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ハラスメント(その18)(【空手】植草歩の竹刀などパワハラ問題 師・香川政夫が強化委員長を解任、「実力社長のセクハラを咎めた役員が次々とクビに」名門メーカー電気興業の大混乱 セクハラの損害賠償を会社も負担、小田嶋氏:やっぱり見た目で決めるのか) [社会]

ハラスメントについては、昨年12月8日に取上げた。今日は、(その18)(【空手】植草歩の竹刀などパワハラ問題 師・香川政夫が強化委員長を解任、「実力社長のセクハラを咎めた役員が次々とクビに」名門メーカー電気興業の大混乱 セクハラの損害賠償を会社も負担、小田嶋氏:やっぱり見た目で決めるのか)である。

先ずは、本年3月31日付けYahooニュースがeFightを転載した「【空手】植草歩の竹刀などパワハラ問題、師・香川政夫が強化委員長を解任」を紹介しよう。
・『空手の組手女子61kg超級で東京五輪代表に確定している植草歩(28=JAL)が、全日本空手道連盟(全空連)の香川政夫強化委員長に対し、パワーハラスメントを訴えている問題で、全空連は9日、理事会を開催し、香川氏の選手強化委員長の解任と全空連理事の辞任を決議した。9日午後、全空連が発表した。 3月31日の全空連の倫理委員会では、双方から聞き取り調査を行った上で「1月27日の帝京大学内の練習において、帝京大学師範香川政夫氏が竹刀を用いた練習を行い、植草歩選手が目を負傷したということが事実関係として認められました。本連盟倫理委員会としては、竹刀を用いた練習は大変危険であり、どの練習においても全く認められるものではありません。引き続き該当事項について調査してまいります」としていた。 本日9日、全空連の公式ホームページでは「更に4月5日に行われた倫理委員会で処分内容を示した通知書と理由書を香川政夫氏に郵送し、弁明の機会を与えました。 4月7日午後同氏より当連盟宛てに選手強化委員長並びに全空連理事の辞職願いが到着しました。 以上の経緯から、本日(4月9日)当連盟は当初予定通り緊急理事会を開催し、同氏の処分を決議したものです」と発表された。 パワハラと、竹刀稽古の内容については、植草が3月28日にアップしたブログによると、竹刀稽古は2020年12月20日頃から開始され、練習の最後の15分間に行われていた。香川氏が、選手に対して竹刀を突きや蹴りに見立て、振り回す、突くなどで攻撃。選手はこれを受け、かわしながら反撃するというもの。 選手は面などの防具をつけることを許されず、これまで目を打撲した植草以外に練習に参加した数人も目に怪我を負ったと記される。怪我について香川氏からは怪我を心配する一言も無かったという』、「竹刀稽古は2020年12月20日頃から開始され・・・選手に対して竹刀を突きや蹴りに見立て、振り回す、突くなどで攻撃。選手はこれを受け、かわしながら反撃するというもの。 選手は面などの防具をつけることを許されず、これまで目を打撲した植草以外に練習に参加した数人も目に怪我を負った」、「防具」なしとは信じられないほど酷い。
・『「竹刀の怪我だけでなく、昨年9月頃より香川氏から「練習環境のこと、大学院進学のこと、その他プライベートや自活の為の仕事のことなどで、自立心・自尊心を傷つけられたり、大声で怒鳴られたりすることが多くなりました」と綴られていることから、師との互いの信頼関係が大きく崩れたことも、この訴えに至ったものと思われる。 全空連会長の笹川尭氏は9日の理事会で「選手強化委員長と現場の指導者が同一人物であるということが、権力、権威の集中となり、風通しが悪く、問題提起のしにくい構図になっていたと思う。このようなことが起きないよう、強化委員会の規定を変え強化委員長と、指導者が同一人物ではない体制に整える。具体的な内容は5月の理事会にて決定する」とした。 また、全空連の選手強化委員長の香川政夫氏が竹刀を指導で使ったことに対しては「決して認められることではない、空手の練習に剣道の練習道具である竹刀等を用いることは禁止と決定した。競技団体として競技者への安全面の配慮が不足していたことを心から反省する」と深く頭を下げた。今後は更に安全面を重視し、倫理委員会も充実させながら対応していくとも語られた。 植草の弁護士は境田正樹氏。11年に施行されたスポーツ基本法の制定をはじめ、多くのスポーツ団体のガバナンス強化、改善に携わる。これまで日本フェンシング協会や日本バスケットボール協会などの再建を担当。話題となったテコンドーの金平会長の辞任時の検証委員長も務めた。一度、植草側は香川氏を傷害容疑で刑事告訴しようとまで動いたが取り下げている。 一方、香川氏は故意に目をついたことは無いとしたが、自ら全ての全空連の職を辞すると届け出、本日決議された』、「植草側は香川氏を傷害容疑で刑事告訴しようとまで動いたが取り下げている」、恩師への思いやりなのだろう。「強化委員長と、指導者が同一人物ではない体制に整える」、遅ればせながら望ましい形だ。

次に、6月25日付けPRESIDENT Onlineが掲載したジャーナリストの山口 義正氏による「「実力社長のセクハラを咎めた役員が次々とクビに」名門メーカー電気興業の大混乱 セクハラの損害賠償を会社も負担」を紹介しよう。
・『「オリンパス事件」にも似た深刻なガバナンス不全  電機メーカーの電気興業が6月22日夕刻、ニュースリリースを発した。見出しは「内部通報に基づく社内調査の実施、再発防止に向けた取り組み、及び処遇について」。中身を見ても、ほとんどの株主は何のことやらわからないだろう。 それは、このニュースリリースには肝心なことが書かれてないからだ。その中身は、10年前の今頃、筆者が報じた「オリンパスの損失隠し事件」にも似た深刻なガバナンス不全である。同社に成り代わって問題を詳報しよう。 東証一部上場企業の電気興業は、1938年創業の元国策会社で、現在は高周波機器や電気通信機器の製造・販売を手掛けている。売上規模は400億円台とやや小ぶりだが、自己資本比率が75%もあり、現預金も潤沢。財務内容は健全そのものと言っていい。 しかし健全な肉体に不健全な精神が宿ったか。上記のニュースリリースに掲げられた(1)ハラスメント行為、(2)不明瞭な交際支出、(3)利益相反の疑いのある取引――が内部通報によって浮かび上がった』、「6月22日夕刻、ニュースリリース」については、現在はホームページには何故かないようだ。旧日本無線電信が「国策会社」だったようだ。
・『「社長→会長→名誉顧問→辞退」と目まぐるしく異動した松澤氏  電気興業をウォッチしている投資家は、今年2月以降、同社の取締役の降格や退任が異様なほど相次いでいることを不思議に思ってみていたに違いない。特に経営トップだった松澤幹夫氏は今年2月以降の短期間のうちに社長から会長に異動し、会長から名誉顧問への異動が発表され、さらに冒頭のリリースによると「健康上の理由」により名誉顧問就任を辞退したのだから。 一方でナンバー2だった石松康次郎専務がヒラの取締役に降格し、今年の株主総会で役員から外れるほか、久野力取締役も退任する。3人の社外取締役と、同じく3人の監査役も交代するというから、役員の大半が入れ替わることになる。一方で昨年6月に取締役に選任したばかりの近藤忠登史氏がそのわずか8カ月後、松澤氏に指名され社長昇格が決まった。 筆者の取材に対し、電気興業は一連の役員人事を「当社の持続的な企業価値向上を実現する上で最適な経営体制の構築を目的として従前から検討していた」と説明しているが、それを鵜呑みにするわけにはいかない。松澤氏には女性社員に対する度重なるセクハラとそれに伴う不明朗な支出――つまり上記の(1)と(2)――があり、電気興業では今年2月、内々にそれらを調べ、松澤氏は追い詰められた』、「目まぐるしく異動した松澤氏」、は同氏が最後まで地位にしがみつこうとした現れだろう。みっともないことだ。
・『いつのまにか切り崩されていた社内取締役たち  ところが2月10日に石松氏や久野氏ら社内取締役たちは雲行きが怪しくなっていることに気付いて驚く。その日の取締役会で、松澤氏がセクハラ問題に何ら触れることなく、会長に退いたうえで近藤取締役を後継社長に指名する動議を提出したのだ。会長に退いて社内で影響力を温存し、責任を追及する邪魔な取締役らのクビをはねるつもりだったのだろう。 松澤氏のセクハラ問題に対処するために足並みを揃えていたはずの石松専務と伊藤一浩常務、下田剛取締役、久野力取締役、そして当時は末席の取締役だった近藤氏らは、いつのまにか切り崩されていた。 切り崩しに動いたのが3人の社外取締役であった痕跡が、各種の資料や音声データに動かぬ証拠として残っている。しかも石松氏らはいつの間にか<松澤氏らと行動を共にしながら、セクハラを止めようとしなかった善管注意義務違反が認められる>と社外取締役らから責任追及を受けるようになった』、「石松氏ら」への「責任追及」は「松澤氏」の反撃である可能性がある。
・『取引先や経営トップと親密な人物が社外取締役を占めている  社外取締役は弁護士の太田洋氏と、元横浜中税務署長で税理士の須佐正秀氏、元SMBC日興証券副社長でSUZUKI NORIYOSHI OFFICE代表の鈴木則義氏の3人。関係者によると、太田氏と松澤氏は、遅くとも電気興業がアクティビストファンドの米スティール・パートナーズの標的になった2007年以来の付き合いで、太田氏が所属する西村あさひ法律事務所にとって電気興業は取引先である。 鈴木氏も「松澤氏と30年来の付き合いがある」(関係者)といい、社外取締役は電気興業の取引先からの出身者や、経営トップの知り合いで固められていたことになる。同じように取引先や経営トップと親密な人物が社外取締役を占め、企業統治が機能不全を起こしていたオリンパスと重なる部分が多いのだ。 しかもニュースリリースの「(3)利益相反の疑いのある取引」とは、西村あさひがSUZUKI NORIYOSHI OFFCEに支払いを求めたコンサルティング費用を電気興業に支払わせたことや、鈴木氏が代表取締役を務めていたエドモン・ドゥ・ロスチャイルド・日興との取引を指しているが、電気興業ではこれを問題なしとして片づけている。経営トップのお目付役であるはずの社外取締役がこんなことで疑われるだけでも恥であろう。 では電気興業はなぜ株主総会の直前になって、わざわざこれらの恥をHP上に掲載したのか』、「社外取締役は電気興業の取引先からの出身者や、経営トップの知り合いで固められていた・・・オリンパスと重なる部分が多い」、その通りだ。
・『記事が出るのを察知して、ダメージコントロールに動いたか  実はリリースが掲載される4日前の6月18日、筆者は電気興業に「松澤氏がセクハラを働き、これが理由で退任したと聞いている。詳しい話を聞きたい」と質問状を送って取材を申し込んだ。取材は21日に電気興業側の弁護士2人が立ち会ってリモートで行われた。私は内部資料を多く集めていること、そしてオンラインメディアで株主総会前に記事を配信することを伝えた。もう言い逃れはできないことを悟らせるためだ。 さらに私は、監査役会がまとめた調査報告書や、外部の弁護士が5月11日付で監査法人トーマツに送付した「コンプライアンス通報・報告」と題する長文の資料や、監査役会が6月1日付でまとめた調査報告書など数々の物証を入手していると告げ、正確で誠実な情報開示を求めた。無条件降伏を迫ったと言い換えてもいい。 これを受けて翌22日には電気興業で取締役会が開かれ、決議したのが冒頭のニュースリリース発信だった。記事が配信される前に自主的にセクハラその他について開示したのは、筆者の記事が配信される前に、同社がダメージコントロールに乗り出したことを意味している』、「記事が配信される前に自主的にセクハラその他について開示したのは、筆者の記事が配信される前に、同社がダメージコントロールに乗り出したことを意味」、「セクハラ」などはお粗末なのに、高度な「ダメージコントロールに乗り出した」とは、誰かの入れ知恵だろう。
・『被害者女性に「100万円でいい?」と迫ったのが近藤社長  ところがその開示姿勢は松澤氏に対する忖度や斟酌がにじみ出ている。このニュースリリースは東京証券取引所の適時開示情報伝達システム「TDNET」で広く発表されたものではなく、電気興業のHP上にこっそり掲載されただけ。ハラスメントを働いた役員についても松澤氏の名を出さずに「代表取締役」としか記されていない。 このリリースを見る限り、セクハラや不明朗な交際支出、利益相反取引のいずれも「当該事案の対処として問題があるとは言えない」「私的流用はない旨の念書の提出を受けている」「外形的には利益相反取引に該当するものの、実質的には利益相反状況にはない」など、大した問題ではなかったと言わんばかりだが、はたしてそうだろうか。前述の「コンプライアンス通報・報告」は弁護士が作成したもので、これらの判断がいかに疎漏なものであるかを28ページにわたってえぐり出しているのだ。 それに電気興業は事後処理で大きな過ちを犯している。経緯から考えて、セクハラ被害者に対する損害賠償は松澤氏が個人で負うべき性質のものでありながら、松澤氏と電気興業は被害者に連帯債務を負う旨の合意書が2月18日付で交わされている。 そこには被害者女性と松澤氏の署名捺印に加え、松澤氏から代表取締役の職務代行指示書を受けていた近藤取締役(現社長)の署名捺印がある。関係者によると、被害者女性に「(損害賠償額は)100万円でいい?」と合意を迫ったのが、近藤氏だった』、「セクハラ被害者に対する損害賠償は松澤氏が個人で負うべき性質のものでありながら、松澤氏と電気興業は被害者に連帯債務を負う旨の合意書が2月18日付で交わされている」、「電気興業」からも支払われれば、株主は代表訴訟で取り戻すべきだ。
・『取材に対しては「連帯債務はない」と虚偽の回答  こんな連帯債務にゴーサインを出しておいて、近藤社長は株主にどう説明するのか。また、問題の調査に当たった社外取締役や監査役は行きがかり上、この合意書の存在を知らないはずはなく、その取り交わしに反対しなかったのか。 しかも取材に応じた浅井貴史管理統括部長は、私に対して「(質問状には)当社が連帯債務を負うと記載されていますが、当社は、被害者に対して金員を支払っておらず、今後も合意内容に従って支払う債務を負っているわけではありません」と虚偽の回答している。 しかし実際には連帯債務はもちろん、損害賠償の支払い期日や支払い方法まで合意書には記されているのだ。浅井氏の説明は真っ赤なウソを含んでおり、29日に開催される株主総会で取締役への昇格が議案に上っている浅井氏の適格性に疑問符を付けざるを得ない。 電気興業の悪質性が際立つのは、責任の所在をねじ曲げるために取締役会議事録の作成段階で出席者の発言を捏造しようとさえしたことだ。事実を取締役会の暗闇に沈めようとしたとしか思えない。 これでも東証一部上場企業なのだ。国内外の投資家は、こうした市場をどう見るか。ガバナンス不全は、一企業の問題にとどまらず、日本の株式市場全体の信頼性と沽券にかかわる。残念ながら「オリンパス事件」から10年を経ても東京市場は変わっちゃいなかった』、「責任の所在をねじ曲げるために取締役会議事録の作成段階で出席者の発言を捏造しようとさえした」、悪質の極みだ。「東証一部上場企業」の名がまたも汚れた。

第三に、 3月12日付け日経ビジネスオンラインが掲載したコラムニストの小田嶋 隆氏による「やっぱり見た目で決めるのか」を紹介しよう。
https://business.nikkei.com/atcl/NBD/19/00106/00107/
・『米ニューヨーク州のクオモ知事にスキャンダルが持ち上がっている。 本当だろうか。 私は、第一報を知ってから、約1週間、真偽を疑って様子を見ていた。 というのも、昨年の大統領選挙のゴタゴタ以来、米国から伝わってくるニュースを鵜呑みにするとわりと無視できない確率で恥をかいてしまうことを、身をもって学んだからだ。実際、特にSNS経由で拾ってきた米国ネタの多くは、デマやフェイクを含んでいる。 いや、アメリカ人が信用できないとか、アメリカのメディアがガセネタを流していると主張したいのではない。 ただ、かの国は大統領選挙以来、少なくとも政治がらみのニュースのフェイク含有率が飛躍的に高まっていることは、まぎれもない事実なのだ。 もっとも、トランピストのデマは、子供だましだ、と、わが国の事情通は、異口同音にそう言っている。 私は、必ずしもバカにできないぞと思い始めている。というのも、伝わってくる結論だけを見ると、たしかにバカげているものの、さすがに世界に冠たるフェイクの国のフェイクメディアは、実に素敵なニュースサイトの外形を整えているからだ。 日本のインチキメディアについては、それなりに鼻がきくつもりでいる私も、見栄えのする英語フォントで提供されるネタは、うっかりそのまま受け止めたりする。というのも、全体としては真っ赤なウソであっても、細部の演出において気がきいているメイドインUSAのガセネタは、つまるところ、ページとしてどうにも素敵だからだ』、「全体としては真っ赤なウソであっても、細部の演出において気がきいているメイドインUSAのガセネタは、つまるところ、ページとしてどうにも素敵だからだ」、なるほど。
・『実際、小洒落たレイアウトで美麗な写真を並べたそれらのページ  ←正体はカルト宗教系だったりする)は、実に堂々たる押し出しでデマを流してくる。しかも、親切な日本人が、行き届いた翻訳文をつけてくれていたりする。こうなると、幼児誘拐だのというありがちなネタでも強大な誘引力を持つ。 さて、クオモ氏のスキャンダルは、典型的なセクハラ告発案件だった。 私は、第一感で「謀略」を疑った。というのも、クオモ知事は対立するトランプ陣営からは、蛇蝎のように嫌われているリベラルの星だったからだ。 さてしかし、先に結論を述べれば、陰謀に毒されていたのは、ニュースではなくて、私の脳みそだった。この1週間、多方面からの情報を慎重に比較検討してみた結果、このネタが「ガチ」であることがはっきりしてきている。クオモ氏を告発している女性も1人や2人ではない。 なんということだろう。つい半年ほど前に潔くコロナの初期対応を誤った非を認めて、クリーンに再出発を決断した稀有な政治家として、各方面からの喝采を浴びていたあのリベラルの希望の星、クオモ氏は、どうやら、もうひと回りして、セクハラ野郎という、薄汚れたオッサンの位置に落ち着き先を変えてしまったのである。 政治家には、そして人間には色々な顔がある。頭が良くて、弁舌がさわやかで、実行力と決断力において抜きん出て、その実、カネの亡者だったり、色魔だったりする人物は珍しくない。英語の素敵なガセネタページと同じだ。 しかし私は、実はちょっとホッとしている。というのも、「顔が好きになれない」というくだらない理由で、この人をほめる原稿を書いていなかったからだ。自分の好き嫌いは、案外バカにできない』、私は「クオモ氏」はカッコいいと思っているが、小田嶋氏は「顔が好きになれない」ようだ。まさに、十人十色 だ。
タグ:yahooニュース ハラスメント 日経ビジネスオンライン PRESIDENT ONLINE 小田嶋 隆 山口 義正 (その18)(【空手】植草歩の竹刀などパワハラ問題 師・香川政夫が強化委員長を解任、「実力社長のセクハラを咎めた役員が次々とクビに」名門メーカー電気興業の大混乱 セクハラの損害賠償を会社も負担、小田嶋氏:やっぱり見た目で決めるのか) eFight 「【空手】植草歩の竹刀などパワハラ問題、師・香川政夫が強化委員長を解任」 「竹刀稽古は2020年12月20日頃から開始され・・・選手に対して竹刀を突きや蹴りに見立て、振り回す、突くなどで攻撃。選手はこれを受け、かわしながら反撃するというもの。 選手は面などの防具をつけることを許されず、これまで目を打撲した植草以外に練習に参加した数人も目に怪我を負った」、「防具」なしとは信じられないほど酷い。 「植草側は香川氏を傷害容疑で刑事告訴しようとまで動いたが取り下げている」、恩師への思いやりなのだろう。「強化委員長と、指導者が同一人物ではない体制に整える」、遅ればせながら望ましい形だ。 「「実力社長のセクハラを咎めた役員が次々とクビに」名門メーカー電気興業の大混乱 セクハラの損害賠償を会社も負担」 「6月22日夕刻、ニュースリリース」については、現在はホームページには何故かないようだ。旧日本無線電信が「国策会社」だったようだ。 「目まぐるしく異動した松澤氏」、は同氏が最後まで地位にしがみつこうとした現れだろう。みっともないことだ。 「石松氏ら」への「責任追及」は「松澤氏」の反撃である可能性がある。 「社外取締役は電気興業の取引先からの出身者や、経営トップの知り合いで固められていた・・・オリンパスと重なる部分が多い」、その通りだ。 「記事が配信される前に自主的にセクハラその他について開示したのは、筆者の記事が配信される前に、同社がダメージコントロールに乗り出したことを意味」、「セクハラ」などはお粗末なのに、「ダメージコントロールに乗り出した」とは、誰かの入れ知恵だろう。 「セクハラ被害者に対する損害賠償は松澤氏が個人で負うべき性質のものでありながら、松澤氏と電気興業は被害者に連帯債務を負う旨の合意書が2月18日付で交わされている」、「電気興業」からも支払われれば、株主は代表訴訟で取り戻すべきだ。 「責任の所在をねじ曲げるために取締役会議事録の作成段階で出席者の発言を捏造しようとさえした」、悪質の極みだ。「東証一部上場企業」の名がまたも汚れた。 「やっぱり見た目で決めるのか」 クオモ知事にスキャンダル 「全体としては真っ赤なウソであっても、細部の演出において気がきいているメイドインUSAのガセネタは、つまるところ、ページとしてどうにも素敵だからだ」、なるほど。 私は「クオモ氏」はカッコいいと思っているが、小田嶋氏は「顔が好きになれない」ようだ。まさに、十人十色 だ。
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部活動問題(その3)(小学生が「死にたい」ミニバス指導の壮絶な実態 あれから息子は学校にも行けなくなった、部活で「17キロ減量命令」従った女子高生の悲劇 公開で体重測定 部員からの罵声も、「女子チア部員が下半身不随で顧問とコーチが責任逃れ」学校で事故が多発する根本原因 部活中の死亡事故は年10~20件) [社会]

部活動問題については、昨年4月2日に取上げた。今日は、(その3)(小学生が「死にたい」ミニバス指導の壮絶な実態 あれから息子は学校にも行けなくなった、部活で「17キロ減量命令」従った女子高生の悲劇 公開で体重測定 部員からの罵声も、「女子チア部員が下半身不随で顧問とコーチが責任逃れ」学校で事故が多発する根本原因 部活中の死亡事故は年10~20件)である。なお、タイトルから「ブラック部活動」は削除した。

先ずは、本年1月2日付け東洋経済オンラインが掲載したフリーライターの島沢 優子氏による「小学生が「死にたい」ミニバス指導の壮絶な実態 あれから息子は学校にも行けなくなった」を紹介しよう。
https://toyokeizai.net/articles/-/398967
・『「バスケットさえやらせなかったら……」 首都圏に住む40代の男性会社員は、後悔し続けている。 男性の長男(以下、A君)は昨夏、家でバッタリ倒れた。以来、小学校へはほぼ行けないまま卒業した。不安で夜も眠れない。睡眠障害がひどかった。 成績優秀。真面目でスポーツも得意な子がここまで不調をきたした原因は、ミニバスケットボールクラブでのパワーハラスメントだと男性は考えている。 A君は、20代の若いコーチから足で蹴られたり、胸や腹をこぶしで突くなど暴力を受けていた。試合中、対戦相手と仲間がプレーするなか「おまえはシャトルランやってろ!」と命じられ、ひとりコートをダッシュで往復させられた。試合の応援に来た男性と長男に駆け寄り、「このままじゃポジションなくすぞ!」と怒鳴られたこともあったという』、「家でバッタリ倒れた」、その前にも何らかの予兆があった筈で、「男性会社員」もそれを見逃していたのではなかろうか。
・『練習試合が「1日5試合」の過酷  活動の中身は小学生への指導とは思えないハードなもの。練習試合を1日に5試合やり、試合の間は持久走を命じられた。日本バスケットボール協会(以下JBA)が示す【日本ミニ連加盟規定についての方針(確認)】(2019/2/19 版より)の「ねらい」に掲げた「子どもたちにミニバスケットボールの楽しさを十分に味わわせること」とは、大きくかけ離れたものだった。 「倒れた当初は、学校にもミニバスの練習にも無理に行かなくていいよと見守っていましたが、そうは言ってもそのうち学校にもバスケットも行きだすだろうと高を括っていました。でも、このままでは命が危ないと気づきました」 わずか12歳の男の子に、希死念慮の症状が現われたのだ。 「お父さんはどんな死に方がいい?」 真剣な眼でA君に尋ねられた男性は「考えたことないなあ」と返したものの、(これは希死念慮かも)と大きな不安を感じた。 すぐさま連れて行った心療内科の医師から「家庭には何の問題もない。他に(こころに)打撃を与える何かがあったとしか考えられない」と言われた。卒業するころになってうつ病の診断を受けた。「回復までには数年のスパンが必要」と聞かされ、目の前が真っ暗になったという。すぐにミニバスケットクラブを退会させた。 ただし、そのような被害を受けても、男性はコーチらに面と向かって「あなたたちの暴力やパワハラが原因だ」と訴えることはしなかった。そうしなかった理由について男性はこう話す。 「スポーツの指導はそういうものだと僕ら親たちが刷り込まれていたのだと思います。やりすぎだと感じはしたが、他の親の手前もあって言えなかった」 目の前で繰り広げられる異様な光景に保護者から「ちょっとやりすぎでは……」の声は漏れたが、誰ひとり異議を唱える人はいなかった。強豪私立中学校への進学を世話するなど、大きな権限をもつコーチに逆らえないという事情があった。 「私立中学への進学など考えていなかったとしても、コーチに抗議などして機嫌を損ねれば、そこを目指すほかの親子の邪魔をしてしまうと他の保護者も考えたのでしょう。同じ学区、地域に住み、顔見知りの親たちが混乱を避けたいのはわかります」 とはいえ男性は納得していたわけではなく、コーチの暴力等をどこかに訴えられないかと、弁護士に相談した。JBAや日本スポーツ協会が設ける「スポーツにおける暴力行為等相談窓口」を紹介されたが、被害を受けた子どもへの聴き取り等も必要になると言われ、断念した。 うつ状態で、PTSD(心的外傷後ストレス障害)の症状も出始めていたA君に、相談員や弁護士と対峙するのは困難と判断したのだ。 「後から入ってくる子どもたちのためにクラブ側に指導を考え直してほしかったのですが……」と男性は後悔をにじませる』、「男性はコーチらに面と向かって「あなたたちの暴力やパワハラが原因だ」と訴えることはしなかった」、「「スポーツにおける暴力行為等相談窓口」を紹介されたが、被害を受けた子どもへの聴き取り等も必要になると言われ、断念」、気が弱すぎる印象だ。
・『日本の暴力指導の実態  では、日本ではどのくらいの人が子どもへの暴力指導の被害を訴えているのだろうか。 日本スポーツ協会によると、相談窓口に寄せられた2014年度から2020年8月までの累計相談件数は651件。子どもから成人まで幅広い被害者区分では、小学生が43.7%を占める。子どもが多いのは同協会認定の指導者資格が少年スポーツを対象にしているからだという意見はあるものの、加害側が有資格者でない相談がほとんどだ。最も弱い立場である子どもたちの心身が、A君のように危険にさらされている事実は否めない。 件数だけを見れば、多くの方は「6年間でたったそれだけか」と思うかもしれない。だが、これは氷山の一角だろう。各競技団体に寄せられる相談件数との総計や中身の分析がなされないため、実情は「見える化」されないままだ。これでは、男性とその長男のように声を発することさえできず泣き寝入りする親子は決して少なくないはずだ。 日本スポーツ協会および各競技団体が相談窓口を設置したのは2014年。ちょうど8年前の12年12月23日。大阪市立桜宮高校バスケットボール部員だった高校2年生の男子が、顧問からの暴力や理不尽な扱いを苦に自死した事件がきっかけだ。 事件の当該競技であるバスケットはその後も、暴力は止まっていない。2014年4月~2018年10月の高体連体罰認定件数149件中、バスケットにおける報告は27件で18%。同期間の日本スポーツ協会相談件数は315件中60件、19%と、いずれも全競技中で最多だった。 この結果を受け止めた日本バスケットボール協会(JBA)は2019年に、「クリーンバスケット・クリーン・ザ・ゲーム~暴力暴言根絶」のメッセージを発信した。そこでまずはミニ・中・高校生の都道府県大会や全国大会におけるコーチの選手への暴力的行為や暴言に対するテクニカルファウル調査を実施。 結果として、例えば高校生の場合のテクニカルファウルは都道府県大会では1%、インターハイは5%と全国大会で5倍に。ただし、調査が抑止力になったのか、冬開催の全国大会「ウインターカップ」では0件だった。 さらに2021年は、指導現場の実態を把握するため、まずは「ミニバスケットボールを行っている子どもの保護者を対象としたアンケート」を実施する。 質問は40個余りを用意。練習時間や頻度といった活動の強度はもちろんのこと、練習や試合におけるコーチングについても尋ねる。例えば、以下のようなものが並ぶ。 コーチは、試合に勝つことだけを?指していると思いますか。 コーチは、試合中に常に細かくプレーに対して指?を出していると思いますか。 試合中のコーチによる指?・激励の?葉に、暴?などの問題があると感じたことがありますか。 試合中のコーチによる指導に、頭ごなしに怒鳴る、不必要に威迫するなど感情的な指導と感じることはありますか。 コーチは、試合において選?の主体性(プレーの選択・判断?)を重視していると思いますか。 コーチは、ベンチメンバー全員を可能な限り試合に出場させるよう工夫していると思いますか。 回答は、例えば「思う・やや思う・あまり思わない・思わない」の4段階から選ぶ簡単なものだ。部やクラブを通さない。つまりは指導者を介さないため、回答者が特定されずプライバシーを厳守できる。JBA公式サイトや都道府県協会公式サイト、バスケット専門メディア等で告知し、2021年度内で3カ月間の実施を予定。) アンケートの作成、実施をリードするJBAU12フェアプレー推進グループリーダーの村上佳司・桃山学院教育大学教授は2018年、2019年と国際バスケットボール連盟(FIBA)のミニバスケットボールカンファレンスに参加。コーチが選手と相互にコミュニケーションを図り、主体性を育てる世界基準のコーチングを見てきた。 「日本の育成年代、特に初期のカテゴリーにあたるU12(ミニバスケットボール)の指導のあり方は、世界基準と比べるとまだまだ遅れていると感じた」 JBAによる暴力暴言根絶キャンペーン告知「10センチの挑戦」。コロナ自粛が明けた後の高校生のバスケットへの思いが表現されている。年末に開催されたウインターカップの大会プログラムにも掲載された 日本のコーチングは指示命令が多く、一方通行のコミュニケーションになりがちだ。怒って選手を委縮させ、考える余裕を与えない傾向がある。そうなると「選手は主体性を奪われ、コーチの指示を待つようになる」と村上教授は言う。 「コート内で選手が自分で判断してプレーしなくてはいけないバスケットボールでは、自ら考える力を育てるべき。そのためには、指導者が言動や態度を変えなくてはいけません」 言動や態度を保護者たちの目を通して吸い上げるとともに、アンケートに答え結果を知ることで「グッドコーチ」の姿を知ってもらう。保護者の啓蒙も、ひとつの目的なのだ』、「日本のコーチングは指示命令が多く、一方通行のコミュニケーションになりがちだ。怒って選手を委縮させ、考える余裕を与えない傾向がある。そうなると「選手は主体性を奪われ、コーチの指示を待つようになる」、その通りだ。
・『今も心療内科に通う長男  被害を被ったA君は、中学生になった今も心療内科への通院は欠かせない。 「(バスケットを)放り出してしまったと、今でも自分を責めています」 男性や妻が「君は悪くない」と言い続けてもトラウマは消えない。 男性は「指導者が変わってくれたらと思う。息子のような経験をしてほしくない。急いでほしい」とJBAの取り組みに期待を寄せる』、「被害を被ったA君は、中学生になった今も心療内科への通院は欠かせない」、しかし、同君を追い込んだ「コーチ」はそんな悲劇を知らずに、いまでも同じ非科学的な指導を続けているのかも知れない。

次に、2月11日付け弁護士ドットコム「部活で「17キロ減量命令」従った女子高生の悲劇 公開で体重測定、部員からの罵声も」を紹介しよう。
https://www.bengo4.com/c_18/n_12447/#:~:text=%E5%85%AC%E9%96%8B%E3%81%A7%E4%BD%93%E9%87%8D%E6%B8%AC%E5%AE%9A%E3%80%81%E9%83%A8%E5%93%A1%E3%81%8B%E3%82%89%E3%81%AE%E7%BD%B5%E5%A3%B0%E3%82%82,-%E5%86%99%E7%9C%9F%E3%81%AF%E3%82%A4%E3%83%A1%E3%83%BC%E3%82%B8&text=%E9%83%A8%E6%B4%BB%E3%81%AE%E9%A1%A7%E5%95%8F%E3%81%8B%E3%82%89%E3%80%8C%E3%81%8A%E5%89%8D,%E3%81%8C%E5%AF%84%E3%81%9B%E3%82%89%E3%82%8C%E3%81%BE%E3%81%97%E3%81%9F%E3%80%82
・『部活の顧問から「お前は減量しろ!」と17キロの減量を命じられ、ストレスから体調不良になったーー。 弁護士ドットコムに、このような女子高生からの相談が寄せられました。
・『顧問「17キロの減量」命じ、部員「体重計に乗ってみろ」  相談者は、公立高校のバレーボール部に所属しています。部活の顧問から「お前は減量しろ!理想の体重になるまで皆と同じ練習はさせないし、もちろん試合にも出さない」と減量を命じられました。 しかし、顧問の言う「理想体重」までは17キロ痩せる必要がありました。相談者はランニングと食事制限をしましたが、他の部員と同じ練習ができないストレスやハードな減量で、生理が止まってしまったそうです。 数カ月後、ハードな減量を乗り越えた相談者は、顧問に17キロ減量できたと自己申告しました。ようやく他の部員と同じ練習に参加し、試合にも出してもらえることに。 ところが、ある部員から「体重ごまかしてるんちゃうか、体重計にのってみろ」と言われ、皆の前で体重計に乗せられました。 表示された数字は申告よりも数キロ多く、他の部員から「体重ごまかしてまで試合に出たかったんか」「出ていけ」など、罵声を浴びせられたそうです。顧問からも、「お前なんてもういらん、出て行け」と言われたといいます。 翌日、相談者は練習に参加できず、1人でランニングしていた相談者は気分が悪くなり、トイレで倒れ、救急車で病院に運ばれました。数時間意識が戻らず、脳の検査などをおこなったところ、「部活における過度なストレスによる精神的なもの」と診断されたそうです。 相談者は、顧問の指導は「精神的な体罰」だと考え、体重測定を強要した部員の行為に対しても「いじめ」ではないかと考えています。 今回のケースで、相談者に減量を命じた顧問の指導や、体重測定を強要した他の部員の行為には、どのような法的問題があるのでしょうか。佐田理恵弁護士の解説をお届けします(Qは聞き手の質問、Aは佐田理恵弁護士の回答)』、「17キロ減量」、は明らかに過大な要求だ。
・『減量命令は「体罰」にはあたらないけれど…  Q:部活顧問による減量命令は「体罰」にあたるのでしょうか。 A:体罰とは、身体に対する侵害を内容とする懲戒(殴る、蹴るなど)や被罰者に肉体的苦痛を与えるような懲戒(正座・うさぎ跳びを強いるなど)をいうとされています。 今回のように、17キロの減量を達成するまで練習や試合に出さないというのは、それ自体は、体罰にはあたらないのではないかと考えます。 しかし、高校の運動部活動は、学校教育活動の一環であり、児童生徒が自発的・自主的にスポーツをおこない、より高い水準の技能や記録に挑戦するなどしてスポーツの楽しさや喜びを味わい、学校生活に豊かさをもたらすという意義を有しています。 それを、体重を理由に練習にも参加させないなどということは、児童生徒が学ぶ機会を不当に奪う、行き過ぎた行為であると言えます。 相談者は、自らにランニングと食事制限を課し、生理が止まってしまうほどの無理を強いられることとなりました。 さらに、練習への参加が一度は認められたものの、体重が数キロオーバーしていたことで、再び暴言を浴びせられ、練習に参加できなくなり、最終的に、過度なストレスが原因で倒れてしまったというのですから、顧問の責任は重大であると言えます。 また、体重測定の強要といった他の部員からのいじめも、こうした顧問の問題ある指導により誘発されたと考えられます。この点においても、顧問の責任が極めて重い事案です』、確かに「顧問の責任は重大だ。
・『他の部員の行為は「いじめ」にあたる  Q:他の部員の行為は「いじめ」にあたるといえるのでしょうか。そうであれば、他の部員に対して、相談者は損害賠償請求をすることはできますか。 A:いじめは、いじめ防止対策推進法という法律で、次のように定義されています。 「児童生徒に対して、当該児童生徒が在籍する学校に在籍している等当該児童生徒と一定の人的関係のある他の児童生徒が行う心理的又は物理的な影響を与える行為(インターネットを通じて行われるものも含む)であって、当該行為の対象となった児童生徒が心身の苦痛を感じているもの」。 今回のケースのように、一部の部員らが、皆の前で相談者の体重測定を強要し、その結果、体重が数キロ多かったために罵声を浴びせたことは、相談者にとって屈辱的であったと容易に想像できます。それゆえ、相談者の心身に苦痛を感じさせるものであったとして、いじめに該当すると思われます。 以上のとおり、顧問と一部の部員の行為は違法であり、これにより、相談者は、過度なストレスで倒れてしまったのですから、彼らに対して不法行為に基づく損害賠償請求をすることができます。具体的には、治療費や精神的損害に対する慰謝料などを請求することが考えられます。(弁護士ドットコムライフ)』、「損害賠償請求をすることができます」とはいっても、校内での問題にそこまでやると、校内での居場所がなくなる懸念もあるので、慎重な判断が必要だろう。

