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キシダノミクス(その10)(岸田首相はなぜ「増税メガネ」と呼ばれるのか、上がり続ける日本の物価 政府は減税策の前に金利上昇のリスクに備えよ、「アベノミクスの負の遺産」に振り回される岸田文雄総理 乾坤一擲の年末解散総選挙のはずが相次ぐ醜聞で岸田降ろしに) [国内政治]

キシダノミクスについては、10月17日に取上げた。今日は、(その10)(岸田首相はなぜ「増税メガネ」と呼ばれるのか、上がり続ける日本の物価 政府は減税策の前に金利上昇のリスクに備えよ、「アベノミクスの負の遺産」に振り回される岸田文雄総理 乾坤一擲の年末解散総選挙のはずが相次ぐ醜聞で岸田降ろしに)である。

先ずは、10月18日付けダイヤモンド・オンラインが掲載した経済評論家の山崎 元氏による「岸田首相はなぜ「増税メガネ」と呼ばれるのか」を紹介しよう。
https://diamond.jp/articles/-/330773
・『岸田文雄首相が「増税メガネ」というあだ名で呼ばれているのを記事やSNSで見かける機会が増えてきた。岸田首相本人がまだ増税したわけではないのに、なぜ「増税」をあだ名にされるのか。そして、愛情やユーモアが一切感じられない冷たい印象を与える「メガネ」と、なぜ組み合わさったのか。「単なる悪意」とは片付けられない、実は考えてみる価値があるテーマなので、ぜひお付き合いいただきたい』、興味深そうだ。
・『「増税メガネ」で定着? あだ名の功罪  主にネット界隈でだが、岸田文雄首相のあだ名が「増税メガネ」で定着しそうだ。そして、ご本人はこのことを大変気にしているらしいと風の噂に聞く。 これをどう考えたらいいのか? なぜ「増税メガネ」と呼ばれるのか? 岸田首相側に対策はあるのか? まず、あだ名があることについては少しだけポジティブな面がある。あだ名が付くほどの在任期間が経過したということだ。時代の近い首相歴任者では、菅義偉前首相や、麻生太郎元首相は、あだ名を付けやすい風貌をしていたように思うのだが、在任中に明確なあだ名が付かなかった。この点、岸田首相は、もう少し長持ちしているので、あだ名を付けてもらえた。 しかし、前々任の故安倍晋三首相は、在任期間が大変長かったにもかかわらず、あだ名が付かなかった。それなりに個性的な人相でエピソードも豊富だったが、あだ名を付ける側から見たポイントを絞らせなかった。妙なところで、さすがだ。 この点、ネット民から見て岸田首相の個性は絞り込みやすいのだろう。「増税したがっている人」という以外に注目すべき特色がないからだ。) だが、「増税メガネ」というあだ名はいささか特異だ。本人の容姿風体や行動の特徴ではなく、メガネが注目されて、あだ名となっている。 今や、政治家であっても他人の容姿を論じること自体が問題視される可能性があるが、思い切って容姿を論じるなら、岸田首相は大きな欠点のない端整な顔立ちだ。背が高いし、太ってもいない。国際会議などでの写真映りは悪くない。顔や身体にあだ名にしやすい特徴がないから、メガネが注目されたと考えることはできる。 だが、愛情やユーモアが一切感じられない、驚くほど冷たい印象のあだ名だ。 例えば、電車の中で、見知らぬ同士の2人の一方が他方に、いきなり「おい、そこのメガネ」と声を掛けたとしよう。かなり険悪な雰囲気になるだろう。声を掛けられた側は、人格を一切無視して雑に扱われたという気持ちになるからだ。 岸田首相が「メガネ」と呼ばれることに対して、自分は少なくとも愛されていないし、人間として雑に扱われていると感じて心が痛んでいるのだとすると、それは正常な反応だ』、「故安倍晋三首相は、在任期間が大変長かったにもかかわらず、あだ名が付かなかった。それなりに個性的な人相でエピソードも豊富だったが、あだ名を付ける側から見たポイントを絞らせなかった」、「ネット民から見て岸田首相の個性は絞り込みやすいのだろう。「増税したがっている人」という以外に注目すべき特色がないからだ。) だが、「増税メガネ」というあだ名はいささか特異だ。本人の容姿風体や行動の特徴ではなく、メガネが注目されて、あだ名となっている・・・顔や身体にあだ名にしやすい特徴がないから、メガネが注目されたと考えることはできる。 だが、愛情やユーモアが一切感じられない、驚くほど冷たい印象のあだ名だ」、なるほど。
