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格差問題(その10)(女子大生の夢は世帯年収3000万 生きづらさ増す国と若者たちの苦悩。低学歴・低収入ほどたばこで病気に?喫煙が「格差問題」と化した理由) [社会]

格差問題については、本年3月22日に取上げた。今日は、(その10)(女子大生の夢は世帯年収3000万 生きづらさ増す国と若者たちの苦悩。低学歴・低収入ほどたばこで病気に?喫煙が「格差問題」と化した理由)である。

先ずは、3月1日付け日経ビジネスオンラインが掲載した健康社会学者(Ph.D.)の河合 薫氏による「女子大生の夢は世帯年収3000万 生きづらさ増す国と若者たちの苦悩」を紹介しよう。
https://business.nikkei.com/atcl/seminar/19/00118/00237/
・『「夢は35歳で、世帯年収3000万円になることなんです! だから、大企業にしか就活してません」 目をキラキラさせて“夢”を語るのは、現在、就活中の女子大学生だ。 世帯年収3000万円って? 共働きで稼いでも1人当たり1500万円の年収が必要になる。30代そこそこでそんな給料をくれるなんて、大企業の中でも限られていると思うのだが……』、「河合 薫氏」の記事の殆どは有料なので、紹介出来なかったが、これは数少ない無料記事だ。
・『リソース格差が世代を超えてつながっていく(学生「結構ありますよ~。IT(情報技術)系とか外資系とか」←断言! 河合「でも、倍率高いでしょ?」 学生「どうですかね~。でもやっぱり、人並みの生活したいですし~」←楽観 河合「ひ、人並みねぇ……。もし、大企業入れなかったら? 給料高い中小企業とか?」 学生「中小企業……(笑)。入れなかったら好きなことやります!」←自信たっぷり 河合「す、好きなこと。つまり、フリーランスとか、起業とか?」 学生「ですかね~。はい、好きなことやって、楽しく生活しま~す」←将来不安ゼロ ……すごい、というか、極端というべきか。 私も若い時には、かなりの夢見る夢子ちゃんではあったが、昭和おばさんは、久しぶりに面食らいました。 そこで、就活生と日常的に接している「ザ・昭和」の同世代に、このびっくり会話を話したところ、「結構いる、というか決して珍しくないよ」と。「若い世代の間の格差は想像以上に深刻で、気の毒なほど格差の固定化が進んでる」と教えてくれた。 私はこれまで繰り返し、格差問題や二極化に関して発信してきたし、中間層没落のリアルも取り上げてきた。だが、私の想像をはるかに超える局面に、日本社会は到達している“らしい”。 「中間層の没落」ではなく「中間層の消滅」。ハイソな生活をする若者と、野草で食をつなぐ学生である。 むろんここでの格差は、経済格差だけではない。 これもコラムでも繰り返し書いてきたけど、出自家庭格差、機会格差、学歴格差、希望格差などの様々な格差を意味し、「持てる者」は生きる上で必要なリソースを豊富に持つ一方、「持てない者」はリソースを獲得する機会すらない。両者の間には、チョモランマよりも高い壁が立ちはだかる。 ゆえにどんな家庭に生まれるか? で、子供が獲得できるリソースが決まり、リソース格差が経済格差へと世代を超えてつながっていくのである。 というわけで、今回は「格差の現在地」という、ちょっとばかり大きなテーマであれこれ考えてみようと思う。 まずは、冒頭の女子大生の「大企業がダメなら、好きなことをやる」という選択の心理から読み解いていきます』、「まずは、冒頭の女子大生の「大企業がダメなら、好きなことをやる」という選択の心理から読み解いていきます」、なるほど。
