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葬式・墓(その2)(築地本願寺、「30万円合同墓」に予約殺到の理由  「子どもに迷惑をかけたくない」中高年に大人気、「カプセルの中で自分の体を30日かけて腐らせ堆肥に」究極の自然葬に3カ月で550人も予約が殺到した 園芸用堆肥になるか森林に撒かれる、葬儀業者が“ケチった”せいでご遺体から出血が止まらない…火葬場職員が見た「ヤバい業者」の実態) [人生]

葬式・墓については、2019年8月11日に取上げた。久しぶりの今日は、(その2)(築地本願寺、「30万円合同墓」に予約殺到の理由  「子どもに迷惑をかけたくない」中高年に大人気、「カプセルの中で自分の体を30日かけて腐らせ堆肥に」究極の自然葬に3カ月で550人も予約が殺到した 園芸用堆肥になるか森林に撒かれる、葬儀業者が“ケチった”せいでご遺体から出血が止まらない…火葬場職員が見た「ヤバい業者」の実態)である。

先ずは、やや古いが、2020年12月17日付け東洋経済オンラインが掲載した築地本願寺代表役員・宗務長 の安永 雄彦氏による「築地本願寺、「30万円合同墓」に予約殺到の理由  「子どもに迷惑をかけたくない」中高年に大人気」を紹介しよう。
https://toyokeizai.net/articles/-/394752
・『400年の伝統がある築地本願寺が今、ビジネスモデルの大変革に取り組んでいる。「衰退産業」の中にあって、生き残りをかけてどのように変わりつつあるのか。 一例を挙げれば、新たなお墓のかたちとして、30万円からの「合同墓(ごうどうぼ)」を提案、「子どもに面倒をかけたくない」と考えるミドル、シニア層の予約が殺到している。元ビジネスマンから2015年に築地本願寺のトップに就任、数々の斬新な施策でテレビ番組「カンブリア宮殿」などでも注目され、このほど『築地本願寺の経営学』を上梓した安永雄彦氏が仏教界の常識を超えるマーケティングについて解説する』、「安永雄彦氏」は銀行出身、ケンブリッジ大学で経営学の博士号を取得した極めてイノベーティブな俊才で、私が注目している人材の1人だ。
・『子ども世代に面倒をかけたくない  築地本願寺の「顧客創造」のために取り組んだ改革案の1つに合同墓があります。価値観の多様化でとくに都市部の葬儀のあり方は変化しており、お墓もしかりです。先祖代々の寺があっても、遠方に住んでいてお参りに行きにくい人は大勢います。 私自身も東京出身ですが、わが安永家のお墓は福岡の博多にあります。「ちょっと死んだ親父に近況のご報告やお彼岸のご挨拶を」という具合にはなかなかいきません。 お墓はミドルやシニアの悩みごとの代表といっていい関心事でもあります。「次男だからお墓を買わなければいけないけれど、どうすればいいか」という人。「自分でお墓を用意しても、死後に誰がお墓の面倒を見てくれるのか」という人。また、お墓はいらないので「骨を海にまいてほしい」と海洋散骨を希望する人も珍しくなくなりました。今では、宇宙散骨も予約できるようになりました。 少子高齢化社会なのですから子どもが1人か2人の家庭は多く、仮にその子どもが独身で孫もいなければ、わずか数十年で誰もお参りをしてくれないお墓(無縁墓)になってしまいます。) どのお寺も永代供養(浄土真宗では先祖に対しては「供養」という言葉は使いませんが、ここでは一般的な用語として、お寺が永久にお墓を守り、お経をあげて個人を追悼することを意味しています)を引き受けていますが、それで人々の先行きの不安がすべて拭い去られるわけではありません。 さらに現代のミドルやシニアに共通するのは、「次の世代に迷惑をかけたくない」という気持ちです。自分できちんとお墓も用意して、準備万端で死を迎えたいと考えているから、余計に悩みが増えるのです。私自身、60代半ばでまさに「終活」を考える年代です。時代に寄り添う「これからのお墓」を提案しなければいけないと、ずっと考え続けていました』、自分自身にも切実な問題だったので、よく出来た案になったのだろう。
