SSブログ

グローバル化(その2)(スティグリッツ氏「『脱グローバル化』を正しく理解しよう」、エマニュエル・トッドが「グローバル化の夢は死にかけている」と語る真意) [世界経済]

グローバル化については、2020年4月25日に取上げた。久しぶりの今日は、(その2)(スティグリッツ氏「『脱グローバル化』を正しく理解しよう」、エマニュエル・トッドが「グローバル化の夢は死にかけている」と語る真意)である。

先ずは、昨年6月14日付け日経ビジネスオンラインが掲載した米コロンビア大学教授のジョセフ E.スティグリッツ氏による「スティグリッツ氏「『脱グローバル化』を正しく理解しよう」」を紹介しよう。
https://business.nikkei.com/atcl/gen/19/00351/060900031/
・『2年以上ぶりに開催された世界経済フォーラムは、1995年以来、私が参加してきたこれまでのダボス会議とは明らかに様子が違っていた。1月の明るい雪と晴天から一転、雪がないスキー場と、5月のどんよりとした霧雨に見舞われた、気候のことではない。 これまでのフォーラムは、グローバル化を擁護してきた。だが今回は、サプライチェーンの寸断、食料やエネルギー価格の高騰、一部の製薬会社が数十億の追加利益を得るために何十億もの人々が新型コロナウイルスワクチンを手にすることができない知的財産権(IP)体制などといった、グローバル化の失敗に主眼を置いていた。 こうした諸問題への対応策として提案されたのは、生産の「再集積」または「友好国化」、さらに「国の生産能力を高めるための産業政策」の制定だ。誰もが国境のない世界を目指しているように見えた時代は過ぎ去り、突然、誰もが少なくともいくつかの国の国境が経済発展と安全保障の鍵であることを認識するようになったのである。 かつて自由なグローバリゼーションの擁護者であった人々にとって、ダボスのこの方向転換は結果として明らかな不協和音をもたらした。「友好国化」と自由で無差別な貿易の原則を両立させることができず、ダボス会議に参加した実業界と政界のリーダーの大半は、ありふれた話に終始した。なぜこのような事態に陥ったのか、あるいは、グローバリゼーションが全盛の時代にまん延していた「欠陥のある超楽観主義的な論理」について、反省の色はほとんど見られなかった。 もちろん、問題はグローバリゼーションだけではない。市場経済全体にレジリエンス(回復力)が欠けているのだ。私たちは、基本的にはスペアタイヤのない車を作り、現在の価格を数ドル下げただけで、将来の緊急事態にはほとんど注意を払ってこなかった。 ジャストインタイムは、経済がわずかな変動にしか直面しない限りにおいては、素晴らしい革新的技術であった。だが、新型コロナウイルスによる操業停止に直面すると、例えばマイクロチップの不足が新車の不足を引き起こすなどといった供給不足の連鎖を引き起こし、大打撃を被ったのだ。 2006年に筆者が『世界に格差をバラ撒いたグローバリズムを正す(Making Globalization Work)』(徳間書店)で警告したように、市場はリスクの「値付け」をうまくできない(二酸化炭素の排出量に価格を付けないのと同じ理由だ)。例えばドイツは、明らかに信頼がおけない貿易相手国のロシアからガス供給を受け、依存することを選択した。今、ドイツは、予想され、かつ予測可能であった結果に直面している。 18世紀にアダム・スミスが見出したように、資本主義は独占へと自然に向かっていく傾向があるため、自助努力だけで成り立つシステムではない。しかし、米国のレーガン大統領と英国のサッチャー首相が「規制緩和」の時代を築いて以来、市場の集中が常態化し、電子商取引やソーシャルメディアなど注目される分野だけの現象ではなくなった。 今春、米国で起きた悲惨な粉ミルクの品不足は、それ自体が独占の結果であった。アボット・ラボラトリーズが安全性の問題で生産停止に追い込まれた後、米国人はすぐに、たった1社で米国の供給量の半分近くを占めていることに気づいたのである』、「これまでのフォーラムは、グローバル化を擁護してきた。だが今回は、サプライチェーンの寸断、食料やエネルギー価格の高騰、一部の製薬会社が数十億の追加利益を得るために何十億もの人々が新型コロナウイルスワクチンを手にすることができない知的財産権(IP)体制などといった、グローバル化の失敗に主眼を置いていた」、「こうした諸問題への対応策として提案されたのは、生産の「再集積」または「友好国化」、さらに「国の生産能力を高めるための産業政策」の制定だ。誰もが国境のない世界を目指しているように見えた時代は過ぎ去り、突然、誰もが少なくともいくつかの国の国境が経済発展と安全保障の鍵であることを認識するようになった」、「市場はリスクの「値付け」をうまくできない・・・例えばドイツは、明らかに信頼がおけない貿易相手国のロシアからガス供給を受け、依存することを選択した。今、ドイツは、予想され、かつ予測可能であった結果に直面している」、なるほど。
