就活(就職活動)(その9)(失礼な面接官に反撃!ネットでバズったエンジニアが気づかない中途採用の現実、使い勝手がいいだけの「高学歴体育会系」は就活で重視されない? 新卒一括採用の変化、「体育会系は就職に強い」神話の崩壊で 変わる就活の最新事情とは) [社会]
就活(就職活動)については、昨年9月21日に取上げた。今日は、(その9)(失礼な面接官に反撃!ネットでバズったエンジニアが気づかない中途採用の現実、使い勝手がいいだけの「高学歴体育会系」は就活で重視されない? 新卒一括採用の変化、「体育会系は就職に強い」神話の崩壊で 変わる就活の最新事情とは)である。
先ずは、昨年11月26日付けダイヤモンド・オンラインが掲載した百年コンサルティング代表の鈴木貴博氏による「失礼な面接官に反撃!ネットでバズったエンジニアが気づかない中途採用の現実」を紹介しよう。
https://diamond.jp/articles/-/288688
・『中途採用の面接でのエピソードが話題 少し前に転職ニュースサイト(キャリコネニュース)で、中途採用の面接に関する記事がバズっていました。 大学院卒のエンジニアが転職活動の際、自分のバックグラウンドが生きる別の企業に応募したときに中途採用面接でとんでもない面接官に遭遇したという体験談です。 その面接官は開発部署から来た人間で、あいさつも自己紹介もなしにドカっと座ると、履歴書を見たうえで「早い話が素人で、この業界について何も分かっていない」応募者だと決めつけて、横柄な態度で面接を始めたというのです。 あまりに失礼だったことから、このエンジニアは、その面接官に対してピシャリと言い返してその場を去り、人事部に対して丁寧に応募辞退を伝えたという内容でした。 記事の中ではその的確で小気味のいい反論が読者の爽快感をうながすとともに、その面接官のような古いタイプの技術者がいる会社は、自ら若い研究者の活躍を妨げる会社なのだと分析しているようでした。 記事としてはおもしろくまとまっているエピソードなのですが、「やられたらやり返せ」とでも言うべき、この小気味いい反撃に成功した彼がひょっとすると気づかなかったことがあるかもしれません』、野次馬的には「面接官」がその後、どうなったのかに興味がある。
・『IT企業経営者が明かした、中途採用で最も重視するもの エンジニアの彼とは異なる視点から面接を見ると、「気づかなかった可能性」について考えられるでしょう。それは、こんな話です。現在ではコンプラに抵触する可能性もある話なので、具体的な企業名は匿名で記事を書かせてください。 私がずいぶん前にお世話になったIT企業のオーナー経営者が教えてくれた話です。 彼の会社はグローバルに急成長した日本企業で、おそらく当時は日本で幹部クラスの中途採用人数が最も多い企業の一つだったと思います。さらに優秀な人材をヘッドハントして成功していると、外部から高く評価されていました。 その社長があるとき、採用の秘密について教えてくれました。 彼が有名企業からの転職希望者を採用するかしないかの最終判断をする際に、最も重視するのは、地頭の良さや業界知識など、いわゆるビジネスパーソンとしての優秀さではなく「打たれ強さ」だと話してくれました。 確かに、外部から見ても、その会社で戦力となるためには一般企業よりもストレス耐性が必要な環境であることは間違いなかったと思います。市場環境的には超がつく成長市場ではあるのですが、競争は厳しく、業績目標も高い。さらに事業セグメントによっては行政とのかかわりが強いのですが、そこではかなり理不尽な横やりが入ってくることもあります。しかもオーナー社長自身の個性が強く、控えめに表現してもパワハラ気味な方でした。 そのオーナー社長がおっしゃるには、彼に手厳しく言い込められたぐらいで萎縮する人材だと社内的にも対外的にも勝ち残っていけないというのです。 こんな背景があったことから当時、この会社の採用面接では圧迫面接を行っていました』、「圧迫面接」とは何だろう。
・『エリートビジネスパーソンに求められていた理想像 圧迫面接とは、90年頃にアメリカで発明された面接手法と言われており、私が知る限り、20年前ぐらいが使われるブームとしてはピークだったと思います。主に大企業の幹部面接のプロセスの途中で、高圧的でとても理不尽な態度を取る幹部が面接官として登場するというものです。 面接官は役割として、不機嫌で否定的な面接官を演じます。候補者にわざと意地悪な質問をしたり、威圧的に反論をしたりとマウンティングを繰り返します。実は面接官としての彼が見ているポイントは、そのような場面に直面した際に、感情的にならずに冷静に対応する態度が取れるかどうかです。ここでマイナスに評価されるのは感情的に反論する場合や、面接官に対して不快感を表す場合、ないしは逆に萎縮して黙り込んでしまう場合です。 大前提として、アメリカでは典型的なエリートビジネスパーソン像というものがあります。例えば、手ごわい取引先に対してタフネゴシエーターとして粘り強く交渉ができたり、如才なく立ち回り、あざやかに場の空気を変えてみせたりといったスーパーマンのような活躍を見せる人材が経営幹部層に登用されます。そういった人材なら、まず間違いなく圧迫面接を満点でクリアできる……。 私に秘密を話してくれたIT企業のオーナー社長も、以上のような情報から自社でも圧迫面接を取り入れたのだと思います。 なお、このIT企業の場合、圧迫面接の面接官に頻繁に起用される幹部がいらっしゃいました。その方は、本当はおちゃめでユーモアの利いた方なのですが、一見強面に見える外見を活用して嫌なタイプの面接官を演じるのがとても上手でした。ちなみに採用決定後は、圧迫面接をした相手と一席設け、ネタばらしをしたうえで仲直りをするのが彼のルーティーンでした』、「圧迫面接とは、90年頃にアメリカで発明された面接手法」、「高圧的でとても理不尽な態度を取る幹部が面接官として登場」、「面接官は役割として、不機嫌で否定的な面接官を演じます。候補者にわざと意地悪な質問をしたり、威圧的に反論をしたりとマウンティングを繰り返します。実は面接官としての彼が見ているポイントは、そのような場面に直面した際に、感情的にならずに冷静に対応する態度が取れるかどうかです」、「圧迫面接の面接官に頻繁に起用される幹部」の場合、「採用決定後は、圧迫面接をした相手と一席設け、ネタばらしをしたうえで仲直りをするのが彼のルーティーンでした」、そうでもしないと同じ会社内では気まずくなるだろう。
・『圧迫面接は時代遅れになっているものの、必要なケースも 現在、この圧迫面接は日本では以前と比べればかなり下火になってきたようです。転職志望者の間でその企業に対する悪評が広まるというデメリットが大きいという理由もそのひとつです。また「圧迫面接というものが存在する」ということを転職志望者が知ることになり、対策マニュアルまで作られるようになったというのもすたれた別の理由です。 さらに圧迫面接の使い方を間違える企業が、問題になったこともあります。 採用プロセスで圧迫を与えることがはやっているという点だけを切り取って、中途ではなく新卒採用のプログラムで、面接官が自己流で圧迫面接をするような例が典型です。私からみればビジネスパーソンとしての場数が少ない学生に、圧迫下で冷静でいられるかどうかを評価することにあまり意味があるとは思えません。そもそも態度の悪い面接官が圧迫面接という言葉を、自分を正当化するために使ったりする例も出てきて問題になったりもしました。 要するに、20年前と比べると圧迫面接はいろいろな観点からやや時代遅れになってきているのです。 とはいえ、入社後の実際の職場では、立場が優位にある取引相手からの圧力を冷静にいなしていく能力が必要とされるケースは少なからずあります。私見ですが、特に新規事業で役所や偉い大学の先生たちを巻き込んで社会常識を変えていくような局面では、圧迫への対抗力は重要です。 20年前に大企業がよくやっていたような圧迫面接は、今や場合によってはパワハラとして裁判所に提訴される可能性があるという時代です。そのため、企業側の対応も進化していて、法律的にはパワハラにならない範囲内での圧迫を試すなどといったことは行われている場合もあります』、「20年前と比べると圧迫面接はいろいろな観点からやや時代遅れになってきている」、「入社後の実際の職場では、立場が優位にある取引相手からの圧力を冷静にいなしていく能力が必要とされるケースは少なからずあります」、「法律的にはパワハラにならない範囲内での圧迫を試すなどといったことは行われている場合もあります」、なるほど。
