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半導体産業(その3)(バイデン「半導体サミット」の衝撃 日本は半導体の技術流出防止を強化せよ、ルネサス 「凄惨工場火災」でも増益宣言の必然 「1カ月生産停止」を吹き飛ばす半導体特需、韓国サムスン電子と台湾TSMCの「競争力格差」が広がるこれだけの理由) [産業動向]

半導体産業については、4月6日に取上げた。今日は、(その3)(バイデン「半導体サミット」の衝撃 日本は半導体の技術流出防止を強化せよ、ルネサス 「凄惨工場火災」でも増益宣言の必然 「1カ月生産停止」を吹き飛ばす半導体特需、韓国サムスン電子と台湾TSMCの「競争力格差」が広がるこれだけの理由)である。

先ずは、4月27日付けダイヤモンド・オンラインが掲載した法政大学大学院教授の真壁昭夫氏による「半「バイデン導体サミット」の衝撃、日本は半導体の技術流出防止を強化せよ」を紹介しよう。
・『バイデン政権による“半導体サミット”では、米国がより多くの半導体の確保を急いでいることが明らかになった。日本の半導体企業が競争力を発揮するために、政府は本腰を入れて当該分野の強化をすべきだ』、“半導体サミット”はどのようなものだったのだろう。
・『米バイデン政権が“半導体サミット”を開催 狙いは“Made in USA”の半導体生産能力の増強(4月12日、米バイデン政権が半導体など19社の企業幹部と意見交換する、いわゆる“半導体サミット”を行った。その一つの狙いは、ファウンドリー最大手の台湾積体電路製造(TSMC)などに対して、米国内での半導体生産能力を高めることで、海外企業・海外生産への依存度を引き下げることだ。 今回の“半導体サミット”の背景には、中国との対立の構図がある。共産党政権主導で中国は高い経済成長を実現し、軍事力を強化して国際世論への影響力を強めた。もし、中国が台湾を攻撃すれば米国の覇権は揺らぐ。そのリスクに対応するため、安全保障の面からも米国は“Made in USA”の半導体生産能力を増強する必要がある。 また、今回のサミットには、米国半導体産業への支援をより重視するバイデン政権の姿勢を示す狙いもあった。それは、バイデン大統領が、米国内の当該分野の企業に手厚い支援を行うと示したことからも明らかだ。現在、台湾は世界の半導体生産の64%を占め、韓国企業が17%を担っている。中国ファウンドリー産業も成長する中、米半導体企業の競争力がどうなるかは見通しづらい。 “半導体サミット”開催で明確になったことは、米国が米国産業を守るため、より多くの半導体の確保を急いでいることだ。それは、わが国の半導体関連企業が競争力を発揮するために、重要な追い風になる可能性がある。そうした企業の競争力向上に向けて、わが国政府は本腰を入れて当該分野の強化を目指すことが求められる』、「わが国の半導体関連企業が競争力を発揮するために、重要な追い風になる可能性がある」、「追い風」とは有り難いが、見逃さずに乗ってゆく必要がある。
・『経済と安全保障の両面で半導体不足に焦る米国  米国メディアの報道によると、12日のバイデン政権との会合に呼ばれた企業は次の19社とみられる。[1]ゼネラル・モーターズ、[2]フォード・モーター、[3]ステランティス、[4]カミンズ、[5]パッカー、[6]ピストン・グループ(以上、自動車関連)、[7]ノースロップ・グラマン(防衛)、[8]メドトロニック(医療機器)、[9]AT&T(情報通信)、[10]グーグル(ITプラットフォーマー)、[11]デル、[12] HP (以上、PCメーカー) 、[13]インテル、[14]TSMC(台)、[15]サムスン電子(韓)、[16]グローバルファウンドリーズ、[17]スカイウォーター・テクノロジー、[18]NXPセミコンダクターズ(蘭)、[19]マイクロンテクノロジー(以上、半導体メーカー)。 