企業不祥事(その25)(販売会社との関係再構築が急務 トヨタ「45分で車検」の表示取りやめが示す課題、同業界にいた女性の叫び「電通の高橋まつりさんは長時間労働に殺されたんじゃない」 自分も同じ行動をしたかもしれない) [企業経営]
企業不祥事については、5月26日に取上げた。今日は、(その25)(販売会社との関係再構築が急務 トヨタ「45分で車検」の表示取りやめが示す課題、同業界にいた女性の叫び「電通の高橋まつりさんは長時間労働に殺されたんじゃない」 自分も同じ行動をしたかもしれない)である。
先ずは、9月8日付け東洋経済Plus「販売会社との関係再構築が急務 トヨタ「45分で車検」の表示取りやめが示す課題」を紹介しよう。
https://premium.toyokeizai.net/articles/-/28110#contd
・『系列販売店で相次ぐ不祥事。国内はシェア50%を超す独り勝ち状態の中、どのように軌道修正するのか。 「トヨタからの通達があったので、すべて45分で完了するといった誤解を生まないように短時間車検の名前を変えた」 トヨタ自動車系の販売会社、トヨタカローラ名古屋の幹部はそう話す。同社では「でらはや45分車検」と銘打った短時間車検を8月上旬まで展開していたが、お盆休みを挟み、「でらはや車検」に改めた。短時間車検自体は続けている。 「お客様への車検訴求内容のご確認のお願い」――。系列販売会社で相次ぐ不正車検の発覚を受けて、トヨタは8月3日、全国の販売会社にそう題した通達を出した。車検の名称を顧客に誤解のないものにすることに加え、「車種・年式・追加整備によっては、作業時間が長引く、後日改めて整備する場合がある」などの例外表記をわかりやすく、必ず記載するよう求めている。 前出の通達から程なくして、トヨタは自社のホームページから「プロの技術で45分で車検完了」といった文言を削除した。もともと、販売店や整備内容によって作業時間が異なることは明記していた』、あの「トヨタ」で「車検不正」が発生した件については、4月27日、5月26日にも取上げたので、これは続々報である。
・『表記の修正より大事なこと ただ、不正車検が発覚したネッツトヨタ愛知や直営のトヨタモビリティ東京の店舗で、時間内に済ませようとして適切な作業を行わない、いわば「時間の目的化」が不正を招いた事態を重く見た。トヨタ幹部は「メーカーの統一商品として45分車検や60分車検を展開したことが間違いだった」と認める。 通達を受けてどの販社も分数の表示を単純に削除しているわけではない。ネッツトヨタ山形の場合、「プレミアム車検30分」という名称から「30分」をいったん削除した。販社の車検を所管するトヨタの担当者と相談中で、精査が済み次第、「30分」とホームページに掲載するという。 同社が短時間車検として60分車検を導入したのは1999年。その後も作業効率の改善を進め、30分車検を実現。2019年6月から店舗への導入を開始し、今では全店舗が取り扱う。ただし30分車検を実施する際は、60分の事前見積もりを行っている。顧客には2回車を持ってきてもらう必要があるため、逆に不便に思う人もいる。そのため、事前見積もりを行わない60分車検もサービスメニューに残している。 ネッツトヨタ山形の髙橋修社長は「30分で車検を終わらせることが目的ではない。整備士の作業改善が目的で、無駄をなくすことできびきびと楽に働けることが大切だ」と話す。結果として、6カ月点検や12カ月点検、洗車での効率がよくなり、収益にも貢献しているという。 トヨタが販社に対応を求めた車検の名称の確認や表記の修正は、不正車検の再発防止策の一環だが、本質ではない。最も重要なのは短時間車検に対する正しい認識だ。改善を重ねることで、整備士の負荷を減らしつつ、生産性を高める。その結果、作業時間が短縮され、顧客の利便性も向上する。トヨタはその意義を販売会社に対して丁寧に説明し、改めて浸透を図る必要がある。 それが不十分なままだと、慢性的な整備士不足の中で、数ありきの過剰な車検の入庫がなされ、不正車検が再発しかねない』、「メーカーの統一商品として45分車検や60分車検を展開したことが間違いだった」、個別販社の問題というより「トヨタ」全体の問題だ。特に、「短時間車検に対する正しい認識」が重要なようだ。「30分車検を実施する際は、60分の事前見積もりを行っている。顧客には2回車を持ってきてもらう必要があるため、逆に不便に思う人もいる」、なるほど。
・『注目は11月の全国販売店大会 トヨタの販社をめぐっては不適切な個人情報の取り扱いも8月に発覚した。系列の9社が顧客の同意を得ずに計3318人分の個人情報を登録し、トヨタ側に提供していた。 トヨタが展開する顧客向けウェブサービスのIDを発行するため、販売店の営業スタッフが顧客の同意を得ないまま、注文書などに書かれた氏名や生年月日などの個人情報を転用していたという。以前からトヨタは販売店に顧客へのID発行を促しており、今年は取得件数を販売店の表彰制度に盛り込んでいた。評価を高めようと不適切な取り扱いを招いたといえる。 系列販売店で相次ぐ不祥事に対し、「(創業から)80年かけて先輩たちが培ってきた信頼の原点に今こそ立ち返る必要がある」(トヨタ幹部)と危機感を募らせる。トヨタは車検の入庫台数や新車販売台数などを基準とした現在の販売店表彰制度について、今後ゼロベースで見直す方針だ。 販売店表彰制度の新たな方向性を示すとされるのが、例年11月に行う、全国の販売会社の代表を集めた会議だ。 トヨタ系販社の幹部は「評価するのは今の実績なのか、将来性なのか。トヨタが販売店をどうしていきたいかで、新たな評価基準も変わってくる」と話す。トヨタは国内で登録車のシェアが50%を超える。独り勝ちの中で露呈した不正車検などのほころびをどう是正していくのか。全国の販売を支える260近い地場の販社との関係構築のあり方が問われている。)』、「11月」の「全国の販売会社の代表を集めた会議」で、どんな方針が示されるのかが注目される。
