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暗号資産(仮想通貨)(その21)(ビットコインに触手を伸ばし始めたウォール街の巨人たち 機関投資家の参入相次ぐ、バイデンが暗号資産関連の大統領令に署名 ビットコインや先物ETFが急騰、暗号資産世界大手がリキッドグループを傘下に 巨大交換所「FTX」が日本上陸 同業買収のその先)

暗号資産(仮想通貨)については、昨年11月20日に取上げた。今日は、(その21)(ビットコインに触手を伸ばし始めたウォール街の巨人たち 機関投資家の参入相次ぐ、バイデンが暗号資産関連の大統領令に署名 ビットコインや先物ETFが急騰、暗号資産世界大手がリキッドグループを傘下に 巨大交換所「FTX」が日本上陸 同業買収のその先)である。

先ずは、本年1月20日付けダイヤモンド・オンラインが掲載したクラーケン・ジャパン代表の千野剛司氏による「ビットコインに触手を伸ばし始めたウォール街の巨人たち、機関投資家の参入相次ぐ」を紹介しよう。
https://diamond.jp/articles/-/293679
・『2021年は、ビットコインの注目度が格段に上がった一年だった。日本ではさほど動きがないが、世界に目を向けてみると、ウォール街の大手金融機関や機関投資家が本腰を入れ始めたほか、エルサルバドルなどのように、国家がビットコインを保有する動きも見られるようになった。世界がビットコインに本気になる中、日本は動きが鈍いまま。世界の潮流に乗り遅れないようにする必要がある』、興味深そうだ。
・『世界に大きく遅れた日本の現状  2021年、米国ではウォール街の投資家やシリコンバレーを代表する企業が暗号資産市場に参入し、2兆ドル(約230兆円)超の規模となった暗号資産の果実を得ようと、本気で動き出しました。一方、2014年頃までには世界最大のビットコイン取引所が拠点を持ち、2017年の強気相場を牽引(けんいん)した日本は、2021年、世界の暗号資産トレンドから取り残されてしましました。 例えば、暗号資産の時価総額トップ10に現在、日本発のプロジェクトはありません(ビットコインの開発者が日本人であるという説もありますが、真相は分からないので置いておきます)。それどころか、日本の暗号資産取引所では、執筆時点で時価総額トップ10の暗号資産の半分の取り扱いすら始めていません。 また、2021年は暗号資産マーケットが世界的に堅調であったにもかかわらず、日本は盛り上がりに欠けました。日本暗号資産取引業協会(JVCEA)によりますと、データ取得が可能な2021年1月〜11月までの日本国内の現物の取引高は約34兆円。年後半にビットコインなどの価格が上がった2020年の1年間と比べると約3倍でした。これに対して、例えばクラーケンの現物の取引高は、同時期に約64兆円を記録し、2020年の年間取引高と比べても約5.6倍と大きく増えました。日本国内全体の取引高がクラーケン1社より低い上に、伸び率でも差をつけられているのです。 確かに、日本にはマウントゴックス事件やコインチェック事件など、巨額ハッキングが頻発したという不幸な歴史がありました。また、2017年のバブル時に登場した「億り人」による単なる金もうけといったイメージも加わり、世間的に暗号資産に対するイメージは悪いのが現状です。しかし、「そうも言っていられなくなった」のが昨年、世界から突きつけられた現実です。 暗号資産データ収集サイトCoinMarketCapによりますと、現在9000種類以上の暗号資産が存在します。その中でも、米国の機関投資家や大手企業がとりわけ注目しているのは、やはり時価総額が一番大きなビットコインです。現在約235兆円ある暗号資産市場全体の時価総額に占めるビットコインの割合は、減少傾向にありますが、40%近くあります。最近は、インフレ懸念が高まっていることもあり、金と似た特徴を持つビットコインには「インフレヘッジ」としての役割が期待されています。 本稿では、2021年に日本が沈黙していた間、米国の投資家と大手企業が暗号資産に対する目線をどのように変えたのかを解説します』、米国市場では、どのような変化があったのだろう。
