インフラ輸出(その14)(インドネシア高速鉄道が「中国の中古車両が走る中国の鉄道」に成り果てる可能性、中国鉄道メーカー 欧州で「車両契約解消」の衝撃 2年経っても運行認可出ず 今後の展開に暗雲、なぜ世界一の「日本の新幹線」が海外で売れないのか…日本人は「技術の売り方」を根本的に勘違いしている 「付加価値」への努力の方向性が間違っている)
インフラ輸出については、1月23日に取上げた。今日は、(その14)(インドネシア高速鉄道が「中国の中古車両が走る中国の鉄道」に成り果てる可能性、中国鉄道メーカー 欧州で「車両契約解消」の衝撃 2年経っても運行認可出ず 今後の展開に暗雲、なぜ世界一の「日本の新幹線」が海外で売れないのか…日本人は「技術の売り方」を根本的に勘違いしている 「付加価値」への努力の方向性が間違っている)である。
先ずは、4月30日付け現代ビジネス「インドネシア高速鉄道が「中国の中古車両が走る中国の鉄道」に成り果てる可能性」を紹介しよう。
https://gendai.media/articles/-/94929?imp=0
・『3兆ルピアを国庫から負担 インドネシアの首都ジャカルタと西ジャワ州の州都バンドン間150kmを結ぶ高速鉄道計画が壁に直面している。 インドネシア側と中国側で合弁を組む「インドネシア中国高速鉄道会社(KCCI)」などによると、建設費用が不足しており、このままでは2022年度中の開業も難しい局面になりかねない、というのだ。 資金不足は主に用地買収の遅れや建設現場周辺への環境対策によるものとされ、当初の見通しの甘さや杜撰な資金計画が浮き彫りとなっている。 この高速鉄道計画は2015年、ジョコ・ウィドド政権が公表し、日本や中国など海外業者の入札を求めた。鉄道技術では世界有数の日本は官民連携でこの入札に応じたが、インドネシア政府は突如入札の延期を発表、その直後に再度の入札を実施して中国が落札した経緯がある。 当時の菅官房長官は、安全性を最優先して有力視されていた日本から突然中国に鞍替えしたインドネシアの姿勢に「常識的に考えられない」と不快感を露わにした。 中国側は、早期着工・早期完成・開業をうたい上げ、環境アセスメントもいい加減なものと言われる。一説にはインドネシア側が日本の環境アセス資料を裏で流し、中国はそれに少し手を加えて提出したともいわれるなど、いわくつきの落札だった。 さらに建設に関わる一切の費用について「国庫負担を求めない」としたことが、「自分の懐が痛まない」と歓喜したインドネシア側が中国に落札させた最大の決め手と言われた。ところが、建設費は様々な要因から不足し、2021年11月にはインドネシアが当初の約束に反する不足費用の国庫負担を決め、3兆ルピア(約357億円)を支出することになった。 このころから最初は諸手を上げて大規模国家プロジェクトである高速鉄道計画を持ち上げていたインドネシアメディアの中にも「本当に実現できるのか」という疑心暗鬼が生まれ、以後、ジョコ・ウィドド政権に対して否定的な報道もみられるように事態が変化した』、「安全性を最優先して有力視されていた日本から突然中国に鞍替えしたインドネシアの姿勢に「常識的に考えられない」と不快感」、「建設費は様々な要因から不足し、2021年11月にはインドネシアが当初の約束に反する不足費用の国庫負担を決め、3兆ルピア(約357億円)を支出」、「インドネシアメディアの中にも「本当に実現できるのか」という疑心暗鬼が生まれ、以後、ジョコ・ウィドド政権に対して否定的な報道もみられるように事態が変化」、当然の帰結だ。
・『資金不足はなぜ生じたのか 高速鉄道計画は当初、建設に関わる資金として55億ドルを金利2%で中国開発銀行から融資を受け、40年で返済することになっていた。ところが建設に際し土地の収用が思ったように進まず、建設地周辺の環境問題も発生、そこにコロナ禍が追い打ちをかけ、工事中断や中国からの労働者の入国制限、労働者のPCR検査費用などが膨れ上がり、資金不足に陥ったとされる。 これにより2018年完工という当初の目標は何度も延期され、現在では2023年初めの完工となっている。 2022年初めにはインドネシアは2022年中の完工としており、11月にバリ島で開催予定のG20会議(主要20カ国・地域の首脳・財務相、中央銀行総裁会議)に出席予定の中国の習近平国家主席とジョコ・ウィドド大統領が完成した高速鉄道に試乗する計画を打ち上げたが、これさえも危うくなっている。 そのため、一部区間だけの完成を急ぎ、その限定区間だけの試乗ならあり得るかも知れないとの観測も出ている。 資金不足に直面したインドネシア政府は2021年11月、国庫の支出に踏み切らざるを得なくなった。中国との間では「インドネシア側に国庫負担は負わせず、資金の保証も求めない」と約束していたにもかかわらず、約4.3兆ルピア(約357億円)の支出を決めたのだった。 この国庫支出は、高速鉄道の運営にあたる「インドネシア中国高速鉄道会社(KCCI)」に出資している「国営インドネシア鉄道(KAI)」への融資という形をとっている。 KCCIは一応、国費投入の資金不足は工事費増大とは直接関係なく、インドネシア側の企業連合体からKCCIへの出資額が不足していることが主な要因と説明している。 こういうわけで「資金不足の悪夢」が再びインドネシアを襲ったのだが、インドネシア政府への融資増額という国庫への負担はなく、胸をなでおろしたものの、2023年6月への完工延期、工事進捗率が82%に過ぎず全路線で13あるトンネルのうち3本が未完であること、高架工事でミスがあり橋脚撤去工事中に事故が起きるなど、依然として不安材料は山積している』、「完工」は「2023年6月へ」「延期」したが、「工事進捗率が82%に過ぎず全路線で13あるトンネルのうち3本が未完であること、高架工事でミスがあり橋脚撤去工事中に事故が起きるなど」、からもっと「延期」される可能性もあろう。
・『中国側にさらなる追加融資依頼へ こうした中、4月21日、高速鉄道計画は再び資金不足に陥り、今回は中国側に追加融資を要請することになりそうだと米系メディアが報じた。 それによると、インドネシア側は約20億ドルに及ぶ不足分の75%を中国開発銀行に求めるものとみられるという。当然、どうして再び資金不足となったのか、あまりにも杜撰ではないかとの批判が噴出している。 コロナ禍という予期せぬ未曾有の出来事があったために出資が膨れ上がったとしても、そもそもの中国の応札時の見積もりに不備があったなどと、今さらあれこれ言っても詮無いこととはいえ、当然のことながら、中国の杜撰な計画を鵜呑みにして進めたインドネシア側にも責任はあるだろう』、「中国の杜撰な計画を鵜呑みにして進めたインドネシア側にも責任はある」、その通りだ。
・『首都移転計画の前途にも暗雲 インドネシア政府は2045年の独立100周年までに現在の首都ジャカルタを約1200キロ北に離れたカリマンタン島(マレーシア名ボルネオ島)東カリマンタン州の熱帯雨林地帯に移転する大型国家プロジェクトを抱えている。 このジョコ・ウィドド大統領の肝いり政策とされる国家的プロジェクトにも大きな問題があり、早くも実現は難しい、一部移転に留まるのでは、などという後ろ向きの見方がでている。 資金問題に関しては高速鉄道計画と同様、政府はその多くの費用を外国や外国企業からの投資に頼っている。日本のソフトバンクも孫正義会長が2021年1月にジャカルタを訪問、ジョコ・ウィドド大統領、ルフット・パンジャイタン調整相(海事・投資)らと会談して、首都移転計画に賛同して融資する方針を明らかにした。 孫氏は英国のブレア元首相らとともにインドネシア政府の首都移転問題審議委員会のメンバーに選ばれており、インドネシア側の期待が大きかったことをうかがわせた。 だが2022年3月、ソフトバンクは突然、インドネシアの首都移転計画への融資を取りやめると、インドネシア側に理由を詳しく明かさないまま撤退を通告した。 ソフトバンク側は予定していた融資額については明確にしていないが、インドネシアのルフット・パンジャイタン調整相(海事・投資)などからは「資金額は200?400億ドルだった」と大きな失望の声が漏れた。 あわてたインドネシア政府は「今後は別の企業、さらに中国にも支援を求めていきたい」と表明、再び中国頼みの巨額プロジェクトとなりそうな気配が漂っている。 国際協力機構(JICA)がインドネシアの日系企業に勤める日本人を対象にした調査では、「首都移転が実現するかどうかは半信半疑」との回答が実に77%に達した。「実現の可能性は低い」は8.5%、「移転は確実に実現する」は14.5%という結果が出たという。 インドネシア側も、首都移転に伴う財政的裏付けの確保に躍起の財務省を中心に、政府部内にも実現の可能性に疑問を抱く声が広がっているという。 首都移転計画では国会や各省庁の機能が移転するが、経済的な機能を持つ関係省庁はジャカルタに残す方針だ。これは首都移転に伴い、ジャカルタに進出している外国企業の事務所や営業所、工場などの大半が移転を計画していないことなどが影響しているという。 先のJICAの調査でも72%が現地法人・駐在員地味所を新首都に移転させる可能性は「低い、またはない」と回答している』、「首都移転計画」に「ソフトバンク」が投資する約束を撤回したとは初めて知ったが、「インドネシア」側のいい加減な姿勢を考慮すれば、当然だ。