次に、8月23日付けPRESIDENT Onlineが掲載した広告関連の仕事をしている女性、笛美(ふえみ)氏による「同業界にいた女性の叫び「電通の高橋まつりさんは長時間労働に殺されたんじゃない」 自分も同じ行動をしたかもしれない」を紹介しよう。
https://president.jp/articles/-/48871
・『現在、広告業界で働きながら、ツイッターでフェミニズムに関する発信を続けている笛美さんは、かつて大手広告代理店で働いていました。2016年、電通で働いていた高橋まつりさんが亡くなったというニュースを見た笛美さんは、大きな衝撃を受けました――。 ※本稿は、笛美『ぜんぶ運命だったんかい おじさん社会と女子の一生』(亜紀書房)の一部を再編集したものです』、興味深そうだ。
・『高橋まつりさんのツイッター 30歳になろうとする頃、少しずつ世の中の空気が変わりはじめました。 2016年、当時電通の新入社員だった高橋まつりさんが前年のクリスマスの朝に自殺したことが大きく話題になりました。会社でそのニュースを同僚が話しているのを聞いたとき、まるで冬のコンクリートの冷たさを肌で感じたような気がしました。 気になってスマホでまつりさんのTwitterアカウントを検索してみると、アカウントは削除されずにちゃんと残っていました。誰にも見られないように気をつけながらスマホで彼女のタイムラインを見ました。 「部長(…)「髪ボサボサ、目が充血したまま出勤するな」「今の業務量で辛いのはキャパがなさすぎる」 わたし「充血もダメなの?」 この人は、私なのだろうか? 「充血した目で会社にくるな」は私が新入社員のときに先輩から指摘されたこと、そのまんまじゃないか。 「1日20時間とか会社にいるともはや何のために生きてるのか分からなくなって笑けてくるな」 うんうん、わかるよ。1日20時間会社にいると、意識が朦朧として、まともな思考ができなくなるんだよね。みんな平気なのかと思ってたけど、辛いのは私だけじゃなかったんだ』、「高橋まつり」さんとは気持ちが通じる面が大きかったようだ。
・『怖いくらいわかりすぎる 男性上司から女子力がないだのなんだのと言われるの、笑いを取るためのいじりだとしても我慢の限界である。おじさんが禿げても男子力がないと言われないのずるいよね。鬱だ~」 ほんとそれ! ていうか、こんなかわいい人にまで女子力いじりする上司がいるんだね。腹立つな。 「私の仕事や名前には価値がないのに、若い女の子だから手伝ってもらえた仕事。聞いてもらえた悩み。許してもらえたミス」 なんだろうね、大学まではクラスのリーダー的存在でも、社会人になってからいきなり「若い女の子」扱いされるあの感じ。ありがたいんだけど複雑だよね。人はいつか老いるし。 「優しかったり面白かったり超仕事できたり後輩や同僚思いだったりする先輩や同期も、たまにプライベートが垣間見えることがあって、仕事が終われば女の子を弄んだり泣かしたりしているいわゆるところの『広告マン』なんだなぁと思うと切ない気持ちになる」 うんうん! 自分にはやさしい上司が、他の女子を粗末に扱っているのを見ると空恐ろしくなるよね。男性の先輩のモテっぷりに比べて女性の自分は……と愕然とすることもあったよ。 「異性とまともに愛を育む時間がなく子孫を残せる可能性がないのでは?と危機感を覚えてるのに、しっかり生理痛にだけは悩まされてるのかわいそうじゃないですか?」 ああ、怖いくらいわかりすぎる。自分は子孫を残せないかもしれない絶望感。でも体は子孫を残すために機能し続ける虚しさ』、「自分は子孫を残せないかもしれない絶望感。でも体は子孫を残すために機能し続ける虚しさ」、女性特有なのだろう。
・『私はただ運が良かっただけ まつりさん、辛かったね。寂しかったね。殺伐としたオフィスの片隅で、押しつぶされそうになりながら頑張っていたんだね。 彼女は私と同じような景色を見て、私と同じような痛みを感じていた。しかも、私がこれまで自覚しないようにしてきた感情の一つ一つを言語化していた。その存在に気づいたときには、彼女はもうこの世にはいなかったけれど。 広告業界の女性たちは、多かれ少なかれ、きっとまつりさんと同じような経験をしているはずです。ちょっとでも条件が違ったら、私だってまつりさんと同じ行動をとっていたかもしれません。ただ、私は運よく自分が好きな仕事ができていたから、長時間の残業や理不尽にも耐えることができました。そして私には運よく自分のことを気にかけてくれる密な人間関係がありました。でもどんな部署に配属されるかなんて、努力ではどうにもならない。もはや運でしかない。それは会社の中で何の権力も持たない新入社員がどうにかできる問題ではないと思うのです。 もしも私がまつりさんと同じ部署にいる先輩だったら、悩みを聞いてあげられたのに。いや、でも無理だったに違いない。きっとその場にいたら、忙しくて殺伐とした空気に飲み込まれてしまって、誰かを気遣うとかそんな余裕もなかったかもしれません。かわいい新入社員に女の子ポジションを脅かされるのではないかと、ライバル心を燃やしていた可能性もあります』、「もしも私がまつりさんと同じ部署にいる先輩だったら、悩みを聞いてあげられたのに。いや、でも無理だったに違いない。きっとその場にいたら、忙しくて殺伐とした空気に飲み込まれてしまって、誰かを気遣うとかそんな余裕もなかったかもしれません」、筆者は自省が深いようだ。