・『まだ実行していないのになぜ「増税」が見透かされるか  しかも、「増税メガネ」というあだ名の特異な点は、岸田首相本人がまだ増税を行ったわけではないのに、「どうせ増税したいのだろう」と見透かして確信したかのように「増税」をあだ名にされていることだ。 これは、かなり悪意のこもったあだ名の付け方だともいえるが、まだやっていないことにこれだけ焦点を絞られるのはなぜかを考える価値がある。 話は、前々回の自由民主党の総裁選挙、前回の総裁選、そして岸田氏の首相就任直後にさかのぼる。 当時の安倍首相からの禅譲期待が外れて菅義偉氏に敗れた前々回の総裁選で、岸田氏はいわゆるアベノミクスに対して批判的だったし、財政再建を強調した。また、前回の総裁選では、安倍派の支持を得るためにリフレ政策に反する緊縮財政的な主張を封印したが、総裁の椅子を争った河野太郎、高市早苗の両氏と比較すると財政再建論寄りの印象は否めなかった。) また、小さいが独自の主張として特色を出そうとした「再分配」の重視にあって、「1億円の壁」問題を引きながら、手段として金融所得課税の強化を打ち出した。 金融所得課税の強化は、株式などへの投資の所得に対する増税なので、特に株式市場関係者に嫌われた。長く続く大きな下げにはならなかったが、岸田氏の首相就任後に株価が一時的に下落する「岸田ショック」と呼ばれる局面が出現した。 2018年のつみたてNISA(少額投資非課税制度)のスタートなどを期に増えた若い年齢層の投資家は、岸田首相が投資や株式市場に対して好意的でない印象を持った。彼らの何パーセントかを敵に回したことは、今回のあだ名に対しても影響力を持っているように思う。 また、金融所得課税強化は、それ自体が大いに疑問のある政策だし、「1億円の壁」の対象者はたいした人数でもないのだが、このアイデアは増税の実現を手柄と考える「増税マニア」たちの間に根強く存在したものだ。岸田氏はその代弁に利用された格好に見えた。 こうした一連の流れから、岸田氏は「財政再建派である」「財務省の影響下にある」「増税勢力に簡単に利用される男だ」といった印象がもともと浸透していた。 一方、考えてみるに、これまで実際にやったことは、規模と自由度の両面で投資を税制面で大いに優遇する新NISAであったことを思うと、いささかかわいそうな面がある。しかも、画像をよく見ると彼のメガネはフレームの細いメガネとしての主張が強くないデザインのものではないか。 しかし、彼の「底意」を多くの人が増税の実現だと思っており、岸田氏は「増税したがっている男」だとのレッテル貼りが違和感なく通用している。大衆はよく人を見ている』、「岸田氏は「財政再建派である」「財務省の影響下にある」「増税勢力に簡単に利用される男だ」といった印象がもともと浸透していた・・・彼の「底意」を多くの人が増税の実現だと思っており、岸田氏は「増税したがっている男」だとのレッテル貼りが違和感なく通用している。大衆はよく人を見ている」、なるほど。 
・防衛費、少子化対策 続けざまの財源議論が決定打  政権の樹立以来これまでの推移をたどると、「岸田首相は、増税を考えている」と多くの人が推測するような政策論議が二つあった。 一つには、防衛費の対国内総生産(GDP)比を2%に引き上げる方針を短期間に決めた一連の動きだ。) 率直に言って米国追従を前のめりでやり過ぎて、カードを早く切り過ぎたように見えたが、ウクライナで戦争が始まり、日本周辺でも地政学的な緊張が高まっているとして、防衛費の増額を決めた。その財源の論議にあって、「使途が防衛費なら増税もやむを得ない」という理屈に期待して、増税も選択肢だという点を譲ろうとしなかったので、岸田氏は増税勢力の代弁者に見えた。 もう一つは、岸田氏が「異次元の少子化対策」と名付けた政策の財源論議だ。これは、「ただでさえ防衛費で財源が要るところに、少子化対策は社会保障的な政策なので、消費税の増税もやむを得ない」という世論を形成して、消費増税を一歩進めようとしているかのように見えた。 過去に消費税率引き上げを決める際に「社会保障の財源だ」という、よく考えるとほとんど意味のない議論に(お金に色は着いていないのだから)引っ掛かった記憶が国民にはあるので、「社会保障の財源」と来ると次の消費増税への前振りだなという連想が働くのだ』、「防衛費の増額を決めた。その財源の論議にあって、「使途が防衛費なら増税もやむを得ない」という理屈に期待して、増税も選択肢だという点を譲ろうとしなかったので、岸田氏は増税勢力の代弁者に見えた。 もう一つは、岸田氏が「異次元の少子化対策」と名付けた政策の財源論議だ。これは、「ただでさえ防衛費で財源が要るところに、少子化対策は社会保障的な政策なので、消費税の増税もやむを得ない」という世論を形成して、消費増税を一歩進めようとしているかのように見えた」、これでは「増税メガネ」もやむを得ない。
