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女性活躍(その29)(東大卒・山口真由が 松川るい氏のパリ視察炎上で考えた「女性議員」の育成問題、女性取締役はお飾り?タレント取締役に意味はある?ハーバードの専門家が出した答えとは コリーン・アマーマン氏インタビュー(後編)、女性活躍が進まない会社の言い訳ランキング!2位「経営が上向くのか?」 1位は?) [社会]

女性活躍については、本年9月9日に取上げた。今日は、(その29)(東大卒・山口真由が 松川るい氏のパリ視察炎上で考えた「女性議員」の育成問題、女性取締役はお飾り?タレント取締役に意味はある?ハーバードの専門家が出した答えとは コリーン・アマーマン氏インタビュー(後編)、女性活躍が進まない会社の言い訳ランキング!2位「経営が上向くのか?」 1位は?)である。

先ずは、10月11日付けFRaUが掲載した信州大学特任教授の山口 真由氏による「東大卒・山口真由が、松川るい氏のパリ視察炎上で考えた「女性議員」の育成問題」を紹介しよう。
・『信州大学特任教授で、法学博士・ニューヨーク州弁護士の山口真由さん。東大卒の才女として様々なメディアで活躍するが、Twitterでのつぶやきはコミカルで飾らないものが多い。FRaUwebの連載では、そんな意外な「素顔」を率直に綴っていただいている。 今回は、今年8月におこなわれた自民党の松川るい氏らによるフランス・パリ視察において、彼女たちがエッフェル塔前で撮った写真をSNSにアップし、非難が殺到した件について。松川氏は8月下旬に女性局長を辞任し、9月29日付で副幹事長に就いている。パリ視察の炎上、そして辞任、副幹事長就任にいたるまでの流れについて、山口さんが感じたことを綴っていただいた』、興味深そうだ。
・『なぜパリ視察がここまで炎上したのか  研修でフランスを訪れた松川るいさんが2人の地方議員と一緒にエッフェル塔の前でポーズを決めた写真をSNSに投稿して炎上したのは2ヵ月ほど前のことだった。費用に税金が投入されていないか、子どもを連れての研究が不適切ではないか――瞬く間に火の海と化したSNSに恐れをなして、当時の私は何も言えなかった。 責任を取る形で女性局長を辞任した彼女が、党の副幹事長に任命された先月末、またしても若干の波紋が広がっている。非難のひとつひとつには確かに理由がある。だが多少は冷静に語れるいま、本音を言えば、糾弾の激しさと罪の重さとが不釣り合いにも見えていた。同時期に受託収賄という刑事の疑惑をかけられた秋本真利議員の方がよほどひっそりとしているではないか。 それだけ潜在的に彼女のアンチが多かったのだろうか。外務省のキャリア、トレードマークはロングに伸ばした黒髪と胸元で結ばれた長い真珠のネックレス、さらに能弁な彼女は多くの討論番組の常連となり、次世代の女性政治家として頭角を現す。一方で、こうしたキラキラした要素の1つ1つが反感の源にもなる。 そして、円安やインフレの影響をもろに受けて旅行にも行けないと嘆く人々の前に、パリ、エッフェル塔、ポーズ……というキラキラの三重奏は、充満したガソリンを前にマッチの火をするようなものだったのだろう。 この騒動について「代議士とは『エリート』を選ぶものなのか、それとも『自分たちみたいな人』を選ぶものなのか。じつは議員内閣制には二つの発想があって、どちらも間違ってない」と三浦瑠麗さんが投稿しているが、松川さんはその「エリート性」ゆえに過剰に罰せられたという気がしてならない。 だが、ここで私が問いたいのは、なぜ男性社会の中で生きる女性たちは必要以上に「エリート性」を強調しなくてはならないのかということだ』、「円安やインフレの影響をもろに受けて旅行にも行けないと嘆く人々の前に、パリ、エッフェル塔、ポーズ……というキラキラの三重奏は、充満したガソリンを前にマッチの火をするようなものだったのだろう。 この騒動について「代議士とは『エリート』を選ぶものなのか、それとも『自分たちみたいな人』を選ぶものなのか。じつは議員内閣制には二つの発想があって、どちらも間違ってない」と三浦瑠麗さんが投稿しているが、松川さんはその「エリート性」ゆえに過剰に罰せられたという気がしてならない・・・ここで私が問いたいのは、なぜ男性社会の中で生きる女性たちは必要以上に「エリート性」を強調しなくてはならないのかということだ」、なるほど。