・『新たなお墓のかたち「築地本願寺合同墓」  家族葬など葬儀が簡素化されても、人の死には儀式が必要で、葬儀への参加の代わりにお墓参りに行く人もいます。そう考えると、お墓は儀式を兼ねるものであり、誰もが立ち寄れるようにするには、便利な場所にあってしかるべきです。 その点、築地本願寺は首都圏の方々にはアクセスが抜群によい場所にあります。地元である築地はもちろん、銀座からすぐ近く、買い物帰りに立ち寄ることもできます。多くの人が求めている、「これからのお墓」が提案できる──そう考えて私たちが立案したのが、「合同墓」でした。いわばお墓のマンションで、誰もが気軽に訪れることができる、シンプルなお墓です。 合同墓のプランを立てて実行する段階で、細かなマーケティング調査を一般の調査会社のインターネット・システムを使って行いました。いわゆる世論調査のようなものです。 一般的に寺院はその成り立ちからいって、「自分たちはありがたい教えを与える側」「仏様の教えをお取り次ぎさせていただく立場」という、いわば上から目線の意識が染みついていて、どうしても相手の立場に立って「何が求められているのか?」を慮る(おもんぱかる)ことが苦手です。 しかしそれでは、独りよがりな改革になり、人々の役に立つことも、喜んでもらうこともできません。ビジネスとして考えれば、プロダクトアウトの発想であり、大きな投資をして赤字がさらに膨らむという最悪の結果となるでしょう。 そこで私は「お寺もコーポレーション」という信念のもと、マーケティングをしっかりと取り入れました。合同墓についてのマーケティング調査はインターネットを使い、設問に答えてもらうかたちをとりました。 「有名なお寺が都心の好立地にお墓を建てるとして、あなたが入るなら普通の納骨堂、合同墓の納骨堂、どちらがいいですか?」 「合同墓に入るなら、いろいろな人のお骨と一緒になっても抵抗がありませんか?お骨は個別にしてほしいですか?」』、「一般的に寺院はその成り立ちからいって、「自分たちはありがたい教えを与える側」「仏様の教えをお取り次ぎさせていただく立場」という、いわば上から目線の意識が染みついていて、どうしても相手の立場に立って「何が求められているのか?」を慮る(おもんぱかる)ことが苦手です。 しかしそれでは、独りよがりな改革になり、人々の役に立つことも、喜んでもらうこともできません。ビジネスとして考えれば、プロダクトアウトの発想であり、大きな投資をして赤字がさらに膨らむという最悪の結果となるでしょう。 そこで私は「お寺もコーポレーション」という信念のもと、マーケティングをしっかりと取り入れました。合同墓についてのマーケティング調査はインターネットを使い、設問に答えてもらうかたちをとりました」、「マーケティングをしっかりと取り入れた」とはさすがだ。
・『西と東で違う!合同墓のマーケティング  調査の結果、見えてきたのは明らかな地域性でした。東京の人はお骨が混ざることに抵抗感があり、関西では「いろいろな人のお骨と一緒になってもいい」と感じる人が多いのです。 理由は明確で、浄土真宗本願寺派の関西のお寺には、お墓がないところが少なくありません。それらのお寺の門徒は、昔から宗祖親鸞聖人のお墓がある京都の大谷本廟(ほんびょう)に合葬されてきました。また、大阪天王寺の一心寺は、合葬の寺として多くの方のお骨で「骨仏」をつくることで有名で、非常に多くの方が納骨されていることからも合葬が受け入れられている地域性がわかります。 付け加えると、骨壺のサイズも東と西で異なります。西のほうが小さく、東のおよそ半分。東はすべてのお骨を壺に納め、いちばん上に頭蓋骨を載せたりしますが、西は壺に入らないお骨は火葬場で廃棄処分にします。 築地本願寺は東京のお寺であり、多くの人がほかの人とお骨が混じる合葬に抵抗感があることから最終的に「ご遺骨はすべてお預かりし、パウダーにして個別のお骨袋に入れた状態で納骨堂に収蔵する」というかたちに落ち着きました。 合同墓と聞くと奇異に感じる人がいるかもしれませんが、実はすでに全国にあります。なぜなら、先祖代々のお墓でも納めるスペースには限度がある。お骨が多くなりすぎたら古いお骨を出し、どこのお寺にも必ずある合葬墓に入れるというやり方は昔も今も変わりません。 こう考えると時間が経てば誰もが合同墓で弔われるわけですし、もっと長期的な視点に立てばすべては土に還ります。その意味で私は個人的に、「亡き人を思うことに意味があり、お骨そのものにはさほど意味がないのではないか」と考えることもあります。宗派を問わずに「生前の意思」で受け付ける都市部にあるマンションタイプの「これからのお墓」(いわば「未来墓」)。築地本願寺の境内に、2017年11月に礼拝堂を備えた「築地本願寺合同墓」が創建されました。) 前例のないコンセプトであるため、この合同墓をつくるにあたっては、寺院内で議論がありました。