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機能性表示食品制度(その5)(「製薬会社とは名ばかりの“アイデア商品屋”」「開発責任者にすら生薬の知識がない」 紅麹問題で揺れる小林製薬の“儲け重視”の企業体質、「機能性表示食品」の良し悪しをきっちり理解する…生物学者・福岡伸一さんに聞いた、これでは まるで「ザル制度」…!じつは 「科学的根拠が貧弱すぎ」の機能性表示食品 制度そのものがヤバすぎた「衝撃の真実」) [社会]

機能性表示食品制度については、本年4月1日に取上げた。今日は、(その5)(「製薬会社とは名ばかりの“アイデア商品屋”」「開発責任者にすら生薬の知識がない」 紅麹問題で揺れる小林製薬の“儲け重視”の企業体質、「機能性表示食品」の良し悪しをきっちり理解する…生物学者・福岡伸一さんに聞いた、これでは まるで「ザル制度」…!じつは 「科学的根拠が貧弱すぎ」の機能性表示食品 制度そのものがヤバすぎた「衝撃の真実」)である。

先ずは、本年4月3日付けデイリー新潮「「製薬会社とは名ばかりの“アイデア商品屋”」「開発責任者にすら生薬の知識がない」 紅麹問題で揺れる小林製薬の“儲け重視”の企業体質」を紹介しよう。
https://www.dailyshincho.jp/article/2024/04031131/?all=1
・『「製薬会社とは名ばかりの“アイデア商品屋”」  小林製薬が作った紅麹成分入りサプリメントを摂取した人に健康被害が相次いでおり、すでに5名もの死者が確認されている。内情を知る関係者らは、甚大な被害を生み出した背景にあるのは、“儲け重視”の企業体質だ、と指摘する。それは一体――。 小林製薬は偶然、運悪く事件を起こしてしまったわけではないのではないか。大惨事が起きた背景にある特異な企業体質について、同社関係者はこう明かす。 「そもそも、小林製薬は社名に“製薬”と銘打っていますが、処方箋が必要な医療用医薬品を取り扱っていません。商品はすべて薬局などで買える一般用医薬品か健康食品、または日用品の類です。製薬会社とは名ばかりで、本当の姿はケチさと目ざとさにかけては天下一品の小林一雅会長(84)が率いてきた、“アイデア商品屋”なのです」 1919年に設立された同社は、6代にわたって創業家の小林家が経営してきた。かつては薬品の卸売りが主力事業だったが、現代表取締役会長の一雅氏が60年代以降、アイデア商法路線に舵を切り数々の商品をヒットさせて会社を拡大し現在の礎を築いた。 「甲南大経済学部を卒業して62年に入社した一雅さんは自らのアイデアで、69年にトイレ洗浄剤のブルーレットを、75年にはトイレ芳香剤のサワデーを発売して成功させました。まだ日本のトイレの多くがくみ取り式だった64年、アメリカを旅行した時に見た水洗トイレの清潔さや芳香剤の爽やかな香りが、イメージの原点になったと」(同) 75年には、肩こりに効く鎮痛消炎剤の容器を横に曲げ、商品名をアンメルツヨコヨコとして、これもメガヒットに導いたという。76年に4代目社長に就任して以降も、冷却ジェルシートの熱さまシートや洗眼薬のアイボンなど数多くのアイデア商品を、ユニークなネーミングと共に世に送り出していった』、「処方箋が必要な医療用医薬品を取り扱っていません。商品はすべて薬局などで買える一般用医薬品か健康食品、または日用品の類です。製薬会社とは名ばかりで、本当の姿はケチさと目ざとさにかけては天下一品の小林一雅会長(84)が率いてきた、“アイデア商品屋”なのです」、本当に「製薬会社とは名ばかりで、本当の姿は・・・“アイデア商品屋”なのです」、「“アイデア商品屋”」とは言い得て妙だ。
・『「プロジェクトマネージャーですら生薬の基礎的知識を持ち合わせていなかった」  小林製薬は、儲けを重視し過ぎるあまりに疑念の目を向けられることもあった。さる製薬会社関係者は声を潜めてこう語る。 「開発部門に薬理作用の知識のある人間が少な過ぎるんです。10年ほど前は特にひどくて、脂肪を落とすナイシトールという漢方薬のシリーズがあるのですが、プロジェクトマネージャーですら生薬の基礎的知識を持ち合わせていませんでした。漢方の主な原材料は天然由来の生薬ですが、副作用などのリスクがないわけではない。ずさん過ぎる会社の体制に唖然とした記憶があります」 もちろん、開発部門がこの調子だったことでお客様相談室のスタッフも、 「最低限必要な知識すら有していませんでした。だから、顧客からの問い合わせに対して“漢方だから安全ですよ”などと誤った内容の“珍回答”を繰り返していたのです」(同)』、「プロジェクトマネージャーですら生薬の基礎的知識を持ち合わせていませんでした」、到底、製薬会社とは思えないような驚きの事実だ。
・『被験者の身長を故意に低く記録  薬に対するいい加減な姿勢は、2013年に発覚した不祥事からもうかがい知ることができる。それは小林製薬にとって市販薬とはいえ初めての治験が必要な医薬品として、肥満症改善薬を開発していた時に起きた。 「治験の現場でコーディネーターが小林製薬の要望に応じるために、被験者5人の身長を故意に低く記録したのです。データ改ざんが明らかになった後、小林製薬は治験支援を請け負った企業に損害補償を求める方針を発表するなど自らが被害者である旨を強調しましたが、傍目には無理筋でした。治験に求められるレベルがさほど高くない一般用医薬品とはいえ、初めての試みでいきなりこのような雑な過ちが露呈してしまうなんてあり得ない」(同) この治験では、実施した医療機関の職員も被験者に含まれており、実施の方法自体が医療倫理的に問題視されていたとも。かねて承認済みで治験の要らない薬ばかりを売り、研究開発費を軽視しケチってきたからこそ起きた不祥事だとはいえまいか。 4月4日発売の「週刊新潮」では、甚大な被害を生み出した企業体質、さらに今後の経営上の危機などについて4ページにわたって詳報する』、「治験の現場でコーディネーターが小林製薬の要望に応じるために、被験者5人の身長を故意に低く記録したのです・・・治験に求められるレベルがさほど高くない一般用医薬品とはいえ、初めての試みでいきなりこのような雑な過ちが露呈してしまうなんてあり得ない」(同) この治験では、実施した医療機関の職員も被験者に含まれており、実施の方法自体が医療倫理的に問題視されていたとも。かねて承認済みで治験の要らない薬ばかりを売り、研究開発費を軽視しケチってきたからこそ起きた不祥事だとはいえまいか」、やはり「小林製薬」には余りに問題が多いようだ。

次に、4月23日付け日刊ゲンダイ「「機能性表示食品」の良し悪しをきっちり理解する…生物学者・福岡伸一さんに聞いた」を紹介しよう。
https://www.nikkan-gendai.com/articles/view/life/339228#goog_rewarded
・『小林製薬の紅麹サプリによる健康被害はいまだに原因が解明されていない。しかし、事件の背景に便利な機能性表示食品の氾濫と、政府の規制緩和による後押しがあったのは事実だ。市場は膨れ上がっているが、ここは立ち止まって、機能性表示食品の良し悪しをきっちり、理解しておくことが大事かもしれない。そこで生物学者の福岡伸一氏に聞いてみた。 「ハンバーガーやカップ麵ばかり食べていると、栄養が偏ってしまいます。総カロリーは足りても不足する栄養素がたくさん出てくる。それを補うために機能性食品は便利ですが、ただ錠剤で量を補えば済むという話ではありません。ビタミンにせよ、ミネラルにせよ、単一の物質として存在するのではなく、タンパク質などと結合して存在するのです。タンパクと一緒に摂取した方が体の吸収はいい。鉄を取りたいならヘモグロビンと結合している食品、レバーやカツオを食べた方が吸収は良いのです。精製して、純化させた物質を錠剤で摂取しても吸収に時間がかかります。だから、サプリの錠剤で足りないものを補うよりも食品をホールフードの形で、丸ごと摂取することをお薦めします」 福岡さんの近著、『生物学者と料理研究家が考える「理想のレシピ」』(発売:講談社/発行:日刊現代、松田美智子さんと共著) には、こうした哲学に基づいたメニューと解説が載っている。旬のものをそのまま食べる。必要な物質をただ摂取すればいいわけではなく、吸収、利用という概念をも取り入れると、やはり、自然の食べ物の方が“効率的”なのだ。そして、食べ物のもつ力が最大化するのが「旬」になる。福岡先生が「サプリより旬のホールフードを!」と本まで書かれたのは、こういう理由だが、もうひとつ、紅麹のサプリには見過ごせない問題があるという。 「長く飢餓に苦しんできた人間は飢餓に備えて自らコレステロールをつくりだすことができます。しかし、飽食の時代でコレステロール過多となり、だったら、そいういうものを取らなければいいのに、体内でコレステロールを作ることを抑制する薬の開発が進みました。きっかけは三共(現在の第一三共)の研究所の遠藤章先生が発見したスタチンという物質で、コレステロールを作る酵素の働きを阻害する。ここから様々な薬ができたのですが、紅麹菌もスタチンを作り出すのに有用なのです」』、「機能性食品は便利ですが、ただ錠剤で量を補えば済むという話ではありません。ビタミンにせよ、ミネラルにせよ、単一の物質として存在するのではなく、タンパク質などと結合して存在するのです。タンパクと一緒に摂取した方が体の吸収はいい。鉄を取りたいならヘモグロビンと結合している食品、レバーやカツオを食べた方が吸収は良いのです。精製して、純化させた物質を錠剤で摂取しても吸収に時間がかかります。だから、サプリの錠剤で足りないものを補うよりも食品をホールフードの形で、丸ごと摂取することをお薦めします」、「精製して、純化させた物質を錠剤で摂取しても吸収に時間がかかります。だから、サプリの錠剤で足りないものを補うよりも食品をホールフードの形で、丸ごと摂取することをお薦めします」、さすが「福岡伸一」氏だけあって、説得力がある。
・『売らんがための食品と抑制するサプリは「マッチポンプ」の関係  それのどこが問題なのか。 「人間の遺伝子は飢餓には備えてきたが飽食を予想していなかった。だから、飢餓をプロテクトする機能は備わっていても過剰に摂取したものにブレーキをかける機能はないのです。食べ物にもスタチン成分が多いものはあまりない。だから、紅麹が重宝されているのでしょうが、無理やりブレーキをかけるくらいならば、コレステロールを過剰に取らなければいい。それが自然な考え方です。世の中、売らんがために様々な食品が溢れている。そこで取りすぎたものを抑制するために薬やサプリがまた溢れている。これはマッチポンプの悪循環です」 これぞ、売らんがための倒錯の世界のように見える。コマーシャルズムに毒されずに、健康で過ごすにはどうしたらいいのか。その答えは意外にシンプルなのである』、「「人間の遺伝子は飢餓には備えてきたが飽食を予想していなかった。だから、飢餓をプロテクトする機能は備わっていても過剰に摂取したものにブレーキをかける機能はないのです。食べ物にもスタチン成分が多いものはあまりない。だから、紅麹が重宝されているのでしょうが、無理やりブレーキをかけるくらいならば、コレステロールを過剰に取らなければいい。それが自然な考え方です。世の中、売らんがために様々な食品が溢れている。そこで取りすぎたものを抑制するために薬やサプリがまた溢れている。これはマッチポンプの悪循環です」、「マッチポンプの悪循環」とは言い得て妙だ。
・『■「理想のレシピ」から春の旬を丸ごと味わう「極上オニオンスライス」  ちりめんじゃこ1カップとオリーブオイル大さじ3をフライパンに入れ、中火にかけてカリカリになるまで炒める。ペーパータオルにとり、余分な脂をきる。新玉ねぎを極薄に切り、氷水に1分間さらす。これを3回繰り返したらザルにあげてペーパータオルで水分をとる。皿にのせ、カリカリのじゃこをかけたら、しょうゆ大さじ1.5、米酢大さじ1を混ぜたタレをかける』、「極上オニオンスライス」は、いかにも体に良さそうなメニューだ。

第三に、4月24日付け現代ビジネスが掲載した群馬大学名誉教授の高橋 久仁子氏による「これでは、まるで「ザル制度」…!じつは、「科学的根拠が貧弱すぎ」の機能性表示食品。制度そのものがヤバすぎた「衝撃の真実」」を紹介しよう。
https://gendai.media/articles/-/126905?imp=0
・『「健康と食」への危機感が、これほどまでに高まったことがあるでしょうか。 「腸内フローラを良好にし、便通を改善する」ビフィズス菌配合サプリメント。「脂肪の吸収を抑え、排出を増加させる」トクホコーラ。「10分のジョギングと同じ消費カロリー効果がある」高濃度茶カテキン飲料。 国の制度によって「効能・効果」を大々的にアピールするトクホや機能性表示食品などの「保健機能食品」。いまや、私たちのまわりには、「健康食品」が溢れんばかりにあります。しかし最近、機能性表示食品の摂取によって、大きな健康被害が生じる事故が起こり、その安全性への信頼が揺らいでいます。 氾濫する「健康関連食品」情報 をたんねんな調査で読み解き、長年にわたって問題点を指摘してきた群馬大学名誉教授・高橋久仁子さんが、保健機能食品制度の“根拠”とされる論文を解読してわかった「驚きの実態」を克明にリポートした『「健康食品」ウソ・ホント』から、ぜひ知っておきたいトピックを厳選してお送りしましょう。 ※本記事は、『「健康食品」ウソ・ホント 「効能・効果」の科学的根拠を検証する』から、再編集・再構成の上、お届けします』、「驚きの実態」とは興味深そうだ。
・『機能性表示食品とは  私たちが口から摂取するもののほとんどが「食品」です。 食品衛生法第4条第1項には、「この法律で食品とは、全ての飲食物をいう。ただし、医薬品、医療機器等の品質、有効性及び安全性の確保等に関する法律に規定する医薬品、医薬部外品及び再生医療等製品は、これを含まない」とあります*。要するに、「医薬品」と「医薬部外品」以外は食品である、ということです(図「経口的に摂取する物質の区分」)。 *「医薬品、医療機器等の品質、有効性及び安全性の確保等に関する法律」は聞き慣れないかもしれませんが、旧・薬事法のことで2014年11月25日からこの名称となり、「旧・薬事法」「薬機法」「医薬品医療機器等法」と略称されています。 食品はさらに、機能性を表示できる「保健機能食品」と表示できない「一般食品」に区分されます。保健機能食品ではない、いわゆる「健康食品」はたくさんありますが、機能性の表示ができないという意味ではあくまでも「一般食品」です。 (【図】経口的に摂取する物質の区分経口的に摂取する物質の区分 はリンク先参照) また、「機能性食品」は必ずしも機能性表示食品ではありません。きわめて紛らわしいのですが、食品の機能性研究を行う領域の研究集団は、「機能性食品」とは「食品の三次機能を効率よく発揮するように設計・加工された新食品」であると定義しています。 この定義に基づいてつくられた食品を消費者庁に届け出てそれが受理されれば、その機能性食品は同時に、機能性表示食品でもありますが、届出受理がなされていなければ単に機能性食品ということです。 ただし、あえて機能性食品といわなくても、機能性成分を配合したいわゆる「健康食品」は市場にあふれているのが現状です。 なお、保健機能食品とひとくくりにしても、定義等に関する法律が異なるため、統一性はありません。『「健康食品」ウソ・ホント』では、それぞれの定義がどこに記述されているかを一覧表にまとめたものを掲載しました。同書をご覧いただければおわかりになるように、表向きは「国民の健康に資するため」とされていますが、トクホが一応は健康政策に基づくものである一方、機能性表示食品は経済活性化のためにつくられたものであり、成立背景がまったく異なります。 保健機能食品は「国が定めた制度」に基づいているのだから、いわゆる「健康食品」よりその機能性は確かなものに違いないーーこう期待する人が少なくありません。しかし、実際には期待するほどのものではないことを、『「健康食品」ウソ・ホント』で詳しく解説しました』、「表向きは「国民の健康に資するため」とされていますが、トクホが一応は健康政策に基づくものである一方、機能性表示食品は経済活性化のためにつくられたものであり、成立背景がまったく異なります。 保健機能食品は「国が定めた制度」に基づいているのだから、いわゆる「健康食品」よりその機能性は確かなものに違いないーーこう期待する人が少なくありません。しかし、実際には期待するほどのものではないことを、『「健康食品」ウソ・ホント』で詳しく解説しました」、なるほど。
・『きわめて小さいトクホの「効果」  トクホは消費者庁の審査を経た製品であり、許可された範囲内で保健効果を記載できます。すなわち、「トクホである」ことはヒトを対象に行った実験研究において、ある測定項目の値の差が、実験群と対照群とのあいだで「統計的に有意」であった(有意差があった)ことを意味しています。 しかし従来、この有意差が実用的に意味をもつのか否かは考慮されていませんでした。その証拠に、トクホの許可要件の一つは、制度が始まって以降、一時期を除いて「食生活の改善が図られ、健康の維持増進に寄与することが期待できるものであること」であり、決して「寄与するものであること」ではなかったのです。 たとえば、食後の血糖値の上昇を数ミリグラム抑制する保健効果をもつトクホがあった場合に、「これを食べることが将来的に糖尿病の予防につながるか否か」はまったく考慮されていませんでした。 もし、「健康の維持増進に寄与するものであること」を許可要件としたならば、許可されるトクホは存在しなくなってしまいます。 トクホは、医薬品ではなく食品です。したがって、「効果」は小さくて当然です。許可する側も、そのことは重々承知していますが、その効果の小ささが消費者に十分に伝えられていません。これが大きな問題です。許可要件として「健康の維持増進に寄与することが期待できるものであること」さえ要求されなくなった今、トクホの存在にどれほどの意義があるのかーー疑問を禁じ得ません』、「トクホは、医薬品ではなく食品です。したがって、「効果」は小さくて当然です。許可する側も、そのことは重々承知していますが、その効果の小ささが消費者に十分に伝えられていません。これが大きな問題です。許可要件として「健康の維持増進に寄与することが期待できるものであること」さえ要求されなくなった今、トクホの存在にどれほどの意義があるのかーー疑問を禁じ得ません」、確かに「存在意義」が問われているようだ。
・『機能性表示食品の「科学的根拠」は貧弱  機能性表示食品の「表示しようとする機能性」は、「目の調子を整える」「睡眠の質の向上」「疲労感の軽減」など、トクホでは認められていないものがすでにいくつも登場しています。 さらなる問題は、その「科学的根拠」が貧弱きわまりない点にあり、表現に問題のある広告もすでに散見されています。たとえば、「内臓脂肪を減らす」と機能性表示するヨーグルトの広告は、内臓脂肪面積の減少を図で示していながら、体脂肪率が増加したことには言及していません。「内臓脂肪面積は減りました。でも、体脂肪率は増えました」と書かなければ、ウソをついていることにならないでしょうか?  商品ごとに個別の審査を経て許可されたトクホでさえ、その機能性はわずかなものでしかないのです。食品とは本来そういうものであり、もしも医薬品なみの「効果」ーーすなわち機能性ーーを発揮したなら、こんどは副作用が心配になります。 食生活は私たちの健康のありように大きく影響しますが、それは「食品機能論」的にいえば一次機能、すなわち「エネルギーや栄養素を適切に摂取することが健康に良い影響を与える」という意味においてです。食品の二次機能(嗜好面でのはたらき)や三次機能にのみ注目して、一次機能を無視するような食生活を送ったのでは健康は望めません。 エネルギーや栄養素を適切に摂取することの重要性を覆(おお)い隠してしまうかのような「機能性幻想」はもつべきではありませんが、残念ながら、これとは逆に幻想をあおるかのような制度が次々につくられてしまいました』、「「食品機能論」的にいえば一次機能、すなわち「エネルギーや栄養素を適切に摂取することが健康に良い影響を与える」という意味においてです。食品の二次機能(嗜好面でのはたらき)や三次機能にのみ注目して、一次機能を無視するような食生活を送ったのでは健康は望めません。 エネルギーや栄養素を適切に摂取することの重要性を覆(おお)い隠してしまうかのような「機能性幻想」はもつべきではありませんが、残念ながら、これとは逆に幻想をあおるかのような制度が次々につくられてしまいました」、由々しいことだ。
・『「食品」なのに「用法・用量」?  「健康食品」はかつて、「おいしい/まずい」に言及することがありませんでした。そのため、「味を云々しないものを食品の範疇(はんちゅう)に入れてはいけない」と主張することができました。 ところが、最近は少し事情が変わってきていて、たとえば「おいしい」ことをアピールする商品も目につくようになりました。そこで、もう一度考え直してたどり着いた結論が、「用法・用量」的な指示を必要とする製品を「食品」の範疇に含めてはいけない、です。 保健機能食品を含む「健康食品」類は、食品中のいわゆる「機能性成分」に着目してそれを配合した商品が多く、その有益性を発現させるために(同時に、有害性を発現させないために)、摂取量や摂取方法の指示が必要となります。通常の食品であれば、摂取量や摂取方法は個人が自由に決めるものですから、これにはかなりの違和感があります。 過剰摂取の有害性が明白であるアルコール飲料や食塩でさえ、摂取量や摂取方法は個人の判断にゆだねられています。ビール容器に「飲みすぎは禁物です。一日1本までを目安に食事と一緒にお飲みください」とか、醤油容器に「醤油は食塩量が多いので使用量は一日○mLまでにしましょう」などとは書かれていません。過剰に摂取すれば肥満を招きかねないチョコレートにも、「肥満防止のために一日○gまで」と書かれることはもちろんありません。 豆乳もまた、一つの食品です。豆乳を「ヘルシー」ともてはやす風潮には首をかしげていますが、それはさておいて、トクホの豆乳も存在します。ふつうの豆乳にはもちろん、「一日摂取目安量」などどこにも書かれていませんが、トクホ豆乳には「一日あたり200mLを目安にお飲みください」とあります。 ふつうの豆乳とトクホの豆乳をともに販売する会社に、「両者の違いを教えてください」と問い合わせてみました。 「いやあ、どちらも同じですよ。トクホ豆乳は申請して許可されたからトクホマークをつけて売っているだけです」 正直にこう答えてくれました。ほとんど同じ量の大豆タンパクが含まれている豆乳なのに、一方には摂取目安量があるというのもふしぎな話です。 用法・用量的な指示を要する時点で、すでに「食品」の領域を超えてしまっているーーそう考えるのは筆者だけでしょうか。  このように多くの懸念材料や問題点を抱えたまま制度化された「機能性表示食品」をはじめとした保健機能食品。誇大な広告で消費者に実際以上の効果を信じ込ませるばかりでなく、「健康被害をもたらす有害物質」を含んでいる場合もありました。「健康食品が危ない10の理由」を検証していきます』、「トクホ豆乳には「一日あたり200mLを目安にお飲みください」とあります。 ふつうの豆乳とトクホの豆乳をともに販売する会社に、「両者の違いを教えてください」と問い合わせてみました。 「いやあ、どちらも同じですよ。トクホ豆乳は申請して許可されたからトクホマークをつけて売っているだけです」 正直にこう答えてくれました。ほとんど同じ量の大豆タンパクが含まれている豆乳なのに、一方には摂取目安量があるというのもふしぎな話です。 用法・用量的な指示を要する時点で、すでに「食品」の領域を超えてしまっているーーそう考えるのは筆者だけでしょうか・・・多くの懸念材料や問題点を抱えたまま制度化された「機能性表示食品」をはじめとした保健機能食品。誇大な広告で消費者に実際以上の効果を信じ込ませるばかりでなく、「健康被害をもたらす有害物質」を含んでいる場合もありました」、「「機能性表示食品」をはじめとした保健機能食品」は、余りにも問題が多いので、全面的な見直しが急務だ。 
タグ:機能性表示食品制度 (その5)(「製薬会社とは名ばかりの“アイデア商品屋”」「開発責任者にすら生薬の知識がない」 紅麹問題で揺れる小林製薬の“儲け重視”の企業体質、「機能性表示食品」の良し悪しをきっちり理解する…生物学者・福岡伸一さんに聞いた、これでは まるで「ザル制度」…!じつは 「科学的根拠が貧弱すぎ」の機能性表示食品 制度そのものがヤバすぎた「衝撃の真実」) デイリー新潮「「製薬会社とは名ばかりの“アイデア商品屋”」「開発責任者にすら生薬の知識がない」 紅麹問題で揺れる小林製薬の“儲け重視”の企業体質」 「処方箋が必要な医療用医薬品を取り扱っていません。商品はすべて薬局などで買える一般用医薬品か健康食品、または日用品の類です。製薬会社とは名ばかりで、本当の姿はケチさと目ざとさにかけては天下一品の小林一雅会長(84)が率いてきた、“アイデア商品屋”なのです」、本当に「製薬会社とは名ばかりで、本当の姿は・・・“アイデア商品屋”なのです」、「“アイデア商品屋”」とは言い得て妙だ。 「プロジェクトマネージャーですら生薬の基礎的知識を持ち合わせていませんでした」、到底、製薬会社とは思えないような驚きの事実だ。 「治験の現場でコーディネーターが小林製薬の要望に応じるために、被験者5人の身長を故意に低く記録したのです・・・治験に求められるレベルがさほど高くない一般用医薬品とはいえ、初めての試みでいきなりこのような雑な過ちが露呈してしまうなんてあり得ない」(同) この治験では、実施した医療機関の職員も被験者に含まれており、実施の方法自体が医療倫理的に問題視されていたとも。かねて承認済みで治験の要らない薬ばかりを売り、研究開発費を軽視しケチってきたからこそ起きた不祥事だとはいえまいか」、やはり「小林製薬」には余りに問題が多いようだ。 日刊ゲンダイ「「機能性表示食品」の良し悪しをきっちり理解する…生物学者・福岡伸一さんに聞いた」 「機能性食品は便利ですが、ただ錠剤で量を補えば済むという話ではありません。ビタミンにせよ、ミネラルにせよ、単一の物質として存在するのではなく、タンパク質などと結合して存在するのです。タンパクと一緒に摂取した方が体の吸収はいい。鉄を取りたいならヘモグロビンと結合している食品、レバーやカツオを食べた方が吸収は良いのです。精製して、純化させた物質を錠剤で摂取しても吸収に時間がかかります。だから、サプリの錠剤で足りないものを補うよりも食品をホールフードの形で、丸ごと摂取することをお薦めします」、 「精製して、純化させた物質を錠剤で摂取しても吸収に時間がかかります。だから、サプリの錠剤で足りないものを補うよりも食品をホールフードの形で、丸ごと摂取することをお薦めします」、さすが「福岡伸一」氏だけあって、説得力がある。 「「人間の遺伝子は飢餓には備えてきたが飽食を予想していなかった。だから、飢餓をプロテクトする機能は備わっていても過剰に摂取したものにブレーキをかける機能はないのです。食べ物にもスタチン成分が多いものはあまりない。だから、紅麹が重宝されているのでしょうが、無理やりブレーキをかけるくらいならば、コレステロールを過剰に取らなければいい。それが自然な考え方です。世の中、売らんがために様々な食品が溢れている。そこで取りすぎたものを抑制するために薬やサプリがまた溢れている。これはマッチポンプの悪循環です」、 「マッチポンプの悪循環」とは言い得て妙だ。 「極上オニオンスライス」は、いかにも体に良さそうなメニューだ。 現代ビジネス 高橋 久仁子氏による「これでは、まるで「ザル制度」…!じつは、「科学的根拠が貧弱すぎ」の機能性表示食品。制度そのものがヤバすぎた「衝撃の真実」」 「驚きの実態」とは興味深そうだ。 「表向きは「国民の健康に資するため」とされていますが、トクホが一応は健康政策に基づくものである一方、機能性表示食品は経済活性化のためにつくられたものであり、成立背景がまったく異なります。 保健機能食品は「国が定めた制度」に基づいているのだから、いわゆる「健康食品」よりその機能性は確かなものに違いないーーこう期待する人が少なくありません。 しかし、実際には期待するほどのものではないことを、『「健康食品」ウソ・ホント』で詳しく解説しました」、なるほど。 「トクホは、医薬品ではなく食品です。したがって、「効果」は小さくて当然です。許可する側も、そのことは重々承知していますが、その効果の小ささが消費者に十分に伝えられていません。これが大きな問題です。許可要件として「健康の維持増進に寄与することが期待できるものであること」さえ要求されなくなった今、トクホの存在にどれほどの意義があるのかーー疑問を禁じ得ません」、確かに「存在意義」が問われているようだ。 「「食品機能論」的にいえば一次機能、すなわち「エネルギーや栄養素を適切に摂取することが健康に良い影響を与える」という意味においてです。食品の二次機能(嗜好面でのはたらき)や三次機能にのみ注目して、一次機能を無視するような食生活を送ったのでは健康は望めません。 エネルギーや栄養素を適切に摂取することの重要性を覆(おお)い隠してしまうかのような「機能性幻想」はもつべきではありませんが、残念ながら、これとは逆に幻想をあおるかのような制度が次々につくられてしまいました」、由々しいことだ。 「トクホ豆乳には「一日あたり200mLを目安にお飲みください」とあります。 ふつうの豆乳とトクホの豆乳をともに販売する会社に、「両者の違いを教えてください」と問い合わせてみました。 「いやあ、どちらも同じですよ。トクホ豆乳は申請して許可されたからトクホマークをつけて売っているだけです」 正直にこう答えてくれました。ほとんど同じ量の大豆タンパクが含まれている豆乳なのに、一方には摂取目安量があるというのもふしぎな話です。 用法・用量的な指示を要する時点で、すでに「食品」の領域を超えてしまっているーーそう考えるのは筆者だけでしょうか・・・多くの懸念材料や問題点を抱えたまま制度化された「機能性表示食品」をはじめとした保健機能食品。誇大な広告で消費者に実際以上の効果を信じ込ませるばかりでなく、「健康被害をもたらす有害物質」を含んでいる場合もありました」、「「機能性表示食品」をはじめとした保健機能食品」は、余りにも問題が多いので、全面的な見直しが急務だ。
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歴史問題(その19)(満洲国を裏工作で支えた「フィクサー」がいた…アヘン王・里見甫の「数奇な生涯」、コロポックルの住居か?日本のカッパドキアか?219の穴がひしめく 埼玉「吉見百穴」の真相【内部写真あり】 各地の奇景をめぐる旅、縄文人と弥生人で分けられない「日本人のルーツ」 祖先はいつ、どうやって日本列島へやってきた?) [社会]

歴史問題については、本年1月21日に取上げた。今日は(その19)(満洲国を裏工作で支えた「フィクサー」がいた…アヘン王・里見甫の「数奇な生涯」、コロポックルの住居か?日本のカッパドキアか?219の穴がひしめく 埼玉「吉見百穴」の真相【内部写真あり】 各地の奇景をめぐる旅、縄文人と弥生人で分けられない「日本人のルーツ」 祖先はいつ、どうやって日本列島へやってきた?)である。

先ずは、本年1月23日付け現代ビジネス「満洲国を裏工作で支えた「フィクサー」がいた…アヘン王・里見甫の「数奇な生涯」」を紹介しよう。
https://gendai.media/articles/-/122826?imp=0
・『アヘン密売組織を結成し、満洲帝国を支えた  満洲事変、日中戦争、太平洋戦争と続いた昭和の戦乱下、満洲国を「裏工作」で支えたフィクサーがいた。「上海のアヘン王」と呼ばれた里見甫だ。 策謀渦巻く中国大陸で禁じられていたアヘン密売に手を染め、日本軍に資金を提供した。その収益は現在の紙幣価値で30兆円にも上るとされている。先の戦争における重要人物であるものの、里見が極端な秘密主義を貫いたこともあり、その「功罪」はあまり知られていない。謎に包まれた彼の生涯を紐解いていこう。 1896年に炭鉱医の子として生まれた里見は、福岡県・修猷館中学に通っていたときに来日中の革命家・孫文と交流した。この出会いをきっかけに、のちに「大東亜共栄圏」建設の大志を強く抱くようになる。 中学卒業後は上海にある東亜同文書院に留学し、中国語を習得。それから貿易会社を経て、在中邦人向けの新聞社に入る。この時期に蒋介石など中国要人や石原莞爾など関東軍の参謀の知遇を得た。 「里見は記者時代に取材活動で軍人や官吏、実業家のみならず裏社会の人間との繋がりを作っていました。彼の情報収集能力や人脈に目をつけたのが関東軍だったのです」(ノンフィクション作家の斎藤充功氏)』、「里見」氏の「情報収集能力や人脈に目をつけたのが関東軍」、さすが「関東軍」の目のつけどころは確かだ。
・『満州事変での里見  1931年に満洲事変が勃発すると関東軍に対満政策を担当する部署が組織され、里見は嘱託として採用された。そこでプロパガンダ活動を目的とした「満洲国通信社」を設立したことを軍部から評価され、'37年に上海で「アヘン売買」を依頼されるようになる。 軍需国策会社「昭和通商」が中東などから密輸したアヘンは、里見が実権を握る商社「宏済善堂」を通じて中国の犯罪組織「青幇」に流れ、末端のアヘン窟で売り捌かれる。この流通ネットワークは「里見機関」と呼ばれる。アヘンで生み出された裏金は関東軍の戦費に充てられ、一部は傀儡政権の汪兆銘南京政府へと流れていった。裏社会とパイプがある里見でなくては、成り立たないビジネスだったことは間違いない。 「アヘンは中毒性が高く利益率が良い。密売の利益がなかったら、関東軍の謀略工作は規模を縮小せざるを得なかったと思います」(斎藤氏) 稼いだ資金は日本軍に渡っても余るほどの巨額だったが、カネに関心のない里見は自らの私利私欲のためには使わなかったという。 一方で、無類の女好きとして知られている。酒を飲めないのに、上海の日本人租界にあるナイトクラブに出入りして、大好物のハムエッグをつつきながら女の子を口説いていた。 様々な顔を持っていたアヘン王・里見。その存在は、敗戦を機に明るみに出る』、「アヘンで生み出された裏金は関東軍の戦費に充てられ、一部は傀儡政権の汪兆銘南京政府へと流れていった。裏社会とパイプがある里見でなくては、成り立たないビジネスだったことは間違いない」、「関東軍」がこんな形で「戦費」を調達していたとは初めて知った。「稼いだ資金は日本軍に渡っても余るほどの巨額だったが、カネに関心のない里見は自らの私利私欲のためには使わなかったという」、大したものだ。
・『A級戦犯として東京裁判に現れた「アヘン王」  終戦後、着の身着のままで帰国した里見は京都や東京で潜伏生活を送っていた。だが、'46年3月に民間人初のA級戦犯として逮捕され、巣鴨プリズンに入所する。 国際検察局(IPS)から取り調べを受けるなかで、里見に連なる「上海人脈」が詳らかになった。笹川良一や児玉誉士夫、阪田誠盛など戦後を代表するフィクサーの名前を挙げたほか、岸信介や甘粕正彦といった大物とも深く関わっていたことも明かしている。 その後、東京裁判に出廷して証言を行った里見だが、不起訴となり無条件で釈放されている。 この理由について、前出の斎藤氏はこう推測する。 「里見を起訴して中国のアヘン事情を追及すれば、戦勝国の一員である国民党の蒋介石政権とアヘンの関係にまで、踏み込まざるを得ません。当時、国民党は毛沢東率いる中国共産党と内戦の真っ只中です。アメリカは国民党を支援していたため、追及を避けたように考えられます」 里見の宏済善堂から流れたアヘンは、当時日本と敵対していた国民党政権にも渡っていたのだ。彼のアヘン利権がどれほど巨大だったかが窺えるエピソードだ。 だが、波乱に満ちた戦時中とは打って代わって、戦後の里見は社会の片隅でひっそりと暮らすようになる』、「東京裁判に出廷して証言を行った里見だが、不起訴となり無条件で釈放されている」、その理由は、「里見を起訴して中国のアヘン事情を追及すれば、戦勝国の一員である国民党の蒋介石政権とアヘンの関係にまで、踏み込まざるを得ません。当時、国民党は毛沢東率いる中国共産党と内戦の真っ只中です。アメリカは国民党を支援していたため、追及を避けたように考えられます」、悪運の強さには驚かされる。
・『戦後は静謐な生き方を選んだ  「終戦直後、父は自決することを考えていたようです。国家に対する奉仕を信条として、『大東亜共栄圏の建設』という大義のために命を張ったとはいえ、戦線拡大の一翼を担ったことに責任を感じていたのではないでしょうか」 こう振り返るのは、里見が63歳のときの子である長男の泰啓氏だ。里見は自らの行いは、いかなる弁解も許されないとして、身をつつしみ余生を過ごした。 「戦中に培った人脈を使って、戦後にまで暗躍することを毛嫌いしていました。児玉誉士夫さんや笹川良一さんのことを『俺はみっともなくて、あんな風にはなれないよ』とこぼしていたそうです」(泰啓氏) 釈放後は専門商社を構え、アジア諸国とODA(政府開発援助)に関わるビジネスに精を出した。たびたび訪中し、中国要人とは繋がりを持ち続けていたという。私生活では、神楽坂の小さな一軒家に住み、泰啓氏の幼稚園の送り迎えを欠かさず行うなど息子を溺愛し続ける日々を送っていた。 「自宅には笹川さんをはじめ多くの財界人が相談に来ていました。かといって派手な暮らしをしていた訳ではありません。金銭に執着がなかったので、里見家の生活は質素でした」(泰啓氏) '65年、家族と団欒中に心臓麻痺に襲われ里見は亡くなる。中国からは周恩来や蒋介石から弔電が届いた。 千葉にある墓の墓碑銘は岸信介が揮毫したものだ。加えて、碑の撰文には以下のように書かれている。 〈凡俗に堕ちて凡俗を超え 名利を追って名利を絶つ 流れに従って波を掲げ 其の逝く処を知らず〉 上海のアヘン王は、まさに撰文通りの生涯を送った』、「里見は自らの行いは、いかなる弁解も許されないとして、身をつつしみ余生を過ごした。 「戦中に培った人脈を使って、戦後にまで暗躍することを毛嫌いしていました。児玉誉士夫さんや笹川良一さんのことを『俺はみっともなくて、あんな風にはなれないよ』とこぼしていたそうです」、いさぎよさにも驚かされた。死んだ時に、「中国からは周恩来や蒋介石から弔電が届いた」、とは大したものだ。

