教育(その29)(女子生徒「ズボン着用」に届出が必要な校則の異常 理不尽な「ブラック校則」が一向に変わらない訳、学校で「いい先生」が正規教員になれない理不尽 現場の評価と一致しない採用試験の評価、1年目の非正規教員が「自己流」で教壇に立つ異常 初任者研修すら受けられず担任を持つ教員たち) [社会]
教育については、6月7日に取上げた。今日は、(その29)(女子生徒「ズボン着用」に届出が必要な校則の異常 理不尽な「ブラック校則」が一向に変わらない訳、学校で「いい先生」が正規教員になれない理不尽 現場の評価と一致しない採用試験の評価、1年目の非正規教員が「自己流」で教壇に立つ異常 初任者研修すら受けられず担任を持つ教員たち)である。
先ずは、7月21日付け東洋経済オンライン「女子生徒「ズボン着用」に届出が必要な校則の異常 理不尽な「ブラック校則」が一向に変わらない訳」を紹介しよう。
https://toyokeizai.net/articles/-/604155
・『全国で最低でも約2000人の教員が不足している。今年初めて発表された文部科学省の教員不足調査では衝撃の実態が明らかになった。学校現場では今何が起こっているのか。7月19日発売の「週刊東洋経済」では「学校が崩れる」を特集。各地の教員の声とともに教員不足の真因を深掘りした。 関西地方の中学校に通う男児は発達障害による感覚過敏があり、制服が着用できない。校内では体操服を着ているが、「校門の前までは制服を着るように学校から指導された」と母親は話す。 「教員たちが当たり前のように思っている教室の環境が、一定の子どもを排除するルールになっている」と言うのは、東京都公立小学校の宮澤弘道教諭だ。 「例えば、授業前に『気をつけ。◯時間目のあいさつを始めます』と言い、担任の目を2秒間見るといったルール。この儀式が苦手な子がいると授業が始まらず、『あいつのせいでまた待たされている』と周りの子も思うようになる」』、「授業前に『気をつけ。◯時間目のあいさつを始めます』と言い、担任の目を2秒間見るといったルール」、いまどきこんな硬直的な「ルール」が大手を振っているとは、驚かされた。
・『女性がズボンを履くには「異装届」が必要 2006年に改正された教育基本法では規律や規範が重視され、学力向上のため、独自の細かい決まり事を作る学校が増えているという。 下関市立大学学長の韓昌完教授は、「日本は一定の枠に子どもを入れる一斉教育を強化することで学力を上げてきた。既存の枠に入らない子を多様性とみるのではなく障害として別の枠(特別支援学級など)に入れている」と指摘する。 日本の学級規模はOECD(経済協力開発機構)加盟国中、小学校では3番目、中学校では2番目に大きい(図は主要国のみを掲載) 日本は学級規模が大きいうえ、集団の規律性を重んじる学校文化がある。日本独自の学校文化に苦しむのは、障害のある子どもだけではない。 生徒指導主任の経験がある男性教員は、髪型や靴下の色まで決める校則を疑問視する。 「スカートが嫌でズボンをはきたいという女子生徒に『異装届』を提出させているが、その子にとっては『異装』ではない」。その学校では、ズボンを許可する日を管理職と親が決め、それ以外の日に着て来ると管理職は「調子に乗っていつも着て来るのではないか」と心配しているという。 こうした校則は「なくてもいい」と男性教員は言い切るが、学校文化や校則を疑問視する教員はまだ少数派だ。教員になるか進路を迷う大学4年生の女性は、「教員になったら、気づかぬうちに学校文化に染まってしまうのではないか心配だ」と話す。 近年、学校では外国籍の子どもや外国にルーツを持つ子どもが増えている。そうした子どもにとって、「学校とはどういう場なのか」という文化的な理解が異なることもある。 「マジョリティーの人が当たり前だと思っている授業のやり方や慣習が、マイノリティーの子どもの生きづらさになっている」と東京大学の小国喜弘教授(教育学)は言う。 細かすぎる理不尽な校則は「ブラック校則」として近年メディアでも広く報道された。文部科学省は2021年6月、都道府県教育委員会などに「校則の見直し等に関する取組事例」を告知し、校則を積極的に見直すよう学校に促している』、「「スカートが嫌でズボンをはきたいという女子生徒に『異装届』を提出させている」、「ブラック校則」そのものだ。「学校文化や校則を疑問視する教員はまだ少数派だ」、「学校」がいまだに特殊な世界にあるようだ。
