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北朝鮮問題(その21)(北朝鮮・金正恩の実妹はなぜ昇進しなかったか 党大会で降格人事だが将来の復帰可能性も大、北朝鮮 「自力更生」路線に先祖返りで日朝関係・拉致問題は漂流の気配、韓国文政権の「北朝鮮で原発建設」疑惑で米韓に亀裂か 元駐韓大使が解説) [世界情勢]

北朝鮮問題については、昨年6月18日に取上げた。今日は、(その21)(北朝鮮・金正恩の実妹はなぜ昇進しなかったか 党大会で降格人事だが将来の復帰可能性も大、北朝鮮 「自力更生」路線に先祖返りで日朝関係・拉致問題は漂流の気配、韓国文政権の「北朝鮮で原発建設」疑惑で米韓に亀裂か 元駐韓大使が解説)である。

先ずは、本年1月13日付け東洋経済オンラインが転載したソウル新聞「北朝鮮・金正恩の実妹はなぜ昇進しなかったか 党大会で降格人事だが将来の復帰可能性も大」を紹介しよう。
https://toyokeizai.net/articles/-/403321
・『北朝鮮の朝鮮労働党第8回党大会で党中枢の人事が行われたが、下馬評では昇進すると予想されていた金与正(キム・ヨジョン)党第1副部長が、昇進どころか現在の党政治局候補委員という地位も失ったことがわかり、その背景に関心が集まっている』、どうしたのでろう。
・『権力中枢の常務委員になれなかった  今回の党大会で総書記となった金正恩(キム・ジョンウン)委員長の実妹であり、国政の全般に関与していると金委員長の最側近とも見られている彼女は、大会前までは権力中枢の党政治局常務委員になると予想されていた。今回、党部長職にも就かず、党中央委員会委員としてのみ名前を残した。とはいえ、今回の人事で彼女の政治的立場が弱まったとみるのは時期尚早だと、専門家の多くは見ている。 2017年に政治局候補委員となった金与正氏は、2018年に行われた3回の南北首脳会談では金委員長を補佐したことで、大きく注目されるようになった。2019年末からは党第1副部長として対南(韓国)事業を総括してきた。2020年6月、南北共同連絡事務所を北朝鮮が一方的に爆破したときには韓国と真っ向から対立する一方で、アメリカとの問題にも積極的に関与してきた。 こういった役割と立場を考えると、今回の党大会で金与正氏は昇進すると韓国の情報機関は予測しており、さらに常務委員にまで昇進するとの見方も一部ではあった。今回の党大会では、執行部が座る壇上の席にも着いていた。 しかし、今回昇進しなかったからといって、金与正氏の権力が弱まったとみるべきではないという分析が多い。韓国・経済社会研究院のシン・ボムチョル外交安保センター長は「今回の党大会は金委員長の地位を内実ともに高めるためであり、その過程で金与正氏を一時的に身を引かせたものではないか。いつでも彼女は再浮上できる」と見ている。 党政治局の中枢である常務委員会の人事では、81歳と最高齢で内閣総理をも務めた朴奉珠(パク・ポンジュ)氏が引退し、それまで候補委員だった趙勇元(チョ・ヨンウォン)党組織指導部第1副部長が常務委員となった。党序列20位前後だった候補委員から、序列5位にまで一気に昇進した。趙氏は、党中央委員会書記、党中央軍事委員会委員にも任命された』、一時は「金委員長」の健康不安説・死亡説まで流れていたが、これは全くガセネタだったようだ。
・『金委員長の“カバン持ち”が急浮上  金委員長の現地指導や視察の際には必ず同行していた趙氏の抜擢人事は、党体制整備と金委員長の地位強化を目指す今回の党大会を象徴する出来事だ。韓国・慶南大学極東問題研究所の林乙出(イム・ウルチュル)教授は、「指導部の世代交代とともに、対米関係と経済建設という2つの課題を抱える金委員長が実質的な成果と業績を積むことに注力しようとしている」と指摘する。 外交・安保政策では、対南問題を総括する金英哲(キム・ヨンチョル)党副委員長は党書記になれず、党部長にだけ名前を残した。これは、北朝鮮が対南担当の書記をなくし、部長だけを置いたことになる。北韓大学院大学の梁茂進(ヤン・ムジン)教授は、「対南担当の書記を置かないことで、韓国を担当する党の機能が相当弱まったとも言えるが、今後、金与正氏がそれを担当することを念頭に置いている可能性がある」と見ている。 対南政策を担当していた崔善姫(チェ・ソンヒ)外務省次官は党中央委員会委員から候補委員へ降格となり、対中外交を担当していた金成男(キム・ソンナム)党国際部第1副部長が党中央委員会部長に任命された。李善権(リ・ソングォン)外相は政治局候補委員の座を守った。(韓国「ソウル新聞」2021年1月12日)』、「対南担当の書記をなくし、部長だけを置いたことになる」、「韓国」はわざわざ工作するまでもないと、軽くみられた可能性もあるだろう。

