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民主主義(その6)(「Siri デモクラシーって何?」と問いたくなるイギリスの現状 議院内閣制か独裁制か? あるいはAIによる統治か?【橘玲の日々刻々】、ヒトラーが台頭した時代と酷似する現代 その本当の恐ろしさとは、堀潤氏「分断」テーマに映画 重要なのは“小さな主語”目線) [政治]

民主主義については、昨年3月11日に取上げた。久しぶりの今日は、(その6)(「Siri デモクラシーって何?」と問いたくなるイギリスの現状 議院内閣制か独裁制か? あるいはAIによる統治か?【橘玲の日々刻々】、ヒトラーが台頭した時代と酷似する現代 その本当の恐ろしさとは、堀潤氏「分断」テーマに映画 重要なのは“小さな主語”目線)である。

先ずは、作家の橘玲氏が昨年10月7日付けダイヤモンド・オンラインに掲載した「「Siri、デモクラシーって何?」と問いたくなるイギリスの現状。議院内閣制か独裁制か? あるいはAIによる統治か?【橘玲の日々刻々】」を紹介しよう。
https://diamond.jp/articles/-/216893
・『ブレグジット(EUからの離脱)をめぐるイギリスの混乱が収まりません。ボリス・ジョンソン首相は「合意なき離脱」も辞さない覚悟でEUとの交渉に臨もうとしましたが、経済への深刻な打撃を懸念した議会は離脱延期をEUと交渉するよう義務づける新法を可決しました。国民に信を問う前倒しの総選挙も否決されたジョンソン首相は進退窮まり、「(離脱延期を求めるくらいなら)野垂れ死んだ方がましだ」とまで口走っています。 それ以前にジョンソン首相は、EU離脱をめぐる審議を嫌って長期間にわたって議会を閉鎖するという奇策に出ました。この暴挙はEU残留を求める「リベラル」なひとたちに大きな衝撃を与えましたが、それは怒りというより困惑に近いものでした。議会閉鎖に抗議する集会のプラカードに、「Siri, What is Democracy?(Siri、デモクラシーって何?)」と書かれていたのが彼らの心境を象徴しています。SiriはiPhoneに搭載されているAI(人工知能)で、イギリス社会の現状を理解することも、これからどうすべきかを決めるのも、もはや機械に訊かなくてはわからなくなっているのです』、この記事のあと12月13日に保守党は総選挙で過半数を獲得して勝利し、本年1月末で離脱。EUとの通商交渉に臨むことになった。
・『戦後ずっと、日本人にとって米英の政治こそが理想でした。政治学者のような知識人は、「日本の政治が機能しないのは共和党と民主党、保守党と労働党のような二大政党制になっていないからだ」と決めつけ、強引なやり方で小選挙区制を導入しました。これによってたしかに自民党の派閥政治は解体されましたが、民主党の「政権奪還」の失敗後に実現したのは「一強他弱」であり「“戦後最長”の安倍政権」でした。 日本の政治が衆参のねじれで機能しなくなったとき、アメリカのような強力な大統領制を待望する論者がたくさんいました。ところが皮肉なことにそのアメリカで、ポピュリズムの権化のようなトランプ大統領が登場したことで、「(愚かな)国民が直接投票で最高権力者を選ぶ大統領制より、イギリスや日本のような議員内閣制の方がマシ」との主張が出てきました。隣国の大統領の存在もあるのでしょうが、いまや日本でも「大統領制が素晴らしい」という論者はすっかり影を潜めました。 しかし、「相対的にマシ」とされた議院内閣制でも、イギリス政治はブレグジットの大混乱で、イタリアでは右と左のポピュリスト政党が連立内閣をつくったものの、たちまち仲たがいしてさらなる混乱を招いています。 大統領制も議院内閣制も機能しないとなると、あとは独裁制ということになりますが、プーチンのロシアや共産党独裁の中国を見て、「あんな社会になりたい!」というひとはほとんどいないでしょう。これでは「なにをやってもムダ」で、「デモクラシーって何?」と訊いてみたくなるのもわかります。 いまはまだ「あきらめ半分」でも、イギリスがEUから強硬離脱し、来年の大統領選でトランプが再選されるようなことになれば、英米のリベラルは自国の政治や社会にかかわることをかんぜんにあきらめてしまうのではないでしょうか。 そんな絶望したエリートたちは、AIに悩みを訴えるのではなく、AI=機械による統治を求めるようになるのかもしれません』、「議院内閣制」が「一強他弱」で機能しなくなったのには、与党内が独裁制になってしまいがちな小選挙区制に負う部分も大きいと思う。中選挙区制を復活させ、まずは党内民主主義を回復させるべきなのではなかろうか。

次に、11月29日付けダイヤモンド・オンラインが掲載した舛添要一氏へのインタビュー「ヒトラーが台頭した時代と酷似する現代、その本当の恐ろしさとは」を紹介しよう。
https://diamond.jp/articles/-/221931
・『前東京都知事の舛添要一氏が『ヒトラーの正体』 (小学館新書)を出版した。自身の経験も織り交ぜながら、明快な文章で独裁者ヒトラーの実像に迫る入門書だ。長年にわたりヒトラーを研究し続けてきた舛添要一氏に、なぜヒトラーについて知らなければならないのか語ってもらった』、面白そうだ。
・『ヒトラー研究は政治学者の原点だった  ヒトラーについて「独裁者」「ユダヤ人の大虐殺」「親衛隊」など、断片的なワードを知っている人は多い。しかし全体像を把握できている人は意外に少ないのではないか。実は舛添氏も、かつてはそうだったという。 「初めてヒトラーに興味を持ったのは1965年公開の映画『サウンド・オブ・ミュージック』。オーストリアの退役軍人の家族がナチスから逃れるために、徒歩で山を越えてスイスに亡命するストーリーです。主演ジュリー・アンドリュースの美声と豊かなアルプスの自然に魅せられ、ヨーロッパへ留学するきっかけにもなりました。多感な高校生のときに見たこともあり、ヒトラーが憎くてしょうがなかったですね」(舛添氏、以下同) ところが30歳手前の頃、留学先のミュンヘンで下宿屋のおじさんから「ヒトラーの時代が一番よかった」と告げられた。 「下宿はアメリカの研究者が多く、日本人は私だけでした。