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自動車(一般)(その6)(トヨタ「創業家支配」強まる2つの根拠 ジュニア“世襲前提人事”に白けムード、半導体不足 電力不足......日本の自動車産業は崖っぷち?、ホンダの韓国LG・米GMとの提携強化が映す 自動車業界「大変革」の衝撃) [産業動向]

自動車(一般)については、昨年7月6日に取上げた。今日は、(その6)(トヨタ「創業家支配」強まる2つの根拠 ジュニア“世襲前提人事”に白けムード、半導体不足 電力不足......日本の自動車産業は崖っぷち?、ホンダの韓国LG・米GMとの提携強化が映す 自動車業界「大変革」の衝撃)である。

先ずは、本年2月28日付けダイヤモンド・オンライン「トヨタ「創業家支配」強まる2つの根拠、ジュニア“世襲前提人事”に白けムード」を紹介しよう。
https://diamond.jp/articles/-/297293
・『トヨタ自動車の創業家が経営への支配力を急速に高めています。だが近年、豊田章男氏による独裁の弊害が「現場のひずみ」となって噴き出すようになってきました。『週刊ダイヤモンド』3月5日号の第1特集は「絶頂トヨタの真実」です。特集では、トヨタの創業家、カネ、権力…タブーに斬り込むことで、巨大組織が抱える大問題の本質に迫りました』、興味深そうだ。
・『過去最高益、時価総額40兆円を視野 押しも押されもせぬNo.1自動車メーカーに  トヨタ自動車が、空前の絶頂期を迎えている。半導体不足による減産修正や原材料高騰という逆風が吹いているにもかかわらず、2022年3月期決算は過去最高益レベルで着地する見通しだ。 昨年12月には、「30年までにバッテリーEV(電気自動車)の世界販売350万台」を実現する大攻勢計画をぶち上げた。この宣言によるアピール効果は大きく、「トヨタは脱炭素化やEVシフトに及び腰」というレッテルを見事に剥がすことに見事に成功したのだった。時価総額40兆円を視野に入れて、米テスラを追い上げる体制が整いつつある。 トヨタが、押しも押されもせぬ世界No.1自動車メーカーに躍り出たことは紛れもない事実だ。今まさに絶頂期にあると言える。 しかし近年、絶対王者のトヨタらしからぬ“ウィークポイント”が露呈する場面が増えている。系列販売店における不正車検の発覚、度重なる自動車生産計画の下方修正、重要サプライヤーである日本製鉄による特許侵害訴訟の提起、そして、エース人材の流出ラッシュ――などがそうだ。いつしかトヨタ社内には、こうした不始末を誘発する“組織の病巣”が宿ってしまったのかもしれない。 折しも、創業家である豊田本家がトヨタの経営への支配力を高めている。それは二つの形となって現れている。) 一つ目は、歴史の“書き換え”である。近年、豊田章男・トヨタ自動車社長やその側近は、豊田本家こそが正統であり、かつて経営と創業家との分離を画策した奥田碩・元会長や奥田氏がリスペクトしていた分家の豊田英二氏に否定的な姿勢を見せている。“中興の祖”である英二氏やグローバル展開の立役者である奥田氏の名はトヨタの歴史から排除されたのだ。 (図表:創業家とトヨタ歴代社長の系譜はリンク先参照) 替わって、トヨタの歴史を受け継ぐ正統性は豊田本家にあるというプレゼンテーションをことあるごとに展開している。豊田本家とは、創始者の佐吉氏、自動織機を発明した喜一郎氏、章男氏の父である章一郎氏、章男氏、(章男氏の)長男の大輔氏という豊田家直系の面々だ。 二つ目は人事である。章男氏は役員を大幅に削減したり、組織の階層をフラット化したりすることで、自身が権限を掌握する中央集権化を進めてきた。 自動車業界を襲う「100年に1度の変革期」を生き抜くため、迅速な経営を可能にすることが組織改革の大義名分である。 だが、大輔氏が経営の表舞台に立つようになって以降、社内では「改革は企業存続のためではなく、豊田家の世襲のため」冷めた見方をする社員が増えて白けムードが漂っている。 向こう10年以上先になるかもしれないが、大輔氏がトヨタ本体のトップに立った時のために、創業家の地位を脅かさない「側近体制」を構築しているようだ。 章男氏による中央集権化は時代の要請か、それとも組織の私物化か──』、「トヨタらしからぬ“ウィークポイント”が露呈する場面が増えている。系列販売店における不正車検の発覚、度重なる自動車生産計画の下方修正、重要サプライヤーである日本製鉄による特許侵害訴訟の提起、そして、エース人材の流出ラッシュ――など」、これに対し、「歴史の“書き換え”」、「創業家の地位を脅かさない「側近体制」を構築」、などは問題解決にはつながらない。特に、「「側近体制」を構築」は「人材の流出」を加速させる懸念がある。