次に、2月2日付けダイヤモンド・オンラインが掲載した朝日新聞編集委員の牧野愛博氏による「北朝鮮、「自力更生」路線に先祖返りで日朝関係・拉致問題は漂流の気配」を紹介しよう。
https://diamond.jp/articles/-/261380
・『5年ぶり労働大会と軍事パレード 見えた金正恩体制の今後  北朝鮮で1月12日まで開かれていた第8回朝鮮労働党大会で、最高指導者の金正恩氏が新しいポストの党総書記に就任した。 14日には平壌の金日成広場で軍事パレードも行われた。 党大会と軍事パレードから見えてきたものは、国際的な経済制裁や新型コロナウイルス感染、水害の「三重苦」のもとで独裁体制にも揺らぎが感じられる苦しい状況だ。 「自力更生」というかつての厳しい時代のスローガンが再び掲げられたのは、その象徴だ。 「拉致問題の解決」を最重要課題に掲げ、日朝関係改善をめざす日本政府は自力更生路線に戻る北朝鮮にどう対応していくのか』、「自力更生路線に戻」れば、「拉致問題の解決」の可能性が小さくなってしまいそうだ。
・『経済発展計画の失敗を認め「自力更生、自給自足」掲げる  5年ぶりに開かれた労働党大会は北朝鮮の窮状をさらけ出す場になった。 金正恩氏は2016年から昨年までの国家経済発展5カ年戦略について「途方もなく未達だった」と、失敗に終わったことを認めた。 国際社会からの経済制裁や新型コロナウイルス感染による中国との国境封鎖で貿易量が落ち込み、外貨収入が激減、加えて水害被害の打撃が大きかった。 正恩氏は21年からの新たな5カ年計画について「基本テーマは、依然として自力更生、自給自足である」と語った。 「自力更生」は、初代の金日成総書記の統治の時代から数十年にわたって、外貨不足や飢餓などの際に市民に苦労を押しつけるときに使われてきた常套(じょうとう)文句だ。 脱北した元党幹部の一人は「自力更生や艱苦奮闘という言葉を聞くと、ああ、また生活が苦しくなるのか、とよく思ったものだ」と語る。 通常の党大会は幹部人事などを決めるだけですぐに閉幕するのに、今回、正恩氏は新5カ年計画について詳細に説明し、部門別会議も開くなど、計画達成に懸けている様子だ。 ただ、内容は、金属や電力、農業などの部門の整備発展という、金日成時代から変わらぬ古色蒼然(そうぜん)とした内容にすぎなかった。 北朝鮮では現在も、75年前に終わった日本統治時代の道路や鉄道などのインフラが主に使われ続けている。さらに20年は中国との国境封鎖や制裁などで生産自体も落ち込んだ。 韓国の情報機関、国家情報院は昨年11月の国会説明で、原材料不足や設備の老朽化のため、北朝鮮の産業の設備稼働率が2011年に正恩氏が最高指導者になって以降で最低水準にあると報告した。 目標達成を目指そうにも、資金などの「先立つもの」への言及はないままだった』、「設備稼働率が」「2011年」「以降で最低水準」、しかもミサイルなどを作りまくっているので、民間需要は大幅マイナスだろう。
・『制裁やコロナでの国境閉鎖 外資導入進まず「先祖返り」  苦境を乗り切るためには、まずは外国資本が投資できるよう環境にすることだが、そのためには経済制裁が緩和されるように、ミサイル発射の抑制や核開発関連の疑惑をまずは払拭する必要がある。 また投資家から信頼してもらうため、法律や金融市場の整備など、市場経済の基盤となるインフラや制度が必要不可欠だ。 だが、こうした問題に対する答えも示されなかった。 大会では、ミサイルや核兵器などの開発状況を詳しく公表、多弾道型の大陸間弾道ミサイル(ICBM)の研究が「最終段階」にあることを表明するなど、制裁緩和の状況を作るというよりはバイデン米新政権を威嚇、けん制する姿勢の方が目立った。 外国資本が期待する投資環境の改善策も触れられなかった。 正恩氏は「経済管理の画期的な改善」に言及したが、その意味するところは、小売業や飲食店など、人々の生活に関連する部門は市場経済化を進めるということのようだ。 