70歳ぐらいのおやじは『ヤパーナー(日本人)、ちょっと来い』と、私をお茶に誘ってくれる。日本とドイツは同じ枢軸国だったので気に入ってくれたみたいで、古いアルバムを開いて、『俺の人生の中で、ヒトラーの時代が一番よかった』とうれしそうに話をしてくれたんです。ミュンヘン郊外にはダッハウ収容所跡があり、見学するたびに、あまりにも悲惨なユダヤ人虐殺の歴史を教えてくれました。それなのに下宿に戻れば、おやじはヒトラーがよかったという。このギャップがずっと頭から離れませんでした」 それから50年間近くヒトラーの研究を続けてきた舛添氏だが、なぜ今になって、専門書ではなく入門書というかたちで発表したのだろうか。 「子どもが大学生と高校生になりました。父として、子どもたちが社会に出る前に、どうしてもヒトラーのことを語り聞かせたかった。民主主義の対極は独裁です。それなのに民主主義から独裁者が生まれてしまった。この歴史を知らなければ、民主主義は守れません。現代はトランプ大統領の誕生、ブレグジット、移民排斥を主張する極右政党の躍進など、世界中でポピュリズムが広がっている。ヒトラーが誕生した時代に似てきています」』、「初めてヒトラーに興味を持ったのは1965年公開の映画『サウンド・オブ・ミュージック』、舛添氏にもそんな時代があったとかと、微笑んでしまった。「現代はトランプ大統領の誕生・・・世界中でポピュリズムが広がっている。ヒトラーが誕生した時代に似てきています」、とは不吉な予言だ。
・『なぜヒトラーがノーベル平和賞候補になったのか  もしヒトラーが第2次世界大戦前に死んでいたら、「ドイツ史上もっとも偉大な宰相になっていた」と舛添氏は分析する。 「ナチスの正式名称は、『国家社会主義ドイツ労働者党』です。ヒトラーの率いたナチスは右翼政党と思われていますが、政治手法は左翼のポピュリズムそのもの。労働者のための政策を次々と打ち出し、熱烈な支持を受けました」 第1次世界大戦に敗れたドイツは、国内総生産(GDP)の約20倍に及ぶ賠償金に苦しめられる。そこに1929年のウォール街大暴落に端を発した世界恐慌が重なり、1933年にヒトラーが政権をとる頃には、ドイツ全土に大量の失業者があふれかえっていた。 「ヒトラーはアウトバーンと呼ばれる高速道路などの公共事業を推進し、わずか3年で600万人いた失業者を完全雇用状態にしました。天文学的だったインフレの抑制にも成功し、経済は安定します。今で言う働き方改革も行い、労働時間を8時間に制限し、長期休暇も取得しやすくした。財形貯蓄の制度を整え、大型客船で労働者を海外旅行にも連れていったのです」 外交でもヒトラーは手腕を発揮する。 「ヒトラーは戦争で失った土地を外交と国民投票で次々と取り戻しました。自信と誇りを回復した国民はさらに熱狂します。そして1938年のミュンヘン会談では、これ以上の領土は求めないと声明を出し、戦争を回避したとノーベル平和賞の候補にもなったんです。もっとも、この声明はイギリス、フランスを欺いたもの。つまり、ヒトラーは約束を守るつもりはなかったのですが」 着々と積み上げる業績の裏で、ヒトラーは独裁体制の強化と戦争の準備を進め、ユダヤ人や障害者、同性愛者などへの激しい迫害も徹底して行うようになったのだ』、「ミュンヘン会談では、これ以上の領土は求めないと声明を出し、戦争を回避したとノーベル平和賞の候補にもなった」、初めて知ったが、「ノーベル平和賞」の政治性を再認識させられた。
・『トランプ大統領、ブレグジット… 世界各地のミニ・ヒトラー現象  舛添氏は、現在の国際情勢はヒトラーが誕生したドイツに似ていると危機感を募らせる。 「ベルリンの壁が崩壊して30年。ライバルがいなくなった資本主義は、リーマンショック、タックスヘイブンとやりたい放題で、格差も広がっていくばかりです。かつてのドイツのように職が見つからない、働いても報われないと、世界各地で人々が自信を失い、自国第一主義、移民排斥を主張する“ミニ・ヒトラー”に投票する。そして、そんな大衆の不満のはけ口に利用されるのが移民です。ユダヤ人がスケープゴートにされたのと同じ構造ですよ」 さらにヒトラーの編み出した宣伝活動は、SNSの登場でより効果的になっている。 「ヒトラーは、『真実でなくても、自分だけを一方的に褒め、責任は敵に負わせること』が宣伝の主眼だと述べています。まさにトランプ大統領がSNSでフェイクニュースを拡散させる手法です。『パンとサーカス』を求める大衆も真実かどうかは気にせず、面白いものなら受け入れてしまう。『うそは大きければ大きいほどいい』とも、ヒトラーは言っています。日本でも、『NHKをぶっ壊す』や『消費税廃止』としか言っていない政治家に、面白そうだと思って投票した人が相当数いたのではないでしょうか」 舛添氏は「ヒトラーを正しく知らなければ、再びヒトラーのような独裁者が現れたとしても恐れることもできない」と、ヒトラーの本当の恐ろしさを訴える』、「世界各地で人々が自信を失い、自国第一主義、移民排斥を主張する“ミニ・ヒトラー”に投票する。そして、そんな大衆の不満のはけ口に利用されるのが移民です。ユダヤ人がスケープゴートにされたのと同じ構造」、恐ろしいことだ。「「ヒトラーを正しく知らなければ、再びヒトラーのような独裁者が現れたとしても恐れることもできない」、その通りだ。早速、本を読んでみたい。

第三に、本年2月17日付け日刊ゲンダイが掲載した元NHKアナウンサーの堀潤氏へのインタビュー「堀潤氏「分断」テーマに映画 重要なのは“小さな主語”目線」を紹介しよう。
https://www.nikkan-gendai.com/articles/view/news/269002
・『与党か野党か、賛成か反対か、右か左か――。自国中心主義に傾斜するトランプ米国やEU離脱を決めた英国など、世界各国で「分断」が深刻化している。賛否が割れる原発政策や米軍基地問題を抱える日本も例外ではない。そんな「分断」について、多くの現場を取材してきたのがこの人。来月7日にはドキュメンタリー映画の公開も控える。なぜ「分断」は生まれるのか。話を聞いた(Qは聞き手の質問、Aは堀潤氏の回答)』、興味深そうだ。
