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外国人労働者問題(その19)(外国人傷つける日本の「技能実習制度」決定的欠陥 ベトナム人実習生の暴行事件はなぜ起きたのか、「カネが50万貯まれば逃げる」プライバシー“全部筒抜け”漁村を離れた技能実習生が罪を犯すまで、水際対策緩和で蠢くベトナム人利権の闇3題:(1)ベトナム人を食い物に…「コロナ禍での鎖国反対」の大合唱に透ける“本音”、(44)「技能実習制度」の廃止を訴えながら「留学制度」を批判しない大手紙のなぜ) [社会]

外国人労働者問題については、昨年1月19日に取上げた。今日は、(その19)(外国人傷つける日本の「技能実習制度」決定的欠陥 ベトナム人実習生の暴行事件はなぜ起きたのか、「カネが50万貯まれば逃げる」プライバシー“全部筒抜け”漁村を離れた技能実習生が罪を犯すまで、水際対策緩和で蠢くベトナム人利権の闇3題:(1)ベトナム人を食い物に…「コロナ禍での鎖国反対」の大合唱に透ける“本音”、(44)「技能実習制度」の廃止を訴えながら「留学制度」を批判しない大手紙のなぜ)である。

先ずは、昨年2月17日付け東洋経済オンラインが掲載した『フランス・ジャポン・エコー』編集長・仏フィガロ東京特派員のレジス・アルノー氏による「外国人傷つける日本の「技能実習制度」決定的欠陥 ベトナム人実習生の暴行事件はなぜ起きたのか」を紹介しよう。
https://toyokeizai.net/articles/-/512030
・『ベトナム人の技能実習生で、建設会社で働いていたランさん(仮名)が2年間にわたって精神的・肉体的暴力を受けていたことを証明する生々しい動画を見たとき、岡山県警の担当者は犯罪の捜査を担当する部署に事件を回すのでなく、「外事課」に調査を依頼した。岡山県警のウェブサイトによれば、外事課とは、国際テロ対策や出入国管理および難民認定法違反の取り締まりなどの業務を推進する部署だ。 「まるでランさんに問題があるかのような扱いだった」とランさんの支援者の1人は言う。この衝撃的な動画が主要メディアで広く公開されてから1カ月以上が経過したが、岡山県警は複数人のベトナム人技能実習生に暴行などのハラスメントを行った人物らを検察に送致していない。彼らが動画にはっきりと映っているにもかかわらずだ』、この手続きについて、「岡山県警」はどう申し開きをするのだろう。
・『日本の就労ビザの取得に100万円必要  ランさんは、毎年、技能実習生として日本に働きに来る20万人の外国人労働者と同じ夢を抱いていた。「高い給料がもらえるいい国だと思っていた」とランさんは話す。日本に来れば、妻と5歳の娘に、よりよい未来を与えられると思っていたのだ。 しかし、ジャパニーズドリームはけっして“安く”はない。「日本の就労ビザを取得するには100万円が必要だ」と、ランさんはベトナムの送り出し機関から伝えられた。そこで、貯金と、友人や銀行に借りたお金を合わせて、100万円を渡したという。 そしてランさんはベトナムで6カ月、日本で1カ月、日本語の習得と、その後の仕事に向けた訓練に励んだ。来日から1カ月後の2019年11月、彼は岡山の小規模な建設会社に派遣された。 過酷ないじめはすぐに始まり、病院に行かなければならないほどの激しい蹴りを受けたとランさんは言う。暴行の結果、肋骨を骨折し、歯が折れたこともあると主張する。ランさんはまた、「日本人の従業員が私に一度も仕事を教えてくれることもなかった」と言う。 ランさんは足場組みで時給844円を支払われていた。月収は約11万円で、そのうち1万5000円が家賃や光熱費として差し引かれたが、月に7万円を家族に仕送りしていた。それでも、解雇され、強制送還されるかもしれないという不安から、しばらくひどい待遇に甘んじていた』、「暴行の結果、肋骨を骨折し、歯が折れたこともある」、全く酷い扱いだ。監督すべき「監理会社」は何をしていたのだろう。
・『見過ごした監理会社の大きな責任  だが、ついにいじめは耐えがたいものとなり、昨年10月、ランさんは脱走し、最終的に地元の労働組合「福山ユニオンたんぽぽ」に保護された。 「建設業界にいじめの問題があるとはいえ、あそこまでひどいケースは見たことがなかった」と執行委員長の武藤貢氏は話す。「監理団体は配属先を移すべきだったし、少なくとも彼の体調や睡眠状態などを聞くべきだった。いずれの手も打たなかった監理団体の責任は大きい」 ランさんの場合、事の結末は比較的幸運なものとなった。日本での技能実習生を監督する外国人技能実習機構(OTIT)が彼を別の管理会社に移管することになり、来年10月にビザの有効期限を迎えるまで別の会社に勤務することが決まったのだ。 武藤氏によると、ランさんは問題の建設会社に謝罪を求めており、建設会社と個別にやり取りをしている。建設会社はおおむね事実を認め、謝罪する方向のほか、補償についても謝罪の内容に応じて検討する予定という。