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司法の歪み(その15)(広島地検の若手検事はなぜ自ら命を絶ったのか 過去2年で4人が自殺、問われる検察組織の実態、【スクープ】第二の村木事件 元検察事務官が訴える検察の「証拠」改ざん〈週刊朝日〉、1年で20件以上も訴えられる編集長が証言台から見た「裁判官たちの素顔」) [社会]

司法の歪みについては、昨年7月1日に取上げた。今日は、(その15)(広島地検の若手検事はなぜ自ら命を絶ったのか 過去2年で4人が自殺、問われる検察組織の実態、【スクープ】第二の村木事件 元検察事務官が訴える検察の「証拠」改ざん〈週刊朝日〉、1年で20件以上も訴えられる編集長が証言台から見た「裁判官たちの素顔」)である。

先ずは、本年1月6日付け東洋経済オンラインが掲載したジャーナリストの竹中 明洋氏による「広島地検の若手検事はなぜ自ら命を絶ったのか 過去2年で4人が自殺、問われる検察組織の実態」を紹介しよう。
https://toyokeizai.net/articles/-/401223
・『2019年12月10日。広島地検で29歳の若手検事が自ら命を絶った。「河井案里氏陣営疑惑で、同地検が捜査着手」と報じられる約20日前のことだ。 この若手検事は検事に任官された後、東京地検で新任検事としての勤務を終え、広島地検に配属された「新任明け」の検事だった。当時、公判部に所属していて、河井事件には直接関わっていない』、「29歳」で「自殺」とは悲惨だ。
・『「司法修習生以下」と叱責  関係者によると、検事はその日、担当する事件の公判が午後に予定されていたが、出勤時間になっても地検に姿を見せなかった。不審に思った事務官が自宅に向かうと、すでにぐったりした状態で亡くなっていた。状況から自殺は明らかだったという。部屋には、「検察官にあるまじき行為をして申し訳ありません」とのメモも残されていた。 若手検事はなぜ、自ら命を絶ったのか。親しい友人とのLINEのやりとりの中に、それを示唆するメッセージが残されていた。 「久し振りに決裁で、(上司である次席検事から)色々言われたわ。『お前がそもそもこの事件を理解してなくて証拠構造整理できてねーじゃねーか。お前は今までどういうつもりで公判検事やってきてんだ』とか。机バンバンみたいな感じになったわ。『話にならない。』と」(2019年12月2日) この日、若手検事の様子を間近に見ていた同僚がいる。同じ公判部で机を並べていた橋詰悠佑氏だ。同氏は2020年7月に検事を退官し、現在は都内で弁護士として活動している。 「苦労して書き上げ、部長もOKを出した論告(検察官の意見陳述)を(広島地検のナンバー2である)次席検事に決裁を求めに行ったところ、激しい叱責を受けたそうです。彼は自席に戻るなり、司法修習生以下と言われたと、悔しそうに言っていました」 厳しい司法試験をパスし、誇りを持って仕事に臨んでいた若手検事。直属の上司である公判部長の決裁は通ったはずなのに、その上の次席検事から厳しい叱責を受けたことに、強いわだかまりと無力感を覚えたのだろうか。友人に送ったメッセージでは、心の内をこう吐露している。 「P(検事)なったの間違ったかな。ダメだ」(2019年12月4日) 「泣きすぎだな。」(同6日) 「明日からに、怖さを感じている俺は、もはや末期なんだろうか」(同8日)』、「直属の上司である公判部長の決裁は通ったはずなのに、その上の次席検事から厳しい叱責を受けた」、「次席検事」はよほど偏屈な人物のようだ。
