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ミャンマー(その7)(インドネシア クーデターから2年のミャンマーに将軍派遣へ 民主化への経験共有は可能か、少年を斬首 女性をレイプ 僧侶も銃殺…残虐性増すミャンマー国軍の血も涙もない攻撃、ミャンマー軍事政権に曖昧な姿勢を続ける日本 人権活動家が語る現地の危機と日本への要請) [世界情勢]

ミャンマーについては、昨年2月17日に取上げた。今日は、(その7)(インドネシア クーデターから2年のミャンマーに将軍派遣へ 民主化への経験共有は可能か、少年を斬首 女性をレイプ 僧侶も銃殺…残虐性増すミャンマー国軍の血も涙もない攻撃、ミャンマー軍事政権に曖昧な姿勢を続ける日本 人権活動家が語る現地の危機と日本への要請)である。

先ずは、本年2月3日付けNewsweek日本版「インドネシア、クーデターから2年のミャンマーに将軍派遣へ 民主化への経験共有は可能か」を紹介しよう。
https://www.newsweekjapan.jp/stories/world/2023/02/2-471_1.php
・『<ASEAN議長であり、かつて民主化の道を歩んだ国がミャンマー問題を解決しに動き出した> インドネシアのジョコ・ウィドド大統領は2月2日、膠着状態に陥っているミャンマー問題への打開の道筋を探るために近くインドネシア軍の将軍クラスをミャンマーに派遣する方針をロイター通信とのインタビューの中で明らかにした。 インドネシアとしては1998年に約30年にわたるスハルト長期独裁政権の崩壊から民主国家への道を歩み始めた経緯や経験をミャンマーの軍事政権と共有することでなんとか軍政と民主勢力との対話による平和的な解決を促す狙いがある。 インドネシアは2023年の東南アジア諸国連合(ASEAN)議長国であることや2021年2月1日のクーデター発生を受けて同年4月に首都ジャカルタでASEAN緊急首脳会議を開催するなど、ミャンマー問題に積極的に関わって来たことも今回の動きの背景にある』、「インドネシアとしては1998年に約30年にわたるスハルト長期独裁政権の崩壊から民主国家への道を歩み始めた経緯や経験をミャンマーの軍事政権と共有することでなんとか軍政と民主勢力との対話による平和的な解決を促す狙い」、なるほど。
・『変革に関係した将軍を派遣へ  ジョコ・ウィドド大統領は「将軍派遣」に関して具体的な日程や派遣する将軍の人選に関しては明らかにしなかったが、陸軍幹部で第6代大統領だったスシロ・バンバン・ユドヨノ氏、ジョコ・ウィドド大統領と親しいアンディカ・プルカサ前国軍司令官、プラボウォ・スビアント国防相などの名前が取り沙汰されている。 しかしジョコ・ウィドド大統領がインタビューの中で「インドネシアの(民主化という)変革に関与した人物」を想定していると述べたことから1998年以降のインドネシア民主化に関わった軍人である可能性が高く、国防相や政治・法務・治安担当の調整相も歴任したウィラント元国軍司令官の可能性も浮上している。 ウィラント氏は1998年当時の国軍司令官だったが、国民の民主化を求める運動が高まるなかでスハルト大統領に「大統領辞任」を促しそれが結局大統領職に拘り続けていたスハルト大統領に「引導を渡した」結果となった経緯がある』、「ミャンマー」側の受け入れ体制を見る前に、「インドネシア」側の候補者を云々するのは時期尚早な印象がある。
・『大統領自身のミャンマー訪問に含み  ジョコ・ウィドド大統領は自身のミャンマー訪問についてインタビューでは完全に否定せず含みをもたせながらも、ミャンマー軍事政権のトップがミン・アウン・フライン国軍司令官という軍人であることから「同じ軍人という背景をもつ者同士の方が話ししやすいという面もある」として、今回はインドネシア国軍の退役将軍クラスによる「可能な限り早い時期」の派遣検討となったとしている。 ミャンマーにはクーデター以降ASEAN加盟国の首脳クラスとしては2022年の議長国だったカンボジアのフンセン首相が首都ヤンゴンを訪れミン・アウン・フライン国軍司令官と首脳会談を行ったことがある。 さらに外相クラスでは2021年の議長国ブルネイのエルワン第2外相がASEAN特使として、さらに2022年に同じくASEAN特使だったカンボジアのプラク・ソコン外相などがヤンゴンを訪問し事態打開策を協議している』、「ジョコ・ウィドド大統領は自身のミャンマー訪問についてインタビューでは完全に否定せず含みをもたせながらも、ミャンマー軍事政権のトップがミン・アウン・フライン国軍司令官という軍人であることから「同じ軍人という背景をもつ者同士の方が話ししやすいという面もある」として、今回はインドネシア国軍の退役将軍クラスによる「可能な限り早い時期」の派遣検討となったとしている」、いくら「軍人」「同士」とはいえ、国民の虐殺という点では大きな違いがあるのではなかろうか。