・『残業時間に注目するのは「ピントがずれている」 ニュースでは残業時間月100時間という労働環境の悪さばかりが注目されたけど、私はどこかピントがずれているような気がしました。実際、広告業界では月100時間残業している人なんてざらにいました。まつりさんを苦しめたのは長時間労働に加えて、女性だからこその終わりのない苦しみだったんじゃないか? そんな思いが頭を離れませんでした。 女性として日常的に上司にバカにされ、男性より圧倒的に下の存在であることを自覚しながら、そこに長時間労働が組み合わさったときに、人はどれだけ自尊心を削られるだろう。男性社員なら長時間労働の先にも輝かしい栄光が見えるのではないか。六本木のクラブや銀座コリドー街に行けば、きれいな女の子たちにチヤホヤしてもらえるだろうし、美人の奥さんと結婚できて家事も育児もしてもらえるだろう。でも私たち女性社員は、はたして彼らと同じように働いたところで報われるのだろうか? 子孫も残せないのに生理痛に耐えて残業する日々を何十年も繰り返すのだろうか。 まつりさんの一件から広告業界の労働環境は大きく改善され、どの会社でも夜10時以降の残業はオフィシャルではNGになりました。あれだけ変わらないと思っていた「残業してなんぼ」という慣習も建前としてはなくなったのです。それは奇跡のようなことに思えました。資料をスピーディに作成したり、会議を効率的に進める方法が導入されたり、クライアント対応を調整したりする部署もありました。完全ではないにしろ、やればできたんだと思いました』、「まつりさんを苦しめたのは長時間労働に加えて、女性だからこその終わりのない苦しみだったんじゃないか?」、「男性社員なら長時間労働の先にも輝かしい栄光が見えるのではないか。六本木のクラブや銀座コリドー街に行けば、きれいな女の子たちにチヤホヤしてもらえるだろうし、美人の奥さんと結婚できて家事も育児もしてもらえるだろう」、確かに女性の場合、男性のような息抜きがないのは事実だ。
・『業界を大きく動かした高橋まつりさん 広告業界には「クリエイター・オブ・ザ・イヤー」などの賞があり、広告業界に顕著な変化をもたらした人は毎年表彰されます。たいていは有名クリエイターがノミネートされるのですが、近年で業界を本当に動かしたのは、紛れもなく高橋まつりさんだったと思います。 「まつりさんは敏感な子だったのでは?」「ゆとりは打たれ弱いから」「プライドの高い東大女子が社会に出て鼻をへし折られたのだろう」「仕事ではなくプライベートに問題があったのでは?」「まつりさんのせいで残業すらできなくなった」 そんな社員の声もちらほら聞かれました。 きっと表面上でも話を合わせた方がいいのでしょうが、私は内心モヤモヤしていました。でも実際に同じような経験をした自分たちが生き残って、まつりさんが亡くなってしまったことを考えると、「近頃の若者はがまん強さが足りないから」という結論に到達するのが理解できてしまう自分もいました。 もし自分の娘さんが将来同じ目にあったら、彼らはそんなことを言えるんだろうか? でも彼らは「娘には広告の仕事はさせない」と言うのです。大切な娘にさせたくないヤバい仕事をしている女が、あなたのすぐ目の前にいるんですけど』、「彼らは「娘には広告の仕事はさせない」と言うのです」、父親としての正直な気持ちだろう。
・『「選ばれるはずない」最初からわかっていた まつりさんの件が話題になった頃に、働く女性のストレスを癒すことをコンセプトにした化粧品のコンペがありました。 クライアントのオリエンは「話題性を出したい」ということだったので、いまちょうど話題になっているあのことを出さないわけにはいかないだろう、むしろそれを避けて「前髪を切りすぎちゃった」みたいなゆるふわなストレスを描いたら、噓になってしまうだろうと思いました』、面白そうな「コンペ」だ。
・『CM企画「女性のストレス」篇 <働く女性に様々な言葉がぶつけられ、肌がダメージを受ける様子を描きます> 「疲れた顔をするな」「女子力がない」「女の子は偉い人の隣に行ってお酌して」「女の賞味期限は25歳まで」 NA:現代女性の肌はかつてないほどの大きなストレスにさらされています。 ○○○美容液は△△成分配合で、肌ストレスを軽減。 使うたび、健やかな肌へ。 <夜に自宅で女性が商品を使ってほっとしたような顔> NA:いまを生きる女性とともに。 ○○○美容液。 社内での企画打ち合わせのとき「このクライアントでは実現が難しいと思いますが、こんな方向性もあるかもしれません」と前置きしつつ、この企画をプレゼンしました。 私以外は男性メンバーだらけの会議室は凍りついてしまいました。 男の人は女の怒りの表現に慣れていないのかもしれない、そう思いました。 クリエイティブ・ディレクターは言いました。「広告業界は、最近あんな事件が起きたばかりだしねえ。こういう強い表現だと、クライアントもショックを受けてしまうかもしれないね。笛美の気持ちは伝わるんだけど、もっと他にも癒しを描けてる企画があるから、今回はそっちを出そう」 この企画が選ばれるはずないことなんて、出す前からわかっていました』、「この企画が選ばれるはずないことなんて、出す前からわかっていました」、それでも堂々と「プレゼン」するとはさすがだ。