・『調査結果に職員から不満の声  広島地検は若手検事の死を受けて内部調査に乗り出し、総務部長がヒアリングを始めた。しかし、身内による調査に疑問の声が上がったため、代わって上級庁にあたる広島高検が、公判部をはじめとして関係職員へヒアリングなどを行った。 自殺した広島地検の若手検事のLINEには、生々しいやりとりが残されていた(遺族提供、プライバシー保護のため一部をモザイク処理しています) 地検の職員らにその結果が伝えられたのは、2020年3月のことだった。地検の総務部長らが現場職員に口頭で「原因はよくわからない。体調不良を訴えていたので、それが原因かもしれない」と説明した。 橋詰氏によれば、この説明に対し、「誰がこんな結果に納得するのか」と不満の声を上げる地検の職員が少なくなかったという。 公判部に所属する検事は、刑事部で起訴された事件を引き継ぎ、被告が犯した罪に相応する判決を得るために裁判に立ち会い、事件の立証をするのが仕事だ。裁判所に起訴事実を認めてもらうため、十分な論理構成を整えた書類を作成しなくてはならない。とりわけ被告側が争う姿勢を見せた場合は、それを覆すだけの準備が必要で、業務量もおのずから増えていく。橋詰氏が言う。 「亡くなった検事は作業に手のかかる事案を数多く担当していました。勤務時間は公判部でも相当多かったはずです。それでも当時の公判部長は、『何とかしてね』という趣旨を言うだけで、業務を割り振るなどの配慮はありませんでした。私も、彼の様子がおかしかったことをもっと深刻に受け止めるべきでした」 元検察官で、広島地検の特別刑事部長、長崎地検の次席検事なども務めた郷原信郎弁護士が指摘する。 「広島地検くらいの規模で、公判部長がいったん決裁したものに次席が直接叱責を加えるというのは、私が長崎で次席をやっていた経験からすると、ありえないことです。まして亡くなった検事は新任明けの若手です。思うような仕事ができていないと感じたら、上司は叱責するより、サポートするべきではないか」』、「広島高検」が調査したとはいえ、結果は初めから決まり切っていたような紋切り型だ。「郷原信郎」氏のコメントは同感である。
・『勤務時間は「手書き」で申告  検察官は、1人ひとりの検事が検察権を行使できる「独任制官庁」であるとされている。郷原氏によると、そのため、検事は任官とともに管理職相当となり、勤務時間を自己管理することが求められる。とくに2009年に裁判員制度が始まってからは、裁判の期間中、連日証人尋問が続き、公判部の検事の負担も大きくなりがちだという。 一方、広島地検では勤務時間を手書きで申告していたため、「過小申告はざらで、深夜まで仕事をしたり、休日に職場に出たりしても正確に(勤務時間を)申告できる人は少なかったのではないか」(橋詰氏)という ビジネスパーソンらの自殺問題に取り組む神田東クリニックの公認心理師、佐倉健史氏はこう話す。 「上意下達と言われる職場では、若い人は自分の仕事のペースがつかめない。結局、睡眠時間を削ることになり、メンタルへの影響も大きくなります。最高裁の判例(2000年の電通事件判決)では、予見可能性があったのに、社員が自殺する危機回避努力を怠ったとして、会社の安全配慮義務違反が認められています。パワハラは論外ですが、判例に照らしても、本人の変化に上司は気づくべきです。検察のように、外からの目が入りにくく、中からも声を上げにくい職場では、幹部の評価制度に踏み込んでいかないと、職場文化は変わらないかもしれません」 実は検事の自殺は、今回ばかりではない。検察官の数は全国で2000人に満たないが、橋詰氏が調べたところ、2018年~2019年の2年間だけでも4人の検事が自ら命を絶ち、過去10年間にさかのぼればその数はさらに増える。 例えば、2012年4月に大阪地検堺支部、2018年1月には徳島地検、同年10月には福岡地検小倉支部で若い検事が自殺しており、2019年1月には高知地検中村支部で支部長を務める検事が自殺している。橋詰氏によれば、その中には異動希望を無視されたうえ、上司に意見すると、「検察官を辞めてしまえ」という趣旨の発言を受けた検事もいるという。 警察庁の統計によると、近年、勤務上の問題を理由とした自殺は減少傾向にある。2011年に全国で2689人にのぼったその数は、2019年には1949人にまで減っている。パワハラの問題が厳しく問い直され、各企業で労務管理の見直しが進んだ結果とされる。 佐倉氏は、「検察内部で複数の自殺者が出ている中で、それを組織としていかに受け止め、いかに改善しようとするのかを組織内外に示し、実行して検証していく姿勢が問われる」と指摘する』、「最高裁の判例(2000年の電通事件判決)では、予見可能性があったのに、社員が自殺する危機回避努力を怠ったとして、会社の安全配慮義務違反が認められています」、にも拘わらず、検察内ではこうした考え方とは無縁のようだ。「2018年~2019年の2年間だけでも4人の検事が自ら命を絶ち」、司法試験を優秀な成績で通った若手検事が、自殺に追い込まれているのは国家的損失である。
