富裕層ビジネス(プライベートバンキング(PB))(その1)(イーロン・マスク、柳井正、孫正義…資産10億ドル超の「最新長者番付」、UBSのレポートで判明した“異変”の正体、1BTC=1000万円超え!「ビットコイン長者」を生んだ暗号資産の光と影をマウントゴックス元CEOが激白、資産100億円の“不動産リッチ”が金融機関に物申す「お役所仕事は止めてくれ!」、銀行&証券の謎のエース社員「プライベートバンカー」の実態、富裕層に愛される“極意”を実名で明かす!) [金融]
富裕層ビジネス(プライベートバンキング(PB))(その1)(イーロン・マスク、柳井正、孫正義…資産10億ドル超の「最新長者番付」、UBSのレポートで判明した“異変”の正体、1BTC=1000万円超え!「ビットコイン長者」を生んだ暗号資産の光と影をマウントゴックス元CEOが激白、銀行&証券の謎のエース社員「プライベートバンカー」の実態、富裕層に愛される“極意”を実名で明かす!)を取上げよう。
先ずは、昨年4月15日付けダイヤモンド・オンライン「イーロン・マスク、柳井正、孫正義…資産10億ドル超の「最新長者番付」、UBSのレポートで判明した“異変”の正体」を紹介しよう。
https://diamond.jp/articles/-/342038
・『保有資産額が10億ドル(約1500億円)を超える「ビリオネア」が世界的に拡大している。好景気や株高が富裕層にさらなる富をもたらし、世界一の富豪は実に35兆円もの資産を保有する。一方で彼らビリオネアに、ある「異変」が起きていることも最新レポートで判明した。特集『富裕層 億万長者の実像』の#1で、その実態を明らかにする』、興味深そうだ。
・『資産1500億円超のビリオネアは過去最多2781人、15兆円の大富豪も! 富める者はさらに富む。富裕層への富の集中は止まらない。そんな現実が浮き彫りになった。 米誌フォーブスが4月2日に発表した2024年版の世界長者番付によれば、保有資産額が10億ドル(約1500億円)を超える「ビリオネア」は、前年比で141人増えて過去最多の2781人に達した。 保有資産額が1000億ドル(約15兆円)以上の数も、過去最多の14人を数える。その14人の資産総額は2兆ドル(約300兆円)に上り、日本の国家予算規模に相当する。 一方、そんな億万長者たちの“異変”も最新レポートで明らかになってきた。利に聡い金融関係者らも、そんな異変を嗅ぎ取り、商機をつかもうとしている。 そんな億万長者は一体どのような人物たちなのか。そして、そこにどんな異変が生じているのか。次ページで明らかにする』、「億万長者たちの“異変”」とはなかでも興味深そうだ。
・『フォーブスが発表した24年版の長者番付で、2年連続で世界一の富豪と認定されたのが、仏LVMHのベルナール・アルノー最高経営責任者(CEO)だ。 LVMHは傘下に「ルイ・ヴィトン」や「ティファニー」などの高級ブランドを持つ。コロナ禍が終焉し、人々の旺盛な消費欲に支えられ、23年12月期の売上高は過去最高を記録。大株主であるアルノー氏の資産額も、前年から220億ドル増えて推定2330億ドル(約35兆3000億円)に達した。 2位は米電気自動車(EV)大手テスラCEOのイーロン・マスク氏、3位は米アマゾン・ドット・コム創業者のジェフ・ベゾス氏と、おなじみの顔触れだ。マスク氏はツイッター(現X)の買収や宇宙開発事業にも乗り出し、その勢いがとどまることはない。 4位以下の米メタCEOのマーク・ザッカーバーグ氏や米オラクル創業者のラリー・エリソン氏、米バークシャー・ハサウェイ会長のウォーレン・バフェット氏らも、近年の株高で自らの資産を増やした形だ。世界のビリオネアの3分の2は、前年から資産を増やしたという。(図表:米誌フォーブスの2024年世界長者番付 はリンク先参照) 日本の富豪たちの顔触れはどうか。日本人トップのファーストリテイリング会長兼社長、柳井正氏は資産428億ドルの29位、ソフトバンクグループ会長兼社長の孫正義氏は327億ドルで51位だった。番付にランクインした日本人ビリオネアは、いずれも大企業のオーナーやその一族だ。 スイスの金融大手UBSグループの最新レポートによれば、日本人のビリオネアは38人で世界14位。ビリオネアが最も多いのは米国の751人、2位が中国の520人、3位がインドの153人だった。 (図表:2023年のビリオネア数ランキング はリンク先参照) 一方、UBSのレポートは興味深いデータを示している。23年4月までの1年間で「相続」によって新たに登場したビリオネアの資産額が、起業など「自ら蓄積」したビリオネアの資産額を初めて上回ったのだ。 資産の継承者は世界に53人存在し、資産額の合計は1508億ドル。これに対してビリオネアとなった起業家の数は84人で1407億ドルだ。 これは次世代への資産移転が始まっていることを意味する。UBSは今後20~30年で1000人以上のビリオネアが総額5兆2000億ドルの資産を次世代に引き継ぐと予想する。 (図表:ビリオネアの新たな資金源 はリンク先参照) この“富の大移動”は、金融機関にとって商機となる。 三井住友フィナンシャルグループで資産20億円超の顧客を担当するウェルスマネジメント統括部ブライベートウェルスグループの千崎隆史グループ長は、超富裕層には「四つの顔」があると指摘する。 経営者の顔、株主の顔、資産家の顔、そして家族の顔だ。それぞれの「顔」が金融機関に求めるニーズは異なる。 例えば経営者や株主としては、事業戦略や資本政策といった金融機関の法人ビジネスの領域となる。一方で資産家や家族としては、節税や相続など個人ビジネスの領域だ。従来、金融機関は法人部門と個人部門に分かれ、それぞれの部隊が別に動いていた。メガバンクや大手証券会社は近年、これを一体的に運用する体制整備を加速させている。千崎氏は「銀行、証券、信託といったグループの総合力がこれまで以上に問われている」と話す。 現代アートやプライベートジェットの購入、子どもの海外留学など、富裕層の関心は多岐にわたり、社会や環境へのポジティブなインパクトの創出を狙ったインパクト投資や慈善事業への関心も近年高まっているという。長者番付7位の米マイクロソフト創業者、ビル・ゲイツが数兆円規模の寄付を行っているが、そうした世界的な富豪の振る舞いも影響を及ぼしていそうだ。 一方、富の大移転が進む中、UBSの調査では創業者と子や孫との間でギャップが生じていることも明らかになった。実際に資産を承継した世代の57%は、ファミリービジネスに関わらないことを選び、創業者世代の58%が、必要な教育、経験を承継者に植え付けることを最大の課題の一つと考えているという。 実際、大塚家具や大王製紙グループ、天馬など、ファミリー内の対立が企業の分裂騒動となった例は近年多い。創業世代が引退し、継承世代との経営理念の違いが生じたり、株式の分散などで“お家騒動”は勃発しやすい。 そこでファミリーガバナンスやファミリー憲章などの確立が必要になる。ファミリー総会やファミリー評議会の運営を支援し、紛争を避けるために家族間のコミュニケーションを円滑にするサービスも、金融機関は手掛けている。 東京証券取引所の上場維持基準が厳格化されたこともあり、自社株を買い取って上場廃止を選ぶオーナー企業も増えている。コーポレートガバナンス(企業統治)改革で株主の声が強まったこともオーナーにとっては悩みの種だ。デジタル化や事業環境の変化で、オーナーが金融機関に相談する機会はこれまで以上に増えるだろう。 一方、金融機関からすれば、手数料が安いオンライン取引の普及や商品のコモディティ化により、マス層向けの対面ビジネスの収益環境は悪化の一途をたどる。ならばサービスに付加価値を付け、富裕層から手数料を取るしかない。 法人融資や証券主幹事といった“接点”は異なるが、オーナー経営者個人にいかに食い込むかというリングで銀行と証券が激突するのは必至だ。本特集でその舞台裏に迫る。 Key Visual by Noriyo Shinoda, Graphic by Kaoru Kurata)』、「23年4月までの1年間で「相続」によって新たに登場したビリオネアの資産額が、起業など「自ら蓄積」したビリオネアの資産額を初めて上回ったのだ。 資産の継承者は世界に53人存在し、資産額の合計は1508億ドル。これに対してビリオネアとなった起業家の数は84人で1407億ドルだ。 これは次世代への資産移転が始まっていることを意味する。UBSは今後20~30年で1000人以上のビリオネアが総額5兆2000億ドルの資産を次世代に引き継ぐと予想する・・・創業者世代の58%が、必要な教育、経験を承継者に植え付けることを最大の課題の一つと考えているという。 実際、大塚家具や大王製紙グループ、天馬など、ファミリー内の対立が企業の分裂騒動となった例は近年多い。創業世代が引退し、継承世代との経営理念の違いが生じたり、株式の分散などで“お家騒動”は勃発しやすい。 そこでファミリーガバナンスやファミリー憲章などの確立が必要になる。ファミリー総会やファミリー評議会の運営を支援し、紛争を避けるために家族間のコミュニケーションを円滑にするサービスも、金融機関は手掛けている・・・サービスに付加価値を付け、富裕層から手数料を取るしかない。 法人融資や証券主幹事といった“接点”は異なるが、オーナー経営者個人にいかに食い込むかというリングで銀行と証券が激突するのは必至だ。本特集でその舞台裏に迫る」、なるほど。
