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機能性表示食品制度(その4)(「紅麹」と醤油や酒の醸造用「麹」の決定的な違い そもそも「麹」とはどのようなものかを解説、小林製薬はなぜ「紅麹の健康被害」の発表を2カ月寝かせてしまったか?日本企業あるあるの罠、小林製薬「紅麹」サプリの被害が拡大…「機能性表示食品」制度検討は安倍政権下の規制改革会議からだった、専門家が指摘「紅麹問題」で表出する"重要な視点" 2014年には欧州でサプリによる健康被害の報告) [社会]

機能性表示食品制度については、2017年4月10日に取上げた。今日は、(その4)(「紅麹」と醤油や酒の醸造用「麹」の決定的な違い そもそも「麹」とはどのようなものかを解説、小林製薬はなぜ「紅麹の健康被害」の発表を2カ月寝かせてしまったか?日本企業あるあるの罠、小林製薬「紅麹」サプリの被害が拡大…「機能性表示食品」制度検討は安倍政権下の規制改革会議からだった、専門家が指摘「紅麹問題」で表出する"重要な視点" 2014年には欧州でサプリによる健康被害の報告)である。

先ずは、本年3月27日付け東洋経済オンラインが掲載した糀屋三左衛門 ・第29代当主の村井 裕一郎氏による「「紅麹」と醤油や酒の醸造用「麹」の決定的な違い そもそも「麹」とはどのようなものかを解説」を紹介しよう。
https://toyokeizai.net/articles/-/743859
・『サプリメントによる健康被害の問題で「紅麹」という言葉が連日ニュースに登場するようになりました。原因とされる「未知の成分」の実態や混入経路は特定されていませんが、そもそも「麹」がどのようなものか、ニュースを見て気になった人もいるのではないでしょうか。今回の件とは別に一般的に「紅麹」と発酵食品で使用される「麹」とはどう異なるのか、室町時代から600年続く種麹メーカーの第29代当主であり『ビジネスエリートが知っている 教養としての発酵』の著者である村井裕一郎氏が解説します』、「紅麹」、「麹」については、殆ど知識がないので、大助かりだ。
・『そもそも「麹」とはいったい何か  「麹」とは、米や麦や豆などの穀物に麹菌を生やしたもののことです。米に麹菌が生えれば米麹、麦に麹菌が生えれば麦麹、豆に麹菌が生えれば豆麹、となります。 食卓調味料として使われる塩麹、醤油麹、コンソメ麹などは、それぞれ、塩や醤油、野菜などを麹と混ぜた調味料や料理の名前になります。これは麹と他の食材を混ぜたものであって、「穀物に麹菌を生やしたもの」という本来の麹の定義とは異なります。 では、麹は味噌、醤油、清酒といった醸造食品造りの中でどのように用いられるのでしょうか?醸造食品においては、麹は酵素の供給源としての役割が大きいです。例えば、日本の清酒造りでは、麹の持つ酵素の力によって、原料であるお米のデンプンが分解され糖になり、その糖を酵母が食べてアルコールを生産します。 今回注目されている紅麹ですが、紅麹は一般的な味噌や醤油、清酒、焼酎などに使われる麹とは生物学的にも異なる菌を使用しており、また、食品として利用される主な目的も異なります。 紅麹は穀物(主に米)に紅麹菌を生やしたものです。紅麹はその名のとおり赤い色をしており、色素、着色料としても用いられてきました。沖縄の「豆腐よう」などが紅麹を使った有名な食品です。また、近年では抽出した色素が着色料としてさまざまな食品に用いられています。) 先述のように麹とは「穀物に麹菌を生やしたもの」です。そのため、紅麹も「麹」となります。 一般的な味噌や醤油、清酒、焼酎などに使う麹菌には「アスペルギルス属」と呼ばれるカビの仲間が多く用いられています。それに対して、紅麹に使う紅麹菌は「モナスカス属」と呼ばれるカビの仲間が用いられます』、「一般的な味噌や醤油、清酒、焼酎などに使う麹菌には「アスペルギルス属」と呼ばれるカビの仲間が多く用いられています。それに対して、紅麹に使う紅麹菌は「モナスカス属」と呼ばれるカビの仲間が用いられます」、なるほど。
・『生物学的に異なる菌でも「麹」と呼ばれる背景  そもそも、私たち人間は、微生物学が発展する前から発酵食品を作ってきました。そのため、生物学的な定義の正確さより、それぞれの文化の中で慣習的に呼んでいた言葉が反映されていることも多くあります。 竹を食べることから、レッサーパンダの大きな新種だと思ってジャイアントパンダと名付けても、レッサーパンダはレッサーパンダ科で、ジャイアントパンダはクマ科だったりします(中国ではレッサーパンダが成長するとジャイアントパンダになると考えられていた地域があるそうです)。 微生物学的には別の種であっても、穀物にカビが生えて、それを食べたらおいしかったという体験が共通していれば、同じように麹と慣用的に呼んでしまうのは自然なことだと思います。 なお、アスペルギルス属をさらに細かく見ていくと、味噌、醤油、清酒などに幅広く用いられる「アスペルギルス オリゼー」と呼ばれる種、特に醤油に用いられる「アスペルギルス ソーヤ」、焼酎や泡盛に用いられる「アスペルギルス ルチエンシス」などがあります。