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医療問題(その40)(西川史子 脳出血再発のなぜ 専門医は「高血圧が原因でない可能性も」、あのモデルナが開発 mRNA「がんワクチン」...死亡リスク65%減少は「さらに改善する」とCEOは自信、医師が「がん患者」になってわかった頼れる情報源 科学的根拠のない話に惑わされないために) [生活]

医療問題については、昨年8月2日に取上げた。今日は、(その40)(西川史子 脳出血再発のなぜ 専門医は「高血圧が原因でない可能性も」、あのモデルナが開発 mRNA「がんワクチン」...死亡リスク65%減少は「さらに改善する」とCEOは自信、医師が「がん患者」になってわかった頼れる情報源 科学的根拠のない話に惑わされないために)である。

先ずは、昨年12月8日付けデイリー新潮「西川史子 脳出血再発のなぜ 専門医は「高血圧が原因でない可能性も」」を紹介しよう。
https://www.dailyshincho.jp/article/2023/12081102/?all=1
・『医師でタレントの西川史子(52)が脳出血を再発させていたと「女性セブン」(12月14日号)が報じた。彼女が最初に脳出血を発症したのは2021年8月。あれから2年、そんなに再発しやすい病なのだろうか。 過去に脳出血を発症した有名人は、俳優の塩見三省、夫婦漫才・大助花子の宮川大助、歌手の内藤やす子などがいるが、いずれもリハビリ後に仕事に復帰している。だが、西川のように再発するケースはあまり聞かない気がする。 山王メディカルセンターの脳血管センター長で東京女子医科大学名誉教授の内山真一郎医師に聞いた。 「脳出血の再発は珍しくありません。最も多い再発の原因は高血圧です。脳出血を起こした人は脳の血管がもろくなっていますから、血圧管理を怠ると再び出血することは十分あり得ます。西川さんの場合、まだお若いですし、太っているわけでもない。しかも、ご自身もドクターです。ただし、彼女のSNSを見ると、コレステロールとか血糖についての言及はありますが、なぜか血圧についての書き込みは見当たらない。私が診断したわけではないのでこれは想像ですが、彼女の脳出血には高血圧以外の特殊な要因が関係していたのかもしれません。例えば、脳血管の奇形などの可能性も考えられます」 50代で脳出血の発症といえば若いほうだ』、「私が診断したわけではないのでこれは想像ですが、彼女の脳出血には高血圧以外の特殊な要因が関係していたのかもしれません。例えば、脳血管の奇形などの可能性も考えられます」、なるほど。
・『脳卒中のひとつが脳出血  「50代前半だと若年性脳卒中と呼ばれます。脳の血管障害により突然、半身不随や言語障害などの症状が起こる病気の総称が、いわゆる脳卒中です。脳卒中には脳梗塞や脳出血、くも膜下出血が含まれますが、日本では脳卒中の4分の3を脳梗塞が占め、残りを脳出血とくも膜下出血が占めています。くも膜下出血の場合は50代くらいから発症しますが、脳梗塞と脳出血は高齢になるほど血管が老化するので起こりやすくなります。多くは70代以上です。そして脳梗塞も、脳出血と同じくらいの割合で再発します」 再発した場合、後遺症は重くなるのだろうか。 「出血や梗塞が脳のどの位置で、どのくらいの大きさで起こったかによって症状は変わってきます。脳幹出血の場合は1度の発症で亡くなってしまうこともあります。再発により後遺症が重くなるというよりも、1回目の発作で後遺症が残り、2回目の発作で新たな後遺症が加わることで重症化するわけです。何度も再発することで寝たきりになってしまう危険性もあります」 内山医師は、脳梗塞を発症した読売ジャイアンツの終身名誉監督・長嶋茂雄氏の主治医として知られる。脳梗塞と脳出血はどう違うのだろう。 「脳梗塞は脳の血管が詰まって脳の一部に血液が供給されなくなるために起こる病気です。脳出血は日本では“高血圧性脳出血”と呼ばれるように、高血圧によって脳の血管が破れて脳内に出血する病気です。