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インバウンド戦略(その14)(観光競争力で初首位も 海外客再開に欠ける視点 忌避に偏見、受け入れ再開に反対の声が充満、中国の訪日観光客が戻ってこないかもしれない これだけの深刻な理由、インバウンド解禁に潜む「3つの死角」観光業界が素直に喜べないワケ) [経済政策]

インバウンド戦略については、2020年10月17日に取上げたままだった。今日は、(その14)(観光競争力で初首位も 海外客再開に欠ける視点 忌避に偏見、受け入れ再開に反対の声が充満、中国の訪日観光客が戻ってこないかもしれない これだけの深刻な理由、インバウンド解禁に潜む「3つの死角」観光業界が素直に喜べないワケ)である。

先ずは、6月3日付け東洋経済オンラインが掲載した経営コンサルタントの日沖 健氏による「観光競争力で初首位も、海外客再開に欠ける視点 忌避に偏見、受け入れ再開に反対の声が充満」を紹介しよう。
https://toyokeizai.net/articles/-/592965
・『岸田首相は先週、新型コロナウイルスの水際対策について、6月1日から1日あたりの入国者総数の上限を2万人に引き上げるとともに、10日から訪日外国人観光客の受け入れを再開すると表明しました。外国人観光客の受け入れは、約2年2カ月ぶりになります。 全国の観光地・観光関連業者は、この2年間コロナ禍で壊滅的な打撃を受けました。そこにようやく復活の光が差してきたわけです。しかし、コロナ対策の観点から慎重な対応を求める声もあり、この政策転換を歓迎する意見ばかりではないようです。 今回は、訪日外国人観光客の受け入れ再開に関する意見を確認したうえで、今後考えたい2つの視点を紹介しましょう』、興味深そうだ。
・『外国人観光客がいなくなって「コロナ様様」  岸田首相が訪日外国人観光客の受け入れ再開をしたところ、各方面から色々な意見が上がりました。観光客の回復を期待する観光関連業者は今回の政策転換を歓迎する一方、SNSやネット掲示板では慎重な意見や反対意見が多く見受けられました(Yahoo!ニュースのアンケートでは、70%以上が水際対策の緩和に「反対」)。 筆者がまず一般市民に取材したところ耳にしたのが、コロナ対策の観点から慎重な対応を求める意見でした。 「まだ毎日2万~3万人の新規感染者が出ており、コロナが完全には終息していません。時期尚早だと思います」(50代男性・会社員) 「ここまで日本でコロナの被害が小さかったのは、水際対策がうまく行ったからでしょう。それを一気に緩めると、欧米のような感染爆発が起こるのではないかと心配です」(30代女性・会社員) 「感染症法上の分類を2類から5類にするなど、国内の対策が先。いずれ訪日外国人観光客を受け入れることには反対しませんが、国内の対策を完了した後じっくり時間を掛けて進めることでよいのでは」(40代男性・自営) そして、コロナとは関係なく、そもそも訪日外国人観光客それ自体を歓迎しないという意見がたくさん聞かれました。) 「コロナ前はどこの観光地も外国人観光客でごった返して、ゆっくりできませんでした。私は旅行が好きなので、今回の受け入れ再開でまた旅行を楽しめなくなるのは残念です」(60代女性・主婦) 「外国人観光客はうるさいし、マナーが悪い。とくにお隣りの2カ国は最悪。治安だって確実に悪くなりますよね。この2年間、外国人観光客がいなくて、実に快適でした。大きな声では言えませんが、この点に関してはコロナ様様です」(40代男性・団体職員)』、「「外国人観光客はうるさいし、マナーが悪い。とくにお隣りの2カ国は最悪・・・この2年間、外国人観光客がいなくて、実に快適でした」、その通りだろう。
