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災害(その16)(能登半島地震 防災対策の権威が語る「反省と教訓」 防災と初動対応が遅れた背景に2つの原因、災害時トイレ「断水」復旧になぜ時間がかかるのか 阪神・淡路大震災では仮復旧まで1カ月間要した、災害時に備えたい「携帯トイレ」4人家族の必要数 「使い方」や「使うタイミング」も知っておくこと) [社会]

災害については、本年2月4日に取上げた。今日は、(その16)(能登半島地震 防災対策の権威が語る「反省と教訓」 防災と初動対応が遅れた背景に2つの原因、災害時トイレ「断水」復旧になぜ時間がかかるのか 阪神・淡路大震災では仮復旧まで1カ月間要した、災害時に備えたい「携帯トイレ」4人家族の必要数 「使い方」や「使うタイミング」も知っておくこと)である。

先ずは、本年2月15日東洋経済オンライン「能登半島地震、防災対策の権威が語る「反省と教訓」 防災と初動対応が遅れた背景に2つの原因」を紹介しよう。
https://toyokeizai.net/articles/-/734427
・『2024年元日を襲った能登半島地震では200人を上回る人命が失われるなど、深刻な被害が発生した。阪神淡路大震災をはじめとして多くの自然災害に向き合い、防災対策の見直しを提唱してきた室﨑益輝・神戸大学名誉教授は「反省すべき点が多くある」と指摘する(Qは聞き手の質問、Aは室﨑氏の回答)。 Q:今回の災害の大きさや深刻度についてどのようにとらえておられますか。 A:とんでもない地震が起きたというか、想像を絶する地震が起きた。家屋の損壊状況もすさまじいものだし、道路という道路が破壊されました。そういった被災状況だっただけに、過去がこうだったから今回こうだとは言えない部分はあります。ただ、救いを求めている被災者がたくさんいる現実にどう応えていくか。行政のみならず、私たち一人ひとりを含む社会全体の責任だと思っています』、「とんでもない地震が起きたというか、想像を絶する地震が起きた。家屋の損壊状況もすさまじいものだし、道路という道路が破壊されました・・・救いを求めている被災者がたくさんいる現実にどう応えていくか。行政のみならず、私たち一人ひとりを含む社会全体の責任だと思っています」、なるほど。
・『すぐに救援に駆けつけられなかった  Q:能登半島地震の発生から1カ月余りが経過しました。これまでを振り返って、どのような教訓や反省点がありますか。 A:震災の教訓を引き出すには、失敗体験をしっかり踏まえなければならない。今回の地震では、助けを求めている被災者のところに救援隊がすぐに駆けつけることができなかった。これが大きな反省点だったと思います。 その根源をたどると、大きく2つの誤ちがあったと言えます。 1つ目の過ちは事前の被害想定の甘さです。 能登地方でこれほど大きな地震は起きるはずがないという思い込みも含めてのことですが、国、石川県ともきわめて小さな地震しか想定していなかった。その結果として、事前の準備がきちんとできていなかった。 孤立集落があちこちで発生する事態を見越していれば、備蓄対策のあり方も違っていたし、平時の情報通信が途絶しても連絡を取れる衛星携帯電話を配備するといった事前準備もやっていたはずです。) 2つ目の過ちは、地震発生直後に被災状況の把握がスムーズにできなかったことが、初動対応の遅れにつながったという点です。 政府は当初、災害対策基本法に基づく態勢としては最も下のクラスの「特定災害対策本部」の設置にとどめた。これを「非常災害対策本部」に格上げし、同本部の会議を初めて開催したのは翌1月2日の午前9時過ぎのことでした。 初動態勢の構築が遅れた結果、自衛隊投入の規模も当初の1000人規模から小出しになってしまった。 (室﨑益輝氏の略歴はリンク先参照) Q:石川県の地域防災計画(地震災害対策編)では、「能登半島北方沖」を震源とする地震としてはマグニチュード7.0を想定し、被害の概況についても「死者数7人、建物全壊120棟」「ごく局地的な災害で、災害度は低い」とされていました。四半世紀にわたってその想定は見直しがなされていませんでした。石川県の災害危機管理アドバイザーを務め、県防災会議震災対策部会長でもある室﨑さんは、2023年2月の同部会で、地震被害想定の抜本的な見直しを決定したという発言をしています。 同部会で被害想定の見直しをしようとしていたことは事実です。 