次に、3月14日付けダイヤモンド・オンラインが掲載したフリーライターの友清 哲氏による「コロポックルの住居か?日本のカッパドキアか?219の穴がひしめく、埼玉「吉見百穴」の真相【内部写真あり】 各地の奇景をめぐる旅」を紹介しよう。
https://diamond.jp/articles/-/340391
・『斜面に広がる、おびただしい数の穴。まるでトルコのカッパドキアを思わせる奇妙な風景が、埼玉県にある。江戸時代から観光名所としてにぎわったという「吉見百穴」だ。これは一体何なのか?明治時代にはまことしやかにコロポックル(アイヌの伝承に残る小型の民族)の住居跡だと指摘されていたが、果たしてその正体は――』、興味深そうだ。
・『明治20年、東大の教授が発掘調査に着手  「吉見百穴」について初めて本格的な調査が行なわれたのは、明治20(1887)年のことだ。 後に日本の人類学の先駆者として名をはせる坪井正五郎が、帝国大学(現東京大学)大学院の卒業論文の題材として発掘調査に着手したのがその端緒である。この時、周辺から人骨や土器類などが多数出土するなど、考古学的に大きな成果が得られたという。 岩壁に連なるおびただしい数の穴は古墳時代後期(6~7世紀)に掘られたもので、直径はいずれもおよそ1メートル。その数は今のところ219基とされているが、未発見の横穴が残っている可能性も指摘されている。 この吉見百穴が秀逸なのは、主だった穴が防護柵などで遮断されることなく開放されており、中に入れることである。しゃがんだ姿勢でくぐらなければならない入口のサイズと比べて内部は広く、成人男性が中腰で立てる程度の高さがあり、室内の形状は四角形や台形、円形などさまざまだ。 室内には10~20cmほどの段で囲われた、ベッドのようなスペースが1つもしくは2つ設えられていて、何やら生活感めいたものを感じさせる。 これは一体何なのか? 周辺に古代人の生活の痕跡が多数見つかっていることからすれば、当時何らかの目的をもって造られたものであるのは間違いないのだろう。しかし、住居とするにはサイズがあまりにも小さ過ぎるのだ』、「吉見百穴が秀逸なのは、主だった穴が防護柵などで遮断されることなく開放されており、中に入れることである。しゃがんだ姿勢でくぐらなければならない入口のサイズと比べて内部は広く、成人男性が中腰で立てる程度の高さがあり、室内の形状は四角形や台形、円形などさまざまだ。 室内には10~20cmほどの段で囲われた、ベッドのようなスペースが1つもしくは2つ設えられていて、何やら生活感めいたものを感じさせる。 これは一体何なのか?」、確かに何なのだろう。
・『飛び出した「コロポックル」の住居説  調査に当たった坪井正五郎の見解によれば、これは「コロポックル」の住居跡なのだという。 コロポックルとは、アイヌ民族の間で伝えられる小人のことだ。アイヌ語の発音の関係で、コロボックルともいう。その語源は“フキの下の人”を意味するアイヌ語にあり、今日では伝承上の非実在民族とされているが、昭和前期には宮本百合子や宇野浩二など、名だたる創作家たちが物語の題材に用い、寓話的な認知を得た。 しかし、時は明治の世。アイヌ以前の先住民族としてコロポックル論争が白熱する中、坪井正五郎は吉見百穴の調査を経て、日本にはもともと小型の民族が存在し、それを後からやって来たアイヌが北方へ駆逐したとの説を後押しした。 確かに、実際に穴の中に潜ってみれば、そこで小さな民族たちが暮らした様子は想像しやすい。これが無数のシングルルーム、ツインルームが集合する巨大住宅であったなら、往時はさぞにぎやかで楽しい集落だったことだろう。 しかし、このコロポックルの住居説は、時代とともに立ち消えていく。そもそも小型民族の実在が学術的に証明されることがなかったからで、近代に至る研究の中で、アイヌは縄文人の血を色濃く受け継いでいることが判明している』、「コロポックルの住居説は、時代とともに立ち消えていく。そもそも小型民族の実在が学術的に証明されることがなかったからで、近代に至る研究の中で、アイヌは縄文人の血を色濃く受け継いでいることが判明している」、なるほど。
・『真相に隠された古代人の秀逸な知恵  結論を言ってしまえば、吉見百穴の正体は、古墳時代に設けられた大規模な横穴墓群である。段で囲われたベッドのようなスペースは遺体を安置した場所で、複数の遺体を納められる構造を採っていることから、穴ごとに家族単位で埋葬された可能性も指摘されている。 ちなみに、横穴墓とは読んで字のごとし、横方向に掘った穴を墳墓とするもので、古代人の歴史的な発明の一つである。これより以前、3~4世紀に造られた墳墓は、地面を垂直に掘って遺体を安置し、埋めてふたをする縦穴式だった。しかしこの構造には、一度遺体を埋葬した後に、再び中へ立ち入ったり次の遺体を追加で埋葬したりするのが難しいというデメリットがあった。 そこで、盛られた土を横から掘って埋葬スペースを造り、扉を付けて開閉する仕様にアレンジすることで、同じ墳墓に後から他者を追葬できるよう工夫がされた。これが横穴墓である。 実際、この吉見百穴では穴の入り口部分に石のふたが立てられ、造営後の出入りを可能にする構造が確認されている。つまり吉見百穴は、墳墓の進化の変遷をたどる貴重な遺構でもあるのだ。 なお、斜面に並ぶ穴は、西から東へ行くほど整然と並んでいる。これは横穴群が西側から掘られ、次第に設計がブラッシュアップされていったことを意味している。 また、下層にある穴より上層にある穴の方が広く、穴と穴の間隔がゆったりと設計されている。これが埋葬される人物の身分の差によるものなのか、それとも単に年代や地質の都合によるものなのかは今のところ判明していない』、「盛られた土を横から掘って埋葬スペースを造り、扉を付けて開閉する仕様にアレンジすることで、同じ墳墓に後から他者を追葬できるよう工夫がされた。これが横穴墓である。 実際、この吉見百穴では穴の入り口部分に石のふたが立てられ、造営後の出入りを可能にする構造が確認されている。つまり吉見百穴は、墳墓の進化の変遷をたどる貴重な遺構でもあるのだ」、なるほど。
・『古墳王国・埼玉には3114もの埋蔵文化財 吉見百穴を超える横穴墓群も  コロポックルの住居であるとする説には一定のロマンを感じるものの、令和の視点からすれば、学術的に無理があるのは自明。それでも吉見百穴が古代の貴重な物証であることに変わりはなく、大正12(1923)年には国指定史跡に認定されている。 埼玉県は知る人ぞ知る古墳王国で、文化庁の調べによれば、今日までに3114もの埋蔵文化財が確認されている。現代人が暮らしやすい地形は古代人にとっても同様で、今も昔も多くの人々がこの近隣で生活していたわけだ。 だからおそらく、こうした横穴墓群は吉見百穴だけではないはずだ。現に、同じ吉見町内では他に、「黒岩横穴墓群」が見つかっている。まだ吉見百穴の正体が定かではなかった明治10(1877)年に、地域の有志によって発掘された横穴墓群だ。 通年、観光客でにぎわう吉見百穴とは対照的に、八丁湖という人工沼のほとりにひっそりと眠る黒岩横穴墓群は、発掘当時は16基の穴が確認されていたが、その後の調査により、これまで30基以上の横穴墓の存在が明らかになっている。 明治時代にはオーストリア公使のヘンリー・シーボルトや、大森貝塚の発見者として名高いエドワード・モースが視察にこの地を訪れるなど、歴史的価値は早くから認められ、こちらも大正14(1925)年には埼玉県の史跡に指定された。 ただ、案内板こそ一応用意されているものの、吉見百穴のように整備されておらず、訪れる人もほぼいない。そのため入り口は生い茂る雑草に覆われてしまっている。 そのせいなのか、周辺にはどうにも近寄り難い雰囲気があり、やぶの深さと相まって筆者もこちらは穴の内部までは確認できていない。 資料によれば、黒岩横穴墓群はこの一帯の百穴谷、首切り谷、地獄谷、茶臼谷、神代谷の5カ所に分布しているそうで、そのおどろおどろしい地名が何やら意味深い。地名は何らかの由来を持つものだから、吉見百穴が「陽」なら、こちらは「陰」の横穴墓群なのかもしれない。 現在までに発掘されている30基の穴は、実は黒岩横穴墓群のごく一部に過ぎず、一説によると、未発掘の穴がこの一帯に500基以上も埋没しているという。人が立ち入らないため、吉見百穴よりもはるかに良好な状態のまま保存されているそうで、本格的な調査が進めばさらに貴重な遺物が見つかるかもしれない。いつの日か、その全容が明らかにされる時を心待ちにしたい』、「現在までに発掘されている30基の穴は、実は黒岩横穴墓群のごく一部に過ぎず、一説によると、未発掘の穴がこの一帯に500基以上も埋没しているという。人が立ち入らないため、吉見百穴よりもはるかに良好な状態のまま保存されているそうで、本格的な調査が進めばさらに貴重な遺物が見つかるかもしれない。いつの日か、その全容が明らかにされる時を心待ちにしたい』、「いつの日か、その全容が明らかにされる時」、私も楽しみに「心待ちにしたい」。

第三に、.4月14日付け東洋経済オンラインが掲載した国立科学博物館長の篠田 謙一 氏による「縄文人と弥生人で分けられない「日本人のルーツ」 祖先はいつ、どうやって日本列島へやってきた?」を紹介しよう。
https://toyokeizai.net/articles/-/741996
・『「えっ?最初の人類はアウストラロピテクスじゃないの?」。あなたの教養は30年前の常識のままかもしれません。 2022年のノーベル医学生理学賞受賞で注目が集まっている進化人類学。急速に発展するこの分野の最新成果をまとめた『人類の起源』(中公新書)の著者、篠田謙一国立科学博物館長が監修を務め、同書のエッセンスを豊富なイラストで伝える『図解版 人類の起源』より、一部抜粋・編集してお届けします』、興味深そうだ。
・『日本人の起源はどうなのか  ゲノム研究の発展以前は、日本人の起源も発掘された人骨の形態をもとに研究され、日本列島集団には2つの大きな特徴があると考えられてきました。 1つ目は、縄文時代と弥生時代という時代が異なる人骨の間の明確に認識できる違い。2つ目は、北海道のアイヌ集団と、琉球列島集団、本州・四国・九州を中心とした本土日本人という3つの集団に姿形に区別しうる特徴があることです。 このような違いを説明する原理として、「二重構造モデル」という学説が定説とされてきました。 この学説は、旧石器時代に東南アジアなどから日本列島に進出した集団が縄文人となり、やがて列島に入らず北上した新石器時代の北東アジア人が渡来系弥生人となってやってきたという説です。 しかし、近年のゲノム分析により、二重構造モデルでは説明できない事実が明らかになっています』、「二重構造モデル」、とは「旧石器時代に東南アジアなどから日本列島に進出した集団が縄文人となり、やがて列島に入らず北上した新石器時代の北東アジア人が渡来系弥生人となってやってきたという説です。 しかし、近年のゲノム分析により、二重構造モデルでは説明できない事実が明らかになっています」、なるほど。
・『「二重構造モデル」の限界  二重構造モデル」は、旧石器時代に東南アジアなどから日本列島に進入した集団を基層集団(縄文人)とし、その後、新石器時代に北東アジアから朝鮮半島経由で渡来した集団(弥生人)が入ってきたという単一的な視点が特徴です。 縄文人と弥生人という枠(「二重構造モデル」では、東南アジア由来の旧石器人が縄文人になり、列島に入らず北上した集団は、寒冷地適応を受けて形質を変化させ、北東アジアの新石器人になったとされています。 弥生時代になり、この集団の中から北部九州に稲作をもたらす渡来系弥生人が現れ、稲作が入らなかった北海道や、北部九州から2000年遅れて稲作が始まった琉球列島では縄文人の遺伝的特徴が強く残ることになり、それが両者の見た目の類似性を生んだと考えられています。 つまり、縄文人と弥生人の違いは、集団の由来が異なることに起因するという単一的な視点で説明しているのです』、「東南アジア由来の旧石器人が縄文人になり、列島に入らず北上した集団は、寒冷地適応を受けて形質を変化させ、北東アジアの新石器人になったとされています。 弥生時代になり、この集団の中から北部九州に稲作をもたらす渡来系弥生人が現れ、稲作が入らなかった北海道や、北部九州から2000年遅れて稲作が始まった琉球列島では縄文人の遺伝的特徴が強く残ることになり、それが両者の見た目の類似性を生んだと考えられています」、なるほど。
・『地域ごとに集団形成の過程が異なる!  地域別に現代日本人のゲノムを比べると、北海道のアイヌ集団、沖縄集団、本州・四国・九州のいわゆる本土日本人の間で違いが見られます。それは、地域ごとに異なる歴史があり、集団成立にも異なるプロセスがあることを示しています。 「地域」という視点の重要性(下の図は、都道府県別の核ゲノムSNP解析を表したもので、近畿・四国などの本土日本の「へそ」の部分と、九州や東北の間に違いが見えます(※外部配信先ではイラストを閲覧できない場合があります。その際は東洋経済オンライン内でお読みください)。 畿内(きだい)を中心とした地域では、渡来系集団の遺伝的な影響が強く、周辺域では縄文人の遺伝的な影響が強く残っており、それを敷衍(ふえん)して、北海道と琉球列島では縄文系の比率が高いはずだと考えるのが二重構造モデル。) しかし、「縄文人」や「弥生人」といった枠が先にあり、地域ごとの歴史や集団の成立過程を考える発想がありません。(核ゲノムの都道府県別SNP解析 の図はリンク先参照)』、「地域別に現代日本人のゲノムを比べると、北海道のアイヌ集団、沖縄集団、本州・四国・九州のいわゆる本土日本人の間で違いが見られます。それは、地域ごとに異なる歴史があり、集団成立にも異なるプロセスがあることを示しています」、なるほど。
・『ホモ・サピエンスはいつ日本へ?  3つの異なる文化系統(日本列島にホモ・サピエンスがやってきたのは約4万年前。 二重構造モデルでは、彼らが均一な形質の縄文人となって列島内に広がったと仮定されていますが、ゲノム解析によって、縄文人はさまざまな地域から入ってきた集団であり、地域によって遺伝的特徴が異なる集団が居住していたことがわかってきました。 下の図は、日本列島における3つの異なる文化系統です。地域が違えば、歴史も文化も異なり、集団の成立過程にも大きな違いがあるのは自然なことといえるでしょう。 (日本列島の3つの異なる文化系統の図はリンク先参照)) 日本列島にホモ・サピエンスが最初に進出したのは、約4万年前の後期旧石器時代。旧石器時代の遺跡は日本国内に1万箇所ほど知られていますが、人骨は琉球列島を除いてほとんど見つかっておらず、旧石器時代人の実像についてはあまりわかっていません』、「日本列島にホモ・サピエンスが最初に進出したのは、約4万年前の後期旧石器時代。旧石器時代の遺跡は日本国内に1万箇所ほど知られていますが、人骨は琉球列島を除いてほとんど見つかっておらず、旧石器時代人の実像についてはあまりわかっていません」、なるほど。
・『海を渡ってやってきた旧石器時代人  日本列島への流入のルートとして考えられるのは主に3つ。朝鮮半島から対馬を経由してくるルート、台湾から琉球列島を渡るルート、シベリアから北海道を通るルートです。 この時期は最終氷期に当たるため、現在より海水面が低く、本州や九州、四国、沖縄には船で渡ってきたものと考えられます。 二重構造モデルでは、縄文人は均一な集団と考えられてきましたが、ミトコンドリアDNAの解析によると、旧石器時代にさまざまな地域から入ってきた集団で形成され、遺伝的特徴が異なる集団が居住していたようです。 (3つのルートの図はリンク先参照)
 日本列島内には、旧石器時代の遺跡は1万箇所ほどありますが、人骨は琉球列島以外ではほとんど見つかっていません。沖縄本島や石垣島で発見された人骨は、ミトコンドリアDNAの分析が行われ、旧石器時代人の系統などが明らかになっています。 遺跡や沖縄の化石人骨のデータ(琉球列島の主な旧石器時代遺跡としては、「港川遺跡」「サキタリ洞遺跡」「白保竿根田原(しらほさおねたばる)洞穴遺跡」「山下町洞穴遺跡」などがあり、近年旧石器時代の人骨が続々と見つかっています。 ちなみに、現在のところ琉球列島以外の旧石器時代の人骨は静岡県の根堅(ねがた)遺跡のものだけ。 港川人以外は、まだ次世代シークエンサを使った解析は行われていませんが、ゲノム情報を得ることができれば、琉球列島の人類史の解明に新たな展開をもたらすことができるはずです。) 沖縄の旧石器人は滅んでしまった可能性も?(沖縄本島で発見された約2万年前の人骨「港川1号」は、次世代シークエンサを用いたミトコンドリアDNAの解析も行われています。この人物は現代人につながらずに消滅した系統であると考えられています。 実は、琉球列島集団の現代人を対象とした大規模なゲノム解析によって、沖縄の現代人の祖先は1万5000年前より昔にさかのぼらないという結論が導かれています。 この結果は、港川人のミトコンドリア系統が現代人につながらないとする解釈と整合性があります』、「沖縄の現代人の祖先は1万5000年前より昔にさかのぼらないという結論が導かれています」、なるほど。
・『縄文人の地域差が意味するものとは?  形態的には比較的均一だったと考えられている縄文人ですが、ミトコンドリアDNAの系統では、明瞭な東西の地域差が認められています。旧石器時代の日本列島には、進入ルートが異なるさまざまな集団が入ってきたと考えられます。 さまざまな地域から入ってきた集団(縄文人のミトコンドリアDNAの代表的なハプログループは、M7aとN9bです。西日本から琉球列島に多くなるM7aは、おそらく中国大陸の南部沿岸地域から西日本に進入したとされています。 一方、東日本から北海道の地域で多数を占めるN9bは、九州にも特殊なN9b系統が存在。そのため、N9b系統の祖先は朝鮮半島から沿海州の広い地域に散在し、それぞれ北海道経由のルートと、朝鮮半島経由のルートで日本列島に到達したと考えられます。 現代日本人に占めるそれぞれの割合は、M7aが約7.7%でN9bが約2.1%。この割合は、その後の弥生人との混合の状況に関連があると考えられます。 (縄文人の主なミトコンドリア系統 の図はリンク先参照) (現代日本人と縄文人のミトコンドリアDNAハプログループ割合の比較 の図はリンク先参照)』、「形態的には比較的均一だったと考えられている縄文人ですが、ミトコンドリアDNAの系統では、明瞭な東西の地域差が認められています。旧石器時代の日本列島には、進入ルートが異なるさまざまな集団が入ってきたと考えられます。 さまざまな地域から入ってきた集団(縄文人のミトコンドリアDNAの代表的なハプログループは、M7aとN9bです。西日本から琉球列島に多くなるM7aは、おそらく中国大陸の南部沿岸地域から西日本に進入したとされています。 一方、東日本から北海道の地域で多数を占めるN9bは、九州にも特殊なN9b系統が存在。そのため、N9b系統の祖先は朝鮮半島から沿海州の広い地域に散在し、それぞれ北海道経由のルートと、朝鮮半島経由のルートで日本列島に到達したと考えられます。 現代日本人に占めるそれぞれの割合は、M7aが約7.7%でN9bが約2.1%。この割合は、その後の弥生人との混合の状況に関連があると考えられます」、「ミトコンドリアDNA」は母性をたどることしかできないとはいえ、現状では最適な方法だ。 
タグ:「里見」氏の「情報収集能力や人脈に目をつけたのが関東軍」、さすが「関東軍」の目のつけどころは確かだ。 現代ビジネス「満洲国を裏工作で支えた「フィクサー」がいた…アヘン王・里見甫の「数奇な生涯」」 (その19)(満洲国を裏工作で支えた「フィクサー」がいた…アヘン王・里見甫の「数奇な生涯」、コロポックルの住居か?日本のカッパドキアか?219の穴がひしめく 埼玉「吉見百穴」の真相【内部写真あり】 各地の奇景をめぐる旅、縄文人と弥生人で分けられない「日本人のルーツ」 祖先はいつ、どうやって日本列島へやってきた?) 歴史問題 「アヘンで生み出された裏金は関東軍の戦費に充てられ、一部は傀儡政権の汪兆銘南京政府へと流れていった。裏社会とパイプがある里見でなくては、成り立たないビジネスだったことは間違いない」、「関東軍」がこんな形で「戦費」を調達していたとは初めて知った。「稼いだ資金は日本軍に渡っても余るほどの巨額だったが、カネに関心のない里見は自らの私利私欲のためには使わなかったという」、大したものだ。 「東京裁判に出廷して証言を行った里見だが、不起訴となり無条件で釈放されている」、その理由は、「里見を起訴して中国のアヘン事情を追及すれば、戦勝国の一員である国民党の蒋介石政権とアヘンの関係にまで、踏み込まざるを得ません。当時、国民党は毛沢東率いる中国共産党と内戦の真っ只中です。アメリカは国民党を支援していたため、追及を避けたように考えられます」、悪運の強さには驚かされる。 「里見は自らの行いは、いかなる弁解も許されないとして、身をつつしみ余生を過ごした。 「戦中に培った人脈を使って、戦後にまで暗躍することを毛嫌いしていました。児玉誉士夫さんや笹川良一さんのことを『俺はみっともなくて、あんな風にはなれないよ』とこぼしていたそうです」、いさぎよさにも驚かされた。死んだ時に、「中国からは周恩来や蒋介石から弔電が届いた」、とは大したものだ。 ダイヤモンド・オンライン 友清 哲氏による「コロポックルの住居か?日本のカッパドキアか?219の穴がひしめく、埼玉「吉見百穴」の真相【内部写真あり】 各地の奇景をめぐる旅」 「吉見百穴が秀逸なのは、主だった穴が防護柵などで遮断されることなく開放されており、中に入れることである。しゃがんだ姿勢でくぐらなければならない入口のサイズと比べて内部は広く、成人男性が中腰で立てる程度の高さがあり、室内の形状は四角形や台形、円形などさまざまだ。 室内には10~20cmほどの段で囲われた、ベッドのようなスペースが1つもしくは2つ設えられていて、何やら生活感めいたものを感じさせる。 これは一体何なのか?」、確かに何なのだろう。 「コロポックルの住居説は、時代とともに立ち消えていく。そもそも小型民族の実在が学術的に証明されることがなかったからで、近代に至る研究の中で、アイヌは縄文人の血を色濃く受け継いでいることが判明している」、なるほど。 「盛られた土を横から掘って埋葬スペースを造り、扉を付けて開閉する仕様にアレンジすることで、同じ墳墓に後から他者を追葬できるよう工夫がされた。これが横穴墓である。 実際、この吉見百穴では穴の入り口部分に石のふたが立てられ、造営後の出入りを可能にする構造が確認されている。つまり吉見百穴は、墳墓の進化の変遷をたどる貴重な遺構でもあるのだ」、なるほど。 「現在までに発掘されている30基の穴は、実は黒岩横穴墓群のごく一部に過ぎず、一説によると、未発掘の穴がこの一帯に500基以上も埋没しているという。人が立ち入らないため、吉見百穴よりもはるかに良好な状態のまま保存されているそうで、本格的な調査が進めばさらに貴重な遺物が見つかるかもしれない。いつの日か、その全容が明らかにされる時を心待ちにしたい』、「いつの日か、その全容が明らかにされる時」、私も楽しみに「心待ちにしたい」。 東洋経済オンライン 篠田 謙一 氏による「縄文人と弥生人で分けられない「日本人のルーツ」 祖先はいつ、どうやって日本列島へやってきた?」 『人類の起源』(中公新書)の著者、篠田謙一 『図解版 人類の起源』 「二重構造モデル」、とは「旧石器時代に東南アジアなどから日本列島に進出した集団が縄文人となり、やがて列島に入らず北上した新石器時代の北東アジア人が渡来系弥生人となってやってきたという説です。 しかし、近年のゲノム分析により、二重構造モデルでは説明できない事実が明らかになっています」、なるほど。 「東南アジア由来の旧石器人が縄文人になり、列島に入らず北上した集団は、寒冷地適応を受けて形質を変化させ、北東アジアの新石器人になったとされています。 弥生時代になり、この集団の中から北部九州に稲作をもたらす渡来系弥生人が現れ、稲作が入らなかった北海道や、北部九州から2000年遅れて稲作が始まった琉球列島では縄文人の遺伝的特徴が強く残ることになり、それが両者の見た目の類似性を生んだと考えられています」、なるほど。 「地域別に現代日本人のゲノムを比べると、北海道のアイヌ集団、沖縄集団、本州・四国・九州のいわゆる本土日本人の間で違いが見られます。それは、地域ごとに異なる歴史があり、集団成立にも異なるプロセスがあることを示しています」、なるほど。 「日本列島にホモ・サピエンスが最初に進出したのは、約4万年前の後期旧石器時代。旧石器時代の遺跡は日本国内に1万箇所ほど知られていますが、人骨は琉球列島を除いてほとんど見つかっておらず、旧石器時代人の実像についてはあまりわかっていません」、なるほど。 「沖縄の現代人の祖先は1万5000年前より昔にさかのぼらないという結論が導かれています」、なるほど。 「形態的には比較的均一だったと考えられている縄文人ですが、ミトコンドリアDNAの系統では、明瞭な東西の地域差が認められています。旧石器時代の日本列島には、進入ルートが異なるさまざまな集団が入ってきたと考えられます。 さまざまな地域から入ってきた集団(縄文人のミトコンドリアDNAの代表的なハプログループは、M7aとN9bです。西日本から琉球列島に多くなるM7aは、おそらく中国大陸の南部沿岸地域から西日本に進入したとされています。 一方、東日本から北海道の地域で多数を占めるN9bは、九州にも特殊なN9b系統が存在。そのため、N9b系統の祖先は朝鮮半島から沿海州の広い地域に散在し、それぞれ北海道経由のルートと、朝鮮半島経由のルートで日本列島に到達したと考えられます。 現代日本人に占めるそれぞれの割合は、M7aが約7.7%でN9bが約2.1%。この割合は、その後の弥生人との混合の状況に関連があると考えられます」、「ミトコンドリアDNA」は母性をたどることしかできないとはいえ、現状では最適な方法だ。
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いじめ問題(その14)(「A子さんに頼まれた」“自殺ほのめかしノートに花マル” 奈良女児いじめ・担任教師が明かした「You can do it!」と記したワケ《調査報告書入手》、「やけどさされた」「ちゃいろになってる」転落死したタカラジェンヌの“悲痛LINE”を無視した“宝塚報告書”3つの問題点 現役宙組生は「私の訴えはもみ消された」《劇団がパワハラ認める》、「謝罪があまりに遅すぎた」“タカラジェンヌ飛び降り事件”阪急側がハラスメントを認め謝罪 遺族の最後の訴え“全文公開”「娘に会いたい、生きていてほしか [社会]

いじめ問題については、昨年3月4日に取上げた。今日は、(その14)(「A子さんに頼まれた」“自殺ほのめかしノートに花マル” 奈良女児いじめ・担任教師が明かした「You can do it!」と記したワケ《調査報告書入手》、「やけどさされた」「ちゃいろになってる」転落死したタカラジェンヌの“悲痛LINE”を無視した“宝塚報告書”3つの問題点 現役宙組生は「私の訴えはもみ消された」《劇団がパワハラ認める》、「謝罪があまりに遅すぎた」“タカラジェンヌ飛び降り事件”阪急側がハラスメントを認め謝罪 遺族の最後の訴え“全文公開”「娘に会いたい、生きていてほしかった」)である。

先ずは、昨年12月5日付け文春オンライン「「A子さんに頼まれた」“自殺ほのめかしノートに花マル” 奈良女児いじめ・担任教師が明かした「You can do it!」と記したワケ《調査報告書入手》」を紹介しよう。
https://bunshun.jp/articles/-/67588
・『〈わたしは死ねばいいのに〉 ​〈いっつもつらい、死ねばいいな、自分なんて、いなければよかった〉 奈良市の小学校の女子児童がノートに書いた自殺をほのめかす文章。担任教師はこの文章に花マルをつけ、「You can do it!!(あなたならできる)」と書き込み返却をしていた――。 今月6日、奈良市教育委員会は、市立小学校に通う女子児童が同級生から複数のいじめを受けていたことを公表し、「十分な調査を早期に行うべきだった」と不備を認めた。 小誌は、教育委員会等がまとめた「いじめ重大事態等に関する調査報告書」を独自に入手。そこには、いじめ被害を受けた女子児童が、花マルをつけた担任教師とどのような関係にあり、なぜ関係が悪化していったのか等が詳細に記されていた。 調査報告書は70ページに及び、女子児童が受けた様々ないじめの実態や経緯も明らかにしている。蹴る、足を踏む、ぶつかる、鉛筆で背中を突く、手を捻り突き飛ばす……報告書では計11件のいじめを認知し、その上で〈学校及び教育委員会事務局の対応の不十分さにも原因があった〉ことも指摘している』、「奈良市の小学校の女子児童がノートに書いた自殺をほのめかす文章。担任教師はこの文章に花マルをつけ、「You can do it!!(あなたならできる)」と書き込み返却をしていた――」、信じ難い出来事だが、「調査報告書は70ページに及び、女子児童が受けた様々ないじめの実態や経緯も明らかにしている。蹴る、足を踏む、ぶつかる、鉛筆で背中を突く、手を捻り突き飛ばす……報告書では計11件のいじめを認知し、その上で〈学校及び教育委員会事務局の対応の不十分さにも原因があった〉ことも指摘」、なるほど。
・『他の児童をかばったA子さんを「あんたらには関係ない!」と叱責  もっとも注目すべきは自殺をほのめかす文章に花マルをつけた担任教師(以下、X先生)と、女子児童(以下、A子さん)との間で何があったのかという点だ。以下、報告書に書かれている内容を、文意を損なわない程度に加筆し、紹介していく。 X先生がA子さんの担任となったのは、2022年4月のこと。二人の間に最初に“亀裂”が入ったのは約2カ月後、6月の校外学習での帰りのバスの中での出来事だった。 帰りのバスではおやつを食べてはいけないというルール を事前に伝えていたにも関わらず、ある児童がX先生に繰り返し「おやつ食べていい?」と尋ねたのだ。X先生はこの児童に対し、「あかんに決まってるやろ!」と厳しく叱責。このときA子さんは、叱責された児童をかばう発言した。それを聞いたX先生は、「あんたらには関係ない!」とこれまた厳しく叱りつけた。この一件以降、A子さんはX先生の指導に疑問を抱くようになったという。) 件の“花マル事件”が起きたのは2022年6月29日だ。既に前年からいじめを受けていたA子さんが、ノートに〈わたしは死ねばいいのに〉、〈死ねばいいな、自分なんて〉等と自殺をほのめかすような文章を記載。X先生はこうした記述があったことを管理職や保護者に連絡することなく、花マルをつけ〈You can do it!〉と書き込んだのだ。 X先生は、なぜこうした書き込みをしたのか。聴取ではこう述べている。 「時間をとってA子さんとじっくり話をしようと思いながらノートを返却したが、その後、A子さんに花マルをつけてほしいと頼まれた。花マルをつけにくい内容であることから一度は断ったが、A子さんに頼まれたので、心配していることを伝えて花マルをつけ、励ましの意味を込めて〈You can do it!〉と記載した」 しかし、A子さんは一貫してこのようなやり取りを否定。報告書にも〈児童Aが自ら進んでそのような申出をするとも考え難い〉と記されている。 X先生は聴取に対してこうも述べている。 「A子さんがママに伝えないでなどと言っていた」 だが、報告書ではこれについても〈不自然さが残る〉として、こう記されている。 〈児童Aが母のことを教員に伝えるときは「ママ」ではなく「お母さん」と表現していた』、「A子さんに花マルをつけてほしいと頼まれた。花マルをつけにくい内容であることから一度は断ったが、A子さんに頼まれたので、心配していることを伝えて花マルをつけ、励ましの意味を込めて〈You can do it!〉と記載した」 しかし、A子さんは一貫してこのようなやり取りを否定。報告書にも〈児童Aが自ら進んでそのような申出をするとも考え難い〉と記されている」、「X先生」は嘘をついたりと悪質だ。
・『「A子ちゃんが、『Cがウザいから無視しよう』と言ってきました」  その後も、A子さんとA子さんの両親がX先生に不信感を持つ出来事が頻出していく。 X先生の証言によれば、2022年7月4日、X先生のもとにBさんという児童が相談にやってきたという。 A子ちゃんが、『Cがウザいから(一緒に)無視しよう』と言ってきました」 これを聞いたX先生は、すぐさまA子さんを図書室に呼び出し、こう尋ねた。 「クラスの友達関係のことで、何か思い当たることはない?」) しかし、A子さんには思い当たる節がなかった。なぜならこれも、後のBさんへの聴取によって否定されているからだ。そのため、A子さんは頭を悩ませながらこう答えた。 「Cちゃんにノートを覗き見されて、『見んといてよ』と強く言ってしまったことかな……」 それを聞いたX先生はこう言った。 「そのことと違う。もう一回考えておいで」 X先生は、具体的な児童の名前、行為の日時や態様等を説明することなく抽象的な問いかけを続けた。不安になったA子さんは二日後の7月6日の夜、母親にこう気持ちを吐露している。 「X先生に呼び出されたんだけど、思い当たることがなくて、ずっと考えていて苦しい」』、「X先生は、具体的な児童の名前、行為の日時や態様等を説明することなく抽象的な問いかけを続けた。不安になったA子さんは二日後の7月6日の夜、母親にこう気持ちを吐露している。 「X先生に呼び出されたんだけど、思い当たることがなくて、ずっと考えていて苦しい」、なるほど。
・『実際はBさんのアンケートに、A子さんに関する記載はなかった  翌日の7月7日午前、A子さんの父親がX先生に電話をすると、こんなことを言われた。 「6月28日に実施した『こころといじめのアンケート調査』で、Bが『A子ちゃんからCさんを無視しようと誘われた』と書いているんですよ」 だが、これも後に否定されている。Bさんのアンケートの回答には、A子さんに関する記載がなかったのだ。なお、A子さんの両親は、この日になって初めて我が子がノートに自殺をほのめかすようなことを書いている旨も知らされた。 同日、X先生はA子さん、Bさん、Cさんの三人を集め、その場でA子さんに対して「Bさんに『Cがウザいから無視しよう』と言ったの?」と聞いた。するとBさんの方が「聞き間違いだったかもしれない」と答えたのだ。だが、結局X先生は双方に謝罪を促した。 A子「(無視しようと)言ったならごめん」 B「聞き間違っていたらごめん」 X先生は、Bさんを教室に戻した後、なおもA子さんに対して「どうして『Cさんがウザいから無視しよう』なんて言ったの?」と問いかけ、その場でCさんに対しても謝罪を促した。 その日の夕刻。A子さんの母親が、午前中のX先生と夫の電話のやりとりを受け、学校に連絡を入れた。そのとき、X先生は個人懇談中で電話に対応できなかったのだが、管理職に対し「(A子、B、Cの三人のトラブルについて)A子さんの保護者に連絡する際は、母親ではなく父親に説明する約束をA子さんとしている」と報告した(なお、A子さんはこうした約束についても一貫して否定している)。 学校側は、X先生の報告にもとづき、A子さんの母親に対し電話でそう説明。その後、X先生が家庭訪問する旨を伝えた。 同日、X先生が別の教員を伴いA子さん宅に訪問したが、A子さんは不在。そのため、その場で帰りを待つことになるのだが、A子さんの母親は「なぜ帰りを待たないといけないんですか? 今すぐ話をしてほしい」と求めたという』、「X先生は個人懇談中で電話に対応できなかったのだが、管理職に対し「(A子、B、Cの三人のトラブルについて)A子さんの保護者に連絡する際は、母親ではなく父親に説明する約束をA子さんとしている」と報告した(なお、A子さんはこうした約束についても一貫して否定している」、またしても「X先生」は嘘をついたことになるが、何故なのだろう。
・『「7月6日に初めて言ったので、1日しか悩ませていませんよ」  A子さんの帰宅後、X先生はA子さんの両親に席を外させ、玄関の外で「お父さんに話すと約束していたけど、今からお母さんに話していい?」と聞き、両親にトラブルの内容を報告。その席でX先生は、A子さんがBさんとCさんに対し謝ったことを受け、「A子さんが認めはりました」と発言した。 一方、A子さんの母親は、X先生に「もう一回考えて」と言われたことにより、A子さんが悩み苦しんでいたことを伝えた。だが、X先生はこう反論した。 「Cさんの件は7月6日に初めて言ったので、1日しか悩ませていませんよ」 だが、A子さんがそこで「図書室に呼び出されたのは、7月4日」だということを説明すると、X先生は再び反論。 「図書室に呼び出したのは、死にたいとノートに書いていた件で話を聞くためだった」 こうしたX先生のちぐはぐな説明を聞き、A子さんとA子さんの両親はさらに不信感を募らせていく。2022年7月19日には、クラスで配られた問題集の解答がA子さんの手元に渡っていなかったこと等が判明し、A子さんの母親は不信感をさらに増大させていったのである。 以上が、A子さんと花マルをつけたX先生の間に起きた事案の概要だ。 報告書には〈X教諭が児童Aの保護者に対し、いじめのアンケート調査の回答の記載に関して真実と異なる説明をしたことや、指導を行った日付についての説明内容が変わることが多々あったことについては、児童A及びその保護者から、X教諭だけなく学校に対する不信感を招来させることとなった〉とも記されている。 最後に、A子さんの代理人である三橋和史弁護士が言う。 「被害児童(A子さん)は、適応障害、心的外傷後ストレス障害を順次発症し、現在も学校生活において配慮が必要な状態が続いています」 奈良市は、近く調査結果を公表することにしているという』、「被害児童(A子さん)は、適応障害、心的外傷後ストレス障害を順次発症し、現在も学校生活において配慮が必要な状態が続いています」、どう考えても「X教諭」は正常ではない。「A子」さんの「適応障害、心的外傷後ストレス障害」の原因になっているような気がするのは、私だけだろうか。「教育委員会」ももっとしっかりしてほしいものだ。

次に、2月23日付け文春オンライン「「集団リンチのような目にあっていた」“タカラジェンヌ飛び降り事件”有愛きい(25)が死の2日前に浴びた“上級生からの罵声”「マインドがないのか!」「嘘つき野郎」《劇団がパワハラ認める》」を紹介しよう。これは、いじめとして取り上げるよりも、ハラスメントとして取り上げる方が適切なのかも知れないが、取り敢えず、いじめとして取り上げた。
https://bunshun.jp/articles/-/69188
・『宝塚歌劇団・宙組に所属する劇団員(享年25)が苛烈ないじめやハラスメントの末、自死した事件。2月23日、劇団側がパワハラがあったとする意見書の一部を認め、その見解を遺族に伝えたことが報じられた。一方で意見書には見解が異なる部分もあるとして、今後も遺族との協議を続けていくという。 11月の会見ではパワハラを“全面否定”していた宝塚。一体、何があったのか。「週刊文春」がこれまでに報じてきた記事を再公開する(初出:2023年10月19日号/年齢・肩書きは当時のまま)。 9月30日午前7時ごろ、兵庫県宝塚市のマンションに住む宝塚歌劇団の劇団員・有愛きい(25)が、敷地内で死亡しているのが見つかった事件。 週刊文春は有愛が亡くなる前日の29日、母親に〈精神的に崩壊している……〉といった趣旨のメッセージを送っていたことを報じた(#2)。 さらに28日には、有愛は同じ宙組の上級生から「集団リンチのような目にあっていた」(宙組の生徒)ことが週刊文春の取材で新たにわかった』、「上級生から「集団リンチのような目にあっていた」とは深刻だ。
・『メッセージに記されていた28日に何があったのか  社会部記者が明かす。 「9月30日午前7時過ぎ、マンションの住民が敷地内の駐車場で女性がうつ伏せに倒れているのを発見し、110番通報。女性は花壇の植え込みに倒れていた。駆けつけた捜査員がマンションを調べたところ、通路に彼女の所持品と思われる手提げ鞄を発見し、身元が判明した」 (亡くなった有愛きい(劇団公式HPより)写真を見る はりんく先参照) 有愛が所属する宙組の公演「PAGAD(パガド)」が初日を迎えたのは、死の前日である9月29日。その日、有愛は普段と変わらず舞台に立ち、帰宅したという。だが、前述の通りこの日、有愛は母親あてに〈精神的に崩壊している……〉といった趣旨のメッセージを送っていた。 一体何があったのか。 今回新たにわかったのは9月28日の出来事だ。この日は翌日から開幕する宙組公演「PAGAD」の通し稽古が行われた』、女性ばかりの集団であれば、いじめは陰湿そうだ。
・『「マインドが足りない」「この嘘つきが!」上級生から罵声  「稽古中、有愛さんは4人の上級生から『下級生の不手際は、すべてお前の責任だ』と集団リンチのような目にあっていました。ある上級生から『マインドが足りない。マインドがないのか!』と罵声を浴びせられると、今度は別の上級生から『この嘘つきが!』『嘘つき野郎』と面罵されていました……」(劇団関係者) (最後に出演した舞台のポスター(劇団公式HPより)写真を見る はリンク先参照) 「週刊文春 電子版」では、有愛を知る宙組の生徒たちを含む内部関係者十数人からの告発を基に、事件の真相を徹底取材。有愛を悩ませていた4人の上級生からの度を越した「指導」の実態から、「ヘアアイロン事件」の本当の顛末、そして悲劇を招いた劇団の隠蔽体質について詳報している。 今回の事件について情報を募集しています。文春リークスまで情報をお寄せください。 文春リークス:https://bunshun.jp/list/leaks』、「有愛さんは4人の上級生から『下級生の不手際は、すべてお前の責任だ』と集団リンチのような目にあっていました。ある上級生から『マインドが足りない。マインドがないのか!』と罵声を浴びせられると、今度は別の上級生から『この嘘つきが!』『嘘つき野郎』と面罵されていました……」、誠にひどいいじめだ。

