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NHK問題(その5)(またもや菅総理の差し金か…? NHK「重役ポスト」をめぐる暗闘の一部始終、NHK有馬キャスター 人事異動でパリのヨーロッパ副総局長へ、「政権におもねる"国営放送"になりつつある」NHKの"番組介入問題"が示す末期症状 問われる経営委員会の”不当圧力”) [メディア]

NHK問題については、2月3日に取上げた。今日は、(その5)(またもや菅総理の差し金か…? NHK「重役ポスト」をめぐる暗闘の一部始終、NHK有馬キャスター 人事異動でパリのヨーロッパ副総局長へ、「政権におもねる"国営放送"になりつつある」NHKの"番組介入問題"が示す末期症状 問われる経営委員会の”不当圧力”)である。

先ずは、5月15日付け現代ビジネス「またもや菅総理の差し金か…? NHK「重役ポスト」をめぐる暗闘の一部始終」を紹介しよう。
https://gendai.ismedia.jp/articles/-/83142
・『異例の番狂わせ  「板野さんは67歳と高齢にもかかわらず、これで3度目の理事就任となった。異例中の異例です」(NHK中堅記者) 先月20日に行われたNHK経営委員会で、新年度の理事が決まり、安倍政権時代から官邸に近いとされる板野裕爾専務理事が再任された。 「理事の任期は最長2期4年」の慣例を破ったのもさることながら、局内外に衝撃を与えたのは、人事の裏で繰り広げられた激しい暗闘だ。 菅義偉総理は官房長官のときから、NHKに対する「圧力」をたびたび報じられてきた。昨年1月に就任した前田晃伸会長は、受信料値下げや局内改革を指示する菅総理に抵抗を試みるも、力負けしてきた経緯がある。 「前田会長としては、NHKに対する菅総理の影響力を削ぎたい。それで、総理側近の杉田和博官房副長官と親しい板野氏を退任させ、NHKエデュケーショナルの熊埜御堂朋子社長らを新任理事とする案を経営委員会に提出したのです」(NHKベテラン記者) だが、これが経営委員会から差し戻される「番狂わせ」が起こった』、「前田会長」を指名したのは安部前首相なので、菅首相とは折り合いが悪いのだろうか。
・『「会長の人事案が突き返されることは通常あり得ません。前田会長は案を撤回し、官邸の意向を考慮して板野氏に書き換え、再提出することになり大恥をかいたと噂されている」(前出・ベテラン記者) 板野氏は、菅総理が官房長官時代の'14年7月に『クローズアップ現代』に出演し、国谷裕子キャスターに激怒した際の放送総局長を務めていた。国谷氏の降板を主導したとされ、以降「官邸の代理人」とも言われてきた。 「官邸は森下俊三経営委員長を介して、板野氏再任の根回しを進めていたとみられる。森下委員長はNTT西日本元社長で、総務大臣を務めた菅総理とは旧知の間柄なのです」(前出・ベテラン記者) NHK広報局に詳しい経緯を尋ねたが「個別の人事についてはお答えしていない」と回答するのみ。もはや、菅総理に制圧されてしまったのか』、「菅総理」は辞任する方向とはいえ、首相官邸が「NHK」をがっちり握った体制は続くことになりそうだ。

次に、6月3日付けデイリー新潮「NHK有馬キャスター、人事異動でパリのヨーロッパ副総局長へ」を紹介しよう。
・『これまでにない新設ポスト  NHKニュースウオッチ9のキャスターを3月いっぱいで交代した有馬嘉男氏(55)が6月の人事で、パリにあるヨーロッパ副総局長に就くことが内示された。副総局長はこれまでにない新設ポストとされる。有馬氏の交代をめぐっては官邸の圧力、あるいは官邸への忖度説が取りざたされ、その後の人事が注目されていた。 有馬氏は1990年に入局後、経済部から国際部でキャリアを積み、シンガポール支局長や国際報道番組のキャスターを経て2016年にニュースチェック11の、17年からニュースウオッチ9のキャスターを担当してきた。 