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中国経済(その19)(「中国政府が救う神話」崩壊の衝撃!中国“影の銀行”が債務超過5兆円で破綻…波紋は?、中国「5%成長達成」の裏で習近平が金融界に戒厳令 空振りの「GDPフライング発表」に映る切実、IMFが指摘する中国経済衰退の「深刻な現実」…習近平体制が立たされている「ヤバい岐路」) [世界経済]

中国経済については、昨年8月31日に取上げた。今日は、(その19)(「中国政府が救う神話」崩壊の衝撃!中国“影の銀行”が債務超過5兆円で破綻…波紋は?、中国「5%成長達成」の裏で習近平が金融界に戒厳令 空振りの「GDPフライング発表」に映る切実、IMFが指摘する中国経済衰退の「深刻な現実」…習近平体制が立たされている「ヤバい岐路」)である。

先ずは、本年1月16日付け東洋経済オンラインが掲載した多摩大学特別招聘教授の真壁昭夫氏による「「中国政府が救う神話」崩壊の衝撃!中国“影の銀行”が債務超過5兆円で破綻…波紋は?」を紹介しよう。
https://diamond.jp/articles/-/337271
・『能登半島地震の発生とその報道で日本国内が動揺する一方、中国では史上最大級の破綻劇が起きていた。1月5日、中国のシャドーバンク(影の銀行)大手、中植企業集団が破産したのだ。ピーク時の運用資産が20兆円を超えた巨大企業は、不動産バブルの崩壊にのまれ、急激に経営が悪化。これまで“政府保証”を信じてきた国民心理や中国の株式市場は、不安定さを増している』、興味深そうだ。
・『中国国民が信じてきた“政府保証”が崩壊か  1月5日、中国のシャドーバンク(影の銀行)大手、中植企業集団(中植)が北京市第一中級人民法院に破産清算を申請し受理された。中国で史上最大級、債務超過は5兆円規模とみられる今回の破産は、経済に大きな負の影響をもたらすと考えられる。8日以降、投資家の中国株売却は増加したとみられ、株価は不安定な展開になっている。 中植の破産をきっかけに、人々が信じていた“暗黙の政府保証”は崩れ始めたとの見方もある。これまで中国では、主要な企業の債務不履行(デフォルト)などが起きても、「政府が救済に動くから投資家に損失は及ばない」との一種の思い込みがあった。2023年8月に中植集団の債務超過が表面化しても大きな混乱にはならなかったのは、そのためだ。 しかし、中国政府は、投資家の保護や金融システムの健全化などを強化しなかった。その結果、中植は破産に追い込まれた。政府の経済政策、金融行政に対する国民の不安は高まり、景気の本格的な回復には相当の時間が必要との懸念が、一段と上昇した。 今後、中国では、「信託商品」(不動産向けローンなどを投資信託に仕立てた金融商品)と呼ばれる、高利回りの投資商品を売却する投資家が増加するだろう。バブル膨張期と反対に、「売るから下がる、下がるから売る」という負の連鎖が加速する可能性があり、投資に依存してきた中国経済は一段と厳しくなるはずだ』、「中国政府は、投資家の保護や金融システムの健全化などを強化しなかった。その結果、中植は破産に追い込まれた。政府の経済政策、金融行政に対する国民の不安は高まり、景気の本格的な回復には相当の時間が必要との懸念が、一段と上昇した。 今後、中国では、「信託商品」(不動産向けローンなどを投資信託に仕立てた金融商品)と呼ばれる、高利回りの投資商品を売却する投資家が増加するだろう。バブル膨張期と反対に、「売るから下がる、下がるから売る」という負の連鎖が加速する可能性があり、投資に依存してきた中国経済は一段と厳しくなるはずだ」、なるほど。
・『シャドーバンク大手・中植はなぜ破産したのか  シャドーバンク大手である中植の破産は、中国の不動産バブル崩壊が、金融部門の一部であるシャドーバンキングセクターに波及していることを示している。 リーマンショック後の中国経済では、マンション建設など不動産投資が大幅に増えた。政府が、不動産投資によって景気を下支えし、経済の成長率を引き上げようと狙ったのだ。地方政府は、碧桂園(カントリーガーデン)など大手デベロッパーに土地を売却し、デベロッパーは、シャドーバンクなどの金融機関から資金を調達し、マンション建設を急速に増やした。国民の投機熱の高まりもあり、マンション価格は上昇し続け、不動産バブルは膨張した。 それと同時に、富裕層から一般の個人投資家に至るまで、中植グループなどが設定する信託商品への需要も急増した。ピーク時、信託商品への資金流入が増加したことで、中植の運用資産規模は約20兆円に膨れ上がった。群集心理が膨張する中、中植は、不動産市況の上昇でビジネスを拡大できると“コントロール・イリュージョン”(自分たちがマーケットを支配しているという過度な全能感)を強めた。 20年8月、中国政府が財務指針「3つのレッドライン」を実施すると、デベロッパーの資金繰りは悪化し、不動産バブルは崩壊に向かった。中植傘下の中融国際信託は、不動産関連の債券の価格が“割安”と判断し、経営が悪化した不動産企業への貸し付けを増やした。中融国際は、急速に経営状態が悪化した中国恒大集団(エバーグランデ・グループ)などからも資産を買い取った。 