・『どうせ働くなら、好きなことやらなきゃね~  一体なぜ、彼女は「世帯年収3000万円が夢→3000万円稼げる大企業を目指す→内定もらえない」となったときに、少しランクを下げて、例えば「世帯年収1500万円なら実現しそうな会社」を目指そうと思わないのだろうか? 一体なぜ、「世帯年収3000万円のハイソな生活無理」となったときに、「好きな仕事に就く」と進路変更できるのだろうか? ……たぶん、何がなんでも「勝ち組」でいたいのだと思う。 彼女の「人並み」という言葉は「勝ち組の中の勝ち組」を意味し、その背後にあるのは「絶対に仲間や友人から見下されたくない」だ。 同じ大学で、同じような学生生活を送ってきた仲間の「下」になるのは、彼女にとっては「負け」。「世帯年収3000万円!」が「世帯年収1500万円」だと負け組になる。 しかし、「好きなことをやってる自分」になれば、「私はお金じゃないのよ。どうせ働くなら、好きなことやらなきゃね~」と豪語できる。これも彼女には「勝ち組」なのだ。 「勝つ見込みがなくなったら、同じ土俵に乗らない」が鉄則なのだろう。 ちなみに、30代の平均年収は435万円。男性474万円、女性377万円で、「300万~400万円未満」が最も多く、28.7%を占める。30代で「年収800万円以上」はわずか3.8%だ(資料:https://doda.jp/guide/heikin/age/#anc_age_02)。 30代男性・女性の平均年収(年収分布) 出所:doda「20歳~65歳の平均年収は? 平均年収ランキング」(年齢・年代別の年収情報)【最新版】(※2022年12月19日更新)) このように考えていくと、「30代前半で年収700万円ももらっている超エリート集団」の働く意欲が壊滅的に低くなっているのも、腑(ふ)に落ちる。自分が思い描いていた「成功のルート」から外れると、モチベーションが急落する(「目指せ窓際族! “働きたくない30代年収700万円エリート”増殖中」、https://business.nikkei.com/atcl/seminar/19/00118/00184/)。 頑張るエンジンを稼働するには、「仲間から羨望のまなざしを注がれる自分」じゃなきゃダメってこと。 「すごいよね~、世帯年収3000万円だって! 〇〇に住んでるんでしょ? いいなぁ~」 「いいよね~、好きなことを仕事にするって。かっこいいなぁ~」 といった具合に』、何やら恰好だけつけている感じだ。
・『「試験で失敗でもしたら」と、「推薦入学」  社会全体で見れば数%であっても、自分の周りにその数%に該当する人がいれば、「数%に入ってないと勝ち組」にはならない。 「勝ち組のギリギリのところでいいから勝ち組でいたい」が、昭和世代の思考とするなら、「超勝ち組じゃなきゃ意味がない」が、令和世代の思考だ。 「通知表をなくそう」「運動会で勝ち負けを争うのをやめよう」という教育を受けてきた世代が、「top of the top」という限られたパイを奪おうと競って、走り続けている。「競争させない教育の目的」は……果たしてなんだったのだろう。 これまでも日本の教育は「競争させないために取った施策が、逆に競争を加速させた」というあべこべを演じてきた。 「受験戦争」という言葉が使われ始めたのは1960年代だが、それを鎮火する目的で取り入れたのが偏差値だった。 ところが、偏差値に基づき大学を序列化したことで、「ちょっと頑張ればもう少し上に届くかも」と競争に参戦する人が増え、競争は激化。偏差値が競争を一層過熱させてしまったのだ。 「運良く競争に勝つ人」が出ると、もっと上にいきたい、もっといけるという感情がかき立てられる。これは「欲望の学校化」と呼ばれる現象で、競争社会を激化させる、人の心理状態を表すものだ。 昭和の時代は中学校が「欲望の学校化」の装置だった。その装置が「中高一貫校」により、小学校になり、幼稚園へと低年齢化している。 一方、少子化で定員割れを恐れる大学は、早い段階から学生を囲い込むようになった。近年急増している推薦入学制度も早期囲い込みが最大の目的だ。 「子供に苦労をさせたくない親たち」は、「幼稚園受験からだったらなんとかなるかもしれない」と“お受験”に躍起となり、「試験で失敗でもしたら」と、「推薦入学」を好む。) 「人生それぞれだよね~」だの、「色々な生き方をすればいいよね~」と言ってる大人たちが、大人側の勝手な都合で、「成功の(ように見える)ルート」を画一化させたのだ。 