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アメリカ大統領選挙(その5)失速したトランプ候補、英EU離脱の影響、黒人射殺事件を契機とした警官狙撃事件 [世界情勢]

アメリカ大統領選挙については、6月12日に取上げたが、今日は、(その5)失速したトランプ候補、英EU離脱の影響、黒人射殺事件を契機とした警官狙撃事件 である。

先ずは、「大統領選をライフワーク」にしているジャーナリストの堀田 佳男氏が6月30日付けJBPressに寄稿した「ヒラリー勝利がほぼ見えた11月の米大統領選 矛盾だらけのトランプ演説に米国民うんざり」を紹介しよう(▽は小見出し)。
・こんなにも変わるものなのか――。 これが正直な感想である。昨年6月、共和党ドナルド・トランプ候補(以下トランプ)が大統領選に出馬して以来、暴言を含めて様々な主張を繰り返してきた。
・だが今、過去の言い分と最近の発言とを比較すると、矛盾が生まれていることに気づく。昨年発言した内容を否定するかのように、時には都合のいいように、主張を変えているのだ。 日本の政治家にも見られることではある。だがトランプは大統領候補である。主張や公約の不一致は、政治家としての資質と将来性に大きなマイナスとなるばかりか、当選の可能性を自ら低下させてしまう。 いくつか例を挙げてみたい。
▽イスラム教徒の入国完全禁止
・まず最もトランプらしい発言の1つであるイスラム教徒の米国入国の禁止についてだ。昨年12月7日、サウスカロライナ州での集会で、トランプはこう言い放った。 「米国政府が諸要件を見極めるまで、イスラム教徒の入国は完全に禁止したい」 「完全に(Total and Complete)」という単語を使って語彙を強めたところに、トランプらしさが滲んでいる。発言直後から、米国内のイスラム教徒だけでなく、世界中のイスラム教徒の反発を招いた。
・しかし今年6月25日に発言内容を変えた。英スコットランドのゴルフ場で記者たちに対し、「(入国禁止は)すべてのイスラム教徒ではなく、テロ国家と思われる国のイスラム教徒」と主張を和らげた。 実は昨年12月7日の発言の5日前に、カリフォルニア州サンバーナーディーノで銃乱射事件が起きていた。犯人はイスラム教徒でイスラム国(IS)に忠誠を誓う発言をした人物だった。 14人が死亡、17人が重軽傷を負ったテロ事件で、トランプはイスラム教徒に激情型の対応をしたわけだ。それを「トランプらしさ」と呼べはするが、米国大統領の言動としては最もふさわしくない振る舞いかもしれない。
・またトランプが予備選中、共和党有権者から支持された理由の1つに「誰のカネにも頼らない」という姿勢があった。 選挙資金は基本的に自己資産でまかなうというのだ。それがトランプの候補としての「売り」だった。ロビイストや特定の利益団体から多額の献金を受けないことは、確かに既存の大統領候補と異なる点である。 「俺は誰の操り人形にもならない」というセリフを、筆者も米取材中に何度か聞いた。有権者にとっては説得力のある言葉だった、はずだ。
▽最初の献金メール
・ところが6月下旬、トランプは全米の有権者(たぶん1000万人以上)に献金を募るメールを送付した。筆者にもメールが届いたほどだ。「最初の献金メールです」という箇所にはアンダーラインが引かれてさえいた。  実はこれまでも、トランプに献金したいという有権者はおり、トランプ選対は寄付を受けていた。だが、自らが一般有権者に「選挙資金を寄付していください」と懇願したのは初めてだった。
・と言うのも、トランプ選対には5月末の段階で選挙資金が130万ドルしか残っていなかったのだ(連邦選挙管理委員会報告)。自己申告では資産1兆円超と豪語するトランプだが、資産の多くは不動産や含み資産とみられており、現金は意外にも少ないとの見方がある。
・トランプはここまで、約5500万ドル(約55億円)の自己資金を選挙に使っている。トランプが豪語する「キャッシュは無限にある」との発言が本当であれば、一般市民に献金を懇願することはないだろう。それは紛れもなく、昨年からの選挙公約を破ることになる。つまり、普通の候補になったという証だ。
・さらにトランプの過去と現在の言動に違いが生じているのが、不法移民への処遇である。 昨年から米国内にいる約1100万の不法移民をすべて強制送還させると繰り返しのべてきた。昨年11月には「強制送還部隊」を組織して、国外に退去させるとも発言した。
・だが共和党代表候補になることが確実になると、トランプは主張を変えた。 「私は誰よりも寛大な人間ですから」 ブルームバーグとのインタビューで言い放った。そして記者から強制送還の公約を確認されると、こう返すのだ。 「いや、大々的な強制送還はしません」 共和党レースに勝ったことで、ライバル候補を蹴落とすための過激な発言はもう必要なくなったため、より現実的な政策へと変更したということだ。明らかな矛盾である。
▽トランプの壁の高さは?
