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カメラ業界(「デジカメ三強」が描く市場縮小後の残存戦略 名門オリンパス撤退 出荷台数はピーク時の1割、、「α9」が変えた創造と革新 カメラ市場の「破壊者」ソニー、「カメラの雄」は復活できるか キヤノン、「ソニー追撃」の成否、「ミラーレス出遅れ」からの復活劇 ニコン 巨額赤字で迎える正念場) [産業動向]

今日は、カメラ業界(「デジカメ三強」が描く市場縮小後の残存戦略 名門オリンパス撤退 出荷台数はピーク時の1割、「α9」が変えた創造と革新 カメラ市場の「破壊者」ソニー、「カメラの雄」は復活できるか キヤノン、「ソニー追撃」の成否、「ミラーレス出遅れ」からの復活劇 ニコン 巨額赤字で迎える正念場)を取上げよう。

先ずは、1月25日付け東洋経済オンライン「「デジカメ三強」が描く市場縮小後の残存戦略 名門オリンパス撤退、出荷台数はピーク時の1割」を紹介しよう。
https://toyokeizai.net/articles/-/405575
・『スマートフォンの登場やコロナ禍などにより、デジタルカメラ市場が空前の逆風にさらされている。 2020年のデジカメの出荷台数はピークだった2010年の10分の1に沈んでいる。2020年6月にはカメラの名門・オリンパスが慢性的な赤字に耐えきれず、映像事業を投資ファンドに売却すると発表した。 ミラーレスカメラの躍進という良いニュースもあるが、残った各社は逆風にさらされるカメラ市場をどう生き抜いていくのか。その戦略の巧拙が問われる局面にある。キヤノン、ソニー、ニコンのカメラ「三強」を軸に、その戦略の成否を追った』、「2020年のデジカメの出荷台数はピークだった2010年の10分の1」とは落ち込んだものだ。
・『①ニコンはカメラ事業を継続できるか  ニコンの2021年3月期の業績は、750億円の営業赤字と過去最悪規模になる見通しだ。手軽に写真を撮影できるスマートフォンの躍進に押され、デジタルカメラの市場は急速に縮小。さらに、ソニーが参入して躍進したミラーレスカメラでもニコンは出遅れた。多くのニコンユーザーはいま、大いなる不安を抱いている。それはすなわち、「ニコンはカメラ事業を本当に継続できるのか」ということだ』、「ニコン」は瀬戸際まで追い詰められているようだ。
・『②カメラ市場を「破壊」したソニー  「デジタルカメラ市場を破壊したのはソニーだった」。大手カメラメーカーのある幹部の表情は苦々しそうだ。デジカメ市場を牽引する製品は、一眼レフからミラーレスカメラへ大きくシフトした。ソニーはその変革を主導し、一眼ミラーレス市場で約4割のシェアを占める、圧倒的な存在感をみせている。ソニーがもたらした「創造的破壊」とは何だったのか』、「創造的破壊」とはいかにも「ソニー」らしい。
・『③キヤノン、「ソニー追撃」の成否  かつて優良企業の代名詞として知られていたキヤノン。そのキヤノンの業績が低迷している。2020年4~6月期は四半期として初めてとなる88億円の最終赤字に転落した。赤字の主因は大きく2つあり、1つは複合機などのオフィス向け事業が新型コロナウイルスの影響で振るわなかったこと。もう1つは、キヤノンの「祖業」でもあるカメラの販売不振にあった』、経団連会長企業となった「優良企業」も形なしのようだ。(以下のインタビュー記事は省略)

次に、1月18日付け東洋経済Plus「「α9」が変えた創造と革新 カメラ市場の「破壊者」ソニー」を紹介しよう。
https://premium.toyokeizai.net/articles/-/25837
・『「デジタルカメラ市場を破壊したのはソニーだった」 大手カメラメーカーのある幹部は苦々しそうに振り返る。 というのも、2020年のデジカメ出荷台数は、2010年のピーク1億2146万台の10分の1以下になる見込みだからだ。ここまで市場が縮小した主因は、手軽に撮影できるスマートフォンが急速に普及したからだ。スマホを使えば、撮った写真を簡単に加工でき、他人と共有することもできる。SNSに手軽に投稿できるなど、スマホは写真の楽しみ方を大きく広げた』、「スマホは写真の楽しみ方を大きく広げた」、のは確かだ。
