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SNS(ソーシャルメディア、除くツイッター)(その12)(「ネトウヨかパヨクか」二元論の危うさ 安倍元首相の銃撃事件でSNSは混乱、大阪王将 舞妓…「SNSスクープ告発」後追い時代が来たマスコミの深刻、「浅草の人力車」の意外な救世主 「映えたい」女性たちと米Amazonが繋いだ商機) [メディア]

SNS(ソーシャルメディア、除くツイッター)につては、6月15日に取上げた。今日は、(その12)(「ネトウヨかパヨクか」二元論の危うさ 安倍元首相の銃撃事件でSNSは混乱、大阪王将 舞妓…「SNSスクープ告発」後追い時代が来たマスコミの深刻、「浅草の人力車」の意外な救世主 「映えたい」女性たちと米Amazonが繋いだ商機)である。

先ずは、7月27日付けダイヤモンド・オンラインが掲載したフリーライターの鎌田和歌氏による「「ネトウヨかパヨクか」二元論の危うさ、安倍元首相の銃撃事件でSNSは混乱」を紹介しよう。
https://diamond.jp/articles/-/306902
・『140文字の文章の中では、どうしても分かりやすさが優先される。単純な二元論で示される分かりやすさに、私たちは長らく逃避していたのではないか』、SNSを文化論的にみるとは興味深そうだ。
・『安倍政権の時代と重なるSNS興隆期  安倍晋三元首相を狙った銃撃事件が、列島を激震させた。あってはならない最悪の暴力によって命を奪われた故人の冥福を祈るのは当然のことであるのは前提として、この原稿では、事件以降とそれ以前では変わらざるを得ないように見えるネット上の世相について言及したい。 2010年代以降の日本において、良くも悪くも圧倒的な存在感を持っていたのが安倍元首相だろう。数年ごとに首相が代わるのが当たり前だった日本において、歴代最長の在任期間だった。そして熱烈に支持される一方で、安倍元首相自身が「こんな人たちに負けるわけにはいかない」と応戦したように、激しい反感を持つ人も少なくなかった。 コロナ禍でその座を退いてからも、現職の首相よりも支持されているように見えたし、同時に怒りの矛先を向けられてもいた。 安倍元首相の在任期間である2012年12月から2020年9月は、ネット上でSNSが盛り上がり、ハッシュタグ文化が生まれた時期と重なる。特にツイッターで、有名無名の個人が発信することが当たり前となった。 近年、政治的なイシューについては、右派・左派という二項対立でくくられやすくなっているが、現実はそう分かりやすくない。そのことに、今回の銃撃をきっかけに、多くの人が徐々に気づき始めているのではないか』、「政治的なイシューについては、右派・左派という二項対立でくくられやすくなっているが、現実はそう分かりやすくない」、その通りだ。
・『2010年代におけるツイッター文化の功罪  東日本大震災をきっかけに日本のツイッターユーザーは増えたといわれるが、当時はまだそれぞれが思い思いの独り言を投稿し、たまにそれに反応があるといった、文字通り「つぶやき」文化だった。 しかし、次第に同じ趣味や思考を持った人とつながるためや、フォロワー数を増やすため、あるいはビジネスにつなげるためといった「目的」を持って使い始めるユーザーが目立つようになった。そして、RT(リツイート)での「拡散」行為を狙ったツイートが目立ち始める。 ある程度ツイッターを使っていると、どんなツイートをすれば拡散されやすいかや、どのような層に響くか、反発を受けるか分かってくる。次第に自分のフォロワーにウケるようなツイートをする誘惑からは、多くの人が逃れられない。 そのためにツイートがより過激に、排他的になっていくさまが見られるようになった。 また、世代間格差、男女論、学歴、教育……といった特定のトピックは一つのエピソードに多くの人が引用RTでツッコミを入れるかたちでシェアされ、さながらオンライン上バトルの様相を呈していく。 さらに政治的なイシューについては、右派・左派という二項対立でくくられやすく、例えば「選択的夫婦別姓に賛成」とツイートした途端に「リベラル」というレッテルを貼られてしまう。 この傾向は近年、拍車がかかり続けていたと感じる。 「選択的夫婦別姓」に強く反対しているのは実際に自民党であるから、これに賛成している人にリベラルが多い傾向は実際にあるだろう。しかし、ツイッター上では「リベラル」に付随して「左翼」「パヨク」「反日」「護憲派」「増税反対」「反原発」「アベガー」「朝日新聞」などなどのレッテルが自動的に貼られてしまう傾向がある。 逆に「ネトウヨ」であれば、「嫌韓」「改憲派」「軍備拡大」「原発容認」「愛国」「朝日新聞嫌い」といった具合で、本来、党派性抜きに検討されるべき個々の課題まで一緒くたに関連づけられる状況になっている。 ひどい場合だと、例えば、入管問題に声を上げれば「日本から出ていけ」、議員の女性蔑視発言に抗議すれば「日本が嫌いな韓国人なのだろう」と言われるほどの飛躍が一部では見られる』、確かに機械的な「レッテル」貼りにはうんざりさせられる。
