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保険(その8)(【ビッグモーター不正】損保業界関係者は「損保ジャパンは別 報酬返上では済まされない 逮捕されますよね」、ビッグモーターに経営指導したのは“沈没事故”知床遊覧船と同じコンサル会社 無理な指導なかった?、ビッグモーター不正事件で平均年収1100万円 最高5000万円の「超高待遇」社員たちはどうなるのか?、伊藤忠がビッグモーター買収!?火中の栗拾う理由 「創業家の切り離し条件」24年春までに買収判断) [金融]

保険については、本年5月15日に取上げた。今日は、(その8)(【ビッグモーター不正】損保業界関係者は「損保ジャパンは別 報酬返上では済まされない 逮捕されますよね」、ビッグモーターに経営指導したのは“沈没事故”知床遊覧船と同じコンサル会社 無理な指導なかった?、ビッグモーター不正事件で平均年収1100万円 最高5000万円の「超高待遇」社員たちはどうなるのか?、伊藤忠がビッグモーター買収!?火中の栗拾う理由 「創業家の切り離し条件」24年春までに買収判断)である。

先ずは、7月20日付けデイリー新潮が掲載した「【ビッグモーター不正】損保業界関係者は「損保ジャパンは別。報酬返上では済まされない。逮捕されますよね」」を紹介しよう。
https://www.dailyshincho.jp/article/2023/07201047/?all=1
・「『♪くーるまを売るな~らビッグモーター!の歌声も虚しい。7月18日、中古車販売大手ビッグモーターの兼重宏行社長(71)が、報酬の全額を1年間返上とする方針を固めた。車の修理代を損害保険各社に水増し請求していたことが特別調査委員会によって認定されてからおよそ2週間、社長をはじめ役員たちの報酬返上では済まないという声が……。 ビッグモーターは中古車の買取・販売のみならず、大半の店舗に隣接された整備工場をウリにしていた。そして“最先端設備でどこよりもキレイに素早く修理!”を謳っていたのだ。 ところが整備工場内では、ゴルフボールを入れた靴下を振り回してぶつけて車体を損傷、不必要な部品の交換、1台あたりの修理工賃が14万円前後のノルマ……とても修理とは呼べない工賃が上乗せされて、損保会社に請求されていたのだ。報告書には「コンプライアンス(法令遵守)意識の鈍麻」「経営陣に忖度するいびつな企業風土」といった批判も入っていた。大手損保の関係者は言う。 「ビッグモーターの良くない評判は今に始まったことではありません。この会社は保険の代理店業務も行っていて、社員たちは保険契約にノルマがありました。それが達成できないと罰金が課せられていたのです」 2017年2月に産経新聞がこう報じている。 同社では全国約80の販売店で、前月の保険販売実績に応じて目標を達成できなかった店の店長個人から10万円を上限に現金を集め、達成した店の店長へ分配していた。産経新聞の取材に同社は昨年12月、「会社と関係なく店長間で慣習的に行われていた。一切強制していない」と説明した。/しかし、昨年6月に全社員宛てに送られた兼重社長名での社内メールでは、「保険選手権大会に関して」とのタイトルで「罰金を払うということは、店長としての仕事をしてないということだ!」「罰金を払い続けて、店長として(中略)恥ずかしくないか!」などと記載されていた》(産経新聞:17年2月26日)』、「整備工場内では、ゴルフボールを入れた靴下を振り回してぶつけて車体を損傷、不必要な部品の交換」、よくマスコミで取り上げられたニュースだ。 「保険の代理店業務も行っていて、社員たちは保険契約にノルマがありました。それが達成できないと罰金が課せられていたのです」 2017年2月に産経新聞がこう報じている。 同社では全国約80の販売店で、前月の保険販売実績に応じて目標を達成できなかった店の店長個人から10万円を上限に現金を集め、達成した店の店長へ分配していた」、なるほど。
・『一代で全国300店  「もともとビッグモーターは、76年に山口県岩国市に開店した兼重オートセンターが母体です。そこから兼重社長が一代で、本社を東京の六本木ヒルズに置き、北海道から沖縄まで全国300店舗に迫る出店をし、“買取台数6年連続日本一”を謳う会社に成長したんです。もちろんそこには、関西の中古車販売会社ハナテンを傘下に収めたことが大きいのですが、兼重社長は自衛隊出身と聞いたこともありますし、かなり無理をしてきたのでしょう」 今回の損保への不正請求問題は、昨年はじめの内部告発が発端だった。同社と取引のある損保ジャパン、東京海上日動、三井住友海上の3社がサンプル調査を実施し、全国にある整備工場の大半から水増し請求の疑いが発覚した。 「そこで3社で、ビッグモーターに自主調査を要請したわけです。ところが、返ってきたのは、修理作業員の技術不足、社内の手続き上のミスが原因だったという回答でした。これに納得できない東京海上と三井住友海上が独自に調査を始めると、ようやくビッグモーターも第三者による特別調査チームを立ち上げたのです」 損保ジャパンは加わらなかったのか。 「損保ジャパンだけはビッグモーターの回答を鵜呑みにして、一度は辞めていた事故車両の紹介を復活させたそうですから」 なぜ損保ジャパンは取引を復活させたのか』、「今回の損保への不正請求問題は、昨年はじめの内部告発が発端だった。同社と取引のある損保ジャパン、東京海上日動、三井住友海上の3社がサンプル調査を実施し、全国にある整備工場の大半から水増し請求の疑いが発覚した。 「そこで3社で、ビッグモーターに自主調査を要請したわけです。ところが、返ってきたのは、修理作業員の技術不足、社内の手続き上のミスが原因だったという回答でした。これに納得できない東京海上と三井住友海上が独自に調査を始めると、ようやくビッグモーターも第三者による特別調査チームを立ち上げたのです」、「損保ジャパンだけはビッグモーターの回答を鵜呑みにして、一度は辞めていた事故車両の紹介を復活させた」、「損保ジャパン」は共同正犯といえるほど悪質だ。
