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外食産業(その5)(「黒い吉野家」増殖中 上品な“お牛丼”を開発した吉野家の戦略の秀逸設計、スシローは監視のない「ちゃらい場所」になっていた 若者の「客テロ」 背景にある省人化の徹底) [産業動向]

外食産業については、本年2月1日に取上げた。今日は、(その5)(「黒い吉野家」増殖中 上品な“お牛丼”を開発した吉野家の戦略の秀逸設計、スシローは監視のない「ちゃらい場所」になっていた 若者の「客テロ」 背景にある省人化の徹底)である。

先ずは、2月24日付けダイヤモンド・オンラインが掲載した百年コンサルティング代表の鈴木貴博氏による「「黒い吉野家」増殖中、上品な“お牛丼”を開発した吉野家の戦略の秀逸設計」を紹介しよう。
https://diamond.jp/articles/-/318238
・『牛丼でおなじみの吉野家が2種類あることをご存じですか。オレンジの看板の吉野家と、黒い看板の吉野家です。「街の景観に合わせて看板の色を変えただけじゃないの」と思った方、ここには吉野家の絶妙な戦略が隠れています。顧客想定からメニュー設計、出店戦略まで秀逸です。さらに、「隠れた3種類目の吉野家」があることもわかりました』、興味深そうだ。
・『牛丼の吉野家には「オレンジの看板」と「黒い看板」の2種類ある  人生の大半、約50年間にわたり、“牛丼は吉野家一筋”な経済評論家・鈴木貴博です。若い担当編集者からこのような疑問を投げかけられました。 「ついひと昔前まではおじさん達が集う店というイメージもあった吉野家が、最近ではカフェのようなおしゃれ空間になっている理由は何でしょうか?」と言うのです。 「おじハラ」じゃないかと思ったりもするのですが、実はこの疑問は企業戦略的に結構鋭いものでもあります。そこで、今回の記事ではその意図するものについて戦略コンサルタントの視点でまとめてみたいと思います。 さて、そもそものところからお話ししましょう。吉野家がおしゃれ空間になっているというと「わかるわかる」という人と「何?なんでそう思うの?」と思う人に分かれると思います。それには理由があるのです。 今、吉野家の店舗には2種類あるのです。オレンジの看板の吉野家と黒い看板の吉野家です』、「吉野家」には「オレンジの看板」のほか、「黒い看板」があるというのは初めて知った。
・『コンセプトが異なる2つの店舗 黒い看板の吉野家では「お牛丼」が食べられる  オレンジの看板の吉野家がいわゆる昔からずっと存在する吉野家で、黒い看板の吉野家が私の担当者が気になったというおしゃれな吉野家。この2つは店舗コンセプトが異なります。 例えば首都圏の不動産人気ナンバーワンの恵比寿駅には「吉野家恵比寿駅前店」と、「吉野家恵比寿駅東口店」があります。東口店はオレンジの看板の吉野家で、食べログの点数は3.01です。しかし、駅の反対側の代官山方面にある恵比寿駅前店は黒い看板の吉野家で、食べログの点数は3.19と同じ吉野家なのに評価が異なります。 ちょっとだけ誇張して説明すると、前者が私のような忙しい男性ビジネスパーソンが来店して牛丼を注文し、5分で食べ終わって退店するタイプの吉野家。そして後者が代官山近辺にお住まいのお嬢様が友人と来店して、パプリカやれんこん、ブロッコリーなどがのった「お牛丼」をご注文されて、1時間ぐらい昼下がりのトークを楽しんでから退店するお店。 このように、そもそもの設計思想が異なる2種類の吉野家が全国に存在しているのです。 カフェスタイルで小ぎれいで、女性や家族連れも気軽に来店できて、カウンター席にはスマホが充電できるコンセントがあって、ドリンクバーもあって長居ができる。これが新しいタイプの黒い吉野家です。 