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外食産業(その5)(スシローが「外食テロ」に打ち勝てた決定的な理由 続発する「外食テロ」に勝つ企業、沈む企業の差、ゼンショー「最大500億円増資」で破竹の勢い続くか 日本初の外食ジャイアントの海外戦略とは?、ぞくぞくと閉店…「いきなりステーキ」はなぜこれほど凋落してしまったのか、サイゼリヤの「値上げしない」宣言には裏がある?消費者が手放しで喜べないワケ ニュースで学ぶ「やさしい経営学」) [産業動向]

外食産業については、昨年2月12日に取上げた。今日は、(その5)(スシローが「外食テロ」に打ち勝てた決定的な理由 続発する「外食テロ」に勝つ企業、沈む企業の差、ゼンショー「最大500億円増資」で破竹の勢い続くか 日本初の外食ジャイアントの海外戦略とは?、ぞくぞくと閉店…「いきなりステーキ」はなぜこれほど凋落してしまったのか、サイゼリヤの「値上げしない」宣言には裏がある?消費者が手放しで喜べないワケ ニュースで学ぶ「やさしい経営学」)である。

先ずは、昨年2月18日付け東洋経済オンラインが掲載したマーケティングコンサルタント・桜美林大学ビジネスマネジメント学群准教授の西山 守氏による「スシローが「外食テロ」に打ち勝てた決定的な理由 続発する「外食テロ」に勝つ企業、沈む企業の差」を紹介しよう。
https://toyokeizai.net/articles/-/653391
・『回転寿司チェーン「スシロー」の店内で、客による迷惑行為の動画がSNSで拡散した問題。スシローに限らず、外食産業全体に大きな波紋を呼んでいる。 直近でも、「餃子の王将」が客の迷惑行為を踏まえて、店内のテーブルに置くギョーザのたれなどの調味料を撤去すると発表。マクドナルドにおいても、店舗で客がアクリル板をなめる動画やハンバーガーにゴキブリの死骸が混入したとするツイッターへの投稿が拡散して問題になっている。 「迷惑行為」の連鎖は、依然として止まらない状況だ。一方で、外食系企業に対する顧客、消費者の意識は変わってきており、企業側を擁護する意見が強くなってきている。さらに、企業側も過去のトラブルから学び、過去に比べればリスク対応が巧みになりつつあるようにも見える。 特に、今回の一件でスシローが取った一連の対応は、非常に適切なものであったといえる。本稿では、スシロー事件を中心に、外食・食品に関するトラブルの変化と、外食産業のリスクマネジメントについて考えてみたい』、興味深そうだ。
・『つねにリスクにさらされてきた外食・食品業界  外食・食品業界は、消費者の日常に深く関わるものであり、特に衛生や安全面に関心を強く持たれやすい。それだけに、過去には何度も、ときに企業の存続が脅かされるほどの重大リスクに直面してきた。 重大リスクには、今回の「迷惑行為」など食品そのものに問題が発生して消費者に直接害が及びかねないものから、従業員が関係する事件や事故まで、内容はさまざまある。 かつて大手外食チェーンのハンバーガーに「ミミズの肉が使われている」という荒唐無稽な「都市伝説」がアメリカ起点で流布したが、これは1978年から始まったといわれる。 2000年以降の日本に限定して見ていくと、雪印乳業を破綻に追い込むきっかけとなった中毒事件が起きたのが2000年。船場吉兆、不二家、赤福、「白い恋人」などの食品偽装が相次いで発覚したのが2007年。 翌年の2008年にはJTフーズの冷凍食品への農薬混入問題が起きている。さらに。2013年には、アクリフーズ冷凍食品農薬混入事件が起きたが、それと並行して飲食店や小売店「バイトテロ」が相次いで発生した。コンビニの従業員がアイスクリームケースの中に入っている姿を撮影して投稿するなど、社会問題化したので記憶にある人も多いだろう。) 2014年には、まるか食品のカップ焼きそば「ペヤング」の異物混入、2014年~2015年にかけてはマクドナルドにおける異物混入が大きな問題となるなど、SNS上でさまざまな「異物混入」に関する話題が拡散した。 2018年~2019年にかけては「バイトテロ」が再び活発化。 昨年2022年には、スシローがおとり広告で消費者庁から措置命令を受けたり、「大阪王将」の元従業員が衛生管理に関する告発投稿をツイッターで行うなどの問題が起きており、やはり飲食店がらみの不祥事や炎上事件が多く見られている。 実は、飲食業界の不祥事、炎上事件は、一見すると同じようなものに見えても、時代による特徴が見られる。 トレンドの転換点となっていると筆者が考えるのが、2013年、2018年である。 2013年以前は、問題が顕在化するきっかけとなるのは、内部告発、メディア報道、お客様相談窓口が中心だった。ところが、同年には、「バカッター」というネットスラングが生まれたことに象徴されるように、多くの飲食店をめぐるトラブルは、ツイッターが着火点となっている。 東日本大震災が発生した2011年には、SNSが「情報インフラ」として普及し、自治体が情報提供のために活用したり、人々が被災者支援を行ったりしていたが、時間が経つに伴い、誹謗中傷や過激な言動を行って注目を浴びようとする動きも見られるようになったのである。 一方で、2018年から再活発化したバイトテロの多くは、動画共有サイトに迷惑動画がアップされ、SNSで拡散していることが多い。