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EC(電子商取引)(セブンとイオンが築けない「ネットで稼ぐ力」、アマゾン「法人向けEC」はケタ違いの破壊力だ 商品数は2億超、米トイザラス経営破綻 リアル店の王者がアマゾンに負けた理由) [企業経営]

今日は、EC(電子商取引)(セブンとイオンが築けない「ネットで稼ぐ力」、アマゾン「法人向けEC」はケタ違いの破壊力だ 商品数は2億超、米トイザラス経営破綻 リアル店の王者がアマゾンに負けた理由) を取上げよう。

先ずは、6月24日付け東洋経済オンライン「セブンとイオンが築けない「ネットで稼ぐ力」 この牛歩ではアマゾン防御壁さえつくれない」を紹介しよう(▽は小見出し)。
・日本上陸から17年目。アマゾンの膨張が止まらない。2016年12月期、日本での売上高は約1.2兆円に達し、年2割ペースでの増収を続けている。年1割前後で伸びている日本のコマース市場を上回る驚異的な速度で成長している。
・週刊東洋経済は6月24日号で「アマゾン膨張」を特集。eコマースの巨人であるアマゾンが日本や米国で構想する戦略のほか、翻弄される日本企業の動向を追った。アマゾンにまるで歯が立たず、ネット拡大戦略が不発しているのが流通2強のセブン&アイ・ホールディングスとイオングループだ。
▽オムニチャネル戦略は出口のない迷路をさまよう
・「オムニチャネルがきちんとできれば、小売業として日本でトップ、世界でも何番目という形で成長していくと思う」。昨年5月、セブン&アイの経営を長年担ってきた鈴木敏文会長(現・名誉顧問)は、最後の株主総会の場でそう述べた。あれから1年。セブン&アイのオムニ戦略は出口のない迷路をさまよい続けている。
・「リアル店舗とネット通販の融合」をうたい文句に、グループの通販サイトを結集し、「omni7(オムニセブン)」を立ち上げたのは2015年11月。同時に、2018年度に売上高1兆円という目標をブチ上げた。事業を統括していた鈴木敏文氏の二男・康弘氏(2016年末で辞任)は「今さらアマゾンのようなことをするつもりはない。当社のベースはセブン‐イレブンに代表されるリアルの小売業。全国1万8000店、40万人の販売員(当時)を媒介としてネットとつながる」と語っていた。だが2016年度のオムニセブンの売上高は976億円にとどまる。
・そして、昨年10月のセブン&アイの決算会見で、井阪隆一社長は「アマゾンや楽天などの専業各社が林立する中、不特定多数の顧客にアプローチしてきたことや、(顧客よりも)システム起点で進めてきたことが失敗の要因」と述べ、オムニ戦略の仕切り直しを宣言した。 新たな戦略では、グループ各社共通のIDを導入し、購買情報の一元管理を通じてそれぞれの顧客の属性に応じたマーケティングを行う。そのため、スマートフォン用アプリの開発に着手した。
・だが、いきなりつまずいた。当初は2017年夏にアプリを出す予定だったが、2018年春にずれ込むのだ。井阪社長は「ナナコ(セブン&アイグループの電子マネー)のデータを活用して開発を行う予定だったが、間口が狭すぎた。現金決済する人のデータも含めて作り直している」と説明している。 あるセブン&アイ関係者は「開発に時間をかけすぎだ。アマゾンが矢継ぎ早に新サービスを打ち出す中、こうした遅れは致命傷になりかねない」と嘆く。
▽「セブン&アイの商品しかないなら、アマゾンで買う」
・問題はそれだけではない。オムニセブンはセブンプレミアムなどのPB(プライベートブランド)やメーカーとの共同開発品を中心に商品を取りそろえたものの、自前路線を中心にした戦略で成果が出ていない。小売業界に詳しいフロンティア・マネジメントの山手剛人シニア・アナリストは、「手に取れないものをネットで買う場合は、何でもそろっているのが前提。セブン&アイグループの商品しか買えませんというのであれば、アマゾンで買うという話になりかねない」と指摘する。
・オムニ戦略はネットで購入した商品のセブン‐イレブン店舗での受け取りや返品などができるという点も特徴の一つだった。商品を取りにコンビニに来れば“ついで買い”も期待されるので、店舗の売り上げ増にもつながると見込んでいた。だが、東京都内でセブン店舗を運営する加盟店オーナーは「ネット商品の受け渡しは、正直、週に1〜2回」と打ち明ける。ネット販売が振るわないため実店舗との相乗効果が出ない。戦略を見直したもののアプリの開発が遅延する。セブン&アイのオムニ戦略は視界不良が続きそうだ。