・『ASEANの分断が深刻化  ASEANの対ミャンマー対応方針は2021年4月にジャカルタで開催されたASEAN緊急首脳会議でミン・アウン・フライン国軍司令官も出席して合意に達した「5項目の合意」が基本線となっていた。 しかしミャンマー軍政は「武力行使の即時停止」「全関係者とASEAN特使の面会」という2項目について拒否を続けている。 2022年の議長国だったカンボジアはフンセン首相が旗振り役となってミャンマー問題打開に積極的姿勢をみせ、自らヤンゴンを訪問してミン・アウン・フライン国軍司令官と会談するなどASEANによる和解調停の主導権を握り存在感を示そうとした。 だが、2022年7月にミャンマー軍政が政治犯4人の死刑をフンセン首相の中止要請にも関わらず執行したことでカンボジアもミャンマーに強硬姿勢を続けるマレーシアやインドネシア、シンガポール、フィリピンに同調せざるを得なくなった。 そして2022年10月のASEAN首脳会議からミン・アウン・フライン国軍司令官は招待されず、以降ミャンマー軍政関係者抜きのASEAN会議が続いている。2月3日からインドネシア・ジョグジャカルタで開かれるASEAN環境相会議にも軍政が選任した「環境相格」は招待されない事態となっている』、「2022年7月にミャンマー軍政が政治犯4人の死刑をフンセン首相の中止要請にも関わらず執行したことでカンボジアもミャンマーに強硬姿勢を続けるマレーシアやインドネシア、シンガポール、フィリピンに同調せざるを得なくなった・・・以降ミャンマー軍政関係者抜きのASEAN会議が続いている」、「ミャンマー軍政」側の行き過ぎた「強硬姿勢」に原因がある。
・『タイのスタンドプレー  こうしたASEANによるミャンマー問題の仲介工作が行き詰るなか、タイは12月22日にミャンマー軍政の「外相格」であるワナ・マウン・ルウィン氏をバンコクに招いて外相会談を開催した。しかし参加したのはタイ、カンボジア、ラオス、ベトナムの外相や外相級で対ミャンマーの姿勢が融和的な国やミャンマーの最大の後ろ盾である中国と極めて親しい関係の国に限定された。 インドネシアやマレーシア、シンガポール、フィリピンは招待されたものの参加を拒否した。その結果この会談は「ASEAN非公式外相会議」との位置づけとなった。 ミャンマーと同様にクーデターで実権を握ったプラユット首相(陸軍大将)が率いるタイ政府が開催した「非公式外相会」だが、ASEAN内部の分断を加速させる動きだとの警戒感が広がっているという。 今回のジョコ・ウィドド大統領の将軍派遣はタイのスタンドプレーを巻き返し、主導権を発揮する狙いもあるとみられているが、軍人同士の対話が事態打開の糸口となるかは不透明だ。 ジョコ・ウィドド大統領は事態打開の進展がなければ「断固として行動する」と明らかにしており、今後の議長国インドネシアによるASEANのかじ取りが注目されている』、肝心の「ミャンマー側」の受け入れについては、明確な記述がない。その後の続報もないようだ。しばし静観するほかなさそうだ。

次に、3月19日付け現代ビジネス「少年を斬首、女性をレイプ、僧侶も銃殺…残虐性増すミャンマー国軍の血も涙もない攻撃」を紹介しよう。
https://gendai.media/articles/-/107805?imp=0