また、日本の発酵食品には使われない「アスペルギルス フラバス」、「アスペルギルス ナイジャー」という種などもあります。) それでは、ここで、整理のために「麹菌」の定義の話をしましょう。まず、麹菌の示す範囲については広義に示すものと、狭義に示すものがあります。 広義的に麹菌の指し示す範囲として、「麹を作るための糸状菌(カビ)を総称して麹菌と呼ぶ」というものがあります。 ここには、日本の醸造食品に一般に使われる麹菌(アスペルギルス属の仲間)も、今回の紅麹(モナスカス属)も入ります。あるいは、中国の麹(曲)に使われるクモノスカビと呼ばれるカビなどが入る用例もあります』、「広義的に麹菌の指し示す範囲として、「麹を作るための糸状菌(カビ)を総称して麹菌と呼ぶ」というものがあります」、なるほど。
・『日本醸造学会が定めた「?菌」はわずか  次に、狭く麹菌の語句の示す範囲の定義としては、日本醸造学会が麹菌を「国菌」(日本を代表するものとして選ばれた菌)と認定した際に定めた定義があります。 ?菌とは、わが国で醸造及び食品等に汎用されている次の菌をいう。 (1)和名を黄?菌と称する Aspergillus oryzae。 (2)黄?菌(オリゼー群)に分類される Aspergillus sojaeと黄?菌の白色変異株。 (3)黒?菌に分類される Aspergillus luchuensis(Aspergillus luchuensis var. awamori)及び黒?菌の白色変異株である白?菌 Aspergillus luchuensis mut. kawachi(Aspergillus kawachii)。 注)Aspergillus niger(クロカビ)は、黒?菌とは異なる菌種であり、?菌には含めない。 平成 18 年 10 月 12 日 日本醸造学会 平成 25 年 11 月 28 日 一部改正(菌名変更) 端的に言えば、アスペルギルス属のなかでも、オリゼー、ソーヤ、ルチエンシス、ルチエンシス ミュート カワチに限るとされています。 そして、アスペルギルス属には他に「アスペルギルス フラバス」「アスペルギルス ナイジャー」など日本の醸造食品には用いられない複数の種が属していますが、それらは、国菌としての麹菌の定義から外れます。なお、私が麹菌という語を使う際はできる限り断りを入れたうえで、この狭義の定義を用いることが多いです。) 狭義の麹菌の定義から外れた「アスペルギルス フラバス」という種は、アフラトキシン、オクラトキシンなどのカビ毒を出すことで知られています。しかし、このフラバスは、日本の醸造食品には用いられません。日本醸造学会が定めた狭義の麹菌は、カビ毒を生産しないことが遺伝子レベルで確認されています。 なぜ、オリゼーなどがこれらのカビ毒を出す能力を持たないのか、つまり、人間が使いやすい菌になったのか、あるいは、自然界から人間がどのようにオリゼーなどを選び取ったのかについてはさまざまな説があります』、「狭く麹菌の語句の示す範囲の定義としては、日本醸造学会が麹菌を「国菌」・・・と認定した際に定めた定義があります」、なるほど。
・『シトリニンを生産する能力を失った菌株を使用  そして、紅麹菌(モナスカス属)ですが、欧州委員会規制(EC)が基準値を定めているように、一部はシトリニンというカビ毒を出すとされています。しかし、現在ではゲノムの解明が進んでおり、小林製薬のサイトでも、紅麹の製造においてはシトリニンを生産する能力を失った菌株が用いられていると説明されています。 なお、日本で醸造食品に使われる狭義の麹菌にあたる、「アスペルギルス オリゼー」などからもシトリニンが生成されたという報告はありません。 記事公開時点において、今回の小林製薬の問題で原因物質、および混入経路は特定されておりません。紅麹菌の生成物に由来するのか、それとも紅麹菌にする前の原料の時点で何かが生じていたのか、あるいは、人為的設備的な要因によるものなのか、さまざまな可能性を検討し調査している段階と認識しています。 日本で扱われている「麹」「紅麹」そのものが問題となっているわけではない点に注意が必要です』、「紅麹菌(モナスカス属)ですが、欧州委員会規制(EC)が基準値を定めているように、一部はシトリニンというカビ毒を出すとされています。しかし、現在ではゲノムの解明が進んでおり、小林製薬のサイトでも、紅麹の製造においてはシトリニンを生産する能力を失った菌株が用いられていると説明されています・・・今回の小林製薬の問題で原因物質、および混入経路は特定されておりません。紅麹菌の生成物に由来するのか、それとも紅麹菌にする前の原料の時点で何かが生じていたのか、あるいは、人為的設備的な要因によるものなのか、さまざまな可能性を検討し調査している段階と認識しています」、なるほど。

次に、3月28日付けダイヤモンド・オンラインが掲載したノンフィクションライターの窪田順生氏による「小林製薬はなぜ「紅麹の健康被害」の発表を2カ月寝かせてしまったか?日本企業あるあるの罠」を紹介しよう。