だがすでに日常の取引は公設市場などが作られ、かつての統制経済のような状況にはない。 今後の経済発展を考える場合、重要なのは経済全体の7割を占めるとされる軍需産業や鉄道・道路・電力などの基幹部門の近代化だが、これらの部門は党や軍幹部などの特権層が牛耳り、賄賂がはびこる。 外資が投資をしても、北朝鮮に利益が集中するようにルールがねじ曲げられ、もうかれば全部没収される。これまでも北朝鮮に投資した日本や中国、韓国の事業家の多くはこの“犠牲”になった。 かつて北朝鮮と合弁で携帯電話事業を展開したエジプトのオラスコム社は莫大な利益をあげたが、北朝鮮は「国外には持ち出せない」として、利益を独り占めにしている。 これでは、どこの国の事業家も北朝鮮に投資するはずがない。 正恩氏自身も外資呼び込みが重要と考えてはいるようだが、ロシアのオルガルヒ(新興富裕層)のような外資とつながった新しい権力層が誕生し、自らの基盤が揺らぐ恐れもあり、現状では大胆な導入策はとてもできないといったところだろう』、「外資が投資をしても、北朝鮮に利益が集中するようにルールがねじ曲げられ、もうかれば全部没収される」、「外資」導入にあたって最低限の要件すら欠いているようだ。
・『首脳外交での成果上がらず不満高まり体制揺らぐ危機感  そもそも今の北朝鮮は国際社会による制裁でがんじがらめになっており、外資も密貿易でもやらない限り、北朝鮮に投資できない状況になっている。 金正恩氏は2018年から19年にかけ、制裁緩和を狙ってトランプ米大統領と首脳外交を繰り広げたが、19年2月、ベトナム・ハノイで行われた第2回米朝首脳会談の決裂以降、米国との対話は断絶状態だ。 米朝外交をやっている当時から北朝鮮市民の間では戸惑いの声が出ていた。なにしろ、建国以来、指導部は米国を最大の敵と位置づけ、米国に対する敵愾(てきがい)心をあおることで国民の不満をそらし続けてきたからだ。 正恩氏が首脳外交で制裁緩和や経済協力などの成果を上げられれば、国民を納得させられたが、それも空振りに終わった。結局、党大会の報告は「完全無欠の核の盾を構築した」という先祖返りした内容でしかなかった。 経済を改善するための良い要素が一つも見つからない中で、行き着いたのが「自力更生」だった。「人民大衆第一主義」も掲げたが、これは国民の不満の高まりを意識し、自らの権力基盤が揺らぎかねないという危機感を抱いたからだろう』、「行き着いたのが「自力更生」」では、今後の苦境が思いやられる。
・『拉致被害者再調査を水面下で日朝協議 「合意」は頓挫、溝が残ったまま  日本は余裕のない北朝鮮とどう向き合っていけばいいのか。とりわけ拉致問題の解決は日朝関係改善をめざすうえで必要十分条件だ。 金正恩氏はかつて日朝協議を進めようとしたことがある。 2014年3月、モンゴル・ウランバートルで日本人拉致被害者、横田めぐみさんの両親とめぐみさんの娘、キム・ウンギョンさんの家族が面会した。 その2カ月後の5月には、日本が独自制裁の一部を解除する代わりに、北朝鮮が日本人拉致被害者らの再調査を行うというストックホルム合意が実現した。 当時の関係者の一人はこの動きについて、「権力者の座に就いた正恩氏が父親が失敗した日本からの経済支援を得ようとしたものだった」と話す。 北朝鮮は14年年秋ごろには、拉致被害者を巡る調査の中間報告を日本に出そうとした。 日本側がその内容を事前に探ったところ、「生存者の全員即時帰還」を掲げる被害者関係者の要請とはほど遠い可能性が高いと判断。あえてこの報告書を受け取らなかった。 その後、再調査は進展しないまま16年2月、北朝鮮が核実験と弾道ミサイルの発射実験をしたのを受けて、日本政府が再び独自制裁を決定すると、北朝鮮は反発し再調査の中止などを発表し合意は崩壊した。 日本政府内には14年当時、「不完全でも報告書を受け取り、その後に不備を追及した方がよい」という意見もあった。 ただ、「不完全な報告書を受け取れば、国内の世論が猛反発する」という政治判断から中間報告書を受け取らないことで一致したという。 「ストックホルム合意の崩壊で、正恩氏は日本を信用できない相手と感じたようだ」と、この当時の関係者の一人は振り返る。 金正恩氏はプライドを傷つけられたとも感じたようだ。 第1回の米朝首脳会談から間もない18年6月19日、北京で習近平国家主席と会談したが、習主席は首脳会談の成功を受けて、「これから日本との関係も避けて通れないだろう。