逮捕は必要ないと)私が判断した」と明言している。逮捕令状は裁判所が認めるが、執行するかどうかの裁量は警視庁にあるので、それ自体は違法ではないが、問題はその理由だ。
・この手の事件は「言った言わない」になることが多いが、本件はホテルの監視カメラの映像が残っており、詩織さんの下着から採取したDNAなどの物証があった。山口氏はフェイスブックで「違法行為はしていない」と反論しているが、公平にみてグレーな事件である。一般人なら、任意の取り調べでは済まないだろう。 山口氏が逮捕をまぬがれた原因としてマスコミが問題にしているのは、首相官邸との近さだ。彼は安倍首相に近いジャーナリストとして知られ、中村氏は2015年3月まで菅官房長官の秘書官だった。中村氏が官邸の意向を受けて山口氏の逮捕状を止めたという可能性は否定できないが、この程度の刑事事件に官邸が直接介入することは考えにくい。
・それよりはっきりしているのは、TBSとの関係だ。詩織さんも日刊スポーツのインタビューで、捜査員に「(山口氏が)TBSだから難しい」といわれたという。 これについてTBSの武田社長は、5月31日の記者会見で「警察から問い合わせがあった」ことを認めた。山口氏が2015年4月23日にワシントン支局長を解任されたのは「準強姦」事件の起こった4月3日の直後で、偶然の一致とは思えない。TBSは警察と取引して、彼に更迭という「社会的制裁」を加える代わりに逮捕をまぬがれたのではないか。
▽警察とマスコミの「貸し借り」
・警察は、知られざる巨大権力である。警察庁は4万人の小さな役所だが、都道府県の警察本部には合計26万人の警察官がいる。合わせて30万人という規模は自衛隊を上回り、霞が関の中央官庁全体にほぼ匹敵する。 戦前の警察は国家機関だったが、GHQ(連合国軍総司令部)はそれが治安維持法のような圧政の原因になったと考え、警察を解体してアメリカのような地方組織にした。それでも人を犯罪者にして社会的に抹殺することが可能な権力は強く、特に政治家との関係は微妙である。
・警察を最終的に指揮するのは首相なので、政治利用を防ぐ制度としてGHQがつくったのが、公安委員会である。これもアメリカの制度にならったもので、国家公安委員長は閣僚だが、委員ではない(議決権がない)。政治的中立を守るためだ。
・マスコミとの関係も重要だ。警察の扱う事件は膨大だが、そのうち逮捕や強制捜査になる事件は氷山の一角だ。ほとんどはグレーのまま終わるが、その中には悪質なものがある。それを夜回りの記者に教えて書かせることで、社会的制裁を与えることができる。逆に記者の逮捕を警察が止めて、マスコミに貸しをつくることもできる。
・今回は読売が官邸の意向を忖度して警察に貸しをつくり、TBSは警察に借りができたと思われる。政府の情報統制は、戦前のようなあからさまな言論介入ではなく、こういう高度な「貸し借り」で行われるのだ。
http://jbpress.ismedia.jp/articles/-/50185
第一の記事で、ムッソリーニを評価したのは、 『米メディアにしてみれば、第一次大戦後のヨーロッパで急伸しつつあった反資本主義の方が、ファシズムよりはるかにたちが悪かったのだ。ニューヨーク・タイムズは、ファシズムを荒れ狂うイタリアを正常化する運動と評価した』、と当時の時代背景を考えると無理からぬところもあるようだ。 『ヒトラーと対談したこともある著名ジャーナリストのドロシー・トンプソンは、1928年に一度はヒトラーを「取るに足らない男」と断じた自分の過ちに気付き、1930年代半ばから批判記事を書き始めた・・・「未来の独裁者を見破れる人などいない」』、の最後の部分は言い訳めいた部分もあるにせよ、一面の事実なのかも知れない。
第二の記事で、紹介しているBBCは英国のNHKのような存在だが、真相に迫ろうとする報道姿勢は立派なもので、その爪の垢でもNHKに飲ませたいと思うゆな存在である。フェイクニュースに対抗して、事実を確認し、背景などを掘り下げるスローニュースに力を入れているようだ。 視聴料を払ってくれる英国民向けだけを意識するのではなく、『世界46カ国に拠点を持つ報道機関で、それぞれの国でその国の母国語でニュースを提供している。われわれは30カ国語で放送しており、それぞれの国に記者がいることを考えると、各国に根差した報道を行っているメディアといえる』、とは「ご苦労さん」と頭が下がる貴重な存在だ。