・『近くて遠い#MeToo 2017年に起きた#MeTooのムーブメントを、私は遠い世界のできごとのように眺めていました。ジャーナリストの伊藤詩織さんが元TBS記者の山口敬之氏にホテルに連れ込まれて性行為を強要されたというニュースを聞いて、新入社員のときに先輩にホテルに連れ込まれかけたことを少しだけ思い出しました。でも当時はちょっと気になるニュースだなとしか思わず、そのまま流していました。 その後、#MeTooの声は、広告業界の男性に向けても上がり始めました。著名なブロガーのはあちゅうさんは、元電通のクリエイティブ・ディレクター岸勇希氏からのセクハラ・パワハラに対して声を上げました。グラビア女優の石川優実さんは、電通の名を騙って枕営業をさせた男性を告発し、芸能界にはびこる枕営業文化を明らかにしました。芸能界の枕営業の噂は、やはり本当だったのだと思いました』、なるほど。
・『うまく言語化できなかった 仕事の合間にニュースアプリでそれらの記事を読みながら、男性たちのした行為自体にはまったく驚きませんでした。正直、本当によくある話だなと思いました。なぜセクハラをする男性というのは、判で押したように同じ言動をとってしまうのだろう? 普段は素晴らしいクリエイターとして評価されている人たちも、セクハラするときはちっともクリエイティブじゃなくなる。 でもなぜ彼らの行いが悪いことなのか、なぜ世の中が騒いでいるのか、自分の言葉でちゃんと説明できませんでした。他の人はバレないように上手くやっているのに、そこら辺を誤って下手にやったから悪いのだろうと思っていました。 私の辞書に「人権」という言葉はあっても、そのページにたどり着くことはできませんでした。セクハラは人権を侵害していて、人間としての尊厳を奪っている。 どんなに競争の激しい業界だからといって、どんなに地位のある業界人だからといって、女性の人権を侵害していいわけではない。偉いクリエイターさんも被害にあった女性も、本当は人間として平等なのだ。そんな当たり前のこともわかりませんでした。 彼女たちが訴えてくれていることが、どれだけ自分の人生に直結しているかも気づいていませんでした。 私はむしろ訴え出た女性に対して驚いていました。なぜ他の人も同じ目にあっているのに、ひとりだけこんなに騒いでるのかな? なぜそこまでして訴え出たの? 社会人生命が終わるのが怖くないのだろうか? 彼女たちはきっとメンタルが強い特別な人で、自分とは違うんだろうと結論づけるしかありませんでした』、「セクハラは人権を侵害していて、人間としての尊厳を奪っている・・・そんな当たり前のこともわかりませんでした」、「彼女たちはきっとメンタルが強い特別な人で、自分とは違うんだろうと結論づけるしかありませんでした」、深く自省したようだ。
・『「女を使う」ってどういうこと? 会社の男性たちは「怖い時代になったものだ」「うかうか女子社員と会話もできない」「なんでもセクハラになってしまう」などと古典的なリアクションをしていて、私もそうだなと思っていました。 でもこんなに世の中で騒ぎになっているのを見ると、やはりうちの業界はおかしかったのかもしれないと思う反面、「異常な環境でサバイブできてる私って特別だ」と自分に酔ったりもしました。 #MeTooをした女性に対して「自分だって女を使って散々トクをしたんだろ」という批判をよく見かけました。その言葉がなぜか私の心にチクリと刺さりました。 私も「女を使った」と男性陣に言われたことがあります。「女を使う」とはどういうことでしょうか? 女として求められる化粧や服装や笑顔や愛想を発動することが「女を使う」になるならば、私は女を使ったことになると思います。自分が「女を使った」から、相手が「女」に反応してセクハラや性加害に及んだのだとしたら、もしかしたら責任の半分は自分にもあるのではないかと思っていました。 じゃあ、なぜ私は女を使わなければいけなかったのでしょうか? 刻々と迫っている、と思わされている女性の人生のタイムリミット。わずか数年で確固たるキャリアを身につけなければならない焦り。早く結果を出すためには、権力のある人と仲よくしたい、無理なことも我慢しようと思うのは、そんなに不自然なことでしょうか? たとえ「何かおかしいな?」と思っても相手から逃げ出せたでしょうか?』、「刻々と迫っている、と思わされている女性の人生のタイムリミット。わずか数年で確固たるキャリアを身につけなければならない焦り。早く結果を出すためには、権力のある人と仲よくしたい、無理なことも我慢しようと思うのは、そんなに不自然なことでしょうか?」、女性の時間概念は男性よりはるかに厳しいことを初めて知った。なるほどと納得した。
先ずは、9月8日付け東洋経済Plus「販売会社との関係再構築が急務 トヨタ「45分で車検」の表示取りやめが示す課題」を紹介しよう。
https://premium.toyokeizai.net/articles/-/28110#contd
・『系列販売店で相次ぐ不祥事。国内はシェア50%を超す独り勝ち状態の中、どのように軌道修正するのか。 「トヨタからの通達があったので、すべて45分で完了するといった誤解を生まないように短時間車検の名前を変えた」 トヨタ自動車系の販売会社、トヨタカローラ名古屋の幹部はそう話す。同社では「でらはや45分車検」と銘打った短時間車検を8月上旬まで展開していたが、お盆休みを挟み、「でらはや車検」に改めた。短時間車検自体は続けている。 「お客様への車検訴求内容のご確認のお願い」――。系列販売会社で相次ぐ不正車検の発覚を受けて、トヨタは8月3日、全国の販売会社にそう題した通達を出した。車検の名称を顧客に誤解のないものにすることに加え、「車種・年式・追加整備によっては、作業時間が長引く、後日改めて整備する場合がある」などの例外表記をわかりやすく、必ず記載するよう求めている。 前出の通達から程なくして、トヨタは自社のホームページから「プロの技術で45分で車検完了」といった文言を削除した。もともと、販売店や整備内容によって作業時間が異なることは明記していた』、あの「トヨタ」で「車検不正」が発生した件については、4月27日、5月26日にも取上げたので、これは続々報である。