19社の顔触れを見ると、バイデン大統領が経済と安全保障の両面で、足元の半導体不足に危機感を強めていることが確認できる。その問題を解決するために、同氏は、米国内での半導体生産を増やしたい。半導体の需要者と供給者に分けて会合の内容を考察すると、自動車関連([1]から[6])、防衛([7])、医療([8])、ITサービスや機器([10]~[12])の企業が、インテルなどに増産を要請したというのが一般的な解釈だろう。ただ、事実はより複雑だ。自前での微細化に行き詰まったインテルが、一部のチップの生産をTSMCに委託するとの観測も出てきたからだ。 総合的に考えると、半導体サミットの狙いの一つは、米国政府が海外企業に“踏み絵”を迫ったことにある。バイデン政権は、TSMCとサムスン電子という世界の2大ファウンドリーに、米国企業の半導体需要を明示し、米国内に追加の工場を建設して需要に応えるよう求めた。特に、TSMCは、最新鋭のステルス戦闘機F35などに用いられる軍用チップを製造している。そのため、台湾海峡の緊迫感が高まる状況は、米軍の即応力に影響を与えるリスクファクターと化している』、「TSMC」が「軍用チップを製造している」のであれば、当然、米国内生産を求められるだろう。
・『注目される新興ファウンドリー 純粋な米国資本のスカイウォーター  もう一つのポイントは、米国政府が半導体産業の成長を積極的にサポートすることだ。それは、米国の新興ファウンドリーのスカイウォーターの参加から確認できる。わが国では認知度が低い同社だが、半導体業界では注目度が高まっている。その要因の一つとして、スカイウォーターは米国資本の企業である。米大手ファウンドリーのグローバルファウンドリーズには、中東資本が入っている。タワージャズはイスラエル系企業だ。安全保障面から純粋な米国資本のファウンドリーの重要性は高まっている。 また、そのビジネスモデルも注目される。スカイウォーターは、旧式の製造ラインを用いて、軍用・民生用のチップを製造する。TSMCなどとの差別化のために同社が重視するのが、顧客が欲する技術のアイデア創出段階から支援を行い、それを基にして顧客の求めるチップの設計・開発から受託製造までを行うことだ。端的に言えば、AIなどの先端技術を駆使した、カスタマイゼーションの強化とコスト低減だ。そのためにスカイウォーターはグーグルと連携してオープンソースでの半導体の設計・開発プロジェクトを進めている。 つまり、半導体マーケットは、TSMCが強力に推進する微細化=最先端の生産技術がすべてではない。最終製品のサイズが異なれば、使われるチップの大きさも違う。使途によっては、高電圧や高温多湿など、過酷な環境でも確実に作動しなければならない。バイデン政権は、半導体の微細化に関してはTSMCの力を自国側につなぎ止めつつインテルなどの生産体制を支援し、それ以外の分野では米国内の既存の生産設備と、最先端のIT技術を結び付けることによって、半導体の生産力引き上げを目指していると言える』、「半導体マーケットは、TSMCが強力に推進する微細化=最先端の生産技術がすべてではない。最終製品のサイズが異なれば、使われるチップの大きさも違う」、「新興ファウンドリー」にも存在価値があるようだ。