第三の記事で、池田氏は、前川氏の出会い系バー通いについて、 『これは読売の「スクープ」だが、なぜ昨年秋の処分が今ごろ出てきたのだろうか。 これを「官邸の陰謀」という人がいるが、そこまで大した話ではない。読売のサツ回りが、夜回りでつかんだネタだろうが、読売が取材源を守るというルールを破って内部告発者の下ネタを書くのは、御用新聞といわれてもしょうがない』、としているが、報道のタイミングを見ると、やはり「官邸の陰謀」とする方が自然だと思われる。TBSの元ワシントン支局長の「レイプ事件」についても、 『彼は安倍首相に近いジャーナリストとして知られ、中村氏は2015年3月まで菅官房長官の秘書官だった。中村氏が官邸の意向を受けて山口氏の逮捕状を止めたという可能性は否定できないが、この程度の刑事事件に官邸が直接介入することは考えにくい』、としている。 確かに、『TBSは警察と取引して、彼に更迭という「社会的制裁」を加える代わりに逮捕をまぬがれたのではないか』、との仮説はもっともらしいが、その前の方で、 『逮捕の直前に警視庁が逮捕状の執行を停止したという。これについては、当時、警視庁の刑事部長だった中村格氏が事実関係を認めた』、というのと明らかに矛盾している。中村格氏が抑えたのも、単なる忖度に過ぎず、官邸とは無関係と強弁するのだろうか。池田氏がこれほどまでに官邸を無理筋を使ってまで擁護する理由が理解できない。それにしても、レイプの訴えを警察上層部がもみ消すとは、発展途上国ならいざ知らず、先進国としては恥ずかしい事態だ。被害者が東京地検の不起訴処分を不服として東京検察審査会に審査を申し立てたので、今後の展開が注目される。
先ずは、米ケース・ウェスタン・リザーブ大学准教授のジョン・ブロイヒ氏が1月19日付けNEWSWEEK日本版に寄稿した「米メディアはなぜヒトラーを止められなかったか」を紹介しよう(▽は小見出し)。
・<独裁者は、独裁という政策綱領を掲げて立候補するわけではない。民主的な選挙を勝ち抜いたからといって「正常」とは限らない。米メディアは、第二次大戦時の過ちを繰り返してはならない>
▽メディアは独裁者をどう報道すればいいのか。
・立憲主義に反対で人種差別主義、おまけに暴力を煽る政治指導者が台頭したら、メディアはどう伝えるべきだろう。社会常識から逸脱しているとして糾弾すべきか。公正な選挙で選ばれたのだからそれは民意、即ち「正常」だと判断するのか。 イタリアとドイツでファシストが指導者にのし上がった1920~30年代に、大きな過ちを犯した米メディアが学んだ教訓だ。
▽独裁者の誕生
・イタリアのべニート・ムッソリーニが3万人の武装した黒シャツ隊を引き連れてローマを進軍し、政権を奪取したのは1922年。1925年には独裁を宣言した。その動きはアメリカの価値観とまるで相容れなかったが、ムッソリーニは米メディアの人気者だった。事実、1925~32年の間に少なくとも150本の記事が掲載され、その大半が中立的な意見で、他も肯定的な論調がほとんどだった。
・米誌サタデー・イブニング・ポストは1928年の5~10月にかけて、ムッソリーニの回顧録を連載した。高級紙ニューヨーク・トリビューンから地方紙のクリーブランド・プレイン・ディーラーに至るまで多くの新聞が、新しいファシスト運動は若干「手荒い」とはいえ、イタリアを極左の脅威から救い経済を立て直したと称賛した。米メディアにしてみれば、第一次大戦後のヨーロッパで急伸しつつあった反資本主義の方が、ファシズムよりはるかにたちが悪かったのだ。ニューヨーク・タイムズは、ファシズムを荒れ狂うイタリアを正常化する運動と評価した。
・だが、少数ながらこれに反対するジャーナリストやメディアもあった。作家のアーネスト・ヘミングウェイやニューヨーカー誌は、反民主主義を標榜するムッソリーニによる正常化、という論調を拒絶。ハーパー誌ののジョン・ガンサーは、ムッソリーニがどれほど巧妙に米メディアを操作したかについて、鋭いルポルタージュを書いた。
▽ヒトラーは「ドイツのムッソリーニ」
