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新国立競技場問題(その4)見直し決定後の状況 [社会]

新国立競技場問題については、本欄の5月27日、7月11日、21日と伝えてきた。今日は(その4)として見直し決定後の状況を取上げたい。

責任問題については、文科大臣の責任を問う声も強かったが、安部首相との「お友達」関係が幸いしたためか、単に文科省の担当局長辞職だけで終わらせようとしているようだ。

次に、驚きのニュース、7/月5日付け日刊ゲンダイ「新国立の“戦犯”がこっそり温存 JSCに165億円ビル新築計画」のポイントを紹介しよう。
・白紙に戻したはずの新国立競技場の敷地内に巨大ビルを新築する計画だけが、なぜか“無傷”で生き延びている
・建設地は神宮球場からスタジアム通りを挟んで真向かいの場所。都立青山高校の真横にあった国立西テニスコート跡地だ。地下2階、地上16階建て。高さ72メートルは近くにある「赤坂ツインタワービル」(66.35メートル)をゆうに凌ぐ。延べ床面積3.2万平方メートルにはオフィスの他、全1250席の劇場や全220室のホテルからなる複合ビルとなる予定だ
・「ビル新築は旧国立の建て直しとワンセットで決まった“五輪便乗”計画。旧国立に隣接していた旧JSC本部ビルは築20年しか経っておらず、新たな巨大ビルへの移転は必要なかったはず
・今年6月に入札を終え、すでにゼネコンの『安藤ハザマ』と建設契約を結んでいます」(文科省事情通)。契約金額は164.7億円(税込み)。完成予定は2017.6
・新国立を迷走させた組織が“盗っ人猛々しい”ものだが。常勤職員360人のJSCには器が大き過ぎて、手に余りはしないか。「新国立の改築に敷地を提供した『日本青年館』と同居するため、我々の専有分は延べ床面積にして6099平方メートル。劇場やホテルは青年館の施設
・新国立は白紙に戻すのにビル計画を見直す気はないのか? 現時点では考えていません」(JSC広報室)。JSCの前身は1955年設立の日本学校給食会。いつしか国立競技場などを運営する組織となり、03年に「toto」を扱いだしてJSCに衣替え。現在は資本金2458億円を誇り、文科省の幹部OB2人が理事に名を連ねる有力な天下り先。安倍首相も本気で支持率を回復したいのなら、この「天下りビル」建設もゼロベースで見直したらどうだ
http://www.nikkan-gendai.com/articles/view/news/162064