・『パワー半導体分野で世界シェア高い日本企業 政府は基礎研究と技術流出防止を強化せよ  一方、中国共産党政権は、半導体産業の育成に産業補助金や海外企業からの技術移転をさらに強化し、米国に対抗するだろう。中国企業によるAI開発、スマートフォン市場でのシェア獲得を踏まえると、その力は軽視できない。 IT先端分野を中心に、米中の対立は激化するだろう。半導体サミット後の日米首脳会談、アーミテージ元国務副長官の訪台は、そうした展開を見越した行動だ。それに加えて、米財務省は台湾を為替操作の疑いがあると指摘した。ただ、為替操作国の認定は見送った。米国が自国の利害を守るために是々非々の姿勢をとっている点は冷静に考えなければならない。 安全保障を米国に頼るわが国は、米国との関係を最優先しなければならない。その一方で、民間レベルでの中国企業との取引に関しては、わが国企業の生産技術が国内独自の要素を用いたものであることを米国に伝え、理解の獲得を目指さなければならない。 そのための一つの要素として、汎用型の半導体分野でわが国企業が競争力を維持していることは重要だ。パワー半導体分野では三菱電機、東芝、富士電機などが一定の世界シェアを持つ。画像処理センサ(CMOSイメージセンサ)ではソニーが世界トップの地位を維持している。 世界的な半導体不足は当面続くだろう。それは本邦企業が収益を獲得し、より効率的な生産体制の確立や基礎研究を強化する好機だ。その上でわが国の半導体が米中双方からより必要とされれば(口で言うほど容易なことではないが)、わが国は民間レベルでの対中取引の重要性を米国に伝え、相応の賛同を得ることは可能だろう。 米国は経済運営のゲームチェンジを進めている。わが国政府は企業の基礎研究などをサポートしつつ、海外に技術が流出しないよう体制を強化しなければならない。そうした取り組みが遅れると、中長期的な企業の競争力および経済の安定に大きな影響を及ぼしかねない』、「わが国政府は企業の基礎研究などをサポートしつつ、海外に技術が流出しないよう体制を強化しなければならない」、同感である。

次に、5月1日付け東洋経済オンライン「ルネサス、「凄惨工場火災」でも増益宣言の必然 「1カ月生産停止」を吹き飛ばす半導体特需」を紹介しよう。
https://toyokeizai.net/articles/-/426165
・『工場火災の凄惨な印象をはねのける、好スタートとなった。 半導体大手のルネサスエレクトロニクス(以下、ルネサス)は4月28日、3月の工場火災事故後初めてとなる決算を発表。2021年12月期の第1四半期(1~3月期)決算(国際会計基準)は、売上高が前年同期比14%増の2036億円、営業利益は同126%増の301億円だった。 ルネサスといえば、3月19日に主力の那珂工場(茨城県ひたちなか市)で大規模火災が発生したばかり。大型の直径300ミリのウェハーを加工する「N3棟」において、1階クリーンルーム内のメッキ工程に使う装置で過電流が発生して出火。23台の製造装置が焼損した』、「火災事故」の影響はまだ現れてないのだろうか。
・『火災影響あっても増収増益予想  火災直後は、製造途中の「仕掛かり品」を完成品まで加工して出荷を続けたが、仕掛かり品も底をついた4月半ばには、那珂工場からの出荷が完全にストップした。そのため、火災事故が1~3月期の業績に与える影響は軽微で、大きな押し下げ要因が作用するのは、4~6月期になる。 ところがルネサスは決算説明会で、4~6月期に関しても前年同期と比べて売上高、利益とも大きく伸びる計画を打ち出した(通年の業績予想は非開示)。 「凄惨な状況だった」(ルネサスの柴田英利社長)火災事故の影響をもろに受けるにもかかわらず、4~6月期も好業績が続くのはなぜなのか。 火災があった工場はルネサスにとって主力の生産ライン。ここで作る製品の月商は170億円程度と、ルネサス全体の売り上げの3割弱に当たる。) ルネサスによると、1カ月の生産停止と、その後の段階的な生産再開により、230億円分の売り上げ機会を損失した。代替生産などで補い、純粋な売り上げ影響額は170億円程度にとどまる一方、火災の被害を受けた在庫の処分や、工場の原状回復・補修費用などに伴い、年間の営業利益を240億円程度押し下げる。 