・『Q:「分断」をテーマに映画を作ろうと思ったきっかけはなんだったのでしょう。 A:2020年は東京五輪・パラリンピックが開催される年ですが、一方で11年の原発事故から10年目の節目でもあります。僕は原発事故現場の取材を継続していますが、時間が経てば経つほど、現場でもさまざまな分断が深まってきていると感じます。例えば、被災した方と、していない方、賠償金をもらった方と、もらっていない方。賠償金をもらっている方の中でも、額の大小の差がある。被災した当事者から離れれば離れるほど、意識の感度も低くなります。そういう分断を私たちはどうやって迎え入れるべきか。何かできることがあるのではと思ったのです。 Q:被災地以外にも分断は存在していますね。 A:「分断」というキーワードで世界を見ると、米国のトランプ現象しかり、英国のブレグジットもそう。右か左か、移民排斥か多様性か、いわゆる中道というのがなくて、極右か極左か。極端なイデオロギーのぶつかり合いが起きているように見えます。私は北朝鮮の平壌にも取材に行きましたが、そもそも北朝鮮と日本との間には大きな分断がある。イスラエルとパレスチナの緊張が続く中で、ガザ地区という壁やフェンスで囲われた地域は、まさに究極の分断が起きていますよね』、確かに「分断」は、日本だけでなく、世界全体にも当てはまるキーワードだ。
・『「経済発展のためなら少数派切り捨ては仕方ない」という風潮  Q:「分断」の背景には何があるのでしょう。 A:ベースにあるのは、経済的に発展できるのであれば、「ある程度の少数派が切り捨てられてもしょうがない」という風潮。原発事故の現場でもそうでした。まだ震災や事故から救済されていない人の声が、「エネルギーや環境問題、経済対策を考えれば原発は必要だよね」という声にかき消されてしまう。中国の一帯一路構想の現場であるカンボジアなどでは、中国資本によって土地が強制収奪されています。香港で起きている大規模デモも、逃亡犯条例に若者たちが反発していると語られがちでしたが、その実、香港に対して中国の経済的覇権が強まっていったことへの危機感が背景にありました。 Q:経済的な格差が大きく影響しているのですね。 A:より大きいのは「経済システム」かもしれない。経済的豊かさの恩恵にあずかれない人たちは、イデオロギー以前に「目の前の生活がよくなるのであれば仕方がない」と考えざるを得ない。誰だって、自らの生活を成り立たせなければいけないわけですから。しかし、その先がどうなるのか、想像力が働かなくなっているように見えます。生活が支配されてしまっていると感じます』、「「分断」の背景には・・・経済的に発展できるのであれば、「ある程度の少数派が切り捨てられてもしょうがない」という風潮」、その通りなのかも知れない。
・『Q:映画で印象に残っているのは、堀さんが「大きい主語」を問題視していたことです。 A:これは僕自身が大反省しながら取材してきたポイントなんです。例えば、「震災から10年近く経過。被災地では今でも多くの方が苦しんでいます」と言ったとしましょう。すると、「堀さんよく言ってくれました。私はまだ古里に戻れず、復興住宅での暮らしなんです」「もう皆忘れちゃってるかもしれないから、どんどん言って欲しい」と拍手を送ってくれる人がいる一方、「堀さん、まだ被災地のレッテルを貼るのかい」「この10年間、どんな思いで風評被害と闘ってきたか分かるだろ」と言う人もいる。これは「被災地は」という主語が大きすぎるからなんですね。 Q:「被災地」とひとくくりにしても、いろいろな思いを持った人がいると。 A:じゃあ「福島」という主語はどうか。「福島は今も苦しんでいる」。これも違いますよね。福島には浜通りや中通り、他にも会津などがある。ひとくくりに「今も苦しんでいる」というのは誤りです。一部地域では帰還が始まっていたり、帰還が困難でも復旧復興に向かって何かしらの取り組みがあったり。一方で、先行きが見通せない地域もある。「大きな主語」を用いることは分断を招きます。 Q:「小さな主語」で語ることが重要であると。 A:例えば「○駅前で中華料理店を営んできた△さんは、震災から×年経った今も、元の場所で営業が再開できていません。夜、眠れない時があるといいます」――。こういう小さい主語で語ると、それは正しい正しくないではなく、「あ、そうなんだ」となりますよね。 Q:「事実」ということですね。 A:例えば、今蔓延している新型コロナウイルスの話なら、「中国人は」と言った瞬間に、いろんな中国の人たちを一緒くたにしてしまいますよね。逆に、「日本人はこうだ」「日本はこういう状況だ」と言われた時に、「どこの誰のことを言っているんだ」「私は違いますけど」と思わず反論したくなることもありますよね。一緒くたにしてしまうから、差別的な表現と捉えられてしまう。主語の置き方は丁寧に考えていかないといけないと思います。「香港人は」「北朝鮮人は」と大きな主語で語ることは、怖いことだと思いますね』、ただ、「小さな主語」で語ると、パンチが弱くなることもあるのではなかろうか。
・『デモ隊の抗議に涙を浮かべた香港の警官  Q:香港のデモ隊と警察が向き合う場面は銃撃もあり、緊迫感が伝わってきました。堀さんは「取り締まる側もまた香港人である」とナレーションしていますが、ここにも「香港人は」という「大きな主語」の弊害がありそうですね。 A:僕はどちらかというと、デモ隊の若者たちを撮ろうとカメラを構えていた。デモ隊の中で向き合った警官の目元をアップでのぞいていると、ある隊員は激しく抗議されたことにくやしい思いがあったのか、涙を浮かべていました。目頭を押さえて、何も言えなくなった同僚に「おまえはもういいから下がっとけ」と声をかける警官もいた。普段は暴力的な彼らのそういう姿を見て、「誰がそうさせたのか」「背景にある仕掛けは何だろう」と想像する気になれた。そう思えるからこそ、「小さい主語」目線は重要だと思います』、この場合は、確かに「「小さい主語」目線は重要だ」。