・イタリアでムッソリーニが成功すると、米メディアはアドルフ・ヒトラーのことも正常と認識した。事実1920年後半~30年代前半までは、ヒトラーのことを「ドイツのムッソリーニ」と呼んでいた。ムッソリーニが先に米メディアの認知を受けていたおかげで、ヒトラーは有利なスタートを切れたとわけだ。1920年代初めには少数政党に過ぎなかったナチスは、1932年の国会議員選挙で第一党になる大躍進を遂げた。
・メディアがヒトラーをジョークのネタにしたおかげで、人々の目に彼は人畜無害と映ることになった。「とんでもない金切り声」で「狂気の演説」を行うヒトラーについて、当時のニューズウィークは「チャーリー・チャップリンのよう」「顔つきはまるで漫画」と紹介。米誌コスモポリタンは「自信のなさを隠すためにしゃべりまくる男」と評した。
・ナチスが国会の第一党になった翌年にヒトラーが独裁体制を敷いても、米メディアは、いずれ失脚して伝統的な政治家にとって代わられるか、もっと穏健な路線に軌道修正せざるをえなくなると高をくくっていた。米紙ワシントン・ポストは、ヒトラーの支持者について「過激な教義とインチキ療法」にだまされた「感化されやすい有権者」だと批評。ニューヨーク・タイムズとクリスチャン・サイエンス・モニターは、政治家たちもいずれ目が覚めてナチスを懲らしめるだろうと指摘した。「鋭くドラマチックな直観力」だけでは政権運営には不十分で、「慎重さ」や「深い思考」が必要だということが露呈するはずだ、と。
・事実、ヒトラーの首相就任を受けてニューヨーク・タイムズは「彼自身の無能さをドイツ国民にさらけ出すだけ」と論評した。記者たちは、ヒトラーが候補者の立場から一転、首相として責任を負うことになったのを今さらながら後悔しているのではないか、と邪推した。
・1930年代初め頃の米メディアは確かに、反ユダヤ主義を掲げたヒトラーの過去の言動を非難することもあった。だがそれには例外も多かった。一部の新聞社は、ドイツがプロパガンダとしてユダヤ系市民に加えていた暴力を控えめにしか報じなかった。暴力を非難した記者でさえ、一回ごとに「(暴力は)これで終わりだ」と繰り返すなど、正常に戻りたいという願望と現実を取り違える傾向が顕著になった。
・ヒトラー政権を批判するにしても、取材を拒否されない程度に抑える必要があった。米放送局CBSのキャスターの息子は、ヒトラーに敬礼しなかったとしてナチスの突撃隊から暴行を受けても報道しなかった。1933年に米紙シカゴ・デイリー・ニュースの記者だったエドガー・マウラーが「ドイツは狂気の精神病院になりつつある」と書くと、ドイツ政府は米国務省にアメリカ人記者の報道を取り締まるよう圧力をかけた。マウラーの身の危険を案じた新聞社は、彼をドイツから転出させた。
・1930年代後半までには、アメリカ人記者のほとんどが自分たちの過ちを思い知った。ヒトラーの脅威を見くびった結果、想像を絶する惨劇が起こったヒトラーと対談したこともある著名ジャーナリストのドロシー・トンプソンは、1928年に一度はヒトラーを「取るに足らない男」と断じた自分の過ちに気付き、1930年代半ばから批判記事を書き始めた(ダグラス・チャンドラーのような不名誉な例外も存在した。彼は1937年に米誌ナショナル・ジオグラフィックに寄稿した『Changing Berlin』などの記事で、ナチス・ドイツのプロパガンダの役割を担った)。
・「未来の独裁者を見破れる人などいない」と彼女は1935年に語っている。「ヒトラーのような男は決して政策綱領に独裁と書いて立候補はしない。常に、自分は国民の総意に基づく代表者なのだと訴える」。ヒトラーを見くびった教訓をアメリカに当てはめて、彼女はこんな言葉も残した。「独裁者が現れるとしたら、きっとどこにでもいたような少年たちで、伝統的なアメリカ的価値観を象徴するような人物だろう」
http://www.newsweekjapan.jp/stories/world/2017/01/post-6767.php
次に、4月26日付け東洋経済オンライン「「ニュースの作り方」が根本的に変わったワケ BBCはなぜスロージャーナリズムに挑むのか」を紹介しよう(▽は小見出し、Qは聞き手の質問、Aはアンガス氏の回答、+はそのなかでの段落)。
・ここ数年、ニュースとの接し方が変わっていないだろうか? かつては、新聞を読んだり、テレビを見たりして「消費」していたのが、今ではSNSでシェアされているニュースを読んだり、自らシェアしたりすることが増えているはずだ。
