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新国立競技場問題(その8)残された問題点:新疑惑続々 [社会]

昨日に続き、新国立競技場問題(その8)残された問題点:新疑惑続々、を取上げよう。

デモクラTV代表・元朝日新聞編集委員の山田厚史氏が、8月27日付けダイヤモンド・オンラインに寄稿した「新国立競技場に新疑惑続々、五輪後は読売巨人の本拠地に?」のポイントを紹介したい。なお、小見出しは、私が読み易くするために記事とは別につけたもの。
①五輪後は読売巨人の本拠地に?
・新国立競技場を東京五輪が終わったらどう使うか。下村文科相の発言が憶測を呼んでいる
・「ナショナルスタジアムにこだわらない。2020年以降は民間委託するが、プロの野球やサッカーのホームグラウンドにするのは十分ありうる話だ」。産経新聞が報じた記事は「自民党の一部議員らが野球場への再整備を主張していたが、関係閣僚会議のメンバーが言及したことで、議論が本格化しそうだ」と結ばれていた
・不透明で不可解な巨大事業の裏で、誰がどんな筋書を描いているのか。「五輪が終わったら読売巨人軍のホームグラウンドに、というバカげた事態にならなければいいが」と警戒する人は少なくない
・建設計画が白紙撤回されたばかりなのに、五輪後の利権まで話題になるのは、新国立競技場に疑惑のまなざしがいかに強いかを物語っている
・「ゼロからやり直し」と言いながら、日本スポーツ振興センター(JSC)が引き続き事業主体を務める。指導監督に当たるのはあの下村文科相。「影の五輪相」ともいわれる森喜朗元首相は今も大きな顔で、体制は何も変わっていない。競技場のデザインをやり直せば一件落着というのだろうか
②文科省は2013年8月に工費3462億円の報告を受けていた
・下村大臣の民間委託発言は18日、産経記者によるインタビュー記事として伝えられた。「出処進退について逃げるつもりはない」と言いながら、工事費が膨張したことについて「金額はJSCが責任を持つべきだ。JSCで判断できないから文科省に上げたというのはその通りかもしれないが、なぜ1625億円で抑えらなかったのか」などと他人事のような口ぶりだ
・記事が出た翌日、工費膨張を巡る新事実が明らかになった。JSCは2013年7月に設計会社から工費の膨張を知らされていた。ザハ・ハディド氏のデザインなら3462億円の工費がかかる、と分かり8月に文科省に報告した
・9月のIOC総会で東京五輪が決まる前から文科省、つまり下村大臣は予定価格では収まらないことを知っていた。「なぜ1625億円に抑えられなかったのか」などとJSCに責任を転嫁して済む問題ではない
・その大臣が産経インタビューで「五輪後のプロ球団誘致」に言及したのである。 「(20年以降は)黒字を前提に、できるだけ国民の税金が垂れ流しにならないスキームを考えるべきだ。プロ野球やサッカーでの活用は十分可能性がある」
・2016年の五輪を東京に誘致しようと都の担当課長として奔走した鈴木知幸順天堂大学客員教授は次のように批判。「競技場として市民に開放することを『税金の垂れ流し』と言う文科大臣の感覚は信じ難い。プロ球団に使わせれば市民は利用できない。そんなバカげたことだけはしてほしくない」
・2012年のロンドン五輪のメーンスタジアムは大会後に改装され、サッカーチームの本拠地として使用されている。そうした例から民間転用は一案かもしれないが、2000億円もかかりそうな豪華な施設をどういう形で民間に委託するというのか
③読売と安倍政権の密接な関係
・ 「読売新聞の上層部には、後楽園ドーム球場に頼らず、独自の球場を都内に持ちたい、という願望が以前からあります」。読売OBはそう打ち明ける。第一候補は築地市場の跡地だったという。都知事だった石原慎太郎氏と渡邊恒雄会長が懇意なこともあり有望視されていた。築地市場は移転し跡地は当面は五輪関連施設として使われる。読売は五輪後を狙っている、と言われるが、神宮のメーンスタジアムが使えるなら話は別だろう
・「プロ野球かサッカー」となれば巨人かヤクルト、東京ヴェルディかFC東京の本拠地となる。事業化できる観客動員数を確保するとなれば巨人軍だろう、と関係者は見る
・「読売」が噂の中心になるのは、政権との近さからだ。安倍首相とナベツネ会長の親密な関係は有名だが、最近の読売紙面は政府の広報かと思えるほど「与党化」。安保法制も原発政策もTPPも政府べったりだ。政府のリークネタも読売に多い
・読売新聞など大手の新聞社は都心に本社ビルを構えているが、その土地は国有地の払い下げだったことは有名な話だ。優遇がまかり通るのも「密接な関係」を抜きに語れない
