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機能性表示食品制度(その5)(「製薬会社とは名ばかりの“アイデア商品屋”」「開発責任者にすら生薬の知識がない」 紅麹問題で揺れる小林製薬の“儲け重視”の企業体質、「機能性表示食品」の良し悪しをきっちり理解する…生物学者・福岡伸一さんに聞いた、これでは まるで「ザル制度」…!じつは 「科学的根拠が貧弱すぎ」の機能性表示食品 制度そのものがヤバすぎた「衝撃の真実」) [社会]

機能性表示食品制度については、本年4月1日に取上げた。今日は、(その5)(「製薬会社とは名ばかりの“アイデア商品屋”」「開発責任者にすら生薬の知識がない」 紅麹問題で揺れる小林製薬の“儲け重視”の企業体質、「機能性表示食品」の良し悪しをきっちり理解する…生物学者・福岡伸一さんに聞いた、これでは まるで「ザル制度」…!じつは 「科学的根拠が貧弱すぎ」の機能性表示食品 制度そのものがヤバすぎた「衝撃の真実」)である。

先ずは、本年4月3日付けデイリー新潮「「製薬会社とは名ばかりの“アイデア商品屋”」「開発責任者にすら生薬の知識がない」 紅麹問題で揺れる小林製薬の“儲け重視”の企業体質」を紹介しよう。
https://www.dailyshincho.jp/article/2024/04031131/?all=1
・『「製薬会社とは名ばかりの“アイデア商品屋”」  小林製薬が作った紅麹成分入りサプリメントを摂取した人に健康被害が相次いでおり、すでに5名もの死者が確認されている。内情を知る関係者らは、甚大な被害を生み出した背景にあるのは、“儲け重視”の企業体質だ、と指摘する。それは一体――。 小林製薬は偶然、運悪く事件を起こしてしまったわけではないのではないか。大惨事が起きた背景にある特異な企業体質について、同社関係者はこう明かす。 「そもそも、小林製薬は社名に“製薬”と銘打っていますが、処方箋が必要な医療用医薬品を取り扱っていません。商品はすべて薬局などで買える一般用医薬品か健康食品、または日用品の類です。製薬会社とは名ばかりで、本当の姿はケチさと目ざとさにかけては天下一品の小林一雅会長(84)が率いてきた、“アイデア商品屋”なのです」 1919年に設立された同社は、6代にわたって創業家の小林家が経営してきた。かつては薬品の卸売りが主力事業だったが、現代表取締役会長の一雅氏が60年代以降、アイデア商法路線に舵を切り数々の商品をヒットさせて会社を拡大し現在の礎を築いた。 「甲南大経済学部を卒業して62年に入社した一雅さんは自らのアイデアで、69年にトイレ洗浄剤のブルーレットを、75年にはトイレ芳香剤のサワデーを発売して成功させました。まだ日本のトイレの多くがくみ取り式だった64年、アメリカを旅行した時に見た水洗トイレの清潔さや芳香剤の爽やかな香りが、イメージの原点になったと」(同) 75年には、肩こりに効く鎮痛消炎剤の容器を横に曲げ、商品名をアンメルツヨコヨコとして、これもメガヒットに導いたという。76年に4代目社長に就任して以降も、冷却ジェルシートの熱さまシートや洗眼薬のアイボンなど数多くのアイデア商品を、ユニークなネーミングと共に世に送り出していった』、「処方箋が必要な医療用医薬品を取り扱っていません。商品はすべて薬局などで買える一般用医薬品か健康食品、または日用品の類です。製薬会社とは名ばかりで、本当の姿はケチさと目ざとさにかけては天下一品の小林一雅会長(84)が率いてきた、“アイデア商品屋”なのです」、本当に「製薬会社とは名ばかりで、本当の姿は・・・“アイデア商品屋”なのです」、「“アイデア商品屋”」とは言い得て妙だ。
