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北朝鮮問題(その23)(ロシアにとって北朝鮮との協力には魅力がない ロシア出身の北朝鮮専門家が語るロ朝関係のリアル、北朝鮮とロシアの関係に中国が激怒していた! ロ朝首脳会談にご立腹、中国人の北朝鮮入国を禁止) [世界情勢]

北朝鮮問題については、2021年10月24日に取上げた。久しぶりの今日は、(その23)(ロシアにとって北朝鮮との協力には魅力がない ロシア出身の北朝鮮専門家が語るロ朝関係のリアル、北朝鮮とロシアの関係に中国が激怒していた! ロ朝首脳会談にご立腹、中国人の北朝鮮入国を禁止)である。

先ずは、本年1月10日付け東洋経済オンライン「ロシアにとって北朝鮮との協力には魅力がない ロシア出身の北朝鮮専門家が語るロ朝関係のリアル」を紹介しよう。
・『2024年新年を迎えたが、朝鮮半島では緊張が続いている。北朝鮮の最高指導者で朝鮮労働党の金正恩総書記は2023年12月30日、韓国との関係を「同族関係」ではなく、敵対的な両国関係、交戦関係であると言及した。さらに2024年1月5日、韓国西部・黄海上の国境となるNLL(北方限界線)に向けて「訓練」と称して砲撃を繰り返している。 北朝鮮は何を考えているのか。ロシア出身で、著名な北朝鮮研究者として知られる韓国・国民大学のアンドレイ・ランコフ教授に、朝鮮半島の現状と今後の見通しについて聞いた(Qは聞き手の質問、Aはランコフ教授の回答)。 Q:金正恩総書記は2023年12月30日、国家的な重要会議の一つである朝鮮労働党中央委員会総会拡大会議で、韓国は「同族関係」ではなく「交戦国」だと言及しました。 A:敵対国と言及したことは重要な動きです。ただ、それより重要なことがあります。金総書記が事実上、数十年間にわたって北朝鮮が実施してきた平和統一路線を失敗として認めたということです。「わが党と共和国(北朝鮮)政府が打ち出した祖国平和統一の思想と路線、方針はどれ一つまともな実を結ばなかった」と述べました』、「金総書記が事実上、数十年間にわたって北朝鮮が実施してきた平和統一路線を失敗として認めた・・・韓国は「同族関係」ではなく「交戦国」だと言及」、扱いが現実を直視したものになったようだ。
・『「ソウル火の海」より過激な姿勢  私の記憶が正しければ、北朝鮮側が「交戦国」との言葉もそうですが、これほど強硬な警告と脅威を与えたことはありません。厳密に言えば、彼らが1990年代初頭から時々繰り返してきた「ソウルを火の海にする」といった脅し文句よりもはるかに強いものです。 一方で、これは金総書記が客観的な現実、あるいは真実を認めたとも言えます。実際に、平和統一という話は当初から現実とは距離のあるプロパガンダに過ぎなかったためです。とはいえ、このようなプロパガンダを突然捨てたことにはいろんな意味があります。 韓国の尹錫悦政権は保守政権として、北朝鮮に強硬な姿勢を見せ続けています。こうした政権に対する不満を示したと言えるでしょう。ただ2024年1月2日に、金総書記の実妹で労働党副部長の金与正氏が発表した談話をみると、韓国が保守政権であれ革新政権であれ、「大韓民国」として自分たちには同じ存在ということを何回も強調しています。 今回北朝鮮が韓国を統一の対象とするよりは、隣に存在する敵対国としてみなすという発言をしたことは、長期的な変化の始まりと言えるでしょう。このように変化させたのは、前述したように、現実を認めたとも言えます。) 同族国ではなく「まったくの外国」として描写することで、北朝鮮国内における韓国の魅力を下げようという考えも垣間見えます。言い換えれば、大韓民国を日本やアメリカのように、多くの外国の中の一国だと国民を誘導すれば、北朝鮮人民が持つ統一への関心がある程度低くなるでしょう。 とはいえ、このような政策が実効性のあるものかどうかはわかりません。なぜなら、旧東ドイツでのドイツ社会主義統一党、これが東ドイツの共産党だったのですが、この政党は旧西ドイツはまったくの外国であり、東ドイツの国民も西ドイツとは違う民族だと主張していました。しかし、こういった主張が東ドイツ人民が西ドイツに対して抱く魅力を壊すまでには至りませんでした。 Q:2024年になり、北朝鮮は黄海上のNLL海域での射撃訓練を実施しました。これは「敵対国」という発言による措置でしょうか。 A:私は、今回の射撃事件は金正恩の「敵対国家宣言」とはこれといった関係がないと考えています。 最近、韓国の保守政権は軍事訓練を熱心に行うだけでなく、この訓練をメディアを通じて国民に積極的にアピールし、国民の関心を惹こうとしています。これに北朝鮮はイラついているのが現状です』、「北朝鮮側が「交戦国」との言葉もそうですが、これほど強硬な警告と脅威を与えたことはありません。厳密に言えば、彼らが1990年代初頭から時々繰り返してきた「ソウルを火の海にする」といった脅し文句よりもはるかに強いものです」、なるほど。