・『強く出られなかった部分も  「太いパイプがあるのでしょうね。損保ジャパンはビッグモーターに社員を出向させていたそうです。これは勝手な想像ですが、損保ジャパンは旧安田火災の頃から大手損保に追いつけ追い越せで、ゆるい契約を結ぶ社風がありました。実際、損保ジャパンとなってからも、業務が営業偏重だと業務停止処分が下ったことがありました。ビッグモーターものし上がってきた会社ですから、似た部分があるのではないかと思います」 それにしても、損保に修理代を水増し請求したところで、それほど儲かるのだろうか。 「修理代は損保から支払われますから確実ですし、修理の工賃などの見積もりを増やせば余計に儲かります」 タイヤにネジを打ち込んで、わざとパンクさせていたという報道もあった。 「通常のパンクだけなら保険の対象外です。事故によるパンクや、タイヤだけでなくボディも傷つけられたのであれば、車両保険の対象となる可能性があります。いわば修理の水増しをしていたということでしょう」 そうした不正請求が損保にバレなかったということか。
「そういうことになります。ビッグモーターは保険を売ってくれるので、損保にとってはお客様でもある。自賠責保険など1台では大した金額ではありませんが、販売大手となればかなりの額になる。そのため、修理にちょっと高い見積もりが来ても強く出られない部分もあったと思います。損保ジャパンについては、社員まで出向させていたのですから、うちは知らなかったでは済まないと思いますけど、いずれにしても最終的には保険に加入いただいたお客様が最大の被害者です。修理代を損保が支払う分、等級が下がって保険料は割り増しとなったわけですから」 歴とした詐欺事件のように思われるが、 「正直言って、こんなことをやっていたら逮捕されます。少なくとも報酬を1年返上すれば責任を取ったことになるなんていう話ではありません」』、「ビッグモーターは保険を売ってくれるので、損保にとってはお客様でもある。自賠責保険など1台では大した金額ではありませんが、販売大手となればかなりの額になる。そのため、修理にちょっと高い見積もりが来ても強く出られない部分もあったと思います。損保ジャパンについては、社員まで出向させていたのですから、うちは知らなかったでは済まないと思いますけど、いずれにしても最終的には保険に加入いただいたお客様が最大の被害者です」、「損保ジャパン」への金融庁の処分はまだ検討中のようだが、悪質性からみて相当重いものになるだろう。

次に、7月26日付け日刊ゲンダイ「ビッグモーターに経営指導したのは“沈没事故”知床遊覧船と同じコンサル会社 無理な指導なかった?」を紹介しよう。
https://www.nikkan-gendai.com/articles/view/money/326532
・『「天地神明に誓って知らなかった」 25日、保険金の不正請求問題で揺れる中古車販売大手「ビッグモーター」の兼重宏行社長が記者会見を行い、26日付で自身と会見に姿を見せなかった息子の宏一副社長の辞任を発表した。 同社は客が持ち込んだ故障車両に「ドライバーで傷つける」「ゴルフボールを入れた靴下を振り回して叩く」「サンドペーパーで塗装をはがす」「ヘッドライトのカバーを割る」などの不正行為を行い、修理費用を水増ししたうえで保険金を請求していたことが明らかになっている。 兼重社長は会見で「個々の工場長が指示してやったんじゃないか。事実確認が取れていませんけれども、それでないとこういうことは起きない」と、不正への組織ぐるみの関与を否定。 外部専門家からなる特別調査委員会の調査報告書によると、同社は修理車両1台あたり14万円前後の粗利をノルマとして設定していたという。 本来、車両の損傷状況に応じて施される修理に収益目標を設定するなど、売り上げ至上主義が現場に無理を強いていた可能性が高いが、兼重社長は不正の原因について、「不合理な目標設定。それが目標ではなく、ノルマになって、(板金塗装の幹部が)達成させるために強くプレッシャーをかけた。それが原因で今回の不正が起きたと考えられますので、組織的と思われてもこれは致し方ないんですけども、決してそんなことはありません」と述べている。 「同社は業界でもトップクラスの給与水準を謳っていて、実際に幹部クラスになると2000~4000万円台の年収を得ている社員もいます。その一方で上層部からのプレッシャーはものすごく、ノルマが達成できないと降格や左遷、減給というペナルティがあったため、現場は不正に手を染めざるをえない状況にあったといいます。 ほかにも“環境整備点検”といって、幹部が月一で店舗を巡回し、掃除や整理整頓がきちんと行われているかなどを厳しくチェックする作業を深夜や朝方まで強いられていたようです。こうした会社のブラックな体質を嫌い、離職者が多いことでも知られていました」(中古車業界関係者) 特別調査委員会の調査報告書は、ビッグモーターの「環境整備点検」についてこう厳しく批判している。 “環境整備点検は、スーツを着たお偉方が上から目線で難癖をつけるだけのイベントになっていたのであり、そのような状況下で経営陣に現場の声が上がってくるはずがない』、歩道の植木への除草剤散布で枯らせてしまった問題は、この「環境整備点検」に備えたものだった〟「「同社は業界でもトップクラスの給与水準を謳っていて、実際に幹部クラスになると2000~4000万円台の年収を得ている社員もいます。その一方で上層部からのプレッシャーはものすごく、ノルマが達成できないと降格や左遷、減給というペナルティがあったため、現場は不正に手を染めざるをえない状況にあったといいます」、なるほど。