・『「プロジェクトマネージャーですら生薬の基礎的知識を持ち合わせていなかった」  小林製薬は、儲けを重視し過ぎるあまりに疑念の目を向けられることもあった。さる製薬会社関係者は声を潜めてこう語る。 「開発部門に薬理作用の知識のある人間が少な過ぎるんです。10年ほど前は特にひどくて、脂肪を落とすナイシトールという漢方薬のシリーズがあるのですが、プロジェクトマネージャーですら生薬の基礎的知識を持ち合わせていませんでした。漢方の主な原材料は天然由来の生薬ですが、副作用などのリスクがないわけではない。ずさん過ぎる会社の体制に唖然とした記憶があります」 もちろん、開発部門がこの調子だったことでお客様相談室のスタッフも、 「最低限必要な知識すら有していませんでした。だから、顧客からの問い合わせに対して“漢方だから安全ですよ”などと誤った内容の“珍回答”を繰り返していたのです」(同)』、「プロジェクトマネージャーですら生薬の基礎的知識を持ち合わせていませんでした」、到底、製薬会社とは思えないような驚きの事実だ。
・『被験者の身長を故意に低く記録  薬に対するいい加減な姿勢は、2013年に発覚した不祥事からもうかがい知ることができる。それは小林製薬にとって市販薬とはいえ初めての治験が必要な医薬品として、肥満症改善薬を開発していた時に起きた。 「治験の現場でコーディネーターが小林製薬の要望に応じるために、被験者5人の身長を故意に低く記録したのです。データ改ざんが明らかになった後、小林製薬は治験支援を請け負った企業に損害補償を求める方針を発表するなど自らが被害者である旨を強調しましたが、傍目には無理筋でした。治験に求められるレベルがさほど高くない一般用医薬品とはいえ、初めての試みでいきなりこのような雑な過ちが露呈してしまうなんてあり得ない」(同) この治験では、実施した医療機関の職員も被験者に含まれており、実施の方法自体が医療倫理的に問題視されていたとも。かねて承認済みで治験の要らない薬ばかりを売り、研究開発費を軽視しケチってきたからこそ起きた不祥事だとはいえまいか。 4月4日発売の「週刊新潮」では、甚大な被害を生み出した企業体質、さらに今後の経営上の危機などについて4ページにわたって詳報する』、「治験の現場でコーディネーターが小林製薬の要望に応じるために、被験者5人の身長を故意に低く記録したのです・・・治験に求められるレベルがさほど高くない一般用医薬品とはいえ、初めての試みでいきなりこのような雑な過ちが露呈してしまうなんてあり得ない」(同) この治験では、実施した医療機関の職員も被験者に含まれており、実施の方法自体が医療倫理的に問題視されていたとも。かねて承認済みで治験の要らない薬ばかりを売り、研究開発費を軽視しケチってきたからこそ起きた不祥事だとはいえまいか」、やはり「小林製薬」には余りに問題が多いようだ。

次に、4月23日付け日刊ゲンダイ「「機能性表示食品」の良し悪しをきっちり理解する…生物学者・福岡伸一さんに聞いた」を紹介しよう。
https://www.nikkan-gendai.com/articles/view/life/339228#goog_rewarded
・『小林製薬の紅麹サプリによる健康被害はいまだに原因が解明されていない。しかし、事件の背景に便利な機能性表示食品の氾濫と、政府の規制緩和による後押しがあったのは事実だ。市場は膨れ上がっているが、ここは立ち止まって、機能性表示食品の良し悪しをきっちり、理解しておくことが大事かもしれない。そこで生物学者の福岡伸一氏に聞いてみた。 「ハンバーガーやカップ麵ばかり食べていると、栄養が偏ってしまいます。総カロリーは足りても不足する栄養素がたくさん出てくる。それを補うために機能性食品は便利ですが、ただ錠剤で量を補えば済むという話ではありません。ビタミンにせよ、ミネラルにせよ、単一の物質として存在するのではなく、タンパク質などと結合して存在するのです。タンパクと一緒に摂取した方が体の吸収はいい。