ブラック企業(その16)(ダイハツ お前もか…闇落ちするブラック企業には「ヤバいスローガン」がある、従業員の不満投稿が多い“ブラック”企業ランキング2023【トップ30】6位ヨドバシカメラ 3位イオンリテール ビッグモーターも上位!) [企業経営]
ブラック企業については、昨年3月31日に取上げた。今日は、(その16)(ダイハツ お前もか…闇落ちするブラック企業には「ヤバいスローガン」がある、従業員の不満投稿が多い“ブラック”企業ランキング2023【トップ30】6位ヨドバシカメラ 3位イオンリテール ビッグモーターも上位!)である。
先ずは、昨年12月28日付けダイヤモンド・オンラインが掲載したノンフィクションライターの窪田順生氏による「ダイハツ、お前もか…闇落ちするブラック企業には「ヤバいスローガン」がある」を紹介しよう。
https://diamond.jp/articles/-/336571
・『「員数主義」に走っていたとしてもなぜこれほどダイハツは「堕ちた」のか 不正問題で揺れるダイハツが、「ブラック企業」だと叩かれている。 12月20日に第三者委員会の調査報告書で指摘された社風が、「そりゃ、不正がまん延するよ」「昔、在籍していたブラック企業がまさにこんな感じだった」などと、世間をドン引きさせているのだ。 まず報告書によれば、ダイハツは「極度のプレッシャーに晒されて追い込まれた現場の担当者に問題の解決が委ねられた現場任せの状況になっていた」という。ぶっちゃけ、こういう「現場に丸投げ」はサラリーマンならば一度や二度は経験する「あるある」だが、ダイハツがすさまじいのはここからだ。 現場が「これこれこういう問題でできません」と管理職にSOSを出しても、「『で?』と言われるだけで相談する意味がなく、問題点を報告しても『なんでそんな失敗したの』『どうするんだ』『間に合うのか』と詰問するだけで、親身になって建設的な意見を出してくれるわけではない」(調査報告書より)というのだ。 要するに、「どんな手を使っても結果を出すのがお前の仕事だろ」と言わんばかりに、ノルマと責任をすべて「下」に押し付ける、という威圧的マネジメントがまかり通っていた。「下」は、生きるためにやむなく不正行為に走ったというワケだ。 ちなみに、これは筆者が本連載の中で、日本企業の「不正カルチャー」の原因だと繰り返し指摘してきた「員数主義」の典型的なケースだ。「員数」とは旧日本軍内で使われてた装備品や物資の数を示す言葉だ。 軍隊内ではこの「員数」と帳簿上の数が合わないのは「あり得ない」ので、ダイハツのように「で?」「なんで数が合わないの」「どうするんだ」と詰問された。そこで、とにかく員数を合わせるため、他部隊から装備品を盗んだりする不正行為がまん延、現場レベルでは黙認されていたというのだ。 そんな旧日本軍の「数の帳尻を合わせるためならば多少のインチキには目をつぶる」という「員数主義」が戦後、従軍経験者や軍需工場での勤務経験者を介して、日本の民間企業にも引き継がれて、現在に至るというのが筆者の考えだ。詳しくは、《ビッグモーター前社長の他人事発言が、東京裁判「元陸軍大将の釈明」と重なる理由》をお読みいただきたい。 ただ、仮にダイハツが員数主義にむしばまれていたとしても、ここまで「ベタベタのブラック企業」になってしまったことは説明できない。日本最古の自動車メーカーであり、軽自動車国内新車販売台数17年連続トップの名門がなぜこんな「闇堕ち」してしまったのか』、「これは筆者が本連載の中で、日本企業の「不正カルチャー」の原因だと繰り返し指摘してきた「員数主義」の典型的なケースだ。「員数」とは旧日本軍内で使われてた装備品や物資の数を示す言葉だ。 軍隊内ではこの「員数」と帳簿上の数が合わないのは「あり得ない」ので、ダイハツのように「で?」「なんで数が合わないの」「どうするんだ」と詰問された。そこで、とにかく員数を合わせるため、他部隊から装備品を盗んだりする不正行為がまん延、現場レベルでは黙認されていたというのだ。 そんな旧日本軍の「数の帳尻を合わせるためならば多少のインチキには目をつぶる」という「員数主義」が戦後、従軍経験者や軍需工場での勤務経験者を介して、日本の民間企業にも引き継がれて、現在に至るというのが筆者の考えだ・・・ただ、仮にダイハツが員数主義にむしばまれていたとしても、ここまで「ベタベタのブラック企業」になってしまったことは説明できない。日本最古の自動車メーカーであり、軽自動車国内新車販売台数17年連続トップの名門がなぜこんな「闇堕ち」してしまったのか」、その通りで、興味深そうだ。
・『「ヤバいスローガン」による弊害? 実はビッグモーターも… いろいろなご意見があるだろうが、報道対策アドバイザーとして、世間的に「ブラック企業」のそしりを受けた会社の危機管理も手伝った経験から言わせていただくと、「ヤバいスローガン」の弊害もあると思っている。 社訓、社是、ミッション、パーパスなど呼び方はさまざまだが、企業というのは自分たちの会社が目指すべきこと、社員が心がけることをスローガンとして掲げて、研修や教育で現場に叩き込んでいく。例えば、トヨタの場合、創業以来受け継がれてきた「豊田綱領」がこれにあたる。他にも、トヨタウェイだミッションだと色んな言葉が掲げられているが、「豊田綱領の精神」が最上位にあるという。 「たかがスローガンが企業カルチャーに影響なんてしねーよ。オレなんか自社のスローガンが何かなんてまったく知らないし」と嘲笑する人も多いだろう。しかし、我々はつい最近も「ヤバいスローガン」が「ヤバい会社」を生み出したことを目の当たりにしている。 勘のいい方はお分かりだろう、ビッグモーターだ。 ビッグモーターもダイハツ同様に不正発覚後、ブラック企業ぶりが叩かれた。ノルマ達成できないとLINEグループ内や会議でボロカスに人格否定されて降格や左遷。目標未達だと罰金を自腹で払わされるなどの社風が次々と明らかになっていく中で、注目されたのは、「ヤバい経営計画者」だ ビッグモーターの整備工場前では毎朝、従業員が一堂に会して、創業者である兼重宏行氏のかなりクセのある経営思想が反映された「経営計画書」を読み上げていた。 例えば、「会社と社長の思想は受け入れないが仕事の能力はある」社員について、「今、すぐ辞めてください」とピシャリ。さらには「店長には営業マンの生殺与奪権を与える」などの内容も唱えられていた。 これらのスローガンを毎日叩き込まれた社員が「上の命令にはガタガタ言わずに黙って従う」としつけられることは言うまでもない。つまり、上から課せられたノルマが達成できない場合も、「できません」など言うことはあり得ないということだ。となると、残る道はインチキしかない。 この「ヤバいスローガン」はダイハツにも当てはまる』、「我々はつい最近も「ヤバいスローガン」が「ヤバい会社」を生み出したことを目の当たりにしている。 勘のいい方はお分かりだろう、ビッグモーターだ。 ビッグモーターもダイハツ同様に不正発覚後、ブラック企業ぶりが叩かれた。ノルマ達成できないとLINEグループ内や会議でボロカスに人格否定されて降格や左遷。目標未達だと罰金を自腹で払わされるなどの社風が次々と明らかになっていく中で、注目されたのは、「ヤバい経営計画者」だ ビッグモーターの整備工場前では毎朝、従業員が一堂に会して、創業者である兼重宏行氏のかなりクセのある経営思想が反映された「経営計画書」を読み上げていた。 例えば、「会社と社長の思想は受け入れないが仕事の能力はある」社員について、「今、すぐ辞めてください」とピシャリ。さらには「店長には営業マンの生殺与奪権を与える」などの内容も唱えられていた。 これらのスローガンを毎日叩き込まれた社員が「上の命令にはガタガタ言わずに黙って従う」としつけられることは言うまでもない。つまり、上から課せられたノルマが達成できない場合も、「できません」など言うことはあり得ないということだ。となると、残る道はインチキしかない。 この「ヤバいスローガン」はダイハツにも当てはまる」、なるほど。
・『「1mm、1g、1円、1秒へのこだわり」にはらむ危ない優先度 報道されているように、ダイハツは「数値目標」に対して非常にシビアだ。スローガンとして「1mm、1g、1円、1秒にこだわってお客様に寄り添ったクルマづくり」を掲げて、現場にも叩き込んでいたという。 ものづくり企業として素晴らしい目標じゃないか、どこが問題なのだ」と首を傾げる方もいるかもしれないが、大いに問題がある。ダイハツが寄り添うという「お客様」からすれば、車は「安心安全」がまず何よりも重要で、次に「コスパ」だ。とにかく1円でも安いことが重要で、そのためには多少の危険はガマンする、なんてユーザーは珍しい。 つまり、「1mm、1g、1円、1秒へのこわだり」なんて、ダイハツ側が思っているほど、ユーザーはありがたがっていないのだ。 もちろん、自動車評論家やら自動車を趣味としている人は「コスパ」や「走り」からダイハツ車を選んでいるのだろうから、「1mm、1g、1円、1秒へのこわだり」は重要だ。しかし、一般的な軽自動車ユーザーにとって、ダイハツ車は仕事や生活の足であり、大切な人を載せるモビリティに過ぎない。つまり、「1mm、1g、1円、1秒」はユーザー目線ではなく、作り手目線のこだわりなのだ。 そういうプロダクトアウト的なスローガンを掲げ、それを現場に叩き込んでいる時点で、ダイハツがユーザーメリットより、企業内の論理を優先する「ヤバい会社」だということが伺えるのだ』、「一般的な軽自動車ユーザーにとって、ダイハツ車は仕事や生活の足であり、大切な人を載せるモビリティに過ぎない。つまり、「1mm、1g、1円、1秒」はユーザー目線ではなく、作り手目線のこだわりなのだ。 そういうプロダクトアウト的なスローガンを掲げ、それを現場に叩き込んでいる時点で、ダイハツがユーザーメリットより、企業内の論理を優先する「ヤバい会社」だということが伺えるのだ」、その通りだ。