・『創業家のカネ、権力…を大解剖 トヨタのダブーに斬り込む 『週刊ダイヤモンド』3月5日号の第1特集は「絶頂トヨタの真実」です。特集では、わが世の春を謳歌しているトヨタに潜む死角を取り上げました。 トヨタグループの創業家、カネ、権力、ガバナンスの機能不全…業界のタブーに斬り込むことで、巨大組織が抱える大問題の本質に迫ります。 また、トヨタが「EV350万台」を実現する頃には、トヨタの敵はもはや自動車メーカーだけではありません。モビリティの価値は「走る・曲がる・止まる」のハードウエアから、自動運転やモビリティサービスをつかさどるソフトウエアへシフトします。 将来のライバルと目される、日本電産やソニーグループなど水平分業プレーヤーの動きにもウォッチしました。 トヨタはいつまで絶頂期を堪能することができるのでしょうか』、「中央集権化は」、「組織の私物化」につながると思う。「トヨタ」ともあろう超大企業が、このような問題を抱え、危険な方向に向かいつつあるとは、驚かされた。

次に、3月23日付けNewsweek日本版が掲載した在米作家の冷泉彰彦氏による「半導体不足、電力不足......日本の自動車産業は崖っぷち?」を紹介しよう。
https://www.newsweekjapan.jp/reizei/2022/03/post-1265_1.php
・『<日本型の「高付加価値部門の空洞化」に、クリーンエネルギーへの転換の遅れが追い討ちをかければ、自動車産業は風前の灯火に> アメリカの消費者は厳しいインフレに直面していますが、何よりも価格の上昇率が高いのは中古車です。つい先週、11年落ちで19万キロ走った小型SUVを「もらい事故」で廃車にした人の話では、車両保険で1万1000ドル(132万円)の保険金が出たそうです。中古としての市場価値からすると、そんな金額になるのです。 実際に中古車市場を見てみると、5年落ち10万キロ越えの車でも、トヨタの中型SUVで3万3000ドル(396万円)と価格はほとんど新車と変わりません。では、新車を買ったらいいかというと、それは不可能です。市場には在庫がないからです。そうなると売り手市場となって中古が新車と価格が変わらないというクレージーなことになるわけです。 それもこれも、日本の半導体工場が火災になったり、新型コロナの影響で生産が止まったりした影響で、自動車用の汎用半導体が極端な供給不足になっているからです。この種の製品は、日本のシェアが異常に高いので、日本での生産が止まると世界中の自動車メーカーが影響を受け、とりわけ米国では深刻な事態になっています』、「日本の半導体工場が火災になったり、新型コロナの影響で生産が止まったりした影響で、自動車用の汎用半導体が極端な供給不足になっている」、「日本のシェアが異常に高いので、日本での生産が止まると世界中の自動車メーカーが影響を受け、とりわけ米国では深刻な事態になっています」、なるほど。
