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梨泰院ハロウィン圧死事故(その1)(雑踏事故が露わにした韓国社会の「イカゲーム化」 責任逃れしようとする政府と始まった犯人捜し、韓国・ソウル雑踏事故でメディアが報じなかった…犠牲者の横で若者たちが連呼した「卑猥な言葉」と「ヤバすぎる現場」、韓国・梨泰院159人圧死事件から考える 韓国で大規模事故が減らない理由) [世界情勢]

今日は、梨泰院ハロウィン圧死事故(その1)(雑踏事故が露わにした韓国社会の「イカゲーム化」 責任逃れしようとする政府と始まった犯人捜し、韓国・ソウル雑踏事故でメディアが報じなかった…犠牲者の横で若者たちが連呼した「卑猥な言葉」と「ヤバすぎる現場」、韓国・梨泰院159人圧死事件から考える 韓国で大規模事故が減らない理由)を取上げよう。

先ずは、11月2日付け東洋経済オンラインが掲載したソウル在住ジャーナリストで「ニュースタンス」編集長の徐 台教氏による「雑踏事故が露わにした韓国社会の「イカゲーム化」 責任逃れしようとする政府と始まった犯人捜し」を紹介しよう。
https://toyokeizai.net/articles/-/629938
・『「ここで働いて10年になるが歴代トップレベルの人出だった」 事故から丸1日経った10月30日夜、匿名を条件にインタビューに応じてくれた現場付近のコンビニ店員はこう述べて目を伏せた。 29日晩、ソウルで最も多文化な街・梨泰院(イテウォン)に集まった人々が、同地のランドマークであるハミルトンホテル脇の路地で将棋倒しとなった。死者155人、負傷者152人(1日午前6時現在)。2人の日本人を含む26人の外国人をも巻き込んだ文字通りの大惨事となった。 「梨泰院の惨事」と名付けられ、社会的なインパクトとしては修学旅行中の高校生258人を含む304人が亡くなった2014年4月16日のセウォル号沈没事件以来のものとされる今回の事故が今、韓国社会にどんな議論を投げかけているのか。現在の争点から韓国社会が抱える問題が見えてきた』、興味深そうだ。
・『事故の原因をめぐる「すれ違い」  一晩明けた30日の朝から事故の詳報があらゆるメディアを通じ韓国社会に伝わった。あまりの被害の大きさから、韓国社会はショックを受け、次いで哀悼の雰囲気に包まれた。そして、「いまは哀悼の時間」というフレーズがネット上のあちこちに溢れた。非常に韓国的な表現であると、私は思わず唸った。 韓国はここ数年、いわゆる「保守」と「進歩」という両陣営間の政治的な分断が急速に深まっている。政治家間は言うに及ばず、市民が集うネット上の言論空間でも衝突が先鋭化している。 事故の原因究明を求める動きがすぐに政争へと転化する発火寸前の状況が存在するということだ。こうした中での「まずは哀悼」という主張は、「政治の話はやめよう」と置き換えることができる。 事故が社会に与える影響の深刻さを逆説的に伝える表現だった。自制心を失い陣営間に分かれ感情的な対立が起こる場合、社会秩序が崩れる恐れすらあったと私は見ている。 しかし、市民は冷静を保った。一方で追悼を優先する雰囲気に大統領も便乗する。 30日午前、尹錫悦大統領は国民向けの談話の中で「事態の収拾が付くまで国家哀悼期間とする」旨を明かした。期間中は派手なイベントを自粛することが求められる。百貨店や遊園地はハロウィンに向けて準備していたイベントをすべて取りやめ、売り物も撤去した。国が哀悼を指示していた。 だが、韓国市民は事故直後から、積極的に「なぜ」と問い続けた。 密閉空間でもない場所で、たくさんの犠牲者が出た理由を知りたがった。背景には、政府への不信がある。生者を乗せたまま沈みゆく船を全国民が見守るしかなかった8年前のセウォル号沈没事故を引き合いに出すまでもなく、忘れた頃にやってくる大型人災の陰には、必ず政府の予防や対応のまずさが存在してきたからだ。 そして、今回も同じだった。 事故当時、現場の路地一帯ではたくさんの人出にもかかわらず人流を整理する警官や公務員がほぼ見当たらなかったことが早々に明らかになった。さらに事故当日の昼間からは、人出の多さに危険を感じた現場周辺で商売を営む人物たちやユーチューバーなどが警察に通報し介入を要求したのにもかかわらず、黙殺されていたこともわかった』、「事故当時、現場の路地一帯ではたくさんの人出にもかかわらず人流を整理する警官や公務員がほぼ見当たらなかった」、「人出の多さに危険を感じた現場周辺で商売を営む人物たちやユーチューバーなどが警察に通報し介入を要求したのにもかかわらず、黙殺されていた」、これでは「行政」の責任重大だ。
・『行政の不備を指摘する声が出てきた  こうした内容が伝わるや、世論は哀悼ムードを維持しつつも行政の不備、つまり警察や公務員の対応が不足していた点を指摘する方向へと一斉に向かった。 印象的だったのはニュース専門チャンネルのYTNだ。31日の放送でアンカーは「国民は皆、警備の手薄さに憤っている」と発言した。事故の責任がどこにあるのかを示すもので、速報とファクト中心の報道を心がける同局としては、かなり踏み込んだ発言だった。 他局も同様で、続々と行政の不備に関するニュースを流している。 地上波主要局の1つSBSは、31日のメインニュースで、当日のソウルにはデモなどの対応で機動隊約4800人が投入されたが、13万人の人出が見込まれた梨泰院には「配備ゼロ」だったこと報道。また、1日には警察が事故の直前にあった市民の通報を「緊急度高」と分類したにもかかわらず、出動しなかった事実を伝えた。 このように「明らかな人災である」という世論が広まる傍らで政府は、「誰が実際に事故を引き起こしたのか」という点を明らかにしようと、周辺の監視カメラの映像や目撃証言を集め捜査を進めている。) ある生存者は「屈強な20代男性の一団が『押せ!押せ!』という叫ぶ声が背後から聞こえてきた。彼らを許さない」という趣旨の内容をネット上に書き込んだ。特徴的な髪型や衣装の様子が書かれており、ネットを中心に犯人捜しに拍車がかかっている。 当然、必要な捜査ではあろう。だがもし警察が「犯人」を特定したとしても、この事故の原因がすべてそこにあるのか、どう罰することができるのかもまた、議論となっている。「それよりも未然に路地の通行を規制すべきではなかったのか」という行政の不備を指摘する声が圧倒的な中、この「すれ違い」が今後は大きな争点となる見通しだ』、「デモなどの対応で機動隊約4800人が投入されたが、13万人の人出が見込まれた梨泰院には「配備ゼロ」だった」、「ある生存者は「屈強な20代男性の一団が『押せ!押せ!』という叫ぶ声が背後から聞こえてきた。彼らを許さない」という趣旨の内容をネット上に書き込んだ」、「「それよりも未然に路地の通行を規制すべきではなかったのか」という行政の不備を指摘する声が圧倒的」、やはり「行政の不備」が主因のようだ。 
・『政府の責任はどこまで?  「爆弾ゲーム」とは、爆弾に見立てたボールを数人で回し、音楽が止まった際にボールを持っていたものが罰ゲームを行う遊びだ。今回の事故後の政府内の動きは、これに近いものがある。 ゲームの登場人物は、梨泰院が所属するソウル龍山区長、ソウル市長、市民の安全を司る行政安全部の長官などだ。 まず、朴熙英(パク・ヒヨン)龍山区長は、事故直後に現場に駆けつけたというものの、事故後に連絡が取れなくなり立場表明が事故翌日の午後5時まで遅れた。朴区長は韓国メディアに「現場の収拾が先だった」としたが、立場表明文には事前の備えが足りなかったという認識は含まれず、謝罪の言葉もなかった。 朴区長はこれに対し「魂の込もっていない謝罪は意味がない。事前の準備がどう適用されていたのかをまず把握する」とかわした。 そして31日の会見では「区長としてはできることはやったが、ここまでの人出は予想できなかった」とした上で、「これ(ハロウィン)はお祭りではない。お祭りならばイベントの主催者がいるが、ただハロウィンの日に集まる一つの『現象』として見るべき」と見解を明かした。やはり謝罪の言葉はなかった。「現象」という発言は「責任逃れだ」とメディアや世論の批判を浴びている。 ソウル市の呉世勲(オ・セフン)市長は事故翌日の午後になって現場に到着した。事故の一報を聞き、海外出張から急遽帰国したものだ。 呉市長は現場で「子どもを亡くした親御さんたちにどんな労りの言葉をかけていいかわからない」とし、「ソウル市は事故の収拾に万全を期す」と述べた。謝罪はまたもなかった。翌31日には韓国メディアの記者たちに対し「捜査結果が出た後に立場を明かすのが順序である」との見解を明かした。 きわめつけは、文字通り市民の安全を総括する行政安全部(日本の総務省と警察庁を合わせた省庁)の李祥敏(イ・サンミン)長官の発言だった。 事故翌日の会見で「警察と消防を事前に配置したといって解決される問題ではなかった」とし、31日には「警察と消防の配置不足が事故の原因だったのかは疑問」と責任逃れと取れる見解を連発した。連日の失言に与党内からも辞任を求める声が上がるほどだった。 李長官は31日夜と1日午後に相次いで正式に謝罪したが、初動からすでに尹錫悦政府の「責任逃れ体質」を韓国社会に強く印象づけた』、「初動からすでに尹錫悦政府の「責任逃れ体質」を韓国社会に強く印象づけた」、無責任極まる対応だ。
・『なぜ行政の「責任」になるのか  このように政府の重要な位置にいる人物たちは相次いで責任から逃れようとした。それはまるで、「責任」という名のボールを回す爆弾ゲームそのものだった。 李祥敏長官 行政安全部の李祥敏長官。判事出身で、尹錫悦大統領の高校・大学の後輩にあたる(写真:行政安全部のサイトより) 読者の中には「なぜ行政側が謝罪をする必要があるのか?」と思う方がいるかもしれない。当然、あり得る疑問だ。これに対する答えは2つある。 まず、韓国市民が政府に求める役割は想像以上に大きいということだ。2020年に新型コロナが流行した際にも、こうした感覚は明確になった。政府は国民を保護する義務があるという認識は深く根付いており、韓国の有権者は日々、政府にさまざまな対策を求めるデモを行っている。 次に法律で行政の責務が定められている点が挙げられる。 『災難および安全管理基本法(災難安全法)』の第4条では「国家と地方自治体では災難やその外の各種事故から国民の生命・身体および財産を保護する責務を負い、災難やその外の各種事故を予防し、被害を減らすために努力しなければならず、発生した被害を迅速に対応・復旧するために計画を樹立・施行しなければならない」と国、そして行政の役割は明確だ。 これらの点を行政側が理解していないはずはない。そして前述したようなすでに明らかになっている事実から、謝罪の必要性は充分に認識できるはずだ。「哀悼優先」や「原因究明」をかかげ謝罪を後回しにするのは不自然であったと考えるほかにない。 その後ついに1日午前、警察庁長が記者会見を開き、100件を超える事前の通報を見逃した警察の判断不足を認め、事故における警察の責任に言及した。また、李祥敏長官も同日「国家は国民の安全に対し限りない責任がある」とし、深い謝罪の意を明かした。呉世勲ソウル市長もこれに続き、「限りない責任」を繰り返した。 だが、政府が一度見せた責任逃れの印象は、そう簡単に覆らないだろう。 前述したように、現在は「実行犯」を探す動きと、「システムの不備や不作為」を究明する動きが同時に行われている。今後、特定の個人が「犯人」とされる可能性もある。この場合、政府の責任をどう問うのかが焦点となる。 そして再発防止策も議論されるだろう。実は、今回の事故は「法の死角」で起きたものでもあった。 韓国では1000人以上のイベントが行われる際に、主催者による安全管理措置の計画が規定されているが、梨泰院のハロウィンのイベントには主催者がいなかったため、対策が宙ぶらりんとなっていた。 この空白が事故を生んだとも考えることができることから、補完する法律を早急に作る必要がある。この空白は同時に、遺族が政府(行政)の責任を問えるのかどうかの争点をはらんでもいる。明確な政府の不手際が明らかになる場合、遺家族は政府に対する損害賠償請求ができるという専門家の指摘もある』、「韓国では1000人以上のイベントが行われる際に、主催者による安全管理措置の計画が規定されているが、梨泰院のハロウィンのイベントには主催者がいなかったため、対策が宙ぶらりんとなっていた。 この空白が事故を生んだとも考えることができることから、補完する法律を早急に作る必要がある」、「明確な政府の不手際が明らかになる場合、遺家族は政府に対する損害賠償請求ができるという専門家の指摘も」、なるほど。
・『大型事故が相次ぐ韓国社会は「安全」なのか  だが何よりも「韓国社会ははたして安全なのか」という問いに政府が答えなければならない。 同様のな問いはセウォル号事件が起きた8年前にも発せられ、OECD諸国でも屈指の多さとなるワーストの労働災害被害が相次いだ続いた文在寅政権の5年間にでも続いたが、残念ながら儚い望みであったことが今回の事件で明らかになった。 日本でも知られるアーティスト、イ・ランがツイートした「生きていることを個々人の運に任せる社会とは」という言葉は、ドラマ「イカゲーム」を彷彿とさせ、危険と隣り合わせの韓国社会の本質を鋭く突いている。 一方で事故を受けて韓国社会でも「あんな危険な場所に行くのが悪い」という「自己責任論」が、事故直後からはびこっている。 しかし、「梨泰院の惨事」は明らかに人災であり、政府は事故直後に責任を回避しようとした。こんな厳しい現実を前に韓国社会は今、「国民を保護する」という政府の役割を求め続け前に進もうとするのか、それとも無力感の中で自己責任論が幅を利かす方向へとなし崩しで変わっていくのか、その大事な分岐点を迎えている。「梨泰院の惨事」が投げかける問いは、あまりにも重い』、「韓国社会は今、「国民を保護する」という政府の役割を求め続け前に進もうとするのか、それとも無力感の中で自己責任論が幅を利かす方向へとなし崩しで変わっていくのか、その大事な分岐点を迎えている」、どちらに進むのだろうか。

次に、11月7日付け現代ビジネス「韓国・ソウル雑踏事故でメディアが報じなかった…犠牲者の横で若者たちが連呼した「卑猥な言葉」と「ヤバすぎる現場」」を紹介しよう。
https://gendai.media/articles/-/101873?imp=0
・『ハロウィン直前の週末、多くの若者が集まる韓国・梨泰院で起きた大惨事。その裏では一部の若者たちがあまりに無軌道な行動をとっていた』、「一部の若者たちがあまりに無軌道な行動」とはどいうことなのだろう。
・『阿鼻叫喚の地獄絵図 「なにこれ! ウケる!」  救助活動を手伝っている最中に聞こえてきたはしゃぐような声に、朴恩周さん(20代・仮名)は耳を疑った。 目の前に広がるのは阿鼻叫喚の地獄絵図。隙間なく密集した群衆が、さまざまな言語で助けを求めて絶叫していた。 「助けて!」「押せ!」「戻れ!」――。 四方八方から押された圧力によって、誰もが苦悶に満ちた表情を浮かべている。 裂けそうなほど口を大きく開き、断末魔のような悲鳴を上げている女性。目を見開いたまま、動かなくなってしまった男性、顔色がみるみるうちに紫色に変わっていく少女。 それなのに――。 「酔っ払った男女が犠牲者にスマホを向けて、笑っていたのです。救急車の前で『セックス』と連呼しながら、飛び跳ねて踊っていた集団もいました。地獄があるとしたら、あの光景のことでしょう」(前出・朴さん)』、「「酔っ払った男女が犠牲者にスマホを向けて、笑っていたのです。救急車の前で『セックス』と連呼しながら、飛び跳ねて踊っていた集団もいました」、韓国の若者は酷く分断が進んでいるようだ。
・『横で躍りまくる若者たち  10月29日、若者たちでにぎわう韓国・ソウルの梨泰院エリアで、午後10時15分ごろ群衆雪崩が発生した。 日本人女性2人を含む、156名が圧死するという大惨事が起きた小道は、幅3・2mほど。その道の、長さわずか5・7mほどのスペースに約300人もの人々が押し込められた。 多くの犠牲者は倒れて下敷きになったのではなく、立ったまま周囲の人に押し潰され圧死した。 この大惨事にもかかわらず、犠牲者を好奇の対象とする野次馬が無数に存在したことはあまり報じられていない。 中には救助され、下着姿や半裸状態で心肺蘇生をされている女性たちを性的な目で見ていた男性もいた。 「失神した女性の服をわざと脱がし、救助や心肺蘇生に見せかけて身体を触っていた男性もいたそうです」(韓国留学中の日本人女子大生)』、「救助され、下着姿や半裸状態で心肺蘇生をされている女性たちを性的な目で見ていた男性もいた」、「失神した女性の服をわざと脱がし、救助や心肺蘇生に見せかけて身体を触っていた男性もいたそうです」、盗人猛々しい恥ずべき行為だ。
・『むき出しの「エゴと欲望」  混乱に乗じて、ショックを受ける女性に励ますふりをして声をかけ、「お持ち帰り」を試みる男性もいたという。 大勢の遺体が横たわる場所で、エゴと欲望をむき出しにする人々。 まさに「鬼畜な現場」だった。 この日、韓国人の夫と梨泰院を訪れていた川上恵理さん(20代・仮名)も、信じられない光景を前に唖然とした一人だ。 「すぐ近くに、救助される人や死にそうな人たちがいたのに、町中にはクラブミュージックが爆音で流れ、お酒を飲んで踊りまくる集団をいくつも見かけました。現場に残された犠牲者の財布やスマホを盗んだ火事場泥棒もいたようです」 犠牲者の多くは、四方から圧力がかかり、胸部や腹部が圧迫されて呼吸困難に陥る「外傷性窒息」を引き起こしたとみられている。 「外傷性窒息は発症すると、血圧低下や血中の二酸化炭素濃度が上昇します。同時に静脈が圧迫されて血が戻らなくなり、顔色が紫色に変色する。そして二酸化炭素の麻酔作用で痛みや苦しさがわからなくなり、眠るように命を落とします。 体重の5倍の力で圧迫された場合、およそ5分で死に至る。圧迫直後に救助されなかったら、助かりません」(法医学が専門の徳島大学・西村明儒教授)』、「「外傷性窒息は発症すると、血圧低下や血中の二酸化炭素濃度が上昇します。同時に静脈が圧迫されて血が戻らなくなり、顔色が紫色に変色する。そして二酸化炭素の麻酔作用で痛みや苦しさがわからなくなり、眠るように命を落とします。 体重の5倍の力で圧迫された場合、およそ5分で死に至る。圧迫直後に救助されなかったら、助かりません」、恐ろしい症状だ。
・SNSで「いいね」稼ぎ  そうした意識不明の人々の傍らには、冒頭でも紹介したように、悲惨な最期を迎えた若者たちに手を合わせるのではなく、スマホのカメラを向けて撮影する人々の姿が多く見られた。 「血だらけの道路、並んで横たわっている遺体、下着姿で心臓マッサージや人工呼吸を受けている負傷者、担架で運ばれる人などを撮影。フィルターなしでこぞってSNSに投稿していた人々がいて、問題になっています」(東京新聞論説委員の五味洋治氏) ジャーナリストの金敬哲氏も、思わず目を背けたくなるような惨状を狙って撮りに行く若者たちがいたと指摘する。 「SNSに投稿して『いいね』を貰うことに快感や幸福を覚え、存在価値を見出している人たちが増えています。そうした人たちの多くが事故現場を撮影し、配信したのでしょう」 そんな行動に対し、韓国国内からも、「あまりに恥ずべき行為だ」と批判の声が上がっている。 一方で、前出の朴さんによると犠牲者に対する批判も多くみられるという。 梨泰院のハロウィンは人が多く、「行かないほうがいい」と再三、注意喚起されており、「自業自得」というものだ』、「「血だらけの道路、並んで横たわっている遺体、下着姿で心臓マッサージや人工呼吸を受けている負傷者、担架で運ばれる人などを撮影。フィルターなしでこぞってSNSに投稿していた人々がいて、問題になっています」、「SNSに投稿して『いいね』を貰うことに快感や幸福を覚え、存在価値を見出している人たちが増えています。そうした人たちの多くが事故現場を撮影し、配信したのでしょう」、「SNSに投稿して『いいね』を貰うことに快感や幸福を覚え、存在価値を見出している人たちが増えています」、全く嘆かわしいことだ。
・『先行きが見えない韓国  批判の矛先は韓国政府や警察庁にも向けられた。 事故発生が懸念されていたにもかかわらず、認識が甘く、対策が不十分だったからだ。 4日、犠牲者を追悼する法要に出席した尹錫悦大統領は初めて公式に謝罪した。 だが、今後の対応次第では政権を揺さぶる事態に発展する可能性もある。 悲嘆と批判、同情や嘲笑などが入り混じって渦巻く中、このままでは別の場所で同じような事態が起きかねないと前出の五味氏は危惧する。 「自然発生的なハロウィンイベントは、韓国では集まった人と気軽に盛り上がれるコミュニケーションの場として、若者に人気です。厳しい受験競争や兵役がある韓国で、ストレス発散になるこのイベントは自分を解放できる側面があるようです」 その背景には、先行きの見えない韓国の社会で、若者たちの間に漂う諦念が垣間見える。 「就職も結婚も難しい。夢もなく、他人には興味がないけれど、楽しいことだけには熱中する。今だけを生きる、といった刹那的な感覚の若者が増えています」(前出・金氏) 悪夢のハロウィンは起こるべくして起こったのかもしれない―』、「「自然発生的なハロウィンイベントは、韓国では集まった人と気軽に盛り上がれるコミュニケーションの場として、若者に人気です。厳しい受験競争や兵役がある韓国で、ストレス発散になるこのイベントは自分を解放できる側面があるようです」、「ハロウィンイベント」は日本でも盛んになってきたが、「韓国」では遥かに盛んになる要素が多いようだ。

第三に、11月14日付けダイヤモンド・オンラインが掲載した韓国在住ライターの田中美蘭氏による「韓国・梨泰院159人圧死事件から考える、韓国で大規模事故が減らない理由」を紹介しよう。
https://diamond.jp/articles/-/312822
・『韓国・ソウルの繁華街、梨泰院(イテウォン)でハロウィーンのために集まった群衆が転倒し、158人が死亡するという大惨事が起こってから2週間が過ぎた。いまだ深い悲しみに包まれている韓国であるが、その悲しみの裏で、度重なる安全を軽視した人災に対する怒りと失望感も広がっている。日本でもこのニュースは衝撃をもって伝えられ、「どこにでも起こり得る事故だ」という声も聞かれる。しかし、韓国でこれだけの人災とも言うべき大きな事故が多発する背景には、安全対策の見直しや反省だけでは改善できない韓国の事情もありそうである』、「安全対策の見直しや反省だけでは改善できない韓国の事情」、とはどんなことなのでろう。
・『第二、第三の梨泰院事故を引き起こしそうな予兆は至るところに  日本でも報道されているが、今回の事故現場となった梨泰院の路地は、緩やかな傾斜のある狭い道の両側に店舗が軒を連ねている。事故当日はそこに身動きを取れない程に群衆が密集していたこと、また、再三指摘されている通り、警察の警備が不十分であったことを考えると、さまざまな不運や要因が重なって起こってしまった事故だと言えるだろう。 しかし、こうした事故は梨泰院に限ったことではなく、韓国の繁華街であればどこでも起こる可能性を秘めている。韓国の繁華街は、大通りから一本裏に入れば狭い路地がひしめき合っていることが多い。その路地のほとんどは一方通行で袋小路のようになっており、「コルモク」と呼ばれている。韓国の繁華街の多くは古くから栄えている地域であり、こうした入り組んだ道がそのままで今も残されていることが多いのである。 写真のこの路地は第二の都市・釜山の西面(ソミョン)という繁華街にある。見ての通り狭い道の両端には、店が看板やディスプレーを出していたり、廃棄用の段ボール箱が置かれていたりして乱雑な様子が 分かるかと思う。その上、実際に歩くと度々、歩行者の横をかなりのスピードですり抜けて行くオートバイや車もあり、危険も感じる。) さらに今回の事故では、現場近くのホテルのテラスが増設されていたことで道幅を狭め被害を拡大したのではないかと指摘されている。こうした建物の違法建築も韓国では度々、問題視されているが、実際には罰金を課せられてもそれに従わないケースも多いのも事実である。 こうした韓国の路地の危険性は、今回のような群衆による転倒事故に限ったものではなく、他の災害でも被害を大きくする原因になるであろうことは十分に考えられる。例えば火災が起きた場合に、消防車や救急車が狭い道幅や、障害物によって現場へ進入するのが困難になったり、消火や救助活動に支障が出たりすることは容易に想像できる。 こうした街中の地理的な事情に加えて、公共の場での秩序というものも韓国で日常生活を送っていると気になることが多い。例えば、混雑した雑踏や車内、店内といった場で、前方の人を一言もなく押して追い抜こうとしてくることが多い。また現在でこそ、交通ルールが厳しくなって改善されたものの、かつてはバスがバス停留場で完全に止まらず、減速してきたバスをめがけて客たちが一目散に小走りで飛び乗るといった光景が普通であった。また、車の運転を見ても運転の荒さや、車がいったん停止をしない、駐車の仕方が悪いなど、外国人からは韓国の「交通マナー」について苦言の声もよく聞かれる。 こうしたところからも、危険を考えたり、ルールを守ったりするということよりも「少しぐらいはルールを破ってもいい」「みんなもやっているから」といった自分本位な姿勢が目についてしまう。こうしたことも、今回の事故と全くの無関係とはいえないのではないかと考えるのである』、「混雑した雑踏や車内、店内といった場で、前方の人を一言もなく押して追い抜こうとしてくることが多い」、「車の運転を見ても運転の荒さや、車がいったん停止をしない、駐車の仕方が悪いなど、外国人からは韓国の「交通マナー」について苦言の声もよく聞かれる。 こうしたところからも、危険を考えたり、ルールを守ったりするということよりも「少しぐらいはルールを破ってもいい」「みんなもやっているから」といった自分本位な姿勢が目についてしまう。こうしたことも、今回の事故と全くの無関係とはいえないのではないかと考える」、その通りなのだろう。
・『人災のみならず自然災害でも、安全が軽視されがち  そして、人災のみならず自然災害においても、対策をしていれば被害を防げていたかもしれないところ、大きな被害が出てしまった不幸なケースもある。 今年8月、ソウルとその周辺の首都圏は100年に一度というレベルのゲリラ豪雨に見舞われた。その結果、ソウルの南部を中心に広範囲で道路が冠水し、多くの車が洪水に巻き込まれる被害が出た。また、地下鉄駅構内や商業施設でも浸水被害が続発、さらに映画「パラサイト」でも注目された半地下住宅で、大量に流れ込んできた水で3人が溺死するという被害が出た。 また9月には台風11号が南東部の浦項(ポハン)を直撃し、市内を流れる河川が氾濫。近くのマンションの地下駐車場に、水が流入したことで駐車場から車を退避させようとした住民たちが巻き込まれ7人が死亡した。 筆者の住むアパートも河川が近く、大雨の際には川の水位が上がり、水が遊歩道まで押し寄せていること、やはり地下に駐車場があることから、浦項の台風被害は人ごととは思えない。 韓国の建築物は、そのほとんどが地下駐車場を持っている。半地下は、元は朝鮮戦争時の避難壕として造られ、その後、1980年代には都市部の住宅不足の解消手段として住居として利用されるようになったものだ。家賃の安さなどから、かつては独身者や学生に人気があったものの、現在では新たに半地下を建造することは禁止されている。老朽化や、火災や水害など災害時に逃げ遅れるリスクがあるなどの面で問題視されているが、都市部を中心に半地下に住んでいる人は今も多い。今回の豪雨での被害も、「懸念されていたことが的中してしまった」という声が上がっていた』、「都市部を中心に半地下に住んでいる人は今も多い。今回の豪雨での被害も、「懸念されていたことが的中してしまった」という声」、なるほど。
・『政府・自治体レベルでは災害対策が進みつつあるが……  韓国では2016、17年にマグニチュード5クラスと観測史上最大の地震が起き、これ以降、特に国や自治体は災害時の緊急速報や、国民への安全確保の呼びかけ、地域ごとの避難場所の設置といった施策を積極的に行うようになっている。それでも近年、世界各地を襲う異常気象や地震災害は韓国も無関係ではなく、韓国でも大型台風の直撃や集中豪雨といった気象被害に悩まされている。特に前述した、この夏ソウルを襲った集中豪雨では都市部の治水工事の必要性を見せつけられた。政府、自治体、企業いずれも、今後さらなる対策の必要に迫られるだろう。 韓国も、2014年の旅客船セウォル号の沈没事故や、近年の大きな地震、台風の自然災害、さらに2015年のMERS(中東呼吸器症候群)や新型コロナウイルスといった感染症による社会的混乱を経て、少しずつではあるが、政府や自治体による対策や対応に変化が見られていることも事実である。また、社会に大きな衝撃や影響を与えた事故や災害が契機となり法が改正されることも多く、そのスピードも速いといえる。 しかし、国民一人一人の根本的な意識は、それほど変わっていないと言えるかもしれない。大きな事故や災害が起こるたびに、その検証が行われるよりも先に、国全体が追悼ムードに染まり悲しみに暮れる。非難のターゲットを見つけては糾弾、デモを起こし「政治問題」として世論が扇動される、という事態を、韓国社会は毎回繰り返してしまう特徴がある。今回の梨泰院事故も、同じパターンをたどる可能性は高い。感情だけでは何も解決しないのだが……。この、韓国特有の体質が変わらない限り、これからもこうした事故が起こり続けるのではないかと懸念してしまうのだ。)【訂正】記事初出時より以下の通り訂正します。 タイトル:韓国・梨泰院159人→韓国・梨泰院158人 1段落目:156人が死亡するという大惨事が起こってから2週間が過ぎた。→158人が死亡するという大惨事が起こってから2週間が過ぎた』、「大きな事故や災害が起こるたびに、その検証が行われるよりも先に、国全体が追悼ムードに染まり悲しみに暮れる。非難のターゲットを見つけては糾弾、デモを起こし「政治問題」として世論が扇動される、という事態を、韓国社会は毎回繰り返してしまう特徴がある。今回の梨泰院事故も、同じパターンをたどる可能性は高い。感情だけでは何も解決しないのだが……。この、韓国特有の体質が変わらない限り、これからもこうした事故が起こり続けるのではないかと懸念してしまうのだ」、こうした「韓国」の体質も困ったものだ。
タグ:(その1)(雑踏事故が露わにした韓国社会の「イカゲーム化」 責任逃れしようとする政府と始まった犯人捜し、韓国・ソウル雑踏事故でメディアが報じなかった…犠牲者の横で若者たちが連呼した「卑猥な言葉」と「ヤバすぎる現場」、韓国・梨泰院159人圧死事件から考える 韓国で大規模事故が減らない理由) 梨泰院ハロウィン圧死事故 東洋経済オンライン 徐 台教氏による「雑踏事故が露わにした韓国社会の「イカゲーム化」 責任逃れしようとする政府と始まった犯人捜し」 「事故当時、現場の路地一帯ではたくさんの人出にもかかわらず人流を整理する警官や公務員がほぼ見当たらなかった」、「人出の多さに危険を感じた現場周辺で商売を営む人物たちやユーチューバーなどが警察に通報し介入を要求したのにもかかわらず、黙殺されていた」、これでは「行政」の責任重大だ。 「デモなどの対応で機動隊約4800人が投入されたが、13万人の人出が見込まれた梨泰院には「配備ゼロ」だった」、「ある生存者は「屈強な20代男性の一団が『押せ!押せ!』という叫ぶ声が背後から聞こえてきた。彼らを許さない」という趣旨の内容をネット上に書き込んだ」、「「それよりも未然に路地の通行を規制すべきではなかったのか」という行政の不備を指摘する声が圧倒的」、やはり「行政の不備」が主因のようだ。 「初動からすでに尹錫悦政府の「責任逃れ体質」を韓国社会に強く印象づけた」、無責任極まる対応だ。 「韓国では1000人以上のイベントが行われる際に、主催者による安全管理措置の計画が規定されているが、梨泰院のハロウィンのイベントには主催者がいなかったため、対策が宙ぶらりんとなっていた。 この空白が事故を生んだとも考えることができることから、補完する法律を早急に作る必要がある」、「明確な政府の不手際が明らかになる場合、遺家族は政府に対する損害賠償請求ができるという専門家の指摘も」、なるほど。 「韓国社会は今、「国民を保護する」という政府の役割を求め続け前に進もうとするのか、それとも無力感の中で自己責任論が幅を利かす方向へとなし崩しで変わっていくのか、その大事な分岐点を迎えている」、どちらに進むのだろうか。 現代ビジネス「韓国・ソウル雑踏事故でメディアが報じなかった…犠牲者の横で若者たちが連呼した「卑猥な言葉」と「ヤバすぎる現場」」 「一部の若者たちがあまりに無軌道な行動」とはどいうことなのだろう。 「「酔っ払った男女が犠牲者にスマホを向けて、笑っていたのです。救急車の前で『セックス』と連呼しながら、飛び跳ねて踊っていた集団もいました」、韓国の若者は酷く分断が進んでいるようだ。 「救助され、下着姿や半裸状態で心肺蘇生をされている女性たちを性的な目で見ていた男性もいた」、「失神した女性の服をわざと脱がし、救助や心肺蘇生に見せかけて身体を触っていた男性もいたそうです」、盗人猛々しい恥ずべき行為だ。 「「外傷性窒息は発症すると、血圧低下や血中の二酸化炭素濃度が上昇します。同時に静脈が圧迫されて血が戻らなくなり、顔色が紫色に変色する。そして二酸化炭素の麻酔作用で痛みや苦しさがわからなくなり、眠るように命を落とします。 体重の5倍の力で圧迫された場合、およそ5分で死に至る。圧迫直後に救助されなかったら、助かりません」、恐ろしい症状だ。 「「血だらけの道路、並んで横たわっている遺体、下着姿で心臓マッサージや人工呼吸を受けている負傷者、担架で運ばれる人などを撮影。フィルターなしでこぞってSNSに投稿していた人々がいて、問題になっています」、「SNSに投稿して『いいね』を貰うことに快感や幸福を覚え、存在価値を見出している人たちが増えています。そうした人たちの多くが事故現場を撮影し、配信したのでしょう」、「SNSに投稿して『いいね』を貰うことに快感や幸福を覚え、存在価値を見出している人たちが増えています」、全く嘆かわしいことだ。 「「自然発生的なハロウィンイベントは、韓国では集まった人と気軽に盛り上がれるコミュニケーションの場として、若者に人気です。厳しい受験競争や兵役がある韓国で、ストレス発散になるこのイベントは自分を解放できる側面があるようです」、「ハロウィンイベント」は日本でも盛んになってきたが、「韓国」では遥かに盛んになる要素が多いようだ。 ダイヤモンド・オンライン 田中美蘭氏による「韓国・梨泰院159人圧死事件から考える、韓国で大規模事故が減らない理由」 「安全対策の見直しや反省だけでは改善できない韓国の事情」、とはどんなことなのでろう。 「混雑した雑踏や車内、店内といった場で、前方の人を一言もなく押して追い抜こうとしてくることが多い」、「車の運転を見ても運転の荒さや、車がいったん停止をしない、駐車の仕方が悪いなど、外国人からは韓国の「交通マナー」について苦言の声もよく聞かれる。 こうしたところからも、危険を考えたり、ルールを守ったりするということよりも「少しぐらいはルールを破ってもいい」「みんなもやっているから」といった自分本位な姿勢が目についてしまう。こうしたことも、今回の事故と全くの無関係とはいえないのではないかと考える」、その通りな のだろう。 「都市部を中心に半地下に住んでいる人は今も多い。今回の豪雨での被害も、「懸念されていたことが的中してしまった」という声」、なるほど。 「大きな事故や災害が起こるたびに、その検証が行われるよりも先に、国全体が追悼ムードに染まり悲しみに暮れる。非難のターゲットを見つけては糾弾、デモを起こし「政治問題」として世論が扇動される、という事態を、韓国社会は毎回繰り返してしまう特徴がある。今回の梨泰院事故も、同じパターンをたどる可能性は高い。感情だけでは何も解決しないのだが……。この、韓国特有の体質が変わらない限り、これからもこうした事故が起こり続けるのではないかと懸念してしまうのだ」、こうした「韓国」の体質も困ったものだ。
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維新の会(その7)(橋下徹が維新でムチャクチャなクーデターを仕掛けた7年前「幻の代表選」の真相を明かす《茶番の8・27代表選を前に》、だから地域政党から脱皮できない…野党第1党を狙う「日本維新の会」が支持を集めきれない根本原因 政党運営の体質は 古い自民党とまったく同じ、参院選の勢いはどこへ?「維新」醜聞連発で大逆風 所属議員が"新曲宣伝" 兵庫県内の市長選5連敗) [国内政治]

維新の会については、5月20日に取上げた。今日は、(その7)(橋下徹が維新でムチャクチャなクーデターを仕掛けた7年前「幻の代表選」の真相を明かす《茶番の8・27代表選を前に》、だから地域政党から脱皮できない…野党第1党を狙う「日本維新の会」が支持を集めきれない根本原因 政党運営の体質は 古い自民党とまったく同じ、参院選の勢いはどこへ?「維新」醜聞連発で大逆風 所属議員が"新曲宣伝" 兵庫県内の市長選5連敗)である。

