SSブログ

医療問題(その7)(成功率低すぎ!日本の不妊治療の残念な実態、日本人は「不妊治療のリスク」を知らなすぎる、事故相次ぐ「無痛分娩」は何が問題か) [社会]

医療問題については、8月20日に取上げたが、今日は、(その7)(成功率低すぎ!日本の不妊治療の残念な実態、日本人は「不妊治療のリスク」を知らなすぎる、事故相次ぐ「無痛分娩」は何が問題か) である。

先ずは、ジャーナリスト・ノンフィクション作家の草薙 厚子氏が4月26日付け東洋経済オンラインに寄稿した「成功率低すぎ!日本の不妊治療の残念な実態 60カ国で実施件数最高なのに、出産率は最低」を紹介しよう(▽は小見出し)。
・昨今「不妊治療の末にようやく子どもを授かった!」という女性タレントのニュースが後を絶たない。晩婚・晩産化などを背景に、不妊に悩むカップルが増えるなか、不妊治療が急速に広まっている。周囲でも珍しいことではなくなり、近所の不妊クリニックで治療、とカジュアルに考える人も増えているかもしれない。
▽生殖補助医療の実施件数は多いのに…
・いつ終わるかわからない不妊治療は、精神的にも肉体的にも金銭的にも負担が大きい。年齢やキャリア、親からのプレッシャーなどが頭をよぎり、治療に突き進む人もいるだろう。 しかし、意外と知られていない事実がある。日本では生殖補助医療の実施件数が多いにもかかわらず、出産率が低いのだ。 世界各国の生殖補助医療の実施状況をモニタリングしている組織「国際生殖補助医療監視委員会」が実施した調査では、日本の生殖補助医療の実施件数は60カ国中、第1位だったにもかかわらず、出産率は最下位の6.2%というショッキングな結果が出ている。
・つまり日本は国際的に見ると、不妊治療が世界でいちばん行われているにもかかわらず「いちばん出産できない国」ということになる。 いったい、なぜそうなってしまうのか。不妊治療に踏み切る前に、ぜひ知っておいてほしいことがいくつかある。
▽あまり触れられない「顕微授精」のリスク
・ひとつは「顕微授精」のリスクだ。 不妊治療に用いられる生殖補助医療技術には、大きく分けて「体外受精」と「顕微授精」がある。 体外受精とは「体外に取り出した卵子に精子をふりかけて、精子の自力で卵子に侵入して受精させるための環境を整え、培養液内で受精させてから子宮に戻す技術」のことをいう。
・一方、顕微授精とは「体外に取り出した卵子に顕微鏡をのぞいて極細のガラス針で1匹の精子を人間の手で人為的に穿刺注入して、人工的に授精させてから子宮に戻す技術」である。ここに自然に受精させる体外受精と、人工的な手を必要とする顕微授精には根本的な違いがある。
・現在、不妊治療の8割を占めるのは、顕微鏡下で卵子にガラス針を刺して、精子を注入する「顕微授精」と呼ばれているものだ。針を刺すことによって卵子に傷がつくのだが、あくまでも問題はなく、安全だといわれている。しかし、卵子に針で穴を開けるのだ。本当に大丈夫なのかという単純な疑問が頭をよぎる。そこで不妊治療についての参考文献を調べてみると、ある海外のニュースにたどり着いた。
・「顕微授精に代表される不妊治療だが、その不妊治療による妊娠で生まれた子は、自然妊娠で生まれた子に比べ、自閉症スペクトラムになるリスクが2倍になる」 このショッキングな記事は、米疾病対策センター(Centers for disease Control and Prevention:CDC)に所管・公表された大規模疫学調査による記事であった。