・『銃撃犯は「アベガー」ではなかった  しかし、今回の銃撃事件をきっかけに、世の中はそれほど単純な二元論では分けられないという空気が次第に広がりつつあるように感じる。 もちろん、「そんなことは前から分かっている」という層もいるだろうが、近年のSNSでは何かにつけて対立構造が目立ち、それをあおるようなインフルエンサーもいた。 空気が変わりつつある理由は、二つある。 一つは、銃撃犯のものとされるツイッターアカウントが発見されたことだろう(現在は削除済みのそのアカウントは2019年10月に開設され、事件の9日前の投稿が最後だ)。 事件直後、犯行におよんだのは安倍元首相に批判的な人物であるとか、日本人ではないだろうといった臆測がSNSでは飛び交った。これは程なくして報道された「政治的な意味合いで狙ったのではない」という本人の供述や、元自衛隊という経歴によって否定された(自衛隊に入隊できるのは日本国籍を有する者のみ)。 しかし、それ以上のことが分からなかった中で、犯人のものとされたツイッターアカウントが発掘され、多くの人によって読み解かれた。 残されたツイートを読むと、供述通り、旧統一教会(現・世界平和統一家庭連合)への恨みをつづった文章が多く、また韓国への嫌悪感情があることが分かる。旧統一教会が韓国で始まった宗教であり、「韓国はアダムで日本がイブ。日本は韓国に従属する国」といった教義を掲げていたことからの反発だと考えられる。 また、今年に入ってからも安倍元首相に批判的なツイートを引用して「下らないねえ」「安倍の味方する気もないが(以下略)」といった「安倍批判」に対する批判的なツイートをしている。 安倍元首相や自民党を全面的に支持しているようには見えないが、野党支持というわけでもなく、むしろ野党嫌いの「冷笑系」といった風に見える。日刊SPA!の「山上容疑者の全ツイートに衝撃。ネトウヨで“安倍シンパ”、41歳の絶望」では、タイトルにもある通り、「ネトウヨ」かのようなツイートも多いと分析されている。 ただし本人は、「ネトウヨとお前らが嘲る中にオレがいる事を後悔するといい。」(2019年12月7日)ともツイートしており、犯人自身が、ネトウヨだとみなされることもあると自覚しつつ、しかしそれほど単純な存在ではないと示したかったようにも見える。 銃撃犯のこのような自己認識は、単純二元論につかりきっていた層を混乱させるだろう。混乱のあまり、目を背けたくなる人もいるかもしれない。 これまでのネットの一部の論調では、安倍元首相を襲うほど憎む人は、「反日、野党支持、韓国には友好的」といった人物でなければならなかった』、「単純二元論」は現実の複雑性を度外視した空論に近いのだろう。
・『「日本はサタンの国」、旧統一教会と安倍氏の複雑な関係  単純な二項対立の世論から変わりつつあるもう一つの理由は、安倍元首相が旧統一教会にビデオメッセージを送るなど友好的に見える姿勢を示していたことだろう。祖父である岸信介元首相は「反共」で統一教会と思惑が一致し、近い関係にあったとも報道されている。 前述した通り、旧統一教会は韓国に始まる。その教えは、日本は「サタンの国」であり、贖罪(しょくざい)しなければならないと説く。 「ネトウヨ」の特徴の一つが「嫌韓」であることを考えると、これは彼らにとって大きな矛盾だろう。支持していた安倍元首相が、「反日」感情が強い韓国の宗教とつながっていたのだから。 ネット上でとうとうと語られてきた対立構造がいかに表面的で、実のないものだったか。その一端が、今回の事件以後に明らかになったのである』、「ネトウヨ」の論理破綻を見るのは心地よい。