・『「世界一」を目標にしていたが… 「高すぎる目標」が日本企業のブラック化につながる そんな「内向きなカルチャー」を象徴することがもうひとつある。ダイハツが掲げる「世界一」というスローガンだ。5つのフィロソフィー(グループ理念)の最後にこうある。 「世界一のスモールカーづくりが私たちの挑戦(チャレンジ)です」 実はこれは不正がまん延する企業によく見られるスローガンだ。 筆者は2017年10月に、『神戸製鋼も…名門企業が起こす不正の元凶は「世界一病」だ』という記事を書いた。その際、神戸製鋼、三菱自動車、東芝など「世界一の技術」をスローガンにしていたものづくり企業で相次いで不正が発覚していく事例を紹介して、原因を次のように分析をさせていただいた。ちょっと長いが、今回のダイハツにも当てはまる本質的な問題なので引用しよう。 ================= 「世界一」とは本来、技術力や生産性を高めていくうちに、他者からの評価という形で得られる「結果」に過ぎない。 しかし、東芝の場合はこのように何十年も「世界一」を追い求めてきたことで、いつのまにやら「世界一」になることが何よりも優先すべき「目的」となってしまった恐れがあるのだ。このように「結果」と「目的」をはきちがえた時、企業は「不正」に走る。 (中略) 鉄鋼、自動車、電機というかつて日本の基幹産業と呼ばれた業種を代表する企業たちが、まるで内部からガラガラと崩壊するように、不正が噴出している。 これには競争力に問題があるとか、生産性が下がったからだとか、いろいろなご意見があるだろうが、筆者はこれまで見てきたように、これらの業界がかつて「世界一」というスローガンを掲げて、それをがむしゃらに追い求めてきたことの「重い後遺症」だと思っている。 =================== 戦前の報道を見てもわかるが、日本人は昔から「日本一」「東洋一」「世界一」がやたらと好きだ。「とにかく夢は大きく、目標は高い方がいい」という思想があるからかもしれないが、そんな日本人の「高すぎる目標」が不正や組織のブラック化のトリガーになっている醜悪な現実がある』、「神戸製鋼、三菱自動車、東芝など「世界一の技術」をスローガンにしていたものづくり企業で相次いで不正が発覚していく事例を紹介して、原因を次のように分析」、「「世界一」とは本来、技術力や生産性を高めていくうちに、他者からの評価という形で得られる「結果」に過ぎない。 しかし、東芝の場合はこのように何十年も「世界一」を追い求めてきたことで、いつのまにやら「世界一」になることが何よりも優先すべき「目的」となってしまった恐れがあるのだ。このように「結果」と「目的」をはきちがえた時、企業は「不正」に走る。 (中略) 鉄鋼、自動車、電機というかつて日本の基幹産業と呼ばれた業種を代表する企業たちが、まるで内部からガラガラと崩壊するように、不正が噴出している。 これには競争力に問題があるとか、生産性が下がったからだとか、いろいろなご意見があるだろうが、筆者はこれまで見てきたように、これらの業界がかつて「世界一」というスローガンを掲げて、それをがむしゃらに追い求めてきたことの「重い後遺症」だと思っている」、なるほど。
・『現場に追い討ちをかける「高すぎる目標」 人口減少時代は「無理ゲー」 人口が右肩上がりで増えて、市場も拡大していく時は「高すぎる目標」はプラスに働く。消費者も労働者もたくさんいるので、高めの目標を見上げながら技術や品質を極めることができた。巨大な国内市場でテストマーケティングして、海外市場で戦うことも可能だ。だから、人口増時代のメイド・イン・ジャパンの日本車、白物家電、半導体が世界を席巻したのだ。 しかし、人口減少して労働者も消費者も減るとこの好循環がすべて「逆回転」していく。 まず、市場がシュリンクしていくので、人口増時代の売上規模がキープできない。そこでどうにか「数」で勝負をしようと、薄利多売に傾倒して、ものづくり企業は「安くて高品質」のプレッシャーが強くなる。高度経済成長期の日本でそれができたのは賃金が低いからだが、そういう現実から目を背けてどうにか技術力とコストカットで「安くて高品質」を実現しようとするので、当然、現場は疲弊していく。 そんなボロボロの現場に追い討ちをかけるのが、「高すぎる目標」だ。人口増時代は頑張れば達成できるかもと希望が持てたが、人口減少時代は「無理ゲー」を強いて、メンタルを破壊することにしかならない。しかし、管理職は自分が若い時の成功体験があるので、現場から「こんなスケジュールではできません」「もうコストカットは限界です」と泣きつかれても、「で?」「それを可能性にするためには何をすればいいのか考えるのがお前の仕事だ」など突き放す。 そうなると、追いつめられた現場はどうするか。「やってられない」と辞表を出すか、開き直って左遷・更迭されるか、あるいはインチキをするか、だ。 これがこの30年間ほど「世界一」を掲げてきたものづくり企業の現場でパワハラや不正が次々と明らかになっている根本的な原因だ。無茶なスローガンに耐えきれなくなってきた現場が、これまでのインチキを隠し通せなくなってきたのである』、「ボロボロの現場に追い討ちをかけるのが、「高すぎる目標」だ。人口増時代は頑張れば達成できるかもと希望が持てたが、人口減少時代は「無理ゲー」を強いて、メンタルを破壊することにしかならない。しかし、管理職は自分が若い時の成功体験があるので、現場から「こんなスケジュールではできません」「もうコストカットは限界です」と泣きつかれても、「で?」「それを可能性にするためには何をすればいいのか考えるのがお前の仕事だ」など突き放す。 そうなると、追いつめられた現場はどうするか。「やってられない」と辞表を出すか、開き直って左遷・更迭されるか、あるいはインチキをするか、だ。 これがこの30年間ほど「世界一」を掲げてきたものづくり企業の現場でパワハラや不正が次々と明らかになっている根本的な原因だ。無茶なスローガンに耐えきれなくなってきた現場が、これまでのインチキを隠し通せなくなってきたのである」、なるほど。
・『日本の悲しい過去も… ヤバい会社にはヤバいスローガンがある こんな話をすると決まって「こじつけだ!企業の不正はそれぞれが企業の経営者が悪いのであって、スローガンごときで人間は影響を受けない」という反論があるが、実は我々は「スローガン」というものの恐ろしさを身をもって体験した民族だ。 わかりやすいのが、旧日本軍の「戦陣訓」だ。これは1941年(昭和16年)に、陸軍大臣・東條英機が全陸軍に発した戦場での心得のようなものだ。その中でも有名なのが以下のスローガンである。 ============ 恥を知る者は強し。常に郷党(きょうとう)家門の面目を思ひ、愈々(いよいよ)奮励(ふんれい)してその期待に答ふべし、生きて虜囚(りょしゅう)の辱(はずかしめ)を受けず、死して罪過の汚名を残すこと勿(なか)れ — 『戦陣訓』「本訓 其の二」、「第八 名を惜しむ」 ============ 読んでわかるように、「一族の恥にならないように勇ましく戦いなさいよ」くらいの意味だ。現場ではこれを復唱させて、兵士たちの闘争心を高めるという好循環ができた。 しかし、戦局が悪化して敗退に次ぐ敗退となっていくと、「逆回転」していった。圧倒的な戦力差と物資不足で不利になっていくと、「生きて虜囚の辱を受けず」だけが切り取られ、自軍の情報が敵に漏れないよう「投降禁止」のスローガンになった。当時、世界の戦争では「勝ち目がなくなったら白旗をあげて投降、捕虜は人道的に扱わなくてはならぬ」という国際ルールがあったが、日本軍はそれをガン無視するだけではなく、投降してきた米英の捕虜も殺害するという「不正」に走っていく。 それだけではない。敗戦のプレッシャーが強まれば強まるほど、このスローガンは日本全体を「ブラック企業」のようにしてしまう。 《戦陣訓の中の「生きて虜囚(りょしゅう)の辱め(はずかしめ)を受けず」の一節は、将兵に対し捕虜になることを固く戒めたもので、太平洋戦争で戦いが絶望的な状況になっても将兵が投降せずに玉砕や自決する事態が頻発、動けなくなった傷病兵の殺害などが起こることにもつながったと言われる。また、サイパンや沖縄戦で、住民の集団自決がおこったのもこの戦陣訓が背景になったと言われている》(NHK アーカイブズ) たかがスローガンと笑うなかれ、我々はそのスローガンによって、自分自身の首を絞めて、最終的には自らの命を放りだすまで追いつめられてしまった、という悲しい過去があるのだ。 だからこそ、組織人は自分が属する組織の「スローガン」に敏感になるべきだ。「世界一のホニャララ」とか、ひとりよがり的なことが唱えられていないか。現実とかけ離れた精神主義や、過度な組織への忠誠や滅私奉公を求めていないか。 「うちの会社ってもしかしてブラック企業?」と悩むそこのあなた、経営理念やフィロソフィーを確認してみてはどうだろう。 ヤバい会社にはヤバいスローガンがある。不正をやらされたり、「殺されたり」する前に、一刻も早く逃げていただきたい』、「『戦陣訓』「本訓 其の二」は、「現場ではこれを復唱させて、兵士たちの闘争心を高めるという好循環ができた。 しかし、戦局が悪化して敗退に次ぐ敗退となっていくと、「逆回転」していった。圧倒的な戦力差と物資不足で不利になっていくと、「生きて虜囚の辱を受けず」だけが切り取られ、自軍の情報が敵に漏れないよう「投降禁止」のスローガンになった。当時、世界の戦争では「勝ち目がなくなったら白旗をあげて投降、捕虜は人道的に扱わなくてはならぬ」という国際ルールがあったが、日本軍はそれをガン無視するだけではなく、投降してきた米英の捕虜も殺害するという「不正」に走っていく。 それだけではない。敗戦のプレッシャーが強まれば強まるほど、このスローガンは日本全体を「ブラック企業」のようにしてしまう。 《戦陣訓の中の「生きて虜囚(りょしゅう)の辱め(はずかしめ)を受けず」の一節は、将兵に対し捕虜になることを固く戒めたもので、太平洋戦争で戦いが絶望的な状況になっても将兵が投降せずに玉砕や自決する事態が頻発、動けなくなった傷病兵の殺害などが起こることにもつながったと言われる。また、サイパンや沖縄戦で、住民の集団自決がおこったのもこの戦陣訓が背景になったと言われている・・・「うちの会社ってもしかしてブラック企業?」と悩むそこのあなた、経営理念やフィロソフィーを確認してみてはどうだろう。 ヤバい会社にはヤバいスローガンがある。不正をやらされたり、「殺されたり」する前に、一刻も早く逃げていただきたい」、同感である。
次に、本年2月5日付けダイヤモンド・オンライン「従業員の不満投稿が多い“ブラック”企業ランキング2023【トップ30】6位ヨドバシカメラ、3位イオンリテール、ビッグモーターも上位!」を紹介しよう。
https://diamond.jp/articles/-/338136
・『インターネット上には勤務先の給料や待遇などの不満があふれている。そこでダイヤモンド編集部は、企業の与信管理を支援するベンチャーが集めた大量の口コミデータなどを基に、働き方に関する従業員の不満が多い“ブラック”企業ランキングを作成した。対象期間は2023年1月から12月までの1年間。上位には金融、不動産、自動車、小売り、鉄道などの大手企業が名を連ねた』、興味深そうだ。
・『ネガティブ投稿を収集しランキングを作成 ダイヤモンド編集部は、企業向けに与信管理サービスを提供するベンチャー企業、アラームボックス(東京・新宿区)のデータを基に、ネガティブな口コミを多く集めた企業のランキングを作成した。 期間は2023年1月から12月までの1年間。同期間中に勤務関連の口コミ投稿があったのは、調査対象企業1万6633社のうち3009社だった。今回取り上げる働き方に関するネガティブ情報は9230件で、1社当たりの平均は約3件だったが、ランキング上位に名を連ねた企業は平均をはるかに上回るネガティブ投稿を集めた。 上位には金融、不動産、自動車、小売り、鉄道などの大手企業が名を連ねた。 次ページからは、ランキング上位の具体的な社名と投稿数とともに、具体的な投稿内容も明らかにする。 さっそくランキングを見てみよう。) (働き方”ブラック企業”トップ5 はリンク先参照)』、「ネガティブな口コミを多く集めた企業のランキングを作成・・・期間は2023年1月から12月までの1年間。同期間中に勤務関連の口コミ投稿があったのは、調査対象企業1万6633社のうち3009社だった。今回取り上げる働き方に関するネガティブ情報は9230件で、1社当たりの平均は約3件だったが、ランキング上位に名を連ねた企業は平均をはるかに上回るネガティブ投稿を集めた。 上位には金融、不動産、自動車、小売り、鉄道などの大手企業が名を連ねた」、なるほど。