進研ゼミが小学生に対して行った「将来つきたい職業」調査で、2019年には「YouTuber」が男子で1位となったことに象徴されるように、多くの一般人がYouTubeで動画配信を行うようになったのがちょうどこの時期である。 動画共有サイトとSNSとのセットで炎上する傾向は2023年にも引き継がれているが、「迷惑系YouTuber」と新型コロナウイルス収束の影響が加わっていると見られる』、「2013年以前は、問題が顕在化するきっかけとなるのは、内部告発、メディア報道、お客様相談窓口が中心だった。ところが、同年には、「バカッター」というネットスラングが生まれたことに象徴されるように、多くの飲食店をめぐるトラブルは、ツイッターが着火点となっている。 東日本大震災が発生した2011年には、SNSが「情報インフラ」として普及し、自治体が情報提供のために活用したり、人々が被災者支援を行ったりしていたが、時間が経つに伴い、誹謗中傷や過激な言動を行って注目を浴びようとする動きも見られるようになったのである。 一方で、2018年から再活発化したバイトテロの多くは、動画共有サイトに迷惑動画がアップされ、SNSで拡散していることが多い。進研ゼミが小学生に対して行った「将来つきたい職業」調査で、2019年には「YouTuber」が男子で1位となったことに象徴されるように、多くの一般人がYouTubeで動画配信を行うようになったのがちょうどこの時期である」、なるほど。
・『過去のトラブルから“リスクマネジメント”を学んだ外食業界  企業や店舗によって差はあるが、大手の飲食チェーンは、一般に従業員教育、業務のマニュアル化が進んでおり、個人経営の飲食店や家庭での料理と比べても、衛生管理は厳しい傾向がある。 異物混入などの衛生問題は、100%防止することは難しく、発生確率は低くとも、店舗数が多いと一定数は出てきてしまう。そして、大手や有名店であればあるほど、それが動画共有サイトやSNSに投稿されやすく、拡散も起きやすい。 スシローで迷惑動画が投稿されたからといって、「スシローが不衛生」ということはまったくないのだが、拡散した情報によって、消費者はバイアスがかかってしまうのだ。) 外食・食品企業をめぐる昨今の炎上事件の多くは、企業側の問題よりも、消費者、あるいは消費者を取り巻く情報環境の変化によって起きているといえる。 最近は、YouTuberの競争激化によって、問題行為で注目を集めようとする「迷惑系YouTuber」も存在する中、迷惑行為で注目を集めようとする「一般人」も出てきたというところだろう。 新型コロナウイルスの蔓延によって、人々の衛生意識は急速に高まったが、感染の収束で人々が外出するようになり、飲食店が目立ちたがり屋の顧客の標的にされるという事態になっている。 一方で、外食・食品業界側は、過去のトラブルの経験から学び、適切なリスク対応が行えるようになっているように見える。実際、直近の10年間を見る限り、消費者の生命や健康を害するような大きな不祥事はほとんどない。 「トラブルを起こさないように最大限の注意を払う」ということが、リスクマネジメントの大前提になるが、企業側がいくら気を付けていても、トラブルが発生するリスクはあるし、発生する可能性も高まっている』、「飲食店が目立ちたがり屋の顧客の標的にされるという事態になっている・・・企業側がいくら気を付けていても、トラブルが発生するリスクはあるし、発生する可能性も高まっている」、困ったことだ。
・『トラブル発生時に取るべき対応策の「3原則」  トラブルが発生した時の対応策として、重要なポイントは下記の3点だと筆者は考えている。 1. (過剰ともいえるほどの)徹底した対策を講じる 2. 迷惑行為に対しては、厳然たる態度を取る 3. (自社ではなく)「顧客を守る」というスタンスを表明する まさに、今回のスシローはこのような対応を取り、リスクを最小限にとどめたといえる。 1については、2014年の「ペヤング」の異物混入事件のケースが参考になるだろう。製造元であるまるか食品は、全商品の生産と販売を停止、販売停止中には、社長自身が小売店をお詫び行脚するという対応を行っている。 また2019年の大戸屋のバイトテロ時の対応も印象深い。このとき大戸屋は、従業員の再教育と店舗の清掃を行うとして、全店一斉休業を行っている。 トラブル自体が帳消しにされるわけではないが、企業側が「やりすぎ」と思われるほどの徹底した対応を打ち出し、本気度を示すことによって、顧客に対して「変わった」「これまでと違う」という印象付けをすることが可能になる。 2の「顧客による迷惑行為」については、従来、「企業側にも非はあった(「管理が不適切だった」等)」として、穏便に済まされることも多かった。しかし今、トレンドは変わりつつある。 スシローで迷惑行為を行ったのは高校生だったが、スシロー側は当事者とその保護者の謝罪を受け入れず、民事・刑事で法的措置をとる考えを示した。これまでであれば、「未成年に対して厳しすぎる」という批判も少なからず出たであろうが、今回はそうした意見は主流とはならなかった。) コロナ禍や物価高による苦境の中で、安価で質の高いサービスを行っている飲食チェーンに対して、消費者は同情的になっているし、「支援をしたい」という意識も生まれている。そこを敏感に読み取って対処したスシローの感性は見事だったというほかない。 3については、バイトや顧客などの第三者に非がある場合、企業側があまりに強く被害者だという態度を示しすぎると、「保身では」「企業側の対応も感じが悪い」と思われてしまい、批判を浴びてしまうことがある。 そこは、先述の2の話とも絡むのだが、企業側が「顧客を守る」ために最大限に対応を行っていることも示すことで、批判を回避しやすくなる。 たとえば餃子の王将の調味料の撤去は、顧客にとっては不便なことに違いない。しかし、撤去するのは、「(お店ではなく)迷惑行為を行う客から、ほかの客を守るため」と感じられれば、印象はまったく変わってくる。そうなれば目先の不便について、顧客は「自分のため」と受容しやすくなるだろう』、「トラブル発生時に取るべき対応策の「3原則」はなかなかよく出来ている。