次に、4月17日付けダイヤモンド・オンライン「1BTC=1000万円超え!「ビットコイン長者」を生んだ暗号資産の光と影をマウントゴックス元CEOが激白 マルク・カルプレス・元マウントゴックス最高経営責任者インタビュー」を紹介しよう。
https://diamond.jp/articles/-/342039
・『2014年にビットコイン消失事件を起こし、経営破綻した暗号資産取引所マウントゴックスの元最高経営責任者、マルク・カルプレス氏がダイヤモンド編集部の取材に応じた。この10年間、ビットコインは多くの人々を富裕層に変え、今年3月にはついに1ビットコイン=1000万円を突破した。そのビットコインに半生を翻弄された男は今、何を思うのか。特集『富裕層 億万長者の実像』の#2は、カルプレス氏の独占インタビューをお届けする』、「カルプレス氏」の顔を久しぶりに見たが、余り変わってなようだ。
・『イーロン・マスク氏ら世界の富豪も大量保有 人々を魅了し続けるビットコインの正体 マルク・カルプレス氏は1985年、フランス中東部のディジョンに生まれた。子どもの頃、漫画『幽☆遊☆白書』を読み、「えたいの知れない世界観」と日本の日常に憧れた。 幼少期からコンピューターにも興味を持ち、3歳からプログラミングを始めた。15歳の頃、友人やインターネットで知り合った人たちとサーバーホスティング事業を立ち上げ、18歳でゲーム会社に入社。1年半ほど就業した後、個人でエンジニアの仕事を多数請け負った。20歳で大手情報通信サービス会社に入社し、研究開発副部長として決済関連業務を担当する。 日本を観光で訪れるようになったのはその頃からだ。ゲストハウスなどに泊まって長期滞在し、「自分の思った通り、日本は良い国」と心から思った。 そして2009年、日本移住を決めた。日本でサーバーホスティング事業の会社を設立し、元の勤め先を通じてフランスから仕事を受ける形でほそぼそと生活していた。 コンピューターと日本のアニメが好きな、そんなフランス人青年の人生を一変させたのが、当時誕生したばかりの暗号資産(仮想通貨)ビットコイン(BTC)だ。 08年に「サトシ・ナカモト」名で出された白書を基に開発され、初めて決済が行われた際の価値は、ピザ2枚に対して1万BTC。BTC/円レートは1BTC=約0.2円程度だった。 その後価格の乱高下を繰り返しながら、今年3月5日、史上初めて1BTC=1000万円を突破した。この値上がりで莫大な利益を手にした者は多く、米企業家のイーロン・マスク氏ら世界的な富豪も大量保有する。BTCは人々を魅了し続ける「夢と希望」の象徴だ。 11年に仮想通貨取引所マウントゴックスの運営を始めたカルプレス氏がBTC黎明期に見たのは、将来の値上がりを予想して流入した、驚愕の富裕層マネーだ。だが14年、当時のレートで230億円相当のBTCが突然消える事件を起こし、後に自身が逮捕されることになる。 仮想通貨の「光と影」を誰よりも知る男が、事件の舞台裏を明かした。カルプレス氏の証言を次ページで全公開する。
・『米国人から無料で譲り受けた取引所 運営2年で顧客が500倍に急成長 Q:大量のBTCが盗まれた14年の「マウントゴックス事件」から10年が過ぎました。この10年間、どう過ごしていたのですか。 A:この10年を説明するには、まずは破産の原因を説明した方がいいと思います。 マウントゴックスの運営を始めたのが11年。当時、BTCはほとんど知られておらず、お客さんは2000人程度でした。しかしわずか3カ月で6万人、2年後に100万人という、普通の会社ではあり得ないスピードで急成長した。 しかし14年2月、お客さんから預かっていたBTCの大部分が突然消失し、破産せざるを得ない状況になってしまいました。 当時から犯人はハッカーに違いないと思っていましたが、誰に、どうやって盗まれたのかは全く分かりませんでした。自分で調べはしたのですが、破産の手続きもあって進まず、事件の約1年半後、私は逮捕されました。 その刑事裁判が始まった17年にロシア人のハッカーが逮捕され、やはりBTCが盗まれたことをようやく証明できるようになりました。横領などの容疑は地裁で無罪判決が下され、検察もそれに対して控訴しませんでした。 私の中で最大の課題は、債権者への分配でした。事件後、20万BTCは盗まれずに残っていたのですが、その現在の価値が約1000億円となったため、債権者に全額返せる状態になったのです。10年前から続く破産手続きがようやく解決しそうな状況です。 Q:事件を振り返り、反省すべき点は何ですか。 A:やはり事業として急成長し過ぎた。お金が関わる事業なので、セキュリティー面を含めて自分1人でいろいろとやっていたんですが、成長のスピードに追い付けませんでした。急に海外送金が増え、銀行の担当者から「怖いので他の銀行に預けてくれませんか」と言われたくらいです。事業を任せられる信頼できる人がいれば、もうちょっとうまくできたと思います。 マウントゴックスを11年に買収した当時、自分の会社の売り上げはギリギリ家賃を払えるぐらいで、生活はかなりきつい状況でした。ある人物から「マウントゴックスを買収しませんか」というオファーがあったのですが、もちろん全くお金がないので「難しい」と返したら、「お金は要らない」と言われたんです。 でも契約書には「マウントゴックスの元所有者は責任を一切負わない」という趣旨のことが書かれ、負債もあった。“うまい話には裏がある”ことを学びました。 Q:誰にオファーされたのですか。 A:ジェド・マケーレブという米国人です。 Q:なぜお知り合いに。 A:当時のBTC業界はごく少数の技術者くらいしかおらず、自分もその技術に興味があり理解もできたから、開発を手伝ったりしていたんです。マウントゴックスをつくったジェドさんの手伝いもしていました。 (図表:マウントゴックス事件の経緯 はリンク先参照) Q:マウントゴックスの運営を始めた当時はどんなお客さんが多かったですか。 A:最初はやはり技術者だけだったのですが、11年4月に米「タイム」誌で初めてBTCが取り上げられ、それで一気に投資目的のお客さんが増えました。 多くが外国人で、日本人はほとんどいませんでした。破産したときのお客さんの約4割は米国人、約3割がヨーロッパの人、日本人は2%程度でした。 最初の大口のお客さんは今でも覚えています。米国人の医者です。11年に5000万円相当のBTCを一気に買った。当時は1BTCが5ドル程度です。 おそらくタイム誌の記事を読んだのでしょう。でも当時としては実態のよく分からない仮想通貨を、日本に住んでいるよく分からないフランス人から買ったんです(笑)。 これには正直、私自身が驚きました。個人から5000万円のお金が一気に入ったのは初めてだったので異常だと思い、マネーロンダリング(資金洗浄)を疑ったくらいです。でも調べてみたら、ちゃんとした医者だと分かりました。 Q:やはり富裕層は情報をキャッチし、瞬時に投資判断する能力が違うんですね。 A:そうですね。ファミリーオフィスと契約している富裕層も多いと思いますが、ファミリーオフィスではリスクの高い商品に投資する責任を取れない。本人が「ビットコインって面白そうだから買ってみよう」と思えるかどうかだったと思います。5000万円の投資が、今は1万倍以上の価値になっているわけです。 Q:「ビットコイン長者」という言葉もありますが、BTCでもうけて富裕層入りした人も多い。同じ状況が今後も続くと思いますか。 A:BTC価格はみんなの夢と希望で成り立つので、みんなが夢と希望を持っていれば価値は上がる。でもやはり値動きは激しいので、もうかる人もいれば損する人もいることを知ってほしい。これから「ビットコイン長者」になれるかは保証できません(笑)。 知人にお勧めしているのは、例えばBTC価格が購入時から3倍になったとします。そこで3分の1を売る。いったん元手を取り戻したら、後は上がっても下がっても落ち着いて判断できるでしょう。 Q:最近も米暗号資産取引所のFTXが破産しており、流出事件もたびたび起きています。資産としての安全性はどうなのでしょうか。 A:技術としてはまだまだ歴史が浅いのですが、お客さんにリスクを負わせない規制やルール作りが進んでいます。