プロジェクトメンバーを中心に、マーケティング調査からデザイン、冥加金(みょうがきん=合同墓の契約金)に至るまで、多くの議論を重ねた結果として、スタートすることができました。 境内に建てられた納骨堂は、本堂やインフォメーションセンターとマッチする現代美術館のような趣ですが、内部には礼拝堂もあります。回廊に刻まれているのは、俗名にあたる「個人名」。合同墓への申し込み後、多くの方が、お参りして自分の名前を回廊で確認されています。 また、合同墓と一緒に、帰敬式(ききょうしき)を申し込まれて、仏様の弟子になった証しである「法名(ほうみょう)」を受けられる人もいます。ほかの宗派での戒名に当たる「法名」はその宗派の信者が授与されるものですから、生前に「法名がほしい」という場合、浄土真宗の門徒になる「帰敬式」を受けてもらい、この機会に築地本願寺の門信徒になっていただくのです。 築地本願寺の合同墓の大きな特徴は、「浄土真宗の教えや儀式を尊重いただければ、これまでの宗派を問わずに誰でも入れる」ということです。故人であっても申し込みは法名や戒名がわからなければ、俗名でもまったく問題はありません。これは「あらゆる人(衆生)を救う」という教義からくる浄土真宗のおおらかさ、非常に大きな特徴だと思います。 キリスト教やイスラム教は「異教徒お断り」が原則で、「自殺者は弔えない、同性愛を許さない」といった一神教特有の厳しさがありますが、それに比べると仏教はかなりゆるやかです。浄土真宗は仏教の中でもとくに間口が広い宗派といえます』、「東京の人はお骨が混ざることに抵抗感があり、関西では「いろいろな人のお骨と一緒になってもいい」と感じる人が多い」、「骨壺のサイズも東と西で異なります。西のほうが小さく、東のおよそ半分。東はすべてのお骨を壺に納め、いちばん上に頭蓋骨を載せたりしますが、西は壺に入らないお骨は火葬場で廃棄処分にします」、とは初めて知った。「合同墓の大きな特徴は、「浄土真宗の教えや儀式を尊重いただければ、これまでの宗派を問わずに誰でも入れる」ということです。故人であっても申し込みは法名や戒名がわからなければ、俗名でもまったく問題はありません。これは「あらゆる人(衆生)を救う」という教義からくる浄土真宗のおおらかさ、非常に大きな特徴だと思います。 キリスト教やイスラム教は「異教徒お断り」が原則で、「自殺者は弔えない、同性愛を許さない」といった一神教特有の厳しさがありますが、それに比べると仏教はかなりゆるやかです。浄土真宗は仏教の中でもとくに間口が広い宗派といえます」、なるほど。
・『現代人の意思を尊重できる親鸞聖人の教え  親鸞聖人の言葉を集めた『歎異抄』に、有名な一節があります。 「善人なおもて往生をとぐ、いわんや悪人をや」 たとえこの世で殺人を犯した者であっても、念仏を信じ称えていれば死後は浄土に導かれ、そこで阿弥陀如来が成仏させてくれるという教えとして理解されています(より正確には、ここで言う「悪人」とは、煩悩が多くて悟りが開けない人、「善人」とは自らの善で悟りを開こうとする人、という意味で、そのため阿弥陀仏の本願にまかせる思いに欠けてしまいます)。 誤解されやすいのですが、「殺人を許す」というニュアンスではありません。「殺人者は罪人である以前に、罪を犯さずにはいられないほどの煩悩を抱えた弱い人間。そんな人こそ救わなければいけない」という、阿弥陀如来の慈悲の深さを説いたものです。) 阿弥陀如来は、そうした煩悩にとらわれた私たちすべてを残さずに救うと誓いを立てられて、とてつもなく長い時間修行されてその誓願を達成されて仏様になっているのです。したがって、この世で大きな罪を犯した人、殺人者でさえも必ずすくいとってくれることになります。 つまり、殺人者すら拒まないのですから、仏教のほかの宗派だろうと、異教徒だろうと、すべて受け入れる。築地本願寺は宗派からいってもすべての方を受け入れることができるお寺なのです。この大前提があるので、「生前、自分の意思で自分のお墓を決めたい」という現代人の意思を尊重することができます。 合同墓は、築地本願寺がある限り永遠のいわゆる「永代供養墓」(浄土真宗では供養という言葉は、使いませんが、永代にわたる法要を僧侶が営むという一般の用語でここでは永代供養と表現します)で、冥加金は30万円以上。現在のご契約数は1万人を超えており、テレビ東京の「カンブリア宮殿」をはじめ、さまざまなメディアに取り上げられたことで予約が殺到しています』、「「永代供養墓」・・・で、冥加金は30万円以上。現在のご契約数は1万人を超えており、テレビ東京の「カンブリア宮殿」をはじめ、さまざまなメディアに取り上げられたことで予約が殺到しています」、「「永代供養墓」・・・で、冥加金は30万円以上」、とはお得感がある。