・『日本の半導体産業が復興?  ここからが本論ですが、「自動車用の半導体」でそんなに日本が強いのなら、そして供給不足で世界中が困っているのなら、強気の価格交渉をして日本の半導体産業を20世紀のように再び強くすることができそうにも思えます。ですが、その可能性はありません。 日本の自動車部品産業は、半導体も含めて多くの場合が「本体」つまり最終組み立てメーカーの資本が入っており、親会社の意向によって価格は低く抑えられています。ですが、ここまで市場占有率が高く、需要と供給のバランスが崩れているのなら、思い切って世界から資金を集めて独立し、価格決定権も奪い返して半導体産業を活性化しても良いはずです。 ですが、多くの場合に経営者は「本体」から送り込まれており、「本体」の意向に沿うような経営しかしません。また仮にダイレクトに資金を集めようにも、日本国内にはリスクを許容するマネーは枯渇していますし、海外から借りるとなると専門性が必要な上、将来の円安を考えると怖くて借りられないということもあります。 そんなわけで、多くの部品産業は価格を安く叩かれており、納入先について日系企業だけでなく世界中を相手にするようになっても、そのデフレ体質を世界中から食い物にされているわけです。 しかも、トヨタをはじめ、多くの日本の最終組み立てメーカーは、国内販売比率が10%前後まで低下しています。そして、海外で販売する部分は、そのほとんどが現地生産になっています。さらに言えば、研究開発、デザイン、マーケティングなど主要な高付加価値部門も海外に出している企業が多くなっています。つまり、日本のGDPに寄与しているのは、日本国内の部品や素材メーカーが価格を叩かれて、薄い利幅にあえぎながら生産している部分が中心ということになります。 つまり、人件費の低い国に生産拠点を移したり、市場に近いところで生産するといったクラシックな空洞化、つまり設計や研究開発など知的で高付加価値な部分を「本国に残す」スタイルではないのです。自動車産業をはじめとした日本の多くの製造業の場合は、利幅の薄い部品と素材の一部だけと、生産性の低い事務部門だけが国内に残って、その他の高度な部分はどんどん海外に出す「日本形の空洞化」が進んでいると言えます』、「自動車産業をはじめとした日本の多くの製造業の場合は、利幅の薄い部品と素材の一部だけと、生産性の低い事務部門だけが国内に残って、その他の高度な部分はどんどん海外に出す「日本形の空洞化」が進んでいる」、馬鹿馬鹿しく、寂しい限りだ。
・『見通せないエネルギー政策  これに追い討ちをかけそうなのが、エネルギー問題です。今回の電力逼迫が示しているように、もう日本の世論は原子力発電については、部分的であれ期限を限ったものであれ本格稼働を許容することはなさそうです。そうなると、トヨタの豊田章男社長が警告しているように、やがて「化石燃料まみれの電源」を使って作ったクルマは世界では売れなくなり、自動車産業は完全に日本から出ていく可能性もあるといいます。エネルギー政策に答えがなければ、やがて製鉄も国内では不可能になるでしょう。 産業自体が、EV(電気自動車)化や、AV(自動運転車)化へと大きな改革を進める中で、日本の自動車産業は本来であればそこで挽回を図らなければならないはずです。その日本の自動車産業が、空洞化とエネルギー問題で、崖っぷちまで追い詰められているというのは、大変に厳しい状況と思います。 日本の賃金が上がらないのも、貧困が広まっているのも、その多くはここに原因があります。より高付加価値な産業へ転換することもなく、製造業をどんどん国外流出させて、国内には利幅の薄い部品と素材産業だけが残っていくようでは、日本経済はさらに一層の衰退を覚悟しなくてはならなくなります』、「より高付加価値な産業へ転換することもなく、製造業をどんどん国外流出させて、国内には利幅の薄い部品と素材産業だけが残っていくようでは、日本経済はさらに一層の衰退を覚悟しなくてはならなくなります」、その通りだが、グルーバル化の反動として、経済安全保障の観点から、中核的産業は国内に残そうとする動きも出てきたので、その行方も注目される。

第三に、9月13日付けダイヤモンド・オンラインが掲載した多摩大学特別招聘教授の真壁昭夫氏による「ホンダの韓国LG・米GMとの提携強化が映す、自動車業界「大変革」の衝撃」を紹介しよう。
https://diamond.jp/articles/-/309605
・『ホンダは、米国のGMと韓国のLGグループとアライアンスを組んで、「100年に1度」と呼ばれる自動車産業の大変革に対応しようとしている。背景にある「CASE」のインパクトは大きい。バッテリー調達能力の向上、自動運転技術などソフトウエア開発力の強化、搭載点数の増える車載用の半導体開発のために、世界の大手自動車メーカーは合従連衡や異業種との提携を強化しなければならない』、興味深そうだ。
