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高齢化社会(その12)(老後2000万円問題で焦る人は「カモネギ」になる 人生には多くの選択肢があることを忘れるな、「老後2000万円」問題の落としどころは何か 公的年金、私的年金と税制の横断的な議論を、金融庁の報告書が実はとんでもない軽挙のワケ 年金制度改革の努力を台なしにしかねない) [国内政治]

高齢化社会については、6月18日に取上げた。今日は、(その12)(老後2000万円問題で焦る人は「カモネギ」になる 人生には多くの選択肢があることを忘れるな、「老後2000万円」問題の落としどころは何か 公的年金、私的年金と税制の横断的な議論を、金融庁の報告書が実はとんでもない軽挙のワケ 年金制度改革の努力を台なしにしかねない)である。

先ずは、投資銀行家のぐっちーさんが6月29日付け東洋経済オンラインに寄稿した「老後2000万円問題で焦る人は「カモネギ」になる 人生には多くの選択肢があることを忘れるな」の初めの4頁を紹介しよう。
https://toyokeizai.net/articles/-/289634
・『えー、世間は「老後に2000万円の貯金が必要だ!!」という話でかなり揺れてますね。さらには「還暦の貯蓄額25%が100万円未満 2000万円に遠く届かず」(共同通信社)などという報道もあり、「おいおい、ほんとにどうするんだ」、という気にもさせられます。 「老後2000万円問題」でやってはいけないこととは?  まあ、経緯はいろいろあるにせよ「老後に2000万円」などということを言い出す役所も「無責任」だとは思いますが、この問題の注意点は、明らかに他の所にあります。 「一番やってはいけないこと」を、絶対にしないことです。 「あー、おれは200万円しか貯金がないよ」、とか急に心配になって、ハイレバレッジだったり、元本返済すらも危ういトルコや南アフリカなどの国の「劣悪な債券」などを取りに行くことは、絶対に避ける。要は「鴨葱」(カモネギ)にならないように。これが最大の注意点です。 今回は、金融庁が間接的にお墨付きを与えちゃったわけです。「足りませんよ」と。なので、ワタクシに言わせれば、極端すぎると叱られるかもしれませんが、一斉に金融機関に号令を発して「個人の運用に力を入れろ!! 手数料をむしり取れ!!」といったも同然で、個人の運用の奪い合いにお墨付きを与えちゃったも同然なわけです。 「ほら、金融庁も足りないって言ってますよね。え?貯金200万円しかないんですか?ダメですね~、では金融庁もお墨付きの、この個人向け外貨建て変額保険(実際にはお墨付きなどない)があります。200万円なら最大1000万円になりますので、早く始めましょう!!」などと言われて乗ったら、それこそ人生「ゲームオーバー」です。 200万円が1000万円になるなんてことは、レバレッジ5倍ですから、通常の金融商品ではありえません。200万円に対する5倍のレバレッジはダウンサイドに関してもほぼ同様ですから、つまり200万円が40万円になるリスクを覚悟して運用する・・・羽目になります。例えば安心して大手銀行に預けたつもりが40万円になっちゃったらそりゃ、びっくりでしょう(笑) そもそも今のマイナス金利時代、100万円が150万円になることすら絵空事のようなもので、まずはこの「金融庁のお墨付き商品」のような勧誘から逃げることが一番のリスクヘッジです。 しかし、残念ながら、というか予想通り、いくつかの報道を見るとカモネギたちはすでに喜んで行列をなし、狩られつつあるようです・・・・・・どうやら「味噌」まで背負っていた様子・・・・・・(涙)。 余談ですが、投資の記事によく出て来るNISA(少額投資非課税制度)というのは、われわれ専門家から見ても、お薦めできる商品ではありますね。NISAは非課税限度枠が大きく、ある意味「どう運用をしても負けない」(非課税だから)商品なので、むしろまだ申し込んでない場合、これは早めに入った方がいいかもしれない』、いくら麻生大臣が金融審議会の報告書を受け取らないといっても、世間で話題になった以上、「カモネギたちはすでに喜んで行列をなし、狩られつつあるようです」と、悲劇的な将来が暗示されている。さすがぐっちーさんである。