・セブンよりもさらに後れを取っているのがイオングループだ。 2012年当時、イオンリンク(現・イオンドットコム)の小玉毅社長は「イオングループはここ10年、ネットの世界で実質的に何もしてこなかった。最後発ながらナンバーワンを目指す」と鼻息が荒かった。また2014年に発表したグループの中期経営計画でもデジタルシフトの加速を強調した。
・しかし現在、ネット通販事業の数値はいっさい開示しておらず、今後の数値目標もなし。デジタルシフトの成果はまるで見えない。イオンは2000年にネット通販サイトの「イオンショップ」を立ち上げて以来、次々と新しいサイトを開設してきた。2017年6月現在、総合情報サイト「イオンドットコム」に掲載されているネット通販関連サイトの数は40近くある。
・小玉氏は当時、「差別化を図るため、アマゾンや楽天など先行している専業の有力プレーヤーから、いろいろ学んできた」とも語っていた。実際は、サイトが乱立しており、業界内からも「イオンはネット通販で何をしたいのかわからない」と、厳しい評価ばかりが聞こえてくる。
▽複雑なイオンドットコムの沿革
・ネット戦略の一翼を担うイオンドットコムの沿革も複雑である。2000年に設立されたイオンビスティーから2度の社名変更とグループ会社1社の吸収合併を経て、2016年4月にようやく現在の体制に落ち着いた。  同社が運営するのは、総合情報サイトの「イオンドットコム」やネット通販サイトの「イオンドットコムダイレクト」。一方、「イオンネットスーパー」や、ギフト中心の「イオンショップ」など、多くのサイトは総合スーパー事業を展開するイオンリテールが手掛ける。食品スーパーの「ダイエーネットショッピング」や、ドラッグストアの「ウエルシアドットコム」など、グループ会社がそれぞれ運営するものもあり、各サイト間での相互送客が図れていない。
・そのため、グループのネット通販の連携を強化し、各サイトの集客力と販売力を高めるのがイオンドットコムの役割だ。サイトからスーパー店頭への客の誘導など、実店舗の活性化も重要な役割となっている。
・組織面でも横串を刺した。2017年3月、イオンリテールに社長直轄の営業推進本部を新設。同社のオムニチャネル推進本部長だった齊藤岳彦氏が営業推進本部長となり、イオンドットコムの社長も兼務する。「ナンバーワンを目指す」としてから5年。グループの組織変更を繰り返し、ようやくネット事業強化のスタートラインに立った格好だ。
・牛歩ともいえる流通2強のネット戦略。アマゾンとは違う立ち位置を築くどころか、対アマゾンの防御壁すら作れずにいる。
http://toyokeizai.net/articles/-/177780

次に、9月22日付け東洋経済オンライン「アマゾン「法人向けEC」はケタ違いの破壊力だ 商品数は2億超、アスクルやモノタロウを圧倒」を紹介しよう(▽は小見出し)。
・隠れた巨大市場を掘り起こせるか。9月20日、ネット通販(EC)世界最大手のアマゾンは、法人や個人事業主向け専用の購買サービス「Amazon Business(アマゾンビジネス)」を日本で開始した。 最大の特徴は約2億点という商品の多さだ。サイトのトップページには、飲料・食品、パソコン周辺機器など個人向けの売れ筋商品に加え、オフィス用品、ヘルメットなどの安全用品、電動工具をはじめ、通常のサイトではあまり目立たないカテゴリーが前面に配置されている。今後も顧客ニーズを踏まえつつ、ラインナップの拡充を図っていく。
▽購入者向けのメニューが充実
・想定する販売先は、一般的なオフィスのほか、建設・建築現場、工場、飲食店、病院、ホテル・レジャー施設、教育機関、自治体などと実に幅広い。法人向けECにはオフィス向けが軸の「アスクル」(商品数は9月21日時点で373万点)や、建設・建築現場向けが軸の「MonotaRO」(モノタロウ・商品数は6月末時点で1000万点)などがあるが、アマゾンは規模で圧倒する。
・これだけの商品数をそろえる原動力になったのが、長年取り組んできた「マーケットプレイス」の仕組みだ。自社による直接仕入れ以外に、アマゾンのプラットフォーム上で商品を売りたい出品者を効率的に取り込むことで、ラインナップを増やしてきた。また、アマゾンビジネスは法人向けということから、普通にアマゾンで購入するよりも安い商品や、まとめて買う場合に割引を受けられる商品をそろえるなど、価格面のメリットも打ち出す。