FTXの場合も日本国内の顧客に対しては、早い段階で返金された。 ただマウントゴックスの運営当時は、そうしたレギュレーションがまだなかったんです。当時、私は何度も当局とやりとりしましたが、金融庁も「ビットコインって何ですか?」という感じでした。現在のようなレギュレーションができたのは、マウントゴックスの破産のおかげともいえますね。 Q:ハッキングを防ぐことはできないですか。 A:マウントゴックスも当然、さまざまなレイヤーでセキュリティーをかけていたんですが、どうやって侵入したのか分かりませんでした。逮捕されたロシア人の裁判はこれから始まるので現時点では仮説にすぎませんが、私なりの結論はサーバーへの物理的なアクセスです。 BTCはサーバーで保管されていたんですが、当時はデータセンターを造れるほどの予算もなかったので、普通に場所を借りてサーバーを置いていた。そこに第三者がアクセスし、サーバーにあったデータを直接盗んだのではないかと考えています。 Q:第三者がどうやってアクセスできるんですか。 A:普通はできませんが、協力者がいた可能性はあるとみています。 Q:アクセスした記録は残っているのですか。 A:アクセスしようとした記録はありますが、少なくともアクセスできたという記録はない。ただ当時、ハードディスクを抜かれた記録はある。 Q:今回はロシア人が逮捕されましたが、北朝鮮関係のハッキングも多いと聞きます。 (マルク・カルプレス/1985年、フランス生まれ。20歳でTelechargement.FR(現Nexway SA)に開発者として入社。2009年に日本に移住し、株式会社TIBANNE設立。11年にマウントゴックスのビットコイン事業を譲り受け、最高経営責任者に。14年にハッキングに遭い、破綻。15年に私電磁的記録不正作出・同供用および業務上横領などの容疑で逮捕されたが、19年3月に事実上の無罪判決を勝ち取る。趣味はアップルパイ作り。日本のアニメや漫画に造詣が深く、「アニメソムリエ」の異名を持つ。) ハッキングの多くは北朝鮮関係でしょう。インターネットを通じて世界のどこからでも攻撃できる。北朝鮮の場合は基本的に中国経由で接続しているので特定もできない。北朝鮮や中国からハッキングされたら諦めざるを得ない。 今もリスクはゼロではないですね。だから取引所は保険をかけてハッキングされても補償できるように備えている。今の技術をもってしても、BTCは一度盗まれたら取り戻せません。 Q:BTCに関するビジネスはもうやらないんですか。 A:19年に新しい会社を設立しました。IT関係のリサーチや研究開発を業務とするカルプレス研究所です。 Q:個人的にBTCを持っていますか。 A:マウントゴックスに置いていたので全て持っていかれました(笑)。責任者でしたから債権もなし。残ったBTCの価値は債権総額を上回りましたが、私は1円も受け取りません。 Q:今も日本は好きですか。 A:日本は好きです。いろいろありましたが、それでも日本にいるのは日本が好きだからだと思います。 今はAI(人工知能)に関心があり、開発をやってみたい。決済や金融関係の依頼も受けていますので、そちらでも面白いことがまだまだできると思っています。 Key Visual by Noriyo Shinoda, Graphic by Kaoru Kurata)』、「破産したときのお客さんの約4割は米国人、約3割がヨーロッパの人、日本人は2%程度でした・・・インターネットを通じて世界のどこからでも攻撃できる。北朝鮮の場合は基本的に中国経由で接続しているので特定もできない。北朝鮮や中国からハッキングされたら諦めざるを得ない。 今もリスクはゼロではないですね。だから取引所は保険をかけてハッキングされても補償できるように備えている。今の技術をもってしても、BTCは一度盗まれたら取り戻せません・・・私なりの結論はサーバーへの物理的なアクセスです。 BTCはサーバーで保管されていたんですが、当時はデータセンターを造れるほどの予算もなかったので、普通に場所を借りてサーバーを置いていた。そこに第三者がアクセスし、サーバーにあったデータを直接盗んだのではないかと考えています。 Q:第三者がどうやってアクセスできるんですか。 A:普通はできませんが、協力者がいた可能性はあるとみています。 Q:アクセスした記録は残っているのですか。 A:アクセスしようとした記録はありますが、少なくともアクセスできたという記録はない。ただ当時、ハードディスクを抜かれた記録はある」、なるほど。
第三に、4月22日付けダイヤモンド・オンライン「銀行&証券の謎のエース社員「プライベートバンカー」の実態、富裕層に愛される“極意”を実名で明かす!」を紹介しよう。
https://diamond.jp/articles/-/342041
・『メガバンクや大手証券には、「プライベートバンカー」と呼ばれる社員が在籍する。富裕層の資産管理やファミリーの悩みまで聞く秘匿性の高い業務を担うが故に、その実態は謎に包まれている。特集『富裕層 億万長者の実像』の#4では、メガバンクの現役プライベートバンカーに取材し、その正体に迫った』、「プライベートバンカーに取材し、その正体に迫った」、興味深そうだ。
・『「異動もなく社内で見掛けない」!? 謎多きプライベートバンカーの正体 「10年以上の長期在籍もザラで、銀行外の人脈が豊富。社内で見掛けることはほとんどないが、たまに驚くような大きなディール(取引)を持ってくる」 メガバンクで大企業を担当する法人部門の男性社員がそう語るのは、社内のプライベートバンカーについてである。金融機関は通常、法人部門やリテール部門に分かれ、企業や個人に金融サービスの提供を行っているが、プライベートバンカーはどちらにも所属していない。 一般的には2~3年で異動を繰り返す銀行員にあって、プライベートバンカーは10年を超えて異動しない者も珍しくない。メガバンクのプライベートバンカーは、資産規模がおおむね20億円を超える企業オーナーら超富裕層やその一族を担当し、1人当たり200人程度の顧客を抱えているとみられる。 プライベートバンカーは、銀行や証券会社の社員の誰もがなれるわけではない。営業で社内表彰を受けた成績優秀者らが選抜されることが多い。優秀なプライベートバンカーは、巨額の資産運用やM&A(企業の合併・買収)などの大型案件を顧客から任され、それが金融機関の収益に直結する。 だからこそ金融機関は、えりすぐりのエースをプライベートバンキング部門に送り込む。有能でなければ富裕層に愛想を尽かされ、おいしい案件にあずかれないどころか「出禁」になることもある。 富裕層ビジネスにシフトし始めた大手金融機関は今、プライベートバンカーの拡充や質の向上に注力している。では、彼らは一体どんな資質の持ち主で、どうすれば優秀なプライベートバンカーになれるのか。あるメガバンクでプライベートバンカー歴10年以上のキャリアを持つ「猛者」たちに直撃し、その正体を探った』、「金融機関は通常、法人部門やリテール部門に分かれ、企業や個人に金融サービスの提供を行っているが、プライベートバンカーはどちらにも所属していない。 一般的には2~3年で異動を繰り返す銀行員にあって、プライベートバンカーは10年を超えて異動しない者も珍しくない・・・プライベートバンカーは、銀行や証券会社の社員の誰もがなれるわけではない。営業で社内表彰を受けた成績優秀者らが選抜されることが多い。優秀なプライベートバンカーは、巨額の資産運用やM&A(企業の合併・買収)などの大型案件を顧客から任され、それが金融機関の収益に直結する。 だからこそ金融機関は、えりすぐりのエースをプライベートバンキング部門に送り込む。有能でなければ富裕層に愛想を尽かされ、おいしい案件にあずかれないどころか「出禁」になることもある」、「有能でなければ・・・「出禁」になることもある」とは厳しい世界だ。