先ずは、8月25日付け現代ビジネスが掲載した衆議院議員・前新潟県知事の米山 隆一氏による「橋下徹が維新でムチャクチャなクーデターを仕掛けた7年前「幻の代表選」の真相を明かす《茶番の8・27代表選を前に》」を紹介しよう。
・『衆議院議員・米山隆一氏は、新潟県知事を務める前の2012年から2015年にかけて、日本維新の会に所属し、衆参選挙を戦った過去がある。今回、維新が行う代表選を機に、彼がみた「維新」の本質を詳細に明かす。衝撃の手記、第4弾。 連載第1回(前編/後編)、第2回、第3回もあわせてお読み下さい』、興味深そうだ。
・『はじめに│8月27日の代表選を前に  維新は設立から2012年の設立から10年を経て、間もなく8月27日に初の「代表選挙」を迎えるものと報道されていますが、実は今を遡ること7年前、2015年11月1日に「党員・議員平等に一人一票の代表選挙」が行われるはずでした。 しかしこの代表戦は実施されることはありませんでした。同年12月に大阪市長の任期切れと共に政界を引退するはずだった橋下氏が、自らの推す大阪系の候補が勝てないことが分かった途端、突如分裂騒動を仕掛けたからです。大阪系の議員・党員だけで臨時党大会を開き、馬場伸幸氏を代表に選出し新たな党を設立したために、幻に終わりました。 今回の日本維新の会代表選挙は、大阪市長の松井一郎代表が、来年4月の市長任期をもって、政界引退を表明したことで始まりました。足立康史氏(党国会議員団政調会長)、梅村みずほ氏(参議院議員)、馬場伸幸氏(共同代表)の3氏による争いです。 しかし「後継指名はしない」と言っていた松井氏が突然、馬場氏の支援を打ち出します。同時に立候補を予定していた東徹氏(参議院議員)が「党内の亀裂を生む」ことを理由に立候補を取り下げました。再度「(橋下氏・松井氏の意を受けた)馬場氏を選ぶための茶番選挙」となる様相を呈しています。 本稿では、第1回の都構想住民投票否決から、橋下氏が突如維新の党の分裂騒動を仕掛け、当時議員でもない選挙区支部長に過ぎなかった私が、弁護士であったために馬場氏らへの訴訟の前面に立つに至った過程、代表選挙で負けそうになった橋下氏、松井氏の内幕を書かせていただきます』、「維新」の「内幕」とは、ますます興味深そうだ。
・『他の野党への裏切り  2015年5月17日、維新が仕掛けた大阪都構想が否決に終わると、その余韻に浸る間もなく、中央政界では、その2日前に閣議決定を経て衆議院に提出されていた、平和安全法制(安保法制)一色になりました。 この時すでにみんなの党と合流して「維新の党」となっていた維新は、衆議院21人、参議院5人の計26人の勢力となり、私も新潟で支部長を務めていました。新代表となった松野頼久氏は、「年内に100人体制を目指す」として、野党再編によって二大政党制が再び実現する期待が広がりました。 ところがこの維新の党の新執行部の方針は、発足から1ヵ月ほどで暗雲が垂れ込めます。国対委員長だった馬場氏など「大阪系」が、「民主党左派も含む再編になると改革に後ろ向きになる」などと言って、野党であるにもかかわらず「反民主」「政府・与党との協調」に動きだしたのです。 このとき国会では、企業が派遣社員を受け入れる期間の上限を事実上なくす労働者派遣法改正案が争点になっており、野党は徹底抗戦で採決に応じていませんでした。そもそも前年の11月に、民主党、維新の党、みんなの党、生活の党の野党4党で労働者派遣法改正案の対案として「同一労働・統一賃金推進法」を提出済み。ところが、維新の党は馬場氏らが主導し、この法案を修正のうえ自民・公明・維新で共同提出することを条件として、労働者派遣法改正案の採決に応じることにしてしまったのです。 それは、一選挙区支部長に過ぎなかった私から見ても、一旦は再編に動いていた方針を翻す、他の野党に対する余りに酷い裏切りに見えました。) その3日後の6月14日には、橋下氏と松井氏は、都内のホテルで安倍総理・菅官房長官(当時)と会談し、「安保法制について意見交換した」と明かしました。その上で会談翌日には橋下氏が「維新の党は民主党とは一線を画すべき。自民党と国のあり方について激しく論戦できる政党をめざす」とツイートしました。 同月18日の橋下氏の記者会見では、安倍総理との会談の直前、松野氏・柿沢氏と橋下氏・松井氏が会談した席で「『最高顧問を辞めたい』と伝えたら、松野さんから『発言は自由だ』と言われ(慰留され)た。安全保障は見直しの時期に来ているので、自由に言わせてもらっている」(当時の夕刊フジの報道)と報じられました。 結局維新の党は、安保法案については、民主党系・みんなの党系の政策通の議員達の努力の甲斐あって、良く練られた合憲と評価される代案を提出した上で、採決自体には応じるという対応をしました。 しかし私としては、12月の大阪市長としての任期切れと共に政界から引退するはずの橋下氏が勝手にしゃべって、それが党の基本方針になっていくことに違和感がありました。 しかし、この時まではまだ、せっかく作った維新の党を、力を合わせて大きくしていこうという空気が、党内にはあったのだと思います』、「前年の11月に、民主党、維新の党、みんなの党、生活の党の野党4党で労働者派遣法改正案の対案として「同一労働・統一賃金推進法」を提出済み。ところが、維新の党は馬場氏らが主導し、この法案を修正のうえ自民・公明・維新で共同提出することを条件として、労働者派遣法改正案の採決に応じることにしてしまったのです。 それは、一選挙区支部長に過ぎなかった私から見ても、一旦は再編に動いていた方針を翻す、他の野党に対する余りに酷い裏切りに見えました」、確かに「酷い裏切り」だ。
・『柿沢幹事長への猛反発  維新ではこの年の9月に代表選挙を予定していました。7月7日には、「国会議員が1人1票、地方議員が5人分で1票、一般党員が200人分で1票」のルールで行われることが決まっていた。ところが橋下氏が「国会議員だけ重い価値を持つのはおかしい」と発言した途端に覆り、国会議員も地方議員も党員も、一人一票のルールで、9月から11月1日に延期して行うことが決定されました。 それが、山形市長選挙という地方選挙を境に一変します。山形市長選挙は、自民・公明他推薦の経産省出身の佐藤孝弘氏と、民主・社民・共産他推薦の防衛省出身の梅津庸成氏が激戦を展開していました。 ここで、維新の柿沢未途幹事長が慶応大学の小林節名誉教授の要請を受けて梅津氏の応援をしたことに、大阪系の議員が猛反発したのです。 この騒動で、大阪系の議員からは柿沢氏への辞任要求が相次ぎましたが、そもそも柿沢氏が応援した時点で維新は山形市長選挙への党としての態度を決めていませんでした。反発の理由はただ単に「野党系候補を応援したから」に過ぎません。 党としての方針に反したわけでもなく、維新の党自体が野党なのに「野党系の候補を応援したから幹事長を辞任せよ」と言うのは幾ら何でも理屈がとおりません。 選挙区支部長に過ぎなかった私は、大阪系の議員たちの理由のない「狂気」に近い熱を孕んだ罵倒に、「一体、全体この人達は、自分自身が何故、何に対して怒っているのか、分かっているのだろうか?」と呆然と眺めていることしかできませんでした。 真相は分かりませんが、本当のところ、このとき大阪系の議員たちは、「幹事長ポストを自分たちの手に取り戻したい」と思っていただけではないのかと、今でも私は思っています』、「山形市長選挙は、自民・公明他推薦の経産省出身の佐藤孝弘氏と、民主・社民・共産他推薦の防衛省出身の梅津庸成氏が激戦を展開していました。 ここで、維新の柿沢未途幹事長が慶応大学の小林節名誉教授の要請を受けて梅津氏の応援をしたことに、大阪系の議員が猛反発したのです。 この騒動で、大阪系の議員からは柿沢氏への辞任要求が相次ぎましたが、そもそも柿沢氏が応援した時点で維新は山形市長選挙への党としての態度を決めていませんでした。反発の理由はただ単に「野党系候補を応援したから」に過ぎません」、「大阪系の議員」の反発は確かに筋が通らない。
・『橋下氏が送ったメール  松野代表、柿沢幹事長が流石にこの理不尽な要求を突っぱねていると、8月27日、今度は橋下氏が突如「離党」の意向を国会議員へのメールで表明し、松井氏もそれに同調したことがニュースで伝えられました。 なぜひとつの地方選挙で、幹事長応援ぐらいのことで最高顧問の二人が辞めなければならないのか全く理解できませんでしたが、報道では「党を割ることはない」とのことでした(当時の私のブログ記事)。 このとき橋下氏が維新の党の国会議員団に送ったメールが残っています。 《1. 柿沢幹事長は辞任しない。2. 公開討論会は開催しない。3. 今、党が割れるようなことはしない。4. 僕と松井知事は、国政政党維新の党を離れて大阪、関西の地方政治に集中する。》旨がはっきりと記載されています(下写真参照)。 一方、世間では「維新の党分裂」がまことしやかにささやかれる事態となっていました。 そして、その舌の根も乾かぬ翌8月28日、橋下氏は大阪府枚方市内で開いた仲間内の会合で、自身が代表を務める地域政党・大阪維新の会を国政政党化し、維新の党から独立した新党を設立する考えを示すニュースが発信されたのです。 ここから、橋下氏に率いられた「大阪系」の議員たちは、もはや隠すことなく「東京系」の議員たちを敵視・罵倒し、分裂に向けて動き出したのです。 橋下氏が突如分裂に舵を切った背景には、自ら提唱した「一人一票」の代表選により、にわかに始まった党員獲得競争がありました。そこで党員数を集計したところ、維新の党の東京組で、信頼が厚いことで知られる松木謙公衆議院議員が「大阪組」を遥かに上回る党員を獲得したことが判明。当初の「代表選挙で(橋下氏・松井氏の意を受けた)大阪系の議員が勝つ」の目算通りにいかないことがわかってきたのです。 私は橋下氏の余りの朝令暮改ぶりに愕然としつつ、「(大阪系の議員は)党の方針に異論があるなら、自ら設定した代表戦において正々堂々と戦うべきだ」という内容のブログを書きました』、「橋下氏は大阪府枚方市内で開いた仲間内の会合で、自身が代表を務める地域政党・大阪維新の会を国政政党化し、維新の党から独立した新党を設立する考えを示すニュースが発信された」、「「大阪系」の議員たちは、もはや隠すことなく「東京系」の議員たちを敵視・罵倒し、分裂に向けて動き出した」、「「橋下氏が突如分裂に舵を切った背景には、自ら提唱した「一人一票」の代表選により、にわかに始まった党員獲得競争がありました。そこで党員数を集計したところ、維新の党の東京組で、信頼が厚いことで知られる松木謙公衆議院議員が「大阪組」を遥かに上回る党員を獲得したことが判明。当初の「代表選挙で(橋下氏・松井氏の意を受けた)大阪系の議員が勝つ」の目算通りにいかないことがわかってきたのです。 私は橋下氏の余りの朝令暮改ぶりに愕然」、確かに「橋下氏」は「大阪系」の利益のためとあれば、「朝令暮改」も辞さないようだ。
・『送られてきた通知書に呆然  その後、9月8日に松野氏が、喧嘩両成敗的に東京系の柿沢幹事長、大阪系の馬場国会対策委員長、片山総務会長の3人を解任した後、大阪系の議員たちと東京系の党の執行部との間での分裂回避を模索します。分裂するにしても円満でと、ギリギリの交渉が行われたものの決裂しました。 10月1日、橋下氏が「今の維新は偽物」として国政政党「おおさか維新の会」を設立する記者会見を行ったのです。 10月17日、固唾をのんで成り行きを見守っていた私の下に、東氏から「通知書」と題する書面と党大会の案内状が送付されてきました。通知書の内容は、 (1) 江田代表が辞めたのちの執行役員会で松野代表を決めたことは規約に基づかないものであり松野代表は代表ではない (2) 仮に代表だとしても任期はその時決めた9月30日までである (3) 規約第8条4項「…その他の重要事項に関する議案は、執行役員会が党大会に提案する」に基づき自分が実行委員長として10月24日に党大会を開催し代表を選出する というものでした。私はこの率直にいってこの通知書に呆然としました。 (1)は今迄全員が党の代表だとして党運営を行ってきた松野代表が最初から代表でないというもので、余りにも信じられない主張でした。 (2)の任期切れは在り得るとして、これも全員同意の上11月1日に党の代表選を予定していたのですから、代表の任期はその時まで延期されていると考えるのが通常で、いきなりこれを否定するのは余りに常識外です。 (3)も無茶苦茶で、これだけの規定から、それまで何の権限もなかった東氏が突然党大会を開催して代表を選べるなら、規約など不要で、(1)や(2)の理屈など何の意味もなくなります。 ところがそのような無茶苦茶な理由の下に開催される党大会では、 A. 執行部の選任 B. 規約の改正 C. 円満分党 が議題とされていました。 これだけ出鱈目な理由で事実上のクーデター、分裂騒動を仕掛けておいて、「円満分党」も何もないものです。こみあげる感情をおさえながらも、私は法律家として、適切な手続きではない分裂の非常識さにあきれながら、「かつてともに汗を流し、夢を語り、酒を酌み交わした同志たちの、良識ある判断を期待します」とするブログを記載しました』、「これだけ出鱈目な理由で事実上のクーデター、分裂騒動を仕掛けておいて、「円満分党」も何もないものです」、その通りだ。
・『橋下氏の正当化、そして訴訟合戦  ほどなく私の下に、松浪健太衆議院議員から電話がかかってきました。松浪氏は何の悪気もない明るく上気した声で、 「案内届いた? 橋下が規約を読み込んだらいけんねん。(大阪系に)来るやろ?」 と一気に勧誘しようと話しました。私はその明るさに戸惑いましたが、 「すみません、私はそう思いません。私は行けません」とだけ答え、電話を切りました。 一方で橋下氏は、当時すでに多くの人の間に広がっていたTwitterで、「維新の党の国会議員への法律講座」と題して、自らの主張を正当化しつつ、「東京系」の現執行部側の議員達を罵倒するツイートを矢継ぎ早にアップしていました。 しかし、率直にいってその論理は、維新の党と何の関係もない民法の委任契約についての一般論や、「平成3年の監獄法施行規則に関する最高裁判例」、憲法における「三権分立」を持ち出すもので、牽強付会、荒唐無稽としか言いようのないものでした。 橋下氏の出鱈目な「法律講座」を見て私は、 「今までの無茶苦茶な言動は『清濁併せ呑む政治家』としてまだ許容できる。しかし今この人が言っていることは、自らの政治的立場を有利にするために、弁護士と言う地位を利用して、世に偽りの法律論を騙るものだ。それは法律家として、専門家として、絶対にやってはいけないことだ。もうこの人に従うことは、金輪際できない」 と思い、周囲から止められましたが、訣別の意味を込めて橋下氏の出鱈目な主張に逐一反論するブログを書きました。 数々の不合理で場当たり的な言動と、この連載でも書いた大阪都構想でグラフの目盛りをごまかすことで揺らいでいた私の橋下氏への信頼は、この時完全に壊れたのです。 その数日後、私の携帯に、当時維新の党本部で政調会長を務めていた小野次郎氏から電話がありました。小野氏は奇しくも自民党で小泉選挙をともに戦った仲間でした(小野氏は当選。私は落選)。 電話の内容は、「君のブログは読んでいる。これから大阪維新と訴訟になるが、力を貸して欲しい」というものでした。 午後8時過ぎ、私が首相官邸の横の坂道を降りた溜池山王の党本部につくと、党職員と小野氏、今井雅人幹事長らが揃い、訴訟対策の資料が用意されていました。11月1日に予定されていた一人一票の代表選挙の空気は既に雲散霧消し、訴訟合戦が始まろうとしていました』、「橋下氏の出鱈目な「法律講座」を見て私は、 「今までの無茶苦茶な言動は『清濁併せ呑む政治家』としてまだ許容できる。しかし今この人が言っていることは、自らの政治的立場を有利にするために、弁護士と言う地位を利用して、世に偽りの法律論を騙るものだ。それは法律家として、専門家として、絶対にやってはいけないことだ。もうこの人に従うことは、金輪際できない」 と思い、周囲から止められましたが、訣別の意味を込めて橋下氏の出鱈目な主張に逐一反論するブログを書きました」、「訴訟合戦」はどうなったのだろう。

次に、9月6日付けPRESIDENT Onlineが掲載したジャーナリストの尾中 香尚里氏による「だから地域政党から脱皮できない…野党第1党を狙う「日本維新の会」が支持を集めきれない根本原因 政党運営の体質は、古い自民党とまったく同じ」を紹介しよう。
https://president.jp/articles/-/61336
・『8月27日に日本維新の会の代表選が行われ、馬場伸幸・衆院議員が新代表となった。ジャーナリストの尾中香尚里さんは「松井一郎・大阪市長が代表を辞任する意図が不透明だ。馬場氏は自身を『(松井氏が投手なら)8番キャッチャー』と評したが、それでは古い自民党となにも変わらない」という――』、興味深そうだ。
・『「8番キャッチャー代表」が示すもの  日本維新の会の代表選が8月27日に行われ、新代表に馬場伸幸氏が選ばれた。新代表の就任記者会見で、こんな場面があった。「馬場カラーは『松井(一郎前代表)カラー』と言ってもいいのか」という記者の質問に対し、馬場氏はこう答えたのだ。 「松井ピッチャーの球を受けることを専門にやってきた。馬場カラーとは何か、と言われても『8番キャッチャー』としか言いようがない」 筆者は軽い驚きを覚えた。代表として最初の記者会見での言葉がこれなのか。 自らの意思で「松井路線を継承する」までなら、まだわかる。でも「8番キャッチャー」とは何だろう。代表になっても、前任者たる松井氏の隠然たる指示をいちいち受け取っては、その意のままに動く、ということなのか。 実際、馬場氏はその後、松井氏に顧問就任を要請。松井氏は要請を受ける考えを示した。松井氏は結局、表の代表から「裏」に潜っただけ。見事な「傀儡」の誕生だ』、「松井氏は」、「顧問就任」することで、「結局、表の代表から「裏」に潜っただけ。見事な「傀儡」の誕生だ」、その通りだ。
・『傀儡政権は過去にも存在した  こういう政党の代表は、確かに他党にも存在した。55年体制下の自民党の中曽根政権も、初期には背後にいる田中角栄元首相の存在感が大きく「田中曽根政権」とやゆされたし、現在の岸田文雄首相も、亡くなる前の安倍晋三元首相の影響を陰に陽に受け続け、「岸田カラー」を打ち出しそうになるたびに、いつの間にか「安倍色」に塗りつぶされていくのを、今も目の当たりにしている。 しかし、就任早々こうもあけすけに、自分が松井氏の傀儡であることを明言してしまう代表は、さすがに過去にもなかなかいなかったのではないか。 結党10年にして初めてとなる維新の代表選は、これまで大阪の首長が国政政党の代表を務めてきたいびつな政党のかたちを改め、代表を国会議員にすることで「大阪の地域政党」から脱却し、真の「全国政党」への脱皮を図る姿を国民にアピールする絶好の機会となるはずだった。だが、代表選の主役は結局、松井氏。こんな代表選をやってしまったことで、維新はみすみす大事な機会を無駄にしてしまったと思う』、「代表選の主役は結局、松井氏。こんな代表選をやってしまったことで、維新はみすみす大事な機会を無駄にしてしまった」、その通りだ。
・『松井氏は本来代表を辞任する必要はなかった  維新は、国政選挙か統一地方選の後に「代表選を実施するかどうか」を党大会で決める、という独特のシステムを持っている。直前の選挙結果をその都度評価し、代表を代えるべきか否かを毎回確認する、という意図なのだろう。昨秋の衆院選の際は、議席が公示前より大きく増えたこともあり「代表選の必要なし」となった。 参院選を終えた今回も、本来なら同様の評価にするのが筋だろう。維新は参院選でも議席を倍増させた。野党第1党への足がかりとして掲げた「比例票で立憲を上回る」目標をクリアした。松井氏に引責辞任する理由はないし、むしろすべきではない。 ところが松井氏は、参院選の投開票日の7月10日、開票作業を最後まで見守ることもなく辞意を表明した。松井氏の独断による辞意表明によって「やらなくても良いのにやることになった」代表選は、最初から最後まで「主役」の3候補以上に、松井氏自身にスポットライトが当たり続けた。 辞意表明の段階で「自民党が圧倒的に強かった。負けを認めざるを得ない」と述べ「敗軍の将」の如く振る舞っていた松井氏は、代表選を終えた後はころっと言いぶりを変えた。馬場氏とともに記者会見に臨んだ松井氏は、改めて心境を問われると「政治の源泉は怒りだったが、大阪市役所や府庁の体質も変わり、今は怒ることもない。だから(政治にかかわるのは)終了」と満足げに語った。 参院選の投開票日の発言は、一体何だったのか。まるで花道を堂々と引き上げるかのようなその姿に、筆者は強い違和感を覚えた』、「「政治の源泉は怒りだったが、大阪市役所や府庁の体質も変わり、今は怒ることもない。だから(政治にかかわるのは)終了」と満足げに語った」、「まるで花道を堂々と引き上げるかのようなその姿に、筆者は強い違和感を覚えた」、なるほど。
・『代表選で浮き彫りとなった自民並みの古臭い体質  この間の松井氏の言動を振り返ると、だいたいこんなところだろう。 どういう理由か知らないが、松井氏は単に「代表を辞めたくなった」自己の都合のみで、勝手に代表選を発生させた。そして、代表という「表」の場から姿を消しても「裏」で影響力を保持できるよう、後任の代表選びには深く関与した。自らの「傀儡」として馬場氏を出馬させ、事実上の「後継」に指名したばかりか、立候補の動きをみせた他の議員の出馬を表だってけん制し、結果として出馬断念に追い込んだ。 松井氏は今後、党代表という「表」の立場で当然担うべき責任から逃れ、馬場氏を通じて党内に隠然とした影響力を行使することが可能になる。 こういう政治は、前述した「田中曽根政権」や、岸田政権に裏で影響力を及ぼそうとした安倍派と、全く同根ではないか。何のことはない、自民党を含む既存の政治を「古い体質」だと口を極めて罵ってきた維新の党内政治の姿は、実は自民党並みに古臭かった。 そんな維新の体質を改めて露呈させたのが、今回の代表選だったと筆者は思う』、「松井氏は単に「代表を辞めたくなった」自己の都合のみで、勝手に代表選を発生させた。そして、代表という「表」の場から姿を消しても「裏」で影響力を保持できるよう、後任の代表選びには深く関与した。自らの「傀儡」として馬場氏を出馬させ、事実上の「後継」に指名したばかりか、立候補の動きをみせた他の議員の出馬を表だってけん制し、結果として出馬断念に追い込んだ。 松井氏は今後、党代表という「表」の立場で当然担うべき責任から逃れ、馬場氏を通じて党内に隠然とした影響力を行使することが可能になる」、「既存の政治を「古い体質」だと口を極めて罵ってきた維新の党内政治の姿は、実は自民党並みに古臭かった。 そんな維新の体質を改めて露呈させたのが、今回の代表選だった」、その通りだ。
・『大阪都構想では住民投票を行うのにカジノではしない  松井氏が維新の代表を降りることにあえて肯定的な意味を見出すとしたら、前述したように、代表が「大阪の首長」から「国会議員」に移ることによって「地域政党が国政にかかわる」いびつな状況を改め「普通の国政政党」となることだっただろう。 維新は「大阪府と大阪市で行政の長を務めている」ということを強調することで「国政でも政権担当能力がある」とアピールしてきた。松井氏や吉村洋文大阪府知事が、コロナ禍などで行政トップとして東京のメディアに取り上げられることで、こうした印象操作はある程度機能した。参院選の応援演説で使われた「大阪の改革を○○でも」というのは、まさに「大阪でまともな行政をやってきた維新」という印象操作そのものだ。 一方で、大阪の行政が実際にどういう状況なのかは、東京のメディアではまともに取り上げられない。コロナ禍で大阪府の死者数が、人口比で全国的に突出したことなどは「知る人ぞ知る」状況になったが、維新の政治のおかしさはそれだけではない。この代表選のさなかだけでも、維新の政治姿勢にはいくつもあ然とさせられた。 例えば、カジノを含む統合型リゾート(IR)施設の大阪誘致をめぐり、その是非を問う住民投票を実施するための条例案を、大阪府議会が大阪維新の会などの反対多数で否決したことだ(7月29日)。条例案は大阪市の市民団体が、条例制定を求めるのに必要な人数を上回る署名を集めて府に直接請求したのだが、吉村洋文知事は議会提出の際に「住民投票を実施することに意義を見いだしがたい」との意見書をつけた。 ちなみに、吉村知事は今回の代表選を経て、日本維新の会の副代表から共同代表に「昇格」している。 大阪都構想のように自らが推進したい施策のためには、住民投票で一度否決されても2度目を行う(これも否決)くらいに熱心に「住民の意見を聞こうとする」のに、自らが進めたい施策にとって不都合な場合は、こうやってあっさりと住民投票条例案を否決させる。見事なダブルスタンダードである』、「カジノを含む統合型リゾート(IR)施設の大阪誘致をめぐり、その是非を問う住民投票を実施するための条例案を、大阪府議会が大阪維新の会などの反対多数で否決」、「吉村洋文知事は議会提出の際に「住民投票を実施することに意義を見いだしがたい」との意見書をつけた」、「大阪都構想のように自らが推進したい施策のためには、住民投票で一度否決されても2度目を行う(これも否決)くらいに熱心に「住民の意見を聞こうとする」のに、自らが進めたい施策にとって不都合な場合は、こうやってあっさりと住民投票条例案を否決させる。見事なダブルスタンダードである」、その通りだ。
・『議会軽視の専決処分を乱発  まだある。大阪府がコロナ禍や物価高の影響を受けている事業者らを支援するため、総額約31億円の補正予算を専決処分したことだ(8月24日)。 いくら緊急性が高い予算だったとしても、議会の承認を得ずに、行政が勝手に予算を決めてしまうのは議会軽視であり、ひいては背後にいる住民の軽視だ。補正予算には「大阪の魅力を海外に発信するプロモーション事業費約1億6000万円」なども計上されており、緊急性も疑わしい。いくら府議会で維新が圧倒的多数を占め、可決が確実だったとしても、議会できちんと審議すべきではなかったのか。 専決処分は最近、大阪府だけでなく、東京都などでも乱発されているが、コロナ禍で麻痺してしまったのか、最近はメディアもあまり問題にしない。2010年ごろ、鹿児島県阿久根市で市長が議会を開かず専決処分を乱発して全国的な大問題になっていたことが、今では嘘のようだ』、「専決処分は最近、大阪府だけでなく、東京都などでも乱発されているが、コロナ禍で麻痺してしまったのか、最近はメディアもあまり問題にしない」、人気が高い小池知事、吉村知事には、マスコミも及び腰のようで、情けない。
・『トップの進退は自分の都合で決めるべきものではない  そして参院選の応援演説である。コロナ禍で大阪の住民が塗炭の苦しみをなめている時に、松井氏や吉村氏らが公務をほったらかして頻繁に他の自治体に入り、選挙応援に走ったことは「国政政党の幹部」の行動としては正しくても、「地方自治体の長」としては、どう見ても間違っている。 こういう維新のおかしな政治が10年間もまかり通ってきたのは「地方自治体の長が国政政党の長も務める」いびつな党のかたちのせいだと言ってもいい。 もしも維新が将来野党第1党になれば、代表は「次の首相」候補となる。参院選の時のような行動は許されない。維新はどこかで党のかたちを改めなければならない段階に来ていた。今回の代表選は、そのための良い機会にすることもできたはずだ。 しかし、松井氏一人のせいで、すべてぶち壊しになった。 政党トップの進退について、政界では昔から「政治家が自らの責任で決めること」という価値観が根強く、松井氏の辞任もさほど問題視されていない。 しかし筆者は、この価値観そのものに異を唱えたい。政党のトップたるもの、選挙に負けたり不祥事があったりして有権者からの求めで退陣を決断するとか、病気などのやむを得ない事情で退くとかいったことがない限り、定められた任期を最後まで務め上げ、その職責を果たし、任期全体の業績について審判を受けるべきなのだ。 代表選が世間的に全く盛り上がらなかったため、すでに忘れかけられている感もあるが、それではいけない。今回の代表選が「松井氏の、松井氏による、松井氏のための代表選」になってしまったことについて、本当にそれで良かったのか、維新の関係者はそれぞれが再び自分の胸に問うべきだ。 そして松井氏は、改めてなぜ自分は「辞任しなければならなかった」のか、その理由を自ら、誰にでも分かるように語るべきではないのか』、「政党トップの進退について、政界では昔から「政治家が自らの責任で決めること」という価値観が根強く、松井氏の辞任もさほど問題視されていない。しかし筆者は、この価値観そのものに異を唱えたい。政党のトップたるもの、選挙に負けたり不祥事があったりして有権者からの求めで退陣を決断するとか、病気などのやむを得ない事情で退くとかいったことがない限り、定められた任期を最後まで務め上げ、その職責を果たし、任期全体の業績について審判を受けるべきなのだ」、同感である。

第三に、11月29日付け東洋経済オンラインが掲載した政治ジャーナリストの泉 宏氏による「参院選の勢いはどこへ?「維新」醜聞連発で大逆風 所属議員が"新曲宣伝"、兵庫県内の市長選5連敗」を紹介しよう。
https://toyokeizai.net/articles/-/636069
・『岸田文雄政権発足後の2回の国政選挙で大躍進し、立憲民主党に代わる野党第1党の座を窺う日本維新の会が、逆風に苦しんでいる。ここにきての相次ぐ所属国会議員の問題行動や発言が、同党の悲願でもある「全国政党」脱皮への障害になっているからだ。 参院選後の8月に長らく代表を務めた松井一郎大阪市長の後継となった馬場伸幸氏は、全国政党化を目標に、10月末から党勢拡大のための「全国キャラバン」を開始した。「大阪の地域政党」との国民的イメージから、関西以外では伸び悩みが目立つ維新だけに、馬場氏は「改革姿勢」を軸に、憲法改正や防衛費増強などの保守的政策を訴えることで、支持拡大に腐心している。 馬場氏は10月30日、全国キャラバン最初の遊説地の仙台市内で「松井一郎さんからバトンを渡された」として、維新が掲げる「身を切る改革」の必要性を熱っぽく訴えた。その一方で、ライバルの立憲民主についても「協調しながら国民のための政策を実現していく」と強調した。 馬場氏は来年4月の統一地方選までに47都道府県を巡る予定で、「街頭演説は地道だが、維新スピリッツを全国に広げていく確かな手だ」と代表としての陣頭指揮に徹する構えだ』、「馬場氏」が「代表としての陣頭指揮に徹する構え」、当然だろう。
・『所属の市議がライバルになりすまし  維新は昨年10月の衆院選で、公示前勢力(11議席)を大きく上回る41議席を獲得し、第3党に躍進。今年7月の参院選でも比例代表の獲得議席数は8議席と野党第1党の立憲民主を上回った。ただ、最重点地区とした東京、神奈川、京都、兵庫などの各選挙区で候補者が当選したのは3選挙区だけで、関西以外の地方には浸透できなかった。 そうした中、臨時国会が始まってから、馬場氏の足を引っ張るような党内政治スキャンダルが続発した。まず、元衆院議員の新開裕司氏になりすまし、旧統一教会(世界平和統一家庭連合)との関係を記したビラを配ったとして10月27日、維新所属の堀本和歌子・福岡市議が私文書偽造の罪で告発され、離党、議員辞職に追い込まれた。 また、7月参院選の比例代表で上位当選した歌手で俳優の中条きよし氏が、11月15日の文教科学委員会であからさまに自らの芸能活動を宣伝、インターネット上でも大炎上するなど党を揺るがす騒動となった。 中条氏は同委での質問の最後に、自身の新曲や年末のディナーショー開催に言及。「(新曲を)お聞きになりたい方はお買い上げを。(ディナーショーは)今年最後ではなく、芸能界最後のショー」などと得意げに宣伝したからだ。 これにはネット上に「国会の場を宣伝に利用するなんて酷すぎる」などの書き込みがあふれ、維新幹部も「ど素人の極みだ」と怒り狂った。慌てた党執行部は翌16日、藤田文武幹事長が中条議員に口頭で厳重注意し、中条氏も「不適切だった」謝罪したが、「議員辞職もの」(自民幹部)との批判を招いた。 中条氏は同党が集票アップを狙って比例代表に擁立した人物で、8人の当選者の中の5位当選。それだけに中条氏の国会での自己宣伝については、擁立を主導した松井、馬場両氏の責任を問う声も相次いだ』、「中条氏は同委での質問の最後に、自身の新曲や年末のディナーショー開催に言及。「(新曲を)お聞きになりたい方はお買い上げを。(ディナーショーは)今年最後ではなく、芸能界最後のショー」などと得意げに宣伝した」、開いた口が塞がらない。確かに「議員辞職もの」だ。
・『減税日本との選挙協力が「白紙」に  こうした状況下、来年4月9日と23日に実施される統一地方選に向け、愛知の地域政党との選挙協力が破綻した。維新との共闘を進めてきた河村たかし名古屋市長が代表を務める地域政党「減税日本」の愛知県議2人が、特別党員だった維新を離党し、統一選での選挙協力が白紙になったからだ。 離党したのは島袋朝太郎、竹上裕子の両県議で、県議会の会派名も「減税維新」から「減税日本」に改称。さらに、減税維新の幹事長だった広沢一郎・元名古屋市副市長も離党届を提出した。 さらに、維新が大阪府外で初の首長獲得を狙って新人を擁立した11月20日投開票の兵庫県尼崎市長選も、与野党が実質相乗りで支援した新人に完敗した。これで、公認候補を立てた兵庫県内の市長選で維新は5連敗。党内には「尼崎で勝てなければ(他の首長選は)かなり厳しい」(幹部)との声が広がった。 同市長選の選挙結果を検証すると、地元新聞社の出口調査では、維新が狙った無党派層の支持は3割以下。維新候補の得票も、今夏の参院選では同市内比例票トップだった約5万2000票を4000票も下回った。 手痛い敗北について、馬場氏と共に現地入りしていた維新共同代表の吉村洋文大阪府知事は翌21日、「地道な活動が足りなかった」と肩を落とした。同様に街頭演説で支持を訴えた松井氏も「(投票率)32(%)じゃ、組織持っているところを全部敵にまわしてやっているんだから、それはもうあの結果でしょ」と維新包囲網の厳しさを認めざるをえなかった。 維新は来年4月の統一選で、県議選や県内の市町議選に約120人を擁立する方針で、維新推薦候補が挑む姫路市長選も同時期だ。ただ前哨戦での伸び悩みに同地域の担当幹部は「地方組織を強化し、やれるところからやるしかない」と肩をすくめる』、「兵庫県内の市長選で維新は5連敗」とは酷い。
・『馬場代表の地位も風前の灯火?  馬場氏は代表就任に合わせ、「統一選での地方議員600人以上獲得に代表の地位を懸ける」と高らかに宣言した。しかし、大阪維新の会を立ち上げ、国政政党となった維新の創業者でもある橋本徹、松井一郎両元代表が悲願とした、「全国政党」への脱皮は困難さが増すばかりだ。 所属議員のさまざまな醜聞もあって、ここにきての各メディアの世論調査での政党支持率をみると、なお堅調な自民や上向き傾向の立憲民主とは対照的に、維新の支持率下落が際立つ。こうした国民全体の“維新離れ”が続けば、「地方議員600人以上」という大目標達成は困難で、「馬場氏の代表の地位も風前の灯火」との見方が広がっている』、「ここにきての各メディアの世論調査での政党支持率をみると」、「維新の支持率下落が際立つ」、確かにこれでは「「馬場氏の代表の地位も風前の灯火」のようだ。
タグ:維新の会 (その7)(橋下徹が維新でムチャクチャなクーデターを仕掛けた7年前「幻の代表選」の真相を明かす《茶番の8・27代表選を前に》、だから地域政党から脱皮できない…野党第1党を狙う「日本維新の会」が支持を集めきれない根本原因 政党運営の体質は 古い自民党とまったく同じ、参院選の勢いはどこへ?「維新」醜聞連発で大逆風 所属議員が"新曲宣伝" 兵庫県内の市長選5連敗) 現代ビジネス 米山 隆一氏による「橋下徹が維新でムチャクチャなクーデターを仕掛けた7年前「幻の代表選」の真相を明かす《茶番の8・27代表選を前に》」 「維新」の「内幕」とは、ますます興味深そうだ。 「前年の11月に、民主党、維新の党、みんなの党、生活の党の野党4党で労働者派遣法改正案の対案として「同一労働・統一賃金推進法」を提出済み。ところが、維新の党は馬場氏らが主導し、この法案を修正のうえ自民・公明・維新で共同提出することを条件として、労働者派遣法改正案の採決に応じることにしてしまったのです。 それは、一選挙区支部長に過ぎなかった私から見ても、一旦は再編に動いていた方針を翻す、他の野党に対する余りに酷い裏切りに見えました」、確かに「酷い裏切り」だ。 「山形市長選挙は、自民・公明他推薦の経産省出身の佐藤孝弘氏と、民主・社民・共産他推薦の防衛省出身の梅津庸成氏が激戦を展開していました。 ここで、維新の柿沢未途幹事長が慶応大学の小林節名誉教授の要請を受けて梅津氏の応援をしたことに、大阪系の議員が猛反発したのです。 この騒動で、大阪系の議員からは柿沢氏への辞任要求が相次ぎましたが、そもそも柿沢氏が応援した時点で維新は山形市長選挙への党としての態度を決めていませんでした。反発の理由はただ単に「野党系候補を応援したから」に過ぎません」、「大阪系の議員」の反発は確かに筋が通らない。 「橋下氏は大阪府枚方市内で開いた仲間内の会合で、自身が代表を務める地域政党・大阪維新の会を国政政党化し、維新の党から独立した新党を設立する考えを示すニュースが発信された」、「「大阪系」の議員たちは、もはや隠すことなく「東京系」の議員たちを敵視・罵倒し、分裂に向けて動き出した」、 「「橋下氏が突如分裂に舵を切った背景には、自ら提唱した「一人一票」の代表選により、にわかに始まった党員獲得競争がありました。そこで党員数を集計したところ、維新の党の東京組で、信頼が厚いことで知られる松木謙公衆議院議員が「大阪組」を遥かに上回る党員を獲得したことが判明。当初の「代表選挙で(橋下氏・松井氏の意を受けた)大阪系の議員が勝つ」の目算通りにいかないことがわかってきたのです。 私は橋下氏の余りの朝令暮改ぶりに愕然」、確かに「橋下氏」は「大阪系」の利益のためとあれば、「朝令暮改」も辞さないようだ。 「これだけ出鱈目な理由で事実上のクーデター、分裂騒動を仕掛けておいて、「円満分党」も何もないものです」、その通りだ。 「橋下氏の出鱈目な「法律講座」を見て私は、 「今までの無茶苦茶な言動は『清濁併せ呑む政治家』としてまだ許容できる。しかし今この人が言っていることは、自らの政治的立場を有利にするために、弁護士と言う地位を利用して、世に偽りの法律論を騙るものだ。それは法律家として、専門家として、絶対にやってはいけないことだ。もうこの人に従うことは、金輪際できない」 と思い、周囲から止められましたが、訣別の意味を込めて橋下氏の出鱈目な主張に逐一反論するブログを書きました」、「訴訟合戦」はどうなったのだろう。 PRESIDENT ONLINE 尾中 香尚里氏による「だから地域政党から脱皮できない…野党第1党を狙う「日本維新の会」が支持を集めきれない根本原因 政党運営の体質は、古い自民党とまったく同じ」 「松井氏は」、「顧問就任」することで、「結局、表の代表から「裏」に潜っただけ。見事な「傀儡」の誕生だ」、その通りだ。 「代表選の主役は結局、松井氏。こんな代表選をやってしまったことで、維新はみすみす大事な機会を無駄にしてしまった」、その通りだ。 「「政治の源泉は怒りだったが、大阪市役所や府庁の体質も変わり、今は怒ることもない。だから(政治にかかわるのは)終了」と満足げに語った」、「まるで花道を堂々と引き上げるかのようなその姿に、筆者は強い違和感を覚えた」、なるほど。 「松井氏は単に「代表を辞めたくなった」自己の都合のみで、勝手に代表選を発生させた。そして、代表という「表」の場から姿を消しても「裏」で影響力を保持できるよう、後任の代表選びには深く関与した。自らの「傀儡」として馬場氏を出馬させ、事実上の「後継」に指名したばかりか、立候補の動きをみせた他の議員の出馬を表だってけん制し、結果として出馬断念に追い込んだ。 松井氏は今後、党代表という「表」の立場で当然担うべき責任から逃れ、馬場氏を通じて党内に隠然とした影響力を行使することが可能になる」、「既存の政治を「古い体質」だと口を極めて罵ってきた維新の党内政治の姿は、実は自民党並みに古臭かった。 そんな維新の体質を改めて露呈させたのが、今回の代表選だった」、その通りだ。 「カジノを含む統合型リゾート(IR)施設の大阪誘致をめぐり、その是非を問う住民投票を実施するための条例案を、大阪府議会が大阪維新の会などの反対多数で否決」、「吉村洋文知事は議会提出の際に「住民投票を実施することに意義を見いだしがたい」との意見書をつけた」、 「大阪都構想のように自らが推進したい施策のためには、住民投票で一度否決されても2度目を行う(これも否決)くらいに熱心に「住民の意見を聞こうとする」のに、自らが進めたい施策にとって不都合な場合は、こうやってあっさりと住民投票条例案を否決させる。見事なダブルスタンダードである」、その通りだ。 「専決処分は最近、大阪府だけでなく、東京都などでも乱発されているが、コロナ禍で麻痺してしまったのか、最近はメディアもあまり問題にしない」、人気が高い小池知事、吉村知事には、マスコミも及び腰のようで、情けない。 「政党トップの進退について、政界では昔から「政治家が自らの責任で決めること」という価値観が根強く、松井氏の辞任もさほど問題視されていない。しかし筆者は、この価値観そのものに異を唱えたい。政党のトップたるもの、選挙に負けたり不祥事があったりして有権者からの求めで退陣を決断するとか、病気などのやむを得ない事情で退くとかいったことがない限り、定められた任期を最後まで務め上げ、その職責を果たし、任期全体の業績について審判を受けるべきなのだ」、同感である。 東洋経済オンライン 泉 宏氏による「参院選の勢いはどこへ?「維新」醜聞連発で大逆風 所属議員が"新曲宣伝"、兵庫県内の市長選5連敗」 「馬場氏」が「代表としての陣頭指揮に徹する構え」、当然だろう。 「中条氏は同委での質問の最後に、自身の新曲や年末のディナーショー開催に言及。「(新曲を)お聞きになりたい方はお買い上げを。(ディナーショーは)今年最後ではなく、芸能界最後のショー」などと得意げに宣伝した」、開いた口が塞がらない。確かに「議員辞職もの」だ。 「兵庫県内の市長選で維新は5連敗」とは酷い。 「ここにきての各メディアの世論調査での政党支持率をみると」、「維新の支持率下落が際立つ」、確かにこれでは「「馬場氏の代表の地位も風前の灯火」のようだ。
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防衛問題(その20)(元自衛官・五ノ井里奈さんが議員からのヒアリングで性被害を告白 長妻昭議員「一気に膿を出して真っ当な自衛隊へ」、自衛隊の性加害生んだ「ホモソーシャル」の醜悪さ 報道を見て「自分には関係ない」と思う男性の盲点、自衛隊の「不要なハリボテ武器」ランキング【自衛官108人が評価】10式戦車の評判は?、自衛隊が「米軍の2軍」になるかもしれない…「安保3文書」改定への強烈な違和感 有識者コメントを読んでみると…) [国内政治]