・『動き出すウォール街の巨人たち  2021年は、米国を中心に機関投資家や大手企業による業界への参入が、一気に加速した年でした。以下は、機関投資家や大手企業の主な動きをまとめたものです。 ・ブラックロックが、ビットコイン投資を念頭においた二つのファンドを認可 ・モルガン・スタンレーが、ビットコインのファンドに対する富裕層の顧客のアクセスを許可 ・BNYメロンが、顧客の代わりにビットコインの保有・送金をするサービスを発表 ・ステート・ストリートが、デジタル資産向けの取引プラットフォームに必要なインフラを提供すると発表 ・金融サービス会社コーウェンが、ヘッジファンドなどに暗号資産のカストディサービス(投資家に代わって有価証券の保管・管理などを行うサービス)提供を計画していると発表 ・ヘッジファンドのPoint72が、暗号資産投資を検討していると発表 ・JPモルガンが、富裕層の顧客に対して暗号資産ファンドへのアクセスを許可 ・資産運用会社ニューバーガー・バーマンが、1億6400万ドルのコモディティ特化のミューチュアルファンドでビットコインとイーサリアムに間接的に投資できるように許可 ・資産運用会社フランクリン・テンプルトンが、ビットコインとイーサリアムのトレーダーを募集していると発表 ・ジョージ・ソロスのファミリーオフィスが、ビットコインに投資していたことが判明 ・JPモルガンが、富裕層の顧客向けにビットコインファンドを立ち上げ ・ハーバード大学、エール大学、ブラウン大学の基金が2020年以降でビットコインを購入していたことが判明 また、2021年、新たに暗号資産に興味を示し始めたウォール街の重鎮も複数いました。 例えば、ヘッジファンド運営会社ブリッジウォーター・アソシエーツの創業者レイ・ダリオはビットコインについて「大した発明だ」と発言し、ビットコイン投資によって法定通貨の価値減少を防ぐことを目指すファンドの立ち上げを検討していると明かしました。投資会社オークツリー・キャピタル・マネジメントの共同創業者ハワード・マークスは、以前はビットコインを本質的な価値がないと言って否定していましたが、最近になってこうした考えを改めました。 スカイブリッジ・キャピタル創業者アンソニー・スカラムッチは、ビットコインは債券や金を持つことと同じぐらい安全と発言し、チューダー・インベストメント創業者ポール・チューダー・ジョーンズはインフレヘッジとして金よりビットコインを好むと述べ、バリー・スターリヒトは「西半球の全ての政府が無制限にマネーを刷る」のでビットコインを保有していると話しました。 また、伝統的な金融企業や投資家の間では、暗号資産系の投資ファンドに直接投資する動きも見られ、暗号資産関連の投資を手がけるファンドの預かり資産(AUM)は急増。2021年1月の362億5000万ドルから、2021年10月には596億ドルまで増えました』、これだけ多くのプレイヤーが取り組みを本格化させたとは、市場は着実に厚みを増しているようだ。
・『上場企業のバランスシートにビットコインが登場  インフレヘッジや分散投資を目的として、米国を中心にバランスシートにビットコインを追加する上場企業も増えています。 2021年、上場企業の中で最もビットコインを購入したのは、ナスダックに上場するマイクロストラテジー社でした。1年間で5万BTCを購入し、上場企業が保有するビットコイン総額の6.5%を保有しています。 ビットコインを保有する上場企業を国別に見ると、米国が一番多く、カナダが続いており、北米企業の強さがみられます。 米国大手企業は、ビットコインをバランスシートに追加しただけではありません。例えば、マスターカードは加盟店向けに暗号資産支払いのサポートを行う計画を立て、Visaは米ドルと連動するステーブルコインUSDCで決済を行うという試験を発表しました。さらに、ペイパルは暗号資産による精算を導入、パランティア・テクノロジーズがビットコインを支払い手段として受け入れ、スクエア社は「ブロック」へと暗号資産風に社名を変更しました。 とりわけ、今年注目なのはブロックの動向でしょう。ブロックは、Twitter創業者のジャック・ドーシーが設立した会社です。そのジャック・ドーシーは、「人生においてビットコインほど重要なことは何もない」というほどビットコインに没頭しており、TwitterのCEOを辞めた後に、スクエア社のブロックへの社名変更を発表しました。今後、ビットコインを基盤とした分散型取引所(DEX)の立ち上げやマイニング事業、関連技術の開発を進めていくとみられています』、「Twitter創業者のジャック・ドーシー」氏が「人生においてビットコインほど重要なことは何もない」、とは凄い思い入れだ。