・もう一つの特長は購入・支払いに関連する機能だ。社内の事前承認に活用できる見積書の作成や、月末締めの一括請求書払いにも対応する。また、アカウントは複数人で共有することができ、承認権限の付与や承認が必要な下限金額など、事業者のニーズに合わせた購買ルールのカスタマイズもできる。加えて、購入日時や品目などのデータを分析できるレポート機能も用意。これらをすべて無料で使えるようにした。
・「購買担当者の悩みとして大きいのは、誰がいくら、どこから買っているかという情報が一元管理されていないこと。それがアマゾンで集約でき、データ分析できれば、あらゆるムダを削減できるはず」(アマゾンジャパンの星健一・Amazon Business事業本部長)。
・アマゾンビジネスは2015年3月に米国で始まった。利用には無料のアカウント登録が必要だが、米国では今年、そのアカウント数が100万を突破。現在はドイツ、英国でも展開しており、日本は4カ国目となる。 日本でのサービス開始にあたっては、月末の請求書払い以外にも、税込み価格に加え、税抜き価格を商品ページ、請求書、領収書に表示する機能も設けている。「(税制や商習慣など)各国の違いをきちんと理解し、仕組みの開発を行うのには時間をかけた」(星本部長)。
▽企業などの調達コスト削減に直結
・法人向けECの潜在需要は計り知れない。経済産業省の調査によると、2016年の国内EC市場規模は、個人向けが約15兆円だったのに対し、法人向けは約291兆円と、実に20倍近い差がある。この金額はいわゆる「モノのネット通販」だけの規模を表す数字ではないとはいえ、個人向けEC以上のビジネスの広がりが期待できるだろう。
・「ものすごく大きな市場が広がっているのに、EC化は(オフィス向けなど)部分的にしか進んでいない。すべての事業者に満足してもらえるようにサービスを作り込んでいく」。星本部長はそう意気込みを語る。 実際、法人や個人事業主の購買には、さまざまな課題があるようだ。
・今回、アマゾンビジネスを導入し、会見のパネルディスカッションに登壇した大阪大学の佐藤規朗・財務部長は現場の苦労を語った。 「大学で(資材購入先として)登録されているサプライヤーは1万5000社、直近取引があるところだけで7700社も存在する。独自に構築した調達システムがあるが、それを使わずに代金を立て替えて購入されるものもあり、精算にかかる時間的なコストは計り知れない」
・実際、伝票処理コストの削減や、取引の監視を徹底するために、自社で発注・承認システムを構築するケースは少なくない。だが、そのシステム自体が使いにくいものだった場合、社員や職員はそのシステムを使わずに調達し、結局問題が解消されない例もある。 
・その点、すでに個人の買い物で使い慣れている人が多いアマゾンなら、法人向けECの導入のハードルは低いかもしれない。伝票が一本化されることや、Webを介して発注状況が「見える化」されることで時間的、金銭的コスト削減につながるとすれば、導入のメリットは大きいだろう。
▽荷物の増加が懸念材料に
・事業拡大に向けた不安材料があるとすれば、物流だろう。アマゾンは今回のサービス開始にあたって特に新しい物流拠点や配送網を設けておらず、「通常の対応の範囲内で心配はしていない。個人向けECも新規の顧客が増えれば新しい配送先も増えるので、それと同じこと」(星本部長)と見ている。
・アマゾンビジネスでは期間限定で当日、翌日に届く「お急ぎ便」と「日時指定便」を無料で使えるようにしている。サービス認知の拡大に向けたWeb広告なども実施しており、荷物が増えるのは間違いない。一方、ヤマト運輸が取り扱う荷物の数を減らす方針を打ち出すなど、物流業界は人手不足から逼迫した現場の状況が続いている。
・満を持して開始した新サービスで、大量に製品や部材を購買する大企業をどれだけつかまえられるか。品ぞろえの拡充はもちろん、便利な購買の仕組みや配送スピードなど、トータルで使い勝手のよいサービスに仕上げられるかが成功のカギとなりそうだ。
http://toyokeizai.net/articles/-/189831

第三に、元大手銀行のマーケット・エコノミストで法政大学大学院教授の真壁昭夫氏が9月26日付けダイヤモンド・オンラインに寄稿した「米トイザラス経営破綻、リアル店の王者がアマゾンに負けた理由」を紹介しよう(▽は小見出し)。