防衛問題については、4月29日に取上げた。今日は、(その20)(元自衛官・五ノ井里奈さんが議員からのヒアリングで性被害を告白 長妻昭議員「一気に膿を出して真っ当な自衛隊へ」、自衛隊の性加害生んだ「ホモソーシャル」の醜悪さ 報道を見て「自分には関係ない」と思う男性の盲点、自衛隊の「不要なハリボテ武器」ランキング【自衛官108人が評価】10式戦車の評判は?、自衛隊が「米軍の2軍」になるかもしれない…「安保3文書」改定への強烈な違和感 有識者コメントを読んでみると…)である。

先ずは、8月11日付けAERAdot「元自衛官・五ノ井里奈さんが議員からのヒアリングで性被害を告白 長妻昭議員「一気に膿を出して真っ当な自衛隊へ」」を紹介しよう。
https://dot.asahi.com/dot/2022081000085.html?page=1
・『立憲民主党は8月10日、自衛隊内で受けた性被害について第三者委員会による公正な調査を求めている元自衛官の五ノ井里奈さん(22)からヒアリングを行い、防衛省人事教育局服務管理官等と非公開の意見交換を実施した。議員からは「軽い懲戒処分でお茶を濁すことはあってはならない」と、防衛省に厳正な対応を求める声が上がった。 ※AERAdot.はその被害について、7月14日に配信した記事<<22歳元女性自衛官が実名・顔出しで自衛隊内での「性被害」を告発 テント内で男性隊員に囲まれて受けた屈辱的な行為とは>>で詳報している。 「複数の男性隊員が見ていて恥ずかしくて、嫌だったので抵抗したのですが、男性隊員の力にはかないませんでした。もう逃げられないと思ったので、諦めて、ただ終わるのを待っていました。その時、横にいた上司2人は(その様子を見て)確実に笑っていました……」 五ノ井さんは、集まった多くの議員やメディアの前で、2021年8月3日の訓練中に受けた性被害の状況を、そう告白した。 今回のヒアリングでは被害後の自衛隊側の対応について話した。まず、被害後、自衛隊の総務・人事課にあたる「一課」に報告。一課長が部隊に対して取り調べをしたところ、「(21年)8月の件については証言が出てこなかった」とされたものの、「今までのセクハラの件については証言があった」と、日常的なセクハラを認めたことを五ノ井さんは明かした。その後、五ノ井さんは、警務隊に強制わいせつ事件として被害届を提出し、9月18日に人形を使った現場検証を行った。 (セクハラの最中に五ノ井さんが女性隊員に助けを求めたLINE。画像の一部を加工しています(本人提供)はリンク先参照) 五ノ井さんはこう話す。 「この時、『訓練があるので、すぐには該当の人物には取り調べができない』と警務隊に言われ、(捜査が)1カ月ほど長引いていました。その1カ月だけでも、記憶が段々薄れていくと思いました」 検察庁から結果の知らせが来るのを待っていたが、連絡は来なかった。時間の経過だけでなく、事件として立件されているのか不安が募った五ノ井さんは、22年4月に検察庁に連絡した。 「いつ書類送検されたのかを聞くと、『今年(2022年)に入ってから』と言われました。検察官からは、『五ノ井さんの証言は正しいと思うけど、もし(部隊の)20人が見ていない、やっていないと言ったら、難しくなってくる』とも言われました」(五ノ井さん)』、「『訓練があるので、すぐには該当の人物には取り調べができない』と警務隊に言われ、(捜査が)1カ月ほど長引いていました。その1カ月だけでも、記憶が段々薄れていくと思いました」、いくら「訓練」があっても、「(捜査が)1カ月ほど長引いていました」、意図的な遅延工作だ。
・『(先輩女性隊員の「嘘をついている」との発言に不信感を抱く五ノ井さんのLINE。画像の一部を加工しています(本人提供)はリンク先参照) そして5月31日、嫌疑不十分で関係者は不起訴処分になった。五ノ井さんは追加の証拠を伴い、6月7日付で検察審査会に再審査を申し立て、現在その結果を待っている。 ヒアリングのあとの質疑応答では、ハラスメントの相談窓口が自衛隊にあるかを問われた。 五ノ井さんによると、入隊してすぐに受ける前期教育では専門家によるセクハラ・パワハラに関する教育があり、相談窓口もあることを知っていたという。 だが、五ノ井さんは、被害を相談しなかった。 「理由は、(相談しても)動きが遅いから機能しないということを、周囲から聞いていたので、被害にあった時に相談しようとは思いませんでした。自衛隊は上下関係の社会なので、下の階級は順序通りに、一つずつ上の階級に報告しなければなりません。階級を飛び越えて、上に相談すると、後から問い詰められます。結局、部隊の中で、一つ上の階級の人に言ったところで、揉み消されて終わってしまいます」(五ノ井さん) (立憲民主党の長妻昭議員と岡本あき子議員(撮影/岩下明日香)はリンク先参照) ヒアリングを行った立憲民主党・長妻昭議員は、7月に2回、防衛省に対して厳正な調査を文書で要請していた。防衛省人事教育局服務管理官からの回答には、「本件につきましては、部隊において揉み消しを行っているなどの疑いも指摘されていることから、客観性・公正性を確保するため、当該部隊ではなく、その上級部隊において調査を行っています」とあった。 この回答について、長妻議員は言う。 「防衛省の文書に『揉み消し』と書いてある。これは非常に深刻だと思います。危惧されるのは、懲戒処分にもいろいろな段階があり、軽い懲戒処分を年明けくらいに出して、それでお茶を濁すこと。これは絶対にあってはならないと思います」 五ノ井さんの告白後、同様に被害にあっている自衛隊員からも声が上がってきていることを受け、長妻議員は「ここで、一気に全部の膿を出し、まっとうな組織に変える思いで取り組んでいきたい」と語気を強めた。弁護士を含めた第三者委員会による調査を行い、自衛隊内に蔓延るハラスメント被害の全容を明らかにしていくべきだと、訴えた。 外交防衛委員会の小西洋之議員は、防衛省に「性暴力委員会」を設置するなど、再発防止策について検討したいと話した』、「嫌疑不十分で関係者は不起訴処分」、時間をかけたにも拘らず、「不起訴」とは国家機関の「検察」らしい。「防衛省に「性暴力委員会」を設置するなど、再発防止策について検討」、その通りだ。
・『最後に、五ノ井さんは「自衛隊を批判したいわけではない」として、ヒアリングの場にいた防衛省の担当者にこう投げかけた。 「私は東日本大震災に遭い、陸上自衛隊の方に助けていただいたことを本当に感謝しています。だからこそ、こういう被害を経験して、本当に残念でした。このままでは、また同じ被害者が出ると思います。かつて同じ中隊で働いていた女性隊員が、今でも私と同じように被害にあっているという証言が出ています。第三者委員会による徹底的な調査と、厳正な処分、謝罪を望みます。もっと女性隊員が安心して勤務できる環境を作って欲しいと思います」 第三者委員会による公正な調査を求めるオンライン署名(Change.org)は、67903人(8月10日時点)集まり、賛同の輪が広がっている。署名は8月末まで集め、防衛大臣に提出する予定だ。署名と同時に「自衛隊内におけるハラスメントの経験に関するアンケート」も実施している。9日までの中間結果では、自衛隊に所属した経験がある人がハラスメントを受けた件数は99件だった。そのうち59人は女性で、8割以上がセクハラおよびマタハラを受けたと回答した。 Change.orgによると、ハラスメントの具体例は60人以上から自由記述による回答があった。一部を抜粋する。 「2019年頃、2年間だけ陸上自衛隊でした。入隊してすぐの訓練で日本酒を一気飲みさせられました。『上司からもらったお酒を残すな』と言われました。その時、私は18歳でした」(20代、陸上自衛隊、女性) 「妊娠初期の頃、当直勤務をしていたのですが、上司から『妊娠しても5カ月までは当直についてもらわないとね』と言われました。4日間の当直勤務明けに体調が悪くなりました。その影響でメニエール病を発症し、今でも治療を続けています」(20代、陸上自衛隊、女性) 「防大の指導官に、任官の不安を相談した際に『自衛隊は男ばっかりだから、より取り見取りだぞ。たくさんやって、いい男を見つけて子どもを産めばいいぞ。女は使えないけど、チヤホヤされるからとりあえず任官してみろ』と言われた。また、寝室に侵入され、下着を盗まれた際には、盗まれるような思わせぶりな態度をとるのが悪いと言われた」(20代、防衛大学校、女性)』、「アンケート」で、「9日までの中間結果では、自衛隊に所属した経験がある人がハラスメントを受けた件数は99件だった。そのうち59人は女性で、8割以上がセクハラおよびマタハラを受けたと回答」、「自衛隊」での「セクハラ」問題はやはり根深いようだ。「防衛大学校」でも、「寝室に侵入され、下着を盗まれた際には、盗まれるような思わせぶりな態度をとるのが悪いと言われた」、酷い姿勢だ。
・『「2014年頃着隊して、初めての泊りがけの宴会で、男性先輩方が盛り上がり、浴衣を脱がせ合う流れになり、『お前も脱げよ』と腕を引かれて、やり玉にあげられそうになった。私が持参していたカメラで、いつの間にか男性隊員たちがお互いを取り合っていた。データは絶対に見たくなかったので、当時の先任に渡して消去してもらった」(20代、航空自衛隊、女性) 「PKOの参加希望について先輩と話した時、『お前みたい(背が低くて力が無い)のは、性処理要員にしか使えないから無理(笑)』と言われ、フォローのつもりか『PKOに連れて行くのは、間違いがないようにブスしか連れていけない(笑)』などと言われたことがある」(40代、航空自衛隊、女性) 「私は男性ですが、隊内浴場で同性愛者の男性に身体の関係を持ち出されました。他にも、浴場で身体を洗っている時に同じ小隊の男性自衛官に陰部を身体に押し当てられました。その時は、嫌とは言えず、笑って誤魔化しましたが、いま考えるとありえないことだし、自衛隊はチームワークが大切なので、こんなことあってはならないです」(20代、陸上自衛隊、男性) 「後期教育隊で、清掃の時間に班長に清掃終了の確認をお願いしたところ、『指摘事項が見つかったら、1枚ずつ服を脱げ。脱ぐ服が無くなったら、下の毛を班員に抜かせる』と言われました。指摘事項が服の枚数を超えたため、それが実行されました」(20代、陸上自衛隊、男性) 五ノ井さんの勇気ある告発は、多くの被害体験者に声をあげることを促しただけにとどまらない。この先、高い志を持つ有能な隊員や、将来のなり手を守ることに、大きく貢献するはずだ』、「五ノ井さんの勇気ある告発は、多くの被害体験者に声をあげることを促しただけにとどまらない。この先、高い志を持つ有能な隊員や、将来のなり手を守ることに、大きく貢献するはずだ」、その通りだ。

次に、10月6日付け東洋経済オンラインが掲載したライター/編集者のヒラギノ 游ゴ氏による「自衛隊の性加害生んだ「ホモソーシャル」の醜悪さ 報道を見て「自分には関係ない」と思う男性の盲点」を紹介しよう。
・『(編集部注)この記事では詳細な被害状況を描写することはありませんが、性加害について取り上げています  陸上自衛隊に所属していた女性が訓練中に複数の男性隊員から性加害を受けた問題について、防衛省が29日に謝罪の意を表明したことが報道各社によって大きく取り上げられた。 本件では、事件発生時その場にいた20名ほどの加害者・目撃者全員がやっていないし見てもいないと証言したという。つまり、職場で公然とおこなわれた暴力事件を同僚全員が無視したということになる。 証言が得られなかったため、加害者と目される3名の隊員は不起訴となった。それを受けやむをえず、被害者自身が第三者委員会による公正な調査を求める署名活動を始めるに至った(事件の詳細はこの署名活動のページに詳しい)。 その結果、このたび防衛省によって「訴えが事実であること」、また「他の女性隊員にも同様の被害があったこと」を認める発表がなされた。そのうえで、陸自トップの吉田圭秀陸上幕僚長は「これまで長く苦痛を受けられたことに対し、組織を代表してお詫びする」と公式に謝罪、同様の事案の根絶に向け尽力すると宣言した。 本件についての世間のリアクションを観測していると間々見受けられるのが、今回起こったことを「自衛隊の閉鎖的な環境によるもの」として話を終始させようとする態度だ。 しかし、今回起こったことはけっして自衛隊だからこその問題ではない。社会のあらゆるコミュニティに同様の可能性が潜んでいる。問題は多くの「ホモソーシャル」に共通するものだ』、「今回起こったことはけっして自衛隊だからこその問題ではない。社会のあらゆるコミュニティに同様の可能性が潜んでいる。問題は多くの「ホモソーシャル」に共通するものだ」、その通りだろう。
・『ホモソーシャルの問題に他人事でいられる人はいない  ホモソーシャルとは、男性・女性どちらかのみの構成員に偏ったコミュニティを指し、主に男性中心の集団の場合が多い。  自衛隊に限らず、男性社員ばかりの部署や、学生時代の部活動に至るまで、この世界の多くのコミュニティがホモソーシャルに該当する。 ホモソーシャルはさまざまな不均衡の要因となるが、その最たるものがミソジニー(女性蔑視)の温床となることだ。 公判中の滋賀医大生による集団暴行事件にも同様の傾向が見られた。本件では、性的合意を経ず一方的に行為に及んだこと、動画を撮影して仲間内で共有していたことなどが報道されているが、このような行為の背景には、男性同士のコミュニティ内で一方的な「女性」や「性行為」というものの偏見が形成され、女性の尊厳を軽んじる感覚が根付いてしまったことがあると考えられる。 属性の異なる構成員がバランスよく参加するコミュニティであれば、自然と偏った感覚が軌道修正されていくことが期待できるが、ホモソーシャルの場合、そうした偏りに歯止めが利かなくなるというのが陥りがちな状況だ。その結果として、このたびの自衛隊での事件のような形で表出することがある。 自衛隊での事件は、閉じた男同士のコミュニティでは許され、それどころか"笑える"振る舞いとして行われていた行為を女性にぶつけたことで、彼らの持っていた感覚の有害性があらわになった面がある。「これはまずいんじゃないか」と自分たちの振る舞いを問い直し、社会全体とすり合わせる自浄作用が利かなくなっていく』、「ホモソーシャルとは、男性・女性どちらかのみの構成員に偏ったコミュニティを指し、主に男性中心の集団の場合が多い。  自衛隊に限らず、男性社員ばかりの部署や、学生時代の部活動に至るまで、この世界の多くのコミュニティがホモソーシャルに該当する」、「属性の異なる構成員がバランスよく参加するコミュニティであれば、自然と偏った感覚が軌道修正されていくことが期待できるが、ホモソーシャルの場合、そうした偏りに歯止めが利かなくなるというのが陥りがちな状況だ。その結果として、このたびの自衛隊での事件のような形で表出することがある」、「自衛隊での事件は、閉じた男同士のコミュニティでは許され、それどころか"笑える"振る舞いとして行われていた行為を女性にぶつけたことで、彼らの持っていた感覚の有害性があらわになった面がある」、その通りだ。
・『男性自身をも害するホモソーシャルの有毒性  ホモソーシャルやミソジニーの問題について知るとき、男性たちの中には自分自身が否定されたような心象になる人がいる。 しかし、問題とされているのは個人個人の男性ではなく、男性優位の社会構造、システムの話であり、また男性たち自身、こうした男性優位の社会構造が規定した男性像への適応を要請されることに日々無自覚に消耗している。 規範意識を知らずのうちに学び取り、自らの心身で再現する。その過程で、女性をはじめとした男性以外の属性を持つ人はもちろん、本人自身の人生をも害し、また周囲の男たちと互いを害しあう。 そうした自他に害をなす「男らしさ」の規範意識をトキシック・マスキュリニティ(有毒な男らしさ)と呼ぶ。 2018年に起こった日本大学フェニックス反則タックル問題は、日本大学アメリカンフットボール部の監督やコーチが、自チームの選手に対し相手選手に怪我を負わせるためのタックルを強要した事件だ。 当該の試合直前の練習にて、反則タックルを行うことになる選手は監督・コーチから再三「闘志が足りない」「やる気を見せろ」と詰問を受け、その挽回の具体的な方法として反則タックルを指示された。 この事件の土台にも、ホモソーシャルの閉じた支配ー被支配の関係性の中で「タフであれ」という規範意識や暴力性を称揚するトキシック・マスキュリニティ的な文化が根底にあると考えられる。ホモソーシャルの歪みは、他者への加害のみならず、構成員自身の人生をも害するものだ』、「自他に害をなす「男らしさ」の規範意識をトキシック・マスキュリニティ(有毒な男らしさ)と呼ぶ。 2018年に起こった日本大学フェニックス反則タックル問題」、「この事件の土台にも、ホモソーシャルの閉じた支配ー被支配の関係性の中で「タフであれ」という規範意識や暴力性を称揚するトキシック・マスキュリニティ的な文化が根底にあると考えられる」』、「ホモソーシャルの歪み」は想像以上に広がりを持っているようだ。
・『包括的性教育が乏しかった結果、自助努力に任されてきた  「包括的性教育」という概念がある。日本における「性教育」のイメージから連想されるようなものとはまったく異なる概念だ。 ここまでに述べたような「ホモソーシャル」「ミソジニー」「トキシック・マスキュリニティ」といった、社会生活において重要なタームやその背景にあるジェンダー論の論理を学ぶことをベースとし、その一環として月経や生殖といった身体の話題がある。そうしたカリキュラムが「包括的性教育」だ。 そもそも日本の初等教育における性教育というと、6年間で1度、女子だけが集められて月経についての簡単な(生殖については触れない程度の)説明があったのみという体験の人が大半だろう。 このような包括的性教育を受けていない以上、ジェンダーに関わる基礎的な知識には個々人でばらつきがあり、自助努力に任されている状況だ。それゆえに分断や軋轢が生じ、時にニュースとして取り沙汰されるような凄惨な事件に繋がっていく。 学びを得ていく具体的な方法としては、とにかく専門家の正しい知見を頼ることが第一だ。そのうえで身近な者同士で情報交換をすること、少人数の勉強会のような機会を作ることなどが挙げられる。また組織レベルで言えば、専門家を招き、社員研修の一環としてジェンダーに関する講習を組み込むことなどが有効だろう。) 実際、筆者もそうした企業向けの講習プログラムの提供に関わっているが、各業界のリーディングカンパニーでは浸透しつつあるものの、率先してそういった取り組みを実施する企業はまだまだ少ないのが現状だ。 包括的性教育が施されない現代では、適切な知識体系より先に、ネット上の有害な情報源に行き当たり、認識が歪められるケースが非常に多い。現代日本のネットコミュニティにおいては「弱者男性論」と呼ばれる概念が流布しているが、これは専門家の間ではまともな論理を伴った「言説」とは見なされていない。しかし、社会において孤立感や疎外感を抱く一部の男性たちは、自身を許し受け入れる概念と捉え没入していってしまう。 また、日本において非常に著名な専門家がトランスジェンダーなどの特定の属性の人に対して排他的・差別的だと指摘を受けていたり、フェミニズムを掲げた方針で知られる企業のリーダーがその実何の知識の裏付けもなく事業を展開していたりといった問題もあり、情報収集の妨げになる要素は多岐にわたり存在する。 いずれの場合も、情報源を見定めるにあたっては、学術的なバックボーンのある専門家であるか、あるいは問題を長年取り上げてきたジャーナリスト・文筆家など、実績のある人物であるかどうかを確認することが重要だ。 現代を生きるわれわれには、こうした一連のイシューに対する自覚が求められている。ピンとこない、納得がいかないとしても、まずは「どうやら世間ではそういうふうに言われているらしい」と一度受け止めることが重要だ』、日本も遅まきながら「包括的性教育」をきちんと義務教育で教えるべきだ。もっとも、それを受けていない我々は、「情報源を見定める」ため、「学術的なバックボーンのある専門家であるか、あるいは問題を長年取り上げてきたジャーナリスト・文筆家など、実績のある人物であるかどうかを確認する」、必要がある。
・『意義深い前例ではあるが…  自衛隊で起こった事件について、こうした内部の醜聞に対し事実を認め謝罪することは極めて異例といえる。同様の被害に苦しめられてきた隊員、また今後苦しめられるかもしれなかった隊員たちにとって非常に意義深い前例となった。 ただ、本件はそもそも刑事事件相当の、つまり法の裁きに委ねられてしかるべき事案だと筆者は考える。 勤務先が事実であるか否かのジャッジをするのも、謝罪をするしないに腐心せざるをえないのも筋違いではないか。 こうした事後処理のあり方の背後にも、特権的な男性たちによるホモソーシャルの作為が感じられる』、「本件はそもそも刑事事件相当の、つまり法の裁きに委ねられてしかるべき事案だと筆者は考える。 勤務先が事実であるか否かのジャッジをするのも、謝罪をするしないに腐心せざるをえないのも筋違いではないか。 こうした事後処理のあり方の背後にも、特権的な男性たちによるホモソーシャルの作為が感じられる」、最後は強烈な皮肉だが、同感である。

第三に、8月15日付けダイヤモンド・オンライン「自衛隊の「不要なハリボテ武器」ランキング【自衛官108人が評価】10式戦車の評判は?」を紹介しよう。
・『ダイヤモンド編集部は、自衛官らに「武器」などの評価を聞くアンケートを実施し、108人から回答を得た。特集『軍事ビジネス&自衛隊 10兆円争奪戦』(全25回)の#15では、防衛の最前線にいる自衛官の投票による「不要なハリボテ武器」ランキングをお届けする。ウクライナ危機で「不要論」が高まった戦車の運命は?』、日本の場合は特に惰性での調達が多そうなので、興味深そうだ。
・『ウクライナで弱点が露呈した複数の兵器に対し不要論高まる  ダイヤモンド編集部は、台湾有事の発生リスクが高まっていることなどを踏まえ、自衛官らに日本の防衛装備への評価などを聞くアンケートを実施した。 回答者数は、前回2017年のアンケートの53人から倍増し、防衛関係者の危機感が強くなっていることをうかがわせた。 (自衛官アンケートとは はリンク先参照) アンケートの回答に基づき、「要らない武器ランキング」を作成した。その結果、ウクライナとロシアの戦いで脆弱性が露呈した複数の武器がワースト上位に入った。 自衛官が「不要なハリボテ武器」と断罪した装備とは何なのか。次ページで、実際のランキングを見ていこう』、「ウクライナとロシアの戦いで脆弱性が露呈した複数の武器がワースト上位に入った」、具体的に「実際のランキングを見ていこう」。
・『ウクライナでミサイルの餌食になった戦車や艦艇は金食い虫?  「要らない武器ランキング」1位は「調達の優先度が低いものはない」だった。防衛装備が合理性を持って適切になされているという自負を感じさせる回答だ。 (戦車・戦闘機というレガシー兵器は不要? はリンク先参照) その一方で、伝統的な防衛産業からすれば背筋が寒くなる回答も目立った。戦車、装甲戦闘車(2位)、F-35戦闘機(3位)、空母、護衛艦(6位)などレガシー兵器の代表格が続々とランクインしてしまったのだ。 必要性が低い理由は、戦車については「日本のどこで戦車戦をするの?」「陸自の“象徴”という以外に存在理由がない」「(ミサイルで多数の戦車が損壊している)ウクライナを見れば一目瞭然」など。F-35には、「発注量が多過ぎる。ドローンの方が効率的」「撃墜されて終わる。無人爆撃機がベター」など辛辣な意見が相次いだ。 4位はイージス・アショア(陸上配備型迎撃ミサイルシステム)。建造に約4500億円ものコストが見込まれた上、配備候補地であった山口、秋田両県の反対もあり、20年に配備が停止された“いわく付き”の装備だ。 5位は、イージス・アショアの配備停止に伴い検討されている「代替システム」。海上への配備が検討されているが「地上よりも割高」「金食い虫」「船となると船乗りの自衛官が足りない」などと自衛官からは非難ごうごうだ。改めて、ミサイル防衛の難しさが露呈した格好だ』、「1位は「調達の優先度が低いものはない」だった」、は自衛隊が組織防衛のため、内部で申し合わせた可能性がある。それ以下の「戦車」「F-35」、「イージス・アショア」、その「代替システム」、などは、なるほどと納得させられる。

第四に、9月4日付け現代ビジネスが掲載した防衛ジャーナリストの半田 滋氏による「自衛隊が「米軍の2軍」になるかもしれない…「安保3文書」改定への強烈な違和感 有識者コメントを読んでみると…」を紹介しよう。
・『安全保障3文書の改定が迫る  「専守防衛による防御のみでは限界が来ている」 「安全保障環境を考えれば軍備の拡張は不可避である」 「ミサイル防衛だけでは不足で『反撃力』を保有する必要がある」 岸田文雄政権が今年12月に改定する国家安全保障戦略、防衛計画の大綱、中期防衛力整備計画の安全保障3文書に盛り込むべき内容について、政府は1月から半年かけて有識者52人と意見交換した。公表された意見の要旨には、首相が喜びそうな勇ましい言葉が並んだ。 焦点の「反撃(敵基地攻撃)能力の保有」については多くの有識者が賛成意見を述べ、政権が6月に公表した「経済財政運営と改革の基本指針(骨太の方針)」の目玉、「(防衛力を)5年以内に抜本的に強化する」ことに同調する意見が目立った。 敵基地攻撃を解禁すれば、当然ながら長射程ミサイルなどを購入するカネが必要。防衛省が8月に策定し、過去最大となった2023年度防衛費概算要求にお墨付きを与え、さらなる増額を目指すことになる。 「専守防衛」から「先制攻撃」へ。日本の安全保障政策を根底から覆す変革の実現は、自衛隊の兵器体系や訓練のあり方を抜本的に見直すことになり、簡単ではない。どこに敵基地があり、どこの機能を破壊すればよいのか判断するには決定的に不足している情報収集能力を飛躍的に高める必要もある。 どれほどの時間と資源を投下すれば、相手国が「日本を攻撃するのは止めておこう」と考えるまでになるのか見極めるのは不可能に近い。 困難を承知で進める敵基地攻撃能力の保有は、二度の日米首脳会談で打ち出した「台湾海峡の平和と安定の重要性を強調する」との言葉通り、米国と一体化して中国と向き合うための抑止力であり、場合によっては共に中国と戦うための攻撃力とする狙いが込められている』、「「専守防衛」から「先制攻撃」へ。日本の安全保障政策を根底から覆す変革の実現は、自衛隊の兵器体系や訓練のあり方を抜本的に見直すことになり、簡単ではない。どこに敵基地があり、どこの機能を破壊すればよいのか判断するには決定的に不足している情報収集能力を飛躍的に高める必要もある。 どれほどの時間と資源を投下すれば、相手国が「日本を攻撃するのは止めておこう」と考えるまでになるのか見極めるのは不可能に近い」、なるほど。
・『政権に迎合する有識者たち  公表された要旨は47ページ。今年1月以降に開催した17回の意見交換の日にちとテーマ、出席した有識者名が並ぶ。発言要旨は氏名が伏せられ、だれの発言かわからないようになっている。 出席者をみると、森本敏元防衛相、元国家安全保障局長だった谷内正太郎、北村滋両氏。佐々江賢一郎元駐米大使、折木良一元統合幕僚長など元政府高官や元自衛隊幹部が並ぶ。大学教授や防衛産業の社長らも招かれているが、政権寄りの発言が目立つ。 以下、紹介していこう。 憲法上の規定から政府が掲げてきた「専守防衛」については「専守防衛についての説明ぶりを改め、拒否的抑止とともに懲罰的抑止をバランスよく調和させつつ、共に強化すべき」「専守防衛による防御のみでは限界が来ている。専守防衛等の基本的防衛政策を再検討・再整理すべき」とあり、公開されているのは見直すべきとの意見ばかりだ。 2023年度から量産が予定される島嶼防衛用高速滑空弾(防衛省の資料より) 懲罰的抑止とは相手国を攻撃できる強力な軍事力の保有を意味し、岸田政権が目指す敵基地攻撃能力の保有を後押しする意見だ。「防御のみでは限界」との意見は「先制攻撃の勧め」であり、憲法改正への誘導ともとれる。 「防衛力強化・防衛関係費」については、政権から大歓迎されそうな意見が続出した。「防衛力の抜本的拡充のため、防衛費の数値目標を設定すべき。GDP比2%・NATO並みを5~10年で達成すべく、次期防衛大綱及び中期防に反映すべき」「防衛費は諸般の要素を考慮すれば約2%は妥当」などと「骨太の方針」を追認。 さらに「防衛費をGDP比で次期防衛力整備計画末までに3倍に増額」と来年度概算要求で初の5兆5000億円台に乗った防衛費を16兆円台にまで増やせとの極端な意見も飛び出した。 「抑止力・対処力の強化」は、「ミサイル攻撃を実効的に阻止するためには、新たなミサイル抑止力、すなわち敵のミサイル発射能力そのものを直接攻撃し、減退させることができる能力を保有することが必要」「敵基地攻撃力の保有と統合ミサイル防衛を両輪として強化すべき」「ミサイル防衛だけでは不足で『反撃力』を保有する必要がある」とあり、「専守防衛」の項目と同様に敵基地攻撃能力の保有を強力に推奨する意見が並んだ』、「専守防衛等の基本的防衛政策を再検討・再整理すべき」とあり、公開されているのは見直すべきとの意見ばかりだ」、「敵基地攻撃能力の保有を強力に推奨する意見が並んだ」、政権に迎合する「有識者」は「政権」が指名しているとはいえ、ここまで「迎合」的意見を述べるのであれば、単なるお飾りだ。
・『中には逆の意見も  一人だけ真逆の見解を示した有識者がいた。 「反撃能力保有については、支持しない。日本の反撃能力保有は、相手が『受容できないほどの損害を被る』と考えなければ抑止は成功しない。重要なのは、相手に『攻撃しても撃ち落される可能性が高い、そして米国の打撃力も存在する』と思わせること。そのためにはミサイル防衛等の能力向上が優先事項。日本の拒否的抑止能力を向上させ、同時に米国による懲罰的抑止の信ぴょう性を確保することが重要」 安倍晋三元首相が2020年9月、持病の悪化を理由に首相を退任した際に残した「安倍談話」で、後任の首相に「抑止力の強化」つまり敵基地攻撃能力の保有検討を命じる前までは政府の主流だった抑止理論がこれだ。 日本は専守防衛に徹し、敵基地攻撃は米国の打撃力を期待するという日米の役割分担を規定した考え方で、令和4年版防衛白書にも「米国の軍事力による抑止力をわが国の安全保障のために有効に機能させることで、わが国自身の防衛体制とあいまって隙のない態勢を構築し、わが国の平和と安全を確保していく考えである」と記されている。 これまで王道とされた安全保障の考え方が少数意見だとすれば、どのような判断基準で今回の有識者を集めたのか政府の良識を疑う。逆に有識者が政権の意向を忖度して、意見を述べたとも考えられる。いずれにしても出来レース以外の何ものでもない。こんな手法や人選で安全保障政策を決めていいはずがない』、「これまで王道とされた安全保障の考え方が少数意見だとすれば、どのような判断基準で今回の有識者を集めたのか政府の良識を疑う。逆に有識者が政権の意向を忖度して、意見を述べたとも考えられる。いずれにしても出来レース以外の何ものでもない。こんな手法や人選で安全保障政策を決めていいはずがない」、その通りだ。
・『各論になると途端に…  有識者の中からは「普天間基地の移転のように膨大な資金と長い年月のかかることに力を入れることには疑問。時間と効果をもっと考えてほしい」との意見もあった。 3年前の県民投票で7割超の反対の民意が示されても「辺野古移設が唯一の解決策」と繰り返して表明し、沖縄県名護市の辺野古沿岸部に土砂投入を続け、新基地建設の既成事実化を進めてきたのが日本政府だ。 埋め立て予定地の軟弱地盤の存在を隠し、現在の技術では地盤改良は不可能とも指摘される難工事を意地になって進めようとする政府高官が並ぶ前で「王様は裸だ」と指摘したに等しい。) 52人の有識者のひとりは、総論である「新たな国家安全保障戦略等に盛り込むべき要素」について問われ、「国家安全保障戦略は、外交・防衛のみならず、『非脆弱・強靭化』(経済安保等)、戦争を防ぐための『外交・抑止』、戦争になった際の戦力としての『反撃』、戦争で国民の犠牲を減らすための『保護』の四本柱が重要」と当たり前でまっとうな意見を披露。 「『人間の安全保障』から『人権の安全保障』の時代に対応できる人道主義、倫理に基づいた安全保障戦略を構築すべき。世界と日本の平和構築が目標である、との理念優先の態度をもって、国民に訴えていくことが必要」と目指すべき平和論を唱える人もいた。 なのに各論の防衛政策に移った途端、多くの有識者が示したイケイケぶりはどうだ。抑止力強化は他国への安心供与と表裏一体であるべきことを知らないか、忘れたふりをしているとしか思えない。 岸田政権は今年5月、「敵基地攻撃は存立危機事態に適用される」旨の答弁書を閣議決定した。存立危機事態、つまり密接な関係にある他国への攻撃が日本の安全を脅かす事態と時の政権が認定すれば、集団的自衛権行使が解禁され、日本は敵基地攻撃に踏み切ることができるというのだ。 台湾有事への関与を3度にわたり明言したバイデン大統領のもとで米国が台湾有事に派兵すれば、存立危機事態が発令され、自衛隊は米軍とともに戦うことになる。その時、自衛隊が導入を進める敵基地攻撃に転用可能な長射程のミサイル類が威力を発揮するのだろう。 敵基地攻撃能力の保有とは「米軍の2軍」を目指すことと同義語なのかも知れない』、「岸田政権は今年5月、「敵基地攻撃は存立危機事態に適用される」旨の答弁書を閣議決定した。存立危機事態、つまり密接な関係にある他国への攻撃が日本の安全を脅かす事態と時の政権が認定すれば、集団的自衛権行使が解禁され、日本は敵基地攻撃に踏み切ることができるというのだ。 台湾有事への関与を3度にわたり明言したバイデン大統領のもとで米国が台湾有事に派兵すれば、存立危機事態が発令され、自衛隊は米軍とともに戦うことになる。その時、自衛隊が導入を進める敵基地攻撃に転用可能な長射程のミサイル類が威力を発揮するのだろう。 敵基地攻撃能力の保有とは「米軍の2軍」を目指すことと同義語なのかも知れない」、「台湾有事」ではもう半ば自動的に「集団的自衛権行使が解禁」するところまで、進んでいたとは初めて知った。これではうかうかsていられない。
タグ:防衛問題 (その20)(元自衛官・五ノ井里奈さんが議員からのヒアリングで性被害を告白 長妻昭議員「一気に膿を出して真っ当な自衛隊へ」、自衛隊の性加害生んだ「ホモソーシャル」の醜悪さ 報道を見て「自分には関係ない」と思う男性の盲点、自衛隊の「不要なハリボテ武器」ランキング【自衛官108人が評価】10式戦車の評判は?、自衛隊が「米軍の2軍」になるかもしれない…「安保3文書」改定への強烈な違和感 有識者コメントを読んでみると…) AERAdot「元自衛官・五ノ井里奈さんが議員からのヒアリングで性被害を告白 長妻昭議員「一気に膿を出して真っ当な自衛隊へ」」 「『訓練があるので、すぐには該当の人物には取り調べができない』と警務隊に言われ、(捜査が)1カ月ほど長引いていました。その1カ月だけでも、記憶が段々薄れていくと思いました」、いくら「訓練」があっても、「(捜査が)1カ月ほど長引いていました」、意図的な遅延工作だ。 「嫌疑不十分で関係者は不起訴処分」、時間をかけたにも拘らず、「不起訴」とは国家機関の「検察」らしい。「防衛省に「性暴力委員会」を設置するなど、再発防止策について検討」、その通りだ。 「アンケート」で、「9日までの中間結果では、自衛隊に所属した経験がある人がハラスメントを受けた件数は99件だった。そのうち59人は女性で、8割以上がセクハラおよびマタハラを受けたと回答」、「自衛隊」での「セクハラ」問題はやはり根深いようだ。「防衛大学校」でも、「寝室に侵入され、下着を盗まれた際には、盗まれるような思わせぶりな態度をとるのが悪いと言われた」、酷い姿勢だ。 「五ノ井さんの勇気ある告発は、多くの被害体験者に声をあげることを促しただけにとどまらない。この先、高い志を持つ有能な隊員や、将来のなり手を守ることに、大きく貢献するはずだ」、その通りだ。 東洋経済オンライン ヒラギノ 游ゴ氏による「自衛隊の性加害生んだ「ホモソーシャル」の醜悪さ 報道を見て「自分には関係ない」と思う男性の盲点」 「今回起こったことはけっして自衛隊だからこその問題ではない。社会のあらゆるコミュニティに同様の可能性が潜んでいる。問題は多くの「ホモソーシャル」に共通するものだ」、その通りだろう。 「ホモソーシャルとは、男性・女性どちらかのみの構成員に偏ったコミュニティを指し、主に男性中心の集団の場合が多い。  自衛隊に限らず、男性社員ばかりの部署や、学生時代の部活動に至るまで、この世界の多くのコミュニティがホモソーシャルに該当する」、「属性の異なる構成員がバランスよく参加するコミュニティであれば、自然と偏った感覚が軌道修正されていくことが期待できるが、ホモソーシャルの場合、そうした偏りに歯止めが利かなくなるというのが陥りがちな状況だ。 その結果として、このたびの自衛隊での事件のような形で表出することがある」、「自衛隊での事件は、閉じた男同士のコミュニティでは許され、それどころか"笑える"振る舞いとして行われていた行為を女性にぶつけたことで、彼らの持っていた感覚の有害性があらわになった面がある」、その通りだ。 「自他に害をなす「男らしさ」の規範意識をトキシック・マスキュリニティ(有毒な男らしさ)と呼ぶ。 2018年に起こった日本大学フェニックス反則タックル問題」、「この事件の土台にも、ホモソーシャルの閉じた支配ー被支配の関係性の中で「タフであれ」という規範意識や暴力性を称揚するトキシック・マスキュリニティ的な文化が根底にあると考えられる」』、「ホモソーシャルの歪み」は想像以上に広がりを持っているようだ。 日本も遅まきながら「包括的性教育」をきちんと義務教育で教えるべきだ。もっとも、それを受けていない我々は、「情報源を見定める」ため、「学術的なバックボーンのある専門家であるか、あるいは問題を長年取り上げてきたジャーナリスト・文筆家など、実績のある人物であるかどうかを確認する」、必要がある。 「本件はそもそも刑事事件相当の、つまり法の裁きに委ねられてしかるべき事案だと筆者は考える。 勤務先が事実であるか否かのジャッジをするのも、謝罪をするしないに腐心せざるをえないのも筋違いではないか。 こうした事後処理のあり方の背後にも、特権的な男性たちによるホモソーシャルの作為が感じられる」、最後は強烈な皮肉だが、同感である。 ダイヤモンド・オンライン「自衛隊の「不要なハリボテ武器」ランキング【自衛官108人が評価】10式戦車の評判は?」 日本の場合は特に惰性での調達が多そうなので、興味深そうだ。 「ウクライナとロシアの戦いで脆弱性が露呈した複数の武器がワースト上位に入った」、具体的に「実際のランキングを見ていこう」 「1位は「調達の優先度が低いものはない」だった」、は自衛隊が組織防衛のため、内部で申し合わせた可能性がある。それ以下の「戦車」「F-35」、「イージス・アショア」、その「代替システム」、などは、なるほどと納得させられる。 現代ビジネス 半田 滋氏による「自衛隊が「米軍の2軍」になるかもしれない…「安保3文書」改定への強烈な違和感 有識者コメントを読んでみると…」 「「専守防衛」から「先制攻撃」へ。日本の安全保障政策を根底から覆す変革の実現は、自衛隊の兵器体系や訓練のあり方を抜本的に見直すことになり、簡単ではない。どこに敵基地があり、どこの機能を破壊すればよいのか判断するには決定的に不足している情報収集能力を飛躍的に高める必要もある。 どれほどの時間と資源を投下すれば、相手国が「日本を攻撃するのは止めておこう」と考えるまでになるのか見極めるのは不可能に近い」、なるほど。 「専守防衛等の基本的防衛政策を再検討・再整理すべき」とあり、公開されているのは見直すべきとの意見ばかりだ」、「敵基地攻撃能力の保有を強力に推奨する意見が並んだ」、政権に迎合する「有識者」は「政権」が指名しているとはいえ、ここまで「迎合」的意見を述べるのであれば、単なるお飾りだ。 「これまで王道とされた安全保障の考え方が少数意見だとすれば、どのような判断基準で今回の有識者を集めたのか政府の良識を疑う。逆に有識者が政権の意向を忖度して、意見を述べたとも考えられる。いずれにしても出来レース以外の何ものでもない。こんな手法や人選で安全保障政策を決めていいはずがない」、その通りだ。 「岸田政権は今年5月、「敵基地攻撃は存立危機事態に適用される」旨の答弁書を閣議決定した。存立危機事態、つまり密接な関係にある他国への攻撃が日本の安全を脅かす事態と時の政権が認定すれば、集団的自衛権行使が解禁され、日本は敵基地攻撃に踏み切ることができるというのだ。 台湾有事への関与を3度にわたり明言したバイデン大統領のもとで米国が台湾有事に派兵すれば、存立危機事態が発令され、自衛隊は米軍とともに戦うことになる。 その時、自衛隊が導入を進める敵基地攻撃に転用可能な長射程のミサイル類が威力を発揮するのだろう。 敵基地攻撃能力の保有とは「米軍の2軍」を目指すことと同義語なのかも知れない」、「台湾有事」ではもう半ば自動的に「集団的自衛権行使が解禁」するところまで、進んでいたとは初めて知った。 これではうかうかsていられない。
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子育て(その6)(「危ないからダメ」と言われ続け育った少女の悲劇、又吉直樹が語る 子どものころによく読んだ本とは 「早いころに世の不条理さを知れてよかった」、「子どもが泣き叫ぶのは愛情不足の証拠」…育児の問題をすべて母親に押しつける「呪いの発信者」とは 新生児科医・小児科医ふらいと先生インタビュー #1) [生活]