鉄を取りたいならヘモグロビンと結合している食品、レバーやカツオを食べた方が吸収は良いのです。精製して、純化させた物質を錠剤で摂取しても吸収に時間がかかります。だから、サプリの錠剤で足りないものを補うよりも食品をホールフードの形で、丸ごと摂取することをお薦めします」 福岡さんの近著、『生物学者と料理研究家が考える「理想のレシピ」』(発売:講談社/発行:日刊現代、松田美智子さんと共著) には、こうした哲学に基づいたメニューと解説が載っている。旬のものをそのまま食べる。必要な物質をただ摂取すればいいわけではなく、吸収、利用という概念をも取り入れると、やはり、自然の食べ物の方が“効率的”なのだ。そして、食べ物のもつ力が最大化するのが「旬」になる。福岡先生が「サプリより旬のホールフードを!」と本まで書かれたのは、こういう理由だが、もうひとつ、紅麹のサプリには見過ごせない問題があるという。 「長く飢餓に苦しんできた人間は飢餓に備えて自らコレステロールをつくりだすことができます。しかし、飽食の時代でコレステロール過多となり、だったら、そいういうものを取らなければいいのに、体内でコレステロールを作ることを抑制する薬の開発が進みました。きっかけは三共(現在の第一三共)の研究所の遠藤章先生が発見したスタチンという物質で、コレステロールを作る酵素の働きを阻害する。ここから様々な薬ができたのですが、紅麹菌もスタチンを作り出すのに有用なのです」』、「機能性食品は便利ですが、ただ錠剤で量を補えば済むという話ではありません。ビタミンにせよ、ミネラルにせよ、単一の物質として存在するのではなく、タンパク質などと結合して存在するのです。タンパクと一緒に摂取した方が体の吸収はいい。鉄を取りたいならヘモグロビンと結合している食品、レバーやカツオを食べた方が吸収は良いのです。精製して、純化させた物質を錠剤で摂取しても吸収に時間がかかります。だから、サプリの錠剤で足りないものを補うよりも食品をホールフードの形で、丸ごと摂取することをお薦めします」、「精製して、純化させた物質を錠剤で摂取しても吸収に時間がかかります。だから、サプリの錠剤で足りないものを補うよりも食品をホールフードの形で、丸ごと摂取することをお薦めします」、さすが「福岡伸一」氏だけあって、説得力がある。
・『売らんがための食品と抑制するサプリは「マッチポンプ」の関係  それのどこが問題なのか。 「人間の遺伝子は飢餓には備えてきたが飽食を予想していなかった。だから、飢餓をプロテクトする機能は備わっていても過剰に摂取したものにブレーキをかける機能はないのです。食べ物にもスタチン成分が多いものはあまりない。だから、紅麹が重宝されているのでしょうが、無理やりブレーキをかけるくらいならば、コレステロールを過剰に取らなければいい。それが自然な考え方です。世の中、売らんがために様々な食品が溢れている。そこで取りすぎたものを抑制するために薬やサプリがまた溢れている。これはマッチポンプの悪循環です」 これぞ、売らんがための倒錯の世界のように見える。コマーシャルズムに毒されずに、健康で過ごすにはどうしたらいいのか。その答えは意外にシンプルなのである』、「「人間の遺伝子は飢餓には備えてきたが飽食を予想していなかった。だから、飢餓をプロテクトする機能は備わっていても過剰に摂取したものにブレーキをかける機能はないのです。食べ物にもスタチン成分が多いものはあまりない。だから、紅麹が重宝されているのでしょうが、無理やりブレーキをかけるくらいならば、コレステロールを過剰に取らなければいい。それが自然な考え方です。世の中、売らんがために様々な食品が溢れている。そこで取りすぎたものを抑制するために薬やサプリがまた溢れている。これはマッチポンプの悪循環です」、「マッチポンプの悪循環」とは言い得て妙だ。