・『軍政の残虐非道な行動が明らかに  ミン・アウン・フライン司令官率いるミャンマー軍事政権は2022年から2023年にかけて反軍政の抵抗を続ける市民組織「国民防衛軍(PDF)」などへの弾圧を強化しており、その過程で一般市民の殺害も増加している。 そうした中でも特に未成年の若者や女性を虐殺するケースが相次いで報告され、人権侵害がこれまで以上に深刻化しているという。 さらに2023年3月13日にはミャンマーの独立系メディアが仏教寺院に避難していた一般市民と同時に僧侶をも殺害していたことを報じた。 ミャンマーは国民の90%を仏教徒が占める国で、僧侶は国民の尊敬を集める対象となっているだけに、僧侶まで殺害するという軍政の容赦ない姿勢は反軍政を掲げる国民の反感と怒りを高めている。 こうした軍政の残虐非道な行動は、2月2日に戒厳令を7郡区から37郡区に拡大し、同月22日にもさらにサガイン地方域で3郡区を追加するなどして、抵抗勢力との戦闘が激化している地方での軍の権力を強化したことと関係があるとみられている。 2021年2月のクーデター以降すでに2年以上が経過しながらも、国内の治安が一向に安定せず、8月に予定している「民主的な総選挙」の実施も危ぶまれる状況に対する軍政の焦りが背景にあるとの見方が有力視されている。 軍政は総選挙実施で軍政に対する「国民の信任」を得たとしてクーデターの正当化を目論んでいるため、万難を排してまでも総選挙実施を企図しているとされ、各地から報告される兵士による残虐行為はその反映とされている』、「8月に予定している「民主的な総選挙」の実施も危ぶまれる状況に対する軍政の焦りが背景にあるとの見方が有力視されている。 軍政は総選挙実施で軍政に対する「国民の信任」を得たとしてクーデターの正当化を目論んでいるため、万難を排してまでも総選挙実施を企図しているとされ、各地から報告される兵士による残虐行為はその反映とされている」、なるほど。
・『寺院の避難民を僧侶と共に殺害  独立メディア「ミャンマー・ナウ」はミャンマー北東部シャン州南部ピンラウン郡区のナンニント村で市民ら29人が殺害されているのを地元抵抗勢力である「カレンニー民族防衛隊(KNDF)」が3月13日の声明で明らかにしたと伝えた。29人の中には仏教僧侶3人が含まれていたとしている。 KNDFなどによると、軍は11日にナンニント村に空爆や砲撃を加えた上で、地上部隊が村に進入、村内の仏教寺院に避難していた市民を外に連れ出しその場で射殺した。その時僧侶3人も同時に殺害されたとしている。犠牲者には10代前半の少年2人も含まれ、全員がナンニント村の男性住民であるとしている。 ナンニント村の大半の住民は軍による攻撃激化を恐れて数週間前にすでに村外に避難していたが、僧侶が避難をせずに村に留まったことから20数人の男性村人が共に村に残り、空襲・砲撃を逃れるために寺院に避難していたという。 KNDFはナンニント村の状況を確認するためにドローンで上空から偵察していたところ、寺院で多数の遺体を発見したものの兵士が撤退するのを待ったため現場の寺院には12日までたどり着けなかったとしている。 KNDFのミャンマー語のホームページには殺害現場の生々しい写真が複数アップされ、民族衣装であるロンジーをまとった多数の男性が銃撃を受けて頭部や上半身などから血を流して寺院の外壁周辺に倒れている様子が写っている。 死者の間にはサフラン色の僧衣をまとった仏教僧侶が僧衣の一部を血に染めて横たわっており、寺院の外壁にも多数の弾痕が残されている。住民らに向けて銃を乱射して殺害した問答無用の残虐行為の跡がみてとれる。KNDFによると兵士はその後、ナンニント村の住居を焼き払ったという。 この寺院襲撃、僧侶殺害に関し、軍政のゾー・ミン・トゥン報道官はメディアに対して武装市民組織と民間人の何人かが死亡したことは確認したものの「地元のPDFメンバーによる殺害である」として兵士の関与を否定した』、「僧侶が避難をせずに村に留まったことから20数人の男性村人が共に村に残り、空襲・砲撃を逃れるために寺院に避難していたという・・・KNDFのミャンマー語のホームページには殺害現場の生々しい写真が複数アップされ、民族衣装であるロンジーをまとった多数の男性が銃撃を受けて頭部や上半身などから血を流して寺院の外壁周辺に倒れている様子が写っている。 死者の間にはサフラン色の僧衣をまとった仏教僧侶が僧衣の一部を血に染めて横たわっており、寺院の外壁にも多数の弾痕が残されている。住民らに向けて銃を乱射して殺害した問答無用の残虐行為の跡がみてとれる』、何のための虐殺なのだろう。