「子供に競争させたくない」と言ってる大人たちが、子供が競争せざるをえない状況に追い込んでいる。それが若者の格差を深刻にする、最大の原因といえよう』、「「人生それぞれだよね~」だの、「色々な生き方をすればいいよね~」と言ってる大人たちが、大人側の勝手な都合で、「成功の(ように見える)ルート」を画一化させたのだ。 「子供に競争させたくない」と言ってる大人たちが、子供が競争せざるをえない状況に追い込んでいる。それが若者の格差を深刻にする、最大の原因といえよう」、「大人側の勝手な都合で、「成功の(ように見える)ルート」を画一化させたのだ」、罪つくりなことだ。
・『心よりカネ、とにかくカネ  競争に勝った人は、価値ある人。 競争に負けた人は、価値なき人。 競争に参加しなかった人も、価値なき人。 競争社会ではただ単にお金を稼ぐ能力の違いだけで、人間の価値まで選別される。競争に勝てなかったというだけで、人間的にもダメなように扱われてしまうのだ。 そこにあるのは「カネ」。年収である。いい大学に入って、お金を他人よりたくさん稼げる能力がなきゃダメ。いくら稼ぐかじゃなくて、どれだけ人よりも多く稼ぐかが幸せへの道という、価値観を大人がつくってしまった。 おまけに人間には、自己の利益を最大限守りたいという欲求もあるため、ひとたび負け組の集団に属することになった人が、二度と自分たちの集団にはい上がってこられないような行動を無意識に取ることがある。自分が生き残るためには、他者を蹴落とすこともいとわない人間の心の奥に潜む、闇の感情が理性を凌駕(りょうが)するのだ。 「私」たち大人は、カネさえあれば常に人生が豊かになる、というほど人の心は簡単じゃないことを知っているはずなのに。心よりカネ、とにかくカネ、とカネの万能感を追い求めている。その末路が、若者の生きづらさ、だ。 内閣府が行った「我が国と諸外国の若者の意識に関する調査」(2018年度)には、大人都合の競争社会で傷つく若者の心情が垣間見られる結果がある(資料、https:///www8.cao.go.jp/youth/kenkyu/ishiki/h30/pdf/s2-1.pdf)。 「自分自身に対して満足しているか?」という問いに、日本では「そう思う」と回答する若者が圧倒的に少なく、たったの10.4%。7カ国中、ビリだ。日本の次に低かったスウェーデンでも30.8%。ちなみにトップは米国で57.9%だった。 また、「今が楽しければよいと思う」との項目で、「そう思う」と「どちらかといえばそう思う」が合計60.4%と6割を超え、5年前の調査からは微増だった。 「今が楽しければよいと思う」 出所:内閣府「我が国と諸外国の若者の意識に関する調査」(2018年度) 「自分は役に立たないと強く感じる」は、半数以上の51.8%が「そう思う」「どちらかといえばそう思う」とし、こちらも前調査より増えた。 「自分は役に立たないと強く感じる」 出所:内閣府「我が国と諸外国の若者の意識に関する調査」(2018年度) 「子供の世界は大人社会の縮図」と言い続けてきたけど、「今」を生きる若者は、「今」の大人たちが若い頃には経験しなかった生きづらい社会を生きることを余儀なくされている。 繰り返しになるが、それをつくったのは「大人」だ』、「「今」を生きる若者は、「今」の大人たちが若い頃には経験しなかった生きづらい社会を生きることを余儀なくされている。 繰り返しになるが、それをつくったのは「大人」だ」、その通りだ。
