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アメリカ(除くトランプ)(その5)(不正入学事件が浮き彫りにした 平等の国アメリカの不平等な現実、大卒資格はコストに見合うか? 米国をむしばむ学費ローン、ハリケーン災害と危機管理) [世界情勢]

アメリカ(除くトランプ)については、昨年11月26日に取上げた。今日は、(その5)(不正入学事件が浮き彫りにした 平等の国アメリカの不平等な現実、大卒資格はコストに見合うか? 米国をむしばむ学費ローン、ハリケーン災害と危機管理)である。

先ずは、サム・ポトリッキオ氏が3月30日付けNewsWeek日本版に掲載した「不正入学事件が浮き彫りにした、平等の国アメリカの不平等な現実」を紹介しよう。
https://www.newsweekjapan.jp/sam/2019/03/post-29_1.php
・『<成功するチャンスは誰にでもあるはずだったのに、資産家が資金力で子供を一流大学に送っていた> アメリカン・ドリームを夢見ている人は、アメリカよりカナダや北欧に行ったほうがいい。 アメリカは本来、貧しい家庭に生まれても大金持ちになるチャンスがあることを誇りにしてきた国だ。「機会の平等」を重んじる理念は、アメリカ独立宣言にもうたわれている。成功するチャンスは誰にでもある......はずだった。 しかし、この理念が揺らいでいる。裕福な家庭の出身で学業成績が冴えない若者と、貧しい家庭の出身で成績トップクラスの若者は、大学卒業率に違いがない。それが今日のアメリカの現実なのだ。 いま騒ぎになっている不正入学スキャンダルは、こうした不平等が生まれる仕組みを白日の下にさらした。裕福な親が子供を一流大学に入学させるために、入試コンサルタントを通じて試験監督者や大学のスポーツチームのコーチに「裏金」を支払っていたことが発覚したのだ。 裏金と引き換えに、試験監督者がテストの正解を教えたり、スポーツチームのコーチがスポーツ特待生制度を悪用したりして不正入学を手助けしていた。中には、全くプレー経験のないスポーツの特待生として入学を認められた学生もいた。 私が勤務しているジョージタウン大学では、テニスの元コーチが総額270万ドル以上の裏金を受け取り、裕福な家庭の子供を少なくとも12人入学させていた。その多くは、入学後は一度も大学代表としてテニスの試合に出場していない。 この事件では、有名女優や有力法律事務所のトップ、金融界や実業界の大物などが起訴されている。これらの資産家の子供たちは、親の資金力で実現した不正の助けがなければ、一流大学に合格できなかっただろう。 もっとも、アメリカのエリート大学の入学者選考が能力以外の要素に左右されるのは、今に始まったことではない。親が卒業生なら有利になるし、親が多額の寄付をすれば合格の可能性は大幅に高まる』、「ジョージタウン大学のテニスの元コーチ」が受取った「裏金」は、1人当たり22.5万ドルとやはりケタ外れのようだ。
・『不当に席を奪われた怒り  トランプ大統領の義理の息子ジャレッド・クシュナーがハーバード大学に入学できたのは、出願直前に父親が250万ドル寄付したからだと言われている。高校時代の成績はぱっとせず、ハーバードなど論外だと、高校の教員たちは誰もが思っていた。 トランプ自身も、成績は精彩を欠いていたのにペンシルベニア大学に入学できた。当時のSAT(大学進学適性試験)の成績が公開されれば裁判に訴えると強硬に主張しているのは、おそらく点数が低かったからだろう。SATの点数が公開されれば、一流大学に合格できたのは父親の経済力のおかげだったと分かってしまう。 今回発覚した不正入学スキャンダルが激しい怒りを買ったのは当然だ。大学を目指す若者が増えるのに伴い、入試の競争は激化している。その中で志望校に入学できなかった若者たちは、本来なら入学する資格のない人たちに席を奪われていたことに気付き始めたのだ。 