・この調査結果は、1997年から2007年にかけて、カリフォルニア州で出生した590万例の小児に関するデータを基に分析した数字だ。筆者が知るかぎり、この報告に関しては日本ではまったく報道されていない。筆者が調査・取材した日本の不妊クリニックの多くのケースでは、不妊治療に関するリスクの説明はほとんどなされておらず、「顕微授精は安全・安心である」と患者に伝えていたのだ。
・臨床精子学研究の第一人者でもある黒田優佳子医師(黒田インターナショナル メディカル リプロダクション)は、「欧米では顕微授精によって生まれた子どもには、自然に妊娠して誕生した子どもに比べて、先天性異常の発症率が高い傾向があることが多数報告されている」と言う。
▽「精子の質」を判断できないクリニックがある
・詳しくは『本当は怖い不妊治療』にも書いたが、日本の場合、不妊クリニックによっても異なるが、体外受精や顕微授精の生殖補助医療の費用は、1回につき約20万〜100万円かかる。国際的に見れば、もっと高額の国もあるし、逆に国側が全額を支給する場合もあるが、費用の面から見ると、誰でも受けられるものではない。しかし、筆者が取材した20~50代の夫婦のなかには、9つの専門クリニックを回り、トータルで5000万円もかけて治療をしたが、それでも子どもを授かることができなかったというケースもあった。
・ある夫婦が語る。 「前に通っていた不妊クリニックで『精子は大丈夫です。運動率、数ともに完璧です。受精しない原因としては、加齢に伴う卵子と子宮の劣化、いわゆる“老化卵子”だから』と指摘され、顕微授精をしないと受精しませんよと言われました」(40代の夫婦)
・ちなみに「老化卵子」とは、加齢により卵子の質と量が低下することである。具体的にいえば、年齢とともに卵巣組織単位重量あたりの「原始卵包(将来成熟した卵子に成長する可能性を備えた未成熟な卵子をひとつ入れている袋)」の数が急速に減ることだ。筆者の取材では、不妊クリニックに行くと、女性側に問題があり、「卵子の老化」を原因にされることが非常に多い。
・しかし、黒田医師は「不妊の40〜50%は精子の“質”で決まります」と言う。先の40代の夫婦に関しても黒田医師が診断してみると、夫の精子は「先天性先体欠損の精子」であり、精子に問題があったことが判明した。全体の90%以上に「精子頭部空胞」も認められ、異常な頭部構造を持っている精子だったのだ。言葉にすると少々専門的で難しいが、「先体欠損」とは卵子に入り込もうとする精子の先体が欠損しているということだ。 つまり、前に通院していた不妊クリニックで「精子の運動率と数と共に完璧」と言われたとおり、見た目の精子は数や運動率はいいのだが、不妊に40~50%も影響を与える精子の質までは診断できていなかったことになる。
・この事例のように、見た目では精子は正常であり、卵子のほうに問題があると言われるケースは多い。そして不妊の真の原因が解明されないまま、何度も顕微授精が繰り返され、結果、妊娠に至らない。これが、日本の不妊治療による出産率が低くなる1つの要因ではないだろうか。
・不妊治療はブーム的に急速に広まっており、2008年時点の日本産科婦人科学会のデータによると、不妊治療患者は約120万組いるとされているが、現在ではさらに増加し、驚くべき数字になっていると思われる。 心身にも金銭的にも負担の大きい不妊治療。「みんなやっているから」「一刻でも早く」と突き進む前に、もっと現実を調べるのがよいのではないだろうか。
http://toyokeizai.net/articles/-/168431