・『「敵」「味方」の単純二元論に注意を  安倍元首相は、今年4月26日に第三者のツイートを引用する形で「相変わらずの朝日新聞。珊瑚は大切に。」とツイートした。 これは言うまでもなく1989年の朝日新聞サンゴ記事捏造事件を当てこすったもので、フォロワーからは絶賛を持って迎えられている。6月4日にも同じく「珊瑚を大切に」とツイートしたのは、この反応が良かったからだろう。 このように、フォロワーに対して分かりやすく「敵」を指し示す行為は、ツイッター上ではウケる。フォロワーにとっては「敵」に向かって団結することで忠誠心を示せるからだろう。 けれど本来、分かりやすく単純化して「敵」と「味方」に分けられることばかりではない。国葬に賛成か反対かにしても、賛成する人が全て「右寄り」というわけでも、反対する人が全て「左寄り」というわけでもない。 単純二元論の落とし穴にはまらずに、それぞれの個人が目の当たりにする複雑な現実をそのまま受け取り、どのように対話につなげていくか。どのように共通項を見いだせるか。これからの時代では、失われた対話を取り戻さなければならないと感じる。 ネット上では、安倍元首相と統一教会の関係を追及することに懐疑的な人に向かって「旧統一教会か」といった言葉が投げられているのも見かける。疑惑は追及されなければならないが、レッテル貼りは議論を幼稚にし、後退させることに気をつけたい』、「レッテル貼りは議論を幼稚にし、後退させることに気をつけたい」、同感である。

次に、8月5日付けダイヤモンド・オンラインが掲載したフリーライターの鎌田和歌氏による「大阪王将、舞妓…「SNSスクープ告発」後追い時代が来たマスコミの深刻」を紹介しよう。
・『自衛隊のセクハラ、京都・舞妓の未成年飲酒や性的接待、大阪王将ナメクジ騒動など、SNS上での「告発」が相次いでいる。少し前まで、一般人の告発といえば週刊誌への持ち込みがメインだったが、告発の手段が変わってきた。これから考えられる展開とは』、興味深そうだ。
・『SNSで告発、3人の共通点とは  ナメクジが大量にいる――。 写真付きツイートが瞬く間に拡散されたのは、7月24日。大阪王将の仙台市内にある店舗の元従業員の男性が、勤務当時の不衛生さを訴えたのだ。ナメクジやゴキブリが大量発生していたことや、ネコを2年半にわたって飼育していた実態が明かされ、同社は7月27日にプレスリリースで謝罪した。 この元従業員男性は28日には顔出しで会見を行い、新聞社などの取材を受けている。また、7月末までに仙台保健所が、該当店舗に立ち入り検査を行ったことが報じられた。 飲食業にとって致命的とも言える衛生面についての告発とはいえ、これほどのスピードで企業側がある程度の事実を認め、対応が取られたのは驚きではないだろうか。 これがもしも内部告発であれば、根本的な対策は取られなかった可能性もある。実際、元従業員男性は、過去にあった保健所の衛生検査のあとも、環境改善には至らなかったと発言している。 告発が多くの人の目に止まり、企業が説明をしなければならない状況になったからこその対応であり、男性もそれを狙っていたはずだ。 これ以外にも、SNS発で世間を騒がす告発が相次いでいる。 元女性自衛官の五ノ井里奈さんが自衛隊在籍時代の壮絶なセクシュアルハラスメント被害を語った動画がアップされたのは6月末。この動画はツイッターなどで拡散され、五ノ井さんはその後もツイッターで自ら発信を続けている。 また、同じく6月末にツイッターで、京都・祇園で舞妓をしていた桐貴清羽さんが、宴席での未成年飲酒や「お風呂入り」と呼ばれる混浴など性的サービスが黙認されている状況があったと告発した。 五ノ井さんや桐貴さんの告発については、性的な被害が絡むためか主要紙は報道しておらず、週刊誌やウェブメディアが本人の告発を「後追い」をしている状況だ』、「五ノ井さん」の事件に関しては、9月29日に陸上自衛隊トップの陸上幕僚長が陳謝する形になった。
・『デジタルネイティブたちが選んだ告発手法  3人の「告発」には、共通点がいくつかある。 まず、3人とも20代前半と若いこと。いわゆるデジタルネイティブ世代であり、思春期の頃にはすでにSNSやウェブメディアに親しんでいたはずだ。 また、3人とも顔出しで会見や取材に臨んでおり、匿名の存在ではない。 これまでもツイッター上で告発やリークに近い投稿は見られたが、その多くは匿名であったり、あるいは拡散されるとアカウントごと消してしまうといったこともあった。 3人の場合は、最初から大きな問題に発展することを望んだ、覚悟の告発であることがうかがえる。SNSの使い方が身になじんでいるデジタルネイティブ世代が、共感も反発も受けることを覚悟した上で、なるべく大きなインパクトを与える手段を選んだように見える。 