謝罪と補償があれば、警察への告訴はしないという。一方、監理団体については事実を確認しているという。 もっともたとえ補償があったとしても、「ベトナムにはまだたくさんの借金が残っている」とランさん。彼は10月に日本を離れる予定で、おそらく二度と戻ってこないだろう。 「外国人技能実習生に対する虐待などの人権侵害は断じて許されないものだ」と古川禎久法相は、ランさんに対する暴力の動画を見た後に述べている。古川法相は入国管理局に事件の調査を命じた。また、外国人技能実習制度などのあり方に関する勉強会も始めるとしている。) しかし、実習制度はそれ自体が人権侵害だ。それは、外国人労働者を日本に「迎え入れる」ことで発展途上国にノウハウを惜しみなく提供するという前提に基づいているが、実際には安い労働力を利己的に入手するための制度になっているということは、この制度に詳しい者に限らず、もはや多くの人が指摘しているところだ。 このような不公平な制度の乱用をなくすために2018年に改革が行われ、OTITによる監理団体の認定取り消しも増加してはいる。だが、「実習制度の理念は1993年に設立されたときから改善されていない」と、特定非営利活動法人「移住者と連帯する全国ネットワーク」(移住連)代表理事であり、外国人労働者を支援してきた鳥井一平氏は主張する。「外国人技能実習生問題弁護士連絡会」事務局長を務める弁護士の高井信也氏も、「政府が実習制度の廃止を本気で検討しているかは疑問がある」と話す。 技能実習制度は、雲が雨を運ぶように人権侵害を広げている。ランさんのような外国人労働者は、母国と日本の間に挟まれ、押しつぶされている。労働者を送る側の国は、労働者に対して送り出し機関が日本では道義的にも法的にも受け入れられない内容の契約を課すことが多い。 これらの契約は日本の法制度外で結ばれるが、その条件は日本語に翻訳されており、現在日本で活動している5000の民間の監理団体に周知されている。鳥井氏は、「人権を尊重する監理団体はほとんどない」と言う』、「監理団体」の所轄は法務省の筈なのに、「人権を尊重する監理団体はほとんどない」とは「法務省」は何をしているのだろう。
・『実習生が働き先を選べない「不条理」  ベトナムの送り出し機関とベトナム人労働者との間で交わされた契約書のうち、筆者が閲覧したものでは、ベトナム人労働者が妊娠したり、エイズに感染したり、不法就労者に話しかけたりした場合、国外退去になるとされていた。 ベトナムの送り出し機関と、ベトナム人労働者間で交わされた契約書(移住連提供) ランさんのような実習生は、「実習」先の会社を選ぶことができず、自分の意思で退職することもできないため、会社と実習生との間で虐待が起きやすい関係ができる。 「日本での現行の実習制度は、奴隷制度や人身売買に近いものがある。会社は労働者を選べるが、労働者側は会社を選べない。このような不平等な関係は、善人を悪人にしてしまう。外国人労働者に対する権力から、経営者は必ず増長してしまう」と、鳥井氏は語る。) 同氏のようなわずかな人々を除いて、虐待を受けた外国人労働者は誰にも頼ることができない。弁護士や支援団体によれば、警察は実習生の窮状を真剣に調査しない。日本の司法制度がまれに対応することはあっても真剣ではないことがほとんどだ。 「あるクライアントの中国人労働者は、日本人従業員にガソリンをかけられ火をつけられた。その従業員は暴行の罪にしか問われず、刑務所には入らなかった。被害者が日本人だったら、もっと厳しい判決が下されていただろう」と外国人労働者問題に詳しい弁護士の高井信也氏は言う』、「実習生は、「実習」先の会社を選ぶことができず、自分の意思で退職することもできないため、会社と実習生との間で虐待が起きやすい関係ができる。 「日本での現行の実習制度は、奴隷制度や人身売買に近いものがある。会社は労働者を選べるが、労働者側は会社を選べない。このような不平等な関係は、善人を悪人にしてしまう。外国人労働者に対する権力から、経営者は必ず増長してしまう」、これは制度上の致命的な欠陥であり、それを放置している政府の責任は重大だ。
・『「外国人労働者は、母国に頼ることもできない。「フィリピンとインドネシアを除いて、大使館は動かない」と鳥井氏は言う。ベトナムでは、海外で契約した職場への出勤を怠ったり、逃亡したりした労働者を処罰する国内法があるほどだ。ランさんの場合もそうだが、被害者は日本や母国での報復を恐れて、メディアに顔を出すことができないのが一般的だ。 日本が人道的観点から実習制度を廃止しないのであれば、せめてシニカルな、または、実利主義的な観点から廃止すべきだろう。先般、国際協力機構(JICA)などが発表した研究によると、日本が経済の成長目標を達成するためには、外国人労働者の数を2040年までに170万人から640万人へと4倍にする必要があるという。 そのためには、外国人労働者の人権問題に目をつぶることはできない。