・『冒頭のエンジニアの面接の見方を変えると、評価は様変わり 冒頭で紹介した「とんでもない面接官に遭遇した」というエピソードですが、遭遇した面接官は確かにただの態度の悪い中年管理職だったのかもしれません。しかしひょっとすると、採用候補者の適性をチェックするための演技だった可能性も半々ぐらいであるかもしれないケースだと私は思いました。 中途入社したら自分の上司となるかもしれない面接官で、あいさつも自己紹介もなしに履歴書に目を落として「早い話が素人で、この業界について何も分かってない」と挑発する…。冒頭の記事では、応募者のエンジニアはその会社に入社しない意思を固め、面接官にピシャリとやって、人事担当者に丁寧にお断りの連絡を入れています。 もしこれが単なる嫌な中年管理職面接官ではなく、意図があって設計された面接プログラムだったとしたら? 「職場に嫌な人がいるだけで一緒には仕事ができない社員」や「取引先の理不尽な要求に暴発してより事態を悪化させる社員」を雇わないために用意された踏み絵だったとしたら? その場合には冒頭のエピソードの見え方は変わってきます。 私が30年以上携わってきたコンサルティングの現場では、コンサルタントのことを「早い話が素人で、この業界について何も分かっていない」と挑発するクライアント企業幹部と何回も遭遇します。冷静にそういった相手とコミュニケーションを重ねながら粘り強く信頼を勝ち得て、関係を変えていくスキルがコンサルタントには求められます。 結局のところ当事者ではないので、冒頭のエピソードの裏にあった真実は想像するしかありません。しかし世の中にはこういった裏事情があるものだということも、ビジネスパーソンとして知っておいて損はないと私は思います』、「コンサルティングの現場では、コンサルタントのことを「早い話が素人で、この業界について何も分かっていない」と挑発するクライアント企業幹部と何回も遭遇します。冷静にそういった相手とコミュニケーションを重ねながら粘り強く信頼を勝ち得て、関係を変えていくスキルがコンサルタントには求められます」、「コンサルタント」に限らず、「ビジネスパーソン」でも一流の人物にとっては求められているといえよう。
次に、1月24日付け弁護士ドットコム「使い勝手がいいだけの「高学歴体育会系」は就活で重視されない? 新卒一括採用の変化」を紹介しよう。
https://www.bengo4.com/c_5/n_13974/
・『経団連が1月18日に発表した春闘方針「経営労働政策特別委員会報告」で、日本型雇用システムの見直しに向けた視点の一つとして、採用方法の多様化が盛り込まれた。 報告書では、従来の新卒一括採用について、計画的で安定的な採用や、自社に適した人材育成などでメリットがあるとする一方で、新卒時以外の入社機会が限られてしまうことや、中小企業やスタートアップ企業による人材獲得や、起業に失敗した人の再チャレンジを阻害している可能性などをデメリットとして挙げている。 そのうえで、新卒一括による採用割合を見直し、通年採用や中途・経験者採用の導入・拡大をさらに進めていくことだ有効だとしている。 これまで何度も、新卒一括採用の見直しが叫ばれてきたが、今後、どうなっていくのか。採用の問題に詳しい碇邦生・大分大学経済学部講師に聞いた(Qは聞き手の質問、Aは碇邦生氏の回答)、興味深そうだ。
・『採用の時期から、採用のあり方をめぐる議論へ Q:新卒一括採用については、賛否両論ありますが、どう捉えればいいのでしょうか。 A:様々な立場の人の思惑が絡んでいて、全体像を語れる人はほとんどいません。例えば学問分野でも、経済学、政治学、法学、社会学と多岐にわたります。さらに、企業、大学、学生のどこの立場で考えるのかによっても視点が異なります。 国単位で考えても、経団連は企業の視点で、経産省も企業の競争力を高める方向性ですが、厚労省は雇用を守りたいということで一枚岩ではありません。 Q:そのような利害関係の複雑さによって、議論が膠着状態に陥ってきた面があるのでしょうか。 A:それはありますね。しかし、5年くらい前から、新卒一括採用を変えようとする側の思惑が多様化して、議論に変化が見られます。それまでの議論は、大学生がどの時期に就活をするのかという「時期問題」に終始していました。 一番初めに変えようと言い始めたのが、バブル崩壊後の1990年前半で、多くのIT企業が生まれた2000年代の議論も同じでした。企業は時期に関係なく高学歴の学生を青田買いしたいと考えましたが、経団連が倫理憲章を作って規制し、学校側も学生生活の確保のために賛同しました。 現在は、グローバル化が進んで日本独自の新卒一括採用を不便に感じる企業が出てきました。職種を絞り込んだジョブ型雇用や通年採用に舵を切る必要が出てきたのです。グローバル企業だけではなく、育成に余裕のない企業も同様です。 そして、これまで以上に学生の専門性を見るようにもなりました。例えば、法学部の学生やロースクール出身者であれば、法務部や知財管理に配属した方が人材育成のコストが下げられる、といった考え方です。学校の勉強と仕事をリンクさせる方向に変わってきたのはこの10年くらいです』、「現在は、グローバル化が進んで日本独自の新卒一括採用を不便に感じる企業が出てきました」、「学校の勉強と仕事をリンクさせる方向に変わってきたのはこの10年くらいです」、なるほど。
・『採用のあり方は一様ではなく、モザイクに Q:そうは言っても、大企業が、大学時代の学びではなく、高学歴の体育会系で、「何でもやります」「協調性があります」という学生をポテンシャル重視で採用する流れも残っているのではないでしょうか。 A:今までは、高学歴体育会系を好んで採用していると言われてきた商社でも、そのような学生を落とすようになってきたという話を関係者から聞いたことがあります。 同じ大学でも起業していたり、世界に目を向けたりしている学生の方が欲しいそうです。使い勝手はいいけれども、純粋無垢なので育ててもらうのが前提といった学生は、高学歴であっても、時代の流れを読む力が無さすぎると捉えられるということですね。 しかし、当然企業によって違いがあります。育成することが前提で、気合と根性があれば良いという企業もあります。そういう意味では、採用のあり方は一様ではなく、モザイクになっています』、「今までは、高学歴体育会系を好んで採用していると言われてきた商社でも、そのような学生を落とすようになってきた」、「採用のあり方は一様ではなく、モザイクになっています」、多様化してきたのは好ましいことだ。
・『新卒一括採用はボリュームゾーンの学生たちを救ってきた Q:ここまでは企業側の視点でしたが、学生は新卒一括採用が続くことを望んでいるのでしょうか。学生の能力を「上」「中」「下」に分類した時に、就職後の企業内教育に期待できるということで、「中」や「下」の学生にとってのメリットが大きかったように思います。 日本の学校教育が、ボリュームゾーンである「中」に対してのケアが厚いのと同様に、新卒一括採用も、その層を中心に救っている面があります。 一方で、「上」の学生への支援はあまりありません。「中」や「下」の学生と同じルールじゃないと就職できないのが現状です。見えないガラスの天井にぶつかってやる気を無くすケースも結構あります。 ですから、フランスのカードル制(注)のように、上位層を別区分にして、とことん働いて出世していく層と、そこそこ働いて楽しい人生を謳歌するけれども、出世はしない層とに分けるべきだという意見もあります』、棲み分けは過度な競争を避ける上で有効だが、果たして同質性の高い日本に馴染むかは疑問だ。
(注)カードル制:上層ホワイトカラーはカードルと呼ばれる。グランドゼコールを中心とする教育システムのなかから生み出される(葉山 滉、「フランスの経済エリート―カードル階層の雇用システム」、日本評論社)。
