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物流問題(その2)(「アマゾンフレッシュ」の生鮮宅配にヨーカドーとヤマトが負ける日、元会長 都築幹彦氏に聞く「ヤマト誤算の検証」(上、下)) [企業経営]

物流問題については、3月16日に取上げたが、今日は、(その2)(「アマゾンフレッシュ」の生鮮宅配にヨーカドーとヤマトが負ける日、元会長 都築幹彦氏に聞く「ヤマト誤算の検証」(上、下)) である。

先ずは、イー・ロジット チーフコンサルタントの角井亮一氏が4月26日付けダイヤモンド・オンラインに寄稿した「「アマゾンフレッシュ」の生鮮宅配にヨーカドーとヤマトが負ける日 料金、配送、品揃え、物流…各方面から徹底比較!」を紹介しよう(▽は小見出し)。
・野菜や果物、鮮魚などの生鮮食品を始め、冷蔵や冷凍の商品も取り扱う「アマゾンフレッシュ」。これまでのインターネット通販とはひと味違ったサービスだが、4月21日から日本でもサービスがスタートした。そこで、物流企業などのコンサルティングを手掛け、アマゾンを長年研究している角井亮一氏に、既存のネットスーパーや物流企業などが展開するサービスと比較してもらうとともに、小売り、物流企業などに与える影響を論じてもらった。
▽米国での誕生から10年目にして日本でもサービスのスタート
・2007年に米国で「アマゾンフレッシュ」が誕生してから今年で10年の今年、ついに日本にも上陸した。 昨年に出版した「アマゾンと物流大戦争」(NHK出版)で書いたように、すでに5~6年前から上陸する兆候はあったのだが、ようやく機が熟したのだろう。17年4月21日からついに日本でサービスを開始した。
・アマゾンフレッシュの有力な国内の対抗馬は、セブン&アイ・ホールディングス傘下のイトーヨーカドーが展開するネットスーパー「イトーヨーカドーネットスーパー」と言われている。そこで両社のサービスの中身を比較してみることにする。 最も大きな違いは、年会費の有無だ。アマゾンフレッシュは、年会費3900円のプライム会員がプラス500円を支払えばサービスを受けることができ、合計で4400円が必要だ。一方のイトーヨーカドーネットスーパーは年会費無料だ。
・送料は、アマゾンフレッシュの場合、6000円以上で無料。対するイトーヨーカドーネットスーパーは、通常1回につき324円(税込)となっているのだが、アマゾンに対抗してか4月30日までは6000円以上無料としている。ただし、6000円未満の場合、アマゾンフレッシュは配達料500円(税込)がかかる。イトーヨーカドーネットスーパーは324円(税込)だから少し割高だ。
・配達スピードは、両社ともに最短4時間。配達時間は、アマゾンフレッシュが午前8時から翌日午前0時までなのに対し、イトーヨーカドーネットスーパーは午前10時から午後10時まで。しかし、アマゾンフレッシュの配達便が8便なのに比べ、イトーヨーカドーネットスーパーの西日暮里店は23便(145店の平均は10便)とかなりの違いとなっている。
▽品揃えは充実の10万アイテムで ヨーカドーネットスーパーの10倍
・このように比較してみると、物流や配送に関しては、大差ないことに気づくだろう。では、一番の差はなにか。それは商品の品揃え、アイテム数だ。  アマゾンフレッシュは、野菜、果物、鮮魚、精肉、乳製品など、1万7000アイテムを揃え、プライムナウで扱う商品アイテム(キッチン用品、健康・美容用品、ベビー用品、ペット用品など)まで含めれば、10万アイテム以上と、品揃えはじつに充実している。 当初、15年11月のアマゾンプライムナウの品揃えが3万アイテム、1年前で6万5000アイテムだと言っていたから、10万点以上にまで広げた努力は凄まじいものがある。
・一般的にコンビニエンスストアは3000アイテム、食品スーパーは1万5000アイテムと言われているから、圧倒的な差だといえる。これに対し、ヨーカドーネットスーパーは1万アイテム。つまり、アマゾンフレッシュは10倍以上のアイテム数となり、消費者から見ればその差は歴然だ。
・しかもである。この10万点の中身が素晴らしい。例えば、オイシックスの美味しい有機野菜など、消費者にとても魅力的に映るものも数多く取り揃えられている。これは、一番目を引くと思われる。 さらに、人形町今半の精肉もあるし、人気のロールケーキ「堂島ロール」(モンシェール)や、粕漬けの魚久、鮮魚の北辰、お菓子の黒船なども品揃えに入っていて、買いたいと思う商品は多数にのぼる。