・『富裕層の横で提案を聞く 重要な素質は「人間性」 日本の富裕層は、自社株や不動産が資産の大半を占める企業オーナーが多く、相続税や贈与税などが高いという日本独自の税制もある。1990年代以降、米国のシティバンクやメリルリンチなど外資系プライベートバンクの日本参入が相次いだが、その多くは撤退した。 「欧米型のプライベートバンキングをそのまま持ち込むのではなく、日本の富裕層に合わせたプライベートバンカーが必要。みずほ銀行はそれに気付き、運用のプロだけではなく、法人営業の経験がある人もプライベートバンキング部門に集めた。私もその一人でした」 そう語るのは、みずほ銀行ウェルスアドバイザリー部でシニア・プライベートバンカーの資格を持つ松山綾乃さんだ。同行には松山さんら約50人のプライベートバンカーが在籍している。 2007年入行の松山さんは、当初プライベートバンカーを希望していたわけではなかった。最初に配属された市ヶ谷支店(千代田区)、次の異動先の荏原支店(品川区)では、法人営業で中小企業などの決済や融資業務などを行っていた。 その中で営業先のオーナー社長が、事業についてだけでなく個人の相続や運用に関する悩みを抱えていることを知った。だが当時の松山さんには融資業務以外の経験がなく、ただ聞くだけしかできなかった。 富裕層に「時間を割く価値がある」(松山さん)と思ってもらうには、法人業務だけでなく、証券や信託に関するあらゆるスキームや法律、会計、税務といった知識も必要だ。松山さんは自ら手を挙げて関係部署での研修を受けるなどしてスキルを磨いた。 ちょうどその頃、みずほ銀行の超富裕層を担当するウェルスマーケティング部(現ウェルスアドバイザリー部)で法人営業の経験がある人材を増やしていたこともあり、松山さんは「2年間の戦略人事」として同部に配属された。そこでプライベートバンカーとなり、12年目のキャリアだ。 法人営業時代、松山さんは富裕層の顧客に運用商品やサービスを提案する際、テーブルを挟んで向かい側に座っていた。だが、今は顧客の横に座り、金融機関の提案を顧客側で聞くことが多い。提案者がみずほグループの同僚であっても、だ。 「お客さまの目線で提案を聞き、お客さまのためになるアドバイスを行う。高難度の案件について一緒にソリューションを検討できるようになり、やりがいを感じている」(松山さん)。オーナー社長から直接相談されるほど信頼関係を築き、事業承継後も世代を超えて富裕層ファミリーを担当することもあるという。 (松山綾乃さんのプロフィール 松山さんと同じくウェルスアドバイザリー部に所属する筒井博貴さんは06年、みずほ銀行FC(フィナンシャルコンサルタント)コースの第1期生として入行。八尾支店(大阪府八尾市)で中小企業オーナーの運用・承継コンサルティングを行い、成績優秀者として関西役員表彰を受賞した。 入行当時からプライベートバンカーを志望し、社内のジョブ公募制度を利用して08年にみずほ証券のプライベートバンキング部に着任。以来、企業経営者の運用・承継コンサルティングなどを行っている。 筒井さんは、プライベートバンカーをオーケストラの指揮者に例える。観客である顧客やその一族に対し、銀行、証券、信託など自社グループの機能を発揮し、心地よい音楽を奏でる。演奏者の数は多ければ多いほど良いが、タクトを振るタイミングを誤れば不協和音となり、観客に不快感を与えてしまう。 「自ら会社を創業した歴戦のオーナー社長に、金融機関の都合で軽はずみなことを言ったらすぐに見抜かれる。プライベートバンカーに重要な素質は人間性。お客さまの横に常にいられる存在でありたい」と筒井さんは言う。 (筒井博貴さんのプロフィール プライベートバンカーとして10年以上のキャリアを持つ筒井さんや松山さんが、10年前と比べて明らかに変わったと感じることがある。 それは事業の再構築や資本政策について真剣に考えるオーナー社長が増えたことだ。筒井さんは「DX(デジタルトランスフォーメーション)やサプライチェーンの再構築など外部環境の変化への対応や、新規事業の探索も欠かせない。株主対応やガバナンスも、オーナー社長にとって重要度が高まっている」と語る。 今、業界再編や経営陣による買収(MBO)などが増えている。オーナー社長がプライベートバンカーにふと漏らした一言が、それらの大型案件につながった例も多い。裏を返せば、そこにいない金融機関は案件に絡めない。 メガバンクだけでなく、野村ホールディングスや大和証券グループ本社、外資系証券が、富裕層ビジネスに注力しているのはそのためだ。野村は4月1日、「営業部門」を「ウェルス・マネジメント部門」に改称し、富裕層に対応するパートナー数を3200人から4800人に増員。大和も同日、「リテール部門」を「ウェルスマネジメント部門」に改称し、コンサルティングを軸とした資産管理型ビジネスに注力する姿勢を社内外に打ち出している。 金融取引のオンライン化が普及し、対面ビジネスのモデル転換を迫られている。証券業界ではSBI証券や楽天証券が株式売買手数料の無料化に踏み切り、マス層の取り込みを加速させている。金融商品もインデックス投資信託などコモディティ化し、差別化は難しい。 (図表:金融各社のポジション変動イメージ はリンク先参照) 対面金融が生き残るためには、顧客に応じて商品やサービスをカスタマイズし、高付加価値化していくしかない。そこに対価を支払ってくれる富裕層の心をいかにつかむかが、対面金融の生き残りの条件となる。 富裕層争奪戦は激化する。その勝負の趨勢は、戦いの最前線に立つプライベートバンカーの腕に懸かっていると言っても過言ではない。 Key Visual by Noriyo Shinoda, Graphic by Kaoru Kurata』、「富裕層に「時間を割く価値がある」(松山さん)と思ってもらうには、法人業務だけでなく、証券や信託に関するあらゆるスキームや法律、会計、税務といった知識も必要だ。松山さんは自ら手を挙げて関係部署での研修を受けるなどしてスキルを磨いた。 ちょうどその頃、みずほ銀行の超富裕層を担当するウェルスマーケティング部(現ウェルスアドバイザリー部)で法人営業の経験がある人材を増やしていたこともあり、松山さんは「2年間の戦略人事」として同部に配属された。そこでプライベートバンカーとなり、12年目のキャリアだ。 法人営業時代、松山さんは富裕層の顧客に運用商品やサービスを提案する際、テーブルを挟んで向かい側に座っていた。だが、今は顧客の横に座り、金融機関の提案を顧客側で聞くことが多い。提案者がみずほグループの同僚であっても、だ。 「お客さまの目線で提案を聞き、お客さまのためになるアドバイスを行う。高難度の案件について一緒にソリューションを検討できるようになり、やりがいを感じている」(松山さん)・・・対面金融が生き残るためには、顧客に応じて商品やサービスをカスタマイズし、高付加価値化していくしかない。そこに対価を支払ってくれる富裕層の心をいかにつかむかが、対面金融の生き残りの条件となる。 富裕層争奪戦は激化する。その勝負の趨勢は、戦いの最前線に立つプライベートバンカーの腕に懸かっていると言っても過言ではない」、確かにその通りだ。
先ずは、昨年4月15日付けダイヤモンド・オンライン「イーロン・マスク、柳井正、孫正義…資産10億ドル超の「最新長者番付」、UBSのレポートで判明した“異変”の正体」を紹介しよう。
https://diamond.jp/articles/-/342038
・『保有資産額が10億ドル(約1500億円)を超える「ビリオネア」が世界的に拡大している。好景気や株高が富裕層にさらなる富をもたらし、世界一の富豪は実に35兆円もの資産を保有する。一方で彼らビリオネアに、ある「異変」が起きていることも最新レポートで判明した。特集『富裕層 億万長者の実像』の#1で、その実態を明らかにする』、興味深そうだ。
・『資産1500億円超のビリオネアは過去最多2781人、15兆円の大富豪も! 富める者はさらに富む。富裕層への富の集中は止まらない。そんな現実が浮き彫りになった。 米誌フォーブスが4月2日に発表した2024年版の世界長者番付によれば、保有資産額が10億ドル(約1500億円)を超える「ビリオネア」は、前年比で141人増えて過去最多の2781人に達した。 保有資産額が1000億ドル(約15兆円)以上の数も、過去最多の14人を数える。その14人の資産総額は2兆ドル(約300兆円)に上り、日本の国家予算規模に相当する。 一方、そんな億万長者たちの“異変”も最新レポートで明らかになってきた。利に聡い金融関係者らも、そんな異変を嗅ぎ取り、商機をつかもうとしている。 そんな億万長者は一体どのような人物たちなのか。そして、そこにどんな異変が生じているのか。次ページで明らかにする』、「億万長者たちの“異変”」とはなかでも興味深そうだ。