・『「私」たちは、カネの万能感を信じ続けるのか?  私は大人が多様な社会、多様な生き方を表向きは礼賛しながらも、それを拒否したことが、子供たちの未来をなくしたと考えている。 むろん、これだけ賃金が上がらない、四六時中働いても「普通の生活すらできない」社会で生きる大人が、カネに絶対的価値を置くのも、ある意味においては理解できる。 しかし、本来、何に価値を置くかは人によって異なるものだ。 大人が人間の価値について、それぞれ自分なりの考えを持ち、他者には他者の価値観があることを受け入れて、他者を評価すれば、「格差社会」などというものは存在しなくなるのではないか。 例えば、うつ病になる人も、自殺をする人もいない、パプアニューギニアのカルリ族では、互いの価値観を認め合う文化が根付いているそうだ。 例えば「ブタ」がその人にとって、価値あるものだとしよう。すると、そのブタを失ったとき、その喪失感を部族全体で埋めるための儀式が行われる。 「あなたは大切なものを失ったのですね。そのことを私たちは分かっていますよ。物足りないかもしれないけれど、何とかあなたに開いた心の穴を埋める手伝いをさせてください」と、その人の価値観を受け入れるそうだ。 「Death of Despair=絶望死」という衝撃的な言葉で、中年の米国白人男性の自殺率と罹患(りかん)率の増加を説明した、ノーベル経済学賞受賞者のアンガス・ディートン博士と夫人のアン・ケース氏が行った調査で明かされたのは、賃金の低さ、すなわち貧困だけが「絶望死」の原因ではないという事実だった。 大学を出ている人と出てない人の間には、賃金のみならず、仕事、家庭、コミュニティーなど「生活世界」を分断する壁がいくつもあった。かつて非大卒の中年白人男性たちの「生活世界」に当たり前にあったものがなくなり、仕事の誇りや人生の意義を失い、生きる光が奪われていった。 そんな痛みのある人生から逃れるために、薬物やアルコールに溺れ、死に急ぐ人が量産されていったのだ。 この先も「私」たちは、カネの万能感を信じ続けるのか? 女子大生の「夢」は、そんな問いを突きつけている』、「この先も「私」たちは、カネの万能感を信じ続けるのか?」、「カネ」を尺度の基準にするのではなく、失われた自己肯定感を取り戻すようにすべきだ。

次に、3月9日付けダイヤモンド・オンラインが掲載したノンフィクションライターの窪田順生氏による「低学歴・低収入ほどたばこで病気に?喫煙が「格差問題」と化した理由」を紹介しよう。
https://diamond.jp/articles/-/319106
・『アメリカで盛り上がる「たばこ排除」、背景に貧困の連鎖(2月、「愛煙家」の皆さんの心をかき乱すような海外ニュースがまた飛び込んできた。 米疾病対策センター(CDC)の最新世論調査によれば、米国の成人の半数以上が全たばこ製品の販売禁止に賛成しているというのだ。 新型コロナウィルスの感染拡大でバタバタと人が亡くなっていた時も、「マスクをするもしないも個人の問題だろ」とオレ流を貫く人も多かった「自由と自己責任の国」で、なぜここまで明確なタバコ排除の声が盛り上がっているのか。 「体に悪い」という医学的根拠もさることながら、多くのアメリカ人が問題視しているのが、「貧しい人の健康を損わせて、さらに貧しくさせてしまう」という「格差拡大」の恐れがあるからだ。 実はアメリカのタバコ市場の約3分の1を占めている「メンソールたばこ」は、アフリカ系アメリカ人や低所得者層の喫煙率が非常に高い。これは「たまたまこの層にハマった」からではない。あえてターゲットにされているのだ。 「たばこ製品、特にメンソールたばこについては、若者や人種的・民族的少数者、低所得層、性的少数者に向けて偏った宣伝が行われていることが、研究で示されている」(CNN.co.jp 23年2月3日) また、この「メンソールたばこ」は多くの国で禁止されていることからもわかるように、一度吸ってしまうと、なかなかやめられないという高い中毒性がある。そこに加えて、未成年者が手を出しやすい。タバコは幼い頃から吸えば吸うほどヘビースモーカーになりやすいことがわかっているので、当然、健康を損なう人が増える。 ご存じのように、かの国は日本のように国民皆保険制度がないので、低所得者層が体を壊せば治療費でより貧しくなる。そして、そのような貧しい家庭の子どもが「かっこいい」とメンソールたばこに手を出して再び貧困へ…という感じで「貧困の連鎖」も指摘されている。つまり、アメリカでたばこ排除の動きが盛り上がっているのは、健康うんぬんもさることながら「格差問題」なのだ』、「アメリカでたばこ排除の動きが盛り上がっているのは、健康うんぬんもさることながら「格差問題」なのだ」、なるほど。