子育てについては、7月25日に取上げた。今日は、(その6)(「危ないからダメ」と言われ続け育った少女の悲劇、又吉直樹が語る 子どものころによく読んだ本とは 「早いころに世の不条理さを知れてよかった」、「子どもが泣き叫ぶのは愛情不足の証拠」…育児の問題をすべて母親に押しつける「呪いの発信者」とは 新生児科医・小児科医ふらいと先生インタビュー #1)である。

先ずは、8月6日付け東洋経済オンライン「「危ないからダメ」と言われ続け育った少女の悲劇」を紹介しよう。
https://toyokeizai.net/articles/-/608499
・『親が「よかれと思って」実践している声かけ・子育てが子どもの未来を呪ってしまっている――。そう語るのは、元法務省でこれまで1万人の犯罪者・非行少年を心理分析してきた犯罪心理学者の出口保行氏。出口氏の最新刊『犯罪心理学者が教える子どもを呪う言葉・救う言葉』は、そんな実例をまとめた子育ての解説書になっている。 本記事はその中から、「気をつけて」という言葉についての解説を抜粋。子どもに危険を知らせるこの言葉が、どうして呪う言葉になってしまうのか。非行少年に限らず、どんな家庭でも気をつけておきたい注意点と解決策を解説する。 ※本記事に出てくる実例はプライバシー等を考慮し一部改変しています』、「「気をつけて」という」、「子どもに危険を知らせるこの言葉が、どうして呪う言葉になってしまうのか」、興味深そうだ。
・『「気をつけて!」と言われ続けた少女・マイの結末  親が子どもに言う「気をつけて」という言葉にはさまざまな注意点がありますが、まずは極端な例を見ていきましょう。私が実際に心理分析した、ある非行少女(仮名マイ)の実例をご紹介します。 マイが幼い頃、両親がレストランを始めました。家族経営の小さなレストランですが、地域ではすぐに人気が出たようです。 忙しい父母にかわって面倒を見てくれたのが祖母のカズヨです。カズヨは公立小学校の校長をしていた教育者で、たったひとりの孫のために全身全霊で教育にあたっていました。 マイの父親は、教師であったカズヨをとても尊敬しており、子育てについてはカズヨに任せっきりだったそうです。 母親はといえば、義母であるカズヨに対し大きな引け目を感じていました。自分が高卒であるのに対して、カズヨは校長を退職後も地域の民生委員を務めるなど、地域の評価が高かったからです。 カズヨはマイを非常にかわいがる反面、心配性なところがありました。何かにつけて「危ないことはしちゃダメよ」「気をつけないとね」と言うのです。 同年代の子がブランコで遊んでいるのを見て、マイもブランコに乗ろうとすると、「おばあちゃんが昔いた学校で、ブランコのチェーンに指を挟まれて大ケガした子がいるの。危ないからやめておこうね」。 川のそばに咲く花を摘もうと土手を下りようとすると、「足をすべらせて川に落ち、亡くなった子がいるのよ」などと話してやめさせていたようです』、「ブランコ」や「土手を下り」るのまで、「やめさせていた」とは「心配性」を超えて異常だ。
・『「~してはいけない」ばかりで  マイは小さい頃はあまり疑問に思わなかったものの、小学校高学年になり周囲の子たちが友だち同士だけで遊ぶようになると自分もそうしたいと思うようになりました。 たとえば「みんなでショッピングモールに行くんだって。私も行っていいでしょ?」と聞いても、カズヨは一切認めなかったそうです。 「私は心配で倒れるかもしれない。それでもいいなら行きなさい」 脅しのような言葉に、マイは遊びに行くのをあきらめ、クラスの中でも浮いてしまうことが多くなりました。 中学生になり、塾や部活などの理由がつけられるようになると、さすがにカズヨの監督下から少し抜け出せるようになったようです。 マイは家ではいい子のふりをしつつ、外では不良グループと付き合うようになりました。高校からはティーン誌の読者モデルも始め、洋服やアクセサリーをバンバン買うので、お小遣いはすぐに底をついていました。 大学生になってバイトを始めましたが、金遣いの荒いマイには焼け石に水。思いついたのは、両親のレストランの売上金を盗むこと。多少抜き取ってもバレなかったので、何度も犯行を繰り返しました。 しかし、一度に盗める金額には限りがあります。今度はカズヨのタンス貯金に手をつけました。これまでさんざん自分を抑圧してきた代償を支払ってもらう気持ちで盗るので、とくに悪いことをしている認識はありません。 さらに大金を手に入れたくなったマイは、レストランによく来る高齢者をターゲットに、「うちのお店、3年後にリニューアルオープンして大規模店になる予定なの。いま出資してくれれば、高い配当を得られるよ。でもこれは内緒の話だから誰にも言わないでね」という話をするようになりました。いわゆる、特殊詐欺です。 結果、500万円ほど騙し取っていました。しかし、当然ながら配当をすることはできず、逮捕されることとなったのです』、「特殊詐欺」で「500万円ほど騙し取っていました」、「大学生」にしては悪知恵が凄い。
・『人の気持ちがわからない悲劇  少年鑑別所で面接をした際、マイは「とくに悪いことをしたとは思っていない。被害者の気持ちとか言われても、金儲けの話に目がくらんだだけじゃん。そんなうまい話に簡単に乗るほうがどうかしている」と話していました。共感能力が低く、被害者の気持ちを想像するのが難しいのもあって、なかなか内省が深まりませんでした。 しかし、少年院に送致され、そこでの面接や更生プログラムを通じて、次第に気づくようになっていきました。 「ああ、私から内緒の話をもちかけられて嬉しいと思ってくれたんだ。私はそれを裏切ったんだ……」 そんなふうに被害者の気持ちを考えられるようになるまで、時間がかかったのは確かです。 マイは同年代の子たちと関わる体験が圧倒的に不足していました。心配性の祖母が何でも先回りして失敗させないように動き、子どもだけで遊ぶことを禁じていたからです。いわゆる過保護・過干渉によって、共感性が育つ機会が奪われていたと言えます。 共感とは、他者の気持ちが自分のことのようにわかることです。その前提には2つあります。ひとつは「人の感情を正確に認知できる」。目の前の人が怒っているのか、泣いているのかといった、感情を表情などから読み取って認知することです。 もうひとつは「人の感情を正確に推測できる」。笑っているけれど、悲しい。冷静にしているけれど、怒っている。認知に基づきながら、相手の気持ちを推測できることが必要です。それではじめて共感能力を発揮することができるのです。 共感性はさまざまな人とのリアルなコミュニケーションから育まれます。ちょっとしたひと言で傷ついたり、ケンカになったり仲直りしたりと、対人関係上の失敗も共感能力を高めてくれます。普通は幼少時に小さなトラブルをいくつも経験しながら、共感性を育みます。自分の言動で相手がどう思うのかを考えることができるようになるのです。ところが、マイはそうした経験ができないままに育ってしまいました。) 思春期になって、マイはクラスの中で自分が浮いた存在であることを自覚します。 クラスメイトたちの中でもうまくコミュニケーションをとることができません。自分の話ばかりしたり、余計なひと言を言って相手を傷つけたりしがちでした。仲良くしたくても、どうすればいいのかよくわからないのです。孤独感を感じたマイは、祖母を恨みました。 「おばあちゃんのせいだ。おばあちゃんが何でもかんでもダメだって言うから、私はこんなふうになっちゃったんだ」 そして、祖母の抑圧から助け出してくれない両親に対しても敵意を持つようになりました。レストランの売上金からお金を抜き取るのも、祖母のタンス貯金に手をつけるのも「このくらいやって当然」という感覚です。そうして家庭内窃盗を繰り返すうちに罪悪感もうすれ、投資詐欺に発展しました。 マイに限らず、こうした窃盗や詐欺を行う非行少年・犯罪者は共感性が低い傾向があります。「騙されるほうが悪い」と言って、被害者の気持ちを考えようとしません。 しかし、当然ながら騙すほうが100%悪いのです。 相手が欲にかられたからといって、犯罪をしていいことにはなりません。「騙されるほうも騙されるほうだ」という言い方がされることがありますが、それは犯罪者側の理屈です』、「普通は幼少時に小さなトラブルをいくつも経験しながら、共感性を育みます。自分の言動で相手がどう思うのかを考えることができるようになるのです。ところが、マイはそうした経験ができないままに育ってしまいました」、「マイに限らず、こうした窃盗や詐欺を行う非行少年・犯罪者は共感性が低い傾向があります。「騙されるほうが悪い」と言って、被害者の気持ちを考えようとしません。 しかし、当然ながら騙すほうが100%悪いのです」、その通りだ。
・『「気をつけて!」がダメな理由  さて、そろそろこの事例を、一般の子育てに応用していきましょう。 マイの祖母カズヨは、かわいい孫に「イヤな思いをさせたくない」「つらい気持ちになってほしくない」という気持ちが強く、何でも先回りして「気をつけて!」と言い続けてきました。よかれと思ってやってきたのです。 しかし、どう見ても過保護・過干渉でした。せめて両親がもう少しフォローできたらよかったのですが、それもありませんでした。その結果、マイは危険を自分で察知して判断する能力が低く、危険なことにも簡単に手を出してしまうようになりました。 同時に共感性が低く、相手の気持ちを推し量ることが苦手になってしまいました。 「気をつけて!」と何でも制止すれば、子どもは経験のチャンスを失います。経験にはポジティブな面もネガティブな面もあり、失敗して落ち込んだりイヤな気持ちになったりすることだってあるでしょう。しかしそれが成長の糧なのです。) たとえばハロウィンパーティーに誘われて行ってみたら、みんな仮装をしていて普段着の自分は恥ずかしい思いをしたとします。すると、次からはどういう服で行ったらいいか事前に確認しようと思うでしょう。自分が人を誘うときは、来てくれた人が恥ずかしい思いをしないようにあらかじめ服装について教えてあげようと思うでしょう。 こういった小さな失敗で致命的なことが起こるわけではありません。先回りして何でも教えていたり、そもそも「パーティーなんてやめておきなさい」と止めていたりしたら、その子は経験ができないのです。 もちろん、本当に危ないことは止めなければいけません』、「どう見ても過保護・過干渉でした」、「その結果、マイは危険を自分で察知して判断する能力が低く、危険なことにも簡単に手を出してしまうようになりました。 同時に共感性が低く、相手の気持ちを推し量ることが苦手になってしまいました。 「気をつけて!」と何でも制止すれば、子どもは経験のチャンスを失います。経験にはポジティブな面もネガティブな面もあり、失敗して落ち込んだりイヤな気持ちになったりすることだってあるでしょう。しかしそれが成長の糧なのです」、小学校で校長をしていたといっても、このような「育児」の失敗があり得るというのには、驚かされた。
・『危険の大きさに関する判断を整理することが大切  子どもが切り立った川岸に向かっているのに自由にさせていてはダメです。落ちたら死んでしまいます。親はまず危険の大きさに関する判断を整理することが必要です。 一番の軸は身体生命の安全に関わるかどうか。それ以外はどこまで許容できるかです。 心配でつい口を出したくなる気持ちはわかります。しかし、親はいつまでもついていてあげられるわけではありません。親が「転ばぬ先の杖」となって転ばせなければ、転んだ経験のない子は自分で何に気をつけたらいいかわからないのです。本当に子どものためを思ったら、あえて失敗させてあげることです。 とくに対人関係の失敗は共感性を育てます。友だちに「誰にも言わないでね」と言って打ち明けられた話をうっかり人に言ってしまった。機嫌が悪いときに友だちがふざけてきたのでカッとしてひどいことを言ってしまった。そんな失敗も学びになります。 もし子どもが「だって〇〇ちゃんはいつも自分勝手だから、バカって言いたくなるのも仕方ないよ」と話したら、「そう思ったんだね」と言い訳を否定せず聞いてあげましょう。 たくさん話しているうちに自分で「でもあの言い方はちょっとひどかったかな。傷ついていると思うから、明日あやまろうかな」と気づくかもしれません。自分ひとりでは内省が深まらないようなら、「〇〇ちゃんはどう感じたかな?」というように促してあげるのがいいでしょう。親の考えを言うのではなく、本人に考えさせてあげることです。 子どもの頃に何を経験したかが、その後の人生に長期的な影響をおよぼします。) 年をとってからも学ぶことはできるし、体力は落ちても心理的な発達は続くわけですが、どうしても子どもの頃の経験がベースになります。自立した大人になるためというだけでなく、一生に影響するのだということも知っておいてほしいことです』、「自分ひとりでは内省が深まらないようなら、「〇〇ちゃんはどう感じたかな?」というように促してあげるのがいいでしょう。親の考えを言うのではなく、本人に考えさせてあげることです」、なかなか巧みなやり方だ。
・『反省ではなく、内省を促す  共感性が低く、自己中心的な考え方をしていると、なかなか内省は深まりません。 内省は「反省」に似ていますが、別のものです。自分自身の心に向き合い、自らの言動や考え方について客観的に振り返って分析することです。気づきを得ることを目的にしています。 一方、反省とは、自分の言動や考え方のよくなかった点を振り返り、改めようとすることの意味で使われます。 問題行動があったとき、大人は「反省しなさい」と言いがちです。しかし、残念ながらこの言葉には意味がないことが多いです。 「ごめんなさい。悪いことをしました。もうしません」 そんな言葉を引き出すことに成功しても、本人は心の中で舌を出していることはよくあります。自分自身の心に向き合わないまま、反省の言葉を言わされているだけだからです。 私が見てきた非行少年はとくに反省を表現することに慣れていて、いくらでも言うことができました。それこそお経のように唱えることができるので、感心するくらいです。神妙な顔をするのも得意です。しかし、反省の言葉と表情がどれだけうまくなっても、それが何になるというのでしょうか。 最初はきっと、言い訳をしたに違いありません。 「こういう理由があったから、仕方なかったんだ」 それに対して「言い訳するな!反省しろ」と余計に叱られるようなことを繰り返すと、言い訳をしなくなります。 「ごめんなさい、私のせいでこんなに迷惑をかけてしまいました。これからは心を入れ替えて頑張ります」 このように反省上手になります。しかし、内省していないので同じようなことを繰り返すのです。 さらには、「反省しなさい」という言葉は抑圧を生みます。その子が抱えている不満を聞いてあげることなく一方的に反省を押しつければ、不満はどんどん蓄積し、いずれ爆発するでしょう。 繰り返しますが大事なのは内省です。自分の言動や考え方を振り返るのが苦手な子に対しては、「どうしてこういう行動をしたの?」「そのときどう思ったの?」と問いかけて内省を促します。「ここがよくなかったよね」「こんなことしたら、相手は怒るに決まっているよね」などと指摘するのではなく、本人に気づかせてあげてください』、「大事なのは内省です。自分の言動や考え方を振り返るのが苦手な子に対しては、「どうしてこういう行動をしたの?」「そのときどう思ったの?」と問いかけて内省を促します。「ここがよくなかったよね」「こんなことしたら、相手は怒るに決まっているよね」などと指摘するのではなく、本人に気づかせてあげてください」、確かに「内省を促します」は有効だが、結構、高度な技だ。

次に、11月7日付けAERAdot「又吉直樹が語る、子どものころによく読んだ本とは 「早いころに世の不条理さを知れてよかった」」を紹介しよう。
・『小学生時代の読書体験が与える影響は、大人になるまで分かりません。だからこそ、かけがえのない一冊と出会うかもしれない機会は大切にしたいもの。本を心から愛するお笑い芸人・作家の又吉直樹さんに、本の楽しみ方や子どものころに読んでいた本を教えてもらいました。現在発売中の「AERA with Kids 2022年秋号」(朝日新聞出版)から一部抜粋して紹介します。 小学生のときは、国語の教科書をよく読んでいました。家には遠藤周作や三浦綾子といった大人向けの本しかなくて、子どもが読める本といえば教科書くらいしかなかった。低学年のころは教訓めいた話が多くて、発見のある話はなかった気がするんですけど、3年生のころからハッとするような表現、大人が言葉では言わないことを描いている話が出てきて、面白いと思うようになりました。 自分の教科書を読み終わったら、姉たちが使っていた教科書も読んでいました。特に好きだったのが「沢田さんのほくろ」という話。おでこに大きなほくろのある沢田さんという女の子が「大仏」というあだ名でからかわれているんですけど、強く生きていこうと決意し、前髪で隠していたおでこを出すようになるんです。でも、また何かの拍子に男子から「大仏」って言われてしまう。それに対して沢田さんは「大仏でけっこうよ」というようなことを言って大仏のポーズをするんです。目からは涙が流れていて……。 小学生のときって「子どもだからわからないだろう」と、子ども扱いされますよね。そうやって子どものことを完全に舐なめている感じの大人が僕は大嫌いだったんですよ。でも、このお話に描かれていることはすごくリアルだった。大人でもこういうことを描く人がいると安心できました。 丸っこい表現の話だけを与えられていたら、後々もっと傷つくこともあったんじゃないかな。早い段階で、世の中の不条理さ、何も悪いことをしていなくても環境次第で大変な状況に追い込まれることもあるという前提を、お話の中から踏まえることができたのはよかったと思います』、さすが「又吉」氏だけあって、「子どもの」頃からませた考え方だったようだ。
・『本の読み方を「教えられた」人の読書感想は、みんな似ている  本の読み方に「答え」がある、と思い込みすぎている人が多い気がします。本を読んでどう感じるかは、無限にアプローチがあるから面白い。この本はこう読みなさいと教えられた人ほど、大人になっても本の感想が似る現象があります。気になった箇所は人それぞれ違っていていいはずです。 いま思えば、僕は子どものころ、周りに本を読む人がいなかった。だから自分で考えて自分なりに理解するという本の読み方を身につけられたのかもしれません。親から教えられたり、友だちと答え合わせをしたりすることもなかったですから。「答え」を追い求めすぎずに自由に読むと、もっと読書は楽しくなると思います』、「「答え」を追い求めすぎずに自由に読むと、もっと読書は楽しくなると思います」、その通りなのかも知れない。
・『又吉さんが教えてくれた「本を面白く読んでみるコツ」 (1)まずは、自分がどう感じたのか考えてみる。(周りの目を気にせず、自分が思ったことをストレートに書き出す。)(2)登場人物の体験や気持ちについて、自分の中でも似た体験や感情がなかったか思い出してみる。(友だちとけんかしたときや親に怒られたときの気持ち。自分の人生に結び付けて共感してみる。)(3)描かれていることと反対の意見を考えてみる。(登場人物や作者の考え方とは異なる考えを出してみる。「そんな嫌なら最初から友だちにならなければよかったやん、とか」(又吉さん)) (4)最後に、自分だったらどういう結末にするか考えてみる。(いろいろな立場で考えたことでオリジナルの結末が浮かび上がってきたら、もう本を楽しんでいる証拠。 ※「AERA with Kids 2022年秋号」(朝日新聞出版)から一部抜粋。本誌ではこのほか、子どものころに読んだ本や辞書の遊び方なども紹介しています。(又吉直樹の略歴はリンク先参照)』、「本を面白く読んでみるコツ」は確かに「面白く読」めそうだが、時間もかかりそうだ。

第三に、11月23日付け文春オンライン「「子どもが泣き叫ぶのは愛情不足の証拠」…育児の問題をすべて母親に押しつける「呪いの発信者」とは 新生児科医・小児科医ふらいと先生インタビュー #1」を紹介しよう。
https://bunshun.jp/articles/-/58858
・『「子どもの癇癪は愛情不足」「子どもは親を選んで生まれてくる」などの迷信はいかにして生まれるのか? 母親を苦しめる「呪い」が生まれる理由を、新生児科医・小児科医の「ふらいと先生」こと今西洋介さんが解説。金に目がくらんだ医師が、加担することも……(全2回の1回目/後編を読む)(Qは聞き手の質問)』、記事冒頭の大泣きしている写真は、「母親」がいかにも慌てそうな場面だ。
・『母親たちを苦しめる「呪い」  Q:子どもの癇癪は愛情不足。離乳食は手作りが一番。そして育児は基本、母親が担うべき。前時代的だとも思えるような考え方が、いまだ根強くあります。今西先生は、SNSや書籍で、それら母親だけに負担を押しつけて苦しめる育児の迷信・神話の存在を「呪い」と表現していますが、その理由は? 今西洋介医師(以下、今西) 医療の現場で、産まれた子どもが集中治療室に入ったりすると、自分のことを責めてしまうお母さんが本当に多いんですよね。一番多い質問も「私が悪かったんでしょうか?」です。実際、お母さんが食べたものでなる病気はあります。例えばトキソプラズマ症とか。 子どもの病気が「100%お母さんのせいじゃない」とは言えませんが、ほとんどの病気や障がいはお母さんが原因ではありません。それにもかかわらず、なぜ自分を責めてしまうのか? ひとつは、誰かに「母親のせい」と言われるからです。誰かというのは、いままで信頼してきた親御さんだったり、パートナーだったり。その人たちもまた、小さいころに親やまわりからその迷信を聞かされていた。そうした積み重ねの結果です。 家族全体、ひいては社会全体にそういった言説が浸透して伝播して、精神的に特定の人を追い詰めていく。それはまさに「呪い」だと思いませんか』、「誰かに「母親のせい」と言われるからです。誰かというのは、いままで信頼してきた親御さんだったり、パートナーだったり。その人たちもまた、小さいころに親やまわりからその迷信を聞かされていた。そうした積み重ねの結果です。 家族全体、ひいては社会全体にそういった言説が浸透して伝播して、精神的に特定の人を追い詰めていく。それはまさに「呪い」」、日本社会も困った病理を抱えたものだ。
・『「呪い」が生まれた歴史背景  Q:その呪いは、どこから来る? 今西 一例として「子どもを産むと女性は自動的に母性が湧き、心血注いで子どもの世話をしたくなるもの」という母性神話を見てみましょう。 そもそも江戸時代や明治時代にはそんな考え方は存在していません。ところが戦時中、男性が出征して戦地に行かされる事情から「母は強し」などと言って、耐えて国に尽くすのが母親だみたいな啓蒙が行われます。国をあげて、女性を神格化させたわけです。 次に戦争が終わった後の1950年代からの高度成長期には、男性は猛烈に働き、女性が家庭に入る専業主婦モデルが推奨されます。そこでまた専業主婦が神格化され、母性神話が定着しました。 確かに母子の関係性が子どもの発達に関わることは、確固たるエビデンスがあります。しかしそれが母性神話という形になると、母親の理想像の押し付けが強くなり、一気にお母さんの負担が強くなる。 しかも現在は、男性の賃金が減り女性も外で働くようになり、母性神話が成り立たなくなってきています。それなのに思想だけが残り、今を生きる母親たちが苦しめられている現状があります。) Q:「医師がそう言っていた」という点から言説を信頼し、語り継ぐ布教者たちもいそうです。 今西 それも確かにあるでしょう。発達心理学が専門で母性学研究の権威でもある大日向雅美先生の著書によると、1990年代は母性神話を守る「正義の騎士」的な存在が、当時の小児科医であったと説明されています。 大日向先生が「母性神話の罠」という母性神話を否定するテーマの講演をすると、激しく異議を唱えてきたのも小児科医だったと。そのころはまだ医学界も、エビデンスが確立されていない部分がありましたので。 発達障害のひとつである自閉症も同様です。1990年代に自閉症は母親の愛情不足が原因だという説があり、自閉症の子どもを持つ母親たちが「冷蔵庫の心を持った母親」と呼ばれていました。それも、医学界は一部信じていた。しかし今はもう、科学的根拠によって完全に否定されています。ところが否定された事実はあまり浸透せず、いまだにやっぱり愛情不足じゃないかと、責められる母親たちがいるんです』、「専業主婦が神格化され、母性神話が定着」、「母性神話という形になると、母親の理想像の押し付けが強くなり、一気にお母さんの負担が強くなる。 しかも現在は、男性の賃金が減り女性も外で働くようになり、母性神話が成り立たなくなってきています。それなのに思想だけが残り、今を生きる母親たちが苦しめられている現状があります」、「1990年代に自閉症は母親の愛情不足が原因だという説があり、自閉症の子どもを持つ母親たちが「冷蔵庫の心を持った母親」と呼ばれていました。それも、医学界は一部信じていた。しかし今はもう、科学的根拠によって完全に否定されています。ところが否定された事実はあまり浸透せず、いまだにやっぱり愛情不足じゃないかと、責められる母親たちがいるんです」、「冷蔵庫の心を持った母親」とは酷い言い方だ。
・『「子どもは親を選んで生まれてくる」の嘘  Q:「子どもは親を選んで生まれてくる」という迷信・思想はどうでしょう? 今西 胎教という文化から発生した、「胎内記憶」と言われている言説ですね。現在日本で胎内記憶の発信の中心になっているのはとある産婦人科医ですが、その内容は完全にスピリチュアルでしょう。 胎内記憶を医学的に見ると、エビデンスの元とされているのが2~3歳の子どもの言葉でしかありませんので、それを科学的根拠があるかのように話すのは明らかに問題があります。わからないことをわかったように、さらに当事者に言うことは、相手を傷つける可能性もあり非常に危険です。 よく、障害を持って生まれた子どもの母親に「あなたを選んで産まれてきてくれたんだから」と声をかけてしまう人がいる。すると、必要以上に自分が頑張らなくてはならないという呪いに縛られてしまう。 実際、言葉の呪縛に囚われているお母さんはとても多いです。産んだ責任から一人で悩みを抱え込み、「産褥精神病(出産後に幻想や妄想に囚われる病気)」という非常に危険な状態になるケースも。 子どもが自分を選んでくれたという考え方で、救われる人もいるでしょう。そうした考えで育児を頑張ることができたり、絆を感じたり。しかしそれは個人で思えばいい話であり、他人が言うことではありません』、「胎教という文化から発生した、「胎内記憶」と言われている言説ですね・・・その内容は完全にスピリチュアル」、「言葉の呪縛に囚われているお母さんはとても多いです。産んだ責任から一人で悩みを抱え込み、「産褥精神病・・・」という非常に危険な状態になるケースも」、「お母さん」から「言葉の呪縛」を解放する必要がありそうだ。
・『大金に目がくらみ「ダークサイドに堕ちる医師」も…  Q:コロナ禍ではワクチンやマスクに対して不安を煽る医師がSNSで存在感を放っていますが、これはスピリチュアル嗜好や情報の古さなどとはまた別の問題でしょうか。 今西 そのあたりは一部、金銭的な問題がからんでいるでしょう。医療者の中には開業時に億単位の借金を背負っている人も少なくない。窮状にいる医師たちに、大企業なんかが怪しげな療法を売り込んでくるケースは珍しくありません。 しかも、ありえないくらいの高額を提示してくるんです。そこに飛びついてしまう医療者はごく一部ですが、確実に存在します。実際に、僕が信頼していた後輩の医師が、開業したとたんに怪しい療法に手を出しそうになりました。リテラシーの高かったあの人もこうなるんだと、ある意味興味深かったですが。結果的にまわりの医師達から反対の声が相次ぎ、実際には採用しなかったようです。 そうした医師たちがビジネスに直結していると、ターゲットがよく研究されていることもあり、勢いよく広まります。胎内記憶もその例かと。子育て世代は常に更新されていきますから、今育児中のお母さんたちは、デマが原因で起こった昔の事件なんかを知らないわけです。「山口新生児ビタミンK欠乏性出血症死亡事故」(※1)とか「キッズスタディオン事件」(※2)とか。 だから、どんなデマも既に否定されたからと安心せず、情報は発信し続けなければなりません。過去には医療界がデマ、すなわち呪いを後押ししたものもありますが、1個ずつ絡まった糸をほどくように、間違った情報を正していくのもやはり科学です。この記事を見てくれた方にはまず、社会はこれだけ呪われているということを、知っていただきたいですね。 ※1 「ホメオパシー」という代替医療にもとづく治療によって新生児が死亡したとされる2009年の事故。助産師の指導のもと、ビタミンKを投与せずにビタミンKと同様の効果を持つと主張される砂糖玉を新生児に与え、結果生後2ヶ月で硬膜下血腫が原因で死亡した。 ※2 新潟・上越市のNPO法人「子育て支援ひろばキッズスタディオン」の姫川尚美理事長が、自ら考案した「ズンズン運動」と称する施術で、生後4ヶ月の男児を死亡させたとして2015年に逮捕された。「免疫力を高める」「寝付きがよくなる」などが謳われていた』、「医療者の中には開業時に億単位の借金を背負っている人も少なくない。窮状にいる医師たちに、大企業なんかが怪しげな療法を売り込んでくるケースは珍しくありません。 しかも、ありえないくらいの高額を提示してくるんです。そこに飛びついてしまう医療者はごく一部ですが、確実に存在します」、「過去には医療界がデマ、すなわち呪いを後押ししたものもありますが、1個ずつ絡まった糸をほどくように、間違った情報を正していくのもやはり科学です。この記事を見てくれた方にはまず、社会はこれだけ呪われているということを、知っていただきたいですね」、その通りだ。
タグ:子育て (その6)(「危ないからダメ」と言われ続け育った少女の悲劇、又吉直樹が語る 子どものころによく読んだ本とは 「早いころに世の不条理さを知れてよかった」、「子どもが泣き叫ぶのは愛情不足の証拠」…育児の問題をすべて母親に押しつける「呪いの発信者」とは 新生児科医・小児科医ふらいと先生インタビュー #1) 東洋経済オンライン「「危ないからダメ」と言われ続け育った少女の悲劇」 「「気をつけて」という」、「子どもに危険を知らせるこの言葉が、どうして呪う言葉になってしまうのか」、興味深そうだ。 「ブランコ」や「土手を下り」るのまで、「やめさせていた」とは「心配性」を超えて異常だ。 「特殊詐欺」で「500万円ほど騙し取っていました」、「大学生」にしては悪知恵が凄い。 「普通は幼少時に小さなトラブルをいくつも経験しながら、共感性を育みます。自分の言動で相手がどう思うのかを考えることができるようになるのです。ところが、マイはそうした経験ができないままに育ってしまいました」、「マイに限らず、こうした窃盗や詐欺を行う非行少年・犯罪者は共感性が低い傾向があります。「騙されるほうが悪い」と言って、被害者の気持ちを考えようとしません。 しかし、当然ながら騙すほうが100%悪いのです」、その通りだ。 「どう見ても過保護・過干渉でした」、「その結果、マイは危険を自分で察知して判断する能力が低く、危険なことにも簡単に手を出してしまうようになりました。 同時に共感性が低く、相手の気持ちを推し量ることが苦手になってしまいました。 「気をつけて!」と何でも制止すれば、子どもは経験のチャンスを失います。経験にはポジティブな面もネガティブな面もあり、失敗して落ち込んだりイヤな気持ちになったりすることだってあるでしょう。しかしそれが成長の糧なのです」、小学校で校長をしていたといっても、このような「育児」の失敗があり得るというのには、驚かされた。 「自分ひとりでは内省が深まらないようなら、「〇〇ちゃんはどう感じたかな?」というように促してあげるのがいいでしょう。親の考えを言うのではなく、本人に考えさせてあげることです」、なかなか巧みなやり方だ。 「大事なのは内省です。自分の言動や考え方を振り返るのが苦手な子に対しては、「どうしてこういう行動をしたの?」「そのときどう思ったの?」と問いかけて内省を促します。「ここがよくなかったよね」「こんなことしたら、相手は怒るに決まっているよね」などと指摘するのではなく、本人に気づかせてあげてください」、確かに「内省を促します」は有効だが、結構、高度な技だ。 AERAdot「又吉直樹が語る、子どものころによく読んだ本とは 「早いころに世の不条理さを知れてよかった」」 さすが「又吉」氏だけあって、「子どもの」頃からませた考え方だったようだ。 「「答え」を追い求めすぎずに自由に読むと、もっと読書は楽しくなると思います」、その通りなのかも知れない。 「本を面白く読んでみるコツ」は確かに「面白く読」めそうだが、時間もかかりそうだ。 文春オンライン「「子どもが泣き叫ぶのは愛情不足の証拠」…育児の問題をすべて母親に押しつける「呪いの発信者」とは 新生児科医・小児科医ふらいと先生インタビュー #1」 記事冒頭の大泣きしている写真は、「母親」がいかにも慌てそうな場面だ。 「誰かに「母親のせい」と言われるからです。誰かというのは、いままで信頼してきた親御さんだったり、パートナーだったり。その人たちもまた、小さいころに親やまわりからその迷信を聞かされていた。そうした積み重ねの結果です。 家族全体、ひいては社会全体にそういった言説が浸透して伝播して、精神的に特定の人を追い詰めていく。それはまさに「呪い」」、日本社会も困った病理を抱えたものだ。 「専業主婦が神格化され、母性神話が定着」、「母性神話という形になると、母親の理想像の押し付けが強くなり、一気にお母さんの負担が強くなる。 しかも現在は、男性の賃金が減り女性も外で働くようになり、母性神話が成り立たなくなってきています。それなのに思想だけが残り、今を生きる母親たちが苦しめられている現状があります」、 「1990年代に自閉症は母親の愛情不足が原因だという説があり、自閉症の子どもを持つ母親たちが「冷蔵庫の心を持った母親」と呼ばれていました。それも、医学界は一部信じていた。しかし今はもう、科学的根拠によって完全に否定されています。ところが否定された事実はあまり浸透せず、いまだにやっぱり愛情不足じゃないかと、責められる母親たちがいるんです」、「冷蔵庫の心を持った母親」とは酷い言い方だ。 「胎教という文化から発生した、「胎内記憶」と言われている言説ですね・・・その内容は完全にスピリチュアル」、「言葉の呪縛に囚われているお母さんはとても多いです。産んだ責任から一人で悩みを抱え込み、「産褥精神病・・・」という非常に危険な状態になるケースも」、「お母さん」から「言葉の呪縛」を解放する必要がありそうだ。 「医療者の中には開業時に億単位の借金を背負っている人も少なくない。窮状にいる医師たちに、大企業なんかが怪しげな療法を売り込んでくるケースは珍しくありません。 しかも、ありえないくらいの高額を提示してくるんです。そこに飛びついてしまう医療者はごく一部ですが、確実に存在します」、 「過去には医療界がデマ、すなわち呪いを後押ししたものもありますが、1個ずつ絡まった糸をほどくように、間違った情報を正していくのもやはり科学です。この記事を見てくれた方にはまず、社会はこれだけ呪われているということを、知っていただきたいですね」、その通りだ。
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年金制度(その6)(年金保険料「納付5年延長」の衝撃! 1人100万円の“大増税”を国民に押し付け 給付はケチる、iDeCo対象者が拡大!確定拠出年金で絶対間違えてはいけない2つのこと、年金改革案を批判する人の「よくある3つの勘違い」 誤解+感情論は危険) [国内政治]