血の塊が脳を圧迫することで起こります。くも膜下出血は脳の血管にできたこぶが破裂して頭蓋骨と脳の間に出血し、脳を圧迫する病気です。昔は脳出血のことを脳溢血と呼んでいて、日本では脳梗塞よりも多かった。最近は血圧の管理が良くなったため脳出血が減り、逆に食生活の欧米化により糖尿病や高脂血症の危険性が高まったため脳梗塞が増えています。もっとも、欧米では脳卒中のうち9割を脳梗塞が占めますが、日本はまだそこまでに至っていません」』、「昔は脳出血のことを脳溢血と呼んでいて、日本では脳梗塞よりも多かった。最近は血圧の管理が良くなったため脳出血が減り、逆に食生活の欧米化により糖尿病や高脂血症の危険性が高まったため脳梗塞が増えています。もっとも、欧米では脳卒中のうち9割を脳梗塞が占めますが、日本はまだそこまでに至っていません」、なるほど。
・『脳卒中の予防には  脳梗塞は血液ドロドロというイメージだろうか。 「まあ、そう考えてもらってもいいでしょう。その血液ドロドロの予防、血管の血栓症や閉塞を予防するために抗血小板薬や抗凝固薬といった薬を飲んでいる人は、脳出血を起こしやすい。最近は特に、抗血栓薬による脳出血が増えています」 脳梗塞の予防で飲んだ薬で脳出血に? 「そうです。また、コレストロールが低くなりすぎると、血管がもろくなって脳出血の原因となることもあります」 どういうタイプが発症しやすいのだろうか。 「脳卒中の最大の危険因子は高血圧です。脳梗塞の場合は糖尿病や高脂血症も危険因子となりますが、脳出血の危険因子にはなりません。脳出血の危険因子になるものとしては、大量の飲酒があります。お酒の飲み過ぎで肝臓を悪くすると血小板が減るため、血液が凝固されにくくなり、出血を起こしやすくなることがあります。また、喫煙は血管を詰まりやすくさせ、もろくもさせます。そのため動脈瘤の破裂も起こりやすくなります」 予防法としては何があるのだろう。 「脳出血は血圧の管理が非常に重要です。正常な血圧は130-80未満です。それを超えるようでしたら食事の塩分制限で血圧を下げ、それでも不十分なら血圧を下げる薬を飲まないといけません。脳梗塞まで広げるなら、糖尿病や高脂血症、肥満やメタボの対策も必要になります」  先生ご自身で気をつけていることは? 「僕は血圧が高いので塩分には気をつけていますし、血圧の薬も飲んでいます。後は肥満にならないようにカロリーや脂肪の取りすぎにも気をつけています。大それた運動はしていませんが、ウォーキングとストレッチくらいはやっています。そして睡眠は十分に取る。タバコはもともと吸いませんし、お酒はなるべく週末だけ、飲んでも1合くらいに止めています」 そうした生活で予防できるのは、脳卒中だけではないという。 「脳卒中の危険因子は、ほとんど認知症の危険因子と同じなのです。高血圧、糖尿病、高脂血症、喫煙、大量飲酒、メタボ、慢性腎臓病……全部が両方の危険因子です。生活習慣で是正できるものをきちんと管理すれば、脳卒中のみならず認知症も予防できるのです」』、「脳卒中の危険因子は、ほとんど認知症の危険因子と同じなのです。高血圧、糖尿病、高脂血症、喫煙、大量飲酒、メタボ、慢性腎臓病……全部が両方の危険因子です。生活習慣で是正できるものをきちんと管理すれば、脳卒中のみならず認知症も予防できるのです』、「生活習慣で是正できるものをきちんと管理すれば、脳卒中のみならず認知症も予防できる』、のであれば、是非きちんと「管理」したいものだ。

次に、本年1月25日付けNewsweek日本版「あのモデルナが開発、mRNA「がんワクチン」...死亡リスク65%減少は「さらに改善する」とCEOは自信」を紹介しよう。
https://www.newsweekjapan.jp/stories/world/2024/01/post-103543_1.php