第三に、5月13日付けPRESIDENT Onlineが掲載したスポーツライターの酒井 政人氏による「「女子チア部員が下半身不随で顧問とコーチが責任逃れ」学校で事故が多発する根本原因 部活中の死亡事故は年10~20件」を紹介しよう。
・『中学・高校の部活中に起きる事故の数は年間平均35万件にも達し、中には死亡事故に至るケースもある。スポーツライターの酒井政人さんは「高校の女子チアリーディング部の練習中、下半身不随の大ケガをした元部員が今年2月、学校を訴えました。事故の責任の所在を明確にし、部活に励む生徒の向上心に応えるためにも中高の部活の管理や指導は適切な“人材”を活用する仕組みを整えるべき」と訴える――』、興味深そうだ。
・『「女子チア部員が下半身不随」で顧問とコーチが責任逃れの背景  筆者の母校で、痛ましい事故が起きた。 愛知県の岡崎城西高のチアリーディング部の練習中に元女子部員が習熟度に見合わない危険性の高い練習をさせられ、下半身不随の大ケガをしたのは2018年7月のこと。元女子部員は2021年2月、同校を運営する学校法人を相手取り、将来にわたる介護費など約1億8300万円の損害賠償を求めて名古屋地裁に提訴した。 新聞報道などによると、部の男性顧問は部活に姿を見せることは少なく、外部の女性コーチが技術指導をしていたが、事故時は2人とも不在だったという。元女子部員は入部してわずか4カ月目に生徒たちだけの活動中に大技の練習をして事故に遭った。当時の練習状況は、必要な補助者もなく、マットを敷くだけというお粗末なものだったようだ。 弁護士や専門家も参加して同校が作成した事故調査報告書では、「顧問は安全指導を含む全指導を外部コーチに一任していた」との認識を示す一方、コーチは「自身は責任者ではない」と考えていたという。責任の所存がハッキリとしない状態で、安全な指導も徹底されないなかで日々の活動が行われていたようだ。 本来であれば避けられたであろう事故が起きてしまったことは本当に残念でならない。学校側は真摯な対応をするべきだろう。同時に、このような悪夢を二度と起こさないように徹底した再発防止策も求められる』、「「顧問は安全指導を含む全指導を外部コーチに一任していた」との認識を示す一方、コーチは「自身は責任者ではない」と考えていたという。責任の所存がハッキリとしない状態で、安全な指導も徹底されないなかで日々の活動が行われていた」、恐るべき無責任体制を放置してきた学校側の「責任」は重大だ。 
・『顧問教員、部活動指導員、外部コーチ「誰が部活の責任者か」  実は今回のような事件は氷山の一角だ。中学・高校での事故の半数以上は運動部の活動中に起きており、その数は年間35万件にも上っている。日本スポーツ振興センター(JSC)のデータによると、部員数の多いバスケットボールやサッカー、野球、バレーボールなどで事故が多いという。部活中の死亡事故も年間に10~20件ほど起きている。 その主な原因は学校側の「管理不行き届き」だが、非常に悩ましい問題が絡んでいる。 前提として知っておきたいのが、少子化が進む一方で部活動は多彩になっていることだ。全国高等学校体育連盟(高体連)には多くの運動部が所属している(陸上競技、体操、新体操、競泳、飛び込み、水球、バスケットボール、バレーボール、卓球、ソフトテニス、ハンドボール、サッカー、ラグビー、バドミントン、ソフトボール、相撲、柔道、スキー、スケート、ボート、剣道、レスリング、弓道、テニス、登山、自転車競技、ボクシング、ホッケー、ウエイトリフティング、ヨット、フェンシング、空手道、アーチェリー、なぎなた、カヌー、少林寺拳法。このなかで水球、ラグビー、相撲、ボクシングは男子のみで、なぎなたは女子のみ。それ以外は男女ともにある。25年前はほとんどなかった女子サッカー部は全国で約700校が登録している)。 高体連以外では「甲子園大会」を主催している日本高等学校野球連盟(高野連)がメジャーな存在で、他にも応援団部のような伝統的なものもあれば、近年注目を浴びているダンス部、チアリーディング部などもある。ちなみに筆者が岡崎城西高に在籍していた時代は男子校だった。同校は1999年度から共学となり、新たな運動部が次々と誕生した。事件が起きたチアリーディング部もそのひとつだ。 新たな部を立ち上げる時は、顧問の教員が必要となる。しかし、マイナー競技や近年流行しているスポーツは、顧問が経験したことがないケースが少なくない。日本体育協会の運動部活動に関する調査では、約半数の教員が担当する部活動について競技の「経験なし」と回答しているのだ。 未経験の運動部活動の顧問を任されることは教員の心理的負担になるだけでなく、その競技を学ぶ必要が出てくる。マジメに取り組むほど多忙になり、勉強が不十分だと適切な指導をするのが難しくなる。そのため、部活の顧問をやめたいと考えている教員も少なくない。なかなか“適任者”が現れないのが現実だ。 スポーツ庁は「運動部活動については、顧問となる教師の長時間労働につながるとともに、教師に競技経験等がないために、生徒が望む専門的な指導ができない、生徒のスポーツニーズに必ずしも応えられていないこと等の課題があります」と指摘している。 5年に一度実施されている「OECD国際教員指導環境調査」(2018年)によると、日本の教員が課外活動(主に部活動)に費やした時間は週7.5時間。参加国の平均(週1.9時間)を大幅に上回り、1週間当たりの仕事時間は48カ国中最長だった。こうした調査結果から部活動の長さが教員の多忙化を引き起こしていることが問題視されるようになった。 この事実を踏まえ、教員の仕事時間を減らせるように、2017年には教員の「働き方改革」の一環として教員以外の「部活動指導員」が制度化され、認められた。コーチの外部委託は以前からあったが、その多くはOBなどが土日に顔を出して、交通費程度の謝礼で選手たちを指導するというものだ。法律上、外部コーチは身分が不明瞭で、活動中に事故が起こった場合に責任の所在が曖昧だった理由から、単独で大会などに生徒を引率することは認められていなかった。 なお部活動指導員は学校教育法において「学校職員」という身分になる。さらに有償であることが定められ、研修も義務化された。技術的指導だけでなく、単独で顧問になることや大会に生徒を引率することが可能になったのだ。 その報酬額は公立中学の場合で1時間当たり1600円、週3~5回というのが一般的(条件は自治体によって異なる)。しかし、各自治体が定める条件には、「教員免許を授与された経験がある人」「運動部活動の指導経験がある人」などが含まれている場合がほとんどである上、部活動は平日16時ごろから18時ごろまでが多い。その時間に学校に赴き、指導ができる者となるとかなり限られてくる。そのため教育現場で部活動指導員の活躍度はさほど高くないようだ』、「約半数の教員が担当する部活動について競技の「経験なし」と回答」、「部活の顧問をやめたいと考えている教員も少なくない」、そうであれば、無理に未経験でやる気にない教員に「顧問」をさせて取り繕うは止めて、部活動の範囲を一旦、絞り込むのも一考に値するのではなかろうか、或いは、外部の外部指導者に任せればよい。
・『中学・高校の部活動は「外部スタッフ」を有効活用せよ  実は学習指導要領で部活動は教育課程外の自主的・自発的な活動だと位置づけられており、教員が常に帯同する必要はない。そのため、前出の岡崎城西チアリーディング部の顧問のようにほとんど顔を出さない教員がいる一方で、毎日熱血指導をしている教員もいる。 スポーツ庁が2018年3月に策定・公表した「運動部活動の在り方に関する総合的なガイドライン」では、「地域のスポーツ団体との連携、保護者の理解と協力、民間事業者の活用等による、学校と地域が共に子供を育てるという視点に立った、学校と地域が協働・融合した形での地域におけるスポーツ環境整備を進める」と記された項目もある。 そもそも学校の部活動はコーチ(顧問の教員、部活動指導員、外部指導者)によって、指導力の幅が大きい。また各自治体、学校で施設の状況も大きく異なる。外部指導者のような専門スタッフがいるチームは独自でやればいいが、問題はそうした存在がいないケースだ。 その場合、各地域で外部指導者を“シェア”することも考えたほうがいいだろう。各地域でその競技に精通する外部指導者を雇い、月に1~2回、土曜日に各校の選手が集まり、合同で練習するのだ(人数が多い場合は参加できる人数を決めてもいい)。安全面での注意点はもちろん、専門的なトレーニング方法などを学び、各学校に持ち帰ることができる。顧問の教員も必要に応じて勉強が可能になる。 元選手の中には指導者をやってみたいと考えている人は少なくない。指導者になりたい元選手と、専門的な指導者を探している学校。実は両方ともニーズがあるのだ。学校側は外部コーチを内々で探すことが多いが、一般公募すればいい。近年は外部コーチを派遣する会社も出てきており、必要な人材を確保するのはさほど難しくなくなっている。 中学・高校ではそれぞれの科目を専門教員が授業を担うが、部活動はそうではない。選手の気持ちを考えても、競技の知識が未熟な先生に教えてもらうよりも、例えば、日本トップクラスだった元選手に月に数回でも指導を受けられたほうがありがたいに決まっている。とにかく人材を有効的に使うことを考えるべきだろう。 顧問の教員、単独で生徒を引率できる部活動指導員、競技面に精通している外部指導者、それから生徒たちの自主性。これらをうまく活用することができれば、日本の部活動のレベルはさらに上がるのではないか。強豪校に行かなくても、才能を伸ばすことも可能になるだろうし、教員の負担も軽減できるはずだ。 学校関係者は生徒と教員、それからスポーツ指導者を志す者たちのために、柔軟な考えで対応することを望む』、「部活中の死亡事故は年10~20件」はどう考えても多過ぎる。最も重要なのは、学校側が「部活動」に対して最終的な責任を持つことである。いくら生徒や親が望んでいるからといって、教員や外部に「適格な指導者」を見つけられないような「部」は作るべきではないだろう。文科省ももっと指導を強めるべきだ。
タグ:東洋経済オンライン 弁護士ドットコム PRESIDENT ONLINE 島沢 優子 部活動問題 (その3)(小学生が「死にたい」ミニバス指導の壮絶な実態 あれから息子は学校にも行けなくなった、部活で「17キロ減量命令」従った女子高生の悲劇 公開で体重測定 部員からの罵声も、「女子チア部員が下半身不随で顧問とコーチが責任逃れ」学校で事故が多発する根本原因 部活中の死亡事故は年10~20件) 「小学生が「死にたい」ミニバス指導の壮絶な実態 あれから息子は学校にも行けなくなった」 「家でバッタリ倒れた」、その前にも何らかの予兆があった筈で、「男性会社員」もそれを見逃していたのではなかろうか。 「男性はコーチらに面と向かって「あなたたちの暴力やパワハラが原因だ」と訴えることはしなかった」、「「スポーツにおける暴力行為等相談窓口」を紹介されたが、被害を受けた子どもへの聴き取り等も必要になると言われ、断念」、気が弱すぎる印象だ。 「日本のコーチングは指示命令が多く、一方通行のコミュニケーションになりがちだ。怒って選手を委縮させ、考える余裕を与えない傾向がある。そうなると「選手は主体性を奪われ、コーチの指示を待つようになる」、その通りだ 「被害を被ったA君は、中学生になった今も心療内科への通院は欠かせない」、しかし、同君を追い込んだ「コーチ」はそんな悲劇を知らずに、いまでも同じ非科学的な指導を続けているのかも知れない。 「部活で「17キロ減量命令」従った女子高生の悲劇 公開で体重測定、部員からの罵声も」 「17キロ減量」、は明らかに過大な要求だ。 確かに「顧問の責任は重大だ。 「損害賠償請求をすることができます」とはいっても、校内での問題にそこまでやると、校内での居場所がなくなる懸念もあるので、慎重な判断が必要だろう。 酒井 政人 「「女子チア部員が下半身不随で顧問とコーチが責任逃れ」学校で事故が多発する根本原因 部活中の死亡事故は年10~20件」 「「顧問は安全指導を含む全指導を外部コーチに一任していた」との認識を示す一方、コーチは「自身は責任者ではない」と考えていたという。責任の所存がハッキリとしない状態で、安全な指導も徹底されないなかで日々の活動が行われていた」、恐るべき無責任体制を放置してきた学校側の「責任」は重大だ。 「約半数の教員が担当する部活動について競技の「経験なし」と回答」、「部活の顧問をやめたいと考えている教員も少なくない」、そうであれば、無理に未経験でやる気にない教員に「顧問」をさせて取り繕うは止めて、部活動の範囲を一旦、絞り込むのも一考に値するのではなかろうか、或いは、外部の外部指導者に任せればよい。 「部活中の死亡事故は年10~20件」はどう考えても多過ぎる。最も重要なのは、学校側が「部活動」に対して最終的な責任を持つことである。いくら生徒や親が望んでいるからといって、教員や外部に「適格な指導者」を見つけられないような「部」は作るべきではないだろう。文科省ももっと指導を強めるべきだ。
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外国人労働者問題(その16)(相次ぐ摘発 在日ベトナム人の真実:(<28>菅首相が入国継続に固執した理由 出稼ぎ労働者の確保、<30>PCR検査せず入国…緩和措置は出稼ぎ労働者確保のため、<34>ベトナム人留学生を増やすための「国ぐるみのペテン」)、「見殺し」にされたスリランカ女性 事件の背後に「内規違反」も…名古屋入管の闇、「33歳の女性が施設内で死亡」難民をあからさまに迷惑がる日本の入国管理制度 国連からも問題視される閉鎖性) [社会]

外国人労働者問題については、昨年8月3日に取上げた。今日は、(その16)(相次ぐ摘発 在日ベトナム人の真実:(<28>菅首相が入国継続に固執した理由 出稼ぎ労働者の確保、<30>PCR検査せず入国…緩和措置は出稼ぎ労働者確保のため、<34>ベトナム人留学生を増やすための「国ぐるみのペテン」)、「見殺し」にされたスリランカ女性 事件の背後に「内規違反」も…名古屋入管の闇、「33歳の女性が施設内で死亡」難民をあからさまに迷惑がる日本の入国管理制度 国連からも問題視される閉鎖性)である。

先ずは、本年1月20日付け日刊ゲンダイが掲載したジャーナリストの出井康博氏による「相次ぐ摘発 在日ベトナム人の真実」のうち「<28>菅首相が入国継続に固執した理由 出稼ぎ労働者の確保」を紹介しよう。
https://www.nikkan-gendai.com/articles/view/life/284122
・『自民党には二階俊博幹事長の他にも“ベトナム好き”の政治家がいる。菅義偉首相である。 昨年10月、菅氏が首相として初の外遊先に選んだのがベトナムだった。こうしたベトナム重視の背景には、「出稼ぎ労働者の確保」という命題がうかがえる。そのことは、コロナ水際対策の外国人入国制限をめぐる菅氏の姿勢からも見て取れる。) 今月7日に1都3県に緊急事態宣言が発令された直後、政府がベトナムなど11カ国・地域に限定して認めていた「ビジネス関係者」の入国に関し、自民党内部からも停止を求める声が相次いだ。しかし、菅氏は「コロナ陰性証明」を条件に入国継続にこだわった。 なぜ、菅氏は外国人の入国を止めたくなかったのか。そもそも新聞やテレビが報じた「ビジネス関係者」とは、具体的にどういった外国人なのか。 法務省出入国在留管理庁は、政府が外国人の入国制限を緩和した昨年11月以降の「国際的な人の往来再開に向けた段階的措置等による入国者数」を週ごとに公開している。このデータを集計すると、同措置のもと入国した外国人は、同11月初めから今年1月10日までの10週間で10万9262人だ。 在留資格別では、「技能実習」が4万809人、「留学」が3万6914人と、2つの資格で全体の7割を超える。実習生はもちろん、留学生にも出稼ぎ目的の外国人が多数含まれる。つまり、「ビジネス関係者」の過半数は、出稼ぎ労働者なのである。) 国籍別はベトナム人が3万6343人で最も多く全体の3分の1を占める。その8割以上は実習生と留学生だ。外国人の入国継続に執着する菅氏の本音が、ベトナムなどからの出稼ぎ労働者の受け入れであることは数字上で明らかだ。 菅氏は安倍政権で官房長官を務めていた頃から、外国人労働者の受け入れに積極的だった。「西日本新聞」(2018年8月23日電子版)のインタビューで、こう語っている。 「外国人材の働きなくして日本経済は回らないところまで来ている。高齢者施設をつくった私の知人も、施設で働く介護人材が集まらないと言っていた」 つまり、産業界の声に応え、外国人労働者を受け入れたいわけだ。そのスタンスは、政界で最もベトナムとつながりが深く、また菅氏と「Go To キャンペーン」を推し進めた二階氏と重なる。) 外国人の入国継続は、「実習生」や「留学生」という低賃金の労働者を欲する産業界には恩恵が大きい。日本語学校をはじめとする留学生頼みの学校業界も大喜びだ。だからといって、国民全体の利益に沿うわけではない。 菅氏は今月13日、緊急事態宣言に7府県を追加した際、急きょ方針を変え、同宣言中は11カ国・地域からの入国も停止するとした。しかし、出稼ぎ労働者の受け入れと引き換えに、肝心のコロナ水際対策が後手に回った可能性は否めない』、「「ビジネス関係者」の過半数は、出稼ぎ労働者なのである。 国籍別はベトナム人が3万6343人で最も多く全体の3分の1を占める。その8割以上は実習生と留学生だ」、てっきり出張者や駐在員だと思っていたが、何のことはない。「ベトナム」からの「実習生と留学生」が太宗のようだ。

次に、この続き、1月23日付け日刊ゲンダイ「<30>PCR検査せず入国…緩和措置は出稼ぎ労働者確保のため」を紹介しよう。
https://www.nikkan-gendai.com/articles/view/life/284122
・『菅義偉首相は今月13日、緊急事態宣言を11都府県に拡大した際、一部の外国人に限って認めていた入国緩和も「一時停止」した。ただし、すでに日本のビザを取得している実習生や留学生の入国は21日まで続いた。わざわざ1週間の猶予を設けてまで、彼らを受け入れたかったのである。 昨年11月から年明けまでの10週間で、11万人近い外国人が来日した。そのうち7割は実習生と留学生だ。そして、全体の3分の1に当たる3万6000人以上がベトナム人である。入国緩和措置の目的が、ベトナムなどからの出稼ぎ労働者受け入れだったことがわかる。 菅氏は万全の水際対策を取ったと胸を張る。だが、本当にそうなのか』、「入国緩和措置の目的が、ベトナムなどからの出稼ぎ労働者受け入れだった」、やれやれだ。
・『ザルのような水際対策  12月、東京都内の日本語学校に留学するため来日したフーンさん(26)には、日本の対応が驚きだったという。 「私はベトナム出発前も成田空港でもPCR検査なしに日本へ入りました。空港からの移動や、その後の生活もほとんど制限なし。ベトナムではありえないことです」 ベトナムは12月以降、全世界からの入国を実質止めている。それ以前も入国者は皆、2週間の厳格な隔離措置が義務づけられた。フーンさんが言う。 「外国人は高級ホテル、ベトナム人だと軍の施設などに拘束されて2週間を過ごします。その間、2回のPCR検査を受け、完全に陰性だと証明されて、やっと解放されるのです」 結果、ベトナムは台湾などと並び、コロナの封じ込めに成功している。 「それでも完璧とは言えません。隣の中国から密入国する人もいるし、変異種に感染したベトナム人も見つかっている」 フーンさんは成田空港へ到着後、知人の車でアパートまで移動した。そして2週間は、外出は極力控えたという。 「留学先の日本語学校が、私の居場所をスマホの位置情報で確認するようになっていました。でも、スマホをアパートに置いていれば、何をするのも自由です。友だちとパーティーだってできてしまう。日本でコロナ感染が広まった理由がわかりました」 ベトナム人が日本へウイルスを持ち込んだ可能性は低い。だが、ベトナムを含め、入国制限緩和措置の対象となっていた11カ国・地域の多くでは、問題の変異種もすでに確認されている。 1月7日に緊急事態宣言がまず1都3県に出された後も、菅首相は「コロナ陰性証明」を条件に外国人の入国継続にこだわった。出稼ぎ労働者の受け入れを重視してのこと。こうした姿勢が、水際対策の緩みにつながった可能性は否めない。 現在の感染爆発の要因としては、やはり菅氏肝いりの「Go To キャンペーン」も指摘されている。だとすれば、2つの「経済優先」政策が招いた人災と言うしかない』、当該の「ベトナム人」にまで「ザルのような水際対策」と驚かれているのでは世話はない。

第三に、この続きを、1月29日付け日刊ゲンダイ「<34>ベトナム人留学生を増やすための「国ぐるみのペテン」」を紹介しよう。
https://www.nikkan-gendai.com/articles/view/life/284493
・『「アルバイトがなくなって学費が払えない」 北関東の専門学校で日本語教師をしているBさん(30代女性)のもとには、教え子のベトナム人留学生から相談が殺到している。 年末から、留学生たちのバイト先である食品関連工場などでクラスターが相次ぎ発生した。コロナ感染者は留学生が大半だったとみられる。そのため工場側は、PCR検査で陰性となった者を含め、留学生を皆解雇した。Bさんが言う。 「確かに、留学生の感染者は多い。でも『留学生』というだけで、陰性者まで解雇されているんです。しかも留学生へのバイト切りは、クラスターの出ていないスーパーなどでも起こっています」』、「工場側は、PCR検査で陰性となった者を含め、留学生を皆解雇」、「留学生を皆解雇」とは「工場側」の対応も安易過ぎる。
・『学費の分割払いすら認めず  留学生たちは3月までに、来年度の学費70万円を学校に納めなくてはならない。見かねたBさんは学校に対し、学費の分割払いを認めるよう提案した。しかし、学校側の対応は冷たかった。「アルバイトがなくなったから学費を払えないというのはおかしい。留学生は皆、アルバイトしなくても学費を払える経済力があるはずですよね」と指摘されたという。) 留学生は専門学校や日本語学校に入学する際、学費の支払い手段が記された「経費支弁書」を提出している。だが、書類の中身はデタラメだ。アルバイトなしでも生活できるよう、つじつまを合わせるため、母国の家族などからの仕送りがあると書かれている。しかし実際には、ベトナムなどアジア新興国出身の留学生で仕送りがある者は少ない。書類にウソを書いて入学しているのだ。 学校側は、それを承知で入学を認める。学費稼ぎのためである。Bさんの学校もそうだ。にもかかわらず、留学生が学費を払えなくなった途端、知らんぷりを決め込む。 留学生たちのウソを黙認してきたのは学校だけではない。彼らの入国時、留学ビザを審査する法務省入管当局や外務省在外公館も同様だ。ビザの発給要件を満たす経済力がないと分かっていながら、偽装留学生にまで入国を認めてきた。日本人が嫌がる人手不足の仕事に従事する低賃金の労働者として利用するためだ。つまり、学校業界のみならず、国ぐるみのペテンなのである。) しかし、コロナで人手不足は緩和した。留学生バイトが不要となる職場も増えた。結果、バイトを失い、生活に行き詰まる留学生が急増している。Bさんは、やり場のない思いをこう話す。 「学校やバイト先は留学生を散々利用しておいて、まさに使い捨てようとしているんです」 学費を払えなければ、学校には残れない。Bさんにこんな言葉を漏らす1年生の留学生がいた。 「先生とは、3月で会えなくなりますね」 学校から姿を消し、不法就労に走る留学生も現れるだろう。コロナで不法就労先すら見つからず、困った末に罪を犯す者も出るかもしれない。それは留学生だけの罪と言えるだろうか。=つづく』、「留学生たちのウソを黙認してきたのは学校だけではない。彼らの入国時、留学ビザを審査する法務省入管当局や外務省在外公館も同様だ。ビザの発給要件を満たす経済力がないと分かっていながら、偽装留学生にまで入国を認めてきた。日本人が嫌がる人手不足の仕事に従事する低賃金の労働者として利用するためだ。つまり、学校業界のみならず、国ぐるみのペテンなのである」、「国ぐるみのペテン」とは言い得て妙だ。つくづく日本の罪深さを感じる。

第四に、3月27日付け弁護士ドットコム「「見殺し」にされたスリランカ女性、事件の背後に「内規違反」も…名古屋入管の闇」を紹介しよう。
・『名古屋出入国在留管理局(名古屋入管)に収容されていたスリランカ人の女性(30代)が3月6日に亡くなった問題で、女性が生前、著しい体調不良を訴えていたにもかかわらず、適切な医療を受けさせなかったとして、国会でも入管の対応が追及されている。入管での人権侵害に詳しい児玉晃一弁護士に聞いた』、興味深そうだ。
・『体重悪化で吐血も点滴をさせなかった  亡くなった女性への面会を続けていた「START」(外国人労働者・難民と共に歩む会)によると、女性は来日後、日本語学校で勉強をしていたが、仕送りが途絶え、学費が払えなくなったことからビザが失効し、昨年8月に収容された。 だが、コロナ禍で帰国できず、収容が長引く中で、今年1月から体調が悪化。嘔吐や吐血を繰り返すようになり、体重は最終的に20キロも減少してしまった。 支援者は、女性を入院させて、点滴を打たせたりするよう繰り返し求めたが、入管側は今年2月5日に女性を病院で受診させたものの、入院は認めず、点滴もおこなわなかったという』、「体重は最終的に20キロも減少」、尋常ではない減り方だ。
・『生命・健康に対する全責任は入管にある  名古屋入管の対応は、素人目に見ても酷いものであるが、法務省の内規にも反している。 入管施設内や退去強制過程での死亡事件に関する訴訟や証拠保全で代理人をつとめた経験がある児玉弁護士は「大原則として被収容者の生命・健康に対する全責任は、拘束している側の入管にあります」と話す。 「収容されている方の処遇に関する被収容者処遇規則30条では"所長等は、被収容者がり病し、又は負傷したときは、医師の診療を受けさせ、病状により適当な措置を講じなければならない"と定めています」(児玉弁護士) ところが、入管側が点滴を認めなかった。児玉弁護士は「被収容者は、移動の自由について一定の制限を受ける以上の制約を受ける謂れはまったくありません」「入管収容はあくまで強制送還の準備のために認められているものにすぎないのですから」と指摘する』、「生命・健康に対する全責任は入管にある」、本件は恐らく支援者たちが「入管」の義務違反に対して提訴する可能性がある。
・『仮放免をみとめていれば「死亡」は防げた  そもそも、入管側が仮放免(一定の条件の下で、収容施設外での生活を認めること)を許可していれば、女性は入院できたし、命を落とすこともなかっただろう。 実際、女性を支援していたSTARTは、入管側が適切な医療を受けさせないのであれば、仮放免するべきと求めていたし、仮放免の申請もしていた。しかし、入管側はこれを許可しようとしなかったのである。 入管の運用指針(2018年2月28日仮放免指示)では「刑事罰を受けたことがある」など、8類型に該当するケースについては「仮放免を許可すべきではない」(※)としているが、児玉弁護士は「現在わかっている情報から言えば、女性はこの8類型に該当していたわけではなさそうです」と言う。 「仮に該当していたとしても、"重度の傷病等、よほどの事情無い限り"との但し書きが入管の運用指針にも明記されています。つまり、仮放免を許可しうるわけです。 しかし、仮放免するか否かは、入管の胸先三寸で決められ、収容の継続の是非について司法など第三者の判断が介在することはありません。このことは、国連の恣意的拘禁作業部会からも国際人権規約に反すると指摘されています」(同)』、「国連の恣意的拘禁作業部会からも国際人権規約に反すると指摘されています」、いくら指摘されても、無視できるが、そんなことを続けていると「日本」の発言力は小さくなる一方だ。
・『入管による内部調査では全然ダメ  名古屋入管での女性死亡について、上川陽子法務大臣は、入管による内部調査を指示している。だが、児玉弁護士は「入管内部の調査に任せては駄目です」と強調する。 「2010年に強制送還のため飛行機に乗せられて制圧され、亡くなったガーナ人男性の事件における入管当局の内部報告書では『送還便搭乗直前から激しく抵抗し、搭乗後も抵抗したことから護送官が制圧した』とされています。しかし、訴訟で開示されたビデオを見たところ、男性がまったく抵抗していないことが誰の目にも明らかになりました」(同) 「2014年3月30日に、胸などの身体の痛みを訴えていたカメルーン人男性がでの入管内部報告書では『前日(3月29日)夕食を摂取し、異変に気づく直前(3月30日午前5時58分)には体動があり、呼吸をしていたことが確認されていることから、急死事案である』とあります。 ところが、午前5時58分に顔を動かす場面が出ていたとされているビデオは、誤操作で消去されたと入管が述べています。そして、この報告書では、後に私たちが提出させたビデオで、男性が『I'm dying(死にそうだ)!!!!』と叫び続けている場面について何ら言及がありません」(同)。 つまり、入管の内部調査は都合の悪い部分が隠蔽され、捏造すらおこなわれてきた、ということだ。同じことは、名古屋の調査でも起こりうる。国会では3月12日の参院予算委員会で、石川大我参議院議員が独立した調査を求めた。これまでのような入管や法務省を擁護するための調査であっては、再発を防げない』、「収容施設内で死亡した事件」が意外に多いのにh驚かされた。「独立した調査」を求めた。これまでのような入管や法務省を擁護するための調査であっては、再発を防げない」、その通りだ。
・『入管法「改正」案にも影響  法務省は今国会で入管法の「改正」を目指している。長期収容への批判から「監理措置」として、入管側のコントロールの下で、収容施設の外での生活を認める制度を新設するとしている。 一見、長期収容の解消につながるように見えるが、児玉弁護士は「収容するか否かが、入管の胸先三寸だけで決められることには変わりありません。今回のスリランカ人女性が入管内部の基準に照らしても仮放免されるべきなのにされなかったことからも裏付けられます」と指摘する。 入管法「改正」以前に、まずは女性死亡の独立した調査がおこなわれるべきだし、内部基準すら守れない入管に収容の適否判断を委ねること自体が見直されるべきだといえるだろう。(※)そもそも、過去に刑事罰を受けたことがある等で仮放免を許可しないこと自体が、まだ犯罪を犯していないのに予防の目的で身体の自由を奪う「予防拘禁」的なものであり、入管の運用は治安維持法のそれより酷いと児玉弁護士は指摘している・・・』、「「予防拘禁」的なもの」は、「治安維持法のそれより酷い」、確かにその通りだ。