・『政治家の「分かりやすい言葉」に要注意  Q:取り締まる側と、取り締まられる側と2つに分けてしまうと、そこから先にある事実に、目が向かなくなってしまうと。 A:2つに分けて語るのは、シンプルで分かりやすいですよね。ただ、その分かりやすさで、自らの陣営を一気に広げていこうとするのは、政治的プロパガンダのセオリー。それに乗っていいのか、僕がそれを助長する装置になっていいのか、と思うんです。今はスマホやSNSが普及し、誰もがメディアになれる時代です。一国の大統領がSNSで人々の心を揺さぶる世の中ですから、注意深さは体得したいと思っています。 Q:日本の政治家はどうでしょう。 A:この間、討論番組で与野党の若手国会議員と一緒に議論したんですが、出てくる言葉は「大きな主語」のオンパレードでした。「社会はこうあるべき」「男性社会はこうで、女性社会はこうあるべき」とか、「政治は」「官僚っていうのは」とか……。僕は「皆さんちょっと各論で話しましょう」と持ちかけ、「こういう個別のケースがあった。他にも類似のケースがあった。どう手当てしていけばいいんですか」と聞くと、具体的な答えが返ってこない。これが国民が抱く政治への不信感のひとつかもしれません。 Q:政治に関心が薄いといわれる「若者」たちにとっても、「大きな主語」は分かりやすいのでしょうね。 A:今、ご指摘の「若者」というのが大きな主語になってますよ(笑い)。 Q:つい、使ってしまいました……。 A:いえいえ、僕自身もよくやっちゃうんです。「我々は」とか。いずれにせよ、「大きな主語」の先には、与野党問わず「選挙戦略」や「政治闘争への勝利」があるのでしょう。大きなビジョンへ向かっていくための「装置」かもしれない。そこをキチンと見極められる目を持ちたいですね。(堀氏の略歴はリンク先参照)』、「政治家」にとっては、「各論」(「小さな主語」)では賛成者が少なくなってしまうので、最大公約数的な「総論」(「大きな主語」)で賛成者を多くしようとするのは当然だろう。無論、「メディア」は自分なりの「主語」を選んでいけばいいのではなかろうか。
タグ:民主主義 橘玲 舛添要一 日刊ゲンダイ 小選挙区制 ダイヤモンド・オンライン (その6)(「Siri デモクラシーって何?」と問いたくなるイギリスの現状 議院内閣制か独裁制か? あるいはAIによる統治か?【橘玲の日々刻々】、ヒトラーが台頭した時代と酷似する現代 その本当の恐ろしさとは、堀潤氏「分断」テーマに映画 重要なのは“小さな主語”目線) 「「Siri、デモクラシーって何?」と問いたくなるイギリスの現状。議院内閣制か独裁制か? あるいはAIによる統治か?【橘玲の日々刻々】」 Siri, What is Democracy? 戦後ずっと、日本人にとって米英の政治こそが理想 民主党の「政権奪還」の失敗後に実現したのは「一強他弱」であり「“戦後最長”の安倍政権」 日本でも「大統領制が素晴らしい」という論者はすっかり影を潜めました 大統領制も議院内閣制も機能しない 中選挙区制を復活 「ヒトラーが台頭した時代と酷似する現代、その本当の恐ろしさとは」 『ヒトラーの正体』 (小学館新書) ヒトラー研究は政治学者の原点だった 民主主義の対極は独裁です。それなのに民主主義から独裁者が生まれてしまった。この歴史を知らなければ、民主主義は守れません 現代はトランプ大統領の誕生、ブレグジット、移民排斥を主張する極右政党の躍進など、世界中でポピュリズムが広がっている。ヒトラーが誕生した時代に似てきています なぜヒトラーがノーベル平和賞候補になったのか ミュンヘン会談 トランプ大統領、ブレグジット… 世界各地のミニ・ヒトラー現象 世界各地で人々が自信を失い、自国第一主義、移民排斥を主張する“ミニ・ヒトラー”に投票する。そして、そんな大衆の不満のはけ口に利用されるのが移民です ユダヤ人がスケープゴートにされたのと同じ構造 「堀潤氏「分断」テーマに映画 重要なのは“小さな主語”目線」 世界各国で「分断」が深刻化 「分断」というキーワードで世界を見ると、米国のトランプ現象しかり、英国のブレグジットもそう。右か左か、移民排斥か多様性か、いわゆる中道というのがなくて、極右か極左か。極端なイデオロギーのぶつかり合いが起きているように見えます 「経済発展のためなら少数派切り捨ては仕方ない」という風潮 「大きい主語」を問題視 デモ隊の抗議に涙を浮かべた香港の警官 政治家の「分かりやすい言葉」に要注意
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民主主義(その5)(世界に逆行…東京新宿のデモ規制は「民主主義崩壊」の表れ、小田嶋 隆氏:代案なしで文句言ったっていいじゃん) [政治]

民主主義については、昨年7月5日に取上げた。久しぶりの今日は、(その5)(世界に逆行…東京新宿のデモ規制は「民主主義崩壊」の表れ、小田嶋 隆氏:代案なしで文句言ったっていいじゃん)である。

先ずは、元外交官で外交評論家の孫崎享氏が昨年7月7日付け日刊ゲンダイに寄稿した「世界に逆行…東京新宿のデモ規制は「民主主義崩壊」の表れ」を紹介しよう。
https://www.nikkan-gendai.com/articles/view/news/232811
・『デモは特定政策に対して国民が自らの立場を表明する貴重な手段であり、世界的に見ると、デモで政治を変えようとする動きが顕著である。 米国フロリダ州の高校で17人が死亡した銃乱射事件では、銃規制の強化を求めるデモが全米で繰り広げられた。韓国では2016年11月12日、30年ぶりに100万人以上が参加したキャンドル集会(ろうそくデモ)が開かれ、これを機に朴槿恵政権は退陣に追い込まれ、文在寅大統領が誕生。今も高い支持率を維持している。ロシアでも、プーチン大統領の4期目就任式を前に、全土でデモが展開された。 今や「独裁国家」を除き、世界各地の首都でデモが展開されるのは当たり前だ。ところが日本ではそうではない。 東京・新宿区は、街頭デモの出発地として使用を認める区立公園を、これまでの4カ所から1カ所に限ることを決めた。区内で行われたデモは昨年度77件あり、うち、60件は今後は使えなくなる3つの公園から出発している。ヘイト行為対策と説明しているが、77件中、ヘイト行為は13件。デモを規制しようとする意図は明らかだ。 日本各地で行われているデモは今の安倍政権の政策に反対、抗議する目的がほとんどだ。新宿区長が「民主主義を破壊したい」という理念を持っているとは思いたくない。しかし、区長がデモ規制に動けば、政権サイドから「よくやった」と称賛されるのかもしれない』、ヘイト行為対策に名を借りて街頭デモの出発地への規制をした「新宿区長」は悪質だ。しかも、7月31日付けBLOGOSによれば、公園使用基準の見直しなので、区議会には諮っていないようだ。東京弁護士会などは「違憲の疑いがある」としているようだ。