・『ミラーレス市場で圧倒的な存在感  ただ、この幹部が言う「破壊」の意味はマイナス面ばかりではない。ソニーは伝統的なデジカメ市場のあり方を大きく変え、新しい時代のカメラ市場を作り出す「創造的破壊」を行ったと受け止めることもできる。 この10年間、市場縮小以外にも多くの変化がカメラ市場に起きた。最も大きいのは、市場を牽引する製品が一眼レフからミラーレスカメラへシフトしたことだ。その流れを創り出し、一眼ミラーレス市場で約4割のシェアを占めて圧倒的な存在感をみせているのがソニーだ。 2010年当時のソニーのデジカメシェアは、キヤノンに次ぐ2位だった。ただ、その中身はコンパクトデジカメ2410万台に対し、一眼カメラが95万台。キヤノンの一眼カメラが570万台、ニコンが396万台であることに比べると、プロ・ハイアマチュア層向けカメラでソニーの存在感は薄かった(数字は2010年4月~2011年3月の出荷台数、テクノ・システム・リサーチ調べ)。 2019年に退職したニコンの元社員は、「(ソニーのカメラ事業は)家電メーカーが家電としてデジカメを売っているだけだった」と評する。ソニーが、コニカミノルタのカメラ事業を買収し、一眼レフカメラ事業に参入したのは2006年のことだった。だが、一眼レフ市場はフィルムカメラ時代から高いブランド力を持つキヤノンとニコンの寡占状態で、この2強の牙城を崩すのは簡単ではなかった。 ところが、2010年代前半にスマホが急速に普及したことで状況は一変。まずコンパクトデジカメの需要がスマホに奪われ、それに合わせてソニーもデジカメの売上高を大きく落とし、ソニーの市場シェアは一時3位に転落した。 そこでソニーは戦略を大きく転換。2013年ごろからカメラ製品のラインナップをミラーレス一眼中心に切り替え、さらにプロやハイアマ向けの上位機種の拡大を図った。ミラーレスの性能向上を実現するカギは、光を電気信号に変換する半導体、イメージセンサーの技術だが、CMOSイメージセンサーで世界シェアの過半を握るソニーには一日の長があった。コニカミノルタが培ってきた光学技術とCMOSセンサーの強みで勝負したのだ』、「コニカミノルタが培ってきた光学技術とCMOSセンサーの強みで勝負した」、なるほど。 
・『ミラーレスを変えた「α9」  一眼レフはレンズを通して入ってくる光をボディ内のミラーに反射させ、ミラーの後ろにあるイメージセンサー(撮像素子)に画像を記録するのに対し、ミラーレス一眼は文字どおりミラーがなく、光をイメージセンサーに直接当てて画像を記録する。その分、ボディを一眼レフより小さくできる。 ただ、ミラーレス一眼は一眼レフと比べ、撮影に若干の遅れが生じる。ピントを自動で合わせるオートフォーカス(AF)の速度も遅く、スポーツ競技など一瞬を捉える場面や連写が必要な撮影では不利だとされていた。そのため、キヤノンとニコンは一眼ミラーレスカメラの開発に消極的だった。 ソニーはそれを一変させた。当時の担当者が「ミラーレス一眼の歴史的な転換点」と胸を張ったのが、2017年に発売したフルサイズミラーレス「α9」だ。 CMOSイメージセンサーに、メモリーを内蔵した積層構造を世界で初めて導入し、信号を滞りなく高速で処理。シャッタータイミングを逃しにくくなり、AF速度も一眼レフと同等以上の性能を実現した。 調査会社テクノ・システム・リサーチの大森鉄男シニアアナリストは「α9が一眼レフにはない撮影体験を実現したことで、カメラ市場の構造が変わり、ソニーがリーディングカンパニーになった」と話す。一眼レフよりも小型なのにそれをこえるAF性能や連写速度を実現し、通信社世界大手のAP通信が撮影機材をソニーの製品に切り替えた』、「「α9」・・・CMOSイメージセンサーに、メモリーを内蔵した積層構造を世界で初めて導入し、信号を滞りなく高速で処理。シャッタータイミングを逃しにくくなり、AF速度も一眼レフと同等以上の性能を実現」、確かに画期的だ。