第五に、6月2日付けPRESIDENT Online:ジャーナリスト、元ジャパンタイムズ執行役員・論説委員 大門 小百合氏による「33歳の女性が施設内で死亡」難民をあからさまに迷惑がる日本の入国管理制度 国連からも問題視される閉鎖性」を紹介しよう。
https://president.jp/articles/-/46481
・『国会で審議された入管法の改正案には、SNSなどで一般市民だけでなく、作家の中島京子さん、ラサール石井さん、小泉今日子さんら著名人も反対の声を挙げて大きなうねりとなり廃案となった。この議論で焦点となった、日本の入国管理の問題はどこにあるのか、ジャーナリストの大門小百合さんがリポートする――』、興味深そうだ。
・『海外メディアも大きく報じた入管法改正案議論  普段、日本のメディアで在日外国人、とりわけ入国管理の問題が大きく取り上げられることは少ない。だから、自分とは関係のないことだと思っている人も多いのではないだろうか。 しかし、今国会で与野党の攻防ののち見送られることになった「出入国管理及び難民認定法」(入管法)の改正案は、出入国在留管理庁の施設(入管施設)に収容されていたスリランカ人女性のウィシュマ・サンダマリさん(33)が施設内で3月に亡くなったこともあり、この種の法案には珍しくメディアで大きく取り上げられ、海外メディアでも報道された。 “Japan is shaken after a detainee, wasting away, dies alone in her cell”(衰弱した収容者が独房で孤独死し、揺らぐ日本)という衝撃的な見出しで、ウィシュマさんの死亡と今回の入管法改正案の話を報じたのは、ニューヨークタイムズだ。彼女の死によって、入管行政の不透明さに加え、施設に収容されている外国人に対して入管が絶大な権力を持っていることが明らかになったとの記事を掲載した。 また、イギリスのBBC放送も、“Japan pulls controversial asylum seeker bill after criticism”(政府、批判を受け、難民法を撤回)と報じている。 「難民認定申請中の外国人の強制送還をしやすくする」という、人道的観点での問題点も指摘されたこの法案をきっかけに、日本の入管のあり方や難民をとりまく状況が、今まで以上に注目されている』、なるほど。
・『なぜ収容が長期化しているのか  今回の改正案について、政府は「オーバーステイなどで国外退去処分を受けた外国人の送還拒否が相次ぎ、入管施設での収容が長期化している」ことを解消するためと説明していた。しかし、そもそもなぜ収容長期化が状態化しているのだろう? 認定NPO法人難民支援協会の石川えり代表理事は、2018年に収容のルールが厳格化されたことも影響しているという。 2015年9月の入管局長通達では、送還の見込みが立たない人については、さらなる仮放免の活用をはかり、仮放免者の動静の監視に努めるとされていた。しかし、2018年2月には、「収容に耐えがたい傷病者でない限り、原則送還が可能となるまで収容を継続する」という入管局長指示が出され、仮放免の要件がかなり厳しくなった。 「その頃から、収容が長期化し2年を超える人も珍しくなくなりました。『収容に耐えがたい疾病者でない限り』というので、施設から出るためには体を痛めつけるしかない、ハンストするしかないと、ハンストを始める方々も増え、その中で餓死された方までいるという状況です」と石川さんは言う』、「仮放免の要件がかなり厳しくなった。「その頃から、収容が長期化し2年を超える人も珍しくなくなりました」、「収容」の「長期化」は問題だ。
・『施設内で何が起こっているのか  そんな中、今回の法案の審議の中で焦点があたったのは、入管の手続きや入管施設内での処遇だ。 入管の施設で亡くなったウィシュマさんは、留学ビザで来日。日本語学校の在学中にパートナーである男性からDVを受け、退学せざるをえなくなり、在留資格を失った。パートナーから逃げ、静岡県沼津市の交番に駆け込み助けを求めたが、ビザが切れていたことを理由に昨年8月に入管施設に収容された。 その後、体調をくずし、亡くなる直前には歩けなくなるほど衰弱していたという。入管施設内で必要な医療が受けられなかった可能性が国会の議論で指摘されている。彼女が収容されていた名古屋入管は、「保安上の理由」として、遺族や国会議員に対して、ウィシュマさんの収容中の最後の様子を写したビデオの公開を拒んでいる。 「一番の問題は、施設内部の実態が、外からはよくわからないことです。閉鎖された、人を拘禁する施設で、『殴った』『殴らない』、お医者さんに『行けた』『行けない』という話がでた時に、外部の第三者が入らないと実態を知ることが非常に難しい。また、入管から独立して入管のことを監視する機関がないのも問題です」と石川さんは指摘する』、確かに「入管」は問題山積のようだ。
・『国連も「国際法違反」と指摘  「たとえばイギリスには、査察委員会があり、オンブズマンがあって、収容施設を重層的にモニタリングする体制があります。査察委員会は、予告なく施設を査察できる。施設の全てにアクセスでき、収容されている人たちとも話すことができる。日本の入管にも査察委員会はありますが、事務局が入管になっていて、入管から指定された日に査察に行くことになっています」(石川さん) また、多くの国が、在留資格のない外国人の収容の必要性や仮放免の審査については、入管とは別の、独立した司法組織が判断する仕組みをもっている。日本の場合はこうした審査は入管が行い、仮放免の許可、不許可に関わらず、理由は明らかにされない。また、収容期間にも上限が設けられていない。 国連の「恣意的拘禁作業部会(WGAD)」は、昨年9月、日本の入管施設の、このような上限のない長期収容や、司法判断を得ない収容を「国際法違反」とし、日本政府に改善を促している』、「国連の「恣意的拘禁作業部会(WGAD)」」から「国際法違反」と認定されたとは、不名誉なことで、早急に是正すべきだ。
・『難民申請者に厳しい国、日本  ウィシュマさんのケースでは、入管施設の閉鎖性に注目が集まったが、今回の入管法改正案ではさらに、難民申請者の処遇についても議論された。 日本は難民申請がなかなか認められない国として国際社会で知られていることは、すでに多くの人がご存じだろう。昨年の日本での難民申請件数は1万1914人だったが、難民認定されたのはそのうち47人にすぎない。また、2019年のデータでは、日本での難民認定率が0.4%だったのに対し、カナダは55.7%、イギリスは46.2%、アメリカは29.6%、ドイツは25.9%だった。一番低いフランスでも18.5%と、日本の認定率は格段に低い』、「日本の認定率」の「低さ」はやはり、異常だ。
・『難民条約違反の可能性も  入管法改正案の議論の中で、野党や難民支援団体、弁護士などから、人道的配慮に欠けるとして問題視されたのが、送還のルールだ。今までの「難民認定の手続き中は送還しない」とする規定に対し、今回の法案では、3回目以降の申請者については原則としてこのルールの適用外にするとされた。 さらに、送還に従わない人は刑事罰の対象になり、帰国できない人は、1年間の懲役または20万円以下の罰金となる可能性がある。 これらは、日本も加盟している、難民保護を定めた「難民条約」に反するおそれがある。難民条約には、「難民を彼らの生命や自由が脅威にさらされるおそれのある国へ強制的に追放したり、帰還させてはならない(難民条約第33条ノン・ルフルマンの原則)」「庇護申請国へ不正入国しまた不法にいることを理由として、難民を罰してはいけない(難民条約第31条)」と明記されている。 国連高等弁務官事務所も法案に対し「重大な懸念」を表明していた。 「『難民申請を3回繰り返すのは制度の乱用だ』と政府は言います。ただ、1回目であれ2回目であれ3回目であれ、日本の難民認定率は0パーセントに近い。その状況で、『3回目だから乱用です。国に帰ってください』ということにはできません」と、入管法改正に反対していた弁護士の一人、高橋済弁護士は、5月に開かれた記者会見で語った』、「日本も加盟している、難民保護を定めた「難民条約」に反するおそれがある」、法務省は国際的な潮流を無視して唯我独尊の姿勢をいつまで続けるのだろう。恥ずかしいことだ。
・『見知らぬ国で、一人で審査官と向き合う難しさ  また日本では、難民申請する際、一次審査に弁護士などの代理人が同席できない。2019年時点のデータによると、オーストラリア、フランス、イギリスなどの主要な国では、一次審査時の代理人の同伴が可能だ。 日本にたどりついたばかりの外国人が、たった一人で審査官と向き合い、母国に帰れない理由を客観的証拠に基づいて証明するのは、ハードルが高すぎはしないだろうか。そもそも、どれだけの難民が、「帰国すれば命の危険がある」ことを証明する証拠を携えて母国を脱出できるのだろう。 もちろん、不法滞在をしている外国人を取り締まることは必要だし、入管が大切な役割を担っているのも事実だ。ただ、難民問題の専門家は、諸外国のように、入国審査で厳しく取り締まる役割を持つ入管と、難民を保護する機関は別であるべきだと指摘する。つまり、難民の審査は、専門性、独立性のある別の政府機関が行うべきではないかという』、「入管」と「難民を保護する機関」は「別であるべきだ」、筋論からはその通りだろう。
・『審査は平均4年以上  また、難民支援協会の石川さんは、日本には難民の包括的な保護に関する法律が必要だと訴える。 「難民申請してから審査が終わるまで、昨年の平均では52カ月(4.3年)かかっています。難民をどう認定するかというだけでなく、その間の彼ら・彼女らの生活をどうするか、認定された人が自立して日本に定住するために何が必要かまでを踏まえた、包括的な制度が必要だと思います」 特に来日直後の難民は、短期間で困窮生活に陥ることが少なくない。知り合いもなく、住むところもなく、日本語もできないため情報へのアクセスも限定的という状況で、ホームレスになってしまう人も多い。民間の支援団体につながることができた人たちは、こうした団体の援助に頼りながらなんとか生活している状態だという。 単純に比較はできないが、フランスなど、多くの難民が来る国では、政府が難民向けのシェルター、仮の住宅などさまざまな施設を供給している。フランス政府によると、2020年には、こうした施設の収容可能人数は10万7000人。2021年には、受け入れ可能人数を4500人分拡大し、審査に要する期間の短縮(最大6カ月)も行ったそうだ。ホテルの部屋などを国が借り上げ、緊急のシェルターとして提供する場合もあるという。 一方、日本にも難民認定申請者のための宿泊施設はあるが、利用できる人数は極めて限定的だ。たとえば、2019年度に利用した実績は30人と国会で報告されている』、「2019年度に利用した実績は30人」、殆どないに等しいようだ。
・『企業と難民申請者をマッチング  現在、難民申請者が長期に安定的に日本に住むことができる唯一の方法は、政府による難民認定だが、実際は、申請をしても認定される可能性は低い。 そこで、もし、難民申請者が正規に就職できれば、彼らの在留資格を「技術・人文知識・国際業務」という、就労先がある限り日本で安定的に暮らし、働き続けることができる資格に切り替えることができるのではないかと考えたのが、難民問題に取り組むNPO法人WELgee(ウェルジー)だ。 WELgeeは、企業とパートナーシップを組み、難民を人材として企業に紹介する「JobCopass」(ジョブコーパス)という事業を行っており、今までに12件の事例をつくった。うち2件では在留資格の切り替えに成功している』、「WELgee」の活動は有効そうだ。
・『「難民」ではなく「一人のグローバル人材」  「私たちが出会った難民の方たちは、母国ではプログラマー、ジャーナリスト、教師、医者、コンサルタント、社会起業家などで、中には4か国語を話せる人もいます。学歴もあり、リーダーシップを発揮し、活躍してきた人が多いんです」と話すのは、WELgeeで就労伴走事業部を統括する山本菜奈さんだ。 山本さんたちがこれまでに関わった190人の半数以上が、大学か大学院卒の学位を持っているという。母国で民主化運動や平和運動に参加したり、宗教を変えたりしたなどのさまざまな理由で弾圧をうけるなどし、命の危険を感じて日本に逃げてきた人たちだ。 難民申請中の外国人に付与される在留資格は「特定活動」と呼ばれ、6カ月ごとに在留期間を更新しながら、長い場合は10年以上も難民認定の結果を待つ人もいる。WELgeeは、企業と接点を作ることで、彼らに難民認定以外の新しい選択肢を作ったというわけだ。 ある西アジア出身の男性は、WELgeeの事業を通じてゼロからプログラミング技術を学び、IT系のベンチャー企業に就職した。また、西アフリカから来た男性は、大手オートバイメーカーの新規事業開発部のアフリカ事業チームに参画した。 とはいえ、マッチング先の企業を探すのは容易ではない。日本語スキルの問題や「難民」という言葉のイメージが障害になるという。ダイバーシティ&インクルージョンを掲げ、女性やLGBTの人たちを積極的に採用しているという企業でさえ、採用には消極的だったそうだ。 「難民という言葉が抱えるあいまいな響きに加え、『貧しい』『かわいそう』というイメージが強すぎて、なかなか一人のグローバル人材としてみてもらえないんです。そこで、プロセスの初期に実際に会ってもらい、彼ら・彼女らの社会に対する視点や、ありあまる向上心、バイタリティに触れてもらうようにしました」』、「山本さんたちがこれまでに関わった190人の半数以上が、大学か大学院卒の学位を持っているという。母国で民主化運動や平和運動に参加したり、宗教を変えたりしたなどのさまざまな理由で弾圧をうけるなどし、命の危険を感じて日本に逃げてきた人たちだ」、高度なスキルを持った人が多いのは.意外だ。そうであれば、戦力になってくれそうだ。
・『「受け入れないともったいない」  山本さんは、日本のビジネスセクターと一緒に、「日本社会として、難民の人を受け入れないともったいない。彼ら・彼女らがいたほうが、日本の企業も社会も豊かにカラフルになる」という価値観を広げたいと話す。 また、今回注目を集めた入管法についても、「難民保護」という視点だけではない関心の持ち方があるのではないかという。 「『かわいそう、知らなきゃいけない』という入り口から難民の存在を知る人もいますが、『同じ職場で難民の人が働いているんだよね』『難民の人が立ち上げた面白いサービスを新聞で見たんだよね』という人も増えてくればいいなと。そこをきっかけに、入管法の問題を自分ごととしてとらえ、『難民の人たちが日本で安心して働いたり、暮らしたりできるようにするためには、どんな政策が必要か、誰に投票すべきか』を考えるようになってほしいです」』、「日本」も「難民」に対してもう少し開かれた社会になってほしいものだ。 
タグ:日刊ゲンダイ 弁護士ドットコム PRESIDENT ONLINE 外国人労働者問題 出井康博 (その16)(相次ぐ摘発 在日ベトナム人の真実:(<28>菅首相が入国継続に固執した理由 出稼ぎ労働者の確保、<30>PCR検査せず入国…緩和措置は出稼ぎ労働者確保のため、<34>ベトナム人留学生を増やすための「国ぐるみのペテン」)、「見殺し」にされたスリランカ女性 事件の背後に「内規違反」も…名古屋入管の闇、「33歳の女性が施設内で死亡」難民をあからさまに迷惑がる日本の入国管理制度 国連からも問題視される閉鎖性) 「相次ぐ摘発 在日ベトナム人の真実」 「<28>菅首相が入国継続に固執した理由 出稼ぎ労働者の確保」 「「ビジネス関係者」の過半数は、出稼ぎ労働者なのである。 国籍別はベトナム人が3万6343人で最も多く全体の3分の1を占める。その8割以上は実習生と留学生だ」、てっきり出張者や駐在員だと思っていたが、何のことはない。「ベトナム」からの「実習生と留学生」が太宗のようだ。 「<30>PCR検査せず入国…緩和措置は出稼ぎ労働者確保のため」 「入国緩和措置の目的が、ベトナムなどからの出稼ぎ労働者受け入れだった」、やれやれだ。 当該の「ベトナム人」にまで「ザルのような水際対策」と驚かれているのでは世話はない。 「<34>ベトナム人留学生を増やすための「国ぐるみのペテン」」 「工場側は、PCR検査で陰性となった者を含め、留学生を皆解雇」、「留学生を皆解雇」とは「工場側」の対応も安易過ぎる。 「留学生たちのウソを黙認してきたのは学校だけではない。彼らの入国時、留学ビザを審査する法務省入管当局や外務省在外公館も同様だ。ビザの発給要件を満たす経済力がないと分かっていながら、偽装留学生にまで入国を認めてきた。日本人が嫌がる人手不足の仕事に従事する低賃金の労働者として利用するためだ。つまり、学校業界のみならず、国ぐるみのペテンなのである」、「国ぐるみのペテン」とは言い得て妙だ。つくづく日本の罪深さを感じる。 「「見殺し」にされたスリランカ女性、事件の背後に「内規違反」も…名古屋入管の闇」 「体重は最終的に20キロも減少」、尋常ではない減り方だ 「生命・健康に対する全責任は入管にある」、本件は恐らく支援者たちが「入管」の義務違反に対して提訴する可能性がある 「国連の恣意的拘禁作業部会からも国際人権規約に反すると指摘されています」、いくら指摘されても、無視できるが、そんなことを続けていると「日本」の発言力は小さくなる一方だ。 「収容施設内で死亡した事件」が意外に多いのにh驚かされた。「独立した調査」を求めた。これまでのような入管や法務省を擁護するための調査であっては、再発を防げない」、その通りだ。 「「予防拘禁」的なもの」は、「治安維持法のそれより酷い」、確かにその通りだ。 大門 小百合 「33歳の女性が施設内で死亡」難民をあからさまに迷惑がる日本の入国管理制度 国連からも問題視される閉鎖性」 「仮放免の要件がかなり厳しくなった。「その頃から、収容が長期化し2年を超える人も珍しくなくなりました」、「収容」の「長期化」は問題だ。 確かに「入管」は問題山積のようだ 「国連の「恣意的拘禁作業部会(WGAD)」」から「国際法違反」と認定されたとは、不名誉なことで、早急に是正すべきだ 「日本の認定率」の「低さ」はやはり、異常だ。 「日本も加盟している、難民保護を定めた「難民条約」に反するおそれがある」、法務省は国際的な潮流を無視して唯我独尊の姿勢をいつまで続けるのだろう。恥ずかしいことだ。 「入管」と「難民を保護する機関」は「別であるべきだ」、筋論からはその通りだろう 「2019年度に利用した実績は30人」、殆どないに等しいようだ 「WELgee」の活動は有効そうだ 「山本さんたちがこれまでに関わった190人の半数以上が、大学か大学院卒の学位を持っているという。母国で民主化運動や平和運動に参加したり、宗教を変えたりしたなどのさまざまな理由で弾圧をうけるなどし、命の危険を感じて日本に逃げてきた人たちだ」、高度なスキルを持った人が多いのは.意外だ。そうであれば、戦力になってくれそうだ。 「日本」も「難民」に対してもう少し開かれた社会になってほしいものだ。
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教育(その25)(学校で人事評価が始まり「みんな校長のごますりに」【教師座談会・前編】、教職員組合に諫言 「平和や憲法は大事でも、実務がこれでは…」【教師座談会・後編】、角川ドワンゴ「N高」に労基法違反で是正勧告!150人を担任し休憩も取れず) [社会]

教育については、4月17日に取上げた。今日は、(その25)(学校で人事評価が始まり「みんな校長のごますりに」【教師座談会・前編】、教職員組合に諫言 「平和や憲法は大事でも、実務がこれでは…」【教師座談会・後編】、角川ドワンゴ「N高」に労基法違反で是正勧告!150人を担任し休憩も取れず)である。

先ずは、6月7日付けダイヤモンド・オンライン「学校で人事評価が始まり「みんな校長のごますりに」【教師座談会・前編】」を紹介しよう。
https://diamond.jp/articles/-/273066
・『『週刊ダイヤモンド』6月12日号の第1特集は「教師大全 出世・カネ・絶望」です。文部科学省は教師の仕事の魅力を広めようと、Twitter(ツイッター)で「#教師のバトン」のハッシュタグを付けた発信をするように現場へ呼び掛けました。ところが教師たちは過酷な現場の惨状をどんどん投稿し、プロジェクトは大炎上。特集では、絶望を深める現場とともに、出世や人事、給与の面で教師の実態に迫り、彼らが抱える問題を多方面からえぐり出しました。このテーマの下、現役教師たちが内情を赤裸々に語る覆面座談会をお届けします。(Qは聞き手の質問)』、興味深そうだ。
・『A?Dまでランク付け その評価が給料に反映される  Q:2016年に教師の能力や業績を評価する人事評価制度の導入が義務化され、全国の自治体に広がりました。実際に現場ではどんな評価が行われていますか。 九州の公立学校教師A A?Dまでランク付けされて、その評価が給料に反映されます。上のお気に入りはいい評価になりやすいっていうのは、一般企業みたいな感じですよ。 首都圏の公立中学校教師B 昔、学校の職場は「座布団型」と呼ばれる組織で、校長と教頭以外はみんなフラットでお互いフォローし合うかたちになっていました。それを国がピラミッド組織にしようとする裏には、日教組(日本教職員組合。最大の教職員労働組合)つぶしの狙いがあったと知り合いの校長が言っていました。役職をたくさんつくって、D評価をくず扱いする。そうすれば組合の団結を崩せると。 評価は校長による一方的なもの。こんなに頑張っていますと文書を提出したところで、読む気がない。で、自分の言うことを聞く子分をA評価にする。それが給料に反映されるんだから、結局みんな校長のごますりになります。 一方でこちらが校長を評価することはない。校長を評価するのは、学内での仕事ぶりを知りもしない教育委員会。だから校長は自分に都合のいいピラミッド型、つまりはお気に入り組織をつくれるんです。 Q:A評価の顔触れは? 教師B うちの学校の場合、部活動を仕切る中体連(日本中学校体育連盟。中学生のスポーツ振興を図る財団法人)に関わる教師たちがA評価になっています。 Q:昔の組織を知らない若手教師の中には、民間企業と同じように評価システムがあった方が働きがいがあるという人もいるのでは? 教師B 若い教師はアピールしまくります。勤務時間を超えて何時間も居残って仕事したり、校長に言われれば何でもやる。部活動の顧問も断りません。 Q:どんな評価の内訳になっているんですか』、「自分の言うことを聞く子分をA評価にする。それが給料に反映されるんだから、結局みんな校長のごますりになります」、現場は「人事評価制度」により歪められているようだ。「日本中学校体育連盟・・・に関わる教師たちがA評価」、この組織がそんなに力を持っているのも不思議だ。
・『A評価とD評価は各20% その給料差は10%  教師B 教師のうち20%はA評価。20%がD評価。教師たちは自分がD評価になりたくないから誰かをD評価にしようとおとしめたりする。それに死ぬほど働くし、絶対に上に逆らわない。働き方改革どころじゃありません。 学校の労働問題に詳しい労働組合(労組)関係者D 一般的に公立学校教員の給与には年齢給があるので、成果報酬に徹した民間企業における職務や評価で報酬を決める仕組みとは違います。B先生のところではA評価とD評価で月給にどれくらい差がつくんですか。 教師B 10%ぐらい違ってくるみたい。D評価の削られた給料が高い評価の人の給料に回るので、財政的な痛手はなし。 労組関係者D 公立学校の場合、教師の労働条件は基本的に自治体の条例で決めます。だから自治体によって給料への反映の仕方は違います。 首都圏の私立学校教師C 力量形成は1年で成せるものではないということで長期的に評価したり、教育っていうのはみんなでやる営みであるからとチームワークでの評価を取り入れたり、よくよく考えている自治体もあります。 ※参考…ダイヤモンド編集部による東京都教育委員会へのヒアリングと「東京都教育職給料表」に基づく東京都の昇給モデル例は次の通り。 +職員の区分には「級」と「号級」がある。級は1級(講師など)、2級(教諭)、3級(主任)、4級(主幹・指導教諭)、5級(副校長)、6級(校長)に分かれる。40歳教諭(4年制大学をストレートに卒業して22歳で教員採用試験に合格したと仮定)の場合、40歳時点で77号級に相当し、月給は33万6800円。 +東京都では勤務の成績を5?1の5段階で評価(5が最高)。これを号級に換算すると、最上位は6号級(8700円分)昇給する。上位は5号級(7300円分)、中位は4号級(5900円分)、下位は3号級(4500円分)、最下位は昇給なし。査定は年に1回。懲戒処分はもちろん、病気などで半年以上休むと昇給なしとなるケースがある。 +最上位は教師全体のトップ10%以内、上位は最上位を除いたトップ30%以内に限定される。 Q:学校のピラミッド組織において、校長の力って強いんですか』、「A評価とD評価で月給にどれくらい差・・・ 10%ぐらい違ってくる」、この他に職務での差による違いはないのだろうか。
・『校長、中体連、教育委員会 この誰かに逆らうと「冷や飯」  教師B 校長権限は校内では絶大です。私、校長命令で机を事務室に移動させられ、「そこにいろ」と1年間干されました。他の先生から隔離するというパワーハラスメント。 他にも私の授業をちょっと見に来て、空き時間に校長室に呼ばれて「さっきの授業の話ね……」と授業の指導をするふり。「座ってろ」と言って校長本人は部屋を出ていってしまったりする。 空き時間がつぶされて仕事が終わらず、残業せざるを得なくなる。これ、校長たちの間でよく出回っている手口です。 Q:なんで目を付けられたんですか。 教師B 「部活動をやりません」って言ったことから全てが始まりました。「おまえは中体連に逆らうのか」と怒鳴られた。地域の運動活動に参加しているので「私は地元でやります」と返したら、校長の気に障った。 部活を断ると仕返しがやってきます。他の県で「部活はやりたくない」って言った結果、片道3時間のところに転勤させられたっていう例もあります。 中体連、校長が入る校長会、教育委員会の各組織が同じようなメンツで入れ替わったりするので、この誰かに逆らうと冷や飯を食わされる。異動までさせられちゃう。 Q:ルール的には部活動の強制はできないのでは? 労組関係者D 公立学校において、部活動を強制できないのではなく、“勤務時間外の”部活動は強制できない。現実には、部活ってほとんどが勤務時間外ですけどね。 現場にそれを拒否なんかできる雰囲気はない。民間企業で残業を拒否しづらいのと似たような感覚だと思います。残業分の給料が払われていないところが決定的に違うんですけどね。 私立学校の場合は、労働契約・就業規則でどのようになっているかによります。 教師C うちは部活動に不熱心な学校なので、部活動でどうこうはないですが、校長は権力を握る絶対的な存在。仕事外しは私もやられました。クラスや学年の担当を外されたり、生徒の保護者もいる席で説教を垂れられたり。 教師B 叱責は今ほとんどしませんね。言質を取られるから。やんわりと丁寧に権力を使っていじめてくる。 うちの学校は主任以上が全員、中体連の幹部です。自分たちの仲間を上に引っ張る構造で、上は体育会系ばかり。校長の中には漢字を書けないとか笑っちゃうような人もいます。 このエリアでは校長の3割が体育教科の出身。異様に多い。彼らは残業で部活動を何十時間やろうが、趣味なんで倒れたりしない。一方で体育じゃない教師は部活を強制されると過労で倒れてしまうんです。 教師A B先生のところも、C先生のところも、ものすごいパワハラですね。そこまでパワハラしてたら、うちは組合が動きますよ。 >>6月8日(火)公開の後編に続きます』、「部活はやりたくない」って言った結果、片道3時間のところに転勤させられたっていう例もあります」、「パワハラ」の最たるもので、組合に訴えれば、何とかなるかも知れない。「うちの学校は主任以上が全員、中体連の幹部です。自分たちの仲間を上に引っ張る構造で、上は体育会系ばかり。校長の中には漢字を書けないとか笑っちゃうような人もいます。 このエリアでは校長の3割が体育教科の出身。異様に多い」、信じられないような偏りだ。体育会系であれば、命令への服従など、上司には使い勝手がいいのだろう。

次に、この続き、6月8日付けダイヤモンド・オンライン「教職員組合に諫言 「平和や憲法は大事でも、実務がこれでは…」【教師座談会・後編】」を紹介しよう。
https://diamond.jp/articles/-/273298
・『『週刊ダイヤモンド』6月12日号の第1特集は、「教師大全 出世・カネ・絶望」です。絶望を深める過酷な現場とともに、出世や人事、給与の面で教師の実態に迫り、彼らが抱える問題を多方面からえぐり出しました。このテーマの下、現役教師たちが内情を赤裸々に語る覆面座談会の後編をお届けします。(Qは聞き手の質問)』、「後編」も期待できそうだ。
・『若い教師は「日教組に入るな」と親から言われている  Q:教師の労働組合(公立では教職員団体)には、長い歴史を持つ日教組、そこから分裂した全日本教職員組合(全教)、最近では私学教員ユニオンなど、いろいろな組合があります。しかし加入率はどんどん下がり、今や非加入が7割(公立学校教職員の加入状況)で「組合離れ」が起きています。A先生のエリアは組合がパワーを持っているんですか。 九州の公立学校教師A 組織率はとても低くなっていますけどね。 Q:どちらの組合? 教師A 日教組です。私はイデオロギーが入っていて選挙活動もバリバリやる。市、県、国などに議員を出すことを目指します。 でも、職場ではそういう話はできません。田舎で保守的な土地柄なので。若い教師からは「日教組に入るなと親から言われています」とか「組合って政治活動ばっかりしているんですよね」とか言われます。実際にパワハラに遭った人とかは加入してくれるんですが。 私自身も組合に助けてもらった経験があります。組合員は職場の小さな声を拾って組合上層部に上げていく活動を続けているし、歴史が長い分、培った知識は生きてはいます。 世の中に出回っている組合のネガティブな話を耳にした若い人たちが「組合って駄目なんだな」と思い込んで参加してくれないままだと、衰退していくよねと思ったりします。 Q:A先生自身や周囲は職場の労働環境改善にも取り組んでいるにしても、日教組に限らず年配の組合幹部にはイデオロギーの活動ばかりの人がいませんか。 首都圏の私立学校教師C 現場の中で感じるのは、失礼ながら先輩幹部たちの実務的な能力が弱いこと。労働協約(使用者と労働組合の間の取り決め)なんて結ばなくたって口約束で大丈夫だと言ってきたり、就業規則や法律系の知識がない。恐ろしいぐらいに。 介護のために短時間勤務できるはずなのに、組合員に対して、「いや~、就業規則にないから駄目ですね」と言って退職させちゃうなんてことが起きているんですよ。 平和だとか憲法だとかは大事でしょうが、実務の力がこれでは「何だよ、職場の労働問題も解決できないのに」と見られてしまう。同僚たちから信頼を得られない。 学校の労働問題に詳しい労働組合(労組)関係者D それはまっとうなお話なんじゃないですか。私は組合の人に言ったことがあるんです。平和だとか憲法問題で国家権力と闘っているけど、もっとわがままに自分や身近な仲間を守る闘いをすればいいじゃないかって。嫌みでなく、本心から。 あのときは私、誤解していました。大きい敵だから彼らは気楽に物が言えたんですよね。身近な敵と闘ったら、攻撃を食らってしまう。 首都圏の公立中学校教師B Dさんの言う通りなんですよ。私はアウトロータイプでつるむのが好きではなくて組合に入っていないんですが、私がパワハラに遭っているとき、組合の人は見て見ぬふりでした。日教組も頼りにならなくて、校長や管理職とつながって私に嫌がらせをする人もいました。 教師C 若い子たちは組合ってなんか怖いなと思っている一方で、頼れるものが欲しいとも思っています。「教職員組合はアカだ!」みたいに悪く宣伝する勢力もあるけど、そんなものを乗り越えられるぐらいに、職場で教師が生きるために必要な存在であると認識してもらえるか。そこが勝負どころだと私は思います』、「今や非加入が7割・・・で「組合離れ」が起きています」、「介護のために短時間勤務できるはずなのに、組合員に対して、「いや~、就業規則にないから駄目ですね」と言って退職させちゃうなんてことが起きているんですよ。 ・・・実務の力がこれでは「何だよ、職場の労働問題も解決できないのに」と見られてしまう」、「組合」は身近な問題にもっと力を入れるべきだろう。
・『非正規はへつらわないと正規になれない圧力  学校の労働問題に詳しい労組関係者E 若者の視線で言えば、非正規雇用の教員が増えており、組合がその受け皿にどれだけなっているのかというのも大事ではないですか。今の私立学校では、卒業後にストレートで専任(正規職員)になれる道は細くて、4割が非正規雇用。正規雇用というニンジンをぶら下げられながら働き、合理的な理由もなく雇い止めされて学校を転々としています。 教師C うちの組合は、ハラスメントがあってもすぐに辞めないように相談を受けたり、職能を身に付けて正規の登用試験に受かるようにサポートしたりしている。そうした経験を経た教師は、非正規の人たちに対する良いまなざしを持っていますから、一緒に非正規の問題に取り組んでくれる。そういう戦略でやっています。 教師B 若い非正規教師は、常にへつらっていないと正規になれないなっていう圧力を感じていると思います。校長の推薦があれば正規になりやすいですから。 教師C 教師のブラック問題の構造って、この座談会で出てきた昇給の査定だとか、非正規から正規になれるか否かとか、そういうところでしっぽ振り競争をするような構造が出来上がっている。特に非正規教師はしっぽを振らないとご飯を食えないから、いやが応でもなびいて、無理して働かざるを得ません。 労働組合はそれに対して力を発揮できているかというと、うまくできていない感じがします。 労組関係者E 正規だと年功処遇で安定しているけれど、非正規は同じ仕事をしているのに年収で200万円ぐらいしかもらえなかったりする。若い世代が切実なのはそういうところにあります。ここの受け皿になるのが労働組合を再生するきっかけにもなるんじゃないでしょうか』、「今の私立学校では、卒業後にストレートで専任(正規職員)になれる道は細くて、4割が非正規雇用。正規雇用というニンジンをぶら下げられながら働き、合理的な理由もなく雇い止めされて学校を転々としています」、「うちの組合は、ハラスメントがあってもすぐに辞めないように相談を受けたり、職能を身に付けて正規の登用試験に受かるようにサポートしたりしている」、「非正規」の「受け皿になるのが労働組合を再生するきっかけにもなるんじゃないでしょうか」、その通りだろう。
・『Q:労働問題を抱えながらも、お三方はなぜ教師を続けるのですか。 教師A 私はもともと子どもが好きで、子どもたちと一緒に楽しくやっていきたかったので。教師って業務の範囲が広いから、忙しいけれど楽しめる面もある。 教師B 私が就職した当時、教師は裁量労働制が一番進んだ労働形態でした。部活指導やデスクワークの残業も多くて、時には深夜まで働くこともあった。それでもテスト期間の午後とか夏休みとか、裁量労働で休めました。ところが今は、「勤務時間を守りましょう」となった。残業代も出ないのに。もっと給料が良くて首にならない仕事があるならそっちをやりますよ。 教師C 教師は社会的に意味のある仕事という認識があるのと、仕事としてやっぱり面白い。教え方を工夫すると子どもの反応が良いものも悪いものもいろいろ出てくることにすごく面白みを感じるんです。先輩たちがいろんなものを積み重ねて、実践や手法を編み出したのを学ぶのも楽しかった。 今、大変な中でも続けているのは、子どもたちは教師の鏡みたいなところがあると感じるから。大変でも自分で手を動かしてやっていくということを、教師がしっかりやらなくちゃいけないと考えています』、「テスト期間の午後とか夏休みとか、裁量労働で休めました。ところが今は、「勤務時間を守りましょう」となった」、現実には下記リンクのように、「夏休み」期間中も勤務し、「研修会」「講習会」『研究大会」などが、この時とばかり開かれるようだ。
https://detail.chiebukuro.yahoo.co.jp/qa/question_detail/q1367648423

第三に、6月13日付けダイヤモンド・オンライン「角川ドワンゴ「N高」に労基法違反で是正勧告!150人を担任し休憩も取れず」を紹介しよう。
https://diamond.jp/articles/-/273873
・『インターネットで学べる高校として日本一の生徒数を誇る角川ドワンゴ学園の「N高」が労働基準監督署から是正勧告を受けていたことが分かった。ダイヤモンド編集部では『週刊ダイヤモンド』6月12日号の第1特集「教師大全 出世・カネ・絶望」で、教師1人で150人の生徒を担任するといったN高の過酷な労働の実態を報じていた』、いくらインターネットを活用するとしても、「教師1人で150人の生徒を担任」はやはり多過ぎるようだ。
・『残業代の支払いが不適切 労基法違反で是正勧告  「N高等学校(N高)」を運営する角川ドワンゴ学園が亀戸労働基準監督署(東京・江東区)から労働基準法違反に基づく是正勧告を受けていたことが分かった。N高教師に対する残業代の支払いが不適切だったことなどに対して、5月19日付で是正勧告が出されたもので、この教師らが加入する労働組合の私学教員ユニオンが6月11日に都内で会見を開いて明らかにした。 ダイヤモンド編集部では『週刊ダイヤモンド』6月12日号の第1特集「教師大全 出世・カネ・絶望」で、教師1人で150人の生徒を担任するといったN高の過酷な労働の実態を報じていた。 インターネット授業と通信制高校の制度を組み合わせた“ネットの高校”である角川ドワンゴ学園の「N高等学校(N高)」は2016年4月に開校した。ビジネス界の著名人、教育界の大物、革新的な取り組みで実績を持つメンツを幹部にそろえる人気校で、生徒数は1万7000人超(21年5月時点)と日本一だ。 N高には、高校卒業要件を満たすために年5日間スクーリング(通学)する以外は全てインターネットで完結する「ネットコース」、全国にあるキャンパスに通う「通学コース」などがある。 ネットコースを担当する教師は、スクーリングに対応しながら担任業務をこなす。担任業務は、チャットツールのSlack(スラック)や電子メール、電話などを使った生徒への対応やビデオ会議ツールのZoom(ズーム)を使った面談、保護者対応などだ。加えて「レポートを年に1万件以上採点している」(N高教師)という。 是正勧告が出された背景には、こうした業務に追われて長時間労働が続く過酷な労働実態があった』、「この教師らが加入する労働組合の私学教員ユニオン」が支援しているようだ。
・『当該教師は実質的な残業が約90時間 過労死ラインを超えていたと主張  是正勧告は複数項目におよび、その一つは残業代の支払いが不適切だった点にある。労基署に通報した教師の場合、20年10月における所定時間外労働24時間分に対する賃金支払いが、本来支払われるべき金額よりもはるかに少なかった。学校側は、年度内に振替休日を取得することを前提に支払っていたためと弁明しており、是正勧告を受けて改善するという。 また、スクーリング授業の際に休憩時間が取れていない点について勧告が出された。これに対しても学校側は運営方法を見直すとしている。 当該の教師は、20年10月における実質的な残業が過労死ラインを超える約90時間に及んだと主張している。担任として約150人の生徒を受け持った上に、スクーリング授業に追われ、授業の合間に休憩を取ることはほぼできなかったという。なおN高は固定残業手当(みなし残業代)を設けており、40時間分は固定残業の範囲となる。 教師側からは「きちんと(生徒の)相談に乗れるように担任数の減少を望んでいる」との声が挙がる。教師の受け持ち生徒数は150名(1・2年次を受け持つ場合)がほぼ標準になっていることについて、学校側は「適正な数である」と認識している。 「専門チームによるオンライン授業を取り入れているため、教員の授業担当の負荷は全日制高校とは異なる」とし、ICT(情報通信技術)を活用した業務の効率化を図り、進路指導、部活動、事務作業、生徒指導等を行う専門・支援チームを設け、担任教員の負荷を減らす分業を進めているという』、「20年10月における実質的な残業が過労死ラインを超える約90時間に及んだと主張」、他の月はどうなのだろう。
・『Slackの通知音や着信音が幻聴で聞こえてきた  会見に出席した教師たちは「長時間労働、残業代不払いは教員業界全体に広がる普遍的な問題。特にN高は利益ばかりを追い求める中で、教員の労働問題だけでなく教育の質の劣化によって生徒、保護者も犠牲になっている」と訴えた。 このうちの一人は「給与はほぼ最低賃金。拠点で授業満足度1位になっても給与に反映されず、退職金もない」とし、今後の生活への不安をのぞかせた。 また、最近退職した教師は「業務過多で日に日に疲弊し、ピークで忙しかった時期には、休日にもSlackの通知音や着信音が幻聴で聞こえてきたり、エアコンの音が着信音に聞こえることがあった」と嘆いた。 学校側は「教員の過重労働や待遇改善を目指して、分業化やIT化、残業時間の削減を積極的に行っているという自負を持っている」としている。 是正勧告を機に、教師側と学校側の間にある隔たりを埋められるか。ICT活用と分業化で、働きやすい環境と教育の質の両方を高めたいという理想を共に目指せるか否か、その分岐点に立つ』、「N高は利益ばかりを追い求める中で、教員の労働問題だけでなく教育の質の劣化によって生徒、保護者も犠牲になっている」、「学校側は」強弁しているが、「是正勧告」が出るからには、よほど酷いのだろう。「教育の質の劣化」は今後の生徒募集に影響して来るのではなかろうか。
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不登校(その2)(「孫の不登校」に祖父母が取った意外すぎる行動 右往左往する母親を尻目に…、急増する不登校の子どもたち…「学校に行きたくない」に求められる3つの親の対応、有名中高一貫校の不登校生が通う施設の持ち味 元校長らが支援 修学支援センターに集まる志) [社会]