次に、同じ草薙氏が9月11日付け東洋経済オンラインに寄稿した「日本人は「不妊治療のリスク」を知らなすぎる 不妊治療の成功率は「世界で最下位」」を紹介しよう(▽は小見出し)。
・日本は不妊治療を受けている患者数が世界第1位にもかかわらず、その治療による出産率が世界最下位――。そう知っている人はいったいどれだけいるだろうか。
・日本における不妊治療、生殖補助医療は始まってからまだ歴史が浅く、進んでいるとはいえない面がある。記事「成功率低すぎ!日本の不妊治療の残念な実態」と「日本の不妊治療の現場に関する『2つの不安』」でも取り上げてきたが、サイエンスの視点からいえば、生殖補助医療と先天異常には「因果関係がない、安全である」と言い切ることは、極めて困難である。逆に「因果関係が否定できないから、安全とは言い切れない」ということを証明するほうが簡単なことなのである。
・不妊治療に関するシリーズ最終回の今回。実際にいくつかのクリニックで不妊治療を受けた人の声を挙げながら、日本の生殖補助医療が抱える問題点について考えてみたい。
▽不安はつねに付きまとっていた
・「自分は20代でまだ若いし、当然、健常児が生まれると思っていました。不妊治療を受けたクリニックのドクターたちも『顕微授精は安全です。元気な子がたくさん生まれていますよ』と、リスクはまったくないとおっしゃっていました。でも、夫の精子が少なくて動きも悪いと言われていたので、どこかで『そんなに悪い精子を卵子に入れて、無理やり受精させても大丈夫なのだろうか?』という不安はつねに付きまとっていたんです」 そう語るのは30代半ばのAさん。その不安が現実になったのが、6年前のことだった。出産時、Aさんはつらい現実に直面する。生まれた子どもは誕生してすぐに、心臓の手術をしなくてはならなかったのだ。
・手術は無事成功し、健康になったと安心していたAさんにその後、医師からさらなる衝撃の説明があった。  「精神遅延を指摘されたのです。月日が流れ、子どもが成長していく過程で、ただ言葉の発育が遅いだけかと思っていたのですが、精神遅延が指摘され、発達障害とも診断されて、目の前が真っ暗になりました」  Aさんは、現在も子どもから目を離すことができないという。
・もし、不妊治療によって染色体異常児が生まれたとしても、医療過誤などのケースとは違い、直接的な関連性を実証するのは非常に難しい。筆者はある医師から、「因果関係が実証できないのだから、問題が起きても逃げればいい」と発言している医師もいると聞いて驚愕したこともある。 もちろん強い責任感と倫理観でもって生殖医療に取り組む医師や関係者はたくさんいるだろう。しかし筆者が取材する中では、全員がそうとは思えないような話を聞くことも少なくない。
・不妊治療のプロセスまで患者は見ることができないため、医療機関を信用するしかない。 採卵や採精をした段階から患者は卵子や精子の状態を確認できなくなる。実際、2009年香川県で他人の受精胚で妊娠するという取違えが起こり、中絶を余儀なくされるなど、あってはいけない医療ミスが起きている。生殖補助医療に関する法律が整備されていない日本では、何か起きた場合に責任の所在は明確にはなりにくく、 冒頭でも書いたように生殖補助医療と先天異常の因果関係も立証は容易ない。したがって、最終的には不妊治療を選択した当事者である夫婦や、それによって生まれた子どもに、その後の責任がのしかかってくる。
▽卵子の質だけでなく、精子側の質も
・次に紹介するのは40代のBさんのケース。 「不妊治療を始めたのは30代半ばでした。通っていた不妊治療クリニックでは『精子は完璧です』と説明される一方で、低受精率の原因として、『加齢に伴う卵子と子宮の劣化』を指摘されました。『老化卵子だから顕微授精をしないと受精しません』と言われ、顕微授精を10回、繰り返し行いました。まったく受精しないので、治療をすることに疲れました」  顕微授精を反復して行う過程で、まったく受精しないという結果に心身ともに疲れ、しだいに通院している不妊クリニックへの不信感が生まれたという。
・いったい彼女に何が起きていて、どうすべきだったのか。長年にわたり臨床精子学(ヒト精子の研究・臨床)をライフワークとしている産婦人科の黒田優佳子医師に訊いてみた。 「一般的な不妊治療クリニックで行われる精子の検査(具体的には精子数と運動率等の顕微鏡所見)で、精子の数、運動率とも良好であり、外見的には健康な精子に見えても、精子頭部の内部構造を解析してみると、精子DNAに損傷があったり、卵子との接着に関与する先体が欠損していたり、空胞が認められるなど、異常な頭部構造を持っている機能異常精子であることもあるのです。