・『<死亡リスク65%減の報告も。人体に備わった免疫を利用して癌性腫瘍を破壊する仕組みのmRNA癌ワクチンの開発に期待が高まる> 研究者が癌に関する基礎科学の地平線を広げるなか、バイオテクノロジー企業は人体に備わった免疫を動員し、癌と戦おうとしている。 なかでも期待を集めるのが癌ワクチンの開発だ。まずAI(人工知能)を使い、免疫系に認識可能な癌性腫瘍の変異を特定。その上で免疫系が癌性腫瘍を見つけて破壊できるように、患者ごとにカスタマイズした個別化癌ワクチンを作る。 2017年、モデルナは製薬大手メルクと連携し、固形腫瘍を標的とする個別化癌ワクチンの臨床試験を始めている。ワクチンを設計するには患者の正常細胞と癌細胞のDNAの塩基配列を調べ、2つを比較して癌細胞に見られる数百~数千の変異を特定する。続いて強い免疫反応を引き起こす可能性が最も高い34種の変異を、AIを使って選ぶ。 AI学習用の生検サンプルは、大学の医療機関が提供する。AIには免疫学の原理を学ばせ、免疫細胞が最も認識しやすいタンパク質とアミノ酸の特徴を理解させる。 この情報を基に作られた個別化メッセンジャーRNA(mRNA)ワクチンは、体内に入ると免疫反応を誘発。34種の変異のいずれかが見られる細胞を攻撃するよう設計された免疫細胞を体は大量生産する。 新型コロナウイルスのワクチン開発にも使われたmRNAは、細胞に指令を出して腫瘍の目印となるタンパク質を産生させる。十分な量のタンパク質が作られると、免疫系はこれを検知して異物と認定。異物を見つけて破壊する免疫細胞を作り始めるのだ』、「強い免疫反応を引き起こす可能性が最も高い34種の変異を、AIを使って選ぶ。 AI学習用の生検サンプルは、大学の医療機関が提供」、巧みな「ワクチン」製造法だ。
・『転移した癌細胞まで消滅  開発の土台にあるのは「免疫は癌に勝てるという確信」だと、モデルナのステファン・バンセルCEOは本誌に語る。確信の根拠は、健康な人の免疫系は癌細胞が腫瘍になる前に殺しているという単純な事実だ。 「20年前は分からなかったが癌はDNAの病気であり、DNAの変異が原因だ」と、バンセルは説明する。「癌はそれが発生した部位の病気だと、昔は考えられていた。だが腫瘤ができた臓器を見ただけで、その癌を発生させた仕組みは解明できないし、どんな遺伝子が転移や進行に関係しているかも分からない」 6月、モデルナとメルクはステージ3および4の悪性黒色腫患者を対象とした臨床試験についてmRNAワクチンと抗悪性腫瘍剤キイトルーダを併用した場合、遠隔転移や死亡のリスクが65%減少したと報告した』、「ステージ3および4の悪性黒色腫患者を対象とした臨床試験についてmRNAワクチンと抗悪性腫瘍剤キイトルーダを併用した場合、遠隔転移や死亡のリスクが65%減少したと報告」、なるほど。
・『「効く人と効かない人がいる理由は不明」だが  この数字は今後改善するとバンセルはみる。「ワクチンが効く人と効かない人がいる理由は不明だ。免疫には解明されていないことが多い。だが毎週のように新しい研究が発表されており、私は楽観視している」 サンフランシスコのバイオ企業ジェネンテックはドイツの製薬会社ビオンテックと組んで、個別化癌ワクチンを設計している。癌免疫学部門の副社長アイラ・メルマンらのチームは5月、ネイチャー誌に論文を発表。5年生存率が12%と致死性が高いタイプの膵臓癌患者16人に対するmRNAワクチンの効果を詳解した。 ワクチンは8人の患者の体内で膵臓癌を認識するT細胞を活性化させ、治療から1年半がたった時点で再発はなかった。うち1人のケースでは、T細胞が肝臓に転移した癌細胞まで消滅させたと考えられた。一方、ワクチンに反応しなかった8人は、平均1年余りで癌が再発した。 10月、ジェネンテックは世界の80近い医療機関で第II相臨床試験の被験者260人の募集を始めた。研究の進展とともに、ワクチンの効果は確実に上がっていくだろう』、「ワクチンは8人の患者の体内で膵臓癌を認識するT細胞を活性化させ、治療から1年半がたった時点で再発はなかった。うち1人のケースでは、T細胞が肝臓に転移した癌細胞まで消滅させたと考えられた。一方、ワクチンに反応しなかった8人は、平均1年余りで癌が再発した」、「ワクチン」への「反応」の有無はどんな条件で分かれるのだろうか、よく理解できなかった。