年金制度については、昨年11月16日に取上げた。今日は、(その6)(年金保険料「納付5年延長」の衝撃! 1人100万円の“大増税”を国民に押し付け 給付はケチる、iDeCo対象者が拡大!確定拠出年金で絶対間違えてはいけない2つのこと、年金改革案を批判する人の「よくある3つの勘違い」 誤解+感情論は危険)である。

先ずは、10月26日付け日刊ゲンダイ「年金保険料「納付5年延長」の衝撃! 1人100万円の“大増税”を国民に押し付け、給付はケチる」を紹介しよう。
https://www.nikkan-gendai.com/articles/view/life/313468
・『年間20万円の負担増──。厚労省は25日、社会保障審議会(厚労相の諮問機関)の年金部会を開き、国民年金の保険料の納付期間を延長する議論をスタートさせた。現行の20歳から59歳までの40年間から、64歳までの45年間に延長する。 自営業者や60歳までに退職した人の負担はかなり大きくなる。現在の国民年金の保険料は月1万6590円だから、年間約20万円、5年間で約100万円も負担が増える。支払総額は796万円(40年間)から896万円(45年間)へと12.5%も増額する。 国民年金は40年間満額支払っても、65歳から受け取れる受給額は月額わずか6万5000円。保険料を100万円多く払えば、受給額も引き上げられるのか──。厚労省に聞くと「仮定の話なのでコメントできません」(年金課)と答えた。 「今後、さらに少子高齢化が進行するので、年金を受給する高齢者は増え、社会保障を支える現役世代は減っていく。そのため、保険料の納付期間を延長して、受給水準を維持する狙いがある。あくまで維持です。延長により、保険料を多く納付しても、受給額は横ばいか、多少色を付ける程度とみられています」(厚労省担当記者)』、「年間約20万円、5年間で約100万円も負担が増える」、にも拘らず、「受給額は横ばいか、多少色を付ける程度」、年金財政改善のためとはいえ、払わされる方はたまったものではないようだ。
・『「岸田政権が続けば、国民生活は破壊される」  負担が増えてもリターンは期待できそうにない。これでは年間20万円、総額100万円の大増税を押し付けられるに等しい。立正大法制研究所特別研究員の浦野広明氏(税法)が言う。 「物価が高騰する中、岸田政権は現役世代の賃金が下がったことを理由に、今年6月支給分から年金を減額しました。保険料の納付期間5年延長も強行するつもりでしょう。これからも、年金の負担は増やし、給付はケチる姿勢を続けていくはずです。一方で、防衛費は2023年度から5年間の総額を43兆~45兆円程度にしようとしています。岸田政権はこれまでの自公政権以上に、社会保障を切り捨て、軍拡に邁進する政権であることがハッキリしました。岸田政権が続けば、国民生活は破壊されてしまいます」 納付期間の延長は24年までに結論を出し、25年の通常国会での法改正を目指すという。粛々と進めさせてはならない』、「これからも、年金の負担は増やし、給付はケチる姿勢を続けていくはずです」、困ったことだが覚悟が必要だ。

次に、10月25日付けダイヤモンド・オンラインが掲載した経済コラムニストの大江英樹氏による「iDeCo対象者が拡大!確定拠出年金で絶対間違えてはいけない2つのこと」を紹介しよう。
https://diamond.jp/articles/-/311778
・『制度の一部改正でiDeCo対象者が拡大!  この10月からiDeCoの加入対象者が大幅に増えることになった。この理由は制度が一部改正され、企業型の確定拠出年金(企業型DC)に加入していた人もiDeCoに加入できることになったからだ。 もちろん2017年におこなわれた法改正で、それまでは入れなかった企業型DC加入者も法律上は入れるようになってはいた。しかし「企業側で規約を改正しなければならない」とか、「限度額を変更しないといけない」といった要件があったため、ほとんど加入できていなかったのが実情であった。 この10月からはこれらの要件が撤廃され、一定の金額までであれば誰でも利用できるようになったため、iDeCo利用のハードルはかなり下がった。 iDeCoはよく話題になってはいるものの、実はその加入者はまだ230万人あまりだ。それに対して企業型DCへの加入者は780万人ほどいるので、実に3倍以上である。 この780万人もの人たちが今後はiDeCoに加入できるようになるため、加入拡大は一気に進むと考えられる。そこで、今回はiDeCoを含めた確定拠出年金の運用について考えてみたい。 実は、「個人が普通に自分のお金で投資をする場合」と「確定拠出年金制度を使って投資する場合」には明らかな違いがある。 確定拠出年金の投資の特徴は次の2つだ。 ・運用益に対して税金がかからない ・ただし、運用できる金額には上限がある この2つの特徴から、確定拠出年金で運用すべき基本的な考え方を見てみよう』、「iDeCo」「の加入者はまだ230万人あまり」、「それに対して企業型DCへの加入者は780万人」、「この780万人もの人たちが今後はiDeCoに加入できるようになるため、加入拡大は一気に進む」、確かにインパクトは大きそうだ。
・『(1)確定拠出年金は期待リターンの高いもので運用すべし  まずひとつ目はできるだけ期待リターンの高いもので運用すべきだということである。具体的に言えば、確定拠出年金での運用は預金よりも投資信託を優先した方が良いという話だ。なぜそうなのかを考えてみよう。ここでキーワードとなるのが「アセット・ロケーション」という言葉だ。 間違えてはいけないのは、似たような言葉だが「アセット・アロケーション」とは意味が異なることである。 「アセット・アロケーション」というのは資産配分のことである。仮に今、手元にお金が100万円あるとしよう。例えばその100万円の半分の50万円で株式投資信託を買い付け、残りの50万円を定期預金に預ける、これが「アセット・アロケーション」だ。 一方、「アセット・ロケーション」というのは資産配分のことではなく、「どの制度でどの金融商品を利用するか」ということである。言葉だけでは抽象的なので具体的な例で見てみよう。 例えば前述のように株式投信と定期預金に50万円ずつ配分するのが「アセット・アロケーション」だが、その際仮に50万円までは運用利益が非課税となる制度が利用できるとした場合、どちらを非課税制度の利用に充てるか?というのが「アセット・ロケーション」である。下図を見てみよう。 (アセット・ロケーションの数値例の図 はリンク先参照) ケース1は株式投信を課税にし、確定拠出年金では預金を利用するという場合である。以下の2点を仮定して考えてみよう。 ・100万円の資産を株式投信と定期預金に50万円ずつ配分 ・預金金利を0.1%、投資信託の運用利回りが年3.0% 預金金利は非課税のままだから0.1%であるものの、株式投信は約20%の税金が引かれるため、手取り利回りは2.4%となる、両方を合計して2で割るとポートフォリオ全体の収益は1.25%だ。 ここで、ケース2を見てほしい。非課税になるのは「投信」だ。そのため預金は20%の税金を引かれて0.08%、株式投信は非課税なので3.0%となり、同様に合計して2で割ると全体収益は1.54%となる。あきらかにケース2の方が運用成績は良くなる。 この場合、大事なことはケース1でも2でも、アセット・アロケーション(資産配分)は変わらないので、どちらもリスクは同じということだ。すなわち、どのように制度を利用するかによって、リスクは同じでありながらリターンを高めることができるということなのである。 こう言うと、「でも値下がりすることもあるじゃないか」という人がいるだろう。それはその通りである。 でも値下がりすることに対して自分としてはそんなリスクは一切取りたくないのであれば、課税であろうが非課税であろうが、投資信託は買わずに全部預金にすればいい。もちろんその場合、リターンは見込めない。 アセット・ロケーションの例に話を戻すと、要点は預金と投信のどちらに非課税制度である確定拠出年金を利用すべきかということだ。これは間違いなく、期待リターンの高い株式投信を確定拠出年金で利用すべきなのだ。 例えば、家電量販店で大きなセールがあって、全商品50%割引というようなビッグセールがあったとしたら、その時に乾電池1個だけを買って帰る人はいないだろう。普段買いたいと思っていた高額商品をこの機会に買うはずである。何を買っても50%割引なのだから当然そうするだろう。確定拠出年金はいわば、「なんでも非課税にしてあげます」というセールみたいなもの。だから、利益の見込める投資信託を選ぶべきなのは当然だと言える』、「確定拠出年金はいわば、「なんでも非課税にしてあげます」というセールみたいなもの。だから、利益の見込める投資信託を選ぶべきなのは当然だと言える」、なるほど。
・『(2)確定拠出年金だけでの分散投資にあまり意味はない  同じ確定拠出年金でも、iDeCoではなく企業型DCの場合は、導入の際に金融機関から講師がやってきて投資教育セミナーをやるのが普通だ。そんな時、どの講師も判で押したように言うのが「分散投資をしましょう」ということだ。 これは決して間違ってはいない。投資で最も大切なことの一つが分散投資であるからだ。ところが確定拠出年金の場合は、必ずしも分散投資が必要かというと、そうでもない。 ここで、冒頭に挙げた確定拠出年金の運用における特徴を思い出してほしい。 (2)の「運用できる金額には上限がある」という点である。例えばサラリーマンがiDeCoをやろうと思ったら、最大限多くても月額2万3000円が限度である。一方、企業型DCの場合は掛金を決めるのは会社だ。そのため、少ないと数千円ということもある。 つまり、多くの人にとっては、確定拠出年金で運用している資金が自分の持っている金融資産全てというわけではないのだ。 資産運用において分散投資が大事だというのは、その通りなのだが、それはあくまでも自分の資産全体での話である。 例えば確定拠出年金以外では全く投資をしていないのであれば、確定拠出年金ではなく、全て投資信託にすべきだろうし、逆に預金を全く持っていないという人であれば(そんな人はあまりいないだろうが)、確定拠出年金を全額預金にするということも考えられなくはない。 要するに、確定拠出年金の運用資産の中だけで分散投資をしていてもあまり意味はないということなのだ。 実際に筆者は会社員時代、2002年から2012年まで企業型確定拠出年金で積み立てをしていたが、その内容は「新興国株式」一本であった。 この理由は、当時の自分が持っている金融資産は日本もしくは先進国の株式や投資信託ばかりであり、新興国の株式への投資は全くしていなかったからだ。自分の金融資産トータルで考えれば、確定拠出年金の残高が占める割合は低く、全部を新興国株式に投資しても問題ないぐらいの金額であった。だから期待リターンの高い新興国を選択したに過ぎない。 このように、制度の特徴を考えてみると普通の投資と確定拠出年金における投資は、やや異なる部分があることに注意が必要だ。 もちろん投資はあくまでも自分の判断でおこなうものであるから、筆者が述べたようなことが必ずしも正しいわけではないが、基本としては知っておいても良いだろう』、「確定拠出年金の運用資産の中だけで分散投資をしていてもあまり意味はない」、その通りのようだ。

第三に、11月22日付けダイヤモンド・オンラインが掲載した経済コラムニストの大江英樹氏による「年金改革案を批判する人の「よくある3つの勘違い」、誤解+感情論は危険」を紹介しよう。
https://diamond.jp/articles/-/313136
・『年金改革案にまつわる誤解や臆測が増えている  公的年金の制度は5年に一度、“健康診断”が行われる。現状の制度を今後も維持していった場合に将来に不安がないかどうかを検証する「公的年金の財政検証」だ。 前回は2019年で、ここでの報告を受けて議論が行われ、2020年に「年金制度改正法」が成立した。その多くは今年から施行されているのだが、次回の財政検証は2024年となるため、それに向けた議論が厚生労働相の諮問機関である「社会保障審議会 年金部会」で始まった。 今回の議論はまだ始まったばかりではあるが、想定される主な議論は以下の通りとなりそうだ。 (1)国民年金の保険料納付期間の延長 (2)厚生年金の適用拡大 (3)基礎年金の給付調整期間の短縮  ただ、これらの内容については誤解も多い。断片的な報道や臆測だけで雑誌やテレビなどで批判を繰り広げている人たちも多い。だが、その多くは事実を理解せず、かなり的外れなものまである。 具体的にこの制度改革が想定している内容はどんなものなのか、そしてどこに勘違いがあるのか考えてみよう』、興味深そうだ。
・『(1)国民年金の保険料納付期間の延長  現在、国民年金の保険料納付期間は原則として20歳から60歳までの40年間となっている。これを65歳までとして45年に延ばそうという案である。 これに対しては「負担が増える」ということだけが取り上げられており、評論家のコメントの中には“負担は増えるが給付は増えない”というものまで見受けられる。しかしながらこれは大きな間違いだ。 そもそも現在でも60歳を過ぎて国民年金保険料を払っている会社員は多い。なぜなら60歳以降も再雇用制度で65歳まで厚生年金に加入して働いている人が増えているからだ。彼らは厚生年金保険料を払っているので65歳以降に受け取る厚生年金の額は増えるが、基礎年金自体は「経過的加算」などの一部の例外を除くと増えない。 ところが、国民年金の納付期間が65歳までという仕組みが正式に決まれば、状況は大きく変わる。これらの会社員にとって負担は従来と変わらないものの、基礎年金部分は5年間払った分が増えることになる。つまり、60歳以降働く大半の会社員にとっては年金が増えることになる。 では、60歳で仕事を辞めて全く働かなくなった人はどうなるのだろう。現在の国民年金保険料は1年間で20万円弱なので5年間だとおよそ100万円近くとなる。これに対して「老後資金が100万円減る」とコメントする人はいるが、これも大きな間違いだ。 会社を辞めて収入がなくなった人であれば、現在でも保険料は免除される。余裕のある人なら保険料を支払えば将来の年金額は増えるし、それが困難であれば免除申請をすればいい。 また自営業等の人にとっては保険料納付期間が増えることで将来の年金額は増額となる。会社員等に比べて年金額の少ない自営業者等にとって、これは良い制度となる』、「国民年金の納付期間が65歳までという仕組みが正式に決まれば」、「これらの会社員にとって負担は従来と変わらないものの、基礎年金部分は5年間払った分が増える」、「60歳で仕事を辞めて全く働かなくなった人は」、「会社を辞めて収入がなくなった人であれば、現在でも保険料は免除される。余裕のある人なら保険料を支払えば将来の年金額は増えるし、それが困難であれば免除申請をすればいい。 また自営業等の人にとっては保険料納付期間が増えることで将来の年金額は増額」、なるほど。
・『(2) 厚生年金の適用拡大  これは今年の10月から既に実施されている制度をさらに一層拡大しようというものだ」、「厚生年金の適用を広げようとしている対象は週20時間以上30時間未満の短時間労働者で、賃金が月額8万8000円(年額約106万円)以上などの要件を満たす人たちが該当する。従来はこれらの人たちのうち、従業員数501人以上の企業が厚生年金の加入対象となっていたが、今年の10月からは101人以上、そして24年10月からは51人以上が該当するようになる」、“これまで社会保険料を払う必要のなかったパート主婦の負担が増える”という批判があるが、これも少し違う。 なぜなら厚生年金に入っていない短時間労働者というとパート主婦ばかりがイメージされるが、実際に短時間労働者で一番多いのは1号被保険者、つまり正社員になれず、非正規で働いている人たちなのだ。これらの人たちが厚生年金に加入できるようになると自分が負担する保険料は少なくなる。厚生年金保険料の半分は事業主が負担することになるからだ。 すなわち、自分が負担する保険料が減る一方で将来の年金は増えるし、同時に加入する健康保険によって病気やけがをした場合の傷病手当金や出産手当金等も増えることになる。それまで厚生年金に入れなかった社会的に弱い立場にある人たちにとって、非常にメリットは大きい。 さらに今まで社会保険に入っていなかったパート主婦もこれに入ることによって一時的には手取り収入は少なくなるだろうが、よく言われている106万円の壁にこだわらず働く時間を延ばせばそれまでよりも手取りの金額は増えるし、もちろん将来の年金額も増える』、「平均寿命が長い傾向がある女性にとっては、将来の年金給付額を多くしておくことはとても重要」、その通りだ。
・『(3) 基礎年金の給付調整期間の短縮  「給付調整期間」というのはマクロ経済スライドのことである。本来、年金支給額は賃金・物価連動であるが、年金財政を維持するために一定期間を定めて物価上昇よりも年金受給額の伸びを抑えるようにしているのが「マクロ経済スライド」である。 ところがこの仕組みは長年デフレが続いてきたため、十分に機能せず、当初はこの調整期間が2023年で終了する予定であったものが現状では2046年度まで続く見込みとなっている。一方、厚生年金は2025年で終了する予定だが、この両方の財源を調整することで厚生年金と基礎年金の調整期間を一致させ、2033年に終了させるという案が浮上してきている。 実はここでも大きな誤解がある。厚生年金加入者である会社員からは「我々の厚生年金を自営業者の国民年金に流用するのか!」という声が出てきているのだが、実際はそういうわけではない。なぜなら国民年金(基礎年金)というのは必ずしも自営業者だけのものではなく、会社員の年金の1階部分でもあるからだ。したがって改正によって厚生年金が減ったとしても基礎年金部分の方が多く増えるケースがほとんどとなる。 もちろん厚生年金の報酬比例部分は給与によって保険料および将来の給付額は異なってくるので、一部の会社員にとってはマイナスになることもあり得る。具体的に言えば、働いている全期間の平均年収が1790万円以上というかなりの高所得者層にとっては減ることになるが、それだけの給料をもらっている人たちはほんの一握りにすぎない。 結果としてここでも大多数の会社員にとっては将来の年金が増える効果が見込まれる。 年金に関する制度改革が行われると、ほぼ条件反射的に「改悪」と騒ぎ立てる人たちが多いが、その中身や報告されている数字をきちんと検証した上で述べているとは到底思えないような印象を受ける。社会保険制度というのは「共助」の考え方に基づくものであり、参加する人が多くなればなるほど制度は安定する。 根拠のない不安にあおられた結果、年金保険料を払わずにいることで将来、年金給付が受けられないという不幸な目に遭ってしまう人たちを増やすようなことになってはいけない。 年金制度というのは感情的にならず、冷静な議論を進めていくことが重要なことといえるだろう』、「年金制度というのは感情的にならず、冷静な議論を進めていくことが重要」、同感である。
タグ:「確定拠出年金はいわば、「なんでも非課税にしてあげます」というセールみたいなもの。だから、利益の見込める投資信託を選ぶべきなのは当然だと言える」、なるほど。 「これからも、年金の負担は増やし、給付はケチる姿勢を続けていくはずです」、困ったことだが覚悟が必要だ。 年金制度 「年間約20万円、5年間で約100万円も負担が増える」、にも拘らず、「受給額は横ばいか、多少色を付ける程度」、年金財政改善のためとはいえ、払わされる方はたまったものではないようだ。 大江英樹氏による「年金改革案を批判する人の「よくある3つの勘違い」、誤解+感情論は危険」 「確定拠出年金の運用資産の中だけで分散投資をしていてもあまり意味はない」、その通りのようだ。 (その6)(年金保険料「納付5年延長」の衝撃! 1人100万円の“大増税”を国民に押し付け 給付はケチる、iDeCo対象者が拡大!確定拠出年金で絶対間違えてはいけない2つのこと、年金改革案を批判する人の「よくある3つの勘違い」 誤解+感情論は危険) 日刊ゲンダイ「年金保険料「納付5年延長」の衝撃! 1人100万円の“大増税”を国民に押し付け、給付はケチる」 ダイヤモンド・オンライン 「国民年金の納付期間が65歳までという仕組みが正式に決まれば」、「これらの会社員にとって負担は従来と変わらないものの、基礎年金部分は5年間払った分が増える」、「60歳で仕事を辞めて全く働かなくなった人は」、「会社を辞めて収入がなくなった人であれば、現在でも保険料は免除される。余裕のある人なら保険料を支払えば将来の年金額は増えるし、それが困難であれば免除申請をすればいい。 また自営業等の人にとっては保険料納付期間が増えることで将来の年金額は増額」、なるほど。 「年金制度というのは感情的にならず、冷静な議論を進めていくことが重要」、同感である。 「平均寿命が長い傾向がある女性にとっては、将来の年金給付額を多くしておくことはとても重要」、その通りだ。 大江英樹氏による「iDeCo対象者が拡大!確定拠出年金で絶対間違えてはいけない2つのこと」 「iDeCo」「の加入者はまだ230万人あまり」、「それに対して企業型DCへの加入者は780万人」、「この780万人もの人たちが今後はiDeCoに加入できるようになるため、加入拡大は一気に進む」、確かにインパクトは大きそうだ。
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人権(その9)(参院選出馬の要友紀子「セックスワーク差別は全ての人権問題とつながっている」、「同性愛は精神障害」冊子にドン引き 人権感覚が100年前の“悪い保守”の大罪) [社会]

人権については、6月1日に取上げた。今日は、(その9)(参院選出馬の要友紀子「セックスワーク差別は全ての人権問題とつながっている」、「同性愛は精神障害」冊子にドン引き 人権感覚が100年前の“悪い保守”の大罪)である。

先ずは、6月25日付けNewsweek日本版が掲載したライターのヒラマツマユコ氏による「参院選出馬の要友紀子「セックスワーク差別は全ての人権問題とつながっている」」を紹介しよう。
https://www.newsweekjapan.jp/stories/world/2022/06/post-98961_1.php
・『<性産業で働く人々の「誰も耳を傾けてくれなかった問題」の政策化や、当事者の政治参加は実現するのか> 7月10日に行われる参議院議員選挙で、立憲民主党から比例代表候補として出馬している要友紀子(かなめ ゆきこ)氏。彼女は、性産業で働く人々の健康と安全のために活動する団体SWASH(Sex Work And Sexual Health)の代表であり、アジア太平洋地域24カ国のセックスワーカー団体のネットワーク組織APNSW(Asia Pacific Network of Sex Workers)の理事としても活動している。 20年以上にわたり性産業で働く人々の人権擁護や支援をする中で、関連するさまざまな問題を国や社会に問いかけてきた。最近では、コロナ禍における給付金支給の対象からセックスワーカーや性産業事業者が除外されたことに抗議したり、現場の人々(当事者ら)の意見を十分に聞かず可決を急いだ議員立法「AV出演・被害防止法案(AV新法)」に提言し緊急集会を開いたりといった活動が記憶に新しい。 そんな彼女に参院選出馬の背景、国政/有権者それぞれに届けたい声などについて、ライターのヒラマツマユコが話を聞いた(Qは聞き手の質問、Aはヒラマツ氏の回答)。 Q:セックスワーカーの支援と政治との結びつきについて、ピンとこない読者もいるかもしれません。そもそも「セックスワーカーを支援することは、女性が性的に搾取されない社会を作ることに反しているのではないか」という指摘がありますが。 A:私は常に「当事者の政治参加」と「当事者の命と健康をどう守るか」という話をしてきました。「セックスワークがある社会」に対する評価は一切していません。その土俵に乗るつもりもありません。 むしろセックスワークの是非論を焦点化することで、置き去りにされる人命と人権があるのが問題だと考えています。実際に、誰がどんな問題で困っているのかを見る必要があるというだけです。実際に性産業という市場があり、そこで働いている人たちがいるので、その人たちの人命と人権は守られなければいけないですよね。 Q:立憲民主党の候補者募集に応募し、出馬した経緯は? A:今国会で成立した「困難女性支援法」と「売春防止法」の改正に関しては、2018年からロビー活動をしてきました。 その一環で、厚生労働省が行った「困難な問題を抱える女性への支援のあり方に関する検討会」に参加したいと何度も要望書を出しました。性産業で働く女性たちの中にも「困難な問題を抱える女性」はたくさんいますし、切実に取り入れるべき意見を届けたいという思いでした。 しかし、何度か行われた検討会に入れてもらえる機会は一度もありませんでした。国会に提出される段階になってあらためて、直接議員から話を聞きたい、現場の人たちにも説明をしてほしいとメールや電話でたびたび問い合わせたところ、提出の直前にやっと1時間ほど女性議員から説明を受けることができました。しかし提出が決まっている内容についての説明に過ぎませんでした。 私たちセックスワーカーの声が無視されていると感じました。これが1つめの大きな絶望です』、「参院選」で「要友紀子」氏は立憲民主党の候補者で14位の得票で落選(Wikipedia)。やはり、「セックスワーカー」の「支援」では比例の順位はかなり低くならざるを得ないようだ。「セックスワークの是非論を焦点化することで、置き去りにされる人命と人権があるのが問題だと考えています。実際に、誰がどんな問題で困っているのかを見る必要があるというだけです。実際に性産業という市場があり、そこで働いている人たちがいるので、その人たちの人命と人権は守られなければいけないですよね」、確かにその通りだ。
・『AV新法の件では、当事者団体10団体を集め「AV新法の対話集会」というものを衆議院会館で開催したのですが、聞きに来てくれた議員は川田龍平氏1人で、代理で秘書が出席という人が4~5人いるだけでした。国会議員700人近くにメールで声をかけ、関係が深そうな議員の事務所は直接訪ねたにも関わらずです。これが2つめの絶望です。 この3つの法律に関して「話を聞いてもらえない」「進捗を開示してもらえない」「何もコミットできなかった」という絶望体験がありました。 2~3年後にこれら法律の見直しのタイミングがきますが、10団体以上ある当事者団体が全くコミットできないのはまずいという危機感が強く、応募の決断につながりました。今回、当事者として出馬しているのは私だけですが、セックスワークに理解がある候補者は他に何人もいるので、それだけでもまずはいい流れだと感じています。 Q:性産業従事者の声を聞こうとしない多くの議員もそうですが、職業差別をしている人たちの大半は無自覚だと思います。まず、自覚をしてもらうためにはどうしたらいいでしょうか? A:SNSでの発信以外でも、マスコミの取材依頼がいくつも来ていて、なるべく答えるようにしていますが、まずはそうしたメディアに載った私のコメントを読んでほしいです。 もし当選することができたら、議員さんたちと人間として知り合って、仲良くなって対話をしたいです。やっぱり、全く知らない友達でもない人の話ってそんな聞きたいと思わないじゃないですか。だからこそ「外からギャンギャン言ってる人」ではなく、「内側の人」になることが有意義だと考えています。議員になる意味ってそこだと思います。私が意外と穏やかな人間であることも知ってもらえると嬉しいです(笑)。 Q:政治への関心はいつ頃から持ち始めたのでしょうか。 A:1989年の土井ブーム(*1)には影響を受けましたね。女性政治家が多数登場するところを小学生のときに見た経験は大きいです。 その後、田嶋陽子さんの流行があり、彼女の本も読んでいました。女性として政治参加が当たり前だと思えるようになったきっかけで明確なのは、この2つだと思います。 その後、20代からSWASHの活動をしていて、政治には関心があるほうだったと思いますが、当時は実績がないので選挙に立候補するという選択はできませんでした。 それからひたすら活動をしていく中で、セックスワークの問題はいろいろな社会課題と複雑に重なっていて、既存の社会活動・人権活動とも関わりがあるのだと実感していきます。 路上生活者の問題、シングルマザーの困窮、セクシュアルマイノリティや人種差別問題、学費問題、学歴主義社会、そういった社会的弱者や貧困の問題は全てセックスワークにも密接に関わっています。全てが人権の問題です』、「セックスワークの問題はいろいろな社会課題と複雑に重なっていて、既存の社会活動・人権活動とも関わりがあるのだと実感」、なるほど。
・『私の掲げている政策は「セックスワークのシングルイシュー(*2)」のように思われることもあるようですが、全くそんなことはありません。先ほど述べたようなさまざまな社会課題は当然どれも重要です。当選したらそういった課題にも1つずつ取り組んでいきます。 (注釈)*1:1989年の参院選にて、土井たか子委員長の率いる社会党は改選22議席の2倍超の46人が当選。全国で22人の女性議員が誕生し「マドンナ旋風」と呼ばれ、大きな話題となった。 (注釈)*2:一つの事柄に焦点を絞って、賛成・反対を問うという政治手法。 Q:「性産業のことは性産業で働く人たちが決めるという、当たり前のことを普及させたい」など11の政策目標を掲げていますが、最も重要だと考えているものは? A:やはり命に直結することの優先順位は高いと思います。 セックスワークの場合、店舗型風俗は法律で厳しく制限されているので、新規開業がほとんどできず衰退の傾向にありますが、データによればこの店舗型では凶悪犯罪がほとんど起きていません。スタッフがいて、最低限の監視の目があり、何かあったときには駆け付けられることなどが理由です。 一方で、店舗型の規制が厳しくなった代わりに増えている無店舗型風俗(デリヘルなど)では、仕事場となるホテルなどで殺人や暴行などの事件が多数起きています。規制を厳しくすることで、追いやられた当事者や事業者が更なる危険にさらされるというケースは、データでも実証されています。 安全な場所を確保することは急務です。痴漢やその他の暴力などもそうですが、どういう条件が揃うと起こりにくいのかというデータは必ずあるので、人命を最優先に1つずつ整備していく必要があります。 Q:AV新法をめぐっては、塩村あやか氏、井戸まさえ氏、堤かなめ氏など、賛否両論の立憲民主党議員・元議員の発言が取り沙汰されました。要さんは「当事者の声を聞いて議論を進めるべきだ」という姿勢を取っていますが、当選した場合に党内でどんな対話をしていきたいですか? 大前提として、フェミニストにもいろいろな考えの人がいます。大まかに言うと、性産業そのものへの規制を厳しくし、市場自体をなくしていくべきという考え方のフェミニスト(北原みのり氏や井戸まさえ氏など)をラディカルフェミニストと呼ぶことがあります。 彼女たちの話しか聞いたことがない人は、当然強い影響を受けると思います。だからこそ私が入ることで、そうじゃないフェミニストの話も聞く機会ができ、誰が何で困っているのかをきちんと見つめて、バランスを取ろうと考えてくれる議員も増えるのではないでしょうか』、「店舗型の規制が厳しくなった代わりに増えている無店舗型風俗・・・では、仕事場となるホテルなどで殺人や暴行などの事件が多数起きています。規制を厳しくすることで、追いやられた当事者や事業者が更なる危険にさらされるというケースは、データでも実証されています。 安全な場所を確保することは急務です」、その通りだ。
・『Q:セックスワーカー当事者へ届けたいメッセージはありますか? A:自分が「嫌だな」「おかしいな」と思っても、「風俗で働いているからしょうがないんだ」と無意識のうちに諦めてしまっていることが、きっとたくさんあると思います。 でも、私の選挙活動をどこかで見聞きすることで、自分たちがこの仕事をしているせいじゃない、政治のせいなんだと気付いてもらえるような語りかけをしていきたいです。 私が掲げている政策は、みんながこれまで「諦めさせられてきたこと」ばかりです。「盗撮されたけど警察が取り合ってくれなかった」「風俗店の火災で死人が出たけど、理由は老朽化じゃなくて改装制限なんだ」「殺人事件が起こったときに、なんで被害者を実名報道するんだ」といったことは、どれも私たちが声を上げなかったのではなく、誰も耳を傾けてくれなかった問題です。 これらを政策として唱えることで、「変えてほしい」「私たちは困っている」と言っていいんだ、ということに気付いてもらいたいです。 Q:そうした周縁化されている労働者の声を国政に届けることが重要なミッションだと思いますが、セックスワーカー以外の人へ伝えたいことは? A:セックスワークへの差別と向き合い続けて分かったのは、セックスワークへの差別は全ての差別とつながっているということです。 障がい者問題や優生思想、クラブでのダンス規制、同性婚が認められないことなど、具体的に揚げていったらキリがないくらい、関わりのある問題はたくさんあります。 セックスワークが差別されるということは、他にも差別がたくさんあるということなんです。そうして、あらゆる問題がつながっているということを、少しでも多くの人に知ってほしいと思います。 選挙活動をし始めて一層強く感じたのは、選挙制度を変えたいという気持ちです。選挙でしか政治を変えられないという日本の現状が、そもそもおかしいです。 選挙に出るってとても大変ですし、お金だけあっても出られるわけではない。そして選挙戦はどれだけの数の人と会うかが最も重要で、とにかく顔と名前を覚えてもらうために握手をする、もはや政策は関係ないという状況です。 政治を動かすためには選挙に出るしかなくて、それなのに出馬しても政策ではほとんど選んでもらえないなんて、そんな仕組みはやめた方がいいですよね』、「セックスワークへの差別は全ての差別とつながっているということです。 障がい者問題や優生思想、クラブでのダンス規制、同性婚が認められないことなど、具体的に揚げていったらキリがないくらい、関わりのある問題はたくさんあります。 セックスワークが差別されるということは、他にも差別がたくさんあるということなんです。そうして、あらゆる問題がつながっているということを、少しでも多くの人に知ってほしいと思います」、同感である。