第三に、以前にもギリシャ問題で取上げた作曲家=指揮者でベルリン・ラオムムジーク・コレギウム芸術監督の伊東乾氏が、7月27日付けのJBPressに寄稿した「ドイツ人から完全に見下された新国立競技場 ヒトラーが建設させたスタジアムとの差は歴然」のポイントを紹介したい。
・「ベルリン・オリンピック・スタジアム」は、ベルリン市内、旧西ドイツのエリアでも西端「シュパンダウ」近く、人民のために人手をかけて整えられた「グリューネヴァルト」(緑の森)の北辺に接するようにして、ほぼ創建当時のままの姿で建っている。2006年のW杯決勝での「ジダン頭突き事件」もここで起きています
・ドイツ鉄道の「オリンピアスタディオン」駅からの動線の考え尽くされていることに注目。臨時電車の停車ホームが8本分並び、それが2方向で人を十分分散させながら安全にスタジアムまで導くように、駅そのものから徹底して工夫
・新国立競技場は結構なのですが、JRなり営団なり、そこに至る交通の足やら、人々を安全にスタジアムに導く動線やらは、いったいどこにあるのだろう?いやしくもまともな建築家であれば、そういうことから考えるのが「当たり前以前」のことであって、ビジュアル的に「斬新な設計」とか何とか言う昼寝の寝言みたいな素人談義はやめてもらいたい
・建物というのは、人が動き、そこで物事が発生し、栄えるから意味がある。そういう顧慮が一切なく、ただ土建的に儲かればよいという発想を「ハコモノ」と呼ぶわけで、建築家としてはおしまいに属する土建の利権ぶりと看破
・卓越したナチスの「千年王国スタジアム」。ベルリン・オリンピック・スタジアムは現在も完全に現役で、ヘルタ・ベルリン(サッカー・チーム)の本拠地でもあります
・ドイツ国鉄「オリンピア・スタディオン」駅の特設ホームは8路線分ありましたが、そこから上がってすぐ真上のスタジアム入り口も8つのチケットゲートが横に並び、ゆうに横幅が50メートルはあるゆったりとした設計で、絶対に人が殺到して将棋倒しなどにはならない造り
・多くの人が誤解していますが、ナチス・ドイツというのは凄まじく能力の高い人たちが運営していた国家。最高の技術と最低の倫理観が同居すると、生体実験で人を生きたまま切り刻んだり"無駄な人間"は合理的にアウシュビッツで焼却してしまうといった、とんでもない制度を生み出してしまう。何があっても二度と、あのような「心を忘れた科学」の専横を許してはいけない・・・そう習ったものですが、実のところベルリン・オリンピック・スタジアムの鉄道入り口の合理的設計は、アウシュビッツ=ビルケナウ強制収容所の鉄道終点駅の合理性と同じくらい、人の流れをしっかり計算して合理的に設計されている
・ベルリン・オリンピックは、1896年にスタートした近代オリンピックに一時代を画し、またこれ以降のあらゆるオリンピック大会が、この縮小再生産に終始したという意味でも、明らかに画期的な大会
・ナチス・ドイツはクーベルタン男爵以来の「近代オリンピック」なるものを、メディアを駆使した国威発揚の舞台として、完全に読み替えてしまった
・いったい「新国立競技場」なるものを、いったい何年もつ建築物として、政治屋も土建建築屋も構想しているのでしょう? ベルリンのオリンピック・スタディオンに行ってごらんなさい。遠くから見ればコンクリートみたいに見える灰色のスタジアムが、実は石造りであるのが分かるでしょう。アドルフ・ヒトラーは1934年、正味で、本気で「千年王国」としての第三帝国を立ち上げようと考えていました。 自身が建築家を志したこともあるヒトラーは、実験掌握直後に建築家アルベルト・シュペーアとともに「世界帝国の首都ゲルマニア」としてベルリン再建を構想、そのスポーツの殿堂としてオリンピア・スタディオンは構想、設計され、竣工、現在に至っており、そこらの安普請とは少し様子が異なっています
・50年経てばゴミとなるしかないコンクリート打ちっぱなしのネズミ色の建物をよく見かけますが、ベルリンのオリンピア・スタディオンは古代ギリシャのアンフィテアーター、楕円形劇場を正味で模倣する「石造建築」=「1000年単位でもつ第三帝国大競技場」として作られている。 向うを張っているのは神聖ローマ帝国などですから、考えているタイムスパンのゼロの数が2つ違います
・環境・健康オタクとしてのナチス。世界初の高速自動車道路「アウトバーン」など、アーリア人を大切にし、他民族を犠牲にするという極端にエゴイスティックな政策で「優れたアーリア人種であるドイツ人」を依怙贔屓的に優遇しようとした
・健康と並んでナチスは環境も重視。人類を破壊するようなことをしておいて、何が環境だ、と思われるかもしれませんが、実際ナチス・ドイツ時代に喧伝され、今日まで続いている生活習慣は決して少なくありません。徒歩旅行の習慣や「本草学」と言うべき“ホメオパシー”などは、実はいずれも輸入が途絶え燃料不足や医薬品の枯渇をナチスが逆手にとって「自然の賛美」とともに称揚
・オリンピア・スタディオンの周囲はグルーネヴァルト「緑の森」と呼ばれる風致地区、また高級住宅地でもあります
・プロイセン王フリードリヒ2世(1712-86)は森林保護に力を入れ、特に七年戦争でプロイセンが壊滅的な打撃を受けてからは「森林省」などを設けて環境保護に力を入れ、グルーネヴァルトなどの緑も200年越しの伝統として大切に守ってきた歴史
・アドルフ・ヒトラーはこの「フリードリヒ大王」の環境政策に対して忠実。ドイツ国鉄「オリンピア・スタディオン駅」前から見るスタジアムは、周囲の森の中に調和ないし埋没して、決して緑の景観を損ねることがありません
・ここで思い出すのが、神宮や外苑まわりで20メートルに高さが規制されていたエリアに、その何倍だかのヘルメットのような代物を作るとか作らないという議論。 と言うか実際には逆であって、そんなアホな話があるのか、とザハ案なるものの話を耳にして「ルーレーベン(安らぎの暮らし、とでも訳しましょうか)」地域など、ベルリン・オリンピア・スタディオン界隈の風致を思わず思い出したというのが実のところでありました
・頭を何も使わず、何よりも環境の中で心を働かせるということも一切なく・・・それはスタジアムに向かう交通環境から、周囲の自然環境まで、あらゆる意味で生身の感覚がない劣等生の答案であって・・・ただただあきれて言葉がありません
・今回「あの案」のプロモートに関わった大半の人間が「ナチス・ドイツに明らかに劣る」ことをまずもって指摘したうえで、今後どういう展開になるか、見守りたいと思います
http://jbpress.ismedia.jp/articles/-/44382