・『■「理想のレシピ」から春の旬を丸ごと味わう「極上オニオンスライス」  ちりめんじゃこ1カップとオリーブオイル大さじ3をフライパンに入れ、中火にかけてカリカリになるまで炒める。ペーパータオルにとり、余分な脂をきる。新玉ねぎを極薄に切り、氷水に1分間さらす。これを3回繰り返したらザルにあげてペーパータオルで水分をとる。皿にのせ、カリカリのじゃこをかけたら、しょうゆ大さじ1.5、米酢大さじ1を混ぜたタレをかける』、「極上オニオンスライス」は、いかにも体に良さそうなメニューだ。

第三に、4月24日付け現代ビジネスが掲載した群馬大学名誉教授の高橋 久仁子氏による「これでは、まるで「ザル制度」…!じつは、「科学的根拠が貧弱すぎ」の機能性表示食品。制度そのものがヤバすぎた「衝撃の真実」」を紹介しよう。
https://gendai.media/articles/-/126905?imp=0
・『「健康と食」への危機感が、これほどまでに高まったことがあるでしょうか。 「腸内フローラを良好にし、便通を改善する」ビフィズス菌配合サプリメント。「脂肪の吸収を抑え、排出を増加させる」トクホコーラ。「10分のジョギングと同じ消費カロリー効果がある」高濃度茶カテキン飲料。 国の制度によって「効能・効果」を大々的にアピールするトクホや機能性表示食品などの「保健機能食品」。いまや、私たちのまわりには、「健康食品」が溢れんばかりにあります。しかし最近、機能性表示食品の摂取によって、大きな健康被害が生じる事故が起こり、その安全性への信頼が揺らいでいます。 氾濫する「健康関連食品」情報 をたんねんな調査で読み解き、長年にわたって問題点を指摘してきた群馬大学名誉教授・高橋久仁子さんが、保健機能食品制度の“根拠”とされる論文を解読してわかった「驚きの実態」を克明にリポートした『「健康食品」ウソ・ホント』から、ぜひ知っておきたいトピックを厳選してお送りしましょう。 ※本記事は、『「健康食品」ウソ・ホント 「効能・効果」の科学的根拠を検証する』から、再編集・再構成の上、お届けします』、「驚きの実態」とは興味深そうだ。
・『機能性表示食品とは  私たちが口から摂取するもののほとんどが「食品」です。 食品衛生法第4条第1項には、「この法律で食品とは、全ての飲食物をいう。ただし、医薬品、医療機器等の品質、有効性及び安全性の確保等に関する法律に規定する医薬品、医薬部外品及び再生医療等製品は、これを含まない」とあります*。要するに、「医薬品」と「医薬部外品」以外は食品である、ということです(図「経口的に摂取する物質の区分」)。 *「医薬品、医療機器等の品質、有効性及び安全性の確保等に関する法律」は聞き慣れないかもしれませんが、旧・薬事法のことで2014年11月25日からこの名称となり、「旧・薬事法」「薬機法」「医薬品医療機器等法」と略称されています。 食品はさらに、機能性を表示できる「保健機能食品」と表示できない「一般食品」に区分されます。保健機能食品ではない、いわゆる「健康食品」はたくさんありますが、機能性の表示ができないという意味ではあくまでも「一般食品」です。 (【図】経口的に摂取する物質の区分経口的に摂取する物質の区分 はリンク先参照) また、「機能性食品」は必ずしも機能性表示食品ではありません。きわめて紛らわしいのですが、食品の機能性研究を行う領域の研究集団は、「機能性食品」とは「食品の三次機能を効率よく発揮するように設計・加工された新食品」であると定義しています。 この定義に基づいてつくられた食品を消費者庁に届け出てそれが受理されれば、その機能性食品は同時に、機能性表示食品でもありますが、届出受理がなされていなければ単に機能性食品ということです。 ただし、あえて機能性食品といわなくても、機能性成分を配合したいわゆる「健康食品」は市場にあふれているのが現状です。 