・『「家を売る」「仕事を続ける」・・・選択肢はいくらでもある  それから、もう一つ。金融庁の報告書では収入は21万円で支出は26万円(65歳以上の夫と60歳以上の妻の場合)だとかいうわけです。もちろん、みんなが赤字だと決めつけた書き方をしているわけではありませんが、ワタクシは今、日常の生活では正直そんなに使っていません(笑)。 例えば、家のあるなし、などにもかかわる問題ではありますが(ワタクシは持ち家なし、賃貸)、支払いの前提が「年齢が変わっても未来永劫変わらない」という前提は非常におかしいですよね。ワタクシの場合で言うと30代のころは月に60万円ほどは絶対に生活費がかかっていました。これは子供の教育費などの比率が、非常に大きいわけです。 しかし、ワタクシの生活費を計算すると夫婦2人(還暦手前)で19万円ほど。「年金の金額内」になってしまっています。いろいろなケースを拝見していると、住宅ローンの返済という項目が60歳になってものしかかっていたり(もちろんそういう人はいるでしょうが)、不思議な支払い項目がたくさんあります。今は住宅が余っていますから、さっさと売って小さな賃貸に切り替えればいいことです。 さらに、不思議なのは今まで元気に働いていた人が、なぜ突然仕事を止めるという前提に立つのか? 奥様がスーパーのレジ打ちで月12万円、ご主人が警備員の仕事で月16万円稼げばどうなりますか?年金と合わせて月50万円を超えますから、もう楽勝でしょう。この程度のバイト先なら、東京でも地方でも事欠かない。60歳を過ぎて例えば「マッククルーデビュー」とか、おしゃれじゃないですか??どうしてこの議論からは「バイトする」、という当たり前のことが「欠落する」のでしょうか。 もう一つ、私は50歳の時に岩手県紫波町1年間移住していました。「しろーと農業」で月6万円稼ぎ、リンゴ農家のバイトで15万円。生活費は18万円くらいでした。だいたい「車保有しなくちゃ」と思って「車買う」と言うと、あちこちの人から「うちの車乗れ!」というオファーが舞い込むほどでしたから、50歳の時にでさえ定職なしに貯金が出来ちゃうんです。 岩手県というところは冬の暖房光熱費が高く、かなりエネルギーコストを支払うことになりますが、年金の24万円があれば楽勝で暮らしていけます・・・・・・というような情報がなぜ、出てこないのか??「地方移住の落とし穴」、みたいな特集ばっかりしている大手運用会社、不動産会社がスポンサーをやっているような媒体を見ていて、騙されて「こりゃいかん!」と言っているだけなんです。税金を投入してまで地方移住を誘致しようとしているのに、なぜ「老後を地方で暮らす」、という選択肢が出てこないのか、非常に不思議です。 東南アジアの国などは、すでに日本の非常に高い年金収入に目を付けていて、マレーシア、フィリピンなどが年金世代の招致に力を入れています。ここでもネガティブなことばかり語られますが、実際に体験してみた感覚から言うと「非常に良い」のです。 東南アジアもいろいろありますが、総じて10年前に比べれば政情も安定してきましたし、特に老人介護ということを考えるならこの2国はお薦めです(いつも思うのですが「フィリピンは危ない」とかいう人がメディアにたくさんいて、要するに調査不足で行って騙されてしまった人だけを取材して、そういう記事を書くわけですね。 その媒体のスポンサーが某大手投資信託会社だったりするから笑っちゃいます。しかし、実際体験はしていないでしょう?ワタクシなどは、「ホントはどうなんだ??」と、疑問があればすぐに行って体験してみる。そのうえで発言をします。なぜ、何も知らないのに記事を書くんでしょうか?信じられません)。 とにかく、これらの国には安くて若い人材がいくらでもいる。フィリピンなんて、介護の資格を持った若い人の報酬は月2万円ほどですよ!生活費については、場所にもよりますが、高くても月10万円と見ていればいいですね。日本の国力は、衰えたと言っても向こう20年くらいは間違いなく高いでしょうから、円を持っていれば「最強」です。 繰り返しますが、単に「2000万円足りないらしい!運用しないとやばいぞ!」という、この「鴨葱状態」が一番まずいのです。どうしてこういう他の選択肢がきちんと提示されないのか、それはそれで不思議ですよね。 前述のように、私は50歳の時に仕事で岩手県紫波町に行って、知り合いもたくさんできましたし、子供たちを一緒に育てるようなボランティアに参加することで、地元の住民ともコミュニケーションは十分に取れますし、住むのには全く問題がないわけですね。60歳の段階で「第2の人生をどこで送ろうか?」などと考えながら、40歳台から夫婦で旅行するのもすごく夢があるのではないでしょうか? アメリカなどでは移住が非常にお気楽で、キャンピングカー1台で全米どこへでも移動していきます。そして気に入ったところに住むのです。こういう高齢移動ローラーみたいな連中は結構たくさんいて、それはそれで楽しそうです。先日、私の友人もニューヨークを引き払い夫婦2人で全米を駆け巡り、結局コロラド州に落ち着いています。もう、子供の教育問題がないので、その意味で縛られる必要がないのです。若い頃は子供のために「良い学校のあるところじゃないと住めない」、とかいろいろ制約がかかるわけですが、もうこの年になれば関係ありませんよね。 ただし、この場合の「お気楽」というのは、制度が充実しているからのお気楽ではないのです。