・『米国の偽善に冷ややかな新興国  今年のダボス会議では、グローバリゼーションの失敗が政治に与えた影響も存分に見られた。ロシアがウクライナに侵攻したとき、クレムリンは即座に、しかもほぼ全世界から非難を浴びた。しかしその3カ月後、新興国や途上国(EMDCs)はより曖昧な立場を取るようになった。多くの者が、2003年には偽りの口実でイラクに侵攻したにもかかわらず、ロシアの侵略に説明責任を求める米国の偽善を指摘している。 EMDCsはまた、欧州と米国による最近のワクチンナショナリズムの歴史も強調している。これは、30年前に押し付けられた世界貿易機関(WTO)のIP条項によって維持されてきたものだ。そして、食料とエネルギー価格の上昇の矢面に立たされているのが、EMDCsである。過去の不正義と相まって、こうした最近の動きは、民主主義と国際的な法の支配を提唱する欧米の信用を失墜させるものだ。 確かに、米国による民主主義擁護の支援を拒否する多くの国は、いずれにせよ民主的ではない。しかしほかの国々は民主的だ。この戦いをリードすべく立ち上がったように見える米国は、制度的な人種差別や権威主義者に媚(こ)びたトランプ政権から、投票を抑制して2021年1月6日の米国議会議事堂での暴動から有権者の注意をそらそうとする共和党の執拗な試みまで、自らの失敗によって立場を損なわれてきたのである。 米国にとって最善の方法は、食料とエネルギーのコスト高騰に対処できるよう支援することで、新興国に対してより大きな連帯感を示すことであろう。これは、富裕国の特別引き出し権(国際通貨基金の準備資産)を再配分し、世界貿易機関(WTO)で新型コロナウイルス関連の強力な知的財産権の放棄を支持すれば、可能になる。 さらに、食糧やエネルギー価格の高騰は、多くの貧困国で債務危機を引き起こし、このパンデミック(世界的大流行)による悲劇的な不公平をさらに悪化させる可能性がある。もし米国と欧州が真のグローバル・リーダーシップを発揮したいのであれば、各国が負担しきれないほどの債務を負うようそそのかした大銀行や債権者の味方をするのはやめるべきだ。 40年にわたりグローバリゼーションを擁護してきたダボス会議の面々は、明らかに舵(かじ)取りを誤った。ダボス会議は、先進国、途上国を問わず繁栄を約束してきた。しかし、北半球の巨大企業が豊かになる一方で、すべての人がより良くなるはずのプロセスは、代わりにあらゆる場所で敵を作っただけだった。「トリクルダウン経済学」とは、富裕層が豊かになれば、自動的にすべての人が恩恵を受けるというものだが、理論も根拠もない詐欺のようなものだ。 今年のダボス会議は、残念な結果に終わった。世界に今日のような状況をもたらした意思決定と政策について、真剣に考える機会であり得たはずだ。グローバリゼーションがピークに達した今、その衰退を管理することが、その隆盛を管理したときよりもうまくいくことを願うばかりである』、「米国にとって最善の方法は、食料とエネルギーのコスト高騰に対処できるよう支援することで、新興国に対してより大きな連帯感を示すことであろう。これは、富裕国の特別引き出し権(国際通貨基金の準備資産)を再配分し、世界貿易機関(WTO)で新型コロナウイルス関連の強力な知的財産権の放棄を支持すれば、可能になる」、「40年にわたりグローバリゼーションを擁護してきたダボス会議の面々は、明らかに舵(かじ)取りを誤った。ダボス会議は、先進国、途上国を問わず繁栄を約束してきた。しかし、北半球の巨大企業が豊かになる一方で、すべての人がより良くなるはずのプロセスは、代わりにあらゆる場所で敵を作っただけだった。「トリクルダウン経済学」とは、富裕層が豊かになれば、自動的にすべての人が恩恵を受けるというものだが、理論も根拠もない詐欺のようなものだ」、「グローバリゼーションがピークに達した今、その衰退を管理することが、その隆盛を管理したときよりもうまくいくことを願うばかりである」、同感である。