・人類の歴史の中では、時にそれまでの潮流を大きく変えるような「非連続な事象」が発生することがある。9月18日に発生した、米国トイザラスの経営破たんもその一つに入るかもしれない。 米国玩具販売大手の“トイザラス”は、IT化投資などを軸に進めてきた自力での経営再建を諦め、“連邦破産法11条=チャプターイレブン”(わが国の民事再生法に相当)の適用を申請した。
・この背景には、同社が、時代の最先端を走るネット企業であるアマゾンとの競争に対応できなかったことがある。この問題は、米国の小売業界をはじめ、その他多くのビジネスにも当てはまる。アマゾンをはじめとするネット企業の成長は、世界中の企業にとって大きなチャンスでもあり、脅威でもある。それは、わが国企業にとっても対岸の火事ではない。
・トイザラスについて、経営陣が事業の改善を実現できなかったことへの批判などさまざまな意見がある。ただ、このまま同社が経営を続けた場合、更なる低価格競争に巻き込まれ、より厳しい状況に直面する可能性は高かっただろう。ある意味、今回の決定は抜本的な改革の下、再出発を進めるためには不可欠だったかもしれない。
・トイザラスの破綻から得られる教訓は、「過去の延長線」として将来の競争環境を考えることはできないということだ。“非連続”というべき状況変化が加速する中、企業経営者の意思決定が企業の将来を大きく左右するだろう。
▽消費者の行動変化に対応できなかったトイザラス
・トイザラスがチャプターイレブンの申請に追い込まれた理由は、消費者の行動の変化に対応できず、顧客離れが進んだ点が大きかった。小売業の多くの企業では顧客の流出に直面した場合、販売価格を引き下げるなどして客足をつなぎとめようとする。 しかし、当該企業を取り巻く構造的な変化が大きい場合、その効果は一時的なものに留まることが多い。構造変化に上手く対応ができないと、企業は競争に勝ち残れず淘汰される。それは基本的な市場原理だ。
・現在、こうした動きを加速させているのがネット企業、特にアマゾンの存在が圧倒的だ。これまで、玩具などの消費財(モノ)は専門店で購入することが多かった。親子連れで玩具店を訪れるとさまざまな品物が陳列され、子どもの嬉々とした表情に相好を崩すことが多かった。
・ところが、今、状況は一変している。多くの家庭がアマゾンなどのネットショッピングサイトで品物を見定め、最も価格の低い企業・店舗から欲しいものを買うことが増えた。そのような消費行動の中で、トイザラスなどの店舗では「ショールーム」のように実際の品物を確認するだけという消費者も多い。それでは店舗の売り上げは増えない。
・店舗などからオンラインへ消費の場がシフトする中、トイザラスはネット事業の強化のために投資を行った。しかし、消費者にとってトイザラスは数多く存在する店舗の一つに過ぎなかったと見られる。その中で、同社が顧客に自社の店舗で消費することの“満足感”を実感してもらうことは難しかった。 例えば、アマゾンで買い物をすればポイントがたまり、それをアマゾンに出店する別の店舗でも使うことができる。アマゾンプライムで配信される動画なども顧客を離さないコンテンツだ。
・アマゾンでショッピング、映画の鑑賞、ゲームなどのコンテンツ購入を行うなど、休日に外出する必要性は低下している。“来店”を前提とした小売りをはじめとする企業は、この消費行動の変化にどう対応するか打開策を見いだせていない。その結果がトイザラスの連邦破産法11条の適用申請につながったと考えられる。
▽圧倒的な“アマゾン効果”の恐怖
・小売業界を中心に、今後の事業環境に関する不安を口にする経営者が増えている。それは、アマゾンのシェア拡大を受けて客足が遠のく中、売り上げの確保と株主への価値還元を実現できるかという危惧、恐怖心だ。この状況に対応する“常識的な発想”としては、リストラが思い当たる。しかし、それは競争に対応することとは異なる。
・アマゾンだけでなく、ネット企業の“イノベーション=創造的破壊”を引き起こす力は凄まじい。重要なのは、サイトやアプリで検索すれば、世界中から欲しいものを、より望ましい価格で手に入れることが可能になってきたことだ。在庫管理、物流を含め、アマゾンは家に居ながらにして消費者の満足を高める取り組みを実現している。
・基本的にこのビジネスモデルは、店舗に行きそこが消費の場となることを想定していない。消費の場はリビングであり、通勤の電車の中だ。従来の発想で小売店などがアマゾンに対抗することには、限界があるように思えてならない。