・『ホンダとLGが米国でEVバッテリーの新工場を建設  8月29日、本田技研工業(ホンダ)は、韓国のLGエナジーソリューション(LGES)と電気自動車(EV)用のリチウムイオンバッテリーを生産する合弁会社の設立に合意した。米国で2025年の量産開始を目指し、両社は総額44億ドル(約6160億円)を投じて工場を建設する。ホンダは国際分業体制を強化し、事業運営の効率性を一段と高める考えだ。 見方を変えると、今回の発表によって日米韓の主要企業によるアライアンス体制が強化されることになる。20年9月、ホンダは米ゼネラル・モーターズ(GM)との戦略的アライアンスを発表した。GMはLGESの親会社、LG化学(以下、LG化学、LGESを含めLGグループとする)と関係を強化している。また、22年6月にホンダはソニーグループと、EVの設計・開発・生産を行う合弁企業の立ち上げを発表した。 ホンダは提携戦略の強化によって今後の環境変化に対する選択肢を増やし、新しいモビリティーの創出を加速させようとしている。世界経済の先行きは楽観できないが、今回の提携を機にEVなどの開発、市場投入スピードを高めることができれば、ホンダのビジネスチャンスは増加するだろう』、「今回の提携を機にEVなどの開発、市場投入スピードを高めることができれば、ホンダのビジネスチャンスは増加するだろう」、その通りだ。
・『大変革期を迎えた世界の自動車産業  ホンダは、米国のGMと韓国のLGグループとアライアンスを組んで、「100年に1度」と呼ばれる自動車産業の大変革に対応しようとしている。背景にある「CASE」のインパクトは大きい。CASEとは、ネットワークと自動車の接続、自動運転技術の実用化、シェアリングなど新しい自動車の使い方の実現、脱炭素に対応するためのEVシフトなどの電動化を意味する。 特に、EVシフトのインパクトは絶大だ。EVシフトによって自動車に使われる部品点数は減少し、わが国自動車メーカーが磨いてきた「すり合わせ技術」の優位性は低下する。生産方式がデジタル家電のようなユニット組立型生産に移行することで、自動車産業の参入障壁は低下し、テスラのようなEV専業メーカーが急成長を遂げている。 バッテリー調達能力の向上、自動運転技術などソフトウエア開発力の強化、搭載点数の増える車載用の半導体開発のために、世界の大手自動車メーカーは合従連衡や異業種との提携を強化しなければならない。 わが国では、自動車メーカーは大きく三つのグループに集約された。トヨタはスズキや富士重工、ダイハツ、マツダとの関係を強化している。日産は仏ルノー、三菱自動車とアライアンスを組む。他方、ホンダは独自路線を選択した。 まず、ホンダはGMとの戦略的提携を交わした。その根底には、ホンダの危機感があったはずだ。さまざまな議論があるが、世界的に見てわが国のEVシフトは遅れている。ホンダは海外の新しい発想をより多く取り込むことが、過去の成功体験から脱却して自己変革するために不可欠だと考えたのだろう。 一方、リーマン・ショック後に自力での経営が行き詰まったGMは、EVメーカーとしての競争力強化に生き残りをかけている。そのためGMは、車載用バッテリー事業を新しい収益の柱に育てたいLGグループとの関係を強化した。GMとLGグループは合弁で工場を運営し、EVプラットフォームの「アルティウム」を開発している』、「EVシフトによって自動車に使われる部品点数は減少し、わが国自動車メーカーが磨いてきた「すり合わせ技術」の優位性は低下」、「バッテリー調達能力の向上、自動運転技術などソフトウエア開発力の強化、搭載点数の増える車載用の半導体開発のために、世界の大手自動車メーカーは合従連衡や異業種との提携を強化しなければならない」、「世界的に見てわが国のEVシフトは遅れている」、「ホンダは海外の新しい発想をより多く取り込むことが、過去の成功体験から脱却して自己変革するために不可欠だと考えたのだろう」、「提携」で乗り切ってゆくのは至難の技だろう。