・『男社会に存在する「独自の教育システム」  例えば、2016年の大統領選挙では、ドナルド・トランプ氏が多くの労働者に「自分たちみたいな人」と思わせるのに成功した一方で、ヒラリー・クリントン氏はどこまでも「エリート」にしか見えず、共感を得るのに失敗した。父の不動産事業を引き継いだトランプ氏の方が、衣料品店を営む両親のもとから巣立ったクリントン氏よりも、見方によっては恵まれているにもかかわらず、である。 政治家という“大衆を相手にする職業”において、「自分たちみたいな人」と親近感を得るのがなによりも票への近道のはずだ。例えば、菅義偉さんは秋田の田舎出身、身ひとつで上京した叩き上げの苦労人というイメージを意図的に作り上げていた。その実、菅さんのお父様はイチゴ農家としてかなり成功した地元の名士で、お母様はあの時代の女性で教師という地域のエリート層である。菅さんの生い立ちの描き方は、自らをあえてダウングレードして庶民の目線を演出しているようにも見える。 安藤優子さんの『自民党の女性認識 「イエ中心主義」の政治指向』(明石書店、2022年)を読むと、自民党の国会議員の最大の輩出源は「地方議員」と「議員秘書」である。衆議院議員小此木彦三郎さんの秘書として家族同然の扱いを受けながら、横浜市議に当選し、国会議員へとステップアップしていった菅さんはまさにその典型だ。 安藤さんの本によれば、自民党の国会議員は、盆暮れの飲み会含めきめ細かく地方議員の面倒を見るのだという。そうやって選挙の最前線で闘ってくれる「自前の兵隊」を作る。おそらく、こういう集票のイロハは、秘書として仕えた国会議員を「オヤジ」と慕うみたいな、あの手の雰囲気の中で伝授されていくのだ。 そう、男社会には独自の教育システムが存在する。脈々と受け継がれた基盤はそう簡単には揺らがない。この安定感が男たちの自信の源になるのだろう。だから、地元に密着した親しみやすさという、あえての「下から目線」を強調できるのだという気もする。 ところが、女性議員には地方議員や議員秘書出身者が極端に少ない。官僚、弁護士、アナウンサーやジャーナリストといった「エリート」が「オヤジ」から一本釣りされる。そういう女性政治家たちはこれでもかというほど自身の華々しい経歴を書き連ねてなんだか嫌味である。 安藤さんの本によれば「県議は党派を超えて『同じ釜の飯を食ってきたという同族意識』が強く、突然ぽっと出てきたような『若くて、学歴がある』候補には冷ややかな傾向がある」とのこと。「エリート」性を強調するほどに、「自分たちみたいな人」から遠ざかって地元からも浮いていく』、「自民党の国会議員は、盆暮れの飲み会含めきめ細かく地方議員の面倒を見るのだという。そうやって選挙の最前線で闘ってくれる「自前の兵隊」を作る。おそらく、こういう集票のイロハは、秘書として仕えた国会議員を「オヤジ」と慕うみたいな、あの手の雰囲気の中で伝授されていくのだ。 そう、男社会には独自の教育システムが存在する。脈々と受け継がれた基盤はそう簡単には揺らがない。この安定感が男たちの自信の源になるのだろう・・・ところが、女性議員には地方議員や議員秘書出身者が極端に少ない。官僚、弁護士、アナウンサーやジャーナリストといった「エリート」が「オヤジ」から一本釣りされる。そういう女性政治家たちはこれでもかというほど自身の華々しい経歴を書き連ねてなんだか嫌味である・・・「県議は党派を超えて『同じ釜の飯を食ってきたという同族意識』が強く、突然ぽっと出てきたような『若くて、学歴がある』候補には冷ややかな傾向がある」とのこと。「エリート」性を強調するほどに、「自分たちみたいな人」から遠ざかって地元からも浮いていく」、なるほど。
・『構造の歪みを個人の肩に載せすぎている  でも他にどうすればよいのだろう。永田町を夢見る男たちの頭上を一足飛びに駆け上がるエクスキューズとして、「エリート」性を押し出すしかないのだ。ここに構造的な悪循環がある。 松川さんだけじゃなくて今井絵理子さんだって批判されたじゃないか。「エリート」性を強調するから嫌われるという道理はないといわれるかもしれない。確かにその通り。でも「エリート」性を「タレント」性に言い換えれば、真逆のようで極めてよく似た構造が見えてくる。 地元の人脈や地縁を「オヤジ」から徐々に引き継ぐという過程を経ずに、「オヤジ」から一本釣りされた女性政治家にとっては知名度が唯一の武器なのだ。だから、「エリート」性なり「タレント」性なりを売りにメディアへの露出を増やすしかないだろう。 思うに、「女性活躍」の旗を振られ、女性の「登用」をわかりやすく数字で顕在化させたいいまの日本社会には、女性を「育成」するシステムがない。伝統的に根付いてきた年長者を「オヤジ」と慕う男社会の疑似家族から、女性は排除されてきたからだ。 「エリート」性を強調すれば庶民の生活を知らないのにと、「タレント」議員であれば政治を知らないのにと真逆の方向から批判される女性政治家は、いずれにしろ、多くの場合、下からゆっくりと持ち上げられるのではなく、上から急激に一本釣りされている。システマティックな育成を経ずにアドホックに登用されているのだ。 