不登校については、2019年12月19日に取上げた。久しぶりの今日は、(その2)(「孫の不登校」に祖父母が取った意外すぎる行動 右往左往する母親を先ずは…、急増する不登校の子どもたち…「学校に行きたくない」に求められる3つの親の対応、有名中高一貫校の不登校生が通う施設の持ち味 元校長らが支援 修学支援センターに集まる志)である。

先ずは、昨年12月16日付け東洋経済オンラインが転載した不登校新聞「「孫の不登校」に祖父母が取った意外すぎる行動 右往左往する母親を尻目に…」を紹介しよう。
https://toyokeizai.net/articles/-/393115
・『息子は覚えているでしょうか。 幼かったころ、誕生日会を開くとお友だちが押し寄せて超満員になるほどでした。 土曜日になれば、必ずと言っていいほどお友だちの家に泊まりたいと言い出し、実際に泊まってきてしまいました。それだけでなく、夏休みになれば、お友だちどうしでのキャンプ、プール、お祭り……。 あるときは、お友だちが自転車のカギをなくしたため、みんなで自転車を担いで帰って来たこともありました。あまりに帰りが遅くなったので、私は叱りながらも「お友だち思いだな」と感じていました。中学に入れば部活動が忙しく、休みもなく朝7時から家を出て行きました』、かつては、ずいぶんいい子だったようだ。
・『笑わなくなった息子  本当によく頑張っていたと思います。なのに急に中学2年生から学校へ行けなくなりました。外へ出られなくなり、お友だちにも会わなくなり、笑わなくもなりました。 原因もわからず慌てた私は、とにかく息子を変えようとがんばりました。だって学校へ行かずゲームばかりなんです。 朝、起きない息子を蹴とばしたり、叩いたり、下心から優しい言葉を使ってみたり。そんなことをしても息子は責められている気持ちになるばかりで意味のないことでした。 息子が頼ったのは、私の両親、息子にとっては祖父母でした。ある日、息子は祖父母に「家を出て暮らすにはどうしたらいいのか」「どれぐらいのお金が必要なのか」と聞いたそうです。 祖父母は息子の要望を聞いて、それに見合った職種を一つひとつ丁寧に説明してくれたそうです。 その後、息子は面接へ行き、働くようになって2年目になりました。祖父母はいつも、息子はとても素直な子で、おかしいのは母親の私だと言います。あんなにも怖くて厳格だった祖父は、優しいおじいちゃんになり、息子については「こんなにかわいくていい子はいない!」と言います。そういう眼で見ていたから、息子も祖父母を頼る気になり、変わるためのアドバイスを受けいれたのだろうと思います。(愛知県・平井雅美)』、「急に中学2年生から学校へ行けなくなりました」、この原因について、学校の担任の先生に尋ねたのだろうか。いきなり「祖父母」が登場してきたのには違和感がある。不登校になった原因が触れられてないので、「祖父母」のアドバイスが適切だったのかも判断し難い。

次に、本年5月5日付け現代ビジネスが掲載した『不登校新聞』編集長の石井 志昂氏による「急増する不登校の子どもたち…「学校に行きたくない」に求められる3つの親の対応」を紹介しよう。
https://gendai.ismedia.jp/articles/-/82714?imp=0
・『「学校に行きたくない」という子どもが増えるというGW明け。とくにコロナ禍の不安定な状況にあって、学校生活だけでなく様々な側面で不安を抱え、精神的なストレスを感じている子どもが増えています。 もし、自分の子どもが「学校に行きたくない」と言ったら…。子どもはどういう気持ちなのか、そして保育者はどう対処すべきなのかーー『不登校新聞』編集長であり、不登校の問題に20年携わっている石井志昂さんに寄稿いただきました』、興味深そうだ。
・『増え続ける不登校の子どもたち  ある日突然、子どもが「学校へ行きたくない」と親に相談することは珍しくないようです。 雑誌『LEE』(集英社)の読者アンケートによれば、「子どもから学校へ行きたくないと言われたり、子どもが学校へ行かなくなったことがある」と答えた親は、回答者全体の55%いました(※『LEE』2019年11月号。2019年8月1日~8月9日にLEEweb会員LEEメンバー452人回答)。およそ半数の親は不登校や行き渋りに悩んだことがあるそうなんです。 国の調査によれば、2019年度、不登校の小中学生は約18万人(※文科省「児童生徒の問題行動・不登校等生徒指導上の諸課題に関する調査」)。少子化で子どもの数が減るなか、不登校の子は7年連続で増え続け、2019年度の調査では過去最多を更新しました。 不登校の要因・背景のトップは「いじめを含む人間関係」で約半数を占めています(※文科省「不登校に関する実態調査」)。これに続くのが「勉強がわからない」が1/3、「生活リズムの乱れ」が1/3、「先生との関係」が1/4と続きます。これらの回答は複数回答で原因が重複している場合がほとんどです。 ちなみに「なんとなく」「怠けたいから」などの理由で自分の不登校を説明する人もいますが、よく話を聞けば「先生からのいじめ」や「親の期待」などの理由で不登校をしていました。「怠けたい」「遊びたい」が真の理由で不登校をした人は、私の20年間の不登校取材で一人もいませんででした』、「先生からのいじめ」が要因の1つにあるというのは、ありそうだが、腹立たしい。
・『不登校の子の心理状態と、親ができること  ほとんどの不登校の人は、学校などで深く悩み傷ついたため、学校と距離を取っています。不登校新聞が主催する講演で、この状態を心療内科医・明橋大二先生は「心がオーバーヒートした状態」だと表現しました。車のサーモスタットが発動してモーターのスイッチが切れるように体が動かなくなる、つまり安全装置が発動して急停止した状態だと言うのです。そんな子どもに対して、親や祖父母といった周囲の人は、どんなサポートができるのかを解説します。 多くの人は、不登校になった日からどんどん状態が悪くなり、子どもが社会から切り離されていくようなイメージを持つかもしれません。しかし、本人にとっては心身ともに傷ついた場から離れられたわけです。不登校になった瞬間から心に溜まったダメージの回復が始まります。 カゼと同じような状態を想像をしてほしいと思います。熱が上がって子どもが「苦しい」「学校を休みたい」と訴えた瞬間は悪い状態です。しかし、そこに至った経緯、たとえば裸で寝ころんでいたとか、そういう「カゼになりやすい状態」は回避されました。 さらに言えば、熱が上がっているのは、体がウイルスをやっつけてる証拠。しっかりと体を休めば回復していきます。むしろ無理をして「学校へ行きたい」「勉強しないと遅れる」と思う子に「今は休んで」と諭すほうが重要です。 不登校もまったく同じ構造で捉えられます。不登校になる前が一番きつい状態です。学校で苦しいことがあっても親や先生には言えず、それを溜め込んで、行けなくなりました。多くの親は、この瞬間から学校へ戻すことを考え、登校を促します。極力、休ませない方向で考えがてしまうのですが、それはカゼをひいた子を裸で外へ放り出すようなものです。 いま説明したことの反対の行動が「親ができることのベスト対応」です。休ませないことが子どもを追い詰めるのなら、休ませるのが最善の選択肢です。不登校への「処方箋」はただひとつ、休むことだけ、というのが20年間の取材で得た私の結論です』、一旦、「休ませる」とますます学校に行き難くなるのではと思ってしまうが、「休ませるのが最善の選択肢」とは驚かされた。
・『子どもの心が回復する地図  具体的に子どもがどんな段階をたどって心を回復させていくのかを説明します。以下の段階の途中、途中で学校へ行くこともあれば、再度、不登校になることもあります。どんな状態であれ、以下の段階を経ていけば確実に状況はよくなっていきます。 第一段階は「身体症状」です。頭痛や腹痛、どうしても朝、起きられないなど、心に溜まったストレスが具体的な身体症状として現れます。この際には無理をさせず、学校を休むことによって体の回復期が始まります。不登校になった直後は、極度な緊張から解放されたため、寝てばかりいるかもしれません。 この際は生活リズムを無理に立て直させようとせず、できるだけ、本人のペースを尊重してあげてください。学校の先生や友だちが訪問してくるかもしれませんが、かならず本人の意思を確認してください。「会いたい」と言ったら会わせるし、何も答えなかったらそれは「NO」の意思表示です。 学校の休み始めは、すぐに症状が治まらないかもしれませんが、あせらず休ませてください。症状が治まらないのは、体は休んでいても「心の中では登校している」からです。「学校へ行かなければ」と本人が強く思い込み、一秒でも学校へと念じているため、ストレスを感じて症状が出てしまいます。しかし、苦痛の原因と離れていれば状況はしだいに安定してきます。 第二段階は「感情の噴出」です。体が回復したところで「感情の噴出」という時期に入ります。ものすごく甘える、突如として怒りだす、泣きだすなど感情のコントロールができない状況になります。小学校高学年でも、まるで赤ちゃん返りしたように 甘えたり、フラッシュバックが起きたように泣いたりすることもあります。この時期、保護者はそばにいて、その気持ちに付き合うしかありません。とてもたいへんですが、本人の苦しんでいる気持ちに付き合うことで、子どもには愛情が伝わってしみこんでいき、心の傷が癒されていきます』、「感情の噴出」「段階」を、「保護者はそばにいて、その気持ちに付き合う」には、予め対処方法を理解しておく必要がありそうだ。
・『「回復のプロセス」で親が気をつけるべきこと  第三段階は「言語化」です。学校や自分の身に何が起きたのかを言語化する時期がきます。この際、何度も同じ話をしたり、ネガティブな話もしたりするので、聞いてるほうはまいってしまうかもしれません。しかし、本人はアドバイスがほしくて話しているのではなく、話すことで気持ちの整理をしています。保護者はひたすら話を聞いてあげてください。もっと踏み込んで言うと「聞いているふり」でも構いません。半分ぐらいの対応が「相手の言葉のオウム返し」でも構いません。 たとえば、子どもが「なんであんなことをしてしまっただろう」と言ったら、「なんでだろうね」と聞き返すだけ。「悔しかった」といったら「悔しかったんだよね」と返す。本当は、相手はこういうことを考えているのかなと確認したり、子どもの気持ちを想像するほうがよいです。よいのですが、ずっと傾聴していると疲れてしまうので、親もほどほどでよいのです。 言語化を終えると、ほぼ親の役割は終わります。心が回復されたからです。また「段階」と言ってますが、実際には各段階を行ったり来たりをしながら、しだいに最終段階へと向かっていきます。この「回復のプロセス」のなかで、保護者が気をつけたいことがいくつかあります。大前提として学校へ無理に戻そうとしないこと。焦って子どもを学校へ戻らせても、「不登校の問題」は終わりません。学校へ行くことが不登校のゴールでもありません。 また、大人が心配するのは学習面の遅れかもしれません。とくに受験を控えた場合は焦りがちです。しかし本人に勉強する体力も気力もないときに、何かさせようとしてもどうにもなりません。逆に言えば、本当にやる気が出たときには、学習面はいくらでも追いつくことができる、ということです。本人の意思が一番大事なのです』、「焦って子どもを学校へ戻らせても、「不登校の問題」は終わりません。学校へ行くことが不登校のゴールでもありません」、というのは確かに重要そうだ。
・『子どもは今という本番を生きている  ポーランド医師ヤヌシュ・コルチャックは「子どもには失敗する権利がある」と説いていました。遊びでも、勉強でも、進路でも、子どもはあらゆる局面で自分なりに必死に考えた結論で選択します。しかし、それは間違えることもあります。とくに幼児期は、食べちゃいけないものを食べようとしたり、熱いものを触ろうとしたりします。 親としての正解は、深刻な傷を負わない程度ならば、本人の意思を尊重して失敗も含めて学ぶことだと思います。親が不安だからと言って頭ごなしになんでも子どもの行動を禁止したら、子どもは委縮してしまいます。 不登校も同じではないでしょうか。学校へ行くことが正解であり、その道を選ばせようと親が腐心してしまいがちです。しかし、それは本当に正解でしょうか。また学校へ行かないことが失敗だとしても、親が無下に否定してもいいのでしょうか。子どもは自分で選んだ道ならば、反省してもそれを糧にできます。しかし、誰かが決めた道のりで失敗しても恨みや自己否定感しか培われません。 発達心理学者・浜田寿美男さんは、講演で現在の子育て観を下記のように批判しています。「いまの子育て観、教育観では『子どもは大人になるための準備の時代』であるかのように思われていますが、そもそも人生に準備の時代というものがあるでしょうか。子どもは『子どものいま』という本番を生きています」。 「子どもを大人にする」のが親や教師の目標だと感じている人は多いのではないでしょうか。しかし、浜田さんが指摘するように、子どもは、いまを生きているわけです。大事なのは、子どもがいま、幸せかどうかです。死にたいほど行きたくない学校へ行くことや、まったく手につかない宿題をするのは、あまりに「いま」が犠牲になっています。いまを大切にしてあげる視点が子育てや教育においても大事だと思えてなりません』、「いまを大切にしてあげる視点が子育てや教育においても大事」、というのは確かにその通りだが、「教育」には「いまを」多少我慢してでも、将来に備えるという重要な側面も忘れてはならないことも事実だ。要はアリとキリギリスのバランスの問題なのではなかろうか。

第三に、5月21日付け東洋経済オンラインが掲載した育児・教育ジャーナリストのおおたとしまさ氏による「有名中高一貫校の不登校生が通う施設の持ち味 元校長らが支援、修学支援センターに集まる志」を紹介しよう。
https://toyokeizai.net/articles/-/427900
・『文部科学省が2019年10月に発した通知「不登校児童生徒への支援の在り方について」によれば、2018年時点での不登校の中学生は全国で約12万人、高校生は約5万3000人。同じく1000人当たりの不登校生徒数は、中学生36.5人、高校生16.3人。その"受け皿"となることが多い通信制高校の在籍者数は、直近2年連続で過去最高を更新している。 中高一貫校の場合でも、中学生のうちはなんとか進級させてもらえるが、高校進学時に他校受験を勧められるケースも多い。高校生になると学校が定める出席日数規定に足りない場合、留年あるいは自主退学を勧告されることになる。特に私立では、「うちは私立です。うちの校風が合わなければよそへお行きください」という理屈がまかり通りやすい。 しかし、「生徒を集めるだけ集めておいて、うまく行かなくなったら『よそへお行きください』では無責任だろう」と、神奈川県の私立中学高等学校協会(以下、協会)が動いた。県下の私立中高で校長や教頭を経験したベテラン教師たちに呼びかけて、2020年6月、「神奈川私学修学支援センター(以下、センター)」を開所したのだ』、「生徒を集めるだけ集めておいて、うまく行かなくなったら『よそへお行きください』では無責任だろう」と「「神奈川私学修学支援センター」を開所した」、いい試みだ。
・『有名私立中高一貫校の生徒たちが集まる  神奈川県私立中学高等学校協会の加盟校に在籍しながら不登校状態になっている生徒が、在籍校の代わりに"通学"し、現場を引退したベテラン教師たちから個別指導を受けられる"教室"が、協会の建物内にできた。学習指導を受けられるだけでなく、ここでの学習が在籍校での出席日数に加算され、在籍校によって単位にも換算されるしくみだ。 センター利用希望者は、学校を通じて利用を申し込む。学校から連絡を受けると、センター長の安宅克己さん自らが学校に出向き、担任や管理職と面談する。センターのしくみを説明し、学校のカリキュラムや使用している教材に至るまで事細かに聞き取りを行い、受け入れの準備をする。 2020年度は20人の中学生がセンターを利用し、3人が在籍校に戻った。4人が外部受験をして中学とは違う高校へ進んだ。13人がセンターへの通所を継続している。2021年4月現在のセンター利用者は、中学生22人、高校生11人。有名私立中高一貫校の生徒が圧倒的に多い。 センター運営費用は協会が負担している。利用者が支払うお金は、映像授業視聴のための年間4000円と、アクティビティを行う場合の実費のみ。 2021年4月某日、センターを訪問した。始業時間の9時30分近くになっても生徒の数はまばらである。「誰が来て誰が来ないかは、毎日わかりません」と言いながら、安宅さんは慣れた様子で生徒たちを待つ。 来られる日、来られる時間に来てくれれば、いつでも歓迎する。朝1時間だけ勉強して帰るという生徒もいれば、お昼過ぎに来る生徒もいる。学校に通う日とセンターに通う日を曜日によって決めている生徒もいる。「学校に合わせるのではなく、子どもに合わせる」が基本スタンス。 一応時間割はある。中学生の履修内容は学校による違いが大きくないので、センターでの中学生の時間割はみな共通にしているが、高校生となると、学校のカリキュラムの差異が大きいので、1人ひとりにカスタマイズされた時間割を用意する。ただし、個別指導が基本なので、臨機応変に対応する』、「利用者が支払うお金は、映像授業視聴のための年間4000円と、アクティビティを行う場合の実費のみ」、というのは「在籍校」に授業料などを払っているので、二重の負担にならないようにするためなのだろう。
・『センターで学べば在籍校で単位認定も  高校生の教室では、ホワイトボードを使って古文の指導が行われていた。古文の歴史的背景も踏まえながら、古文を学ぶ際の要点を体系化して説明してくれる。中学生の教室では、数学の指導が行われていた。例題を解説し、問題を解いてみる。その間ずっと先生が手元を見ていてくれる。 錚々たる経歴をもつベテラン教師たちが、これだけ丁寧に個別指導をしてくれるのなら、わからないわけがない。実際、この日ある中学生が取り組んでいた数学の内容は、学校よりも先に進んでいるという。 センターでの学習状況は毎月1回、在籍校に報告される。その報告をもとに、各学校で評価をつけ、校長の権限で単位認定する。在籍校の定期試験についてもセンターと学校の間で柔軟に対応する。 「その学校に憧れて、大変な中学受験勉強をして入ってきてくれたんだから、何かの巡り合わせで不登校になってしまったとしても、焦らずにここで勉強を進めながら、できることなら在籍校に戻っていってほしい。ここで在籍校の卒業証書を 渡してやったっていいと思う。一度引き受けた生徒は、最後まで面倒を見る。それが神奈川私学だと言えるようにしていきたい」とは某校元校長。 この日、午後からは中学生を対象にした「アクティビティ」の時間があった。新学年が始まったばかりということもあり、親睦を深める意味でのゲーム大会を行った。参加者は3人だったが、そこに先生たちと大学生ボランティアと私が加わった。教員志望だという大学生ボランティアがうまく場を盛り上げる。 隣の教室(会議室)では、高校生たちが事務用のテーブルを卓球台に見立て、スマホをラケットにして、ピンポンに興じていた。中学生のゲーム大会が終わっても、まだピンポンが終わる気配がない。"放課後"のセンターが彼らの居場所になっていた。 大学生ボランティアが言う。「ここに来ている子どもたちは、コミュニケーション能力もあるし、学習意欲も高いし、『君が不登校って、うそでしょ!?』って子がほとんどです」。ある元校長は「ここの子はみんな真面目で意欲的です。逆に雑談がしづらくて困ってます」とおどける。 不登校になった理由はさまざまだ。「起立性調節障害」といって、朝どうしても起きられない生徒もいる。大人数の集団の中に身を置くこと自体に不安を感じる生徒もいる。たまたま担当教師やまわりの友達とそりが合わないというケースもあるが、その場合は、環境が変われば学校に復帰する可能性が高い』、「錚々たる経歴をもつベテラン教師たちが、これだけ丁寧に個別指導をしてくれるのなら、わからないわけがない。実際、この日ある中学生が取り組んでいた数学の内容は、学校よりも先に進んでいるという」、確かに恵まれた環境のようだ。
・『元校長が告白する懺悔の気持ち  また別の元校長は「ここに係わるようになってからというもの、懺悔の日々ですよ」と苦笑いする。管理職として、生徒やそのご家族にとって大変厳しい判断をしたことも一度や二度ではない。しかしここでの子どもたちの様子を見ていると、学校には通えていなくても、学校にいたい、学びたいと思っていることが直にわかる。学校のルールに生徒を合わせることが当たり前だと思っていた若かりし自分を悔いるのだという。 先の大学生ボランティアが付け加える。「私はここでお手伝いを経験することで、不登校に対するイメージが変わりました。たとえば若手教員の研修として、このセンターに数週間勤務してみるのもいいのではないかと思います。そうすれば、学校での生徒たちに対する態度も変わるのではないでしょうか」。 これはすばらしいアイデアだ。しかも、私立中高一貫校にいったん就職するとその学校の文化しか知らないでキャリアを重ねてしまうことがあるが、修学支援センターでは各私学から来たベテラン教師たちの指導を間近に見ることもできる。いろいろな意味で教員としての視野が広がることは間違いない。 センターを丸1日見学して最も印象的だったのは、安宅さんが非常にきめ細かに1人ひとりの生徒の状況を把握し、サポートしていることだ。 一般的な学校では、たとえば担任や教頭にいくら意欲があったとしても、不登校状態にある生徒1人ひとりにこれだけの手間暇をかけてかかわることは現実的に難しい。だからこそ、複数の学校のネットワークとして、セーフティーネットを提供することに大きな意味がある。 似たような取り組みは、福岡県と京都府にもある。福岡県私学協会の「学習支援センター」は高校生が対象で、現在、県内に4カ所もある。京都府私立中学高等学校連合会の「京都府私学修学支援相談センター」は、小学生から高校生までを対象としており、5教科について週1回の学習支援が受けられる。ちなみに、公立の教育支援センターは、全国の約6割の自治体に設置されており、文科省は設置の推進を呼びかけている』、「公立の教育支援センターは、全国の約6割の自治体に設置」、まだまだ少ないようだ。
・『希望者すべてを受け入れられないという課題  安宅さんは「現状のセンターのいちばんの課題は希望者全員を受け入れるキャパがないことです」と指摘する。受け入れられない子どもたちは、空きが出るのを自宅で待つしかない。それが切ない。また、センターが神奈川県東部にあるため、西湘エリア在住の生徒たちには通いづらい。「湘南エリアにもセンターをつくれると良いと思う」と安宅さん。 最後に、大事なポイントを押さえておきたいと思う。義務教育の中学校はもとより、高校であっても進級に必要な出席日数に対する法的な決まりはない。出席日数を根拠にして自主退学を迫られるケースがあるとすれば、その規定は学校が独自に決めたものである。そして、実際には学校に来られていない生徒でも、学校外で適切な学習指導が受けられていると校長が認めれば、学校として単位認定することはできる。 わが子が不登校になるかならないかにかかわらず、考えてみてほしい。「うちは私学ですから、うちの校風に合わないのならよそへお行きください」と言う学校と「いちど引き受けたからにはあらゆる手段を用いて最後まで面倒を見ます」と言う学校のどちらでわが子を育てたいか。そこにその人の教育観があぶり出されるはずだ』、その通りだ。「現状のセンターのいちばんの課題は希望者全員を受け入れるキャパがないことです」、個別指導がネックになっている以上、やむを得ないのかも知れないが、セーフティネットの役割を何とか果たしてもらいたいものだ。
タグ:不登校 東洋経済オンライン 現代ビジネス 不登校新聞 おおたとしまさ (その2)(「孫の不登校」に祖父母が取った意外すぎる行動 右往左往する母親を尻目に…、急増する不登校の子どもたち…「学校に行きたくない」に求められる3つの親の対応、有名中高一貫校の不登校生が通う施設の持ち味 元校長らが支援 修学支援センターに集まる志) 「「孫の不登校」に祖父母が取った意外すぎる行動 右往左往する母親を尻目に…」 かつては、ずいぶんいい子だったようだ。 「急に中学2年生から学校へ行けなくなりました」、この原因について、学校の担任の先生に尋ねたのだろうか。いきなり「祖父母」が登場してきたのには違和感がある。不登校になった原因が触れられてないので、「祖父母」のアドバイスが適切だったのかも判断し難い。 石井 志昂 「急増する不登校の子どもたち…「学校に行きたくない」に求められる3つの親の対応」 不登校の問題に20年携わっている石井志昂さんに寄稿 「先生からのいじめ」が要因の1つにあるというのは、ありそうだが、腹立たしい。 一旦、「休ませる」とますます学校に行き難くなるのではと思ってしまうが、「休ませるのが最善の選択肢」とは驚かされた。 「感情の噴出」「段階」を、「保護者はそばにいて、その気持ちに付き合う」には、予め対処方法を理解しておく必要がありそうだ。 「焦って子どもを学校へ戻らせても、「不登校の問題」は終わりません。学校へ行くことが不登校のゴールでもありません」、というのは確かに重要そうだ。 「いまを大切にしてあげる視点が子育てや教育においても大事」、というのは確かにその通りだが、「教育」には「いまを」多少我慢してでも、将来に備えるという重要な側面も忘れてはならないことも事実だ。要はアリとキリギリスのバランスの問題なのではなかろうか 「有名中高一貫校の不登校生が通う施設の持ち味 元校長らが支援、修学支援センターに集まる志」 「生徒を集めるだけ集めておいて、うまく行かなくなったら『よそへお行きください』では無責任だろう」と「「神奈川私学修学支援センター」を開所した」、いい試みだ 「利用者が支払うお金は、映像授業視聴のための年間4000円と、アクティビティを行う場合の実費のみ」、というのは「在籍校」に授業料などを払っているので、二重の負担にならないようにするためなのだろう。 「錚々たる経歴をもつベテラン教師たちが、これだけ丁寧に個別指導をしてくれるのなら、わからないわけがない。実際、この日ある中学生が取り組んでいた数学の内容は、学校よりも先に進んでいるという」、確かに恵まれた環境のようだ 「公立の教育支援センターは、全国の約6割の自治体に設置」、まだまだ少ないようだ。 「うちは私学ですから、うちの校風に合わないのならよそへお行きください」と言う学校と「いちど引き受けたからにはあらゆる手段を用いて最後まで面倒を見ます」と言う学校のどちらでわが子を育てたいか。そこにその人の教育観があぶり出されるはずだ』、その通りだ 「現状のセンターのいちばんの課題は希望者全員を受け入れるキャパがないことです」、個別指導がネックになっている以上、やむを得ないのかも知れないが、セーフティネットの役割を何とか果たしてもらいたいものだ
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外国人問題(その5)(木下洋一氏「入管は法定化された基準で裁量を行使すべき」、ベトナムで広がる「日本から戻った人は危ない」というイメージ、コロナ禍で加速するベトナム人の日本脱出) [社会]

外国人問題については、1月7日に取上げた。今日は、(その5)(木下洋一氏「入管は法定化された基準で裁量を行使すべき」、ベトナムで広がる「日本から戻った人は危ない」というイメージ、コロナ禍で加速するベトナム人の日本脱出)である。

先ずは、5月23日付け日刊ゲンダイが掲載した法務省入国管理局を経て「未来入管フォーラム」代表の木下洋一氏による「木下洋一氏「入管は法定化された基準で裁量を行使すべき」」を紹介しよう。
https://www.nikkan-gendai.com/articles/view/life/289492
・『終盤国会の対決法案に浮上した入管法改正案について、菅政権が今国会の成立を断念した。改正法案は、在留資格を失って国外退去処分(非正規滞在)となった外国人の速やかな帰国を促すことを目的とし、政府は入管施設に長期間収容される現状が解消されると説明。また、送還を免れるための難民認定申請の乱用を防ぐため、現行法の「難民認定の手続き中は送還しない」(送還停止効)とする規定に例外を設け、3回目以降の申請者は審査をせずに強制退去の対象とする規定も盛り込まれた。 これに対し野党側は、改正案は、難民認定申請をする権利を大幅に制限するとともに、迫害を受ける恐れのある国への追放・送還を禁じる国際法の原則にも反すると主張。法案修正の協議をめぐって与野党で激しく対立していた。 とりあえず今国会で改正法案は廃案となる見通しだが、現行法も含めて入管法はどこに問題があるのか。元入管職員で入管政策の改革を訴える「未来入管フォーラム」代表の木下洋一氏(56)に聞いた(Qは聞き手の質問、Aは木下氏の回答)。 Q:政府が今国会での入管法改正案の成立を見送りました。 A:廃案になったとはいえ、結局は現行の入管法が残るわけです。確かに改正法案はいろいろな問題が指摘されていましたが、現行法もたくさんの問題を抱えています。それを今後、いかに良い中身の法律に変えていくのかが重要です。 Q:入管法は、戦前は内務省の管轄で、特高警察が実務を担い、外国人を治安維持のための取り締まり対象としていたと報じられています。この流れが現行の入管制度の“弊害”として残り、政府が外国人の非正規滞在を認めない根底にあるのではないかと言われています。 A:入管法は戦後のGHQ占領下で出来たポツダム政令から始まっています。それまで日本人とされていた朝鮮半島出身者や台湾出身者の人が、日本の敗戦で日本国籍を失って突然、外国人という立場に置かれた。そういった人たちをどう管理するのか。そういう発想で作られたわけです。つまり、今のような多国籍の人種が混在する社会や、グローバルスタンダードなどは全く想像もしていなかった時代の法律が今日に至っているわけです。 Q:日本の入管法は、国際社会からも是正が強く求められています。 A:改正法に対して、国連(の人権専門家ら)は共同書簡で「国際的な人権水準に達しておらず、再検討を強く求める」「(自由権規約などに反する)国際法違反である」とダメ出ししました。国連難民高等弁務官事務所(UNHCR)も人権保護の観点から重大な懸念を示すなど、国際機関は以前から日本の収容に関して「国際法違反」だと指摘していましたが、日本政府はずっと無視してきました。これでは、日本政府は国際標準にあわせる気がないのだと、国際社会から思われても仕方がないと思います』、「入管法は・・・それまで日本人とされていた朝鮮半島出身者や台湾出身者の人が、日本の敗戦で日本国籍を失って突然、外国人という立場に置かれた。そういった人たちをどう管理するのか。そういう発想で作られたわけです。つまり、今のような多国籍の人種が混在する社会や、グローバルスタンダードなどは全く想像もしていなかった時代の法律が今日に至っているわけです」、「国際機関は以前から日本の収容に関して「国際法違反」だと指摘していましたが、日本政府はずっと無視してきました。これでは、日本政府は国際標準にあわせる気がないのだと、国際社会から思われても仕方がないと思います」、法務省は国際的な批判には聞く耳を持たない内向きな官庁のようだ。
・『現行制度は入管がブラックボックスになっている  Q:入管は強制送還に従わない外国人を「送還忌避者」とよび、とにかく日本から早期に退去させるため権限を強化しようとしています。一方で、帰るに帰れない人の存在や人権に関する課題も指摘されています。 A:まず、誤解されていると感じるのは、オーバーステイ(超過滞在)など在留資格がない人たちは「犯罪者だから送還されて当然」という見方です。確かにオーバーステイは入管法違反ですし、非正規在留者は基本的には強制送還の対象者です。私もすべてのオーバーステイの人をすべからく日本に滞在させていいとは思いません。しかし、中には、いろいろな事情を抱えた人たちも含まれているわけです。例えば、オーバーステイの間に日本人と結婚して子供が生まれたり、本国に戻れば迫害を受けたりするケースで、こういった人たちには現行法でも、日本にとどまることが出来る「在留特別許可制度」や「難民認定制度」があります。しかし、その判断が不透明で、ブラックボックスになっていることが問題なのです。 Q:「在留特別許可」や「難民認定制度」の運用が不透明だと。 A:例えば、子どもの送還です。オーバーステイ同士の両親を持つ子ども、あるいは物心がつく前に両親と一緒に来日し、一家でオーバーステイになった――というケースは少なくありません。当たり前ですが、子どもは親を選べないし、ビザの申請をできるワケもない。何ら罪はないわけです。しかし、今の入管法では、そういった子どもたちも全く保護されておらず、大人と同じ扱い。入管の裁量判断で在留特別許可がおりなければ、あるいは難民不認定となれば強制送還の対象となります。しかし、入管職員に児童心理学や医学的な専門知識があるわけではない。教育や発達心理学といったことも素人なわけで、そういう素人集団が子どもの送還について適切に判断することが果たして可能でしょうか。 Q:どう改正すればいいと考えていますか。 A:正規在留者、非正規滞在者を問わず、入管行政は入管だけで全てを決めるというシステムであり、まずは入管が持っている広範で巨大な裁量権を何とかしなければいけないと考えています。入管が胸先三寸で決めていた権限について透明性を確保するためには、基準を明確化すること、第三者機関を積極的に関与させていくことが必要だと思います。 Q:具体的にどうすればいいのでしょうか。 A:例えば、非正規滞在者に関して言えば、現行法には在留特別許可の基準がありません。今は、「法務大臣が特別に在留を許可すべき事情があると認めた場合に限り、在留特別許可を出す」とあるだけで、どういう場合に許可を出すのかというのは法律に一切書かれていないのです。確かに入管のホームページには、在留特別許可にかかるガイドラインはありますが、そのガイドライン自体を入管が「基準ではない」として守らない。基準が法定化されていないことが、入管が不透明であり続ける大きな要因となっているのは明らかで、ガイドラインを法定化することも一策だと思います。 Q:入管はなぜ、基準を法定化しないのですか。 A:基準を法定化するとそれに縛られ、これまでのようなフリーハンドの裁量権行使ができなくなくわけです。入管にしてみれば、自分たちが持つ強大な権限を手放したくないというのがあるのでしょう。よく、入管の裁量は政治的裁量と言われます。私はまったく同調できないのですが、政治的背景で入管の裁量が変化するのは当然という考え方です。しかし、裁量の変化はあくまでも政治的コントロールの下に置かれるべきで、行政に政治をさせないためにも、法定化された基準のもとで入管の裁量も行使されるべきです』、「まずは入管が持っている広範で巨大な裁量権を何とかしなければいけないと考えています。入管が胸先三寸で決めていた権限について透明性を確保するためには、基準を明確化すること、第三者機関を積極的に関与させていくことが必要」、「基準を法定化するとそれに縛られ、これまでのようなフリーハンドの裁量権行使ができなくなくわけです。入管にしてみれば、自分たちが持つ強大な権限を手放したくない」、これでは、「基準を明確化」、「第三者機関を積極的に関与」が必要だ。
・『ウィシュマさんのケースを徹底検証するのは当然のこと  Q:今は「第三者機関」の関与もまったくないのですか。 A:唯一あるのが、(2005年から導入された)難民審査参与員制度です。難民認定手続きは、難民申請を入管が審査し、不認定処分となった場合に審査請求をして二次審査する。そこで、難民審査参与員という(学者や弁護士など法律や国際情勢に詳しいとされる)有識者たちが難民かどうかを判断して、法務大臣に助言するという流れです。しかし、難民審査参与員といっても法務大臣の諮問機関という位置づけであり、事務局も入管が握っている。結局、お手盛りの判断になるわけで、法務省や入管が全く関与せず、干渉も受けない組織が不可欠です。 Q:入管の人権無視の実態が“凝縮”した例として、3月、名古屋出入国管理局で亡くなったスリランカ人のウィシュマ・サンダマリさん(享年33)のケースがあります。入管施設に半年あまり収容され、収容中に体調が悪化したにもかかわらず、必要な医療を受けられなかった疑いが出ています。この件をどう見ていますか。 A:まず、彼女はオーバーステイだったため、現行法上、収容それ自体が違法だったというわけではありません。また、今回の死亡事件と法改正議論とは一応分けて考えるべきだとは思います。とはいえ、収容したからには入管が人命に責任を持つのは当然です。適切な行為をしていれば彼女は命を落とさずに済んだ可能性があり、真相解明は徹底的にするべきです。法務省は「第三者を入れて調査する」としていますが、そうではなくて「第三者が調査する」です。なぜなら、入管は調査対象だからです。 Q:入管側は、ウィシュマさんが映っているとされる監視カメラの映像について、「保安上の理由」「プライバシー」などを掲げて遺族にさえも開示していません。 A:どちらも開示を拒む正当な理由だとは到底思えません。不法滞在者だから亡くなっても構わないというわけではないはずで、遺族が真相を知りたいと願うのは当然のこと。プライバシーは法務省が決めることではないし、「保安上の理由」は、遺族などの限られた人にすら公開ができない正当な理由にはならないと思います。むしろ、頑なに開示を拒む態度を見ると、入管では何かヤバイことが行われているのではないかと疑われかねません。二度とこのような悲劇を起こさないためにも徹底的な検証が必要ですし、ひいてはそれが入管のためにもなると思います。(聞き手=遠山嘉之/日刊ゲンダイ)▽木下洋一(きのした・よういち) 公安調査庁を経て2001年に法務省入国管理局(現・出入国在留管理庁)職員。18年間、入国審査官として在留審査などを担当した。19年3月に退職し、入管政策の改革を目指す「入管問題救援センター」(現・未来入管フォーラム)を設立』、「適切な行為をしていれば彼女は命を落とさずに済んだ可能性があり、真相解明は徹底的にするべきです。法務省は「第三者を入れて調査する」としていますが、そうではなくて「第三者が調査する」です」、同感である。