少し前まで、リークや告発、不祥事のスクープといえば週刊誌、それも週刊文春の独り勝ちという状況だった。ここへ来て、事件の当事者が自ら発信し、それをメディアが追いかける状況になりつつある。 ちなみに、世間を大きく騒がせた「センテンススプリング」騒動(人気女性タレントと人気バンドメンバーの不倫騒動)は2016年1月。すでに6年前であり、今回の告発者たち3人は10代後半だった時期である。30代〜40代以降にとっては当時のLINE漏洩はいまだに記憶に新しいが、当時10代だった若者たちの視点では、文春よりもSNSなのかもしれない』、確かにいまや「告発」の手段は「文春よりもSNSなのかもしれない」。
・『告発系インフルエンサーの「信頼感」  さらに、YouTuberら、ネット上のインフルエンサーの存在も見逃せない。 8月1日には、山口県阿武町の4630万円誤送金問題で起訴・保釈された田口翔被告の独占インタビューを人気ユーチューバーのヒカルが配信した。 田口被告は誤送金された給付金を使い込んでしまったものの、ことの経緯やその後明らかになった境遇などから同情も買い、注目度は高かった。一時はテレビ局もこぞって取り上げていた誤送金問題の被告を、「独占」でインタビューしたのがユーチューバーだったというのは、アラフォー以上の世代からすると時代の移り変わりを感じる出来事なのではないか。 あるいは、NHK党から出馬して当選し、あれよあれよという間に国会議員となったガーシーこと東谷義和氏は、自身のYouTubeで有名人の裏話を暴露し続けて大きな注目を集めた。多くは芸能人やYouTuberのうわさ話だったが、参院選前には楽天の三木谷浩史会長について連続で配信。動画が相次いで強制停止されたこともあって余計に話題となった。 このほかにも、ツイッターをメインとしてネット上では複数の告発系インフルエンサーが台頭し、それぞれのキャラクターによってファンを集めている。 特筆したいのは、彼らに対するタレ込みの多さである。 週刊誌などマスコミに情報をリーク、あるいは告発する人はこれまでもいたが、もともとマスコミにつながりがなければ心理的ハードルはやや高い。しかし毎日ネット上で個人発信を目にしているインフルエンサーならばその人柄がわかるし、ダイレクトメールですぐにコンタクトを取ることもたやすい。 インフルエンサー側でもそれがわかっているから、一見コワモテでありながら親近感を持たれやすく気さくな印象のキャラクターに見えるよう調整していくのだろう』、「ガーシーこと東谷義和氏」は、アラブ首長国(UAE)に滞在中で、国会からの帰国要請も無視して、詐欺容疑などでの逮捕を恐れて滞在を続ける意向だが、国会議員としての出席の義務を果たさない姿勢には、批判が高まっている。
・『個人、メディア、インフルエンサー…手段による長所短所  ここからは、個人によるネット上の告発、週刊誌などのメディアを通しての告発、あるいはインフルエンサーに情報をリークする形での告発、それぞれのメリットとデメリットについて考えてみたい。 個人が直接的にネット上で情報発信をし、なんらかの告発を行う場合のメリットは、まずはそのインパクトだろう。 メディアを通した場合、字数制限や媒体のフォーマットが踏まえられることから、良くも悪くも体裁が整えられ、情報が精査される半面、告発した当事者のリアルな語りがどうしても薄まりがちだ。 しかし、当事者の語りの細部に宿る生々しさを、受け手は見逃さない。本人がYouTube動画で語ったり、ツイートを投稿したり、あるいはブログに自らつづったりする行為により、それを見る人は当事者が差し出す情報をありのままに受け取る。 一方で、媒体を通さない告発は、発信者がその反応をダイレクトに受け取ってしまうデメリットもある。前述したように、それを最初から理解しての告発であればいいが、反響の大きさに恐れをなしてアカウントを消してしまうケースも過去にはあった。 また、個人での発信の場合、その責任を個人がそのまま引き受けることになる。媒体が取材をして記事にする場合、「これをそのまま書いたら名誉毀損で訴えられかねない」という箇所はあらかじめぼかしたり、その内容に触れなかったりすることがある。告発者が「それでも書いてほしい」という場合でも、媒体の都合でそれがかなわないことがある。 個人での発信の場合、責任は自分で引き受けるものの、出す情報を完全に自分でコントロールすることができる。