・『再び奈落の底に突き落とす?  さて、ここからは、今回あまり議論されていない2つの視点を紹介しましょう。 1つ目は、観光関連業者の怒りです。観光関連業者に取材したところ、今回の受け入れ再開に反対する声は皆無で、国内で反対意見が出ていることに憤っていました。 「この2年間、外国人観光客がいなくなって、われわれは壊滅的な打撃を受けました。私の周りでも耐えきれなくなって廃業した同業者がわんさかいます。借金が残って廃業できず、夜逃げしたという同業者もいます。こういった実情を少しでも知ったら、外国人観光客の受け入れ再開に軽々しく反対できないのではないでしょうか」(北陸の旅館経営者) 「今回の受け入れ再開で、ようやくトンネルの出口が見えてきました。再開に反対する人は、地獄から這い上がろうとしているわれわれに手を差し伸べるどころか、再び奈落の底に突き落とそうとしているわけです。よく『コロナは生命の問題だ』と言われますが、外国人観光客の受け入れもわれわれにとって死ぬか生きるかの問題なのです」(関東の旅行代理店経営者) コロナに関する議論では、よく「生命と経済を同列で比較するな」「経済よりもまず生命を優先せよ」と言われます。しかし、こと観光関連業者にとっては、コロナとその対策は生命と経済が渾然一体となった複雑な問題のようです。) また、「訪日外国人観光客に対し、日本人はかなり偏ったイメージを持っている」という指摘もありました。 「コロナ前に日本人のお客様から『外国人観光客が多くて接客とか大変でしょ?』とよく言われましたが、そんなことはありません。中国からの団体客のマナーはかなり改善していて、日本人と同じくらい。日本人と違ってちゃんとたくさん買ってくれるので、 われわれにとってありがたい存在です。大切な外国人観光客を、偏ったイメージで排除しないで欲しいものです」(九州の土産物店経営者)』、「中国からの団体客のマナーはかなり改善していて、日本人と同じくらい。日本人と違ってちゃんとたくさん買ってくれるので、 われわれにとってありがたい存在です。大切な外国人観光客を、偏ったイメージで排除しないで欲しいものです」、第一の記事とは異なり、「中国からの団体客のマナーはかなり改善」としている。
・『観光立国は実現するのか  もう1つ決定的に欠落しているのが、観光立国という視点です。今回、受け入れ再開をどのように進めていくのか、詳細は未定です。ただ、5月27日の衆議院予算委員会で「訪日外国人観光客に誰がマスクを配るのか?」が論戦になったように、コロナ対策という視点が中心で、日本を観光立国にしようという長期的な視点はありません。 観光庁の和田浩一長官は3月18日、1年間の空白期間が生じている観光立国推進基本計画について、インバウンドの動向を見通すのが難しいことを理由に「もう少し感染状況が落ち着き、議論できるような状況の下で具体的な検討を進めていきたい」と述べました。その後も政府から観光立国に関する目立った発信はなく、お手上げ状態が続いています。 2006年に観光立国推進基本法が成立し、政府は観光立国推進基本計画に沿って施策を展開してきました。円安・近隣諸国の所得上昇といった追い風もあって、日本の旅行市場の市場規模は、コロナ前の2019年に27.9兆円に達しました。 ただ、観光産業が十分に成長し、「日本は観光立国だ」と胸を張れる状態になっているかというと、2019年の段階でも「まったく物足りない」というのが、率直な評価になるのではないでしょうか。 2019年の訪日外国人旅行者数は、過去最高となる3188万人でした。東日本大震災があった2011年を底に着実に増えてきましたが、世界最多のフランス8932万人はもちろん、アジアでも中国6573万人やタイ3992万人の後塵を拝しています。また、旅行市場に占めるインバウンド需要の割合は2割弱に過ぎません(2019年時点)。 先週5月24日、ダボス会議で有名な「世界経済フォーラム」が、観光地としてどれだけ魅力的か、世界各国の競争力を比較した調査結果を発表しました。日本は交通インフラの利便性や自然や文化の豊かさなどが評価され、総合順位で調査の開始以来、初めて世界1位になりました。日本は世界一の旅行市場になる潜在力がありながら、生かせていないのです』、「「世界経済フォーラム」が、観光地としてどれだけ魅力的か、世界各国の競争力を比較した調査結果を発表しました。日本は交通インフラの利便性や自然や文化の豊かさなどが評価され、総合順位で調査の開始以来、初めて世界1位になりました」、現実の「2019年の訪日外国人旅行者数は」「3188万人」と、「世界最多のフランス8932万人はもちろん、アジアでも中国6573万人やタイ3992万人の後塵を拝しています」、「日本は世界一の旅行市場になる潜在力がありながら、生かせていない」、残念だ。