・『地域の目が圧力に しかし、厳しい校則は学校だけの責任とはいえない。「とくに服装などの身なりは『世間』の目が強い圧力になっている」と中央大学の池田賢市教授(教育学)は言う。 「教員がそこまで厳しくしなくてもいいと思っていても、『地域の人に迷惑をかけないように』とか、『将来就職する地元企業からの信頼につながる』と、地域社会の目を気にする学校が多い」(池田教授) 登校時だけ制服を着てくるように言われた冒頭の例も、地域の目を意識してのことだろう。実際、「下校時などの地域住民からのクレーム対応が負担になっている」と嘆く教員は多い。 校則の見直しに生徒が参加する学校も増えてきたが、皮肉なことに生徒自身が校則を考えると、「従来の校則より厳しいものになるという実践報告がよくある」と池田教授。校則は禁止事項の羅列という考えが土台にあるからだ。 「欧米の学校の多くでは、規則は子どもの学びの権利が保障されるかをチェックする目的で作られる。自分たちの権利が守られるよう学校に要求した結果として規則が成り立つと考えるのが本来の形だ」(池田教授) 多様性の受容と子どもの権利保障を基本に据えなければ、学校文化や校則は本質的に変わらないだろう』、「地域の目が圧力に」、無責任な意見は無視し、正々堂々と理由を説明すべきだ。「校則は禁止事項の羅列という考えが土台にある」のは問題だ。「欧米の学校の多くでは、規則は子どもの学びの権利が保障されるかをチェックする目的で作られる。自分たちの権利が守られるよう学校に要求した結果として規則が成り立つと考えるのが本来の形だ」、考え方を欧米流に合理化すべきだろう。
次に、6月29日付け東洋経済オンラインが掲載した教育ジャーナリストの佐藤明彦氏による「学校で「いい先生」が正規教員になれない理不尽 現場の評価と一致しない採用試験の評価」を紹介しよう。
https://toyokeizai.net/articles/-/598929
・『公立学校では非正規雇用の教員が増え続けている。その数は全国の公立学校で5~6人に1人に上る。教師という職業に、いったい何が起きているのか。 特集「『非正規化』する教師」の第4回は、実力のある非正規教員が正規教員になれない背景に迫る。(過去の記事はこちら) 「なぜ、あの人が正規教員でないのか」 人づてに耳にした言葉に、中部地方で高校の理科教員をする武田晴久さん(仮名)は複雑な思いをした。 武田さんは、今年で非正規教員13年目を迎える。武田さんが周囲から「正規教員」でないことに驚かれるのは、高校の教師として特筆すべき能力と実績があるからだ。 一つは、大学・大学院時代を通じて深めてきた生物・地学領域での専門性だ。大学院を卒業後も博物館でボランティアをするなど、この領域への探究心は強く、自ら学んで得た深い知見は日々の授業にも生かされている。もう一つは、部活動顧問として全国優勝を成し遂げたことだ。理科教員ならではの知識とスキルを生かし、ある競技でチームを頂点に導いた。 「一般企業ならとうに採用している」 そんな武田さんに対して、部活動で付き合いのある会社経営者は冒頭のように、「なぜ、あの人が正規教員でないのか。一般企業ならとうに採用している」と話したという。 「他の先生から聞いた話ですが、うれしかった反面、自分の実績と立場の釣り合いが取れていないことに複雑な思いもしました」(武田さん) 大学院を卒業後に教員採用試験を受けたが、当時は倍率が10倍をはるかに超えていたこともあって合格することができなかった。その後も毎年、採用試験は受けているが、あと一歩のところで合格ラインには届いていない。その結果、現在に至るまで臨時的任用教員(常勤講師)として教壇に立ち続けている。 教員として10年以上のキャリアのある武田さんは、周囲から一人前と認められ、「仕事ができる人」と言われることもある。 民間企業の場合、非正規社員として実績を残せば、それが職場の評価となって正規社員に登用されることがある。加えて、有期労働契約が通算5年を超えた場合、本人が希望すれば期間の定めのない労働契約に切り替えられる、いわゆる「無期転換ルール」がある。 そもそも、昨今は中小企業を中心に人手不足が著しく、人材の確保という側面から、非正規社員の正規化を図る企業も少なくない。そうしたことから、民間企業の非正規率は2019年の38.3%をピークに2年連続で減少するなど、状況はわずかながら改善に向かっている(総務省「労働力調査」)。 しかし、公立学校には民間企業のような「無期転換ルール」がなく、長い人は10年以上にわたって非正規雇用のまま働き続けている。人手不足が著しい状況にもかかわらず、非正規教員の正規化を積極的に図ろうとする自治体は皆無に等しい』、「非正規教員13年目」とは気の毒だ。
・『「現場の評価」と「採用試験での評価」が一致しない 教員には民間企業のような正規化のルートがないことから、どんなに学校での評価が高くでも、正規教員になる唯一の道は教員採用試験を突破することだ。 実は武田さんのように、高い能力と実績を持っているにもかかわらず、採用試験に落ち続ける人は珍しくない。中には高い授業力があり、学校のキーマンとして活躍しているような人が、非正規教員というケースもある。 首都圏の公立小学校に勤める川島和希さん(仮名、第1回参照)も、そんな教師の一人だ。非正規教員として働き続けて10年近くの間、正規教員が敬遠するような難しいクラスの担任を幾度となく受け持ち、時に荒れた学級の立て直しを任されることもあった。学校教育や子どもたちに対する貢献は計り知れない。 