・『ビットコイン投資の利益を公共事業に  ビットコインに魅了されているのは投資家や企業だけではありません。国レベルでも、ビットコインの恩恵を受けようという動きが出てきています。 2021年、最も注目されたのは、中米エルサルバドルによるビットコインの法定通貨としての採用でしょう。エルサルバドルのブケレ大統領は、ビットコイン価格が下がるたびに押し目買いをして、国として保有するビットコインの保有量を増やしています。こうしたビットコイン投資のリターンは学校建設などを通じて国民に還元されています。 エルサルバドル以外にも、ウクライナやブルガリアなどビットコインを保有する国は存在しており、ビットコイン供給量の上限である2100万BTCの1.25%を占めています。 法定通貨が安定している先進国においては、国がビットコインを保有するというイメージができないかもしれません。しかし高いインフレに頭を悩ませる新興国は、ビットコインへの注目度が高いのです。2022年、ビットコインに頼らざるを得なくなる国が増えるかどうか、注目しています。 一方、米国政府のビットコインに対する姿勢は不透明ですが、米国ではマイアミとニューヨークという大都市で受け入れ体制が整い始めています』、「エルサルバドル」では、「ビットコイン価格が下がるたびに押し目買いをして、国として保有するビットコインの保有量を増やしています。こうしたビットコイン投資のリターンは学校建設などを通じて国民に還元されています」、リターンを「学校建設などを通じて国民に還元」とはいいことだ。
・『マイアミ  2020年12月 フランシス・スアレス市長が市の財務資産の1%をビットコインにすることを検討 2021年1月 スアレス市長が「マイアミ市を暗号資産イノベーションのハブ」にすると強調 2021年3月 スアレス市長がビットコインマイニング業者の積極的な誘致を検討 2021年8月 マイアミ市がインフラやイベントへの資金調達手段として独自暗号資産MiamiCoinを立ち上げ 2021年10月 市の職員へのビットコインでの給料支払いの許可を検討』、「市の職員へのビットコインでの給料支払いの許可を検討」とはいっても、「ビットコイン」は価格が不安定なだけにどういう価格で支払うかは、悩ましい問題だ。
・『ニューヨーク  2021年11月 ビットコインに友好的なエリック・アダムス候補がニューヨーク市長選で勝利 2021年11月 アダムス市長、市長として最初の3カ月の給与をビットコインで受け取ると宣言 2021年11月 アダムス市長、ニューヨーク市を暗号資産業界の中心にすると宣言 2021年11月 ニューヨークシティコイン(NYC Coin)が始動』、「ニューヨーク市長として最初の3カ月の給与をビットコインで受け取る」のは、自分のことなので問題ない。 
・『2022年1月3日、ビットコイン誕生から13年の月日がたちました。未成熟な業界であることは確かであり、詐欺行為やハッキングには常に気をつけなければいけません。ただ上記の通り、米国ではプロの投資家や大手企業、大都市が大きく暗号資産に対する見方を変えてきています。さらにエルサルバドルやウクライナ、ブルガリアのように、国家レベルでビットコインを保有する動きも出てきています。これ以上後れを取らないためにも、日本は長い眠りから目覚める必要があるでしょう』、「日本」は果たして「目覚める」だろうか。

次に、3月10日付けYahooニュースが転載したあたらしい経済「バイデンが暗号資産関連の大統領令に署名、ビットコインや先物ETFが急騰」を紹介しよう。
https://news.yahoo.co.jp/articles/d8bfe1675b8c118036be3c6f10da61a8656c4802