・『地方経済は観光産業が頼みの側面も  もちろん、オーバーツーリズムの問題やSDGsの要請などがあり、単純に訪日外国人観光客を増やせばよいというわけではありません。観光産業や地域の持続性を確保しつつ、いかに観光を中心にした国づくりをしていくかが問われています。 著名な未来学者ジョン・ネイスビッツは、『Global Paradox』(1994、佐和隆光訳『大逆転潮流』)で、「21世紀に観光が最大の産業になる」と予測しました。 とりわけ日本では、戦後の経済成長を支えた基幹産業がすっかり衰退し、観光産業に対する期待が高まっています。金融産業のある東京と自動車産業のある愛知・静岡・埼玉などを除く多くの地域では、雇用吸収力の大きい観光産業に地域の命運がかかっていると言って過言ではありません。 政府も観光関連業者も、そしてわれわれ国民も、コロナ対策にとどまらず、国家百年の計で観光について考え、訪日外国人観光客の受け入れ再開に臨みたいものです』、「国家百年の計で観光について考え、訪日外国人観光客の受け入れ再開に臨みたいものです」、その通りだ。

次に、7月8日付けダイヤモンド・オンラインが掲載したジャーナリストの姫田小夏氏による「中国の訪日観光客が戻ってこないかもしれない、これだけの深刻な理由」を紹介しよう。
・『日本政府は外国人観光客の入国を6月10日から再開し、中国を含む98の国と地域からのツアー客の受け入れを開始した。しかし、中国人観光客は今のところ動き出す気配はない。2019年には959万人に達した中国人観光客は、コロナとともに“蒸発”したままとなっている』、今後はどうなるのだろう。
・『「海外旅行なんてあり得ない」  上海市では6月24日、市中の新型コロナウイルスの新規感染者がついにゼロとなった。「勝利宣言」が出された上海では、緊張状態はだいぶ緩和され、外食もできるようになった。何事にも機先を制する上海市民なので、中にはすでに“旅支度”を始めている人がいるかもしれない…そう思って上海の友人に聞いてみたら、「海外旅行なんてあり得ない」と一笑に付された。 機はまだ熟してはいないようだ。 日本のインバウンド市場が中国人観光客でにぎたとえば、航空券の予約のしやすさにつながるのは航空機の座席数だが、これが潜在する需要に追いついていない。 というのも、2022年3月末、中国航空当局が中国国内の航空機について「各国1路線、週に1往復」に縮小させてしまったためだ。外国の航空会社についても同様に、中国との航空路線を1路線、週1往復に限定した。その後運行状況は毎月更新されつつも、日本航空の場合は北京便、上海便とも7、8月は運休状態にある。 こうした状況を反映してか、上海から日本への航空運賃は異常な値上がりとなっている。7月上旬の航空運賃を検索してみると、上海浦東国際空港から成田国際空港へは、中国の航空会社利用で、片道かつ香港経由・エコノミークラスという条件ですら8000元(約16万円)を超えていた。2019年まで中国の航空会社の上海直行便は5万円程度で往復ができていたから、かなり高額だ。 年間3回の訪日旅行が趣味だったという上海・浦東新区在住の陳佳楠さん(仮名)は「座席数が限られる中で航空券の価格が高騰しています。留学生やビジネスマンも海外渡航が困難となっている状況で、観光客が海外に出て行くなんて、とても考えられないです」と話す』、「上海浦東国際空港から成田国際空港へは、中国の航空会社利用で、片道かつ香港経由・エコノミークラスという条件ですら8000元(約16万円)を超えていた。2019年まで中国の航空会社の上海直行便は5万円程度で往復ができていたから、かなり高額だ」、「「座席数が限られる中で航空券の価格が高騰しています。留学生やビジネスマンも海外渡航が困難となっている状況で、観光客が海外に出て行くなんて、とても考えられない」、これでは、「中国人」による日本へのインバウンド需要には全く期待できないようだ。