・また、毎週火曜と金曜に開催する「新鮮市」では、新鮮な野菜や鮮魚が販売される。こうした商品を、物流費など採算度返しで展開されると、日本のネットスーパーにとっては極めて厳しいかもしれない。
▽値上げや当日配送の制限はアマゾン一強時代を加速させる
・それでは、物流企業に対する影響はどうなのか。今年に入って宅配最大手のヤマト運輸は、アマゾンを意識した発言を続けている。値上げもしかり、当日配送の撤退まで匂わせているほどだ。 そこで、ここではアマゾンフレッシュとヤマト運輸の配送サービスの違いを見てみよう。 消費者が一番気にするのは、配達時間だと思う。特に忙しいワーキングマザーには、夜間配送の有無が気になるところだろう。明らかにアマゾンフレッシュのほうが、朝早く、そして夜も遅くまで配送してくれる。深夜0時まで必要かどうかは置いておくとして、9時過ぎの要望は多いようだ。
・また、便数は5便と8便とでヤマトが勝る。しかし、ヤマトに対する不満として、良くツィッターなどでつぶやかれるのが「午前1つの時間枠」。それに比べて、アマゾンフレッシュの場合、午前中は2時間ごとの2便ある。  ただヤマトは、電話やアプリで再配達の依頼が可能だ。さらに配達店でも受け取ることができる。
・私は、最近、警告していることがある。それは、ヤマトが悪いわけではないのだが、値上げなどを始めとするヤマトの一連の動きは、アマゾンを利することに繋がり、アマゾン“一強”を加速してしまう可能性があるということだ。 なぜなら、ヤマトの動きは、ヤマトを多く使うネット通販や小売業のネット通販事業にとって、サービスダウンになってしまうからだ。結果として、物流サービス面でアマゾンとのレベルの差が広がり、多くの消費者はアマゾンに流れかねない。
・これは、今回のフレッシュのような生鮮野菜だけでなく、アパレルや日用雑貨、家電などでも同じことだ。  これからのネット通販企業は、宅配会社に頼ることなく、自社で配送網を構築するくらいの気概がないと沈下してしまう。自社で無理なら、同業他社と共同宅配をやるくらいの気持ちが必要なのではないだろうか。
・こうしてみていくと、アマゾンフレッシの開始によって、アマゾンがさらに消費者から支持されていくのは間違いないだろう。となれば、日本の小売業界の経営陣は、ロジスティクスへの知見を高め、物流に投資して生き残りを目指すしかないのではないだろうか。
http://diamond.jp/articles/-/126017

次に、6月15日付け日経ビジネスオンラインが掲載したヤマト運輸元会長、都築幹彦氏へのインタビュー「ヤマトは会社を作り直して信頼を取り戻せ 元会長、都築幹彦氏に聞く「ヤマト誤算の検証」」を紹介しよう(▽は小見出し、――は聞き手の質問、+は回答内の段落)。
・過去2年分で190億円に上る巨額の未払い残業代の支払い、現場の働き方改革、アマゾンをはじめとするネット通販の当日配送の見直し、さらに27年ぶりの値上げなど、ヤマト運輸は今、大きな改革を迫られている。物流業界に大変革をもたらした宅急便事業を小倉昌男氏とともに育て上げたヤマト運輸元会長、都築幹彦氏にヤマト運輸の現状に対する見方と、改革のために何が必要かを聞いた。
▽サービスの後退は信頼の失墜につながる
――一連のヤマト運輸に関するニュースをお知りになって、都築さんはどのようにお感じでしたか?
ヤマト運輸元会長・都築幹彦氏(以下、都築):まずひとこと言っておきたいのですが、日経ビジネスからの取材依頼を最初は断りました。でも、ここは会って話すべきだと腹を決めました。ヤマト運輸の歴史や経営者の考え方を伝えるべきだと思ったからです。 僕自身はサービス残業、つまり残業代の未払い問題については新聞で知りました。それでね、経営幹部に強く言いました。「君たちは恥ずかしくないのか」とね。
――直接、おっしゃったのですか?
都築:ええ。経営幹部たちにね。ヤマト運輸は2019年に創立100周年を迎えます。その前にこのようなことになって。今回はミスしたよな、と。でも、経営幹部は自らの失敗を認めて、減給などの処分を発表しています。そういう点で言えば、経営陣はきちんと責任を取ろうとしています。ただ、手を打つのが遅すぎたと思っています。
――都築さんからご覧になって何が一番問題だったのでしょうか。
都築:一番の問題は、お客さんの信頼を損ねたことです。一度、当日配達をやりますと言ったのに、できないからやめます、というのは、お客さんから見たら認められないですよ。やると言ったのは、ヤマトじゃないかと。一度始めたのにやめるのはサービスの後退です。これは、最大の信頼の失墜ですよ。こういうミスはこの先、もう絶対犯してはいけない。
――都築さんは、ヤマト運輸の現場の状況をご存じだったのですか?