・アマゾンだけが競争相手ではない。生鮮食品の販売の分野においては、アマゾンよりも中国のアリババが先行している。国内では、メルカリがインターネット上でのフリーマーケット出展アプリを開発し、上場が実現した場合には1000億円以上の時価総額が達成されると期待されている。さまざまな分野で店舗がネット空間とつながるなどし、需要の創造と発掘が進むだろう。
・これまでにはなかった新しい取り組みを従来の企業が提供できれば、ネット業界の攻勢に対応することはできるだろう。ただ、各企業にはこれまでの事業を運営するために投資してきた設備や、ビジネスモデルがある。経営者にはプライドやこれで勝てる(勝ってきた)という成功体験に基づく方法論もあるはずだ。
・トイザラスもこの発想でアマゾンに対抗しようとした。しかし、薄利多売の“負のスパイラル”に陥り、採算の悪化を止めることはできなかった。今後の競争に勝ち残るためには、既存のコンセプトやコミットメントを続けるべきか否か、冷静に考える必要がある。
▽非連続的なイノベーション=革新の加速
・“非連続”――。今後の企業の競争や経済の動きを考える視点は、このキーワードに集約されていくだろう。「非連続」とは、文字通り、物事が地続き的につながっていない状況を指す。あるステータスにあったものが、別の次元に飛び移る(リープする)かのように劇的な変化が、これまでの展開と断絶された状況で起きる。大変革、常識の通用しない状況などということもできるだろう。
・トイザラスの決定から得られるインプリケーションは、専門店が当該分野におけるマーケットリーダーであり続けるわけではないということだ。これまでの状況が今後も続くという“連続的”な発想では、今後の競争に対応することは一段と難しくなるだろう。技術やノウハウを蓄積してきた先進国の大企業が、新興国の企業よりも優位とは限らない。大手企業がベンチャー企業よりも優位な立場にあるともいえない。ネットワークサイエンスの進化とともに、非連続的な競争と革新は加速していくだろう。
・極論かもしれないが、長い目線で考えた時、アマゾンにできることを行っている企業は勝ち残れないかもしれない。少なくとも、店舗販売が減少し、事業の採算が悪化する可能性は高まっていく恐れがある。こうした展開が想定される場合、過去の延長線上にある発想からの脱却は不可欠だ。
・世界全体で、さまざまな分野で非連続的な競争が進んでいる。例えば、自動車業界では内燃機関から電気自動車へのシフトが急速に進んでいる。わが国の自動車メーカーは、程度の差はあるが、この動きに遅れ気味だ。環境の変化に対応するためには、既存の設備とは別に、これまでにはなかった新しいビジネスを進めるためのプラットフォーム整備が不可欠である。工場の建設など企業が二の足を踏んでしまう部分では、政府のバックアップも重要だ。
・従来の取り組みでは限界があることを理解し、それを行動に移すことには、かなりのエネルギーが必要だ。その上で、どのようなビジネスモデルを組み立てるかが問われる。これまで以上に、経営者の意思決定が中長期的な企業の成長性を左右する時代が到来している。
http://diamond.jp/articles/-/143457

第一の記事で、セブンやイオンの 『オムニチャネル戦略は出口のない迷路をさまよう』、状況のようだ。 『「手に取れないものをネットで買う場合は、何でもそろっているのが前提。セブン&アイグループの商品しか買えませんというのであれば、アマゾンで買うという話になりかねない」と指摘』、というのは当然だ。 『「イオンドットコム」に掲載されているネット通販関連サイトの数は40近くある』、グループ各社がそれぞれ独自に作ったサイトを寄せ集めただけという状態から、 『グループのネット通販の連携を強化し、各サイトの集客力と販売力を高めるのがイオンドットコムの役割だ』として改善を目指しているようだ。 『牛歩ともいえる流通2強のネット戦略』、というのは大企業病の典型で、これを打開していくのは、容易ではなさそうだ。
第二の記事で、 『アマゾン「法人向けEC」』は、商品数のみならず、 日本特有の商慣行も織り込んで『購入者向けのメニューが充実』、というのはさすがだ。 『荷物の増加が懸念材料に』、というのは、ヤマト運輸からの値上げ要請を受け入れたこともあり、当面は問題にならないのではなかろうか。アスクルやモノタロウにとっては、手ごわいモンスター登場といったところだろう。 なお、『法人向けECの潜在需要は計り知るとはれない。経済産業省の調査によると・・・』、というのは、おそらく経産省がどこかのシンクタンクに委託した調査で、信頼性は必ずしも高くないと思われる。