第三に、この続きとして3月28日付け文春オンライン「「謝罪があまりに遅すぎた」“タカラジェンヌ飛び降り事件”阪急側がハラスメントを認め謝罪 遺族の最後の訴え“全文公開”「娘に会いたい、生きていてほしかった」」を紹介しよう。
https://bunshun.jp/articles/-/69917
・『宝塚歌劇団の劇団員の女性(25)が昨年9月に自死した事件。3月28日、劇団と遺族側代理人弁護士がそれぞれ会見を開き、遺族が主張してきた、上級生らによるパワハラ全てを認め、阪急阪神ホールディングスの角和夫会長が遺族に謝罪したことを発表した。 小誌『週刊文春』が昨年2月に報じた所謂「ヘアアイロン事件」をはじめ、上級生による「下級生の失敗は全てあんたのせいや」「マインドが足りない」などの罵倒に象徴される、計15のパワハラ行為があったと、遺族側は主張。劇団と半年に及ぶ協議を続けてきた。 これまで劇団は、ヘアアイロン事件を「事実無根」とし、上級生によるパワハラを否定してきた。 昨年11月の会見では、村上浩爾理事長が「証拠があるなら是非お見せいただきたい」と発言していた』、「昨年11月の会見」では事実確認が不足していたのだろうが、完全否定の姿勢が守りきれなかったのは、お粗末だ。
・『6名の上級生らによる謝罪文を遺族に提出  一転してパワハラを認めた背景は何か。劇団関係者が内情を明かす。「パワハラ主犯格である松風輝組長、トップスターの芹香斗亜が頑なにパワハラを否定してきた。劇団が年度内の解決を目指す中、劇団と2人が何度も話し合いを重ね、2人は3月上旬頃に一転してパワハラを認める意志を固めた。謝罪するのがあまりに遅すぎました」 ((左)宙組組長の松風輝(右)宙組トップスターの芹香斗亜 はリンク先参照) 劇団は、劇団幹部と上級生10名以上のパワハラ行為を認めた。角会長ら劇団側が謝罪した際、6名の上級生らによる謝罪文が遺族に手渡されたという。 さらにヘアアイロン事件の加害者である上級生も近々謝罪文を提出する予定だという』、「パワハラ主犯格である松風輝組長、トップスターの芹香斗亜が頑なにパワハラを否定してきた。劇団が年度内の解決を目指す中、劇団と2人が何度も話し合いを重ね、2人は3月上旬頃に一転してパワハラを認める意志を固めた。謝罪するのがあまりに遅すぎました」、当初2人が「パワハラを否定」したとしても、それを確認するのがマネジメントの役割で、それが十分に機能してなかったようだ。
・『公開された遺族の訴え「『事実無根』と発表したときに抗議すれば良かった」  遺族側代理人の川人弁護士は会見で、「『治外法権』のような劇団内部の実態を改革し、悪しき伝統を見直す第一歩として重要な意義を有する」「パワハラ行為がもたらす結果の重大性を内外に警告する結果となった」などとコメントし、「(阪急阪神)グループが反省し改善すべきことは無数にある」と強調した。 また、この日の会見では遺族の「訴え」も公開された。その全文は下記の通りだ。  2024年3月28日   訴え  遺族(母) あの日から季節は幾度か変わりましたが、私たちの時間は止まったままです。 娘を想わない日はありません。娘に会いたい、抱きしめたい、ここに居てくれたらと一日のうちの瞬間、瞬間に何度も思っています。 そして、助けられなかったことを悔い、娘に謝っています。 娘の夢をみて、目覚めた時の現実の虚しさに打ちのめされる、そんな朝を何度迎えたでしょうか。 パワハラが無かったことを前提に作られた調査報告書は、こともあろうか劇団HPに掲載されました。 過重労働については見解の違いはあったものの、ある程度認める内容でしたが、パワハラについては、全ては娘に非があった、そのための正当な範囲内での指導だった、パワハラは一切無かったという酷い内容でした。 劇団が依頼した弁護士の聞き取りの場で、私たちが提出した娘の悲痛な言葉や証拠、 そしてパワハラを実際に見聞きし、全てを話してくださった劇団員さんの数々の証言も全く反映されておらず、パワハラを行った側を擁護する内容でした。 劇団側にHPでの掲載を止めるように繰り返し求めましたが、1ヶ月以上経ってからようやく抹消されました。 調査報告書の内容を盾に「パワハラはありませんでした」と断言され、「証拠があるならぜひお見せいただきたい」と画面越しに挑んでこられた劇団の記者会見は、今でも鮮明に覚えています。 それに対して、調査報告書の誤りを詳しく指摘し、私たちが入手した証拠や劇団員さんからの証言を、直接提出しましたが、劇団は、第三者委員会を設置することはなく、パワハラを行った人の意見のみを聞き、それを擁護しました。 今更ながら、2年半前にへアアイロンによる火傷があった時に泣き寝入りせず、声を上げれば良かった、昨年2月に劇団がへアアイロンによる火傷の事実を「事実無根」と発表したときに抗議すれば良かったと、後悔してもしきれません。 いずれにしても、事実は隠蔽され、娘の居場所は無くなっていたかもしれません。けれど、声をあげておけば、娘の命は救えていたはずです。 阪急阪神ホールディングス、宝塚歌劇団の幹部の方々に、もしご自分の娘が同じことになったら、どうされたのかと、お尋ねしたいです。 娘は決して弱かったわけでも、我慢が足りなかったわけでもありません。過酷な労働環境と、酷いパワハラの中でも、全力で、笑顔で舞台に立っていました。強く生きていました。 私たちはそんな娘を誇りに思っています。 娘の尊厳を守りたい一心で、今日まできました。 事実を訴え続けた結果、当初は過重労働のみを認め、一切パワハラは無かったと主張された劇団が、多くのパワハラを認め、本日ようやく調印となりました。 言葉では言い表せないたくさんの複雑な想いがあります。 娘に会いたい、生きていてほしかったです。 最後になりましたが、娘にお心を寄せてくださった方々に感謝を申し上げます。 情報を提供する 文藝春秋が提供する有料記事は「Yahoo!ニュース」「週刊文春デジタル」「LINE NEWS」でお読みいただけます。 ※アカウントの登録や購入についてのご質問は、各サイトのお問い合わせ窓口にご連絡ください』、「事実を訴え続けた結果、当初は過重労働のみを認め、一切パワハラは無かったと主張された劇団が、多くのパワハラを認め、本日ようやく調印となりました」、これまでの遺族の苦しい闘いの上に、ようやく正義の鉄槌が振り下ろされた形だ。

なお、明日は更新を休む予定なので、明後日にご期待を!
タグ:「有愛さんは4人の上級生から『下級生の不手際は、すべてお前の責任だ』と集団リンチのような目にあっていました。ある上級生から『マインドが足りない。マインドがないのか!』と罵声を浴びせられると、今度は別の上級生から『この嘘つきが!』『嘘つき野郎』と面罵されていました……」、誠にひどいいじめだ。 「X先生は個人懇談中で電話に対応できなかったのだが、管理職に対し「(A子、B、Cの三人のトラブルについて)A子さんの保護者に連絡する際は、母親ではなく父親に説明する約束をA子さんとしている」と報告した(なお、A子さんはこうした約束についても一貫して否定している」、またしても「X先生」は嘘をついたことになるが、何故なのだろう。 「X先生は、具体的な児童の名前、行為の日時や態様等を説明することなく抽象的な問いかけを続けた。不安になったA子さんは二日後の7月6日の夜、母親にこう気持ちを吐露している。 「X先生に呼び出されたんだけど、思い当たることがなくて、ずっと考えていて苦しい」、なるほど。 「A子さんに花マルをつけてほしいと頼まれた。花マルをつけにくい内容であることから一度は断ったが、A子さんに頼まれたので、心配していることを伝えて花マルをつけ、励ましの意味を込めて〈You can do it!〉と記載した」 しかし、A子さんは一貫してこのようなやり取りを否定。報告書にも〈児童Aが自ら進んでそのような申出をするとも考え難い〉と記されている」、「X先生」は嘘をついたりと悪質だ。 「奈良市の小学校の女子児童がノートに書いた自殺をほのめかす文章。担任教師はこの文章に花マルをつけ、「You can do it!!(あなたならできる)」と書き込み返却をしていた――」、信じ難い出来事だが、「調査報告書は70ページに及び、女子児童が受けた様々ないじめの実態や経緯も明らかにしている。蹴る、足を踏む、ぶつかる、鉛筆で背中を突く、手を捻り突き飛ばす……報告書では計11件のいじめを認知し、その上で〈学校及び教育委員会事務局の対応の不十分さにも原因があった〉ことも指摘」、なるほど。 文春オンライン「「A子さんに頼まれた」“自殺ほのめかしノートに花マル” 奈良女児いじめ・担任教師が明かした「You can do it!」と記したワケ《調査報告書入手》」 (その14)(「A子さんに頼まれた」“自殺ほのめかしノートに花マル” 奈良女児いじめ・担任教師が明かした「You can do it!」と記したワケ《調査報告書入手》、「やけどさされた」「ちゃいろになってる」転落死したタカラジェンヌの“悲痛LINE”を無視した“宝塚報告書”3つの問題点 現役宙組生は「私の訴えはもみ消された」《劇団がパワハラ認める》、「謝罪があまりに遅すぎた」“タカラジェンヌ飛び降り事件”阪急側がハラスメントを認め謝罪 遺族の最後の訴え“全文公開”「娘に会いたい生きていてほしかっ いじめ問題 「上級生から「集団リンチのような目にあっていた」とは深刻だ。 「被害児童(A子さん)は、適応障害、心的外傷後ストレス障害を順次発症し、現在も学校生活において配慮が必要な状態が続いています」、どう考えても「X教諭」は正常ではない。「A子」さんの「適応障害、心的外傷後ストレス障害」の原因になっているような気がするのは、私だけだろうか。「教育委員会」ももっとしっかりしてほしいものだ。 なお、明日は更新を休む予定なので、明後日にご期待を! 「事実を訴え続けた結果、当初は過重労働のみを認め、一切パワハラは無かったと主張された劇団が、多くのパワハラを認め、本日ようやく調印となりました」、これまでの遺族の苦しい闘いの上に、ようやく正義の鉄槌が振り下ろされた形だ。 「パワハラ主犯格である松風輝組長、トップスターの芹香斗亜が頑なにパワハラを否定してきた。劇団が年度内の解決を目指す中、劇団と2人が何度も話し合いを重ね、2人は3月上旬頃に一転してパワハラを認める意志を固めた。謝罪するのがあまりに遅すぎました」、当初2人が「パワハラを否定」したとしても、それを確認するのがマネジメントの役割で、それが十分に機能してなかったようだ。 「昨年11月の会見」では事実確認が不足していたのだろうが、完全否定の姿勢が守りきれなかったのは、お粗末だ。 文春オンライン「「謝罪があまりに遅すぎた」“タカラジェンヌ飛び降り事件”阪急側がハラスメントを認め謝罪 遺族の最後の訴え“全文公開”「娘に会いたい、生きていてほしかった」」 文春オンライン「「集団リンチのような目にあっていた」“タカラジェンヌ飛び降り事件”有愛きい(25)が死の2日前に浴びた“上級生からの罵声”「マインドがないのか!」「嘘つき野郎」《劇団がパワハラ認める》」
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相次ぐ警察の重大ミス(その9)(ガーシー容疑者インスタの“ピースサイン”にSNSイライラ…捜査はその後どうなっている?、「自分の様子がおかしい」容疑者が事件の直前に警察に相談 宮城・栗原市の小学校で児童4人が軽トラックにはねられけが、勾留中にがん判明で死亡した大川原化工機元役員 「拘置所の医師に治療義務違反はない」の判決に遺族は「このままでは終われません」) [社会]

相次ぐ警察の重大ミスについては、昨年5月14日に取上げた。今日は、(その9)(ガーシー容疑者インスタの“ピースサイン”にSNSイライラ…捜査はその後どうなっている?、「自分の様子がおかしい」容疑者が事件の直前に警察に相談 宮城・栗原市の小学校で児童4人が軽トラックにはねられけが、勾留中にがん判明で死亡した大川原化工機元役員 「拘置所の医師に治療義務違反はない」の判決に遺族は「このままでは終われません」)である。

先ずは、昨年5月15日付け日刊ゲンダイ「ガーシー容疑者インスタの“ピースサイン”にSNSイライラ…捜査はその後どうなっている?」を紹介しよう。
https://www.nikkan-gendai.com/articles/view/geino/322936
・『《結局、ガーシーの方が一枚上手。ガーシーの代わりに先に逮捕された人も不起訴になるんじゃないの。》 芸能人らに対する暴力行為法違反(常習的脅迫)などの疑いで逮捕状が出ている元参院議員のガーシー容疑者(51歳、本名・東谷義和)が13日、自身のインスタグラムに「I'm fine」と書きウェイクサーフィンを楽しんでいる様子をアップ、ピースサインをし笑顔をみせた投稿したことに対し、SNS上では日本の捜査機関に対する批判の声が上がっている。 《日本の警察って何が目的なんでしょうね?この人を捕まえるのが目的だったのか、権力者の暴露をやめさすのが目的だったのか?》 《パスポートの効力を失効させて強制送還のシナリオはどうなったの?。いつまでもやりたい放題ってか》 《余裕じゃないこの人。警察は何やっているの》 どうやら、いまだに悠々自適の生活を送り続けるガーシー容疑者に対し、いらだちを覚えているようだが、実際の捜査はどうなっているのか。) 「潜伏先とされる現地ドバイに日本の捜査員が向かったのは確認されているのですが、どうやら所在が分からず、いったんは帰国したと聞いています。ただ、その後、現地で日本の武道を教えている警察関係者がいて、そのツテを頼りにガーシー容疑者の潜伏先が分かったとも聞いている。警察当局はガーシー容疑者のSNS投稿は捜査をかく乱する手段と理解しているから、ネットの反応、批判はどうでもいいとして、まずは確実に本人の身柄を抑えることを優先にしている。今も静かに捜査は続いているし、確実に本人に近づいていますよ」(警察庁担当記者) ガーシー容疑者は、逃げれば逃げるほど、罪が重くなると理解した方がよさそうだ』、「「潜伏先とされる現地ドバイに日本の捜査員が向かったのは確認されているのですが、どうやら所在が分からず、いったんは帰国したと聞いています。ただ、その後、現地で日本の武道を教えている警察関係者がいて、そのツテを頼りにガーシー容疑者の潜伏先が分かったとも聞いている・・・ガーシー容疑者は、逃げれば逃げるほど、罪が重くなると理解した方がよさそうだ」、その通りだ。
なお、その後の逮捕については、6月4日付け東京新聞「元参院議員のガーシー容疑者を逮捕 綾野剛さんらを動画サイトで脅迫した疑い UAEから帰国、成田では笑みも」
https://www.tokyo-np.co.jp/article/254657
記事の注目点は、「日本とUAEは犯罪人引渡条約を結んでおらず、東谷容疑者の帰国には相当高いハードルがあるとの見方が、当初から捜査関係者には広がっていた。 UAEの移民法では、旅券の失効が即座に強制送還につながるわけではない。警察庁は国際刑事警察機構(ICPO)を通じて国際手配の手続きを取ったが、どこまで現地当局の協力を得られるか不透明だった。 東谷容疑者は警視庁が逮捕状を取った直後、交流サイト(SNS)で「一生帰国しない覚悟ができた」と明言。現地で行動をともにする男性は本紙に「東さんは日本に帰らん。UAEでの生活に関しては100%問題ない」とのメッセージを寄せた。 膠着状態を打開したのが直接交渉だ。日本の警察当局が現地で直接、事案の重大性を伝えた上で「何とかして帰国させたい」と訴え、その後も調整を重ねた。急展開の逮捕劇に、捜査幹部は「早期の移送を働きかけてきた結果だと思う」と話した。(佐藤航)』、「日本の警察当局が現地で直接」「交渉」したのが、「膠着状態」「打開」のカギだったようだ。

次に、7月7日付けKHB東日本放送「「自分の様子がおかしい」容疑者が事件の直前に警察に相談 宮城・栗原市の小学校で児童4人が軽トラックにはねられけが」を紹介しよう。
・『宮城県栗原市の小学校で児童4人が軽トラックにはねられけがをした事件で、小野寺容疑者は事件の直前に「自分の様子がおかしいsいて」と警察に相談していたことがわかりました。 6日午後3時ごろ、栗原市の若柳小学校で児童4人が軽トラックにはねられけがをし、運転していた近くに住む小野寺章仁容疑者(34)が殺人未遂の疑いで逮捕されました。児童4人は全員、命に別状はありません。 小野寺容疑者は警察の調べに対し「人にわざと車をぶつけようとした」という趣旨の供述をしているということです。 市の教育委員会によりますと、小野寺容疑者は業者が搬入などで使う通用口から小学校に侵入し、児童をはねたことが分かりました。 通用口の門扉は当時、開いたままだったということです。保護者によりますとこの門扉は、普段も開いていることが多かったということです。 また、警察によりますと小野寺容疑者は事件の直前に「自分の様子がおかしい」と若柳警察署に相談していたということです』、いささか生煮えの記事ではあるが、「容疑者は事件の直前に「自分の様子がおかしい」と警察に相談」、その後の「警察」の対応はどうだったのだろう。「小学校」の「通用口の門扉は当時、開いたままだった」らしいが、いまどきにしては不用心だ。

第三に、4月2日付けデイリー新潮が掲載したジャーナリストの粟野仁雄氏による「勾留中にがん判明で死亡した大川原化工機元役員 「拘置所の医師に治療義務違反はない」の判決に遺族は「このままでは終われません」」を紹介しよう。
https://www.dailyshincho.jp/article/2024/04020600/?all=1
・『2020年3月、「生物兵器の製造に転用可能な機械を中国へ不正輸出した」という容疑で大川原化工機(神奈川県横浜市)の大川原正明社長(74)ら3人が警視庁公安部に逮捕された冤罪事件。長期勾留の末に癌で亡くなった同社元顧問の相嶋静夫さん(享年72)の遺族が「拘置所での医療が適切でなかった」として1000万円台の損害賠償を国に求めていた裁判で、東京地裁(男澤聡子裁判長)は「拘置所の診療行為は合理的で、違法性はない」として訴えを棄却した』、「東京地裁・・・は「拘置所の診療行為は合理的で、違法性はない」として訴えを棄却」、ずいぶんあっさりと「却下」したものだ。
・『「棄却します」の一言で終わり  この日は抽選もなく傍聴席に座ることができた。午後1時15分、テレビ局の代表撮影が終わると男澤裁判長は「主文、原告らの請求を棄却します」と話し、2人の陪席裁判官とともにさっと退廷した。 初めて裁判を傍聴したという女性が「さっぱりわからない。判決内容はどうなっているんですか」などと筆者に尋ねてきた。「刑事裁判は口頭主義ですが民事裁判はこういうのも多いんです」とかなんとか説明したものの、筆者とて判決の概要はさっぱり分からない。弁護士の記者会見を待った。 相嶋さんの長男(50)と原告代理人の高田剛弁護士が東京・霞が関の司法記者クラブで会見を行った。 長男は「想定していた中で最悪の判決。非常に残念な結果。癌がわってからの(父の)苦しみを裁判所に十分に理解してもらえなかった」と怒りを見せた』、少なくとも「却下」理由は明確にすべきだ。
・『胃痛はよくあるもの  争点は拘置所内の処置や判断である。 原告側は「拘置所に入った直後の血液検査の結果を受けた対応が不十分だった」「胃が痛いと訴えた後、経過観察するだけですぐに内視鏡検査もしなかった」「外部の病院に入院させるべきだった」などと主張し、そうしたことをしなかった拘置所の落ち度を指摘していた。 しかし、判決では「刑事施設ではストレスから胃痛はよくあり、薬を処方したうえで経過観察としたのは一般的な医療措置。医学的に合理性がある」「拘置所の医師に治療義務違反はない」などとして拘置所の医療処置の過失を否定した』、「「刑事施設ではストレスから胃痛はよくあり、薬を処方したうえで経過観察としたのは一般的な医療措置。医学的に合理性がある」「拘置所の医師に治療義務違反はない」、などの判断は余りに冷淡だ。
・『拘置所での医療はずいぶん違う  相嶋さんは20年3月に逮捕され、その年の9月末に貧血で倒れて拘置所内で輸血を受けた。10月6日、医師の検査で胃に悪性の腫瘍が判明。このため高田弁護士は再三、地裁に保釈申請したが却下され続け、11月になってようやく勾留の一時停止が認められ、横浜市内の病院に入院することができた。しかし、治療は手遅れで、翌21年2月7日に亡くなった。 東京地検が異例の「起訴取り消し」を行ったのはその年の7月。相嶋さんは生存中に汚名を晴らせず、「刑事被告人」のレッテルを貼られたまま亡くなったのだ。 在りし日の相嶋さんの写真を机に立てて会見に臨んだ長男は、拘置所での医療と一般の病院での医療を受けた患者の生存率の差異を示すグラフを見せた。 その上で「拘置所では(一般的な意味の)医療がなされていないと思います。一般社会で病気になった人への治療と、拘置所での医療がずいぶん違う。そのことを裁判所が追認してしまった。拘置所側の考察が非常に浅い」と批判した。 会見を見守っていた相嶋さんの妻は「どうして主人は死ななくてはならなかったのか。このままでは終われません。真相がわかるまで闘いたいです」と話した』、「逮捕され、その年の9月末に貧血で倒れて拘置所内で輸血を受けた。10月6日、医師の検査で胃に悪性の腫瘍が判明。このため高田弁護士は再三、地裁に保釈申請したが却下され続け、11月になってようやく勾留の一時停止が認められ、横浜市内の病院に入院することができた」、「胃に悪性の腫瘍が判明」した段階で、「保釈申請」を認めていれば、一命をとりとめたのかも知れない。
・『信念を曲げなかった相嶋さん  原告側は拘置所の不適切な医療と相嶋さんと死亡との因果関係も争点にしていたが「判決は処置が適法とするだけで因果関係までいかずに済まされてしまった」と高田弁護士は不満を表した。 相嶋さんの勾留期間は11カ月。この間、8回の保釈請求はすべて退けられた。嫌疑を認めれば釈放されるが、認めなければいつまでも勾留する。相嶋さんは絶対に信念を曲げず、「不正輸出」の容疑を認めなかった。まさに被疑者、被告人を長期間勾留し、身体を人質にして自白を引き出そうとする「人質司法」を地でゆく悲劇だった。 高田弁護士は「ひとたび拘置所に入れられれば、一般的な水準の医療を受けられないばかりか、自分の健康情報にアクセスすらできない。お金があろうがなかろうが拘置所では関係ない。誰でもこういうことになる可能性があるんですよ」と話した。 検察側が保釈させない理由は、口裏合わせなどの「罪証隠滅」があるからだ。大川原社長、相嶋さんとともに逮捕された元取締役の島田順司さん(70)については、関係する社員と接触しないという条件で保釈を認めようとしたが、別の裁判部が「口裏合わせをする疑いがある」として認めなかった経緯もあったという。 もう一つは「逃亡」である。重病人の相嶋さんが逃亡することはありえないが、審理の過程で東京地検は日産自動車前会長のカルロス・ゴーン被告の国外逃亡も例示して保釈に反対していた』、「相嶋さんの勾留期間は11カ月。この間、8回の保釈請求はすべて退けられた。嫌疑を認めれば釈放されるが、認めなければいつまでも勾留する。相嶋さんは絶対に信念を曲げず、「不正輸出」の容疑を認めなかった。まさに被疑者、被告人を長期間勾留し、身体を人質にして自白を引き出そうとする「人質司法」を地でゆく悲劇だった・・・検察側が保釈させない理由は、口裏合わせなどの「罪証隠滅」があるからだ。大川原社長、相嶋さんとともに逮捕された元取締役の島田順司さん(70)については、関係する社員と接触しないという条件で保釈を認めようとしたが、別の裁判部が「口裏合わせをする疑いがある」として認めなかった経緯もあったという。 もう一つは「逃亡」である。重病人の相嶋さんが逃亡することはありえないが、審理の過程で東京地検は日産自動車前会長のカルロス・ゴーン被告の国外逃亡も例示して保釈に反対していた」、「「人質司法」を地でゆく悲劇だった」、言い得て妙だ。
・『裁判官が輪番制で判断  NHKは3月21日放送の「時論公論」でこの裁判を取り上げた。解説委員は刑事訴訟法(89条)では保釈却下の条件として「罪証を隠滅すると疑うに足りる相当な理由」とされているのを検察が「罪証隠滅の“おそれ”」にすり替え裁判所もそれを追認してしまっているなどと指摘していた。 保釈申請の扱いは裁判官が判断するが、これは逮捕令状の発布と同様、裁判官の輪番制なので大川原化工機の事件でも20人以上の裁判官が関わっている。却下し続けたことが相嶋さんの命を奪ったのであれば、どの時点でどの裁判官が判断したかということはわかるのだろうか。わかるのなら相嶋さんの遺族が却下した裁判官を訴えることはできないのだろうか。 気になったので、後日、高田弁護士に訊いてみた。 「保釈請求却下の決定書はそのたびに担当裁判官の名が書かれているので、訴訟の当事者には誰かはわかります。裁判官は国家公務員ですので、その判断が著しく不相当である場合は国を相手に訴訟を起こし、裁判官を証人として出廷させることが理論的には考えられます。とはいえ、裁判官の責任を追及するハードルはかなり高いですね」(高田弁護士) 裁判官は医師ではないが、ある意味、人の命を預かっているのである。「独立性」が守られているだけに、輪番制であってもそういう意識を持って向き合ってほしい』、国会の弾劾裁判所が仙台高裁の裁判官に対し「弾劾」判決を下したが、残念ながら結論だけで理屈づけに欠けるものだった。
・『調書を破棄したとして刑事告発  さらに、3月25日、大川原化工機側は元役員の島田さんの取り調べの際に「取調官が故意に文書を破棄した」として、文書を破棄したとされる安積(あさか)伸介警部補(現警部)と上司の宮園勇人警視に対し公用文書毀棄などの容疑で警視庁に告訴状を提出した。 20年3月、島田さんは逮捕直後に取られた弁解録取書について、文面が話した内容と異なっていたため「修正してください」と求めた。安積刑事はパソコンで修正した振りをして島田さんに署名させた。その後、この調書はシュレッダーにかけて廃棄され、同刑事は「誤って破棄した」と報告した。 大川原化工機が国と都を相手取った損害賠償請求訴訟では、昨年6月、公安部の同僚刑事が「捏造です」と証言。東京地裁は昨年12月、都と国の過失を認めて大川原化工機など原告側に合わせて1億6200万円の支払いを命じた。この判決の中で調書を「過失によって破棄したというのは不自然」と指摘された。 告訴に際して島田さんは「捜査員らを罰しようというより、組織内部で検証していただきたいという思いが強い。自分たちの持つ公権力の大きさを認識してほしい」と話した。 原告が勝訴した損害賠償請求訴訟も今年に入って双方が控訴している。大川原化工機の冤罪事件をめぐる攻防はまだまだ続く』、「弁解録取書について、文面が話した内容と異なっていたため「修正してください」と求めた。安積刑事はパソコンで修正した振りをして島田さんに署名させた。その後、この調書はシュレッダーにかけて廃棄され、同刑事は「誤って破棄した」と報告した・・・判決の中で調書を「過失によって破棄したというのは不自然」と指摘された・・・原告が勝訴した損害賠償請求訴訟も今年に入って双方が控訴している。大川原化工機の冤罪事件をめぐる攻防はまだまだ続く」、「警察」や「検察」側の不手際をもっと明らかにしてもらいたいものだ。 
タグ:原告が勝訴した損害賠償請求訴訟も今年に入って双方が控訴している。大川原化工機の冤罪事件をめぐる攻防はまだまだ続く」、「警察」や「検察」側の不手際をもっと明らかにしてもらいたいものだ。 「弁解録取書について、文面が話した内容と異なっていたため「修正してください」と求めた。安積刑事はパソコンで修正した振りをして島田さんに署名させた。その後、この調書はシュレッダーにかけて廃棄され、同刑事は「誤って破棄した」と報告した・・・判決の中で調書を「過失によって破棄したというのは不自然」と指摘された・・・ 、国会の弾劾裁判所が仙台高裁の裁判官に対し「弾劾」判決を下したが、残念ながら結論だけで理屈づけに欠けるものだった。 したが、別の裁判部が「口裏合わせをする疑いがある」として認めなかった経緯もあったという。 もう一つは「逃亡」である。重病人の相嶋さんが逃亡することはありえないが、審理の過程で東京地検は日産自動車前会長のカルロス・ゴーン被告の国外逃亡も例示して保釈に反対していた」、「「人質司法」を地でゆく悲劇だった」、言い得て妙だ。 「相嶋さんの勾留期間は11カ月。この間、8回の保釈請求はすべて退けられた。嫌疑を認めれば釈放されるが、認めなければいつまでも勾留する。相嶋さんは絶対に信念を曲げず、「不正輸出」の容疑を認めなかった。まさに被疑者、被告人を長期間勾留し、身体を人質にして自白を引き出そうとする「人質司法」を地でゆく悲劇だった・・・検察側が保釈させない理由は、口裏合わせなどの「罪証隠滅」があるからだ。大川原社長、相嶋さんとともに逮捕された元取締役の島田順司さん(70)については、関係する社員と接触しないという条件で保釈を認めよう 「逮捕され、その年の9月末に貧血で倒れて拘置所内で輸血を受けた。10月6日、医師の検査で胃に悪性の腫瘍が判明。このため高田弁護士は再三、地裁に保釈申請したが却下され続け、11月になってようやく勾留の一時停止が認められ、横浜市内の病院に入院することができた」、「胃に悪性の腫瘍が判明」した段階で、「保釈申請」を認めていれば、一命をとりとめたのかも知れない。 KHB東日本放送「「自分の様子がおかしい」容疑者が事件の直前に警察に相談 宮城・栗原市の小学校で児童4人が軽トラックにはねられけが」 「日本の警察当局が現地で直接」「交渉」したのが、「膠着状態」「打開」のカギだったようだ。 6月4日付け東京新聞「元参院議員のガーシー容疑者を逮捕 綾野剛さんらを動画サイトで脅迫した疑い UAEから帰国、成田では笑みも」 https://www.tokyo-np.co.jp/article/254657 「「刑事施設ではストレスから胃痛はよくあり、薬を処方したうえで経過観察としたのは一般的な医療措置。医学的に合理性がある」「拘置所の医師に治療義務違反はない」、などの判断は余りに冷淡だ。 少なくとも「却下」理由は明確にすべきだ。 「東京地裁・・・は「拘置所の診療行為は合理的で、違法性はない」として訴えを棄却」、ずいぶんあっさりと「却下」したものだ。 粟野仁雄氏による「勾留中にがん判明で死亡した大川原化工機元役員 「拘置所の医師に治療義務違反はない」の判決に遺族は「このままでは終われません」」 デイリー新潮 いささか生煮えの記事ではあるが、「容疑者は事件の直前に「自分の様子がおかしい」と警察に相談」、その後の「警察」の対応はどうだったのだろう。「小学校」の「通用口の門扉は当時、開いたままだった」らしいが、いまどきにしては不用心だ。 「「潜伏先とされる現地ドバイに日本の捜査員が向かったのは確認されているのですが、どうやら所在が分からず、いったんは帰国したと聞いています。ただ、その後、現地で日本の武道を教えている警察関係者がいて、そのツテを頼りにガーシー容疑者の潜伏先が分かったとも聞いている・・・ガーシー容疑者は、逃げれば逃げるほど、罪が重くなると理解した方がよさそうだ」、その通りだ。 日刊ゲンダイ「ガーシー容疑者インスタの“ピースサイン”にSNSイライラ…捜査はその後どうなっている?」 (その9)(ガーシー容疑者インスタの“ピースサイン”にSNSイライラ…捜査はその後どうなっている?、「自分の様子がおかしい」容疑者が事件の直前に警察に相談 宮城・栗原市の小学校で児童4人が軽トラックにはねられけが、勾留中にがん判明で死亡した大川原化工機元役員 「拘置所の医師に治療義務違反はない」の判決に遺族は「このままでは終われません」) 相次ぐ警察の重大ミス
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機能性表示食品制度(その4)(「紅麹」と醤油や酒の醸造用「麹」の決定的な違い そもそも「麹」とはどのようなものかを解説、小林製薬はなぜ「紅麹の健康被害」の発表を2カ月寝かせてしまったか?日本企業あるあるの罠、小林製薬「紅麹」サプリの被害が拡大…「機能性表示食品」制度検討は安倍政権下の規制改革会議からだった、専門家が指摘「紅麹問題」で表出する"重要な視点" 2014年には欧州でサプリによる健康被害の報告) [社会]

機能性表示食品制度については、2017年4月10日に取上げた。今日は、(その4)(「紅麹」と醤油や酒の醸造用「麹」の決定的な違い そもそも「麹」とはどのようなものかを解説、小林製薬はなぜ「紅麹の健康被害」の発表を2カ月寝かせてしまったか?日本企業あるあるの罠、小林製薬「紅麹」サプリの被害が拡大…「機能性表示食品」制度検討は安倍政権下の規制改革会議からだった、専門家が指摘「紅麹問題」で表出する"重要な視点" 2014年には欧州でサプリによる健康被害の報告)である。

先ずは、本年3月27日付け東洋経済オンラインが掲載した糀屋三左衛門 ・第29代当主の村井 裕一郎氏による「「紅麹」と醤油や酒の醸造用「麹」の決定的な違い そもそも「麹」とはどのようなものかを解説」を紹介しよう。
https://toyokeizai.net/articles/-/743859
・『サプリメントによる健康被害の問題で「紅麹」という言葉が連日ニュースに登場するようになりました。原因とされる「未知の成分」の実態や混入経路は特定されていませんが、そもそも「麹」がどのようなものか、ニュースを見て気になった人もいるのではないでしょうか。今回の件とは別に一般的に「紅麹」と発酵食品で使用される「麹」とはどう異なるのか、室町時代から600年続く種麹メーカーの第29代当主であり『ビジネスエリートが知っている 教養としての発酵』の著者である村井裕一郎氏が解説します』、「紅麹」、「麹」については、殆ど知識がないので、大助かりだ。
・『そもそも「麹」とはいったい何か  「麹」とは、米や麦や豆などの穀物に麹菌を生やしたもののことです。米に麹菌が生えれば米麹、麦に麹菌が生えれば麦麹、豆に麹菌が生えれば豆麹、となります。 食卓調味料として使われる塩麹、醤油麹、コンソメ麹などは、それぞれ、塩や醤油、野菜などを麹と混ぜた調味料や料理の名前になります。これは麹と他の食材を混ぜたものであって、「穀物に麹菌を生やしたもの」という本来の麹の定義とは異なります。 では、麹は味噌、醤油、清酒といった醸造食品造りの中でどのように用いられるのでしょうか?醸造食品においては、麹は酵素の供給源としての役割が大きいです。例えば、日本の清酒造りでは、麹の持つ酵素の力によって、原料であるお米のデンプンが分解され糖になり、その糖を酵母が食べてアルコールを生産します。 今回注目されている紅麹ですが、紅麹は一般的な味噌や醤油、清酒、焼酎などに使われる麹とは生物学的にも異なる菌を使用しており、また、食品として利用される主な目的も異なります。 紅麹は穀物(主に米)に紅麹菌を生やしたものです。紅麹はその名のとおり赤い色をしており、色素、着色料としても用いられてきました。沖縄の「豆腐よう」などが紅麹を使った有名な食品です。また、近年では抽出した色素が着色料としてさまざまな食品に用いられています。) 先述のように麹とは「穀物に麹菌を生やしたもの」です。そのため、紅麹も「麹」となります。 一般的な味噌や醤油、清酒、焼酎などに使う麹菌には「アスペルギルス属」と呼ばれるカビの仲間が多く用いられています。それに対して、紅麹に使う紅麹菌は「モナスカス属」と呼ばれるカビの仲間が用いられます』、「一般的な味噌や醤油、清酒、焼酎などに使う麹菌には「アスペルギルス属」と呼ばれるカビの仲間が多く用いられています。それに対して、紅麹に使う紅麹菌は「モナスカス属」と呼ばれるカビの仲間が用いられます」、なるほど。
・『生物学的に異なる菌でも「麹」と呼ばれる背景  そもそも、私たち人間は、微生物学が発展する前から発酵食品を作ってきました。そのため、生物学的な定義の正確さより、それぞれの文化の中で慣習的に呼んでいた言葉が反映されていることも多くあります。 竹を食べることから、レッサーパンダの大きな新種だと思ってジャイアントパンダと名付けても、レッサーパンダはレッサーパンダ科で、ジャイアントパンダはクマ科だったりします(中国ではレッサーパンダが成長するとジャイアントパンダになると考えられていた地域があるそうです)。 微生物学的には別の種であっても、穀物にカビが生えて、それを食べたらおいしかったという体験が共通していれば、同じように麹と慣用的に呼んでしまうのは自然なことだと思います。 なお、アスペルギルス属をさらに細かく見ていくと、味噌、醤油、清酒などに幅広く用いられる「アスペルギルス オリゼー」と呼ばれる種、特に醤油に用いられる「アスペルギルス ソーヤ」、焼酎や泡盛に用いられる「アスペルギルス ルチエンシス」などがあります。また、日本の発酵食品には使われない「アスペルギルス フラバス」、「アスペルギルス ナイジャー」という種などもあります。) それでは、ここで、整理のために「麹菌」の定義の話をしましょう。まず、麹菌の示す範囲については広義に示すものと、狭義に示すものがあります。 広義的に麹菌の指し示す範囲として、「麹を作るための糸状菌(カビ)を総称して麹菌と呼ぶ」というものがあります。 ここには、日本の醸造食品に一般に使われる麹菌(アスペルギルス属の仲間)も、今回の紅麹(モナスカス属)も入ります。あるいは、中国の麹(曲)に使われるクモノスカビと呼ばれるカビなどが入る用例もあります』、「広義的に麹菌の指し示す範囲として、「麹を作るための糸状菌(カビ)を総称して麹菌と呼ぶ」というものがあります」、なるほど。
・『日本醸造学会が定めた「?菌」はわずか  次に、狭く麹菌の語句の示す範囲の定義としては、日本醸造学会が麹菌を「国菌」(日本を代表するものとして選ばれた菌)と認定した際に定めた定義があります。 ?菌とは、わが国で醸造及び食品等に汎用されている次の菌をいう。 (1)和名を黄?菌と称する Aspergillus oryzae。 (2)黄?菌(オリゼー群)に分類される Aspergillus sojaeと黄?菌の白色変異株。 (3)黒?菌に分類される Aspergillus luchuensis(Aspergillus luchuensis var. awamori)及び黒?菌の白色変異株である白?菌 Aspergillus luchuensis mut. kawachi(Aspergillus kawachii)。 注)Aspergillus niger(クロカビ)は、黒?菌とは異なる菌種であり、?菌には含めない。 平成 18 年 10 月 12 日 日本醸造学会 平成 25 年 11 月 28 日 一部改正(菌名変更) 端的に言えば、アスペルギルス属のなかでも、オリゼー、ソーヤ、ルチエンシス、ルチエンシス ミュート カワチに限るとされています。 そして、アスペルギルス属には他に「アスペルギルス フラバス」「アスペルギルス ナイジャー」など日本の醸造食品には用いられない複数の種が属していますが、それらは、国菌としての麹菌の定義から外れます。なお、私が麹菌という語を使う際はできる限り断りを入れたうえで、この狭義の定義を用いることが多いです。) 狭義の麹菌の定義から外れた「アスペルギルス フラバス」という種は、アフラトキシン、オクラトキシンなどのカビ毒を出すことで知られています。しかし、このフラバスは、日本の醸造食品には用いられません。日本醸造学会が定めた狭義の麹菌は、カビ毒を生産しないことが遺伝子レベルで確認されています。 なぜ、オリゼーなどがこれらのカビ毒を出す能力を持たないのか、つまり、人間が使いやすい菌になったのか、あるいは、自然界から人間がどのようにオリゼーなどを選び取ったのかについてはさまざまな説があります』、「狭く麹菌の語句の示す範囲の定義としては、日本醸造学会が麹菌を「国菌」・・・と認定した際に定めた定義があります」、なるほど。
・『シトリニンを生産する能力を失った菌株を使用  そして、紅麹菌(モナスカス属)ですが、欧州委員会規制(EC)が基準値を定めているように、一部はシトリニンというカビ毒を出すとされています。しかし、現在ではゲノムの解明が進んでおり、小林製薬のサイトでも、紅麹の製造においてはシトリニンを生産する能力を失った菌株が用いられていると説明されています。 なお、日本で醸造食品に使われる狭義の麹菌にあたる、「アスペルギルス オリゼー」などからもシトリニンが生成されたという報告はありません。 記事公開時点において、今回の小林製薬の問題で原因物質、および混入経路は特定されておりません。紅麹菌の生成物に由来するのか、それとも紅麹菌にする前の原料の時点で何かが生じていたのか、あるいは、人為的設備的な要因によるものなのか、さまざまな可能性を検討し調査している段階と認識しています。 日本で扱われている「麹」「紅麹」そのものが問題となっているわけではない点に注意が必要です』、「紅麹菌(モナスカス属)ですが、欧州委員会規制(EC)が基準値を定めているように、一部はシトリニンというカビ毒を出すとされています。しかし、現在ではゲノムの解明が進んでおり、小林製薬のサイトでも、紅麹の製造においてはシトリニンを生産する能力を失った菌株が用いられていると説明されています・・・今回の小林製薬の問題で原因物質、および混入経路は特定されておりません。紅麹菌の生成物に由来するのか、それとも紅麹菌にする前の原料の時点で何かが生じていたのか、あるいは、人為的設備的な要因によるものなのか、さまざまな可能性を検討し調査している段階と認識しています」、なるほど。