この10年ほどでアメリカの一流大学に入学した人の数は何百万人にも上る。そのうち、今回の不正入学事件の対象者は100人にも満たない。 しかし、このスキャンダルをきっかけに、アメリカが抱える不平等と格差の深刻さに目を向けるべきだ。ある研究によると、アメリカの大卒者人口のうち、所得レベル下位50%の家庭の出身者が占める割合は14%にすぎない。中下流層の子供は、高校をトップの成績で卒業しても50%しか上位61校の大学に出願しないという報告もある。 このような状況を改めて機会の平等を取り戻すためには、どうすればいいのか。思い切ったアイデアを1つ披露しよう。一流大学の入学者定員を2倍に拡大させて、大学が厳しい選別でブランドイメージを維持する戦略をやめさせればいい。 大学とは、そもそも教育の場であるはず。教育という贈り物を受け取る対象を一部の人に限定する必要はない』、「トランプ」の「不正入学」はさもありなんだが、「クシュナーがハーバード大学に入学できたのは、出願直前に父親が250万ドル寄付したからだと言われている」ようだが、優等で卒業、その後、ニューヨーク大学ビジネススクール・ロースクールでMBA・法務博士を取得した(Wikipedia)ということは、実力もあったようだ。アメリカだけでなく、日本では医学部の不正入試、韓国では司法長官の息子の不正入学、など大学入学を巡る不正問題は広がりをみせているようだ。

次に、5月21日付けNewsWeek日本版「大卒資格はコストに見合うか? 米国をむしばむ学費ローン」を紹介しよう。
https://www.newsweekjapan.jp/stories/world/2019/05/post-12167_1.php
・『2007-09年の金融危機のさなかでも、米国では大卒者の失業率は5%前後だった。大学まで進学しなかった人たちの半分程度にとどまり、高等教育の価値を示していた。 だが、話はそこで終わらなかった。学費ローンの残高は総額1.5兆ドル(約164兆円)を突破、大半はこの10年間で累積した。 米連邦準備理事会(FRB)が9日に開いたイベントに参加した研究者らは、学歴が将来の収入と中流階級への道を保証するという常識が、この膨大な借金によって崩れ去ろうとしていると懸念を表明した。 登壇したシカゴ連邦準備銀行のエバンス総裁は、借金、つまり市場価値の低い学位に対する過払いなどの問題が、高等教育投資への「下振れリスク」になっていると指摘。FRBは高度人材の必要性を常々主張しているが、そこの経済学博士が異例の批判を展開した。 「学生たちは大学にそこまでの価値があるのか疑問に思うのではないか」、「さまざまなリスクが積み重なり、マイナス面の方が勝ってしまうことを心配している」とエバンス氏。とりわけ最近入国してきた移民や年齢が高めの人、一家の中で初めて大学に進学した人など、「非伝統的な」学生たちへの影響を懸念した』、「米国で大卒」の価値がこれまでは高かったことに驚かされた。
・『5分の1がローン滞納  イベントは中流階層の未来をテーマに、2日間にわたって開催された。米国では雇用、時給、学費ローンの問題が注目されており、2020年の大統領選の重要課題となることが予想される。 大統領選の民主党候補者らは、公立大学の授業料無償化から学費ローンの全面的な返済免除、就職先の保証や最低賃金の引き上げまで、さまざまな政策を提案している。一方のトランプ大統領は、関税、貿易、税務政策など、相対的に学歴が低めの人たちへの機会を回復すると大統領が主張する政策に焦点を置いている。 ここに集まった研究者らにとって学費ローンの問題は、本来なら永久に有効なはずの「教育投資は回収できる」という政策決定に反する不穏な変化だ。ブルッキングズ研究所のフェロー、アダム・ルーニー氏は、これを「アメリカンドリームの中核的信条」と語る。 会場では、まだその信条に変わりはないようだ。 1960年代から減少傾向にある成人男性の雇用率について聞かれたメリーランド大学の経済学者メリッサ・キアニー氏は、「大卒の人の数を増やすべき。