・『どうなる高速鉄道計画 中国主導で進められてきた高速鉄道計画は、4月には一部で線路の着工が始まるなど建設工事自体は止まっていない。しかし資金問題を抱え、このままでは中国の銀行からの増資を受けることになり、ますます中国依存が高まり、「中国の鉄道」となりかねない。 すでにジャカルタに到着したという中国製車両も、当初予定の新型ではなく「中古」の車両だったとの報道もある。KCCI側はあくまで試験用車両と説明しているが、このまま資金不足が続けば、中国の中古車両が走る中国の高速鉄道となる可能性も残る。 中国が一方的に推し進める「一帯一路」政策の甘い罠に乗ってしまったインドネシアは今後、中国による「債務の罠」にはまる危険性も十分あり、ジョコ・ウィドド政権の冷静な目による観察と判断が求められている』、「「一帯一路」政策の甘い罠に乗ってしまったインドネシアは今後、中国による「債務の罠」にはまる危険性も十分あり、ジョコ・ウィドド政権の冷静な目による観察と判断が求められている」、同感である。
次に、5月15日付け東洋経済オンラインが掲載した欧州鉄道フォトライターの橋爪 智之氏による「中国鉄道メーカー、欧州で「車両契約解消」の衝撃 2年経っても運行認可出ず、今後の展開に暗雲」を紹介しよう。
https://toyokeizai.net/articles/-/588917
・『チェコの民間鉄道会社レオ・エクスプレスが、購入契約を結んでいた中国中車(CRRC)製の新型電車「シリウス」3編成の契約を解消したと、チェコの情報サイト「Zdopravy.cz」が4月25日に報じた。同サイトは、複数の情報筋から契約破棄に関する情報を入手したとしており、その1つはレオ・エクスプレスからのものだとしている。 レオ・エクスプレスのスポークスマン、エミール・セドラジーク氏は同サイトの取材に対し、「契約上の取り決めにより、レオ・エクスプレスとCRRCの機密関係や進行中の交渉についてコメントすることはできません」と返答したが、契約終了について否定はしていない。契約は、すでに製造された3編成分の受け取り拒否はもちろんのこと、30編成分の追加発注オプションも含め、すべて破棄される見込みのようだ』、「契約は、すでに製造された3編成分の受け取り拒否はもちろんのこと、30編成分の追加発注オプションも含め、すべて破棄」、どんな事情があったのだろう。
・『2年経っても認可を得られず 新型車両「シリウス」は、ヨーロッパにおける運行認可を取得するため、チェコのVUZヴェリム試験場で2年以上前の2019年9月からテストが続けられている。レオ・エクスプレスは当初、「新型車は2020年の春~夏頃から運行を開始する予定だ」と述べていたが、いまだに運行認可を取得できていない。 「シリウス」は、最高速度こそ現有車両のスイス・シュタドラー製FLIRTと同じ時速160kmであるが、直流3kV専用車のFLIRTと異なり、交流25kV・50Hzにも対応した複電圧車で、直流と交流区間が混在するチェコ国内の運用範囲拡大、および国際ルートの拡充を目論んでいた。また、中国メーカー製ではあるが、全パーツの5分の1はチェコ製で、信号システムなど主要部品もチェコ製を採用していた。) アルミ製車体・連接構造の「シリウス」は全長111.2m。現有車両より若干長いことからプラハ中央駅のレオ・エクスプレス専用ホームは長さが足りず、出発信号機の閉塞区間にも干渉してしまう問題があったが、対応工事を実施し完了していた。すでに製造された3編成のうち、2編成がチェコのヴェリム試験場へ送られていたが、契約解消後も当面はヴェリムに残るとされている。 契約破棄となると、両社とも今後の計画を見直す必要に迫られることになる。まず、車両を発注したレオ・エクスプレスは、この新型車両の導入に合わせて運行本数の増大や運行区間の拡大を予定していたが、これらの計画はすべていったん白紙撤回することになる』、「新型車両「シリウス」は。2年以上前の2019年9月からテストが続けられている・・・が、いまだに運行認可を取得できていない」、「「シリウス」は、直流3kV専用車のFLIRTと異なり、交流25kV・50Hzにも対応した複電圧車で、直流と交流区間が混在するチェコ国内の運用範囲拡大、および国際ルートの拡充を目論んでいた」とはいえ、2年以上経っても認可が得られないというのは、異常事態だ。
・『レオの株主にはスペインメーカー 気になるのは、レオ・エクスプレスの株式の55%を保有するのはスペイン資本で、その一部にはスペインの鉄道車両メーカー大手のCAF社が絡んでいる点だ。具体的には、スペインの鉄道会社Renfeが49.9%の株式を保有し、5%はスウェーデンに拠点を置くEuroMaint Gruppe(ユーロメイント)という会社が保有しているが、この会社は2019年にCAFが買収し、同社の100%子会社となっている。 この先はあくまで憶測にすぎないが、CAFは以前よりチェコ鉄道の車両入札へ応札したり、ポーランドのバスメーカーであるソラリスを傘下に収めたりと、中欧市場へかなり関心を持っていることがうかがえる。また、2021年にはアルストムから連接車両「コラディア・ポリヴァレント」と「タレント3」のプラットフォームおよび生産拠点を取得するなど、事業の拡大を進めている。 これらの動向から、シリウスが2年以上にわたってテストを続けるも一向に運行認可を取得できないことを口実としてCRRCとの契約を破棄させ、代わりに同社製の車両を導入させることも視野に入れているのではないか、というシナリオが見えてくる。 実際、今回契約を破棄されたとされるシリウスも、すでに営業を行っているシュタドラーFLIRTも、最高時速160kmの連接式車両という点でコラディア・ポリヴァレントやタレント3と共通している』、「シリウスが2年以上にわたってテストを続けるも一向に運行認可を取得できないことを口実としてCRRCとの契約を破棄させ、代わりに同社製の車両を導入させることも視野に入れているのではないか、というシナリオが見えてくる」、大いにあり得るシナリオだ。
・『CRRCは今後どうする? 一方のCRRCは、シリウス3編成をすでに製造し、テスト走行も開始している。しかし前述の通り、ヨーロッパ域内での走行認可が取得できなければ営業運行ができないため、ヨーロッパ域内ではどこの鉄道会社とも契約することはできない。となると考えられるシナリオは2つある。1つは認可取得へ向けて引き続きテストを行い、その傍らで他の運行会社との交渉を地道に続けること、もう1つはヨーロッパ域内での運行を諦め、他の国や地域へ売却することだ。 こうした認可や運行許可は、あくまでヨーロッパ域内での話で、標準軌で直流3kVもしくは交流25kV・50Hzで電化されている国であれば、理論上は運行することが可能なので、この基準に合致する国を探すというのが手っ取り早い。極端な話ではあるが、例えば中国は交流25kV・50Hzで電化されているので、同社が引き取って持ち帰ったとしても運行できないわけではない。 CRRCはすでにオーストリアのウィーンに支社を置き、ヨーロッパへの販路拡大に注力しているが、今のところヨーロッパ市場へ参入できているとは言い難い。 今回、契約を破棄されたレオ・エクスプレス向けシリウスとは別に、同社は2つのプロジェクトを推進している。1つはハンガリーの貨物会社レールカーゴハンガリア(Rail Cargo Hungaria・RCH)向けの電気機関車バイソン、もう1つはオーストリアの民間鉄道会社ウェストバーン(Westbahn)向けの新型2階建て電車で、これらはいずれもリース契約となっている。 RCH向け電気機関車は、すでにテスト走行を開始しており、こちらも運行認可の取得が課題となっている。ウェストバーン向けの新型2階建て電車は、先日中国より出荷され、5月4日にチェコのヴェリム試験場に到着、今後はテスト走行と認可の取得へ向けた準備に入る。 リース契約は、車両の保有権はあくまでCRRCにあり、運行開始後は同社の責任のもとで運行会社がリース料を払いながら使用するという形で、契約にはフルメンテナンスも含まれている。一定期間のリース終了後、鉄道会社がその車両に満足すればそのまま残りの資産価値分を支払って買い取ることもできるし、不要となれば契約解除できるという点は、自動車のリース契約と同じ仕組みだ。実際に運行を始めるまではリース料の支払い義務はないから、鉄道会社側は運行開始が遅れてもリスクを負うことはない』、リスクは「CRRC」が負っている形だ。
・『CRRCは欧州に踏みとどまれるか RCHやウェストバーンがレオ・エクスプレスと異なるのは、CRRC製の車両導入が今後を見据えた長期計画に基づくものではなく、あくまで「買い増し」のような位置付けであることだ。つまり、現有車両の置き換えや増発計画といった会社の戦略に影響を及ぼすものではなく、レオ・エクスプレスのように、車両を導入できないことが経営計画に大きく響くことはない。 ウェストバーンに至っては、自社の予算ですでにシュタドラーから新型電車を大量導入しており、CRRC製の車両は「もしうまく走るようになれば、今後はそちらから買うことを検討するよ」というスタンスだ。もともと計画に組み込まれていない買い増しであることに加え、営業運転が開始されるまで費用を払う必要はないのだから、ウェストバーンが大きなリスクを背負うことはない。 逆にCRRCは、ここからが正念場となる。契約破棄という汚名を返上するためにも、リース契約を承諾している2つの会社へ、まずはきちんと車両を納入し、さらにこの2つの顧客を満足させるだけのパフォーマンスを見せなければならない。当然ながら、ヨーロッパの鉄道会社のほとんどはこのニュースを注視しているはずで、2つのリース契約で成果を上げなければ、ヨーロッパ市場への進出という野望は霧散することになる。 はたして今回の契約破棄という失敗を糧に、ヨーロッパ市場へ食い込み、踏みとどまることができるか。世界最大の鉄道車両メーカー、巨人CRRCの真価が問われる』、「世界最大の鉄道車両メーカー」といえども、「契約破棄という汚名を返上するためにも、リース契約を承諾している2つの会社へ、まずはきちんと車両を納入し、さらにこの2つの顧客を満足させるだけのパフォーマンスを見せなければならない」、大株主の意向だったとはいえ、「契約破棄」の代償は安くはないようだ。