・『北朝鮮が持つ「砲弾」には強い関心  また、北朝鮮は韓国や米韓合同の軍事訓練に対抗して、ミサイルを発射したり軍事演習を行うなど対応してきました。強力な行動には強力な行動で対抗するという北朝鮮の姿勢、いわば小規模な「強対強」戦略です。これは北朝鮮がこれまでやってきたことでもあり、今後も行われるでしょう。 それでも、予測可能な未来においては南北の武力衝突の可能性は高くないと考えます。双方は「強対強」路線を信じていますが、現在の状況において大規模な戦争を行うつもりはありません。 ただ、南北関係は緊張状態にあり、2010年に北朝鮮が行った延坪島(黄海のNLL付近の韓国側の島)砲撃のような小規模な武力挑発を行うことはありえるでしょう。 Q:現在進行中のウクライナ戦争に関連して、北朝鮮はロシアとの関係を深めていると指摘されています。武器などをロシアに輸出し、戦争に加担しているのではないかと疑われています。 A:ウクライナ戦争でロシアは砲弾が枯渇しています。そのため、北朝鮮が保有する砲弾の在庫に対する関心は高い。実際に、ロシアは北朝鮮から数十万発の砲弾を受け取りたいとの希望を持っています。 また、ロシアは保有する重要な軍事技術を北朝鮮に移転できることをほのめかしています。しかし、こうした姿勢は北朝鮮のみに向けて言っていることではありません。 ロシアは北朝鮮の砲弾に関心を持ちながらも、一方で韓国がウクライナへ砲弾を輸出することを強く心配しています。韓国は今や、世界有数の砲弾製造国であるためです。) ロシアは北朝鮮へ重要な軍事技術を移転できることをほのめかしながら、韓国に圧力をかけているということになります。ウクライナに砲弾を輸出すれば、ロシアは北朝鮮に軍事技術を移転するとの、いわば脅しです。これは当然、アメリカや欧州各国に向けたものでもあります。 とはいえ、客観的に言えば、ロシアが北朝鮮に大規模な軍事技術を移転する可能性はなくはないですが、高くはないと思います。偵察衛星関連、通常兵器関連の技術移転は可能です。しかし、弾道ミサイルや核兵器に関する技術は事実上、不可能です。 Q:2023年11月に北朝鮮は、軍事偵察衛星の発射に成功したと発表しましたが、これにロシアの技術が利用されたとする見方もあります。 A:偵察衛星への技術移転・供与の可能性は否定できません。北朝鮮が偵察衛星を持ったことは周辺国に対する不安材料にもなりますが、同時に肯定的な側面もあります。それは、北朝鮮側も偵察衛星を通じて周辺国の正しい情報をある程度把握しておくことで、誤った判断をする可能性が減るためです』、「ロシアは北朝鮮へ重要な軍事技術を移転できることをほのめかしながら、韓国に圧力をかけているということになります。ウクライナに砲弾を輸出すれば、ロシアは北朝鮮に軍事技術を移転するとの、いわば脅しです」、なるほど。
・『核兵器の技術移転・協力はありえない  朝鮮半島の緊張状態が続いている中で、戦争へとつながる要素は偶発的な衝突や誤判による過剰行為です。この点からみると、北朝鮮独自の情報源を持つことは決して悪いことではありません。ロシアもそのように、肯定的に考えている部分もあります。 Q:ロシアが北朝鮮に核兵器技術を移転する可能性がないのは、どうしてでしょうか。 A:アメリカは核兵器の拡散に神経を使っていますが、ロシアも核兵器の拡散を最も恐れています。仮に北朝鮮に核心的な技術を提供・移転して北朝鮮が核兵器の製造を完成させ、ひいては高度化させた場合、ロシア自身が核兵器保有国を誕生させたという悪い例をつくってしまうことになるからです。 ロシアの周辺国に北朝鮮の経験が移転され、ロシアの安保環境が悪化することをロシアは極度に恐れます。ロシアの場合、ベラルーシのほかに安心できる国はありません。これは中国もそうでしょう。 中国も核兵器を持っていますが、仮に北朝鮮が核兵器を完成させ、それが拡散してしまうと周辺国が核兵器を持つ可能性が一気に高まってしまいます。これは、ロシアにとっても中国にとっても、最悪のシナリオです。 Q:ロシアと北朝鮮との経済関係が拡大しているとの指摘もあります。 A:実はこの2国間で、一般的な貿易が活発化する可能性はほとんどないと思います。まず、これまでの北朝鮮とロシア(ソ連)との経済交流を振り返ってみると、ロシア側が国家予算を使って経済交流を後押しした場合にのみ、2国間の貿易規模が拡大しているという歴史があります。) 基本的な理由もあります。北朝鮮が国際市場で販売できる品目のうち、ロシアが関心を持つような品目はほとんどありません。北朝鮮は石炭や鉄鉱石など天然資源を持っていますが、これら品目はロシアがより豊富に持っているものです。海産物などもそうです。 たった一つ、ロシアが大きな関心を持っている品目があります。北朝鮮の労働力です。これまでもロシア領内で多くの北朝鮮労働者が働いてきました。ウクライナ戦争も続いており、ロシアはより多くの労働力を必要としています。 ロシアにとって需要があるのは人材です。だからこそ、北朝鮮の労働力は魅力的です。賃金はロシア人より安くて済むし、過度な要求もしない。北朝鮮という国家が間に入るので、ストライキといった面倒なことは起きません。労働者のロシアへの派遣が今後、活発化する可能性は高いと思います。 しかし、ロシア政府が北朝鮮との交流拡大のために支援するかどうかは未知数です。