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ネットビジネス(その13)(UUUMが「過去最大の赤字」 創業10年で迎えた危機 ショート動画拡大が逆風に 決死の人員削減へ、UUUMが「YouTuberビジネス」でつまずいた真相 潮流の変化追いつけず 「UUUM離れ」じわり加速、「ケンタとローチケ」炎上したアプリ改悪の共通点 企業と消費者のコミュニケーションが遮断された) [イノベーション]

ネットビジネスについては、2022年3月6日に取上げた。今日は、(その13)(UUUMが「過去最大の赤字」 創業10年で迎えた危機 ショート動画拡大が逆風に 決死の人員削減へ、UUUMが「YouTuberビジネス」でつまずいた真相 潮流の変化追いつけず 「UUUM離れ」じわり加速、「ケンタとローチケ」炎上したアプリ改悪の共通点 企業と消費者のコミュニケーションが遮断された)である。

先ずは、昨年7月20日付け東洋経済オンライン「UUUMが「過去最大の赤字」、創業10年で迎えた危機 ショート動画拡大が逆風に、決死の人員削減へ」を紹介いよう。
https://toyokeizai.net/articles/-/688000
・『創業から10年、国内最大のYouTuber事務所が危機にさらされている。 ヒカキンなどの人気YouTuberが所属するUUUMは7月14日、2023年5月期決算を発表した。売上高は230億円(前期比2.1%減)、営業損益は1.9億円の赤字(前期は9.7億円の黒字)と、2017年の上場以来初の営業赤字に転落した。最終損益も、投資有価証券の評価損を計上したことで10.5億円の大赤字に沈んだ。 所属YouTuberのショート動画以外の通常の動画で再生数が伸び悩み、アドセンス(YouTube広告)収入が落ち込んだほか、急拡大するインフルエンサーマーケティングへの乗り遅れやスマホゲームの開発期間が延びたことが減収減益の要因となった。 さらに売上原価にP2Cブランド(YouTuberらを起点としたブランド商品)の棚卸資産評価損を7億円弱計上しており、これも営業損益に響いた。コロナ禍で見通しが不透明な中、欠品を防ぐために強気の仕入れを行った影響という』、減益要因には、「急拡大するインフルエンサーマーケティングへの乗り遅れやスマホゲームの開発期間が延びたこと」など一時的要因もあるようだ。
・『UUUMを襲った「ショートショック」  「YouTubeショートショック」――。今回の赤字決算をめぐり、ネット上などではそんな言葉が飛び交った。 UUUMは2023年に入って以降、4月と7月の2回にわたって業績予想を下方修正していた。その際、いずれも「YouTubeショートの再生回数増加に伴い、通常の動画の再生回数が想定を下回った」ことを要因の1つに上げた。) YouTubeショートとは、最大60秒の縦型動画のことで、日本では2021年からYouTube上でサービスが開始されている。Google合同会社でYouTubeクリエイターエコシステムパートナーシップ統括部長を務めるイネス・チャ氏によれば、「(ショートは)Z世代の若者を中心に多く利用され、通常の動画への誘導に使われている」という。 ショート動画人気の火付け役となったのは、中国のバイトダンスが運営するTikTok(ティックトック)だ。今ではYouTubeにおいても人気コンテンツとなり、再生数の多くをショートが占めるようになってきている。実際、UUUMでも直近の3月から5月にかけては、ショートの再生数が通常の動画の再生数を上回る水準にまで増加した。 ショートの急速な拡大を受けて、YouTubeは2023年2月からショートへの収益分配も開始した。これまで広告収益の対象となっていた通常の動画だけでなく、ショートからも収益を得られるようにしたのだ。 (UUUMの業績推移はリンク先参照) しかしUUUMにとって、ショートからの収益が入ったところで通常の動画の急速な落ち込みをカバーするには至らなかった。 とある業界関係者によれば「ショートから得られる広告収益は通常の動画と比べると微々たるもの。1億回の再生数に対して100万円程度(1再生あたり0.01円)なので、採算はとりづらい」と明かす。「通常の動画の1再生当たりの単価は0.3~2円程度」(同関係者)であることから、ショートはかなり多くの人に見られない限りお金にならないようだ。 「ショートではアルゴリズムの関係で、チャンネル登録者数に関係なく動画が再生されるため、新規のYouTuberは認知されやすくても、人気YouTuberほど恩恵が小さい」。UUUM関係者はそう漏らす。人気YouTuberを数多く抱えるUUUMにとっては、不利な状況ともいえる』、「ショートから得られる広告収益」は、「1再生あたり0.01円」と、「通常の動画の1再生当たりの単価は0.3~2円程度」に比べ少ないので、「採算はとりづらい」ようだ。