https://blogos.com/article/314879/
・『民主主義が崩壊する理由のひとつとして、指導者に対する媚びへつらいがある。森友・加計疑惑で明らかになったのは、霞が関官僚が「国民のために何をなすべきか」でなく「安倍首相が喜ぶか否か」を行動基準にして「忖度」していた疑いだったが、それが地方政治にも蔓延し始めたようだ。 歴史を見ると、「独裁国家」ほど「民主国家」や「人民国家」を標榜するケースが多い。自民党は2005年に「立党50年宣言」を行った。そこでは「わが党は民主主義のもとに」と掲げられていたが、実は政策が「自由」や「民主主義」とかけ離れているからこそ、あえて「自民党」と名乗っているのではないか。 日本は戦後、民主主義国家の道を歩んできたが、今、あらゆるところで、逆行する動きが表面化している』、「民主主義が崩壊する理由のひとつとして、指導者に対する媚びへつらいがある」というのは言い得て妙だ。

次に、全く毛色が違う「代案」について、コラムニストの小田嶋 隆氏が3月8日付け日経ビジネスオンラインに寄稿した「代案なしで文句言ったっていいじゃん」を紹介しよう。
https://business.nikkei.com/atcl/seminar/19/00116/00010/?P=1
・『大学の入学試験もおおむねカタがついたようで、都心のオフィス街の周辺には、例によって微妙な真空状態が訪れている。 この時期は、毎年そうなのだが、知り合いへの連絡にちょっと気を使わねばならない。 というのも、相手が身内に受験生をかかえている場合、結果を尋ねたものなのかどうか考え込んでしまうからだ。 真正面から問い質すのも無作法な気がするし、かといって、まるで気づいていないふりをするのもそれはそれで白々しい。 相手から話題を切り出してくれれば一番良いのだが、それ以前に、先方は、こちらが連絡をしたことを尋問であるというふうに受け止めているかもしれない。 だとしたら、こんな時期にあえて電話をかけたこと自体が、ぶしつけな振る舞いであった可能性もある。 てなわけで、その種の微妙な案件をかかえた相手には、よほど差し迫った用件がない限り、連絡を避けることになる。 で、月日がたつ。 例年だと、大型連休が明けた頃になってようやく結果が判明する。 そして、おお、それはなによりだったじゃないか、と、結果がどうであれ、そういう感じのどっちつかずのやりとりをすることになる。 実にもって、社会生活というのは度し難いものだ』、確かに入試結果は春先の知人への電話で気をつけねばならない厄介事だ。
・『今回は、時事問題には触れない。 連載の原点に返って、言葉の問題を取り上げてみることにする。 つい昨日、ツイッターのタイムラインで、ある新聞記事がちょっと話題になった。 元記事を読みに行ってみると、なるほど、不用意な言葉が使われている。 今回は、軽く炎上した新聞記事の中で使われていた、粗雑な用語について書くことにする。 件の記事は、3月6日付の毎日新聞に掲載された、トランプ大統領関連の解説文だ。 「狭まるトランプ包囲網 議会の疑惑追及本格化」という見出しで書かれた記事本文には、米下院司法委員会で、トランプ大統領による司法妨害、汚職、職権乱用の疑惑を調査する動きが本格化したことに加えて、いわゆるロシア疑惑をめぐる調査対象が広がりつつあることが書かれている。あわせて、先月、下院の監視・政府改革委員会が、トランプ大統領の顧問弁護士だったコーエン被告の公聴会を実施したことなども紹介されている。 なお、図版要素として「トランプ政権 疑惑追及の構図」と題した写真と解説図も付け加えられており、全体として、充実した解説記事になっている。 この記事の奇妙なところは、末尾を《ただ、1院を支配しながら政策の代案を示さずに政権追及に終始すれば、世論の批判の矛先が民主党に向かう可能性もある。 トランプ氏は民主党の動きについて「大統領ハラスメントだ」とツイート。不満を募らせている。》という文で締めくくっている点だ。 この部分が、いかにも「取って付けた」ようで浮いているということでもある。 あるいは、冒頭から続く記事本文のトーンが、トランプ大統領に対してあまりに辛辣な内容であることを気にして、バランスを取りに行った結果が、あの結末のパラグラフだったということだろうか。 でなければ、両論併記を旨とする新聞記者の本能として、あまりにも民主党側の主張に沿った内容ばかりを書き並べた埋め合わせに、結末部分で共和党側の言い分として「議会の多数を政争に利用するのはいかがなものか」という意見を紹介しておいた、ということなのかもしれない』、解説図も付け加えた解説記事としては力作なのに、結末部分でミソをつけたとはお粗末だ。
・『いずれにしても、ここで 「代案」という言葉が出てくるのはいかにも唐突だ。 なぜというに、大統領の疑惑を追及するのに、代案もへったくれもないからだ。 疑惑追及は、提案ではない。 とすれば、代案は必要ないし、不可能でもある。 この件に関しては、追及をするのか、追及を断念するのかの二者択一しかない。 疑惑追及の代わりに代案として米中貿易交渉の議論を深めるとか、ロシア疑惑を俎上にあげる代わりに国境の壁について討議するというのは、話のスジとしてバカげてもいれば、新聞記事として間抜けに過ぎる。 こういう記事を一読してあらためて思うのは、もしかして、文章を書く専門家であるはずの新聞記者にしてからが、脊髄反射で言葉を並べているのではなかろうかということだ。 どうして、「代案」などという、場違いな言葉が突然出てきたのかを考えると、「とりあえず、野党が政争の具として疑惑追及を騒ぎ立てている時には、与党側からの反論として『代案』という言葉を提示しておくのがセオリーだ」という思い込みが、記者のアタマの中にあらかじめ転がっていたと考えざるを得ない』、「疑惑追及は、提案ではない」にも拘らず、「文章を書く専門家であるはずの新聞記者にしてからが、脊髄反射で言葉を並べているのではなかろうかということだ」、というのは手厳しい批判だ。