次に、7月7日付けダイヤモンド・オンラインが掲載したノンフィクションライターの窪田順生氏による「「同性愛は精神障害」冊子にドン引き、人権感覚が100年前の“悪い保守”の大罪」を紹介しよう。
https://diamond.jp/articles/-/306014
・『自民党の同性愛差別にドン引き 成長しない日本の象徴  自民党内で議員に向けて配布された冊子が炎上している。 「神道政治連盟国会議員懇談会」の会合で配布された冊子「夫婦別姓 同性婚 パートナーシップ LGBT ー家族と社会に関わる諸問題ー」の中にあった記述に対して、「吐き気がする」「差別意識が強い」などと批判が寄せられているのだ。その記述とはこうだ。 「同性愛は心の中の問題であり、先天的なものではなく後天的な精神の障害、または依存症です」 「同性愛の原因について、家庭環境、特に親子関係に問題がある」 「同性愛を擁護する教育をすれば同性愛者は増える」 「性的少数者のライフスタイルが正当化されるべきでないのは、家庭と社会を崩壊させる社会問題だから」 同性愛者を迫害して、強制収容所送りにしたナチス・ドイツを彷彿とさせる過激な主張の数々に、さすがにドン引きしたという自民党支持者も多いだろう。しかし筆者は驚きよりも「既視感」の方が強かった。 実は今回、自民党議員たちが学んだ「同性愛」についての認識というのは、今から100年以上前の日本人が主張していたこととほぼ同じなのだ。 あまり知られていないが、明治から大正にかけての日本はLGBTの人々が相次いで自殺や心中をして大きな社会問題になっていた。これを受けて、「読売新聞」(1915年8月12日)にある医学博士が「病的な愛」という記事を寄稿している。その一部を抜粋しよう。 <近頃の新聞記事を見るとまたしても「男同志の情死」とか「女同志の情死」とかと、同性間の恋愛問題が伝えられます。人は誰しも愛の感情を持つていますが、それが同性間に於て行はれるは確かにその人が病的な精神状態にある事は争はれません> 先ほどの冊子の「同性愛は精神障害」という主張と丸かぶりである。裏を返せば、この国の「保守」と呼ばれる人々のLGBTへの認識というものは100年前から1ミリも変わっていない、という厳しい現実があるということだ』、「この国の「保守」と呼ばれる人々のLGBTへの認識というものは100年前から1ミリも変わっていない」、残念ながらその通りだ。
・『2022年の「保守」と1915年の日本人の主張は瓜二つ  事実、共通点は他にもある。 自民党内で配布された冊子では、同性愛は後天的な病であって、家庭環境が原因だと主張しており、次のように具体的な「同性愛者のつくられ方」を示している。 「同性愛者の母は、子供と密接な関わりを持つ親密な母や子供に対して過度に統制的で抑圧的な母が多く、同性愛者の父は子供との距離感があったり、敵対的、或いは子供に対して否定的な父が多い」 「これはさすがに偏見では」とあきれる人も多いだろうが、実はこれも100年前の日本では「常識」として語られていた。先ほどの医学博士も、幼い時に父親を亡くした女児は、母親との結びつきが強くなって同性愛へ走る傾向があるとして、こんな解説もしている。 <異性の居ない處(ところ)に里子にやられるとか三、四歳から同性者と共に寄宿せしめるような場合に其人は同性の愛の傾向を有するに至ります。又両親が欠けるか不幸な教育を受けた人々はヒステリーや神経質に陥る事は事実で、また是等ヒステリーや神経質のものには同性の愛情を有つている者も多いのです> さて、そこで気になるのは、なぜ2022年の「保守」と1915年の日本人の主張がこうも瓜二つになるのかということだろう。 今回の炎上騒動で、さまざまな専門家が指摘しているように、「同性愛は精神障害」というのは現在、科学的に否定されている。WHO(世界保健機関)や米国精神医学会、日本精神神経学会なども同性愛を「治療」の対象から除外しているのだ。 にもかかわらず、自民党議員の中には、そんな「科学の進歩」から頑なに目を背ける人たちがいる。 なぜ100年前の日本人が主張していた「同性愛は精神障害」という古い話を延々と引っ張り続けているのかというと、それが「保守政党」というものだからだ』、「なぜ100年前の日本人が主張していた「同性愛は精神障害」という古い話を延々と引っ張り続けているのかというと、それが「保守政党」というものだからだ」、学説の進化に背を向けぱなしというのは滑稽でもある。
・『日本の「保守」とは明治期にできた価値観・ルールを守ること  日本人の多くは「保守」と聞くと、日本古来の伝統を守ることだと思っているが、それは大きな誤解だ。この同性愛のケースを見てもわかるように、実際は「明治期にできた価値観やルール」を引っ張り続けることだ。 よく言われることだが、明治以前の日本は、同性愛を病気扱いなどせず、社会の中で当たり前のように存在が認められていた。例えば、江戸時代には武士の間では「衆道」という男色行為が流行していて、井原西鶴も浮世絵草紙「男色大鏡」の中で、「男色ほど美なるもてあそびはなき」と言った。 先ほどの冊子が正しいということことになれば、江戸時代の人々は精神障害だらけで、親子関係に問題を抱えていた人ばかりということになってしまう。 このような形で、明治以前にあった文化を「無視」していることからもわかるように、「保守」と呼ばれる人たちがよく言う「日本古来」というのは、すべて明治時代がスタートになる。 わかりやすいのは「夫婦同姓」だ。保守の人たちは夫婦が別の姓になってしまったら、日本の伝統的な家族が崩壊するというが、一般庶民が「姓」(苗字)を名乗るようになったのは、1875年に明治政府がルールをつくったからだ。さらに、結婚した夫婦が同姓になるという制度がつくられたのはもっと遅くて1898年で、たかだが120年ぽっちの新しい習慣なのだ。 このことからもわかるように、実は「保守」と呼ばれる人々というのは、「日本古来の伝統を守っている」わけではなく、「明治にできた価値観・ルールを守っている」というのが現実なのだ。 という話をすると、「近代化の礎を築いた偉大な先人たちの叡智を守って何が悪い!」と不愉快になられる「保守」の方たちも多いだろう。ただ、明治時代にできた価値観・ルールに執着し続けることは日本にとってかなり良くない。控え目に言って、「最悪」である。 今、日本で起きているパワハラ、外国人労働者への差別的な待遇、児童虐待などの人権問題にとどまらず、いつまでも経っても賃金が上がらない「安いニッポン」という経済の問題もつきつめていけば、我々が100年前の価値観・ルールに執着し続けていることが大きいからだ』、「明治以前の日本は、同性愛を病気扱いなどせず、社会の中で当たり前のように存在が認められていた。例えば、江戸時代には武士の間では「衆道」という男色行為が流行していて、井原西鶴も浮世絵草紙「男色大鏡」の中で、「男色ほど美なるもてあそびはなき」と言った」、「実は「保守」と呼ばれる人々というのは、「日本古来の伝統を守っている」わけではなく、「明治にできた価値観・ルールを守っている」というのが現実」、なるほど。
・『多様性を訴えておきながら偏見まみれ 「死」に追い込んできた日本社会  そのあたりの構造でわかりやすいのが、LGBTの自殺率の高さだ。 先ほど明治から大正にかけての日本ではLGBTの自殺や心中が続発していたことを紹介したが、なぜ当時LGBTの人々は自ら命を絶ったのかというと、肩身が狭かったからだ。 当時、西洋医学の知識が続々と入ってきたことで「性欲」について語られることが多くなり、「変態性欲」なんて言葉も生まれていた。そこで女学生同士が心中をするというような事件が続発したことで、世の中には「変態性欲に惑わされた若者たちをしっかりと矯正しなくてはいけない」というムードが高まった。前述の医学博士の記事もその一環だ。 社会の中で、同性愛の男性たちは「異常性欲者」と吊し上げられた。例えば、1923年には旭川第七師団の軍曹が、部下たちに「鶏姦し情欲を遂げていた」(読売新聞1923年8月16日)として軍法会議にかけられている。また、同性愛の女性たちも家族から「真人間になりなさい」と続々と矯正された。強引に縁談を決められて、男性のもとに嫁がされたのである。 こういう時代背景を考えれば、LGBTの人々の心中や自殺が増えていたのも納得だろう。 実際、アメリカでは宗教的な理由から、同性愛を矯正する「コンバージョン・セラピー」(転向療法)というものが存在するが、これを受けることによって、受けていない人の2倍の率でうつになり、3倍の率で自殺するという説もある。 明治から大正にかけての日本は、社会全体で「コンバージョン・セラピー」をおこなっていたようなものだ。だから、この時代のLGBTは心中や自殺をした。ある意味、「死ぬように追い込まれた」と言えなくもない。 そして、この傾向は今も変わっていない。「これからは多様性が大事」「ひとり1人が自分らしく生きられる社会へ」なんてきれい事を言っている政権与党が裏では「同性愛者は精神障害」なんて冊子を配っている。このことからもわかるように、日本ではいまだに口に出さずとも、心の中でLGBTを「心を病んだ人」と捉えたり、「まったく理解できない人々」と蔑んでいる人が山ほどいるのだ。LGBTの人たちは日常的にそういう悪意にさらされる。だから当然、うつ病や自殺者も多い。 明治時代の価値観・ルールに執着し続ける社会によって、100年前と変わることなく未だに多くのLGBTの人々が、「死ぬように追い込まれている」という厳しい現実があるのだ』、「「これからは多様性が大事」「ひとり1人が自分らしく生きられる社会へ」なんてきれい事を言っている政権与党が裏では「同性愛者は精神障害」なんて冊子を配っている」、「明治時代の価値観・ルールに執着し続ける社会によって、100年前と変わることなく未だに多くのLGBTの人々が、「死ぬように追い込まれている」という厳しい現実があるのだ」、その通りだ。
・『古いルールが現代日本を苦しめる 遠い日本復活  このほかにも日本を低迷させているさまざま問題の多くはルーツをたどっていくと、明治や大正にできあがった人権意識、慣習、社会制度につきあたる。 例えば今、日本人を悩ませている「安いニッポン」もそうだ。ご存じのように、日本人の賃金は、先進国の中でもダントツに低く、平均給与ではついにお隣の韓国にも抜かれている。 しかし、自民党は世界では常識となっている「最低賃金の引き上げ」にも腰が引けており、今回の参議院選挙でも「公約」から外した。『「年収200万円暮らし」炎上の裏で、最低賃金1000円の公約もみ消す自民党の二枚舌』の中で解説したが、これは中小企業経営者の業界団体からの選挙支援と引き換えに引っ込めたということと、この国がいまだに明治時代の「賃金」感覚を引きずっていることだ。 2012年12月、公益財団法人「連合総合生活開発研究所」が、「日本の賃金ー歴史と展望」という調査報告書を公表した。その中では明治期に確立された日本人の「賃金」について、こんな特徴があると指摘している。 <職種や技量を社会的に評価する基準を持たず企業内での賃金決定を行ってきた。労働者の意識も「就職」というより「就社」であった>  <賃金と仕事の能率・仕事の強度との関係が明確でなかった。つまり労働時間に対する標準作業量を明らかにして働くこと、1日、1週、1カ月の労働時間管理が、工場労働者に対してすらきちんとは行われず、戦前から長時間労働が常態化していた。その上、労働のあり方がホワイトカラー化したことによって、労働時間と仕事との関係がますます明確でなくなったために、正社員の長時間労働や過労死すら生まれている> 世界では「賃金」の基準は明確だ。どれだけ働いたのかという対価であり、社会の中でも最低賃金という基準が決まっている。だから、物価上昇すると、経済を循環させるために、アメリカでもEUでも東南アジアでも韓国でも、政府が最低賃金を大幅に引き上げる。「賃金を上げたら倒産が増える」なんて根拠のない話で賃上げを見送らないのだ。 しかし、日本では明治期に「賃金というものは企業内で決める」というルールが出来上がって今もそれを引きずっている。だから、年収200万に満たないワーキングプアが社会にあふれかえって、庶民がどんどん貧しくなっても、政府は「賃金は企業におまかせ」と無視してきた。明治時代につくられた価値観・ルールが「呪い」のように、2022年の日本人を苦しめているのだ。 7月10日の参議院選挙で、自民党は圧勝すると言われている。そうなると、「同性愛は精神障害」と主張して、同性婚を反対する神道政治連盟と、「中小企業が潰れるから賃金はなるべく低く」と働きかける日本商工会議所は「功労者」としてさらに発言権が増す。 ということは、これからも明治の価値観・ルールは健在ということだ。「日本復活」の道筋はまだ当分見えそうもない』、「物価上昇すると、経済を循環させるために、アメリカでもEUでも東南アジアでも韓国でも、政府が最低賃金を大幅に引き上げる」、「日本では明治期に「賃金というものは企業内で決める」というルールが出来上がって今もそれを引きずっている。だから、年収200万に満たないワーキングプアが社会にあふれかえって、庶民がどんどん貧しくなっても、政府は「賃金は企業におまかせ」と無視してきた」、「7月10日の参議院選挙で、自民党は圧勝すると言われている。そうなると、「同性愛は精神障害」と主張して、同性婚を反対する神道政治連盟と、「中小企業が潰れるから賃金はなるべく低く」と働きかける日本商工会議所は「功労者」としてさらに発言権が増す。 ということは、これからも明治の価値観・ルールは健在ということだ。「日本復活」の道筋はまだ当分見えそうもない」、このままでは救いがないが、唯一の救いは、信頼を失った岸田政権が解散・総選挙に打って出る可能性が出てきたことだ。ただ、その結果が、救いがあるものになるかは、蓋を開けてみなければ分からないのも事実だ。 
タグ:人権 (その9)(参院選出馬の要友紀子「セックスワーク差別は全ての人権問題とつながっている」、「同性愛は精神障害」冊子にドン引き 人権感覚が100年前の“悪い保守”の大罪) Newsweek日本版 ヒラマツマユコ氏による「参院選出馬の要友紀子「セックスワーク差別は全ての人権問題とつながっている」」 「参院選」で「要友紀子」氏は立憲民主党の候補者で14位の得票で落選(Wikipedia)。やはり、「セックスワーカー」の「支援」では比例の順位はかなり低くならざるを得ないようだ。「セックスワークの是非論を焦点化することで、置き去りにされる人命と人権があるのが問題だと考えています。実際に、誰がどんな問題で困っているのかを見る必要があるというだけです。 実際に性産業という市場があり、そこで働いている人たちがいるので、その人たちの人命と人権は守られなければいけないですよね」、確かにその通りだ。 「セックスワークの問題はいろいろな社会課題と複雑に重なっていて、既存の社会活動・人権活動とも関わりがあるのだと実感」、なるほど。 「店舗型の規制が厳しくなった代わりに増えている無店舗型風俗・・・では、仕事場となるホテルなどで殺人や暴行などの事件が多数起きています。規制を厳しくすることで、追いやられた当事者や事業者が更なる危険にさらされるというケースは、データでも実証されています。 安全な場所を確保することは急務です」、その通りだ。 「セックスワークへの差別は全ての差別とつながっているということです。 障がい者問題や優生思想、クラブでのダンス規制、同性婚が認められないことなど、具体的に揚げていったらキリがないくらい、関わりのある問題はたくさんあります。 セックスワークが差別されるということは、他にも差別がたくさんあるということなんです。そうして、あらゆる問題がつながっているということを、少しでも多くの人に知ってほしいと思います」、同感である。 ダイヤモンド・オンライン 窪田順生氏による「「同性愛は精神障害」冊子にドン引き、人権感覚が100年前の“悪い保守”の大罪」 「この国の「保守」と呼ばれる人々のLGBTへの認識というものは100年前から1ミリも変わっていない」、残念ながらその通りだ。 「なぜ100年前の日本人が主張していた「同性愛は精神障害」という古い話を延々と引っ張り続けているのかというと、それが「保守政党」というものだからだ」、学説の進化に背を向けぱなしというのは滑稽でもある。 「明治以前の日本は、同性愛を病気扱いなどせず、社会の中で当たり前のように存在が認められていた。例えば、江戸時代には武士の間では「衆道」という男色行為が流行していて、井原西鶴も浮世絵草紙「男色大鏡」の中で、「男色ほど美なるもてあそびはなき」と言った」、「実は「保守」と呼ばれる人々というのは、「日本古来の伝統を守っている」わけではなく、「明治にできた価値観・ルールを守っている」というのが現実」、なるほど。 「「これからは多様性が大事」「ひとり1人が自分らしく生きられる社会へ」なんてきれい事を言っている政権与党が裏では「同性愛者は精神障害」なんて冊子を配っている」、「明治時代の価値観・ルールに執着し続ける社会によって、100年前と変わることなく未だに多くのLGBTの人々が、「死ぬように追い込まれている」という厳しい現実があるのだ」、その通りだ。 「物価上昇すると、経済を循環させるために、アメリカでもEUでも東南アジアでも韓国でも、政府が最低賃金を大幅に引き上げる」、「日本では明治期に「賃金というものは企業内で決める」というルールが出来上がって今もそれを引きずっている。だから、年収200万に満たないワーキングプアが社会にあふれかえって、庶民がどんどん貧しくなっても、政府は「賃金は企業におまかせ」と無視してきた」、 「7月10日の参議院選挙で、自民党は圧勝すると言われている。そうなると、「同性愛は精神障害」と主張して、同性婚を反対する神道政治連盟と、「中小企業が潰れるから賃金はなるべく低く」と働きかける日本商工会議所は「功労者」としてさらに発言権が増す。 ということは、これからも明治の価値観・ルールは健在ということだ。「日本復活」の道筋はまだ当分見えそうもない」、このままでは救いがないが、唯一の救いは、信頼を失った岸田政権が解散・総選挙に打って出る可能性が出てきたことだ。ただ、その結果が、救いがあるものになるかは、蓋を開けてみなければ分からないのも事実だ。
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生物(その2)(「クモを薬漬けにし死ぬまで働かせるハチ」の驚嘆 クモヒメバチに捕まったクモの悲惨すぎる末路、数億年後 地球上のほとんどの生物が「一つの生命体」になるという超衝撃事実、【東大卒サイエンス作家が教える】地球上の生物を支配しているたった3つの要因 『超圧縮 地球生物全史』翻訳者・竹内薫インタビュー) [科学]

生物については、昨年7月13日に取上げた。今日は、(その2)(「クモを薬漬けにし死ぬまで働かせるハチ」の驚嘆 クモヒメバチに捕まったクモの悲惨すぎる末路、数億年後 地球上のほとんどの生物が「一つの生命体」になるという超衝撃事実、【東大卒サイエンス作家が教える】地球上の生物を支配しているたった3つの要因 『超圧縮 地球生物全史』翻訳者・竹内薫インタビュー)である。

先ずは、昨年9月19日付け東洋経済オンラインが掲載したサイエンスライターの大谷 智通氏による「「クモを薬漬けにし死ぬまで働かせるハチ」の驚嘆 クモヒメバチに捕まったクモの悲惨すぎる末路」を紹介しよう。
https://toyokeizai.net/articles/-/454913
・『頑丈な糸を使って多くの虫を捕食する自然界のハンター・クモ。だが、彼らにも天敵がいて、しかも一度捕まれば薬漬けにし死ぬまで働かせるという。いったい、それはどんな相手なのか? サイエンスライターの大谷智通氏による新刊『眠れなくなるほどキモい生き物』(イラスト:猫将軍)より一部抜粋・再構成してお届けする。 人を殺したり家に火をつけたり、いろいろな悪事を働いて死後に地獄へ落ちた男は、しかし、生前に一度だけクモを殺さず助けてやったことで、地獄の底から脱出するチャンスを与えられた――。 芥川龍之介の小説『蜘蛛の糸』で、御釈迦様が大泥棒・犍陀多(かんだた)の前に御下ろしなさったのが、極楽に生息するクモの糸である。この糸をつかんで、極楽まで登ってきなさい、というのである』、おかげで『蜘蛛の糸』を思い出した。
・『想像を超えるほど頑丈な「クモの糸」  「クモの糸などで人が吊れるものか」と思うかもしれない。しかし、実際にクモがつくる糸は現代のわれわれが化学的に合成した高強度繊維に匹敵する強靱さをもっている。 防弾チョッキなどに使われるケブラー繊維は同じ重さの鋼鉄の5倍も強いとされているが、クモの糸は断面積あたりの強さでこのケブラー繊維に匹敵し、計算上、糸の直径が0.5ミリあれば体重60キロの人間を吊り下げることができるのだ。 血の池で浮かんだり沈んだりしていた犍陀多に見つけられた糸なら0.5ミリといわずそれなりの太さだったろうから、御釈迦様は決して考えなしにクモの糸をお使いになったというわけでもないのだろう。 クモは用途に合わせて複数の糸をつくり出す。強靱な糸、粘着性のある糸、弾力性のある糸等々、さまざまな性質や太さの糸をたくみに使い分けるのだ。 たとえば、ジョロウグモなどがつくる車輪のような形をした網を「円網(えんもう)」というが、放射状に張られた縦糸には巣を支える働きがあり、粘着性がなく非常に強靱だ。 一方、渦巻状に張られている横糸は、弾力がありベタベタする粘着球が無数についていて、獲物をキャッチすることができる。不運にも網にかかった獲物は、糸でぐるぐる巻きにされる。このときの糸は直径1000分の1ミリにも満たない極細糸で、ジョロウグモは一度に100本あまりを出して素早く獲物を包み込む。) 巣をつくるだけではない。種によっては、軽くて長い糸を気流に巻きとらせて空を飛ぶ「バルーニング」を行うクモすらいる。繭をつくるチョウ目の昆虫など、一時的に糸を使う生き物はいるが、クモほどその生涯にわたって糸を使いこなすものはいない。 現在、クモはおよそ4万種が確認されていて、動物としては昆虫とダニ類に次いで3番目に多様な勢力である。糸と網をもったことが、クモを地球上のさまざまな環境に適応させ、しかも強力な捕食者としての地位を確立させたといえるだろう』、「防弾チョッキなどに使われるケブラー繊維は同じ重さの鋼鉄の5倍も強いとされているが、クモの糸は断面積あたりの強さでこのケブラー繊維に匹敵し、計算上、糸の直径が0.5ミリあれば体重60キロの人間を吊り下げることができる」、見かけによらず「鋼鉄の5倍も強い」とは驚かされた。「クモはおよそ4万種が確認されていて、動物としては昆虫とダニ類に次いで3番目に多様な勢力である」、そんなに「多様」だとは初めて知った。
・『天敵「クモヒメバチ」  そんな糸の使い手を出し抜いて利用し、ただ死ぬよりもひどい運命にたたき落とす生物がいる。それが、クモヒメバチの仲間だ。 クモヒメバチはクモに寄生するハチである。寄生といっても、たいてい最後には宿主を殺してしまうので、その性質は捕食に近く、「捕食寄生」と呼ばれる。 クモヒメバチの雌は、宿主となるクモを発見すると産卵管を刺して一時的に麻酔をし、動かなくなったクモの体表に卵を産みつける。数日後に卵からふ化した幼虫は、クモの腹部に開けた穴から体液を吸い上げて成長していくが、すぐには宿主を殺さない。クモは幼虫を背負った状態で普段どおりに網を張り、餌を捕まえて食べている。 クモは自然界における強力なハンターであり、また、網という堅牢な要塞を構えているため、襲ってくる生き物はそう多くない。 クモヒメバチの幼虫は、そんなクモをボディガードとして利用し、また、自らもその恩恵を受ける要塞のメンテナンスをさせるために生かしておくのだ。 (クモの天敵・クモヒメバチ(イラスト:猫将軍)はリンク先参照) このように、宿主に一定程度の自由な生活を許す寄生バチは、「飼い殺し寄生バチ」とも呼ばれる。ただし、宿主を生かしておくのは、あくまでも自分にとって都合がいいからで、用済みになれば容赦なく殺してしまう。 クモヒメバチの場合、幼虫がいよいよ繭をつくって蛹になろうというタイミングで宿主の体液を吸い尽くして殺す。しかも、命を奪う直前に「最期のひと働き」までさせるものもいる。殺す直前のクモを操って、安全に蛹となって羽化をするための〝特製ベッド〞をつくらせるのである。) クモが普段張る網は飛翔昆虫などを見事に捕らえるが、そのぶん繊細で壊れやすいという欠点もある。だからクモは常に網のメンテナンスをしているのだが、この管理人が死んでしまった網ではハチは羽化するまでのあいだ繭の安全を維持できない。 そこで、クモヒメバチの幼虫は宿主を殺す前に操り、メンテナンスがされなくなってもしばらくは風雨などに耐えられる丈夫な網をしつらえさせるのだ。 この寄生虫が宿主を操作してつくらせる網のことを「操作網」という。クモヒメバチが宿主につくらせる操作網の構造や機能は、種によってさまざまだ。たとえばニールセンクモヒメバチという体長7ミリほどのハチが宿主のギンメッキゴミグモを操ってつくらせる網は、クモが通常脱皮する際に張る「休息網」という網と形状がよく似ている。そして、クモ本来の休息網よりもずっと頑丈なのだという。 ちなみに、休息網にも操作網にも粘着糸はなく、本数の少ない縦糸に繊維状の装飾糸がついている。この装飾糸には紫外線を反射する性質があり、紫外線を見ることができる鳥や昆虫などが、不用意に網に衝突しないようにする働きが期待できる。 この操作網という特製ベッドのおかげで、クモヒメバチの幼虫は宿主が死んだ後も空中にとどまり続け、アリなどの外敵を避けながら羽化までの時間を安全に過ごせるのだ』、「宿主に一定程度の自由な生活を許す寄生バチは、「飼い殺し寄生バチ」とも呼ばれる。ただし、宿主を生かしておくのは、あくまでも自分にとって都合がいいからで、用済みになれば容赦なく殺してしまう」、「クモは常に網のメンテナンスをしている」、「クモヒメバチの幼虫は宿主を殺す前に操り、メンテナンスがされなくなってもしばらくは風雨などに耐えられる丈夫な網をしつらえさせるのだ」、「飼い殺し寄生バチ」とは言い得て妙だが、実に悪どい。
・『美しくも、恐ろしくもあるクモの網  ベッドメイキングを強いられるクモには、クモヒメバチの幼虫からなんらかの化学物質が注入されており、その作用によってクモが特定の状況下で行う網づくりが誘発されているらしい。 科学者が操作を受けた後のクモから幼虫を取り除くと、クモは徐々に正気を取り戻し、やがて元のような円網を張るまでに回復したという。おそらく体内の薬物濃度が下がったからだろう。薬漬けの悪夢から醒めたクモにとって、この科学者は御釈迦様に見えたにちがいない。 目の前にあるクモの網というものは、その幾何学模様がいかに芸術的であったとしても無性に払いのけたくなるものだ。クモそのものを不快に思い、網を破壊することに躍起になる人もいるだろう。 しかし、クモヒメバチに栄養を吸われながら薬漬けにされ、寄生虫のための網づくりを強いられた後に、体液を吸い尽くされて死ぬクモの哀れを想うとき、クモヒメバチならぬ人であれば、慈悲の気持ちも湧いてきて見逃してあげたくなるというものだ。そうしたら相応の報いがあるかもしれない。気まぐれによって、クモを踏み殺さずに助けてやった犍陀多のように。 そういえば、芥川の創造した極楽にはクモがいたが、そこにはクモヒメバチも生息しているのだろうか。もしいるとすれば、そのクモヒメバチは極楽でもクモを薬漬けにして働かせ、用済みになれば殺すのだろうか』、「ベッドメイキングを強いられるクモには、クモヒメバチの幼虫からなんらかの化学物質が注入されており、その作用によってクモが特定の状況下で行う網づくりが誘発されているらしい。 科学者が操作を受けた後のクモから幼虫を取り除くと、クモは徐々に正気を取り戻し、やがて元のような円網を張るまでに回復したという」、「化学物質」で「網づくりが誘発」とは、本当に悪どい。

次に、本年10月30日付けダイヤモンド・オンラインが掲載した科学雑誌「ネイチャー」の生物学シニアエディターのヘンリー・ジー氏と理学博士、サイエンス作家の竹内薫氏よる「数億年後、地球上のほとんどの生物が「一つの生命体」になるという超衝撃事実」を紹介しよう。
https://diamond.jp/articles/-/312069
・『地球誕生から何十億年もの間、この星はあまりにも過酷だった。激しく波立つ海、火山の噴火、大気の絶えまない変化。生命はあらゆる困難に直面しながら絶滅と進化を繰り返した。ホモ・サピエンスの拡散に至るまで生命はしぶとく生き続けてきた。「地球の誕生」から「サピエンスの絶滅、生命の絶滅」まで全歴史を一冊に凝縮した『超圧縮 地球生物全史』は、その奇跡の物語を描き出す。生命38億年の歴史を超圧縮したサイエンス書として、ジャレド・ダイアモンド(『銃・病原菌・鉄』著者)から「著者は万華鏡のように変化する生命のあり方をエキサイティングに描きだす。全人類が楽しめる本だ!」など、世界の第一人者から推薦されている。本書の発刊を記念して、内容の一部を特別に公開する』、興味深そうだ。 
・『2億5000万年後の超大陸  いまから二億五〇〇〇万年後、大陸はふたたび超大陸へと収束し、これまでにない巨大な大陸が誕生する。 それは、超大陸パンゲアと同じように、赤道をまたいで横たわる。 内陸の大部分はもっとも乾燥した砂漠となり、巨大な高さと広がりを持つ山脈に取り囲まれる。 もはや、生命の痕跡はほとんど見られない。海では、生命はより単純になり、その多くが深海に集中することになる』、「二億五〇〇〇万年後、大陸はふたたび超大陸へと収束」、「生命はより単純になり、その多くが深海に集中」、なるほど。
・『地中深くに生息する生命体  陸地は全く生命がいないように見える。だが、それは錯覚だ。生命はまだ存在するだろうが、見つけるにはとても深くまで掘らなければならない。 現在でも、膨大な数の生命体が地中深く、植物の根よりも深く、菌根菌やナラタケなどの菌類よりもさらに深く、人知れず生きている。 地中深くに生息するバクテリアは、鉱物を採掘し、それを別の形に変換して得るエネルギーで、細々と生計を立てている』、「地中深くに生息するバクテリアは、鉱物を採掘し、それを別の形に変換して得るエネルギーで、細々と生計を立てている」、何やら寂しい限りだ。
・『小さな生き物たち  そして、地中の隙間で、このようなバクテリアは、さまざまな小さな生き物に捕食されている。 その小さな生き物は、ほとんどが線虫だ(訳注:原書では回虫[roundworms]だが、ここではより広い意味の線虫とした)。 線虫は、動物のなかでもっとも軽視され、無視されている生き物だ。 ある科学者は、地球上のすべての生き物が、線虫を除いて透明になったとしても、木々、動物、人間、地面などの輪郭が、うっすらとした幽霊のような姿で見えるだろうという。 そう、線虫は、それほど動物や植物の体内にはびこっているのだ』、「地中の隙間で、このようなバクテリアは、さまざまな小さな生き物に捕食されている。 その小さな生き物は、ほとんどが線虫だ」、なるほど。
・『何千年も生き続ける 地中深い生物圏の生命はのんびりと活動している。 それと比べれば、氷河の動きは、飛び跳ねる春の子羊に見えるほどだ。 実際、地中の生命活動は、死とほとんど区別がつかないほどゆっくりしている。 バクテリアは時間をかけて成長し、滅多に分裂せず、何千年も生きつづける。 だが、世界が温暖化し、大気中の二酸化炭素がますます不足するにつれ、地中深くの生命活動は速さを増すだろう』、「地中の生命活動は、死とほとんど区別がつかないほどゆっくりしている」、「世界が温暖化し、大気中の二酸化炭素がますます不足するにつれ、地中深くの生命活動は速さを増すだろう」、「地中の生命活動」は「速さを増」しても、やはり「ゆっくりしている」ようだ。
・『生命体の最後の生き残り  熱そのものが原動力となるからだ。そして、上空から新しい種類の生き物が侵入してくる。 遠いむかし、菌類、植物、動物と呼ばれた、かろうじて出自が想像できる複合体であり、地球表面付近の生命体の最後の生き残りだ。 この超生物たちは、地中深くでゆっくりと動くバクテリアをはたらかせ、エネルギーや栄養分と引き換えに、安全な住処を提供する。 光合成はもはや過去のものとなった。 超生物の菌糸は、地殻のなかをうねりながら、より多くの栄養、より多くの生き物を集め、ある日、地球の夜更けに、すべての超生物の糸が出会い、融合する。 そして最後に、おそらく、生命は光の枯渇にあらがい、一つの生命体になるのだ。 (本原稿は、ヘンリー・ジー著『超圧縮 地球生物全史』〈竹内薫訳〉からの抜粋です)『超圧縮 地球生物全史』には、「地球の誕生」から「サピエンスの絶滅、生命の絶滅」までの全歴史が紹介されています。ぜひチェックしてみてください。) (ヘンリー・ジー氏の略歴などはリンク先参照) (訳者:竹内 薫氏の略歴などはリンク先参照)』、「超生物たちは、地中深くでゆっくりと動くバクテリアをはたらかせ、エネルギーや栄養分と引き換えに、安全な住処を提供する。 光合成はもはや過去のものとなった。 超生物の菌糸は、地殻のなかをうねりながら、より多くの栄養、より多くの生き物を集め、ある日、地球の夜更けに、すべての超生物の糸が出会い、融合する。 そして最後に、おそらく、生命は光の枯渇にあらがい、一つの生命体になるのだ」、「光合成はもはや過去のものとなった」、「超生物の菌糸は、地殻のなかをうねりながら、より多くの栄養、より多くの生き物を集め、ある日、地球の夜更けに、すべての超生物の糸が出会い、融合する。 そして最後に、おそらく、生命は光の枯渇にあらがい、一つの生命体になるのだ」、多様化してきた「生命」が「一つの生命体になるのだ」、なるほど。
・『地球生命史がわかると、世界の見え方が変わる――訳者より  世界的に権威のある科学雑誌ネイチャーの生物学編集者ヘンリー・ジー(もともと科学者で専門は古生物学と進化生物学)による、その名のとおり『超圧縮 地球生物全史』である。最初、原書を手にしたとき、「ずいぶんと無謀な試みだなぁ」と驚いた覚えがある。 なにしろ、約三八億年にわたる地球生命の誕生から絶滅(?)までをわずか二〇〇ページ(原書)で書くことなど、誰が考えても不可能な所業に思われたからだ。 悠久の時をめぐる歴史書ということで、ずいぶんと読み終えるのに時間がかかるにちがいないとも思った。だが、世界的ノンフィクション作家であり、進化生物学者のジャレド・ダイアモンド(『銃・病原菌・鉄』倉骨彰訳、草思社文庫)が推薦していることもあり、つらつらとページをめくりはじめたのである。 実際に読みはじめると、不思議なことに、目の前で生命が誕生し、進化し、絶滅するダイナミックな映像が流れていくような錯覚に陥り、どんどん先が読みたくなり、ペルム紀の大量絶滅のあたりからはぐんぐんと読書のスピードが加速し、気がついたらわずか数時間で読み終えていた。 まるでタイムマシンで四六億年を一気に駆け抜けたような新鮮な驚きと感動が残った。 文学に感銘を受けると人生が変わるものだが、本書も同じだ。地球生命の誕生と絶滅の物語を知ると、石油や地球温暖化や絶滅危惧種や顎や耳や更年期などについて深く考えるようになり、世界の見え方が違ってくる。それは人生が変わるということだ』、「目の前で生命が誕生し、進化し、絶滅するダイナミックな映像が流れていくような錯覚に陥り、どんどん先が読みたくなり、ペルム紀の大量絶滅のあたりからはぐんぐんと読書のスピードが加速し、気がついたらわずか数時間で読み終えていた。 まるでタイムマシンで四六億年を一気に駆け抜けたような新鮮な驚きと感動が残った」、「わずか数時間で読み終えていた」とはよほど内容が豊かなのだろう。