JSCが日本青年館と共同とはいえ、築20年しか経ってないビルから、新ビルに移転するとは、全く「盗人猛々しい」印象。文科省天下り機関の特権をフルに享受しえいるらしい。
「ベルリン・オリンピック・スタジアム」の凄さには驚くばかり。ただ、新国立の場合、アクセスは歩く距離は多少あるにせよ、総武線、地下鉄などを使ってもらい、周辺環境に配慮した「主張しすぎない」デザインにしてもらいたいと思う。
タグ:日刊ゲンダイ ナチス・ドイツ 伊東乾 フリードリヒ2世 JBPRESS ベルリン・オリンピック 新国立競技場 新国立競技場問題 見直し決定後の状況 文科大臣の責任 安部首相との「お友達」関係が幸いしたためか 文科省の担当局長辞職だけ 新国立の“戦犯”がこっそり温存 JSCに165億円ビル新築計画 巨大ビルを新築する計画だけが、なぜか“無傷”で生き延びている 国立西テニスコート跡地 地下2階、地上16階建て 延べ床面積3.2万平方メートル オフィスの他、全1250席の劇場や全220室のホテルからなる複合ビル 旧国立の建て直しとワンセットで決まった“五輪便乗”計画 築20年しか経っておらず、新たな巨大ビルへの移転は必要なかったはず すでにゼネコンの『安藤ハザマ』と建設契約 『日本青年館』と同居 劇場やホテルは青年館の施設 ドイツ人から完全に見下された新国立競技場 ヒトラーが建設させたスタジアムとの差は歴然 ベルリン・オリンピック・スタジアム 2006年のW杯決勝 「オリンピアスタディオン」駅 動線の考え尽くされている 人を十分分散させながら安全にスタジアムまで導くように、駅そのものから徹底して工夫 人々を安全にスタジアムに導く動線 いやしくもまともな建築家であれば、そういうことから考えるのが「当たり前以前」 ビジュアル的に「斬新な設計」とか何とか言う昼寝の寝言みたいな素人談義はやめてもらいたい 土建的に儲かればよいという発想を「ハコモノ」 千年王国スタジアム 凄まじく能力の高い人たちが運営していた国家 最高の技術と最低の倫理観が同居 「心を忘れた科学」の専横 近代オリンピックに一時代を画し またこれ以降のあらゆるオリンピック大会が、この縮小再生産に終始 画期的な大会 実は石造り 50年経てばゴミとなるしかないコンクリート打ちっぱなし 石造建築 1000年単位でもつ第三帝国大競技場 環境・健康オタクとしてのナチス 徒歩旅行の習慣 ホメオパシー” 輸入が途絶え燃料不足や医薬品の枯渇をナチスが逆手にとって「自然の賛美」とともに称揚 森林保護に力 グルーネヴァルトなどの緑 スタジアムは、周囲の森の中に調和ないし埋没して、決して緑の景観を損ねることがありません 交通環境から、周囲の自然環境まで、あらゆる意味で生身の感覚がない劣等生の答案 プロモートに関わった大半の人間が「ナチス・ドイツに明らかに劣る」ことをまずもって指摘 今後どういう展開になるか、見守りたい
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