・『■「儲かる仕組み」を会員企業に指導  この環境整備点検を指導したとされるのが、経営コンサルタントの小山昇氏(75)が率いる株式会社武蔵野で、ダスキンのフランチャイズ事業のほか、中小企業への経営コンサルティング事業で知られている。 同社は18年連続増収を謳い、小山氏が編み出したとされる「儲かる仕組み」を会員企業に指南。武蔵野から経営指導を受けた750社のうち、400社以上が過去最高益を達成しているという。その会員企業の一つが、今回の不正が発覚したビッグモーターだ。 小山氏は、2014年9月12日配信のダイヤモンドオンラインの記事「【第1回】日本初「日本経営品質賞」2度受賞の秘密!「朝一番の掃除」7つのメリットとは?」で、ビッグモーターについてこう記している。 《山口県岩国市に本社がある自動車販売会社、株式会社ビッグモーター(兼重宏行社長)は、記録的台風(2005年9月6~7日)の影響により、展示車両が全滅。一瞬にして2億円の損害を受けてしまいます。 ところが「ビッグモーター」は、3日後には営業再開し、いまや中古車販売台数で「業界日本一」になりました》 小山氏によると、ビッグモーターが壊滅的状況から這い上がれた唯一の解が、掃除をはじめとする「環境整備」にあるという。 《人材を鍛え、組織を改善し、高収益体質をつくるうえで、「環境整備」ほど効果的なしくみはありません》 ほかにも、毎年社員に配る「経営計画書」なるものがビッグモーターには存在する。 「3.強烈な願望を心に抱く」「4.誰にも負けない努力をする」「5.売り上げを最大限に、経費は最小限に」「8.燃える闘魂」といった自己啓発書顔負けの項目が並び、社員は毎朝唱和させられていたという』、安物の「自己啓発書顔負けの項目」だ。
・『「幹部には目標達成に必要な部下の生殺与奪権を与える」  「組織や人事に関して、『社長の意図が素早く実行されるフラットな組織にする』『会社と社長の思想は受け入れないが、仕事の能力はある。今、すぐ辞めてください』『経営方針の執行責任を持つ幹部には、目標達成に必要な部下の生殺与奪権を与える』といった文言が並び、これらビッグモーターの経営計画書も小山氏が指導したといわれています」(経済誌記者) 小山氏といえば、昨年4月23日、北海道知床半島の沖合で沈没した遊覧船「KAZUⅠ(カズワン)」の運航会社「知床遊覧船」の桂田精一社長に経営指導していたことでも知られている。 同社は乗員・乗客合わせて26名全員が死亡・行方不明となる大惨事を起こしているが、事故発生後、ベテラン船長や従業員の解雇のほか、船の整備不良や悪天候での無理な出航など、ずさんな経営実態が明らかになった。遊覧船買収の際、桂田社長は小山氏に相談したとされている。 偶然とはいえ、武蔵野は不祥事を起こした2社のコンサルに関わっていたことになる。企業にとって清掃や整理整頓、従業員の士気向上は必要ではあるものの、現場に不正行為をさせるような行き過ぎた経営指導はなかったのか。 武蔵野に質問を送ったところ、次のような回答があった(qは質問、Aは回答)。 Q:貴社がビッグモーターに経営指導していたのは事実ですか? A:「弊社の経営サポート会員企業様であり、弊社主催の研修・セミナーにご参加頂いたことはございます」 Q:「環境整備点検」「経営計画書」などの仕組みは、貴社の経営指導の一環ですか? A:「そのような仕組みの導入を推奨していたのは事実ですが、過度な経費削減、無理な努力目標や自己啓発を強いるよう指導する事はございません。ましてや、パワハラまがいの行為を誘発するようなことは、あってはならないものと考えております」 Q:ビッグモーターへの経営指導はいつから開始されましたか? 現在も継続中でしょうか? A:「個別の顧客情報に関しましては、お答えいたしかねます」 Q:特別調査委員会の報告書にも、無理な努力目標や自己啓発を強いられ、パワハラまがいの行為があったと指摘されていますが、このあたりも貴社が指導してきたということで間違いないでしょうか? 見解を聞かせてください。 A:「前述のように全くの間違いであります。そのような指導はしておりません」 ビッグモーターの経営指導には関わっていたものの、不正行為に至る無理な指導は決して行っていないという。 ホームページに掲載されている武蔵野の60期経営計画についての、小山氏による次のような記述がある。 《この経営計画書は家族の期待と責任を一身に背負っている社員が、安定した生活を築くため、昨年の過ちを正し、お客様に愛され支持される会社を実現するために、数字による目標と方針を明確にし、何をしなければならないか、又、何をしてはいけないかを、全身全霊、精魂を込めて書き上げたものです》 ビッグモーターは社長、副社長の辞任で創業家が全役職から退任したことになるが、大株主として引き続き同社への関与、影響力が指摘されている。ビッグモーターは不正という“過ち”を正し、客を裏切らない企業として再出発できるのか』、「ビッグモーターの経営計画書も小山氏が指導したといわれています」・・・小山氏といえば、昨年4月23日、北海道知床半島の沖合で沈没した遊覧船「KAZUⅠ(カズワン)」の運航会社「知床遊覧船」の桂田精一社長に経営指導していたことでも知られている。 同社は乗員・乗客合わせて26名全員が死亡・行方不明となる大惨事を起こしているが、事故発生後、ベテラン船長や従業員の解雇のほか、船の整備不良や悪天候での無理な出航など、ずさんな経営実態が明らかになった。遊覧船買収の際、桂田社長は小山氏に相談したとされている。 偶然とはいえ、武蔵野は不祥事を起こした2社のコンサルに関わっていたことになる」、「武蔵野」の「小山氏」の化けの皮は完全に剥がれたことになる。