・『日本でも「格差」を理由にたばこ規制が進むおそれ  このような話を聞くと、「ま、日本はアメリカほどひどい格差はないから、今のところそんな“反たばこ”の世論にはならないだろ」とホッと胸をなで下ろす喫煙者も多いだろうが、これは対岸の火事ではない。 我が国でも遅かれ早かれ「貧しい人ほどたばこで健康を損ねる傾向があるので、格差をなくすためにたばこを規制せよ」という世論が盛り上がっていく可能性が高いのだ。 それがうかがえるのが、東北大学大学院歯学研究科の竹内研時准教授らのグループによる研究だ。竹内准教授らは20~69歳の男女約5000人を2017年~2020年にかけて追跡して、加熱式たばこによる受動喫煙への曝露状況が17年に4.5%だったものが、20年には10.8%となんと2.5倍になっていたことを明らかにした。これまで一般市民における、加熱式たばこの受動喫煙曝露の実態はわからなかったが、それを世界で初めて明らかにした研究だ。 実はこの研究には注目すべき点がもうひとつある。それは加熱式たばこの受動喫煙にさらされるリスクに「学歴」が関係しているということを明らかにした点だ。竹内准教授が言う。 「対象者を、中学・高校卒業者と、専門学校・短大・高専卒と、大学・大学院卒という3つのタイプの教育歴に分けて集計したところ、教育歴が短いグループ(中学/高校卒)は、教育歴の長いグループ(大学/大学院卒)に比べて、加熱式たばこによる受動喫煙への曝露リスクが約60%高いことが明らかになりました」 そもそも、なぜこのようなことを調べたのかというと、かねてから「紙巻きたばこ」ではこのような傾向があるということが指摘されていたからだ。 「以前から国内外のさまざまな研究で、教育歴が短い人ほど、紙巻きたばこの受動喫煙にさらされる割合が高いということがわかっています。そこで、加熱式たばこにも同じ傾向があるのか調べてみようと思ったんですが、そこである興味深いことがわかりました」(竹内准教授) 実は調査を開始した17年時点では、低学歴の受動喫煙曝露割合は5.4%で、高学歴は3.8%とそこまで大きな開きはない。しかし、翌年になると急に差が大きく開いた(18年時点で低学歴は10.2%、高学歴は5.5%)。 「加熱式たばこは全国のたばこ取扱店での販売が16年に始まったため、17年の段階ではまだ目新しかったとことに加え、従来の紙巻きたばこと比べ、吸うためのデバイスを購入する費用が余分にかかることから、教育歴が長く比較的金銭的に余裕のある人も先んじて購入し、いろんな場所で吸っていた可能性があります。その後、デバイスも求めやすい価格になって認知も広がったことで、徐々に教育歴の短い人のユーザーも増え、紙巻きたばこと同じ傾向におさまっていったと考えられます。つまり、これが喫煙というものに共通する特徴ではないでしょうか」(前出・竹内准教授)』、「受動喫煙曝露割合」は「18年時点で低学歴は10.2%、高学歴は5.5%」、「差が大きく開いた」、なるほど。
・『なぜ低学歴の人ほど受動喫煙にさらされるのか  なぜ低学歴の人ほど受動喫煙にさらされるリスクが高いのか。 「考えられる理由のひとつは労働環境の問題です。例えば、中学・高校卒の方は体力仕事や作業系の仕事に就くことが多く、そういう職場では受動喫煙防止対策がまだ定着していないケースも多いと考えられます。そのような職場で周囲が紙巻きたばこや加熱式たばこを吸っていた場合、学校を出たばかりの新社会人がたばこの煙を理由にその場を離れたり、自分の近くで吸わないようお願いすることは困難ではないでしょうか」(前出・竹内准教授) このような構造的な問題を示唆するデータもある。厚生労働省が習慣的に喫煙している人の割合を調べたのだが、19年度に喫煙している男性の割合を世帯年収別に見てみると、年収600万円以上が27.3%、年収400万円以上、600万円未満で29.4%、年収200万円未満では34.3%だった。年収が低くなるにつれて喫煙率が高くなっており、ワーキングプア男性の3人に1人はスモーカーなのだ。 