アメリカだと、夫婦二人の健康保険だけで最低でも10万円は必要で、ちょっと病院に行くと翌年は保険料が20万円とかになりますから、病院においそれとはいけないんです。 こんな制度の下でもアメリカでは「お気楽」で楽しむわけで、これは「本人たちの気持ちの問題」、というのが非常に大きい。飜って日本では、官庁を含め、「〇〇がなきゃいけない」、ではなくて「これも要らない、あれもいらない、これだけあれば大丈夫」、という話にどうしてならないのか? あまりにも杓子定規な皆さんにも、問題があるように思います』、報告書の前提は、あくまで「65歳以上の夫と60歳以上の妻の場合」ということで固定しているが、確かに「これも要らない、あれもいらない、これだけあれば大丈夫」となれば、話は大きく違ってくる。報告書は国民に危機感を持たせるための「脅し」の意味合いもあるようだ。
・『運用よりもまずは「お金を貯めること」から  このように老後(年金受け取り開始後)は実に選択肢が多いのに、一律で「2000万円必要ですよ」、と見えるようにやっちゃったのは、やはり金融庁のミスでしょう。まあ、金融機関は大喜びでしょうが「最後は自己責任で」、とか言われるこちらは、かないません。 そして最後に当たり前の話ですが・・・・・・金融商品を選ぶ前にまず、貯金をしましょう。本当は若いころからやれば楽ですが、貯金ができない原因があれば、それはさっさと取り除く。もう、後ろを向いている時間はありません。月5万円貯金すれば5年で300万円、10年で600万円ですから、このくらいまとまってくると運用をする価値が出てきます。それまで運用は必要ありません。騙されないように!! 致しましょう。このテーマについてはまた書きます!』、「騙されないように!! 致しましょう」というのは言い得て妙だ。

次に、慶應義塾大学 経済学部教授の土居 丈朗氏が6月24日付け東洋経済オンラインに寄稿した「「老後2000万円」問題の落としどころは何か 公的年金、私的年金と税制の横断的な議論を」を紹介しよう。
https://toyokeizai.net/articles/-/288203
・『6月3日に取りまとめられた金融審議会の報告書の記述が「老後30年で2000万円不足するのか」「公的年金だけで老後の生活は成り立たないのか」といった懸念を国民に抱かせたうえ、麻生太郎金融担当大臣が報告書を受け取らないという事態に発展した。 審議会の報告書は、大臣の部下である官僚が組織的に意思決定した決裁文書ではなく、委員である有識者の責任で取りまとめたものだ。したがって、国民から深刻な批判を浴びるような懸念を抱かせないよう、委員は報告書を作成するときに細心の注意を払うべきである。国民から批判を受けるような報告書を大臣が受け取らないという判断は当然ありうる。ただ、これが世論では大人げない態度に見えて、野党も麻生大臣の問責決議案を提出した』、自ら諮問した報告書を「大臣が受け取らないという判断は当然ありうる」というのは、御用学者らしい弁護に過ぎない。異例中の異例であることは確かだ。
・『与野党の議論は平行線、現状が放置されるだけに  加えて、「年金の検証、またも安倍内閣の鬼門になるか」で触れたように、今年は5年に1度行われる公的年金の財政検証の年である。ところが、参院選前に財政検証の結果が公表されず、6月19日に国会で開催された党首討論でもそのことがやり玉に挙がった。安倍晋三首相は「(年金財政について)検証している最中であり、報告は受けていない。政治の状況にかかわらず、しっかりと専門家が出てきて検証し、報告をしてもらいたい」と答弁した。 ただ、こうした事態の展開も参院選があってのことである。「安倍一強」の構図を崩しきれない野党が、ほぼ唯一となった政府批判の材料として「老後2000万円」問題を取り上げた面は否めない。 これまでの与野党の質疑を見ていても、老後2000万円問題に端を発した老後生活の不安を解消できるような建設的な具体案は出てきていない。このままでは、議論が平行線に終わって現状が放置されるだけである。 では、この問題の落としどころをどう見出せばよいか。それは、今年が参院選の年でなかったら進んだであろう議論の行方を想像するとよい。 歴史に「イフ」はないが、参院選がなかったら、今年後半にも老後の資産形成を支援する仕組みについて政府で議論が深められるはずだった。そのために、もともと予定されていた議論がある。それは、年金の財政検証とNISA(少額投資非課税制度)の恒久化の可否である』、なるほど。