しかし、中植の予想に反して中国の不動産市況は悪化した。中植の不良債権は急増し、資金繰りは急速に悪化。グループ企業が設定・運用した信託商品のデフォルトも発生し、23年8月、一部顧客は返金を求める抗議活動を起こした』、「ピーク時、信託商品への資金流入が増加したことで、中植の運用資産規模は約20兆円に膨れ上がった。群集心理が膨張する中、中植は、不動産市況の上昇でビジネスを拡大できると“コントロール・イリュージョン”(自分たちがマーケットを支配しているという過度な全能感)を強めた・・・中植傘下の中融国際信託は、不動産関連の債券の価格が“割安”と判断し、経営が悪化した不動産企業への貸し付けを増やした。中融国際は、急速に経営状態が悪化した中国恒大集団(エバーグランデ・グループ)などからも資産を買い取った。 しかし、中植の予想に反して中国の不動産市況は悪化した。中植の不良債権は急増し、資金繰りは急速に悪化。グループ企業が設定・運用した信託商品のデフォルトも発生し、23年8月、一部顧客は返金を求める抗議活動を起こした」、なるほど。
・『大手生命保険会社とシャドーバンクの関係  中植の破産によって、信託商品などに“暗黙の政府保証”が付いているという思い込みは低下したはずだ。 中国の金融業界では、4大国有銀行など大手行は、相対的に信用力が高い国有・国営企業への融資を優先する傾向が強い。一方、信用力が低い中小企業、民間企業、地方政府傘下の融資平台などに貸し出しを行ってきたのがシャドーバンクだ。 シャドーバンキングとは一般的に、通常の銀行融資を受けられない相手に、高金利で貸し付けたり、投資したりする手法をいう。資金源は、銀行が販売する金融商品であり、商品の多くが短期間で償還を迎える。 中国ではシャドーバンクの重要性が高まるにつれ、信託商品などの元利金支払いが遅れると、「政府が支払いを保証するはずだ」との希望的観測が増えた。リーマンショック後はさらに、暗黙の政府保証への期待が高まった。 その典型例が、中国の大手生命保険会社だ。18年以前は、信託商品のリスクの高さ、投資先企業の事業内容の不透明さなどを理由に、シャドーバンクに資金を貸し付ける生命保険会社は少なかったといわれる。ところが、18年頃から徐々に大手生保はシャドーバンクへの投資を増やした。信託商品などのデフォルト懸念が高まれば、政府が救済に動くという思い込みがあったのかもしれない。 しかし、中植の破産によって、暗黙の政府保証はあくまでも思い込みにすぎなかったことが明確になった。北京の裁判所は、「中植は“明らかに”返済能力を欠いた」と厳しく指摘している。 23年11月の時点で、中国の不動産やシャドーバンクの専門家の間では、中植の不良債権問題に起因する投資家の損失額がおよそ560億ドル(8兆1200億円)に達するとの見方があった。 一方、中国政府も無策だったわけではない。23年11月、国家金融監督管理総局(NFRA)は信託会社などへの監督を厳格化した。 ただ、中国政府は、資金繰りが悪化したシャドーバンク企業に公的資金を注入し、投資家を守るところまでは踏み込まなかった。中植の顧客の多くが富裕層であったため、同社の破産は金融システムに深刻な影響を与えないと判断したのかもしれない。 中植は、返済能力を欠いたまま放置された。破産をきっかけに、暗黙の政府保証への懸念は高まった。政府の対応の遅さを改めて認識する主要投資家は増えている』、「国家金融監督管理総局(NFRA)は信託会社などへの監督を厳格化した。 ただ、中国政府は、資金繰りが悪化したシャドーバンク企業に公的資金を注入し、投資家を守るところまでは踏み込まなかった。中植の顧客の多くが富裕層であったため、同社の破産は金融システムに深刻な影響を与えないと判断したのかもしれない。 中植は、返済能力を欠いたまま放置された。破産をきっかけに、暗黙の政府保証への懸念は高まった。政府の対応の遅さを改めて認識する主要投資家は増えている」、なるほど。
・『深刻化する中国の景気低迷への懸念  現在、中国の不動産市況が下げ止まる兆しは見られない。今後、中植の破産によって信託商品の返金を求める投資家は増え、信託会社などは資産売却を急ぐことになるだろう。不動産分野から流出する資金は増え、実体経済の下振れ懸念も高まる。株価の下落リスクは上昇し、海外への資金流出も勢いづくと予想される。 マンション建設の停滞感は中国全土でいっそう深刻化するはずだ。土地の需要は追加的に低下し、地方政府の主要財源である土地譲渡益も減少する。経済成長率の低下によって税収に下押し圧力がかかり、財政破綻リスクが上昇する地方政府も増えるだろう。 中国の景気対策は地方政府が担うことが多い。財政悪化によって、中国がインフラ投資を積み増して景気対策を講じることは難しくなる。基礎資材や建設機械などの需要も減少し、生産活動や設備投資を抑制する企業は増えるだろう。 それに伴い、若年層を中心に雇用・所得環境の悪化も加速すると予想される。消費者心理の悪化も避けられない。中国ではマンションが完成する前に購入契約を締結し、ローンの返済を始めることが多い(予約販売)。購入したのに遅々として完成しない状況が続けば、返済を拒否する個人は増える。