外国人労働者から見た世界各国の魅力を比較した参考サイト「MIPEX」によれば、「日本の取り組みは、同じように移民人口の少ない貧しい中欧諸国よりもわずかに進んでいるが、韓国をはじめとするほかの先進国には大きく遅れをとっている。隣国の韓国に比べて、日本では、労働市場、教育、政治参加、差別撤廃などに関して外国人に対する統合政策が弱い」。 日本の実習制度が、世界中の外国人労働者から日本が嫌われることを目的としているのであれば、それは非常に効果的だと言えるだろう。そうでなければ、日本はランさんの加害者を罰し、そして、この人種差別的で残酷で偽善的な制度を一刻も早く廃止するべきではないだろうか』、「国際協力機構(JICA)などが発表した研究によると、日本が経済の成長目標を達成するためには、外国人労働者の数を2040年までに170万人から640万人へと4倍にする必要」、これはためにする試算に過ぎないようだ。「外国人労働者から見た世界各国の魅力を比較した参考サイト「MIPEX」によれば、「日本の取り組みは、同じように移民人口の少ない貧しい中欧諸国よりもわずかに進んでいるが、韓国をはじめとするほかの先進国には大きく遅れをとっている。隣国の韓国に比べて、日本では、労働市場、教育、政治参加、差別撤廃などに関して外国人に対する統合政策が弱い」、このままでは「実習先としての日本は魅力をますます失っていくだろう。

次に、本年2月6日付け文春オンライン「「カネが50万貯まれば逃げる」プライバシー“全部筒抜け”漁村を離れた技能実習生が罪を犯すまで」を紹介しよう。
https://bunshun.jp/articles/-/60344
・日本には制度上、移民はいない。しかし、悪名高い、技能実習生制度のもと、ベトナム人だけでも実習生は20万人近く。その一部は低賃金や劣悪な環境に嫌気がさして逃亡、不法滞在者の「移民」として日本のアンダーグラウンドを形成している。かつて中国人が主役だったアンダーグラウンドを、今、占拠しているのは、無軌道なベトナム人の若者たちなのだ。 ここでは、大宅賞作家・安田峰俊氏が「移民」による事件現場を訪ね歩き、北関東に地下茎のごとく張り巡らされた「移民」たちのネットワークを描いた渾身のルポ『北関東「移民」アンダーグラウンド ベトナム人不法滞在者たちの春と犯罪』(文藝春秋)より一部を抜粋してお届けする。(全4回の2回目/1回目から続く) 無免許運転による死亡ひき逃げ事件を起こしたジエウ。2016年4月に岡山県の技能実習先を逃亡後、北関東の各県などを転々とした末、事故当時は茨城県つくばみらい市内に居住していた』、興味深そうだ。
・『ここ5年くらいでベトナム人が増えた  「ジエウなあ。あいつはうちで働いて5~6ヶ月で逃げたね。平成28年(2016年)4月8日の夕方におらんようになって、10日に警察署に失踪届を出した。資料が残ってるんよ」 初夏の陽光が波面によく映える日だった。2021年5月19日、中国地方の漁村で、瀬戸水産の経営者の川上雄司(社名・氏名ともに仮名)はそう話しはじめた。 北関東の茨城県古河市で無免許運転による死亡ひき逃げ事件を起こしたベトナム人女性のチャン・ティ・ホン・ジエウは、その4年8ヶ月前、技能実習生としてこの瀬戸水産で働いていたのだ。 漁村の規模は250世帯ほどだろうか。奥行き700メートルほどの小さな湾を囲んで広がる集落だ。地形は典型的なリアス海岸で、海沿いの家々を囲むように山が迫り、その中腹に由緒ありげな神社が数社ある。 集落の中心部に食堂や雑貨店は存在せず、村外れの自動車道のインター近くにコンビニが1軒あるだけだ。最寄りのローカル線駅までは約17キロ。村外に出る方法は1日の本数が10本にも満たない路線バスか、誰かの自家用車やタクシーに乗るしかない。 集落の主産業は、瀬戸内海の名産であるカキの養殖である。取材時点で45歳だった瀬戸水産の川上も、数年前に先代である父親から事業を引き継いだ。近所には似たような小規模経営の水産会社が何軒も並んでいる。空き地にはカキの成熟幼生を固着させるための、ホタテ貝を連ねた苗床が多数置かれ、白い貝殻が陽光に映えて眩しい。 「技能実習生は昔から働いてるけど、ベトナム人が増えたのはここ5年くらいかなあ。それまでは中国人。いまは、たぶん集落全体でベトナム人30~40人、中国人5~6人ぐらいの割合じゃろね」 社屋の2階にある小さな応接室に私を迎え入れた川上は、話好きで裏表のなさそうなタイプだった。部屋の片隅には、この家の子どもが数年前まで遊んでいたという足漕ぎ式のキッズカーや、室内用のジャングルジムがそのまま置かれている』、かなり辺鄙なところのようだ。