・『「環境変化に対応したものが生き残る」  私は当初「合同墓を始めたら、すぐ競合が出てくるだろう」と思っていました。東京だけでも“ブランド寺”はたくさんあります。有名な大企業とて倒産するのですから、そうした大きなお寺も、新たなニーズを創り出さなければいずれ危機を迎えるのは、築地本願寺と同じでしょう。しかし具体的な動きがないのは、やはりどこのお寺も「伝統に守られているから、自分たちは大丈夫だ」と信じ切っている、古い体質があるのかもしれません。 いっぽうでアクセスが便利な小さなお寺が同じことをすれば、そのお寺にとっても門徒にもプラスは大きいのではないでしょうか。従来型の墓所をつくるには土地の確保が大変ですし、管理にも手間がかかります。しかし限定されたスペースにまとまった合同墓であれば、人手が少ないお寺でも十分行き届いたかたちでお守りできます。 「環境変化に対応したものが生き残る」というダーウィンの適者生存の法則は、築地本願寺だけに当てはまるものではないと思うのです』、「競合」が出てこなかったのは、「どこのお寺も「伝統に守られているから、自分たちは大丈夫だ」と信じ切っている、古い体質があるのかもしれません」、「限定されたスペースにまとまった合同墓であれば、人手が少ないお寺でも十分行き届いたかたちでお守りできます」、同感である。

次に、2021年7月29日付けPRESIDENT Onlineが掲載した浄土宗僧侶/ジャーナリストの鵜飼 秀徳氏による「「カプセルの中で自分の体を30日かけて腐らせ堆肥に」究極の自然葬に3カ月で550人も予約が殺到した 園芸用堆肥になるか森林に撒かれる」を紹介しよう。
・『遺体を堆肥にする「コンポスト葬(堆肥葬)」のサービスが昨年末に米国で始まり、予約者が殺到しているという。遺体はマメ科植物のウッドチップが敷きつめられた容器内でバクテリアなどの微生物の力によって分子レベルに分解され、土へと還る。ジャーナリストで僧侶の鵜飼秀徳氏は「海洋散骨が広まっている中、法整備が整えば、日本にも将来的にコンポスト葬が入ってくる余地はある」という――』、「法整備が整えば、日本にも将来的にコンポスト葬が入ってくる余地はある」、なるほど。
・『コロナ禍で死への意識の高まり「遺体を堆肥にする」サービスが話題  ここ数年、「自然葬」なるカテゴリーの葬送が日本国内で人気を集めている。つまり、「自然に還る」イメージのある「海洋散骨」や「樹木葬」の類である。 だが、米国ではさらに先をいく究極の自然葬「コンポスト葬(堆肥葬)」のサービスが始まり、話題を呼んでいるのをご存じだろうか。新型コロナウイルスによる「死」への意識の高まりが、こうした葬送の多様化の後押しをしているとみられ、今後日本の葬送のあり方にも影響を与えそうだ。 コンポスト葬を開発したのは、米国ワシントン州シアトルのベンチャー企業「RECOMPOSE(リコンポーズ)」だ。コンポスト葬とは、遺体を堆肥にかえる葬送のこと。いや、葬送ともいえない代物だろう。全世界的に、人間社会が醸成してきた葬送文化に一石を投じる「新しい死後のあり方」といえるものになるかもしれない』、「コンポスト葬とは、遺体を堆肥にかえる葬送のこと」、「堆肥にかえる」段階で気持ち悪い現象が起こらないのだろうか。
・『火葬は二酸化炭素を大量に排出し、地球にやさしくない  同社の公式サイトによれば、創業者はカトリーナ・スペード氏という女性。建築を学んでいた大学院時代に、死後のあり方について強く関心を寄せるようになったという。そして、従来の環境負荷の大きい埋葬(土葬や火葬など)に疑問を抱き、2017年にリコンポーズ社を設立した。2020年11月から、コンポスト葬のサービスを本格的に開始した。 米国では1年間でおよそ270万人が死亡し、そのほとんどが火葬されたり、直接土葬されたりしている。火葬は二酸化炭素を大量に排出して、地球温暖化を加速させる元凶となる。土葬も土壌汚染につながる。米国における火葬率はおよそ56%。20年後には78%になると試算されている。 世界の人口は現在78億人。将来的には100億人以上になるともいわれており、火葬の増加、墓地不足など、死後処理を巡って様々な問題が浮上してくることは間違いない。 こうした、地球環境には決して優しくない埋葬の現状を彼女は憂いた。上院議員に働きかけ2019年、ワシントン州議会において人間の堆肥化を可能にする法案可決に導く。2021年に入ってカリフォルニア州、オレゴン州も合法化に至っている。 コンポスト葬の具体的な仕組みはこうだ』、3州で「合法化」されたようだ。