・『岸田首相は首相でいたいだけの人  こうして、ここまでの流れを振り返ると、「増税」の方だけでなく「メガネ」の理由も見えてくる。 巷間よく言われるように、政治家には、首相になって何かをやりたい人と、首相になりたいだけの人、の2種類がいる。 岸田氏は、明らかに首相になりたいだけの人で、かつ首相でいたいだけの人だ。政権のキャッチフレーズとして掲げた「新しい資本主義」に、その中身が全くなかったことが動かぬ証拠である。検討会議をつくって、中身はこれから考えましょうという、何ともひどい話だった。彼の本質は「空箱」なのだ。利用する側から見ると、代弁者として使いやすい人物だ。 あえて推測すると、岸田氏本人は増税したいと思っていないかもしれない。しかし、首相で居続けるためには、一つには米国に気に入られることが大事だし、もう一つには財務省を敵に回さないことが大事だと理解しているらしい。これは、そう間違っていない理解かもしれない。 故安倍氏の回顧録には、本気で政権を倒そうとすることもある財務省の恐ろしさが書かれている。岸田氏が、どんな思いであの本を読んだかは知るよしもないが、財務省を敵に回したくないという意識は強くあるのだろう。) 岸田氏の言動は、自分が首相で居続けるために、米国と財務省に対して過剰なまでに融和的に最適化されている。それ以外に、独自の考えはない。 だから、岸田首相の演説は心がこもっていないように聞こえる。スピーチ原稿を読む代弁者の声にしか聞こえない。 率直に言って、岸田氏は「しゃべる空箱」のようだ。心から話しているように聞こえないので、表情にも注目がいかない。箱が音を発しているだけなので、「人間の顔」が国民には見えていない。「目力(めぢから)」などゼロだ。 言葉に力がないと、表情に注目する気にならず、やがて顔そのものが見えなくなって、メガネだけが残る。自然な論理ではないか。 つまり、メガネしか見えないので、岸田氏を「増税メガネ」と呼ぶことに多くの人が違和感を感じないのである』、「岸田氏は、明らかに首相になりたいだけの人で、かつ首相でいたいだけの人だ。政権のキャッチフレーズとして掲げた「新しい資本主義」に、その中身が全くなかったことが動かぬ証拠である。検討会議をつくって、中身はこれから考えましょうという、何ともひどい話だった。彼の本質は「空箱」なのだ。・・・岸田氏の言動は、自分が首相で居続けるために、米国と財務省に対して過剰なまでに融和的に最適化されている。それ以外に、独自の考えはない。 だから、岸田首相の演説は心がこもっていないように聞こえる。スピーチ原稿を読む代弁者の声にしか聞こえない。 率直に言って、岸田氏は「しゃべる空箱」のようだ」、「しゃべる空箱」とは言い得て妙だ。
・『「増税メガネ」を返上したいなら対策は簡単だ  岸田氏が「増税メガネ」というあだ名を返上するための手段は簡単だ。 消費税を対象にするのが一番いいと思うが、例えば、「岸田の首相在任中は、消費税率を引き下げることはあり得ても、いかなる場合も引き上げることはあり得ない」と、一切の留保条件を付けずに言い切ってしまうことだ。 ここにきて、税収が予定よりも大幅に上振れしている。増税の必要性を演出するためにだろうと思われるが、財務省は税収を過小に推計していた。一方、普通に考えて、税収は名目GDPの伸び率と同等あるいはそれ以上に拡大するはずなのだ。しばしインフレが続くとするなら、財務省予算に対する現実の税収の上振れは半ば構造的だ。 財務省は上振れ分の「還元」を行うに当たって、一時的な給付金のような形でお茶を濁したいようだ。しかし、税収の上振れは一時的なものではなさそうだ。この際、還元を理由に消費税率を引き下げてしまうとどうだろうか。 それだけで、おそらく選挙では負けようがない。選挙で勝てば、政権は強化されるのが政治的なセオリーだ。首相でいたいだけが目的なら、合理的な手段になる。