・『広告収入依存からの脱却を目指したが…  UUUMを襲った「ショートショック」の大きさは、同社がいまだアドセンス依存のビジネスモデルから抜け出せていない現実を如実に示している。 UUUMは2021年末ころからアドセンス収入の伸び悩みに直面し、一部のトップクリエイター頼みの構造になっていたことから、アドセンス依存の脱却を掲げて専属クリエイターの数を大幅に減らしてきた。2021年5月末時点で313組だった専属クリエイターは、2023年5月末時点では181組にまで減少している。 その代わりに、新たな収益柱として育成を目指したのがP2Cブランドやグッズ販売だ。契約解消となった専属クリエイターについても、ブランド商品の展開がうまくいくか否かを基準に選別したとみる関係者が多い。) 例えば、同社専属のYouTuberである竹脇まりな氏と共同で展開するブランド「MARINESS」では、プロテインが大ヒットとなり、業績にも寄与している。4月にはヒカキンによる初のブランド「HIKAKIN PREMIUM(ヒカキン プレミアム)」を始動させ、カップラーメンの「みそきん」は発売後すぐに売り切れとなるなど、大きな話題を呼んだ。 (UUUMの売上高内訳はリンク先参照) こうしたP2Cブランドなどの積極展開を進めるものの、2023年5月期の売上高ではアドセンスが約4割と、依然として大きな割合を占めている。拡大するインフルエンサーマーケティングへの対応の遅れや、P2Cでも前述の通り在庫コントロールの難しさから評価損を出すなど、思うように事業を伸ばせていないのが現状だ』、「売上高ではアドセンスが約4割と、依然として大きな割合を占めている。拡大するインフルエンサーマーケティングへの対応の遅れや、P2Cでも前述の通り在庫コントロールの難しさから評価損を出すなど、思うように事業を伸ばせていないのが現状だ」、なるほど。
・『構造改革で15~20%の人員を削減  UUUMは過去最大の赤字を計上したことを踏まえて、大規模な構造改革を実施すると発表した。 柱の1つが人員削減だ。今2024年5月期中に、契約社員も含めて全体の15~20%程度の人員を削減するという。 UUUMの従業員数は、2023年5月末時点で677人(臨時雇用を含む)。専属クリエイターを大幅に減らした一方、業界内では「本部社員が多すぎる」との声も上がっていただけに、業績低迷が続く中ではやむを得ない決断だろう。 会社側は人員削減の対象者数や詳細なスキームを明らかにしていないが、取材に対し「生産性の高い事業への人員配置を行うことで、人的資源の最適化を進める」と回答している。 不採算事業の整理にも着手する。収益改善の難しい自社運営チャンネルや一部のP2Cブランド、さらにはライブ配信事業からも撤退する。ライブ配信事業は2022年に「LIVE Network by UUUM」というライブ配信者向けの事務所を設立するなど、事業を本格化させたばかり。「事業の撤退に合わせ、今後の運営については社内で検討する」(UUUM IR担当者)という。異例の早期撤退には同社の焦りもうかがえる。 今回の決算について、「過去最大の赤字は、過去最高益のために」と弁明したUUUM。数々のリストラ策によって一時的な収益改善効果は期待できるものの、過去最高益に向けた突破口はいまだ見えないままだ』、「UUUM。数々のリストラ策によって一時的な収益改善効果は期待できるものの、過去最高益に向けた突破口はいまだ見えないままだ」、その通りだ。

次に、昨年7月26日付け東洋経済オンライン「UUUMが「YouTuberビジネス」でつまずいた真相 潮流の変化追いつけず、「UUUM離れ」じわり加速」を紹介しよう。
https://toyokeizai.net/articles/-/689475
・『YouTuberビジネスのパイオニアは、かつての勢いを取り戻せるのか。 国内最大のYouTuber事務所であるUUUMは、7月14日に発表した2023年5月期決算において上場以来初の営業赤字へと転落した(詳細はこちら)。 同社はYouTuberへの注目度が急上昇していた2017年に上場。2019年には株価が一時6870円にまで達し、時価総額も1000億円を超えた。しかしここ1~2年は業績が低迷し、足元の株価はピーク時のおよそ10分の1の600円台半ばにしぼんでいる』、「同社はYouTuberへの注目度が急上昇していた2017年に上場。2019年には株価が一時6870円にまで達し、時価総額も1000億円を超えた。しかしここ1~2年は業績が低迷し、足元の株価はピーク時のおよそ10分の1の600円台半ばにしぼんでいる」、「株価はピーク時のおよそ10分の1」とはずいぶん落ち込んだものだ。