次に、本年3月13日付けダイヤモンド・オンラインが掲載した歴史家・文化人類学者・人口学者のエマニュエル・トッド氏による「エマニュエル・トッドが「グローバル化の夢は死にかけている」と語る真意」を紹介しよう。
https://diamond.jp/articles/-/318698
・『家族制度や識字率、出生率に基づき、現代政治や社会を分析し、「ソ連崩壊」から「米国の金融危機」などを予言した、フランスの歴史家エマニュエル・トッド。彼の分析では、現在起きている戦争の背景に「グローバル化」という私たちのかつての夢があると言います。その真意を、最新刊『2035年の世界地図』(朝日新聞出版)で語った民主主義の未来予想図から一部を抜粋・再編して大公開します(Qは聞き手の質問、Aはトッド氏の回答)』、興味深そうだ。
・『「グローバル化」という夢のあと  Q:中国と米国の対立は深刻化し、両国ともに経済の相互依存を政治的に切り離すデカップリングを進める機運があります。以前、しきりに言われていた「世界がボーダーレスとなり、主権国家は重要性を失う」という言説はどうなったのでしょう。グローバル化は終わったのでしょうか。グローバル化の夢は潰えたのでしょうか。 A:グローバル化の夢は、死にかけています。 もはや人々はグローバル化を天国のようには考えていません。人々はそれが社会にとてつもない格差を生み出したことを知ってしまったからです。しかし一方で、先進国と途上国との間に一定の新たな平等を作り出しました。 私は2つ指摘しておきたい。まず、グローバル化がもたらした現実です。世界の労働者階級の多くは中国にいます。今、世界の労働者階級のおそらく25%は中国にいます。グローバル化の中で国際分業が進み、世界の生産を担っているのは、中国の人々なのです。 もう一つの大きな部分はインドなどです。欧米や日本といった先進国の経済は、工業(に伴う生産活動)から脱却し、サービスや研究などに集中しています。この構造から抜け出せないでしょう。先進国の国民は労働者として生産の現場へ戻れるでしょうか。) 私は、米国でトランプが政権を握ったという事実に大いに興味を持っています。彼は単に中国をやっつけようとしただけではありません。米国の工業生産能力の再構築を目指していたのです。だから、中国との貿易において保護主義的な措置をとりました。 もちろん、オバマ政権がやろうとしたことからの継続的な要素も多くありました。そして、バイデン政権もトランプのとった保護主義的な側面を持つ政策を捨て去ったわけではありません。 しかし、統計的にみると米国が工業での一定の自立を回復する兆しは見られません。 絶対的数値では、モノの取引における米国の赤字、サービスではなく、モノの貿易赤字は増えています。 先日の「ニューヨークタイムズ」の記事では、iPhoneを販売しているアップル社は、自らのサプライチェーンから中国の工場を外すことは不可能と判断した、と書いていました。実際に、iPhoneの付加価値に占める中国の割合は25%に達しています。中国はもはや、単に組み立てラインを担うだけではなく、価値を生み出す場になっているのです』、「世界の労働者階級のおそらく25%は中国にいます・・・もう一つの大きな部分はインドなどです」、「欧米や日本といった先進国の経済は、工業・・・から脱却し、サービスや研究などに集中」、「iPhoneの付加価値に占める中国の割合は25%に達しています。中国はもはや、単に組み立てラインを担うだけではなく、価値を生み出す場になっている」、なるほど。
・『サービス産業社会から工業社会に戻れるか 私たちはそう問われている  その背後には、歴史的な問題があります。非常に重要な歴史的問題です。 西洋――この西洋の中には日本も含まれていますが――の歴史を見ると、農民社会から始まります。そして、農民社会から工業社会に移行します。農民が姿を消し、労働者が登場します。続いて、工業社会からポスト工業社会へ、サービス産業社会へと移行します。 サービス産業社会は多くの労働者を捨て去りますね。基本的な疑問は、この移行の旅には元に戻るための帰りのチケットはありますか、ということです。例えば、工業社会から農民社会へ元に戻すことは可能だと思いますか。