・消費者が積極的にニュースにかかわるようになったことでニュースがより身近になった一方で、情報の信頼性や信憑性をめぐる問題も発生している。そして、こうした消費行動や環境変化は、メディア側にも大きな変化をもたらしている。激動の時代をメディアはどう生き抜くべきか。BBCワールドニュースの編集責任者、ジェイミー・アンガス氏に聞いた。
▽スロージャーナリズムに投資をする
Q:SNSの普及などによって、ニュースへの接し方が変わってきています。
A:大きなテレビ局だけでなく、小さなメディア機関でもニュースの「届け方」が大きく変わった。デジタル時代になって、まずメディア業界の参入障壁が下がったほか、コンテンツ制作や配信コストが大きく下がったことで「ニュースサイトっぽい」サイトを作ることができるようになった。これは、視聴者や読者にとっても紛らわしい。世界的にメディアリテラシーが問題になっているが、ニュースの受け手が正しい情報を選ぶのは難しい。だからこそ、フェイクニュースがこれだけ話題になるわけだ。
+視聴者には、ニュースの裏にある取材などのジャーナリズム的まで知る必要はないが、ネット上だと取材に基づいた記事と、そうではない記事の違いなどを見極めるのは容易ではない。BBCのような大きなテレビ局だからといって、こうした問題に無縁ということではない。そこで、BBCは今年、大規模な投資を行い、「スロージャーナリズム」に力を入れたいと思っている。
Q:具体的にはどういうことをやるのですか。
A:たとえば「Reality Check(リアリティチェック)」と銘打ったシリーズでは、事実関係をめぐって議論が噴出している話や、裏が取れていない話の事実確認を行う。たとえば、北朝鮮が保有しているミサイルの能力は実際のところどうなのか、とか、トランプ大統領が望んでいるメキシコ国境との壁を建てるにはいくらかかるのかといった話から、英国で救急車を呼ぶと平均何分で来るのか、といったデータを使って調べられる話まで、いろいろアイデアはある。
+今の視聴者は、それぞれのニュースの背景にあることを知りたがっている。「なぜ」そうしたニュースが起きているかということに興味があるんだ。もちろん、速報や続報への関心も依然高いが、そのニュースをより深く知りたいというニーズの方が高い。
+このほかにも、データジャーナリズムを本格的にやりたい。しっかりやるには、データを分析したり、オンラインで見せられるようにするツールのほかに、この分野に精通したジャーナリストも必要になるが、そこはしっかり投資をしたい。
▽第三者のプラットフォーム経由の配信が増えている
Q:具体的にはどの程度の投資になるのでしょう。これまでにない規模?
A:詳細は明かせないが、数百万ポンドを投資する計画だ。BBCニュースの予算の中で、最も優先的に投資するが、これは単なるうわべを飾り立てる努力ではない。この取り組みは、われわれが日々どうやってニュースを制作するかを根本から変える。
+実際、リアリティチェックのチームは、日々、テレビでどういうニュースを放送するか決める会議にも参加している。同時に会議では、どのニュースが今いちばん「議論の的」となっているか話し合って、その日のリアリティチェックの題材も決める。 リアリティチェックやデータジャーナリズムなど新しい機能は、うわべでやるものではなく、われわれのニュースに組み込まれていくものになる。
Q:視聴者のBBCに対する接し方も変わっているようですね。
A:より多くの視聴者が、BBC以外のプラットフォームでBBCのニュースに触れるようになっている。BBCのサイトに直接来てほしいと思っているが、たとえばフェイスブックのタイムラインに流れてきたり、ヤフーで読んだりという人が増えている。どんな規模のメディアでさえ、こうした環境には慣れないといけない。第三者のプラットフォームで読まれると、クリックは期待できないが、そのニュースがより多くの人の目に触れることにはなる。
+ニュースをデジタル配信できるようになって配信コストは大幅に下がったが、その一方で、サイトに来てもらうようにしなければならない。ここ5年はどうやったら来てもらえるサイトになるか格闘している。
Q:フェイスブックのような第三者は脅威?