2020年12月以降の奥能登の珠洲市一帯での群発地震をきっかけに、いずれ大きな地震が起きるという緊迫感が芽生えていました。 それを踏まえ、国の地震調査研究推進本部による長期評価や被害想定が出されていなくても、石川県として能登半島でこれから起きる地震の想定をしっかりやろうということで、2023年から議論を始めていました。 しかし、結果的には作業が間に合わなかった』、「今回の地震では、助けを求めている被災者のところに救援隊がすぐに駆けつけることができなかった。これが大きな反省点だったと思います。 その根源をたどると、大きく2つの誤ちがあったと言えます。 1つ目の過ちは事前の被害想定の甘さです。 能登地方でこれほど大きな地震は起きるはずがないという思い込みも含めてのことですが、国、石川県ともきわめて小さな地震しか想定していなかった」、前石川県知事が産業を呼び込むため、震災の想定を低く抑えたと言われている。事実とすれば、許し難い行為だ。「2つ目の過ちは、地震発生直後に被災状況の把握がスムーズにできなかったことが、初動対応の遅れにつながったという点です。 政府は当初、災害対策基本法に基づく態勢としては最も下のクラスの「特定災害対策本部」の設置にとどめた。これを「非常災害対策本部」に格上げし、同本部の会議を初めて開催したのは翌1月2日の午前9時過ぎのことでした。 初動態勢の構築が遅れた結果、自衛隊投入の規模も当初の1000人規模から小出しになってしまった」、なるほど。
・『国の評価を待つという受け身の姿勢だった  Q:石川県の幹部の発言として、国の長期評価の策定・公表を待ってから対策をするという姿勢が長く続いていたという報道があります。その点についてどのように感じていましたか。 A:結果論ですが、そのような待ちの姿勢ではいけなかった。県域のどこにどのような活断層があり、どのくらいの確率で動くかについて、国の長期評価の策定を待ってから対策を話し合うという姿勢が、今回の地震で問われた。 他方で国土交通省が2014年9月に取りまとめた「日本海における大規模地震に関する調査検討会」の報告書では、能登半島沖に活断層があり、津波被害を起こすことが指摘されていました。 ただ、石川県においては、どの活断層がどのように連動するか否かについては、国の科学的知見の発表を踏まえて検討すればいいという姿勢でした。その結果として、地震被害の想定の抜本的見直しが遅れてしまいました。 国のトップダウンに基づく防災ではなく、地方自治体から動くボトムアップの防災に切り替えるには、自ら独自に積極的に被害の想定をしなければならない。 加えてもう一つ問われていることが、社会の前提条件がどんどん変わってきているということです。その社会の変化を想定に反映しなければならない。高齢化や過疎化が進んでいる中で、四半世紀も被害想定の見直しを放置していたということ自体、間違っていたと思います。) Q:政府の初動態勢をどのように評価していますか。 A:マグニチュード7.6(暫定値)というのは、阪神淡路大震災(兵庫県南部地震)や熊本地震よりも大きな地震が起きたことを意味しています。そうだとすると、多くの家屋が倒壊し、たくさんの人が生命の危機にさらされていることは、直後に想像できたはず。 これからは、現地からの報告を待つのではなく、直後に公表される地震の大きさや形状によって、初動対応のスイッチを入れるようにしなければならない。 たとえばマグニチュード7.6であれば、道路が寸断されているということを想定して、海や空からの救助にも早急に着手すべきです。 従来の緊急消防隊の派遣のシステムのまま動いていたのでは、救助活動はうまく進まない。繰り返しになりますが、地震発生直後の情報把握のシステムおよび初動対応のシステムを抜本的に見直さなければいけない』、「石川県の幹部の発言として、国の長期評価の策定・公表を待ってから対策をするという姿勢が長く続いていたという報道があります。その点についてどのように感じていましたか。 A:結果論ですが、そのような待ちの姿勢ではいけなかった。県域のどこにどのような活断層があり、どのくらいの確率で動くかについて、国の長期評価の策定を待ってから対策を話し合うという姿勢が、今回の地震で問われた・・・社会の前提条件がどんどん変わってきているということです。その社会の変化を想定に反映しなければならない。高齢化や過疎化が進んでいる中で、四半世紀も被害想定の見直しを放置していたということ自体、間違っていたと思います・・・地震発生直後の情報把握のシステムおよび初動対応のシステムを抜本的に見直さなければいけない」、その通りだ。