・『今後取るべきは、多方面に配慮した「アメとムチ」戦略  上記の「3原則」に加えて、著者がスシローの対応に関して、秀逸だと思ったことがある。それが、2月10日に、迷惑行為に対して「厳正に対処する」とする一方で、当事者に関して「直接的な危害となるような言動はお控えていただくよう伏してお願い申し上げます」という文書を発表している点である。つまり、加害者をひたすらに糾弾するのではなく、一定の配慮も示しているのだ。 実際、迷惑行為を行った高校生、および保護者に対して明らかに過剰なバッシングが行われており、高校生は高校を自主退学するまでに至っている。 スシロー側の要請は、公正で配慮が行き届いたものであるが、スシロー側が「高校生を追い込んだ」と批判されるのを回避するという効果ももたらしている。 SNSでは「#スシローを救いたい」のハッシュタグが拡散、著名人も擁護意見を表明したり、スシローの店舗を訪問して動画共有サイトやSNSにその様子をアップしたりする動きが巻き起こっている。 さらに。スシロー側はそれを受けて、2月13日~17日までの期間限定で「全品10%OFF」のキャンペーンを実施するという対応を行っている。 スシローの一連の対応は、「正しいことを、適切な方法で主張する」という正統的なやり方を踏襲しつつ、変化していく「世論」を捉え、各所に配慮しながら迅速に対応していくという点で、高度なリスクマネジメントを行ったといえるだろう。 スシローを始めとする、昨今の外食企業に対する一連の迷惑行為を、単なる「世間を騒がせたスキャンダル」としてではなく、「企業のリスク対応」という視点から見直すことで、改めて学ぶべき点は多々あることに気づかされる』、「迷惑行為を行った高校生、および保護者に対して明らかに過剰なバッシングが行われており、高校生は高校を自主退学するまでに至っている。 スシロー側の要請は、公正で配慮が行き届いたものであるが、スシロー側が「高校生を追い込んだ」と批判されるのを回避するという効果ももたらしている・・・スシローの一連の対応は、「正しいことを、適切な方法で主張する」という正統的なやり方を踏襲しつつ、変化していく「世論」を捉え、各所に配慮しながら迅速に対応していくという点で、高度なリスクマネジメントを行ったといえるだろう。 スシローを始めとする、昨今の外食企業に対する一連の迷惑行為を、単なる「世間を騒がせたスキャンダル」としてではなく、「企業のリスク対応」という視点から見直すことで、改めて学ぶべき点は多々あることに気づかされる」、「スシロー」の対応は理想的なものとなったようだ。

次に、昨年11月30日付け東洋経済オンラインが掲載した調達・購買業務コンサルタント・講演家の坂口 孝則氏による「ゼンショー「最大500億円増資」で破竹の勢い続くか 日本初の外食ジャイアントの海外戦略とは?」を紹介しよう。
https://toyokeizai.net/articles/-/718143
・『「すき家」「なか卯」「ココス」などを運営する外食最大手・ゼンショーホールディングスが、公募増資などで最大500億円を調達すると発表しました。日本初の外食ジャイアントの現状は、どのようなものになっているのでしょうか。 新著『買い負ける日本』が話題を呼ぶ、調達のスペシャリスト・坂口孝則氏による不定期連載「世界の(ショーバイ)商売見聞録」。著者フォローをすると、坂口さんの新しい記事が公開されたときにお知らせメールが届きます(著者フォローは記事最後のボタンからできます)』、興味深そうだ。
・『ゼンショーホールディングスの続伸  ゼンショーといえば、以前のイメージは「すき家」「なか卯」「ココス」だった。しかし、現在では「はま寿司」「ロッテリア」をも有する外食ジャイアントとなっている。多くのチェーンを飲み込み、外食の多様化を図ってきた。 その、ゼンショーホールディングス株。先月、10月25日に高騰して話題になった。終値は前日比+336円の7524円。理由は、同社が海外店舗を1万店に拡大する意図を受けたものだった(執筆時点では同社株は8364円にまでさらに上昇している)。 日本の飲食勢ではじめての海外1万店舗のインパクトは大きかった。日本市場は中長期的に伸びないことを見越して海外に積極展開するなかで、海外のチェーンをM&Aで買収を重ねてきた。 ゼンショーホールディングスは、コロナ禍で2021年にはさすがに前年比割れしたとはいえ、そこから順調に売上高も利益も伸ばしてきた。日本もインフレ下で価格が上昇しているものの、海外市場に拡大することで、より多くの収益を得られる。 海外旅行にいった日本人が、海外の外食価格の高さを嘆いてみせるのは、もはや食傷気味になっているほどだ。ならば、その外食価格の高さを逆利用してやればいい、と考えてもおかしくはない。 アジア、アメリカ、南米など、世界各地に進出を緩めないさまは、外食チェーンならびに、日本企業のお手本ともいえるだろう。