・ナベツネ会長が安倍首相の後見人であるかのように振る舞い、政府方針に沿った論調を展開する中で「プロの野球・サッカーのホームグラウンドとしての利用」を閣僚が語れば、「読売」が連想されるのは不自然なことではない
・「国立競技場は民営移行」と政府方針をいち早く伝えたのも読売新聞だった。政府は8月14日に新国立競技場計画再検討のための関係閣僚会議を開き「再検討に当たっての基本的考え方」をまとめた。読売は12日夕刊に特ダネとしてその内容を載せ、翌13日朝刊で「五輪後の運営は『民間委託を含めて検討する』を明記する」と報じた
・自民党行政改革推進本部長として新国立競技場問題に取り組んでいる河野太郎衆院議員は次のように指摘。「関係閣僚会議は話し合う場になっていない。事務局の報告を聞くだけ。読売が報じたリーク内容を追認して10分で終わった」
・政権と一体化した報道姿勢は7月から8月20日まで連載された森喜朗元首相の「時代の証言者」という企画記事が象徴。28回にわたり政治家人生を回顧する自画自賛の評伝が読売新聞に掲載。新競技場問題では「影の首謀者」と見られているだけに、どんな証言が出るか注目されたが、最終回でチラッと触れただけ。「ラグビーもオリンピックもまさに奉仕の精神で私自身の利益はなく、世の役に立てるなら頑張ろうという思いです」とあるだけで肝心なことは何も書かれていない。記事をまとめた編集委員は何を聞いたのか。渦中の人物のヨイショ記事を28回も連載するところに報道姿勢が滲んでいる。「JOC委員長でもある森喜朗をこのタイミングで『時代の証言者』として持ち上げるのは、読売に何らかの思惑があるのでしょう。五輪利権と無縁とは思えない」。そう見る関係者は少なくない
④清話会が仕切る東京五輪関連事業
・ 「東京五輪に絡む事業は安倍首相の派閥だった清和会が仕切っている。元締めは森さん、菅官房長官が陰で仕切り、下村文科相が現場担当、新設された五輪相になった遠藤さんは森の子分。みんな清和会のメンバーです」。自民党のベテラン国会議員はそう解説し、読売はこのラインと接点が多い、という。 インターネットに食われ部数が激減する読売新聞は、スポーツなどエンターテインメントに活路を求めている。五輪は願ってもないビジネスチャンスなのだろう。社会部が強かったころの読売新聞なら、新国立競技場に絡む不透明な構図は格好のテーマだったはずだが
⑤白紙撤回は本体だけ、周辺再開発は撤回せず
・不透明なのはメーンスタジアムの工費だけではない。10日の参議院予算委員会で巨大競技場と連動する周辺の再開発で合わせて435億円の契約が残っていることが明らかにされた。その中にはJSC本部が入るビルの建て替えまで入ってる
・新競技場の建設で隣接する日本青年館を取り壊し、高層の新ビルを近くに建て、その3フロアをJSCが本部として使う。JSCが負担する47億円は国家予算すなわち税金だ。この話には前史がある
・2013年度の補正予算に旧国立競技場の解体費として200億円が計上された。解体に200億円は多すぎないか。河野太郎・党行革本部長が調べると、解体関連の予算は70億円だけで、126億円がJSC本部事務所等移転関連費(残る4億円は埋蔵文化財の調査費)だった。移転関連に日本青年館の建て替えが含まれていたのだ。日本青年館は1964年の東京五輪に合わせて建てた、文科省の管理下にある日本青年団協会の建物だ
・文科省は旧競技場解体のどさくさで配下にある二つの天下り機関を税金でリニューアルさせようというのだ。財政再建の折、外郭団体のために新ビルなど論外、というときに、五輪関連として納税者の目が届かないところで、こっそり予算を付ける。そんな手口が許されるのか
・ゼロからの見直しなら白紙撤回が筋だろう。予算委員会で蓮舫議員は「まだ間に合う。この計画も白紙にすべきだ」と迫った。ところが遠藤五輪相は「ゼロベースでの検証は新国立競技場本体の施工のみ」と答弁した。下村文科相も「新競技場を作るには周辺の整備も必要」と撤回する気は毛頭ない
・新競技場の建設には日本青年館の取り壊しがどうしても必要なのか。代替地は神宮でなければいけないのか。高層ビルを建てJSC本部をそこに置くことが妥当なのか。誰がいつ判断したのだろう
⑥利権渦巻く都心最後の再開発地
・ 「神宮の杜は都心に残された最後の再開発地としてゼネコンや政治家が狙っていた。周辺との調和から手を付けられなかったが、着手する絶好の口実が東京五輪だった」。政治ジャーナリストの鈴木哲夫氏はいう。外苑一帯は建築基準法で高さ20メートルという制限があった。競技場周辺は風致地区でもあり15メートルに規制されていた