https://diamond.jp/articles/-/341136
・『社長「覚悟」していたのに…「紅麹」は10年前にも注意喚起  「そういえば、この前亡くなったおじいちゃんも確かあんなサプリメントを飲んでたような…」 「ねえ、この前食べたお菓子にも紅麹が入ってたみたいだよ。ヤバくない?」 連日の報道によって「紅麹の恐怖」が、日本社会にじわじわと広がっている中で、「被害者」の数も急速に膨れ上がっている。 「紅麹」の成分などを含んだ小林製薬のサプリメントを摂取した人たちが、腎臓の病気などを発症しているという問題を受けて、厚生労働省は同社から2人目の死亡事例が報告されたと発表した。  亡くなった一人は「紅麹コレステヘルプ」を3年間にわたって35袋服用していたという。報道を受けて遺族から3月23日の夜にメールがあったが、週明けの25日になってそれが確認され、サプリメント摂取と死亡に因果関係が疑われるとして調査を進めている。 小林製薬の窓口には、製品を摂取した人からおよそ3000件以上の健康相談が寄せられたほか、入院が必要になった人がこれまでに106人いたと報告されている(3月27日現在)。このような「被害」が広がっていくにつれ、小林製薬の「対応の遅さ」にも批判が強まっている。 実は、小林製薬に、腎疾患の被害報告が医師から入ったのは1月15日だ。そこから入院事例が増えていって、小林章浩社長のもとに報告をされたのは2月6日。記者会見で小林社長は、当時の心境をこう振り返っている。 「私はおそらく2月6日に聞いている。その時点で、この案件については何らかの形で回収になるだろうという覚悟を持ちました」(FNNプライムオンライン3月25日) こういう「覚悟」を抱くのは当然だ。実は、紅麹は2014年、内閣府・食品安全委員会が「健康被害が報告されているので危ないですよ」と注意喚起を行なっている。紅麹菌を由来とするサプリメントの摂取が原因と疑われる健康被害がヨーロッパで報告されていたからだ。 つまり、サプリメントを扱う人々にとって、紅麹サプリメントの入院報告は「青天のへきれき」ではなく、「恐れていたことがやってきた」という反応だ。だから、小林社長は報告を受けた段階で「回収」という企業にとって大きな決断の「覚悟」を持つことができたのだろう。 しかし、ここから多くの人が、首を傾げる奇妙なことが起きる』、「小林製薬に、腎疾患の被害報告が医師から入ったのは1月15日だ。そこから入院事例が増えていって、小林章浩社長のもとに報告をされたのは2月6日・・・紅麹は2014年、内閣府・食品安全委員会が「健康被害が報告されているので危ないですよ」と注意喚起を行なっている。紅麹菌を由来とするサプリメントの摂取が原因と疑われる健康被害がヨーロッパで報告されていたからだ。 つまり、サプリメントを扱う人々にとって、紅麹サプリメントの入院報告は「青天のへきれき」ではなく、「恐れていたことがやってきた」という反応だ」、なるほど。
・『遅れた自主回収、大企業の「致命的な判断ミス」  2月6日、小林社長が回収の覚悟を決めてから、実際に小林製薬が自主回収を発表したのは3月22日だ。驚くなかれ、トップが「覚悟」を決めてから、それを実行に移すまでになんと約1カ月半も時間を費やしているのだ。ちなみに、大阪市保健所と消費者庁への相談も3月22日の発表直前だったという。 2月6日の「覚悟」は、なぜこんなにもたっぷりと寝かせられたのか。 会社側の説明によると、自主回収が遅れた理由は「人手不足」だ。記者会見で渡辺淳執行役員は「調査にかける人員が限られ、製品が原因で症状が起こったと特定できなかった」と説明しているのだ。 ただ、これは一般消費者の感覚からすれば、「は?世の中をナメているのか?」とかなりイラッとくる説明だろう。 厚労省や大阪市が激怒しているように、世間一般の感覚では入院事例も報告されている段階で、被害拡大を食い止めるためには、とにもかくにもまずは事実の公表をして自主回収をすることが「正解」だ。しかし、小林製薬は調査に1カ月半以上も費やして、公表を後回しにした。これを「致命的な判断ミス」と批判する評論家や専門家も多い。 では、なぜ小林製薬ほどの大企業が世間の多くの人たちが「悪手」だと思う道へ突き進んだのか。なぜ誰もが真っ先に優先すべきだと思う「被害拡大防止」を後回しにしてしまったのか』、「会社側の説明によると、自主回収が遅れた理由は「人手不足」だ。記者会見で渡辺淳執行役員は「調査にかける人員が限られ、製品が原因で症状が起こったと特定できなかった」と説明しているのだ」、「自主回収が遅れた理由は「人手不足」」とは驚くべき言い訳だ。
