高齢化社会(その18)(精神科医・和田秀樹さんが「80歳を越えたら我慢しないで生きよう」と唱える理由、和田秀樹さんが説く「いい医者」を見分けるコツ 70代からの人生を元気に楽しく過ごすには?、出口治明 72歳で脳卒中になって右半身麻痺と失語症が残り 身体の右側が動かず言葉を発することもできないのに なぜ悲観的にならず「復職」を目指せたのか) [社会]
高齢化社会については、5月12日に取上げた。今日は、(その18)(精神科医・和田秀樹さんが「80歳を越えたら我慢しないで生きよう」と唱える理由、和田秀樹さんが説く「いい医者」を見分けるコツ 70代からの人生を元気に楽しく過ごすには?、出口治明 72歳で脳卒中になって右半身麻痺と失語症が残り 身体の右側が動かず言葉を発することもできないのに なぜ悲観的にならず「復職」を目指せたのか)である。
先ずは、6月26日付け日刊ゲンダイ「精神科医・和田秀樹さんが「80歳を越えたら我慢しないで生きよう」と唱える理由」を紹介しよう。
https://www.nikkan-gendai.com/articles/view/life/306864
・『<80歳になったら、我慢しないでしたいことしよう>というのが老年精神医学の第一人者、和田秀樹さんの考えだ。高齢者の人生の過ごし方について話を聞いた。 80歳になると要介護者や認知症が急に増えるそうだ。80歳には「壁」があるのだ。その壁の乗り越え方を提案した「80歳の壁」が35万部(6月初旬現在)のベストセラーになっている。和田さんはこの現象をどのように分析しているのか。 「80歳向けの本をようやく出すことができました。この本には伏線があって、『70歳が老化の分かれ道』という本が25万部以上売れたので、『80歳』が出せた。その前には60歳向けの本を出したんですが、あまり売れなかった。ぼくは62歳だけど、ちょっと上が『POPEYE』世代で、ぼくは『HotDog』世代。読書世代ではないんですね。だけどいま72歳から75歳くらいの団塊の世代って20代で『資本論』とかショーペンハウアーら哲学も読んできている。60代より70代の人の方が本を読むんです』、私自身は恥ずかしながら、せいぜい共産党宣言ぐらいで、「『資本論』とかショーペンハウアーら哲学も読んできている」、到底読もうという気にはならなかった。
・『70代は自分を高齢者だと思っていない さらに驚いたのは、発売当初でAmazonで1位になり、Kindleでも1位になったこと。そして『70歳が老化の分かれ道』が郊外型書店で売れたことです。今の70代や80代って、ネットで本を買い、電子書籍を読み、郊外型書店に自ら車を運転して買いに行く生活になっている。70歳の高齢者は自分は高齢者じゃないよって思っていたりします。高齢者から運転免許を取り上げてどうするんですか。ぼくがトヨタの社長なら怒りますよ」 マーケティングと高齢者のニーズにズレがある。 「マスメディアの人や商品開発の人が気づかない中で、ライフスタイルが変化してきている。これまで80歳というとブルーカラーや農家の人、早寝早起きというイメージが強かった。だけど今の80代ってほぼホワイトカラー。これまでのような早寝早起きではなく深夜番組も大好きだったり、銀座で飲んでいたような人たちが老化している」 このため和田さんも困っていることがあるそうだ。 「ぼくは高齢者に<動こう><脳を使おう>と常々言っているわけですが、実際のところ高齢者が遊べる場所がないんです。高齢者大歓迎のキャバクラもホストクラブもないでしょ。大切な性ホルモンを出すためにはいつまでも男でいたい、女でいたいという気持ちでいたほうがいいんです。世代が違う人と話せば認知症と関係の深い前頭葉も使うしね。ジャパネットが30万円くらいで豪華クルーズを始めたけど、高齢初心者も楽しめるセンスは的を射ていますね」』、「高齢者大歓迎のキャバクラもホストクラブ」が仮にあっても、そんなところでまで「高齢者」扱いされたくはないので、行く気がしない。
・『「長生きよりは元気でいたい」という人は増えている 性ホルモンの1つ、男性ホルモン(テストステロン)は医学的に重要だと認識されてきているという。 「男性ホルモンの分泌が減ると、性欲だけでなく意欲が落ちることが明らかになったんです。女性に対する興味だけでなく、人に対する興味が落ちてしまう。抑うつ状態にもなります。判断力や記憶力も落ちるし、同じだけ運動しても筋肉がつかなくなる。そうなれば老化まっしぐらです。だから男性ホルモンを維持するのはすごく大事なんです」 男性ホルモン維持のためには次の3つが効果的だそうだ。①食生活の面ではコレステロールにタンパク質に亜鉛をとること②運動をすること③心理的影響がとても大きいので、疑似恋愛できるキャバクラや風俗などもオススメだそうだ。 「性欲があることを恥ずかしがる必要はないんです。65歳以上高齢者は3640万人。国民全体の29%もいるんだから、この人たちを要介護者にしないことが大事なんです。それを伊藤詩織さんの事件をもみ消した中村格が警察庁長官になっちゃってから、ポルノ弾圧を進めている。欧米ではポルノは合法。ぼくが岸田首相ならポルノ解禁にしますね。それで<要介護高齢者が減るならどんな批判でも受ける!>って言えば拍手喝采じゃないですか? 東大受験に3回失敗するというここ一番に弱い岸田首相にはポルノ解禁をする度胸なんかないだろうけど。重要なことは、それぐらい大胆に発想を逆転させないと、日本では長生きはするけどヨボヨボの人を増やすだけになるっていうことです」』、「東大受験に3回失敗するというここ一番に弱い岸田首相」、初めて知ったが、さもありなんだ。「ポルノ解禁」には大賛成だ。
・『「心をバカにするなよ、と思う」 「日本は新型コロナウイルス対策でも自粛生活をさせて、人を閉じ込めたでしょ。家から出ない、人と話さないってなれば、歩けなくなるし、うつ病にもなるよ。老年医療やっている医者なら人の心がどうなるかわかります。政府は患者や心と向き合って臨床をしている医師ではなく、感染症の専門家や動物実験ばっかりやっている大学のお偉いさんの言う通りに国民に自粛生活をさせました。これに老年医学会も精神神経学会も抗議すらしない。年間自殺者2万人という現実もあるのに。心をバカにするなよって思うわけです」 和田さんは医者の診断や処方なども、うのみにしないほうがいいと指摘する。 「米国では死因のトップが心筋梗塞だから、血圧、血糖値、コレステロールは下げた方が多分いい。だけど、それで長生きするのは米国のデータであって、日本では大規模調査をしていないから根拠のあるデータとは言えない。日本の死因のトップはがんです。がんは免疫機能を上げることが大事。そのために楽しむことの価値が高い。また、男性ホルモンを増やすにはコレステロールにタンパク質が大事です。だけど日本だと健康診断で正常値を保つためにしょっぱいものや甘いものは我慢して薬漬け。それだと元気をなくすだけです。20年長生きするために、だるくて元気のないまま暮らしますか? 私の70歳向け80歳向けの本が売れたのは、高齢者たちは長生きよりは元気でいたいと願っているという表れだと思いますよ」』、「国では死因のトップが心筋梗塞だから、血圧、血糖値、コレステロールは下げた方が多分いい。だけど、それで長生きするのは米国のデータであって、日本では大規模調査をしていないから根拠のあるデータとは言えない」、いまだにこんな重要なデータが「日本」にないとは驚かされた。