・『給与明細の文字を書き換えた写真をフェイスブックにアップ  隣の部屋はカキのむき身加工、通称「カキ打ち」をおこなう作業室である。取材時はすでにシーズンの末期だったが、それでも年季が入った作業台には身を取り除かれたカキ殻が山をなしている。バケツのなかにはアルバイトに来るという日本人名のほか、カタカナのベトナム人名の木の名札がいくつも入っていた。 室内のベニヤ板の裏には、子どもがマジックペンで描いたらしい、崩れたアンパンマンの顔の落書きがある。 「ベトナム人の実習生は真面目な子もいるけれど、全体的に見栄を張りがちじゃわ。自分の給与明細、本当は月9万円なのに、文字を29万円に書き換えた写真をフェイスブックにアップして『こんだけもらってます』と言ってみせたりね」 川上が続ける。  湾内に係留された漁船で、ノンラー(ベトナム式の編み笠)をかぶった男女が立ち働いているのが見えた。私が話を聞いている間、カメラマンの郡山総一郎は、通訳のチー君を引き連れて屋外で盛んにシャッターを切っているようだ。昭和以前からそれほど景色が変わっていなさそうな日本の漁村で、円錐形の異国の帽子をかぶった技能実習生の姿は被写体として魅力的だろう。 「ベトナム人実習生の仕事ぶりは、会社によっても違うが、ある程度は厳しくやらないといかん。やさしいお婆ちゃんが、自分の孫みたいにして『これを食べな』『服を着な』と大事に扱うようなところでは、付け上がって真面目じゃなくなる。あと、最初の2~3年は真面目でも(技能評価試験に合格して技能実習3号になる)4~5年目からいきなり適当になるやつもおるね」 「じゃあ、事故を起こしたジエウさんはどういう人でしたか?」「あれは……。際立ってひどかったわ。日本に仕事をしに来たとは思えんほど、特に不真面目な印象じゃった。万事がものすごくいい加減で、こいつ何しに日本に来とるんじゃ、と僕らも思ってたよ」』、「事故を起こしたジエウさんはどういう人でしたか?」「あれは……。際立ってひどかったわ。日本に仕事をしに来たとは思えんほど、特に不真面目な印象じゃった」、初めから酷い印象だったようだ。
・『アポなし突撃取材  私たちが瀬戸水産にたどりつくヒントをくれたのは、ジエウの妹のフエンだ。 彼女は被告人の妹にもかかわらず、国選弁護人から面会を断られた。目の前で見ていて気の毒だったので、私たちはひとまず彼女がセカンドオピニオンを聞けるようにと、つくばみらい市内の別の弁護士事務所を調べて、法律相談に付き添ったのである。さいわい、こちらは良心的な事務所で、仮釈放直後のボドイ(編注:技能実習先を逃亡するなどして不法滞在・不法就労状態にあるベトナム人の総称)であるフエンの経済状況をみて、相場の半額の費用で1時間の相談を受け付けてくれた(もっとも、ここでの見解も「ジエウの量刑はほぼ変わらない」というもので、フエンを失望させることになった)。 フエンは昭和の女子学生のような可憐な外見だが、ボドイ歴が長いためか非常に実利的な性格だ。日本人に対しては、相手の利用価値を考えて付き合ったり、交換条件がないと動かなかったりする傾向がある。私は彼女に弁護士を紹介したことで、姉のジエウの情報を教えてもらうことができた。  「おおやまけん せとうちし ◯◯◯◯ちょう せのすいさん」  これが、フエンが送ってきたフェイスブックメッセージである。  「せとうちし」はどう見ても瀬戸内市だろう。なので、「おおやまけん」は岡山県の誤記だと見当がつくが、「◯◯◯◯ちょう」はまったくわからない。ひとまずGoogle Maps で社名を検索すると、岡山県瀬戸内市牛窓の海岸に「瀬乃水産」(仮名)という会社が見つかった。牛窓は小豆島の対岸にある町で、「日本のエーゲ海」のキャッチフレーズとオリーブの生産で有名だが、カキ養殖も盛んである。 この手の取材はアポ無しが基本である。事前に電話で問い合わせて確認を取ると、仮に会社側が問題を抱えていた場合に、前もって対策されてしまう可能性があるからだ』、「この手の取材はアポ無しが基本である。事前に電話で問い合わせて確認を取ると、仮に会社側が問題を抱えていた場合に、前もって対策されてしまう可能性があるからだ」、取材の難しさは想像以上だ。
・『集落に向かい、漁協を訪ねてみる  そこで5月18日、私は郡山とチー君といっしょに岡山県に向かった。長距離運転を苦にしない郡山にドライバーになってもらい、都内から自家用車で9時間。満タンのガソリンタンクが空になったところで岡山市に到着し、3人で1泊7500円のAirbnb に泊まってから、翌日午前に牛窓に向かった。だが、私たちが目指した瀬乃水産は、どうやらジエウの働き先ではなさそうだった。 再びフエンのフェイスブックメッセージとGoogle Maps を交互に確認して「◯◯◯◯ちょう」らしき近隣の地名を探すと、同じ市内の別の海沿いに似た名前の集落があった。さらに調べると、「瀬戸水産」という会社もあるようだ。さては、こちらのほうではないか。 「なんじゃ、あんたは」 集落に向かい、漁協を訪ねてみると、いかにも海の男という感じのがっしりした中年男性が、強い備前言葉でそう答えた。 「去年、北関東で死亡ひき逃げ事件を起こしたベトナム人女性の過去を調べているんです。彼女が以前に、このへんで働いていたらしくて」 「そうか。確かに瀬戸水産という会社はここにあるけども……」 漁協の男性は口数がすくないが、表情を見ると当方を拒絶している感じはない。私が自分の名刺を出し、ジエウについて記事を書いていることを伝えると、彼は「1時間ほど時間をくれんか」と答えた。集落のなかに同名の会社が複数あるので、確認するという。 「ネットの記事読んだよ。面白いことをやりょおるが」 1時間後に漁協を再訪すると、さきほどの男性が笑顔でそんなことを言いながら瀬戸水産まで案内してくれた。どうやら「確認」の1時間には、瀬戸水産の川上の意向を尋ねるほかに、私が『文春オンライン』に書いた過去の記事のチェックも含まれていたらしい。 このようにして顔を合わせた川上が、気軽に口を開いてくれたのはすでに書いた通りだ』、「漁協の男性」のチェックに合格したとは幸運だ。