・『モデルにすべきは中越地震時の「山古志方式」  Q:地震発生直後には避難所が開設され、2月3日には仮設住宅への入居が始まりました。 地震を生き延びた人が、その後の健康状態の悪化などによって死亡する「災害関連死」を防がなければならない。そのためには、人々の1日1日の苦しみをいかに和らげるかが重要です。もう一つ重要なことは、苦しみの期間をいかに短くできるかです。 国の災害救助法のルールに基づけば、避難所の開設は原則1週間、応急仮設住宅は本来、20日以内に着工しなければならない。 ただ、現実を見ると、いずれもだいぶ日数がオーバーしている。仮設住宅については1~2カ月遅れでの着工という事態が生じています。 被災者の苦しみの総量を下げるためにも、迅速に仮設住宅を供給しなければならない。そういう意識をどれだけ持って取り組んでいるのかということが問われています。 Q:石川県の発表によれば、応急的な住まいについては3月末までに約1万5000戸を用意する計画です。仮設住宅の提供のあり方についてはどのような配慮が必要でしょうか。 A:モデルにすべきは、2004年の新潟県中越地震の時の「山古志方式」だと思います。 被害の大きかった旧山古志村(現・長岡市)の住民のために長岡市内に仮設住宅団地が作られ、そこに山古志村の人たちはコミュニティ単位で入居しました。そして旧山古志村では2~3年かけてがれきの撤去や道路の整備が実施され、再び住民が帰還できました。 今回も金沢市のスポーツセンターの敷地に1万棟くらいの仮設住宅団地を作り、コミュニティごとに入居するといったような取り組みがあってもいいのではないか。 そこに高校の分校や輪島塗りの工房も一緒に作るといったやり方をすれば、コミュニティを維持できます。) Q:石川県の計画では、約1万5000戸のうち、約8000戸を石川県外の公営住宅によって賄うということになっています。 人々がばらばらになってしまうので良くない。孤立死をもたらすことになりかねない。なるべく多くの人たちがまとまり、お互いにつながり合うことが重要です。 Q:災害救助法では、被災者への「炊き出しその他による食品の給与」が定められています。今回の地震では、一部の2次避難所で食事の費用を徴収している例があると指摘されています。 これ自体は災害救助法違反です。同法では食事の提供の義務がある。ホテルに収容したらおしまいということではないのです。 Q:なぜこうしたことが起きているのでしょうか。石川県自体が災害対応に慣れていないということでしょうか。 A:石川県というよりも、日本の自治体のどこも災害対応に慣れておらず、経験がつながっていないことに原因があります。行政の担当者は2~3年で代わってしまうため、ノウハウと経験が蓄積しない。 石川県も2007年の能登半島地震では素晴らしい対応をしているのに、その対応が今回見られていないというのは、まさに経験を蓄積し、継承するシステムがないことに原因があると言えます。 石川県に、阪神淡路大震災や東日本大震災、中越地震の経験をどれだけしっかり伝えたか、私たち伝える側の責任ももっと問われないといけない』、「石川県も2007年の能登半島地震では素晴らしい対応をしているのに、その対応が今回見られていないというのは、まさに経験を蓄積し、継承するシステムがないことに原因があると言えます」、なるほど。
・『原子力災害時の体制も抜本見直しを  Q:今回の地震では原子力発電所の重大事故には至らずに済みました。ただ、原発事故を含む複合災害に発展した場合、あらかじめ定められていた防災計画が機能しなかったのではないかと見られています。 最大級の地震を想定して、原発そのものの防災計画を見直さなければならない。 もう一つの問題は、原子力災害時の避難の問題です。今回の地震では道路があちこちで寸断し、住民の孤立が発生した。道路が使えない前提で避難計画を作らなければならない。 福島原発事故のような最悪の事態に備え、そうしたことが起きた時にどうするのかという前提に立って、対策を講じなければならないと思っています。 Q:能登半島地震では、ボランティアの受け入れをめぐり賛否の議論が起きました。今行っても迷惑になるという言い方がSNSなどでなされ、行政からも「今はまだ来ないでください」というメッセージが発信されました。 ボランティアは言われてする活動ではないのです。そこに困った人がいれば、迷惑をかけないように最大限の配慮をしながらも、被災者の元に駆けつけなければならない。 