こうした圧迫要因があっても、4~6月期の営業利益は250億円前後と、前年同期の172億円から大幅な増益になる見通しだ。 背景には、半導体の需給が世界的に逼迫していることがある。昨年は新型コロナ感染拡大により一時的に需要が落ち込んだものの、その後は急速に回復。特にテレワークが広く普及したことで、半導体を多く必要とするパソコンやディスプレー向けの需要が高まっている。 加えて、職場や自宅から同じ情報にアクセスできるようにデータベースのクラウド化も進み、データセンターの能力増強といった需要も根強い』、「火災事故の影響をもろに受ける」「4~6月期も好業績」、なのは、「半導体の需給が世界的に逼迫」したためのようだ。
・『「作ったそばから消費される」  ルネサスの売り上げの約半分を占める自動車の生産に必要な半導体も、急激に回復した需要に対し、供給が追いついていない。コロナによる経済の停滞が長引くと踏んだ自動車メーカーは、余分な在庫を抱えないようにするため、半導体メーカーに発注のキャンセルや繰り延べを行った。しかしその後、自動車販売は急回復し、一転して大量の半導体が必要になった。 そのため、自動車向けの半導体はルネサスの火災事故以前から深刻な不足に陥っていた。ドイツのフォルクスワーゲンは傘下の複数ブランドで1~3月の生産を減らしたほか、日産自動車やホンダなども年明けから生産調整を余儀なくされている。 そこに今回の火災が直撃、半導体不足に拍車をかける形となった。「在庫はボトム(底)の水準。今後は作ったそばから消費されていく」(柴田社長)状況で、2022年前半まではフル稼働に近い繁忙が継続すると見込む。) 2020年春は新型コロナウイルスが世界中に蔓延し始めた時期。各国で厳しいロックダウンが行われ、あらゆるものの需要が「どん底」の状態だった。たとえば2020年4月の国内の新車販売台数は、前年同月比28.6%減に急落(日本自動車販売協会連合会と全国軽自動車協会連合会調べ)、欧米ではさらに大きな落ち込みとなった。増収増益が続く背景には、昨年の4~6月期のハードルが低いという一面もある。 火災からの復旧が早かったことも重要なポイントだ。N3棟は火災から1カ月も経たない4月17日に生産を再開した。4月19日に開いた記者会見で柴田社長は、「国内だけでなく海外からも、通常では考えられない支援をいただいた」と話した』、「海外からも、通常では考えられない支援をいただいた」、とはどういうことなのだろう。
・『「奇跡的回復」の裏に多くの支援  自動車の生産に支障を来している状況が日本や世界の経済に与えるインパクトを鑑みて、多くの関係者が復旧に協力した。事情を斟酌した製造装置メーカーが、ルネサス向けの納入を優先する特別対応もあったようだ。 また、ほかの工場でも生産が可能な製品については、自社の西条工場(愛媛県西条市)や、台湾の受託製造大手TSMCに委託して代替生産するなどのリカバリー策もあった。 柴田社長自身も「奇跡的な回復」と評するほどの順調な立ち直りを見せ、決算発表の翌営業日・4月30日の同社の株価は3.2%高の1275円(終値)に上昇した。株式マーケットも、想定を上回る好調ぶりと受け止めているようだ。 このまま業績や株価が好調に推移すれば、ルネサスの筆頭株主で32.1%の株式を持つド・政府系ファンINCJのエグジット(投資回収)が進むことも考えられる。 フル稼働状態さなかの火災事故による生産停止に見舞われたルネサス。計画通りの好業績を維持できるかが、"完全復旧"への試金石となる』、「INCJのエグジット」が順調に進んでほしいものだ。

第三に、5月11日付けダイヤモンド・オンラインが掲載した法政大学大学院教授の真壁昭夫氏による「韓国サムスン電子と台湾TSMCの「競争力格差」が広がるこれだけの理由」を紹介しよう。
https://diamond.jp/articles/-/270418