・『1位はJR東日本 目立つ働き方への不満 23年1~12月に投稿数が最も多かったのはJR東日本で、84件に達した。 投稿で目立つのは働き方に関する不満だ。人手不足による残業の多さや、心身への負担の大きさを指摘する投稿などが目立った。投稿内容は下記の通りだ。 「人出不足なのに、人を減らしているため、現場が回っていない」 「どこも人手が足りなくて休日出勤が常態化している。年間で20日以上休みが減った職場もある」 「人が常に足りないため、休日出勤を月に2~3日やっている人もおり、自転車操業」 「人員が減少し、以前より少ない人数で仕事しなければならず、体力的にも精神的にも限界」 「育児介護制度があっても使えないことが多い。育児や介護について周囲の理解が得られず、定時に帰れない」 また、待遇面では、コロナ禍での賞与の減少に関する不満が目立った。 「基本給が低く、賞与が高く、設定されている。コロナ禍で賞与が減り、年収減となった」 「基本給が安く抑えられていて、ボーナスでとんとんになる。しかしコロナ禍でボーナスがカットされて厳しくなっている」 「マルチタスクを任せられるようになったが、逆に手当が減り、年収が下がった」 さらに、硬直的な組織への不満も多かった。 「現場に挑戦する志を持っている社員はほとんどいない。新しいことをやろうとしても上から抑えられる。年功序列の会社なので風通しも良くない」 「リスクの種類に関わらず、徹底的に回避する傾向があるため、新規事業や構造改革のアイデアを持っていても、それを実現するビジョンが見えない」 「社員の評価は飲み会の参加などでの上司からのお気に入り度合いで決まる。会社の考えが昭和でとまっている」 企業の将来の不安の声も少なくない。 「鉄道だけの収益ではやっていけなくなっているのが現状で、他の事業などで収入を出そうとしているが、施策を見る限りでは不安しかない」』、「1位はJR東日本 目立つ働き方への不満・・・「現場に挑戦する志を持っている社員はほとんどいない。新しいことをやろうとしても上から抑えられる。年功序列の会社なので風通しも良くない」 「リスクの種類に関わらず、徹底的に回避する傾向があるため、新規事業や構造改革のアイデアを持っていても、それを実現するビジョンが見えない」、なるほど。
・『2位は日本生命 営業方法に多くの不満 2位は日本生命保険で、投稿件数は79件。特に保険契約のノルマや営業方法に関する不満の投稿が目立つ。 「締め日前にノルマを達成していないと、強く詰められる」 「最低限の営業ノルマがあり、それができないと容赦なくクビになるため、安定した働き方ではない」 「昔ながらの体育会系の営業方法で、身体を壊す人が散見された」 残業に関する不満や指摘も多かった。 「残業や休日出勤が当たり前で、プライベートの時間の確保ができない」 「残業時間が多すぎ、一人当たりに対する仕事量が半端ない。このまま働き続けたら、心身に影響が出る」 「平日は毎日8時出社に20時退勤で、早く帰る雰囲気が全くない」 「古い体質で残業が当たり前」 さらに組織や社風に関する不満も目立った。 「年功序列の縦社会。上司の言うことは基本的に是。出る杭は打たれる文化」 「社内の全てについて昭和で時が止まっている。改善や変革を謳ってはいるものの、古き良き時代の記憶、過去の栄光にとらわれ、全く変わる気はない」 「新人を入れろと言う割に、今いる社員を大事にしないので、どんどん社員が辞め、お客さんの不信感を増長させている」 「今時ファックスを普通に使用し、会議も紙でやっている。時代と逆行している事が多々ある」』、「2位は日本生命 営業方法に多くの不満」、なるほど。
・『3位はイオンリテール 4位はアウトソーシングテクノロジー 3位はイオンリテールで、投稿件数は54件。 イオンリテールでは労働時間や給与に関する不満が目立った。 「特に食品部門はほぼ強制的にサービス残業をさせられ、心身を壊す人が後を絶たない」 「残業時間削減を謳い、年々締め付けが厳しくなっているが、結局はサービス残業になり、無給で働かされている」 「老朽化した設備など、職場環境は非常に悪い上、無駄で非効率な確認作業に忙殺されサービス残業が発生している」 また、風通しの悪さを指摘する投稿もあった。 「近年トップダウン傾向が強まり、組織の風通しはものすごく悪い」 「特に上の役職の人ほどパワハラ気質な人が多く、人を大事にできない会社」 「上下関係が厳しく、間違ったことでも勤務年数が長い方には逆らえない風習がある」 4位は技術者派遣や開発請負などを行うアウトソーシングテクノロジーで、投稿件数は41件。アウトソーシングテクノロジーについては、派遣先に関する不満投稿が目立った。 「自分の希望はほとんど通らず、スキルが身につかないような仕事内容もあり、とても時間の無駄」 「ITの案件を紹介してくれるということで入社したが、実際に紹介されるのは工場ばかり」 「派遣先の身勝手な理由により、短期間で契約終了となることもある」 給与面での不満も少なくなかった。 「給与水準が低い。営業成績に対するインセンティブもなく、昇給もあまり望めない」 「年収が低く、ボーナスもほぼ出ず、スズメの涙程度」 「派遣業なので徹底的に低賃金で社員を使い潰そうとしてくる」』、「3位はイオンリテール 4位はアウトソーシングテクノロジー」、「イオン」では、「老朽化した設備など、職場環境は非常に悪い上、無駄で非効率な確認作業に忙殺されサービス残業が発生している」 また、風通しの悪さを指摘する投稿もあった。 「近年トップダウン傾向が強まり、組織の風通しはものすごく悪い」 「特に上の役職の人ほどパワハラ気質な人が多く、人を大事にできない会社」、「アウトソーシングテクノロジー」では、「ITの案件を紹介してくれるということで入社したが、実際に紹介されるのは工場ばかり」 「派遣先の身勝手な理由により、短期間で契約終了となることもある」、いずれも深刻な問題を抱えているようだ。
・『5位はトランスコスモス 給与面での不満が多数 5位はコールセンターなどを手掛けるトランスコスモスで、投稿件数は40件だった。 目立ったのは給与面での不満だ。 「給料が低すぎる。昇格しても昇給額が信じられないほど低い」 「優秀な人材が、給料やマネジメント層の対応に不満を抱え、続々と抜けている。まずは給料を見直すべき」 「昇給はほとんどない。いまのご時世、5~10円の振り幅なんて聞いたことがない」 「大学生のアルバイトの時給よりも低い時給で働いている」 そのほか、「上場企業とは思えないほど、コンプライアンス意識が低く驚いた」「残業することが当たり前のような雰囲気」「有給を取る時に理由を求められるため、気軽に取れない」などの投稿もあった。 トップ5に続く企業は以下となる。) (働きか”ブラック”企業6~9位 はリンク先参照)』、「トランスコスモス」では、給与などを別にすれば、「上場企業とは思えないほど、コンプライアンス意識が低く驚いた」「残業することが当たり前のような雰囲気」、などが気になるところだ。
・『ヨドバシカメラの投稿数が昨年下期に急増 6位はヨドバシカメラで、投稿件数は39件。23年1~6月の投稿件数は8件だったが、7~12月は31件と急増した。 目立ったのは残業に関する不満だ。 「残業はマックスまでさせられることが多いため、予定が全く立てられない」 「一日の労働時間が12~13時間と非常に長いため、休日があっても疲れを取るだけで終わる。ワークバランスが全くない」 「サービス残業が多すぎてプライベートはほぼない」 「残業が多く、体力的にきつい。実際体調やメンタルを崩して、休職する人や退職していく人は少なくない」 「残業ありきの人員配置。定時に上がると店が回らなくなる」 「人手が足りておらず、忙しすぎて人が辞めてく」 また、組織や社風に関する不満も少なくない。 「基本トップダウン。下からの意見を吸い上げる気はない。非上場のため、それを直す気もない」 「経営トップや店長の言うことが絶対なので、それが現場にとって合わないこと、非効率なことでもやらなきゃいけない」 「管理職の言い方がキツかったりするので人が結構辞める。昭和のやり方が残ってる」 セクハラ・パワハラ関連の投稿もあった。 「ウォーターサーバーなど『利益が出るもの』に対してノルマを課すことが多く、これが達成できないと、パワハラ一歩手前の叱責を受ける」 「客からのセクハラ等は日常茶飯事」』、「ヨドバシカメラ」では、「「経営トップや店長の言うことが絶対なので、それが現場にとって合わないこと、非効率なことでもやらなきゃいけない」 「管理職の言い方がキツかったりするので人が結構辞める。昭和のやり方が残ってる」 セクハラ・パワハラ関連の投稿もあった」、など深刻な問題を抱えているようだ。
・『三菱電機とJR西日本が7位で投稿件数は33件 7位は三菱電機とJR西日本で、投稿件数は33件。 三菱電機で目立った投稿は残業に関するものと社風に関するものだ。 残業関連は下記などの投稿があった。 「ほとんどの部署で残業が非常に多く、休日出勤もごく普通。心を病む人が多く、新卒も半年たてば目の輝きを失う」 「育休明けの時短勤務を申請している人に仕事を振りまくり、残業させている。最悪だと思う」 「殺人的な長時間残業」 「ワークライフバランスは最悪」 また、社風に関しては下記の投稿などがあった。 「新しいことを始めるための障壁が多いため、時代の変化に対応できていない」 「社内政治が大事な側面もある。旧態依然の会社」 「意思決定が遅く、過去のしがらみが大変強力。非常に保守的で、新しいことへのチャレンジに対してかなりの抵抗を受ける事がある」 「かなり陰湿な体質で、下手な事すると必ず悪口を言われる。出る杭は打たれる」 「入社後、強烈な縦割り文化に驚いた」 さらに役員への不満も多かった。 「役員クラスがひどい。仕事ができるかどうか以前に、自分たちの決断について説明できないレベル」 「問題が発覚した時の対応がその場しのぎ。マネジメント層が根本的な対応をせず、現場に丸投げ」 「マネジメント層のビジョンが不透明、舵取りや判断の遅さに不信感が大きい」 一方、JR西日本で最も目立った投稿は給与に関するものだ。 「基本給が低いので、ボーナスが戻らないと金銭的にしんどい」 「コロナ禍により賞与が大幅カットされた」 「年収に占めるボーナスの割合が高く、コロナ禍で年収が50万円以上減った」 「基本給が安く、ボーナスで補っているため、ここ数年、ボーナスカットで社員はやる気を失っている」 「重労働なのに低月給。お客様の安全を守る人の給料ではない」 働き方への不満投稿は下記などがあった。 「緊急の事故・障害対応などで勤務時間が不規則になりやすく、土日や深夜の呼び出しもままある」 「仕事量が多く超過勤務が多い。休日の呼び出しも多く、さらに休日に組合活動に出ることもありストレスがたまる」 また、パワハラを指摘する投稿もあった。 「一部でパワハラが横行し、精神的に追い込まれ休業を余儀なくされた人は珍しくない」 「昭和体育会系の考え方が根強く残っており、若い人が負担を強いられる。パワハラは当たり前」』、「三菱電機」では「「役員クラスがひどい。仕事ができるかどうか以前に、自分たちの決断について説明できないレベル」 「問題が発覚した時の対応がその場しのぎ。マネジメント層が根本的な対応をせず、現場に丸投げ」 「マネジメント層のビジョンが不透明、舵取りや判断の遅さに不信感が大きい」」、「JR西日本」では「「一部でパワハラが横行し、精神的に追い込まれ休業を余儀なくされた人は珍しくない」 「昭和体育会系の考え方が根強く残っており、若い人が負担を強いられる。パワハラは当たり前」」、などは問題が大きい。