以前に店舗人材の面で世間を騒がせたことがあったため、人材育成にも力を入れている。 そこで、最新の決算状況から、さらにM&Aを加速するさままでを見ていこう』、「ゼンショーといえば、以前のイメージは「すき家」「なか卯」「ココス」だった。しかし、現在では「はま寿司」「ロッテリア」をも有する外食ジャイアントとなっている。多くのチェーンを飲み込み、外食の多様化を図ってきた・・・日本の飲食勢ではじめての海外1万店舗のインパクトは大きかった。日本市場は中長期的に伸びないことを見越して海外に積極展開するなかで、海外のチェーンをM&Aで買収を重ねてきた・・・アジア、アメリカ、南米など、世界各地に進出を緩めないさまは、外食チェーンならびに、日本企業のお手本ともいえるだろう」、なるほど。
・『中間決算の状況  コロナが明け、大きく業績が回復している(出所:ゼンショーホールディングスの決算資料) そこで先日、発表されたばかりの中間決算発表(2024年3月期 第2四半期)を見てみよう。 ・売上高:4526億円(前年同期比+20.5%) ・経常利益:244億円(前年同期比+78%) 上記のとおり好調だった。通期の決算報告も対前年比で順調に伸びている。 ・売上高:9600億円(前年同期比+23.1%) ・経常利益:480億円(前年同期比+70.9%) なお、まだとくに日本ではコロナ禍が完全に収束していないなか、ロシア・ウクライナ戦争の長期化、イスラエル・ハマス戦争の不透明さ……等による原材料価格の高止まりなど、外食産業全体としては、明るいニュースばかりではない。 しかし、そのなかで世界に展開するゼンショーホールディングスは善戦している。) 各セグメントを前年比売上高で見てみると下記となる。 ・グローバルすき家:118.1%、 ・グローバルはま寿司:110.2%、 ・グローバルファストフード:114.1% ・レストラン:126.4%、 ほぼ一様に上昇している。また、店舗数はフランチャイズを含むが、1万4740店(!)となっている。 ちなみに、これは意外に知られていないが、同グループは「すき家」のイメージが強い。なるほど、「すき家」は国内外を含めて2623店舗と多い。 ただ、もっと大半を占めるのが「グローバルファストフード」であり、このカテゴリには、Advanced Fresh Concepts Corp(寿司のテイクアウト店)、Sushi Circle Gastronomie GmbH(寿司チェーン)、SnowFox Topco Limited(寿司のテイクアウト店)が含まれており、国内外で1万0130店舗を誇る。寿司店のM&Aでシナジーを発揮する戦略がよくわかる。 日本人のイメージは「すき家」の牛丼かもしれないが、外形的には寿司チェーンといったほうが近いほど、多数のグローバル寿司チェーンを展開している。 同社は、MMD(マス・マーチャンダイジング・システム)と呼ぶ方式を採用している。これはサプライチェーンの上流から下流までを一貫して担い、さらに、その物量の多さで価格メリットも出そうというものだ。 商品の企画とテスト、原材料の調達・物流、加工から販売からカスタマー管理までを手掛ける。このMMDは、なるほど、拡大とともにその力を増していく。そのため、昨今は大型のM&Aを続けているのだろう』、「「すき家」は国内外を含めて2623店舗と多い。 ただ、もっと大半を占めるのが「グローバルファストフード」であり、このカテゴリには、Advanced Fresh Concepts Corp(寿司のテイクアウト店)、Sushi Circle Gastronomie GmbH(寿司チェーン)、SnowFox Topco Limited(寿司のテイクアウト店)が含まれており、国内外で1万0130店舗を誇る。寿司店のM&Aでシナジーを発揮する戦略がよくわかる。 日本人のイメージは「すき家」の牛丼かもしれないが、外形的には寿司チェーンといったほうが近いほど、多数のグローバル寿司チェーンを展開している」、なるほど。
・『新株式発行による資金のプール  そして、この流れのなかで発表されたのが、ゼンショーホールディングスの「新株式発行及び株式売出しに関するお知らせ」だ。実に、これからも積極的なM&Aを仕掛けていく姿勢が見れてすがすがしい。 ポイントでいうと、次のとおりだ。 ・約522万株の公募による新株式発行を行う(なお同時に株式売出しも実施)・一般募集および第三者割当増資により集まる予定金額は499億970万円 ・全額をM&A待機資金とする すき家で培ったオペレーションの卓越さを他ブランドでも展開。それを、さらに海外を含むM&Aにも拡張することで、さらに業態を拡大させる。この戦略は2030年までの7年間ほど継続され、たしかに、その姿勢はぶれているところはない。 とくに冒頭で紹介した通りに、決算が好調で、将来の見通しを示す株価も高いタイミングだ。海外を含むM&Aの待機資金という目的も明確な新株発行だ。市場も、そこに違和感がないだろう。 なお個人的な話だが、私は先日、地方の飲食店経営者から、コロナ禍におけるゼロゼロ融資(実質無利子・無担保)の返済期間が到来して困っている、という話を聞いたばかりだった。 もちろん地方でも元気なローカル店舗は多いと思う。しかも、たった数例からマクロを語るわけにはいかない。ただし私には、地方飲食店=日本ローカル、と、ゼンショー=グローバルの不調と好調の状況が、明暗のような、あざやかな対比に感じられた。 