・『若者を虐殺、斬首で遺体放置  独立系メディアなどによると、2月25日に北西部サガイン地方域ミンム郡区ニャウン・ピンカン村付近で武装市民組織PDFと軍による戦闘が発生した。PDF側が弾薬不足のため退却する際に退路に地雷を埋設していた若者5人が軍に拘束された。 その後若者5人の遺体が発見されたが、うち3人は斬首され、頭部が竹柵や荷車の上に「晒し首」状態で放置されており、中には手足が切断された遺体もあったという。遺体には銃創が一切ないことから、若者らは生きたまま斬首された可能性が高いとみられている。 兵士は殺害した若者の携帯電話を取り上げて犠牲者の親族や友人に電話をかけて「死を祝っている」と述べたうえ、犠牲者を罵倒し続けたという。 斬首されたのは15歳の少年、17歳と19歳の青年で、いずれも地元の武装市民組織を手伝い地雷を設置していたところを軍に拘束され、虐殺されたという。事件を伝える独立メディアのウェブサイトには3人の若者がほほ笑む生前の写真がアップされている。 同村周辺ではさらに2人の若者の殺害遺体も発見されているほか、サガイン地方域カン・タイン村では別の男性2人の斬首遺体が発見され、同地方域ミンム郡区ニャウンイン村では16人が殺害されている。 このように国軍は今や、軍に同調しない市民とみれば年齢に関係なく殺害するという「殺人組織」と化している。 こうした傾向は以前からあり、2022年9月にはサガイン地方域にある小学校が空爆されて児童11人が犠牲となり15人が行方不明となった。この時、軍は死亡した子供たちの遺体を袋詰めにしてトラックでどこかに運び去ったと地元メディアは伝えている。 国連によるとクーデター発生後、ミャンマー全国で軍による攻撃で死亡あるいは重傷を負った子供は少なくとも約400人に上っている。 このほか10月には北部カチン州ハパカント近郊の村で軍政に抵抗を続ける少数民族武装勢力やその支持者、一般市民が参加して開催中のコンサート会場を軍が空爆して地元の著名女性歌手や男性演奏家、多数の観衆が殺害される事件も起きている』、「若者5人の遺体が発見されたが、うち3人は斬首され、頭部が竹柵や荷車の上に「晒し首」状態で放置されており、中には手足が切断された遺体もあったという。遺体には銃創が一切ないことから、若者らは生きたまま斬首された可能性が高いとみられている。 兵士は殺害した若者の携帯電話を取り上げて犠牲者の親族や友人に電話をかけて「死を祝っている」と述べたうえ、犠牲者を罵倒し続けたという。 斬首されたのは15歳の少年、17歳と19歳の青年で、いずれも地元の武装市民組織を手伝い地雷を設置していたところを軍に拘束され、虐殺されたという」、「国軍は今や、軍に同調しない市民とみれば年齢に関係なく殺害するという「殺人組織」と化している。 こうした傾向は以前からあり、2022年9月にはサガイン地方域にある小学校が空爆されて児童11人が犠牲となり15人が行方不明となった。この時、軍は死亡した子供たちの遺体を袋詰めにしてトラックでどこかに運び去ったと地元メディアは伝えている。 国連によるとクーデター発生後、ミャンマー全国で軍による攻撃で死亡あるいは重傷を負った子供は少なくとも約400人に上っている。 このほか10月には北部カチン州ハパカント近郊の村で軍政に抵抗を続ける少数民族武装勢力やその支持者、一般市民が参加して開催中のコンサート会場を軍が空爆して地元の著名女性歌手や男性演奏家、多数の観衆が殺害される事件も起きている」、「国軍は今や、軍に同調しない市民とみれば年齢に関係なく殺害するという「殺人組織」と化している」、恐ろしいことだ。
・『レイプして殺害される女性たち  3月2日、サガイン地方域サガイン群区タルタイン村で女性3人を含む住民が軍に拘束されて「人間の盾」として戦闘現場に立たされたことが報じられた。 さらに同じ日、同地方域ミンム群区ニャウンイン村でレイプされた女性の遺体が発見されたほか。同村では計14人の遺体が発見されたが、その中にはレイプされ顔面や頭部を激しく殴打された痕跡の残る女性3人の遺体も含まれていたという。 2022年8月27日には、サガイン地方域カニ郡区タイエットピンブラ村に進入した兵士らが民家に取り残された知的障害のある40代の女性を屋外に連れ出して複数の兵士がレイプした。 また同月11日には同地方域インマビン群区インバウンテン村で10代の少女ら2人が兵士から集団レイプを受け、その後殺害され、遺体が崖に全裸の状態で放置されるという残虐な事件も明らかになっている』、男性兵士の士気向上のためなのだろうか。