こうした人たちが非正規のまま働き続けているのは、「職場での評価」と「教員採用試験での評価」が一致しないことによって起こる現象だ。 教員採用試験の実施形態は自治体によって異なるが、おおむね1次試験と2次試験の2段階で行われる。1次では主に筆記試験が課され、教育に関する学術的・制度的な知識が問われる。出題範囲は非常に広く、しっかりと対策をして本番に臨むことが必要となる。それを突破して2次に進めば、面接や模擬授業などが待っている。 しかし、臨時的任用教員としてフルタイムで働きながら受験する人の場合、対策の時間を取りづらい。そうした状況がある中で、試験対策の時間を十分取れる大学生と肩を並べて毎回試験に挑まなければならない 武田さんも1~2年目は仕事を覚えるのに手いっぱいで、試験対策をほとんどすることができなかった。その結果、あえなく1次試験の壁に阻まれることとなった。 3年目に初めて1次を突破した武田さんは、2次試験の面接・論文に向けて、万全を期そうと思った。だがその矢先、部活動関連の仕事が次々と入り、2次の前日には大会のリハーサルで、ほぼ終日拘束されてしまった。その結果、十分な準備もできないまま本番に臨み、不合格となってしまった』、少なくとも「2次試験」では、勤務評価や特殊事情を考慮できるような仕組みにすべきだろう。
・『「断ったら二度と講師はできない」 教員は、部活動の顧問の仕事をボランティアに近い状態で担っている。大事な採用試験を前に、そうした仕事を断ることはできなかったのか。 「仕事をきちんとやらないと、講師(臨時的任用教員)として働けなくなるという恐怖心がありました。だから、そんなことは言えませんでした」 当時をそうふり返る武田さんは、非正規教員1年目の終わりごろ、忘れられない経験をしている。当時、特別支援学校に勤務していたところ、近隣の高校の教頭から「来年度、うちの学校で講師をしないか」との電話が入った。武田先生が「少し考えさせてください」と答えると、その教頭はこう言った。 「この話を断ったら、二度とこの県で講師はできないと思え」 武田さんは、今もこの言葉が頭から離れない。そんな経験をすれば、「採用試験があるので、部活動の仕事は軽減してください」と言えなくなるのは当然であろう。 職場の優秀な人材を正規教員に登用する仕組みが存在せず、教員採用試験というやや特殊な選考システムにより、多くの教員が非正規雇用のまま放置され続けている。公教育の質の担保という点でも問題と言わざるをえない』、学校現場の声が教育委員会に届いているとすれば、「非正規雇用の教員」を「正規化」する知恵を絞り出すべきだ。
第三に、続きとして、7月30日付け東洋経済オンラインが掲載した教育ジャーナリストの佐藤明彦氏による「1年目の非正規教員が「自己流」で教壇に立つ異常 初任者研修すら受けられず担任を持つ教員たち」を紹介しよう。
https://toyokeizai.net/articles/-/606090
・『公立学校では非正規雇用の教員が増え続けている。その数は全国の公立学校で5~6人に1人に上る。教師という職業に、いったい何が起きているのか。 特集「『非正規化』する教師」の第6回は、初任者研修すら受けられずに教壇に立ち続けざるを得ない非正規教員の現実に迫る。(過去の記事はこちら)。 首都圏の公立小学校で非正規教員として働く香川隆二さん(仮名)は、教員1年目のときのことが忘れられない。大学4年の時に教員採用試験を受けたが不合格となり、翌年は地元の小学校で臨時的任用教員(常勤講師)として働くことになった。だが、その1年目は散々なものだった。 「2年生の学級担任になりましたが、何をやってもうまくいきませんでした。日々の授業も、子どもたちへの指導も自己流、見よう見まねでやっていましたからね……。すぐに学級崩壊に近い状態となって、教頭先生にもクラスに入ってもらいながら、何とか1年を乗り切りました」(香川さん) 小学校では常勤の非正規教員の大半が1年目から担任を持つ。比較的落ち着いたクラスを受け持つケースが多いが、時に校内人事のなりゆきで難しいクラスを持たされることもある』、「臨時的任用教員」には「研修」もないとは余りに酷い。
・『何の研修もないまま、教壇に立ち続ける 「非正規教員は、何の研修も施されないまま、教壇に立たされ続けます。そんな仕組み自体に無理があるのではないでしょうか」と香川さんは振り返る。結局この年はクラス運営で手一杯となり、教員採用試験の対策時間もろくに取れず、不合格となってしまった。 香川さんの学校にはもう一人、1年目の教員がいた。同じ大卒だが正規採用、そのため「初任者研修」があり、校内でメンター役の教員から指導を受けたり、時に教育センターに出向いて講義を受けたりしていた。 「同じ1年目でも、職場での扱いがまったく違っていました。向こうは大事に『育成』されているのに対し、こっちは完全に『放置』されている感じです。当時は、『試験に合格できなかった自分が悪い』と思っていましたが、今思えば少し酷い扱いだと思います」(香川さん)) 小学校の教員は、年間1000コマ近い授業を一人で受け持つ。