・『ショート動画の拡大が逆風?  UUUMは売上高が苦戦した要因の1つとして、「YouTubeショート」の再生回数増加に伴い、通常の動画の再生回数が想定を下回り、アドセンス(YouTube広告)収入が減少したことを挙げる。そのためネット上では、「ショートショック」という言葉も数多くささやかれた。 YouTubeショートとは、最大60秒の縦型動画のことで、日本では2021年からサービスが開始されている。一気に人気コンテンツとなり、UUUMでも直近の3月から5月にかけては、ショートの再生数が通常の動画を上回る水準にまで増加した。 一方、ショートは通常の動画よりも1再生当たりのアドセンスの単価が低い。またUUUM関係者は「(ショートが)チャンネル登録者数に関係なく動画が表示されるアルゴリズムとなっており、人気YouTuberほど恩恵が少ない」と漏らす。結果的に、通常の動画の落ち込みをカバーするには至らなかった。 しかし、このように外部要因の影響を強調するUUUM側の説明には疑問も残る。) Google合同会社でYouTubeクリエイターエコシステムパートナーシップ統括部長を務めるイネス・チャ氏は「YouTube全体としては、ショートの登場により、それ以外の動画の再生回数が減ったという事実はない」と断言する。 また、YouTube側はショートのアルゴリズムについて、チャンネル登録者数に関係なく動画が再生されるのは事実と認める一方、「(嗜好などに応じて)ユーザーが見たい動画が優先的に表示される仕組み」(イネス氏)と説明する。UUUMが多数抱えるような人気YouTuberほど不利な状況にある、との見方については否定した。 YouTuberの中には、ショートによって若者や海外視聴者をうまく取り込んで成功している例もある。例えば直近では、TikTok出身のクリエイターを中心に、ショートを数多く活用したYouTuberがチャンネル登録者数を急速に伸ばし始めている。UUUMで最多の登録者数(1140万人)を誇るヒカキンの2倍近いチャンネル登録者数を集めるクリエイターもいる。 その意味では、UUUMが苦境に陥った根因は、ショート人気という潮流の変化を機微にとらえたクリエイターの育成・サポートができなかった点にあるとも言えるだろう』、「UUUMが苦境に陥った根因は、ショート人気という潮流の変化を機微にとらえたクリエイターの育成・サポートができなかった点にあるとも言える」、なるほど。
・『人気YouTuberを囲い込めなくなった理由  そもそもUUUMの苦境は、ショートショック以前から始まっていた。 ヒカキンやはじめしゃちょーなど、かつてはトップYouTuberが次から次へとUUUMに集う状況だったが、近年は同社に所属していないYouTuberの活躍が目立つ。「近年勢いのある”新世代YouTuber”たちの中で、UUUM所属はエスポワール・トライブくらい」。業界関係者はそう分析する。 (UUUMの業績推移については、リンク先参照) UUUMが人気YouTuberの囲い込みに苦戦している要因について、元UUUM専属のYouTuberのおのだまーしー氏は「(UUUMが)報酬に見合ったサポートを提供できていないことが大きいのではないか」と話す。 UUUMはYouTuberとの通常の専属契約において、企業とのタイアップ案件の提案やイベントへの招待、担当社員との定例ミーティングなどのサポートを行っている。これらの対価として、UUUM側は多くの場合、アドセンス収入の20%(YouTube外のタレント活動については25%)を徴収しているとされる。) 動画の再生数が増えるほどUUUM側が受け取る対価も増える仕組みだが、一般的に、YouTuberは企画から撮影、投稿まで動画制作のほぼすべての工程を自分で行うことが多い。そのため、「クリエイターが人気になるほど、UUUM側のサポートが20%の対価に見合わなくなってしまう構造にある」(おのだまーしー氏)という。 チャンネル登録者数が増えて一定の収入を稼げるレベルに達すると、対価を支払いながらUUUMのサポートを受けるよりも、独立してマネジャーなどを自ら雇ったほうが安くつくケースもあるようだ。 とくにコロナ期間中はイベントが開催できず、企業の広告出稿意欲も落ち込み、タイアップなどの案件が減少した一方、巣ごもり特需で動画再生数は増えた。そのため「イベント開催や案件紹介などUUUMからのサポートが減少する一方で、UUUM側に支払う対価は増えていた」(業界関係者)。そうした事情もあってか、複数の業界関係者によれば、コロナ禍以降にUUUMからYouTuberが独立する動きが目立ったという』、「YouTuberは企画から撮影、投稿まで動画制作のほぼすべての工程を自分で行うことが多い。そのため、「クリエイターが人気になるほど、UUUM側のサポートが20%の対価に見合わなくなってしまう構造にある」・・・という。 チャンネル登録者数が増えて一定の収入を稼げるレベルに達すると、対価を支払いながらUUUMのサポートを受けるよりも、独立してマネジャーなどを自ら雇ったほうが安くつくケースもあるようだ」、なるほど。