批判するなというつもりは毛頭ない。税金の使い道は厳しい目でチェックされるべきだし、研修の成果を知りたいというのは当然だと思う。 だが、構造の歪みを個人の肩に乗っけすぎてやしないか。エッフェル塔の前でポーズを決めた政治家に辞任を迫るような言論すらある。だが、それではいつまで経っても女性議員なんて増えないだろう。子育てしながら地元と往復する葛藤みたいな、「自分たちみたいな人」の素顔を彼女たちが素直にさらせる日が来るといいのにな』、「「エリート」性を強調すれば庶民の生活を知らないのにと、「タレント」議員であれば政治を知らないのにと真逆の方向から批判される女性政治家は、いずれにしろ、多くの場合、下からゆっくりと持ち上げられるのではなく、上から急激に一本釣りされている。システマティックな育成を経ずにアドホックに登用されているのだ」、なるほど。

次に、10月20日付けダイヤモンド・オンラインが掲載した作家/コンサルタントの佐藤智恵氏による「女性取締役はお飾り?タレント取締役に意味はある?ハーバードの専門家が出した答えとは コリーン・アマーマン氏インタビュー(後編)」を紹介しよう。
https://diamond.jp/articles/-/330725
・『『ガラスの天井を破る戦略人事』の著者、ハーバードビジネススクールのコリーン・アマーマン氏は、日本の育休制度を「世界の中でも最も手厚い」と評価する。一方で、制度利用者が増えない現状には疑問を呈する。今の日本が抱える、ジェンダー平等実現への根深い課題とは。(聞き手/作家・コンサルタント 佐藤智恵) >>前編から読む』、興味深そうだ。
・『ジェンダー平等には「男性の意識改革」が不可欠だ  佐藤智恵(以下、佐藤) 『ガラスの天井を破る戦略人事』では、ジェンダー平等を実現するためには男性側の当事者意識を高めて、協力してもらうことが不可欠だと繰り返し述べています。なぜ、男性の意識や行動が実現への鍵となってくるのでしょうか。 コリーン・アマーマン(以下、アマーマン) なぜなら権力を持っている人の大半は、男性だからです。変革を起こすには、何よりも権力が必要です。この問題に本気で取り組んでくれる男性リーダーがいなければ、ジェンダー不平等は永遠に解消されないままです。 例えば、米食品メーカー、キャンベルスープカンパニーの元CEOのダグ・コナント氏は、CEO就任早々、女性の活用を経営戦略の核として掲げ、女性リーダーの登用や育成に尽力し、企業再生に成功しました。また、英BBCのジャーナリスト、ロス・アトキンス氏は、自分のニュース番組の出演者の男女比を50:50にするプロジェクトを始め、その後、この取り組みはBBC全体へ広がっていきました。結局のところ、影響力のある地位に就いている男性が動いてくれなければ、扉は開かないのです。 佐藤 どういう男性リーダーが、女性の味方になってくれやすいのでしょうか。) アマーマン 私たちの調査では、「娘を持つ男性リーダー」「仕事をしている母親を持つ男性リーダー」は、ジェンダー平等の価値を理解し、働く女性の味方になってくれやすいことが分かっています。このほかにも、「マイノリティーの立場に置かれたことのある男性リーダー」も女性の登用に理解を示してくれやすいという結果があります。つまり、男性が実際に行動してくれるかどうかは、個人的な動機によるところが大きいのです。 日本の女性役員や女性管理職にも、まずはこうした男性を味方につけることを推奨したいですね。男性を巻き込んでジェンダー平等を推進したほうが、大きなインパクトを与えられるからです』、「「娘を持つ男性リーダー」「仕事をしている母親を持つ男性リーダー」は、ジェンダー平等の価値を理解し、働く女性の味方になってくれやすいことが分かっています。このほかにも、「マイノリティーの立場に置かれたことのある男性リーダー」も女性の登用に理解を示してくれやすいという結果があります・・・日本の女性役員や女性管理職にも、まずはこうした男性を味方につけることを推奨したいですね。男性を巻き込んでジェンダー平等を推進したほうが、大きなインパクトを与えられるからです」、なるほど。