・『大統領令署名後にビットコイン急騰  ジョー・バイデン(Joe Biden)米大統領が、中央銀行デジタル通貨であるデジタルドル発行やその他の暗号資産(仮想通貨)問題の利点とリスクを評価するよう米政府機関に求める大統領令に9日署名した。これを受けビットコイン価格は急騰した。 この大統領令は、米国の金融システムにおける暗号資産の採用を拡大させる可能性があると考えられている。 バイデン大統領が署名した大統領令は、財務省、商務省、その他の主要機関に対して、「貨幣の未来」と「暗号資産が果たす役割」に関する報告書を作成するよう求めるものだ。 ウクライナ戦争により、制裁体制が整った昨今、不正金融に対抗し、金融の安定と国家安全保障へのリスクを防止するデジタル資産の規制枠組みを整備することが二重に求められている」と法律事務所フィッシャーブロイレス(FisherBroyles)のマネージングパートナーであるマイケル・ピアソン(Michael Pierson)氏は述べている。 ホワイトハウスは昨年、拡大するランサムウェアなどのサイバー犯罪の脅威に対処するため、大統領令を含む暗号資産市場の広範な監視を検討していると発表していた』、米国政府が漸く重い腰を上げたようだ。
・『日中の取引でビットコインは9.1%上昇の42,280ドルで、2月28日以来最大の上昇率になる。一方でイーサリアムは6.3%上昇の2,740ドルとなっており、これも今月最高の数字になりそうだ。 世界最大の暗号資産関連の取引商品のプロバイダー21Sharesの最高経営責任者兼共同創設者のハニー・ラシュワン(Hany Rashwan)氏は「21Sharesでは、投資家に暗号資産を紹介および公開する最善の方法は、安全で規制されたアプローチであると常に考えてきました」、「本日の出来事は、米国が今後何年にもわたってクリプト(暗号資産関連の総称)のリーダーとしての地位を確立するのに役立つでしょう」と述べている。 昨年末に規制当局の承認を得たビットコイン先物を追跡する米国の上場投資信託(ETF)も価格が上昇した。プロシェアーズ・ビットコイン・ストラテジー・ETF(ProShares Bitcoin Strategy ETF)とヴァルキリー・ビットコイン・ストラテジー・ETF(Valkyrie Bitcoin Strategy ETF)は取引が始まるとそれぞれ9.8%と10.2%急騰した。 また米国のマイニング業者の株価も上昇した。ライオットブロックチェーン(Riot Blockchain)は11.9%、マラソン・デジタル・ホールディングス(Marathon Digital Holdings)は14.6%急騰し、また暗号資産取引所コインベースグローバル(Coinbase Global Inc)の株価は9.4%上昇した。 ※この記事は「あたらしい経済」がロイターからライセンスを受けて編集加筆したものです』、「米国が今後何年にもわたってクリプト・・・のリーダーとしての地位を確立するのに役立つでしょう」、米国がこれまで静観していたのは、イノベーションが急速な市場に規制を持ち込むことで、イノベーションを阻害しないようにしていたためとみられているが、イノベーションも一服したと判断したのかも知れない。これで、相場や市場が息を吹き返したようだ。

第三に、3月17日付け東洋経済Plus「暗号資産世界大手がリキッドグループを傘下に 巨大交換所「FTX」が日本上陸、同業買収のその先」を紹介しよう。
https://premium.toyokeizai.net/articles/-/30079
・『暗号資産交換所の世界大手FTXが、日本の同業・リキッドグループを買収する。かつて不正流出も経験したリキッドは、新体制でどのように成長を目指すのか。 メジャーリーグで活躍する大谷翔平選手を「グローバル・アンバサダー」に起用したことで、日本の一般メディアでも取り上げられた海外の暗号資産交換所・FTX。バハマに本社を置き、取引高は全世界で五本の指に入る。アメリカの調査会社・CBインサイツによると、企業価値は320億ドル(約3.7兆円)に上る。 そんな成長期待の大きいユニコーンが、暗号資産交換所「Liquid by Quoine(リキッドバイコイン)」を日本やシンガポールで運営するリキッドグループを買収、日本市場に上陸する。3月末をメドに買収手続きを終えた後、サービス名も「FTXジャパン」に改める。なお、買収総額は公表していない。 リキッドグループの2021年9月時点での国内預かり資産は約220億円。預かり資産で国内1位・ビットフライヤーの4%にすぎないが、その動向は見逃せない。同社の栢森(かやもり)加里矢CEOに、買収されるに至った経緯を含めて話を聞いた(Qは聞き手の質問、Aは栢森氏の回答)』、興味深そうだ。