・『日本企業あるある、「公表をしぶる」4つの理由  いろいろなご意見があるだろうが、実際にこのような「健康被害」を出した企業の危機管理をサポートした経験から言わせていただくと、この原因は経営陣や部門責任者の誤解によるところが大きい。 それは「事実確認や原因究明をしっかりとすることこそが、危機管理である」という誤解だ。 危機管理において、事実確認や原因究明は重要だ。しかし、そこに執着するあまり、事実確認や原因究明ができないと一歩も動けず、思考停止してしまうのである。 相手がいることなので、あまり詳しい事は言えないが、筆者は過去に今回のような「自主回収」の決断をした企業の危機管理のサポートをいくつか経験したことがある。 そこでは程度の違いはあるが、ほとんどの企業が問題を把握してから「調査」に時間を費やして「自主回収」を公表するまで1?2カ月をかけている。 つまり、今回の小林製薬のように「事実確認」や「原因究明」に執着するあまり、やるべきことを後回しにしてしまうのだ。これは日本企業の中では極めてベタな対応というか「危機管理あるある」と言っていい。 このような日本企業の思考停止を後押しするのが、組織内の「同調圧力」だ。「一刻も早く公表すべき」という声が出ても、経営幹部や部門責任者らが握りつぶすのである。 ある会社で筆者も社長に意見を求められたので、「被害拡大防止を優先するために早く公表すべきでは」と答えたら、品質部門の責任者やら、営業担当役員やらに「現実的ではない」「そんなことをしたら大混乱になる」と大目玉をくらった。 では、なぜ彼らがそこまで公表をしぶるのか。 ああでもないこうでもないと「公表できない理由」を並べてくるのだが、筆者が直接耳にした理由をまとめると、ざっとこんなところだ。 ・原因をある程度特定しないと、取引先から「他の製品も危ないのでは?」という不安が拡大して会社の信用に関わる ・自治体や監督官庁に対して自主回収の背景を説明するのにも「まだわかりません」というのはあり得ない ・自主回収後、謝罪行脚をする現場の社員たちに「何もわかりません」と手ぶらで戦わせるわけにはいかない ・自主回収を公表する記者会見で社長が、「まだ何もわかりません」を繰り返したら社会が不安になって大炎上してしまう  これを読んでいただければわかるように、「調査優先派」の基本的なスタンスとしては、急いで公表をしたところで、会社として何も説明できないので、かえってステークホルダー(利害関係者)を不安に陥れてパニックにさせてしまうというものだ。 そうならないために、まずは事実確認や原因究明をしっかりとやる。そして、ある程度、情報が集まってきて、会社として説明ができる状況になったら満を持して公表する。消費者や取引先はもちろん、自治体や監督官庁の疑問や不安にも対応できるので、パニックも起こらない。こういう丁寧なプロセスを踏んだ情報発信こそが、「危機」をコントロールすることではないか、と彼らは考えている』、「まずは事実確認や原因究明をしっかりとやる。そして、ある程度、情報が集まってきて、会社として説明ができる状況になったら満を持して公表する」というような「丁寧なプロセスを踏んだ情報発信こそが、「危機」をコントロールすることではないか、と彼らは考えている」、なるほど。
・『「わかっちゃいるけど、やめられねぇ」遅い決断  ただ、賢明な読者は気づくだろう。これらのスタンスは一見すると、消費者や取引先など「組織外の人たち」のことを配慮しているようで、実のところは「組織内の人たち」の立場や面子を守ることを優先している。 いくらきれい事を言っても、やはりみなサラリーマンなので、何か問題が起きた時に責任を負わされたくない。そこで、各部署が「戦犯」として吊し上げられないように、万全の準備をしているだけだ。消費者や社会のことを第一に考えているのではなく「保身」である。 例えば、開発部門は自分たちの責任にならないように、「原因を究明する時間が欲しい」と言う。品質管理部門も「なぜ問題を見落としてしまったのか検証する時間が欲しい」と言う。営業部門も「取引先への根回しや、説明できるだけの客観的なデータなどが欲しい」と言う。こういう組織内の声を全て平等に吸い上げて対応をすると、時間はいくらあっても足りない。 筆者も、ある企業で、問題が発覚してから自主回収までどれくらい時間がかかるかという会議に参加をしたことがあるが、各部門にそれぞれ準備期間を答えさせて、スケジュールを調整したら、「自主回収は2カ月後」という結果になってあ然とした経験がある。 今回、小林製薬は1月15日に最初の医師の報告を受けてから、3月22日の自主回収まで2カ月以上費やしている。世間は「遅きに失する」と批判しているが、企業危機管理の現実を目の当たりにしてきた筆者からすれば、それほど驚くようなものではなく「まあそんなものでしょうね」という感じだ。 よく日本企業は「決断のスピード」が遅いと言われる。例えば、よく聞くのは、アメリカ・シリコンバレーのスタートアップが、日本企業と商談をしても、「一旦会社に持ち帰らせてもらいます」と言われて何カ月も寝かされて愛想を尽かすなんて話だ。中国企業がサクサクと進めるビジネスを、日本企業の場合、社内決済まで半年かかるなんて笑い話もある。 これは危機管理の現場でも本当に多い。一刻も早く決断や公表をしないと致命的なダメージを負うのは目に見えているのに、「決断できない理由」を並べて放置をする。結果、目も当てられない大炎上に至る企業をいくつも見てきた。 