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飛行機(航空機)(その1)(ANA「1000便欠航」招いたエンジン問題の真因 夏の多客期に痛手、9月以降も欠航続く見込み、ホンダ、爆売れジェットで狙う航空業界変革 「生みの親」藤野CEOがこだわった価値観とは) [産業動向]

今日は、飛行機(航空機)(その1)(ANA「1000便欠航」招いたエンジン問題の真因 夏の多客期に痛手、9月以降も欠航続く見込み、ホンダ、爆売れジェットで狙う航空業界変革 「生みの親」藤野CEOがこだわった価値観とは)を取上げよう。

先ずは、7月19日付け東洋経済オンライン「ANA「1000便欠航」招いたエンジン問題の真因 夏の多客期に痛手、9月以降も欠航続く見込み」を紹介しよう。
https://toyokeizai.net/articles/-/229827
・『全日本空輸(ANA)の国内線で大規模欠航が長期化している。同社のボーイング「787」型機に搭載している英ロールス・ロイス製エンジンに設計上の問題があり、国土交通省が点検を指示したためだ。 ANAは7月4日以降、欠航予定を順次発表している。7月6日~31日の26日間で計619便を欠航し、対象便を予約していた約11万5000人の足に影響が出ることを明らかにした。さらに7月17日には8月分の欠航予定を発表。夏休みの多客期を含む378便が欠航となり、影響旅客数は約4万4000人になるとした。約2カ月間の欠航便数は997便に達し、約15万9000人が影響を受けることとなった。 ANAは欠航対象を、ほかの航空会社や交通機関への振り替えのしやすい大阪・伊丹や福岡、広島などに向かう羽田発着便に設定。欠航便と時間の近い自社便や、スターフライヤーやソラシドエアといった提携航空会社の臨時便への振り替えも進めている』、ANAはやり繰りで大変だろう。
・『6月に国交省から新たな点検指示  整備ラインの増強やリースエンジンの追加調達などで事態の収束を図っているが、9月以降も「欠航はゼロではない見込み」(会社側)。10月末からの冬期ダイヤでは後から欠航を出さないよう、あらかじめエンジン点検の影響を加味した発着時間を設定する方針だ。業績への影響は「現在精査中」(同)としている。ロールス・ロイス側との賠償交渉次第だが、費用負担は避けられそうもない。 B787には搭載エンジンが2種類設定されている。ANAが使用するロールス・ロイスの「トレント1000」型と、米ゼネラル・エレクトリック(GE)の「GEnx」型だ。航空会社は機材を導入する際、どちらかのエンジンを選択する。国内勢では日本航空(JAL)もB787を運航しているが、GEnxを搭載。今のところ、大規模な欠航につながるトラブルは起こっていない。 国交省は4月にトレント1000に関する最初のエンジン点検指示を発出していたが、ANAは機材変更などにより欠航を回避してきた。ただ6月に新たな点検指示が出され、対象となるエンジン台数が増えた。さらに点検対象エンジンは海外の航空会社も使っており、不具合対応に必要な交換部品の供給が逼迫した。そうしたことが重なり、大量欠航に追い込まれた。 「ANA様およびご利用のお客様に大変ご迷惑をおかけしていることを深くお詫び申し上げます」。ロールス・ロイスの民間航空部門プレジデント、クリス・チョラートン氏は7月17日、ANAにおける一連の欠航や遅延について謝罪の声明を発表した。 エンジンの設計上の問題とは何か。トレント1000型エンジン内で空気を圧縮する「中圧圧縮機」の回転翼で起きたものだ。この圧縮機には計8段の回転翼があるが、入ってきた空気が微妙に乱れ、1段目と2段目の回転翼が激しく振動することがある。ロールス・ロイスが行った試験で、最悪の場合亀裂が入る可能性が確認されたという。実際ANAではこれが原因となり、2016年8月25日の羽田発福岡行き241便が離陸直後に引き返し、羽田空港に緊急着陸するトラブルが発生した。 ロールス・ロイス側は東洋経済の取材に対し、「ジェットエンジンは現存する最も高度なテクノロジーを利用する複雑な機械だ。エンジンの運用が始まってから数年経たないと表面化しない問題がまれに起こるが、今回もその1つ。点検指示は運航中の出来事を受けたものではなく、われわれの直近のエンジンのベンチテスト(社内試験)でわかった新たな情報に基づいている」と説明する。 欧州の航空当局はロールス・ロイスからの報告を受け、4月に点検指示を発出。国交省航空局も欧州に従い指示を出した。このときの対象は、主として機体が長い787-9型機に使われるトレント1000の「パッケージC」型だった。その後ロールス・ロイスが調査を進めると、主に機体が短い787-8型機で使われる「パッケージB」型でも同様の問題が見つかり、6月に追加の点検指示が出された』、もともとはロールス・ロイス側の社内試験で見つかったというのは、不幸中の幸いだ。ANAとしては、「ロールス・ロイス側との賠償交渉次第だが、費用負担は避けられそうもない」というのは気の毒だ。