リスクもある半面、当事者としては気持ちの折り合いがつけやすいだろう。 それではインフルエンサーによる告発やスクープの場合はどうか。インフルエンサーが当事者と受け手の間に入るクッションとなる。ファンの多いインフルエンサーが緩衝材となることで、賛否両論を受けやすい当事者のキャラクターを底上げすることができる場合がある。 「あのインフルエンサーが取り上げているのだから、ちょっと話を聞いてみよう」という気持ちになりやすく、親近感も湧きやすい。テレビで芸能人が一般人をインタビューするような企画のネットバージョンと言えるだろう』、「個人での発信の場合、責任は自分で引き受けるものの、出す情報を完全に自分でコントロールすることができる。リスクもある半面、当事者としては気持ちの折り合いがつけやすいだろう。 それではインフルエンサーによる告発やスクープの場合はどうか。インフルエンサーが当事者と受け手の間に入るクッションとなる。ファンの多いインフルエンサーが緩衝材となることで、賛否両論を受けやすい当事者のキャラクターを底上げすることができる場合がある」、その通りだ。
・『既存メディアはどう変わるべきなのか  スクープはこれまで、週刊誌や新聞などメディアの専売特許だった。それが今やネット上のインフルエンサーに取って代わられつつあり、さらに当事者自らが声を上げ、それが当たり前のように受け取られるようになった。 この時代におけるメディアの役割として求められているのは、当事者が望む社会の変化をどう促していけるかだろう。これまではスクープそのものに価値が置かれていたが、スクープの担い手が大手メディアだけではなくなった今、メディアがつとめるべきは徹底した調査報道であり、ハラスメントや劣悪な労働環境をはらむ構造へのメスだ。 世論感情に訴えるすべであれば、インフルエンサーの方がたけているようにも見える。スポンサーやしがらみにとらわれた及び腰の報道姿勢では受け手に見抜かれるし、もはや告発系YouTuberに勝てない。 過去の実績にあぐらをかかず、つぶされることを恐れない報道が求められているのではないか』、「スクープの担い手が大手メディアだけではなくなった今、メディアがつとめるべきは徹底した調査報道であり、ハラスメントや劣悪な労働環境をはらむ構造へのメスだ」、「スポンサーやしがらみにとらわれた及び腰の報道姿勢では受け手に見抜かれるし、もはや告発系YouTuberに勝てない」、「過去の実績にあぐらをかかず、つぶされることを恐れない報道が求められているのではないか」、同感である。

第三に、10月20日付けダイヤモンド・オンライン「「浅草の人力車」の意外な救世主、「映えたい」女性たちと米Amazonが繋いだ商機」を紹介しよう。
https://diamond.jp/articles/-/311547
・『東京・浅草といえば、浅草寺、仲見世、人力車のある風景を思い浮かべる人も多いだろう。しかし、コロナ禍で観光業界は大打撃を受け、人力車業者も窮地に追いやられた。乗せる観光客の姿が消え、辞める車夫たちも相次いだのだ。そんな浅草の街で立ち尽くす車夫たちを救ったのが、これまで人力車に乗ろうとしなかった東京近郊で暮らす人たちと若い女性たち、そしてインターネット通販最大手の米Amazon.comだった』、「車夫たちを救ったのが」「若い女性たち」はともかく、「米Amazon.com」とはどういうことなのだろう。
・『浅草に戻りつつある活気、人力車が再び走り出した  新型コロナ感染拡大で打撃を受けた東京・浅草の街に、この夏、観光客が戻ってきた。雷門前の広場では、人力車の車夫たちが通りかかる人に声をかけたり、記念撮影を手伝ったりしている。 浅草には人力車で観光案内をする事業者が20社ある。観光客が激減した浅草の街で再び人力車が走るまで、車夫たちは試行錯誤を続けてきた。 「去年、おととしはですね…本当に浅草も大変でした。われわれの業態だけじゃないですけど、いつも人が並んでいた浅草の人気飲食店でも、客が入らない。われわれもコロナ前は人力車を何十台も稼働していたのが、2台だけ稼働させる状況でした。それでも1日営業してお客は1組いるか…という状況でした」 こう語るのは、全国の観光地で200台以上の人力車を所有し観光案内などを行うえびす屋浅草の梶原浩介所長(40)。今年は浅草にも人出が徐々に戻り、8月中旬の36度を超える真夏日でも、車夫一人につき一日5~10組ほどの客を乗せて走った。 