その中でもっとも恐ろしいのは、筆者のような外部のコンサルがいくら強く指摘をしても、「まあ、うちはこういう会社なんで」という感じで経営幹部まであきらめている会社だ。 実際、今回の記者会見でも小林社長は「判断が遅かったと言われれば、その通りです」と、うなだれている。組織内の論理を踏まえると、判断を早くすることは不可能だと、はなからあきらめているようにも聞こえる。 昭和の名曲「スーダラ節」の中に「わかっちゃいるけど、やめられねぇ」という有名な歌詞があるが、まさにその境地である。 「わかっちゃいるけど、対応の遅さをやめられない」――。企業危機管理担当者のみなさんは、「保身」に流れがちな組織内の同調圧力に屈することなく、迅速な対応を目指していただきたい』、「もっとも恐ろしいのは、筆者のような外部のコンサルがいくら強く指摘をしても、「まあ、うちはこういう会社なんで」という感じで経営幹部まであきらめている会社だ。 実際、今回の記者会見でも小林社長は「判断が遅かったと言われれば、その通りです」と、うなだれている。組織内の論理を踏まえると、判断を早くすることは不可能だと、はなからあきらめているようにも聞こえる。 昭和の名曲「スーダラ節」の中に「わかっちゃいるけど、やめられねぇ」という有名な歌詞があるが、まさにその境地である。 「わかっちゃいるけど、対応の遅さをやめられない」――。企業危機管理担当者のみなさんは、「保身」に流れがちな組織内の同調圧力に屈することなく、迅速な対応を目指していただきたい」、その通りだ。

第三に、3月28日付け日刊ゲンダイ「小林製薬「紅麹」サプリの被害が拡大…「機能性表示食品」制度検討は安倍政権下の規制改革会議からだった」を紹介しよう。
https://www.nikkan-gendai.com/articles/view/life/338081
・『「健康の維持・増進」をうたった「機能性表示食品」で死亡につながったと疑われる事例は初めてだ。 小林製薬(大阪市)の「紅麹」を配合したサプリメントを摂取し、これまでに腎疾患などで2人が死亡、106人が入院していた問題。 厚生労働省は26日、大阪市に対し、食品衛生法に基づく製品の廃棄命令などの措置を取るよう通知。同じ成分を含む可能性がある商品を取り扱っていた他の食品メーカーらも自主回収に乗り出すなど対応に追われている。被害は一体どこまで拡大するのか。 内閣委員会調査室のレポートなどによると、「機能性表示食品」は2013年1月、当時の安倍首相の諮問機関として発足した規制改革会議が「付加価値の高い農産物・加工品の開発を促進する観点から、ヒトによる治験を経て、健康増進に対するエビデンスが認められた素材を含有する健康食品について、その効能・効果に関する表示を認めるべきではないか」として、「一般健康食品の機能性表示の容認」を検討課題に取り上げたことが発端だ。) その後、同会議などで複数回の議論を経て、消費者庁は14年8月に食品表示法に基づく「食品の新たな機能性表示制度に係る食品基準案」を公表。安倍首相が同10月、消費者委員会に対し、食品表示基準を定めることについて諮問。同委員会が食品安全委員会との連携の確保などを条件に諮問案を適当とする内容を答申し、15年4月から「機能性表示食品」制度が創設された』、「消費者庁は14年8月に食品表示法に基づく「食品の新たな機能性表示制度に係る食品基準案」を公表。安倍首相が同10月、消費者委員会に対し、食品表示基準を定めることについて諮問。同委員会が・・・諮問案を適当とする内容を答申し、15年4月から「機能性表示食品」制度が創設」、安倍政権時代の産物だ。
・■制度開始直から安全性を懸念する声が出ていた  「機能性表示食品」の特徴は、国が個別製品ごとにヒトでの安全性と効果を審査し、多額の研究開発費用がかかる「特定保健用食品(トクホ)」とは異なり、事業者の責任において販売できる仕組みができたことだ。 事業者は、安全性や機能性などの根拠となる研究論文や臨床試験を消費者庁に届けることで商品の販売が可能になったため、中小企業なども市場参入しやすくなったわけだが、検討開始から2年余りで始まった制度については開始直後から、安全性を懸念する声があった。 例えば、15年7月の「衆院消費者問題に関する特別委員会」では、野党議員が、トクホで認められなかった商品が「機能性表示食品」として市場に出ている、として政府側の認識を質し、こう訴える場面も。) 「機能性表示食品については、既に消費者団体から厳しい疑義、要望が相次いで関係省庁や業界団体に出されているかと存じております。全国消費者団体連絡会、安全性や機能性の科学的根拠について問題があるものがある、機能性表示食品全体に不信感を抱かざるを得ない」 他にも国会会議録で「機能性表示食品」「安全性」で検索すると、制度の問題点を指摘する数多くの質疑が出てくるのだが、果たして「最悪の事態」は避けることはできなかったのだろうか』、当局による審査に代えて、事業者による「研究論文や臨床試験を消費者庁に届ける」と極めて安直な手続きとなったが、肝心の事業者「小林製薬」があんな体たらくでは、頼りないことこの上ない。やはり、時期尚早だったようだ。