・この患者ご夫婦の場合は、男性側の精子が『先天性先体欠損』であることが主たる不妊原因であったと考えられます。言い換えれば、極めて低い受精率の原因は、先天的に先体が欠損していることが関与している可能性もあるのです」(黒田医師)
・昨今、不妊というと、その原因は女性側、特に「卵子の質の低下(俗にいう、卵子の老化)」だと一方的に言われ、女性のみが心理的プレッシャーを感じるのが常だった。しかし、最近の研究では男性側の「精子の質の低下」も注目されるようになった。わかりやすく言えば、精子の機能異常率についても、生殖補助医療において重要であり、精子検査の必須項目として考えなくてはいけないことがわかってきた。
・そのため、夫は妻を安心させるためにも、卵子の質だけでなく、精子側の質も一緒に診断してもらうという必要があるのではないだろうか。 「その具体的な方策として、精子側技術(高品質な精子を選別する技術と、高品質精子であることを評価する技術)の高度化、ならびに授精技術の高度化により、できるかぎり顕微授精を回避し、一方、顕微授精をせざるをえない症例では、精子品質管理を徹底して、安全性の向上を図ることを提唱しています。医療行為には必ずリスクが伴うのですから、限りなく自然妊娠に近づけるように技術を開発して、人為的な医療技術の介入(医療行為)を極力減らす技術に徹するべきなのです」(黒田医師)
・前回記事でも少し取り上げたが、顕微授精実施には前提とすべきことがある。1つは、精子数や運動率よりも、得られた精子の質が良好であること、つまり精子の機能が正常であって、穿刺注入できるレベルの高品質な精子であることを確認できているということだ。もう1つは、生殖補助医療は、人工的な技術を加えるほど異常が起きやすく、なるべく自然に近い方法をとったほうが安全だということだ。
・一般的な不妊クリニックでは「問題があるわけではないから、顕微授精を実施しても構わない」という考えであるのに対し、最近では「生まれてくる子どもの安全が最優先。安全性が確認できたわけではないから、なるべく顕微授精を回避しよう」という新たな潮流も出てきている。
・「『精子の質の選別と評価』の技術開発に関しては、少し難しい表現になりますが、『性交で自然に膣内に射精された精液中の精子が、卵管内の卵子まで到達するまでの間に、精子の質の選別が自然に行われていることを再現すること』が重要です。そこでは精子の優劣を人為的につけているわけではありません。言い換えれば医療行為には必ずリスクが伴うため、限りなく自然妊娠に近づけるように技術開発し、人為的な医療行為を極力減らす技術に徹することによって、生殖補助医療、特に男性不妊治療の安全性の向上に貢献することを目指すことが大事なのです」(黒田医師)
・生殖補助医療の技術的な安全策として、卵管型の微小環境での体外受精である「人工卵管法」が開発された。それによって高品質な精子が選別できれば少ない精子数でも自然に受精させることが可能になり、顕微授精を回避できるようになった。顕微授精をしなくても受精させることができる安全な不妊治療を確立することが可能になったのだ。この方法によって、顕微授精を何回も試みても妊娠に成功しなかった夫婦が、受精、妊娠、出産に至っている。
▽生殖補助医療は「夢の治療」なのか
・不妊治療の真の目的は、生まれてくる赤ちゃんが健やかに育ち、元気な一生を送ること。不妊クリニックをいくつも回って、生殖医療技術を駆使した治療を受け、貯金を使い果たしたとしても、確実に成功するわけではない。赤ちゃんはあくまでも授かりものだ。それを踏まえたうえで、患者は納得がいく治療法を選択し、また、医療従事者は、患者に生殖補助医療のリスクについて説明する義務があるのではないだろうか。
・「夢の治療」と言われている生殖補助医療の取材を始めてみると、不妊治療はまだ発展途上にあるということがわかってきた。繰り返すが、日本は不妊治療を受けている患者数が世界第1位にもかかわらず、その治療による出産率が世界最低なのである。
・自由診療のため、ほかの国と比べても費用負担は高額で、関連する法律もなく、法制化の議論が止まったままでいまだに多くのことが議論されていない。その結果、医者と患者との間に齟齬が生じているのが現状で、さまざまな問題が積み残されたままだ。 医療の進化は日進月歩だと言われている。世界的にも体外受精は開始から40年弱、顕微授精は25年しか経っていない。社会や文化、価値観、宗教、信条などを十分に考慮したうえで議論を重ね、生まれくる子どもの幸せを考えた法律を、一日も早く制定してほしいと願う。
http://toyokeizai.net/articles/-/187886