・ところがJFCは2012年7月のデザイン募集で「高さ70mまで建設可能」と通知した。役所の外郭団体が独断で建築基準を無視するなどできるわけがない。「建築基準は後でなんとかなる」と指示した有力者がいたとしか思えない
・デザインはその年の12月に決まり、半年たった2013年6月、東京都都市計画審議会が開かれ、高さ制限を75mに変更した。300%だった容積率は倍増され600%になり、日本青年館とJSC本部の高層ビルが可能になっただけでなく、青山通りにかけて神宮一帯の高層化が可能になった
・都心に残された貴重な緑地であり、近代の歴史遺産が残る神宮外苑を、空を覆う巨大な建造物で埋めていいのか。 「神宮外苑と国立競技場を未来に手渡す会」という市民団体は2年前から、不透明な事業と建設費の膨張に警鐘を発し、建築デザイナーの協力を得て「既存の競技場を使ってオリンピックを行うことは可能だ」と提言してきた。そうした声を断ち切るように旧競技場は解体し、周辺の樹木は伐採された
・どこで誰が決めたのか分からない事業が、後戻りさせまいという意思を感じさせる強引さで進められてきた。その結果が建設費の膨張となって国民の顰蹙を買った
・新国立競技場を巡る疑惑は、まだまだある。国家プロジェクトと言いながら、責任の所在が不明なまま、国民の目が届かないところで、重要なことを誰かが決めてきた
・白紙撤回はメーンスタジアムだけでいいのか。東京五輪を「誰かがうまくやってくれるだろう」と思っていたら「誰かがうまい汁を吸う構造」になる恐れがある
http://diamond.jp/articles/-/77407

五輪後の活用方法は、維持管理費だけでなく、仮にプロの野球やサッカーのホームグラウンドにするのであれば、当初の建設コストの回収分も利用料として徴求すべきだが、問題はその決定過程を如何に透明なものにしていくかだ。しかし、今回の騒動をみていると、「いつの間にか決まっていた」となる懸念が強い。
文科省が実は2013年8月に工費3462億円の報告を受けていた、というのも驚きだ。
神宮外苑周辺の建築規制が大幅に緩和され、貴重な緑が失われるのは残念であると同時に、腹が立つ。
白紙撤回されたのはメーンスタジアムだけで、日本青年館とJSC本部の高層ビル化やその他の開発利権はそのまま、というのも腹が立つ。野党やマスコミ(読売以外)ももっと追究して欲しいものだが、期待するだけ無駄なのかも知れない。
タグ:ダイヤモンド・オンライン 28回 山田厚史 新国立競技場問題 残された問題点:新疑惑続々 新国立競技場に新疑惑続々、五輪後は読売巨人の本拠地に?」 東京五輪が終わったらどう使うか 下村文科相の発言 2020年以降は民間委託 プロの野球やサッカーのホームグラウンドにするのは十分ありうる話だ 五輪後の利権まで話題に 新国立競技場に疑惑のまなざしがいかに強いか ゼロからやり直し 日本スポーツ振興センター(JSC)が引き続き事業主体 体制は何も変わっていない デザインをやり直せば一件落着 JSCは2013年7月に設計会社から工費の膨張を知らされていた 3462億円の工費がかかる、と分かり8月に文科省に報告 競技場として市民に開放することを『税金の垂れ流し』と言う文科大臣の感覚は信じ難い 読売新聞の上層部には、後楽園ドーム球場に頼らず、独自の球場を都内に持ちたい、という願望 「読売」が噂の中心になるのは、政権との近さからだ 安倍首相とナベツネ会長の親密な関係 最近の読売紙面は政府の広報かと思えるほど「与党化」 ・ナベツネ会長が安倍首相の後見人 河野太郎衆院議員 関係閣僚会議は話し合う場になっていない。事務局の報告を聞くだけ 森喜朗元首相の「時代の証言者」 渦中の人物のヨイショ記事 清話会が仕切る東京五輪関連事業 五輪は願ってもないビジネスチャンス 白紙撤回は本体だけ、周辺再開発は撤回せず 日本青年館とJSC本部の高層ビル化 ゼロベースでの検証は新国立競技場本体の施工のみ 下村文科相も「新競技場を作るには周辺の整備も必要」と撤回する気は毛頭ない 神宮の杜は都心に残された最後の再開発地 着手する絶好の口実が東京五輪 競技場周辺は風致地区でもあり15メートルに規制 デザイン募集 「高さ70mまで建設可能」と通知 。「建築基準は後でなんとかなる」と指示した有力者がいた 高さ制限を75mに変更 300%だった容積率は倍増され600% 青山通りにかけて神宮一帯の高層化が可能になった 旧競技場は解体 周辺の樹木は伐採 国家プロジェクトと言いながら 責任の所在が不明なまま 国民の目が届かないところで、重要なことを誰かが決めてきた 誰かがうまい汁を吸う構造
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