第三に、8月30日付けPRESIDENT Onlineが掲載した元住友商事社員・YouTuberの小林 邦宏氏による「なぜ世界一の「日本の新幹線」が海外で売れないのか…日本人は「技術の売り方」を根本的に勘違いしている 「付加価値」への努力の方向性が間違っている」を紹介しよう。
https://president.jp/articles/-/60717
・『日本は世界の鉄道建設で中国に敗れ続けている。元住友商事社員の小林邦宏さんは「日本はいまだに鉄道の価値を『速さ』だと思っている。すでに鉄道の価値は速さから『快適さ』に移りつつある。そこに勘違いがあるので、中国勢に負けてしまう」という――。 ※本稿は、小林邦宏『鉄道ビジネスから世界を読む』(インターナショナル新書)の一部を再編集したものです』、「「日本はいまだに鉄道の価値を『速さ』だと思っている。すでに鉄道の価値は速さから『快適さ』に移りつつある」、言われてみれば、その通りだ。
・『20年間で根本的に変わった「移動している時間」 世界中を旅していると、時間の感覚が妙に敏感になることがある。 ある国の駅から高速鉄道で別の国の駅に向かっていて、自分は「未来に向けて旅しているのだ」などと考えてしまうのだ。たしかに、到着時刻は出発時刻から見れば明らかな未来なのだが、普段は地球上の2点間の物理的距離を移動しているという認識しかない。日常の生活では到着時刻という数時間先を未来と考えることは少ないが、旅という特殊な環境(私にとっては日常かもしれない)が、今まで気づかなかったことに気づかせてくれることもあるようだ。 人間の1日の行動を「○○している時間」という視点で区切って考えてみると、たとえば「眠っている時間」に人間がやっていることは100年前とほとんど変わっていない。100年前に比べてベッドで寝る人が増えたとか、変化といってもその程度だろう。「働いている時間」は、ITの発達やテレワークの普及などで変化もあるが、それでも100年前にデスクワークしていた人は、現代でもデスクの前に座っているはずだ。 なんといっても、この20年間でもっとも大きく根本的に変わったのは「移動している時間」だろう。 簡単にいってしまえば、かつての移動時間というのは“死んだ時間”だった。出発して目的地に着くまでの数時間、基本的に通信も途絶状態だった。そのため、昔のサラリーマンは新幹線に乗り込むと「どうせ数時間は仕事ができない」と諦めて駅弁を開き、缶ビールを飲んでいた。しかし、現代のビジネスマンが新幹線に乗って、まず開くのはラップトップPC。もちろん、通信も可能だ』、「かつての移動時間というのは“死んだ時間”だった。出発して目的地に着くまでの数時間、基本的に通信も途絶状態だった」、「現代のビジネスマンが新幹線に乗って、まず開くのはラップトップPC。もちろん、通信も可能だ」、確かに「移動時間」はかつてに比べ激変したようだ。
・『リニアをはじめとする高速鉄道は本当に必要なのか こうなると、新幹線の速度が上がって目的地までの所要時間が1時間短縮されたところで、さほどうれしくもないだろう。むしろ、列車の速度よりも「快適な作業環境」こそが、利用者が鉄道に求めているものではないのか。たとえば、豪華なクルーズ船というのは、そもそも「速さ」よりも「快適さ」を重視した移動手段だが、現在では衛星回線を利用したインターネットも使用できるようになっている。今後はビジネス・エグゼクティブの移動手段としての需要が増えてもおかしくないはずだ。 世界各地の入札で中国に敗れ続けながらも、日本は新幹線を輸出するべくアプローチを続けている。2015年にはバンコク―チェンマイ間(約670km)の高速鉄道建設で日本はタイ政府と合意し、正式契約も締結された。しかし、高速鉄道は本当に「今求められるもの」なのだろうか? また、品川―名古屋間を40分で結ぶリニア中央新幹線は、本当に必要なのか?』、「バンコク―チェンマイ間(約670km)の高速鉄道建設」、は感覚的に需要があるとは思えない。「リニア中央新幹線」についても、このブログで何回も取上げているが、既存の新幹線で十分に用が足りるので不要と思う。
・『高速鉄道が成功を収める地理的条件 世界初の長距離高速鉄道として1964年に開業した東海道新幹線は営業面でも成功を収め、現在でもJR東海の圧倒的主力路線として活躍中である。しかし、この成功の背景には、ある「地理的な条件」が存在していたはずだ。 東京―新大阪間の路線距離は515km。この程度の距離で、しかも同じ本州に位置する日本の首都と当時の第2の都市を結んだことが、東海道新幹線の成功の理由だろう。そう考えれば、台北市・南港駅から高雄市・左営駅の345kmを約90分で結ぶ台湾高速鉄道も成功の条件を満たしている。実際に集客力も高いようだ。 一方で、バンコク―チェンマイ間を結ぶタイの高速鉄道は前述の通り、日本が開発援助のパートナーとなったが、契約はしたもののプロジェクトは本格始動していない。現地では、この高速鉄道の採算性を問題視する声もあるという。670kmという距離に問題があるのだろうか。 東海道・山陽新幹線で東京駅から670kmというと、岡山のあたり。高速鉄道の限界ギリギリかもしれない。行き先が広島なら、多くの人が飛行機を利用するだろう。また、ニュージーランドのように首都ウェリントンと第2の都市クライストチャーチが南北の島に分かれている国も、高速鉄道建設には向いていないはずだ』、「バンコク―チェンマイ間を結ぶタイの高速鉄道」は「採算性を問題視する声もある」、「本格始動していない」のを幸いと止めるべきだろう。北海道新幹線も、「札幌」までなら、飛行機にはからわないだろう。
・『クルマ社会では「降りた後の移動手段」も重要 さらに、2022年3月には米国のバイデン大統領が雇用プランの一環として、テキサス州に日本の技術で高速鉄道を建設するプロジェクトを発表したが、これはどうだろう。ヒューストン―ダラス間、約380kmを90分で結ぶというから、距離は台湾高速鉄道と同程度。しかし、バイデン大統領は「公共交通の整備」も雇用プランに掲げているが、アメリカの社会を考えると「高速鉄道に乗るまで、降りた後の移動手段は?」と心配になってしまう。 ちなみに、私は22年4月にダラスに滞在していたが、現地のビジネスマンと会話しても誰もこのプロジェクトを知らなかった。私がプロジェクトが現在進行中であることを伝えると、彼らは一様に 「そんなのカネの無駄遣いだ。プロジェクトを主導している政治家はアメリカのことがわかっているのか クルマ社会のテキサスで、駅に着いてからどうすればいいんだよ」と語っていた』、「ヒューストン―ダラス間、約380kmを90分で結ぶ」「高速鉄道」も、「カネの無駄遣いだ」ろう。
・『カップ麺が1分で完成しても価値は3倍にはならない では、着々と建設が進められてきたリニア中央新幹線は成功するのだろうか? 2027年に開業が予定されている品川―名古屋間は約285km。この距離が、最高時速505kmのリニアモーターカーによって約40分で結ばれるという。突発的に「1時間以内に東京から名古屋に行かなければいけない」という事態に遭遇した人には、唯一の移動手段となるだろう。しかし、そんな人がどれだけいるだろうか。それ以外の人々にとって、リニア新幹線の速さはどれだけの価値を持つのだろうか。 そもそも前述の通り移動手段の価値基準は「速さ」から「快適さ」へと重心が移りつつあるが、それ以前から「速さ」がもたらす価値には一定の限界があったはずだ。 たとえば、お湯を注いで3分で食べられるカップ麺は世界的ヒット商品となったが、調理時間を1分に短縮したところで売り上げが3倍にならないことは、すでに実証されている。また、調理時間が5分という商品も、市場で特に劣勢というわけではない。つまり、カップ麺の調理時間に求められる「速さ」は、3分前後で価値をもたらす限界に達するということだ』、次のブロックでコメントしたい。
・『リニアは速すぎて従来の鉄道と同じ通信手段を使えない 現代の移動手段では、ある意味で速さよりも重要になる「快適な作業環境」という要素はどうだろうか。前述したクルーズ船や、飛行機では衛星回線を使ったインターネット・サービスが利用できるが、鉄道で衛星回線を利用している例はまだ聞いたことがない。そして、リニア中央新幹線は従来の鉄道と同じ通信手段を使うには「速過ぎる」という問題を抱えている。 JR東海はホームページにリニア中央新幹線に関するFAQのコーナーを設けていて、 トンネルの中でも電波はありますか。(車内で携帯電話やPCのインターネットは繋がりますか。)(原文ママ、以下同) という質問に対して次のように回答している。 営業線での携帯電話やインターネット接続サービスは、今後の世の中の技術の動向やお客さまのニーズを踏まえ、より良いサービスの形を今後検討していきます。 要するに、現時点では問題が存在し、それが解決できるかもわからない、ということだ。大丈夫か 編集部註:JR東海は、プレジデントオンラインに対し「リニアの走行環境における通信について、現時点で実用化の見込みは立っている」と回答しています』、「品川―名古屋間」が94分から40分になっても、私は乗りたいとは思わない。まして、「携帯電話やインターネット接続サービス」が使えないのであれば、乗りたくない。