ボランティアセンターができたから行きましょうとか、ボランティアは来るなと言われたので行かないというのではなく、そこに支援を求めている人がいるかどうかを判断の基軸にすべきです。 今回のようにボランティアの自主性が失われ、必要なボランティアが被災地に入らないという事態になると、助かる命も助からなくなってしまう。ボランティア側もきちんとリテラシーを持ち、マナーをわきまえたうえで活動すればいいと思います』、「今回のようにボランティアの自主性が失われ、必要なボランティアが被災地に入らないという事態になると、助かる命も助からなくなってしまう。ボランティア側もきちんとリテラシーを持ち、マナーをわきまえたうえで活動すればいいと思います」、その通りだ。

次に、2月26日付け東洋経済オンラインが掲載した日本トイレ研究所代表理事の加藤 篤氏による「災害時トイレ「断水」復旧になぜ時間がかかるのか 阪神・淡路大震災では仮復旧まで1カ月間要した」を紹介しよう。
https://toyokeizai.net/articles/-/733845
・『能登半島地震でも多く取り上げられた「災害時のトイレをどうするか」問題。 トイレ環境の大切さを広めるべく奔走する「日本トイレ研究所」の代表理事・加藤篤さんが、“トイレ”の視点から防災のノウハウをやさしく解説した『トイレからはじめる防災ハンドブック』より一部の内容を抜粋。忘れたころにやってくる災害への備え、そして起こった後の対応のポイントについて、3回にわたって掲載します。 第1回は、災害とトイレをめぐる基本的な知識をお伝えします』、興味深そうだ。
・『自然災害の発生後にすべきこと  ■発災3時間以内に約4割の人がトイレに行く 自然災害の発生後にすべきことは何でしょうか?地震や豪雨などが起きたときに真っ先にすべきなのは、自分の命を守ること、そして安全な場所に避難することです。ここまでの行動は、全員一致するでしょう。 問題はこのあとです。避難所では避難者の誘導や場所の確保、水・食料の配給などに多くの人が奔走します。もちろんこれらは大切ですが、それと同じくらい重要なのに、忘れられがちなことがあります。それが「トイレ対応」です。 大きな災害が起きると水洗トイレは使えなくなります。しかし、私たちの排泄は待ってくれません。) 2016年4月に発生した熊本地震での調査によると、発災後3時間以内にトイレに行きたくなった人は38.5%、6時間以内では72.9%にのぼります。 発災後6時間は大混乱状態で、おそらくこの約7割の人は水を飲んでおらず、食事も摂っていないはずです。それにもかかわらず、トイレに行きたくなるのです。つまり、水・食料より先にトイレ対応が必要ということです。私たちはこの事実から目をそらしてはいけないのです。(地震後、何時間でトイレに行きたくなったか? はリンク先参照)』、「発災後6時間は大混乱状態で、おそらくこの約7割の人は水を飲んでおらず、食事も摂っていないはずです。それにもかかわらず、トイレに行きたくなるのです。つまり、水・食料より先にトイレ対応が必要ということです」、なるほど。
・『断水したら水洗トイレが使えない  ■水洗トイレには給水と排水の両方必要 断水したら水洗トイレが使えないことは、多くの人が理解しています。水洗トイレは目の前の大小便を水で流し去ってくれる便利なシステムなので、水が無ければ機能しません。 断水の原因は主に2つあります。1つは給水管等の給水装置や配水施設が破損して水を届けられなくなること。もう1つは停電でポンプなどの設備が作動しなくなり、水が届けられなくなることです。 ところが、給水に問題が無くても、水洗トイレは使えなくなることがあります。それは、排水に支障がある場合です。理由は、流れていく先がなくなるからです。 排水に問題が生じる要因としては、排水管が外れる・閉塞する・逆こう配になる、下水道や下水処理場、浄化槽が機能していない、などが考えられます。このような場合、無理に汚水を流すと、どこかからあふれることになります。 給水と排水、それに電気のすべてが機能してこそ、水洗トイレは使用できるようになります。日頃、目にしているのは便器だけですが、その裏に壮大な水洗トイレシステムがあることを知っておいてください。(水洗トイレが機能するためには? はリンク先参照)』、「給水と排水、それに電気のすべてが機能してこそ、水洗トイレは使用できるようになります」、なるほど。