授業内容はどれ一つ同じではなく、すべての授業に入念な準備が必要となる。30~40人もの子どもたちを統率しながら、これら一つひとつの授業を成立させていくためには、高度な技能を要する。 だが、どの教員も大卒1年目から学級担任を任される。考えてみれば無理のある話で、民間企業で言えば新入社員が一人で得意先を回るようなものだ。だからせめてもということで、1年目に初任者研修が行われ、後追いでの「育成」が行われる。 初任者研修は、国が自治体に義務付けている法定研修で、校内で年間300時間、校外で25日間の研修が行われる。内容は授業に関わることから服務に関することまで幅広く、教員として必要な知識やスキルをみっちりと叩き込まれる。「300時間+25日間」というボリュームを見ても、一人前の教師にするべく手厚く育てていこうという意図が感じられる。 ところが、同じ1年目でも非正規教員には初任者研修がない。最近は、各自治体が独自に研修を実施しているケースもあるが、その内容は初任者研修とは比べ物にならないほど薄い』、「初任者研修は、国が自治体に義務付けている法定研修で、校内で年間300時間、校外で25日間の研修が行われる」のに、「非正規教員には初任者研修がない」というのは不均等が甚だし過ぎる
・『放置された結果、1年も経たず辞めていく人も この状況について、あるベテラン教員が次のように指摘する。 「研修も施さない人間を教壇に立たせること自体、公教育としての責任を果たせていない。正規であろうと非正規であろうと、子どもたちを相手に授業をするという点では同じですからね」 また、別のある小学校の中堅教員は、「採用側に非正規教員を『育成しよう』という意識はありません。放置された結果として、1年も経たずに辞めていく人も少なくありません」と話す。一般的に1年以内の退職は職業的な「ミスマッチ」によって起こる。だが、公立学校においてはこれが「放置」によって生じているとすれば、看過できない。 こうした状況を改善する方策の一つとして、常勤の非正規教員にも初任者研修を課し、後に正規教員になった際には免除するということが考えられる。極めて合理的な仕組みで、公教育としての責任を果たすうえでも理にかなっている。だが現状、そうした制度の導入は検討されていない。 なぜ、そうしないのか。前出の中堅小学校教員に聞いてみたところ、次のような答えが返ってきた。 「そんなことするはずがありません。できが悪ければ切り捨てればいいと考えているわけですから。非正規教員は、あくまで臨時的な穴埋め人員にすぎない。そんな人間にお金と手間をかけて研修を施すなんて考えは行政サイドにありません」』、「非正規教員は、あくまで臨時的な穴埋め人員にすぎない。そんな人間にお金と手間をかけて研修を施すなんて考えは行政サイドにありません」、そうであれば、「学級担任」など責任のある仕事は任せるべきではない。任せるのであれば、「初任者研修」を受けさせるべきだ。
・『教員不足解消のためにも研修が必要 非正規で雇っている人に対する研修や教育は、その人を「見習い」と捉えるのか、「臨時的な穴埋め」と捉えるかによって変わってくる。公立学校の場合、非正規教員の大半はいずれ正規教員になることを目指し、見習いとしての意識で働いている。にもかかわらず、雇用する側が臨時的な穴埋めとしか捉えていないとすれば、両者の間には大きな意識の隔たりがあることとなる。 もちろん、1年目の非正規教員にも初任者研修を施すとなれば、相応のコストと人員が必要となる。だが、実施すれば非正規教員の職務状況が改善され、離脱する人が減る可能性も大いにある。現状の教員不足の解消という点でも検討すべき課題であろう』、「1年目の非正規教員にも初任者研修を施すとなれば、相応のコストと人員が必要となる。だが、実施すれば非正規教員の職務状況が改善され、離脱する人が減る可能性も大いにある。現状の教員不足の解消という点でも検討すべき課題」、同感である。
先ずは、7月21日付け東洋経済オンライン「女子生徒「ズボン着用」に届出が必要な校則の異常 理不尽な「ブラック校則」が一向に変わらない訳」を紹介しよう。
https://toyokeizai.net/articles/-/604155
・『全国で最低でも約2000人の教員が不足している。今年初めて発表された文部科学省の教員不足調査では衝撃の実態が明らかになった。学校現場では今何が起こっているのか。7月19日発売の「週刊東洋経済」では「学校が崩れる」を特集。各地の教員の声とともに教員不足の真因を深掘りした。 関西地方の中学校に通う男児は発達障害による感覚過敏があり、制服が着用できない。校内では体操服を着ているが、「校門の前までは制服を着るように学校から指導された」と母親は話す。 「教員たちが当たり前のように思っている教室の環境が、一定の子どもを排除するルールになっている」と言うのは、東京都公立小学校の宮澤弘道教諭だ。 「例えば、授業前に『気をつけ。◯時間目のあいさつを始めます』と言い、担任の目を2秒間見るといったルール。この儀式が苦手な子がいると授業が始まらず、『あいつのせいでまた待たされている』と周りの子も思うようになる」』、「授業前に『気をつけ。◯時間目のあいさつを始めます』と言い、担任の目を2秒間見るといったルール」、いまどきこんな硬直的な「ルール」が大手を振っているとは、驚かされた。