なお、保健機能食品とひとくくりにしても、定義等に関する法律が異なるため、統一性はありません。『「健康食品」ウソ・ホント』では、それぞれの定義がどこに記述されているかを一覧表にまとめたものを掲載しました。同書をご覧いただければおわかりになるように、表向きは「国民の健康に資するため」とされていますが、トクホが一応は健康政策に基づくものである一方、機能性表示食品は経済活性化のためにつくられたものであり、成立背景がまったく異なります。 保健機能食品は「国が定めた制度」に基づいているのだから、いわゆる「健康食品」よりその機能性は確かなものに違いないーーこう期待する人が少なくありません。しかし、実際には期待するほどのものではないことを、『「健康食品」ウソ・ホント』で詳しく解説しました』、「表向きは「国民の健康に資するため」とされていますが、トクホが一応は健康政策に基づくものである一方、機能性表示食品は経済活性化のためにつくられたものであり、成立背景がまったく異なります。 保健機能食品は「国が定めた制度」に基づいているのだから、いわゆる「健康食品」よりその機能性は確かなものに違いないーーこう期待する人が少なくありません。しかし、実際には期待するほどのものではないことを、『「健康食品」ウソ・ホント』で詳しく解説しました」、なるほど。
・『きわめて小さいトクホの「効果」  トクホは消費者庁の審査を経た製品であり、許可された範囲内で保健効果を記載できます。すなわち、「トクホである」ことはヒトを対象に行った実験研究において、ある測定項目の値の差が、実験群と対照群とのあいだで「統計的に有意」であった(有意差があった)ことを意味しています。 しかし従来、この有意差が実用的に意味をもつのか否かは考慮されていませんでした。その証拠に、トクホの許可要件の一つは、制度が始まって以降、一時期を除いて「食生活の改善が図られ、健康の維持増進に寄与することが期待できるものであること」であり、決して「寄与するものであること」ではなかったのです。 たとえば、食後の血糖値の上昇を数ミリグラム抑制する保健効果をもつトクホがあった場合に、「これを食べることが将来的に糖尿病の予防につながるか否か」はまったく考慮されていませんでした。 もし、「健康の維持増進に寄与するものであること」を許可要件としたならば、許可されるトクホは存在しなくなってしまいます。 トクホは、医薬品ではなく食品です。したがって、「効果」は小さくて当然です。許可する側も、そのことは重々承知していますが、その効果の小ささが消費者に十分に伝えられていません。これが大きな問題です。許可要件として「健康の維持増進に寄与することが期待できるものであること」さえ要求されなくなった今、トクホの存在にどれほどの意義があるのかーー疑問を禁じ得ません』、「トクホは、医薬品ではなく食品です。したがって、「効果」は小さくて当然です。許可する側も、そのことは重々承知していますが、その効果の小ささが消費者に十分に伝えられていません。これが大きな問題です。許可要件として「健康の維持増進に寄与することが期待できるものであること」さえ要求されなくなった今、トクホの存在にどれほどの意義があるのかーー疑問を禁じ得ません」、確かに「存在意義」が問われているようだ。
・『機能性表示食品の「科学的根拠」は貧弱  機能性表示食品の「表示しようとする機能性」は、「目の調子を整える」「睡眠の質の向上」「疲労感の軽減」など、トクホでは認められていないものがすでにいくつも登場しています。 さらなる問題は、その「科学的根拠」が貧弱きわまりない点にあり、表現に問題のある広告もすでに散見されています。たとえば、「内臓脂肪を減らす」と機能性表示するヨーグルトの広告は、内臓脂肪面積の減少を図で示していながら、体脂肪率が増加したことには言及していません。「内臓脂肪面積は減りました。