・『激化する人権侵害事件  このように軍は2022年から、各地で抵抗を続ける武装市民組織メンバーに対する掃討作戦を通じて一般市民を巻き込んだ強権的弾圧を強化、女性や若者をも無差別に殺害しているが、国民の尊敬と信仰の対象である仏教僧侶まで容赦なく殺害するという暴挙に対し内外から厳しい批判が高まっている。 戒厳令を拡大したことで地方の行政権が大幅に軍に移譲され、軍はこうした残虐行為を通じて抵抗勢力や反軍政の市民への「見せしめ効果」を狙っているとされる。しかしこうした残虐な人権侵害行為は反軍政感情を一層高めるという逆効果を招いており、ミャンマーの混乱は収拾不能な状況に陥っている。 タイ西部ターク県メーソットに本拠を置くミャンマーの人権団体「ミャンマー政治犯支援協会(AAPP)」によると、3月14日現在、軍政によって身柄を拘束された市民は20359人、殺害された市民は3124人に上っている』、「戒厳令を拡大したことで地方の行政権が大幅に軍に移譲され、軍はこうした残虐行為を通じて抵抗勢力や反軍政の市民への「見せしめ効果」を狙っているとされる。しかしこうした残虐な人権侵害行為は反軍政感情を一層高めるという逆効果を招いており、ミャンマーの混乱は収拾不能な状況に陥っている」、「3月14日現在、軍政によって身柄を拘束された市民は20359人、殺害された市民は3124人に上っている」、軍隊が国民を護るのではなく、虐待するとは、「ミャンマー」は酷い国だ。もっとも、スーチー氏の父親のアウンサン将軍は国民的な人気があったようだから、その後、軍隊が劣化したのだろう。

第三に、6月25日付け東洋経済オンライン「ミャンマー軍事政権に曖昧な姿勢を続ける日本 人権活動家が語る現地の危機と日本への要請」を紹介しよう。
https://toyokeizai.net/articles/-/681301
・『激化する国軍による市民の弾圧、超大型サイクロン・モカによる深刻な被害と被災者の孤立……。5月末に来日したミャンマーの人権活動家キンオーンマー氏(プログレッシブ・ボイス会長)に、ミャンマー現地の実情と日本の責務についてインタビューした。(Qは聞き手の質問、Aは筆者の回答) Q:国軍と民主派勢力の戦いが激しさを増す中、軍事政権は総選挙を実施すべく準備を進めているといいます。 A:有権者名簿の作成や投票所に配置される係員の訓練などの準備を進めている。ただ、ミャンマーの市民は選挙に強く反対しており、かなりの抵抗に遭っている。 (Khin Ohmar/プログレッシブ・ボイス会長の略歴はリンク先参照)。 A:軍事政権は政党登録に関する新しい法律を制定したが、クーデター前に政権を担っていたアウンサンスーチー氏率いる「国民民主連盟」(NLD)や「シャン民族民主連盟」(SNLD)は政党登録を抹消された。代わりに国軍がコントロールする政党がいくつも結成された。仏教徒の極右ナショナリストの政党や、麻薬王が作った政党、実態のない少数民族の政党などを国軍は自分たちのコントロール下に置いて総選挙を有利に進めようとしている。 バングラデシュの難民キャンプにいるロヒンギャの人たちについても、ミャンマーに帰還させるパイロットプロジェクトを軍事政権は開始している。そこに参加すれば市民権を与えるとか、法的地位を保証する身分証明用のカードを発給するとしているが、そのカードは投票で使えるだけで他にはほとんど意味がない』、「国軍と民主派勢力の戦いが激しさを増す中、軍事政権は総選挙を実施すべく準備を進めている・・・市民は選挙に強く反対しており、かなりの抵抗に遭っている」、「アウンサンスーチー氏率いる「国民民主連盟」(NLD)や「シャン民族民主連盟」(SNLD)は政党登録を抹消された。代わりに国軍がコントロールする政党がいくつも結成された。仏教徒の極右ナショナリストの政党や、麻薬王が作った政党、実態のない少数民族の政党などを国軍は自分たちのコントロール下に置いて総選挙を有利に進めようとしている」、なるほど。