・『中国当局が設ける海外との壁  もっとも金に糸目をつけなければ、海外旅行を試みることはできる。 上海に拠点を置く旅行会社の担当者は「便数は減ってはいますが、高額な航空券を購入できるなら個人での海外旅行はできる、という建前となっています」と話す。 一部では減便は緩和に向かうという報道もあり、隔離政策についても「14日間の集中隔離+7日間の自宅健康観察」を「7日間の集中隔離+3日間の自宅健康観察」に短縮した。今後は正常化が期待できそうな気配も漂う。 だが、今あるのは「中国から出るな」という出国制限だ。 国家移民管理局は5月12日、「中国国民の不要不急の出国を厳しく制限し、出国や入国のために必要な書類や理由を厳格に審査する」と発表した。外国からのウイルスの侵入と、国内の感染のリバウンドを防ぐためというのが主な理由だが、「必要な場合を除いて」との前置きはあるにせよ、「中国から出るな」という強いメッセージである。  “建前”としては、パスポートがあり、航空券の予約があれば出国できるわけだが、今のところ空港の出入国管理官による“出国目的の尋問”を免れることは難しいだろう。また中国政府は昨年8月、パスポートの発行についても緊急の場合を除いて大幅に制限し、「当面は発行を行わない」(国家移民管理局)と発表、国民の自由な移動に制限をかけている』、「今あるのは「中国から出るな」という出国制限」、「パスポートの発行についても緊急の場合を除いて大幅に制限し、「当面は発行を行わない」」、これでは、中国からの旅行者には全く期待できない。。
・『海外旅行はぜいたく消費と捉えられる?  コロナがまん延する前の2018年には、年間延べ1億5000万人の中国人が楽しんだ海外旅行(旅行消費は2770億ドル、数字は中国文化観光部)だが、気になるのは、財政難のため倹約令を唱える習指導部に国民の海外旅行がどう映るのか、ということだ。 格差縮小のため富の分配を目指す共同富裕路線を掲げた習指導部は、「海外旅行はぜいたく消費だ」とも言いだしかねない。また、外貨準備高の減少を避けるためには、海外旅行での国民の散財も制限したいところだろう。あるいは、「海外で使う金は国内消費に回せ」という大号令がかかる可能性もある。 目下、緊縮財政を敷く習指導部は公務員に対して、出国にかかわる費用、公用車の購入と運行にかかわる費用、公務接待費にかかわる費用の“三大経費”の圧縮を掲げており、「それら経費は2019年の81億元(約1620億円)から2021年には51億元(約1020億円)に削減された」(中国メディア「央広網」)。習指導部は、会議、出張、研修などにかかる移動経費も削減したい意向だ。 日本のインバウンドを盛り上げた団体ツアーの中には、会議や研修・視察を名目にしたツアーも少なくなかった。しかし、このような緊縮財政下では公務員も海外渡航どころではない。ましてや民間企業に目を向ければ、ゼロコロナ政策で疲弊しインセンティブツアーどころではないだろう。頼みの中間層も“大失業時代”に直面し、それこそ海外旅行を楽しむ気分にはならないかもしれない』、「緊縮財政下では公務員も海外渡航どころではない。ましてや民間企業に目を向ければ、ゼロコロナ政策で疲弊しインセンティブツアーどころではないだろう。頼みの中間層も“大失業時代”に直面し、それこそ海外旅行を楽しむ気分にはならないかもしれない」、これではいよいよ期待薄だ。