・『■水道の仮復旧までは1カ月以上かかる  私たちは1日に複数回トイレに行きます。水洗トイレを使うには、もちろん水が必要です。節水型の便器でも、1回あたりの洗浄で概ね6?8リットル程度の水を使用します。仮に5回行くとしたら、合計で30?40リットルの水を使うことになります。 水を便器に供給するためには、まず河川などから引いた水を処理する浄水場が機能していることが前提です。また、浄水場からポンプ場を経由して各建物に水を運ぶ配水管が正常であることも必要です。そして、これらの過程では電力も欠かせません。 このため、大きな災害で停電すると断水が発生します。阪神・淡路大震災では約127万戸が断水し、仮復旧が完了するまでに1カ月以上を要しました。また、東日本大震災で被災した地方公共団体へのアンケート調査では、上水道の仮復旧までに要した日数は、平均35日間だったことがわかっています。 この間、トイレの洗浄に必要な水量を人力で供給するのは容易でありません。断水で洗浄水が確保できない場合に、トイレ機能を確保する方法の検討が必要です。 (阪神・淡路大震災のときはどうだった? はリンク先参照)』、「阪神・淡路大震災では約127万戸が断水し、仮復旧が完了するまでに1カ月以上を要しました。また、東日本大震災で被災した地方公共団体へのアンケート調査では、上水道の仮復旧までに要した日数は、平均35日間だった・、かなり長期になるようだ。
・『トイレに行きたくない理由  ■安心できないトイレで起こる問題 トイレを我慢する、つまりトイレに行きたくないと感じてしまう原因は人それぞれ異なります。臭かったり、汚れていたりするトイレは、誰もが避けたくなるものです。 特に女性や子どもであれば、暗がりにあるトイレは怖いでしょう。 寒い時期には、屋外のトイレは使いたくありません。風雨などの悪天候時も同様です。遠くにあって行くのが大変なトイレも使いづらいです。 また、男女共用しかない場合や、数が少なくてトイレ待ちの行列ができる場合も困ります。車いす利用者や足腰が悪い人は、段差があるトイレや和式便器が使えません。和式便器は、慣れていない子どもにとっても困難です。) このようにトイレを不便、もしくは不快と感じてしまうきっかけが1つでもあると、私たちはトイレになるべく行かなくてすむように、意識的にも無意識的にも、水分摂取を控えがちになり、その結果として体調を崩してしまいます。 平成16年新潟県中越地震に関する住民アンケート調査(小千谷市・川口町編)でも、かなりの人が、トイレを理由に水分を控えていたことがわかります。 (避難所で体験した”困ったことと”は? はリンク先参照)』、「トイレを不便、もしくは不快と感じてしまうきっかけが1つでもあると、私たちはトイレになるべく行かなくてすむように、意識的にも無意識的にも、水分摂取を控えがちになり、その結果として体調を崩してしまいます」、大いに気を付けたいことだ。
・『汚染された手を口や鼻に…  ■不衛生なトイレは感染症の温床になる  トイレを使用する際、ほとんどの人が同じ箇所に触れます。例えば、ドアの取っ手、鍵、便座のフタ、便座、トイレットペーパーホルダー、洗浄レバーやボタン、手洗い場の蛇口です。 これらが汚染されていた場合、ウイルスや細菌が人の手を介して伝播することになります。 単に手が汚れるだけでは感染しませんが、私たちは無意識に手で顔に触れているため、目や口、鼻の粘膜を通じて感染するリスクが小さくありません。 手洗いやトイレ掃除が十分にできない不衛生なトイレを不特定多数の人が使用し続けると、感染性胃腸炎などのウイルス感染症に罹患するリスクを高め、集団感染を引き起こします。 東日本大震災では、石巻赤十字病院などの調査で、津波被害のあった石巻市および東松島市、女川町にある公立学校や公民館など、計272カ所の避難所のうち、約4割のトイレで汚物処理が十分にできず、少なくとも約50人に下痢、約20人に嘔吐の症状が見られました。 感染症予防の観点からも、トイレを衛生的に保つことは非常に重要です』、「東日本大震災では、石巻赤十字病院などの調査で・・・計272カ所の避難所のうち、約4割のトイレで汚物処理が十分にできず、少なくとも約50人に下痢、約20人に嘔吐の症状が見られました。 感染症予防の観点からも、トイレを衛生的に保つことは非常に重要です』、その通りだろう。

第三に、3月4日付け東洋経済オンラインが掲載した日本トイレ研究所代表理事の加藤 篤氏による「災害時に備えたい「携帯トイレ」4人家族の必要数 「使い方」や「使うタイミング」も知っておくこと」を紹介しよう。