・『「救済型」の買収ではない  Q:FTXに買収されることになった経緯を教えてください。2021年8月の暗号資産不正流出を機に、FTXから1.2億ドルの融資を受けたことから今回の話に至ったのでしょうか。  A:不正流出が起きる前からFTXとは接点があった。FTXのサムさん(創業者でCEOのサム・バンクマン・フリード氏)とは、2019年に台湾で開かれたイベントの壇上で初めて顔をあわせた。 彼がFTXを創業した直後のことだったが、斬新でイノベーティブなプロダクトとサービスに加えて、リスクコントロールを切り口に交換所サービスを作っており、さすがだなと思った。 FTXでは、レバレッジ取引でロスカット(強制決済)が生じにくいように証拠金の算定(クロスマージン導入)を工夫したり、マーケットの急変動でシステムがダウンしないよう設計したりしている。 そのプロダクトを日本に持ってきたいと考え、不正流出が起こる前の2021年春くらいから業務提携の話をしていた。 Q:今回の買収は「救済型」ではないと。 A:不正流出を受けてFTXから融資を受け、そこから自然な流れで資本まで含めた話がスタートした。不正流出もあったので動きが加速した、というのが実情だ。 100%買収となったのは、中途半端はよくないと判断したため。グループに入るのであれば、「FTXジャパン」として衣替えし、プロダクトもいいものへと入れ替えていくことが重要。そのためにもリキッドグループ全体を買収してもらう形になった。 Q:栢森さんを含めて現経営陣はどうなるのでしょう? A:全員残る。それが条件だったわけではなく、FTXからお願いされた。 彼らが得意なのは、顧客にとっていいプロダクトの提供。一方でわれわれに求められているのは、法令や規制当局への対応、オペレーション周りだ。FTXとは補完関係にある。バイアウトとしては理想的な形となった。 Q:不正流出事件ではシンガポールのグループ会社で約9100万ドル(約104億円)の被害が発生。顧客は全額返金で損を被ることはありませんでしたが、流出した暗号資産を取り戻せるのでしょうか。 シンガポールや日本の警察当局、アメリカのFBIと連携し調査を継続中だ。流出した暗号資産はミキシングされる(取引データを複数混ぜ合わせる)などして、方々へ流れていくので回収は難しいだろう。 それもあってFTXから融資を受けた。それ以上はお話しできない状況だ。 Q:FTXにはどのような印象を持っていますか。 (栢森氏の略歴はリンク先参照) FTXは各国の法令を重視している。ライセンスが必要となる国では自ら取得したり、それを持つ企業を買収したりする。規制に対応していることが競合優位性になるというのがサムさんの考え。ぎりぎりの線でお金儲けをして、いろいろな国から警告を受けているオフショア系とは違う。 サムさんには、お金儲けではなく世の中をよくしていきたいとの思いがある。お金に執着しておらず、自分の財はすべて寄付に回すと言うような人だ』、「FTXでは、レバレッジ取引でロスカット(強制決済)が生じにくいように証拠金の算定(クロスマージン導入)を工夫したり、マーケットの急変動でシステムがダウンしないよう設計したりしている」、確かに「イノベーティブ」さでは優れているようだ。
・『日本は市場としてまだ黎明期  Q:FTXとは以前から業務提携などを考えていたとのことでした。リキッド単独で優れたプロダクトを開発することは難しかったのですか。 A:当社がサービスをスタートしたのは2014年。当時最高のマッチングエンジン(顧客の取引をつなぐ交換所システム)を入れていても、その後よりよい技術が生まれている。 また、日本では2018年に当社を含めて当時営業していた交換所が一斉に金融庁から業務改善命令を受けた。法令対応や内部管理体制の構築などにリソースを割くことになり、イノベーティブな取り組みが自然と少なくなってしまった。僕の頭の中も9割はガバナンス、コンプライアンス、管理体制の充実で占められた。 それに対して世界の暗号資産関連企業はイノベーション中心に動いているので、どうしても差が開く。その結果として、日本のコアな暗号資産ユーザーは海外へと流れた。 日本にいいプロダクトがあるなら、それらのユーザーは必ずしも海外のものを使いたいわけではないと、僕は思っている。世界トップのプロダクトを日本に持ってきたいと考えて、その相手としてFTXを第一候補としていた。不正流出がなくてもFTXと組んでいたと思う。 Q:FTXからは日本市場での利益目標など課されていますか。 