・『安倍内閣発足時に議論の芽生えがあった  第2次安倍内閣が始まったばかりの頃から、その議論の芽生えがあった。2012年12月に発足した第2次安倍内閣は、組閣後すぐにNISAの新設を決めた。NISA制度は金融庁が所管するが、「NISAとiDeCo、これが税制面でお得な活用法だ」で指摘したように、非課税貯蓄の仕組みなので非課税の拠出枠をどの程度認めるかは、金融の問題というより税制の問題である。 2013年度の与党税制改正大綱は、「家計の安定的な資産形成を支援するとともに、経済成長に必要な成長資金の供給を拡大することが課題」であり、このために2014年1月から10年間、500万円の非課税投資を可能とするNISAを新設すると明記した。 ただ、大綱にもあるように、老後の資産形成支援ではなく、アベノミクスの3本の矢に資するように経済成長に必要な成長資金の供給を拡大する、つまり、株式や債券の投資を促すことが重視された。 しかも、NISAは恒久的な仕組みではなく、10年間の時限措置だったため、このことが冒頭の老後2000万円問題につながる波乱要因ともなる。2013年度の大綱では、NISAの拡大は今後の検討課題とするにとどまった。 翌2014年度の与党税制改正大綱は、「年金課税については、少子高齢化が進展し、年金受給者が増大する中で、世代間および世代内の公平性の確保や、老後を保障する公的年金、公的年金を補完する企業年金をはじめとした各種年金制度間のバランス、貯蓄商品に対する課税との関連、給与課税等とのバランス等に留意して、年金制度改革の方向性も踏まえつつ、拠出・運用・給付を通じて課税のあり方を総合的に検討する」と明記した。 このとき、企業年金などとともに、NISAが老後の生活を支える資産形成であるという観点が入ってきた。今回の金融審議会の報告書にある論点も、1つはここに端を発している。ただ、2014年度大綱の表現は穏当だ。「公的年金だけでは足りない」などとは書いておらず、「公的年金を補完する」仕組みを総合的に検討するとしている。 これに対し、金融審議会の報告書は「老後の生活において公的年金以外で賄わなければいけない金額がどの程度になるか」という問題設定を打ち出してしまったため、公的年金の「100年安心」をうたう政府のスタンスと矛盾しかねない報告書となってしまった』、要は公的年金だけでは足りないので、自助努力としてNISAで補完させたいということ自体は、「100年安心」との整合性をどう取るかは別にすれば、全うな主張であった。
・『欧米でも公的年金だけで豊かな老後は送れない  こうした議論の背景があって、今年に入って老後の資産形成のあり方を考える議論が加速した。公的年金は社会保障審議会年金部会で、企業年金や個人年金は同じ社会保障審議会の企業年金・個人年金部会で議論され、NISAを中心とした議論は金融審議会で進められた。そして、欧米諸国における企業年金、個人年金と非課税貯蓄制度について、政府税制調査会は現地調査を実施した。 欧米諸国を見ても、公的年金だけでリッチな老後生活が送れる国はない。私的年金や非課税貯蓄制度と補完し合いながら、老後の生活に備えている。頭ごなしに「2000万円が必要」というような金額ありきの議論は欧米でもしていない。 老後の生活を支える公的年金の給付水準を見極めながら、私的年金や非課税貯蓄制度を考えていかなければならない。その際、公的年金でどこまで老後の生活を保障するかについて、大別して2つのグループに分けて考える必要があろう。 それは、現役時代に老後に備えた貯蓄をする余裕がない人と、貯蓄する余裕がある人である。ここでいう貯蓄とは、定年退職時の退職金も含まれる。 現役時代に老後に備えた貯蓄をする余裕がない人にとって、公的年金が老後の生活を保障する命綱になっている。そうした人たちの公的年金を大幅にカットすると、死活問題になる。それは、私的年金や非課税貯蓄制度を拡充して補えるものでもない。 したがって、老後の余裕がない人たちに対する公的年金は、税財源を追加しつつ、給付水準を維持する仕組みを作らなければならない。金融審議会の報告書は、そうした人たちへの配慮に欠けていたといわざるをえない』、「老後の余裕が」ある人たちに対する公的年金は、給付水準を抑制するとの考え方は、本来は所得再配分機能を持っていない年金制度の大改革になる。
・『前のめりになりすぎた金融審議会の報告書  他方、老後に備えた貯蓄する余裕がある人は、過剰に貯蓄を残しては現役時代の消費を楽しめない。老後に備えてどの程度の貯蓄をすればよいかという目安は必要だ。しかも、貯蓄をする余裕のある時期だけ貯めて、出費がかさんで余裕がない時期にはやめるのでなく、毎年定額でコツコツと貯めてゆき、投資信託などに分散投資をすることで老後に備えた資産形成をしていくことが重要だ。 金融審議会報告書は、そこを意識したのはいいが、NISAの恒久化という税制改正要望に前のめりになり過ぎた。NISAは、前述のとおり時限措置なので、その恒久化が金融庁の悲願ではあるが、それはNISA単体で論じるべきものではなく、公的年金と私的年金を含めた全体像の中で議論すべきものだ。 老後の資産形成に関する議論は、年金の財政検証とともに参院選後に持ち越され、老後2000万円問題で与野党間の政争の具となり、虚心坦懐な議論をしにくくなってしまった。 とはいえ、国民が抱く老後の不安を払拭することは急務だ。政府与党は政争の具にすることを避け、不都合な真実があっても国民には正直に示しつつ、公的年金と私的年金と非課税貯蓄制度のあり方について制度横断的に議論を進めるべきだ』、正論であり、その通りだ。