・『能登半島地震でも多く取り上げられた「災害時のトイレをどうするか」問題。 トイレ環境の大切さを広めるべく奔走する「日本トイレ研究所」の代表理事・加藤篤さんが、“トイレ”の視点から防災のノウハウをやさしく解説した『トイレからはじめる防災ハンドブック』より一部の内容を抜粋、忘れたころにやってくる災害への備え、そして起こった後の対応のポイントについて、3回にわたって掲載します。 第2回では、備えておきたい防災グッズ「携帯トイレ」についてお伝えします』、興味深そうだ。
・『災害時に使う携帯トイレとは?  ■後悔しない携帯トイレの選び方・使い方  携帯トイレとは、便器に設置して使用する袋式のトイレです。袋の中に排泄し、吸収シートや凝固剤で大小便を吸収・凝固させます。 給排水設備が損傷して水洗トイレが使用できないときでも、便器に取りつければすぐに使用できることが利点です。また、使い慣れたトイレ室を活用できるため安心です。 一方、いくつかの注意点があります。) まず携帯トイレを選ぶ際は、大小便をしっかり吸収・凝固できること、一定期間保管しても液体に戻らないこと、臭気対策が施されていることなどをチェックしてください。衛生的な問題が生じないよう、性能の良いものを選びましょう。 また、使用時に直接便器に取り付けることはおすすめしません。 先に45リットル程度のポリ袋を便器に被せてから便座を下ろし、その上に携帯トイレを取り付けましょう。こうすれば、携帯トイレの交換時に水が滴ることはありません。 以下を参考に、事前に使い慣れておくことをおすすめします。(携帯トイレを使うときのポイントは? はリンク先参照)』、「携帯トイレとは、便器に設置して使用する袋式のトイレです。袋の中に排泄し、吸収シートや凝固剤で大小便を吸収・凝固させます・・・携帯トイレを選ぶ際は、大小便をしっかり吸収・凝固できること、一定期間保管しても液体に戻らないこと、臭気対策が施されていることなどをチェックしてください」、なるほど。
・『まずはトイレに携帯トイレを設置  ■災害発生直後は設備点検より先に携帯トイレを  前回の記事で紹介したように、発災から3時間以内に約4割の人がトイレに行きたくなったというデータがあります。発災後3時間でできることは、命を守り、安全な場所に避難して安否確認をすることぐらいではないでしょうか。 このような大混乱のなか、私たちは水や食料のことを心配すると思いますが、実はそれより先にトイレが必要になるのです。 急いですべきことは、避難所や自宅、オフィスなどのトイレに携帯トイレを取り付けることです。もちろん、トイレの天井が壊れていたり、トイレブースが倒壊していたりして、トイレが危険な場合はこの限りではありません。 私たちはトイレに行くとき、誰かに申告して行くわけではありません。基本的には各々が便意や尿意を催したときに誰にも言わずにトイレに行きます。体調を崩して嘔吐することもあると思います。 そのため、どのタイミングで誰がトイレに行くのかはわかりません。停電していても、断水に気づかずに排泄してしまうことが考えられます。) そんなとき、便器に携帯トイレが取り付けてあれば、災害時のトイレ対応であることに気づきます。携帯トイレの使用方法はわからない人がほとんどですので、ポスターやスタッフを介して伝えることも必要です。 給排水設備の点検等は、携帯トイレを取り付けてから実施してください。さきに点検を行っていると、その間にトイレを使用されてしまうからです。設備点検の結果、問題ないことがわかれば、携帯トイレを取り外せばよいだけです。 これまでの震災や豪雨災害において、携帯トイレを活用することでその場を乗り切った事例はあります。繰り返しになりますが、災害時はできるだけ早く携帯トイレを取り付けることが必要です』、「給排水設備の点検等は、携帯トイレを取り付けてから実施してください。さきに点検を行っていると、その間にトイレを使用されてしまうからです。設備点検の結果、問題ないことがわかれば、携帯トイレを取り外せばよいだけです」、なるほど。