・現実問題として、全米中に拡散している約1100万の不法移民を探し出し、拘束し、国外退去させる手法と予算は途方もないことである。 国外退去させるにしても人数を限定するか、合法的に滞在させて、勤労および納税という流れの方が長期的には国家にとって得策のはずだ。
・「トランプの壁」の建設にしても、意欲は予備選終盤まで衰えなかったが、数字がどんどん変わっていった。笑えるほどである。昨年9月、トランプは壁の高さを「25フィート(約7.5メートル)」にすると述べたが、今年2月9日には「40フィート(約12メートル)」に上がった。 驚くのはスーパーチューズデー直前の2月25日の発言だ。  午後の集会で壁の高さを「65フィート(約20メートル)」と言ったが、夜半には「80フィート(約24メートル)」に変化した。高さ24メートルというのはビルの8階か9階に相当する。
・数字の変化を見るまでもなく、トンラプは確固とした計画に基づいて話をしていないことが分かる。ほとんど思いつきで数字を上げていっただけである。 これは何を意味するかと言えば、トランプの選挙対策本部の組織力の脆弱さである。政策がしっかりと煮詰められていないばかりか、演説を指導するプロや、発言内容を逐一チェックする地道な作業が疎かになっている。
・トランプのこうした主張の矛盾は、選挙戦術と言うより、きわめて思いつきに近い言説の変更と捉えるべきだろう。もちろん、民主党ヒラリー・クリントン候補との本戦での戦いにはマイナス要素にしかならない。 現段階で11月8日の投票結果を予想することは早計かもしれないが、筆者は春先から今年の対戦がヒラリー対トランプになり、最終的にはヒラリー有利であると述べてきた。
▽51.5%の得票率でヒラリー勝利
・2012年の選挙でも、同年6月にはバラク・オバマ大統領対ミット・ロムニー候補の戦いなり、得票率51%(誤差0.5%)でオバマ氏の勝利と予測した。実際の数字は51.4%だった。 今年の選挙も、実は4年前に似ている。全米50州に割り当てられた538という選挙人の取り分けでも、オバマ氏が獲得した州をヒラリーが取る可能性が高い。
・低いインフレ率と失業率、直近の1人あたりの経済成長率(GDP)、候補の資質、選対の組織力、資金力、政策等々を考慮すると、ヒラリーの得票率は4年前の数字に似て、51.5%前後になるだろう。 トランプは主張の矛盾などによって、支持率をさらに下げると読む。これが一応「大統領選をライフワーク」にしている筆者の今の見立てである。
http://jp.reuters.com/article/usa-police-politics-idJPKCN0ZS0E1?pageNumber=1

次に、在米ジャーナリストの飯塚真紀子氏が7月5日付け現代ビジネスに寄稿した「イギリス「EU離脱」が米大統領選に与える影響〜CNNや政治学者が分析してみると…」を紹介しよう(▽は小見出し)。
▽調子に乗ったトランプ
・イギリスのEU離脱は、アメリカの大統領選に影響を与えるのか――。在米ジャーナリストの飯塚真紀子氏が、各種の数字を用いながら読み解く。
・イギリスのEU離脱が決まった瞬間、「明日は我が身か!」という気持ちから、ヒヤリとしたアメリカ人は少なくなかったに違いない。実際、フェイスブックなどのSNS上では、歴代の米英のリーダーの写真とともに、”The Future”として、EU離脱の旗振りをしたジョンソン前ロンドン市長と、アメリカの次期大統領を狙うトランプ氏が並んだ写真で賑わった。 それぞれ、”Britain First “、“America First”と排外主義を主張しているが、ヘアスタイルといい、強烈な表情といい、その風貌まで似ている二人が並んだギャグのような写真は、はっきり言ってジョークにもならない。