吉野家ではこの黒い看板の吉野家を「クッキング&コンフォート」という店舗業態名で呼んでいます。ネーミングから類推できるように限定調理メニューが存在し、かつドリンクバーやデザートのアイスが売っていて居心地がいい。 吉野家は全国に1649店舗あるのですが、そのうちの約15%に相当する239店舗がクッキング&コンフォートの業態になります。 ではこの黒い看板の吉野家業態は、戦略的にはどのような意味があるのでしょうか』、「代官山方面にある恵比寿駅前店は黒い看板の吉野家」は、「代官山近辺にお住まいのお嬢様が友人と来店して、パプリカやれんこん、ブロッコリーなどがのった「お牛丼」をご注文されて、1時間ぐらい昼下がりのトークを楽しんでから退店するお店」、「カフェスタイルで小ぎれいで、女性や家族連れも気軽に来店できて、カウンター席にはスマホが充電できるコンセントがあって、ドリンクバーもあって長居ができる。これが新しいタイプの黒い吉野家です。 吉野家ではこの黒い看板の吉野家を「クッキング&コンフォート」という店舗業態名で呼んでいます。ネーミングから類推できるように限定調理メニューが存在し、かつドリンクバーやデザートのアイスが売っていて居心地がいい」、なるほど。
・『「黒い看板の吉野家」には3つのポイントがある  吉野家のように100年の歴史がある老舗の飲食チェーンが売り上げを伸ばすには、新しい顧客の開拓が必要になります。 例えば、吉野家のライバルのすき家を運営するゼンショーは最近、ロッテリアを買収すると発表しました。ゼンショーは他にも回転寿司のはま寿司やファミレスのココスなどさまざまな異業種の飲食チェーンを展開しています。 このように、異業種展開は飲食チェーンにとってのひとつの成長戦略です。 ただ「まったく異なる味、まったく異なる顧客層」を狙った異業種展開は当たり外れのリスクも大きく、ゼンショーのように「牛丼でも回転寿司でも業界トップクラス」という状況に到達するのは簡単ではありません。 そこでもうひとつリスクが小さい成長戦略として、「既存のチェーンに新しい顧客を取り込む」という手段があり得ます。牛丼の例で言えばこれまでは男性が固定客の中心でしたから、女性客が増えれば企業として売り上げの成長につながります。 吉野家から見れば論理的には新しい顧客層としての女性客の取り込みと、将来の固定客への育成を期待した子どもを連れた家族客の取り込みは長期戦略的には重要な目標なのです。それで5年ほど前に試験的に導入されたのが黒い看板の吉野家で、冒頭にお話しした恵比寿駅前店がその1号店なのです。 さて、この黒い吉野家戦略ですが、私のような経営戦略の専門家から見ると、細部の設計で非常に面白く感じるポイントが3つあります。 (1)独自メニューがそれほど多くないこと (2)店舗数が全体の15%と少数派であること (3)なんちゃって黒い吉野家が存在すること ということなのです。 絶妙というか戦略的というか練り込まれたバランスのいい、この3つのやり方について簡単に解説してみます。 まず最初に気づく点は、メニューの観点で黒い吉野家とオレンジの普通の吉野家にはそれほど大きな違いがないということです。ドリンクバーとデザートのカップアイスが置いてあるあたりは明らかに違うのですが、メインメニューだと限定メニューは大きく3点しか違いません』、「リスクが小さい成長戦略として、「既存のチェーンに新しい顧客を取り込む」という手段があり得ます。牛丼の例で言えばこれまでは男性が固定客の中心でしたから、女性客が増えれば企業として売り上げの成長につながります。 吉野家から見れば論理的には新しい顧客層としての女性客の取り込みと、将来の固定客への育成を期待した子どもを連れた家族客の取り込みは長期戦略的には重要な目標なのです。それで5年ほど前に試験的に導入されたのが黒い看板の吉野家で、冒頭にお話しした恵比寿駅前店がその1号店なのです」、なるほど。