次に、3月28日付けダイヤモンド・オンラインが掲載したノンフィクションライターの窪田順生氏による「小林製薬はなぜ「紅麹の健康被害」の発表を2カ月寝かせてしまったか?日本企業あるあるの罠」を紹介しよう。
https://diamond.jp/articles/-/341136
・『社長「覚悟」していたのに…「紅麹」は10年前にも注意喚起  「そういえば、この前亡くなったおじいちゃんも確かあんなサプリメントを飲んでたような…」 「ねえ、この前食べたお菓子にも紅麹が入ってたみたいだよ。ヤバくない?」 連日の報道によって「紅麹の恐怖」が、日本社会にじわじわと広がっている中で、「被害者」の数も急速に膨れ上がっている。 「紅麹」の成分などを含んだ小林製薬のサプリメントを摂取した人たちが、腎臓の病気などを発症しているという問題を受けて、厚生労働省は同社から2人目の死亡事例が報告されたと発表した。  亡くなった一人は「紅麹コレステヘルプ」を3年間にわたって35袋服用していたという。報道を受けて遺族から3月23日の夜にメールがあったが、週明けの25日になってそれが確認され、サプリメント摂取と死亡に因果関係が疑われるとして調査を進めている。 小林製薬の窓口には、製品を摂取した人からおよそ3000件以上の健康相談が寄せられたほか、入院が必要になった人がこれまでに106人いたと報告されている(3月27日現在)。このような「被害」が広がっていくにつれ、小林製薬の「対応の遅さ」にも批判が強まっている。 実は、小林製薬に、腎疾患の被害報告が医師から入ったのは1月15日だ。そこから入院事例が増えていって、小林章浩社長のもとに報告をされたのは2月6日。記者会見で小林社長は、当時の心境をこう振り返っている。 「私はおそらく2月6日に聞いている。その時点で、この案件については何らかの形で回収になるだろうという覚悟を持ちました」(FNNプライムオンライン3月25日) こういう「覚悟」を抱くのは当然だ。実は、紅麹は2014年、内閣府・食品安全委員会が「健康被害が報告されているので危ないですよ」と注意喚起を行なっている。紅麹菌を由来とするサプリメントの摂取が原因と疑われる健康被害がヨーロッパで報告されていたからだ。 つまり、サプリメントを扱う人々にとって、紅麹サプリメントの入院報告は「青天のへきれき」ではなく、「恐れていたことがやってきた」という反応だ。だから、小林社長は報告を受けた段階で「回収」という企業にとって大きな決断の「覚悟」を持つことができたのだろう。 しかし、ここから多くの人が、首を傾げる奇妙なことが起きる』、「小林製薬に、腎疾患の被害報告が医師から入ったのは1月15日だ。そこから入院事例が増えていって、小林章浩社長のもとに報告をされたのは2月6日・・・紅麹は2014年、内閣府・食品安全委員会が「健康被害が報告されているので危ないですよ」と注意喚起を行なっている。紅麹菌を由来とするサプリメントの摂取が原因と疑われる健康被害がヨーロッパで報告されていたからだ。 つまり、サプリメントを扱う人々にとって、紅麹サプリメントの入院報告は「青天のへきれき」ではなく、「恐れていたことがやってきた」という反応だ」、なるほど。
・『遅れた自主回収、大企業の「致命的な判断ミス」  2月6日、小林社長が回収の覚悟を決めてから、実際に小林製薬が自主回収を発表したのは3月22日だ。驚くなかれ、トップが「覚悟」を決めてから、それを実行に移すまでになんと約1カ月半も時間を費やしているのだ。ちなみに、大阪市保健所と消費者庁への相談も3月22日の発表直前だったという。 2月6日の「覚悟」は、なぜこんなにもたっぷりと寝かせられたのか。 会社側の説明によると、自主回収が遅れた理由は「人手不足」だ。記者会見で渡辺淳執行役員は「調査にかける人員が限られ、製品が原因で症状が起こったと特定できなかった」と説明しているのだ。 ただ、これは一般消費者の感覚からすれば、「は?世の中をナメているのか?」とかなりイラッとくる説明だろう。 厚労省や大阪市が激怒しているように、世間一般の感覚では入院事例も報告されている段階で、被害拡大を食い止めるためには、とにもかくにもまずは事実の公表をして自主回収をすることが「正解」だ。しかし、小林製薬は調査に1カ月半以上も費やして、公表を後回しにした。これを「致命的な判断ミス」と批判する評論家や専門家も多い。 では、なぜ小林製薬ほどの大企業が世間の多くの人たちが「悪手」だと思う道へ突き進んだのか。なぜ誰もが真っ先に優先すべきだと思う「被害拡大防止」を後回しにしてしまったのか』、「会社側の説明によると、自主回収が遅れた理由は「人手不足」だ。記者会見で渡辺淳執行役員は「調査にかける人員が限られ、製品が原因で症状が起こったと特定できなかった」と説明しているのだ」、「自主回収が遅れた理由は「人手不足」」とは驚くべき言い訳だ。
・『日本企業あるある、「公表をしぶる」4つの理由  いろいろなご意見があるだろうが、実際にこのような「健康被害」を出した企業の危機管理をサポートした経験から言わせていただくと、この原因は経営陣や部門責任者の誤解によるところが大きい。 それは「事実確認や原因究明をしっかりとすることこそが、危機管理である」という誤解だ。 危機管理において、事実確認や原因究明は重要だ。しかし、そこに執着するあまり、事実確認や原因究明ができないと一歩も動けず、思考停止してしまうのである。 相手がいることなので、あまり詳しい事は言えないが、筆者は過去に今回のような「自主回収」の決断をした企業の危機管理のサポートをいくつか経験したことがある。 そこでは程度の違いはあるが、ほとんどの企業が問題を把握してから「調査」に時間を費やして「自主回収」を公表するまで1?2カ月をかけている。 つまり、今回の小林製薬のように「事実確認」や「原因究明」に執着するあまり、やるべきことを後回しにしてしまうのだ。これは日本企業の中では極めてベタな対応というか「危機管理あるある」と言っていい。 このような日本企業の思考停止を後押しするのが、組織内の「同調圧力」だ。「一刻も早く公表すべき」という声が出ても、経営幹部や部門責任者らが握りつぶすのである。 ある会社で筆者も社長に意見を求められたので、「被害拡大防止を優先するために早く公表すべきでは」と答えたら、品質部門の責任者やら、営業担当役員やらに「現実的ではない」「そんなことをしたら大混乱になる」と大目玉をくらった。 では、なぜ彼らがそこまで公表をしぶるのか。 ああでもないこうでもないと「公表できない理由」を並べてくるのだが、筆者が直接耳にした理由をまとめると、ざっとこんなところだ。 ・原因をある程度特定しないと、取引先から「他の製品も危ないのでは?」という不安が拡大して会社の信用に関わる ・自治体や監督官庁に対して自主回収の背景を説明するのにも「まだわかりません」というのはあり得ない ・自主回収後、謝罪行脚をする現場の社員たちに「何もわかりません」と手ぶらで戦わせるわけにはいかない ・自主回収を公表する記者会見で社長が、「まだ何もわかりません」を繰り返したら社会が不安になって大炎上してしまう  これを読んでいただければわかるように、「調査優先派」の基本的なスタンスとしては、急いで公表をしたところで、会社として何も説明できないので、かえってステークホルダー(利害関係者)を不安に陥れてパニックにさせてしまうというものだ。 そうならないために、まずは事実確認や原因究明をしっかりとやる。そして、ある程度、情報が集まってきて、会社として説明ができる状況になったら満を持して公表する。消費者や取引先はもちろん、自治体や監督官庁の疑問や不安にも対応できるので、パニックも起こらない。こういう丁寧なプロセスを踏んだ情報発信こそが、「危機」をコントロールすることではないか、と彼らは考えている』、「まずは事実確認や原因究明をしっかりとやる。そして、ある程度、情報が集まってきて、会社として説明ができる状況になったら満を持して公表する」というような「丁寧なプロセスを踏んだ情報発信こそが、「危機」をコントロールすることではないか、と彼らは考えている」、なるほど。
・『「わかっちゃいるけど、やめられねぇ」遅い決断  ただ、賢明な読者は気づくだろう。これらのスタンスは一見すると、消費者や取引先など「組織外の人たち」のことを配慮しているようで、実のところは「組織内の人たち」の立場や面子を守ることを優先している。 いくらきれい事を言っても、やはりみなサラリーマンなので、何か問題が起きた時に責任を負わされたくない。そこで、各部署が「戦犯」として吊し上げられないように、万全の準備をしているだけだ。消費者や社会のことを第一に考えているのではなく「保身」である。 例えば、開発部門は自分たちの責任にならないように、「原因を究明する時間が欲しい」と言う。品質管理部門も「なぜ問題を見落としてしまったのか検証する時間が欲しい」と言う。営業部門も「取引先への根回しや、説明できるだけの客観的なデータなどが欲しい」と言う。こういう組織内の声を全て平等に吸い上げて対応をすると、時間はいくらあっても足りない。 筆者も、ある企業で、問題が発覚してから自主回収までどれくらい時間がかかるかという会議に参加をしたことがあるが、各部門にそれぞれ準備期間を答えさせて、スケジュールを調整したら、「自主回収は2カ月後」という結果になってあ然とした経験がある。 今回、小林製薬は1月15日に最初の医師の報告を受けてから、3月22日の自主回収まで2カ月以上費やしている。世間は「遅きに失する」と批判しているが、企業危機管理の現実を目の当たりにしてきた筆者からすれば、それほど驚くようなものではなく「まあそんなものでしょうね」という感じだ。 よく日本企業は「決断のスピード」が遅いと言われる。例えば、よく聞くのは、アメリカ・シリコンバレーのスタートアップが、日本企業と商談をしても、「一旦会社に持ち帰らせてもらいます」と言われて何カ月も寝かされて愛想を尽かすなんて話だ。中国企業がサクサクと進めるビジネスを、日本企業の場合、社内決済まで半年かかるなんて笑い話もある。 これは危機管理の現場でも本当に多い。一刻も早く決断や公表をしないと致命的なダメージを負うのは目に見えているのに、「決断できない理由」を並べて放置をする。結果、目も当てられない大炎上に至る企業をいくつも見てきた。 その中でもっとも恐ろしいのは、筆者のような外部のコンサルがいくら強く指摘をしても、「まあ、うちはこういう会社なんで」という感じで経営幹部まであきらめている会社だ。 実際、今回の記者会見でも小林社長は「判断が遅かったと言われれば、その通りです」と、うなだれている。組織内の論理を踏まえると、判断を早くすることは不可能だと、はなからあきらめているようにも聞こえる。 昭和の名曲「スーダラ節」の中に「わかっちゃいるけど、やめられねぇ」という有名な歌詞があるが、まさにその境地である。 「わかっちゃいるけど、対応の遅さをやめられない」――。企業危機管理担当者のみなさんは、「保身」に流れがちな組織内の同調圧力に屈することなく、迅速な対応を目指していただきたい』、「もっとも恐ろしいのは、筆者のような外部のコンサルがいくら強く指摘をしても、「まあ、うちはこういう会社なんで」という感じで経営幹部まであきらめている会社だ。 実際、今回の記者会見でも小林社長は「判断が遅かったと言われれば、その通りです」と、うなだれている。組織内の論理を踏まえると、判断を早くすることは不可能だと、はなからあきらめているようにも聞こえる。 昭和の名曲「スーダラ節」の中に「わかっちゃいるけど、やめられねぇ」という有名な歌詞があるが、まさにその境地である。 「わかっちゃいるけど、対応の遅さをやめられない」――。企業危機管理担当者のみなさんは、「保身」に流れがちな組織内の同調圧力に屈することなく、迅速な対応を目指していただきたい」、その通りだ。

第三に、3月28日付け日刊ゲンダイ「小林製薬「紅麹」サプリの被害が拡大…「機能性表示食品」制度検討は安倍政権下の規制改革会議からだった」を紹介しよう。
https://www.nikkan-gendai.com/articles/view/life/338081
・『「健康の維持・増進」をうたった「機能性表示食品」で死亡につながったと疑われる事例は初めてだ。 小林製薬(大阪市)の「紅麹」を配合したサプリメントを摂取し、これまでに腎疾患などで2人が死亡、106人が入院していた問題。 厚生労働省は26日、大阪市に対し、食品衛生法に基づく製品の廃棄命令などの措置を取るよう通知。同じ成分を含む可能性がある商品を取り扱っていた他の食品メーカーらも自主回収に乗り出すなど対応に追われている。被害は一体どこまで拡大するのか。 内閣委員会調査室のレポートなどによると、「機能性表示食品」は2013年1月、当時の安倍首相の諮問機関として発足した規制改革会議が「付加価値の高い農産物・加工品の開発を促進する観点から、ヒトによる治験を経て、健康増進に対するエビデンスが認められた素材を含有する健康食品について、その効能・効果に関する表示を認めるべきではないか」として、「一般健康食品の機能性表示の容認」を検討課題に取り上げたことが発端だ。) その後、同会議などで複数回の議論を経て、消費者庁は14年8月に食品表示法に基づく「食品の新たな機能性表示制度に係る食品基準案」を公表。安倍首相が同10月、消費者委員会に対し、食品表示基準を定めることについて諮問。同委員会が食品安全委員会との連携の確保などを条件に諮問案を適当とする内容を答申し、15年4月から「機能性表示食品」制度が創設された』、「消費者庁は14年8月に食品表示法に基づく「食品の新たな機能性表示制度に係る食品基準案」を公表。安倍首相が同10月、消費者委員会に対し、食品表示基準を定めることについて諮問。同委員会が・・・諮問案を適当とする内容を答申し、15年4月から「機能性表示食品」制度が創設」、安倍政権時代の産物だ。
・■制度開始直から安全性を懸念する声が出ていた  「機能性表示食品」の特徴は、国が個別製品ごとにヒトでの安全性と効果を審査し、多額の研究開発費用がかかる「特定保健用食品(トクホ)」とは異なり、事業者の責任において販売できる仕組みができたことだ。 事業者は、安全性や機能性などの根拠となる研究論文や臨床試験を消費者庁に届けることで商品の販売が可能になったため、中小企業なども市場参入しやすくなったわけだが、検討開始から2年余りで始まった制度については開始直後から、安全性を懸念する声があった。 例えば、15年7月の「衆院消費者問題に関する特別委員会」では、野党議員が、トクホで認められなかった商品が「機能性表示食品」として市場に出ている、として政府側の認識を質し、こう訴える場面も。) 「機能性表示食品については、既に消費者団体から厳しい疑義、要望が相次いで関係省庁や業界団体に出されているかと存じております。全国消費者団体連絡会、安全性や機能性の科学的根拠について問題があるものがある、機能性表示食品全体に不信感を抱かざるを得ない」 他にも国会会議録で「機能性表示食品」「安全性」で検索すると、制度の問題点を指摘する数多くの質疑が出てくるのだが、果たして「最悪の事態」は避けることはできなかったのだろうか』、当局による審査に代えて、事業者による「研究論文や臨床試験を消費者庁に届ける」と極めて安直な手続きとなったが、肝心の事業者「小林製薬」があんな体たらくでは、頼りないことこの上ない。やはり、時期尚早だったようだ。

第四に、3月28日付け東洋経済オンラインが掲載したフリーランス記者の松岡 かすみ氏による「専門家が指摘「紅麹問題」で表出する"重要な視点" 2014年には欧州でサプリによる健康被害の報告」を紹介しよう。
・『死亡例が出るなど深刻な被害  小林製薬の紅麹の成分が含まれている健康食品を摂取した人に、健康被害が起きた問題で波紋が広がっている。 3月28日時点で4人が死亡、106人が入院と、深刻な被害が報告され、全国で製品の自主回収が相次ぐなどの影響が広がるなか、事態収束のメドは見えず、原因も明らかになっていない。 麹を含む発酵食品に詳しい専門家2人に、今回の健康被害の要因として考えられる点や背景を聞いた。) 「そもそも紅麹は、日本古来の麹とはまったくの別物です。いわゆる“麹の一種”と勘違いしないでほしい」 こう話すのは、麹の発酵食品を長く研究してきた東京農業大学教授の前橋健二さんだ。 「中国古来の紅麹菌と日本古来の麹菌は、微生物学的な分類が異なるだけでなく、使い方も違う。麹という言葉が独り歩きして、“紅麹=赤い麹”と思われる方もいると思いますが、それは間違いです」 この理由については後ほど詳述するが、まずは小林製薬が製造した機能性表示食品「紅麹コレステヘルプ」で生じた健康被害について振り返る』、「中国古来の紅麹菌と日本古来の麹菌は、微生物学的な分類が異なるだけでなく、使い方も違う。麹という言葉が独り歩きして、“紅麹=赤い麹”と思われる方もいると思いますが、それは間違いです」、なるほど。
・『最初の症例報告は1月15日  この問題が発覚したのは、3月22日。最初の症例が報告されたのは1月15日で、同社が事案を把握してから公表するまでにおよそ2カ月を要した。 3月26日には同社は、約3年間継続して紅麹の成分を含む健康食品を摂取していたとみられる1人が、腎疾患で2月に死亡していたと発表。さらに厚労省は同日、同社へのヒアリングの結果、別の1人の死亡事例があったことを明らかにした。 そして28日、さらに2人の死亡が明らかになり、亡くなった人は4人となった。 2人目の死因が腎疾患かどうかは確認するとしているが、1人目と同じ健康食品「紅麹コレステヘルプ」を摂っていたと見られている。3人目は「腎疾患を伴って亡くなった」と遺族から連絡があり、4人目も遺族からの連絡があったという。3人目、4人目も「紅麹コレステヘルプ」を利用していた。 (小林製薬プレスリリース はリンク先参照) 同社によれば、「カビ由来の未知の成分」が健康被害の原因の可能性があるものの、いまだ特定できていないとのことで、消費者の間に不安が拡大している。) 紅麹とは、米などの穀類に紅麹菌を繁殖させて作られるもので、1000年以上前から発酵食品や、食品の着色料として利用されてきた。 日本では沖縄の珍味、豆腐を紅麹と泡盛などで発酵させた食品「豆腐よう」などでも知られるほか、紅麹色素として、さまざまな食品に広く用いられている。 また、紅麹に含まれる「ロバスタチン」という成分には、コレステロールを低下させる作用があるとされ、紅麹由来の健康食品なども多く販売されている。今回、問題が指摘されている小林製薬の「紅麹コレステヘルプ」も、「悪玉コレステロールを下げる」とうたっている。 一方、紅麹菌の中には「シトリニン」というカビ毒を作るものもあり、腎臓の病気を引き起こすおそれがあることがわかっている。そのため、EC(欧州委員会規制)が、サプリメント中のシトリニンの基準値を定めている』、「紅麹色素として、さまざまな食品に広く用いられている。 また、紅麹に含まれる「ロバスタチン」という成分には、コレステロールを低下させる作用があるとされ、紅麹由来の健康食品なども多く販売されている」、なるほど。
・『紅麹は日本古来の麹とどう違うのか  では、紅麹は日本古来の麹とどう違うのか。 前出の前橋さんによると、麹の製造に使われるカビを総称して「麹菌」というが、実際、麹菌は分類上いくつかの菌種に分かれているという。 日本でもっとも多く使用されている種類は、「アスペルギルス属」に分類される「アスペルギルスオリゼー」というもの。日本酒やしょうゆ、みそ、みりん、甘酒などに使われている菌で、これまで健康被害が報告された例はない。 対して、紅麹菌が属するのは「モナスカス属」に分類される菌種で、紅麹は中国や台湾の腐乳(ふにゅう)や、米を紅麹で発酵させてつくる紅老酒(こうろうしゅ)や紅露酒(こうろしゅ)などに使用されている。 紅麹を使った日本の代表的な食品は前出の豆腐ようぐらいで、日本ではそこまでメジャーに広がっている発酵食品はない。紅麹もまた、発酵食品としてはこれまで健康被害の報告例はなかった。 小林製薬は、紅麹を用いた健康食品は、そもそもシトリニンを合成する遺伝子がない紅麹菌を使用しているとする。また、今回の健康被害の報告を受け、成分を分析したところ、腎臓の病気を引き起こすおそれがあるカビ毒「シトリニン」は検出されなかったともしている。 一方で、シトリニンとは別の未知の成分の存在を示す分析結果が得られており、「“意図しない成分”が含まれている可能性が判明した」とする。この成分が何なのかは、現時点では明らかになっていない。 「そうだとすれば、人為的なミスで何か別のカビ毒が混入したのか、通常と違う製造工程を踏んだのか、あるいは突然変異的なもので未知の成分が生まれたのかという話になり、また、未知の成分が健康食品に検出されたのか、紅麹に検出されたのかによっても大きく変わってくる」 と前橋さん。「いずれにせよ、シトリニンではない新たなカビ毒が発生したとなると、解明にも時間がかかるだろう」と述べる。) 「今回の問題は、紅麹そのものを原材料とした健康食品を、長期間にわたって継続して摂取していたのか、あるいは製造過程で意図しない有害物質が生成または混入したことなどが問題ではないかと考えています」 こう指摘するのは、東京家政大学大学院客員教授の宮尾茂雄さんだ。 消費者庁によると、今回の事件は、2015年の機能性表示食品の制度開始後、メーカーが健康被害を公表して自主回収する最初のケース。国は届け出があるすべての機能性食品6000件超を緊急点検するとしている。 問題の健康食品は、紅麹を“色素”としてではなく“食品原料”として使用している。色素に比べると紅麹の含有量が多く、それだけたくさんの量を1回で摂取することになる。 そもそも健康食品やサプリメントは、特定の有用成分を濃縮して作られたもので、健康増進を期待して継続的に摂取することが多いものだ。 「紅麹に限らず、健康食品やサプリメントのなかには、主成分だけでなく、副成分も含めた特定の成分を、継続的に長期間摂取することが体にどんな影響を及ぼすのか、まだまだ調べる必要があると思います。何か特定の成分を、濃縮した形で毎日摂取し続けるというのは、食品ではありえず、健康食品やサプリメントでは起こりうる可能性がある」 と宮尾さんは言う。 特に機能性の表示が認められている機能性表示食品は、“体に良い効果”がうたわれるため、継続的な摂取に疑問を持たない人が多く、「食品だから安心」と過剰摂取をしている人もいるかもしれない。 「メーカーとしてはさまざまな新商品を作っていますが、副作用的な面の検証がおろそかになっていないか、少なくとも機能性表示食品については、今一度、全体的にしっかり検証することが必要だと思います」(宮尾さん)』、「健康食品やサプリメントのなかには、主成分だけでなく、副成分も含めた特定の成分を、継続的に長期間摂取することが体にどんな影響を及ぼすのか、まだまだ調べる必要があると思います。何か特定の成分を、濃縮した形で毎日摂取し続けるというのは、食品ではありえず、健康食品やサプリメントでは起こりうる可能性がある・・・特に機能性の表示が認められている機能性表示食品は、“体に良い効果”がうたわれるため、継続的な摂取に疑問を持たない人が多く、「食品だから安心」と過剰摂取をしている人もいるかもしれない」、確かにこうした「過剰摂取」が問題につながるリスクがある。
・『2014年にも健康被害が報告  内閣府の食品安全委員会によれば、「血中のコレステロール値を正常に保つ」として、ヨーロッパや日本などで販売されている「紅麹で発酵させた米に由来するサプリメント」の摂取が原因と疑われる健康被害は、2014年にヨーロッパで報告されている。 これを受け、前述したようにECでは一部の紅麹菌が生産するカビ毒、シトリニンのサプリメント中の基準値を設定。フランスでは摂取前に医師に相談するように注意喚起しており、スイスでは紅麹を成分とする製品は、食品としても薬品としても売買は違法とされている。 こうした背景がある成分を、機能性表示食品として使用する際のリスク検証が十分だったのか、改めて問われるだろう』、確かに問題含みの成分を含むものを「機能性表示食品」の範疇に入れていくのは大いに問題だ。外すべきだろう。
タグ:東洋経済オンライン (その4)(「紅麹」と醤油や酒の醸造用「麹」の決定的な違い そもそも「麹」とはどのようなものかを解説、小林製薬はなぜ「紅麹の健康被害」の発表を2カ月寝かせてしまったか?日本企業あるあるの罠、小林製薬「紅麹」サプリの被害が拡大…「機能性表示食品」制度検討は安倍政権下の規制改革会議からだった、専門家が指摘「紅麹問題」で表出する"重要な視点" 2014年には欧州でサプリによる健康被害の報告) 機能性表示食品制度 取」が問題につながるリスクがある。 確かに問題含みの成分を含むものを「機能性表示食品」の範疇に入れていくのは大いに問題だ。外すべきだろう。 「健康食品やサプリメントのなかには、主成分だけでなく、副成分も含めた特定の成分を、継続的に長期間摂取することが体にどんな影響を及ぼすのか、まだまだ調べる必要があると思います。何か特定の成分を、濃縮した形で毎日摂取し続けるというのは、食品ではありえず、健康食品やサプリメントでは起こりうる可能性がある・・・特に機能性の表示が認められている機能性表示食品は、“体に良い効果”がうたわれるため、継続的な摂取に疑問を持たない人が多く、「食品だから安心」と過剰摂取をしている人もいるかもしれない」、確かにこうした「過剰摂 「紅麹菌(モナスカス属)ですが、欧州委員会規制(EC)が基準値を定めているように、一部はシトリニンというカビ毒を出すとされています。しかし、現在ではゲノムの解明が進んでおり、小林製薬のサイトでも、紅麹の製造においてはシトリニンを生産する能力を失った菌株が用いられていると説明されています・・・ 「狭く麹菌の語句の示す範囲の定義としては、日本醸造学会が麹菌を「国菌」・・・と認定した際に定めた定義があります」、なるほど。 「広義的に麹菌の指し示す範囲として、「麹を作るための糸状菌(カビ)を総称して麹菌と呼ぶ」というものがあります」、なるほど。 「一般的な味噌や醤油、清酒、焼酎などに使う麹菌には「アスペルギルス属」と呼ばれるカビの仲間が多く用いられています。それに対して、紅麹に使う紅麹菌は「モナスカス属」と呼ばれるカビの仲間が用いられます」、なるほど。 「紅麹」、「麹」については、殆ど知識がないので、大助かりだ。 村井 裕一郎氏による「「紅麹」と醤油や酒の醸造用「麹」の決定的な違い そもそも「麹」とはどのようなものかを解説」 「紅麹色素として、さまざまな食品に広く用いられている。 また、紅麹に含まれる「ロバスタチン」という成分には、コレステロールを低下させる作用があるとされ、紅麹由来の健康食品なども多く販売されている」、なるほど。 「中国古来の紅麹菌と日本古来の麹菌は、微生物学的な分類が異なるだけでなく、使い方も違う。麹という言葉が独り歩きして、“紅麹=赤い麹”と思われる方もいると思いますが、それは間違いです」、なるほど。 松岡 かすみ氏による「専門家が指摘「紅麹問題」で表出する"重要な視点" 2014年には欧州でサプリによる健康被害の報告」 当局による審査に代えて、事業者による「研究論文や臨床試験を消費者庁に届ける」と極めて安直な手続きとなったが、肝心の事業者「小林製薬」があんな体たらくでは、頼りないことこの上ない。やはり、時期尚早だったようだ。 「消費者庁は14年8月に食品表示法に基づく「食品の新たな機能性表示制度に係る食品基準案」を公表。安倍首相が同10月、消費者委員会に対し、食品表示基準を定めることについて諮問。同委員会が・・・諮問案を適当とする内容を答申し、15年4月から「機能性表示食品」制度が創設」、安倍政権時代の産物だ。 日刊ゲンダイ「小林製薬「紅麹」サプリの被害が拡大…「機能性表示食品」制度検討は安倍政権下の規制改革会議からだった」 「わかっちゃいるけど、対応の遅さをやめられない」――。企業危機管理担当者のみなさんは、「保身」に流れがちな組織内の同調圧力に屈することなく、迅速な対応を目指していただきたい」、その通りだ。 「もっとも恐ろしいのは、筆者のような外部のコンサルがいくら強く指摘をしても、「まあ、うちはこういう会社なんで」という感じで経営幹部まであきらめている会社だ。 実際、今回の記者会見でも小林社長は「判断が遅かったと言われれば、その通りです」と、うなだれている。組織内の論理を踏まえると、判断を早くすることは不可能だと、はなからあきらめているようにも聞こえる。 昭和の名曲「スーダラ節」の中に「わかっちゃいるけど、やめられねぇ」という有名な歌詞があるが、まさにその境地である。 「まずは事実確認や原因究明をしっかりとやる。そして、ある程度、情報が集まってきて、会社として説明ができる状況になったら満を持して公表する」というような「丁寧なプロセスを踏んだ情報発信こそが、「危機」をコントロールすることではないか、と彼らは考えている」、なるほど。 「会社側の説明によると、自主回収が遅れた理由は「人手不足」だ。記者会見で渡辺淳執行役員は「調査にかける人員が限られ、製品が原因で症状が起こったと特定できなかった」と説明しているのだ」、「自主回収が遅れた理由は「人手不足」」とは驚くべき言い訳だ。 「小林製薬に、腎疾患の被害報告が医師から入ったのは1月15日だ。そこから入院事例が増えていって、小林章浩社長のもとに報告をされたのは2月6日・・・紅麹は2014年、内閣府・食品安全委員会が「健康被害が報告されているので危ないですよ」と注意喚起を行なっている。紅麹菌を由来とするサプリメントの摂取が原因と疑われる健康被害がヨーロッパで報告されていたからだ。 つまり、サプリメントを扱う人々にとって、紅麹サプリメントの入院報告は「青天のへきれき」ではなく、「恐れていたことがやってきた」という反応だ」、なるほど。 窪田順生氏による「小林製薬はなぜ「紅麹の健康被害」の発表を2カ月寝かせてしまったか?日本企業あるあるの罠」 ダイヤモンド・オンライン 今回の小林製薬の問題で原因物質、および混入経路は特定されておりません。紅麹菌の生成物に由来するのか、それとも紅麹菌にする前の原料の時点で何かが生じていたのか、あるいは、人為的設備的な要因によるものなのか、さまざまな可能性を検討し調査している段階と認識しています」、なるほど。
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大学(その15)(「林真理子理事長は田中英寿・元理事長派に脅されている」“親友”和田秀樹氏が語る「日大理事辞任」の真相、日大常務理事を電撃辞任した和田秀樹氏が激白 アメフト部“大麻汚染”問題のウラにひそむ「日大改革の“抵抗勢力”と権力の二重構造」、アメフト部問題で日大が前代未聞の志願者数3割減…「日東駒専」から脱落へ崖っぷち、千葉大学長選巡り 国際学術研究院執行部と理学研究院教授会も要望書 選考プロセスに反発) [社会]

大学については、本年1月27日に取上げた。今日は、(その15)(「林真理子理事長は田中英寿・元理事長派に脅されている」“親友”和田秀樹氏が語る「日大理事辞任」の真相、日大常務理事を電撃辞任した和田秀樹氏が激白 アメフト部“大麻汚染”問題のウラにひそむ「日大改革の“抵抗勢力”と権力の二重構造」、アメフト部問題で日大が前代未聞の志願者数3割減…「日東駒専」から脱落へ崖っぷち、千葉大学長選巡り 国際学術研究院執行部と理学研究院教授会も要望書 選考プロセスに反発)である。

先ずは、本年2月7日付けFLASH「「林真理子理事長は田中英寿・元理事長派に脅されている」“親友”和田秀樹氏が語る「日大理事辞任」の真相」を紹介しよう。
https://smart-flash.jp/sociopolitics/272646/1/1/
・『「林先生は立派な小説家なんですから、人をクビにすることの意味を想像してほしかったです」 そう語気を荒らげるのは、作家としても多くのベストセラーを著書に持つ、精神科医の和田秀樹氏だ。 故・田中英寿元理事長が脱税容疑で逮捕されたことを受け、2022年7月、日本大学の理事長に就任した作家の林真理子氏。林氏の推薦によって、同大学の常務理事となったのが和田氏だ。 「林先生とは20年来の友人でしたので、私が教育や大学に多く関わっている実績もご存じでしたし、大学経営に対してのビジョンもあると考えていただき、理事として選出されました」(以下、断わりのない「 」内は和田氏の発言) しかし、アメリカンフットボール部の薬物事件を契機に、日本大学は再び迷走する。 「2023年8月、アメフト部の寮を警視庁が家宅捜査し、大麻と覚醒剤を押収。同部の部員が逮捕され、チームは無期限活動停止処分となりました。さらに、警視庁が家宅捜索する前に、澤田康広副学長(当時)が薬物の存在を把握していたことが判明。林理事長が『私学助成金の交付に悪影響を及ぼす』と、理事会への出席停止を命じたことに対して、澤田氏はマスコミに林理事長との会話内容を持ち込んだのです」(日大関係者) その結果、2023年11月の臨時理事会で、澤田副学長と酒井健夫学長の辞任が諮られた。 「澤田副学長が薬物の存在を隠蔽し、酒井学長も黙認して監督責任を果たさず、理事会に報告しなかった。そのため理事会では、2人の辞任勧告は当然として可決されたのですが、酒井学長は『自分は学部長会議で選ばれたのだから、学部長たちの意見も聞きたい』と言いだしたんです」 その後、学部長会では、驚くことに参加者全員が2人を擁護したという。 「事前に根回しをしたのでしょうが、さすがに自分はあきれて『澤田氏は薬物を隠し持っていたうえに、林理事長との会話をマスコミに暴露し、その直後に補助金の打ち切りが決定したんだから責任を取るべきだ』と言ったんです」 だが、ここから思いもよらぬ展開が――。その場にいた工学部長が、和田氏が日本テレビの取材に対して「澤田副学長の解任は私が理事会で提案した」と明かしていたことを問題視して、追及を始めたのだ。 「『澤田氏はたんなる私的会話でしょう。あなたは理事会の内容をマスコミに漏らしたんだから、そのほうがタチが悪い』と反論されて唖然としました。私は理事会の内容は何も言っていない。私は『そんなことを言われるなら辞めてやるよ』と抗議しました」 誰も工学部長の発言を否定しないことにあきれた和田氏だったが、それから約1カ月後――。突如、思いもよらずはしごを外される。 「林先生から『和田先生には辞めていただくことになりました。“辞めてやるって言った人をなんで置いておくんだ”と言う人がいて、和田先生がいると困るのよ』と、辞任するよう告げられたんです」 20年来の親友から“三顧の礼”で迎えられるも、わずか1年半年足らずの解任劇。和田氏は、日本大学の旧態依然とした体質に失望したという。 「林先生の口ぶりから、学部長たちから私を辞めさせるよう恫喝されたのだと感じました。というのも、林先生が理事長になったとき、“理事長が指名できる理事は2人まで”“経営に専念すべきで教学には口を出さない”といった“足かせ”をはめられたんです。ところが、学部長メンバーは田中時代のまま。日本大学の旧態依然とした既得権益を守ろうとする体質は、田中元理事長がいたころと変わっていません。林先生は、そういった連中に脅されているのかもしれません」 2024年2月2日、新学長に大貫進一郎氏が選出された。 「林先生から学長選が終わるまでは、学部長たちを刺激しないでほしいと聞き沈黙していました。いい学長でよかったけど、今後は問題点の批判を続ける所存です」 和田氏の反撃開始だ』、「工学部長が、和田氏が日本テレビの取材に対して「澤田副学長の解任は私が理事会で提案した」と明かしていたことを問題視して、追及を始めたのだ。 「『澤田氏はたんなる私的会話でしょう。あなたは理事会の内容をマスコミに漏らしたんだから、そのほうがタチが悪い』と反論されて唖然としました」、「工学部長」の言い分は全く筋が通らない学者にあうまじき発言だ。「それから約1カ月後――。突如、思いもよらずはしごを外される。 「林先生から『和田先生には辞めていただくことになりました。“辞めてやるって言った人をなんで置いておくんだ”と言う人がいて、和田先生がいると困るのよ』と、辞任するよう告げられたんです」 20年来の親友から“三顧の礼”で迎えられるも、わずか1年半年足らずの解任劇。和田氏は、日本大学の旧態依然とした体質に失望したという。 「林先生の口ぶりから、学部長たちから私を辞めさせるよう恫喝されたのだと感じました。というのも、林先生が理事長になったとき、“理事長が指名できる理事は2人まで”“経営に専念すべきで教学には口を出さない”といった“足かせ”をはめられたんです。ところが、学部長メンバーは田中時代のまま。日本大学の旧態依然とした既得権益を守ろうとする体質は、田中元理事長がいたころと変わっていません。林先生は、そういった連中に脅されているのかもしれません」、いくら「脅された」としても、唯一の理解者たる「和田氏」に「辞任」を迫るとは、「林理事長」も情けない。呆れ果てた。