現時点では、ロシア政府にそのような意思があるように見えません。ロシアにとって北朝鮮は、戦略的な価値がそれほど高くないためです』、「ロシアが大きな関心を持っている品目があります。北朝鮮の労働力です。これまでもロシア領内で多くの北朝鮮労働者が働いてきました。ウクライナ戦争も続いており、ロシアはより多くの労働力を必要としています。 ロシアにとって需要があるのは人材です。だからこそ、北朝鮮の労働力は魅力的です。賃金はロシア人より安くて済むし、過度な要求もしない。北朝鮮という国家が間に入るので、ストライキといった面倒なことは起きません。労働者のロシアへの派遣が今後、活発化する可能性は高いと思います」、「北朝鮮の労働力は魅力的です。賃金はロシア人より安くて済むし、過度な要求もしない。北朝鮮という国家が間に入るので、ストライキといった面倒なことは起きません」、「ロシア」にとってはまさに干天の慈雨だ。
・『北朝鮮が持つ戦略的価値は中国にメリット  Q:ウクライナ戦争が勃発し世界が多極化する兆しがはっきりとしてきた中で、それでも北朝鮮とロシア、中国の3カ国が連帯を強めているように思えます。 中国にとって北朝鮮は、ロシアよりもはるかに戦略的価値が高い国です。北朝鮮が朝鮮半島での緩衝地帯という地政学的な意味もある。北朝鮮の輸出品目には、石炭など中国で需要がありよく売れる品目が少なくありません。中国経済の力からすれば、北朝鮮を支援するにしてもその負担はとても小さくメリットが大きいと言えます。 東アジアのこれら3カ国にとって、核となるのはやはり中国です。ロシアと北朝鮮との関係よりは、今こそ関心が高まっていますが、中朝関係ほどは重要にはならないでしょう。 Q:これら3カ国には「反米」的という共通項はありますが、今後も連帯は深まるでしょうか。 A:実は、この3カ国関係はとても深刻な問題を抱えています。例えばGDPで見ると、中国・ロシア・北朝鮮は600:50:1になります。経済的にはあまりにも不平等な関係です。 また、「反米」といった価値観でいえば、まさに反米主義と自由民主主義を拒否するという点以外で、共有できるものがありません。確かにアメリカ中心の世界秩序に対する不満が強く、アメリカが言う「ゲームのルール」に反発しています。) そのため、確かにこれら3カ国はアメリカに対してうるさく反発・攻撃しますが、一方でアメリカと妥協できることを夢見ています。問題は、アメリカがこれら3カ国が望む条件で妥協する考えがいっさいない、ということです。 お互いに不信感を拭いきれない関係でもあります。中国からみると、ロシアは19世紀に沿海州など、本来は中国の領土だった部分を「盗んだ」列強の1つです。北朝鮮はやたら自尊心は強いが非合理主義、そして冒険主義が強い国家です。 ロシアはアジアの国家に対して無視、軽視する傾向が根強い。ロシアのエリート層が客観的な視野を持っているとしても、中国に対し心からパートナーとなりえるとは考えづらいでしょう。 北朝鮮からすれば、この国はもともと他国に対する不信感が強い。隣国の中国であっても、「内政干渉をしばしば行う危険な大国」だと思っています』、「中国からみると、ロシアは19世紀に沿海州など、本来は中国の領土だった部分を「盗んだ」列強の1つです。北朝鮮はやたら自尊心は強いが非合理主義、そして冒険主義が強い国家です。 ロシアはアジアの国家に対して無視、軽視する傾向が根強い・・・中国に対し心からパートナーとなりえるとは考えづらいでしょう」、なるほど。
・『ロ中朝の3カ国関係の結びつきは強くない  Q:3カ国の関係を今後もつなぎ止めるものはありますか。 A:もしロシアで政権交代といったことが生じれば、ロシアはこの3カ国関係から抜け出すでしょう。現時点に限ってみれば、この3カ国関係に加わったことで、砲弾や弾薬を受け取ることができます。 一方で、中国は前述したような戦略的な利益のために、北朝鮮への支援を今後も継続していくと思います。 北朝鮮も国連による経済制裁が重くのしかかっている限り、中国に依存する戦略を放棄しないでしょう。内心、北朝鮮はこんな戦略を好ましいとは思っていませんが、代案を探せずにいます。 金総書記は、自身が政権を継承した2012年から2018年ごろまで続けた市場経済的な改革を放棄しました。そして、住民監視を強化するために有利な中央計画経済を一定程度、復活させました。米中対立が続く中、このような北朝鮮の政策は今後5年から10年は変化を見せないでしょう』、「現時点に限ってみれば、この3カ国関係に加わったことで、砲弾や弾薬を受け取ることができます。 一方で、中国は前述したような戦略的な利益のために、北朝鮮への支援を今後も継続していくと思います。 北朝鮮も国連による経済制裁が重くのしかかっている限り、中国に依存する戦略を放棄しないでしょう・・・金総書記は、自身が政権を継承した2012年から2018年ごろまで続けた市場経済的な改革を放棄しました。そして、住民監視を強化するために有利な中央計画経済を一定程度、復活させました。米中対立が続く中、このような北朝鮮の政策は今後5年から10年は変化を見せないでしょう」、拉致問題への言及はないが、「北朝鮮の政策は今後5年から10年は変化を見せないでしょう」、というのでは、拉致問題の進展も期待できぞうにないようだ。