拉致問題が必ず解決しなければならない問題として浮上する」と語ったという。 だが、正恩氏は「ご指摘の問題は理解しているが、今はまだその時期ではない」と答えたという。 その後、日本側からは安倍晋三首相(当時)が「無条件での日朝首脳会談」を提案する動きがあったが、北朝鮮からの反応はなかった。) 19年9月、平壌を訪れた故金丸信・元自民党副総裁の次男、金丸信吾氏と面会した北朝鮮の宋日昊朝日国交正常化交渉担当大使は、提案についてこう語ったという。 「安倍(首相)の発言は、単なる日本国民に向けた、『私はやっています』というパフォーマンスにすぎない。拉致問題が解決してしまったら困るのは安倍(首相)だ。(解決に向けて努力しているように見える)今の状況が一番いいのだ」 菅義偉政権も「無条件での日朝首脳会談」を呼びかけ、同時に「拉致問題の解決」を掲げるが、北朝鮮にしてみれば、菅首相も安倍前首相と同類に映っているようだ。 労働党の機関紙である朝鮮中央通信は昨年12月23日、加藤勝信官房長官が、「全ての拉致被害者の一日も早い帰国を実現すべく、政府も総力を挙げて最大限の努力を続けている」と述べたことについて、こう論評した。 「改めて強調するが、日本が騒ぐ拉致問題はすでに解決済みの問題だ」 北朝鮮側の姿勢には変化がない状況だ』、「拉致問題はすでに解決済みの問題」なのに、「「安倍(首相)の発言は、単なる日本国民に向けた、『私はやっています』というパフォーマンスにすぎない。拉致問題が解決してしまったら困るのは安倍(首相)だ。(解決に向けて努力しているように見える)今の状況が一番いいのだ」、というのは、案外、真相を突いている可能性がある。
・『東京五輪での金与正氏来日に日本側は期待するが  現在、日本政府内からは「東京オリンピック・パラリンピックに金正恩氏の実妹、金与正党副部長が来日してくれたら」と祈るような声が聞かれる。 与正氏に「拉致問題を解決すれば、日本が北朝鮮を経済支援できる」と訴えれば、与正氏が金正恩氏に会談に応じるよう説得してくれるだろう。独裁国家だから最高指導者が決断すれば流れは決まる、という思惑だ。 だがこれには根拠のない楽観論が含まれている。 第一にコロナの感染拡大が止まらない中で東京五輪が開かれる見通しは立っていない。五輪が開かれても、今回の労働党大会で党政治局員候補から中央委員に格下げになった与正氏が来日するのかどうかもわからない。 格下げの背景には、過度にスポットライトが当たり「ナンバー2」「(正恩氏の)後継者」という印象が強まれば、北朝鮮内で権力の分裂や混乱を招くという懸念があったとみられる。 仮に与正氏が来日して日本側と接触したとしても、与正氏が日本のために正恩氏を説得する役割を担ってくれるかどうかもわからない。 拉致問題が解決しても、北朝鮮の核・ミサイル問題が解決しない限り、国際社会による制裁が緩和されることはなく、日本からも経済支援を得られる環境にならないことは、北朝鮮側もよくわかっているからだ。 もし僥倖(ぎょうこう)が続いて、正恩氏が日朝首脳会談に応じる決意を固めたとしても、拉致問題の解決に至るかというと、その可能性も低い。 正恩氏は、建国の父とされた祖父の金日成主席のようなカリスマ性を持った指導者ではないからだ。祖国の解放者という実績もないし、パルチザンとして一緒に米国と戦った戦友のような人脈もない。 自らが党大会で国家経済発展5カ年戦略の失敗を認めたように、国民が評価する業績もまだ上げていない。 正恩氏が最高指導者でいられるのは「白頭山血統」と呼ばれる金日成主席の血筋だからだ。そして正恩氏を取り巻く特権層も、多くは金日成時代からのつながりがある軍や党の幹部らの親族や関係者らだ。 彼らも金日成主席の血筋がトップにある体制だからこそ、特権層としての富裕な暮らしを享受できている。正恩氏と特権層はいわば共生関係にある。 特権層の中には拉致問題に関与した部署の人間も含まれており、拉致問題の解決とは、自分たちが責任を取ることも意味する。そうなる可能性がある拉致門問題の解決を正恩氏に勧める可能性は少ないだろう』、「特権層の中には拉致問題に関与した部署の人間も含まれており、拉致問題の解決とは、自分たちが責任を取ることも意味する。そうなる可能性がある拉致門問題の解決を正恩氏に勧める可能性は少ないだろう」、なるほど。