答えはノーです。 私たちは、「それはできますか?」と問われています。「サービス産業社会から工業社会に戻ることはできますか?」と。 第三次産業にふさわしい教育を受けた労働者を製造現場の労働者階級に変えることはできますか? われわれには分かりません。いや実は残念ながら知っています。これが不可能であるということを。 この点で、米国の状況は興味をそそります。彼らは生産していないからです。 もちろん教育システムがあり、彼らはあらゆる種類の学位を持っています。しかし彼らは、十分なエンジニアを生み出していません。もはや数学者も十分には生み出しておらず、中国から「輸入」しなければなりません。 最大のジョークですよね? 米国のエンジニアの半数が「輸入」、そしてその大きな部分は中国から「輸入」されています。 米中間の相互依存があります。グローバル化は今も続いており、抜け出すのは非常に困難です。そして、グローバル化にはある要素があります。グローバル化を抽象的なものとして見ることはできません。国家に、そして強大な国家に関係なく存在するものとは見ることができません』、「第三次産業にふさわしい教育を受けた労働者を製造現場の労働者階級に変えることはできますか?」、「これが不可能である」、「もはや数学者も十分には生み出しておらず、中国から「輸入」しなければなりません・・・米国のエンジニアの半数が「輸入」、そしてその大きな部分は中国から「輸入」されています」、「米中間の相互依存があります。グローバル化は今も続いており、抜け出すのは非常に困難です」、なるほど。
・『最初のグローバル化は英国が 第二のグローバル化は米国が担った  最初のグローバル化は、1914年の第一次世界大戦の前でした。それは英国によるものでした。英国は、産業と金融で非常に進んでおり、強力な海軍を持っていました。 英国は最初のグローバル化のリーダーであり、主要なアクターでした。 第二のグローバル化は、まさに米国の力によるものでした。米国の力は現在、弱体化はしたものの、依然として存在します。 ですから、グローバル化から抜け出すということは、先進国、特に米国が労働者階級、つまり工業を担う階級を復活させることを意味します。 問題は、米国の人々にとっては生産の現場で働くより、強力な軍隊を持ち、基軸通貨であるドルを印刷するほうがよっぽど簡単だということです。 繰り返しますが、私は楽観的ではありません。 これが今、われわれが世界規模で直面する大きな戦いの背後にあることだと思います。米国にとって、グローバル化から抜け出すことは簡単ではありません。(エマニュエル・トッド氏の略歴はリンク先参照)』、「最初のグローバル化は、1914年の第一次世界大戦の前でした。それは英国によるものでした。英国は、産業と金融で非常に進んでおり、強力な海軍を持っていました。 英国は最初のグローバル化のリーダーであり、主要なアクターでした」、「第二のグローバル化は、まさに米国の力によるものでした。米国の力は現在、弱体化はしたものの、依然として存在します。 ですから、グローバル化から抜け出すということは、先進国、特に米国が労働者階級、つまり工業を担う階級を復活させることを意味します。 問題は、米国の人々にとっては生産の現場で働くより、強力な軍隊を持ち、基軸通貨であるドルを印刷するほうがよっぽど簡単だということ」、「基軸通貨であるドルを印刷」するといっても、必要以上に「ドルを印刷」すれば、「ドル」は安くなる筈で、全く自由に「印刷」できるわけではない。ただ、「米国の人々にとっては生産の現場で働く」ことに戻るとは考え難い。「米国が労働者階級、つまり工業を担う階級を復活させる」、「グローバル化から抜け出す」、ことも考え難い。