・『YouTuberのビジネスモデルに変化も  アドセンスを柱に成長してきたUUUMにとっては、昨今のYouTuberビジネスの変容も逆風となった。 「『YouTubeでどう稼ぐか』から、『YouTubeを使ってどう稼ぐか』に変わった」。YouTuberを軸にしたビジネスを数多く展開するサムライパートナーズの入江巨之代表取締役は、そう話す。 入江氏は2019年に、人気YouTuberのヒカルらとともにアパレルブランド「ReZARD」を立ち上げた。立ち上げから3年で累計売り上げが70億円を突破し、YouTuberによる新たなビジネスモデルの先駆けとして知られる。 YouTuberの間では目下、こうしたYouTube以外の場での収益拡大を模索する動きが広がっている。チャンネル間での競争激化やYouTubeの広告費の伸び鈍化などにより、広告収入のみでの収益化の難易度が増したことが背景にある。UUUMにおいても、最大の収益柱であるアドセンス収入は2021年頃から伸び悩みに直面していた。 UUUMも手をこまぬいているわけではない。例えば、ヒカキンによる新ブランド「HIKAKIN PREMIUM(ヒカキン プレミアム)」から2023年5月に発売されたカップラーメン「みそきん」は、各地で品切れが相次ぐなど話題を呼んだ。 しかし、同社から展開されるP2Cブランド(YouTuberらを起点としたブランド商品)はプロテインやグミ、カップラーメンなど単価の低いものが目立つ。ある業界関係者は「ヒカキンなどのUUUM所属YouTuberは子どものファンが多い。そのため単価の高い商品を販売しづらいのではないか」と話す。) 現状、UUUMの主な収益源は3つ。アドセンスとP2Cブランド(グッズ)、そしてマーケティングだ。 アドセンス依存脱却に向けて強化に乗り出したP2Cブランドは、前2023年5月期に多額の在庫評価損を計上するなど、本格的な収益貢献までには課題も多い。そこで改めて今、同社が強化する姿勢を明確にしているのがマーケティング領域だ』、「アドセンス依存脱却に向けて強化に乗り出したP2Cブランドは、前2023年5月期に多額の在庫評価損を計上するなど、本格的な収益貢献までには課題も多い。そこで改めて今、同社が強化する姿勢を明確にしているのがマーケティング領域だ」、なるほど。
・『国内インフルエンサーマーケティング市場の規模  インフルエンサーを活用したマーケティングの需要は年々拡大傾向にあり、今後も大きな成長が予測されている。YouTuberを数多く抱えるUUUMにとっては好機だが、前期はそのマーケティング領域でも減収となり、旺盛な需要をうまく取り込めていない状況にある。 同社のIR担当者は「(マーケティング領域は)市場の拡大による案件の分散化や、クライアントのニーズの多様化への対応が遅れてしまった」と認めたうえで、「現在は、タイアップなどの既存の広告メニューとは違った新たな広告メニューへの対応を推進している」と説明する』、「マーケティングの需要は年々拡大傾向にあり、今後も大きな成長が予測されている。YouTuberを数多く抱えるUUUMにとっては好機だが、前期はそのマーケティング領域でも減収となり、旺盛な需要をうまく取り込めていない状況にある・・・市場の拡大による案件の分散化や、クライアントのニーズの多様化への対応が遅れてしまった」と認めたうえで、「現在は、タイアップなどの既存の広告メニューとは違った新たな広告メニューへの対応を推進している」、なるほど。
・『マーケ強化へ役員を社外から2人登用  UUUMは今期、人員削減などの構造改革に乗り出す一方、テクノロジー投資は8400万円の増加を見込む。テクノロジーの活用によって多様な広告メニューを開発することで、マイクロインフルエンサーとよばれる小規模のクリエイターにまで低コストでマーケティングを展開できるようにするという。 クリエイティブやPR領域に強い役員を社外から2人登用し、PR・コンサル領域で勢いのあるマテリアル社との業務提携も発表した。UUUMはこうした新規領域がアドセンスに次ぐ収益柱となることで、今後の再成長につなげられると想定する。 創業10年目にして厳しい状況に陥ったUUUMだが、今も業界最大手のポジションにあることには変わりない。過去最大の赤字という逆境を乗り越えられるか。今が正念場だ』、「創業10年目にして厳しい状況に陥ったUUUMだが、今も業界最大手のポジションにあることには変わりない。過去最大の赤字という逆境を乗り越えられるか。今が正念場だ」、その通りだろう。