第三に、2月16日付け東洋経済オンラインが掲載した永寿総合病院がん診療支援・緩和ケアセンター長・緩和ケア病棟長の廣橋 猛氏による「医師が「がん患者」になってわかった頼れる情報源 科学的根拠のない話に惑わされないために」を紹介しよう。
https://toyokeizai.net/articles/-/733841
・『2023年5月に甲状腺がんと診断された緩和ケア医師の廣橋猛氏。がんの緩和ケア医療を専門とし、医師として患者に正面から向き合ってきましたが、いざ自身ががん患者になると戸惑うことが多くあったといいます。特に診断初期には困惑したのが周りの人の「ある対応」でした。がん患者にとって、本当に大切なこととはなんなのか? 著書『緩和ケア医師ががん患者になってわかった 「生きる」ためのがんとの付き合い方』より、がん患者の当事者、特に診断初期の方に知っておいてもらいたい知識をご紹介します』、興味深そうだ。
・『科学的根拠のない話に惑わされるがん患者さんは少なくない  本当にがんになってしまったのか 家族にはなんて言う 一生がんと付き合っていかなければいけないのか この痛みは我慢するしかないのか  2023年、私は甲状腺がんと診断されました。 上記は手術を経た現在までに抱いた私の気持ちです。特に診断された当日は、頭のなかで得体のしれない不安がぐるぐると回り続けて「なんで自分が」という気持ちに心を支配されました。いつもがん患者さんに私が話してきたことが、まさか自分の身に降りかかってくるなんて思ってもみなかったのです。 また、普段は患者さんにこのようにしたらよいというアドバイスが次から次へと思い浮かぶのに、自分のこととなると頭のなかは真っ白でなにも思いつきませんでした。がんを専門に医療行為をしている医師なのに、です。 特に困惑したのはがんに関する怪しい情報がたくさん回ってきたことです。当時は、X(旧ツイッター)で甲状腺がんを公表したこともあって、実に多くの方が個人的に連絡をくださいました。もちろん、純粋な励ましの連絡が多かったのですが、なかにはいらぬ助言をしてくる人もいたのが事実です。) 「甲状腺がんは治療しない方がよい」 「食事療法をした方がよい」 「よく効くサプリメントを紹介したい」 「コロナワクチンは打たない方がよい」 これまでがん患者さんから聞かされていた、がんと明かすと怪しい情報を送ってくる人がいるという話が真実であったことに衝撃を受けました。 ただでさえ、インターネットには、がんに関する情報が無数に散らばっています。一般の人には、どれが正しい情報なのかわかりにくいでしょう。また、どの情報が正しいと確信を持てる人でなければ、さまざまな情報が入ってくるなかでなにを信じたらよいかわからなくなり、戸惑われることもあるはずです』、「普段は患者さんにこのようにしたらよいというアドバイスが次から次へと思い浮かぶのに、自分のこととなると頭のなかは真っ白でなにも思いつきませんでした。がんを専門に医療行為をしている医師なのに、です。 特に困惑したのはがんに関する怪しい情報がたくさん回ってきたことです」、なるほど。
・『怪しい情報に騙されてしまうケースも  実際、私が診ている患者さんのなかにも、偏った食事療法を信じてしまい、体調を崩してしまった方など、さまざまな方がいらっしゃいました。 糖質ががん細胞を増殖させるので、断食をしたらがんは死滅するという情報を信じてしまい、患者さん自身が衰弱してしまった人。四つ足の動物を食べるとよくないという情報を信じて、牛肉や豚肉を一切食べず、ずっと味気ない食生活を続けて抑うつになってしまった人。例を出したらキリがありませんが、怪しい情報に騙されて、かえって体調を崩してしまっては、がんとうまく付き合って生きていけるわけがありません。 患者さんだけではありません。