・『「大学は職業訓練校になるべき」論の問題点 Q:次は大学側の視点の話なのですが、文系を中心に、大学の学問と仕事の内容は今もあまりリンクしていません。スキルを重視した採用に変わっていくのであれば、大学は職業訓練校のようになるべきでしょうか。 A:学生に仕事に直結したことを教えたいのなら、アメリカのように教育と研究を分ける必要があります。 研究を担う人たちを分けないと基礎研究が死んで、研究テーマも狭まってしまいます。例えば紫式部を研究するような、直接世の中の役には立たない学問がなくなってしまうのは困ります。 しかし今のところ、日本の大学は職業訓練校になることの踏ん切りがついていません。日本のジョブ型雇用がアメリカのように積極的にならない理由でもあります。 Q:それはなぜでしょうか。 A:日本の大学が研究も教育もしているのは、日本が貧乏で予算がないからです。人件費も抑えて、教員数も減らして、できるだけお金をかけずに少人数でやりましょうという方向になっています。 このような現状を打開しようと、日本電産の永守重信氏のように自分で大学を作ることで教育改革に乗り出す実業家も出てきています。世界的にも、このような実業家や企業が大学を作る事例は少なくありません。教育改革の方向性の1つとしてあるでしょう。 日本は30年以上、経済全体も企業も元気がありません。予算の問題がずっとつきまとって何も変わらないままでいると、新卒採用も含めて化石化してしまいます。まずは日本国内が元気にならないと始まりません。だから世界で戦える企業をもっと増やさないといけません。 Q:まずは企業が変わらないといけないということでしょうか。 A:変えようと思ったら企業はいくらでも変えられるんですよ。ソフトバンクも楽天も新卒一括採用のルールに縛られずに独自の施策を打ち出しています。大事なのは新しいことに挑戦している企業の足を引っ張らないことです。だから新卒一括採用をする企業としない企業のどちらもあっていいんです。 「日本的」新卒一括採用を変化させるには「日本的」を無くさなくてはいけません。新卒採用は多様なやり方があって良いんです。企業が戦っているフィールドに応じて、やり方を変えればいいだけです』、「変えようと思ったら企業はいくらでも変えられるんですよ。ソフトバンクも楽天も新卒一括採用のルールに縛られずに独自の施策を打ち出しています。大事なのは新しいことに挑戦している企業の足を引っ張らないことです」、その通りだ。
・『部分的でいいので、「出る杭」を伸ばす仕組みに Q:採用とキャリア形成の多様化が求められているということでしょうか。 A:システムで全部変えるにはお金が足りません。ですから、そのお金を稼ぐ手段は「出る杭」の人たちをどれだけ支援して成功させるかが重要なんです。例えば前澤友作さんのように、宇宙に行ってしまうほど成功する人たちですね。 そのためには自分が所属しているコミュニティの中で、上に行きたい人とそうじゃない人が自分で選択できる、キャリアの多様化が必要なのです。 しかし、いま上手くやっているところまで無理に変える必要はありません。部分的に「出る杭」を伸ばせば良いんです。成功は一握りの人が手にするものだと歴史的にも物理学的にも立証されています。 そのような人たちを定期的に出して、周りの人たちを引っ張り上げてもらうという仕組みを作らなくてはいけません。新卒採用も、「出る杭」を受け止められるように改善していくべきでしょう。( 碇邦生氏の略歴はリンク先参照)』、「前澤友作」氏は、高校卒業後、米国に半年間遊学、バンド活動の傍ら、CDやレコードの輸入販売を始め、インターネット上のセレクトショップを集積した「ZOZOTOWN」を新たに開設(Wikipedia)という経歴の通り、「出る杭」そのものである。スタートアップには、「出る杭」を邪魔するものは基本的にはない筈だ。
https://ja.wikipedia.org/wiki/%E5%89%8D%E6%BE%A4%E5%8F%8B%E4%BD%9C
第三に、2月21日付けダイヤモンド・オンライン「「体育会系は就職に強い」神話の崩壊で、変わる就活の最新事情とは」を紹介しよう。
https://diamond.jp/articles/-/295035
・『就職に強いとされる体育会系学生。学生はもちろん、企業の担当者にも「採用するなら体育会系」と考える人は多いかもしれない。しかし、雇用や働き方が激変する現代において“体育会系神話”はまだ機能するのか。神話ができた過程や展望について『就職と体育会系神話』(青弓社)の著者であり京都先端科学大学健康医療学部准教授の束原文郎氏に聞いた』、興味深そうだ。
・『アメフトが支えた体育会系神話の最盛期 「体育会系は就職に強い」という認識は多くの人が、なんとなく持っているだろう。しかし、それはどのような過程を経て、われわれに刷り込まれてきたのか。束原氏は次のように話す。 「体育会系学生が就職において望ましい資質を備えている、という神話は大正から昭和初期には確立していました。当時の大学進学率は約1~3%で、そのなかでも運動部に所属している学生は多く見積もっても1割程度。該当人口の0.1%ほどしかいない彼らは、知力も体力も兼ね備えたスーパーエリートだったのです。また、当時の公衆衛生的な観点からも、身体の健康が重視され、体育会系の学生はその基準にもっとも合致していたわけです」 強壮で健康な身体をスポーツで育み、また部内で社交性や折衝能力を鍛えた体育会系学生は最良の人材イメージであると戦前では認識されていたのだ。) 逆に文系(特に文学部)でスポーツを嫌う学生は「病弱で左翼的過激思想に耽溺(たんでき)している」と見なされ、企業側からは忌避されていた。 「こうして、体育会系神話は成立していきましたが、それが最盛期を迎えるのは1980年代末から1990年代初頭とみています。その頃には進学率が大幅に向上し、大卒者のエリート性は低減しましたが、企業スポーツ文化の隆盛やリクルーター制度により、バブル崩壊頃まで体育会系学生は就職に有利でした」 例えば当時、新しい企業スポーツとしてアメリカンフットボールが注目され、次々とチームが創設された。当時のアメフトは野球やサッカーに比べ、まだマイナースポーツであり、国公立大や名だたる優良私学にしか強いチームがなかった。その中で、特にリクルートなどでは、高偏差値大学出身者の確保と企業スポーツ強化の観点から、アメフト部の新卒者を意図的に集めていたという』、「体育会系学生が就職において望ましい資質を備えている、という神話は大正から昭和初期には確立」、「当時の大学進学率は約1~3%で、該当人口の0.1%ほどしかいない彼らは、知力も体力も兼ね備えたスーパーエリートだった」、「体育会系神話」、「が最盛期を迎えるのは1980年代末から1990年代初頭」、「その頃には進学率が大幅に向上し、大卒者のエリート性は低減しましたが、企業スポーツ文化の隆盛やリクルーター制度により、バブル崩壊頃まで体育会系学生は就職に有利」、なるほど。
・『体育会系学生で広がる大学格差 ただ、バブル崩壊から現在にかけて、その神話は変容していると束原氏は述べる。すべての体育会系学生が有利というわけではなく、「エリート体育会系とノンエリート体育会系に分化し、格差が生じている」というのだ。 「2000年前後から急速に18歳人口の減少が始まったことで、それまで新増設を繰り返し、キャパシティを拡大していた国内の私立大学の多くは経営難に陥り、2010年代に入ると実に40%の大学が定員割れを起こすようになりました。特に中堅以下の私学では、その傾向が顕著でした。経営に窮した中小私立大学は学力が不足している学生をスポーツ推薦制度によって入学させ、なんとかして定員を確保しようと努めるようになったのです。拙著ではこの状況について、たしかに全体の学生アスリート人口は増加したが、今まで通り優良人材とみなされる『伝統的で威信が高い(高偏差値)大学出身のエリート体育会系学生』と『中堅以下大学のノンエリート体育会系学生』に分化したのだ、と指摘しました」 エリート体育会系は「今でも若干就職に有利」だという。その背景にあるのが、日本の特殊な雇用慣行だ。 欧米では働き手の職務内容をあらかじめ明確に定めて雇用する「ジョブ型雇用」が一般的であるのに対し、日本企業では今でも新卒を一括採用して入社後に仕事を割り当てる「メンバーシップ型雇用」が主流だ。 そのため、企業が採用時に求めるのは、どんな環境でも対応できる人材である。 「どの部署に配属しても適応できる人材を求める企業にとっての評価ポイントは『地頭の良さ』『地道に継続して学習する能力』『要領の良さ』などです。