・『記事を読んで、3月6日の昼前に私はこんなツイートを書き込んだ。《「オレの駐車場に勝手にクルマ停めるなよ」「代案出せよ」「代案?」「駐車がNGなら、代わりに何を停めるべきなのかについて冷静な見解を出せってことだよ」「あんた何言ってる?」「代案も出さずに身勝手な苦情持ち込むなと言ってる。民主政治の大原則だぞ」「どこの民主政治だよ」》 実際、この「代案」(最近は「対案」という言葉が使われることも多いが、意味するところは変わらない)なる言葉とそれを含んだ言い回しは、与党の政治家が、野党側からの批判を封じる際の鉄板の決まり文句として、この10年ほどしきりに使われてきた捨て台詞でもある。 ただ、用語には敏感であってしかるべき新聞記者が、「代案」のような副作用の大きい未整理なクリシェ(注)を、安易に使うのは、いかにもまずい』、(注)とは、乱用の結果、意図された力・目新しさが失われた句(常套句、決まり文句)・表現・概念(Wikipedia)。「代案」は「与党の政治家が、野党側からの批判を封じる際の鉄板の決まり文句として、この10年ほどしきりに使われてきた捨て台詞でもある」、というのは的確な指摘だ。
・『勉強不足の三回生議員やネット上に盤踞する自称「普通の日本人」が、自分のブログの中で連呼するのならともかく、新聞記者が全国紙の朝刊の紙面上で、こんなたわけたお題目を結語に持って来て良いはずがないではないか。 そもそも、この「代案」という言葉を含むフレーズが万能の野党打擲棒として振り回されてきた背景には、それに先立つ長い与野党固定の停滞した時代の国会審議がある。 私が子供だった時代、「万年野党」「無責任政党」「なんでも反対党」などと呼ばれていた社会党をはじめとする昭和の時代の野党に対しては、 「反対のための反対」を叫ぶだけの「オリジナルの政見も法案も持っていない形式上のカウンター政党」であるという主旨の批判が常についてまわっていた。 事実、戦争が終わってからこっちの半世紀近く、ほとんどまったく政権を奪回する可能性にすら近づくことのなかった万年野党は、与党の持ち出す法案に、脊髄反射的な「反対」の意思を表明しているだけの機械仕掛けの人形のように見えていたものだった』、思い返せばその通りだろう。
・『「おひるごはん何にする?」「やだ」「やだ、じゃわからないでしょ?」「やだ」「じゃあ、おそばにする?」「やだ」「じゃあ、何を食べる?」「やだ」と、昭和の野党は、この種の頑是ない幼児と同一視されていたわけだ。 「反対だけじゃわからないでしょ? 自分が何をしたいのかを言わないと議論にならないでしょ?」と。 こんな説教が有効だと思われていたということは、それほどまでに舐められていたということでもある。 もっとも、当時の野党にしたところで、機械的に反対を叫んでいただけではない。 修正案や代案をまるで出さなかったわけでもない。 野党側からの政権批判の決まり文句が「腐敗」や「独裁」であった時代の、政権側からの野党に向けた反撃のフレーズが「なんでも反対」であったと、言ってみればそれだけの話でもある。 21世紀に入って、とにもかくにも政権交代と与野党逆転が与野党双方にとって実現可能な近未来であることが判明してみると、野党批判にも、もう少し工夫した言い方が採用されることになる。 それが「代案を出せ」だったりする。 その心は「単なる反対や拒否の表明は責任ある政党が選ぶべき態度じゃないぞ」てなところにあるわけだが、基本的な議論の構造は、実のところ、昭和の時代のやりとりから、そんなに様変わりしてはいない。 つまり背景にあるのは、「なにかを提案するためには、それなりの準備と情報と頭脳と労力が必要だ。一方、誰かの提案に反対するためには反対の二文字を叫ぶだけで足りる。これはいかにも非対称じゃないか」という、昔ながらの理屈だ。 この理屈は、いまもって、有効ではある。 代案の提示抜きでの反対が無責任であるような場面は、当然あるわけだし、反対のための論陣を張るにしても 「だっていやだから」だけでは足りないケースだって少なくない』、これは筆の滑り過ぎだ。「だっていやだから」として反対したケースなどはあったのだろうか。一応、反対する以上、その理由を明確にしていたと記憶する。
・『ただ、それもこれもケースバイケースだ。 どういう法案が出されていて、それについてどんな議論が展開されているのかによって、代案が不可欠な場合もあれば、不要な場合もある。 たとえば、「埼玉県立防衛軍創設」といったあたりのたわけた法案についての態度は 「否決」「反対」「ばかにするな」だけで充分。代案は不要だ。 「憲法改正」にも代案は要らない。 「改正は不要だ」ということと、その理由を説明すれば足りる。 「われわれが改正案を提出しているのだから、この改正案に反対する君たちも、君たちなりの改正案を提案しないと対等な議論にならない」という理屈は、一見、まともな議論に聞こえるが実のところ杜撰な詭弁に過ぎない』、「「憲法改正」にも代案は要らない」というのはその通りだが、最近は立憲民主党のなかにも「憲法改正」での代案を出そうとする動きがあるのには、あきれて物も言えない。
・『「ねえ犬を飼うのはどうかしら?」「反対」「代案は?」「代案?」「ほら、猫とか、ハムスターとか、犬でないとしたらほかに何を飼うのかについてあなたの考えを言わないときちんとした反対にならないでしょ?」「いや、反対は反対だよ。何も飼わない」「じゃあ、出てって」「なんだそれ」「あたしもあんたを飼わないことに決めた」 つまりだ。「改正する」への当面の代案は「改正しない」以外にない。 「どういうふうに改正するのか」という話は、改正することが決まった後に検討べき課題であって、つまり、当初の段階では「代案」は必要ないということだ。 別の例をあげるなら、「文楽への補助金を廃止する」という提案については 「文楽への補助金を継続してほしい」旨を訴えれば代案としては完璧だ。 というよりも、有効な代案はこれ以外に存在しない。 「代わりに何への補助金を廃止するのか」「補助金の財源をどうやって確保するのか」という話は、また別の議論で、これについては別の場所で議論せねばならない』、説得力ある指摘だ。特に犬を飼うことへの「代案」の話は傑作である。