・『「くだらないことでも楽しめる」のが究極の幸せ 高齢者をアクティブ(行動的)にすることはとても大事な施策でもあるそうだ。 「アクティブにしないと要介護者が増えます。2~3年後には500万人から600万人に増えるでしょう。それでまた増税ってことになる。個人金融資産の7割に当たる1400兆円を60歳以上が保有しています。高齢者は心を元気にして楽しまないといけないのに、それがまるで悪いことだと思われています。だから高齢者はビビってお金を使わなくなっている。そうじゃない。楽しむことは景気にもいい影響を与える。ぼくは相続税100%と言っているけど、死ぬまでに自分の稼いだ金は全部使うべき。人は最期まで楽しむ権利がある。それに究極の幸せって、くだらないことでも楽しんでしまう能力です。金持ちだろうが貧乏だろうが関係ない」』、「高齢者はビビってお金を使わなくなっている」理由は、「楽しむのが悪いことだと思っている」ことではなく、将来に介護などが必要になる場合に備えているだけだ。
・『「不良高年でいいんです」 「高齢者も少々高いハードルを2つ3つ越える意欲が大事です。日本人に一番欠けているのは実験する姿勢なんです。失敗を恐れず思い切って実行に移すと違う世界が見えてきます。意欲も次々に湧いてくる。想定外のことや、ワクワクドキドキすること、新しいことをするのは前頭葉を使うため認知症対策にもなります。80歳になったからって遠慮する必要なんてない。若返ることはいいことなんだから不良高年でいいんです」 一方で老いを受け入れることは自分を楽にする。 「70歳まではできるだけアンチエイジングをしたほうがいいんですが、80歳過ぎたらがんの進行も遅くなる。我慢をしないで、食べたいものを食べてお酒も飲んでもいいんです。健康診断も受けなくていい。“正常値”に戻そうとして薬漬けになるだけですから。おむつや補聴器も格好悪いから嫌がる人も多いけど素直に受け入れましょう。知人の音楽家は『おむつってこんなに楽なんだ』と喜んでいました。認知症にはなりたくないとみなさん言うけど、認知症は脳の変化だから不可避です。ただ脳はもともと1割しか使われていないから、かなり縮んでも、使い続けていれば残存機能はわりと使えます。認知症になってくるとみなさんニコニコして楽しそうに見えますよ。それと比べるとうつ病は楽しむ能力がなくなって、つらくておれはダメだってなっちゃう。認知症よりもうつ病にならないようにしたほうがいいんです。そうならないためにも残りの人生を楽しむこと。自分を喜ばせましょう」』、「認知症よりもうつ病にならないようにしたほうがいいんです。そうならないためにも残りの人生を楽しむこと。自分を喜ばせましょう」、同感である。
次に、8月1日付け東洋経済オンラインが掲載したライター・コラムニストの伯耆原 良子氏による「和田秀樹さんが説く「いい医者」を見分けるコツ 70代からの人生を元気に楽しく過ごすには?」を紹介しよう。
https://toyokeizai.net/articles/-/601014
・『高齢者専門の精神科医として6000人以上の患者と向き合ってきた、和田秀樹さん。70代、80代向けに書いた、老いへの備えや生き方の指南書が発売されるや否や、次々とヒットを連発。「70歳は人生のターニングポイント!」として、70代からの人生を元気に乗り切るための生活習慣や考え方をまとめた、近著『70代で死ぬ人、80代でも元気な人』もベストセラーとなり、大きな話題に。 インタビューの後編では、多くの高齢者とかかわってきた和田さんに、70代からの人生を元気に楽しく過ごすためのコツや心がけたほうがいいことについて伺いました(Qは聞き手の質問、Aは和田氏の回答)。 前編:『和田秀樹「70代でも元気な人とそうでない人の差」』』、興味深そうだ。
・『死因トップが「がん」の日本 Q:著書『70代で死ぬ人、80代でも元気な人』の中で、両者の違いは「レジリエンス(回復力)と免疫力にある」とおっしゃっていました。レジリエンスと免疫力を上げ、70代を元気に乗り切るためにはどうしたらいいでしょうか。 A:レジリエンスと免疫力を上げるためには、身体と脳を使うこと。そして、しっかり食べ、栄養状態を良くすることが大切です。血圧や血糖値を気にして節制する人がいますが、それも過ぎると栄養不足になりかねません。 アメリカ人の死因のトップは心筋梗塞なので、確かに血圧や血糖値、コレステロール値を下げたほうがいいかもしれない。 だけど、日本人の死因のトップは「がん」なんですね。がんで死ぬ人が、心筋梗塞で死ぬ人の12倍もいるのです。 だから、われわれのような「がんで死ぬ国」は、免疫力を上げなくてはいけない。もっと栄養を摂る必要があるし、もっと楽しまないといけないわけです。 よく「健康のためにお肉を減らしましょう」という医者もいますが、1日あたりの肉の平均摂取量はアメリカ人が300g程度に対し、日本人は100gぐらいですからね。 普段からそんなに食べていないに、お肉を控えてしまったことで、タンパク質など栄養不足になる危険性もある。それにもともとお肉が好きな人は食べる楽しみも減ってしまうから、かえって免疫力が落ちてしまう可能性もあるのです。) Q:高齢になると血圧や血糖値の数値が気になり、薬を飲む人も多いですよね。 A:実際、多いですね。医療が高度化したことによって、検査データを重要視するようになり、数値に異常があれば、正常に戻すためにすぐに薬を出すようになりました。 治療のために薬を出すというより、“数値を下げる”ためだけに薬を出す医者が多いのです。 さらに今の医療は専門分化が進んでいます。身体のあちこちが具合悪い人は、例えば「循環器内科」「消化器内科」「泌尿器科」というように、それぞれの科の医者から薬をもらうようになって、10個も15個も薬を飲むようになります。いわば薬漬けの状態です。 それでは、かえって具合が悪くなりかねません。実際、血圧や血糖値を下げる薬によって、低血圧や低血糖を引き起こし、頭がボーっとしたり、足元がフラフラしたりすることもあります。 僕は1985年に医学部を出ましたが、その頃の診察ではまだ聴診器を当てたり、触診をしたり、目の前の患者さんの状態や顔色を見ながら診断していきました。でも、今はそういった当たり前のことが少なくなって、数値ばかり重要視していくようになった。それでは体調不良の真の原因が見えなくなります。 僕は数値が正常化どうかよりも、本人が元気かどうかのほうがよっぽど大事だと思うんですね』、「日本人の死因のトップは「がん」なんですね。がんで死ぬ人が、心筋梗塞で死ぬ人の12倍もいるのです。 だから、われわれのような「がんで死ぬ国」は、免疫力を上げなくてはいけない。もっと栄養を摂る必要があるし、もっと楽しまないといけないわけです。 よく「健康のためにお肉を減らしましょう」という医者もいますが、1日あたりの肉の平均摂取量はアメリカ人が300g程度に対し、日本人は100gぐらいですからね。 普段からそんなに食べていないに、お肉を控えてしまったことで、タンパク質など栄養不足になる危険性もある」、「(自分が医者になった)頃の診察ではまだ聴診器を当てたり、触診をしたり、目の前の患者さんの状態や顔色を見ながら診断していきました。でも、今はそういった当たり前のことが少なくなって、数値ばかり重要視していくようになった。それでは体調不良の真の原因が見えなくなります。 僕は数値が正常化どうかよりも、本人が元気かどうかのほうがよっぽど大事だと思うんですね」、その通りだ。