新卒一括採用の慣行の中では,採用側は限られたスケジュールの中で情報不足のまま採否を決めなければならず、何度も面接を繰り返して人物や適性を見極めるという地道な作業の代わりに、『高偏差値大学(地頭がありそう)』や『体育会系(継続する力、根性がありそう)』といったある種の“シグナル”を選考に利用してしまう。結果的に高偏差値大学の体育会系=エリート体育会系が有利な状況、つまり優良大学からの方が人気企業に就職しやすい状況が続いているという印象があります。一方のノンエリート体育会系は大学にとって財務上の安定に寄与し、大学スポーツが新たな展開をむかえる(競技横断型大学スポーツ協会UNIVASの設立など)改革のきっかけにはなりましたが、就職に際して大企業社員のイスまでは用意されなかった、ということになります」 メンバーシップ型かつ新卒一括採用の場合、企業は早期にメンバーを囲い込む必要に迫られる。そうした際に、エリート体育会系はわかりやすい指標となるのだろう』、「何度も面接を繰り返して人物や適性を見極めるという地道な作業の代わりに、『高偏差値大学(地頭がありそう)』や『体育会系(継続する力、根性がありそう)』といったある種の“シグナル”を選考に利用してしまう。結果的に高偏差値大学の体育会系=エリート体育会系が有利な状況・・・が続いている」、「メンバーシップ型かつ新卒一括採用の場合、企業は早期にメンバーを囲い込む必要に迫られる。そうした際に、エリート体育会系はわかりやすい指標となるのだろう」、なるほど。
・『新卒採用で人気が高い新興スポーツの経験者 近年では日本企業でも、ジョブ型雇用を導入する企業も増えつつある。富士通やNTTなどではすでに管理職にジョブ型雇用を適用しており、1月10日には日立製作所も全社員に適用する方針を出した。 このような雇用の変化は、既存の体育会系神話にどのような影響をもたらすのだろうか。 「神話のさらなる変化を期待したいです。現在の所属(学歴)に頼るメンバーシップ型では、採用時に大学ランクが先行しがちで、アスリートとしての経験や学業面の成績などが適切に評価されていません。GPA(学業評価)の重視に加え、大学のランクを問わず、アスリートとしての実力(ある対象に情熱を傾け、熟達する力)やマネジメント能力などがもっと評価されるようになればいいと思います」 本格的なジョブ型導入は全国的にはまだなされてはいないが、近年でも体育会系の就職に変化が起きているという。) 「これまで比較的有利だったのは、男性アスリートでした。しかし、2021年3月卒のデータでは、体育会系学生の中で人気企業への内定獲得率が男女で逆転し、女性アスリートのほうが評価され始めています。実際、女性アスリートのほうがGPA(学業成績)は高い傾向にあります。近年のさまざまな変化によって性別に対する企業側のバイアスが解け、男性的なイメージが強い体育会系の就職でも変化が起きていることは歓迎すべきです。また、統計的にはレギュラーの学生ではなく、サブメンバーの方が人気企業からの内定獲得率が高いと出ます。レギュラーにはスポーツ推薦が多く含まれ、結果として学業がおろそかになりがちな学生アスリートが人気企業に進みづらくなっているものと危惧されます」 レギュラーメンバーよりサブメンバーのほうが明らかにGPAの成績が高いと束原氏は指摘する。大学名やレギュラーという肩書ではなく、学業面などが評価されるようになってきているのだ。 「レギュラーメンバーよりも、サブメンバーのほうが良い企業に入社するのは皮肉な気もしますが、現実的にプロアスリートなどになれなければ、大学スポーツで花咲いても生きていくのは難しいということです。それが野球やサッカーなどのメジャースポーツであってもです。もっと言えば『俺は監督や先輩から推薦してもらって就職できる』というメンタリティの学生は非常に厳しい。だからこそ、キャリアを見据えて学業や英語、ITスキルを身に付ける生き方をしないといけないし、われわれ大学側もそのような場所と制度を作らなければなりません。また、高校までの指導者や顧問も、このようなことを念頭に指導したり、進路相談にのってあげたりしてほしいですね」 そんななかで現在ではラクロスなど新興スポーツに取り組んでいた学生の評価の高さが目立っているという。 「ラクロスなど日本の大学スポーツの文脈で比較的新しいマイナースポーツでは、練習場所もなければ指導者も少ない。その中で学生自身がいかに試行錯誤したかがクラブの強化やアスリートの成長にとっては重要になり、そうした試行錯誤によって獲得された何かが採用担当者の目に留まる可能性を高めるのかもしれません。実際に、直近の調査でもラクロス経験者は男女ともに人気企業からの内定獲得率が学生アスリート平均を有意に上回っています。戦略的に、そのような新興スポーツを大学で始めるのもよいかもしれません」 時代の潮流がめまぐるしく変化する中、体育会系神話にも良い変化がもたらされることを期待したい』、「体育会系学生の中で人気企業への内定獲得率が男女で逆転し、女性アスリートのほうが評価され始めています。実際、女性アスリートのほうがGPA(学業成績)は高い傾向にあります」、「ラクロスなど日本の大学スポーツの文脈で比較的新しいマイナースポーツでは、練習場所もなければ指導者も少ない。その中で学生自身がいかに試行錯誤したかがクラブの強化やアスリートの成長にとっては重要になり、そうした試行錯誤によって獲得された何かが採用担当者の目に留まる可能性を高めるのかもしれません。実際に、直近の調査でもラクロス経験者は男女ともに人気企業からの内定獲得率が学生アスリート平均を有意に上回っています」、まではいいとしても、「戦略的に、そのような新興スポーツを大学で始めるのもよいかもしれません」、と二匹目のドジョウ狙いをしても、あてが外れる可能性がある。
先ずは、昨年11月26日付けダイヤモンド・オンラインが掲載した百年コンサルティング代表の鈴木貴博氏による「失礼な面接官に反撃!ネットでバズったエンジニアが気づかない中途採用の現実」を紹介しよう。
https://diamond.jp/articles/-/288688
・『中途採用の面接でのエピソードが話題 少し前に転職ニュースサイト(キャリコネニュース)で、中途採用の面接に関する記事がバズっていました。 大学院卒のエンジニアが転職活動の際、自分のバックグラウンドが生きる別の企業に応募したときに中途採用面接でとんでもない面接官に遭遇したという体験談です。 その面接官は開発部署から来た人間で、あいさつも自己紹介もなしにドカっと座ると、履歴書を見たうえで「早い話が素人で、この業界について何も分かっていない」応募者だと決めつけて、横柄な態度で面接を始めたというのです。 あまりに失礼だったことから、このエンジニアは、その面接官に対してピシャリと言い返してその場を去り、人事部に対して丁寧に応募辞退を伝えたという内容でした。 記事の中ではその的確で小気味のいい反論が読者の爽快感をうながすとともに、その面接官のような古いタイプの技術者がいる会社は、自ら若い研究者の活躍を妨げる会社なのだと分析しているようでした。 記事としてはおもしろくまとまっているエピソードなのですが、「やられたらやり返せ」とでも言うべき、この小気味いい反撃に成功した彼がひょっとすると気づかなかったことがあるかもしれません』、野次馬的には「面接官」がその後、どうなったのかに興味がある。
・『IT企業経営者が明かした、中途採用で最も重視するもの エンジニアの彼とは異なる視点から面接を見ると、「気づかなかった可能性」について考えられるでしょう。それは、こんな話です。現在ではコンプラに抵触する可能性もある話なので、具体的な企業名は匿名で記事を書かせてください。 私がずいぶん前にお世話になったIT企業のオーナー経営者が教えてくれた話です。 彼の会社はグローバルに急成長した日本企業で、おそらく当時は日本で幹部クラスの中途採用人数が最も多い企業の一つだったと思います。さらに優秀な人材をヘッドハントして成功していると、外部から高く評価されていました。 その社長があるとき、採用の秘密について教えてくれました。 彼が有名企業からの転職希望者を採用するかしないかの最終判断をする際に、最も重視するのは、地頭の良さや業界知識など、いわゆるビジネスパーソンとしての優秀さではなく「打たれ強さ」だと話してくれました。 確かに、外部から見ても、その会社で戦力となるためには一般企業よりもストレス耐性が必要な環境であることは間違いなかったと思います。市場環境的には超がつく成長市場ではあるのですが、競争は厳しく、業績目標も高い。さらに事業セグメントによっては行政とのかかわりが強いのですが、そこではかなり理不尽な横やりが入ってくることもあります。しかもオーナー社長自身の個性が強く、控えめに表現してもパワハラ気味な方でした。 そのオーナー社長がおっしゃるには、彼に手厳しく言い込められたぐらいで萎縮する人材だと社内的にも対外的にも勝ち残っていけないというのです。 こんな背景があったことから当時、この会社の採用面接では圧迫面接を行っていました』、「圧迫面接」とは何だろう。