・『女性がズボンを履くには「異装届」が必要 2006年に改正された教育基本法では規律や規範が重視され、学力向上のため、独自の細かい決まり事を作る学校が増えているという。 下関市立大学学長の韓昌完教授は、「日本は一定の枠に子どもを入れる一斉教育を強化することで学力を上げてきた。既存の枠に入らない子を多様性とみるのではなく障害として別の枠(特別支援学級など)に入れている」と指摘する。 日本の学級規模はOECD(経済協力開発機構)加盟国中、小学校では3番目、中学校では2番目に大きい(図は主要国のみを掲載) 日本は学級規模が大きいうえ、集団の規律性を重んじる学校文化がある。日本独自の学校文化に苦しむのは、障害のある子どもだけではない。 生徒指導主任の経験がある男性教員は、髪型や靴下の色まで決める校則を疑問視する。 「スカートが嫌でズボンをはきたいという女子生徒に『異装届』を提出させているが、その子にとっては『異装』ではない」。その学校では、ズボンを許可する日を管理職と親が決め、それ以外の日に着て来ると管理職は「調子に乗っていつも着て来るのではないか」と心配しているという。 こうした校則は「なくてもいい」と男性教員は言い切るが、学校文化や校則を疑問視する教員はまだ少数派だ。教員になるか進路を迷う大学4年生の女性は、「教員になったら、気づかぬうちに学校文化に染まってしまうのではないか心配だ」と話す。 近年、学校では外国籍の子どもや外国にルーツを持つ子どもが増えている。そうした子どもにとって、「学校とはどういう場なのか」という文化的な理解が異なることもある。 「マジョリティーの人が当たり前だと思っている授業のやり方や慣習が、マイノリティーの子どもの生きづらさになっている」と東京大学の小国喜弘教授(教育学)は言う。 細かすぎる理不尽な校則は「ブラック校則」として近年メディアでも広く報道された。文部科学省は2021年6月、都道府県教育委員会などに「校則の見直し等に関する取組事例」を告知し、校則を積極的に見直すよう学校に促している』、「「スカートが嫌でズボンをはきたいという女子生徒に『異装届』を提出させている」、「ブラック校則」そのものだ。「学校文化や校則を疑問視する教員はまだ少数派だ」、「学校」がいまだに特殊な世界にあるようだ。
・『地域の目が圧力に しかし、厳しい校則は学校だけの責任とはいえない。「とくに服装などの身なりは『世間』の目が強い圧力になっている」と中央大学の池田賢市教授(教育学)は言う。 「教員がそこまで厳しくしなくてもいいと思っていても、『地域の人に迷惑をかけないように』とか、『将来就職する地元企業からの信頼につながる』と、地域社会の目を気にする学校が多い」(池田教授) 登校時だけ制服を着てくるように言われた冒頭の例も、地域の目を意識してのことだろう。実際、「下校時などの地域住民からのクレーム対応が負担になっている」と嘆く教員は多い。 校則の見直しに生徒が参加する学校も増えてきたが、皮肉なことに生徒自身が校則を考えると、「従来の校則より厳しいものになるという実践報告がよくある」と池田教授。校則は禁止事項の羅列という考えが土台にあるからだ。 「欧米の学校の多くでは、規則は子どもの学びの権利が保障されるかをチェックする目的で作られる。自分たちの権利が守られるよう学校に要求した結果として規則が成り立つと考えるのが本来の形だ」(池田教授) 多様性の受容と子どもの権利保障を基本に据えなければ、学校文化や校則は本質的に変わらないだろう』、「地域の目が圧力に」、無責任な意見は無視し、正々堂々と理由を説明すべきだ。「校則は禁止事項の羅列という考えが土台にある」のは問題だ。「欧米の学校の多くでは、規則は子どもの学びの権利が保障されるかをチェックする目的で作られる。自分たちの権利が守られるよう学校に要求した結果として規則が成り立つと考えるのが本来の形だ」、考え方を欧米流に合理化すべきだろう。
次に、6月29日付け東洋経済オンラインが掲載した教育ジャーナリストの佐藤明彦氏による「学校で「いい先生」が正規教員になれない理不尽 現場の評価と一致しない採用試験の評価」を紹介しよう。
https://toyokeizai.net/articles/-/598929