都築:現場のドライバーから大変だという話は聞いていました。そもそもね、当日配送にはかなり無理があると思っていました。宅急便は全国翌日配達を基準につくったんです。それを当日配送にしたら、ドライバーを酷使することになる。ドライバー泣かせの配達方式ですよ。しかも6つの時間帯に刻んだ時間指定の配達もある。そもそも事前に十分に検証してから始めたのか疑問でした。
+しかも今は、夫婦共働きの家が多いでしょう。特に通販を利用する人はね、夫婦ともに帰りが遅い人も多い。ドライバーからすると、夕方6時に届けても留守で、ひどいときには2回も3回も行く。中にはエレベーターのないマンションの4階のようなお宅もあるでしょうし、エレベーターはあっても高層階に何度も行くのは大変です。届け終わるのは夜の10時、といった現場の苦労話を聞いて、どうなっているんだと思っていました。
+私が現役の頃から、届け日を指定してもらうようなサービスはありました。宅急便は翌日配達が原則なので、例えばゴルフ場でプレーした後にゴルフセットを自宅に送る場合、お客さん本人の帰宅に合わせて翌々日に届くようにするとか。けれど、当日配送とか、2時間ごとの時間指定などは、ドライバーにとって相当な負担になりますよ。
▽なぜ経営陣は現場に目が向かなかったのか
――日経ビジネスの取材に対する経営陣の答は、昨年夏ごろから、ネット通販の荷物が急増し、対応できなくなったというものでした。しかし現場では荷物はもっと前から増えていたという話も聞かれ、対応が遅いという印象は否めません。結果的に巨額の残業代の未払い問題につながりました。
都築:過去、サービス残業がなかったとは、正直言えません。僕の時代にも、ありましたよ。ただ今のように、夜10時まで配達するような状況ではなかったと思います。 運送業と製造業は違います。製造業なら機械を増やして24時間稼働させればいいのですが、運送業は最後は人間が足を使って届けないと仕事が完了しません。
+もともとアマゾンさんの荷物に関しては、佐川急便さんが配りきれなくなり、ヤマトで引き受けてもらえないか、とアマゾンさんに頼まれたのだと思います。もちろんほかにも小さいところまで含めてネット通販の会社はヤマト運輸のサービスを利用してくれていると思いますが、その結果、一番ひどい立場に追い込まれたのがドライバーということです。
――本社は気づいていなかったと思いますか?
都築:見て見ぬ振りをしていたとは思いませんが、対応は遅かったですね。労働組合もそう言うでしょう。実際に、私自身、組合幹部から「経営陣に対し散々言っていたのに、対策が打たれていない」と聞いています。それも、もう3~4年前からの話です。だから今回の問題は急に起きたわけじゃないと思っています。
――ヤマトはもっと早い段階で、通販会社などに、もう荷物は引き受けられないと言うべきだったのでしょうか。
都築:ええ、僕はそう思います。なぜなら荷物が多すぎて配れないと、サービスの質の低下につながるからです。また僕が一番、心配しているのが「傭車」の問題です。ヤマトが配りきれない荷物を、社外の運送会社に委託して配達するというものです。もともと盆暮れなど荷物が急増する時期には、傭車を多く使っていましたが、最近は、日常的に傭車が増えている。傭車であっても、ドライバーはヤマトの制服を着ていますから、お客さんからは、一見、分かりづらいのです。このやり方は、ヤマトへの信頼を大きく損ないかねないと思っているんです。
+ヤマトのドライバーは日々お客さんと接する中で信頼を得ていくんですね。そこに他の運送会社とのサービス品質の差が生まれるんです。でもヤマト以外の運送会社に委託していたら、誰が配っても同じということになります。ヤマトは品質が高いから多少値段が高くてもヤマトを選んでいたお客さんが、ヤマト選ぶ理由がなくなってしまいます。そうなると単に価格競争になってしまうこともあります。
▽量の拡大を追い過ぎた?
――今回、ヤマト運輸はアマゾンから非常に安い価格で配送を請け負っていたようです。それはなぜだと思いますか?