・『海外旅行商品の販売はまだ  今回、日本政府が解禁の対象にしたのは、中国を含む98の国と地域からの団体旅行客の訪日旅行だが、前出の旅行会社の担当者によれば「中国から海外に行くアウトバウンド業務の取り扱い開始の許可が下りておらず、今も弊社では海外旅行商品の販売は行っていない」という。 中国側のアウトバウンドとは、日本からすればインバウンドを意味するが、コロナがまん延してからは、中国の旅行会社の中にはアウトバウンドの部署を丸ごと閉鎖してしまった企業もあった。この旅行会社も、海外に送客するアウトバウンド業務は復活していない。 今後の動向を決めるのはゼロコロナ政策次第だが、「人の移動が厳しく制限される中国のゼロコロナ政策は、この先3年から5年は続くだろう」と予測する中国の政治学者もいる。ロックダウンは将来的にも繰り返される恐れもあるというわけだ。実際、上海でも再封鎖されるマンションが出てきている。 もっともそれ以上に懸念されるのが、中国政府が意図的に観光客を送らなくなる可能性だ。一時期、中国人観光客が大挙して押し寄せた台湾も、アメリカ寄りの蔡英文政権が発足してからは鳴かず飛ばずとなった。その時と同じパターンで、日本がアメリカ寄りの立場をより強めれば、中国人団体客を“手札”として切ってくることもあるだろう。 東アジア情勢に深い霧が立ち込める中、コロナとともに蒸発した中国からの“客足”は、一時的に戻ってきたとしても、「いつまた途絶えるのか」というリスクと常に背中合わせの状態にある』、「「人の移動が厳しく制限される中国のゼロコロナ政策は、この先3年から5年は続くだろう」と予測する中国の政治学者もいる」、「日本がアメリカ寄りの立場をより強めれば、中国人団体客を“手札”として切ってくることもあるだろう」、「中国」とは本当に面倒な国だ。

第三に、9月30日付けダイヤモンド・オンラインが掲載した百年コンサルティング代表の鈴木貴博氏による「インバウンド解禁に潜む「3つの死角」観光業界が素直に喜べないワケ」を紹介しよう。
・『10月11日から、入国者数の上限と訪日ビザが撤廃されインバウンドが解禁されます。待望の解禁ですが、実は、観光業界には素直に喜べない事情があります。このインバウンド解禁には三つの「死角」が潜んでいるからです』、「三つの「死角」」とは穏やかではないが、何なのだろう。
・『インバウンド解禁で観光業界は復活するのか  いよいよ10月11日から、訪日外国人の観光、すなわちインバウンドが実質的に解禁になりそうです。新型コロナの水際対策に関する入国者数の上限を撤廃すると同時に、訪日外国人によるビザなし個人旅行も解禁されるといいます。 「待ちに待った」というべき、政府の方針転換でしょう。業界の期待感としては参院選があった7月は無理だとしても、本当は旅行シーズンである8月にでもインバウンドを解禁してほしかったところです。 解禁が遅れた理由は、オミクロン株による第7波がなかなか収束せず、今年の夏休みは自粛ムードが続いていたことでしょう。 ただ、細かい不満を拾うと「このとき、世界で一番感染者数が多かったのが日本だったので、水際対策をする意味はなかったはず」という意見は正論だと思います。 この時期、欧米ではすでにアフターコロナの旅行ブームに沸いていました。日本の解禁が遅れたことで、観光業界にはこの夏得られるはずだった逸失利益が一定規模で生じていたはずです。 とはいえ、秋からのインバウンド解禁でいよいよ観光ビジネスの本格的な復活が期待できます。 コロナ前の2019年を思い起こしていただくと、過去最高、年間3188万人の外国人が日本を訪れていました。東京や大阪、京都の高級ホテルは満室になり、銀座の百貨店には行列ができ、京都など人気の観光地は人の波で身動きもとれない状況でした。 そこから一転してのコロナ禍で、観光業のみなさんは本当に苦しい時代を耐えてきたと思います。およそ2年と8カ月ぶりにいよいよ守りから攻めに風向きが変わるわけで、その意味では業界は重要な転機を迎えることになります。 基本は「どう攻めるか」を考えるべきですが、じつはインバウンド需要を取り込むにあたって手放しでは喜べない三つの死角が存在しています。 観光業界がインバウンド戦略を考えるにあたって、考慮すべき課題を挙げてみたいと思います』、「世界で一番感染者数が多かったのが日本だったので、水際対策をする意味はなかったはず」という意見は正論だと思います。 この時期、欧米ではすでにアフターコロナの旅行ブームに沸いていました。日本の解禁が遅れたことで、観光業界にはこの夏得られるはずだった逸失利益が一定規模で生じていたはずです」、その通りだ。