大学を卒業した人たちの方が雇用率が高いことは事実だ」と述べた。 一方で研究者らは、学費ローンの難題も認識している。 彼らは、活気のない中流層の収入をどう回復させるかや、貧困層が中流層に上がる機会が減りつつあることなどを幅広く議論した。 パウエルFRB議長は、運よく恵まれた家庭に生まれなかった人たちの経済的成果がこれまでになく限られつつある米国において、こうした問題の解決は「きわめて重要だ」と語った。 それにも関わらず、経済的成果をあげるための大学進学は、今や債務とセットで語られている。特に人種的、民族的なマイノリティーにとっては、進学することが生涯賃金の減少を意味する可能性がある。 米国の大卒者は増加を続け、25歳以上の人口の3分の1を占めるが、それは高騰する学費やオンライン講座の増加などとともに拡大した学費ローンプログラムに支えられている。 ブルッキングズのルーニー氏によると、4年生大学の学費ローンは平均3万5000ドルで、4400万人が利用している。より返済プランが高額になるのは大学院生だという。また、2年制大学で準学士号を取得したり教育訓練コースを履修しようとローンを組んだ学生は、卒業後の賃金が低く、返済に苦労することもある。 ニューヨーク連銀によると、大学に進学した学生のうち約半数がローンを組んでおり、2017年時点で5分の1は返済が遅れていた』、日本でも学生の「学費ローン」の返済が、卒業生の大きな負担となりつつある。
・『自動化とグローバリゼーション  ブランダイス大学のデバルシ・ナンディ准教授によると、ローンを組んだ卒業生と組まなかった卒業生を比較すると、ローンを返済する必要がある人たちは投資をする率が低い、もしくは積極的に投資をしなくなるという。理由は収入を返済に回す必要があるからだ。 ローンを使って高い学位を取得したほうが、最終的には収入が高くなるという研究もあるが、ナンディ准教授は「収入があっても、(投資は)キャリアの早い段階でとん挫する」と反論した。 しかし、借金をしてでも大学に進学しなければ、事態はさらに悪化するかもしれない。自動化とグローバリゼーションの波が押し寄せる中、スキルや学歴が相対的に低い労働者の賃金と雇用率は下がり続けている。安定した職を保持するには、準学士号以上の学位がこれまで以上に必要不可欠になりそうだ・・・』、こうした問題を米連邦準備理事会(FRB)が取上げるとは、経済の隅々まで目配りする姿勢は、日銀にも見習ってほしいものだ。

第三に、在米作家の冷泉彰彦氏が9月14日付けでメールマガジンJMMに掲載した「ハリケーン災害と危機管理」from911/USAレポート」を紹介しよう。
・『ハリケーンのシーズンを迎えたアメリカですが、今年の場合、まず甚大な被害を受けたのはアメリカ本土ではなく、隣国のバハマ諸島でした。カリブ海を西進していたハリケーン「ドリアン」が910ヘクトパスカル(米国ではカテゴリー5「最大級」)の勢力でこの島国を襲ったのでした。 特に大きな被害のあったのは北部のグランド・バハマ島と、アバコ島でした。サンゴ礁に生成された島であるため標高は低く、最高点でも海抜10メートル程度の島に、6メートル以上という高潮が襲うと共に、暴風雨が直撃、しかも移動速度が時速2キロと遅い中で被害が長時間継続するという悲劇も重なりました。 現時点での公式発表では、犠牲者数50名となっていますが報道によれば、1500名の行方不明者があると言います。1300という数もあり、少し前までは2500と言われていましたが、それだけ情報が集約できていないということを表しています。 この2つの島では住宅はほぼ壊滅状態に近く、家を失った人は7万6千人に上るという推計もあります。そんな中、国際的な支援活動は始まっていて、英連邦の一国家ということで英国からの支援、そしてすぐ隣の米国からは沿岸警備隊が救助活動に参画しており、また支援物資の輸送も始まっています。アメリカからということでは、バスケットボール界の「レジェンド」であるマイケル・ジョーダン氏がバハマ政府に対して1ミリオン(約1億8百万円)の寄付を表明しつつ、広範な募金活動を呼びかけているところです』、「ハリケーン」の被害は大きくなっている気がするが、今回はアメリカは被害に合ってないとはいえ、温暖化への国民の怒りがそれほど高まらないのは不思議だ。