・『日本が射程内の改良型ミサイル登場 バイデン新政権との連携が重要  1月14日に平壌で行われた軍事パレードも、日本にとっての懸念材料がまた増えただけだった。 パレードでは、昨年10月の労働党創建75周年のパレードで“登場”した新型大陸間弾道ミサイル(ICBM)は動員されなかったものの、19年春に試験発射した短距離弾道ミサイルが改良した形で登場したからだ。 機体はロシアのイスカンデルに似た「KN23」か、あるいは米国のATACMSに似た「KN24」のいずれかの改良型とみられる。昨年10月のパレードでは片側4輪の移動発射台に搭載されていたが、1月では片側5輪の発射台になり大型化されたようだ。 イスカンデルは射程600キロだが、改良によって1000キロ以上になったと分析する声も出ている。 金正恩氏は党大会で「戦術核兵器の開発」にも言及しており、北朝鮮は米国本土を狙えるというICBMの配備の前に、まずは日本を射程に収めた核弾頭ミサイルを大量に実戦配備するかもしれない。 日本の安全保障体制は、核抑止は米国の「核の傘」を頼っており、仮に北朝鮮が核弾頭ミサイルを配備するとなれば日本だけでは対応できない。より一層、日米の安全保障協力が必要になる。 20日、発足したバイデン新政権の対北朝鮮政策はまだ見えないが、日本としてはまずは米朝の核・ミサイル協議の目標が全面的な核廃棄から、ICBMなどに対象を絞った核軍縮に変質しないよう、米国に強く働きかけるべき時だ。 その一方で、米朝協議が合意に達し制裁緩和が実現した時には、すぐに日朝首脳会談を開催できるように、あるいは米朝合意と同時に日朝合意を実現できるよう、北朝鮮と信頼関係を築く必要がある。 そのためには北朝鮮に連絡事務所を開設するなどの手順が必要だが、いまの菅政権内でそうした対北朝鮮戦略が練られ、準備が行われているようにはとても見えない』、「連絡事務所を開設」はハードルが高いとしても、定期協議でも何でもいいが、「米朝合意」に遅れない体制づくりが必要だ。

第三に、2月6日付けダイヤモンド・オンラインが掲載した元・在韓国特命全権大使の武藤正敏氏による「韓国文政権の「北朝鮮で原発建設」疑惑で米韓に亀裂か、元駐韓大使が解説」を紹介しよう。
https://diamond.jp/articles/-/262014
・『2020年版韓国国防白書は日韓「葛藤」と韓中「友好」を強調  2020年版韓国国防白書は、日本に対し従来使用していた「パートナー」という言葉は使わず、単に「隣国」と表現した。これは日本が防衛白書の中で、韓国との「幅広い協力」という表現を削除したことに伴う措置であろう。韓国の軍関係者は「日本の輸出規制以降、ぎくしゃくしていた関係がある」と指摘する。 さらに白書では、「日本の政治家らの独島(竹島の韓国名)挑発(領有権主張)、2018年に起きた自衛隊哨戒機へのレーザー照射問題について『事実をごまかす一方的なメディア発表』で日韓間の国防関係が難航した」と記述している。 これに対し、日本の防衛省は在日韓国大使館の防衛駐在官を招致し、「竹島に関する記述をはじめ歴史認識や輸出管理の見直し、レーダー照射に関する記述など我が国の立場と相容れず、我が国として受け入れられない」などと抗議した。 韓国はその一方で、中国に関しては、これまでの白書にあった「THAAD(高高度防衛ミサイル)を巡る対立」の項目を丸ごと削除し、「両国関係の安定的発展」という表現も用い、2017年の韓中首脳会談など「正常化の努力」を記述した。 こうした、日本と中国に関する記述についてソウル大学の朴喆熙(パク・チョルヒ)教授は、「均衡感を喪失すれば韓米日協力を強調するバイデン政権に誤ったシグナルを与えかねない」「中国は西海(ソへ、黄海のこと)で領有権を主張しながら侵犯しているのが現実だが、本当にわが国の軍が主権を守る意思があるのか疑問を感じるほどだ」(中央日報)と警鐘を鳴らしている。 朴教授の指摘のように、韓国政府、メディアを挙げて、米国のバイデン大統領が日本の菅義偉首相とは1月28日に電話会談したにもかかわらず、3日午後になっても文在寅大統領には電話がないことに焦りを覚えているようである。 韓国のメディアは中韓首脳の電話会談を米韓に先立って行ったこと、その内容も中国ペースだったこと、特に、中国共産党の100周年に対する祝意を述べ共産党の功績をたたえるような発言をしていることが、米国の不興を買っているからであろうと分析している。 国防白書はこうした文在寅政権の姿勢を体現しているといえる』、「中韓首脳の電話会談を米韓に先立って行った」、「中国共産党の100周年に対する祝意を述べ共産党の功績をたたえるような発言」、これでは「米国の不興を買っている」のも当然だ。