ご家族がなんとか患者さんの病気をよくしたいと思って、根拠のない健康食品や生活習慣を患者さんに勧めてしまうこともあります。その結果、残念なことに最終的に健康に害が出て、命を縮めることになってしまうような方もいらっしゃるのです。 ただ、怪しい情報を伝えてくる人たちというのは、その大半は悪気があってではなく、よかれと思って自身が信じていることを伝えてくれているようです。だから、タチが悪いとも言えます。) がんは生死に関わる病気だからこそ、主治医からの情報や後述する情報サイトを信じるのが基本の姿勢として望ましいです。それ以外の怪しい情報を伝えてきた友人には、その気持ちだけお礼を伝えてやり過ごすのが吉です』、「私が診ている患者さんのなかにも、偏った食事療法を信じてしまい、体調を崩してしまった方など、さまざまな方がいらっしゃいました。 糖質ががん細胞を増殖させるので、断食をしたらがんは死滅するという情報を信じてしまい、患者さん自身が衰弱してしまった人・・・怪しい情報を伝えてくる人たちというのは、その大半は悪気があってではなく、よかれと思って自身が信じていることを伝えてくれているようです。だから、タチが悪いとも言えます」、なるほど。
・『がんに関する正しい情報を得る方法  がん患者さんが不安を抱える最大の原因は、先々の見通しがよくわからないことだと考えられます。ですから患者さんが知るべき情報は、治療内容と合併症、そして これからどうなっていくかということです。私が強くお勧めするのは、国立がん研究センターの「がん情報サービス」です。 こちらに記載されている多くの正しい情報は、漠然とした不安を解消し、これから歩んでいく方角を灯してくれる道標となってくれます。 例えば、日本人に多いがんのひとつである、大腸がんの手術を終えたあとについての記載を見てみましょう。 手術後の再発を防ぐ目的で、それなりに進行していたことを示すステージⅢであった患者さん、またはステージⅡでも再発の可能性が高いと考えられた患者さんの場合に、補助化学療法(抗がん剤治療)を行うことが推奨されていると記載されています。 これは抗がん剤を内服または点滴、もしくはその併用で行うもので、3〜 6カ月行うことが一般的とされています。 逆にこれより進行していない場合は、術後の補助治療は不要であるということです。手術の前にどれくらいのステージであるか予想はされているので、術後の治療 についてもイメージはしやすいでしょう。抗がん剤についても、使用する薬剤によって副作用は異なりますが、脱毛や吐き気、手先の痺れなどに注意が必要であるといった情報まで網羅されています。 もちろん、つらい情報が含まれることもあり、その情報をどう解釈すべきかについては、主治医に相談することが大切です』、「私が強くお勧めするのは、国立がん研究センターの「がん情報サービス」です。 こちらに記載されている多くの正しい情報は、漠然とした不安を解消し、これから歩んでいく方角を灯してくれる道標となってくれます・・・抗がん剤についても、使用する薬剤によって副作用は異なりますが、脱毛や吐き気、手先の痺れなどに注意が必要であるといった情報まで網羅されています。 もちろん、つらい情報が含まれることもあり、その情報をどう解釈すべきかについては、主治医に相談することが大切です」、なるほど。
・『緩和ケア医はどのように「がん情報サービス」を利用したのか?  私も甲状腺がんと診断されたときも、「がん情報サービス」にアクセスして、甲状腺乳頭がんの項目を熟読しました。私がとても気になっていたのは、甲状腺をすべて切除するのかどうかでした。 診てくれた医師からはおそらくすべて切除することになると言われていましたが、できれば 少しでも残せたらいいなという期待を持っていました。 というのも、甲状腺は甲状腺ホルモンをつくる大切な臓器であり、これがすべて切除されてなくなってしまうと、チラーヂンという甲状腺ホルモンの薬を飲んで補充しなければならなくなるからです。 甲状腺ホルモンをつくる機能は回復することはないので、一生飲み続ける必要があるでしょう。