次に、5月2日付けWedgeが掲載したジャーナリストの出井康博氏による「ベトナムで広がる「日本から戻った人は危ない」というイメージ」を紹介しよう。
https://wedge.ismedia.jp/articles/-/23020
・『新型コロナウイルス感染症対策で、世界で最も成功している国の1つがベトナムだ。1億近い人口を抱えながら、累計感染者数は5月16日時点で4200人弱に過ぎない。オーストラリアのシンクタンク「ロウイー研究所」が98カ国・地域を対象に実施し、今年1月に発表したコロナ対策の有効性に関する調査でも、ニュージーランドに次いで第2位の評価を受けている。ちなみに日本は45位である。 しかし、最近になってベトナムでも次第に感染者が増えつつある。抑え込めていた市中感染も、4月27日以降に1100人以上が見つかっている。5月16日には過去最高の187人の市中感染者も確認された。こうした感染拡大の元凶として見られているのが、日本からの帰国者たちだ。 日本とベトナムの往来は、1月に日本で緊急事態宣言が発令されるまで一方通行状態にあった。日本発の定期便は運行が停止し、母国への帰国を希望するベトナム人を乗せたチャーター便がたまに飛ぶ程度だった。一方、ベトナム発の便は運行され、日本へ向かう出稼ぎ労働者で混雑していた。昨年11月から1月にかけ日本へ新規入国したベトナム人は、実習生や留学生を中心に5万人近くに上ったほどだ。 そんな状況が、緊急事態宣言以降に一変した。実習生らが入国できなくなったため、来日するベトナム人が激減したのだ。そして逆に、日本を離れるベトナム人が増えていく。チャーター便の本数が増えたからだ。 そうしてチャーター便で帰国するベトナム人の間で、コロナ感染者が相次いで見つかっている。たとえば、4月12日からの1週間で、ベトナムに入国した89人の感染が判明しているが、そのうち39人は日本からの帰国者だった。この頃に飛んでいたチャーター便は週2〜3本なので、感染者の割合は決して少なくない。東京都内の会社を辞め、4月にベトナムへ帰国したフイさん(20代)が言う。 「日本を出る際には、簡単な抗原検査だけでチャーター便に乗れました。ベトナム人実習生や留学生には感染者が少なくない。だから抗原検査は陰性でも、ベトナムに到着後のPCR検査で感染が判明する人が続出しているのです」 抗原検査は短時間で結果が出るが、PCR検査と比べて精度が劣るとされる。 日本からの出国は簡単にできても、新型コロナに対するベトナムの水際対策は厳格だ。入国後は2週間、軍の施設もしくは指定のホテルで強制的に隔離される。その間、計3回のPCR検査を受け、陰性が証明されてやっと施設などから出られる。4月中旬に感染が判明した「39人」の日本からの帰国者も皆、入国直後もしくは隔離期間中だった。 そんな中、同月末になって、ベトナム当局に衝撃的は事例が判明した。日本からの帰国者の1人が、隔離を終えた後に発熱症状を訴えたのだ。そして検査で、コロナ感染が発覚した。 この帰国者と濃厚接触があったと見られる人から、少なくとも数人が感染したことがわかっている。その後、ベトナム各地で市中感染者が急速に増えていくのである。 ベトナムには、国境を接する中国などからの密入国が絶えない。以前は密入国者がコロナをベトナム国内に持ち込むケースもあったようだが、少なくとも現在、中国では感染は抑え込まれている。つまり、ベトナムにおける最近の感染拡大は「日本由来」の疑いがある。ホテルでの2週間の隔離を経て、現在はハノイの自宅に戻っているフイさんはこう話す。 「ベトナムでは、『日本から戻った人は危ない』というイメージが広がっています。日本で東京や大阪といった人が『危ない』と見られているのと同じです」 ベトナム政府の動きは早かった。5月5日、入国者に義務づけていた2週間の隔離期間を3週間へ延長することを決めたのだ』、「チャーター便で帰国するベトナム人の間で、コロナ感染者が相次いで見つかっている。たとえば、4月12日からの1週間で、ベトナムに入国した89人の感染が判明しているが、そのうち39人は日本からの帰国者だった」、「『日本から戻った人は危ない』というイメージが広がっています」、みっとないことだ。
・『スマホを部屋に置いていれば、外出してもわからない  ベトナムでは3月からワクチンの接種が始まっているが、1回目の接種を終えた人は5月15時点で100万人に満たず、日本の5分の1程度に過ぎない。にもかかわらず、感染者数を抑制できているのは、厳格な水際対策のおかげである。 日本も以前から入国者に対し、2週間の“待機期間”を設けてはいる。だが、ベトナムのように指定施設で隔離されるわけでもなく、本人の「自主性」任せた“待機”要請に過ぎない。 今年1月に首都圏の1都3県に緊急事態宣言が発令される以前は、ベトナム人などの実習生や留学生はPCR検査すら受けず入国できていた。ベトナム出発前も、そして入国後も検査が全く課せられないのだ。11月、東京都内の日本語学校に留学するため来日したベトナム人女性は、筆者にこう話していた。 「アパートまで、やろうと思えば電車やバスで移動できました。2週間の待機中は、スマホに入ったアプリを通じ、私の居場所がチェックされることにはなってはいた。でも、スマホを部屋に置いていれば、外出してもわからない。私も買い物などで、普通に出かけていました。ベトナム(の水際対策)とはあまりに違うので、心配になったほどです」 事実、最近になって「1日最大300人」が自宅などでの待機要請に従っていなかったことが判明している。こうした甘い対応が、昨年末から年明けにかけての感染拡大をもたらした可能性が高い。 政府が昨年6月から一部外国人に実施してきた入国制限緩和措置こそ、1月の緊急事態宣言によって停止された。だが、外国人の入国が完全に止まったわけではない。日本政府観光局(JNTO)が発表している「訪日外客数」によれば、今年3月には推計値で1万2300人の外国人が来日している。その中には、2月下旬から変異株の感染が急速に拡大していたインドからの700人も含まれている。 政府がインドを「新型コロナウイルス変異株の流行国・地域」に指定したのは、4月28日になってからのことだ。しかし指定を受けても、入国当初の3日間を指定の宿泊施設で過ごす必要があるだけだ。入国後の3日目にPCR検査を受け、陰性ならば解放され、自宅などで2週間“待機”すればよい。 ベトナムの場合、「2週間」の隔離でも危ないと判断し、強制的な隔離期間を3週間に延長した。それと比較し、3日間の隔離はかなり甘い。スマホを部屋に置いていれば、外出してもわからない ベトナムでは3月からワクチンの接種が始まっているが、1回目の接種を終えた人は5月15時点で100万人に満たず、日本の5分の1程度に過ぎない。にもかかわらず、感染者数を抑制できているのは、厳格な水際対策のおかげである。 日本も以前から入国者に対し、2週間の“待機期間”を設けてはいる。だが、ベトナムのように指定施設で隔離されるわけでもなく、本人の「自主性」任せた“待機”要請に過ぎない。 今年1月に首都圏の1都3県に緊急事態宣言が発令される以前は、ベトナム人などの実習生や留学生はPCR検査すら受けず入国できていた。ベトナム出発前も、そして入国後も検査が全く課せられないのだ。11月、東京都内の日本語学校に留学するため来日したベトナム人女性は、筆者にこう話していた。 「アパートまで、やろうと思えば電車やバスで移動できました。2週間の待機中は、スマホに入ったアプリを通じ、私の居場所がチェックされることにはなってはいた。でも、スマホを部屋に置いていれば、外出してもわからない。私も買い物などで、普通に出かけていました。ベトナム(の水際対策)とはあまりに違うので、心配になったほどです」 事実、最近になって「1日最大300人」が自宅などでの待機要請に従っていなかったことが判明している。こうした甘い対応が、昨年末から年明けにかけての感染拡大をもたらした可能性が高い。 政府が昨年6月から一部外国人に実施してきた入国制限緩和措置こそ、1月の緊急事態宣言によって停止された。だが、外国人の入国が完全に止まったわけではない。日本政府観光局(JNTO)が発表している「訪日外客数」によれば、今年3月には推計値で1万2300人の外国人が来日している。その中には、2月下旬から変異株の感染が急速に拡大していたインドからの700人も含まれている。 政府がインドを「新型コロナウイルス変異株の流行国・地域」に指定したのは、4月28日になってからのことだ。しかし指定を受けても、入国当初の3日間を指定の宿泊施設で過ごす必要があるだけだ。入国後の3日目にPCR検査を受け、陰性ならば解放され、自宅などで2週間“待機”すればよい。 ベトナムの場合、「2週間」の隔離でも危ないと判断し、強制的な隔離期間を3週間に延長した。それと比較し、3日間の隔離はかなり甘い)』、「日本」がこんなにも「甘い」とは腹が立つ。
・『国際基準に沿う水際対策は必要  米国は5月1日、欧州諸国や中国、ブラジル、南アフリカなどを対象に実施している入国制限措置にインドも加える決定をバイデン大統領が下した。自国民もしくは米国の市民権を持つ者を除き、入国を実質禁止したのである。台湾も5月4日、過去14日間以内にインドに滞在歴のある外国人の入国を停止している。 政府の対応に批判が相次いだのも当然だろう。すると政府は5月10日、インドなど変異株流行国からの入国者に対し、宿泊施設での待機期間を3日から6日間に延長した。しかし、それでも批判は止まない。そのため14日になって急きょ、インド、パキスタン、ネパールの3カ国に過去14日以内に滞在した外国人は、在留資格があっても入国を拒否することになった。 だが、感染力の高さが指摘されるインド型の変異株は、すでに日本でも市中感染が広まっている可能性が高い。5月初旬に東京医科歯科大学付属病院に入院した40代男性から、外国への渡航歴がないにも関わらずインド株が確認されてもいるのだ。 年明けまでの入国制限緩和措置は、新型コロナ「第3波」につながった。そして以降も続いた水際対策の甘さが「第4波」をもたらし、3度目の緊急事態宣言発令となったことは明白だ。 筆者は何も、外国人の入国を完全に止めろと言いたいわけではない。しかし入国を認めるのではあれば、少なくとも国際基準に沿う水際対策は必要だ。ベトナムという「成功モデル」と比較しても、日本の水際対策は実効性に乏しく、しかも後手を踏み続けている。いくら緊急自体宣言で国内の「人流」を制限しようと、肝心の水際がこうでは感染拡大が止まるはずもない。 コロナ感染が抑え込めなければ、そのぶん経済への悪影響は長引く。そのことは、最大の外国人労働者供給源となっているベトナムとの関係においても言える。緊急事態宣言下では、日本が欲する出稼ぎ労働者も受け入れらない。とりわけ農業や建設業などでは打撃は深刻だ。 そして影響は、新規の入国が止まるだけに留まらない。コロナ禍の日本に愛想を尽かし、日本から離れていく外国人も増えているのだ』、「年明けまでの入国制限緩和措置は、新型コロナ「第3波」につながった。そして以降も続いた水際対策の甘さが「第4波」をもたらし、3度目の緊急事態宣言発令となったことは明白だ」、「水際対策」がやり易い筈の「日本」で、「実効性に乏しく、しかも後手を踏み続けている」、「コロナ禍の日本に愛想を尽かし、日本から離れていく外国人も増えているのだ」、などは情けない限りだ。

第三に、この続きとして、5月23日付けWedgeが掲載したジャーナリストの出井康博氏による「コロナ禍で加速するベトナム人の日本脱出」を紹介しよう。
https://wedge.ismedia.jp/articles/-/23021
・『日本に住むベトナム人の数は2020年に4万人近く増加し、昨年末時点で44万8053人を数えるまでになった。その数は韓国人を抜き、外国籍として77万8112人の中国人に次いで多い。新型コロナウイルスの感染拡大で在日外国人が減少した昨年、国籍別の上位10カ国で唯一増加したのもベトナム人である。 過去10年間では、在日ベトナム人は10倍以上に増えている。出稼ぎのため、実習生や留学生として来日するベトナム人が急増したからだ。しかし、長く続いた日本への“出稼ぎブーム”にも、最近になって変化の兆しが見える。コロナ禍によって実習生らの新規入国が止まっている一方で、日本から去っていくベトナム人が相次いでいるのだ。 在日ベトナム人のうち、半数近い20万8879人は技能実習生だ。実習生は人手不足の中小企業や農家にとって欠かせない労働力だが、ベトナム人は約38万人の実習生の半数以上に上る。そんなベトナム人実習生にも、母国への帰国希望者が少なくない。関東地方の監理団体で、主に建設業界へ実習生を派遣する仕事をしているベトナム人のジャンさん(20代)が言う』、「ベトナム人は約38万人の実習生の半数以上に上る。そんなベトナム人実習生にも、母国への帰国希望者が少なくない」、「実習生」の最大の出し手で異変が起きているようだ。
・『帰国便が増えたら、待機中の実習生が殺到する  「うちの団体では、3年間の就労を終え、ベトナムへの帰国を待機している実習生が50人以上いるんです。彼らには今、帰国の手段がない。ベトナムへの定期便は飛んでおらず、時々運行していたチャーター便も(東京などで)4月末に緊急事態宣言が出てからは欠航が増えている。帰国便が増えたら、待機中の実習生が殺到すると思いますよ」 実習生たちは、希望すれば最長5年にわたり日本で働ける。3年働いた実習生であればもう2年、「特定技能」という在留資格に切り替えれば5年の就労が可能だ。 とりわけ特定技能の場合、実習生より待遇が改善する。実習生は最低賃金で雇用されるが、特定技能になると、同じ職場で働く「日本人と同等以上」の賃金が得られる。しかも実習生として3年間の就労経験があれば、資格は試験なしで取得できる。ジャンさんが続ける。 「確かに、特定技能になれば給料は大きく上がる。建設業界は特に賃金が高いので、残業代を含めて月30万円くらい稼ぐようなベトナム人もいます」 「30万円」といえば、ベトナムの労働者の月収の10倍にも相当する。にもかかわらず、なぜ彼らは帰国を希望するのか。 「実習生は斡旋業者に支払う手数料で、100万円近い借金を背負って来日します。だけど日本で3年働けば、借金は返済でき、ある程度の貯金もできている。だから『もう日本は十分』と考えるのです。 実習生の暮らしは仕事に追われ、楽しみが少ない。20代や30代の若者にとってはつらい生活です。とりわけ建設関係は仕事が厳しいですからね」 筆者は3年前、ベトナムの首都ハノイで、日本へ実習生を送り出している業者を取材したことがある。その際、業者の日本語クラスで来日前の研修を受けているベトナム人たちに「日本で何年間働きたいか」という質問を投げかけてみた。結果は「3年」もしくは「5年」が大半で、「10年以上」と答えたベトナム人は約20人のクラスで1人だけだった。実習生たちは短期の出稼ぎ感覚で日本へ渡っていくのである。 しかも日本での仕事は、彼らが想像していた以上に大変だ。新興国ならではの、貧しくてものんびりとした環境で生まれ育った若者には、忙しく時間に追われる日本の暮らしは戸惑いも多い。そこにコロナ禍が追い打ちをかけ、ベトナムへの帰国を望む者が増えている。ジャンさんは言う。 「コロナはベトナム人が日本を離れるきっかけかもしれませんが、根本的な理由は他にあります。実習生に限らず、お金に余裕のある人ほどベトナムに帰りたがっている。僕自身もコロナが落ち着いたら、ベトナムへ戻ろうと考えています」 東京都内のIT系ベンチャー企業で働いていたグエン君(20代)は、今年4月に会社を辞めてベトナムに帰国した。2週間に及ぶ帰国後の隔離費用を含め、28万円ものチャーター便チケットを購入してのことだ。出発前、グエン君はこう話していた。 「チケット代は高いし、隔離期間中はホテルから出られません。でも、できるだけ早くベトナムへ帰りたい」 グエン君は2017年、日本語学校の留学生として来日した。日本語学校に留学するベトナム人には、勉強よりも出稼ぎを目的に、多額の借金を背負い来日する者が多い。留学生に「週28時間以内」でアルバイトが認められることに着目し、留学を出稼ぎに利用するのである。だが、グエン君に限っては違った。ベトナムの一流理系大学を卒業後、「外国に留学してみたい」と考え、日本へやってきた。 ベトナムで最も成績優秀な学生たちは、米国や欧州諸国へ留学する、欧米企業などの奨学金を得てのことだ。政府幹部の子弟であれば、国費で海外へ出ていくこともよくある。グエン君には、奨学金が得られるほどの学力や家族のコネはなかった。それでも、日本にいるベトナム人留学生としてはかなり優秀な部類に入る。留学費用も、首都ハノイでイベント会社を営むち父親が出してくれた。借金もせず、親が費用を負担してくれるケースは、ベトナム人留学生には多くない』、「新興国ならではの、貧しくてものんびりとした環境で生まれ育った若者には、忙しく時間に追われる日本の暮らしは戸惑いも多い。そこにコロナ禍が追い打ちをかけ、ベトナムへの帰国を望む者が増えている:、なるほど。
・『「日本の生活は楽しくなかった」 給料が減っても、ベトナムで楽しく暮らした方がいい  留学生は通常、日本語学校1年半から2年にわたって在籍する。しかし、グエン君は1年足らずで学校を辞めて就職した。日本語学校を卒業していなくても、また日本の大学や専門学校を出ていなくても、母国の「大卒」という学歴のある外国人は就職が認められる。 だが、就職先となった会社では、初歩的な仕事しか任せられなかった。1年、2年と時が経っても、スキルは身につかない。しかも、グエン君は日本語が上達しておらず、社内に友人もできかった。 新型コロナの感染が拡大した昨年春以降は、在宅でのリモートワークとなった。1日中、アパートにこもる生活で、彼は孤独感を募らせていく。そしてベトナムへの帰国を決めたのである。 「残業すれば、手取りで月20万円以上の収入がありました。ベトナムでは得られない金額です。でも、日本の生活は楽しくなかった。給料が減っても、ベトナムで楽しく暮らした方がいいです」 ハノイやホーチミンといったベトナムの都会では、経済発展に伴い賃金も上昇している。IT系の仕事であれば、月10万円以上を稼ぐことも難しくないだろう。 ベトナムのIT人材には、欧米企業からのリクルートも増えている。グエン君にも、英国のIT企業で働く従兄弟がいる。 「従兄弟はベトナムの大手企業で5年間、エンジニアとして働いた後、3年前に英国の会社にヘッドハントされたのです。年収は日本円で800万円くらいだと聞いています」 英国のような英語圏に限らず、欧州では英語ができれば働ける。ベトナムの有名大学卒のIT人材であれば、ある程度の英語は話せる。一方、日本で働くためには「日本語」というハードルがある。語学を習得したところで収入は欧米より低く、しかもやりがいある仕事も任せられないのであれば、日本が敬遠されて当然だ。 日本に住んで8年で、在日ベトナム人事情にも詳しい前出・ジャンさんはこう話す。 「ベトナムでは『日本は貧しい労働者たちの出稼ぎ先』というイメージが定着しています。だから余計、優秀な人ほど日本では働こうとは思わない。最近では、ベトナム人の犯罪が大きく報じられ、私たちも肩身に狭い思いをしています。そこにコロナの感染が広がり、日本からベトナム人が離れ始めている」 やがてコロナ禍が収束すれば、ベトナムからは再び実習生らが日本へ押し寄せ始めるだろう。学歴もなく、母国では仕事が見つからない貧しい人たちが、仕事を求めてやって来るわけだ。その一方で、能力があり、裕福なベトナム人は、欧米諸国に向かうか、自国に留まる道を選ぶ。 ベトナムの賃金上昇が続き、彼我の経済格差がさらに縮小すれば、やがては実習生すら日本に来なくはるはずだ。それはすでに、かつて出稼ぎ外国人の中心だった中国人の動向で証明されている。そのとき日本は、どこの国から労働者を受け入れるのだろうか』、「ベトナムでは『日本は貧しい労働者たちの出稼ぎ先』というイメージが定着しています」、「ベトナムの賃金上昇が続き、彼我の経済格差がさらに縮小すれば、やがては実習生すら日本に来なくはるはずだ。それはすでに、かつて出稼ぎ外国人の中心だった中国人の動向で証明されている」、「ベトナム」から来なくなったら、次は平和を取り戻したミャンマーあたりになるのだろうか。
タグ:日刊ゲンダイ 外国人問題 WEDGE 出井康博 (その5)(木下洋一氏「入管は法定化された基準で裁量を行使すべき」、ベトナムで広がる「日本から戻った人は危ない」というイメージ、コロナ禍で加速するベトナム人の日本脱出) 「木下洋一氏「入管は法定化された基準で裁量を行使すべき」」 入管法は・・・それまで日本人とされていた朝鮮半島出身者や台湾出身者の人が、日本の敗戦で日本国籍を失って突然、外国人という立場に置かれた。そういった人たちをどう管理するのか。そういう発想で作られたわけです。つまり、今のような多国籍の人種が混在する社会や、グローバルスタンダードなどは全く想像もしていなかった時代の法律が今日に至っているわけです」 「国際機関は以前から日本の収容に関して「国際法違反」だと指摘していましたが、日本政府はずっと無視してきました。これでは、日本政府は国際標準にあわせる気がないのだと、国際社会から思われても仕方がないと思います」、法務省は国際的な批判には聞く耳を持たない内向きな官庁のようだ。 「まずは入管が持っている広範で巨大な裁量権を何とかしなければいけないと考えています。入管が胸先三寸で決めていた権限について透明性を確保するためには、基準を明確化すること、第三者機関を積極的に関与させていくことが必要」 「基準を法定化するとそれに縛られ、これまでのようなフリーハンドの裁量権行使ができなくなくわけです。入管にしてみれば、自分たちが持つ強大な権限を手放したくない」、これでは、「基準を明確化」、「第三者機関を積極的に関与」が必要だ。 「適切な行為をしていれば彼女は命を落とさずに済んだ可能性があり、真相解明は徹底的にするべきです。法務省は「第三者を入れて調査する」としていますが、そうではなくて「第三者が調査する」です」、同感である 「ベトナムで広がる「日本から戻った人は危ない」というイメージ」 「チャーター便で帰国するベトナム人の間で、コロナ感染者が相次いで見つかっている。たとえば、4月12日からの1週間で、ベトナムに入国した89人の感染が判明しているが、そのうち39人は日本からの帰国者だった」、「『日本から戻った人は危ない』というイメージが広がっています」、みっとないことだ。 「日本」がこんなにも「甘い」とは腹が立つ。 「年明けまでの入国制限緩和措置は、新型コロナ「第3波」につながった。そして以降も続いた水際対策の甘さが「第4波」をもたらし、3度目の緊急事態宣言発令となったことは明白だ」、「水際対策」がやり易い筈の「日本」で、「実効性に乏しく、しかも後手を踏み続けている」、「コロナ禍の日本に愛想を尽かし、日本から離れていく外国人も増えているのだ」、などは情けない限りだ。 「コロナ禍で加速するベトナム人の日本脱出」 「ベトナム人は約38万人の実習生の半数以上に上る。そんなベトナム人実習生にも、母国への帰国希望者が少なくない」、「実習生」の最大の出し手で異変が起きているようだ 「新興国ならではの、貧しくてものんびりとした環境で生まれ育った若者には、忙しく時間に追われる日本の暮らしは戸惑いも多い。そこにコロナ禍が追い打ちをかけ、ベトナムへの帰国を望む者が増えている:、なるほど。 「ベトナムでは『日本は貧しい労働者たちの出稼ぎ先』というイメージが定着しています」、「ベトナムの賃金上昇が続き、彼我の経済格差がさらに縮小すれば、やがては実習生すら日本に来なくはるはずだ。それはすでに、かつて出稼ぎ外国人の中心だった中国人の動向で証明されている」、「ベトナム」から来なくなったら、次は平和を取り戻したミャンマーあたりになるのだろうか。
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スポーツ界(その32)(“パワハラ問題”で評判が暴落中…柔道・山下泰裕氏の知られざる“沖縄ランドリー事件”、破綻したサッカー欧州スーパーリーグ構想の背後にJPモルガンのなぜ、「女性アスリートの盗撮」規制の緩すぎる実態とは) [社会]

スポーツ界については、2月23日に取上げた。今日は、(その32)(“パワハラ問題”で評判が暴落中…柔道・山下泰裕氏の知られざる“沖縄ランドリー事件”、破綻したサッカー欧州スーパーリーグ構想の背後にJPモルガンのなぜ、「女性アスリートの盗撮」規制の緩すぎる実態とは)である。なお、タイトルから「日本の」を削除した。

先ずは、3月5日付け文春オンライン「“パワハラ問題”で評判が暴落中…柔道・山下泰裕氏の知られざる“沖縄ランドリー事件”」を紹介しよう。
https://bunshun.jp/articles/-/43824
・『現役時代に203連勝の大記録を樹立し、1984年ロス五輪では無差別級で金メダルを獲得。柔道界の“英雄”山下泰裕JOC会長(63)の株が、ここにきて暴落中だ。きっかけは会長を兼務する、足元の全日本柔道連盟(全柔連)での“パワハラ問題”である。 柔道担当記者が語る。 「昨年4月に事務局で発生したコロナのクラスターを調査する過程で、前事務局長が威圧的な言動を繰り返していた疑惑が浮上した。コンプライアンス委員会はパワハラを認定し、昨年11月に山下会長ら執行部に報告書を提出。ところが前事務局長が退職して調査ができないことを理由に公表せず、放置していたのです」 疑惑について説明する会見で、山下会長は“隠蔽”を強く否定。「(パワハラの)問題そのものに気づかなかった」「JOCに全精力を傾注しなければいけない状況になり、全柔連のことに注意を払えなくなった」などと釈明した。この“責任転嫁”ともとれる発言に、リーダーとしての資質を問う声が上がっている。 「JOC会長就任は森喜朗氏の後押しがあったと言われるだけに、森氏の“女性蔑視発言”にも当初は東京五輪組織委会長の続投を支持していた。その後、後任候補検討委員会を非公開にするように進言。JOCの理事会を非公開化した前例もあり、情報の透明化を避けようとする考え方の持ち主なのです」(前出・記者) また、国民栄誉賞の肩書まであるにもかかわらず、地位に恋々とする一面も』、「JOCに全精力を傾注しなければいけない状況になり、全柔連のことに注意を払えなくなった」、よくぞこんなお粗末な言い訳をするものだ。そんなことでは「JOC会長」も不適任だ。
・『対立していた相手にもあっさり懐柔  「2007年、国際柔道連盟の理事選で再選を目指した際、彼は対立していた会長派から『会長を支持するなら対抗馬を降ろす』と持ち掛けられた。しかし『自らの保身の為に信念を曲げることは出来ない』と会長の強権的姿勢を批判して出馬し、落選。にも関わらず、数年後には会長からの特別指名をあっさり受諾して理事の座に戻ったのです。今では対抗する素振りも全く見せず、懐柔されてしまっています」(全柔連関係者) 都合が悪いことについて他人事になる姿勢は今回だけではない。リオ五輪前の16年1月、男子日本代表の沖縄合宿で同じホテルに居合わせた宿泊客が言う。 「ランドリーの床に柔道着が散乱していたので、チーム関係者に伝えたところ、朝食会場で井上康生監督から4、5分ほど丁寧な謝罪を受けました。ところが一緒にいた山下氏はこちらをチラチラ見ながらも我関せずで、黙々と食事を続けていた。トップなのに当事者意識が全くない態度に、彼の人間性を見た思いでした」 あるインタビューで得意技は「開き直り」と語っていた山下氏。そんな大技を乱発されてはたまらない』、森喜朗氏にとっては、使い易さで「会長」にしたのだろうが、「トップなのに当事者意識が全くない」ようでは、「会長」失格だ。

次に、4月29日付けダイヤモンド・オンラインが掲載したノンフィクション・ライターの藤江直人氏による「破綻したサッカー欧州スーパーリーグ構想の背後にJPモルガンのなぜ」を紹介しよう。
https://diamond.jp/articles/-/269800
・『早ければ来夏からのスタートを目指して、ヨーロッパサッカー界を代表するビッグクラブが集結していた「ヨーロッパスーパーリーグ」構想があっけなく崩壊した。サッカー熱の低い米国の大手投資銀行が動いた背景とは』、熟読してなかったので、よく理解できないままだったので、助かりそうだ。
・『欧州トップのクラブが続々集結 創設チームは昇降格なしの皮算用  唐突に打ち上げられた、季節外れの豪華絢爛な花火が、瞬く間に夜空の彼方へ消えてしまった――。ヨーロッパサッカー界を発信源として世界中を揺るがせながら、発表から48時間とたたないうちに崩壊したサッカーの「ヨーロッパスーパーリーグ」構想を例えると、こうなるだろうか。 騒動の火ぶたが切られたのは、日本時間の4月19日未明だった。レアル・マドリードやバルセロナ、マンチェスター・ユナイテッド、ACミランなど日本でもなじみのあるヨーロッパのビッグクラブが、新たなリーグ戦を創設する構想に合意したと電撃的に発表した。 中心として動いていたのは、日本代表MF久保建英の保有権を持つクラブとしても知られる、スペインのレアル・マドリードだった。スーパーリーグを運営する新たな組織のトップに就任した、同クラブのフロレンティーノ・ペレス会長は共同声明の中でこんな言葉をつづった。 「サッカーは40億人以上のファンを抱える、ただ一つのグローバルなスポーツであり、われわれのようなビッグクラブには、サッカーを愛するファンが求めるものに応じる責務がある」 創設で合意したのは、スペイン勢がレアル・マドリード、バルセロナ、アトレティコ・マドリード。イタリア勢がACミラン、インテル、ユベントス。そしてイングランド勢がマンチェスター・ユナイテッド、マンチェスター・シティ、リバプール、アーセナル、チェルシー、トッテナムだった。 さらに三つの強豪クラブを加えた15クラブを創設メンバーとして固定。前シーズンの成績に応じて5クラブが入れ替わる形で参加し、8月から翌年5月にかけた戦いで頂点を目指す。試合は原則として平日に開催され、参戦するクラブは週末に各国のリーグ戦も並行して戦っていく』、ドイツやフランスは入ってないようだ。
・『欧州ビッグクラブと関係深いJPモルガン 米国式に倣い、クラブ固定で安定収入狙う  現存するヨーロッパチャンピオンズリーグとほぼ同じ方式として対峙する一方で、大きく異なっているのが、参戦クラブの固定化だ。昇降格がない=一定収入の保証となり、実際に各クラブには3億5000万ユーロ(約457億円)に上る参加ボーナスが約束されている、と報じるヨーロッパのメディアもあった。 金額に関する情報が錯綜した中で、いずれにしても巨額となる運営資金の源泉を探っていくと、アメリカの金融大手、JPモルガン・チェースの存在に行き着く。彼らの莫大な融資が担保されていたからこそ、昨春から続く新型コロナウイルス禍で未曽有の減収を余儀なくされていたビッグクラブが、いっせいに飛びつく状況を生み出した。 もっとも、ここで素朴な疑問が残る。ヨーロッパサッカー界に生まれようとしていた新たな動きに、今年1~3月に143億ドル(約1兆5600億円)と四半期として過去最高の最終利益を上げた、アメリカのJPモルガンがなぜメインスポンサーとして関わっていたのか、だ。 接点の一端はイングランドの名門、マンチェスター・ユナイテッドに見られる。2013年から同クラブの実質的なトップを務めているイギリス出身の実業家、エド・ウッドワードCEO兼上級副会長は、JPモルガン・チェースのM&A部門でらつ腕を振るったキャリアを持つ。 マンチェスター・ユナイテッドは05年までに、アメリカのグレイザー家によって買収された。その過程でアドバイザーとして、JPモルガン・チェースが持つ豊富なノウハウを提供したウッドワード氏が、買収完了後にマンチェスター・ユナイテッドへ転職した。 この一件にとどまらず、JPモルガンは早い段階からヨーロッパサッカー界を、投資に見合ったリターンが望める新たな標的に据えて関係を深めてきた。現在はスーパーリーグ創設で合意したクラブの多くを顧客に持ち、特に中心的存在を担うペレス会長とは昵懇の仲にあるとされている。 加えて、今ではマンチェスター・ユナイテッドに加えてリバプール、アーセナル、ミランのオーナーをアメリカ人の実業家が務めている。アメリカ式プロスポーツの運営方式をヨーロッパに導入する舞台が整った状況で、新型コロナウイルス禍が背中を押した。 アメリカ式プロスポーツとは、野球のMLBやバスケットボールのNBAに代表される昇降格のない舞台が前提となる。00年代初頭から新たなリーグ戦の必要性を訴えてきたペレス会長も、JPモルガンという後ろ盾を得て、ついに時が来たと先頭に立ったのだろう』、「JPモルガン・チェース・・・の莫大な融資が担保されていたからこそ、昨春から続く新型コロナウイルス禍で未曽有の減収を余儀なくされていたビッグクラブが、いっせいに飛びつく状況を生み出した」、万一の場合のバックアップとしてならあり得るが、恒常的な「融資」は考え難い。「アメリカ式プロスポーツ」のような「昇降格のない」、を導入しようとは驚いだ。
・『英ウィリアム王子、ジョンソン首相も批判 競技団体とファンから総スカンで瓦解  しかし、結果から先に言えば、JPモルガンは日本時間4月23日に、スーパーリーグからの撤退を示唆する緊急声明を発表した。JPモルガンの口座解約を個人や企業に求める抗議活動がヨーロッパで広まった中で、声明には構想が瓦解した理由が凝縮されていた。 「この取引が、サッカー界からどのように見られ、将来へどのような影響を与えるのか、という点についてわれわれは明らかに判断を見誤っていた。今回の一件から学んでいきたい」 若い世代へ訴求性を高める手段として、ペレス会長は前後半の90分間で行われている現行の試合を、NBAに倣ってクオーター制に変える私案も披露していた。これが、古き良き伝統を大切にするヨーロッパ、とりわけサッカーの母国という自負を抱くイングランドで猛反発を受けた。 スーパーリーグに参戦を表明した6クラブの公認サポーター団体だけでなく、イングランド・サッカー協会の総裁であるイギリスのウィリアム王子までもが激しく批判。ボリス・ジョンソン首相は、法整備を含めてあらゆる手段を行使して構想を阻止すると明言し、現役の選手や監督からも反対する声が上がった。 かねてペレス会長らと水面下で調整の場を設けてきた、ヨーロッパサッカー連盟(UEFA)も黙ってはいなかった。3カ国のサッカー協会やリーグ機構との共同で発表した声明の中で、スーパーリーグを「私利私欲に基づいた、冷笑的なプロジェクト」と一刀両断した上でこうつづった。 「Enough is enough(いい加減にしろ)」 国際サッカー連盟(FIFA)も同調した中で、UEFAは、スーパーリーグに参加したクラブは各国内、ヨーロッパ、世界レベルで行われるすべての大会から除外されると警告。所属選手が母国の代表チームにおける出場機会をも失う可能性があるとまで踏み込んでいた。 激しい批判にさらされた状況下で、ロシア資本のマンチェスター・シティとカタール資本のチェルシーが脱退を表明。発表から2日とたたないうちに、残る4つのイングランド勢も追随し、マンチェスター・ユナイテッドに至ってはキーマンのウッドワードCEOが年内限りで辞任すると発表した。 脱退の連鎖はイタリア勢と、スペインのアトレティコ・マドリードにまで伝播。レアル・マドリードとバルセロナだけが残った中で、スーパーリーグ参戦へのオファーを拒否したとされるドイツの強豪、バイエルン・ミュンヘンは声明の中でヨーロッパサッカー界が歩むべき道を説いた。 「新型コロナが生み出した各クラブの財政的問題を、スーパーリーグが解決するとは思わない。むしろヨーロッパのすべてのクラブが連帯してコスト構造の改造を、特に選手の報酬やエージェント費用がコロナ禍における収益と見合ったものにするように取り組む必要がある」 アメリカ資本がからんだ性急なスーパーリーグ構想は完全に崩壊したが、騒動の発端は今に始まったものではない。チャンピオンズリーグの拡大など、増収を第一に掲げる施策を採ってきたUEFAと、有力選手を数多く抱えるビッグクラブとの軋轢は、形を変えて繰り広げられていくだろう』、「スーパーリーグ参戦へのオファーを拒否したとされるドイツの強豪、バイエルン・ミュンヘン」、なるほど拒否していたとはさすがだ。それにしても、「JPモルガン」がこんなピエロのような役割を演じるとは、呆れ果てた。流産したからよかったが、仮に業界が割れる形で、発足していたら、それはそれで欧州サッカー界に深い分断をもたらしていただろう。