・『北朝鮮は敵国ではない 南北関係改善の意思表示も  その一方で、軍事的な脅威の高まる北朝鮮について、文在寅政権の誕生後に出した2018年白書では「主敵」「敵」という表現を削除したが、これを今回も踏襲した。それまでは「韓国軍は大韓民国の主権、国土、国民、財産を脅かし侵害する勢力を韓国の敵とみなす」と記述していた。ただ、盧武鉉政権では「直接的な軍事脅威」として「敵」という表現は用いなかった。 軍は今回の白書で、各種弾道ミサイルなど北朝鮮の軍事的脅威が強まった点は指摘した。特に「大口径放射砲(ロケット砲)を開発、朝鮮半島全域を打撃できる放射砲を中心に火力を補強している」と記載したが、「戦術核兵器開発」に関する評価はなかった。 北朝鮮の「核保有」も従来のように明示せず、「プルトニウム50キロ保有」「核兵器小型化能力が相当な水準」と2年前と同じ内容を記述した。 金正恩氏が、朝鮮労働党大会で南北、米朝首脳会談が行われている時期にも核ミサイル開発を継続してきたことを認めたのを全く無視した指摘である。 最近の南北軍事関係については、北朝鮮は「全般的に『9.19軍事合意』を遵守している」と評価した。北朝鮮による南北共同連絡事務所の爆破や軍事的威嚇を無視した形である。 南北の政治関係では、「金委員長は、党創立75年閲兵式の演説では南北関係改善に関する意思も披歴した」と述べた。しかし、それも韓国の出方次第だという条件付きであることには触れていない。 北朝鮮の内部情勢に関し、従来の白書で使っていた「政権世襲」という表現を「金正恩国務委員長の執権」に変更した。民主社会デモで広く用いられる「執権」という表現を用いることで体制の正統性を認める意図があるのであろう。 韓国の国防白書は、現在の朝鮮半島情勢を客観的に分析・評価するものとは言いがたい。あくまでも文在寅政権の政治姿勢を正当化する白書であり、自分たちに都合の良い部分のみを取り上げて、つじつまを合わせた文書と考えた方がよさそうである。 これをもとに韓国の国防政策を策定すれば、北朝鮮の脅威に対処することはできず、韓国の安全保障に甚大な脅威となるであろう。また、日本との協力に後ろ向きな姿勢を露骨に表しており、米韓同盟に対する認識も、韓国として独自色を強く出そうとしている。 韓国は今後ますます日米から離れ、中朝にすり寄っていくことを暗示するのがこの国防白書かもしれない』、「あくまでも文在寅政権の政治姿勢を正当化する白書であり、自分たちに都合の良い部分のみを取り上げて、つじつまを合わせた文書」、自画自賛のためのようだ。
・『文政権に驚きの疑惑 北朝鮮で原発建設を検討か  文在寅政権の安全保障に対する姿勢の危険さを象徴するのが、文在寅政権が北朝鮮へ原発を供与することを検討していたという、信じられないような疑惑である。 産業通商資源部(以下「産業部」)が公開した「北朝鮮原発建設文書」によると「具体的推進には限界がある」などのただし書きとともに、「内部検討資料」とも記しているが、17件の文書が板門店南北首脳会談(2018年4月27日)直後の5月2日から15日にかけて集中的に作成されていることに多大な懸念を抱かざるを得ない。 「北朝鮮原発」に関する文書の中では、朝鮮半島エネルギー開発機構(KEDO)の事例について詳しく取り上げ、その上で琴湖地区に原発を建設する第1案を「最も説得力がある」と指摘していたようである。 さらに第2案とされる非武装地帯(DMZ)での原発建設についても「原子炉の稼働には冷却水が必要だ。そのため場所は東海(日本海)か西海(黄海)周辺にしなければならない」とかなり具体的な検討を行ったようである。また、文書の中には「KEDO関連業務経験者名簿」もあった。 当時、文在寅政権が工事を中断させた新ハンウル原発3号機、4号機の設備を北朝鮮に渡そうという部分もあるそうである。 先述の17件の文書の存在は、韓国検察が月城原発1号機の経済性評価の捏造容疑で産業部の公務員らを起訴した際の、起訴状の記録で確認されたものである。産業部の公務員は文書をすべて削除してしまったが、そのこと自体何か隠さなければならないことがあったからであろう。 