・『高齢者が元気になる、良い医者の見分け方 Q:先生から見て、良い医者の見分け方というのはありますか。 A:基本的に医者というのは病気を治すプロであって、人を元気にさせるプロではないんですね。 「あなた、この数値が高いから危険です。薬を飲みましょう」という医者が多いけど、それを言われて元気になりますかって話です。 薬を飲んでも一向に具合が良くならない時に、しっかりと耳を傾けて原因を探ってくれたり、今飲んでいる薬を変えてくれたりと、根本原因に目を向けてくれる医者は信頼できるんじゃないでしょうか。 その医者の人となりや雰囲気というのも重要で、「この先生のところに行くとなんだか元気をもらえる」みたいな人がいいですよね。 (和田秀樹氏の略歴はリンク先参照) Q:著書『70代で死ぬ人、80代でも元気な人』の中にあった、「高齢になってくると男性ホルモンの影響によって、女性のほうが男性よりも元気になる」というお話も、興味深く感じました。 男性ホルモン(テストステロン)は、いわゆる男らしさをつくるホルモンなのですが、社交性や攻撃性といった外に向かう力を生み出すホルモンなんですね。その男性ホルモンが、男性は中年期以降、減少し、逆に女性は高まっていくということがわかってきました。) 高齢になるほど妻はどんどん外に出て、人と会ったり、趣味の活動を始めたりする一方で、夫は何もせず、家にこもって、奥さんに頼りっきりになってしまう……。そんなふうに「濡れ落ち葉」と言われるようになってしまうのは、男性ホルモンの影響もあるわけです。 妻の側は、家にこもりがちの夫の姿を見ていて「情けない……」と思わずに、「ホルモンのせいなんだ」と思うと、ちょっと優しくなれるかもしれませんね。 そういうわけで、男性は定年退職したら、家に閉じこもらずに積極的に外に出たり、早めに自分が楽しめる世界を見つけたりすることをおすすめしたいです。 さすがに愛人をつくれとは言わないけれど、キャバクラに行くぐらいは許してあげてもいいんじゃないかと(笑)。男性ホルモンの分泌を促すためにもね』、「薬を飲んでも一向に具合が良くならない時に、しっかりと耳を傾けて原因を探ってくれたり、今飲んでいる薬を変えてくれたりと、根本原因に目を向けてくれる医者は信頼できるんじゃないでしょうか。 その医者の人となりや雰囲気というのも重要で、「この先生のところに行くとなんだか元気をもらえる」みたいな人がいいですよね」、「男性ホルモンが、男性は中年期以降、減少し、逆に女性は高まっていくということがわかってきました。 高齢になるほど妻はどんどん外に出て、人と会ったり、趣味の活動を始めたりする一方で、夫は何もせず、家にこもって、奥さんに頼りっきりになってしまう……。そんなふうに「濡れ落ち葉」と言われるようになってしまうのは、男性ホルモンの影響もあるわけです」、なるほど。
・『できないことを悔やむのではなく、面白がる Q:70代からの人生を元気に楽しく過ごすために、心がけたほうがいいこととは何でしょうか。 A:70代ともなると、さすがに体力も集中力も衰えてきて、少なからず老いを感じるのは、仕方のないことです。 そこで「50代、60代の時はもっとできていたのに……」と悔やんだり、「これからますます衰えていく一方だ」と先のことを悲観したりすれば、どんどん気力を失い、老け込んでいってしまいます。 老いを感じた時に大切なのは、「できないことを悔やむのではなく、面白がること」です。本を読むのも、何か作業するのものろのろと、ちょっとずつしかできなくても、そのこと自体を「面白いな」と捉えてみると、今まで気づかなかった新たな発見があるものです。 そうやって70代のまだ元気なうちに自分のやりたいことを諦めずに続けることができると、80代以降、さらに老いが進んだとしても楽しみを失わずに済みます。 Q:「もう歳だから」といろんなことをあきらめずに、チャレンジし続けることが大切なんですね。 A:そうです。一日一日が実験だと思ったら、楽しくなってきませんか? 例えば、すごい美味しいラーメン店があって、1時間並ぶとする。でも、現役バリバリで仕事が忙しかったら、1時間も並ぶのも厳しいじゃないですか。 引退して時間はたっぷりあるわけだから、今までやりたくてもできなかったことに挑戦できる絶好のチャンスです。 毎日の食事のレシピを少しずつ変えたり、毎日違った本を読んでみたり。ドラマや映画もサブスクの動画配信サービスを使えば、何本見たって同じ金額です。 一日一日が実験だと思えば、失敗すらも楽しくなります。入ったお店がまずかったら、「じゃあ、次はこういうお店に行ってみよう」って、学びに変えていけば毎日にハリが出ます。 残りの人生で、あと何百回、何千回と実験ができるんですから、それだけ多くの幸せ気分を味わえるんじゃないでしょうか』、「70代のまだ元気なうちに自分のやりたいことを諦めずに続けることができると、80代以降、さらに老いが進んだとしても楽しみを失わずに済みます」、和田氏のアドバイスは元気が出るので、いつも楽しみだ。
第三に、7月27日付け婦人公論が掲載した立命館アジア太平洋大学学長の出口治明氏による「出口治明 72歳で脳卒中になって右半身麻痺と失語症が残り。身体の右側が動かず言葉を発することもできないのに、なぜ悲観的にならず「復職」を目指せたのか」を紹介しよう。
https://fujinkoron.jp/articles/-/6223
・『「平成30年(2018)人口動態統計月報年計(概数)の概況」(厚生労働省)によれば、日本人の死因第4位が脳卒中になっています。かつては日本人の死因の第1位だった脳卒中も、医療の進歩で亡くなる人が減少。しかし、患者数そのものは変わらずに今も多いのが現状です。ライフネット生命保険株式会社創始者で、立命館アジア太平洋大学(APU)学長の出口治明さんも、2021年1月に脳卒中を発症。リハビリ生活を送ることになりました。しかしどんなに大変な状態にあっても、あくまで「復職」を目指したという74歳の出口さん、その背景にあったものとは――』、あの「出口治明」氏が「脳卒中を発症」、「リハビリ」中だと知って、驚かされた。
・『脳卒中で右半身麻痺と失語症が残り 立命館アジア太平洋大学(APU)のある大分県の別府から、故郷の三重に、亡き母の四十九日の法要で新幹線で帰郷するため福岡のホテルに前泊した翌朝、僕は突然発作を起こし、病院に搬送されました。2021年1月9日の朝でした。 倒れた後、しばらくは意識が朦朧として、あまり明確な記憶は残っていません。気が付くと僕は自分の身体の右側が、自分の思い通りに動かせなくなっていました。 思い通りにならなくなったのは、それだけではありません。何も言葉を発することができなくなっていたのです。 医師の診断は左被殻出血(ひだりひかくしゅっけつ)。いわゆる脳卒中や脳出血と言われる病気で、症状としては右半身の麻痺と失語症が残りました。また、CT(コンピュータ断層撮影)検査の結果、手術はしない方針が採られました』、「失語症が残りました」、雑誌への寄稿、講演、などで精力的に活動してきた「出口」氏にとっては深刻だ。
・『リハビリ生活のスタート 脳卒中の後遺症として身体の麻痺はよく知られていると思いますが、失語症はあまりなじみのない人が多いかもしれません。 失語症とは脳の言葉を担う部分に障害が起こり、聞く、話す、読む、書くといった言葉を使った働きがうまくできなくなる状態です。 命に別状はありませんでしたが、僕は発作が起きてからあっという間に右腕右足がまったく動かず、相手が話している内容はある程度理解できても、自分からは意味のある言葉を一つも出せない状態になっていたのです。 しばらく福岡の病院で治療をした後、東京にあるリハビリテーション専門病院に転院し、僕のリハビリ生活はスタートしました』、「相手が話している内容はある程度理解できても、自分からは意味のある言葉を一つも出せない状態になっていたのです」、これは大変だ。