・『身の上話はウソばかり  「ジエウさんは茨城県内で知り合った恋人に、岡山の会社では中国人の実習生からいじめられ、それを苦にして逃げたと話していたようです」 「そりゃあたぶん違うな。だって、ジエウがうちで働いとった年は、ベトナムの子しかおらんかったから。これは書類もあるから、間違いないよ。1年先輩のベトナム人に性格のきつい子がおったが、ジエウにつらく当たったりはしてなかったし……」 そう言う川上から、当時の技能実習生の受け入れ書類と、ジエウのパスポートやビザのコピーを見せてもらった。確かに2015年当時の瀬戸水産では、ベトナム人しか働いていなかったようだ。  ジエウがボーイフレンドのカンに適当なことを話したと考えるしかないが、こんな小さなことまでウソをついていたのはなぜだろうか。ベトナムは中国と領土問題を抱えており、元海軍の国境警備兵だったカンは中国への警戒感情が強い。もしかしたら彼女はそれを利用したのかもしれない』、「身の上話はウソばかり」、こんな嘘をつく理由は何なのだろう。
・『同期の他の子たちとはタイプが違ったジエウ  「ジエウが来た年は、ベトナム側の送り出し機関に問題があって、他の年より実習生の質がだいぶ悪かった。まだ覚えてるよ。ベトナム人の女社長の会社で、うちの先代(川上の父)がゴリ押しされて受け入れたんじゃ。でも、うちにジエウともうひとり、隣の会社にも2人が来よったけど、みんな女の子で合計4人、全員が逃げた」 ジエウは出国前に送り出し機関に、相場の倍近い150万円近くを払い込んでいたとされる。彼女には技能実習制度の被害者という側面もあるのだ。とはいえ、ジエウはあまりにも無気力で勤務態度が悪かった。 「同期の他の子たちと比べても、1人だけタイプが違ったね。ベトナム側の送り出し機関の研修を受けた期間が長かったいうて、実習生にしては日本語が上手かった。漢字もいくつかわかるようで、日本の地名もよく知っとった。でも、あらゆることにいい加減で、わしらの言うことをなんも聞かんのよ。他人に無関心で、他のベトナム人とも打ち解けてなかった」 話を聞きつつ、机の上に置かれたジエウのパスポートのコピーに目を落とした。  発行は2015年12月15日。写真に写っている約5年半前のジエウは黒髪で、顔もふっくらしており、牛久署の接見室で見せた痩せて黒ずんだ顔と同一人物とは思えない。ただ、名前と生年月日は間違いなく本人だ。当時の瀬戸水産ではベトナム名の読みがわからなかったらしく、余白の部分にボールペンで「テラン・ティ・ホン・ジョー」と書き込みがある』、「ジエウは出国前に送り出し機関に、相場の倍近い150万円近くを払い込んでいたとされる。彼女には技能実習制度の被害者という側面もあるのだ。とはいえ、ジエウはあまりにも無気力で勤務態度が悪かった」、なるほど。
・『村のなかでは「貯金が50万貯まると逃げる」と噂が  「こういうのもある。あいつ『妹が埼玉にいます』言うて、妹の通帳にカネを振り込んだことがあった」 当時のジエウが送った45万円の電信振替請求書のコピーだ。  この取材の前にフエン本人から聞いた話では、ジエウが瀬戸水産の実習生寮にWi-Fi の接続環境がないと伝えたので、フエンがポケットWi-Fi を郵送し、ジエウはそれを使って在日ベトナム人の脱走ブローカーと連絡を取って逃げたという。この45万円の電信振替は、逃亡前に妹に預けた逃亡資金か、それとも妹を経由して脱走ブローカーに払い込んだ手数料だったのかもしれない。) ジエウに限らず、この集落ではほぼ毎年、一定数の技能実習生が逃亡している。近年はコロナ禍の影響と、各業者が、逃亡率が低いとされる男性実習生を多く雇うようになったことで数が減ったが、ジエウが逃げた2016年ごろは集落全体で1年間に約10人が逃げていた。 村のなかでは「貯金が50万貯まると逃げる」と噂が流れていた。かつて多かった中国人たちは、逃げる前でも様子を変えなかったが、ベトナム人は逃亡を決めると明らかにテンションが上がるのでわかりやすいという。 「あいつもなあ。逃げる3日くらい前から、いきなり明るくなって、ニコニコしながら手際よう仕事するようになったんよ。『さすがにこれまでの自分を反省したんか』と家族と話し合うとったら、本人がおらんなった」』、「ジエウが逃げた2016年ごろは集落全体で1年間に約10人が逃げていた」、「村のなかでは「貯金が50万貯まると逃げる」と噂が」、なるほど。