・『遺族は公務災害の申し立てへ  亡くなった若手検事の父親が取材に応じ、こう話す。 「息子が職場で使用していたパソコンや遺品の確認は私たちが立ち会うこともなく行われ、息子の同僚に当時の状況について話を聞きたいと申し出ましたが、認められませんでした。検察による調査にあたってLINEのやりとりを提出し、『叱責をする前に決裁した直属の上司を交えて議論すべきだったのではないか』と文書で指摘しましたが、広島高検の総務部長からは『自ら命を絶った原因はよくわからない』との説明を口頭で受けただけでした」 こうした対応に納得できない思いを持つ父親は、近く一般企業の労災にあたる「公務災害」の認定を求めて広島地検に申し立てを行う予定だという。 「上司から必要な指導を受けることは当然あると思いますが、息子は上司にいい加減な態度で臨む人間では決してありません。いったい何があったのか、事実をはっきりさせたい。検察にもしっかりとした対応を取ってもらいたいと考えています」(父親) 今回の件について、亡くなった検事の勤務実態がどうなっていたのか、パワハラはなかったのかなどについて広島地検に取材を申し入れたが、同地検の広報官は質問状の受け取りすら拒否し、「当庁からは一切、お答えいたしかねます」とするのみだった。 一方、法務省刑事局は取材に対して、「個人のプライバシーに関わる事例であり、お答えは差し控えさせていただいております。(労務管理については)各検察庁において、法令等に基づいて適切に行っているものと承知しています」と回答した』、「「公務災害」の認定を求めて広島地検に申し立てを行う予定」、「地検」は立場上もこれを否定するだろうが、その場合、どこが判断するのだろう。

次に、1月8日付けAERAdot「【スクープ】第二の村木事件 元検察事務官が訴える検察の「証拠」改ざん〈週刊朝日〉」を紹介しよう。
https://dot.asahi.com/wa/2021010600066.html?page=1
・『「桜を見る会」疑惑で安倍前首相を不起訴にして批判された検察庁。その検察で違法捜査や証拠改ざん疑惑が浮上している。元検察事務官が訴える「第二の村木厚子(元厚生労働事務次官)事件」とは? 検察の不正義を暴く。 「長く仕えた検察がここまでひどいとは、思いもしませんでした」怒りに口元を震わすのは、元神戸地検の検察事務官、Aさん(58)。 Aさんは2012年3月、検察事務官を務めていた神戸地検を分限免職処分となった。わかりやすくいえば「クビ」だ。 Aさんはそれまで11回も検察庁から表彰を受けていた優秀な事務官だった。なぜ、こんな仕打ちを受けたのか? 「検察が法を無視して一般の検察事務官である私に違法なことをさせていたのです。それが分限免職処分の引き金になった。その後、検察は証拠改ざんまでして裁判に出してきました」 09年4月だった。神戸地検の刑事部に配属されたAさんは、当時の刑事部長から呼ばれて、「これから一任事件をやってもらいます」と声をかけられたという。一任事件とは何か? 検察事務官も検事、副検事と同様に、被疑者や参考人などの取り調べ、供述調書の作成などが可能だ。その場合、検察庁法などで定められた検察官事務取扱検察事務官(以下、検取)という資格を得て、検事や副検事の指導・監督のもとに捜査に加わることとなる。 だが、Aさんの場合は異なっていた。 「いきなり、副検事から警察で捜査した記録などを渡されて『これをやってください』と命じられました。本来、検事、副検事がやらねばならないものを、検取でもない検察事務官が、最後まで一任されたというものでした」 つまり、警察から検察庁に送致された事件の捜査、取り調べ、起訴か不起訴かの判断まで、すべて検察事務官が担当して判断しろと指示されたという。 Aさんが見せてくれた検察事務官当時のロッカーは大量の刑事記録の書類であふれていた。 10年1月の兵庫県警からの<送致書>には、手書きで<部長決裁まで任>と記されていた。同年2月にAさんが作成したのは、事件を捜査・検討して不起訴とした<不起訴裁定書>。そこには<主任検察官>としてAさんの印鑑が押印されている』、「本来、検事、副検事がやらねばならないものを、検取でもない検察事務官が、最後まで一任されたというもの」、全く不当極まる。