第四に、3月28日付け東洋経済オンラインが掲載したフリーランス記者の松岡 かすみ氏による「専門家が指摘「紅麹問題」で表出する"重要な視点" 2014年には欧州でサプリによる健康被害の報告」を紹介しよう。
・『死亡例が出るなど深刻な被害  小林製薬の紅麹の成分が含まれている健康食品を摂取した人に、健康被害が起きた問題で波紋が広がっている。 3月28日時点で4人が死亡、106人が入院と、深刻な被害が報告され、全国で製品の自主回収が相次ぐなどの影響が広がるなか、事態収束のメドは見えず、原因も明らかになっていない。 麹を含む発酵食品に詳しい専門家2人に、今回の健康被害の要因として考えられる点や背景を聞いた。) 「そもそも紅麹は、日本古来の麹とはまったくの別物です。いわゆる“麹の一種”と勘違いしないでほしい」 こう話すのは、麹の発酵食品を長く研究してきた東京農業大学教授の前橋健二さんだ。 「中国古来の紅麹菌と日本古来の麹菌は、微生物学的な分類が異なるだけでなく、使い方も違う。麹という言葉が独り歩きして、“紅麹=赤い麹”と思われる方もいると思いますが、それは間違いです」 この理由については後ほど詳述するが、まずは小林製薬が製造した機能性表示食品「紅麹コレステヘルプ」で生じた健康被害について振り返る』、「中国古来の紅麹菌と日本古来の麹菌は、微生物学的な分類が異なるだけでなく、使い方も違う。麹という言葉が独り歩きして、“紅麹=赤い麹”と思われる方もいると思いますが、それは間違いです」、なるほど。
・『最初の症例報告は1月15日  この問題が発覚したのは、3月22日。最初の症例が報告されたのは1月15日で、同社が事案を把握してから公表するまでにおよそ2カ月を要した。 3月26日には同社は、約3年間継続して紅麹の成分を含む健康食品を摂取していたとみられる1人が、腎疾患で2月に死亡していたと発表。さらに厚労省は同日、同社へのヒアリングの結果、別の1人の死亡事例があったことを明らかにした。 そして28日、さらに2人の死亡が明らかになり、亡くなった人は4人となった。 2人目の死因が腎疾患かどうかは確認するとしているが、1人目と同じ健康食品「紅麹コレステヘルプ」を摂っていたと見られている。3人目は「腎疾患を伴って亡くなった」と遺族から連絡があり、4人目も遺族からの連絡があったという。3人目、4人目も「紅麹コレステヘルプ」を利用していた。 (小林製薬プレスリリース はリンク先参照) 同社によれば、「カビ由来の未知の成分」が健康被害の原因の可能性があるものの、いまだ特定できていないとのことで、消費者の間に不安が拡大している。) 紅麹とは、米などの穀類に紅麹菌を繁殖させて作られるもので、1000年以上前から発酵食品や、食品の着色料として利用されてきた。 日本では沖縄の珍味、豆腐を紅麹と泡盛などで発酵させた食品「豆腐よう」などでも知られるほか、紅麹色素として、さまざまな食品に広く用いられている。 また、紅麹に含まれる「ロバスタチン」という成分には、コレステロールを低下させる作用があるとされ、紅麹由来の健康食品なども多く販売されている。今回、問題が指摘されている小林製薬の「紅麹コレステヘルプ」も、「悪玉コレステロールを下げる」とうたっている。 一方、紅麹菌の中には「シトリニン」というカビ毒を作るものもあり、腎臓の病気を引き起こすおそれがあることがわかっている。そのため、EC(欧州委員会規制)が、サプリメント中のシトリニンの基準値を定めている』、「紅麹色素として、さまざまな食品に広く用いられている。 また、紅麹に含まれる「ロバスタチン」という成分には、コレステロールを低下させる作用があるとされ、紅麹由来の健康食品なども多く販売されている」、なるほど。
・『紅麹は日本古来の麹とどう違うのか  では、紅麹は日本古来の麹とどう違うのか。 前出の前橋さんによると、麹の製造に使われるカビを総称して「麹菌」というが、実際、麹菌は分類上いくつかの菌種に分かれているという。 日本でもっとも多く使用されている種類は、「アスペルギルス属」に分類される「アスペルギルスオリゼー」というもの。日本酒やしょうゆ、みそ、みりん、甘酒などに使われている菌で、これまで健康被害が報告された例はない。 対して、紅麹菌が属するのは「モナスカス属」に分類される菌種で、紅麹は中国や台湾の腐乳(ふにゅう)や、米を紅麹で発酵させてつくる紅老酒(こうろうしゅ)や紅露酒(こうろしゅ)などに使用されている。 紅麹を使った日本の代表的な食品は前出の豆腐ようぐらいで、日本ではそこまでメジャーに広がっている発酵食品はない。紅麹もまた、発酵食品としてはこれまで健康被害の報告例はなかった。 小林製薬は、紅麹を用いた健康食品は、そもそもシトリニンを合成する遺伝子がない紅麹菌を使用しているとする。また、今回の健康被害の報告を受け、成分を分析したところ、腎臓の病気を引き起こすおそれがあるカビ毒「シトリニン」は検出されなかったともしている。 