足掛け4年にわたったキャスター時代には演出家・宮本亞門が企画した動画プロジェクトを紹介した際に涙を流すなど、NHKには珍しく感情を表に出すこともいとわないキャスターとして人気を博した。 そんな有馬氏をそれまで以上に有名にしたのが、就任したばかりの菅義偉首相とのやりとりだった。 昨年10月26日、有馬氏は番組で、当時の臨時国会の焦点となっていた日本学術会議問題について菅首相に質した。それは一部、事前に打ち合わせなくダイレクトなものもあったとされ、菅首相は語気を荒らげて不快感を露わにするシーンが全国のお茶の間に届けられることとなった。 「あの時は担当の理事らがスタジオでやり取りを見守るなど、菅さんシフトを敷いていましたね」 と、NHKのある局員。首相はかつてNHKを管轄する総務相を務め、今もなお厳然たる影響力を保持している。やり取りを見守っていたとされる理事にとっては首相を迎えたというよりはむしろ、管轄する省庁のドンを迎えたという心境だったのかもしれない』、「有馬氏」の「キャスター」時代、「菅首相」との「やりとり」は見逃したが、ハッキリものを言うので好感がもてた。
・『とにかく自分の意見を言わないタイプを  改めて首相と有馬氏のやりとりを見てみると、特に突っ込んだ質問を有馬氏がしているわけではなく、見る人によってはせっかく時の宰相を呼んでいるのに物足りないなぁと映った点もあるかもしれない。 しかし官邸の考えはそうではなかったのか、放送後に内閣広報官からNHKの政治部長に対し、有馬氏に関して抗議があったという情報が駆け巡った。その後には朝日新聞が12月11日付で、 〈坂井学官房副長官は5日夜の会食の場で、菅義偉首相が出演した10月のNHKの報道番組をめぐり、「所信表明の話を聞きたいといって呼びながら、所信表明にない(日本)学術会議について話を聞くなんて。全くガバナンス(統治)が利いていない」などと言及した。坂井氏は7日、朝日新聞の取材に対し、会食の席での会話にすぎないとの認識を示したうえで、発言内容を認めて、「報道を規制すべきだという趣旨では全くない」と説明した』、「学術会議について話を聞くなんて。全くガバナンス(統治)が利いていない」、「ガバナンス」とは本来関係ない話だが、取材手法など報道の自由に触れないように逃げただけで、これは第三の記事にもある。
・『政治部は良くない、すでに終わっている  有馬氏としてはキャスターを4年やっていることなどから人事異動はいつあってもおかしくないとは思っていたようだが、 「それとは別に、“政治部は良くない、すでに終わっている”と話していることがあったと言います。安倍政権からずっと官邸に忖度して報じるべきものが報じられていないという不満が溜まっていたのは間違いありません」(同) 当初は国際部長のポストも取りざたされたが、報道局長が経済部出身者から政治部出身へと交代したことなどもあり、今回の人事に繋がったと指摘する声もある。 「新しくポストを作ってそこに押し込んだようにも見え、その意味では有馬さんの行く場所が他になかったということなんでしょうね。本人は海外に行きたい、それも本流であるアメリカへという希望があり、その一方、現場でやりたいという意向もあったようです。会社としてはアメリカへは難しいが、管理業務からは解放される副総局長として処遇しようということになったのかもしれません。その意味では思惑が一致したと言えるかもしれません」(同) ちなみに、有馬氏の前にウオッチ9のキャスターを務めていた河野憲治氏は、今回の人事でアメリカ総局長から解説委員長に栄転となっている。 ともあれ、ヨーロッパから有馬氏の元気な顔でお茶の間にニュースを伝えて欲しいという声も少なくないだろう。)と報じ、広報官の抗議の有無はともかく、官邸のNHKへの不満が明らかとなった。有馬氏の降板が明らかとなったのは今年2月のことだった。その後の会見で有馬氏が官邸の不興を買ったがゆえの忖度人事ではないかと問われた放送総局長は、「そのような人事はしていない。