・『仕事量が急増したことと、重責を担わされたことで、Aさんは精神を病み、同年3月には、10日間ほど病気休暇をとった。 「検事や副検事からは、何の指示もサポートもありません。起訴か不起訴かを決する、本来、検察事務官に与えられていない責務を求められたことで精神状態もおかしくなってしまった。何度も一任事件をやめさせてほしいと訴えたが、無視された。それをきっかけに上司と対立、言い争うようになった」(Aさん) そして上司との対立からAさんの勤務評定は5段階の最低「E」まで落とされた。さらに職場対立で大声を出し、秩序を乱したという理由で、神戸地検はAさんを分限免職処分に踏み切った。 Aさんはこれを不服として12年5月、人事院に分限免職処分の取り消し審査請求を起こした。Aさんが神戸地検在籍時に刑事部長だった田辺信好弁護士(元岡山地検検事正)は、13年5月に人事院で証人となったときにこう証言している。 「(神戸地検が主張する)一般の検察事務官に包括的に事件処理をということは、権限を認めること。丸投げです。私の在籍時はなかったが、検察庁によっては忙しいというところは、違法だがルーズになっていたのが実態ではないか。主任検察官のところにAさんの印鑑があるというのは、ありえない」 地方の検察庁で部長経験もある、元東京地検特捜部の郷原信郎弁護士もこう指摘する。 ある地検の交通部にいたとき、誰がやっても結論は同じという事案はある程度、検察事務官に任せました。もちろん、最後は私自身が報告を受け、処理内容をチェックしていました。今回のような検察事務官への一任は、ありえないことだ」 しかし、神戸地検は「一任事件」についてはAさんの検取の適格を見極めるために指導の一環でやらせていたなどと主張。人事院はAさんの訴えを却下して、分限免職処分を認めた。 そこで同年6月にAさんは民事訴訟を提訴。処分の取り消しを求めて現在、裁判中だ。 その裁判で神戸地検が請求した証拠に重大な問題があることがわかった。人事院での審査の際、前出の刑事部長ら神戸地検の5人が証言した。16年3月、神戸地検はその「反訳書」(録音文字起こし)を裁判で証拠請求した』、「郷原信郎弁護士もこう指摘する。 ある地検の交通部にいたとき、誰がやっても結論は同じという事案はある程度、検察事務官に任せました。もちろん、最後は私自身が報告を受け、処理内容をチェックしていました。今回のような検察事務官への一任は、ありえないことだ」、「Aさんは民事訴訟を提訴。処分の取り消しを求めて現在、裁判中だ」、なるほど。
・『「反訳書を見ていると明らかに内容が違っていることに気づいた。そこで反訳書と審査の録音を突き合わせたところ、4人の証言内容がおかしいことがわかった。多くの箇所で言葉を削除したり、話していない言葉が付け加えられたりしていた。検察が証拠を改ざんするなんて、信じられませんでした」(Aさん) 改めて本誌でも、入手した人事院での審査時の証言の録音と「反訳書」を照らし合わせてみた。Aさんの弁護士が「一任事件」の違法性について質問している回答が削除されていた。また、聞いていない架空の「質問」が記されていたり、検察の主張に正当性を与える意味合いの文言が加筆されていた。 Aさん側は裁判で神戸地検の「反訳書」について“改ざん”を主張し、録音に沿った書き起こし文書を裁判所に提出した。すると、神戸地検は1年以上も経過した17年7月に「要約書」として訂正してきたという。 検察の証拠の改ざんで記憶に新しいのは、無罪判決を受けた元厚労事務次官の村木厚子氏の事件だ。その捜査の際、大阪地検特捜部によって、証拠品のフロッピーディスクのデータが改ざんされていることがわかり、検察の信頼は地に堕ちた。特捜部長ら3人が逮捕され、有罪となった。 