・『フォーブスが発表した24年版の長者番付で、2年連続で世界一の富豪と認定されたのが、仏LVMHのベルナール・アルノー最高経営責任者(CEO)だ。 LVMHは傘下に「ルイ・ヴィトン」や「ティファニー」などの高級ブランドを持つ。コロナ禍が終焉し、人々の旺盛な消費欲に支えられ、23年12月期の売上高は過去最高を記録。大株主であるアルノー氏の資産額も、前年から220億ドル増えて推定2330億ドル(約35兆3000億円)に達した。 2位は米電気自動車(EV)大手テスラCEOのイーロン・マスク氏、3位は米アマゾン・ドット・コム創業者のジェフ・ベゾス氏と、おなじみの顔触れだ。マスク氏はツイッター(現X)の買収や宇宙開発事業にも乗り出し、その勢いがとどまることはない。 4位以下の米メタCEOのマーク・ザッカーバーグ氏や米オラクル創業者のラリー・エリソン氏、米バークシャー・ハサウェイ会長のウォーレン・バフェット氏らも、近年の株高で自らの資産を増やした形だ。世界のビリオネアの3分の2は、前年から資産を増やしたという。(図表:米誌フォーブスの2024年世界長者番付 はリンク先参照) 日本の富豪たちの顔触れはどうか。日本人トップのファーストリテイリング会長兼社長、柳井正氏は資産428億ドルの29位、ソフトバンクグループ会長兼社長の孫正義氏は327億ドルで51位だった。番付にランクインした日本人ビリオネアは、いずれも大企業のオーナーやその一族だ。 スイスの金融大手UBSグループの最新レポートによれば、日本人のビリオネアは38人で世界14位。ビリオネアが最も多いのは米国の751人、2位が中国の520人、3位がインドの153人だった。 (図表:2023年のビリオネア数ランキング はリンク先参照) 一方、UBSのレポートは興味深いデータを示している。23年4月までの1年間で「相続」によって新たに登場したビリオネアの資産額が、起業など「自ら蓄積」したビリオネアの資産額を初めて上回ったのだ。 資産の継承者は世界に53人存在し、資産額の合計は1508億ドル。これに対してビリオネアとなった起業家の数は84人で1407億ドルだ。 これは次世代への資産移転が始まっていることを意味する。UBSは今後20~30年で1000人以上のビリオネアが総額5兆2000億ドルの資産を次世代に引き継ぐと予想する。 (図表:ビリオネアの新たな資金源 はリンク先参照) この“富の大移動”は、金融機関にとって商機となる。 三井住友フィナンシャルグループで資産20億円超の顧客を担当するウェルスマネジメント統括部ブライベートウェルスグループの千崎隆史グループ長は、超富裕層には「四つの顔」があると指摘する。 経営者の顔、株主の顔、資産家の顔、そして家族の顔だ。それぞれの「顔」が金融機関に求めるニーズは異なる。 例えば経営者や株主としては、事業戦略や資本政策といった金融機関の法人ビジネスの領域となる。一方で資産家や家族としては、節税や相続など個人ビジネスの領域だ。従来、金融機関は法人部門と個人部門に分かれ、それぞれの部隊が別に動いていた。メガバンクや大手証券会社は近年、これを一体的に運用する体制整備を加速させている。千崎氏は「銀行、証券、信託といったグループの総合力がこれまで以上に問われている」と話す。 現代アートやプライベートジェットの購入、子どもの海外留学など、富裕層の関心は多岐にわたり、社会や環境へのポジティブなインパクトの創出を狙ったインパクト投資や慈善事業への関心も近年高まっているという。長者番付7位の米マイクロソフト創業者、ビル・ゲイツが数兆円規模の寄付を行っているが、そうした世界的な富豪の振る舞いも影響を及ぼしていそうだ。 一方、富の大移転が進む中、UBSの調査では創業者と子や孫との間でギャップが生じていることも明らかになった。実際に資産を承継した世代の57%は、ファミリービジネスに関わらないことを選び、創業者世代の58%が、必要な教育、経験を承継者に植え付けることを最大の課題の一つと考えているという。 実際、大塚家具や大王製紙グループ、天馬など、ファミリー内の対立が企業の分裂騒動となった例は近年多い。創業世代が引退し、継承世代との経営理念の違いが生じたり、株式の分散などで“お家騒動”は勃発しやすい。 そこでファミリーガバナンスやファミリー憲章などの確立が必要になる。ファミリー総会やファミリー評議会の運営を支援し、紛争を避けるために家族間のコミュニケーションを円滑にするサービスも、金融機関は手掛けている。 東京証券取引所の上場維持基準が厳格化されたこともあり、自社株を買い取って上場廃止を選ぶオーナー企業も増えている。コーポレートガバナンス(企業統治)改革で株主の声が強まったこともオーナーにとっては悩みの種だ。デジタル化や事業環境の変化で、オーナーが金融機関に相談する機会はこれまで以上に増えるだろう。 一方、金融機関からすれば、手数料が安いオンライン取引の普及や商品のコモディティ化により、マス層向けの対面ビジネスの収益環境は悪化の一途をたどる。ならばサービスに付加価値を付け、富裕層から手数料を取るしかない。 法人融資や証券主幹事といった“接点”は異なるが、オーナー経営者個人にいかに食い込むかというリングで銀行と証券が激突するのは必至だ。本特集でその舞台裏に迫る。 Key Visual by Noriyo Shinoda, Graphic by Kaoru Kurata)』、「23年4月までの1年間で「相続」によって新たに登場したビリオネアの資産額が、起業など「自ら蓄積」したビリオネアの資産額を初めて上回ったのだ。 資産の継承者は世界に53人存在し、資産額の合計は1508億ドル。これに対してビリオネアとなった起業家の数は84人で1407億ドルだ。 これは次世代への資産移転が始まっていることを意味する。UBSは今後20~30年で1000人以上のビリオネアが総額5兆2000億ドルの資産を次世代に引き継ぐと予想する・・・創業者世代の58%が、必要な教育、経験を承継者に植え付けることを最大の課題の一つと考えているという。 実際、大塚家具や大王製紙グループ、天馬など、ファミリー内の対立が企業の分裂騒動となった例は近年多い。創業世代が引退し、継承世代との経営理念の違いが生じたり、株式の分散などで“お家騒動”は勃発しやすい。 そこでファミリーガバナンスやファミリー憲章などの確立が必要になる。ファミリー総会やファミリー評議会の運営を支援し、紛争を避けるために家族間のコミュニケーションを円滑にするサービスも、金融機関は手掛けている・・・サービスに付加価値を付け、富裕層から手数料を取るしかない。 法人融資や証券主幹事といった“接点”は異なるが、オーナー経営者個人にいかに食い込むかというリングで銀行と証券が激突するのは必至だ。本特集でその舞台裏に迫る」、なるほど。
次に、4月17日付けダイヤモンド・オンライン「1BTC=1000万円超え!「ビットコイン長者」を生んだ暗号資産の光と影をマウントゴックス元CEOが激白 マルク・カルプレス・元マウントゴックス最高経営責任者インタビュー」を紹介しよう。
https://diamond.jp/articles/-/342039
・『2014年にビットコイン消失事件を起こし、経営破綻した暗号資産取引所マウントゴックスの元最高経営責任者、マルク・カルプレス氏がダイヤモンド編集部の取材に応じた。この10年間、ビットコインは多くの人々を富裕層に変え、今年3月にはついに1ビットコイン=1000万円を突破した。そのビットコインに半生を翻弄された男は今、何を思うのか。特集『富裕層 億万長者の実像』の#2は、カルプレス氏の独占インタビューをお届けする』、「カルプレス氏」の顔を久しぶりに見たが、余り変わってなようだ。
・『イーロン・マスク氏ら世界の富豪も大量保有 人々を魅了し続けるビットコインの正体 マルク・カルプレス氏は1985年、フランス中東部のディジョンに生まれた。子どもの頃、漫画『幽☆遊☆白書』を読み、「えたいの知れない世界観」と日本の日常に憧れた。 幼少期からコンピューターにも興味を持ち、3歳からプログラミングを始めた。15歳の頃、友人やインターネットで知り合った人たちとサーバーホスティング事業を立ち上げ、18歳でゲーム会社に入社。1年半ほど就業した後、個人でエンジニアの仕事を多数請け負った。20歳で大手情報通信サービス会社に入社し、研究開発副部長として決済関連業務を担当する。 日本を観光で訪れるようになったのはその頃からだ。ゲストハウスなどに泊まって長期滞在し、「自分の思った通り、日本は良い国」と心から思った。 そして2009年、日本移住を決めた。日本でサーバーホスティング事業の会社を設立し、元の勤め先を通じてフランスから仕事を受ける形でほそぼそと生活していた。 コンピューターと日本のアニメが好きな、そんなフランス人青年の人生を一変させたのが、当時誕生したばかりの暗号資産(仮想通貨)ビットコイン(BTC)だ。 08年に「サトシ・ナカモト」名で出された白書を基に開発され、初めて決済が行われた際の価値は、ピザ2枚に対して1万BTC。BTC/円レートは1BTC=約0.2円程度だった。 その後価格の乱高下を繰り返しながら、今年3月5日、史上初めて1BTC=1000万円を突破した。この値上がりで莫大な利益を手にした者は多く、米企業家のイーロン・マスク氏ら世界的な富豪も大量保有する。BTCは人々を魅了し続ける「夢と希望」の象徴だ。 11年に仮想通貨取引所マウントゴックスの運営を始めたカルプレス氏がBTC黎明期に見たのは、将来の値上がりを予想して流入した、驚愕の富裕層マネーだ。だが14年、当時のレートで230億円相当のBTCが突然消える事件を起こし、後に自身が逮捕されることになる。 仮想通貨の「光と影」を誰よりも知る男が、事件の舞台裏を明かした。カルプレス氏の証言を次ページで全公開する。