・『「男とデートに行く」と偽の予定を告げ、村から脱出  村から技能実習生が逃げるときは、バス停の近くに個人の荷物をこっそり隠しておくか、あらかじめ決めておいた逃亡先に荷物を発送する。とはいえ集落付近の郵便局やコンビニからは情報が筒抜けであるため、発送については別の会社で働く技能実習生の同胞にかわりにやってもらい、本人は職場に出勤してアリバイを作ることが多い。 集落外に出るバスは日没前にほぼなくなるうえ、顔見知りに姿を見られるリスクもある。なので、フェイスブックの不法滞在者コミュニティなどで知り合ったブローカーに車を出してもらって、夜中にそっと消える実習生が多いという。ジエウの場合は、他の実習生たちに「男とデートに行く」と偽の予定を告げ、夕方から夜にかけてブローカー経由で村から脱出したようだ。 「あいつは逃げる前に、他の会社のベトナム人の技能実習生たちからあれこれ理由をつけてカネを借りとって、5万円ぐらい持ち逃げしたと聞いとる。ただ、当時いちばん仲が良かった実習生の1人は『仲が良くても信用できない相手だから』いうて、500円しか貸さんかったらしい」 友人からもそう見られている人物だったのだ。  「人を殺してもへっちゃらで逃げそうなタイプだった」 お茶を出してくれた川上の妻も言う。  「確かに変わった感じの子でしたよ。うちに来たときは25歳だったんだけど、年齢相応のキャピキャピした女の子らしいところが、全然なかったんですよね。スレた感じっていうのかな。そういう子だったと思います」 技能実習生としては日本語能力が比較的高く、いちおう日本語で文章も書ける。ただ、性格は愛嬌がなく気怠(けだる)げで無責任、なんとなくスレた雰囲気を感じさせる──。外見こそ違うものの、川上夫妻が覚えている約5年前のジエウの人となりは、私が牛久警察署で会ったときの印象とほとんど違わない。彼女はもともとそういう人物で、場当たり的な行動を重ねた末に事故を起こして、人を死なせてしまったのだ。 来日の当初は真面目で純粋だった若い女性が、技能実習制度の矛盾や日本社会の労働問題に耐えかねて逃亡した末に道を踏み外した──。という記事にしやすいストーリーを、取材する立場として期待していなかったと言えば嘘になる。しかし、現実はもっと残酷で救いようがないものだったのだ。 川上が言葉を継ぐ。  「あいつは最近、茨城県で人をはねたというじゃろ。たしかに、人を殺してもへっちゃらで逃げそうなタイプじゃった思うよ」』、「技能実習生としては日本語能力が比較的高く、いちおう日本語で文章も書ける。ただ、性格は愛嬌がなく気怠(けだる)げで無責任、なんとなくスレた雰囲気を感じさせる」、「人を殺してもへっちゃらで逃げそうなタイプじゃった思うよ」、もともと「技能実習生」には向いていなかったようだ。それにしても、ドロップ・アウトする「技能実習生」を救い上げるような指導の体制も必要なのかも知れない。

第三に、ジャーナリストの出井康博氏による「水際対策緩和で蠢くベトナム人利権の闇3題」のうち、4月5日付け日刊ゲンダイが掲載した「(1)ベトナム人を食い物に…「コロナ禍での鎖国反対」の大合唱に透ける“本音”」を紹介しよう。
・『新型コロナウイルスの水際対策が先月1日から緩和されて、外国人の技能実習生や留学生の来日が本格化している。そこで息を吹き返すのが、外国人の受け入れで利得を得る連中だ。国籍別の技能実習生で最多のベトナム人を食い物にする利権の構造に迫る──。 「隔離先のホテルは、ベトナム人の実習生や留学生であふれ返っていました。チェックイン前、コロナ関係の書類を書かされていた時も、周りから聞こえてくるのはベトナム語ばかり。まるで、ハノイかホーチミンにいるみたいでした」 そう話すのは、3月下旬に帰省先のベトナムから日本へ戻ってきたグエンさん(女性・30代)だ。 ベトナム人の夫と一緒に東京で会社を経営しているグエンさんは、ベトナムの旧正月「テト」を挟んで約2カ月を故郷で過ごしていた。そして日本に再入国後、新型コロナ「水際対策」で、東京都内のホテルに3日間隔離されることになった。 「ハノイの空港でも日本へ行くベトナム人が長い列をつくっていた。ああ、また出稼ぎラッシュが再開するんだな、って実感しました」) 政府は3月初めから水際対策を緩和し日本人を含めた1日当たりの入国者の上限を3500人から5000人へと引き上げた。在留資格を取得している外国人の新規入国も認められるようになった。3月14日以降は7000人となり、4月10日からは1万人へとさらに増やされる。 在留資格を得ながら入国できず待機中の外国人は、今年初め時点で41万人に上っていた。資格別で最も多いのが留学生の15万人、続いて実習生の13万人で、合わせると全体の7割を占める。今後、彼らが続々と入国してくるのだ。 国籍別の数は明らかになっていないが、参考になるデータがある。新型コロナの感染が収束しかけた2020年11月から翌21年1月にかけ、今回と同様の入国制限緩和措置が取られた際のものだ。 