新型コロナウイルスが感染拡大するまではえびす屋浅草に130人ほどの車夫が所属していたが、緊急事態宣言が発令されて一時期、約30人に減ったという。 「飲食店や宿泊施設などと違って、うちは季節やイベントごとに従業員の数も変わるんですが、大体従業員のうち3割ほどは、学生アルバイトでした。アルバイトが大学を卒業すると同時に、毎年入れ替えが起こるんですね。それが、コロナ禍でアルバイトは出ていく一方になりました」 辞める車夫たちが相次ぎ、観光客が来ない浅草の街で立ち尽くす車夫たちを救ったのが、インターネット通販最大手の米Amazon.comと、東京近郊で暮らす人たちだった』、「えびす屋浅草に130人ほどの車夫が所属していたが、緊急事態宣言が発令されて一時期、約30人に減った」、かなり大きな影響だったようだ。
・『行き場を失った地元民と「映え」を求める若い女性たちのニーズ  えびす屋浅草に所属する車夫歴17年のベテラン・平恒信さん(39)は、コロナ禍で観光客がいなくなった代わりに、今まで接することがなかった人たちが人力車に乗りにやってきたと話す。 「コロナ禍になってから、本当に東京、千葉、神奈川辺りに住むお客さんがめちゃくちゃ来てくれたんですよ。やっぱり遠くへ行けないっていうのもあると思うんですけれど、近場だけど今まで来たことがない場所に行く。そこで新しい発見があり、旅行気分に浸れて満足するという人が多いです。今までになかった流れです」 この流れは今も続いていて、地方からやってきた観光客の他に、都内周辺に住む人たちも人力車に乗り込むという。 さらに、東京都内や近郊に住む若い女性客が増えた。これまで20~30代の女性がメインだったのが、最近は10代から20代前半が増えてきている感覚があるという。実際、雷門の前や商店が並ぶ仲見世では、おそろいの浴衣や現代風にアレンジを加えた着物などを着て、スマホで撮影しながら歩く若い女性2人組が多くみられた。 「浅草で着物を着て、歩いて巡って食べて…っていうのが若い人たちの間で流行っているんですよね。インスタグラムでその様子を投稿したりしている人が多いようで、口コミで人力車の評判が伝わることが多いようです。友達におすすめされて乗りに来たという子もいます」(平さん) ちなみに、人力車の値段はコースによって異なるが、雷門から浅草寺付近を巡る一区間コース(12分)を2人で乗って4000円。高校生や大学生ら若い世代にとって決して安くはない金額だが、旅行やイベントに行きづらくなった今、近場で非日常的体験ができて、かつSNS映えするという魅力がある』、「コロナ禍で(外国人)観光客がいなくなった代わりに、今まで接することがなかった人たちが人力車に乗りにやってきたと話す。 「コロナ禍になってから、本当に東京、千葉、神奈川辺りに住むお客さんがめちゃくちゃ来てくれたんですよ」、「地方からやってきた観光客の他に、都内周辺に住む人たちも人力車に乗り込むという。 さらに、東京都内や近郊に住む若い女性客が増えた」、「「浅草で着物を着て、歩いて巡って食べて…っていうのが若い人たちの間で流行っているんですよね。インスタグラムでその様子を投稿したりしている人が多いようで、口コミで人力車の評判が伝わることが多いようです。友達におすすめされて乗りに来たという子もいます」」、なるほど。
・『米Amazonと進めたオンラインツアー、市場はグローバルに  さらに、えびす屋は、観光客が少なくなったことで、人力車以外のサービスに力を入れ始めている。 「2020年からオンラインツアーを始めました。オンライン観光の需要がコロナ禍で高まったんです」(平さん) オンラインツアーに参加する客とは、主に米国に暮らす人たちだ。場所は浅草のみならず、上野や大手町方面に足を伸ばすこともあるという。多い時は一日30組ほどツアーを行ったそうだ。 車夫たちは作務衣などを着て、専用アプリが入ったスマートフォンを片手に英語で街案内をしながら、自らライブ中継して浅草などの街を歩く。人力車を使って巡るツアーもあるが、車夫が歩きながら街案内するものが多い。 「例えば、ツアー途中でお客さんは画面越しに、実際に仲見世のお店などで商品を買うことができます。お客さんのクレジットカードとアプリがひも付いているので、僕らが仲介に入ったりする必要もなく、アメリカで見ているお客さんが日本の店で買うことができるんです」 「浅草寺周辺のお買い物ツアー以外にも、歴史的なスポットを巡るツアーや、人力車に乗るツアーなど10種類ほどのツアーを用意し、車夫たちが1日何件か回っていたという感じです」(平さん) 今でもオンラインツアーは海外から人気が高いという。