自主自律を堅持している」と訴えたが、 「菅さんと有馬アナのやりとり、内閣広報官による抗議報道、官房副長官がNHKに不満があるのを認めたこと……と、有馬さんを交代させるための状況証拠は確かにそろっていますよね(笑)。それとは別に、有馬さんとウオッチ9の編集責任者との年次差が広がっているのを是正する必要があって、交代は官邸の意向とは無関係だと指摘する声もありますが、真相は藪の中です」  別の局員によると、「有馬さんの後任はワシントン支局長などを務めた田中正良さんですが、かなり地味な印象がぬぐえないですよね。上層部は“とにかく自分の意見を言わないタイプを”と指示して人選を進めさせたと聞いています」』、「後任者」は本当に「地味」で、確かに「自分の意見を言わないタイプを”と指示して人選を進めさせた」結果のようだ。余りににもつまらないので、番組を殆ど観なくなった。

第三に、8月29日付けPRESIDENT Onlineが掲載したメディア激動研究所 代表の水野 泰志氏による「「政権におもねる"国営放送"になりつつある」NHKの"番組介入問題"が示す末期症状 問われる経営委員会の”不当圧力”」を紹介しよう。
https://president.jp/articles/-/49288
・『白日の下にさらされた番組への干渉  NHKの最高意思決定機関である経営委員会が自壊しつつある。 7月8日、NHK経営委員会は、NHKのかんぽ生命保険の不正販売報道をめぐって、経営委員会が2018年10月23日に執行部トップの上田良一会長(当時)に「厳重注意」した議事の全容を開示したと発表した。3年近く経ってようやく、である。 「NHKは存亡の危機に立たされるようなことになりかねない」 その当時、「厳重注意」を受けた上田会長は、「厳重注意」に至る経緯が表に出ればNHKはかつてない危機に直面すると警告したという。経営委員会が個別番組への干渉を禁じている放送法に抵触することを確信していたからにほかならない。 そして今、経営委員会がかたくなに公表を拒んできた議事録が白日の下にさらされ、経営委員会の番組介入は疑いようもなくなった。上田会長の「予言」どおり、執行部のガバナンス(企業統治)を問題視した経営委員会そのもののガバナンスが欠けていることが露見したのである。 放送法を遵守できない最高意思決定機関をいただくNHKは、組織としての根本的なあり方が問われる事態となった。それは、NHKが、受信料を支払っている国民のための「公共放送」か、権力におもねる「国営放送」か、を問われる重大局面に立たされることになったともいえる』、現在のところは明らかに「権力におもねる「国営放送」」だ。
・『始まりは「クローズアップ現代+」  NHKのかんぽ不正報道問題の経過を振り返ってみる。 始まりは、2018年4月24日放送の「クローズアップ現代+プラス」。日本郵政グループの郵便局員がかんぽ生命の保険を不適切な営業で販売していたことを報じた。 その後、SNSなどを駆使した続編を制作しようとしたところ、日本郵政グループが激しく反発。8月に入って、続編の放送は取りやめになった。 だが、それだけでは終わらなかった。 番組自体に不満をもつ日本郵政グループは10月初め、NHKの番組幹部が日本郵政グループに対し「会長は番組制作に関与しない」という趣旨の説明をしたこと(放送法上では番組制作の最終責任者は会長)を捉えて、長門正貢日本郵政社長、横山邦男日本郵便社長、植平光彦かんぽ生命保険社長の三者連名で、経営委員会に「ガバナンス体制の検証と必要な措置」を要求した。 主導したのは、NHKを監督する総務省の事務次官の経歴をもつ鈴木康雄・日本郵政上級副社長。抗議文を発出する前には、やはり総務省の監督下にあるNTT西日本の社長を務めた経営委員会の森下俊三委員長代行(当時)を訪ね、きっちり対応するよう求めていた。 経営委員会は、日本郵政グループの意に沿う形で議論を進め、石原進委員長(当時、元JR九州社長)と森下委員長代行のリードで10月、上田会長に「厳重注意」を行った。執行部は反発したものの、結局、上田会長が日本郵政グループに事実上の謝罪文を届け、いったん幕引きとなった』、混乱の大本は「鈴木康雄・日本郵政上級副社長」のようだ。