・『育休を取らない男性社員が象徴する 「男女平等後進国日本」の姿  佐藤 本書では、組織の上に行けば行くほど女性の数が減ってくるのは、人事評価において男性よりも厳しい基準で評価されるからだ、と述べていますが、男性のどのような「アンコンシャス・バイアス」(無意識の思い込み)が女性の昇進を妨げていると思いますか。 アマーマン 一般的に、女性は、男性の上司からも同僚からも部下からも実際の地位よりも低く見られがちです。その主因となっているのが、男性側に「女性のリーダーとしての能力は男性よりも低い」という思い込みがあることです。そしてこのバイアスが、女性の採用、昇進、報酬を決める上で大きな影響を及ぼしています。ですから、まずは男性が知らず知らずのうちに女性を厳しく評価していることを男性に認識してもらうことが必要です。 また、「子どもを持つ女性は、子どもに気を取られて、仕事をおろそかにする傾向がある」という偏見を持っている男性もいます。子どもがいる女性の生涯年収や、子どもがいる女性が採用される確率は、子どものいない女性に比べても低いですが、このような「母親ペナルティー」(母親が採用・賃金において不利益を被ること)の背景にあるのも、男性のアンコンシャス・バイアスです。 こうした偏見を解消していくことは、会社の成長にとってもプラスとなりますから、「アンコンシャス・バイアス」の解消を男女共有の目標として掲げ、さまざまな研修などを行っていくことが大切です。 ただし、重要なのは、女性側が、男性を厳しく追及したり、非難したりしないこと。「もしかしたら気付いていないかもしれないけれど、それは『アンコンシャス・バイアス』かもしれないよ」といった感じで、さりげなく指摘するのがいいでしょう。) 佐藤 世界経済フォーラム(WEF)の2023年版「世界ジェンダーギャップ報告書」によれば、日本のジェンダーギャップ指数は146カ国中125位で、一向に改善の兆しが見られません。日本政府も日本企業も「ジェンダー平等に取り組んでいる」と言ってはいるものの、なぜ大きく改善しないのでしょうか。 アマーマン この問題を解決するには、政府の政策と個人の意識改革の両方が必要です。政策で特に重要なのが、税制です。女性が高収入を得たり、社会で活躍するのを阻んだりするような税制になっていないでしょうか。男性が働き、女性が子育てをすることが前提の税制になっていないでしょうか。まずはそこから変えていくことが必要でしょう。 また個人、特に男性の意識改革については、先ほど申し上げた通り、アンコンシャス・バイアスを取り除くことが何よりも大切です。会社では社内研修を実施するとともに、女性の登用が組織にとってもプラスになると考えるような組織風土を醸成していくことが大切です。 日本には世界の中でも最も手厚い育児休業制度があるのに、男性がこの制度を利用したがらないのは、興味深い現象です。正しい制度はあるのに、利用すれば自分のキャリアにとってマイナスになると考えてしまうのは、なぜでしょうか。そこに、ジェンダー平等が進まない根本的な要因があるように思います。 多くの国々においてジェンダー平等を実現するのが難しいのは、どの国の社会にも「男性はこれをやるべき」「女性はこれをやるべき」といった伝統的な規範があるからです。人々の文化や思想を変えるには長い時間がかかります。だからこそ、粘り強く取り組みを続けることが大切です』、「男性側に「女性のリーダーとしての能力は男性よりも低い」という思い込みがあることです。そしてこのバイアスが、女性の採用、昇進、報酬を決める上で大きな影響を及ぼしています。ですから、まずは男性が知らず知らずのうちに女性を厳しく評価していることを男性に認識してもらうことが必要です・・・多くの国々においてジェンダー平等を実現するのが難しいのは、どの国の社会にも「男性はこれをやるべき」「女性はこれをやるべき」といった伝統的な規範があるからです。人々の文化や思想を変えるには長い時間がかかります。だからこそ、粘り強く取り組みを続けることが大切です」、なるほど。
・『タレント社外取の起用は是か非か 女性役員に求められること  佐藤 ジェンダークオータ制(議会の議席や取締役会の人数などの一定割合を女性に割り当てる制度)の導入は有効だと思いますか。) アマーマン クオータ制導入の是非については、賛否両論があります。ただ、私は数値目標の設定やクオータ制の導入は、ジェンダー平等を推進する上で有効だと思います。 なぜなら、具体的な数値を掲げれば、「これは真剣に達成しなくてはならないものだ」という認識を持ってもらえるからです。「女性を増やさなければいけません」というような曖昧な目標では人は動かない。「何%がわが社の目標です」と伝えなければ、前には進まないのです。 ここで重要なのは、単に数値目標を掲げるだけではなく、なぜ多様性を実現することが不可欠なのかを理解してもらう教育を並行して行うことです。また、経営者自らが率先して、なぜ重要なのかを説明しなくてはなりません。「何のために行うのか」について社員が納得しなければ、自ら率先して実現しようとは思わないからです。 佐藤 本書では、仏LVMHモエヘネシー・ルイヴィトンが、2010年、取締役会へのクオータ制の導入に伴い、「ファッションショーの常連だから」という理由でベルナデット・シラク氏(元フランス大統領夫人)を取締役に起用したことを指摘しています。 