A:売り上げや利益をいくら上げてくれといったKPI(重要業績評価指標)はない。日本は重要な市場なので、しっかり事業を拡大していこうというだけだ。 海外だと若者の何割かは最初に触れる金融商品が暗号資産になっている。それに比べると、日本は市場としてまだまだ黎明期。イノベーションもこれから起きる。まずは顧客本位になることが重要だ。 一般の人が暗号資産、仮想通貨と口にしたときに変な目で見られるようではいけない。かつてのように「なんか面白そうだね」と思われるようにしたい。 FTXがグローバルで展開しているサービスや取り扱っている暗号資産のうち、日本に持ってこられる数は(法令上の制約で)当面限定的になる。顧客の期待に応えられるよう、グローバルで伸びているものや支持されているものを少しずつだが着実に、日本の法令に対応しながらローンチしていきたい』、「法令対応や内部管理体制の構築などにリソースを割くことになり、イノベーティブな取り組みが自然と少なくなってしまった。僕の頭の中も9割はガバナンス、コンプライアンス、管理体制の充実で占められた」、「頭の中も9割」が守りにならざるを得なかったのでは、FTXによる合併は賢明な選択だ。「かつてのように「なんか面白そうだね」と思われるようにしたい」、「FTX]グループの一員としての今後に期待したい。
タグ:(その21)(ビットコインに触手を伸ばし始めたウォール街の巨人たち 機関投資家の参入相次ぐ、バイデンが暗号資産関連の大統領令に署名 ビットコインや先物ETFが急騰、暗号資産世界大手がリキッドグループを傘下に 巨大交換所「FTX」が日本上陸 同業買収のその先) 暗号資産(仮想通貨) ダイヤモンド・オンライン 千野剛司氏による「ビットコインに触手を伸ばし始めたウォール街の巨人たち、機関投資家の参入相次ぐ」 米国市場では、どのような変化があったのだろう。 これだけ多くのプレイヤーが取り組みを本格化させたとは、市場は着実に厚みを増しているようだ。 「Twitter創業者のジャック・ドーシー」氏が「人生においてビットコインほど重要なことは何もない」、とは凄い思い入れだ。 「エルサルバドル」では、「ビットコイン価格が下がるたびに押し目買いをして、国として保有するビットコインの保有量を増やしています。こうしたビットコイン投資のリターンは学校建設などを通じて国民に還元されています」、リターンを「学校建設などを通じて国民に還元」とはいいことだ。 「市の職員へのビットコインでの給料支払いの許可を検討」とはいっても、「ビットコイン」は価格が不安定なだけにどういう価格で支払うかは、悩ましい問題だ。 「ニューヨーク市長として最初の3カ月の給与をビットコインで受け取る」のは、自分のことなので問題ない。 「日本」は果たして「目覚める」だろうか。 yahooニュース あたらしい経済「バイデンが暗号資産関連の大統領令に署名、ビットコインや先物ETFが急騰」 米国政府が漸く重い腰を上げたようだ。 「米国が今後何年にもわたってクリプト・・・のリーダーとしての地位を確立するのに役立つでしょう」、米国がこれまで静観していたのは、イノベーションが急速な市場に規制を持ち込むことで、イノベーションを阻害しないようにしていたためとみられているが、イノベーションも一服したと判断したのかも知れない。これで、相場や市場が息を吹き返したようだ。 東洋経済Plus「暗号資産世界大手がリキッドグループを傘下に 巨大交換所「FTX」が日本上陸、同業買収のその先」 「FTXでは、レバレッジ取引でロスカット(強制決済)が生じにくいように証拠金の算定(クロスマージン導入)を工夫したり、マーケットの急変動でシステムがダウンしないよう設計したりしている」、確かに「イノベーティブ」さでは優れているようだ。 「法令対応や内部管理体制の構築などにリソースを割くことになり、イノベーティブな取り組みが自然と少なくなってしまった。僕の頭の中も9割はガバナンス、コンプライアンス、管理体制の充実で占められた」、「頭の中も9割」が守りにならざるを得なかったのでは、FTXによる合併は賢明な選択だ。「かつてのように「なんか面白そうだね」と思われるようにしたい」、「FTX]グループの一員としての今後に期待したい。
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