第三に、7月28日付けダイヤモンド・オンラインが記載した百年コンサルティング代表の鈴木貴博氏による「ビッグモーター不正事件で平均年収1100万円、最高5000万円の「超高待遇」社員たちはどうなるのか?」を紹介しよう。
https://diamond.jp/articles/-/326768
・『連日報じられるビッグモーターの不正事件。これは「ビッグモーター1社の凋落(ちょうらく)」だけでは終わらないでしょう。私は、中古車業界・他業界まで波及する影響があると予測します。今後、何が起こるのか? 平均年収1100万円、最高5000万円の「超高待遇」社員たちも、このままではいられないかもしれません』、興味深そうだ。
・『ビッグモーターの不正事件は「1社の凋落」では終わらない  ビッグモーターの不正事件が大きく動き出しました。不正は2021年秋から断続的にメディアに報道されてきたのですが、ビッグモーターという大企業の特殊性から、これまで2年にわたってそれほど大きな事件とはなっていなかったのです。 ビッグモーターは未上場企業であるために情報の開示義務がないことが、この事件の特異な状況を作り出していました。さらに内部告発やリークから不正を疑う報道が出るたびに会社がそれを黙殺したことで、後追い報道も出づらかったのです。 今月、事態が大きく動いたのは第三者委員会の報告書が明らかになったからなのですが、実はこの報告書自体、当初は開示されていませんでした。あくまで被害者の立場にある損保3社に宛てた報告書だったという事情からです。この対応に業を煮やしたいずれかの関係者が多数のメディアに内容をリークしたことから、ようやく大事件に発展しました。 今回の記事では未来予測の専門家の立場から「これから何が起きるのか」にフォーカスして、ビッグモーターを取り巻く今後について予測していきます。) 上記の事情から、記事中の記述はメディアがこれまで報道してきた内容に依拠している点をご容赦ください。 これから起きると予測されることは、以下の三つです。 (1)中古車相場の暴落 (2)損保ジャパンへの飛び火 (3)ビッグモーター自体の凋落(ちょうらく) それぞれ、これから起きることを整理していきましょう』、「報告書自体、当初は開示されていませんでした。あくまで被害者の立場にある損保3社に宛てた報告書だったという事情からです。この対応に業を煮やしたいずれかの関係者が多数のメディアに内容をリークしたことから、ようやく大事件に発展」、こんな経緯があったとは初めて知った。
・『(1)中古車価格は確実に暴落する  今回の報道で「これから間違いなく起きる」と断言できることは、ビッグモーターから車を買う人がいなくなり、ビッグモーターで自分の車を修理をする人がいなくなることです。過去の不祥事から類推するに、売り上げは8割から9割減少するでしょう。 ビッグモーターは情報非開示企業ですが、従業員数6000人、全国300店舗以上を展開していて「買取台数6年連続日本一」をうたう、まさに中古車販売業界のリーダー企業といえる存在です。 その会社が修理の際に、「ヘッドライトのカバーを割る」「ドライバーで車体に傷をつける」「ゴルフボールを靴下に入れたもので車をたたいて、傷を拡大させる」といった修理代金の水増しを行っていたことが分かりました。 そのことがこれだけの規模で、ワイドショーなどで報道され続けたわけですから、ビッグモーターを使おうという消費者は、事件を知らない人以外いなくなると考えるのが普通です。 それで何が起きるかというと、売り上げが9割減っても6000人の従業員がいて300店舗が営業している以上、現金が枯渇します。銀行からは追加の借り入れができるどころか、むしろ借入金の返済を求められることになります。 そこで経営陣ができることは、在庫の中古車を投げ売りすることです。店頭では大幅な値引きセールが行われるでしょうけれども、問題は中古車の品質を消費者がどう考えるかです。 「きちんとメンテナンスされていないのでは?」「不具合が隠されているんじゃないだろうか?」 そう考えて、大幅な値引きをされた中古車をビッグモーターから買うことも消費者は躊躇(ちゅうちょ)することになるでしょう。 そうなると、経営としては中古車在庫をオークションで換金売りするようになります。 実は、昨年の夏までは中古車市場は空前の高値をつけていました。コロナ禍や上海ロックダウンのあおりを受けた部品の供給遅れや半導体不足で新車の納車が1年待ちといった状況となり、人気車種の中古価格が新車価格を上回っていたのです。 その半導体不足が解消され始めたことや、大きな買い手であるロシアに対する輸出規制の強化などから、中古車相場はこれから徐々に下がり始めることが予想されていました。 その「徐々に」という観測に対して、急速に暗雲が垂れ込めてきたわけです。これまで供給不足から高値になっていた中古自動車が、今回の事件によりビッグモーターが在庫を放出すれば、逆に供給過多に転じてしまう。そのため、中古車価格の暴落が起きる可能性が高まってきたのです。 業界にとってはとんだとばっちりになりますが、この先、中古車市場は大いに冷え込むことになるでしょう』、「ロシアに対する輸出規制の強化などから、中古車相場はこれから徐々に下がり始めることが予想されていました。 その「徐々に」という観測に対して、急速に暗雲が垂れ込めてきた」、最悪のタイミングだ。