・『第一の死角 中国本土の観光客がやってこない  日本が水際対策の方針を転換することで、多くの国々から日本に観光に来やすくなることは事実です。ただ、国別の人数で最大勢力であった中国本土からの観光客だけはその例外です。ビジネス旅客は復活しているのですが、ゼロコロナ政策が厳しいため、観光客はまだ日本に来ることができないのです。 2019年の中国本土からの訪日客の人数は約960万人でした。これはインバウンド全体のちょうど3割に相当します。 中国の中流階級から富裕層にかけての層は経済的にも羽振りが良く、爆買いでたくさんのお金を日本経済に落としてくれていました。この部分がしばらくの間、経済需要としては欠けそうです。 とはいえ、それ以外の国からの需要についてはいまのところ期待ができそうです。2番目に多い韓国の観光業界は、むしろずっと日本の水際対策が緩和されるのを待っていました。 ビザがないと日本への観光ができず、そのビザを取るために大使館に長蛇の列ができるような不自由な状況が続いていたのです。ビザなしでOKとなれば、需要は急速に戻ってきそうです。 人数面で見ると、日本のインバウンド需要はアジアからの観光客に支えられています。ここが早期復活すれば、業界は比較的早く活性化しそうです。 ただ気をつけるべき点は、観光業界はかなり細分化されていて、それぞれの業者が得意な国が異なっている点です。 その観点で考えると、2019年以前に中国本土からの観光客に注力してきた会社は、中国本土需要が復活するまでの間、さらにどうやって生き延びるのかを考える必要があるかもしれません』、「2019年の中国本土からの訪日客の人数は約960万人でした。これはインバウンド全体のちょうど3割に相当します。 中国の中流階級から富裕層にかけての層は経済的にも羽振りが良く、爆買いでたくさんのお金を日本経済に落としてくれていました。この部分がしばらくの間、経済需要としては欠けそうです」、「人数面で見ると、日本のインバウンド需要はアジアからの観光客に支えられています。ここが早期復活すれば、業界は比較的早く活性化しそうです」、なるほど。
・『第二の死角 人が雇えない  実は私が一番心配しているのが、この2番目の死角です。今、雇用の現場では世界的に大量離脱(グレートレジグネーション)と呼ばれる現象が起きています。人手が不足して、人が雇えないのです。 観光業界はコロナ禍を生き延びるためにコストを削られるだけ削り、必要性から多くの従業員の雇い止めをしてきました。2020年にコロナが始まり、21年に開催された期待の東京オリンピックも無観客で終わり、極限までのリストラは致し方のない対策だったことと思います。 しかし問題は業界から大量の経験者が消えてしまったことです。10月からいよいよインバウンド解禁で、経験者に元の職場に戻ってほしいと考えても、実は雇い戻しが想定よりも難しいかもしれません。 実際にアメリカで今起きているのが、人が雇えないことに起因するインフレです。 アメリカは日本社会以上に雇用の流動性が高いことから、コロナ禍で多くの企業が当たり前のように人員整理を行いました。ところが、そこで計算外の事態が起きたといいます。コロナ禍をきっかけに人生を見直す人が一定規模で増加したのです。 ある推計によれば、全従業員の約5%が人生を見直して労働市場から離脱したといいます。これがグレートレジグネーションという現象です。 コロナ禍以前と比較してそもそも雇える人口の母数が減ってしまっている。そのうえで、コロナ禍で雇い止めに遭った経験者がすでに他の仕事を見つけていたりします。 もちろん「いつかは観光業に戻りたい」と思っている人もいらっしゃるとは思いますが、中には「新しい職場の方が気を使わなくてもいいし、自分には向いている」と考えた人もいらっしゃるでしょう。 要するに、日本でもインバウンド需要が急回復する中で、人が雇えないことによる逸失利益がこれから先、新たな問題になりそうなのです』、「全従業員の約5%が人生を見直して労働市場から離脱したといいます。これがグレートレジグネーションという現象です」、「日本でもインバウンド需要が急回復する中で、人が雇えないことによる逸失利益がこれから先、新たな問題になりそう」、「コロナ禍で雇い止め」などをした以上、やむを得ないことだ。