都築:明確な理由は分かりません。しかし、安い荷物でも大量に引き受けることで儲けが出ると考えたのかもしれません。もともと、宅急便というのは、荷物の密度を上げる「密度化」を目標としたサービスなんです。つまり、取り扱い個数を増やせば、ネットワークの路線網を走る車の荷台の密度が高まります。すると一個当たりのコストは下がって利益が増えるというわけです。荷物が少ないと赤字ですが、どれだけ荷物を集めるか、密度化が黒字のカギということです。
+宅急便はその理論に沿って、集配車により多くの荷物を積もうと、量を追ってきました。密度化を唱えたのが小倉昌男さんであり、僕も小倉さんと一緒にやっていましたから密度化を推進してきました。密度化は、いわばヤマト運輸では小倉イズムを体現したものなんです。けれど、現状は、増えすぎた荷物に対応できなくなっている。宅急便も始めてから40年経っているんです。環境も変化して、生活態様、交通事情、天候異変など、以前にない状況が生まれています。密度化すれば黒字になるという従来の考え方では、今後はうまくいかないよ、ということです。 密度化が間違っていたというわけではありませんが、本当はもっと早く、修正すべきだったと思います。
――今回、ヤマト運輸は値上げに踏み切り、荷物を8000万個程度減らして、宅急便事業を見直そうとしています。
都築:サービスの質を守るには、それがいいと思います。むしろ、なぜ、もっと早く踏み切らなかったのか。27年前、実際に宅急便を始めて14年後、私が社長をしていたとき、宅急便の数が増えすぎて現場が追い付かなくなるという経験をして、私は値上げに踏み切りました。 社長を辞める覚悟で小倉イズムを壊そうとした
――まさに今回と同じですね。
都築:現在もそうですが、ドライバーを増やそうとしたけれど、好景気だったこともあり、人手不足で、全然、採用が追いつかない。増え続ける需要にドライバーの数が追い付かず、長時間労働に対して現場から不満も出ていました。十分な人手がなければ、翌日配達が守れないなど、サービスの品質が保てなく可能性もある。ドライバーが疲れていたら、交通事故の危険だってあります。 そこで私は値上げを決断しました。値上げにより宅急便の取り扱い個数をいったん減らそうと決めた。私は、小倉イズムを壊そうとしたんです。
――反対はありませんでしたか。
都築:値上げにはみんな反対でした。当時、運賃を値上げするには運輸省(現・国土交通省)の認可が必要でした。僕は一気に1個100円の値上げをすると決めていました。身近なサービスだけに、20円とか、30円とか、ちょこちょこ上げるのは逆によくないと考えたんです。運輸省からは宅急便は公共輸送、公共機関だからと値上げについていろいろ言われましたよ。しかし最終的にはドライバーの長時間労働を是正するためだという理由で認めてもらいました。けれど、一番反対したのが、小倉さんだったのです。
――なぜ、小倉さんは反対されたのでしょうか。
都築:実は当時、宅急便の取り扱い個数は約4億個でした。しかしライバルも多く、特に日本通運さんが手掛けていたペリカン便が追い上げていました。小倉さんは、うちが値上げしたら、ペリカン便に荷物が流れることを心配していました。シェアを守ることが大事だと考えていたんですね。
+そこで僕は小倉さんに言ったんです。今、世の中が変わってきたんですと。量を追っていたら、荷物の方がどんどん増えてしまって、翌日配達も難しくなっている。大事なのは、宅急便に対する信頼を守ることではないですか、と。いったんは値上げして荷物は減るかもしれないけど、うちもドライバーが足りないのだから、ライバルだってきっと厳しい。向こうもきっと値上げしてきます。そしたら、品質に優れたうちにお客さんは戻ってくるはずだと。
――小倉さんは納得されたんですか?
都築:最終的にはね。「運賃値上げっていくら上げるんだ」と、聞かれたので「100円上げます」と言うと、小倉さんはびっくりしちゃって。でも1回きりの値上げだから、必要な金額で実行するべきだと説明し、踏み切りました。 もし値上げがうまくいかなかったら僕は社長をやめる覚悟でした。結果的に値上げはプラスに働き、ドライバーの確保や次の成長のための設備投資の原資にすることができました。予想どおりペリカン便も値上げをして、翌年の宅急便の売り上げは前年比109%と伸びたのです。
▽信頼されるから荷物が集まる
――お客さんからの「信頼」を保つことができたとお考えですか?
都築:その通りです。だって、信頼できない運送会社に荷物は預けないでしょう?かつて、宅配の市場は郵便小包がほぼ独占していました。国鉄に荷物を託す鉄道小荷物という方法もありましたが、鉄道ですから駅から家までの足がない。一部、運送会社が運んでいましたが、「駅留」と言って、駅まで自分で荷物を取りに行かなくてはならなかったのです。みんなリヤカーで取りに行ったものです。
+一方、郵便局はというと、例えば、荷物を持って行って、この荷物はいつごろ着きますかと聞きますね、すると「着いたときに着きますよ」という答えが返ってくるような状態なんです。宅急便をやる前には、ああ、これは絶対苦情にならない、いい言い方だなと、思いました。でも、お客さんから見ると、いつ着くか分からないでは、困るでしょう。そこでヤマト運輸は、荷物を受けたら全国に翌日配達しようと。そのサービスを実現し、品質を磨いて、信頼を高めてきたんです。
+僕は縁あってヤマト運輸に入社しました。それで小倉昌男さんと一緒に宅急便を始めて、皆さんから、宅急便というのは発明だ、なんて言われてきました。やっぱり自分が働いてきたヤマト運輸という会社、育ててきた宅急便というのはかわいいんです、僕は。だから今、こういうことになって本当に悲しいんです。
――今回、ヤマト運輸には大きな問題が起きたわけですが、都築さんがヤマトがここで経営を立て直すために、もう一度輝くために何が必要だとお考えですか?