・『ウッドチップ敷いた容器内でバクテリアの力によって分子レベルに分解  葬儀を終えた遺体は、マメ科植物でできたオーガニックウッドチップが敷き詰められた容器に入れられる。さらに堆肥化を促進させるために、二酸化炭素や窒素、酸素、水分などを制御できるカプセルの中に入れられ、そこでバクテリアなどの微生物を増殖させて腐らせる。 遺体は、およそ30日をかけて分子レベルで分解され、土へと還っていく。その後は2~4週間かけて土を硬化させる。 リコンポーズ社のシアトルの施設には、すでに10基のカプセルが用意されている。そのエリアはグリーンハウスと呼ばれ、臭気を防ぐための高性能な空気清浄機などが備わっているという。 最終的には、遺体1体あたり85リットルほどの土壌ができる。この栄養豊富な土壌は、園芸用堆肥に使われたり、ベルズマウンテン保護林に撒かれて森林を構成する要素になったりして、新たな命を育む源泉に生まれ変わる。 同社によれば、火葬や土葬と比較して、コンポスト葬を選択した場合は1トン以上の二酸化炭素を節約できると試算している』、「遺体は、マメ科植物でできたオーガニックウッドチップが敷き詰められた容器に入れられる。さらに堆肥化を促進させるために、二酸化炭素や窒素、酸素、水分などを制御できるカプセルの中に入れられ、そこでバクテリアなどの微生物を増殖させて腐らせる。 遺体は、およそ30日をかけて分子レベルで分解され、土へと還っていく。その後は2~4週間かけて土を硬化させる」、「火葬や土葬と比較して、コンポスト葬を選択した場合は1トン以上の二酸化炭素を節約できると試算」、意外に時間がかかるようだ。
・『遺体1体あたり85リットルの土壌、費用は約60万円、予約殺到550人  気になる価格だが、同社のコンポスト葬は5500ドル(約60万円)。米国では、一般的には火葬費用が6万円程度、葬儀から遺体安置施設の利用料、納棺料、墓地代などを含めるとトータルで死後の費用は平均550万円ほどかかる。その点、コンポスト葬では火葬費や墓地、墓石代などが不要で、割安感はありそうだ。 米国の宗教専門メディア「Religion News Service」によれば、サービス開始から3カ月後の2021年2月には世界各国からの予約が550人に達したという。今後はさらに増えていきそうである。 なぜなら、欧米では徹底したエコロジストは一定数いるとみられるからだ。近年のSDGs(持続可能な開発目標)の広がりなどによって、葬送のあり方を再考する議論が深まりつつあった。 そこへ、新型コロナウイルスの爆発的蔓延が追い討ちをかけた。現在、米国での死者の合計はおよそ61万人。遺体安置施設はあふれかえり、葬儀や埋葬もままならない状況が続いた。 通常の弔いができなくなる中、哲学的に死をとらえる人が増えた。その中で、「死後の自然回帰」を強く支持する人が現れてきているのだろう』、「コンポスト葬は5500ドル(約60万円)」、「米国では、一般的には火葬費用が6万円程度、葬儀から遺体安置施設の利用料、納棺料、墓地代などを含めるとトータルで死後の費用は平均550万円ほどかかる。その点、コンポスト葬では火葬費や墓地、墓石代などが不要で、割安感はありそうだ」、「墓地、墓石代」は本人を偲ぶよすがとして必要なのではなかろうか。「サービス開始から3カ月後の2021年2月には世界各国からの予約が550人に達した」、かなりの人気のようだ。
・『日本でコンポスト(堆肥)葬はOKなのか、流行る可能性はあるのか?  では、日本でコンポスト葬が流行る可能性はあるのだろうか。私は時期尚早ではあるものの、仮に法整備が整えば、将来的にコンポスト葬が入ってくる余地はあると考える。 出典:堆肥葬を報じる「The Seatlle Times」(2021.1.22)のページより出典:堆肥葬を報じる「The Seatlle Times」(2021.1.22)のページより まず、法律の問題である。今のところ、コンポスト葬は日本では非合法に当たりそうだ。山野などに個人が勝手に遺体(遺骨、堆肥化した遺体を含む)を撒けば、刑法190条で定めている死体遺棄罪(3年以下の懲役)に觝触する。 一方で散骨は、日本各地で実施されている。「樹木葬」「自然葬」などの名称で呼ばれる地上型の散骨の場合、都道府県知事の許認可を得た霊園内に造られた特定の場所でのみ、散骨が許されている。 