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「ポツダム宣言を読んでいない」安倍首相 [国内政治]

今日は、20日の党首討論で、共産党の志位和夫委員長の質問に対し、安倍首相が「ポツダム宣言を読んでいない」と言い放った件を取上げよう。
この件は、日刊ゲンダイが報じたほかは、主要メディアは殆ど取上げてないので、20日付けのきっこのブログを紹介しよう。これは、ポツダム宣言の該当箇所を志位委員長が引用しており、質疑の映像付きなので、分かり易い。さらに、2005年当時の安倍氏の発言も引用している。そのポイントは概ね以下の通り。
・ポツダム宣言では、日本の戦争についての認識を2つの項目で明らかにしています。1つは第6項で、「日本国国民を欺瞞し、これをして、世界征服の挙に出づるの過誤を犯さしめたる者の権力および勢力を永久に取り除く」と述べています。日本の戦争について、世界征服のための戦争だったと明瞭に判定。
・今ひとつは、第8項で、「カイロ宣言の条項は履行されるべく」と述べています。カイロ宣言とは、1943年、米・英・中の3国によって発せられた、対日戦争の目的を述べた宣言ですが、そこでは「3大同盟国は日本国の侵略を制止し罰するため今日の戦争を行なっている」と、日本の戦争について「侵略」と明瞭に規定するとともに、日本が暴力と強欲によって奪った地域の返還を求めています
・こうしてポツダム宣言は、日本の戦争について、第6項と第8項の2つの項で、「間違った戦争」だという認識を明確に示しています。総理にお尋ねします。総理はポツダム宣言のこの認識をお認めにならないのですか?端的にお答えください

これに対する安倍首相の答弁は、「「ま、この、ポツダム宣言をですね、我々は受諾をし、そして敗戦となったわけでございます。そして今、え~、私もつまびらかに承知をしているわけではございませんが、ポツダム宣言の中にあった連合国側の理解、たとえば日本が世界征服をたくらんでいたと言うこと等も、今ご紹介になられました。私は、まだ、その部分をつまびらかに読んでおりませんので、承知はしておりませんから、今ここで直ちに、それに対して論評することは差し控えたいと思いますが、いずれにせよですね、いずれにせよ、まさに、先の大戦の痛切な反省によって今日の歩みがあるわけありまして、我々はそのことは忘れてはならないと、このように思っております」

・(以下はきっこのコメント)「戦後レジーム」とは「ポツダム宣言」のことなのに、「ポツダム宣言」を読んだことのない人が「戦後レジームからの脱却」というフレーズを連呼って、これ、何かのギャグのつもりなの?‥‥ってなワケで、安倍首相の歴史認識のトンチンカンぶりは全国民の知るところだけど、この「ポツダム宣言」については、マジでシャレにならない発言を過去にも炸裂させてる。安倍晋三議員は、そのぶん口が軽かったのか、オピニオン誌『Voice』(PHP)の2005年7月号での「日中は「政冷経熱」で丁度よい(これからの日中関係を考える)」と題した葛西敬之氏との対談の中で、次のように発言。安倍晋三議員 「ポツダム宣言というのは、アメリカが原子爆弾を2発も落として日本に大変な惨状を与えたあと、『どうだ』とばかりに叩き付けてきたものです」
・「ポツダム宣言」が日本に提示されたのは1945年7月26日で、日本が受諾しなかったから11日後の8月6日に広島に原爆を投下され、8月9日に長崎に原爆を投下されたんだよ。そして、2発の原爆でボロボロにされた日本は、とうとう8月15日に「ポツダム宣言」を受諾して降伏したんだよ。何で「ポツダム宣言」の提示が原爆投下よりも後なんだよ?
http://kikko.cocolog-nifty.com/kikko/2015/05/post-018b.html

安倍首相も現在では、ポツダム宣言の受諾日と原爆投下日の順番を取り違えたりはしないだろうが、国会の場で「ポツダム宣言を読んでいない」と言い切る「神経の太さ」には恐れ入る他ない。「戦後レジームからの脱却」を唱えながら、歴史認識の浅薄さにも驚かされる。
党首討論であれば、事前に質問を入手し、役人や官邸が作った想定問答に基づいて答弁している筈とは思うが、多数を制していることの「驕り」で「適当に」答弁したとしか考えられない。今回のような問題答弁は、かつてであればまずは国会で問題化した筈だが、映像で見ると、野党席の民主党の岡田代表や枝野幹事長はニヤニヤしているだけであった。また、かつてであればマスコミも大きく取り上げたように思う。それを殆ど取上げないマスコミの姿勢は、このブログでも何度となく取上げているが、誠に情けない限りだ。いまのところ海外からの反応は伝わってきてないが、知れ渡れば問題化することは必至であろう。
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