・『(2)損保ジャパンは説明責任を強く問われるだろう  さて、7月25日のビッグモーターの記者会見で非常に興味深いやり取りがありました。 同社の兼重宏行前社長が途中まで不正に関与した社員について「刑事告発する」と主張していたのですが、会見の最後に「先ほど刑事告発の話をしましたが、質問を受けて考えてみると、その責任も私にあるなと。そこまでする必要はないなと考え直しましたので、訂正します」と発言を修正したのです。 刑事告発をすれば当然社内に捜査の手が入りますし、裁判を通じて事実関係が明らかになります。刑事告発をしないことにすればそれがなくなります。 これは私の視点ですが、現在被害者の立場にある損保ジャパンがビッグモーターを刑事告発をするかしないかが、この事件の試金石になるでしょう。予測としてはこの先、損保ジャパンは今回の事件についての説明責任を強く求められるようになります。 被害者である損保ジャパンの白川儀一社長は今回の事件について、「会社全体としてビッグモーターの不正行為を見抜けなかった」と陳謝しています。一方で、この謝罪について疑念を向ける報道があります。) 前述の通り、ビッグモーターは未公開会社です。しかし、2015年に中古車売買を行っていた公開会社のハナテンを買収した際に、株主構成が公開されています。その時点では、損保ジャパンが持ち株比率6.88%で兼重前社長に次ぐ第2位の株主になっていることが判明しています。 他の保険会社2社の出向者がそれぞれ3名のレベルであるのとは違い、損保ジャパンが37人という突出した出向者を出していることはこの資本関係から説明がつきます。 2021年秋に内部告発で水増し請求が表面化して、翌2月には損保3社がサンプル調査を行い多数の工場で水増し請求が起きていたことが発覚しました。結果を受けて3社ともビッグモーターとの取引を停止したのですが、損保ジャパンだけは22年7月に「組織的な不正の指示がなかったことを確認できたため」という理由で、受け入れを一時再開します。 一方で、損保ジャパンの白川社長によれば、同社の経営陣が今回の不正の内部告発の情報を知ったのは2022年の夏だといいます。損保ジャパンが弁護士を含めた調査委員会を立ち上げることを表明するのはそのずっと後の2023年7月、つまり事件が完全に表面化するまでの10カ月以上なぜか調査を始めていないのです。 ビッグモーターの記者会見で現場のことは知らないとしていた兼重前社長が、損保ジャパンの出向社員は関与していないことだけは知っていると強調していたのも印象的でした。 実は損保ジャパンは2019年に、ビッグモーターに関して「完全査定レス」の仕組みを導入しています。それまではビッグモーターが修理の見積もりを作成したら、損保ジャパンの損害査定人(アジャスター)がその見積もりをチェックしてから修理に着手していました。これは保険の一般的なワークフローです。 しかし、ビッグモーターではそのチェック工程を完全に省略して保険金を支払う形に変えたのです。 損保ジャパンの出向者は不正の現場に立ち会っていないということですが、工場長会議には出ていたという報道がありますし、ビッグモーターが修理1件当たりの工賃にノルマを設定していたことも知っていたという報道もあります。 そもそも、修理1件当たりの工賃にノルマがあるということ自体がいろいろと不可解です。工賃は一定ではなく車の状態によって変動するため、修理の程度が軽微であれば、ノルマを達成できないことだってあるはずです。 そしてよく考えてみると、損保ジャパンはそれほど大きな被害は受けていないかもしれません。 ビッグモーターは損保ジャパンにとって、年間100億円台の保険料収入をもたらしてくれる大手保険代理店です。被害額が水増しされた車の保険契約者は翌年からの保険料が上がりますから、後々元がとれます。 そしてビッグモーターについてはアジャスターレスだったので、損保ジャパンのアジャスターは他の事故に専念できます。実は業界では損保ジャパンのアジャスターはすご腕だと評判で、事故の相手が損保ジャパンに入っていると厳しい金額の賠償金しか受け取れないと嘆く人も多くいます。 邪推すれば、全体での収支は維持できている可能性があるのです。 いずれにしてもこれから起きることとしては、損保ジャパンがこれらの事柄について、対外的に厳しく説明責任を求められるようになるということだけは間違いないでしょう』、「ビッグモーターは損保ジャパンにとって、年間100億円台の保険料収入をもたらしてくれる大手保険代理店です。被害額が水増しされた車の保険契約者は翌年からの保険料が上がりますから、後々元がとれます。 そしてビッグモーターについてはアジャスターレスだったので、損保ジャパンのアジャスターは他の事故に専念できます。実は業界では損保ジャパンのアジャスターはすご腕だと評判で、事故の相手が損保ジャパンに入っていると厳しい金額の賠償金しか受け取れないと嘆く人も多くいます」、「損保ジャパン」が「ビッグモーターについてはアジャスターレスだった」とは初めて知った。「これから起きることとしては、損保ジャパンがこれらの事柄について、対外的に厳しく説明責任を求められるようになる」、「説明責任」を果たすのはどうみても困難だろう。