・『独自メニューがあまり多くないのはなぜなのか?  女性の好みそうな「ON野菜」(温野菜をのせるという意味でしょうか)メニューと、脂身が少ない豚のロース焼きメニューと、おもちゃが付いたお子様メニューがあることぐらいです。 この設定は極めて戦略的です。要するに家族連れで来店した際に女性が「食べたいものがない」と最初から拒否反応を示さないように、最小限のオプションを用意しているのです。 そもそも吉野家に来て吉野家のメニューすべてに拒否反応を示す女性客であれば、成長戦略の対象にはなりません。そこで女性が好みそうな「ON野菜」の牛丼も選べるようにしているわけで、それを食べた女性が「吉野家の牛丼って初めて食べたけどおいしい」と思ってもらえればそれで成功なわけです。 とにかく黒い看板の吉野家はメニューはそれほど大きな差はなく、けれども居心地が良く設計されています。それで、女性客と子ども連れ家族に吉野家メニューを味わってもらうのです。 当然ながら限定メニューが注文されるよりも、他の店舗でも食べられる牛丼や牛すき鍋膳を試してもらったほうが固定客の増加につながります。だからこそ、黒い吉野家の限定メニューは種類も限定的に設計されているのです』、「黒い看板の吉野家はメニューはそれほど大きな差はなく、けれども居心地が良く設計されています。それで、女性客と子ども連れ家族に吉野家メニューを味わってもらうのです」、なるほど。
・『黒い看板の吉野家の出店割合 「全体の15%」は黄金比  次に、ビジネスモデル上非常に重要だと思われるのが、黒い看板のクッキング&コンフォート店舗は店舗全体の15%しか存在しないという点です。 実はオレンジの看板の吉野家の店舗には、一般の外食チェーンには見られないある優位性が存在します。それが顧客回転率の高さです。 よく普通の吉野家の店舗を見て、一般の飲食店経営者が「いつもがらがらで集客できていないんじゃないか」と感想をもらすことがあります。 吉野家のお店はランチタイムのピーク以外は待たされることはほとんどなく、いつ行っても座れるのが特徴なのですが、だからといって顧客数が少ないわけではありません。例えば同じカウンター数でも人気のラーメン店と比べて、吉野家の来店客数のほうが圧倒的に多かったりします。 その理由が回転率です。ラーメン店との違いを挙げると、吉野家では注文をして1分で牛丼が到着します。おいしく食べてお勘定をして、だいたい5~6分で退店します。ランチのピーク時では1時間で何回転もするのが特徴で、一日平均で見ても吉野家は実に60回転するといわれています。 そこで居心地のいい黒い看板の吉野家ですが、こちらは女性客や学生のような若い顧客を集めて長居させる業態です。学生からしてみれば座席にコンセントがあってPCでレポートを書きながら飲食ができる。ドリンクバーもありますから、女性客ふたりで恋バナでもしながら食後もずっと居続けることもできるわけです。 ここに「全体の15%」という数字が意味を持ってきます。あくまで黒い看板の吉野家は新しい顧客層を取り込むための装置だと考えるとこの戦略の全体像が見えてきます。顧客層を増やすことが戦略目的なので、なるべく居心地をよくすることは大切です。 しかし全店でそれをやってしまうと吉野家最大の武器である「一日60回転するビジネスモデル」が無効化してしまいます。 そこで生まれたのがこの15%という黄金比でしょう。例えば、黒い吉野家をきっかけに、吉野家のメニューのファンになった新規客が、その後、オレンジの看板の吉野家にも訪れたとしましょう。お気に入りの「お牛丼(ON野菜なし)」を食するのですが、そのときには他のお客様と同じように「うまい、安い、早い」を堪能して早くお帰りいただいたほうがビジネスモデル的にはよいのです』、「あくまで黒い看板の吉野家は新しい顧客層を取り込むための装置だと考えるとこの戦略の全体像が見えてきます。