でも、体脂肪率は増えました」と書かなければ、ウソをついていることにならないでしょうか?  商品ごとに個別の審査を経て許可されたトクホでさえ、その機能性はわずかなものでしかないのです。食品とは本来そういうものであり、もしも医薬品なみの「効果」ーーすなわち機能性ーーを発揮したなら、こんどは副作用が心配になります。 食生活は私たちの健康のありように大きく影響しますが、それは「食品機能論」的にいえば一次機能、すなわち「エネルギーや栄養素を適切に摂取することが健康に良い影響を与える」という意味においてです。食品の二次機能(嗜好面でのはたらき)や三次機能にのみ注目して、一次機能を無視するような食生活を送ったのでは健康は望めません。 エネルギーや栄養素を適切に摂取することの重要性を覆(おお)い隠してしまうかのような「機能性幻想」はもつべきではありませんが、残念ながら、これとは逆に幻想をあおるかのような制度が次々につくられてしまいました』、「「食品機能論」的にいえば一次機能、すなわち「エネルギーや栄養素を適切に摂取することが健康に良い影響を与える」という意味においてです。食品の二次機能(嗜好面でのはたらき)や三次機能にのみ注目して、一次機能を無視するような食生活を送ったのでは健康は望めません。 エネルギーや栄養素を適切に摂取することの重要性を覆(おお)い隠してしまうかのような「機能性幻想」はもつべきではありませんが、残念ながら、これとは逆に幻想をあおるかのような制度が次々につくられてしまいました」、由々しいことだ。
・『「食品」なのに「用法・用量」?  「健康食品」はかつて、「おいしい/まずい」に言及することがありませんでした。そのため、「味を云々しないものを食品の範疇(はんちゅう)に入れてはいけない」と主張することができました。 ところが、最近は少し事情が変わってきていて、たとえば「おいしい」ことをアピールする商品も目につくようになりました。そこで、もう一度考え直してたどり着いた結論が、「用法・用量」的な指示を必要とする製品を「食品」の範疇に含めてはいけない、です。 保健機能食品を含む「健康食品」類は、食品中のいわゆる「機能性成分」に着目してそれを配合した商品が多く、その有益性を発現させるために(同時に、有害性を発現させないために)、摂取量や摂取方法の指示が必要となります。通常の食品であれば、摂取量や摂取方法は個人が自由に決めるものですから、これにはかなりの違和感があります。 過剰摂取の有害性が明白であるアルコール飲料や食塩でさえ、摂取量や摂取方法は個人の判断にゆだねられています。ビール容器に「飲みすぎは禁物です。一日1本までを目安に食事と一緒にお飲みください」とか、醤油容器に「醤油は食塩量が多いので使用量は一日○mLまでにしましょう」などとは書かれていません。過剰に摂取すれば肥満を招きかねないチョコレートにも、「肥満防止のために一日○gまで」と書かれることはもちろんありません。 豆乳もまた、一つの食品です。豆乳を「ヘルシー」ともてはやす風潮には首をかしげていますが、それはさておいて、トクホの豆乳も存在します。ふつうの豆乳にはもちろん、「一日摂取目安量」などどこにも書かれていませんが、トクホ豆乳には「一日あたり200mLを目安にお飲みください」とあります。 ふつうの豆乳とトクホの豆乳をともに販売する会社に、「両者の違いを教えてください」と問い合わせてみました。 「いやあ、どちらも同じですよ。トクホ豆乳は申請して許可されたからトクホマークをつけて売っているだけです」 正直にこう答えてくれました。ほとんど同じ量の大豆タンパクが含まれている豆乳なのに、一方には摂取目安量があるというのもふしぎな話です。 用法・用量的な指示を要する時点で、すでに「食品」の領域を超えてしまっているーーそう考えるのは筆者だけでしょうか。  