・『日本人はテクノロジーを向ける先の把握が苦手 2005年から15年までフランスのブガッティ・オトモビルが生産していたスーパーカー「ヴェイロン」は、標準モデルでも最高時速407kmという驚愕きょうがくのスペックを誇った。時速200kmで飛ばしているクルマを、さらに200km以上速い速度でブチ抜けるというのだから尋常ではない。「東京から成田まで最高速度で巡航すればわずか10分。ただし、道路が直線ならば(笑)」といわれたほどだ。 しかし、限定生産300台の内、日本には15台が割り当てられていたが、実際の販売は3台にとどまった。日本での販売価格は1億6000万円以上だったが、この手の商品に価格はあまり関係ない。「最高速度の時速407kmを出すには、一度停まって、ウィングを出す必要がある」という“意味不明”のメカニズムがユーザーに敬遠された可能性はあるが、やはり「最高時速・407km」は必要の限界を超えた速さだったのだろう。 自動車の開発者が速いクルマを作りたくなるのは当然だ。それは、自動車に関わるすべての技術者の本能かもしれない。 しかし、ビジネスの焦点は、必ずしもそこにはないということだ。実際に、スーパーカーのマーケットは自動車産業全体の一部に過ぎない。軽自動車のマーケットも存在するし、大型トラックのマーケットも存在するのだ。軽自動車マーケットで儲けようというのなら「速さ」とは異なるセールス・ポイントが必要になるのは、いうまでもない。 つまり、テクノロジーを向ける先を正確に把握することが必要なのだが、私には、どうも日本人はここも苦手にしているように思えてならない』、「日本人はテクノロジーを向ける先の把握が苦手」、同感である。
・『テレビの「リモート出演」もいつの間にかスタンダードになった たとえば、テレビ放送や受信用モニターは驚くべき貪欲さで画質を向上させているが、この開発競争はどこまで意味があるのか。多くの人が「もう、いいでしょ」と感じているはずだ。人間の眼には限界がある。一定のレベルを超えれば、どんなに画質を向上させてもヴェイロンの過剰なスピードと同じになってしまうのだ。 そして、コロナ禍は図らずも「テレビにこれ以上の画質は必要ない」ということを多くの人に体験的に認識させてしまった。ワイドショーの出演者の多くが、スタジオで密状態になることを避けてインターネット回線を利用してリモートで出演するようになったが、ほとんどの視聴者がその低画質によるストレスを感じないからスタンダード化している』、「テレビ画面」の液晶、有機ELなどのキレイさの競争もこのところ落ち着いた印象がある。「テレビにこれ以上の画質は必要ない」との「認識」が広がってきたためだろうか。
・『温水洗浄便座が世界的ヒットになったワケ 私にも、日本の大手家電メーカーに勤める友人がいる。彼は、私に会うと自分が携わっている新商品の話をしてくれる。 「今度の商品には、こんな機能がついている。さらに、こんな機能も。そして、スマホを活用すれば、こんなことだって可能だ」 私は、聞きながら「その機能って、必要か?」と考えている。友人も、それらの新機能に大きな価値がないことはわかっているから、話しているうちに声のトーンも落ちてくる。一説によると、撃沈された戦艦大和も“無駄なテクノロジー”の塊だったそうだ。日本人には、誤った方向へテクノロジーを発展させていく性癖があるのかと思えてしまう。 近年、日本人の創意工夫が正しい方向に向かってヒット商品を作った例といえば、ウォシュレットなどの温水洗浄便座ぐらいのものかもしれない。この商品では日本のテクノロジーが正しい方向に向かったということだが、その理由も明確な気がする。 まず、この商品では開発に際してテクノロジーを向ける先が、間違えようもないほどハッキリしている。排便後の肛門周辺を洗浄するということだ。そして、従来はそこにトイレットペーパーが置いてあっただけ。目的を見誤ることなく、存分の創意工夫を働かせる余地があったから、日本の温水洗浄便座は中国などでもヒット商品となったのだ』、確かに「温水洗浄便座」は「テクノロジーを向ける先が、間違えようもないほどハッキリしている」、ので成功したのだろう。
・『どんな技術にも「価値の限界」がある しかし、今後はわからない。「インターネットを利用して、帰宅時刻に合わせて便座を温めておける!」とか「毎朝、尿の状態を便器から直接、5G通信で医療検査機関に送って健康チェック!」なんていうアイデアが反映され、他の家電商品と同様に国際的競争力を失ってしまうかもしれない。 どんな技術にも「価値の限界」があるということでもある。1970年代の日本のテレビCMで頻繁に目にした家電製品といえば電気シェーバーだが、最近では通販番組でもほとんど見かけない。もちろん、世の中からシェーバーがなくなったわけではない。どういうことかといえば、もはやシェーバーにはテレビCMを放送してまでアピールするべき新技術は残されていないということだろう』、「どんな技術にも「価値の限界」がある」、その通りだ。
・『中国との価格競争は「してはいけない競争」だった 日本の家電製品が世界市場で競争力を低下させていった背景には、もちろん中国をはじめとする新興工業国の製品との価格競争もあった。しかし、その競争は「してはいけない競争」ではなかったか。日本で非正規雇用の労働者が急増した背景には、間違いなく、この価格競争が存在している。 価格競争で日本が中国に敗れるというのは、アフリカにおける鉄道開発の受注争いと同じだ。そして、価格面の不利を補うために日本側が採用する戦略も同じで、「付加価値をつける」というものだ。この付加価値を考えようとして、日本人は往々にして誤り、テクノロジーを「はぁ?」と思うような方向へ発展させてしまうのだろう。 テクノロジーを正しい方向に向けることができれば、価格競争に巻き込まれることのない価値を持った商品を開発することができる。たとえば「デロンギ」などに代表されるイタリアの一部のコーヒーメーカーは、価格とは関係なしの価値を認められ、世界中のコーヒーファンに愛用されている。コーヒーメーカーに求められるテクノロジーも結局は「美味いコーヒーをいれる」という一点が核心で、高い技術力をそこに集約できれば、競争力のある商品を生むことができるのだ』、ダイソン社の「掃除機」、「扇風機」、ルンバ社の「掃除機」などは洗練されたデザインと、設計で一世を風靡している。
・『本当に求められる技術を考える 日本では一般的に「汎用性のある技術」が高い評価を得る傾向にあったと思うが、現在の世界市場で生き残るために必要な技術は「唯一無二の価値を生む技術」なのだ。「白物家電」などといったカテゴライズで考えるのではなく冷蔵庫なら冷蔵庫で、洗濯機なら洗濯機で、本当に求められる技術はなにかを、もう一度、検討するべきではないかと思う。 よく冷える冷蔵庫、汚れがよく落ちる洗濯機……そういえば「吸引力の落ちない掃除機」はヒット商品になったではないか。それを開発する技術力が日本になかったとは思えない。やはり、テクノロジーを向ける先を正確にフォーカスできていなかった』、ダイソン社やルンバ社のように、ありふれた「掃除機」、「扇風機」などの機能を徹底的に洗練させた瓢箪から駒のような商品で、世間をあっと言わせている。こうした余地がまだ残っているようだ。
先ずは、4月30日付け現代ビジネス「インドネシア高速鉄道が「中国の中古車両が走る中国の鉄道」に成り果てる可能性」を紹介しよう。
https://gendai.media/articles/-/94929?imp=0
・『3兆ルピアを国庫から負担 インドネシアの首都ジャカルタと西ジャワ州の州都バンドン間150kmを結ぶ高速鉄道計画が壁に直面している。 インドネシア側と中国側で合弁を組む「インドネシア中国高速鉄道会社(KCCI)」などによると、建設費用が不足しており、このままでは2022年度中の開業も難しい局面になりかねない、というのだ。 資金不足は主に用地買収の遅れや建設現場周辺への環境対策によるものとされ、当初の見通しの甘さや杜撰な資金計画が浮き彫りとなっている。 この高速鉄道計画は2015年、ジョコ・ウィドド政権が公表し、日本や中国など海外業者の入札を求めた。鉄道技術では世界有数の日本は官民連携でこの入札に応じたが、インドネシア政府は突如入札の延期を発表、その直後に再度の入札を実施して中国が落札した経緯がある。 当時の菅官房長官は、安全性を最優先して有力視されていた日本から突然中国に鞍替えしたインドネシアの姿勢に「常識的に考えられない」と不快感を露わにした。 中国側は、早期着工・早期完成・開業をうたい上げ、環境アセスメントもいい加減なものと言われる。一説にはインドネシア側が日本の環境アセス資料を裏で流し、中国はそれに少し手を加えて提出したともいわれるなど、いわくつきの落札だった。 さらに建設に関わる一切の費用について「国庫負担を求めない」としたことが、「自分の懐が痛まない」と歓喜したインドネシア側が中国に落札させた最大の決め手と言われた。ところが、建設費は様々な要因から不足し、2021年11月にはインドネシアが当初の約束に反する不足費用の国庫負担を決め、3兆ルピア(約357億円)を支出することになった。 このころから最初は諸手を上げて大規模国家プロジェクトである高速鉄道計画を持ち上げていたインドネシアメディアの中にも「本当に実現できるのか」という疑心暗鬼が生まれ、以後、ジョコ・ウィドド政権に対して否定的な報道もみられるように事態が変化した』、「安全性を最優先して有力視されていた日本から突然中国に鞍替えしたインドネシアの姿勢に「常識的に考えられない」と不快感」、「建設費は様々な要因から不足し、2021年11月にはインドネシアが当初の約束に反する不足費用の国庫負担を決め、3兆ルピア(約357億円)を支出」、「インドネシアメディアの中にも「本当に実現できるのか」という疑心暗鬼が生まれ、以後、ジョコ・ウィドド政権に対して否定的な報道もみられるように事態が変化」、当然の帰結だ。