顧客層を増やすことが戦略目的なので、なるべく居心地をよくすることは大切です。 しかし全店でそれをやってしまうと吉野家最大の武器である「一日60回転するビジネスモデル」が無効化してしまいます。 そこで生まれたのがこの15%という黄金比でしょう。例えば、黒い吉野家をきっかけに、吉野家のメニューのファンになった新規客が、その後、オレンジの看板の吉野家にも訪れたとしましょう。お気に入りの「お牛丼(ON野菜なし)」を食するのですが、そのときには他のお客様と同じように「うまい、安い、早い」を堪能して早くお帰りいただいたほうがビジネスモデル的にはよいのです」、上手いやり方だ。
・『隠れた3番目の吉野家 「なんちゃって黒い吉野家」の奥深さ  とはいえ、オレンジの看板の吉野家があまりに黒い看板の吉野家と居心地が違うのであれば、期待したほどそのような女性客層は増えないかもしれません。そこで3番目の要素が関係してきます。私が勝手に名付けたネーミングですが「なんちゃって黒い吉野家」が存在するのです。 これは私も最近になって気づいたのですが、私の事務所の近所にもオレンジの看板の吉野家と黒い看板の吉野家がありまして、後者は店舗の内装もスタイリッシュですし、座席でスマホを充電することもできるのです。 しかし店内はカウンター席だけですし、ドリンクバーや限定メニューは置いていません。調べてみると近所の吉野家は看板が黒いだけで吉野家本体からは「クッキング&コンフォート」には認定されていないのです。 これを私は「なんちゃって黒い吉野家」と名付けました。全国にどれだけの数あるのかはわかりませんが、少なくともうちの近所にあるお店で、よくよく考えてみると戦略的には絶妙なポジションにある店舗です。 近所には学生が通う専門学校がいくつもあり、かつ女性も多く住んでいるエリアです。言い換えると駅前にあるオレンジの看板の吉野家よりも客層が若い。だったら外見は黒い吉野家にしてしまったほうが、若い客層は入りやすいわけです。 その一方でメニューはオレンジの吉野家と同じになっているうえに、長居できそうなテーブル席はないわけで、つまり一日60回転の回転率は維持できるわけです。 そう考えると吉野家の店舗業態は実は3種類で、従来のファン層が中心のオレンジの看板の吉野家と、新規の顧客層の取り込みを狙った黒い看板の吉野家、そして新規客でも入りやすいけれどもビジネスモデル的にはオレンジと同じ「なんちゃって黒い吉野家」の3つの業態が絶妙なバランスを保ちながら、吉野家という100年以上続く老舗飲食店の顧客数をこれからも増やしていこうと考えているわけです。 いやいや、企業戦略というものは実に奥が深いと思いませんか?』、「吉野家の店舗業態は実は3種類で、従来のファン層が中心のオレンジの看板の吉野家と、新規の顧客層の取り込みを狙った黒い看板の吉野家、そして新規客でも入りやすいけれどもビジネスモデル的にはオレンジと同じ「なんちゃって黒い吉野家」の3つの業態が絶妙なバランスを保ちながら、吉野家という100年以上続く老舗飲食店の顧客数をこれからも増やしていこうと考えているわけです」、「企業戦略というものは実に奥が深い」のは確かなようだ。

次に、3月18日付け弁護士ドットコムが掲載したライターの国分瑠衣子氏による「スシローは監視のない「ちゃらい場所」になっていた 若者の「客テロ」、背景にある省人化の徹底」を紹介しよう。
https://www.bengo4.com/c_18/n_15775/
・『「スシロー」や「くら寿司」で客が迷惑動画を拡散する「客テロ」が相次いだ。なぜ回転ずしチェーンが狙われたのか。回転ずし評論家の米川伸生さんは、「効率化を追求し省人化を徹底した店舗が、結果として若者がいたずらをする格好の場になった」と指摘する。米川さんに大手回転ずしチェーン特有の経営課題と、客テロ対策、回転ずし市場の展望を聞いた』、興味深そうだ。