・『正鵠を射ていたNHKの番組  「厳重注意」をめぐる一連の経緯は、一切公「表されず水面下に埋もれていたが、1年ほど経った2019年9月、毎日新聞の報道で発覚した。 「経営委員会は個別番組への編集に干渉することを禁じた放送法に違反しているのではないか」「『厳重注意』によってNHKの番組制作の自主自律が脅かされたのではないか」という「公共放送・NHK」の存立の根幹にかかわる問題が急浮上したのだ。 これ以後、かんぽ不正報道問題は、大きく動く。 国会でも取り上げられ、事実関係を解明するため、議事録や関連資料の全面開示を求める声が高まった。しかし、経営委員会は「非公表を前提とした意見交換の場での議論だった」として「厳重注意」に至る議事の開示には応じようとしなかった。 一方、2019年夏ごろから全国の郵便局でかんぽ生命保険の不正販売が表面化、膨大な数の被害者が存在することがわかり、日本中が騒然となった。 「クローズアップ現代+」の報道はまさに正鵠せいこくを射ていたのである。 日本郵政グループが不正販売を認めた後の7月には、棚上げされていた続編が放送されたが、もはや日本郵政グループに番組を押しとどめるすべはなかった。 年末になると、日本郵政グループは、NHKに抗議した3社長と鈴木上級副社長が引責辞任、3カ月の業務停止に追い込まれるという前代未聞の不祥事に発展した』、「NHKに抗議した3社長と鈴木上級副社長が引責辞任、3カ月の業務停止に追い込まれるという前代未聞の不祥事に発展」、とは当然のことだ。
・『2度の答申を受けてようやく議事録を全面開示  経営委員会は12月、上田会長の再任を見送り、「厳重注意」を主唱した森下委員長代行が委員長に昇格。新体制になっても、議事録の非開示を継続した。 ところが、事態は、経営委員会の不実を許さぬ方向で展開する。 2020年5月、NHKの情報公開・個人情報保護審議委員会(委員長・藤原靜雄中央大学大学院教授)が、議事録の全面開示を答申したのだ。 さすがに経営委員会も無視するわけにはいかず、しぶしぶ「議事概要」だけを公表した。 しかし、答申をないがしろにされた審議委員会は2021年2月、改めて全面開示を答申。そこでは、「情報公開制度の対象となる経営委員会が対象文書に手を加えることは、改ざんというそしりを受けかねない」と指弾した。 そして7月8日、経営委員会は、「厳重注意」から3年近く、審議委員会の最初の答申から1年余り経って、ようやく議事の全容を開示、真相が明らかになったのである』、「NHKの情報公開・個人情報保護審議委員会」が「議事録の全面開示を答申」したのは、大したものだが、背景には何があったのだろう。
・『「ガバナンス問題」にすりかえられた番組介入  全面開示された議事録で浮き彫りになったのは、経営委員会による番組介入の疑いだけではない。経営委員の多くが放送法をきちんと理解しているとは言い難く、経営委員会という最高意思決定機関の一員としての自覚に欠けることや、当然の責務である議事の透明性を確保しようとしなかったことなど、公共放送を標榜するNHKにとって致命傷になりかねない問題ばかりだ。 経営委員会が「厳重注意」を発した当時の議論を詳しく見てみる。 まず、日本郵政グループから「NHKはガバナンスが効いていない」との抗議文を受け取った直後の2018年10月9日の経営委員会。 石原委員長は、抗議文が発出された背景に「郵政には放送に詳しい方がいらっしゃる」と鈴木上級副社長の存在をちらつかせ、「経営委員会は、番組の中身の問題だと受け入れ難いが、ガバナンスの問題なら放ってはおけなかろう」と、真意は番組内容に対する不満だが、放送法に抵触しないよう「ガバナンス問題」を持ち出してきたとの認識を示した。 これを受ける形で、森下委員長代行は、SNSなどを活用して番組を制作するオープンジャーナリズムについて「ちゃんと取材になっているのか。一方的な意見だけが出てくる番組はいかがなものか」と取材手法を批判、さらに番組制作や取材方法の基準を経営委員会が関与してつくるべきだと踏み込んだ。 経営委員会は、禁じられているはずの個別番組への介入が、「ガバナンスの問題」にすりかえれば容易にできてしまうことを実践してしまったのである』、第二の記事にもあったが、「経営委員会は、禁じられているはずの個別番組への介入が、「ガバナンスの問題」にすりかえれば容易にできてしまうことを実践してしまった」、大義名分の巧妙なすり替えだ。