この目的のためなら、空箱に魂が入るかもしれない。スイッチオン。代弁でない、本当の言葉が出てくる。 財務省が本当に恐ろしいのかどうかは知らない。場合によっては、倒閣運動を仕掛けられることがあり得るのかもしれないが、そのときはそのときだ。国民が味方に付いている可能性もある。しかも、さらに景気が良くなって、税収がもっと上振れする可能性さえある。 この際、「この岸田の目の玉が黒いうちは、消費税の増税はさせない」というぐらい大げさなセリフを言ってみるのもいいかもしれない。政治的なレトリックとして許される範囲内だろう。 国民が、岸田氏のメガネの奥に、実は黒い「生きた」目の玉があったことに気づくようになるかもしれない』、「「増税メガネ」というあだ名を返上するための手段は簡単だ。 消費税を対象にするのが一番いいと思うが、例えば、「岸田の首相在任中は、消費税率を引き下げることはあり得ても、いかなる場合も引き上げることはあり得ない」と、一切の留保条件を付けずに言い切ってしまうことだ・・・税収の上振れは一時的なものではなさそうだ。この際、還元を理由に消費税率を引き下げてしまうとどうだろうか。 それだけで、おそらく選挙では負けようがない。選挙で勝てば、政権は強化されるのが政治的なセオリーだ。首相でいたいだけが目的なら、合理的な手段になる。この目的のためなら、空箱に魂が入るかもしれない。スイッチオン。代弁でない、本当の言葉が出てくる・・・この際、「この岸田の目の玉が黒いうちは、消費税の増税はさせない」というぐらい大げさなセリフを言ってみるのもいいかもしれない。政治的なレトリックとして許される範囲内だろう。 国民が、岸田氏のメガネの奥に、実は黒い「生きた」目の玉があったことに気づくようになるかもしれない」、山崎氏の夢物語のようだが、仮に正夢になれば、面白い。

次に、10月31日付けダイヤモンド・オンラインが掲載した法政大学教授の小黒一正氏による「上がり続ける日本の物価、政府は減税策の前に金利上昇のリスクに備えよ」を紹介しよう。
https://diamond.jp/articles/-/331403
・『政府債務(対GDP比)が約250%から350%に膨張したときの長期金利の上昇幅  政府債務(対GDP比)が約250%から350%に膨張したときの長期金利の上昇幅 *筆者推計 国内物価の上昇や円安が続く中、日本銀行は今年7月、イールドカーブ・コントロール(YCC)を修正した。事実上、長期金利の上限を0.5%から1%に変更する内容だ。 約3カ月が経過した今、長期金利は0.8%程度まで上昇し、上限の1%に近づきつつある。背景には、物価やドル円レート、米国の長期金利の影響が主にある。 まず物価の動向だが、今年9月の消費者物価指数(CPI)総合の前年同月比は+2.8%と、2%超で高止まりしている。 また、ドル円も再び円安が進んでいる。昨年の10月下旬に一時1ドル150円を突破した後、財務省の為替介入もあり、今年1月には1ドル130円を割る水準まで円安は是正された。だが、その後は米国の長期金利の上昇ショックなどを経て、今年の10月3日には、再びドル円レートが1ドル150円を突破した。円安の基調は依然衰えていない。) インフレ率2%超が続けば、長期金利が2%になっても不思議ではない。そして、未来永劫、日銀が長期金利を1%以下に抑制できるとは限らない。日銀の出口戦略で長期金利が何パーセントになる可能性があるのか、大まかにデータで分析する価値はあるだろう。 筆者が2000年1月から23年5月までの日銀等の月次データを用いて、日本の長期金利モデルで簡易推計したところ、(1)米国の長期金利が1%ポイント上昇すると、日本の長期金利が0.26%ポイント上昇する可能性や、(2)ドル円レートで20円の円安が進むと、日本の長期金利が0.14%ポイント上昇する可能性などが分かった。 また、(3)米国の長期金利が5%の前提で、日本の政府債務(対GDP比)が現在の約250%から350%に膨らむと、日本の長期金利が1.5%ポイントも上昇する可能性が確認できた。債務膨張が続けば、長期金利が2%を超えることは確実と思われる。 最近では、政権内部から減税策が浮上している。減税は財政赤字を拡大させ、インフレ圧力を高めるリスクがある。金利上昇が本格化する前に、強靱な財政構造を構築する努力も忘れてはいけない』、「政権内部から減税策が浮上している。減税は財政赤字を拡大させ、インフレ圧力を高めるリスクがある。金利上昇が本格化する前に、強靱な財政構造を構築する努力も忘れてはいけない」、正論で同感である。