たとえば富士山麓などの風光明媚な土壌に眠りたい、自宅の庭に埋まりたい、あるいは田畠の肥料になりたい、と願っても実現することはできない。 日本における多くの樹木葬の場合、霊園内の敷地の隅に樹木や草木を植え、カロートと呼ばれる容器に遺骨を入れるスタイルが一般的だ。だがこれはあくまでも、「自然に還れるイメージ」を抱ける葬送にすぎない。その点、コンポスト葬は完全に自然回帰型の葬送法なので、斬新である。 海洋散骨の場合は、確かに「自然に還れる」埋葬法ではある。近年では1996(平成8)年に亡くなった漫才師の故横山やすしが、無類の競艇ファンだったことから死後、遺骨が広島県の宮島競艇場の海に撒かれた。 1998(平成10)年には自殺したロックバンド、X JAPANのギタリストhideの遺骨の一部がロサンゼルス近海に流されている。2011(平成23)年に亡くなった落語家の立川談志は、生前より散骨を希望していたことから、ハワイの海に撒かれた』、「海洋散骨」は確かにかなりの有名人が利用しているようだ。
・『現在、年間死者数の1%が海洋散骨、堆肥葬受け入れの「素地」はある  日本では芸能人が先行する形で海洋散骨が始まり、ここ10年ほどで一般化した。現在、年間死者数の1%程度が海洋散骨を選択しているといわれている。しかし、海洋散骨とコンポスト葬は、遺族感情としてはかなり異なる。海洋散骨を望むような人が、コンポスト葬を選択肢に入れるかどうか。 むしろコンポスト葬は土葬に近い。しかし土葬への敬遠意識は、日本人はとても強い。日本では火葬率が99.9%と世界一の水準にあり、相対的に土葬へのタブー意識が強まってきているのだ。 九州でムスリム用の土葬墓を造成する計画が、住民の反対運動によって頓挫しているケースがある(プレジデントオンライン2020年12月15日「住民反対運動も“世界一の火葬大国日本”で在日外国人が望む土葬を受け入れられるか」)。コンポスト葬は、土葬に近い“生々しい”葬送なのがネックだ。 国民の宗教感情の問題もある。海洋散骨が人気といっても、まだまだ多く日本人は遺骨や墓を大事にし、一周忌、三回忌といった追善法要を実施しているのが実情だ。 また、世間体もある。特にイエやムラ意識が強い地方在住の場合、コンポスト葬を選択した時の地域社会の目はかなり厳しそうだ。 だが、葬送儀礼が縮小傾向にあるのは紛れもない事実。日本でも樹木葬や海洋散骨を選択する人々が増えてきている実情を踏まえれば、コンポスト葬受け入れの「素地」は、着々と進んでいるようにも思える』、「コンポスト葬は土葬に近い。しかし土葬への敬遠意識は、日本人はとても強い。日本では火葬率が99.9%と世界一の水準にあり、相対的に土葬へのタブー意識が強まってきている」、ただし「日本でも樹木葬や海洋散骨を選択する人々が増えてきている実情を踏まえれば、コンポスト葬受け入れの「素地」は、着々と進んでいるようにも思える」、私個人は、「樹木葬や海洋散骨」には抵抗感はないが、「コンポスト葬」は気持ち悪く、嫌だ。日本では導入論はまだのようだが、どうなるのだろうか。

第三に、本年2月18日付け現代ビジネス「葬儀業者が“ケチった”せいでご遺体から出血が止まらない…火葬場職員が見た「ヤバい業者」の実態」を紹介しよう。
https://gendai.media/articles/-/103703?imp=0
・『これまでに1万人のご遺体を見送った下駄華緒さんが火葬場職員時代の体験を明かし、注目を集めているYouTubeチャンネル「火葬場奇談」。その壮絶な体験は「最期の火を灯す者 火葬場で働く僕の日常」(原案:下駄華緒/漫画:蓮古田二郎)として漫画化され、話題を集めている。 寄せられた反響について下駄華緒さんはこう話す。 「感想もそうなのですが、思っていた以上に感謝の声が多くてびっくりしました。1番数が多く頂いたのは、本を読んでから自分の親族のお骨あげに行かれた方が、その時の記憶が鮮明に残り良かったというお声です。今まで何も知らずに行った時は、なかなか記憶に残らなかったそうですが、本で知識を得てから行かれたお骨あげは『記憶に残る』ということです」 前編【ご遺体から出血が止まらず、枢の外まで流れ出て…火葬場職員が思わず仰天した壮絶な経験】では、出血が止まらなくなってしまったご遺体のエピソードを取り上げた。その根本原因は病院での不適切な処置にあったのだが、それだけではなかった――』、何なのだろう。 