第三に、5月18日付けダイヤモンド・オンラインが掲載した事件ジャーナリストの戸田一法氏による「「女性アスリートの盗撮」規制の緩すぎる実態とは」を紹介しよう。
https://diamond.jp/articles/-/271130
・『テレビで放映された女性アスリートの画像をアダルトサイトに無断で転載したとして、警視庁は著作権法違反(公衆送信権の侵害)の疑いで、京都府精華町の自称ウェブデザイナー小山幸祐容疑者(37)を逮捕した。競技会場で性的な意図で画像や動画を撮影されたり、インターネットで拡散されたりする被害は、競技団体やアスリートにとって悩みの種。日本オリンピック委員会(JOC)が対策に乗り出し、警視庁に被害を相談してきたが、摘発に至ったのは初めて。この事件を契機に、規制の強化につながる可能性はあるのか』、興味深そうだ。
・『苦肉の策だった「著作権法違反」  全国紙社会部デスクによると、小山容疑者の逮捕容疑は2019年5月18日、テレビのスポーツ番組で放映された複数の女性アスリートが競技している映像を、静止画としてピックアップ。そのうちの画像39点を自分が運営するサイトに無断で転載した上、不特定多数のネット利用者が閲覧できる状態にしてテレビ局の著作権を侵害した疑い。 このサイトは「アスリート」という項目で、「放送事故」「エロハプニングシーン」など性的なイメージのコメントを掲載。ほかにも女性の裸などわいせつな画像を集めた計九つのサイトを運営し、11年2月~今年3月までの約10年間で計約1億2000万円の広告収入を得ていた。サイトは無料で、目的は広告収入だったとみられ、最近では月に100万円以上の収入があったという。) 小山容疑者は逮捕前の任意聴取に「違法性は認識していたが、サイトの収入で生活しており金が目的だった」と説明。9日の逮捕直後は「悪いこととは分かっていたが、まさか逮捕されるとは思わなかった」と供述し、その後は黙秘に転じたという。 逮捕容疑となったサイトの画像そのものは、わいせつ性が認められなかった。警視庁はアスリートを被害者とする名誉毀損(きそん)容疑での立件も検討したが、画像の内容から困難と判断したもようだ。 実は現在、こうした画像や動画を拡散させる行為をダイレクトに取り締まる法律はない。可能性としてはアスリートの肖像権を侵害し、氏名などの個人情報を付けて性的なコメントを拡散する行為は、場合によっては名誉毀損罪のほか、侮辱罪に該当する可能性はあると思う。今回、そこまで踏み込むのが難しかったのだろう。 今回のケースを著作権法違反で立件したのは、実は苦肉の策だったのかもしれない』、「苦肉の策」かも知れないが、なかなか上手い手だ。「月に100万円以上の収入」とは上手い儲け手段にもなっているようだ。
・『刑法で禁止されていないアスリートの「盗撮」  一方、アスリートに限らず「盗撮行為」は刑法で禁止するものがなく、各都道府県の「迷惑防止条例」で取り締まっているのが現実だ。しかも、一般的に盗撮とは、衣服で隠されている下着や体、プライベートな空間を隠し撮りする行為を指す。公開の場でユニホームを着用しているアスリートを撮影する行為は、条例でも取り締まることは不可能だろう。 女性アスリートの画像や動画を巡っては昨年8月、日本陸上競技連盟のアスリート委員会に、日本代表の経験もある複数の現役選手から「胸やお尻をアップにした写真を無断で撮影され、SNSで拡散された」との相談があった。 これがきっかけとなり11月、JOC、日本スポーツ協会、日本障がい者スポーツ協会、日本スポーツ振興センター、大学スポーツ協会、全国高等学校体育連盟、日本中学校体育連盟の7団体が「アスリートの盗撮、写真・動画の悪用、悪質なSNS投稿は卑劣な行為」とする声明を発表。JOCは公式サイトに被害の通報窓口を設け、これまで約1000件の届け出があった。 声明発表後に、警視庁サイドからJOCに協力の申し出があり、担当者が捜査員に情報を提供。その中には、小山容疑者のサイト関連が4件含まれていたという。 スポーツを専門にしてきた全国紙写真部デスクによると、こうした被害はネットが普及し始めた約20年前から急増。それ以前は「カメラ小僧」などと呼ばれるマニアが、高校野球のチアリーダーを盗撮して雑誌に投稿するようなケースが一般的だった。 しかし、うまく撮影できると「自慢したい」という心理が働くのか、ネット普及後は「お宝」など目を引くタイトルで画像や動画を拡散するように。さらにはDVDが販売される被害も確認され、各競技団体は危機感を募らせた。 最近は競技会場で「盗撮を発見次第、警察へ通報いたします」などと呼び掛ける看板を設置するなどしているが、アスリートの家族や純粋なファン、メディアの撮影もあり、カメラの持ち込みや撮影を規制するのは不可能だ。 最近はスマートフォンの撮影機能が高性能になっていることもあり、瞬時に撮影してバッグに隠されると手の打ちようがない』、「スマートフォンの撮影機能が高性能に」、伝達手段として「SNS」が普及、などを考慮すると、「JOCは公式サイトに被害の通報窓口を設け、これまで約1000件の届け出があった」、というのも氷山の\一角だろう。
・『競技団体と撮影者で続くいたちごっこ  最近では、赤外線カメラを使いユニホームどころかアンダーウエアまで透過撮影するカメラが登場。こうなると競技団体は放置できない。体操は04年から観客の撮影を原則禁止、フィギュアスケートは05年に全面的に禁止した。当たり前だが、家族や関係者からは「なぜ、自分の娘を撮影できないのか」などという抗議もあったらしい。 スポーツ用品メーカーがそうした透過撮影を防止する特殊素材の開発に着手したが、これは「アスリートを卑劣な盗撮から守る」という熱意によるという。 あまり知られていないが、新潟市で昨年9月、無観客で開催された日本学生陸上競技対校選手権大会(日本インカレ、大学陸上競技部の対校試合)で、ライブ配信された応援メッセージに、性的な投稿が相次いだ。出場したアスリートは「友人の指摘で気付いた」「これを親に見られたらきつい」と肩を落としていたという。 実はこうした被害は実業団や大学生などトップアスリートに限らず、高校生や中学生の大会のほか、小学生の運動会にも不審者が出没する。実際、筆者の娘が小学生だった頃、運動会を保護者ではない人物が撮影しており、保護者や教員ともちょっとしたもめごとになったことがあった。 この記事を書くため、アスリートと性的なキーワードでネット検索したところ、驚くほど大量の画像と動画がヒットした。目を背けたくなるような卑猥(ひわい)なコメントが付けられているものもあり、中には児童のものも含まれていた。) 前述の通り、体操やフィギュアスケートは撮影禁止という「強硬手段」に打って出たが、ほかはほとんどが、競技会場の見回りや撮影を許可制にするなどが精いっぱい。対策を取っても、それをかいくぐろうとする撮影者といたちごっこが続いているのが現状だ。 前述の写真部デスクによれば、「以前、競技団体に取材した際に聞いた話」として、将来が有望とされていた高校生が、卑猥なコメントを付けられた自分の動画があることを知人に指摘され、ショックで競技を辞めたケースがあったと明かした。 ロイター通信によると先月、体操の欧州選手権大会で、ドイツのチームがレオタードではなく、足首まで覆う「ボディースーツ」で演技し、注目された。ドイツの競技団体は「画像や動画の拡散に抗議する意味を込めた」と説明。こうした被害は日本だけではないことを示唆しているが、アスリートがこうしたことを危惧する状況は、やはり「おかしい」と言わざるを得ない。 海外では韓国やフランスなどで、性的な目的での無断撮影や拡散が法律で禁じられている。19年には韓国で開催された水泳の世界選手権大会で、女性選手を盗撮したとして、30代の日本人男性が摘発された。 日本でも法務省の性犯罪に関する刑事法検討会で「盗撮罪」創設が議論されているが、チアリーディングなど公開の場で「見せる」ことを目的とした競技や、純粋に競技を撮影したいという善意のファンまで規制するのか――といった線引きが難しい問題もある。 しかし、女性アスリートが安心して競技に専念できるよう、法整備が必要なのは論をまたないだろう』、「体操やフィギュアスケートは撮影禁止という「強硬手段」に打って出た」、それ以外はまだ我慢しているのだろう。ただ、法技術的には極めて難しいのに、「法整備が必要なのは論をまたない」などと主張するのは、無責任だ。
タグ:スポーツ界 レアル・マドリード ダイヤモンド・オンライン 藤江直人 文春オンライン 戸田一法 (その32)(“パワハラ問題”で評判が暴落中…柔道・山下泰裕氏の知られざる“沖縄ランドリー事件”、破綻したサッカー欧州スーパーリーグ構想の背後にJPモルガンのなぜ、「女性アスリートの盗撮」規制の緩すぎる実態とは) 「“パワハラ問題”で評判が暴落中…柔道・山下泰裕氏の知られざる“沖縄ランドリー事件”」 「JOCに全精力を傾注しなければいけない状況になり、全柔連のことに注意を払えなくなった」、よくぞこんなお粗末な言い訳をするものだ。そんなことでは「JOC会長」も不適任だ。 森喜朗氏にとっては、使い易さで「会長」にしたのだろうが、「トップなのに当事者意識が全くない」ようでは、「会長」失格だ。 「破綻したサッカー欧州スーパーリーグ構想の背後にJPモルガンのなぜ」 サッカーの「ヨーロッパスーパーリーグ」構想 中心として動いていたのは ドイツやフランスは入ってないようだ。 「JPモルガン・チェース・・・の莫大な融資が担保されていたからこそ、昨春から続く新型コロナウイルス禍で未曽有の減収を余儀なくされていたビッグクラブが、いっせいに飛びつく状況を生み出した」、万一の場合のバックアップとしてならあり得るが、恒常的な「融資」は考え難い。 「アメリカ式プロスポーツ」のような「昇降格のない」、を導入しようとは驚いだ。 英ウィリアム王子、ジョンソン首相も批判 競技団体とファンから総スカンで瓦解 「スーパーリーグ参戦へのオファーを拒否したとされるドイツの強豪、バイエルン・ミュンヘン」、なるほど拒否していたとはさすがだ それにしても、「JPモルガン」がこんなピエロのような役割を演じるとは、呆れ果てた。流産したからよかったが、仮に業界が割れる形で、発足していたら、それはそれで欧州サッカー界に深い分断をもたらしていただろう。 「「女性アスリートの盗撮」規制の緩すぎる実態とは」 「苦肉の策」かも知れないが、なかなか上手い手だ。 「月に100万円以上の収入」とは上手い儲け手段にもなっているようだ。 「スマートフォンの撮影機能が高性能に」、伝達手段として「SNS」が普及、などを考慮すると、「JOCは公式サイトに被害の通報窓口を設け、これまで約1000件の届け出があった」、というのも氷山の\一角だろう 「体操やフィギュアスケートは撮影禁止という「強硬手段」に打って出た」、それ以外はまだ我慢しているのだろう。ただ、法技術的には極めて難しいのに、「法整備が必要なのは論をまたない」などと主張するのは、無責任だ。
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人権(その6)(体重20キロ減、吐血でも見殺し 女性死亡の入管の闇が深すぎる、スカート男児は奇妙? 報ステCM叩きと大人たちの不始末、ジェノサイド条約 日本未加盟なぜ 見直す動きも) [社会]

人権については、1月23日に取上げた。今日は、(その6)(体重20キロ減、吐血でも見殺し 女性死亡の入管の闇が深すぎる、スカート男児は奇妙? 報ステCM叩きと大人たちの不始末、ジェノサイド条約 日本未加盟なぜ 見直す動きも)である。

先ずは、3月17日付けYahooニュースが掲載したフリージャーナリスト(環境、人権、戦争と平和)の志葉玲氏による「体重20キロ減、吐血でも見殺し、女性死亡の入管の闇が深すぎる」を紹介しよう。
https://news.yahoo.co.jp/byline/shivarei/20210317-00227820/
・『またしても、法務省・出入国在留管理庁(入管庁)で重大な人権侵害だ。迫害から逃れてきた難民や、家族が日本にいるなど、母国に戻れない人々の事情を考慮せず、法務省・入管庁は、その収容施設に「収容」している。こうした収容施設では、暴力や虐待、セクハラ等、非収容者に対する非人道的な扱いが常に問題となり続け、被収容者が死亡する事件も毎年のように発生している。今月6日にも、スリランカ人女性が名古屋入管の収容施設で死亡。深刻な体調不良を本人や支援団体が訴えていたにもかかわらず、女性を収容していた名古屋入管側が適切な医療を受けさせなかったことで、痛ましい結果を招いた可能性が高いという。本件について、今月12日、参議院議員の石川大我氏が国会で法務省・入管庁側を問いただした』、どういうことなのだろう。
・『倒れても、まともな薬すら与えない、点滴も認めず  今月12日の国会での石川大我参議院議員と佐々木聖子入管庁長官のやり取りによると、亡くなった女性は30代で、母国で大学を卒業後、英語の堪能さを活かし、日本の子ども達に英語を教えたいとの夢を持って2017年に来日。専門学校に通っていたのだという。ところが、両親からの仕送りが途絶え学費が払えなくなり、留学生ビザが失効。さらにコロナ禍で母国へ帰るに帰れず、昨年8月、名古屋入管に収容されてしまったのだという。その後、女性の体調は悪化。今年1月の時点で、既に深刻な状態だったという。 石川議員「お亡くなりになられる前の面会の記録がありまして、支援者の方の許可を得て、プライバシーを守りながらお話をしたいと思いますが(中略)1月には体重が12キロ減、これ30代の女性の方ですからね、12キロ減るというのはかなりしんどいと思います。喉に違和感があり御飯が食べられない、施設の看護師に相談をすると、適度な運動や胃のマッサージをするようにと言われた。12キロ減って、適度な運動や胃のマッサージをしろ、これ適切ですか」 佐々木長官「今お尋ねの点を含めまして、亡くなられた方の診療経過あるいは健康状態の推移につきまして現在調査中でございます」 石川議員「1月下旬になると足の痛み、胃の痛み、舌がしびれるなど訴え、とうとう血を吐いてしまう、死にそうというふうに面会される支援者の方に訴える、この後も嘔吐、吐血。そのときに入管職員何と言ったか、迷惑だからといって単独房に移されたと、そういうふうに証言しています。目まい、胸の動悸、手足のしびれ、施設内の診療所で処方されたのはビタミン剤とロキソニンですよ。ビタミン剤と痛み止め、これだけで本当に(医療が)充実していると言えるんでしょうか。まともな体制でしょうか」 佐々木長官「その経緯につきましても調査中でございます。先ほど申しましたように、不断にこの医療体制については充実させていきたいと考えています」 石川議員「先月ですけれども、2月になると彼女は車椅子でとうとう面会に現れるようになるということです。食べられない、薬を飲んでも戻す、歩けないという状態、ここでやっと外部の病院での内視鏡検査。その後、点滴を打たせてほしいと言ったにもかかわらず、長い時間が掛かるという理由で入管職員が認めずに、一緒に帰ってしまった。このこと、ありますでしょうか?」 佐々木長官「その経緯につきましても、正確に把握するべく調査中です」 石川議員「(面会記録を)読んでいて本当につらくなるんです。とうとう面会には車椅子で出てくる、そして(嘔吐、吐血するので)バケツを抱えてくるという状態、歩けない状態で、職員はコロナを理由に介助しない、胃がねじれるように痛い、歩けないのに歩けと言われる(中略)担当職員、コロナだから入院できない、病気じゃない、仮病だと言う。そして、2月下旬、とうとう20キロ痩せてしまう、おなかが痛い、口から血が出て倒れても助けてもらえないので床に転んだまま寝た、こんなこともあったというふうに述べております。3月、今月です。頭がしびれる、手足がちゃんと動かないなどの危険な状態になる、熱はずっと37度から38度です。支援者は、このままでは死んでしまう、すぐに入院させるべきだと申し入れますが、職員は拒否、予定は決まっていると答えるのみ。これ、本当にひどくないですか」 *今月12日の参院予算委員会質疑より抜粋』、「佐々木長官」は2回の答弁とも、「調査中」と逃げているが、こ質問は事前通告されていなかったのだろうか。「質問者」の「石川議員」も調査終了の目途を聞きただして、調査終了後に改めて再質問したい旨を主張すべきだ。
・『独立した詳細な調査が必要  石川議員の追及に「調査中」との答弁を繰り返した佐々木長官であったが、今国会では法務省・入管庁による入管法の「改正」案が審議される見込みだ。この入管法「改正」の争点として、収容の是非を司法に判断させることや収容期間に上限を設定すること等の国連人権理事会の恣意的拘禁作業部会の勧告を、取り入れるか否かがある。 亡くなったスリランカ人女性も、体調悪化が著しくなった時点で、収容施設から仮放免され入院できたなら、命を落とさずにすんだのかもしれない。つまり、本件の調査は入管法「改正」の国会審議にも直接影響を与え得るものなのだが、入管側が、のらりくらり「調査中」だと言い続けて報告を先延ばしする可能性もある。石川議員も「まさか法案の審査の後にこの報告が上がる、そんなことはないですね」と質疑の中で釘を刺したが、佐々木長官は「正確性を期した上で、できるだけ早く調査を遂げます」と述べるにとどまっている。 もう一つ問われるのが、「調査」の独立性だ。入管施設内での被収容者の死亡については、2019年6月に大村入管センター(長崎県)で長期収容されていたナイジェリア人男性がハンガーストライキ中に餓死した件に関して、入管庁は同年10月に調査報告書をまとめているが、その内容は入管庁の立場を擁護するもので、餓死事件以前から、大村入管センターでの長期収容に懸念を表明していた九州弁護士会連合会は餓死事件の調査報告書を批判。独立した第三者による調査が必要だとの声明を発表している(関連情報)。 石川議員も12日の国旗質疑で、名古屋入管でのスリランカ人女性の死亡について「第三者による調査委員会つくる必要がある」「外部の調査が必要なんじゃないですか」と繰り返し問い、田所嘉徳法務副大臣に「(事情を知る)支援者にお話を聞く、そういった予定はありますか」と重ねて確認。田所副大臣は「必要があればしっかりと現地を見て、完全なものにするようにしたいというふうに思っております」と答弁し、言質を引き出したかたちだ』、事実関係は「調査中」とはいえ、余りに酷い人権侵害だ。「入管法の「改正」案が審議される見込み」なのであれば、石川議員は「第三者による調査委員会」設置を審議に応じる条件とするなり、もっと強気に出るべきだ。なお、「国連人権理事会の恣意的拘禁作業部会の勧告」については、あっさり済ませているが、昨年10月21日付け日本弁護士連合会による「入管収容について国連人権理事会の恣意的拘禁作業部会の意見を真摯に受け止め、国際法を遵守するよう求める会長声明」によれば、「日本では入管収容に関して差別的対応が常態化しているとまで指摘された。条約機関からの度重なる勧告を軽んじるような態度を指摘されたことを、日本政府は真摯に受け止めるべき」と強い調子で政府に迫っている。
https://www.nichibenren.or.jp/document/statement/year/2020/201021.html
・『入管関係で20人が死亡している!  入管の収容施設内または業務下での死亡者は、この20年余りで20人に上る*。その死因で目立つのは適切な医療を受けさせなかったことであり、今回亡くなってしまった女性の件、と同根の問題である。石川議員が指摘するように、入管法「改正」の国会審議の後に、今回の死亡事件の調査報告がまとめられるのでは論外だ。むしろ、入管法「改正」の審議を一旦停止してでも、まずは死亡事件についての、詳細かつ独立した調査が行われるべきなのであろう。 (了)』、「入管法「改正」の審議を一旦停止してでも、まずは死亡事件についての、詳細かつ独立した調査が行われるべき」、当然の主張で賛成である。

次に、3月30日付け日経ビジネスオンラインが掲載した健康社会学者(Ph.D.)の河合 薫氏による「スカート男児は奇妙? 報ステCM叩きと大人たちの不始末」を紹介しよう。
https://business.nikkei.com/atcl/seminar/19/00118/00122/
・『3月22日に「報道ステーション」(テレビ朝日系列)が公開したウェブ用CMに批判が殺到し、削除される事態になった。もうすでにあちこちのメディアで色々な人が色々な意見を書いているのだが、多くの人たちから意見を聞かれたので、お答えする。 まずは、ご覧になっていない方のために、簡単に内容を説明します。 CMは20代と思われる会社員の女性が、「先輩が産休あけて赤ちゃん連れてきてたんだけど、もうすっごいかわいくって」「どっかの政治家が『ジェンダー平等』とかって今、スローガン的にかかげている時点で、何それ、時代遅れって感じ」「化粧水買っちゃたの。すごいいいやつ」「それにしても消費税高くなったよね。国の借金って減ってないよね?」などと視聴者に話しかけるもので、最後は「こいつ報ステみてるな」というテロップで終わるものだった』、なるほど。
・『「男性たちの声」なぜ取り上げない?  公開直後から批判が殺到し、私も知人から「これひどくないですか?」との連絡をもらい、はじめてCMの存在も炎上していることも知った。 で、早速CMを見たところ……正直、よく分からなかった。ただ、「なんで、こんなに上から目線なんだろう?」という気持ちの悪さだけは強烈に残った。 一方、SNSでは「ジェンダー平等を終わったことにしてる」「女性をバカにしてる」という意見が数多く見られ、番組側が慌てて火消しに走ったことも、逆に火に油を注ぐことになった。 「意図をきちんとお伝えすることができなかった」「不快な思いをされた方がいらしたことを重く受け止める」といった謝罪文のコメントが、「人のせいにするな!」と大ブーイングを食らったのだ。 もし、CMに登場するのが「男性の会社員」だったら、どうだったのだろうか? もし、CM最後のテロップが「報ステで一緒に考えよう!」でも、炎上したのだろうか? 結論を申し上げれば、「デキの悪いCMだった」ということに尽きる。作った人には申し訳ないけれども、とにかくデキが悪かった。だいたい森喜朗氏の発言以降、メディアはこぞって「女性たちの声」を取り上げるが、ジェンダー平等=女性の問題ではない。なぜ、「男性たちの声」を取り上げないんだ? ジェンダー(gender)とは、「社会的・文化的につくられる性別」であり、ジェンダー平等とは「男女の社会的・文化的役割の違いや男女間の関係性」を示すものだ。 生物学的な性別(sex)に分けて考える問題ではない。 というわけで、今回は「ジェンダー」について、あれこれ考えてみようと思う。 その前に……、今回の報ステのCM問題で連絡してくれた人たちの多くは、私を「報ステ」のOGと勘違いしていたようだが、私が気象予報士第1号として出演していたのは久米宏さんの「ニュースステーション」。同じテレビ朝日だが、制作会社も違う別番組だ。しかも、20年以上も前の大昔の話なのであしからず。 では、本題。 先週、日本経済新聞に、「ジェンダー」を考える上で非常に大切な問題が取り上げられていたので紹介する(3月24日付夕刊「幼児の性自認、悩む対応 『女の子の格好』でいじめ」)。 記事によれば、市立保育園に通う6歳の園児が、「おとこおんな」などと他の園児からいじめを受け、保育園に行けなくなってしまったという』、「性自認」が「幼児」から始まっているとは驚いた。
・『ときに残酷「子どもたちの世界」 いじめにあった園児は戸籍上は男だが、自身の性別に違和感があった。 そこで19年4月に年中クラスへ途中入園した際、女の子の服装で登園したところ、他の園児にからかわれたり、暴言や暴力を受けたりしたそうだ。 保育園の先生たちは子どもたちに、「心と体の性にずれがある人がいる」「お友達の気持ちを大事にしてね」といった話をしたそうだが、いじめは止まらなかった。いじめは約1年半続き、園児は不登園になった。 そこで両親が市に相談したところ、「いじめ防止対策推進法」の対象が小学生以上であることから、市は「いじめにはならない」と回答。両親が継続的に訴えたことで、20年11月に「年齢的なことを除けばいじめに当たり、対応は不適切だった」と謝罪したという。 いじめの対象を「小学生以上」と線引きしていること自体、私には理解できないのだが、「子どもの社会」は、ときに残酷すぎるほど残酷である。6歳の園児の苦しみは、私たち大人の想像をはるかに超えるものだったに違いない。しかも、子どものときにつけられた心の傷は、大人になってもなかなか癒えるものではない。 紙面には、園児が書いた、受けたいじめのメモが掲載されていた 。「ぼこぼこ」「なかまはずれ」「あちいけ」「びりびり」とつづらないと息もできないくらい、園児は声にならない悲鳴をあげていたのだと思う。つたない文字を見るだけで胸が痛む。こちら(3月24日付記事「幼児の性別違和、どう対応 いじめ防止法は対象外」)からもご覧いただけるので、ぜひとも見てほしい』、「いじめ防止法」が「いじめの対象を「小学生以上」と線引きしている」とはいえ、当初「市は「いじめにはならない」と回答」、とはお粗末だ。
・『性別違和感、幼児からの例  性自認の問題を取り上げると、「でも、生物学的には男と女は全く違うし」といった具合に、「生物学的=絶対的」というニュアンスの意見が出るが、染色体は実にきまぐれで、簡単に男女の二分法で分けられない多様性を持ち合わせている。 「生物学的にXX=雌、XY=雄」しか存在しないというのは間違いで、性染色体にはXXYや、XXXYというケースが相当数存在することが分かっているのだ。 特に「XXY」はクラインフェルター症候群と呼ばれ、男性600人に1人の割合で発生している(2000人に1人という説もある)。気付かずに生活している場合もあり、実態はもっと多い可能性がある。 また、LGBTという言葉が一般化してきたことで、教育現場でも性同一性障害を中心に子どもの性を巡る課題が顕在化し始めていることは、みなさんもご承知の通りだが、文部科学省の2014年の調査では「600件以上の事例」が報告されている(「学校における性同一性障害に関する調査」)。 かつては「性を巡る問題」は思春期以降を中心に捉えられる傾向にあった。しかし、近年、性的マイノリティーの当事者たちが、「自分の性に違和感を抱き始めたのは幼児の頃だった」と語る研究が散見され、幼児の性自認に関する研究も少しずつ蓄積されるようになった。 岡山大学の中塚幹也教授が、岡山大学ジェンダークリニックの1999~2010年の受診者を対象に行った調査では、性別違和を自覚し始めた時期について、全体の56.5%(1167 症例中 660例)が「小学校入学以前」と答えている。 そもそも社会的動物である人間には、「社会的役割を演じつつ自己を確立する」というプロセスが組み込まれている。発達心理学用語ではこれを「社会化」と呼ぶ。 社会化の過程では、世間に流布されている「ジェンダー・ステレオタイプ」を植え付けられるので、社会化はジェンダー化の過程といっても過言ではない。一般的には、子どもがジェンダーを自覚し、ジェンダー・ステレオタイプのまなざしを取得するのは2歳ごろだと考えられている。 ある実験では、「生後12カ月の赤ちゃんが遊んでいるビデオ」を3歳の子どもに見せ、赤ちゃんの印象を聞くことで、ジェンダー・ステレオタイプの有無を調べた。その際、1つのグループには「右側の赤ちゃんは女の子、左側の赤ちゃんは男の子」と伝え、もう1つのグループには「右側は男の子、左側は女の子」と逆パターンを告げられていた(ビデオの赤ちゃんは同一)』、「性染色体にはXXYや、XXXYというケースが相当数存在することが分かっているのだ」、なるほど「性染色体」から「LGBT]になる因子を持っているようだ。「子どもがジェンダーを自覚し、ジェンダー・ステレオタイプのまなざしを取得するのは2歳ごろだと考えられている」、ずいぶん早いようだ。
・『平等とは自由であること  その結果、どちらのグループも「女の子」と告げられた赤ちゃんには、「弱い、遅い、無口、やさしい」という感想が、一方、「男の子」とされた赤ちゃんには「強い、すばやい、騒々しい、元気」という感想が多く聞かれたという(「生まれる――つくられる男と女」細辻恵子)。 また、他の実験では3歳、5歳、7歳の子どもの比較で、もっとも柔軟性がないのが5歳で、7歳になると、男でも女でも、いろいろな人がいると認識できるようになることが確認されている。 当たり前のことだが、女児であれ男児であれ、無口な幼児はいるし、やさしさに性差があるわけじゃない。ところが、つい私たちは「男の子と女の子では赤ちゃんのときから違うのよね~」「男の子と女の子とでは泣き方も違うしね~」などと、当たり前のように言ってしまうし、そう実感する。 私自身、CA(キャビンアテンダント)をやっているときに、「男の子と女の子って、小さいときから違うんだなぁ」と思うことが度々あった。女の子の場合、私たちの首元のスカーフを興味深そうに触ったり、「きれい」とピンク色の唇に顔を近づけたりするのだ。一方、男の子は食事のサービスのときに使うカートに興味を示すことが多かった。……いや、正確にはそう「私」が感じていただけかもしれないのだ。 いずれにせよ、「社会化」の過程には、家庭や保育園・幼稚園などでの大人の接し方や、周りの子どもたちとの関係など、環境要因が色濃く影響する。ジェンダー・ステレオタイプは、大人が植え付けたもの。そのことを踏まえて「私」たちはジェンダー問題と向き合わなくてはならない。 つまり、幼児が「おとこおんな」とからかわれたり、「なかまはずれ」や「ぼこぼこ」にされたりするのは、大人社会の責任なのだ。 ジェンダー教育先進国スウェーデンでは、「平等とは自由であること」という考え方に基づき、1991年に平等法を制定し、真の平等の実現に向けさまざまなプロジェクトが実施されてきた。 その中の1つに、イェヴレボリ県のプレスクール(1~5歳対象)で行われた、ジェンダー・エクイティ(=ジェンダー平等)のアクション・リサーチがある。 ※アクション・リサーチとは、自分たちが直面している問題の解決に向けて、研究者と当事者の人々とが共同で取り組む研究方法。全ての人の「参加」に価値を置く』、「ジェンダー教育先進国スウェーデンでは、「平等とは自由であること」という考え方に基づき、1991年に平等法を制定し、真の平等の実現に向けさまざまなプロジェクトが実施」、さすが進んでいる。
・『学習で進む「性別役割への同化」  このリサーチでは、「まずは現状を把握しよう」と教師たちは自分たちの行動を録画し、「子どもたちと何を話し、どういう態度で接し、どういう経験をさせているか?」を分析した(An equality project:Experiences from an equality project ago the pre-school Bjorntomtens/Tittmyran in Gable, Sweden.)。 録画前、教師たちは「子どもに対して男女関係なく平等に対応している」と確信していたという。ところが、記録された動画には、教師たちが全く想像していなかった「自分たちの言動」が映し出されショックを受けた。 教師たちは一様に、女の子は「かわいい良い子」とみなし、自分の助手のように扱い、休憩時間になると「おとなしい女の子」か「けんかっ早い男の子」の近くに座り、男の子には「早く着替えなさい」と促し、女の子には自分のペースでゆっくり着替えさせるなど、男女で異なる対応をしていたのだ。 一方、子どもたちの観察記録からは、男の子が大人と距離を置き、独立心を教師にアピールしていたのに対し、女の子は大人たちの体に触れ、おしゃべりをし、かわいらしく振るまい、教師の手伝いを積極的に受け入れていることが分かった。 「男女関係なく平等に対応している」という確信とはほど遠い現実を知った教師たちは、何度も何度も録画し、議論を重ね、「自分たちの子どもへの接し方の違いが、こどもの大人への接し方の性差を生んでいる」とし、「教育は差異を前提にして行うべきもので、一人ひとりを尊重することが極めて重要」と結論づけた。 女の子と男の子では、ホルモン、性器、染色体など身体的・遺伝的に異なっているけど、性別役割への同化は学習によるものだとしたのだ。 スウェーデンでは、子どもたちを「男の子」「女の子」ではなく「おともだち」と呼んだり、同性カップルや一人親家庭、子どもができなくて寂しがっているオス同士の動物カップルの絵本を読ませたりするなど、徹底したジェンダーフリーの教育を行っている。 もっとも「ジェンダーフリーの行き過ぎは不自然」との意見もある。ジェンダーの問題はとてもとても、本当にとっても難しい問題なのだ。 しかし、人は外見、体格、生活状況、趣味、言語などでさまざまな違いがあり、それは決して「性差」だけによるものではない。全ての人に「自由と幸せになる権利」がある。 ズボンが好きな女の子を社会は受け入れているのだから、スカートが好きな男の子がいてもいい。 「ジェンダーの問題については世界的に見ても立ち遅れが指摘される中、議論を超えて実践していく時代にあるという考えをお伝えしようとした」(by 報ステ)のなら、もっとデキのいいCMを作って、世間をさすが!と言わせてくださいな』、「人は外見、体格、生活状況、趣味、言語などでさまざまな違いがあり、それは決して「性差」だけによるものではない。全ての人に「自由と幸せになる権利」がある。 ズボンが好きな女の子を社会は受け入れているのだから、スカートが好きな男の子がいてもいい」、同感である。

第三に、5月5日付けYahooニュースが時事通信を転載した「ジェノサイド条約、日本未加盟なぜ 見直す動きも」を紹介しよう。
https://news.yahoo.co.jp/articles/a172ae6506700022b7099c583931f74083a3fe47
・『中国・新疆ウイグル自治区での人権弾圧をきっかけに「ジェノサイド条約」が注目されている。日本は国内法に処罰規定がないことを理由に加盟していないが、国際情勢や世論の変化を受け、批准に向けた機運も生まれつつある(Qは聞き手の質問、Aは回答)。 Q:最近「ジェノサイド条約」が話題になるね。 A:米国が中国政府による新疆ウイグル自治区での人権侵害を「ジェノサイド(集団虐殺)」と認定したのを機に関心が高まった。欧州連合(EU)なども加わり、日本を除く先進7カ国(G7)が対中制裁を科している。 Q:同自治区で何が起きているの。 A:NPO法人「日本ウイグル協会」は、ウイグル族の施設収容や強制労働、拷問、強制不妊手術、親子の引き離しなどが行われていると主張しているよ。中国政府は「世紀のうそ」と否定しているけど、中国の公式統計でも2014年以降、同自治区で不妊手術が急増したことが明らかになった。 Q:日本政府の対応は。 A:中国に対する「深刻な懸念」を表明している。ただ日本は海外で情報収集や分析を行う機関を持たないこともあり、迫害の事実認定には慎重だ。 Q:ジェノサイド条約ってどんな条約? A:特定の国や民族、人種、宗教集団の構成員に対し、(1)殺害する(2)肉体的、精神的危害を加える(3)過重労働など肉体的破壊をもたらす生活を強いる(4)出生を妨げる(5)子を集団から引き離す―ことを「ジェノサイド」と定義。締約国には被害防止や加害者処罰の義務が課せられる。19年7月現在、中国や北朝鮮を含む152カ国・地域が批准しているよ。 Q:日本は入っていないと聞いたけど、どうして。 A:条約ではジェノサイドやその共謀、扇動も処罰対象だけど、日本にはこれらを罰する法律がないんだ。政府は、日本社会でジェノサイドが起こることは想定しづらいとして、法整備の必要性は乏しいと考えてきたようだ。 Q:新しく法律をつくればいいのに。 A:刑法など関連法規の改正が必要になる。膨大な作業になる上、立法事実を説明しにくいから政府は消極的なんだ。政府内には、日本がウイグル問題をジェノサイドと認定すれば、「中国が仕返しに旧日本軍による南京事件もジェノサイドと言ってくるかもしれない」と懸念する声もあるよ。 Q:では何もしないの。 A:与野党から政府に条約批准を求める声が上がり始めた。外務省幹部も「何もしないわけにはいかない」と関係省庁との検討を始める考えを示していて、今後機運が高まる可能性があるよ』、「政府は、日本社会でジェノサイドが起こることは想定しづらいとして、法整備の必要性は乏しいと考えてきたようだ」、しかし、現実には、関東大震災時の朝鮮人虐殺もあった訳で、政府の「何もしたくない」との姿勢を言い訳しているのに過ぎない。「外務省幹部も「何もしないわけにはいかない」と関係省庁との検討を始める考えを示していて」、日本が国際社会で孤立しないためにも、早急に「検討を始める」べきだ。
タグ:人権 yahooニュース 時事通信 日本弁護士連合会 日経ビジネスオンライン 志葉玲 河合 薫 (その6)(体重20キロ減、吐血でも見殺し 女性死亡の入管の闇が深すぎる、スカート男児は奇妙? 報ステCM叩きと大人たちの不始末、ジェノサイド条約 日本未加盟なぜ 見直す動きも) 「体重20キロ減、吐血でも見殺し、女性死亡の入管の闇が深すぎる」 スリランカ人女性が名古屋入管の収容施設で死亡 深刻な体調不良を本人や支援団体が訴えていたにもかかわらず、女性を収容していた名古屋入管側が適切な医療を受けさせなかったことで、痛ましい結果 「佐々木長官」は2回の答弁とも、「調査中」と逃げているが、こ質問は事前通告されていなかったのだろうか。「質問者」の「石川議員」も調査終了の目途を聞きただして、調査終了後に改めて再質問したい旨を主張すべきだ 「入管収容について国連人権理事会の恣意的拘禁作業部会の意見を真摯に受け止め、国際法を遵守するよう求める会長声明」 日本では入管収容に関して差別的対応が常態化しているとまで指摘された。条約機関からの度重なる勧告を軽んじるような態度を指摘されたことを、日本政府は真摯に受け止めるべき 「入管法「改正」の審議を一旦停止してでも、まずは死亡事件についての、詳細かつ独立した調査が行われるべき」、当然の主張で賛成である 「スカート男児は奇妙? 報ステCM叩きと大人たちの不始末」 「性自認」が「幼児」から始まっているとは驚いた。 「いじめ防止法」が「いじめの対象を「小学生以上」と線引きしている」とはいえ、当初「市は「いじめにはならない」と回答」、とはお粗末だ 「性染色体にはXXYや、XXXYというケースが相当数存在することが分かっているのだ」、なるほど「性染色体」から「LGBT]になる因子を持っているようだ 「子どもがジェンダーを自覚し、ジェンダー・ステレオタイプのまなざしを取得するのは2歳ごろだと考えられている」、ずいぶん早いようだ。 「ジェンダー教育先進国スウェーデンでは、「平等とは自由であること」という考え方に基づき、1991年に平等法を制定し、真の平等の実現に向けさまざまなプロジェクトが実施」、さすが進んでいる。 「人は外見、体格、生活状況、趣味、言語などでさまざまな違いがあり、それは決して「性差」だけによるものではない。全ての人に「自由と幸せになる権利」がある。 ズボンが好きな女の子を社会は受け入れているのだから、スカートが好きな男の子がいてもいい」、同感である。 「ジェノサイド条約、日本未加盟なぜ 見直す動きも」 日本は国内法に処罰規定がないことを理由に加盟していないが、国際情勢や世論の変化を受け、批准に向けた機運も生まれつつある 「政府は、日本社会でジェノサイドが起こることは想定しづらいとして、法整備の必要性は乏しいと考えてきたようだ」、しかし、現実には、関東大震災時の朝鮮人虐殺もあった訳で、政府の「何もしたくない」との姿勢を言い訳しているのに過ぎない。「外務省幹部も「何もしないわけにはいかない」と関係省庁との検討を始める考えを示していて」、日本が国際社会で孤立しないためにも、早急に「検討を始める」べきだ。
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いじめ問題(その10)(《不都合メモをシュレッダー》加古川中2いじめ自殺訴訟 市側の“開き直り”は法廷で通用するか、いじめで1年半の刑期と約100万円の罰金…フランスの学校が子どもを守る「これだけの対策」、「ふざけんな」「おぞましい」旭川少女イジメ凍死 ついに「臨時保護者会」開催も怒号飛び交う90分に《教育委員会は「重大事態」認定》 爆破予告でパトカーも出動 旭川14歳少女イジメ凍死事件 #10) [社会]