・『資金不足はなぜ生じたのか 高速鉄道計画は当初、建設に関わる資金として55億ドルを金利2%で中国開発銀行から融資を受け、40年で返済することになっていた。ところが建設に際し土地の収用が思ったように進まず、建設地周辺の環境問題も発生、そこにコロナ禍が追い打ちをかけ、工事中断や中国からの労働者の入国制限、労働者のPCR検査費用などが膨れ上がり、資金不足に陥ったとされる。 これにより2018年完工という当初の目標は何度も延期され、現在では2023年初めの完工となっている。 2022年初めにはインドネシアは2022年中の完工としており、11月にバリ島で開催予定のG20会議(主要20カ国・地域の首脳・財務相、中央銀行総裁会議)に出席予定の中国の習近平国家主席とジョコ・ウィドド大統領が完成した高速鉄道に試乗する計画を打ち上げたが、これさえも危うくなっている。 そのため、一部区間だけの完成を急ぎ、その限定区間だけの試乗ならあり得るかも知れないとの観測も出ている。 資金不足に直面したインドネシア政府は2021年11月、国庫の支出に踏み切らざるを得なくなった。中国との間では「インドネシア側に国庫負担は負わせず、資金の保証も求めない」と約束していたにもかかわらず、約4.3兆ルピア(約357億円)の支出を決めたのだった。 この国庫支出は、高速鉄道の運営にあたる「インドネシア中国高速鉄道会社(KCCI)」に出資している「国営インドネシア鉄道(KAI)」への融資という形をとっている。 KCCIは一応、国費投入の資金不足は工事費増大とは直接関係なく、インドネシア側の企業連合体からKCCIへの出資額が不足していることが主な要因と説明している。 こういうわけで「資金不足の悪夢」が再びインドネシアを襲ったのだが、インドネシア政府への融資増額という国庫への負担はなく、胸をなでおろしたものの、2023年6月への完工延期、工事進捗率が82%に過ぎず全路線で13あるトンネルのうち3本が未完であること、高架工事でミスがあり橋脚撤去工事中に事故が起きるなど、依然として不安材料は山積している』、「完工」は「2023年6月へ」「延期」したが、「工事進捗率が82%に過ぎず全路線で13あるトンネルのうち3本が未完であること、高架工事でミスがあり橋脚撤去工事中に事故が起きるなど」、からもっと「延期」される可能性もあろう。
・『中国側にさらなる追加融資依頼へ こうした中、4月21日、高速鉄道計画は再び資金不足に陥り、今回は中国側に追加融資を要請することになりそうだと米系メディアが報じた。 それによると、インドネシア側は約20億ドルに及ぶ不足分の75%を中国開発銀行に求めるものとみられるという。当然、どうして再び資金不足となったのか、あまりにも杜撰ではないかとの批判が噴出している。 コロナ禍という予期せぬ未曾有の出来事があったために出資が膨れ上がったとしても、そもそもの中国の応札時の見積もりに不備があったなどと、今さらあれこれ言っても詮無いこととはいえ、当然のことながら、中国の杜撰な計画を鵜呑みにして進めたインドネシア側にも責任はあるだろう』、「中国の杜撰な計画を鵜呑みにして進めたインドネシア側にも責任はある」、その通りだ。
・『首都移転計画の前途にも暗雲 インドネシア政府は2045年の独立100周年までに現在の首都ジャカルタを約1200キロ北に離れたカリマンタン島(マレーシア名ボルネオ島)東カリマンタン州の熱帯雨林地帯に移転する大型国家プロジェクトを抱えている。 このジョコ・ウィドド大統領の肝いり政策とされる国家的プロジェクトにも大きな問題があり、早くも実現は難しい、一部移転に留まるのでは、などという後ろ向きの見方がでている。 資金問題に関しては高速鉄道計画と同様、政府はその多くの費用を外国や外国企業からの投資に頼っている。日本のソフトバンクも孫正義会長が2021年1月にジャカルタを訪問、ジョコ・ウィドド大統領、ルフット・パンジャイタン調整相(海事・投資)らと会談して、首都移転計画に賛同して融資する方針を明らかにした。 孫氏は英国のブレア元首相らとともにインドネシア政府の首都移転問題審議委員会のメンバーに選ばれており、インドネシア側の期待が大きかったことをうかがわせた。 だが2022年3月、ソフトバンクは突然、インドネシアの首都移転計画への融資を取りやめると、インドネシア側に理由を詳しく明かさないまま撤退を通告した。 ソフトバンク側は予定していた融資額については明確にしていないが、インドネシアのルフット・パンジャイタン調整相(海事・投資)などからは「資金額は200?400億ドルだった」と大きな失望の声が漏れた。 あわてたインドネシア政府は「今後は別の企業、さらに中国にも支援を求めていきたい」と表明、再び中国頼みの巨額プロジェクトとなりそうな気配が漂っている。 国際協力機構(JICA)がインドネシアの日系企業に勤める日本人を対象にした調査では、「首都移転が実現するかどうかは半信半疑」との回答が実に77%に達した。「実現の可能性は低い」は8.5%、「移転は確実に実現する」は14.5%という結果が出たという。 インドネシア側も、首都移転に伴う財政的裏付けの確保に躍起の財務省を中心に、政府部内にも実現の可能性に疑問を抱く声が広がっているという。 首都移転計画では国会や各省庁の機能が移転するが、経済的な機能を持つ関係省庁はジャカルタに残す方針だ。これは首都移転に伴い、ジャカルタに進出している外国企業の事務所や営業所、工場などの大半が移転を計画していないことなどが影響しているという。 先のJICAの調査でも72%が現地法人・駐在員地味所を新首都に移転させる可能性は「低い、またはない」と回答している』、「首都移転計画」に「ソフトバンク」が投資する約束を撤回したとは初めて知ったが、「インドネシア」側のいい加減な姿勢を考慮すれば、当然だ。
・『どうなる高速鉄道計画 中国主導で進められてきた高速鉄道計画は、4月には一部で線路の着工が始まるなど建設工事自体は止まっていない。しかし資金問題を抱え、このままでは中国の銀行からの増資を受けることになり、ますます中国依存が高まり、「中国の鉄道」となりかねない。 すでにジャカルタに到着したという中国製車両も、当初予定の新型ではなく「中古」の車両だったとの報道もある。KCCI側はあくまで試験用車両と説明しているが、このまま資金不足が続けば、中国の中古車両が走る中国の高速鉄道となる可能性も残る。 中国が一方的に推し進める「一帯一路」政策の甘い罠に乗ってしまったインドネシアは今後、中国による「債務の罠」にはまる危険性も十分あり、ジョコ・ウィドド政権の冷静な目による観察と判断が求められている』、「「一帯一路」政策の甘い罠に乗ってしまったインドネシアは今後、中国による「債務の罠」にはまる危険性も十分あり、ジョコ・ウィドド政権の冷静な目による観察と判断が求められている」、同感である。
次に、5月15日付け東洋経済オンラインが掲載した欧州鉄道フォトライターの橋爪 智之氏による「中国鉄道メーカー、欧州で「車両契約解消」の衝撃 2年経っても運行認可出ず、今後の展開に暗雲」を紹介しよう。
https://toyokeizai.net/articles/-/588917
・『チェコの民間鉄道会社レオ・エクスプレスが、購入契約を結んでいた中国中車(CRRC)製の新型電車「シリウス」3編成の契約を解消したと、チェコの情報サイト「Zdopravy.cz」が4月25日に報じた。同サイトは、複数の情報筋から契約破棄に関する情報を入手したとしており、その1つはレオ・エクスプレスからのものだとしている。 レオ・エクスプレスのスポークスマン、エミール・セドラジーク氏は同サイトの取材に対し、「契約上の取り決めにより、レオ・エクスプレスとCRRCの機密関係や進行中の交渉についてコメントすることはできません」と返答したが、契約終了について否定はしていない。契約は、すでに製造された3編成分の受け取り拒否はもちろんのこと、30編成分の追加発注オプションも含め、すべて破棄される見込みのようだ』、「契約は、すでに製造された3編成分の受け取り拒否はもちろんのこと、30編成分の追加発注オプションも含め、すべて破棄」、どんな事情があったのだろう。
・『2年経っても認可を得られず 新型車両「シリウス」は、ヨーロッパにおける運行認可を取得するため、チェコのVUZヴェリム試験場で2年以上前の2019年9月からテストが続けられている。レオ・エクスプレスは当初、「新型車は2020年の春~夏頃から運行を開始する予定だ」と述べていたが、いまだに運行認可を取得できていない。 「シリウス」は、最高速度こそ現有車両のスイス・シュタドラー製FLIRTと同じ時速160kmであるが、直流3kV専用車のFLIRTと異なり、交流25kV・50Hzにも対応した複電圧車で、直流と交流区間が混在するチェコ国内の運用範囲拡大、および国際ルートの拡充を目論んでいた。また、中国メーカー製ではあるが、全パーツの5分の1はチェコ製で、信号システムなど主要部品もチェコ製を採用していた。) アルミ製車体・連接構造の「シリウス」は全長111.2m。現有車両より若干長いことからプラハ中央駅のレオ・エクスプレス専用ホームは長さが足りず、出発信号機の閉塞区間にも干渉してしまう問題があったが、対応工事を実施し完了していた。すでに製造された3編成のうち、2編成がチェコのヴェリム試験場へ送られていたが、契約解消後も当面はヴェリムに残るとされている。 契約破棄となると、両社とも今後の計画を見直す必要に迫られることになる。まず、車両を発注したレオ・エクスプレスは、この新型車両の導入に合わせて運行本数の増大や運行区間の拡大を予定していたが、これらの計画はすべていったん白紙撤回することになる』、「新型車両「シリウス」は。2年以上前の2019年9月からテストが続けられている・・・が、いまだに運行認可を取得できていない」、「「シリウス」は、直流3kV専用車のFLIRTと異なり、交流25kV・50Hzにも対応した複電圧車で、直流と交流区間が混在するチェコ国内の運用範囲拡大、および国際ルートの拡充を目論んでいた」とはいえ、2年以上経っても認可が得られないというのは、異常事態だ。