・『日産自動車・みずほ銀行・JR九州が9位で投稿件数は31件 9位は日産自動車、みずほ銀行、JR九州で、投稿件数は31件。 日産自動車では経営への不満や将来への不安などを指摘する投稿が少なからずあった。 「毎月上級管理職が退職している。このような状況は異常ではないか」 「戦術と戦略の区別がついている人が上層部に1人もいない」 「新規事業への活気が感じられない。恐らく衰退し続けると思う」 また、会社の風通しの悪さや組織の硬直さに関する投稿もあった。 「数年に一度会社を揺るがす大きな危機に見舞われ、その時だけは多少団結するが、危機が去ると途端に足を引っ張り合い責任を押し付け合う文化」 「仕事は雑に丸投げされ、結果のみ吸い上げられる。真面目に対応すればするほどに奴隷化させられ、精神をすり減らして脱落していく」 「くだらない根回しが横行して本質的な仕事ができない」 「従業員を大事にしない風土。部長のパワハラで社員数人がメンタル疾患で休職した」 人手不足や業務負担の大きさへの不満もあった。 「設計の部署は人権がほぼない。金曜日夜に会議があり22時に議事録を送る。持ち帰り残業もよくある」 「調整業務が多い。マイクロマネジメントしてくるチームリーダーやパワハラ的な言動をする同僚が周りにいる」 「忙しい時期は頭がおかしくなるぐらい仕事が降ってくるが、それが当たり前と思っている社員が多く、残業時間は月70時間以上ある」 みずほ銀行は23年1~6月の投稿件数は22件だったが、7~12月は9件と減少している。 残業の多さや人手不足への不満が目立つ。 「本部の部署によっては終電まで仕事をするのが当たり前、もしくは、仕事が終わるまで残らざるを得ないケースが多い」 「本部の私の部署では8時40分始業、22時退行が常態化」 「無駄な事務により残業が多い。近年は退職者も多く、慢性的に人が足りていない」 「平日も朝まで飲み会、土日はゴルフや資格試験の勉強で、プライベートはなきに等しい」 「営業職は休日出社する場合もあるので、プライベートはあまりないと思った方がいい」 人材流出に関する懸念や不満も少なくない。 「従業員の士気が低い。優秀な人は若手・中堅を中心に会社を去っている」 「金融業の会社としての将来性は微妙。退職者が後をたたない。若手の退職が増えている」 「行員のモチベーションの低下が著しい。社外向けのブランディングを気にする前に、まずは社内のカルチャーをどうにかしないと、優秀な若手は流出し続ける」 旧態依然の社風への不満もあった。 「とにかく意思決定が遅い。決裁者への説明までに踏むべきプロセスが多すぎる」 「経営のやり方が明らかに間違っている。定性評価をはき違えて、上の好き勝手で評価がきまる」 「年功序列による評価体制を見直すべく取り組んでいるが、超が付くほどの保守的な企業風土ゆえ大きな変化は望めない」 「古い企業文化と無能力なおじさんたちが残っている会社。やる気のある人、できる人はどんどん抜けていく」 一方、JR九州は23年1~6月の投稿件数は9件だったが、7~12月は22件と増加した。 JR東日本、JR西日本と同様、JR九州でも目立ったのが給与に関する不満だ。 「コロナ禍で年収が下がり、業務量と責任に見合った収入が得られていない」 「コロナ禍以降ボーナスをカットされ、給料は減っているのに1人あたりの業務は増えている」 「安い給料と多くない休暇、増加するご意見対応などで現場の社員は疲弊している」 「過度に設備を廃止したり、人件費を削ったりして、利用客にも従業員にも悪い影響が出まくっている」 また、働き方への不満投稿も多い。 「深刻な人材流出により現場は疲弊している。特に現業部門は、休日出勤をしないと回らず、ワークライフバランスなど無いに等しい」 「本社勤務では長時間残業に苦しむ社員も多く、労使協定に抵触しないために闇残業を行う姿も見受けられる」 「休みの日や夜中にも呼び出しがあり、災害時には職場で寝泊まりする必要がある。 一歩間違えば大事故につながる作業でも手当がつかないなど、社員の扱いがひどい」 そのほか、「毎年、お中元とお歳暮のノルマが課せられる」といった投稿もあった。 12位から29位までの19社の中には、数々の不祥事が明らかになった中古車販売大手のビッグモーターのほか、ソフトバンク、三井住友海上、大和ハウスなど、大手企業が多数ランクインしている。次ページからのランキングをぜひチェックしてみてほしい。) (働き方”ブラック”企業12~20位 はリンク先参照)) (働き方”ブラック”企業24~29位 はリンク先参照)』、「日産自動車」では「「毎月上級管理職が退職している。このような状況は異常ではないか」 「戦術と戦略の区別がついている人が上層部に1人もいない」 「新規事業への活気が感じられない。恐らく衰退し続けると思う」 また、会社の風通しの悪さや組織の硬直さに関する投稿もあった」、「みずほ銀行」では「「本部の部署によっては終電まで仕事をするのが当たり前、もしくは、仕事が終わるまで残らざるを得ないケースが多い」 「本部の私の部署では8時40分始業、22時退行が常態化」 「無駄な事務により残業が多い。近年は退職者も多く、慢性的に人が足りていない」」、「JR九州」では「「深刻な人材流出により現場は疲弊している。特に現業部門は、休日出勤をしないと回らず、ワークライフバランスなど無いに等しい」 「本社勤務では長時間残業に苦しむ社員も多く、労使協定に抵触しないために闇残業を行う姿も見受けられる」」、など不満も強いようだ。
先ずは、昨年12月28日付けダイヤモンド・オンラインが掲載したノンフィクションライターの窪田順生氏による「ダイハツ、お前もか…闇落ちするブラック企業には「ヤバいスローガン」がある」を紹介しよう。
https://diamond.jp/articles/-/336571
・『「員数主義」に走っていたとしてもなぜこれほどダイハツは「堕ちた」のか 不正問題で揺れるダイハツが、「ブラック企業」だと叩かれている。 12月20日に第三者委員会の調査報告書で指摘された社風が、「そりゃ、不正がまん延するよ」「昔、在籍していたブラック企業がまさにこんな感じだった」などと、世間をドン引きさせているのだ。 まず報告書によれば、ダイハツは「極度のプレッシャーに晒されて追い込まれた現場の担当者に問題の解決が委ねられた現場任せの状況になっていた」という。ぶっちゃけ、こういう「現場に丸投げ」はサラリーマンならば一度や二度は経験する「あるある」だが、ダイハツがすさまじいのはここからだ。 現場が「これこれこういう問題でできません」と管理職にSOSを出しても、「『で?』と言われるだけで相談する意味がなく、問題点を報告しても『なんでそんな失敗したの』『どうするんだ』『間に合うのか』と詰問するだけで、親身になって建設的な意見を出してくれるわけではない」(調査報告書より)というのだ。 要するに、「どんな手を使っても結果を出すのがお前の仕事だろ」と言わんばかりに、ノルマと責任をすべて「下」に押し付ける、という威圧的マネジメントがまかり通っていた。「下」は、生きるためにやむなく不正行為に走ったというワケだ。 ちなみに、これは筆者が本連載の中で、日本企業の「不正カルチャー」の原因だと繰り返し指摘してきた「員数主義」の典型的なケースだ。「員数」とは旧日本軍内で使われてた装備品や物資の数を示す言葉だ。 軍隊内ではこの「員数」と帳簿上の数が合わないのは「あり得ない」ので、ダイハツのように「で?」「なんで数が合わないの」「どうするんだ」と詰問された。そこで、とにかく員数を合わせるため、他部隊から装備品を盗んだりする不正行為がまん延、現場レベルでは黙認されていたというのだ。 そんな旧日本軍の「数の帳尻を合わせるためならば多少のインチキには目をつぶる」という「員数主義」が戦後、従軍経験者や軍需工場での勤務経験者を介して、日本の民間企業にも引き継がれて、現在に至るというのが筆者の考えだ。詳しくは、《ビッグモーター前社長の他人事発言が、東京裁判「元陸軍大将の釈明」と重なる理由》をお読みいただきたい。 ただ、仮にダイハツが員数主義にむしばまれていたとしても、ここまで「ベタベタのブラック企業」になってしまったことは説明できない。日本最古の自動車メーカーであり、軽自動車国内新車販売台数17年連続トップの名門がなぜこんな「闇堕ち」してしまったのか』、「これは筆者が本連載の中で、日本企業の「不正カルチャー」の原因だと繰り返し指摘してきた「員数主義」の典型的なケースだ。「員数」とは旧日本軍内で使われてた装備品や物資の数を示す言葉だ。 軍隊内ではこの「員数」と帳簿上の数が合わないのは「あり得ない」ので、ダイハツのように「で?」「なんで数が合わないの」「どうするんだ」と詰問された。そこで、とにかく員数を合わせるため、他部隊から装備品を盗んだりする不正行為がまん延、現場レベルでは黙認されていたというのだ。 そんな旧日本軍の「数の帳尻を合わせるためならば多少のインチキには目をつぶる」という「員数主義」が戦後、従軍経験者や軍需工場での勤務経験者を介して、日本の民間企業にも引き継がれて、現在に至るというのが筆者の考えだ・・・ただ、仮にダイハツが員数主義にむしばまれていたとしても、ここまで「ベタベタのブラック企業」になってしまったことは説明できない。日本最古の自動車メーカーであり、軽自動車国内新車販売台数17年連続トップの名門がなぜこんな「闇堕ち」してしまったのか」、その通りで、興味深そうだ。