次に、1月23日付け東洋経済オンラインが掲載した 中国・北朝鮮ウォッチャーの中野 鷹氏による「北朝鮮とロシアの関係に中国が激怒していた! ロ朝首脳会談にご立腹、中国人の北朝鮮入国を禁止」を紹介しよう。
https://toyokeizai.net/articles/-/729386
・『世界的なコロナ禍が収束する中、北朝鮮の動向に関心が持たれている。ミサイル発射など軍事面での行動が目を引くが、実は自国と海外との往来をいつ解放するのかにも注目が高まっている。2020年1月にコロナの拡大を防ぐため中朝国境を封鎖して以来、正式に解除されていないためだ。貿易など細々とした対外関係は行われているが、そのような中、「本格開放のシグナル?」とも思える動きが見えた。 2024年1月12日、ロシアの旅行会社が「北朝鮮へのスキーツアーを実施する」と、アメリカ政府系ラジオの自由アジア放送(RFA)が伝えた。 観光目的での北朝鮮訪問が実現すれば2020年1月22日、新型コロナウイルスの感染拡大防止を理由に北朝鮮が一切の入国を停止した後で初めてのこととなる。 この報道を契機に、中国の旅行会社からは「なぜロシアからなのか。信じられない」との落胆の声が聞こえてくる』、興味深そうだ。
・『中国の旅行社が落胆する理由  翌1月13日、アメリカ・CNNは、2023年12月に北朝鮮を訪問したロシアのオレグ・コジェミャコ沿海地方知事との会談で、北朝鮮当局と観光ツアーの再開が議題となった可能性があると伝えている。 ロシアの旅行会社が主催するツアーは、2024年2月9日にロシア沿海州のウラジオストクから空路で平壌へ入る計画のようだ。現時点では70人の参加が確定しているという。 旅行日程は、3泊4日で費用は1人750ドル(約11万円)。ツアーの目玉は、北朝鮮東部・元山に近い馬息嶺(マシンリョン)スキー場でのスキー観光となるようだ。 前述のRFAは、ロシアメディアの情報として「観光の本格再開は4月とされ、今回2月実施のスキーツアーは試験的なプレ実施との位置づけだ」とも伝えている。 こうした一連の報道を見ると、北朝鮮旅行は現在ロシアがイニシアティブを取っているように思える。だが、外国人訪朝者の95%強を占めてきた北朝鮮の「お得意様」中国はどうなっているのか。) 今回、中国が後れを取ったのは、中国政府が北朝鮮への人的往来を無期限延期するという、実質的な「制裁」を課していたことが関係筋の証言で浮かび上がってきた。 ロシア・ウラジオストクの旅行社ボストーク・イントゥール社による北朝鮮スキーツアーのポスター。「山岳スキーリゾート馬息嶺」と名づけ、3泊4日のツアーとなっている(写真・同社のホームページより) 実は2023年9月25日、日本のNHKや朝日新聞をはじめとする日本メディアが、「北朝鮮が9月25日から外国人の入国を許可。国営中国中央テレビ(CCTV)が伝える」と大きく報じていた。 しかし、その後も中国から北朝鮮への出入国は正常化されるどころか、北朝鮮から中国への人的往来もコロナ禍前の水準ほどに戻ったとの情報は確認できない』、「今回、中国が後れを取ったのは、中国政府が北朝鮮への人的往来を無期限延期するという、実質的な「制裁」を課していたことが関係筋の証言で浮かび上がってきた」、なるほど。
・『延び延びにされてきた北朝鮮入国  中朝国境の遼寧省・丹東にある国営旅行会社の社長は、「北朝鮮の最高指導者のロシア訪問が、中国政府が人的往来を止めたきっかけ」と打ち明ける。 すなわち、2023年9月12日からの北朝鮮の金正恩(キム・ジョンウン)総書記がロシア極東訪問してプーチン大統領との首脳会談を行ったことが、中国の習近平国家主席の逆鱗に触れ、結果として制裁を課したということだ。 この国営旅行会社は、中国人向け北朝鮮旅行手配では最大手となる。国営企業なので丹東駅から平壌駅までの国際列車の乗車券も優先的に取得できるなど、北朝鮮に関する旅行業界での力は絶大なものを持つ。 また、これまで北朝鮮の旅行業を「自分がリードしてきた」という自負も強い。だからこそ、今回の再開1号ツアーがロシアに取られたことは、さぞかしがっかりさせられたことだろう。 では、2020年に北朝鮮が国境を閉鎖して以降、中朝国境ではどのような動きを見せてきたのか。とくに2023年1月以降の動きを振り返ってみたい。) 2023年1月8日、中国・吉林省の琿春と北朝鮮の羅先特別市のイミグレーション圏河口岸(出入国審査場)の封鎖が解除された。そして、車両や人的往来を限定再開させた。 行けるのは羅先のみと限定されており、平壌など他の都市へ移動は制限されたままだ。また、観光客も実質的に通過することができない。 その後、国境付近は穏やかだったが、再びここが注目を集めたのは2023年8月16日に丹東との国境の封鎖が解除され、北朝鮮のテコンドー選手団が国際大会に参加するために中国へ入国した時だ。平壌からの入国者は3年半ぶりだった』、「2023年9月12日からの北朝鮮の金正恩(キム・ジョンウン)総書記がロシア極東訪問してプーチン大統領との首脳会談を行ったことが、中国の習近平国家主席の逆鱗に触れ、結果として制裁を課したということだ」、「中国の習近平国家主席」にしては大人げない態度だ。