第三に、本年4月18日付け東洋経済オンラインが掲載したネットメディア研究家・コラムニスト・炎上ウォッチャーの城戸 譲氏による「「ケンタとローチケ」炎上したアプリ改悪の共通点 企業と消費者のコミュニケーションが遮断された」を紹介しよう。
https://toyokeizai.net/articles/-/748953
・『ケンタッキーフライドチキン(KFC)のスマートフォンアプリが、アップデートによって改悪したと「炎上」している。ユーザーインターフェースが大幅変更され、商品メニューを開くのですら一苦労。SNSでもアプリストアでも、不評が相次いで投稿されている。 新たな「顧客接点」として存在感を示すスマホアプリだが、仕様変更によって、マイナス印象を残すことも少なくない。先日はローソンチケットのアプリも、リニューアルによって、使い勝手が悪くなったと話題になった。 アップデートによって「燃えた」2つのアプリを見ながら、実店舗とスマホにおける「購買体験」の違いを考えてみよう』、「アップデートによって「燃えた」2つのアプリを見ながら、実店舗とスマホにおける「購買体験」の違いを考えてみよう」、「アップデートによって「燃えた」2つのアプリを見ながら、実店舗とスマホにおける「購買体験」の違いを考えてみよう」、「アップデート」によって使い勝手が悪くなり、「炎上」するのは、有り得る話だ。
・『「まれに見る大改悪」と評判に  KFCのスマートフォン用アプリは、2024年4月初旬にリニューアルされた。旧アプリと別に用意されているわけではなく、アプリストアで更新をかければ、すぐ反映されるようになっている。つまり「半強制移行」と言えるだろう。 そんな新アプリが、これまで以上に使い勝手がいいのなら、何の問題もない。しかしリリース直後から、SNS上では「ログインできない」「なかなかメニュー画面にたどり着けない」「クーポンも見にくい」といった指摘が相次ぎ、「まれに見る大改悪」と評判になってしまっている。 AppleのAppStoreを見てみると、このアプリは4月18日正午時点で、星4.5とそれなりに評価が高い。しかし、そのほとんどは旧アプリに対する評価で、4月に入ってからは「星1」だらけに。コメントも「絶望感が漂う」「削除することにした」「カーネルおじさんも泣いている」などと辛辣な内容が書き込まれている。) 突然ネットサービスの仕様が変わり、ユーザーの困惑を招くケースは珍しくない。直近では「ローチケ」の愛称で知られるローソンチケットのアプリも、改悪だと話題になった。こちらも4月上旬に変更が行われたのだが、その内容が「チケットが消えるのでは」との心配を招いたこともあり、炎上状態となった。 新しいローチケアプリでは、不正・転売の防止を理由に、電子チケットの表示(ダウンロード)後に機種変更や、アプリの再インストールを行うと、チケットを再表示できなくなった。もし再表示できなくなっても、カスタマーセンターでの状況確認を経れば、再表示できるのだが、その説明が十分でなかったために、ユーザーを混乱させる事態となった。この点は、KFCアプリにも通ずるところだ』、「KFCのスマートフォン用アプリ」は「リリース直後から、SNS上では「ログインできない」「なかなかメニュー画面にたどり着けない」「クーポンも見にくい」といった指摘が相次ぎ、「まれに見る大改悪」と評判になってしまっている」、「新しいローチケアプリでは、不正・転売の防止を理由に、電子チケットの表示(ダウンロード)後に機種変更や、アプリの再インストールを行うと、チケットを再表示できなくなった。もし再表示できなくなっても、カスタマーセンターでの状況確認を経れば、再表示できるのだが、その説明が十分でなかったために、ユーザーを混乱させる事態となった」、ベンダー任せにせず、自社でテストしてみればこうした問題は起きない筈だ。自社でテストが不十分だったのだろう。
・『商品ページすら、なかなかたどり着かず…  話題のKFCアプリを実際に触ってみた。開くとまず、画面上部に「まずは受取方法と店舗を選択」の説明文とともに、「注文する」のボタンが表示される。それを押すと、「お持ち帰り」か「デリバリー」を選択する画面が現れ、いずれか選択すると、店舗選択画面が現れる……と、階層は何段階も深くなるものの、なかなか商品にはたどり着かない。 改めて、トップ画面に戻って、下部へスクロールすると「メニュー」のタイル画像があった。そうそう、これが知りたかったんだよ、とタップするも、また「お持ち帰り」「デリバリー」の壁が立ちはだかる。 