同措置では13万人の外国人が入国したが、やはり留学生と実習生で7割に上った。そして国別で断トツだったのが、ベトナム人の5万人である。このデータを当てはめると、入国待機中の外国人41万のうち、15万~16万人はベトナム人と推定される。) 外国人の新規入国が止まっていた頃、産業界や学校業界、また新聞・テレビでも、「鎖国をやめろ!」との大合唱が起きていた。 「諸外国は外国人を入れ始めている。日本だけが鎖国を続けていれば、グローバル化から取り残されてしまう」 そんな主張がメディアにはあふれていた。 筆者も「鎖国」を続けるべきだとは思わない。ただし、“本音”を隠しての「鎖国反対論」には強い違和感を覚える』、「在留資格を得ながら入国できず待機中の外国人は、今年初め時点で41万人に上っていた。資格別で最も多いのが留学生の15万人、続いて実習生の13万人で、合わせると全体の7割を占める。今後、彼らが続々と入国してくるのだ」、ずいぶん貯まってしまったものだ。
・『出稼ぎ労働者の受け入れ再開を望む産業界  実習生は日本人の嫌がる仕事を低賃金で担う出稼ぎ労働者だ。留学生にも出稼ぎ目的の外国人が多数含まれる。つまり今回の水際対策緩和も前回と同様、目的は出稼ぎ労働者の受け入れなのだ。 その最大のターゲットが「ベトナム人」だ。彼らの受け入れ再開には、さまざまな業界の利権が絡み合う。国民に“本音”を明かしてはマズい事情が存在するのである。(つづく)』、「“本音”を隠しての「鎖国反対論」には強い違和感を覚える」、同感である。

第四に、この続きを、6月10日付け日刊ゲンダイ「(44)「技能実習制度」の廃止を訴えながら「留学制度」を批判しない大手紙のなぜ」を紹介しよう。
・『3月に水際対策が緩和されて以降、入国待機中だった留学生や実習生の来日ラッシュが起きた。ただし、実習生については受け入れ制度に批判が強い。メディアの急先鋒が「朝日新聞」である。同紙は5月30日にも<技能実習制度 政治の責任で見直せ>と題した社説を掲載したばかりだ。 同社説は、<多くの外国人が劣悪な条件で働かされているとの指摘は絶えず、(中略)なかでも厳しい状況下にあるのが、勤務先を変更する自由がない技能実習生だ>と述べる。そして岡山市の建設会社で働いていたベトナム人実習生が、日本人の同僚に暴行を受けた問題が紹介されている。 岡山のケースは、実習生が助けを求めた労働組合を通じて今年1月に発覚し、全国紙やテレビでもニュースとなった。その後、会社は実習生に示談金を払って和解したが、実習生を仲介した「監理団体」は5月31日、法務省などから今後5年間の業務停止処分が科されることになった』、「実習生について」の「朝日新聞」の指摘はもっともだ。
・『偽装留学生たちの暮らしはさらに悲惨  実習制度に問題があることは私も否定しない。だが、実習生よりも<厳しい状況下>にある外国人が他にいる。当欄でも取り上げている「留学生」だ。とりわけ、ベトナムなどから出稼ぎ目的で来日する偽装留学生たちの暮らしは悲惨である。 偽装留学生は実習生を上回る150万円前後もの借金を背負い入国する。その返済と日本語学校の学費を貯めるため、実習生もやらない夜勤の肉体労働に明け暮れる。留学生に認められる「週28時間以内」では学費を工面できないから、アルバイトを掛け持ちして違法就労するしかない。 一方、日本語学校では、留学生に対する人権侵害行為が頻発している。しかし被害に遭っても、実習生のように外部へ助けを求めようとしない。違法就労が発覚し、母国へ強制送還されることを恐れるからだ。結果、学校のやりたい放題がまかり通る。そんな実態も全く世に知られず、学校が罰を受けることもない。 朝日は実習生には<勤務先を変更する自由がない>と哀れんでいるが、日本語学校の留学生に転校の自由がないことはどう考えるのか。同社説にはこんな一節もある。 <技能を身につけて母国に帰ってもらうことを目的に掲げながら、現実は安い労働力を確保する手段になっている技能実習制度は速やかに廃止すべきだ> 前段を<日本語や日本の文化を身につけることを目的に>と変え、<技能実習制度>を<留学制度>とすれば、まさに留学生問題に当てはまる。にもかかわらず、朝日をはじめとする大手メディアは、実習制度の廃止は唱えても「留学生」には知らん顔だ。 それどころか、水際対策緩和に至る過程では、産業界や学校業界とタッグを組み、政府に早期受け入れの再開を訴え続けた。それは、なぜか。理由は簡単だ。大手メディア自体が留学生利権に巣くっている。つまり、「不都合な真実」が存在するわけだ。  =つづく』、「朝日をはじめとする大手メディアは、実習制度の廃止は唱えても「留学生」には知らん顔だ。 それどころか、水際対策緩和に至る過程では、産業界や学校業界とタッグを組み、政府に早期受け入れの再開を訴え続けた。それは、なぜか。理由は簡単だ。大手メディア自体が留学生利権に巣くっている。つまり、「不都合な真実」が存在するわけだ」、同感である。