・『反対に、イヤなエピソードもいくつかあります。一つは、バハマで家を失った被災者がすぐ隣の米国フロリダ州に避難しようとしたところ、フェリーの中で「ビザ保有者以外は下船しないように」という指示を受けたという問題です。通常、バハマ諸島と米国の間には「ビザ免除協定」があり、多くの住民は相互訪問の行き来を問題なくしていたのですが、今回のような危機において入国拒否されるという事態に、バハマの人々は驚いているようです。 つまりトランプ指揮下の入国管理では、人道よりも国境の厳格さを優先しており、「ビザがないのに長期的に住み着く可能性のある外国人」は入国拒否ということなのです。このような注目されるケースでどうして冷酷な対応ができるのかというと、それを歓迎する一部のアメリカ国内の世論に迎合するためなのでしょうが、それにしてもイヤな話です』、こんな時まで、「トランプ指揮下の入国管理では、人道よりも国境の厳格さを優先」、とは困ったことだ。
・『トランプといえば、この「ハリケーン・ドリアン」が「アラバマに向かう」と何度もツイートをして大問題になりました。確かに初期の予報では、速度を速めてフロリダを横断、アラバマやミシシッピに向かう可能性も示唆されていました。その際の印象が強かったのでしょうが、その後、バハマ諸島付近で停滞し、北に進路を変えて大西洋岸を北上することがハッキリした後も、大統領は「アラバマへ向かう」とツイートし続けたのです。 一部には、この大統領のツイートに反発した気象庁(ナショナル・ウェザー・センター、ナショナル・ハリケーン・センター)の職員に対して、閣僚の一人が圧力をかけたという説があり、とにかく「トランプのフェイク警報問題」として騒動になっています。 多くのメディアは「自分が間違ったので、訂正します。終わり」と言えばいいのに、どうして出来ないのかと疑問を呈していましたが、とにかく政治も言論も敵と味方の勝ち負けの世界という独特の発想をベースに、虚報も報道もその手段だと思っている大統領には反省はないようです。 そんなわけで、今回のハリケーン「ドリアン」に関しては、後味の悪いエピソードも付いて回っているわけですし、甚大な被害を受けたバハマ諸島に関しては、その被害実態自体が十分に集約されておらず、伝えられてもいないという状況があります。 そうではあるのですが、少なくとも一時は直撃を覚悟したフロリダ半島の東岸、また警報の通りに実際にハリケーンが上陸して暴風雨による被害が発生したノースカロライナなどでは危機管理体制が機能していたのも事実です。 ハリケーンと危機管理ということでは、私自身、2012年10月のハリケーン「サンディ」の直撃を受けていますが、この時の経験も加えて考えてみると、アメリカの場合は2つの大きな特徴があるということが指摘できます。今回の「ドリアン」については、それが上手くいったという例にするのは躊躇されるのですが、あくまで一般論として参考にしていただければと思い、ご紹介することにします。 2つの特徴の1番目は、とにかく首長が顔の見える形で危機管理の前線に立つということです。今回の「ドリアン」の場合もそうですが、予報円に入ってきた時点からフロリダ州では州知事が先頭に立って避難や準備を呼びかけていました。 例えば、2012年の「サンディ」の際、こちらニュージャージー州の知事は、クリス・クリスティ(共和党)でしたが、彼はハリケーンの接近に伴ってTVやラジオにライブ出演して避難を呼びかけていました。ローカルFMの生番組では聴取者からの電話を直接知事が取っており、「今から(海岸沿いの主要高速道)ガーデンステート・パークウェイに乗って逃げても大丈夫ですか?」