・『笹川陽平氏の動きに疑念  Q:総選挙に正当性があるとは思えませんが。 A:文民統制下の2020年に実施された総選挙に関与した公務員やボランティアとも話をしたが、彼らの誰一人として、このたび軍事政権が行おうとしている総選挙を支持する者はいなかった。しかし、国軍の兵士が自宅に来て銃を突きつけ、投票を強制した場合、住民がそれに逆らうことは難しい。また、国軍は住民を困窮させたあげくに、コメなどの食料支援と引き替えに票を得ようとするかもしれない。 Q:「ミャンマー国民和解担当日本政府代表」の肩書きを持つ日本財団会長の笹川陽平氏は今年2月にミャンマーを訪問した後、タイの首都バンコクで記者会見に臨み、「民主化の第一歩は選挙。何が何でもやらないといけない」と力説したと報じられています。 笹川氏に対しては4月にミャンマーの406の市民社会団体が書簡を送り、「『選挙』を支持する発言が日本政府の特使としてのものだったのか」について問い合わせた。特使の任務の詳細や、特使としての活動の予算や報酬、特使が日本政府のどの部署に対して報告義務を負うのかについても明らかにするように求めた。しかし笹川氏から回答は得られなかった。日本政府も笹川氏の活動との関係について明言を避けている。) Q:日本政府はどのような姿勢を取るべきだと思いますか。 A:日本政府は軍事クーデターへの非難声明を出す一方で、軍事政権への政府開発援助(ODA)を継続している。軍事クーデター前年の総選挙で勝利した民主派と軍事政権のどちらを支持しているのかもはっきりしない。ミャンマーの国民はこうした日本の曖昧な姿勢に困惑している。日本政府にはミャンマー民主化のために道義的・倫理的役割を発揮するように求めたい。 日本は国連安全保障理事会の非常任理事国でもある。2022年12月に採択された安保理決議を踏まえ、ジェノサイド、戦争犯罪、そして人道に対する罪について国軍の責任を追及する具体的な措置を取るべきだ。 また、次のようなことができるはずだ。すなわち、(1)国軍関係者や国軍系企業をターゲットにした経済制裁の実施、(2)NUGとの対話、(3)軍事政権が強行しようとしている総選挙を支持しないと表明すること、(4)ミャンマー国軍の支配下で実施されているすべてのODAを直ちに打ち切ること、(5)在日ミャンマー人の保護、などだ。 今般の入管法改正により強制送還が増える事態ともなれば、在日ミャンマー人は生命の危機に直結する。国外に居住していたというだけで逮捕・投獄されたミャンマー人を私は知っている。在日ミャンマー人の中には民主化支援の活動をしている人も多く、帰国すれば必ず尋問を受けることになる』、「「ミャンマー国民和解担当日本政府代表」の肩書きを持つ日本財団会長の笹川陽平氏は今年2月にミャンマーを訪問した後、タイの首都バンコクで記者会見に臨み、「民主化の第一歩は選挙。何が何でもやらないといけない」と力説」、事実上、「日本政府」の代理をしているようだが、とんでもないことだ。「日本政府は軍事クーデターへの非難声明を出す一方で、軍事政権への政府開発援助(ODA)を継続している。軍事クーデター前年の総選挙で勝利した民主派と軍事政権のどちらを支持しているのかもはっきりしない。ミャンマーの国民はこうした日本の曖昧な姿勢に困惑している。日本政府にはミャンマー民主化のために道義的・倫理的役割を発揮するように求めたい。 日本は国連安全保障理事会の非常任理事国でもある。2022年12月に採択された安保理決議を踏まえ、ジェノサイド、戦争犯罪、そして人道に対する罪について国軍の責任を追及する具体的な措置を取るべきだ」、「ODA」継続の条件に民主化を入れることも可能な筈だ。
・『弱体化する国軍、日本はNUGと対話を  Q:日本政府は民主派勢力が結成したNUGとどのように関係を持つべきでしょうか。 A:日本がNUGとの公式の連絡手段を持っていないのは戦略的な誤りだ。(欧米諸国のみならず)中国やインドネシア、マレーシア、韓国もNUGと連絡を取っている。日本がミャンマーにきちんと関与するためには、NUGときちんと対話すべき。日本政府は軍事政権を長引かせたいのか、あるいは文民統制に戻ってほしいと思っているのか、はっきりしてほしい。 Q:民主派勢力の抵抗に遭い、国軍も弱体化しているとも指摘されています。 A:10年前、国軍は40万人を擁していると言われていた。しかし(西側の)軍事アナリストの推計では、クーデター前に実際の人数は30万人もいないと指摘されていた。クーデター後はさらに2万~3万人減っていると見られる。新たな兵士の募集もできていない。軍隊から離脱すると家族にも危害が及びかねないが、2万人以上の兵士がこれまでに国軍から脱走している。 