第三に、11月2日付け文春オンライン「「アベノミクスの負の遺産」に振り回される岸田文雄総理 乾坤一擲の年末解散総選挙のはずが相次ぐ醜聞で岸田降ろしに」を紹介しよう。
https://bunshun.jp/articles/-/66774
・『岸田文雄さんが年末に向けた解散総選挙を見込んで断行した内閣改造人事。赤絨毯の上には、今回辞任に追い込まれた法務副大臣・柿沢未途さんの姿もありました』、これは本当に締まらない話だ。
・『騒ぎを拡大させてしまった記者会見  辞任の理由は、今年4月の江東区長選挙で勝利した木村弥生さんに公職選挙法違反となる選挙期間中のネット広告配信を柿沢未途さんがお薦めしたことでした。違法やがな。しかもわざわざ自分から「木村選対に有料広告を提案したけど違法性の認識は無かった」と記者会見をし、騒ぎが拡大してしまいました。 木村弥生さんは自民党大物政治家・木村勉さんのご息女で、1年前まで京都府選出の衆議院議員(ただし比例復活)として公職選挙法を所管する総務省の大臣政務官を務めておられました。分かりづらい公職選挙法の中でも、珍しく分かりやすい形で「やってはいけません」という禁則をそのまんまやらかした木村弥生さんの蛮勇が許されるはずもなく、起訴され有罪となって失職する前に自ら江東区長辞任に追い込まれてしまいます。そのきっかけを作ったのが柿沢未途さんである以上、引責するのも仕方がないと言えます。何してんだよ。 もっとも、本来ならば公職選挙法違反は警視庁が担当するべきところ、わざわざ江東区庁舎や木村さんの自宅にまで家宅捜索に入ったのが東京地検特捜部であったことを考えれば、本来の狙いは木村さんではなくて柿沢さんなんじゃないのという推測が乱舞するのも当然の成り行きと言えます。 そんなのはまあみんな分かっておって、江東区と言えば俺たちの安倍晋三さんが立ち上げみんなの菅義偉さんが無観客での開催を強行した東京オリンピック開催地の地元・江東区と湾岸地域のあれこれで柿沢さんが何をしてきたのかを少しでも掴んでいれば、絶対に副大臣で入閣なんて話にはなりません。と申しますか、柿沢未途さんに副大臣なんて、誰が見てもマズいと思うんですけどね。 そもそも、麻布中高で先輩後輩の仲であることをテコに勇退された谷垣禎一さんのルートから自民党に入ってしまう柿沢未途さんは、東京15区での出馬のいきさつも含めて入党を拒否しなければならなかったのは自明でしょう。 「週刊現代」で、柿沢未途さんが東京15区で無所属なのに自民党推薦を得てしまい、東京都連会長である萩生田光一さんがブチ切れている一部始終を小川匡則さんが書いておられますが、これはすべて事実です』、「柿沢未途」氏は法務副大臣であるにも拘らず、「公職選挙法違反」となるアドバイスをしたなど、信じ難い不手際だ。
・『「増税メガネ」を気にして? 1年限りの減税を発動  また、「週刊文春」が文部科学省の政務官であった山田太郎さんの不倫報道を敢行したのを受けて、こっちはこっちで事実関係を認めて政務官を辞任してしまいました。どうなっているのだ岸田文雄政権、ということで、解散総選挙に向けての支持率アップのはずの内閣改造が身体検査の不全によってあっという間に支持率急落のトリガーとなってしまったのは非常に残念なことです。 《有村架純似の色白美女と》山田太郎文部科学政務官が国会開幕前夜に「ラブホ不倫」写真  山田氏は「約5年前に出会い、自然と男女の仲になりました」 そして、ネットではTikTokやYouTubeなどを中心に、生活苦などを理由にした岸田文雄さんに対する揶揄の総称とも言える『増税メガネ』が連日トレンド入り。うっかりそれが岸田さんの耳に届いてしまい、岸田官邸周辺からも「岸田さんが『増税クソメガネ』と酷評されていることを、非常に気にしている」と伝わってきていました。あーあ。そうかと思ったら、突然岸田さん特有のこだわりが発動し、なぜか4万円程度の1年限りの減税という、国民としてはあんまり嬉しくない感じのばら撒き発動になってしまいました』、「4万円程度の1年限りの減税という、国民としてはあんまり嬉しくない感じのばら撒き発動」、で『増税メガネ』を打ち消そうとするのは滑稽ですらある。