・『(3)ビッグモーターが救済されるとしたらそれはM&Aではない  さて、飛ぶ鳥を落とす勢いで発展してきたビッグモーターという会社自体は間違いなく衰退に向かうでしょう。企業のブランドというものは、本業でここまでの不祥事が起きてしまうと、回復不可能なほどの傷がついてしまうものです。 これまでは、このような不祥事が起きた企業がたどる道は二通りでした。業績が極端に低迷したのちに破綻を表明して、廃業ないしは民事再生に向かうのが一つの道。そしてもう一つは、ファンドないしは同業他社に買収される道です。 では、同業他社にとってビッグモーターは有用でしょうか? 私は、ビッグモーターについては企業やファンドによる買収(M&A)は起きないと予測しています。代わりに営業権が譲渡されることになるというのが私の予測です。 中古車業界の他社から見れば、ビッグモーターのブランドは「絶対に要らないブランド」でしょう。 しかし、店舗と工場、在庫車が安く手に入るなら、そこには非常に大きな経済価値があります。人手不足が企業成長のボトルネックになっている昨今ですから、若くて技術のある従業員がまとめて確保できることも魅力です。 ただ、M&Aできない最大の理由も人材にあります。なにしろサンプル調査によれば、4人に1人が不正に関与しているほどの企業です。管理職のパワハラ体質に関する報道もあります。人気ドラマになぞらえて言えば「腐ったミカン」が心配です。)不正体質と表裏の関係にあるのが、ビッグモーターの給料の高さです。大手求人サイトではビッグモーターの正社員の募集で「残業ほぼなし、平均年収1109万円」となっています。 すでに閉鎖されて読めなくなっていますが、ビッグモーターのホームページでも「営業職の約半数が年収1000万円超えの実績」とされていて、募集要項では2021年12月〜2022年11月実績として「年収462万円〜5040万円」と表示されています。 業界水準を超えて異常に高い報酬部分は業績連動のインセンティブであり、ノルマを達成したことによる手当です。ですから、今後はビッグモーターの社員の給与水準は急速に年収462万円に近づいていくと思われます。 とはいえ、業界常識とはかけ離れた給与に慣れている人材をごっそりそのまま受け入れるかどうかというと、業界他社は躊躇するはずです。 管理職は不要だが若手中心に社員は欲しいとなると、スキームとしてはM&Aではなく営業権を譲渡してもらう形で店舗や工場の設備と在庫の車を入手して、人材については一人一人面接して、個別採用する形を取るのがベストです。 救済する側から見れば、「業界水準と比較して異常に給与が高い人材を採らなければいい」と考えることでしょう。むしろ、給与の低い人ほど正直に仕事をしてくれる人だと感じるはずです。 諸般の事情から、ビッグモーターを救済しようとする企業はしばらくのところ出現しない可能性の方が高いと私は予測します。待っているのはいばらの道です』、「業界水準を超えて異常に高い報酬部分は業績連動のインセンティブであり、ノルマを達成したことによる手当です。ですから、今後はビッグモーターの社員の給与水準は急速に年収462万円に近づいていくと思われます。 とはいえ、業界常識とはかけ離れた給与に慣れている人材をごっそりそのまま受け入れるかどうかというと、業界他社は躊躇するはずです」、次の記事にあるように伊藤忠が買収に名乗りを挙げたようだ。これは次の記事でみてみたい。

第四に、11月17日付け東洋経済オンライン「伊藤忠がビッグモーター買収!?火中の栗拾う理由 「創業家の切り離し条件」24年春までに買収判断」を紹介しよう。
https://toyokeizai.net/articles/-/716001
・『自動車保険金の不正請求問題をきっかけに経営難に陥った中古車販売大手ビッグモーターに思わぬ援軍候補が現れた。 大手総合商社の伊藤忠商事は11月17日午後、「ビッグモーター社が運営する事業について再建の可能性を検証するために、これよりデューデリジェンスを開始する」と発表した。 伊藤忠商事のほか、子会社の伊藤忠エネクス、投資ファンドのジェイ・ウィル・パートナーズ(JWP)の3社がビッグモーターと資産査定(デューデリジェンス)の独占契約を結び、来春までに買収の可否を判断する。 現在、ビッグモーター株の100%を握る兼重宏行・前社長ら創業家が経営に一切関与しないことが条件になる』、興味深そうだ。
・『市場は買収検討を「買い」と判断  ビッグモーター側も同時にリリースを発表し、伊藤忠商事について「自動車関連事業におけるハンズオン経営の実績も有し、オペレーション効率化、成長戦略の立案等にも強みを持っている」と評価した。 17日、午前中から上昇基調だった伊藤忠商事の株価は、午後1時に日本経済新聞が「買収検討」の速報を流した後も上がり続け、終値は前日比2.3%高い6132円をつけた。市場は買収検討を「買い」と判断した。) 一連の不正を受け、国土交通省は10月、ビッグモーターの34事業所を道路運送車両法に基づいて事業停止とした。さらに金融庁は保険業法に基づき、同社の保険代理店登録を11月30日付で取り消す方針だ。 伊藤忠商事はなぜ、そんな火中の栗を拾おうとするのだろうか』、大商社のやっているキレイな商売とは、完全に異質な気もする。