同じように、日本でも俳優・タレント・元スポーツ選手などの著名人を社外取締役に任命する事例が散見されますが、こうした現象は、女性取締役を増やす上で通らなくてはならない道なのでしょうか。 アマーマン 一般的には、専門知識、経営経験のあるなしにかかわらず、女性ゼロよりも女性がいるほうが、企業価値向上につながるのは確かです。 しかし、私が本書の「女性取締役はお飾りか」という項で言いたかったのは、「著名人を取締役に任命して安易に数合わせをするよりも、経済界には多くの有能な女性がいるのだから、その中から積極的に候補者を探しませんか」という点なのです。女性役員は、若い女子学生や女性社員にとってもロールモデルとなりますから、長期的には、経済界の中でいかに女性役員候補のパイプラインを構築していけるかが、重要になってきます。 もちろん、会社は取締役候補を外部から探してくるだけでなく、内部でも育成していかなければなりません。女性管理職がリーダーシップを学ぶ機会やスキルを身につける機会を提供することも必要です』、「私が本書の「女性取締役はお飾りか」という項で言いたかったのは、「著名人を取締役に任命して安易に数合わせをするよりも、経済界には多くの有能な女性がいるのだから、その中から積極的に候補者を探しませんか」という点なのです」、なるほど。
・『日本の女性リーダーに活用してほしい「WCD」  佐藤 アメリカでは、ハーバードビジネススクールの女性エグゼクティブ養成講座「ウィメン・オン・ボード」の修了生や、世界的な女性役員ネットワーク「ウィメン・コーポレート・ディレクターズ(WCD)」が、女性の取締役を増やすのに大きな役割を果たしていると聞いています。日本にもWCDの支部がありますが、日本の女性リーダーはこうしたネットワークをどのように活用していったらよいでしょうか。 アマーマン ハーバードビジネススクールの「ウィメン・オン・ボード」の参加者は修了後も交流を続け、お互いに取締役ポジションを紹介し合ったり、助言をし合ったりするなど、活発な活動を行っています。 また2001年にアメリカで創設されたWCDも、女性役員が集い、交流する場を提供するとともに、企業に取締役候補者を紹介するなど、女性役員を増やすためのさまざまな活動を行っています。WCDは、世界には実績と資質を兼ね備えた女性ビジネスリーダーがたくさんいることを多くの企業や経営者に知ってもらう上で、重要な役割を果たしていると思います。 日本のようにジェンダー不平等が根強い国においては、WCDのような女性役員のネットワークは特に価値あるものです。日本企業では、役員レベルにほとんど女性がいないため、日本の女性役員は、他の女性役員と意見交換する機会も少ないでしょう。こうした女性役員同士が助け合う場は、今後、さらに女性役員を増やしていく上で大きな役割を果たしていくと思います。 佐藤 最後に『ガラスの天井を破る戦略人事』を通じて、日本の読者に最も伝えたいことは何ですか。 アマーマン この本が日本で出版されたことをとてもうれしく思っています。私が日本の皆さんに最も伝えたいのは、ジェンダー平等の実現は全ての人が取り組むべき世界共通の課題であることです。ですから、女性だけではなく、男性にもぜひ読んでいただきたいですし、役員だけではなく、中間管理職の方々にも読んでいただきたい。そして、この本が日本のジェンダー平等に向けた取り組みの一助となることを願っています。(コリーン・アマーマン氏、’佐藤智恵氏の略歴はリンク先参照)』、「ハーバードビジネススクールの女性エグゼクティブ養成講座「ウィメン・オン・ボード」「の参加者は修了後も交流を続け、お互いに取締役ポジションを紹介し合ったり、助言をし合ったりするなど、活発な活動を行っています。 また2001年にアメリカで創設されたWCDも、女性役員が集い、交流する場を提供するとともに、企業に取締役候補者を紹介するなど、女性役員を増やすためのさまざまな活動を行っています。WCDは、世界には実績と資質を兼ね備えた女性ビジネスリーダーがたくさんいることを多くの企業や経営者に知ってもらう上で、重要な役割を果たしていると思います。 日本のようにジェンダー不平等が根強い国においては、WCDのような女性役員のネットワークは特に価値あるものです」、なるほど。

第三に、10月24日付けダイヤモンド・オンラインが掲載した株式会社羽生プロ代表取締役社長、著作家・メディアプロデューサーの羽生祥子氏による「女性活躍が進まない会社の言い訳ランキング!2位「経営が上向くのか?」、1位は?」を紹介しよう。
https://diamond.jp/articles/-/328049