Aさんの弁護人はこう憤慨する。 「Aさんから反訳書の問題を指摘され、腰を抜かすほど驚きました。まさに証拠を“改ざん”して裁判に出してきた。中身はミスとは言い難いもので、A4サイズ1枚分ほども証言を削除している部分もあった。意図的に思えました」 検察裏金問題を告発した、元大阪高検公安部長の三井環氏もかつて神戸地検に在籍した。 「検取でない検察事務官に、一任事件として起訴か不起訴かまでやらせるなんて、神戸地検でも他の検察庁でも聞いたことがない。事実なら違法です。人事院証言の反訳を都合よく書き換えて裁判に出したのは、検察の証拠“改ざん”。村木事件と構造は同じではないのか。虚偽公文書作成罪に該当する」(三井氏) 神戸地検にAさんの件について質問状を送ったが、こう回答があった。 「裁判継続中ですので、回答は差し控えさせていただきます」 裁判の行方が注目される。(今西憲之)』、「民事訴訟」の方は、「神戸地検の「反訳書」について“改ざん”」があったのであれば、問題なく勝訴するだろうが、「神戸地検」の違法性について、検察審査会にかけるべきだろう。

第三に、2月17日付け東洋経済オンラインが掲載した元週刊文春・月刊文芸春秋編集長の木俣正剛氏による「1年で20件以上も訴えられる編集長が証言台から見た「裁判官たちの素顔」」を紹介しよう。
https://diamond.jp/articles/-/262991
・『文芸春秋に入社して2018年に退社するまで40年間。『週刊文春』『文芸春秋』編集長を務め、週刊誌報道の一線に身を置いてきた筆者が語る「あの事件の舞台裏」。今では週刊誌が訴えられるのは珍しくはありませんが、私が初めて証言台に立った頃は名誉棄損で訴えられることは少なかった時代です。証言台から見た裁判官たちについて語ります』、「証言台から見た裁判官たち」とは興味深そうだ。
・『コクリコクリと居眠りする裁判官たち  裁判官というと、みなさん、とても温厚で公正で、紳士的な人物像を想像していると思います。また、権力欲などとはほど遠い聖人君子が「判決を下す」という風に考えがちでしょう。そういう裁判官も大勢います。しかし、私が法廷で見た裁判官の姿は少し違いました。 もちろん、私は週刊誌の編集長。人の不幸をネタにして儲けるろくでもない人種であり、ある時期など1年で20件以上の訴訟を抱えるなど、普通の人からは考えられない経歴を持っていたので、裁判官も違う目で私を見たのかもしれません。 初めて法廷で証言台にたったのは「被告人」としてでした。ある百貨店が主催する古美術品の展覧会に出品されていた茶道具が「贋作だ」という記事を書き、百貨店側に訴えられたのです。 私は30歳前半。まだ週刊誌をめぐる名誉毀損裁判も少なかったころの話です。 型通りに宣誓して、証言台に立ちました。びっくりしたのは、証言を始めると、3人いる裁判官のうち1人が明らかに寝ていたことです。コクリコクリと。もう1人も、ほとんど目をつぶっていて、寝ているようにしか見えません。) 「正しい記事を書いているのに、なぜ訴えるのか」と、まだ若い私は証言しました。訴える人間の会社内での立場や、こんなどうでもいい裁判に立ち会わされる裁判官の気持ちなど想像する余裕もなく、居眠りしている裁判官のことを顧問弁護士にグチりました。 弁護士いわく「そのために、速記をとっているんですから(笑い)」「あんまりカリカリしないで、裁判官の心証が大事です」「木俣さんは、アタマにくると早口になります。反対尋問(原告側、つまり百貨店側の弁護士から私に質問する時間)のときは、ゆっくりしゃべってください。時間は決まっていますから、ゆっくりしゃべれば、それだけ相手がイヤな質問を投げる時間が減ります」などなどを教えられました。しかし、やはり早口になってしまったらしく、顧問弁護士に後ろから、「ゆっくり、ゆっくり」といわれたことを思い出します。 この裁判、実は「贋作だ」と週刊文春に証言した古美術の専門家が、百貨店側の証人として出廷し、「本物だ」と証言する予想外の展開になりました』、嘘みたいな話だ。