第三に、慶應義塾大学商学部教授(社会保障論)の権丈 善一氏が7月1日付け東洋経済オンラインに寄稿した「金融庁の報告書が実はとんでもない軽挙のワケ 年金制度改革の努力を台なしにしかねない」を紹介しよう。
https://toyokeizai.net/articles/-/289562
・『金融庁審議会の市場WG(ワーキンググループ)の報告書で世間は炎上しているようで――そのきっかけは、金融庁WG報告を次のように報道した朝日新聞の記事だったとのことである。 報告書案によると、年金だけが収入の無職高齢夫婦(夫65歳以上、妻60歳以上)だと、家計収支は平均で月約5万円の赤字。蓄えを取り崩しながら20~30年生きるとすれば、現状でも1300万~2000万円が必要になる(『朝日新聞』2019年5月23日)。 この記事がSNSに流され、老後資金2000万円問題として炎上していった』、どのように料理するのだろう。
・『金融商品を売る金融庁のアプローチ  先日の授業で、いま君が証券会社の社員だとして、お客さんに株を売りたいとする。お客さんに、老後の生活費として公的年金のほかにどのくらいの資金を準備したほうがよいかを示す数字として、君たちは、その平均値、中位値(分布の真ん中の数字)、最頻値(分布の中で最も頻度の多い数字)のどれを示す?と考えてもらった。 みんなは証券会社の社員なのだから、とにかく商品を売りたい。そういう前提の下では、だいたいみんなが平均値を顧客に示すと答えてくれる。というのも、横軸に老後のための必要資金をとり、縦軸に人数をとったグラフを描くと、右裾が長く伸びた分布になるために、左から、最頻値、中位値、平均値の順番に並ぶことになる。 平均値を顧客に示したほうが生活費の不足に危機感を抱き、株を買ってくれそうな人たちが多くなるからである。中位値や最頻値を示していては、恐怖をあおって商品を販売するマーケティング手法が成り立たない。 これと同じ手法が、今回の金融庁の報告書で使われていた。この報告書を読んだFP(ファイナンシャルプランナー)など多くのお金のプロたちは、「なにこれ?こんな形で老後資産の不足を求めるのは、金融商品を販売するときのアプローチと同じじゃない」と思ったようである。 どうして金融庁は、ああいう金融商品の販売員と同じアプローチをとったのか? 実は、あの報告書で最も大切なのは、「つみたてNISA については(中略)時限を撤廃し、恒久的な措置とすることが強く望まれる」という一文であった。というのも、あの報告書は、金融庁が財務省につみたてNISAの税制優遇を求めるためにまとめられた陳情書だったからである。そして、税を扱う当局に対して、自分たちの商品が税制優遇に値することを示すためにまとめられているのだから、金融庁の報告書が、証券会社が顧客に金融商品を売るときのアプローチと一緒になるのは、ある意味必然であった。 例年8月末にまとめられる税制改正要望の昨年の金融庁版(2018年8月)の1番には、「1. 家計の安定的な資産形成の実現・NISA制度の恒久化等」と書いてある。 今年に入ると4月に?融庁主催の投資家向けイベント「つみたてNISAフェスティバル2019」が開かれ、金融庁長官は「NISAの利便性を?め、恒久化する。?助で??きする?活を?える制度にしたい。?座が増えるほど恒久化の道が開ける」と決意表明もしている。 同報告書を金融担当大臣(兼財務大臣)が受け取らないことにした後、次のような記事がでることになる。 時限措置であるNISAを恒久化するよう財務省に要望しており、今年は「勝負の年」になるはずだった。だが、ある同庁幹部は「報告書を土台に要望するはずが、その土台がなくなってしまった」と嘆く(『日本経済新聞』2019年6月14日)。 この一連の動きを眺めていておもしろかったのはその後の展開である』、「税を扱う当局に対して、自分たちの商品が税制優遇に値することを示すためにまとめられているのだから、金融庁の報告書が、証券会社が顧客に金融商品を売るときのアプローチと一緒になるのは、ある意味必然であった」、との指摘はズバリ本質を突いている。