・『半導体2大ファウンドリーである台湾積体電路製造(TSMC)と韓国サムスン電子の業績は堅調に推移している。ただ、中長期で考えると、最先端技術と生産能力の向上に取り組むTSMCとサムスン電子の競争力格差は広がる可能性がありそうだ』、興味深そうだ。
・『半導体争奪戦は3年続く 日本企業にとって正念場  世界的に半導体の不足が深刻だ。2018年春以降の米中対立や、5G投資の盛り上がりで需給がタイトになったことに加えて、想定外の日米の半導体工場の操業停止などにより、“半導体争奪戦”の様相を呈している。米インテルのパット・ゲルシンガーCEOが「需給ひっ迫の解消には2~3年かかるだろう」と述べるほど、事態は深刻だ。 そうした状況下、各国企業が台湾積体電路製造(TSMC)や韓国のサムスン電子などからの半導体確保を急ぎ、半導体の市場価格は上昇している。当面、世界の主要メーカーであるTSMCやサムスン電子などの業績は堅調に推移するだろう。ただ、やや長めの目線で考えると、最先端の半導体生産能力の向上に取り組むTSMCとサムスン電子の競争力格差は広がる可能性がありそうだ。 半導体争奪戦は、ある意味では、わが国の半導体部材メーカーなどにとって追い風になる可能性がある。わが国企業るかは半導体の製造装置や主要部材のサプライヤーとして、世界的にしっかりしたポジションを持っているからだ。 重要なポイントは、今後、その地位をさらに高め、収益性を確保できる事業展開を目指すことだ。そのためには企業の取り組みだけでなく、政府が積極的に規制改革や企業の研究開発支援を推進することを考えるべきだ。それができないと、有力なビジネスチャンスを逃すだけではなく、中長期的なわが国経済の成長を実現することは難しくなる。ある意味では、わが国にとって正念場が来ているといえるだろう』、「半導体争奪戦は、ある意味では、わが国の半導体部材メーカーなどにとって追い風になる可能性がある。わが国企業るかは半導体の製造装置や主要部材のサプライヤーとして、世界的にしっかりしたポジションを持っているからだ」、「有力なビジネスチャンス」を活かしてもらいたいものだ。
・『TSMCは生産技術の確立に集中 EUV露光装置も多数調達  世界最大のファウンドリーであるTSMCは、米中をはじめ世界各国にとって必要不可欠の半導体供給者の地位をより強固なものにしつつある。同社の強みは、他社が設計・開発を行った半導体の生産に特化していることだ。それによって、アップルやNVIDIAなどの米国企業は設備投資を負担することなく、半導体の機能の向上に注力できる。TSMCは顧客の要求を満たす生産技術の確立に集中できる。 逆に言えば、TSMCが競合他社を上回る設備投資を実行し、成長を実現したのは、取り組むべき内容が明確だからだ。その象徴として、TSMCは半導体の回路線幅を小さくする「微細化」への取り組みを強化している。現時点で最先端の5ナノメートルの回路線幅の半導体に関して、TSMCは安定生産を実現した唯一の企業だ。 その背景には、TSMCが5ナノメートルの半導体生産に不可欠なEUV(極端紫外線)露光装置を、蘭ASMLから数多く調達できたことがある。現在EUV露光装置を生産できるのはASMLのみだ。 それに加えて、わが国企業が強みを持つ高純度のフォトレジストやシリコンウエハーなどの調達に関しても、TSMCは本邦メーカーとの関係を強化してきた。強固なサプライチェーン・マネジメントを基礎にTSMCは微細化への取り組みを進め、より多くの生産ニーズを取り込んでいる。同社が次世代の2ナノメートルの半導体生産ラインの確立を目指しているのは、アップルやNVIDIAがその生産力を頼っているからだ。 見方を変えれば、世界各国の企業にとって、どれだけのTSMCの生産ラインを確保できるかが、競争力を左右する。