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ソニーの経営問題(その4)26年ぶりの公募増資 [企業経営]

ソニーの経営問題については、8月24日、26日、27日と取上げたが、今日は(その4)26年ぶりの公募増資である。

ソニーは6月末に、26年ぶりになる公募増資と新株予約権付社債(CB)の発行などで最大4400億円を調達すると発表。これに対し、当初、市場の一部では、業績回復の道筋は見えておらず、しかも総会直後に発表するという、既存株主をないがしろにしたかのような姿勢に批判の声が出た。
しかし、7月14日の日経新聞は「ソニー公募増資、発行価格は3420円 調達総額4200億円」として、「増資を発表の前日(6月29日)から発行価格が決まる7月13日までの株価の下落率は6.5%と、株数が増えることによる希薄化率(9.8%)より小さかった」と、市場は総じて好意的に受け止めたようだ。

そこで、7月18日付け東洋経済オンライン「ソニー、巨額調達に飛び交う「2つの憶測 会社側はセンサー事業の拡大に充てると説明」のポイントを紹介しよう。
・ソニーの資金調達は、その使途をめぐり、さまざまな憶測を呼んでいる
・逼迫するイメージセンサーの需給。会社側は、その大半をイメージセンサーなど、デバイス分野につぎ込むと説明。1000億円超の最終赤字を計上し、構造改革に追われた前期から一転、成長事業で一気にアクセルを踏む方針だ
・実際にイメージセンサーの需給は逼迫。特にソニー製のセンサーは小型・高感度など技術面で評価が高く、ハイエンドのスマートフォン向けで独り勝ちの状態。「液晶パネルと比べ、技術進化の余地も大きい。現状3割のスマホ向けシェアは、増強後には約5割に伸びそうだ」と、バークレイズ証券の伊藤和典アナリストは見る
・今後の需要増の柱となりそうなのが、米アップルのiPhone向けだ。現在、ソニーと米オムニビジョンの2社が供給しており、量ではソニーが圧倒しているとみられる。さらに2016年発売の「iPhone7」(仮称)は、フロント部分にカメラを二つ搭載する「デュアルカメラ」を採用するとの見方が強い
・「iPhoneで採用されれば、一気に普及し、需要が急増する。今回の増資で生産能力を増やしても、供給が足りなくなる可能性」(IHSテクノロジーの李根秀・主席アナリスト))。 ソニーは、2010年に月産2.5万枚だったセンサーの生産能力を、2016年には同8.7万枚まで引き上げる見通しだ。それでも不足感が残るほど、センサーの引き合いは次第に強まっている
・とはいえ、工場を新設するわけでもないのに4400億円(現実には4200億円)という調達額は多いのではないか、と見る向きも少なくない。株式市場でささやかれるのは2つのシナリオだ
・シャープから事業買収?。ソニー製センサーは現在、シャープがほかの部品とともにカメラモジュールへと組み立て、スマホメーカーに出荷。今後車載向けなど新分野を開拓するには、センサー単品でなく、モジュールでの提案が必要に。 シャープとしても経営危機下で、事業の選択と集中が避けられない。そのため「ソニーがシャープのカメラモジュール事業を買収するのではないか」との見方が浮上
・もう1つがソニーフィナンシャルだ。同社は金融事業を手掛ける上場子会社で、出資比率が60%のため、連結決算では少数株主持ち分利益が純利益から差し引かれる。 仮に完全子会社化した場合、その流出がなくなるほか、「実効税率が下がるメリットもあり、合計で数百億円規模の純益押し上げ効果がある」(前出の市場関係者)。そうなると、ソニーが中期経営計画で掲げる、自己資本利益率(ROE)10%達成にも近づく
・ソニーは今年度からの中期計画で、センサーなどデバイス分野を「成長牽引領域」に位置づけたが、金融事業の位置づけは明確にしなかった。どこで収益の地盤固めをするのか。巨額調達の使途が行く末を左右しそうだ
http://toyokeizai.net/articles/-/76832

4200億円の調達資金を何に使うのかはともかく、漸く前向きに歩み出したようで、今後を注目したい。
タグ:ソニーの経営問題 (その4)26年ぶりの公募増資 公募増資と新株予約権付社債(CB)の発行 最大4400億円を調達 市場の一部 業績回復の道筋は見えておらず、しかも総会直後に発表する 既存株主をないがしろにしたかのような姿勢に批判の声 7月14日 日経新聞 ソニー公募増資、発行価格は3420円 調達総額4200億円 株価の下落率は6.5%と、株数が増えることによる希薄化率(9.8%)より小さかった 市場は総じて好意的に受け止めたようだ 東洋経済オンライン 「ソニー、巨額調達に飛び交う「2つの憶測 会社側はセンサー事業の拡大に充てると説明 大半をイメージセンサーなど、デバイス分野につぎ込むと説明 イメージセンサーの需給は逼迫 ハイエンドのスマートフォン向けで独り勝ちの状態 米アップルのiPhone向け 2016年発売の「iPhone7」 「デュアルカメラ」 生産能力を、2016年には同8.7万枚まで引き上げる 工場を新設するわけでもないのに4400億円(現実には4200億円)という調達額は多いのではないか 2つのシナリオ シャープから事業買収? ソニーがシャープのカメラモジュール事業を買収するのではないか ソニーフィナンシャル 出資比率が60% 連結決算では少数株主持ち分利益が純利益から差し引かれる 完全子会社化した場合 その流出がなくなるほか、「実効税率が下がるメリットも 合計で数百億円規模の純益押し上げ効果 センサーなどデバイス分野 「成長牽引領域」に位置づけ
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