・『話を元に戻すと、毎日新聞が記事にしたトランプ大統領の疑惑追及に際して、疑惑追及を推進している民主党の側が代案を提示する必要はまったくないし、そもそもそんなことは不可能でもある。 最後に、日本の野党の話をする。 民進党(旧)が、「平成29年通常国会(193国会)における民進党の法案への態度」という文書を公開している。 これを見ると、193国会内で成立した法案の数は66件で、民進党はそのうちの52件に賛成している。約8割の法案に賛成していることになる。 また、民進党が反対した法案は14本となっているが、その内でも8本に対しては対案・別案・修正案を提出しており、単に反対だけという意思表示をしたのは6本に過ぎない。 「野党は反対のための反対しかしていない」「野党は代案を出さない」という決めつけ自体が、かなりの部分で思い込みだということだ』、民進党が「約8割の法案に賛成している」というのには、自分の「思い込み」のお粗末さを再認識させられた。
・『実際には、国会中継のネタとして、与野党の論戦が白熱しがちな、対立的な法案の審議が選ばれているから、常に反対する野党と強行採決を敢行する与党の絵面ばかりを目にすることになっているだけで、実際には、粛々と採決が進んでいる委員会もあれば、野党の提出した修正案に沿って議論が進んでいる場面もある。 個人的に、意味不明な提案に対しては、とりあえず反対の意思を表明するつもりでいる。 意味もわからずに賛成することがもたらすリスクよりは、意味がわからないからという理由で反対することのリスクのほうが小さいだろうと考えるからだ。 どっちみちわからないにしても、だ』、「意味もわからずに賛成することがもたらすリスクよりは、意味がわからないからという理由で反対することのリスクのほうが小さいだろう」、とは賢明な判断だ。「対案」の意味を改めて考えさせられた一文だった。
タグ:民主主義 毎日新聞 日刊ゲンダイ 日経ビジネスオンライン 孫崎享 BLOGOS 小田嶋 隆 (その5)(世界に逆行…東京新宿のデモ規制は「民主主義崩壊」の表れ、小田嶋 隆氏:代案なしで文句言ったっていいじゃん) 「世界に逆行…東京新宿のデモ規制は「民主主義崩壊」の表れ」 デモは特定政策に対して国民が自らの立場を表明する貴重な手段 今や「独裁国家」を除き、世界各地の首都でデモが展開されるのは当たり前だ。ところが日本ではそうではない 新宿区は、街頭デモの出発地として使用を認める区立公園を、これまでの4カ所から1カ所に限ることを決めた ヘイト行為対策と説明しているが、77件中、ヘイト行為は13件。デモを規制しようとする意図は明らかだ デモは今の安倍政権の政策に反対、抗議する目的がほとんどだ 民主主義が崩壊する理由のひとつとして、指導者に対する媚びへつらいがある 新宿区長 公園使用基準の見直しなので、区議会には諮っていないようだ 違憲の疑いがある 「独裁国家」ほど「民主国家」や「人民国家」を標榜するケースが多い トランプ大統領関連の解説文 「狭まるトランプ包囲網 議会の疑惑追及本格化」 この記事の奇妙なところは、末尾を《ただ、1院を支配しながら政策の代案を示さずに政権追及に終始すれば、世論の批判の矛先が民主党に向かう可能性もある。 トランプ氏は民主党の動きについて「大統領ハラスメントだ」とツイート。不満を募らせている。》という文で締めくくっている点だ バランスを取りに行った 両論併記を旨とする新聞記者の本能 疑惑追及は、提案ではない 代案は必要ないし、不可能でもある 野党が政争の具として疑惑追及を騒ぎ立てている時には、与党側からの反論として『代案』という言葉を提示しておくのがセオリーだ」という思い込み 「代案」 なる言葉とそれを含んだ言い回しは、与党の政治家が、野党側からの批判を封じる際の鉄板の決まり文句として、この10年ほどしきりに使われてきた捨て台詞でもある 長い与野党固定の停滞した時代の国会審議 昭和の時代の野党に対しては、 「反対のための反対」を叫ぶだけ 野党側からの政権批判の決まり文句が「腐敗」や「独裁」であった時代の、政権側からの野党に向けた反撃のフレーズが「なんでも反対」であった 21世紀に入って 野党批判にも、もう少し工夫した言い方が採用されることになる。 それが「代案を出せ」だったりする 代案が不可欠な場合もあれば、不要な場合もある 「憲法改正」にも代案は要らない 民進党(旧) 平成29年通常国会(193国会)における民進党の法案への態度 193国会内で成立した法案の数は66件で、民進党はそのうちの52件に賛成している。約8割の法案に賛成 反対した法案は14本となっているが、その内でも8本に対しては対案・別案・修正案を提出 意味もわからずに賛成することがもたらすリスクよりは、意味がわからないからという理由で反対することのリスクのほうが小さいだろうと考える
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民主主義(その4)(EU離脱国民投票の不正告発者が日本に警鐘 パキスタン系英国人 シャミール・サニ氏に聞く、「それでも、民主主義は優れた政治体制」 民主主義と一党独裁について米コロンビア大学教授に聞く) [政治]

民主主義については、4月6日に取上げた。今日は、(その4)(EU離脱国民投票の不正告発者が日本に警鐘 パキスタン系英国人 シャミール・サニ氏に聞く、「それでも、民主主義は優れた政治体制」 民主主義と一党独裁について米コロンビア大学教授に聞く)である。

先ずは、ロンドン在住フリーテレビディレクターの伏見 香名子氏が6月25日付け日経ビジネスオンラインに寄稿した「EU離脱国民投票の不正告発者が日本に警鐘 パキスタン系英国人、シャミール・サニ氏に聞く」を紹介しよう。
http://business.nikkeibp.co.jp/atcl/opinion/16/100500021/062000018/?P=1
・『EU(欧州連合)離脱を問う国民投票から2年が経った。英国ではこの3月、離脱派陣営で活動していた内部告発者により、選挙法で定められた活動資金の上限を不正に越えて投入していた疑惑が大騒動となった・・・こうした告発や、有力紙・ガーディアンの調査報道などによって、投票結果の正当性が、現在も激しく議論され続けている。 今回、内部告発者の一人であり、元離脱派団体でボランティアを行なっていた男性に話を聞くことができた』、2年経っても未だに議論されているとは、忘れやすい日本とは大違いだ。