・『エリートビジネスパーソンに求められていた理想像 圧迫面接とは、90年頃にアメリカで発明された面接手法と言われており、私が知る限り、20年前ぐらいが使われるブームとしてはピークだったと思います。主に大企業の幹部面接のプロセスの途中で、高圧的でとても理不尽な態度を取る幹部が面接官として登場するというものです。 面接官は役割として、不機嫌で否定的な面接官を演じます。候補者にわざと意地悪な質問をしたり、威圧的に反論をしたりとマウンティングを繰り返します。実は面接官としての彼が見ているポイントは、そのような場面に直面した際に、感情的にならずに冷静に対応する態度が取れるかどうかです。ここでマイナスに評価されるのは感情的に反論する場合や、面接官に対して不快感を表す場合、ないしは逆に萎縮して黙り込んでしまう場合です。 大前提として、アメリカでは典型的なエリートビジネスパーソン像というものがあります。例えば、手ごわい取引先に対してタフネゴシエーターとして粘り強く交渉ができたり、如才なく立ち回り、あざやかに場の空気を変えてみせたりといったスーパーマンのような活躍を見せる人材が経営幹部層に登用されます。そういった人材なら、まず間違いなく圧迫面接を満点でクリアできる……。 私に秘密を話してくれたIT企業のオーナー社長も、以上のような情報から自社でも圧迫面接を取り入れたのだと思います。 なお、このIT企業の場合、圧迫面接の面接官に頻繁に起用される幹部がいらっしゃいました。その方は、本当はおちゃめでユーモアの利いた方なのですが、一見強面に見える外見を活用して嫌なタイプの面接官を演じるのがとても上手でした。ちなみに採用決定後は、圧迫面接をした相手と一席設け、ネタばらしをしたうえで仲直りをするのが彼のルーティーンでした』、「圧迫面接とは、90年頃にアメリカで発明された面接手法」、「高圧的でとても理不尽な態度を取る幹部が面接官として登場」、「面接官は役割として、不機嫌で否定的な面接官を演じます。候補者にわざと意地悪な質問をしたり、威圧的に反論をしたりとマウンティングを繰り返します。実は面接官としての彼が見ているポイントは、そのような場面に直面した際に、感情的にならずに冷静に対応する態度が取れるかどうかです」、「圧迫面接の面接官に頻繁に起用される幹部」の場合、「採用決定後は、圧迫面接をした相手と一席設け、ネタばらしをしたうえで仲直りをするのが彼のルーティーンでした」、そうでもしないと同じ会社内では気まずくなるだろう。
・『圧迫面接は時代遅れになっているものの、必要なケースも 現在、この圧迫面接は日本では以前と比べればかなり下火になってきたようです。転職志望者の間でその企業に対する悪評が広まるというデメリットが大きいという理由もそのひとつです。また「圧迫面接というものが存在する」ということを転職志望者が知ることになり、対策マニュアルまで作られるようになったというのもすたれた別の理由です。 さらに圧迫面接の使い方を間違える企業が、問題になったこともあります。 採用プロセスで圧迫を与えることがはやっているという点だけを切り取って、中途ではなく新卒採用のプログラムで、面接官が自己流で圧迫面接をするような例が典型です。私からみればビジネスパーソンとしての場数が少ない学生に、圧迫下で冷静でいられるかどうかを評価することにあまり意味があるとは思えません。そもそも態度の悪い面接官が圧迫面接という言葉を、自分を正当化するために使ったりする例も出てきて問題になったりもしました。 要するに、20年前と比べると圧迫面接はいろいろな観点からやや時代遅れになってきているのです。 とはいえ、入社後の実際の職場では、立場が優位にある取引相手からの圧力を冷静にいなしていく能力が必要とされるケースは少なからずあります。私見ですが、特に新規事業で役所や偉い大学の先生たちを巻き込んで社会常識を変えていくような局面では、圧迫への対抗力は重要です。 20年前に大企業がよくやっていたような圧迫面接は、今や場合によってはパワハラとして裁判所に提訴される可能性があるという時代です。そのため、企業側の対応も進化していて、法律的にはパワハラにならない範囲内での圧迫を試すなどといったことは行われている場合もあります』、「20年前と比べると圧迫面接はいろいろな観点からやや時代遅れになってきている」、「入社後の実際の職場では、立場が優位にある取引相手からの圧力を冷静にいなしていく能力が必要とされるケースは少なからずあります」、「法律的にはパワハラにならない範囲内での圧迫を試すなどといったことは行われている場合もあります」、なるほど。
・『冒頭のエンジニアの面接の見方を変えると、評価は様変わり 冒頭で紹介した「とんでもない面接官に遭遇した」というエピソードですが、遭遇した面接官は確かにただの態度の悪い中年管理職だったのかもしれません。しかしひょっとすると、採用候補者の適性をチェックするための演技だった可能性も半々ぐらいであるかもしれないケースだと私は思いました。 中途入社したら自分の上司となるかもしれない面接官で、あいさつも自己紹介もなしに履歴書に目を落として「早い話が素人で、この業界について何も分かってない」と挑発する…。冒頭の記事では、応募者のエンジニアはその会社に入社しない意思を固め、面接官にピシャリとやって、人事担当者に丁寧にお断りの連絡を入れています。 もしこれが単なる嫌な中年管理職面接官ではなく、意図があって設計された面接プログラムだったとしたら? 「職場に嫌な人がいるだけで一緒には仕事ができない社員」や「取引先の理不尽な要求に暴発してより事態を悪化させる社員」を雇わないために用意された踏み絵だったとしたら? その場合には冒頭のエピソードの見え方は変わってきます。 私が30年以上携わってきたコンサルティングの現場では、コンサルタントのことを「早い話が素人で、この業界について何も分かっていない」と挑発するクライアント企業幹部と何回も遭遇します。冷静にそういった相手とコミュニケーションを重ねながら粘り強く信頼を勝ち得て、関係を変えていくスキルがコンサルタントには求められます。 結局のところ当事者ではないので、冒頭のエピソードの裏にあった真実は想像するしかありません。しかし世の中にはこういった裏事情があるものだということも、ビジネスパーソンとして知っておいて損はないと私は思います』、「コンサルティングの現場では、コンサルタントのことを「早い話が素人で、この業界について何も分かっていない」と挑発するクライアント企業幹部と何回も遭遇します。冷静にそういった相手とコミュニケーションを重ねながら粘り強く信頼を勝ち得て、関係を変えていくスキルがコンサルタントには求められます」、「コンサルタント」に限らず、「ビジネスパーソン」でも一流の人物にとっては求められているといえよう。
次に、1月24日付け弁護士ドットコム「使い勝手がいいだけの「高学歴体育会系」は就活で重視されない? 新卒一括採用の変化」を紹介しよう。
https://www.bengo4.com/c_5/n_13974/
・『経団連が1月18日に発表した春闘方針「経営労働政策特別委員会報告」で、日本型雇用システムの見直しに向けた視点の一つとして、採用方法の多様化が盛り込まれた。 報告書では、従来の新卒一括採用について、計画的で安定的な採用や、自社に適した人材育成などでメリットがあるとする一方で、新卒時以外の入社機会が限られてしまうことや、中小企業やスタートアップ企業による人材獲得や、起業に失敗した人の再チャレンジを阻害している可能性などをデメリットとして挙げている。 そのうえで、新卒一括による採用割合を見直し、通年採用や中途・経験者採用の導入・拡大をさらに進めていくことだ有効だとしている。 これまで何度も、新卒一括採用の見直しが叫ばれてきたが、今後、どうなっていくのか。採用の問題に詳しい碇邦生・大分大学経済学部講師に聞いた(Qは聞き手の質問、Aは碇邦生氏の回答)、興味深そうだ。