次に、2月9日付けデイリー新潮「日大常務理事を電撃辞任した和田秀樹氏が激白 アメフト部“大麻汚染”問題のウラにひそむ「日大改革の“抵抗勢力”と権力の二重構造」」を紹介しよう。
https://www.dailyshincho.jp/article/2024/02090550/?all=1
・『日本大学は次期学長に大貫信一郎・副学長(55)を選出したと2日に発表し、アメフト部問題で揺れた大学の「体制刷新」をアピールした。そんな「新生日大」に期待する声がある一方で、今年1月、突如、同大常務理事を辞した精神科医の和田秀樹氏(63)が辞任の裏にある、日大の「ガバナンス不全の核心部」について初めて口を開いた。 「私の辞任が発表されたのは今年1月12日のことでした。当時、その理由として、“昨秋、和田氏が理事会の内容をテレビ局に話したことが学内で問題視された”と報じられましたが、より正確にいえば、私のほうから『辞めてやる』と啖呵を切ったのが真相です。私を招聘した林真理子・理事長から『進退を考えてほしい』と言われたこともあって、私が職にとどまり続けると改革に支障をきたす恐れもあると判断して、みずから“辞める”と申し出ました」 こう淡々と話すのは、和田秀樹氏本人である。2022年7月、作家の林真理子氏が日大の新理事長に就いた際、和田氏も「理事長推薦候補」として常務理事に就任。悪質タックル問題(18年)や田中英寿・元理事長の背任・脱税事件(21年)を受けて失墜した日大ブランドの再建を託され、林理事長とともにこの間、「日大改革」に奔走してきたという。 「私がテレビ局の取材に答えたのは、私自身が理事会で発言した内容についてのみで、それ以上は話していません。しかし日大の学部長たちから『許されることではない』との声が上がり、林理事長に“進言”する学部長まで現れた。なぜ、そんなに問題視されるのかが分からず、澤田康広・副学長(当時)が昨年9月に林理事長と面会した際の会話を録音し、それが外部に漏洩した件を私が引き合いに出すと、“漏洩よりマスコミに直接話すほうが悪い”と決めつけられました。この漏洩問題で、澤田氏は何ら咎めを受けていなかったことも含め、私は彼らの主張に正当性を見出すことはできませんでした」(和田氏) 和田氏と対立した「学部長」とは、各学部の長として校務をつかさどる立場にある管理職だ。日本大学には16の学部があり、各部長による「学部長会議」が学内で一定の影響力を持っていることを、和田氏は理事就任後に知って驚いたという』、「澤田康広・副学長(当時)が昨年9月に林理事長と面会した際の会話を録音し、それが外部に漏洩した件を私が引き合いに出すと、“漏洩よりマスコミに直接話すほうが悪い”と決めつけられました」、実に論理の片鱗すらない言いがかりを「学部長」あ堂々と主張するとは、茶番だ。
・『「学部長会議」という聖域 日大アメフト部寮  「日大ほど巨大な組織になると、校舎が各地に散らばっていることもあり、各学部が“独立国”のような扱われ方をするケースもありました。田中理事長時代のように“強権”をもってすれば話は別ですが、もともとガバナンスが効きにくい面があったのは事実です。大学の最高意思決定機関は理事会ですが、林理事長の就任以降、その理事会に女性をはじめ新しい人材が登用されたことでメンバーの顔触れも変わりました。しかし学部長会議のメンバーは全員男性で“田中時代”に就任した面子が多く残っていました」(和田氏) 和田氏によると、アメフト部の存続を最後まで主張した澤田氏とその任命権者である酒井健夫・現学長の辞任について、「その必要はない」と声を上げたのが学部長会議だったという。ちなみに澤田氏は、アメフト部の学生寮で大麻と見られる植物片が見つかった際、「学生に自首をさせたい」との考えから警察に提出することなく12日間、学内で保管していた人物だ。 「実際に私も耳にしたことがあるのですが、3月末で退任予定の酒井学長は、林理事長に『経営が教学(現場)に口を出すと、田中(英寿)さんと同じになる』と忠告していました。私には、その言葉が改革に取り組もうとする林理事長の手足を縛る“呪文”のように聞こえた。いろいろな解釈はあると思いますが、“学部長会議が不可侵の存在”と誤認させかねない危うさを秘めていたと思います。事実、学部長会議の決定を理事会が追認するだけのケースも少なくなく、理事会以外にもう一つ、大学の方針に影響を与える組織があったとの印象です」(和田氏) 自身の辞任と昨年から続くアメフト部をめぐる混乱も、この「権力の二重構造」が影響しているという』、「“学部長会議が不可侵の存在”と誤認させかねない危うさを秘めていた」とはガバナンス不全の極みだ。
・『「学部再編」が試金石  「なにより、いざ問題が起きた際、責任を問われるのは学部長会議のメンバーでなく、理事会などの執行部という点に大きな違和感を覚えました。たとえばアメフト部の部長は日大の文理学部長が兼ねていましたが、一連の薬物問題を受け、この学部長は昨年12月に(アメフト部)部長職を解嘱された。しかし彼が林理事長などとともに記者会見に出て批判の矢面に立つことは一度もありませんでした。この歪な構造を変えないかぎり、真の改革は成し遂げられないと痛感しました」(和田氏) アメフト部の“大麻汚染”問題で吹き飛んでしまったが、林理事長が掲げる改革の方向性について、和田氏はこう語る。 「私は今後の日大改革には“学部再編が欠かせない”と考えていて、それは林理事長にも伝えていました。相次ぐ不祥事によって存在意義が問われている危機管理学部の存廃に加え、御茶ノ水と松戸(千葉)にある歯学部の統合の可否など、かねて再編の余地は大きいと指摘されてきた。また具体的に進んでいた改革案の一つが、看護学部の新設計画です。実現すれば、生徒に占める女性比率も上がり、初の女性学部長の誕生に繋がるかもしれない。しかし学部再編の問題は、各学部長の利害と衝突しかねず、一筋縄ではいかない面もありました」』、「いざ問題が起きた際、責任を問われるのは学部長会議のメンバーでなく、理事会などの執行部という点に大きな違和感を覚えました。たとえばアメフト部の部長は日大の文理学部長が兼ねていましたが、一連の薬物問題を受け、この学部長は昨年12月に(アメフト部)部長職を解嘱された。しかし彼が林理事長などとともに解嘱」記者会見に出て批判の矢面に立つことは一度もありませんでした」、「アメフト部の部長」の処分が単に「部長職を解嘱」というだけでは不十分だ。少なくとも「解嘱」を「記者会見」後とすべきだ。
・『「人脈」という武器 澤田康広  一方で4月1日から就任することになる、新学長の大貫氏には期待するところがあるという。 「大貫氏は日大理工学部出身で、大学のDX(デジタル変革)化など改革志向を持っていることは承知しています。昨年12月、林理事長が文科省に追加の改善計画を提出した際に同席していたのも彼でした。ただし大貫氏が学長になったからといって、構造改革にまで踏み込むのは容易でない。だからこそ、林理事長の最大の強みである“人脈”を今こそ発揮してほしいのです。外部の経営者などを集めた“日大経営改革会議”のような第三者機関をつくれば、学内からの干渉を避けられ、改革は前進するはず。私の辞任によって、身を挺してでも林理事長を守る“側近”はいなくなりましたが、いまも改革が成就することを願う気持ちに変わりはありません」 言葉の端々に「志半ば」で去らざるを得なかった無念さを滲ませつつ、それでも希望は捨てていないという』、「外部の経営者などを集めた“日大経営改革会議”のような第三者機関をつくれば、学内からの干渉を避けられ、改革は前進するはず」、との提案は大いに検討に値する。

第三に、3月10日付け日刊ゲンダイ「アメフト部問題で日大が前代未聞の志願者数3割減…「日東駒専」から脱落へ崖っぷち」を紹介しよう。
https://www.nikkan-gendai.com/articles/view/life/337052
・『2024年度入試も終盤に突入し、各大学の志願者数が出ているが、相次ぐ不祥事で注目されていた日本大学が、予想を超える志願者数減を記録している。大学通信などの速報によれば、全学部の志願者数は6万6763人、昨年最終出願者数から3万1743人減で昨対比67.8%。全体の約3割での志願者数減だ。 一因となったのは、アメフト部を巡る問題と見られている。日大は昨年8月、アメフト部の寮から大麻の植物片と覚せい剤の成分を含む錠剤が見つかり、3年生の部員が逮捕。この学生は今年1月に懲役1年4月、執行猶予3年の有罪判決が確定したが、すでに一連の事件で逮捕や書類送検されたのはこの学生を含む計10人にのぼる。それにより、アメフト部は1月に廃部、2月15日付で関東学生アメリカンフットボール連盟から退会している。 2021年に元理事長の田中英寿氏が脱税事件で逮捕された時も、22年度入試は厳しくなると言われていたが、フタを開けると22年度は9万3770人(21年度は9万7948人)と大きくは減少していない。今年度入試はどれくらい異常なのか。) 大学ジャーナリストの石渡嶺司氏が言う。 「前回の不祥事は、理事長という学生からは遠い存在の問題でした。今回は学生であるアメフト部員の逮捕と事件を巡る日大の隠ぺいやパワハラ体質が明るみになったのが大きいでしょう。結果的にアメフト部の廃部と酒井健夫学長、澤田康広元副学長の辞任で幕引きをはかったが、部の関係者が処分されるわけではなく問題がうやむやにされた印象。近年ハラスメントという言葉に敏感になったのもあってマイナスに作用しています」 その後、澤田元副学長は薬物事件を巡る対応で、林真理子理事長にパワハラを受けたとして裁判を起こしている。 また、元理事長の脱税事件などを受け不交付になっていた国の補助金も3年連続不交付が決まっており、「学費が上がるのではないか」と疑念を持たれる事態も続いている。 「もうひとつ、日大は学生に魅力を持たれる取り組みが実行できていない点も志願者数に響いています。マンモス大学ですがキャンパスが学部ごとでバラバラで、ほとんどが1学部1キャンパス。東洋、駒沢、専修大は基本複数部を1つのキャンパスに集めていますが、傾向として都心に複数の学部を集める方が志願者が集まりやすい。こうした改革ができるかも今後に響いてきます。日大は10年前までは『日東駒専』のトップでしたが、その後、東洋大が逆転し、駒沢、専修に並んでいました。今年並みの激減が数年続けば、偏差値にも影響しますからグループから離脱する可能性があります」(前出の石渡嶺司氏) かつての勢いを取り戻すことはできるのか』、「元理事長の脱税事件などを受け不交付になっていた国の補助金も3年連続不交付が決まっており、「学費が上がるのではないか」と疑念を持たれる事態も続いている・・・日大は10年前までは『日東駒専』のトップでしたが、その後、東洋大が逆転し、駒沢、専修に並んでいました。今年並みの激減が数年続けば、偏差値にも影響しますからグループから離脱する可能性があります・・・今年並みの激減が数年続けば、偏差値にも影響しますからグループから離脱する可能性があります」、『日東駒専』の「グループから離脱する可能性」、とは本当に深刻だ。以上が日大関連だ。

第四に、2月20日付け産経新聞「千葉大学長選巡り、国際学術研究院執行部と理学研究院教授会も要望書 選考プロセスに反発」を紹介しよう。
https://www.sankei.com/article/20240220-HI5GK6I2PVKENBSAAMM2J5YCJY/
・『千葉大学の新学長選出を巡り、一部の教授会が選考過程が不透明だとして反発している問題で、15日付で同大大学院理学研究院教授会が、16日付で国際学術研究院の執行部が、選考にあたった「学長選考・監察会議」に対し、それぞれ要望書を提出したことが20日、分かった。 要望書では現副学長で医学部付属病院長の横手幸太郎氏(60)を新学長に決めた選考過程の詳細の議事録公開などを求めた。 大学・大学院の教員らによる学内投票で、横手氏は1位の文学系の候補者に次ぐ2位だったが、1月25日に行われた学内外の14人による選考会議で新学長に決まった。 これに反発した大学院人文科学研究院や教育学部の各教授会も既に、選考会議に質問書を出す異例の事態が生じている』、「現副学長で医学部付属病院長の横手幸太郎氏(60)を新学長に決めた選考過程の詳細の議事録公開などを求めた。 大学・大学院の教員らによる学内投票で、横手氏は1位の文学系の候補者に次ぐ2位だったが、1月25日に行われた学内外の14人による選考会議で新学長に決まった』、この記事は余りに短いので、詳細は不明で、「大学・大学院の教員らによる学内投票」と「学内外の14人による選考会議」の関係が不明だが、恐らく後者は前者の結果を尊重するが、独自の判断で決定するのだろう。「新学長」は「現副学長で医学部付属病院長」なのであれば、きっと「1位の文学系の候補者」よりも有力者なのだろう。

なお、明日は更新を休むので、明後日にご期待を!
タグ:大学 (その15)(「林真理子理事長は田中英寿・元理事長派に脅されている」“親友”和田秀樹氏が語る「日大理事辞任」の真相、日大常務理事を電撃辞任した和田秀樹氏が激白 アメフト部“大麻汚染”問題のウラにひそむ「日大改革の“抵抗勢力”と権力の二重構造」、アメフト部問題で日大が前代未聞の志願者数3割減…「日東駒専」から脱落へ崖っぷち、千葉大学長選巡り 国際学術研究院執行部と理学研究院教授会も要望書 選考プロセスに反発) FLASH「「林真理子理事長は田中英寿・元理事長派に脅されている」“親友”和田秀樹氏が語る「日大理事辞任」の真相」 「工学部長が、和田氏が日本テレビの取材に対して「澤田副学長の解任は私が理事会で提案した」と明かしていたことを問題視して、追及を始めたのだ。 「『澤田氏はたんなる私的会話でしょう。あなたは理事会の内容をマスコミに漏らしたんだから、そのほうがタチが悪い』と反論されて唖然としました」、 「工学部長」の言い分は全く筋が通らない学者にあうまじき発言だ。「それから約1カ月後――。突如、思いもよらずはしごを外される。 「林先生から『和田先生には辞めていただくことになりました。“辞めてやるって言った人をなんで置いておくんだ”と言う人がいて、和田先生がいると困るのよ』と、辞任するよう告げられたんです」 20年来の親友から“三顧の礼”で迎えられるも、わずか1年半年足らずの解任劇。和田氏は、日本大学の旧態依然とした体質に失望したという。 「林先生の口ぶりから、学部長たちから私を辞めさせるよう恫喝されたのだと感じました。というのも、林先生が理事長になったとき、“理事長が指名できる理事は2人まで”“経営に専念すべきで教学には口を出さない”といった“足かせ”をはめられたんです。ところが、学部長メンバーは田中時代のまま。日本大学の旧態依然とした既得権益を守ろうとする体質は、田中元理事長がいたころと変わっていません。林先生は、そういった連中に脅されているのかもしれません」、いくら「脅された」としても、唯一の理解者たる「和田氏」に「辞任」を迫るとは、 デイリー新潮「日大常務理事を電撃辞任した和田秀樹氏が激白 アメフト部“大麻汚染”問題のウラにひそむ「日大改革の“抵抗勢力”と権力の二重構造」」 「澤田康広・副学長(当時)が昨年9月に林理事長と面会した際の会話を録音し、それが外部に漏洩した件を私が引き合いに出すと、“漏洩よりマスコミに直接話すほうが悪い”と決めつけられました」、実に論理の片鱗すらない言いがかりを「学部長」あ堂々と主張するとは、茶番だ。 「“学部長会議が不可侵の存在”と誤認させかねない危うさを秘めていた」とはガバナンス不全の極みだ。 「いざ問題が起きた際、責任を問われるのは学部長会議のメンバーでなく、理事会などの執行部という点に大きな違和感を覚えました。たとえばアメフト部の部長は日大の文理学部長が兼ねていましたが、一連の薬物問題を受け、この学部長は昨年12月に(アメフト部)部長職を解嘱された。しかし彼が林理事長などとともに解嘱」記者会見に出て批判の矢面に立つことは一度もありませんでした」、 「アメフト部の部長」の処分が単に「部長職を解嘱」というだけでは不十分だ。少なくとも「解嘱」を「記者会見」後とすべきだ。 「外部の経営者などを集めた“日大経営改革会議”のような第三者機関をつくれば、学内からの干渉を避けられ、改革は前進するはず」、との提案は大いに検討に値する。 日刊ゲンダイ「アメフト部問題で日大が前代未聞の志願者数3割減…「日東駒専」から脱落へ崖っぷち」 「元理事長の脱税事件などを受け不交付になっていた国の補助金も3年連続不交付が決まっており、「学費が上がるのではないか」と疑念を持たれる事態も続いている・・・日大は10年前までは『日東駒専』のトップでしたが、その後、東洋大が逆転し、駒沢、専修に並んでいました。今年並みの激減が数年続けば、偏差値にも影響しますからグループから離脱する可能性があります・・・今年並みの激減が数年続けば、偏差値にも影響しますからグループから離脱する可能性があります」、『日東駒専』の「グループから離脱する可能性」、とは本当に深刻だ。以 上が日大関連だ。 産経新聞「千葉大学長選巡り、国際学術研究院執行部と理学研究院教授会も要望書 選考プロセスに反発」 この記事は余りに短いので、詳細は不明で、「大学・大学院の教員らによる学内投票」と「学内外の14人による選考会議」の関係が不明だが、恐らく後者は前者の結果を尊重するが、独自の判断で決定するのだろう。「新学長」は「現副学長で医学部付属病院長」なのであれば、きっと「1位の文学系の候補者」よりも有力者なのだろう。 なお、明日は更新を休むので、明後日にご期待を!
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宗教(その13)(「カルト後遺症」の深刻 オウム元死刑囚が洗脳から脱した後も“麻原彰晃化”したワケ、ベストセラー著者が語る「旧統一教会問題」と「カルト教祖の共通点」 ロビン・ダンバー氏インタビュー) [社会]

宗教については、本年1月25日に取上げた。今日は、(その13)(「カルト後遺症」の深刻 オウム元死刑囚が洗脳から脱した後も“麻原彰晃化”したワケ、ベストセラー著者が語る「旧統一教会問題」と「カルト教祖の共通点」 ロビン・ダンバー氏インタビュー)である。

先ずは、本年1月19日付けダイヤモンド・オンラインが掲載した中央大学教授の高橋徹氏による「「カルト後遺症」の深刻、オウム元死刑囚が洗脳から脱した後も“麻原彰晃化”したワケ」を紹介しよう。
https://diamond.jp/articles/-/336762
・『若者の不安や不満につけ込む、カルト宗教団体の勧誘は巧みである。親が気づいたときにはもう遅く、離脱は困難だ。しかも、たとえ運良く脱カルトしたとしても、マインドコントロール下で刻み込まれたカルト的思考や行動様式は、数十年たっても消えないという。※本稿は、『「オウム死刑囚 父の手記」と国家権力』(現代書館)の一部を抜粋・編集したものです』、興味深そうだ。
・『逮捕されて父母を泣かせてようやくわかったカルトの罪  金沢市の中心部から車で約一時間、真宗大谷派の浄専寺住職、平野喜之は2007(平成19)年に活動を始めた「『生きて罪を償う』井上嘉浩さんを死刑から守る会」の事務局長を務め、10年以上、嘉浩を支援してきた。平野が井上嘉浩から受け取った手紙は、188通にのぼる。 嘉浩の手紙にはこうある。 「突き詰めますと、麻原を信じたことそのものが罪のはじまりであり、全ての罪の責任は私にあります」 「人にとって救いとは一体何なのでしょうか?その答えがあるとうぬぼれたことが私がオウムに入り大罪を犯しました原因の一つであると今私は考えています」 「麻原は仏教やヨーガの心を変容させていく技術や薬物まで悪用して、徹底的に信者の社会規範や善悪の根本となる個としての人格を破壊していき、代わりに麻原の手足として動く人格を刷り込んでいきました。これが麻原が構築したマインドコントロールです」 「(※編集部注/最高裁で死刑が言い渡された2009年12月10日の)翌日、午前中に両親が面会に参りました。両親がぐったりとしつつ、それでも気丈に振る舞う姿を見て、涙をこらえるのが精一杯でした。父母が、自分たちが悪かったと、なんの責任もないのに、自分たちをせめる姿を見て本当に申し訳ないと、ただただ申し訳ないと、言葉がありませんでした」 「日々、まだ執行されないだろうと思いつつ、いや、わからんぞと、夜明けが恐ろしくもあり、そういうことにとらわれること自体、被害者の方々に申し訳ないと思いつつ、このままでは死にきれない心も消えません。このようなもだえも罪の報いの一つとして静かに見つめている自分もおります」 平野は静かに思いを語った。 「彼にしかできない真相解明とか、彼にしかできないオウム入信者に対して脱会を呼びかけるとか、そういう使命があったと思います。それを果たすことが償うということになったと思いますし、私たちの『守る会』のやっていたことは彼の罪の自覚を深めていくということに集中して支援してきました。罪の自覚を深めることによって本当の心からの被害者への謝罪ができると思います」  教団が救済の名のもとに多くの信徒を集め急拡大し、数々の凶悪事件を起こしていった軌跡は「平成」と重なる。「平成の事件は平成のうちに決着させたい」という政府の思惑だろうか、2018(平成30)年の7月、オウム死刑囚13人の死刑が執行された。) その中の一人が井上嘉浩だった。ホーリーネーム(教団内の宗教名)はアーナンダ。オウム真理教の諜報省トップで、教祖の「側近中の側近」、「修行の天才」、「神通並びなきもの」といわれた教団幹部である。 『生きて罪を償う』井上嘉浩さんを死刑から守る会」は嘉浩の死刑が執行されたことで解散した。機関誌「悲」は16号の追悼号(2018年12月発行)で役目を終えた』、「「平成の事件は平成のうちに決着させたい」という政府の思惑だろうか、2018(平成30)年の7月、オウム死刑囚13人の死刑が執行された」、「死刑囚」の執行が遅れるのが普通だが、「政府の思惑」で異例の執行となったようだ。
・『マインドコントロールが解けてもカルトの傷は残る  平野がもう一つ活動の重点に置いているのが「カルト後遺症」の問題だ。一連のオウム事件がきっかけで誕生した日本脱カルト協会(JSCPR)によると、カルト教団から脱会した人の多くが何らかの『後遺症』に苦しむという。 代表的な症状としては、「神から裁かれるのではないか」という不安感、「自分は裏切り者であり、天罰が下るのではないか」という恐怖感などがあげられる。無理もない話で、身も心も奉じてきた団体の価値観を失い、それまでの理想やアイデンティティをすべて失うことになるからだ。 音楽や映像、においなど些細なことが引き金になり脱会前の心理状態に戻ってしまう、いわゆる「フラッシュバック」もほとんどの人が体験する。 また、せっかく家に戻っても家族や友人、知人との人間関係に悩み、睡眠障害や摂食不良に陥るという例もある。そもそもカルトの多くは、教祖を『父』や『母』としているので、現実の家族に対しては否定的な思いを抱くよう誘導していることが多い。 「何か悪いことが起こると、霊の祟りではないかと、とっさに考えてしまう」と話すのは、日本脱カルト協会の理事で、日本基督教団白河教会牧師の竹迫之だ。 竹迫は1967(昭和42)年、秋田市生まれ。高校3年の時に当時の統一教会(現世界平和統一家庭連合)に勧誘され入会した。「霊感商法」が世間に知られるようになった1980年代半ばのころである。 「マインドコントロールが目指すものは、コントロールする人に対する依存なんです。私の場合は何をするにも指示をしてくれる人の指示を仰ぐというライフスタイルが身についていましたね。なんでも自分で好きに選んでいいよと言われると、かえって何を選んでいいのか分からず混乱する。この依存から離脱するということがマインドコントロールが解けるということなんです。しかし、マインドコントロールは解けても、後遺症は残るんです」) 脱会して十年以上たったころのある体験を竹迫は話してくれた。 「教会の階段を降りていたところ、3段ぐらい踏み外して落ちちゃった。その拍子に左足を3カ所も骨折してしまったんです。そのとき、とっさに霊の祟りではないかと発想が浮かんできた。典型的なカルト後遺症です」 悪いことが起こると、その説明を求めてしまう。竹迫は統一教会を脱会して37年になるが、いまだにそういう瞬間があるという。 「何か不運な目にあったときに、自分に悪いところがあったからではないかと、その原因を追求したくなるものですね。その祟りから逃れるために何かしなくてはいけないという強烈な衝動がわいてくる。私は、マインドコントロール自体は解けているのは間違いないとは思うのですが、けれども後遺症として残っている」』、「悪いことが起こると、その説明を求めてしまう。竹迫は統一教会を脱会して37年になるが、いまだにそういう瞬間があるという・・・カルト後遺症です」、なるほど。
・『被害者どころか支援者にすら独善と映ったオウム元死刑囚  さて、嘉浩にカルト後遺症はあったのだろうか。フォトジャーナリストで『宗教事件の内側 精神を呪縛される人びと』や『カルト宗教事件の深層 「スピリチュアル・アビュース」の論理』などの著書がある藤田庄市は「独善的な修行者意識」という言葉で、嘉浩の後遺症を言い表した。 藤田が注目したのは、目黒公証役場事件で父親を失った仮谷実と嘉浩とのやり取りだった。嘉浩は「亡くなった人たちのことを考えて、できるだけ苦しみを自分に課していきたい」と謝罪したのに対し、仮谷は「被告が苦しんでも、私たちは助からない」と返し、「自らに苦しみを課しても遺族の救済にならない」と突き放した。 「独善的な」とは、修行を続けることにより、人間性も宗教的にも世間より高いところにいるという意識である。 「井上君は麻原教祖とは対決して、『オウムを脱会する』と宣言はしているのだけれども、考え方であるとか、独善的な修行者意識というものは残っていたのではないか。脱会したからといって、カルト思考、カルト的考え方は簡単にはなくならない」と藤田は指摘している。 平野も嘉浩にカルト後遺症を感じていたという。) 「井上君のご両親には申し訳ないが……2018年だったと思うが、『生きて罪を償う会』の内部で、支援を見直そうという声が上がっていた。生来の性格なのか、カルトの後遺症なのか見極めは難しいかもしれないけれども、『麻原は井上君に、こういう指示の仕方をしていたのだ』と感じられるような指示の仕方が井上君から我々『生きて罪を償う会』に対してありました。カルトの怖さは脱会後にも後遺症となって残る。教義から抜けても人間関係の持ち方とか、指示命令系統とかそういうところに残るのではないか」 独善的とも映る嘉浩の振る舞いについて、竹迫はカルト後遺症が影響していた可能性があると話す』、「カルトの怖さは脱会後にも後遺症となって残る。教義から抜けても人間関係の持ち方とか、指示命令系統とかそういうところに残るのではないか」、なるほど。
・『「カルト後遺症」の深刻、オウム元死刑囚が洗脳から脱した後も“麻原彰晃化”したワケ  高橋徹「オウム死刑囚 父の手記」と国家権力(現代書館) 「誰もが権力を振るう立場に魅力を感じます。嘉浩君の場合は、教祖の、麻原の振る舞いを見ていたために、それが増幅されていったのではないでしょうか。自分もやってもいいんだというお墨付きをもらった状態です。高校生のうちから入信したため、『人と人との関係はフラットであるべきだ』という考えに触れたことがなかったのではないでしょうか」。 子供をカルトに取られた親の苦痛を平野はこう話した。神奈川県の教会で出会ったある母親の話である。 「私たちは二重に傷つくのです。一つ目は『子供をカルトにとられたこと』、二つ目は『子供がカルトにとられたのはあなたたちのせいでしょうと世間から偏見の目で見られること』です。私の家庭は上手くいっていました。子供がカルトにとられたのは、勧誘が巧みだっただけでしょうと言いたい」 平野は言う。 「世間には、カルトにとられたのは家族のせいだ、やっぱり家族が悪いと誤解する人がいます。片や親自身が『子供の責任を取らなければいけない』と思い詰める人も少なからずいます。日本では特に『子供の罪は親の罪』として、責任を感じる姿が美化されすぎるきらいがあるのではないでしょうか。そのために親が苦しめられることがあります」 井上家に、嘉浩がまだ幼いころの写真が残っている。自宅の前で、ブルーの短パン、アニメのキャラクターがプリントされた白いポロシャツを着て、上下に動かすことができる透明なシールドが付いた戦隊もののヘルメットをかぶって、無邪気に笑っていた。 「もし神が許してくれるなら、どんなことをしてでも、あのころに戻りたいと思います」 私が嘉浩の父に初めて会った日、父はそう話した』、「「私たちは二重に傷つくのです。一つ目は『子供をカルトにとられたこと』、二つ目は『子供がカルトにとられたのはあなたたちのせいでしょうと世間から偏見の目で見られること』です・・・日本では特に『子供の罪は親の罪』として、責任を感じる姿が美化されすぎるきらいがあるのではないでしょうか。そのために親が苦しめられることがあります」、やはり「カルト後遺症」は深刻なようだ。

次に、3月17日付けダイヤモンド・オンラインが掲載した国際ジャーナリストの大野和基氏による「ベストセラー著者が語る「旧統一教会問題」と「カルト教祖の共通点」 ロビン・ダンバー氏インタビュー」を紹介しよう。
https://diamond.jp/articles/-/340568
・『無宗教国ニッポンで、ロビン・ダンバー著『宗教の起原』(白揚社)がベストセラーとなっている。著者は、人間の安定的な集団サイズの上限が「150」であると導き出し、人類学のノーベル賞と称される「トマス・ハクスリー記念賞」を受賞した人物だ。本書では、「私たちはいかに信じる心を獲得したのか」「人類進化の過程で『神』はなぜ生まれたのか」「カルト宗教はなぜ次々と生まれ、人々を惹きつけるのか」といった、人類と宗教を巡る根源的な問いを追求している。著者に、日本の旧統一教会問題なども含めて話を聞いた』、興味深そうだ。
・『「カルト宗教」とは何か  Q:本書の執筆のために、幅広くリサーチをしたと思いますが、最大の発見は? A:結束したコミュニティーを作る際の宗教の役割と宗教の儀式が、脳の「エンドルフィン物質」を活性化することが分かりました。この物質は、人間のフレンドシップを構築するのに使われます。礼拝中の人の脳を調べると、儀式が脳内のエンドルフィンを活性化していたのです。 Q:あなたが無神論者であるからこそ、偏見なくこの本が書けたのでしょうか。 (ロビン・ダンバー氏の略歴はリンク先参照) A:そうですね、私は特定の宗教に何のコミットメントもありません。私は幼少時アフリカで育ったので、さまざまな種類のキリスト教、イスラム教、シーク教、後に仏教、ヒンズー教も経験しました』、「結束したコミュニティーを作る際の宗教の役割と宗教の儀式が、脳の「エンドルフィン物質」を活性化することが分かりました。この物質は、人間のフレンドシップを構築するのに使われます。礼拝中の人の脳を調べると、儀式が脳内のエンドルフィンを活性化していたのです」、「儀式が脳内のエンドルフィンを活性化していた」、とは初めて知った。 
・『Q:本書には「カルト」の章がありますが、これほど深くリサーチをすると、「カルトの作り方」を熟知しているのでは? カルトにおける「教祖」というのは、人生において大きな危機を経験していることが非常に多いです。全財産を失ったとか、大病をして死にかけたとかね。そして自分の殻に閉じこもって、ひどく落ち込んだ経験があります。その間に、宇宙の真実のようなことに目覚めて、それを信じるようになるのです。 宇宙を支配しているものについて斬新なアイデアを持ち、周囲を根気強く納得させます。でないとみんなに笑われて、排除されて終わりです。だから多くのカルトはいささかクレイジーな人が教祖になっているのです。 ほとんどのカルトは、社会的な真実を持つようになり、宗教に変わっていきます。他の人に優しくしたり、慈善を施したりします。一方で宗教にならないカルトは、非常にクレイジーな教義を持っているので、普通は長続きしません。続くケースは非常にまれですね。カルトは教祖のためだけにあり、それ以外の人は搾取されるものなのです。 Q:カルトというとネガティブな響きがあります。日本では政界と旧統一教会の密な関係が報道され続けています。どういう条件で、宗教がカルトになるのでしょうか。) その逆です。つまり世界の全ての宗教は、仏教であれ、神道であれ、キリスト教であれ、イスラム教であれ、シーク教であれ、カルトとして始まっています。宗教とは、「ある真実を発見した」と信じることや、「神のメッセンジャー」を名乗るカリスマ性のあるリーダーを中心に、ローカルで小さなカルトとして始まる、というのが私の見方です。 カルトは時に、ネガティブな含みがありますが、決して全てのカルトが悪いわけではありません。一方で、カルトは簡単に悪くなる可能性も秘めています。ただ、先述したように全ての宗教はカルトから始まり、信奉者が増えて非常に大きなコミュニティーになると、「もはやカルトではなく宗教である」と呼びたくなるのです。 ほとんど全ての宗教は、下部から絶えずカルトが発生している状態とも言えます。神道だって末端でさまざまな団体がありますよね? そして、神道だけでなく仏教を混合した信仰を抱く人もいます。 明らかなのは、末端に出てきたカルトは異端であることが多いことです。正しいセオリーを伝道しているわけではないので、有害になる可能性があります。時に、そうした小さなカルトが暴走してどんどん拡大し、世界的な宗教になることもあります。 キリスト教やイスラム教は、元はと言えばユダヤ教の産物でした。そして、他の多くの宗教がインドや地中海沿岸地方にも入ってきました。キリスト教やイスラム教はさかのぼると、ゾロアスター教に起源があります。 Q:カルトが宗教になる条件は何でしょうか。 A:サイズだけです。多くの異なる国で、かなり広い地域で多くの人が信仰するようになると宗教になります。と同時に大きな宗教にとって非常に重要なことは、正式な教義と儀式があることです。一方で小規模のカルトには盤石な教義はなく、ころころ変わる傾向があります。また、儀式もフォーマルでないことが多い。 Q:カルトについてbrainwashing(洗脳)という言葉を使いますが、宗教について〈洗脳〉という言葉を使いますか? A:yes and noです。カルトと宗教の間には、微妙な区別があります。カルトは往々にして厳格な罰をもって、行動や信じるべきことを強制します。一方で、宗教は強制ではなく「説得」によって行います。つまり、もう少しリラックスしているイメージです。他方で、例えばキリスト教の歴史をたどると、異教徒や正しい教義を信じない者に対して差別や迫害をしていた時代もありました。 いずれにせよbrainwashingは、宗教上の信条であれ、政治的信条であれ、一つのコミュニティーが結束し続けるためには、世界中ですべての信条に当てはまると思います』、「カルトにおける「教祖」というのは、人生において大きな危機を経験していることが非常に多いです。全財産を失ったとか、大病をして死にかけたとかね。そして自分の殻に閉じこもって、ひどく落ち込んだ経験があります。その間に、宇宙の真実のようなことに目覚めて、それを信じるようになるのです。 宇宙を支配しているものについて斬新なアイデアを持ち、周囲を根気強く納得させます。でないとみんなに笑われて、排除されて終わりです。だから多くのカルトはいささかクレイジーな人が教祖になっているのです。 ほとんどのカルトは、社会的な真実を持つようになり、宗教に変わっていきます。他の人に優しくしたり、慈善を施したりします。一方で宗教にならないカルトは、非常にクレイジーな教義を持っているので、普通は長続きしません。続くケースは非常にまれですね。カルトは教祖のためだけにあり、それ以外の人は搾取されるものなのです・・・全ての宗教はカルトから始まり、信奉者が増えて非常に大きなコミュニティーになると、「もはやカルトではなく宗教である」と呼びたくなるのです。 ほとんど全ての宗教は、下部から絶えずカルトが発生している状態とも言えます。神道だって末端でさまざまな団体がありますよね? そして、神道だけでなく仏教を混合した信仰を抱く人もいます。 明らかなのは、末端に出てきたカルトは異端であることが多いことです。正しいセオリーを伝道しているわけではないので、有害になる可能性があります。時に、そうした小さなカルトが暴走してどんどん拡大し、世界的な宗教になることもあります。 キリスト教やイスラム教は、元はと言えばユダヤ教の産物でした。そして、他の多くの宗教がインドや地中海沿岸地方にも入ってきました。キリスト教やイスラム教はさかのぼると、ゾロアスター教に起源があります・・・カルトが宗教になる条件は何でしょうか。 A:サイズだけです。多くの異なる国で、かなり広い地域で多くの人が信仰するようになると宗教になります。と同時に大きな宗教にとって非常に重要なことは、正式な教義と儀式があることです。一方で小規模のカルトには盤石な教義はなく、ころころ変わる傾向があります。また、儀式もフォーマルでないことが多い。 Q:カルトについてbrainwashing(洗脳)という言葉を使いますが、宗教について〈洗脳〉という言葉を使いますか? A:yes and noです。カルトと宗教の間には、微妙な区別があります。カルトは往々にして厳格な罰をもって、行動や信じるべきことを強制します。一方で、宗教は強制ではなく「説得」によって行います。つまり、もう少しリラックスしているイメージです。他方で、例えばキリスト教の歴史をたどると、異教徒や正しい教義を信じない者に対して差別や迫害をしていた時代もありました。 いずれにせよbrainwashingは、宗教上の信条であれ、政治的信条であれ、一つのコミュニティーが結束し続けるためには、世界中ですべての信条に当てはまると思います」、なるほど。
・『宗教は戦争を引き起こすが…  Q:宗教は時に戦争の原因になります。それでも、宗教には有益な面の方が多いのでしょうか。 A:確かに、宗教は宗教戦争を引き起こします。宗教というのは、絆の強いコミュニティーを作るためにあるので、真の信奉者とそうではない人と対比させることで、絆を強化することが往々にしてあるのです。 全体的には、やはり有益な面の方が多いでしょう。帰属感を作り出します。また、少なくとも信者同士では素行が良くなり、老人や病人や貧しい人に施しもします。 一人の内面に、複数の宗教が存在している場合もあります。日本人がその典型です。結婚式は神道で行い、葬儀は仏教でやるということが日本ではよくありますよね? これは、世界的にはまれなケースです。宗教にあまり意識がないからでしょう。 宗教の歴史を振り返ると、異なる宗教で互いの儀式や教義を借り合うことが往々にしてあります。キリスト教の中でも、ユダヤ教を経由してゾロアスター教から、非常に強い影響を受けています。また、儀式や教義の点では、明らかに古い仏教からの影響も見られます。 Q:あなたは、人間が安定的な関係性を維持できる人数の上限がおおむね「150」であると説きましたね(「ダンバー数」)。その150という数字は、宗教とも関係あるのでしょうか? A:寺や教会における集会は150人が最適規模だと分かっています。また、19世紀の米国では移住者が増え続け、人々はコミュニティーを作り、密接な関係を維持しながら暮らしていましたが、その中で宗教のベースがあるコミュニティーでは、150人が平均でした。 これは私の調査とは別のものですが、プロテスタントの集会では100人以下だと教会や神父をサポートするのに十分ではなく、1人当たりの負担金額が大きすぎるという研究結果も出ています。一方で、200人を超えると帰属意識がなくなってきます。つまり、100人と200人の間に全てがうまくいくsweet spot(最大の利益が見込めるところ)があるということです』、「宗教は宗教戦争を引き起こします。宗教というのは、絆の強いコミュニティーを作るためにあるので、真の信奉者とそうではない人と対比させることで、絆を強化することが往々にしてあるのです。 全体的には、やはり有益な面の方が多いでしょう。帰属感を作り出します。また、少なくとも信者同士では素行が良くなり、老人や病人や貧しい人に施しもします。 一人の内面に、複数の宗教が存在している場合もあります。日本人がその典型です。結婚式は神道で行い、葬儀は仏教でやるということが日本ではよくありますよね? これは、世界的にはまれなケースです・・・あなたは、人間が安定的な関係性を維持できる人数の上限がおおむね「150」であると説きましたね(「ダンバー数」)。その150という数字は、宗教とも関係あるのでしょうか? A:寺や教会における集会は150人が最適規模だと分かっています。また、19世紀の米国では移住者が増え続け、人々はコミュニティーを作り、密接な関係を維持しながら暮らしていましたが、その中で宗教のベースがあるコミュニティーでは、150人が平均でした。 これは私の調査とは別のものですが、プロテスタントの集会では100人以下だと教会や神父をサポートするのに十分ではなく、1人当たりの負担金額が大きすぎるという研究結果も出ています。一方で、200人を超えると帰属意識がなくなってきます。つまり、100人と200人の間に全てがうまくいくsweet spot(最大の利益が見込めるところ)があるということです」、「寺や教会における集会は150人が最適規模だと分かっています」、「寺や教会における集会に最適規模」があるとは初めて知ったが、なんとなく感覚的な印象と一致するようだ。 
タグ:宗教 (その13)(「カルト後遺症」の深刻 オウム元死刑囚が洗脳から脱した後も“麻原彰晃化”したワケ、ベストセラー著者が語る「旧統一教会問題」と「カルト教祖の共通点」 ロビン・ダンバー氏インタビュー) ダイヤモンド・オンライン 高橋徹氏による「「カルト後遺症」の深刻、オウム元死刑囚が洗脳から脱した後も“麻原彰晃化”したワケ」 「オウム死刑囚 父の手記」と国家権力』(現代書館) 「「平成の事件は平成のうちに決着させたい」という政府の思惑だろうか、2018(平成30)年の7月、オウム死刑囚13人の死刑が執行された」、「死刑囚」の執行が遅れるのが普通だが、「政府の思惑」で異例の執行となったようだ。 「悪いことが起こると、その説明を求めてしまう。竹迫は統一教会を脱会して37年になるが、いまだにそういう瞬間があるという・・・カルト後遺症です」、なるほど。 「カルトの怖さは脱会後にも後遺症となって残る。教義から抜けても人間関係の持ち方とか、指示命令系統とかそういうところに残るのではないか」、なるほど。 「「私たちは二重に傷つくのです。一つ目は『子供をカルトにとられたこと』、二つ目は『子供がカルトにとられたのはあなたたちのせいでしょうと世間から偏見の目で見られること』です・・・日本では特に『子供の罪は親の罪』として、責任を感じる姿が美化されすぎるきらいがあるのではないでしょうか。そのために親が苦しめられることがあります」、やはり「カルト後遺症」は深刻なようだ。 大野和基氏による「ベストセラー著者が語る「旧統一教会問題」と「カルト教祖の共通点」 ロビン・ダンバー氏インタビュー」 ロビン・ダンバー著『宗教の起原』(白揚社) 「結束したコミュニティーを作る際の宗教の役割と宗教の儀式が、脳の「エンドルフィン物質」を活性化することが分かりました。この物質は、人間のフレンドシップを構築するのに使われます。礼拝中の人の脳を調べると、儀式が脳内のエンドルフィンを活性化していたのです」、「儀式が脳内のエンドルフィンを活性化していた」、とは初めて知った。 「カルトにおける「教祖」というのは、人生において大きな危機を経験していることが非常に多いです。全財産を失ったとか、大病をして死にかけたとかね。そして自分の殻に閉じこもって、ひどく落ち込んだ経験があります。その間に、宇宙の真実のようなことに目覚めて、それを信じるようになるのです。 宇宙を支配しているものについて斬新なアイデアを持ち、周囲を根気強く納得させます。でないとみんなに笑われて、排除されて終わりです。だから多くのカルトはいささかクレイジーな人が教祖になっているのです。 ほとんどのカルトは、社会的な真実を持つようになり、宗教に変わっていきます。他の人に優しくしたり、慈善を施したりします。一方で宗教にならないカルトは、非常にクレイジーな教義を持っているので、普通は長続きしません。続くケースは非常にまれですね。カルトは教祖のためだけにあり、それ以外の人は搾取されるものなのです・・・全ての宗教はカルトから始まり、信奉者が増えて非常に大きなコミュニティーになると、「もはやカルトではなく宗教である」と呼びたくなるのです。 ほとんど全ての宗教は、下部から絶えずカルトが発生している状態とも言えます。神道だって末端でさまざまな団体がありますよね? そして、神道だけでなく仏教を混合した信仰を抱く人もいます。 明らかなのは、末端に出てきたカルトは異端であることが多いことです。正しいセオリーを伝道しているわけではないので、有害になる可能性があります。時に、そうした小さなカルトが暴走してどんどん拡大し、世界的な宗教になることもあります。 キリスト教やイスラム教は、元はと言えばユダヤ教の産物でした。そして、他の多くの宗教がインドや地中海沿 岸地方にも入ってきました。キリスト教やイスラム教はさかのぼると、ゾロアスター教に起源があります・・・カルトが宗教になる条件は何でしょうか。 A:サイズだけです。多くの異なる国で、かなり広い地域で多くの人が信仰するようになると宗教になります。と同時に大きな宗教にとって非常に重要なことは、正式な教義と儀式があることです。一方で小規模のカルトには盤石な教義はなく、ころころ変わる傾向があります。また、儀式もフォーマルでないことが多い。 Q:カルトについてbrainwashing(洗脳)という言葉を使いますが、宗教について〈洗脳〉という言葉を使いますか? A:yes and noです。カルトと宗教の間には、微妙な区別があります。カルトは往々にして厳格な罰をもって、行動や信じるべきことを強制します。一方で、宗教は強制ではなく「説得」によって行います。つまり、もう少しリラックスしているイメージです。他方で、例えばキリスト教の歴史をたどると、異教徒や正しい教義を信じない者に対して差別や迫害をしていた時代もありました。 いずれにせよbrainwashingは、宗教上の信条であれ、政治的信条であれ、一つのコミュニティーが結束し続けるためには、世界中ですべての信条に当てはまると思います」、なるほど。 「宗教は宗教戦争を引き起こします。宗教というのは、絆の強いコミュニティーを作るためにあるので、真の信奉者とそうではない人と対比させることで、絆を強化することが往々にしてあるのです。 全体的には、やはり有益な面の方が多いでしょう。帰属感を作り出します。また、少なくとも信者同士では素行が良くなり、老人や病人や貧しい人に施しもします。 一人の内面に、複数の宗教が存在している場合もあります。日本人がその典型です。結婚式は神道で行い、葬儀は仏教でやるということが日本ではよくありますよね? これは、世界的にはまれなケ ースです・・・あなたは、人間が安定的な関係性を維持できる人数の上限がおおむね「150」であると説きましたね(「ダンバー数」)。その150という数字は、宗教とも関係あるのでしょうか? A:寺や教会における集会は150人が最適規模だと分かっています。また、19世紀の米国では移住者が増え続け、人々はコミュニティーを作り、密接な関係を維持しながら暮らしていましたが、その中で宗教のベースがあるコミュニティーでは、150人が平均でした。 これは私の調査とは別のものですが、プロテスタントの集会では100人以下だと教会や神父をサポートするのに十分ではなく、1人当たりの負担金額が大きすぎるという研究結果も出ています。一方で、200人を超えると帰属意識がなくなってきます。つまり、100人と200人の間に全てがうまくいくsweet spot(最大の利益が見込めるところ)があるということです」、「寺や教会における集会は150人が最適規模だと分かっています」、「寺や教会における集会に最適規模」があるとは初めて知ったが、なんとなく感覚的な印象と一致するよ
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司法(その18)(「特捜検察」の暴走 なぜ無罪判決が相次ぐのか ストーリー優先で証拠集め、調書は検事の作文、警察の「やりすぎ職務質問」5時間拘束!塩を“薬物”と誤解 尿検査シロでも…これ違法?、ロースクール制度は「文科省と法務省の設計ミスが一番の失敗」柴山昌彦・元文科相が激白) [社会]