債務返済を急ぎ支出を減らす家計や企業も増え、デフレ圧力は追加的に高まる恐れが高い。 中国経済が負の連鎖から本格的に脱却することは当面、難しいだろう。中央銀行による資金供給などを支えに、中国の23年の新規融資は前年比6.8%増の22兆7500億元(約464兆円)だった。増加した融資の多くは、国有・国営企業などの目先の資金繰り確保などに回ったようだ。 例えば鉄鋼業界では生産能力の過剰が明らかであり、そうした中で融資を積み増すことは経済運営の効率性を高めるよりも、むしろ将来の不良債権予備軍になる恐れが高い。シャドーバンク大手である中植の破産により、投資に依存した中国経済のメカニズムの“逆回転”が加速したと考えられる』、「中国ではマンションが完成する前に購入契約を締結し、ローンの返済を始めることが多い(予約販売)。購入したのに遅々として完成しない状況が続けば、返済を拒否する個人は増える。債務返済を急ぎ支出を減らす家計や企業も増え、デフレ圧力は追加的に高まる恐れが高い。 中国経済が負の連鎖から本格的に脱却することは当面、難しいだろう・・・中国の23年の新規融資は前年比6.8%増の22兆7500億元(約464兆円)だった。増加した融資の多くは、国有・国営企業などの目先の資金繰り確保などに回ったようだ。 例えば鉄鋼業界では生産能力の過剰が明らかであり、そうした中で融資を積み増すことは経済運営の効率性を高めるよりも、むしろ将来の不良債権予備軍になる恐れが高い。シャドーバンク大手である中植の破産により、投資に依存した中国経済のメカニズムの“逆回転”が加速したと考えられる」、大変厳しい事態だ。

次に、1月18日付け東洋経済オンライン「中国「5%成長達成」の裏で習近平が金融界に戒厳令 空振りの「GDPフライング発表」に映る切実」を紹介しよう。
・『不動産不況の長期化やデフレ傾向が懸念された2023年の中国経済。その総仕上げとなるGDP(国内総生産)統計が1月17日の午前11時(日本時間)に公表された。最大の注目点が、実質成長率が「前年比5%前後」という政府目標を超えるかどうかだった。2024年に政府が景気対策にどれだけ踏み込むかの判断材料になるからだ』、「最大の注目点が、実質成長率が「前年比5%前後」という政府目標を超えるかどうかだった」、結果はどうだったのだろう。
・『発表前日に統計データをポロリ  ところが、発表前日に思わぬ「フライング」があった。スイスのダボス会議で、李強首相が「中国経済は全般的に回復・改善し、2023年の成長率は5.2%前後になる」とあっさり明かしてしまったのだ。 統計数字の事前流出が望ましくないのは中国でも同じだ。2011年には、国家統計局の官僚が発表前の統計データを漏洩した疑いで取り調べを受けたことが報じられている。「目標は達成できる見通し」とほのめかす程度ならともかく、国家指導者が数字そのものを事前に明かすのは異例だ。 それだけ「超過達成」をアピールしたかったのだと思われる。李首相は大規模な景気刺激策に頼ることなく目標を達成したことを強調し、中国経済は「着実な進歩」を遂げているとした。今後の方向性については「高質量(質の高い)」成長を目指すという。「高質量」は習近平国家主席が最近強調している経済政策のキーワードだ。) 李首相は、ダボス会議に集まった世界の経営者に向かって対外開放政策の継続を約束した。そのうえで、「過去5年間、対中直接投資の収益率は約9%だった。これは国際的にも比較的高い水準にある。中国市場を選択することはリスクではなく、チャンスだ」と強調してみせた。 理由としては、中国の市場の潜在力の高さがあるという。李首相は「中国の中所得層は現在4億人であり、今後10年程度でその数は2倍の8億人になる」「中国の都市化率はまだ先進国の平均より10ポイント以上低い。また、3億人近い農民工が市民権を得るプロセスを加速させており、住宅、教育、医療などに大きな需要をもたらす」などと好材料を列挙してみせた。 中所得層の拡大も都市化率の向上も、中国政府の「営業トーク」の定番だ。いま中国は海外からの投資を切実に求めている。中国の対内直接投資は2023年7~9月期に統計開始以来初めてマイナスを記録した。李首相としては、成長率の「目標達成」を手がかりに中国経済への期待値を上げたいという思惑があったのだろう。 2023年12月中旬に行われた中央経済工作会議では、2024年の方針の一つとして「経済宣伝、世論の誘導を強化し、『中国経済光明論(中国経済の先行き楽観論)』を高らかに謳う」ことが打ち出された。習主席の側近中の側近として知られる李首相は、統計のフライング発表というかたちで世界に向かって「光明」を謳い上げた。 そのメッセージがダボスに集った経営者にどれだけ響いたかはわからないが、株式市場は冷淡だった。中国の代表的な株式指数である上海総合指数は17日の終値で2833.6ポイントと、前日より2%あまり下落した。 GDP統計と同時に公表された2023年1〜12月の不動産開発投資は前年同期比9.6%減となり、1〜11月から下落幅が広がった。成長率の超過達成くらいでは、不動産不況をめぐる投資家の不安はぬぐえない。IMFは2024年の中国経済の成長率を4.2%と予想しており、2025年以降も成長率の低下を見込んでいる』、「李首相は、統計のフライング発表というかたちで世界に向かって「光明」を謳い上げた。 そのメッセージがダボスに集った経営者にどれだけ響いたかはわからないが、株式市場は冷淡だった。中国の代表的な株式指数である上海総合指数は17日の終値で2833.6ポイントと、前日より2%あまり下落した。 GDP統計と同時に公表された2023年1〜12月の不動産開発投資は前年同期比9.6%減となり、1〜11月から下落幅が広がった。成長率の超過達成くらいでは、不動産不況をめぐる投資家の不安はぬぐえない。IMFは2024年の中国経済の成長率を4.2%と予想しており、2025年以降も成長率の低下を見込んでいる」、なるほど。