そのため、「できれば避けたいな……」 と思っていたのです(残念ながら結果は、全摘でした)。 がん情報サービスのサイトの内容では、手術の合併症の記載も役立ったと実感しています。合併症というのは、手術のミスではなく、どうしても手術する過程で生じてしまうやむを得ないものです。 甲状腺の横には副甲状腺というさらに小さな臓器があるのですが、例えば、ここが一緒に取れてしまう合併症に関する記載がありました。副甲状腺はカルシウムというミネラルの成分に関連する大切な部位のため、取れてしまうと術後にテタニーと呼ばれる低カルシウム血症の症状で痺れなどが出ることがあるとわかりました。実際、術後に低カルシウム血症にならないように、薬を飲むことになって、このときに情報を確認してよかったと思っています。) そして私が甲状腺がんの項目で最も気になったのが、術後に生じるかもしれないと記載のあった、反回神経麻痺でした。甲状腺の近くには、反回神経という発声や物の飲み込みに関わる神経が走っています。 手術でどうしてもこの神経が傷つくことがあり、そうなると声を出しにくくなったり、飲食でムセやすくなったりする合併症が生じるのです。こちらも事前に情報をチェックしていたことで診察のときに主治医の先生に気になる点を念入りに確認できました』、「私が甲状腺がんの項目で最も気になったのが、術後に生じるかもしれないと記載のあった、反回神経麻痺でした。甲状腺の近くには、反回神経という発声や物の飲み込みに関わる神経が走っています。 手術でどうしてもこの神経が傷つくことがあり、そうなると声を出しにくくなったり、飲食でムセやすくなったりする合併症が生じるのです。こちらも事前に情報をチェックしていたことで診察のときに主治医の先生に気になる点を念入りに確認できました」、使い勝手がよさそうだ。
・『科学的根拠に基づいたものだけが記載されている  私はこういった情報をがん情報サービスで得ることで、想定される治療期間を理解でき、仕事をどれくらい休めばよいのかといった準備がしやすくなりました。また、治療後に生じる合併症などの情報により、生活への影響もイメージすることができ、正しい情報が身を助けてくれたと実感しています。 がん情報サービスにはあらゆる種類のがんに関して、患者さんが知っておくべき基本的な情報が網羅されています。こちらの内容はすべて科学的根拠に基づいたものだけが記載されており、基本的には誤りはありません。 まずは、すべての患者さんがこちらの情報を確認するべきだと、私の経験則から強くお伝えしたいです』、「私はこういった情報をがん情報サービスで得ることで、想定される治療期間を理解でき、仕事をどれくらい休めばよいのかといった準備がしやすくなりました。また、治療後に生じる合併症などの情報により、生活への影響もイメージすることができ、正しい情報が身を助けてくれたと実感しています」、すごく有用な「サービス」のようなので、活用したい。
タグ:著書『緩和ケア医師ががん患者になってわかった 「生きる」ためのがんとの付き合い方』 廣橋 猛氏による「医師が「がん患者」になってわかった頼れる情報源 科学的根拠のない話に惑わされないために」 東洋経済オンライン 「ワクチンは8人の患者の体内で膵臓癌を認識するT細胞を活性化させ、治療から1年半がたった時点で再発はなかった。うち1人のケースでは、T細胞が肝臓に転移した癌細胞まで消滅させたと考えられた。一方、ワクチンに反応しなかった8人は、平均1年余りで癌が再発した」、「ワクチン」への「反応」の有無はどんな条件で分かれるのだろうか、よく理解できなかった。 「ステージ3および4の悪性黒色腫患者を対象とした臨床試験についてmRNAワクチンと抗悪性腫瘍剤キイトルーダを併用した場合、遠隔転移や死亡のリスクが65%減少したと報告」、なるほど。 「強い免疫反応を引き起こす可能性が最も高い34種の変異を、AIを使って選ぶ。 AI学習用の生検サンプルは、大学の医療機関が提供」、巧みな「ワクチン」製造法だ。 