・『2023年下半期から徐々に増えてきたが…  2023年8月末には丹東からの国際列車に加え、北京や瀋陽からの北朝鮮国営・高麗航空が限定的に運行が再開され、コロナ禍で帰国できなかった北朝鮮人外交官や労働者などの帰国が確認されている。 そして9月16日、中国・杭州で開催されたアジア大会へ参加する選手や関係者など約200人が中国へ入国している。 また8月末からは中国当局が拘束していた脱北者の強制送還が始まった。10月9日には脱北者600人を一斉に送還し、これまで約2600人が北朝鮮へ強制送還されたと、韓国メディアの報道がある。 このように、間欠的に、かつゆっくりと中朝国境の人的往来が正常化されるような動きがあった。 とくに2023年8月中旬、北京の北朝鮮大使館は、関係する貿易・旅行関係者向けに「9月24日前後から人的往来を再開する」と通知を出した。通知を読むと、中朝が合意した内容だと読み取れる内容だった。) 筆者は、この北朝鮮大使館から通知があったことを関係筋から聞いていたので「9月25日、北朝鮮が外国人の入国許可」の報道には驚くことはなかった。強いて言えば、中国人以外の外国人向けの観光業も同時に再開させるとの直前情報に驚いたくらいだ。 実は当初、中国の関係筋から聞いていたのは、以下のような内容だった。 まず先行して中国人を、それも観光目的ではなく、出張者などから往来を再開させ、中国人の北朝鮮旅行は中国で最大の連休期間となる10月1日の国慶節(建国記念日)あたりから再開させる。日本人を含むその他の外国人は、早くて10月末から再開させるのではないか、というものだった』、中国サイドの勝手な思い入れは外れたようだ。
・『往来を「無期限延期」にした理由  かなりハイペースのスケジュールに感じられたため、「観光再開は予想以上に早い。それだけ、北朝鮮の経済状況が悪いのだろう」と受け取っていた。 ところが、前述したように、9月25日に中国メディアが報じたのにもかかわらず、その後は「人的往来が再開した」との報道がパタリと途絶えてしまった。 中国メディアが伝えた情報は、本来のテレビによる報道ではなく、インターネット上での記事だったようだが、その後に削除されたようで今ではその報道を確認できていない。 いったん中国メディアが報じたのにもかかわらず、結局実行されなかった大きな理由は、前述の丹東の国営旅行会社社長が明かしたように、中国政府が金正恩・プーチン会談に激怒し、9月25日に人的往来再開で中朝合意していた約束を中国政府が一方的に反故にし、無期限延期にしたことだろう。 反故にしたタイミングが直前すぎたことも、結局は誤報の原因となった可能性もありそうだ。) ただ、米中対立が深まる中、北朝鮮と中国、ロシアは緩やかな連帯が深まっているとされている情勢なのに、中国政府はなぜ北朝鮮がロシアへ接近したことにそこまで反発したのか。 中国とロシアの関係はよい――。日本にいると中国はロシアに近く、現在のウクライナ戦争についても、中国はロシアよりだとみている日本人は多いと思う。 中国国内では、地元のSNS「微博(ウェイボー)」などで見られるコメントを見ると、ロシア支持のコメントが圧倒的に多い。ウクライナを支持し、戦争そのものへの批判は大部分が削除されていると思われる。これは中国当局による情報統制の一環だろう』、「米中対立が深まる中、北朝鮮と中国、ロシアは緩やかな連帯が深まっているとされている情勢なのに、中国政府はなぜ北朝鮮がロシアへ接近したことにそこまで反発したのか」、中国人にしたら、「北朝鮮」は朝鮮戦争の時に膨大な犠牲を払って守ってやったのに、「ロシア」にくっついたことで、プライドを壊されたためなのかも知れない。
・『日本人が思うほど関係は強くない  実は、中ロ関係は日本人が思う以上に薄っぺらで脆弱な関係だ。中ロ朝の3カ国とも、自分たちの権威主義体制維持を脅かすアメリカに反対するという1点で、しかも細くつながっているだけだ。 互いの利己的な国益のために、水面下ではそうとうなつばぜり合いが繰り返されており、蜜月関係とはとうてい言えるような関係ではない。 2024年1月13日に行われた台湾の総統選挙の結果もあり、中国の関心は台湾に集中しているような情勢ではある。しかし、中国の現実的な狙いは「台湾統一」ではなく、ロシア極東の再併合なのではないのかと思えるフシがある。 実際に、そう指摘する声がロシアと国境を接する吉林省の実業家や旅行業関係者などからもしばしば出されている。 現在の吉林省を含む旧満州、すなわち東北3省の人たちは、現在のウラジオストクを含むロシア沿海地方、アムール州、ユダヤ自治州、ザバイカリエ地方などを「外東北」(日本では外満州)と呼び、ウラジオストクを旧名の「海参崴」と呼び続ける人がいる。 それは、「外満州はロシアと結ばされた不平等条約によってロシア帝国に奪われた土地」と認識している人が少なくないからだ。) 世界史の教科書をひもとくと、1858年のアイグン条約と1860年の北京条約で本来保有していた広大な領地がロシアへ割譲されている。 