第三に、9月12日付け日刊ゲンダイ「事故相次ぐ「無痛分娩」は何が問題か 麻酔専門家に聞いた」を紹介しよう(▽は小見出し)。
・麻酔で出産時の痛みを和らげる「無痛分娩」が改めて注目を集めている。「東京マザーズクリニック」(世田谷区)の柏木邦友医師(麻酔科指導医・標榜医)に話を聞いた。 今年に入り無痛分娩の事故が相次いで報告されたことから、日本産婦人科医会は調査を開始。8月末には厚労省の研究班が初会合を開き、無痛分娩が増加傾向にあり、2016年度は全体の6.1%だったことなどを報告。リスク評価や安全管理体制の構築に関する提言をまとめるとした。
・一連の流れから「無痛分娩=危険」と思うかもしれない。しかし、無痛分娩で死亡率が高まるとの調査結果はなく、無痛分娩を積極的に勧めていない医師も、無痛分娩自体は否定していない。 「無痛分娩は医療行為なので、ほかの医療行為と同様に、合併症や副作用の可能性はゼロではありません。しかし、ゼロに近づけるための対処策はいくつもあり、当クリニックでも無痛分娩の事故はゼロ。しかし、その対処策が不十分な医療機関が多く、それが問題なのです」
・無痛分娩は一般的に「硬膜外麻酔」で行われる。刺した針を通して管を硬膜外腔に入れ、管だけを残して針を抜き、管から麻酔薬を注入する方法だ。この時、管が間違った場所に刺さると死に至ることがある。  「そうならないように、少量の麻酔薬でテストを行い、管の位置を確認します。間違った場所であれば足のしびれや動かないなどの症状が出るので、異変を見逃さない。不適切な場所に刺さっている恐れがあれば、すぐに管を抜きます」
・15年に無痛分娩で出産し、その後意識を失い今年5月に亡くなった女性は、麻酔直後、足に力が入らなくなり異変を訴えていた。しかし医師は外来診察でその場にいなかったため、一気に状態が悪化。医師が異変に速やかに対応していたら、全く違う展開になっていたかもしれない。
▽無痛分娩にガイドラインはなし
・硬膜外麻酔は全身麻酔と違い、麻酔科医以外でも行える。だから麻酔科医を置いていない産科は珍しくないが、急変に対応するには麻酔科医がいることが理想だ。 「そうでないのなら、医師、看護師、助産師らが救急対応の資格を持ち、適切な処置を行えるようにすべき。ところが実際は、人員不足や、無痛分娩に対する認識不足などのさまざまな理由から、それらがおざなりになっているのです」  無痛分娩には、教科書のような存在であるガイドラインがない。だからこそ、徹底した安全対策が重要になる。
・無痛分娩の豊富な経験と適切な知識を持つ医療スタッフがいる医療機関であれば、無痛分娩はメリットが非常に多い。痛みがないため、脳内出血やくも膜下出血を招く妊婦の血圧上昇を避けられる。脳内出血、くも膜下出血は妊婦の死因の3位と4位。結果的に、出産による死亡のリスクを下げることができる。
・痛みは呼吸回数を減らすが、無痛分娩であれば、母子ともに安定した酸素を提供できる。また、1~2分を競うほど緊急に帝王切開へ移行しなければならない事態が起こった場合、硬膜外麻酔をすでにしているので、速やかに行える。
・もし、無痛分娩を考えるなら、医師や看護師などの医療スタッフの麻酔分娩に対する知識、そして、無痛分娩の件数などを確認すべき。麻酔科医の間では、「1人の医師につき硬膜外麻酔月10件が確かな技術を維持できる指標」という見方もある。ひとつの目安にしてもいいかもしれない。
https://www.nikkan-gendai.com/articles/view/life/213343/1