・『業務効率化が顧客満足度の低下を招いた  米川さんによると、昔の回転ずし店は郊外が中心で、高校生などの若者だけで利用することは少なかった。それが都心に進出するようになって安く食べられる場所だと知られるようになり、若い客層が増えた。 ファミリーレストランや喫茶チェーンと回転ずし店が違う点は、席や従業員の配置だ。大手回転ずしチェーンは、効率化を追求し、人による監視の目が緩くなった。省人化を加速させたのがコロナ禍だ。運営会社は感染対策として自動精算システムなど入店から退店まで店員と接触しなくてよい「クローズド」な店をつくった。 米川さんは「デジタル化を進めたことで、若者にとって監視の目を逃れやすい『ちゃらい場所』になっていると思います。人の目が届かないことに対策を講じずにゆるく考えていたことが、客テロを招いた一因になったのではないでしょうか」とみる。 これまでにも会計を安く済ませるために皿をテーブルの下に隠すなどのいたずらはあったが、いたずらの矛先が他人の寿司に向いていたことも想定外だったのではないかという。 米川さんが考える客テロを招いたもう1つの要因が、顧客満足度の低下だ。「好きな店には客は敬意を払います。リスペクトは人に対してするものなので、省人化で人がいなくなると顧客満足度が下がってしまう。今回の客テロと無関係ではないように思います」(米川さん)』、「大手回転ずしチェーンは、効率化を追求し、人による監視の目が緩くなった。省人化を加速させたのがコロナ禍だ。運営会社は感染対策として自動精算システムなど入店から退店まで店員と接触しなくてよい「クローズド」な店をつくった。 米川さんは「デジタル化を進めたことで、若者にとって監視の目を逃れやすい『ちゃらい場所』になっていると思います。人の目が届かないことに対策を講じずにゆるく考えていたことが、客テロを招いた一因になったのではないでしょうか」とみる」、なるほど。
・『費用対効果読み切れず、対策費投下は限定的  迷惑行為を防ぐ対策はないのか。人による監視の目を強めれば、客テロ問題は解決するのではと思うが、米川さんは「人を増やすという選択肢は低価格のすしで儲けを出すために人件費をギリギリまで抑えてきた、大手のビジネスモデルそのものが崩れるため、可能性は低い」と言う。 ならば仕組みを変える必要がある。客の迷惑行為を受け、くら寿司は全店舗でAIカメラを使った新システムを導入すると発表した。ただし米川さんは簡易な対策で、様子見の段階ではとみる。 国内外の回転すし店の中には、客席とレーンに完全な仕切りがあり、客は自分の頼んだ寿司しか取り出せない設備を導入している店もある。これぐらい徹底した対策をとることも可能だということだ。 対策を徹底すれば、客数増も見込めるが「数百店舗を展開する大手回転ずしチェーンでは、莫大な費用がかかるため、躊躇しているように見えます」(米川さん)』、「国内外の回転すし店の中には、客席とレーンに完全な仕切りがあり、客は自分の頼んだ寿司しか取り出せない設備を導入している店もある。これぐらい徹底した対策をとることも可能だということだ。 対策を徹底すれば、客数増も見込めるが「数百店舗を展開する大手回転ずしチェーンでは、莫大な費用がかかるため、躊躇しているように見えます」、なるほど。