都築:それは、もう一回、原点に戻れということです。一言でいえば。宅急便を始めたときの発想からずいぶんずれちゃっているよ、ということを言いたい。 かつて、宅急便を始める前のヤマト運輸は、業績がずっと悪かったんです。それには原因があって、何の特色もない運送会社になっていたからなんです。運転手もあんまり質がいいとは言われなかった。歴史のある運送会社で、一時は成功していたんですが、知らないうちにヤマト運輸は惰性に流されて信頼されない会社になっていたんです。
――そこから宅急便をつくり、発展させてきたということですか。
都築:会社というのは作り変えることができるし、人間、考えればアイデアが生まれるものです。ただ、今の経営陣は人柄はいいけれど、品がいいというか、がむしゃらさが足りないようにも見えます。 僕は小倉さんとさんざん言い合って、議論しました。小倉さんに平気で何でも言うのは僕くらいだったかもしれないけど、言いたいことを言って議論しました。だから、今の経営陣にも、議論して考えて、ヤマト運輸を作り変えていってほしいと思います。小倉さんだって、生きていたら、もっと自分たちで考えてみたらどうだって、きっと言うはずです。
――では、会社を作り変えるということについて、さらに都築さんの意見を聞かせてください。
http://business.nikkeibp.co.jp/atcl/report/16/030300119/061400012/?P=1

第三に、6月16日に掲載された上記記事の続き「「考える経営」が現状を打ち破る 元会長、都築幹彦氏に聞く「ヤマト誤算の検証」(下)」を紹介しよう(▽は小見出し、――は聞き手の質問、+は回答内の段落)。
・残業代未払いや荷物の増加に伴う当日配達の見直しなどで揺れたヤマト運輸。現場の問題への対応に遅れたとされるヤマト運輸の経営の問題に対してどう考えるか、同社元会長・都築氏にさらに意見を聞いた。都築氏は「(経営の立て直しのためには)会社を作り変えろ」と説き、「信頼」「挑戦」「人」など、ヤマトが取り組むべき課題を挙げる。
▽「どん底」のヤマト運輸から生まれた宅急便
――前回のインタビューの最後で、都築さんは「会社は作り変えることができる」とおっしゃいました。実際に都築さんは小倉昌男さんと一緒に宅急便事業を育て上げ、ヤマト運輸を大きく作り変えてこられましたね。
ヤマト運輸元会長・都築幹彦氏(以下、都築):僕は35年にわたって、小倉昌男さんと一緒に仕事をしました。ちょうど、僕が30歳で路線部の営業課長だった時に、4つ年上の小倉さんが営業部長になったんです。それ以来、ほぼ一緒なんです。
+この路線部というのは、ヤマト運輸の中でも主力のトラック事業の部門なのですが、赤字続きなんです。小倉さんは飲みに行くと「この会社はつぶれるんじゃないか」と嘆いていました。もちろん、小倉さんにとってヤマト運輸は、親父さんである小倉康臣さんが創った会社で、いつかは自分が継ぐという意識もあったと思います。でも、僕も一緒になって「古いばっかりで、この会社はだめですね」と言ってました。 言ってみれば、宅急便が生まれる前はヤマト運輸の「どん底」の時代だったのです。
――宅急便は苦しい状況の中で生まれたということですね。
都築:実は、宅急便の原点には、康臣氏が戦前に作った「大和便(やまとびん)」というサービスがあるのです。これはイギリスの運送会社が手掛けていた輸送サービスを参考にして作ったものですが、関東域内で運送事業をする免許を取り、個人間の荷物を運ぶ路線ネットワークを作ってドアツードアで荷物を運んでいたのです。これは非常に成功していたということです。
――そういう先見性も持っていたのに、戦後、東京-大阪という幹線への進出で遅れをとり、ヤマトの経営は苦しかった。なぜでしょう?
都築:僕もね、そのことについて、疑問に思っていたんです。そこで創業者の康臣さんに直接尋ねたことがあります。路線部の営業課長時代、康臣さんの出張のかばん持ちをすることになり、お供して得意先を回る機会があったので、そのとき思い切って尋ねたんです。
+まず、関東にネットワークを作っていたのだから、関西でも認可をとってネットワークを作ればよかったのに、そうしなかったのはなぜかと。すると、取ろうとしたときには、もうすでに西濃運輸さんや福山通運さんが関西を中心に動いていて、取りたいけれど取れなかった。向こうが強くなっていた、という答えが返ってきました。
+東京-大阪間の幹線も西濃さんや福通さんが先行して、ヤマトはそれから5~6年たって免許申請したそうです。そうしたら関西の運送業者が、運輸省に対して、ヤマトに認可を出すのを反対して、結局、遅れをとったということでした。康臣さんにすると、当時は道路も車もあまりよくなかったので、東海道はトラック輸送より鉄道、という見方をしていたと思います。そこで、遅れた面もあるかもしれません。
+最終的にはヤマトも東京-大阪間に進出しましたが、すでにライバルが荷主を押さえていました。僕自身、営業を担当したんですが、まったく取れなかった。苦労しました。 ドル箱路線の東海道を走る運送会社は長距離業者と呼ばれ、一方で、ヤマト運輸は近距離業者だと言われて、「かつては一流だったけど、今は三流」とも言われました。悔しい思いをしました。
――ヤマトは近距離業の事業でどのような荷物を手掛けていたのですか?