・『採用の時期から、採用のあり方をめぐる議論へ Q:新卒一括採用については、賛否両論ありますが、どう捉えればいいのでしょうか。 A:様々な立場の人の思惑が絡んでいて、全体像を語れる人はほとんどいません。例えば学問分野でも、経済学、政治学、法学、社会学と多岐にわたります。さらに、企業、大学、学生のどこの立場で考えるのかによっても視点が異なります。 国単位で考えても、経団連は企業の視点で、経産省も企業の競争力を高める方向性ですが、厚労省は雇用を守りたいということで一枚岩ではありません。 Q:そのような利害関係の複雑さによって、議論が膠着状態に陥ってきた面があるのでしょうか。 A:それはありますね。しかし、5年くらい前から、新卒一括採用を変えようとする側の思惑が多様化して、議論に変化が見られます。それまでの議論は、大学生がどの時期に就活をするのかという「時期問題」に終始していました。 一番初めに変えようと言い始めたのが、バブル崩壊後の1990年前半で、多くのIT企業が生まれた2000年代の議論も同じでした。企業は時期に関係なく高学歴の学生を青田買いしたいと考えましたが、経団連が倫理憲章を作って規制し、学校側も学生生活の確保のために賛同しました。 現在は、グローバル化が進んで日本独自の新卒一括採用を不便に感じる企業が出てきました。職種を絞り込んだジョブ型雇用や通年採用に舵を切る必要が出てきたのです。グローバル企業だけではなく、育成に余裕のない企業も同様です。 そして、これまで以上に学生の専門性を見るようにもなりました。例えば、法学部の学生やロースクール出身者であれば、法務部や知財管理に配属した方が人材育成のコストが下げられる、といった考え方です。学校の勉強と仕事をリンクさせる方向に変わってきたのはこの10年くらいです』、「現在は、グローバル化が進んで日本独自の新卒一括採用を不便に感じる企業が出てきました」、「学校の勉強と仕事をリンクさせる方向に変わってきたのはこの10年くらいです」、なるほど。
・『採用のあり方は一様ではなく、モザイクに Q:そうは言っても、大企業が、大学時代の学びではなく、高学歴の体育会系で、「何でもやります」「協調性があります」という学生をポテンシャル重視で採用する流れも残っているのではないでしょうか。 A:今までは、高学歴体育会系を好んで採用していると言われてきた商社でも、そのような学生を落とすようになってきたという話を関係者から聞いたことがあります。 同じ大学でも起業していたり、世界に目を向けたりしている学生の方が欲しいそうです。使い勝手はいいけれども、純粋無垢なので育ててもらうのが前提といった学生は、高学歴であっても、時代の流れを読む力が無さすぎると捉えられるということですね。 しかし、当然企業によって違いがあります。育成することが前提で、気合と根性があれば良いという企業もあります。そういう意味では、採用のあり方は一様ではなく、モザイクになっています』、「今までは、高学歴体育会系を好んで採用していると言われてきた商社でも、そのような学生を落とすようになってきた」、「採用のあり方は一様ではなく、モザイクになっています」、多様化してきたのは好ましいことだ。
・『新卒一括採用はボリュームゾーンの学生たちを救ってきた Q:ここまでは企業側の視点でしたが、学生は新卒一括採用が続くことを望んでいるのでしょうか。学生の能力を「上」「中」「下」に分類した時に、就職後の企業内教育に期待できるということで、「中」や「下」の学生にとってのメリットが大きかったように思います。 日本の学校教育が、ボリュームゾーンである「中」に対してのケアが厚いのと同様に、新卒一括採用も、その層を中心に救っている面があります。 一方で、「上」の学生への支援はあまりありません。「中」や「下」の学生と同じルールじゃないと就職できないのが現状です。見えないガラスの天井にぶつかってやる気を無くすケースも結構あります。 ですから、フランスのカードル制(注)のように、上位層を別区分にして、とことん働いて出世していく層と、そこそこ働いて楽しい人生を謳歌するけれども、出世はしない層とに分けるべきだという意見もあります』、棲み分けは過度な競争を避ける上で有効だが、果たして同質性の高い日本に馴染むかは疑問だ。
(注)カードル制:上層ホワイトカラーはカードルと呼ばれる。グランドゼコールを中心とする教育システムのなかから生み出される(葉山 滉、「フランスの経済エリート―カードル階層の雇用システム」、日本評論社)。
・『「大学は職業訓練校になるべき」論の問題点 Q:次は大学側の視点の話なのですが、文系を中心に、大学の学問と仕事の内容は今もあまりリンクしていません。スキルを重視した採用に変わっていくのであれば、大学は職業訓練校のようになるべきでしょうか。 A:学生に仕事に直結したことを教えたいのなら、アメリカのように教育と研究を分ける必要があります。 研究を担う人たちを分けないと基礎研究が死んで、研究テーマも狭まってしまいます。例えば紫式部を研究するような、直接世の中の役には立たない学問がなくなってしまうのは困ります。 しかし今のところ、日本の大学は職業訓練校になることの踏ん切りがついていません。日本のジョブ型雇用がアメリカのように積極的にならない理由でもあります。 Q:それはなぜでしょうか。 A:日本の大学が研究も教育もしているのは、日本が貧乏で予算がないからです。人件費も抑えて、教員数も減らして、できるだけお金をかけずに少人数でやりましょうという方向になっています。 このような現状を打開しようと、日本電産の永守重信氏のように自分で大学を作ることで教育改革に乗り出す実業家も出てきています。世界的にも、このような実業家や企業が大学を作る事例は少なくありません。教育改革の方向性の1つとしてあるでしょう。 日本は30年以上、経済全体も企業も元気がありません。予算の問題がずっとつきまとって何も変わらないままでいると、新卒採用も含めて化石化してしまいます。まずは日本国内が元気にならないと始まりません。だから世界で戦える企業をもっと増やさないといけません。 Q:まずは企業が変わらないといけないということでしょうか。 A:変えようと思ったら企業はいくらでも変えられるんですよ。ソフトバンクも楽天も新卒一括採用のルールに縛られずに独自の施策を打ち出しています。大事なのは新しいことに挑戦している企業の足を引っ張らないことです。だから新卒一括採用をする企業としない企業のどちらもあっていいんです。 「日本的」新卒一括採用を変化させるには「日本的」を無くさなくてはいけません。新卒採用は多様なやり方があって良いんです。企業が戦っているフィールドに応じて、やり方を変えればいいだけです』、「変えようと思ったら企業はいくらでも変えられるんですよ。ソフトバンクも楽天も新卒一括採用のルールに縛られずに独自の施策を打ち出しています。大事なのは新しいことに挑戦している企業の足を引っ張らないことです」、その通りだ。
・『部分的でいいので、「出る杭」を伸ばす仕組みに Q:採用とキャリア形成の多様化が求められているということでしょうか。 A:システムで全部変えるにはお金が足りません。ですから、そのお金を稼ぐ手段は「出る杭」の人たちをどれだけ支援して成功させるかが重要なんです。例えば前澤友作さんのように、宇宙に行ってしまうほど成功する人たちですね。 そのためには自分が所属しているコミュニティの中で、上に行きたい人とそうじゃない人が自分で選択できる、キャリアの多様化が必要なのです。 しかし、いま上手くやっているところまで無理に変える必要はありません。部分的に「出る杭」を伸ばせば良いんです。成功は一握りの人が手にするものだと歴史的にも物理学的にも立証されています。 そのような人たちを定期的に出して、周りの人たちを引っ張り上げてもらうという仕組みを作らなくてはいけません。新卒採用も、「出る杭」を受け止められるように改善していくべきでしょう。( 碇邦生氏の略歴はリンク先参照)』、「前澤友作」氏は、高校卒業後、米国に半年間遊学、バンド活動の傍ら、CDやレコードの輸入販売を始め、インターネット上のセレクトショップを集積した「ZOZOTOWN」を新たに開設(Wikipedia)という経歴の通り、「出る杭」そのものである。スタートアップには、「出る杭」を邪魔するものは基本的にはない筈だ。