・『ソニーが描く将来のカメラ戦略は何か。ソニーイメージングプロダクツ&ソリューションズ社カメラ事業部長の田中健二氏は、「カメラはデジタルデータを扱うもの。だからこそ、構造的にはミラーレスしかないと考えていた」と話す。 ソニーはカメラのことを単なる撮影機材ではなく、デジタルデータを扱う機器であるとみなしている。今後、カメラで撮影した情報量は増加していく。ミラーを通してではなく、光をそのままデジタルに変換して情報量を容易に増やせるようにする必要がある。その意味で、ソニーがミラーレスを強化したのは、今後の技術進歩を踏まえると、「ごく自然なこと」(田中氏)だった。 ソニーのミラーレスカメラは、静止画だけでなく動画でも高精細に撮影できる描写力が評価されている。特に人や動物の瞳を自動で検出してピントを合わせる「瞳AF」機能は、プロカメラマンからも高い評価を受ける。田中氏は「プロダクトありきではなく、価値という一点を追求するからこそ、ミラー(がある一眼レフ)や静止画にこだわる必要はない」とソニーの開発思想を話す。デジカメの性能をただ向上させていくだけではなく、カメラで何ができるかを問う姿勢だ』、「価値という一点を追求するからこそ、ミラー(がある一眼レフ)や静止画にこだわる必要はない」・・・「デジカメの性能をただ向上させていくだけではなく、カメラで何ができるかを問う姿勢だ」、他社とは発想が全く違うようだ。
・『ユーチューバーに人気の新型カメラ  ソニーが販売する製品群も、従来のレンズ交換式カメラとは異なるものが目立ち始めた。代表的なものが2020年6月に発売されたビデオブログ(Vlog)用コンパクトデジタルカメラ「VLOGCAM ZV-1」だ。 Vlogとは「ビデオブログ」の略で、文章ではなく動画でブログを表現するもの。「VLOGCAM ZV-1」はそのVlogに特化したカメラで、ボタンひとつでピントを合わせ、背景をぼかせるなど簡単な操作で高精細な動画を撮れる。VlogerやYouTuberらの使用で人気に火がついた。 「動画に詳しくないけど新しく始めたいという人にはすごい最適なカメラだと思う」。アメリカに留学しながらYouTuberとして活躍するHarukiさんは、自身の動画の1コマで使用する「VLOGCAM ZV-1」を評価する。 SNS慣れした若年層の、高画質な動画を手軽に投稿したいというニーズをとらえ、同製品は入荷待ちが続出するほどの売れ行きだ。田中氏は「静止画だけでなく、動画や業界・顧客のパイを広げる商品も展開することで成長を続ける」と話す。 スマホの普及とともに、ユーザーがカメラに求める機能や価値も変わった。エントリー機種でカメラに親しんでもらい、次第に高機能・高価な機種に乗り換えてもらうビジネスモデルは、もはや通用しない。次々と顧客ニーズに合わせてカメラという製品の形を変えていくソニーの戦略は、衰退市場でカメラが生き残る方向性を示している。』、「Vlogとは「ビデオブログ」の略で、文章ではなく動画でブログを表現するもの。「VLOGCAM ZV-1」はそのVlogに特化したカメラで、ボタンひとつでピントを合わせ、背景をぼかせるなど簡単な操作で高精細な動画を撮れる。VlogerやYouTuberらの使用で人気に火がついた」、「ソニー」の目のつけどころは確かなようだ。

第三に、1月18日付け東洋経済Plus「「カメラの雄」は復活できるか キヤノン、「ソニー追撃」の成否」を紹介しよう。
https://premium.toyokeizai.net/articles/-/25834
・『キヤノンが四半期として初めて最終赤字に転落した――。 2020年7月末に発表された同社の年4~6月期決算は88億円の純損失を計上した。キヤノンは優良企業の代名詞として知られていたが、その苦境ぶりを示す決算となった。 赤字の主因は主に2つ。1つは売上高の約半分を占める複合機などオフィス向け事業の苦戦だ。新型コロナウイルスの影響で複合機の稼働率や販売が落ち込んだ。もう1つはキヤノンの祖業であるカメラの販売不振だ』、収益の柱が2つともコケたら赤字もやむを得ない。