・『報告を無視して口々に番組批判  そして、上田会長を「厳重注意」した2018年10月23日の経営委員会。 冒頭、高橋正美監査委員から「NHKから日本郵政グループへの説明責任は果たされ、ガバナンスに問題はなかった」旨の報告がなされた。 ところが、その報告をあえて無視するかのように、森下委員長代行が「今回の番組は極めて稚拙。ほとんど取材をしていない」「つくり方に問題がある」「視聴者目線に立っていない」と、番組批判の口火を切った。 すると、他の経営委員も口々に「誤解を与えるような説明がある」(小林いずみ委員)、「一方的になりすぎたような気がして」(渡邊博美委員)など、取材方法や番組の内容にかかわる意見が続出。さらに、「番組の作り方が問題にされた。会長はその責任がある」(中島尚正委員)と禁句ともいえる見解まで飛び出した』、「2018年10月23日の経営委員会」は、事前に打ち合わせをしていたのだろう。
・『経営委員会の圧力に屈した執行部  そのうえで、石原委員長は、「番組内容の問題」ではなく、あくまで「ガバナンスの問題」を強調、番組責任者へのガバナンス不足などを理由とした「厳重注意」を取りまとめ、上田会長に口頭で「厳重注意」を伝えた。 これに対し、上田会長は、「厳重注意」は「NHK全体、経営委員会も含めて非常に大きな問題になる」と強く反発。さらに、冒頭で紹介した「NHK存亡の危機」発言につながっていく。 監査委員会が「問題なし」と結論づけているのに、経営委員会が「問題あり」と正反対の結果を出したのだから、当然の反応だった。 だが、石原委員長や森下委員長代行は譲らず、「必要な措置」を講じるよう迫った。 上田会長は、執行部に持ち帰ったものの抗し切れず、最終的に日本郵政グループに「(番組責任者の説明は)不十分で遺憾」とする事実上の謝罪文を届けることになり、経営委員会の圧力に屈した形で区切りがついた』、「上田会長」は最大限抵抗したのだろうが、「経営委員会の圧力に屈した形で区切りがついた」のは残念だ。
・『報道各社による経営委員会の「放送法違反」断罪  そして2021年7月8日。「議事概要」ではわからなかった「厳重注意」をめぐる議論の全容が判明すると、朝日新聞、毎日新聞、東京新聞など報道各社は、それぞれ社説で「経営委員会の番組介入は明らか」と断じた。放送界に詳しい有識者も、口々に経営委員会の放送法違反を指摘した。 放送法は、「放送番組は、法律に定める権限に基づく場合でなければ、何人からも干渉され、又は規律されることがない」(第三条)と番組編集の自由をうたい、「委員は、個別の放送番組の編集について、第三条の規定に抵触する行為をしてはならない」(第三十二条)と経営委員の権限を規制している。 番組制作や編集に責任を持つのは会長以下執行部で、別組織である経営委員会は番組に干渉できないと、明確に定めているのだ。 だが、「厳重注意」を導いた経営委員会の議論をみると、石原委員長や森下委員長代行はもとより「。 かつて経営委員の中には「『ニュースの内容がおかしい』と、報道担当理事に注意しておいた」と自慢げに語る輩もいたというから、不思議ではないかもしれないが……。 経営委員会の事情に詳しい元NHK幹部は「コトの重大性を正確に理解していたのが、経営委員も監査委員も経験した上田会長だけだったというのは、とても残念」と嘆く』、「多くの経営委員が、条文に込められた趣旨をきちんと理解しているのかどうかを疑わざるにはいられない発言を続けていた」、ということは「経営委員会」の事務局スタッフから、「委員」への法律面のアドバイスはないようだ。