・『記事のニュースソースが原告側の証人としてまさかの出廷  驚いたのは、裁判官たちが「専門家」という人たちが出廷したとたん、ものすごく信頼したことでした。「専門家」が出廷してから、明らかに法廷の空気が変わりました。専門家は文春にウソを言ったのか、法廷でウソをいっているのか――。彼がニュースソースとは明かせない文春側弁護人は、なんとか裁判官にそのことをわからせようと、いろいろな質問を浴びせます。 彼の週刊文春での証言を読み上げ、「この証言は、あなたもどこかで話したことがありませんか? 」と聞くと、「知らない」としらを切る専門家に、今度は「この発言をした人はこの法廷のどこかにいるはずなのですが、わかりませんか」と裁判官にも匂わせますが、裁判官はまったく気づきません。 結果的には、裁判には勝訴しました。ギリギリまで「専門家」に言いたい放題証言させて、贋作記事がウソだと言わせた後、文春の取材時に取材班が隠して録音していたテープを出したのです。本来隠し撮りテープは違法であり(当時はそれほど厳しくなかったのですが)法廷の証拠にはなりにくいのですが、本人が法廷でまったく違う証言をするなら話は別です。 「裁判官の驚いた顔、そして、騙されたと知って怒り狂っていた顔を木俣さんに見せたかった」と、顧問弁護士たちが教えてくれました』、この決定的場面に「木俣」氏は出席せず、「弁護士」任せにしていたので、伝聞情報になったようだ。
・『女性弁護士だから勝てた? 勘ぐりたくなるような裁判も  裁判も人間がやるものです。好き嫌いや心証が大事なんだなあ、と段々わかり始めたころ、ある人に出会いました。若い女性弁護士さんです。 「木俣さんが法廷で証言するのを司法修習生(司法試験に合格し、検事、弁護士、裁判官になる前に受ける研修)として、法廷の裁判官席の横で聞いていたことがあります。あのとき、木俣さんの顧問弁護士は女性弁護士でしたよね。すごく裁判官に人気があって、法廷の後、みんなべた褒めしているので、絶対、文春が勝つと思っていました」 女性だから勝てたのではなく、女性弁護士の弁護術がよかったのだと思います。しかし、そんな風に勘繰りたくなるほど、最初から判決が決まっているような雰囲気の裁判があるのは事実です。 百貨店相手の牧歌的裁判の時代は終わり、「悪徳週刊誌に厳罰を」という風潮の裁判が増える時代になりました。ある裁判では、一審で敗訴して控訴したところ、編集長の給料が裁判所から差し押さえられたことがあります。 確かに、マルチ商法の会社などで騙された消費者が訴えて勝訴しても、会社側は控訴したまま逃げ散って、賠償金が支払われないケースがあります。この例に倣っての「差し押さえ」ですが、現実に週刊誌の敗訴では(大体、会社と編集長が被告人です)、賠償金は全額会社が支払います。一応、文春はマルチなどとは違う会社のはずですが、原告がよほど文春のことを嫌いだったか、あるいは裁判官が嫌いだったのか――。 差し押さえ命令が下され、その編集長は生活にとって必要最低限の二十数万円を除いた給料を差し押さえられて、賠償金として積み立てすることになってしまいました(以降、控訴するときは、すぐに賠償金を供託金として納め、そんなことが起こらないようになっています)』、「差し押さえ命令が下され、その編集長は生活にとって必要最低限の二十数万円を除いた給料を差し押さえられて、賠償金として積み立てすることになってしまいました」、その当時は、訟をためらわせる要因になり得たようだ。
・『週刊誌編集長にとって3月の恒例? 東京地検からの「怖い電話」  給料を差し押さえされるのもイヤですが、先方は自宅を調べて、段々自宅あてに訴状が届くようになりました。これもなんだか犯罪者になったようで、気持ちのいいものではありません。 そして3月になると、週刊誌編集長には恒例となる1本の電話がある役所からきます。のんびり出社すると、机の上にメモが。「東京地検からお電話で、○○○までお電話ください」というものです。 エエッ!天下の東京地検です。ビクビクしながら電話をすると、検事さんが名前を名乗り、「人事異動の時期がきたので、あなた相手に提起された刑事訴訟の事務的処理をしなければなりません。そのため、あなたの戸籍上の正式な住所と生年月日を教えてください」という調査が始まります。