・『麻生大臣の受け取り拒否とその後  当初、旧民主党の議員たちは、年金不信をあおれば選挙で有利になるという過去の経験に基づいて、今回も柳の下に隠れる何匹目かのどじょうを求めようと活気づき、老後資金2000万円炎上を利用し始めた。ところが、世間から一斉に、2009年に抜本改革を掲げて政権を獲得した後、年金に対して何もできなかった体たらくへの批判がなされてしまった。そこで、次の記事が出てくることになる。 野党内では「年金の制度論に踏み込めば、跳ね返ってくる」と危惧する声が相次いでいた(『日本経済新聞』2019年6月14日)。 その後、旧民主党の政治家たちは、年金制度を批判するのではなく、矛先を、麻生大臣の個人攻撃に変えていく。野党のこうした戦略変更はみごとにあたり、その直後から、報道は、大臣への批判一色になる。そうした報道の方向転換は、海で泳ぐ魚の群れが一斉に方向を変えていく様子を想起させるものでもあり、野党の政治家たちはメディアの扱いに慣れているものだと感心した。 さてここからが、この文章の本題になる。 麻生大臣が受け取らなかったと批判するストーリーにのっとれば、その報道の中では、金融庁市場WG報告は、時に判官贔屓の感情にも訴えられて正しい報告書であると見なさざるをえなくなっていく――しかし、冒頭に触れたように、はたしてそうなのか。あの報告書を受け取らなかったのは、公式には、「政府のスタンスと異なる」ということのようである。 「政府のスタンス」がどのようなものなのか、私は正確にはわからない。しかしながら、公的年金をできるだけ生活の頼りになる柱に育てていくことを長く考えてきた立場からすれば、あの報告書には大きな違和感があった。周辺に言っていたことは、「金融庁の報告書、僕なら受け取らないけどね」――その理由を、以下、書き残しておこうと思う。 2004年に、日本の公的年金保険は将来の保険料を固定する保険料固定方式に転換した。その際、当時の給付水準を維持していこうとすれば、仮に基礎年金への国庫負担を3分の1から2分の1に引き上げたとしても厚生年金保険料は22.8%になり、国民年金保険料は2万700円(2004年度価格)になることが試算されていた。 その保険料水準にまで上げることを拒んだ日本の公的年金は、厚生年金の保険料を18.3%、国民年金の保険料を1万6900円(2004年度価格)にとどめる選択をした。その時点で、将来の年金給付水準が下がることは運命づけられていたわけである。 そうしたなか、公的年金の設計と運営に関わる人たちは、将来の給付水準の低下を限りなくおさえ、「給付の十分性」をなるべく確保していく努力を続けてきた。と同時に、政策努力により改善される将来の給付水準を織り込んだ形で将来の年金の姿を描き、できるだけその姿を国民に示そうとしてきた。 その理由は、給付水準が下がる姿だけを示していたずらに国民に不安を与えたくなかったからであったし、改革の先にある希望のある社会を示すことで、改革への協力を国民に求めたかったからでもある。 具体的には、2004年の年金改革から5年後の2009年第1回目の財政検証で将来の問題がかなり具体的に可視化されることになり、それを受けた2013年の社会保障制度改革国民会議が動くことになる。 2013年8月にまとめられた社会保障制度改革国民会議の報告書では、年金部分の最後を次の文で締めている。 少なくとも5 年に1 度実施することとされている年金制度の財政検証については、来年実施されることとなっているが、一体改革関連で行われた制度改正の影響を適切に反映することはもちろん、単に財政の現況と見通しを示すだけでなく、上記に示した課題の検討に資するような検証作業を行い、その結果を踏まえて遅滞なくその後の制度改正につなげていくべきである。 ここで、国民会議報告書が「上記に示した課題」とは、次のようなものだ。 (1)マクロ経済スライドの見直し (2)短時間労働者に対する被用者保険の適用拡大 (3)高齢期の就労と年金受給の在り方 (4)高所得者の年金給付の見直し これら『社会保障制度改革国民会議報告書』の文言を「持続可能な社会保障制度の確立を図るための改革の推進に関する法律(通称、プログラム法)」(2013年12月5日成立)が引き継ぎ、それを受けて、2014年の財政検証でオプション試算Ⅰ~Ⅲが行われた。 2014年財政検証の本体試算は、なにもしなければこうなるという絵姿を示しており、3つのオプション試算では、この方向で年金改革を進めるといずれもが将来の給付水準の底上げにプラスに働くことが確認されている』、さすが年金制度の専門家だけあって、問題がよく整理されている。