タグ:「暴行の結果、肋骨を骨折し、歯が折れたこともある」、全く酷い扱いだ。監督すべき「監理会社」は何をしていたのだろう。 この手続きについて、「岡山県警」はどう申し開きをするのだろう。 レジス・アルノー氏による「外国人傷つける日本の「技能実習制度」決定的欠陥 ベトナム人実習生の暴行事件はなぜ起きたのか」 東洋経済オンライン 外国人労働者問題 (その19)(外国人傷つける日本の「技能実習制度」決定的欠陥 ベトナム人実習生の暴行事件はなぜ起きたのか、「カネが50万貯まれば逃げる」プライバシー“全部筒抜け”漁村を離れた技能実習生が罪を犯すまで、水際対策緩和で蠢くベトナム人利権の闇3題:(1)ベトナム人を食い物に…「コロナ禍での鎖国反対」の大合唱に透ける“本音”、(44)「技能実習制度」の廃止を訴えながら「留学制度」を批判しない大手紙のなぜ) 「監理団体」の所轄は法務省の筈なのに、「人権を尊重する監理団体はほとんどない」とは「法務省」は何をしているのだろう。 「実習生は、「実習」先の会社を選ぶことができず、自分の意思で退職することもできないため、会社と実習生との間で虐待が起きやすい関係ができる。 「日本での現行の実習制度は、奴隷制度や人身売買に近いものがある。会社は労働者を選べるが、労働者側は会社を選べない。このような不平等な関係は、善人を悪人にしてしまう。外国人労働者に対する権力から、経営者は必ず増長してしまう」、これは制度上の致命的な欠陥だ。 これは制度上の致命的な欠陥であり、それを放置している政府の責任は重大だ。 「国際協力機構(JICA)などが発表した研究によると、日本が経済の成長目標を達成するためには、外国人労働者の数を2040年までに170万人から640万人へと4倍にする必要」、これはためにする試算に過ぎないようだ。「外国人労働者から見た世界各国の魅力を比較した参考サイト「MIPEX」によれば、「日本の取り組みは、同じように移民人口の少ない貧しい中欧諸国よりもわずかに進んでいるが、韓国をはじめとするほかの先進国には大きく遅れをとっている。隣国の韓国に比べて、日本では、労働市場、教育、政治参加、差別撤廃などに関 文春オンライン「「カネが50万貯まれば逃げる」プライバシー“全部筒抜け”漁村を離れた技能実習生が罪を犯すまで」 かなり辺鄙なところのようだ。 「事故を起こしたジエウさんはどういう人でしたか?」「あれは……。際立ってひどかったわ。日本に仕事をしに来たとは思えんほど、特に不真面目な印象じゃった」、初めから酷い印象だったようだ。 「この手の取材はアポ無しが基本である。事前に電話で問い合わせて確認を取ると、仮に会社側が問題を抱えていた場合に、前もって対策されてしまう可能性があるからだ」、取材の難しさは想像以上だ。 「漁協の男性」のチェックに合格したとは幸運だ。 「身の上話はウソばかり」、こんな嘘をつく理由は何なのだろう。 「ジエウは出国前に送り出し機関に、相場の倍近い150万円近くを払い込んでいたとされる。彼女には技能実習制度の被害者という側面もあるのだ。とはいえ、ジエウはあまりにも無気力で勤務態度が悪かった」、なるほど。 「ジエウが逃げた2016年ごろは集落全体で1年間に約10人が逃げていた」、「村のなかでは「貯金が50万貯まると逃げる」と噂が」、なるほど。 「技能実習生としては日本語能力が比較的高く、いちおう日本語で文章も書ける。ただ、性格は愛嬌がなく気怠(けだる)げで無責任、なんとなくスレた雰囲気を感じさせる」、「人を殺してもへっちゃらで逃げそうなタイプじゃった思うよ」、もともと「技能実習生」には向いていなかったようだ。それにしても、ドロップ・アウトする「技能実習生」を救い上げるような指導の体制も必要なのかも知れない。 出井康博氏による「水際対策緩和で蠢くベトナム人利権の闇3題」 4月5日付け日刊ゲンダイが掲載した「(1)ベトナム人を食い物に…「コロナ禍での鎖国反対」の大合唱に透ける“本音”」 「在留資格を得ながら入国できず待機中の外国人は、今年初め時点で41万人に上っていた。資格別で最も多いのが留学生の15万人、続いて実習生の13万人で、合わせると全体の7割を占める。今後、彼らが続々と入国してくるのだ」、ずいぶん貯まってしまったものだ。 「“本音”を隠しての「鎖国反対論」には強い違和感を覚える」、同感である。 日刊ゲンダイ「(44)「技能実習制度」の廃止を訴えながら「留学制度」を批判しない大手紙のなぜ」 「実習生について」の「朝日新聞」の指摘はもっともだ。 「朝日をはじめとする大手メディアは、実習制度の廃止は唱えても「留学生」には知らん顔だ。 それどころか、水際対策緩和に至る過程では、産業界や学校業界とタッグを組み、政府に早期受け入れの再開を訴え続けた。それは、なぜか。理由は簡単だ。大手メディア自体が留学生利権に巣くっている。つまり、「不都合な真実」が存在するわけだ」、同感である。
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