もちろん、習近平政権は一度も「奪われた外東北を奪還する」などと口にしたことはない。だが、吉林省在住の中国人たちに話を聞くと、そんな清朝時代の最大領土を取り戻すという「中国の夢」が見え隠れするのだ。 中国政府としては武力を用いず、かつ国際社会との摩擦も最小限に抑えてかつての領土を併合したい。そのためにロシアの国力低下を虎視眈々と待っているのだという声も、実は少なくはない』、「現在の吉林省を含む旧満州、すなわち東北3省の人たちは、現在のウラジオストクを含むロシア沿海地方、アムール州、ユダヤ自治州、ザバイカリエ地方などを「外東北」(日本では外満州)と呼び、ウラジオストクを旧名の「海参崴」と呼び続ける人がいる。 それは、「外満州はロシアと結ばされた不平等条約によってロシア帝国に奪われた土地」と認識している人が少なくないからだ。) 世界史の教科書をひもとくと、1858年のアイグン条約と1860年の北京条約で本来保有していた広大な領地がロシアへ割譲されている・・・吉林省在住の中国人たちに話を聞くと、そんな清朝時代の最大領土を取り戻すという「中国の夢」が見え隠れするのだ。 中国政府としては武力を用いず、かつ国際社会との摩擦も最小限に抑えてかつての領土を併合したい。そのためにロシアの国力低下を虎視眈々と待っているのだという声も、実は少なくはない」、なるほど。
・『中国が抱く「沿海州再併合」  中国は、ロシアがウクライナに勝とうが負けようが中国の国益になるようなポジションで動いている。ウクライナ戦争では、仮にロシアが勝利しても、国力や国際的な信用、プレゼンスも大幅低下することは避けられない。敗北すれば、ロシア領土が複数に分割される、などの話も飛び交っている。 前者であれば、疲弊したロシアに対し外満州を金で割譲することを持ちかける。後者であれば、分割された領土に対し歴史的な経緯を主張したり、高麗人(朝鮮半島からロシア沿海地方へ移住した朝鮮民族)を中国の少数民族朝鮮族の同胞だと定義し、少数民族保護などの名目で再併合するシナリオも考えられる。 こうしてみると、中国はロシアがどちらに転んでも自分たちに利益となるような態度をとっているといえる。 しかも、中国による「極東再併合」は、今に始まったことではない。すでに10年以上前から、吉林省の実業家を中心にロシア沿海地方の農地を買収し、中国人を移住させる大規模耕作地を増やしてきた。この件は日本のメディアでも報じられたことがある。) コロナ禍で一時的に中ロ間の人的往来は止まっていたが、2023年1月8日に陸路の中ロ国境封鎖が解除された。 しかし、人的往来が停止している間も中ロの貨物輸送は増えており、ロシア政府系通信社のスプートニク中国語版は2023年1月12日、ロシア・マハリノと中国・琿春間の鉄道による貨物量が2022年には約350万トンとなり、前年比22%増を記録していると伝えた。 さらに、ロシア産石炭の輸出が急増しており、そのため、検問所を24時間体制にし、貨物列車も1日5本を増便させたと伝えている』、「ウクライナ戦争では、仮にロシアが勝利しても、国力や国際的な信用、プレゼンスも大幅低下することは避けられない。敗北すれば、ロシア領土が複数に分割される、などの話も飛び交っている。 前者であれば、疲弊したロシアに対し外満州を金で割譲することを持ちかける。後者であれば、分割された領土に対し歴史的な経緯を主張したり、高麗人(朝鮮半島からロシア沿海地方へ移住した朝鮮民族)を中国の少数民族朝鮮族の同胞だと定義し、少数民族保護などの名目で再併合するシナリオも考えられる。 こうしてみると、中国はロシアがどちらに転んでも自分たちに利益となるような態度をとっているといえる・・・すでに10年以上前から、吉林省の実業家を中心にロシア沿海地方の農地を買収し、中国人を移住させる大規模耕作地を増やしてきた。この件は日本のメディアでも報じられたことがある。) コロナ禍で一時的に中ロ間の人的往来は止まっていたが、2023年1月8日に陸路の中ロ国境封鎖が解除された。 しかし、人的往来が停止している間も中ロの貨物輸送は増えており、ロシア政府系通信社のスプートニク中国語版は2023年1月12日、ロシア・マハリノと中国・琿春間の鉄道による貨物量が2022年には約350万トンとなり、前年比22%増を記録していると伝えた。 さらに、ロシア産石炭の輸出が急増しており、そのため、検問所を24時間体制にし、貨物列車も1日5本を増便させた』、中国人は極めて長期的視点で着々と併合に向けた準備を進めているようだ。