・『「ヤバいスローガン」による弊害? 実はビッグモーターも… いろいろなご意見があるだろうが、報道対策アドバイザーとして、世間的に「ブラック企業」のそしりを受けた会社の危機管理も手伝った経験から言わせていただくと、「ヤバいスローガン」の弊害もあると思っている。 社訓、社是、ミッション、パーパスなど呼び方はさまざまだが、企業というのは自分たちの会社が目指すべきこと、社員が心がけることをスローガンとして掲げて、研修や教育で現場に叩き込んでいく。例えば、トヨタの場合、創業以来受け継がれてきた「豊田綱領」がこれにあたる。他にも、トヨタウェイだミッションだと色んな言葉が掲げられているが、「豊田綱領の精神」が最上位にあるという。 「たかがスローガンが企業カルチャーに影響なんてしねーよ。オレなんか自社のスローガンが何かなんてまったく知らないし」と嘲笑する人も多いだろう。しかし、我々はつい最近も「ヤバいスローガン」が「ヤバい会社」を生み出したことを目の当たりにしている。 勘のいい方はお分かりだろう、ビッグモーターだ。 ビッグモーターもダイハツ同様に不正発覚後、ブラック企業ぶりが叩かれた。ノルマ達成できないとLINEグループ内や会議でボロカスに人格否定されて降格や左遷。目標未達だと罰金を自腹で払わされるなどの社風が次々と明らかになっていく中で、注目されたのは、「ヤバい経営計画者」だ ビッグモーターの整備工場前では毎朝、従業員が一堂に会して、創業者である兼重宏行氏のかなりクセのある経営思想が反映された「経営計画書」を読み上げていた。 例えば、「会社と社長の思想は受け入れないが仕事の能力はある」社員について、「今、すぐ辞めてください」とピシャリ。さらには「店長には営業マンの生殺与奪権を与える」などの内容も唱えられていた。 これらのスローガンを毎日叩き込まれた社員が「上の命令にはガタガタ言わずに黙って従う」としつけられることは言うまでもない。つまり、上から課せられたノルマが達成できない場合も、「できません」など言うことはあり得ないということだ。となると、残る道はインチキしかない。 この「ヤバいスローガン」はダイハツにも当てはまる』、「我々はつい最近も「ヤバいスローガン」が「ヤバい会社」を生み出したことを目の当たりにしている。 勘のいい方はお分かりだろう、ビッグモーターだ。 ビッグモーターもダイハツ同様に不正発覚後、ブラック企業ぶりが叩かれた。ノルマ達成できないとLINEグループ内や会議でボロカスに人格否定されて降格や左遷。目標未達だと罰金を自腹で払わされるなどの社風が次々と明らかになっていく中で、注目されたのは、「ヤバい経営計画者」だ ビッグモーターの整備工場前では毎朝、従業員が一堂に会して、創業者である兼重宏行氏のかなりクセのある経営思想が反映された「経営計画書」を読み上げていた。 例えば、「会社と社長の思想は受け入れないが仕事の能力はある」社員について、「今、すぐ辞めてください」とピシャリ。さらには「店長には営業マンの生殺与奪権を与える」などの内容も唱えられていた。 これらのスローガンを毎日叩き込まれた社員が「上の命令にはガタガタ言わずに黙って従う」としつけられることは言うまでもない。つまり、上から課せられたノルマが達成できない場合も、「できません」など言うことはあり得ないということだ。となると、残る道はインチキしかない。 この「ヤバいスローガン」はダイハツにも当てはまる」、なるほど。
・『「1mm、1g、1円、1秒へのこだわり」にはらむ危ない優先度 報道されているように、ダイハツは「数値目標」に対して非常にシビアだ。スローガンとして「1mm、1g、1円、1秒にこだわってお客様に寄り添ったクルマづくり」を掲げて、現場にも叩き込んでいたという。 ものづくり企業として素晴らしい目標じゃないか、どこが問題なのだ」と首を傾げる方もいるかもしれないが、大いに問題がある。ダイハツが寄り添うという「お客様」からすれば、車は「安心安全」がまず何よりも重要で、次に「コスパ」だ。とにかく1円でも安いことが重要で、そのためには多少の危険はガマンする、なんてユーザーは珍しい。 つまり、「1mm、1g、1円、1秒へのこわだり」なんて、ダイハツ側が思っているほど、ユーザーはありがたがっていないのだ。 もちろん、自動車評論家やら自動車を趣味としている人は「コスパ」や「走り」からダイハツ車を選んでいるのだろうから、「1mm、1g、1円、1秒へのこわだり」は重要だ。しかし、一般的な軽自動車ユーザーにとって、ダイハツ車は仕事や生活の足であり、大切な人を載せるモビリティに過ぎない。つまり、「1mm、1g、1円、1秒」はユーザー目線ではなく、作り手目線のこだわりなのだ。 そういうプロダクトアウト的なスローガンを掲げ、それを現場に叩き込んでいる時点で、ダイハツがユーザーメリットより、企業内の論理を優先する「ヤバい会社」だということが伺えるのだ』、「一般的な軽自動車ユーザーにとって、ダイハツ車は仕事や生活の足であり、大切な人を載せるモビリティに過ぎない。つまり、「1mm、1g、1円、1秒」はユーザー目線ではなく、作り手目線のこだわりなのだ。 そういうプロダクトアウト的なスローガンを掲げ、それを現場に叩き込んでいる時点で、ダイハツがユーザーメリットより、企業内の論理を優先する「ヤバい会社」だということが伺えるのだ」、その通りだ。
・『「世界一」を目標にしていたが… 「高すぎる目標」が日本企業のブラック化につながる そんな「内向きなカルチャー」を象徴することがもうひとつある。ダイハツが掲げる「世界一」というスローガンだ。5つのフィロソフィー(グループ理念)の最後にこうある。 「世界一のスモールカーづくりが私たちの挑戦(チャレンジ)です」 実はこれは不正がまん延する企業によく見られるスローガンだ。 筆者は2017年10月に、『神戸製鋼も…名門企業が起こす不正の元凶は「世界一病」だ』という記事を書いた。その際、神戸製鋼、三菱自動車、東芝など「世界一の技術」をスローガンにしていたものづくり企業で相次いで不正が発覚していく事例を紹介して、原因を次のように分析をさせていただいた。ちょっと長いが、今回のダイハツにも当てはまる本質的な問題なので引用しよう。 ================= 「世界一」とは本来、技術力や生産性を高めていくうちに、他者からの評価という形で得られる「結果」に過ぎない。 しかし、東芝の場合はこのように何十年も「世界一」を追い求めてきたことで、いつのまにやら「世界一」になることが何よりも優先すべき「目的」となってしまった恐れがあるのだ。このように「結果」と「目的」をはきちがえた時、企業は「不正」に走る。 (中略) 鉄鋼、自動車、電機というかつて日本の基幹産業と呼ばれた業種を代表する企業たちが、まるで内部からガラガラと崩壊するように、不正が噴出している。 これには競争力に問題があるとか、生産性が下がったからだとか、いろいろなご意見があるだろうが、筆者はこれまで見てきたように、これらの業界がかつて「世界一」というスローガンを掲げて、それをがむしゃらに追い求めてきたことの「重い後遺症」だと思っている。 =================== 戦前の報道を見てもわかるが、日本人は昔から「日本一」「東洋一」「世界一」がやたらと好きだ。「とにかく夢は大きく、目標は高い方がいい」という思想があるからかもしれないが、そんな日本人の「高すぎる目標」が不正や組織のブラック化のトリガーになっている醜悪な現実がある』、「神戸製鋼、三菱自動車、東芝など「世界一の技術」をスローガンにしていたものづくり企業で相次いで不正が発覚していく事例を紹介して、原因を次のように分析」、「「世界一」とは本来、技術力や生産性を高めていくうちに、他者からの評価という形で得られる「結果」に過ぎない。 しかし、東芝の場合はこのように何十年も「世界一」を追い求めてきたことで、いつのまにやら「世界一」になることが何よりも優先すべき「目的」となってしまった恐れがあるのだ。このように「結果」と「目的」をはきちがえた時、企業は「不正」に走る。 (中略) 鉄鋼、自動車、電機というかつて日本の基幹産業と呼ばれた業種を代表する企業たちが、まるで内部からガラガラと崩壊するように、不正が噴出している。 これには競争力に問題があるとか、生産性が下がったからだとか、いろいろなご意見があるだろうが、筆者はこれまで見てきたように、これらの業界がかつて「世界一」というスローガンを掲げて、それをがむしゃらに追い求めてきたことの「重い後遺症」だと思っている」、なるほど。
・『現場に追い討ちをかける「高すぎる目標」 人口減少時代は「無理ゲー」 人口が右肩上がりで増えて、市場も拡大していく時は「高すぎる目標」はプラスに働く。消費者も労働者もたくさんいるので、高めの目標を見上げながら技術や品質を極めることができた。巨大な国内市場でテストマーケティングして、海外市場で戦うことも可能だ。だから、人口増時代のメイド・イン・ジャパンの日本車、白物家電、半導体が世界を席巻したのだ。 しかし、人口減少して労働者も消費者も減るとこの好循環がすべて「逆回転」していく。 まず、市場がシュリンクしていくので、人口増時代の売上規模がキープできない。そこでどうにか「数」で勝負をしようと、薄利多売に傾倒して、ものづくり企業は「安くて高品質」のプレッシャーが強くなる。高度経済成長期の日本でそれができたのは賃金が低いからだが、そういう現実から目を背けてどうにか技術力とコストカットで「安くて高品質」を実現しようとするので、当然、現場は疲弊していく。 そんなボロボロの現場に追い討ちをかけるのが、「高すぎる目標」だ。人口増時代は頑張れば達成できるかもと希望が持てたが、人口減少時代は「無理ゲー」を強いて、メンタルを破壊することにしかならない。しかし、管理職は自分が若い時の成功体験があるので、現場から「こんなスケジュールではできません」「もうコストカットは限界です」と泣きつかれても、「で?」「それを可能性にするためには何をすればいいのか考えるのがお前の仕事だ」など突き放す。 そうなると、追いつめられた現場はどうするか。「やってられない」と辞表を出すか、開き直って左遷・更迭されるか、あるいはインチキをするか、だ。 これがこの30年間ほど「世界一」を掲げてきたものづくり企業の現場でパワハラや不正が次々と明らかになっている根本的な原因だ。無茶なスローガンに耐えきれなくなってきた現場が、これまでのインチキを隠し通せなくなってきたのである』、「ボロボロの現場に追い討ちをかけるのが、「高すぎる目標」だ。人口増時代は頑張れば達成できるかもと希望が持てたが、人口減少時代は「無理ゲー」を強いて、メンタルを破壊することにしかならない。しかし、管理職は自分が若い時の成功体験があるので、現場から「こんなスケジュールではできません」「もうコストカットは限界です」と泣きつかれても、「で?」「それを可能性にするためには何をすればいいのか考えるのがお前の仕事だ」など突き放す。 そうなると、追いつめられた現場はどうするか。「やってられない」と辞表を出すか、開き直って左遷・更迭されるか、あるいはインチキをするか、だ。 これがこの30年間ほど「世界一」を掲げてきたものづくり企業の現場でパワハラや不正が次々と明らかになっている根本的な原因だ。無茶なスローガンに耐えきれなくなってきた現場が、これまでのインチキを隠し通せなくなってきたのである」、なるほど。