・『先日発表された世界経済フォーラムの男女格差報告で、日本のジェンダーギャップ指数は146カ国中125位と過去最低を更新、先進国で最下位という結果になった。「多様性」が叫ばれる時代でも、なぜ日本の男女格差は埋まらないのか。「男女平等」と言いつつも、女性の活躍が一向にすすまない企業にありがちな言い訳を紐解く。本稿は羽生祥子著『SDGs、ESG経営に必須! 多様性って何ですか? D&I、ジェンダー平等入門』(日経BP)の一部を抜粋・編集したものです』、「世界経済フォーラムの男女格差報告で、日本のジェンダーギャップ指数は146カ国中125位と過去最低を更新、先進国で最下位という結果」、いつものことながら恥ずかしい結果だ。
・『女性だけ特別視する必要あるの?  中長期の視点がなく、「女性活躍がなかなか進まない」と悩んでいる企業が世の中にはたくさんあります。ダイバーシティ推進担当者は頑張って取り組んでいるのに、現場や上層部の反対の声にあって困っているという声も、本当によく聞きます。そこで、毎月多数の記事を発信している『日経xwoman』の取材を経てわかった多様性がない企業によくある言い訳を挙げたいと思います』、興味深そうだ。
・『【言い訳トップ1】「女性だけ特別視する必要あるの?」  このセリフ、読者の皆さんも一度は聞いたことがあるのではないでしょうか?または、自分で言ったことがあるという方も少なくないと思います。さらにこのトップ1の言い訳は、実は女性自身が発言することが多いのも特徴です。具体的には、こういった内容です。 ・仕事の場では、男性も女性も関係ない ・実力主義でやっているので、性別で区別する必要はない ・自分は実力で認められたのであって、女性だから認められたのではない ・女性にだけ「ゲタ」を履かせて持ち上げるのはずるい ・LGBTQと自認している人もいるのに、今どき男女比率で測るのは古い  うーん、どれもすべて正しくて、間違ったことを言ってないような気がしますね。こんな言葉をかけられて反論や説得できずに困っている人事部の方々が目に浮かびます。しかし、この考え方こそが、世界に比して日本の女性活躍が遅れに遅れている理由なのです』、「この考え方こそが、世界に比して日本の女性活躍が遅れに遅れている理由なのです」、なるほど。
・『【言い訳トップ2】「D&Iやって、経営が上向くのか?」  この発言は、上層部がダイバーシティ推進の意義を理解しておらず、取り組みそのものがない会社でよく聞きます。または、社長など経営トップ本人はよく理解しているけれども、中間管理職など、現場に下ろしたときにささやかれる言葉です。具体的にはこんな意味の発言です。 ・ダイバーシティは人権問題であって、経営戦略とは関係がない ・女性を大事にすることは重要。だが業績がよくなることはない ・コロナ禍で業績が落ちて大変なので、悪いけれどD&Iをやっている余裕はない ・社長はカッコイイ顔をしたいだけで、現場は売り上げ確保で苦労する ・利益が出て、余ったおカネがあったらD&I室を立ち上げよう』、まったくやる気がなさそうな言い訳だ。
・『女性がみんなバリバリ働きたいとは限らない  【言い訳トップ3】「管理職に該当するような女性がいない」  女性登用がキーワードになってきた最近、急浮上してきた言い訳です。 ・女性管理職比率を上げたい。でも社内に適当な女性がいない ・取締役は、営業や社外交渉、新規事業など厳しいので女性には荷が重い ・ちょうど50代くらいの役員適齢期に、女性の絶対数が少ない ・今はいないが、最近は出産しても働くので、10年待てば女性管理職も出てくるだろう  この発言は悪気がないので、つい同調してしまいがちです、しかし、こういったマインドのままだと、10年たっても現状とあまり代わり映えのしない単一な組織として取り残されてしまいます』、「こういったマインドのままだと、10年たっても現状とあまり代わり映えのしない単一な組織として取り残されてしまいます」、その通りだろう。
・『【言い訳トップ4】「D&IはOKだけど、女性活躍はNGなんです」  この発言は、ダイバーシティやインクルージョンといった、カタカナ人事用語が浸透してきた数年前からよく聞くようになりました。私が社外研修セミナーなどに呼ばれ、女性活躍やジェンダー平等について講演をするときに、演目に「男女平等」と入れないでほしいと頼まれた経験は何度かあります。このような主旨の発言です。 ・ダイバーシティなら弊社は推進したい。しかし、女性だけに限ると不公平感が出る ・若手からも、女性活躍という言葉は不人気。別の角度から多様化を進めたい ・ジェンダーという言葉を使うと男性が怖がるので、性別の話はしない ・男女平等はもう古いので、LGBTQや人種のテーマを扱いたい 「総論賛成、各論反対」の典型とも言える事例ですね。これに似たような発言に、「SDGsは、環境問題を中心に取り組んでいます。ジェンダー平等はちょっとウチでは…」というものもあります。日本の組織や個人は、「男女平等」や「女性活躍」という言葉が、本当に苦手なんだなぁと感じます。しかし、言葉をカタカナ用語に変えて薄めていると、本来の目的や問題を見失い、ごまかしの対応策になってしまう危険があるのです』、「言葉をカタカナ用語に変えて薄めていると、本来の目的や問題を見失い、ごまかしの対応策になってしまう危険がある」、その通りで危険だ。