という電話に対して、「あと30分で完全閉鎖になるので、そこから逆算して行動して下さい。分かりますよね」などと極めて具体的に対応していたのを覚えています。 別にこうしたFMでの指示というのは政治パフォーマンスではなく、この具体例に対して切迫した対応を知事という「顔の見えるキャラクター」が行うことで、聴取者全員に「どう行動したらいいか」を考えるように伝えるのが目的で、全体として機能しているように思われました。 この「サンディ」の場合は、しかし非常に強い勢力のまま上陸して州を東から西に横断する格好となり、沿岸部では壊滅的な高潮被害、内陸でも広範囲で大規模な家屋の倒壊や、倒木の発生、そして長期間にわたる停電などが発生していたのですが、とりあえず州政府は知事を中心に情報発信を続けて、それは機能していました。 象徴的だったのは、被災の翌日である2012年10月31日に、甚大な被害のあった沿岸部でクリスティ知事がオバマ大統領を迎えて、二人が手を携えて復興支援を約束したシーンでした。 この日は、大統領選の真っ最中と言いますか、投票日のほぼ1週間前でした。そして知事は共和党でロムニー候補を支持していた一方で、オバマ大統領は民主党を代表して再選を目指す最後の段階に来ていたのです。 そんな状況の中で、連邦政府を代表したオバマと、州を代表したクリスティが復興のためには、党派を超えて連携するという姿を見せたことは、州民には深い印象を与えたのでした。 いずれにしても、ハリケーン襲来の前後にわたって、「顔の見える」首長がメッセージ発信と意思決定のリーダーシップを発揮する、そしてそのリーダーシップそのものがメッセージの発信と伝播力になっていくという仕掛けは、アメリカの場合は機能していると思います。 ちなみに、ニューヨーク市ではハリケーン接近に伴う高潮の危険性に関して、ある時に当時のブルームバーグ市長が非常に厳しい避難命令を出したにも関わらず、予報が「空振り」になったことがありました。その後で、この「サンディ」が接近した際には、市長が避難命令を出すと「オオカミ少年」になるからということで、就任して日の浅かったクオモ知事が避難命令を出して結果的に多くの市民の救命につながっています』、「クリス・クリスティ」知事は、大統領予備選挙でトランプに敗退したが、なかなか立派な危機対応で、千葉県の森田知事とは雲泥の差だ。
・『2つ目の問題は、避難命令の出し方です。まず事前に出すということがあり、基本は「72時間前の予告、24時間前の完了」というようなタイムラインが標準で、例えばフロリダに大型が接近するというような場合は、96時間前ということもあります。 ですから、避難命令が出た時点で多くの住民は、家にベニア板や角材での補強をしたりして、家財道具を車に積んで内陸の知人や親戚といった避難先を目指すことになります。また、この72時間あるいは96時間前の避難命令発動と同時に、全州に非常事態宣言を発動することも多いです。 また都市部では、基本的に24時間前に「まだ風雨が強くなる前」に公共交通機関は運休となり、高速道路等は緊急車両以外は通行禁止となります。ですから、そこから逆算して行動することが必要になるわけです。 避難命令の出し方ということでは、対象区域を指定してその区域内の住民は「全員避難」を徹底するという方法が取られます。その際に、避難には時間的な期限を切り、その期限が来たら警察、消防や、州兵などが残留者のチェックをかけるという実務対応になっています。ですから、文字通り強制避難です。 ただ、アメリカの場合は「ハリケーン・パーティー」といって、一部の若者が暴風雨の中でパーティーをやるという蛮カラなカルチャーがあり、また、公務などでどうしても動けない人間もいます。そうした場合に、生命の危険がないと確認が取れれば、多少の柔軟な運用はされるようですが、原則として強制避難というのは完全にそのエリア内の住民全員に退避、もしくはシェルターへの移動を強いる運用になっています。 そして僅かな例外を除いて、住民は整然と従っています』、「ハリケーン・パーティー」とは、いかにもアメリカらしい「蛮カラなカルチャー」だ。