・『ミラーレスに出遅れた  カメラ映像機器工業会がとりまとめた2020年4~6月のデジタルカメラ出荷数量は、前年同期比65.3%減の約143万台に落ち込んだ。手軽に写真を撮れるスマートフォンの普及により、デジカメ市場は2010年をピークに縮小の一途をたどっている。2019年の市場規模は2010年比で約8分の1の規模だ。そこを新型コロナが直撃した。 「本当に激しい落ち込みで、販売活動や購買活動も停止して、(販売は)どん底だった」。キヤノンでデジカメ事業を手がけるイメージコミュニケーション事業本部長の戸倉剛常務執行役員はそう振り返る。キヤノンは製品別の損益を開示していないが、「デジカメ事業単体だけみると大赤字」(業界アナリスト)だったとみられる。 新型コロナの影響でどん底に落ちていたデジカメ市場について、戸倉氏は「(縮小していく)デジカメ市場の将来(の底)を下回った状態だった」と分析する。しかし、7月以降はデジカメの出荷台数も緩やかな回復基調に入った。 デジカメ市場で長らくトップシェアを誇っているキヤノンを悩ませたのは、ソニーの躍進に代表されるミラーレスカメラへの対応だった。縮小続きのデジカメ市場にあって、この数年ミラーレスカメラだけは唯一成長した。新型コロナで2020年の出荷台数は落ち込んだが、その落ち込み幅は、半減した一眼レフに比べ、ミラ-レスは3割減にとどまった(2020年1~10月の出荷台数)。 ソニーは2017年5月、一眼レフを超える連写速度を誇る50万円台のプロ・ハイアマ向けフルサイズミラーレス「α9」を投入。それに続き、キヤノンも2018年にフルサイズミラーレスカメラ「EOS R」をはじめとするRシリーズを発売した。しかし、ミラーレスで出遅れた影響が残り、ミラーレスカメラのシェアはソニーの41.8%に対し、キヤノンは23.8%にとどまっている(2019年実績、テクノ・システム・リサーチ)。 キヤノンがソニー追撃を狙って投入したのが、2020年7月発売の「EOS R5」だ。デジカメとして世界初となる8K動画撮影に対応し、静止画においても毎秒約20コマを連写できるなど世界トップクラスの性能を誇る。価格帯はソニーα9と同等の50万円台にもかかわらず、生産が追いつかないほどの人気ぶりだ。「3カ月以上待っているがまだこない」と怒り出すプロカメラマンもいる』、「EOS R5」が「ソニーα9と同等の50万円台にもかかわらず、生産が追いつかないほどの人気ぶり」、いい製品はよく売れるようだ。
・『「デジカメ1000万台」を見据える  R5のヒットに気を緩めず、キヤノンは次の手を打っている。同社の田中稔三副社長は「最終的には映像にこだわりをもつユーザーの市場規模に落ち着いていく」と話す。 具体的には、デジカメの年間出荷台数が1000万台を切る時代をにらんでいるようだ。それに向けて「事業の開発・生産・販売の体制や製品ラインナップなど、すべてのスリム化を加速する」(田中氏)方針を示している。 従来のカメラの形式にこだわらず、映像機器分野での新しい領域の拡大も図る。キーワードの1つが「映像入力機器としてのカメラ」だ。戸倉氏は「エントリー層も含めて機能やサービスを増やし、付加価値を高めていく。レンズ交換式カメラだけでは視野が狭い。これまでは『快速・快適・高画質』がコンセプトだったが、画質は一定程度あれば十分というユーザーもいることから『快画質』にコンセプトを変えた」と話す。 従来は、できるだけ高精細に撮影するためにカメラの性能を高めていくのが当たり前だった。ところが、スマホでの撮影体験が多くなり、特に若いユーザーを中心に、写真を加工し、SNSにアップして楽しむことが増えた。 そうした新時代のカメラを象徴する「キヤノンらしくない」(戸倉氏)新商品が、2019年12月に発売された「iNSPiC REC」だ。iNSPiC RECはスマホとも連携できる装着型のカメラで、価格は1万円台半ば。安価なコンパクトデジカメの半額程度だ。 画質はデジカメに及ばないが、耐衝撃・防水性能を持ち、スマホを濡らしたり、落としたくない場所で手軽に撮影できるようにした。「スマホと共存できる」(戸倉氏)を商品開発のコンセプトにした。 新しいコンセプトのカメラは、デジカメの売り方も変えた。従来はユーザーがデジカメのエントリー機種を購入し、その後ラインナップに沿って上位機にステップアップしていくことが想定されていた。