・『日本の悲しい過去も… ヤバい会社にはヤバいスローガンがある こんな話をすると決まって「こじつけだ!企業の不正はそれぞれが企業の経営者が悪いのであって、スローガンごときで人間は影響を受けない」という反論があるが、実は我々は「スローガン」というものの恐ろしさを身をもって体験した民族だ。 わかりやすいのが、旧日本軍の「戦陣訓」だ。これは1941年(昭和16年)に、陸軍大臣・東條英機が全陸軍に発した戦場での心得のようなものだ。その中でも有名なのが以下のスローガンである。 ============ 恥を知る者は強し。常に郷党(きょうとう)家門の面目を思ひ、愈々(いよいよ)奮励(ふんれい)してその期待に答ふべし、生きて虜囚(りょしゅう)の辱(はずかしめ)を受けず、死して罪過の汚名を残すこと勿(なか)れ — 『戦陣訓』「本訓 其の二」、「第八 名を惜しむ」 ============ 読んでわかるように、「一族の恥にならないように勇ましく戦いなさいよ」くらいの意味だ。現場ではこれを復唱させて、兵士たちの闘争心を高めるという好循環ができた。 しかし、戦局が悪化して敗退に次ぐ敗退となっていくと、「逆回転」していった。圧倒的な戦力差と物資不足で不利になっていくと、「生きて虜囚の辱を受けず」だけが切り取られ、自軍の情報が敵に漏れないよう「投降禁止」のスローガンになった。当時、世界の戦争では「勝ち目がなくなったら白旗をあげて投降、捕虜は人道的に扱わなくてはならぬ」という国際ルールがあったが、日本軍はそれをガン無視するだけではなく、投降してきた米英の捕虜も殺害するという「不正」に走っていく。 それだけではない。敗戦のプレッシャーが強まれば強まるほど、このスローガンは日本全体を「ブラック企業」のようにしてしまう。 《戦陣訓の中の「生きて虜囚(りょしゅう)の辱め(はずかしめ)を受けず」の一節は、将兵に対し捕虜になることを固く戒めたもので、太平洋戦争で戦いが絶望的な状況になっても将兵が投降せずに玉砕や自決する事態が頻発、動けなくなった傷病兵の殺害などが起こることにもつながったと言われる。また、サイパンや沖縄戦で、住民の集団自決がおこったのもこの戦陣訓が背景になったと言われている》(NHK アーカイブズ) たかがスローガンと笑うなかれ、我々はそのスローガンによって、自分自身の首を絞めて、最終的には自らの命を放りだすまで追いつめられてしまった、という悲しい過去があるのだ。 だからこそ、組織人は自分が属する組織の「スローガン」に敏感になるべきだ。「世界一のホニャララ」とか、ひとりよがり的なことが唱えられていないか。現実とかけ離れた精神主義や、過度な組織への忠誠や滅私奉公を求めていないか。 「うちの会社ってもしかしてブラック企業?」と悩むそこのあなた、経営理念やフィロソフィーを確認してみてはどうだろう。 ヤバい会社にはヤバいスローガンがある。不正をやらされたり、「殺されたり」する前に、一刻も早く逃げていただきたい』、「『戦陣訓』「本訓 其の二」は、「現場ではこれを復唱させて、兵士たちの闘争心を高めるという好循環ができた。 しかし、戦局が悪化して敗退に次ぐ敗退となっていくと、「逆回転」していった。圧倒的な戦力差と物資不足で不利になっていくと、「生きて虜囚の辱を受けず」だけが切り取られ、自軍の情報が敵に漏れないよう「投降禁止」のスローガンになった。当時、世界の戦争では「勝ち目がなくなったら白旗をあげて投降、捕虜は人道的に扱わなくてはならぬ」という国際ルールがあったが、日本軍はそれをガン無視するだけではなく、投降してきた米英の捕虜も殺害するという「不正」に走っていく。 それだけではない。敗戦のプレッシャーが強まれば強まるほど、このスローガンは日本全体を「ブラック企業」のようにしてしまう。 《戦陣訓の中の「生きて虜囚(りょしゅう)の辱め(はずかしめ)を受けず」の一節は、将兵に対し捕虜になることを固く戒めたもので、太平洋戦争で戦いが絶望的な状況になっても将兵が投降せずに玉砕や自決する事態が頻発、動けなくなった傷病兵の殺害などが起こることにもつながったと言われる。また、サイパンや沖縄戦で、住民の集団自決がおこったのもこの戦陣訓が背景になったと言われている・・・「うちの会社ってもしかしてブラック企業?」と悩むそこのあなた、経営理念やフィロソフィーを確認してみてはどうだろう。 ヤバい会社にはヤバいスローガンがある。不正をやらされたり、「殺されたり」する前に、一刻も早く逃げていただきたい」、同感である。
次に、本年2月5日付けダイヤモンド・オンライン「従業員の不満投稿が多い“ブラック”企業ランキング2023【トップ30】6位ヨドバシカメラ、3位イオンリテール、ビッグモーターも上位!」を紹介しよう。
https://diamond.jp/articles/-/338136
・『インターネット上には勤務先の給料や待遇などの不満があふれている。そこでダイヤモンド編集部は、企業の与信管理を支援するベンチャーが集めた大量の口コミデータなどを基に、働き方に関する従業員の不満が多い“ブラック”企業ランキングを作成した。対象期間は2023年1月から12月までの1年間。上位には金融、不動産、自動車、小売り、鉄道などの大手企業が名を連ねた』、興味深そうだ。
・『ネガティブ投稿を収集しランキングを作成 ダイヤモンド編集部は、企業向けに与信管理サービスを提供するベンチャー企業、アラームボックス(東京・新宿区)のデータを基に、ネガティブな口コミを多く集めた企業のランキングを作成した。 期間は2023年1月から12月までの1年間。同期間中に勤務関連の口コミ投稿があったのは、調査対象企業1万6633社のうち3009社だった。今回取り上げる働き方に関するネガティブ情報は9230件で、1社当たりの平均は約3件だったが、ランキング上位に名を連ねた企業は平均をはるかに上回るネガティブ投稿を集めた。 上位には金融、不動産、自動車、小売り、鉄道などの大手企業が名を連ねた。 次ページからは、ランキング上位の具体的な社名と投稿数とともに、具体的な投稿内容も明らかにする。 さっそくランキングを見てみよう。) (働き方”ブラック企業”トップ5 はリンク先参照)』、「ネガティブな口コミを多く集めた企業のランキングを作成・・・期間は2023年1月から12月までの1年間。同期間中に勤務関連の口コミ投稿があったのは、調査対象企業1万6633社のうち3009社だった。今回取り上げる働き方に関するネガティブ情報は9230件で、1社当たりの平均は約3件だったが、ランキング上位に名を連ねた企業は平均をはるかに上回るネガティブ投稿を集めた。 上位には金融、不動産、自動車、小売り、鉄道などの大手企業が名を連ねた」、なるほど。
・『1位はJR東日本 目立つ働き方への不満 23年1~12月に投稿数が最も多かったのはJR東日本で、84件に達した。 投稿で目立つのは働き方に関する不満だ。人手不足による残業の多さや、心身への負担の大きさを指摘する投稿などが目立った。投稿内容は下記の通りだ。 「人出不足なのに、人を減らしているため、現場が回っていない」 「どこも人手が足りなくて休日出勤が常態化している。年間で20日以上休みが減った職場もある」 「人が常に足りないため、休日出勤を月に2~3日やっている人もおり、自転車操業」 「人員が減少し、以前より少ない人数で仕事しなければならず、体力的にも精神的にも限界」 「育児介護制度があっても使えないことが多い。育児や介護について周囲の理解が得られず、定時に帰れない」 また、待遇面では、コロナ禍での賞与の減少に関する不満が目立った。 「基本給が低く、賞与が高く、設定されている。コロナ禍で賞与が減り、年収減となった」 「基本給が安く抑えられていて、ボーナスでとんとんになる。しかしコロナ禍でボーナスがカットされて厳しくなっている」 「マルチタスクを任せられるようになったが、逆に手当が減り、年収が下がった」 さらに、硬直的な組織への不満も多かった。 「現場に挑戦する志を持っている社員はほとんどいない。新しいことをやろうとしても上から抑えられる。年功序列の会社なので風通しも良くない」 「リスクの種類に関わらず、徹底的に回避する傾向があるため、新規事業や構造改革のアイデアを持っていても、それを実現するビジョンが見えない」 「社員の評価は飲み会の参加などでの上司からのお気に入り度合いで決まる。会社の考えが昭和でとまっている」 企業の将来の不安の声も少なくない。 「鉄道だけの収益ではやっていけなくなっているのが現状で、他の事業などで収入を出そうとしているが、施策を見る限りでは不安しかない」』、「1位はJR東日本 目立つ働き方への不満・・・「現場に挑戦する志を持っている社員はほとんどいない。新しいことをやろうとしても上から抑えられる。年功序列の会社なので風通しも良くない」 「リスクの種類に関わらず、徹底的に回避する傾向があるため、新規事業や構造改革のアイデアを持っていても、それを実現するビジョンが見えない」、なるほど。
・『2位は日本生命 営業方法に多くの不満 2位は日本生命保険で、投稿件数は79件。特に保険契約のノルマや営業方法に関する不満の投稿が目立つ。 「締め日前にノルマを達成していないと、強く詰められる」 「最低限の営業ノルマがあり、それができないと容赦なくクビになるため、安定した働き方ではない」 「昔ながらの体育会系の営業方法で、身体を壊す人が散見された」 残業に関する不満や指摘も多かった。 「残業や休日出勤が当たり前で、プライベートの時間の確保ができない」 「残業時間が多すぎ、一人当たりに対する仕事量が半端ない。このまま働き続けたら、心身に影響が出る」 「平日は毎日8時出社に20時退勤で、早く帰る雰囲気が全くない」 「古い体質で残業が当たり前」 さらに組織や社風に関する不満も目立った。 「年功序列の縦社会。上司の言うことは基本的に是。出る杭は打たれる文化」 「社内の全てについて昭和で時が止まっている。改善や変革を謳ってはいるものの、古き良き時代の記憶、過去の栄光にとらわれ、全く変わる気はない」 「新人を入れろと言う割に、今いる社員を大事にしないので、どんどん社員が辞め、お客さんの不信感を増長させている」 「今時ファックスを普通に使用し、会議も紙でやっている。時代と逆行している事が多々ある」』、「2位は日本生命 営業方法に多くの不満」、なるほど。
・『3位はイオンリテール 4位はアウトソーシングテクノロジー 3位はイオンリテールで、投稿件数は54件。 イオンリテールでは労働時間や給与に関する不満が目立った。 「特に食品部門はほぼ強制的にサービス残業をさせられ、心身を壊す人が後を絶たない」 「残業時間削減を謳い、年々締め付けが厳しくなっているが、結局はサービス残業になり、無給で働かされている」 「老朽化した設備など、職場環境は非常に悪い上、無駄で非効率な確認作業に忙殺されサービス残業が発生している」 また、風通しの悪さを指摘する投稿もあった。 「近年トップダウン傾向が強まり、組織の風通しはものすごく悪い」 「特に上の役職の人ほどパワハラ気質な人が多く、人を大事にできない会社」 「上下関係が厳しく、間違ったことでも勤務年数が長い方には逆らえない風習がある」 4位は技術者派遣や開発請負などを行うアウトソーシングテクノロジーで、投稿件数は41件。アウトソーシングテクノロジーについては、派遣先に関する不満投稿が目立った。 「自分の希望はほとんど通らず、スキルが身につかないような仕事内容もあり、とても時間の無駄」 「ITの案件を紹介してくれるということで入社したが、実際に紹介されるのは工場ばかり」 「派遣先の身勝手な理由により、短期間で契約終了となることもある」 給与面での不満も少なくなかった。 「給与水準が低い。営業成績に対するインセンティブもなく、昇給もあまり望めない」 「年収が低く、ボーナスもほぼ出ず、スズメの涙程度」 「派遣業なので徹底的に低賃金で社員を使い潰そうとしてくる」』、「3位はイオンリテール 4位はアウトソーシングテクノロジー」、「イオン」では、「老朽化した設備など、職場環境は非常に悪い上、無駄で非効率な確認作業に忙殺されサービス残業が発生している」 また、風通しの悪さを指摘する投稿もあった。 「近年トップダウン傾向が強まり、組織の風通しはものすごく悪い」 「特に上の役職の人ほどパワハラ気質な人が多く、人を大事にできない会社」、「アウトソーシングテクノロジー」では、「ITの案件を紹介してくれるということで入社したが、実際に紹介されるのは工場ばかり」 「派遣先の身勝手な理由により、短期間で契約終了となることもある」、いずれも深刻な問題を抱えているようだ。