・『勿論、72時間前などに非常事態宣言を出して、避難命令を出せば「空振り」ということは十分にあり得ます。例えば、今回の「ドリアン」について言えば、フロリダ州では風雨は強まりましたが、暴風雨の被害ということでは回避されたわけです。ですが、これによる州政府や気象関係者への批判は特にありません。 科学的な観測とシミュレーションの結果下した判断が、大自然という巨大な相手のために結果的に間違っていても、それは非難しないということが定着しているのです。 その反面、トランプの「フェイク、アラバマ警報」問題などに対する世論の視線は冷たいものとなるわけです。 日本の今回の台風15号被災などを見ていますと、例えば千葉県の森田知事などは、安全な県庁の中でバリッと決めた防災作業服で難しい顔をしているのではなく、もっと早く現地で被災者を激励しつつ、国に支援を要請することができなかったのかという印象を抱いてしまいます。 勿論、日本の場合は政治家が視察に行くと、それが復興の妨害になるとして批判を浴びるし、事実を伝えるべきメディアや、県外からのボランティアまで迷惑をかける悪人扱いがされるなど、実務的な復興に、抽象的な善悪を絡めてしまう屈折したカルチャーがあるわけです。また、制度的に政治家のアドリブ判断を許容しない防災マニュアルが整備されているという問題もあるのかもしれません。アメリカの場合は反対にそうした部分が過剰に単純化されている部分もあるのかもしれません。 ですが、やはり今回の千葉県の大規模災害の場合は、知事や選出国会議員などがもう少し事態を牽引できればと思うのです』、アメリカで「科学的な観測とシミュレーションの結果下した判断が、大自然という巨大な相手のために結果的に間違っていても、それは非難しないということが定着している」、というのは大いに学ぶべきだ。
・『より喫緊の課題として議論が必要なのは「空振り覚悟で、風雨の来る前に動く」という「先手」の問題です。近年の日本では、いわゆる計画運休として、議論が始まっており、都市部を中心に「48時間前の予告、24時間前の決定」というタイムラインを中心に、また4年間の実績のある京阪神が先行する形で議論が続いています。 この計画運休に関してですが、今回の台風15号における首都圏の混乱に関しては、 やや専門的になりますが、1)各事業所・学校が月曜日の休業・休校判断を下しやすくするには、金曜の午後に予告すべきであった。 2)8時の運転再開予定というのは出勤・登校を促す曖昧な時間であり、断念させる方向で予め12時以降の運転再開を予告すべきであった。 3)山手線については、池袋、大崎の車両所から順次運転開始とするのではなく、回送車を2駅置きに配置して、全線一斉に営業運転を開始しても良かったのでは。  などの提言をしておきたいと思います。いずれにしても、京阪神に続いて首都圏でも計画運休について「空振り覚悟」でしっかりやり切るように研究が進むことを期待したいと思います。 重要なのは、監督当局とメディアであり、大規模な「空振り」が出た時には鉄道事業者をしっかり擁護して、むしろ自分たちが盾になるぐらいの姿勢を見せていただきたいと思います。 もう一つの問題は、本物の「強制避難」を風雨の強まるはるかに前に行うという問題です。日本社会がより高齢化して行くということは、風雨が強まってからの避難がより困難になることを意味します。「避難指示が出ましたが、既に暗くなっており、水深の深い部分等では屋外に出るのは危険かもしれません。命の守れる判断を」などと、アナウンサーが絶叫しているのをよく聞きますが、どう考えても妙です。 この避難指示にしても、もっと強い言葉で「強制避難」という言い方も含めて、風雨の強くなる前の思い切り前倒して、実施する、その際には顔の見える首長が、「空振りの場合は責任を取る」覚悟でリーダーシップを取る、そのような姿が実務的に求められると思うのですが、いかがでしょうか』、説得力に溢れた提言で、諸手を上げて賛成したい。 