このように多くの懸念材料や問題点を抱えたまま制度化された「機能性表示食品」をはじめとした保健機能食品。誇大な広告で消費者に実際以上の効果を信じ込ませるばかりでなく、「健康被害をもたらす有害物質」を含んでいる場合もありました。「健康食品が危ない10の理由」を検証していきます』、「トクホ豆乳には「一日あたり200mLを目安にお飲みください」とあります。 ふつうの豆乳とトクホの豆乳をともに販売する会社に、「両者の違いを教えてください」と問い合わせてみました。 「いやあ、どちらも同じですよ。トクホ豆乳は申請して許可されたからトクホマークをつけて売っているだけです」 正直にこう答えてくれました。ほとんど同じ量の大豆タンパクが含まれている豆乳なのに、一方には摂取目安量があるというのもふしぎな話です。 用法・用量的な指示を要する時点で、すでに「食品」の領域を超えてしまっているーーそう考えるのは筆者だけでしょうか・・・多くの懸念材料や問題点を抱えたまま制度化された「機能性表示食品」をはじめとした保健機能食品。誇大な広告で消費者に実際以上の効果を信じ込ませるばかりでなく、「健康被害をもたらす有害物質」を含んでいる場合もありました」、「「機能性表示食品」をはじめとした保健機能食品」は、余りにも問題が多いので、全面的な見直しが急務だ。 
タグ:機能性表示食品制度 (その5)(「製薬会社とは名ばかりの“アイデア商品屋”」「開発責任者にすら生薬の知識がない」 紅麹問題で揺れる小林製薬の“儲け重視”の企業体質、「機能性表示食品」の良し悪しをきっちり理解する…生物学者・福岡伸一さんに聞いた、これでは まるで「ザル制度」…!じつは 「科学的根拠が貧弱すぎ」の機能性表示食品 制度そのものがヤバすぎた「衝撃の真実」) デイリー新潮「「製薬会社とは名ばかりの“アイデア商品屋”」「開発責任者にすら生薬の知識がない」 紅麹問題で揺れる小林製薬の“儲け重視”の企業体質」 「処方箋が必要な医療用医薬品を取り扱っていません。商品はすべて薬局などで買える一般用医薬品か健康食品、または日用品の類です。製薬会社とは名ばかりで、本当の姿はケチさと目ざとさにかけては天下一品の小林一雅会長(84)が率いてきた、“アイデア商品屋”なのです」、本当に「製薬会社とは名ばかりで、本当の姿は・・・“アイデア商品屋”なのです」、「“アイデア商品屋”」とは言い得て妙だ。 「プロジェクトマネージャーですら生薬の基礎的知識を持ち合わせていませんでした」、到底、製薬会社とは思えないような驚きの事実だ。 「治験の現場でコーディネーターが小林製薬の要望に応じるために、被験者5人の身長を故意に低く記録したのです・・・治験に求められるレベルがさほど高くない一般用医薬品とはいえ、初めての試みでいきなりこのような雑な過ちが露呈してしまうなんてあり得ない」(同) この治験では、実施した医療機関の職員も被験者に含まれており、実施の方法自体が医療倫理的に問題視されていたとも。かねて承認済みで治験の要らない薬ばかりを売り、研究開発費を軽視しケチってきたからこそ起きた不祥事だとはいえまいか」、やはり「小林製薬」には余りに問題が多いようだ。 日刊ゲンダイ「「機能性表示食品」の良し悪しをきっちり理解する…生物学者・福岡伸一さんに聞いた」 「機能性食品は便利ですが、ただ錠剤で量を補えば済むという話ではありません。ビタミンにせよ、ミネラルにせよ、単一の物質として存在するのではなく、タンパク質などと結合して存在するのです。タンパクと一緒に摂取した方が体の吸収はいい。鉄を取りたいならヘモグロビンと結合している食品、レバーやカツオを食べた方が吸収は良いのです。精製して、純化させた物質を錠剤で摂取しても吸収に時間がかかります。だから、サプリの錠剤で足りないものを補うよりも食品をホールフードの形で、丸ごと摂取することをお薦めします」、 「精製して、純化させた物質を錠剤で摂取しても吸収に時間がかかります。