・『ロシア沿海州が中国の租借地化  中国人実業家によると、今では農地だけではなく、鉱山や港などの長期使用権なども獲得していると胸を張る。まるで、ロシア沿海州が中国の租借地状態になりつつあるようだ。 中国共産党の一党支配という国家体制上、こうした沿海州へ進出する中国人たちの背後には、中国政府の意向が働いていることは容易に想像がつく。 そんな中国政府が着々と狙っているエリアに、金正恩総書記がコロナ後、初の外国訪問として訪れた。だから、習近平国家主席がへそを曲げたという想像もつく。しかも、金総書記は2019年にも同じロシア沿海州を訪問し、プーチン大統領と初めての首脳会談をおこなった。 ロシア側からみても、中国の極東再併合の狙いを認識しており、そうした中国を牽制するために、2度も金総書記をロシア沿海州へ厚遇してまで招き首脳会談を開催した可能性がなくもない。 そして北朝鮮は、中ロ間の間隙を利用するかのようにロシアへ接近して、武器を供与し、その見返りとしてミサイル技術をロシアから獲得。さらには、ロシアへ北朝鮮への観光ツアー再開を打診した――。 こうしてみると、中ロ関係を悪化させることが北朝鮮の国益だといわんばかりに動いているようにも見えてくる。) 北朝鮮に激怒し、へそを曲げた状態とされる中国は、今後どのような動きを見せるだろうか。 1つは、中国政府が今後も態度を硬化させて、中国を経由する外国人をも含めた人的往来の再開を無期限延期したままにする。 あるいは、振り上げた拳をそのままにして、拳を振り上げなかったことにし、ロシアがやっているようなことに合わせて人的往来、つまり、北朝鮮観光をあっさりと「許可」して再開させる可能性も十分にある』、「北朝鮮に激怒し、へそを曲げた状態とされる中国は、今後どのような動きを見せるだろうか。 1つは、中国政府が今後も態度を硬化させて、中国を経由する外国人をも含めた人的往来の再開を無期限延期したままにする。 あるいは、振り上げた拳をそのままにして、拳を振り上げなかったことにし、ロシアがやっているようなことに合わせて人的往来、つまり、北朝鮮観光をあっさりと「許可」して再開させる可能性も十分にある」、どちらになるのだろう。
・『もう1つの「中国の夢」  それは、中国も国内経済が悪く、国民に対するガス抜きを行うことが不可欠となっているためだ。 中国政府にとって台湾問題は自国の求心力を高める重要な問題だ。 また極東再併合は、清朝最大領土を奪還する「中国の夢」にも矛盾することもない。台湾問題と比較し、獲得できる資源とリスクを天秤にかけると、どちらに本腰を入れるべき夢なのか。 万が一、ウクライナ戦争の行方次第でロシアが崩壊・分割されるような事態になれば、中国はどさくさに紛れて清朝が領土とみなしたこともないサハリンさえも取りに動くだろう。これは決して筆者の空想ではない。実際にこんな話題が、すでに東北3省の中国人実業家たちからはささやかれているのが現状だ』、「万が一、ウクライナ戦争の行方次第でロシアが崩壊・分割されるような事態になれば、中国はどさくさに紛れて清朝が領土とみなしたこともないサハリンさえも取りに動くだろう。これは決して筆者の空想ではない。実際にこんな話題が、すでに東北3省の中国人実業家たちからはささやかれているのが現状だ」、「東北3省の中国人実業家たちからはささやかれている」というのには心底驚いた。  
タグ:北朝鮮問題 (その23)(ロシアにとって北朝鮮との協力には魅力がない ロシア出身の北朝鮮専門家が語るロ朝関係のリアル、北朝鮮とロシアの関係に中国が激怒していた! ロ朝首脳会談にご立腹、中国人の北朝鮮入国を禁止) 東洋経済オンライン「ロシアにとって北朝鮮との協力には魅力がない ロシア出身の北朝鮮専門家が語るロ朝関係のリアル」 「金総書記が事実上、数十年間にわたって北朝鮮が実施してきた平和統一路線を失敗として認めた・・・韓国は「同族関係」ではなく「交戦国」だと言及」、扱いが現実を直視したものになったようだ。 「北朝鮮側が「交戦国」との言葉もそうですが、これほど強硬な警告と脅威を与えたことはありません。厳密に言えば、彼らが1990年代初頭から時々繰り返してきた「ソウルを火の海にする」といった脅し文句よりもはるかに強いものです」、なるほど。 「ロシアは北朝鮮へ重要な軍事技術を移転できることをほのめかしながら、韓国に圧力をかけているということになります。ウクライナに砲弾を輸出すれば、ロシアは北朝鮮に軍事技術を移転するとの、いわば脅しです」、なるほど。 「ロシアが大きな関心を持っている品目があります。北朝鮮の労働力です。これまでもロシア領内で多くの北朝鮮労働者が働いてきました。ウクライナ戦争も続いており、ロシアはより多くの労働力を必要としています。 ロシアにとって需要があるのは人材です。だからこそ、北朝鮮の労働力は魅力的です。賃金はロシア人より安くて済むし、過度な要求もしない。北朝鮮という国家が間に入るので、ストライキといった面倒なことは起きません。労働者のロシアへの派遣が今後、活発化する可能性は高いと思います」、 「北朝鮮の労働力は魅力的です。賃金はロシア人より安くて済むし、過度な要求もしない。北朝鮮という国家が間に入るので、ストライキといった面倒なことは起きません」、「ロシア」にとってはまさに干天の慈雨だ。 「中国からみると、ロシアは19世紀に沿海州など、本来は中国の領土だった部分を「盗んだ」列強の1つです。北朝鮮はやたら自尊心は強いが非合理主義、そして冒険主義が強い国家です。 ロシアはアジアの国家に対して無視、軽視する傾向が根強い・・・中国に対し心からパートナーとなりえるとは考えづらいでしょう」、なるほど。 「現時点に限ってみれば、この3カ国関係に加わったことで、砲弾や弾薬を受け取ることができます。 一方で、中国は前述したような戦略的な利益のために、北朝鮮への支援を今後も継続していくと思います。 