・『国民投票法で定められている、各主要団体が広告やキャンペーンに投じて良い資金の上限700万ポンド(約10億1500万円)を越えた額を使ったのではないか、というものである。同法では、その他の登録された団体には、上限70万ポンドの使用が認められていた・・・700万ポンド以上の金が必要となった離脱の公式団体が、サニさんの団体に彼らの使用上限に迫る62万5000ポンドもの金をキャンペーンとは別の「寄付」として流し、その金をサニさんに命じて、自分たちがキャンペーンで使ったデジタル企業に流させたのではないか、というものだ』、なかなか巧妙な脱法行為だ。
・『サニさんは告発により、それまで家族にもひた隠しにしてきた同性愛者である事実を、当時離脱派団体の主要メンバーであり、一時恋人だった、現職の官邸関係者から暴露された。男性はサニさんに事前の了解も得ず、一連の告発は、恋愛関係のもつれによるものだと、米ニューヨークタイムズ紙に公式に発表した。 突然セクシュアリティを公然と、しかも時の政権関係者から公表された本人や家族のショックは計り知れないが、今も親族の暮らすパキスタンで同性愛はタブーであり、親戚らが深刻な危険にさらされたと言う。告発により、職も失った。それでも、離脱を支持したことや、告発を行ったことを後悔してはいないと語る』、加計疑惑を告発した前川前文科次官に対し、「出会い系バー」への立ち入り疑惑をぶつける人格攻撃したのとまるで瓜二つだ。英国でもこんな汚い手法がまかり通っているとは驚いた。
・『日本の国民投票法において広告キャンペーンなどへの資金投入の上限が存在しない・・・公正な投票法が定まっていない中での改憲は、危険です・・・その票が多額の資金を投じる側に流れてしまうことは、危険なことです』、確かに、日本の国民投票法はザル法で危険だ。

次に、6月26日付け日経ビジネスオンライン「「それでも、民主主義は優れた政治体制」民主主義と一党独裁について米コロンビア大学教授に聞く」を紹介しよう。
http://business.nikkeibp.co.jp/atcl/interview/16/062100026/062100002/?P=1
・『中国の民主化と民主主義について、民主主義の歴史や成り立ちに詳しい米コロンビア大学のシェリ・バーマン教授に聞いた』、『自由民主主義と資本主義が同時に起きるというのは歴史的にかなり限られた現象だということを理解する必要があります。これは主に1945年以降の産物です。 欧州の国々が独自の資本主義を進め始めた1918年以前に民主的な国はほとんどありませんでした。第一次世界大戦前に欧州で民主的だったフランスも、民主主義は不安定でした。基本的に、民主主義は工業化の後に来る傾向にあります。中国の民主化と経済発展も同時には起きていません』、日本の民主化は遅れていたと思っていたが、フランスでも民主主義が根付いたのは第二次大戦後というのは初めて知った。
・『「秩序と成長」と「民主主義」のどちらかを選ばなければならないとすれば、「秩序と成長」を選ぶ時もあるでしょう。「秩序と成長」は生きるために必要なものです。ただ、いったんそれを手に入れれば、ほとんどの人は自分で決断したいと思うようになると考えています。社会に参加したいと多くの人が考え始めると思います』、後半部分は教授の願望という印象もなくはない。
・『プラトンは独裁は民主主義体制の上に成り立つと書いている』、との質問者の問いかけは、もう少し内容を知りたいところだ。
・『民主党にはトランプ大統領に対抗できる人材はいますが、もっといい案を提供する候補者がいると有権者を説得できなければ、民主党は票を獲得することはできません』、というのは日本の野党にも通じる課題だ。
タグ:民主主義 日経ビジネスオンライン 出会い系バー 伏見 香名子 (その4)(EU離脱国民投票の不正告発者が日本に警鐘 パキスタン系英国人 シャミール・サニ氏に聞く、「それでも、民主主義は優れた政治体制」 民主主義と一党独裁について米コロンビア大学教授に聞く) 「EU離脱国民投票の不正告発者が日本に警鐘 パキスタン系英国人、シャミール・サニ氏に聞く」 内部告発者により、選挙法で定められた活動資金の上限を不正に越えて投入していた疑惑が大騒動となった EU(欧州連合)離脱を問う国民投票 サニさんは告発により、それまで家族にもひた隠しにしてきた同性愛者である事実を、当時離脱派団体の主要メンバーであり、一時恋人だった、現職の官邸関係者から暴露された。男性はサニさんに事前の了解も得ず、一連の告発は、恋愛関係のもつれによるものだと、米ニューヨークタイムズ紙に公式に発表した 突然セクシュアリティを公然と、しかも時の政権関係者から公表された本人や家族のショックは計り知れないが、今も親族の暮らすパキスタンで同性愛はタブーであり、親戚らが深刻な危険にさらされたと言う。告発により、職も失った 加計疑惑を告発した前川前文科次官 日本の国民投票法において広告キャンペーンなどへの資金投入の上限が存在しない・・・公正な投票法が定まっていない中での改憲は、危険です 「「それでも、民主主義は優れた政治体制」民主主義と一党独裁について米コロンビア大学教授に聞く」 米コロンビア大学のシェリ・バーマン教授 自由民主主義と資本主義が同時に起きるというのは歴史的にかなり限られた現象だということを理解する必要があります。これは主に1945年以降の産物です 民主主義は工業化の後に来る傾向にあります 秩序と成長」と「民主主義」のどちらかを選ばなければならないとすれば、「秩序と成長」を選ぶ時もあるでしょう。「秩序と成長」は生きるために必要なものです。ただ、いったんそれを手に入れれば、ほとんどの人は自分で決断したいと思うようになると考えています プラトンは独裁は民主主義体制の上に成り立つと書いている 民主党にはトランプ大統領に対抗できる人材はいますが、もっといい案を提供する候補者がいると有権者を説得できなければ、民主党は票を獲得することはできません
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