第一の記事で、 『60カ国で実施件数最高なのに、出産率は最低』、となっている要因については、明示的に書かれてないのは残念だ。 『体外受精や顕微授精の生殖補助医療の費用は、1回につき約20万〜100万円かかる・・・筆者が取材した20~50代の夫婦のなかには、9つの専門クリニックを回り、トータルで5000万円もかけて治療をしたが、それでも子どもを授かることができなかったというケースもあった』、ということから、類推すると、不妊クリニックにとっての「メシのタネ」として、不必要な治療が行われている可能性があるのではなかろうか。顕微授精は体外受精に比べ、受精する確率は高くなるのだろうが、リスクも高くなるのに、その説明が行われていないケースが多いのも問題だ。
第二の記事では、顕微授精に比べリスクの少ない、「人工卵管法」が開発されたというのは喜ばしいことだ。
『生まれくる子どもの幸せを考えた法律を、一日も早く制定してほしいと願う』、というのはその通りだ。
第三の記事で、 『無痛分娩は一般的に「硬膜外麻酔」で行われる』、ということは、麻酔としてはリスクが高いようだ。専門の麻酔医がいない場合には、 『医師、看護師、助産師らが救急対応の資格を持ち、適切な処置を行えるようにすべき。ところが実際は、人員不足や、無痛分娩に対する認識不足などのさまざまな理由から、それらがおざなりになっているのです』、ということは恐るべき怠慢だ。8月20日付けのブログでも、日本の無痛分娩の遅れを指摘したが、少子化対策にもなり得ることなので、早急な対策が望まれる。
タグ:ところが実際は、人員不足や、無痛分娩に対する認識不足などのさまざまな理由から、それらがおざなりになっているのです (その7)(成功率低すぎ!日本の不妊治療の残念な実態、日本人は「不妊治療のリスク」を知らなすぎる、事故相次ぐ「無痛分娩」は何が問題か) 草薙 厚子 無痛分娩が増加傾向 事故相次ぐ「無痛分娩」は何が問題か 麻酔専門家に聞いた 不妊クリニックへの不信感が生まれた 顕微授精を10回、繰り返し行いました 最終的には不妊治療を選択した当事者である夫婦や、それによって生まれた子どもに、その後の責任がのしかかってくる 医療問題 20~50代の夫婦のなかには、9つの専門クリニックを回り、トータルで5000万円もかけて治療をしたが、それでも子どもを授かることができなかったというケースもあった 不妊の40〜50%は精子の“質”で決まります ▽「精子の質」を判断できないクリニックがある 老化卵子 顕微授精に代表される不妊治療だが、その不妊治療による妊娠で生まれた子は、自然妊娠で生まれた子に比べ、自閉症スペクトラムになるリスクが2倍になる 米疾病対策センター 管・公表された大規模疫学調査による記事 日本の生殖補助医療の実施件数は60カ国中、第1位だったにもかかわらず、出産率は最下位の6.2%というショッキングな結果 「国際生殖補助医療監視委員会」が実施した調査 不妊治療が急速に広まっている 成功率低すぎ!日本の不妊治療の残念な実態 60カ国で実施件数最高なのに、出産率は最低 顕微授精 卵子に顕微鏡をのぞいて極細のガラス針で1匹の精子を人間の手で人為的に穿刺注入して、人工的に授精させてから子宮に戻す技術 不妊治療の8割 「体外受精」と「顕微授精」がある 東洋経済オンライン 生まれくる子どもの幸せを考えた法律を、一日も早く制定してほしいと願う 急変に対応するには麻酔科医がいることが理想 そうでないのなら、医師、看護師、助産師らが救急対応の資格を持ち、適切な処置を行えるようにすべき 日刊ゲンダイ 法制化の議論が止まったまま 不妊治療はまだ発展途上にあるということがわかってきた 「硬膜外麻酔」で行われる。刺した針を通して管を硬膜外腔に入れ、管だけを残して針を抜き、管から麻酔薬を注入する方法 無痛分娩にガイドラインはなし 生殖補助医療 人工卵管法」が開発 高品質な精子が選別できれば少ない精子数でも自然に受精させることが可能になり、顕微授精を回避できるようになった 最近の研究では男性側の「精子の質の低下」も注目されるようになった 生まれてくる子どもの安全が最優先。安全性が確認できたわけではないから、なるべく顕微授精を回避しよう」という新たな潮流も出てきている 医療行為には必ずリスクが伴うのですから、限りなく自然妊娠に近づけるように技術を開発して、人為的な医療技術の介入(医療行為)を極力減らす技術に徹するべきなのです 責任の所在は明確にはなりにくく はある医師から、「因果関係が実証できないのだから、問題が起きても逃げればいい」と発言している医師もいると聞いて驚愕 精神遅延を指摘 無理やり受精させても大丈夫なのだろうか?』という不安はつねに付きまとっていたんです 生まれた子どもは誕生してすぐに、心臓の手術 因果関係が否定できないから、安全とは言い切れない」ということを証明するほうが簡単なことなのである サイエンスの視点からいえば、生殖補助医療と先天異常には「因果関係がない、安全である」と言い切ることは、極めて困難 「日本人は「不妊治療のリスク」を知らなすぎる 不妊治療の成功率は「世界で最下位」 不妊治療はブーム的に急速に広まっており 卵子に入り込もうとする精子の先体が欠損 先体欠損 日本の不妊クリニックの多くのケースでは、不妊治療に関するリスクの説明はほとんどなされておらず、「顕微授精は安全・安心である」と患者に伝えていたのだ 欧米では顕微授精によって生まれた子どもには、自然に妊娠して誕生した子どもに比べて、先天性異常の発症率が高い傾向があることが多数報告されている
nice!(1)  コメント(0) 
共通テーマ:日記・雑感

nice! 1

コメント 0

コメントを書く

お名前:
URL:
コメント:
画像認証:
下の画像に表示されている文字を入力してください。

※ブログオーナーが承認したコメントのみ表示されます。