・『公立学校では非正規雇用の教員が増え続けている。その数は全国の公立学校で5~6人に1人に上る。教師という職業に、いったい何が起きているのか。 特集「『非正規化』する教師」の第4回は、実力のある非正規教員が正規教員になれない背景に迫る。(過去の記事はこちら) 「なぜ、あの人が正規教員でないのか」 人づてに耳にした言葉に、中部地方で高校の理科教員をする武田晴久さん(仮名)は複雑な思いをした。 武田さんは、今年で非正規教員13年目を迎える。武田さんが周囲から「正規教員」でないことに驚かれるのは、高校の教師として特筆すべき能力と実績があるからだ。 一つは、大学・大学院時代を通じて深めてきた生物・地学領域での専門性だ。大学院を卒業後も博物館でボランティアをするなど、この領域への探究心は強く、自ら学んで得た深い知見は日々の授業にも生かされている。もう一つは、部活動顧問として全国優勝を成し遂げたことだ。理科教員ならではの知識とスキルを生かし、ある競技でチームを頂点に導いた。 「一般企業ならとうに採用している」 そんな武田さんに対して、部活動で付き合いのある会社経営者は冒頭のように、「なぜ、あの人が正規教員でないのか。一般企業ならとうに採用している」と話したという。 「他の先生から聞いた話ですが、うれしかった反面、自分の実績と立場の釣り合いが取れていないことに複雑な思いもしました」(武田さん) 大学院を卒業後に教員採用試験を受けたが、当時は倍率が10倍をはるかに超えていたこともあって合格することができなかった。その後も毎年、採用試験は受けているが、あと一歩のところで合格ラインには届いていない。その結果、現在に至るまで臨時的任用教員(常勤講師)として教壇に立ち続けている。 教員として10年以上のキャリアのある武田さんは、周囲から一人前と認められ、「仕事ができる人」と言われることもある。 民間企業の場合、非正規社員として実績を残せば、それが職場の評価となって正規社員に登用されることがある。加えて、有期労働契約が通算5年を超えた場合、本人が希望すれば期間の定めのない労働契約に切り替えられる、いわゆる「無期転換ルール」がある。 そもそも、昨今は中小企業を中心に人手不足が著しく、人材の確保という側面から、非正規社員の正規化を図る企業も少なくない。そうしたことから、民間企業の非正規率は2019年の38.3%をピークに2年連続で減少するなど、状況はわずかながら改善に向かっている(総務省「労働力調査」)。 しかし、公立学校には民間企業のような「無期転換ルール」がなく、長い人は10年以上にわたって非正規雇用のまま働き続けている。人手不足が著しい状況にもかかわらず、非正規教員の正規化を積極的に図ろうとする自治体は皆無に等しい』、「非正規教員13年目」とは気の毒だ。
・『「現場の評価」と「採用試験での評価」が一致しない 教員には民間企業のような正規化のルートがないことから、どんなに学校での評価が高くでも、正規教員になる唯一の道は教員採用試験を突破することだ。 実は武田さんのように、高い能力と実績を持っているにもかかわらず、採用試験に落ち続ける人は珍しくない。中には高い授業力があり、学校のキーマンとして活躍しているような人が、非正規教員というケースもある。 首都圏の公立小学校に勤める川島和希さん(仮名、第1回参照)も、そんな教師の一人だ。非正規教員として働き続けて10年近くの間、正規教員が敬遠するような難しいクラスの担任を幾度となく受け持ち、時に荒れた学級の立て直しを任されることもあった。学校教育や子どもたちに対する貢献は計り知れない。 こうした人たちが非正規のまま働き続けているのは、「職場での評価」と「教員採用試験での評価」が一致しないことによって起こる現象だ。 教員採用試験の実施形態は自治体によって異なるが、おおむね1次試験と2次試験の2段階で行われる。1次では主に筆記試験が課され、教育に関する学術的・制度的な知識が問われる。出題範囲は非常に広く、しっかりと対策をして本番に臨むことが必要となる。それを突破して2次に進めば、面接や模擬授業などが待っている。 しかし、臨時的任用教員としてフルタイムで働きながら受験する人の場合、対策の時間を取りづらい。そうした状況がある中で、試験対策の時間を十分取れる大学生と肩を並べて毎回試験に挑まなければならない 武田さんも1~2年目は仕事を覚えるのに手いっぱいで、試験対策をほとんどすることができなかった。その結果、あえなく1次試験の壁に阻まれることとなった。 3年目に初めて1次を突破した武田さんは、2次試験の面接・論文に向けて、万全を期そうと思った。だがその矢先、部活動関連の仕事が次々と入り、2次の前日には大会のリハーサルで、ほぼ終日拘束されてしまった。その結果、十分な準備もできないまま本番に臨み、不合格となってしまった』、少なくとも「2次試験」では、勤務評価や特殊事情を考慮できるような仕組みにすべきだろう。