・『習近平主席が異例の会議を招集  李首相が対外的な広告塔としての役割を果たしていたのとまさに同じ日。習主席の姿は北京の中央党校にあった。共産党の幹部候補を育成するための学校で、習主席も国家副主席時代には校長を兼務していた。 「金融の高質量な発展を推進するための勉強会」と銘打たれたセミナーの開催はGDP関連報道の陰で目立たなかった。だが、集まった顔ぶれは内外の中国金融ウオッチャーを驚かせた。閣僚・省指導者レベル以上の共産党幹部が勢ぞろいする、異例の規模だったからだ。) ひな壇には習主席のほか、共産党最高指導部である常務委員会メンバーが外遊中の李首相をのぞいて全員集合した。金融のような専門性の高い分野で、これほどの動員がかかることは珍しい。 その開幕式で習主席は「中国の金融には国情に適した特色があるべきで、西側の金融モデルとは根本的に異なる」「金融リスク、特にシステミック・リスクの予防と解決に努めるべきだ。金融監督には長い牙とトゲが必要だ」と演説した。尖った言葉づかいから、習主席の危機感の強さが伝わってくる』、「「金融の高質量な発展を推進するための勉強会」と銘打たれたセミナーの開催は・・・だが、集まった顔ぶれは内外の中国金融ウオッチャーを驚かせた。閣僚・省指導者レベル以上の共産党幹部が勢ぞろいする、異例の規模だったからだ・・・「金融リスク、特にシステミック・リスクの予防と解決に努めるべきだ。金融監督には長い牙とトゲが必要だ」と演説した」、なるほど。
・『1100兆円の隠れ債務が大問題  中国経済の矛盾は金融に集約されている。地方政府は不動産(土地使用権)の売却収入で財政をやりくりし、景気対策のためのインフラ投資の原資にもあててきた。その結果、地方政府の資金調達機関である「融資平台」の債務は増加の一途だ。 中国では地方政府の「隠れ債務」といわれるが、その規模はIMF(国際通貨基金)の推計では2022年の時点で57兆元(約1100兆円)に及ぶ。不動産の値下がりは、こうした構造を根底から揺るがすことになる。 不動産不況のもとで金融リスクが拡大しているなか、習政権は国務院(内閣)から権限を奪って共産党への一極集中体制を築き、危機管理を強化しようとしている。党側には、金融リスクの管理に当たるべき専門家への不信もあるようだ。2023年には金融当局や国有銀行幹部の汚職摘発が続いた。 2023年10月には習主席の肝いりで中央金融工作会議が開催され、「金融強国」の建設に向けて共産党の指導を強化する方針が示された。12月の中央経済工作会議を経て、1月には中国人民銀行(中央銀行)も党の方針にしたがって金融緩和とリスク削減を進めると表明している。金融分野へのグリップの強化ぶりは「戒厳令」とでも形容すべきものだ。) 方向性は決まったはずなのに、わざわざ全国から幹部を集めたのは、なぜなのか。中国の金融に詳しい大阪経済大学の福本智之教授(元日本銀行国際局長)は、その意義付けについて「中央金融工作会議の延長線上だが、攻めと守りで金融を強くして、システミックリスクを起こさせないのだというメッセージを伝えたかったのではないか」と分析する。 「攻め」と「守り」のうち、より優先度が高いのは「守り」だろう。「攻め」の内容は中央金融工作会議で宣言された金融強国の建設だ。究極的には、基軸通貨であるドルを握るアメリカに経済の首根っこを押さえられている現状を打破するのが目的だとみられる。かなり長い時間軸での取り組みだ。 一方「守り」では、監督管理の強化とリスク処理メカニズムの確立に強いメッセージを出している。不動産のリスク処理に対してはまだ目立った動きはないが、地方債務への対応に加え、2023年秋から地方金融機関の合併再編が加速している。まさに「いまそこにある危機」を見据えた内容だ』、「中央金融工作会議」で「「守り」では、監督管理の強化とリスク処理メカニズムの確立に強いメッセージを出している。不動産のリスク処理に対してはまだ目立った動きはないが、地方債務への対応に加え、2023年秋から地方金融機関の合併再編が加速している。まさに「いまそこにある危機」を見据えた内容だ」、なるほど。