第三に、11月21日付けダイヤモンド・オンライン「【東大卒サイエンス作家が教える】地球上の生物を支配しているたった3つの要因 『超圧縮 地球生物全史』翻訳者・竹内薫インタビュー」を紹介しよう。
https://diamond.jp/articles/-/312595
・『地球を30億年以上も支配している微細な生物。宇宙でもっとも危険な物質だった酸素。カンブリア紀に開花した生命の神秘。1度でも途切れたら人類は存在しなかったしぶとい生命の連鎖。地球が丸ごと凍結した絶滅から何度も繰り返されてきた大量絶滅。そして、確実に絶滅する我々人類の行方……。 その奇跡の物語をダイナミックに描きだした『超圧縮 地球生物全史』(ヘンリー・ジー著、竹内薫訳)を読むと世界の見方が変わる。読んでいて興奮が止まらないこの画期的な生物史を翻訳したのは、サイエンス作家の竹内薫さんだ。 そこで、「まるでタイムマシンで46億年を一気に駆け抜けたような新鮮な驚きと感動が残った」とあとがきにも書いている竹内さんに、本書の魅力について語ってもらった。今回は、地球上の生物を支配している3つの要因についてお伝えする(Qは聞き手の質問)』、「地球上の生物を支配している3つの要因」とは何なのだろう。
・『生物の大量絶滅と人類  Q:もともと酸素がなかった地球でバクテリアが光合成をはじめて酸素が豊富になり、それまでいた生物が酸化して大量絶滅した話は本書ではじめて知りました。 一方、大量の岩石の風化で二酸化炭素が吸収されて地球が凍った絶滅もあります。生物にとって酸素と二酸化炭素のバランスは本当に大事ですね。 竹内薫(以下、竹内):人類は18世紀後半の産業革命以降、石炭や石油を利用し続けて大量の二酸化炭素や汚染物質を発生させてきました。 けれども著者は、マントル・プルーム噴出によってペルム紀に地球上の生物がほぼ死滅した史上最大の大絶滅に比べれば、人類が地球に与えた影響は針ほどで気にも止まらないほどだと述べています。 加えて、人口増加によって人類が大量に存在したことも非常に短い期間で終わるだろうと』、「マントル・プルーム噴出によってペルム紀に地球上の生物がほぼ死滅した史上最大の大絶滅に比べれば、人類が地球に与えた影響は針ほどで気にも止まらないほどだ」、なるほど。「人口増加によって人類が大量に存在したことも非常に短い期間で終わるだろう」、「終わる」要因は以下にあるようだ。
・『人類が絶滅する要因  Q:本書では、「人口は今世紀中にピークを迎え、その後減少へと転じる」と書かれています。そしてやがて絶滅する、と。 竹内:そうなる要因をいくつかあげていますよね。 まず遺伝的な多様性が足りないこと。そして地球の気温上昇と自然災害の急増による生息地の喪失。 人間の行動や環境変化による少子化。その他さまざまな問題が組み合わさって人類は絶滅する。 それも、地球の生物史38億年の歴史で考えるとわずか一瞬のことです。 我々の祖先のヒト属が出現した約50万年前から考えても、人為的な生態系の変化が急激すぎる。 数万年かけて地球環境が変わっていくなら、これほど問題は深刻にならなかったと思います。 でも、100年足らずで環境が急変すると生態系がついていけません。 この100年で4倍以上に増えて、さらに2050年には97億人になると予想されている人口爆発。地球温暖化による自然災害や環境変化の影響で少なくなっていく生息地の問題。 当然、農業の対策や、次々に発生する感染症対策なども、それらの急激な変化に追いつかなくなるでしょう』、「でも、100年足らずで環境が急変すると生態系がついていけません。 この100年で4倍以上に増えて、さらに2050年には97億人になると予想されている人口爆発。地球温暖化による自然災害や環境変化の影響で少なくなっていく生息地の問題。 当然、農業の対策や、次々に発生する感染症対策なども、それらの急激な変化に追いつかなくなるでしょう」、これでは「人類が絶滅する」のも当然なのだろう。
・『EVの問題点  Q:すでに世界的な水不足は問題視されるようになっています。 竹内:今ようやく世界の人々が危機感を覚えはじめて、地球の変化を食い止めようとする動きが出てきています。 カリフォルニアで大規模な山火事が起きたときは、ハリウッドスターも被害に遭いましたし、自然災害で経済的ダメージを受ける大企業やお金持ちもいるでしょう。 地球環境の変化は、格差に関係なく人類すべてに影響を与える問題ですから、世界中が脱炭素に取り組む方向に向かいはじめました。 テスラの電気自動車(EV)も、最初は「誰が買うんだろう?」と思っていましたけど、またたくまに広がりましたからね。 Q:ヨーロッパや中国の各メーカーも積極的に販売するようになって、今では世界の新車発売の10%がEVになっているそうです。 竹内:ただ、EVの電気を石炭、石油、天然ガスを使う火力発電に頼っていたら意味がありません。 EVは環境にやさしいと思われがちですが、電気エネルギーの問題を解決しなければ二酸化炭素は大幅には減らせないんですね。 本気で脱酸素を目指すなら原子力発電を使ったほうがいいということで、中国やインドなど新たに原子力発電所を建設している国もあります。 しかし、日本は福島で原発事故が起きたので、国民のコンセンサスを得るという難問が立ちはだかります』、「本気で脱酸素を目指すなら原子力発電を使ったほうがいいということで、中国やインドなど新たに原子力発電所を建設している国もあります」、「日本は福島で原発事故が起きたので、国民のコンセンサスを得るという難問」、さらには放射性廃棄物の処分の問題もある。
・『エネルギー源にまつわるリスク  Q:東京都は、新築建物への太陽光パネル設置を2025年から義務化するようです。 竹内:太陽光パネルの問題は発電量が少ない点です。原子力一基分(100万KW級)の電気供給を代替するためには、山手線の内側の広さ(58平方キロメートル)の太陽光パネルが必要なんですね。 山を削って太陽光パネルを設置した地域では、大雨で土砂崩れが起きてパネルの大量破棄の問題が浮上しました。 要するに、どんなエネルギー源もリスクがつきものなので、どれを活用するにしても国民の意見は一致しないと思います』、「太陽光パネルの問題は発電量が少ない点です。原子力一基分(100万KW級)の電気供給を代替するためには、山手線の内側の広さ・・・の太陽光パネルが必要」、やはり余りに効率が悪いようだ。
・『二酸化炭素を深海に?  Q:回収した二酸化炭素を凝縮して深海の海底に貯留する研究も進んでいます。そのうち宇宙に二酸化炭素を排出する技術も開発されるのでは? と突拍子もないことまで想像してしまいました。 竹内:ロケットは大量の二酸化炭素を排出しますし、打ち上げるだけで相当なお金がかかりますからね。 たとえば1キログラムの物をロケットで運ぶだけで100万円かかったりするわけです。 そういった問題を考えると、やはり海底に埋め込むほうが効率的でしょう。 ただ、先進国のなかには1人当たりのエネルギー消費量が減少している国もあるとこの本に書かれています。 イギリスとアメリカでは、1人当たりのエネルギー消費量は1970年代にピークを迎えて、2000年代まではほぼ横ばい、それ以降は急激に減少しています。 特にイギリスでは、過去20年間で1人当たりのエネルギー消費量が4分の1近く減少しているので、他の国が後に続けば脱炭素化はもっと加速するかもしれません』、「イギリスでは、過去20年間で1人当たりのエネルギー消費量が4分の1近く減少しているので、他の国が後に続けば脱炭素化はもっと加速するかもしれません」、英米で減少しているとは初めて知った。日本のマスコミもこうした事情をもっと報道してほしいものだ。
・『酸素は人類の味方であり敵でもある  Q: 一方で、酸素も地球最初の絶滅の原因でした。生物の呼吸には酸素が必要ですが、確かに「酸化」は人体に悪影響を及ぼします。 酸素は人類の味方でもあり敵でもあるわけですね。 竹内:人間が死んでいく主な原因も酸素です。私たちの生命を維持するためには酸素が不可欠ですが、活性酸素は細胞を傷つけてさまざまな疾患をもたらします。 僕は自転車が好きなので、いつも思いっきり酸素を吸いながら走らせていますけど、大量に吸い込んだ酸素によって細胞を傷つける可能性も高まるはずです。 つまり、楽しく自転車に乗れるのは酸素のおかげである反面、酸素のせいで寿命を縮めるリスクも負っているわけです』、「楽しく自転車に乗れるのは酸素のおかげである反面、酸素のせいで寿命を縮めるリスクも負っているわけです」、その通りだ。
・『人類を待ち受ける運命  Q:もうひとつ、生命の維持に欠かせないのは太陽の光です。これも多すぎても少なすぎても困りますが、太陽の明るさは着実に増していくと本書にありました。 竹内:約100億年と言われている太陽の寿命はあと半分残っていて、これから50億年は輝き続けます。 人類やほ乳類はそのずっと前に絶滅しますが、本書で詳しく説明しているように、植物や菌類はずっと生き残るでしょうね。 それでも、太陽の熱で焼かれる可能性が増せば、ほとんどの生命は地中や深海に生息してさらに生き続けるだろう、と著者は述べています。 Q:地球でもっとも長く生き続けてきたバクテリアが、結局、最後まで生き残るとは。バクテリアの生命力ってどれほど強いんだ!と思いました。ところで著者は、人類が生き残りをかけて宇宙へ永住する可能性にも触れていますが、どう思われましたか。 竹内:アメリカは、2024年までに月面着陸の有人宇宙旅行を目指すアルテミス計画を進めています。 月に基地を作る目的は、火星に行くためです。なぜなら、重力が強い地球から行くより月から行くほうがはるかに楽だから。 火星に行くのは、将来的に移住するためでもあるでしょうし、地球と同じような資源が火星にもあると期待されるからです。 しかし、人類がいつの日か別の星に移住できたとしても、絶滅する運命であることに変わりはありません。 だからこそ、今あるものを守りながら快適に生きることが大切だ、という著者の最後のメッセージに共感する人は多いと思いますね。  (訳者略歴:竹内薫市の略歴はリンク先参照) (著者略歴:ヘンリー・ジーはリンク先参照)』、「地球でもっとも長く生き続けてきたバクテリアが、結局、最後まで生き残るとは。バクテリアの生命力ってどれほど強いんだ!と思いました」、「人類がいつの日か別の星に移住できたとしても、絶滅する運命であることに変わりはありません。 だからこそ、今あるものを守りながら快適に生きることが大切だ、という著者の最後のメッセージに共感する人は多いと思いますね」、同感である。 
タグ:(その2)(「クモを薬漬けにし死ぬまで働かせるハチ」の驚嘆 クモヒメバチに捕まったクモの悲惨すぎる末路、数億年後 地球上のほとんどの生物が「一つの生命体」になるという超衝撃事実、【東大卒サイエンス作家が教える】地球上の生物を支配しているたった3つの要因 『超圧縮 地球生物全史』翻訳者・竹内薫インタビュー) 生物 東洋経済オンライン 大谷 智通氏による「「クモを薬漬けにし死ぬまで働かせるハチ」の驚嘆 クモヒメバチに捕まったクモの悲惨すぎる末路」 『眠れなくなるほどキモい生き物』 おかげで『蜘蛛の糸』を思い出した。 「防弾チョッキなどに使われるケブラー繊維は同じ重さの鋼鉄の5倍も強いとされているが、クモの糸は断面積あたりの強さでこのケブラー繊維に匹敵し、計算上、糸の直径が0.5ミリあれば体重60キロの人間を吊り下げることができる」、見かけによらず「鋼鉄の5倍も強い」とは驚かされた。「クモはおよそ4万種が確認されていて、動物としては昆虫とダニ類に次いで3番目に多様な勢力である」、そんなに「多様」だとは初めて知った。 「宿主に一定程度の自由な生活を許す寄生バチは、「飼い殺し寄生バチ」とも呼ばれる。ただし、宿主を生かしておくのは、あくまでも自分にとって都合がいいからで、用済みになれば容赦なく殺してしまう」、「クモは常に網のメンテナンスをしている」、「クモヒメバチの幼虫は宿主を殺す前に操り、メンテナンスがされなくなってもしばらくは風雨などに耐えられる丈夫な網をしつらえさせるのだ」、「飼い殺し寄生バチ」とは言い得て妙だが、実に悪どい。 「ベッドメイキングを強いられるクモには、クモヒメバチの幼虫からなんらかの化学物質が注入されており、その作用によってクモが特定の状況下で行う網づくりが誘発されているらしい。 科学者が操作を受けた後のクモから幼虫を取り除くと、クモは徐々に正気を取り戻し、やがて元のような円網を張るまでに回復したという」、「化学物質」で「網づくりが誘発」とは、本当に悪どい。 ダイヤモンド・オンライン ヘンリー・ジー 竹内薫氏 「数億年後、地球上のほとんどの生物が「一つの生命体」になるという超衝撃事実」 ジャレド・ダイアモンド(『銃・病原菌・鉄』著者) 「二億五〇〇〇万年後、大陸はふたたび超大陸へと収束」、「生命はより単純になり、その多くが深海に集中」、なるほど。 「地中深くに生息するバクテリアは、鉱物を採掘し、それを別の形に変換して得るエネルギーで、細々と生計を立てている」、何やら寂しい限りだ。 「地中の隙間で、このようなバクテリアは、さまざまな小さな生き物に捕食されている。 その小さな生き物は、ほとんどが線虫だ」、なるほど。 「地中の生命活動は、死とほとんど区別がつかないほどゆっくりしている」、「世界が温暖化し、大気中の二酸化炭素がますます不足するにつれ、地中深くの生命活動は速さを増すだろう」、「地中の生命活動」は「速さを増」しても、やはり「ゆっくりしている」ようだ。 「超生物たちは、地中深くでゆっくりと動くバクテリアをはたらかせ、エネルギーや栄養分と引き換えに、安全な住処を提供する。 光合成はもはや過去のものとなった。 超生物の菌糸は、地殻のなかをうねりながら、より多くの栄養、より多くの生き物を集め、ある日、地球の夜更けに、すべての超生物の糸が出会い、融合する。 そして最後に、おそらく、生命は光の枯渇にあらがい、一つの生命体になるのだ」、「光合成はもはや過去のものとなった」、「超生物の菌糸は、地殻のなかをうねりながら、より多くの栄養、より多くの生き物を集め、ある日、地球の夜更けに、すべての超生物の糸が出会い、融合する。 そして最後に、おそらく、生命は光の枯渇にあらがい、一つの生命体になるのだ」、多様化してきた「生命」が「一つの生命体になるのだ」、なるほど。 「目の前で生命が誕生し、進化し、絶滅するダイナミックな映像が流れていくような錯覚に陥り、どんどん先が読みたくなり、ペルム紀の大量絶滅のあたりからはぐんぐんと読書のスピードが加速し、気がついたらわずか数時間で読み終えていた。 まるでタイムマシンで四六億年を一気に駆け抜けたような新鮮な驚きと感動が残った」、「わずか数時間で読み終えていた」とはよほど内容が豊かなのだろう。 ダイヤモンド・オンライン「【東大卒サイエンス作家が教える】地球上の生物を支配しているたった3つの要因 『超圧縮 地球生物全史』翻訳者・竹内薫インタビュー」 『超圧縮 地球生物全史』(ヘンリー・ジー著、竹内薫訳) 「地球上の生物を支配している3つの要因」とは何なのだろう。 「マントル・プルーム噴出によってペルム紀に地球上の生物がほぼ死滅した史上最大の大絶滅に比べれば、人類が地球に与えた影響は針ほどで気にも止まらないほどだ」、なるほど。「人口増加によって人類が大量に存在したことも非常に短い期間で終わるだろう」、「終わる」要因は以下にあるようだ。 「でも、100年足らずで環境が急変すると生態系がついていけません。 この100年で4倍以上に増えて、さらに2050年には97億人になると予想されている人口爆発。地球温暖化による自然災害や環境変化の影響で少なくなっていく生息地の問題。 当然、農業の対策や、次々に発生する感染症対策なども、それらの急激な変化に追いつかなくなるでしょう」、これでは「人類が絶滅する」のも当然なのだろう。 「本気で脱酸素を目指すなら原子力発電を使ったほうがいいということで、中国やインドなど新たに原子力発電所を建設している国もあります」、「日本は福島で原発事故が起きたので、国民のコンセンサスを得るという難問」、さらには放射性廃棄物の処分の問題もある。 「太陽光パネルの問題は発電量が少ない点です。原子力一基分(100万KW級)の電気供給を代替するためには、山手線の内側の広さ・・・の太陽光パネルが必要」、やはり余りに効率が悪いようだ。 「イギリスでは、過去20年間で1人当たりのエネルギー消費量が4分の1近く減少しているので、他の国が後に続けば脱炭素化はもっと加速するかもしれません」、英米で減少しているとは初めて知った。日本のマスコミもこうした事情をもっと報道してほしいものだ。 「楽しく自転車に乗れるのは酸素のおかげである反面、酸素のせいで寿命を縮めるリスクも負っているわけです」、その通りだ。 「地球でもっとも長く生き続けてきたバクテリアが、結局、最後まで生き残るとは。バクテリアの生命力ってどれほど強いんだ!と思いました」、「人類がいつの日か別の星に移住できたとしても、絶滅する運命であることに変わりはありません。 だからこそ、今あるものを守りながら快適に生きることが大切だ、という著者の最後のメッセージに共感する人は多いと思いますね」、同感である。
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スタートアップ(その8)(東大発ベンチャー破産で政財官界に拡がる波紋…政府が進める「投資促進」に陰り、カネ集めに大異変「ベンチャー選別時代」の勝ち筋 数字と図表で徹底解剖!ベンチャー最前線①、日本でまともな「ベンチャー企業」が育たない理由...本当の問題は資金調達ではない) [イノベーション]

スタートアップについては、5月31日に取上げた。今日は、(その8)(東大発ベンチャー破産で政財官界に拡がる波紋…政府が進める「投資促進」に陰り、カネ集めに大異変「ベンチャー選別時代」の勝ち筋 数字と図表で徹底解剖!ベンチャー最前線①、日本でまともな「ベンチャー企業」が育たない理由...本当の問題は資金調達ではない)である。

先ずは、8月17日付け日刊ゲンダイ「東大発ベンチャー破産で政財官界に拡がる波紋…政府が進める「投資促進」に陰り」を紹介しよう。
https://www.nikkan-gendai.com/articles/view/money/309862
・『官界通(同=官) 「東大発のベンチャー企業」として注目された医療系新興企業テラの自己破産が8月5日に確定し、23日に東証スタンダード市場への上場が廃止される。社員30人の小さな企業の行き詰まりだが、政官財の各界に波紋が広がっている。 政界通(以下=政) そうだ、安倍政権以来、政府が「貯蓄から投資へ」のキャッチフレーズで力を入れている投資促進策に、陰りが出ている。 財界通(同=財) テラは2004年に設立された若い企業。東大医科学研究所の技術をもとに医療機関へがん治療のノウハウを提供し、09年3月に上場した。売上高がどんどん増え、株価も初値の300円から10倍を超える4000円台まで急騰し、一般投資家に「夢」を与えた。 官 だが、創業者社長が社内規定に反して持ち株を大量売却したり、有価証券報告書の記載に不備があって金融庁に処分されたり、情報開示や企業統治が不十分で信頼を失った。 政 でも、新型コロナウイルスの治療薬開発に医薬品企業と提携し、メキシコで臨床研究を始めると起死回生を目指していたぞ。) 財 その発表で低迷していた株価がまた急騰したが、東証に提携の経過が不明確で提携先の情報確認が不十分と指摘され、昨秋に特設注意市場銘柄へ移されて夢はしぼんだ。増資もうまくいかず金融機関からの融資も止まり、破産手続きに追い込まれた。 官 投資家にすれば「何で、そんなずさんな企業を上場させたのだ」となるが、上場支援した証券会社のチェックも取引所の上場審査も型通り。上場後のチェックも、人手不足やコストを理由に不十分というのが実情だ。 政 それじゃあ、株券が紙切れ同然になった投資家が気の毒だ。 官 決算内容をチェックして「OK」としてきた会計事務所が問題になるが、意図的に情報隠しを手伝っていなければ、責任は問えない。 政 結局は「投資家の自己責任」か。それでは「投資よりも貯蓄のほうが安心」という日本人の傾向は、変わらないな』、「上場支援した証券会社のチェックも取引所の上場審査も型通り。上場後のチェックも、人手不足やコストを理由に不十分」、「会計事務所が問題になるが、意図的に情報隠しを手伝っていなければ、責任は問えない」、「結局は「投資家の自己責任」か。それでは「投資よりも貯蓄のほうが安心」という日本人の傾向は、変わらないな」、残念ながらその通りだ。

次に、9月10日付け東洋経済オンライン「カネ集めに大異変「ベンチャー選別時代」の勝ち筋 数字と図表で徹底解剖!ベンチャー最前線①」を紹介しよう。
https://toyokeizai.net/articles/-/617065
・『アメリカを震源とする株式市場の低迷が、世界のベンチャー企業に影を落とし始めている。 9月12日発売の『週刊東洋経済』では、「すごいベンチャー100 2022年最新版」を特集。注目のベンチャー100社の総力取材記事に加え、ベンチャー市場の最新トピックスも網羅する。 足元では、輝く「ユニコーン」(評価額10億ドル以上で創業10年以内の未上場企業)としてもてはやされた企業の評価額が急落し、相次いで人員削減を迫られている。ベンチャーキャピタル(VC)などの投資家は、利益を出すことを起業家たちに要求している』、「ベンチャーキャピタル」が足元の苦境の余り、「利益を出すことを起業家たちに要求」というのは困ったものだ。もっと長い目での成長を促してほしいものだ。
・『影響は「まだ反映されていない」  日本のベンチャーにとってもひとごとではない。「評価額の下落は少しではない、半額だ」「想定した評価額に届かず、資金調達を諦めて事業を縮小した」。一部ベンチャーの経営陣からは苦しい声が聞こえ始めている。 スタートアップ情報プラットフォームのINITIALによれば、2022年1~6月の国内ベンチャーの資金調達額は4160億円と、上半期として過去最高となった。大型調達が連発され、年間で初めて8000億円を超えた2021年を上回るペースではある。 とはいえ、レイターステージ(株式上場が視野に入る段階)のベンチャーが対象のファンドを運営するシニフィアンの朝倉祐介氏は、「大型調達ほど時間がかかるため、2021年から検討し2022年に入って完了したものもある。そもそもアメリカに比べ日本はレイターの比率が低いため、市況の変化がまだ反映されていない」と指摘する』、「日本はレイターの比率が低い」、アーリーの「比率が低い」の間違いではないのだろうか。
・『上場目前の企業に打撃  一部ではすでに影響が出始めている。 AI契約審査SaaS(Software as a Service)のリーガルフォースは、6月に137億円の大型調達を行ったが、「昨年であれば評価額はもっと高くつけられたと思う」(角田望社長)と語る。 SaaSを中心に、上場企業の時価総額や未上場企業の評価額は、これまで売上高倍率で30倍程度という高い水準だった。だが現状は「20倍、15倍という水準まで下がっている」(コーラルキャピタルの澤山陽平・創業パートナー)。 上場を直前で取りやめた企業も出ている。インフルエンサーや企業のマーケティング支援を手がけるエニーマインドグループやチャットボットのジールスは、既存投資家などからの調達に切り替えた。 内視鏡AIによるがん診断を手がけるAIメディカルサービスも80億円を調達したが、関係者によれば当初は上場を目指していたという。 投資家側を見ると、2021年は海外勢の動きが目立っていた。日本での投資を始めたソフトバンク・ビジョン・ファンドや、上場株と未上場株の両方に投資する「クロスオーバーファンド」が押し寄せた。 だが、「海外のクロスオーバーは2021年末以降、一気に引いた」と複数のファンドやベンチャー関係者が口をそろえる。 運用資金の多い海外勢はレイターへの投資を牽引してきたが、出し手が減れば調達できないベンチャーが続出する可能性がある』、市場環境による「調達」困難化は日常茶飯事と割り切るしかない。
・『調達は「早い者勝ち」に  香港を拠点とするクロスオーバーファンド、タイボーン・キャピタル・マネジメントで日本株投資責任者を務める持田昌幸氏は、「上場株が値下がりしている中、流動性の低い未上場株を高く買う理由は正直ない。ただ、高くても魅力的なベンチャーはあるので、投資は続ける」と話す。 さらに持田氏は、「レイターの投資家が減っている中、ベンチャーにとって資金調達は“早い者勝ち”。『評価額を下げたくないから、当面はコストを絞ってしのぐ』と思っても、競合が先に調達してしまうとその後の出し手がいなくなる。起業家のセンスが問われる段階になってきた」と話す。 別のある海外投資家は、「CVC(コーポレート・ベンチャーキャピタル)など、金融収益ではなく事業のシナジーを重視する投資家が株主に多いと、株価が割高になったままだ。反面、アメリカでは格安の会社がいくつも出ているので、無理して日本のベンチャーに投資する必要はない」と明かす』、「調達は「早い者勝ち」」との考え方はおかしい。本来、株式公開による「調達」は、ゴールではなく、スタート地点の筈だ。どうも、日本のベンチャー企業やベンチャー・キャピタルには、間違った考え方が依然として根強いようだ。

第三に、10月25日付けNewsweek日本版が掲載した経済評論家の加谷珪一氏による「日本でまともな「ベンチャー企業」が育たない理由...本当の問題は資金調達ではない」を紹介しよう。
・『<岸田政権が進める大企業によるベンチャー買収の促進策は、日本における起業を活性化させるには正しい方針だ。ただ具体的な方法については実効性に疑問が残る> 政府が、大企業によるベンチャー企業買収を促進する施策について検討を始めている。ベンチャー企業を買収した場合、株式取得額の25%を課税所得から控除する案が出ているという。岸田政権は2022年を「スタートアップ創出元年」と位置付けており、税制優遇することによってベンチャー企業にとっての「出口戦略」を容易にし、起業の活性化につなげる。 大企業による買収を促進する今回のプランは、的外れなベンチャー支援策ばかり繰り返してきた日本政府としては、珍しく正しい方向性といえる。日本においてベンチャービジネスが活性化しないのは、資金が集まらないことが原因であるという説が、まるで神話のように語られてきたが、これは事実ではない。 日本国内のベンチャー投資金額は年間1兆円規模に達しており、対GDP比ではドイツと同水準、イタリアの5倍もある。アメリカと比較すると10分の1以下だが、同国は世界でも類を見ないベンチャー大国であり、極めて特殊なケースと言っていい。少なくとも日本の資金調達環境が諸外国と比べて著しく劣っているわけではない。 では、なぜ日本ではベンチャー企業が育ちにくいのだろうか。最大の問題は、資金調達ではなく、むしろ資金を集めてからで、日本の商慣行が大きな壁として立ちはだかっている』、「日本国内のベンチャー投資金額は年間1兆円規模に達しており、対GDP比ではドイツと同水準、イタリアの5倍もある。アメリカと比較すると10分の1以下だが、同国は世界でも類を見ないベンチャー大国であり、極めて特殊なケースと言っていい。少なくとも日本の資金調達環境が諸外国と比べて著しく劣っているわけではない」、その通りだ。
・『日本でベンチャーが育たない本当の理由  日本ではベンチャー企業が新しい製品やサービスを開発しても、大企業は「前例がない」「新しいものはよく分からない」といって取引を拒むケースが多く、ベンチャー企業の事業継続が困難になっている。このため、多くのベンチャー企業が十分な規模に成長することができない。一方で証券業界は手数料欲しさに、成長途上の未熟な企業まで無理に上場させてしまうため、株価が急落して投資家が損失を出すなど悪循環の連続となっている。 大企業が積極的にベンチャー企業を買収すれば、規模が小さく会社の体制が脆弱であっても、創業者や出資者は利益を得ることができる。加えて大企業の組織に起業家出身者が加われば、確実に組織は活性化し、やがては会社から独立して起業家になる人物も増えてくるだろう。上場が主な出口となっている現状と比較して、さまざまな面でハードルが下がると予想される。) しかしながら、この政策には実効性という点で大きな問題がある。その理由は、大企業が税制優遇だけでベンチャーを積極的に買収する可能性は低いからである。 安倍政権時代、政府は法人税の減税を繰り返し、既にかなりの低税率となっている。加えて、日本には以前から租税特別措置(租特)と呼ばれる優遇税制があり、多くの大企業がこの制度を利用して節税している。現実問題として、大企業は税金をあまり払っていないので、減税策を提示されても、魅力的には感じないだろう。 むしろ、旧態依然とした経営の刷新を目的に政府が進める「ガバナンス強化策」において、ベンチャー企業活用を促したほうが圧倒的に効果が高いと考えられる。欧米各国でも、全ての大企業経営者が勇猛果敢にベンチャー企業の新技術を活用しているわけではない。経営者に対して、現状維持を許さない市場環境があるからこそ、ベンチャー企業の買収や新技術の採用が進むという現実を、理解しておく必要がある』、「ガバナンス強化策」で「経営者に対して、現状維持を許さない市場環境」に変えることにより、「ベンチャー企業の買収や新技術の採用が進む」、という王道で臨むべきだろう。
タグ:スタートアップ (その8)(東大発ベンチャー破産で政財官界に拡がる波紋…政府が進める「投資促進」に陰り、カネ集めに大異変「ベンチャー選別時代」の勝ち筋 数字と図表で徹底解剖!ベンチャー最前線①、日本でまともな「ベンチャー企業」が育たない理由...本当の問題は資金調達ではない) 日刊ゲンダイ「東大発ベンチャー破産で政財官界に拡がる波紋…政府が進める「投資促進」に陰り」 「上場支援した証券会社のチェックも取引所の上場審査も型通り。上場後のチェックも、人手不足やコストを理由に不十分」、「会計事務所が問題になるが、意図的に情報隠しを手伝っていなければ、責任は問えない」、「結局は「投資家の自己責任」か。それでは「投資よりも貯蓄のほうが安心」という日本人の傾向は、変わらないな」、残念ながらその通りだ。 東洋経済オンライン「カネ集めに大異変「ベンチャー選別時代」の勝ち筋 数字と図表で徹底解剖!ベンチャー最前線①」 「ベンチャーキャピタル」が足元の苦境の余り、「利益を出すことを起業家たちに要求」というのは困ったものだ。もっと長い目での成長を促してほしいものだ。 「日本はレイターの比率が低い」、アーリーの「比率が低い」の間違いではないのだろうか。 市場環境による「調達」困難化は日常茶飯事と割り切るしかない。 「調達は「早い者勝ち」」との考え方はおかしい。本来、株式公開による「調達」は、ゴールではなく、スタート地点の筈だ。どうも、日本のベンチャー企業やベンチャー・キャピタルには、間違った考え方が依然として根強いようだ。 Newsweek日本版 加谷珪一氏による「日本でまともな「ベンチャー企業」が育たない理由...本当の問題は資金調達ではない」 「日本国内のベンチャー投資金額は年間1兆円規模に達しており、対GDP比ではドイツと同水準、イタリアの5倍もある。アメリカと比較すると10分の1以下だが、同国は世界でも類を見ないベンチャー大国であり、極めて特殊なケースと言っていい。少なくとも日本の資金調達環境が諸外国と比べて著しく劣っているわけではない」、その通りだ。 「ガバナンス強化策」で「経営者に対して、現状維持を許さない市場環境」に変えることにより、「ベンチャー企業の買収や新技術の採用が進む」、という王道で臨むべきだろう。
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鉄道(その10)(非常停止ボタンで山手線止める 「賠償請求すべきだ」の声に弁護士の見解は?〈dot.〉、六角精児 ギャンブルをやめようと「意識して」鉄道ファンに 好きなのは「車窓」、スペイン「フリーゲージ列車」どんな仕組みなのか 日本仕様は?聞くと「相談してくれれば喜んで」、作家・黒木亮「部分廃線直前」故郷の留萌線をゆく 英国在住「経済小説」の名手、高校時代に列車通学) [産業動向]

鉄道については、6月18日に取上げた。今日は、(その10)(非常停止ボタンで山手線止める 「賠償請求すべきだ」の声に弁護士の見解は?〈dot.〉、六角精児 ギャンブルをやめようと「意識して」鉄道ファンに 好きなのは「車窓」、スペイン「フリーゲージ列車」どんな仕組みなのか 日本仕様は?聞くと「相談してくれれば喜んで」、作家・黒木亮「部分廃線直前」故郷の留萌線をゆく 英国在住「経済小説」の名手、高校時代に列車通学)である。

先ずは、7月8日付けAERAdot「非常停止ボタンで山手線止める 「賠償請求すべきだ」の声に弁護士の見解は?〈dot.〉」を紹介しよう。
https://dot.asahi.com/dot/2022070800024.html?page=1
・『東京のJR山手線・渋谷駅で、「線路に財布を落とした」という理由で列車の非常停止ボタンを押した若い男性に対し、駅員が激高する様子を撮った動画が拡散された。これに対して、双方の対応とも議論を呼んでいるが、そもそも、財布を落としたなどの理由で非常停止ボタンを押し、列車を遅延させる行為に法的問題はないのか。専門家に聞いた。 「なんだその態度は、山手線止めてんだぞ!」(駅員) 「しょうがないじゃないですか、お金落ちちゃったんですから」「4万円も財布から出てたんですよ」(若い男性) 動画に映っているのは、非常停止ボタンを押したことに激高する駅員と、「財布が落ちたから」とごねる男性。 JR東日本によると、この動画の事案が発生したのは4日午後8時ごろ。渋谷駅のホームで、線路をのぞきこんだり、線路に降りるしぐさをしている男性を駅員が発見。数人の駅員が駆けつけて制止し、男性とともにホーム上の安全な場所に移動した。男性が、線路に財布を落としたと説明したため、駅員は「これから拾います。準備をするのでお待ちください」との趣旨を男性に説明したという。 しかし、男性は納得しない様子で、駅員の準備を待たずにホーム上の非情停止ボタンを押した。この際、駅員と男性がもみ合いとなり、駅員は警察に通報したという。 結果、山手線外回りの列車に約2分の遅れが生じた。 JR東によると、非常停止ボタンを押して良いのは人命にかかわるケースや、線路上に重い荷物が落ちたり、小さなものでもレールの上に乗ってしまったなど、運行に支障をきたしかねない場合だという。今回については、「駅員がそばにいて財布を拾う準備をすると伝えているため、緊急事態には当たらない」(JR東)という。 JR東は駅員の対応について、「安全を守らなければならないという使命感から、強い口調になってしまった」と説明。線路上の財布は拾って男性に渡したという。 双方の対応に賛否両論の声が出ているが、そもそも、こうした理由で非常停止ボタンを押し、列車を遅らせる行為に法的問題はないのか。) 数々の鉄道事故で遺族代理人を務めるなど、鉄道事故に詳しい佐藤健宗弁護士は、「落とした財布は急がなくても確実に回収できるはずですから、男性が無理な行為をしたと言わざるを得ません」と前置きしたうえでこう話す。 「このように、緊急性がないのに非常停止ボタンを押して混乱を生じさせ、鉄道会社の収入などに影響を与えた場合は、ボタンを押した人に民事上の賠償責任が生じる可能性があります」 ただ、佐藤弁護士は、同様のケースで鉄道会社が損害賠償を請求した例は聞いたことがないと言う。また、運行への影響が今回の「上り列車に2分の遅れ」程度では難しい面があるようだ。 「鉄道会社に損害が発生したと解釈する一つの目安として、『振り替え輸送』の有無があります。列車に飛び込むなどして自死された方の遺族に対し、鉄道会社が損害賠償を請求するかどうかも、振り替え輸送の有無が分かれ目になることがあります。今回のように数分の遅れですと、この事案に対応する代替要員の用意や、職員の残業なども発生しないと思われますので、鉄道会社に損害が生じたとは言いにくいかもしれません」(佐藤弁護士) 駅員が財布を拾うと伝えたにもかかわらず、なぜ男性は待たずにボタンを押してしまったのか。わずか2分の遅れとはいえ、帰宅ラッシュ時でもあり乗客は迷惑しただろう。動画は男性が撮影したとみられており、駅員は撮影をやめるようにお願いしていたという。 「どのような状況だったかによりますが、非常停止ボタンを押すという実力行使によって駅員らの業務を妨害しているので、威力業務妨害罪にあたる可能性は否定できないと思います」(佐藤弁護士) JR東は、「個別の事案について、賠償請求などの対応を取るかについては回答いたしません」としている』、「緊急性がないのに非常停止ボタンを押して混乱を生じさせ、鉄道会社の収入などに影響を与えた場合は、ボタンを押した人に民事上の賠償責任が生じる可能性」があるが、「同様のケースで鉄道会社が損害賠償を請求した例は聞いたことがないと言う。また、運行への影響が今回の「上り列車に2分の遅れ」程度では難しい面があるようだ」、ただ、「非常停止ボタンを押すという実力行使によって駅員らの業務を妨害しているので、威力業務妨害罪にあたる可能性は否定できない」、しかし、「非常停止ボタンを押し」た「会社員」は、全く自己中心主義のイヤな奴だ。

次に、8月6日付けAERAdot「六角精児、ギャンブルをやめようと「意識して」鉄道ファンに 好きなのは「車窓」」を紹介しよう。
https://dot.asahi.com/aera/2022080400066.html?page=1
・『鉄道に魅せられるきっかけは、人それぞれだ。中にはギャンブルをやめるために鉄道ファンになった人もいる。俳優・六角精児さんだ。AERA 2022年8月8日号で、思いを語ってくれた。 鉄道にはまったのは30代になってからです。子どものころから電車は好きだったし、旅公演の際の列車移動も楽しかったけれど、いわゆる「テツ」ではなかったんです。若いころの僕はギャンブルにはまっていて、負けが込んで身を滅ぼしつつありました。これじゃまずい、ギャンブルはやめようと考えたとき、鉄道に乗っている時間が自分にとっては心地よいなと改めて気が付いた。それで「意識して」鉄道ファンになりました。 テツにもいろいろいるけれど、僕が好きなのは「車窓」。鉄道の車窓は特別です。車とは違って勝手にどこかへ連れていってくれる。それに、切り開かれた鉄路は鉄道でしか通れない、つまり鉄道でしか見られない景色がたくさんあります。レールの上を揺られながら見る車窓の臨場感が自分にとてもマッチしているんだと思います。 鉄道で旅をする時は、一緒にお酒も飲みたい。もちろん混み具合や人の目でそうできないこともあるけれど、あまりお客さんの多くないローカル線のボックス席に座って、ちびちびと飲みながら景色を楽しむ旅が至福の時間です。心が色づいて、景色もより色づいて見えてくる。 僕は乗ったことのない路線にどんどん乗ってみたいタイプですが、繰り返し何度も乗っている路線もあります。北海道の路線は何度も乗ってますね。釧路と網走を結ぶ釧網線なんて、何度乗ったかなあ。日本には季節があって四季折々違った車窓を楽しめるから、同じ路線に何度乗っても楽しいですね。) 普段の旅は行き当たりばったりです。「とりあえず西へ行ってみようか、ひとまず新幹線で名古屋まで」と決めて家を出て、新幹線の中で時刻表をめくりながら「関西線で大阪まで入るのはどうだろう」「いや、名古屋から北に抜けて高山線に乗ってみよう」というふうに考えます。行き先を考える時間も楽しいですね。それと最近では、仕事で出張した時に2日休みがあるからこっちの路線を通って帰ってこようとか、どこどこに寄って名物を食べてこようとか、そんな旅が多くなりました。これまで何度も鉄道の旅をしたけれど、それぞれに思い出があって、1番は決められないなあ。 「鉄道旅に興味はあるけれど、いきなりブラッと遠出は難しい」という人にお勧めしたいのは、普段乗っている列車でちょっと先まで行ってみること。同じ路線でも普段の生活圏から1駅離れるだけで、自分が思っているのとは違った景色が広がっているかもしれません。日常が日常ではなくなるというか、それも小さな旅です』、「若いころの僕はギャンブルにはまっていて、負けが込んで身を滅ぼしつつありました。これじゃまずい、ギャンブルはやめようと考えたとき、鉄道に乗っている時間が自分にとっては心地よいなと改めて気が付いた。それで「意識して」鉄道ファンになりました。 テツにもいろいろいるけれど、僕が好きなのは「車窓」。鉄道の車窓は特別です。車とは違って勝手にどこかへ連れていってくれる。それに、切り開かれた鉄路は鉄道でしか通れない、つまり鉄道でしか見られない景色がたくさんあります。レールの上を揺られながら見る車窓の臨場感が自分にとてもマッチしているんだと思います」、「鉄道で旅をする時は、一緒にお酒も飲みたい。もちろん混み具合や人の目でそうできないこともあるけれど、あまりお客さんの多くないローカル線のボックス席に座って、ちびちびと飲みながら景色を楽しむ旅が至福の時間です」、TV番組でも、おいしそうに「ちびちびと飲みながら景色を楽しむ旅」には羨ましくなる。

第三に、10月8日付け東洋経済オンラインが掲載した 在英ジャーナリストのさかい もとみ氏による「スペイン「フリーゲージ列車」どんな仕組みなのか 日本仕様は?聞くと「相談してくれれば喜んで」」を紹介しよう。
https://toyokeizai.net/articles/-/624341
・『西九州新幹線が開業した9月23日、9000kmあまり離れたドイツの首都・ベルリンでは世界最大の鉄道業界の見本市「イノトランス2022」が開催されていた。西九州新幹線といえば、当初は新幹線と在来線を直通できる「フリーゲージトレイン」を走らせる計画だったものの実現せず、結局「対面乗り換え方式」により運行が始まったわけだが、世界には「高速で走るフリーゲージ車両」を世に出しているメーカーもある。 筆者はイノトランスの会場で「高速フリーゲージ車両の造り手」に直接話を聞くことができた。彼らは日本の実態をどうみているのだろうか』、興味深そうだ。
・『「フリーゲージ車両の雄」タルゴ  本来なら2018年、2020年、2022年……と偶数年に開かれるこの見本市、2020年はコロナ禍のあおりで中止。4年ぶりの開催となった今回は、世界中からの出展者や参観者で大いににぎわった。 イノトランスの特徴は、車両メーカーが実車を持ち込んで陳列することだ。今年は環境問題への意識の高まりの中、とくに燃料電池を使った車両の展示が目立った。 そんな中、各メーカーの車両がずらりと並ぶ「メインステージ」からやや離れた一角にちょっと変わった展示があった。古くからいわば「フリーゲージ車両メーカーの雄」として知られるスペインのタルゴ(Talgo)が、車輪部分をむき出しにした試作車両を公開していた。) タルゴの車両は、連結部に配置した車輪が左右で独立しており、車軸でつながっていない。一般的に鉄道車両は台車の上に車体を載せているが、タルゴ車両は車体全体を台車の“厚さ”の分低くして低重心化でき、安定したカーブの走行などに効果がある』、「タルゴの車両は、連結部に配置した車輪が左右で独立しており、車軸でつながっていない」、「タルゴ車両は車体全体を台車の“厚さ”の分低くして低重心化でき、安定したカーブの走行などに効果がある」、さすが「フリーゲージ車両メーカーの雄」だけある。
・『タルゴの連結面  その「左右の車輪が車軸でつながっていない」という仕組みを応用して、異なる2つの軌間で走れる「フリーゲージ車両」を実用化したわけだ。 そもそもタルゴが「軌間可変車両」、いわゆるフリーゲージ車両を造ってきたのは、スペインとポルトガルの線路幅(軌間)の問題がある。両国は「イベリアゲージ」と呼ばれる1668mm軌間を採用しており、ほかの欧州諸国の標準軌(1435mm)には直接乗り入れができない。それではスペインと欧州各国との行き来が不便だとして、古くから軌間可変車両の開発が進められた。その後、スペインも高速鉄道は標準軌で整備されることになり、両軌間の直通ができないとより不便となる背景も生まれた』、なるほど。
・『狭い軌間は難しい?  最初の軌間可変車両は1968年に登場。その後さまざまな改良が加えられ、同社エンジニアの説明によると「現在では営業運転で時速330km走行可能な技術レベルに到達している」という。 タルゴは標準軌(1435mm)、イベリアゲージ(1668mm)、ロシアゲージ(1520mm)の3つの軌間のうち、2つに対応できる組み合わせのものを生産している。軌間変換の際は、自動変換装置が取り付けられた建物に時速15kmで進入。ストッパーが外れて、車輪の変換装置(異なる軌間のレールがつながっている)に列車が入ると車輪が横に移動し軌間を変換。終了するとストッパーが再びかかって作業終了となる。この間、人の手はまったく不要だ。 もともとはスペインーフランス国境を越える直通列車用に登場した軌間可変式のタルゴは、今ではスペイン国内でも高速列車専用線と在来線の直通用に使われている。 ただ、今回タルゴがイノトランスで展示していたのは軌間可変式の車両ではなく、ドイツの標準軌向けの車両だった。) ドイツ鉄道(DB)は、同社が誇る高速列車ICE(インターシティ・エクスプレス)の新規車両として、ホームとのステップがないことを売りにしたタルゴ製車両を「ICE L」の名で導入を決定。ベルリン―アムステルダム間を皮切りに、いずれリゾート向けの臨時列車に使う予定だという。 機関車1両+17両の客車で1組の編成とし、全部で23編成を導入する。ICEはかねてドイツの車両メーカー・シーメンスの牙城だっただけに、他国製車両の採用も興味深いポイントだ。 タルゴ社は軌間可変式ではない車両を持ち込んだわけだが、イノトランス展示に当たり行き先表示板に「マドリード―ベルリン間のICE」とこっそり表示。いずれ、軌間可変式高速車両で本国スペインからドイツに入ろうとする意欲を感じずにはいられなかった。 ただ、タルゴといえばやはり軌間可変車両が有名だ。そこで、「日本では、狭軌と標準軌との変換が可能な車両の開発で頭を悩ませている」とタルゴの展示ブースで説明に当たっていたスペイン人エンジニアに話すと、「我が社では、狭軌から標準軌への変換車両は造ったことがない。しかし、相談してくれたら喜んで我が社のエンジニアが解決に当たるに違いない」と“お誘い”の言葉をかけてくれた。 ただ、メーターゲージ(1000mm)や、日本の狭軌(1067mm)といった狭い軌間では、変換機構やトラクションモーター、ブレーキのための車輪間のスペースに制限もあり、実用化が難しいとされる。今のところ、標準軌よりもさらに広い軌間に変換する車両しか造ったことがないタルゴにとって「標準軌―狭軌直通」の車両を造るのはかなり挑戦的と言える』、「軌間変換の際は、自動変換装置が取り付けられた建物に時速15kmで進入。ストッパーが外れて、車輪の変換装置・・・に列車が入ると車輪が横に移動し軌間を変換。終了するとストッパーが再びかかって作業終了となる。この間、人の手はまったく不要だ」、「自動変換装置」で切り替えるとは安全なようだ。「今のところ、標準軌よりもさらに広い軌間に変換する車両しか造ったことがないタルゴにとって「標準軌―狭軌直通」の車両を造るのはかなり挑戦的」、ということは事実上、無理に近いようだ。
・『日本向けもできる?  しかし、長年の軌間可変車両生産の歴史を誇る同社の経験を考えると、時速300km超のソリューションをなんらかの形で提示するというのも夢物語ではない。海外への輸出経験も豊富なタルゴは、やはり軌間が異なるロシア向けに西欧乗り入れ用の長距離列車車両を納入していたりもする。 今回の西九州新幹線の開通では、博多―長崎間をつなぐに当たり「リレーかもめ」から「かもめ」へ、武雄温泉駅で対面乗り換え(注)という方式が採用されたが、新幹線ができたことで「同じ車両に乗ったまま目的地まで移動したいという要望」はさらに高まることだろう』、「要望」はあるだろうが、コストが問題だ。
(注)対面乗り換え:ホームの両側に止まった列車相互で乗り換えるもの(Wikipedia)