これに対し、新コンセプトのカメラに「上位機」や「エントリー機種」という概念はない。「ニューコンセプトの製品で(上位機にステップアップすることと)同様のことができるかはわからない」(戸倉氏)。 ステップアップを前提にした売り方が難しくなる以上、使い方や機能に特化した新しいコンセプトカメラを投入し続ける必要がある。キヤノンは2020年12月に望遠鏡型カメラ「PowerShot ZOOM」を発売しており、新コンセプトのカメラが今後も増えていくとみられる』、「新コンセプトのカメラが今後も増えていく」、楽しみだ。
・『「産業の目」としてのカメラを育成  BtoBの分野でも新たなカメラの取り組みが進む。例えば、工場などの生産現場では異常検知や入荷作業時のバーコード読み取りを、センサーではなく、LAN機能を搭載したネットワークカメラを使って対応できる製品を2018年に開発した。2020年には物流倉庫などで使用できる無人搬送車(AGV)向けの誘導システムも発売。これは、AGVに搭載したカメラで周囲の状況を認識し、操作できる。 さらに、5G時代が本格的に到来すれば、機器の「目」にあたるセンサーの需要が飛躍的に増大する。同じような機能を持たせれば、映像入力機器の重要性も高まる。キヤノンが得意とする技術を生かし、5G時代で差別化を図ることも可能だ。 カメラ市場の概念を変えつつ、岐路に立たされているカメラ事業を再び安定軌道に戻せるのか。業界最大手のキヤノンの一挙一動がカメラ市場の行く末を大きく左右しそうだ』、「「産業の目」としてのカメラを育成」、も大いに楽しみだ。

第四に、1月18日付け東洋経済Plus「「ミラーレス出遅れ」からの復活劇 ニコン、巨額赤字で迎える正念場」を紹介しよう。
https://premium.toyokeizai.net/articles/-/25839
・『スマホの普及に押され、ピーク時の10分の1以下に落ち込んだデジカメ市場。オリンパスが事業撤退を決めるなど、デジカメ市場には逆風が吹く。残るキヤノンとソニー、ニコンはどんな戦略で生き残りを図ろうとしているのか。カメラ「三強」の実像に迫った。 ニコンはカメラ事業を本当に継続できるのか――。 多くのカメラユーザーはいま、大いなる不安を抱いている。 2020年4~9月期のニコンの営業損益は466億円の赤字(前期は175億円の黒字)に転落。2021年3月期も750億円の営業赤字(前期は67億円の黒字)と、過去最悪規模となる見通しだ』、興味深そうだ。
・『「オリンパスの次はニコンか」  ニコンの業績が急激に悪化しているのは、売り上げの約4割(2020年3月期実績)を占めるカメラなどの映像事業が大赤字だからだ。2021年3月期の映像事業は450億円の営業赤字が見込まれている。2020年3月期も171億円の赤字で、2期連続の赤字となる見込みだ。 手軽に撮影ができるスマートフォンに押され、デジタルカメラの市場規模は急速に縮小している。そこに新型コロナウイルスの感染拡大が追い打ちをかけ、2020年のデジカメ出荷台数はピークだった2010年の10分の1以下に落ち込みそうだ。 悪いニュースも相次ぐ。2020年6月にはオリンパスが慢性的な赤字が続く映像事業を投資ファンド、日本産業パートナーズ(JIP)に譲渡すると発表。デジカメ市場からの撤退を決めた。当面はJIPのもとで「オリンパス」ブランドのデジカメ事業が継続されるが、オリンパスから切り離されたことで先行きの不透明感も増している。カメラユーザーが集まるネットサイト上では、「次はニコンか」と不安の声も出ている。 デジカメ市場を支えるプロやハイアマチュアの顧客層は、撮影対象やシーンに合わせて使い分ける交換用カメラレンズを購入してきた。ニコンであれば、ミラーレスでも使用できる一眼レフのレンズだけでも約400種類あり、中には100万円を超える高額品もある。「赤字がこれだけ続くと、ニコンもカメラ事業から撤退し、これまで購入してきたレンズ資産が無に帰すのでは」と不安視するプロカメラマンもいる。 映像事業の不振からか、ニコンは2020年10月、プロユーザー向けの新たなサービス規定を発表。