・『「断ったら二度と講師はできない」 教員は、部活動の顧問の仕事をボランティアに近い状態で担っている。大事な採用試験を前に、そうした仕事を断ることはできなかったのか。 「仕事をきちんとやらないと、講師(臨時的任用教員)として働けなくなるという恐怖心がありました。だから、そんなことは言えませんでした」 当時をそうふり返る武田さんは、非正規教員1年目の終わりごろ、忘れられない経験をしている。当時、特別支援学校に勤務していたところ、近隣の高校の教頭から「来年度、うちの学校で講師をしないか」との電話が入った。武田先生が「少し考えさせてください」と答えると、その教頭はこう言った。 「この話を断ったら、二度とこの県で講師はできないと思え」 武田さんは、今もこの言葉が頭から離れない。そんな経験をすれば、「採用試験があるので、部活動の仕事は軽減してください」と言えなくなるのは当然であろう。 職場の優秀な人材を正規教員に登用する仕組みが存在せず、教員採用試験というやや特殊な選考システムにより、多くの教員が非正規雇用のまま放置され続けている。公教育の質の担保という点でも問題と言わざるをえない』、学校現場の声が教育委員会に届いているとすれば、「非正規雇用の教員」を「正規化」する知恵を絞り出すべきだ。
第三に、続きとして、7月30日付け東洋経済オンラインが掲載した教育ジャーナリストの佐藤明彦氏による「1年目の非正規教員が「自己流」で教壇に立つ異常 初任者研修すら受けられず担任を持つ教員たち」を紹介しよう。
https://toyokeizai.net/articles/-/606090
・『公立学校では非正規雇用の教員が増え続けている。その数は全国の公立学校で5~6人に1人に上る。教師という職業に、いったい何が起きているのか。 特集「『非正規化』する教師」の第6回は、初任者研修すら受けられずに教壇に立ち続けざるを得ない非正規教員の現実に迫る。(過去の記事はこちら)。 首都圏の公立小学校で非正規教員として働く香川隆二さん(仮名)は、教員1年目のときのことが忘れられない。大学4年の時に教員採用試験を受けたが不合格となり、翌年は地元の小学校で臨時的任用教員(常勤講師)として働くことになった。だが、その1年目は散々なものだった。 「2年生の学級担任になりましたが、何をやってもうまくいきませんでした。日々の授業も、子どもたちへの指導も自己流、見よう見まねでやっていましたからね……。すぐに学級崩壊に近い状態となって、教頭先生にもクラスに入ってもらいながら、何とか1年を乗り切りました」(香川さん) 小学校では常勤の非正規教員の大半が1年目から担任を持つ。比較的落ち着いたクラスを受け持つケースが多いが、時に校内人事のなりゆきで難しいクラスを持たされることもある』、「臨時的任用教員」には「研修」もないとは余りに酷い。
・『何の研修もないまま、教壇に立ち続ける 「非正規教員は、何の研修も施されないまま、教壇に立たされ続けます。そんな仕組み自体に無理があるのではないでしょうか」と香川さんは振り返る。結局この年はクラス運営で手一杯となり、教員採用試験の対策時間もろくに取れず、不合格となってしまった。 香川さんの学校にはもう一人、1年目の教員がいた。同じ大卒だが正規採用、そのため「初任者研修」があり、校内でメンター役の教員から指導を受けたり、時に教育センターに出向いて講義を受けたりしていた。 「同じ1年目でも、職場での扱いがまったく違っていました。向こうは大事に『育成』されているのに対し、こっちは完全に『放置』されている感じです。当時は、『試験に合格できなかった自分が悪い』と思っていましたが、今思えば少し酷い扱いだと思います」(香川さん)) 小学校の教員は、年間1000コマ近い授業を一人で受け持つ。授業内容はどれ一つ同じではなく、すべての授業に入念な準備が必要となる。30~40人もの子どもたちを統率しながら、これら一つひとつの授業を成立させていくためには、高度な技能を要する。 だが、どの教員も大卒1年目から学級担任を任される。考えてみれば無理のある話で、民間企業で言えば新入社員が一人で得意先を回るようなものだ。だからせめてもということで、1年目に初任者研修が行われ、後追いでの「育成」が行われる。 初任者研修は、国が自治体に義務付けている法定研修で、校内で年間300時間、校外で25日間の研修が行われる。内容は授業に関わることから服務に関することまで幅広く、教員として必要な知識やスキルをみっちりと叩き込まれる。「300時間+25日間」というボリュームを見ても、一人前の教師にするべく手厚く育てていこうという意図が感じられる。 ところが、同じ1年目でも非正規教員には初任者研修がない。最近は、各自治体が独自に研修を実施しているケースもあるが、その内容は初任者研修とは比べ物にならないほど薄い』、「初任者研修は、国が自治体に義務付けている法定研修で、校内で年間300時間、校外で25日間の研修が行われる」のに、「非正規教員には初任者研修がない」というのは不均等が甚だし過ぎる