軽減税率や商圏の関係で、価格が一律でないのは理解できるが、ただ単に「どんな商品が出ているか」が知りたいだけでも、これだけの手間を求められてしまう。 また、あらゆる画面で会員ログインを求められるが、これまでのデータは消えているため、手こずるユーザーも少なくないだろう。「パスワードは覚えておいてよ」とKFC側は思うかもしれないが、リアルなユーザーはこんなものではないだろうか。 ネットメディア編集者である筆者の感覚からすれば、「改悪」だの「劣化」だのといった表現は、冗談まじりのネットスラングとして、一般的なイメージよりフランクに使われている。とはいえ、実際にアプリを使ってみると、今回の「改悪」は誇張ではなく、まさに……という感想だ。) 筆者は数カ月前まで「KFC店舗から徒歩5分」に住んでいたので、旧アプリの使い勝手は、それなりに理解しているつもりだ。まだ新アプリを店頭で使ったことはないが、ちょっと触っただけでも、大きく利便性が損なわれていることはわかる』、「今回の「改悪」は誇張ではなく、まさに……という感想だ・・・まだ新アプリを店頭で使ったことはないが、ちょっと触っただけでも、大きく利便性が損なわれていることはわかる」かなり酷いようだ。
・『突然の仕様変更で、愛着すら消えてしまう危険性  そして、そのうえで感じるのは、これは「単なるアプリの改悪」にとどまらないのではないかという懸念だ。今まで築いてきた、企業と消費者のコミュニケーションや信頼関係が、今回の件をもって崩れ去ってしまったのではないかと感じるのだ。 実店舗やデリバリーでの商品提供のみならず、その注文過程も「購買体験」の一環となる。KFCアプリには、以前より購入頻度に応じたマイレージプログラムが用意されているが、これもまたユーザーの愛着を増す施策と言えるだろう。 ゆえに、突然の仕様変更によって、愛着すら消えてしまう危険性がある。これはKFCのみならず、実店舗とECなどを両面展開し、その結節点にスマートフォンを位置づけている企業であれば、さほど珍しい話ではない。 そして、ここが筆者の考える、KFCアプリとローチケアプリの相違点だ。やや辛辣な表現になってしまうかもしれないが、数あるチケットアプリのなかで、ローチケに思い入れを抱いている人は多くないだろう。アーティストや贔屓のスポーツチームのチケットがお目当てなわけで、アプリは目的ではないからだ。今回のような騒動があっても、「じゃあ他のアプリを使おう」と、サラッと鞍替えする可能性が高い。 しかし、KFCアプリは違う。ケンタのチキンやカーネルクリスピーをお得に食べたいから消費者は、KFCアプリをダウンロードしている。そのコミュニケーションが、改悪によって遮断されてしまったのだ。 ところで、筆者はドラッグストア「ココカラファイン」を愛用しているのだが、マツモトキヨシとの経営統合から数年たち、ついに先日、「マツキヨココカラ」の新アプリへと切り替えてくれとアナウンスされた。こちらはKFCと違って、旧アプリと新アプリが別に用意されているが、それはそれで別途インストール&アンインストールの手間がかかる。新居の最寄りは「サンドラッグ」だから、この機会に、そちらへ浮気しようかなと考え中だ。) KFCもローチケも、はたまたマツキヨココカラも、経営戦略の一環として、アプリを仕様変更しているはずだ。その過程には、社内のマニュアルづくりで変えられる接客と違って、アプリは小売業者が内製化しにくく、開発業者の能力に大きく左右されるところもあり、結果的に使用感をコントロールしづらい事情もあるだろう。 しかしながら、消費者に企業の事情は関係なく、「利便性が高いか、否か」が評価軸となる。店舗そのものでの顧客体験は変わらなくても、接点であるアプリの変化によって、消費者は評価するということを、企業側は忘れてはならない。——などといった話を書くと、「いずれ慣れるから気にするな」との意見が出がちだ。確かにごもっともだが、結果として慣れるのであれば、過渡期には消費者を振り回していいのかとなると、ちょっと疑問符が浮かぶ。 たとえばセルフレジは、ここ数年でかなり浸透した。キャッシュレス化の波に加えて、コロナ禍による衛生意識の高まりもあり、スムーズに操作できるようになった人も多いだろう。とはいえ、私ですら完全には慣れていない。 先日とあるスーパーで、完全ノンアルコールの「割り材」をセルフレジに通したら、店員確認が必要だと出てきた。駆け寄る店員さんに申し訳なさを覚えつつ、「次からは通常レジに持っていこうかな」と反省。これもまた、慣れるための通過儀礼なのだろう。 あくまでレアケースだ、と言われればそれまでだ。ただKFCの新アプリは、その前段階である通常使用の場面でも、大きな困惑を生んでいる。今回のみならず、「リリースする前に、なぜGOサインを出したのか」に疑問が投げかけられることは多々ある』、「ローチケに思い入れを抱いている人は多くないだろう。