・『世界から「インフレを政策で抑え込めた珍しい国」と評価される  ただ、岸田さんが『増税ばら撒きメガネ』と揶揄されていることに怒っているのは単純に「別に岸田さんが決定して増税したものはなにひとつない」からであって、だいたいが社会保険料の一部引き上げや期限付きだった各種控除の廃止など岸田さんとは無関係にすでに決まっていたことばかりです。それに対して、実際にはガソリン代や電気代、小麦なども含めて、岸田政権は「とっくに6兆円以上、価格統制で国民にばら撒いている」というのが実際なんですよ。 ロシアによるウクライナ侵略や今回のパレスチナ・ガザ地区からのイスラエルへの攻撃とイスラエルの苛烈な反撃などの不安定イベントがある中で世界的な資源高になっています。岸田文雄さんや岸田官邸の嶋田隆さんらの主導によって、日本はトリガー条項ほかいろんな政策手段を出動させ、とりあえずガソリン価格、電力価格と小麦に絞って大規模な経済支援をした結果、世界でも「インフレを政策で抑え込めた珍しい国」と評価され、アメリカや欧州だけでなく発展途上国(グローバルサウス)などでも岸田政権を見習えっていう話が出ています。 物価高失業政策に失敗した22年経済悲惨指数ランキングでは、日本はスイス、クウェート、アイルランドに次いで4番目に価格統制に成功し国民経済を守った国になっています。ありがとう、岸田文雄』、「日本はスイス、クウェート、アイルランドに次いで4番目に価格統制に成功し国民経済を守った国」、デフレと紙一重の差でしかない。
・『上手くやってきたはずなのに…なぜ…  たぶん、23年度版ではその後物価統制に失敗したクウェートやアイルランドを抜いて、スイスに次いで日本の岸田政権は世界的に輝かしい物価統制に成功した国と扱われることになります。 なんせ、日本ではガソリン価格がリットル188円になって、2年前128円の五割増しになったと騒いでいるところですが、 イギリスでは315円(2.08USドル)、香港635円(4.20USドル)になったりしていて、日本は実は非産油国にもかかわらず世界的に安くエネルギー代金が据え置かれている国なのです。 この辺、コロナウイルスの騒動では、医療関係者や政策担当者、地方自治体もかなり頑張って感染症対策を進め日本はかなり成功してきたのに、なぜか反ワクチンや反マスク界隈から、対策に失敗してきたはずの海外を見習え、普通の生活に戻せと防御を下げる方向に政策誘導が進み、コロナウイルスだけでなくインフルエンザやRSウイルスまで蔓延させてしまい学級閉鎖が続発して子どもに健康被害が多発した例と似ています。野党も「トリガー条項ほか生活防衛面では岸田政権は上手くやっている」と評価することはまずありませんし、マスコミも「岸田は無能」という線で報じますから、上手くやって来たのに支持率が伸び悩むのも当然と言えます。 もっとも、そのような政策を実現できたのは、この価格統制のために空前の円安状況であるにもかかわらず累計6兆円を超える国富が突っ込まれ続けてきたからに他なりません。別の言い方をすれば、ガソリンを使うクルマ社会である地方経済は特に、すでに岸田文雄さんから『増税メガネ』どころかとんでもないプレゼントをもらい続けてきているわけですよ』、「ガソリン価格」は政府の膨大な補助金で低く据え置かれているだけで、自慢できる話ではない。
・『みんな“はけ口”を欲しがっている?  さらに、岸田政権下になってから雇用が順調で、大卒の内定者の割合は00年代以降過去最高、高卒・専門学校卒もおそらくは最高の内定率を記録すると見られています。物価高に伴う賃上げが追いついていない問題はあり、また、人口減少による人手不足は顕著であるとはいえ、えり好みしなければちゃんと仕事はあるというのは大事なことです。労働人口が減少しているのに失業率が下がらない国はたくさんありますから。 岸田さんは政権運営単体で見れば「まあまあ上手くやっている」はずなのですが、アピールが下手過ぎてみんな生活苦のはけ口を『増税メガネ』にぶん投げていることになります。そして、労働世帯の生活苦の実際は増税(税金)よりも社会保険料の負担増であり、年金世帯の生活苦は物価高に比べてもらえる年金が少なくて生活を維持するにはどうにかして働かないといけないところに問題があります』、「人手不足は顕著であるとはいえ、えり好みしなければちゃんと仕事はあるというのは大事なことです」、派遣など非正規雇用で吸収しちるだけだ。