司法については、昨年5月19日に取上げた。今日は、(その18)(「特捜検察」の暴走 なぜ無罪判決が相次ぐのか ストーリー優先で証拠集め、調書は検事の作文、警察の「やりすぎ職務質問」5時間拘束!塩を“薬物”と誤解 尿検査シロでも…これ違法?、ロースクール制度は「文科省と法務省の設計ミスが一番の失敗」柴山昌彦・元文科相が激白)である。 なお、タイトルから「の歪み」を削除した。

先ずは、昨年9月4日付け東洋経済オンライン「「特捜検察」の暴走、なぜ無罪判決が相次ぐのか ストーリー優先で証拠集め、調書は検事の作文」を紹介しよう。
https://toyokeizai.net/articles/-/698489
・『司法試験の受験者数が激減。弁護士は「食えない」「AIが代替する」と敬遠され、若き裁判官の離職が相次ぎ、検察官は供述をねじ曲げるーー。『週刊東洋経済』の9月4日(月)発売号(9月9日号)では、「弁護士・裁判官・検察官」を特集。実態とともに、司法インフラの瓦解の足音をお伝えする。 「お試しで逮捕、起訴なんてことはありえないんだよ。俺たちはいいかげんな仕事はできないんだよ。人の人生狂わせる権力持ってるから、こんなちっぽけな誤審とかで人を殺すことだってできるんですよ。失敗したら腹を切らなきゃいけないんだよ。命かけてるんだよ、俺たちは。あなたたちみたいに金をかけているんじゃねえんだ。金なんかよりも大事な命と人の人生を天秤にかけてこっちは仕事をしてるんだよ。なめるんじゃねーよ。必死なんだよ」 これは大阪地検特捜部の田渕大輔検事(肩書は当時、以下同じ)が、不動産開発会社プレサンスコーポレーションの小林桂樹・執行役員の取り調べで放った言葉だ。2019年12月のことだ』、「俺たちはいいかげんな仕事はできないんだよ。人の人生狂わせる権力持ってるから、こんなちっぽけな誤審とかで人を殺すことだってできるんですよ。失敗したら腹を切らなきゃいけないんだよ。命かけてるんだよ、俺たちは。あなたたちみたいに金をかけているんじゃねえんだ。金なんかよりも大事な命と人の人生を天秤にかけてこっちは仕事をしてるんだよ。なめるんじゃねーよ。必死なんだよ」、何と思い上がった姿勢なのだろう。驚いた。
・『人生は狂わされた  田渕の言葉どおり、プレサンスの山岸忍社長の人生は狂わされた。否認をし続けた山岸は248日間勾留された。勾留中に社長を辞任し、自分が創業したプレサンスの株を同業他社に売却した。 ところが山岸の逮捕、起訴は検察の大チョンボだった。田渕は小林にウソの供述をさせていた。大阪地裁はそのことを見抜き、山岸に無罪を言い渡した。検察は控訴を断念した。 飛ぶ鳥を落とす勢いだったプレサンスを経営危機に陥れておきながら、大阪地検から当事者の山岸に謝罪の言葉はまったくない。 厚生労働省の雇用均等・児童家庭局、村木厚子局長事件で無罪を勝ち取った弘中惇一郎弁護士は、近著『特捜検察の正体』の中でプレサンス事件について「大阪地検特捜部は村木事件と同じ過ちを繰り返してしまった」と書いている。) 村木事件をきっかけに導入された取り調べの録音録画がされている中で、田渕は取調室の机をたたき、小林を侮辱し、精神的苦痛を与えた。大阪地裁は「録音録画された中でこのような取り調べが行われたこと自体が驚くべき由々しき事態」と指摘している。 弘中は前出の著書の中で、検察が事件をでっち上げる手法を20に分類している。村木事件など過去に受任した冤罪(えんざい)事件での手法だが、これらは今もなお使われている。 例えばプレサンス事件では「山岸が横領を知っていた」という誤った見立てで証拠集めをした(上表の手法1)。長期勾留し山岸を心身ともに追い込んだ(同9)。 公安警察が立件した大川原化工機事件は検察の手法そのままだ。「生物兵器に転用可能と知っていて不正に輸出した」という誤った見立てをし(手法1)、温度の上がらない箇所があるという客観的・科学的事実には目をつぶり(同2)、警部補が供述調書をひたすら作文した(同3)。調書に「不正に」などの化粧を施して真実らしさを装った(同17)。検察は公安警察の言いなりになって大川原化工機の大川原正明社長らを起訴した』、「弘中は前出の著書の中で、検察が事件をでっち上げる手法を20に分類している。村木事件など過去に受任した冤罪(えんざい)事件での手法だが、これらは今もなお使われている。 例えばプレサンス事件では「山岸が横領を知っていた」という誤った見立てで証拠集めをした(上表の手法1)。長期勾留し山岸を心身ともに追い込んだ(同9)。 公安警察が立件した大川原化工機事件は検察の手法そのままだ。「生物兵器に転用可能と知っていて不正に輸出した」という誤った見立てをし(手法1)、温度の上がらない箇所があるという客観的・科学的事実には目をつぶり(同2)、警部補が供述調書をひたすら作文した(同3)。調書に「不正に」などの化粧を施して真実らしさを装った(同17)。検察は公安警察の言いなりになって大川原化工機の大川原正明社長らを起訴した」、なるほど。
・『最大の武器は人質司法  検察の権力の源泉は何か。元検察官の郷原信郎弁護士は「人質司法が最大の武器だ」と指摘する。 検察は容疑者を逮捕すると48時間拘束できる。裁判所に勾留が認められると10日間拘束でき、再度同じ手続きでさらに10日間延長できる。つまり逮捕から最長で22日間拘束できる。) 起訴されれば法律上は保釈が可能となる。しかしそれは容疑を認めた場合に限られる。否認し続けると起訴後、口裏合わせや証拠隠滅、逃亡のおそれがあるとし、検察は保釈に猛反対する。特捜事件の場合、裁判所は検察に追従する傾向が顕著だ。 なぜ検察は長期勾留で被疑者を追い込むのか。郷原弁護士は「裁判で争わせないようにするためだ」と指摘する。法廷では検察官が罪状を読み上げ、被告が容疑を認める。まるで儀式だ。後は執行猶予をつけるかどうかだけで、検察が負けることはない。刑事事件の有罪率が99.8%と高いことの原因の1つにもなっている。 企業にとって長期勾留の経済的ダメージは大きい。それを見透かして、「罪を認めてさっさと保釈されたほうが得、という考え方をする人もいるよ」と、自白を巧妙に促す検察官もいるくらいだ。 人質司法に頼るあまり特捜検察の質が低下。「刑事事件としての立件の当否を判断する能力が劣ってきている」(郷原弁護士)。誤った見立てで経営者・企業人を逮捕・起訴・長期勾留。供述調書をねじ曲げてきたのが検察の実態だ』、「元検察官の郷原信郎弁護士は「人質司法が最大の武器だ」と指摘する。 検察は容疑者を逮捕すると48時間拘束できる。裁判所に勾留が認められると10日間拘束でき、再度同じ手続きでさらに10日間延長できる。つまり逮捕から最長で22日間拘束できる・・・人質司法に頼るあまり特捜検察の質が低下。「刑事事件としての立件の当否を判断する能力が劣ってきている」(郷原弁護士)。誤った見立てで経営者・企業人を逮捕・起訴・長期勾留。供述調書をねじ曲げてきたのが検察の実態だ・・・企業にとって長期勾留の経済的ダメージは大きい。それを見透かして、「罪を認めてさっさと保釈されたほうが得、という考え方をする人もいるよ」と、自白を巧妙に促す検察官もいるくらいだ」、全く卑劣この上ない検察官だ。
・『検察官同一体の原則  検察庁には「検察官同一体の原則」というものがある。何事も上に伺いを立て、検察官によって違ったことを言ってはならない。 大川原社長は国と東京都を相手に賠償訴訟をしている。その裁判に、大川原社長らを起訴した塚部貴子検事が証人喚問された。別の検事が社長らの起訴を取り消しているというのに、塚部は「当時の判断に間違いがあったとは思わない」とし、謝罪しなかった。 証人台の塚部をほぼ正面の原告席から見ていた大川原社長には「言いたくないことを言わされているたびに検事の顔色が赤黒く変わったように見えた。個人の意思を抑えてしまうからダメなんだ。上司に『違う』と言える検察組織にしていかないと、国としてやばい」。大川原社長は組織を率いる企業経営者として、検察という組織のいびつさを危惧している。(一部敬称略)』、「大川原社長らを起訴した塚部貴子検事が証人喚問された。別の検事が社長らの起訴を取り消しているというのに、塚部は「当時の判断に間違いがあったとは思わない」とし、謝罪しなかった。 証人台の塚部をほぼ正面の原告席から見ていた大川原社長には「言いたくないことを言わされているたびに検事の顔色が赤黒く変わったように見えた。個人の意思を抑えてしまうからダメなんだ。上司に『違う』と言える検察組織にしていかないと、国としてやばい」。大川原社長は組織を率いる企業経営者として、検察という組織のいびつさを危惧している」、その通りだ。

次に、本年3月8日付けダイヤモンド・オンラインが転載した弁護士ドットコムニュース「警察の「やりすぎ職務質問」5時間拘束!塩を“薬物”と誤解、尿検査シロでも…これ違法?」を紹介しよう。
https://diamond.jp/articles/-/340025
・『職務質問を受けて荷物を見せたら、財布の中に入れていた「お清めの塩」を違法薬物と勘違いされ、尿検査をする羽目になった――。このような体験をした人から、弁護士ドットコムに「さすがに行き過ぎでは」との相談が寄せられている。 相談者によると、警察は財布の中の「塩」をみつけると、簡易検査をしたという。結果は陰性だったが「塩だとの確証がない」との理由で警察署に連行され、写真を撮られたり、書類を書かされたりしたそうだ。尿検査も陰性だったが、解放されたのは職務質問を受けてから5時間後だったという。 「高圧的な態度をとられて精神的にも苦痛だったが、謝罪の一言もなかった」と相談者は憤りを感じている様子だ。警察に苦情を申し立てる術はないのか。警視庁刑事としての経験も有する澤井康生弁護士に聞いた。Qは聞き手の質問、Aは澤井康生弁護士の回答)』、「職務質問を受けて荷物を見せたら、財布の中に入れていた「お清めの塩」を違法薬物と勘違いされ、尿検査をする羽目になった・・・結果は陰性だったが「塩だとの確証がない」との理由で警察署に連行され、写真を撮られたり、書類を書かされたりしたそうだ。尿検査も陰性だったが、解放されたのは職務質問を受けてから5時間後だったという」、なるほど。
・『警察官の対応「ただちに違法性は認められない」  Q:今回の警察の対応に法的な問題はないのでしょうか。 A:警察官がおこなった措置は、職務質問とそれに付随する所持品検査ならびに尿検査になります。職務質問は警察官職務執行法2条1項に基づき、警察官が対象者の人定事項などを質問する行為です。強制力はないので、あくまで任意ということになります。 所持品検査については明文規定はありませんが、最高裁の判例によれば、職務質問に付随しておこなうことができるとされています(最高裁昭和53年6月20日判決)。こちらも原則として強制力はなく、あくまで任意ということになります。 警察官は職務質問から始めて所持品検査をおこなった結果、違法薬物と疑われる白い粉末が出てきたことから警察署への任意同行を求め、任意での尿検査をおこなっています。すべての手続きは対象者の同意を得て任意でおこなっているため、違法性は認められません。 Q:相談者によると、簡易検査(あるいは予試験:薬物簡易試験)の結果は陰性だったとのことです。 A:警察官は検査の結果だけではなく、自供、対象物の状況、色、包装、所持態様、対象者の身体的状況など他の状況証拠を総合的に判断して、嫌疑の有無を判断することになります。 今回のケースの具体的な状況は不明ですが、簡易検査の結果は「陰性」だったものの他に不審事由があったのかもしれません。ここまでのプロセスについては、ただちに違法性は認められないといえるでしょう』、「警察官は職務質問から始めて所持品検査をおこなった結果、違法薬物と疑われる白い粉末が出てきたことから警察署への任意同行を求め、任意での尿検査をおこなっています。すべての手続きは対象者の同意を得て任意でおこなっているため、違法性は認められません」、なるほど。
・『5時間の留め置き「違法」の可能性も…  Q:相談者は、職務質問を受けてから5時間後にようやく解放されたようです。長時間その場に留め置くことは、法的に問題ないのでしょうか。 参考判例として、神戸地裁姫路支部令和2年6月26日判決があります。覚醒剤の自己使用の事案について、警察署に任意同行された後に帰宅の意思を表示したにもかかわらず、6時間以上にわたって留め置きされた行為の違法性が問題となった事案です。 裁判所は、捜査の適法性の判断基準として「時系列的に必要性、緊急性なども考慮した上、具体的状況のもとで相当と認められる限度内にあるか否かを判断する」としました。 そのうえで、本人が強く帰宅を求めたのであれば、いったん帰らせたうえで追尾などの他の手段を考えることなく本人を留め置いた行為は「任意捜査として許容される留め置きの限度を超えている」と示しました。 この裁判例は、本人が実際に覚醒剤を自己使用し、強制採尿令状の請求に着手していた事案です。対して、今回のケースは覚醒剤ではなく「塩」なので、捜査の必要性、緊急性は高いとはいえないでしょう。 具体的な状況はわかりませんが、相談者が帰宅の意思を明確に示していたにもかかわらず、5時間にわたり留め置いた場合であれば、違法と判断される可能性も否定はできません。 Q:警察官の対応に疑問を感じた場合、苦情を申し立てることはできますか。 A:はい。警察法79条の規定に基づき、公安委員会に対して書面により、苦情の申し出ができます。公安委員会は誠実に処理し、処理結果を書面で申出者に通知するとされています』、「相談者が帰宅の意思を明確に示していたにもかかわらず、5時間にわたり留め置いた場合であれば、違法と判断される可能性も否定はできません。 Q:警察官の対応に疑問を感じた場合、苦情を申し立てることはできますか。 A:はい。警察法79条の規定に基づき、公安委員会に対して書面により、苦情の申し出ができます。公安委員会は誠実に処理し、処理結果を書面で申出者に通知するとされています」、なるほど。

第三に、3月15日付けダイヤモンド・オンラインが転載した弁護士ドットコムニュース「ロースクール制度は「文科省と法務省の設計ミスが一番の失敗」柴山昌彦・元文科相が激白」を紹介しよう。
https://diamond.jp/articles/-/340458
・『2024年3月に開校20年を迎えるロースクール(法科大学院)は、スタート直後こそ多様な人材が集まったものの、次第に入学者数は減り、司法試験の受験者数も低迷した。 これを受けて、国は2019年、法学部3年とロースクール2年の教育課程「法曹コース(いわゆる3+2)」を新設するとともに、「在学中受験」を可能にするなど、法曹志願者数の回復に向けて“テコ入れ”を図った。この時、ロースクールを所管する文部科学省で大臣を務めていたのが弁護士出身の柴山昌彦衆議院議員だ。 脱サラ後司法試験に合格するまで7年かかったという柴山氏は、「博打のような司法試験の結果一発」ではなく「卒業できれば7~8割の人が合格できる『プロセスによる選抜』」を実現し得る存在として、ロースクールには当初大きな期待を寄せていたという。 しかし、いざ始まった新司法試験では合格率が5割超えすら1度もなく、20%台の低空飛行が続いた。 「文部科学省と法務省が初めにしっかり制度設計をしておかなくてはいけなかったことが一番の失敗」と話す柴山氏に、この20年の振り返りとこれからの法曹養成について聞いた。(Qは聞き手の質問、Aは柴山氏の回答)』、「「博打のような司法試験の結果一発」ではなく「卒業できれば7~8割の人が合格できる『プロセスによる選抜』」を実現し得る存在として、ロースクールには当初大きな期待を寄せていたという。 しかし、いざ始まった新司法試験では合格率が5割超えすら1度もなく、20%台の低空飛行が続いた・・・「文部科学省と法務省が初めにしっかり制度設計をしておかなくてはいけなかったことが一番の失敗」と話す柴山氏」、なるほど。
・『一番の失敗は「当初の制度設計」  Q:柴山議員は民間企業での勤務を経て旧司法試験を合格して弁護士になっています。2004年のロースクール開校をどのように見ていましたか。) A:私が大学生だった1980年代は旧司法試験の合格率が1%台の年もあり、10~20年受験している人も珍しくありませんでした。当時の国会でも問題になって、「人生を空費して社会的な損失だ」などと言われてました。 私も民間企業を辞めてから最終合格まで7年かかりましたが、やはり大変厳しい思いをしましたし、不合格を繰り返すことはメンタル的にも非常に辛かった。「司法試験は博打」だと本当に思っていました。 博打と思わせるほど難関な試験に合格する人たちの集団という要素が法曹の社会的地位を高めていたというのはあると思います。 しかし、私に言わせれば、その“既得権益”の上にいる法曹は新しい時代の要請、特に国際的なニーズに応えられていなかった。早くから「このままではだめだ」「司法試験の結果のみという点ではなく、司法試験を受験するまでのプロセスを線で評価すべき」という声はたくさん出ていたにもかかわらずです。 若年層の合格者を増やすことも大事だと思っていましたので、ロースクールの導入及び合格者の拡大で、プロセスによる選抜で若い人たちが合格しやすくなるとともに、法曹人口が増え、多様性や競争によって“既得権益”が打破され業界全体がより活性化するのではないか。そんな思いでロースクールには非常に期待していました。 Q:開校初年度は社会人経験者が半数近く入学するなど、多様な人材の確保・育成に向けて好スタートを切ったかのように見えました。 A:アメリカのロースクール生は、入学してからものすごく勉強します。過酷と言われるほどの学生生活を送るようですが、そこまで頑張らないと卒業させてもらえません。その代わり、卒業できた人は7~8割が司法試験で合格できる。 日本のロースクールでも質の高い、そして進級が難しい厳格な評価をして、卒業できた人は同じように7~8割が合格する。そうなることを期待していましたし、当初はそうなる予定だったはずです。 社会人経験者の入学者もこれまでのキャリアを捨てても7~8割が合格できるならと、ロースクールの門を叩いた人はいたと思います。 Q:いざ新司法試験が始まってみると、初年度の合格率が48.3%で徐々に低下し、4回目からの10年ほどは20%台の低空飛行が続きました。 A:忸怩(じくじ)たる思いです。 雨後の筍のように、大学側が儲かるからといって猫も杓子もロースクールを作るということは想定できていなかったと思います。 決められた合格者数に対して多くのロースクールが作られれば、「司法試験合格者数」というデジタルな数値で綺麗にランク付けされてしまいます。合格率の高低でロースクール間に序列ができることは間違いないし、合格率の低いロースクールは淘汰されざるを得ない宿命にある。 こんなことはわかっていたことですから、私はロースクールができた当初から、「手厚い在校生への支援」と「厳格な評価」の両輪でやっていくべきだと思って教育行政に携わってきましたし、ロースクールの質の確保と再編は絶対必要だと文科省に再三訴えていました。 ところが、文科省の再編の動きは極めて鈍かった。結局ロースクールの再編・統合の動きは鈍く、司法試験を実施している法務省は法曹の質を確保する方向で動いた結果、理想と現実の間にものすごいギャップが生まれてしまいました。 Q:質の確保についてはどうでしょうか。 A:十分に確保できる仕組みでスタートしたとは言い難いと思います。 A:法曹養成の仕組みは基本的にアプレンティスシップ(徒弟制度)で、司法試験を合格した新人はいわば「丁稚」です。司法修習では検察庁や裁判所で実務の“修行”をおこないますが、起案書を出すと、ズタズタになって直されます。 修習を終えた後も同様です。新人は叩かれしごかれて、時間をかけて真のプロフェッショナルになっていくものなんです。にもかかわらず、いきなり新人が急増したら、徒弟制度で育てることなんてできるわけがない。 私自身は法曹人口を増やすべきだという立場ですが、それでも法曹養成の宿命、つまりしっかりと育て上げるというアプレンティスシップな仕組みの中で、急激な拡大というのは物理的に無理があったと考えています。 結局、弁護士人口を増やしたけれども、既存の法律事務所ではとても抱えきれない状況になり、修習後にいきなり独立(即独)する人も出ました。司法研修所を出ただけで、指導してくれる人もいない中いきなり競争にさらされれば、質を高める余裕なんてありません。 弁護士需要と供給の拡大、法科大学院の再編統合、これらの要素をきちんとグリップをきかせて計画を立てていくことが必要だったのではないでしょうか。 合格率についても同様です。 当初の目標では合格者数3000人、合格率7~8割という数値が掲げられていました。単純な数値上の話ではありますが、たとえばロースクール入学者数を4000人前後に絞れば達成できそうに思われます。 しかし、実際には全国で最大74校ものロースクールが開校し、制度開始から数年は入学者数が5500人を上回る一方、合格者数は最大で2000人を少し上回る数にとどまりました。これでは合格率7~8割が実現するはずもありません。 ロースクールの校数や入学者数といった全体の総量をどうするか。文部科学省と法務省がこの点を初めにしっかり制度設計をしておかなくてはいけなかった。これが一番の失敗だと思います。
「当初の目標では合格者数3000人、合格率7~8割という数値が掲げられていました。単純な数値上の話ではありますが、たとえばロースクール入学者数を4000人前後に絞れば達成できそうに思われます。 しかし、実際には全国で最大74校ものロースクールが開校し、制度開始から数年は入学者数が5500人を上回る一方、合格者数は最大で2000人を少し上回る数にとどまりました。これでは合格率7~8割が実現するはずもありません』、「ロースクールの校数や入学者数といった全体の総量をどうするか。文部科学省と法務省がこの点を初めにしっかり制度設計をしておかなくてはいけなかった。これが一番の失敗だと思います」、なるほど。
・『Q:法曹人口を増やすべきだという立場とのことですが、どの程度必要だと考えていますか。 A:具体的な数値を申し上げるのは難しいですが、国民性や法の浸透度というのが無関係ではないと思います。国民がどれほど法的サービスを具体的に求めているのか。法曹の数が、人口比でアメリカに比べて何倍も少ないというような単純な比較はすべきでありません。 ただ、国民性が違うとはいっても、これだけ社会がグローバル化していく中、丁々発止で訴訟などで海外と渡り合うためには、国際法に強い人材を含め、法曹の質と量を充実させることはすごく重要だと思っています。 また、国内でも法曹人口が十分でない地域もあります。それによってもし泣き寝入りしている弱い立場の方が一人でもいるとすれば、それはとても不幸なことですし、やはり法曹はまだまだ日本では足りていないと考えています』、「これだけ社会がグローバル化していく中、丁々発止で訴訟などで海外と渡り合うためには、国際法に強い人材を含め、法曹の質と量を充実させることはすごく重要だと思っています。 また、国内でも法曹人口が十分でない地域もあります。それによってもし泣き寝入りしている弱い立場の方が一人でもいるとすれば、それはとても不幸なことですし、やはり法曹はまだまだ日本では足りていないと考えています」、なるほど。
・『法曹コース創設や在学中受験の実現「理想に一歩近づいた」  Q:ロースクールは現在34校と最盛期の半分以下になるなど状況は変化しています。柴山議員が文部科学大臣だった際、「法曹コース(3+2)」を創設し、ロースクール在学中の受験も可能にしました。 ロースクール進学者数の低迷は、結局のところ、「ロースクールに魅力がない」と見られているからです。卒業しても司法試験に合格できるかどうかわからないうえ、膨大な時間と費用がかかる。メリットが少ないのに負担が多いものを選ぶ人はなかなかいないですよね。 優秀な人材であれば短い期間で合格できる仕組みを作って、「この仕組みで卒業した人はなかなかいい」と評価されるようにすることは、絶対やらなくてはいけないと思っていました。 「3+2」については、時間と費用のデメリットを抑えつつ、司法試験を受験するまでのプロセスを線で評価する仕組みを維持する形として、予備試験の存在をすごく意識しました。 Q:2023年の司法試験では法曹コースの学生が初めて在学中受験をし、合格率は「65.24%」。2022年度の既修者コースを修了した者の合格率「62.82%」、既修者コースに通う在学中受験者全体の合格率「63.31%」をわずかに上回りました。 A:手前味噌ですが、「ロースクールのあるべき理想に一歩近づいた」と自負しています。法曹コースへの進学を考えている方々がこの数字を見てどう感じるかだと思います。ただ、予備試験を経由した人の9割以上が合格していることもまた事実です。 法曹コースに進むと勉強に追われ過ぎるという声もありますが、その分学費の奨学金化や成績優秀者の学費減免などを実施するなど十分なメリットを用意し、法曹コースでしっかり成績を残した人は高い合格率でしかも早く法曹資格を得られる、という道筋をぜひつけてほしいと期待しています。そのために在学中受験も可能にしたわけですから。 Q:法曹コース進学は法学部での教育とセットになっているため、社会人経験者などは事実上入れません。 社会人から転身して弁護士として第2の道を歩みたいという方に大勢集まってもらいたいというのが、ロースクール開校当初の理想だったわけですから、そういった方々にとって魅力あるロースクールでなくてはならないというのは今後の大きな課題だと認識しています』、「2023年の司法試験では法曹コースの学生が初めて在学中受験をし、合格率は「65.24%」。2022年度の既修者コースを修了した者の合格率「62.82%」、既修者コースに通う在学中受験者全体の合格率「63.31%」をわずかに上回りました。 A:手前味噌ですが、「ロースクールのあるべき理想に一歩近づいた」と自負しています。法曹コースへの進学を考えている方々がこの数字を見てどう感じるかだと思います。ただ、予備試験を経由した人の9割以上が合格していることもまた事実です」、なるほど。
・『予備試験の存在「その実益は否定し得ない」  Q:予備試験の位置づけはどう考えていますか。 A:法曹コースであってもロースクールに通えない事情の方もいるでしょうから、あらゆる人に門戸を開くという観点から、補充的な形では今後も残していくべきものだと思います。ただ、今のままの仕組みで続けていくかは、もう少し精査する必要があるかもしれません。 Q:具体的には何を精査する必要があるのでしょうか。 A:予備試験はロースクールを経て受験するコースに対する補充的な意味の位置づけだと考えていますし、合格者数からして現状もその役割で落ち着いています。 司法試験の受験資格を得られるという点で、ロースクールを卒業したのと同等の学力が認められるというのが制度上の建前ですが、本当に同等といえるのかどうか。ロースクールと予備試験のいずれかに法曹志望者が偏るのならば、志望者の実力(レベル)で調整することを考えるのも一案です。 私が受験生時代に、旧司法試験の多浪を防ぐため、受験回数の制限が議論されました。結果として、回数制限ではなく受験回数による特別合格枠、いわゆる「丙案」制度が1996年の試験から導入されました。 受験回数3回までの受験生を優先的に合格させることで合格者の若年化を図るというものです。受験回数の少ない受験生にとっては恩恵ですが、その裏で、合格できる順位だった多浪生がはじかれていました。 たとえば、合格者1000人で特別合格枠が200人だった場合、制度対象外の受験生だと、試験結果の順位は801番目でも、1001~1200番目が全員制度対象の受験生だったらそちらが優先され、実力では801番目でも不合格ということになっていました。同じ司法試験を受けても、受験者の属性によって最低点が違っていたわけです。 「丙案」制度には様々な批判もありましたし、その後合格者がさらに増えたことで2004年以降は廃止されましたが、個人的には、異なる経路や経験によって合否の結果が変わってくることは政策的にあり得ないことではないと思っています。 Q:仕事を辞めるリスクまではとれない社会人にとって、予備試験は重要な選択肢になっているように見受けられます。 A:その実益は否定し得ないと思います。また、予備試験に合格できる実力があるならば、その道が最短であることも事実です。ただし何度も申し上げますように、予備試験はあくまで補充的という位置づけです。) Q:法曹界の採用では、若い合格者が優遇される傾向にあります。 A:多様な人材が活躍する法曹界を目指すという理念からすれば、間違いなく本末転倒な事態だと思っています。 脱サラして弁護士になった身としては、弁護士からサラリーマンやキャリア公務員になる、サラリーマンやキャリア公務員が弁護士になる、というような法曹という職を軸にしたキャリアのリボルビング(回転)が、これからもっと必要になってくると思うんです。 そういった人材を養成する場としてロースクールが一定の役割を果たすというのが私の理想です。 法曹コースを出て20代半ばで判事補になって、ずっと裁判官としてキャリアを積んでいくという道が駄目だと言っているわけではありません。でも最高裁判事を見ても、弁護士や検察官からなる人もいれば、外交官や法学者からなる人もいます。そういう多様性が法曹界でもっと広くあっていいのではないでしょうか。 裁判所や検察庁、大手法律事務所などの採用側が、もう少し長期的なビジョンを持って、年齢だけでなく、真に有益な人材を採用してほしいと思います。 法律の世界でも専門分野の細分化が著しく進んでいます。法律の知識だけで解決できる問題ばかりではありません。たとえば建築関係の紛争で1級建築士の資格を持つ弁護士がいたり、医療訴訟で医師免許を持つ弁護士がいたりすることが紛争解決にどれほど有益か。「国民のための司法」という観点からも、異分野の専門知識を持つ法曹がいることは大変望ましいことです。 Q:法曹養成のあり方について、国は今後どう向き合っていくのでしょうか。 A:既に令和6年度の予算は閣議決定をされ、所属する自民党では重点要望項目などを審査しています。国際情勢を踏まえたバランス感覚と法的思考能力をあわせ持つ人材を広く確保育成する方針です。 検察官出身の赤根智子さんが2018年、日本の法曹として初めて国際刑事裁判所(ICC)判事に就任しましたが、これからも国際的な分野で活躍できる法曹をしっかりと養成していくためには、幅の広いバッググラウンドをもった法曹が必要だろうと思っています。 また、裁判所の予算についても、これまでの37億円から57億円に増額されます。ロースクール制度の今後の在り方については引き続き、政府としてまた国会として取り組まなければならない重要な課題だと認識しています。 Q:法曹養成の課題について、国会内での盛り上がりはどうでしょうか。 A:残念ながら国会内で問題意識を熱心に取り組んでいる議員は多くありません。 法務と文科の両方に取り組んでいた方々は問題意識を強く持ってくださっています。問題意識が高い人たちで国家の様々な改革を後押ししていくことが大事だろうと思います。 法務省と文部科学省とではカルチャーが違います。そこを統べて物事を進めるためには、政治のイニシアチブが必要だと認識しています。 私の大臣時代におこなったロースクール改革も大きなものだったと思っていますし、何とかうまくものにしていけばいいのではないかという見通しが立ったのではないかと自負しています。「柴山の言うことなんて当てになんないよ」と言われるかもしれませんけどね(笑)。 Q:立法府の一員である柴山議員はどう取り組んでいくつもりでいますか。 A:私は現在、党の政調会長代理で、政務調査会での重点担当分野として大臣をしていた文部科学省分野と法務分野が割り当てられており、法曹養成と向かい合えるポジションにいます。 質・量・多様性、この3つをキーワードとして法曹養成にこれからもしっかりと関わっていきたいと考えています』、「弁護士からサラリーマンやキャリア公務員になる、サラリーマンやキャリア公務員が弁護士になる、というような法曹という職を軸にしたキャリアのリボルビング(回転)が、これからもっと必要になってくると思うんです。 そういった人材を養成する場としてロースクールが一定の役割を果たすというのが私の理想です・・・最高裁判事を見ても、弁護士や検察官からなる人もいれば、外交官や法学者からなる人もいます。そういう多様性が法曹界でもっと広くあっていいのではないでしょうか。 裁判所や検察庁、大手法律事務所などの採用側が、もう少し長期的なビジョンを持って、年齢だけでなく、真に有益な人材を採用してほしいと思います・・・法務省と文部科学省とではカルチャーが違います。そこを統べて物事を進めるためには、政治のイニシアチブが必要だと認識しています」、ずれにしろ、「ロースクール」の役割が当初想定されたのとは、大きく異なっている。ここでもう一度、今後の在り方を冷静に考え直す時期に来ているのではなかろうか。
タグ:司法 (その18)(「特捜検察」の暴走 なぜ無罪判決が相次ぐのか ストーリー優先で証拠集め、調書は検事の作文、警察の「やりすぎ職務質問」5時間拘束!塩を“薬物”と誤解 尿検査シロでも…これ違法?、ロースクール制度は「文科省と法務省の設計ミスが一番の失敗」柴山昌彦・元文科相が激白) 東洋経済オンライン「「特捜検察」の暴走、なぜ無罪判決が相次ぐのか ストーリー優先で証拠集め、調書は検事の作文」 「俺たちはいいかげんな仕事はできないんだよ。人の人生狂わせる権力持ってるから、こんなちっぽけな誤審とかで人を殺すことだってできるんですよ。失敗したら腹を切らなきゃいけないんだよ。命かけてるんだよ、俺たちは。あなたたちみたいに金をかけているんじゃねえんだ。金なんかよりも大事な命と人の人生を天秤にかけてこっちは仕事をしてるんだよ。なめるんじゃねーよ。必死なんだよ」、何と思い上がった姿勢なのだろう。驚いた。 「弘中は前出の著書の中で、検察が事件をでっち上げる手法を20に分類している。村木事件など過去に受任した冤罪(えんざい)事件での手法だが、これらは今もなお使われている。 例えばプレサンス事件では「山岸が横領を知っていた」という誤った見立てで証拠集めをした(上表の手法1)。長期勾留し山岸を心身ともに追い込んだ(同9)。 公安警察が立件した大川原化工機事件は検察の手法そのままだ。 例えばプレサンス事件では「山岸が横領を知っていた」という誤った見立てで証拠集めをした(上表の手法1)。長期勾留し山岸を心身ともに追い込んだ(同9)。 公安警察が立件した大川原化工機事件は検察の手法そのままだ。「生物兵器に転用可能と知っていて不正に輸出した」という誤った見立てをし(手法1)、温度の上がらない箇所があるという客観的・科学的事実には目をつぶり(同2)、警部補が供述調書をひたすら作文した(同3)。調書に「不正に」などの化粧を施して真実らしさを装った(同17)。検察は公安警察の言いなりになって大川原 正明社長らを起訴した」、なるほど。 「元検察官の郷原信郎弁護士は「人質司法が最大の武器だ」と指摘する。 検察は容疑者を逮捕すると48時間拘束できる。裁判所に勾留が認められると10日間拘束でき、再度同じ手続きでさらに10日間延長できる。つまり逮捕から最長で22日間拘束できる・・・人質司法に頼るあまり特捜検察の質が低下。「刑事事件としての立件の当否を判断する能力が劣ってきている」(郷原弁護士)。誤った見立てで経営者・企業人を逮捕・起訴・長期勾留。供述調書をねじ曲げてきたのが検察の実態だ・・・ 企業にとって長期勾留の経済的ダメージは大きい。それを見透かして、「罪を認めてさっさと保釈されたほうが得、という考え方をする人もいるよ」と、自白を巧妙に促す検察官もいるくらいだ」、全く卑劣この上ない検察官だ。 「大川原社長らを起訴した塚部貴子検事が証人喚問された。別の検事が社長らの起訴を取り消しているというのに、塚部は「当時の判断に間違いがあったとは思わない」とし、謝罪しなかった。 証人台の塚部をほぼ正面の原告席から見ていた大川原社長には「言いたくないことを言わされているたびに検事の顔色が赤黒く変わったように見えた。個人の意思を抑えてしまうからダメなんだ。上司に『違う』と言える検察組織にしていかないと、国としてやばい」。大川原社長は組織を率いる企業経営者として、検察という組織のいびつさを危惧している」、その通り だ。 ダイヤモンド・オンライン 弁護士ドットコムニュース「警察の「やりすぎ職務質問」5時間拘束!塩を“薬物”と誤解、尿検査シロでも…これ違法?」 「職務質問を受けて荷物を見せたら、財布の中に入れていた「お清めの塩」を違法薬物と勘違いされ、尿検査をする羽目になった・・・結果は陰性だったが「塩だとの確証がない」との理由で警察署に連行され、写真を撮られたり、書類を書かされたりしたそうだ。尿検査も陰性だったが、解放されたのは職務質問を受けてから5時間後だったという」、なるほど。 「警察官は職務質問から始めて所持品検査をおこなった結果、違法薬物と疑われる白い粉末が出てきたことから警察署への任意同行を求め、任意での尿検査をおこなっています。すべての手続きは対象者の同意を得て任意でおこなっているため、違法性は認められません」、なるほど。 「相談者が帰宅の意思を明確に示していたにもかかわらず、5時間にわたり留め置いた場合であれば、違法と判断される可能性も否定はできません。 Q:警察官の対応に疑問を感じた場合、苦情を申し立てることはできますか。 A:はい。警察法79条の規定に基づき、公安委員会に対して書面により、苦情の申し出ができます。公安委員会は誠実に処理し、処理結果を書面で申出者に通知するとされています」、なるほど。 弁護士ドットコムニュース「ロースクール制度は「文科省と法務省の設計ミスが一番の失敗」柴山昌彦・元文科相が激白」 「「博打のような司法試験の結果一発」ではなく「卒業できれば7~8割の人が合格できる『プロセスによる選抜』」を実現し得る存在として、ロースクールには当初大きな期待を寄せていたという。 しかし、いざ始まった新司法試験では合格率が5割超えすら1度もなく、20%台の低空飛行が続いた・・・「文部科学省と法務省が初めにしっかり制度設計をしておかなくてはいけなかったことが一番の失敗」と話す柴山氏」、なるほど。 「ロースクールの校数や入学者数といった全体の総量をどうするか。文部科学省と法務省がこの点を初めにしっかり制度設計をしておかなくてはいけなかった。これが一番の失敗だと思います」、なるほど。 「これだけ社会がグローバル化していく中、丁々発止で訴訟などで海外と渡り合うためには、国際法に強い人材を含め、法曹の質と量を充実させることはすごく重要だと思っています。 また、国内でも法曹人口が十分でない地域もあります。それによってもし泣き寝入りしている弱い立場の方が一人でもいるとすれば、それはとても不幸なことですし、やはり法曹はまだまだ日本では足りていないと考えています」、なるほど。 「2023年の司法試験では法曹コースの学生が初めて在学中受験をし、合格率は「65.24%」。2022年度の既修者コースを修了した者の合格率「62.82%」、既修者コースに通う在学中受験者全体の合格率「63.31%」をわずかに上回りました。 A:手前味噌ですが、「ロースクールのあるべき理想に一歩近づいた」と自負しています。法曹コースへの進学を考えている方々がこの数字を見てどう感じるかだと思います。ただ、予備試験を経由した人の9割以上が合格していることもまた事実です」、なるほど。 「弁護士からサラリーマンやキャリア公務員になる、サラリーマンやキャリア公務員が弁護士になる、というような法曹という職を軸にしたキャリアのリボルビング(回転)が、これからもっと必要になってくると思うんです。 そういった人材を養成する場としてロースクールが一定の役割を果たすというのが私の理想です・・・最高裁判事を見ても、弁護士や検察官からなる人もいれば、外交官や法学者からなる人もいます。 そういう多様性が法曹界でもっと広くあっていいのではないでしょうか。 裁判所や検察庁、大手法律事務所などの採用側が、もう少し長期的なビジョンを持って、年齢だけでなく、真に有益な人材を採用してほしいと思います・・・法務省と文部科学省とではカルチャーが違います。そこを統べて物事を進めるためには、政治のイニシアチブが必要だと認識しています」、ずれにしろ、「ロースクール」の役割が当初想定されたのとは、大きく異なっている。ここでもう一度、今後の在り方を冷静に考え直す時期に来ているのではなかろうか。
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外国人問題(その9)(「特高マインド」が脈々と ウィシュマさんの死によって判明した入管の異常な体質、じつはいま中国人が急速に増えている「日本の都市」があった…その名前と「移住の理由」、日本に移住する中国人が「住む場所」に変化が起きていた…その「驚愕の実態」 地区ごとの特徴、埼玉・川口市のクルド人問題が紛糾!「外国人差別」と叫ぶ人が知らない暗黒史) [社会]