・『改革による給付改善効果は絶大  オプションⅠ、Ⅱ、Ⅲを複合した給付引き上げ効果は大きく、とくに基礎年金の給付改善効果は絶大で、第36 回日本年金学会(2016年10月28日)における小野正昭氏(現、日本年金学会代表幹事)の報告「将来に向けて検討すべき課題の整理」の中で、3つのオプション試算の複合効果が次のように示された。 経済前提ケースC所得代替率が1.27倍(所得比例1.09倍、基礎1.46倍) 経済前提ケースE所得代替率が1.31倍(所得比例1.09倍、基礎1.52倍) 経済前提ケースG所得代替率が1.46倍(所得比例1.12倍、基礎1.91倍) 日本年金学会で、小野氏は「この結果を見る限り、3つのオプションは、 選択的に実施するものではなく、セットで導入することが効果的と認められる」と結論づけていた。私が昔から言っているように、この国には、3つのオプションを実行した未来しか存在しえないのである。そのことを理解していないのが、年金関係者の中にも多すぎる。 その後、2016年には、主にオプションⅠのマクロ経済スライドの見直しが進められた。そして、今年の2019年財政検証では、オプションⅠからⅢに沿って、将来の給付水準を上げるための施策が試算されるであろうし、その方向に沿って、基礎年金の給付水準を上げるためにも一層の適用拡大を進める必要があり、年金受給の弾力化と被保険者期間の延長を求めて政策努力が展開されることになる。そしてそれを来年の年金改革で実行たらしめるために、すでに準備が何年もかけて行われてきていたわけである。 そうであるのに、金融庁が財務省に、つみたてNISAの恒久化を求める陳情をするために、現在進められている公的年金の改革、その周辺の働き方をはじめとしたさまざまな改革をまったく無視した報告書を出してきた。公的年金というのは、あおれば政局を作りやすい「将来不安」と関わるために、野党もメディアもつねに手ぐすねを引いて構えている極めてセンシティブな問題である。 慎重のうえに慎重を重ねて、揚げ足を取られないように細心の注意を払いながら事を進めなければならないのに、金融庁にはそうした配慮はまったくなく、野党やメディアに揚げ足を取られて炎上した。ここで説明した一連の動きを関わり知る年金の専門家が金融庁市場WGにいなかったことが一因だったと思われる。 願わくば、公的年金に寄せられるこのエネルギーを、1人でも多くの人に適用拡大を進める方向に収斂させ、そして、いずれは、基礎年金の給付水準を上げるために最も有効な方法である、被保険者期間を20歳から59歳までではなく、64歳までの45年に延長する改革を、たとえ国費1兆数千億円が必要であるとしても実現するために、年金に向けられるこのエネルギーを活かすことはできないかと思っていたりもする。 適用拡大については、自民党は「勤労者皆社会保険制度」と呼んでおり、骨太2019の中に「勤労者が広く被用者保険でカバーされる勤労者皆社会保険制度の実現を目指して検討を行う」と書き込まれるところまで来ている。ぜひ、積極的に進めてもらいたい。 ちなみに、私は、Basic IncomeをBIと呼ぶのならば、それよりも相当の長所をもち社会保障給付の約9割を占める社会保険Social InsuranceをSIと呼んで「勤労者皆SI」という呼び名で広まったほうがいいと思っており、今年の3月に同党の「人生100年時代戦略本部」で“BIよりもSIを”と話してきた。 公的年金を考えるサイドから、民間金融機関に期待される役割についても触れておこう。それについては、この炎上の最中に公開された、私のインタビューから引用しておく(インタビューそのものは5月7日だったが、ネットに公開されたのは6月7日)。 「年金は破綻なんかしていない、『わからず屋』は放っておこう」『週刊東洋経済plus』 ――これからの時代に資産運用はどう位置付けられるでしょうか。 これからは「先発」がワークロンガー(継続就業)、「中継ぎ」がプライベートペンション(企業年金や民間生命保険会社の年金保険)、「抑え」がパブリックペンション(公的年金)の「WPPの時代」になる。真ん中のP、プライベートペンションは資産運用で賄う。できるだけ長く社会参加し続け、かつ繰下げ受給で公的年金をもらい始めるとすると、プライベートペンションは退職から公的年金を受給するまでの「中継ぎ」になる。いま繰下げ受給の上限(70歳)を引き上げようとする動きもあるわけで、民間の金融機関には「抑えの切り札」となる公的年金の受給までのセットアップとしての資産運用の新商品を開発してもらいたい。これまで民間は65歳で受給し始めた年金に上乗せをする「先発完投型」を考えてきたわけだから、「先発・セットアップ・抑えの守護神」のWPPはコペルニクス的転回かな。 WPPの真ん中のP、プライベートペンションが幅と厚みを増してくれるためにも、つみたてNISAやiDeCoなどの充実は望ましいとは思う。ただし、詰めなければならない側面はいくつもある。 なぜ、老後資金を託す先が元本割れのおそれもある株式なのか、つみたてNISAは中所得者の利用もあるだろうが、この活用は、キャピタルゲイン課税が緩いとみなされているこの国で高資産家を一層優遇することにはならないか、老後の資産形成のために設けられているほかの税制優遇措置との整合性をどのように図るべきか等である。これらの問題はしっかりと議論されるべきであろう』、「一連の動きを関わり知る年金の専門家が金融庁市場WGにいなかったことが一因」、金融庁の担当局長は更迭されたらしいが、確かに重大な手落ちである。「つみたてNISA」の「活用は、キャピタルゲイン課税が緩いとみなされているこの国で高資産家を一層優遇することにはならないか」との鋭い指摘なその通りだろう。