逆にいえば、日本で培ったオペレーションや食材・メニュー開発、さらには日本特有のこまやかさを最大限に生かそうと思えば、グローバルへの道に進むしかないと思われる。 ゼンショーホールディングスには、さまざまな批判もあるかもしれないが、私は日本初の外食ジャイアントの先人として応援したい』、「・約522万株の公募による新株式発行を行う(なお同時に株式売出しも実施)・一般募集および第三者割当増資により集まる予定金額は499億970万円 ・全額をM&A待機資金とする すき家で培ったオペレーションの卓越さを他ブランドでも展開。それを、さらに海外を含むM&Aにも拡張することで、さらに業態を拡大させる。この戦略は2030年までの7年間ほど継続・・・日本で培ったオペレーションや食材・メニュー開発、さらには日本特有のこまやかさを最大限に生かそうと思えば、グローバルへの道に進むしかないと思われる。 ゼンショーホールディングスには、さまざまな批判もあるかもしれないが、私は日本初の外食ジャイアントの先人として応援したい」、今後の発展を期待したい。

第三に、昨年12月26日付け現代ビジネスが掲載したA4studio編集プロダクションによる「ぞくぞくと閉店…「いきなりステーキ」はなぜこれほど凋落してしまったのか」を紹介しよう。
https://gendai.media/articles/-/121093?imp=0
・『「いきなりステーキ」の失速  今年12月で開店10周年を迎えたステーキ店「いきなりステーキ」の失速が止まらない。 ペッパーフードサービスが運営するいきなりステーキは、前菜を挟まずにそのままステーキを提供し立ち食いする、というコンセプトが売りのステーキチェーン。食べたい肉の種類やグラム数、焼き加減を選択できる「オーダーカット」も特徴で、目の前でシェフが焼き上げてくれるスタイルだ。グラム数あたりの金額がリーズナブルなことから、コストパフォーマンスに優れたステーキ店として一躍脚光を浴びた。 2013年12月に銀座でオープンした1号店を皮切りに、急速なチェーン展開を進め、2018年11月には47都道府県すべてに出店を果たす。最盛期には約500店舗も構えており、栄華を極めたいきなりステーキだったが、次第に増えすぎた店舗が飽和状態へと陥り、業績悪化が目立つように』、「最盛期には約500店舗も構えており、栄華を極めたいきなりステーキだったが、次第に増えすぎた店舗が飽和状態へと陥り、業績悪化が目立つように」、「最盛期」の頃の経営者がTVのインタビューに応じていた時には、お驕り高ぶっていた。 
・『なぜ凋落したのか  2020年12月期のペッパーフードサービスの決算では、売上高が前年比でマイナス53.5%という苦しい結果に終わっており、現在に至るまで減収、減益を重ねている。不採算店の整理のため閉店が相次ぎ、2023年10月現在では188店舗と大きく数を減らすという憂き目に遭っているのだ。 2022年8月には、業績悪化の責任をとって、店舗外観ポスターの顔でもあった一瀬邦夫社長が辞任。後任には息子の一瀬健作氏が就任し、再建に向けて奮闘するものの、2023年12月期も赤字予想で黒字の見通しは立っていない。 一度は世間を席巻したいきなりステーキはどこで道を間違えたのか。今回はフードアナリストの重盛高雄氏にいきなりステーキ凋落の原因について解説してもらった(以下、「」内は重盛氏のコメント)』、「最盛期には約500店舗」が「2023年10月現在では188店舗と大きく数を減らすという憂き目に遭っている」、「フードアナリスト」による「解説」とは興味深そうだ。
・『お得感が感じられない  はじめに重盛氏は「今のいきなりステーキにはお得感がまったく感じられない」と語る。 「前提として、今のメニューは“安い”とは言いがたい価格帯となっています。たとえば看板メニュー『ワイルドステーキ』は200gで1590円(税込、以下同)となっており、平日ランチ時にはライス、サラダ、スープ付で1740円と、一般的なステーキ店と比べても遜色ない価格です。厚切ステーキを食べようとして、1500円を軽く超えてしまう。普通のステーキ店なら以前からあり得る話の金額ですが、いきなりステーキのコンセプトを踏まえると、どうしても割高感が否めません」 いきなりステーキは、2023年10月6日より原材料費の高騰に伴って、一部商品の価格改定を行い、ワイルドステーキ200gは1390円から1590円に値上げされている。 また、競合するチェーン店のサーロインステーキ200gの価格と比較してみると、いきなりステーキの2200円に対し、「ステーキガスト」は2419円、「ビッグボーイ」は2090円となっており、いきなりステーキの価格は決して安くないことがわかる。 もちろんほかの部位によって価格は異なるだろうし、チェーンによって提供する、しない部位は異なってくるので一概には比較できないが、全体的な価格感としては、重盛氏の言うようにいきなりステーキがお得とは言いがたいのである』、「競合するチェーン店のサーロインステーキ200gの価格と比較してみると、いきなりステーキの2200円に対し、「ステーキガスト」は2419円、「ビッグボーイ」は2090円となっており、いきなりステーキの価格は決して安くないことがわかる」、これでは「割高感が否めません」、その通りだ。