・『問題のほとんどは「あの人」が残した“負の遺産”  シンプルに物価高は基本的に日本円が安いことで輸入物価が上がっていることが原因のひとつで、通貨安ドリブンだから金利上げようぜって話を岸田さんがリーダーシップを取らない限り解決しない面はあります。ただ、うっかり金利を上げると頑張って背伸びしてカネを借りて都内で新築マンションを買ったパワーカップルなどはせっかく実現したマイホームとバイバイすることになりかねませんし、金利が上がると証券で運用してきた俺たちのGPIFが痛むこともあるでしょうし、この辺はトレードオフと言いますか、何を捨て、何を取るかという政策にならざるを得ないのですよ。 このあたりは、ほとんどの経済現象が安倍晋三政権が長年に渡って積み重ねてきた「アベノミクス」の弊害の部分と言えます。要は、低金利で安い国に日本を誘導することで、とりあえず生活できるよう金融緩和をジャブジャブにやって、みんな仕事があって、何とかなってきたという話です。 そういう「アベノミクス」が聳え立つ負の遺産を岸田さんがまとめて背負ってどうにかしなければならないことを考えれば、岸田さんはどうにかしてその「アベノミクス」を超える何かすごい政策テーマや経済政策をでっち上げて、国民にこれをやるからお前ら協力しろという話をしなければならなかったはずです。裏を返せば、別に増税してもいいから国民経済の安定や成長に繋がるこういう新しい試みをやりますよという風呂敷が広がっていれば、無理矢理1年限りの減税とかやらんでも一定の支持は得られたのではないかと思うんですよね』、「「アベノミクス」が聳え立つ負の遺産」を安倍派に遠慮して、整理に踏み切れなかったことは、植田日銀総裁と並んで残念だ。
・『このままだとレーガンみたいな立ち位置になってしまうのでは  この「岸田さんは頑張ってるんだけど、何をしようとしているのかよく分からない」からテーマ性やメッセージ力不足と判断されて、酷評され、支持を失って迷走し、総合経済対策では最終的に減税までやろうとし、内閣改造と旧統一教会解散命令請求とセットで解散総選挙に打って出ようにもどうにもならなくなってしまった、というのが実際なのではないかと思います。 このままだと岸田さんは来年の総裁任期満了までずるずると政権を引っ張り、しかし選挙の顔としては選挙互助会自民党では無理と判断され総裁選再選に向けて出馬も禅譲・後継指名も出来ず退陣という流れになってしまいかねません。 外交では岸田さんはG7広島サミットが歴史的な大成功に終わり、最近の中国大使・垂秀夫さんから金杉憲治さんへのスイッチ、ガザ地区とイスラエルの問題では米欧とは一線を画した対応をきちんと取るなど優れた手腕を発揮しているのも事実です。大統領としては偉大にはなれなかったけど元大統領として外交面で存在感を示すレーガンみたいな立ち位置になってしまうのでしょうか。 個人的には、繰り返しになりますが「岸田政権が取り組んできて上手くやってきたことのアピール」と、「これから岸田政権がテーマとして全力で取り組み国民生活がこういう感じで良くなるようにしていきますよ」という話とをパッケージにしてきちんと打ち出し直すところからスタートなんじゃないかと、常々思っております。はい』、全体として「岸田政権」支持色が強過ぎる印象で、全く同意できない。
タグ:ダイヤモンド・オンライン (その10)(岸田首相はなぜ「増税メガネ」と呼ばれるのか、上がり続ける日本の物価 政府は減税策の前に金利上昇のリスクに備えよ、「アベノミクスの負の遺産」に振り回される岸田文雄総理 乾坤一擲の年末解散総選挙のはずが相次ぐ醜聞で岸田降ろしに) キシダノミクス 山崎 元氏による「岸田首相はなぜ「増税メガネ」と呼ばれるのか」 「故安倍晋三首相は、在任期間が大変長かったにもかかわらず、あだ名が付かなかった。それなりに個性的な人相でエピソードも豊富だったが、あだ名を付ける側から見たポイントを絞らせなかった」、「ネット民から見て岸田首相の個性は絞り込みやすいのだろう。「増税したがっている人」という以外に注目すべき特色がないからだ。) だが、「増税メガネ」というあだ名はいささか特異だ。本人の容姿風体や行動の特徴ではなく、メガネが注目されて、あだ名となっている ・・・顔や身体にあだ名にしやすい特徴がないから、メガネが注目されたと考えることはできる。 