・『金融リスクの処理は待ったなし  習政権は、金融リスクの処理は待ったなしという意識を強めているとみられる。2024年には地方政府の債務のリストラ、中小金融機関の清算と合併などが一層進む可能性がある。 習主席のリーダーシップのもと、共産党に権限を一元化することで問題処理のスピード感は増しそうだ。ただ、「西側の金融モデルとは根本的に異なる」部分を強調しすぎて市場メカニズムを活かせなくなれば、経済効率の低下を招くだろう。 金融関連で繰り返し同趣旨の会議を開いている裏には、習指導部に対する国務院や地方の抵抗がありそうだ。水面下での主導権争いの激しさをうかがわせる。中長期での経済政策を定める共産党の重要会議「3中全会」は、2023年中に開かれるとみられていたが、まだ開催のメドがたっていない。 外資を呼び込むための「対外開放」の旗印と、危機管理を大義名分とした強権発動を両立できるのか。ダボスで李首相が語った明るい未来と、習主席が示した厳しい現状認識のコントラストは象徴的である。2024年は中国経済にとって大きな分岐点になりそうだ』、「金融関連で繰り返し同趣旨の会議を開いている裏には、習指導部に対する国務院や地方の抵抗がありそうだ。水面下での主導権争いの激しさをうかがわせる・・・外資を呼び込むための「対外開放」の旗印と、危機管理を大義名分とした強権発動を両立できるのか。ダボスで李首相が語った明るい未来と、習主席が示した厳しい現状認識のコントラストは象徴的である。2024年は中国経済にとって大きな分岐点になりそうだ」、さて現実に採用されるのは、どちらなのだろう。

第三に、2月6日付け現代ビジネスが掲載した経済ジャーナリストの町田 徹氏による「IMFが指摘する中国経済衰退の「深刻な現実」…習近平体制が立たされている「ヤバい岐路」」を紹介しよう。
https://gendai.media/articles/-/123890?imp=0
・『深刻な下振れリスク  昨年(2023年)の5.4%から転げ落ちるように減速して、28年には3.4%に落ち込む見通しだ――。 国際通貨制度を安定させて世界経済の成長を促すことが目的の国際機関・国際通貨基金(IMF)は先週金曜日(2月2日)、IMF協定の4条に基づく中国との年次協議に関する報告書を公表し、その中で、中国経済が深刻な下振れリスクに直面していると警鐘を鳴らした。 最大の問題点としたのは、遅々として進まない大手不動産デベロッパーの債権処理だ。かねて中国バブル崩壊の火種と目されてきた恒大集団(エバーグランデ)などを念頭に、この部門は「予想を上回る信用収縮を引き起こす懸念があり、民間の需要不足や地方政府の財政ひっ迫といった副作用を招く」というのである。 IMFが描いた中国経済の転落のシナリオと現状をみておきたい。 冒頭でも記したように、本コラムで取り上げる4条協議は、IMF協定の第4条に規定されているルールだ。 経済や金融不安の火種がないか点検するために、通常は年に1回、IMFが、スタッフを加盟各国に派遣して、当該国の経済と金融の情勢をモニタリングすることになっている。その結果を当該国と協議のうえで、採るべき政策を助言するという手続きなのだ。 ただ、協議結果は、スタッフによって4条協議報告書としてまとめられ、IMF理事会に提出される。この理事会で討議され、理事会の公式見解となったものが、当該国の政府に送られるだけでなく、IMFのホームページでもプレスリリースされる仕組みなのだ』、「IMF」は「4条にもとづく年次協議」で、「中国経済が深刻な下振れリスクに直面していると警鐘を鳴らした。 最大の問題点としたのは、遅々として進まない大手不動産デベロッパーの債権処理だ。かねて中国バブル崩壊の火種と目されてきた恒大集団(エバーグランデ)などを念頭に、この部門は「予想を上回る信用収縮を引き起こす懸念があり、民間の需要不足や地方政府の財政ひっ迫といった副作用を招く」というのである」、なるほど。
・『地政学的なリスクも  今回の対中・4条協議報告書はなかなか衝撃的だ。興味のある人は一読してほしい。 今回の要点をまとめておくと、IMFは、去年の中国経済のパフォーマンスについて「新型コロナウイルス感染症危機から脱却して回復軌道を辿り、実質GDPは国家目標の5.4%成長をほぼ達成した」と一定の評価を与えた。その回復の原動力は、「主に内需、特に民間消費であり、金融緩和や法人と家計に対する減税、災害に伴う財政の救済策なども後押しした」と説明している。 半面、今年(2024年)以降の先行きについては、「不確実性が高い。既存の不均衡と関連する脆弱性があり、特に注意が必要だ」と強く警鐘を鳴らした。リスク要因としては、「不動産セクターでの予想以上の収縮が、さらなる民間需要の減少や、地方政府の財政のひっ迫」などを招きかねないと強調した。中国の高齢化のほか、「(米中摩擦に伴う)外需の低迷や、(台湾海峡などの)地政学的な緊張の高まりなども大きな下方リスクをもたらす」とも記したのである。 こうした前提に基づき、不動産セクターの債権処理の加速によって、リスクの現実化を回避したうえで、民間の設備投資などの刺激に繋げていくよう迫っている。 ちなみに、4条協議報告書に記された試算によると、中国の実質GDPの成長率は。2024年が4.6%、25年が4.0%、26年が3.8%、27年が3.6%、28年が3.4%と5年連続で急ピッチに低下していくことになっている』、「中国の実質GDPの成長率は。2024年が4.6%、25年が4.0%、26年が3.8%、27年が3.6%、28年が3.4%と5年連続で急ピッチに低下していくことになっている」、なるほど。