・『米国人から無料で譲り受けた取引所 運営2年で顧客が500倍に急成長 Q:大量のBTCが盗まれた14年の「マウントゴックス事件」から10年が過ぎました。この10年間、どう過ごしていたのですか。 A:この10年を説明するには、まずは破産の原因を説明した方がいいと思います。 マウントゴックスの運営を始めたのが11年。当時、BTCはほとんど知られておらず、お客さんは2000人程度でした。しかしわずか3カ月で6万人、2年後に100万人という、普通の会社ではあり得ないスピードで急成長した。 しかし14年2月、お客さんから預かっていたBTCの大部分が突然消失し、破産せざるを得ない状況になってしまいました。 当時から犯人はハッカーに違いないと思っていましたが、誰に、どうやって盗まれたのかは全く分かりませんでした。自分で調べはしたのですが、破産の手続きもあって進まず、事件の約1年半後、私は逮捕されました。 その刑事裁判が始まった17年にロシア人のハッカーが逮捕され、やはりBTCが盗まれたことをようやく証明できるようになりました。横領などの容疑は地裁で無罪判決が下され、検察もそれに対して控訴しませんでした。 私の中で最大の課題は、債権者への分配でした。事件後、20万BTCは盗まれずに残っていたのですが、その現在の価値が約1000億円となったため、債権者に全額返せる状態になったのです。10年前から続く破産手続きがようやく解決しそうな状況です。 Q:事件を振り返り、反省すべき点は何ですか。 A:やはり事業として急成長し過ぎた。お金が関わる事業なので、セキュリティー面を含めて自分1人でいろいろとやっていたんですが、成長のスピードに追い付けませんでした。急に海外送金が増え、銀行の担当者から「怖いので他の銀行に預けてくれませんか」と言われたくらいです。事業を任せられる信頼できる人がいれば、もうちょっとうまくできたと思います。 マウントゴックスを11年に買収した当時、自分の会社の売り上げはギリギリ家賃を払えるぐらいで、生活はかなりきつい状況でした。ある人物から「マウントゴックスを買収しませんか」というオファーがあったのですが、もちろん全くお金がないので「難しい」と返したら、「お金は要らない」と言われたんです。 でも契約書には「マウントゴックスの元所有者は責任を一切負わない」という趣旨のことが書かれ、負債もあった。“うまい話には裏がある”ことを学びました。 Q:誰にオファーされたのですか。 A:ジェド・マケーレブという米国人です。 Q:なぜお知り合いに。 A:当時のBTC業界はごく少数の技術者くらいしかおらず、自分もその技術に興味があり理解もできたから、開発を手伝ったりしていたんです。マウントゴックスをつくったジェドさんの手伝いもしていました。 (図表:マウントゴックス事件の経緯 はリンク先参照) Q:マウントゴックスの運営を始めた当時はどんなお客さんが多かったですか。 A:最初はやはり技術者だけだったのですが、11年4月に米「タイム」誌で初めてBTCが取り上げられ、それで一気に投資目的のお客さんが増えました。 多くが外国人で、日本人はほとんどいませんでした。破産したときのお客さんの約4割は米国人、約3割がヨーロッパの人、日本人は2%程度でした。 最初の大口のお客さんは今でも覚えています。米国人の医者です。11年に5000万円相当のBTCを一気に買った。当時は1BTCが5ドル程度です。 おそらくタイム誌の記事を読んだのでしょう。でも当時としては実態のよく分からない仮想通貨を、日本に住んでいるよく分からないフランス人から買ったんです(笑)。 これには正直、私自身が驚きました。個人から5000万円のお金が一気に入ったのは初めてだったので異常だと思い、マネーロンダリング(資金洗浄)を疑ったくらいです。でも調べてみたら、ちゃんとした医者だと分かりました。 Q:やはり富裕層は情報をキャッチし、瞬時に投資判断する能力が違うんですね。 A:そうですね。ファミリーオフィスと契約している富裕層も多いと思いますが、ファミリーオフィスではリスクの高い商品に投資する責任を取れない。本人が「ビットコインって面白そうだから買ってみよう」と思えるかどうかだったと思います。5000万円の投資が、今は1万倍以上の価値になっているわけです。 Q:「ビットコイン長者」という言葉もありますが、BTCでもうけて富裕層入りした人も多い。同じ状況が今後も続くと思いますか。 A:BTC価格はみんなの夢と希望で成り立つので、みんなが夢と希望を持っていれば価値は上がる。でもやはり値動きは激しいので、もうかる人もいれば損する人もいることを知ってほしい。これから「ビットコイン長者」になれるかは保証できません(笑)。 知人にお勧めしているのは、例えばBTC価格が購入時から3倍になったとします。そこで3分の1を売る。いったん元手を取り戻したら、後は上がっても下がっても落ち着いて判断できるでしょう。 Q:最近も米暗号資産取引所のFTXが破産しており、流出事件もたびたび起きています。資産としての安全性はどうなのでしょうか。 A:技術としてはまだまだ歴史が浅いのですが、お客さんにリスクを負わせない規制やルール作りが進んでいます。FTXの場合も日本国内の顧客に対しては、早い段階で返金された。 ただマウントゴックスの運営当時は、そうしたレギュレーションがまだなかったんです。当時、私は何度も当局とやりとりしましたが、金融庁も「ビットコインって何ですか?」という感じでした。現在のようなレギュレーションができたのは、マウントゴックスの破産のおかげともいえますね。 Q:ハッキングを防ぐことはできないですか。 A:マウントゴックスも当然、さまざまなレイヤーでセキュリティーをかけていたんですが、どうやって侵入したのか分かりませんでした。逮捕されたロシア人の裁判はこれから始まるので現時点では仮説にすぎませんが、私なりの結論はサーバーへの物理的なアクセスです。 BTCはサーバーで保管されていたんですが、当時はデータセンターを造れるほどの予算もなかったので、普通に場所を借りてサーバーを置いていた。そこに第三者がアクセスし、サーバーにあったデータを直接盗んだのではないかと考えています。 Q:第三者がどうやってアクセスできるんですか。 A:普通はできませんが、協力者がいた可能性はあるとみています。 Q:アクセスした記録は残っているのですか。 A:アクセスしようとした記録はありますが、少なくともアクセスできたという記録はない。ただ当時、ハードディスクを抜かれた記録はある。 Q:今回はロシア人が逮捕されましたが、北朝鮮関係のハッキングも多いと聞きます。 (マルク・カルプレス/1985年、フランス生まれ。20歳でTelechargement.FR(現Nexway SA)に開発者として入社。2009年に日本に移住し、株式会社TIBANNE設立。11年にマウントゴックスのビットコイン事業を譲り受け、最高経営責任者に。14年にハッキングに遭い、破綻。15年に私電磁的記録不正作出・同供用および業務上横領などの容疑で逮捕されたが、19年3月に事実上の無罪判決を勝ち取る。趣味はアップルパイ作り。日本のアニメや漫画に造詣が深く、「アニメソムリエ」の異名を持つ。) ハッキングの多くは北朝鮮関係でしょう。インターネットを通じて世界のどこからでも攻撃できる。北朝鮮の場合は基本的に中国経由で接続しているので特定もできない。北朝鮮や中国からハッキングされたら諦めざるを得ない。 今もリスクはゼロではないですね。だから取引所は保険をかけてハッキングされても補償できるように備えている。今の技術をもってしても、BTCは一度盗まれたら取り戻せません。 Q:BTCに関するビジネスはもうやらないんですか。 A:19年に新しい会社を設立しました。IT関係のリサーチや研究開発を業務とするカルプレス研究所です。 Q:個人的にBTCを持っていますか。 A:マウントゴックスに置いていたので全て持っていかれました(笑)。責任者でしたから債権もなし。残ったBTCの価値は債権総額を上回りましたが、私は1円も受け取りません。 Q:今も日本は好きですか。 A:日本は好きです。いろいろありましたが、それでも日本にいるのは日本が好きだからだと思います。 今はAI(人工知能)に関心があり、開発をやってみたい。決済や金融関係の依頼も受けていますので、そちらでも面白いことがまだまだできると思っています。 Key Visual by Noriyo Shinoda, Graphic by Kaoru Kurata)』、「破産したときのお客さんの約4割は米国人、約3割がヨーロッパの人、日本人は2%程度でした・・・インターネットを通じて世界のどこからでも攻撃できる。北朝鮮の場合は基本的に中国経由で接続しているので特定もできない。北朝鮮や中国からハッキングされたら諦めざるを得ない。 今もリスクはゼロではないですね。だから取引所は保険をかけてハッキングされても補償できるように備えている。今の技術をもってしても、BTCは一度盗まれたら取り戻せません・・・私なりの結論はサーバーへの物理的なアクセスです。 BTCはサーバーで保管されていたんですが、当時はデータセンターを造れるほどの予算もなかったので、普通に場所を借りてサーバーを置いていた。そこに第三者がアクセスし、サーバーにあったデータを直接盗んだのではないかと考えています。 Q:第三者がどうやってアクセスできるんですか。 A:普通はできませんが、協力者がいた可能性はあるとみています。 Q:アクセスした記録は残っているのですか。 A:アクセスしようとした記録はありますが、少なくともアクセスできたという記録はない。ただ当時、ハードディスクを抜かれた記録はある」、なるほど。