一方で、シトリニンとは別の未知の成分の存在を示す分析結果が得られており、「“意図しない成分”が含まれている可能性が判明した」とする。この成分が何なのかは、現時点では明らかになっていない。 「そうだとすれば、人為的なミスで何か別のカビ毒が混入したのか、通常と違う製造工程を踏んだのか、あるいは突然変異的なもので未知の成分が生まれたのかという話になり、また、未知の成分が健康食品に検出されたのか、紅麹に検出されたのかによっても大きく変わってくる」 と前橋さん。「いずれにせよ、シトリニンではない新たなカビ毒が発生したとなると、解明にも時間がかかるだろう」と述べる。) 「今回の問題は、紅麹そのものを原材料とした健康食品を、長期間にわたって継続して摂取していたのか、あるいは製造過程で意図しない有害物質が生成または混入したことなどが問題ではないかと考えています」 こう指摘するのは、東京家政大学大学院客員教授の宮尾茂雄さんだ。 消費者庁によると、今回の事件は、2015年の機能性表示食品の制度開始後、メーカーが健康被害を公表して自主回収する最初のケース。国は届け出があるすべての機能性食品6000件超を緊急点検するとしている。 問題の健康食品は、紅麹を“色素”としてではなく“食品原料”として使用している。色素に比べると紅麹の含有量が多く、それだけたくさんの量を1回で摂取することになる。 そもそも健康食品やサプリメントは、特定の有用成分を濃縮して作られたもので、健康増進を期待して継続的に摂取することが多いものだ。 「紅麹に限らず、健康食品やサプリメントのなかには、主成分だけでなく、副成分も含めた特定の成分を、継続的に長期間摂取することが体にどんな影響を及ぼすのか、まだまだ調べる必要があると思います。何か特定の成分を、濃縮した形で毎日摂取し続けるというのは、食品ではありえず、健康食品やサプリメントでは起こりうる可能性がある」 と宮尾さんは言う。 特に機能性の表示が認められている機能性表示食品は、“体に良い効果”がうたわれるため、継続的な摂取に疑問を持たない人が多く、「食品だから安心」と過剰摂取をしている人もいるかもしれない。 「メーカーとしてはさまざまな新商品を作っていますが、副作用的な面の検証がおろそかになっていないか、少なくとも機能性表示食品については、今一度、全体的にしっかり検証することが必要だと思います」(宮尾さん)』、「健康食品やサプリメントのなかには、主成分だけでなく、副成分も含めた特定の成分を、継続的に長期間摂取することが体にどんな影響を及ぼすのか、まだまだ調べる必要があると思います。何か特定の成分を、濃縮した形で毎日摂取し続けるというのは、食品ではありえず、健康食品やサプリメントでは起こりうる可能性がある・・・特に機能性の表示が認められている機能性表示食品は、“体に良い効果”がうたわれるため、継続的な摂取に疑問を持たない人が多く、「食品だから安心」と過剰摂取をしている人もいるかもしれない」、確かにこうした「過剰摂取」が問題につながるリスクがある。
・『2014年にも健康被害が報告  内閣府の食品安全委員会によれば、「血中のコレステロール値を正常に保つ」として、ヨーロッパや日本などで販売されている「紅麹で発酵させた米に由来するサプリメント」の摂取が原因と疑われる健康被害は、2014年にヨーロッパで報告されている。 これを受け、前述したようにECでは一部の紅麹菌が生産するカビ毒、シトリニンのサプリメント中の基準値を設定。フランスでは摂取前に医師に相談するように注意喚起しており、スイスでは紅麹を成分とする製品は、食品としても薬品としても売買は違法とされている。 こうした背景がある成分を、機能性表示食品として使用する際のリスク検証が十分だったのか、改めて問われるだろう』、確かに問題含みの成分を含むものを「機能性表示食品」の範疇に入れていくのは大いに問題だ。外すべきだろう。
タグ:東洋経済オンライン (その4)(「紅麹」と醤油や酒の醸造用「麹」の決定的な違い そもそも「麹」とはどのようなものかを解説、小林製薬はなぜ「紅麹の健康被害」の発表を2カ月寝かせてしまったか?日本企業あるあるの罠、小林製薬「紅麹」サプリの被害が拡大…「機能性表示食品」制度検討は安倍政権下の規制改革会議からだった、専門家が指摘「紅麹問題」で表出する"重要な視点" 2014年には欧州でサプリによる健康被害の報告) 機能性表示食品制度 取」が問題につながるリスクがある。 確かに問題含みの成分を含むものを「機能性表示食品」の範疇に入れていくのは大いに問題だ。外すべきだろう。 「健康食品やサプリメントのなかには、主成分だけでなく、副成分も含めた特定の成分を、継続的に長期間摂取することが体にどんな影響を及ぼすのか、まだまだ調べる必要があると思います。何か特定の成分を、濃縮した形で毎日摂取し続けるというのは、食品ではありえず、健康食品やサプリメントでは起こりうる可能性がある・・・特に機能性の表示が認められている機能性表示食品は、“体に良い効果”がうたわれるため、継続的な摂取に疑問を持たない人が多く、「食品だから安心」と過剰摂取をしている人もいるかもしれない」、確かにこうした「過剰摂 「紅麹菌(モナスカス属)ですが、欧州委員会規制(EC)が基準値を定めているように、一部はシトリニンというカビ毒を出すとされています。