・『信念もプライドもない経営委員たち  7月23日には、別の議事録が公表された。 審議委員会が「議事の全面開示」を求める2度目の答申が出されてから5カ月もたなざらしになっていた間に開かれた経営委員会の10回分の議事録である。 これをみると、2度にわたる答申を受けた後も、経営委員会は、すでに公表した部分以外を「黒塗り」にして一部開示にとどめる案を模索するなど、なお全面開示への抵抗を続けていた。 だが、「経営委員会が審議委員会の答申と異なる議決をする場合、NHKの定款に違反する恐れがある」「経営委員が定款を守る義務を定めた放送法に違反するとみなされる恐れがある」という弁護士の見解が示されると、風向きは一変する。 放送法違反の嫌疑が自分たちにかかるとわかったとたんに、多くの経営委員が、それまで営々と積み上げてきた議論を放り出し、次々に答申受け入れに方向転換したのだ。 経営委員としての信念もプライドもあったものではない。単なる名誉職として引き受けていた節もうかがえ、ひたすら保身に走るさまは滑稽にさえ見える。 議論の流れの急変に、森下委員長も、ついに観念。答申に全面的に従うことを受け入れざるを得なくなった。 森下委員長は、いまだに「番組介入には当たらない。その後の放送にも影響はなかった」と悪あがきを続け、辞任する意思はないと開き直っている。 森下氏は、NTT西日本社長に続きNHK経営委員長を歴任、通信と放送の巨大会社のトップを務めるという業績を残したが、すっかり晩節を汚してしまった』、「森下氏は」これだけ主導的役割を果たした責任を取って、本来、「NHK経営委員長」を辞任すべきだ。
・『置き忘れた視聴者代表の自覚  翻ってみれば、経営委員会の大失態は、執行部のトップを「厳重注意」するというNHKにとっての最重要案件を、非公表の議論の場で論じ、極秘に処理したことに行き着く。 そうさせたのは、当時の石原委員長以下の経営委員に、「厳重注意」が放送法に抵触しかねないというやましさがあったからと推察される。 「番組介入には当たらない」と胸を張るなら、最初から堂々と議事を公表し、国民の判断を仰ぐべきだった。 もともと、放送法は「委員長は、経営委員会の終了後、遅滞なく、経営委員会の定めるところにより、その議事録を作成し、これを公表しなければならない」(第四十一条)と、議事録の公表を定めている。 この規定は、経営委員長が恣意的に公開・非公開を判断することを認めているわけではなく、審議委員会も、議事の「非開示」を認めず断罪した。 徹底した情報公開は、国民に受信料を負担してもらうための大前提で、NHKの生命線にほかならない』、「徹底した情報公開は、国民に受信料を負担してもらうための大前提で、NHKの生命線にほかならない」、同感である。
・『「もはや末期症状」NHKに残した傷跡は大きすぎる  かんぽ不正報道問題で、経営委員会は、あまねく視聴者の代表としてNHKの業務をチェックすべき存在だったのに、日本郵政グループという特別扱いの「視聴者」の代弁者と化してしまった。 放送法の理念を十分に理解できず、視聴者代表の自覚を置き忘れ、かんぽ保険の被害拡大を食い止めようとする番組を封じ込もうとした経営委員会の罪は重い。 情報隠蔽いんぺいが視聴者の信頼を裏切ることにつながることがわからないほど、無知蒙昧の集団に成り下がってしまったのである。 もはや末期症状を呈していると言わざるを得ない。 もっとも、経営委員会に無理筋を押しつけた張本人は、NHKを監督する総務省の事務次官の経歴をもつ鈴木日本郵政上級副社長だという指摘もある。日本郵政グループの中枢にあって、NHK攻撃にうつつを抜かし、足元で起きたかんぽ不正販売問題では適切な対処ができず被害を拡大させてしまった。その結果は、日本郵政グループ3社長の辞任につながり、さらに、後輩の鈴木茂樹事務次官まで辞任に追い込んだ。そして、いまだに森下委員長をさらし者にしている。 