・『表記の修正より大事なこと ただ、不正車検が発覚したネッツトヨタ愛知や直営のトヨタモビリティ東京の店舗で、時間内に済ませようとして適切な作業を行わない、いわば「時間の目的化」が不正を招いた事態を重く見た。トヨタ幹部は「メーカーの統一商品として45分車検や60分車検を展開したことが間違いだった」と認める。 通達を受けてどの販社も分数の表示を単純に削除しているわけではない。ネッツトヨタ山形の場合、「プレミアム車検30分」という名称から「30分」をいったん削除した。販社の車検を所管するトヨタの担当者と相談中で、精査が済み次第、「30分」とホームページに掲載するという。 同社が短時間車検として60分車検を導入したのは1999年。その後も作業効率の改善を進め、30分車検を実現。2019年6月から店舗への導入を開始し、今では全店舗が取り扱う。ただし30分車検を実施する際は、60分の事前見積もりを行っている。顧客には2回車を持ってきてもらう必要があるため、逆に不便に思う人もいる。そのため、事前見積もりを行わない60分車検もサービスメニューに残している。 ネッツトヨタ山形の髙橋修社長は「30分で車検を終わらせることが目的ではない。整備士の作業改善が目的で、無駄をなくすことできびきびと楽に働けることが大切だ」と話す。結果として、6カ月点検や12カ月点検、洗車での効率がよくなり、収益にも貢献しているという。 トヨタが販社に対応を求めた車検の名称の確認や表記の修正は、不正車検の再発防止策の一環だが、本質ではない。最も重要なのは短時間車検に対する正しい認識だ。改善を重ねることで、整備士の負荷を減らしつつ、生産性を高める。その結果、作業時間が短縮され、顧客の利便性も向上する。トヨタはその意義を販売会社に対して丁寧に説明し、改めて浸透を図る必要がある。 それが不十分なままだと、慢性的な整備士不足の中で、数ありきの過剰な車検の入庫がなされ、不正車検が再発しかねない』、「メーカーの統一商品として45分車検や60分車検を展開したことが間違いだった」、個別販社の問題というより「トヨタ」全体の問題だ。特に、「短時間車検に対する正しい認識」が重要なようだ。「30分車検を実施する際は、60分の事前見積もりを行っている。顧客には2回車を持ってきてもらう必要があるため、逆に不便に思う人もいる」、なるほど。
・『注目は11月の全国販売店大会 トヨタの販社をめぐっては不適切な個人情報の取り扱いも8月に発覚した。系列の9社が顧客の同意を得ずに計3318人分の個人情報を登録し、トヨタ側に提供していた。 トヨタが展開する顧客向けウェブサービスのIDを発行するため、販売店の営業スタッフが顧客の同意を得ないまま、注文書などに書かれた氏名や生年月日などの個人情報を転用していたという。以前からトヨタは販売店に顧客へのID発行を促しており、今年は取得件数を販売店の表彰制度に盛り込んでいた。評価を高めようと不適切な取り扱いを招いたといえる。 系列販売店で相次ぐ不祥事に対し、「(創業から)80年かけて先輩たちが培ってきた信頼の原点に今こそ立ち返る必要がある」(トヨタ幹部)と危機感を募らせる。トヨタは車検の入庫台数や新車販売台数などを基準とした現在の販売店表彰制度について、今後ゼロベースで見直す方針だ。 販売店表彰制度の新たな方向性を示すとされるのが、例年11月に行う、全国の販売会社の代表を集めた会議だ。 トヨタ系販社の幹部は「評価するのは今の実績なのか、将来性なのか。トヨタが販売店をどうしていきたいかで、新たな評価基準も変わってくる」と話す。トヨタは国内で登録車のシェアが50%を超える。独り勝ちの中で露呈した不正車検などのほころびをどう是正していくのか。全国の販売を支える260近い地場の販社との関係構築のあり方が問われている。)』、「11月」の「全国の販売会社の代表を集めた会議」で、どんな方針が示されるのかが注目される。
次に、8月23日付けPRESIDENT Onlineが掲載した広告関連の仕事をしている女性、笛美(ふえみ)氏による「同業界にいた女性の叫び「電通の高橋まつりさんは長時間労働に殺されたんじゃない」 自分も同じ行動をしたかもしれない」を紹介しよう。
https://president.jp/articles/-/48871
・『現在、広告業界で働きながら、ツイッターでフェミニズムに関する発信を続けている笛美さんは、かつて大手広告代理店で働いていました。2016年、電通で働いていた高橋まつりさんが亡くなったというニュースを見た笛美さんは、大きな衝撃を受けました――。 ※本稿は、笛美『ぜんぶ運命だったんかい おじさん社会と女子の一生』(亜紀書房)の一部を再編集したものです』、興味深そうだ。
・『高橋まつりさんのツイッター 30歳になろうとする頃、少しずつ世の中の空気が変わりはじめました。 2016年、当時電通の新入社員だった高橋まつりさんが前年のクリスマスの朝に自殺したことが大きく話題になりました。会社でそのニュースを同僚が話しているのを聞いたとき、まるで冬のコンクリートの冷たさを肌で感じたような気がしました。 気になってスマホでまつりさんのTwitterアカウントを検索してみると、アカウントは削除されずにちゃんと残っていました。誰にも見られないように気をつけながらスマホで彼女のタイムラインを見ました。 「部長(…)「髪ボサボサ、目が充血したまま出勤するな」「今の業務量で辛いのはキャパがなさすぎる」 わたし「充血もダメなの?」 この人は、私なのだろうか? 「充血した目で会社にくるな」は私が新入社員のときに先輩から指摘されたこと、そのまんまじゃないか。 「1日20時間とか会社にいるともはや何のために生きてるのか分からなくなって笑けてくるな」 うんうん、わかるよ。1日20時間会社にいると、意識が朦朧として、まともな思考ができなくなるんだよね。みんな平気なのかと思ってたけど、辛いのは私だけじゃなかったんだ』、「高橋まつり」さんとは気持ちが通じる面が大きかったようだ。