しかし、現在ではゲノムの解明が進んでおり、小林製薬のサイトでも、紅麹の製造においてはシトリニンを生産する能力を失った菌株が用いられていると説明されています・・・ 「狭く麹菌の語句の示す範囲の定義としては、日本醸造学会が麹菌を「国菌」・・・と認定した際に定めた定義があります」、なるほど。 「広義的に麹菌の指し示す範囲として、「麹を作るための糸状菌(カビ)を総称して麹菌と呼ぶ」というものがあります」、なるほど。 「一般的な味噌や醤油、清酒、焼酎などに使う麹菌には「アスペルギルス属」と呼ばれるカビの仲間が多く用いられています。それに対して、紅麹に使う紅麹菌は「モナスカス属」と呼ばれるカビの仲間が用いられます」、なるほど。 「紅麹」、「麹」については、殆ど知識がないので、大助かりだ。 村井 裕一郎氏による「「紅麹」と醤油や酒の醸造用「麹」の決定的な違い そもそも「麹」とはどのようなものかを解説」 「紅麹色素として、さまざまな食品に広く用いられている。 また、紅麹に含まれる「ロバスタチン」という成分には、コレステロールを低下させる作用があるとされ、紅麹由来の健康食品なども多く販売されている」、なるほど。 「中国古来の紅麹菌と日本古来の麹菌は、微生物学的な分類が異なるだけでなく、使い方も違う。麹という言葉が独り歩きして、“紅麹=赤い麹”と思われる方もいると思いますが、それは間違いです」、なるほど。 松岡 かすみ氏による「専門家が指摘「紅麹問題」で表出する"重要な視点" 2014年には欧州でサプリによる健康被害の報告」 当局による審査に代えて、事業者による「研究論文や臨床試験を消費者庁に届ける」と極めて安直な手続きとなったが、肝心の事業者「小林製薬」があんな体たらくでは、頼りないことこの上ない。やはり、時期尚早だったようだ。 「消費者庁は14年8月に食品表示法に基づく「食品の新たな機能性表示制度に係る食品基準案」を公表。安倍首相が同10月、消費者委員会に対し、食品表示基準を定めることについて諮問。同委員会が・・・諮問案を適当とする内容を答申し、15年4月から「機能性表示食品」制度が創設」、安倍政権時代の産物だ。 日刊ゲンダイ「小林製薬「紅麹」サプリの被害が拡大…「機能性表示食品」制度検討は安倍政権下の規制改革会議からだった」 「わかっちゃいるけど、対応の遅さをやめられない」――。企業危機管理担当者のみなさんは、「保身」に流れがちな組織内の同調圧力に屈することなく、迅速な対応を目指していただきたい」、その通りだ。 「もっとも恐ろしいのは、筆者のような外部のコンサルがいくら強く指摘をしても、「まあ、うちはこういう会社なんで」という感じで経営幹部まであきらめている会社だ。 実際、今回の記者会見でも小林社長は「判断が遅かったと言われれば、その通りです」と、うなだれている。組織内の論理を踏まえると、判断を早くすることは不可能だと、はなからあきらめているようにも聞こえる。 昭和の名曲「スーダラ節」の中に「わかっちゃいるけど、やめられねぇ」という有名な歌詞があるが、まさにその境地である。 「まずは事実確認や原因究明をしっかりとやる。そして、ある程度、情報が集まってきて、会社として説明ができる状況になったら満を持して公表する」というような「丁寧なプロセスを踏んだ情報発信こそが、「危機」をコントロールすることではないか、と彼らは考えている」、なるほど。 「会社側の説明によると、自主回収が遅れた理由は「人手不足」だ。記者会見で渡辺淳執行役員は「調査にかける人員が限られ、製品が原因で症状が起こったと特定できなかった」と説明しているのだ」、「自主回収が遅れた理由は「人手不足」」とは驚くべき言い訳だ。 「小林製薬に、腎疾患の被害報告が医師から入ったのは1月15日だ。そこから入院事例が増えていって、小林章浩社長のもとに報告をされたのは2月6日・・・紅麹は2014年、内閣府・食品安全委員会が「健康被害が報告されているので危ないですよ」と注意喚起を行なっている。紅麹菌を由来とするサプリメントの摂取が原因と疑われる健康被害がヨーロッパで報告されていたからだ。 つまり、サプリメントを扱う人々にとって、紅麹サプリメントの入院報告は「青天のへきれき」ではなく、「恐れていたことがやってきた」という反応だ」、なるほど。 窪田順生氏による「小林製薬はなぜ「紅麹の健康被害」の発表を2カ月寝かせてしまったか?日本企業あるあるの罠」 ダイヤモンド・オンライン 今回の小林製薬の問題で原因物質、および混入経路は特定されておりません。紅麹菌の生成物に由来するのか、それとも紅麹菌にする前の原料の時点で何かが生じていたのか、あるいは、人為的設備的な要因によるものなのか、さまざまな可能性を検討し調査している段階と認識しています」、なるほど。
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