米アリゾナ州においてTSMCが追加の工場建設を計画しているのは、米国にとって同社の生産技術が“覇権の維持”に不可欠だからだ』、「最先端の5ナノメートルの回路線幅の半導体に関して、TSMCは安定生産を実現した唯一の企業だ。 その背景には、TSMCが5ナノメートルの半導体生産に不可欠なEUV(極端紫外線)露光装置を、蘭ASMLから数多く調達できたことがある」、「わが国企業が強みを持つ高純度のフォトレジストやシリコンウエハーなどの調達に関しても、TSMCは本邦メーカーとの関係を強化」、「世界各国の企業にとって、どれだけのTSMCの生産ラインを確保できるかが、競争力を左右する」、ここまでくると、主客逆転だ。
・『スピード感で劣るサムスン電子 国際世論における韓国の立場も逆風  TSMCに次ぐ世界第2位のファウンドリーである韓国のサムスン電子の業績は、足元では良好だ。テキサス州での寒波による工場の操業停止という想定外の影響はあったが、短期的に同社の業績は堅調に推移するだろう。なぜなら、当面、世界的な半導体不足は続く可能性があるからだ。 しかし、サムスン電子の競争力は、中長期的には不透明だ。その背景には、いくつかの要因がある。 まず、同社はファンドリー特化の企業ではない。サムスン電子には家電、スマートフォン、垂直統合型の半導体メモリ事業があり、それに加えて、ファンドリー事業の強化に取り組まなければならない。それゆえ事業運営のスピード感と技術向上の両面で、同社がTSMCを上回ることは難しい。米クアルコムは昨年、サムスン電子に発注した5ナノメートルのチップ生産をTSMCに振り替えたとみられている。それは、最先端分野での技術力の差が大きかったからだろう。 次に、国際世論における韓国の立場は、サムスン電子の事業運営に逆風だ。文在寅(ムン・ジェイン)大統領は、安全保障面を米国に頼っているにもかかわらず、経済面での中国重視姿勢を強め、北朝鮮との融和を重視してきた。 その状況下、主要先進国の企業は、安全保障にかかわる最先端の半導体製造装置や関連資材の対韓輸出に細心の注意を払わなければならない。昨年10月にサムスン電子の李在鎔(イ・ジェヨン)副会長がASMLを訪問しEUV露光装置の確保を目指したのは、技術面に加えて、世界経済における韓国の立場が不安定化していることへの危機感の裏返しだった。 ASMLは技術面で優位性があり、さらなる成長が見込めるTSMCとの取引を重視しているように見える。中国への技術流出を恐れる米国がTSMCを重視していることも大きい。朴槿恵前大統領への贈賄罪などに問われた、経営トップの李副会長の収監も加わり、半導体メーカーとしてのサムスン電子とTSMCとの差は拡大するだろう』、「サムスン電子」にとっては、「文在寅」政権の「中国重視姿勢」「北朝鮮との融和を重視」が逆風になっているようだ。
・『中韓の素材企業が価格競争力で攻勢 日本に必要な「規制改革」の真価  TSMCもサムスン電子も、わが国企業が生産する微細な半導体部材や製造装置を必要としている。最先端の半導体生産を中心に米中対立の先鋭化が見込まれる展開は、わが国企業にとって 「最後のチャンス」と考えるべきだ。 重要なことは、かつての本邦半導体産業の競争力が、半導体部材や機械メーカーの比較優位性のベースになっていることだ。1980年代後半から90年頃まで、わが国の総合電機メーカーは世界の半導体市場で50%程度のシェアがあった。半導体メーカーの要求を満たすために各企業が素材や機械関連の技術を磨き、今日がある。 かつて世界の半導体市場で存在感を発揮した日立製作所は現在、選択と集中を進めて、社会インフラとソフトウエアの結合による成長を追求している。東芝は事業体制の立て直しのために、メモリ半導体事業を売却した。 ソニーのCMOSイメージセンサや三菱電機が生産するパワー半導体など、ニッチな半導体分野で競争力を発揮する企業はあるものの、日本企業が最先端のロジック、メモリの半導体分野で存在感を発揮することは困難だ。 