・『怖いくらいわかりすぎる 男性上司から女子力がないだのなんだのと言われるの、笑いを取るためのいじりだとしても我慢の限界である。おじさんが禿げても男子力がないと言われないのずるいよね。鬱だ~」 ほんとそれ! ていうか、こんなかわいい人にまで女子力いじりする上司がいるんだね。腹立つな。 「私の仕事や名前には価値がないのに、若い女の子だから手伝ってもらえた仕事。聞いてもらえた悩み。許してもらえたミス」 なんだろうね、大学まではクラスのリーダー的存在でも、社会人になってからいきなり「若い女の子」扱いされるあの感じ。ありがたいんだけど複雑だよね。人はいつか老いるし。 「優しかったり面白かったり超仕事できたり後輩や同僚思いだったりする先輩や同期も、たまにプライベートが垣間見えることがあって、仕事が終われば女の子を弄んだり泣かしたりしているいわゆるところの『広告マン』なんだなぁと思うと切ない気持ちになる」 うんうん! 自分にはやさしい上司が、他の女子を粗末に扱っているのを見ると空恐ろしくなるよね。男性の先輩のモテっぷりに比べて女性の自分は……と愕然とすることもあったよ。 「異性とまともに愛を育む時間がなく子孫を残せる可能性がないのでは?と危機感を覚えてるのに、しっかり生理痛にだけは悩まされてるのかわいそうじゃないですか?」 ああ、怖いくらいわかりすぎる。自分は子孫を残せないかもしれない絶望感。でも体は子孫を残すために機能し続ける虚しさ』、「自分は子孫を残せないかもしれない絶望感。でも体は子孫を残すために機能し続ける虚しさ」、女性特有なのだろう。
・『私はただ運が良かっただけ まつりさん、辛かったね。寂しかったね。殺伐としたオフィスの片隅で、押しつぶされそうになりながら頑張っていたんだね。 彼女は私と同じような景色を見て、私と同じような痛みを感じていた。しかも、私がこれまで自覚しないようにしてきた感情の一つ一つを言語化していた。その存在に気づいたときには、彼女はもうこの世にはいなかったけれど。 広告業界の女性たちは、多かれ少なかれ、きっとまつりさんと同じような経験をしているはずです。ちょっとでも条件が違ったら、私だってまつりさんと同じ行動をとっていたかもしれません。ただ、私は運よく自分が好きな仕事ができていたから、長時間の残業や理不尽にも耐えることができました。そして私には運よく自分のことを気にかけてくれる密な人間関係がありました。でもどんな部署に配属されるかなんて、努力ではどうにもならない。もはや運でしかない。それは会社の中で何の権力も持たない新入社員がどうにかできる問題ではないと思うのです。 もしも私がまつりさんと同じ部署にいる先輩だったら、悩みを聞いてあげられたのに。いや、でも無理だったに違いない。きっとその場にいたら、忙しくて殺伐とした空気に飲み込まれてしまって、誰かを気遣うとかそんな余裕もなかったかもしれません。かわいい新入社員に女の子ポジションを脅かされるのではないかと、ライバル心を燃やしていた可能性もあります』、「もしも私がまつりさんと同じ部署にいる先輩だったら、悩みを聞いてあげられたのに。いや、でも無理だったに違いない。きっとその場にいたら、忙しくて殺伐とした空気に飲み込まれてしまって、誰かを気遣うとかそんな余裕もなかったかもしれません」、筆者は自省が深いようだ。
・『残業時間に注目するのは「ピントがずれている」 ニュースでは残業時間月100時間という労働環境の悪さばかりが注目されたけど、私はどこかピントがずれているような気がしました。実際、広告業界では月100時間残業している人なんてざらにいました。まつりさんを苦しめたのは長時間労働に加えて、女性だからこその終わりのない苦しみだったんじゃないか? そんな思いが頭を離れませんでした。 女性として日常的に上司にバカにされ、男性より圧倒的に下の存在であることを自覚しながら、そこに長時間労働が組み合わさったときに、人はどれだけ自尊心を削られるだろう。男性社員なら長時間労働の先にも輝かしい栄光が見えるのではないか。六本木のクラブや銀座コリドー街に行けば、きれいな女の子たちにチヤホヤしてもらえるだろうし、美人の奥さんと結婚できて家事も育児もしてもらえるだろう。でも私たち女性社員は、はたして彼らと同じように働いたところで報われるのだろうか? 子孫も残せないのに生理痛に耐えて残業する日々を何十年も繰り返すのだろうか。 まつりさんの一件から広告業界の労働環境は大きく改善され、どの会社でも夜10時以降の残業はオフィシャルではNGになりました。あれだけ変わらないと思っていた「残業してなんぼ」という慣習も建前としてはなくなったのです。それは奇跡のようなことに思えました。資料をスピーディに作成したり、会議を効率的に進める方法が導入されたり、クライアント対応を調整したりする部署もありました。完全ではないにしろ、やればできたんだと思いました』、「まつりさんを苦しめたのは長時間労働に加えて、女性だからこその終わりのない苦しみだったんじゃないか?」、「男性社員なら長時間労働の先にも輝かしい栄光が見えるのではないか。六本木のクラブや銀座コリドー街に行けば、きれいな女の子たちにチヤホヤしてもらえるだろうし、美人の奥さんと結婚できて家事も育児もしてもらえるだろう」、確かに女性の場合、男性のような息抜きがないのは事実だ。