・『「肉マイレージ」の改悪  いきなりステーキでは、来店回数ではなく、食べた肉の量でゴールド、プラチナ、ダイヤモンドと会員ランクが上がる「肉マイレージ」というシステムを実施している。ゴールド会員以上は誕生日月になるとステーキをプレゼントされたり、プラチナ会員以上は1回の会計でアルコールなどの飲料が1杯無料になったりするなど特典が付いていた。 会員数1500万人を抱える人気サービスだったが、2021年1月からは来店回数に応じてランクアップするシステムへと変更。そのうえ、来店頻度が少ないとランクダウンする仕組みとなった。 「この変更はかなりのユーザーから不評を買いました。ランクアップのために何十万円という金額を投資したユーザーもいましたし、常連客離れが懸念されるように。さらにはコロナ禍も拍車をかけ、客数が急減してしまったため、2023年1月からはほぼ初期の肉マイレージのシステムに戻しました。しかし、一度離れてしまった顧客を再び呼び戻すことは難しく、魅力は下がり続けている一方だと私は考えています」 いきなりステーキの熱烈ファンほど、肉マイレージのシステム変更は“改悪”だったと感じていた可能性は高そうだ。 記事後編は「閉店止まらぬ「いきなりステーキ」、“逆効果”だった前社長の直筆メッセージ」から』、「会員数1500万人を抱える人気サービスだったが、2021年1月からは来店回数に応じてランクアップするシステムへと変更。そのうえ、来店頻度が少ないとランクダウンする仕組みとなった。 「この変更はかなりのユーザーから不評を買いました。ランクアップのために何十万円という金額を投資したユーザーもいましたし、常連客離れが懸念されるように。さらにはコロナ禍も拍車をかけ、客数が急減してしまったため、2023年1月からはほぼ初期の肉マイレージのシステムに戻しました。しかし、一度離れてしまった顧客を再び呼び戻すことは難しく、魅力は下がり続けている一方だと私は考えています」、なるほど。

第四に、本年4月22日付けダイヤモンド・オンラインが掲載したやさしいビジネススクール学長の中川功一氏による「サイゼリヤの「値上げしない」宣言には裏がある?消費者が手放しで喜べないワケ ニュースで学ぶ「やさしい経営学」」を紹介しよう。
https://diamond.jp/articles/-/342459
・『サイゼリヤは24年2月期第2四半期の決算発表を行った。増収増益で、大きく利益を伸ばし、絶好調だ。また、物価高が続く中、同社が「値上げしない方針」を貫いていることも注目を集めている。ただ、私たちは、「価格据え置き」を手放しで喜んでいられない。どういうことか』、興味深そうだ。
・『「値上げしない」方針を貫くサイゼリヤ  決算を見れば、サイゼリヤは外食産業の最優等生企業の一つと言っていいだろう。 2024年4月10日、同社は2023年9月〜24年2月期の連結決算を発表したが、売上高は前年同期比25%増の1046億円、営業利益は約6.6倍の59億円、純利益は約4.3倍の26億円となった。 サイゼリヤと言えば、何と言ってもコストパフォーマンスの良さが有名だ。 安定した味、優れた品質の料理をたっぷりいただいて、ドリンクバーを使いながらゆったり過ごしても、客単価1000円もいかない。 同社の松谷秀治社長は決算発表会見で力強く、「値上げしない方針は変わっていない」と宣言した。まことに、有難い限りである。 だが、ここで一つの疑問が持ち上がってくる。 これだけの物価高・原料高の中で、なぜサイゼリヤは「価格据え置き」のまま、利益を上げることができているのだろうか』、秘密はどこにあるのだろう。
・『サイゼリヤが「価格据え置き」できるワケ  サイゼリヤが、なぜ国内の販売価格を据え置くことができているのか。その理由は、同社の決算を見れば一目瞭然である。 (サイゼリヤ2024年8月期第2四半期決算説明資料 はリンク先参照) 24年2月期第2四半期までの業績をセグメント別に見ると、国内「サイゼリヤ」事業は売上高673億円と、3事業の中で売り上げが最も大きい。しかし、営業利益はわずか3400万円だ。売上高利益率は0.1%にも満たず、ほぼゼロ利益だと言っていい。 これに対して、アジア事業は売上高373億円に対し、営業利益は56億円。利益率は実に14.9%に達する(なお、豪州には生産工場だけがある。豪州の売り上げ額は日本事業とアジア事業に対しての出荷の分であり、「連結消去」としてその分は相殺処理されている)。 つまり、サイゼリヤは、企業としての利益をほぼ海外事業で稼いでいる。 支払いのため、従業員のため、顧客のため、設備更新のため、会社の経営には必要最低限の利益を担保する必要がある。サイゼリヤが国内で利益度外視のような事業体制が維持できているのは、海外事業で抜群に稼げているからこそ、なのだ』、「サイゼリヤが国内で利益度外視のような事業体制が維持できているのは、海外事業で抜群に稼げているからこそ、なのだ」、なるほど。
・『「単価アップ」が利益改善に最も効果的  ここから私たちが学ぶべきことは二つある。 第一は、価格アップができなければ、利益を十分に稼いでいくことは不可能なのだということ。 管理会計(企業を経営する上での社内向けの会計)の枠組みを用いるならば、会社の利益を改善する方法は、「売り上げアップ」か「費用ダウン」、もしくは「単品の利益を改善する」「組織の利益構造を改善する」のいずれか4つしかない。) 詳細をまとめるとこうだ。 (1)単品の売り上げアップ:単価の改善 (2)単品の費用ダウン:変動費(売上原価など)の改善 (3)組織の売り上げ構造改善:販売数量を伸ばす(来客数を増やすなど) (4)組織の費用構造改善:固定費(人件費など)の改善』、なるほど。