A:今でもほとんどの読者がサイトへ直接やって来るが、第三者経由でサイトを訪れる人の割合も急速に伸びている。ひょっとしたらすべてのニュースは第三者のプラットフォームで消費されるようになるのではないか、という問題に直面しているのはBBCだけではないだろう。
+たとえば、5年前にはフェイスブックにニュースはほとんど流れていなかったが、いまやフェイスブックはBBCにとって最も大きな配信先のひとつだ。これはいいことか、それとも悪いことか?正直言ってわからない。 これは、天気みたいなもので、今の状態を受け入れなければならないということだ。しかし、第三者に配信するようになって、それぞれのプラットフォームでエコシステムが形成され、読者が増えていることは確かだ。われわれより大きな業界の一部になるのは悪いことではない。
Q:第三者のサイトで読んでいる人は、読んでいるのがBBCのニュースだと気がつくものなのでしょうか。 A:それは非常に大事なポイントで、第三者のサイトで配信するうえで最も難しいのは、それぞれのニュースの「出所」がわかりにくいことだ。なので、どうやったらこれがBBCによるニュースなのか読者にわかるように、記事中にBBCの赤いロゴを入れるなど、ブランディングには気を使っている。ロゴを入れることは重要で、これによって読者はBBCによる信頼性の高いニュースだと認知できる。
▽国際ニュースを読んでいる人は比較的若い
Q:フェイクニュースなどの話が出てきてから、BBCに対する信頼感は相対的に増したと感じますか。
A:BBCに対する信頼感はつねに高いと感じているが、フェイクニュース騒ぎのおかげで「信頼性」にファッション的な価値が加わった感すらある(笑)。もっとも、ニュースの正確性や独立性にこだわることは、「古い価値観」だと考えたことはない。
+フェイクニュース的なものが長く続くことはないし、視聴者が今後もそういったものに惑わされ続けるという心配もしていない。一方で、われわれの国際ニュースが信頼されるのには、きちんとした理由があることもわかってもらいたい。われわれは国際報道にいろいろな意味での投資をしているし、今後もそういう姿勢で報道を続ける。
Q:どういう人が国際ニュースを視聴したり、読んだりしているのですか。
A:典型的な読者層を割り出すのは難しいが、英国外の視聴者は英国内の視聴者より若く、平均30代くらいだ。これは、英国外の人口が若いこともあると思うが、たとえば1年前から始めた「BBCミニッツ」と呼ぶ1分間の音声ニュースサービスや、フェイスブック、スナップチャットといったプラットフォームを通じてニュースを配信していることもあるだろう。実際、いつまでも同じような形でニュースを配信し続けていたら、新しい視聴者を開拓することはできない。
Q:若い人こそ国際ニュースに関心を持っている?
A:中には「メディア業界は破綻していて、質の高いニュースといえど生き残るのは難しい」という人もいる。が、それは事実ではない。実際、視聴者は増えているし、ニュースに対する関心も増している。特に若い視聴者は、自分が気にかけているニュースを深く知りたいという欲求が強く、テレビ局なり、出版社なり、そうしたニュースを配信しているところと、より強くかかわりたいと考えている。
Q:SNSの普及によって、人々はより身近なニュースにしか関心を持たなくなっているとも言われますが……。
A:確かに4、5年前のフェイスブックには、個人の話とかバイラル的な動画ばかりが流れていたが、今ではフェイスブックに本当に多くのニュースが流れるようになっている。今では多くの人がニュースをシェアし、シェアするニュースによって自分の考えや信条を示すようになっている。これがニュース企業にとって悪い話であるわけがない。
+ニュースはいまや、人々が主体的に日々かかわるものになっている。昔のように朝、新聞を読んだり、テレビを見たりするだけで終わるのとは違う。環境自体は悪くない。あとは、それぞれのメディアがその環境をどう生かすかだ。
▽BBCは誰をターゲットに放送しているのか
Q:国際ニュースがより読まれたり、見られたりするための工夫は。
A:どういうニュースが関心を持たれるかについてはチャレンジし続けている。たとえば、最近では「解決型ジャーナリズム」周りで何かできないかを模索している。視聴者から「気が滅入るようなニュースばっかりやらないで、たまには何か前向きな動きも伝えてほしい」という声もあり、それぞれの国やコミュニティの取り組みでうまくいっていることを、掘り下げて伝えるようなこともしている。
+たとえば、「So I Can Breath」というシリーズでは、いろいろな国やコミュニティがどうやって大気汚染と戦い、克服しているのかを配信している。視聴者は、自分の身近なニュースや硬派なニュース、速報……いろいろなタイプのニュースに関心を持っているが、それが自分とどのようなかかわりがあって、どういう解決策があるかを知りたいと考えている。