・『業界を大きく動かした高橋まつりさん 広告業界には「クリエイター・オブ・ザ・イヤー」などの賞があり、広告業界に顕著な変化をもたらした人は毎年表彰されます。たいていは有名クリエイターがノミネートされるのですが、近年で業界を本当に動かしたのは、紛れもなく高橋まつりさんだったと思います。 「まつりさんは敏感な子だったのでは?」「ゆとりは打たれ弱いから」「プライドの高い東大女子が社会に出て鼻をへし折られたのだろう」「仕事ではなくプライベートに問題があったのでは?」「まつりさんのせいで残業すらできなくなった」 そんな社員の声もちらほら聞かれました。 きっと表面上でも話を合わせた方がいいのでしょうが、私は内心モヤモヤしていました。でも実際に同じような経験をした自分たちが生き残って、まつりさんが亡くなってしまったことを考えると、「近頃の若者はがまん強さが足りないから」という結論に到達するのが理解できてしまう自分もいました。 もし自分の娘さんが将来同じ目にあったら、彼らはそんなことを言えるんだろうか? でも彼らは「娘には広告の仕事はさせない」と言うのです。大切な娘にさせたくないヤバい仕事をしている女が、あなたのすぐ目の前にいるんですけど』、「彼らは「娘には広告の仕事はさせない」と言うのです」、父親としての正直な気持ちだろう。
・『「選ばれるはずない」最初からわかっていた まつりさんの件が話題になった頃に、働く女性のストレスを癒すことをコンセプトにした化粧品のコンペがありました。 クライアントのオリエンは「話題性を出したい」ということだったので、いまちょうど話題になっているあのことを出さないわけにはいかないだろう、むしろそれを避けて「前髪を切りすぎちゃった」みたいなゆるふわなストレスを描いたら、噓になってしまうだろうと思いました』、面白そうな「コンペ」だ。
・『CM企画「女性のストレス」篇 <働く女性に様々な言葉がぶつけられ、肌がダメージを受ける様子を描きます> 「疲れた顔をするな」「女子力がない」「女の子は偉い人の隣に行ってお酌して」「女の賞味期限は25歳まで」 NA:現代女性の肌はかつてないほどの大きなストレスにさらされています。 ○○○美容液は△△成分配合で、肌ストレスを軽減。 使うたび、健やかな肌へ。 <夜に自宅で女性が商品を使ってほっとしたような顔> NA:いまを生きる女性とともに。 ○○○美容液。 社内での企画打ち合わせのとき「このクライアントでは実現が難しいと思いますが、こんな方向性もあるかもしれません」と前置きしつつ、この企画をプレゼンしました。 私以外は男性メンバーだらけの会議室は凍りついてしまいました。 男の人は女の怒りの表現に慣れていないのかもしれない、そう思いました。 クリエイティブ・ディレクターは言いました。「広告業界は、最近あんな事件が起きたばかりだしねえ。こういう強い表現だと、クライアントもショックを受けてしまうかもしれないね。笛美の気持ちは伝わるんだけど、もっと他にも癒しを描けてる企画があるから、今回はそっちを出そう」 この企画が選ばれるはずないことなんて、出す前からわかっていました』、「この企画が選ばれるはずないことなんて、出す前からわかっていました」、それでも堂々と「プレゼン」するとはさすがだ。
・『近くて遠い#MeToo 2017年に起きた#MeTooのムーブメントを、私は遠い世界のできごとのように眺めていました。ジャーナリストの伊藤詩織さんが元TBS記者の山口敬之氏にホテルに連れ込まれて性行為を強要されたというニュースを聞いて、新入社員のときに先輩にホテルに連れ込まれかけたことを少しだけ思い出しました。でも当時はちょっと気になるニュースだなとしか思わず、そのまま流していました。 その後、#MeTooの声は、広告業界の男性に向けても上がり始めました。著名なブロガーのはあちゅうさんは、元電通のクリエイティブ・ディレクター岸勇希氏からのセクハラ・パワハラに対して声を上げました。グラビア女優の石川優実さんは、電通の名を騙って枕営業をさせた男性を告発し、芸能界にはびこる枕営業文化を明らかにしました。芸能界の枕営業の噂は、やはり本当だったのだと思いました』、なるほど。
・『うまく言語化できなかった 仕事の合間にニュースアプリでそれらの記事を読みながら、男性たちのした行為自体にはまったく驚きませんでした。正直、本当によくある話だなと思いました。なぜセクハラをする男性というのは、判で押したように同じ言動をとってしまうのだろう? 普段は素晴らしいクリエイターとして評価されている人たちも、セクハラするときはちっともクリエイティブじゃなくなる。 でもなぜ彼らの行いが悪いことなのか、なぜ世の中が騒いでいるのか、自分の言葉でちゃんと説明できませんでした。他の人はバレないように上手くやっているのに、そこら辺を誤って下手にやったから悪いのだろうと思っていました。 私の辞書に「人権」という言葉はあっても、そのページにたどり着くことはできませんでした。セクハラは人権を侵害していて、人間としての尊厳を奪っている。 どんなに競争の激しい業界だからといって、どんなに地位のある業界人だからといって、女性の人権を侵害していいわけではない。偉いクリエイターさんも被害にあった女性も、本当は人間として平等なのだ。そんな当たり前のこともわかりませんでした。 彼女たちが訴えてくれていることが、どれだけ自分の人生に直結しているかも気づいていませんでした。 私はむしろ訴え出た女性に対して驚いていました。なぜ他の人も同じ目にあっているのに、ひとりだけこんなに騒いでるのかな? なぜそこまでして訴え出たの? 社会人生命が終わるのが怖くないのだろうか? 彼女たちはきっとメンタルが強い特別な人で、自分とは違うんだろうと結論づけるしかありませんでした』、「セクハラは人権を侵害していて、人間としての尊厳を奪っている・・・そんな当たり前のこともわかりませんでした」、「彼女たちはきっとメンタルが強い特別な人で、自分とは違うんだろうと結論づけるしかありませんでした」、深く自省したようだ。