https://ja.wikipedia.org/wiki/%E5%89%8D%E6%BE%A4%E5%8F%8B%E4%BD%9C
第三に、2月21日付けダイヤモンド・オンライン「「体育会系は就職に強い」神話の崩壊で、変わる就活の最新事情とは」を紹介しよう。
https://diamond.jp/articles/-/295035
・『就職に強いとされる体育会系学生。学生はもちろん、企業の担当者にも「採用するなら体育会系」と考える人は多いかもしれない。しかし、雇用や働き方が激変する現代において“体育会系神話”はまだ機能するのか。神話ができた過程や展望について『就職と体育会系神話』(青弓社)の著者であり京都先端科学大学健康医療学部准教授の束原文郎氏に聞いた』、興味深そうだ。
・『アメフトが支えた体育会系神話の最盛期 「体育会系は就職に強い」という認識は多くの人が、なんとなく持っているだろう。しかし、それはどのような過程を経て、われわれに刷り込まれてきたのか。束原氏は次のように話す。 「体育会系学生が就職において望ましい資質を備えている、という神話は大正から昭和初期には確立していました。当時の大学進学率は約1~3%で、そのなかでも運動部に所属している学生は多く見積もっても1割程度。該当人口の0.1%ほどしかいない彼らは、知力も体力も兼ね備えたスーパーエリートだったのです。また、当時の公衆衛生的な観点からも、身体の健康が重視され、体育会系の学生はその基準にもっとも合致していたわけです」 強壮で健康な身体をスポーツで育み、また部内で社交性や折衝能力を鍛えた体育会系学生は最良の人材イメージであると戦前では認識されていたのだ。) 逆に文系(特に文学部)でスポーツを嫌う学生は「病弱で左翼的過激思想に耽溺(たんでき)している」と見なされ、企業側からは忌避されていた。 「こうして、体育会系神話は成立していきましたが、それが最盛期を迎えるのは1980年代末から1990年代初頭とみています。その頃には進学率が大幅に向上し、大卒者のエリート性は低減しましたが、企業スポーツ文化の隆盛やリクルーター制度により、バブル崩壊頃まで体育会系学生は就職に有利でした」 例えば当時、新しい企業スポーツとしてアメリカンフットボールが注目され、次々とチームが創設された。当時のアメフトは野球やサッカーに比べ、まだマイナースポーツであり、国公立大や名だたる優良私学にしか強いチームがなかった。その中で、特にリクルートなどでは、高偏差値大学出身者の確保と企業スポーツ強化の観点から、アメフト部の新卒者を意図的に集めていたという』、「体育会系学生が就職において望ましい資質を備えている、という神話は大正から昭和初期には確立」、「当時の大学進学率は約1~3%で、該当人口の0.1%ほどしかいない彼らは、知力も体力も兼ね備えたスーパーエリートだった」、「体育会系神話」、「が最盛期を迎えるのは1980年代末から1990年代初頭」、「その頃には進学率が大幅に向上し、大卒者のエリート性は低減しましたが、企業スポーツ文化の隆盛やリクルーター制度により、バブル崩壊頃まで体育会系学生は就職に有利」、なるほど。
・『体育会系学生で広がる大学格差 ただ、バブル崩壊から現在にかけて、その神話は変容していると束原氏は述べる。すべての体育会系学生が有利というわけではなく、「エリート体育会系とノンエリート体育会系に分化し、格差が生じている」というのだ。 「2000年前後から急速に18歳人口の減少が始まったことで、それまで新増設を繰り返し、キャパシティを拡大していた国内の私立大学の多くは経営難に陥り、2010年代に入ると実に40%の大学が定員割れを起こすようになりました。特に中堅以下の私学では、その傾向が顕著でした。経営に窮した中小私立大学は学力が不足している学生をスポーツ推薦制度によって入学させ、なんとかして定員を確保しようと努めるようになったのです。拙著ではこの状況について、たしかに全体の学生アスリート人口は増加したが、今まで通り優良人材とみなされる『伝統的で威信が高い(高偏差値)大学出身のエリート体育会系学生』と『中堅以下大学のノンエリート体育会系学生』に分化したのだ、と指摘しました」 エリート体育会系は「今でも若干就職に有利」だという。その背景にあるのが、日本の特殊な雇用慣行だ。 欧米では働き手の職務内容をあらかじめ明確に定めて雇用する「ジョブ型雇用」が一般的であるのに対し、日本企業では今でも新卒を一括採用して入社後に仕事を割り当てる「メンバーシップ型雇用」が主流だ。 そのため、企業が採用時に求めるのは、どんな環境でも対応できる人材である。 「どの部署に配属しても適応できる人材を求める企業にとっての評価ポイントは『地頭の良さ』『地道に継続して学習する能力』『要領の良さ』などです。新卒一括採用の慣行の中では,採用側は限られたスケジュールの中で情報不足のまま採否を決めなければならず、何度も面接を繰り返して人物や適性を見極めるという地道な作業の代わりに、『高偏差値大学(地頭がありそう)』や『体育会系(継続する力、根性がありそう)』といったある種の“シグナル”を選考に利用してしまう。結果的に高偏差値大学の体育会系=エリート体育会系が有利な状況、つまり優良大学からの方が人気企業に就職しやすい状況が続いているという印象があります。一方のノンエリート体育会系は大学にとって財務上の安定に寄与し、大学スポーツが新たな展開をむかえる(競技横断型大学スポーツ協会UNIVASの設立など)改革のきっかけにはなりましたが、就職に際して大企業社員のイスまでは用意されなかった、ということになります」 メンバーシップ型かつ新卒一括採用の場合、企業は早期にメンバーを囲い込む必要に迫られる。そうした際に、エリート体育会系はわかりやすい指標となるのだろう』、「何度も面接を繰り返して人物や適性を見極めるという地道な作業の代わりに、『高偏差値大学(地頭がありそう)』や『体育会系(継続する力、根性がありそう)』といったある種の“シグナル”を選考に利用してしまう。結果的に高偏差値大学の体育会系=エリート体育会系が有利な状況・・・が続いている」、「メンバーシップ型かつ新卒一括採用の場合、企業は早期にメンバーを囲い込む必要に迫られる。そうした際に、エリート体育会系はわかりやすい指標となるのだろう」、なるほど。
・『新卒採用で人気が高い新興スポーツの経験者 近年では日本企業でも、ジョブ型雇用を導入する企業も増えつつある。富士通やNTTなどではすでに管理職にジョブ型雇用を適用しており、1月10日には日立製作所も全社員に適用する方針を出した。 このような雇用の変化は、既存の体育会系神話にどのような影響をもたらすのだろうか。 「神話のさらなる変化を期待したいです。現在の所属(学歴)に頼るメンバーシップ型では、採用時に大学ランクが先行しがちで、アスリートとしての経験や学業面の成績などが適切に評価されていません。GPA(学業評価)の重視に加え、大学のランクを問わず、アスリートとしての実力(ある対象に情熱を傾け、熟達する力)やマネジメント能力などがもっと評価されるようになればいいと思います」 本格的なジョブ型導入は全国的にはまだなされてはいないが、近年でも体育会系の就職に変化が起きているという。) 「これまで比較的有利だったのは、男性アスリートでした。しかし、2021年3月卒のデータでは、体育会系学生の中で人気企業への内定獲得率が男女で逆転し、女性アスリートのほうが評価され始めています。実際、女性アスリートのほうがGPA(学業成績)は高い傾向にあります。近年のさまざまな変化によって性別に対する企業側のバイアスが解け、男性的なイメージが強い体育会系の就職でも変化が起きていることは歓迎すべきです。また、統計的にはレギュラーの学生ではなく、サブメンバーの方が人気企業からの内定獲得率が高いと出ます。