・『400回超の点検のうち、1割で不具合見つかる  ANAはパッケージCのエンジンを66台、パッケージBのエンジンを70台使用している。国交省の指示では、パッケージCは一定回数飛行した後に回転翼の点検を繰り返し行い、パッケージBは1回のみ点検を行う規定だ。7月16日時点でBとC合わせて410回の点検を終え、回転翼の亀裂などの不具合はそのうち41回見つかった。不具合があれば、順次新品の回転翼に交換している。点検には1~2日、交換には20~30日かかるという。 ただ現在ロールス・ロイスが提供している新品の回転翼は、不具合が見つかったものと同じだ。7月17日のチョラートン氏の声明では、新たに設計した回転翼は現在検証試験の最終段階にあり、年内にはANAなどトレント1000を利用する航空会社に提供できる予定だとした。パッケージCの場合、それまでは繰り返し点検を継続する必要がある。 ANAのB787におけるロールス・ロイス製エンジンのトラブルは、これが初めてではない。2016年8月には、トレント1000の「中圧タービンブレード」で設計よりも短期間で劣化し破断することがわかり、当初決めていた整備サイクルよりも早い段階で部品を交換する必要に迫られた。結果、一部便で欠航が発生した。大気中の汚染物質による金属の腐食を防ぐコーティングの範囲や量などに設計上のミスがあった』、「1割で不具合見つかる」というのは、かなり高い割合だ。
・『ロールス・ロイス製エンジンの構造は複雑  エンジンの整備に詳しい航空経営研究所の稲垣秀夫・主席研究員は、エンジン部品の不具合は長期間飛行機を飛ばしていれば避けようがないと前置きしたうえで、「ロールス・ロイスはほかのエンジンメーカーに比べ、技術的なチャレンジをする会社」と評する。 「彼らの特徴は、エンジンのタービンや圧縮機が低圧、中圧、高圧の3軸構造であること。GEなどは低圧、高圧の2軸構造だ。3軸にすることで燃費は上がる。一方で構造は複雑になる」(稲垣氏) 航空評論家の青木謙知氏は、「以前はエンジンメーカー自身も航空機を保有し、エンジンの疲労や摩耗などを調べるために航空会社より早く飛行時間を稼ぐような試験を行っていた。だが最近はあまり聞かれなくなった」と指摘する。 また今回ANAの欠航が大規模化したことについて青木氏は、「昔に比べて航空会社が持つ予備機が少なくなっていることも遠因ではないか。経営効率を考えると仕方ないが、保有機材数を最小限に抑えているため、ちょっとしたことが起こると足りなくなってしまう」と見る。 B787は高い燃費性能を誇り、中型機の大きさでも長距離を飛ぶことを可能にした。ANAやJALは大型機が埋まるほどの需要がなくとも、欧米の都市に路線を張れるようになるなど、路線戦略に革新をもたらした。ANAの787が本来の能力を発揮するためにも、ロールス・ロイスには迅速な対応が求められる』、高い燃費性能の代償として構造が複雑になったのであれば、ロールス・ロイスとしてはもっと慎重にテストを繰り返すことで、チャレンジのリスクを抑えるべきだったのかも知れない。

次に、7月22日付け東洋経済オンライン「ホンダ、爆売れジェットで狙う航空業界変革 「生みの親」藤野CEOがこだわった価値観とは」を紹介しよう。
https://toyokeizai.net/articles/-/230266
・『小型ビジネスジェット機の新星として2015年12月に登場したホンダの「ホンダジェット」。最高速度や燃費性能、静粛性などでライバル機を圧倒する。航空機としての性能はもとより、そのデザインの美しさにもパイロットや航空工学の専門家、バイヤーからも高い評価を集める。2017年には小型ジェット機のデリバリー(顧客への納入数)で首位に踊り出た。 ホンダジェットの「生みの親」とされるのが、米国子会社・ホンダエアクラフトカンパニーの藤野道格(みちまさ)CEOだ。入社3年目の1986年に始まった航空機の研究開発プロジェクトに参加して以来、一貫して航空機分野に取り組み、困難な道を切り開いてきた。左右の主翼の上という独創的なエンジン配置も藤野氏の発案だ。来日した藤野氏CEOに、航空機ビジネスについて余すところなく語ってもらった』、三菱重工のMRJがもっと大型とはいえ、難航しているのとは、好対照である。