低学歴の場合、どうしても低年収の職場で働くケースが多いことは否めない。低年収となると肉体労働や作業系の職場も多く、上司・先輩・同僚は喫煙者が多いという傾向があるので当然、受動喫煙リスクも高まりがちになってしまうというわけだ。 このような話を聞くと、愛煙家の皆さんは不快になるだろう。 「さっきから黙って聞いてりゃ、たばこを吸うと貧乏になるみたいな言い方じゃないか!オレの知っているヘビースモーカーは年収3000万だぞ」みたいに反論をしたくなる人もいるだろう。ただ、金持ちが他人に迷惑をかけず1日に1カートン吸おうが、そんな個別の話はどうでもいい。 筆者が懸念しているのは、貧しい人がたばこをスパスパ吸うことや、たばこを吸わない貧しい人が受動喫煙にさらされる傾向があるという事実によって、日本の格差がさらに広がってしまうことだ』、「貧しい人がたばこをスパスパ吸うことや、たばこを吸わない貧しい人が受動喫煙にさらされる傾向があるという事実によって、日本の格差がさらに広がってしまうことだ」、その通りだ。
・『喫煙すると健康にもキャリアにも悪影響、貧困に拍車  まず、喫煙はがんやCOPD(慢性閉塞性肺疾患)など病気を引き起こすことがわかっている。貧しい人がこれらの病気になれば当然、これまでのように働くことができなくなるので、収入はさらに少なくなってしまう。 また、このように病気にならずとも貧しさに拍車がかかってしまう恐れがある。キャリアアップが難しいからだ。 『喫煙後45分は「職場出禁」の有名企業も、たばこ臭さが会社に与える大損失』の中で詳しく解説をしたが、今、上場企業では喫煙がビジネスシーンでマイナスに働くということで続々と、社員に業務時間中の禁煙だけではなく、喫煙後45分間は職場に戻らないことまで推奨している。 愛煙家の皆さんには酷な話だが、自由の国アメリカでさえ排除論が高まっているように、これは世界的な潮流なので、もはやこの包囲網が緩くなるということはない。厳しくなっていく一方だ。 それはつまり、1時間おきに喫煙所に行ってスパスパやりながら仕事をするというワーキングスタイルに慣れている人は、これからかなり働ける場所が限定されていくということだ。当然、高収入を得られるような仕事へ転職をするハードルも上がっていく。 このような問題が深刻になっていけば、アメリカのような「貧困の連鎖」も増えていくだろう。低収入の喫煙者の家庭の子どもは幼い頃から受動喫煙にさらされているので健康を損ねやすい。また、家族の影響で自身も早い年齢から喫煙を開始する可能性も高い。つまり、「喫煙と貧困の連鎖」が続いていくのである。 このように喫煙がもたらす「格差拡大」が社会的に注目されるように、日本でも今のアメリカのように「たばこ製品販売禁止」に賛成する世論が盛り上がっていくかもしれない。 そこまでいかなくとも、低収入・低学歴の人ほど受動喫煙の被害にあうのを防ぐため、いっそのことあらゆる職場でたばこ禁止にしてしまえというような意見は出るだろう』、「喫煙がもたらす「格差拡大」が社会的に注目されるように、日本でも今のアメリカのように「たばこ製品販売禁止」に賛成する世論が盛り上がっていくかもしれない。 そこまでいかなくとも、低収入・低学歴の人ほど受動喫煙の被害にあうのを防ぐため、いっそのことあらゆる職場でたばこ禁止にしてしまえというような意見は出るだろう」、なるほど。
・『貧しくなればなるほど、喫煙にさらされ追い詰められる現代社会  今の受動喫煙防止対策は「ザル」なので、小さな会社では職場でまだスパスパ喫煙している人もいるし、飲食店も個人経営などでは、まだ普通に吸える。こういう会社や店は「そんなにタバコの煙が嫌なら来なきゃいい」みたいなことを言うが、低学歴・低収入の人や若者、女性などの弱い立場の人は「嫌なら断る」なんてできない。 やっとありつけた仕事という場合や、非正規雇用など雇用主に強く言えない立場なので、心の底では「タバコの煙なんて吸いたくねえよ」と思いながらも「たばこ?全然平気ですよ」なんて調子を合わせている。