・『「見送る可能性も十分ある」(同社関係者は、「今回の買収検討は創業家支援ではない。厳格なデューデリの結果、案件を見送る可能性も十分ある」と強調する。 JWPとの意見交換の中で今回の案件が浮上し、ビッグモーターのファイナンシャルアドバイザーを務めるデロイトトーマツから開示された資料を基に検証した。その結果、より詳しいデューデリを行う価値があると判断したようだ。 伊藤忠商事とビッグモーターには、これまで取引関係はない。だが、伊藤忠グループでは、中古車販売のほか、自動車整備、保険やローンの販売も行うなど、自動車ビジネスとの関係は深い。 イギリス最大手のタイヤ小売りであるクイックフィットも傘下に持つ。2023年8月には全国の整備工場1万1500カ所の自動車整備工場とネットワークを持つリース車両整備受託会社「ナルネットコミュニケーションズ」への出資参画を表明したばかりだった。 「商社が中古車業界に興味を持っているという話は以前からあった。伊藤忠グループは子会社のヤナセをはじめもともと自動車、中古車に強い。(今回の基本合意に)違和感はない」と中古車業界の関係者は話す。) 一方、ビッグモーターはほぼ全国に店舗を持ち顧客との接点も多い。整備工場の設備も比較的新しい。ビッグモーターの事業と伊藤忠グループの自動車関連事業は親和性が高く、シナジー(相乗効果)がそれなりに見込めると伊藤忠側は判断したようだ。 伊藤忠商事をはじめとする総合商社は資源市況の高止まりや円安効果により業績は好調、2024年3月期の業績予想も上方修正が相次いでいた。伊藤忠商事も11月6日に通期純利益予想を7800億円から8000億円に引き上げたばかりだった。潤沢な資金を背景に、各社は有望な成長投資先を模索している。 ただ、伊藤忠には厳しい投資基準があり、投資額に見合う成長が厳格に求められる。今年8月に発表した、子会社・伊藤忠テクノソリューションズ(CTC)の完全子会社化案件ですら「浮かんでは消え、消えては浮かんだ案件」(鉢村剛CFO)だったという』、「伊藤忠グループは子会社のヤナセをはじめもともと自動車、中古車に強い」、のであれば確かに違和感はなさそうだ。
・『買収価格は極めて厳しいものになる  急転直下で浮上した今回の案件は相乗効果がわかりやすい一方、伊藤忠商事から提示される買収価格はビッグモーターにとって、極めて厳しいものになるだろう。 前述のように伊藤忠側は、創業家からの経営切り離しを支援の条件としており、創業家がビッグモーター株の100%を握る資本構成も今後、大きな論点になる。会社分割でビッグモーターを解体し、創業家から切り離された優良資産だけ伊藤忠が買い取っていく可能性もある。 ビッグモーター再建の道筋は、新たな局面に入った』、「伊藤忠」がどのように料理していくのか、見守りたい。 
タグ:(その8)(【ビッグモーター不正】損保業界関係者は「損保ジャパンは別 報酬返上では済まされない 逮捕されますよね」、ビッグモーターに経営指導したのは“沈没事故”知床遊覧船と同じコンサル会社 無理な指導なかった?、ビッグモーター不正事件で平均年収1100万円 最高5000万円の「超高待遇」社員たちはどうなるのか?、伊藤忠がビッグモーター買収!?火中の栗拾う理由 「創業家の切り離し条件」24年春までに買収判断) 保険 「ビッグモーターの経営計画書も小山氏が指導したといわれています」・・・小山氏といえば、昨年4月23日、北海道知床半島の沖合で沈没した遊覧船「KAZUⅠ(カズワン)」の運航会社「知床遊覧船」の桂田精一社長に経営指導していたことでも知られている。 同社は乗員・乗客合わせて26名全員が死亡・行方不明となる大惨事を起こしているが、事故発生後、ベテラン船長や従業員の解雇のほか、船の整備不良や悪天候での無理な出航など、ずさんな経営実態が明らかになった。 安物の「自己啓発書顔負けの項目」だ。 「整備工場内では、ゴルフボールを入れた靴下を振り回してぶつけて車体を損傷、不必要な部品の交換」、よくマスコミで取り上げられたニュースだ。 「保険の代理店業務も行っていて、社員たちは保険契約にノルマがありました。それが達成できないと罰金が課せられていたのです」 2017年2月に産経新聞がこう報じている。 同社では全国約80の販売店で、前月の保険販売実績に応じて目標を達成できなかった店の店長個人から10万円を上限に現金を集め、達成した店の店長へ分配していた」、なるほど。 歩道の植木への除草剤散布で枯らせてしまった問題は、この「環境整備点検」に備えたものだった〟「「同社は業界でもトップクラスの給与水準を謳っていて、実際に幹部クラスになると2000~4000万円台の年収を得ている社員もいます。その一方で上層部からのプレッシャーはものすごく、ノルマが達成できないと降格や左遷、減給というペナルティがあったため、現場は不正に手を染めざるをえない状況にあったといいます」、なるほど。 日刊ゲンダイ「ビッグモーターに経営指導したのは“沈没事故”知床遊覧船と同じコンサル会社 無理な指導なかった?」 「ビッグモーターは保険を売ってくれるので、損保にとってはお客様でもある。自賠責保険など1台では大した金額ではありませんが、販売大手となればかなりの額になる。そのため、修理にちょっと高い見積もりが来ても強く出られない部分もあったと思います。損保ジャパンについては、社員まで出向させていたのですから、うちは知らなかったでは済まないと思いますけど、いずれにしても最終的には保険に加入いただいたお客様が最大の被害者です」、「損保ジャパン」への金融庁の処分はまだ検討中のようだが、悪質性からみて相当重いものになるだろう。 「損保ジャパンだけはビッグモーターの回答を鵜呑みにして、一度は辞めていた事故車両の紹介を復活させた」、「損保ジャパン」は共同正犯といえるほど悪質だ。 「今回の損保への不正請求問題は、昨年はじめの内部告発が発端だった。同社と取引のある損保ジャパン、東京海上日動、三井住友海上の3社がサンプル調査を実施し、全国にある整備工場の大半から水増し請求の疑いが発覚した。 「そこで3社で、ビッグモーターに自主調査を要請したわけです。ところが、返ってきたのは、修理作業員の技術不足、社内の手続き上のミスが原因だったという回答でした。これに納得できない東京海上と三井住友海上が独自に調査を始めると、ようやくビッグモーターも第三者による特別調査チームを立ち上げたのです」 「損保ジャパン」が「ビッグモーターについてはアジャスターレスだった」とは初めて知った。