アーティストや贔屓のスポーツチームのチケットがお目当てなわけで、アプリは目的ではないからだ。今回のような騒動があっても、「じゃあ他のアプリを使おう」と、サラッと鞍替えする可能性が高い。 しかし、KFCアプリは違う。ケンタのチキンやカーネルクリスピーをお得に食べたいから消費者は、KFCアプリをダウンロードしている。そのコミュニケーションが、改悪によって遮断されてしまったのだ・・・KFCもローチケも、はたまたマツキヨココカラも、経営戦略の一環として、アプリを仕様変更しているはずだ。その過程には、社内のマニュアルづくりで変えられる接客と違って、アプリは小売業者が内製化しにくく、開発業者の能力に大きく左右されるところもあり、結果的に使用感をコントロールしづらい事情もあるだろう。 しかしながら、消費者に企業の事情は関係なく、「利便性が高いか、否か」が評価軸となる。店舗そのものでの顧客体験は変わらなくても、接点であるアプリの変化によって、消費者は評価するということを、企業側は忘れてはならない。——などといった話を書くと、「いずれ慣れるから気にするな」との意見が出がちだ。確かにごもっともだが、結果として慣れるのであれば、過渡期には消費者を振り回していいのかとなると、ちょっと疑問符が浮かぶ・・・KFCの新アプリは、その前段階である通常使用の場面でも、大きな困惑を生んでいる。今回のみならず、「リリースする前に、なぜGOサインを出したのか」に疑問が投げかけられることは多々ある」、なるほど。
・『「今日、ケンタッキーにしない?」といかなくなる?  先ほど「アプリの改悪にとどまらないのでは」と指摘したのは、まさにここから、ガバナンスやコンプライアンスといった、企業としての姿勢が透けてみえてしまうからだ。 KFCのテレビCMは「今日、ケンタッキーにしない?」のキャッチコピーで知られるが、それはあくまで「選択肢」として位置づけられている前提のもとで機能する。顧客第一でないと思われてしまえば、選択肢にすら上がらなくなってしまう。そういう意味でも、新アプリによる代償は大きいと感じるのだ』、「KFCのテレビCMは「今日、ケンタッキーにしない?」のキャッチコピーで知られるが、それはあくまで「選択肢」として位置づけられている前提のもとで機能する。顧客第一でないと思われてしまえば、選択肢にすら上がらなくなってしまう。そういう意味でも、新アプリによる代償は大きいと感じるのだ」、全く同感である。
タグ:ネットビジネス (その13)(UUUMが「過去最大の赤字」 創業10年で迎えた危機 ショート動画拡大が逆風に 決死の人員削減へ、UUUMが「YouTuberビジネス」でつまずいた真相 潮流の変化追いつけず 「UUUM離れ」じわり加速、「ケンタとローチケ」炎上したアプリ改悪の共通点 企業と消費者のコミュニケーションが遮断された) 東洋経済オンライン「UUUMが「過去最大の赤字」、創業10年で迎えた危機 ショート動画拡大が逆風に、決死の人員削減へ」 減益要因には、「急拡大するインフルエンサーマーケティングへの乗り遅れやスマホゲームの開発期間が延びたこと」など一時的要因もあるようだ。 「ショートから得られる広告収益」は、「1再生あたり0.01円」と、「通常の動画の1再生当たりの単価は0.3~2円程度」に比べ少ないので、「採算はとりづらい」ようだ。 「売上高ではアドセンスが約4割と、依然として大きな割合を占めている。拡大するインフルエンサーマーケティングへの対応の遅れや、P2Cでも前述の通り在庫コントロールの難しさから評価損を出すなど、思うように事業を伸ばせていないのが現状だ」、なるほど。 「UUUM。数々のリストラ策によって一時的な収益改善効果は期待できるものの、過去最高益に向けた突破口はいまだ見えないままだ」、その通りだ。 東洋経済オンライン「UUUMが「YouTuberビジネス」でつまずいた真相 潮流の変化追いつけず、「UUUM離れ」じわり加速」 「同社はYouTuberへの注目度が急上昇していた2017年に上場。2019年には株価が一時6870円にまで達し、時価総額も1000億円を超えた。しかしここ1~2年は業績が低迷し、足元の株価はピーク時のおよそ10分の1の600円台半ばにしぼんでいる」、「株価はピーク時のおよそ10分の1」とはずいぶん落ち込んだものだ。 「UUUMが苦境に陥った根因は、ショート人気という潮流の変化を機微にとらえたクリエイターの育成・サポートができなかった点にあるとも言える」、なるほど。 「YouTuberは企画から撮影、投稿まで動画制作のほぼすべての工程を自分で行うことが多い。そのため、「クリエイターが人気になるほど、UUUM側のサポートが20%の対価に見合わなくなってしまう構造にある」・・・という。 