いじめ問題については、2019年12月30日に取上げた。その後もいじめは相次いだが、私がいささか食傷気味で取上げるのを控えてきたが、余りに酷い事件があったので、今日は、(その10)(《不都合メモをシュレッダー》加古川中2いじめ自殺訴訟 市側の“開き直り”は法廷で通用するか、いじめで1年半の刑期と約100万円の罰金…フランスの学校が子どもを守る「これだけの対策」、「ふざけんな」「おぞましい」旭川少女イジメ凍死 ついに「臨時保護者会」開催も怒号飛び交う90分に《教育委員会は「重大事態」認定》 爆破予告でパトカーも出動 旭川14歳少女イジメ凍死事件 #10)である。

先ずは、本年2月15日付け文春オンライン「《不都合メモをシュレッダー》加古川中2いじめ自殺訴訟 市側の“開き直り”は法廷で通用するか」を紹介しよう。
https://bunshun.jp/articles/-/43447
・『すべてを闇に葬りたかったと思われても仕方がない。いじめを苦にした中学2年生の女子生徒の訴えを何度も見逃した挙げ句、生徒が自殺した後も事実を隠蔽し続け、「法的責任はない」と言い張る学校と教育委員会がまた一つ、問題になっている。 2016年9月、兵庫県加古川市で市立中学2年だったAさん(当時14歳)がいじめを苦に自殺した。その後に明らかになったのは、Aさんや他の生徒が再三にわたって教師にいじめを訴え、「死にたい」というメッセージを送り続けていたにもかかわらず、学校側が一貫して「ただの生徒間のトラブル」と無視を決め込んでいた事実だった。地元記者が言う。 「さらに問題になったのが、いじめ発覚後の学校の対応です。Aさんへのいじめは主に所属していた剣道部で深刻でした。Aさんの訴えを受けて、剣道部の顧問は部員たちにメモ用紙を渡していじめについて書かせましたが、あろうことかそのメモを副顧問がシュレッダーで廃棄したのです。いじめの事実を校長にも報告していませんでした」』、「メモ」には「いじめ」の実態が書かれていたので、「シュレッダーで廃棄した」可能性が高い。それにしても、悪質だ。
・『廃棄のメモ「紛失した」とごまかし  Aさんがいじめを受け始めたのは、中学1年の頃からだ。部活やクラス内で無視や仲間はずれにされ、無力感に苛まれるようになった。「うざい」などの暴言を日常的に受け、「死ね」と書かれたメモを渡されることもあった。 一方で、Aさんは何度もSOSを発した。1年生の秋には両親経由で部活の顧問に相談し、冬以降には担任への連絡ノートに「しんどい」と書き続けた。2年生になってからも、全校生徒向けのアンケートで「友だちにバカにされることがある」「無視されることがある」などのいじめ関連の全5項目で「あてはまる」と答え、周囲にも「死にたい」とこぼしていた。だが、学校側は何の反応もしなかった。 前述のメモ廃棄は、1年生だった15年11月に両親の訴えを受けて剣道部の顧問が行った調査で起きた。加古川市関係者が明かす。 「メモには、複数の部員らが見聞きした悪口や舌打ちの場面など、いじめの内容が書かれていたようです。ただ、事を大きくしたくない顧問や副顧問は『お互いさまやろ』の一言で片付け、メモを捨て去りました。そして、その後に市が設置したいじめの第三者委員会に副顧問は『メモは紛失した』と答えています。ウソにウソを塗り重ねたわけです」』、「顧問や副顧問は『お互いさまやろ』の一言で片付け、メモを捨て去りました」、「剣道部の顧問は部員たちにメモ用紙を渡していじめについて書かせました」のは、何のためだったのだろう。
・『「調査に協力する生徒への圧力と受け取られても仕方ない」  学校側の隠蔽体質は一貫していた。Aさんの自殺後、学校側はAさんらがいじめの事実を書いたアンケートの存在を遺族である両親に伝えず、自殺の事実そのものも公表しなかった。両親は16年10月に真相究明を訴えて加古川市に第三者委員会の設置を求めたが、アンケートの存在は、その外部調査の過程で知らされたという。 さらに今年1月、メモのシュレッダー廃棄が明るみになった後も学校側は「廃棄したかは答えられない」と事実を伏せた。 「実は自殺があった2年後、遺族にメモの所在を聞かれた副顧問が『僕がシュレッダーにかけた』と説明していたんです。それでも学校は廃棄を認めませんでした。遺族はこのやり取りを録音しており、その音声データが報道されて初めてしぶしぶ認めました」(学校関係者) 第三者委員会の調査による生徒への聴き取りで廃棄されたメモの内容は大半が復元できたものの、その中でも学校側の調査妨害とも取れる行為があったという。 「第三者委はAさんへのいじめを知る他の生徒らにも話を聞いていましたが、学校側は調査を受けた生徒を呼び出し、何をしゃべったかを聞き回っていたのです。調査に協力する生徒への圧力と受け取られても仕方ありません」(同前) こうした経緯について、文春オンライン編集部を通じて加古川市教育委員会に質問状を送ったところ、教育委員会は隠蔽と圧力を否定した。 「メモは副顧問が廃棄したが、話し合いでAさんと他の部員との関係は改善していました。いじめを隠蔽しようとしたものとは認められません。 第三者委員会の調査について生徒に聞き回ったという事実自体、市教委として確認できておりません。学校関係者からの聞き取りも行いましたが、かかる事実の存在を否定しております。市としては第三者委員会の調査に協力する姿勢を示してきたものであり、圧力という表現は極めて心外であります」 だが、「極めて心外」な対応を受け、怒りが冷めないのは遺族だろう。娘のいじめに関する調査と再発防止を求め続けてきたAさんの両親はその後、加古川市教委と全面的に対立せざるを得なくなっている。理由は「市教委への不信」だ』、「学校側は調査を受けた生徒を呼び出し、何をしゃべったかを聞き回っていた」、こんな明白な隠蔽工作まで行うとは、教育者失格だ。
・『「娘は学校に殺されたも同然」  第三者委員会は17年12月に出した報告書で、Aさんの死がいじめによる自殺だったと認め、「Aさんがアンケートでいじめを訴えたときに学校がきちんと対応していれば、Aさんは自殺せずに済んだと考えるのが合理的」と学校の落ち度を指摘。Aさんの父親もこのとき、「教師たちはいじめを疑うことすらせず、娘の『絶望の中にいる』というシグナルを無視した。娘は学校に殺されたも同然だ」という手記を公表している。 県教委は報告を受け18年11月になって剣道部の顧問や元担任、校長らに懲戒処分を下した。だが、その内容は校長に戒告、担任らに訓告。メモを廃棄した顧問ら2人は「厳重注意」という軽いものだった』、「第三者委員会」が「報告書で、Aさんの死がいじめによる自殺だったと認め、「Aさんがアンケートでいじめを訴えたときに学校がきちんと対応していれば、Aさんは自殺せずに済んだと考えるのが合理的」と学校の落ち度を指摘」、「学校側」の責任は重大だ。
・『加古川市「法的責任はない」と遺族と法廷闘争  加古川市側の「誠意がない」対応に業を煮やした両親は昨年、市に7700万円の損害賠償を求める提訴に踏み切った。不信感を抱きながらも和解の道を探り続けた末の法廷闘争だった。 だが、市教委はここでも「調査から得られた事実や過去の裁判例などに照らせば、市側に法的責任は認められない」と、遺族の感情を刺激するコメントを公表。岡田康裕市長も、メモの廃棄を「理解できないことではない。紛失も廃棄も大差ない」と隠蔽行為を問題視しない姿勢を見せている。 両親はすぐに「市教委の対応に誠意を感じなかった。娘の身に起きた悲しい事件を二度と起こさないためにも市教委の改革が必要。争い事が大嫌いであった亡き娘は、訴訟を一番嫌がっていると思うと忸怩たる思い」と怒りをあらわにした。 前述の市関係者は言う。「遺族は娘さんを失っただけでも相当なショックを受けている。そのうえ、市との和解協議でも決裂し、『法的責任は認められない』なんてコメントを出されてしまった。市がケンカを売ったとしか思えない」 両親が苦悩の末に起こした裁判は2月10日、神戸地裁姫路支部で初めての口頭弁論が開かれ、Aさんの父親は「ただの言い逃れに終始する加古川市教育委員会には反省の気持ちを微塵も感じず、許すことはできない」と改めて憤った。それに対し、事実を闇に葬り続けた市が見せたのは、「請求棄却」を求めて争う姿勢。遺族を悲しませる対応を、どこまで続けるつもりだろうか』、「加古川」市議会がこの問題を取上げてないのであれば、情けない。「加古川市」や「市長」も「教育委員会」に和解を指導すべきだ。

次に、4月25日付け現代ビジネス「いじめで1年半の刑期と約100万円の罰金…フランスの学校が子どもを守る「これだけの対策」」を紹介しよう。
https://gendai.ismedia.jp/articles/-/82393?imp=0
・『旭川女子中学生いじめ凍死事件について詳細ないきさつが報道されている。そこには恐ろしいほどの被害生徒と母親の孤立が描かれている。学校には助けてくれる人はおらず、他に助けてくれる機関もなく、警察が関わっても加害者のうち誰も罪を問われず問題は続いた。被害生徒はPTSDと診断され、ここ1年は引きこもっていたが特段支援機関が関わった様子もない。校長先生は「子どもは失敗する存在です」と取材に答えているそうだ。 フランスでは違反行為をしたときに責任を問う年齢制限はない。何歳であっても加害者は子ども専門裁判所に呼び出される。被害届や被害者の訴えの有無は問わない。教育的施設への入所や社会奉仕活動の参加義務と国への罰金、そして被害者への償い金が課される。筆者は中高生で百万円近い借金を国に負って被害者に償った加害児童に出会っている。 何歳であっても「悪いことをしたら責任をとらなければならない」というルールの中で子どもたちは育っている。 厳罰化を求めているのではない。ルールがあることは安心感を生む。理不尽な思いをする人を出さずに済む。加害者も被害者も生まないようにルールとセットで子どもをケアする仕組みが必要なことは言うまでもない。 前回の記事でフランスでは学校内に児童福祉の様々な専門職を配置し、子どもたちの「うまくいっていないことがあるかもしれない」というサインに気づきケアすることを求めていると書いた。それは、いじめがあったかどうかを争点にするのとは大きく違う視点である』、「フランスでは学校内に児童福祉の様々な専門職を配置し、子どもたちの「うまくいっていないことがあるかもしれない」というサインに気づきケアすることを求めている」、日本との違いは大きい。
・『いじめが起きるとはどういうことか  フランスの学校は子どもが安心して通える環境を重視し、嫌がらせや暴力、先生へ暴言を吐いたりすると中学生でも退学・転校処分になってしまう。 「敬意を欠いた態度」など軽度であれば「1〜8日間の学校立ち入り禁止」処分とされ、学校の代わりに市のサポート機関に通い心理士や指導員のもと過ごす。 トラブルがあったりして警告を受けた子どもは退学にならないよう「ティーンエイジャーの家」でケアを受けることもある。 そこは心理士のフォローを受けるだけでなく、怒りのコントロールやコミュニケーションスキルなど特別なプログラムをもうけている。 勉強に身が入らなくなったり誰かにちょっかいを出したり反抗的な態度をとるといった症状は、家庭での悩み、学校での人間関係、進路や将来や男女関係についての悩み、全てが関連し合ったなかで表れる。言葉にできていなかった複雑な気持ちを抱えている症状の表れなのだ。それに対しケアをしないままでいるといじめで被害者を出してしまったり、学校に行きたくない子どもが出てしまう。 心理士と一緒にスポーツなどする中で、うまく自分の気持ちを言葉にできなかった子どももLINEのようなSNSツールで夜中に長いメッセージを送るようになることが多いと言う。心理士は次に会ったときにその内容について話し合う。 加害者の退学処分についてはメディアでも現場でも度々論争になっている。 調査先の中学校の校長先生は「学校を移ることで新しく中学生活をやり直すことができ、嫌がらせをしなくなる子どもがほとんどで、かつその過程でサポート機関で手厚いケアを受けるので生徒にとってプラスに働くことが多い」と話す。 「いじめがあったかどうか」ではなく、嫌がらせをしたり、ちょっかいを出す子どもがいたら、その子どもの「うまくいっていないことがある症状」と捉えて家族丸ごとケアし、改善しない場合は環境自体を変える』、「「いじめがあったかどうか」ではなく、嫌がらせをしたり、ちょっかいを出す子どもがいたら、その子どもの「うまくいっていないことがある症状」と捉えて家族丸ごとケアし、改善しない場合は環境自体を変える」、との考え方は日本も学ぶべきだ。
・『「警察・司法・教育」がセットで子どもを守る  フランスでも学校での嫌がらせは問題の1つであるが、子どもを守るために警察・司法・教育がセットになって動いている。警察の特別部隊である未成年保護班は年間7万件の未成年間の嫌がらせを扱っている。 筆者はパリの北にあるセーヌ・サン・ドニ県の中学校で警察が毎年全クラスで行っている講習に同行した。 「学校ハラスメントは6〜18ヶ月の刑期と94万円の罰金」「サイバーハラスメントは18ヶ月の刑期と94万円の罰金」と生徒たちに法律を確認し、実際に警察署で対応した事例を紹介して生徒たちと話し合う。 警察からは事例を紹介し「クラスメイトの着替えを盗撮してSNSにアップした」「仲間の喧嘩をSNSに載せて、映っている加害者も、撮影し投稿した人も処罰された」「SNSにクラスメイトのことを『バカ』と書いたり噂話を書き込み裁判所で『法律の確認』を受けた」件について意見を求め、生徒からは自身が見聞きした事例について「こういう場合は罪になる?」「どう対応するべき?」と質問が相次いだ。 校長は、学内外で生徒間のトラブルがあり病院に連れて行く必要があったとき、生徒が暴力を受けたとわかったとき、親から学校への攻撃的な発言があったときなど警察と県の担当部署へ規定の書式に書きEメールで報告する義務がある。 受け取った警察は校長に即日電話し、未成年の被害者がいる場合は子ども専門裁判官に連絡し行政上の記録に止めるか捜査を開始するか指示を受け、未成年の被害者がいない場合は学校内で対応するか警察が動くか決める。 警察には未成年保護班(県によっては家族保護班)という特別部隊があり、彼らは小さい子どもやティーンエイジャーの聞き取りと支援について専門的な訓練を受けている。 手続きについても特別な配慮がなされ、例えば聞き取りは全てビデオで録画し、後で文字化する。どんなに小さくても子ども1人で警察の聴取を受けるが、警察は話を聞きながら書く必要がないので子どもは自分の話を聞いてもらえていると感じることができるし、事情聴取を短時間で済ませることができる。ビデオに撮ることで、子どもの様子を心理士などが観察し判断材料にすることもできる。 児童ポルノのサイトの取り締まりもしており、子どものふりをして違反者の証拠集めをすることもあるという。筆者が調査した市の未成年保護班は5人ともポニーテールやショートカットにタトゥーの入った快活な女性たちだった。チームで撮った写真がいくつも壁に飾られている。 未成年保護班に集まる情報については、被害者がいる限り被害届がなくても子ども専門裁判官に連絡の上、指示があれば捜査を開始する。子ども専門裁判官が指揮官で未成年保護の要であり、警察が裁判官の目となって指示を受けた内容について調査する。 必要があればソーシャルワーク的支援や、家出用シェルターなど他の専門機関につなぐコーディネーターの役割も果たす。また警察署にはソーシャルワーカーも心理士もいる(未成年保護班の家出対応については「絶望した若者たちは『家出』する…フランスの『ここにいたい』と思える場所」を参照)。 子ども専門裁判官は「即座に対応します。子どもに関する事件について情報が来たときに、些細な事件だからといって対応しないことはありません。一回の嫌がらせでも裁判所で対応することで、再度同じことが起きたり悪化することを防ぐのです。大きな問題は、その前に何度も出来事が起きる中で発展して起きているので、なるべく早く対応することが重要です」と言う。) 日本では学校内のトラブルに警察が介入することを教育的ではないという意見もある。その結果教師に加害生徒のケアも被害生徒のケアも求めている。 しかし、フランスの調査先の警察官は「私の3歳の息子が幼稚園でスカートめくりをしたと校長に本人と両親揃って呼び出され法律の確認を受けました。息子はその一件で遊びでは済まされないことを理解しやめたので、きちんと場を設けてダメだと伝えてよかったと思います」と言う。 そしてこうも話す――「クラス内で暴力を伴わない子ども同士のいざこざがあり、被害を受けたという生徒が転校依頼をした機会に初めて警察に届出があったことがあったが、すでにその時には転校依頼をした生徒は元気がなくなっていました。そのような場合、学校がその責任を問われることになってしまいます。日頃から細かいことも警察に伝えて警察が被害者と加害者に聞き取りをしてケアにつなげ適切な対応ができていれば被害者を出さずに済んだはずだったのに残念です。子どもの人権を守る意識をもっと共有していきたいです」』、「「警察・司法・教育」がセットで子どもを守る」、というのは、「法律」を身近なものにするいい試みで、日本でも検討すべきだ。
・『「勉強支援、社会的支援、家族支援」  学校から一時立ち入り禁止処分や退学処分になった子どもに集中的な個別支援をする市のサポート機関は市役所内にあり、子どもに担当心理士がつき、様々な支援を組み合わせて子どもの周りに「勉強支援、社会的支援、家族支援」のバランスのいいコーディネートがされるようにする。 サポート機関の所長は「まず1つめの課題は親との話し合いです。親が協力的でない、問題を見ようとしない場合、子どもの不具合の解決は難しいからです」「子どもに障害やケアの必要性があるのに親が認めないことはよくあります」「いくら子どもの周りにサポート体制ができても、親が教育的な関わりをせず家にルールがないような状況や親の気まぐれで子どもが振り回されるようでは、子どもは何度も築きかけたものを崩されることになります」と言う。 子どもに「なぜ処分を受けたのか」を理解できるように心理士がサポートし、トラブルが起きたときの自分について理解し解決方法をとれるように支える。特に「助けを求められるようになる」ことを学ぶことが重要であるとする。 「自分でコントロールできないことがある、ときがある」「判断を間違えるときがある」と自覚できるようになるステップから「この人に助けを求めよう、相談しよう」と行動できることを目指す。 筆者が訪問したときには友達に携帯電話を取られ腹を立ててつかみかかったところで仲介に入った職員を強く押してしまったという生徒が来ていた。どうして携帯電話でそこまで怒ったのか、携帯電話との付き合い方についてのプログラムを受けていた。) 思春期トラブルを専門とする「ティーンエイジャーの家」の心理士は、子どもが友達にちょっかいを出してしまい心理ケアを受けるようになり、その親に会うと、親の方が調子が悪いということがよくあると言う。 子どもは数回のセッションで問題が改善されても、親の方は気づきに時間を要し、子どもより長く通い考えの整理をすることが度々ある。感情のコントロールを練習するセッションにおいても親の方が改善まで回数を重ねる必要があるそうだ。 けれど親の調子が悪い場合はそれを改善しない限り子どももやがてまたバランスを崩す可能性がある。まず「一回来てすぐにまた来たいと思ってもらえること」そして「大人にとっても通い続けたくなる工夫」が腕の見せどころであると言う。 子どもの中には「麻薬の売買や売春の方が学校より効率が良く成功できる」と考えている場合もあるため、社会構造の抱える問題について、不平等や差別についての話にも時間を費やす。 なるべくたくさん刺激を受け広い世界を知ること、お金を稼ぐ体験をすること、刑務所に行かないで済む人生について考える機会を持つようにしていると言う。 それでも誘われてついて行く子どももいるがしっかり出会って話し合っていれば、いずれやめたいときに相談に来るそうだ。 性ビジネス、リスクを伴う性行動、薬物について、テロ組織への勧誘についてなどの情報は現実に流れている。子どもが出会うかもしれないそれらの情報について話し合っておく機会がなければ、子どもにとって「門戸が開かれている」も同然であると中学校の校長は言う(「閉じられている」の間違いでは?)。 これらは同じ状況の中で起きる。サポート体制が整っていない環境の中で、自信喪失し、情報が十分なく、自分で思考する訓練も足りていないと「これが最善の方法なんじゃないか」と考えてしまう。 本人の中に「差別されている意識」や「社会の中で持っているものが少ない方だという意識」が言語化されず話し合われないときに「こっちに来ればこんなことができる」という誘いがあると「この人が答えをくれるかもしれない」と感じついて行ってしまう。 リスクに関する正しい情報を得ていることも重要だが、それ以上に重要なのは自信や自尊心が育っていることだと言う。 不安定な状況だと特に勧誘に乗りやすいので子どもの周りに話し合える大人を長い時間をかけて関係構築しておくこと、家族や学校などと断絶することがなければ孤立もしないので家族と学校と子どもとの関係性が維持されるよう尽力している』、「市のサポート機関は市役所内にあり、子どもに担当心理士がつき、様々な支援を組み合わせて子どもの周りに「勉強支援、社会的支援、家族支援」のバランスのいいコーディネートがされるようにする」、なかなかいい制度のようだ。「子どもは数回のセッションで問題が改善されても、親の方は気づきに時間を要し、子どもより長く通い考えの整理をすることが度々ある」、確かに「親」の方が厄介なケースもありそうだ。
・『問題を起こす子どもにこそ最高の人材を  「子どもを守ること」「子どもを教育し育てること」を国が引き受けて専門職を配置し専門機関を用意しているフランスと、保護者と学校に対応を任せている日本。 フランスで未成年の被害者加害者が少ないわけではない。仕組みがあっても全員がケアを享受しているとも限らない。 それでも、子どもたちを守り支える枠組みがあることは社会全体にとってプラスであると思う。枠組みがあることで子どもたちは自分たちが守られているという安心感があり、相談すれば応えてくれる大人がいることを知っている。 加害生徒にとっては警察と司法の介入によっていけないことはいけないと理解する機会があり、特別機関での家族丸ごとの支援やケアを受け、親と先生以外の頼れる大人にも出会える可能性がある。 「人は常に自分が考えうる最善の行動をとっている」とフランスのソーシャルワーカー養成校では学ぶ。いじめも不登校も、その子どもにとっては最善の選択だった、それだけの背景を整理しケアする役割は十分訓練を受けた専門職にしか担えない。 フランスのある中学校の校長は「問題を起こす子どもはそれだけケアを必要としていることを問題として表現しているのだから、最高の人材を雇って最高の教育をすることが求められている」と言う。 日本でも全ての役割を教師に押し付けるのではなく、子どもや親に自己責任を押し付けるのでもなく、子どたちが安心して楽しく通える「子どもを守り支える学校」を整備する方向に議論が進むことを願う。 注:筆者はパリ市と、郊外のセーヌ・サン・ドニ県で調査している。他の県で運用が同じとは限らない』、「「子どもを守ること」「子どもを教育し育てること」を国が引き受けて専門職を配置し専門機関を用意しているフランスと、保護者と学校に対応を任せている日本」、つくづく「日本」とは冷たい国だと思う。「「人は常に自分が考えうる最善の行動をとっている」とフランスのソーシャルワーカー養成校では学ぶ。いじめも不登校も、その子どもにとっては最善の選択だった、それだけの背景を整理しケアする役割は十分訓練を受けた専門職にしか担えない」、ずいぶん進んだ考え方だ。日本も謙虚に学ぶ必要がありそうだ。