第三に、4月22日付けダイヤモンド・オンライン「銀行&証券の謎のエース社員「プライベートバンカー」の実態、富裕層に愛される“極意”を実名で明かす!」を紹介しよう。
https://diamond.jp/articles/-/342041
・『メガバンクや大手証券には、「プライベートバンカー」と呼ばれる社員が在籍する。富裕層の資産管理やファミリーの悩みまで聞く秘匿性の高い業務を担うが故に、その実態は謎に包まれている。特集『富裕層 億万長者の実像』の#4では、メガバンクの現役プライベートバンカーに取材し、その正体に迫った』、「プライベートバンカーに取材し、その正体に迫った」、興味深そうだ。
・『「異動もなく社内で見掛けない」!? 謎多きプライベートバンカーの正体 「10年以上の長期在籍もザラで、銀行外の人脈が豊富。社内で見掛けることはほとんどないが、たまに驚くような大きなディール(取引)を持ってくる」 メガバンクで大企業を担当する法人部門の男性社員がそう語るのは、社内のプライベートバンカーについてである。金融機関は通常、法人部門やリテール部門に分かれ、企業や個人に金融サービスの提供を行っているが、プライベートバンカーはどちらにも所属していない。 一般的には2~3年で異動を繰り返す銀行員にあって、プライベートバンカーは10年を超えて異動しない者も珍しくない。メガバンクのプライベートバンカーは、資産規模がおおむね20億円を超える企業オーナーら超富裕層やその一族を担当し、1人当たり200人程度の顧客を抱えているとみられる。 プライベートバンカーは、銀行や証券会社の社員の誰もがなれるわけではない。営業で社内表彰を受けた成績優秀者らが選抜されることが多い。優秀なプライベートバンカーは、巨額の資産運用やM&A(企業の合併・買収)などの大型案件を顧客から任され、それが金融機関の収益に直結する。 だからこそ金融機関は、えりすぐりのエースをプライベートバンキング部門に送り込む。有能でなければ富裕層に愛想を尽かされ、おいしい案件にあずかれないどころか「出禁」になることもある。 富裕層ビジネスにシフトし始めた大手金融機関は今、プライベートバンカーの拡充や質の向上に注力している。では、彼らは一体どんな資質の持ち主で、どうすれば優秀なプライベートバンカーになれるのか。あるメガバンクでプライベートバンカー歴10年以上のキャリアを持つ「猛者」たちに直撃し、その正体を探った』、「金融機関は通常、法人部門やリテール部門に分かれ、企業や個人に金融サービスの提供を行っているが、プライベートバンカーはどちらにも所属していない。 一般的には2~3年で異動を繰り返す銀行員にあって、プライベートバンカーは10年を超えて異動しない者も珍しくない・・・プライベートバンカーは、銀行や証券会社の社員の誰もがなれるわけではない。営業で社内表彰を受けた成績優秀者らが選抜されることが多い。優秀なプライベートバンカーは、巨額の資産運用やM&A(企業の合併・買収)などの大型案件を顧客から任され、それが金融機関の収益に直結する。 だからこそ金融機関は、えりすぐりのエースをプライベートバンキング部門に送り込む。有能でなければ富裕層に愛想を尽かされ、おいしい案件にあずかれないどころか「出禁」になることもある」、「有能でなければ・・・「出禁」になることもある」とは厳しい世界だ。
・『富裕層の横で提案を聞く 重要な素質は「人間性」 日本の富裕層は、自社株や不動産が資産の大半を占める企業オーナーが多く、相続税や贈与税などが高いという日本独自の税制もある。1990年代以降、米国のシティバンクやメリルリンチなど外資系プライベートバンクの日本参入が相次いだが、その多くは撤退した。 「欧米型のプライベートバンキングをそのまま持ち込むのではなく、日本の富裕層に合わせたプライベートバンカーが必要。みずほ銀行はそれに気付き、運用のプロだけではなく、法人営業の経験がある人もプライベートバンキング部門に集めた。私もその一人でした」 そう語るのは、みずほ銀行ウェルスアドバイザリー部でシニア・プライベートバンカーの資格を持つ松山綾乃さんだ。同行には松山さんら約50人のプライベートバンカーが在籍している。 2007年入行の松山さんは、当初プライベートバンカーを希望していたわけではなかった。最初に配属された市ヶ谷支店(千代田区)、次の異動先の荏原支店(品川区)では、法人営業で中小企業などの決済や融資業務などを行っていた。 その中で営業先のオーナー社長が、事業についてだけでなく個人の相続や運用に関する悩みを抱えていることを知った。だが当時の松山さんには融資業務以外の経験がなく、ただ聞くだけしかできなかった。 富裕層に「時間を割く価値がある」(松山さん)と思ってもらうには、法人業務だけでなく、証券や信託に関するあらゆるスキームや法律、会計、税務といった知識も必要だ。松山さんは自ら手を挙げて関係部署での研修を受けるなどしてスキルを磨いた。 ちょうどその頃、みずほ銀行の超富裕層を担当するウェルスマーケティング部(現ウェルスアドバイザリー部)で法人営業の経験がある人材を増やしていたこともあり、松山さんは「2年間の戦略人事」として同部に配属された。そこでプライベートバンカーとなり、12年目のキャリアだ。 法人営業時代、松山さんは富裕層の顧客に運用商品やサービスを提案する際、テーブルを挟んで向かい側に座っていた。だが、今は顧客の横に座り、金融機関の提案を顧客側で聞くことが多い。提案者がみずほグループの同僚であっても、だ。 「お客さまの目線で提案を聞き、お客さまのためになるアドバイスを行う。高難度の案件について一緒にソリューションを検討できるようになり、やりがいを感じている」(松山さん)。オーナー社長から直接相談されるほど信頼関係を築き、事業承継後も世代を超えて富裕層ファミリーを担当することもあるという。 (松山綾乃さんのプロフィール 松山さんと同じくウェルスアドバイザリー部に所属する筒井博貴さんは06年、みずほ銀行FC(フィナンシャルコンサルタント)コースの第1期生として入行。八尾支店(大阪府八尾市)で中小企業オーナーの運用・承継コンサルティングを行い、成績優秀者として関西役員表彰を受賞した。 入行当時からプライベートバンカーを志望し、社内のジョブ公募制度を利用して08年にみずほ証券のプライベートバンキング部に着任。以来、企業経営者の運用・承継コンサルティングなどを行っている。 筒井さんは、プライベートバンカーをオーケストラの指揮者に例える。観客である顧客やその一族に対し、銀行、証券、信託など自社グループの機能を発揮し、心地よい音楽を奏でる。演奏者の数は多ければ多いほど良いが、タクトを振るタイミングを誤れば不協和音となり、観客に不快感を与えてしまう。 「自ら会社を創業した歴戦のオーナー社長に、金融機関の都合で軽はずみなことを言ったらすぐに見抜かれる。プライベートバンカーに重要な素質は人間性。お客さまの横に常にいられる存在でありたい」と筒井さんは言う。 (筒井博貴さんのプロフィール プライベートバンカーとして10年以上のキャリアを持つ筒井さんや松山さんが、10年前と比べて明らかに変わったと感じることがある。 それは事業の再構築や資本政策について真剣に考えるオーナー社長が増えたことだ。筒井さんは「DX(デジタルトランスフォーメーション)やサプライチェーンの再構築など外部環境の変化への対応や、新規事業の探索も欠かせない。株主対応やガバナンスも、オーナー社長にとって重要度が高まっている」と語る。 今、業界再編や経営陣による買収(MBO)などが増えている。オーナー社長がプライベートバンカーにふと漏らした一言が、それらの大型案件につながった例も多い。裏を返せば、そこにいない金融機関は案件に絡めない。 メガバンクだけでなく、野村ホールディングスや大和証券グループ本社、外資系証券が、富裕層ビジネスに注力しているのはそのためだ。野村は4月1日、「営業部門」を「ウェルス・マネジメント部門」に改称し、富裕層に対応するパートナー数を3200人から4800人に増員。