1万円の年会費を無料にした一方で、従来無料だった機材の点検を有料化し、修理料金の割引を従来の5割引から2割引に変えた。修理には数万円かかることが一般的だ。同年9月にもデジカメ修理中の代替機・使用機材の貸し出しを中止すると発表したものの、批判を受けて2週間後に方針を撤回している。 対応が二転三転したことで、かえってニコンのカメラ事業に対するユーザーの疑念を招いた。ニコンで映像事業を担当する池上博敬常務執行役員は「プロを大事にする姿勢は変わらない」と話すが、一度傷ついたイメージを修復するのは容易ではなさそうだ』、「これまで購入してきたレンズ資産が無に帰すのでは」と不安視するプロカメラマンもいる」、とすると、「オリンパスの次はニコンか」と心配するのも頷ける。
・『ミラーレスカメラで出遅れ  ライバルであるソニーがミラーレスカメラで躍進する一方、ニコンのカメラ事業が赤字続きなのはなぜか。それは市場が縮小しているだけではなく、同社の製品戦略に課題があったからだ。最も顕著なのはミラーレスカメラでの出遅れだ。 ニコンは2011年からミラーレスカメラを投入しているが、2015年を最後にミラーレスの新製品投入を中断。入門機から高級機までのラインアップの充実も後手に回った。 デジカメ市場が縮小し続ける中、ミラーレスカメラだけは唯一、成長を続けている。新型コロナ禍からの回復も早く、今やデジカメ業界での新たな牽引役と言っていい。それだけに、ニコンのミラーレス製品での出遅れは致命的ともいえる。 ミラーレスカメラへのシフトが遅れたことについて、池上氏は「(一眼レフとの)食い合いを恐れたというより、市場を冷静に見ていなかった面がある」と振り返る。 ミラーレスは構造上、連写するスピードの遅さが一眼レフに比べた場合の難点とされてきたが、ソニーが2017年5月に50万円台のプロ・ハイアマ向けのフルサイズミラーレス「α9」を投入。状況が一変した。 α9によって、ソニーは一眼レフの独壇場だったスポーツ競技の撮影や報道の世界を開拓した。ニコンは2018年9月以降に20万円台と40万円台の、キヤノンが同年10月には20万円台のフルサイズミラーレスカメラをそれぞれ投入し、「ミラーレス戦争」が幕を開けた。 ところが、キヤノンやソニーが廉価版からフルサイズミラーレスや最上位機種を相次いで投入し、ラインナップをそろえていったのに対し、ニコンはこうした動きに追随できないまま。デジカメの市場シェアは2019年にソニーに抜かれ、一眼ミラーレスカメラだけでみれば、富士フイルムとオリンパスの後塵を拝している(2019年生産台数ベース、テクノ・システム・リサーチ調べ)。 ニコンの池上氏は「勝負はこれから」(池上氏)と事業継続に自信をみせる。2020年10月から、宮城県の工場で手掛けるデジタル一眼レフカメラ本体の生産をタイ工場に集約し、2022年3月期には2016年3月期比で事業運営費を59%削減する計画を打ち出した』、「宮城県の工場で手掛けるデジタル一眼レフカメラ本体の生産をタイ工場に集約」、本来の勝負は機能の改善・強化といった高付加価値化なのに、生産の海外移転でコスト削減とは的が完全にズレている印象だ。ただ、キレイゴトを言う余裕もないのかも知れない。
・『海外人員を2000人削減  映像事業以外も含めて全社で海外人員を2000人削減する一方、2021年3月期はフルサイズミラーレス3モデル、レンズ7本を新投入するなど、ハイエンド製品を中心にラインアップを拡充する。「今期(2021年3月期)も来期(2022年3月期)もミラーレスに集中し、ボディ・レンズともに拡充していく。レンズは2022年までに(現在の18本を)30本弱までそろえたいと思っている」と池上氏は話す。 2021年3月期の映像事業の売上高は1400億円を見通す。これはコロナ禍の異常値であるとみて、ニコンの馬立稔和社長は「(映像事業は)売上高が1500億円以下でも黒字を出せる筋肉質な構造にしたい」と意気込む。 生産過程を共通化することでコストを削減し、他社と差異化を図れる画像エンジンなどの部分にしっかりコストをかけていく。