青瓦台は「(板門店南北首脳会談の際に文在寅氏と金正恩氏が2人で密談した)人道橋会談と前後して北朝鮮側に渡した新経済構想の中に発電所関連の内容がある」との説明をしている。 この新経済構想は文在寅氏が金正恩氏に渡したUSBメモリに記されている。青瓦台はUSBメモリの資料が水力発電や火力発電に関するものだと主張するが、産業部はその後北朝鮮に原発を提供する資料を作成したのであろう。こうした疑惑を晴らすのであれば、USBメモリを公開する必要があるが、青瓦台と民主党はこれを拒んでいる。 こうした一連の文書は、産業部の公務員が単独で作成できるものではないだろう。この時期は「月城原発1号機はいつ閉鎖されるのか」という文在寅大統領の一言で韓国水力原子力に圧力を加えて月城1号機を早期に閉鎖し、新規原発建設白紙化を推進している時期であった。 朝鮮日報の独自取材によれば、月城原発の閉鎖過程で、産業部の職員が、金秀顕(キム・スヒョン)青瓦台社会首席秘書官(当時)がチーム長を務めていた青瓦台エネルギータスクフォース(TF)と緊密に協議し、指示を受けていたことが明らかになったそうである。 こうした疑惑に関し、オリ・ハイノネン元国際原子力機関(IAEA)事務局次長は「(韓国政府が)何を議論し、どのような計画を進めようとしていたか解明することが最も重要」だと指摘した。 ハイノネン元次長は「国連安保理決議1718と2397には『北朝鮮におけるすべての核兵器と現存する核開発計画を直ちに廃棄しなければならない』と記しているが、この核開発計画には(寧辺の)軽水炉や5メガワット原子炉なども含まれている」「そのため誰かが北朝鮮に(既存の)原子炉に代わる施設を建設するとなれば、これはおかしなことだ」と強い懸念を示した。 さらに、1990年代のKEDO当時と比べ、北朝鮮は核兵器を保有している。同元次長は「北朝鮮が核拡散防止条約(NPT)に復帰しない限り、北朝鮮の地に原子炉を建設することはできない」と断言した』、「文在寅政権が北朝鮮へ原発を供与することを検討していた」、事実であれば、国連決議違反だし、飛んでもないことだ。
・『北朝鮮での原発建設の疑惑究明は不可欠  こうした疑惑に対し政府・与党は一斉に総反撃に出ている。 文大統領は「マタドール(根拠のない話による政治攻勢)」として不快感を表し、「旧時代的な政治攻勢」と野党を批判した。青瓦台関係者は「一線を越えた政治的宣伝だ。人々を惑わす無責任な扇動」と大統領に迎合した。 李洛淵(イ・ナギョン)民主党代表は「野党第1党の指導者が越えてはならない線を越えた」と述べた。 これに対し、野党第1党・国民の力の朱豪英(チュ・ホヨン)院内代表は、李代表の発言に対し「青瓦台と与党が疑惑を解消する義務があるにもかかわらず、刑事責任を問うといって過剰反応したのがむしろおかしい」と反論した。 検察の捜査の過程で出てきた北朝鮮での原発建設疑惑に国民が疑問を抱くのは当然だ。「脱原発」を政治哲学とする現政権で公務員が原発建設を単にアイデアとして出したという説明は納得できない。それなれば、なぜ関連文書を廃棄したのか。 北朝鮮への原発供与の問題は、韓国の安全保障にかかわる重大な事項である。それにもかかわらず、文在寅政権は資料を公開して疑惑を晴らすのではなく、隠蔽と反対派攻撃で乗り切ろうとしていることは、決して許されることではない。 韓国政府高官らの不正を捜査する高位公職者犯罪捜査処を新たに設置したのは、こうした時に検察が捜査することを妨害するためである。こうした文在寅政権の独裁政治には政界、言論、国民が一体となって立ち向かっていかなければ、それを正すことはできない。 こうした疑惑に対し、バイデン大統領の対北朝鮮チームはどう反応するであろうか。黙って見過ごすはずはない。ブリンケン国務長官は北朝鮮核問題への対応を全面的に見直すと言っているが、韓国政府がこの疑惑を積極的に晴らす努力をしなければ、対韓関係の全面的な見直しにも発展しかねない。 この問題は、ことの重大性からして、もみ消して済む性格のものではない。仮に文在寅政権がもみ消しに成功すれば、韓国の政治に「明日はない」ということを実証することになるだろう』、「北朝鮮への原発供与の問題は、韓国の安全保障にかかわる重大な事項である。それにもかかわらず、文在寅政権は資料を公開して疑惑を晴らすのではなく、隠蔽と反対派攻撃で乗り切ろうとしていることは、決して許されることではない」、「ブリンケン国務長官は北朝鮮核問題への対応を全面的に見直すと言っているが、韓国政府がこの疑惑を積極的に晴らす努力をしなければ、対韓関係の全面的な見直しにも発展しかねない」、「文在寅政権」の甘過ぎる対北朝鮮政策は、信じ難い。バイデン政権から見捨てられる前に、見直してほしいものだ。