だから、サプリの錠剤で足りないものを補うよりも食品をホールフードの形で、丸ごと摂取することをお薦めします」、さすが「福岡伸一」氏だけあって、説得力がある。 「「人間の遺伝子は飢餓には備えてきたが飽食を予想していなかった。だから、飢餓をプロテクトする機能は備わっていても過剰に摂取したものにブレーキをかける機能はないのです。食べ物にもスタチン成分が多いものはあまりない。だから、紅麹が重宝されているのでしょうが、無理やりブレーキをかけるくらいならば、コレステロールを過剰に取らなければいい。それが自然な考え方です。世の中、売らんがために様々な食品が溢れている。そこで取りすぎたものを抑制するために薬やサプリがまた溢れている。これはマッチポンプの悪循環です」、 「マッチポンプの悪循環」とは言い得て妙だ。 「極上オニオンスライス」は、いかにも体に良さそうなメニューだ。 現代ビジネス 高橋 久仁子氏による「これでは、まるで「ザル制度」…!じつは、「科学的根拠が貧弱すぎ」の機能性表示食品。制度そのものがヤバすぎた「衝撃の真実」」 「驚きの実態」とは興味深そうだ。 「表向きは「国民の健康に資するため」とされていますが、トクホが一応は健康政策に基づくものである一方、機能性表示食品は経済活性化のためにつくられたものであり、成立背景がまったく異なります。 保健機能食品は「国が定めた制度」に基づいているのだから、いわゆる「健康食品」よりその機能性は確かなものに違いないーーこう期待する人が少なくありません。 しかし、実際には期待するほどのものではないことを、『「健康食品」ウソ・ホント』で詳しく解説しました」、なるほど。 「トクホは、医薬品ではなく食品です。したがって、「効果」は小さくて当然です。許可する側も、そのことは重々承知していますが、その効果の小ささが消費者に十分に伝えられていません。これが大きな問題です。許可要件として「健康の維持増進に寄与することが期待できるものであること」さえ要求されなくなった今、トクホの存在にどれほどの意義があるのかーー疑問を禁じ得ません」、確かに「存在意義」が問われているようだ。 「「食品機能論」的にいえば一次機能、すなわち「エネルギーや栄養素を適切に摂取することが健康に良い影響を与える」という意味においてです。食品の二次機能(嗜好面でのはたらき)や三次機能にのみ注目して、一次機能を無視するような食生活を送ったのでは健康は望めません。 エネルギーや栄養素を適切に摂取することの重要性を覆(おお)い隠してしまうかのような「機能性幻想」はもつべきではありませんが、残念ながら、これとは逆に幻想をあおるかのような制度が次々につくられてしまいました」、由々しいことだ。 「トクホ豆乳には「一日あたり200mLを目安にお飲みください」とあります。 ふつうの豆乳とトクホの豆乳をともに販売する会社に、「両者の違いを教えてください」と問い合わせてみました。 「いやあ、どちらも同じですよ。トクホ豆乳は申請して許可されたからトクホマークをつけて売っているだけです」 正直にこう答えてくれました。ほとんど同じ量の大豆タンパクが含まれている豆乳なのに、一方には摂取目安量があるというのもふしぎな話です。 用法・用量的な指示を要する時点で、すでに「食品」の領域を超えてしまっているーーそう考えるのは筆者だけでしょうか・・・多くの懸念材料や問題点を抱えたまま制度化された「機能性表示食品」をはじめとした保健機能食品。誇大な広告で消費者に実際以上の効果を信じ込ませるばかりでなく、「健康被害をもたらす有害物質」を含んでいる場合もありました」、「「機能性表示食品」をはじめとした保健機能食品」は、余りにも問題が多いので、全面的な見直しが急務だ。
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