・実際、アメリカとイギリスには類似した状況がみられる。”反移民”の声の高まり。都市に住む高所得エリート層と地方に住む低所得労働者層の格差の拡大。長期停滞する経済…。 アメリカのメディアも、EU離脱は“トランプ大統領”誕生の前兆と言及しているところが散見された。例えば、ワシントンポストは「国民投票は事案をめぐって戦われたのではない。アイデンティティが経済に打ち勝ったのだ。イギリスの独立と主権という議論が、イギリスにどんな影響を与えるかという議論を打ち負かしたのだ。このような変革がイギリスで起きるのなら、アメリカでも起こり得る」と警鐘を鳴らした。
・トランプ氏自身、EU離脱について「アメリカの大統領選とイギリスの国民投票は非常に似ている。人々は自国を取り戻したいのだ」と豪語し、EU離脱の波に乗って、支持率を伸ばそうとしている。
▽「わからない72%」
・一方、イギリスのEU離脱が米大統領選に影響を及ぼすか、については、懐疑的な見方も多い。著名な政治学者のイアン・ブレマー氏はツイッターでこう否定する。 「オバマがEU離脱にどれほどのインパクトを与えたというのか。EU離脱もアメリカの選挙にはそれくらいのインパクトしかないのだ」 実際、「フルーエント」というマーケティング会社がアメリカ人を対象に行った調査では、イギリスのEU離脱を支持する人が11%、わからないが72%、反対が17%。アメリカ人の多くは他国の国民投票には興味を持っていないことが見えてくる。
・CNNも、4つの理由から、EU離脱はトランプ大統領誕生には繋がらないと分析している。 第一に、問題が「自国発」か「他国発」かという違い。トランプ支持者はアメリカ政府のエスタブリッシュメントに怒りを感じて、“反体制の旗手”となったトランプを支持している。一方、イギリスのEU離脱派は、他国ベルギーのブリュセルに本部を置くEUが自国をコントロールしていることに不満を持ち離脱を支持した。まったく「支持の質」が違うのだ。
・第二に、大統領候補を選ぶ選挙と、離脱の是非を決める事案という、性質の違い。大統領候補を選ぶ場合、国民は、政策や職務を遂行する準備ができているか、人柄がどうかなど様々な角度から候補者をみるが、国民投票は一つの事案の賛否を問うものなので、その賛否を推進する実務者のことはあまり懸念しない。
・第三に、国民投票と間接選挙はシステム自体が違うこと。国民投票は直接民主制で、議会や首相というバリアをカットして国民に決定を委ねるが、大統領選は国民の意志と政治的アクションの間にスペースを設けている。つまり、有権者が選挙人に投票する選挙人団方式を取っているため、激戦州の選挙人投票で勝つことが勝敗の決め手となり、一般投票で得票したからといって勝利には繋がらないこと。2000年の大統領選で、ゴアがブッシュに敗れたのはそのせいだ。
・第四に、離脱派もトランプ支持者も多数の移民が流入することに反対しており、非ヒスパニック系の白人層からの支持を得ているが、アメリカとイギリスでは人口構成が違うこと。 イギリスは(調査方法にもよるが)90%以上が白人と、白人比率が高いため、離脱派もそれに比例するように白人票を得られる。一方、アメリカでは有権者の中に占める非ヒスパニック系白人層の割合が減少しており、2016年では30%以上がマイノリティーで占められることになる。マイノリティー批判をしているトランプは、彼らからの票は期待できないため、減少している白人層の票を確保しなくては勝つのは難しくなる。
▽ヒラリーの傲慢なスローガン