・『財政検証と参院選の15年周期  今回の金融庁報告が炎上した理由は、老後資金を考えるうえでの公的年金保険への基本知識――「将来の給付水準は絶対的なもの、固定的なものではなく、可変的なもの、経済環境等によっても変わっていくが、自分たちの選択や努力によっても変えていけるものだという」ことが、金融庁の報告からは感じ取ることができなかったことにもあったのだと思う――いったん平均値を示して、後に但し書きを添えてもメディアは報道してくれない。 今年予定されている5年に一度の公的年金「財政検証」は準備ができ次第、将来の給付水準を上げる道筋を示すオプション試算とともに発表されるだろう。この財政検証は、3年に一度の参院選とは15年に一度重なる。ちょうど15年前は、財政再計算の前身である財政再計算が2004年に行われ、「未納三兄弟」という空騒ぎで盛り上がっていた。年金が政争の具とされることから得られたものは過去において何もなかった。 財政検証が8月以降になっても、来年の国会で改革が予定されている案をまとめるのには支障はない。政局を抜きにして冷静な議論をするためにも、いっそ、8月以降に財政検証を発表することを制度化してもらいたいくらいである。そうすれば、15年に一度、財政検証や年金改革に携わる人たちが、極めて重要な時期に炎上の火中に投じられ、膨大な時間を費やされることもなくなると思うんだが、まぁ、この国ではムリなんだろう』、「財政検証」の発表は参院選で先延ばしされたが、「政局を抜きにして冷静な議論をするためにも、いっそ、8月以降に財政検証を発表することを制度化してもらいたいくらい」、との主張は説得力がある。さて、どんなものが出てくるのだろうか。 
タグ:権丈 善一 前のめりになりすぎた金融審議会の報告書 公的年金をできるだけ生活の頼りになる柱に育てていくことを長く考えてきた立場からすれば、あの報告書には大きな違和感があった 欧米でも公的年金だけで豊かな老後は送れない 「金融庁の報告書が実はとんでもない軽挙のワケ 年金制度改革の努力を台なしにしかねない」 麻生大臣の受け取り拒否とその後 10年間の時限措置だったため、このことが冒頭の老後2000万円問題につながる波乱要因ともなる 株式や債券の投資を促すことが重視 あの報告書は、金融庁が財務省につみたてNISAの税制優遇を求めるためにまとめられた陳情書だった (2)短時間労働者に対する被用者保険の適用拡大 組閣後すぐにNISAの新設を決めた 安倍内閣発足時に議論の芽生えがあった 与野党の議論は平行線、現状が放置されるだけに 「「老後2000万円」問題の落としどころは何か 公的年金、私的年金と税制の横断的な議論を」 土居 丈朗 運用よりもまずは「お金を貯めること」から 「家を売る」「仕事を続ける」・・・選択肢はいくらでもある ・・・・・・どうやら「味噌」まで背負っていた様子 カモネギたちはすでに喜んで行列をなし、狩られつつあるようです この「金融庁のお墨付き商品」のような勧誘から逃げることが一番のリスクヘッジです (1)マクロ経済スライドの見直し 金融商品を売る金融庁のアプローチ 国民会議報告書 一斉に金融機関に号令を発して「個人の運用に力を入れろ!! 手数料をむしり取れ!!」といったも同然で、個人の運用の奪い合いにお墨付きを与えちゃったも同然 金融庁の報告書が、証券会社が顧客に金融商品を売るときのアプローチと一緒になるのは、ある意味必然であった 「老後2000万円問題で焦る人は「カモネギ」になる 人生には多くの選択肢があることを忘れるな」 東洋経済オンライン ぐっちーさん (その12)(老後2000万円問題で焦る人は「カモネギ」になる 人生には多くの選択肢があることを忘れるな、「老後2000万円」問題の落としどころは何か 公的年金、私的年金と税制の横断的な議論を、金融庁の報告書が実はとんでもない軽挙のワケ 年金制度改革の努力を台なしにしかねない) 高齢化社会 8月以降に財政検証を発表することを制度化してもらいたいくらいである 財政検証と参院選の15年周期 つみたてNISAは中所得者の利用もあるだろうが、この活用は、キャピタルゲイン課税が緩いとみなされているこの国で高資産家を一層優遇することにはならないか 一連の動きを関わり知る年金の専門家が金融庁市場WGにいなかったことが一因 改革による給付改善効果は絶大 (4)高所得者の年金給付の見直し (3)高齢期の就労と年金受給の在り方
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