・『なぜ復職を目指したのか 医師によると、僕と同じくらいの年齢の人が脳出血を発症し、同じくらいのダメージが残ると、復職はあきらめ、退院や、自宅での自立した生活を目指してリハビリを行うのが一般的だそうです。もともと70歳を超えていれば、定年退職し、仕事をせずに暮らしている人も多いでしょう。 しかし僕は、学長への復職を目指したいと、医師とリハビリのスタッフに伝えました。以前と同じように別府へ単身赴任して自立した生活を送り、聴衆の前に立って講演できるくらいになりたいと。 なぜ復職を目指すのか。まだやり残した仕事があったからです。 学長に就任して以来取り組んできた、新しい学部の設立。そして新型コロナウイルスの感染拡大で大きな影響を受けた学生の支援。そして国際学生の入国をサポートし、以前のように多様な学生が対面で交流できるキャンパスを、できるだけ早く取り戻したい─』、「僕は、学長への復職を目指したいと、医師とリハビリのスタッフに伝えました。以前と同じように別府へ単身赴任して自立した生活を送り、聴衆の前に立って講演できるくらいになりたいと。 なぜ復職を目指すのか。まだやり残した仕事があったからです。 学長に就任して以来取り組んできた、新しい学部の設立。そして新型コロナウイルスの感染拡大で大きな影響を受けた学生の支援。そして国際学生の入国をサポートし、以前のように多様な学生が対面で交流できるキャンパスを、できるだけ早く取り戻したい─」、「学長への復職を目指したい」とは大した心がけだ。
・『悲観的になる必要はない 脳卒中を発症して障害が残ると、患者さんは自分の置かれた状況を正確に把握できず、あるいは状況を受け入れられず、あまり現実的でない希望を持つ場合があります。当初、医師やリハビリスタッフの方たちは、僕にもその可能性があると懸念していたそうです。 そうでなくても僕の負った障害の重さからすると、復職するまでのハードルは非常に高いと考えられていました。 目指す目標が高いので、リハビリも一般的な人よりも頑張らなくてはなりません。果たして病気で弱った心身で、それができるのかどうか。 しかし、周囲の人たちの心配とは裏腹に、僕は楽観的でした。言葉の問題や身体の不自由さは、いずれきっとよくなるだろうと。 数字・ファクト・ロジックで考えれば、悲観的になる必要などない。そう考えていたのです。 「人生とは何か」といった自問自答をすることも、落ち込んでふさぎ込むこともありませんでした。あくまで復職に向けてリハビリに一所懸命取り組み、復活した姿を皆さんにお見せしたいと思っていました。 何が起こるか予測できない世の中で、どんな事態に直面するかは、『種の起源』で進化論を確立したダーウィンがいっているように運次第であり、人間にできるのは適応だけです。 人間は川の流れに身を任せてたゆたうことしかできない。 ダーウィニストの僕は、以前からずっとそう考えてきました。川の流れに身を任せているうちに、僕はネット生命保険会社の創業を経てAPUの学長に就任し、日々の仕事と生活を送るなかで脳出血を発症し、身体と言葉の障害が残りました』、「何が起こるか予測できない世の中で、どんな事態に直面するかは、『種の起源』で進化論を確立したダーウィンがいっているように運次第であり、人間にできるのは適応だけです。 人間は川の流れに身を任せてたゆたうことしかできない」、「ダーウィン」の言葉が出てくるとはさすがだ。
・『人生は楽しまなければ損 人生にはどうしようもないことが山ほど起こります。「自分はなんて不幸なんだ、不運なんだ」と嘆いても仕方がありません。 それがわかれば自分の身体に障害が残った事実をありのままに見つめ、その変化に適応するだけのことです。「人生とは何か」などと自問自答する必要はまったくない。 年を取って死の恐怖を感じるのは、わからないでもありません。知人や友人が亡くなっていきますから、どうしても死を意識してしまいます。 しかし年齢別死亡率や平均余命といった統計をみれば、年を取ったら死ぬ確率は年々高まっていくのがわかるでしょう。客観的データに基づけば別に怖がる必要はなく、死は誰にでも訪れる当たり前の自然現象だと思えばよいだけの話です。 何より、人生は楽しまなければ損です。以前と同じようには動けなくなったからといって、落ち込んでいる暇などありません。 実際、脳卒中で麻痺が残ってリハビリに取り組み、復職にチャレンジするプロセスではいままで見えていなかった事柄に気が付いたり、新たに学んだりしたことがたくさんあります。 ※本稿は、『復活への底力 運命を受け入れ、前向きに生きる』(講談社現代新書)の一部を再編集したものです。) 『復活への底力 運命を受け入れ、前向きに生きる』(著:出口治明/講談社現代新書)(脳卒中を発症してから1年半。歩くことも話すことも困難な状況から、持ち前の楽観主義で落ち込むことがなく元気にリハビリ生活を送った出口さん。知的好奇心は衰えるどころか増すばかり。学長復職を目指す、講演を行う、再び本を執筆することを掲げ、自分を信じ闘病に励む稀有な姿勢と超人の思想は、私たちに生きる勇気を与えてくれる。本書には類書にない希望が満ち溢れている!』、「歩くことも話すことも困難な状況から、持ち前の楽観主義で落ち込むことがなく元気にリハビリ生活を送った出口さん。知的好奇心は衰えるどころか増すばかり。学長復職を目指す、講演を行う、再び本を執筆することを掲げ、自分を信じ闘病に励む稀有な姿勢と超人の思想は、私たちに生きる勇気を与えてくれる。本書には類書にない希望が満ち溢れている!」、「リハビリ」が所期の目的を達することを祈るばかりだ。時間が出来たら、『復活への底力 運命を受け入れ、前向きに生きる』も読んでみたい。
先ずは、6月26日付け日刊ゲンダイ「精神科医・和田秀樹さんが「80歳を越えたら我慢しないで生きよう」と唱える理由」を紹介しよう。
https://www.nikkan-gendai.com/articles/view/life/306864
・『<80歳になったら、我慢しないでしたいことしよう>というのが老年精神医学の第一人者、和田秀樹さんの考えだ。高齢者の人生の過ごし方について話を聞いた。 80歳になると要介護者や認知症が急に増えるそうだ。80歳には「壁」があるのだ。その壁の乗り越え方を提案した「80歳の壁」が35万部(6月初旬現在)のベストセラーになっている。和田さんはこの現象をどのように分析しているのか。 「80歳向けの本をようやく出すことができました。この本には伏線があって、『70歳が老化の分かれ道』という本が25万部以上売れたので、『80歳』が出せた。その前には60歳向けの本を出したんですが、あまり売れなかった。ぼくは62歳だけど、ちょっと上が『POPEYE』世代で、ぼくは『HotDog』世代。読書世代ではないんですね。だけどいま72歳から75歳くらいの団塊の世代って20代で『資本論』とかショーペンハウアーら哲学も読んできている。60代より70代の人の方が本を読むんです』、私自身は恥ずかしながら、せいぜい共産党宣言ぐらいで、「『資本論』とかショーペンハウアーら哲学も読んできている」、到底読もうという気にはならなかった。
・『70代は自分を高齢者だと思っていない さらに驚いたのは、発売当初でAmazonで1位になり、Kindleでも1位になったこと。そして『70歳が老化の分かれ道』が郊外型書店で売れたことです。今の70代や80代って、ネットで本を買い、電子書籍を読み、郊外型書店に自ら車を運転して買いに行く生活になっている。70歳の高齢者は自分は高齢者じゃないよって思っていたりします。高齢者から運転免許を取り上げてどうするんですか。ぼくがトヨタの社長なら怒りますよ」 マーケティングと高齢者のニーズにズレがある。 「マスメディアの人や商品開発の人が気づかない中で、ライフスタイルが変化してきている。これまで80歳というとブルーカラーや農家の人、早寝早起きというイメージが強かった。だけど今の80代ってほぼホワイトカラー。これまでのような早寝早起きではなく深夜番組も大好きだったり、銀座で飲んでいたような人たちが老化している」 このため和田さんも困っていることがあるそうだ。 「ぼくは高齢者に<動こう><脳を使おう>と常々言っているわけですが、実際のところ高齢者が遊べる場所がないんです。高齢者大歓迎のキャバクラもホストクラブもないでしょ。大切な性ホルモンを出すためにはいつまでも男でいたい、女でいたいという気持ちでいたほうがいいんです。世代が違う人と話せば認知症と関係の深い前頭葉も使うしね。ジャパネットが30万円くらいで豪華クルーズを始めたけど、高齢初心者も楽しめるセンスは的を射ていますね」』、「高齢者大歓迎のキャバクラもホストクラブ」が仮にあっても、そんなところでまで「高齢者」扱いされたくはないので、行く気がしない。