・『5位はトランスコスモス 給与面での不満が多数 5位はコールセンターなどを手掛けるトランスコスモスで、投稿件数は40件だった。 目立ったのは給与面での不満だ。 「給料が低すぎる。昇格しても昇給額が信じられないほど低い」 「優秀な人材が、給料やマネジメント層の対応に不満を抱え、続々と抜けている。まずは給料を見直すべき」 「昇給はほとんどない。いまのご時世、5~10円の振り幅なんて聞いたことがない」 「大学生のアルバイトの時給よりも低い時給で働いている」 そのほか、「上場企業とは思えないほど、コンプライアンス意識が低く驚いた」「残業することが当たり前のような雰囲気」「有給を取る時に理由を求められるため、気軽に取れない」などの投稿もあった。 トップ5に続く企業は以下となる。) (働きか”ブラック”企業6~9位 はリンク先参照)』、「トランスコスモス」では、給与などを別にすれば、「上場企業とは思えないほど、コンプライアンス意識が低く驚いた」「残業することが当たり前のような雰囲気」、などが気になるところだ。
・『ヨドバシカメラの投稿数が昨年下期に急増 6位はヨドバシカメラで、投稿件数は39件。23年1~6月の投稿件数は8件だったが、7~12月は31件と急増した。 目立ったのは残業に関する不満だ。 「残業はマックスまでさせられることが多いため、予定が全く立てられない」 「一日の労働時間が12~13時間と非常に長いため、休日があっても疲れを取るだけで終わる。ワークバランスが全くない」 「サービス残業が多すぎてプライベートはほぼない」 「残業が多く、体力的にきつい。実際体調やメンタルを崩して、休職する人や退職していく人は少なくない」 「残業ありきの人員配置。定時に上がると店が回らなくなる」 「人手が足りておらず、忙しすぎて人が辞めてく」 また、組織や社風に関する不満も少なくない。 「基本トップダウン。下からの意見を吸い上げる気はない。非上場のため、それを直す気もない」 「経営トップや店長の言うことが絶対なので、それが現場にとって合わないこと、非効率なことでもやらなきゃいけない」 「管理職の言い方がキツかったりするので人が結構辞める。昭和のやり方が残ってる」 セクハラ・パワハラ関連の投稿もあった。 「ウォーターサーバーなど『利益が出るもの』に対してノルマを課すことが多く、これが達成できないと、パワハラ一歩手前の叱責を受ける」 「客からのセクハラ等は日常茶飯事」』、「ヨドバシカメラ」では、「「経営トップや店長の言うことが絶対なので、それが現場にとって合わないこと、非効率なことでもやらなきゃいけない」 「管理職の言い方がキツかったりするので人が結構辞める。昭和のやり方が残ってる」 セクハラ・パワハラ関連の投稿もあった」、など深刻な問題を抱えているようだ。
・『三菱電機とJR西日本が7位で投稿件数は33件 7位は三菱電機とJR西日本で、投稿件数は33件。 三菱電機で目立った投稿は残業に関するものと社風に関するものだ。 残業関連は下記などの投稿があった。 「ほとんどの部署で残業が非常に多く、休日出勤もごく普通。心を病む人が多く、新卒も半年たてば目の輝きを失う」 「育休明けの時短勤務を申請している人に仕事を振りまくり、残業させている。最悪だと思う」 「殺人的な長時間残業」 「ワークライフバランスは最悪」 また、社風に関しては下記の投稿などがあった。 「新しいことを始めるための障壁が多いため、時代の変化に対応できていない」 「社内政治が大事な側面もある。旧態依然の会社」 「意思決定が遅く、過去のしがらみが大変強力。非常に保守的で、新しいことへのチャレンジに対してかなりの抵抗を受ける事がある」 「かなり陰湿な体質で、下手な事すると必ず悪口を言われる。出る杭は打たれる」 「入社後、強烈な縦割り文化に驚いた」 さらに役員への不満も多かった。 「役員クラスがひどい。仕事ができるかどうか以前に、自分たちの決断について説明できないレベル」 「問題が発覚した時の対応がその場しのぎ。マネジメント層が根本的な対応をせず、現場に丸投げ」 「マネジメント層のビジョンが不透明、舵取りや判断の遅さに不信感が大きい」 一方、JR西日本で最も目立った投稿は給与に関するものだ。 「基本給が低いので、ボーナスが戻らないと金銭的にしんどい」 「コロナ禍により賞与が大幅カットされた」 「年収に占めるボーナスの割合が高く、コロナ禍で年収が50万円以上減った」 「基本給が安く、ボーナスで補っているため、ここ数年、ボーナスカットで社員はやる気を失っている」 「重労働なのに低月給。お客様の安全を守る人の給料ではない」 働き方への不満投稿は下記などがあった。 「緊急の事故・障害対応などで勤務時間が不規則になりやすく、土日や深夜の呼び出しもままある」 「仕事量が多く超過勤務が多い。休日の呼び出しも多く、さらに休日に組合活動に出ることもありストレスがたまる」 また、パワハラを指摘する投稿もあった。 「一部でパワハラが横行し、精神的に追い込まれ休業を余儀なくされた人は珍しくない」 「昭和体育会系の考え方が根強く残っており、若い人が負担を強いられる。パワハラは当たり前」』、「三菱電機」では「「役員クラスがひどい。仕事ができるかどうか以前に、自分たちの決断について説明できないレベル」 「問題が発覚した時の対応がその場しのぎ。マネジメント層が根本的な対応をせず、現場に丸投げ」 「マネジメント層のビジョンが不透明、舵取りや判断の遅さに不信感が大きい」」、「JR西日本」では「「一部でパワハラが横行し、精神的に追い込まれ休業を余儀なくされた人は珍しくない」 「昭和体育会系の考え方が根強く残っており、若い人が負担を強いられる。パワハラは当たり前」」、などは問題が大きい。
・『日産自動車・みずほ銀行・JR九州が9位で投稿件数は31件 9位は日産自動車、みずほ銀行、JR九州で、投稿件数は31件。 日産自動車では経営への不満や将来への不安などを指摘する投稿が少なからずあった。 「毎月上級管理職が退職している。このような状況は異常ではないか」 「戦術と戦略の区別がついている人が上層部に1人もいない」 「新規事業への活気が感じられない。恐らく衰退し続けると思う」 また、会社の風通しの悪さや組織の硬直さに関する投稿もあった。 「数年に一度会社を揺るがす大きな危機に見舞われ、その時だけは多少団結するが、危機が去ると途端に足を引っ張り合い責任を押し付け合う文化」 「仕事は雑に丸投げされ、結果のみ吸い上げられる。真面目に対応すればするほどに奴隷化させられ、精神をすり減らして脱落していく」 「くだらない根回しが横行して本質的な仕事ができない」 「従業員を大事にしない風土。部長のパワハラで社員数人がメンタル疾患で休職した」 人手不足や業務負担の大きさへの不満もあった。 「設計の部署は人権がほぼない。金曜日夜に会議があり22時に議事録を送る。持ち帰り残業もよくある」 「調整業務が多い。マイクロマネジメントしてくるチームリーダーやパワハラ的な言動をする同僚が周りにいる」 「忙しい時期は頭がおかしくなるぐらい仕事が降ってくるが、それが当たり前と思っている社員が多く、残業時間は月70時間以上ある」 みずほ銀行は23年1~6月の投稿件数は22件だったが、7~12月は9件と減少している。 残業の多さや人手不足への不満が目立つ。 「本部の部署によっては終電まで仕事をするのが当たり前、もしくは、仕事が終わるまで残らざるを得ないケースが多い」 「本部の私の部署では8時40分始業、22時退行が常態化」 「無駄な事務により残業が多い。近年は退職者も多く、慢性的に人が足りていない」 「平日も朝まで飲み会、土日はゴルフや資格試験の勉強で、プライベートはなきに等しい」 「営業職は休日出社する場合もあるので、プライベートはあまりないと思った方がいい」 人材流出に関する懸念や不満も少なくない。 「従業員の士気が低い。優秀な人は若手・中堅を中心に会社を去っている」 「金融業の会社としての将来性は微妙。退職者が後をたたない。若手の退職が増えている」 「行員のモチベーションの低下が著しい。社外向けのブランディングを気にする前に、まずは社内のカルチャーをどうにかしないと、優秀な若手は流出し続ける」 旧態依然の社風への不満もあった。 「とにかく意思決定が遅い。決裁者への説明までに踏むべきプロセスが多すぎる」 「経営のやり方が明らかに間違っている。定性評価をはき違えて、上の好き勝手で評価がきまる」 「年功序列による評価体制を見直すべく取り組んでいるが、超が付くほどの保守的な企業風土ゆえ大きな変化は望めない」 「古い企業文化と無能力なおじさんたちが残っている会社。やる気のある人、できる人はどんどん抜けていく」 一方、JR九州は23年1~6月の投稿件数は9件だったが、7~12月は22件と増加した。 JR東日本、JR西日本と同様、JR九州でも目立ったのが給与に関する不満だ。 「コロナ禍で年収が下がり、業務量と責任に見合った収入が得られていない」 「コロナ禍以降ボーナスをカットされ、給料は減っているのに1人あたりの業務は増えている」 「安い給料と多くない休暇、増加するご意見対応などで現場の社員は疲弊している」 「過度に設備を廃止したり、人件費を削ったりして、利用客にも従業員にも悪い影響が出まくっている」 また、働き方への不満投稿も多い。 「深刻な人材流出により現場は疲弊している。特に現業部門は、休日出勤をしないと回らず、ワークライフバランスなど無いに等しい」 「本社勤務では長時間残業に苦しむ社員も多く、労使協定に抵触しないために闇残業を行う姿も見受けられる」 「休みの日や夜中にも呼び出しがあり、災害時には職場で寝泊まりする必要がある。 一歩間違えば大事故につながる作業でも手当がつかないなど、社員の扱いがひどい」 そのほか、「毎年、お中元とお歳暮のノルマが課せられる」といった投稿もあった。 12位から29位までの19社の中には、数々の不祥事が明らかになった中古車販売大手のビッグモーターのほか、ソフトバンク、三井住友海上、大和ハウスなど、大手企業が多数ランクインしている。次ページからのランキングをぜひチェックしてみてほしい。) (働き方”ブラック”企業12~20位 はリンク先参照)) (働き方”ブラック”企業24~29位 はリンク先参照)』、「日産自動車」では「「毎月上級管理職が退職している。このような状況は異常ではないか」 「戦術と戦略の区別がついている人が上層部に1人もいない」 「新規事業への活気が感じられない。恐らく衰退し続けると思う」 また、会社の風通しの悪さや組織の硬直さに関する投稿もあった」、「みずほ銀行」では「「本部の部署によっては終電まで仕事をするのが当たり前、もしくは、仕事が終わるまで残らざるを得ないケースが多い」 「本部の私の部署では8時40分始業、22時退行が常態化」 「無駄な事務により残業が多い。近年は退職者も多く、慢性的に人が足りていない」」、「JR九州」では「「深刻な人材流出により現場は疲弊している。特に現業部門は、休日出勤をしないと回らず、ワークライフバランスなど無いに等しい」 「本社勤務では長時間残業に苦しむ社員も多く、労使協定に抵触しないために闇残業を行う姿も見受けられる」」、など不満も強いようだ。