Q:国際報道で難しいのは、誰の視点でニュースを伝えるか、という点です。場合によっては、非常に偏った見方になることもあります。
A:多くの人は、BBCは英国の公共放送で、政府からは独立しており、英国人の受信料によって成り立っていて、英国民のためにニュースを提供していることをわかっているはずだ。一方で、われわれは、インドのニューデリーやシンガポール、東京など世界46カ国に拠点を持つ報道機関で、それぞれの国でその国の母国語でニュースを提供している。われわれは30カ国語で放送しており、それぞれの国に記者がいることを考えると、各国に根差した報道を行っているメディアといえる。
http://www.newsweekjapan.jp/stories/world/2017/01/post-6767.php
第三に、NHK出身のジャーナリストの池田信夫氏が6月2日付けJBPressに寄稿した「知られざる巨大権力・警察とマスコミの危険な関係 警察は記者クラブとの「貸し借り」で情報を統制する」を紹介しよう(▽は小見出し)。
・このところ安倍政権をめぐる情報戦が激しくなっている。加計学園の獣医学部新設に「総理のご意向」が働いたという話を文部科学省の前川喜平・前事務次官が明かしたところ、彼が「出会い系バー」に通っていたという話が出てきた。さらに準強姦事件で「安倍側近」の元TBS記者の逮捕状を警察が押さえたという話が出てきた。
・どっちも事件そのものは小さな話だが、警察がからんでいるという共通点がある。出会い系バーの話は読売新聞が報じて話題になり、元TBS記者の問題は、警視庁の刑事部長が逮捕状の執行を止めたという。ここには巨大権力・警察の一端が見える。
▽読売新聞の書いた前次官の「下ネタ」
・加計学園の怪文書は、朝日新聞が5月17日の朝刊1面トップで取り上げた。その情報源が取り沙汰されている22日に、読売新聞が朝刊社会面で「前川前次官出会い系バー通い」と書いた。この記事には加計学園のことは書いてないが、前川氏が怪文書のネタ元だと分かる書き方だった。
・そのあと25日に前川氏が記者会見して文書の存在を確認し、出会い系バー通いで昨年秋に杉田和博官房副長官から注意処分を受けたことも認めた。これについて彼は「女性の貧困問題を調査していた」と語ったが、菅官房長官は「強い違和感を覚えた」と記者会見でコメントした。
・杉田氏は警察庁出身で、一般には知られていないが、霞が関では恐れられている人物だ。それは彼が政治家や官僚の不祥事をすべて把握しているからだ。前川氏の名前も店から通報されるとは思えないので、歌舞伎町を巡回している警察官から上がってきた情報だろう。前川氏はスーツで店に出入りしていたらしいので目立ったと思われるが、出会い系バーに通うこと自体は犯罪でも違法行為でもない。
・しかし読売の記事は「前川氏が管理売春の常連だった」とにおわせるものだ(そうでなければニュース価値はない)。注意処分は公表されないので、これは読売の「スクープ」だが、なぜ昨年秋の処分が今ごろ出てきたのだろうか。 これを「官邸の陰謀」という人がいるが、そこまで大した話ではない。読売のサツ回りが、夜回りでつかんだネタだろうが、読売が取材源を守るというルールを破って内部告発者の下ネタを書くのは、御用新聞といわれてもしょうがない。
▽警察から「問い合わせ」を受けたTBS
・それとは一見まったく無関係だが、TBSの元ワシントン支局長、山口敬之氏に「レイプされた」として、5月29日にジャーナリストの詩織さんが検察審査会に審査を申し立てた。 これは2015年4月の事件だが、高輪署が山口氏の逮捕状を取り、彼が帰国するとき成田空港で逮捕する予定だったが、逮捕の直前に警視庁が逮捕状の執行を停止したという。これについては、当時、警視庁の刑事部長だった中村格氏が事実関係を認めた。 その後、警視庁が8月に山口氏を準強姦の疑いで東京地検に書類送検したが、2016年7月、嫌疑不十分で不起訴となった。捜査に1年4カ月かかったが、結果的には山口氏は逮捕も起訴もされなかった。
・その理由について中村氏は「事件の中身として(逮捕は必要ないと)私が判断した」と明言している。逮捕令状は裁判所が認めるが、執行するかどうかの裁量は警視庁にあるので、それ自体は違法ではないが、問題はその理由だ。
・この手の事件は「言った言わない」になることが多いが、本件はホテルの監視カメラの映像が残っており、詩織さんの下着から採取したDNAなどの物証があった。山口氏はフェイスブックで「違法行為はしていない」と反論しているが、公平にみてグレーな事件である。一般人なら、任意の取り調べでは済まないだろう。 山口氏が逮捕をまぬがれた原因としてマスコミが問題にしているのは、首相官邸との近さだ。彼は安倍首相に近いジャーナリストとして知られ、中村氏は2015年3月まで菅官房長官の秘書官だった。中村氏が官邸の意向を受けて山口氏の逮捕状を止めたという可能性は否定できないが、この程度の刑事事件に官邸が直接介入することは考えにくい。