これまでの街で声をかけてお客さんを乗せるというアナログの営業スタイルから、一気にオンライン化が進み、グローバルに市場が広がった形だ。 実は、これはインターネット通販最大手の米Amazon.comのプラットフォームに参入したことで生まれたサービスだ。 「元々口コミサイトで弊社の人力車は海外の観光客にも高く評価されていました。そういう背景もあり、コロナ禍前からオンラインツアーの計画を進めていましたが、本格的にサービスをスタートできたのがちょうど2020年だったんです」(梶原所長) それから、オンライン事業部という部署も新設して、新たに人を雇用することもできたという』、「オンラインツアーに参加する客とは、主に米国に暮らす人たちだ。場所は浅草のみならず、上野や大手町方面に足を伸ばすこともあるという。多い時は一日30組ほどツアーを行ったそうだ。 車夫たちは作務衣などを着て、専用アプリが入ったスマートフォンを片手に英語で街案内をしながら、自らライブ中継して浅草などの街を歩く。人力車を使って巡るツアーもあるが、車夫が歩きながら街案内するものが多い」、「ツアー途中でお客さんは画面越しに、実際に仲見世のお店などで商品を買うことができます。お客さんのクレジットカードとアプリがひも付いているので、僕らが仲介に入ったりする必要もなく、アメリカで見ているお客さんが日本の店で買うことができるんです」、案内の「車夫」には語学力が求められる筈だが、以下にみるように、「車夫たちは元々海外での就業経験や留学経験を持つ人たちが多く、意欲的だった」、と問題なさそうだ。
・『車夫たちの一番の強みは「おもてなし精神」  新たな事業かつ英語を必ず使わなくてはいけないという状況に急転したわけだが、車夫たちは元々海外での就業経験や留学経験を持つ人たちが多く、意欲的だった。 「もともと海外で身に付けた英語スキルを落としたくないという理由で、人力車で働きたいという人が多くいました。飲食店や宿泊施設ではマニュアル的な英語しか使わないこともあるようですが、車夫は会話が多様で、コミュニケーション力が必要とされます。自分のことを信用してもらう必要があるし、お客さんの心にスッと入っていくような語学力やスキルが大事なんです」(梶原所長) 平さんも元々オーストラリアの語学学校に通った後、カフェで働いていた経験もあり英語は堪能。しかし、語学力以上に大事なのは「おもてなし精神」だという。 「どこからどこまで行けたから良かったというのではなく、お客さまを楽しませるっていうのが、僕たちの根底にある。自分自身が商品とも言える部分があるので、毎日地域の勉強をしたり、お客さまのためにどんなことができるか、“おもてなし”を研究したりしています」(平さん) コロナ禍を経て、なお現場に残っているのはモチベーションあふれる「精鋭」ばかりだ。厳しい時期に、観光再開に向けて着実に力を付けてきたからだ。 (コロナ禍になってからは)雷門の近くをみんなで掃除したり、オンラインで集まって、『僕はこういうルートが好きです』っていう発表会をしたり。どうやったらお客さんを楽しませることができるのかなっていう勉強会とかを(緊急事態宣言下の頃に)始めたんですよ。今の機会だからできることっていうのをみんなで模索してきたんですね。いつかまた観光ができる日に向けて、この2年間準備してきたわけです」 今、浅草観光のビジネス業態はコロナ禍前よりも広がったように見える。思えば、東京オリンピック・パラリンピックで最大限に発揮されるはずだった日本の「おもてなし」だが、コロナ禍をきっかけに想定外の進化を遂げ、発展していきそうだ。 ※この記事はダイヤモンド・オンラインとYahoo!ニュースによる共同連携企画です』、「コロナ禍を経て、なお現場に残っているのはモチベーションあふれる「精鋭」ばかりだ。厳しい時期に、観光再開に向けて着実に力を付けてきたからだ」、インバウンドが本格化を受けて、「人力車」等のサービスも急速に「発展」しているのだろう。