チャンネル登録者数が増えて一定の収入を稼げるレベルに達すると、対価を支払いながらUUUMのサポートを受けるよりも、独立してマネジャーなどを自ら雇ったほうが安くつくケースもあるようだ」、なるほど。 「アドセンス依存脱却に向けて強化に乗り出したP2Cブランドは、前2023年5月期に多額の在庫評価損を計上するなど、本格的な収益貢献までには課題も多い。そこで改めて今、同社が強化する姿勢を明確にしているのがマーケティング領域だ」、なるほど。 「マーケティングの需要は年々拡大傾向にあり、今後も大きな成長が予測されている。YouTuberを数多く抱えるUUUMにとっては好機だが、前期はそのマーケティング領域でも減収となり、旺盛な需要をうまく取り込めていない状況にある・・・市場の拡大による案件の分散化や、クライアントのニーズの多様化への対応が遅れてしまった」と認めたうえで、「現在は、タイアップなどの既存の広告メニューとは違った新たな広告メニューへの対応を推進している」、なるほど。 「創業10年目にして厳しい状況に陥ったUUUMだが、今も業界最大手のポジションにあることには変わりない。過去最大の赤字という逆境を乗り越えられるか。今が正念場だ」、その通りだろう。 東洋経済オンライン 城戸 譲氏による「「ケンタとローチケ」炎上したアプリ改悪の共通点 企業と消費者のコミュニケーションが遮断された」 「アップデートによって「燃えた」2つのアプリを見ながら、実店舗とスマホにおける「購買体験」の違いを考えてみよう」、「アップデートによって「燃えた」2つのアプリを見ながら、実店舗とスマホにおける「購買体験」の違いを考えてみよう」、「アップデート」によって使い勝手が悪くなり、「炎上」するのは、有り得る話だ。 「KFCのスマートフォン用アプリ」は「リリース直後から、SNS上では「ログインできない」「なかなかメニュー画面にたどり着けない」「クーポンも見にくい」といった指摘が相次ぎ、「まれに見る大改悪」と評判になってしまっている」、「新しいローチケアプリでは、不正・転売の防止を理由に、電子チケットの表示(ダウンロード)後に機種変更や、アプリの再インストールを行うと、チケットを再表示できなくなった。 もし再表示できなくなっても、カスタマーセンターでの状況確認を経れば、再表示できるのだが、その説明が十分でなかったために、ユーザーを混乱させる事態となった」、ベンダー任せにせず、自社でテストしてみればこうした問題は起きない筈だ。自社でテストが不十分だったのだろう。 「今回の「改悪」は誇張ではなく、まさに……という感想だ・・・まだ新アプリを店頭で使ったことはないが、ちょっと触っただけでも、大きく利便性が損なわれていることはわかる」かなり酷いようだ。 「ローチケに思い入れを抱いている人は多くないだろう。アーティストや贔屓のスポーツチームのチケットがお目当てなわけで、アプリは目的ではないからだ。今回のような騒動があっても、「じゃあ他のアプリを使おう」と、サラッと鞍替えする可能性が高い。 しかし、KFCアプリは違う。ケンタのチキンやカーネルクリスピーをお得に食べたいから消費者は、KFCアプリをダウンロードしている。そのコミュニケーションが、改悪によって遮断されてしまったのだ・・・ KFCもローチケも、はたまたマツキヨココカラも、経営戦略の一環として、アプリを仕様変更しているはずだ。その過程には、社内のマニュアルづくりで変えられる接客と違って、アプリは小売業者が内製化しにくく、開発業者の能力に大きく左右されるところもあり、結果的に使用感をコントロールしづらい事情もあるだろう。 しかしながら、消費者に企業の事情は関係なく、「利便性が高いか、否か」が評価軸となる。 店舗そのものでの顧客体験は変わらなくても、接点であるアプリの変化によって、消費者は評価するということを、企業側は忘れてはならない。——などといった話を書くと、「いずれ慣れるから気にするな」との意見が出がちだ。確かにごもっともだが、結果として慣れるのであれば、過渡期には消費者を振り回していいのかとなると、ちょっと疑問符が浮かぶ・・・KFCの新アプリは、その前段階である通常使用の場面でも、大きな困惑を生んでいる。今回のみならず、「リリースする前に、なぜGOサインを出したのか」に疑問が投げかけられることは多々あ る」、なるほど。 「KFCのテレビCMは「今日、ケンタッキーにしない?」のキャッチコピーで知られるが、それはあくまで「選択肢」として位置づけられている前提のもとで機能する。顧客第一でないと思われてしまえば、選択肢にすら上がらなくなってしまう。そういう意味でも、新アプリによる代償は大きいと感じるのだ」、全く同感である。
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