タグ:権力中枢の常務委員になれなかった 5年ぶり労働大会と軍事パレード 見えた金正恩体制の今後 「北朝鮮、「自力更生」路線に先祖返りで日朝関係・拉致問題は漂流の気配」 牧野愛博 ダイヤモンド・オンライン 「対南担当の書記をなくし、部長だけを置いたことになる」、「韓国」はわざわざ工作するまでもないと、軽くみられた可能性もあるだろう 金委員長の“カバン持ち”が急浮上 一時は「金委員長」の健康不安説・死亡説まで流れていたが、これは全くガセネタだったようだ。 「北朝鮮・金正恩の実妹はなぜ昇進しなかったか 党大会で降格人事だが将来の復帰可能性も大」 ソウル新聞 東洋経済オンライン (その21)(北朝鮮・金正恩の実妹はなぜ昇進しなかったか 党大会で降格人事だが将来の復帰可能性も大、北朝鮮 「自力更生」路線に先祖返りで日朝関係・拉致問題は漂流の気配、韓国文政権の「北朝鮮で原発建設」疑惑で米韓に亀裂か 元駐韓大使が解説) 北朝鮮問題 「自力更生路線に戻」れば、「拉致問題の解決」の可能性が小さくなってしまいそうだ 経済発展計画の失敗を認め「自力更生、自給自足」掲げる 「設備稼働率が」「2011年」「以降で最低水準」、しかもミサイルなどを作りまくっているので、民間需要は大幅マイナスだろう 制裁やコロナでの国境閉鎖 外資導入進まず「先祖返り」 「外資が投資をしても、北朝鮮に利益が集中するようにルールがねじ曲げられ、もうかれば全部没収される」、「外資」導入にあたって最低限の要件すら欠いているようだ 首脳外交での成果上がらず不満高まり体制揺らぐ危機感 「行き着いたのが「自力更生」」では、今後の苦境が思いやられる 拉致被害者再調査を水面下で日朝協議 「合意」は頓挫、溝が残ったまま 「拉致問題はすでに解決済みの問題」なのに、「「安倍(首相)の発言は、単なる日本国民に向けた、『私はやっています』というパフォーマンスにすぎない。拉致問題が解決してしまったら困るのは安倍(首相)だ。(解決に向けて努力しているように見える)今の状況が一番いいのだ」、というのは、案外、真相を突いている可能性がある 東京五輪での金与正氏来日に日本側は期待するが 特権層の中には拉致問題に関与した部署の人間も含まれており、拉致問題の解決とは、自分たちが責任を取ることも意味する。そうなる可能性がある拉致門問題の解決を正恩氏に勧める可能性は少ないだろう」、なるほど 日本が射程内の改良型ミサイル登場 バイデン新政権との連携が重要 「連絡事務所を開設」はハードルが高いとしても、定期協議でも何でもいいが、「米朝合意」に遅れない体制づくりが必要だ 武藤正敏 「韓国文政権の「北朝鮮で原発建設」疑惑で米韓に亀裂か、元駐韓大使が解説」 2020年版韓国国防白書は日韓「葛藤」と韓中「友好」を強調 「中韓首脳の電話会談を米韓に先立って行った」、「中国共産党の100周年に対する祝意を述べ共産党の功績をたたえるような発言」、これでは「米国の不興を買っている」のも当然だ 北朝鮮は敵国ではない 南北関係改善の意思表示も 「あくまでも文在寅政権の政治姿勢を正当化する白書であり、自分たちに都合の良い部分のみを取り上げて、つじつまを合わせた文書」、自画自賛のためのようだ 文政権に驚きの疑惑 北朝鮮で原発建設を検討か 「文在寅政権が北朝鮮へ原発を供与することを検討していた」、事実であれば、国連決議違反だし、飛んでもないことだ 北朝鮮での原発建設の疑惑究明は不可欠 「北朝鮮への原発供与の問題は、韓国の安全保障にかかわる重大な事項である。それにもかかわらず、文在寅政権は資料を公開して疑惑を晴らすのではなく、隠蔽と反対派攻撃で乗り切ろうとしていることは、決して許されることではない」 「ブリンケン国務長官は北朝鮮核問題への対応を全面的に見直すと言っているが、韓国政府がこの疑惑を積極的に晴らす努力をしなければ、対韓関係の全面的な見直しにも発展しかねない」 「文在寅政権」の甘過ぎる対北朝鮮政策は、信じ難い。バイデン政権から見捨てられる前に、見直してほしいものだ
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