第三の記事で、 『トイザラスなどの店舗では「ショールーム」のように実際の品物を確認するだけという消費者も多い』、というのはいわゆる「ショールーミング化」という実店舗にとってどうにもならない悩みだ。店舗で店員が商品をいくら説明しても、消費者はEC企業で購入してしまうということは、EC企業は実店舗のマーケティング努力に「タダ乗り」していることになる。しかし、こればかりは規制する訳にもいかず、受け入れざるを得ない時代の流れなのだろう。
タグ:これまで、玩具などの消費財(モノ)は専門店で購入することが多かった ナナコ(セブン&アイグループの電子マネー)のデータを活用して開発を行う予定だったが、間口が狭すぎた。現金決済する人のデータも含めて作り直している 連邦破産法11条 オムニチャネル戦略は出口のない迷路をさまよう アマゾン膨張 トイザラスなどの店舗では「ショールーム」のように実際の品物を確認するだけという消費者も多い セブンとイオンが築けない「ネットで稼ぐ力」 この牛歩ではアマゾン防御壁さえつくれない 東洋経済オンライン 企業などの調達コスト削減に直結 牛歩ともいえる流通2強のネット戦略 税制や商習慣など)各国の違いをきちんと理解し、仕組みの開発を行うのには時間をかけた グループのネット通販の連携を強化し、各サイトの集客力と販売力を高めるのがイオンドットコムの役割だ 世界全体で、さまざまな分野で非連続的な競争が進んでいる )(セブンとイオンが築けない「ネットで稼ぐ力」、アマゾン「法人向けEC」はケタ違いの破壊力だ 商品数は2億超、米トイザラス経営破綻 リアル店の王者がアマゾンに負けた理由) (電子商取引) EC 多くの家庭がアマゾンなどのネットショッピングサイトで品物を見定め、最も価格の低い企業・店舗から欲しいものを買うことが増えた グループ会社がそれぞれ運営するものもあり、各サイト間での相互送客が図れていない 法人や個人事業主向け専用の購買サービス「Amazon Business(アマゾンビジネス)」を日本で開始 ダイヤモンド・オンライン アマゾン アマゾン「法人向けEC」はケタ違いの破壊力だ 商品数は2億超、アスクルやモノタロウを圧倒 真壁昭夫 荷物の増加が懸念材料に 圧倒的な“アマゾン効果”の恐怖 現在はドイツ、英国でも展開しており、日本は4カ国目 「イオンドットコム」に掲載されているネット通販関連サイトの数は40近くある ・アマゾンでショッピング、映画の鑑賞、ゲームなどのコンテンツ購入を行うなど、休日に外出する必要性は低下している 2015年3月に米国で始まった 購入・支払いに関連する機能 アマゾンのプラットフォーム上で商品を売りたい出品者を効率的に取り込むことで、ラインナップを増やしてきた 来店”を前提とした小売りをはじめとする企業は、この消費行動の変化にどう対応するか打開策を見いだせていない 消費者の行動変化に対応できなかったトイザラス 長年取り組んできた「マーケットプレイス」の仕組みだ 米トイザラス経営破綻、リアル店の王者がアマゾンに負けた理由 。“非連続”というべき状況変化が加速する中、企業経営者の意思決定が企業の将来を大きく左右 、「過去の延長線」として将来の競争環境を考えることはできないということだ =チャプターイレブン” 建設・建築現場向けが軸の「MonotaRO」(モノタロウ・商品数は6月末時点で1000万点) 法人向けECにはオフィス向けが軸の「アスクル」(商品数は9月21日時点で373万点) 購入者向けのメニューが充実 約2億点という商品の多さだ 戦略を見直したもののアプリの開発が遅延する。セブン&アイのオムニ戦略は視界不良が続きそうだ 加盟店オーナーは「ネット商品の受け渡しは、正直、週に1〜2回」と打ち明ける 商品を取りにコンビニに来れば“ついで買い”も期待されるので、店舗の売り上げ増にもつながると見込んでいた 手に取れないものをネットで買う場合は、何でもそろっているのが前提。セブン&アイグループの商品しか買えませんというのであれば、アマゾンで買うという話になりかねない アマゾンとは違う立ち位置を築くどころか、対アマゾンの防御壁すら作れずにいる 法人向けECの潜在需要
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