タグ:「我々はつい最近も「ヤバいスローガン」が「ヤバい会社」を生み出したことを目の当たりにしている。 勘のいい方はお分かりだろう、ビッグモーターだ。 ビッグモーターもダイハツ同様に不正発覚後、ブラック企業ぶりが叩かれた。ノルマ達成できないとLINEグループ内や会議でボロカスに人格否定されて降格や左遷。目標未達だと罰金を自腹で払わされるなどの社風が次々と明らかになっていく中で、注目されたのは、「ヤバい経営計画者」だ 「派遣先の身勝手な理由により、短期間で契約終了となることもある」、いずれも深刻な問題を抱えているようだ。 「3位はイオンリテール 4位はアウトソーシングテクノロジー」、「イオン」では、「老朽化した設備など、職場環境は非常に悪い上、無駄で非効率な確認作業に忙殺されサービス残業が発生している」 また、風通しの悪さを指摘する投稿もあった。 「近年トップダウン傾向が強まり、組織の風通しはものすごく悪い」 「特に上の役職の人ほどパワハラ気質な人が多く、人を大事にできない会社」、「アウトソーシングテクノロジー」では、「ITの案件を紹介してくれるということで入社したが、実際に紹介されるのは工場ばかり」 「2位は日本生命 営業方法に多くの不満」、なるほど。 そんな旧日本軍の「数の帳尻を合わせるためならば多少のインチキには目をつぶる」という「員数主義」が戦後、従軍経験者や軍需工場での勤務経験者を介して、日本の民間企業にも引き継がれて、現在に至るというのが筆者の考えだ・・・ただ、仮にダイハツが員数主義にむしばまれていたとしても、ここまで「ベタベタのブラック企業」になってしまったことは説明できない。日本最古の自動車メーカーであり、軽自動車国内新車販売台数17年連続トップの名門がなぜこんな「闇堕ち」してしまったのか」、その通りで、興味深そうだ。 「ボロボロの現場に追い討ちをかけるのが、「高すぎる目標」だ。人口増時代は頑張れば達成できるかもと希望が持てたが、人口減少時代は「無理ゲー」を強いて、メンタルを破壊することにしかならない。しかし、管理職は自分が若い時の成功体験があるので、現場から「こんなスケジュールではできません」「もうコストカットは限界です」と泣きつかれても、「で?」「それを可能性にするためには何をすればいいのか考えるのがお前の仕事だ」など突き放す。 「1位はJR東日本 目立つ働き方への不満・・・「現場に挑戦する志を持っている社員はほとんどいない。新しいことをやろうとしても上から抑えられる。年功序列の会社なので風通しも良くない」 「リスクの種類に関わらず、徹底的に回避する傾向があるため、新規事業や構造改革のアイデアを持っていても、それを実現するビジョンが見えない」、なるほど。 「みずほ銀行」では「「本部の部署によっては終電まで仕事をするのが当たり前、もしくは、仕事が終わるまで残らざるを得ないケースが多い」 「本部の私の部署では8時40分始業、22時退行が常態化」 「無駄な事務により残業が多い。近年は退職者も多く、慢性的に人が足りていない」」、「JR九州」では「「深刻な人材流出により現場は疲弊している。特に現業部門は、休日出勤をしないと回らず、ワークライフバランスなど無いに等しい」 「本社勤務では長時間残業に苦しむ社員も多く、労使協定に抵触しないために闇残業を行う姿も見受けられる (中略) 鉄鋼、自動車、電機というかつて日本の基幹産業と呼ばれた業種を代表する企業たちが、まるで内部からガラガラと崩壊するように、不正が噴出している。 これには競争力に問題があるとか、生産性が下がったからだとか、いろいろなご意見があるだろうが、筆者はこれまで見てきたように、これらの業界がかつて「世界一」というスローガンを掲げて、それをがむしゃらに追い求めてきたことの「重い後遺症」だと思っている」、なるほど。 「日産自動車」では「「毎月上級管理職が退職している。このような状況は異常ではないか」 「戦術と戦略の区別がついている人が上層部に1人もいない」 「新規事業への活気が感じられない。恐らく衰退し続けると思う」 また、会社の風通しの悪さや組織の硬直さに関する投稿もあった」、 「神戸製鋼、三菱自動車、東芝など「世界一の技術」をスローガンにしていたものづくり企業で相次いで不正が発覚していく事例を紹介して、原因を次のように分析」、「「世界一」とは本来、技術力や生産性を高めていくうちに、他者からの評価という形で得られる「結果」に過ぎない。 しかし、東芝の場合はこのように何十年も「世界一」を追い求めてきたことで、いつのまにやら「世界一」になることが何よりも優先すべき「目的」となってしまった恐れがあるのだ。このように「結果」と「目的」をはきちがえた時、企業は「不正」に走る。 「JR西日本」では「「一部でパワハラが横行し、精神的に追い込まれ休業を余儀なくされた人は珍しくない」 「昭和体育会系の考え方が根強く残っており、若い人が負担を強いられる。パワハラは当たり前」」、などは問題が大きい。 「ネガティブな口コミを多く集めた企業のランキングを作成・・・期間は2023年1月から12月までの1年間。同期間中に勤務関連の口コミ投稿があったのは、調査対象企業1万6633社のうち3009社だった。今回取り上げる働き方に関するネガティブ情報は9230件で、1社当たりの平均は約3件だったが、ランキング上位に名を連ねた企業は平均をはるかに上回るネガティブ投稿を集めた。 上位には金融、不動産、自動車、小売り、鉄道などの大手企業が名を連ねた」、なるほど。 「三菱電機」では「「役員クラスがひどい。仕事ができるかどうか以前に、自分たちの決断について説明できないレベル」 「問題が発覚した時の対応がその場しのぎ。マネジメント層が根本的な対応をせず、現場に丸投げ」 「マネジメント層のビジョンが不透明、舵取りや判断の遅さに不信感が大きい」」、 ダイヤモンド・オンライン「従業員の不満投稿が多い“ブラック”企業ランキング2023【トップ30】6位ヨドバシカメラ、3位イオンリテール、ビッグモーターも上位!」 戦陣訓が背景になったと言われている・・・「うちの会社ってもしかしてブラック企業?」と悩むそこのあなた、経営理念やフィロソフィーを確認してみてはどうだろう。 ヤバい会社にはヤバいスローガンがある。不正をやらされたり、「殺されたり」する前に、一刻も早く逃げていただきたい」、同感である。 「ヨドバシカメラ」では、「「経営トップや店長の言うことが絶対なので、それが現場にとって合わないこと、非効率なことでもやらなきゃいけない」 「管理職の言い方がキツかったりするので人が結構辞める。昭和のやり方が残ってる」 セクハラ・パワハラ関連の投稿もあった」、など深刻な問題を抱えているようだ。 「一般的な軽自動車ユーザーにとって、ダイハツ車は仕事や生活の足であり、大切な人を載せるモビリティに過ぎない。つまり、「1mm、1g、1円、1秒」はユーザー目線ではなく、作り手目線のこだわりなのだ。 そういうプロダクトアウト的なスローガンを掲げ、それを現場に叩き込んでいる時点で、ダイハツがユーザーメリットより、企業内の論理を優先する「ヤバい会社」だということが伺えるのだ」、その通りだ。 「トランスコスモス」では、給与などを別にすれば、「上場企業とは思えないほど、コンプライアンス意識が低く驚いた」「残業することが当たり前のような雰囲気」、などが気になるところだ。 「これは筆者が本連載の中で、日本企業の「不正カルチャー」の原因だと繰り返し指摘してきた「員数主義」の典型的なケースだ。「員数」とは旧日本軍内で使われてた装備品や物資の数を示す言葉だ。 軍隊内ではこの「員数」と帳簿上の数が合わないのは「あり得ない」ので、ダイハツのように「で?」「なんで数が合わないの」「どうするんだ」と詰問された。そこで、とにかく員数を合わせるため、他部隊から装備品を盗んだりする不正行為がまん延、現場レベルでは黙認されていたというのだ。 窪田順生氏による「ダイハツ、お前もか…闇落ちするブラック企業には「ヤバいスローガン」がある」 ダイヤモンド・オンライン 「できません」など言うことはあり得ないということだ。となると、残る道はインチキしかない。 この「ヤバいスローガン」はダイハツにも当てはまる」、なるほど。 米英の捕虜も殺害するという「不正」に走っていく。 それだけではない。敗戦のプレッシャーが強まれば強まるほど、このスローガンは日本全体を「ブラック企業」のようにしてしまう。 《戦陣訓の中の「生きて虜囚(りょしゅう)の辱め(はずかしめ)を受けず」の一節は、将兵に対し捕虜になることを固く戒めたもので、太平洋戦争で戦いが絶望的な状況になっても将兵が投降せずに玉砕や自決する事態が頻発、動けなくなった傷病兵の殺害などが起こることにもつながったと言われる。また、サイパンや沖縄戦で、住民の集団自決がおこったのもこの戦陣訓 「『戦陣訓』「本訓 其の二」は、「現場ではこれを復唱させて、兵士たちの闘争心を高めるという好循環ができた。 しかし、戦局が悪化して敗退に次ぐ敗退となっていくと、「逆回転」していった。圧倒的な戦力差と物資不足で不利になっていくと、「生きて虜囚の辱を受けず」だけが切り取られ、自軍の情報が敵に漏れないよう「投降禁止」のスローガンになった。当時、世界の戦争では「勝ち目がなくなったら白旗をあげて投降、捕虜は人道的に扱わなくてはならぬ」という国際ルールがあったが、日本軍はそれをガン無視するだけではなく、投降してきた米 そうなると、追いつめられた現場はどうするか。「やってられない」と辞表を出すか、開き直って左遷・更迭されるか、あるいはインチキをするか、だ。 これがこの30年間ほど「世界一」を掲げてきたものづくり企業の現場でパワハラや不正が次々と明らかになっている根本的な原因だ。無茶なスローガンに耐えきれなくなってきた現場が、これまでのインチキを隠し通せなくなってきたのである」、なるほど。 (その16)(ダイハツ お前もか…闇落ちするブラック企業には「ヤバいスローガン」がある、従業員の不満投稿が多い“ブラック”企業ランキング2023【トップ30】6位ヨドバシカメラ 3位イオンリテール ビッグモーターも上位!) ビッグモーターの整備工場前では毎朝、従業員が一堂に会して、創業者である兼重宏行氏のかなりクセのある経営思想が反映された「経営計画書」を読み上げていた。 例えば、「会社と社長の思想は受け入れないが仕事の能力はある」社員について、「今、すぐ辞めてください」とピシャリ。さらには「店長には営業マンの生殺与奪権を与える」などの内容も唱えられていた。 これらのスローガンを毎日叩き込まれた社員が「上の命令にはガタガタ言わずに黙って従う」としつけられることは言うまでもない。つまり、上から課せられたノルマが達成できない場合 ブラック企業
2024-04-06 18:55
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