・『「長生きよりは元気でいたい」という人は増えている 性ホルモンの1つ、男性ホルモン(テストステロン)は医学的に重要だと認識されてきているという。 「男性ホルモンの分泌が減ると、性欲だけでなく意欲が落ちることが明らかになったんです。女性に対する興味だけでなく、人に対する興味が落ちてしまう。抑うつ状態にもなります。判断力や記憶力も落ちるし、同じだけ運動しても筋肉がつかなくなる。そうなれば老化まっしぐらです。だから男性ホルモンを維持するのはすごく大事なんです」 男性ホルモン維持のためには次の3つが効果的だそうだ。①食生活の面ではコレステロールにタンパク質に亜鉛をとること②運動をすること③心理的影響がとても大きいので、疑似恋愛できるキャバクラや風俗などもオススメだそうだ。 「性欲があることを恥ずかしがる必要はないんです。65歳以上高齢者は3640万人。国民全体の29%もいるんだから、この人たちを要介護者にしないことが大事なんです。それを伊藤詩織さんの事件をもみ消した中村格が警察庁長官になっちゃってから、ポルノ弾圧を進めている。欧米ではポルノは合法。ぼくが岸田首相ならポルノ解禁にしますね。それで<要介護高齢者が減るならどんな批判でも受ける!>って言えば拍手喝采じゃないですか? 東大受験に3回失敗するというここ一番に弱い岸田首相にはポルノ解禁をする度胸なんかないだろうけど。重要なことは、それぐらい大胆に発想を逆転させないと、日本では長生きはするけどヨボヨボの人を増やすだけになるっていうことです」』、「東大受験に3回失敗するというここ一番に弱い岸田首相」、初めて知ったが、さもありなんだ。「ポルノ解禁」には大賛成だ。
・『「心をバカにするなよ、と思う」 「日本は新型コロナウイルス対策でも自粛生活をさせて、人を閉じ込めたでしょ。家から出ない、人と話さないってなれば、歩けなくなるし、うつ病にもなるよ。老年医療やっている医者なら人の心がどうなるかわかります。政府は患者や心と向き合って臨床をしている医師ではなく、感染症の専門家や動物実験ばっかりやっている大学のお偉いさんの言う通りに国民に自粛生活をさせました。これに老年医学会も精神神経学会も抗議すらしない。年間自殺者2万人という現実もあるのに。心をバカにするなよって思うわけです」 和田さんは医者の診断や処方なども、うのみにしないほうがいいと指摘する。 「米国では死因のトップが心筋梗塞だから、血圧、血糖値、コレステロールは下げた方が多分いい。だけど、それで長生きするのは米国のデータであって、日本では大規模調査をしていないから根拠のあるデータとは言えない。日本の死因のトップはがんです。がんは免疫機能を上げることが大事。そのために楽しむことの価値が高い。また、男性ホルモンを増やすにはコレステロールにタンパク質が大事です。だけど日本だと健康診断で正常値を保つためにしょっぱいものや甘いものは我慢して薬漬け。それだと元気をなくすだけです。20年長生きするために、だるくて元気のないまま暮らしますか? 私の70歳向け80歳向けの本が売れたのは、高齢者たちは長生きよりは元気でいたいと願っているという表れだと思いますよ」』、「国では死因のトップが心筋梗塞だから、血圧、血糖値、コレステロールは下げた方が多分いい。だけど、それで長生きするのは米国のデータであって、日本では大規模調査をしていないから根拠のあるデータとは言えない」、いまだにこんな重要なデータが「日本」にないとは驚かされた。
・『「くだらないことでも楽しめる」のが究極の幸せ 高齢者をアクティブ(行動的)にすることはとても大事な施策でもあるそうだ。 「アクティブにしないと要介護者が増えます。2~3年後には500万人から600万人に増えるでしょう。それでまた増税ってことになる。個人金融資産の7割に当たる1400兆円を60歳以上が保有しています。高齢者は心を元気にして楽しまないといけないのに、それがまるで悪いことだと思われています。だから高齢者はビビってお金を使わなくなっている。そうじゃない。楽しむことは景気にもいい影響を与える。ぼくは相続税100%と言っているけど、死ぬまでに自分の稼いだ金は全部使うべき。人は最期まで楽しむ権利がある。それに究極の幸せって、くだらないことでも楽しんでしまう能力です。金持ちだろうが貧乏だろうが関係ない」』、「高齢者はビビってお金を使わなくなっている」理由は、「楽しむのが悪いことだと思っている」ことではなく、将来に介護などが必要になる場合に備えているだけだ。
・『「不良高年でいいんです」 「高齢者も少々高いハードルを2つ3つ越える意欲が大事です。日本人に一番欠けているのは実験する姿勢なんです。失敗を恐れず思い切って実行に移すと違う世界が見えてきます。意欲も次々に湧いてくる。想定外のことや、ワクワクドキドキすること、新しいことをするのは前頭葉を使うため認知症対策にもなります。80歳になったからって遠慮する必要なんてない。若返ることはいいことなんだから不良高年でいいんです」 一方で老いを受け入れることは自分を楽にする。 「70歳まではできるだけアンチエイジングをしたほうがいいんですが、80歳過ぎたらがんの進行も遅くなる。我慢をしないで、食べたいものを食べてお酒も飲んでもいいんです。健康診断も受けなくていい。“正常値”に戻そうとして薬漬けになるだけですから。おむつや補聴器も格好悪いから嫌がる人も多いけど素直に受け入れましょう。知人の音楽家は『おむつってこんなに楽なんだ』と喜んでいました。認知症にはなりたくないとみなさん言うけど、認知症は脳の変化だから不可避です。ただ脳はもともと1割しか使われていないから、かなり縮んでも、使い続けていれば残存機能はわりと使えます。認知症になってくるとみなさんニコニコして楽しそうに見えますよ。それと比べるとうつ病は楽しむ能力がなくなって、つらくておれはダメだってなっちゃう。認知症よりもうつ病にならないようにしたほうがいいんです。そうならないためにも残りの人生を楽しむこと。自分を喜ばせましょう」』、「認知症よりもうつ病にならないようにしたほうがいいんです。そうならないためにも残りの人生を楽しむこと。自分を喜ばせましょう」、同感である。
次に、8月1日付け東洋経済オンラインが掲載したライター・コラムニストの伯耆原 良子氏による「和田秀樹さんが説く「いい医者」を見分けるコツ 70代からの人生を元気に楽しく過ごすには?」を紹介しよう。
https://toyokeizai.net/articles/-/601014
・『高齢者専門の精神科医として6000人以上の患者と向き合ってきた、和田秀樹さん。70代、80代向けに書いた、老いへの備えや生き方の指南書が発売されるや否や、次々とヒットを連発。「70歳は人生のターニングポイント!」として、70代からの人生を元気に乗り切るための生活習慣や考え方をまとめた、近著『70代で死ぬ人、80代でも元気な人』もベストセラーとなり、大きな話題に。 インタビューの後編では、多くの高齢者とかかわってきた和田さんに、70代からの人生を元気に楽しく過ごすためのコツや心がけたほうがいいことについて伺いました(Qは聞き手の質問、Aは和田氏の回答)。 前編:『和田秀樹「70代でも元気な人とそうでない人の差」』』、興味深そうだ。