都築:百貨店の荷物の配送とか、家電製品の配送などですね。三越(現三越伊勢丹)さんや、松下電器産業(現パナソニック)さんが大きな顧客でした。それから旧国鉄の荷物を運ぶ通運事業も売り上げを立てていました。
▽創業者、康臣氏の功績も知ってほしい
――宅急便を始めてからは、宅急便に集中していったのですね。
都築:そうです。松下さんはじめ法人のお客さんを軒並みこちらから断わったのです。 宅急便が大成功を収めたので、今ではヤマト運輸と言うと、宅急便の会社ということになりますが、ヤマトには宅急便の前にも長い歴史があるわけです。けれどマスコミも、また社内でも、どうしても小倉昌男さんのイメージが強い。極端に言えば、昌男さんを偶像化、神格化してしまう面があります。
+しかし、実際には創業者の康臣氏の功績も大きかったのです。2人を知る私にすれば、昌男氏に比べて、康臣氏が果たした役割が知られていないことは残念です。会社の歴史には、実は学ぶことがとても多いと思うんです。 康臣さんと昌男さんは、父と息子であったゆえに、やりづらい面、難しい面もあったと思います。昌男さんにしてみると、康臣さんが長い間社長を務めて、かなりワンマンだったので自分がやりづらい思いをしたのでしょう。その影響もあり、社長や会長職に定年制を設けて、潔く身を引く制度を作ったりしています。
――定年制の影響もあってか、ヤマトは小倉昌男さんが去った後も、トップがきちんと交代しているという印象はあります。
都築:僕もきっぱりやめていますし、最後は相談役になりましたけど、発言権がないならあまりやっても仕方ないかなと、1期で辞めました。ただ、社内では小倉さんの存在が大きかっただけに、ヤマトを引っ張っていく後継者となる人材をきちんと育てたかといわれると、あまり、できていなかったかもしれません。
+初代社長の康臣さんは50年にわたって、社長を務めました。ワンマンになるのも仕方ないかもしれません。その後、昌男さんが16年社長を務めています。2人の存在はとても大きいものです。 ただ、その後は4年程度で代わっていますから、任期が短めなので、一つの考えを貫いて大きな事業を描くというのは、やりづらくなっているかもしれない。これはヤマト運輸だけの問題ではないと思いますが。今回の問題が起きて、僕は経営者をどう育てるかを強く考えさせられました。
――名経営者の後の舵取りが難しいというのはよく聞く話です。
都築:ただ、小倉昌男さんといえども、一人で経営ができたわけではないんですね。 僕は、昌男さんに随分、教えてもらいました。僕よりはるかに頭がいい人です。発想力がある。僕は何ていうかな、自分で言えば、がむしゃらにがんばるタイプです。小倉さんを陸軍大臣、総理大臣だとしたら、僕は参謀本部長というところでしょうか。やっぱりアイデアとか頭の力は小倉さんの方がある。僕は現場屋だから実践派ですね。
+ただ、二人だったから力を合わせられたところも多々あると思います。例えば、昌男さんは規制緩和を唱えて、当時の運輸省(現国土交通省)の許認可権限はおかしいとか、発言するんですね。その後、私が低姿勢で運輸省に説明に行ったり。実際に認可の申請に行くのは私ですし。「ヤマトさんは出入り禁止だよ」と役人に嫌みを言われながらも、事情を説明しましたよ。
+時には、小倉さんと意見が対立することもありましたが、僕も意見を曲げませんでした。僕のような人間をずっとそばに置いた小倉さんはすごいと思います。何でも言う人間だからそばに置いたのでしょうね。 今は、持ち株会社に変わったのだから、経営陣の中でもぜひ議論してほしいし、勉強をして議論して、時代にあった経営に変えていってほしいと思います。
▽多角化戦略をどう考える?
――おっしゃるとおり、ヤマト運輸は2005年にホールディングス制に移行し、グループとしての事業戦略を描いていますね。宅急便事業を核としながらも、法人需要、つまりBtoBの物流や海外事業の展開など、多角化路線を打ち出しています。
都築:すでにアジアなどに進出していますし、海外展開をしたいという気持ちは分かるけれど、慎重に進めるべきだと思っています。僕が言っているのは、まずは国内をしっかり固めることが先ではないかと。 将来にわたって反対というのではありません。報道などによると、佐川急便さんも海外展開に力を入れていると聞いています。一方で、日本郵政さんは海外の物流会社を買収したけれどうまくいかず、巨額の損失を出している。ヤマトには、まず自分の足元をしっかり固めて、十分に準備をしてからでもいいのではないかと。今、ヤマトの足元は決して磐石ではないと思うのです。 実際に、今回も荷物が配りきれず、問題が起きたのです。当日配達だとか海外進出とか、無理をしている面があるようにも見えます。
――ヤマトの中に、少子高齢化で、いつかは国内市場の伸びが止まるので、海外へという考えがあるのかもしれません。
都築:今後も市場が伸びていくかどうかは僕も分かりません。でも今ヤマトは5割のシェアを持っていると言われますが、5割ということはまだ5割残っているわけです。極端な言い方をしたら、全部宅急便が扱えば、今の倍になるわけでしょう。まずは国内の体制を万全にしてから、海外に展開してもいいのではないかと思います。もちろん目下の状況では、日本でさらにシェアを増やそうにも、ドライバーの確保からして、大変だと思いますが。
▽巨大物流施設が稼動して、末端は?