・『抵抗勢力があっても性能では負けない  ――2015年に発売してからこれまでの総括をお願いします。 発売から2年半が経ち、ようやく生産が軌道に乗ってきた。手作業が多いので、人が慣れてくると作業がどんどん早くなってくる。商品としての評判も予想よりよい。操縦する人が「明らかに違う」と言ってくれているのは、アビオニクス(航空機内電子制御機器)など、性能の部分だろう。操縦しない人も「ものすごく静かで、乗り心地がいい」と驚いてくれる。 ――業界での反響も非常に大きいです。ライバル会社からはどう見られていますか。 ジェット業界からは、最初は「自動車屋に何ができる」と無視された。少し評判が上がると「アメリカでは通用しないよ」、航空機の製造認定が近づくと「認定取れるわけないよ」と、いざ取れそうになると「絶対取れるわけない」といってホンダのお客さんの不安をあおる。認定を取ったあとも、「認定は取ったが安心できない」と・・・・・・。今はとにかく、批判を1つずつ潰していくしかない。どんな世界でもそうだが、いちばんになると抵抗勢力がなんとか阻止しようとしてくる』、ライバル会社がケチをつけるのは当然としても、「ここまでやるのか」とその激しさには驚かされた。
・『ホンダジェットの登場後、ライバル製品にも変化が出てきている。とはいえ、性能ではホンダジェットに勝てない。向こうもわかっているので最近は、インテリアや塗装を近づけたり、アビオニクスのサプライヤーをまねしたり、ウェブサイトまで似せてきたりしている。 まずは小型ジェット機におけるシェアを確実なものにしたい。ニューヨーク―マイアミなど、世界でビジネスジェットの就航数が多いルートトップ10のうち、5ルートはカバーできており、残りの5ルートをどう取るか。また、小型ジェット機セグメントでは、シェアの40%程度を占めるが、これを(改良機の)「ホンダジェット エリート」でどこまで上げられるかに挑戦する。 ホンダジェットの販売は海外で先行していたが、5月に発表した改良機の「ホンダジェット エリート」は日本でも販売する。価格は525万ドル(5億9000万円)。2019年前半の初納入を目指す。2661キロメートルと現行機より17%伸びた航続距離では、羽田・成田から全国の都市、中国の上海や北京までも乗り換えなく飛ぶことができる。しかし、ビジネスジェット機の市場は米国の約2万機に対し、日本では民間機に至っては30機ほどしかない。日本市場をどう開拓するのか。 ――日本では「ビジネスジェットはお金持ちの乗り物」というイメージがあります。 確かに、日本では、ビジネスジェットといえばハリウッドスターが使うようなイメージがあるが、彼らが使うのは70億円ほどする太平洋をひとっ飛びできるような大型の機材。一方、ホンダジェットはもっと実用的な使われ方をする。たとえば、複数都市をまたいで仕事をする中小企業の経営者などがジェットを持っているとビジネスの幅が広がるし、時間も短縮できる。ラグジュアリーなライフスタイルではなく、仕事をする人の生活の質を上げるために役立つ道具だ。「一度乗ってもらえれば、考え方が変わる」という実感がある』、ホンダジェット エリートは羽田・成田から全国の都市、中国の上海や北京までも行けるというのは、使い勝手がよさそうだが、米国ならともかく、日本での需要は限定的だろう。
・『時間短縮におカネを使う価値がある  ――どのように訴求をしていきますか。 たとえば、日本から米国東部の都市に行く時に、通常の大型機では乗り継ぎで3時間、下手をすれば遅延でさらに一晩余計に待たされることがある。でもホンダジェットがそこで待っていたら、その心配はない。室内はとても静かで快適に過ごせ、本当に疲れない。それは日本でも同じで、便利さや快適さを一度経験すると、10万円多く出してホンダジェットに乗ることに価値があると考える人が多いと思う。 日本でも問題になっていることだが、仕事ができる人は仕事に忙殺されていて、そういう人が成功したとしても家族と過ごす大切な時間などを買い戻すことはできない。時間を買うことにおカネを使う価値があることに気づいてもらえる。給料を上げるだけでは、生活の質は上がらない。 ――ANAホールディングス(HD)とは、ビジネスジェット領域で戦略的な提携を結びました。海外の出張・旅行先でホンダジェットを用いたチャーター便を手配するというものですが、この提携は国内のビジネスジェット市場拡大にどのように貢献しますか。 ANAの人にホンダジェットに乗ってもらう機会があり、普段大型機に乗り慣れている彼らもこんなに揺れないのかとびっくりしていた。エアラインの人が乗って満足する仕上がりだ。それで(ANAHDの)片野坂真哉社長と話が盛り上がり、ビジネスアライアンスを組むことになった。 ANAは法人など大口の顧客をお持ちで、こことアライアンスを組んでおくのは(販売拡大の)第一歩だ。