・『「失われた30年」を彷彿  今回の対中・4条協議報告は、既視感のあるシナリオだ。1989年末の証券・不動産バブル崩壊に伴って膨れ上がった銀行の不良債権の処理に手間取り、「失われた30年」などと呼ばれた長い経済不振を経験してきた日本の経済史を彷彿させるからだ。 とはいえ、あのIMFが、このタイミングで、中国経済が依然として歴史的な窮地を抜け出していないという危機感を露わにしたことも見逃せない。 ここで、視点を、中国の不動産デベロッパーの現状に移してみよう。外電によると、香港の高等法院(高裁)は先月(1月)29日、経営再建中の不動産デベロッパー大手「中国恒大集団」に対し、実質的な法的整理命令に当たる「清算命令」を発出した。 振り返れば、中国恒大の経営破綻が浮き彫りになったのは2021年9月のことだ。経営が自ら「未曽有の危機にある」と破綻寸前に陥っていることを認めたのを手始めに、同年末には広東省が監視チームを会社に送ったり、同じ時期に米ドル建て債の利息を支払えず、格付け会社が相次いで「部分的債務不履行」(デフォルト)に陥ったと認定したりもした。中国政府が経営への全面的な関与を打ち出して破綻そのものは回避してきたものの、膨大な債務の整理は遅々として進まず、2年4カ月ほどの月日は無駄に流れた。その間に、事態は深刻さ増してきたのだ。 香港高等法院に「清算命令」の発出を求めたのも、債権処理の遅れに苛立った海外の債権者(投資ファンド)だった。申し立ては2022年6月のことだったが、会社が命令を回避しようと、判決の期日が近付くと新たな債務再編案の提示を繰り返し、裁判所に結論を先送りさせてきた。 今回は万策尽きたと裁判所がついに判断した。今後は、裁判所が任命する管財人のもとで債務の整理が始まることになる。 とはいえ、事態は流動的だ。一般的に、香港は中国本土より債務の整理が進みやすいとされている。中国本土は、法的な債務の整理制度が十分に整備されていないうえ、司法判断そのものが当局の意向に振り回されがちだからだ。これが、海外債権者が香港での手続きを切望した理由でもある。 しかし、恒大集団の資産の9割は中国本土にあるとされている。当局の姿勢も不明確だ。今回も手続きが難航して時間を浪費する懸念は強い。そうなれば、会社が解散になり、再建の道が完全に閉ざされるリスクもある』、「債権処理の遅れに苛立った海外の債権者(投資ファンド)だった。申し立ては2022年6月のことだったが、会社が命令を回避しようと、判決の期日が近付くと新たな債務再編案の提示を繰り返し、裁判所に結論を先送りさせてきた。 今回は万策尽きたと裁判所がついに判断した。今後は、裁判所が任命する管財人のもとで債務の整理が始まることになる。 とはいえ、事態は流動的だ。一般的に、香港は中国本土より債務の整理が進みやすいとされている。中国本土は、法的な債務の整理制度が十分に整備されていないうえ、司法判断そのものが当局の意向に振り回されがちだからだ。これが、海外債権者が香港での手続きを切望した理由でもある・・・恒大集団の資産の9割は中国本土にあるとされている。当局の姿勢も不明確だ。今回も手続きが難航して時間を浪費する懸念は強い。そうなれば、会社が解散になり、再建の道が完全に閉ざされるリスクもある」、なるほど。
・『「不良債権処理に100兆円」  以前にも本コラムで指摘したが、中国にとって厄介なのは、恒大集団が氷山の一角に過ぎないことだ。 不動産デベロッパー各社の負債額は、文字通り、天文学的なレベルに膨らんでいる。いずれも2022年末の数字だが、最も負債の多い恒大が2兆4374億元(約48兆7480億円)を抱えて、債務超過に喘いでいる。以下、主な大手デベロッパーの負債額は、多い順に、碧桂園が1兆4349元(約28兆6980億円)、万科企業が1兆3521元(約27兆0420億円)、緑地控股が1兆2010元(約24兆0200億円)、保利発展控股集団が1兆1483元(約22兆9660億円)といった具合だ。 バブル崩壊後、日本の銀行は2005年3月期までの12年間に、不良債権処理に実に96兆4199億円を費やした。俗に、「不良債権処理に100兆円」と言われた所以だ。 これに対し、中国の不動産デベロッパーは大手6社だけで150兆円を超す負債を抱えている。全体でどれぐらいの負債が不良債権化しているのかは、信頼に足るデータがなお提供されておらず、見当もつかないのが現状だ。 ただ、6社では、恒大集団に続き、上海市政府系の緑地控股集団が昨年7月、碧桂園が昨年10月にそれぞれ、米ドル建て債で債務不履行を引き起こした。 いずれにせよ、中国の不動産デベロッパー大手が揃って大規模な債務整理を余儀なくされていることは間違いない。 あわせて、決して見逃すことができないのは、不動産デベロッパーに巨額の資金のつなぎ融資をしてきた金融セクター、特にシャドウバンキング(影の銀行)の経営への影響だ。シャドウバンキングが、短期金融商品の体裁で富裕層や法人顧客から集めた資金の利払いや償還が滞り、消費や投資の足を引っ張る信用収縮を招いている。 また、不動産デベロッパーの不振が地方政府の財政を圧迫してきた問題も深刻だ。というのは、お国柄だが、土地の私有を認めていない中国では、地方政府にとって土地使用権の売却収入が税収と並ぶ収入の柱になってきたからだ。