・『レオの株主にはスペインメーカー 気になるのは、レオ・エクスプレスの株式の55%を保有するのはスペイン資本で、その一部にはスペインの鉄道車両メーカー大手のCAF社が絡んでいる点だ。具体的には、スペインの鉄道会社Renfeが49.9%の株式を保有し、5%はスウェーデンに拠点を置くEuroMaint Gruppe(ユーロメイント)という会社が保有しているが、この会社は2019年にCAFが買収し、同社の100%子会社となっている。 この先はあくまで憶測にすぎないが、CAFは以前よりチェコ鉄道の車両入札へ応札したり、ポーランドのバスメーカーであるソラリスを傘下に収めたりと、中欧市場へかなり関心を持っていることがうかがえる。また、2021年にはアルストムから連接車両「コラディア・ポリヴァレント」と「タレント3」のプラットフォームおよび生産拠点を取得するなど、事業の拡大を進めている。 これらの動向から、シリウスが2年以上にわたってテストを続けるも一向に運行認可を取得できないことを口実としてCRRCとの契約を破棄させ、代わりに同社製の車両を導入させることも視野に入れているのではないか、というシナリオが見えてくる。 実際、今回契約を破棄されたとされるシリウスも、すでに営業を行っているシュタドラーFLIRTも、最高時速160kmの連接式車両という点でコラディア・ポリヴァレントやタレント3と共通している』、「シリウスが2年以上にわたってテストを続けるも一向に運行認可を取得できないことを口実としてCRRCとの契約を破棄させ、代わりに同社製の車両を導入させることも視野に入れているのではないか、というシナリオが見えてくる」、大いにあり得るシナリオだ。
・『CRRCは今後どうする? 一方のCRRCは、シリウス3編成をすでに製造し、テスト走行も開始している。しかし前述の通り、ヨーロッパ域内での走行認可が取得できなければ営業運行ができないため、ヨーロッパ域内ではどこの鉄道会社とも契約することはできない。となると考えられるシナリオは2つある。1つは認可取得へ向けて引き続きテストを行い、その傍らで他の運行会社との交渉を地道に続けること、もう1つはヨーロッパ域内での運行を諦め、他の国や地域へ売却することだ。 こうした認可や運行許可は、あくまでヨーロッパ域内での話で、標準軌で直流3kVもしくは交流25kV・50Hzで電化されている国であれば、理論上は運行することが可能なので、この基準に合致する国を探すというのが手っ取り早い。極端な話ではあるが、例えば中国は交流25kV・50Hzで電化されているので、同社が引き取って持ち帰ったとしても運行できないわけではない。 CRRCはすでにオーストリアのウィーンに支社を置き、ヨーロッパへの販路拡大に注力しているが、今のところヨーロッパ市場へ参入できているとは言い難い。 今回、契約を破棄されたレオ・エクスプレス向けシリウスとは別に、同社は2つのプロジェクトを推進している。1つはハンガリーの貨物会社レールカーゴハンガリア(Rail Cargo Hungaria・RCH)向けの電気機関車バイソン、もう1つはオーストリアの民間鉄道会社ウェストバーン(Westbahn)向けの新型2階建て電車で、これらはいずれもリース契約となっている。 RCH向け電気機関車は、すでにテスト走行を開始しており、こちらも運行認可の取得が課題となっている。ウェストバーン向けの新型2階建て電車は、先日中国より出荷され、5月4日にチェコのヴェリム試験場に到着、今後はテスト走行と認可の取得へ向けた準備に入る。 リース契約は、車両の保有権はあくまでCRRCにあり、運行開始後は同社の責任のもとで運行会社がリース料を払いながら使用するという形で、契約にはフルメンテナンスも含まれている。一定期間のリース終了後、鉄道会社がその車両に満足すればそのまま残りの資産価値分を支払って買い取ることもできるし、不要となれば契約解除できるという点は、自動車のリース契約と同じ仕組みだ。実際に運行を始めるまではリース料の支払い義務はないから、鉄道会社側は運行開始が遅れてもリスクを負うことはない』、リスクは「CRRC」が負っている形だ。
・『CRRCは欧州に踏みとどまれるか RCHやウェストバーンがレオ・エクスプレスと異なるのは、CRRC製の車両導入が今後を見据えた長期計画に基づくものではなく、あくまで「買い増し」のような位置付けであることだ。つまり、現有車両の置き換えや増発計画といった会社の戦略に影響を及ぼすものではなく、レオ・エクスプレスのように、車両を導入できないことが経営計画に大きく響くことはない。 ウェストバーンに至っては、自社の予算ですでにシュタドラーから新型電車を大量導入しており、CRRC製の車両は「もしうまく走るようになれば、今後はそちらから買うことを検討するよ」というスタンスだ。もともと計画に組み込まれていない買い増しであることに加え、営業運転が開始されるまで費用を払う必要はないのだから、ウェストバーンが大きなリスクを背負うことはない。 逆にCRRCは、ここからが正念場となる。契約破棄という汚名を返上するためにも、リース契約を承諾している2つの会社へ、まずはきちんと車両を納入し、さらにこの2つの顧客を満足させるだけのパフォーマンスを見せなければならない。当然ながら、ヨーロッパの鉄道会社のほとんどはこのニュースを注視しているはずで、2つのリース契約で成果を上げなければ、ヨーロッパ市場への進出という野望は霧散することになる。 はたして今回の契約破棄という失敗を糧に、ヨーロッパ市場へ食い込み、踏みとどまることができるか。世界最大の鉄道車両メーカー、巨人CRRCの真価が問われる』、「世界最大の鉄道車両メーカー」といえども、「契約破棄という汚名を返上するためにも、リース契約を承諾している2つの会社へ、まずはきちんと車両を納入し、さらにこの2つの顧客を満足させるだけのパフォーマンスを見せなければならない」、大株主の意向だったとはいえ、「契約破棄」の代償は安くはないようだ。
第三に、8月30日付けPRESIDENT Onlineが掲載した元住友商事社員・YouTuberの小林 邦宏氏による「なぜ世界一の「日本の新幹線」が海外で売れないのか…日本人は「技術の売り方」を根本的に勘違いしている 「付加価値」への努力の方向性が間違っている」を紹介しよう。
https://president.jp/articles/-/60717
・『日本は世界の鉄道建設で中国に敗れ続けている。元住友商事社員の小林邦宏さんは「日本はいまだに鉄道の価値を『速さ』だと思っている。すでに鉄道の価値は速さから『快適さ』に移りつつある。そこに勘違いがあるので、中国勢に負けてしまう」という――。 ※本稿は、小林邦宏『鉄道ビジネスから世界を読む』(インターナショナル新書)の一部を再編集したものです』、「「日本はいまだに鉄道の価値を『速さ』だと思っている。すでに鉄道の価値は速さから『快適さ』に移りつつある」、言われてみれば、その通りだ。
・『20年間で根本的に変わった「移動している時間」 世界中を旅していると、時間の感覚が妙に敏感になることがある。 ある国の駅から高速鉄道で別の国の駅に向かっていて、自分は「未来に向けて旅しているのだ」などと考えてしまうのだ。たしかに、到着時刻は出発時刻から見れば明らかな未来なのだが、普段は地球上の2点間の物理的距離を移動しているという認識しかない。日常の生活では到着時刻という数時間先を未来と考えることは少ないが、旅という特殊な環境(私にとっては日常かもしれない)が、今まで気づかなかったことに気づかせてくれることもあるようだ。 人間の1日の行動を「○○している時間」という視点で区切って考えてみると、たとえば「眠っている時間」に人間がやっていることは100年前とほとんど変わっていない。100年前に比べてベッドで寝る人が増えたとか、変化といってもその程度だろう。「働いている時間」は、ITの発達やテレワークの普及などで変化もあるが、それでも100年前にデスクワークしていた人は、現代でもデスクの前に座っているはずだ。 なんといっても、この20年間でもっとも大きく根本的に変わったのは「移動している時間」だろう。 簡単にいってしまえば、かつての移動時間というのは“死んだ時間”だった。出発して目的地に着くまでの数時間、基本的に通信も途絶状態だった。そのため、昔のサラリーマンは新幹線に乗り込むと「どうせ数時間は仕事ができない」と諦めて駅弁を開き、缶ビールを飲んでいた。しかし、現代のビジネスマンが新幹線に乗って、まず開くのはラップトップPC。もちろん、通信も可能だ』、「かつての移動時間というのは“死んだ時間”だった。出発して目的地に着くまでの数時間、基本的に通信も途絶状態だった」、「現代のビジネスマンが新幹線に乗って、まず開くのはラップトップPC。もちろん、通信も可能だ」、確かに「移動時間」はかつてに比べ激変したようだ。