外国人問題については、昨年3月29日に取上げた。今日は、(その9)(「特高マインド」が脈々と ウィシュマさんの死によって判明した入管の異常な体質、じつはいま中国人が急速に増えている「日本の都市」があった…その名前と「移住の理由」、日本に移住する中国人が「住む場所」に変化が起きていた…その「驚愕の実態」 地区ごとの特徴、埼玉・川口市のクルド人問題が紛糾!「外国人差別」と叫ぶ人が知らない暗黒史)である。

先ずは、昨年7月6日付けAERAdot「「特高マインド」が脈々と ウィシュマさんの死によって判明した入管の異常な体質」を紹介しよう。
・『名古屋入管で収容中に死亡したスリランカ人女性ウィシュマさんの監視カメラ映像が法廷で上映された。だが彼女の死後も、命を軽視する入管の体質は変わっていない。弁護士が指摘する「特高マインド」とは何か。AERA 2023年7月10日号の記事を紹介する。 ウィシュマさんの遺族代理人の高橋済(わたる)弁護士は、根底には入管に横たわる「特高マインド」があると指摘する。 特別高等警察、略して「特高」。戦前、思想犯や反政府活動などを弾圧してきた秘密警察だ。戦後、特高は解体されるが、その関係者の少なからぬ部分が入管に携わるようになったといわれる。その特高マインドが今も脈々と入管に流れていると感じると、高橋弁護士は言う。 「在留資格のない外国人は『憲法の番外地』、つまり、人権を認めないというのが入管の考え方としてあります。収容者を『制圧行為』と称し、多数の職員で暴行を加えるなど人権を無視する事例は施設内で度々起きています。これは、外国人は取り締まりの対象であり社会に危害を加える存在だという、戦前の特高のマインドが今も引き継がれているからだと思います」 同時に、こうした入管の体質を許してきたのは、日本人が少なからず持っている外国人への差別心とも関係しているという。 5月、日本維新の会の梅村みずほ議員は国会で、ウィシュマさんは「ハンストによる体調不良で亡くなったかもしれない」などと発言した。根拠のない発言にウィシュマさんの遺族は強く抗議したが、こうした言動の根っこには、外国人に対する差別心があると高橋弁護士は話す。 「日本は同質性が高い社会のため、多かれ少なかれ、外国人は自分たちの社会に危害を加えるという、漠然とした差別心があると思います」 そうした中、6月9日に改正入管法が国会で成立した。難民申請が3回目以降の申請者は「相当の理由」が示されなければ送還できるようになる。今後は入管への収容者も増えていくと考えられ、このままでは第2、第3のウィシュマさんが出る恐れがある。 STARTの松井さんは、「今まで以上に収容者への基本的人権の侵害は許されないと発信していく必要がある」と話す。 「救済されるべき人たちは救済されなければならず、強制的に送り返すことは絶対にしてはいけない。そのためにも、強制的に送り返すという入管の方針を転換していく必要があります」』、「在留資格のない外国人は『憲法の番外地』、つまり、人権を認めないというのが入管の考え方としてあります。収容者を『制圧行為』と称し、多数の職員で暴行を加えるなど人権を無視する事例は施設内で度々起きています。これは、外国人は取り締まりの対象であり社会に危害を加える存在だという、戦前の特高のマインドが今も引き継がれているからだと思います」、『憲法の番外地』とは言い得て妙だ。 
・『根本的な見直しが必要  STARTの千種さんは、「施設内で起きる問題を可視化していくことが重要」と話した。 「入管が一番恐れているのは、収容されている当事者たちが団結して自分たちに向かってくることです。そのためにも、入管で起きている問題を、収容されている人たちと一緒に取り上げて声にして社会的に明らかにし、入管が変わらざるを得ない状況をつくりあげていくことです。それが、これ以上、施設で亡くなる人を出さないためにも重要です」 高橋弁護士は、まずは「制度の土台から変えていく必要がある」と指摘する。 「小手先の改革で常勤医師を配置しても何も変わりません。いまは全ての権限が入管に集中しているため、収容するかしないかは入管の裁量次第で決まります。本来は、どのような人を収容するかは法律でルールを明文化し、裁判所が判断していくよう整備しなければいけません。これは、国連の自由権規約委員会からも、改善を求められていることです」 そして最終的には、巨大な裁量権を持つ入管を解体することが必要だという。解体し、収容の判断は裁判所が行い、運用は民間に委託するなどし、難民保護は第三者機関が行う。入管は、入管の本来の目的である強制送還の業務だけを担うようにするなど、抜本的な入管行政の見直しが不可欠だ、と。 「同時に、日本人の中にある外国人に対する差別心をなくしていく教育を子どもも大人も行うなど、社会全体で変わっていく必要があります」(高橋弁護士)』、「本来は、どのような人を収容するかは法律でルールを明文化し、裁判所が判断していくよう整備しなければいけません。これは、国連の自由権規約委員会からも、改善を求められていることです」 そして最終的には、巨大な裁量権を持つ入管を解体することが必要だという。解体し、収容の判断は裁判所が行い、運用は民間に委託するなどし、難民保護は第三者機関が行う。入管は、入管の本来の目的である強制送還の業務だけを担うようにするなど、抜本的な入管行政の見直しが不可欠だ、と。 「同時に、日本人の中にある外国人に対する差別心をなくしていく教育を子どもも大人も行うなど、社会全体で変わっていく必要があります」、その通りだ。

次に、7月10日付け現代ビジネスが掲載した中島 恵氏による「じつはいま中国人が急速に増えている「日本の都市」があった…その名前と「移住の理由」」を紹介しよう。
https://gendai.media/articles/-/112849?imp=0
・『東京に拠点を持つ中国人  近年、国内の政治情勢などを背景に、日本に移住する中国人が増えているが、在日中国人が最も多く住んでいる地域はどこか、ご存じだろうか。法務省の在留外国人統計(2022年6月末時点)によると、それは東京都で、約22万2000人となっている。在日中国人総数は約75万人なので、約3~4分の1が東京都に居住していることになる(続いて多いのは、埼玉県、神奈川県、大阪府、千葉県の順)。 さらに、都内での居住地域を細かく見てみると、最も多いのは江東区だった。2位は足立区、3位は江戸川区、4位は新宿区、5位は板橋区となっており、新宿区を除いて住宅地のイメージが強い地区となっている。中華料理店が多いイメージがある池袋を含む豊島区などはトップ5には入っていない。 なぜ、中国人はこれらの地域に多く住んでいるのか。同じ在日中国人でも、居住地域によって住んでいる人の特徴に違いはあるのか。各行政区の中国人に関する詳細な情報はないが、私はこれらの地区に住む中国人の知人に話を聞き、そこに住む理由を聞いてみた。そこから浮かび上がってきたものは――。』、興味深そうだ。
・『「亀戸は庶民的で中国食材店も多い」  「中国人の友人から、この付近(江東区亀戸)はとにかく物価が安くて、庶民的で、中国食材店も多いから住みやすいよ、と勧められたので、数年前に移り住みました。会社は新宿なので、最寄りのJR総武線亀戸駅から1本で行けるし、出張のときには東京駅にも10分ほどでアクセスできるので、かなり便利ですよ」 こう語るのは、IT企業に勤務する30代の中国人男性Aさん。10年以上前、中国の東北部から来日し、日系、中国系企業に勤務してきた。以前は千葉県に住んでいたが、勤務先がある新宿に少しでも近いほうがよいと考えて、亀戸に移ったという。) 亀戸は、「亀戸天神」や「亀戸餃子」などがあり、下町の庶民的なイメージがある。 その通り、駅から徒歩5分の距離には「亀戸五丁目中央通商店街」があり、レタスが2個で98円など激安の青果店や、Aさんが話していた中国食材店が数軒ある。連続して商店が軒を連ねているわけではないため、同じ総武線の(荒川を超えた江戸川区にある)新小岩、小岩などの商店街と比べると賑わっているというほどではなく、「中国人比率」はそれほど高くないように感じる。 だが、Aさんによると、同商店街から西方向に数分歩いた距離にある「亀戸二丁目団地」では中国人を多く見かけるという。 「私自身もそこに住んでいるのですが、とにかく中国人が多いですよ。家賃が安いし、ここには中国の団地みたいな雰囲気があるんです。団地の真ん中に中庭があり、クルマが中まで入ってこないので、小さな子どもが遊んでいても安心。交通量の多い道路に面したマンションよりも、建物に囲われている分、安心感があるんです」(Aさん) 私もこの団地に足を運んだことがあるが、UR都市機構(独立行政法人都市再生機構)の物件で、保証人が不要であること、家賃が比較的安いこと(UR都市機構のウェブサイトによると、1LDK~3Kまでで約8万4000円~約13万3000円)、敷地内に激安スーパーがあるという諸条件が、中国人比率が全体の5割近い埼玉県川口市の芝園団地と酷似している』、確かに「亀戸」は「下町の庶民的なイメージ」に溢れている。
・『中国人ネットワーク  同じ江東区に、もう一ヵ所、中国人が急速に増えている地域がある。豊洲だ。 地下鉄有楽町線の豊洲駅に降り立つと、高層ビルやタワーマンションが複数そびえ立っており、亀戸と違って、生活感はまったく感じられない。) 私は今年5月に出版した『中国人が日本を買う理由』の中で、豊洲のタワーマンション(約7000万円)を購入した20代の若者のことを書いた。この若者が豊洲に引っ越してきたのは22年春。 彼は私に「中国人の友人から、中国人の間でいま豊洲の人気が上がっていると聞き、20年に一室購入しました。上層階から海が見渡せる眺望も気に入りました」と話していた。 このように、江東区内には、下町風情が漂い、激安店が多い亀戸と、新興都市としてオフィスビルが立ち並ぶ豊洲という2つの対照的な地区がある。公共交通機関も、JR総武線、地下鉄有楽町線、東西線、都営新宿線があり、いずれも都心へのアクセスがいい。それが(在日中国人が住む地域として)1位にランクインした理由の一つかもしれないと感じた。では、2位以下はどうなっているのか。 江東区の次に中国人が多いのは足立区だ。以前はあまりイメージがよくないという日本人もいたが、リクルートが実施している「SUUMO住みたい町ランキング2023首都圏版」では北千住が28位にランクインするなど、近年は人気が上がっている。 駅前にはルミネやマルイなどのファッションビルも立ち並んでいる北千住。駅前に中国をイメージするものはほとんどないが、住宅街や、近隣の竹ノ塚駅のほうまで行ってみると、中華食材店、中華料理店が増えている。 私の知人の中国人も北千住に住んでいるが、彼は「知り合いの中国人不動産屋から、建売のいい一軒家があると紹介されたのが北千住でした。庭つきの家で子どもを伸び伸びと育てたいと、ここにしました。日比谷線の沿線に勤務先があるので便利なんです」と、引っ越してきた理由を話した。 3位の江戸川区は前述した江東区と同じ路線上にあり、千葉県に近い。江東区と同じく、庶民的な商店が多く、家賃や物価が安い。JR総武線の平井駅付近には外国人留学生向けの日本語学校や、中国人専門の大学受験予備校があり、亀戸や小岩と並んで中国人率が非常に高い。 同じ江戸川区葛西に住む知人の中国人は「東西線の葛西や行徳にも中国人が多いですが、平井は第二の高田馬場になるような気がする」と話す。 その高田馬場があるのが4位の新宿区だ。歌舞伎町、大久保などの歓楽街のイメージがあるが、中国人にとっては、日本語学校や専門学校が多いところというイメージ。3年前に中国の高校を卒業後に来日した女性、Bさんは、高田馬場にある日本語学校に入学するのと同時に、同じ駅前にある大学受験予備校にも入学。その予備校の担当者から住居を紹介され、高田馬場にマンションを借りた。日本語学校、大学受験予備校、不動産店のいずれの担当者も中国人だ。 高田馬場駅前を降りると、大学受験予備校の看板が多数並んでいる。そこに通う中国人留学生を目当てにした「ガチ中華」の店も多く、早稲田大学まで続く早稲田通り沿いには、中国で人気の飲食チェーン店が軒を連ねている。 以前、駅前の大学受験予備校でアルバイトをしていたという中国人男性は、「この町が気に入り、受験が終わっても、この町に住み続けるという友だちが少なくないです」と話していた。5位は板橋区。板橋区は池袋がある豊島区に隣接しており、JR埼京線、都営三田線、東武東上線、地下鉄有楽町線・副都心線が走っている。都営三田線を除いた路線はすべて池袋駅につながっており、通勤に便利な割に家賃が比較的安く、庶民的なエリアだ。 このように、中国人が多い地区のトップ5を見てみると、共通点が浮かび上がってくる。それは、比較的物価が安く、中国人の生活に欠かせない中国食材店や中華料理店が多いこと、10年以上前に来日した中国人がすでに多く住んでいて、安心感があること、中国人のネットワークで不動産物件を紹介された人が多いこと、都心への交通アクセスがよいこと、などだ。これらの情報は中国人が頻繁に使っているSNS、ウィーチャットで流れてくる。それを見て、さらに、そこに人が集住するという流れになっている。 【後編】『日本に移住する中国人が「住む場所」に変化が起きていた…その「驚愕の実態」』では、これまでの在日中国人とは様相の異なる「在日中国人」が増えてきたことについて説明する』、「中国人が多い地区のトップ5を見てみると、共通点が浮かび上がってくる。それは、比較的物価が安く、中国人の生活に欠かせない中国食材店や中華料理店が多いこと、10年以上前に来日した中国人がすでに多く住んでいて、安心感があること、中国人のネットワークで不動産物件を紹介された人が多いこと、都心への交通アクセスがよいこと、などだ」、なるほど。

第三に、7月10日付け現代ビジネスが掲載した中島 恵氏による「日本に移住する中国人が「住む場所」に変化が起きていた…その「驚愕の実態」 地区ごとの特徴」を紹介しよう。
https://gendai.media/articles/-/112850?imp=0
・『近年、国内の政治情勢などを背景に、日本に移住する中国人が増えているが、在日中国人が最も多く住んでいる地域はどこか、ご存じだろうか。法務省の在留外国人統計(2022年6月末時点)によると、それは東京都で、約22万2000人となっている。在日中国人総数は約75万人なので、約3~4分の1が東京都に居住していることになる(続いて多いのは、埼玉県、神奈川県、大阪府、千葉県の順)。 さらに、都内での居住地域を細かく見てみると、最も多いのは江東区だった。2位は足立区、3位は江戸川区、4位は新宿区、5位は板橋区となっており、新宿区を除いて住宅地のイメージが強い地区となっている。中華料理店が多いイメージがある池袋を含む豊島区などはトップ5には入っていない。 なぜ、中国人はこれらの地域に多く住んでいるのか。同じ在日中国人でも、居住地域によって住んでいる人の特徴に違いはあるのか。各行政区の中国人に関する詳細な情報はないが、私はこれらの地区に住む中国人の知人に話を聞き、そこに住む理由を聞いてみた。 【前編】『じつはいま中国人が急速に増えている「日本の都市」があった…その名前と「移住の理由」』で詳しく説明したが、共通点が浮かび上がってくる。 それは、比較的物価が安く、中国人の生活に欠かせない中国食材店や中華料理店が多いこと、10年以上前に来日した中国人がすでに多く住んでいて、安心感があること、中国人のネットワークで不動産物件を紹介された人が多いこと、都心への交通アクセスがよいこと、などだ。これらの情報は中国人が頻繁に使っているSNS、ウィーチャットで流れてくる。 それを見て、さらに、そこに人が集住するという流れになっている』、「共通点が浮かび上がってくる。 それは、比較的物価が安く、中国人の生活に欠かせない中国食材店や中華料理店が多いこと、10年以上前に来日した中国人がすでに多く住んでいて、安心感があること、中国人のネットワークで不動産物件を紹介された人が多いこと、都心への交通アクセスがよいこと、などだ」、なるほど。
・『「馴染みのある地区」を選ばない  だが、近年来日した富裕層の人の中には、これら、長年日本に住んでいる在日中国人にとって「馴染みのある地区」を選ばない人が増えている。タワーマンションが多い豊洲だけは例外だが、近年、日本に移住してきた人に、どこに住んでいるかと聞いてみると、港区、品川区、渋谷区、という答えが返ってきた。 むろん、「中国人富裕層が住む地区の統計」といったものは存在しないので、あくまでも私が取材した範囲内の話だが、彼らは、日本在住歴が長い中国人とは異なるネットワークを持っており、そこで得た情報によって居住区を決めているようだ。) 2年前、日本にある大手中国系IT企業に駐在員としてやってきた30代の男性は、会社の総務部の手配で港区を推薦されたため、そこに住み始めたと話してくれた。 「会社は大手町にあり、そこから近いので六本木の賃貸マンションに住んでいます。私は東京に詳しくなく、地理もよくわかりませんが、ここは治安もいいし、ステータスの面でも満足できると思いました。家賃は30万円以上しますが、会社負担です。 いまは駐在員ですけど、1年以内に、投資目的でこの近くにマンションを購入しようと考えています。他の駐在員仲間も六本木や麻布に多く住んでいますよ。仕事で遅くなっても、タクシーですぐに帰宅できるし、東京タワーも見える眺めのいいマンションなので気に入っています」 その男性によると、富裕層の友人の中には、森ビルが手掛けている高級マンション「麻布台ヒルズ」を購入している人が何人もいるという。彼が入っている駐在員や富裕層のSNSグループには、頻繁に高級物件の情報が流れてくるので、彼自身も投資用に購入したいと話していた』、「近年、日本に移住してきた人に、どこに住んでいるかと聞いてみると、港区、品川区、渋谷区、という答えが返ってきた・・・会社は大手町にあり、そこから近いので六本木の賃貸マンションに住んでいます。私は東京に詳しくなく、地理もよくわかりませんが、ここは治安もいいし、ステータスの面でも満足できると思いました。家賃は30万円以上しますが、会社負担です・・・他の駐在員仲間も六本木や麻布に多く住んでいますよ。仕事で遅くなっても、タクシーですぐに帰宅できるし、東京タワーも見える眺めのいいマンションなので気に入っています」、「中国人」といっても、昔から住んでいる人たちと、最近の人たちは生活スタイル、所得などで大きな差があるようだ。
・『通勤する必要のない富裕層の在日中国人  また、近年来日した富裕層の特徴として挙げられるのが、「日本語があまりできない」ことだ。10年以上前に来日した中国人は、日本の大学を卒業し、日本企業に勤務している人が多い。 彼らは日本社会にある程度溶け込んでおり、日本人と同等の給料を得て生活していることから、日本人と似たような消費意識を持っている。記事の前半で紹介したように、物価が安く、商店街があり、勤務先へのアクセスがいいところに住みたいという日本人のような考え方の人が多いが、近年来日した中国人は感覚がかなり異なるようだ。 彼らの多くは30~50代の働き盛りだが、中国で財を成した人が多く、日本に移住してからはどこかに通勤する必要がない。そして、子ども連れで来日する場合、子どもを日本のインターナショナルスクールに通わせたいと考えている人が多い。 そのため、ある中国人は「港区、目黒区などにあるインターナショナルスクールを検討しているので、住居もその近くにしたい」と話していた。品川区に住む私の知人の中国人も、子どもが虎ノ門にあるインターナショナル幼稚園に通っているため、その近くで物件を探したと言っていた。 これらの富裕層はまだごく一握りしかおらず、在日中国人の中で少数派だが、今後、中国の情勢によって、移住者はもっと増える可能性もある。だが、すでに約75万人に上っている在日中国人の大半は、前編で紹介したような一般会社員などであり、中国人が多く集住している地区を好む傾向があることがわかる。 こうした傾向は、東京都の次に多い埼玉県、神奈川県などでも同様で、埼玉県でいえば川口市、神奈川県でいえば横浜市がそれに当たる。ふだん、すぐそばに住んでいても、その存在について深く考える機会の少ない在日中国人。 だが、その居住地区をよく見てみると、来日した時期や収入などによる彼らの傾向や層、最近の特徴といったものが見えてくるのではないだろうか』、「近年来日した中国人は感覚がかなり異なるようだ。 彼らの多くは30~50代の働き盛りだが、中国で財を成した人が多く、日本に移住してからはどこかに通勤する必要がない。そして、子ども連れで来日する場合、子どもを日本のインターナショナルスクールに通わせたいと考えている人が多い。 そのため、ある中国人は「港区、目黒区などにあるインターナショナルスクールを検討しているので、住居もその近くにしたい」と話していた・・・在日中国人の大半は、前編で紹介したような一般会社員などであり、中国人が多く集住している地区を好む傾向があることがわかる。 こうした傾向は、東京都の次に多い埼玉県、神奈川県などでも同様で、埼玉県でいえば川口市、神奈川県でいえば横浜市がそれに当たる」、その通りなのだろう。

第四に、2月29日付けダイヤモンド・オンラインが掲載したノンフィクションライターの窪田順生氏による「埼玉・川口市のクルド人問題が紛糾!「外国人差別」と叫ぶ人が知らない暗黒史」を紹介しよう。
・『深刻化する「川口クルド人問題」は「ヘイト」なのか  SNSでたびたび話題になっていた埼玉県川口市の「クルド人問題」が、ついに国会で取り上げられることになった。 日本維新の会の高橋英明衆院議員が、国会質疑で「ちょっとひどい状況だ」「早急に一斉取り締まりを」などと発言したのである。 ……と言われても、関東圏以外の方は「クルド?何それ?」というリアクションの方も多いと思うので、NHK首都圏ニュースの解説を引用させていただく。 《埼玉県川口市で2023年7月、病院に100人近くの外国人が集結する騒動が発生しました。川口市ではトルコから来たクルド人のコミュニティーが拡大し、ゴミ出しのルールや生活習慣などの違いによる、住民との摩擦も目立っています》(NHK首都圏ナビ、2月2日) この問題がややこしいのは「摩擦どころではない」という住民もかなりいることだ。「敷地の駐車場を壊された」「深夜に大音量をかけた改造車が住宅街を暴走する」などの「被害」を訴える人もおり、21年10月にはこんな「悲劇」まで起きている。 「19歳のクルド人少年がトラックで県道を暴走し、横断中の69歳男性をはねて死亡させ、逃走した。少年の所持品に運転免許証はなかったという。事件後、少年は出国しようとしたところを逮捕された」(産経新聞、23年7月30日) そこで、23年6月、川口市議会は「一部の外国人は、資材置き場周辺や住宅密集地などで暴走行為やあおり運転を繰り返し、窃盗や傷害などの犯罪も見過ごすことはできない」との取り締まり強化の意見書を可決した。 同年9月には川口市も国に対して、「不法行為を行う外国人においては、法に基づき厳格に対処(強制送還等)していただきたい」という要望書を提出した。そこからだいぶタイムラグがあったものの、ここにきてようやく川口市の訴えが国会にまでたどり着いた――という流れだ。 しかし、そんな高橋議員による国会質疑は「ヘイトスピーチ」だとボロカスに叩かれている。 共同通信社は配信記事の中で、《「不確かな情報を基にした国会議員による外国人差別だ」と専門家も批判している》(2月27日)とバッサリ。SNSでも「議員を辞めろ」と辛辣な声が挙がっているほか、以下のように日本の「黒歴史」と重ねて警鐘を鳴らす人々もいる。 「これでは関東大震災で流言飛語を広めた連中と同じじゃないか」 ご存じのように、関東大震災下、多くの朝鮮人が虐殺されたが、その原因は「朝鮮人が井戸に毒を入れた」などの「デマ」が拡散されたから、とされている。今回の高橋議員や川口市・市議会の主張している「被害」というのもそれと同じく、クルド人迫害につなげるためにねつ造された「デマ」だというのだ。 ただ、報道対策アドバイザーとして、実際に企業などを悩ます「悪質なデマ」の対策にも携わってきた経験から言わせていただくと、本当に関東大震災の悲劇を繰り返したくないのならば、川口市や市議会が要望している「一部外国人の不法行為への取り締まり強化」をすべきだ。 「デマ」が、ヘイトクライムや集団暴力を引き起こす時、そこには必ず「恐怖」や「憎悪」が存在する。 川口市からの訴えを国が無視して、一部外国人の不法行為を放置し続ければ、「外国人への恐怖や憎悪」はさらにふくれ上がる。そして、中には「国が守ってくれないなら、自分たちの身は自分で守るしかない」と過激な外国人排斥運動へ傾倒する者もあらわれる。 つまり、「外国人ヘイト」のムードを醸成させないためにも、国が「不法行為をする一部の外国人を厳しく取り締まる」という毅然とした態度を見せて、市民の「不安」を払拭しておくべきなのだ』、「外国人ヘイト」のムードを醸成させないためにも、国が「不法行為をする一部の外国人を厳しく取り締まる」という毅然とした態度を見せて、市民の「不安」を払拭しておくべきなのだ」、なるほど。
・『朝鮮人虐殺はなぜ起きた?「恐怖」にあおられた庶民の暴走  なぜそこまで市民のメンタルヘルスに気を遣うのかというと、「外国人ヘイト」は一部のレイシストが起こすものより、市民がパニックになって引き起こす方がはるかに悪質で残酷だからだ。 関東大震災で朝鮮人を日本刀や鎌やこん棒を手に虐殺してまわったのは、警察や憲兵など治安維持をする人たちではない。善良な一般市民たちが、自衛のために結成した「自警団」だ。 そこでちょっと想像力を働かせて考えていただきたい。普段は暴力と無縁の生活を送っていた良き夫であり、良き息子のような人々が、「朝鮮人が火をつけた」「井戸に毒を入れた」といううわさを聞いたくらいで人を殺めることができるだろうか。 最近、映画も公開されて話題になった「福田村事件」でも描かれているが、当時の「自警団」はすさまじく、各所で検問所をつくって、朝鮮人だと見るや、子どもでも妊婦でもお構いなしに殺している。命ごいをする一家まで殺して、勢い余って「しゃべれない」という理由だけで、日本人の聴覚障がい者にまで手をかけた。 「デマにあおられた」だけで、同じ人間にここまで酷い仕打ちができるわけがない。 では、一体何が善良な市民を暴徒にさせたのかというと、「恐怖」である。「不逞鮮人が怖くてパニックになって、自分や家族を守るために目に入るすべての朝鮮人を排除した」のである(※不逞鮮人=戦前の日本において、韓国併合後の日本政府に不満を持つ朝鮮出身者や、満洲の朝鮮人反体制派、朝鮮独立運動家、犯罪者などをこのように呼んだ)。 実はこの惨劇にはちゃんと伏線がある。「デマ」が流れるはるか前から、日本の善良な市民たちの間では、朝鮮人は「何をしでかすかわからないヤバい連中」というイメージが確立していたのだ』、「当時の「自警団」はすさまじく、各所で検問所をつくって、朝鮮人だと見るや、子どもでも妊婦でもお構いなしに殺している。命ごいをする一家まで殺して、勢い余って「しゃべれない」という理由だけで、日本人の聴覚障がい者にまで手をかけた・・・一体何が善良な市民を暴徒にさせたのかというと、「恐怖」である。「不逞鮮人が怖くてパニックになって、自分や家族を守るために目に入るすべての朝鮮人を排除した」のである・・・「デマ」が流れるはるか前から、日本の善良な市民たちの間では、朝鮮人は「何をしでかすかわからないヤバい連中」というイメージが確立していたのだ」、なるほど。
・『「殺られる前にこっちから殺ってやる――」という集団パニック  要因のひとつが、震災の4年前、1919年に朝鮮全土で盛り上がった「三・一独立運動」だ。これによって、日本本土にも朝鮮人の活動家が多く入ってきたのだ。爆弾を隠し持っていたところを摘発されるなんて報道も増えていくなかで、朝鮮人のイメージも急速に悪化していく。それがうかがえる一節が、震災の前年に出版された、当時のベストセラー作家・加藤美侖氏の「刑法知識 罪なき人も油断すな」(朝香屋書店)の中にある。 「例えば政府の転覆とか国土の潜窃などがその例だ。(中略)昔は年中内乱騒ぎがあつたことを歴史が教へるが、今日の聖代に於ては、まあ不逞鮮人でもなければそんな馬鹿をする者があるまい」(66ページ) この時期の一般庶民の間では、「不逞鮮人=国家転覆や国土の略奪を狙うテロリスト」という恐怖のイメージが定着していたのだ。 もちろん、同時期の時局講演などを見ると、新聞などの「不逞鮮人」という呼び方は朝鮮人にとっては侮辱なので改めるべきだというような良識派の声もあった。しかし、現実には「良い朝鮮人」と「不逞鮮人」を見分けることなどできないということで、いつの間にやら「不逞鮮人」というテロリストイメージが「朝鮮人」全体にまで広がってしまう。外見的には日本人とほとんど違いがなく、言葉を発しないと朝鮮人だとわからないため、恐怖にさらなる拍車がかかった。 つまり、1923年の日本には「日本人のふりをしている朝鮮人が、いつ爆弾などで攻撃を仕掛けてくるのか」と、内心ビクビクしながら日常生活を送っていた市民が山ほどいたのである。そんな時、関東大震災が起きて「放火をしている」「井戸に毒を」といううわさ話があちこちから聞こえたら、市民たちは恐怖でパニックに陥るだろう。 しかし、いつまでも恐れていてもしょうがない。守るべき家族や大切な人がいるのだ。そうなると、彼らは家にある日本刀やこん棒、鎌などを手にとってこう思うはずだ。 「殺られる前にこっちから殺ってやる――」 つまり、平時は暴力などとは無縁の日本人たちが、何の罪もない朝鮮人たちを無慈悲に殺せたのは「デマのせい」というのは表面的な話にすぎないのだ。何年もかけてふくれ上がってきた朝鮮人に対する恐怖が、地震によって制御することができなくなって、「集団パニック」に陥ったからなのだ』、「平時は暴力などとは無縁の日本人たちが、何の罪もない朝鮮人たちを無慈悲に殺せたのは「デマのせい」というのは表面的な話にすぎないのだ。何年もかけてふくれ上がってきた朝鮮人に対する恐怖が、地震によって制御することができなくなって、「集団パニック」に陥ったからなのだ」、「集団パニック」とは本当に恐ろしい。
・『「恐怖」にいる住民の声を無視すると「ヘイト」につながる  「そんなバカな」と思われるかもしれないが、人類の歴史を振り返ると、敵対する人々を大量虐殺するような時には、往々にしてこの「恐怖が引き起こす集団パニック」がある。 わかりやすいのは、1994年のルワンダの大量虐殺だ。これはフツ族が隣人であるツチ族の人々を容赦なく殺したという悲劇だが、その引き金になったのは「恐怖」だ。 フツ族である大統領が搭乗した飛行機が追撃された。それをラジオで聴いたフツ族の人々は「自分も襲われるか」と恐怖のどん底に落ちた。そんな時、ラジオからこんな言葉が聞こえてきた。 「殺らなければ殺られる――」 さて、こういう話を聞くと、なぜ筆者が埼玉県の「不法行為をする外国人」の取り締まりを強化すべきだと主張しているのか、理解していただけたのではないか。 川口市や川口市議の意見書のもとになったように、一部のクルド人の皆さんの振る舞いに「恐怖」を感じている住民がいることはまぎれもない事実だ。そのような人々の声を国が無視したところで、彼らの恐怖や不安は消えない。 「外国人との共生社会」を掲げる人たちからすれば、「外国人差別をやめて受け入れればいいのだ」という事なのだろう。しかし、そう簡単に自分の考えを変えられない人たちが一定数いるというのも、この社会の「多様性」だ。 では、川口市の訴えを無視して、取り締まり強化もせず、ただただ「共生」を呼びかけていたら、恐怖を感じている住民はどうなっていくのかというと、これまで以上に外国人を怖がる。 当たり前だ。「怖い」と訴える人たちを力で抑えつけて「怖がるな!怖がる貴様がおかしい」とか説教をしたところで、態度を硬化させて事態を悪化させていくだけだろう。 つまり、これまで不法行為をするクルド人だけに不安を感じていた人たちが、「クルド人を受け入れろ!」「このレイシストめ!」と攻撃されることで態度を硬化させて、何の問題も起こしていない「善良なクルド人」に対してまで恐怖や憎悪を抱いてしまうのである。 ただ、それよりも最悪なのは、国がこの問題を放置し続けたら、「自分の身は自分で守るしかない」と考える人々が、「自警団」のようなものを組織してしまう恐れがあることだ』、「これまで不法行為をするクルド人だけに不安を感じていた人たちが、「クルド人を受け入れろ!」「このレイシストめ!」と攻撃されることで態度を硬化させて、何の問題も起こしていない「善良なクルド人」に対してまで恐怖や憎悪を抱いてしまうのである。 ただ、それよりも最悪なのは、国がこの問題を放置し続けたら、「自分の身は自分で守るしかない」と考える人々が、「自警団」のようなものを組織してしまう恐れがあることだ」、なるほど。
・『「自警団」は暴走する。だから国が取り締まるべき  関東大震災で悲劇の舞台装置となったことからもわかるように「自警団」が危ないのは、「外国人ヘイト」につながることだけでなく、「オレたちのルール」で人を裁くことにある。震災当時の資料を見ると、「朝鮮人はバレないように帽子を被るはずなので、お前のように帽子を被る奴は怪しい」と検問所で詰問されて、確証のないまま殺された人もいる。 こういう「自警団の暴走」を防いで、善良な外国人の安全を守るためにも、国がしっかりとした方針を定めて、不法行為をする外国人を取り締まったり、難民申請中の人たちへの処遇もしっかり定めたりすべきだ。国外退去させられるわけでもなく、在留を認められるわけでもないという「宙ぶらりん」だから、正規の仕事もできず、外国人コミュニティの中で違法な仕事に従事せざるを得ないという外国人もたくさんいるのだ。 「不逞鮮人」を取り締まることができず、結果として日本社会に「朝鮮人に対する恐怖」を広めてしまったように、一部の不法行為をする外国人をしっかりと取り締まることができないと、「外国人はすべて怪しい」という偏ったものの見方を広めてしまう。 そういう「偏った正義」にもっとも弱いのが、善良な一般市民だ。 今、SNSで相手を自殺に追い込むまで誹謗中傷するような人が「自分は社会のために正しいことをしている」と思い込んでいるように、震災時に朝鮮人を虐殺した自警団の多くは「自分は日本のために正しいことをした」と胸を張った、と記録にある。 このような「市民による正義の暴走」を防ぐには、先回りをして国家が「正義」を示すしかない。国が外国人への取り締まりを強化する、と聞くと脊髄反射で「外国人ヘイトだ!」「差別だ!」と批判をする人が多いが、外国人への恐怖や偏見を軽減することで、「善良な外国人」の人権や安全を守ることができるというメリットもある。 外国人だろうが日本人だろうが、不法行為は厳しく取り締まるということこそが、「外国人との共生社会」になるための第一歩なのではないか』、「「市民による正義の暴走」を防ぐには、先回りをして国家が「正義」を示すしかない。国が外国人への取り締まりを強化する、と聞くと脊髄反射で「外国人ヘイトだ!」「差別だ!」と批判をする人が多いが、外国人への恐怖や偏見を軽減することで、「善良な外国人」の人権や安全を守ることができるというメリットもある。 外国人だろうが日本人だろうが、不法行為は厳しく取り締まるということこそが、「外国人との共生社会」になるための第一歩なのではないか」、その通りだ。
タグ:外国人問題 (その9)(「特高マインド」が脈々と ウィシュマさんの死によって判明した入管の異常な体質、じつはいま中国人が急速に増えている「日本の都市」があった…その名前と「移住の理由」、日本に移住する中国人が「住む場所」に変化が起きていた…その「驚愕の実態」 地区ごとの特徴、埼玉・川口市のクルド人問題が紛糾!「外国人差別」と叫ぶ人が知らない暗黒史) AERAdot「「特高マインド」が脈々と ウィシュマさんの死によって判明した入管の異常な体質」 「在留資格のない外国人は『憲法の番外地』、つまり、人権を認めないというのが入管の考え方としてあります。収容者を『制圧行為』と称し、多数の職員で暴行を加えるなど人権を無視する事例は施設内で度々起きています。これは、外国人は取り締まりの対象であり社会に危害を加える存在だという、戦前の特高のマインドが今も引き継がれているからだと思います」、『憲法の番外地』とは言い得て妙だ。 「本来は、どのような人を収容するかは法律でルールを明文化し、裁判所が判断していくよう整備しなければいけません。これは、国連の自由権規約委員会からも、改善を求められていることです」 そして最終的には、巨大な裁量権を持つ入管を解体することが必要だという。解体し、収容の判断は裁判所が行い、運用は民間に委託するなどし、難民保護は第三者機関が行う。 入管は、入管の本来の目的である強制送還の業務だけを担うようにするなど、抜本的な入管行政の見直しが不可欠だ、と。 「同時に、日本人の中にある外国人に対する差別心をなくしていく教育を子どもも大人も行うなど、社会全体で変わっていく必要があります」、その通りだ。 現代ビジネス 中島 恵氏による「じつはいま中国人が急速に増えている「日本の都市」があった…その名前と「移住の理由」」 確かに「亀戸」は「下町の庶民的なイメージ」に溢れている。 「中国人が多い地区のトップ5を見てみると、共通点が浮かび上がってくる。それは、比較的物価が安く、中国人の生活に欠かせない中国食材店や中華料理店が多いこと、10年以上前に来日した中国人がすでに多く住んでいて、安心感があること、中国人のネットワークで不動産物件を紹介された人が多いこと、都心への交通アクセスがよいこと、などだ」、なるほど。 中島 恵氏による「日本に移住する中国人が「住む場所」に変化が起きていた…その「驚愕の実態」 地区ごとの特徴」 「共通点が浮かび上がってくる。 それは、比較的物価が安く、中国人の生活に欠かせない中国食材店や中華料理店が多いこと、10年以上前に来日した中国人がすでに多く住んでいて、安心感があること、中国人のネットワークで不動産物件を紹介された人が多いこと、都心への交通アクセスがよいこと、などだ」、なるほど。 「近年、日本に移住してきた人に、どこに住んでいるかと聞いてみると、港区、品川区、渋谷区、という答えが返ってきた・・・会社は大手町にあり、そこから近いので六本木の賃貸マンションに住んでいます。私は東京に詳しくなく、地理もよくわかりませんが、ここは治安もいいし、ステータスの面でも満足できると思いました。家賃は30万円以上しますが、会社負担です・・・ 他の駐在員仲間も六本木や麻布に多く住んでいますよ。仕事で遅くなっても、タクシーですぐに帰宅できるし、東京タワーも見える眺めのいいマンションなので気に入っています」、「中国人」といっても、昔から住んでいる人たちと、最近の人たちは生活スタイル、所得などで大きな差があるようだ。 「近年来日した中国人は感覚がかなり異なるようだ。 彼らの多くは30~50代の働き盛りだが、中国で財を成した人が多く、日本に移住してからはどこかに通勤する必要がない。そして、子ども連れで来日する場合、子どもを日本のインターナショナルスクールに通わせたいと考えている人が多い。 そのため、ある中国人は「港区、目黒区などにあるインターナショナルスクールを検討しているので、住居もその近くにしたい」と話していた・・・ 在日中国人の大半は、前編で紹介したような一般会社員などであり、中国人が多く集住している地区を好む傾向があることがわかる。 こうした傾向は、東京都の次に多い埼玉県、神奈川県などでも同様で、埼玉県でいえば川口市、神奈川県でいえば横浜市がそれに当たる」、その通りなのだろう。 ダイヤモンド・オンライン 窪田順生氏による「埼玉・川口市のクルド人問題が紛糾!「外国人差別」と叫ぶ人が知らない暗黒史」 「外国人ヘイト」のムードを醸成させないためにも、国が「不法行為をする一部の外国人を厳しく取り締まる」という毅然とした態度を見せて、市民の「不安」を払拭しておくべきなのだ」、なるほど。 「当時の「自警団」はすさまじく、各所で検問所をつくって、朝鮮人だと見るや、子どもでも妊婦でもお構いなしに殺している。命ごいをする一家まで殺して、勢い余って「しゃべれない」という理由だけで、日本人の聴覚障がい者にまで手をかけた・・・一体何が善良な市民を暴徒にさせたのかというと、「恐怖」である。「不逞鮮人が怖くてパニックになって、自分や家族を守るために目に入るすべての朝鮮人を排除した」のである・・・ 「デマ」が流れるはるか前から、日本の善良な市民たちの間では、朝鮮人は「何をしでかすかわからないヤバい連中」というイメージが確立していたのだ」、なるほど。 「平時は暴力などとは無縁の日本人たちが、何の罪もない朝鮮人たちを無慈悲に殺せたのは「デマのせい」というのは表面的な話にすぎないのだ。何年もかけてふくれ上がってきた朝鮮人に対する恐怖が、地震によって制御することができなくなって、「集団パニック」に陥ったからなのだ」、「集団パニック」とは本当に恐ろしい。 「これまで不法行為をするクルド人だけに不安を感じていた人たちが、「クルド人を受け入れろ!」「このレイシストめ!」と攻撃されることで態度を硬化させて、何の問題も起こしていない「善良なクルド人」に対してまで恐怖や憎悪を抱いてしまうのである。 ただ、それよりも最悪なのは、国がこの問題を放置し続けたら、「自分の身は自分で守るしかない」と考える人々が、「自警団」のようなものを組織してしまう恐れがあることだ」、なるほど。 「「市民による正義の暴走」を防ぐには、先回りをして国家が「正義」を示すしかない。国が外国人への取り締まりを強化する、と聞くと脊髄反射で「外国人ヘイトだ!」「差別だ!」と批判をする人が多いが、外国人への恐怖や偏見を軽減することで、「善良な外国人」の人権や安全を守ることができるというメリットもある。 外国人だろうが日本人だろうが、不法行為は厳しく取り締まるということこそが、「外国人との共生社会」になるための第一歩なのではないか」、その通りだ。
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災害(その16)(能登半島地震 防災対策の権威が語る「反省と教訓」 防災と初動対応が遅れた背景に2つの原因、災害時トイレ「断水」復旧になぜ時間がかかるのか 阪神・淡路大震災では仮復旧まで1カ月間要した、災害時に備えたい「携帯トイレ」4人家族の必要数 「使い方」や「使うタイミング」も知っておくこと) [社会]