・『知っておきたい携帯トイレの使い方  ■災害前に周知しておきたい携帯トイレの使い方  災害時のトイレの初動対応として携帯トイレを用いることが有効です。 しかし、避難者の多くは携帯トイレを知りません。見たこともなければ使い方もわかりません。間違った使い方をしてしまうと不衛生な状態になり、集団感染を引き起こすことにもつながります。 そこで、大事なのが使用方法の周知徹底です。 災害が起きてからでは遅いので、平時の啓発が重要になります。防災訓練や学校での授業、地域のイベントなど、あらゆる機会を活用して伝えることが必要です。動画を活用することも有効です。 災害が起きてしまった後の周知方法は、これまでの経験者の話を踏まえると、主に2つの方法が考えられます。 1つめはイラストや図を用いてポスターを作成し、トイレに掲示することです。2つめはトイレ前にスタッフを配置することです。実際に、東日本大震災の避難所や西日本豪雨の際の病院などで実施されました。 これら2つの方法を両方実施することになると思います。災害時の負担を軽減するためにも平時の啓発を重視したいものです。(携帯トイレの使い方は? はリンク先参照)』、家庭用の場合でも「イラストや図を用いてポスターを作成し、トイレに掲示することです」は通用しそうだ。
・『■使用済みの携帯トイレはフタつきの入れ物で保管  携帯トイレを使用したあとの取り扱い方法について説明します。市町村への確認が必要ではありますが、概ね可燃ごみとして収集・処理されます。 可燃ごみとして収集するということは、ごみ収集車などで運ぶことになります。災害時は地盤沈下や液状化、浸水、建物倒壊などで道路が塞がれてしまう可能性があります。通常であれば、すぐに実施できたごみ収集でも、災害時は思うようにいきません。 災害の規模や被災状況によっても異なりますが、少なくとも数日間は、各自で使用済み携帯トイレを保管することが求められます。 携帯トイレの中身は大小便ですので、臭気対策が必要になります。また、直射日光があたると袋の劣化につながるので、フタつきの入れ物などに入れてベランダや庭など、生活空間と切り離した場所に保管することが必要です』、「少なくとも数日間は、各自で使用済み携帯トイレを保管することが求められます。 携帯トイレの中身は大小便ですので、臭気対策が必要になります。また、直射日光があたると袋の劣化につながるので、フタつきの入れ物などに入れてベランダや庭など、生活空間と切り離した場所に保管することが必要です」、なるほど。
・『どれくらいの数が必要になるか  ■「人数×回数×日数」で携帯トイレを常備  自宅で避難生活を送るには、携帯トイレの備えが欠かせません。では、携帯トイレはどのくらい必要になるのでしょうか? 携帯トイレの必要数を計算するには、避難生活を送る人数、1日当×たりの排泄回数、そして避難生活を送る日数を想定する必要があります。これらがわかれば、「人数×排泄回数×避難日数」という計算式で、携帯トイレの必要数を導き出すことができます。 ここでは仮に4人家族を想定してみます。排泄回数は1人ひとり異なりますので、それぞれが実際に数えてみることをおすすめします。 内閣府(防災担当)が作成した「避難所におけるトイレの確保・管理ガイドライン」では、1日当たりの平均的なトイレ使用回数の目安は「5回」と記載されています。 避難日数は災害規模によって大きく異なりますが、国が定める「防災基本計画」では、住民に対して最低3日間、推奨1週間分の携帯トイレ・簡易トイレ、トイレットペーパーなどを備蓄することを啓発するように記載されています。 以上をまとめると、4人家族であれば次のような計算になり、140回分の携帯トイレが必要になります』、「4人×5回×7日」で「140回分」というわけだ。早速、ホームセンターで買ってみたい。
タグ:(その16)(能登半島地震 防災対策の権威が語る「反省と教訓」 防災と初動対応が遅れた背景に2つの原因、災害時トイレ「断水」復旧になぜ時間がかかるのか 阪神・淡路大震災では仮復旧まで1カ月間要した、災害時に備えたい「携帯トイレ」4人家族の必要数 「使い方」や「使うタイミング」も知っておくこと) 災害 東洋経済オンライン「能登半島地震、防災対策の権威が語る「反省と教訓」 防災と初動対応が遅れた背景に2つの原因」 「とんでもない地震が起きたというか、想像を絶する地震が起きた。家屋の損壊状況もすさまじいものだし、道路という道路が破壊されました・・・救いを求めている被災者がたくさんいる現実にどう応えていくか。行政のみならず、私たち一人ひとりを含む社会全体の責任だと思っています」、なるほど。 「今回の地震では、助けを求めている被災者のところに救援隊がすぐに駆けつけることができなかった。これが大きな反省点だったと思います。 その根源をたどると、大きく2つの誤ちがあったと言えます。 1つ目の過ちは事前の被害想定の甘さです。 能登地方でこれほど大きな地震は起きるはずがないという思い込みも含めてのことですが、国、石川県ともきわめて小さな地震しか想定していなかった」、前石川県知事が産業を呼び込むため、震災の想定を低く抑えたと言われている。