・『利益を上げる方法  例えば、サイゼリヤの定番、ミラノ風ドリアは税込300円で、1店舗当たり月間2500食程度売れるとされる。 この数値に基づいて、店舗利益を毎月1万円改善する場合の4つの手段の難易度を考えてみたい。 まず、(1)単価アップについて。 1カ月当たり利益を1万円上げようと思えば、300円のところを、304円にすればよい。物価高に応じた自然な範囲の値段アップだ。これだけで月1万円の利益が確保される。 次に、(2)売上原価などの変動費のダウンについては同様に、1品当たり4円のコストダウンができればよいことになる。 ただ、物価高、原料高の中、これまでも血のにじむような努力をしてコストダウンをしてきたところに、さらに4円のコストの絞り込み……相当に大変な努力と工夫が要求されることは間違いない。 (3)販売数量のアップについては、一般的な外食の水準に合わせて、仮に1品当たりの粗利が100円くらいは出ているのだと仮定すれば、100食ほど販売数量を上乗せできればよいということになる。 日々、安定的に運営されている店舗の中で、数量ベースで4%を上乗せしようと思うと、かなりのマーケティング努力が必要となってくる。 (4)固定費の削減は、人件費を月1万円削れればよい。時給を下げるか、勤務時間を減らしてもらうか。  これまでよりも少ない人数でフロアやキッチンを回すことになるかもしれない。たしかにコストダウンはできるが、はっきりと働き手にしわ寄せがくることになる。 もう、お分かりだろう。 会社の財務状況が苦しいとき、最も端的に効果を上げ得るのが単価アップなのだ』、「会社の財務状況が苦しいとき、最も端的に効果を上げ得るのが単価アップなのだ」、なるほど。
・『価格を上げられない日本  もちろん、サイゼリヤも例外ではない。サイゼリヤが海外事業で利益を上げることができているのは、価格が高めに設定されているからだ。一方で、価格が硬直化してしまっている日本では、当然ながら利益が上がらない。 ここから学ぶべきもう1つの点は、「価格を上げられなければ、経済としてジリ貧だ」ということだ。 日本国内では、物価高を素直に価格転嫁しにくい風土がある。 サイゼリヤはまだいい。海外で、稼げているのだから。だが、海外事業を持たず、国内事業だけで成立させなければならない他の外食チェーンはそうはいかない。 価格転嫁できないならば、乾いたぞうきんを絞るようなコストダウンや、労働環境へのしわ寄せを甘受せねばならなくなる。1品当たりのわずかな売り上げを、会社と、働き手と、取引先で分け合い、その少ない取り分の中で経営をせざるを得なくなる。 お値段据え置きは、確かにうれしい。私もサイゼリヤは大好きで、訪れたときは前菜・メイン・パスタ・デザート・ドリンクの「サイゼリヤフルコース」でいつも楽しませてもらう。 それでも総額2000円もいかないのはうれしくもあるが、本来それでは経営も経済も回らないのだとすれば、そろそろ日本社会全体として、利益の大切さと、価格転嫁の必要性を理解しなければならないのではないか』、私も「サイゼリヤ」ファンだ。ただ、「本来それでは経営も経済も回らないのだとすれば、そろそろ日本社会全体として、利益の大切さと、価格転嫁の必要性を理解しなければならないのではないか」、同感である。

タグ:外食産業 (その5)(スシローが「外食テロ」に打ち勝てた決定的な理由 続発する「外食テロ」に勝つ企業、沈む企業の差、ゼンショー「最大500億円増資」で破竹の勢い続くか 日本初の外食ジャイアントの海外戦略とは?、ぞくぞくと閉店…「いきなりステーキ」はなぜこれほど凋落してしまったのか、サイゼリヤの「値上げしない」宣言には裏がある?消費者が手放しで喜べないワケ ニュースで学ぶ「やさしい経営学」) 東洋経済オンライン 西山 守氏による「スシローが「外食テロ」に打ち勝てた決定的な理由 続発する「外食テロ」に勝つ企業、沈む企業の差」 「2013年以前は、問題が顕在化するきっかけとなるのは、内部告発、メディア報道、お客様相談窓口が中心だった。ところが、同年には、「バカッター」というネットスラングが生まれたことに象徴されるように、多くの飲食店をめぐるトラブルは、ツイッターが着火点となっている。 東日本大震災が発生した2011年には、SNSが「情報インフラ」として普及し、自治体が情報提供のために活用したり、人々が被災者支援を行ったりしていたが、時間が経つに伴い、誹謗中傷や過激な言動を行って注目を浴びようとする動きも見られるようになったのであ る。 一方で、2018年から再活発化したバイトテロの多くは、動画共有サイトに迷惑動画がアップされ、SNSで拡散していることが多い。進研ゼミが小学生に対して行った「将来つきたい職業」調査で、2019年には「YouTuber」が男子で1位となったことに象徴されるように、多くの一般人がYouTubeで動画配信を行うようになったのがちょうどこの時期である」、なるほど。 「飲食店が目立ちたがり屋の顧客の標的にされるという事態になっている・・・企業側がいくら気を付けていても、トラブルが発生するリスクはあるし、発生する可能性も高まっている」、困ったことだ。 「トラブル発生時に取るべき対応策の「3原則」はなかなかよく出来ている。 「迷惑行為を行った高校生、および保護者に対して明らかに過剰なバッシングが行われており、高校生は高校を自主退学するまでに至っている。 