タグ:SNS(ソーシャルメディア、除くツイッター) (その12)(「ネトウヨかパヨクか」二元論の危うさ 安倍元首相の銃撃事件でSNSは混乱、大阪王将 舞妓…「SNSスクープ告発」後追い時代が来たマスコミの深刻、「浅草の人力車」の意外な救世主 「映えたい」女性たちと米Amazonが繋いだ商機) ダイヤモンド・オンライン 鎌田和歌氏による「「ネトウヨかパヨクか」二元論の危うさ、安倍元首相の銃撃事件でSNSは混乱」 「政治的なイシューについては、右派・左派という二項対立でくくられやすくなっているが、現実はそう分かりやすくない」、その通りだ。 確かに機械的な「レッテル」貼りにはうんざりさせられる。 「単純二元論」は現実の複雑性を度外視した空論に近いのだろう。 「ネトウヨ」の論理破綻を見るのは心地よい。 「レッテル貼りは議論を幼稚にし、後退させることに気をつけたい」、同感である。 鎌田和歌氏による「大阪王将、舞妓…「SNSスクープ告発」後追い時代が来たマスコミの深刻」 「五ノ井さん」の事件に関しては、9月29日に陸上自衛隊トップの陸上幕僚長が陳謝する形になった。 確かにいまや「告発」の手段は「文春よりもSNSなのかもしれない」。 「ガーシーこと東谷義和氏」は、アラブ首長国(UAE)に滞在中で、国会からの帰国要請も無視して、詐欺容疑などでの逮捕を恐れて滞在を続ける意向だが、国会議員としての出席の義務を果たさない姿勢には、批判が高まっている。 「個人での発信の場合、責任は自分で引き受けるものの、出す情報を完全に自分でコントロールすることができる。リスクもある半面、当事者としては気持ちの折り合いがつけやすいだろう。 それではインフルエンサーによる告発やスクープの場合はどうか。インフルエンサーが当事者と受け手の間に入るクッションとなる。ファンの多いインフルエンサーが緩衝材となることで、賛否両論を受けやすい当事者のキャラクターを底上げすることができる場合がある」、その通りだ。 「スクープの担い手が大手メディアだけではなくなった今、メディアがつとめるべきは徹底した調査報道であり、ハラスメントや劣悪な労働環境をはらむ構造へのメスだ」、「スポンサーやしがらみにとらわれた及び腰の報道姿勢では受け手に見抜かれるし、もはや告発系YouTuberに勝てない」、「過去の実績にあぐらをかかず、つぶされることを恐れない報道が求められているのではないか」、同感である。 ダイヤモンド・オンライン「「浅草の人力車」の意外な救世主、「映えたい」女性たちと米Amazonが繋いだ商機」 「車夫たちを救ったのが」「若い女性たち」はともかく、「米Amazon.com」とはどういうことなのだろう。 「えびす屋浅草に130人ほどの車夫が所属していたが、緊急事態宣言が発令されて一時期、約30人に減った」、かなり大きな影響だったようだ。 「コロナ禍で(外国人)観光客がいなくなった代わりに、今まで接することがなかった人たちが人力車に乗りにやってきたと話す。 「コロナ禍になってから、本当に東京、千葉、神奈川辺りに住むお客さんがめちゃくちゃ来てくれたんですよ」、「地方からやってきた観光客の他に、都内周辺に住む人たちも人力車に乗り込むという。 さらに、東京都内や近郊に住む若い女性客が増えた」、 「「浅草で着物を着て、歩いて巡って食べて…っていうのが若い人たちの間で流行っているんですよね。インスタグラムでその様子を投稿したりしている人が多いようで、口コミで人力車の評判が伝わることが多いようです。友達におすすめされて乗りに来たという子もいます」」、なるほど。 「オンラインツアーに参加する客とは、主に米国に暮らす人たちだ。場所は浅草のみならず、上野や大手町方面に足を伸ばすこともあるという。多い時は一日30組ほどツアーを行ったそうだ。 車夫たちは作務衣などを着て、専用アプリが入ったスマートフォンを片手に英語で街案内をしながら、自らライブ中継して浅草などの街を歩く。人力車を使って巡るツアーもあるが、車夫が歩きながら街案内するものが多い」、 「ツアー途中でお客さんは画面越しに、実際に仲見世のお店などで商品を買うことができます。お客さんのクレジットカードとアプリがひも付いているので、僕らが仲介に入ったりする必要もなく、アメリカで見ているお客さんが日本の店で買うことができるんです」、案内の「車夫」には語学力が求められる筈だが、以下にみるように、「車夫たちは元々海外での就業経験や留学経験を持つ人たちが多く、意欲的だった」、と問題なさそうだ。 「コロナ禍を経て、なお現場に残っているのはモチベーションあふれる「精鋭」ばかりだ。厳しい時期に、観光再開に向けて着実に力を付けてきたからだ」、インバウンドが本格化を受けて、「人力車」等のサービスも急速に「発展」しているのだろう。
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