・『リニアをはじめとする高速鉄道は本当に必要なのか こうなると、新幹線の速度が上がって目的地までの所要時間が1時間短縮されたところで、さほどうれしくもないだろう。むしろ、列車の速度よりも「快適な作業環境」こそが、利用者が鉄道に求めているものではないのか。たとえば、豪華なクルーズ船というのは、そもそも「速さ」よりも「快適さ」を重視した移動手段だが、現在では衛星回線を利用したインターネットも使用できるようになっている。今後はビジネス・エグゼクティブの移動手段としての需要が増えてもおかしくないはずだ。 世界各地の入札で中国に敗れ続けながらも、日本は新幹線を輸出するべくアプローチを続けている。2015年にはバンコク―チェンマイ間(約670km)の高速鉄道建設で日本はタイ政府と合意し、正式契約も締結された。しかし、高速鉄道は本当に「今求められるもの」なのだろうか? また、品川―名古屋間を40分で結ぶリニア中央新幹線は、本当に必要なのか?』、「バンコク―チェンマイ間(約670km)の高速鉄道建設」、は感覚的に需要があるとは思えない。「リニア中央新幹線」についても、このブログで何回も取上げているが、既存の新幹線で十分に用が足りるので不要と思う。
・『高速鉄道が成功を収める地理的条件 世界初の長距離高速鉄道として1964年に開業した東海道新幹線は営業面でも成功を収め、現在でもJR東海の圧倒的主力路線として活躍中である。しかし、この成功の背景には、ある「地理的な条件」が存在していたはずだ。 東京―新大阪間の路線距離は515km。この程度の距離で、しかも同じ本州に位置する日本の首都と当時の第2の都市を結んだことが、東海道新幹線の成功の理由だろう。そう考えれば、台北市・南港駅から高雄市・左営駅の345kmを約90分で結ぶ台湾高速鉄道も成功の条件を満たしている。実際に集客力も高いようだ。 一方で、バンコク―チェンマイ間を結ぶタイの高速鉄道は前述の通り、日本が開発援助のパートナーとなったが、契約はしたもののプロジェクトは本格始動していない。現地では、この高速鉄道の採算性を問題視する声もあるという。670kmという距離に問題があるのだろうか。 東海道・山陽新幹線で東京駅から670kmというと、岡山のあたり。高速鉄道の限界ギリギリかもしれない。行き先が広島なら、多くの人が飛行機を利用するだろう。また、ニュージーランドのように首都ウェリントンと第2の都市クライストチャーチが南北の島に分かれている国も、高速鉄道建設には向いていないはずだ』、「バンコク―チェンマイ間を結ぶタイの高速鉄道」は「採算性を問題視する声もある」、「本格始動していない」のを幸いと止めるべきだろう。北海道新幹線も、「札幌」までなら、飛行機にはからわないだろう。
・『クルマ社会では「降りた後の移動手段」も重要 さらに、2022年3月には米国のバイデン大統領が雇用プランの一環として、テキサス州に日本の技術で高速鉄道を建設するプロジェクトを発表したが、これはどうだろう。ヒューストン―ダラス間、約380kmを90分で結ぶというから、距離は台湾高速鉄道と同程度。しかし、バイデン大統領は「公共交通の整備」も雇用プランに掲げているが、アメリカの社会を考えると「高速鉄道に乗るまで、降りた後の移動手段は?」と心配になってしまう。 ちなみに、私は22年4月にダラスに滞在していたが、現地のビジネスマンと会話しても誰もこのプロジェクトを知らなかった。私がプロジェクトが現在進行中であることを伝えると、彼らは一様に 「そんなのカネの無駄遣いだ。プロジェクトを主導している政治家はアメリカのことがわかっているのか クルマ社会のテキサスで、駅に着いてからどうすればいいんだよ」と語っていた』、「ヒューストン―ダラス間、約380kmを90分で結ぶ」「高速鉄道」も、「カネの無駄遣いだ」ろう。
・『カップ麺が1分で完成しても価値は3倍にはならない では、着々と建設が進められてきたリニア中央新幹線は成功するのだろうか? 2027年に開業が予定されている品川―名古屋間は約285km。この距離が、最高時速505kmのリニアモーターカーによって約40分で結ばれるという。突発的に「1時間以内に東京から名古屋に行かなければいけない」という事態に遭遇した人には、唯一の移動手段となるだろう。しかし、そんな人がどれだけいるだろうか。それ以外の人々にとって、リニア新幹線の速さはどれだけの価値を持つのだろうか。 そもそも前述の通り移動手段の価値基準は「速さ」から「快適さ」へと重心が移りつつあるが、それ以前から「速さ」がもたらす価値には一定の限界があったはずだ。 たとえば、お湯を注いで3分で食べられるカップ麺は世界的ヒット商品となったが、調理時間を1分に短縮したところで売り上げが3倍にならないことは、すでに実証されている。また、調理時間が5分という商品も、市場で特に劣勢というわけではない。つまり、カップ麺の調理時間に求められる「速さ」は、3分前後で価値をもたらす限界に達するということだ』、次のブロックでコメントしたい。
・『リニアは速すぎて従来の鉄道と同じ通信手段を使えない 現代の移動手段では、ある意味で速さよりも重要になる「快適な作業環境」という要素はどうだろうか。前述したクルーズ船や、飛行機では衛星回線を使ったインターネット・サービスが利用できるが、鉄道で衛星回線を利用している例はまだ聞いたことがない。そして、リニア中央新幹線は従来の鉄道と同じ通信手段を使うには「速過ぎる」という問題を抱えている。 JR東海はホームページにリニア中央新幹線に関するFAQのコーナーを設けていて、 トンネルの中でも電波はありますか。(車内で携帯電話やPCのインターネットは繋がりますか。)(原文ママ、以下同) という質問に対して次のように回答している。 営業線での携帯電話やインターネット接続サービスは、今後の世の中の技術の動向やお客さまのニーズを踏まえ、より良いサービスの形を今後検討していきます。 要するに、現時点では問題が存在し、それが解決できるかもわからない、ということだ。大丈夫か 編集部註:JR東海は、プレジデントオンラインに対し「リニアの走行環境における通信について、現時点で実用化の見込みは立っている」と回答しています』、「品川―名古屋間」が94分から40分になっても、私は乗りたいとは思わない。まして、「携帯電話やインターネット接続サービス」が使えないのであれば、乗りたくない。
・『日本人はテクノロジーを向ける先の把握が苦手 2005年から15年までフランスのブガッティ・オトモビルが生産していたスーパーカー「ヴェイロン」は、標準モデルでも最高時速407kmという驚愕きょうがくのスペックを誇った。時速200kmで飛ばしているクルマを、さらに200km以上速い速度でブチ抜けるというのだから尋常ではない。「東京から成田まで最高速度で巡航すればわずか10分。ただし、道路が直線ならば(笑)」といわれたほどだ。 しかし、限定生産300台の内、日本には15台が割り当てられていたが、実際の販売は3台にとどまった。日本での販売価格は1億6000万円以上だったが、この手の商品に価格はあまり関係ない。「最高速度の時速407kmを出すには、一度停まって、ウィングを出す必要がある」という“意味不明”のメカニズムがユーザーに敬遠された可能性はあるが、やはり「最高時速・407km」は必要の限界を超えた速さだったのだろう。 自動車の開発者が速いクルマを作りたくなるのは当然だ。それは、自動車に関わるすべての技術者の本能かもしれない。 しかし、ビジネスの焦点は、必ずしもそこにはないということだ。実際に、スーパーカーのマーケットは自動車産業全体の一部に過ぎない。軽自動車のマーケットも存在するし、大型トラックのマーケットも存在するのだ。軽自動車マーケットで儲けようというのなら「速さ」とは異なるセールス・ポイントが必要になるのは、いうまでもない。 つまり、テクノロジーを向ける先を正確に把握することが必要なのだが、私には、どうも日本人はここも苦手にしているように思えてならない』、「日本人はテクノロジーを向ける先の把握が苦手」、同感である。
・『テレビの「リモート出演」もいつの間にかスタンダードになった たとえば、テレビ放送や受信用モニターは驚くべき貪欲さで画質を向上させているが、この開発競争はどこまで意味があるのか。多くの人が「もう、いいでしょ」と感じているはずだ。人間の眼には限界がある。一定のレベルを超えれば、どんなに画質を向上させてもヴェイロンの過剰なスピードと同じになってしまうのだ。 そして、コロナ禍は図らずも「テレビにこれ以上の画質は必要ない」ということを多くの人に体験的に認識させてしまった。ワイドショーの出演者の多くが、スタジオで密状態になることを避けてインターネット回線を利用してリモートで出演するようになったが、ほとんどの視聴者がその低画質によるストレスを感じないからスタンダード化している』、「テレビ画面」の液晶、有機ELなどのキレイさの競争もこのところ落ち着いた印象がある。「テレビにこれ以上の画質は必要ない」との「認識」が広がってきたためだろうか。