だが、愛情やユーモアが一切感じられない、驚くほど冷たい印象のあだ名だ」、なるほど。 「岸田氏は「財政再建派である」「財務省の影響下にある」「増税勢力に簡単に利用される男だ」といった印象がもともと浸透していた・・・彼の「底意」を多くの人が増税の実現だと思っており、岸田氏は「増税したがっている男」だとのレッテル貼りが違和感なく通用している。大衆はよく人を見ている」、なるほど。 「防衛費の増額を決めた。その財源の論議にあって、「使途が防衛費なら増税もやむを得ない」という理屈に期待して、増税も選択肢だという点を譲ろうとしなかったので、岸田氏は増税勢力の代弁者に見えた。 もう一つは、岸田氏が「異次元の少子化対策」と名付けた政策の財源論議だ。これは、「ただでさえ防衛費で財源が要るところに、少子化対策は社会保障的な政策なので、消費税の増税もやむを得ない」という世論を形成して、消費増税を一歩進めようとしているかのように見えた」、これでは「増税メガネ」もやむを得ない。 「岸田氏は、明らかに首相になりたいだけの人で、かつ首相でいたいだけの人だ。政権のキャッチフレーズとして掲げた「新しい資本主義」に、その中身が全くなかったことが動かぬ証拠である。検討会議をつくって、中身はこれから考えましょうという、何ともひどい話だった。彼の本質は「空箱」なのだ。・・・岸田氏の言動は、自分が首相で居続けるために、米国と財務省に対して過剰なまでに融和的に最適化されている。それ以外に、独自の考えはない。 だから、岸田首相の演説は心がこもっていないように聞こえる。スピーチ原稿を読む代弁者の声にしか 聞こえない。 率直に言って、岸田氏は「しゃべる空箱」のようだ」、「しゃべる空箱」とは言い得て妙だ。 「「増税メガネ」というあだ名を返上するための手段は簡単だ。 消費税を対象にするのが一番いいと思うが、例えば、「岸田の首相在任中は、消費税率を引き下げることはあり得ても、いかなる場合も引き上げることはあり得ない」と、一切の留保条件を付けずに言い切ってしまうことだ・・・税収の上振れは一時的なものではなさそうだ。この際、還元を理由に消費税率を引き下げてしまうとどうだろうか。 それだけで、おそらく選挙では負けようがない。選挙で勝てば、政権は強化されるのが政治的なセオリーだ。首相でいたいだけが目的なら、合理的な手段になる。この目的のためなら、空箱に魂が入るかもしれない。スイッチオン。代弁でない、本当の言葉が出てくる・・・この際、「この岸田の目の玉が黒いうちは、消費税の増税はさせない」というぐらい大げさなセリフを言ってみるのもいいかもしれない。政治的なレトリックとして許される範囲内だろう。 国民が、岸田氏のメガネの奥に、実は黒い「生きた」目の玉があったことに気づくようになるかもしれない」、山崎氏の夢物語のようだが、仮に正夢になれば、面白い。 小黒一正氏による「上がり続ける日本の物価、政府は減税策の前に金利上昇のリスクに備えよ」 「政権内部から減税策が浮上している。減税は財政赤字を拡大させ、インフレ圧力を高めるリスクがある。金利上昇が本格化する前に、強靱な財政構造を構築する努力も忘れてはいけない」、正論で同感である。 文春オンライン「「アベノミクスの負の遺産」に振り回される岸田文雄総理 乾坤一擲の年末解散総選挙のはずが相次ぐ醜聞で岸田降ろしに」 これは本当に締まらない話だ。 「柿沢未途」氏は法務副大臣であるにも拘らず、「公職選挙法違反」となるアドバイスをしたなど、信じ難い不手際だ。 「4万円程度の1年限りの減税という、国民としてはあんまり嬉しくない感じのばら撒き発動」、で『増税メガネ』を打ち消そうとするのは滑稽ですらある。 「日本はスイス、クウェート、アイルランドに次いで4番目に価格統制に成功し国民経済を守った国」、デフレと紙一重の差でしかない。 「ガソリン価格」は政府の膨大な補助金で低く据え置かれているだけで、自慢できる話ではない。 「人手不足は顕著であるとはいえ、えり好みしなければちゃんと仕事はあるというのは大事なことです」、派遣など非正規雇用で吸収しちるだけだ。 「「アベノミクス」が聳え立つ負の遺産」を安倍派に遠慮して、整理に踏み切れなかったことは、植田日銀総裁と並んで残念だ。 全体として「岸田政権」支持色が強過ぎる印象で、全く同意できない。
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