・『客テロで注目集め、くら寿司もスシローも2月の売り上げは増加  値上げも一案だが、軒並み値上げを続けてきた大手はこれ以上の値上げは難しい。そもそも大手回転ずしチェーンは相次ぐ値上げが要因で客離れが深刻だった。「昔は家族4人で5000円出せばお腹いっぱい食べることができましたが、今は7500〜8000円ぐらいに上がり、焼肉とほぼ変わらなくなりました」(米川さん) ところが、くら寿司、スシローともに「客テロ」が起きた後の2月の全店売上高が、前年同月比で増えた。米川さんは「皮肉にも客テロによって客足が上向いた形です。過去の回転ずしの歴史から見ると、一度客足が戻るとブームはしばらく続きます」と説明する』、「くら寿司、スシローともに「客テロ」が起きた後の2月の全店売上高が、前年同月比で増えた。米川さんは「皮肉にも客テロによって客足が上向いた形です。過去の回転ずしの歴史から見ると、一度客足が戻るとブームはしばらく続きます」と説明する」、不思議なものだ。
・『「国民の8割が大手回転ずししか知らない」  米川さんは「日本国民の8割がスシローやくら寿司など大手回転ずし店しかないと思っています」と指摘する。 地方に行けば大手とは一線を画した地場の回転ずし店がある。「グルメ回転ずし」と呼ばれる業態の店はレーンの内側で職人がすしを握っている。人がいるため、客はいたずらしようとする心理が働かない。今回の客テロでは大手回転ずしチェーンばかりが目立つ』、「「グルメ回転ずし」と呼ばれる業態の店はレーンの内側で職人がすしを握っている。人がいるため、客はいたずらしようとする心理が働かない。今回の客テロでは大手回転ずしチェーンばかりが目立つ」、なるほど。
・『回る店、回らない店 細胞分裂のように回転ずしは変化を遂げていく  客による迷惑行為は収束するのか。一連の迷惑行為では、逮捕者も出た。米川さんは「面白いという承認欲求を満たすことと引き換えに逮捕されたいと思う人はいないでしょう。迷惑客は今後は減っていくと思います」と話す。 回転ずしチェーンの「すし銚子丸」が、「回らない回転ずし」に移行することで話題になっているが、米川さんは今後、大手チェーンでもレーンが回る寿司店、回らない寿司店など、より細分化していくと予想する。 「回転ずしはもともと寿司から派生して、さらに、100円回転ずしとグルメ回転ずしに分かれて、細胞分裂のように発展してきました。これからもその流れが続くのではないでしょうか」 オペレーションの簡略化、省人化を追求した末に若者のいたずらの標的にされてしまった大手回転ずしチェーン。米川さんは「客テロ効果による客数増で喜んでいる企業はないと思います。これから大手がどんな対策を打ち出すのか、人のいない店舗でどう顧客満足度を上げるのか注目しています」と締めくくった』、「これから大手がどんな対策を打ち出すのか、人のいない店舗でどう顧客満足度を上げるのか注目しています」、その通りだ。
タグ:弁護士ドットコム 「黒い看板の吉野家はメニューはそれほど大きな差はなく、けれども居心地が良く設計されています。それで、女性客と子ども連れ家族に吉野家メニューを味わってもらうのです」、なるほど。 吉野家から見れば論理的には新しい顧客層としての女性客の取り込みと、将来の固定客への育成を期待した子どもを連れた家族客の取り込みは長期戦略的には重要な目標なのです。それで5年ほど前に試験的に導入されたのが黒い看板の吉野家で、冒頭にお話しした恵比寿駅前店がその1号店なのです」、なるほど。 吉野家ではこの黒い看板の吉野家を「クッキング&コンフォート」という店舗業態名で呼んでいます。ネーミングから類推できるように限定調理メニューが存在し、かつドリンクバーやデザートのアイスが売っていて居心地がいい」、なるほど。 「代官山方面にある恵比寿駅前店は黒い看板の吉野家」は、「代官山近辺にお住まいのお嬢様が友人と来店して、パプリカやれんこん、ブロッコリーなどがのった「お牛丼」をご注文されて、1時間ぐらい昼下がりのトークを楽しんでから退店するお店」、「カフェスタイルで小ぎれいで、女性や家族連れも気軽に来店できて、カウンター席にはスマホが充電できるコンセントがあって、ドリンクバーもあって長居ができる。これが新しいタイプの黒い吉野家です。 (その5)(「黒い吉野家」増殖中 上品な“お牛丼”を開発した吉野家の戦略の秀逸設計、スシローは監視のない「ちゃらい場所」になっていた 若者の「客テロ」 背景にある省人化の徹底) 「吉野家」には「オレンジの看板」のほか、「黒い看板」があるというのは初めて知った。 例えば、黒い吉野家をきっかけに、吉野家のメニューのファンになった新規客が、その後、オレンジの看板の吉野家にも訪れたとしましょう。お気に入りの「お牛丼(ON野菜なし)」を食するのですが、そのときには他のお客様と同じように「うまい、安い、早い」を堪能して早くお帰りいただいたほうがビジネスモデル的にはよいのです」、上手いやり方だ。 「あくまで黒い看板の吉野家は新しい顧客層を取り込むための装置だと考えるとこの戦略の全体像が見えてきます。顧客層を増やすことが戦略目的なので、なるべく居心地をよくすることは大切です。 しかし全店でそれをやってしまうと吉野家最大の武器である「一日60回転するビジネスモデル」が無効化してしまいます。 そこで生まれたのがこの15%という黄金比でしょう。 鈴木貴博氏による「「黒い吉野家」増殖中、上品な“お牛丼”を開発した吉野家の戦略の秀逸設計」 ダイヤモンド・オンライン 「国内外の回転すし店の中には、客席とレーンに完全な仕切りがあり、客は自分の頼んだ寿司しか取り出せない設備を導入している店もある。これぐらい徹底した対策をとることも可能だということだ。 対策を徹底すれば、客数増も見込めるが「数百店舗を展開する大手回転ずしチェーンでは、莫大な費用がかかるため、躊躇しているように見えます」、なるほど。 「吉野家の店舗業態は実は3種類で、従来のファン層が中心のオレンジの看板の吉野家と、新規の顧客層の取り込みを狙った黒い看板の吉野家、そして新規客でも入りやすいけれどもビジネスモデル的にはオレンジと同じ「なんちゃって黒い吉野家」の3つの業態が絶妙なバランスを保ちながら、吉野家という100年以上続く老舗飲食店の顧客数をこれからも増やしていこうと考えているわけです」、「企業戦略というものは実に奥が深い」のは確かなようだ。 「大手回転ずしチェーンは、効率化を追求し、人による監視の目が緩くなった。省人化を加速させたのがコロナ禍だ。運営会社は感染対策として自動精算システムなど入店から退店まで店員と接触しなくてよい「クローズド」な店をつくった。 米川さんは「デジタル化を進めたことで、若者にとって監視の目を逃れやすい『ちゃらい場所』になっていると思います。人の目が届かないことに対策を講じずにゆるく考えていたことが、客テロを招いた一因になったのではないでしょうか」とみる」、なるほど。 国分瑠衣子氏による「スシローは監視のない「ちゃらい場所」になっていた 若者の「客テロ」、背景にある省人化の徹底」 「リスクが小さい成長戦略として、「既存のチェーンに新しい顧客を取り込む」という手段があり得ます。牛丼の例で言えばこれまでは男性が固定客の中心でしたから、女性客が増えれば企業として売り上げの成長につながります。 「これから大手がどんな対策を打ち出すのか、人のいない店舗でどう顧客満足度を上げるのか注目しています」、その通りだ。 「「グルメ回転ずし」と呼ばれる業態の店はレーンの内側で職人がすしを握っている。人がいるため、客はいたずらしようとする心理が働かない。今回の客テロでは大手回転ずしチェーンばかりが目立つ」、なるほど。 「くら寿司、スシローともに「客テロ」が起きた後の2月の全店売上高が、前年同月比で増えた。米川さんは「皮肉にも客テロによって客足が上向いた形です。過去の回転ずしの歴史から見ると、一度客足が戻るとブームはしばらく続きます」と説明する」、不思議なものだ。 外食産業
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