この財政ひっ迫は、地方のインフラ投資資金を細らせるほか、行政サービスの低下や地方振興策の停滞に繋がっている。 一連の惨状を見れば、IMFが今回の対中・4条協議報告書で迫った不動産デベロッパーセクターに対する「断固たる政策行動」が今後の中国経済の行方を左右するポイントであることは明らかだ。 中国の習近平体制は当初、拡大した貧富の格差を是正すると主張、銀行による不動産デベロッパー向け融資規制を強化するなど中国版バブル潰しに動いた。 ところが、事態が深刻化すると、一転して不動産デベロッパーに対する政府の管理を強め、延命に走り、結果として抜本的な債務整理の断行を阻んできた。 こうした混乱の背景には、断固たる債務整理が短期的に大きく景気の足を引っ張る懸念があるうえ、居住目的で住宅用不動産を購入した消費者が物件の引き渡しを受けられない事態が頻発すれば、共産党の統治に対する国民の反発が高まりかねないとの判断があるという。 しかし、IMFが改めて指摘したように、断固たる措置をとらずに中途半端な不動産デベロッパーの延命を続ければ、中期的な経済成長率の大幅鈍化は避けられない。中国経済は岐路に直面している』、「IMFが改めて指摘したように、断固たる措置をとらずに中途半端な不動産デベロッパーの延命を続ければ、中期的な経済成長率の大幅鈍化は避けられない。中国経済は岐路に直面している」、確かに舵取りが難しい「岐路」に「直面」しているようだ。
タグ:東洋経済オンライン (その19)(「中国政府が救う神話」崩壊の衝撃!中国“影の銀行”が債務超過5兆円で破綻…波紋は?、中国「5%成長達成」の裏で習近平が金融界に戒厳令 空振りの「GDPフライング発表」に映る切実、IMFが指摘する中国経済衰退の「深刻な現実」…習近平体制が立たされている「ヤバい岐路」) 中国経済 真壁昭夫氏による「「中国政府が救う神話」崩壊の衝撃!中国“影の銀行”が債務超過5兆円で破綻…波紋は?」 「中国政府は、投資家の保護や金融システムの健全化などを強化しなかった。その結果、中植は破産に追い込まれた。政府の経済政策、金融行政に対する国民の不安は高まり、景気の本格的な回復には相当の時間が必要との懸念が、一段と上昇した。 今後、中国では、「信託商品」(不動産向けローンなどを投資信託に仕立てた金融商品)と呼ばれる、高利回りの投資商品を売却する投資家が増加するだろう。 バブル膨張期と反対に、「売るから下がる、下がるから売る」という負の連鎖が加速する可能性があり、投資に依存してきた中国経済は一段と厳しくなるはずだ」、なるほど。 「ピーク時、信託商品への資金流入が増加したことで、中植の運用資産規模は約20兆円に膨れ上がった。群集心理が膨張する中、中植は、不動産市況の上昇でビジネスを拡大できると“コントロール・イリュージョン”(自分たちがマーケットを支配しているという過度な全能感)を強めた・・・中植傘下の中融国際信託は、不動産関連の債券の価格が“割安”と判断し、経営が悪化した不動産企業への貸し付けを増やした。中融国際は、急速に経営状態が悪化した中国恒大集団(エバーグランデ・グループ)などからも資産を買い取った。 しかし、中植の予想に反して中国の不動産市況は悪化した。中植の不良債権は急増し、資金繰りは急速に悪化。グループ企業が設定・運用した信託商品のデフォルトも発生し、23年8月、一部顧客は返金を求める抗議活動を起こした」、なるほど。 「国家金融監督管理総局(NFRA)は信託会社などへの監督を厳格化した。 ただ、中国政府は、資金繰りが悪化したシャドーバンク企業に公的資金を注入し、投資家を守るところまでは踏み込まなかった。中植の顧客の多くが富裕層であったため、同社の破産は金融システムに深刻な影響を与えないと判断したのかもしれない。 中植は、返済能力を欠いたまま放置された。破産をきっかけに、暗黙の政府保証への懸念は高まった。政府の対応の遅さを改めて認識する主要投資家は増えている」、なるほど。 「中国ではマンションが完成する前に購入契約を締結し、ローンの返済を始めることが多い(予約販売)。購入したのに遅々として完成しない状況が続けば、返済を拒否する個人は増える。債務返済を急ぎ支出を減らす家計や企業も増え、デフレ圧力は追加的に高まる恐れが高い。 中国経済が負の連鎖から本格的に脱却することは当面、難しいだろう・・・中国の23年の新規融資は前年比6.8%増の22兆7500億元(約464兆円)だった。増加した融資の多くは、国有・国営企業などの目先の資金繰り確保などに回ったようだ。 例えば鉄鋼業界では生産能力の過剰が明らかであり、そうした中で融資を積み増すことは経済運営の効率性を高めるよりも、むしろ将来の不良債権予備軍になる恐れが高い。シャドーバンク大手である中植の破産により、投資に依存した中国経済のメカニズムの“逆回転”が加速したと考えられる」、大変厳しい事態だ。 東洋経済オンライン「中国「5%成長達成」の裏で習近平が金融界に戒厳令 空振りの「GDPフライング発表」に映る切実」 「最大の注目点が、実質成長率が「前年比5%前後」という政府目標を超えるかどうかだった」、結果はどうだったのだろう。 