・『死因トップが「がん」の日本 Q:著書『70代で死ぬ人、80代でも元気な人』の中で、両者の違いは「レジリエンス(回復力)と免疫力にある」とおっしゃっていました。レジリエンスと免疫力を上げ、70代を元気に乗り切るためにはどうしたらいいでしょうか。 A:レジリエンスと免疫力を上げるためには、身体と脳を使うこと。そして、しっかり食べ、栄養状態を良くすることが大切です。血圧や血糖値を気にして節制する人がいますが、それも過ぎると栄養不足になりかねません。 アメリカ人の死因のトップは心筋梗塞なので、確かに血圧や血糖値、コレステロール値を下げたほうがいいかもしれない。 だけど、日本人の死因のトップは「がん」なんですね。がんで死ぬ人が、心筋梗塞で死ぬ人の12倍もいるのです。 だから、われわれのような「がんで死ぬ国」は、免疫力を上げなくてはいけない。もっと栄養を摂る必要があるし、もっと楽しまないといけないわけです。 よく「健康のためにお肉を減らしましょう」という医者もいますが、1日あたりの肉の平均摂取量はアメリカ人が300g程度に対し、日本人は100gぐらいですからね。 普段からそんなに食べていないに、お肉を控えてしまったことで、タンパク質など栄養不足になる危険性もある。それにもともとお肉が好きな人は食べる楽しみも減ってしまうから、かえって免疫力が落ちてしまう可能性もあるのです。) Q:高齢になると血圧や血糖値の数値が気になり、薬を飲む人も多いですよね。 A:実際、多いですね。医療が高度化したことによって、検査データを重要視するようになり、数値に異常があれば、正常に戻すためにすぐに薬を出すようになりました。 治療のために薬を出すというより、“数値を下げる”ためだけに薬を出す医者が多いのです。 さらに今の医療は専門分化が進んでいます。身体のあちこちが具合悪い人は、例えば「循環器内科」「消化器内科」「泌尿器科」というように、それぞれの科の医者から薬をもらうようになって、10個も15個も薬を飲むようになります。いわば薬漬けの状態です。 それでは、かえって具合が悪くなりかねません。実際、血圧や血糖値を下げる薬によって、低血圧や低血糖を引き起こし、頭がボーっとしたり、足元がフラフラしたりすることもあります。 僕は1985年に医学部を出ましたが、その頃の診察ではまだ聴診器を当てたり、触診をしたり、目の前の患者さんの状態や顔色を見ながら診断していきました。でも、今はそういった当たり前のことが少なくなって、数値ばかり重要視していくようになった。それでは体調不良の真の原因が見えなくなります。 僕は数値が正常化どうかよりも、本人が元気かどうかのほうがよっぽど大事だと思うんですね』、「日本人の死因のトップは「がん」なんですね。がんで死ぬ人が、心筋梗塞で死ぬ人の12倍もいるのです。 だから、われわれのような「がんで死ぬ国」は、免疫力を上げなくてはいけない。もっと栄養を摂る必要があるし、もっと楽しまないといけないわけです。 よく「健康のためにお肉を減らしましょう」という医者もいますが、1日あたりの肉の平均摂取量はアメリカ人が300g程度に対し、日本人は100gぐらいですからね。 普段からそんなに食べていないに、お肉を控えてしまったことで、タンパク質など栄養不足になる危険性もある」、「(自分が医者になった)頃の診察ではまだ聴診器を当てたり、触診をしたり、目の前の患者さんの状態や顔色を見ながら診断していきました。でも、今はそういった当たり前のことが少なくなって、数値ばかり重要視していくようになった。それでは体調不良の真の原因が見えなくなります。 僕は数値が正常化どうかよりも、本人が元気かどうかのほうがよっぽど大事だと思うんですね」、その通りだ。
・『高齢者が元気になる、良い医者の見分け方 Q:先生から見て、良い医者の見分け方というのはありますか。 A:基本的に医者というのは病気を治すプロであって、人を元気にさせるプロではないんですね。 「あなた、この数値が高いから危険です。薬を飲みましょう」という医者が多いけど、それを言われて元気になりますかって話です。 薬を飲んでも一向に具合が良くならない時に、しっかりと耳を傾けて原因を探ってくれたり、今飲んでいる薬を変えてくれたりと、根本原因に目を向けてくれる医者は信頼できるんじゃないでしょうか。 その医者の人となりや雰囲気というのも重要で、「この先生のところに行くとなんだか元気をもらえる」みたいな人がいいですよね。 (和田秀樹氏の略歴はリンク先参照) Q:著書『70代で死ぬ人、80代でも元気な人』の中にあった、「高齢になってくると男性ホルモンの影響によって、女性のほうが男性よりも元気になる」というお話も、興味深く感じました。 男性ホルモン(テストステロン)は、いわゆる男らしさをつくるホルモンなのですが、社交性や攻撃性といった外に向かう力を生み出すホルモンなんですね。その男性ホルモンが、男性は中年期以降、減少し、逆に女性は高まっていくということがわかってきました。) 高齢になるほど妻はどんどん外に出て、人と会ったり、趣味の活動を始めたりする一方で、夫は何もせず、家にこもって、奥さんに頼りっきりになってしまう……。そんなふうに「濡れ落ち葉」と言われるようになってしまうのは、男性ホルモンの影響もあるわけです。 妻の側は、家にこもりがちの夫の姿を見ていて「情けない……」と思わずに、「ホルモンのせいなんだ」と思うと、ちょっと優しくなれるかもしれませんね。 そういうわけで、男性は定年退職したら、家に閉じこもらずに積極的に外に出たり、早めに自分が楽しめる世界を見つけたりすることをおすすめしたいです。 さすがに愛人をつくれとは言わないけれど、キャバクラに行くぐらいは許してあげてもいいんじゃないかと(笑)。男性ホルモンの分泌を促すためにもね』、「薬を飲んでも一向に具合が良くならない時に、しっかりと耳を傾けて原因を探ってくれたり、今飲んでいる薬を変えてくれたりと、根本原因に目を向けてくれる医者は信頼できるんじゃないでしょうか。 その医者の人となりや雰囲気というのも重要で、「この先生のところに行くとなんだか元気をもらえる」みたいな人がいいですよね」、「男性ホルモンが、男性は中年期以降、減少し、逆に女性は高まっていくということがわかってきました。 高齢になるほど妻はどんどん外に出て、人と会ったり、趣味の活動を始めたりする一方で、夫は何もせず、家にこもって、奥さんに頼りっきりになってしまう……。そんなふうに「濡れ落ち葉」と言われるようになってしまうのは、男性ホルモンの影響もあるわけです」、なるほど。