大和も同日、「リテール部門」を「ウェルスマネジメント部門」に改称し、コンサルティングを軸とした資産管理型ビジネスに注力する姿勢を社内外に打ち出している。 金融取引のオンライン化が普及し、対面ビジネスのモデル転換を迫られている。証券業界ではSBI証券や楽天証券が株式売買手数料の無料化に踏み切り、マス層の取り込みを加速させている。金融商品もインデックス投資信託などコモディティ化し、差別化は難しい。 (図表:金融各社のポジション変動イメージ はリンク先参照) 対面金融が生き残るためには、顧客に応じて商品やサービスをカスタマイズし、高付加価値化していくしかない。そこに対価を支払ってくれる富裕層の心をいかにつかむかが、対面金融の生き残りの条件となる。 富裕層争奪戦は激化する。その勝負の趨勢は、戦いの最前線に立つプライベートバンカーの腕に懸かっていると言っても過言ではない。 Key Visual by Noriyo Shinoda, Graphic by Kaoru Kurata』、「富裕層に「時間を割く価値がある」(松山さん)と思ってもらうには、法人業務だけでなく、証券や信託に関するあらゆるスキームや法律、会計、税務といった知識も必要だ。松山さんは自ら手を挙げて関係部署での研修を受けるなどしてスキルを磨いた。 ちょうどその頃、みずほ銀行の超富裕層を担当するウェルスマーケティング部(現ウェルスアドバイザリー部)で法人営業の経験がある人材を増やしていたこともあり、松山さんは「2年間の戦略人事」として同部に配属された。そこでプライベートバンカーとなり、12年目のキャリアだ。 法人営業時代、松山さんは富裕層の顧客に運用商品やサービスを提案する際、テーブルを挟んで向かい側に座っていた。だが、今は顧客の横に座り、金融機関の提案を顧客側で聞くことが多い。提案者がみずほグループの同僚であっても、だ。 「お客さまの目線で提案を聞き、お客さまのためになるアドバイスを行う。高難度の案件について一緒にソリューションを検討できるようになり、やりがいを感じている」(松山さん)・・・対面金融が生き残るためには、顧客に応じて商品やサービスをカスタマイズし、高付加価値化していくしかない。そこに対価を支払ってくれる富裕層の心をいかにつかむかが、対面金融の生き残りの条件となる。 富裕層争奪戦は激化する。その勝負の趨勢は、戦いの最前線に立つプライベートバンカーの腕に懸かっていると言っても過言ではない」、確かにその通りだ。
タグ:ダイヤモンド・オンライン「イーロン・マスク、柳井正、孫正義…資産10億ドル超の「最新長者番付」、UBSのレポートで判明した“異変”の正体」 (その1)(イーロン・マスク、柳井正、孫正義…資産10億ドル超の「最新長者番付」、UBSのレポートで判明した“異変”の正体、1BTC=1000万円超え!「ビットコイン長者」を生んだ暗号資産の光と影をマウントゴックス元CEOが激白、資産100億円の“不動産リッチ”が金融機関に物申す「お役所仕事は止めてくれ!」、銀行&証券の謎のエース社員「プライベートバンカー」の実態、富裕層に愛される“極意”を実名で明かす!) を最大の課題の一つと考えているという。 実際、大塚家具や大王製紙グループ、天馬など、ファミリー内の対立が企業の分裂騒動となった例は近年多い。創業世代が引退し、継承世代との経営理念の違いが生じたり、株式の分散などで“お家騒動”は勃発しやすい。 そこでファミリーガバナンスやファミリー憲章などの確立が必要になる。ファミリー総会やファミリー評議会の運営を支援し、紛争を避けるために家族間のコミュニケーションを円滑にするサービスも、金融機関は手掛けている・・・ 「カルプレス氏」の顔を久しぶりに見たが、余り変わってなようだ。 ダイヤモンド・オンライン「1BTC=1000万円超え!「ビットコイン長者」を生んだ暗号資産の光と影をマウントゴックス元CEOが激白 マルク・カルプレス・元マウントゴックス最高経営責任者インタビュー」 サービスに付加価値を付け、富裕層から手数料を取るしかない。 法人融資や証券主幹事といった“接点”は異なるが、オーナー経営者個人にいかに食い込むかというリングで銀行と証券が激突するのは必至だ。本特集でその舞台裏に迫る」、なるほど。 私なりの結論はサーバーへの物理的なアクセスです。 BTCはサーバーで保管されていたんですが、当時はデータセンターを造れるほどの予算もなかったので、普通に場所を借りてサーバーを置いていた。そこに第三者がアクセスし、サーバーにあったデータを直接盗んだのではないかと考えています。 Q:第三者がどうやってアクセスできるんですか。 A:普通はできませんが、協力者がいた可能性はあるとみています。 「破産したときのお客さんの約4割は米国人、約3割がヨーロッパの人、日本人は2%程度でした・・・インターネットを通じて世界のどこからでも攻撃できる。北朝鮮の場合は基本的に中国経由で接続しているので特定もできない。北朝鮮や中国からハッキングされたら諦めざるを得ない。 今もリスクはゼロではないですね。だから取引所は保険をかけてハッキングされても補償できるように備えている。今の技術をもってしても、BTCは一度盗まれたら取り戻せません・・・ 「プライベートバンカーに取材し、その正体に迫った」、興味深そうだ。 ダイヤモンド・オンライン「銀行&証券の謎のエース社員「プライベートバンカー」の実態、富裕層に愛される“極意”を実名で明かす!」 Q:アクセスした記録は残っているのですか。 A:アクセスしようとした記録はありますが、少なくともアクセスできたという記録はない。ただ当時、ハードディスクを抜かれた記録はある」、なるほど。 「23年4月までの1年間で「相続」によって新たに登場したビリオネアの資産額が、起業など「自ら蓄積」したビリオネアの資産額を初めて上回ったのだ。 資産の継承者は世界に53人存在し、資産額の合計は1508億ドル。これに対してビリオネアとなった起業家の数は84人で1407億ドルだ。 これは次世代への資産移転が始まっていることを意味する。UBSは今後20~30年で1000人以上のビリオネアが総額5兆2000億ドルの資産を次世代に引き継ぐと予想する・・・創業者世代の58%が、必要な教育、経験を承継者に植え付けること 「億万長者たちの“異変”」とはなかでも興味深そうだ。 「富裕層に「時間を割く価値がある」(松山さん)と思ってもらうには、法人業務だけでなく、証券や信託に関するあらゆるスキームや法律、会計、税務といった知識も必要だ。松山さんは自ら手を挙げて関係部署での研修を受けるなどしてスキルを磨いた。 ちょうどその頃、みずほ銀行の超富裕層を担当するウェルスマーケティング部(現ウェルスアドバイザリー部)で法人営業の経験がある人材を増やしていたこともあり、松山さんは「2年間の戦略人事」として同部に配属された。そこでプライベートバンカーとなり、12年目のキャリアだ。 ってくれる富裕層の心をいかにつかむかが、対面金融の生き残りの条件となる。 富裕層争奪戦は激化する。その勝負の趨勢は、戦いの最前線に立つプライベートバンカーの腕に懸かっていると言っても過言ではない」、確かにその通りだ。 優秀なプライベートバンカーは、巨額の資産運用やM&A(企業の合併・買収)などの大型案件を顧客から任され、それが金融機関の収益に直結する。 だからこそ金融機関は、えりすぐりのエースをプライベートバンキング部門に送り込む。有能でなければ富裕層に愛想を尽かされ、おいしい案件にあずかれないどころか「出禁」になることもある」、「有能でなければ・・・「出禁」になることもある」とは厳しい世界だ。 「金融機関は通常、法人部門やリテール部門に分かれ、企業や個人に金融サービスの提供を行っているが、プライベートバンカーはどちらにも所属していない。 一般的には2~3年で異動を繰り返す銀行員にあって、プライベートバンカーは10年を超えて異動しない者も珍しくない・・・プライベートバンカーは、銀行や証券会社の社員の誰もがなれるわけではない。営業で社内表彰を受けた成績優秀者らが選抜されることが多い。 法人営業時代、松山さんは富裕層の顧客に運用商品やサービスを提案する際、テーブルを挟んで向かい側に座っていた。だが、今は顧客の横に座り、金融機関の提案を顧客側で聞くことが多い。提案者がみずほグループの同僚であっても、だ。 「お客さまの目線で提案を聞き、お客さまのためになるアドバイスを行う。高難度の案件について一緒にソリューションを検討できるようになり、やりがいを感じている」(松山さん)・・・対面金融が生き残るためには、顧客に応じて商品やサービスをカスタマイズし、高付加価値化していくしかない。そこに対価を支払 富裕層ビジネス(プライベートバンキング(PB))
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