・『「女を使う」ってどういうこと? 会社の男性たちは「怖い時代になったものだ」「うかうか女子社員と会話もできない」「なんでもセクハラになってしまう」などと古典的なリアクションをしていて、私もそうだなと思っていました。 でもこんなに世の中で騒ぎになっているのを見ると、やはりうちの業界はおかしかったのかもしれないと思う反面、「異常な環境でサバイブできてる私って特別だ」と自分に酔ったりもしました。 #MeTooをした女性に対して「自分だって女を使って散々トクをしたんだろ」という批判をよく見かけました。その言葉がなぜか私の心にチクリと刺さりました。 私も「女を使った」と男性陣に言われたことがあります。「女を使う」とはどういうことでしょうか? 女として求められる化粧や服装や笑顔や愛想を発動することが「女を使う」になるならば、私は女を使ったことになると思います。自分が「女を使った」から、相手が「女」に反応してセクハラや性加害に及んだのだとしたら、もしかしたら責任の半分は自分にもあるのではないかと思っていました。 じゃあ、なぜ私は女を使わなければいけなかったのでしょうか? 刻々と迫っている、と思わされている女性の人生のタイムリミット。わずか数年で確固たるキャリアを身につけなければならない焦り。早く結果を出すためには、権力のある人と仲よくしたい、無理なことも我慢しようと思うのは、そんなに不自然なことでしょうか? たとえ「何かおかしいな?」と思っても相手から逃げ出せたでしょうか?』、「刻々と迫っている、と思わされている女性の人生のタイムリミット。わずか数年で確固たるキャリアを身につけなければならない焦り。早く結果を出すためには、権力のある人と仲よくしたい、無理なことも我慢しようと思うのは、そんなに不自然なことでしょうか?」、女性の時間概念は男性よりはるかに厳しいことを初めて知った。なるほどと納得した。
タグ:企業不祥事 「もしも私がまつりさんと同じ部署にいる先輩だったら、悩みを聞いてあげられたのに。いや、でも無理だったに違いない。きっとその場にいたら、忙しくて殺伐とした空気に飲み込まれてしまって、誰かを気遣うとかそんな余裕もなかったかもしれません」、筆者は自省が深いようだ。 あの「トヨタ」で「車検不正」が発生した件については、4月27日、5月26日にも取上げたので、これは続々報である。 「刻々と迫っている、と思わされている女性の人生のタイムリミット。わずか数年で確固たるキャリアを身につけなければならない焦り。早く結果を出すためには、権力のある人と仲よくしたい、無理なことも我慢しようと思うのは、そんなに不自然なことでしょうか?」、女性の時間概念は男性よりはるかに厳しいことを初めて知った。なるほどと納得した。 「セクハラは人権を侵害していて、人間としての尊厳を奪っている・・・そんな当たり前のこともわかりませんでした」、「彼女たちはきっとメンタルが強い特別な人で、自分とは違うんだろうと結論づけるしかありませんでした」、深く自省したようだ。 「自分は子孫を残せないかもしれない絶望感。でも体は子孫を残すために機能し続ける虚しさ」、女性特有なのだろう。 「高橋まつり」さんとは気持ちが通じる面が大きかったようだ。 東洋経済Plus 「彼らは「娘には広告の仕事はさせない」と言うのです」、父親としての正直な気持ちだろう。 面白そうな「コンペ」だ。 「同業界にいた女性の叫び「電通の高橋まつりさんは長時間労働に殺されたんじゃない」 自分も同じ行動をしたかもしれない」 「メーカーの統一商品として45分車検や60分車検を展開したことが間違いだった」、個別販社の問題というより「トヨタ」全体の問題だ。特に、「短時間車検に対する正しい認識」が重要なようだ。「30分車検を実施する際は、60分の事前見積もりを行っている。顧客には2回車を持ってきてもらう必要があるため、逆に不便に思う人もいる」、なるほど。 (その25)(販売会社との関係再構築が急務 トヨタ「45分で車検」の表示取りやめが示す課題、同業界にいた女性の叫び「電通の高橋まつりさんは長時間労働に殺されたんじゃない」 自分も同じ行動をしたかもしれない) 「11月」の「全国の販売会社の代表を集めた会議」で、どんな方針が示されるのかが注目される。 「この企画が選ばれるはずないことなんて、出す前からわかっていました」、それでも堂々と「プレゼン」するとはさすがだ。 笛美 「販売会社との関係再構築が急務 トヨタ「45分で車検」の表示取りやめが示す課題」 PRESIDENT ONLINE 「まつりさんを苦しめたのは長時間労働に加えて、女性だからこその終わりのない苦しみだったんじゃないか?」、「男性社員なら長時間労働の先にも輝かしい栄光が見えるのではないか。六本木のクラブや銀座コリドー街に行けば、きれいな女の子たちにチヤホヤしてもらえるだろうし、美人の奥さんと結婚できて家事も育児もしてもらえるだろう」、確かに女性の場合、男性のような息抜きがないのは事実だ。
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