・『できないことを悔やむのではなく、面白がる Q:70代からの人生を元気に楽しく過ごすために、心がけたほうがいいこととは何でしょうか。 A:70代ともなると、さすがに体力も集中力も衰えてきて、少なからず老いを感じるのは、仕方のないことです。 そこで「50代、60代の時はもっとできていたのに……」と悔やんだり、「これからますます衰えていく一方だ」と先のことを悲観したりすれば、どんどん気力を失い、老け込んでいってしまいます。 老いを感じた時に大切なのは、「できないことを悔やむのではなく、面白がること」です。本を読むのも、何か作業するのものろのろと、ちょっとずつしかできなくても、そのこと自体を「面白いな」と捉えてみると、今まで気づかなかった新たな発見があるものです。 そうやって70代のまだ元気なうちに自分のやりたいことを諦めずに続けることができると、80代以降、さらに老いが進んだとしても楽しみを失わずに済みます。 Q:「もう歳だから」といろんなことをあきらめずに、チャレンジし続けることが大切なんですね。 A:そうです。一日一日が実験だと思ったら、楽しくなってきませんか? 例えば、すごい美味しいラーメン店があって、1時間並ぶとする。でも、現役バリバリで仕事が忙しかったら、1時間も並ぶのも厳しいじゃないですか。 引退して時間はたっぷりあるわけだから、今までやりたくてもできなかったことに挑戦できる絶好のチャンスです。 毎日の食事のレシピを少しずつ変えたり、毎日違った本を読んでみたり。ドラマや映画もサブスクの動画配信サービスを使えば、何本見たって同じ金額です。 一日一日が実験だと思えば、失敗すらも楽しくなります。入ったお店がまずかったら、「じゃあ、次はこういうお店に行ってみよう」って、学びに変えていけば毎日にハリが出ます。 残りの人生で、あと何百回、何千回と実験ができるんですから、それだけ多くの幸せ気分を味わえるんじゃないでしょうか』、「70代のまだ元気なうちに自分のやりたいことを諦めずに続けることができると、80代以降、さらに老いが進んだとしても楽しみを失わずに済みます」、和田氏のアドバイスは元気が出るので、いつも楽しみだ。
第三に、7月27日付け婦人公論が掲載した立命館アジア太平洋大学学長の出口治明氏による「出口治明 72歳で脳卒中になって右半身麻痺と失語症が残り。身体の右側が動かず言葉を発することもできないのに、なぜ悲観的にならず「復職」を目指せたのか」を紹介しよう。
https://fujinkoron.jp/articles/-/6223
・『「平成30年(2018)人口動態統計月報年計(概数)の概況」(厚生労働省)によれば、日本人の死因第4位が脳卒中になっています。かつては日本人の死因の第1位だった脳卒中も、医療の進歩で亡くなる人が減少。しかし、患者数そのものは変わらずに今も多いのが現状です。ライフネット生命保険株式会社創始者で、立命館アジア太平洋大学(APU)学長の出口治明さんも、2021年1月に脳卒中を発症。リハビリ生活を送ることになりました。しかしどんなに大変な状態にあっても、あくまで「復職」を目指したという74歳の出口さん、その背景にあったものとは――』、あの「出口治明」氏が「脳卒中を発症」、「リハビリ」中だと知って、驚かされた。
・『脳卒中で右半身麻痺と失語症が残り 立命館アジア太平洋大学(APU)のある大分県の別府から、故郷の三重に、亡き母の四十九日の法要で新幹線で帰郷するため福岡のホテルに前泊した翌朝、僕は突然発作を起こし、病院に搬送されました。2021年1月9日の朝でした。 倒れた後、しばらくは意識が朦朧として、あまり明確な記憶は残っていません。気が付くと僕は自分の身体の右側が、自分の思い通りに動かせなくなっていました。 思い通りにならなくなったのは、それだけではありません。何も言葉を発することができなくなっていたのです。 医師の診断は左被殻出血(ひだりひかくしゅっけつ)。いわゆる脳卒中や脳出血と言われる病気で、症状としては右半身の麻痺と失語症が残りました。また、CT(コンピュータ断層撮影)検査の結果、手術はしない方針が採られました』、「失語症が残りました」、雑誌への寄稿、講演、などで精力的に活動してきた「出口」氏にとっては深刻だ。
・『リハビリ生活のスタート 脳卒中の後遺症として身体の麻痺はよく知られていると思いますが、失語症はあまりなじみのない人が多いかもしれません。 失語症とは脳の言葉を担う部分に障害が起こり、聞く、話す、読む、書くといった言葉を使った働きがうまくできなくなる状態です。 命に別状はありませんでしたが、僕は発作が起きてからあっという間に右腕右足がまったく動かず、相手が話している内容はある程度理解できても、自分からは意味のある言葉を一つも出せない状態になっていたのです。 しばらく福岡の病院で治療をした後、東京にあるリハビリテーション専門病院に転院し、僕のリハビリ生活はスタートしました』、「相手が話している内容はある程度理解できても、自分からは意味のある言葉を一つも出せない状態になっていたのです」、これは大変だ。
・『なぜ復職を目指したのか 医師によると、僕と同じくらいの年齢の人が脳出血を発症し、同じくらいのダメージが残ると、復職はあきらめ、退院や、自宅での自立した生活を目指してリハビリを行うのが一般的だそうです。もともと70歳を超えていれば、定年退職し、仕事をせずに暮らしている人も多いでしょう。 しかし僕は、学長への復職を目指したいと、医師とリハビリのスタッフに伝えました。以前と同じように別府へ単身赴任して自立した生活を送り、聴衆の前に立って講演できるくらいになりたいと。 なぜ復職を目指すのか。まだやり残した仕事があったからです。 学長に就任して以来取り組んできた、新しい学部の設立。そして新型コロナウイルスの感染拡大で大きな影響を受けた学生の支援。そして国際学生の入国をサポートし、以前のように多様な学生が対面で交流できるキャンパスを、できるだけ早く取り戻したい─』、「僕は、学長への復職を目指したいと、医師とリハビリのスタッフに伝えました。以前と同じように別府へ単身赴任して自立した生活を送り、聴衆の前に立って講演できるくらいになりたいと。 なぜ復職を目指すのか。まだやり残した仕事があったからです。 学長に就任して以来取り組んできた、新しい学部の設立。そして新型コロナウイルスの感染拡大で大きな影響を受けた学生の支援。そして国際学生の入国をサポートし、以前のように多様な学生が対面で交流できるキャンパスを、できるだけ早く取り戻したい─」、「学長への復職を目指したい」とは大した心がけだ。
・『悲観的になる必要はない 脳卒中を発症して障害が残ると、患者さんは自分の置かれた状況を正確に把握できず、あるいは状況を受け入れられず、あまり現実的でない希望を持つ場合があります。当初、医師やリハビリスタッフの方たちは、僕にもその可能性があると懸念していたそうです。 そうでなくても僕の負った障害の重さからすると、復職するまでのハードルは非常に高いと考えられていました。 目指す目標が高いので、リハビリも一般的な人よりも頑張らなくてはなりません。果たして病気で弱った心身で、それができるのかどうか。 しかし、周囲の人たちの心配とは裏腹に、僕は楽観的でした。言葉の問題や身体の不自由さは、いずれきっとよくなるだろうと。 数字・ファクト・ロジックで考えれば、悲観的になる必要などない。そう考えていたのです。 「人生とは何か」といった自問自答をすることも、落ち込んでふさぎ込むこともありませんでした。あくまで復職に向けてリハビリに一所懸命取り組み、復活した姿を皆さんにお見せしたいと思っていました。 何が起こるか予測できない世の中で、どんな事態に直面するかは、『種の起源』で進化論を確立したダーウィンがいっているように運次第であり、人間にできるのは適応だけです。 人間は川の流れに身を任せてたゆたうことしかできない。 ダーウィニストの僕は、以前からずっとそう考えてきました。川の流れに身を任せているうちに、僕はネット生命保険会社の創業を経てAPUの学長に就任し、日々の仕事と生活を送るなかで脳出血を発症し、身体と言葉の障害が残りました』、「何が起こるか予測できない世の中で、どんな事態に直面するかは、『種の起源』で進化論を確立したダーウィンがいっているように運次第であり、人間にできるのは適応だけです。 人間は川の流れに身を任せてたゆたうことしかできない」、「ダーウィン」の言葉が出てくるとはさすがだ。