――2000億円を投じて、羽田や沖縄などに国内市場はもとよりアジア展開をにらんだ大規模な物流施設を作るなど、設備投資にも力を入れています。
都築:それはいいのですが、どうも大きな設備を作ったから、アマゾンさんのような大量の荷物も扱えるという判断につながったのではないか、と気にはなります。立派な施設ですね。あれだけのものを作ったら、いかに稼働率を上げていくか、ということも考えるでしょう。
・ただ、巨大物流施設で機械を使って、たくさんの荷物を受注して仕分けても、最後は全国の営業所に届いてドライバーが運ぶわけです。末端の配送の負担も考える必要がありますね。
――宅急便だけに頼る事業構造から変えていきたいという狙いはあると思います。
都築:事業には限界が来ると思うかもしれませんが、面白いもので、需要というのは、いろいろ変化するんです。 宅急便だって、考えて、考えて、もともとなかったサービスを作り出したわけです。今後は、配達の仕方だって、うんと変わっていくかもしれない。また変えていかなくちゃならないと思います。
+僕は、アイデアというものは、考えればなんぼでも出てくるんじゃないかと思っています。だから、この先、何年かしたら荷物が減るんじゃないかとか、仕事がなくなっちゃうんじゃないかと、不安になる必要はないと思う。 ある事業やサービスがこれで終わりということは、絶対ないと思います。もうどんどん新しく変わっていくわけです。その変わっていくところを、どうとらえていくかですね。
▽佐川、郵政などライバルとの争いに負けるな
――最後に、都築さんから見て、今後、ヤマト運輸、ヤマトホールディングスが大事にすべきものは何でしょうか。
都築:繰り返しになりますが、まずは「信頼」です。今回の件で、ヤマト運輸は大きく顧客の信頼を損ねてしまいました。だからもう一度、信頼を構築しないといけません。今や郵便局だって、サービス品質を上げて来ています。かつての郵便小包と宅急便のような明確な差はないのです。佐川急便さんも上場を準備していると聞きました。こうしたライバルがいることも意識しながら、ヤマトの品質も上げていかないといけないと思います。
+二つ目は「挑戦」です。宅急便は郵便小包という独占事業への挑戦でした。また宅急便だけでなく、ヤマト運輸はこれまでも、いろいろな事業に挑戦してきました。出遅れたこともありましたが、挑戦してきたから100年の歴史を築いてきた。逆に今回、こういう事件が起きたから、この機を生かしてほしいですね。 好景気で会社の調子がいいときというのは、実は経営者にとっては、やりにくいことも多いのです。でも今は、会社として見直すときですから、無駄を省いたり、新しいサービスを考えることが大事です。せっかくヤマトには歴史があるのですから、歴史から学んだり、経営者も勉強して出直し、挑戦するときだと思いますね。
・そして忘れてならないのは「人」ですね。信頼を得るのもお客さんに接する「人」で、会社の挑戦を実際に形にするのも「人」ですから。最前線にいるドライバーをはじめ、人を育て、大切にする会社になってほしいと思います。僕自身はもうヤマト運輸を離れていますが、ヤマトの事業の社会的意義は大きいし、後輩たちには期待しているんです。
http://business.nikkeibp.co.jp/atcl/report/16/030300119/061500013/?P=1 

「アマゾンフレッシュ」は確かにすごく便利なサービスのようだ。ただ、ヤマト運輸ですら頭を抱えている配送の問題をどう解決するかについては、記事では触れられてないのは、玉にキズだ。 『これからのネット通販企業は、宅配会社に頼ることなく、自社で配送網を構築するくらいの気概がないと沈下してしまう』、というのは筆がすべり過ぎた「暴論」といえよう。
都築幹彦氏へのインタビューは、読ませる内容だ。上では、 『僕が一番、心配しているのが「傭車」の問題です。ヤマトが配りきれない荷物を、社外の運送会社に委託して配達するというものです』、というのは、ピーク時対応のために、サービス品質維持を犠牲にしていることになるが、ある程度はやむを得ないのではなかろうか。 『宅急便というのは、荷物の密度を上げる「密度化」を目標としたサービスなんです・・・密度化は、いわばヤマト運輸では小倉イズムを体現したものなんです。けれど、現状は、増えすぎた荷物に対応できなくなっている』、というのは、ビジネスモデルの根幹に係る重大な問題のようだ。 『27年前、実際に宅急便を始めて14年後、私が社長をしていたとき、宅急便の数が増えすぎて現場が追い付かなくなるという経験をして、私は値上げに踏み切りました』、小倉氏をはじめ周囲が反対するなかで、値上げを貫いたというのは、大したものだ。ただ、今回とは環境も違うので、今回の値上げが上手くいくという保障にはなりそうもない。