レギュラーにはスポーツ推薦が多く含まれ、結果として学業がおろそかになりがちな学生アスリートが人気企業に進みづらくなっているものと危惧されます」 レギュラーメンバーよりサブメンバーのほうが明らかにGPAの成績が高いと束原氏は指摘する。大学名やレギュラーという肩書ではなく、学業面などが評価されるようになってきているのだ。 「レギュラーメンバーよりも、サブメンバーのほうが良い企業に入社するのは皮肉な気もしますが、現実的にプロアスリートなどになれなければ、大学スポーツで花咲いても生きていくのは難しいということです。それが野球やサッカーなどのメジャースポーツであってもです。もっと言えば『俺は監督や先輩から推薦してもらって就職できる』というメンタリティの学生は非常に厳しい。だからこそ、キャリアを見据えて学業や英語、ITスキルを身に付ける生き方をしないといけないし、われわれ大学側もそのような場所と制度を作らなければなりません。また、高校までの指導者や顧問も、このようなことを念頭に指導したり、進路相談にのってあげたりしてほしいですね」 そんななかで現在ではラクロスなど新興スポーツに取り組んでいた学生の評価の高さが目立っているという。 「ラクロスなど日本の大学スポーツの文脈で比較的新しいマイナースポーツでは、練習場所もなければ指導者も少ない。その中で学生自身がいかに試行錯誤したかがクラブの強化やアスリートの成長にとっては重要になり、そうした試行錯誤によって獲得された何かが採用担当者の目に留まる可能性を高めるのかもしれません。実際に、直近の調査でもラクロス経験者は男女ともに人気企業からの内定獲得率が学生アスリート平均を有意に上回っています。戦略的に、そのような新興スポーツを大学で始めるのもよいかもしれません」 時代の潮流がめまぐるしく変化する中、体育会系神話にも良い変化がもたらされることを期待したい』、「体育会系学生の中で人気企業への内定獲得率が男女で逆転し、女性アスリートのほうが評価され始めています。実際、女性アスリートのほうがGPA(学業成績)は高い傾向にあります」、「ラクロスなど日本の大学スポーツの文脈で比較的新しいマイナースポーツでは、練習場所もなければ指導者も少ない。その中で学生自身がいかに試行錯誤したかがクラブの強化やアスリートの成長にとっては重要になり、そうした試行錯誤によって獲得された何かが採用担当者の目に留まる可能性を高めるのかもしれません。実際に、直近の調査でもラクロス経験者は男女ともに人気企業からの内定獲得率が学生アスリート平均を有意に上回っています」、まではいいとしても、「戦略的に、そのような新興スポーツを大学で始めるのもよいかもしれません」、と二匹目のドジョウ狙いをしても、あてが外れる可能性がある。
タグ:「体育会系学生の中で人気企業への内定獲得率が男女で逆転し、女性アスリートのほうが評価され始めています。実際、女性アスリートのほうがGPA(学業成績)は高い傾向にあります」、「ラクロスなど日本の大学スポーツの文脈で比較的新しいマイナースポーツでは、練習場所もなければ指導者も少ない。その中で学生自身がいかに試行錯誤したかがクラブの強化やアスリートの成長にとっては重要になり、そうした試行錯誤によって獲得された何かが採用担当者の目に留まる可能性を高めるのかもしれません。実際に、直近の調査でもラクロス経験者は男女と 「何度も面接を繰り返して人物や適性を見極めるという地道な作業の代わりに、『高偏差値大学(地頭がありそう)』や『体育会系(継続する力、根性がありそう)』といったある種の“シグナル”を選考に利用してしまう。結果的に高偏差値大学の体育会系=エリート体育会系が有利な状況・・・が続いている」、「メンバーシップ型かつ新卒一括採用の場合、企業は早期にメンバーを囲い込む必要に迫られる。そうした際に、エリート体育会系はわかりやすい指標となるのだろう」、なるほど。 「体育会系学生が就職において望ましい資質を備えている、という神話は大正から昭和初期には確立」、「当時の大学進学率は約1~3%で、該当人口の0.1%ほどしかいない彼らは、知力も体力も兼ね備えたスーパーエリートだった」、「体育会系神話」、「が最盛期を迎えるのは1980年代末から1990年代初頭」、「その頃には進学率が大幅に向上し、大卒者のエリート性は低減しましたが、企業スポーツ文化の隆盛やリクルーター制度により、バブル崩壊頃まで体育会系学生は就職に有利」、なるほど。 ダイヤモンド・オンライン「「体育会系は就職に強い」神話の崩壊で、変わる就活の最新事情とは」 「前澤友作」氏は、高校卒業後、米国に半年間遊学、バンド活動の傍ら、CDやレコードの輸入販売を始め、インターネット上のセレクトショップを集積した「ZOZOTOWN」を新たに開設(Wikipedia)という経歴の通り、「出る杭」そのものである。スタートアップには、「出る杭」を邪魔するものは基本的にはない筈だ。 https://ja.wikipedia.org/wiki/%E5%89%8D%E6%BE%A4%E5%8F%8B%E4%BD%9C 「変えようと思ったら企業はいくらでも変えられるんですよ。ソフトバンクも楽天も新卒一括採用のルールに縛られずに独自の施策を打ち出しています。大事なのは新しいことに挑戦している企業の足を引っ張らないことです」、その通りだ。 棲み分けは過度な競争を避ける上で有効だが、果たして同質性の高い日本に馴染むかは疑問だ。 (注)カードル制:上層ホワイトカラーはカードルと呼ばれる。グランドゼコールを中心とする教育システムのなかから生み出される(葉山 滉、「フランスの経済エリート―カードル階層の雇用システム」、日本評論社)。 「今までは、高学歴体育会系を好んで採用していると言われてきた商社でも、そのような学生を落とすようになってきた」、「採用のあり方は一様ではなく、モザイクになっています」、多様化してきたのは好ましいことだ。 「現在は、グローバル化が進んで日本独自の新卒一括採用を不便に感じる企業が出てきました」、「学校の勉強と仕事をリンクさせる方向に変わってきたのはこの10年くらいです」、なるほど。 弁護士ドットコム「使い勝手がいいだけの「高学歴体育会系」は就活で重視されない? 新卒一括採用の変化」 「コンサルティングの現場では、コンサルタントのことを「早い話が素人で、この業界について何も分かっていない」と挑発するクライアント企業幹部と何回も遭遇します。冷静にそういった相手とコミュニケーションを重ねながら粘り強く信頼を勝ち得て、関係を変えていくスキルがコンサルタントには求められます」、「コンサルタント」に限らず、「ビジネスパーソン」でも一流の人物にとっては求められているといえよう 「20年前と比べると圧迫面接はいろいろな観点からやや時代遅れになってきている」、「入社後の実際の職場では、立場が優位にある取引相手からの圧力を冷静にいなしていく能力が必要とされるケースは少なからずあります」、「法律的にはパワハラにならない範囲内での圧迫を試すなどといったことは行われている場合もあります」、なるほど。 仲直りをするのが彼のルーティーンでした」、そうでもしないと同じ会社内では気まずくなるだろう。 「圧迫面接とは、90年頃にアメリカで発明された面接手法」、「高圧的でとても理不尽な態度を取る幹部が面接官として登場」、「面接官は役割として、不機嫌で否定的な面接官を演じます。候補者にわざと意地悪な質問をしたり、威圧的に反論をしたりとマウンティングを繰り返します。実は面接官としての彼が見ているポイントは、そのような場面に直面した際に、感情的にならずに冷静に対応する態度が取れるかどうかです」、「圧迫面接の面接官に頻繁に起用される幹部」の場合、「採用決定後は、圧迫面接をした相手と一席設け、ネタばらしをしたうえで 「圧迫面接」とは何だろう。 野次馬的には「面接官」がその後、どうなったのかに興味がある。 鈴木貴博氏による「失礼な面接官に反撃!ネットでバズったエンジニアが気づかない中途採用の現実」 ダイヤモンド・オンライン (その9)(失礼な面接官に反撃!ネットでバズったエンジニアが気づかない中途採用の現実、使い勝手がいいだけの「高学歴体育会系」は就活で重視されない? 新卒一括採用の変化、「体育会系は就職に強い」神話の崩壊で 変わる就活の最新事情とは) 就活(就職活動)
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