スシロー側の要請は、公正で配慮が行き届いたものであるが、スシロー側が「高校生を追い込んだ」と批判されるのを回避するという効果ももたらしている・・・ スシローの一連の対応は、「正しいことを、適切な方法で主張する」という正統的なやり方を踏襲しつつ、変化していく「世論」を捉え、各所に配慮しながら迅速に対応していくという点で、高度なリスクマネジメントを行ったといえるだろう。 スシローを始めとする、昨今の外食企業に対する一連の迷惑行為を、単なる「世間を騒がせたスキャンダル」としてではなく、「企業のリスク対応」という視点から見直すことで、改めて学ぶべき点は多々あることに気づかされる」、「スシロー」の対応は理想的なものとなったようだ。 坂口 孝則氏による「ゼンショー「最大500億円増資」で破竹の勢い続くか 日本初の外食ジャイアントの海外戦略とは?」 「ゼンショーといえば、以前のイメージは「すき家」「なか卯」「ココス」だった。しかし、現在では「はま寿司」「ロッテリア」をも有する外食ジャイアントとなっている。多くのチェーンを飲み込み、外食の多様化を図ってきた・・・日本の飲食勢ではじめての海外1万店舗のインパクトは大きかった。日本市場は中長期的に伸びないことを見越して海外に積極展開するなかで、海外のチェーンをM&Aで買収を重ねてきた・・・アジア、アメリカ、南米など、世界各地に進出を緩めないさまは、外食チェーンならびに、日本企業のお手本ともいえるだろう」、な るほど。 「「すき家」は国内外を含めて2623店舗と多い。 ただ、もっと大半を占めるのが「グローバルファストフード」であり、このカテゴリには、Advanced Fresh Concepts Corp(寿司のテイクアウト店)、Sushi Circle Gastronomie GmbH(寿司チェーン)、SnowFox Topco Limited(寿司のテイクアウト店)が含まれており、国内外で1万0130店舗を誇る。寿司店のM&Aでシナジーを発揮する戦略がよくわかる。 日本人のイメージは「すき家」の牛丼かもしれないが、外 形的には寿司チェーンといったほうが近いほど、多数のグローバル寿司チェーンを展開している」、なるほど。 「・約522万株の公募による新株式発行を行う(なお同時に株式売出しも実施)・一般募集および第三者割当増資により集まる予定金額は499億970万円 ・全額をM&A待機資金とする すき家で培ったオペレーションの卓越さを他ブランドでも展開。それを、さらに海外を含むM&Aにも拡張することで、さらに業態を拡大させる。この戦略は2030年までの7年間ほど継続・・・日本で培ったオペレーションや食材・メニュー開発、さらには日本特有のこまやかさを最大限に生かそうと思えば、グローバルへの道に進むしかないと思われる。 ゼンショーホールディングスには、さまざまな批判もあるかもしれないが、私は日本初の外食ジャイアントの先人として応援したい」、今後の発展を期待したい。 現代ビジネス A4studio編集プロダクションによる「ぞくぞくと閉店…「いきなりステーキ」はなぜこれほど凋落してしまったのか」 「最盛期には約500店舗も構えており、栄華を極めたいきなりステーキだったが、次第に増えすぎた店舗が飽和状態へと陥り、業績悪化が目立つように」、「最盛期」の頃の経営者がTVのインタビューに応じていた時には、お驕り高ぶっていた。 「最盛期には約500店舗」が「2023年10月現在では188店舗と大きく数を減らすという憂き目に遭っている」、「フードアナリスト」による「解説」とは興味深そうだ。 「競合するチェーン店のサーロインステーキ200gの価格と比較してみると、いきなりステーキの2200円に対し、「ステーキガスト」は2419円、「ビッグボーイ」は2090円となっており、いきなりステーキの価格は決して安くないことがわかる」、これでは「割高感が否めません」、その通りだ。 「会員数1500万人を抱える人気サービスだったが、2021年1月からは来店回数に応じてランクアップするシステムへと変更。そのうえ、来店頻度が少ないとランクダウンする仕組みとなった。 「この変更はかなりのユーザーから不評を買いました。ランクアップのために何十万円という金額を投資したユーザーもいましたし、常連客離れが懸念されるように。さらにはコロナ禍も拍車をかけ、客数が急減してしまったため、2023年1月からはほぼ初期の肉マイレージのシステムに戻しました。 しかし、一度離れてしまった顧客を再び呼び戻すことは難しく、魅力は下がり続けている一方だと私は考えています」、なるほど。 ダイヤモンド・オンライン 中川功一氏による「サイゼリヤの「値上げしない」宣言には裏がある?消費者が手放しで喜べないワケ ニュースで学ぶ「やさしい経営学」」 秘密はどこにあるのだろう。 「サイゼリヤが国内で利益度外視のような事業体制が維持できているのは、海外事業で抜群に稼げているからこそ、なのだ」、なるほど。 「会社の財務状況が苦しいとき、最も端的に効果を上げ得るのが単価アップなのだ」、なるほど。 私も「サイゼリヤ」ファンだ。ただ、「本来それでは経営も経済も回らないのだとすれば、そろそろ日本社会全体として、利益の大切さと、価格転嫁の必要性を理解しなければならないのではないか」、同感である。
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