・『米韓企業が必要とするホンダの製造技術  ただし、GMのEVシフトは想定通りに進んでいない。特に、LGグループ製バッテリーを搭載したGMの「シボレーボルトEV」の発火問題が相次ぎ、複数回にわたってリコールが実施された。現時点で発火の原因は根本解決に至っていないようだ。 米国を代表する自動車メーカーであるGMとしては、安全保障上の同盟国である韓国のLGグループとの関係は手放せないだろう。LGグループは、韓国の現代自動車や米フォード、独フォルクスワーゲンにも車載用バッテリーを供給している。発火問題の解決に時間がかかれば、車載電池の世界最大手である中国の寧徳時代新能源科技(CATL)とのシェア格差は拡大する可能性が高い。 発火問題は、LGグループ内にバッテリーを構成する素材・部材などを精緻にすり合わせ、耐久性と安全性を高める技術が不足していることを示唆する。それは、米国企業のバッテリー調達にネガティブなインパクトだ。基礎的かつEVの安全性向上に決定的に重要な製造技術を獲得するために、GMはLGグループにホンダとの提携強化を求めたとみられる。 見方を変えれば、長い時間をかけて磨かれてきたホンダの自動車製造技術は、エンジン車以外にも応用できる部分が多いといえる。ホンダは二輪車の製造からスタートし、小型エンジン車、ハイブリッド車(HV)、プラグインハイブリッド車(PHV)、燃料電池車(FCV)、EVなど多様なモビリティーを生み出した。さらには小型ジェット機である「ホンダジェット」で培った航空機の設計開発や製造のノウハウもある。 そうした技術を取り込むことで、GMと LGグループは世界に必要とされるEVの供給体制強化を目指しているはずだ。ホンダにとってもGMとLGグループとの協業強化は、バッテリー調達体制を強化して脱エンジン車を前倒しで実現し、より快適な移動を可能にする電動技術の創出に集中するために欠かせない。 ホンダとGMが車台(プラットフォーム)を共通化できれば、事業運営の効率性は一段と高まる。ホンダ(日)、GM(米)、 LG(韓)はアライアンスのさらなる強化によって相互の弱みを補完し、ウィン・ウィン・ウィンの関係を目指していると考えられる』、「提携」をより実効性あるものにするには、ではなく、「車台・・・を共通化」など踏み込んだ「提携」が必要だろう。
・『新しい需要を生むための提携や買収を強化  ホンダはGMやLGグループ、あるいは他社との提携をさらに強化するだろう。自動運転技術などの分野で競争力が高いと考えられるソフトウエア開発力を持つスタートアップ企業などの買収や出資戦略も強化するべきだ。 そう考える一つの要因として、世界全体でグローバル化とは逆の動きが加速している。1990年代以降、世界経済はグローバル化し、海外直接投資の増加によって世界全体で生産コストは低下した。グローバル化を追い風に、本邦自動車メーカーはジャスト・イン・タイムのサプライチェーンを構築して世界の需要に迅速に対応した。 しかし、2018年以降は米中対立やコロナ禍、ウクライナ危機などが発生し、世界のサプライチェーンは不安定化している。加えて、異常気象問題も深刻である。こうした不確実性の高まる環境下、大型の新規投資を一社単独で実行するのは難しい。リスクを分散して得意な分野に集中するために、業種を超えた提携や買収戦略が強化されている。 今後の展開としてホンダに期待したいのは、世界をあっと驚かせる商品の創造だ。ホンダは、二輪車の「ホンダカブ」や「CVCCエンジン」(低公害エンジン)などのヒットで成長を遂げてきた。口で言うほど容易なことではないが、アライアンスの強化によって新しい需要創出の力を高めることができるだろう。 世界的に見て、本邦工作機械メーカーの競争力は高い。また、車載用の半導体分野では、ソニーグループと台湾積体電路製造(TSMC)、デンソーの合弁によって新工場が建設されている。ホンダはソニーグループとも戦略的提携を交わし、新しい需要創出に向けた取り組みを増やしている。 その一方で、当面の間、世界的に物価は高止まりするだろう。中国では個人消費がさらに減少する恐れが強い。それはホンダにとって逆風だ。世界で先行きへの懸念が高まる中、ホンダはアライアンスや買収戦略を強化して、新しい取り組みをさらに増やさなければならない。その資金を捻出するために、国内の生産拠点の統廃合などが増えるだろう。成長加速に向けたホンダの取り組みは、わが国産業界の活力向上に無視できないプラスの影響を与えるはずだ』、「ホンダに期待したいのは、世界をあっと驚かせる商品の創造だ」、同感である。かつて「ホンダ」車のとがった魅力に惹かれていたが、近年は、「ホンダ」らしさが薄らいだような気がする。今後の「ホンダ」たしさの復活に向けての経営努力に期待したい。