とにかく、まずはジェットを使ってみるというきっかけを作りたい。一般の人たちで買うというところまで行かない人が大勢いる。しかし、使えるというところまで可能性を広げることはできる。 ――海外ではシェアジェットビジネスが普及しつつあります。ホンダとしてはどう展開しますか? 今はチャーターが多いが、車でいうウーバー・テクノロジーズのようなシェアサービスとして、エアタクシーやシェアジェットが、海外ではすでに広まっている。ビジネスジェット機を購入した人が使わない時間、稼働率を上げるために、機体を運用してくれる業者を使ってほかの人に貸す。たくさん使えば、使うほどコストは下がっていく。 こうしたビジネスをホンダがやるかはわからないが、いいハードウェアを作るだけではなくて、ビジネスジェットの業態を変えたとか、ウェーブをもたらした、となればいい。まずはエアラインとの協業で使える人を増やす。 車でのライドシェアやカーシェアは今でこそ注目されているが、実はシェアサービスのコンセプトは飛行機のほうが前からある。だが、機体が少ないから実現しにくい。まずは機体を増やすことが大切。満たさなければならない条件が多いが、シェアサービスのビジネスモデルをホンダジェットで開花させたい』、「エアタクシーやシェアジェットが、海外ではすでに広まっている」というのは、ここまで来たかと驚いた。
・『サービスによる収益安定化がカギ  ――自動車などと異なり、航空機事業は投資の回収スパンが非常に長いビジネスだと言われています。それはなぜでしょうか。 ホンダは飛行機をやってこなかった。1機種作るにしろ、3機種にしろ、ゼロから試験設備や工場などのインフラに投資しなければならず、まだスケールメリットが小さい。減価償却を1機種のみで取り返すことはできない。 ビジネスの最初のカギは最初の3年間の保証が終わったときだ。それ以降はサービス収入がコンスタントに入ってくる。特に飛行機は、メンテナンスの要件が厳格に決まっていて、部品には寿命があるので交換するタイミングもわかっている。サービスのビジネスは非常に安定している。 そのために、機体の数をできるだけ早く増やすことが今のマイルストーン。ホンダの場合は、 ディーラーモデルを新たに採用して、 世界をカバーするメンテナンスサービスを提供している。購入者の所在地を分析した上で、アメリカでは5カ所ある拠点からメカニックが派遣され、1時間半以内でサービスを受けることができる。顧客の満足度は高い。 ――2輪や4輪事業のディーラーモデルから学ぶことはありますか。 業界の常識としては、多くの会社が直販。メーカーから専門性の高い人を送りクオリティを担保できるメリットがある。しかしこれだと、大変な数の人が必要となる。ホンダは自動車メーカーなので、ディーラーモデルを活かしてできることは応用している。両方をうまくコンビネーションさせていく。 ジェット事業が軌道に乗ってくると、避けて通れないのが経営だ。非常に繊細かつ厳重な要件が求められるジェット事業については、藤野氏が作り上げたということで顧客やバイヤーが信頼している面が大きい。ホンダエアクラフトカンパニーのチームの育て方についても聞いた』、直販だけでなく、ディーラーモデルと組み合わせていくようだが、その成否は今後はっきりするだろう。
・『顧客が満足する商品作りにブレはない  ――今後のチームや後継の育成についてはどのように考えていますか。 ホンダジェットには、日本、アメリカ、ヨーロッパ、アジアなど世界40カ国以上から人材が集まっている。 日本人を育てたいという気持ちはもちろんあるが、そこはフェアに、こちらに来ている留学生でトップの成績を持つ方を採る。 ただ日本人の場合は大学受験がピークで、大学に入った後の伸びしろが外国人と差がある印象がある。 広く基礎的なものを学んでいる人は、1つの専門分野だけではなく、学際的なアプローチができる。 そして、「倫理観」と「常識」を持つことを非常に重視している。社員の才能を伸ばしたり、トレーニングはしたりするが、素養による違いはどうしてもある。  常識と言うと、「藤野はいつも常識のないことをやってる」と言われるが、すべきことをきちんとステップを踏んでしてきた。航空機業界では「70億円の機体に乗る人は燃費を気にする人などいない」と言ってくる人もいるが、顧客が満足するモノを作るということにブレはない。 そして倫理観のある人は、物事を適当には決めない。 そういう人を採ることを意識している』、「日本人の場合は大学受験がピークで、大学に入った後の伸びしろが外国人と差がある印象がある」というのは分かるような気がする。今後、大きく成長してもらいたいものだ。
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