事実とすれば、許し難い行為だ。 「2つ目の過ちは、地震発生直後に被災状況の把握がスムーズにできなかったことが、初動対応の遅れにつながったという点です。 政府は当初、災害対策基本法に基づく態勢としては最も下のクラスの「特定災害対策本部」の設置にとどめた。これを「非常災害対策本部」に格上げし、同本部の会議を初めて開催したのは翌1月2日の午前9時過ぎのことでした。 初動態勢の構築が遅れた結果、自衛隊投入の規模も当初の1000人規模から小出しになってしまった」、なるほど。 「石川県の幹部の発言として、国の長期評価の策定・公表を待ってから対策をするという姿勢が長く続いていたという報道があります。その点についてどのように感じていましたか。 A:結果論ですが、そのような待ちの姿勢ではいけなかった。県域のどこにどのような活断層があり、どのくらいの確率で動くかについて、国の長期評価の策定を待ってから対策を話し合うという姿勢が、今回の地震で問われた・・・ 社会の前提条件がどんどん変わってきているということです。その社会の変化を想定に反映しなければならない。高齢化や過疎化が進んでいる中で、四半世紀も被害想定の見直しを放置していたということ自体、間違っていたと思います・・・地震発生直後の情報把握のシステムおよび初動対応のシステムを抜本的に見直さなければいけない」、その通りだ。 「今回のようにボランティアの自主性が失われ、必要なボランティアが被災地に入らないという事態になると、助かる命も助からなくなってしまう。ボランティア側もきちんとリテラシーを持ち、マナーをわきまえたうえで活動すればいいと思います」、その通りだ。 東洋経済オンライン 加藤 篤氏による「災害時トイレ「断水」復旧になぜ時間がかかるのか 阪神・淡路大震災では仮復旧まで1カ月間要した」 「発災後6時間は大混乱状態で、おそらくこの約7割の人は水を飲んでおらず、食事も摂っていないはずです。それにもかかわらず、トイレに行きたくなるのです。つまり、水・食料より先にトイレ対応が必要ということです」、なるほど。 「給水と排水、それに電気のすべてが機能してこそ、水洗トイレは使用できるようになります」、なるほど。 「阪神・淡路大震災では約127万戸が断水し、仮復旧が完了するまでに1カ月以上を要しました。また、東日本大震災で被災した地方公共団体へのアンケート調査では、上水道の仮復旧までに要した日数は、平均35日間だった・、かなり長期になるようだ。 「トイレを不便、もしくは不快と感じてしまうきっかけが1つでもあると、私たちはトイレになるべく行かなくてすむように、意識的にも無意識的にも、水分摂取を控えがちになり、その結果として体調を崩してしまいます」、大いに気を付けたいことだ。 「東日本大震災では、石巻赤十字病院などの調査で・・・計272カ所の避難所のうち、約4割のトイレで汚物処理が十分にできず、少なくとも約50人に下痢、約20人に嘔吐の症状が見られました。 感染症予防の観点からも、トイレを衛生的に保つことは非常に重要です』、その通りだろう。 加藤 篤氏による「災害時に備えたい「携帯トイレ」4人家族の必要数 「使い方」や「使うタイミング」も知っておくこと」 「携帯トイレとは、便器に設置して使用する袋式のトイレです。袋の中に排泄し、吸収シートや凝固剤で大小便を吸収・凝固させます・・・携帯トイレを選ぶ際は、大小便をしっかり吸収・凝固できること、一定期間保管しても液体に戻らないこと、臭気対策が施されていることなどをチェックしてください」、なるほど。 「給排水設備の点検等は、携帯トイレを取り付けてから実施してください。さきに点検を行っていると、その間にトイレを使用されてしまうからです。設備点検の結果、問題ないことがわかれば、携帯トイレを取り外せばよいだけです」、なるほど。 家庭用の場合でも「イラストや図を用いてポスターを作成し、トイレに掲示することです」は通用しそうだ。 「少なくとも数日間は、各自で使用済み携帯トイレを保管することが求められます。 携帯トイレの中身は大小便ですので、臭気対策が必要になります。また、直射日光があたると袋の劣化につながるので、フタつきの入れ物などに入れてベランダや庭など、生活空間と切り離した場所に保管することが必要です」、なるほど。 「4人×5回×7日」で「140回分」というわけだ。早速、ホームセンターで買ってみたい。
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