・『人生は楽しまなければ損 人生にはどうしようもないことが山ほど起こります。「自分はなんて不幸なんだ、不運なんだ」と嘆いても仕方がありません。 それがわかれば自分の身体に障害が残った事実をありのままに見つめ、その変化に適応するだけのことです。「人生とは何か」などと自問自答する必要はまったくない。 年を取って死の恐怖を感じるのは、わからないでもありません。知人や友人が亡くなっていきますから、どうしても死を意識してしまいます。 しかし年齢別死亡率や平均余命といった統計をみれば、年を取ったら死ぬ確率は年々高まっていくのがわかるでしょう。客観的データに基づけば別に怖がる必要はなく、死は誰にでも訪れる当たり前の自然現象だと思えばよいだけの話です。 何より、人生は楽しまなければ損です。以前と同じようには動けなくなったからといって、落ち込んでいる暇などありません。 実際、脳卒中で麻痺が残ってリハビリに取り組み、復職にチャレンジするプロセスではいままで見えていなかった事柄に気が付いたり、新たに学んだりしたことがたくさんあります。 ※本稿は、『復活への底力 運命を受け入れ、前向きに生きる』(講談社現代新書)の一部を再編集したものです。) 『復活への底力 運命を受け入れ、前向きに生きる』(著:出口治明/講談社現代新書)(脳卒中を発症してから1年半。歩くことも話すことも困難な状況から、持ち前の楽観主義で落ち込むことがなく元気にリハビリ生活を送った出口さん。知的好奇心は衰えるどころか増すばかり。学長復職を目指す、講演を行う、再び本を執筆することを掲げ、自分を信じ闘病に励む稀有な姿勢と超人の思想は、私たちに生きる勇気を与えてくれる。本書には類書にない希望が満ち溢れている!』、「歩くことも話すことも困難な状況から、持ち前の楽観主義で落ち込むことがなく元気にリハビリ生活を送った出口さん。知的好奇心は衰えるどころか増すばかり。学長復職を目指す、講演を行う、再び本を執筆することを掲げ、自分を信じ闘病に励む稀有な姿勢と超人の思想は、私たちに生きる勇気を与えてくれる。本書には類書にない希望が満ち溢れている!」、「リハビリ」が所期の目的を達することを祈るばかりだ。時間が出来たら、『復活への底力 運命を受け入れ、前向きに生きる』も読んでみたい。
タグ:「高齢者はビビってお金を使わなくなっている」理由は、「楽しむのが悪いことだと思っている」ことではなく、将来に介護などが必要になる場合に備えているだけだ。 「国では死因のトップが心筋梗塞だから、血圧、血糖値、コレステロールは下げた方が多分いい。だけど、それで長生きするのは米国のデータであって、日本では大規模調査をしていないから根拠のあるデータとは言えない」、いまだにこんな重要なデータが「日本」にないとは驚かされた。 「東大受験に3回失敗するというここ一番に弱い岸田首相」、初めて知ったが、さもありなんだ。「ポルノ解禁」には大賛成だ。 「高齢者大歓迎のキャバクラもホストクラブ」が仮にあっても、そんなところでまで「高齢者」扱いされたくはないので、行く気がしない。 私自身は恥ずかしながら、せいぜい共産党宣言ぐらいで、「『資本論』とかショーペンハウアーら哲学も読んできている」、到底読もうという気にはならなかった。 日刊ゲンダイ「精神科医・和田秀樹さんが「80歳を越えたら我慢しないで生きよう」と唱える理由」 高齢化社会 (その18)(精神科医・和田秀樹さんが「80歳を越えたら我慢しないで生きよう」と唱える理由、和田秀樹さんが説く「いい医者」を見分けるコツ 70代からの人生を元気に楽しく過ごすには?、出口治明 72歳で脳卒中になって右半身麻痺と失語症が残り 身体の右側が動かず言葉を発することもできないのに なぜ悲観的にならず「復職」を目指せたのか) 「認知症よりもうつ病にならないようにしたほうがいいんです。そうならないためにも残りの人生を楽しむこと。自分を喜ばせましょう」、同感である。 伯耆原 良子氏による「和田秀樹さんが説く「いい医者」を見分けるコツ 70代からの人生を元気に楽しく過ごすには?」 「日本人の死因のトップは「がん」なんですね。がんで死ぬ人が、心筋梗塞で死ぬ人の12倍もいるのです。 だから、われわれのような「がんで死ぬ国」は、免疫力を上げなくてはいけない。もっと栄養を摂る必要があるし、もっと楽しまないといけないわけです。 よく「健康のためにお肉を減らしましょう」という医者もいますが、1日あたりの肉の平均摂取量はアメリカ人が300g程度に対し、日本人は100gぐらいですからね。 普段からそんなに食べていないに、お肉を控えてしまったことで、タンパク質など栄養不足になる危険性もある」、 「(自分が医者になった)頃の診察ではまだ聴診器を当てたり、触診をしたり、目の前の患者さんの状態や顔色を見ながら診断していきました。でも、今はそういった当たり前のことが少なくなって、数値ばかり重要視していくようになった。それでは体調不良の真の原因が見えなくなります。 僕は数値が正常化どうかよりも、本人が元気かどうかのほうがよっぽど大事だと思うんですね」、その通りだ。 「薬を飲んでも一向に具合が良くならない時に、しっかりと耳を傾けて原因を探ってくれたり、今飲んでいる薬を変えてくれたりと、根本原因に目を向けてくれる医者は信頼できるんじゃないでしょうか。 その医者の人となりや雰囲気というのも重要で、「この先生のところに行くとなんだか元気をもらえる」みたいな人がいいですよね」、「男性ホルモンが、男性は中年期以降、減少し、逆に女性は高まっていくということがわかってきました。 高齢になるほど妻はどんどん外に出て、人と会ったり、趣味の活動を始めたりする一方で、夫は何もせず、家にこも 「70代のまだ元気なうちに自分のやりたいことを諦めずに続けることができると、80代以降、さらに老いが進んだとしても楽しみを失わずに済みます」、和田氏のアドバイスは元気が出るので、いつも楽しみだ。 婦人公論 出口治明氏による「出口治明 72歳で脳卒中になって右半身麻痺と失語症が残り。身体の右側が動かず言葉を発することもできないのに、なぜ悲観的にならず「復職」を目指せたのか」 あの「出口治明」氏が「脳卒中を発症」、「リハビリ」中だと知って、驚かされた。 「相手が話している内容はある程度理解できても、自分からは意味のある言葉を一つも出せない状態になっていたのです」、これは大変だ。 「僕は、学長への復職を目指したいと、医師とリハビリのスタッフに伝えました。以前と同じように別府へ単身赴任して自立した生活を送り、聴衆の前に立って講演できるくらいになりたいと。 なぜ復職を目指すのか。まだやり残した仕事があったからです。 学長に就任して以来取り組んできた、新しい学部の設立。そして新型コロナウイルスの感染拡大で大きな影響を受けた学生の支援。そして国際学生の入国をサポートし、以前のように多様な学生が対面で交流できるキャンパスを、できるだけ早く取り戻したい─」、「学長への復職を目指したい」とは大し 「何が起こるか予測できない世の中で、どんな事態に直面するかは、『種の起源』で進化論を確立したダーウィンがいっているように運次第であり、人間にできるのは適応だけです。 人間は川の流れに身を任せてたゆたうことしかできない」、「ダーウィン」の言葉が出てくるとはさすがだ。 「歩くことも話すことも困難な状況から、持ち前の楽観主義で落ち込むことがなく元気にリハビリ生活を送った出口さん。知的好奇心は衰えるどころか増すばかり。学長復職を目指す、講演を行う、再び本を執筆することを掲げ、自分を信じ闘病に励む稀有な姿勢と超人の思想は、私たちに生きる勇気を与えてくれる。本書には類書にない希望が満ち溢れている!」、「リハビリ」が所期の目的を達することを祈るばかりだ。時間が出来たら、『復活への底力 運命を受け入れ、前向きに生きる』も読んでみたい。
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