・なるほど、といいたくなる指摘ではある。しかし、CNNのような「エスタブリッシュメント・メディア」の分析は、トランプ支持者たちにとってはどうでもいいこと、なのである。ABCやFOXなど様々なメディアに登場しているコメンテーターのロビー・ボーハウス氏が言う。 「アメリカ人の多くは、いまの政治システムはもう機能不全だと感じているんです。政治家は同じことしか繰り返さず、自分たちのために立ち上がっているようにはまるで見えない。ヒラリーにしても、口ではあれこれ言っていますが、何のために立ち上がっているのかがはっきりとは見えません。 一方、トランプはそれがはっきり見える。明確なビジョンで新世代に訴えていると思います。私自身はトランプを支持していませんが、次期大統領はトランプだと確信しています」
・確かに、トランプが掲げているスローガン“アメリカを偉大な国にする”はレーガン元大統領の受け売りと批判されてはいるものの、明確なビジョンと言える。ポジティブでもある。 一方、ヒラリーのスローガンと言われても、すぐには思い浮かばない。“トランプを絶対に大統領にしない”と声高に訴えてはいるが、ビジョンと呼ぶにはあまりにもネガティブなメッセージだ。
・グーグルで検索してみて、ヒラリーのスローガンが“I’m with her”であることがわかったのだが、一瞬、頭を傾げてしまった。Herって、もしかしてヒラリーのこと? つまり、有権者の視点から”ヒラリーを応援します“、そんな意味だ。
・皮肉な見方をすれば、まるで、世界の中心はヒラリー様にあり、というような自己中心的なスローガンに聞こえなくもない。トランプもヒラリーのスローガンをおかしいと思ったに違いない。最近、マンハッタンで行われた演説では、 「ヒラリーのスローガンは”I’m with her“だ。それに対する僕の答えは”I’m with you, the American people”だ。彼女は詰まるところ、選挙は自分のためだと考えている。しかし、選挙はあなた方のためなのだ」 と言って揶揄した。
▽「熱狂」を見誤ってはいけない
・それでもエリートたちはトランプを認めようとはしない。スタンフォード大学アジア太平洋研究センター副所長のダニエル・スナイダー氏は、 「トランプの大胆な発言は人々を興奮させます。しかし、それも最初だけ。選挙戦が続いて行く中で、そんな興奮は冷めて行くものです。私ももう面白くないと感じています。それに、トランプは“アメリカを偉大にする”という主張だけで、それ以上のものがない。選挙戦が進むほど人気は衰えていくでしょう」 と予測する。トランプ三代記”The Trumps”の著者であり、現在、コロンビア大学で講師を務めるグウェンダ・ブレア氏も、 「トランプに嘘をつかれたとしても、気にしないアメリカ人が数多くいるのでしょう。彼らは嘘より、強い指導者を得ることを重視しているのです。しかし、その強さを見せつけるためにトランプが吐いてきた暴言は、一般選挙では問題視されてくると思います」 と一般選挙でのトランプの弱さを指摘する。
・ヒラリー、トランプ双方に弱点があるということはよくわかる。しかし、エキスパートたちの見解を聞きながら同時に思うのは、彼らは「熱狂」というものを甘く見ているのではないか、ということだ。 イギリスのEU離脱も、国民投票直前までは「残留派」が多数を占めるだろうという予測が圧倒していた。冷静な分析や数字を、「熱狂」が覆すという現象を見てしまった以上、エリートたちの分析は、なにかを見落としているのではないかと思ってしまう。
・実際、ロイター/イプソスが実施した最新調査によると、ヒラリーの支持率は43.9%、トランプの支持率が34.5%と、まだ9.4%の開きはあるものの、二ケタの差があった前回の調査から、その差はひとケタ台に縮小している。 エリートではない大多数の人々の感情が、これから投票までの間にどこに向かうのか――? 勝敗の行方を予想するのは、まだ早い、ということだ。