民主派勢力や少数民族武装組織との戦いが長引く中、国軍は広大な国土に薄く広く展開せざるをえず、あらゆる場所で市民の抵抗に遭っている。国軍の兵士は疲れ果て、追い込まれている。国軍は国土の20%以下しか支配下に置いていない。民主派勢力に勝機はある』、「日本がNUGとの公式の連絡手段を持っていないのは戦略的な誤りだ。(欧米諸国のみならず)中国やインドネシア、マレーシア、韓国もNUGと連絡を取っている。日本がミャンマーにきちんと関与するためには、NUGときちんと対話すべき」、「日本がNUGとの公式の連絡手段を持っていない」というのは初めて知った。外務省は一体、何をやっているのだろう。「国軍の兵士は疲れ果て、追い込まれている。国軍は国土の20%以下しか支配下に置いていない。民主派勢力に勝機はある」、そうであれば、なをさら「NUGときちんと対話すべき」だ。
タグ:「日本がNUGとの公式の連絡手段を持っていないのは戦略的な誤りだ。(欧米諸国のみならず)中国やインドネシア、マレーシア、韓国もNUGと連絡を取っている。日本がミャンマーにきちんと関与するためには、NUGときちんと対話すべき」、「日本がNUGとの公式の連絡手段を持っていない」というのは初めて知った。外務省は一体、何をやっているのだろう。 「日本政府は軍事クーデターへの非難声明を出す一方で、軍事政権への政府開発援助(ODA)を継続している。軍事クーデター前年の総選挙で勝利した民主派と軍事政権のどちらを支持しているのかもはっきりしない。ミャンマーの国民はこうした日本の曖昧な姿勢に困惑している。日本政府にはミャンマー民主化のために道義的・倫理的役割を発揮するように求めたい。 日本は国連安全保障理事会の非常任理事国でもある。2022年12月に採択された安保理決議を踏まえ、ジェノサイド、戦争犯罪、そして人道に対する罪について国軍の責任を追及する具体 的な措置を取るべきだ」、「ODA」継続の条件に民主化を入れることも可能な筈だ。 男性兵士の士気向上のためなのだろうか。 斬首されたのは15歳の少年、17歳と19歳の青年で、いずれも地元の武装市民組織を手伝い地雷を設置していたところを軍に拘束され、虐殺されたという」、「国軍は今や、軍に同調しない市民とみれば年齢に関係なく殺害するという「殺人組織」と化している。 こうした傾向は以前からあり、2022年9月にはサガイン地方域にある小学校が空爆されて児童11人が犠牲となり15人が行方不明となった。この時、軍は死亡した子供たちの遺体を袋詰めにしてトラックでどこかに運び去ったと地元メディアは伝えている。 「3月14日現在、軍政によって身柄を拘束された市民は20359人、殺害された市民は3124人に上っている」、軍隊が国民を護るのではなく、虐待するとは、「ミャンマー」は酷い国だ。もっとも、スーチー氏の父親のアウンサン将軍は国民的な人気があったようだから、その後、軍隊が劣化したのだろう。 「国軍と民主派勢力の戦いが激しさを増す中、軍事政権は総選挙を実施すべく準備を進めている・・・市民は選挙に強く反対しており、かなりの抵抗に遭っている」、「アウンサンスーチー氏率いる「国民民主連盟」(NLD)や「シャン民族民主連盟」(SNLD)は政党登録を抹消された。代わりに国軍がコントロールする政党がいくつも結成された。仏教徒の極右ナショナリストの政党や、麻薬王が作った政党、実態のない少数民族の政党などを国軍は自分たちのコントロール下に置いて総選挙を有利に進めようとしている」、なるほど。 「若者5人の遺体が発見されたが、うち3人は斬首され、頭部が竹柵や荷車の上に「晒し首」状態で放置されており、中には手足が切断された遺体もあったという。遺体には銃創が一切ないことから、若者らは生きたまま斬首された可能性が高いとみられている。 兵士は殺害した若者の携帯電話を取り上げて犠牲者の親族や友人に電話をかけて「死を祝っている」と述べたうえ、犠牲者を罵倒し続けたという。 東洋経済オンライン「ミャンマー軍事政権に曖昧な姿勢を続ける日本 人権活動家が語る現地の危機と日本への要請」 死者の間にはサフラン色の僧衣をまとった仏教僧侶が僧衣の一部を血に染めて横たわっており、寺院の外壁にも多数の弾痕が残されている。住民らに向けて銃を乱射して殺害した問答無用の残虐行為の跡がみてとれる』、何のための虐殺なのだろう。 