タグ:「40年にわたりグローバリゼーションを擁護してきたダボス会議の面々は、明らかに舵(かじ)取りを誤った。ダボス会議は、先進国、途上国を問わず繁栄を約束してきた。しかし、北半球の巨大企業が豊かになる一方で、すべての人がより良くなるはずのプロセスは、代わりにあらゆる場所で敵を作っただけだった。「トリクルダウン経済学」とは、富裕層が豊かになれば、自動的にすべての人が恩恵を受けるというものだが、理論も根拠もない詐欺のようなものだ」、「グローバリゼーションがピークに達した今、その衰退を管理することが、その隆盛を管理し 「米国にとって最善の方法は、食料とエネルギーのコスト高騰に対処できるよう支援することで、新興国に対してより大きな連帯感を示すことであろう。これは、富裕国の特別引き出し権(国際通貨基金の準備資産)を再配分し、世界貿易機関(WTO)で新型コロナウイルス関連の強力な知的財産権の放棄を支持すれば、可能になる」、 誰もが国境のない世界を目指しているように見えた時代は過ぎ去り、突然、誰もが少なくともいくつかの国の国境が経済発展と安全保障の鍵であることを認識するようになった」、「市場はリスクの「値付け」をうまくできない・・・例えばドイツは、明らかに信頼がおけない貿易相手国のロシアからガス供給を受け、依存することを選択した。今、ドイツは、予想され、かつ予測可能であった結果に直面している」、なるほど。 「これまでのフォーラムは、グローバル化を擁護してきた。だが今回は、サプライチェーンの寸断、食料やエネルギー価格の高騰、一部の製薬会社が数十億の追加利益を得るために何十億もの人々が新型コロナウイルスワクチンを手にすることができない知的財産権(IP)体制などといった、グローバル化の失敗に主眼を置いていた」、「こうした諸問題への対応策として提案されたのは、生産の「再集積」または「友好国化」、さらに「国の生産能力を高めるための産業政策」の制定だ。 ジョセフ E.スティグリッツ氏による「スティグリッツ氏「『脱グローバル化』を正しく理解しよう」」 日経ビジネスオンライン 「最初のグローバル化は、1914年の第一次世界大戦の前でした。それは英国によるものでした。英国は、産業と金融で非常に進んでおり、強力な海軍を持っていました。 英国は最初のグローバル化のリーダーであり、主要なアクターでした」、「第二のグローバル化は、まさに米国の力によるものでした。米国の力は現在、弱体化はしたものの、依然として存在します。 「第三次産業にふさわしい教育を受けた労働者を製造現場の労働者階級に変えることはできますか?」、「これが不可能である」、「もはや数学者も十分には生み出しておらず、中国から「輸入」しなければなりません・・・米国のエンジニアの半数が「輸入」、そしてその大きな部分は中国から「輸入」されています」、「米中間の相互依存があります。グローバル化は今も続いており、抜け出すのは非常に困難です」、なるほど。 「世界の労働者階級のおそらく25%は中国にいます・・・もう一つの大きな部分はインドなどです」、「欧米や日本といった先進国の経済は、工業・・・から脱却し、サービスや研究などに集中」、「iPhoneの付加価値に占める中国の割合は25%に達しています。中国はもはや、単に組み立てラインを担うだけではなく、価値を生み出す場になっている」、なるほど。 エマニュエル・トッド氏による「エマニュエル・トッドが「グローバル化の夢は死にかけている」と語る真意」 ダイヤモンド・オンライン たときよりもうまくいくことを願うばかりである」、同感である。 (その2)(スティグリッツ氏「『脱グローバル化』を正しく理解しよう」、エマニュエル・トッドが「グローバル化の夢は死にかけている」と語る真意) グローバル化 ですから、グローバル化から抜け出すということは、先進国、特に米国が労働者階級、つまり工業を担う階級を復活させることを意味します。 問題は、米国の人々にとっては生産の現場で働くより、強力な軍隊を持ち、基軸通貨であるドルを印刷するほうがよっぽど簡単だということ」、「基軸通貨であるドルを印刷」するといっても、必要以上に「ドルを印刷」すれば、「ドル」は安くなる筈で、全く自由に「印刷」できるわけではない。ただ、「米国の人々にとっては生産の現場で働く」ことに戻るとは考え難い。 「米国が労働者階級、つまり工業を担う階級を復活させる」、「グローバル化から抜け出す」、ことも考え難い。
nice!(0)  コメント(0) 

nice! 0

コメント 0

コメントを書く

お名前:
URL:
コメント:
画像認証:
下の画像に表示されている文字を入力してください。

※ブログオーナーが承認したコメントのみ表示されます。