http://gendai.ismedia.jp/articles/-/49075

第三に、本日付けロイター「アングル:銃暴力で揺れる米大統領選、両候補の試金石に」を「紹介しよう(
▽は小見出し)
・米テキサス州ダラスで警官狙撃事件が7日発生してから数時間、米大統領選で共和党の候補指名を確実にしたドナルド・トランプ氏と、民主党のライバル、ヒラリー・クリントン氏は急きょ、選挙集会を中止。両氏のツイッターアカウントは、ほぼ静まり返った。
・警官12人が狙撃され、5人が死亡したこの事件は、2016年の選挙シーズンにおいて、また1つの震撼すべき出来事となった。クリントン、トランプ両候補はこれまで、海外でのテロ攻撃や、国内の銃撃事件、そして警官による黒人射殺への抗議デモに対して、正しい対応を見つけようと躍起になっている。
・狙撃事件の大部分は、スマートフォンでのライブ中継や、ケーブルテレビのニュースなどで延々と繰り返し伝えられ、調査によれば、身の安全に対する人々の懸念を高めている。
・これは1968年の記憶を呼び覚ますものだ。ベトナム戦争に対する抗議と人種差別による激動の時代に、公民権活動家キング牧師と民主党の大統領候補ロバート・ケネディ氏がこの年、暗殺された。 「私たちは銃暴力による野蛮な行為を目の当たりにしており、政治や公共の場においてもわれわれを二分している」と歴史家のダグラス・ブリンクリー氏は語る。「48時間ごとに、私たちの心を動揺させ、新たな次元へ引っ張っていこうとする恐ろしい事件が起きているようだ」
・歴史的に先行き不透明な時代では、政権が失脚する傾向がある。例えば、イランで米大使館人質事件が進行していた1980年、共和党のロナルド・レーガン氏が、現職の民主党のジミー・カーター大統領を破った。金融危機が米経済を襲った2008年には、民主党大統領候補だったオバマ氏が共和党候補ジョン・マケイン氏に勝利した。
・しかし、これはトランプ氏には当てはまらないかもしれない。同氏はいまだ統率力のある人物だと米国人の大多数を説得できていないからだ。 トランプ氏のダラス事件に対する初期反応は、同氏がリスクをわきまえていることを示している。大げさで扇動的だと、しばしば批判されるこれまでの公での発言と違い、同氏は結束を訴える冷静な声明文を発表した。 「われわれの国はあまりにも分裂してしまった。あまりにも多くの米国人が希望を失ったように感じている。犯罪があまりにも多くの市民を傷つけている。人種間の緊張はますます悪化し、改善していない。これは、われわれの子どものために望むアメリカン・ドリームではない」と、トランプ氏は述べた。 「おそらく今ほど、強いリーダーシップと愛、思いやりが必要な時はない。われわれはこの悲劇を乗り越える」と語った。
▽人種間の溝を埋めて
・米大統領選で人種問題がより大きな問題となるなかで、トランプ氏が検討を進める副大統領候補の1人、ニュート・ギングリッチ元下院議長はFOXニュースの取材に対し、トランプ氏と副大統領候補が、多くのアフリカ系米国人が住む都市中心部に行くことで、広く考えをアピールすることができると語った。
・銃暴力の激発に対応するため、クリントン氏は銃業界に対するさらなる規制を求めており、黒人への暴力に抗議する「ブラック・ライブズ・マター(黒人の命は大切だ)」運動に同調している。 クリントン氏は、ルイジアナとミネソタ両州で起きた警官による黒人射殺事件を受けて、複数のテレビ出演し、自らが人種間の溝を埋めるために生涯働いてきたと述べた。ダラスでの警官狙撃の実行犯は、両州での射殺事件に怒りを感じたと警察に供述している。 「彼らアフリカ系アメリカ人の家族の立場に立って考えみるよう、私のような白人の人々に呼びかけたい。彼らは子どもたちがどこかに行くたびに心配している。私は白人の人々について話すつもりだ」と、クリントン氏はCNNで語った。