Newsweek日本版「あのモデルナが開発、mRNA「がんワクチン」...死亡リスク65%減少は「さらに改善する」とCEOは自信」 「脳卒中の危険因子は、ほとんど認知症の危険因子と同じなのです。高血圧、糖尿病、高脂血症、喫煙、大量飲酒、メタボ、慢性腎臓病……全部が両方の危険因子です。生活習慣で是正できるものをきちんと管理すれば、脳卒中のみならず認知症も予防できるのです』、「生活習慣で是正できるものをきちんと管理すれば、脳卒中のみならず認知症も予防できる』、のであれば、是非きちんと「管理」したいものだ。 「私はこういった情報をがん情報サービスで得ることで、想定される治療期間を理解でき、仕事をどれくらい休めばよいのかといった準備がしやすくなりました。また、治療後に生じる合併症などの情報により、生活への影響もイメージすることができ、正しい情報が身を助けてくれたと実感しています」、すごく有用な「サービス」のようなので、活用したい。 「私が甲状腺がんの項目で最も気になったのが、術後に生じるかもしれないと記載のあった、反回神経麻痺でした。甲状腺の近くには、反回神経という発声や物の飲み込みに関わる神経が走っています。 手術でどうしてもこの神経が傷つくことがあり、そうなると声を出しにくくなったり、飲食でムセやすくなったりする合併症が生じるのです。こちらも事前に情報をチェックしていたことで診察のときに主治医の先生に気になる点を念入りに確認できました」、使い勝手がよさそうだ。 「私が強くお勧めするのは、国立がん研究センターの「がん情報サービス」です。 こちらに記載されている多くの正しい情報は、漠然とした不安を解消し、これから歩んでいく方角を灯してくれる道標となってくれます・・・抗がん剤についても、使用する薬剤によって副作用は異なりますが、脱毛や吐き気、手先の痺れなどに注意が必要であるといった情報まで網羅されています。 もちろん、つらい情報が含まれることもあり、その情報をどう解釈すべきかについては、主治医に相談することが大切です」、なるほど。 「私が診ている患者さんのなかにも、偏った食事療法を信じてしまい、体調を崩してしまった方など、さまざまな方がいらっしゃいました。 糖質ががん細胞を増殖させるので、断食をしたらがんは死滅するという情報を信じてしまい、患者さん自身が衰弱してしまった人・・・怪しい情報を伝えてくる人たちというのは、その大半は悪気があってではなく、よかれと思って自身が信じていることを伝えてくれているようです。だから、タチが悪いとも言えます」、なるほど。 「普段は患者さんにこのようにしたらよいというアドバイスが次から次へと思い浮かぶのに、自分のこととなると頭のなかは真っ白でなにも思いつきませんでした。がんを専門に医療行為をしている医師なのに、です。 特に困惑したのはがんに関する怪しい情報がたくさん回ってきたことです」、なるほど。 「昔は脳出血のことを脳溢血と呼んでいて、日本では脳梗塞よりも多かった。最近は血圧の管理が良くなったため脳出血が減り、逆に食生活の欧米化により糖尿病や高脂血症の危険性が高まったため脳梗塞が増えています。もっとも、欧米では脳卒中のうち9割を脳梗塞が占めますが、日本はまだそこまでに至っていません」、なるほど。 「私が診断したわけではないのでこれは想像ですが、彼女の脳出血には高血圧以外の特殊な要因が関係していたのかもしれません。例えば、脳血管の奇形などの可能性も考えられます」、なるほど。 デイリー新潮「西川史子 脳出血再発のなぜ 専門医は「高血圧が原因でない可能性も」」 (その40)(西川史子 脳出血再発のなぜ 専門医は「高血圧が原因でない可能性も」、あのモデルナが開発 mRNA「がんワクチン」...死亡リスク65%減少は「さらに改善する」とCEOは自信、医師が「がん患者」になってわかった頼れる情報源 科学的根拠のない話に惑わされないために) 医療問題
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