・『温水洗浄便座が世界的ヒットになったワケ 私にも、日本の大手家電メーカーに勤める友人がいる。彼は、私に会うと自分が携わっている新商品の話をしてくれる。 「今度の商品には、こんな機能がついている。さらに、こんな機能も。そして、スマホを活用すれば、こんなことだって可能だ」 私は、聞きながら「その機能って、必要か?」と考えている。友人も、それらの新機能に大きな価値がないことはわかっているから、話しているうちに声のトーンも落ちてくる。一説によると、撃沈された戦艦大和も“無駄なテクノロジー”の塊だったそうだ。日本人には、誤った方向へテクノロジーを発展させていく性癖があるのかと思えてしまう。 近年、日本人の創意工夫が正しい方向に向かってヒット商品を作った例といえば、ウォシュレットなどの温水洗浄便座ぐらいのものかもしれない。この商品では日本のテクノロジーが正しい方向に向かったということだが、その理由も明確な気がする。 まず、この商品では開発に際してテクノロジーを向ける先が、間違えようもないほどハッキリしている。排便後の肛門周辺を洗浄するということだ。そして、従来はそこにトイレットペーパーが置いてあっただけ。目的を見誤ることなく、存分の創意工夫を働かせる余地があったから、日本の温水洗浄便座は中国などでもヒット商品となったのだ』、確かに「温水洗浄便座」は「テクノロジーを向ける先が、間違えようもないほどハッキリしている」、ので成功したのだろう。
・『どんな技術にも「価値の限界」がある しかし、今後はわからない。「インターネットを利用して、帰宅時刻に合わせて便座を温めておける!」とか「毎朝、尿の状態を便器から直接、5G通信で医療検査機関に送って健康チェック!」なんていうアイデアが反映され、他の家電商品と同様に国際的競争力を失ってしまうかもしれない。 どんな技術にも「価値の限界」があるということでもある。1970年代の日本のテレビCMで頻繁に目にした家電製品といえば電気シェーバーだが、最近では通販番組でもほとんど見かけない。もちろん、世の中からシェーバーがなくなったわけではない。どういうことかといえば、もはやシェーバーにはテレビCMを放送してまでアピールするべき新技術は残されていないということだろう』、「どんな技術にも「価値の限界」がある」、その通りだ。
・『中国との価格競争は「してはいけない競争」だった 日本の家電製品が世界市場で競争力を低下させていった背景には、もちろん中国をはじめとする新興工業国の製品との価格競争もあった。しかし、その競争は「してはいけない競争」ではなかったか。日本で非正規雇用の労働者が急増した背景には、間違いなく、この価格競争が存在している。 価格競争で日本が中国に敗れるというのは、アフリカにおける鉄道開発の受注争いと同じだ。そして、価格面の不利を補うために日本側が採用する戦略も同じで、「付加価値をつける」というものだ。この付加価値を考えようとして、日本人は往々にして誤り、テクノロジーを「はぁ?」と思うような方向へ発展させてしまうのだろう。 テクノロジーを正しい方向に向けることができれば、価格競争に巻き込まれることのない価値を持った商品を開発することができる。たとえば「デロンギ」などに代表されるイタリアの一部のコーヒーメーカーは、価格とは関係なしの価値を認められ、世界中のコーヒーファンに愛用されている。コーヒーメーカーに求められるテクノロジーも結局は「美味いコーヒーをいれる」という一点が核心で、高い技術力をそこに集約できれば、競争力のある商品を生むことができるのだ』、ダイソン社の「掃除機」、「扇風機」、ルンバ社の「掃除機」などは洗練されたデザインと、設計で一世を風靡している。
・『本当に求められる技術を考える 日本では一般的に「汎用性のある技術」が高い評価を得る傾向にあったと思うが、現在の世界市場で生き残るために必要な技術は「唯一無二の価値を生む技術」なのだ。「白物家電」などといったカテゴライズで考えるのではなく冷蔵庫なら冷蔵庫で、洗濯機なら洗濯機で、本当に求められる技術はなにかを、もう一度、検討するべきではないかと思う。 よく冷える冷蔵庫、汚れがよく落ちる洗濯機……そういえば「吸引力の落ちない掃除機」はヒット商品になったではないか。それを開発する技術力が日本になかったとは思えない。やはり、テクノロジーを向ける先を正確にフォーカスできていなかった』、ダイソン社やルンバ社のように、ありふれた「掃除機」、「扇風機」などの機能を徹底的に洗練させた瓢箪から駒のような商品で、世間をあっと言わせている。こうした余地がまだ残っているようだ。
タグ:インフラ輸出 「品川―名古屋間」が94分から40分になっても、私は乗りたいとは思わない。まして、「携帯電話やインターネット接続サービス」が使えないのであれば、乗りたくない。 「世界最大の鉄道車両メーカー」といえども、「契約破棄という汚名を返上するためにも、リース契約を承諾している2つの会社へ、まずはきちんと車両を納入し、さらにこの2つの顧客を満足させるだけのパフォーマンスを見せなければならない」、大株主の意向だったとはいえ、「契約破棄」の代償は安くはないようだ。 (その14)(インドネシア高速鉄道が「中国の中古車両が走る中国の鉄道」に成り果てる可能性、中国鉄道メーカー 欧州で「車両契約解消」の衝撃 2年経っても運行認可出ず 今後の展開に暗雲、なぜ世界一の「日本の新幹線」が海外で売れないのか…日本人は「技術の売り方」を根本的に勘違いしている 「付加価値」への努力の方向性が間違っている) リスクは「CRRC」が負っている形だ。 ダイソン社やルンバ社のように、ありふれた「掃除機」、「扇風機」などの機能を徹底的に洗練させた瓢箪から駒のような商品で、世間をあっと言わせている。こうした余地がまだ残っているようだ。 「かつての移動時間というのは“死んだ時間”だった。出発して目的地に着くまでの数時間、基本的に通信も途絶状態だった」、「現代のビジネスマンが新幹線に乗って、まず開くのはラップトップPC。もちろん、通信も可能だ」、確かに「移動時間」はかつてに比べ激変したようだ。 東洋経済オンライン 「ヒューストン―ダラス間、約380kmを90分で結ぶ」「高速鉄道」も、「カネの無駄遣いだ」ろう。 「「一帯一路」政策の甘い罠に乗ってしまったインドネシアは今後、中国による「債務の罠」にはまる危険性も十分あり、ジョコ・ウィドド政権の冷静な目による観察と判断が求められている」、同感である。 「新型車両「シリウス」は。2年以上前の2019年9月からテストが続けられている・・・が、いまだに運行認可を取得できていない」、「「シリウス」は、直流3kV専用車のFLIRTと異なり、交流25kV・50Hzにも対応した複電圧車で、直流と交流区間が混在するチェコ国内の運用範囲拡大、および国際ルートの拡充を目論んでいた」とはいえ、2年以上経っても認可が得られないというのは、異常事態だ。 「バンコク―チェンマイ間を結ぶタイの高速鉄道」は「採算性を問題視する声もある」、「本格始動していない」のを幸いと止めるべきだろう。北海道新幹線も、「札幌」までなら、飛行機にはからわないだろう。 PRESIDENT ONLINE 安全性を最優先して有力視されていた日本から突然中国に鞍替えしたインドネシアの姿勢に「常識的に考えられない」と不快感」、「建設費は様々な要因から不足し、2021年11月にはインドネシアが当初の約束に反する不足費用の国庫負担を決め、3兆ルピア(約357億円)を支出」、「インドネシアメディアの中にも「本当に実現できるのか」という疑心暗鬼が生まれ、以後、ジョコ・ウィドド政権に対して否定的な報道もみられるように事態が変化」、当然の帰結だ。 ダイソン社の「掃除機」、「扇風機」、ルンバ社の「掃除機」などは洗練されたデザインと、設計で一世を風靡している。 「契約は、すでに製造された3編成分の受け取り拒否はもちろんのこと、30編成分の追加発注オプションも含め、すべて破棄」、どんな事情があったのだろう。 「どんな技術にも「価値の限界」がある」、その通りだ。 確かに「温水洗浄便座」は「テクノロジーを向ける先が、間違えようもないほどハッキリしている」、ので成功したのだろう。 橋爪 智之氏による「中国鉄道メーカー、欧州で「車両契約解消」の衝撃 2年経っても運行認可出ず、今後の展開に暗雲」 「首都移転計画」に「ソフトバンク」が投資する約束を撤回したとは初めて知ったが、「インドネシア」側のいい加減な姿勢を考慮すれば、当然だ。 「バンコク―チェンマイ間(約670km)の高速鉄道建設」、は感覚的に需要があるとは思えない。「リニア中央新幹線」についても、このブログで何回も取上げているが、既存の新幹線で十分に用が足りるので不要と思う。 「テレビ画面」の液晶、有機ELなどのキレイさの競争もこのところ落ち着いた印象がある。「テレビにこれ以上の画質は必要ない」との「認識」が広がってきたためだろうか。 現代ビジネス「インドネシア高速鉄道が「中国の中古車両が走る中国の鉄道」に成り果てる可能性」 「日本人はテクノロジーを向ける先の把握が苦手」、同感である。 「中国の杜撰な計画を鵜呑みにして進めたインドネシア側にも責任はある」、その通りだ。 小林 邦宏氏による「なぜ世界一の「日本の新幹線」が海外で売れないのか…日本人は「技術の売り方」を根本的に勘違いしている 「付加価値」への努力の方向性が間違っている」 「シリウスが2年以上にわたってテストを続けるも一向に運行認可を取得できないことを口実としてCRRCとの契約を破棄させ、代わりに同社製の車両を導入させることも視野に入れているのではないか、というシナリオが見えてくる」、大いにあり得るシナリオだ。 「「日本はいまだに鉄道の価値を『速さ』だと思っている。すでに鉄道の価値は速さから『快適さ』に移りつつある」、言われてみれば、その通りだ。 「完工」は「2023年6月へ」「延期」したが、「工事進捗率が82%に過ぎず全路線で13あるトンネルのうち3本が未完であること、高架工事でミスがあり橋脚撤去工事中に事故が起きるなど」、からもっと「延期」される可能性もあろう。
コメント 0