・『第三の死角 世界が不況に突入  そしてもう一つ気になるのは、リベンジ消費のブームがそろそろ終幕かもしれないという話です。 昨年の秋ごろにリベンジ消費という言葉が騒がれ始めて、気が付けばそれからもう1年たっています。この間、日本では第6波、そして強烈な第7波による経済停滞が起きていたため、日本人の感覚的には「リベンジ消費はまだまだこれからだ」という気分かもしれません。 しかし問題は、外国人のリベンジ消費意欲です。過去1年間、日本に行けないということでアジア人は近隣諸国で、欧米人はイビサ島(スペイン)やバハマ、フロリダなどでリベンジ消費を堪能したでしょう。 とはいえ日本旅行解禁を心待ちにしていた人たちは、日本に来ればパーっとお金を使ってくれるとは思います。 ただ心配なことに、十分な数の旅行客がリベンジ消費に戻ってくるかどうかはわかりません。特に気になるのは、いよいよ欧米経済がリセッション(景気後退局面)に向かいそうだということです。 円安の今、日本は欧米人から見れば買い物天国で、すべてのものが驚くほど安い価格で手に入ります。しかしその円安の原因は、欧米がインフレ経済を抑え込むために利上げをしたことに起因しています。欧米の中央銀行は景気を悪化させてもインフレ退治をしなければならないと必死で、結果として2023年の世界経済は大きく景気後退しそうだという予測です。 つまり、日本人が「いよいよこれからだ」と思っている今のタイミングは、世界から見れば「そろそろこれまでだ」というタイミングなのかもしれないのです。 さて、話をまとめましょう。 コロナ禍前、2019年の10月から12月にかけての訪日外国人数は月平均250万人でした。そこから中国本土の観光需要がないことを想定すると、「月175万人の訪日客」を一つの期待上限として想定すべきでしょう。 そのラインと比較して実際に発表されるインバウンド人数の速報値がどれくらい乖離(かいり)しているのか? そして観光地の景気は急回復できるのか? 解禁後のインバウンドマーケットの状況を、注視していきたいと思います』、「日本人が「いよいよこれからだ」と思っている今のタイミングは、世界から見れば「そろそろこれまでだ」というタイミングなのかもしれないのです」、「「月175万人の訪日客」を一つの期待上限として想定すべきでしょう。 そのラインと比較して実際に発表されるインバウンド人数の速報値がどれくらい乖離(かいり)しているのか? そして観光地の景気は急回復できるのか? 解禁後のインバウンドマーケットの状況を、注視していきたいと思います」、確かに「解禁後のインバウンドマーケットの状況を、注視」する価値がありそうだ。
タグ:インバウンド戦略 (その14)(観光競争力で初首位も 海外客再開に欠ける視点 忌避に偏見、受け入れ再開に反対の声が充満、中国の訪日観光客が戻ってこないかもしれない これだけの深刻な理由、インバウンド解禁に潜む「3つの死角」観光業界が素直に喜べないワケ) 東洋経済オンライン 日沖 健氏による「観光競争力で初首位も、海外客再開に欠ける視点 忌避に偏見、受け入れ再開に反対の声が充満」 「「外国人観光客はうるさいし、マナーが悪い。とくにお隣りの2カ国は最悪・・・この2年間、外国人観光客がいなくて、実に快適でした」、その通りだろう。 「中国からの団体客のマナーはかなり改善していて、日本人と同じくらい。日本人と違ってちゃんとたくさん買ってくれるので、 われわれにとってありがたい存在です。大切な外国人観光客を、偏ったイメージで排除しないで欲しいものです」、第一の記事とは異なり、「中国からの団体客のマナーはかなり改善」としている 「「世界経済フォーラム」が、観光地としてどれだけ魅力的か、世界各国の競争力を比較した調査結果を発表しました。