・それよりはっきりしているのは、TBSとの関係だ。詩織さんも日刊スポーツのインタビューで、捜査員に「(山口氏が)TBSだから難しい」といわれたという。 これについてTBSの武田社長は、5月31日の記者会見で「警察から問い合わせがあった」ことを認めた。山口氏が2015年4月23日にワシントン支局長を解任されたのは「準強姦」事件の起こった4月3日の直後で、偶然の一致とは思えない。TBSは警察と取引して、彼に更迭という「社会的制裁」を加える代わりに逮捕をまぬがれたのではないか。
▽警察とマスコミの「貸し借り」
・警察は、知られざる巨大権力である。警察庁は4万人の小さな役所だが、都道府県の警察本部には合計26万人の警察官がいる。合わせて30万人という規模は自衛隊を上回り、霞が関の中央官庁全体にほぼ匹敵する。 戦前の警察は国家機関だったが、GHQ(連合国軍総司令部)はそれが治安維持法のような圧政の原因になったと考え、警察を解体してアメリカのような地方組織にした。それでも人を犯罪者にして社会的に抹殺することが可能な権力は強く、特に政治家との関係は微妙である。
・警察を最終的に指揮するのは首相なので、政治利用を防ぐ制度としてGHQがつくったのが、公安委員会である。これもアメリカの制度にならったもので、国家公安委員長は閣僚だが、委員ではない(議決権がない)。政治的中立を守るためだ。
・マスコミとの関係も重要だ。警察の扱う事件は膨大だが、そのうち逮捕や強制捜査になる事件は氷山の一角だ。ほとんどはグレーのまま終わるが、その中には悪質なものがある。それを夜回りの記者に教えて書かせることで、社会的制裁を与えることができる。逆に記者の逮捕を警察が止めて、マスコミに貸しをつくることもできる。
・今回は読売が官邸の意向を忖度して警察に貸しをつくり、TBSは警察に借りができたと思われる。政府の情報統制は、戦前のようなあからさまな言論介入ではなく、こういう高度な「貸し借り」で行われるのだ。
http://jbpress.ismedia.jp/articles/-/50185
第一の記事で、ムッソリーニを評価したのは、 『米メディアにしてみれば、第一次大戦後のヨーロッパで急伸しつつあった反資本主義の方が、ファシズムよりはるかにたちが悪かったのだ。ニューヨーク・タイムズは、ファシズムを荒れ狂うイタリアを正常化する運動と評価した』、と当時の時代背景を考えると無理からぬところもあるようだ。 『ヒトラーと対談したこともある著名ジャーナリストのドロシー・トンプソンは、1928年に一度はヒトラーを「取るに足らない男」と断じた自分の過ちに気付き、1930年代半ばから批判記事を書き始めた・・・「未来の独裁者を見破れる人などいない」』、の最後の部分は言い訳めいた部分もあるにせよ、一面の事実なのかも知れない。
第二の記事で、紹介しているBBCは英国のNHKのような存在だが、真相に迫ろうとする報道姿勢は立派なもので、その爪の垢でもNHKに飲ませたいと思うゆな存在である。フェイクニュースに対抗して、事実を確認し、背景などを掘り下げるスローニュースに力を入れているようだ。 視聴料を払ってくれる英国民向けだけを意識するのではなく、『世界46カ国に拠点を持つ報道機関で、それぞれの国でその国の母国語でニュースを提供している。われわれは30カ国語で放送しており、それぞれの国に記者がいることを考えると、各国に根差した報道を行っているメディアといえる』、とは「ご苦労さん」と頭が下がる貴重な存在だ。
第三の記事で、池田氏は、前川氏の出会い系バー通いについて、 『これは読売の「スクープ」だが、なぜ昨年秋の処分が今ごろ出てきたのだろうか。 これを「官邸の陰謀」という人がいるが、そこまで大した話ではない。読売のサツ回りが、夜回りでつかんだネタだろうが、読売が取材源を守るというルールを破って内部告発者の下ネタを書くのは、御用新聞といわれてもしょうがない』、としているが、報道のタイミングを見ると、やはり「官邸の陰謀」とする方が自然だと思われる。TBSの元ワシントン支局長の「レイプ事件」についても、 『彼は安倍首相に近いジャーナリストとして知られ、中村氏は2015年3月まで菅官房長官の秘書官だった。中村氏が官邸の意向を受けて山口氏の逮捕状を止めたという可能性は否定できないが、この程度の刑事事件に官邸が直接介入することは考えにくい』、としている。 確かに、『TBSは警察と取引して、彼に更迭という「社会的制裁」を加える代わりに逮捕をまぬがれたのではないか』、との仮説はもっともらしいが、その前の方で、 『逮捕の直前に警視庁が逮捕状の執行を停止したという。これについては、当時、警視庁の刑事部長だった中村格氏が事実関係を認めた』、というのと明らかに矛盾している。中村格氏が抑えたのも、単なる忖度に過ぎず、官邸とは無関係と強弁するのだろうか。池田氏がこれほどまでに官邸を無理筋を使ってまで擁護する理由が理解できない。それにしても、レイプの訴えを警察上層部がもみ消すとは、発展途上国ならいざ知らず、先進国としては恥ずかしい事態だ。被害者が東京地検の不起訴処分を不服として東京検察審査会に審査を申し立てたので、今後の展開が注目される。