・『ケチな葬儀業者のせいで…  心臓に疾患を抱えた人が胸に埋め込むペースメーカーだが、火葬すると轟音とともに爆発するため、亡くなった後にご遺体から取り除いてくれる病院もある。しかしその後の縫合が不十分だと、ご遺体から血が流れ出てしまうこともあるのだ。下駄華緒さんが勤める火葬場に運ばれてきてのも、そのようなご遺体だった。 しかし、血が流れ出てしまった原因はそれだけではない。なんと葬儀業者が、枢に入れるべきドライアイスを“ケチった”ことも理由の一つだという。 たいていの場合、枢には15kgほどのドライアイスを入れるという。もちろんご遺体を冷やして腐乱を防止するのが目的だが、同時にご遺体を凍結させて、死後に体内から体液が流れ出てしまうのを防ぐ意味もあるのだ。 なんとそのご遺体から出血が止まらなかったのは、担当した葬儀業者が枢に入れるドライアイスを“ケチった”ためだったという。経費削減が目的だというが、ドライアイスの量を減らしても利益には大して影響がない。 しかしこの業者の「手口」は、それだけではなかった』、「ご遺体から出血が止まらなかったのは、担当した葬儀業者が枢に入れるドライアイスを“ケチった”ためだった」、「この業者の「手口」は、それだけではなかった」、何だったのだろう。
・『大型バスにたったの2人  同じ葬儀業者がよく使うのが、「不必要な高額請求」という手口だ。 「火葬場職員は、ご遺族様が乗っていらした車のサイズを見て準備を変更することがよくあります。たとえば大型バスでいらした場合、ご遺族様が大人数だと推測して追加で焼番台を用意するんです」(下駄さん) その日も下駄さんは駐車場に入ってくる大型バスを目にして、あらかじめ準備を変更しようとした。しかしそんな下駄さんを先輩職員が止める。 よく見ると、数十人は乗れそうな大型バスから降りてきたのは、たった2人だけだったのだ。) 先輩職員によると、この手口は同じ葬儀業者の「常套手段」なのだという。参加者が数人の葬儀でも、不必要なほど大きなバスで火葬場まで送迎することで、わざと高額な車両代を遺族に請求しているのだ。 故人との別れの場であるはずの葬儀。ほとんどの葬儀業者は、我々が心残りなくお別れできるように心を砕いてくれる誠実な人ばかりである。しかし悲しいことに、大切な人を失って弱った心の隙間に付け込んで、1円でも多くの利益を得ようと企む業者も中には存在しているのだ。 人生の最後にまつわる火葬場でのエピソード。今一度「生きること」や「命の尊さ」について考えてみるきっかけになるかもしれない』、「悲しいことに、大切な人を失って弱った心の隙間に付け込んで、1円でも多くの利益を得ようと企む業者も中には存在しているのだ」、東京での「葬儀業者」はもっと大規模で、そんな悪事を働く余地もなさそうだが、地方の小規模業者のなかには悪徳業者がいるのかも知れない。
タグ:葬式・墓 (その2)(築地本願寺、「30万円合同墓」に予約殺到の理由  「子どもに迷惑をかけたくない」中高年に大人気、「カプセルの中で自分の体を30日かけて腐らせ堆肥に」究極の自然葬に3カ月で550人も予約が殺到した 園芸用堆肥になるか森林に撒かれる、葬儀業者が“ケチった”せいでご遺体から出血が止まらない…火葬場職員が見た「ヤバい業者」の実態) 東洋経済オンライン 安永 雄彦氏による「築地本願寺、「30万円合同墓」に予約殺到の理由  「子どもに迷惑をかけたくない」中高年に大人気」 「安永雄彦氏」は銀行出身、ケンブリッジ大学で経営学の博士号を取得した極めてイノベーティブな俊才で、私が注目している人材の1人だ。 自分自身にも切実な問題だったので、よく出来た案になったのだろう。 「一般的に寺院はその成り立ちからいって、「自分たちはありがたい教えを与える側」「仏様の教えをお取り次ぎさせていただく立場」という、いわば上から目線の意識が染みついていて、どうしても相手の立場に立って「何が求められているのか?」を慮る(おもんぱかる)ことが苦手です。 しかしそれでは、独りよがりな改革になり、人々の役に立つことも、喜んでもらうこともできません。ビジネスとして考えれば、プロダクトアウトの発想であり、大きな投資をして赤字がさらに膨らむという最悪の結果となるでしょう。 そこで私は「お寺もコーポレーション」という信念のもと、マーケティングをしっかりと取り入れました。合同墓についてのマーケティング調査はインターネットを使い、設問に答えてもらうかたちをとりました」、「マーケティングをしっかりと取り入れた」とはさすがだ。 