池上氏は「(競合他社との)差異化に必要な投資を行っていける」と話すが、リストラは2017年に全社で約1000人を削減し、2017年には海外工場を閉鎖している。たび重なるリストラにニコンの研究開発規模は縮小している。 2020年3月期の映像事業の研究開発費は211億円。それに対し、キヤノンのインクジェットプリンター・カメラを含むイメージング事業の研究開発費は2019年12月期で730億円だ。従業員数も、2011年3月期に1万5362人だったが、2020年3月期には9376人と、約3分の2になっている。 ミラーレスで出遅れたニコンの再起はあるのか。まさに正念場を迎えている』、私は「ニコン」の「デジカメ」を使っていることもあり、「ニコン」には頑張ってもらいたいが、前述の通り「本来の勝負は機能の改善・強化といった高付加価値化なのに、生産の海外移転でコスト削減とは的が完全にズレている」のには失望した。 
タグ:カメラ業界 (「デジカメ三強」が描く市場縮小後の残存戦略 名門オリンパス撤退 出荷台数はピーク時の1割、、「α9」が変えた創造と革新 カメラ市場の「破壊者」ソニー、「カメラの雄」は復活できるか キヤノン、「ソニー追撃」の成否、「ミラーレス出遅れ」からの復活劇 ニコン 巨額赤字で迎える正念場) 「「デジカメ三強」が描く市場縮小後の残存戦略 名門オリンパス撤退、出荷台数はピーク時の1割」 東洋経済オンライン 「価値という一点を追求するからこそ、ミラー(がある一眼レフ)や静止画にこだわる必要はない」・・・「デジカメの性能をただ向上させていくだけではなく、カメラで何ができるかを問う姿勢だ」、他社とは発想が全く違うようだ。 「「α9」・・・CMOSイメージセンサーに、メモリーを内蔵した積層構造を世界で初めて導入し、信号を滞りなく高速で処理。シャッタータイミングを逃しにくくなり、AF速度も一眼レフと同等以上の性能を実現」、確かに画期的だ 「「α9」が変えた創造と革新 カメラ市場の「破壊者」ソニー」 「創造的破壊」とはいかにも「ソニー」らしい。 経団連会長企業となった「優良企業」も形なしのようだ。 「Vlogとは「ビデオブログ」の略で、文章ではなく動画でブログを表現するもの。「VLOGCAM ZV-1」はそのVlogに特化したカメラで、ボタンひとつでピントを合わせ、背景をぼかせるなど簡単な操作で高精細な動画を撮れる。VlogerやYouTuberらの使用で人気に火がついた」、「ソニー」の目のつけどころは確かなようだ。 「ニコン」は瀬戸際まで追い詰められているようだ。 東洋経済Plus 「コニカミノルタが培ってきた光学技術とCMOSセンサーの強みで勝負した」、なるほど。 「スマホは写真の楽しみ方を大きく広げた」、のは確かだ。 「2020年のデジカメの出荷台数はピークだった2010年の10分の1」とは落ち込んだものだ。 「「カメラの雄」は復活できるか キヤノン、「ソニー追撃」の成否」 収益の柱が2つともコケたら赤字もやむを得ない。 「EOS R5」が「ソニーα9と同等の50万円台にもかかわらず、生産が追いつかないほどの人気ぶり」、いい製品はよく売れるようだ。 「新コンセプトのカメラが今後も増えていく」、楽しみだ。 「「産業の目」としてのカメラを育成」、も大いに楽しみだ。 「「ミラーレス出遅れ」からの復活劇 ニコン、巨額赤字で迎える正念場」 「これまで購入してきたレンズ資産が無に帰すのでは」と不安視するプロカメラマンもいる」、とすると、「オリンパスの次はニコンか」と心配するのも頷ける。 「宮城県の工場で手掛けるデジタル一眼レフカメラ本体の生産をタイ工場に集約」、本来の勝負は機能の改善・強化といった高付加価値化なのに、生産の海外移転でコスト削減とは的が完全にズレている印象だ。ただ、キレイゴトを言う余裕もないのかも知れない。 私は「ニコン」の「デジカメ」を使っていることもあり、「ニコン」には頑張ってもらいたいが、前述の通り「本来の勝負は機能の改善・強化といった高付加価値化なのに、生産の海外移転でコスト削減とは的が完全にズレている」のには失望した。
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