日本は交通インフラの利便性や自然や文化の豊かさなどが評価され、総合順位で調査の開始以来、初めて世界1位になりました」、現実の「2019年の訪日外国人旅行者数は」「3188万人」と、「世界最多のフランス8932万人はもちろん、アジアでも中国6573万人やタイ3992万人の後塵を拝しています」、「日本は世界一の旅行市場になる潜在力がありながら、生かせていない」、残念だ。 「国家百年の計で観光について考え、訪日外国人観光客の受け入れ再開に臨みたいものです」、その通りだ。 ダイヤモンド・オンライン 姫田小夏氏による「中国の訪日観光客が戻ってこないかもしれない、これだけの深刻な理由」 今後はどうなるのだろう。 「上海浦東国際空港から成田国際空港へは、中国の航空会社利用で、片道かつ香港経由・エコノミークラスという条件ですら8000元(約16万円)を超えていた。2019年まで中国の航空会社の上海直行便は5万円程度で往復ができていたから、かなり高額だ」、 「「座席数が限られる中で航空券の価格が高騰しています。留学生やビジネスマンも海外渡航が困難となっている状況で、観光客が海外に出て行くなんて、とても考えられない」、これでは、「中国人」による日本へのインバウンド需要には全く期待できないようだ。 「今あるのは「中国から出るな」という出国制限」、「パスポートの発行についても緊急の場合を除いて大幅に制限し、「当面は発行を行わない」」、これでは、中国からの旅行者には全く期待できない。。 「緊縮財政下では公務員も海外渡航どころではない。ましてや民間企業に目を向ければ、ゼロコロナ政策で疲弊しインセンティブツアーどころではないだろう。頼みの中間層も“大失業時代”に直面し、それこそ海外旅行を楽しむ気分にはならないかもしれない」、これではいよいよ期待薄だ。 「「人の移動が厳しく制限される中国のゼロコロナ政策は、この先3年から5年は続くだろう」と予測する中国の政治学者もいる」、「日本がアメリカ寄りの立場をより強めれば、中国人団体客を“手札”として切ってくることもあるだろう」、「中国」とは本当に面倒な国だ。 鈴木貴博氏による「インバウンド解禁に潜む「3つの死角」観光業界が素直に喜べないワケ」 「三つの「死角」」とは穏やかではないが、何なのだろう。 「世界で一番感染者数が多かったのが日本だったので、水際対策をする意味はなかったはず」という意見は正論だと思います。 この時期、欧米ではすでにアフターコロナの旅行ブームに沸いていました。日本の解禁が遅れたことで、観光業界にはこの夏得られるはずだった逸失利益が一定規模で生じていたはずです」、その通りだ。 第一の死角 中国本土の観光客がやってこない 「2019年の中国本土からの訪日客の人数は約960万人でした。これはインバウンド全体のちょうど3割に相当します。 中国の中流階級から富裕層にかけての層は経済的にも羽振りが良く、爆買いでたくさんのお金を日本経済に落としてくれていました。この部分がしばらくの間、経済需要としては欠けそうです」、「人数面で見ると、日本のインバウンド需要はアジアからの観光客に支えられています。ここが早期復活すれば、業界は比較的早く活性化しそうです」、なるほど。 第二の死角 人が雇えない 「全従業員の約5%が人生を見直して労働市場から離脱したといいます。これがグレートレジグネーションという現象です」、「日本でもインバウンド需要が急回復する中で、人が雇えないことによる逸失利益がこれから先、新たな問題になりそう」、「コロナ禍で雇い止め」などをした以上、やむを得ないことだ。 第三の死角 世界が不況に突入 「日本人が「いよいよこれからだ」と思っている今のタイミングは、世界から見れば「そろそろこれまでだ」というタイミングなのかもしれないのです」、「「月175万人の訪日客」を一つの期待上限として想定すべきでしょう。 そのラインと比較して実際に発表されるインバウンド人数の速報値がどれくらい乖離(かいり)しているのか? そして観光地の景気は急回復できるのか? 解禁後のインバウンドマーケットの状況を、注視していきたいと思います」、確かに「解禁後のインバウンドマーケットの状況を、注視」する価値がありそうだ。
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