第三に、4月30日付け文春オンライン「「ふざけんな」「おぞましい」旭川少女イジメ凍死 ついに「臨時保護者会」開催も怒号飛び交う90分に《教育委員会は「重大事態」認定》 爆破予告でパトカーも出動 旭川14歳少女イジメ凍死事件 #10」を紹介しよう。
https://bunshun.jp/articles/-/45235
・『旭川14歳少女イジメ凍死事件がついに国会審議の俎上に載せられた。4月26日、萩生田光一文科大臣は音喜多駿参議院議員の質問にこう答えた。 「本事案については、文科省として4月23日に旭川市教育委員会及び北海道教育委員会に対し、事実関係等の確認を行い、遺族に寄り添った対応を行うことなど指導、助言を行った」』、「文科大臣」がここまで踏み込んだ答弁をするとは、異例中の異例だ。
・『萩生田大臣は「事案が進まなければ政務三役が現場に入る」  今年3月、旭川で当時14歳の廣瀬爽彩(さあや)さんが凍死して見つかった事件の背景に凄惨なイジメがあったことについて、「文春オンライン」では4月15日からこれまで9本の記事を掲載し、詳報を続けてきた。爽彩さんが通っていたY中学校では、これまで「イジメはなかった」としていたが、報道を受けて22日には旭川市がイジメの再調査に乗り出すことを公表。だが、冒頭の発言の後、萩生田大臣はさらに、 「文科省としても必要な指導、助言を行っていくことが重要であると考えており、今後なかなか事案が進まないということであれば、文科省の職員を現地に派遣する。或いは私を含めた政務三役が現場に入って直接お話する。ただ、一義的には少し時間がかかり過ぎじゃないかと」 と述べ、旭川市の対応に釘をさした。旭川市の再調査の発表を踏まえたうえで、その調査に迅速な対応がとられない場合は、本省の職員あるいは政務三役を直接現地に派遣する可能性に言及したわけだが、これは「イジメ対応としては、かなり踏み込んだ発言」(全国紙政治部デスク)と見られている』、「本省の職員あるいは政務三役を直接現地に派遣する可能性に言及」、そこまで「言及」せざるを得ないほど、「旭川市」の対応が酷かったようだ。
・『4月26日に開かれたY中学校の臨時保護者説明会  しかし、その一方で、渦中の旭川市の教育現場では、いまだに煮え切らない対応が続いている。取材班は4月26日、萩生田大臣の答弁が行われた同日の夜に臨時に開催されたY中学校の保護者説明会の様子を取材。保護者説明会では、学校側は相変わらずの隠ぺい体質を貫き、イジメの実態については何も明らかにしなかった。保護者達は反発し、怒号が飛び交う「大荒れ」の展開となった――。 ※本記事では廣瀬爽彩さんの母親の許可を得た上で、爽彩さんの実名と写真を掲載しています。この件について、母親は「爽彩が14年間、頑張って生きてきた証を1人でも多くの方に知ってほしい。爽彩は簡単に死を選んだわけではありません。名前と写真を出すことで、爽彩がイジメと懸命に闘った現実を多くの人たちに知ってほしい」との強い意向をお持ちでした。編集部も、爽彩さんが受けた卑劣なイジメの実態を可能な限り事実に忠実なかたちで伝えるべきだと考え、実名と写真の掲載を決断しました。 「文春オンラインの報道が出てから学校には問い合わせの電話が殺到。取材活動も過熱し、地元メディアがY中学校の生徒に直接コンタクトしようと声がけをするなど保護者から不安の声が上がっていました。学校側が自主的に説明の場を設けたというより、開かざるを得なかったというのが本当のところです」(Y中学校関係者)』、なるほど。
・『平日夜にもかかわらず保護者100名が詰めかけた  19時から校内の体育館で行われた保護者会では厳戒態勢が敷かれた。体育館の入口では教員らが在校生名簿と保護者の名前を照合し、部外者を完全にシャットアウト。不測の事態に備えて、パトカー数台が警戒に当たるなど、学校周辺には異様な雰囲気が漂っていた。 平日の夜にも拘わらず、体育館には100名ほどの保護者が詰めかけた。取材班は出席した複数の保護者から現場の様子を聞き取った。 パイプ椅子に座った保護者の前に校長と教頭が立ち、体育館の横の壁に沿ってPTA会長、教育委員会のカウンセラー、爽彩さんの当時の担任教師を含めた各学年の教員20名ほどが直立不動の姿勢で並んでいたという』、「平日の夜にも拘わらず、体育館には100名ほどの保護者が詰めかけた」、父兄の関心は高そうだ。
・『当時別の中学校在籍だった校長が、何度も頭を下げて説明  19時、開始の時刻を過ぎると、重々しい空気の中、校長がまずマイクを取った後、深々と頭を下げ、爽彩さんに向けたお悔やみの言葉を口にした。なお、この校長は昨年4月にY中学校に赴任したばかり。爽彩さんがイジメを受けた2019年は市内の別の中学校に在籍していた。校長はこう述べた。 「本校の対応に対するご意見やご指摘が続いており、生徒や保護者の皆様にはご不安な思いやご心配をおかけしております。そのような中、生徒の不安解消や、安心安全を確保するために、その一助になることを願い、本会を開催させていただきました」 校長は何度も頭を下げ、今後の措置として、在校生の心のケアのために個別面談を実施することや教育委員会からスクールカウンセラーを招聘することなどを説明したという』、「スクールカウンセラーを招聘」、当然のことだ。
・『対応していた教頭、当時の担任教師は同様の言葉を述べるのみ  続いて、6月に起きたウッペツ川飛び込み事件(#3参照)の後から、爽彩さんの家族への対応窓口となった教頭と、当時の担任教師が、揃って同様の言葉を述べた。 「本校に在籍していた生徒が亡くなったことに関しまして、心から残念であり、言葉になりません。ご冥福をお祈り申し上げます。また、ご遺族の方にはお悔やみを申し上げます。本校生徒の保護者の皆さんにご心配、ご不安な思いをさせておりますことに、お詫び申し上げます。報道に関する部分につきましては、今後予定させていただいている第三者委員会において、誠心誠意対応させていただきます。今、私ができることですが、保護者の皆様にできることに一生懸命努力していきたいと考えています。よろしくお願いいたします」』、「第三者委員会」を口実に、当日の答弁を事実上拒否するとは汚い。
・『質疑応答で担任教師は下を向くだけ  その後、20分ほどで学校側の説明は終わり、次に保護者による質疑応答の時間となった。最初にマイクを持ったのは同校に3年生の子供を通わせている母親だった。この子供のクラス担任を今務めているのは、爽彩さんの母親がイジメの相談をしてもまともに取り合わなかった当時の担任教師である。質問した母親はまず「亡くなった子の担任だった先生に何を子供は相談するのか? 担任を代えてください」と訴え、涙で声を震わせながらこう続けた。 「担任の先生が(爽彩さんの母親からイジメの)相談を受けたときに『今日わたしデートですから、明日にしてもらえませんか』って言ったというのが報道で出ていますよね。小耳に挟んだ話ですけど、先生がお友達にLINEで『今日親から相談されたけど彼氏とデートだから断った』って送ったっていう話をちらっと聞いたんですよ。本当に腹が立ちました。そういうことも言ったかどうか全部はっきりして欲しいです」 当時の担任教師は前に立っていた同僚の後ろに隠れるようにして、下を向くだけで、一言も答えない。代わりに校長が「いまの質問にここで即答はできない。申し訳ございません。検討します」と答えた』、「担任の先生が(爽彩さんの母親からイジメの)相談を受けたときに『今日わたしデートですから、明日にしてもらえませんか』って言った」、事実であれば、開いた口が塞がらない。
・『「報道されている言葉が本当であれば、ふざけんなって思います」  爽彩さんが加害生徒から受けた凄惨なイジメの実態を報じた文春オンラインの記事について、その真偽を問う質問も集中した。 「報道されていることは事実なんですか? 過剰なんでしょうか? 子供に『お母さん私どうしたらいいの?』と言われて正直悩みました。先生方は命の大切さとおっしゃっていましたが、言葉の重みというものも子供達に伝えて欲しいです。報道されている先生が発した言葉が本当であれば、ふざけんなって思います。今回報道されなかったら誰も何もしなかったのか」(在校生の母親) 校長はこう答えた。「言葉の重みというものにつきましては、本当に重く受け止めて参りたいと思っております。今回の報道に関わる部分ですけれども、当時の学校の対応に関わる部分の中で、食い違っている部分もあります。その部分も含めてこの後の第三者による調査の中でしっかりと検証されていくと思っております」』、「第三者委員会」が「保護者会」で答弁しない口実に使われたようだ。
・『学校側はイジメについて子供たちに「話はしていない」  爽彩さんが受けたイジメの事実について、これまでY中学校は保護者、在校生らに詳しい説明をしてこなかった。ネットで事件を知った子供から事件について聞かされた保護者たちは混乱していた。質疑応答は白熱していった。 「今回の件について、生徒たちには学校からどのように説明しているのでしょうか。子供に質問された時に私たち親はなんて答えればいいんでしょうか、教えてください!」(在校生の母親) 「今回の件につきましては、先ほども申し上げましたように、今後第三者による調査によりまして学校の対応を含めて色々な面が明らかになったら、今後学校としてどういうふうにして受け止めて、指導にいかしていかなければならない。そのことをしっかりと受け止めて参りたいと思っております」(校長) 「スマホ、タブレット、パソコンでどんどん情報が入ってきて、子供たちは私が教えなくてもネットを見て知っていくという状態です。学校側は今日この説明会があるまで子供たちに対して何の説明をして、どういう対応をしたんですか?」(3年生の母親) 「この事案に関わるお話は公表できない事になっておりますので、お話はしておりません。学校が行っている対応は警察と連携しながら登下校の時に巡回をしていただくとかですね、安全安心に関わる部分の対応を行ってきているところであります」(校長)』、「「スマホ、タブレット、パソコンでどんどん情報が入ってきて、子供たちは私が教えなくてもネットを見て知っていくという状態」、なのに、「第三者委員会」が調査結果を公表するまでは、学校は生徒に何も話せないというのは、余りに官僚的過ぎる対応だ。
・『「Y中学校を爆破する」と脅迫電話が…  実はこの日の朝、何者かが市役所に「Y中学校を爆破する」と脅迫電話をかけてきたという。そのため、市は警察と相談し、この日は学校周辺をパトカー数台が一日中警戒に当たるなど、終日緊張感に包まれていた。保護者からはこの点についても不安の声が出た。 「今日、爆破予告が入っていたというのは本当ですか?」(1年生の母親) 「今お話にありました爆破予告と言いますか、そういうような愉快犯は市役所の方にそういう情報が入っていたということは聞いております」(校長) 「私は不安を抱えたまま子供を送り出しましたし、学校に行った子供も不安だったと思います。そういう(爆破予告の)事実があったら、まず(爆弾が校内にないか)確認して大丈夫なのか、少し登校時間をずらすとかできないのか、せっかくメールを登録しているのでご連絡いただきたいです」(1年生の母親) 「わかりました。警察、教育委員会と連携してですね、施設も一度全部点検していただいて、安心だということでこのまま対応させていただいております」(校長)』、官僚的対応だ。
・『学校側の煮え切らない態度に、飛び交う怒号  いつしか会場には怒号が飛び交うようになっていたという。学校側の煮え切らない態度に怒り、途中退席する保護者も大勢出るなど、保護者会は大荒れとなった。保護者の非難の矛先はイジメ問題の当事者でありながら、今回の保護者会には姿を現さなかった前校長や当時対応にあたった現教頭に向けられた。 「2年前にいた校長先生は、今日この場にいらしてないんですか? なぜですか?」(1年生の母親) 「来ておりません。お気持ちはよくわかるんですけども、いま本校の職員でないので、そのような状況にはならなかったです。大変申し訳ございません」(校長) 「最初に、報道に対しての説明をするという話で開始しましたよね。SNSでの誹謗中傷、(子供は)当然みんなSNSや報道も見ている。文春オンラインの記事の内容を見て僕は涙が出た。この学校に子供を通わす親として、本当に大丈夫なのかと。それに事件に関して何の説明もない。『第三者委員会』を繰り返して、あのおぞましい行為をイジメじゃなかったと判断している学校。この中途半端な説明会でどれだけみんなが納得すると思いますか。そしてやるからにはきちんと記者会見して、イジメはなかったと言えるくらい胸張っていてくださいよ。教頭先生、生徒のスマホ画面をカメラで撮ったそうじゃないですか。これも第三者委員会じゃなくては分からないことなんでしょうか」(在校生の父親)』、「保護者会」の余りの官僚的で、「飛び交う怒号」も当然だ。
・『教頭は「私自身は法に反することはしていない」と主張  「……」(教頭) 「今あったお話にこの場でお答えできないことが本当に心苦しいですけども、私どももお話できない状況になっておりますので本当に申し訳ございません」(校長) 「教頭先生にお話はしていただけないのでしょうか?」(在校生の母親) すると、教頭はこう答えた。 「私の方からお話できることは、第三者委員会の調査の中では、私の知っていることは全て誠実にお伝えさせていただきたいと思っております。1つだけ今回の報道等に関することは、個別の案件に関わることですのでお答えすることができませんが、私自身は法に反することはしていないということはお伝えさせていただきたいと思います。このあと捜査を受けることになるか分かりませんけども、しっかりと対応していきたいと思っております。現段階では私のお話は以上です」(教頭)』、「教頭」は「第三者委員会の調査の中で」話すので、「保護者会」では話せないとしながら、「私自身は法に反することはしていないということはお伝えさせていただきたいと思います」、と虫のいい自己主張だけはするというのは、余りに勝手過ぎる。
・『教頭、担任教師は一度も頭を下げることはなかった  1時間30分に渡って行われた保護者会は20時30分に終了。20名を超える保護者から学校側に厳しい意見が突き付けられたが、学校は「第三者委員会の調査」を理由にほとんどの回答を拒否。保護者からは「何のための保護者会だったのか」「まったく意味がなかった」などの声が洩れたという。 事件当時を知らない校長は何度も陳謝し、保護者に頭を下げたが、爽彩さんや母親が必死に助けを求めた教頭、担任教師は一度も頭を下げることはなかったという。 爽彩さんの遺族は、文春オンラインの取材に対して以下のコメントを寄せた。 「事前に連絡はなく、説明会のことは知りませんでした。どんな説明会だったのかはわかりませんが、ほかの関係のない子供たちが巻き込まれてしまっているのは、とても辛いです。学校に対しては、イジメと向き合って、第三者委員会の調査に誠実に向き合っていただきたいです」 保護者会の翌日の4月27日、旭川市教育委員会は定例会議で「女子生徒がイジメにより重大な被害を受けた疑いがある」と、いじめ防止対策推進法上の「重大事態」に認定。5月にも第三者委員会による本格的な調査を始めると発表した。Y中学校の誠実な対応が求められるだろう。 4月30日(金)21時~の「文春オンラインTV」では担当記者が本件について詳しく解説、Y中学校でおこなわれた保護者会の音声の一部も公開する』、文科大臣までが乗り出した騒動、「旭川市」はどう決着をつけてゆくのか、大いに注目される。 
タグ:いじめ問題 現代ビジネス 文春オンライン (その10)(《不都合メモをシュレッダー》加古川中2いじめ自殺訴訟 市側の“開き直り”は法廷で通用するか、いじめで1年半の刑期と約100万円の罰金…フランスの学校が子どもを守る「これだけの対策」、「ふざけんな」「おぞましい」旭川少女イジメ凍死 ついに「臨時保護者会」開催も怒号飛び交う90分に《教育委員会は「重大事態」認定》 爆破予告でパトカーも出動 旭川14歳少女イジメ凍死事件 #10) 「《不都合メモをシュレッダー》加古川中2いじめ自殺訴訟 市側の“開き直り”は法廷で通用するか」 いじめを苦にした中学2年生の女子生徒の訴えを何度も見逃した挙げ句、生徒が自殺した後も事実を隠蔽し続け、「法的責任はない」と言い張る学校と教育委員会がまた一つ、問題に 「メモ」には「いじめ」の実態が書かれていたので、「シュレッダーで廃棄した」可能性が高い。それにしても、悪質だ 「顧問や副顧問は『お互いさまやろ』の一言で片付け、メモを捨て去りました」、「剣道部の顧問は部員たちにメモ用紙を渡していじめについて書かせました」のは、何のためだったのだろう。 「学校側は調査を受けた生徒を呼び出し、何をしゃべったかを聞き回っていた」、こんな明白な隠蔽工作まで行うとは、教育者失格だ。 「第三者委員会」が「報告書で、Aさんの死がいじめによる自殺だったと認め、「Aさんがアンケートでいじめを訴えたときに学校がきちんと対応していれば、Aさんは自殺せずに済んだと考えるのが合理的」と学校の落ち度を指摘」、「学校側」の責任は重大だ。 「加古川」市議会がこの問題を取上げてないのであれば、情けない。「加古川市」や「市長」も「教育委員会」に和解を指導すべきだ。 「いじめで1年半の刑期と約100万円の罰金…フランスの学校が子どもを守る「これだけの対策」」 「フランスでは学校内に児童福祉の様々な専門職を配置し、子どもたちの「うまくいっていないことがあるかもしれない」というサインに気づきケアすることを求めている」、日本との違いは大きい。 「「いじめがあったかどうか」ではなく、嫌がらせをしたり、ちょっかいを出す子どもがいたら、その子どもの「うまくいっていないことがある症状」と捉えて家族丸ごとケアし、改善しない場合は環境自体を変える」、との考え方は日本も学ぶべきだ。 「「警察・司法・教育」がセットで子どもを守る」、というのは、「法律」を身近なものにするいい試みで、日本でも検討すべきだ。 「市のサポート機関は市役所内にあり、子どもに担当心理士がつき、様々な支援を組み合わせて子どもの周りに「勉強支援、社会的支援、家族支援」のバランスのいいコーディネートがされるようにする」、なかなかいい制度のようだ 「子どもは数回のセッションで問題が改善されても、親の方は気づきに時間を要し、子どもより長く通い考えの整理をすることが度々ある」、確かに「親」の方が厄介なケースもありそうだ。 「「子どもを守ること」「子どもを教育し育てること」を国が引き受けて専門職を配置し専門機関を用意しているフランスと、保護者と学校に対応を任せている日本」、つくづく「日本」とは冷たい国だと思う。 「「人は常に自分が考えうる最善の行動をとっている」とフランスのソーシャルワーカー養成校では学ぶ。いじめも不登校も、その子どもにとっては最善の選択だった、それだけの背景を整理しケアする役割は十分訓練を受けた専門職にしか担えない」、ずいぶん進んだ考え方だ。日本も謙虚に学ぶ必要がありそうだ。 「「ふざけんな」「おぞましい」旭川少女イジメ凍死 ついに「臨時保護者会」開催も怒号飛び交う90分に《教育委員会は「重大事態」認定》 爆破予告でパトカーも出動 旭川14歳少女イジメ凍死事件 #10」 「文科大臣」がここまで踏み込んだ答弁をするとは、異例中の異例だ 「本省の職員あるいは政務三役を直接現地に派遣する可能性に言及」、そこまで「言及」せざるを得ないほど、「旭川市」の対応が酷かったようだ 「平日の夜にも拘わらず、体育館には100名ほどの保護者が詰めかけた」、父兄の関心は高そうだ。 「スクールカウンセラーを招聘」、当然のことだ。 「第三者委員会」を口実に、当日の答弁を事実上拒否するとは汚い。 「担任の先生が(爽彩さんの母親からイジメの)相談を受けたときに『今日わたしデートですから、明日にしてもらえませんか』って言った」、事実であれば、開いた口が塞がらない。 「第三者委員会」が「保護者会」で答弁しない口実に使われたようだ。 「「スマホ、タブレット、パソコンでどんどん情報が入ってきて、子供たちは私が教えなくてもネットを見て知っていくという状態」、なのに、「第三者委員会」が調査結果を公表するまでは、学校は生徒に何も話せないというのは、余りに官僚的過ぎる対応だ。 官僚的対応だ 「保護者会」の余りの官僚的で、「飛び交う怒号」も当然だ。 「教頭」は「第三者委員会の調査の中で」話すので、「保護者会」では話せないとしながら、「私自身は法に反することはしていないということはお伝えさせていただきたいと思います」、と虫のいい自己主張だけはするというのは、余りに勝手過ぎる。 文科大臣までが乗り出した騒動、「旭川市」はどう決着をつけてゆくのか、大いに注目される。
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介護(その6)(「人に迷惑をかけるな」という呪いと自助社会の絶望感、老人ホームに捨てられた「元一流企業上級管理職老人」の悲惨な最期 「老人ホームに向かない人」の典型例とは) [社会]

介護については、2020年5月5日に取上げた。7久しぶりの今日は、(その6)(「人に迷惑をかけるな」という呪いと自助社会の絶望感、老人ホームに捨てられた「元一流企業上級管理職老人」の悲惨な最期 「老人ホームに向かない人」の典型例とは)である。

先ずは、昨年9月15日付け日経ビジネスオンラインが掲載した健康社会学者(Ph.D.)の河合 薫氏による「「人に迷惑をかけるな」という呪いと自助社会の絶望感」を紹介しよう。
https://business.nikkei.com/atcl/seminar/19/00118/00091/
・『書こうか書くまいか散々悩んだ結果、やはり書こうと思う。 なぜ、悩んだのか? 一つには、何から書いていいか分からないほど、「絶望」に近い感情を抱いたこと。そして、もう一つは、どうしたら伝えたいことが伝わるか、最善の方法が見つからなかったからだ。 が、今書いておかないと後悔しそうなので、書きます。 テーマは「人さまに迷惑をかけるな!」といったところだろうか。 まずは、遡ること14年前に起きた、忘れることのできない“ある事件”からお話しする。 2006年2月1日、京都市伏見区の河川敷で、認知症を患う母親(当時86歳)を1人で介護していた男性(当時54歳)が、母親の首を絞めて殺害した。自分も包丁で首を切り、自殺を図ったが、通行人に発見され、未遂に終わった。 男性は両親と3人で暮らしていたが、1995年に父親が他界。その頃から、母親に認知症の症状があらわれはじめる。一方、男性は98年にリストラで仕事を失い、親子は親族の好意で家賃を半額にしてもらい、月3万円のアパートに引っ越した。 その後、男性は非正規で働くことになるが、母親の認知症は悪化。昼夜逆転の生活になり、男性は慢性的な睡眠不足に陥ることになる。 しかし、生活費のためには仕事を辞めることはできない。そこで男性は介護保険を申請し、母親は自宅近くの施設でデイケアサービスを受け、男性はどんなに寝不足でも朝には会社に行き、仕事と母の介護に追われる日々を過ごすようになる。心身ともに疲弊しても、決して仕事を休むことはなかったそうだ』、「父親が他界。その頃から、母親に認知症の症状があらわれはじめる」、よくあるパターンだ。
・『仕事と介護の両立求めて職安へ  そんなある日、男性が仕事に行っている日中に、外出した母親が道に迷って警察に保護された。その後も同様の事態が繰り返し起きたため、男性は仕事を休職して、介護に専念することになった。 収入が途絶えて生活が困窮する中、男性は「せめて復職するまで生活保護を受給できないか?」と役所に相談した。ところが、職員から「あなたはまだ働ける身体なのだから頑張って」と諭され、生活保護支給を断念する。当時の報道によれば、「休職中だったため認められなかった」という。 母親の症状はさらに進み、男性は仕事を辞め、再び役所に「生活が持ち直せるまで、しばらくの間だけでも生活保護を受給できないか」と相談した。しかし役所側は、「失業保険の受給」を理由に拒否。男性は母親のデイサービスを打ち切るなど、介護保険の自己負担をギリギリまで抑えながら、介護と両立できる仕事を求めて職安通いをするが、仕事は見つからなかった。 なんとかカードローンなどで生活費を工面したが、限度額を超え、男性は追い詰められるようになる。自分の食事を2日に1回にして、母親の食事を優先し、この頃から心中を考えるようになったそうだ。 そして、2006年真冬のその日、手元のわずかな小銭でパンとジュースを買い、母親との最後の食事を済ませ、思い出のある場所を見せておこうと母親の車椅子を押しながら河原町かいわいを歩き、河川敷へ向かった。 男性「もう生きられへんのやで。ここで終わりや」 母親「そうか、あかんのか……。一緒やで。お前と一緒や」 男性「すまんな。すまんな」 母親「こっちに来い。お前はわしの子や。わしがやったる」 男性はこの会話を最後に、母親を殺害し、自らも包丁で切りつけるなどして意識を失った。数時間後、通行人が2人を発見し、男性だけが命を取りとめたという。 この事件は、4月19日、京都地裁で初公判が開かれ、地域の住民や関係者から126人分の嘆願書が提出され、メディアの注目を集めた。……覚えている人も多いかもしれない』、本当に悲惨な事件だ。
・『裁かれたのは被告だけではない  何よりも衝撃的だったのは、6月21日に行われた3回目の公判で、裁判官が被告人質問で男性に「同じような事件が後を絶たないのはなぜか」と聞いた際の答えだ。 「できるだけ人に迷惑をかけないように生きようとすれば、自分の持っている何かをそぎ落として生きていかなければならないのです。限界まで来てしまったら、自分の命をそぐしかないのです」(毎日新聞大阪社会部取材班『介護殺人 ~追いつめられた家族の告白~』(新潮文庫)より)。 結局、京都地裁は男性に懲役2年6カ月、執行猶予3年(求刑は懲役3年)を言い渡し、裁判官は国にこう、苦言を呈した。 「裁かれているのは被告だけではない。介護制度や生活保護のあり方も問われている」と。 そして男性に、「痛ましく悲しい事件だった。今後あなた自身は生き抜いて、絶対に自分をあやめることのないよう、母のことを祈り、母のためにも幸せに生きてください」と語りかけたという。 繰り返すがこの事件が起きたのは、2006年1月である。この事件の6年前、国は介護保険を導入した。しかし、介護保険の効果について分析した研究では、「支援が必要な高齢者に対するケアの充実が図られたが、介護殺人の件数が減少する傾向は一切認められていない」ことが分かっている(湯原悦子氏の論文「日本における介護に関わる要因が背景に見られる 高齢者の心中や殺人に関する研究の動向」より)。 また、1998年から2015年までに発生した介護殺人の件数は716件で、件の事件のあった2006年は49件と過去最悪を記録。その後、2008年には54件発生するなど、50件前後で推移している(湯原悦子氏の論文「介護殺人事件から見いだせる介護支援の必要性」より)。) 私は、件の事件が起きた当時、介護現場の調査研究のヒアリングを行っていたので、この事件の裁判の内容は鮮明に記憶している。が、実はこの事件には続きがあった。 2014年8月、男性は琵琶湖に飛び込んで自ら命を絶っていたことが、毎日新聞大阪社会部の取材で分かったのである。 これは2016年4月にNHKがドキュメンタリー番組で報じ、2019年5月に毎日新聞大阪社会部取材班が出版した書籍『介護殺人 ~追いつめられた家族の告白~』に詳しく記されている。取材班は、「当事者が胸の内に封印している事実こそが、本質を照らし出す」と考え、介護殺人の加害者の取材を進めた。その過程で、件の男性が亡くなっていたことを知ったそうだ。 取材を重ねたどり着いた、男性の身元引き受け人の親戚の言葉。それはとてつもなく重くて、「社会とは何か?」を考えさせるものだった』、「裁かれているのは被告だけではない。介護制度や生活保護のあり方も問われている」との判決は、その通りだ。「介護殺人の件数」が年「50件前後で推移」、予想以上に多いのに驚かされた。
・『不器用な人をも救う「公の何か」  「困った人を救う制度がないわけではないし、私は何でも行政が悪いとも思いません。でも、A(件の男性)のように制度を使いたいけど使えない、あるいは使わない人間もいるということですかね。そんな不器用な人にも手を差しのべる公の何かがあれば、とは感じます」(『介護殺人 ~追いつめられた家族の告白~』より) ……さて、私が何を言わんとしているのか、お分かりいただけたでしょうか? そう。これが「自助、共助、公助、そして絆」の顛末(てんまつ)である。 ご承知のとおり、自民党総裁になった菅義偉官房長官は、出馬表明した際に出演したテレビ番組で、「自助・共助・公助。この国づくりを行っていきたいと思います」と述べた。 私はこの発言を聞いたとき、一瞬耳を疑った。でもって「……台風が来ているからだよね? 自然災害が増えているから、自助、共助、公助なんて言ってるんだよね?」と、マジで思った。 だが、そうではなかった。 菅氏は、「まずは自分のできることを自分でやり、無理な場合は家族や地域で支え合い、それでもダメな場合は国が守る」と繰り返した。自助・共助・公助は、40年前の1970年代に掲げられた「日本型福祉社会」の基本理念だ。それを、新時代を迎えようとしている“今”、自らの政策の柱に掲げたのである。 日本型福祉社会は、1979年の大平正芳首相のときに発表された自民党の政策研修叢書で発表されたもので、その骨子は、以下のように菅氏の発言と重なっている。 自ら働いて自らの生活を支え、自らの健康は自ら維持するという「自助」を基本とする →「まずは自分のできることを自分でやる」(菅氏) これを生活のリスクを相互に分散する「共助」が補完する →「無理な場合は家族や地域で支えう」(菅氏) その上で、自助や共助では対応できない困窮などの状況に対し、所得や生活水準・家庭状況などの受給要件を定めた上で必要な生活保障を行う公的扶助や社会福祉などを「公助」として位置付ける →「それでもダメな場合は国が守る」(菅氏)』、「自助・共助・公助は、40年前の1970年代に掲げられた「日本型福祉社会」の基本理念だ」、ずいぶん古いものを持ち出したものだ。
・『社会が変わっても変わらない「日本型社会福祉]  つまり、自助の精神は古くから日本社会に根付く、「人さまに迷惑かけてはいけない」という考え方に通じるもので、北欧に代表される「政府型」や、米国に代表される「民間(市場)型」ではない。「とにもかくにも、“家族”でよろしく!」という独自路線の福祉政策が、日本型の福祉社会だ。 当時の日本社会の典型的な家族モデルは「夫婦と子供2人の4人家族」であり、働く人の9割以上が正社員で、介護は嫁の仕事だった。人口はピラミッド型で、「介護」という言葉が社会保障の議論の中に出てこない時代である。 そのときの仕組みを国は維持し続けている。これまでも書いてきた通り、どんなに「家族のカタチ、雇用のカタチ、人口構成のカタチ」が変わっても日本型福祉政策は踏襲され続けてきてしまったのだ。 1986年に『厚生白書 昭和61年版』として発表された、社会保障制度の基本原則では、上記の「日本型福祉社会」の視点をさらに明確化し、「『健全な社会』とは、個人の自立・自助が基本で、それを家庭、地域社会が支え、さらに公的部門が支援する『三重構造』の社会である」と明記。2006年に政府がまとめた「今後の社会保障の在り方について」でも、40年前と全く同じことが書かれている。 一方で、世界人権宣言にある「家庭は、社会の自然かつ基礎的な集団単位であって、社会及び国の保護を受ける権利を有する」という条文と同様の内容の一文は、自民党の改憲草案にはなく、現行憲法にない「家族の尊重、家族の相互の助け合い」が追加された。 いわずもがな、日本は1970年にすでに高齢化社会(65歳以上の人口が、全人口に対して7%超)に突入し、95年には高齢社会(同14%超)、2007年には超高齢社会(同21%超)になっている。 家族に介護を押しつける仕組みそのものに無理があることは明白なのに、少子高齢社会に向き合わず、問題を解決しようとする活発な議論すらしてこなかった。その間、家族のカタチも雇用のカタチも変わったのに、「とにかくまずは自分のことは自分で守れ!」を貫いた。 要するに、「自分で守れなければ残念だけど仕方ないね。国は最低限のことはするけれど、生活の質や尊厳までは守りません」と切り捨てていることに等しい。 このような考え方が「人さまに迷惑をかけてはいけない」という呪縛を生んでいる、そう思えてならないのである』、同感だ。
・『「それでもダメな場合は国が守る」と言うが…  介護殺人に関する研究は1980年代から徐々に増え、2000年代に入り急増している。 研究手法はさまざまだが時代を経ても一貫して、「介護殺人の背後には経済的困窮がある」こと、「家族中心主義は社会からの孤立につながる」こと、「自立自助の原則は結果として介護する人を追い詰める」ことが指摘されている。 人は言う。「なんで相談してくれなかったのか?」と。 だが、経済的にも精神的にも追い詰められると、相談する余裕すらなくなるのだ。 菅氏は言う。「それでもダメな場合は国が守る」と。 件の介護殺人を犯した男性を、果たして国は守ったのだろうか。 生きるとは、何か? ただ単に寝る家があり、餓死しなけりゃいいってことか。 金もない、人に頼ることもはばかられる、勇気を出してSOSを出しても断られれば、残るのは「絶望」だけ。生きるには「光」が必要なのだ。 1980年代から研究者たちが、「介護する人たちへの支援」を訴え続けているのに、その声は聞こえてないということだろうか。 「雇用があることが何よりも大事」と言うけれど、日本の貧困層の9割は、働けど働けど楽にならないワーキングプアだ。ワーキングプア世帯は推計で247万世帯、北海道の全世帯数に相当するという試算もある(日本総合研究所「中高年ワーキングプアの現状と課題 ―キャリアアップ・就労支援制度に新しい視点を」)。 さらに、シングルマザーの就業率は先進国でもっとも高い84.5%なのに、3人に2人が貧困というパラドクスも存在する(経済協力開発機構(OECD)の報告より)。 「できるだけ人に迷惑をかけないように生きようとすれば、自分の持っている何かをそぎ落として生きていかなければならないのです。限界まで来てしまったら、自分の命をそぐしかないのです」 という男性の言葉の意味を、「自助」を社会福祉の前面に掲げる人たちは、どう受け止めているのか、教えてほしい。 このような問題を取り上げると、「結果の平等」を追求するような政策は、「堕落の構造」を生むと反論する人たちがいるが、堕落とは何なのか? 菅氏は、テレビ番組に出演した際、「自助、共助、公助」をつっこまれるたびに、「『そして、絆』ってありますよ!」と何度も繰り返していたけど、絆って何? ホントなんなのだろう? どうか今一度、立ち止まって、1970年代の社会福祉の理念を踏襲し続けることの是非を考え、見直してほしい』、「「介護殺人の背後には経済的困窮がある」こと、「家族中心主義は社会からの孤立につながる」こと、「自立自助の原則は結果として介護する人を追い詰める」ことが指摘されている」、「今一度、立ち止まって、1970年代の社会福祉の理念を踏襲し続けることの是非を考え、見直してほしい」、その通りだ。

次に、昨年12月29日付け現代ビジネスが掲載した株式会社ASFON TRUST NETWORK 常務取締役の小嶋 勝利氏による「老人ホームに捨てられた「元一流企業上級管理職老人」の悲惨な最期 「老人ホームに向かない人」の典型例とは」を紹介しよう。
https://gendai.ismedia.jp/articles/-/78868?imp=0
・『半ば捨てられるように老人ホームへ  Aさんは、一流大学を卒業後、一流大手機械メーカーに就職、その能力を高く評価され、最後は部長職で定年を迎えました。定年後も、会社の功労者として子会社に転籍し手腕を発揮、70歳を過ぎるまで仕事の第1線で活躍されたといいます。 その後、長年連れ添った奥様が病気で他界、独立した子供たちとは距離を置くようになり、長年住み慣れた郊外の一戸建てで1人、静かに老後を過ごしていました。ところが、80歳で脳梗塞を発症、一命はとりとめたものの右半身に麻痺が残りました。そして、広い自宅での独居生活が困難になり「老人ホームへ入居」という運びになったのです。 老人ホームでの生活ぶりをお話しする前に、脳梗塞後発症後に起きた事実について説明しておきます。 病院を退院後、半身麻痺になったAさんをどうするかの親族会議が開かれ、結果、長男夫婦が同居することになりました。長男夫婦がAさんの自宅に移り住み、同居生活が始まります。 要介護4の認定を受けていたAさんの日常介護は、訪問介護や通所介護の事業者が担います。右半身は麻痺をしていますが、それ以外は特に悪いところはなく、頭も鮮明です。発語にも生活に支障をきたすような問題はありませんでした。 しかしです。同居生活がスタートしてから1年後、Aさんは、半ば捨てられるように、老人ホームに入居することになったのです。理由は一体、何だったのでしょうか? それは、長男の奥様や在宅介護を支えている介護事業者に対する暴言と暴力でした。自由に動く左手と左足で、長男の奥様や介護職員に対して「殴る」「蹴る」の暴力を振るい、さらには、相手を馬鹿にするような罵声を浴びせるという言動が出現したのです。 最初は、皆、「病気がそうさせているのだから仕方がない」「身体の自由が利かないのだからストレスもたまるはずだ」と考え、どちらかと言うと同情的でした。幾度となく担当ケアマネジャー主催のカンファレンスが開かれ、その都度、関係者間では「支えていく」ことを確認しました。しかし、物事には限度があります。度を超えてしまうと、そうは割り切れません。 まず初めに、「Aさんの対応をするなら事業所を辞めたい」という退職希望の介護職員が続出します。ついに、介護事業者からも介護職員の職場環境を考えた場合、「これ以上、Aさんにサービスを提供することは難しい」と言ってサービス辞退の申し出がありました。 さらに追い打ちをかけたのは、介護事業者から見放され、同居していた長男の奥様が、様々な心労から精神を病み、入院治療をしなければならなくなったことです。長男は、このことに怒り心頭、担当ケアマネも長男が納得できる代替え案を提案できず、結局、Aさんを老人ホームへ入居させるという結論に至ったのです』、「介護事業者から見放され、同居していた長男の奥様が、様々な心労から精神を病み、入院治療をしなければならなくなった」、いくら「脳梗塞」で「半身麻痺」とはいえ、「Aさん」の態度は余りに酷過ぎ、「Aさんを老人ホームへ入居させる」のもやむを得ない。
・『Aさんのケアプラン  老人ホームへ入居の申し込みをしに来た長男は、Aさんのことを「いくら恨んでも恨み足りない。親子の縁を切りたい」と訴え、自分たちがこの1年間、どれだけ苦しんだかという説明を蕩々と繰り返したといいます。 そして、ホームとAさんの身元引受人契約を締結した際、「Aさんの取り扱いは、ホームに一切任せる。死んだ場合のみ連絡すること。遺体を引き取ります」という約束をして帰っていきました。 後日、Aさんの入居時調査を担当した介護職員の報告によると、Aさんは、男尊女卑の思想が強く、女性は自分の奴隷であるというような趣旨の発言があったといいます。そして、リクエストに応えることができない女性に罰を与えることは当然である、とも言っていたというのです。 介護業界では、女性を敵に回したらお終いです。なぜなら、介護の現場は圧倒的に女性の力で支えられているからです。 おそらく、Aさんの場合、暴力もそうですが、この「暴言」こそが多くの女性から見放された最大の原因だと思います。何しろ、それまで元気だった長男の奥様が精神病院に入院しなければならなくなったほどなのですから。 この老人ホームでは、介護職員らによるAさんのケアプラン作成を目的としたカンファレンスにおいて、以下のことが協議・決定されました。 元エリートでプライドが高く、頭もしっかりしている。しかし、身体には麻痺があるため、自由に動けないというジレンマが、従来から持っている気質をより増大させ、自分の思うようにならないことが起きると、暴言や暴行となって外部へ責任転嫁されている(「お前が悪いからだ」という思考)。 よって、しばらくの間は、先ず、介護対応は男性職員が担当することとし、介護支援において「何をすると、どのような反応になるのか」をきめ細かく記録に残し、様子を観察していくこととなりました。 なお、夜勤帯については、女性しか配置できない日があるため、例外とするということになりました』、「男尊女卑の思想が強く、女性は自分の奴隷であるというような趣旨の発言があった・・・リクエストに応えることができない女性に罰を与えることは当然である」、ここまでくると、酷過ぎる。
・『「煮ようと焼こうと好きにしてくれ!」  しかし、トラブルはすぐに発生しました。夜勤時、排泄を介助した女性介護職員に対し、暴力事件を起こしたのです。 何でも、トイレ内でのズボンの下ろし方が気に食わないという理由で、自由が利く方の手で女性介護職員の顔を殴りつけ、足蹴りにしたというのです。不意を突かれた女性職員は、殴られた拍子に手すりに顔をぶつけ、口腔内から出血してしまいました。傷害事件です。 翌日、この話を聞いた一部の女性介護職員からは「冗談じゃない!」と怒りの声が上がり、施設長に対し「即刻退去させるべきだ」「そんな人の介護はできない」と言って、Aさんの介護を拒否する意思表示なされます。 通常、このようなケースでは、本人と話をした上で、家族を呼び、再発防止策を考えるのですが、本人は一向に悪びれることはなく、仕事ができない女性に罰を与えただけだと、当の女性職員が聞けば怒り心頭となる発言をしたのです。 身元引受人である長男からは、「死んだとき以外は連絡不要だと言ったはずだ。煮ようと焼こうと、ホームの好きにしてくれ!」といって電話を切られてしまいました。 それからしばらくの間、男女を問わず、一部の理解ある職員による介護支援が続きます。もちろん大小さまざまな事件が多発しましたが、その都度、一部の介護職員による“神対応”ともいえる応対でしのいでいました。 しかし、多くの介護職員は、過度の緊張を強いられるため、Aさんの介護支援に対して前向きになれず、徐々にAさんはホーム内で孤立していくことになります。さらに、Aさんの暴言、暴行は介護職員のみならず、他の女性入居者にも向けられるようになり、「怖いおじいさん」といって入居者からも避けられるようになります。 そうするうちに、1日のほとんどを居室内で過ごし、食事や入浴も拒絶するケースが増え、次第に、居室内からまったく出てこない日も多くなっていきました。 長男に相談しても、「このまま居室内で死んでしまえばいい」と言われる始末。地方にいる長女に連絡しても、「父の好きなようにさせてください」という回答しか返ってきません。 入居から1年後、Aさんは入院先の病院で一人静かに亡くなりました。心筋梗塞だったといいます。立ち会った介護職員の報告によると、長男は事務的に葬儀業者に火葬の手配を行い、葬儀などは一切せず、先祖代々のお寺に納骨すると言っていたそうです』、「「怖いおじいさん」といって入居者からも避けられるようになります。 そうするうちに、1日のほとんどを居室内で過ごし、食事や入浴も拒絶するケースが増え、次第に、居室内からまったく出てこない日も多くなっていきました」、「入院先の病院で」、「心筋梗塞」で「一人静かに亡くなりました」、運動不足で孤立したらあり得る死因だ。
・『「老人ホームに向かない人」の典型例  今回ご紹介した話は、「老人ホームに向いていない人」の典型的な事例なのですが、皆さんはどのように感じましたでしょうか? この事例を通して私が皆さんに理解して欲しいことは、ただ一つです。それは、家族と友好的な関係性が構築できていない高齢者は、老人ホーム入居には向いていないということです。 しかし、現実的には、家族から嫌われているため老人ホームに入居しているケースが少なくありません。つまり、老人ホーム生活に向いていない人が、老人ホームに一定数入居している、ということになります。 第1回目の今回は、老人ホーム入居に向いている人、向いていない人の中で、家族との関係性に着目した話をしました。老後は、老人ホームで快適に過ごしたいーーそう考えている方は、どうぞ、家族と友好的な関係を構築するように努めてください。家族から嫌われる人は、他人からも嫌われます。当たり前と言えば当たりの話です。 なお、家族がいない自分は老人ホーム入居に向いていないのでは? という心配もあると思いますが、初めから家族がいない人は、別の問題はあったにせよ、このような心配は概ねありません。あくまでも、家族がいるにもかかわらず、とうケースの話です。 老人ホームは、その使い方、自身の運用の仕方によっては、毒にも薬にもなるところです。このことを、どうぞ、覚えておいてください』、「老人ホーム生活に向いていない人」もかなり多いようだ。早目に、家族が注意しておくことも必要なのだろう。ただ、注意しても効き目がないかも知れない。
タグ:介護 日経ビジネスオンライン 現代ビジネス 河合 薫 (その6)(「人に迷惑をかけるな」という呪いと自助社会の絶望感、老人ホームに捨てられた「元一流企業上級管理職老人」の悲惨な最期 「老人ホームに向かない人」の典型例とは) 「「人に迷惑をかけるな」という呪いと自助社会の絶望感」 「父親が他界。その頃から、母親に認知症の症状があらわれはじめる」、よくあるパターンだ。 本当に悲惨な事件だ 「裁かれているのは被告だけではない。介護制度や生活保護のあり方も問われている」との判決は、その通りだ。 「介護殺人の件数」が年「50件前後で推移」、予想以上に多いのに驚かされた。 「自助・共助・公助は、40年前の1970年代に掲げられた「日本型福祉社会」の基本理念だ」、ずいぶん古いものを持ち出したものだ。 このような考え方が「人さまに迷惑をかけてはいけない」という呪縛を生んでいる、そう思えてならないのである』、同感だ 「「介護殺人の背後には経済的困窮がある」こと、「家族中心主義は社会からの孤立につながる」こと、「自立自助の原則は結果として介護する人を追い詰める」ことが指摘されている」、「今一度、立ち止まって、1970年代の社会福祉の理念を踏襲し続けることの是非を考え、見直してほしい」、その通りだ 小嶋 勝利 「老人ホームに捨てられた「元一流企業上級管理職老人」の悲惨な最期 「老人ホームに向かない人」の典型例とは」 「介護事業者から見放され、同居していた長男の奥様が、様々な心労から精神を病み、入院治療をしなければならなくなった」、いくら「脳梗塞」で「半身麻痺」とはいえ、「Aさん」の態度は余りに酷過ぎ、「Aさんを老人ホームへ入居させる」のもやむを得ない。 「男尊女卑の思想が強く、女性は自分の奴隷であるというような趣旨の発言があった・・・リクエストに応えることができない女性に罰を与えることは当然である」、ここまでくると、酷過ぎる 「「怖いおじいさん」といって入居者からも避けられるようになります。 そうするうちに、1日のほとんどを居室内で過ごし、食事や入浴も拒絶するケースが増え、次第に、居室内からまったく出てこない日も多くなっていきました」 「入院先の病院で」、「心筋梗塞」で「一人静かに亡くなりました」、運動不足で孤立したらあり得る死因だ。 「老人ホーム生活に向いていない人」もかなり多いようだ。早目に、家族が注意しておくことも必要なのだろう。ただ、注意しても効き目がないかも知れない
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