かんぽ不正報道問題は、NHK経営委員会がきちんと機能しているのかが問われた「事件」であり、「公共放送」を維持するための受信料制度の根幹にかかわる問題としてとらえられねばならない。 このため、現在、NHK内部からも検証が進められている。 NHK放送文化研究所の村上圭子研究員が、「文研ブログ」で、8月13日の第一弾を皮切りに、順次、実相を解き明かそうと試みている。 一連のかんぽ不正報道問題が、NHKに残した傷跡はとてつもなく大きい。 上田会長の警告は、まさに現実のものになりつつある』、「NHK内部からも検証が進められている」、のはいいことだが、問題は責任を取るべき「NHK経営委員」が生き残っていることだ。きちんと責任を取らせるべきだが、首相官邸や総務省にはその気がないようだ。野党にはもっと頑張ってほしい。
タグ:「NHK内部からも検証が進められている」、のはいいことだが、問題は責任を取るべき「NHK経営委員」が生き残っていることだ。きちんと責任を取らせるべきだが、首相官邸や総務省にはその気がないようだ。野党にはもっと頑張ってほしい。 「徹底した情報公開は、国民に受信料を負担してもらうための大前提で、NHKの生命線にほかならない」、同感である。 「森下氏は」これだけ主導的役割を果たした責任を取って、本来、「NHK経営委員長」を辞任すべきだ。 「多くの経営委員が、条文に込められた趣旨をきちんと理解しているのかどうかを疑わざるにはいられない発言を続けていた」、ということは「経営委員会」の事務局スタッフから、「委員」への法律面のアドバイスはないようだ。 「上田会長」は最大限抵抗したのだろうが、「経営委員会の圧力に屈した形で区切りがついた」のは残念だ。 「2018年10月23日の経営委員会」は、事前に打ち合わせをしていたのだろう。 第二の記事にもあったが、「経営委員会は、禁じられているはずの個別番組への介入が、「ガバナンスの問題」にすりかえれば容易にできてしまうことを実践してしまった」、大義名分の巧妙なすり替えだ。 「NHKの情報公開・個人情報保護審議委員会」が「議事録の全面開示を答申」したのは、大したものだが、背景には何があったのだろう。 「NHKに抗議した3社長と鈴木上級副社長が引責辞任、3カ月の業務停止に追い込まれるという前代未聞の不祥事に発展」、とは当然のことだ。 混乱の大本は「鈴木康雄・日本郵政上級副社長」のようだ。 現在のところは明らかに「権力におもねる「国営放送」」だ。 「「政権におもねる"国営放送"になりつつある」NHKの"番組介入問題"が示す末期症状 問われる経営委員会の”不当圧力”」 水野 泰志 PRESIDENT ONLINE 「後任者」は本当に「地味」で、確かに「自分の意見を言わないタイプを”と指示して人選を進めさせた」結果のようだ。余りににもつまらないので、番組を殆ど観なくなった。 「学術会議について話を聞くなんて。全くガバナンス(統治)が利いていない」、「ガバナンス」とは本来関係ない話だが、取材手法など報道の自由に触れないように逃げただけで、これは第三の記事にもある。 「有馬氏」の「キャスター」時代、「菅首相」との「やりとり」は見逃したが、ハッキリものを言うので好感がもてた 「NHK有馬キャスター、人事異動でパリのヨーロッパ副総局長へ」 デイリー新潮 「菅総理」は辞任する方向とはいえ、首相官邸が「NHK」をがっちり握った体制は続くことになりそうだ。 「前田会長」を指名したのは安部前首相なので、菅首相とは折り合いが悪いのだろうか。 NHK問題 「またもや菅総理の差し金か…? NHK「重役ポスト」をめぐる暗闘の一部始終」 (その5)(またもや菅総理の差し金か…? NHK「重役ポスト」をめぐる暗闘の一部始終、NHK有馬キャスター 人事異動でパリのヨーロッパ副総局長へ、「政権におもねる"国営放送"になりつつある」NHKの"番組介入問題"が示す末期症状 問われる経営委員会の”不当圧力”) 現代ビジネス
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