他方で、中国や韓国では素材メーカーなどが価格競争力をつけている。このように考えると、世界各国の企業がTSMCの半導体生産ラインを争奪し、TSMCがわが国の微細かつ精緻なモノづくりの力を必要としている状況は、わが国企業が成長できる「最後のチャンス」だ。 米国は中国の台頭を抑えるために半導体産業への支援を強化し始めた。わが国企業がチャンスをつかむために、政策の重要性はかつてないほど高まっている。わが国政府は、最先端分野での研究開発の強化などを、より積極的に支援しなければならない。その意味において菅政権が掲げた「規制改革」の真価が問われている』、「わが国企業が成長できる「最後のチャンス」」を大いに活かしてもらいたいものだ。
タグ:東洋経済オンライン ダイヤモンド・オンライン 真壁昭夫 半導体産業 (その3)(バイデン「半導体サミット」の衝撃 日本は半導体の技術流出防止を強化せよ、ルネサス 「凄惨工場火災」でも増益宣言の必然 「1カ月生産停止」を吹き飛ばす半導体特需、韓国サムスン電子と台湾TSMCの「競争力格差」が広がるこれだけの理由) 「半「バイデン導体サミット」の衝撃、日本は半導体の技術流出防止を強化せよ」 バイデン政権による“半導体サミット 「わが国の半導体関連企業が競争力を発揮するために、重要な追い風になる可能性がある」、「追い風」とは有り難い 「追い風」とは有り難いが、見逃さずに乗ってゆく必要がある。 「TSMC」が「軍用チップを製造している」のであれば、当然、米国内生産を求められるだろう。 「半導体マーケットは、TSMCが強力に推進する微細化=最先端の生産技術がすべてではない。最終製品のサイズが異なれば、使われるチップの大きさも違う」、「新興ファウンドリー」にも存在価値があるようだ。 「わが国政府は企業の基礎研究などをサポートしつつ、海外に技術が流出しないよう体制を強化しなければならない」、同感である。 「ルネサス、「凄惨工場火災」でも増益宣言の必然 「1カ月生産停止」を吹き飛ばす半導体特需」 「火災事故」の影響はまだ現れてないのだろうか 「火災事故の影響をもろに受ける」「4~6月期も好業績」、なのは、「半導体の需給が世界的に逼迫」したためのようだ。 「海外からも、通常では考えられない支援をいただいた」、とはどういうことなのだろう。 「INCJのエグジット」が順調に進んでほしいものだ。 「韓国サムスン電子と台湾TSMCの「競争力格差」が広がるこれだけの理由」 半導体争奪戦は3年続く 「半導体争奪戦は、ある意味では、わが国の半導体部材メーカーなどにとって追い風になる可能性がある。わが国企業るかは半導体の製造装置や主要部材のサプライヤーとして、世界的にしっかりしたポジションを持っているからだ」、「有力なビジネスチャンス」を活かしてもらいたいものだ。 「最先端の5ナノメートルの回路線幅の半導体に関して、TSMCは安定生産を実現した唯一の企業だ。 その背景には、TSMCが5ナノメートルの半導体生産に不可欠なEUV(極端紫外線)露光装置を、蘭ASMLから数多く調達できたことがある」、「わが国企業が強みを持つ高純度のフォトレジストやシリコンウエハーなどの調達に関しても、TSMCは本邦メーカーとの関係を強化」、「世界各国の企業にとって、どれだけのTSMCの生産ラインを確保できるかが、競争力を左右する」、ここまでくると、主客逆転だ。 「サムスン電子」にとっては、「文在寅」政権の「中国重視姿勢」「北朝鮮との融和を重視」が逆風になっているようだ。 「わが国企業が成長できる「最後のチャンス」」を大いに活かしてもらいたいものだ。
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