第四に、11月22日付け東洋経済オンラインが掲載したジャーナリストの黒崎 亜弓氏による「作家・黒木亮「部分廃線直前」故郷の留萌線をゆく 英国在住「経済小説」の名手、高校時代に列車通学」を紹介しよう。
https://toyokeizai.net/articles/-/631948
・『平日にもかかわらず、改札には20人あまりが列を作っていた。北海道の北西に位置する留萌駅。深川行きの1両編成は、鉄道ファンとおぼしきカメラを手にした面々で埋まった。このような混雑ぶりは8月末、沿線市町が留萌線の廃線に同意し、カウントダウンが始まってからのこと。それまで留萌駅の乗降客は時間帯によっては1〜2人だった。 ニシン漁で栄えた港町の駅からはかつて、北の幌延へ、南の増毛へと沿岸にも線路が延びていた。今は内陸の深川まで50.1kmを結ぶ留萌線の終着駅として、1日14本が発着する』、興味深そうだ。
・『留萌線沿線で育った黒木亮さん  JR北海道が2016年に「鉄道より他の交通手段が適している」と示した輸送密度200人未満の5路線のうち、留萌線は最後に廃線が決まった。留萌―石狩沼田間は2023年3月末、石狩沼田―深川間は2026年3月末に運行を終える。100年を超える歴史に幕が降りる。 いざ廃線となると乗客が増えるのは、鉄道の常。「葬式鉄」などと呼ばれる。東京からやってきた筆者もその類といえるが、隣の御仁は趣が異なる。 「子どもの頃、留萌線に乗って海に遊びに出かけました。留萌の黄金岬で釣ったカニの入ったバケツを手に、乗って帰ったものです。父がそのカニをつまみに酒を飲んだりしてね」 ロンドン在住の経済小説作家、黒木亮さん。1957年に生まれ、沿線の秩父別で育った。高校時代は、隣町の深川まで留萌線で通学していた。10月、深川市から講演に招かれて帰郷する折に「一度、乗っておこうと」、深川と留萌の間を往復する道のりに同行した。 黒木さんは早稲田大学に進んで競走部で箱根駅伝を走り、国際金融の世界で活躍したのち、2000年に国際協調融資の舞台裏を活写する『トップ・レフト』で作家デビュー。『巨大投資銀行』『鉄のあけぼの』をはじめ、リアリティある骨太の経済小説を生み出してきた。) 裁判官の実像を描いた異色の作品『法服の王国』に、留萌線が登場する。旭川地方裁判所に赴任した主人公が、留萌支部での裁判のため被告人とともに向かう場面である。 列車の窓の外に見えるのは、もっぱら雪原と林で、ときおり、雪煙の向こうに、屋根に1メートルくらいの雪が降り積もり、軒につららを下げた農家が姿を現す。強い風に追いたてられた雪が、雪原の表面を、白い砂流のように流れていた。――『法服の王国』(下)、岩波現代文庫 黒木さんが、取材のため2012年冬に留萌線に乗った日は大吹雪だった。「途中の駅で、雪のなかから突然、灯りのともった列車が現れたのは迫力がありましたね」。単線である留萌線で唯一、列車交換(行き違い)を行う峠下駅である。かつては、付近の炭鉱から石炭が積み出されていた。 留萌を発つと、線路の両側に低い山が続く。留萌線は1910年、沿線の石炭や木材を留萌港まで運ぶために敷かれた。人の往来も増し、急行列車が札幌や旭川まで通じていた。留萌の周辺に点在していた炭鉱は、1970 年代にかけて閉山していった。 峠下からトンネルを2つ抜けると、趣のある駅舎が見えてきた。恵比島駅のはずだが、駅名標には「あしもい(明日萌)」とある。1999年に放映されたNHK連続テレビ小説「すずらん」のロケ地となった。炭鉱で栄えた町と駅を舞台に繰り広げられる物語である。昭和の木造駅舎を再現したセットが残る』、「いざ廃線となると乗客が増えるのは、鉄道の常。「葬式鉄」などと呼ばれる」、「葬式鉄」とは初めて知った。「留萌の周辺に点在していた炭鉱は、1970 年代にかけて閉山していった」、なるほど。
・『ほのぼのとした秩父別駅  恵比島の先で、景色がひらけた。開拓地が石狩川沿いまで広がる。稲刈りの終わった田んぼ。この北空知一帯は北海道でも有数の米どころである。大豆の収穫を終え、茶色の土がむき出しになった畑。まだ植えられたばかりで緑の小麦。北海道の大地、という月並みな言葉しか思い浮かばないが、線路の両側を見晴らす景色を味わい尽くそうと車窓から目が離せない。 黒木さんは、ランナーとしての自伝的作品『冬の喝采』で、高校入学を前に故郷の町を一望した様を描写している。 前方の彼方に、国道と交差するように線路が延び、ベージュと赤のツートンカラーで二両編成のキハ58系ディーゼルカーが、雪原の中を孤独の走者のように走っていた。――『冬の喝采』(上)、幻冬舎文庫  故郷の秩父別駅は、ほのぼのとした雰囲気に包まれていた。顔を描いたカボチャが飾りつけられ、マリーゴールドの黄色とオレンジがホームの一角を彩る。 駅の〝守り人〟は、信平俊行さん。駅に毎日通い、丹念に手入れする。秩父別で暮らすこと72年。中学時代に長距離走に目覚めた黒木さんにとって、同じグラウンドを走っていた先輩ランナーである。 冬季の雪下ろしの仕事を2013年にJR北海道から請け負った頃から、ボランティアで花を育て始めた。マリーゴールドは種をとり、来春また植える。カボチャは自身の畑で育てたものという。「楽しみでやっています。駅を人が通るのは朝夕だけだから、明るくしたくて」。 今の留萌線の利用は、秩父別と石狩沼田からの通学がメイン。深川市内の高校へ、さらに乗り継いで旭川、札幌の高校へと通う。そんな事情もあり、石狩沼田―深川間の廃線は3年先延ばしとなった。 黒木さんは1973年から1976年にかけて、秩父別から深川西高校に通っていた。「当時は2、3両連なっていました。アルミの箱を背負った行商の女の人たちが乗っていたのを覚えています。留萌から干物を売りにきていたんですね。魚の匂いはしなかったかな」。 鉄道好きとしては、単線・ディーゼルに1両編成と三拍子そろうとグッとくるが、考えてみれば、低コスト大量輸送が鉄道の持ち味なのだから、もともと1両で走るわけではない』、「秩父別駅は、ほのぼのとした雰囲気に包まれていた。顔を描いたカボチャが飾りつけられ、マリーゴールドの黄色とオレンジがホームの一角を彩る。 駅の〝守り人〟は、信平俊行さん。駅に毎日通い、丹念に手入れする。秩父別で暮らすこと72年。中学時代に長距離走に目覚めた黒木さんにとって、同じグラウンドを走っていた先輩ランナーである。 冬季の雪下ろしの仕事を2013年にJR北海道から請け負った頃から、ボランティアで花を育て始めた。マリーゴールドは種をとり、来春また植える。カボチャは自身の畑で育てたものという。「楽しみでやっています。駅を人が通るのは朝夕だけだから、明るくしたくて」、ほのぼのした雰囲気だ。
・『「懐かしい対象ではなかった」  留萌から1時間で深川に着く。黒木さんに感想を聞いてみた。なごりを惜しむ言葉をどこか期待していたが、淡々とした答えが返ってきた。 「僕にとって、懐かしい対象ではなかった。車両も別物で。向かい合わせの木の座席で友人と話したのが、僕の留萌線の思い出です。時代から取り残されていたから、廃線は既定路線でしょう」 高校時代の後半はバス通学が増えていたという。陸上競技部に入り、高校1年の頃は夜8時台の終電まで石狩川沿いを走った。ケガで練習ができなくなると受験勉強に打ち込み、列車に間に合う時間に起きられなかった。「鉄道は定期で乗れるけれど、バス代はそのつど親にもらわなければなりませんでした。時にくすねたりしてね」。 JR北海道は留萌線などについて、「鉄道より適した手段」としてバスを挙げた。しかし、沿線人口は1970年代から減少の一途。バスも赤字に陥り、公的補助で成り立っている。本数も減っている。 沿線市町は、留萌線の維持費を負担するよりも、JR北海道から代替バスの運営費を得る道をとった。深川市、留萌市の担当者は「鉄道とバスが共倒れになりかねなかった」と語る。 もはや、「鉄路を残せるか」ではなく、「公共交通を残せるか」という局面にある。 翌朝、筆者はひとり深川から留萌線に乗り、峠下まで往復した。7時台の深川行きは既に混みあっていた。石狩沼田と秩父別で10数人ずつ高校生が乗り込んでくると、デッキにはみ出した。カメラを手に、車窓に目をやる筆者たちとは対照的に、彼らはスマートフォンに目を落としている。日常としての鉄道がそこにあった』、「もはや、「鉄路を残せるか」ではなく、「公共交通を残せるか」という局面にある」、やはり衰退する地方の1つのようだ。 
タグ:「もはや、「鉄路を残せるか」ではなく、「公共交通を残せるか」という局面にある」、やはり衰退する地方の1つのようだ。 「秩父別駅は、ほのぼのとした雰囲気に包まれていた。顔を描いたカボチャが飾りつけられ、マリーゴールドの黄色とオレンジがホームの一角を彩る。 駅の〝守り人〟は、信平俊行さん。駅に毎日通い、丹念に手入れする。秩父別で暮らすこと72年。中学時代に長距離走に目覚めた黒木さんにとって、同じグラウンドを走っていた先輩ランナーである。 冬季の雪下ろしの仕事を2013年にJR北海道から請け負った頃から、ボランティアで花を育て始めた。マリーゴールドは種をとり、来春また植える。カボチャは自身の畑で育てたものという。「楽しみでや 「いざ廃線となると乗客が増えるのは、鉄道の常。「葬式鉄」などと呼ばれる」、「葬式鉄」とは初めて知った。「留萌の周辺に点在していた炭鉱は、1970 年代にかけて閉山していった」、なるほど。 「鉄道で旅をする時は、一緒にお酒も飲みたい。もちろん混み具合や人の目でそうできないこともあるけれど、あまりお客さんの多くないローカル線のボックス席に座って、ちびちびと飲みながら景色を楽しむ旅が至福の時間です」、TV番組でも、おいしそうに「ちびちびと飲みながら景色を楽しむ旅」には羨ましくなる。 黒崎 亜弓氏による「作家・黒木亮「部分廃線直前」故郷の留萌線をゆく 英国在住「経済小説」の名手、高校時代に列車通学」 「要望」はあるだろうが、コストが問題だ。 (注)対面乗り換え:ホームの両側に止まった列車相互で乗り換えるもの(Wikipedia) 「軌間変換の際は、自動変換装置が取り付けられた建物に時速15kmで進入。ストッパーが外れて、車輪の変換装置・・・に列車が入ると車輪が横に移動し軌間を変換。終了するとストッパーが再びかかって作業終了となる。この間、人の手はまったく不要だ」、「自動変換装置」で切り替えるとは安全なようだ。「今のところ、標準軌よりもさらに広い軌間に変換する車両しか造ったことがないタルゴにとって「標準軌―狭軌直通」の車両を造るのはかなり挑戦的」、ということは事実上、無理に近いようだ。 「タルゴの車両は、連結部に配置した車輪が左右で独立しており、車軸でつながっていない」、「タルゴ車両は車体全体を台車の“厚さ”の分低くして低重心化でき、安定したカーブの走行などに効果がある」、さすが「フリーゲージ車両メーカーの雄」だけある。 は心地よいなと改めて気が付いた。それで「意識して」鉄道ファンになりました。 テツにもいろいろいるけれど、僕が好きなのは「車窓」。鉄道の車窓は特別です。車とは違って勝手にどこかへ連れていってくれる。それに、切り開かれた鉄路は鉄道でしか通れない、つまり鉄道でしか見られない景色がたくさんあります。レールの上を揺られながら見る車窓の臨場感が自分にとてもマッチしているんだと思います」、 「若いころの僕はギャンブルにはまっていて、負けが込んで身を滅ぼしつつありました。これじゃまずい、ギャンブルはやめようと考えたとき、鉄道に乗っている時間が自分にとっては心地よいなと改めて気が付いた。それで「意識して」鉄道ファンになりました。 テツにもいろいろいるけれど、僕が好きなのは「車窓」。鉄道の車窓は特別です。車とは違って勝手にどこかへ連れていってくれる。それに、切り開かれた鉄路は鉄道でしか通れない、つまり鉄道でしか見られない景色がたくさんあります。レールの上を揺られながら見る車窓の臨場感が自分にとても AERAdot「六角精児、ギャンブルをやめようと「意識して」鉄道ファンに 好きなのは「車窓」」 「緊急性がないのに非常停止ボタンを押して混乱を生じさせ、鉄道会社の収入などに影響を与えた場合は、ボタンを押した人に民事上の賠償責任が生じる可能性」があるが、「同様のケースで鉄道会社が損害賠償を請求した例は聞いたことがないと言う。また、運行への影響が今回の「上り列車に2分の遅れ」程度では難しい面があるようだ」、ただ、「非常停止ボタンを押すという実力行使によって駅員らの業務を妨害しているので、威力業務妨害罪にあたる可能性は否定できない」、しかし、「非常停止ボタンを押し」た「会社員」は、全く自己中心主義のイヤな AERAdot「非常停止ボタンで山手線止める 「賠償請求すべきだ」の声に弁護士の見解は?〈dot.〉」 鉄道 (その10)(非常停止ボタンで山手線止める 「賠償請求すべきだ」の声に弁護士の見解は?〈dot.〉、六角精児 ギャンブルをやめようと「意識して」鉄道ファンに 好きなのは「車窓」、スペイン「フリーゲージ列車」どんな仕組みなのか 日本仕様は?聞くと「相談してくれれば喜んで」、作家・黒木亮「部分廃線直前」故郷の留萌線をゆく 英国在住「経済小説」の名手、高校時代に列車通学) 「スペイン「フリーゲージ列車」どんな仕組みなのか 日本仕様は?聞くと「相談してくれれば喜んで」」 さかい もとみ 東洋経済オンライン
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健康(その24)(肩こりは日本人特有 西洋にもアジアにもその概念ナシ 解決のために大事なのは「姿勢」、介護不要な老後を送るのに食べるべきものは?「フレイル予防」の食事術、「沈黙の臓器」腎臓の病気に在宅医療の専門医はどう対峙しているのか?、日本腎臓学会でも注目の「定期的な運動」 ますはちょっと遠回りの散歩から) [生活]

健康については、9月23日に取上げた。今日は、(その24)(肩こりは日本人特有 西洋にもアジアにもその概念ナシ 解決のために大事なのは「姿勢」、介護不要な老後を送るのに食べるべきものは?「フレイル予防」の食事術、「沈黙の臓器」腎臓の病気に在宅医療の専門医はどう対峙しているのか?、日本腎臓学会でも注目の「定期的な運動」 ますはちょっと遠回りの散歩から)である。

先ずは、10月9日付けNEWSポストセブン「肩こりは日本人特有、西洋にもアジアにもその概念ナシ 解決のために大事なのは「姿勢」」を紹介しよう。
https://www.news-postseven.com/archives/20221009_1800274.html?DETAIL
・『腰痛やひざの痛みと同様に多くの人が悩むのが「肩の痛み」だ。「肩こり」に代表されるように慢性的な症状が多いが、これについて「医学的に“万能薬”のような解決方法はない」と言うのは、横浜市立大学附属市民総合医療センターの北原雅樹医師(ペインクリニック専門医)だ。 「肩こりは“日本人特有”の症状で、西洋はおろか東南アジア、中国や韓国でもそのような概念はないようです。医学的にも定義されているわけではなく、一口に肩こりといっても首、首の付け根、背中、肩甲骨と痛みが出る場所はそれぞれ。痛みの原因となる場所をピンポイントで見極めて、取り除くのはとても難しいことです」 こっていると感じる場所をマッサージなどで揉んでも、実は原因が他の場所にあることも多いのだという。肩こりの根本的な解決を目指すのであれば、まず大事なのは「姿勢」だと北原医師は指摘する。 「ストレートネック(頭の重さを分散させている頚椎のカーブが、俯いた姿勢を続けることで真っ直ぐに変形すること。首まわりの筋肉が常に緊張し、様々な全身症状を引き起こすとされる)や猫背が原因で肩こりになると言われますが、それは間違い。ストレートネックや猫背はむしろ結果で、問題は筋肉の衰えで正しい姿勢ができないことにあります」 正しい姿勢を保つには、骨盤底筋や脊柱起立筋などのインナーマッスルが大事だと北原医師は言う。 「身体の深部にあるインナーマッスルはピンポイントで鍛えることが難しい反面、正しい歩き方をすれば自然と動いて、筋力が維持され、衰えを取り戻すことができます」 まずは、家にある「姿見」で自らの姿勢と向き合うことが大事だという。 「左右の肩の高さは同じか、正面を向いて首を左右に傾けた時に一方だけに痛みや張りを感じないかなど、全身をセルフチェックすると姿勢や筋肉の状態を把握できます。それにより、ストレッチや運動で自分がどこを意識すればよいか分かると思います」 福井医療大学教授で理学療法の第一人者である藤縄理氏も姿勢の大切さを説く。 「正しい姿勢をとっていても、ずっと同じ姿勢でいれば肩こりになります。正しい姿勢をとった上で、例えば1時間ごとにストレッチを挟むといいでしょう」 藤縄教授監修のもと、日常での正しい姿勢を図に示した。 「立っていても座っていても、正しい姿勢は3つのステップで完成します。まず、【1】背すじを伸ばし、【2】あごを引いて胸を張り、その後、【3】下腹部とお尻の穴に少し力を入れて完成です。下腹部に力を入れる時は最初は排尿を止めるようなイメージで骨盤の下をぎゅっと締め、その力を3割程度に緩めるのがポイントです」(藤縄氏)』、「「肩こりは“日本人特有”の症状で、西洋はおろか東南アジア、中国や韓国でもそのような概念はないようです」、とは初めて知った。「医学的にも定義されているわけではなく、一口に肩こりといっても首、首の付け根、背中、肩甲骨と痛みが出る場所はそれぞれ。痛みの原因となる場所をピンポイントで見極めて、取り除くのはとても難しいことです」、確かに難しそうだ。「正しい姿勢をとっていても、ずっと同じ姿勢でいれば肩こりになります。正しい姿勢をとった上で、例えば1時間ごとにストレッチを挟むといいでしょう」、これなら良さそうだ。
・『五十肩は「安静第一」  藤縄氏は、日常的な肩こりでも見逃せない危険なサインがあるという。 「肩や首まわりが重く感じるだけでなく、腕にしびれが出たり、指に力が入りにくくなる症状があったら病院を受診したほうがいいでしょう。神経が圧迫されている危険なサインです」(同前) 間違った姿勢だけでなく、日常の何気ない動作や癖が肩こりの原因になっていることがある。 「あぐらは、普通にしていても背中が丸くなり悪い姿勢になります。脚を組むのも、側弯と呼ばれる背骨が左右に傾く状態になるので、組まないか、左右をバランスよく組み替えることが大事です。 カバンの持ち方も、左右バランスよく負荷がかかるリュックにするか、肩掛けや手持ちの場合は左右バランスよく入れ替えることが大事です。靴が悪いと腰や下半身の負担にもなるので、クッション性のあるものがお勧めです」(同前) 睡眠時の姿勢も大事で、「枕」が重要になる。 「高すぎず低すぎず、首の部分だけが高くなっている枕がいい。仰向けで寝た時に頭部が水平になり、首を支えて胸にかけて下がっていくラインが理想です。あごが上がってしまうのは、首の部分が高すぎです」(同前) 肩の痛みで気をつけたいのが、「四十肩」や「五十肩」だ。これは肩こりとは別の症状だという。 「肩の関節にある、腕を上げたり捻ったりする際に使われる筋肉(腱板)の損傷により発症します。悪い姿勢で腕を上げるなどして腱板が肩甲骨に引っかかり、炎症を起こすのが四十肩や五十肩の原因のひとつ。肩こりとは違って腱や筋肉の組織が損傷しているので、治療は“安静”が第一。痛みが治まったら、腱板を痛めないような背すじを伸ばした良い姿勢での腕の上げ方を身につけることが必要です」(同前)』、「五十肩」は「肩こりとは違って腱や筋肉の組織が損傷しているので、治療は“安静”が第一。痛みが治まったら、腱板を痛めないような背すじを伸ばした良い姿勢での腕の上げ方を身につけることが必要です」、私もこれには相当長期間苦しめられた。

次に、10月24日付けダイヤモンド・オンラインが掲載した管理栄養士の岡田明子氏による「介護不要な老後を送るのに食べるべきものは?「フレイル予防」の食事術」を紹介しよう。
https://diamond.jp/articles/-/311660
・『いくつになっても健康で、自立した生活を送りたいものです。最近よく言われるようになった「フレイル」という言葉をご存じでしょうか?フレイルとは、高齢者が健康な状態から要介護状態へと変わっていく中間段階のことを指します。今回はいくつになっても健康で自立した生活を送るための、フレイル予防につながる食事術をお伝えしていきます』、「フレイル予防につながる食事術」とは興味深そうだ。
・『フレイルとは「健康な状態と要介護状態の中間」  フレイルは、日本老年医学会が2014年に提唱した概念で、「Frailty(フレイリティ:虚弱)」の日本語訳です。高齢期に体力や気力、認知機能などが低下し、将来介護が必要になる危険性が高くなっている状態を指します。つまり、健康な状態と要介護状態の中間に位置する状態です。 ・最近、体重が減ってきた ・食欲がない ・食べる量が減った  こんな傾向が出てきたら、それは「フレイル」かもしれません。早く気づき、予防をすることで、状態の維持や改善が期待できます』、私の場合、幸い3つに該当する「傾向」は出ていない。
・『フレイル予防のための食事ポイント  (1)3食しっかり取る(食事を1食でも抜いてしまうと、1日に必要なエネルギーを摂ることが難しくなります。 どうしても1日2食になってしまう方や、1食の食事量が少ないという方は、間食にチーズやヨーグルトなど栄養を補える間食を取り入れてみましょう。 (2)主食、主菜、副菜を組み合わせて食べる(・主食(ご飯、パン、麺類など) 炭水化物を多く含み、身体のエネルギーのもとになります。主食を減らしすぎると、満足感が得られず、おかずが増えることで脂質や塩分の摂り過ぎにつながったり、間食が増えることで糖質や脂質の取り過ぎにつながったりしてしまいます。 ・主菜(肉、魚、大豆製品、卵など) たんぱく質を多く含み、体づくりの基礎となります。脂質の少ない赤身の肉や魚などがおすすめです。 ・副菜(野菜、キノコ類、海藻類など) ビタミン、ミネラル、食物繊維を多く含み、身体の調子を整えてくれます。毎食1~2皿は摂るように意識しましょう。) (3)タンパク質をしっかり摂る(年齢とともに、歯のかみ合わせや、咀嚼力、飲み込み力が衰えるため、柔らかい食べ物を好むようになります。特に、肉や魚などのタンパク質の量が減る傾向にありますが、タンパク質の摂取量が減ると、筋肉量が減少しフレイルを招きやすくなります。 高齢者が1日に必要なタンパク質量の目安として、1.0~1.2g×体重(kg)が推奨されています。体重が50kgの人なら1日に50g~60gのタンパク質量が必要です。毎食、片手のひらに乗るくらいの量を食べるように意識しましょう。(タンパク質量の目安 はリンク先参照)』、私の場合、
・『タンパク質を取るための買い置き食品  惣菜や缶詰、レトルト食品、冷凍食品は買い置きしておくと便利。簡単にタンパク質を補うことができます。 肉系:冷凍餃子や焼売、ハンバーグ、焼き鳥缶など 魚系:鯖缶、ツナ缶、魚肉ソーセージなど 大豆系:冷凍がんもどき、大豆水煮缶、豆乳、きな粉など 卵系:冷凍オムレツ、厚焼卵、温泉卵、ゆで卵など)』、私の場合、朝食が果物とチーズ付きトースト1枚に牛乳と、簡素過ぎ、条件(1)を満たしていないと、人間ドックの食事指導で指摘されるが、長年の習慣なので、変えられないのが実情である。
・『合言葉は「さあにぎやか(に)いただく」  同じものばかり食べるのではなく、いろいろな食品をバランスよく取ることも大切です。食品にはさまざまな栄養素が含まれています。多様な食品を組み合わせることで、必要な栄養素をバランスよく摂取することができます。合言葉は「さあにぎやか(に)いただく」 さ:さかな あ:あぶら に:にく ぎ:ぎゅうにゅう(乳製品) や:やさい か:かいそう い:いも た:たまご だ:だいず製品 く:くだもの 参考:東京都健康長寿医療センター研究所  偏った食事が続いたり、食事量が減ったりすると体内機能の低下につながり、動くことがおっくうになったり、転倒しやすくなります。シニアになっても、できるだけ体を動かしたほうがいいのはもちろんですし、転倒してケガをすれば寝たきりになるなどの危険もあります。今のうちから普段の食事を見直して、フレイル予防につなげていきましょう』、私は、毎日散歩0.8-1万歩を天候にかかわらず続けており、「フレイル予防」に努めている。

第三に、10月21日付け日刊ゲンダイ「「沈黙の臓器」腎臓の病気に在宅医療の専門医はどう対峙しているのか?」を紹介しよう。
https://hc.nikkan-gendai.com/articles/278259
・『心筋梗塞、脳梗塞、がんなどという「わかりやすく怖い病気」と比べて、この病気のことはピンとこない人が多い。「慢性腎臓病」は日本人の8人に1人が罹患し、統計上「腎臓病」は死因の第7位である。しかし、これは氷山の一角の数字かもしれない。この病気は自覚のないままに悪化してしまい、腎臓病で命を失う前に、心筋梗塞や脳卒中で命を失うことがあるからだ。そんな慢性腎臓病に在宅医療の専門医はどのように対峙しているのか? 毎年200人の看取りを行う「しろひげ在宅診療所」(東京都江東区)の山中光茂院長に聞いた。 「慢性腎症は糖尿病と関わりがあり、多くの患者さんには身近な病気です。にもかかわらず、この病気に無関心な人が多いのは残念なことです。糖尿病の人は腎臓の機能について検査をしてウオッチすること。また、誰であれ慢性腎症の症状を自覚したらすぐに腎臓病の専門医を受診し、医師やそれを支える管理栄養士に助けを求め、そのアドバイスに従うことが大切です。腎臓の状態に応じた食事やそのための環境づくりは複雑で患者本人や家族だけでフォローするのは困難です」 慢性腎臓病の自覚症状といえば、強度のむくみ、全身の疲労感、夜間の頻尿、心臓への負担増による息苦しさなどが挙げられる。ビールの泡のような尿も慢性腎臓病の症状だ。 「このような症状では、腎臓の糸球体の血管が収縮して毒素を除く濾過機能が下がった状態。血圧が上昇し、貧血が進行していると考えていい」 慢性腎臓病は自覚したときには、すでにかなり進行した状態にある。それなのに、医師などの指導を受けないのは、わざと命を短くしているようなものだ。 「腎臓は『沈黙の臓器』と言われ、よほどのことがないと悲鳴を上げません。しかし、腎臓が働かなければ、尿毒症を起こし命を落としてしまいます。自覚症状がなくても50代を過ぎれば腎臓の機能は落ちていく。その動きを注視するのは健康の要なのです」 実際、在宅診療で「看取り」まで自宅でサポートする場合、腎機能が残された命をカウントする指標のひとつだという。 「慢性腎不全になると、持病の薬も使いにくくなる。薬の多くが腎臓か肝臓で代謝されて体外に排出される。腎機能が弱れば、薬の成分がいつまでも体に残ってしまい、効果が過剰になるだけでなく、副作用で命の危険にもつながります。在宅診療においても、それは同じです」 つまり腎機能が低下すれば薬は「病気を治す」ものではなく、「症状の緩和」「進行抑制」を目的にするしかなくなる。 腎不全の進行は尿検査と血液検査で確認できる。尿のアルブミンの量が過剰なら、腎臓の糸球体に問題があり、腎不全を来している可能性が高い。 「血液検査では『eGFR』という指標を見る必要があります。年齢、性別を考慮したうえで血清クレアチニン値を評価するもので、腎臓にどれだけ老廃物を尿へ排泄する機能があるかを示しています。この値が低いほど腎臓の働きが悪いことになります」』、私の場合、「夜間の頻尿」が該当するが、他の数値は問題なく、人間ドックなどで指摘されたこともないので、大丈夫だろうと勝手に自己診断している。
・『人工透析を選択しない場合は?  腎臓の働きが悪くなれば「人工透析」が必要となる。しかし、透析を選べば、人生におけるそれなりの時間の制約が生まれる。その代わり、それ以外の時間における症状の改善や多少のわがままな食事が許される。透析を選ばなければ食事などの制限を強いられることになる。 「透析の導入は、患者さんが残りの人生をどう暮らすかを選択する一大事です。在宅診療では、『透析導入』により患者さんの全身状態が改善し、余命を伸ばす場合もあります。そのため定期的に採血をし、症状を見ながら透析導入を勧めることもあれば、透析せずに投薬調整により対症療法を続けることもある。選択の指標は、単に『医学的な正しさ』だけでなく、患者さんの人生の充実度の側面が大きいのです」 医師によっては、クレアチニン、eGFRの値だけを見て、「透析適応」と言い切ってしまうが、よくよく考えた方がいいということだ。ちなみに透析を導入しない選択をした場合の生活指導は、塩分と水分の制限、貧血や高血圧などの症状が出たとき症状を緩和する服薬指導となる。 「腎不全では体全体がむくみやすくなり、心臓に負担がかかれば息苦しくなり、腹水で胃を圧迫すれば食欲低下につながります。糖尿病の持病がある方は喉が渇く方も多く、水分制限は在宅の現場でも非常に重要な一方で困難でもあります。その制限が自宅の環境上難しい場合には、週3回の透析で体の水を抜くことで、水分制限や食事制限が緩和され、生活の質が上がる場合もあります」 腎不全は人生の残り時間を考えたうえでの「充実した時間」と、「病気の状態」を考慮した治療法の選択が重要になる。医師は「病気」は診られても、その人の「人生の価値観」は見ることができない。後悔のない選択をするのはあなた自身なのである』、「人工透析」は相当の「時間」がとられるが、「多少のわがままな食事が許される」ようだ。しかし、当然ではあるが、そこに至る前に予防に努めたいものだ。 

第四に、11月3日付け日刊ゲンダイが掲載した赤羽もり内科・腎臓内科院長の森維久郎氏による「日本腎臓学会でも注目の「定期的な運動」 ますはちょっと遠回りの散歩から」を紹介しよう。
https://hc.nikkan-gendai.com/articles/278312
・『腎臓病予防のために重要なのは、定期的な健康診断で自分の腎臓の状態をチェックすること。つまり、腎臓の力が弱っているかどうかを早期発見することが、何より大切なのです。これは腎臓だけではなく他の病気でもいえることですが、「昨年の健康診断は異常なし。今年は受診しなくてもいいか」と考えるのは少しリスキーです。翌年になって数値がガクッと悪くなることもあり得ますから。腎臓のためだけではなく、健康診断は毎年受診して、気をつけるべき点がないかをチェックしましょう。 さて、「赤羽もり内科・腎臓内科」は、クリニック名からおわかりいただけるように、腎臓病・糖尿病に強い生活習慣病クリニックです。患者さんからよく聞かれる質問が「先生、腎臓はなぜ悪くなるのでしょうか」というもの。実はこれ、難しい質問なんですね。というのも、腎臓が悪くなる原因はひとつではなく、複数の要素が複合的に関わっているからなんです。) では、複数の要素にはどんなものがあるのか。代表的なものとして次のような要因が挙げられます。糖尿病、高血圧、加齢、免疫の病気、遺伝の病気、泌尿器科の病気など。 中でも、日本で人工透析が必要になる患者さんの7割程度が、糖尿病や高血圧が原因で腎機能が悪くなっています。 生活習慣病のコントロール不足の結果、慢性腎臓病になるというケースが多い。 つまり、生活習慣病の予防が腎臓病の予防にもつながるともいえるんですね。 生活習慣病にならないようにするためには「定期的な運動」が必要。それはもう多くの方がご存じですよね。実は最近、日本腎臓学会でも運動が非常に注目されています。定期的な運動が、慢性腎臓病の合併症である心臓や脳の病気だけでなく、腎機能を守る可能性もあると報告されており、近年は腎臓リハビリテーションという概念も誕生しています。 運動といっても、何もジムに行ってハードな筋トレをする必要はないですよ。散歩だって立派な運動です。厚生労働省は1日8000歩を推奨しているので、買い物ついでや通勤の行き帰りなどで少し遠回りをするなどして達成するように工夫してみましょう。 そして、運動は習慣化が大切。これから先ずっと毎日続けていく。これこそ、結果として腎臓を守ることにつながるのです』、「腎臓が悪くなる原因はひとつではなく、複数の要素が複合的に関わっている・・・代表的なものとして次のような要因が挙げられます。糖尿病、高血圧、加齢、免疫の病気、遺伝の病気、泌尿器科の病気など」、幸い「糖尿病、高血圧」は該当しない。「最近、日本腎臓学会でも運動が非常に注目されています。定期的な運動が、慢性腎臓病の合併症である心臓や脳の病気だけでなく、腎機能を守る可能性もあると報告されており、近年は腎臓リハビリテーションという概念も誕生しています」、私も毎日の散歩を日課にしているので、続けよう。それにしても、散歩は、その他にも多くの生活習慣病や高齢者うつにも予防効果がある万能薬のようだ。
タグ:健康 (その25)(肩こりは日本人特有 西洋にもアジアにもその概念ナシ 解決のために大事なのは「姿勢」、介護不要な老後を送るのに食べるべきものは?「フレイル予防」の食事術、「沈黙の臓器」腎臓の病気に在宅医療の専門医はどう対峙しているのか?、日本腎臓学会でも注目の「定期的な運動」 ますはちょっと遠回りの散歩から) NEWSポストセブン「肩こりは日本人特有、西洋にもアジアにもその概念ナシ 解決のために大事なのは「姿勢」」 「「肩こりは“日本人特有”の症状で、西洋はおろか東南アジア、中国や韓国でもそのような概念はないようです」、とは初めて知った。「医学的にも定義されているわけではなく、一口に肩こりといっても首、首の付け根、背中、肩甲骨と痛みが出る場所はそれぞれ。痛みの原因となる場所をピンポイントで見極めて、取り除くのはとても難しいことです」、確かに難しそうだ。 「正しい姿勢をとっていても、ずっと同じ姿勢でいれば肩こりになります。正しい姿勢をとった上で、例えば1時間ごとにストレッチを挟むといいでしょう」、これなら良さそうだ。 「五十肩」は「肩こりとは違って腱や筋肉の組織が損傷しているので、治療は“安静”が第一。痛みが治まったら、腱板を痛めないような背すじを伸ばした良い姿勢での腕の上げ方を身につけることが必要です」、私もこれには相当長期間苦しめられた。 ダイヤモンド・オンライン 岡田明子氏による「介護不要な老後を送るのに食べるべきものは?「フレイル予防」の食事術」 「フレイル予防につながる食事術」とは興味深そうだ。 私の場合、幸い3つに該当する「傾向」は出ていない。 私の場合、朝食が果物とチーズ付きトースト1枚に牛乳と、簡素過ぎ、条件(1)を満たしていないと、人間ドックの食事指導で指摘されるが、長年の習慣なので、変えられないのが実情である。 私は、毎日散歩0.8-1万歩を天候にかかわらず続けており、「フレイル予防」に努めている。 日刊ゲンダイ「「沈黙の臓器」腎臓の病気に在宅医療の専門医はどう対峙しているのか?」 私の場合、「夜間の頻尿」が該当するが、他の数値は問題なく、人間ドックなどで指摘されたこともないので、大丈夫だろうと勝手に自己診断している。 「人工透析」は相当の「時間」がとられるが、「多少のわがままな食事が許される」ようだ。しかし、当然ではあるが、そこに至る前に予防に努めたいものだ。 日刊ゲンダイ 森維久郎氏による「日本腎臓学会でも注目の「定期的な運動」 ますはちょっと遠回りの散歩から」 「腎臓が悪くなる原因はひとつではなく、複数の要素が複合的に関わっている・・・代表的なものとして次のような要因が挙げられます。糖尿病、高血圧、加齢、免疫の病気、遺伝の病気、泌尿器科の病気など」、幸い「糖尿病、高血圧」は該当しない。 「最近、日本腎臓学会でも運動が非常に注目されています。定期的な運動が、慢性腎臓病の合併症である心臓や脳の病気だけでなく、腎機能を守る可能性もあると報告されており、近年は腎臓リハビリテーションという概念も誕生しています」、私も毎日の散歩を日課にしているので、続けよう。それにしても、散歩は、その他にも多くの生活習慣病や高齢者うつにも予防効果がある万能薬のようだ。
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