貧しくなればなるほど、生きていくために、自分の心を殺して誰かが吐いた煙を平気な顔をして吸い続けて、心身が不調になっているのだ。 「このような格差問題の対策をしていこうと考えた時にまず必要なのが“見える化”です。教育歴が短い人ほど受動喫煙リスクが高いという実態がわかれば、どういった人たちを守るための環境整備や注意喚起が必要なのかが見えてきます。今回の研究は、喫煙率を下げていく施策を考える上でも参考になると思います」(前出・竹内准教授) 今、多くの大企業では職場の禁煙は常識になりつつある。「健康経営」の観点から、社員の禁煙をサポートするような取り組みも進んでいる。 しかし、日本の全企業数の中で大企業が占める割合はわずか0.3%に過ぎない。ワーキングプアの3人に1人は喫煙者で、低学歴の人ほど受動喫煙にさらされている。日本人の「健康格差」は静かに、だが確実に進行しているのだ。 たばこの問題は「国民の健康」として語られることが多いが、そろそろアメリカのように「格差」の問題として考える時がきているのかもしれない』、「日本人の「健康格差」は静かに、だが確実に進行しているのだ。 たばこの問題は「国民の健康」として語られることが多いが、そろそろアメリカのように「格差」の問題として考える時がきているのかもしれない」、同感である。
タグ:(その10)(女子大生の夢は世帯年収3000万 生きづらさ増す国と若者たちの苦悩。低学歴・低収入ほどたばこで病気に?喫煙が「格差問題」と化した理由) 格差問題 日経ビジネスオンライン 河合 薫氏による「女子大生の夢は世帯年収3000万 生きづらさ増す国と若者たちの苦悩」 「河合 薫氏」の記事の殆どは有料なので、紹介出来なかったが、これは数少ない無料記事だ。 「まずは、冒頭の女子大生の「大企業がダメなら、好きなことをやる」という選択の心理から読み解いていきます」、なるほど。 何やら恰好だけつけている感じだ。 「「人生それぞれだよね~」だの、「色々な生き方をすればいいよね~」と言ってる大人たちが、大人側の勝手な都合で、「成功の(ように見える)ルート」を画一化させたのだ。 「子供に競争させたくない」と言ってる大人たちが、子供が競争せざるをえない状況に追い込んでいる。それが若者の格差を深刻にする、最大の原因といえよう」、「大人側の勝手な都合で、「成功の(ように見える)ルート」を画一化させたのだ」、罪つくりなことだ。 「「今」を生きる若者は、「今」の大人たちが若い頃には経験しなかった生きづらい社会を生きることを余儀なくされている。 繰り返しになるが、それをつくったのは「大人」だ」、その通りだ。 「この先も「私」たちは、カネの万能感を信じ続けるのか?」、「カネ」を尺度の基準にするのではなく、失われた自己肯定感を取り戻すようにすべきだ。 ダイヤモンド・オンライン 窪田順生氏による「低学歴・低収入ほどたばこで病気に?喫煙が「格差問題」と化した理由」 「アメリカでたばこ排除の動きが盛り上がっているのは、健康うんぬんもさることながら「格差問題」なのだ」、なるほど。 「受動喫煙曝露割合」は「18年時点で低学歴は10.2%、高学歴は5.5%」、「差が大きく開いた」、なるほど。 「貧しい人がたばこをスパスパ吸うことや、たばこを吸わない貧しい人が受動喫煙にさらされる傾向があるという事実によって、日本の格差がさらに広がってしまうことだ」、その通りだ。 「喫煙がもたらす「格差拡大」が社会的に注目されるように、日本でも今のアメリカのように「たばこ製品販売禁止」に賛成する世論が盛り上がっていくかもしれない。 そこまでいかなくとも、低収入・低学歴の人ほど受動喫煙の被害にあうのを防ぐため、いっそのことあらゆる職場でたばこ禁止にしてしまえというような意見は出るだろう」、なるほど。 「日本人の「健康格差」は静かに、だが確実に進行しているのだ。 たばこの問題は「国民の健康」として語られることが多いが、そろそろアメリカのように「格差」の問題として考える時がきているのかもしれない」、同感である。
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