下では、 『「どん底」のヤマト運輸から生まれた宅急便』、というのは初めて知った。 『巨大物流施設で機械を使って、たくさんの荷物を受注して仕分けても、最後は全国の営業所に届いてドライバーが運ぶわけです。末端の配送の負担も考える必要がありますね』、というのはその通りだ。現経営陣にも慎重な手綱さばきを期待したい。
明日は、宅配ボックスの問題を取上げる予定である。
タグ:米国での誕生から10年目にして日本でもサービスのスタート 巨大物流施設で機械を使って、たくさんの荷物を受注して仕分けても、最後は全国の営業所に届いてドライバーが運ぶわけです。末端の配送の負担も考える必要がありますね 挑戦 信頼 僕が一番、心配しているのが「傭車」の問題です。ヤマトが配りきれない荷物を、社外の運送会社に委託して配達するというものです 角井亮一 (その2)(「アマゾンフレッシュ」の生鮮宅配にヨーカドーとヤマトが負ける日、元会長 都築幹彦氏に聞く「ヤマト誤算の検証」(上、下)) 物流問題 品揃えは充実の10万アイテムで ヨーカドーネットスーパーの10倍 国内の対抗馬は、セブン&アイ・ホールディングス傘下のイトーヨーカドーが展開するネットスーパー「イトーヨーカドーネットスーパー」 アマゾンフレッシュは、年会費3900円のプライム会員がプラス500円を支払えばサービスを受けることができ、合計で4400円が必要だ。一方のイトーヨーカドーネットスーパーは年会費無料 野菜や果物、鮮魚などの生鮮食品を始め、冷蔵や冷凍の商品も取り扱う「アマゾンフレッシュ」 ダイヤモンド・オンライン 一番の問題は、お客さんの信頼を損ねたことです。一度、当日配達をやりますと言ったのに、できないからやめます、というのは、お客さんから見たら認められないですよ。やると言ったのは、ヤマトじゃないかと。一度始めたのにやめるのはサービスの後退です。これは、最大の信頼の失墜ですよ ヤマトは会社を作り直して信頼を取り戻せ 元会長、都築幹彦氏に聞く「ヤマト誤算の検証」 日経ビジネスオンライン サービスの後退は信頼の失墜につながる これからのネット通販企業は、宅配会社に頼ることなく、自社で配送網を構築するくらいの気概がないと沈下してしまう 値上げや当日配送の制限はアマゾン一強時代を加速させる ヤマトはもっと早い段階で、通販会社などに、もう荷物は引き受けられないと言うべきだった 巨額の残業代の未払い問題につながりました 当日配送とか、2時間ごとの時間指定などは、ドライバーにとって相当な負担になりますよ ドライバー泣かせの配達方式 宅急便は全国翌日配達を基準につくったんです。それを当日配送にしたら、ドライバーを酷使することになる 値上げにはみんな反対でした けれど、現状は、増えすぎた荷物に対応できなくなっている 密度化を唱えたのが小倉昌男さん 27年前、実際に宅急便を始めて14年後、私が社長をしていたとき、宅急便の数が増えすぎて現場が追い付かなくなるという経験をして、私は値上げに踏み切りました つまり、取り扱い個数を増やせば、ネットワークの路線網を走る車の荷台の密度が高まります。すると一個当たりのコストは下がって利益が増えるというわけです もともと、宅急便というのは、荷物の密度を上げる「密度化」を目標としたサービスなんです 、実際には創業者の康臣氏の功績も大きかったのです 「どん底」のヤマト運輸から生まれた宅急便 「考える経営」が現状を打ち破る 元会長、都築幹彦氏に聞く「ヤマト誤算の検証」(下) ドル箱路線の東海道を走る運送会社は長距離業者と呼ばれ、一方で、ヤマト運輸は近距離業者だと言われて、「かつては一流だったけど、今は三流」とも言われました。悔しい思いをしました 信頼されるから荷物が集まる 一番反対したのが、小倉さんだったのです すでにアジアなどに進出していますし、海外展開をしたいという気持ちは分かるけれど、慎重に進めるべきだと思っています まずは国内をしっかり固めることが先ではないかと 2000億円を投じて、羽田や沖縄などに国内市場はもとよりアジア展開をにらんだ大規模な物流施設を作るなど その後、昌男さんが16年社長を務めています 初代社長の康臣さんは50年にわたって、社長を務めました
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