親切な検事さんだと、誰から訴えられていたかも教えてくれました。 民事訴訟は公開されていますが、刑事は当然ながら秘密裏に捜査が行われるので、まったく事前にはわかりません。しかし、これも牧歌的な時代の話。すぐに「その程度では甘い」という指摘を受け、検察審査会にもう一度訴えがいくため、弁護士さんに話をして調書として検察に提出したり、編集長が直接検事に取り調べを受け調書をまかれたりする、という事態にもなりました。 週刊誌編集長はなかなかストレスがたまる仕事です。しかし、一番感謝すべきは文春の顧問弁護士の方々。本当に何度も助けていただきました』、確かに「文春砲」のように取材先が否定するような秘密などをスクープしたりする雑誌の「編集長」は、裁判になることを覚悟の上で、真剣勝負しているので、読者も興味をそそられるのだろう。
タグ:東洋経済オンライン AERAdot 司法の歪み 木俣正剛 (その15)(広島地検の若手検事はなぜ自ら命を絶ったのか 過去2年で4人が自殺、問われる検察組織の実態、【スクープ】第二の村木事件 元検察事務官が訴える検察の「証拠」改ざん〈週刊朝日〉、1年で20件以上も訴えられる編集長が証言台から見た「裁判官たちの素顔」) 竹中 明洋 「広島地検の若手検事はなぜ自ら命を絶ったのか 過去2年で4人が自殺、問われる検察組織の実態」 広島地検で29歳の若手検事が自ら命を絶った 広島地検に配属された「新任明け」の検事 「司法修習生以下」と叱責 「直属の上司である公判部長の決裁は通ったはずなのに、その上の次席検事から厳しい叱責を受けた」、「次席検事」はよほど偏屈な人物のようだ。 調査結果に職員から不満の声 「広島高検」が調査したとはいえ、結果は初めから決まり切っていたような紋切り型だ。「郷原信郎」氏のコメントは同感である 勤務時間は「手書き」で申告 「最高裁の判例(2000年の電通事件判決)では、予見可能性があったのに、社員が自殺する危機回避努力を怠ったとして、会社の安全配慮義務違反が認められています」、にも拘わらず、検察内ではこうした考え方とは無縁のようだ 「2018年~2019年の2年間だけでも4人の検事が自ら命を絶ち」、司法試験を優秀な成績で通った若手検事が、自殺に追い込まれているのは国家的損失である 遺族は公務災害の申し立てへ 「「公務災害」の認定を求めて広島地検に申し立てを行う予定」、「地検」は立場上もこれを否定するだろうが、その場合、どこが判断するのだろう 「【スクープ】第二の村木事件 元検察事務官が訴える検察の「証拠」改ざん〈週刊朝日〉」 「郷原信郎弁護士もこう指摘する。 ある地検の交通部にいたとき、誰がやっても結論は同じという事案はある程度、検察事務官に任せました。もちろん、最後は私自身が報告を受け、処理内容をチェックしていました。今回のような検察事務官への一任は、ありえないことだ」 「Aさんは民事訴訟を提訴。処分の取り消しを求めて現在、裁判中だ」 「民事訴訟」の方は、「神戸地検の「反訳書」について“改ざん”」があったのであれば、問題なく勝訴するだろうが、「神戸地検」の違法性について、検察審査会にかけるべきだろう。 「1年で20件以上も訴えられる編集長が証言台から見た「裁判官たちの素顔」」 「証言台から見た裁判官たち」 コクリコクリと居眠りする裁判官たち 記事のニュースソースが原告側の証人としてまさかの出廷 この決定的場面に「木俣」氏は出席せず、「弁護士」任せにしていたので、伝聞情報になったようだ 女性弁護士だから勝てた? 勘ぐりたくなるような裁判も 差し押さえ命令が下され、その編集長は生活にとって必要最低限の二十数万円を除いた給料を差し押さえられて、賠償金として積み立てすることになってしまいました」、その当時は、訟をためらわせる要因になり得たようだ 週刊誌編集長にとって3月の恒例? 東京地検からの「怖い電話」 確かに「文春砲」のように取材先が否定するような秘密などをスクープしたりする雑誌の「編集長」は、裁判になることを覚悟の上で、真剣勝負しているので、読者も興味をそそられるのだろう。
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