災害については、本年2月4日に取上げた。今日は、(その16)(能登半島地震 防災対策の権威が語る「反省と教訓」 防災と初動対応が遅れた背景に2つの原因、災害時トイレ「断水」復旧になぜ時間がかかるのか 阪神・淡路大震災では仮復旧まで1カ月間要した、災害時に備えたい「携帯トイレ」4人家族の必要数 「使い方」や「使うタイミング」も知っておくこと)である。

先ずは、本年2月15日東洋経済オンライン「能登半島地震、防災対策の権威が語る「反省と教訓」 防災と初動対応が遅れた背景に2つの原因」を紹介しよう。
https://toyokeizai.net/articles/-/734427
・『2024年元日を襲った能登半島地震では200人を上回る人命が失われるなど、深刻な被害が発生した。阪神淡路大震災をはじめとして多くの自然災害に向き合い、防災対策の見直しを提唱してきた室﨑益輝・神戸大学名誉教授は「反省すべき点が多くある」と指摘する(Qは聞き手の質問、Aは室﨑氏の回答)。 Q:今回の災害の大きさや深刻度についてどのようにとらえておられますか。 A:とんでもない地震が起きたというか、想像を絶する地震が起きた。家屋の損壊状況もすさまじいものだし、道路という道路が破壊されました。そういった被災状況だっただけに、過去がこうだったから今回こうだとは言えない部分はあります。ただ、救いを求めている被災者がたくさんいる現実にどう応えていくか。行政のみならず、私たち一人ひとりを含む社会全体の責任だと思っています』、「とんでもない地震が起きたというか、想像を絶する地震が起きた。家屋の損壊状況もすさまじいものだし、道路という道路が破壊されました・・・救いを求めている被災者がたくさんいる現実にどう応えていくか。行政のみならず、私たち一人ひとりを含む社会全体の責任だと思っています」、なるほど。
・『すぐに救援に駆けつけられなかった  Q:能登半島地震の発生から1カ月余りが経過しました。これまでを振り返って、どのような教訓や反省点がありますか。 A:震災の教訓を引き出すには、失敗体験をしっかり踏まえなければならない。今回の地震では、助けを求めている被災者のところに救援隊がすぐに駆けつけることができなかった。これが大きな反省点だったと思います。 その根源をたどると、大きく2つの誤ちがあったと言えます。 1つ目の過ちは事前の被害想定の甘さです。 能登地方でこれほど大きな地震は起きるはずがないという思い込みも含めてのことですが、国、石川県ともきわめて小さな地震しか想定していなかった。その結果として、事前の準備がきちんとできていなかった。 孤立集落があちこちで発生する事態を見越していれば、備蓄対策のあり方も違っていたし、平時の情報通信が途絶しても連絡を取れる衛星携帯電話を配備するといった事前準備もやっていたはずです。) 2つ目の過ちは、地震発生直後に被災状況の把握がスムーズにできなかったことが、初動対応の遅れにつながったという点です。 政府は当初、災害対策基本法に基づく態勢としては最も下のクラスの「特定災害対策本部」の設置にとどめた。これを「非常災害対策本部」に格上げし、同本部の会議を初めて開催したのは翌1月2日の午前9時過ぎのことでした。 初動態勢の構築が遅れた結果、自衛隊投入の規模も当初の1000人規模から小出しになってしまった。 (室﨑益輝氏の略歴はリンク先参照) Q:石川県の地域防災計画(地震災害対策編)では、「能登半島北方沖」を震源とする地震としてはマグニチュード7.0を想定し、被害の概況についても「死者数7人、建物全壊120棟」「ごく局地的な災害で、災害度は低い」とされていました。四半世紀にわたってその想定は見直しがなされていませんでした。石川県の災害危機管理アドバイザーを務め、県防災会議震災対策部会長でもある室﨑さんは、2023年2月の同部会で、地震被害想定の抜本的な見直しを決定したという発言をしています。 同部会で被害想定の見直しをしようとしていたことは事実です。 2020年12月以降の奥能登の珠洲市一帯での群発地震をきっかけに、いずれ大きな地震が起きるという緊迫感が芽生えていました。 それを踏まえ、国の地震調査研究推進本部による長期評価や被害想定が出されていなくても、石川県として能登半島でこれから起きる地震の想定をしっかりやろうということで、2023年から議論を始めていました。 しかし、結果的には作業が間に合わなかった』、「今回の地震では、助けを求めている被災者のところに救援隊がすぐに駆けつけることができなかった。これが大きな反省点だったと思います。 その根源をたどると、大きく2つの誤ちがあったと言えます。 1つ目の過ちは事前の被害想定の甘さです。 能登地方でこれほど大きな地震は起きるはずがないという思い込みも含めてのことですが、国、石川県ともきわめて小さな地震しか想定していなかった」、前石川県知事が産業を呼び込むため、震災の想定を低く抑えたと言われている。事実とすれば、許し難い行為だ。「2つ目の過ちは、地震発生直後に被災状況の把握がスムーズにできなかったことが、初動対応の遅れにつながったという点です。 政府は当初、災害対策基本法に基づく態勢としては最も下のクラスの「特定災害対策本部」の設置にとどめた。これを「非常災害対策本部」に格上げし、同本部の会議を初めて開催したのは翌1月2日の午前9時過ぎのことでした。 初動態勢の構築が遅れた結果、自衛隊投入の規模も当初の1000人規模から小出しになってしまった」、なるほど。
・『国の評価を待つという受け身の姿勢だった  Q:石川県の幹部の発言として、国の長期評価の策定・公表を待ってから対策をするという姿勢が長く続いていたという報道があります。その点についてどのように感じていましたか。 A:結果論ですが、そのような待ちの姿勢ではいけなかった。県域のどこにどのような活断層があり、どのくらいの確率で動くかについて、国の長期評価の策定を待ってから対策を話し合うという姿勢が、今回の地震で問われた。 他方で国土交通省が2014年9月に取りまとめた「日本海における大規模地震に関する調査検討会」の報告書では、能登半島沖に活断層があり、津波被害を起こすことが指摘されていました。 ただ、石川県においては、どの活断層がどのように連動するか否かについては、国の科学的知見の発表を踏まえて検討すればいいという姿勢でした。その結果として、地震被害の想定の抜本的見直しが遅れてしまいました。 国のトップダウンに基づく防災ではなく、地方自治体から動くボトムアップの防災に切り替えるには、自ら独自に積極的に被害の想定をしなければならない。 加えてもう一つ問われていることが、社会の前提条件がどんどん変わってきているということです。その社会の変化を想定に反映しなければならない。高齢化や過疎化が進んでいる中で、四半世紀も被害想定の見直しを放置していたということ自体、間違っていたと思います。) Q:政府の初動態勢をどのように評価していますか。 A:マグニチュード7.6(暫定値)というのは、阪神淡路大震災(兵庫県南部地震)や熊本地震よりも大きな地震が起きたことを意味しています。そうだとすると、多くの家屋が倒壊し、たくさんの人が生命の危機にさらされていることは、直後に想像できたはず。 これからは、現地からの報告を待つのではなく、直後に公表される地震の大きさや形状によって、初動対応のスイッチを入れるようにしなければならない。 たとえばマグニチュード7.6であれば、道路が寸断されているということを想定して、海や空からの救助にも早急に着手すべきです。 従来の緊急消防隊の派遣のシステムのまま動いていたのでは、救助活動はうまく進まない。繰り返しになりますが、地震発生直後の情報把握のシステムおよび初動対応のシステムを抜本的に見直さなければいけない』、「石川県の幹部の発言として、国の長期評価の策定・公表を待ってから対策をするという姿勢が長く続いていたという報道があります。その点についてどのように感じていましたか。 A:結果論ですが、そのような待ちの姿勢ではいけなかった。県域のどこにどのような活断層があり、どのくらいの確率で動くかについて、国の長期評価の策定を待ってから対策を話し合うという姿勢が、今回の地震で問われた・・・社会の前提条件がどんどん変わってきているということです。その社会の変化を想定に反映しなければならない。高齢化や過疎化が進んでいる中で、四半世紀も被害想定の見直しを放置していたということ自体、間違っていたと思います・・・地震発生直後の情報把握のシステムおよび初動対応のシステムを抜本的に見直さなければいけない」、その通りだ。
・『モデルにすべきは中越地震時の「山古志方式」  Q:地震発生直後には避難所が開設され、2月3日には仮設住宅への入居が始まりました。 地震を生き延びた人が、その後の健康状態の悪化などによって死亡する「災害関連死」を防がなければならない。そのためには、人々の1日1日の苦しみをいかに和らげるかが重要です。もう一つ重要なことは、苦しみの期間をいかに短くできるかです。 国の災害救助法のルールに基づけば、避難所の開設は原則1週間、応急仮設住宅は本来、20日以内に着工しなければならない。 ただ、現実を見ると、いずれもだいぶ日数がオーバーしている。仮設住宅については1~2カ月遅れでの着工という事態が生じています。 被災者の苦しみの総量を下げるためにも、迅速に仮設住宅を供給しなければならない。そういう意識をどれだけ持って取り組んでいるのかということが問われています。 Q:石川県の発表によれば、応急的な住まいについては3月末までに約1万5000戸を用意する計画です。仮設住宅の提供のあり方についてはどのような配慮が必要でしょうか。 A:モデルにすべきは、2004年の新潟県中越地震の時の「山古志方式」だと思います。 被害の大きかった旧山古志村(現・長岡市)の住民のために長岡市内に仮設住宅団地が作られ、そこに山古志村の人たちはコミュニティ単位で入居しました。そして旧山古志村では2~3年かけてがれきの撤去や道路の整備が実施され、再び住民が帰還できました。 今回も金沢市のスポーツセンターの敷地に1万棟くらいの仮設住宅団地を作り、コミュニティごとに入居するといったような取り組みがあってもいいのではないか。 そこに高校の分校や輪島塗りの工房も一緒に作るといったやり方をすれば、コミュニティを維持できます。) Q:石川県の計画では、約1万5000戸のうち、約8000戸を石川県外の公営住宅によって賄うということになっています。 人々がばらばらになってしまうので良くない。孤立死をもたらすことになりかねない。なるべく多くの人たちがまとまり、お互いにつながり合うことが重要です。 Q:災害救助法では、被災者への「炊き出しその他による食品の給与」が定められています。今回の地震では、一部の2次避難所で食事の費用を徴収している例があると指摘されています。 これ自体は災害救助法違反です。同法では食事の提供の義務がある。ホテルに収容したらおしまいということではないのです。 Q:なぜこうしたことが起きているのでしょうか。石川県自体が災害対応に慣れていないということでしょうか。 A:石川県というよりも、日本の自治体のどこも災害対応に慣れておらず、経験がつながっていないことに原因があります。行政の担当者は2~3年で代わってしまうため、ノウハウと経験が蓄積しない。 石川県も2007年の能登半島地震では素晴らしい対応をしているのに、その対応が今回見られていないというのは、まさに経験を蓄積し、継承するシステムがないことに原因があると言えます。 石川県に、阪神淡路大震災や東日本大震災、中越地震の経験をどれだけしっかり伝えたか、私たち伝える側の責任ももっと問われないといけない』、「石川県も2007年の能登半島地震では素晴らしい対応をしているのに、その対応が今回見られていないというのは、まさに経験を蓄積し、継承するシステムがないことに原因があると言えます」、なるほど。
・『原子力災害時の体制も抜本見直しを  Q:今回の地震では原子力発電所の重大事故には至らずに済みました。ただ、原発事故を含む複合災害に発展した場合、あらかじめ定められていた防災計画が機能しなかったのではないかと見られています。 最大級の地震を想定して、原発そのものの防災計画を見直さなければならない。 もう一つの問題は、原子力災害時の避難の問題です。今回の地震では道路があちこちで寸断し、住民の孤立が発生した。道路が使えない前提で避難計画を作らなければならない。 福島原発事故のような最悪の事態に備え、そうしたことが起きた時にどうするのかという前提に立って、対策を講じなければならないと思っています。 Q:能登半島地震では、ボランティアの受け入れをめぐり賛否の議論が起きました。今行っても迷惑になるという言い方がSNSなどでなされ、行政からも「今はまだ来ないでください」というメッセージが発信されました。 ボランティアは言われてする活動ではないのです。そこに困った人がいれば、迷惑をかけないように最大限の配慮をしながらも、被災者の元に駆けつけなければならない。 ボランティアセンターができたから行きましょうとか、ボランティアは来るなと言われたので行かないというのではなく、そこに支援を求めている人がいるかどうかを判断の基軸にすべきです。 今回のようにボランティアの自主性が失われ、必要なボランティアが被災地に入らないという事態になると、助かる命も助からなくなってしまう。ボランティア側もきちんとリテラシーを持ち、マナーをわきまえたうえで活動すればいいと思います』、「今回のようにボランティアの自主性が失われ、必要なボランティアが被災地に入らないという事態になると、助かる命も助からなくなってしまう。ボランティア側もきちんとリテラシーを持ち、マナーをわきまえたうえで活動すればいいと思います」、その通りだ。

次に、2月26日付け東洋経済オンラインが掲載した日本トイレ研究所代表理事の加藤 篤氏による「災害時トイレ「断水」復旧になぜ時間がかかるのか 阪神・淡路大震災では仮復旧まで1カ月間要した」を紹介しよう。
https://toyokeizai.net/articles/-/733845
・『能登半島地震でも多く取り上げられた「災害時のトイレをどうするか」問題。 トイレ環境の大切さを広めるべく奔走する「日本トイレ研究所」の代表理事・加藤篤さんが、“トイレ”の視点から防災のノウハウをやさしく解説した『トイレからはじめる防災ハンドブック』より一部の内容を抜粋。忘れたころにやってくる災害への備え、そして起こった後の対応のポイントについて、3回にわたって掲載します。 第1回は、災害とトイレをめぐる基本的な知識をお伝えします』、興味深そうだ。
・『自然災害の発生後にすべきこと  ■発災3時間以内に約4割の人がトイレに行く 自然災害の発生後にすべきことは何でしょうか?地震や豪雨などが起きたときに真っ先にすべきなのは、自分の命を守ること、そして安全な場所に避難することです。ここまでの行動は、全員一致するでしょう。 問題はこのあとです。避難所では避難者の誘導や場所の確保、水・食料の配給などに多くの人が奔走します。もちろんこれらは大切ですが、それと同じくらい重要なのに、忘れられがちなことがあります。それが「トイレ対応」です。 大きな災害が起きると水洗トイレは使えなくなります。しかし、私たちの排泄は待ってくれません。) 2016年4月に発生した熊本地震での調査によると、発災後3時間以内にトイレに行きたくなった人は38.5%、6時間以内では72.9%にのぼります。 発災後6時間は大混乱状態で、おそらくこの約7割の人は水を飲んでおらず、食事も摂っていないはずです。それにもかかわらず、トイレに行きたくなるのです。つまり、水・食料より先にトイレ対応が必要ということです。私たちはこの事実から目をそらしてはいけないのです。(地震後、何時間でトイレに行きたくなったか? はリンク先参照)』、「発災後6時間は大混乱状態で、おそらくこの約7割の人は水を飲んでおらず、食事も摂っていないはずです。それにもかかわらず、トイレに行きたくなるのです。つまり、水・食料より先にトイレ対応が必要ということです」、なるほど。
・『断水したら水洗トイレが使えない  ■水洗トイレには給水と排水の両方必要 断水したら水洗トイレが使えないことは、多くの人が理解しています。水洗トイレは目の前の大小便を水で流し去ってくれる便利なシステムなので、水が無ければ機能しません。 断水の原因は主に2つあります。1つは給水管等の給水装置や配水施設が破損して水を届けられなくなること。もう1つは停電でポンプなどの設備が作動しなくなり、水が届けられなくなることです。 ところが、給水に問題が無くても、水洗トイレは使えなくなることがあります。それは、排水に支障がある場合です。理由は、流れていく先がなくなるからです。 排水に問題が生じる要因としては、排水管が外れる・閉塞する・逆こう配になる、下水道や下水処理場、浄化槽が機能していない、などが考えられます。このような場合、無理に汚水を流すと、どこかからあふれることになります。 給水と排水、それに電気のすべてが機能してこそ、水洗トイレは使用できるようになります。日頃、目にしているのは便器だけですが、その裏に壮大な水洗トイレシステムがあることを知っておいてください。(水洗トイレが機能するためには? はリンク先参照)』、「給水と排水、それに電気のすべてが機能してこそ、水洗トイレは使用できるようになります」、なるほど。
・『■水道の仮復旧までは1カ月以上かかる  私たちは1日に複数回トイレに行きます。水洗トイレを使うには、もちろん水が必要です。節水型の便器でも、1回あたりの洗浄で概ね6?8リットル程度の水を使用します。仮に5回行くとしたら、合計で30?40リットルの水を使うことになります。 水を便器に供給するためには、まず河川などから引いた水を処理する浄水場が機能していることが前提です。また、浄水場からポンプ場を経由して各建物に水を運ぶ配水管が正常であることも必要です。そして、これらの過程では電力も欠かせません。 このため、大きな災害で停電すると断水が発生します。阪神・淡路大震災では約127万戸が断水し、仮復旧が完了するまでに1カ月以上を要しました。また、東日本大震災で被災した地方公共団体へのアンケート調査では、上水道の仮復旧までに要した日数は、平均35日間だったことがわかっています。 この間、トイレの洗浄に必要な水量を人力で供給するのは容易でありません。断水で洗浄水が確保できない場合に、トイレ機能を確保する方法の検討が必要です。 (阪神・淡路大震災のときはどうだった? はリンク先参照)』、「阪神・淡路大震災では約127万戸が断水し、仮復旧が完了するまでに1カ月以上を要しました。また、東日本大震災で被災した地方公共団体へのアンケート調査では、上水道の仮復旧までに要した日数は、平均35日間だった・、かなり長期になるようだ。
・『トイレに行きたくない理由  ■安心できないトイレで起こる問題 トイレを我慢する、つまりトイレに行きたくないと感じてしまう原因は人それぞれ異なります。臭かったり、汚れていたりするトイレは、誰もが避けたくなるものです。 特に女性や子どもであれば、暗がりにあるトイレは怖いでしょう。 寒い時期には、屋外のトイレは使いたくありません。風雨などの悪天候時も同様です。遠くにあって行くのが大変なトイレも使いづらいです。 また、男女共用しかない場合や、数が少なくてトイレ待ちの行列ができる場合も困ります。車いす利用者や足腰が悪い人は、段差があるトイレや和式便器が使えません。和式便器は、慣れていない子どもにとっても困難です。) このようにトイレを不便、もしくは不快と感じてしまうきっかけが1つでもあると、私たちはトイレになるべく行かなくてすむように、意識的にも無意識的にも、水分摂取を控えがちになり、その結果として体調を崩してしまいます。 平成16年新潟県中越地震に関する住民アンケート調査(小千谷市・川口町編)でも、かなりの人が、トイレを理由に水分を控えていたことがわかります。 (避難所で体験した”困ったことと”は? はリンク先参照)』、「トイレを不便、もしくは不快と感じてしまうきっかけが1つでもあると、私たちはトイレになるべく行かなくてすむように、意識的にも無意識的にも、水分摂取を控えがちになり、その結果として体調を崩してしまいます」、大いに気を付けたいことだ。
・『汚染された手を口や鼻に…  ■不衛生なトイレは感染症の温床になる  トイレを使用する際、ほとんどの人が同じ箇所に触れます。例えば、ドアの取っ手、鍵、便座のフタ、便座、トイレットペーパーホルダー、洗浄レバーやボタン、手洗い場の蛇口です。 これらが汚染されていた場合、ウイルスや細菌が人の手を介して伝播することになります。 単に手が汚れるだけでは感染しませんが、私たちは無意識に手で顔に触れているため、目や口、鼻の粘膜を通じて感染するリスクが小さくありません。 手洗いやトイレ掃除が十分にできない不衛生なトイレを不特定多数の人が使用し続けると、感染性胃腸炎などのウイルス感染症に罹患するリスクを高め、集団感染を引き起こします。 東日本大震災では、石巻赤十字病院などの調査で、津波被害のあった石巻市および東松島市、女川町にある公立学校や公民館など、計272カ所の避難所のうち、約4割のトイレで汚物処理が十分にできず、少なくとも約50人に下痢、約20人に嘔吐の症状が見られました。 感染症予防の観点からも、トイレを衛生的に保つことは非常に重要です』、「東日本大震災では、石巻赤十字病院などの調査で・・・計272カ所の避難所のうち、約4割のトイレで汚物処理が十分にできず、少なくとも約50人に下痢、約20人に嘔吐の症状が見られました。 感染症予防の観点からも、トイレを衛生的に保つことは非常に重要です』、その通りだろう。

第三に、3月4日付け東洋経済オンラインが掲載した日本トイレ研究所代表理事の加藤 篤氏による「災害時に備えたい「携帯トイレ」4人家族の必要数 「使い方」や「使うタイミング」も知っておくこと」を紹介しよう。
・『能登半島地震でも多く取り上げられた「災害時のトイレをどうするか」問題。 トイレ環境の大切さを広めるべく奔走する「日本トイレ研究所」の代表理事・加藤篤さんが、“トイレ”の視点から防災のノウハウをやさしく解説した『トイレからはじめる防災ハンドブック』より一部の内容を抜粋、忘れたころにやってくる災害への備え、そして起こった後の対応のポイントについて、3回にわたって掲載します。 第2回では、備えておきたい防災グッズ「携帯トイレ」についてお伝えします』、興味深そうだ。
・『災害時に使う携帯トイレとは?  ■後悔しない携帯トイレの選び方・使い方  携帯トイレとは、便器に設置して使用する袋式のトイレです。袋の中に排泄し、吸収シートや凝固剤で大小便を吸収・凝固させます。 給排水設備が損傷して水洗トイレが使用できないときでも、便器に取りつければすぐに使用できることが利点です。また、使い慣れたトイレ室を活用できるため安心です。 一方、いくつかの注意点があります。) まず携帯トイレを選ぶ際は、大小便をしっかり吸収・凝固できること、一定期間保管しても液体に戻らないこと、臭気対策が施されていることなどをチェックしてください。衛生的な問題が生じないよう、性能の良いものを選びましょう。 また、使用時に直接便器に取り付けることはおすすめしません。 先に45リットル程度のポリ袋を便器に被せてから便座を下ろし、その上に携帯トイレを取り付けましょう。こうすれば、携帯トイレの交換時に水が滴ることはありません。 以下を参考に、事前に使い慣れておくことをおすすめします。(携帯トイレを使うときのポイントは? はリンク先参照)』、「携帯トイレとは、便器に設置して使用する袋式のトイレです。袋の中に排泄し、吸収シートや凝固剤で大小便を吸収・凝固させます・・・携帯トイレを選ぶ際は、大小便をしっかり吸収・凝固できること、一定期間保管しても液体に戻らないこと、臭気対策が施されていることなどをチェックしてください」、なるほど。
・『まずはトイレに携帯トイレを設置  ■災害発生直後は設備点検より先に携帯トイレを  前回の記事で紹介したように、発災から3時間以内に約4割の人がトイレに行きたくなったというデータがあります。発災後3時間でできることは、命を守り、安全な場所に避難して安否確認をすることぐらいではないでしょうか。 このような大混乱のなか、私たちは水や食料のことを心配すると思いますが、実はそれより先にトイレが必要になるのです。 急いですべきことは、避難所や自宅、オフィスなどのトイレに携帯トイレを取り付けることです。もちろん、トイレの天井が壊れていたり、トイレブースが倒壊していたりして、トイレが危険な場合はこの限りではありません。 私たちはトイレに行くとき、誰かに申告して行くわけではありません。基本的には各々が便意や尿意を催したときに誰にも言わずにトイレに行きます。体調を崩して嘔吐することもあると思います。 そのため、どのタイミングで誰がトイレに行くのかはわかりません。停電していても、断水に気づかずに排泄してしまうことが考えられます。) そんなとき、便器に携帯トイレが取り付けてあれば、災害時のトイレ対応であることに気づきます。携帯トイレの使用方法はわからない人がほとんどですので、ポスターやスタッフを介して伝えることも必要です。 給排水設備の点検等は、携帯トイレを取り付けてから実施してください。さきに点検を行っていると、その間にトイレを使用されてしまうからです。設備点検の結果、問題ないことがわかれば、携帯トイレを取り外せばよいだけです。 これまでの震災や豪雨災害において、携帯トイレを活用することでその場を乗り切った事例はあります。繰り返しになりますが、災害時はできるだけ早く携帯トイレを取り付けることが必要です』、「給排水設備の点検等は、携帯トイレを取り付けてから実施してください。さきに点検を行っていると、その間にトイレを使用されてしまうからです。設備点検の結果、問題ないことがわかれば、携帯トイレを取り外せばよいだけです」、なるほど。
・『知っておきたい携帯トイレの使い方  ■災害前に周知しておきたい携帯トイレの使い方  災害時のトイレの初動対応として携帯トイレを用いることが有効です。 しかし、避難者の多くは携帯トイレを知りません。見たこともなければ使い方もわかりません。間違った使い方をしてしまうと不衛生な状態になり、集団感染を引き起こすことにもつながります。 そこで、大事なのが使用方法の周知徹底です。 災害が起きてからでは遅いので、平時の啓発が重要になります。防災訓練や学校での授業、地域のイベントなど、あらゆる機会を活用して伝えることが必要です。動画を活用することも有効です。 災害が起きてしまった後の周知方法は、これまでの経験者の話を踏まえると、主に2つの方法が考えられます。 1つめはイラストや図を用いてポスターを作成し、トイレに掲示することです。2つめはトイレ前にスタッフを配置することです。実際に、東日本大震災の避難所や西日本豪雨の際の病院などで実施されました。 これら2つの方法を両方実施することになると思います。災害時の負担を軽減するためにも平時の啓発を重視したいものです。(携帯トイレの使い方は? はリンク先参照)』、家庭用の場合でも「イラストや図を用いてポスターを作成し、トイレに掲示することです」は通用しそうだ。
・『■使用済みの携帯トイレはフタつきの入れ物で保管  携帯トイレを使用したあとの取り扱い方法について説明します。市町村への確認が必要ではありますが、概ね可燃ごみとして収集・処理されます。 可燃ごみとして収集するということは、ごみ収集車などで運ぶことになります。災害時は地盤沈下や液状化、浸水、建物倒壊などで道路が塞がれてしまう可能性があります。通常であれば、すぐに実施できたごみ収集でも、災害時は思うようにいきません。 災害の規模や被災状況によっても異なりますが、少なくとも数日間は、各自で使用済み携帯トイレを保管することが求められます。 携帯トイレの中身は大小便ですので、臭気対策が必要になります。また、直射日光があたると袋の劣化につながるので、フタつきの入れ物などに入れてベランダや庭など、生活空間と切り離した場所に保管することが必要です』、「少なくとも数日間は、各自で使用済み携帯トイレを保管することが求められます。 携帯トイレの中身は大小便ですので、臭気対策が必要になります。また、直射日光があたると袋の劣化につながるので、フタつきの入れ物などに入れてベランダや庭など、生活空間と切り離した場所に保管することが必要です」、なるほど。
・『どれくらいの数が必要になるか  ■「人数×回数×日数」で携帯トイレを常備  自宅で避難生活を送るには、携帯トイレの備えが欠かせません。では、携帯トイレはどのくらい必要になるのでしょうか? 携帯トイレの必要数を計算するには、避難生活を送る人数、1日当×たりの排泄回数、そして避難生活を送る日数を想定する必要があります。これらがわかれば、「人数×排泄回数×避難日数」という計算式で、携帯トイレの必要数を導き出すことができます。 ここでは仮に4人家族を想定してみます。排泄回数は1人ひとり異なりますので、それぞれが実際に数えてみることをおすすめします。 内閣府(防災担当)が作成した「避難所におけるトイレの確保・管理ガイドライン」では、1日当たりの平均的なトイレ使用回数の目安は「5回」と記載されています。 避難日数は災害規模によって大きく異なりますが、国が定める「防災基本計画」では、住民に対して最低3日間、推奨1週間分の携帯トイレ・簡易トイレ、トイレットペーパーなどを備蓄することを啓発するように記載されています。 以上をまとめると、4人家族であれば次のような計算になり、140回分の携帯トイレが必要になります』、「4人×5回×7日」で「140回分」というわけだ。早速、ホームセンターで買ってみたい。
タグ:(その16)(能登半島地震 防災対策の権威が語る「反省と教訓」 防災と初動対応が遅れた背景に2つの原因、災害時トイレ「断水」復旧になぜ時間がかかるのか 阪神・淡路大震災では仮復旧まで1カ月間要した、災害時に備えたい「携帯トイレ」4人家族の必要数 「使い方」や「使うタイミング」も知っておくこと) 災害 東洋経済オンライン「能登半島地震、防災対策の権威が語る「反省と教訓」 防災と初動対応が遅れた背景に2つの原因」 「とんでもない地震が起きたというか、想像を絶する地震が起きた。家屋の損壊状況もすさまじいものだし、道路という道路が破壊されました・・・救いを求めている被災者がたくさんいる現実にどう応えていくか。行政のみならず、私たち一人ひとりを含む社会全体の責任だと思っています」、なるほど。 「今回の地震では、助けを求めている被災者のところに救援隊がすぐに駆けつけることができなかった。これが大きな反省点だったと思います。 その根源をたどると、大きく2つの誤ちがあったと言えます。 1つ目の過ちは事前の被害想定の甘さです。 能登地方でこれほど大きな地震は起きるはずがないという思い込みも含めてのことですが、国、石川県ともきわめて小さな地震しか想定していなかった」、前石川県知事が産業を呼び込むため、震災の想定を低く抑えたと言われている。事実とすれば、許し難い行為だ。 「2つ目の過ちは、地震発生直後に被災状況の把握がスムーズにできなかったことが、初動対応の遅れにつながったという点です。 政府は当初、災害対策基本法に基づく態勢としては最も下のクラスの「特定災害対策本部」の設置にとどめた。これを「非常災害対策本部」に格上げし、同本部の会議を初めて開催したのは翌1月2日の午前9時過ぎのことでした。 初動態勢の構築が遅れた結果、自衛隊投入の規模も当初の1000人規模から小出しになってしまった」、なるほど。 「石川県の幹部の発言として、国の長期評価の策定・公表を待ってから対策をするという姿勢が長く続いていたという報道があります。その点についてどのように感じていましたか。 A:結果論ですが、そのような待ちの姿勢ではいけなかった。県域のどこにどのような活断層があり、どのくらいの確率で動くかについて、国の長期評価の策定を待ってから対策を話し合うという姿勢が、今回の地震で問われた・・・ 社会の前提条件がどんどん変わってきているということです。その社会の変化を想定に反映しなければならない。高齢化や過疎化が進んでいる中で、四半世紀も被害想定の見直しを放置していたということ自体、間違っていたと思います・・・地震発生直後の情報把握のシステムおよび初動対応のシステムを抜本的に見直さなければいけない」、その通りだ。 「今回のようにボランティアの自主性が失われ、必要なボランティアが被災地に入らないという事態になると、助かる命も助からなくなってしまう。ボランティア側もきちんとリテラシーを持ち、マナーをわきまえたうえで活動すればいいと思います」、その通りだ。 東洋経済オンライン 加藤 篤氏による「災害時トイレ「断水」復旧になぜ時間がかかるのか 阪神・淡路大震災では仮復旧まで1カ月間要した」 「発災後6時間は大混乱状態で、おそらくこの約7割の人は水を飲んでおらず、食事も摂っていないはずです。それにもかかわらず、トイレに行きたくなるのです。つまり、水・食料より先にトイレ対応が必要ということです」、なるほど。 「給水と排水、それに電気のすべてが機能してこそ、水洗トイレは使用できるようになります」、なるほど。 「阪神・淡路大震災では約127万戸が断水し、仮復旧が完了するまでに1カ月以上を要しました。また、東日本大震災で被災した地方公共団体へのアンケート調査では、上水道の仮復旧までに要した日数は、平均35日間だった・、かなり長期になるようだ。 「トイレを不便、もしくは不快と感じてしまうきっかけが1つでもあると、私たちはトイレになるべく行かなくてすむように、意識的にも無意識的にも、水分摂取を控えがちになり、その結果として体調を崩してしまいます」、大いに気を付けたいことだ。 「東日本大震災では、石巻赤十字病院などの調査で・・・計272カ所の避難所のうち、約4割のトイレで汚物処理が十分にできず、少なくとも約50人に下痢、約20人に嘔吐の症状が見られました。 感染症予防の観点からも、トイレを衛生的に保つことは非常に重要です』、その通りだろう。 加藤 篤氏による「災害時に備えたい「携帯トイレ」4人家族の必要数 「使い方」や「使うタイミング」も知っておくこと」 「携帯トイレとは、便器に設置して使用する袋式のトイレです。袋の中に排泄し、吸収シートや凝固剤で大小便を吸収・凝固させます・・・携帯トイレを選ぶ際は、大小便をしっかり吸収・凝固できること、一定期間保管しても液体に戻らないこと、臭気対策が施されていることなどをチェックしてください」、なるほど。 「給排水設備の点検等は、携帯トイレを取り付けてから実施してください。さきに点検を行っていると、その間にトイレを使用されてしまうからです。設備点検の結果、問題ないことがわかれば、携帯トイレを取り外せばよいだけです」、なるほど。 家庭用の場合でも「イラストや図を用いてポスターを作成し、トイレに掲示することです」は通用しそうだ。 「少なくとも数日間は、各自で使用済み携帯トイレを保管することが求められます。 携帯トイレの中身は大小便ですので、臭気対策が必要になります。また、直射日光があたると袋の劣化につながるので、フタつきの入れ物などに入れてベランダや庭など、生活空間と切り離した場所に保管することが必要です」、なるほど。 「4人×5回×7日」で「140回分」というわけだ。早速、ホームセンターで買ってみたい。
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