・『【言い訳トップ5】「女性がみんな、バリバリ働きたいとは限らない」  これは人事の担当者から、「女性管理職研修を社内に導入しようとしたときに、周囲から反対意見として上がる声なんです」と、半ば嘆きのようなかたちで相談されます。実際、管理職登用のために女性社員の育成に向き合っていると、否応なくぶち当たる“育成の壁”です。 ・全員が全員、管理職や取締役になるような企業なんてない ・子育てや介護がある時期は、ペースダウンして働きたい女性もいるだろう ・多様性というなら、管理職を目指さない女性を認めることも大事 組織作りの話と、個人の性格やライフステージの話が混同されがちなことも特徴です。 シンプルなことですが、男性だって皆がみな、バリバリ働きたいとは考えていません。家庭や趣味の時間の方が大切だという考えの男性もいらっしゃいます。特に若い世代では、自分時間を仕事と同じように大切にする生き方が、性別を問わずに求められています。育児休業を取りたい男性が増えているように、労働以外の時間を豊かに過ごすことへの熱は高まりつつあります。バリバリ働いて、リーダーシップにあふれる男性ばかりではないのは、皆さんの職場を見回してみても実感するのではないでしょうか? こう考えると、「バリバリ働きたい人ばかりではない」という理由で、女性にだけキャリアアップの機会を与えないのはアンバランスだということがわかると思います。性別や年齢によらず、職場でのあらゆる機会を公平・公正に提供する姿勢が重要になってきます』、「バリバリ働いて、リーダーシップにあふれる男性ばかりではないのは、皆さんの職場を見回してみても実感するのではないでしょうか? こう考えると、「バリバリ働きたい人ばかりではない」という理由で、女性にだけキャリアアップの機会を与えないのはアンバランスだということがわかると思います。性別や年齢によらず、職場でのあらゆる機会を公平・公正に提供する姿勢が重要になってきます」、その通りだ。こういった「言い訳」に騙されないようにしたいものだ。

なお、明日、明後日は更新を休むので、30日にご期待を!
タグ:「この考え方こそが、世界に比して日本の女性活躍が遅れに遅れている理由なのです」、なるほど。 ・・・ここで私が問いたいのは、なぜ男性社会の中で生きる女性たちは必要以上に「エリート性」を強調しなくてはならないのかということだ」、なるほど。 「円安やインフレの影響をもろに受けて旅行にも行けないと嘆く人々の前に、パリ、エッフェル塔、ポーズ……というキラキラの三重奏は、充満したガソリンを前にマッチの火をするようなものだったのだろう。 この騒動について「代議士とは『エリート』を選ぶものなのか、それとも『自分たちみたいな人』を選ぶものなのか。じつは議員内閣制には二つの発想があって、どちらも間違ってない」と三浦瑠麗さんが投稿しているが、松川さんはその「エリート性」ゆえに過剰に罰せられたという気がしてならない 山口 真由氏による「東大卒・山口真由が、松川るい氏のパリ視察炎上で考えた「女性議員」の育成問題」 FRaU 「男性側に「女性のリーダーとしての能力は男性よりも低い」という思い込みがあることです。そしてこのバイアスが、女性の採用、昇進、報酬を決める上で大きな影響を及ぼしています。ですから、まずは男性が知らず知らずのうちに女性を厳しく評価していることを男性に認識してもらうことが必要です・・・多くの国々においてジェンダー平等を実現するのが難しいのは、どの国の社会にも「男性はこれをやるべき」「女性はこれをやるべき」といった伝統的な規範があるからです。人々の文化や思想を変えるには長い時間がかかります。だからこそ、粘り強く 【言い訳トップ2】「D&Iやって、経営が上向くのか?」 (その29)(東大卒・山口真由が 松川るい氏のパリ視察炎上で考えた「女性議員」の育成問題、女性取締役はお飾り?タレント取締役に意味はある?ハーバードの専門家が出した答えとは コリーン・アマーマン氏インタビュー(後編)、女性活躍が進まない会社の言い訳ランキング!2位「経営が上向くのか?」 1位は?) なお、明日、明後日は更新を休むので、30日にご期待を! 「こういったマインドのままだと、10年たっても現状とあまり代わり映えのしない単一な組織として取り残されてしまいます」、その通りだろう。 佐藤智恵氏による「女性取締役はお飾り?タレント取締役に意味はある?