「これから起きることとしては、損保ジャパンがこれらの事柄について、対外的に厳しく説明責任を求められるようになる」、「説明責任」を果たすのはどうみても困難だろう。 ・『(3)ビッグモーターが救済されるとしたらそれはM&Aではない  さて、飛ぶ鳥を落とす勢いで発展してきたビッグモーターという会社自体は間違いなく衰退に向かうでしょう。企業のブランドというものは、本業でここまでの不祥事が起きてしまうと、回復不可能なほどの傷がつい 「ビッグモーターは損保ジャパンにとって、年間100億円台の保険料収入をもたらしてくれる大手保険代理店です。被害額が水増しされた車の保険契約者は翌年からの保険料が上がりますから、後々元がとれます。 そしてビッグモーターについてはアジャスターレスだったので、損保ジャパンのアジャスターは他の事故に専念できます。実は業界では損保ジャパンのアジャスターはすご腕だと評判で、事故の相手が損保ジャパンに入っていると厳しい金額の賠償金しか受け取れないと嘆く人も多くいます」、 「ロシアに対する輸出規制の強化などから、中古車相場はこれから徐々に下がり始めることが予想されていました。 その「徐々に」という観測に対して、急速に暗雲が垂れ込めてきた」、最悪のタイミングだ。 「報告書自体、当初は開示されていませんでした。あくまで被害者の立場にある損保3社に宛てた報告書だったという事情からです。この対応に業を煮やしたいずれかの関係者が多数のメディアに内容をリークしたことから、ようやく大事件に発展」、こんな経緯があったとは初めて知った。 鈴木貴博氏による「ビッグモーター不正事件で平均年収1100万円、最高5000万円の「超高待遇」社員たちはどうなるのか?」 ダイヤモンド・オンライン 遊覧船買収の際、桂田社長は小山氏に相談したとされている。 偶然とはいえ、武蔵野は不祥事を起こした2社のコンサルに関わっていたことになる」、「武蔵野」の「小山氏」の化けの皮は完全に剥がれたことになる。 「伊藤忠」がどのように料理していくのか、見守りたい。 「伊藤忠グループは子会社のヤナセをはじめもともと自動車、中古車に強い」、のであれば確かに違和感はなさそうだ。 大商社のやっているキレイな商売とは、完全に異質な気もする。 東洋経済オンライン「伊藤忠がビッグモーター買収!?火中の栗拾う理由 「創業家の切り離し条件」24年春までに買収判断」 思われます。 とはいえ、業界常識とはかけ離れた給与に慣れている人材をごっそりそのまま受け入れるかどうかというと、業界他社は躊躇するはずです」、次の記事にあるように伊藤忠が買収に名乗りを挙げたようだ。これは次の記事でみてみたい。 救済する側から見れば、「業界水準と比較して異常に給与が高い人材を採らなければいい」と考えることでしょう。むしろ、給与の低い人ほど正直に仕事をしてくれる人だと感じるはずです。 諸般の事情から、ビッグモーターを救済しようとする企業はしばらくのところ出現しない可能性の方が高いと私は予測します。待っているのはいばらの道です』、「業界水準を超えて異常に高い報酬部分は業績連動のインセンティブであり、ノルマを達成したことによる手当です。ですから、今後はビッグモーターの社員の給与水準は急速に年収462万円に近づいていくと です。ですから、今後はビッグモーターの社員の給与水準は急速に年収462万円に近づいていくと思われます。 とはいえ、業界常識とはかけ離れた給与に慣れている人材をごっそりそのまま受け入れるかどうかというと、業界他社は躊躇するはずです。 管理職は不要だが若手中心に社員は欲しいとなると、スキームとしてはM&Aではなく営業権を譲渡してもらう形で店舗や工場の設備と在庫の車を入手して、人材については一人一人面接して、個別採用する形を取るのがベストです。 )不正体質と表裏の関係にあるのが、ビッグモーターの給料の高さです。大手求人サイトではビッグモーターの正社員の募集で「残業ほぼなし、平均年収1109万円」となっています。 すでに閉鎖されて読めなくなっていますが、ビッグモーターのホームページでも「営業職の約半数が年収1000万円超えの実績」とされていて、募集要項では2021年12月〜2022年11月実績として「年収462万円〜5040万円」と表示されています。 業界水準を超えて異常に高い報酬部分は業績連動のインセンティブであり、ノルマを達成したことによる手当 しかし、店舗と工場、在庫車が安く手に入るなら、そこには非常に大きな経済価値があります。人手不足が企業成長のボトルネックになっている昨今ですから、若くて技術のある従業員がまとめて確保できることも魅力です。 ただ、M&Aできない最大の理由も人材にあります。なにしろサンプル調査によれば、4人に1人が不正に関与しているほどの企業です。管理職のパワハラ体質に関する報道もあります。人気ドラマになぞらえて言えば「腐ったミカン」が心配です。 てしまうものです。 これまでは、このような不祥事が起きた企業がたどる道は二通りでした。業績が極端に低迷したのちに破綻を表明して、廃業ないしは民事再生に向かうのが一つの道。そしてもう一つは、ファンドないしは同業他社に買収される道です。 では、同業他社にとってビッグモーターは有用でしょうか? 私は、ビッグモーターについては企業やファンドによる買収(M&A)は起きないと予測しています。代わりに営業権が譲渡されることになるというのが私の予測です。 デイリー新潮が掲載した「【ビッグモーター不正】損保業界関係者は「損保ジャパンは別。報酬返上では済まされない。逮捕されますよね」」
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