タグ:「ホンダに期待したいのは、世界をあっと驚かせる商品の創造だ」、同感である。かつて「ホンダ」車のとがった魅力に惹かれていたが、近年は、「ホンダ」らしさが薄らいだような気がする。今後の「ホンダ」たしさの復活に向けての経営努力に期待したい。 「提携」をより実効性あるものにするには、ではなく、「車台・・・を共通化」など踏み込んだ「提携」が必要だろう。 「EVシフトによって自動車に使われる部品点数は減少し、わが国自動車メーカーが磨いてきた「すり合わせ技術」の優位性は低下」、「バッテリー調達能力の向上、自動運転技術などソフトウエア開発力の強化、搭載点数の増える車載用の半導体開発のために、世界の大手自動車メーカーは合従連衡や異業種との提携を強化しなければならない」、「世界的に見てわが国のEVシフトは遅れている」、「ホンダは海外の新しい発想をより多く取り込むことが、過去の成功体験から脱却して自己変革するために不可欠だと考えたのだろう」、「提携」で乗り切ってゆく 「今回の提携を機にEVなどの開発、市場投入スピードを高めることができれば、ホンダのビジネスチャンスは増加するだろう」、その通りだ。 真壁昭夫氏による「ホンダの韓国LG・米GMとの提携強化が映す、自動車業界「大変革」の衝撃」 ダイヤモンド・オンライン (その6)(トヨタ「創業家支配」強まる2つの根拠 ジュニア“世襲前提人事”に白けムード、半導体不足 電力不足......日本の自動車産業は崖っぷち?、ホンダの韓国LG・米GMとの提携強化が映す 自動車業界「大変革」の衝撃) 自動車(一般) 「より高付加価値な産業へ転換することもなく、製造業をどんどん国外流出させて、国内には利幅の薄い部品と素材産業だけが残っていくようでは、日本経済はさらに一層の衰退を覚悟しなくてはならなくなります」、その通りだが、グルーバル化の反動として、経済安全保障の観点から、中核的産業は国内に残そうとする動きも出てきたので、その行方も注目される。 「自動車産業をはじめとした日本の多くの製造業の場合は、利幅の薄い部品と素材の一部だけと、生産性の低い事務部門だけが国内に残って、その他の高度な部分はどんどん海外に出す「日本形の空洞化」が進んでいる」、馬鹿馬鹿しく、寂しい限りだ。 「日本の半導体工場が火災になったり、新型コロナの影響で生産が止まったりした影響で、自動車用の汎用半導体が極端な供給不足になっている」、「日本のシェアが異常に高いので、日本での生産が止まると世界中の自動車メーカーが影響を受け、とりわけ米国では深刻な事態になっています」、なるほど。 冷泉彰彦氏による「半導体不足、電力不足......日本の自動車産業は崖っぷち?」 Newsweek日本版 「中央集権化は」、「組織の私物化」につながると思う。「トヨタ」ともあろう超大企業が、このような問題を抱え、危険な方向に向かいつつあるとは、驚かされた。 「トヨタらしからぬ“ウィークポイント”が露呈する場面が増えている。系列販売店における不正車検の発覚、度重なる自動車生産計画の下方修正、重要サプライヤーである日本製鉄による特許侵害訴訟の提起、そして、エース人材の流出ラッシュ――など」、これに対し、「歴史の“書き換え”」、「創業家の地位を脅かさない「側近体制」を構築」、などは問題解決にはつながらない。特に、「「側近体制」を構築」は「人材の流出」を加速させる懸念がある。 ダイヤモンド・オンライン「トヨタ「創業家支配」強まる2つの根拠、ジュニア“世襲前提人事”に白けムード」
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