・民主党ストラテジストのバド・ジャクソン氏は、クリントン氏が適切な調子で語っていると述べた。 「これは、彼女が利用すべき問題ではない」とジャクソン氏は話す「実際、彼女がこれを利用していると受け止められれば、彼女にダメージを与えるだろう」 とはいえ、有権者のあいだで変化を求める要求は圧倒的となっている。ロイターとイプソスが過去5週間に実施した世論調査によると、3分の2近くの米国人が、国が誤った道を進んでいると感じていると回答。これは経済やテロの脅威、さらには暴力に対する一般的な不安を反映している。
・「クリントン氏の課題は、こうした問題に彼女が対処できること、そして彼女が変化をもたらすことで、今と同じではなくなることを示さなければならない」と大統領制に関する歴史家、トーマス・アラン・シュワルツ氏は指摘する。 トランプ氏は、クリントン氏が11月8日の大統領選に勝てば、それはオバマ大統領の3期目に等しいと述べてきた。クリントン氏は、2008年の大統領選でライバルだったオバマ大統領の政策の多くを受け入れ、先週は一緒に選挙運動を行っている。
・2012年の大統領選では共和党候補ミット・ロムニー氏、2016年にはマルコ・ルビオ候補のアドバイザーを務めたランヒー・チェン氏は、米政治における市民との会話が、人々の不安を抑えるのに役立つだろうと指摘する。 「礼儀正しさや言葉遣い、話法、さらにはリーダーたちがわれわれの良心にどうアピールして、どうアピールしないかについて、大きな問題があるように思える。これこそが問題の本質だ。私はこれを全体的にリーダーシップの欠如とみている」と同氏は語った。
http://jp.reuters.com/article/usa-police-politics-idJPKCN0ZS0E1?pageNumber=1

堀田氏が指摘するトランプ氏の発言のブレは確かにエスタブリッシュメント層にとっては、由々しい問題だが、同氏の支持層にとっては、どうでもよいことなのではないか、という気もする。
飯塚氏の記事にある『EU離脱の旗振りをしたジョンソン前ロンドン市長と、アメリカの次期大統領を狙うトランプ氏が並んだ写真で賑わった』、には笑ってしまった。排外主義で共通しており、『トランプ氏自身、EU離脱について「アメリカの大統領選とイギリスの国民投票は非常に似ている。人々は自国を取り戻したいのだ」と豪語し、EU離脱の波に乗って、支持率を伸ばそうとしている』、もうなずける。CNNの冷静な分析は確かに「なるほど」ではあるが、『CNNのような「エスタブリッシュメント・メディア」の分析は、トランプ支持者たちにとってはどうでもいいこと、なのである』、『「熱狂」を見誤ってはいけない』、は大いに参考になる。ちなみに、昨日付けの支持率は、クリントン39.7%、トランプ29.8%、未定ほか30.5%である。
ロイターの記事で、『トランプ氏のダラス事件に対する初期反応は、同氏がリスクをわきまえていることを示している。大げさで扇動的だと、しばしば批判されるこれまでの公での発言と違い、同氏は結束を訴える冷静な声明文を発表』、とはさすがと、見直した。ヒラリー氏はもっとアピール力が強いスローガンを打ち出すほうがよさそうだ。
ただ、どちらが勝っても日本にとっては余りいいことがなさそうなのは残念だ。
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