「東京の人はお骨が混ざることに抵抗感があり、関西では「いろいろな人のお骨と一緒になってもいい」と感じる人が多い」、「骨壺のサイズも東と西で異なります。西のほうが小さく、東のおよそ半分。東はすべてのお骨を壺に納め、いちばん上に頭蓋骨を載せたりしますが、西は壺に入らないお骨は火葬場で廃棄処分にします」、とは初めて知った。 合同墓の大きな特徴は、「浄土真宗の教えや儀式を尊重いただければ、これまでの宗派を問わずに誰でも入れる」ということです。故人であっても申し込みは法名や戒名がわからなければ、俗名でもまったく問題はありません。これは「あらゆる人(衆生)を救う」という教義からくる浄土真宗のおおらかさ、非常に大きな特徴だと思います。 キリスト教やイスラム教は「異教徒お断り」が原則で、「自殺者は弔えない、同性愛を許さない」といった一神教特有の厳しさがありますが、それに比べると仏教はかなりゆるやかです。浄土真宗は仏教の中でもとくに間口が広い宗派といえます」、なるほど。 「「永代供養墓」・・・で、冥加金は30万円以上。現在のご契約数は1万人を超えており、テレビ東京の「カンブリア宮殿」をはじめ、さまざまなメディアに取り上げられたことで予約が殺到しています」、「「永代供養墓」・・・で、冥加金は30万円以上」、とはお得感がある。 「競合」が出てこなかったのは、「どこのお寺も「伝統に守られているから、自分たちは大丈夫だ」と信じ切っている、古い体質があるのかもしれません」、「限定されたスペースにまとまった合同墓であれば、人手が少ないお寺でも十分行き届いたかたちでお守りできます」、同感である。 PRESIDENT ONLINE 鵜飼 秀徳氏による「「カプセルの中で自分の体を30日かけて腐らせ堆肥に」究極の自然葬に3カ月で550人も予約が殺到した 園芸用堆肥になるか森林に撒かれる」 「法整備が整えば、日本にも将来的にコンポスト葬が入ってくる余地はある」、なるほど。 「コンポスト葬とは、遺体を堆肥にかえる葬送のこと」、「堆肥にかえる」段階で気持ち悪い現象が起こらないのだろうか。 3州で「合法化」されたようだ。 「遺体は、マメ科植物でできたオーガニックウッドチップが敷き詰められた容器に入れられる。さらに堆肥化を促進させるために、二酸化炭素や窒素、酸素、水分などを制御できるカプセルの中に入れられ、そこでバクテリアなどの微生物を増殖させて腐らせる。 遺体は、およそ30日をかけて分子レベルで分解され、土へと還っていく。その後は2~4週間かけて土を硬化させる」、 「火葬や土葬と比較して、コンポスト葬を選択した場合は1トン以上の二酸化炭素を節約できると試算」、意外に時間がかかるようだ。 「コンポスト葬は5500ドル(約60万円)」、「米国では、一般的には火葬費用が6万円程度、葬儀から遺体安置施設の利用料、納棺料、墓地代などを含めるとトータルで死後の費用は平均550万円ほどかかる。その点、コンポスト葬では火葬費や墓地、墓石代などが不要で、割安感はありそうだ」、 「墓地、墓石代」は本人を偲ぶよすがとして必要なのではなかろうか。「サービス開始から3カ月後の2021年2月には世界各国からの予約が550人に達した」、かなりの人気のようだ。 「海洋散骨」は確かにかなりの有名人が利用しているようだ。 「コンポスト葬は土葬に近い。しかし土葬への敬遠意識は、日本人はとても強い。日本では火葬率が99.9%と世界一の水準にあり、相対的に土葬へのタブー意識が強まってきている」、ただし「日本でも樹木葬や海洋散骨を選択する人々が増えてきている実情を踏まえれば、コンポスト葬受け入れの「素地」は、着々と進んでいるようにも思える」、私個人は、「樹木葬や海洋散骨」には抵抗感はないが、「コンポスト葬」は気持ち悪く、嫌だ。日本では導入論はまだのようだが、どうなるのだろうか。 現代ビジネス「葬儀業者が“ケチった”せいでご遺体から出血が止まらない…火葬場職員が見た「ヤバい業者」の実態」 何なのだろう。 「ご遺体から出血が止まらなかったのは、担当した葬儀業者が枢に入れるドライアイスを“ケチった”ためだった」、「この業者の「手口」は、それだけではなかった」、何だったのだろう。 「悲しいことに、大切な人を失って弱った心の隙間に付け込んで、1円でも多くの利益を得ようと企む業者も中には存在しているのだ」、東京での「葬儀業者」はもっと大規模で、そんな悪事を働く余地もなさそうだが、地方の小規模業者のなかには悪徳業者がいるのかも知れない。
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