タグ:メディアは独裁者をどう報道すればいいのか イタリアを極左の脅威から救い経済を立て直したと称賛 Newsweek日本版 米メディアはなぜヒトラーを止められなかったか 政権を奪取したのは1922年。1925年には独裁を宣言した。その動きはアメリカの価値観とまるで相容れなかったが、ムッソリーニは米メディアの人気者だった ジョン・ブロイヒ (その4)(米メディアはなぜヒトラーを止められなかったか、BBCはなぜスロージャーナリズムに挑むのか、知られざる巨大権力・警察とマスコミの危険な関係) マスコミ 警察とマスコミの「貸し借り」 TBSは警察と取引して、彼に更迭という「社会的制裁」を加える代わりに逮捕をまぬがれたのではないか 彼は安倍首相に近いジャーナリストとして知られ、中村氏は2015年3月まで菅官房長官の秘書官だった。中村氏が官邸の意向を受けて山口氏の逮捕状を止めたという可能性は否定できないが、この程度の刑事事件に官邸が直接介入することは考えにくい 山口氏が逮捕をまぬがれた原因としてマスコミが問題にしているのは、首相官邸との近さだ 警視庁が8月に山口氏を準強姦の疑いで東京地検に書類送検したが、2016年7月、嫌疑不十分で不起訴となった 逮捕の直前に警視庁が逮捕状の執行を停止したという。これについては、当時、警視庁の刑事部長だった中村格氏が事実関係を認めた 検察審査会に審査を申し立てた TBSの元ワシントン支局長、山口敬之氏 これを「官邸の陰謀」という人がいるが、そこまで大した話ではない。読売のサツ回りが、夜回りでつかんだネタだろうが、読売が取材源を守るというルールを破って内部告発者の下ネタを書くのは、御用新聞といわれてもしょうがない 読売新聞の書いた前次官の「下ネタ」 警察がからんでいるという共通点 準強姦事件で「安倍側近」の元TBS記者の逮捕状を警察が押さえたという話 池田信夫 「出会い系バー」に通っていたという話が出てきた 米メディアにしてみれば、第一次大戦後のヨーロッパで急伸しつつあった反資本主義の方が、ファシズムよりはるかにたちが悪かったのだ。ニューヨーク・タイムズは、ファシズムを荒れ狂うイタリアを正常化する運動と評価した ヒトラーと対談したこともある著名ジャーナリストのドロシー・トンプソンは、1928年に一度はヒトラーを「取るに足らない男」と断じた自分の過ちに気付き、1930年代半ばから批判記事を書き始めた 前川喜平・前事務次官 BBCワールドニュースの編集責任者、ジェイミー・アンガス氏 ヒトラーが独裁体制を敷いても、米メディアは、いずれ失脚して伝統的な政治家にとって代わられるか、もっと穏健な路線に軌道修正せざるをえなくなると高をくくっていた ニュースの受け手が正しい情報を選ぶのは難しい。だからこそ、フェイクニュースがこれだけ話題になるわけだ 加計学園 JBPRESS ヒトラーは「ドイツのムッソリーニ」 事実関係をめぐって議論が噴出している話や、裏が取れていない話の事実確認を行う 速報や続報への関心も依然高いが、そのニュースをより深く知りたいというニーズの方が高い 国際ニュースを読んでいる人は比較的若い 誰をターゲットに放送しているのか データジャーナリズムを本格的にやりたい 第三者のプラットフォーム経由の配信が増えている ニュースの作り方」が根本的に変わったワケ BBCはなぜスロージャーナリズムに挑むのか 世界46カ国に拠点を持つ報道機関で、それぞれの国でその国の母国語でニュースを提供している。われわれは30カ国語で放送しており、それぞれの国に記者がいることを考えると、各国に根差した報道を行っているメディアといえる 未来の独裁者を見破れる人などいない 東洋経済オンライン Reality Check スロージャーナリズムに投資をする 知られざる巨大権力・警察とマスコミの危険な関係 警察は記者クラブとの「貸し借り」で情報を統制する 東京検察審査会
全員の論調が同じなのが一番ダメだ。これは言論の基礎の基礎
昔メディアが「カップラーメンの値段ガ~」って自民党叩いて政権交代起きたけど、僕たちはそこから何を学んだんだ?それとも何も学ばなかったのか?
韓国べったりのメディア、中国べったり、反社会勢力べったりのメディアがある中で、自民叩き一色に染まったらメディアは悪用されるだけだ。政権交代がそれを教えてくれた。
全員の論調が同じなのが一番ダメだ。これは言論の基礎の基礎
by お名前(必須) (2017-06-10 07:54)