・『放置された結果、1年も経たず辞めていく人も この状況について、あるベテラン教員が次のように指摘する。 「研修も施さない人間を教壇に立たせること自体、公教育としての責任を果たせていない。正規であろうと非正規であろうと、子どもたちを相手に授業をするという点では同じですからね」 また、別のある小学校の中堅教員は、「採用側に非正規教員を『育成しよう』という意識はありません。放置された結果として、1年も経たずに辞めていく人も少なくありません」と話す。一般的に1年以内の退職は職業的な「ミスマッチ」によって起こる。だが、公立学校においてはこれが「放置」によって生じているとすれば、看過できない。 こうした状況を改善する方策の一つとして、常勤の非正規教員にも初任者研修を課し、後に正規教員になった際には免除するということが考えられる。極めて合理的な仕組みで、公教育としての責任を果たすうえでも理にかなっている。だが現状、そうした制度の導入は検討されていない。 なぜ、そうしないのか。前出の中堅小学校教員に聞いてみたところ、次のような答えが返ってきた。 「そんなことするはずがありません。できが悪ければ切り捨てればいいと考えているわけですから。非正規教員は、あくまで臨時的な穴埋め人員にすぎない。そんな人間にお金と手間をかけて研修を施すなんて考えは行政サイドにありません」』、「非正規教員は、あくまで臨時的な穴埋め人員にすぎない。そんな人間にお金と手間をかけて研修を施すなんて考えは行政サイドにありません」、そうであれば、「学級担任」など責任のある仕事は任せるべきではない。任せるのであれば、「初任者研修」を受けさせるべきだ。
・『教員不足解消のためにも研修が必要 非正規で雇っている人に対する研修や教育は、その人を「見習い」と捉えるのか、「臨時的な穴埋め」と捉えるかによって変わってくる。公立学校の場合、非正規教員の大半はいずれ正規教員になることを目指し、見習いとしての意識で働いている。にもかかわらず、雇用する側が臨時的な穴埋めとしか捉えていないとすれば、両者の間には大きな意識の隔たりがあることとなる。 もちろん、1年目の非正規教員にも初任者研修を施すとなれば、相応のコストと人員が必要となる。だが、実施すれば非正規教員の職務状況が改善され、離脱する人が減る可能性も大いにある。現状の教員不足の解消という点でも検討すべき課題であろう』、「1年目の非正規教員にも初任者研修を施すとなれば、相応のコストと人員が必要となる。だが、実施すれば非正規教員の職務状況が改善され、離脱する人が減る可能性も大いにある。現状の教員不足の解消という点でも検討すべき課題」、同感である。
タグ:教育 (その29)(女子生徒「ズボン着用」に届出が必要な校則の異常 理不尽な「ブラック校則」が一向に変わらない訳、学校で「いい先生」が正規教員になれない理不尽 現場の評価と一致しない採用試験の評価、1年目の非正規教員が「自己流」で教壇に立つ異常 初任者研修すら受けられず担任を持つ教員たち) 東洋経済オンライン「女子生徒「ズボン着用」に届出が必要な校則の異常 理不尽な「ブラック校則」が一向に変わらない訳」 「授業前に『気をつけ。◯時間目のあいさつを始めます』と言い、担任の目を2秒間見るといったルール」、いまどきこんな硬直的な「ルール」が大手を振っているとは、驚かされた。 「「スカートが嫌でズボンをはきたいという女子生徒に『異装届』を提出させている」、「ブラック校則」そのものだ。「学校文化や校則を疑問視する教員はまだ少数派だ」、「学校」がいまだに特殊な世界にあるようだ。 「地域の目が圧力に」、無責任な意見は無視し、正々堂々と理由を説明すべきだ。「校則は禁止事項の羅列という考えが土台にある」のは問題だ。「欧米の学校の多くでは、規則は子どもの学びの権利が保障されるかをチェックする目的で作られる。自分たちの権利が守られるよう学校に要求した結果として規則が成り立つと考えるのが本来の形だ」、考え方を欧米流に合理化すべきだろう。 東洋経済オンライン 佐藤明彦氏による「学校で「いい先生」が正規教員になれない理不尽 現場の評価と一致しない採用試験の評価」 「非正規教員13年目」とは気の毒だ。 少なくとも「2次試験」では、勤務評価や特殊事情を考慮できるような仕組みにすべきだろう。 学校現場の声が教育委員会に届いているとすれば、「非正規雇用の教員」を「正規化」する知恵を絞り出すべきだ。 佐藤明彦氏による「1年目の非正規教員が「自己流」で教壇に立つ異常 初任者研修すら受けられず担任を持つ教員たち」 「臨時的任用教員」には「研修」もないとは余りに酷い。 「初任者研修は、国が自治体に義務付けている法定研修で、校内で年間300時間、校外で25日間の研修が行われる」のに、「非正規教員には初任者研修がない」というのは不均等が甚だし過ぎる 「非正規教員は、あくまで臨時的な穴埋め人員にすぎない。そんな人間にお金と手間をかけて研修を施すなんて考えは行政サイドにありません」、そうであれば、「学級担任」など責任のある仕事は任せるべきではない。任せるのであれば、「初任者研修」を受けさせるべきだ。 「1年目の非正規教員にも初任者研修を施すとなれば、相応のコストと人員が必要となる。だが、実施すれば非正規教員の職務状況が改善され、離脱する人が減る可能性も大いにある。現状の教員不足の解消という点でも検討すべき課題」、同感である。
コメント 0