タグ:冷泉彰彦 アメリカン・ドリーム Newsweek日本版 メールマガジンJMM アメリカ(除くトランプ) (その5)(不正入学事件が浮き彫りにした 平等の国アメリカの不平等な現実、大卒資格はコストに見合うか? 米国をむしばむ学費ローン、ハリケーン災害と危機管理) サム・ポトリッキオ 「不正入学事件が浮き彫りにした、平等の国アメリカの不平等な現実」 アメリカは本来、貧しい家庭に生まれても大金持ちになるチャンスがあることを誇りにしてきた国 「機会の平等」を重んじる理念は、アメリカ独立宣言にもうたわれている 。裕福な家庭の出身で学業成績が冴えない若者と、貧しい家庭の出身で成績トップクラスの若者は、大学卒業率に違いがない。それが今日のアメリカの現実なのだ 不正入学スキャンダル 裕福な親が子供を一流大学に入学させるために、入試コンサルタントを通じて試験監督者や大学のスポーツチームのコーチに「裏金」を支払っていたことが発覚 ジョージタウン大学では、テニスの元コーチが総額270万ドル以上の裏金を受け取り、裕福な家庭の子供を少なくとも12人入学させていた 有名女優や有力法律事務所のトップ、金融界や実業界の大物などが起訴 アメリカのエリート大学の入学者選考が能力以外の要素に左右されるのは、今に始まったことではない。親が卒業生なら有利になるし、親が多額の寄付をすれば合格の可能性は大幅に高まる 不当に席を奪われた怒り 「大卒資格はコストに見合うか? 米国をむしばむ学費ローン」 米連邦準備理事会(FRB)が9日に開いたイベント 学歴が将来の収入と中流階級への道を保証するという常識が、この膨大な借金によって崩れ去ろうとしていると懸念を表明 5分の1がローン滞納 中流階層の未来をテーマ 学費ローンの問題は、本来なら永久に有効なはずの「教育投資は回収できる」という政策決定に反する不穏な変化だ 自動化とグローバリゼーション 「ハリケーン災害と危機管理」from911/USAレポート」 ハリケーン「ドリアン」 特に大きな被害のあったのは北部のグランド・バハマ島と、アバコ島 バハマ諸島と米国の間には「ビザ免除協定」があり、多くの住民は相互訪問の行き来を問題なくしていたのですが、今回のような危機において入国拒否されるという事態に、バハマの人々は驚いている トランプ指揮下の入国管理では、人道よりも国境の厳格さを優先しており、「ビザがないのに長期的に住み着く可能性のある外国人」は入国拒否ということなのです トランプといえば、この「ハリケーン・ドリアン」が「アラバマに向かう」と何度もツイートをして大問題になりました 2つの特徴の1番目は、とにかく首長が顔の見える形で危機管理の前線に立つということ 「サンディ」の際、こちらニュージャージー州の知事は、クリス・クリスティ(共和党) 甚大な被害のあった沿岸部でクリスティ知事がオバマ大統領を迎えて、二人が手を携えて復興支援を約束したシーン 2つ目の問題は、避難命令の出し方 科学的な観測とシミュレーションの結果下した判断が、大自然という巨大な相手のために結果的に間違っていても、それは非難しないということが定着 「空振り覚悟で、風雨の来る前に動く」という「先手」の問題 計画運休として、議論が始まっており、都市部を中心に「48時間前の予告、24時間前の決定」というタイムラインを中心に、また4年間の実績のある京阪神が先行する形で議論が続いています 本物の「強制避難」を風雨の強まるはるかに前に行うという問題 避難指示にしても、もっと強い言葉で「強制避難」という言い方も含めて、風雨の強くなる前の思い切り前倒して、実施する、その際には顔の見える首長が、「空振りの場合は責任を取る」覚悟でリーダーシップを取る、そのような姿が実務的に求められる
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