「李首相は、統計のフライング発表というかたちで世界に向かって「光明」を謳い上げた。 そのメッセージがダボスに集った経営者にどれだけ響いたかはわからないが、株式市場は冷淡だった。中国の代表的な株式指数である上海総合指数は17日の終値で2833.6ポイントと、前日より2%あまり下落した。 GDP統計と同時に公表された2023年1〜12月の不動産開発投資は前年同期比9.6%減となり、1〜11月から下落幅が広がった。成長率の超過達成くらいでは、不動産不況をめぐる投資家の不安はぬぐえない。IMFは2024年の中国経 済の成長率を4.2%と予想しており、2025年以降も成長率の低下を見込んでいる」、なるほど。 「「金融の高質量な発展を推進するための勉強会」と銘打たれたセミナーの開催は・・・だが、集まった顔ぶれは内外の中国金融ウオッチャーを驚かせた。閣僚・省指導者レベル以上の共産党幹部が勢ぞろいする、異例の規模だったからだ・・・「金融リスク、特にシステミック・リスクの予防と解決に努めるべきだ。金融監督には長い牙とトゲが必要だ」と演説した」、なるほど。 「中央金融工作会議」で「「守り」では、監督管理の強化とリスク処理メカニズムの確立に強いメッセージを出している。不動産のリスク処理に対してはまだ目立った動きはないが、地方債務への対応に加え、2023年秋から地方金融機関の合併再編が加速している。まさに「いまそこにある危機」を見据えた内容だ」、なるほど。 ・『金融リスクの処理は待ったなし  習政権は、金融リスクの処理は待ったなしという意識を強めているとみられる。2024年には地方政府の債務のリストラ、中小金融機関の清算と合併などが一層進む可能性がある。 習主席のリーダーシップのもと、共産党に権限を一元化することで問題処理のスピード感は増しそうだ。ただ、「西側の金融モデルとは根本的に異なる」部分を強調しすぎて市場メカニズムを活かせなくなれば、経済効率の低下を招くだろう。 金融関連で繰り返し同趣旨の会議を開いている裏には、習指導部に対する国務院や地方の抵抗がありそうだ。水面下での主導権争いの激しさをうかがわせる。中長期での経済政策を定める共産党の重要会議「3中全会」は、2023年中に開かれるとみられていたが、まだ開催のメドがたっていない。 外資を呼び込むための「対外開放」の旗印と、危機管理を大義名分とした強権発動を両立できるのか。ダボスで李首相が語った明るい未来と、習主席が示した厳しい現状認識のコントラストは象徴的である。2024年は中国経済にとって大きな分岐点になりそうだ』、「金融関連で繰り返し同趣旨の会議を開いている裏には、習指導部に対する国務院や地方の抵抗がありそうだ。水面下での主導権争いの激しさをうかがわせる・・・外資を呼び込むための「対外開放」の旗印と、危機管理を大義名分とした強権発動を両立できるのか。ダボスで李首相が語った明るい 未来と、習主席が示した厳しい現状認識のコントラストは象徴的である。2024年は中国経済にとって大きな分岐点になりそうだ」、さて現実に採用されるのは、どちらなのだろう。 現代ビジネス 町田 徹氏による「IMFが指摘する中国経済衰退の「深刻な現実」…習近平体制が立たされている「ヤバい岐路」」 「IMF」は「4条にもとづく年次協議」で、「中国経済が深刻な下振れリスクに直面していると警鐘を鳴らした。 最大の問題点としたのは、遅々として進まない大手不動産デベロッパーの債権処理だ。かねて中国バブル崩壊の火種と目されてきた恒大集団(エバーグランデ)などを念頭に、この部門は「予想を上回る信用収縮を引き起こす懸念があり、民間の需要不足や地方政府の財政ひっ迫といった副作用を招く」というのである」、なるほど。 「中国の実質GDPの成長率は。2024年が4.6%、25年が4.0%、26年が3.8%、27年が3.6%、28年が3.4%と5年連続で急ピッチに低下していくことになっている」、なるほど。 「債権処理の遅れに苛立った海外の債権者(投資ファンド)だった。申し立ては2022年6月のことだったが、会社が命令を回避しようと、判決の期日が近付くと新たな債務再編案の提示を繰り返し、裁判所に結論を先送りさせてきた。 今回は万策尽きたと裁判所がついに判断した。今後は、裁判所が任命する管財人のもとで債務の整理が始まることになる。 とはいえ、事態は流動的だ。一般的に、香港は中国本土より債務の整理が進みやすいとされている。 中国本土は、法的な債務の整理制度が十分に整備されていないうえ、司法判断そのものが当局の意向に振り回されがちだからだ。これが、海外債権者が香港での手続きを切望した理由でもある・・・恒大集団の資産の9割は中国本土にあるとされている。当局の姿勢も不明確だ。今回も手続きが難航して時間を浪費する懸念は強い。そうなれば、会社が解散になり、再建の道が完全に閉ざされるリスクもある」、なるほど。 「IMFが改めて指摘したように、断固たる措置をとらずに中途半端な不動産デベロッパーの延命を続ければ、中期的な経済成長率の大幅鈍化は避けられない。中国経済は岐路に直面している」、確かに舵取りが難しい「岐路」に「直面」しているようだ。
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