ハーバードの専門家が出した答えとは コリーン・アマーマン氏インタビュー(後編)」 ほど。 ダイヤモンド・オンライン 女性活躍 羽生祥子氏による「女性活躍が進まない会社の言い訳ランキング!2位「経営が上向くのか?」、1位は?」 「「娘を持つ男性リーダー」「仕事をしている母親を持つ男性リーダー」は、ジェンダー平等の価値を理解し、働く女性の味方になってくれやすいことが分かっています。このほかにも、「マイノリティーの立場に置かれたことのある男性リーダー」も女性の登用に理解を示してくれやすいという結果があります・・・日本の女性役員や女性管理職にも、まずはこうした男性を味方につけることを推奨したいですね。男性を巻き込んでジェンダー平等を推進したほうが、大きなインパクトを与えられるからです」、なるほど。 「自民党の国会議員は、盆暮れの飲み会含めきめ細かく地方議員の面倒を見るのだという。そうやって選挙の最前線で闘ってくれる「自前の兵隊」を作る。おそらく、こういう集票のイロハは、秘書として仕えた国会議員を「オヤジ」と慕うみたいな、あの手の雰囲気の中で伝授されていくのだ。 そう、男社会には独自の教育システムが存在する。脈々と受け継がれた基盤はそう簡単には揺らがない。この安定感が男たちの自信の源になるのだろう こういった「言い訳」に騙されないようにしたいものだ。 「バリバリ働いて、リーダーシップにあふれる男性ばかりではないのは、皆さんの職場を見回してみても実感するのではないでしょうか? こう考えると、「バリバリ働きたい人ばかりではない」という理由で、女性にだけキャリアアップの機会を与えないのはアンバランスだということがわかると思います。性別や年齢によらず、職場でのあらゆる機会を公平・公正に提供する姿勢が重要になってきます」、その通りだ。 取り組みを続けることが大切です」、なるほど。 ・・・ところが、女性議員には地方議員や議員秘書出身者が極端に少ない。官僚、弁護士、アナウンサーやジャーナリストといった「エリート」が「オヤジ」から一本釣りされる。そういう女性政治家たちはこれでもかというほど自身の華々しい経歴を書き連ねてなんだか嫌味である・・・「県議は党派を超えて『同じ釜の飯を食ってきたという同族意識』が強く、突然ぽっと出てきたような『若くて、学歴がある』候補には冷ややかな傾向がある」とのこと。「エリート」性を強調するほどに、「自分たちみたいな人」から遠ざかって地元からも浮いていく」、なる 【言い訳トップ4】「D&IはOKだけど、女性活躍はNGなんです」 女性がみんなバリバリ働きたいとは限らない  【言い訳トップ3】「管理職に該当するような女性がいない」 まったくやる気がなさそうな言い訳だ。 「「エリート」性を強調すれば庶民の生活を知らないのにと、「タレント」議員であれば政治を知らないのにと真逆の方向から批判される女性政治家は、いずれにしろ、多くの場合、下からゆっくりと持ち上げられるのではなく、上から急激に一本釣りされている。システマティックな育成を経ずにアドホックに登用されているのだ」、なるほど。 WCDは、世界には実績と資質を兼ね備えた女性ビジネスリーダーがたくさんいることを多くの企業や経営者に知ってもらう上で、重要な役割を果たしていると思います。 日本のようにジェンダー不平等が根強い国においては、WCDのような女性役員のネットワークは特に価値あるものです」、なるほど。 「ハーバードビジネススクールの女性エグゼクティブ養成講座「ウィメン・オン・ボード」「の参加者は修了後も交流を続け、お互いに取締役ポジションを紹介し合ったり、助言をし合ったりするなど、活発な活動を行っています。 また2001年にアメリカで創設されたWCDも、女性役員が集い、交流する場を提供するとともに、企業に取締役候補者を紹介するなど、女性役員を増やすためのさまざまな活動を行っています。 「私が本書の「女性取締役はお飾りか」という項で言いたかったのは、「著名人を取締役に任命して安易に数合わせをするよりも、経済界には多くの有能な女性がいるのだから、その中から積極的に候補者を探しませんか」という点なのです」、なるほど。 【言い訳トップ1】「女性だけ特別視する必要あるの?」 「世界経済フォーラムの男女格差報告で、日本のジェンダーギャップ指数は146カ国中125位と過去最低を更新、先進国で最下位という結果」、いつものことながら恥ずかしい結果だ。 【言い訳トップ5】「女性がみんな、バリバリ働きたいとは限らない」 「言葉をカタカナ用語に変えて薄めていると、本来の目的や問題を見失い、ごまかしの対応策になってしまう危険がある」、その通りで危険だ。
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