北朝鮮も国連による経済制裁が重くのしかかっている限り、中国に依存する戦略を放棄しないでしょう・・・ 金総書記は、自身が政権を継承した2012年から2018年ごろまで続けた市場経済的な改革を放棄しました。そして、住民監視を強化するために有利な中央計画経済を一定程度、復活させました。米中対立が続く中、このような北朝鮮の政策は今後5年から10年は変化を見せないでしょう」、拉致問題への言及はないが、「北朝鮮の政策は今後5年から10年は変化を見せないでしょう」、というのでは、拉致問題の進展も期待できぞうにないようだ。 東洋経済オンライン 中野 鷹氏による「北朝鮮とロシアの関係に中国が激怒していた! ロ朝首脳会談にご立腹、中国人の北朝鮮入国を禁止」 「今回、中国が後れを取ったのは、中国政府が北朝鮮への人的往来を無期限延期するという、実質的な「制裁」を課していたことが関係筋の証言で浮かび上がってきた」、なるほど。 「2023年9月12日からの北朝鮮の金正恩(キム・ジョンウン)総書記がロシア極東訪問してプーチン大統領との首脳会談を行ったことが、中国の習近平国家主席の逆鱗に触れ、結果として制裁を課したということだ」、「中国の習近平国家主席」にしては大人げない態度だ。 中国サイドの勝手な思い入れは外れたようだ。 「米中対立が深まる中、北朝鮮と中国、ロシアは緩やかな連帯が深まっているとされている情勢なのに、中国政府はなぜ北朝鮮がロシアへ接近したことにそこまで反発したのか」、中国人にしたら、「北朝鮮」は朝鮮戦争の時に膨大な犠牲を払って守ってやったのに、「ロシア」にくっついたことで、プライドを壊されたためなのかも知れない。 「現在の吉林省を含む旧満州、すなわち東北3省の人たちは、現在のウラジオストクを含むロシア沿海地方、アムール州、ユダヤ自治州、ザバイカリエ地方などを「外東北」(日本では外満州)と呼び、ウラジオストクを旧名の「海参崴」と呼び続ける人がいる。 それは、「外満州はロシアと結ばされた不平等条約によってロシア帝国に奪われた土地」と認識している人が少なくないからだ。) 世界史の教科書をひもとくと、1858年のアイグン条約と1860年の北京条約で本来保有していた広大な領地がロシアへ割譲されている・・・吉林省在住の中国人たちに話を聞くと、そんな清朝時代の最大領土を取り戻すという「中国の夢」が見え隠れするのだ。 中国政府としては武力を用いず、かつ国際社会との摩擦も最小限に抑えてかつての領土を併合したい。そのためにロシアの国力低下を虎視眈々と待っているのだという声も、実は少なくはない」、なるほど。 「ウクライナ戦争では、仮にロシアが勝利しても、国力や国際的な信用、プレゼンスも大幅低下することは避けられない。敗北すれば、ロシア領土が複数に分割される、などの話も飛び交っている。 前者であれば、疲弊したロシアに対し外満州を金で割譲することを持ちかける。後者であれば、分割された領土に対し歴史的な経緯を主張したり、高麗人(朝鮮半島からロシア沿海地方へ移住した朝鮮民族)を中国の少数民族朝鮮族の同胞だと定義し、少数民族保護などの名目で再併合するシナリオも考えられる。 こうしてみると、中国はロシアがどちらに転んでも自分たちに利益となるような態度をとっているといえる・・・すでに10年以上前から、吉林省の実業家を中心にロシア沿海地方の農地を買収し、中国人を移住させる大規模耕作地を増やしてきた。この件は日本のメディアでも報じられたことがある。) コロナ禍で一時的に中ロ間の人的往来は止まっていたが、2023年1月8日に陸路の中ロ国境封鎖が解除された。 しかし、人的往来が停止している間も中ロの貨物輸送は増えており、ロシア政府系通信社のスプートニク中国語版は2023年1月12日、ロ シア・マハリノと中国・琿春間の鉄道による貨物量が2022年には約350万トンとなり、前年比22%増を記録していると伝えた。 さらに、ロシア産石炭の輸出が急増しており、そのため、検問所を24時間体制にし、貨物列車も1日5本を増便させた』、中国人は極めて長期的視点で着々と併合に向けた準備を進めているようだ。 「北朝鮮に激怒し、へそを曲げた状態とされる中国は、今後どのような動きを見せるだろうか。 1つは、中国政府が今後も態度を硬化させて、中国を経由する外国人をも含めた人的往来の再開を無期限延期したままにする。 あるいは、振り上げた拳をそのままにして、拳を振り上げなかったことにし、ロシアがやっているようなことに合わせて人的往来、つまり、北朝鮮観光をあっさりと「許可」して再開させる可能性も十分にある」、どちらになるのだろう。 「万が一、ウクライナ戦争の行方次第でロシアが崩壊・分割されるような事態になれば、中国はどさくさに紛れて清朝が領土とみなしたこともないサハリンさえも取りに動くだろう。これは決して筆者の空想ではない。実際にこんな話題が、すでに東北3省の中国人実業家たちからはささやかれているのが現状だ」、「東北3省の中国人実業家たちからはささやかれている」というのには心底驚いた。
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