「「ミャンマー国民和解担当日本政府代表」の肩書きを持つ日本財団会長の笹川陽平氏は今年2月にミャンマーを訪問した後、タイの首都バンコクで記者会見に臨み、「民主化の第一歩は選挙。何が何でもやらないといけない」と力説」、事実上、「日本政府」の代理をしているようだが、とんでもないことだ。 「僧侶が避難をせずに村に留まったことから20数人の男性村人が共に村に残り、空襲・砲撃を逃れるために寺院に避難していたという・・・KNDFのミャンマー語のホームページには殺害現場の生々しい写真が複数アップされ、民族衣装であるロンジーをまとった多数の男性が銃撃を受けて頭部や上半身などから血を流して寺院の外壁周辺に倒れている様子が写っている。 「8月に予定している「民主的な総選挙」の実施も危ぶまれる状況に対する軍政の焦りが背景にあるとの見方が有力視されている。 軍政は総選挙実施で軍政に対する「国民の信任」を得たとしてクーデターの正当化を目論んでいるため、万難を排してまでも総選挙実施を企図しているとされ、各地から報告される兵士による残虐行為はその反映とされている」、なるほど。 肝心の「ミャンマー側」の受け入れについては、明確な記述がない。その後の続報もないようだ。しばし静観するほかなさそうだ。 現代ビジネス「少年を斬首、女性をレイプ、僧侶も銃殺…残虐性増すミャンマー国軍の血も涙もない攻撃」 「国軍の兵士は疲れ果て、追い込まれている。国軍は国土の20%以下しか支配下に置いていない。民主派勢力に勝機はある」、そうであれば、なをさら「NUGときちんと対話すべき」だ。 「戒厳令を拡大したことで地方の行政権が大幅に軍に移譲され、軍はこうした残虐行為を通じて抵抗勢力や反軍政の市民への「見せしめ効果」を狙っているとされる。しかしこうした残虐な人権侵害行為は反軍政感情を一層高めるという逆効果を招いており、ミャンマーの混乱は収拾不能な状況に陥っている」、 国連によるとクーデター発生後、ミャンマー全国で軍による攻撃で死亡あるいは重傷を負った子供は少なくとも約400人に上っている。 このほか10月には北部カチン州ハパカント近郊の村で軍政に抵抗を続ける少数民族武装勢力やその支持者、一般市民が参加して開催中のコンサート会場を軍が空爆して地元の著名女性歌手や男性演奏家、多数の観衆が殺害される事件も起きている」、「国軍は今や、軍に同調しない市民とみれば年齢に関係なく殺害するという「殺人組織」と化している」、恐ろしいことだ。 「2022年7月にミャンマー軍政が政治犯4人の死刑をフンセン首相の中止要請にも関わらず執行したことでカンボジアもミャンマーに強硬姿勢を続けるマレーシアやインドネシア、シンガポール、フィリピンに同調せざるを得なくなった・・・以降ミャンマー軍政関係者抜きのASEAN会議が続いている」、「ミャンマー軍政」側の行き過ぎた「強硬姿勢」に原因がある。 「ジョコ・ウィドド大統領は自身のミャンマー訪問についてインタビューでは完全に否定せず含みをもたせながらも、ミャンマー軍事政権のトップがミン・アウン・フライン国軍司令官という軍人であることから「同じ軍人という背景をもつ者同士の方が話ししやすいという面もある」として、今回はインドネシア国軍の退役将軍クラスによる「可能な限り早い時期」の派遣検討となったとしている」、いくら「軍人」「同士」とはいえ、国民の虐殺という点では大きな違いがあるのではなかろうか。 「インドネシアとしては1998年に約30年にわたるスハルト長期独裁政権の崩壊から民主国家への道を歩み始めた経緯や経験をミャンマーの軍事政権と共有することでなんとか軍政と民主勢力との対話による平和的な解決を促す狙い」、なるほど。 「ミャンマー」側の受け入れ体制を見る前に、「インドネシア」側の候補者を云々するのは時期尚早な印象がある。 Newsweek日本版「インドネシア、クーデターから2年のミャンマーに将軍派遣へ 民主化への経験共有は可能か」 (その7)(インドネシア クーデターから2年のミャンマーに将軍派遣へ 民主化への経験共有は可能か、少年を斬首 女性をレイプ 僧侶も銃殺…残虐性増すミャンマー国軍の血も涙もない攻撃、ミャンマー軍事政権に曖昧な姿勢を続ける日本 人権活動家が語る現地の危機と日本への要請) ミャンマー
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